JP2024506847A - がんを処置および改善するための方法 - Google Patents

がんを処置および改善するための方法 Download PDF

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ジェイムズ ラクレア,
トーマス ウィゼナント,
ウォーレン シー. チャン,
デル ウェルフ, インゲ ファン
ペギー ウェントワース,
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Abstract

がん、または急性骨髄性白血病(AML)のようながんの再発を処置および改善するための方法であって、必要とする個体に、17S‐FD‐895(もしくはレベクシニブ)および第2の薬物(例えば、ATP競合性プロテインチロシンキナーゼインヒビター(例えば、ダサチニブ))を含む薬学的組成物を投与することを包含する方法が提供される。骨髄増殖性腫瘍(MPN)またはAML幹細胞増殖のインビボ阻害のための方法であって、必要とする個体に、17S‐FD‐895および第2の薬物を含む薬学的組成物を投与することを包含する方法が提供される。白血病幹細胞(LSCs)への前白血病幹細胞(pre‐LSC)形質転換をインビボ阻害するための方法であって、必要とする個体に、17S‐FD‐895および第2の薬物を含む薬学的組成物を投与することを包含する方法が提供される。

Description

関連出願
この特許協力条約(PCT)国際出願は、米国特許法第119条(e)項の下で、2021年2月1日出願の米国仮特許出願第(USSN)63/144,378号に基づく優先権の利益を主張する。前述の出願は、その全体においておよび全ての目的のために本明細書に参考として明示的に援用される。本明細書で引用される全ての刊行物、特許、特許出願は、全ての目的のために明示的に援用される。
政府支援の研究に関する陳述
本発明は、米国国立衛生研究所(NIH)によって授与されたR01DK114468およびR01CA205944、ならびにNASAによって授与された80JSC020F0200の下で、政府支援を得て行われた。政府は、本発明において一定の権利を有する。
技術分野
本発明は一般に、医学および薬理学に関する。代替の実施形態において、がん、またはがん(例えば、急性骨髄性白血病(AML))の再発を処置および改善するための方法であって、上記方法は、必要とする個体に、17S‐FD‐895(レベクシニブとしても公知)および第2の薬物(例えば、ATP競合性プロテインチロシンキナーゼインヒビター(例えば、フェドラチニブまたはダサチニブ))を含む薬学的組成物を投与することを包含する方法が提供される。代替の実施形態において、骨髄増殖性腫瘍(MPN)もしくはAML幹細胞増殖のインビボでの阻害のための方法であって、上記方法は、必要とする個体に、17S‐FD‐895(レベクシニブ)および第2の薬物を含む薬学的組成物を投与することを包含する方法が提供される。代替の実施形態において、白血病幹細胞(LSCs)への前白血病幹細胞(pre‐LSC)形質転換のインビボでの阻害のための方法であって、上記方法は、必要とする個体に、17S‐FD‐895(レベクシニブ)および第2の薬物を含む薬学的組成物を投与することを包含する方法が提供される。
背景
累積している証拠から、休止状態の自己再生がん幹細胞(CSCs)、特に、血液悪性腫瘍(例えば、骨髄増殖性腫瘍(MPNs)、骨髄異形成症候群(MDS)、急性骨髄性白血病(AML)、慢性リンパ性白血病(CLL)および多発性骨髄腫(MM))が、分裂中の細胞を標的化する化学療法剤に対する治療抵抗性を促進し、従って、再発を促進する(これは、がん関連死の原因首位である)ことが示唆されている。これらの悪性腫瘍の再発は、CSCsの拡大を駆動するスプライシング調節解除誘導性クローン進化(splicing deregulation‐induced clonal evolution)に関連付けられた(Jiang 2017)。
要旨
代替の実施形態において、
(a)レベクシニブ(17S‐FD‐895とも称される)
またはそのエナンチオマー、立体異性体、重水素化バージョン、もしくは塩;および
(b)少なくとも1種の第2の薬物、
を含む薬学的もしくは治療用組成物、製剤もしくは薬物の治療的組み合わせが提供される。
代替の実施形態において、
- がんの処置および改善であって、ここで必要に応じて、上記がんは、白血病であり、必要に応じて上記がんは、急性骨髄性白血病(AML)、骨髄増殖性腫瘍(MPN)、骨髄異形成症候群(MDS)、急性骨髄性白血病(AML)、慢性リンパ性白血病(CLL)および/もしくは多発性骨髄腫(MM)である、処置および改善;
- 骨髄増殖性腫瘍(MPN)もしくはAML幹細胞増殖のインビボでの阻害;
- 白血病幹細胞(LSCs)への前白血病幹細胞(pre‐LSC)形質転換のインビボでの阻害、
- AMLもしくはMPNにおけるスプライセオソームのインビボでの阻害、ならびに/または
- スプライセオソーム結合ポケットの構成要素に結合するかもしくはADAR1(adenosine deaminase acting on RNA-1)に結合する転写物のインビボでの阻害、
のための方法であって、上記方法は、以下:
(a)17S‐FD‐895とも称されるレベクシニブ
またはそのエナンチオマー、立体異性体、重水素化バージョン、もしくは塩、あるいは
(b)(a)の化合物、またはレベクシニブもしくは17S‐FD‐895、および少なくとも1種の第2の薬物、
を含む製剤、薬学的組成物もしくは薬物の治療的組み合わせを、必要とする個体へと投与すること
を包含する方法が、提供される。
本明細書で提供されるとおりの方法または薬学的もしくは治療用組成物、製剤もしくは薬物の治療的組み合わせの代替の実施形態において、
- 17S‐FD‐895の用量は、1~2週間の間にわたって1日に1回、2週間もしくは約1~2週間の間にわたって1週間に2回、続いて、2週間休薬もしくは2~4週間休薬を、2週間サイクル、3週間サイクル、4週間サイクル、5週間サイクルもしくは6週間サイクルで継続して、必要に応じて4回の28日間サイクルもしくは1ヶ月間サイクルで継続して投与されるか、あるいは上記薬学的もしくは治療用組成物、製剤もしくは薬物の治療的組み合わせは、この投与量の投与のために製剤化される;
- 上記少なくとも1種の第2の薬物は、ATP競合性プロテインチロシンキナーゼインヒビターを含み、ここで必要に応じて上記ATP競合性プロテインチロシンキナーゼインヒビターは、ダサチニブ(もしくはSprycelTMもしくはDasanixTM)を含む;
- 上記少なくとも1種の第2の薬物は、JAK2(Janus kinase 2)インヒビター、必要に応じてフェドラチニブ(もしくはINREBICTM)、またはフェドラチニブおよび少なくとも1種の第2の薬物を含み、ここで必要に応じて上記フェドラチニブは、60mg/kgを1日に2回経口で、必要に応じて1~2週間またはさらに数週間にわたって投与される;
- 上記少なくとも1種の第2の薬物は、化学療法剤を含み、ここで必要に応じて上記化学療法剤は、アファチニブ(もしくはGILOTRIFTM)、アフレセルチブ、アレクチニブ、アリセルチブ、アルボシジブ、アムサクリン、アモナフィド、アムバチニブ、アキシチニブ、アザシチジン、アザチオプリン、バフェチニブ、バラセルチブ、ベンダムスチン、ブレオマイシン、ボスチニブ、ボルテゾミブ、ブスルファン、カボザンチニブ、カンプトテシン、カネルチニブ、カペシタビン、カバジタキセル、カルボプラチン、カルムスチン、セニセルチブ、セリチニブ、クロラムブシル、シスプラチン、、クラドリビン、クロファラビン、クレノラニブ、クリゾチニブ、シクロホスファミド、シタラビン、ダブラフェニブ、ダカルバジン、ダコミチニブ、ダクチノマイシン、ダヌセルチブ、ダサチニブ、ダウノルビシン、デシタビン、ディナシクリブ、ドセタキセル、ドビチニブ、ドキソルビシン、エピルビシン、エピチニブ、エリブリンメシル酸塩、エルロチニブ(errlotinib)、エチリノテカン、エトポシド、エベロリムス、エキセメスタン、フェドラチニブ(もしくはINREBICTM)、フロクスウリジン、フルダラビン、フルオロウラシル、ゲフィチニブ、ゲムシタビン、ヒドロキシウレア、イブルチニブ、イコチニブ、イダルビシン、イホスファミド、イマチニブ、イパタセルチブ、イリノテカン、イクサベピロン、ラパチニブ、レナリドミド、レスタウルチニブ、ロムスチン、ルシタニブ、マシチニブ、メクロレタミン、メルファラン、メルカプトプリン、メトトレキサート、ミドスタウリン、マイトマイシン、ミトキサントロン、ムブリチニブ、ネララビン、ネラチニブ、ニロチニブ、ニンテダニブ、オマセタキシンメペスクシナート、オランチニブ、オキサリプラチン、パクリタキセル、パルボシクリブ、パリホスファミドトリス(palifosfamide tris)、パゾパニブ、ペリチニブ、ペメトレキセド、ペントスタチン、プリカマイシン、ポナチニブ、ポジオチニブ、プララトレキサート、プロカルバジン、キザルチニブ、ラルチトレキセド、レゴラフェニブ、ルキソリチニブ(もしくはOPZELURATM)、セリシクリブ、ソラフェニブ(もしくはNEXAVARTM)、ストレプトゾシン、スルファチニブ、スニチニブ(もしくはSUTENTTM)、タモキシフェン(もしくはNOLVADEXTM)、タンデュチニブ、テモゾロミド、テムシロリムス、テニポシド、テリオアチニブ(theliatinib)、チオグアニン、チオテパ、トポテカン、ウラムスチン、バルルビシン、バンデタニブ、ベムラフェニブ(もしくはZelboraeTM)、ビンクリスチン(もしくはONCOVINTM)、ビンブラスチン(もしくはVELBANTM)、ビノレルビン(もしくはNAVELBINETM)、およびビンデシン(もしくはエルシジン(eldisine))のうちの1種、2種、3種、またはこれより多くのものを含む;
- 上記少なくとも1種の第2の薬物は、低メチル化剤(HMA)を含み、ここで必要に応じて上記HMAは、アザシチジン(もしくはVIDAZATM)またはデシタビン(もしくはDACOGENTM)を含む;
- 上記少なくとも1種の第2の薬物は、第2のテロメラーゼインヒビターを含み、ここで必要に応じて上記テロメラーゼインヒビターは、イメテルスタット、ジドブジン(もしくはアジドチミジン(AZT))、スタブジン(もしくはZERITTM)、テノホビルもしくはテノホビルジソプロキシル(もしくはVIREADTM)、ジダノシン(もしくはVIDEXTM)、アバカビル(ZIAGENTM)、TMPI、テロメスタチン、RHPS4、BRACO-19、TMPyP4、テルトモチド(tertomotide)、ASTVAC-1、GX-301、UCPVax、UV-1、Vx-001、Vx-006、INO-1400、INVAC-1、ASTVAC-2、Telin(ab 4,4-ジクロロ-1-(2,4-ジクロロフェニル)-3-メチル-5-ピラゾロン)、Vbx-011、Vbx-021、Vbx-026INO-5401、KML-001、TK-005、リボバックス(ribovax)、Vbx-016、ZI-HX、ZI-H04、およびZIH-03のうちの少なくとも1種、2種、または3種を含む;
- 上記製剤、薬学的組成物もしくは薬物の治療的組み合わせまたはそれらの中に含まれる活性薬剤もしくは薬物は、液体製剤(必要に応じて滅菌生理食塩水もしくは水)、スプレー、散剤、エアロゾル、ミスト、もしくは吸入用の任意の製剤、丸剤、カプセル剤、錠剤、もしくはゲルタブ、または等価物)であるか、それらの中に製剤化されるか、または含まれるか;あるいはビーズ、散剤、粒子、または多層化ビーズもしくは粒子の表面にコーティングされるか、またはそれらの中に含まれ、必要に応じて上記ビーズ、散剤、粒子または上記多層化ビーズもしくは粒子は、経口送達のために丸剤、カプセル剤、錠剤、もしくはゲルタブ、または等価物の中に含まれ、ここで必要に応じて経口送達のための上記丸剤、カプセル剤、錠剤、ゲルタブまたは等価物は、硬質ゼラチンカプセルもしくは等価物であるか、または硬質ゼラチンもしくは等価物を含むか;あるいは薬物送達デバイスもしくはパッケージ、ブリスターパック、クラムシェルもしくはトレイは、用量用法レジメンに従うために上記薬物送達デバイスもしくはパッケージ、ブリスターパック、クラムシェルもしくはトレイ上に空間的に配列された複数の区画を含む;
- 本明細書で提供されるとおりの方法において使用される活性薬剤、または本明細書で提供されるとおりの製剤、薬学的組成物もしくは薬物の治療的組み合わせの中の薬物は、約10~500mg/日の間もしくは1日に約500~1gの間で、または1日あたりもしくは1投与量あたり約100~600mgの間の投与量で、または1日あたりもしくは1投与量あたり約100mg、200mg、300mg、400mg、500mgもしくは600mgで投与され、必要に応じて単位投与量は、必要とする個体に、1日に1回(QD)、もしくは1日に2回(BID)、もしくは1日に3回(TID)、またはこれより多く投与される;
