JP2024506716A - 高インスリン血症の処置のためのソマトスタチン受容体5型アゴニスト - Google Patents

高インスリン血症の処置のためのソマトスタチン受容体5型アゴニスト Download PDF

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フェラーラ-クック,クリスティン
エス. クラスナー,アラン
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Abstract

本発明は、高インスリン血症を処置するための方法および組成物に関する。【選択図】図1

Description

関連出願の参照
本出願は、2021年2月17日に出願された米国仮特許出願第63/150,266号と2021年9月14日に出願された米国仮特許出願第63/244,039号の利益を主張するものであり、文献の各々は参照により本明細書に組み込まれる。
本明細書には、ソマトスタチン受容体5型(SST5)アゴニスト、および高インスリン作用などのソマトスタチン受容体5型活性の調節から利益を得る疾病、疾患、または障害の処置においてSTT5アゴニストを使用する方法が記載される。
先天性高インスリン血症(HI)は稀な疾患であり、血中グルコースレベルが低い場合でも膵臓β細胞からの過剰なインスリン分泌をもたらし、生命を脅かす低血糖症をもたらす。先天性HIを有する患者は、永久的な脳損傷および死に対して脆弱である。現在の処置は限られており、全ての患者において普遍的に効果的ではない。先天性HIの処置のための方法および組成物が本明細書において提供される。
本明細書では、HIの処置のための方法が提供される。
本明細書では、一態様において、高インスリン血症(HI)の処置を必要とするヒトにおける高インスリン血症(HI)を処置する方法が記載され、該方法は、ヒトに化合物1

の構造を有する化合物、またはその薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物を投与する工程を含む。
いくつかの実施形態では、高インスリン血症は高インスリン性低血糖症を含む。いくつかの実施形態では、高インスリン血症は先天性高インスリン血症を含む。
いくつかの実施形態では、ヒトは、アデノシントリホスフェート依存性カリウム(KATP)チャネルに少なくとも1つの変異を含む。いくつかの実施形態では、ヒトは、KATPチャネルのSUR-1およびKir6.2(カリウムチャネル)サブユニット、グルタミン酸デヒドロゲナーゼ(GLUD1)、グルコキナーゼ(GCK)、肝臓核転写因子4A(HNF4A)、肝臓核転写因子1A(HNF1A)、ヘキソキナーゼ(HK1)、脱共役タンパク質2(UCP2)、短鎖3-OHアシル-CoAデヒドロゲナーゼ(HADH)、溶質担体ファミリー16メンバー1(SLC16A1)、モノカルボキシレートトランスポーター1(MCT1)、またはそれらの組合せをコードする、ABCC8およびKCNJ11遺伝子に、少なくとも1つの変異または欠損を含む。いくつかの実施形態では、先天性高インスリン血症は、一過性高インスリン血症、限局性高インスリン血症、またはびまん性高インスリン血症を含む。いくつかの実施形態では、先天性高インスリン血症は、グルコキナーゼ機能獲得変異、アンモニア血症性高インスリン血症(グルタミン酸デヒドロゲナーゼ機能獲得変異)、短鎖アシル補酵素Aデヒドロゲナーゼ欠損症、炭水化物欠損糖タンパク質症候群(Jaeken病)、またはベックウィズ-ヴィーデマン症候群を含む。いくつかの実施形態では、高インスリン血症は、ジアゾキシド非応答性高インスリン血症を含む。いくつかの実施形態では、高インスリン血症は後天性高インスリン血症である。いくつかの実施形態では、後天性高インスリン血症は、膵臓インスリノーマ、成人発症膵島細胞症、薬物誘導性高インスリン血症、またはそれらの組合せを含む。
いくつかの実施形態では、ヒトは、12歳未満、6歳未満、4歳未満、3歳未満、2歳未満、1.5歳未満、1歳未満、または6か月齢未満である。
いくつかの実施形態では、高インスリン血症を処置することは、血漿中グルコース、β-ヒドロキシ酪酸、グルカゴン、またはそれらの組合せのレベルを上昇させることを含む。いくつかの実施形態では、高インスリン血症を処置することは、インスリン、Cペプチド、またはそれらの組合せの血漿中レベルを低下させることを含む。いくつかの実施形態では、高インスリン血症を処置することは、血漿中インスリンレベルを低下させることを含む。いくつかの実施形態では、インスリンの血漿中レベルを低下させることは、インクレチン誘導性インスリン分泌のレベルを低下させることを含む。いくつかの実施形態では、高インスリン血症を処置することは、高インスリン血症のない対象の平均レベルまで血漿中グルコースを上昇させることを含む。いくつかの実施形態では、高インスリン血症を処置することは、血漿中グルコースレベルを少なくとも50mg/dL超、少なくとも60mg/dL超、少なくとも70mg/dL超、または少なくとも80mg/dL超に維持することを含む。いくつかの実施形態では、高インスリン血症を処置することは、膵臓β細胞からのインスリン分泌を減少させることを含む。いくつかの実施形態では、高インスリン血症を処置することは、インスリン分泌を低減または阻害すること、およびグルカゴン抑制を最小化または回避することを含む。いくつかの実施形態では、高インスリン血症を処置することは、脳損傷のリスクを低減すること、脳損傷の程度を低減すること、膵切除術のリスクを低減すること、またはそれらの組合せを含む。いくつかの実施形態では、高インスリン血症を処置することは、低ケトーシス性低血糖症を低減すること、嗜眠を低減すること、短気を低減すること、視力喪失のリスクを低減すること、神経認知障害のリスクを低減すること、発作のリスクを低減すること、無呼吸のリスクを低減すること、昏睡のリスクを低減すること、死亡のリスクを低減すること、またはそれらの組合せを含む。
いくつかの実施形態では、化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物は、毎日投与される。いくつかの実施形態では、化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物は、1日1回または1日2回投与される。いくつかの実施形態では、化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物は、経口投与される。
いくつかの実施形態では、化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物は、約0.05mg~約200mgの化合物1に相当する量で投与される。いくつかの実施形態では、化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物は、約0.5mg~約100mgの化合物1に相当する量で投与される。いくつかの実施形態では、化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物は、約0.05mg、0.1mg、0.15mg、0.2mg、0.25mg、0.3mg、0.35mg、0.4mg、0.45mg、0.5mg、0.55mg、0.6mg、0.65mg、0.7mg、0.75mg、0.8mg、0.85mg、0.9mg、0.95mg、1.0mg、1.5mg、2.0mg、2.5mg、3.0mg、3.5mg、4.0mg、4.5mg、5.0mg、5.5mg、6.0mg、6.5mg、7.0mg、7.5mg、8.0mg、8.5mg、9.0mg、9.5mg、10.0mg、10.5mg、11.0mg、11.5mg、12.0mg、12.5mg、13.0mg、13.5mg、14.0mg、14.5mg、15.0mg、15.5mg、16.0mg、16.5mg、17.0mg、17.5mg、18.0mg、18.5mg、19.0mg、19.5mg、または20.0mgの化合物1に相当する量で投与される。
いくつかの実施形態では、化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物は、約0.01mg/kg~約50mg/kgの化合物1に相当する一日用量で投与される。いくつかの実施形態では、化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物は、約0.1mg/kg~約5.0mg/kgの化合物1に相当する一日用量で投与される。いくつかの実施形態では、化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物は、約0.05mg/kg、0.1mg/kg、0.15mg/kg、0.2mg/kg、0.25mg/kg、0.3mg/kg、0.35mg/kg、0.4mg/kg、0.45mg/kg、0.5mg/kg、0.55mg/kg、0.6mg/kg、0.65mg/kg、0.7mg/kg、0.75mg/kg、0.8mg/kg、0.85mg/kg、0.9mg/kg、0.95mg/kg、1.0mg/kg、1.1mg/kg、1.2mg/kg、1.3mg/kg、1.4mg/kg、1.5mg/kg、1.6mg/kg、1.7mg/kg、1.8mg/kg、1.9mg/kg、2.0mg/kg、2.25mg/kg、2.5mg/kg、2.75mg/kg、3.0mg/kg、3.25mg/kg、3.5mg、3.75mg/kg、4.0mg/kg、4.25mg/kg、4.5mg/kg、4.75mg/kg、5.0mg/kg、5.5mg/kg、6.0mg/kg、6.5mg/kg、7.0mg/kg、7.5mg/kg、8.0mg/kg、8.5mg/kg、9.0mg/kg、9.5mg/kg、または10.0mg/kgの化合物1に相当する量の一日用量で投与される。
いくつかの実施形態では、化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物は、少なくとも12時間、少なくとも18時間、または少なくとも24時間にわたって、血漿中グルコースレベルを少なくとも50mg/dL超、少なくとも60mg/dL超、少なくとも70mg/dL超、または少なくとも80mg/dL超に維持するのに充分な量で毎日投与される。
本明細書では、別の態様において、先天性高インスリン血症の処置を必要とするヒトにおける先天性高インスリン血症を処置する方法が記載され、該方法は、ヒトに、化合物1の構造を有する化合物、またはその薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物を投与する工程を含む。いくつかの実施形態では、ヒトは、アデノシントリホスフェート依存性カリウム(KATP)チャネルに少なくとも1つの変異または欠陥を含む。いくつかの実施形態では、ヒトは、KATPチャネルのSUR-1およびKir6.2(カリウムチャネル)サブユニット、グルタミン酸デヒドロゲナーゼ(GLUD1)、グルコキナーゼ(GCK)、肝臓核転写因子4A(HNF4A)、肝臓核転写因子1A(HNF1A)、ヘキソキナーゼ(HK1)、脱共役タンパク質2(UCP2)、短鎖3-OHアシル-CoAデヒドロゲナーゼ(HADH)、溶質担体ファミリー16メンバー1(SLC16A1)、モノカルボキシレートトランスポーター1(MCT1)、またはそれらの組合せをコードする、ABCC8およびKCNJ11遺伝子に、少なくとも1つの変異または欠陥を含む。いくつかの実施形態では、先天性高インスリン血症は、一過性高インスリン血症、限局性高インスリン血症、またはびまん性高インスリン血症を含む。いくつかの実施形態では、先天性高インスリン血症は、グルコキナーゼ機能獲得変異、アンモニア血症性高インスリン血症(グルタミン酸デヒドロゲナーゼ機能獲得変異)、短鎖アシル補酵素Aデヒドロゲナーゼ欠損症、炭水化物欠損糖タンパク質症候群(Jaeken病)、またはベックウィズ-ヴィーデマン症候群を含む。いくつかの実施形態では、先天性高インスリン血症はジアゾキシド非応答性の先天性高インスリン血症を含む。いくつかの実施形態では、ヒトは、12歳未満、6歳未満、4歳未満、3歳未満、2歳未満、1.5歳未満、1歳未満、または6か月齢未満である。
いくつかの実施形態では、先天性高インスリン血症を処置することは、血漿中グルコース、β-ヒドロキシ酪酸、グルカゴン、またはそれらの組合せのレベルを上昇させることを含む。いくつかの実施形態では、先天性高インスリン血症を処置することは、インスリン、Cペプチド、またはそれらの組合せの血漿中レベルを低下させることを含む。いくつかの実施形態では、先天性高インスリン血症を処置することは、血漿中インスリンレベルを低下させることを含む。いくつかの実施形態では、インスリンの血漿中レベルを低下させることは、インクレチン誘導性インスリン分泌のレベルを低下させることを含む。いくつかの実施形態では、先天性高インスリン血症を処置することは、先天性高インスリン血症のない対象の平均レベルまで血漿中グルコースを上昇させることを含む。いくつかの実施形態では、先天性高インスリン血症を処置することは、血漿中グルコースレベルを少なくとも50mg/dL超、少なくとも60mg/dL超、少なくとも70mg/dL超、または少なくとも80mg/dL超に維持することを含む。いくつかの実施形態では、先天性高インスリン血症を処置することは、膵臓β細胞からのインスリン分泌を減少させることを含む。いくつかの実施形態では、先天性高インスリン血症を処置することは、インスリン分泌を低減または阻害すること、およびグルカゴン抑制を最小化または回避することを含む。いくつかの実施形態では、先天性高インスリン血症を処置することは、脳損傷のリスクを低減すること、脳損傷の程度を低減すること、膵切除術のリスクを低減すること、またはそれらの組合せを含む。いくつかの実施形態では、先天性高インスリン血症を処置することは、低ケトーシス性低血糖症を低減すること、嗜眠を低減すること、短気を低減すること、視力喪失のリスクを低減すること、神経認知障害のリスクを低減すること、発作のリスクを低減すること、無呼吸のリスクを低減すること、昏睡のリスクを低減すること、死亡のリスクを低減すること、またはそれらの組合せを含む。
さらなる態様において、本明細書には、先天性高インスリン血症を有するヒトにおいて膵臓からのインスリン分泌を阻害する方法が記載され、該方法は、必要とするヒトに、化合物1の構造を有する化合物、またはその薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物を投与する工程を含む。いくつかの実施形態では、インスリン分泌を阻害することは、膵臓β細胞からのインスリン分泌を阻害することを含む。いくつかの実施形態では、インスリン分泌を阻害することは、インクレチン誘導性インスリン分泌を阻害することを含む。いくつかの実施形態では、インスリン分泌を阻害することは、再発性低血糖症を処置することを含む。
さらに別の態様において、本明細書には、再発性低血糖症を有するヒトにおいてインスリンレベルを低下させる方法が記載され、該方法は、必要とするヒトに、化合物1の構造を有する化合物、またはその薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物を投与する工程を含む。いくつかの実施形態では、再発性低血糖症を有するヒトは、高インスリン血症を含む。いくつかの実施形態では、再発性低血糖症を有するヒトは、高インスリン血症を含む。いくつかの実施形態では、インスリンのレベルを低下させることは、インクレチン誘導性インスリン分泌のレベルを低下させることを含む。いくつかの実施形態では、膵臓β細胞からのインスリン分泌を低下させることによってインスリンレベルを低下させる。
態様では、本明細書において高インスリン血症を有するヒトにおける低血糖症を処置または予防する方法が記載され、該方法は、それを必要とするヒトに、化合物1の構造を有する化合物、またはその薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物を投与する工程を含む。いくつかの実施形態では、高インスリン血症は先天性高インスリン血症を含む。いくつかの実施形態では、低血糖症は、再発性低血糖症を含む。
いくつかの実施形態では、低血糖症を処置または予防することは、低ケトーシス性低血糖症、嗜眠、短気、巨人症、視力喪失、神経認知障害、発作、無呼吸、昏睡、死亡、またはそれらの組合せを減少させることを含む。いくつかの実施形態では、低血糖症を処置または予防することは、脳損傷のリスクを低減すること、脳損傷の程度を低減すること、膵切除術のリスクを低減すること、またはそれらの組合せを含む。いくつかの実施形態では、低血糖症を処置または予防することは、血漿中グルコース、β-ヒドロキシ酪酸、グルカゴン、またはそれらの組合せのレベルを上昇させることを含む。いくつかの実施形態では、低血糖症を処置または予防することは、血漿中グルコースのレベルを低血糖症でないヒトの平均レベルまで上昇させることを含む。いくつかの実施形態では、低血糖症を処置または予防することは、血漿中グルコースレベルを少なくとも50mg/dL超、少なくとも60mg/dL超、少なくとも70mg/dL超、または少なくとも80mg/dL超に維持することを含む。いくつかの実施形態では、低血糖症を処置または予防することは、インスリン、Cペプチド、またはそれらの組合せの血漿中レベルを低下させることを含む。いくつかの実施形態では、低血糖症を処置または予防することは、インスリンの化血漿中レベルを低下させることを含む。いくつかの実施形態では、インスリンの血漿中レベルを低下させることは、インクレチン誘導性インスリン分泌のレベルを低下させることを含む。いくつかの実施形態では、低血糖症を処置または予防することは、膵臓β細胞からのインスリン分泌を減少させることを含む。いくつかの実施形態では、低血糖症を処置または予防することは、インスリン分泌を低減または阻害すること、およびグルカゴン抑制を最小化または回避することを含む。
いくつかの実施形態では、ヒトは、アデノシントリホスフェート依存性カリウム(KATP)チャネルに少なくとも1つの変異または欠陥を含む。いくつかの実施形態では、ヒトは、KATPチャネルのSUR-1およびKir6.2(カリウムチャネル)サブユニット、グルタミン酸デヒドロゲナーゼ(GLUD1)、グルコキナーゼ(GCK)、肝臓核転写因子4A(HNF4A)、肝臓核転写因子1A(HNF1A)、ヘキソキナーゼ(HK1)、脱共役タンパク質2(UCP2)、短鎖3-OHアシル-CoAデヒドロゲナーゼ(HADH)、溶質担体ファミリー16メンバー1(SLC16A1)、モノカルボキシレートトランスポーター1(MCT1)、またはそれらの組合せをコードする、ABCC8およびKCNJ11遺伝子に、少なくとも1つの変異または欠陥を含む。いくつかの実施形態では、ヒトは、一過性高インスリン血症、限局性高インスリン血症、またはびまん性高インスリン血症を含む。いくつかの実施形態では、ヒトは、グルコキナーゼ機能獲得変異、アンモニア血症性高インスリン血症(グルタミン酸デヒドロゲナーゼ機能獲得変異)、短鎖アシル補酵素Aデヒドロゲナーゼ欠損症、炭水化物欠損糖タンパク質症候群(Jaeken病)、またはベックウィズ-ヴィーデマン症候群を含む。いくつかの実施形態では、ヒトは、12歳未満、6歳未満、4歳未満、3歳未満、2歳未満、1.5歳未満、1歳未満、または6か月齢未満である。
いくつかの実施形態では、化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物は、毎日投与される。いくつかの実施形態では、化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物は、1日1回または1日2回投与される。いくつかの実施形態では、化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物は、経口投与される。
