JP2024506608A - Omni-103 crisprヌクレアーゼ - Google Patents

Omni-103 crisprヌクレアーゼ Download PDF

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Abstract

本発明は、配列番号1のアミノ酸配列と少なくとも95%の同一性を有する配列を含むCRISPRヌクレアーゼ、又はCRISPRヌクレアーゼをコードする配列を含む核酸分子を含む、天然に存在しない組成物を提供する。

Description

本出願は、2021年12月6日に出願された米国仮出願第63/286,855号、2021年6月24日に出願された米国仮出願第63/214,506号、及び2021年2月8日に出願された米国仮出願第63/147,166号の利益を主張し、これらの各々の内容は、参照によって本明細書に組み込まれる。
本出願全体を通して、括弧内で参照されているものを含む様々な刊行物が参照される。本出願で言及される全ての刊行物のそれらの全体における開示は、本発明が属する技術分野及び本発明とともに用いることができる技術分野の特色の追加の説明を提供するために、参照により本出願に組み込まれる。
配列表の参照
本出願は、86キロバイトのサイズであり、本出願の一部として2022年2月7日に出願されたテキストファイルに含まれる、MS-Windows(登録商標)とのオペレーティングシステムの互換性を有する、IBM-PCマシンフォーマットで2022年2月6日に作成された、「220207_91677-A-PCT_Sequence_Listing_AWG.txt」という名称のファイルに存在するヌクレオチド配列を参照により組み込む。
技術分野
本発明は、とりわけ、ゲノム編集のための組成物及び方法を対象とする。
細菌及び古細菌適応免疫のクラスター化された規則的な間隔の短い回文配列リピート(CRISPR)システムは、タンパク質組成及びゲノム遺伝子座アーキテクチャの極めて高い多様性を示す。CRISPRシステムは、研究及びゲノム操作のための重要なツールとなっている。それにもかかわらず、CRISPRシステムの多くの詳細は、決定されておらず、CRISPRヌクレアーゼの適用可能性は、配列特異性要件、発現、又は送達における困難によって限定され得る。異なるCRISPRヌクレアーゼは、サイズ、PAM部位、オンターゲット活性、特異性、切断パターン(例えば、ブラントエンド、付着末端)、及び切断に続くインデル形成の卓越したパターンなどの多様な特徴を有する。異なる特徴の組は、異なる用途に有用であり得る。例えば、いくつかのCRISPRヌクレアーゼは、PAM部位の限定に起因して他のCRISPRヌクレアーゼが標的化することができない特定のゲノム遺伝子座を標的化することが可能であり得る。加えて、現在使用されているいくつかのCRISPRヌクレアーゼは、インビボでの適用可能性を限定し得る前免疫を呈する。Charlesworth et al., Nature Medicine (2019)及びWagner et al., Nature Medicine (2019)を参照されたい。したがって、新規のCRISPRヌクレアーゼの発見、操作、及び改善は、重要である。
本明細書で開示されるのは、ゲノム操作、エピゲノム操作、ゲノム標的化、細胞のゲノム編集、及び/又はインビトロ診断のために利用することができる組成物及び方法である。
開示の組成物は、ゲノムDNA配列を修飾するために利用することができる。本明細書で使用される場合、ゲノムDNAは、目的の1つの細胞又は複数の細胞に存在する線状及び/若しくは染色体DNA、並びに/又はプラスミド、又は他の染色体外DNA配列を指す。いくつかの実施形態では、目的の細胞は、真核細胞である。いくつかの実施形態では、目的の細胞は、原核細胞である。いくつかの実施形態では、方法は、ゲノムDNA配列内の所定の標的部位で二重鎖分解(DSB)を生じ、ゲノム内の標的部位におけるDNA配列の変異、挿入、及び/又は欠失を生じる。
したがって、いくつかの実施形態では、組成物は、クラスター化された規則的な間隔の短い回文配列リピート(CRISPR)ヌクレアーゼを含む。いくつかの実施形態では、CRISPRヌクレアーゼは、CRISPR関連タンパク質である。
OMNI-103 CRISPRヌクレアーゼ
本発明の実施形態は、表1に提供される「OMNI-103」ヌクレアーゼとして指定されるCRISPRヌクレアーゼを提供する。
本発明は、哺乳動物細胞のゲノムにおける標的部位でヌクレオチド配列を修飾する方法であって、細胞に、(i)配列番号1のアミノ酸配列と少なくとも95%の同一性を有するCRISPRヌクレアーゼ、又は配列が配列番号2~3の核酸配列と少なくとも95%の同一性を有するCRISPRヌクレアーゼをコードする配列を含む核酸分子を含む組成物と、(ii)標的DNAにおける配列に相補的であるヌクレオチド配列を含む、DNA標的化RNA分子、又はDNA標的化RNA分子をコードするDNAポリヌクレオチドと、を導入することを含む、方法を提供する。
本発明はまた、天然に存在しない組成物であって、
