JP2024507580A - 間質性肺疾患の処置のためのバイオマーカー - Google Patents

間質性肺疾患の処置のためのバイオマーカー Download PDF

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Abstract

本開示は、間質性肺疾患を有する対象におけるカベオリン-1ペプチド療法に関連するバイオマーカーを提供する。特に、本開示は、特発性肺線維症を有する対象におけるカベオリン-1ペプチド療法に関連するMYDGF、可溶性RAGE、pSMAD2/3、及びPDGFRβなどのバイオマーカーを記載する。これらのバイオマーカーは、間質性肺疾患を有する対象におけるカベオリン-1-ペプチド療法の有効性、モニタリング、及び最適な投与を決定するために使用され得る。

Description

関連出願への相互参照
[0001] 本出願は、2021年2月25日に出願された米国仮特許出願第63/153,565号、及び2021年10月22日に出願された米国仮特許出願第63/270,867号に対する優先権の利益を主張し、その全体が参照により本明細書に援用される。
技術分野
[0002] 本開示は、一般に、医学、肺疾患、及びタンパク質生物学の分野に関する。特に、本開示は、特発性肺線維症などの間質性肺疾患の処置のためのカベオリン-1ペプチド療法に関連するバイオマーカーに関する。
配列表
[0003] 本出願に関連する配列表は、紙のコピーの代わりにテキスト形式で提供され、参照により本明細書に援用される。配列表を含むテキストファイルの名称は、LUTX_020_02WO_SeqList_ST25.txtである。テキストファイルのサイズは約31KBで、2022年2月25日に作成され、EFS-Web経由で電子的に送信されている。
背景
[0004] 間質性肺疾患(ILD)は、肺の空気嚢周囲の組織及び空間の線維化及び炎症を引き起こす200を超える呼吸器疾患の群である。特発性肺線維症(IPF)は、ILDの一種であり、米国で200,000人超、60歳超の成人200人に1人が罹患していると推定される。IPFは、肺実質の進行性間質線維症を特徴とし、この間質線維症は肺機能の喪失をもたらし、ほとんどの患者で呼吸不全により死に至る。診断時からの生存期間中央値は2~3年である(Raghu et al., Am J Respir Crit Care Med 183:788-824 (2011))。IPFの病因並びに主要な分子的及び病態生理学的要因は不明である。
[0005] ピルフェニドン及びニンテダニブは、米国でIPFの処置剤としてFDAによって承認されている。ピルフェニドンは、トランスフォーミング成長因子ベータ1(TGF-β1)刺激によるコラーゲン合成を抑制し、炎症誘発性サイトカインを下方制御する。ニンテダニブは、抗線維化特性を持つ広域チロシンキナーゼ阻害剤である。どちらの化合物もIPFを有する患者の疾患の進行を遅らせることが示されているが、どちらの処置も治癒的であることは知られておらず、多くの患者は生活の質を低下させる副作用を経験している。肺移植はIPFの選択肢の1つであるが、高額であり、且つ肺移植レシピエントのおよそ50%のみが5年まで生存するため、相当な死亡率と関連する。
[0006] カベオリン-1は、TGF-βシグナル伝達などの一連の主要な調節経路に関与することにより線維症プロセスにおいて恒常性維持機能を有する内在性膜タンパク質である(Shihata et al., Front.Pharmacol.2017; 8:567;及びGvaramia et al., Matrix Biol, 2013:32(6):307-315)。内因性カベオリン-1は、IPFのブレオマイシン誘発動物モデル及びIPF患者における線維化肺において構成的に抑制された(Wang et al., J Exp Med, 2006; 203(13):2895-2906;Sanders et al., PLoS One, 2015; 10(2), e0116995;及びSanders et al., Am J Respir Cell Mol Biol, 2017; 56(1):50-61)。全長カベオリン-1タンパク質は、安定性、送達、コスト、自己免疫原性を含む、タンパク質薬に固有の懸念のために、あまり望ましい医薬品候補ではない可能性がある。したがって、カベオリン足場ドメインペプチド(CSP)などのカベオリン-1の断片が研究され、全長カベオリン-1タンパク質の有効な代替物であることが見出された。特に、CSPの20mer形態は、動物モデルにおいて線維症を予防、制限、又は逆転させることが示されており、CSP-7と呼ばれるCSPの7アミノ酸断片は、インビトロ及びインビボの両方で線維症の低下を促進するのに十分な効果があった(Marudamuthu et al., Sci Transl Med, 2019; 11(522), eaat2848)。その結果、CSPは、IPFなどの線維性疾患の処置に有望な治療剤として特定された。
[0007] IPFを有する患者におけるカベオリン-1ペプチド療法に関連するバイオマーカーはまだ特定されていない。これらのバイオマーカーは、カベオリン-1ペプチド療法の有効性を決定又は予測するために使用できる可能性がある。これらのバイオマーカーは、IPFを有する患者におけるカベオリン-1ペプチド療法の最適用量を決定するために使用することもできる。
[0008] したがって、当技術分野において、IPFなどの間質性肺疾患を有する患者におけるカベオリン-1ペプチド療法に関連するバイオマーカーを特定する必要がある。
開示の概要
[0009] 本開示は、カベオリン-1ペプチド療法で対象を処置する方法を提供し、ここで、対象は、線維症を患っており、本方法は、(a)対象から生体試料を取得するか、又は取得したステップ;(b)生体試料の細胞をカベオリン-1ペプチド又はその誘導体で処理するか、又は処理したステップ;(c)細胞中のバイオマーカーの発現レベルを測定するステップ;及び(d)バイオマーカーの発現レベルを対照試料と比較するステップを含み;バイオマーカーは、骨髄由来成長因子(MYDGF)、可溶性RAGE、リン酸化マザーズ・アゲインスト・デカペンタプレジック・ホモログ2/3(pSMAD2/3)、血小板由来成長因子受容体ベータ(PDGFRβ)、ガレクチン-7(LGALS7)、インターロイキン-11(IL-11)、マトリックスメタロプロテイナーゼ-2(MMP-2)、ケモカインリガンド7(CXCL-7)、可溶性CD163、リン酸化mTOR(p-mTOR)、リン酸化PDGFRβ(pPDGFRβ)、プロリフィン(prolifin)(PROF1)、カルモジュリン2(CALM2)、カルレティキュリン(CALR)、ペプチジル-プロリル シス-トランスイソメラーゼA(PPIA)、又は真核生物翻訳開始因子5A(EIF5A1)であり;
[0010] MYDGF、PROF1、CALM2、CALR、PPIA、IF5A1、LGALS7、可溶性RAGE、又はEIF5A1の発現レベルが増加した場合、カベオリン-1ペプチド又はその誘導体を対象に投与するか;又は
[0011] PDGFRβ、pPDGFRβ、p-mTOR、CALR、IL-11、MMP-2、CXCL7、可溶性CD163、又はpSMAD2/3の発現レベルが低下した場合、カベオリン-1ペプチド又はその誘導体を対象に投与する。
[0012] 本開示はまた、カベオリン-1ペプチド療法に関連するバイオマーカーの発現レベルの変化を特定する方法を提供し;本方法は、(a)間質性肺疾患を有する対象の細胞をカベオリン-1ペプチド又はその誘導体で処置すること;(b)細胞中のバイオマーカーの発現レベルを測定すること;及び(c)バイオマーカーの発現レベルを対照試料と比較することを含み;ここで、カベオリン-1ペプチド又はその誘導体は、細胞中のバイオマーカーの発現レベルを調節し;バイオマーカーは、骨髄由来成長因子(MYDGF)、可溶性RAGE、リン酸化マザーズ・アゲインスト・デカペンタプレジック・ホモログ2/3(pSMAD2/3)、血小板由来成長因子受容体ベータ(PDGFRβ)、リン酸化PDGFRβ(pPDGFRβ)、リン酸化mTOR(p-mTOR)、ガレクチン-7(LGALS7)、インターロイキン-11(IL-11)、マトリックスメタロプロテイナーゼ-2(MMP-2)、ケモカインリガンド7(CXCL-7)、可溶性CD163(sCD163)、プロリフィン(prolifin)(PROF1)、カルモジュリン2(CALM2)、カルレティキュリン(CALR)、ペプチジル-プロリル シス-トランスイソメラーゼA(PPIA)、又は真核生物翻訳開始因子5A(EIF5A1)である。いくつかの実施形態では、本方法のステップ(a)~(c)は、1回又は複数回繰り返される。
[0013] いくつかの実施形態では、対照試料は、カベオリン-1ペプチド又はその誘導体による処置の前に、間質性肺疾患を有する対象から取得された細胞である。いくつかの実施形態では、対照試料は、間質性肺疾患を有する対象又は対象の集団から取得された細胞である。いくつかの実施形態では、対照試料は、健康な対象から取得された細胞である。
[0014] いくつかの実施形態では、細胞は、線維芽細胞、I型肺胞上皮細胞、II型肺胞上皮細胞、基底様細胞、クララ細胞、繊毛細胞、クラブ細胞、杯細胞、神経内分泌細胞、内皮細胞、双肺胞(bialveolar)幹細胞、マクロファージ、肺胞マクロファージ、イオノサイト、周皮細胞、中皮細胞、間葉細胞、神経内分泌細胞、筋線維芽細胞、B細胞、形質細胞、自然リンパ球、T細胞、単球、NK細胞、樹状細胞、又は末梢血単核球(PBMC)である。いくつかの実施形態では、細胞は、線維芽細胞である。いくつかの実施形態では、細胞は、基底様細胞である。いくつかの実施形態では、細胞は、エクスビボ又はインビトロで、カベオリン-1ペプチド又はその誘導体で処置される。いくつかの実施形態では、細胞は、間質性肺疾患を有する対象から取得される。
[0015] いくつかの実施形態では、カベオリン-1ペプチド又はその誘導体は、FTTFTVT(配列番号3)である。いくつかの実施形態では、カベオリン-1ペプチド又はその誘導体は、Ac-aaEGKASFTTFTVTKGSaaNH2(配列番号4)である。
[0016] いくつかの実施形態では、対象は、ヒトである。
[0017] いくつかの実施形態では、ILDは、特発性肺線維症、リンパ脈管筋腫症、非特異的間質性肺炎、特発性間質性肺炎、特発性器質化肺炎、急性間質性肺疾患、呼吸細気管支炎関連間質性肺疾患、剥離性間質性肺炎、リンパ球性間質性肺炎、肺サルコイドーシス、びまん性肺胞損傷、全身性硬化症、多発性筋炎、全身性エリテマトーデス、関節リウマチ、薬物性ILD、又は職業性ILDである。いくつかの実施形態では、ILDは、特発性肺線維症である。
[0018] いくつかの実施形態では、バイオマーカーの発現レベルは、二次元ゲル電気泳動、ウェスタンブロット、質量分析、フローサイトメトリー、定量RT-PCR、ELISA、及び/又はラテラルフローイムノアッセイによって測定される。
[0019] いくつかの実施形態では、MYDGF、PROF1、CALM2、CALR、PPIA、IF5A1、LGALS7、可溶性RAGE、又はEIF5A1の発現レベルの増加は、カベオリン-1療法に関連している。いくつかの実施形態では、PDGFRβ、pPDGFRβ、p-mTOR、CALR、IL-11、MMP-2、CXCL7、sCD163、又はpSMAD2/3の発現レベルの減少は、カベオリン-1療法に関連している。いくつかの実施形態では、MYDGFの発現レベルは、対照試料と比較して増加する。いくつかの実施形態では、MYDGFの発現レベルは、対照試料と比較して、約1.5倍、約2倍、約3倍、約4倍、約5倍、又はそれを超えて増加する。いくつかの実施形態では、可溶性RAGEの発現レベルは、対照試料と比較して増加する。いくつかの実施形態では、可溶性RAGEの発現レベルは、対照試料と比較して、約1.5倍、約2倍、約3倍、約4倍、約5倍、又はそれを超えて増加する。いくつかの実施形態では、pSMAD2/3の発現レベルは、対照試料と比較して減少する。いくつかの実施形態では、pSMAD2/3の発現レベルは、対照試料と比較して、約10%、約25%、約50%、約75%、約90%、又はそれを超えて減少する。いくつかの実施形態では、PDGFRβの発現レベルは、対照試料と比較して減少する。いくつかの実施形態では、PDGFRβの発現レベルは、対照試料と比較して、約10%、約25%、約50%、約75%、約90%、又はそれを超えて減少する。
[0020] いくつかの実施形態では、本方法は、内部対照の発現レベルを測定することをさらに含み、ここで、内部対照の発現レベルは、カベオリン-1ペプチド又はその誘導体によって影響を受けない。
[0021] いくつかの実施形態では、本開示は、治療活性剤の有効性を予測又は決定する方法を提供し、本方法は、(a)間質性肺疾患を有する対象の細胞を治療活性剤で処置すること;(b)対象の細胞中のバイオマーカーの発現レベルを測定することであって;バイオマーカーが、MYDGF、可溶性RAGE、pSMAD2/3、PDGFRβ、pPDGFRβ、p-mTOR、LGALS7、IL-11、MMP-2、CXCL7、sCD163、PROF1、CALM2、CALR、PPIA、又はEIF5A1であること;及び(c)バイオマーカーの発現レベルを対照試料と比較することを含む。いくつかの実施形態では、本方法のステップ(a)~(c)は、1回又は複数回繰り返される。
[0022] いくつかの実施形態では、対照試料は、治療活性剤による処置前に間質性肺疾患を有する対象から取得された細胞である。いくつかの実施形態では、対照試料は、間質性肺疾患を有する対象又は対象の集団から取得された細胞である。いくつかの実施形態では、対照試料は、健康な対象から取得された細胞である。
[0023] いくつかの実施形態では、細胞は、線維芽細胞、I型肺胞上皮細胞、II型肺胞上皮細胞、基底様細胞、クララ細胞、繊毛細胞、クラブ細胞、杯細胞、神経内分泌細胞、内皮細胞、双肺胞幹細胞、マクロファージ、肺胞マクロファージ、イオノサイト、周皮細胞、中皮細胞、間葉細胞、神経内分泌細胞、筋線維芽細胞、B細胞、形質細胞、自然リンパ球、T細胞、単球、NK細胞、樹状細胞、又は末梢血単核球(PBMC)である。いくつかの実施形態では、細胞は、線維芽細胞である。いくつかの実施形態では、細胞は、基底様細胞である。いくつかの実施形態では、細胞は、エクスビボ又はインビトロで、治療活性剤で処置される。いくつかの実施形態では、細胞は、間質性肺疾患を有する対象から取得される。
[0024] いくつかの実施形態では、治療活性剤は、小分子である。いくつかの実施形態では、治療活性剤は、生物学的薬剤である。いくつかの実施形態では、生物学的薬剤は、カベオリン-1ペプチド又はその誘導体である。いくつかの実施形態では、カベオリン-1ペプチド又はその誘導体は、FTTFTVT(配列番号3)である。いくつかの実施形態では、カベオリン-1ペプチド又はその誘導体は、Ac-aaEGKASFTTFTVTKGSaaNH2(配列番号4)である。
[0025] いくつかの実施形態では、間質性肺疾患は、特発性肺線維症、リンパ脈管筋腫症、非特異的間質性肺炎、特発性間質性肺炎、特発性器質化肺炎、急性間質性肺疾患、呼吸細気管支炎関連間質性肺疾患、剥離性間質性肺炎、リンパ球性間質性肺炎、肺サルコイドーシス、びまん性肺胞損傷、全身性硬化症、多発性筋炎、全身性エリテマトーデス、関節リウマチ、薬物性間質性肺疾患、又は職業性間質性肺疾患である。いくつかの実施形態では、間質性肺疾患は、特発性肺線維症である。
[0026] いくつかの実施形態では、バイオマーカーの発現レベルは、二次元ゲル電気泳動、ウェスタンブロット、質量分析、フローサイトメトリー、定量RT-PCR、ELISA、及び/又はラテラルフローイムノアッセイによって測定される。
[0027] いくつかの実施形態では、MYDGF、PROF1、CALM2、CALR、PPIA、IF5A1、LGALS7、可溶性RAGE、又はEIF5A1の発現レベルの増加は、治療活性剤に対する好ましい反応を示す。いくつかの実施形態では、PDGFRβ、pPDGFRβ、p-mTOR、pSMAD2/3、IL-11、MMP-2、CXCL7、sCD163、又はCALRの発現レベルの減少は、治療活性剤に対する好ましい反応を示す。いくつかの実施形態では、MYDGFの発現レベルは、対照試料と比較して増加する。いくつかの実施形態では、MYDGFの発現レベルは、対照試料と比較して、約1.5倍、約2倍、約3倍、約4倍、約5倍、又はそれを超えて増加する。いくつかの実施形態では、可溶性RAGEの発現レベルは、対照試料と比較して増加する。いくつかの実施形態では、可溶性RAGEの発現レベルは、対照試料と比較して、約1.5倍、約2倍、約3倍、約4倍、約5倍、又はそれを超えて増加する。いくつかの実施形態では、pSMAD2/3の発現レベルは、対照試料と比較して減少する。いくつかの実施形態では、pSMAD2/3の発現レベルは、対照試料と比較して、約10%、約25%、約50%、約75%、約90%、又はそれを超えて減少する。いくつかの実施形態では、PDGFRβの発現レベルは、対照試料と比較して減少する。いくつかの実施形態では、PDGFRβの発現レベルは、対照試料と比較して、約10%、約25%、約50%、約75%、約90%、又はそれを超えて減少する。
[0028] いくつかの実施形態では、本方法は、内部対照の発現レベルを測定することをさらに含み、ここで、内部対照の発現レベルは、治療活性剤によって影響を受けない。
[0029] いくつかの実施形態では、本開示は、カベオリン-1ペプチド又はその誘導体の有効性を予測又は決定する方法を提供し、本方法は、(a)線維症を有する対象からの生体試料をカベオリン-1ペプチド又はその誘導体で処置すること;(b)対象からの生体試料中のバイオマーカーの発現レベルを測定することであって;バイオマーカーが、MYDGF、可溶性RAGE、pSMAD2/3、PDGFRβ、pPDGFRβ、p-mTOR、LGALS7、IL-11、MMP-2、CXCL7、sCD163、PROF1、CALM2、CALR、PPIA、又はIF5A1であること;及び(c)バイオマーカーの発現レベルを対照試料と比較することを含む。いくつかの実施形態では、本方法のステップ(a)~(c)は、1回又は複数回繰り返される。
[0030] いくつかの実施形態では、対照試料は、カベオリン-1ペプチド又はその誘導体による処置の前に、線維症を有する対象から取得された生体試料である。いくつかの実施形態では、対照試料は、線維症を有する対象又は対象の集団から取得された生体試料である。いくつかの実施形態では、対照試料は、健康な対象から取得された生体試料である。
[0031] いくつかの実施形態では、生体試料は、気管支肺胞洗浄液(BALF)、肺組織、線維芽細胞、I型肺胞上皮細胞、II型肺胞上皮細胞、基底細胞、クララ細胞、繊毛細胞、クラブ細胞、杯細胞、神経内分泌細胞、内皮細胞、双肺胞幹細胞、マクロファージ、肺胞マクロファージ、イオノサイト、周皮細胞、中皮細胞、間葉細胞、神経内分泌細胞、筋線維芽細胞、B細胞、形質細胞、自然リンパ球、T細胞、単球、NK細胞、樹状細胞、又はPBMCである。いくつかの実施形態では、生体試料は、線維芽細胞である。いくつかの実施形態では、生体試料は、基底様細胞である。いくつかの実施形態では、生体試料は、肺組織である。いくつかの実施形態では、生体試料は、エクスビボ又はインビトロで、カベオリン-1ペプチド又はその誘導体で処置される。いくつかの実施形態では、生体試料は、線維症を有する対象から取得される。
[0032] いくつかの実施形態では、カベオリン-1ペプチド又はその誘導体は、FTTFTVT(配列番号3)である。いくつかの実施形態では、カベオリン-1ペプチド又はその誘導体は、Ac-aaEGKASFTTFTVTKGSaaNH2(配列番号4)である。
[0033] いくつかの実施形態では、線維症は、間質性肺疾患、肝線維症、腎線維症、皮膚線維症、糸球体腎炎、全身性硬化症、心臓線維症、心筋線維症、腎臓線維症、肝硬変、腎硬化症、動脈硬化症、黄斑変性症、眼瘢痕、白内障、網膜及び硝子体網膜症、グレーブス眼症、神経線維腫症、強皮症、膠芽腫、ケロイド及び肥厚性瘢痕、腹膜線維性疾患、慢性閉塞性肺疾患、術後筋腫、糖尿病性腎症、婦人科癌、骨髄増殖症候群、骨髄性白血病、骨髄異形成症候群、炎症性腸疾患、非アルコール性脂肪肝疾患、線維肉腫、関節リウマチ、非アルコール性脂肪性肝炎、アルポート症候群、又は慢性COVID症候群である。
[0034] いくつかの実施形態では、間質性肺疾患は、特発性肺線維症、リンパ脈管筋腫症、非特異的間質性肺炎、特発性間質性肺炎、特発性器質化肺炎、急性間質性肺疾患、呼吸細気管支炎関連間質性肺疾患、剥離性間質性肺炎、リンパ球性間質性肺炎、肺サルコイドーシス、びまん性肺胞損傷、全身性硬化症、多発性筋炎、全身性エリテマトーデス、関節リウマチ、薬物性間質性肺疾患、又は職業性間質性肺疾患である。いくつかの実施形態では、間質性肺疾患は、特発性肺線維症である。
[0035] いくつかの実施形態では、バイオマーカーの発現レベルは、二次元ゲル電気泳動、ウェスタンブロット、質量分析、フローサイトメトリー、定量RT-PCR、ELISA、及び/又はラテラルフローイムノアッセイによって測定される。
[0036] いくつかの実施形態では、MYDGF、PROF1、CALM2、CALR、PPIA、IF5A1、LGALS7、及び可溶性RAGEの発現レベルの増加は、カベオリン-1ペプチド又はその誘導体に対する好ましい反応を示す。いくつかの実施形態では、PDGFRβ、pPDGFRβ、p-mTOR、CALR、IL-11、MMP-2、CXCL7、sCD163、又はpSMAD2/3の発現レベルの減少は、カベオリン-1ペプチド又はその誘導体に対する好ましい反応を示す。いくつかの実施形態では、MYDGFの発現レベルは、対照試料と比較して増加する。いくつかの実施形態では、MYDGFの発現レベルは、対照試料と比較して、約1.5倍、約2倍、約3倍、約4倍、約5倍、又はそれを超えて増加する。いくつかの実施形態では、可溶性RAGEの発現レベルは、対照試料と比較して増加する。いくつかの実施形態では、可溶性RAGEの発現レベルは、対照試料と比較して、約1.5倍、約2倍、約3倍、約4倍、約5倍、又はそれを超えて増加する。いくつかの実施形態では、pSMAD2/3の発現レベルは、対照試料と比較して減少する。いくつかの実施形態では、pSMAD2/3の発現レベルは、対照試料と比較して、約10%、約25%、約50%、約75%、約90%、又はそれを超えて減少する。いくつかの実施形態では、PDGFRβの発現レベルは、対照試料と比較して減少する。いくつかの実施形態では、PDGFRβの発現レベルは、対照試料と比較して、約10%、約25%、約50%、約75%、約90%、又はそれを超えて減少する。
[0037] いくつかの実施形態では、本方法は、内部対照の発現レベルを測定することをさらに含み、ここで、内部対照の発現レベルは、カベオリン-1ペプチド又はその誘導体によって影響を受けない。
[0038] いくつかの実施形態では、本開示は、線維症を有する対象におけるカベオリン-1ペプチド又はその誘導体の有効性を予測又は決定する方法を提供し、本方法は、(a)カベオリン-1ペプチド又はその誘導体による処置の前に対象からの第1の生体試料を取得すること;(b)対象にカベオリン-1ペプチド又はその誘導体を投与すること;(c)カベオリン-1ペプチド又はその誘導体による処置の後に対象からの第2の生体試料を取得すること;(d)第1の生体試料及び第2の生体試料中のバイオマーカーの発現レベルを測定することであって;バイオマーカーが、MYDGF、可溶性RAGE、pSMAD2/3、PDGFRβ、pPDGFRβ、p-mTOR、LGALS7、IL-11、MMP-2、CXCL7、sCD163、PROF1、CALM2、CALR、PPIA、又はIF5A1であること;並びに(e)第1の生体試料中のバイオマーカーの発現レベルを第2の生体試料中のバイオマーカーの発現レベルと比較することを含む。いくつかの実施形態では、方法のステップ(a)は、カベオリン-1ペプチド又はその誘導体による処置の前に、対照試料と比較して、第1の生体試料におけるバイオマーカーの発現レベルを決定することをさらに含む。いくつかの実施形態では、ステップ(a)の第1の生体試料中のバイオマーカーの発現レベルを使用して、ステップ(b)で投与されるカベオリン-1ペプチド又はその誘導体の最適用量を決定する。
[0039] いくつかの実施形態では、対照試料は、線維症を有する対象又は対象の集団から取得された生体試料である。
[0040] いくつかの実施形態では、生体試料は、血清、血漿、BALF、肺組織、線維芽細胞、I型肺胞上皮細胞、II型肺胞上皮細胞、基底細胞、クララ細胞、繊毛細胞、クラブ細胞、杯細胞、神経内分泌細胞、内皮細胞、双肺胞幹細胞、マクロファージ、肺胞マクロファージ、イオノサイト、周皮細胞、中皮細胞、間葉細胞、神経内分泌細胞、筋線維芽細胞、B細胞、形質細胞、自然リンパ球、T細胞、単球、NK細胞、樹状細胞、又はPBMCである。いくつかの実施形態では、生体試料は、血清である。いくつかの実施形態では、生体試料は、血漿である。いくつかの実施形態では、生体試料は、線維芽細胞、基底様細胞、又はPBMCである。
[0041] いくつかの実施形態では、カベオリン-1ペプチド又はその誘導体は、FTTFTVT(配列番号3)である。いくつかの実施形態では、カベオリン-1ペプチド又はその誘導体は、Ac-aaEGKASFTTFTVTKGSaaNH2(配列番号4)である。
[0042] いくつかの実施形態では、線維症は、間質性肺疾患、肝線維症、腎線維症、皮膚線維症、糸球体腎炎、全身性硬化症、心臓線維症、心筋線維症、腎臓線維症、肝硬変、腎硬化症、動脈硬化症、黄斑変性症、眼瘢痕、白内障、網膜及び硝子体網膜症、グレーブス眼症、神経線維腫症、強皮症、膠芽腫、ケロイド及び肥厚性瘢痕、腹膜線維性疾患、慢性閉塞性肺疾患、術後筋腫、糖尿病性腎症、婦人科癌、骨髄増殖症候群、骨髄性白血病、骨髄異形成症候群、炎症性腸疾患、非アルコール性脂肪肝疾患、線維肉腫、関節リウマチ、非アルコール性脂肪性肝炎、アルポート症候群、又は慢性COVID症候群である。
[0043] いくつかの実施形態では、間質性肺疾患は、特発性肺線維症、家族性肺線維症、特発性非特異的間質性肺炎、従来型間質性肺疾患、特発性器質化肺炎、又はサルコイドーシスである。いくつかの実施形態では、間質性肺疾患は、特発性肺線維症である。
[0044] いくつかの実施形態では、第1及び第2の生体試料中のバイオマーカーの発現レベルは、二次元ゲル電気泳動、ウェスタンブロット、質量分析、フローサイトメトリー、定量RT-PCR、ELISA、及び/又はラテラルフローイムノアッセイによって測定される。
[0045] いくつかの実施形態では、MYDGF、PROF1、CALM2、CALR、PPIA、IF5A1、LGALS7、可溶性RAGE、又はEIF5A1の発現レベルの増加は、カベオリン-1ペプチド又はその誘導体に対する好ましい反応を示す。いくつかの実施形態では、PDGFRβ、pPDGFRβ、p-mTOR、CALR、IL-11、MMP-2、CXCL7、sCD163、又はpSMAD2/3の発現レベルの減少は、カベオリン-1ペプチド又はその誘導体に対する好ましい反応を示す。
[0046] いくつかの実施形態では、カベオリン-1ペプチド又はその誘導体は、約0.01mg/kg~約250mg/kgの用量で対象に投与される。いくつかの実施形態では、カベオリン-1ペプチド又はその誘導体は、約0.05mg/kg~約50mg/kgの用量で対象に投与される。
[0047] いくつかの実施形態では、カベオリン-1ペプチド又はその誘導体は、吸入、静脈内、皮下、経口、腹腔内、舌下、頬側、又は筋肉内によって対象に投与される。
[0048] いくつかの実施形態では、方法は、カベオリン-1ペプチド又はその誘導体を1日1回、1週間に1回、1週間に2回、1週間に3回、1週間に5回、2週間に1回、又は1ヶ月に1回対象に投与することを含む。
[0049] いくつかの実施形態では、第2の生体試料は、カベオリン-1ペプチド又はその誘導体の投与後、1時間、3時間、6時間、12時間、1日、2日、3日、4日、5日、1週間、2週間、3週間、1ヶ月、6ヶ月、又は1年で対象から取得される。
[0050] いくつかの実施形態では、方法は、カベオリン-1ペプチド又はその誘導体の投与の後に、1又は複数の追加の生体試料を取得することをさらに含む。いくつかの実施形態では、1又は複数の追加の生体試料中のバイオマーカーの発現レベルは、第1の生体試料中のバイオマーカーの発現レベルと比較して増加し;1又は複数の追加の生体試料におけるバイオマーカーの発現レベルの増加は、カベオリン-1ペプチド又はその誘導体に対する好ましい反応を示す。いくつかの実施形態では、1又は複数の追加の生体試料中のバイオマーカーの発現レベルは、第1の生体試料中のバイオマーカーの発現レベルと比較して減少し;1又は複数の追加の生体試料におけるバイオマーカーの発現レベルの減少は、カベオリン-1ペプチド又はその誘導体に対する好ましい反応を示す。
[0051] いくつかの実施形態では、第2の生体試料中のMYDGFの発現レベルは、第1の生体試料と比較して増加する。いくつかの実施形態では、第2の生体試料中のMYDGFの発現レベルは、第1の生体試料と比較して、約1.5倍、約2倍、約3倍、約4倍、約5倍、又はそれを超えて増加する。いくつかの実施形態では、第2の生体試料中の可溶性RAGEの発現レベルは、第1の生体試料と比較して増加する。いくつかの実施形態では、第2の生体試料中の可溶性RAGEの発現レベルは、第1の生体試料と比較して、約1.5倍、約2倍、約3倍、約4倍、約5倍、又はそれを超えて増加する。いくつかの実施形態では、pSMAD2/3の発現レベルは、対照試料と比較して減少する。いくつかの実施形態では、pSMAD2/3の発現レベルは、対照試料と比較して、約10%、約25%、約50%、約75%、約90%、又はそれを超えて減少する。いくつかの実施形態では、第2の生体試料中のPDGFRβの発現レベルは、第1の生体試料と比較して、第2の生体試料において減少する。いくつかの実施形態では、第2の生体試料中のPDGFRβの発現レベルは、第1の生体試料と比較して、約10%、約25%、約50%、約75%、約90%、又はそれを超えて減少する。
[0052] いくつかの実施形態では、第2の生体試料中のバイオマーカーの発現レベルを使用して、カベオリン-1ペプチド又はその誘導体の最適用量を決定する。
図面の簡単な説明
[0053]図1Aは、IPF患者からの上皮細胞におけるMYDGF発現を示す。上皮細胞を、1%DMSOビヒクル、CSP-7(10μM)、Var55(10μM)、対照ペプチド1(CP1、10μM)、対照ペプチド2(CP2、10μM)、ピルフェニドン(500μM)、又はニンテダニブ(100nM)で処置した。上皮細胞上清中のMYDGF発現をELISAにより測定した。 [0053]図1Bは、IPF患者からの上皮細胞におけるMYDGF発現を示す。上皮細胞を、1%DMSOビヒクル、CSP-7(10μM)、Var55(10μM)、対照ペプチド1(CP1、10μM)、対照ペプチド2(CP2、10μM)、ピルフェニドン(500μM)、又はニンテダニブ(100nM)で処置した。上皮細胞上清中のMYDGF発現をELISAにより測定した。 [0054]図2は、エクスビボで、ヒトIPF肺組織で治療剤を試験する概略図を示す。IPFを有するヒト対象から新鮮な肺を取得し、肺コアを穿孔し、Krumdieckスライサーに移す。精密切断肺切片(PCLS)は、ヒト血清及び培養培地とともに最長1ヶ月間生きた状態に保たれ、治療剤、例えば、CSP-7が複数の細胞型で構成される疾患臓器に対して直接テストされる。 [0055]図3Aは、IPF精密切断肺切片(PCLS)の上清における可溶性RAGE発現を示す。PCLSは、未処置(UT)であるか、又はCSP-7(10μM又は100μM)、対照ペプチド(CP、100μM)、TGFβ(2ng/mL)、若しくはピルフェニドン(Pirf、500μM)及びニンテダニブ(Nin、100nM)で処置された。可溶性RAGE発現は、ELISAによる処置後2日目及び4日目にIPF PCLSの上清中で測定した。 [0055]図3Bは、IPF精密切断肺切片(PCLS)の上清における可溶性RAGE発現を示す。PCLSは、未処置(UT)であるか、又はCSP-7(10μM又は100μM)、対照ペプチド(CP、100μM)、TGFβ(2ng/mL)、若しくはピルフェニドン(Pirf、500μM)及びニンテダニブ(Nin、100nM)で処置された。可溶性RAGE発現は、ELISAによる処置後2日目及び4日目にIPF PCLSの上清中で測定した。 [0055]図3Cは、IPF PCLSにおける可溶性RAGE発現に対する異なる濃度のCSP-7(0.001μM~100μM)の効果を示す。可溶性RAGE発現は、ELISAによる処置後2日目及び4日目にIPF PCLSの上清中で測定した。 [0056]図4Aは、末期IPF精密切断肺切片(PCLS)における乳酸デヒドロゲナーゼ(LDH)活性を示す。PCLSは、未処置であるか、又はCSP-7(10μM又は100μM)、対照ペプチド(CP、100μM)、TGFβ(2ng/mL)、若しくはピルフェニドン(Pirf、500μM)及びニンテダニブ(Nin、100nM)で処置された。処置後2日目(左パネル)又は4日目(右パネル)に、IPF PCLSの上清中のLDH活性を測定した。 [0056]図4Bは、未処置(UT)又は異なる濃度のCSP-7(0.001μM~100μM)で処置した末期IPFPCLSにおけるLDH活性を示す。処置後2日目(左パネル)又は4日目(右パネル)に、IPF PCLSの上清中のLDH活性を測定した。 [0057]図5は、CSP-7の吸入後1日目及び13日目の健康な対象の血漿中の可溶性RAGE発現を示す。可溶性RAGE発現は、ELISAによって測定された。 [0058]図6Aは、3つの生物学的複製からの末期IPF精密切断肺切片(PCLS)におけるPDGFRB発現を示す。PCLSは、CSP-7(10μM又は100μM)、対照ペプチド(CP、100μM)、TGFβ(2ng/mL)、ピルフェニドン(500μM)、又はニンテダニブ(100nM)で処置された。タンパク質発現は、ウェスタンブロットによって測定された。ベータアクチンを内因性対照として使用した。 [0058]図6Bは、末期IPF精密切断肺切片(PCLS)における相対的なPDGFRBタンパク質発現を示す。PCLSは、CSP-7(10μM又は100μM)、対照ペプチド(CP、100μM)、TGFβ(2ng/mL)、又はピルフェニドン(Pirf、500μM)及びニンテダニブ(Nin、100nM)で処置された。相対的タンパク質発現は、図6Aに示されるデータを使用して決定された。*P≦0.05及び**P≦0.01。 [0059]図7Aは、IPF線維芽細胞におけるpSMAD2/3のリン酸化を示す。IPF線維芽細胞を、DMEM、1%DMSOビヒクル、CSP-7(10μM)、Var55(10μM)、ピルフェニドン(500μM)、又はニンテダニブ(100nM)で処置した。SMAD2/3リン酸化は、処置の24時間後にウェスタンブロットによって決定された。リン酸化SMAD2/3タンパク質レベルは、総SMAD2/3タンパク質に対して正規化することによって決定した。 [0059]図7Bは、IPF上皮細胞におけるpSMAD2/3のリン酸化を示す。IPF上皮細胞を、DMEM(対照)、Var55(100μM)、ニンテダニブ(100nM)、対照ペプチド1(CP1、100μM)、又は対照ペプチド2(CP2、100μM)で処置した。SMAD2/3リン酸化は、処置の24時間後にウェスタンブロットによって決定された。リン酸化SMAD2/3タンパク質レベルは、総SMAD2/3タンパク質に対して正規化することによって決定した。 [0060]図8は、正常な健康な対象又は特発性肺線維症(IPF)を有する対象に由来する基底様細胞及び線維芽細胞におけるガレクチン-7を示す。細胞を、DMSOビヒクル、CSP-7(10μM)、Var55(10μM)、対照ペプチド1(CP1、10μM)、対照ペプチド2(CP2、10μM)、ピルフェニドン(500μM)、又はニンテダニブ(100nM)で処置した。 [0061]図9は、乾燥粉末吸入(DPI)により対照ペプチド(CP)又はCSP-7を投与された、生理食塩水(SAL)又はブレオマイシン(BLM)で処置された高齢マウスの全肺ホモジネート中のコラーゲンを示す。****P≦0.0001。 [0062]図10Aは、未処置であるか、又は乾燥粉末吸入により対照ペプチド(CP)若しくはCSP-7、又は腹腔内注射(IP)によりCSP-7を投与された、ブレオマイシン(BLM)で処置された高齢マウスの全肺ホモジネート中の総SMAD(tSMAD、上パネル)及びリン酸化SMAD(pSMAD、下パネル)を示す。 [0063]図10Bは、未処置であるか、又は乾燥粉末吸入により対照ペプチド(CP)若しくはCSP-7、又は腹腔内注射(IP)によりCSP-7を投与された、ブレオマイシン(BLM)で処置された高齢マウスの全肺ホモジネート中のガレクチン-7を示す。 [0064]図11Aは、未処置であるか、又はDMSO、対照ペプチド(CP、100μM)、若しくはCSP-7(10μM)で処置された、IPF(上パネル)又は正常肺線維芽細胞(下パネル)におけるEGFR(p-EGFR)、SRC(p-SRC)、MEK1/2(p-MEK1/2)及びRaptor(p-Raptor)のリン酸化を示す。 [0064]図11Aは、未処置であるか、又はDMSO、対照ペプチド(CP、100μM)、若しくはCSP-7(10μM)で処置された、IPF(上パネル)又は正常肺線維芽細胞(下パネル)におけるEGFR(p-EGFR)、SRC(p-SRC)、MEK1/2(p-MEK1/2)及びRaptor(p-Raptor)のリン酸化を示す。 [0065]図11Bは、未処置であるか、又はDMSO、対照ペプチド(CP、100μM)、若しくはCSP-7(10μM)で処置されたIPFにおける、PDGFRβ(p-PDGFRβ)及びmTOR(p-mTOR)のリン酸化を示す。 [0066]図11Cは、受容体チロシンキナーゼ(RTK)シグナル伝達、代謝シグナル伝達、浸潤関連マーカー、及びヒストン脱アセチル化酵素(HDAC)を評価した逆相タンパク質アレイの概要を提供する。p値は、対照ペプチド(CP)又はCSP-7で処置されたIPFを比較することによって計算した。 [0067]図12Aは、生理食塩水、ブレオマイシン(BLM)、BLM及びCSP-7、BLM及び対照ペプチド(CP)、又は腹腔内(IP)注射によって投与されたBLM及びCSP-7で処置されたマウスからの気管支肺胞洗浄液(BALF)におけるIL-11発現レベルを示す。予防群のマウスには、BLMの投与前にCP又はCSP-7を1日3回投与した。 [0068]図12Bは、生理食塩水、ブレオマイシン(BLM)、BLM及びCSP-7、BLM及び対照ペプチド(CP)、又は腹腔内(IP)注射によって投与されたBLM及びCSP-7で処置されたマウスからの気管支肺胞洗浄液(BALF)におけるIL-11発現レベルを示す。治療群のマウスには、BLMの投与後にCP又はCSP-7を1日3回投与した。 [0069]図13Aは、特発性肺線維症(IPF)を有する対象から単離されたヒト肺マクロファージの上清における可溶性CD163(sCD163)発現を示す。IPFマクロファージは、未処置のままとするか、又はsCD163の分析前に24時間、0.1μM若しくは1μMのCSP-7で処置した。それぞれの線は、IPFを有する個々の対象からの肺マクロファージの生物学的複製を表す。 [0070]図13Bは、特発性肺線維症(IPF)を有する対象から単離されたヒト肺マクロファージの上清におけるMMP-2発現を示す。IPF肺マクロファージは、未処置のままとするか、又はMMP-2の分析前に24時間、0.1μM若しくは1μMのCSP-7で処置した。それぞれの線は、IPFを有する個々の対象からの肺マクロファージの生物学的複製を表す。 [0071]図14は、健康な対照対象又は特発性肺線維症(IPF)を有する対象から単離されたヒト肺マクロファージの上清におけるCXCL7発現を示す。肺マクロファージは、未処置のままとするか、又はVar55で処置した。それぞれの線は、個々の対照対象(三角)又はIPFを有する個体(丸)からの肺マクロファージの生物学的複製を表す。