- 本明細書で提供されるとおりの方法において使用される活性薬物、または本明細書で提供されるとおりの製剤、薬学的組成物もしくは薬物の治療的組み合わせの中の薬物は、吸入製剤もしくはエアロゾル製剤(例えば、散剤もしくはミストもしくはエアロゾル)として投与されるかまたはそれらとともに製剤化されるかもしくはそれらとして製剤化される、ならびに/あるいは経口、筋肉内(IM)、皮下(SC)、髄腔内もしくは静脈内(IV)製剤とともに製剤化されるか、またはそれらとして製剤化され、必要に応じて上記吸入(もしくはエアロゾル)製剤および上記経口、IV、SC、髄腔内および/もしくはIM製剤はともに、同時にもしくは連続して投与される;
- 本明細書で提供されるとおりの方法において使用される活性薬物、または本明細書で提供されるとおりの製剤、薬学的組成物もしくは薬物の治療的組み合わせの中の薬物は、必要とする個体に投与され:薬物送達デバイスを、必要に応じて吸入によって使用し、ここで上記薬物送達デバイスは、必要に応じて、吸入デバイスもしくは吸入器または鼻用スプレーデバイスを含み、必要に応じて上記吸入器または鼻用スプレーデバイスは、携行式吸入器または鼻用スプレーデバイスであり、必要に応じて上記吸入器または鼻用スプレーデバイスは、計量式もしくは用量計数式吸入器または鼻用スプレーデバイスであるか、あるいは静脈内(IV)もしくは筋肉内(IM)に使用される。
代替の実施形態において、
- がんの処置および改善であって、ここで必要に応じて上記がんは、白血病であり、必要に応じて上記がんは、急性骨髄性白血病(AML)、骨髄増殖性腫瘍(MPN)、骨髄異形成症候群(MDS)、急性骨髄性白血病(AML)、慢性リンパ性白血病(CLL)および/もしくは多発性骨髄腫(MM)である、処置および改善;
- 骨髄増殖性腫瘍(MPN)もしくはAML幹細胞増殖のインビボでの阻害;または
- 白血病幹細胞(LSCs)への前白血病幹細胞(pre‐LSC)形質転換のインビボでの阻害
- AMLもしくはMPNにおけるスプライセオソームのインビボでの阻害、ならびに/または
- スプライセオソーム結合ポケットの構成要素に結合するかもしくはADAR1(adenosine deaminase acting on RNA-1)に結合する転写物のインビボでの阻害、
における使用のための17S‐FD‐895(もしくはレベクシニブ)、または17S‐FD‐895および少なくとも1種の第2の薬物を含む薬学的組成物、製剤もしくは治療的組み合わせが提供される。
代替の実施形態において、
- がんの処置および改善であって、ここで必要に応じて上記がんは、白血病であり、必要に応じて上記がんは、急性骨髄性白血病(AML)、骨髄増殖性腫瘍(MPN)、骨髄異形成症候群(MDS)、急性骨髄性白血病(AML)、慢性リンパ性白血病(CLL)および/もしくは多発性骨髄腫(MM)である、処置および改善;
- 骨髄増殖性腫瘍(MPN)もしくはAML幹細胞増殖のインビボでの阻害;または
- 白血病幹細胞(LSCs)への前白血病幹細胞(pre‐LSC)形質転換のインビボでの阻害
- AMLもしくはMPNにおけるスプライセオソームのインビボでの阻害、ならびに/または
- スプライセオソーム結合ポケットの構成要素に結合するかもしくはADAR1(adenosine deaminase acting on RNA-1)に結合する転写物のインビボでの阻害、
のための医薬または薬学的組成物の製造における使用のための、17S‐FD‐895(もしくはレベクシニブ)、または17S‐FD‐895および少なくとも1種の第2の薬物を含む薬学的組成物、製剤もしくは治療的組み合わせが提供される。
本明細書で引用される全ての刊行物、特許、特許出願は、全ての目的のためにそれらの全体において明示的に援用される。
図面の説明
特許または出願ファイルは、カラーで作成された少なくとも1枚の図面を含む。カラー図面付きのこの特許または特許出願公報の写しは、請求および必要な費用を支払えば、当局によって提供される。
本明細書で示される図面は、本明細書で提供される例示的実施形態の例証であり、特許請求の範囲によって包含されるとおりの発明の範囲を限定することを意味しない。
図面は、ここで詳細に説明される。
図1A~Fは、レベクシニブ(17S-FD-895)が、ヒト幹細胞因子、GM-CSFおよびIL-3を分泌する二次性AML患者50261(sAML50261)移植NSG-SGM3マウスモデルにおいてヒトCD34+Lin- (hCD34)細胞生着を有意に阻害したことを図示する。
図1Aは、ビヒクルコントロール、フェドラチニブ、レベクシニブ(17S-FD-895)、またはフェドラチニブおよびレベクシニブ(17S-FD-895)の組み合わせでの処置後の二次性AML患者37を移植した免疫不全状態のマウスの末梢血(sAML37PB)中の生着したヒトCD45+ (hCD45+)細胞のパーセンテージをグラフで示す。
図1Bは、ビヒクルコントロール、フェドラチニブ、レベクシニブ(17S-FD-895)、またはフェドラチニブおよびレベクシニブ(17S-FD-895)の組み合わせでの処置後のsAML移植マウスにおける脾臓(sAML37SP)中の% CD45陽性(ヒトCD45+ (hCD45+)細胞をグラフで示す。
図1Cは、ビヒクルコントロール、フェドラチニブ、レベクシニブ(17S-FD-895)、またはフェドラチニブおよびレベクシニブ(17S-FD-895)の組み合わせでの処置後の二次性AML患者37移植マウスの骨髄(sAML37BM)中の% ヒトCD45陽性細胞(hCD45+)をグラフで示す。
図1Dは、ビヒクルコントロール、フェドラチニブ、レベクシニブ(17S-FD-895)、またはフェドラチニブおよびレベクシニブ(17S-FD-895)の組み合わせでの処置後の二次性AML患者37末梢血を移植したマウス(sAML37PB)における% CD34陽性Lin陰性細胞(CD34+ (hCD34 Lin)をグラフで示す。
図1Eは、ビヒクルコントロール、フェドラチニブ、レベクシニブ(17S-FD-895)、またはフェドラチニブおよびレベクシニブ(17S-FD-895)の組み合わせでの処置後の二次性AML患者37移植マウスの脾臓(AML37SP)中の% CD34陽性Lineage陰性細胞(hCD34Lin細胞)をグラフで示す。
図1Fは、ビヒクルコントロール、フェドラチニブ、レベクシニブ(17S-FD-895)、またはフェドラチニブおよびレベクシニブ(17S-FD-895)の組み合わせへの曝露後の二次性AML患者37移植マウスの骨髄(sAML37BM)中の% CD34陽性Lineage陰性細胞(hCD34+)をグラフで示す。ここで全てのp値を、対応のないT検定を使用して計算した。
図2は、ビヒクルコントロール、フェドラチニブ、レベクシニブ(17S-FD-895)、またはフェドラチニブおよびレベクシニブ(17S-FD-895)の組み合わせでの処置後にヒト幹細胞因子、GM-CSFおよびIL-3を分泌する二次性AML患者37移植(sAML37) NSG-SGM3マウスの脾臓重量(mg単位)を示して、組み合わせ処置群における脾臓サイズが一次移植(primary transplantation)後に有意に小さいことをグラフで示す;ここで全てのp値を、対応のないT検定を使用して計算した。
図3は、コントロール、フェドラチニブまたはレベクシニブ(17S-FD-895)で処置した群と比較して、フェドラチニブおよびレベクシニブ(rebcsinib)の組み合わせで処置したマウス由来のヒト細胞を生着させたRAG2-/-gc-/-マウスの脾臓サイズの有意な減少によって示されるように、連続的に移植可能な白血病幹細胞(LSC)の低減をグラフで示す。この実験のために、二次性AML患者番号50261(sAML 50261)生着マウスからの生存ヒトCD45+ 細胞を、ビヒクルコントロール、フェドラチニブ、レベクシニブ(17S-FD-895)、またはフェドラチニブおよびレベクシニブ(17S-FD-895)の組み合わせでの処置後の、T細胞、B細胞およびNK細胞を欠くRAG2-/-gc-/-マウスへと連続的に移植した; ここで全てのp値を、対応のないT検定を使用して計算した。
図4、図5および図6A~Cは、レベクシニブ(17S-FD-895)での白血病幹細胞の標的化阻害を図示する。ここで:レベクシニブは、白血病幹細胞(LSC)を阻害し、正常造血幹細胞(HSC)をインビボで温存する用量においてAML負荷を低減する; LSCは、インビボでのレベクシニブでのスプライシング調節に非常に敏感である;そしてスプライスアイソフォームバイオマーカーは、SF3B1、MCL1、CD44およびADAR1を含む。
図4は、ビヒクル、10mg/kg レベクシニブ、または20mg/kg レベクシニブを投与した後の生存CD45陽性細胞の頻度のフローサイトメトリーによる定量に基づくRAG2-/-gc-/-マウスにおける正常ヒト臍帯血造血幹細胞(HSC)生着をグラフで示す。
図5は、ビヒクルまたはレベクシニブを投与した後の生存CD34陽性CD38陽性Lin因子前駆細胞(% ベースライン)の頻度に基づく白血病幹細胞(LSC)生存をグラフで示す;ここでp値を、対応のないT検定を使用して計算した。
図6Aは、ビヒクルまたはレベクシニブを投与した後のSF3B1イントロン2/全発現比を示すことによって、SF3B1スプライシング因子イントロン保持をグラフで示す;ここでp値を、対応のないT検定を使用して計算した。
図6Bは、ビヒクルまたはレベクシニブを処置した後のハウスキーピング遺伝子、HPRTに対する発現を示すことによって、MCL1レベルをグラフで示す;ここでp値を、対応のないT検定を使用して計算した。
図6Cは、ビヒクルまたはレベクシニブを投与した後のHPRTに対する発現を示すことによって、CD44-012レベルをグラフで示す;ここでp値を、対応のないT検定を使用して計算した。
図7、図8および図9は、レンチウイルスMAPT-GFP/RFPスプライシングレポーターがレベクシニブ処置後のイントロン保持を明らかにし、フローサイトメトリーが、レベクシニブ処置後の減少したADAR p150スプライスアイソフォーム発現を示すことを図示する。
図7は、ADAR1 p150陽性の生細胞の画像を示し、挿入図は、100μm尺度を示す。
図8は、DMSOビヒクルコントロールおよび100nM レベクシニブを投与した後のRFP(MFI) 対 GFP(MFI)の比をグラフで示す;ここでp値を、対応のないT検定を使用して計算した。
図9は、DMSOビヒクルコントロールおよび100nM レベクシニブを投与した後のADAR1 P150陽性の生細胞の絶対数のADAR1 P150フローサイトメトリーをグラフで示す;ここでp値を、対応のないT検定を使用して計算した。
図10、図11、図12、図13、図14、図15および図16は、炎症性サイトカインシグナル伝達が、ADAR1 p150タンパク質誘導性スプライシング変化を駆動し、レベクシニブ(17S-FD-895)が、ADAR1ナノルシフェラーゼレポーターアッセイによって、ADAR1活性を阻害する用量において高リスク骨髄線維症造血前駆細胞(HPC)生存を阻害することを図示する。
図10は、pre-LSC細胞に対するAPOBEC3Cの効果、およびLSC細胞に対するADAR p150の効果を模式的に図示する。
図11は、なし(コントロール)、または種々のレベルのレベクシニブを投与した後のヒトHPRTに対して正規化した相対的mRNA発現を示して、レベクシニブがqRT-PCRによって示されるように、用量依存性様式においてADAR1-p150を阻害すことをグラフで示す。
図12は、種々の量のレベクシニブに曝露した後に、DMSOコントロールに対して正規化した、生細胞のADAR1p150平均蛍光強度(MFI)の量を示して、レベクシニブが、フローサイトメトリーによって示されるように用量依存性様式においてAML患者番号193(AML 193)前駆細胞ADAR1p150タンパク質レベルを阻害することをグラフで示す。
図13は、ADAR1ナノルシフェラーゼレポーターを使用して、DMSOコントロールまたは1μM レベクシニブを投与した後の細胞生存性に対して正規化した相対的ルシフェラーゼ単位を示して、レベクシニブが、高リスク骨髄線維症前駆細胞において1μMでADAR1ナノルシフェラーゼレポーター活性を阻害することをグラフで示す。
図14は、レベクシニブが、DMSOコントロールまたは1μM レベクシニブを投与した後にCD34陽性CD38陽性細胞を示す骨髄線維症前駆細胞クローン原性(HPC)能力を阻害することをグラフで示す。
図15は、DMSOコントロールまたは1μM レベクシニブを投与した後の生存Lin陰性、およびCD34陽性、CD38陽性細胞のADAR-1 p150 MFIを示して、レベクシニブが、1μM レベクシニブレベルでHPC前駆細胞においてADAR1レポーター活性を阻害することをグラフで示す。