a)直接リピート配列に連結されたガイド配列部分を含む1つ以上のRNA分子であって、ガイド配列が、標的配列とハイブリダイゼーションすることが可能である、1つ以上のRNA分子、又は1つ以上のRNA分子をコードする1つ以上のヌクレオチド配列と、
b)配列番号1のアミノ酸配列と少なくとも95%の同一性を有するアミノ酸配列を含むCRISPRヌクレアーゼ、又はCRISPRヌクレアーゼをコードする配列を含む核酸分子と、を含む、CRISPR関連系を含み、
1つ以上のRNA分子が、標的配列にハイブリダイズし、標的配列が、プロトスペーサー隣接モチーフ(PAM)の相補的配列に隣接しており、1つ以上のRNA分子が、RNAガイドヌクレアーゼと複合体を形成する、組成物を提供する。
本発明はまた、天然に存在しない組成物であって、
a)配列番号1のアミノ酸配列と少なくとも95%の同一性を有する配列を含むCRISPRヌクレアーゼ、又はCRISPRヌクレアーゼをコードする配列を含む核酸分子と、
b)1つ以上のRNA分子、又は1つ以上のRNA分子をコードする1つ以上のDNAポリヌクレオチドであって、
i)CRISPRヌクレアーゼと相互作用/結合することが可能なヌクレアーゼ結合RNAヌクレオチド配列、及び
ii)標的DNA配列内の配列に相補的な配列を含む、DNA標的化RNAヌクレオチド配列、のうちの少なくとも1つを含む、1つ以上のRNA分子、又は1つ以上のRNA分子をコードする1つ以上のDNAポリヌクレオチドと、を含み、
CRISPRヌクレアーゼが、1つ以上のRNA分子と複合体化して、標的DNA配列とハイブリダイゼーション可能な複合体を形成することが可能である、組成物を提供する。
OMNI-103 CRISPRヌクレアーゼ-RNA複合体
本発明はまた、天然に存在しないRNA分子を含む組成物であって、RNA分子が、crRNAリピート配列部分及びガイド配列部分を含み、RNA分子が、tracrRNA配列の存在下で、OMNI-103ヌクレアーゼと複合体を形成し、OMNI-103ヌクレアーゼをDNA標的部位に標的化し、tracrRNA配列が、RNA分子のtracrRNA部分又は第2のRNA分子のtracrRNA部分によってコードされる、組成物を提供する。
本発明はまた、天然に存在しないRNA分子を含む組成物であって、RNA分子が、RNA足場部分を含み、RNA足場部分が、
crRNAリピート配列部分-tracrRNA部分の構造を有し、
RNA足場部分が、OMNI-103 CRISPRヌクレアーゼと複合体を形成し、OMNI-103 CRISPRヌクレアーゼを、RNA分子のガイド配列部分と相補性を有するDNA標的部位に標的化する、組成物を提供する。
本明細書では、OMNI-103 CRISPRヌクレアーゼに特異的に結合し、これを活性化して、RNA分子の、RNAスペーサー部分とも称される、ガイド配列部分に基づいてDNA標的部位を標的化することができる足場部分を含む、OMNI-103 CRISPRヌクレアーゼ及び天然に存在しないRNA分子を使用する、細胞のゲノム操作、エピゲノム操作、ゲノム標的化、ゲノム編集、及び/又はインビトロ診断に利用され得る組成物及び方法が開示される。
開示の組成物は、ゲノムDNA配列を修飾するために利用することができる。本明細書で使用される場合、ゲノムDNAは、目的の1つの細胞又は複数の細胞に存在する線状及び/若しくは染色体DNA、並びに/又はプラスミド、又は他の染色体外DNA配列を指す。いくつかの実施形態では、目的の細胞は、真核細胞である。いくつかの実施形態では、目的の細胞は、原核細胞である。いくつかの実施形態では、方法は、ゲノムDNA配列内の所定の標的部位で二重鎖分解(DSB)を生じ、ゲノム内の標的部位におけるDNA配列の変異、挿入、及び/又は欠失を生じる。
図1は、sgRNA12、OMNI-103に適合する単一ガイドRNA(sgRNA)(crRNA-tracrRNA)の予測される二次構造である。sgRNAのcrRNA及びtracrRNA部分が示された、OMNI-103 V1のcrRNA-tracrRNA二重鎖の表現(表2を参照されたい)。 sgRNAのcrRNA及びtracrRNA部分が示された、OMNI-103 V2のcrRNA-tracrRNA二重鎖の表現(表2を参照されたい)。 図2は、U2OS細胞におけるRNPとしてのOMNI-103活性及びスペーサー最適化に関する。OMNI-103ヌクレアーゼを過剰発現させ、精製した。精製したタンパク質を合成sgRNAと複合体化させて、RNPを形成した。図2Aは、インビトロアッセイについて、スペーサー長20~25bps(表6に列挙される)を有する低減する量のRNP(4、2、1、及び0.5pmol)を、40ngのPDCD1 DNA標的テンプレートとインキュベートした。線状テンプレートを切断する能力によって活性を検証した。 インビボアッセイ。図2Bは、PDCD1 S40のスペーサー長(20~25ヌクレオチド)を有するRNPをU2OS細胞株にエレクトロポレートし、編集レベル(インデル)をNGSによって測定した。 インビボアッセイ。図2Cは、U2OS細胞におけるRNPとしてのOMNI-103についての活性アッセイであり、PDCD1S40、TRACS35、TRACS33、及びB2M S12(22bpスペーサー長、表6)を有するRNPをU2OS細胞株にエレクトロポレートし、編集レベル(インデル)を次世代シーケンシング(NGS)によって測定した。 