詳細な説明
定義
[0072] 他に定義されない限り、本明細書で使用される全ての技術用語、表記法、及びその他の科学用語は、本発明に関する当業者によって一般的に理解される意味を有することを意図している。場合によっては、一般に理解されている意味を有する用語は、明確にするため、及び/又は容易に参照できるように、本明細書で定義されており、そのような定義を本明細書に含めることは、必ずしも当技術分野で一般に理解されているものとの実質的な違いを表すと解釈されるべきではない。本明細書に記載又は参照される技術及び手順は、一般によく理解されており、例えば広く利用されている酵素結合免疫吸着アッセイなどの当業者による従来の方法論を使用して一般的に使用される。適切な場合、市販のキット及び試薬の使用を伴う手順は、別段の記載のない限り、一般に、製造業者が定義したプロトコル及び/又はパラメータに従って実行される。
[0073] 本明細書及び添付の特許請求の範囲で使用される場合、「1つの(a)」、「1つの(an)」、及び「その(the)」という用語は、文脈上明らかに別段の指示がない限り、単数及び複数の両方の指示対象を含む。
[0074] 数値の直前にある場合、「約」という用語は、数値の±20%までを意味する。いくつかの実施形態では、数値の「約」は、±20%まで、±19%まで、±18%まで、±17%まで、±16%まで、±15%まで、±14%まで、±13%まで、±12%まで、±11%まで、±10%まで、±9%まで、±8%まで、±7%まで、±6%まで、±5%まで、±4%まで、±3%まで、±2%まで、±1%まで、±1%未満まで、又はその他の値又はその中の値の範囲の数値を意味する。
[0075] 「バイオマーカー」という用語は、疾患又は障害を有する対象における、治療活性剤、例えば、カベオリン-1ペプチド又はその誘導体による処置の指標を指す。いくつかの実施形態では、バイオマーカーは、疾患又は障害を有する対象における有効性を予測又は決定するために使用される。いくつかの実施形態では、バイオマーカーは、疾患又は障害を有する対象から取得された生体試料中で検出又は測定することができる。いくつかの実施形態では、バイオマーカーは、治療活性剤、例えば、カベオリン-1ペプチド又はその誘導体で、インビトロで処置された生体試料中で検出又は測定することができる。いくつかの実施形態では、バイオマーカーは、治療活性剤、例えば、カベオリン-1ペプチド又はその誘導体で、インビボで処置された対象から取得された生体試料中で検出又は測定することができる。バイオマーカーの例には、DNA、RNA、タンパク質、リン酸化タンパク質、炭水化物、又は糖脂質ベースのバイオマーカーが含まれるが、これらに限定されない。
[0076] 本明細書で使用される場合、文字「p」で示されるタンパク質は、リン酸化タンパク質、例えば、pSMAD2/3としてのリン酸化SMAD2/3を指す。リン酸化タンパク質を検出する方法は、当技術分野で周知である。
[0077] 本明細書で使用される「検出」又は「検出すること」という用語は、生体試料中のバイオマーカーの定量的又は定性的検出を指す。「検出」又は「検出すること」という用語には、生体試料中のバイオマーカーの発現レベルを検出する任意の手段、例えば、イムノアッセイ、qRT-PCR、又は質量分析が含まれる。
[0078] 本明細書で使用される「特定」又は「特定すること」という用語は、生体試料中のバイオマーカーの定量的又は定性的検出を指す。「特定」又は「特定すること」という用語には、生体試料中のバイオマーカーの発現レベルを特定する任意の手段、例えば、イムノアッセイ、qRT-PCR、又は質量分析が含まれる。
[0079] 組織試料の「切片」という用語は、組織試料の一部分又は断片、例えば、組織試料から切り出された組織又は細胞の薄いスライスを指す。いくつかの実施形態では、組織試料の同じ切片が形態学的及び分子レベルで分析されるか、又は本明細書に記載されるバイオマーカーについてタンパク質及び核酸の両方に関して分析される。いくつかの実施形態では、組織の複数の切片が形態学的及び分子レベルで分析されるか、又は本明細書に記載されるバイオマーカーについてタンパク質及び核酸の両方に関して分析される。
[0080] 「ポリヌクレオチド」又は「核酸」という用語は、鎖状に共有結合したヌクレオチドモノマーのポリマーを指す。例示的な核酸には、DNA及びRNAが含まれる。
[0081] 「アミノ酸」という用語は、タンパク質、ポリペプチド、又はペプチドを構成する構造単位(モノマー)を指す。「ポリペプチド」又は「タンパク質」という用語には、アミノ酸又はアミノ酸残基の任意のポリマーが含まれる。「ペプチド」は、約15~20アミノ酸残基未満のサイズの小さいポリペプチドである。「アミノ酸配列」という用語は、一連のアミノ酸又はアミノ酸残基を指す。
[0082] 2つ以上の核酸配列又は2つ以上のアミノ酸配列の間の配列類似性又は同一性を決定するための方法は、当技術分野で公知である。配列の類似性又は同一性は、Smith & Waterman, Adv.Appl.Math.2, 482 (1981)の局所的配列同一性アルゴリズム、Needleman & Wunsch, J Mol.Biol.48,443 (1970)の配列同一性アライメントアルゴリズム、Pearson & Lipman, Proc.Natl.Acad.Sci.USA 85,2444 (1988)の類似性検索法、これらのアルゴリズムのコンピュータ化された実装(Wisconsin Genetics Software Package, Genetics Computer Group, 575 Science Drive, Madison, WIのGAP、BESTFIT、FASTA、及びTFASTA)、Devereux et al., Nucl.Acid Res.12, 387-395 (1984)に記載されるBest Fitシーケンスプログラム、又は検査を含むがこれらに限定されない標準的な技術を使用して決定され得る。別の適切なアルゴリズムは、Altschul et al., J Mol.Biol.215, 403-410, (1990)及びKarlin et al., Proc.Natl.Acad.Sci.USA 90, 5873-5787 (1993)に記載されるBLASTアルゴリズムである。例示的なBLASTプログラムは、Altschul et al., Methods in Enzymology, 266, 460-480 (1996);blast.wustl/edu/blast/ README.htmlから入手したWU-BLAST-2プログラムである。WU-BLAST-2はいくつかの検索パラメータを使用し、これらのパラメータは、任意選択によりデフォルト値に設定される。パラメータは動的値であり、特定の配列の構成及び目的の配列が検索される特定のデータベースの構成に応じてプログラム自体によって確立される。ただし、値は感度を高めるために調整され得る。さらに、追加のアルゴリズムは、Altschul et al, (1997) Nucleic Acids Res.25, 3389-3402に報告されるギャップBLASTである。別段の指示がない限り、本開示では同一性パーセントの計算は、ワールドワイドウェブアドレス:blast.ncbi.nlm.nih.gov/Blast.cgiで入手可能なBLASTアルゴリズムを使用して実施される。
[0083] 「抗体」という用語は、全体的又は部分的に、天然源に由来するか又は合成的に生成され得る免疫グロブリンを指す。抗体の例には、モノクローナル抗体、ポリクローナル抗体、ポリエピトープ特異性を有する抗体、一本鎖抗体、多重特異性抗体、及び抗体の断片(例えば、scFv、ダイアボディ、トリアボディ、ミニボディ)が含まれるが、これらに限定されない。このような抗体は、キメラ抗体、ヒト化抗体、ヒト抗体、及び合成抗体であり得る。
[0084] 本明細書で使用される場合、「処置する」、「処置こと」、又は「処置」という用語、及びその文法的変形は、当業者によって一般に理解されるものと同じ意味を有する。いくつかの実施形態では、これらの用語は、有益な又は望ましい臨床結果を得るためのアプローチを指し得る。この用語は、状態、障害又は疾患の発症若しくは進行速度を遅らせること、それに関連する症状を軽減若しくは緩和すること、状態の完全若しくは部分的な後退を引き起こすこと、又は上記のいずれかの組み合わせを指し得る。本発明の目的において、有益な又は所望の臨床結果には、検出可能か検出不能かにかかわらず、症状の軽減又は緩和、疾患の程度の縮小、疾患の状態の安定化(例えば、悪化しない)、疾患の進行の遅延又は減速、病状の改善又は緩和、及び寛解(部分的又は完全)が含まれるが、これらに限定されない。「処置する」、「処置すること」、又は「処置」は、処置を受けていない場合の予想生存期間に対して生存を延長することも意味し得る。したがって、処置を必要とする対象は、問題の疾患又は障害にすでに罹患している対象であり得る。「処置する」、「処置すること」、又は「処置」という用語は、処置がない場合と比較した病理学的状態又は症状の重症度の増加の阻害又は軽減を含み、必ずしも関連する疾患又は状態の完全な停止を意味するものではない。「処置する」、「処置すること」、又は「処置」という用語は、疾患又は障害を有する対象から取得された生体試料に、治療活性剤、例えば、カベオリン-1ペプチド又はその誘導体を提供することを指すこともできる。
[0085] 本明細書で使用される場合、「薬学的に許容される担体又は賦形剤」という用語には、限定されないが、任意の補助剤、担体、滑剤、甘味剤、希釈剤、保存剤、色素/着色剤、風味増強剤、界面活性剤、湿潤剤、分散剤、懸濁剤、安定剤、等張剤、溶媒、界面活性剤、及び/又は乳化剤が含まれる。例示的な薬学的に許容される担体には、ラクトース、グルコース及びスクロースなどの糖コーンスターチ及びジャガイモデンプンなどのデンプン;セルロース、及びカルボキシメチルセルロースナトリウム、エチルセルロース、酢酸セルロースなどのその誘導体;トラガカント;麦芽;ゼラチン;タルク;ココアバター、ワックス、動物性及び植物性脂肪、パラフィン、シリコーン、ベントナイト、ケイ酸、酸化亜鉛;ピーナッツ油、綿実油、ベニバナ油、ゴマ油、オリーブ油、コーン油及び大豆油などの油;プロピレングリコールなどのグリコール;グリセリン、ソルビトール、マンニトール、ポリエチレングリコールなどのポリオール;オレイン酸エチル、ラウリン酸エチルなどのエステル;寒天;水酸化マグネシウム及び水酸化アルミニウムなどの緩衝剤;アルギン酸;発熱物質を含まない水;等張食塩水;リンゲル液;エチルアルコール;リン酸緩衝液;並びに医薬製剤に使用されるその他の適合性物質が含まれるが、これらに限定されない。従来の媒体及び/又は薬剤が本開示の薬剤と適合しない場合を除き、治療用組成物におけるその使用が企図される。補助活性成分も組成物に組み込むことができる。
[0086] 「間質性肺疾患」又は「ILD」という用語は、間質(肺の空気嚢周囲の組織及び空間)に影響を与える一群の肺疾患を指す。ILDは、疑わしい原因又は既知の原因に従って分類することもでき、又は特発性であってもよい。例えば、ILDは、吸入物質(無機又は有機)によって発生するもの、薬剤誘発性(例えば、抗生物質、化学療法薬、抗不整脈剤、スタチン)、結合組織疾患(例えば、全身性硬化症、多発性筋炎、皮膚筋炎、全身性エリテマトーデス、関節リウマチ)に関連するもの、肺感染症(例えば、非定型肺炎、ニューモシスチス肺炎、結核、クラミジア・トラコマチス(Chlamydia trachomatis)、呼吸器合胞体ウイルス、COVID-19)に関連するもの、悪性腫瘍(例えば、リンパ管炎性癌腫症)に関連するものとして分類することができ、又は特発性(例えば、サルコイドーシス、特発性肺線維症、ハンマン・リッチ症候群、又はアンチシンテターゼ症候群)であり得る。
[0087] 「特発性肺線維症」又は「IPF」という用語は、肺の支持枠組み(間質)の線維化を特徴とする慢性進行性形態の肺疾患を指す。微視的には、IPFを有する患者からの肺組織は、通常の間質性肺炎として知られる一連の特徴的な組織学的/病理学的特性を示し、健康な肺の領域、間質性炎症、線維化、及びハニカム変化が交互に現れる不均一な斑状の外観を特徴とする。定義上、IPFという用語は、肺線維症の原因が不明な場合(「特発性」)に使用される。症状には、典型的には、徐々に始まる息切れ及び空咳が含まれる。その他の変化は、疲労感、並びに指及び足の爪が異常に大きくドーム状になる(ばち指)などがある。合併症は、肺高血圧症、心不全、肺炎、肺塞栓症などを含み得る。
[0088] 「最適用量」という用語は、対象における疾患又は障害を「緩和」又は「処置」するのに有効な治療活性剤の量を指す。治療活性剤の最適用量は、個人の疾患状態、年齢、性別、及び体重などの要因によって異なり得る。最適用量はまた、治療活性剤のいかなる毒性又は有害効果も、治療上有益な効果が上回る量である。
[0089] 「発現レベルの上昇」又は「発現レベルの増加」という語句は、対照試料と比較して、治療活性剤で処置された対象からの生体試料におけるバイオマーカー(例えば、mRNA又はタンパク質バイオマーカー)の発現の増加を指す。
[0090] 「発現レベルの低下」又は「発現レベルの減少」という語句は、対照試料と比較して、治療活性剤で処置された対象からの生体試料におけるバイオマーカー(例えば、mRNA又はタンパク質バイオマーカー)の発現の減少を指す。
治療活性剤
[0091] 本開示は、カベオリン-1ペプチド療法に関連するバイオマーカーの発現レベルの変化を特定する方法を提供する。いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるバイオマーカーは、疾患又は障害を有する対象における治療活性剤の有効性を決定又は予測するために使用される。いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるバイオマーカーは、疾患又は障害を有する対象における治療活性剤の最適な投与を決定又は予測するために使用される。いくつかの実施形態では、疾患又は障害は、間質性肺疾患、例えば、特発性肺線維症である。いくつかの実施形態では、治療活性剤は、カベオリン-1ペプチド又はその誘導体である。
[0092] 「治療活性剤」という用語は、哺乳動物対象における任意の疾患、障害、又は望ましくない病状を処置、制御、又は予防するために使用される任意の種類の薬物、薬剤、又は医薬を指す。いくつかの実施形態では、治療活性剤は、小分子である。いくつかの実施形態では、治療活性剤は、生物学的薬剤である。いくつかの実施形態では、治療活性剤は、カベオリン-1ペプチド又はその誘導体である。いくつかの実施形態では、治療活性剤は、CSP-7である。いくつかの実施形態では、治療活性剤は、Var55である。
カベオリン-1ペプチド及びその誘導体
[0093] いくつかの実施形態では、治療活性剤は、カベオリン-1ペプチド又はその誘導体である。天然ヒトカベオリン-1は、178個のアミノ酸(以下の表1の配列番号1を参照)及び22kDaの分子量を有する。カベオリン-1は、エンドサイトーシス、細胞外マトリックス組織化、コレステロール分布、細胞移動、及びシグナル伝達に関連する内在性膜タンパク質である。Boscher and Nabi, Adv Exp Med Biol, 2012;729-29-50を参照されたい。カベオリン-1は、TGF-β及びERK1/2を含むいくつかの重要なシグナル伝達成分を調節し、一連の主要な調節経路に関与することによって線維化プロセスにおける恒常性維持機能を有する(Shihata et al., Front.Pharmacol.2017; 8:567;及びGvaramia et al., Matrix Biol, 2013:32(6):307-315を参照)。非脂質ラフトに関連したTGF-βRの内在化はTGF-βシグナル伝達を増加させるが、カベオリン-1に関連した内在化はTGF-βR分解を増加させ、したがってTGF-βシグナル伝達を減少又は消滅させる(Zhang et al, JBC, 2005; 280:12239-45;Di Guglielmo et al., Nat Cell Biol, 2003; 5:410-21)。内因性カベオリン-1は、IPFのブレオマイシン誘発性動物モデル及びIPF患者の線維化肺において恒常的に抑制されることが見出された(Wang et al., J Exp Med, 2006; 203(13):2895-2906;Sanders et al., PLoS One, 2015; 10(2), e0116995;及びSanders et al., Am J Respir Cell Mol Biol, 2017; 56(1):50-61を参照)。カベオリン-1ペプチドの誘導体には、カベオリン-1足場ドメインペプチド(CSP)が含まれる。
[0094] いくつかの実施形態では、治療活性剤は、カベオリン-1足場ドメインペプチド(CSP)又はその誘導体である。カベオリン-1足場ドメイン(CSD)は、カベオリン-1のアミノ酸82~101から構成される(以下の表1の配列番号2を参照)。カベオリン-1のCSDは、カベオリン-1の二量体化及び多様なシグナル伝達中間体の調節において重要な役割を果たしており、その多くは肺及び組織線維症の病因に関与している(Shetty et al., Am J Respir Cell Mol Biol 2012; 47:474-83;Fridolfsson et al., FASEB J 2014; 28:3823-31;Degryse et al., Am J Physiol Cell Mol Physiol 2010; 299:L442-L452;及びEgger et al., PLos One, 2013; 8:e63432)。カベオリン-1のCSDドメインは、Wntシグナル伝達、β-カテニン媒介性転写、SRC、EGFR、MEK1及びERK-2の活性化、並びに線維化促進シグナル伝達に関係する他の様々な因子の阻害を実証している(Shetty et al., Am J Respir Cell Mol Biol 2012; 47:474-83;Bhandary et al., Am J Physiol Cell Mol Physiol 2012; 302:L463-L473;Bhandary et al., Am J Pathol 2013; 183:131-143;Fridolfsson et al., FASEB J 2014; 28:3823-31;Degryse et al., Am J Physiol Cell Mol Physiol 2010; 299:L442-L452;及びFiddler et al., Ann Am Thorac Soc, 2016; 13:1430-2を参照)。内因性CSDドメインは、他のカベオリン-1タンパク質とホモ二量体を形成し、カベオリン結合ドメイン配列(CBD)モチーフを有するタンパク質と相互作用することができる。全ての内因性タンパク質の最大30%がCBDモチーフを有すると推定されており、カベオリン-1CSDドメインがこれらのタンパク質に安定性を提供すると仮定されている(Marudamuthu et al., Am J Pathol 2015; 185:55-68を参照)。これまでの研究では、CSPが動物モデルにおける肺線維症を予防、制限、又は逆転させることが示されている(Marudamuthu et al., Sci Transl Med, 2019; 11(522), eaat2848を参照)。CSP20mer(カベオリン-1の全長CSD)による処置により、肺αSMA及び肺上皮アポトーシスが低下し、コラーゲン沈着が低下し、線維形成促進性シグナル伝達分子の発現が下方制御された(Bhandary et al., Am J Phys Lung Cell Mol Phys, 2012, 302(5), L463-L473; Razani et al., JBC, 2001, 276(9),6727-6738; and Lee et al., Biochem Biophys Res Commun, 2007, 359(2):385-390を参照)。
[0095] いくつかの実施形態では、治療活性剤は、CSP-7である。CSP-7は、カベオリン-1のヒトCSDの7アミノ酸断片である。CSP-7は、インビトロモデル及びインビボモデルの両方で線維症を軽減するのに効果的であることが示されている(Marudamuthu et al., Sci Transl Med, 2019; 11(522), eaat2848を参照)。CSP-7は、線維化肺線維芽細胞などの細胞におけるp53タンパク質レベルを増加させ、ウロキナーゼプラスミノーゲン活性化因子(uPA)及びuPA受容体(uPAR)を低下させ、プラスミノーゲン活性化因子阻害剤1(PAI-1)の発現を増加させる。国際公開第2014/145389A1号及び国際公開第2020/055812 A1号を参照されたい(これらはその全体が参照により本明細書に援用される)。
[0096] いくつかの実施形態では、治療活性剤は、Var55である。
[0097] カベオリン-1ペプチド又はその誘導体の例示的なアミノ酸配列を以下の表1に示す。大文字はL-アミノ酸を示し、小文字はD-アミノ酸を示す。「Ac」という用語はアセチル基を指し、「NH2」という用語はアミノ基を指す。「O」はオルニチンを表す。
Figure 2024507580000002
Figure 2024507580000003
Figure 2024507580000004
[0098] いくつかの実施形態では、Cav-1ペプチド又は修飾Cav-1ペプチドは、
(a)配列番号1~110のアミノ酸配列のいずれか1つからなるか;
(b)配列番号1~110のアミノ酸配列のいずれか1つのコア配列を含むか;又は
(c)配列番号1~110のアミノ酸配列のいずれか1つのコア配列を含み、ここで、コア配列は、1又は複数のアミノ酸の置換、挿入、欠失、又は化学修飾を含む。
[0099] いくつかの実施形態では、Cav-1ペプチド又は修飾Cav-1ペプチドは、配列番号1~110のアミノ酸配列のいずれか1つのコア配列を含む。いくつかの実施形態では、Cav-1ペプチド又は修飾Cav-1ペプチドは、配列番号1~110のアミノ酸配列のいずれか1つのコア配列を含み、ここで、コア配列は、1又は複数のアミノ酸の置換、挿入、欠失、又は化学修飾を含む。いくつかの実施形態では、コア配列は、配列番号3である。いくつかの実施形態では、コア配列は、配列番号6である。
[0100] いくつかの実施形態では、治療活性剤は、カベオリン-1ペプチド又はその誘導体である。いくつかの実施形態では、カベオリン-1ペプチド又はその誘導体は、配列番号1~110のいずれか1つのアミノ酸配列を含むか、又はそれからなる。いくつかの実施形態では、カベオリン-1ペプチド又はその誘導体は、配列番号1~110のいずれか1つに対して、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、又は少なくとも99%の同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、カベオリン-1ペプチド又はその誘導体は、それに対して1又は複数の変異を有する配列番号1~110のいずれか1つのアミノ酸配列を含む。例えば、いくつかの実施形態では、カベオリン-1ペプチド又はその誘導体は、配列番号1~配列番号110のいずれか1つに対して、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10個、又はそれを超える変異を含む。いくつかの実施形態では、カベオリン-1ペプチド又はその誘導体は、1~5個、5~10個、若しくは11~15個、又はそれを超える変異を有する配列番号1~110のいずれか1つのアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、カベオリン-1ペプチド又はその誘導体は、配列番号1~110のいずれか1つのN末端若しくはC末端のいずれか、又は両末端に、1~5個の追加のアミノ酸を含む。
[0101] いくつかの実施形態では、治療活性剤は、カベオリン-1ペプチド又はその誘導体である。いくつかの実施形態では、カベオリン-1ペプチド又はその誘導体は、配列番号1のアミノ酸配列を含むか、又はそれからなる。いくつかの実施形態では、カベオリン-1ペプチド又はその誘導体は、配列番号1に対して、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、又は少なくとも99%の同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、カベオリン-1ペプチド又はその誘導体は、それに対して1又は複数の変異を有する配列番号1のアミノ酸配列を含む。例えば、いくつかの実施形態では、カベオリン-1ペプチド又はその誘導体は、配列番号1に対して、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10個、又はそれを超える変異を含む。いくつかの実施形態では、カベオリン-1ペプチド又はその誘導体は、1~5個、5~10個、11~5個、15~20個、10~25個、25~30個、又は30個を超える変異を有する配列番号1のアミノ酸配列を含む。
[0102] いくつかの実施形態では、治療活性剤は、カベオリン-1ペプチド又はその誘導体である。いくつかの実施形態では、カベオリン-1ペプチド又はその誘導体は、配列番号2のアミノ酸配列を含むか、又はそれからなる。いくつかの実施形態では、カベオリン-1ペプチド又はその誘導体は、配列番号2に対して、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、又は少なくとも95%の同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、カベオリン-1ペプチド又はその誘導体は、それに対して1又は複数の変異を有する配列番号2のアミノ酸配列を含む。例えば、いくつかの実施形態では、カベオリン-1ペプチド又はその誘導体は、配列番号2に対して、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10個、又はそれを超える変異を含む。いくつかの実施形態では、カベオリン-1ペプチド又はその誘導体は、1~5個、5~10個、若しくは11~15個、又はそれを超える変異を有する配列番号2のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、カベオリン-1ペプチド又はその誘導体は、配列番号2のN末端若しくはC末端のいずれか、又は両末端に、1~5個の追加のアミノ酸を含む。
[0103] いくつかの実施形態では、治療活性剤は、カベオリン-1ペプチド又はその誘導体である。いくつかの実施形態では、カベオリン-1ペプチド又はその誘導体は、配列番号3のアミノ酸配列を含むか、又はそれからなる。いくつかの実施形態では、カベオリン-1ペプチド又はその誘導体は、配列番号3に対して、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、又は少なくとも85%の同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、カベオリン-1ペプチド又はその誘導体は、それに対して1又は複数の変異を有する配列番号3のアミノ酸配列を含む。例えば、いくつかの実施形態では、カベオリン-1ペプチド又はその誘導体は、配列番号3に対して、1、2、3、4、又は5個の変異を含む。いくつかの実施形態では、カベオリン-1ペプチド又はその誘導体は、配列番号3のN末端若しくはC末端のいずれか、又は両末端に、1~5個の追加のアミノ酸を含む。
[0104] いくつかの実施形態では、治療活性剤は、カベオリン-1ペプチド又はその誘導体である。いくつかの実施形態では、カベオリン-1ペプチド又はその誘導体は、配列番号4のアミノ酸配列を含むか、又はそれからなる。いくつかの実施形態では、カベオリン-1ペプチド又はその誘導体は、配列番号4に対して、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、又は少なくとも95%の同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、カベオリン-1ペプチド又はその誘導体は、それに対して1又は複数の変異を有する配列番号4のアミノ酸配列を含む。例えば、いくつかの実施形態では、カベオリン-1ペプチド又はその誘導体は、配列番号4に対して、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10個、又はそれを超える変異を含む。いくつかの実施形態では、カベオリン-1ペプチド又はその誘導体は、1~5個、5~10個、若しくは11~15個、又はそれを超える変異を有する配列番号4のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、カベオリン-1ペプチド又はその誘導体は、配列番号4のN末端若しくはC末端のいずれか、又は両末端に、1~5個の追加のアミノ酸を含む。
[0105] いくつかの実施形態では、カベオリン-1ペプチド又はその誘導体は、少なくとも1つの非標準アミノ酸を含む。いくつかの実施形態では、カベオリン-1ペプチド又はその誘導体は、2つ以上の非標準アミノ酸を含む。いくつかの実施形態では、カベオリン-1ペプチド又はその誘導体は、4つ以上の非標準アミノ酸を含む。いくつかの実施形態では、非標準アミノ酸は、オルニチンである。いくつかの実施形態では、非標準アミノ酸は、D-アラニンである。いくつかの実施形態では、カベオリン-1ペプチド又はその誘導体は、1又は複数の非標準アミノ酸を含み、ここで、非標準アミノ酸は、オルニチンである。
[0106] いくつかの実施形態では、カベオリン-1ペプチド又はその誘導体は、L-アミノ酸を含む。いくつかの実施形態では、カベオリン-1ペプチド又はその誘導体は、D-アミノ酸を含む。いくつかの実施形態では、カベオリン-1ペプチド又はその誘導体は、L-アミノ酸及びD-アミノ酸を含む。いくつかの実施形態では、カベオリン-1ペプチド又はその誘導体は、1又は複数のD-アミノ酸を含み、ここで、D-アミノ酸は、D-アラニンである。
[0107] いくつかの実施形態では、カベオリン-1ペプチド又はその誘導体は、N-又はC-末端修飾を含む。いくつかの実施形態では、カベオリン-1ペプチド又はその誘導体は、N-末端修飾を含む。いくつかの実施形態では、カベオリン-1ペプチド又はその誘導体は、C-末端修飾を含む。いくつかの実施形態では、N末端修飾は、アシル化である。いくつかの実施形態では、C末端修飾は、アミド化である。
[0108] いくつかの実施形態では、カベオリン-1ペプチド又はその誘導体は、細胞透過性ペプチド(CPP)を含む。CPPの例を以下の表3に示す。
Figure 2024507580000005
[0109] いくつかの実施形態では、カベオリン-1ペプチド又はその誘導体は、ポリエチレングリコール(PEG)などの、異種ポリペプチドセグメント又はポリマーにコンジュゲートされる。カベオリン-1ペプチド又はその誘導体は、血清持続性を増加させるためにPEGに連結され得る。
[0110] いくつかの実施形態では、治療活性剤は、天然カベオリン-1ペプチド又はその誘導体の生物学的効果を模倣するペプチド模倣化合物である。ペプチド模倣剤は、天然カベオリン-1ペプチド又はその誘導体の結合活性及び生物学的活性を有するように、天然カベオリン-1ペプチド又はその誘導体の結合要素の立体空間特性を再現する非天然ペプチド又は非ペプチド薬剤であり得る。
他のタイプの治療活性剤
[0111] いくつかの実施形態では、治療活性剤は、トランスフォーミング成長因子-β(TGF-β)の活性を低減又は阻害する薬剤である。TGF-βの活性を低下又は阻害する治療活性剤の例には、GC-1008(フレソリムマブ、Genzyme/MedImmune)、レルデリムマブ(CAT-152;Trabio, Cambridge Antibody)、メテリムマブ(CAT-192、Trabio, Cambridge Antibody)、LY-2157299(Eli Lilly)、及びACU-HTR-028(Opko Health)、並びに1又は複数のTGF-βアイソフォームを標的とする抗体、並びにTGF-β受容体キナーゼTGFBR1(ALK5)の阻害剤)及びTGFBR2が含まれるが、これらに限定されない。
[0112] いくつかの実施形態では、治療活性剤は、ピルフェニドン(エスブリエットとも呼ばれる)である。ピルフェニドンは、抗線維化及び抗炎症特性を有する小分子である。ピルフェニドンは、成長因子(例えば、TGF-β)、プロコラーゲンI及びII、炎症性メディエーター(例えば、TNF-α及びIL-β)を下方制御することが示されている。