いくつかの実施形態では、化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物は、約0.5mg~約100mgの化合物1に相当する量で投与される。いくつかの実施形態では、化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物は、約0.05mg、0.1mg、0.15mg、0.2mg、0.25mg、0.3mg、0.35mg、0.4mg、0.45mg、0.5mg、0.55mg、0.6mg、0.65mg、0.7mg、0.75mg、0.8mg、0.85mg、0.9mg、0.95mg、1.0mg、1.5mg、2.0mg、2.5mg、3.0mg、3.5mg、4.0mg、4.5mg、5.0mg、5.5mg、6.0mg、6.5mg、7.0mg、7.5mg、8.0mg、8.5mg、9.0mg、9.5mg、10.0mg、10.5mg、11.0mg、11.5mg、12.0mg、12.5mg、13.0mg、13.5mg、14.0mg、14.5mg、15.0mg、15.5mg、16.0mg、16.5mg、17.0mg、17.5mg、18.0mg、18.5mg、19.0mg、19.5mg、または20.0mgの化合物1に相当する量で投与される。
いくつかの実施形態では、化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物は、約0.01mg/kg~約50mg/kgの化合物1に相当する一日用量で投与される。いくつかの実施形態では、化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物は、約0.1mg/kg~約5.0mg/kgの化合物1に相当する一日用量で投与される。いくつかの実施形態では、化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物は、約0.05mg/kg、0.1mg/kg、0.15mg/kg、0.2mg/kg、0.25mg/kg、0.3mg/kg、0.35mg/kg、0.4mg/kg、0.45mg/kg、0.5mg/kg、0.55mg/kg、0.6mg/kg、0.65mg/kg、0.7mg/kg、0.75mg/kg、0.8mg/kg、0.85mg/kg、0.9mg/kg、0.95mg/kg、1.0mg/kg、1.1mg/kg、1.2mg/kg、1.3mg/kg、1.4mg/kg、1.5mg/kg、1.6mg/kg、1.7mg/kg、1.8mg/kg、1.9mg/kg、2.0mg/kg、2.25mg/kg、2.5mg/kg、2.75mg/kg、3.0mg/kg、3.25mg/kg、3.5mg、3.75mg/kg、4.0mg/kg、4.25mg/kg、4.5mg/kg、4.75mg/kg、5.0mg/kg、5.5mg/kg、6.0mg/kg、6.5mg/kg、7.0mg/kg、7.5mg/kg、8.0mg/kg、8.5mg/kg、9.0mg/kg、9.5mg/kg、または10.0mg/kgの化合物1に相当する量の一日用量で投与される。
いくつかの実施形態では、化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物は、少なくとも12時間、少なくとも18時間、または少なくとも24時間にわたって、血漿中グルコースレベルを少なくとも50mg/dL超、少なくとも60mg/dL超、少なくとも70mg/dL超、または少なくとも80mg/dL超に維持するのに充分な量で毎日投与される。
製品であって、梱包材料と、梱包材料内に化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩とを含み、および化合物1またはその薬学的に許容可能な塩が、ソマトスタチン受容体(例えば、ソマトスタチン受容体5型(SST5))の活性を調節するために、あるいはソマトスタチン受容体(例えば、ソマトスタチン受容体5型(SST5))の活性の調節から利益を得る疾患または疾病の1つ以上の症状を処置、予防、または改善するために使用されることを示すラベルを含む、製品が提供される。
本明細書に記載の化合物、方法および組成物の他の目的、特徴および利点は、以下の詳細な説明から明らかになるであろう。しかしながら、本開示の精神および範囲内の様々な変更および修正が、この詳細な説明から当業者に明らかになるため、詳細な説明および具体的な実施例は、具体的な実施形態を示すが、例示のみとして与えられることを理解されたい。
ラットにおけるスルホニル尿素誘発性低血糖症に対する化合物1の効果を示す。 SAD研究の薬物動態結果(0.5~120mgの化合物1)を示す。 IVGTT(0.5~120mgの化合物1)における刺激前後のグルコースおよびインスリンに対する用量応答およびPK/PDのSAD試験結果を示す。 SAD試験(30~60mgの化合物1)で調査したスルホニル尿素(SU)チャレンジ研究の概要を示す。 図5a~cは、スルホニル尿素チャレンジ研究におけるグルコース注入速度に対するプラセボ(グラフa)、30mgの化合物1(グラフb)、および60mgの化合物1(グラフc)の効果を示す。各グラフにおいて、-2日目(ベースライン)は上の曲線であり、1日目(処置)は下の曲線である。曲線中の実線は平均値であり、陰つき領域はSEMである。 図5a~cは、スルホニル尿素チャレンジ研究におけるグルコース注入速度に対するプラセボ(グラフa)、30mgの化合物1(グラフb)、および60mgの化合物1(グラフc)の効果を示す。各グラフにおいて、-2日目(ベースライン)は上の曲線であり、1日目(処置)は下の曲線である。曲線中の実線は平均値であり、陰つき領域はSEMである。 図5a~cは、スルホニル尿素チャレンジ研究におけるグルコース注入速度に対するプラセボ(グラフa)、30mgの化合物1(グラフb)、および60mgの化合物1(グラフc)の効果を示す。各グラフにおいて、-2日目(ベースライン)は上の曲線であり、1日目(処置)は下の曲線である。曲線中の実線は平均値であり、陰つき領域はSEMである。 図6aは、プラセボ(グラフa)の効果を示し、図6bは、30mgの化合物1を示し、図6cは、スルホニル尿素チャレンジ研究における血漿中グルコースに対する60mgの化合物1を示す。各グラフにおいて、-2日目(ベースライン)は下の曲線であり、1日目(処置)は上の曲線である。曲線中の実線は平均値であり、陰つき領域はSEMである。 図6aは、プラセボ(グラフa)の効果を示し、図6bは、30mgの化合物1を示し、図6cは、スルホニル尿素チャレンジ研究における血漿中グルコースに対する60mgの化合物1を示す。各グラフにおいて、-2日目(ベースライン)は下の曲線であり、1日目(処置)は上の曲線である。曲線中の実線は平均値であり、陰つき領域はSEMである。 図6aは、プラセボ(グラフa)の効果を示し、図6bは、30mgの化合物1を示し、図6cは、スルホニル尿素チャレンジ研究における血漿中グルコースに対する60mgの化合物1を示す。各グラフにおいて、-2日目(ベースライン)は下の曲線であり、1日目(処置)は上の曲線である。曲線中の実線は平均値であり、陰つき領域はSEMである。 MAD研究の薬物動態結果(10日間30~120mgの化合物1 QD)を示す。 図8aは、空腹時グルコースに対する用量応答のMAD研究結果を示す。 図8bは、空腹時インスリンに対する用量応答のMAD研究結果を示す。 図8cは、空腹時C-ペプチド(10日間30~120mgの化合物1 QD)に対する用量応答のMAD研究結果を示す。 図9aはプラセボの効果を示し、図9bは10日間の30mgの化合物1のQDの効果を示し、図9cは10日間の60mgのQDの効果を示し、図9dはスルホニル尿素チャレンジ研究におけるグルコース注入速度に対する10日間の化合物1の120mgのQDの効果を示す。各グラフにおいて、-2日目(ベースライン)は上の曲線であり、10日目(処置)は下の曲線である。曲線中の実線は平均値であり、陰つき領域はSEMである。 図9aはプラセボの効果を示し、図9bは10日間の30mgの化合物1のQDの効果を示し、図9cは10日間の60mgのQDの効果を示し、図9dはスルホニル尿素チャレンジ研究におけるグルコース注入速度に対する10日間の化合物1の120mgのQDの効果を示す。各グラフにおいて、-2日目(ベースライン)は上の曲線であり、10日目(処置)は下の曲線である。曲線中の実線は平均値であり、陰つき領域はSEMである。 図9aはプラセボの効果を示し、図9bは10日間の30mgの化合物1のQDの効果を示し、図9cは10日間の60mgのQDの効果を示し、図9dはスルホニル尿素チャレンジ研究におけるグルコース注入速度に対する10日間の化合物1の120mgのQDの効果を示す。各グラフにおいて、-2日目(ベースライン)は上の曲線であり、10日目(処置)は下の曲線である。曲線中の実線は平均値であり、陰つき領域はSEMである。 図9aはプラセボの効果を示し、図9bは10日間の30mgの化合物1のQDの効果を示し、図9cは10日間の60mgのQDの効果を示し、図9dはスルホニル尿素チャレンジ研究におけるグルコース注入速度に対する10日間の化合物1の120mgのQDの効果を示す。各グラフにおいて、-2日目(ベースライン)は上の曲線であり、10日目(処置)は下の曲線である。曲線中の実線は平均値であり、陰つき領域はSEMである。 図10aは、プラセボの効果を示し、図10bは、10日間の30mgの化合物1のQDの効果を示し、図10cは、10日間の60mgのQDの効果を示し、図10dは、スルホニル尿素チャレンジ研究における血漿中グルコースに対する10日間の化合物1の120mgのQDの効果を示す。各グラフにおいて、-2日目(ベースライン)は下の曲線であり、10日目(処置)は上の曲線である。曲線中の実線は平均値であり、陰つき領域はSEMである。 図10aは、プラセボの効果を示し、図10bは、10日間の30mgの化合物1のQDの効果を示し、図10cは、10日間の60mgのQDの効果を示し、図10dは、スルホニル尿素チャレンジ研究における血漿中グルコースに対する10日間の化合物1の120mgのQDの効果を示す。各グラフにおいて、-2日目(ベースライン)は下の曲線であり、10日目(処置)は上の曲線である。曲線中の実線は平均値であり、陰つき領域はSEMである。 図10aは、プラセボの効果を示し、図10bは、10日間の30mgの化合物1のQDの効果を示し、図10cは、10日間の60mgのQDの効果を示し、図10dは、スルホニル尿素チャレンジ研究における血漿中グルコースに対する10日間の化合物1の120mgのQDの効果を示す。各グラフにおいて、-2日目(ベースライン)は下の曲線であり、10日目(処置)は上の曲線である。曲線中の実線は平均値であり、陰つき領域はSEMである。 図10aは、プラセボの効果を示し、図10bは、10日間の30mgの化合物1のQDの効果を示し、図10cは、10日間の60mgのQDの効果を示し、図10dは、スルホニル尿素チャレンジ研究における血漿中グルコースに対する10日間の化合物1の120mgのQDの効果を示す。各グラフにおいて、-2日目(ベースライン)は下の曲線であり、10日目(処置)は上の曲線である。曲線中の実線は平均値であり、陰つき領域はSEMである。
先天性高インスリン血症(HI)は、乳児および小児における再発性低血糖症の最も一般的な原因である。発生率の推定値は、米国ではおよそ1:30,000であるが、世界地域および一致率に応じて1:2,500から1:50,000の範囲であり得る。低血糖症は、出生時にしばしば存在するが、新生児における症状は微妙であり得、診断の遅延または失敗をもたらし、これらの患者を永久的な脳損傷および死亡さえする高いリスクにさらす。現在の治療選択肢は限られており、許容できない副作用を有し、全ての患者において普遍的に有効ではない;したがって、先天性HIを有する新生児、乳児、および小児のための新規療法を開発する緊急の医学的必要性が存在する。
生理学的条件下では、血中グルコースが低いときにインスリン産生が抑制されるように、血中グルコースレベルと膵臓β細胞からのインスリン分泌は緊密に結合される。β細胞シグナル伝達経路またはインスリン分泌機構における遺伝子変異は、膵臓β細胞が低血糖の状況でもインスリン産生を継続するように、先天性HIの根底にある。過剰なインスリンは、血中グルコースを低下させるだけでなく、低血糖症への正常な対抗調節適応を抑制し、ケトジェネシス、脂肪分解、および糖新生を抑制し、脳の燃料の完全な不足を伴う低カリウム血糖症をもたらす。したがって、先天性HIを有する患者は、神経認知の成り行きに対して特に脆弱であり、患者のほぼ50%が発達障害を患っている。先天性HIの重症度は、時間とともに消散し、高齢の青年および成人では非常に珍しいが、にもかかわらず、新生児期および乳児期の間のHIの神経発発生上の永続的な影響は見られ、脳の成長と発達にとって重要なこの時期の、低ケトン血症性低血糖を早期に治療し予防することの緊急性を強調している。
HIを有する多くの対象では、膵臓全体が影響を受け(すなわち、びまん性HI)、β細胞からのインスリンの過剰分泌を伴うインスリンレベルの調節不全をもたらす。しかし、父親から遺伝されたKATPチャネルの変異は、異常なβ細胞の限局性領域をもたらし得るが、膵臓の残りは正常である(すなわち、限局性HI)。
新生児および乳児における低血糖症状は重症度に幅があり得、検出が困難であり得る。最も重篤なエピソードは、無呼吸、発作、および昏睡を伴い得るが、嗜眠、および短気などの症状は、極めて軽度であり得る。マクロソームおよび摂食困難などの臨床的特徴は、先天性HIに罹患した全ての新生児に存在するとは限らず、したがって、適時の診断および治療のために、高い注意が求められる。
生後48時間後に持続する低血糖症は、とりわけ低血糖症の原因の中でも、先天性HIの評価を引き起こすはずである。先天性HIの生化学的診断は、低血糖症(すなわち、血糖が<50mg/dL)の時点での過剰なインスリンおよび/または過剰なインスリン作用のバイオマーカーの包括的な評価を含む。低血糖症の時の検出可能なインスリンレベルは先天性HIに高度に特異的であるが、散発性分泌およびインスリンの急速なクリアランスのために、常に見られるわけではなく、C-ペプチドの増加が、よりロバストなバイオマーカーである。インスリンは、ケトーシス、脂肪分解、および糖新生を抑制することができる唯一のホルモンである。したがって、抑制されたケトン、抑制された遊離脂肪酸、およびグルカゴン投与に応答した不適切な血糖増加を含む低血糖症時の過剰なインスリン作用の情報は、切り離されたインスリンレベルよりも感度の高いマーカーである。
バイオマーカーに基づいてHIが診断されると、ジアゾキシドの治療試験が開始される。ジアゾキシドによって正常血糖を維持できない人におけるその後の診断ステップは、遺伝的試験、および必要が示されれば、β細胞腺腫症の焦点領域を可視化するための18フッ素ジヒドロキシフェニルアラニン陽電子放出断層撮影法(18F DOPA PET)スキャンの使用を含む特殊化された画像化研究を含み得る。遺伝子検査は、より普及したものになりつつあるが、先天性HIの全ての患者において行われるわけでも、診断に必須とされるわけでもない。
先天性HIの早期診断および有効な処置は、生命を脅かす壊滅的な神経後遺症を予防するために不可欠である。低血糖症の低ケトーシス性は、脳が燃料源を持たないため、極めて危険であり、未処置のままにしておくと、他の低血糖症障害よりもはるかに重篤な結果となる。したがって、先天性HIの治療目標は、低血糖症を迅速に矯正し、血漿中グルコースを>70mg/dL、ケトンが存在する低血糖症障害を有する新生児よりも高い目標に維持することである。
処置は、薬理学的療法または手術のいずれかによって達成される。処置選択肢の選択は臨床的重症度に大きく依存し、全ての患者に普遍的に有効な選択肢はない。加えて、全ての現在利用可能な選択肢(医学的および外科的)は、以下に記載されるように大きな制限を有し、先天性HIを有する患者はまだ新しい処置を必要とする。
小児先天性HIの治療は極めて強力である;しかし、この疾患は成人ではめったに見られない。2つの研究が、KATP変異を伴う患者の臨床経過を報告し、それは複合の医療レジメンの使用を通じて手術を回避し、幼年期に疾患消散があることを実証した。論じたように、乳児期にほぼ全膵臓摘出術を受けている患者の50%超が、積極的かつ複雑な医学的レジメンで管理され得る持続性低血糖症に罹患している。しかし、幼年後期までに、低血糖症は消散し、そして、ほぼすべての患者がインスリン療法を必要とする高血糖症に進んだ。
成人期に持続する低血糖症を有する稀な患者は、グルタミン酸デヒドロゲナーゼ(GLUD1)またはグルコキナーゼ(GCK)に変異を有する傾向があり、それぞれが患者集団の4%~5%未満である。低血糖症はしばしば軽度であり、より低い用量のジアゾキシドおよび/または食事の変更に応答し、したがって、最も満たされていない必要性を有する小児、乳児、および新生児における先天性HIを表わさない。
化合物1
化合物1は、他のヒトSST受容体サブタイプよりも選択的である強力な小分子SSTR5アゴニスト(EC50<1nM)であり、SSTR2よりもSSTR5に対して>500倍高い選択性を示す。
化合物1は、4-[(3S)-3-アミノピロリジン-l-イル]-6-シアノ-5-(3,5-ジフルオロフェニル)-N-[(2S)-l,1,1-トリフルオロプロパン-2-イル]ピリジン-3-カルボキサミドを指し、以下に示す化学構造を有する。
化合物1は4-((S)-3-アミノピロリジン-l-イル)-6-シアノ-5-(3,5-ジフルオロフェニル)-N-((S)-l,l,l-トリフルオロプロパン-2-イル)ニコチンアミドとも呼ばれる。
処置の方法
ある態様において、本明細書には、ヒトにおける内因性インスリンレベルを低下させる方法が開示され、該方法は、化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物を、必要とするヒトに投与する工程を含む。他の態様において、本明細書には、ヒトの膵臓からのインスリン分泌を阻害する方法が開示され、該方法は、化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物を、必要とするヒトに投与する工程を含む。いくつかの実施形態では、ヒトは先天性高インスリン血症(HI)を有する。いくつかの実施形態では、ヒトは高インスリン性低血糖症を有する。
高インスリン性低血糖症は、過剰なインスリンによって引き起こされる低血糖症の状態および影響を表す。過剰なインスリンによる低血糖症は、重篤な低血糖症の最も一般的なタイプである。それは、内因性または外因性(すなわち、注射/投与)インスリンに起因し得る。高インスリン性低血糖症では、膵臓β細胞からのインスリン分泌の調節不全がある。インスリン分泌は、血中グルコースのレベルに対して不適切となり、重篤な低血糖症をもたらす。高インスリン性低血糖症は、インスリンが脂肪分解およびケトン生成を阻害し、したがって代替の脳基質(ケトン体など)の生成を妨げるため、脳損傷の高いリスクと関連する。したがって、脳損傷を防止するために、高インスリン血症の低血糖症は、できるだけ早く診断され、管理が適切に開始されなければならない。