図16は、DMSOコントロールまたは1μM レベクシニブを投与した後の生存lineage CD34陽性CD38陽性細胞のRFP MFIを示して、レベクシニブが、高ADAR1発現を有するサンプル中の高リスク骨髄線維症(hrMF)においてスプライシングレポーター活性を変化させることをグラフで示す。
図17は、ADAR1ナノルシフェラーゼ-GFP(ADAR1-nano-luc)レポーター活性のIVIS画像化が、出生時に髄腔内に移植し、移植後22週間で画像化したRAG2-/-gc-/-マウスにおいて正常に老化したヒト造血幹細胞生着を指し示すことを図示する。
図18は、脳および脊髄における新生仔RAG2-/-g c-/-マウスの脳室へと注射した、ADAR1 nano-lucレポーターを安定に形質導入したトリプルネガティブ乳がん細胞(MDA-MB-231)のIVIS画像化を図示する。
図19は、新生仔RAG2-/-g c-/-マウスにおいて、ADAR1 nano-lucレポーターを安定に形質導入したトリプルネガティブ乳がん細胞(100,00 MDA-MB-231細胞/マウス)を肝臓内に移植して6週間後でのIVIS画像化を図示する。
図20は、17S‐FD‐895(レベクシニブ)を作製するための例示的方法を模式的に図示する。
図21Aは、17S-FD-895(1)の合成が、側鎖2およびコア3のカップリングを通じて生じること;ならびに11 sp3立体中心および1の3個のオレフィンの立体化学がキログラムスケールで利用可能な12個の前駆体(挿入図)から生じたことを模式的に図示する。
図21Bは、関連のマクロライド、プラジエノリドB(pladienolide B)の後向き分析(retro-analysis)を模式的に図示する;影を付けた/着色した強調は、灰色の(中央部の)挿入図に示されるように、出典付きの構成要素を示す。
図22A~E、図23A~Fおよび図24A~Eは、以下におけるADAR1-nano-luc-GFPレポーター発現(Y軸)およびX軸上のCD44-APC(乳がん幹細胞マーカー)のフローサイトメトリー分析プロットをグラフで示す。 図22A~C: 肝臓および脊髄の細胞
同上。 同上。 同上。 同上。
図23A~F: 末梢血(PB)、脾臓(SP)および骨髄(BM)、ならびに 同上。 同上。 同上。 同上。 同上。
図24A~E 脊髄および脳。 脳室移植とは対照的に、肝臓内移植後に脊髄において生着を示すが、脳では示さない。 同上。 同上。 同上。 同上。
図25A~Bは、17S-FD-895で処置したsAML(変異したスプライシング因子 対 変異していないもの)および高リスク骨髄線維症(MF) 対 年齢を合わせた正常骨髄(a-NBM)サンプルにおける間質共培養アッセイをグラフで示す。
図25Aは、a-NBM(n=4)と比較した場合、レベクシニブでの処理後のsAML LSC(n=3ユニークサンプル(スプライシング因子変異および非変異のサンプルを含む))生存(上のパネル)および自己再生(下のパネル)における有意な低減を示す結果をグラフで示す。
図25Bは、 ABM 対(vs) MF 対 sAMLの用量応答を示してa-NBM 対(vs) sAML 対 sAML非変異の結果、a-NBM(n=4)と比較して、レベクシニブでの処理後の高リスクMF前がん状態の前駆細胞生存(上のパネル)および自己再生(下のパネル)における有意な低減を示す結果をグラフで示す。グループ化したsAML LSC(n=9)は、参照のために示される。 統計分析を、一元配置ANOVAを使用して行った。
図26A~Bは、レベクシニブで処理した、レンチウイルスADAR1レポーターを形質導入した骨髄線維症(MF)サンプルにおけるインビトロ間質共培養およびタンパク質発現アッセイをグラフで示す。ここでADAR1p150タンパク質発現の細胞内のフローサイトメトリーベースの定量(図26A)およびSTAT3リン酸化(図26B)は、HPC集団内の平均蛍光強度(MFI)によって表されるように示される;統計分析を、両側のペアワイズt検定を使用して行った;エラーバーは、平均±SEMを表す。
図27A~Dは、インビトロで、レベクシニブで処理したAML細胞におけるADAR1発現および活性、ならびに生存促進性転写物発現をグラフで示す。
図27Aは、17S-FD-895またはDMSOコントロールで処理した、レンチウイルス-shCtrlまたはshADAR1を形質導入したAML-193細胞における全ADAR1 mRNA発現をグラフで示す。
図27Bは、17S-FD-895またはDMSOコントロールで4時間(左のパネル)または24時間(右のパネル)にわたって処理したAML-193細胞において、RNA編集部位特異的qPCR(RESSqPCR)によって定量される内因性LSC関連転写物AZIN1に対するRNA編集活性をグラフで示す。
図27Cは、ADAR1ノックダウンおよび/または4時間(左パネル)もしくは24時間(右パネル)にわたる17S処理の後の低減したMCL1-L発現を示すスプライスアイソフォーム特異的qPCRをグラフで示す。
図27Dは、ADAR1ノックダウンおよび/または4時間にわたる17S処理後の低減したCD44v3発現を示すスプライスアイソフォーム特異的qPCRをグラフで示す;ここで図27A~Dに関しては:
統計分析を、対応のない両側のスチューデントのt検定(n=4複製物/条件)を使用して行った。
図28A~Eは、レンチウイルススプライシングレポーターアッセイにおける17S-FD-895処理を図示する。ここでKG1aまたはMOLM13ヒト成体白血病細胞に、pCDH-EF1 a-lRES-Puro MAPTスプライシングレポーターレンチウイルスベクターを安定して形質導入した。
図28A~Bは、17S-FD-895で24時間処理したKG-1a細胞のイントロン保持(図28A)および生存性(図28B)をグラフで示す。
図28C~Eは、MOLM13-MAPT細胞を、照射したNSG-SGMマウスに移植し、続いて、ビヒクル(n=3)および17S-FD-895(10または20mg/kg; n=2、n=3)で24時間処理し、骨髄(図28C)、脾臓(図28D)、および末梢血(図28E)における生存CD45+細胞のRFPIGFPメジアン蛍光強度(MF/)の比を、フローサイトメトリーによって定量した試験からのデータをグラフで示す。ここでp<0.05は、両側のスチューデントのt検定による。
種々の図面における類似の参照記号は、類似の要素を示す。
詳細な説明
代替の実施形態において、がん、例えば、白血病(例えば、急性骨髄性白血病(AML))を処置および改善するための方法であって、上記方法は、必要とする個体に、17S‐FD‐895(レベクシニブとも称される)、および必要に応じて第2の薬物(例えば、ATP競合性プロテインチロシンキナーゼインヒビター(例えば、フェドラチニブもしくはダサチニブ))を含む薬学的組成物を投与することを包含する方法が、提供される。代替の実施形態において、骨髄増殖性腫瘍(MPN)もしくはAML幹細胞増殖のインビボでの阻害のための方法であって、上記方法は、必要とする個体に、17S‐FD‐895(レベクシニブ)、または17S‐FD‐895および第2の薬物を含む薬学的組成物を投与することを包含する方法が、提供される。代替の実施形態において、白血病幹細胞(LSCs)への前白血病幹細胞(pre‐LSC)形質転換のインビボでの阻害のための方法であって、上記方法は、必要とする個体に、17S‐FD‐895(レベクシニブ)、または17S‐FD‐895および第2の薬物を含む薬学的組成物を投与することを包含する方法が、提供される。
本発明者らは、17S‐FD‐895(レベクシニブ)が、正常造血幹細胞(HSC; CD34+Lin‐)生存および成熟子孫への分化を温存する用量において、MPN、MDSならびに、成人および小児両方のAML間質共培養物、ならびにヒト化AMLマウスモデルにおいて、CSCを自己再生する頻度を有意に低減することを明らかに示した。機能的には、17S‐FD‐895および関連化合物は、正常ヒト造血幹細胞および前駆細胞(HSPCs)を温存すると同時に、CSC自己再生能力を損なうことによって、インビトロおよびインビボの両方で悪性の潜在的再生能力を低減する。従って、17S‐FD‐895は、都合の良い治療指数を示し、ヒト血液悪性腫瘍および他の悪性腫瘍における疾患再発を防止する潜在的有用性を有する。
スプライシングモジュレーター(例えば、E7107、H3B‐8800および17S‐FD‐895(レベクシニブ))は、白血病の前臨床モデルにおいて有効性を有するが、前臨床モデルにおいて、17S‐FD‐895のみが安定で、安全でありかつ寛容された。1種の化学的に異なるスプライシングモジュレーターであるE7107は、固形腫瘍に関して臨床試験に入った(Hong 2014)が、26名の患者のうちの2名が、化合物不安定性に関連して可逆的な視神経炎を発生させ(Leon 2017)、早期の治験中止を生じた。その後の分析から、他の毒性が、セコ酸へのE7107の代謝的分解に関連することが示唆された。対照的に、候補の17S‐FD‐895は、代謝的分解を受けたが、毒性の結果はなかった。17S‐FD‐895は、化合物の不安定性および最適化されていない薬理学と関連した法的責任のない臨床環境においてスプライシングモジュレーターを評価する潜在的可能性を提供する。さらに、E7107は、臨床試験結果において制限された有効性を示した(Hong, 2014)のに対して、前臨床モデルにおいて17S‐FD‐895での処置後にAML CSC生存および自己再生の有意な低減が存在する。
分子レベルでは、17S‐FD‐895は、いくつかのBCL2生存促進ファミリーメンバー(BCL2、MCL1、およびBCL‐ XL(BCL2L1)を含む)のスプライシングを調節する。このことは、このクラスの分子(そのうちのいくつかは、他の臨床治療剤(例えば、ベネトクラクス)の標的である)を調節する新しい道を提供する。BCL2L1スプライスアイソフォームスイッチングは、LSC生成に寄与し(Goffら, 2013)、sAMLにおける17S‐FD‐895の特有の作用機序(MOA)に特に関連する。なぜならその転写物は、先に臨床試験に入った別のスプライシングモジュレーター因子であるE7107に対して抵抗性であることを示したからである(Airdら, Nature Communications 2019)。さらに、本発明者らは、sAML CSCが、スプライシング調節遺伝子ACIN1をアップレギュレートすることを以前に示した(Crewsら, 2016)。その遺伝子は、エキソン接合部複合体(exon junction complex)(EJC)においてBCL2L1(BCL‐XL)の生成を調節する(Michelleら, 2012)。さらに、MCL1Lは、高リスクMPNsおよびMDS、sAML、小児AML、ならびに多発性骨髄腫において過剰発現される。さらに、IL‐6ST、ADAR1p150およびSTAT3betaスプライスアイソフォームは、AMLへのMDSおよびMPN進行の間に過剰発現される。従って、血液悪性腫瘍は、CSCにおいてこれらの生存促進性および自己再生促進性アイソフォームの本質的な活性化、および17S‐FD‐895によるその後の調節に起因して、17S‐FD‐895でのスプライシングモジュレーター処置に特に感受性であり得る。CSC特異的およびスプライシングモジュレーター応答性転写物の定量は、スプライシング調節に対する異なる組織のインビボ感受性の迅速スクリーニングおよび悪性細胞タイプと比較して、正常組織に対して最小限の影響を示す用量の特定を容易にする。
MDS、AMLおよびCMMLを有する患者におけるフェーズ1治験を、別の化学的に異なるスプライシングモジュレーター、H3B‐8800で行った。H3B‐8800は、スプライシング因子変異依存性スプライシングモジュレーター因子である。観察される最も一般的な変異は、RNAスプライシング因子SF3B1、U2AF1、SRSF2(患者のうちの88%)に存在した。さらに、CRもPRも治験では観察されず、このスプライシングモジュレーターに伴う有効性の欠如を示した。対照的に、広範な薬効のある化学的および毒物学研究を通じて、本発明者らは、安定な、十分に寛容される、スプライセオソーム変異非依存性のFD‐895アナログとして17S‐FD‐895を同定した(Kumar 2016)。