図3は、不偏生化学アッセイ(guide-seq)によるOMNI-103オフターゲット分析である。PDCD1 S40及びTRAC S35ガイド分子(表6)を有するRNPをdsODNと混合し、U2OS細胞株にエレクトロポレートした。図3Aは、編集レベル(インデル)及びdsODN統合をNGSによって測定した。 図3Bは、ガイド配列分析は、PDCD1 S40部位(配列番号133)又はTRAC S35部位(配列番号134)でいかなるオフターゲットも示さなかった。 図4は、OMNIヌクレアーゼについてのインビトロTXTL PAM枯渇結果である。PAMロゴは、枯渇部位の比の概略図である(上パネル)。TXTL反応のNGS後、PAMプラスミドライブラリからの特定のPAM配列(下パネル、左)の枯渇比(下パネル、右)を計算した。各OMNIの計算は、PAMライブラリの8bp配列に沿った4Nウィンドウに基づく。試験されたOMNIの必要なPAM及び反応条件下でのヌクレアーゼ活性のレベルは、枯渇比から推定される。インビトロPAM枯渇結果:図4Aは、sgRNA 12を有するOMNI-103。 図4Bは、sgRNA 32を有するOMNI-103。 図5は、OMNI-103 sgRNAバージョンはHeLa細胞における編集を示す。OMNI-103についてsgRNAを短縮するために、足場の4つの異なるバージョンを試験した。これらのバージョンには、上部ステム及び/又は末端ヘアピンでの欠失が含まれた。図5Aは、OMNI-103のために設計された異なるsgRNAの多重配列アラインメントである。具体的には、OMNI-103 sgRNA v2足場(107ヌクレオチド、配列番号16として列挙されるRNA)と、より短いsgRNA足場バージョンOMNI-103.1(101ヌクレオチド、配列番号33として列挙されるRNA)、OMNI-103.2(85ヌクレオチド、配列番号34として列挙されるRNA)、OMNI-103.3(79ヌクレオチド、配列番号35として列挙されるRNA)、及びOMNI-103.4(95ヌクレオチド、配列番号36として列挙されるRNA)とのアラインメントである。 図5Bは、より短いバージョンを作製するテンプレートとして使用された、sgRNA 103.v2の予測される構造(より短いバージョンを作製するために使用された欠失が示される)である。 図5Cは、次世代シーケンシング(NGS)によって決定される異なる足場を有するOMNI-103 CRISPRヌクレアーゼの編集活性である。2つの部位、TRAC S91及びPDCD S40を試験した。トランスフェクション効率は、プラスミドがレポーター蛍光タンパク質(mCherry)を発現するため、FACSによって決定した。 図6は、表3に列挙されるsgRNAの予測される二次構造である。図6A:足場V2。 図6B:足場V2.1。 図6C:足場V2.2。 図6D:足場V2.3。 図6E:足場V2.4。 図6F:足場V2.5。 異なるsgRNA足場を有するHeLa細胞におけるOMNI-103編集活性である(表3)。Hela細胞を、TRAC-S91又はPDCD-S40を標的化するOMNI-103及びsgRNAプラスミドでトランスフェクトした。編集活性を次世代シーケンシング結果(棒)に基づいて計算し、トランスフェクション効率をmCherry発現のFACS分析に基づいて計算した。3つの技術的複製の平均及び標準偏差が示される。 U2OSにおける活性である。U2OS細胞を、TRAC S35及びB2M S12を標的化するOMNI-103及びsgRNA(RNP)でエレクトロポレートした。編集活性を、次世代シーケンシング(NGS)結果に基づいて計算した。3つの技術的複製の平均及び標準偏差が示される。 初代T細胞における活性である。初代T細胞を、PBMCから単離し、製造業者のプロトコル(Miltenyi #130-096-535、#130-091-441)に従って活性化した。活性化T細胞を、TRAC-s35及びB2M-s12を標的化するOMNI-103及びsgRNA(RNP)でエレクトロポレートした。8日後、細胞を、TCR及びB2M発現レベルについてフローサイトメトリーによって測定した。分析のために、生細胞及びCD3陽性細胞のみを計数した。提示された結果は、代表的であり、全てが同様の結果を示した3つのT細胞ドナーのうちの1つである。 T細胞活性化アッセイである。切断活性アッセイにおいて使用されるドナー試料細胞は、ビーズで72時間活性化し、FACS(CD3CD25細胞)によって測定されるように85%の初代T細胞活性化率を示した。 RNA足場の代表的な例である。例示的なRNA足場部分は、テトラループによってtracrRNA部分と連結されたcrRNA部分を含む。crRNA部分は、crRNAリピート配列を含む。tracrRNA部分は、tracrRNAアンチリピート配列及び追加のtracrRNA区画を含む。RNA分子は、RNA分子が単一ガイドRNA分子として機能するように、crRNAリピート配列と連結されたガイド配列部分(すなわち、RNAスペーサー)を更に含み得る。
詳細な説明