ある態様において、本明細書には、HIを有するヒトの再発性低血糖症を処置する方法が開示され、該方法は、化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物を、必要とするヒトに投与する工程を含む。特定の態様において、本明細書には、再発性の低血糖症を有するヒトにおいてインスリンレベルを低下させる方法が開示され、該方法は、化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物を、必要とするヒトに投与する工程を含む。ある態様において、本明細書には、先天性HIを有するヒトにおいて低血糖症を予防する方法が開示され、該方法は、必要とするヒトに、化合物1の構造を有する化合物、またはその薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物を投与する工程を含む。
いくつかの実施形態では、本明細書に開示の方法は、再発性低血糖症を処置する方法を含む。いくつかの実施形態では、再発性低血糖症はHIを含む。いくつかの実施形態では、再発性低血糖症は、内因性インスリンに起因する低血糖症、薬物誘発性HI、または外因性インスリンに起因する低血糖症を含む。いくつかの実施形態では、再発性低血糖症は先天性HIを含む。
いくつかの実施形態では、再発性低血糖症を処置することは、低ケトーシス性低血糖症、嗜眠、短気、視力喪失、神経認知障害、発作、無呼吸、昏睡、死亡、またはそれらの組合せを減少させることを含む。いくつかの実施形態では、再発性低血糖症を処置することは、脳損傷のリスクを低減すること、脳損傷の程度を低減すること、膵切除術のリスクを低減すること、またはそれらの組合せを含む。いくつかの実施形態では、再発性低血糖症を処置することは、低ケトーシス性低血糖症を低減することを含む。いくつかの実施形態では、再発性低血糖症を処置することは、嗜眠を低減することを含む。いくつかの実施形態では、再発性低血糖症を処置することは、短気を低減することを含む。いくつかの実施形態では、再発性低血糖症を処置することは、視力喪失を低減することを含む。いくつかの実施形態では、再発性低血糖症を処置することは、神経認知障害を低減することを含む。いくつかの実施形態では、再発性低血糖症を処置することは、脳損傷のリスクを低減することを含む。いくつかの実施形態では、再発性低血糖症を処置することは、脳損傷の広がりを低減することを含む。いくつかの実施形態では、低血糖症の処置は、膵切除術のリスクを低減することを含む。いくつかの実施形態では、再発性低血糖症を処置することは、発作を低減することを含む。いくつかの実施形態では、再発性低血糖症を処置することは、無呼吸を低減することを含む。いくつかの実施形態では、再発性低血糖症を処置することは、昏睡の発生のリスクおよび/または昏睡の持続時間を低減することを含む。いくつかの実施形態では、再発性低血糖症を処置することは、再発性のおよび/また長引く低血糖症に起因する死亡のリスクを低減することを含む。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の方法は、少なくとも1つの代謝産物のレベルを上昇させることを含む。いくつかの実施形態では、代謝産物は、血漿中グルコース、β-ヒドロキシ酪酸、グルカゴン、またはそれらの組合せを含む。いくつかの実施形態では、代謝産物は、処置前の対象における代謝産物のレベルと比較して増加する。いくつかの実施形態では、代謝産物は、少なくとも約1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、15%、20%、25%、30%、または30%超増加する。
いくつかの実施態様において、本明細書に記載されるのは、再発性低血糖症を有する対象の血糖値を、低血糖症を有さないヒトの平均血糖値まで増加させる方法である。いくつかの実施形態では、再発性低血糖症を有する対象における血漿中グルコースは、低血糖症を有さない対象における平均血漿中グルコースレベルまで上昇する。いくつかの実施形態では、血漿中グルコースは、低血糖症のない対象のレベルと比較して増加する。いくつかの実施形態では、低血糖症を有する対象は、70mg/dL未満の血漿中グルコースレベルを有する。いくつかの実施形態では、低血糖症のない対象は、70mg/dL超の血漿中グルコースレベルを有する。いくつかの実施形態では、血漿中グルコースレベルの増加は、静脈内グルコース負荷試験によって決定される。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の方法は、少なくとも1つの代謝産物のレベルを低下させることを含む。いくつかの実施形態では、代謝産物は、インスリン、Cペプチド、またはそれらの組合せを含む。いくつかの実施形態では、代謝産物は、治療前の対象における代謝産物のレベルと比較して低下する。いくつかの実施形態では、代謝産物は、少なくとも約1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、15%、20%、25%、30%、または30%超低下する。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載される方法は、インスリンのレベルを低下させることを含む。いくつかの実施形態では、本方法は、インクレチン誘導性インスリン分泌のレベルを低下させることを含む。いくつかの実施形態では、本方法は、膵臓β細胞からのインスリン分泌を低減することを含む。いくつかの実施形態では、インスリンのレベルは、静脈内グルコース耐性試験によって決定されるように低下する。いくつかの実施形態では、インスリンのレベルは、少なくとも約1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、15%、20%、25%、30%、または30%超低下する。いくつかの実施形態では、インスリンのレベルは、治療前のインスリンのレベルと比較して低下する。いくつかの実施形態では、先天性HIを有するヒトにおいて膵臓からのインスリン分泌を阻害する方法が本明細書に記載される。
いくつかの実施形態では、本明細書に開示される方法は、インスリン分泌を低減または阻害すること、およびグルカゴン抑制を最小化または回避することを含む。
対象
いくつかの実施形態では、対象はヒトである。いくつかの実施形態では、対象は、12歳未満、11歳未満、10歳未満、9歳未満、8歳未満、7歳未満、6歳未満、5歳未満、4歳未満、3歳未満、2歳未満、または1歳未満である。いくつかの実施形態では、対象は、12か月未満、11か月未満、10か月未満、9か月未満、8か月未満、7か月未満、6か月未満、5か月未満、4か月未満、3か月未満、2か月未満、または1か月未満の年齢である。
いくつかの実施形態では、対象は、一過性新生児HIを有する。いくつかの実施形態では、対象は、持続性新生児HI(例えば、先天性HI)を有する。いくつかの実施形態では、対象は、限局性HIを有する。いくつかの実施形態では、対象はびまん性HIを有する。
いくつかの実施形態では、対象は、アデノシントリホスフェート依存性カリウム(KATP)チャネルに少なくとも1つの変異を有する。
HIのKATP形態は遺伝性疾患であり、その遺伝的原因は、膵臓のインスリン分泌β細胞におけるカリウムチャネル(KATPチャネルと呼ばれる)を構成する2つの遺伝子のいずれかにおける欠陥に起因する。これら2つの遺伝子は、SUR1遺伝子およびKir6.2遺伝子である。通常、β細胞が、グルコースレベルが増加していることを感知すると、グルコース代謝は、β細胞内でATPを生成し、KATPチャネルを閉鎖し、生じたβ細胞脱分極が、インスリン分泌経路を開始する。KATPチャネルに欠陥がある場合、不適切なインスリン分泌が起こり、低血糖症を引き起こす。2つの形態ofKATP-HI、びまん性KATP-HIおよび限局性KATP-HIが存在する。これらの変異が常染色体劣性のかたちで遺伝(遺伝子における1つの変異が、どちらも罹患していない各親から遺伝)されると、それらはびまん性疾患を引き起こし、これは膵臓内のすべてのβ細胞が異常であることを意味する。あまり一般的ではないが、常染色体優性変異(遺伝子の単一コピーにおける変異)は、びまん性疾患を引き起こし得る。ヘテロ接合性の喪失(父親からの変異の遺伝および膵臓における少数の細胞からの母親の良好な遺伝子の喪失)が生じると、限局性病変が生じる。異常なβ細胞は、この限局性病変に限定され、正常なβ細胞によって囲まれている。
限局性とびまん性KATP-HIは臨床的に判別できない。低血糖症は生後最初の数日以内に現れ、しばしば、その血糖を正常に保つために大量のグルコースを静脈内に提供する必要がある。それらは、低血糖症に起因する発作を伴い得る。KATPチャネルにおける変異に起因して、ジアゾキシドのメカニズムはKATPチャネルに作用するため、ジアゾキシドはしばしばこれらの子供にとって無効な処置である。オクトレオチド、ソマトスタチン受容体2(SST2)アゴニストは、6~8時間毎の注射によって、または持続的注入によって投与されて、成功し得る(時には短期的にのみ)。グルカゴンは、一時的な手段として血糖を安定化させるために静脈内注入によって与えることができる。専門センターでは、外科的治療が選択肢となり得る。びまん性KATP-HIおよび限局性KATP-HIの最近の発見と共に、遺伝子検査および診断イメージング(F-DOPA PETスキャン)によってこれら2つの形態を区別する試みは非常に重要であり:外科的療法は、しばしば、限局性HIを治癒することになるが、サブトータル膵切除で処置されたびまん性HIは、しばしば、疾患を完全に解消することができない。
グルタミン酸デヒドロゲナーゼ高インスリン血症(GDH-HI)は先天性HIの別の形態である。それはまた、高インスリン/高アンモニア血症症候群(HI/HA)、ロイシン感受性低血糖症、およびジアゾキシド感受性低血糖症としても知られている。GDH-HIは、酵素グルタミン酸デヒドロゲナーゼ(GDH)における変異によって引き起こされる。それは、常染色体優性遺伝のかたちで遺伝される場合も、家族病歴のない子供において散発的に新しい変異として生じる場合もある。GDHは、アミノ酸(特にロイシン)によって刺激されるインスリン分泌の調節において重要な役割を果たす。GDH-HIを有する個体は、高タンパク食を摂取した後に低血糖症を発症し、発作性障害を伴うことが多い。GDH-HIはまた、タンパク質に由来するアンモニアの血中濃度の増加に関連する。GDH-HIを有する患者は、しばしば、KATPチャネルHIより遅く、典型的には3~4か月齢まで現れないが、その間、他は夜間の食餌をせずに終夜睡眠するか、高タンパク質含有固形食品を始める後まで、認識可能な低血糖症を有さない。低血糖症の頻度は、通常、KATP-HIに関連する頻度よりも低い。さらに、GDH-HIは、ジアゾキシドで首尾よく処理することができ、純粋なタンパク質負荷を回避することができる。GDH-HIを有するほとんどの小児は、認識されると予後が非常に良好だが、診断が遅れると、未処置の低血糖症による脳損傷にも罹患し得る。
先天性HIの別の形態は、酵素グルコキナーゼ(GK)の変異によって引き起こされる。この欠陥は常染色体優性遺伝のかたちで遺伝するが、散発的に生じることもある。グルコキナーゼはβ細胞の「グルコースセンサー」である。それは、β細胞に、血中グルコースがどの程度高いか、およびいつインスリンを分泌するかを伝える。HIを引き起こすグルコキナーゼ変異は、正常よりも低い血糖でインスリンを分泌するようにβ細胞に指示する。GDH-HIと同様に、GK-HIはジアゾキシドで処置することができる。
いくつかの実施形態では、対象は、膵臓β細胞におけるインスリン分泌機構に影響を及ぼす遺伝子座に変異を有する。最も一般的な変異(約50%~60%)は、KATPチャネルのSUR-1およびKir6.2サブユニットをコードするABCC8およびKCNJ11遺伝子で生じる。他のHI形態は、グルタミン酸デヒドロゲナーゼ(GLUD1)およびグルコキナーゼ(GCK)をコードする遺伝子における活性化変異から生じ、各々はHI集団全体の4%~5%未満を占める。より稀な原因には、肝臓核転写因子4A(HNF4A)、肝臓核転写因子1A(HNF1A)、ヘキソキナーゼ(HK1)、脱共役タンパク質2(UCP2)、短鎖3-OHアシル-CoAデヒドロゲナーゼ(HADH)、およびモノカルボキシレートトランスポーター1(MCT1)をコードする溶質担体ファミリー16メンバー1(SLC16A1)における遺伝子変異が含まれる。いくつかの実施形態では、ヒトは、KATPチャネルのSUR-1およびKir6.2(カリウムチャネル)サブユニット、グルタミン酸デヒドロゲナーゼ(GLUD1)、グルコキナーゼ(GCK)、肝臓核転写因子4A(HNF4A)、肝臓核転写因子1A(HNF1A)、ヘキソキナーゼ(HK1)、脱共役タンパク質2(UCP2)、短鎖3-OHアシル-CoAデヒドロゲナーゼ(HADH)、溶質担体ファミリー16メンバー1(SLC16A1)、モノカルボキシレートトランスポーター1(MCT1)、またはそれらの組合せをコードする、ABCC8およびKCNJll遺伝子に少なくとも1つの変異を含む。
いくつかの実施形態では、対象は、KATPチャネルのSUR-1およびKir6.2(カリウムチャネル)サブユニット、グルタミン酸デヒドロゲナーゼ(GLUD1)、グルコキナーゼ(GCK)、肝臓核転写因子4A(HNF4A)、肝臓核転写因子1A(HNF1A)、ヘキソキナーゼ(HK1)、脱共役タンパク質2(UCP2)、短鎖3-OHアシル-CoAデヒドロゲナーゼ(HADH)、溶質担体ファミリー16メンバー1(SLC16A1)、モノカルボキシレートトランスポーター1(MCT1)、またはそれらの組合せをコードする、ABCC8およびKCNJll遺伝子に少なくとも1つの変異または欠陥を有する。
いくつかの実施形態では、対象は、グルコキナーゼ機能獲得型変異、高アンモニア血症性高インスリン血症HI(グルタミン酸デヒドロゲナーゼ機能獲得変異)、短鎖アシル補酵素Aデヒドロゲナーゼ欠損症、炭水化物欠損糖タンパク質症候群(Jaeken病)、またはベックウィズ-ヴィーデマン症候群を有し、症状の1つがHFを形成する。
いくつかの実施形態では、対象は、ジアゾキシド非応答性HFを有する。
いくつかの実施形態では、対象は、後天性HFを有し、後天性HIは、膵臓インスリノーマ、線維芽細胞症、薬物誘発性HI、またはそれらの組合せを含む。
薬物誘導性HIは、スルホニル尿素薬、アスピリン、ペンタミジン、キニーネ、ジソピラミド、ボルデテラ・ペルツシスワクチンまたは感染症、ならびにD-キロ-イノシトールおよびミオ-イノシトールを含むが、これらに限定されない薬物によって引き起こされる。
いくつかの実施形態では、対象は、低血糖症のための以前の処置に応答しなかった。
ジアゾキシド
いくつかの実施形態では、以前の処置はジアゾキシドを含む。ジアゾキシドは、KATPチャネルを開き、インスリン分泌の阻害をもたらす経口薬であり、高インスリン性低血糖症の唯一のFDA承認治療である。作用機序に起因して、ジアゾキシドは、概して、KATPチャネルにおける変異を有する患者において無効であり、先天性HI集団のほぼ半分を「ジアゾキシド非応答性」にする。先天性HIの他の遺伝的形態は、KATPチャネルの上流のシグナル伝達異常から生じ、通常、ジアゾキシドに応答する。
ジアゾキシドへの応答の失敗は、最大用量でのジアゾキシドの投与の5日後の適切な速さで、年齢中の血糖を≧70mg/dLに維持できないことによって示される。Congenital HI International Global Registryからの2020年の年間報告、すなわち、主要な世界的患者アドボカシーグループによって支持される患者調査から構成される最大の先天的HIレジストリは、ジアゾキシドで処置されて応答性であると見なされる患者の間でさえ、患者の30%が低血糖症を持ち続けることを報告している。ジアゾキシドに抵抗性の患者では、オクトレオチドおよび経腸デキストロースなどの他の薬物療法、ならびに外科的管理が考慮される。
正常血糖を達成することができるジアゾキシドに応答する患者でさえ、副作用は許容できない場合がある。最もよく見られる副作用としては、重度の多毛症(約52%)、利尿剤の同時投与を必要とする体液貯留(約30%)、および克服するために摂食療法サービスをしばしば必要とする摂食嫌悪(約12%)を含む胃腸の副作用が挙げられる。重度のナトリウムおよび体液貯留は、心血管合併症につながる可能性があり、FDAは、ジアゾキシドで処置された乳児および新生児における肺高血圧症を同定した後、2015年に、薬物安全性コミュニケーションを発行し、ジアゾキシドのラベルに新しい注意と警告を含ませた。ある試験では、ジアゾキシドで治療した患者の4.8%が肺高血圧症を経験した。したがって、ジアゾキシドは先天性HIについて承認されているが、医療および患者のコミュニティ全体を通して、「より良好なジアゾキシド」(低血糖症を予防するが、遺伝的病因にかかわらず全ての患者において普遍的に有効である経口療法)が求められている。
ソマトスタチン受容体2アゴニスト
いくつかの実施形態では、以前の処置はソマトスタチン受容体2アゴニストを含む。いくつかの実施形態では、以前の処置はオクトレオチドを含む。オクトレオチドは、KATPチャネルとは独立に2型ソマトスタチン受容体(SST2)を活性化してインスリン分泌を阻害する短時間作用型ソマトスタチンアナログである。オクトレオチドは、1日に複数回の皮下注射によって投与され、最も頻繁にはKATPチャネルにおける変異に起因するジアゾキシド非応答性先天性HIの処置において、オフラベルで使用される。オクトレオチドに対する血糖反応は可変的であり、2~3回の投与後に起こり得るタキフィラキシーまたは脱感作も起こりやすい。したがって、慢性的な使用のためのオクトレオチドは、患者集団の5%~10%においてのみ有効に使用され、経腸デキストロースとの同時投与がしばしば必要とされる。オクトレオチドの使用は、胆石、成長ホルモンおよび甲状腺ホルモンの抑制のリスク、ならびに稀な場合には壊死性腸炎のリスクを伴い、緊密なモニタリングを必要とし、新生児および乳児におけるその使用を制限する。
毎月の長時間作用型SST2アゴニスト、ランレオチドデポーおよびオクトレオチド長時間作用型放出(LAR)のオフラベル使用は、いくらかの患者において、短時間作用型オクトレオチドに取って代わった。長時間作用型SST2アゴニストを投与された患者は、月にわたって変化する血糖プロファイルを有し、高血糖は投与後数日間続くことがあり、低血糖症が次の予定された注射前にしばしば起こる。乳児においていくつかの使用があるが、長時間作用型SST2アゴニストは、望ましくない副作用の場合に取り除くことができず、投与が困難であり、したがって、最も若い患者におけるその広範な使用を制限する。
グルカゴン
いくつかの実施形態では、以前の処置はグルカゴンを含む。グルカゴンは、インスリンの糖新生抑制効果を克服し、低血糖症の診断評価の一部として使用される。グルカゴンは、先天性HIを有する患者の緊急処置および安定化における持続的注入としてオフラベルで使用されており、初期安定化に必要とされる外因性IVデキストロースの量を減少させることができ、高濃度のIVデキストロースを必要とする患者または体液過剰を患う患者に有用である。一般的なグルカゴンのIV製剤は、フィブリルやゲルが形成されやすく、中断すると重篤な低血糖を引き起こす可能性があるため、ラインの閉塞を防ぐために頻繁に監視する必要がある。外因性グルカゴンのIV投与はまた、グルカゴノーマを有する患者に典型的にみられる特徴的な発疹である壊死性遊走性紅斑と関連付けられてきた。
グルカゴンは、先天性HIを有する患者のための低血糖症の外来の緊急処置に残るが、溶液中で不安定であり、筋肉内に送達される前に粉末から再構成されなければならない。インスリンポンプを介して皮下投与される持続性グルカゴンのオフラベル使用は、低血糖症を低減するのに有効であり得るが、グルカゴン繊維形成およびポンプ閉塞の発生は残っており、壊死性遊走性紅斑は依然としてリスクであり、患者における慢性的使用を制限し得る。安定なグルカゴンの新規製剤の開発が進行中であり、長期の安全性および有効性の評価が行なわれている。