17S‐FD‐895(レベクシニブ)での臨床実現性は、AMLのヒト化モデルにおける安定性、安全性、耐用性およびヒトCSC標的化有効性を示す広範なインビトロおよびインビボでの前臨床試験に基づく。具体的には、17S‐FD‐895は、都合の良い安全性プロフィールを有し、正式な認定眼科医によって決定されるように、眼の毒性はラット、ウサギおよびサルによる毒性試験において認められていない。17S‐FD‐895は、他のスプライシングモジュレーターと比較して、それが正常ヒトHSPCを温存しながら、CSC自己再生能力を損なうことによって、インビトロおよびインビボで疾患再生の潜在的能力を低減するという点において、都合の良い効力および治療指数を有する。最後に、17S‐FD‐895は、臨床的に扱いやすい製剤、ならびにヒトCSCsを排除する1週間に2回の静脈内投与レジメンを可能にする都合の良いバイオアベイラビリティーおよび安定性を有する薬理学的(PK/PD)特性を有する。17S‐FD‐895でのスプライシングモジュレーター治療に対する応答を推測およびモニターする高感度かつ選択的な方法は、これらの薬剤の将来的な臨床開発に必須である。
本発明は、いかなる特定の作用機序によっても限定されないが、17S‐FD‐895(レベクシニブ)は、スプライセオソーム結合ポケットのSF3B1および他の構成要素(SF3B3およびPHF5Aを含む)に結合する転写物を阻害し、これは、重要なCSC生存転写物の生成を混乱させ、それによって、スプライシング因子変異状態にかかわらず、AMLサンプル中のCSCの効果的な排除を誘導する。このことは、スプライシング調節解除を有する他の悪性腫瘍に対して活性の範囲を拡げる可能性があり、スプライセオソーム内のそのRNA結合優先性および有効性を変化させることに関して別のスプライシングモジュレーター因子であるH3B‐8800(これは、SRSF2のようなスプライシング因子変異に依存する)とは対照的である(https://ashpublications.org/blood/article/134/Supplement_1/673/426543/Results‐of‐a‐Clinical‐Trial‐of‐H3B‐8800‐a‐ Splicing)。
AMLモデルにおける17S‐FD‐895の効果を特徴づけるスプライスアイソフォーム特異的分子分析は、機構的に、この化合物がスプライセオソームを強力に混乱させ、疾患関連(MCL1、CD44)およびスプライセオソーム関連生体マーカー(SF3Bファミリー)において検出可能な、定量化可能なかつ再現性のあるイントロン保持およびエキソンスキッピング事象を誘導することを明らかに示す。機能的には、本発明者らは、正常な年齢を合わせた造血幹細胞および前駆細胞(HSPC)と比較して、17S‐FD‐895に対する原発性患者由来のsAML CSCの相対的なインビトロ感度を試験し、sAML CSC生存および自己再生能力に対するスプライシング調節の効果を決定する。本発明者らはまた、正常免疫細胞生存および発生に対する17S‐FD‐895のインビトロ効果を比較することによって、正常ヒトHSPCの造血分化の潜在的可能性に対する17S‐FD‐895のインビトロ効果を試験した。
生体マーカーを開発し、検証して、ヒトおよびラット細胞におけるスプライシング調節に対する応答をモニターした。種特異的プライマー設計のために選択した転写物は、MCL1、BCL‐XL、CD44、PTK2B、DNAJB1、およびSF3Bファミリーを含んだ。合わせると、これらの生体マーカーは、スプライシングモジュレーター処置に対する応答を推定およびモニターするための診断ツールである。
17S‐FD‐895の作製
17S‐FD‐895(レベクシニブ)は、例えば、Chanら, Cell Reports Physical Science 1:(図21を参照のこと)に記載されるように、および図22A~Bに記載されるように、当該分野で公知の任意のプロトコールを使用して作製され得る。
図21Aは、17S-FD-895(1)の合成が、側鎖2およびコア3のカップリングを通じて生じることを模式的に図示する。11 sp3立体中心および1の3個のオレフィンの立体化学がキログラムスケールで利用可能な12個の前駆体(挿入図)から生じた。各構成要素を調製するために使用される重要な工程は、注記される。
図21Bは、コア5aからGhosh and Anderson24によって、およびコア5bからKotake28によって開発されたとおりの関連のマクロライド、プラジエノリドBの後向き分析を模式的に図示する。影を付けた/着色した強調は、灰色の(中央部の)挿入図に示されるように、出典付きの構成要素を示す。
製剤および薬学的組成物
代替の実施形態において、以下のために本明細書で提供されるとおりの方法および使用を実施するための、薬物を含む薬学的製剤もしくは組成物、および薬物の治療的組み合わせ、ならびに製剤、ならびにリポソームが提供される:
がんを処置または改善するために、例えば、がんを処置または改善する(ここで必要に応じて上記がんは、白血病であり、必要に応じて上記がんは、急性骨髄性白血病(AML)、骨髄増殖性腫瘍(MPN)、骨髄異形成症候群(MDS)、急性骨髄性白血病(AML)、慢性リンパ性白血病(CLL)および/もしくは多発性骨髄腫(MM)である)ために;または骨髄増殖性腫瘍(MPN)もしくはAML幹細胞増殖のインビボでの阻害のために使用され得る;または白血病幹細胞(LSCs)への前白血病幹細胞(pre‐LSC)形質転換のインビボでの阻害のために使用され得る、またはAMLもしくはMPNにおけるスプライセオソームのインビボでの阻害のために使用され得る、および/またはスプライセオソーム結合ポケットの構成要素に結合するかもしくはADAR1(adenosine deaminase acting on RNA-1)に結合する転写物のインビボでの阻害のために使用され得る。
代替の実施形態において、本明細書で提供されるとおりの方法および使用を実施するために使用される製剤または薬学的組成物は、非経口的に、局所的に、経口的に、または局所投与によって(例えば、エアロゾルによってもしくは経皮的に)、または硝子体内注射によって投与され得る。上記製剤および薬学的組成物(治療的な薬物組み合わせを含む)は、任意の方法で製剤化され得、状態もしくは疾患、および病気の程度、各患者の全身的な医学的状態、結果的に生じる好ましい投与方法などに応じて、種々の単位投与形態において投与され得る。製剤および投与の技術に関する詳細は、科学文献および特許文献中に十分に記載される。例えば、Remington’s Pharmaceutical Sciences, Maack Publishing Co., Easton PA(「Remington’s」)の最新版を参照のこと。
例えば、代替の実施形態において、本明細書で提供されるとおりの方法および使用を実施するために使用されるこれらの組成物は、緩衝液中、生理食塩水中、散剤中、エマルジョン中、小胞中、リポソーム中、ナノ粒子中、ナノリポ粒子中などに製剤化される。代替の実施形態において、上記組成物は、任意の方法で製剤化され得、所望のインビボ、インビトロ、もしくはエキソビボ状態、投与の所望のインビボ、インビトロ、もしくはエキソビボ方法などに応じて、種々の濃度および形態で適用され得る。インビボ、インビトロ、もしくはエキソビボ製剤および投与の技術に関する詳細は、科学文献および特許文献中に十分に記載される。本明細書で提供されるとおりの方法または使用を実施するために使用される製剤および/またはキャリアは、インビボ、インビトロ、もしくはエキソビボ適用に適した、錠剤、丸剤、散剤、カプセル剤、液体、ゲル、シロップ剤、スラリー、懸濁物などのような形態にあり得る。
代替の実施形態において、本明細書で提供されるとおりの方法および使用を実施するために使用される製剤および薬学的組成物は、薬学的に受容可能なキャリア中に配置または溶解される組成物(例えば、本明細書で提供される方法において使用されるとおりの任意の活性薬剤)の液剤を含み得、例えば、使用され得る受容可能なビヒクルおよび溶媒としては、水およびリンゲル液、等張性塩化ナトリウムが挙げられる。さらに、滅菌された不揮発性油が、溶媒または懸濁媒体として使用され得る。この目的のために、任意の不揮発性油が使用され得、合成モノグリセリドもしくはジグリセリド、または脂肪酸(例えば、オレイン酸)が挙げられる。1つの実施形態において、本明細書で提供されるとおりの方法および使用を実施するために使用される液剤および製剤は無菌であり、所望されない事項が実質的にないように製造され得る。1つの実施形態において、これらの液剤および製剤は、従来の周知の滅菌技術によって滅菌される。
本明細書で提供されるとおりの方法および使用を実施するために使用される液剤および製剤は、pH調節剤および緩衝化剤、毒性調節剤、例えば、酢酸ナトリウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム、乳酸ナトリウムなどのような生理学的状態に近づけるために必要とされるとおりの補助物質を含み得る。これらの製剤中の活性薬剤の濃度は、広く変動し得、選択されるインビボ、インビトロまたはエキソビボの特定の投与様式、および所望の結果に従って、流体の容積、粘性などに主に基づいて選択され得る。
本明細書で提供されるとおりの方法および使用を実施するために使用される組成物および製剤は、リポソームの使用によって送達され得る。リポソームを使用することによって、特に、リポソーム表面が標的細胞(例えば、傷害されたまたは病的な神経細胞またはCNS組織)に特異的なリガンドを運ぶか、または特異的組織もしくは器官のタイプに別の方法で優先的に指向される場合、インビボ、インビトロまたはエキソビボ適用において標的細胞への活性薬剤の送達に集中され得る。
ナノ粒子、ナノリポ粒子およびリポソーム
以下のために、本明細書で提供されるとおりの方法および使用を実施するために、例えば、本明細書で提供されるとおりの方法を実施するために使用される組成物を速達するために、例えば、薬物を送達するために使用される化合物を含むナノ粒子、ナノリポ粒子、小胞およびリポソームの膜がまた、提供される: 例えば、がんを処置または改善する(ここで必要に応じて上記がんは、白血病であり、必要に応じて上記がんは、急性骨髄性白血病(AML)、骨髄増殖性腫瘍(MPN)、骨髄異形成症候群(MDS)、急性骨髄性白血病(AML)、慢性リンパ性白血病(CLL)および/もしくは多発性骨髄腫(MM)である)ために;または骨髄増殖性腫瘍(MPN)もしくはAML幹細胞増殖のインビボでの阻害のために使用され得る;または白血病幹細胞(LSCs)への前白血病幹細胞(pre‐LSC)形質転換のインビボでの阻害のために使用され得る、またはAMLもしくはMPNにおけるスプライセオソームのインビボでの阻害のために使用され得る、および/またはスプライセオソーム結合ポケットの構成要素に結合するかもしくはADAR1(adenosine deaminase acting on RNA-1)に結合する転写物のインビボでの阻害のために使用され得る。代替の実施形態において、これらの組成物は、例えば、所望の細胞タイプまたは器官(例えば、神経細胞またはCNSなど)を標的化するための特異的分子(ポリペプチド(細胞表面ポリペプチドを含む)のような生物学的分子、を含む)を標的化するように設計される。
例えば、Parkら, 米国特許公開番号20070082042に記載されるように、本明細書で提供されるとおりの方法および使用を実施するために使用される化合物を含む多層化リポソームが提供される。上記多層化リポソームは、粒度が約200~5000nmのスクアラン、ステロール、セラミド、中性脂質もしくは油、脂肪酸およびレシチンを含む油相構成要素の混合物を使用して、本明細書で提供されるとおりの方法および使用を実施するために使用される組成物を捕捉するために調製され得る。
リポソームは、例えば、Parkら, 米国特許公開番号20070042031に記載されるように、任意の方法(活性薬剤(例えば、本明細書で記載されるとおりの薬物組み合わせ、またはADAR1をコードする核酸、またはADAR1ポリペプチド)を捕捉することによってリポソームを生成する方法であって、上記方法は、第1のレザバ中に水性溶液を提供する工程;有機脂質溶液を第2のレザバ中に提供する工程、および次いで、上記水性溶液と上記有機脂質溶液とを第1の混合領域の中で混合して、リポソーム溶液を生成する工程(ここで上記有機脂質溶液は、上記水性溶液と混ざって、上記活性薬剤を被包するリポソームを実質的に即座に生成する);および直後に、上記リポソーム溶液と緩衝溶液とを混合して、希釈したリポソーム溶液を生成する工程を包含する方法を含む)を使用して作製され得る。
1つの実施形態において、本明細書で提供されるとおりの方法および使用を実施するために使用されるリポソーム組成物は、例えば、米国特許公開番号20070110798に記載されるように、例えば、所望の細胞タイプ(例えば、がん細胞)への化合物(例えば、本明細書で提供されるとおりの薬物または薬物組み合わせ)の標的化送達のために、置換されたアンモニウムおよび/またはポリアニオンを含む。
例えば、米国特許公開番号20070077286に記載されるように、活性薬剤含有ナノ粒子(例えば、二次ナノ粒子)の形態において、化合物(例えば、本明細書で提供されるとおりの薬物または薬物組み合わせ)を含むナノ粒子が提供される。1つの実施形態において、二価または三価金属塩とともに作用するために、脂肪溶解性活性薬剤または脂肪に溶解された水溶性活性薬剤を含むナノ粒子が提供される。