発明のいくつかの態様によれば、開示の組成物は、クラスター化された規則的な間隔の短い回文配列リピート(CRISPR)ヌクレアーゼ及び/又はそれをコードする配列を含む核酸分子を含む。
表1は、新規CRISPRヌクレアーゼ、及びヌクレアーゼをニッカーゼ又は触媒的に不活性なヌクレアーゼに変換する各ヌクレアーゼ内の1つ以上の位置での置換を列挙する。
表2は、各列挙されたCRISPRヌクレアーゼと適合する、crRNA、tracrRNA、及び単一ガイドRNA(sgRNA)配列、並びにcrRNA、tracrRNA、及びsgRNA配列の部分を提供する。したがって、crRNA:tracrRNA複合体の一部として表2に列挙されるOMNIヌクレアーゼに結合し、標的化することができるcrRNA分子は、表2に列挙される任意のcrRNA配列を含み得る。同様に、crRNA:tracrRNA複合体の一部として表2に列挙されるOMNIヌクレアーゼに結合し、標的化することができるtracrRNA分子は、表2に列挙される任意のtracrRNA配列を含み得る。また、表2に列挙されるOMNIヌクレアーゼに結合し、標的化することができる単一ガイドRNA分子は、表2に列挙される任意の配列を含み得る。
例えば、OMNI-103ヌクレアーゼのcrRNA分子(配列番号1)は、配列番号4~7及び18~21のうちのいずれか1つの配列を含み得、OMNI-103ヌクレアーゼのtracrRNA分子は、配列番号8~14、17、22~28、及び32のうちのいずれか1つの配列を含み得、OMNI-103ヌクレアーゼのsgRNA分子は、配列番号4~36のうちのいずれか1つの配列を含み得る。各OMNIヌクレアーゼについての他のcrRNA分子、tracrRNA分子、又はsgRNA分子は、同じ様式で表2に列挙される配列から誘導され得る。
本発明は、配列番号1のアミノ酸配列と少なくとも90%の同一性を有する配列を含むCRISPRヌクレアーゼ、又はCRISPRヌクレアーゼをコードする配列を含む核酸分子を含む、天然に存在しない組成物を提供する。核酸分子は、例えば、DNA分子又はRNA分子であり得る。
いくつかの実施形態では、CRISPRヌクレアーゼは、完全な触媒活性を有するか、ニッカーゼであるか、又は触媒的に不活性であり、DNA相互作用タンパク質又は修飾タンパク質に融合される。例えば、CRISPRヌクレアーゼは、塩基編集方法における使用のためにデアミナーゼタンパク質に融合され得る。別の例では、CRISPRヌクレアーゼは、プライム編集方法における使用のために逆転写酵素に融合され得る。
いくつかの実施形態では、組成物は、1つ以上のRNA分子、又は1つ以上のRNA分子のうちのいずれか1つをコードするDNAポリヌクレオチドを更に含み、1つ以上のRNA分子及びCRISPRヌクレアーゼは、一緒に天然に存在せず、1つ以上のRNA分子は、CRISPRヌクレアーゼと複合体を形成するように、かつ/又は複合体を標的部位に標的化するように構成されている。
いくつかの実施形態では、CRISPRヌクレアーゼは、配列番号1に示されるアミノ酸配列と少なくとも90%の同一性を有する配列を含み、少なくとも1つのRNA分子は、配列番号4~36からなる群から選択される配列を含む。
いくつかの実施形態では、CRISPRヌクレアーゼは、配列番号1に示されるアミノ酸配列と少なくとも90%の同一性を有する配列を含み、少なくとも1つのRNA分子は、ガイド配列部分と、配列番号4~7及び18~21からなる群から選択される配列と、を含む、CRISPR RNA(crRNA)分子である。
いくつかの実施形態では、組成物は、配列番号8~14、17、22~28、及び32からなる群に示される配列を含むトランス活性化CRISPR RNA(tracrRNA)分子を更に含む。
いくつかの実施形態では、CRISPRヌクレアーゼは、配列番号1に示されるアミノ酸配列と少なくとも90%の同一性を有する配列を含み、少なくとも1つのRNA分子は、ガイド配列部分と、配列番号4~36からなる群から選択される配列と、を含む、単一ガイドRNA(sgRNA)分子である。
いくつかの実施形態では、CRISPRヌクレアーゼは、配列番号1に示されるアミノ酸配列と少なくとも90%の同一性を有する配列を含み、少なくとも1つのRNA分子は、ガイド配列部分と、少なくとも79個のヌクレオチドの長さである足場部分と、を含む、単一ガイドRNA(sgRNA)分子である。
いくつかの実施形態では、CRISPRヌクレアーゼは、表1の列5においてCRISPRヌクレアーゼについて提供される位置でのアミノ酸置換によって作製された不活性化RuvCドメインを有するニッカーゼである。
いくつかの実施形態では、CRISPRヌクレアーゼは、表1の列6においてCRISPRヌクレアーゼについて提供される位置でのアミノ酸置換によって作製された不活性化HNHドメインを有するニッカーゼである。
いくつかの実施形態では、CRISPRヌクレアーゼは、表1の列7においてCRISPRヌクレアーゼについて提供される位置での置換によって作製された不活性化RuvCドメイン及び不活性化HNHドメインを有する触媒的に不活性なヌクレアーゼである。