補充デキストロース
いくつかの実施形態では、記載される方法は、補充デキストロースで治療される対象に対する必要性を低減する。いくつかの実施形態では、記載される方法は、補充デキストロースを投与する必要がある頻度を低減する。
摂食困難は、患者のほぼ半分で起こり、先天性HIのより重篤な形態と関連付けられる。したがって、低血糖症は、多くの場合、逆流、吸引、および摂食拒否行動の増加をもたらすため、強制摂食で処置されるべきではない。胃内持続デキストロースは、重症の乳児において、単独でまたは他の療法と組合せて血中グルコースを支持するのを助けるために有用であり得る。手術後の低血糖症が高率であることを考慮すると、長期のデキストロースサポートの必要性を予想して、胃切開術チューブは、しばしば、サブトータル膵切除術の時点で留置される。他の療法と組合せた経腸デキストロースの持続時間は、それらの医薬の有効性および頻度によって決定される。
経腸デキストロースは、患者によっては正常血糖の維持を可能にするが、10mgデキストロース/kg/分を超える速度は、高い浸透圧負荷を腸に与え、吸収不良および不耐性を伴い得る。嘔吐および下痢などの有害事象は非常によく見られ、低血糖症は依然として患者の31%もの多くで起こり得る。ポンプの機能不全および切断は、劇的な低血糖症をもたらし、正常な経口摂食行動を維持する重大な課題がしばしば残る。
外科的管理
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の方法は、対象が再発性低血糖症の外科的管理を必要とする可能性を低減する。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の方法は、再発性低血糖症の外科的管理の必要性を遅延させる。膵臓の一部または全体の外科的除去は、積極的な医学的管理に不応性である先天性HIを有する患者にとって必要であり得る。これらの患者は、罹患した膵臓の限局性領域または罹患した臓器全体を有し得るが、HIのびまん性と限局性の形態は臨床的に判別できない。遺伝的試験は先天性HIの診断に要求されないが、多くの場合、患者がジアゾキシド療法に失敗してKATP変異および遺伝モードを同定した後に行われる。父系遺伝性KATP変異は、膵臓の特定の領域において正常な対立遺伝子の母系喪失が存在するという仮定により、限局性疾患がより起こり得ることを示唆する。このことは、放射能の局所的取り込みが罹患膵臓の可視化を可能にし得る場合に18F-DOPA-PETスキャンを用いた特殊化された膵臓イメージングによって支持され得るが、しかし、局所性対びまん性HIの判断のためのゴールドスタンダードは、術中生検の組織学的検査によるものである。
ATP変異を有する患者のおよそ50%は、β細胞腺腫症の限局性の切除により治癒され得る限局性HIを有する。医学的管理に不応性のびまん性HIを有する患者は、多くの場合、総胆管を保存するためにデュオデンム付近の膵臓の小部分が維持される、ほぼ全膵臓切除術(95%~98%)を必要とする。残念ながら、低血糖症は、ほぼ全膵臓摘出術後の患者の半数超に残存し、継続的な薬理学的療法および重篤な場合にはその後の手術を必要とする。しかし、青年期では、ほぼ全部の膵切除を有する患者の90%~100%が、早期青年期までに糖尿病およびインスリン療法に進行する。
投与量および投与
一実施形態では、化合物1またはその薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物は、高インスリン血症(HI)を有するヒトにおける再発性低血糖症の処置のための医薬の調製において使用される。そのような治療を必要とする対象において本明細書に記載の疾患または状態のいずれかを治療するための方法は、少なくとも化合物1またはその薬学的に許容可能な塩、活性代謝物、プロドラッグもしくは薬学的に許容される溶媒和物を治療有効量で含む医薬組成物を対象に投与することを含む。
特定の実施形態において、本明細書中に記載されている化合物を含む組成物は、予防的および/または治療的処置のために投与される。特定の治療用途では、組成物は、疾患または疾病の症状の少なくとも1つを治癒するまたは少なくとも部分的に阻止するのに十分な量で、疾患または疾病を既に患っている患者に投与される。この使用に有効な量は、疾患または疾病の重症度および経過、以前の治療、患者の健康状態、体重、および薬物に対する反応、並びに処置する医師の判断に依存する。治療上有効な量は、限定されないが、用量漸増および/または投与量決定の臨床試験を含む方法によって随意に決定される。
予防上の適用において、本明細書中に記載されている化合物を含む組成物は、特定の疾患、障害、もしくは疾病の影響を受け易く、またはその危険に曝されている患者に投与される。こうした量は「予防的に有効な量または投与量」であると定義される。この用途では、正確な量は患者の容態、体重などによって変わる。患者に使用される際、この使用のための有効な量は、疾患、障害、または疾病の重症度および経過、以前の治療、患者の健康状態および薬物に対する反応、並びに処置する医師の判断に依存する。1つの態様において、予防処置は、疾患または疾病の症状の再発を防ぐために、処置されている疾患の少なくとも1つの症状を以前に経験し且つ現在は寛解状態にある対象に、化合物1またはその薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物を含む医薬組成物を投与することを含む。
患者の疾病が改善されないある実施形態において、患者の疾患または疾病の症状を改善、もしくは制御または制限するために、化合物の投与は、医師の裁量により慢性的に、つまり、患者の生存時間全体を含む長時間の間投与される。
一旦患者の疾病の改善が生じると、必要ならば維持量が投与される。続いて、具体的な実施形態では、投与の用量または頻度、あるいはその両方は、症状に応じて、改善された疾患、障害または疾病が保持されるレベルまで減少される。しかしながら、ある実施形態では、患者は、何らかの症状の再発で、長期間にわたって間欠的処置を必要とする。
このような量に相当する所与の薬剤の量は、特定の化合物、処置を必要とする対象または宿主の疾患状態およびその重症度、アイデンティティ(例えば、体重、性別)などの要因次第で変わるが、それにもかかわらず、例えば投与される特定の薬剤、投与経路、処置される疾病、および処置される対象または宿主を含む症例を取り囲む特定の環境に応じて定めることができる。
しかし、一般的には、成人の処置に利用される化合物1の投与量は典型的に、1日当たり0.01mg~200mgである。一実施形態では、所望の投与量は、単回投与で、あるいは、同時にまたは適切な間隔で投与される分割量で、例えば、1日当たり2、3、4回またはそれ以上のサブ用量として、好適に提供される。
いくつかの実施形態では、化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物は、約0.05mg~約200mgの化合物1に相当する量で投与される。いくつかの実施形態では、化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物は、約0.5mgから約l00mgの化合物1に相当する量で投与される。いくつかの実施形態では、化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物は、約1mgから約50mgの化合物1に相当する量で投与される。
いくつかの実施形態では、化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物は、0.05mg、0.1mg、0.15mg、0.2mg、0.25mg、0.3mg、0.35mg、0.4mg、0.45mg、0.5mg、0.55mg、0.6mg、0.65mg、0.7mg、0.75mg、0.8mg、0.85mg、0.9mg、0.95mg、1.0mg、1.5mg、2.0mg、2.5mg、3.0mg、3.5mg、4.0mg、4.5mg、5.0mg、5.5mg、6.0mg、6.5mg、7.0mg、7.5mg、8.0mg、8.5mg、9.0mg、9.5mg、10.0mg、10.5mg、11.0mg、11.5mg、12.0mg、12.5mg、13.0mg、13.5mg、14.0mg、14.5mg、15.0mg、15.5mg、16.0mg、16.5mg、17.0mg、17.5mg、18.0mg、18.5mg、19.0mg、19.5 mg、または20.0mgの化合物1に相当する量で投与される。
いくつかの実施形態では、化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物は、少なくとも約0.05mg、0.1mg、0.15mg、0.2mg、0.25mg、0.3mg、0.35mg、0.4mg、0.45mg、0.5mg、0.55mg、0.6mg、0.65mg、0.7mg、0.75mg、0.8mg、0.85mg、0.9mg、0.95mg、1.0mg、1.5mg、2.0mg、2.5mg、3.0mg、3.5mg、4.0mg、4.5mg、5.0mg、5.5mg、6.0mg、6.5mg、7.0mg、7.5mg、8.0mg、8.5mg、9.0mg、9.5mg、10.0mg、10.5mg、11.0mg、11.5mg、12.0mg、12.5mg、13.0mg、13.5mg、14.0mg、14.5mg、15.0mg、15.5mg、16.0mg、16.5mg、17.0mg、17.5mg、18.0mg、18.5mg、19.0mg、19.5mg、または20.0mgの化合物1の投与量で投与される。
いくつかの実施形態では、化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物は、最大で約0.05mg、0.1mg、0.15mg、0.2mg、0.25mg、0.3mg、0.35mg、0.4mg、0.45mg、0.5mg、0.55mg、0.6mg、0.65mg、0.7mg、0.75mg、0.8mg、0.85mg、0.9mg、0.95mg、1.0mg、1.5mg、2.0mg、2.5mg、3.0mg、3.5mg、4.0mg、4.5mg、5.0mg、5.5mg、6.0mg、6.5mg、7.0mg、7.5mg、8.0mg、8.5mg、9.0mg、9.5mg、10.0mg、10.5mg、11.0mg、11.5mg、12.0mg、12.5mg、13.0mg、13.5mg、14.0mg、14.5mg、15.0mg、15.5mg、16.0mg、16.5mg、17.0mg、17.5mg、18.0mg、18.5mg、19.0mg、19.5mg、または20.0mgの化合物1の投与量で投与される。
一実施形態において、本明細書に記載される化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物の化合物に適切な一日用量は、体重1kgにつき約0.01から約50mg/kgである。いくつかの実施形態において、剤形中の有効成分の一日用量は、個々の処置レジメンに関する多くの変数に基づいて、本明細書に示される範囲より低くなるかまたはより高くなる。様々な実施形態において、一日用量および単位用量は、限定されないが、使用される化合物の活性、処置される疾患または疾病、投与の様式、個々の被験体の必要条件、処置されている疾患または疾病の重症度、および開業医の判断を含む、多くの変数に依存して変更される。
いくつかの実施形態では、化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物は、約0.01mg/kg~約50mg/kgの化合物1に相当する一日用量で投与される。いくつかの実施形態では、化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物は、約0.05mg/kg~約10mg/kgの化合物1に相当する一日用量で投与される。いくつかの実施形態では、化合物l、またはその薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物は、約0.1mg/kg~約5.0mg/kgの化合物1に相当する一日用量で投与される。いくつかの実施形態では、化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物は、約0.5mg/kg~約2.0mg/kgの化合物1に相当する一日用量で投与される。
いくつかの実施形態では、化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物は、約0.05mg/kg、0.1mg/kg、0.15mg/kg、0.2mg/kg、0.25mg/kg、0.3mg/kg、0.35mg/kg、0.4mg/kg、0.45mg/kg、0.5mg/kg、0.55mg/kg、0.6mg/kg、0.65mg/kg、0.7mg/kg、0.75mg/kg、0.8mg/kg、0.85mg/kg、0.9mg/kg、0.95mg/kg、1.0mg/kg、1.1mg/kg、1.2mg/kg、1.3mg/kg、1.4mg/kg、1.5mg/kg、1.6mg/kg、1.7mg/kg、1.8mg/kg、1.9mg/kg、2.0mg/kg、2.25mg/kg、2.5mg/kg、2.75mg/kg、3.0mg/kg、3.25mg/kg、3.5mg、3.75mg/kg、4.0mg/kg、4.25mg/kg、4.5mg/kg、4.75mg/kg、5.0mg/kg、5.5mg/kg、6.0mg/kg、6.5mg/kg、7.0mg/kg、7.5mg/kg、8.0mg/kg、8.5mg/kg、9.0mg/kg、9.5mg/kg、または10.0mg/kgの化合物1に相当する量の一日用量で投与される。
いくつかの実施形態では、化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物は、少なくとも約0.05mg/kg、0.1mg/kg、0.15mg/kg、0.2mg/kg、0.25mg/kg、0.3mg/kg、0.35mg/kg、0.4mg/kg、0.45mg/kg、0.5mg/kg、0.55mg/kg、0.6mg/kg、0.65mg/kg、0.7mg/kg、0.75mg/kg、0.8mg/kg、0.85mg/kg、0.9mg/kg、0.95mg/kg、1.0mg/kg、1.1mg/kg、1.2mg/kg、1.3mg/kg、1.4mg/kg、1.5mg/kg、1.6mg/kg、1.7mg/kg、1.8mg/kg、1.9mg/kg、2.0mg/kg、2.25mg/kg、2.5mg/kg、2.75mg/kg、3.0mg/kg、3.25mg/kg、3.5mg、3.75mg/kg、4.0mg/kg、4.25mg/kg、4.5mg/kg、4.75mg/kg、5.0mg/kg、5.5mg/kg、6.0mg/kg、6.5mg/kg、7.0mg/kg、7.5mg/kg、8.0mg/kg、8.5mg/kg、9.0mg/kg、9.5mg/kg、または10.0mg/kgの化合物1の一日用量で投与される。
いくつかの実施形態では、化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物は、最大で約0.05mg/kg、0.1mg/kg、0.15mg/kg、0.2mg/kg、0.25mg/kg、0.3mg/kg、0.35mg/kg、0.4mg/kg、0.45mg/kg、0.5mg/kg、0.55mg/kg、0.6mg/kg、0.65mg/kg、0.7mg/kg、0.75mg/kg、0.8mg/kg、0.85mg/kg、0.9mg/kg、0.95mg/kg、1.0mg/kg、1.1mg/kg、1.2mg/kg、1.3mg/kg、1.4mg/kg、1.5mg/kg、1.6mg/kg、1.7mg/kg、1.8mg/kg、1.9mg/kg、2.0mg/kg、2.25mg/kg、2.5mg/kg、2.75mg/kg、3.0mg/kg、3.25mg/kg、3.5mg、3.75mg/kg、4.0mg/kg、4.25mg/kg、4.5mg/kg、4.75mg/kg、5.0mg/kg、5.5mg/kg、6.0mg/kg、6.5mg/kg、7.0mg/kg、7.5mg/kg、8.0mg/kg、8.5mg/kg、9.0mg/kg、9.5mg/kg、または10.0mg/kgの化合物1に一日用量で投与される。
こうした治療レジメンの毒性および治療の有効性は、限定されないが、LD50とED50の決定を含む、細胞培養または実験動物における標準的な製薬手順によって決定される。毒性と治療効果との間の用量比が治療指数であり、これはLD50とED50との間の比率として表される。ある実施形態では、細胞培養アッセイと動物研究から得られたデータが、ヒトを含む対象に使用するための治療上有効な一日用量範囲および/または治療上有効な単位用量を製剤化することにおいて使用される。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される化合物の毎日の投与量は、最小限の毒性のED50を含む血中濃度の範囲内にある。ある実施形態では、一日用量範囲および/または単位用量は、使用される剤形および利用される投与経路に依存して、この範囲内で変動する。
前述の態様のいずれかにおいて、さらなる実施形態では、化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物の有効量は、(a)対象に全身投与される、および/または(b)対象に経口投与される、および/または(c)対象に静脈内投与される。いくつかの実施形態では、化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物は、経口投与される。
前述の態様のいずれかにおいて、さらなる実施形態では、化合物の有効量の単回投与を含み、(i)化合物は1日1回投与されるか、または(ii)化合物は1日のスパンにわたって対象に複数回投与される、さらなる実施形態を含んでいる。いくつかの実施形態では、化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物は、毎日投与される。
前述の態様のいずれかにおいて、有効量の化合物の複数回投与を含むさらなる実施形態があり、該実施形態において、(i)化合物が単回投与量として連続的または断続的に投与される、(ii)複数回投与の間隔が6時間ごとである、(iii)化合物が8時間ごとに対象に投与される、(iv)化合物が12時間ごとに対象に投与される、(v)化合物が24時間ごとに対象に投与される、さらなる実施形態を含む。さらなるまたは代替的な実施形態において、方法は、休薬期間を含み、ここで、化合物の投与は一時的に中断されるか、または投与されている化合物の量は、一時的に減らされ、休薬期間の終わりに、化合物の投与が再開される。1つの実施形態において、休薬期間の長さは2日から1年と様々である。
併用治療
ある例では、少なくとも化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物を、1以上の他の治療薬と組合せて投与することが、適切である。
一実施形態では、本明細書に記載される化合物の1つの治療効果は、アジュバントの投与により増強される(すなわち、アジュバントはそれ自体では最小限の治療的有用性しか有していないが、別の治療剤と組合せると、患者に対する総合的な治療的有用性が増強される)。あるいは、いくつかの実施形態では、患者が受ける効果は、本明細書に記載される化合物の1つを、同様に治療効果を有する別の薬剤(これは治療レジメンも含む)とともに投与することによって増加される。