1つの実施形態において、固体脂質懸濁物は、例えば、米国特許公開番号20050136121号に記載されるように、哺乳動物細胞へと、例えば、CNSへとインビボで本明細書で提供されるとおりの方法および使用を実施するために使用される組成物を製剤化および送達するために使用され得る。
細胞の送達およびビヒクルの送達
代替の実施形態において、任意の送達ビヒクルが、本明細書で提供されるとおりの方法または使用を実施するために、例えば、組成物(例えば、本明細書で提供されるとおりの薬物または薬物組み合わせ)をインビボで必要とする個体に送達するために使用され得る。例えば、ポリカチオン、カチオン性ポリオールおよび/またはカチオン性ペプチド(例えば、ポリエチレンイミン誘導体)を含む送達ビヒクルは、例えば、米国特許公開番号20060083737号に記載されるように、例えば使用され得る。
1つの実施形態において、乾燥したポリペプチド-界面活性剤複合体は、例えば、米国特許公開番号20040151766号に記載されるように、例えば、本明細書で提供されるとおりの方法を実施するために使用される組成物を、製剤化するために使用される。
1つの実施形態において、本明細書で提供されるとおりの方法および使用を実施するために使用される組成物は、例えば、米国特許第7,306,783号;同第6,589,503号に記載されるように、細胞膜透過性ペプチド結合体を有するビヒクルを使用して細胞に適用され得る。1つの局面において、送達されるべき組成物は、細胞膜透過性ペプチドに結合体化される。1つの実施形態において、送達されるべき組成物および/または送達ビヒクルは、例えば、非常に塩基性であり、ポリ-ホスホイノシチドに結合する輸送媒介ペプチドを記載する米国特許第5,846,743号に記載されるように、輸送媒介ペプチドに結合体化される。
代替の実施形態において、本明細書で記載されるとおりの薬物もしくは薬物組み合わせは、脂質製剤またはリポソーム中に製剤化され、例えば、筋肉内(IM)に、例えば、米国特許出願番号US 20210046173 A1号に記載されるとおりの製剤および方法を使用して注射される本明細書で提供されるとおりの方法を使用してインビボで送達される;ここで必要に応じて上記薬物は、コレステロールおよびDSPC、もしくはPEG-脂質、もしくはPEG改変脂質、もしくはLNP、もしくはイオン化可能なカチオン性脂質の混合物;または(13Z,16Z)-N,N-ジメチル-2-ノニルヘニコサ-12,15-ジエン-1-アミン、コレステロール、DSPC、およびPEG-2000 DMGの混合物を含む非カチオン性脂質を含むリポソーム、または脂質ナノ粒子(LNP)、またはナノリポソーム中に製剤化される。代替の実施形態において、上記PEG-脂質は、1,2-ジミリストイル-sn-グリセロールメトキシポリエチレングリコール(PEG-DMG)、PEG-ジステアリルグリセロール(PEG-DSG)、PEG-ジパルミトオレイル、PEG-ジオレイル、PEG-ジステアリル、PEG-ジアシルグリカミド(PEG-DAG)、PEG-ジパルミトイルホスファチジルエタノールアミン(PEG-DPPE)、もしくはPEG-1,2-ジミリスチルオキシルプロピル-3-アミン(PEG-1,2-dimyristyloxlpropyl-3-amine)(PEG-c-DMA)であるか、または上記PEG-脂質は、ジミリストイルグリセロール(PEG-DMG)に連結されたPEGである。代替の実施形態において、上記LNPは、20~99.8モル% イオン化可能なカチオン性脂質、0.1~65モル% 非カチオン性脂質、および0.1~20モル% PEG-脂質を含む。代替の実施形態において、上記LNPは、(2S)-1-({6-[(3))-コレスタ-5-エン-3-イルオキシ]ヘキシル}オキシ)-N,N-ジメチル-3-[(9 Z)-オクタデカ-9-エン-1-イルオキシ]プロパン-2-アミン; (13Z,16Z)-N,N-ジメチル-3-ノニルドコサ-13,16-ジエン-1-アミン;およびN,N-ジメチル-1-[(1S,2R)-2-オクチルシクロプロピル]ヘプタデカン-8-アミン;もしくはこれらの薬学的に受容可能な塩、または前述のうちのいずれかの立体異性体からなる群より選択されるイオン化可能なカチオン性脂質を含む。代替の実施形態において、上記PEG改変脂質は、PEG改変ホスファチジルエタノールアミン、PEG改変ホスファチジン酸、PEG改変セラミド、PEG改変ジアルキルアミン、PEG改変ジアシルグリセロール、PEG改変ジアルキルグリセロール、およびこれらの混合物を含む。代替の実施形態において、上記イオン化可能なカチオン性脂質は、2,2-ジリノレイル-4-ジメチルアミノエチル-[1,3]-ジオキソラン(DLin-KC2-DMA)、ジリノレイル-メチル-4-ジメチルアミノブチレート(DLin-MC3-DMA)、ジ((Z)-ノナ-2-エン-1-イル) 9-((4-(ジメチルアミノ)ブタノイル)オキシ)ヘプタデカンジオエート(L319)、(13Z,16Z)-N,N-ジメチル-3-ノニルドコサ-13,16-ジエン-1-アミン、(12Z,15Z)-N,N-ジメチル-2-ノニルヘニコサ-12,15-ジエン-1-アミン、およびN,N-ジメチル-1-[(1S,2R)-2-オクチルシクロプロピル]ヘプタデカン-8-アミンを含む。1つの実施形態において、上記脂質は、(13Z,16Z)-N,N-ジメチル-3-ノニルドコサ-13,16-ジエン-1-アミンまたはN,N-ジメチル-1-[(1S,2R)-2-オクチルシクロプロピル]ヘプタデカン-8-アミンであり、これらの各々は、PCT/US2011/052328(これらの内容全体は、参考として援用される)に記載される。いくつかの実施形態において、本開示の非カチオン性脂質は、以下を含む:1,2-ジステアロイル-sn-グリセロ-3-ホスホコリン(DSPC)、1,2-ジオレオイル-sn-グリセロ-3-ホスホエタノールアミン(DOPE)、1,2-ジリノレイル(dilinoleoyl)-sn-グリセロ-3-ホスホコリン(DLPC)、1,2-ジミリストイル-sn-グリセロ-ホスホコリン(DMPC)、1,2-ジオレオイル-sn-グリセロ-3-ホスホコリン(DOPC)、1,2-ジパルミトイル-sn-グリセロ-3-ホスホコリン(DPPC)、1,2-ジウンデカノイル-sn-グリセロ-ホスホコリン(DUPC)、1-パルミトイル-2-オレオイル-sn-グリセロ-3-ホスホコリン(POPC)、1,2-ジ-O-オクタデセニル-sn-グリセロ-3-ホスホコリン(18:0 ジエーテルPC)、1-オレオイル-2 コレステリルヘミスクシノイル-sn-グリセロ-3-ホスホコリン(OChemsPC)、1-ヘキサデシル-sn-グリセロ-3-ホスホコリン(C16 Lyso PC)、1,2-ジリノレノイル(dilinolenoyl)-sn-グリセロ-3-ホスホコリン、1,2-ジアラキドノイル-sn-グリセロ-3-ホスホコリン、1,2-ジドコサヘキサエノイル-sn-グリセロ-3-ホスホコリン、1,2-ジフェンタノイル-sn-グリセロ-3-ホスホエタノールアミン(ME 16.0 PE)、1,2-ジステアロイル-sn-グリセロ-3-ホスホエタノールアミン、1,2-ジリノレオイル(dilinoleoyl)-sn-グリセロ-3-ホスホエタノールアミン、1,2-ジリノレノイル-sn-グリセロ-3-ホスホエタノールアミン、1,2-ジアラキドノイル-sn-グリセロ-3-ホスホエタノールアミン、1,2-ジドコサヘキサエノイル-sn-グリセロ-3-ホスホエタノールアミン、1,2-ジオレオイル-sn-グリセロ-3-ホスホ-rac-(1-グリセロール)ナトリウム塩(DOPG)、スフィンゴミエリン、またはこれらの混合物。
投与
本明細書で提供されるとおりの方法および使用を実施するために使用される薬学的組成物、薬物組み合わせおよび製剤は、予防的および/または治療的処置のために、例えば、がんを処置または改善するために投与され得、ここで必要に応じて上記がんは、白血病であり、必要に応じて上記がんは、急性骨髄性白血病(AML)、骨髄増殖性腫瘍(MPN)、骨髄異形成症候群(MDS)、急性骨髄性白血病(AML)、慢性リンパ性白血病(CLL)および/もしくは多発性骨髄腫(MM)であるか;または骨髄増殖性腫瘍(MPN)もしくはAML幹細胞増殖のインビボでの阻害のために使用され得るか;または白血病幹細胞(LSCs)への前白血病幹細胞(pre‐LSC)形質転換のインビボでの阻害のために使用され得るか、またはAMLもしくはMPNにおけるスプライセオソームのインビボでの阻害のために使用され得るか、および/またはスプライセオソーム結合ポケットの構成要素に結合するかもしくはADAR1(adenosine deaminase acting on RNA-1)に結合する転写物のインビボでの阻害のために使用され得る;そして本明細書で提供されるとおりの方法および使用を実施するために使用される薬学的組成物、薬物組み合わせおよび製剤は、必要とする個体に、上記がんを処置する、改善する、上記がんから保護する、上記がんの重篤度または持続時間を改善する(reverse)または減少させるために十分な量において投与され得る。
これを達成するために適切な薬学的組成物の量は、「治療上有効な用量(therapeutically effective dose)」として定義される。この使用のために有効な投与スケジュールおよび量、すなわち「投与レジメン(dosing regimen)」は、上記疾患もしくは状態のステージ、上記疾患もしくは状態の重篤度、患者の全身的な健康の状態、患者の身体的状態、年齢などを含む種々の要因に依存する。患者の投与レジメンを計算するにあたって、投与様式はまた、考慮に入れられる。
本明細書で提供されるとおりの方法および使用を実施するために使用される薬学的組成物、薬物組み合わせおよび製剤は、必要とされる場合、単一投与量としてまたは複数投与量において投与され得る。代替の実施形態において、これらの投与量は、硝子体内に、経口的に、IM、IV、または髄腔内に投与される。代替の実施形態において、ベクターは、製剤または薬学的調製物として投与され、例えば、上記薬物は、ナノ粒子、粒子、ミセルまたはリポソームもしくはリポプレックス、ポリマーソーム、ポリプレックスまたはデンドリマーの中に含まれる。代替の実施形態において、これらの投与量は、例えば、がんを処置する、改善する、がんから保護する、がんの重篤度または継続時間を改善または減少するために、治療効果を評価することによってモニターされ得る、所望の薬物のインビボ発現レベルを維持するために、必要な場合、1日に1回、1週間に1回、またはこれらの任意のバリエーションで投与される。上記投与量レジメンはまた、当該分野で周知の薬物動態パラメーター(すなわち、活性薬剤の吸収速度、バイオアベイラビリティー、代謝、クリアランスなど)を考慮に入れる(例えば、Hidalgo-Aragones (1996) J. Steroid Biochem. Mol. Biol. 58:611-617; Groning (1996) Pharmazie 51:337-341; Fotherby (1996) Contraception 54:59-69; Johnson (1995) J. Pharm. Sci. 84:1144-1146; Rohatagi (1995) Pharmazie 50:610-613; Brophy (1983) Eur. J. Clin. Pharmacol. 24:103-108;最新版のRemington’s(前出)を参照のこと)。当該分野の技術水準は、臨床医が各個々の患者の投与量レジメン、活性薬剤および処置される疾患または状態を決定することを可能にする。医薬として使用される類似の組成物に関して提供されるガイドラインは、上記投与量レジメンを決定するためにガイダンスとして使用され得る。すなわち、本明細書で提供されるとおりの方法を実施するために投与される投与スケジュールおよび等量レベルは、正確かつ適切である。
製剤、治療的薬物組み合わせの単一のまたは複数の投与は、患者によって必要とされかつ寛容されるとおりの投与量および頻度に応じて与えられ得る。製剤は、本明細書で記載されるとおりの状態、疾患または症状を効果的に処置する、防止するまたは改善するために十分な量の活性薬剤を提供するべきである。例えば、本明細書で提供されるとおりの方法を実施するために使用される組成物の経口投与に関する代替の例示的な薬学的製剤は、1日あたり、体重1kgあたり約0.1~0.5から約20、50、100もしくは1000の間またはより多くのμgの1日量にある。代替の実施形態において、投与量は、約1mg~約4mg/kg体重/患者/日であり、これが使用される。経口投与とは対照的に、血流へ、体腔へ、または器官の内腔へは、より低い投与量が使用され得る。局所投与もしくは経口投与、または散剤、スプレーもしくは吸入による投与では、実質的により高い投与量が使用され得る。非経口または非経口ではない投与が可能な製剤を調製するための実際の方法は、当業者に公知または明らかであり、Remington’s(前出)のような刊行物中に拠り詳細に記載される。