[0113] いくつかの実施形態では、治療活性剤は、エンドセリン受容体アンタゴニストである。いくつかの実施形態では、エンドセリン受容体アンタゴニストは、エンドセリン受容体A及びエンドセリン受容体Bの両方を標的とする。いくつかの実施形態では、エンドセリン受容体アンタゴニストは、エンドセリン受容体Aを標的とする。エンドセリン受容体アンタゴニストの例には、アンブリセンタン、アボセンタン、ボセンタン、クラゾセンタン、ダルセンタ、BQ-153、FR-139317、L-744453、マシテンタン、PD-145065、PD-156252、PD163610、PS-433540、S-0139、シタキセンタンナトリウム、TBC-3711、及びジボテンタンが含まれるが、これらに限定されない。
[0114] いくつかの実施形態では、治療活性剤は、結合組織成長因子(CTGF)の活性を低減又は阻害する薬剤である。CTGFの活性を低下又は阻害する治療活性剤の例には、FG-3019及びFibroGen、CTGF中和抗体、並びにMMP-12、PUP-1及びチガポチドトリフルテート(tigapotide triflutate)などのマトリックスメタロプロテイナーゼ(MMP)阻害剤が含まれるが、これらに限定されない。
[0115] いくつかの実施形態では、治療活性剤は、上皮成長因子受容体(EGFR)の活性を低減又は阻害する薬剤である。EGFRの活性を低下又は阻害する治療活性剤の例には、エルロチニブ、ゲフィチニブ、BMS-690514、セツキシマブ、EGFRを標的とする抗体、EGFRキナーゼの阻害剤、及び受容体後シグナル伝達経路の調節剤が含まれるが、これらに限定されない。
[0116] いくつかの実施形態では、治療活性剤は、血小板由来成長因子(PDGF)の活性を低減又は阻害する薬剤である。PDGFの活性を低下又は阻害する治療活性剤の例には、メシル酸イマチニブ(Novartis)、PDGF中和抗体、PDGF受容体(PDGFR)を標的とする抗体、PDGFRキナーゼ活性の阻害剤、及び受容体後シグナル伝達経路が含まれるが、これらに限定されない。
[0117] いくつかの実施形態では、治療活性剤は、血管内皮成長因子(VEGF)の活性を低減又は阻害する薬剤である。VEGFの活性を低下又は阻害する治療活性剤の例には、アキシチニブ、ベバシズマブ、BIBF-1120、CDP-791、CT-322、IMC-18F1、PTC-299、ラムシルマブ、VEGF中和抗体、VEGF受容体1(VEGFR1、Flt-1)及びVEGF受容体2(VEGFR2、KDR)を標的とする抗体、VEGFを中和する可溶型VEGFR1(sFlt)及びその誘導体、並びにVEGF受容体キナーゼ活性の阻害剤が含まれるが、これらに限定されない。
[0118] いくつかの実施形態では、治療活性剤は、複数の受容体キナーゼを阻害する薬剤である。例えば、BIBF-1120(本明細書ではニンテダニブとも呼ばれる)は、血管内皮成長因子、線維芽細胞成長因子、及び血小板由来成長因子の受容体キナーゼを阻害する治療活性剤である。
[0119] いくつかの実施形態では、治療活性剤は、インテグリン機能に干渉する薬剤である。インテグリン機能に干渉する治療活性剤の例には、STX-100、IMGN-388、及びインテグリン標的抗体が含まれるが、これらに限定されない。
[0120] いくつかの実施形態では、治療活性剤は、IL-4及びIL-13の線維化促進活性に干渉する薬剤である。IL-4及びIL-13の線維化促進活性に干渉する治療活性剤の例には、AER-001、AMG-317、APG-201、sIL-4Rα、AER-001、AMG-317、アンルキンズマブ、CAT-354、シントレデキンベスドトクス、MK-6105、QAX-576、SB-313、SL-102、TNX-650、トラロキヌマブ、レブリキズマブ、SAR156597、IL-4受容体又はIL-13受容体を標的とする抗体、IL-4とIL-13の両方に結合し中和する可溶型IL-4受容体又はその誘導体、IL-13の全部又は一部を含むキメラタンパク質、及びJAK-STATキナーゼ経路の阻害剤が含まれるが、これらに限定されない。
[0121] いくつかの実施形態では、治療活性剤は、抗CCL2抗体(例えば、CNT0888)などの、CCL-2を阻害する薬剤である。
[0122] いくつかの実施形態では、治療活性剤は、上皮間葉移行に干渉する薬剤、例えば、mTORの阻害剤(AP-23573及びラパマイシンを含むが、これらに限定されない)である。
[0123] いくつかの実施形態では、治療活性剤は、銅のレベルを低下させる薬剤、例えば、テトラチオモリブデートである。
[0124] いくつかの実施形態では、治療活性剤は、酸化ストレスを低減する薬剤である。酸化ストレスを低下させる治療活性剤の例には、N-アセチルシステイン、テトラチオモリブデン酸塩、及びインターフェロンガンマが含まれるが、これらに限定されない。
[0125] いくつかの実施形態では、治療活性剤は、ホスホジエステラーゼ4の阻害剤(例えば、ロフルミラスト);ホスホジエステラーゼ5の阻害剤(例、ミロデナフィル、PF-4480682、クエン酸シルデナフィル、SLx-2101、タダラフィル、ウデナフィル、UK-369003、バルデナフィル、及びザプリナスト)、又はシクロオキシゲナーゼ及び5-リポキセゲナーゼ阻害剤(例えば、ジロートン)を含むアラキドン酸経路の修飾剤である。
[0126] いくつかの実施形態では、治療活性剤は、組織のリモデリング又は線維症を低減する。組織のリモデリング又は線維化を低下させる治療活性剤の例には、プロリルヒドロラーゼ阻害剤(例えば、1016548、CG-0089、FG-2216、FG-4497、FG-5615、FG-6513、フィブロスタチンA(Takeda)、ルフィロニル、P-1894B、及びサフィロニル)、ペルオキシソーム増殖因子活性化受容体(PPAR)ガンマアゴニスト(例えば、ピオグリタゾン及びロシグリタゾンなど)、一酸化炭素、及びドキシサイクリンが含まれるが、これらに限定されない。
[0127] いくつかの実施形態では、治療活性剤は、N-アセチルシステインなどの抗酸化活性、免疫抑制活性、及び/又は抗炎症活性を有する薬剤である。
[0128] いくつかの実施形態では、治療活性剤は、ソマトスタチン類似体(例えば、SOM230及びオクトレオチド)などの、ソマトスタチン受容体を阻害する薬剤である。
[0129] いくつかの実施形態では、治療活性剤は、サリドマイド又はミノサイクリンなどの抗血管形成活性、免疫調節活性、及び/又は抗炎症活性を有する薬剤である。
[0130] いくつかの実施形態では、治療活性剤は、抗LOXL2抗体(例えば、GS-6624)などの、酵素リシルオキシダーゼ様2(LOXL2)を阻害する薬剤である。
[0131] いくつかの実施形態では、治療活性剤は、レニン-アンジオテンシン系を標的とする薬剤(例えば、ロサルタン)である。
[0132] 本開示における使用のための治療活性剤の他の例は、例えば、Rafii et al., J. Thorac Dis, 2013; 5(1):48-73;米国特許出願公開第2019/0062836A1号;米国特許出願公開第2012/0014917A1号;国際公開第2014/145389A1号及び国際公開第2020/055812A1号に記載され、これらはその全体が参照により本明細書に援用される。
治療活性剤による処置方法
[0133] 本開示は、疾患又は障害(例えば、間質性肺疾患)を有する対象における治療活性剤に関連するバイオマーカーを提供する。いくつかの実施形態では、1又は複数の治療活性剤を、本明細書に開示される方法のいずれかで投与することができる。
[0134] いくつかの実施形態では、本明細書に記載の治療活性剤は、生体試料にインビトロで投与される。いくつかの実施形態では、治療活性剤は、疾患又は障害を有する対象から取得された生体試料にインビトロで投与される。いくつかの実施形態では、治療活性剤は、間質性肺疾患を有する対象から取得された生体試料にインビトロで投与される。いくつかの実施形態では、治療活性剤は、特発性肺線維症を有する対象から取得された生体試料にインビトロで投与される。いくつかの実施形態では、生体試料は、特発性肺線維症を有する対象から単離された線維芽細胞である。いくつかの実施形態では、生体試料は、特発性肺線維症を有する対象から単離された肺組織である。いくつかの実施形態では、生体試料は、特発性肺線維症を有する対象から単離された基底様細胞である。いくつかの実施形態では、治療活性剤は、カベオリン-1ペプチド又はその誘導体(例えば、CSP-7)である。
[0135] いくつかの実施形態では、治療活性剤は、疾患又は障害を有する対象にインビボで投与される。いくつかの実施形態では、治療活性剤は、間質性肺疾患を有する対象にインビボで投与される。いくつかの実施形態では、治療活性剤は、特発性肺線維症を有する対象にインビボで投与される。いくつかの実施形態では、カベオリン-1ペプチド又はその誘導体(例えば、CSP-7)は、特発性肺線維症を有する対象にインビボで投与される。
[0136] いくつかの実施形態では、治療活性剤(例えば、カベオリン-1ペプチド又はその誘導体)は、少なくとも1つの薬学的に許容される担体又は賦形剤を含む。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの薬学的に許容される担体又は賦形剤を含む治療活性剤は、インビトロで生体試料に投与される。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの薬学的に許容される担体又は賦形剤を含む治療活性剤は、インビボで疾患又は障害を有する対象に投与される。
[0137] いくつかの実施形態では、治療活性剤(例えば、カベオリン-1ペプチド又はその誘導体)は、薬学的に許容される担体又は賦形剤の不存在下で投与される。いくつかの実施形態では、治療活性剤は、薬学的に許容される担体又は賦形剤の不存在下で、インビトロで生体試料に投与される。いくつかの実施形態では、治療活性剤は、薬学的に許容される担体又は賦形剤の不存在下で、インビボで疾患又は障害を有する対象に投与される。
[0138] いくつかの実施形態では、治療活性剤は、疾患又は障害、例えば、間質性肺疾患を有する対象に、経口、非経口、舌下、経皮、直腸、経粘膜、局所、吸入、頬側、胸腔内、静脈内、動脈内、胃内、腹腔内、皮下、筋肉内、鼻腔内、くも膜下腔内、及び関節内、又はそれらの組み合わせで投与される。
[0139] いくつかの実施形態では、カベオリン-1ペプチド又はその誘導体は、特発性肺線維症を有する対象に、経口、非経口、舌下、経皮、直腸、経粘膜、局所、吸入、頬側、胸腔内、静脈内、動脈内、胃内、腹腔内、皮下、筋肉内、鼻腔内、くも膜下腔内、及び関節内、又はそれらの組み合わせで投与される。いくつかの実施形態では、カベオリン-1ペプチド又はその誘導体は、特発性肺線維症を有する対象に静脈内投与される。いくつかの実施形態では、カベオリン-1ペプチド又はその誘導体は、特発性肺線維症を有する対象に吸入によって投与される。いくつかの実施形態では、カベオリン-1ペプチド又はその誘導体は、特発性肺線維症を有する対象に鼻腔内投与される。いくつかの実施形態では、カベオリン-1ペプチド又はその誘導体は、CSP-7である。いくつかの実施形態では、カベオリン-1ペプチド又はその誘導体は、Var55である。
[0140] いくつかの実施形態では、治療活性剤は、疾患又は障害を有する対象に、1日1回、1日2回、1日3回、1週間に1回、1週間に2回、1週間に3回、1週間に5回、2週間に1回、3週間に1回、1ヶ月に1回、2ヶ月に1回、3ヶ月に1回、又は6ヶ月に1回投与される。いくつかの実施形態では、治療活性剤は、間質性肺疾患を有する対象に、1日1回、1日2回、1日3回、1週間に1回、1週間に2回、1週間に3回、1週間に5回、2週間に1回、3週間に1回、1ヶ月に1回、2ヶ月に1回、3ヶ月に1回、又は6ヶ月に1回投与される。いくつかの実施形態では、治療活性剤は、特発性肺線維症を有する対象に、1日1回、1日2回、1日3回、1週間に1回、1週間に2回、1週間に3回、1週間に5回、2週間に1回、3週間に1回、1ヶ月に1回、2ヶ月に1回、3ヶ月に1回、又は6ヶ月に1回投与される。
[0141] いくつかの実施形態では、カベオリン-1ペプチド又はその誘導体は、疾患又は障害を有する対象に、1日1回、1日2回、1日3回、1週間に1回、1週間に2回、1週間に3回、1週間に5回、2週間に1回、3週間に1回、1ヶ月に1回、2ヶ月に1回、3ヶ月に1回、又は6ヶ月に1回投与される。いくつかの実施形態では、カベオリン-1ペプチド又はその誘導体は、間質性肺疾患を有する対象に、1日1回、1日2回、1日3回、1週間に1回、1週間に2回、1週間に3回、1週間に5回、2週間に1回、3週間に1回、1ヶ月に1回、2ヶ月に1回、3ヶ月に1回、又は6ヶ月に1回投与される。いくつかの実施形態では、カベオリン-1ペプチド又はその誘導体は、特発性肺線維症を有する対象に、1日1回、1日2回、1日3回、1週間に1回、1週間に2回、1週間に3回、1週間に5回、2週間に1回、3週間に1回、1ヶ月に1回、2ヶ月に1回、3ヶ月に1回、又は6ヶ月に1回投与される。いくつかの実施形態では、カベオリン-1ペプチド又はその誘導体は、CSP-7である。いくつかの実施形態では、カベオリン-1ペプチド又はその誘導体は、Var55である。
[0142] いくつかの実施形態では、治療活性剤は、疾患又は障害を有する対象に、約0.01mg/kg~約250mg/kgの用量で投与される。いくつかの実施形態では、治療活性剤は、疾患又は障害を有する対象に、約0.01mg/kg~約50mg/kgの用量で投与される。いくつかの実施形態では、治療活性剤は、疾患又は障害を有する対象に、約0.05mg/kg~約50mg/kgの用量で投与される。いくつかの実施形態では、治療活性剤は、疾患又は障害を有する対象に、約0.01mg/kg、約0.02mg/kg、約0.03mg/kg、約0.04mg/kg、約0.05mg/kg、約0.06mg/kg、約0.07mg/kg、約0.08mg/kg、約0.09mg/kg、約0.1mg/kg、約0.2mg/kg、約0.3mg/kg、約0.4mg/kg、約0.5mg/kg、約0.6mg/kg、約0.7mg/kg、約0.8mg/kg、約0.9mg/kg、約1mg/kg、約2mg/kg、約3mg/kg、約4mg/kg、約5mg/kg、約6mg/kg、約7mg/kg、約8mg/kg、約9mg/kg、約10mg/kg、約11mg/kg、約12mg/kg、約13mg/kg、約14mg/kg、約15mg/kg、約16mg/kg、約17mg/kg、約18mg/kg、約19mg/kg、約20mg/kg、約21mg/kg、約22mg/kg、約23mg/kg、約24mg/kg、約25mg/kg、約26mg/kg、約27mg/kg、約28mg/kg、約29mg/kg、約30mg/kg、約31mg/kg、約32mg/kg、約33mg/kg、約34mg/kg、約35mg/kg、約36mg/kg、約37mg/kg、約38mg/kg、約39mg/kg、約40mg/kg、約41mg/kg、約42mg/kg、約43mg/kg、約44mg/kg、約45mg/kg、約46mg/kg、約47mg/kg、約48mg/kg、約49mg/kg、約50mg/kg、約75mg/kg、約100mg/kg、約125mg/kg、約150mg/kg、約175mg/kg、約200mg/kg、約225mg/kg、約250mg/kg、又はそれを超える用量で投与される。
[0143] いくつかの実施形態では、カベオリン-1ペプチド又はその誘導体は、特発性肺線維症を有する対象に、約0.01mg/kg、約0.05mg/kg、約0.06mg/kg、約0.07mg/kg、約0.08mg/kg、約0.09mg/kg、約0.1mg/kg、約0.2mg/kg、約0.3mg/kg、約0.4mg/kg、約0.5mg/kg、約0.6mg/kg、約0.7mg/kg、約0.8mg/kg、約0.9mg/kg、約1mg/kg、約2mg/kg、約3mg/kg、約4mg/kg、約5mg/kg、約6mg/kg、約7mg/kg、約8mg/kg、約9mg/kg、約10mg/kg、約11mg/kg、約12mg/kg、約13mg/kg、約14mg/kg、約15mg/kg、約16mg/kg、約17mg/kg、約18mg/kg、約19mg/kg、約20mg/kg、約21mg/kg、約22mg/kg、約23mg/kg、約24mg/kg、約25mg/kg、約26mg/kg、約27mg/kg、約28mg/kg、約29mg/kg、約30mg/kg、約31mg/kg、約32mg/kg、約33mg/kg、約34mg/kg、約35mg/kg、約36mg/kg、約37mg/kg、約38mg/kg、約39mg/kg、約40mg/kg、約41mg/kg、約42mg/kg、約43mg/kg、約44mg/kg、約45mg/kg、約46mg/kg、約47mg/kg、約48mg/kg、約49mg/kg、約50mg/kg、約75mg/kg、約100mg/kg、約125mg/kg、約150mg/kg、約175mg/kg、約200mg/kg、約225mg/kg、約250mg/kg、又はそれを超える用量で投与される。いくつかの実施形態では、カベオリン-1ペプチド又はその誘導体は、CSP-7である。いくつかの実施形態では、カベオリン-1ペプチド又はその誘導体は、Var55である。
カベオリン-1ペプチド療法のバイオマーカー
[0144] 本開示は、疾患又は障害を有する対象における治療活性剤に関連するバイオマーカーを提供する。いくつかの実施形態では、バイオマーカーは、間質性肺疾患、例えば、特発性肺線維症を有する対象におけるカベオリン-1ペプチド又はその誘導体と関連している。
[0145] 間質性肺疾患を有する対象におけるカベオリン-1療法の例示的なバイオマーカーを以下の表4に示す。
Figure 2024507580000006
Figure 2024507580000007
[0146] いくつかの実施形態では、バイオマーカーは、MYDGF、可溶性RAGE、リン酸化SMAD2(pSMAD2)、pSMAD3、PDGFRβ、リン酸化PDGFRβ(pPDGFRβ)、PROF1、CALM2、CALR、PPIA、EIF5A、LGALS1、ANXA5、FABP5、GSTP1、ENO1、YWHAG、LGALS7、IL-11、MMP-2、CXCL7、可溶性CD163(sCD163)、又はリン酸化mTOR(p-mTOR)からなる群から選択される。いくつかの実施形態では、バイオマーカーは、MYDGF、可溶性RAGE、リン酸化SMAD2(pSMAD2)、pSMAD3、PDGFβ、PROF1、CALM2、CALR、PPIA、EIF5A、LGALS1、ANXA5、FABP5、GSTP1、ENO1、及びYWHAGからなる群から選択される。いくつかの実施形態では、バイオマーカーは、MYDGFである。いくつかの実施形態では、バイオマーカーは、可溶性RAGEである。いくつかの実施形態では、バイオマーカーは、pSMAD2及び/又はpSMAD3である。いくつかの実施形態では、バイオマーカーは、PDGFRβ又はpPDGFRβである。いくつかの実施形態では、バイオマーカーは、PROF1である。いくつかの実施形態では、バイオマーカーは、CALM2である。いくつかの実施形態では、バイオマーカーは、CALRである。いくつかの実施形態では、バイオマーカーは、PPIAである。いくつかの実施形態では、バイオマーカーは、EIF5Aである。いくつかの実施形態では、バイオマーカーは、LGALS1である。いくつかの実施形態では、バイオマーカーは、ANXA5である。いくつかの実施形態では、バイオマーカーは、FABP5である。いくつかの実施形態では、バイオマーカーは、GSTP1である。いくつかの実施形態では、バイオマーカーは、ENO1である。いくつかの実施形態では、バイオマーカーは、YWHAGである。いくつかの実施形態では、バイオマーカーは、LGALS7である。いくつかの実施形態では、バイオマーカーは、p-mTORである。いくつかの実施形態では、バイオマーカーは、IL-11である。いくつかの実施形態では、バイオマーカーは、MMP-2である。いくつかの実施形態では、バイオマーカーは、CXCL7である。いくつかの実施形態では、バイオマーカーは、CD163である。
[0147] MYDGFは、主に単球及びマクロファージによって分泌されるパラクリン作用タンパク質である。MYDGFは、好酸球、骨髄細胞、滑膜細胞、胆管癌細胞、及び肝細胞癌細胞によっても発現される。MYDGFは、心筋梗塞後の組織修復及び心機能を促進し、それによって心損傷から保護する。MYDGFによる細胞保護は、AKTのリン酸化及びアポトーシスの阻害に関連しており、MYDGFは、ヒト冠動脈内皮細胞の増殖を促進することも示されている。MYDGF欠損マウスは、野生型マウスと比較して、より大きな梗塞瘢痕を示し、梗塞境界領域での細胞増殖及び血管形成の減少を示した。Korf-Klingebiel et al., Nat.Med.21:140-149 (2015)を参照されたい。
[0148] 終末糖化産物特異的受容体(RAGE)は、細胞表面受容体の免疫グロブリンスーパーファミリーのメンバーである。これは、AGE及び他の分子に結合して、炎症、酸化ストレス、恒常性、及び発達を調節するマルチリガンド受容体である。RAGEは、正常な肺、特に1型肺細胞で豊富に発現される。これまでの研究では、対照と比較した場合、IPFでは肺組織におけるRAGE発現が低下しており、RAGE遺伝子の機能的多型がIPFのリスクと関連していることが示されている。Yamaguchi et al., Respirology, 2017;22:965-71;Ishikawa et al., Respir Res, 2010;11:123;Manichaikul et al., Ann Am Thorac Soc, 2017;14:628-35;Konishi et al., Am J Respir Crit Care Med, 2009; 180:167-75;及びYamaguchi et al., Respir Res, 2020, 21:145を参照されたい。
[0149] 可溶型のRAGEは膜貫通ドメインを欠くが、細胞外リガンド結合ドメインを有する。可溶性RAGEには、RAGEのスプライス変異体である内因性分泌型RAGE(esRAGE)、及び細胞表面RAGEに由来する脱落型RAGEなど、いくつかの種類がある。可溶性RAGEは抗炎症特性を有し、RAGEリガンドを中和することによってデコイ受容体として機能する。以前の研究では、プロテオミクス解析によって、可溶性RAGE発現がIPFを有する対象の肺組織では低下するが、慢性閉塞性肺疾患(COPD)では低下しないことが示されており、可溶性RAGEがIPFの病態生理学に関連している可能性があることが示唆されている(Ishikawa et al., Respir Res, 2010, 11:123を参照)。他の研究では、IPFを有する対象の肺組織、血清、及びBALにおける可溶性RAGEの低下が示されている(Yamaguchi et al., Respiratory Research, 2020; 21:145を参照)。
[0150] マザーズ・アゲインスト・デカペンタプレジック・ホモログ(SMAD)タンパク質は、複数のシグナル伝達経路を媒介するシグナル伝達物質及び転写調節因子である。SMAD2及びSMAD3はいずれもTGF-βシグナル伝達を媒介し、それによって細胞増殖、アポトーシス、分化を含むいくつかの重要な細胞プロセスを調節する。SMAD2及びSMAD3は、受容体活性化のためのSMADアンカー(SARA)タンパク質との相互作用によってTGF-β受容体に動員され、TGF-β受容体によってリン酸化される。リン酸化は、SMAD2/3とSARAの解離、及びファミリーメンバーSMAD4との結合を誘導する。SMAD4との関連は、このタンパク質の核への移行にとって重要であり、そこでマトリックスの発現、増殖、及び細胞分化に関与する多数の標的遺伝子を調節する。Gauldie et al., Proc Am Thorac Soc, 2006; 3(8):696-702を参照されたい。
[0151] 血小板由来成長因子B(PDGFB)は、他のPDGF及び血管内皮成長因子(VEGF)から構成されるタンパク質のファミリーに属する。PDGFBプレプロタンパク質は、タンパク質分解処理されて血小板由来成長因子サブユニットBを生成し、これは、関連する血小板由来成長因子サブユニットAとホモ二量体化、又はヘテロ二量体化することができる。これらのタンパク質は、PDGF受容体チロシンキナーゼに結合してそれを活性化し、これは、広範囲の発生プロセスにおいて役割を果たす。PDGFは、血小板由来成長因子受容体ベータ(PDGFRB)を介してシグナルを伝達する。PDGFシグナル伝達は、肺線維症の病因に関連付けられてきた。TGF-β、IL-1、TNF-α、bFGF、及びトロンビンなどの、多くの線維形成メディエーターは、PDGF依存性線維化促進活性を示す。PDGFRβの阻害は、マウスにおけるブレオマイシン誘発性肺線維症を改善した。Abdollahi et al., JEM, 2005 201(6):925-935;及びKishi et al., PLoS One, 2018, 13(12):e0209786を参照されたい。
[0152] プロフィリン-1(PROF1)は、低分子アクチン結合タンパク質のプロリフィン(prolifin)ファミリーのメンバーである。プロフィリン-1は、細胞外シグナルに反応してアクチン重合を制御することにより、アクチンの動態において重要な役割を果たす。プロリフィン(prolifin)-1は、細胞骨格の構造に影響を与える。プロフィリン-1の欠失は、ミラー・ディカー症候群と関連しており、ハンチントン病においても役割を果たし得る。
[0153] カルモジュリン(CALM2)は、カルシウム結合を介して、多数の酵素、イオンチャネル、アクアポリン、及びその他のタンパク質の制御を媒介する。多くのプロテインキナーゼ及びホスファターゼも、カルモジュリン-カルシウム複合体によって刺激される。カルモジュリンは、CCP110及びセントリンとともに、細胞質分裂を通じて中心体のサイクル及び進行を調節する遺伝経路に関与している(Tsang et al., Mol Biol Cell, 2006, 17:3423-3434を参照)。
[0154] カルレティキュリン(CALR)は、カルレティキュリン/カルネキシンサイクルを介して小胞体(ER)におけるフォールディング、オリゴマー組み立て、及び品質管理を促進する、カルシウム結合シャペロンである。このレクチンは、ERで合成されるほとんど全てのモノグリコシル化糖タンパク質と一時的に相互作用する。カルレティキュリンは、NR3C1のDNA結合ドメインとも相互作用して、その核外輸送を媒介する。
[0155] ペプチジル-プロリル シス-トランスイソメラーゼA(PPIA)は、ペプチジル-プロリル シス-トランスイソメラーゼ(PPIase)ファミリーに属する。PPIaseは、オリゴペプチドのプロリンイミドペプチド結合のシス-トランス異性化を触媒し、タンパク質のフォールディングを加速する。PPIAは、シクロスポリン結合タンパク質でもあり、シクロスポリンA媒介性免疫抑制において役割を果たし得る。
[0156] 真核生物翻訳開始因子5A(EIF5A)は、翻訳伸長に関与するmRNA結合タンパク質である。EIF5Aはまた、mRNA代謝回転に重要な役割を果たす。EIF5Aは、アクチン動態及び細胞周期の進行に関与し、p53/TP53依存性アポトーシス及びTNFα媒介性アポトーシスを制御する。
[0157] ガレクチン-1(LGALS1)は、β-ガラクトシド及び多様な複合炭水化物に結合する。ガレクチン-1は、アポトーシス、細胞増殖、及び細胞分化の制御において役割を果たす。ガラクチン-1は、CD45ホスファターゼ活性及びLynキナーゼの脱リン酸化を阻害することが以前に示されている。ガレクチン-1は、T細胞アポトーシスの強力な誘導因子である。
[0158] アネキシンA5(ANXA5)は、カルシウム依存性リン脂質結合タンパク質のアネキシンファミリーに属する。アネキシンA5は、カルシウムチャネル活性を有するホスホリパーゼA2及びプロテインキナーゼC阻害性タンパク質であり、細胞シグナル伝達、炎症、成長及び分化にも関連付けられている。
[0159] 脂肪酸結合タンパク質5(FABP5)は、長鎖脂肪酸及びその他の疎水性リガンドに結合する、小さい高度に保存された細胞質タンパク質のファミリーに属する。FABPは、脂肪酸の取り込み、輸送、代謝における役割を果たし得る。細胞質ゾル輸送に加えて、FABP5は特定の脂肪酸を細胞質ゾルから核に選択的に送達し、そこで核内受容体を活性化する。FABP5はまた、核内受容体ペルオキシソーム増殖因子活性化受容体デルタにレチノイン酸を送達し、これは増殖及び生存を促進する。
[0160] グルタチオンS-トランスフェラーゼP(GSTP1)は、哺乳動物で広く発現しているGSTスーパーファミリーのメンバーである。GSTPは、グルタチオンを脱プロトン化する機能を有し、求電子性基質とのチオエーテル結合の形成を可能にする。触媒解毒に加えて、GSTP1の他の特性には、シャペロン機能、一酸化窒素経路の調節、様々なキナーゼシグナル伝達経路の調節、及びタンパク質S-グルタチオニル化の正反応への関与が含まれる。Zhang et al., Advances in Cancer Res, 2014, 122:143-175を参照されたい。
[0161] アルファ-エノラーゼ1(ENO1)は、2-ホスホグリセリン酸からホスホエノールピルビン酸への変換を触媒する糖分解酵素である。解糖に加えて、ENO1は、プラスミノーゲン結合、ミトコンドリア膜安定性の維持、RNAシャペロン活性及びシグナル伝達を含む、様々な細胞プロセスに関与している(Didiasova et al., Front Cell Dev Biol, 2019を参照)。
[0162] 14-3-3タンパク質ガンマ(YWHAG)は、一般的及び特殊なシグナル伝達経路の両方の広いスペクトルの制御に関わるアダプタータンパク質である。14-3-3タンパク質ガンマは、通常、ホスホセリン又はホスホスレオニンモチーフの認識によって多数のタンパク質パートナーに結合し、結合は一般に結合パートナーの活性の調節をもたらす。
[0163] ガレクチン-7(LGALS7)は、正常な増殖制御のための細胞間相互作用及び細胞-マトリックス相互作用の調節に関与するβ-ガラクトシド結合タンパク質のファミリーに属する。ガレクチン-7は、細胞接着、遊走、及び免疫細胞制御における役割を含む、多くの機能を有する。
[0164] mTORは、セリン/スレオニン-プロテインキナーゼであり、細胞の代謝、成長、増殖、及び生存の中心的な調節因子である。mTORは、2つの別個のタンパク質複合体、mTORC1及びmTORC2の触媒サブユニットであり、少なくとも800の異なるタンパク質の制御に関与している。mTORのリン酸化はその活性を強化し、それによって下流のシグナル伝達経路の活性化を促進する。
[0165] インターロイキン-11(IL-11)は、サイトカインのIL-6ファミリーに属する多面発現性サイトカインである。非標準的なIL-11シグナル伝達は、筋線維芽細胞の活性化、実質細胞の機能不全、及び炎症を含む、全ての線維炎症性疾患に共通する病状を引き起こし、組織の再生も阻害する(Cook and Schafer, Annual Review of Medicine, 2020; 71:263-276を参照)。
[0166] MMP-2は、マトリックスメタロプロテイナーゼファミリーに属し、これは細胞外マトリックスの成分及びシグナル伝達分子を切断できる亜鉛依存性酵素である。MMP-2は、この酵素ファミリーの中で最も遍在性のメタロプロテイナーゼと考えられており、血管の形成及びリモデリングの制御、並びに組織の修復及び再生を含む、多くの多様な細胞機能に関与している。
[0167] CXCL7は、CXCケモカインファミリーに属し、強力な化学誘引物質及び好中球の活性化剤である。DNA合成、有糸分裂、解糖、細胞内cAMP蓄積、プロスタグランジンE2分泌、並びにヒアルロン酸及び硫酸化グリコサミノグリカンの合成を含む、様々な細胞プロセスを刺激することが示されている。
[0168] CD163は、スカベンジャー受容体システインリッチ(SRCR)スーパーファミリーのメンバーであり、主に単球及びマクロファージで発現される。これは、マクロファージによるヘモグロビン/ハプトグロビン複合体のクリアランス及びエンドサイトーシスに関与する急性期調節受容体として機能し、それによって遊離ヘモグロビン媒介性酸化損傷から組織を保護し得る。可溶型のCD163(sCD163)は、酸化ストレス又は炎症刺激後のタンパク質分解によって細胞表面から放出される。sCD163は、敗血症、炎症性腸疾患、インフルエンザ関連脳症などのいくつかの炎症性疾患におけるマクロファージ活性化のバイオマーカーと考えられている。Etzerodt et al., Scientific Reports, 2017; 7:40286を参照されたい。
[0169] いくつかの実施形態では、バイオマーカーの発現レベルは、対照試料と比較して、治療活性剤(例えば、カベオリン-1ペプチド又はその誘導体)で処置された生体試料において増加する。いくつかの実施形態では、生体試料中のバイオマーカーの発現レベルは、対照試料と比較して、約1.1倍、約1.2倍、約1.3倍、約1.4倍、約1.5倍、約1.6倍、約1.7倍、約1.8倍、約1.9倍、約2.0倍、約2.1倍、約2.2倍、約2.3倍、約2.4倍、約2.5倍、約2.6倍、約2.7倍、約2.8倍、約2.9倍、約3.0倍、約3.1倍、約3.2倍、約3.3倍、約3.4倍、約3.5倍、約3.6倍、約3.7倍、約3.8倍、約3.9倍、約4.0倍、約4.1倍、約4.2倍、約4.3倍、約4.4倍、約4.5倍、約4.6倍、約4.7倍、約4.8倍、約4.9倍、約5.0倍、約6倍、約7倍、約8倍、約9倍、約10倍、約20倍、約30倍、約40倍、約50倍、約60倍、約70倍、約80倍、約90倍、約100倍、約500倍、約1,000倍、又それを超えて増加する。いくつかの実施形態では、生体試料中のバイオマーカーの発現レベルは、対照試料と比較して、約110%、約125%、約150%、約175%、約200%、約225%、約250%、約275%、約300%、約325%、約350%、約375%、約400%、約425%、約450%、約475%、約500%、約600%、約700%、約800%、約900%、約1000%、又はそれを超えて増加する。いくつかの実施形態では、生体試料中のバイオマーカーの発現レベルの増加は、治療活性剤(例えば、カベオリン-1ペプチド又はその誘導体)に対する好ましい反応を示す。いくつかの実施形態では、生体試料は、疾患又は障害、例えば、間質性肺疾患を有する対象から取得される。いくつかの実施形態では、生体試料は、特発性肺線維症を有する対象から取得される。いくつかの実施形態では、バイオマーカーは、MYDGF、可溶性RAGE、リン酸化SMAD2(pSMAD2)、pSMAD3、PDGFRβ、pPDGFRβ、PROF1、CALM2、CALR、PPIA、EIF5A、LGALS1、ANXA5、FABP5、GSTP1、ENO1、YWHAG、LGALS7、IL-11、MMP-2、CXCL7、sCD163、及びp-mTORからなる群から選択される。
[0170] いくつかの実施形態では、MYDGFの発現レベルは、対照試料と比較して、治療活性剤(例えば、カベオリン-1ペプチド又はその誘導体)で処置された生体試料において増加する。いくつかの実施形態では、生体試料中のMYDGFの発現レベルは、対照試料と比較して、約1.1倍、約1.2倍、約1.3倍、約1.4倍、約1.5倍、約1.6倍、約1.7倍、約1.8倍、約1.9倍、約2.0倍、約2.1倍、約2.2倍、約2.3倍、約2.4倍、約2.5倍、約2.6倍、約2.7倍、約2.8倍、約2.9倍、約3.0倍、約3.1倍、約3.2倍、約3.3倍、約3.4倍、約3.5倍、約3.6倍、約3.7倍、約3.8倍、約3.9倍、約4.0倍、約4.1倍、約4.2倍、約4.3倍、約4.4倍、約4.5倍、約4.6倍、約4.7倍、約4.8倍、約4.9倍、約5.0倍、約6倍、約7倍、約8倍、約9倍、約10倍、約20倍、約30倍、約40倍、約50倍、約60倍、約70倍、約80倍、約90倍、約100倍、約500倍、約1,000倍、又それを超えて増加する。いくつかの実施形態では、生体試料中のMYDGFの発現レベルは、対照試料と比較して、約110%、約125%、約150%、約175%、約200%、約225%、約250%、約275%、約300%、約325%、約350%、約375%、約400%、約425%、約450%、約475%、約500%、約600%、約700%、約800%、約900%、約1000%、又はそれを超えて増加する。いくつかの実施形態では、生体試料中のMYDGFの発現レベルの増加は、治療活性剤(例えば、カベオリン-1ペプチド又はその誘導体)に対する好ましい反応を示す。いくつかの実施形態では、生体試料は、疾患又は障害、例えば、間質性肺疾患を有する対象から取得される。いくつかの実施形態では、生体試料は、特発性肺線維症を有する対象から取得される。