例えば、ニッカーゼは、OMNI-103のアミノ酸配列(配列番号1)の12位のアスパラギン酸残基(D)を別のアミノ酸、例えば、アラニン(A)に置換することによって、そのRuvCドメインを不活性化することによって、OMNI-103ヌクレアーゼについて生成され得る。表1の列5~7に示されるアミノ酸位置の各々について、アミノ酸位置の後にアスタリスクが続く場合を除き、任意の他のアミノ酸への置換が許容され、これはアスパラギン酸(D)からグルタミン酸(E)へ又はグルタミン酸(E)からアスパラギン酸(D)へ以外の任意の置換が不活性化をもたらすことを示す。例えば、ニッカーゼは、OMNI-103のアミノ酸配列(配列番号1)の856位のアスパラギン酸(D)をグルタミン酸残基(E)以外のアミノ酸、例えば、アラニン(A)に置換することによって、そのHNHドメインを不活性化することによって、OMNI-103ヌクレアーゼについて生成され得る。他のニッカーゼ又は触媒的に不活性のヌクレアーゼは、表1における同じ表記を使用して生成することができる。
いくつかの実施形態では、CRISPRヌクレアーゼは、D12、E776、H988、又はD991位でのアミノ酸置換によって作製されたニッカーゼである。
いくつかの実施形態では、CRISPRヌクレアーゼは、D856、H857、又はN880位でのアミノ酸置換によって作製されたニッカーゼであり、D856位でのアミノ酸置換は、アスパラギン酸(D)からグルタミン酸(E)へ以外の置換である。
いくつかの実施形態では、CRISPRヌクレアーゼは、D12、E776、H988、又はD991位のうちのいずれか1つでのアミノ酸置換、及びD856、H857、又はN880位のうちのいずれか1つでのアミノ酸置換によって作製された触媒的に不活性なヌクレアーゼであり、D856位でのアミノ酸置換は、アスパラギン酸(D)からグルタミン酸(E)へ以外の置換である。
いくつかの実施形態では、CRISPRヌクレアーゼは、表3の列2又は列3においてCRISPRヌクレアーゼについて提供されるプロトスペーサー隣接モチーフ(PAM)配列を利用する。
本発明はまた、無細胞系又は細胞のゲノムにおけるDNA標的部位でヌクレオチド配列を修飾するための方法であって、細胞に、以上に記載される組成物のうちのいずれか1つを導入することを含む、方法を提供する。いくつかの実施形態では、組成物は、CRISPRヌクレアーゼ及びcrRNA:tracrRNA複合体又はsgRNA分子を含む。
いくつかの実施形態では、CRISPRヌクレアーゼは、表3の列2又は列3におけるCRISPRヌクレアーゼについて提供されるプロトスペーサー隣接モチーフ(PAM)配列に隣接するDNA鎖におけるDNA切断をもたらし、PAM配列に相補的である配列に隣接するDNA鎖におけるDNA切断をもたらす。例えば、適切な標的化sgRNA又はcrRNA:tracrRNA複合体を有するOMNI-103ヌクレアーゼは、NNRRHY、NNRACT、又はNNRVCT配列に隣接する鎖において、及びNNRRHY、NNRACT、又はNNRVCT配列に相補的である配列に隣接するDNA鎖においてDNA切断を形成することができる。いくつかの実施形態では、DNA鎖は、細胞の核内にある。
いくつかの実施形態では、CRISPRヌクレアーゼは、表1の列5においてCRISPRヌクレアーゼについて提供される位置でのアミノ酸置換によって作製された不活性化RuvCドメインを有するニッカーゼであり、PAM配列に相補的である配列に隣接するDNA鎖におけるDNA切断をもたらす。
いくつかの実施形態では、CRISPRヌクレアーゼは、表1の列6においてCRISPRヌクレアーゼについて提供される位置でのアミノ酸置換によって作製された不活性化HNHドメインを有するニッカーゼであり、PAM配列に隣接するDNA鎖におけるDNA切断をもたらす。
いくつかの実施形態では、CRISPRヌクレアーゼは、表1の列7においてCRISPRヌクレアーゼについて提供される位置での置換によって作製された不活性化RuvCドメイン及び不活性化HNHドメインを有する触媒的に不活性なヌクレアーゼであり、PAM配列に隣接するDNA鎖におけるDNA切断をもたらす。
本発明はまた、無細胞系又は細胞のゲノムにおけるDNA標的部位でヌクレオチド配列を修飾する方法であって、細胞に、本明細書に提供される組成物のうちのいずれか1つを導入することを含む、方法を提供する。
いくつかの実施形態では、CRISPRヌクレアーゼは、配列番号1に示されるアミノ酸配列と少なくとも90%の同一性を有する配列を含み、CRISPRヌクレアーゼは、NNRRHY、NNRACT、又はNNRVCTプロトスペーサー隣接モチーフ(PAM)配列に隣接するDNA鎖切断をもたらし、かつ/又はPAM配列に相補的である配列に隣接するDNA鎖切断をもたらす。
いくつかの実施形態では、CRISPRヌクレアーゼは、D12、E776、H988、又はD991位でのアミノ酸置換によって作製されたニッカーゼであり、PAM配列に隣接するDNA鎖切断をもたらす。
いくつかの実施形態では、CRISPRヌクレアーゼは、D856、H857、又はN880位でのアミノ酸置換によって作製されたニッカーゼであり、PAM配列に相補的である配列に隣接するDNA鎖切断をもたらし、D856位でのアミノ酸置換は、アスパラギン酸(D)からグルタミン酸(E)へ以外の置換である。
いくつかの実施形態では、細胞は、真核細胞又は原核細胞である。