本明細書で提供されるとおりの方法は、他の薬物または医薬との共投与、例えば、任意の神経学的疾患もしくは神経筋疾患、状態、感染または傷害(関連する炎症性および自己免疫疾患および状態などを含む)を処置するための組成物をさらに含み得る。例えば、本明細書で提供されるとおりの方法ならびに/または組成物および製剤は、流体、抗生物質、サイトカイン、免疫調節薬剤、抗炎症剤、疼痛軽減化合物、補体活性化因子(例えば、コラーゲン様ドメインまたはフィブロネクチン様ドメイン(例えば、フィコリン)、炭水化物結合ドメインなど、およびこれらの組み合わせを含むペプチドまたはタンパク質)とともに共製剤化および/または共投与され得る。
製造製品およびキット
本明細書で提供されるとおりの方法を実施するために使用される製造製品およびキットが提供され;必要に応じて製造製品およびキットは、本明細書で提供されるとおりの方法を実施するための説明書をさらに含み得る。
上記の局面および実施形態のうちのいずれも、要旨、図面および/または詳細な説明の節において本明細書で開示されるとおりの任意の他の局面または実施形態と組み合わされ得る。
本明細書および特許請求の範囲において使用される場合、単数形「a(1つの、ある)」、「an(1つの、ある)」および「the(上記、この、その)」は、文脈が別段明示的に規定しなければ、複数形への言及を含む。
具体的に述べられるかまたは文脈から明らかでなければ、本明細書で使用される場合、用語「または(or)」は、「または」および「および(and)」の両方を包含しかつ網羅することが理解される。
具体的に述べられるかまたは文脈から明らかでなければ、本明細書で使用される場合、用語「約(about)」は、当該分野で通常の許容誤差の範囲内、例えば、平均の2標準偏差内として理解され、約(用語「約」の使用)は、述べられた値の20%、19%、18%、17%、16%、15%、14%、13%、12% 11%、10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%、1%、0.5%、0.1%、0.05%、または0.01%以内として理解され得る。文脈から別段明らかでなければ、本明細書で提供される全ての数値は、用語「約」によって修飾される。
具体的に述べられるかまたは文脈から明らかでなければ、本明細書で使用される場合、用語「実質的に全て(substantially all)」、「のうちの実質的に大部分(substantially most of)」、「のうちの実質的に全て(substantially all of)」または「のうちの大部分(majority of)」は、組成物の参照される量のうちの少なくとも約75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは99.5%、またはより多くを包含する。
ここまで本明細書で参照されている各特許、特許出願、刊行物および文書の全体は、参考として援用される。上記の特許、特許出願、刊行物および文書の引用は、前述のうちのいずれかが、先行技術に関連することの容認でも、それがこれらの刊行物または文書の内容または日付に関する任意の容認を構成するとの容認でもない。これらの文書の援用の表示は、それ自体で、任意の文書の内容の任意の部分が、特許出願の任意の国または地域の法的開示要件を満たすために必須の資料であると見做されるという主張または容認として解釈されるべきではない。にもかかわらず、審査機関または裁判所によって、特許請求される主題に必須と考えられる資料を提供するために、適切な場合には、このような文書のうちのいずれかに依拠する権利は留保される。
改変は、本発明の基本的な局面から逸脱することなく前述に対して行われ得る。本発明は、1またはこれより多くの具体的実施形態に言及しながら実質的に詳細に記載されてきたが、当業者は、本出願において具体的に開示される実施形態に対して変更が行われ得るが、これらの改変および改善が、本発明の範囲および趣旨の範囲内であることを認識する。本明細書で適切に例証として記載される発明は、本明細書で具体的に開示されない何らかの要素の非存在下で実施され得る。従って、例えば、本明細書中の各場合において、用語「含む、包含する(comprising)、「から本質的になる(consisting essentially of)」および「本質的になる(consisting of)」のうちのいずれも、他の2つの用語のうちのいずれかで置き換えられ得る。従って、使用されている用語および表現は、説明の用語として使用されるが、限定の用語として使用されず、示されかつ記載される特徴の均等物、またはその一部は排除されず、種々の改変が本発明の範囲内で可能であることは認識される。本発明の実施形態は、以下の特許請求の範囲において示される。
本発明は、本明細書で記載される実施例を参照しながらさらに記載される;しかし、本発明がこのような実施例に限定されないことは理解されるべきである。
実施例
実施例の中で別段述べられなければ、全ての組換えDNA技術は、例えば、Sambrookら (2012) Molecular Cloning: A Laboratory Manual, 第4版, Cold Spring Harbor Laboratory Press, NYに、ならびに of Ausubelら (1994) Current Protocols in Molecular Biology, Current Protocols, USAの第1巻および第2巻に記載されるように、標準的なプロトコールに従って行われる。標準的な分子生物学技術に関する他の参考文献としては、Sambrook and Russell (2001) Molecular Cloning: A Laboratory Manual, 第3版, Cold Spring Harbor Laboratory Press, NY、 Brown(1998) Molecular Biology LabFax, 第2版, Academic Press (UK)の第I巻および第II巻が挙げられる。ポリメラーゼ連鎖反応の標準的な材料および方法は、Dieffenbach and Dveksler (1995) PCR Primer: A Laboratory Manual, Cold Spring Harbor Laboratory Press、およびMcPhersonら (2000) PCR - Basics: From Background to Bench, 第1版, Springer Verlag, Germanyに見出され得る。
実施例1: AML CSCの自己再生を低減するために、および標的化されたCSC根絶のために17S‐FD‐895を使用する例示的方法
この実施例は、本明細書で提供されるとおりの方法および組成物が、AML CSCsの自己再生のレベルまたはその発生を低減するために、および標的化されたCSC根絶のために、インビボで有効であることを明らかに示す。
本発明者らは、17S‐FD‐895(レベクシニブとも称される)が、間質共培養物およびヒト化AMLマウスモデルにおいて、正常造血幹細胞(HSC; CD34+CD90+Lin‐)生存および成熟子孫への分化を温存する用量でAML CSCsの自己再生の頻度を有意に低減することを明らかに示した。AML CSCにおいて、これらの効果は、MCL1およびスプライシング因子遺伝子生成物(例えば、スプライシングモジュレーター結合ポケットの一部を形成するSF3B3)を含め、オンターゲットスプライシングモジュレーター効果によって達成される。
本発明者らはまた、qRT‐PCRアッセイで容易に定量可能なSF3Bファミリーメンバーを検出するために、高感度スプライスアイソフォーム生体マーカーを開発および検証した。スプライシングモジュレーター処置に対する応答はまた、レンチウイルス蛍光スプライシングレポーター(これは、臨床サンプルにおける使用と適合性の新規なツールである)を使用して、生細胞においてモニターされ得る。
AMLモデルにおける17S‐FD‐895の効果を特徴づけるスプライスアイソフォーム特異的分子分析は、機構的に、この化合物がスプライセオソームを強力に混乱させ、疾患関連(MCL1、CD44)およびスプライセオソーム関連生体マーカー(SF3Bファミリー)において検出可能な、定量化可能なかつ再現性のあるイントロン保持およびエキソンスキッピング事象を誘導することを明らかに示す。ヒトおよびラット細胞株においてインビトロスプライシングモジュレーター処置および種特異的スプライス生体マーカー検証。
試験システム: 17S‐FD‐895(1nM~10μM 範囲)での処置の下でのインビトロ細胞株アッセイ。インビトロ処理のために、ヒト白血病細胞株(KG‐1a、MOLM‐13、およびHL‐60)およびラット白血病株(RBL‐1)を、各株について、17S‐FD‐895で4時間、標準的な細胞培養培地中で処理した。細胞を、RNA抽出のために採取し、qRT‐PCRのために、SF3Bファミリーメンバーの種特異的転写物、MCL‐1および他のsAML特異的スプライス改変体におけるイントロン保持またはエキソンスキッピング事象を認識するように設計したスプライスアイソフォーム特異的プライマーで処理した。
試験物品: 17S‐FD‐895(研究およびプレパイロットバッチ#IA01fおよびIK01f)。
コントロール物品: <0.5% DMSO。
試験およびコントロール物品調製: 試験物品を、100% DMSO中、1mg/mLの濃度で-80℃においてガラスバイアル中に貯蔵したストックアリコートから、室温で融解した。融解したら直ぐに、試験物品を、単一用量試験のために1μMの濃度で、または用量応答試験のために100nM~10μMの範囲で、最終処置のために組織培養培地へと直接希釈した。ビヒクルコントロールに関しては、100% DMSOを、試験物品溶液と同じ希釈において、組織培養培地へと直接希釈した。
生存モニタリング(In-Life Monitoring): アッセイ測定は、スプライスアイソフォーム特異的、種特異的qRT‐PCRを含んだ。
選択的スプライシングモジュレーター、17S‐FD‐895、および関連化合物は、多様なヒトがんモデルにおいてがん幹細胞に対して疾患改変オンターゲット有効性を示す。本発明者らは、がん幹細胞(CSCs)におけるスプライセオソーム調節解除が、新規なスプライシングモジュレーター、17S‐FD‐895(これはスプライセオソームのSF3B1を標的化する[Kotake 2007])に対して幹細胞を非常に脆弱にすることを示した[Crews 2016]。17S‐FD‐895でのスプライシング調節は、インビボで、CSC生存および自己再生の低減とともに、二次性急性骨髄性白血病(sAML) CSC負荷を有意に低減する。重要なことには、17S‐FD‐895でのスプライシング調節は、正常ヒト造血前駆細胞をインビボで温存し、17S‐FD‐895は変異状態とは無関係にヒトCSCを根絶する。従って、17S‐FD‐895は、CSCを根絶し、それによって、AML治療抵抗性および再発を防止するために、スプライシングモジュレーター治療を開発することに関する差し迫った満たされていない医学的ニーズを満たす。
本発明は、特定の作用機序によって限定されないが、機序的に、17S‐FD‐895は、SF3B1、SF3B3、およびPHF5Aに隣接するスプライセオソーム内で結合する。17S‐FD‐895での処置は、イントロン保持およびエキソンスキッピングを増大させ、それによって、CSCの生存および自己再生を低減する。AMLおよび多発性骨髄腫を含むヒトの年齢関連悪性腫瘍に由来する細胞では、これらの効果は、生存促進MCL1L転写物、ならびにスプライシングモジュレーター結合ポケットの一部を形成する、SF3B1およびSF3B3のようなスプライシング因子遺伝子生成物、ならびに自己再生促進ADAR1およびSTAT3beta転写物における変化を含む、オンターゲットスプライシングモジュレーター効果が付随する。
ここで、本発明者らは、標的化されたCSC根絶、ならびにスプライスアイソフォーム特異的qRT‐PCR、新規なレンチウイルススプライシングレポーターアッセイ、およびRNA配列決定分析によって定量され得、17S‐FD‐895処置に対する分子応答をモニターするための推定生体マーカーとして使用され得る特有のイントロン保持およびエキソンスキッピングされた転写物を記載する。これらの転写物の部分セットは、スプライシングモジュレーターへの曝露後にのみ検出され得、それらの生成は、細胞における細胞傷害性効果の前に起こり、従って、相対的感度の定量およびスプライシング調節に対する応答の推定を可能にする。合わせると、これらの分子ツールは、活性を検出する高感度方法および17S‐FD‐895の作用機序を提供し、ヒト化間質共培養物およびヒト化CSCマウスモデルにおける17S‐FD‐895のCSC選択性を明らかに示し、これは、治療剤のこのクラスの将来的な臨床開発において有用性を有する。