[0171] いくつかの実施形態では、可溶性RAGEの発現レベルは、対照試料と比較して、治療活性剤(例えば、カベオリン-1ペプチド又はその誘導体)で処置された生体試料において増加する。いくつかの実施形態では、生体試料中の可溶性RAGEの発現レベルは、対照試料と比較して、約1.1倍、約1.2倍、約1.3倍、約1.4倍、約1.5倍、約1.6倍、約1.7倍、約1.8倍、約1.9倍、約2.0倍、約2.1倍、約2.2倍、約2.3倍、約2.4倍、約2.5倍、約2.6倍、約2.7倍、約2.8倍、約2.9倍、約3.0倍、約3.1倍、約3.2倍、約3.3倍、約3.4倍、約3.5倍、約3.6倍、約3.7倍、約3.8倍、約3.9倍、約4.0倍、約4.1倍、約4.2倍、約4.3倍、約4.4倍、約4.5倍、約4.6倍、約4.7倍、約4.8倍、約4.9倍、約5.0倍、約6倍、約7倍、約8倍、約9倍、約10倍、約20倍、約30倍、約40倍、約50倍、約60倍、約70倍、約80倍、約90倍、約100倍、約500倍、約1,000倍、又それを超えて増加する。いくつかの実施形態では、生体試料中の可溶性RAGEの発現レベルは、対照試料と比較して、約110%、約125%、約150%、約175%、約200%、約225%、約250%、約275%、約300%、約325%、約350%、約375%、約400%、約425%、約450%、約475%、約500%、約600%、約700%、約800%、約900%、約1000%、又はそれを超えて増加する。いくつかの実施形態では、生体試料中の可溶性RAGEの発現レベルの増加は、治療活性剤(例えば、カベオリン-1ペプチド又はその誘導体)に対する好ましい反応を示す。いくつかの実施形態では、生体試料は、疾患又は障害、例えば、間質性肺疾患を有する対象から取得される。いくつかの実施形態では、生体試料は、特発性肺線維症を有する対象から取得される。
[0172] いくつかの実施形態では、プロリフィン(prolifin)の発現レベルは、対照試料と比較して、治療活性剤(例えば、カベオリン-1ペプチド又はその誘導体)で処置された生体試料において増加する。いくつかの実施形態では、生体試料中のプロリフィン(prolifin)の発現レベルは、対照試料と比較して、約1.1倍、約1.2倍、約1.3倍、約1.4倍、約1.5倍、約1.6倍、約1.7倍、約1.8倍、約1.9倍、約2.0倍、約2.1倍、約2.2倍、約2.3倍、約2.4倍、約2.5倍、約2.6倍、約2.7倍、約2.8倍、約2.9倍、約3.0倍、約3.1倍、約3.2倍、約3.3倍、約3.4倍、約3.5倍、約3.6倍、約3.7倍、約3.8倍、約3.9倍、約4.0倍、約4.1倍、約4.2倍、約4.3倍、約4.4倍、約4.5倍、約4.6倍、約4.7倍、約4.8倍、約4.9倍、約5.0倍、約6倍、約7倍、約8倍、約9倍、約10倍、約20倍、約30倍、約40倍、約50倍、約60倍、約70倍、約80倍、約90倍、約100倍、約500倍、約1,000倍、又それを超えて増加する。いくつかの実施形態では、生体試料中のプロリフィン(prolifin)の発現レベルは、対照試料と比較して、約110%、約125%、約150%、約175%、約200%、約225%、約250%、約275%、約300%、約325%、約350%、約375%、約400%、約425%、約450%、約475%、約500%、約600%、約700%、約800%、約900%、約1000%、又はそれを超えて増加する。いくつかの実施形態では、生体試料中のプロリフィン(prolifin)の発現レベルの増加は、治療活性剤(例えば、カベオリン-1ペプチド又はその誘導体)に対する好ましい反応を示す。いくつかの実施形態では、生体試料は、疾患又は障害、例えば、間質性肺疾患を有する対象から取得される。いくつかの実施形態では、生体試料は、特発性肺線維症を有する対象から取得される。
[0173] いくつかの実施形態では、カルモジュリン-2の発現レベルは、対照試料と比較して、治療活性剤(例えば、カベオリン-1ペプチド又はその誘導体)で処置された生体試料において増加する。いくつかの実施形態では、生体試料中のカルモジュリン-2の発現レベルは、対照試料と比較して、約1.1倍、約1.2倍、約1.3倍、約1.4倍、約1.5倍、約1.6倍、約1.7倍、約1.8倍、約1.9倍、約2.0倍、約2.1倍、約2.2倍、約2.3倍、約2.4倍、約2.5倍、約2.6倍、約2.7倍、約2.8倍、約2.9倍、約3.0倍、約3.1倍、約3.2倍、約3.3倍、約3.4倍、約3.5倍、約3.6倍、約3.7倍、約3.8倍、約3.9倍、約4.0倍、約4.1倍、約4.2倍、約4.3倍、約4.4倍、約4.5倍、約4.6倍、約4.7倍、約4.8倍、約4.9倍、約5.0倍、約6倍、約7倍、約8倍、約9倍、約10倍、約20倍、約30倍、約40倍、約50倍、約60倍、約70倍、約80倍、約90倍、約100倍、約500倍、約1,000倍、又それを超えて増加する。いくつかの実施形態では、生体試料中のカルモジュリン-2の発現レベルは、対照試料と比較して、約110%、約125%、約150%、約175%、約200%、約225%、約250%、約275%、約300%、約325%、約350%、約375%、約400%、約425%、約450%、約475%、約500%、約600%、約700%、約800%、約900%、約1000%、又はそれを超えて増加する。いくつかの実施形態では、生体試料中のカルモジュリン-2の発現レベルの増加は、治療活性剤(例えば、カベオリン-1ペプチド又はその誘導体)に対する好ましい反応を示す。いくつかの実施形態では、生体試料は、疾患又は障害、例えば、間質性肺疾患を有する対象から取得される。いくつかの実施形態では、生体試料は、特発性肺線維症を有する対象から取得される。
[0174] いくつかの実施形態では、カルレティキュリンの発現レベルは、対照試料と比較して、治療活性剤(例えば、カベオリン-1ペプチド又はその誘導体)で処置された生体試料において増加する。いくつかの実施形態では、生体試料中のカルレティキュリンの発現レベルは、対照試料と比較して、約1.1倍、約1.2倍、約1.3倍、約1.4倍、約1.5倍、約1.6倍、約1.7倍、約1.8倍、約1.9倍、約2.0倍、約2.1倍、約2.2倍、約2.3倍、約2.4倍、約2.5倍、約2.6倍、約2.7倍、約2.8倍、約2.9倍、約3.0倍、約3.1倍、約3.2倍、約3.3倍、約3.4倍、約3.5倍、約3.6倍、約3.7倍、約3.8倍、約3.9倍、約4.0倍、約4.1倍、約4.2倍、約4.3倍、約4.4倍、約4.5倍、約4.6倍、約4.7倍、約4.8倍、約4.9倍、約5.0倍、約6倍、約7倍、約8倍、約9倍、約10倍、約20倍、約30倍、約40倍、約50倍、約60倍、約70倍、約80倍、約90倍、約100倍、約500倍、約1,000倍、又それを超えて増加する。いくつかの実施形態では、生体試料中のカルレティキュリンの発現レベルは、対照試料と比較して、約110%、約125%、約150%、約175%、約200%、約225%、約250%、約275%、約300%、約325%、約350%、約375%、約400%、約425%、約450%、約475%、約500%、約600%、約700%、約800%、約900%、約1000%、又はそれを超えて増加する。いくつかの実施形態では、生体試料中のカルレティキュリンの発現レベルの増加は、治療活性剤(例えば、カベオリン-1ペプチド又はその誘導体)に対する好ましい反応を示す。いくつかの実施形態では、生体試料は、疾患又は障害、例えば、間質性肺疾患を有する対象から取得される。いくつかの実施形態では、生体試料は、特発性肺線維症(IPF)を有する対象から取得される。いくつかの実施形態では、生体試料は、線維芽細胞である。いくつかの実施形態では、生体試料は、IPF線維芽細胞である。
[0175] いくつかの実施形態では、PPIAの発現レベルは、対照試料と比較して、治療活性剤(例えば、カベオリン-1ペプチド又はその誘導体)で処置された生体試料において増加する。いくつかの実施形態では、生体試料中のPPIAの発現レベルは、対照試料と比較して、約1.1倍、約1.2倍、約1.3倍、約1.4倍、約1.5倍、約1.6倍、約1.7倍、約1.8倍、約1.9倍、約2.0倍、約2.1倍、約2.2倍、約2.3倍、約2.4倍、約2.5倍、約2.6倍、約2.7倍、約2.8倍、約2.9倍、約3.0倍、約3.1倍、約3.2倍、約3.3倍、約3.4倍、約3.5倍、約3.6倍、約3.7倍、約3.8倍、約3.9倍、約4.0倍、約4.1倍、約4.2倍、約4.3倍、約4.4倍、約4.5倍、約4.6倍、約4.7倍、約4.8倍、約4.9倍、約5.0倍、約6倍、約7倍、約8倍、約9倍、約10倍、約20倍、約30倍、約40倍、約50倍、約60倍、約70倍、約80倍、約90倍、約100倍、約500倍、約1,000倍、又それを超えて増加する。いくつかの実施形態では、生体試料中のPPIAの発現レベルは、対照試料と比較して、約110%、約125%、約150%、約175%、約200%、約225%、約250%、約275%、約300%、約325%、約350%、約375%、約400%、約425%、約450%、約475%、約500%、約600%、約700%、約800%、約900%、約1000%、又はそれを超えて増加する。いくつかの実施形態では、生体試料中のPPIAの発現レベルの増加は、治療活性剤(例えば、カベオリン-1ペプチド又はその誘導体)に対する好ましい反応を示す。いくつかの実施形態では、生体試料は、疾患又は障害、例えば、間質性肺疾患を有する対象から取得される。いくつかの実施形態では、生体試料は、特発性肺線維症を有する対象から取得される。
[0176] いくつかの実施形態では、EIF5A1の発現レベルは、対照試料と比較して、治療活性剤(例えば、カベオリン-1ペプチド又はその誘導体)で処置された生体試料において増加する。いくつかの実施形態では、生体試料中のEIF5A1の発現レベルは、対照試料と比較して、約1.1倍、約1.2倍、約1.3倍、約1.4倍、約1.5倍、約1.6倍、約1.7倍、約1.8倍、約1.9倍、約2.0倍、約2.1倍、約2.2倍、約2.3倍、約2.4倍、約2.5倍、約2.6倍、約2.7倍、約2.8倍、約2.9倍、約3.0倍、約3.1倍、約3.2倍、約3.3倍、約3.4倍、約3.5倍、約3.6倍、約3.7倍、約3.8倍、約3.9倍、約4.0倍、約4.1倍、約4.2倍、約4.3倍、約4.4倍、約4.5倍、約4.6倍、約4.7倍、約4.8倍、約4.9倍、約5.0倍、約6倍、約7倍、約8倍、約9倍、約10倍、約20倍、約30倍、約40倍、約50倍、約60倍、約70倍、約80倍、約90倍、約100倍、約500倍、約1,000倍、又それを超えて増加する。いくつかの実施形態では、生体試料中のEIF5A1の発現レベルは、対照試料と比較して、約110%、約125%、約150%、約175%、約200%、約225%、約250%、約275%、約300%、約325%、約350%、約375%、約400%、約425%、約450%、約475%、約500%、約600%、約700%、約800%、約900%、約1000%、又はそれを超えて増加する。いくつかの実施形態では、生体試料中のEIF5A1の発現レベルの増加は、治療活性剤(例えば、カベオリン-1ペプチド又はその誘導体)に対する好ましい反応を示す。いくつかの実施形態では、生体試料は、疾患又は障害、例えば、間質性肺疾患を有する対象から取得される。いくつかの実施形態では、生体試料は、特発性肺線維症を有する対象から取得される。
[0177] いくつかの実施形態では、LGALS7の発現レベルは、対照試料と比較して、治療活性剤(例えば、カベオリン-1ペプチド又はその誘導体)で処置された生体試料において増加する。いくつかの実施形態では、生体試料中のLGALS7の発現レベルは、対照試料と比較して、約1.1倍、約1.2倍、約1.3倍、約1.4倍、約1.5倍、約1.6倍、約1.7倍、約1.8倍、約1.9倍、約2.0倍、約2.1倍、約2.2倍、約2.3倍、約2.4倍、約2.5倍、約2.6倍、約2.7倍、約2.8倍、約2.9倍、約3.0倍、約3.1倍、約3.2倍、約3.3倍、約3.4倍、約3.5倍、約3.6倍、約3.7倍、約3.8倍、約3.9倍、約4.0倍、約4.1倍、約4.2倍、約4.3倍、約4.4倍、約4.5倍、約4.6倍、約4.7倍、約4.8倍、約4.9倍、約5.0倍、約6倍、約7倍、約8倍、約9倍、約10倍、約20倍、約30倍、約40倍、約50倍、約60倍、約70倍、約80倍、約90倍、約100倍、約500倍、約1,000倍、又それを超えて増加する。いくつかの実施形態では、生体試料中のLGALS7の発現レベルは、対照試料と比較して、約110%、約125%、約150%、約175%、約200%、約225%、約250%、約275%、約300%、約325%、約350%、約375%、約400%、約425%、約450%、約475%、約500%、約600%、約700%、約800%、約900%、約1000%、又はそれを超えて増加する。いくつかの実施形態では、生体試料中のLGALS7の発現レベルの増加は、治療活性剤(例えば、カベオリン-1ペプチド又はその誘導体)に対する好ましい反応を示す。いくつかの実施形態では、生体試料は、疾患又は障害、例えば、間質性肺疾患を有する対象から取得される。いくつかの実施形態では、生体試料は、特発性肺線維症を有する対象から取得される。いくつかの実施形態では、生体試料は、疾患又は障害、例えば、間質性肺疾患を有する高齢の対象から取得される。
[0178] いくつかの実施形態では、バイオマーカーの発現レベルは、対照試料と比較して、治療活性剤(例えば、カベオリン-1ペプチド又はその誘導体)で処置された生体試料において減少する。いくつかの実施形態では、生体試料中のバイオマーカーの発現レベルは、対照試料と比較して、約5%、約10%、約15%、約20%、約25%、約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約60%、約65%、約70%、約75%、約80%、約85%、約90%、約95%、又はそれを超えて減少する。いくつかの実施形態では、生体試料中のバイオマーカーの発現レベルの減少は、治療活性剤(例えば、カベオリン-1ペプチド又はその誘導体)に対する好ましい反応を示す。いくつかの実施形態では、生体試料は、疾患又は障害、例えば、間質性肺疾患を有する対象から取得される。いくつかの実施形態では、生体試料は、特発性肺線維症を有する対象から取得される。いくつかの実施形態では、バイオマーカーは、MYDGF、可溶性RAGE、リン酸化SMAD2(pSMAD2)、pSMAD3、PDGFRβ、pPDGFRβ、PROF1、CALM2、CALR、PPIA、EIF5A、LGALS1、ANXA5、FABP5、GSTP1、ENO1、YWHAG、LGALS7、IL-11、MMP-2、CXCL7、sCD163、及びp-mTORからなる群から選択される。
[0179] いくつかの実施形態では、pSMAD2及び/又はpSMAD3の発現レベルは、対照試料と比較して、治療活性剤(例えば、カベオリン-1ペプチド又はその誘導体)で処置された生体試料において減少する。いくつかの実施形態では、生体試料中のpSMAD2及び/又はpSMAD3の発現レベルは、対照試料と比較して、約5%、約10%、約15%、約20%、約25%、約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約60%、約65%、約70%、約75%、約80%、約85%、約90%、約95%、又はそれを超えて減少する。いくつかの実施形態では、生体試料中のpSMAD2及び/又はpSMAD3の発現レベルの増加は、治療活性剤(例えば、カベオリン-1ペプチド又はその誘導体)に対する好ましい反応を示す。いくつかの実施形態では、生体試料は、疾患又は障害、例えば、間質性肺疾患を有する対象から取得される。いくつかの実施形態では、生体試料は、特発性肺線維症を有する対象から取得される。
[0180] いくつかの実施形態では、PDGFRβの発現レベルは、対照試料と比較して、治療活性剤(例えば、カベオリン-1ペプチド又はその誘導体)で処置された生体試料において減少する。いくつかの実施形態では、生体試料中のPDGFRβの発現レベルは、対照試料と比較して、約5%、約10%、約15%、約20%、約25%、約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約60%、約65%、約70%、約75%、約80%、約85%、約90%、約95%、又はそれを超えて減少する。いくつかの実施形態では、生体試料中のPDGFRβの発現レベルの減少は、治療活性剤(例えば、カベオリン-1ペプチド又はその誘導体)に対する好ましい反応を示す。いくつかの実施形態では、生体試料は、疾患又は障害、例えば、間質性肺疾患を有する対象から取得される。いくつかの実施形態では、生体試料は、特発性肺線維症を有する対象から取得される。
[0181] いくつかの実施形態では、pPDGFRβの発現レベルは、対照試料と比較して、治療活性剤(例えば、カベオリン-1ペプチド又はその誘導体)で処置された生体試料において減少する。いくつかの実施形態では、生体試料中のpPDGFRβの発現レベルは、対照試料と比較して、約5%、約10%、約15%、約20%、約25%、約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約60%、約65%、約70%、約75%、約80%、約85%、約90%、約95%、又はそれを超えて減少する。いくつかの実施形態では、生体試料中のpPDGFRβの発現レベルの減少は、治療活性剤(例えば、カベオリン-1ペプチド又はその誘導体)に対する好ましい反応を示す。いくつかの実施形態では、生体試料は、疾患又は障害、例えば、間質性肺疾患を有する対象から取得される。いくつかの実施形態では、生体試料は、特発性肺線維症を有する対象から取得される。
[0182] いくつかの実施形態では、カルレティキュリンの発現レベルは、対照試料と比較して、治療活性剤(例えば、カベオリン-1ペプチド又はその誘導体)で処置された生体試料において減少する。いくつかの実施形態では、生体試料中のカルレティキュリンの発現レベルは、対照試料と比較して、約5%、約10%、約15%、約20%、約25%、約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約60%、約65%、約70%、約75%、約80%、約85%、約90%、約95%、又はそれを超えて減少する。いくつかの実施形態では、生体試料中のカルレティキュリンの発現レベルの増加は、治療活性剤(例えば、カベオリン-1ペプチド又はその誘導体)に対する好ましい反応を示す。いくつかの実施形態では、生体試料は、疾患又は障害、例えば、間質性肺疾患を有する対象から取得される。いくつかの実施形態では、生体試料は、特発性肺線維症(IPF)を有する対象から取得される。いくつかの実施形態では、生体試料は、上皮細胞である。いくつかの実施形態では、生体試料は、IPF上皮細胞である。
[0183] いくつかの実施形態では、p-mTORの発現レベルは、対照試料と比較して、治療活性剤(例えば、カベオリン-1ペプチド又はその誘導体)で処置された生体試料において減少する。いくつかの実施形態では、生体試料中のp-mTORの発現レベルは、対照試料と比較して、約5%、約10%、約15%、約20%、約25%、約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約60%、約65%、約70%、約75%、約80%、約85%、約90%、約95%、又はそれを超えて減少する。いくつかの実施形態では、生体試料中のp-mTORの発現レベルの減少は、治療活性剤(例えば、カベオリン-1ペプチド又はその誘導体)に対する好ましい反応を示す。いくつかの実施形態では、生体試料は、疾患又は障害、例えば、間質性肺疾患を有する対象から取得される。いくつかの実施形態では、生体試料は、特発性肺線維症を有する対象から取得される。
[0184] いくつかの実施形態では、LGALS7の発現レベルは、対照試料と比較して、治療活性剤(例えば、カベオリン-1ペプチド又はその誘導体)で処置された生体試料において減少する。いくつかの実施形態では、生体試料中のLGALS7の発現レベルは、対照試料と比較して、約5%、約10%、約15%、約20%、約25%、約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約60%、約65%、約70%、約75%、約80%、約85%、約90%、約95%、又はそれを超えて減少する。いくつかの実施形態では、生体試料中のLGALS7の発現レベルの増加は、治療活性剤(例えば、カベオリン-1ペプチド又はその誘導体)に対する好ましい反応を示す。いくつかの実施形態では、生体試料は、疾患又は障害、例えば、間質性肺疾患を有する対象から取得される。いくつかの実施形態では、生体試料は、特発性肺線維症を有する対象から取得される。いくつかの実施形態では、生体試料は、疾患又は障害、例えば、間質性肺疾患を有する高齢の対象から取得される。
[0185] いくつかの実施形態では、IL-11の発現レベルは、対照試料と比較して、治療活性剤(例えば、カベオリン-1ペプチド又はその誘導体)で処置された生体試料において減少する。いくつかの実施形態では、生体試料中のIL-11の発現レベルは、対照試料と比較して、約5%、約10%、約15%、約20%、約25%、約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約60%、約65%、約70%、約75%、約80%、約85%、約90%、約95%、又はそれを超えて減少する。いくつかの実施形態では、生体試料中のIL-11の発現レベルの減少は、治療活性剤(例えば、カベオリン-1ペプチド又はその誘導体)に対する好ましい反応を示す。いくつかの実施形態では、生体試料は、疾患又は障害、例えば、間質性肺疾患を有する対象から取得される。いくつかの実施形態では、生体試料は、特発性肺線維症を有する対象から取得される。いくつかの実施形態では、生体試料は、疾患又は障害、例えば、間質性肺疾患を有する高齢の対象から取得される。
[0186] いくつかの実施形態では、MMP-2の発現レベルは、対照試料と比較して、治療活性剤(例えば、カベオリン-1ペプチド又はその誘導体)で処置された生体試料において減少する。いくつかの実施形態では、生体試料中のMMP-2の発現レベルは、対照試料と比較して、約5%、約10%、約15%、約20%、約25%、約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約60%、約65%、約70%、約75%、約80%、約85%、約90%、約95%、又はそれを超えて減少する。いくつかの実施形態では、生体試料中のMMP-2の発現レベルの減少は、治療活性剤(例えば、カベオリン-1ペプチド又はその誘導体)に対する好ましい反応を示す。いくつかの実施形態では、生体試料は、疾患又は障害、例えば、間質性肺疾患を有する対象から取得される。いくつかの実施形態では、生体試料は、特発性肺線維症を有する対象から取得される。いくつかの実施形態では、生体試料は、疾患又は障害、例えば、間質性肺疾患を有する高齢の対象から取得される。
[0187] いくつかの実施形態では、CXCL7の発現レベルは、対照試料と比較して、治療活性剤(例えば、カベオリン-1ペプチド又はその誘導体)で処置された生体試料において減少する。いくつかの実施形態では、生体試料中のCXCL7の発現レベルは、対照試料と比較して、約5%、約10%、約15%、約20%、約25%、約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約60%、約65%、約70%、約75%、約80%、約85%、約90%、約95%、又はそれを超えて減少する。いくつかの実施形態では、生体試料中のCXCL7の発現レベルの減少は、治療活性剤(例えば、カベオリン-1ペプチド又はその誘導体)に対する好ましい反応を示す。いくつかの実施形態では、生体試料は、疾患又は障害、例えば、間質性肺疾患を有する対象から取得される。いくつかの実施形態では、生体試料は、特発性肺線維症を有する対象から取得される。いくつかの実施形態では、生体試料は、疾患又は障害、例えば、間質性肺疾患を有する高齢の対象から取得される。
[0188] いくつかの実施形態では、SCD163の発現レベルは、対照試料と比較して、治療活性剤(例えば、カベオリン-1ペプチド又はその誘導体)で処置された生体試料において減少する。いくつかの実施形態では、生体試料中のSCD163の発現レベルは、対照試料と比較して、約5%、約10%、約15%、約20%、約25%、約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約60%、約65%、約70%、約75%、約80%、約85%、約90%、約95%、又はそれを超えて減少する。いくつかの実施形態では、生体試料中のSCD163の発現レベルの増加は、治療活性剤(例えば、カベオリン-1ペプチド又はその誘導体)に対する好ましい反応を示す。いくつかの実施形態では、生体試料は、疾患又は障害、例えば、間質性肺疾患を有する対象から取得される。いくつかの実施形態では、生体試料は、特発性肺線維症を有する対象から取得される。いくつかの実施形態では、生体試料は、疾患又は障害、例えば、間質性肺疾患を有する高齢の対象から取得される。
[0189] いくつかの実施形態では、治療活性剤(例えば、カベオリン-1ペプチド又はその誘導体)は、対照試料と比較して、生体試料中の受容体チロシンキナーゼ(RTK)関連シグナル伝達経路を減少させる。いくつかの実施形態では、RTK関連シグナル伝達経路は、対照試料と比較して、約5%、約10%、約15%、約20%、約25%、約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約60%、約65%、約70%、約75%、約80%、約85%、約90%、約95%、又はそれを超えて減少する。いくつかの実施形態では、RTK関連シグナル伝達経路の減少は、ALK、c-Jun、Herb2/ErbB3、Stat5a、PI3Kp110a、SRC-1、及び/又はYAPの発現レベルの減少である。いくつかの実施形態では、RTK関連シグナル伝達経路の減少は、ALK(p-ALK)、c-Myc(p-c-Myc)、EGFR(p-EGFR)、MEK1/2(p-MEK-1/2)、MAPK(p-MAPK)、PDK1(p-PDK1)、PDGFRb(p-PDGFRβ)、RafB(p-RafB)、Ret(p-Ret)、Stat5a(p-Stat5a)、及び/又はSRC(p-SRC)のリン酸化の減少である。いくつかの実施形態では、生体試料は、疾患又は障害、例えば、間質性肺疾患を有する対象から取得される。いくつかの実施形態では、生体試料は、特発性肺線維症を有する対象から取得される。いくつかの実施形態では、生体試料は、線維性疾患(例えば、特発性肺線維症)を有する対象から取得された線維芽細胞である。
[0190] いくつかの実施形態では、治療活性剤(例えば、カベオリン-1ペプチド又はその誘導体)は、対照試料と比較して、生体試料における代謝シグナル伝達経路を減少させる。いくつかの実施形態では、代謝シグナル伝達経路は、対照試料と比較して、約5%、約10%、約15%、約20%、約25%、約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約60%、約65%、約70%、約75%、約80%、約85%、約90%、約95%、又はそれを超えて減少する。いくつかの実施形態では、代謝シグナル伝達経路の減少は、AMPKa、Deptor、LDHA、PFKFB3、及び/又はRaptorの発現レベルの減少である。いくつかの実施形態では、代謝シグナル伝達経路の減少は、AMPKa1(p-AMPKa1)、AMPKb1(p-AMPKb1)、mTOR(p-mTOR)、Raptor(p-Raptor)、及び/又はツベリン(p-ツベリン)のリン酸化の減少である。いくつかの実施形態では、生体試料は、疾患又は障害、例えば、間質性肺疾患を有する対象から取得される。いくつかの実施形態では、生体試料は、特発性肺線維症を有する対象から取得される。いくつかの実施形態では、生体試料は、線維性疾患(例えば、特発性肺線維症)を有する対象から取得された線維芽細胞である。
[0191] いくつかの実施形態では、治療活性剤(例えば、カベオリン-1ペプチド又はその誘導体)は、対照試料と比較して、生体試料における浸潤関連分子を減少させる。いくつかの実施形態では、浸潤関連分子は、対照試料と比較して、約5%、約10%、約15%、約20%、約25%、約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約60%、約65%、約70%、約75%、約80%、約85%、約90%、約95%、又はそれを超えて減少する。いくつかの実施形態では、浸潤関連分子の減少は、TWIST2及び/又はWnt5abの発現レベルの減少である。
[0192] いくつかの実施形態では、治療活性剤(例えば、カベオリン-1ペプチド又はその誘導体)は、対照試料と比較して、生体試料におけるヒストン脱アセチル化酵素(HDAC)を減少させる。いくつかの実施形態では、HDACは、対照試料と比較して、約5%、約10%、約15%、約20%、約25%、約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約60%、約65%、約70%、約75%、約80%、約85%、約90%、約95%、又はそれを超えて減少する。いくつかの実施形態では、HDACの減少は、HDAC4及び/又はHDAC6の発現レベルの減少である。いくつかの実施形態では、生体試料は、疾患又は障害、例えば、間質性肺疾患を有する対象から取得される。いくつかの実施形態では、生体試料は、特発性肺線維症を有する対象から取得される。いくつかの実施形態では、生体試料は、線維性疾患(例えば、特発性肺線維症)を有する対象から取得された線維芽細胞である。
[0193] いくつかの実施形態では、本明細書で提供される方法は、線維性疾患を有する対象におけるRTK関連シグナル伝達を減少させる。いくつかの実施形態では、方法は、線維性疾患を有する対象にカベオリン-1ペプチド又はその誘導体を投与することを含む。いくつかの実施形態では、カベオリン-1ペプチド又はその誘導体は、配列番号1~110のいずれか1つのアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、カベオリン-1ペプチド又はその誘導体は、配列番号3のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、カベオリン-1ペプチド又はその誘導体は、配列番号4のアミノ酸配列を含む。
[0194] いくつかの実施形態では、本明細書で提供される方法は、線維化線維芽細胞におけるRTK関連シグナル伝達を減少させる。いくつかの実施形態では、方法は、カベオリン-1ペプチド又はその誘導体を線維化線維芽細胞に投与することを含む。いくつかの実施形態では、カベオリン-1ペプチド又はその誘導体は、正常な線維芽細胞におけるRTK関連シグナル伝達に影響を与えない。いくつかの実施形態では、カベオリン-1ペプチド又はその誘導体は、正常な線維芽細胞におけるRTK関連シグナル伝達を、線維化線維芽細胞におけるものよりも低い程度まで減少させる。いくつかの実施形態では、カベオリン-1ペプチド又はその誘導体は、配列番号1~110のいずれか1つのアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、カベオリン-1ペプチド又はその誘導体は、配列番号3のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、カベオリン-1ペプチド又はその誘導体は、配列番号4のアミノ酸配列を含む。
[0195] いくつかの実施形態では、本明細書で提供される方法は、線維性疾患を有する対象における代謝シグナル伝達を減少させる。いくつかの実施形態では、方法は、線維性疾患を有する対象にカベオリン-1ペプチド又はその誘導体を投与することを含む。いくつかの実施形態では、カベオリン-1ペプチド又はその誘導体は、配列番号1~110のいずれか1つのアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、カベオリン-1ペプチド又はその誘導体は、配列番号3のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、カベオリン-1ペプチド又はその誘導体は、配列番号4のアミノ酸配列を含む。
[0196] いくつかの実施形態では、本明細書で提供される方法は、線維化線維芽細胞における代謝シグナル伝達を減少させる。いくつかの実施形態では、方法は、カベオリン-1ペプチド又はその誘導体を線維化線維芽細胞に投与することを含む。いくつかの実施形態では、カベオリン-1ペプチド又はその誘導体は、正常な線維芽細胞における代謝シグナル伝達に影響を与えない。いくつかの実施形態では、カベオリン-1ペプチド又はその誘導体は、正常な線維芽細胞における代謝シグナル伝達を、線維化線維芽細胞におけるものよりも低い程度まで減少させる。いくつかの実施形態では、カベオリン-1ペプチド又はその誘導体は、配列番号1~110のいずれか1つのアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、カベオリン-1ペプチド又はその誘導体は、配列番号3のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、カベオリン-1ペプチド又はその誘導体は、配列番号4のアミノ酸配列を含む。
[0197] いくつかの実施形態では、1又は複数のバイオマーカーが、疾患又は障害、例えば、間質性肺疾患を有する対象における治療活性剤に関連することが特定される。いくつかの実施形態では、1又は複数のバイオマーカーが、特発性肺線維症を有する対象におけるカベオリン-1療法に関連することが特定される。
[0198] いくつかの実施形態では、疾患又は障害、例えば、間質性肺疾患を有する対象における治療活性剤の最適な投与を決定又は予測するために、1又は複数のバイオマーカーが使用される。いくつかの実施形態では、特発性肺線維症を有する対象におけるカベオリン-1ペプチド又はその誘導体(例えば、CSP-7又はVar55)の最適な投与を決定又は予測するために、1又は複数のバイオマーカーが使用される。
対象
[0199] 本明細書で使用される「対象」という用語は、哺乳動物対象を指す。いくつかの実施形態では、対象は、ヒト、コンパニオンアニマル、非家畜、又は動物園の動物である。いくつかの実施形態では、対象は、ヒト、マウス、ラット、ウサギ、ハムスター、モルモット、イヌ、ネコ、ウシ、ブタ、ヒツジ、ヤギ、ウマ、又はサルである。いくつかの実施形態では、対象は、ヒトである。
[0200] いくつかの実施形態では、対象は、疾患又は障害を有する。いくつかの実施形態では、疾患又は障害を有する対象は、治療活性剤、例えば、カベオリン-1ペプチド又はその誘導体で処置されている。いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるバイオマーカーは、疾患又は障害を有する対象における治療活性剤、例えば、カベオリン-1ペプチド又はその誘導体と関連している。疾患又は障害の例には、自己免疫疾患(例えば、糖尿病、狼瘡、多発性硬化症、乾癬、関節リウマチ);炎症性疾患(例えば、関節炎、骨盤炎症性疾患);感染性疾患(例えば、ウイルス感染(例えば、HIV、HCV、RSV、COVID-19))、細菌感染、真菌感染、敗血症);神経障害(例えば、アルツハイマー病、ハンチントン病;自閉症;デュシェンヌ型筋ジストロフィー);心血管障害(例えば、アテローム性動脈硬化症、高コレステロール血症、血栓症、凝固障害、黄斑変性症などの血管新生障害);増殖性疾患(例えば、癌、良性新生物);呼吸器疾患(例えば、慢性閉塞性肺疾患);消化器疾患(例えば、炎症性腸疾患、潰瘍);筋骨格系疾患(例えば、線維筋痛症、関節炎);内分泌、代謝、及び栄養障害(例えば、糖尿病、骨粗鬆症);泌尿器疾患(例えば、腎疾患);精神障害(例えば、抑うつ、統合失調症);皮膚疾患(例えば、傷、湿疹);血液及びリンパ障害(例えば、貧血、血友病);線維性疾患(例えば、特発性肺線維症);又は眼疾患(例えば、緑内障、糖尿病性網膜症)が含まれるが、これらに限定されない。