いくつかの実施形態では、細胞は、哺乳動物細胞である。
いくつかの実施形態では、細胞は、ヒト細胞である。
いくつかの実施形態では、CRISPRヌクレアーゼは、配列番号1のCRISPRヌクレアーゼと少なくとも100%、99%、98%、97%、96%、95%、94%、93%、92%、91%、90%、89%、88%、87%、86%、85%、84%、83%、又は82%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。一実施形態では、CRISPRヌクレアーゼをコードする配列は、配列番号2~3からなる群から選択される核酸配列と少なくとも100%、99%、98%、97%、96%、95%、94%、93%、92%、91%、90%、89%、88%、87%、86%、85%、84%、83%、又は82%の同一性を有する。
本発明はまた、CRISPRヌクレアーゼを含む天然に存在しない組成物を提供し、CRISPRヌクレアーゼは、配列番号1のドメインA、ドメインB、ドメインC、ドメインD、ドメインE、ドメインF、ドメインG、ドメインH、ドメインI、又はドメインJのうちの少なくとも1つのアミノ酸配列に対応するアミノ酸配列を含み、
a)ドメインAは、配列番号1のアミノ酸1~45と少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%の同一性を有する配列を含み、
b)ドメインBは、配列番号1のアミノ酸46~83と少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%の同一性を有する配列を含み、
c)ドメインCは、配列番号1のアミノ酸84~158と少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%の同一性を有する配列を含み、
d)ドメインDは、配列番号1のアミノ酸159~302と少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%の同一性を有する配列を含み、
e)ドメインEは、配列番号1のアミノ酸303~515と少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%の同一性を有する配列を含み、
f)ドメインFは、配列番号1のアミノ酸516~727と少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%の同一性を有する配列を含み、
g)ドメインGは、配列番号1のアミノ酸728~778と少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%の同一性を有する配列を含み、
h)ドメインHは、配列番号1のアミノ酸779~923と少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%の同一性を有する配列を含み、
i)ドメインIは、配列番号1のアミノ酸924~1068と少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%の同一性を有する配列を含み、
j)ドメインJは、配列番号1のアミノ酸1069~1348と少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%の同一性を有する配列を含む。
発明のいくつかの態様によれば、開示の組成物は、DNA構築物、又はCRISPRヌクレアーゼ若しくはバリアントCRISPRヌクレアーゼをコードするヌクレオチド配列を含むベクター系を含む。いくつかの実施形態では、CRISPRヌクレアーゼ又はバリアントCRISPRヌクレアーゼをコードするヌクレオチド配列は、目的の細胞で操作可能であるプロモーターに操作可能に連結されている。いくつかの実施形態では、目的の細胞は、真核細胞である。いくつかの実施形態では、目的の細胞は、哺乳動物細胞である。いくつかの実施形態では、操作されたCRISPRヌクレアーゼをコードする核酸配列は、特定の生物からの細胞で使用するためにコドン最適化されている。いくつかの実施形態では、ヌクレアーゼをコードする核酸配列は、E.coliにコドン最適化されている。いくつかの実施形態では、ヌクレアーゼをコードする核酸配列は、真核細胞にコドン最適化されている。いくつかの実施形態では、ヌクレアーゼをコードする核酸配列は、哺乳動物細胞にコドン最適化されている。
いくつかの実施形態では、組成物は、配列番号1と少なくとも100%、99%、98%、97%、96%、95%、94%、93%、92%、91%、90%の同一性を有するCRISPR酵素をコードするポリヌクレオチドに操作可能に連結した異種プロモーターを含む、組換え核酸を含む。各可能性は、別個の実施形態を表す。
組成物の一実施形態では、CRISPRヌクレアーゼは、配列番号1に示されるアミノ酸配列と少なくとも75%、80%、85、90%、95%、若しくは97%の同一性を有するか、又はCRISPRヌクレアーゼをコードする配列は、配列番号2及び3からなる群から選択されるヌクレオチド配列と少なくとも75%、80%、85、90%、95%、若しくは97%の配列同一性を有する。