17S‐FD‐895で処理したヒトおよびラット白血病細胞において検出されたオンターゲットスプライシングモジュレーター効果に加えて、本発明者らはまた、ヒト多発性骨髄腫細胞が、スプライセオソーム混乱に非常に感受性であることを見出した。SF3B1およびSF3B3スプライス生体マーカーは、MCL‐1転写物とともに、ヒト細胞において最も高度に発現され、17S‐FD‐895に応答性であった。
インビトロでの用量応答スプライシングモジュレーター処理および初代sAML患者サンプルにおけるヒト特異的スプライス生体マーカー分析において、本発明者らは、次いで、インビトロで、17S‐FD‐895で処理した初代sAML患者サンプルから単離したCD34+ CSCsに対する分子応答を試験した。
本発明者らは、インビトロでのスプライシングモジュレーター処理および生細胞中でのイントロン保持の検出のために、ヒトAML CSCにおいてレンチウイルススプライシングレポーターを使用した。生存初代ヒトAML CSCにおいてスプライシング活性を検出するために、本発明者らは先ず、ヒトAML CSC(CD34+ 細胞)を、レンチウイルス蛍光スプライシングレポーターで形質導入した。安定して形質導入されたヒト白血病細胞株において観察された結果と一致して、17S‐FD‐895で処理したヒトAML CSC細胞では、17S‐FD‐895処理後にイントロン保持の増大があった。
本発明者らは、次に、臨床上関連する動物モデル、2018‐PDX50261‐IV‐2(変異されていないsAML PDXモデル)において、sAML CSC負荷に対するインビボでのスプライシング調節の効果を決定した。本発明者らは、以前に使用した濃度(10mg/kg)の17S‐FD‐895での増大した投与頻度を試験して、sAML生着したマウスにおける処置後のCSC負荷を評価した。さらに、本発明者らは、臨床上関連する動物モデル、2019‐PDX2008‐5‐IにおいてsAML CSC負荷に対するスプライシング調節の効果を決定した。qRT‐PCRアッセイにおいてヒト転写物に特異的なプライマーを使用する高感度スプライス生体マーカー分析は、インビボでの17S‐FD‐895処置が、SF3Bファミリーのイントロン保持およびMCL1転写物を誘発し、sAML CSC特異的転写物の発現を低減することを明らかに示した。これらの生体マーカー試験は、白血病生着動物組織から単離したヒト細胞において迅速に定量およびモニターされ得るスプライシングモジュレーター処置に対するオンターゲット分子応答の証拠を提供する。これは、臨床環境において対になる生体マーカーとしてこれらの分子アッセイの潜在的な有用性を示唆する。ヒト特異的生体マーカー検出およびインビボでの用量モデル化のために、本発明者らは、ビヒクルコントロールと比較して、10~20mg/kgの用量において17S‐FD‐895で処置したsAML PDX50261マウスから単離した細胞に対するスプライス生体マーカー試験を完了した。用量上昇試験におけるスプライス生体マーカー分析は、増大したMCL1‐S/L比およびSF3Bファミリーメンバーイントロン保持(最も顕著であるのは、SF3B3転写物におけるもの)とともに、17S‐FD‐895のオンターゲットスプライシングモジュレーター活性と一致して、エキソンスキッピング(MCL1‐S発現)のパターンを示した。試験物品関連の毒性の証拠は、sAMLのこのヒト化インビボモデルにおいて20mg/kgでの2週間の投与後に観察されなかった。全体として、マウスにおける10mg/kgの用量は、正常HSPC発生を温存しながらsAML CSC負荷をインビボで低減するために十分である。試験物品関連の毒性の証拠は、正常HSPC発生のヒト化インビボモデルにおいて10または20mg/kgでの2週間後投与後に観察されなかった。本発明者らの生体マーカーシステムは、sAML CSCが正常HSPCおよびそれらの子孫よりスプライシング調節に対して高感度であることによって、17S‐FD‐895の機能的および分子的治療指数を確認した。
小児のAML幹細胞および前駆細胞のpre‐mRNAスプライシングの役割をさらに詳細に調査するために、本発明者らは、小児の骨髄または末梢血から高度に精製した非白血病造血幹細胞またはAML造血幹細胞(HSCs; CD34+CD38‐Lin‐)および造血前駆細胞(HPCs; CD34+CD38+Lin‐)のRNAseqを行った。スプライス改変体特異的アラインメントアルゴリズムを利用して、本発明者らは、AMLを有する小児患者に由来するHSCsおよびHPCsにおいてゲノムワイド選択的スプライシング事象を評価した。本発明者らは、カセットエキソンのスキッピング、イントロンの保持ならびに5’および3’スプライス部位の競合を含め、選択的スプライシング事象の全てのクラスの差次的スプライシングを観察した。BCL2ファミリーの生存促進スプライシング改変体であるMCL1‐Lは、RNA配列決定を介して小児AML前駆細胞において高度に発現されることが示され、CD34+ 臍帯血と小児AMLサンプルとの間で、qRT‐PCRを介して有意に増大した。HSCsは、RBFOX2ならびにMBNL1およびMBNL2の両方の減少した発現レベルを示すが、AML由来HPCsは、RBFOX2およびCELF2によるスプライシングの拮抗的同時調節(antagonistic coregulation)を示唆する。
本発明者らは、小児AML患者の末梢血および骨髄の両方から得たCD34+ 細胞において、qPCRを使用して生存促進スプライス改変体に対するこのスプライシングモジュレーターの効果を評価した。PCRは、MCL1エキソン2スキッピングにおける用量依存性増大、アポトーシス促進性MCL1‐S転写物の生成を明らかに示した。さらに、スプライシング調節は、処置後のSF3B1イントロンレベルの増大および誤ってスプライスされる(misspliced)PTK2B‐202の低減を誘導する。さらに、造血前駆細胞アッセイは、小児AMLサンプルから単離されたCD34+ 細胞におけるクローン原性および自己再生の用量依存性低減を明らかに示した。顕著なことには、小児AMLサンプルは、de novo AMLおよびsAMLの両方よりスプライシング調節に対して高感度であったのに対して、正常CBサンプルは、スプライシングモジュレーター処置によって影響を及ぼされなかった。
本発明者らは、ラット、ウサギおよびサルにおいてさらなる薬物動態、安全性および耐用性試験を行った。動物毒物学試験において、17S‐FD‐895は、試験した用量において十分に寛容された。毒物学試験は、ラット、ウサギおよびサルにおける非GLP単一用量耐用性およびTK試験を含んだ。ラットでは、血液パラメーターにおいて、平均好中球、単球、好酸球、および血小板数の減少を含む用量依存性の変化が観察された。ウサギにおいては、血小板を含むいくつかの血液パラメーターの中程度の減少があった。サルでは、用量依存性様式において、血小板数の最小限の減少があった。インビボ動物試験では、他の有意な毒物学所見はなかった。
以前の毒物学研究は、ラット、ウサギおよびサルにおける非GLP単一用量耐用性およびTKを含んだ。ラットでは、単球、好中球および好酸球における最小限の統計的に有意でない減少が、17S‐FD‐895を投与した後に観察された。用量 ≧20mg/kg 17S‐FD‐895では、雌性ウサギにおいて血小板に最小限の減少があった。サルでは、血液、凝固または臨床化学パラメーターにおける変化は観察されなかった。インビボ動物試験において他の有意な毒物学所見はなかった。将来的な研究は、ラットおよびウサギにおける非GLP用量範囲発見の試験、ならびに臨床上関連する経路(IV)およびスケジュール(4用量につき1週間に2回)でのラットおよびウサギにおけるGLPの明確な耐用性/TK試験を含む。以前のINDを可能にする薬理学試験は、インビボでのCSC選択性データを提供した。これは、17S‐FD‐895処置が、治療抵抗性二次性AMLにおいてCSCの頻度を低減することを明らかに示す。本発明者らは、17S‐FD‐895でのスプライシング調節に対するインビボ応答の高感度スプライス生体マーカーを特定し、17S‐FD‐895での処置が、sAML CSC特異的な機能的スプライス生体マーカー(CD44‐012)における減少とともに、イントロン保持(SF3B1)、エキソンスキッピング(MCL1‐S)の有意な増大を生じることを示した。以前の試験はまた、17S‐FD‐895が、sAMLにおけるバルク集団よりむしろCSCsを特異的に標的化し、正常造血幹細胞および前駆細胞を温存することを示し、17S‐FD‐895の効果が、スプライシング因子変異状態とは無関係に、スプライセオソーム調節解除に基礎をおいていることが明らかに示された。
最後に、17S‐FD‐895を受容したサルのPBMCsおけるPD試験は、MCL1エキソンスキッピングおよびSF3B3イントロン保持によって象徴されるオンターゲットスプライシング調節を示した。
1つの試験において、患者は72歳齢の女性、AMLと診断され、処置されておらず、以下を有する:
変異: CEBPA、CSF3R、DNMT3A、DNMT3B、EP300、ETV6、EZH2、FANCL、KMT2C、LUC7L2、NOTCH1、NRAS、RPL5、SUZ12、TET2。
細胞遺伝学(Cytogeneics): 46,XX,1,inv(3)(q21q26.2),del(5)(q14q34),der(12 )t(1;1 2)(q21;p11.2),20,+r,+mar1[9]/46,sl,der(7)t(7;9)(p13;q13)[4]/46,sl,i(21)(q10)[3 ]/46,sl, add(2)(q31)[2]/46,sl,add(2)(q33)[2]
この試験においてまた、患者は68歳齢の男性、MFおよびAIHAの高リスクにあると診断され、ルキソリチニブで処置されており、以下を有する:
変異: MPL(47%)、TET2(42%)、KMT2C(49%)、SRSF2(50%)、VCUS: MPL R.V501M(49%)、PAX5(50%)。
細胞遺伝学: 不均衡型の転座(1;6)と1q獲得, 6p喪失; 20qの喪失(細胞のうちの4%において)。この試験において、図1A~Cにグラフで示されるように、レベクシニブ(17S-FD-895)は、sAML50261移植NSG-SGM3マウスモデルにおいてCD34+Lin- 細胞を有意に阻害した。
参考文献 実施例1:
本発明の多くの実施形態が記載されている。にもかかわらず、種々の改変が、本発明の趣旨および範囲から逸脱することなく行われ得ることは、理解され得る。よって、他の実施形態は、以下の特許請求の範囲の範囲内にある。

Claims (14)

  1. (a)17S‐FD‐895とも称されるレベクシニブ
    またはそのエナンチオマー、立体異性体、重水素化バージョン、もしくは塩;および
    (b)少なくとも1種の第2の薬物、
    を含む、薬学的もしくは治療用組成物、製剤もしくは薬物の治療的組み合わせ物。
  2. - がんの処置および改善であって、ここで必要に応じて、前記がんは、白血病であり、必要に応じて前記がんは、急性骨髄性白血病(AML)、骨髄増殖性腫瘍(MPN)、骨髄異形成症候群(MDS)、急性骨髄性白血病(AML)、慢性リンパ性白血病(CLL)および/もしくは多発性骨髄腫(MM)である、処置および改善;
    - 骨髄増殖性腫瘍(MPN)もしくはAML幹細胞増殖のインビボでの阻害;
    - 白血病幹細胞(LSCs)への前白血病幹細胞(pre‐LSC)形質転換のインビボでの阻害、
    - AMLもしくはMPNにおけるスプライセオソームのインビボでの阻害、ならびに/または
    - スプライセオソーム結合ポケットの構成要素に結合するかもしくはADAR1(adenosine deaminase acting on RNA-1)に結合する転写物のインビボでの阻害、
    のための方法であって、前記方法は、以下:
    (a)17S‐FD‐895とも称されるレベクシニブ、

    またはそのエナンチオマー、立体異性体、重水素化バージョン、もしくは塩、あるいは
    (b)(a)の化合物、またはレベクシニブもしくは17S‐FD‐895、および少なくとも1種の第2の薬物、
    を含む製剤、薬学的組成物もしくは薬物の治療的組み合わせ物を、必要とする個体へと投与することを包含する方法。