[0201] いくつかの実施形態では、対象は、線維性疾患を有する。いくつかの実施形態では、線維性疾患を有する対象は、治療活性剤、例えば、カベオリン-1ペプチド又はその誘導体で処置されている。いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるバイオマーカーは、線維性疾患を有する対象における治療活性剤、例えば、カベオリン-1ペプチド又はその誘導体と関連している。線維性疾患には、骨髄、胆嚢、血管、心臓、関節、腎臓、肝臓、肺、筋肉、膵臓、陰茎、皮膚、軟部組織、眼、副腎、甲状腺及び/又は子宮のものを含む線維性疾患が含まれる。線維性疾患の例には、肺線維症、急性間質性肺炎、非特異的間質性肺炎、リンパ球性間質性肺炎、喘息、特発性間質性線維症、間質性肺疾患、間質性肺炎、嚢胞性線維症、特発性器質化肺炎、剥離性間質性肺炎、びまん性実質肺疾患、呼吸細気管支炎、上皮下線維症、全身性硬化症、心線維症、心筋線維症、心内膜線維症、膵線維症、慢性膵炎、肝硬変、慢性腎臓病、胆嚢の硬変、腎硬化症、糸球体腎炎、動脈硬化、アテローム性動脈硬化、再狭窄、黄斑変性、眼瘢痕、白内障、網膜及び硝子体網膜症、グレーブス眼症、神経線維腫症、強皮症、神経膠芽腫、ケロイド瘢痕、肥厚性瘢痕、コロイド及び肥厚性瘢痕、手術後の瘢痕、異常な創傷治癒、腹膜線維症、後腹膜線維症、慢性閉塞性肺疾患、術後筋腫、糖尿病性腎症、腎性全身性線維症、婦人科癌、慢性骨髄増殖性障害、骨髄線維症、骨髄増殖症候群、骨髄性白血病、骨髄異形成症候群、炎症性腸疾患(例えば、クローン病及び膠原性大腸炎)、アルコール性脂肪性肝炎、アルコール性脂肪肝疾患、非アルコール性脂肪肝疾患、線維肉腫、関節リウマチ、関節リウマチ又は変形性関節症におけるリウマチ様パンヌス形成、移植片対宿主病の結果としての線維症、臓器移植線維症、関節線維症(anthrofibrosis)、非アルコール性脂肪性肝炎、アルポート症候群、慢性COVID症候群、HIVにおけるグリア瘢痕形成、ペイロニー病、関連する認知運動疾患及び海綿状脳症、薬物及び線維嚢胞性疾患に続発する歯肉増殖症、デュピュイトラン拘縮、モルフェア、子宮内膜症、子宮筋腫、線維筋痛症、多巣性線維性硬化症、進行性骨化性線維異形成症、骨粗鬆症、又は骨硬化症が含まれるが、これらに限定されない。
[0202] いくつかの実施形態では、対象は、肺疾患を有する。いくつかの実施形態では、肺疾患を有する対象は、治療活性剤、例えば、カベオリン-1ペプチド又はその誘導体で処置されている。いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるバイオマーカーは、肺疾患を有する対象における治療活性剤、例えば、カベオリン-1ペプチド又はその誘導体と関連している。肺疾患の例には、肺線維症、間質性肺疾患、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、急性肺損傷、急性呼吸窮迫症候群、慢性気管支炎、肺気腫、肺癌、嚢胞性線維症、気管支拡張症、肺炎、胸水、結核、肺高血圧症、膠原血管性肺疾患(例えば、狼瘡、強皮症、又は混合結合組織疾患による)、及び喘息が含まれるが、これらに限定されない。肺疾患は、喫煙、刺激物(例えば、アスベスト及びシリカ)への曝露、アレルギー、遺伝学、又は未知の原因によって引き起こされ得る。
[0203] いくつかの実施形態では、対象は、間質性肺疾患(ILD)を有する。いくつかの実施形態では、ILDを有する対象は、治療活性剤、例えば、カベオリン-1ペプチド又はその誘導体で処置されている。いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるバイオマーカーは、ILDを有する対象における治療活性剤、例えば、カベオリン-1ペプチド又はその誘導体と関連している。ILDの例には、特発性肺線維症、リンパ脈管筋腫症、非特異的間質性肺炎、特発性器質化肺炎、急性間質性肺疾患、呼吸細気管支炎関連間質性肺疾患、剥離性間質性肺炎、リンパ球性間質性肺炎、及び肺サルコイドーシスが含まれるが、これらに限定されない。ILDは、全身性硬化症、多発性筋炎、全身性エリテマトーデス、又は関節リウマチから選択される結合組織疾患に関連している可能性がある。ILDはまた、薬物誘発性、例えば、抗生物質、化学療法剤、抗不整脈剤、スタチンなどによって誘発され得る。ILDは、ウイルス感染(例えば、COVID-19)、細菌感染、又は結核にも起因し得る。ILDは、シリカ、アスベスト、タルク、硬質金属、無機又は有機粉塵、放射線、ガス/ヒュームなどへの環境的又は職業的曝露に関連している可能性がある。
[0204] いくつかの実施形態では、対象は、肺線維症を有する。いくつかの実施形態では、肺線維症を有する対象は、治療活性剤、例えば、カベオリン-1ペプチド又はその誘導体で処置されている。いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるバイオマーカーは、肺線維症を有する対象における治療活性剤、例えば、カベオリン-1ペプチド又はその誘導体と関連している。肺線維症の例には、家族性肺線維症、間質性肺疾患、特発性肺線維症、特発性非特異的間質性肺炎、従来型間質性肺疾患、特発性器質化肺炎、肺サルコイドーシス、線維化性肺胞炎、嚢胞性線維症、COPD、成人呼吸窮迫症候群、肺気腫が含まれるが、これらに限定されない。肺線維症は、慢性炎症プロセス(例えば、サルコイドーシス及びウェゲナー肉芽腫症)、感染症(例えば、COVID-19)、環境要因(例えば、アスベスト、シリカ、硬質金属、タルク、特定のガスへの曝露)、電離放射線への曝露(例えば、胸部腫瘍を処置するための放射線療法)、慢性状態(例えば、狼瘡、関節リウマチ)、さらには特定の薬物を含む、多くの状態によって引き起こされ得る。
[0205] いくつかの実施形態では、対象は、特発性肺線維症を有する。いくつかの実施形態では、特発性肺線維症を有する対象は、治療活性剤、例えば、カベオリン-1ペプチド又はその誘導体で処置されている。いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるバイオマーカーは、特発性肺線維症を有する対象における治療活性剤、例えば、カベオリン-1ペプチド又はその誘導体と関連している。
生体試料
[0206] 本明細書で使用される場合、「生体試料」という用語は、対象から取得された試料を指す。生体試料は、当業者に公知の方法を使用して対象から取得され得る。生体試料の例には、哺乳動物から単離された体液、器官、組織、及び細胞が含まれるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、生体試料は、生体試料の切片、例えば、器官又は組織の切片である。いくつかの実施形態では、生体試料は、生体試料からの抽出物、例えば、生体液からの抗原である。対象から取得した生体試料を収集、取り扱い、及び処理するための方法は、当技術分野で周知である。
[0207] いくつかの実施形態では、生体試料は、哺乳動物(例えば、ラット、マウス、ウサギ、イヌ、ネコ、ウシ、ウマ、ロバ、モルモット、サル、又はヒト)から取得される。いくつかの実施形態では、生体試料は、霊長類(例えば、チンパンジー又はヒト)から取得される。いくつかの実施形態では、生体試料は、ヒトから取得される。いくつかの実施形態では、生体試料は、疾患又は障害、例えば、間質性肺疾患を有するヒトから取得される。いくつかの実施形態では、生体試料は、特発性肺線維症を有するヒトから取得される。いくつかの実施形態では、生体試料は、疾患又は障害のエビデンスを有しないヒトから取得される(例えば、健康なヒト対象からの対照試料)。
[0208] いくつかの実施形態では、生体試料は、体液である。体液の例には、血液、血漿、血清、尿、腹膜液、脳脊髄液、羊水、気管支肺胞洗浄液、リンパ液、唾液、胸水、又は間質液が含まれるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、生体試料は、血漿である。いくつかの実施形態では、生体試料は、血清である。いくつかの実施形態では、生体試料は、気管支肺胞洗浄液である。
[0209] いくつかの実施形態では、生体試料は、組織又は細胞試料である。組織又は細胞試料の供給源は、新鮮、凍結及び/又は保存された器官若しくは組織試料又は生検若しくは吸引物からの固形組織;対象の妊娠中又は発育中のあらゆる時期からの細胞であり得る。生体試料はまた、疾患又は障害、例えば、間質性肺疾患を有する対象に由来する培養初代細胞又は細胞株であってもよい。
[0210] いくつかの実施形態では、生体試料は、対象から取得された組織試料である。いくつかの実施形態では、生体試料は、肺組織、皮膚組織、心臓組織、肝臓組織、胃腸組織、膵臓組織、骨組織、神経組織、脂肪組織、軟骨組織、結合組織、筋肉組織、上皮組織、又は眼組織である。いくつかの実施形態では、生体試料は、特発性肺線維症を有する対象からの肺組織である。
[0211] いくつかの実施形態では、生体試料は、対象から取得された細胞試料である。いくつかの実施形態では、生体試料は、線維芽細胞、条件付き再プログラミングされた細胞、I型肺胞上皮細胞、II型肺胞上皮細胞、基底細胞、クララ細胞、繊毛細胞、杯細胞、神経内分泌細胞、内皮細胞、双肺胞幹細胞(BASC)、肺胞マクロファージ、イオノサイト、周皮細胞、中皮細胞、赤血球、白血球、末梢血単核球、B細胞、形質細胞、自然リンパ球、T細胞(例えば、CD8+T細胞、CD4+T細胞、制御性T細胞)、マクロファージ、非古典的単球、単球、好中球、好酸球、樹状細胞、マスト細胞、NK細胞、幹細胞、胆管細胞、肝細胞、クッパー細胞、ケラチノサイト、メラノサイト、錐体細胞、桿体細胞、色素細胞、ランゲルハン(Langerhan)細胞、心筋細胞、平滑筋細胞、筋線維芽細胞、間質細胞、骨細胞、脂肪細胞、筋細胞、上皮細胞、内分泌細胞、生殖細胞、血管細胞、神経細胞、グリア細胞、栄養膜細胞、間葉細胞、癌細胞(癌細胞株を含む)、皮膚細胞、神経細胞、又は膵臓細胞である。いくつかの実施形態では、生体試料は、特発性肺線維症を有する対象からの線維芽細胞である。いくつかの実施形態では、生体試料は、特発性肺線維症を有する対象からの基底様細胞である。いくつかの実施形態では、生体試料は、特発性肺線維症を有する対象からの条件付き再プログラミングされた細胞である。いくつかの実施形態では、生体試料は、特発性肺線維症を有する対象からの上皮細胞である。
[0212] いくつかの実施形態では、生体試料は、インビトロ又はエクスビボで培養された細胞又は組織からの上清である。いくつかの実施形態では、上清は、特発性肺線維症を有する対象から取得された培養された条件付き再プログラミングされた細胞からのものである。いくつかの実施形態では、上清は、特発性肺線維症を有する対象からの培養された肺組織からのものである。いくつかの実施形態では、上清は、特発性肺線維症を有する対象からの培養された線維芽細胞からのものである。
[0213] いくつかの実施形態では、生体試料は、対照試料である。本明細書で使用される「対照試料」という用語は、本明細書に記載の治療活性剤(例えば、カベオリン-1ペプチド又はその誘導体)で処置されていない対象又は対象集団から取得された生体試料を指す。いくつかの実施形態では、対照試料は、本明細書に記載の治療活性剤(例えば、カベオリン-1ペプチド又はその誘導体)で処置された対象から取得された生体試料中のバイオマーカーの発現レベルを決定又は特定する際に使用される。いくつかの実施形態では、対照試料は、疾患又は障害、例えば、間質性肺疾患を有する対象又は対象の集団から取得された生体試料である。いくつかの実施形態では、対照試料は、健康な対象から取得された生体試料である。いくつかの実施形態では、対照試料は、治療活性剤による処置前に対象から取得された生体試料である。いくつかの実施形態では、対照試料は、カベオリン-1ペプチド又はその誘導体による処置の前に、対象から取得された生体試料である。いくつかの実施形態では、対照試料は、CSP-7又はVar55による処置の前に、対象から取得された生体試料である。
[0214] いくつかの実施形態では、生体試料は、生体試料と自然には混合しない化合物を含有する。このような化合物の例には、保存剤、抗凝固剤、緩衝剤、固定剤、栄養剤、抗生物質などが含まれるが、これらに限定されない。
カベオリン-1ペプチド療法のバイオマーカーの使用
[0215] いくつかの実施形態では、本開示は、カベオリン-1ペプチド療法で対象を処置する方法を提供し、ここで、対象は、線維症を患っており、本方法は、(a)対象から生体試料を取得するか、又は取得したステップ;(b)生体試料の細胞をカベオリン-1ペプチド又はその誘導体で処理するか、又は処理したステップ;(c)細胞中のバイオマーカーの発現レベルを測定するステップ;及び(d)バイオマーカーの発現レベルを対照試料と比較するステップを含み;バイオマーカーは、骨髄由来成長因子(MYDGF)、可溶性RAGE、リン酸化マザーズ・アゲインスト・デカペンタプレジック・ホモログ2/3(pSMAD2/3)、血小板由来成長因子受容体ベータ(PDGFRβ)、ガレクチン-7(LGALS7)、インターロイキン-11(IL-11)、マトリックスメタロプロテイナーゼ-2(MMP-2)、ケモカインリガンド7(CXCL-7)、可溶性CD163、リン酸化mTOR(p-mTOR)、リン酸化PDGFRβ(pPDGFRβ)、プロリフィン(prolifin)(PROF1)、カルモジュリン2(CALM2)、カルレティキュリン(CALR)、ペプチジル-プロリル シス-トランスイソメラーゼA(PPIA)、又は真核生物翻訳開始因子5A(EIF5A1)であり;
[0216] MYDGF、PROF1、CALM2、CALR、PPIA、IF5A1、LGALS7、可溶性RAGE、又はEIF5A1の発現レベルが増加した場合、カベオリン-1ペプチド又はその誘導体を対象に投与するか;又は
[0217] PDGFRβ、pPDGFRβ、p-mTOR、CALR、IL-11、MMP-2、CXCL7、可溶性CD163、又はpSMAD2/3の発現レベルが低下した場合、カベオリン-1ペプチド又はその誘導体を対象に投与する。
[0218] いくつかの実施形態では、カベオリン-1ペプチド又はその誘導体を投与する方法は、本明細書に記載される通りである(例えば、Cav-1ペプチドの同一性、投与、投与経路、対象など)。
[0219] いくつかの実施形態では、生体試料、細胞の種類、バイオマーカーの測定、及び/又はバイオマーカー発現変化のレベルは、本明細書に記載される通りである。
[0220] いくつかの実施形態では、本方法のステップ(b)~(d)は、1回又は複数回繰り返される。
[0221] いくつかの実施形態では、線維症は、間質性肺疾患、肝線維症、腎線維症、皮膚線維症、糸球体腎炎、全身性硬化症、心臓線維症、心筋線維症、腎臓線維症、肝硬変、腎硬化症、動脈硬化症、黄斑変性症、眼瘢痕、白内障、網膜及び硝子体網膜症、グレーブス眼症、神経線維腫症、強皮症、膠芽腫、ケロイド及び肥厚性瘢痕、腹膜線維性疾患、慢性閉塞性肺疾患、術後筋腫、糖尿病性腎症、婦人科癌、骨髄増殖症候群、骨髄性白血病、骨髄異形成症候群、炎症性腸疾患、非アルコール性脂肪肝疾患、線維肉腫、関節リウマチ、非アルコール性脂肪性肝炎、アルポート症候群、又は慢性COVID症候群である。いくつかの実施形態では、間質性肺疾患は、特発性肺線維症、リンパ脈管筋腫症、非特異的間質性肺炎、特発性間質性肺炎、特発性器質化肺炎、急性間質性肺疾患、呼吸細気管支炎関連間質性肺疾患、剥離性間質性肺炎、リンパ球性間質性肺炎、肺サルコイドーシス、びまん性肺胞損傷、全身性硬化症、多発性筋炎、全身性エリテマトーデス、関節リウマチ、薬物性間質性肺疾患、又は職業性間質性肺疾患である。いくつかの実施形態では、間質性肺疾患は、特発性肺線維症である。
[0222] 対照試料が、カベオリン-1ペプチド又はその誘導体による処置の前に、対象から取得された細胞である、請求項1に記載の方法。
[0223] いくつかの実施形態では、本明細書で提供される方法は、疾患又は障害を有する対象における治療活性剤に関連するバイオマーカーの発現レベルの変化を特定するために使用される。いくつかの実施形態では、方法は、(a)対象からの生体試料を治療活性剤で処置すること;(b)生体試料中のバイオマーカーの発現レベルを測定すること;及び(c)生体試料中のバイオマーカーの発現レベルを対照試料中のバイオマーカーの発現レベルと比較することを含む。いくつかの実施形態では、治療活性剤は、生体試料中のバイオマーカーの発現レベルを調節する。いくつかの実施形態では、バイオマーカーは、pSMAD2/3、PDGFRβ、pPDGFRβ、PROF1、CALM2、CALR、PPIA、IF5A1、LGALS1、ANXA5、FABP5、GSTP1、ENO1、YWHAG、LGALS7、IL-11、MMP-2、CXCL7、sCD163、及びp-mTORからなる群から選択される。いくつかの実施形態では、バイオマーカーは、MYDGFである。いくつかの実施形態では、バイオマーカーは、可溶性RAGEである。いくつかの実施形態では、バイオマーカーは、pSMAD2/3である。いくつかの実施形態では、バイオマーカーは、PDGFRβである。いくつかの実施形態では、MYDGF、PROF1、CALM2、CALR、PPIA、EIF5A1、LGALS7、及び/又は可溶性RAGEの発現レベルの増加は、疾患又は障害を有する対象における治療活性剤と関連している。いくつかの実施形態では、PDGFRβ、CALR、pPDGFRβ、p-mTOR、IL-11、MMP-2、CXCL7、sCD163、又はpSMAD2/3の発現レベルの減少は、疾患又は障害を有する対象における治療活性剤と関連している。
[0224] いくつかの実施形態では、本明細書で提供される方法は、間質性肺疾患を有する対象におけるカベオリン-1療法に関連するバイオマーカーの発現レベルの変化を特定するために使用される。いくつかの実施形態では、方法は、(a)間質性肺疾患を有する対象からの細胞をカベオリン-1ペプチド又はその誘導体で処置すること;(b)細胞中のバイオマーカーの発現レベルを測定すること;及び(c)細胞中のバイオマーカーの発現レベルを対照試料中のバイオマーカーの発現レベルと比較することを含む。いくつかの実施形態では、カベオリン-1ペプチド又はその誘導体は、細胞中のバイオマーカーの発現レベルを調節する。いくつかの実施形態では、バイオマーカーは、pSMAD2/3、PDGFRβ、pPDGFRβ、PROF1、CALM2、CALR、PPIA、IF5A1、LGALS1、ANXA5、FABP5、GSTP1、ENO1、YWHAG、LGALS7、IL-11、MMP-2、CXCL7、sCD163、及びp-mTORからなる群から選択される。いくつかの実施形態では、バイオマーカーは、MYDGFである。いくつかの実施形態では、バイオマーカーは、可溶性RAGEである。いくつかの実施形態では、バイオマーカーは、pSMAD2/3である。いくつかの実施形態では、バイオマーカーは、PDGFRβである。いくつかの実施形態では、MYDGF、PROF1、CALM2、CALR、PPIA、EIF5A1、LGALS7、及び/又は可溶性RAGEの発現レベルの増加は、疾患又は障害を有する対象におけるカベオリン-1ペプチド又はその誘導体と関連している。いくつかの実施形態では、PDGFRβ、CALR、pPDGFRβ、p-mTOR、IL-11、MMP-2、CXCL7、sCD163、又はpSMAD2/3の発現レベルの減少は、疾患又は障害を有する対象におけるカベオリン-1ペプチド又はその誘導体と関連している。いくつかの実施形態では、間質性肺疾患は、特発性肺線維症である。
[0225] いくつかの実施形態では、本明細書で提供される方法は、間質性肺疾患を有する対象におけるCSP-7処置に関連するバイオマーカーの発現レベルの変化を特定するために使用される。いくつかの実施形態では、方法は、(a)間質性肺疾患を有する対象からの細胞をCSP-7で処置すること;(b)細胞中のバイオマーカーの発現レベルを測定すること;及び(c)細胞中のバイオマーカーの発現レベルを対照試料中のバイオマーカーの発現レベルと比較することを含む。いくつかの実施形態では、CSP-7は、細胞中のバイオマーカーの発現レベルを調節する。いくつかの実施形態では、バイオマーカーは、pSMAD2/3、PDGFRβ、pPDGFRβ、PROF1、CALM2、CALR、PPIA、IF5A1、LGALS1、ANXA5、FABP5、GSTP1、ENO1、YWHAG、LGALS7、IL-11、MMP-2、CXCL7、sCD163、及びp-mTORからなる群から選択される。いくつかの実施形態では、バイオマーカーは、MYDGFである。いくつかの実施形態では、バイオマーカーは、可溶性RAGEである。いくつかの実施形態では、バイオマーカーは、pSMAD2/3である。いくつかの実施形態では、バイオマーカーは、PDGFRβである。いくつかの実施形態では、MYDGF、PROF1、CALM2、CALR、PPIA、EIF5A1、LGALS7、及び/又は可溶性RAGEの発現レベルの増加は、間質性肺疾患の対象におけるCSP-7と関連している。いくつかの実施形態では、PDGFRβ、CALR、pPDGFRβ、p-mTOR、IL-11、MMP-2、CXCL7、sCD163、又はpSMAD2/3の発現レベルの減少は、間質性肺疾患を有する対象におけるCSP-7と関連している。いくつかの実施形態では、間質性肺疾患は、特発性肺線維症である。
[0226] いくつかの実施形態では、本明細書で提供される方法は、間質性肺疾患を有する対象におけるVar55処置に関連するバイオマーカーの発現レベルの変化を特定するために使用される。いくつかの実施形態では、方法は、(a)間質性肺疾患を有する対象からの細胞をVar55で処置すること;(b)細胞中のバイオマーカーの発現レベルを測定すること;及び(c)細胞中のバイオマーカーの発現レベルを対照試料中のバイオマーカーの発現レベルと比較することを含む。いくつかの実施形態では、Var55は、細胞中のバイオマーカーの発現レベルを調節する。いくつかの実施形態では、バイオマーカーは、pSMAD2/3、PDGFRβ、pPDGFRβ、PROF1、CALM2、CALR、PPIA、IF5A1、LGALS1、ANXA5、FABP5、GSTP1、ENO1、YWHAG、LGALS7、IL-11、MMP-2、CXCL7、sCD163、及びp-mTORからなる群から選択される。いくつかの実施形態では、バイオマーカーは、MYDGFである。いくつかの実施形態では、バイオマーカーは、可溶性RAGEである。いくつかの実施形態では、バイオマーカーは、pSMAD2/3である。いくつかの実施形態では、バイオマーカーは、PDGFRβである。いくつかの実施形態では、MYDGF、PROF1、CALM2、CALR、PPIA、EIF5A1、LGALS7、及び/又は可溶性RAGEの発現レベルの増加は、間質性肺疾患を有する対象におけるVar55と関連している。いくつかの実施形態では、PDGFRβ、CALR、pPDGFRβ、p-mTOR、IL-11、MMP-2、CXCL7、sCD163、又はpSMAD2/3の発現レベルの減少は、間質性肺疾患を有する対象におけるVar55と関連している。いくつかの実施形態では、間質性肺疾患は、特発性肺線維症である。
[0227] いくつかの実施形態では、本明細書で提供される方法は、疾患又は障害を有する対象における治療活性剤の有効性を予測又は決定するために使用される。いくつかの実施形態では、方法は、(a)対象からの生体試料を治療活性剤で処置すること;(b)生体試料中のバイオマーカーの発現レベルを測定すること;及び(c)生体試料中のバイオマーカーの発現レベルを対照試料中のバイオマーカーの発現レベルと比較することを含む。いくつかの実施形態では、バイオマーカーは、PDGFRβ、pPDGFRβ、MYDGF、pSMAD2/3、PROF1、CALM2、CALR、PPIA、IF5A1、可溶性RAGE、LGALS1、ANXA5、FABP5、GSTP1、ENO1、YWHAG、LGALS7、IL-11、MMP-2、CXCL7、sCD163、及びp-mTORからなる群から選択される。いくつかの実施形態では、バイオマーカーは、MYDGFである。いくつかの実施形態では、バイオマーカーは、可溶性RAGEである。いくつかの実施形態では、バイオマーカーは、pSMAD2/3である。いくつかの実施形態では、バイオマーカーは、PDGFRβである。いくつかの実施形態では、MYDGF、PROF1、CALM2、CALR、PPIA、EIF5A1、LGALS7、又は可溶性RAGEの発現レベルの増加は、治療活性剤に対する好ましい反応を示す。いくつかの実施形態では、PDGFRβ、CALR、pPDGFRβ、p-mTOR、IL-11、MMP-2、CXCL7、sCD163、又はpSMAD2/3の発現レベルの減少は、治療活性剤に対する好ましい反応を示す。
[0228] いくつかの実施形態では、本明細書で提供される方法は、間質性肺疾患を有する対象におけるカベオリン-1ペプチド又はその誘導体の有効性を予測又は決定するために使用される。いくつかの実施形態では、方法は、(a)間質性肺疾患を有する対象からの生体試料をカベオリン-1ペプチド又はその誘導体で処置すること;(b)生体試料中のバイオマーカーの発現レベルを測定すること;及び(c)生体試料中のバイオマーカーの発現レベルを対照試料中のバイオマーカーの発現レベルと比較することを含む。いくつかの実施形態では、バイオマーカーは、PDGFRβ、pPDGFRβ、MYDGF、pSMAD2/3、PROF1、CALM2、CALR、PPIA、IF5A1、可溶性RAGE、LGALS1、ANXA5、FABP5、GSTP1、ENO1、YWHAG、LGALS7、IL-11、MMP-2、CXCL7、sCD163、及びp-mTORからなる群から選択される。いくつかの実施形態では、バイオマーカーは、MYDGFである。いくつかの実施形態では、バイオマーカーは、可溶性RAGEである。いくつかの実施形態では、バイオマーカーは、pSMAD2/3である。いくつかの実施形態では、MYDGF、PROF1、CALM2、CALR、PPIA、EIF5A1、LGALS7、又は可溶性RAGEの発現レベルの増加は、カベオリン-1ペプチド又はその誘導体に対する好ましい反応を示す。いくつかの実施形態では、PDGFRβ、CALR、pPDGFRβ、p-mTOR、IL-11、MMP-2、CXCL7、sCD163、又はpSMAD2/3の発現レベルの減少は、カベオリン-1ペプチド又はその誘導体に対する好ましい反応を示す。いくつかの実施形態では、生体試料は、間質性肺疾患を有する対象から取得された肺線維芽細胞又は基底様細胞である。いくつかの実施形態では、間質性肺疾患は、特発性肺線維症である。
[0229] いくつかの実施形態では、本明細書で提供される方法は、間質性肺疾患を有する対象におけるCSP-7の有効性を予測又は決定するために使用される。いくつかの実施形態では、方法は、(a)対象からの生体試料をCSP-7で処置すること;(b)生体試料中のバイオマーカーの発現レベルを測定すること;及び(c)生体試料中のバイオマーカーの発現レベルを対照試料中のバイオマーカーの発現レベルと比較することを含む。いくつかの実施形態では、バイオマーカーは、PDGFRβ、pPDGFRβ、MYDGF、pSMAD2/3、PROF1、CALM2、CALR、PPIA、IF5A1、可溶性RAGE、LGALS1、ANXA5、FABP5、GSTP1、ENO1、YWHAG、LGALS7、IL-11、MMP-2、CXCL7、sCD163、及びp-mTORからなる群から選択される。いくつかの実施形態では、バイオマーカーは、MYDGFである。いくつかの実施形態では、バイオマーカーは、可溶性RAGEである。いくつかの実施形態では、バイオマーカーは、pSMAD2/3である。いくつかの実施形態では、バイオマーカーは、PDGFRβである。いくつかの実施形態では、MYDGF、PROF1、CALM2、CALR、PPIA、EIF5A1、LGALS7、又は可溶性RAGEの発現レベルの増加は、CSP-7に対する好ましい反応を示す。いくつかの実施形態では、PDGFRβ、pPDGFRβ、p-mTOR、IL-11、MMP-2、CXCL7、sCD163、pSMAD2/3、又はCALRの発現レベルの減少は、CSP-7に対する好ましい反応を示す。いくつかの実施形態では、生体試料は、間質性肺疾患を有する対象から取得された肺線維芽細胞又は基底様細胞である。いくつかの実施形態では、間質性肺疾患は、特発性肺線維症である。
[0230] いくつかの実施形態では、本明細書で提供される方法は、間質性肺疾患を有する対象におけるVar55の有効性を予測又は決定するために使用される。いくつかの実施形態では、方法は、(a)対象からの生体試料をVar55で処置すること;(b)生体試料中のバイオマーカーの発現レベルを測定すること;及び(c)生体試料中のバイオマーカーの発現レベルを対照試料中のバイオマーカーの発現レベルと比較することを含む。いくつかの実施形態では、バイオマーカーは、PDGFRβ、pPDGFRβ、MYDGF、pSMAD2/3、PROF1、CALM2、CALR、PPIA、IF5A1、可溶性RAGE、LGALS1、ANXA5、FABP5、GSTP1、ENO1、YWHAG、LGALS7、IL-11、MMP-2、CXCL7、sCD163、及びp-mTORからなる群から選択される。いくつかの実施形態では、バイオマーカーは、MYDGFである。いくつかの実施形態では、バイオマーカーは、可溶性RAGEである。いくつかの実施形態では、バイオマーカーは、pSMAD2/3である。いくつかの実施形態では、バイオマーカーは、PDGFRβである。いくつかの実施形態では、MYDGF、PROF1、CALM2、CALR、PPIA、EIF5A1、LGALS7、又は可溶性RAGEの発現レベルの増加は、Var55に対する好ましい反応を示す。いくつかの実施形態では、PDGFRβ、CALR、pPDGFRβ、p-mTOR、IL-11、MMP-2、CXCL7、sCD163、又はpSMAD2/3の発現レベルの減少は、Var55に対する好ましい反応を示す。いくつかの実施形態では、生体試料は、間質性肺疾患を有する対象から取得された肺線維芽細胞又は基底様細胞である。いくつかの実施形態では、間質性肺疾患は、特発性肺線維症である。
[0231] いくつかの実施形態では、本明細書で提供される方法は、疾患又は障害を有する対象における治療活性剤の最適用量を決定するために使用される。いくつかの実施形態では、疾患又は障害を有する対象における治療活性剤の最適用量を決定する方法は、(a)治療活性剤による処置の前に対象からの生体試料を取得すること;(b)対象からの生体試料中のバイオマーカーの発現レベルを測定すること;(c)生体試料中のバイオマーカーの発現レベルを対照試料中のバイオマーカーの発現レベルと比較すること;及び(d)ステップ(c)のバイオマーカーの発現レベルに基づいて、対象に投与される治療活性剤の最適用量を決定することを含む。いくつかの実施形態では、バイオマーカーは、PDGFRβ、pPDGFRβ、MYDGF、pSMAD2/3、PROF1、CALM2、CALR、PPIA、IF5A1、可溶性RAGE、LGALS1、ANXA5、FABP5、GSTP1、ENO1、YWHAG、LGALS7、IL-11、MMP-2、CXCL7、sCD163、及びp-mTORからなる群から選択される。いくつかの実施形態では、バイオマーカーは、MYDGFである。いくつかの実施形態では、バイオマーカーは、可溶性RAGEである。いくつかの実施形態では、バイオマーカーは、pSMAD2/3である。いくつかの実施形態では、バイオマーカーは、PDGFRβである。
[0232] いくつかの実施形態では、本明細書で提供される方法は、間質性肺疾患を有する対象におけるカベオリン-1ペプチド又はその誘導体の最適用量を決定するために使用される。いくつかの実施形態では、間質性肺疾患を有する対象におけるカベオリン-1ペプチド又はその誘導体の最適用量を決定する方法は、(a)カベオリン-1ペプチド又はその誘導体による処置の前に対象からの生体試料を取得すること;(b)対象からの生体試料中のバイオマーカーの発現レベルを測定すること;(c)生体試料中のバイオマーカーの発現レベルを対照試料中のバイオマーカーの発現レベルと比較すること;及び(d)ステップ(c)のバイオマーカーの発現レベルに基づいて、対象に投与されるカベオリン-1ペプチド又はその誘導体の最適用量を決定することを含む。いくつかの実施形態では、バイオマーカーは、PDGFRβ、pPDGFRβ、MYDGF、pSMAD2/3、PROF1、CALM2、CALR、PPIA、IF5A1、可溶性RAGE、LGALS1、ANXA5、FABP5、GSTP1、ENO1、YWHAG、LGALS7、IL-11、MMP-2、CXCL7、sCD163、及びp-mTORからなる群から選択される。いくつかの実施形態では、バイオマーカーは、MYDGFである。いくつかの実施形態では、バイオマーカーは、可溶性RAGEである。いくつかの実施形態では、バイオマーカーは、pSMAD2/3である。いくつかの実施形態では、バイオマーカーは、PDGFRβである。いくつかの実施形態では、間質性肺疾患は、特発性肺線維症である。
[0233] いくつかの実施形態では、本明細書で提供される方法は、間質性肺疾患を有する対象におけるCSP-7の最適用量を決定するために使用される。いくつかの実施形態では、間質性肺疾患を有する対象におけるCSP-7の最適用量を決定する方法は、(a)CSP-7による処置の前に対象からの生体試料を取得すること;(b)対象からの生体試料中のバイオマーカーの発現レベルを測定すること;(c)生体試料中のバイオマーカーの発現レベルを対照試料中のバイオマーカーの発現レベルと比較すること;及び(d)ステップ(c)のバイオマーカーの発現レベルに基づいて、対象に投与されるCSP-7の最適用量を決定することを含む。いくつかの実施形態では、バイオマーカーは、PDGFRβ、pPDGFRβ、MYDGF、pSMAD2/3、PROF1、CALM2、CALR、PPIA、IF5A1、可溶性RAGE、LGALS1、ANXA5、FABP5、GSTP1、ENO1、YWHAG、LGALS7、IL-11、MMP-2、CXCL7、sCD163、及びp-mTORからなる群から選択される。いくつかの実施形態では、バイオマーカーは、MYDGFである。いくつかの実施形態では、バイオマーカーは、可溶性RAGEである。いくつかの実施形態では、バイオマーカーは、pSMAD2/3である。いくつかの実施形態では、バイオマーカーは、PDGFRβである。いくつかの実施形態では、間質性肺疾患は、特発性肺線維症である。
[0234] いくつかの実施形態では、本明細書で提供される方法は、間質性肺疾患を有する対象におけるVar55の最適用量を決定するために使用される。いくつかの実施形態では、間質性肺疾患を有する対象におけるVar55の最適用量を決定する方法は、(a)Var55による処置の前に対象からの生体試料を取得すること;(b)対象からの生体試料中のバイオマーカーの発現レベルを測定すること;(c)生体試料中のバイオマーカーの発現レベルを対照試料中のバイオマーカーの発現レベルと比較すること;及び(d)ステップ(c)のバイオマーカーの発現レベルに基づいて、対象に投与されるVar55の最適用量を決定することを含む。いくつかの実施形態では、バイオマーカーは、PDGFRβ、pPDGFRβ、pSMAD2/3、MYDGF、PROF1、CALM2、CALR、PPIA、IF5A1、可溶性RAGE、LGALS1、ANXA5、FABP5、GSTP1、ENO1、YWHAG、LGALS7、IL-11、MMP-2、CXCL7、sCD163、及びp-mTORからなる群から選択される。いくつかの実施形態では、バイオマーカーは、MYDGFである。いくつかの実施形態では、バイオマーカーは、可溶性RAGEである。いくつかの実施形態では、バイオマーカーは、pSMAD2/3である。いくつかの実施形態では、バイオマーカーは、PDGFRβである。いくつかの実施形態では、間質性肺疾患は、特発性肺線維症である。
[0235] 本明細書で提供される方法のいずれか1つのいくつかの実施形態では、バイオマーカーは、PDGFRβ、pPDGFRβ、pSMAD2/3、MYDGF、PROF1、CALM2、CALR、PPIA、IF5A1、可溶性RAGE、LGALS1、ANXA5、FABP5、GSTP1、ENO1、YWHAG、LGALS7、IL-11、MMP-2、CXCL7、sCD163、及びp-mTORからなる群から選択される。本明細書で提供される方法のいずれか1つのいくつかの実施形態では、バイオマーカーは、pSMAD2/3、PDGFRβ、PROF1、CALM2、CALR、PPIA、IF5A1、LGALS1、ANXA5、FABP5、GSTP1、ENO1、及びYWHAGからなる群から選択される。