1つの特異的な実施形態において、化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物は、第2の治療薬と同時投与され、ここで化合物1の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物、および第2の治療薬は、処置される疾患、障害、または疾病の異なる態様を調節し、それにより、いずれかの治療薬単独の投与よりも大きな総合的な利益をもたらす。
どんな場合でも、処置されている疾患、障害、または疾病にかかわらず、患者が経験する全体的な利益は、2つの治療薬の単なる足し合わせであるか、あるいは、患者は相乗的な利益を経験するがある。
本明細書中に記載されている併用療法に関して、同時投与化合物の用量は、併用される薬、利用される特定の薬、処置される疾患または疾病などによって異なる。さらなる実施形態では、1つ以上の他の治療剤と同時投与されたときに、本明細書に提供される化合物は、1つ以上の他の治療剤と同時に、または連続してのいずれかで投与される。
併用療法において、多数の治療剤(その一つは、本明細書中に記載されている化合物の一つである)は、任意の順で、または同時に投与される。投与が同時である場合、複数の治療剤は、ほんの一例として、単一の統一した形態で、または複数の形態で(例えば、単一の丸剤、または2つの別個の丸剤として)提供される。
化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物、同様に併用治療薬は、疾患または疾病の発症前、その最中、またはその後に投与され、化合物を含有する組成物の投与のタイミングは変動する。したがって、一実施形態では、本明細書に記載される化合物は、疾患または疾病の発症を防ぐために予防薬として使用され、疾患または疾病にかかる傾向のある被験体に継続的に投与される。別の実施形態では、化合物および組成物は、症状の発症の間にまたはその後できるだけすぐに対象に投与される。具体的な実施態様において、本明細書に記載される化合物は、疾患または状態の発症が検出または疑われた後に実行可能になるとすぐに、および該疾患の治療に必要な時間の間、投与される。いくつかの実施形態では、処置に必要とされる長さは変動し、処置の長さは、各対象の特定の必要性に適合するように調整される。
医薬組成物
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の化合物は、医薬組成物に製剤化される。薬学的組成物は、薬学的に使用される調製物への活性化合物の処理を容易にする1つ以上の薬学的に許容される不活性成分を使用して、従来の様式で製剤化される。適切な製剤は、選択される投与経路に依存する。本明細書に記載される医薬組成物の概要は、例えば、Remington: The Science and Practice of Pharmacy, Nineteenth Ed(Easton, Pa. : Mack Publishing Company, 1995); Hoover, John E., Remington’s Pharmaceutical Sciences, Mack Publishing Co., Easton, Pennsylvania 1975; Liberman, H.A. andLachman, L., Eds., Pharmaceutical Dosage Forms, Marcel Decker, New York, N. Y., 1980;およPharmaceutical Dosage Forms and Drug Delivery Systems, Seventh Ed.(Lippincott Williams & Wilkins1999)に見られ、そのような開示について、参照により本明細書に組み込まれる。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の化合物は、医薬組成物において、単独で、または薬学的に許容可能な担体、賦形剤もしくは希釈剤と組合せて投与される。本明細書に記載の化合物および組成物の投与は、作用部位への化合物の送達を可能にする任意の方法によって行うことができる。これらの方法は、経口投与を含む。
いくつかの実施形態では、経口投与に適した医薬組成物は、予め決められた量の有効成分を各々含有しているカプセル剤、カシェ剤、または錠剤などの個別の単位として;粉末または顆粒として;水性液または非水性の液体中の溶液または懸濁液として;あるいは、水中油型エマルションまたは油液中の油中水型エマルションとして提示される。いくつかの実施形態では、有効成分は、ボーラス剤(bolus)、舐剤あるいはペースト剤として提供される。
経口で使用することができる医薬組成物は、錠剤、ゼラチンで作られた押し込み型カプセルの他に、ゼラチンで作られたソフト密閉カプセル、およびグリセロールまたはソルビトールなどの可塑剤を含む。錠剤は、随意に1つ以上の副成分とともに、圧縮または成形によって作られてもよい。圧縮錠剤は、随意に結合剤、不活性希釈剤、平滑剤、表面活性剤または分散剤と混合して、粉末または顆粒などの自由流動形態で有効成分を適切な機械で圧縮することによって調製され得る。湿製錠剤は、不活性な液体希釈剤で湿らせた粉末化合物の混合物を適切な機械で成形することによって作られ得る。いくつかの実施形態では、錠剤はコーティングされるかスコア化され、製剤されることで、その中の有効成分の遅延放出または制御放出をもたらす。経口投与のためのすべての製剤はこうした投与に適した量でなければならない。押し出し型のカプセル剤は、ラクトースなどの充填剤、デンプンなどの結合剤、および/または滑石またはステアリン酸マグネシウムなどの滑沢剤、および随意に安定化剤と組合せて活性成分を含むことができる。ソフトカプセル剤において、活性化合物は、脂肪油、流動パラフィン、または液体のポリエチレングリコールなどの、適切な液体中に溶解または懸濁され得る。いくつかの実施形態では、安定剤が加えられる。糖衣錠コアは適切なコーティングと共に提供される。この目的のために、濃縮した糖溶液が使用されてもよく、これは随意に、アラビアゴム、滑石、ポリビニルピロリドン、カーボポールゲル、ポリエチレングリコール、および/または二酸化チタン、ラッカー溶液、および適切な有機溶媒または溶媒混合液を含有し得る。染料または色素は、識別のために、または活性化合物の投与量の様々な組合せを特徴付けるために、錠剤またはドラゼーコーティングに加えられ得る。
特に上記で言及した成分に加えて、本明細書に記載される化合物及び組成物が、問題の製剤の種類を考慮する当該技術分野における従来の他の薬剤を含み、例えば、経口投与に適したものは香味料を含み得ることを、理解されたい。
特定の用語
他に明記のない限り、本出願で使用される以下の用語は、以下に与えられる定義を有する。用語「含む(including)」に加えて、「含む(include)」、「含む(includes)」、および「含んだ(included)」などの他の形態の使用は、限定的なものではない。 本明細書で使用されるセクションの見出しは、単に構成上の目的のために付したものであり、記載される発明特定事項を制限するものと解釈されるべきではない。
本明細書と特許請求の範囲で使用するとき、「a」、「an」、および「the」は、前後関係から明らかでない限り複数形を含む。例えば、「試料」という用語は、複数の試料を含み、その混合物も含む。
本明細書において用いられるように、用語「約」数字は、その数字のプラスマイナス10%の数字を指す。「約」という用語が付く範囲は、最低値のマイナス10%と最大値のプラス10%の範囲を表す。
「判定すること(determining)」、「測定すること(measuring)」、「評価すること(evaluating)」、「精査すること(assessing)」、「アッセイすること(assaying)」、および「解析すること(analyzing)」という用語は、しばしば本明細書中で互換的に使用され、測定の形式を表すことができる。これらの用語は、ある要素が存在するか否かを判定(例えば検出)することを含む。このような用語は、定量的、定性的、または定量的かつ定性的な決定を含み得る。精査は、相対的または絶対的とすることができる。「の存在を検出すること」は、コンテキストに応じて、存在するものの量を判定することに加えて、それが存在するか否かを判定することも含む可能性がある。
本明細書で使用されるように、製剤、組成物、または成分に関して、用語「許容可能な」は、処置を受ける被験体の全般的な健康に対し、持続的な有害効果を及ぼさないことを意味する。
用語「調節する」は、本明細書で使用されるように、標的の活性を変化させるために標的と直接的または間接的に相互作用することを意味する。標的の活性の変化には、ほんの一例ではあるが、標的の活性の増強、標的の活性の阻害、標的の活性の制限、または標的の活性の拡大が含まれる。
用語「モジュレーター」は、本明細書に用いられるように、標的と直接的または間接的のどちらかで相互作用する分子を表す。相互作用は、限定されないが、アゴニスト、部分アゴニスト、インバースアゴニスト、アンタゴニスト、分解剤(degrader)、またはそれらの組合せの相互作用を含む。いくつかの実施形態では、モジュレーターはアゴニストである。
本明細書で使用されるような用語「投与する(administer)」、「投与する(administering)」、「投与(administration)」などは、生物学的作用の望ましい部位への化合物または組成物の送達を可能にするために使用され得る方法を指す。これらの方法は、限定されないが、経口経路、十二指腸内経路、非経口注入(静脈内、皮下、腹腔内、筋肉内、血管内、または点滴を含む)、局所投与、および直腸投与を含む。当業者は、本明細書に記載される化合物および方法を用いて使用され得る投与技術に精通している。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される化合物および組成物は、経口で投与される。
用語「同時投与」などは、本明細書で使用されるように、一人の患者への選択された治療剤の投与を包含することを意味するとともに、同じまたは異なる経路によって、あるいは同じまたは様々な時間に薬剤が投与される処置レジメンを含むことを意図している。
用語「有効な量」または「治療上有効な量」は、本明細書に用いられるように、処置される疾患または疾病の1以上の症状をある程度和らげる、投与される薬剤または化合物の十分な量を表す。結果は、疾患の徴候、症状、または原因の減少および/または緩和、あるいは生体系の他の所望の変化を含む。例えば、治療用途のための「有効な量」は、疾患症状の臨床的に有意な減少をもたらすのに必要とされる、本明細書に開示されるような化合物を含む組成物の量である。個々のケースでの適切な「有効な」量は、用量漸増試験などの技術を使用して随意に決定される。
用語「増強する(enhannce)」又は「増強している(enhancing)」は、本明細書で使用されるように、効力又は持続時間のいずれかにおいて、望ましい効果を増加又は延長することを意味する。従って、治療薬の効果を増強することに関して、用語「増強すること」は、効力または持続時間のいずれかで、系に対する他の治療薬の効果を増加または延長する能力を指す。「増強させる有効な量」は、本明細書で使用されるように、所望の系において別の治療薬の効果を増強するのに十分な量を指す。
本明細書で使用されるような用語「薬学的な組合せ」とは、1つを超える活性成分の混合または組合せに起因し、活性成分の組合せを固定した組合せと固定しない組合せの両方を含む製品を意味する。用語「固定された組合せ」は、有効成分、例えば、式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、および助剤が、単一の実体または用量の形態で同時に患者に両方とも投与されることを意味する。用語「固定されていない組合せ」は、有効成分、例えば、本明細書にされる式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、および助剤が、特定の介在する時間制限なく、同時に、同時発生的に、また連続して、別々の実体として患者に投与されることを意味し、こうした投与は、患者の身体に有効レベルの2つの化合物を提供する。後者の用語はカクテル療法、例えば、3以上の活性成分の投与にも適合する。
「製品」および「キット」との用語は、同義語として使用される。
「対象」または「患者」という用語は、哺乳動物を包含する。哺乳動物の例は、限定されないが、哺乳動物のクラスの任意のメンバーを含んでいる:ヒト、チンパンジーのようなヒト以外の霊長類、および他の類人猿並びにサル類;ウシ、ウマ、ヒツジ、ヤギ、ブタなどの家畜;ウサギ、イヌ、およびネコなどの飼育動物;ラット、マウスおよびモルモットなどの、げっ歯類を含む実験動物を含む。1つの態様では、哺乳動物はヒトである。
本明細書で使用されるような用語「処置する(treat)」、「処置すること(treating)」または「処置(treatment)」は、予防的におよび/または治療的に、疾患または疾病の少なくとも1つの症状を緩和、軽減、或いは改善すること、追加の症状を予防すること、疾患または疾病を阻害すること、例えば、疾患または疾病の進行を妨げること、疾患または疾病を軽減すること、疾患または疾病の退行を引き起こすこと、疾患または疾病によって引き起こされた状態を軽減すること、或いは疾患または疾病の症状を止めることを含む。
本出願の全体にわたり、様々な実施形態が範囲の形式で提示されてよい。範囲の形式にある記載は、単に利便性と簡潔性のためのものであり、本開示の範囲に対する確固たる制限として解釈されるべきでないことを理解されたい。したがって、範囲の記載は、起こり得るすべての部分範囲、同様にその範囲内の個々の数値を具体的に開示したものと考慮されねばならない。例えば、1~6などの範囲の記載は、1~3、1~4、1~5、2~4、2~6、3~6といった、具体的に開示された部分範囲のほか、その範囲内にある個々の数、例えば1、2、3、4、5、および6を有すると考慮する必要がある。これは、範囲の広さにかかわらず適用される。
本明細書で使用されるセクションの見出しは、単に構成上の目的で付したものであり、記載される発明特定事項を制限するものと解釈されるべきではない。
以下の実施例は、例示の目的でのみ含まれ、本発明の範囲を限定することを意図したものではない。
実施例1:SSTRアッセイ
膜の調製:
ヒトまたはげっ歯類ソマトスタチン受容体サブタイプの1つを安定的に発現するチャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞から5つの粗製膜断片を調製する。細胞を、標準的な組織培養皿上で、添加剤(10%ウシ胎仔血清(Gibco)、100U/mLペニシリン(Gibco)、100ug/mLストレプトマイシン(Gibco)、10mM HEPES(Gibco)、0.5mg/mLG-418(Gibco)を含むDM-MEM増殖培地(Gibco))中で85~100%コンフルエンスまで増殖させる。膜を調製するために、細胞を10mM HEPES(Gibco)を含有する1×ダルベッコリン酸緩衝生理食塩水(Gibco)で1回洗浄し、次いでナトリウムフリー結合緩衝液(50mM TrisBase、5mM MgCl-6H0および1mM EGTAをpH7.8に調整した)で1回洗浄する。次いで、細胞を、プロテアーゼ阻害剤カクテル(100μg/mLペプスタチンA(Sigma)、50μg/mLロイペプチン(Sigma)、25μg/mLアプロチニン(Sigma)および10mg/mLバシトラシン(CiSB Corporation))を含有する結合緩衝液中に掻き取る。細胞を43,500×gで遠心分離し、ホモジナイズし、得られた膜を67,000×gでの遠心分離によって収集する。次いで、ガラスダンスホモジナイザーを使用して、プロテアーゼ阻害剤カクテルを含有する結合緩衝液中に膜を再懸濁させる。
機能アッセイ
概要:5つのSSTRサブタイプはすべて、アゴニストによって活性化されると細胞内環状AMP(cAMP)の減少をもたらすGi共役Gタンパク質共役受容体(GPCR)である。したがって、細胞内cAMPレベルの測定を使用して、本発明の化合物がSSTRサブタイプのアゴニストであるかどうかを評価することができる(John Kelly, Troy Stevens, W. Joseph Thompson, and Roland Seifert, Current Protocols in Pharmacology, 2005,2.2.1-2.2)。細胞内cAMPアッセイの一例を以下に記載する。
SST2RについてのcAMPアッセイ:
アッセイの4日前に、ヒトソマトスタチン受容体サブタイプ2を安定的に発現する5,000個のチャイニーズハムスター卵巣細胞(CHO-K1、ATCC#CCL-61)を、96ウェル組織培養処理プレートの各ウェル内の、10%ドナーウシ血清(Gemini Bio-Products #100-506)、100U/mLのペニシリン、100ug/mLストレプトマイシン、2mM L-グルタミン(ジェミニ・バイオ-プロダクツ#400-110)および0.2mg/mLハイグロマイシンB(GoldBio#31282-04-9)を添加したHam’s F12増殖培地(Therm oFisher#10-080-CM)中に播種する。細胞を37℃、5%COおよび95%湿度で培養する。アッセイの日に、培地を吸引し、細胞を50μLの1.6mM NKH477(Sigma #N3290)とアッセイ緩衝液[1xハンクス平衡塩類溶液(ThermoFisher#SH3058802)、0.5mM HEPES pH7.4、0.1%ウシ血清アルブミン、0.2mM 3-イソブチル-1-メチルキサンチン(IBMX, VWR #200002-790)]中の本発明の化合物の様々な希釈液で処理する。細胞を37℃で20分間インキュベートする(本発明の化合物の最終濃度は、典型的には0~10,000nMである)。細胞を50μLの溶解緩衝液(HRTF cAMPキット、Cisbio)で処理する。溶解物を384ウェルプレートに移し、cAMP検出および可視化抗体を添加し、室温で1~24時間インキュベートする。時間分解蛍光シグナルをTecan M1000Proマルチプレートリーダーで読み取る。細胞内cAMP濃度を標準曲線への回帰によって計算し、本発明の化合物の濃度に対してプロットし、標準方法を用いて化合物のEC50を計算する。全てのデータ操作は、GraphPad Prism v6またはv7の中で行なう。
SST5RについてのcAMPアッセイプロトコル:
アッセイの4日前に、ヒトソマトスタチン受容体サブタイプ5を安定的に発現する2,000個のチャイニーズハムスター卵巣細胞(CHO-K1、ATCC#CCL-61)を、96ウェル組織培養処理プレートの各ウェルの中の、10%ドナーウシ血清(ジェミニ・バイオ-プロダクツ#100-506)、100U/mLのペニシリン、100pg/mLストレプトマイシン、2mM L-グルタミン(ジェミニ・バイオ-プロダクツ#400-110)および0.25mg/mL G418硫酸(GoldBio#108321-42-2)を添加したHam’s F12増殖培地(ThermoFisher#10-080-CM)中に播種する。細胞を37℃、5%COおよび95%湿度で培養する。アッセイの日に、培地を吸引し、細胞を50μLの1.6pMNKH477(Sigma #N3290)とアッセイ緩衝液[1xハンクス平衡塩類溶液(ThermoFisher#SH3058802)、0.5mM HEPES pH7.4、0.1%ウシ血清アルブミン、0.2mM 3-イソブチル-1-メチルキサンチン(IBMX、VWR#200002-790)]中の本発明の化合物の様々な希釈液で処理する。細胞を37℃で20分間インキュベートする(本発明の化合物の最終濃度は、典型的には0~10,000nMである)。細胞を50μLの溶解緩衝液(HRTF cAMPキット、Cisbio)で30分間処理し、次いで溶解物をアッセイ緩衝液で250μLに希釈する。溶解物を384ウェルプレートに移し、cAMP検出および可視化抗体を添加し、室温で1~24時間インキュベートする。時間分解蛍光シグナルをTecan M1000Proマルチプレートリーダーで読み取る。細胞内cAMP濃度を標準曲線への回帰によって計算し、本発明の化合物の濃度に対してプロットし、標準方法を用いて化合物のEC50を計算する。全てのデータ操作は、GraphPad Prism v6またはv7で行なう。