いくつかの実施形態によれば、配列番号1のアミノ酸配列と少なくとも100%、99%、98%、97%、96%、95%、94%、93%、92%、91%、90%、85%、80%の同一性を有する配列を含むCRISPRヌクレアーゼ、又はCRISPRヌクレアーゼをコードする配列を含む核酸分子を含む、操作された又は天然に存在しない組成物が提供される。各可能性は、別個の実施形態を表す。
一実施形態では、CRISPRヌクレアーゼは、操作されているか、又は天然に存在しない。CRISPRヌクレアーゼは、組換えであり得る。そのようなCRISPRヌクレアーゼは、複数の源からの遺伝子材料を結び付け、そうでなければ生物に見られないであろう配列を作製する、実験室方法(例えば、分子クローニング)を使用して生成される。
一実施形態では、CRISPRヌクレアーゼは、DNA標的化RNA分子(gRNA)と相互作用することが可能なRNA結合部分と、部位指向性酵素活性を呈する活性部分とを更に含む。
一実施形態では、組成物は、DNA標的化RNA分子又はDNA標的化RNA分子をコードするDNAポリヌクレオチドを更に含み、DNA標的化RNA分子は、ガイド配列部分、すなわち、標的領域における配列と相補的であるヌクレオチド配列を含み、DNA標的化RNA分子及びCRISPRヌクレアーゼは、一緒に天然に存在しない。
一実施形態では、DNA標的化RNA分子は、CRISPRヌクレアーゼと複合体を形成することができるヌクレオチド配列を更に含む。
本発明はまた、天然に存在しない組成物であって、
a)直接リピート配列に連結されたガイド配列部分を含む1つ以上のRNA分子であって、ガイド配列が、標的配列とハイブリダイゼーションすることが可能である、1つ以上のRNA分子、又は1つ以上のRNA分子をコードする1つ以上のヌクレオチド配列と、
b)配列番号1のアミノ酸配列と少なくとも95%の同一性を有するアミノ酸配列を含むCRISPRヌクレアーゼ、又はCRISPRヌクレアーゼをコードする配列を含む核酸分子と、を含む、CRISPR関連系を含み、
1つ以上のRNA分子が、標的配列にハイブリダイズし、標的配列が、プロトスペーサー隣接モチーフ(PAM)に隣接しており、1つ以上のRNA分子が、RNAガイドヌクレアーゼと複合体を形成する、組成物を提供する。
一実施形態では、組成物は、CRISPRヌクレアーゼと複合体を形成することができるヌクレオチド配列を含むRNA分子(例えば、tracrRNA分子)、又はCRISPRヌクレアーゼと複合体を形成することができるRNA分子をコードする配列を含むDNAポリヌクレオチドを更に含む。
一実施形態では、組成物は、相同性指向修復(HDR)のためのドナーテンプレートを更に含む。
一実施形態では、組成物は、細胞のゲノム内の標的領域を編集することが可能である。
いくつかの実施形態によれば、天然に存在しない組成物であって、
(a)CRISPRヌクレアーゼ、又はCRISPRヌクレアーゼをコードするポリヌクレオチドであって、
RNA結合部分、及び
部位特異的酵素活性を示す活性部分を含み、CRISPRヌクレアーゼが、配列番号1と少なくとも100%、99%、98%、97%、96%、95%、94%、93%、92%、91%、90%、85%、80%の同一性を有する、CRISPRヌクレアーゼ、又はCRISPRヌクレアーゼをコードするポリヌクレオチドと、
(b)1つ以上のRNA分子、又は1つ以上のRNA分子をコードするDNAポリヌクレオチドであって、
i)標的DNA配列内の配列に相補的なヌクレオチド配列を含む、DNA標的化RNA配列、及び
ii)CRISPRヌクレアーゼのRNA結合部分と相互作用することが可能なタンパク質結合RNA配列を含む、1つ以上のRNA分子、又は1つ以上のRNA分子をコードするDNAポリヌクレオチドと、を含み、
DNA標的化RNA配列とCRISPRヌクレアーゼとが、一緒に天然に存在しない、組成物が提供される。各可能性は、別個の実施形態を表す。
いくつかの実施形態では、DNA標的化RNA配列及びタンパク質結合RNA配列を含む単一RNA分子が提供され、RNA分子が、CRISPRヌクレアーゼと複合体を形成し、DNA標的化モジュールとして機能することができる。いくつかの実施形態では、RNA分子は、最大1000塩基長、900塩基長、800塩基長、700塩基長、600塩基長、500塩基長、400塩基長、300塩基長、200塩基長、100塩基長、50塩基長を有する。各可能性は、別個の実施形態を表す。いくつかの実施形態では、DNA標的化RNA配列を含む第1のRNA分子、及びタンパク質結合RNA配列を含む第2のRNA分子は、塩基対合によって相互作用するか、又は代替的に一緒に融合して、CRISPRヌクレアーゼと複合体を形成し、DNA標的化モジュールとして機能する1つ以上のRNA分子を形成する。
本発明はまた、天然に存在しない組成物であって、
a)配列番号1のアミノ酸配列と少なくとも95%の同一性を有する配列を含むCRISPRヌクレアーゼ、又はCRISPRヌクレアーゼをコードする配列を含む核酸分子と、
b)1つ以上のRNA分子、又は1つ以上のRNA分子をコードする1つ以上のDNAポリヌクレオチドであって、
i)CRISPRヌクレアーゼと相互作用/結合することが可能なヌクレアーゼ結合RNAヌクレオチド配列、及び