[0236] いくつかの実施形態では、1又は複数の生体試料は、治療活性剤による処置の後に、疾患又は障害を有する対象から収集される。いくつかの実施形態では、生体試料中のバイオマーカーの発現レベルが測定され、対照試料(例えば、治療活性剤による処置の前に対象から取得された生体試料)と比較される。いくつかの実施形態では、バイオマーカーの発現レベルを使用して、対象における治療活性剤の有効性を決定する。いくつかの実施形態では、バイオマーカーの発現レベルを使用して、対象における治療活性剤の最適用量を決定する。いくつかの実施形態では、バイオマーカーの発現レベルを使用して、治療活性剤の投与をモニタリングする。いくつかの実施形態では、治療活性剤は、カベオリン-1ペプチド又はその誘導体、例えば、CSP-7又はVar55である。
[0237] いくつかの実施形態では、第1の生体試料及び第2の生体試料は、疾患又は障害、例えば、間質性肺疾患を有する対象から取得される。いくつかの実施形態では、第1の生体試料は、治療活性剤による処置の前に、対象から取得される。いくつかの実施形態では、第2の生体試料は、治療活性剤による処置の後に、対象から取得される。いくつかの実施形態では、治療活性剤による処置の後に、1又は複数の追加の生体試料が対象から取得される。いくつかの実施形態では、第2の生体試料は、治療活性剤による処置後、約1時間、約2時間、約3時間、約4時間、約5時間、約6時間、約7時間、約8時間、約9時間、約10時間、約11時間、約12時間、約18時間、約1日、約2日、約3日、約4日、約5日、約6日、約1週間、約2週間、約3週間、約1ヶ月、約2ヶ月、約3ヶ月、約4ヶ月、約5ヶ月、約6ヶ月、約8ヶ月、又は約1年で対象から取得される。いくつかの実施形態では、1又は複数の追加の生体試料は、治療活性剤による処置後、約1時間、約2時間、約3時間、約4時間、約5時間、約6時間、約7時間、約8時間、約9時間、約10時間、約11時間、約12時間、約18時間、約1日、約2日、約3日、約4日、約5日、約6日、約1週間、約2週間、約3週間、約1ヶ月、約2ヶ月、約3ヶ月、約4ヶ月、約5ヶ月、約6ヶ月、約8ヶ月、又は約1年で対象から取得される。いくつかの実施形態では、治療活性剤は、カベオリン-1ペプチド又はその誘導体、例えば、CSP-7又はVar55である。
[0238] 本明細書で提供される方法は、疾患又は障害を有する対象における治療活性剤の有効性を予測又は決定するために使用することができる。いくつかの実施形態では、疾患又は障害を有する対象における治療活性剤の有効性を予測又は決定する方法は、(a)治療活性剤による処置の前に対象からの第1の生体試料を取得すること;(b)対象に治療活性剤を投与すること;(c)治療活性剤による処置の後に対象からの第2の生体試料を取得すること;(d)第1の生体試料及び第2の生体試料中のバイオマーカーの発現レベルを測定すること;並びに(e)第1の生体試料中のバイオマーカーの発現レベルを第2の生体試料中のバイオマーカーの発現レベルと比較することを含む。いくつかの実施形態では、方法のステップ(a)は、治療活性剤による処置の前に、対照試料と比較して、第1の生体試料におけるバイオマーカーの発現レベルを決定することをさらに含む。いくつかの実施形態では、ステップ(a)のバイオマーカーの発現レベルを使用して、ステップ(b)で投与される治療活性剤の最適用量を決定する。いくつかの実施形態では、バイオマーカーは、PDGFRβ、pPDGFRβ、MYDGF、pSMAD2/3、PROF1、CALM2、CALR、PPIA、IF5A1、可溶性RAGE、LGALS1、ANXA5、FABP5、GSTP1、ENO1、YWHAG、LGALS7、IL-11、MMP-2、CXCL7、sCD163、及びp-mTORからなる群から選択される。いくつかの実施形態では、バイオマーカーは、MYDGFである。いくつかの実施形態では、バイオマーカーは、可溶性RAGEである。いくつかの実施形態では、バイオマーカーは、pSMAD2/3である。いくつかの実施形態では、MYDGF、PROF1、CALM2、CALR、PPIA、EIF5A1、LGALS7、又は可溶性RAGEの発現レベルの増加は、治療活性剤に対する好ましい反応を示す。いくつかの実施形態では、PDGFRβ、CALR、pPDGFRβ、p-mTOR、IL-11、MMP-2、CXCL7、sCD163、又はpSMAD2/3の発現レベルの減少は、治療活性剤に対する好ましい反応を示す。
[0239] いくつかの実施形態では、本明細書で提供される方法は、間質性肺疾患を有する対象におけるカベオリン-1ペプチド又はその誘導体の有効性を予測又は決定するために使用される。いくつかの実施形態では、間質性肺疾患を有する対象におけるカベオリン-1ペプチド又はその誘導体の有効性を予測又は決定する方法は、(a)カベオリン-1ペプチド又はその誘導体による処置の前に対象からの第1の生体試料を取得すること;(b)対象にカベオリン-1ペプチド又はその誘導体を投与すること;(c)カベオリン-1ペプチド又はその誘導体による処置の後に対象からの第2の生体試料を取得すること;(d)第1の生体試料及び第2の生体試料中のバイオマーカーの発現レベルを測定すること;並びに(e)第1の生体試料中のバイオマーカーの発現レベルを第2の生体試料中のバイオマーカーの発現レベルと比較することを含む。いくつかの実施形態では、方法のステップ(a)は、カベオリン-1ペプチド又はその誘導体による処置の前に、対照試料と比較して、第1の生体試料におけるバイオマーカーの発現レベルを決定することをさらに含む。いくつかの実施形態では、ステップ(a)のバイオマーカーの発現レベルを使用して、ステップ(b)で投与されるカベオリン-1ペプチド又はその誘導体の最適用量を決定する。いくつかの実施形態では、バイオマーカーは、PDGFRβ、pPDGFRβ、MYDGF、pSMAD2/3、PROF1、CALM2、CALR、PPIA、IF5A1、可溶性RAGE、LGALS1、ANXA5、FABP5、GSTP1、ENO1、YWHAG、LGALS7、IL-11、MMP-2、CXCL7、sCD163、及びp-mTORからなる群から選択される。いくつかの実施形態では、バイオマーカーは、MYDGFである。いくつかの実施形態では、バイオマーカーは、可溶性RAGEである。いくつかの実施形態では、バイオマーカーは、pSMAD2/3である。いくつかの実施形態では、バイオマーカーは、PDGFRβである。いくつかの実施形態では、MYDGF、PROF1、CALM2、CALR、PPIA、EIF5A1、LGALS7、又は可溶性RAGEの発現レベルの増加は、カベオリン-1ペプチド又はその誘導体に対する好ましい反応を示す。いくつかの実施形態では、PDGFRβ、pPDGFRβ、p-mTOR、IL-11、MMP-2、CXCL7、sCD163、又はCALRの発現レベルの減少は、カベオリン-1ペプチド又はその誘導体に対する好ましい反応を示す。いくつかの実施形態では、間質性肺疾患は、特発性肺線維症である。
[0240] いくつかの実施形態では、本明細書で提供される方法は、間質性肺疾患を有する対象におけるCSP-7の有効性を予測又は決定するために使用される。いくつかの実施形態では、間質性肺疾患を有する対象におけるCSP-7の有効性を予測又は決定する方法は、(a)CSP-7による処置の前に対象からの第1の生体試料を取得すること;(b)対象にCSP-7を投与すること;(c)CSP-7による処置の後に対象からの第2の生体試料を取得すること;(d)第1の生体試料及び第2の生体試料中のバイオマーカーの発現レベルを測定すること;並びに(e)第1の生体試料中のバイオマーカーの発現レベルを第2の生体試料中のバイオマーカーの発現レベルと比較することを含む。いくつかの実施形態では、方法のステップ(a)は、CSP-7による処置の前に、対照試料と比較して、第1の生体試料におけるバイオマーカーの発現レベルを決定することをさらに含む。いくつかの実施形態では、ステップ(a)のバイオマーカーの発現レベルを使用して、ステップ(b)で投与されるCSP-7の最適用量を決定する。いくつかの実施形態では、バイオマーカーは、PDGFRβ、pPDGFRβ、MYDGF、pSMAD2/3、PROF1、CALM2、CALR、PPIA、IF5A1、可溶性RAGE、LGALS1、ANXA5、FABP5、GSTP1、ENO1、YWHAG、LGALS7、IL-11、MMP-2、CXCL7、sCD163、及びp-mTORからなる群から選択される。いくつかの実施形態では、バイオマーカーは、MYDGFである。いくつかの実施形態では、バイオマーカーは、可溶性RAGEである。いくつかの実施形態では、バイオマーカーは、PDGFRβである。いくつかの実施形態では、バイオマーカーは、pSMAD2/3である。いくつかの実施形態では、MYDGF、PROF1、CALM2、CALR、PPIA、EIF5A1、LGALS7、又は可溶性RAGEの発現レベルの増加は、CSP-7に対する好ましい反応を示す。いくつかの実施形態では、PDGFRβ、pPDGFRβ、p-mTOR、IL-11、MMP-2、CXCL7、sCD163、pSMAD2/3、又はCALRの発現レベルの減少は、CSP-7に対する好ましい反応を示す。いくつかの実施形態では、間質性肺疾患は、特発性肺線維症である。
[0241] いくつかの実施形態では、本明細書で提供される方法は、間質性肺疾患を有する対象におけるVar55の有効性を予測又は決定するために使用される。いくつかの実施形態では、間質性肺疾患を有する対象におけるVar55の有効性を予測又は決定する方法は、(a)Var55による処置の前に対象からの第1の生体試料を取得すること;(b)対象にVar55を投与すること;(c)Var55による処置の後に対象からの第2の生体試料を取得すること;(d)第1の生体試料及び第2の生体試料中のバイオマーカーの発現レベルを測定すること;並びに(e)第1の生体試料中のバイオマーカーの発現レベルを第2の生体試料中のバイオマーカーの発現レベルと比較することを含む。いくつかの実施形態では、方法のステップ(a)は、Var55による処置の前に、対照試料と比較して、第1の生体試料におけるバイオマーカーの発現レベルを決定することをさらに含む。いくつかの実施形態では、ステップ(a)のバイオマーカーの発現レベルを使用して、ステップ(b)で投与されるVar55の最適用量を決定する。いくつかの実施形態では、バイオマーカーは、PDGFRβ、pPDGFRβ、MYDGF、pSMAD2/3、PROF1、CALM2、CALR、PPIA、IF5A1、可溶性RAGE、LGALS1、ANXA5、FABP5、GSTP1、ENO1、YWHAG、LGALS7、IL-11、MMP-2、CXCL7、sCD163、及びp-mTORからなる群から選択される。いくつかの実施形態では、バイオマーカーは、MYDGFである。いくつかの実施形態では、バイオマーカーは、可溶性RAGEである。いくつかの実施形態では、バイオマーカーは、pSMAD2/3である。いくつかの実施形態では、MYDGF、PROF1、CALM2、CALR、PPIA、EIF5A1、LGALS7、又は可溶性RAGEの発現レベルの増加は、Var55に対する好ましい反応を示す。いくつかの実施形態では、PDGFRβ、CALR、pPDGFRβ、p-mTOR、IL-11、MMP-2、CXCL7、sCD163、又はpSMAD2/3の発現レベルの減少は、Var55に対する好ましい反応を示す。いくつかの実施形態では、間質性肺疾患は、特発性肺線維症である。
[0242] いくつかの実施形態では、本明細書で提供される方法は、疾患又は障害を有する対象における治療活性剤の処置をモニタリングするために使用される。いくつかの実施形態では、疾患又は障害を有する対象における治療活性剤の処置をモニタリングする方法は、(a)治療活性剤による処置の前に対象からの第1の生体試料を取得すること;(b)対象からの生体試料中のバイオマーカーの発現レベルを測定すること;(c)生体試料中のバイオマーカーの発現レベルを対照試料中のバイオマーカーの発現レベルと比較すること;(d)対象に治療活性剤を投与すること;(e)治療活性剤による処置の後に対象からの第2の生体試料を取得すること;(f)対象からの第2の生体試料中のバイオマーカーの発現レベルを測定すること;(g)第1の生体試料中のバイオマーカーの発現レベルを第2の生体試料中のバイオマーカーの発現レベルと比較することを含む。いくつかの実施形態では、第2の生体試料中のバイオマーカーの発現レベルが第1の生体試料中のバイオマーカーの発現レベルより低い場合、治療活性剤の用量は増加される。いくつかの実施形態では、第2の生体試料中のバイオマーカーの発現レベルが第1の生体試料中のバイオマーカーの発現レベルと同じである場合、治療活性剤の用量は増加される。いくつかの実施形態では、第2の生体試料中のバイオマーカーの発現レベルが第1の生体試料中のバイオマーカーの発現レベルより高い場合、治療活性剤の用量は維持される。いくつかの実施形態では、バイオマーカーは、PDGFRβ、pPDGFRβ、MYDGF、pSMAD2/3、PROF1、CALM2、CALR、PPIA、IF5A1、可溶性RAGE、LGALS1、ANXA5、FABP5、GSTP1、ENO1、YWHAG、LGALS7、IL-11、MMP-2、CXCL7、sCD163、及びp-mTORからなる群から選択される。いくつかの実施形態では、バイオマーカーは、MYDGFである。いくつかの実施形態では、バイオマーカーは、可溶性RAGEである。いくつかの実施形態では、バイオマーカーは、pSMAD2/3である。いくつかの実施形態では、バイオマーカーは、PDGFRβである。
[0243] いくつかの実施形態では、本明細書で提供される方法は、間質性肺疾患を有する対象におけるカベオリン-1ペプチド又はその誘導体の処置をモニタリングするために使用される。いくつかの実施形態では、間質性肺疾患を有する対象におけるカベオリン-1ペプチド又はその誘導体の処置をモニタリングする方法は、(a)カベオリン-1ペプチド又はその誘導体による処置の前に対象からの第1の生体試料を取得すること;(b)対象からの生体試料中のバイオマーカーの発現レベルを測定すること;(c)生体試料中のバイオマーカーの発現レベルを対照試料中のバイオマーカーの発現レベルと比較すること;(d)対象にカベオリン-1ペプチド又はその誘導体を投与すること;(e)カベオリン-1ペプチド又はその誘導体による処置の後に対象からの第2の生体試料を取得すること;(f)対象からの第2の生体試料中のバイオマーカーの発現レベルを測定すること;(g)第1の生体試料中のバイオマーカーの発現レベルを第2の生体試料中のバイオマーカーの発現レベルと比較することを含む。いくつかの実施形態では、第2の生体試料中のバイオマーカーの発現レベルが第1の生体試料中のバイオマーカーの発現レベルより低い場合、カベオリン-1ペプチド又はその誘導体の用量は増加される。いくつかの実施形態では、第2の生体試料中のバイオマーカーの発現レベルが第1の生体試料中のバイオマーカーの発現レベルと同じである場合、カベオリン-1ペプチド又はその誘導体の用量は増加される。いくつかの実施形態では、第2の生体試料中のバイオマーカーの発現レベルが第1の生体試料中のバイオマーカーの発現レベルより高い場合、カベオリン-1ペプチド又はその誘導体の用量は維持される。いくつかの実施形態では、バイオマーカーは、PDGFRβ、pPDGFRβ、MYDGF、pSMAD2/3、PROF1、CALM2、CALR、PPIA、IF5A1、可溶性RAGE、LGALS1、ANXA5、FABP5、GSTP1、ENO1、YWHAG、LGALS7、IL-11、MMP-2、CXCL7、sCD163、及びp-mTORからなる群から選択される。いくつかの実施形態では、バイオマーカーは、MYDGFである。いくつかの実施形態では、バイオマーカーは、可溶性RAGEである。いくつかの実施形態では、バイオマーカーは、pSMAD2/3である。いくつかの実施形態では、バイオマーカーは、PDGFRβである。いくつかの実施形態では、間質性肺疾患は、特発性肺線維症である。
[0244] いくつかの実施形態では、本明細書で提供される方法は、間質性肺疾患を有する対象におけるCSP-7の処置をモニタリングするために使用される。いくつかの実施形態では、間質性肺疾患を有する対象におけるCSP-7の処置をモニタリングする方法は、(a)CSP-7による処置の前に対象からの第1の生体試料を取得すること;(b)対象からの生体試料中のバイオマーカーの発現レベルを測定すること;(c)生体試料中のバイオマーカーの発現レベルを対照試料中のバイオマーカーの発現レベルと比較すること;(d)対象にCSP-7を投与すること;(e)CSP-7による処置の後に対象からの第2の生体試料を取得すること;(f)対象からの第2の生体試料中のバイオマーカーの発現レベルを測定すること;(g)第1の生体試料中のバイオマーカーの発現レベルを第2の生体試料中のバイオマーカーの発現レベルと比較することを含む。いくつかの実施形態では、第2の生体試料中のバイオマーカーの発現レベルが第1の生体試料中のバイオマーカーの発現レベルより低い場合、CSP-7の用量は増加される。いくつかの実施形態では、第2の生体試料中のバイオマーカーの発現レベルが第1の生体試料中のバイオマーカーの発現レベルと同じである場合、CSP-7の用量は増加される。いくつかの実施形態では、第2の生体試料中のバイオマーカーの発現レベルが第1の生体試料中のバイオマーカーの発現レベルより高い場合、CSP-7の用量は維持される。いくつかの実施形態では、バイオマーカーは、PDGFRβ、pPDGFRβ、MYDGF、pSMAD2/3、PROF1、CALM2、CALR、PPIA、IF5A1、可溶性RAGE、LGALS1、ANXA5、FABP5、GSTP1、ENO1、YWHAG、LGALS7、IL-11、MMP-2、CXCL7、sCD163、及びp-mTORからなる群から選択される。いくつかの実施形態では、バイオマーカーは、MYDGFである。いくつかの実施形態では、バイオマーカーは、可溶性RAGEである。いくつかの実施形態では、バイオマーカーは、pSMAD2/3である。いくつかの実施形態では、バイオマーカーは、PDGFRβである。いくつかの実施形態では、間質性肺疾患は、特発性肺線維症である。
[0245] いくつかの実施形態では、本明細書で提供される方法は、間質性肺疾患を有する対象におけるVar55の処置をモニタリングするために使用される。いくつかの実施形態では、間質性肺疾患を有する対象におけるVar55の処置をモニタリングする方法は、(a)Var55による処置の前に対象からの第1の生体試料を取得すること;(b)対象からの生体試料中のバイオマーカーの発現レベルを測定すること;(c)生体試料中のバイオマーカーの発現レベルを対照試料中のバイオマーカーの発現レベルと比較すること;(d)対象にVar55を投与すること;(e)Var55による処置の後に対象からの第2の生体試料を取得すること;(f)対象からの第2の生体試料中のバイオマーカーの発現レベルを測定すること;(g)第1の生体試料中のバイオマーカーの発現レベルを第2の生体試料中のバイオマーカーの発現レベルと比較することを含む。いくつかの実施形態では、第2の生体試料中のバイオマーカーの発現レベルが第1の生体試料中のバイオマーカーの発現レベルより低い場合、Var55の用量は増加される。いくつかの実施形態では、第2の生体試料中のバイオマーカーの発現レベルが第1の生体試料中のバイオマーカーの発現レベルと同じである場合、Var55の用量は増加される。いくつかの実施形態では、第2の生体試料中のバイオマーカーの発現レベルが第1の生体試料中のバイオマーカーの発現レベルより高い場合、Var55の用量は維持される。いくつかの実施形態では、バイオマーカーは、PDGFRβ、pPDGFRβ、MYDGF、pSMAD2/3、PROF1、CALM2、CALR、PPIA、IF5A1、可溶性RAGE、LGALS1、ANXA5、FABP5、GSTP1、ENO1、YWHAG、LGALS7、IL-11、MMP-2、CXCL7、sCD163、及びp-mTORからなる群から選択される。いくつかの実施形態では、バイオマーカーは、MYDGFである。いくつかの実施形態では、バイオマーカーは、可溶性RAGEである。いくつかの実施形態では、バイオマーカーは、pSMAD2/3である。いくつかの実施形態では、バイオマーカーは、PDGFRβである。いくつかの実施形態では、間質性肺疾患は、特発性肺線維症である。
バイオマーカー検出方法
[0246] 生体試料におけるバイオマーカー発現を決定する一般的な方法は、当技術分野で周知である。バイオマーカーの検出方法には、一般に、生体試料中のバイオマーカーのレベルを定量する方法(定量的方法)又は生体試料中のバイオマーカーの有無(定性的方法)が含まれる。以下の方法のいずれがバイオマーカーの定性的及び/又は定量的検出に適しているかは、当業者には一般に知られている。生体試料は、例えば、質量分析及びイムノアッセイ(ウェスタンブロット、ELISA、ラジオイムノアッセイ(RIA)、蛍光ベースのイムノアッセイ、免疫沈降アッセイ、フローサイトメトリー、又は免疫組織化学など)を使用して、タンパク質バイオマーカーについて;及びノーザンブロット、ドットブロット、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)分析、アレイハイブリダイゼーション(例えば、インサイツハイブリダイゼーション)、RNase保護アッセイを使用して、若しくはDNA SNPチップマイクロアレイを使用して、mRNA又はDNAバイオマーカーについてアッセイすることができる。バイオマーカーを検出するためのさらに適切な方法には、その正確な分子量又はNMRスペクトルなどの、バイオマーカーに特有の物理的又は化学的特性を測定することが含まれる。バイオマーカーの物理的又は化学的特性を測定する方法の例には、酵素アッセイ、細胞学的アッセイ、バイオセンサー、イムノアッセイに結合された光学装置、バイオチップ、分析装置(質量分析計、NMR分析装置、及びクロマトグラフィー装置など)が含まれるが、これらに限定されない。
[0247] いくつかの実施形態では、バイオマーカーは、当技術分野で一般的に知られている任意の方法によって増幅され得る。「増幅」という用語は、標的バイオマーカーからの複数のバイオマーカー分子の生成を指す。例えば、バイオマーカーが核酸である場合、核酸を増幅することは、標的核酸から複数の核酸分子が生成されることを指し、ここで、プライマーは、例えばポリメラーゼによる、伸長のための開始部位を提供するために、標的核酸分子上の特定の部位にハイブリダイズする。増幅は、標準PCR、長鎖PCR、ホットスタートPCR、qPCR、及びRT-PCRなどの、PCRベースの増幅方法;核酸配列ベースの増幅(NASBA)及び転写媒介増幅(TMA)などの等温増幅法;並びに分岐DNAアッセイ法などのハイブリダイゼーションシグナル増幅法を含むがこれらに限定されない、当技術分野で一般に知られている任意の方法によって実行することができる。
[0248] いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるバイオマーカーは、定量的リアルタイムPCR(qRT-PCR)を使用して生体試料中で検出又は測定される。qRT-PCRは、mRNA発現のレベルの測定に使用できる増幅技術である。(例えば、Gibson et al., 1996, Genome Research 6:995-1001、Heid et al., 1996, Genome Research 6:986-994を参照)。qRT-PCRは、増幅中のPCR産物蓄積のレベルを評価する。この技術により、複数試料中のmRNAレベルの定量的評価が可能になる。mRNAレベルについて、mRNAが生体試料から抽出され、標準的な技術を使用してcDNAが調製される。プライマー及び蛍光プローブは、対象のバイオマーカーについて設計することができ、プライマー及びプローブの最適濃度は、当業者が決定できる。標準曲線は、qRT-PCRで決定されたサイクル閾値(Ct)の値を使用して作成でき、これはアッセイで使用される目的の核酸の初期濃度に関連する。Ct値は、cDNA分子の指数関数的増幅が始まるサイクル数によって決定され、生体試料中の目的の核酸(つまり、バイオマーカー)の発現を決定するために使用される。
[0249] いくつかの実施形態では、RNA又はタンパク質試料は、アッセイされるRNA又はタンパク質の量の差、使用されるRNA又はタンパク質試料の質のばらつき、及び/又はアッセイ実行間のばらつきについて正規化される。いくつかの実施形態では、RNA又はタンパク質試料は、ハウスキーピング遺伝子(内部対照とも呼ばれる)の発現を測定及び組み込むことによって正規化される。ハウスキーピング遺伝子の例には、PPIA、ACTB、GAPDH、TFRC、及び18Sが含まれるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、正規化は、アッセイされた遺伝子の全て又はその大きなサブセットの平均又は中央値のシグナルに基づく(グローバル正規化アプローチ)。例えば、バイオマーカー(例えば、MYDGF)及びハウスキーピング遺伝子の発現レベルは、カベオリン-1ペプチド療法を使用して特発性肺線維症の処置を受けている対象からの生体試料から測定することができる。得られたバイオマーカーの検出データは、ハウスキーピング遺伝子の検出データに対して正規化できる。対象の平均値及び標準偏差を計算できる。対照試料(例えば、特発性肺線維症を有する未処置の対象)からの同じバイオマーカーの発現レベルは、同じ方法を使用して検出でき、対照試料の平均値及び標準偏差を計算できる。バイオマーカーの相対発現レベルは、特発性肺線維症の処置を受けている対象と特発性肺線維症を有する未処置の対象との間で比較することができる。
[0250] いくつかの実施形態では、mRNAバイオマーカーは、DNAアレイ、チップ、又はマイクロアレイを使用して、生体試料中で検出又は測定される。バイオマーカーのcDNAに対応するオリゴヌクレオチドがチップ上に固定化され、次いで、患者から取得された試料由来の標識核酸とハイブリダイズされる。バイオマーカー転写物を含有する試料では、陽性のハイブリダイゼーションシグナルが得られる。例えば、mRNAバイオマーカーを検出又は測定するために、mRNAが生体試料から抽出され、逆転写され、蛍光標識されたcDNAプローブが生成される。次いで、バイオマーカーのcDNAにハイブリダイズできるマイクロアレイは、標識されたcDNAプローブでプローブされ、スライドがスキャンされ、蛍光強度が測定される。この強度は、ハイブリダイゼーション強度及び発現レベルと相関する。定量的マイクロアレイハイブリダイゼーションアッセイは、当技術分野で周知である(例えば、米国特許第6,004,755号及び同第6,492,122号を参照)。
[0251] いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるバイオマーカーは、MALDI/TOF(飛行時間型)、SELDI/TOF、液体クロマトグラフィー質量分析(LC-MS)、ガスクロマトグラフィー質量分析(GC-MS)、高速液体クロマトグラフィー質量分析(HPLC-MS)、キャピラリー電気泳動質量分析、核磁気共鳴分析、又はタンデム質量分析(例えば、MS/MS、MS/MS/MS、ESI-MS/MSなど)などの質量分析法を使用して検出又は測定される。例えば、米国特許出願公開第20030199001号;同第20030134304号;及び同第20030077616号を参照されたい。
[0252] いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるバイオマーカーは、二次元ゲル電気泳動(2DE)を使用して生体試料中で検出又は測定される。2DEは、分子電荷と分子量に基づいて生体試料中のタンパク質を分離する。タンパク質は、まず等電点電気泳動(IEF)で電荷ごとに分離され、次いでSDS-PAGEで質量に応じてさらに分離される。IEFで分離されたゲル上のタンパク質は、SDS処置により負に帯電し、ゲルをSDS-PAGEゲルに水平に挿入して電気泳動が実施される。したがって、pIに焦点を当てたタンパク質は、分子量に応じて分離される。「ISO-DALT」として知られるシステムを使用すると、IEF及びSDS-PAGEの両方を同時に実行できる。Buyukkoroglu et al., Omics Technologies and Bioengineering, 2018、317~351ページを参照されたい。
[0253] 質量分析法は当技術分野で周知であり、タンパク質バイオマーカーを定量及び/又は特定するために使用されている(例えば、Li et al., 2000, Tibtech 18:151-160;Rowley et al., 2000, Methods 20:383-397;及びKuster and Mann, 1998, Curr.Opin.Structural Biol.8:393-400を参照)。質量分析計に関する追加の開示については、例えば、Principles of Instrumental Analysis, 3rd edition., Skoog, Saunders College Publishing, Philadelphia, 1985;及びKirk-Othmer Encyclopedia of Chemical Technology, 4.sup.th ed. Vol. 15, John Wiley & Sons, New York 1995, pp. 1071-1094を参照されたい。
[0254] いくつかの実施形態では、気相イオン分光光度計を使用して生体試料を分析する。いくつかの実施形態では、レーザー脱離/イオン化質量分析法を使用して生体試料を分析する。現代のレーザー脱離/イオン化質量分析(「LDI-MS」)は、マトリックス支援レーザー脱離/イオン化(「MALDI」)質量分析及び表面増強レーザー脱離/イオン化(「SELDI」)という2つの主なバリエーションで実施できる。MALDIでは、分析物を、マトリックスを含有する溶液と混合し、その液体の一滴を基板の表面に置く。次に、マトリックス溶液は、生体分子と共結晶化する。基板を質量分析計に挿入する。レーザーエネルギーは基板表面に向けられ、そこで生体分子を大幅に断片化することなく脱離及びイオン化する。例えば、米国特許第5,118,937号;及び米国特許第5,045,694号を参照されたい。SELDIでは、基板表面が脱離プロセスに積極的に関与するように修飾される。1つの変形において、表面は、目的のタンパク質に選択的に結合する吸着剤及び/又は捕捉試薬で誘導体化される。別の変形において、表面は、レーザーが当たっても脱離しないエネルギー吸収分子で誘導体化される。別の変形において、表面は、目的のタンパク質に結合し、レーザーを照射すると切断される光分解結合を含有する分子で誘導体化される。これらの方法のそれぞれにおいて、誘導体化剤は一般に、試料が適用される基板表面上の特定の位置に局在化される。例えば、米国特許第5,719,060号及び国際公開第98/59361号を参照されたい。2つの方法は、例えば、SELDI親和性表面を使用して分析物を捕捉し、マトリックス含有液を捕捉された分析物に加えてエネルギー吸収材料を提供することによって組み合わせることができる。
[0255] いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるバイオマーカーは、タンパク質結合剤を使用して生体試料中で検出又は測定される。いくつかの実施形態では、タンパク質結合剤は、バイオマーカータンパク質に特異的に結合するリガンドである。タンパク質結合剤の例には、合成ペプチド、化学物質、小分子、及び抗体又はその断片が含まれるが、これらに限定されない。
[0256] いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるバイオマーカーは、イムノアッセイを使用して生体試料中で検出又は測定される。「イムノアッセイ」という用語は、抗原(例えば、本明細書に開示されるバイオマーカー)の検出及び/又は定量のために少なくとも1つの特異的抗体を使用する任意の検出方法を指す。イムノアッセイの例には、ウェスタンブロット、酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)、フローサイトメトリー、ラジオイムノアッセイ(RIA)、競合イムノアッセイ、非競合イムノアッセイ、蛍光偏光イムノアッセイ(FPIA)、及び酵素多重イムノアッセイ技術(EMIT)が含まれるが、これらに限定されない。広範囲のイムノアッセイ技術がこれまでに説明されている。例えば、米国特許第4,016,043号;同第4,424,279号;及び同第4,018,653号を参照されたい。
[0257] いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるバイオマーカーは、競合イムノアッセイを使用して生体試料中で検出又は測定される。競合イムノアッセイでは、生体試料中の抗原が標識抗原と競合して抗体と結合する。次いで、抗体に結合した標識抗原の量が測定される。この方法では、反応は、生体試料中の抗原の濃度に反比例する。これは、反応が大きいほど、標識抗原と競合するために利用できる未知の抗原が少なくなるためである。
[0258] いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるバイオマーカーは、非競合イムノアッセイを使用して生体試料中で検出又は測定される。「サンドイッチアッセイ」とも呼ばれる非競合イムノアッセイでは、生体試料中の抗原が第1の抗体部位に結合し、次いで標識された第2の抗体が抗原に結合し、サンドイッチを形成する。次いで、その部位上の標識抗体の量が測定される。競合イムノアッセイとは対照的に、非競合イムノアッセイの結果は抗原の濃度に直接比例する。
[0259] 免疫測定法は一般に、直接イムノアッセイ及び間接イムノアッセイに分類される。直接イムノアッセイでは、標的抗原への抗体の結合が直接的に測定される。この直接アッセイでは、蛍光タグ又は酵素標識一次抗体などの標識試薬を使用し、これはさらなる抗体相互作用なしで視覚化できる。間接アッセイでは、コンジュゲートしていない一次抗体が抗原に結合し、次いで標識された二次抗体が一次抗体に結合する。二次抗体は酵素標識にコンジュゲートされ、抗原を視覚化するために発色基質又は蛍光基質が添加される。いくつかの二次抗体が一次抗体上の異なるエピトープと反応し得るため、シグナル増幅が発生する。
[0260] いくつかの実施形態では、一次抗体及び/又は二次抗体は、検出可能部分で標識される。多数の標識が市販されており、当業者に周知である。検出可能な部分の例には、放射性同位体、コロイド金粒子、蛍光標識、及び酵素-基質標識が含まれるが、これらに限定されない。
[0261] いくつかの実施形態では、検出可能部分は、放射性同位体である。放射性同位体の例には、35S、14C、125I、H、及び131Iが含まれるが、これらに限定されない。抗体は、例えば、Current Protocols in Immunology, Volumes 1 and 2, Coligen et al., Ed. Wiley-Interscience, New York, N.Y., Pubs.(1991)に記載されている技術を使用して放射性同位体で標識でき、放射活性は、シンチレーション計数を使用して測定できる。
[0262] いくつかの実施形態では、検出可能部分は、コロイド金粒子である。
[0263] いくつかの実施形態では、検出可能部分は、蛍光標識である。蛍光標識には、希土類キレート(ユーロピウムキレート)、Texas Red、ローダミン、フルオレセイン、ダンシル、リサミン、ウンベリフェロン、フィコクリテリン(phycocrytherin)、フィコシアニン、又はその他の市販の蛍光色素分子又はその誘導体が含まれるが、これらに限定されない。蛍光は、蛍光光度計を使用して定量できる。蛍光標識は、例えば、Current Protocols in Immunology, Volumes 1 and 2, Coligen et al., Ed. Wiley-Interscience, New York, N.Y., Pubs.(1991)に開示されている技術を使用して抗体にコンジュゲートすることができる。