化合物の例示的な生物学的活性を、ヒトSST受容体を介したcAMP活性の阻害を評価することにより、以下の表に実証する。
表1は、ヒトSST5受容体およびヒトSST2受容体を介したcAMP活性の阻害を評価することによる、化合物1のSST2受容体対SST5受容体についての例示的な生物学的選択性を示す。
実施例2:肝ミクロソーム安定性アッセイプロトコル:
対象の化合物のインビトロ安定性を、プールされた雄および雌のヒト、プールされた雄のSprague-Dawleyラット、プールされた雄のカニクイザル、およびプールされた雄のBeagleイヌ肝ミクロソームを使用して、ミクロソームタンパク質濃度0.5mg/mLで、様々な種について求めた。インキュベーションは、リン酸カリウム緩衝液(50mM)中で行った。NADPH生成系は、全ての実験について、NADP+(1mM)、塩化マグネシウム(3mM)、EDTA(1mM)、グルコース-6-ホスフェート(5mM)およびグルコース-6-ホスフェートデヒドロゲナーゼ(1単位/mL)から構成されていた。DMSO/アセトニトリル中の目的の化合物を添加して、1mM(最終DMSO含有量は0.1%v/vであり、最終アセトニトリル含有量は0.9%であった)の最終インキュベーション濃度を達成した。最終インキュベーション体積は400μLであった。37℃で0、5、10、20、40、および60分間、振盪水浴中でインキュベーションを行い、50μLのインキュベーション混合物を取り出し、100μLの内部標準物質を含有する氷冷アセトニトリルに加えることによって終了した。3500rpmおよび4℃で30分間の遠心分離で沈殿させ、続いて、多重反応モニタリング(MRM)LC-MS/MS法を使用して、得られた上清中の試験および内部標準の化合物を分析した。各分析物についてMS条件を最適化した。目的の化合物の枯渇速度を測定し、半減期、スケーリングされた固有クリアランス、および予測されたスケーリングされた全身クリアランスの計算を、このデータを使用して行った。
実施例3:げっ歯類における高インスリン血症の遺伝モデル
げっ歯類における高インスリン血症の遺伝子モデル、具体的にはSUR1-/-マウスモデルにおける本明細書に記載の選択的ソマトスタチンサブタイプ(sst5)アゴニストの効果を評価する代表的なアッセイを記載する。SUR1-/-マウスは、HIの最も一般的で重篤な遺伝的形態であるKATP先天性高インスリン血症(HI)の重要な病態生理学的特徴を再現する。SUR1-/-マウスは、対照野生型と比較して、空腹時に有意に高い低血糖症性であり、グルコース負荷時に有意に高い高血糖性である。絶食後の血漿中グルコースレベルに対する本明細書に記載のソマトスタチンサブタイプ(sst5)アゴニストの経口投与の効果の評価を以下に記載する。
インビボ実験:
SUR1-/-マウスおよび野生型マウスに、本明細書に記載のソマトスタチンサブタイプ(sst5)アゴニストを30mg/Kg/日の用量で1週間投与する。空腹時血漿中グルコース、インスリン、およびβ-ヒドロキシ酪酸濃度を、ベースラインでの16時間の絶食後および処置の1週間後に測定する。グルコースおよびインスリン耐性試験を処置期間中に行う。
試料サイズ:SUR1-/-マウスにおける平均空腹時血漿中グルコースレベルは59.4+/-5.0mg/dLである。群当たり5匹のマウスでは、処置対対照処置SUR1-/-マウス(アルファ0.05を使用)における空腹時血漿中グルコースレベルの20%の差(レベルを正常範囲にすることに等しい)を検出する90%を超える能力がある。
処置群:(1)本明細書に記載される化合物;(2)選択的ソマトスタチン2アゴニスト;および(3)プラセボ。
遺伝子型群:(1)SUR1-/-マウス;(2)野生型マウス
実験手順:
絶食評価:空腹時血漿中グルコースを16時間絶食後に測定する。血漿中グルコースおよびβ-ヒドロキシブチレートレベルを、手持ち式グルコースメーター(Nova Stat Strip glucose meters)によって、尾部ニック(1つのニックのみが必要である)から得られた血液中でチェックし、および15マイクロリットルの血液を採取してインスリンレベルを測定する。
腹腔内耐糖能試験:一晩絶食させた後、マウスにグルコース(2g/kg)を腹腔内投与する。血漿中グルコースおよびインスリン濃度をベースラインおよび30分毎に2時間測定する。15マイクロリットルの血液/時点を得て、インスリンレベルを測定する。
インスリン耐性試験:
6時間絶食させた後、マウスにインスリン(1単位/kg)を腹腔内注射する。グルコース濃度をベースラインで10分毎に30分間、またはマウスが低血糖症状態に達するまで、次いで30分毎に2時間測定する。
インビトロ実験:
インスリン分泌に対する本明細書に記載のソマトスタチンサブタイプ(sst5)アゴニストまたは選択的ソマトスタチン2アゴニストの直接効果を、野生型およびSUR1-/-マウス由来の単離膵島において試験する。膵臓摘出術を受けたKATPHI患者および健康なヒトボランティアから単離された膵島においても、化合物の直接的な効果を試験する。
バッチインキュベーション:96ウェルプレートフォーマットにおいて各条件の4複製を含むウェルごとに5つの膵島を研究に使用する。膵島を、4つの濃度のグルコース(0、5、10および25mM)またはアミノ酸の混合物(0、2、4および10mM)に、4つの濃度の2つの化合物(本明細書に記載されるソマトスタチン亜型(sst5)アゴニスト、ソマトスタチン2アゴニスト)の非存在下または存在下で曝露する。インスリン分泌に対する化合物の効果および有効用量は、これらの実験後に得られる。
細胞質カルシウム測定:細胞質カルシウム([Ca2+)動態を、カルシウム指示薬としてFura-2を使用して評価する;野生型またはSUR1-/-マウスから単離した膵島をグルコースおよびアミノ酸に曝露する。[Ca2+動態に対する化合物の効果を直接評価する。
膵島灌流:バッチインキュベーションおよびカルシウム測定の後、化合物の有効濃度を決定する。インスリン分泌動態に対する有効用量のこれらの化合物の効果を灌流膵島において評価する。
ATPHIヒト膵島:化合物はまた、KATPHIヒト膵島で試験される。膵島は、膵切除を受けたKATPHIを有する患者からの外科的標本から単離される。KATPHIは、化合物の非存在下または存在下でアミノ酸およびグルコース刺激に応答して灌流される。[Ca2+動態も試験する。
実施例4:ヒト膵島薬理学
3人の健康な成人ドナー(Prodo Labs,Aliso Viejo,CA)由来のヒト膵島におけるインスリンおよびグルカゴン分泌に対する化合物1の活性を、同じ膵島調製物から異なる刺激に応答するインスリンおよびグルカゴンの動的測定を可能にする灌流システムを使用して評価した。具体的には、グルコースに刺激された、およびスルホニル尿素(トルブタミド)に刺激されたインスリン分泌、ならびにアルギニンに刺激されたグルカゴン分泌に対する効果を調べ、最大有効濃度のジアゾキシドのものと比較した。膵島を、5%ヒトAB血清(Prodo Labs #PIM-ABS001GMP)、1%グルタミン-グルタチオン(ProdoLabs #PIM-G001GMP)およびアンホテリシンBの抗生物質カクテルを補充した培養培地(Prodo Labs#PIM-S001GMP)中に回収して、シプロフラキシンおよびゲンタマイシン(Prodo Labs #PIM-3X001GMP)を10cmの非処理組織培養皿(Thomas Scientific #1182M59)に1500~3000膵島当量(IEQ)の密度で播種した。膵島を37℃、5%COおよび95%湿度で20時間培養した。動的インスリン分泌アッセイは、Peri5(Biorep Technologies,FL.)灌流システムを使用して実施した。3mM(G3)グルコースまたは16.7mM(G16.7)グルコース(Boston BioProducts #BM-675)、あるいは16.7mMグルコースと100mMトルブタミド(Sigma #T0891;G16.7+Tolb)を灌流緩衝液PB=[24mM NaHCO(Fisher Scientific #S233-500),120mM NaCl(Spectrum Chemical #S0155),4.8mM KCl(Fisher Scientific #P217-500),2.5mM CaCl(Fisher Scientific #C614-500),1.2mM MgCl(Sigma #M8266),10mM HEPES(Gibco #15630-080)および0.1%BSA(EMD Millipore #12675-100GM)]中に調製した。様々な濃度の化合物1およびジアゾキシド(Sigma #D9035)をG16.7またはG16.7+Tolb中に調製した。アッセイの日に、150IEQを各灌流チャンバ(Biorep #Peri-チャンバ)に分注した。10個のチャンバにビーズ懸濁液(Biorep #Peri-beads-20)を充填し、続いて150IEQ、そしてビーズ懸濁液の別の層を充填した。チャンバをPBで満たし、灌流装置に置き、63分間G3で平衡化し(流速=283μL/分)、続いて表2に示すインスリン分泌のための灌流のステップを行った。複製された上記条件からの灌流液を96ウェルプレート(Fisher Scientific#12-565-368)に収集し、インスリン分析のために-80℃で保存した。市販のMercodia Insulin ELISA(Mercodia #10-1113-10)キットを用いてインスリン濃度を定量した。灌流液試料を、供給された糖尿病試料緩衝液(Mercodia#10-1195-01)で希釈し、供給されたプレコートアッセイプレートに添加した。一連の試薬添加および洗浄を、製造業者の指示に従って行った。各ウェルの光学密度を、Tecan M1000Pro(Tecan,スイス)マルチプレートリーダーにおいて450nmで決定した。インスリン濃度は、GraphPad Prism(GraphPad、カリフォルニア州サンディエゴ)を使用して標準曲線への回帰によって計算した。
グルカゴン分泌については、グルコース(Boston BioProducts#BM-675)溶液、G3、G16.7、およびG3と20mMアルギニン(Sigma #A8094;G3+Arg)をPB[24mM NaHCO(Fisher Scientific #S233-500),120mM NaCl(Spectrum Chemical #S0155),4.8mM KC1(Fisher Scientific #P217-500),2.5mM CaCl(Fisher Scientific #C614-500),1.2mM MgCl(Sigma #M8266),10mM HEPES(Gibco #15630-080)および0.1%BSA(EMD Millipore #12-675-100GM)]中に調整した。様々な濃度の化合物1およびジアゾキシド(Sigma #D9035)をG16.7またはG3+Arg中に調製した。アッセイの日に、10個の灌流チャンバ(Biorep #Peri-chamber)にビーズ懸濁液(Biorep#Peri-beads-20)を入れ、続いて300IEQともう1つのビーズ懸濁液の層を入れた。チャンバをPBで満たし、灌流装置に置き、G3で74分間平衡化し(流速=230μL/分)、続いて表3に示すグルカゴン分泌のための灌流工程を行った。複製された上記条件からの灌流液を96ウェルプレート(Fisher Scientific #12-565-368)に収集し、グルカゴン分析のために-80℃で保存した。市販のMercodia Insulin ELISA(Mercodia #10-1271-01)キットを用いてグルカゴン濃度を定量した。希釈されていない灌流液試料を供給されたプレコートアッセイプレートに添加した。一連の試薬添加および洗浄を、製造業者の指示に従って行った。各ウェルの光学密度を、Tecan M1000Pro(Tecan,スイス)マルチプレートリーダーにおいて450nmで決定した。グルカゴン濃度は、GraphPad Prism(GraphPad、カリフォルニア州サンディエゴ)を用いて標準曲線への回帰によって計算した。
ヒト膵島は、二相性でインスリンを分泌するかたちで刺激剤に応答した。16.7mMグルコース(G16.7)に応答して、第1相は急速かつ短く、続いて、より低いインスリン分泌速度を特徴とする第2相が続いたが、G16.7が存在する限り一定でありかつ持続した。グルコースと同様に、16.7mMグルコースの存在下でのトルブタミド(G16.7+Tolb)は、二相性応答を誘導した。3mMグルコース(G3)への移行は、インスリン分泌の予期した低下をもたらした。最低濃度(0.01mM)の化合物1で処置された膵島は、対照に曝露されたものと同様のグルコースおよびトルブタミドの両方に対する応答を示した。1pMの化合物1は、両方の刺激で両方の相の間にインスリンに対して最も強い阻害効果を示したが、0.1mMの化合物1は中間の効果を示した。
化合物1は、3人の健康な成人ドナー由来の膵島において、16.7mMグルコースの存在下でのトルブタミド(G16.7+Tolb)と同様に、濃度依存的に、16.7mMグルコースへの増加に対するインスリン分泌反応を阻害した。膵臓α細胞からのグルカゴン分泌はカルシウム依存性および両親媒性であるが、初期相は、容易に放出可能なグルカゴン顆粒の数が多いため、インスリン分泌の場合よりもわずかに速い。さらに、第2相は、内部から放出部位への顆粒のより速い移行の結果としてのエキソサイトーシス速度の増加する加速によって特徴付けられる。化合物1は、健康なドナー由来の膵島においてグルカゴン分泌を最大57%抑制したジアゾキシドと比較して、アルギニン刺激グルカゴン分泌に対してわずかな非濃度依存性阻害効果(最大24%)を有した。
実施例5:ラットにおける高インスリン血症低血糖症モデル
グリブリドなどのスルホニル尿素薬は、KATPチャネルを阻害し、KATPチャネルの変異を有する先天性HI患者の疾患状態を模倣するために、ラット前臨床モデルにおいて使用することができる。スルホニル尿素薬の投与は、エクスビボおよびインビボ動物モデルにおいて前臨床的に、ならびにヒトにおいて臨床的に、インスリンの膵臓分泌を刺激することが示されている。インスリンのこの増加は、血糖の劇的な低下をもたらし、これは、単回投与後数時間持続し得るか、または繰り返し投与された場合に血糖の持続的な低下をもたらし、先天性HIで観察される慢性低血糖症を模倣し、潜在的な処置の有効性の評価を急性的かつ数日間にわたって可能にする。
グリブリド誘導性高インスリン血症低血糖症のこのモデルを使用して、雄および雌成体ラットならびに雄新生児ラットにおける単回投与後の化合物1の薬力学的効果を評価した。
成体雄Sprague Dawleyラットにおいてインスリンレベルを増加させ、低血糖症を誘導するために、グリブリドを投与した。30mg/kgのグリブリドの経口投与は、図1に見られるように、雄ラットにおいて168mg/dLの平均ベースラインレベルから70mg/dLに血糖値を低下させた。
グリブリド投与の2時間後、化合物1を強制経口投与によって与え、血糖を5時間にわたってモニターした。化合物1の経口投与は、ビヒクルの投与と比較して血糖値を用量依存的に増加させた。雄ラットにおいて、血中グルコースレベルは、5時間の期間にわたるビヒクル処置による94mg/dLと比較して、3、10および30mg/kgの化合物1でそれぞれ111、134、および203mg/dLまで到達した。応答の曲線下面積(AUC)として表される5時間にわたる累積血糖応答の有意な増加が、>10mg/kgの化合物1の投与で見られた。このモデルにおける化合物1の10mg/kgの最小有効用量は、非絶食雄ラットにおける45ng/mLのCmaxおよび590ng・h/mLのAUCに対応する。
実施例6:化合物1の安全性、薬物動態、および薬力学を評価するための臨床試験
ヒトにおけるSST5アゴニストの臨床試験の非限定的な例を以下に記載する。
目的:
この第1相ヒト初回盲検無作為化プラセボ対照試験は、健康なボランティアにおける化合物1の安全性、ならびに曝露と重要な薬力学的(PD)パラメータとの間の関係を評価する。研究は、単回漸増用量(SAD)相、続いて複数回漸増用量(MAD)相で開始する。食物効果もSAD相の対象のサブセットにおいて評価される。結果を使用して、先天性HIを有する患者における後の研究においてエンドポイントおよび他のパラメータを知らせる。
介入:スクリーニング期間:28日
治療期間:SADにおいて1日/単回用量、MADにおいて10日
評価および観察:SADの1a、1b、および1cにおいてそれぞれ6、7および10日(各群において5日);MADにおいて17日
追跡期間:SADおよびMADにおける試験薬物の最後の投与のそれぞれ7日後および10日後(8日目/SADおよび20日目/MAD)
SAD1a/パート1a:漸増単回用量、無作為化、プラセボ対照、二重盲検;最大10コホート、n=8/コホート;SAD1aの対象は、IVGTTを受ける。用量は0.5mgから120mgまで漸増する。
SAD 1b/パート1b:漸増単回用量、無作為化、プラセボ対照、二重盲検;最大3コホート、n=8/コホート;SAD1bの対象は、SUチャレンジおよび正常血糖クランプ法を受ける。用量は30mgまたは60mgである。
SAD1c/パート1c:単回用量、1群クロスオーバー食物効果調査;1コホート、n=6;SAD1cは、プラセボ対照化も盲検化もされない。用量は120mgである。
MAD/パート2:複数回漸増用量、無作為化、プラセボ対照、二重盲検;最大5コホート、n=9/コホート;MADの対象は、化合物1またはプラセボを受ける。対象は、混合食耐性試験(MMTT)ならびにSUチャレンジおよび正常血糖クランプ法を受ける。用量は、SADにおける用量を超えない。用量は30mgから120mgまで漸増する。
包含基準:
スクリーニング時に18歳超~55歳未満の健康な男性および女性対象。女性は:閉経後少なくとも12か月間または外科的に無菌のどちらか;または、治験薬の最後の投与の少なくとも30日後まで、スクリーニングからの安定かつ許可された高度に有効な避妊方法を使用することに同意する。男性は、外科的に無菌でなければならない;または禁忌のままである;または、スクリーニングから治験薬の最後の投与の少なくとも30日後まで妊娠の可能性のある女性パートナーと性的に活性である場合に殺精子剤コーティングコンドームを使用することに同意する。女性パートナーはまた、この同じ期間中に避妊の非常に有効な形態を使用するべきである。男性対象はまた、試験期間中および試験薬の最後の投与後少なくとも90日まで精子を提供しないことに同意しなければならない。
スクリーニング時に治験責任医師が判断した年齢(病歴、身体検査、バイタルサイン、18.5~28kg/m2のボディマス指数[BMI]、および臨床検査評価)による全体的な良好な健康。
除外基準:
被験者は、以下の基準に基づいて除外される:妊娠中または授乳中の女性;以前に化合物1による処置;スクリーニング前の7日以内の禁止された処方薬もしくは非処方薬および/または非処方薬/代替医薬品の使用であって、研究中にこれらの物質の使用を控える意思がない(別段の指定がない限り);本試験のスクリーニング前の30日以内にチトクロムP450 CYP3A4の強力な誘導物質である薬物、またはスクリーニング前の14日以内にCYP3A4の強力な阻害物質を使用;スクリーニング前の過去60日以内または5半減期以内の何らかの治験薬の使用;スクリーニング時に空腹時血漿中グルコース(PG)>100mg/dL;治験責任医師の意見において、この研究への対象の適切な参加を危険にさらし得る何らかの状態。
転帰尺度:
単回および複数回用量の化合物1の安全性および耐容性を評価すること。
化合物1の単回および複数回用量のPKを評価すること。
化合物1のPKに対する食物(高脂肪食)の効果を決定すること。
血漿中グルコース(PG)、インスリン、Cペプチドに対する化合物1のPD効果を評価すること;また、適用可能な場合、β-ヒドロキシ酪酸、グルカゴン、胃抑制ペプチド(GIP)、およびグルカゴン様ペプチド-1(GLP-1)は、基礎条件および刺激条件以下のレベルにする(静脈内グルコース負荷試験[IVGTT]、混合食事負荷試験[MMTT]、スルホニル尿素[SU]誘導性低血糖症)。
先天性HIを有する患者は、過剰な内因性インスリン分泌により空腹時低血糖症を有する。グルコース、インスリン、Cペプチド、およびβ-ヒドロキシ酪酸を含む代謝バイオマーカーを、SADおよびMADの両方を通して収集して、化合物1の単回投与および複数回投与の効果を評価する。
内因性インスリン分泌を抑制する化合物1の能力はまた、IVGTT(SADパート1a)、MMTT(MAD)、およびSU誘導性インスリン分泌(SADパート1b、MAD)を含む刺激試験を利用して分析される。
IVグルコース耐性試験[IVGTT]
SAD1aにおいて、対象は、静脈内グルコースが提供される刺激下の状況において、内因性インスリンを抑制し、血中グルコース濃度を増加させる化合物1の能力を実証するためにIVGTTを受ける。IVGTTからの結果は、SAD1bおよびSAD1cにおいて使用される単回用量の選択を知らせるのに役立ち、またMADにおいて使用される用量を知らせるのにも役立つ。
手順の概要は以下の通りである:PG、インスリン、およびCペプチドの測定のためにIV前ボーラス血液試料を収集する。試験薬物投与の1時間後/時間60(±30分)または公称時間に、60秒以内で20%溶液中の300mg/kgのグルコースのIVボーラスを投与する(グルコース投与のために最近の体重測定を使用する)。PG、インスリン、およびCペプチドの測定のためにIV後のボーラス血液試料を収集する。
スルホニル尿素(グリベンクラミド)チャレンジおよび正常血糖クランプ
SAD1bおよびMADにおいて、対象は、正常血糖クランプ処置の状況においてSUチャレンジを受ける。スルホニル尿素薬は、膵臓β細胞のKATPチャネルを閉じるように作用し、内因性インスリン分泌を刺激する。先天性HIを有する患者の大部分(50%)がKATPチャネルに変異を有することを考えると、SUチャレンジは、健康なボランティアにおいてHIのこの遺伝的形態をモデル化する。正常血糖クランプ中に静脈内グルコースを使用して、グルコースを目標範囲内に維持する。SUの存在下では、目標のグルコースを維持するために必要とされる静脈内(IV)グルコースの量は、補充グルコースを必要とする先天性HIの患者と同様に増加する。SAD1bにおけるSUチャレンジコホートは、IVグルコース注入の減少(グルコース「サポート」の減少)によって測定されるように、単回用量の化合物1がSU誘導性グルコース低下を低減または予防する能力を評価することになる。IVグルコース要件は、グルコース注入速度、またはGIR(mgデキストロース/kg体重/分)として評価されることになる。MADにおいて、化合物1の効果の持続性は、化合物1の非存在下(投与前)のベースラインSUチャレンジと比較して、化合物1の10日間の投与後のSUチャレンジ中に正常血糖を維持するのに必要なGIRを評価することによって測定されることになる。
グリベンクラミドは、SU誘導性低血糖症のために使用されることになる。健康なボランティアにおける利用可能な用量応答データに基づいて、5mgのグリベンクラミドを、選択された単回投与コホートおよび複数回投与コホートにおいて健康なボランティアに経口投与する。過剰投与による低血糖症のリスクは、クランプデバイスによる連続グルコースモニタリングが各被験体に対して行われ、グルコースのIV注入が各被験体のベースライングルコースレベルを維持するために提供されるため、無視できる。
グリベンクラミドは、CYP2C9による代謝によって(CYP3A4からのわずかな寄与を伴って)排除される。化合物1は、グリベンクラミド代謝に関与するものを含む主要なヒトCYP酵素の阻害または誘導の可能性をほとんどまたは全く示さなかった。したがって、化合物1は、グリベンクラミドのクリアランスを阻害するとは予想されない。
グリベンクラミドは、絶食条件下でのグリベンクラミド投与後2~6時間以内にピーク全身濃度(tmax)に達し、半減期は約10時間である。グリベンクラミドは、化合物1の投与の約1時間前に投与され、血液試料は、グリベンクラミド投与の前後に採取される。グリベンクラミドに対する化合物1の用量投与の実際のタイミングは、観察された化合物1のPKに基づき、SRCミーティングメモ(または他の書面によるコミュニケーション)に報告される。
正常血糖グルコースクランプは、グルコースクランプ装置(ClampArtR;Profil Institutfir Stoffwechselforschung,Neuss,Germany)を用いて実施する。被験者は、被験者のPGを連続的にモニターするクランプ装置に接続される。装置は、毎分、集約PG値を計算する。これらの値に基づいて、GIRは、装置に実装されるアルゴリズムを使用して毎分計算され、グルコースは、対象のPG濃度を所定の目標レベルに一定に保つように装置によって自動的に投与される。1時間あたり約2mLの血液を、ClampArtR/クランプ装置によるグルコースモニタリングのためにサンプリングする。装置のグルコース測定値は、必要であれば、実験室グルコース分析器(Super GLグルコース分析器)を用いたPG測定によって、およそ30分ごとに、またはより頻繁に検証される。
高脂肪食の食品効果
SAD1cにおいて、対象は、化合物1吸収に対する高脂肪食の効果を評価するための1アームクロスオーバー調査に参加する。
混合食耐性試験(MMTT)
先天性HIにおける膵臓β細胞は、インクレチン誘導性インスリン分泌に対して非常に感受性があることが示されている。インクレチン誘導性インスリン分泌に対する化合物1の影響を評価するために、MAD試験中にMMTTを行う。これは、MADにおいて、ベースライン(治験薬投与前)で、および化合物1が定常状態にあると予測される6日目に行われる。
mMTTの目的は、複数の燃料源(タンパク質、脂肪)に応答した血漿インスリンに対する化合物1の効果を評価し、インクレチン誘導性インスリン分泌に対する影響を評価することである。対象は、混合食の摂取(これは、治験薬投与の約4時間後に起こるとされる)まで一晩10時間絶食させ、次いで、MMTTの終了までさらなる食物摂取を制限する。
-1日目および6日目、試験薬物投与後4時間(±30分)(すなわち、時間240分)または公称時間にMMTT(すなわち、混合食を飲む)を開始する。MMTTの総持続時間は、第1の飲用前血液試料が採取されてから最後のMMTT血液試料が採取されるまでの約3.5時間である。被験者は、混合食を摂取している間を除いて、MMTT中に仰臥位になる。手順は以下の通りである:
PG、インスリン、Cペプチド、グルカゴン、GIP、およびGLP-1の測定のために、(SOA)に指定される時点で飲用前空腹時血液試料を収集する。
治験薬投与の4時間後/時間240分(または公称時間)に、対象は、<10分以内に400mL(2×200mLボトル)のResource(登録商標)Energy(Nestle Health Science)飲料(混合食)を飲む。
PG、インスリン、Cペプチド、グルカゴン、およびGLP-1の測定のために、(SOA)に指定される時点で飲用後血液試料を収集する。被験者は、最後のMMTT血液サンプルが採取されるまで、食べることも飲むこともない(水を除く)。
PG(Super GL)を除く血液試料を中央検査室で分析する。
SAD研究からの結果
SAD研究からの薬物動態結果を図2に示す。示されるデータは、平均±SEMである。IVGTTおよびスルホニル尿素チャレンジの両方で評価した60mgについてn=12であるのを除き、全ての用量でn=6。標準的な成人高脂肪朝食の30分以内に120mgを投与した場合、曝露の有意な減少が観察された。有効用量で~40時間の半減期およびtmax~1~2時間が観察された。
化合物1は、用量比例曝露で経口バイオアベイラビリティを示した。
化合物1はまた、経口化合物1またはプラセボがグルコースの静脈内(IV)投与の前に投与される、静脈内グルコース耐性試験(IVGTT)との関連で評価された。薬理学的介入がない場合、グルコースのIV投与はインスリンの分泌をもたらし、これは血中グルコースをベースライン値まで低下させる。結果は、IVGTT前の化合物1の経口投与がインスリン分泌を用量依存的に抑制し、血漿中グルコースレベルの急速かつ持続的な上昇をもたらしたことを示した(図3参照)。化合物1は、用量依存的にグルコースに刺激されるインスリン分泌を抑制した。示されるデータは、平均±SEMである。用量ごとにN=6 が化合物1処置された;N=14のプラセボ;IVGTT=静脈内グルコース負荷試験;PBO=プラセボ。
化合物1は、ボーラスIVグルコース(IVGTT)によって刺激されたインスリン分泌を用量依存的に減少させ、組織によるグルコース取り込みを減少させ、血漿中グルコースの延長された増加をもたらした。測定されたインスリンAUCの低下%は、27mg、60mg、および120mg用量についてそれぞれ約22%、約40%、および約47%であった。
スルホニル尿素(グリブエンクラミド)チャレンジおよび正常血糖クランプモデルにおいて、30mgまたは60mgの化合物1は、スルホニル尿素誘導性高インスリン血症を後退させた。SADコホートからの結果は、化合物1が、投与数分以内に用量依存的にスルホニル尿素誘導性高インスリン血症を反転させ、試験期間の持続期間にわたってIVグルコースサポートの必要性を排除することを示した。化合物1は、構成的インスリン分泌を阻害することによってIVグルコースサポートの必要性を排除した(図5および図6参照)。
このSAD研究において、化合物1は、SST5アゴニスト作用についての薬理学的概念実証を実証した。化合物1は、静脈内グルコース耐性試験においてグルコース誘導性インスリン分泌の用量依存的減少をもたらした。化合物1は、高インスリン血症の薬理学的モデルにおいて達成されたスルホニル尿素誘導性インスリン分泌の用量依存的反転をもたらした。
MAD研究からの結果
化合物1は、概して安全であり、30、60、および120mg/日で10日間のQD投与後に良好な耐容性を示した。
SAD研究からの薬物動態結果を図7に示す。示されるデータは、トラフ血漿中レベルであり、平均±SEMとして表示される。単回用量PKプロファイルおよび曝露は、同じ用量でのSADに匹敵する(図示せず)。定常状態のトラフレベルは、QD投与の~8日後に達成される。定常状態における平均蓄積は、Cmazについて~1.6-1.8xであり、AUCについて~2-2.5xであった。30mg用量と120mg用量との間で、曝露の比例的な増加よりもわずかに大きい増加が観察された。
混合食耐性試験(MMTT)では、6日目に、化合物1で処置した対象において血漿中グルコースの用量依存的増加が観察された。AUCの増加は、30mg用量および60mg用量で処置した対象間で同様であった(~30%)。120mg用量で処置した対象における血漿中グルコースAUCの増加は~約60%であった。用量の増加に伴って、インスリンおよびCペプチドのより持続的な抑制もあった。
化合物1で処置された対象はまた、空腹時血漿中グルコースの用量依存的増加を明らかにした。空腹時インスリンおよびCペプチドレベルも抑制された。しかし、空腹時インスリンに対する明確な用量応答の欠如があり、またCペプチドの抑制は、30mgおよび60mg用量と比較して120mg用量ではるかに顕著であった。インスリンおよびCペプチドのレベルは、120mg用量で処置した対象において投与後96時間で抑制されたままであったが、血漿中グルコースはプラセボと同様であった(図8a、図8b、図8cを参照されたい)。
スルホニル尿素(グリベンクラミド)チャレンジおよび正常血糖クランプモデルにおいて、化合物1は、30、60、または120mgQDの投与の10日後にスルホニル尿素誘導性高インスリン血症を反転させた。結果は、化合物1が投与数分以内に用量依存的にスルホニル尿素誘導性高インスリン血症を反転させ、IVグルコースサポートの必要性を排除することを示した。化合物1は、構成性のインスリン分泌を阻害することによってIVグルコースサポートの必要性を排除した。血漿中グルコースの軽度の増加が120mgコホートにおいて観察された(図9a、図9b、図9c、図9d、および図10a、図10b、図10c、図10dを参照)。インスリンおよびCペプチドレベルは、全てのコホートにおいて10日目に抑制された。
本発明の好ましい実施形態が本明細書に示され記載された一方、そのような実施形態が一例としてのみ提供されていることは当業者にとって明白である。当業者であれば、多くの変更、変化、および置換が、本発明から逸脱することなく思いつくだろう。本明細書に記載される本発明の実施形態の様々な代替案が、本発明の実施に際して利用され得ることを理解されたい。以下の請求項は本発明の範囲を定義するものであり、この請求項とその均等物の範囲内の方法、および構造体がそれによって包含されるものであるということが意図されている。

Claims (84)

  1. 高インスリン血症(HI)の処置必要とするヒトにおける高インスリン血症(HI)を処置する方法であって、前記ヒトに、化合物1の構造
    を有する化合物、またはその薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物を投与する工程を含む、方法。
  2. 前記高インスリン血症は、高インスリン性低血糖症を含む、請求項1に記載の方法。
  3. 前記高インスリン血症は、先天性高インスリン血症を含む、請求項1または請求項2に記載の方法。
  4. 前記ヒトは、アデノシントリホスフェート依存性カリウム(KATP)チャネルに少なくとも1つの変異を含む、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
  5. 前記ヒトは、前記KATPチャネルのSUR-1およびKir6.2(カリウムチャネル)サブユニット、グルタミン酸デヒドロゲナーゼ(GLUD1)、グルコキナーゼ(GCK)、肝臓核転写因子4A(HNF4A)、肝臓核転写因子1A(HNF1A)、ヘキソキナーゼ(HK1)、脱共役タンパク質2(UCP2)、短鎖3-OHアシル-CoAデヒドロゲナーゼ(HADH)、溶質担体ファミリー16メンバー1(SLC16A1)、モノカルボキシレートトランスポーター1(MCT1)、またはそれらの組合せをコードする、ABCC8およびKCNJ11遺伝子に、少なくとも1つの変異または欠陥を含む、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
  6. 前記先天性高インスリン血症は、一過性高インスリン血症、限局性高インスリン血症、またはびまん性高インスリン血症を含む、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
  7. 前記先天性高インスリン血症は、グルコキナーゼ機能獲得変異、アンモニア血症性高インスリン血症(グルタミン酸デヒドロゲナーゼ機能獲得変異)、短鎖アシル補酵素Aデヒドロゲナーゼ欠損症、炭水化物欠損糖タンパク質症候群(Jaeken病)、またはベックウィズ-ヴィーデマン症候群を含む、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
  8. 前記高インスリン血症は、ジアゾキシド非応答性高インスリン血症を含む、請求項1から7のいずれか一項に記載の方法。
  9. 前記高インスリン血症は後天性高インスリン血症である、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
  10. 前記後天性高インスリン血症は、膵臓インスリノーマ、成人発症膵島細胞症、薬物誘導性高インスリン血症、またはそれらの組合せを含む、請求項9に記載の方法。
  11. 前記ヒトは、12歳未満、6歳未満、4歳未満、3歳未満、2歳未満、1.5歳未満、1歳未満、または6か月齢未満である、請求項1から10のいずれか一項に記載の方法。
  12. 前記高インスリン血症を処置することは、血漿中グルコース、β-ヒドロキシ酪酸、グルカゴン、またはそれらの組合せの上昇させることを含む、請求項1から11のいずれか一項に記載の方法。
  13. 前記高インスリン血症を処置することは、インスリン、Cペプチド、またはそれらの組合せの血漿中レベルを低下させることを含む、請求項1から12のいずれか一項に記載の方法。
  14. 前記高インスリン血症を処置することは、血漿中インスリンレベルを低下させることを含む。請求項1から13のいずれか一項に記載の方法。
  15. インスリンの血漿中レベルを低下させることは、インクレチン誘導性インスリン分泌のレベルを低下させることを含む、請求項1から14のいずれか一項に記載の方法。
  16. 前記高インスリン血症を処置することは、高インスリン血症のない対象の平均レベルまで血漿中グルコースを上昇させることを含む、請求項1から15のいずれか一項に記載の方法。
  17. 前記高インスリン血症を処置することは、血漿中グルコースレベルを少なくとも50mg/dL超、少なくとも60mg/dL超、少なくとも70mg/dL超、または少なくとも80mg/dL超に維持することを含む、請求項1から16のいずれか一項に記載の方法。
  18. 前記高インスリン血症を処置することは、膵臓β細胞からのインスリン分泌を減少させることを含む。請求項1から17のいずれか一項に記載の方法。
  19. 前記高インスリン血症を処置することは、インスリン分泌を低減または阻害すること、およびグルカゴン抑制を最小化または回避することを含む、請求項1から18のいずれか一項に記載の方法。
  20. 前記高インスリン血症を処置することは、脳損傷のリスクを低減すること、脳損傷の程度を低減すること、膵切除術のリスクを低減すること、またはそれらの組合せを含む、請求項1から19のいずれか一項に記載の方法。
  21. 前記高インスリン血症を処置することは、低ケトーシス性低血糖症を低減すること、嗜眠を低減すること、短気を低減すること、視力喪失のリスクを低減すること、神経認知障害のリスクを低減すること、発作のリスクを低減すること、無呼吸のリスクを低減すること、昏睡のリスクを低減すること、死亡のリスクを低減すること、またはそれらの組合せを含む、請求項1から20のいずれか一項に記載の方法。
  22. 前記化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物は、毎日投与される、請求項1から21のいずれか一項に記載の方法。