  3. 17S‐FD‐895の用量は、1~2週間の間にわたって1日に1回、2週間もしくは1~2週間の間にわたって1週間に2回、続いて2週間休薬もしくは2~4週間休薬を、2週間サイクル、3週間サイクル、4週間サイクル、5週間サイクルもしくは6週間サイクルで継続して、必要に応じて4回の28日間サイクルもしくは1ヶ月間サイクルで継続して、投与されるかまたは投与のために製剤化される、請求項2に記載の方法、または請求項1に記載の薬学的もしくは治療用組成物、製剤もしくは薬物の治療的組み合わせ物。
  4. 前記少なくとも1種の第2の薬物は、ATP競合性プロテインチロシンキナーゼインヒビターを含み、ここで必要に応じて前記ATP競合性プロテインチロシンキナーゼインヒビターは、ダサチニブ(もしくはSprycelTMまたはDasanixTM)を含む、請求項1に記載の薬学的もしくは治療用組成物、製剤もしくは薬物の治療的組み合わせ物、または請求項2もしくは請求項3に記載の方法。
  5. 前記少なくとも1種の第2の薬物は、JAK2(Janus kinase 2)インヒビター、必要に応じてフェドラチニブ(もしくはINREBICTM)、またはフェドラチニブおよび少なくとも1種の第2の薬物を含み、ここで必要に応じて前記フェドラチニブは、60mg/kgを1日に2回経口で、必要に応じて1~2週間またはさらに数週間にわたって投与される、請求項1に記載の薬学的もしくは治療用組成物、製剤もしくは薬物の治療的組み合わせ物、または請求項2もしくは請求項3に記載の方法。
  6. 前記少なくとも1種の第2の薬物は、化学療法剤を含み、ここで必要に応じて前記化学療法剤は、アファチニブ(もしくはGILOTRIFTM)、アフレセルチブ、アレクチニブ、アリセルチブ、アルボシジブ、アムサクリン、アモナフィド、アムバチニブ、アキシチニブ、アザシチジン、アザチオプリン、バフェチニブ、バラセルチブ、ベンダムスチン、ブレオマイシン、ボスチニブ、ボルテゾミブ、ブスルファン、カボザンチニブ、カンプトテシン、カネルチニブ、カペシタビン、カバジタキセル、カルボプラチン、カルムスチン、セニセルチブ、セリチニブ、クロラムブシル、シスプラチン、クラドリビン、クロファラビン、クレノラニブ、クリゾチニブ、シクロホスファミド、シタラビン、ダブラフェニブ、ダカルバジン、ダコミチニブ、ダクチノマイシン、ダヌセルチブ、ダサチニブ、ダウノルビシン、デシタビン、ディナシクリブ、ドセタキセル、ドビチニブ、ドキソルビシン、エピルビシン、エピチニブ、エリブリンメシル酸塩、エルロチニブ、エチリノテカン、エトポシド、エベロリムス、エキセメスタン、フェドラチニブ(もしくはINREBICTM)、フロクスウリジン、フルダラビン、フルオロウラシル、ゲフィチニブ、ゲムシタビン、ヒドロキシウレア、イブルチニブ、イコチニブ、イダルビシン、イホスファミド、イマチニブ、イパタセルチブ、イリノテカン、イクサベピロン、ラパチニブ、レナリドミド、レスタウルチニブ、ロムスチン、ルシタニブ、マシチニブ、メクロレタミン、メルファラン、メルカプトプリン、メトトレキサート、ミドスタウリン、マイトマイシン、ミトキサントロン、ムブリチニブ、ネララビン、ネラチニブ、ニロチニブ、ニンテダニブ、オマセタキシンメペスクシナート、オランチニブ、オキサリプラチン、パクリタキセル、パルボシクリブ、パリホスファミドトリス、パゾパニブ、ペリチニブ、ペメトレキセド、ペントスタチン、プリカマイシン、ポナチニブ、ポジオチニブ、プララトレキサート、プロカルバジン、キザルチニブ、ラルチトレキセド、レゴラフェニブ、ルキソリチニブ(もしくはOPZELURATM)、セリシクリブ、ソラフェニブ(もしくはNEXAVARTM)、ストレプトゾシン、スルファチニブ、スニチニブ(もしくはSUTENTTM)、タモキシフェン(もしくはNOLVADEXTM)、タンデュチニブ、テモゾロミド、テムシロリムス、テニポシド、テリアチニブ、チオグアニン、チオテパ、トポテカン、ウラムスチン、バルルビシン、バンデタニブ、ベムラフェニブ(もしくはZelboraeTM)、ビンクリスチン(もしくはONCOVINTM)、ビンブラスチン(もしくはVELBANTM)、ビノレルビン(もしくはNAVELBINETM)、およびビンデシン(もしくはエルシジン)のうちの1種、2種、3種、またはこれより多くのものを含む、前述の請求項のいずれかに記載の薬学的もしくは治療用組成物、製剤もしくは薬物の治療的組み合わせ物、または方法。
  7. 前記少なくとも1種の第2の薬物は、低メチル化剤(HMA)を含み、ここで必要に応じて前記HMAは、アザシチジン(もしくはVIDAZATM)またはデシタビン(もしくはDACOGENTM)を含む、前述の請求項のいずれかに記載の薬学的もしくは治療用組成物、製剤もしくは薬物の治療的組み合わせ物、または方法。
  8. 前記少なくとも1種の第2の薬物は、第2のテロメラーゼインヒビターを含み、ここで必要に応じて前記テロメラーゼインヒビターは、イメテルスタット、ジドブジン(もしくはアジドチミジン(AZT))、スタブジン(もしくはZERITTM)、テノホビルもしくはテノホビルジソプロキシル(もしくはVIREADTM)、ジダノシン(もしくはVIDEXTM)、アバカビル(ZIAGENTM)、TMPI、テロメスタチン、RHPS4、BRACO-19、TMPyP4、テルトモチド、ASTVAC-1、GX-301、UCPVax、UV-1、Vx-001、Vx-006、INO-1400、INVAC-1、ASTVAC-2、Telin(ab 4,4-ジクロロ-1-(2,4-ジクロロフェニル)-3-メチル-5-ピラゾロン)、Vbx-011、Vbx-021、Vbx-026INO-5401、KML-001、TK-005、リボバックス、Vbx-016、ZI-HX、ZI-H04、およびZIH-03のうちの少なくとも1種、2種、または3種を含む、前述の請求項のいずれかに記載の薬学的もしくは治療用組成物、製剤もしくは薬物の治療的組み合わせ物、または方法。
  9. 前記製剤、薬学的組成物もしくは薬物の治療的組み合わせ物、またはそれらの中に含まれる活性薬剤もしくは薬物は、液体製剤(必要に応じて、滅菌生理食塩水もしくは水)、スプレー、散剤、エアロゾル、ミスト、もしくは吸入用の任意の製剤、丸剤、カプセル剤、錠剤、錠剤、もしくはゲルタブ、または等価物)であるか、それらの中に製剤化されるか、または含まれるか;あるいはビーズ、散剤、粒子、または多層化ビーズもしくは粒子の表面にコーティングされるか、またはそれらの中に含まれ、必要に応じて前記ビーズ、散剤,粒子または前記多層化ビーズもしくは粒子は、経口送達のために丸剤、カプセル剤、錠剤、もしくはゲルタブ、または等価物の中に含まれ、ここで必要に応じて経口送達のための前記丸剤、丸剤、カプセル剤、錠剤、ゲルタブもしくは等価物は、硬質ゼラチンカプセルもしくは等価物であるか、または硬質ゼラチンもしくは等価物を含むか;あるいは薬物送達デバイスもしくはパッケージ、ブリスターパック、クラムシェルもしくはトレイは、用量用法レジメンに従うために前記薬物送達デバイスもしくはパッケージ、ブリスターパック、クラムシェルもしくはトレイ上に空間的に配列された複数の区画を含む、前述の請求項のいずれかに記載の、請求項1~8に記載の、または前述の請求項のいずれかに記載の、薬学的もしくは治療用組成物、製剤もしくは薬物の治療的組み合わせ物、または方法。
  10. 前記製剤、薬学的組成物もしくは薬物の治療的組み合わせ物の中の活性薬剤もしくは薬物は、約10~500mg/日の間もしくは1日に約500~1gの間で、または1日あたりもしくは1投与量あたり約100~600mgの間の投与量で、または1日あたりもしくは1投与量あたり約100mg、200mg、300mg、400mg、500mgもしくは600mgで投与され、必要に応じて単位投与量は、必要とする個体に、1日に1回(QD)、もしくは1日に2回(BID)、もしくは1日に3回(TID)、またはこれより多く投与される、前述の請求項のいずれかに記載の、または請求項1~9のいずれかに記載の薬学的もしくは治療用組成物、製剤もしくは薬物の治療的組み合わせ物、または方法。
  11. 前記製剤、薬学的組成物もしくは薬物の治療的組み合わせ物中の活性薬剤もしくは薬物は、吸入製剤もしくはエアロゾル製剤(例えば、散剤もしくはミストもしくはエアロゾル)として投与されるかもしくはそれらとともに製剤化されるか、またはそれらとして製剤化される、ならびに/あるいは経口、筋肉内(IM)、皮下(SC)、髄腔内もしくは静脈内(IV)製剤とともに製剤化されるか、またはそれらとして製剤化され、ここで必要に応じて前記吸入(もしくはエアロゾル)製剤および前記経口、IV、SC、髄腔内および/もしくはIM製剤はともに、同時にもしくは連続して投与される、前述の請求項のいずれかに記載の、または請求項1~10のいずれかに記載の薬学的もしくは治療用組成物、製剤もしくは薬物の治療的組み合わせ物、または方法。
  12. 前記製剤、薬学的組成物もしくは薬物の治療的組み合わせ物は、必要とする個体に投与され:
    薬物送達デバイスを、必要に応じて吸入によって使用し、ここで前記薬物送達デバイスは、必要に応じて、吸入デバイスもしくは吸入器または鼻用スプレーデバイスを含み、必要に応じて前記吸入器または鼻用スプレーデバイスは、携行式吸入器または鼻用スプレーデバイスであり、必要に応じて前記吸入器または鼻用スプレーデバイスは、計量式もしくは用量計数式吸入器または鼻用スプレーデバイスであるか、あるいは
    静脈内(IV)もしくは筋肉内(IM)で、17S‐FD‐895(もしくはレベクシニブ)、または17S‐FD‐895および少なくとも1種の第2の薬物を含む薬学的組成物を:
    - がんの処置および改善であって、ここで必要に応じて前記がんは、白血病であり、必要に応じて前記がんは、急性骨髄性白血病(AML)、骨髄増殖性腫瘍(MPN)、骨髄異形成症候群(MDS)、急性骨髄性白血病(AML)、慢性リンパ性白血病(CLL)および/もしくは多発性骨髄腫(MM)である、処置および改善;
    - 骨髄増殖性腫瘍(MPN)もしくはAML幹細胞増殖のインビボでの阻害;または
    - 白血病幹細胞(LSCs)への前白血病幹細胞(pre‐LSC)形質転換のインビボでの阻害
    - AMLもしくはMPNにおけるスプライセオソームのインビボでの阻害、ならびに/または
    - スプライセオソーム結合ポケットの構成要素に結合するかもしくはADAR1(adenosine deaminase acting on RNA-1)に結合する転写物のインビボでの阻害、
    において使用するための、
    前述の請求項のいずれかに記載の、または請求項1~11のいずれかに記載の薬学的もしくは治療用組成物、製剤もしくは薬物の治療的組み合わせ物、または方法。
  13. - がんの処置および改善であって、ここで必要に応じて、前記がんは、白血病であり、必要に応じて前記がんは、急性骨髄性白血病(AML)、骨髄増殖性腫瘍(MPN)、骨髄異形成症候群(MDS)、急性骨髄性白血病(AML)、慢性リンパ性白血病(CLL)および/もしくは多発性骨髄腫(MM)である、処置および改善;
    - 骨髄増殖性腫瘍(MPN)もしくはAML幹細胞増殖のインビボでの阻害;または
    - 白血病幹細胞(LSCs)への前白血病幹細胞(pre‐LSC)形質転換のインビボでの阻害、
    - AMLもしくはMPNにおけるスプライセオソームのインビボでの阻害、ならびに/または
    - スプライセオソーム結合ポケットの構成要素に結合するかもしくはADAR1(adenosine deaminase acting on RNA-1)に結合する転写物のインビボでの阻害、
    のための医薬または薬学的組成物の製造における使用のための、17S‐FD‐895(もしくはレベクシニブ)、または17S‐FD‐895および少なくとも1種の第2の薬物。
  14. - がんの処置および改善であって、ここで必要に応じて、前記がんは、白血病であり、必要に応じて前記がんは、急性骨髄性白血病(AML)、骨髄増殖性腫瘍(MPN)、骨髄異形成症候群(MDS)、急性骨髄性白血病(AML)、慢性リンパ性白血病(CLL)および/もしくは多発性骨髄腫(MM)である、処置および改善;
    - 骨髄増殖性腫瘍(MPN)もしくはAML幹細胞増殖のインビボでの阻害;または
    - 白血病幹細胞(LSCs)への前白血病幹細胞(pre‐LSC)形質転換のインビボでの阻害、
    - AMLもしくはMPNにおけるスプライセオソームのインビボでの阻害、ならびに/または
    - スプライセオソーム結合ポケットの構成要素に結合するかもしくはADAR1(adenosine deaminase acting on RNA-1)に結合する転写物のインビボでの阻害、
    のための医薬もしくは薬学的組成物の製造における17S‐FD‐895(もしくはレベクシニブ)、または17S‐FD‐895および少なくとも1種の第2の薬物の使用。
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