[0264] いくつかの実施形態では、検出可能部分は、例えば、米国特許第4,275,149号に記載されているような酵素-基質標識である。酵素は一般に、様々な技術を使用して測定できる発色基質の化学的変化を触媒する。例えば、酵素は基質の色の変化を触媒する可能性があり、これは分光光度法で測定できる。あるいは、酵素は、基質の蛍光又は化学発光を変化させ得る。化学発光基質は化学反応によって電子的に励起され、次いで、測定できる(例えば、化学発光計を使用して)光を放出するか、又は蛍光アクセプターにエネルギーを供与し得る酵素標識の例には、ルシフェラーゼ(例えば、米国特許第4,737,456号に記載されるホタルルシフェラーゼ及び細菌ルシフェラーゼ)、ルシフェリン、2,3-ジヒドロフタラジンジオン、リンゴ酸デヒドロゲナーゼ、ウレアーゼ、ペルオキシダーゼ(例えば、西洋ワサビペルオキシダーゼ(HRPO))、アルカリホスファターゼ、β-ガラクトシダーゼ、グルコアミラーゼ、リゾチーム、糖オキシダーゼ(例えば、グルコースオキシダーゼ、ガラクトースオキシダーゼ、及びグルコース-6-リン酸デヒドロゲナーゼ)、複素環オキシダーゼ(例えば、ウリカーゼ及びキサンチンオキシダーゼ)、ラクトペルオキシダーゼ、ミクロペルオキシダーゼなどが含まれる。酵素を抗体にコンジュゲートするための技術は、O’Sullivan et al., Methods for the Preparation of Enzyme-Antibody Conjugates for use in Enzyme Immunoassay, in Methods in Enzym. (ed. J. Langone & H. Van Vunakis), Academic press, New York, 73:147-166 (1981)に記載されている。
[0265] 多数の酵素と基質の組み合わせが当業者に利用可能である。酵素-基質の組み合わせの一般的なレビューについては、例えば、米国特許第4,275,149号及び同第4,318,980号を参照されたい。酵素-基質の組み合わせの例には、例えば、(a)基質として水素ペルオキシダーゼを有するホースラディッシュペルオキシダーゼ(HRPO)(ここで、水素ペルオキシダーゼは色素前駆体(例えば、オルトフェニレンジアミン(OPD)又は3,3’,5、5’-テトラメチルベンジジン塩酸塩(TMB)を参加する);(b)パラニトロフェニルリン酸を発色基質とするアルカリホスファターゼ(AP);及び(c)発色基質(例えば、p-ニトロフェニル-β-D-ガラクトシダーゼ)又は蛍光基質(例えば、4-メチルウンベリフェリル-β-D-ガラクトシダーゼ)を有するμ-D-ガラクトシダーゼ(13-D-Gal)が含まれる。
[0266] いくつかの実施形態では、検出標識は、抗体と間接的にコンジュゲートされる。例えば、抗体はビオチンと結合することができ、上記の4つの広いカテゴリーのラベルのいずれも、ビオチンに結合するアビジンとコンジュゲートすることができる(又はその逆)。別の例では、抗体は小さなハプテンとコンジュゲートし、上記の標識の1つは抗ハプテン抗体とコンジュゲートする。したがって、これらの標識は、間接的な方法で抗体とコンジュゲートする。
[0267] いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるバイオマーカーは、サンドイッチアッセイを使用して生体試料中で検出又は測定される。サンドイッチアッセイの例には、非競合型の単一部位及び二部位サンドイッチアッセイ、競合結合アッセイ、及びバイオマーカーに対する標識抗体の直接結合アッセイが含まれる。典型的なフォワードサンドイッチアッセイでは、未標識の抗体が固体基板上に固定化され、検査対象の生体試料が結合分子と接触される。抗体-抗原複合体の形成を可能にするのに十分な時間が経過した後、抗原に特異的で、検出可能なシグナルを生成できるレポーター分子で標識された二次抗体が添加され、インキュベートされ、別の抗体-抗原-標識抗体の複合体の形成に十分な時間が与えられる。未反応の物質は全て洗い流され、レポーター分子によって生成されるシグナルの観察によって抗原の存在が決定される。結果は、可視シグナルの単純な観察による定性的なものであり得、又は既知量のバイオマーカーを含有する対照試料と比較することによって定量化され得る。フォワードサンドイッチアッセイのバリエーションには、生体試料及び標識抗体の両方が結合抗体に同時に添加される同時アッセイが含まれる。
[0268] 別のタイプのサンドイッチアッセイには、生体試料中のバイオマーカーを固体支持体に固定化し、次いで、固定化したバイオマーカーを、レポーター分子で標識されていても標識されていなくてもよい特定の抗体に曝露することが含まれる。バイオマーカーの量及びレポーター分子シグナルの強度に応じて、結合したバイオマーカーは抗体による直接標識によって検出できる場合がある。あるいは、第1の抗体に特異的な第2の標識抗体を標的-第1の抗体複合体に曝露して、標的-第1の抗体-第2の抗体の三次複合体を形成する。複合体は、レポーター分子によって発せられるシグナルによって検出される。本明細書で使用される「レポーター分子」という用語は、その化学的性質により、抗原結合抗体の検出を可能にする分析的に特定可能なシグナルを提供する分子を指す。このタイプのアッセイで最も一般的に使用されるレポーター分子は、酵素、蛍光色素分子又は放射性核種含有分子(つまり、放射性同位体)及び化学発光分子のいずれかである。
[0269] いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるバイオマーカーは、ELISAを使用して生体試料中で検出又は測定される。ELISAの実施は、特定のバイオマーカーに対する特異性を有する少なくとも1つの抗体を含む。既知量の抗バイオマーカー抗体が、非特異的(表面への吸着によって)又は特異的(「サンドイッチ」ELISAにおける抗バイオマーカー抗体に特異的な別の抗体による捕捉によって)に固体支持体上に固定化される。抗原を固定化した後、検出抗体を加え、抗原との複合体を形成する。検出抗体は、酵素に共有結合することができ、又はバイオコンジュゲーションを介して酵素に結合する二次抗体によってそれ自体を検出することができる。各ステップの間に、プレートは、典型的には中性洗剤溶液で洗浄されて、特異的に結合していないタンパク質又は抗体が除去される。最後の洗浄ステップの後、酵素基質を加えてプレートを展開し、試料中の抗原の量を示す可視シグナルを生成する。古いELISAは発色基質を利用するが、新しいアッセイははるかに高い感度の蛍光基質を使用する。多数のELISA法及び応用が当技術分野で公知であり、例えば、Crowther, “Enzyme-Linked Immunosorbent Assay (ELISA),” in Molecular Biomethods Handbook, Rapley et al. (eds.), pp. 595-617, Humana Press, Inc., Totowa, N.J.(1998);Harlow and Lane (eds.), Antibodies:A Laboratory Manual, Cold Spring Harbor Laboratory Press (1988);Ausubel et al. (eds.), Current Protocols in Molecular Biology, Ch.11, John Wiley & Sons, Inc., New York (1994)にさらに記載される。
[0270] いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるバイオマーカーは、直接ELISAを使用して生体試料中で検出又は測定される。例えば、いくつかの実施形態では、バイオマーカーを含有する生体試料は、固体支持体に曝露される。生体試料内のバイオマーカーは、固体支持体に固定化され、バイオマーカーに特異的な酵素コンジュゲート抗体を使用して直接検出される。次いで、適切な酵素基質を含有する溶液が抗原抗体複合体に添加される。基質は抗体に連結した酵素と反応し、定性的な視覚シグナルを生成し、これは通常、分光光度法でさらに定量され、生体試料中に存在したバイオマーカーの量の指標となる。
[0271] いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるバイオマーカーは、間接ELISAを使用して生体試料中で検出又は測定される。例えば、いくつかの実施形態では、バイオマーカーを含有する生体試料は、固体支持体(例えば、マイクロタイタープレートウェル)に曝露され、固定化される。バイオマーカーは、最初にバイオマーカーに特異的な抗体を加え、続いてバイオマーカーに特異的に結合する抗体に特異的な検出抗体を加えることによって間接的に検出される。この検出抗体は酵素に結合することができ、最終ステップでは、酵素が何らかの検出可能なシグナルに変換できる物質が添加される。例えば、蛍光ELISAの場合、試料に光が当たると、抗原/抗体複合体が蛍光を発するため、試料中の抗体の量を測定できる。
[0272] いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるバイオマーカーは、サンドイッチELISAを使用して生体試料中で検出又は測定される。例えば、いくつかの実施形態では、バイオマーカーに特異的な捕捉抗体が固体支持体(例えば、マイクロタイタープレート)上に固定化され、次いで、バイオマーカーを含有する生体試料が固体支持体に添加される。バイオマーカーが生体試料中に存在する場合、それは固体支持体上に存在する捕捉抗体に結合する。いくつかの実施形態では、サンドイッチELISAは、「直接サンドイッチ」ELISAであり、ここで、捕捉されたバイオマーカーは、バイオマーカーに対する酵素コンジュゲート抗体を使用することによって直接的に検出される。あるいは、他の実施形態では、サンドイッチELISAは、「関節サンドイッチ」ELISAであり、ここで、捕捉されたバイオマーカーは、バイオマーカーに対する抗体を使用することによって間接的に検出され、その後、バイオマーカー特異的抗体に結合する別の酵素コンジュゲート抗体によって検出され、したがって、抗体-バイオマーカー-抗体-抗体複合体が形成される。次いで、適切なレポーター試薬を加えて、第3の抗体を検出する。いくつかの実施形態では、バイオマーカー抗体複合体を検出するために、必要に応じて任意の数の追加の抗体が添加される。いくつかの実施形態では、追加の抗体は、バイオマーカーの視覚化及び/又は定量を可能にするように標識又はタグ付けされる。
[0273] いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるバイオマーカーは、免疫組織化学アッセイを使用して検出される。組織切片の免疫組織化学的染色は、試料中のタンパク質の存在を評価又は検出する信頼できる方法であることが示されている。免疫組織化学技術では、抗体を利用して、一般に発色法又は蛍光法によって細胞抗原をインサイツで探索及び視覚化する。抗体を視覚化するために使用される方法の例は、例えば、抗体に連結した酵素(例えば、ルシフェラーゼ、アルカリホスファターゼ、西洋ワサビペルオキシダーゼ、又はβ-ガラクトシダーゼ)、又は化学的方法(例えば、DAB/基質色原体)によるものである。次いで、試料は、微視的に、最も好ましくは、当業者に公知の様々なそのような染色方法及び試薬のいずれかを使用して、可視スペクトルで検出される染色で染色された試料の光学顕微鏡法によって分析される。
[0274] いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるバイオマーカーは、ウェスタンブロットを使用して生体試料中で検出又は測定される。ウェスタンブロット技術では、ゲル電気泳動を使用して、ポリペプチドの長さ(変性条件)又はタンパク質の3D構造(天然/非変性条件)によって天然又は変性タンパク質を分離する。次いで、タンパク質は膜(典型的にはニトロセルロース又はPVDF)に転写され、そこで標的タンパク質に特異的な抗体を使用して検出される。いくつかの実施形態では、バイオマーカーは、濃度測定によって定量される。
[0275] いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるバイオマーカーは、マルチプレックスアッセイを使用して検出又は測定される。マルチプレックスアッセイは、磁気ビーズを使用して1回の実験で複数の分析物を同時に測定するイムノアッセイの一種である。いくつかの実施形態では、マルチプレックスアッセイを使用して、リン酸化タンパク質及び総内因性タンパク質、例えば、pSMAD2/3及び総SMAD2/3を検出又は測定する。
[0276] いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるバイオマーカーは、イムノクロマトグラフィーアッセイ又はストリップ検査としても知られる、ラテラルフローイムノアッセイテスト(LFIA)を使用して検出される。LFIAは、液体試料中の標的抗原の有無を検出することを目的としたシンプルなデバイスである。LFIA検査は、毛細管作用によって検査試料が固体基質に沿って流れるイムノアッセイの一形態である。生体試料が検査に適用された後、試料と混合した着色試薬に接触し、基板を通過して、抗体又は抗原で前処置されたテストライン又はテストゾーンに接触する。生体試料中に存在する抗原によっては、着色試薬がテストライン又はテストゾーンに結合することができる。LFIAは、本質的に、テストストリップ形式又はディップスティック形式に合わせて単一軸に沿って動作するように適合されたイムノアッセイである。ストリップ検査は極めて多用途であり、当業者は、血清、血液、及び尿などの体液試料から莫大な範囲の抗原を検出するために容易に修正することができる。LFIAストリップ検査は使いやすく、要する訓練が最小限であり、現場で使用するポイントオブケア検査(POCT)診断の要素として組み込むことができる。
[0277] いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるバイオマーカーは、イムノアッセイにおける検出のために固体支持体上に固定化される。いくつかの実施形態では、バイオマーカーに特異的な抗体は、イムノアッセイにおけるバイオマーカーの検出のために固体支持体上に固定化される。固体支持体は、典型的にはガラス又はポリマーであり、最も一般的に使用されるポリマーは、セルロース、ポリアクリルアミド、ナイロン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル又はポリプロピレンである。いくつかの実施形態では、固体支持体は、マイクロプレート、チューブ、ビーズ、又はイムノアッセイを実施するのに適した任意の他の表面の形態である。
[0278] いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるバイオマーカーは、機能アッセイ又は活性ベースのアッセイを使用して、生体試料中で検出又は測定される。例えば、バイオマーカーが酵素である場合、バイオマーカーの発現レベルは、生体試料中の酵素活性のレベルと関連するであろう。
キット
[0279] 本発明はまた、疾患又は障害、例えば、間質性肺疾患を有する対象の生体試料におけるバイオマーカーの発現レベルを決定するために適合されたキットを提供する。
[0280] 本明細書で使用される「キット」という用語は、適切なパッケージ及び使用説明書とともに組み立てられた集合構成要素を指す。
[0281] いくつかの実施形態では、キットは、キットの構成要素のための容器を含む。いくつかの実施形態では、キットは、キットの構成要素を含む1又は複数の追加の容器をさらに含む。いくつかの実施形態では、1又は複数の追加の容器は、試薬(例えば、色原体)、緩衝液(例えば、ブロッキング緩衝液、洗浄緩衝液、及び基質緩衝液)、対照試料、キャリブレーター、希釈剤、フィルター、針、及びシリンジなどの材料を含む。
[0282] いくつかの実施形態では、キットは、生体試料を保持又は保管するための容器(例えば、試料用の容器又はカートリッジ)を含む。いくつかの実施形態では、キットは、生体試料を調製するための1又は複数の容器又は試薬を含む。いくつかの実施形態では、キットは、注射器、ピペット、鉗子、計量スプーンなどの、生体試料を取得するための1又は複数の器具を含む。
[0283] いくつかの実施形態では、キットは、生体試料の単離及び/又は前処置のための試薬を含む。例えば、対象から取得された全血試料は、バイオマーカーを検出するために使用されるアッセイの前に、前処置試薬で処置され得る。前処置試薬の例には、溶媒(例えば、メタノール及びエチレングリコール)、塩、及び界面活性剤が含まれるが、これらに限定されない。
[0284] いくつかの実施形態では、キットは、生体試料中のバイオマーカーの発現レベルを決定するためのイムノアッセイを含む。いくつかの実施形態では、キットは、バイオマーカーのための少なくとも1つの捕捉試薬、及びバイオマーカーの測定のための少なくとも1つの検出試薬を含む。いくつかの実施形態では、キットは、参照標準のための少なくとも1つの捕捉試薬、及び参照標準の測定のための検出試薬をさらに含む。いくつかの実施形態では、キットは、MYDGF、可溶性RAGE、又はpSMAD2/3の発現レベルを検出する。例えば、いくつかの実施形態では、キットは、MYDGFに特異的なモノクローナル抗体を含む。MYDGFに向けられたモノクローナル抗体を使用して生体試料からMYDGFを捕捉し、さらにコンジュゲート抗体を使用して捕捉されたMYDGFの存在を検出する。
[0285] いくつかの実施形態では、キットは、固形支持体を含む。いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるバイオマーカーに特異的な抗体が固体支持体上にコーティングされる。固体支持体の例には、微粒子、磁性粒子、ビーズ、試験管、マイクロタイタープレート、キュベット、膜、フィルム、濾紙、ディスク又はチップが含まれるが、これらに限定されない。
[0286] いくつかの実施形態では、キットは、品質管理要素を含む。品質管理要素の例には、感度パネル、キャリブレーター、陽性対照、及び陰性対照が含まれるが、これらに限定されない。品質管理要素は、アッセイの性能特性、キット試薬の完全性、及び/又はアッセイの標準化を確立するために使用される。キャリブレーターは、生体試料中のバイオマーカーの濃度を補間するために使用される。陽性対照は、アッセイで検出できる組換え試料又は生体試料である。陰性対照は、アッセイで検出できない組換え試料又は生体試料である。いくつかの実施形態では、キットの試薬又は構成要素のうちの1つ以上が凍結乾燥される。いくつかの実施形態では、キットは、1又は複数の凍結乾燥成分の再構成のための1又は複数の試薬(例えば、緩衝液又は水)をさらに含む。
実施例
[0287] 本発明は、以下の実施例を参照してさらに詳細に説明される。これらの例は、説明のみを目的として提供されており、別段の指定がない限り、限定することを意図したものではない。したがって、本開示は、決して以下の実施例に限定されるものと解釈されるべきではなく、むしろ、本明細書に提供される教示の結果として明らかになるあらゆる変形を包含するものと解釈されるべきである。
実施例1:CSP-7処置されたIPF線維芽細胞及び上皮細胞におけるバイオマーカーの特定
[0288] この実施例は、IPFを有する対象からの線維芽細胞及び条件付き再プログラミングされた細胞におけるCSP-7処置に関連するバイオマーカーの特定を説明する。
材料及び方法
試料及び細胞培養:
[0289] IPF線維芽細胞及び上皮細胞を使用して、CSP-7の潜在的なバイオマーカーを特定した。上皮細胞は、修正された条件付き再プログラミングプロトコルを使用したIPF肺外植片に由来し(Liu et al., Am J Pathol, 2012;180, 599-607;及びSuprynowixz et al., PNAS, 2012;109:20035-20040を参照)、インビトロで拡大した。上皮細胞は、IPFのハニカムの内側に見られる病原性EpCAM+基底様細胞に類似するSSEA4EpCAM基底前駆細胞である(Chilosi et al., Lab Invest, 2002;82:1335-1345を参照)。
CSP-7処置:
[0290] IPF線維芽細胞及び上皮細胞を、1%DMSOビヒクル、10μM対照ペプチド(CP)、又は10μM CSP-7で24時間処置した。次いで、標準的なプロトコルを使用して細胞を回収し、細胞溶解物を調製した。
タンパク質濃度:
[0291] PCLS及び上皮細胞試料中のタンパク質濃度は、BCAアッセイを使用して決定された。簡潔には、等量のタンパク質抽出物を、蛍光色素(サイズ及び電荷が一致)を使用して標識した。スペクトル分解可能な色素により、単一の多重ゲル上でタンパク質濃度の同時共分離及び分析が可能になった。
2Dゲル電気泳動及び質量分析:
[0292] 2Dゲルは、1次元目は等電点電気泳動(IEF)、2次元目はSDSポリアクリルアミドゲル電気泳動(SDS-PAGE)(2D-DIGE)を使用して調製された。電気泳動後、Typhoon画像スキャナーを使用してゲルをスキャンした。ImageQuantソフトウェアを使用して、単一画像及びオーバーレイ画像を含む画像プレゼンテーションデータを生成した。DeCyder ‘in-gel’又は‘cross-gel’分析ソフトウェアを使用して、全てのスポットの比較分析を実施した。DMSOビヒクル試料をプールし、参照試料として使用した。CSP-7又はCP対DMSOビヒクル間のタンパク質発現比を決定し、p値を割り当てた。試料全体で有意に調節されたスポット(P<0.05)に番号が割り当てられ、Ettan Spot Pickerを使用して2Dゲルから自動的にピックされた。次いで、MALDI-TOFを使用してスポットを特定した。
[0293] ELISA:市販のヒトMYDGF ELISAを使用して、CSP-7処置されたIPF線維芽細胞及び上皮細胞の上清、並びにヒト血漿におけるMYDGFタンパク質発現を定量した。
結果:
[0294] CSP-7処置されたIPF線維芽細胞では37個のスポットが大幅に上昇し、CSP-7処置された上皮細胞では27個のスポットが大幅に上昇した。CSP-7処置されたIPF線維芽細胞及び上皮細胞の両方において上方制御された、大幅に調節されたタンパク質を以下の表5に示す。
Figure 2024507580000008
[0295] CSP-7で処置されたIPF線維芽細胞において大幅に調節された他のタンパク質には、ガレクチン-1(LGALS1)、アルファ-エノラーゼ(EnoA)、及びアネキシンV(ANXA5)が含まれる。
[0296] CSP-7で処置された上皮細胞で大幅に調節されたその他のタンパク質には、脂肪酸結合タンパク質(FABP5)、グルタチオンS-トランスフェラーゼP(GSTP-1)、及び14-3-3タンパク質ガンマが含まれる。
[0297] MALDI-TOFによって特定されたMYDGFバイオマーカーを検証するために、追加の実験が実施された。IPF肺外植片由来の上皮細胞を、1%DMSOビヒクル、CSP-7(10μM)、Var55(10μM)、対照ペプチド1(CP1、10μM)、対照ペプチド2(CP2、10μM)、ピルフェニドン(500μM)、又はニンテダニブ(100nM)で処置した。上皮細胞上清中のMYDGF発現をELISAにより測定した。図1A及び図1Bに示すように、10μM又は100μMのCSP-7で処置した上皮細胞からの上清は、MYDGFタンパク質の増加を示した。
[0298] 全体として、これらの実験により、CSP-7に反応してIPF線維芽細胞及び上皮細胞において誘導される多数のバイオマーカーが特定された。追加の実験により、IPFを有する患者由来のCSP-7処置された上皮細胞においてMYDGFバイオマーカーが増加していることが確認された。CSP-7で処置した健康な対照では、MYDGFタンパク質発現に変化は見られない。
実施例2.CSP-7処置のバイオマーカーとしての可溶性RAGE
[0299] 終末糖化産物の内因性分泌受容体(esRAGE)は、RAGE遺伝子の選択的スプライシングによって生成される可溶性アイソフォームであり、特発性肺線維症を有するIPF患者の肺組織、血清、及びBALにおいて低下している(Yamaguchi et al., Respiratory Research, 2020; 21:145を参照)。
[0300] 精密切断肺切片(PCLS)を使用して、可溶性RAGEがCSP-7処置の影響を受けるかどうかを決定した。PCLSにより、エクスビボでのヒトIPF肺組織に対する治療剤、例えば、CSP-7の試験が可能になる(図2)。簡潔には、IPFを有するヒト対象から新鮮な肺を取得し、肺コアを穿孔し、Krumdieckスライサーに移した。精密切断肺切片(PCLS)は、ヒト血清及び培養培地とともに最長1ヶ月間生きた状態に保たれた。
[0301] IPF PCLSは、未処置(UT)であるか、又はCSP-7(10μM又は100μM)、対照ペプチド(CP、100μM)、TGFβ(2ng/mL)、若しくはピルフェニドン(Pirf、500μM)及びニンテダニブ(Nin、100nM)で処置された。可溶性RAGE発現を、ELISA(R&D Systems, Cat No. DRG00)による処置後2日目及び4日目にIPF PCLSの上清中で測定した。ELISAは、ヒトRAGEの細胞外ドメインを検出する。図3A及び図3Bに示すように、10μM又は100μMのCSP-7で処置されたIPF PCLSは、未処置又はCPで処置された対照と比較して、可溶性RAGEの増加を示した。図3Cは、CSP-7での処置後2日目及び4日目の、IPF PCLSにおける可溶性RAGE発現の用量依存性の増加を示す。
[0302] LDH活性はまた、未処置(UT)であるか、又はCSP-7(10μM又は100μM)、対照ペプチド(CP、100μM)、TGFβ(2ng/mL)、若しくはピルフェニドン(Pirf、500μM)及びニンテダニブ(Nin、100nM)で処置された、IPF PCLSの上清で検査された。LDH活性は、LDHアッセイ(Sigma-Aldrich、カタログ番号MAK066)を使用して測定した。全体として、未処置の対照と比較して、CSP-7で処置したPCLSではLDH活性がわずかに低下した(図4A及び図4B)。
[0303] 可溶性RAGE発現はまた、CSP-7ペプチドの吸入後1日目及び13日目に健康な対象で検査された。図5に示すように、CSP-7で処置した健康な対象の血漿中の可溶性RAGE発現は、CSP-7での処置後1日目及び13日目に上昇した。
[0304] 全体として、これらのデータは、CSP-7による処置後の末期IPF PCLS培養物における可溶性RAGEの発現の増加を実証する。CSP-7-PCLSにおけるLDH活性の低下はまた、より健康な外植片組織、及び上皮細胞生存の増加を示し得、これは上皮修復及び線維症の低下に重要である。
実施例3.CSP-7治療のバイオマーカーとしてのPDGFRβ
[0305] 血小板由来成長因子(PDGF)シグナル伝達は、肺線維症の病因に関連付けられてきた。TGF-β、IL-1、TNF-α、bFGF、及びトロンビンなどの、多くの線維形成メディエーターは、PDGF依存性線維化促進活性を示す。PDGFシグナル伝達の阻害は、マウスにおけるブレオマイシン誘発性肺線維症を改善することも示されている。Abdollahi et al., JEM, 2005 201(6):925-935;及びKishi et al., PLoS One, 2018, 13(12):e0209786を参照されたい。
[0306] PDGFRβがCSP-7のバイオマーカーとして使用できるかどうかを決定するために実験が実施された。PCLSはIPF対象から取得され、上記のように培養され、図2に示される。PCLSは、未処置(UT)であるか、又はCSP-7(10μM又は100μM)、対照ペプチド(CP、100μM)、TGFβ(2ng/mL)、若しくはピルフェニドン(Pirf、500μM)及びニンテダニブ(Nin、100nM)で処置された。PDGFRβ発現を、ELISA(R&D Systems, Cat No. DRG00)による処置後2日目及び4日目にIPF PCLSの上清中で測定した。図6A及び図6Bに示すように、10μM又は100μMのCSP-7で処置されたPCLSは、未処置の対照と比較してPDGFRβタンパク質発現の減少を実証した。
[0307] 全体として、これらのデータは、CSP-7による処置後の末期IPF PCLS培養物におけるPDGFRβの発現の減少を実証する。PDGFRβは、線維症を有する患者におけるCSP-7療法に関連する有用なバイオマーカーであり得る。
実施例4.CSP-7及びVar55治療のバイオマーカーとしてのリン酸化SMAD2/3
[0308] TGF-βは、線維症において中心的な役割を果たし、炎症細胞の流入及び活性化、細胞の上皮から間葉への分化転換(EMT)、線維芽細胞の流入及びその後の細胞外マトリックスの生成に寄与する。TGF-βは、SMAD2/3などのSMADタンパク質を介してシグナルを伝達する。SMAD2/3のリン酸化状態がCSP-7及び/又はVar55処置に関連するバイオマーカーとして使用できるかどうかを決定するために実験が実施された。
[0309] IPF患者からの原発性肺線維芽細胞を、1%DMSOビヒクル、CSP-7(10μM)、Var55(10μM)、ピルフェニドン(500μM)、又はニンテダニブ(100nM)で処置した。SMAD2/3のリン酸化は、マルチプレックスアッセイ又はウェスタンブロット分析によってIPF線維芽細胞で測定され、リン酸化されたSMAD2/3は、総SMAD2/3タンパク質に対して正規化された。図7Aに示すように、10μMのCSP-7で処置されたIPF線維芽細胞は、1%DMSOビヒクル又はDMEM対照と比較して、SMAD2/3のリン酸化の低下を示した。10μMのVar55で処置されたIPF線維芽細胞は、SMAD2/3リン酸化において差異を示さなかった。
[0310] SMAD2/3のリン酸化がVar55処置に関連するバイオマーカーとして使用できるかどうかを決定するために、追加の実験が実施された。IPF患者からの上皮細胞を、DMEM(対照)、Var55(100μM)、ニンテダニブ(100nM)、対照ペプチド1(CP1、100μM)、又は対照ペプチド2(CP2、100μM)で処置した。SMAD2/3のリン酸化は、マルチプレックスアッセイ又はウェスタンブロット分析によってIPF線維芽細胞で測定され、リン酸化されたSMAD2/3は、総SMAD2/3タンパク質に対して正規化された。図7Bに示すように、100μMのVar55で処置されたIPF上皮細胞は、DMEM対照と比較してSMAD2/3のリン酸化の低下を示した。
[0311] まとめると、これらのデータは、CSP-7及びVar55での処置後のIPF線維芽細胞及び上皮細胞におけるSMAD2/3リン酸化の低下を実証する。したがって、SMAD2/3リン酸化は、線維症を有する患者におけるCSP-7及び/又はVar55処置に関連する有用なバイオマーカーであり得る。
実施例5.CSP-7及びVar55治療のバイオマーカーとしてのガレクチン-7
[0312] 正常な健康な対象又は特発性肺線維症(IPF)を有する対象のいずれかに由来する基底様細胞及び線維芽細胞を、DMSOビヒクル、CSP-7(10μM)、Var55(10μM)、対照ペプチド1(CP1、10μM)、対照ペプチド2(CP2、10μM)、ピルフェニドン(500μM)、又はニンテダニブ(100nM)で処置した。ガレクチン-7は、ELISAによって測定された。研究の結果を図8に示す。
実施例6.肺線維症の高齢マウスモデルにおける修飾Cav-1ペプチドのバイオマーカー
[0313] この研究の目的は、特発性肺線維症及び急性呼吸窮迫症候群(ARDS)のブレオマイシンモデルにおいて修飾Cav-1ペプチドCSP-7を評価することであった。ARDSに対して最も脆弱なヒトの集団に厳密に一致する高齢の雄マウスが選択された。
[0314] ブレオマイシン(BLM、8U/kg)を、BLM誘発性肺損傷によるマウスの約50%の減少を予測して、73~74週齢のマウス(n=52)に気管内投与した。点滴後14日目に、以下の表6に示すように、CSP-7及び対照ペプチド(CP)を乾燥粉末吸入(DPI)又は腹腔内注射(IP)によってマウスに投与した。注入後21日目にマウスを屠殺し、分析のために血液及び組織を収集した。統計は、ダネットの多重比較検定を使用して実施された。
Figure 2024507580000009
[0315] 図9は、乾燥粉末吸入(DPI)により対照ペプチド(CP)又はCSP-7を投与された、生理食塩水又はBLMで処置された高齢マウスの全肺ホモジネート中のコラーゲンを示す。CSP-7を投与されたBLM処置マウスは、対照ペプチドを投与されたマウスと比較して、肺内の総コラーゲンの低下を示した。
[0316] 図10Aは、乾燥粉末吸入(DPI)により対照ペプチド(CP)若しくはCSP-7、又は腹腔内注射(IP)によりCSP-7を投与された、BLMで処置された高齢マウスの全肺ホモジネート中の総SMAD(tSMAD、上パネル)及びリン酸化SMAD(pSMAD、下パネル)を示す。
[0317] 図10Bは、乾燥粉末吸入(DPI)により対照ペプチド(CP)若しくはCSP-7、又は腹腔内注射(IP)によりCSP-7を投与された、BLMで処置された高齢マウスの全肺ホモジネート中のガレクチン-7を示す。
実施例7.CSP-7は、IPFにおける受容体チロシンキナーゼシグナル伝達を減弱する
[0318] この研究の目的は、IPF線維芽細胞における受容体チロシンキナーゼシグナル伝達に対するCSP-7処置の効果を調べることであった。
[0319] 末期IPF線維芽細胞及び非癌性ドナー肺線維芽細胞を取得し、インビトロで培養した。正常なドナー及びIPF線維芽細胞からの初期継代物は、未処置のままとするか、又はDMSO、対照ペプチド、若しくは10μM CSP-7で24時間処置した。次いで、逆相タンパク質アレイ用に細胞を回収した。このアレイは、総タンパク質及びリンタンパク質、上皮間葉転換(EMT)、幹細胞、アポトーシス、DNA損傷、オートファジー、増殖及び細胞周期、成長因子受容体、サイトカイン/STAT、核内受容体/転写調節タンパク質、オートファジー、メタボローム酵素に対する、240の検証済み抗体を含有する。各試料に対して9回の技術的反復を実行し、シグナルを総タンパク質に対して正規化した。
[0320] 図11Aは、CSP-7で処置したIPFが、EGFR、SRC、MEK1/2、及びRaptorのリン酸化の低下を示したが、正常肺線維芽細胞のCSP-7処置はこれらのシグナル伝達経路に影響を及ぼさなかったことを示す。
[0321] 図11Bは、CSP-7で処置されたIPFが、未処置のIPF、又はDMSO若しくは対照ペプチドで処置されたIPFと比較して、p-PDGFRβ及びp-mTORの抑制を示したことを示す。
[0322] 図11Cは、受容体チロシンキナーゼ(RTK)シグナル伝達、代謝シグナル伝達、浸潤関連マーカー、及びヒストン脱アセチル化酵素(HDAC)を評価した逆相タンパク質アレイの概要を提供する。
[0323] 全体として、これらの結果は、IPFのCSP-7処置が、受容体チロシンキナーゼシグナル伝達、代謝シグナル伝達、浸潤関連マーカー、及びヒストン脱アセチル化酵素(HDAC)の活性化を低下させることを示している。特に興味深いのは、図11Bに示すp-mTORシグナル伝達としてのp-PDGFRβの抑制であり、これは筋線維芽細胞のサポートに寄与することが知られている。これらの結果は、CSP-7がIPFに投与されると異常なシグナル伝達のスポンジとして機能する一方、正常なシグナル伝達を有する線維芽細胞に対しては限定的な効果を示し得ることを示唆している。
実施例8.修飾Cav-1ペプチド療法のバイオマーカーとしてのIL-11
[0324] この研究の目的は、急性肺損傷を有するマウスの肺におけるIL-11発現に対するCSP-7処置の効果を評価することであった。
[0325] マウスをブレオマイシンで処置して、急性肺損傷を誘発した。生理食塩水のみで処置したマウスを陰性対照として使用した。マウスを予防的処置群又は治療的処置群のいずれかに割り当てた。予防的処置群には、ブレオマイシンの投与前に対照ペプチド又はCSP-7を1日3回投与した。処置群には、ブレオマイシンの投与後に対照ペプチド又はCSP-7を1日3回投与した。ブレオマイシンによる処置後4日目にマウスを屠殺し、IL-11の測定のために気管支肺胞洗浄液(BALF)をマウスから収集した。
[0326] 図12Aに示すように、CSP-7を投与された予防処置群のブレオマイシン処置マウスは、対照ペプチドを投与されたブレオマイシン処置マウスと比較して、BALF中のIL-11レベルの低下を示した。図12Bに示すように、CSP-7を投与された治療処置群のブレオマイシン処置マウスは、対照ペプチドを投与されたブレオマイシン処置マウスと比較して、BALF中のIL-11レベルの低下を示した。