  23. 前記化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物は、1日1回または1日2回投与される、請求項1から22のいずれか一項に記載の方法。
  24. 前記化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物は、経口投与される、請求項1から23のいずれか一項に記載の方法。
  25. 前記化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物は、約0.05mg~約200mgの化合物1に相当する量で投与される、請求項1から24のいずれか一項に記載の方法。
  26. 前記化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物は、約0.5mg~約100mgの化合物1に相当する量で投与される、請求項1から25のいずれか一項に記載の方法。
  27. 前記化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物は、約0.05mg、0.1mg、0.15mg、0.2mg、0.25mg、0.3mg、0.35mg、0.4mg、0.45mg、0.5mg、0.55mg、0.6mg、0.65mg、0.7mg、0.75mg、0.8mg、0.85mg、0.9mg、0.95mg、1.0mg、1.5mg、2.0mg、2.5mg、3.0mg、3.5mg、4.0mg、4.5mg、5.0mg、5.5mg、6.0mg、6.5mg、7.0mg、7.5mg、8.0mg、8.5mg、9.0mg、9.5mg、10.0mg、10.5mg、11.0mg、11.5mg、12.0mg、12.5mg、13.0mg、13.5mg、14.0mg、14.5mg、15.0mg、15.5mg、16.0mg、16.5mg、17.0mg、17.5mg、18.0mg、18.5mg、19.0mg、19.5mg、または20.0mgの化合物1に相当する量で投与される、請求項1から25のいずれか一項に記載の方法。
  28. 前記化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物は、約0.01mg/kg~約50mg/kgの化合物1に相当する一日用量で投与される、請求項1から24のいずれか一項に記載の方法。
  29. 前記化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物は、0.1mg/kg~約5.0mg/kgの化合物に相当する一日用量で投与される、請求項1から24、または28のいずれか一項に記載の方法。
  30. 前記化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物は、約0.05mg/kg、0.1mg/kg、0.15mg/kg、0.2mg/kg、0.25mg/kg、0.3mg/kg、0.35mg/kg、0.4mg/kg、0.45mg/kg、0.5mg/kg、0.55mg/kg、0.6mg/kg、0.65mg/kg、0.7mg/kg、0.75mg/kg、0.8mg/kg、0.85mg/kg、0.9mg/kg、0.95mg/kg、1.0mg/kg、1.1mg/kg、1.2mg/kg、1.3mg/kg、1.4mg/kg、1.5mg/kg、1.6mg/kg、1.7mg/kg、1.8mg/kg、1.9mg/kg、2.0mg/kg、2.25mg/kg、2.5mg/kg、2.75mg/kg、3.0mg/kg、3.25mg/kg、3.5mg、3.75mg/kg、4.0mg/kg、4.25mg/kg、4.5mg/kg、4.75mg/kg、5.0mg/kg、5.5mg/kg、6.0mg/kg、6.5mg/kg、7.0mg/kg、7.5mg/kg、8.0mg/kg、8.5mg/kg、9.0mg/kg、9.5mg/kg、または10.0mg/kgの化合物1に相当する量の一日用量で投与される、請求項1から24、または28のいずれか一項に記載の方法。
  31. 前記化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物は、少なくとも12時間、少なくとも18時間、または少なくとも24時間にわたって、血漿中グルコースレベルを少なくとも50mg/dL超、少なくとも60mg/dL超、少なくとも70mg/dL超、または少なくとも80mg/dL超に維持するのに充分な量で毎日投与される、請求項1から30のいずれか一項に記載の方法。
  32. 先天性高インスリン血症の処置を必要とするヒトにおける先天性高インスリン血症を処置する方法であって、前記ヒトに、化合物1の構造
    を有する化合物、またはその薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物を投与する工程を含む、方法。
  33. 前記ヒトは、アデノシントリホスフェート依存性カリウム(KATP)チャネルに少なくとも1つの変異または欠陥を含む、請求項32に記載の方法。
  34. 前記ヒトは、前記KATPチャネルのSUR-1およびKir6.2(カリウムチャネル)サブユニット、グルタミン酸デヒドロゲナーゼ(GLUD1)、グルコキナーゼ(GCK)、肝臓核転写因子4A(HNF4A)、肝臓核転写因子1A(HNF1A)、ヘキソキナーゼ(HK1)、脱共役タンパク質2(UCP2)、短鎖3-OHアシル-CoAデヒドロゲナーゼ(HADH)、溶質担体ファミリー16メンバー1(SLC16A1)、モノカルボキシレートトランスポーター1(MCT1)、またはそれらの組合せをコードする、ABCC8およびKCNJ11遺伝子に、少なくとも1つの変異または欠陥を含む、請求項32に記載の方法。
  35. 前記先天性高インスリン血症は、一過性高インスリン血症、限局性高インスリン血症、またはびまん性高インスリン血症を含む、請求項32に記載の方法。
  36. 前記先天性高インスリン血症は、グルコキナーゼ機能獲得変異、アンモニア血症性高インスリン血症(グルタミン酸デヒドロゲナーゼ機能獲得変異)、短鎖アシル補酵素Aデヒドロゲナーゼ欠損症、炭水化物欠損糖タンパク質症候群(Jaeken病)、またはベックウィズ-ヴィーデマンヴィーデマン症候群を含む、請求項32に記載の方法。
  37. 前記先天性高インスリン血症は、ジアゾキシド非応答性の先天性高インスリン血症を含む、請求項32から36のいずれか一項に記載の方法。
  38. 前記ヒトは、12歳未満、6歳未満、4歳未満、3歳未満、2歳未満、1.5歳未満、1歳未満、または6か月齢未満である、請求項32から37のいずれか一項に記載の方法。
  39. 前記先天性高インスリン血症を処置することは、血漿中グルコース、β-ヒドロキシ酪酸、グルカゴン、またはそれらの組合せのレベルを上昇させることを含む、請求項32から38のいずれか一項に記載の方法。
  40. 前記先天性高インスリン血症を処置することは、インスリン、Cペプチド、またはそれらの組合せの血漿中レベルを低下させることを含む、請求項32から39のいずれか一項に記載の方法。
  41. 前記先天性高インスリン血症を処置することは、血漿中インスリンレベルを低下させることを含む、請求項32から40のいずれか一項に記載の方法。
  42. インスリンの血漿中レベルを低下させることは、インクレチン誘導性インスリン分泌のレベルを低下させることを含む、請求項41に記載の方法。
  43. 前記先天性高インスリン血症を処置することは、高インスリン血症のない対象の平均レベルまで血漿中グルコースを上昇させることを含む、請求項32から42のいずれか一項に記載の方法。
  44. 前記先天性高インスリン血症を処置することは、血漿中グルコースレベルを少なくとも50mg/dL超、少なくとも60mg/dL超、少なくとも70mg/dL超、または少なくとも80mg/dL超に維持することを含む、請求項32から42のいずれか一項に記載の方法。
  45. 前記先天性高インスリン血症を処置することは、膵臓b細胞からのインスリン分泌を減少させることを含む、請求項32から44のいずれか一項に記載の方法。
  46. 前記先天性高インスリン血症を処置することは、インスリン分泌を低減または阻害すること、およびグルカゴン抑制を最小化または回避することを含む、請求項32から44のいずれか一項に記載の方法。
  47. 前記先天性高インスリン血症を処置することは、脳損傷のリスクを低減すること、脳損傷の程度を低減すること、膵切除術のリスクを低減すること、またはそれらの組合せを含む、請求項32から46のいずれか一項に記載の方法。
  48. 前記先天性高インスリン血症を処置することは、低ケトーシス性低血糖症を低減すること、嗜眠を減少させること、短気を減少させること、視力喪失のリスクを低減すること、神経認知障害のリスクを低減すること、発作のリスクを低減すること、無呼吸のリスクを低減すること、昏睡のリスクを低減すること、死亡のリスクを低減すること、またはそれらの組合せを含む、請求項32から47のいずれか一項に記載の方法。
  49. 前記先天性高インスリン血症を有するヒトにおいて膵臓からのインスリン分泌を阻害する方法であって、必要とする前記ヒトに、化合物1の構造
    を有する化合物、またはその薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物を投与する工程を含む、方法。
  50. 前記インスリン分泌を阻害することは、膵臓β細胞からのインスリン分泌を阻害することを含む、請求項49に記載の方法。
  51. 前記インスリン分泌を阻害することは、インクレチン誘導性インスリン分泌を阻害することを含む、請求項49に記載の方法。
  52. 前記インスリン分泌を阻害することは、再発性低血糖症を処置することを含む、請求項49から51のいずれか一項に記載の方法。
  53. 再発性低血糖症を有するヒトにおいてインスリンレベルを低下させる方法であって、必要とする前記ヒトに、化合物1の構造
    を有する化合物、またはその薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物を投与する工程を含む、方法。
  54. 再発性低血糖症を有する前記ヒトは、高インスリン血症を含む、請求項53に記載の方法。
  55. 再発性低血糖症を有する前記ヒトは、高インスリン血症を含む、請求項53に記載の方法。
  56. インスリンのレベルを低下させることは、インクレチン誘導性インスリン分泌のレベルを低下させることを含む、請求項53から55のいずれか一項に記載の方法。
  57. 前記インスリンレベルが、膵臓β細胞からのインスリン分泌を低下させることによって低下される、請求項53から56のいずれか一項に記載の方法。
  58. 高インスリン血症を有するヒトにおける低血糖症を処置または予防する方法であって、必要とする前記ヒトに、化合物1の構造
    を有する化合物、またはその薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物を投与する工程を含む、方法。
  59. 前記高インスリン血症は先天性高インスリン血症を含む、請求項58に記載の方法。
  60. 前記低血糖症は、再発性低血糖症を含む、請求項58または59に記載の方法。
  61. 前記低血糖症を処置または予防することは、低ケトーシス性低血糖症、嗜眠、短気、巨人症、視力喪失、神経認知障害、発作、無呼吸、昏睡、死亡、またはそれらの組合せを低減することを含む、請求項58から60のいずれか一項に記載の方法。
  62. 前記低血糖症を処置または予防することは、脳損傷のリスクを低減すること、脳損傷の程度を低減すること、膵切除術のリスクを低減すること、またはそれらの組合せを含む、請求項58から61のいずれか一項に記載の方法。
  63. 前記低血糖症を処置または予防することは、血漿中グルコース、β-ヒドロキシ酪酸、グルカゴン、またはそれらの組合せのレベルを上昇させることを含む、請求項58から62のいずれか一項に記載の方法。
  64. 前記低血糖症を処置または予防することは、血漿中グルコースのレベルを低血糖症でないヒトの平均レベルまで上昇させることを含む、請求項58から63のいずれか一項に記載の方法。
  65. 前記低血糖症を処置または予防することは、血漿中グルコースレベルを、少なくとも50mg/dL超、少なくとも60mg/dL超、少なくとも70mg/dL超、または少なくとも80mg/dL超に維持することを含む、請求項58から64のいずれか一項に記載の方法。
  66. 前記低血糖症を処置または予防することは、インスリン、Cペプチド、またはそれらの組合せのレベルを低下させることを含む、請求項58から65のいずれか一項に記載の方法。
  67. 前記低血糖症を処置または予防することは、インスリン血漿中レベルを低下させることを含む、請求項66に記載の方法。
  68. インスリンの血漿中レベルを低下させることは、インクレチン誘導性インスリン分泌のレベルを低下させることを含む、請求項67に記載の方法。
  69. 前記低血糖症を処置または予防することは、膵臓β細胞からのインスリン分泌を減少させることを含む、請求項58から68のいずれか一項に記載の方法。
  70. 前記低血糖症を処置または予防することは、インスリン分泌を低減または阻害すること、およびグルカゴン抑制を最小化または回避することを含む、請求項58から69のいずれか一項に記載の方法。
  71. 前記ヒトは、アデノシントリホスフェート依存性カリウム(KATP)チャネルに少なくとも1つの変異または欠陥を含む、請求項49から70のいずれか一項に記載の方法。
  72. 前記ヒトは、前記KATPチャネルのSUR-1およびKir6.2(カリウムチャネル)サブユニット、グルタミン酸デヒドロゲナーゼ(GLUD1)、グルコキナーゼ(GCK)、肝臓核転写因子4A(HNF4A)、肝臓核転写因子1A(HNF1A)、ヘキソキナーゼ(HK1)、脱共役タンパク質2(UCP2)、短鎖3-OHアシル-CoAデヒドロゲナーゼ(HADH)、溶質担体ファミリー16メンバー1(SLC16A1)、モノカルボキシレートトランスポーター1(MCT1)、またはそれらの組合せをコードする、ABCC8およびKCNJ11遺伝子に、少なくとも1つの変異または欠陥を含む、請求項49から71のいずれか一項に記載の方法。
  73. 前記ヒトは、一過性高インスリン血症、限局性高インスリン血症、またはびまん性高インスリン血症を含む、請求項49から70のいずれか一項に記載の方法。
  74. 前記ヒトは、グルコキナーゼ機能獲得型突然変異、アンモニア血症性高インスリン血症(グルタミン酸デヒドロゲナーゼ機能獲得型突然変異)、短鎖アシル補酵素Aデヒドロゲナーゼ欠損症、炭水化物欠損糖タンパク質症候群(Jaeken病)、またはベックウィズ-ヴィーデマン症候群を含む、請求項49から70のいずれか一項に記載の方法。
  75. 前記ヒトは、12歳未満、6歳未満、4歳未満、3歳未満、2歳未満、1.5歳未満、1歳未満、または6か月齢未満である、請求項49から74のいずれか一項に記載の方法。
  76. 前記化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物は、毎日投与される、請求項32から75のいずれか一項に記載の方法。
  77. 前記化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物は、1日1回または1日2回投与される、請求項32から76のいずれか一項に記載の方法。
  78. 前記化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物は、経口投与される、請求項32から77のいずれか一項に記載の方法。
  79. 前記化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物は、約0.5mg~約100mgの化合物1に相当する量で投与される、請求項32から78のいずれか一項に記載の方法。
  80. 前記化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物は、約0.05mg、0.1mg、0.15mg、0.2mg、0.25mg、0.3mg、0.35mg、0.4mg、0.45mg、0.5mg、0.55mg、0.6mg、0.65mg、0.7mg、0.75mg、0.8mg、0.85mg、0.9mg、0.95mg、1.0mg、1.5mg、2.0mg、2.5mg、3.0mg、3.5mg、4.0mg、4.5mg、5.0mg、5.5mg、6.0mg、6.5mg、7.0mg、7.5mg、8.0mg、8.5mg、9.0mg、9.5mg、10.0mg、10.5mg、11.0mg、11.5mg、12.0mg、12.5mg、13.0mg、13.5mg、14.0mg、14.5mg、15.0mg、15.5mg、16.0mg、16.5mg、17.0mg、17.5mg、18.0mg、18.5mg、19.0mg、19.5mg、または20.0mgの化合物1に相当する量で投与される、請求項32から78のいずれか一項に記載の方法。
  81. 前記化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物は、約0.01mg/kg~約50mg/kgの化合物1に相当する一日用量で投与される、請求項32から77のいずれか一項に記載の方法。
  82. 前記化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物は、約0.1mg/kg~約5.0mg/kgの化合物1に相当する一日用量で投与される、請求項32から77、または81のいずれか一項に記載の方法。
  83. 前記化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物は、約0.05mg/kg、0.1mg/kg、0.15mg/kg、0.2mg/kg、0.25mg/kg、0.3mg/kg、0.35mg/kg、0.4mg/kg、0.45mg/kg、0.5mg/kg、0.55mg/kg、0.6mg/kg、0.65mg/kg、0.7mg/kg、0.75mg/kg、0.8mg/kg、0.85mg/kg、0.9mg/kg、0.95mg/kg、1.0mg/kg、1.1mg/kg、1.2mg/kg、1.3mg/kg、1.4mg/kg、1.5mg/kg、1.6mg/kg、1.7mg/kg、1.8mg/kg、1.9mg/kg、2.0mg/kg、2.25mg/kg、2.5mg/kg、2.75mg/kg、3.0mg/kg、3.25mg/kg、3.5mg、3.75mg/kg、4.0mg/kg、4.25mg/kg、4.5mg/kg、4.75mg/kg、5.0mg/kg、5.5mg/kg、6.0mg/kg、6.5mg/kg、7.0mg/kg、7.5mg/kg、8.0mg/kg、8.5mg/kg、9.0mg/kg、9.5mg/kg、または10.0mg/kgの化合物1に相当する量の一日用量で投与される、請求項32から77、または81のいずれか一項に記載の方法。
  84. 前記化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物は、少なくとも12時間、少なくとも18時間、または少なくとも24時間にわたって、血漿中グルコースレベルを少なくとも50mg/dL超、少なくとも60mg/dL超、少なくとも70mg/dL超、または少なくとも80mg/dL超に維持するのに充分な量で毎日投与される、請求項32から83のいずれか一項に記載の方法。
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