実施例9.修飾Cav-1ペプチド療法のバイオマーカーとしてのsCD163及びMMP-2
[0327] この研究の目的は、IPFを有するヒトからの肺マクロファージにおけるsCD163及びMMP-2発現に対するCSP-7処置の効果を評価することであった。
[0328] 肺マクロファージは、IPFを有するヒトから収集され、インビトロで培養された。肺マクロファージは、未処置のままとするか、又は0.1μM若しくは1μMのCSP-7で処置した。処置の1日後、肺マクロファージ培養物からの上清を収集し、sCD163及びMMP-2について分析した。
[0329] 図13Aに示すように、CSP-7で処置されたIPFマクロファージは、未処置の対照と比較して、上清中のsCD163の低下を示した。図13Bに示すように、CSP-7で処置されたIPFマクロファージは、未処置の対照と比較して、上清中のMMP-2の低下を示した。
実施例10.修飾Cav-1ペプチド療法のバイオマーカーとしてのCXCL7
[0330] この研究の目的は、IPFを有するヒトからの肺マクロファージにおけるCXCL7発現に対するVar55処置の効果を評価することであった。
[0331] 肺マクロファージは、IPFを有するヒト又は健康な対照から収集され、インビトロで培養された。肺マクロファージは、未処置のままとするか、又はVar55で処置した。処置後、肺マクロファージ培養物からの上清を収集し、ELISAによってCXCL7発現について分析した。図14に示すように、Var55で処置した健康な対照(三角)及びIPFマクロファージ(丸)は、上清中のCXCL7の有意な低下を示した。
参照による援用
本明細書で引用される全ての参考文献、論文、刊行物、特許、特許刊行物、及び特許出願は、あらゆる目的のためにその全体が参照により援用される。ただし、本明細書で引用される全ての参考文献、論文、刊行物、特許、特許刊行物、及び特許出願への言及は、それらが有効な先行技術を構成するか、又は世界の任意の国における技術常識の一部を形成するという承認又は何らかの形の示唆ではなく、またそのように解釈されるべきではない。

Claims (144)

  1. カベオリン-1ペプチド療法で対象を処置する方法であって、前記対象が、線維症を患っており、前記方法が、
    (a)前記対象から生体試料を取得するか、又は取得したステップ;
    (b)前記生体試料の細胞をカベオリン-1ペプチド又はその誘導体で処理するか、又は処理したステップ;
    (c)前記細胞中のバイオマーカーの発現レベルを測定するステップ;及び
    (d)前記バイオマーカーの前記発現レベルを対照試料と比較するステップ
    を含み;前記バイオマーカーが、骨髄由来成長因子(MYDGF)、可溶性RAGE、リン酸化マザーズ・アゲインスト・デカペンタプレジック・ホモログ2/3(pSMAD2/3)、血小板由来成長因子受容体ベータ(PDGFRβ)、ガレクチン-7(LGALS7)、インターロイキン-11(IL-11)、マトリックスメタロプロテイナーゼ-2(MMP-2)、ケモカインリガンド7(CXCL-7)、可溶性CD163、リン酸化mTOR(p-mTOR)、リン酸化PDGFRβ(pPDGFRβ)、プロリフィン(PROF1)、カルモジュリン2(CALM2)、カルレティキュリン(CALR)、ペプチジル-プロリル シス-トランスイソメラーゼA(PPIA)、又は真核生物翻訳開始因子5A(EIF5A1)であり;
    MYDGF、PROF1、CALM2、CALR、PPIA、IF5A1、LGALS7、可溶性RAGE、又はEIF5A1の前記発現レベルが増加した場合、カベオリン-1ペプチド又はその誘導体を前記対象に投与するか;又は
    PDGFRβ、pPDGFRβ、p-mTOR、CALR、IL-11、MMP-2、CXCL7、可溶性CD163、又はpSMAD2/3の前記発現レベルが低下した場合、カベオリン-1ペプチド又はその誘導体を前記対象に投与する、方法。
  2. 前記対照試料が、前記カベオリン-1ペプチド又はその誘導体による処置の前に、前記対象から取得された細胞である、請求項1に記載の方法。
  3. 前記対照試料が、間質性肺疾患を有する対象又は対象の集団から取得された細胞である、請求項1に記載の方法。
  4. 前記対照試料が、健康な対象から取得された細胞である、請求項1に記載の方法。
  5. 前記細胞が、線維芽細胞、I型肺胞上皮細胞、II型肺胞上皮細胞、基底様細胞、クララ細胞、繊毛細胞、クラブ細胞、杯細胞、神経内分泌細胞、内皮細胞、双肺胞幹細胞、マクロファージ、肺胞マクロファージ、イオノサイト、周皮細胞、中皮細胞、間葉細胞、神経内分泌細胞、筋線維芽細胞、B細胞、形質細胞、自然リンパ球、T細胞、単球、NK細胞、樹状細胞、又は末梢血単核球(PBMC)である、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
  6. 前記細胞が、線維芽細胞である、請求項5に記載の方法。
  7. 前記細胞が、基底様細胞である、請求項5に記載の方法。
  8. 前記細胞が、エクスビボ又はインビトロで、前記カベオリン-1ペプチド又はその誘導体で処置される、請求項1~7のいずれか一項に記載の方法。
  9. 前記カベオリン-1ペプチド又はその誘導体が、FTTFTVT(配列番号3)である、請求項1~8のいずれか一項に記載の方法。
  10. 前記カベオリン-1ペプチド又はその誘導体が、Ac-aaEGKASFTTFTVTKGSaaNH2(配列番号4)である、請求項1~9のいずれか一項に記載の方法。
  11. 線維症が、間質性肺疾患、肝線維症、腎線維症、皮膚線維症、糸球体腎炎、全身性硬化症、心臓線維症、心筋線維症、腎臓線維症、肝硬変、腎硬化症、動脈硬化症、黄斑変性症、眼瘢痕、白内障、網膜及び硝子体網膜症、グレーブス眼症、神経線維腫症、強皮症、膠芽腫、ケロイド及び肥厚性瘢痕、腹膜線維性疾患、慢性閉塞性肺疾患、術後筋腫、糖尿病性腎症、婦人科癌、骨髄増殖症候群、骨髄性白血病、骨髄異形成症候群、炎症性腸疾患、非アルコール性脂肪肝疾患、線維肉腫、関節リウマチ、非アルコール性脂肪性肝炎、アルポート症候群、又は慢性COVID症候群である、請求項1~10のいずれか一項に記載の方法。
  12. 前記間質性肺疾患が、特発性肺線維症、リンパ脈管筋腫症、非特異的間質性肺炎、特発性間質性肺炎、特発性器質化肺炎、急性間質性肺疾患、呼吸細気管支炎関連間質性肺疾患、剥離性間質性肺炎、リンパ球性間質性肺炎、肺サルコイドーシス、びまん性肺胞損傷、全身性硬化症、多発性筋炎、全身性エリテマトーデス、関節リウマチ、薬物性間質性肺疾患、又は職業性間質性肺疾患である、請求項11に記載の方法。
  13. 前記間質性肺疾患が、特発性肺線維症である、請求項12に記載の方法。
  14. 前記バイオマーカーの前記発現レベルが、二次元ゲル電気泳動、ウェスタンブロット、質量分析、フローサイトメトリー、定量RT-PCR、ELISA、及び/又はラテラルフローイムノアッセイによって測定される、請求項1~13のいずれか一項に記載の方法。
  15. MYDGFの前記発現レベルが、前記対照試料と比較して増加した場合、前記対象にカベオリン-1ペプチド又はその誘導体を投与する、請求項1~14のいずれか一項に記載の方法。
  16. MYDGFの前記発現レベルが、前記対照試料と比較して、約1.5倍、約2倍、約3倍、約4倍、約5倍、又はそれを超えて増加する、請求項15に記載の方法。
  17. 可溶性RAGEの前記発現レベルが、前記対照試料と比較して増加した場合、前記対象にカベオリン-1ペプチド又はその誘導体を投与する、請求項1~14のいずれか一項に記載の方法。
  18. 可溶性RAGEの前記発現レベルが、前記対照試料と比較して、約1.5倍、約2倍、約3倍、約4倍、約5倍、又はそれを超えて増加する、請求項17に記載の方法。
  19. pSMAD2/3の前記発現レベルが、前記対照試料と比較して減少した場合、前記対象にカベオリン-1ペプチド又はその誘導体を投与する、請求項1~14のいずれか一項に記載の方法。
  20. pSMAD2/3の前記発現レベルが、前記対照試料と比較して、約10%、約25%、約50%、約75%、約90%、又はそれを超えて減少する、請求項19に記載の方法。
  21. PDGFRβ及び/又はpPDGFRβの前記発現レベルが、前記対照試料と比較して減少した場合、前記対象にカベオリン-1ペプチド又はその誘導体を投与する、請求項1~14のいずれか一項に記載の方法。
  22. PDGFRβ及び/又はpPDGFRβの前記発現レベルが、前記対照試料と比較して、約10%、約25%、約50%、約75%、約90%、又はそれを超えて減少する、請求項21に記載の方法。
  23. 前記方法が、内部対照の発現レベルを測定することをさらに含み、前記内部対照の前記発現レベルが、前記カベオリン-1ペプチド又はその誘導体によって影響を受けない、請求項1~22のいずれか一項に記載の方法。
  24. 前記方法のステップ(b)~(d)が、1回又は複数回繰り返される、請求項1~23のいずれか一項に記載の方法。
  25. カベオリン-1ペプチド療法に関連するバイオマーカーの発現レベルの変化を特定する方法であって、前記方法が、
    (a)間質性肺疾患を有する対象の細胞をカベオリン-1ペプチド又はその誘導体で処置すること;
    (b)前記細胞中のバイオマーカーの発現レベルを測定すること;及び
    (c)前記バイオマーカーの前記発現レベルを対照試料と比較すること
    を含み;前記カベオリン-1ペプチド又はその誘導体は、前記細胞中の前記バイオマーカーの前記発現レベルを調節し;
    前記バイオマーカーが、骨髄由来成長因子(MYDGF)、可溶性RAGE、リン酸化マザーズ・アゲインスト・デカペンタプレジック2/3・ホモログ(pSMAD2/3)、血小板由来成長因子受容体ベータ(PDGFRβ)、ガレクチン-7(LGALS7)、インターロイキン-11(IL-11)、マトリックスメタロプロテイナーゼ-2(MMP-2)、ケモカインリガンド7(CXCL-7)、可溶性CD163、リン酸化mTOR(p-mTOR)、リン酸化PDGFRβ(pPDGFRβ)、プロリフィン(PROF1)、カルモジュリン2(CALM2)、カルレティキュリン(CALR)、ペプチジル-プロリル シス-トランスイソメラーゼA(PPIA)、又は真核生物翻訳開始因子5A(EIF5A1)である、方法。
  26. 前記対照試料が、前記カベオリン-1ペプチド又はその誘導体による処置の前に、間質性肺疾患を有する前記対象から取得された細胞である、請求項25に記載の方法。
  27. 前記対照試料が、間質性肺疾患を有する対象又は対象の集団から取得された細胞である、請求項25に記載の方法。
  28. 前記対照試料が、健康な対象から取得された細胞である、請求項25に記載の方法。
  29. 前記細胞が、線維芽細胞、I型肺胞上皮細胞、II型肺胞上皮細胞、基底様細胞、クララ細胞、繊毛細胞、クラブ細胞、杯細胞、神経内分泌細胞、内皮細胞、双肺胞幹細胞、マクロファージ、肺胞マクロファージ、イオノサイト、周皮細胞、中皮細胞、間葉細胞、神経内分泌細胞、筋線維芽細胞、B細胞、形質細胞、自然リンパ球、T細胞、単球、NK細胞、樹状細胞、又は末梢血単核球(PBMC)である、請求項25~28のいずれか一項に記載の方法。
  30. 前記細胞が、線維芽細胞である、請求項29に記載の方法。
  31. 前記細胞が、基底様細胞である、請求項29に記載の方法。
  32. 前記細胞が、エクスビボ又はインビトロで、前記カベオリン-1ペプチド又はその誘導体で処置される、請求項25~31のいずれか一項に記載の方法。
  33. 前記細胞が、間質性肺疾患を有する前記対象から取得される、請求項32に記載の方法。
  34. 前記カベオリン-1ペプチド又はその誘導体が、FTTFTVT(配列番号3)である、請求項25~33のいずれか一項に記載の方法。
  35. 前記カベオリン-1ペプチド又はその誘導体が、Ac-aaEGKASFTTFTVTKGSaaNH2(配列番号4)である、請求項25~33のいずれか一項に記載の方法。
  36. 前記対象が、ヒトである、請求項25~35のいずれか一項に記載の方法。
  37. 前記間質性肺疾患が、特発性肺線維症、リンパ脈管筋腫症、非特異的間質性肺炎、特発性間質性肺炎、特発性器質化肺炎、急性間質性肺疾患、呼吸細気管支炎関連間質性肺疾患、剥離性間質性肺炎、リンパ球性間質性肺炎、肺サルコイドーシス、びまん性肺胞損傷、全身性硬化症、多発性筋炎、全身性エリテマトーデス、関節リウマチ、薬物性間質性肺疾患、又は職業性間質性肺疾患である、請求項25~36のいずれか一項に記載の方法。
  38. 前記間質性肺疾患が、特発性肺線維症である、請求項37に記載の方法。
  39. 前記バイオマーカーの前記発現レベルが、二次元ゲル電気泳動、ウェスタンブロット、質量分析、フローサイトメトリー、定量RT-PCR、ELISA、及び/又はラテラルフローイムノアッセイによって測定される、請求項25~38のいずれか一項に記載の方法。
  40. MYDGF、PROF1、CALM2、CALR、PPIA、IF5A1、LGALS7、可溶性RAGE、又はEIF5A1の前記発現レベルの増加が、カベオリン-1療法に関連している、請求項25~39のいずれか一項に記載の方法。
  41. PDGFRβ、pPDGFRβ、p-mTOR、CALR、IL-11、MMP-2、CXCL7、sCD163、又はpSMAD2/3の前記発現レベルの減少が、カベオリン-1療法に関連している、請求項25~40のいずれか一項に記載の方法。
  42. MYDGFの前記発現レベルが、前記対照試料と比較して増加する、請求項25~40のいずれか一項に記載の方法。
  43. MYDGFの前記発現レベルが、前記対照試料と比較して、約1.5倍、約2倍、約3倍、約4倍、約5倍、又はそれを超えて増加する、請求項42に記載の方法。
  44. 可溶性RAGEの前記発現レベルが、前記対照試料と比較して増加する、請求項25~40のいずれか一項に記載の方法。
  45. 可溶性RAGEの前記発現レベルが、前記対照試料と比較して、約1.5倍、約2倍、約3倍、約4倍、約5倍、又はそれを超えて増加する、請求項44に記載の方法。
  46. pSMAD2/3の前記発現レベルが、前記対照試料と比較して減少する、請求項25~40のいずれか一項に記載の方法。
  47. pSMAD2/3の前記発現レベルが、前記対照試料と比較して、約10%、約25%、約50%、約75%、約90%、又はそれを超えて減少する、請求項46に記載の方法。
  48. PDGFRβ及び/又はpPDGFRβの前記発現レベルが、前記対照試料と比較して減少する、請求項25~40のいずれか一項に記載の方法。
  49. PDGFRβ及び/又はpPDGFRβ前記発現レベルが、前記対照試料と比較して、約10%、約25%、約50%、約75%、約90%、又はそれを超えて減少する、請求項48に記載の方法。
  50. 前記方法が、内部対照の発現レベルを測定することをさらに含み、前記内部対照の前記発現レベルが、前記カベオリン-1ペプチド又はその誘導体によって影響を受けない、請求項25~49のいずれか一項に記載の方法。
  51. 前記方法のステップ(a)~(c)が、1回又は複数回繰り返される、請求項25~50のいずれか一項に記載の方法。
  52. 治療活性剤の有効性を予測又は決定する方法であって、
    (a)間質性肺疾患を有する対象の細胞を前記治療活性剤で処置すること;
    (b)前記対象の前記細胞中のバイオマーカーの発現レベルを測定することであって;
    前記バイオマーカーが、MYDGF、可溶性RAGE、pSMAD2/3、PDGFRβ、pPDGFRβ、LGALS7、IL-11、MMP-2、CXCL7、sCD163、p-mTOR、PROF1、CALM2、CALR、PPIA、又はEIF5A1であること;及び
    (c)前記バイオマーカーの前記発現レベルを対照試料と比較すること
    を含む、方法。
  53. 前記対照試料が、前記治療活性剤による処置前に間質性肺疾患を有する前記対象から取得された細胞である、請求項52に記載の方法。
  54. 前記対照試料が、間質性肺疾患を有する対象又は対象の集団から取得された細胞である、請求項52に記載の方法。
  55. 前記対照試料が、健康な対象から取得された細胞である、請求項52に記載の方法。
  56. 前記細胞が、線維芽細胞、I型肺胞上皮細胞、II型肺胞上皮細胞、基底様細胞、クララ細胞、繊毛細胞、クラブ細胞、杯細胞、神経内分泌細胞、内皮細胞、双肺胞(bialveolar)幹細胞、マクロファージ、肺胞マクロファージ、イオノサイト、周皮細胞、中皮細胞、間葉細胞、神経内分泌細胞、筋線維芽細胞、B細胞、形質細胞、自然リンパ球、T細胞、単球、NK細胞、樹状細胞、又はPBMCである、請求項52~55のいずれか一項に記載の方法。
  57. 前記細胞が、線維芽細胞である、請求項56に記載の方法。
  58. 前記細胞が、基底様細胞である、請求項56に記載の方法。
  59. 前記細胞が、エクスビボ又はインビトロで、前記治療活性剤で処置される、請求項52~58のいずれか一項に記載の方法。
  60. 前記細胞が、間質性肺疾患を有する前記対象から取得される、請求項59に記載の方法。
  61. 前記治療活性剤が、小分子である、請求項52~60のいずれか一項に記載の方法。
  62. 前記治療活性剤が、生物学的薬剤である、請求項52~60のいずれか一項に記載の方法。
  63. 前記生物学的薬剤が、カベオリン-1ペプチド又はその誘導体である、請求項62に記載の方法。
  64. 前記カベオリン-1ペプチド又はその誘導体が、FTTFTVT(配列番号3)である、請求項63に記載の方法。
  65. 前記カベオリン-1ペプチド又はその誘導体が、Ac-aaEGKASFTTFTVTKGSaaNH2(配列番号4)である、請求項63に記載の方法。
  66. 前記対象が、ヒトである、請求項52~65のいずれか一項に記載の方法。
  67. 前記間質性肺疾患が、特発性肺線維症、リンパ脈管筋腫症、非特異的間質性肺炎、特発性間質性肺炎、特発性器質化肺炎、急性間質性肺疾患、呼吸細気管支炎関連間質性肺疾患、剥離性間質性肺炎、リンパ球性間質性肺炎、肺サルコイドーシス、びまん性肺胞損傷、全身性硬化症、多発性筋炎、全身性エリテマトーデス、関節リウマチ、薬物性間質性肺疾患、又は職業性間質性肺疾患である、請求項52~66のいずれか一項に記載の方法。
  68. 前記間質性肺疾患が、特発性肺線維症である、請求項67に記載の方法。
  69. 前記バイオマーカーの前記発現レベルが、二次元ゲル電気泳動、ウェスタンブロット、質量分析、フローサイトメトリー、定量RT-PCR、ELISA、及び/又はラテラルフローイムノアッセイによって測定される、請求項52~68のいずれか一項に記載の方法。
  70. MYDGF、PROF1、CALM2、CALR、PPIA、IF5A1、LGALS7、可溶性RAGE、又はEIF5A1の前記発現レベルの増加が、前記治療活性剤に対する好ましい反応を示す、請求項52~69のいずれか一項に記載の方法。
  71. PDGFRβ、pPDGFRβ、p-mTOR、pSMAD2/3、IL-11、MMP-2、CXCL7、sCD163、又はCALRの前記発現レベルの減少が、前記治療活性剤に対する好ましい反応を示す、請求項52~69のいずれか一項に記載の方法。
  72. MYDGFの前記発現レベルが、前記対照試料と比較して増加する、請求項52~69のいずれか一項に記載の方法。
  73. MYDGFの前記発現レベルが、前記対照試料と比較して、約1.5倍、約2倍、約3倍、約4倍、約5倍、又はそれを超えて増加する、請求項72に記載の方法。
  74. 可溶性RAGEの前記発現レベルが、前記対照試料と比較して増加する、請求項52~69のいずれか一項に記載の方法。
  75. 可溶性RAGEの前記発現レベルが、前記対照試料と比較して、約1.5倍、約2倍、約3倍、約4倍、約5倍、又はそれを超えて増加する、請求項74に記載の方法。
  76. pSMAD2/3の前記発現レベルが、前記対照試料と比較して減少する、請求項52~69のいずれか一項に記載の方法。
  77. pSMAD2/3の前記発現レベルが、前記対照試料と比較して、約10%、約25%、約50%、約75%、約90%、又はそれを超えて減少する、請求項76に記載の方法。
  78. PDGFRβ及び/又はpPDGFRβの前記発現レベルが、前記対照試料と比較して減少する、請求項52~69のいずれか一項に記載の方法。
  79. PDGFRβ及び/又はpPDGFRβ前記発現レベルが、前記対照試料と比較して、約10%、約25%、約50%、約75%、約90%、又はそれを超えて減少する、請求項78に記載の方法。
  80. 前記方法が、内部対照の発現レベルを測定することをさらに含み、前記内部対照の前記発現レベルが、前記治療活性剤によって影響を受けない、請求項52~79のいずれか一項に記載の方法。
  81. 前記方法のステップ(a)~(c)が、1回又は複数回繰り返される、請求項52~80のいずれか一項に記載の方法。
  82. カベオリン-1ペプチド又はその誘導体の有効性を予測又は決定する方法であって、
    (a)線維症を有する対象からの生体試料をカベオリン-1ペプチド又はその誘導体で処置すること;
    (b)前記対象からの前記生体試料中のバイオマーカーの発現レベルを測定することであって;
    前記バイオマーカーが、MYDGF、可溶性RAGE、pSMAD2/3、PDGFRβ、pPDGFRβ、LGALS7、IL-11、MMP-2、CXCL7、sCD163、p-mTOR、PROF1、CALM2、CALR、PPIA、又はIF5A1であること;及び
    (c)前記バイオマーカーの前記発現レベルを対照試料と比較すること
    を含む、方法。
  83. 前記対照試料が、前記カベオリン-1ペプチド又はその誘導体による処置の前に、線維症を有する前記対象から取得された生体試料である、請求項82に記載の方法。
  84. 前記対照試料が、線維症を有する対象又は対象の集団から取得された生体試料である、請求項82に記載の方法。
  85. 前記対照試料が、健康な対象から取得された生体試料である、請求項82に記載の方法。
  86. 前記生体試料が、気管支肺胞洗浄液(BALF)、肺組織、線維芽細胞、I型肺胞上皮細胞、II型肺胞上皮細胞、基底細胞、クララ細胞、繊毛細胞、クラブ細胞、杯細胞、神経内分泌細胞、内皮細胞、双肺胞幹細胞、マクロファージ、肺胞マクロファージ、イオノサイト、周皮細胞、中皮細胞、間葉細胞、神経内分泌細胞、筋線維芽細胞、B細胞、形質細胞、自然リンパ球、T細胞、単球、NK細胞、樹状細胞、又はPBMCである、請求項82~85のいずれか一項に記載の方法。
  87. 前記生体試料が、線維芽細胞である、請求項86に記載の方法。
  88. 前記生体試料が、基底様細胞である、請求項86に記載の方法。
  89. 前記生体試料が、肺組織である、請求項86に記載の方法。
  90. 生体試料が、エクスビボ又はインビトロで、前記カベオリン-1ペプチド又はその誘導体で処置される、請求項82~85のいずれか一項に記載の方法。
  91. 前記生体試料が、線維症を有する前記対象から取得される、請求項90に記載の方法。
  92. 前記カベオリン-1ペプチド又はその誘導体が、FTTFTVT(配列番号3)である、請求項82~91のいずれか一項に記載の方法。
  93. 前記カベオリン-1ペプチド又はその誘導体が、Ac-aaEGKASFTTFTVTKGSaaNH2(配列番号4)である、請求項82~91のいずれか一項に記載の方法。
  94. 前記対象が、ヒトである、請求項82~93のいずれか一項に記載の方法。
  95. 前記線維症が、間質性肺疾患、肝線維症、腎線維症、皮膚線維症、糸球体腎炎、全身性硬化症、心臓線維症、心筋線維症、腎臓線維症、肝硬変、腎硬化症、動脈硬化症、黄斑変性症、眼瘢痕、白内障、網膜及び硝子体網膜症、グレーブス眼症、神経線維腫症、強皮症、膠芽腫、ケロイド及び肥厚性瘢痕、腹膜線維性疾患、慢性閉塞性肺疾患、術後筋腫、糖尿病性腎症、婦人科癌、骨髄増殖症候群、骨髄性白血病、骨髄異形成症候群、炎症性腸疾患、非アルコール性脂肪肝疾患、線維肉腫、関節リウマチ、非アルコール性脂肪性肝炎、アルポート症候群、又は慢性COVID症候群である、請求項82~94のいずれか一項に記載の方法。
  96. 前記間質性肺疾患が、特発性肺線維症、リンパ脈管筋腫症、非特異的間質性肺炎、特発性間質性肺炎、特発性器質化肺炎、急性間質性肺疾患、呼吸細気管支炎関連間質性肺疾患、剥離性間質性肺炎、リンパ球性間質性肺炎、肺サルコイドーシス、びまん性肺胞損傷、全身性硬化症、多発性筋炎、全身性エリテマトーデス、関節リウマチ、薬物性間質性肺疾患、又は職業性間質性肺疾患である、請求項95に記載の方法。
  97. 前記間質性肺疾患が、特発性肺線維症である、請求項96に記載の方法。
  98. 前記バイオマーカーの前記発現レベルが、二次元ゲル電気泳動、ウェスタンブロット、質量分析、フローサイトメトリー、定量RT-PCR、ELISA、及び/又はラテラルフローイムノアッセイによって測定される、請求項82~97のいずれか一項に記載の方法。
  99. MYDGF、PROF1、CALM2、CALR、PPIA、IF5A1、LGALS7、可溶性RAGE、又はEIF5A1の前記発現レベルの増加が、前記カベオリン-1ペプチド又はその誘導体に対する好ましい反応を示す、請求項82~98のいずれか一項に記載の方法。
  100. PDGFRβ、pPDGFRβ、p-mTOR、CALR、IL-11、MMP-2、CXCL7、sCD163、又はpSMAD2/3の前記発現レベルの減少が、前記カベオリン-1ペプチド又はその誘導体に対する好ましい反応を示す、請求項82~98のいずれか一項に記載の方法。
  101. MYDGFの前記発現レベルが、前記対照試料と比較して増加する、請求項82~98のいずれか一項に記載の方法。
  102. MYDGFの前記発現レベルが、前記対照試料と比較して、約1.5倍、約2倍、約3倍、約4倍、約5倍、又はそれを超えて増加する、請求項101に記載の方法。
  103. 可溶性RAGEの前記発現レベルが、前記対照試料と比較して増加する、請求項82~98のいずれか一項に記載の方法。
  104. 可溶性RAGEの前記発現レベルが、前記対照試料と比較して、約1.5倍、約2倍、約3倍、約4倍、約5倍、又はそれを超えて増加する、請求項103に記載の方法。
  105. pSMAD2/3の前記発現レベルが、前記対照試料と比較して減少する、請求項82~98のいずれか一項に記載の方法。
  106. pSMAD2/3の前記発現レベルが、前記対照試料と比較して、約10%、約25%、約50%、約75%、約90%、又はそれを超えて減少する、請求項105に記載の方法。
  107. PDGFRβ及び/又はpPDGFRβの前記発現レベルが、前記対照試料と比較して減少する、請求項82~98のいずれか一項に記載の方法。
  108. PDGFRβ及び/又はpPDGFRβ前記発現レベルが、前記対照試料と比較して、約10%、約25%、約50%、約75%、約90%、又はそれを超えて減少する、請求項107に記載の方法。
  109. 前記方法が、内部対照の発現レベルを測定することをさらに含み、前記内部対照の前記発現レベルが、前記カベオリン-1ペプチド又はその誘導体によって影響を受けない、請求項82~108のいずれか一項に記載の方法。
  110. 前記方法のステップ(a)~(c)が、1回又は複数回繰り返される、請求項82~109のいずれか一項に記載の方法。
  111. 線維症を有する対象におけるカベオリン-1ペプチド又はその誘導体の有効性を予測又は決定する方法であって、
    (a)前記カベオリン-1ペプチド又はその誘導体による処置の前に前記対象からの第1の生体試料を取得すること;
    (b)前記対象に前記カベオリン-1ペプチド又はその誘導体を投与すること;
    (c)前記カベオリン-1ペプチド又はその誘導体による処置の後に前記対象からの第2の生体試料を取得すること;
    (d)前記第1の生体試料及び前記第2の生体試料中のバイオマーカーの発現レベルを測定することであって;
    前記バイオマーカーが、MYDGF、可溶性RAGE、pSMAD2/3、PDGFRβ、pPDGFRβ、LGALS7、IL-11、MMP-2、CXCL7、sCD163、p-mTOR、PROF1、CALM2、CALR、PPIA、又はIF5A1であること;並びに
    (e)前記第1の生体試料中の前記バイオマーカーの前記発現レベルを前記第2の生体試料中の前記バイオマーカーの前記発現レベルと比較すること
    を含む、方法。
  112. 前記方法のステップ(a)が、前記カベオリン-1ペプチド又はその誘導体による処置の前に、対照試料と比較して、前記第1の生体試料における前記バイオマーカーの前記発現レベルを決定することをさらに含む、請求項111に記載の方法。
  113. 前記対照試料が、線維症を有する対象又は対象の集団から取得された生体試料である、請求項112に記載の方法。
  114. ステップ(a)の前記第1の生体試料中の前記バイオマーカーの前記発現レベルを使用して、ステップ(b)で投与される前記カベオリン-1ペプチド又はその誘導体の最適用量を決定する、請求項112又は113に記載の方法。
  115. 前記生体試料が、血清、血漿、BALF、肺組織、線維芽細胞、I型肺胞上皮細胞、II型肺胞上皮細胞、基底細胞、クララ細胞、繊毛細胞、クラブ細胞、杯細胞、神経内分泌細胞、内皮細胞、双肺胞幹細胞、マクロファージ、肺胞マクロファージ、イオノサイト、周皮細胞、中皮細胞、間葉細胞、神経内分泌細胞、筋線維芽細胞、B細胞、形質細胞、自然リンパ球、T細胞、単球、NK細胞、樹状細胞、又はPBMCである、請求項111~114のいずれか一項に記載の方法。
  116. 前記生体試料が、血清である、請求項115に記載の方法。
  117. 前記生体試料が、血漿である、請求項115に記載の方法。
  118. 前記生体試料が、線維芽細胞、基底様細胞、又はPBMCである、請求項115に記載の方法。
  119. 前記カベオリン-1ペプチド又はその誘導体が、FTTFTVT(配列番号3)である、請求項111~118のいずれか一項に記載の方法。
  120. 前記カベオリン-1ペプチド又はその誘導体が、Ac-aaEGKASFTTFTVTKGSaaNH2(配列番号4)である、請求項111~118のいずれか一項に記載の方法。
  121. 前記対象が、ヒトである、請求項1~24又は87~96のいずれか一項に記載の方法。
  122. 前記線維症が、間質性肺疾患、肝線維症、腎線維症、皮膚線維症、糸球体腎炎、全身性硬化症、心臓線維症、心筋線維症、腎臓線維症、肝硬変、腎硬化症、動脈硬化症、黄斑変性症、眼瘢痕、白内障、網膜及び硝子体網膜症、グレーブス眼症、神経線維腫症、強皮症、膠芽腫、ケロイド及び肥厚性瘢痕、腹膜線維性疾患、慢性閉塞性肺疾患、術後筋腫、糖尿病性腎症、婦人科癌、骨髄増殖症候群、骨髄性白血病、骨髄異形成症候群、炎症性腸疾患、非アルコール性脂肪肝疾患、線維肉腫、関節リウマチ、非アルコール性脂肪性肝炎、アルポート症候群、又は慢性COVID症候群である、請求項111~121のいずれか一項に記載の方法。
  123. 前記間質性肺疾患が、特発性肺線維症、家族性肺線維症、特発性非特異的間質性肺炎、従来型間質性肺疾患、特発性器質化肺炎、又はサルコイドーシスである、請求項122に記載の方法。
  124. 前記間質性肺疾患が、特発性肺線維症である、請求項123に記載の方法。
  125. 前記第1及び第2の生体試料中の前記バイオマーカーの前記発現レベルが、二次元ゲル電気泳動、ウェスタンブロット、質量分析、フローサイトメトリー、定量RT-PCR、ELISA、及び/又はラテラルフローイムノアッセイによって測定される、請求項111~124のいずれか一項に記載の方法。
  126. MYDGF、PROF1、CALM2、CALR、PPIA、IF5A1、LGALS7、又は可溶性RAGEの前記発現レベルの増加が、前記カベオリン-1ペプチド又はその誘導体に対する好ましい反応を示す、請求項111~125のいずれか一項に記載の方法。
  127. PDGFRβ、pPDGFRβ、p-mTOR、CALR、IL-11、MMP-2、CXCL7、sCD163、又はpSMAD2/3の前記発現レベルの減少が、前記カベオリン-1ペプチド又はその誘導体に対する好ましい反応を示す、請求項111~125のいずれか一項に記載の方法。
  128. 前記カベオリン-1ペプチド又はその誘導体が、約0.01mg/kg~約250mg/kgの用量で前記対象に投与される、請求項1~24又は111~127のいずれか一項に記載の方法。
  129. 前記カベオリン-1ペプチド又はその誘導体が、約0.05mg/kg~約50mg/kgの用量で前記対象に投与される、請求項128に記載の方法。
  130. 前記カベオリン-1ペプチド又はその誘導体が、吸入、静脈内、皮下、経口、腹腔内、舌下、頬側、又は筋肉内によって前記対象に投与される、請求項1~24又は111~129のいずれか一項に記載の方法。
  131. 前記方法が、前記カベオリン-1ペプチド又はその誘導体を1日1回、1週間に1回、1週間に2回、1週間に3回、1週間に5回、2週間に1回、又は1ヶ月に1回前記対象に投与することを含む、請求項1~24又は111~130のいずれか一項に記載の方法。
  132. 前記第2の生体試料が、前記カベオリン-1ペプチド又はその誘導体の投与後、1時間、3時間、6時間、12時間、1日、2日、3日、4日、5日、1週間、2週間、3週間、1ヶ月、6ヶ月、又は1年で前記対象から取得される、請求項1~24又は111~131のいずれか一項に記載の方法。
  133. 前記方法が、前記カベオリン-1ペプチド又はその誘導体の投与の後に、1又は複数の追加の生体試料を取得することをさらに含む、請求項1~24又は87~108のいずれか一項に記載の方法。
  134. 前記1又は複数の追加の生体試料中の前記バイオマーカーの前記発現レベルが、前記第1の生体試料中の前記バイオマーカーの前記発現レベルと比較して増加し;前記1又は複数の追加の生体試料における前記バイオマーカーの前記発現レベルの増加が、前記カベオリン-1ペプチド又はその誘導体に対する好ましい反応を示す、請求項133に記載の方法。
  135. 前記1又は複数の追加の生体試料中の前記バイオマーカーの前記発現レベルが、前記第1の生体試料中の前記バイオマーカーの前記発現レベルと比較して減少し;前記1又は複数の追加の生体試料における前記バイオマーカーの前記発現レベルの減少が、前記カベオリン-1ペプチド又はその誘導体に対する好ましい反応を示す、請求項133に記載の方法。
  136. 前記第2の生体試料中のMYDGFの前記発現レベルが、前記第1の生体試料と比較して増加する、請求項111~132のいずれか一項に記載の方法。
  137. 前記第2の生体試料中のMYDGFの前記発現レベルが、前記第1の生体試料と比較して、約1.5倍、約2倍、約3倍、約4倍、約5倍、又はそれを超えて増加する、請求項136に記載の方法。
  138. 前記第2の生体試料中の可溶性RAGEの前記発現レベルが、前記第1の生体試料と比較して増加する、請求項111~132のいずれか一項に記載の方法。
  139. 前記第2の生体試料中の可溶性RAGEの前記発現レベルが、前記第1の生体試料と比較して、約1.5倍、約2倍、約3倍、約4倍、約5倍、又はそれを超えて増加する、請求項138に記載の方法。
  140. pSMAD2/3の前記発現レベルが、前記対照試料と比較して減少する、請求項111~132のいずれか一項に記載の方法。
  141. pSMAD2/3の前記発現レベルが、前記対照試料と比較して、約10%、約25%、約50%、約75%、約90%、又はそれを超えて減少する、請求項140に記載の方法。
  142. 前記第2の生体試料中のPDGFRβ及び/又はpPDGFRβの前記発現レベルが、前記第1の生体試料と比較して、前記第2の生体試料において減少する、請求項111~132のいずれか一項に記載の方法。
  143. 前記第2の生体試料中のPDGFRβ及び/又はpPDGFRβの前記発現レベルが、前記第1の生体試料と比較して、約10%、約25%、約50%、約75%、約90%、又はそれを超えて減少する、請求項142に記載の方法。
  144. 前記第2の生体試料中の前記バイオマーカーの前記発現レベルを使用して、前記カベオリン-1ペプチド又はその誘導体の最適用量を決定する、請求項111~132のいずれか一項に記載の方法。
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