ii)標的DNA配列内の配列に相補的な配列を含む、DNA標的化RNAヌクレオチド配列、のうちの少なくとも1つを含む、1つ以上のRNA分子、又は1つ以上のRNA分子をコードする1つ以上のDNAポリヌクレオチドと、を含み、
CRISPRヌクレアーゼが、1つ以上のRNA分子と複合体化して、標的DNA配列とハイブリダイゼーション可能な複合体を形成することが可能である、組成物を提供する。
一実施形態では、CRISPRヌクレアーゼ及び1つ以上のRNA分子は、標的DNA配列に結合して標的DNA配列の切断をもたらすことが可能なCRISPR複合体を形成する。
一実施形態では、CRISPRヌクレアーゼと1つ以上のRNA分子のうちの少なくとも1つとは、一緒に天然に存在しない。
一実施形態では、
a)CRISPRヌクレアーゼは、RNA結合部分と、部位指向性酵素活性を呈する活性部分とを含み、
b)DNA標的化RNAヌクレオチド配列は、標的DNA配列内の配列に相補的なヌクレオチド配列を含み、
c)ヌクレアーゼ結合RNAヌクレオチド配列は、CRISPRヌクレアーゼのRNA結合部分と相互作用する配列を含む。
一実施形態では、ヌクレアーゼ結合RNAヌクレオチド配列及びDNA標的化RNAヌクレオチド配列は、単一ガイドRNA分子(sgRNA)上にあり、sgRNA分子が、CRISPRヌクレアーゼと複合体を形成し、DNA標的化モジュールとして機能することができる。
一実施形態では、ヌクレアーゼ結合RNAヌクレオチド配列は、第1のRNA分子上にあり、DNA標的化RNAヌクレオチド配列は、第2のRNA分子上にあり、第1及び第2のRNA分子は、塩基対合によって相互作用するか、又は一緒に融合して、CRISPRヌクレアーゼと複合体を形成し、DNA標的化モジュールとして機能するRNA複合体又はsgRNAを形成する。
一実施形態では、sgRNAは、最大1000塩基長、900塩基長、800塩基長、700塩基長、600塩基長、500塩基長、400塩基長、300塩基長、200塩基長、100塩基長、50塩基長を有する。
一実施形態では、組成物は、相同性指向修復(HDR)のためのドナーテンプレートを更に含む。
一実施形態では、CRISPRヌクレアーゼは、天然に存在しない。
一実施形態では、CRISPRヌクレアーゼは、操作され、非天然又は合成アミノ酸を含む。
一実施形態では、CRISPRヌクレアーゼは、操作され、核局在化配列(NLS)、細胞透過性ペプチド配列、及び/又は親和性タグのうちの1つ以上を含む。
一実施形態では、CRISPRヌクレアーゼは、真核細胞の核において検出可能な量でのCRISPRヌクレアーゼを含むCRISPR複合体の蓄積を推進するのに十分な強度の1つ以上の核局在化配列を含む。
本発明はまた、無細胞系又は細胞のゲノム内の標的部位におけるヌクレオチド配列を修飾する方法であって、発明の組成物のうちのいずれかを細胞に導入することを含む、方法を提供する。
一実施形態では、細胞は、真核細胞である。
別の実施形態では、細胞は、原核細胞である。
いくつかの実施形態では、1つ以上のRNA分子は、RNAヌクレアーゼと複合体を形成することができるヌクレオチド分子を含むRNA配列(tracrRNA)、又はCRISPRヌクレアーゼと複合体を形成することができるヌクレオチド配列を含むRNA分子をコードするDNAポリヌクレオチドを更に含む。
一実施形態では、CRISPRヌクレアーゼは、アミノ末端若しくはその付近に1、2、3、4、5、6、7、8、9、10個以上のNLSを含むか、カルボキシ末端若しくはその付近に1、2、3、4、5、6、7、8、9、10個以上のNLSを含むか、又はアミノ末端若しくはその付近に1、2、3、4、5、6、7、8、9、10個以上のNLSとカルボキシ末端若しくはその付近に1、2、3、4、5、6、7、8、9、10個以上のNLSとの組み合わせを含む。一実施形態では、1~4個のNLSは、CRISPRヌクレアーゼと融合される。一実施形態では、NLSは、CRISPRヌクレアーゼのオープンリーディングフレーム(ORF)内に位置する。
NLSをアミノ末端若しくはその付近、カルボキシ末端若しくはその付近、又は発現したタンパク質のORF内で融合させる方法は、当該技術分野において周知である。例として、NLSをCRISPRヌクレアーゼのアミノ末端に融合させるためには、NLS融合CRISPRヌクレアーゼをコードする核酸上のCRISPRヌクレアーゼの開始コドンの直後にNLSの核酸配列が配置される。逆に、NLSをCRISPRヌクレアーゼのカルボキシ末端に融合させるためには、NLSの核酸配列は、CRISPRヌクレアーゼの最後のアミノ酸をコードするコドンの後、及び終止コドンの前に配置される。
CRISPRヌクレアーゼのORFに沿った任意の位置における、NLS、細胞透過性ペプチド配列、及び/又は親和性タグの任意の組み合わせが、本発明では企図される。
本明細書で提供されるCRISPRヌクレアーゼのアミノ酸配列及び核酸配列は、CRISPRヌクレアーゼの連続アミノ酸配列又は核酸配列を中断するように挿入されたNLS及び/又はTAGを含み得る。
一実施形態では、1つ以上のNLSは、タンデムリピートである。
一実施形態では、1つ以上のNLSは、NLSの最も近いアミノ酸が、ポリペプチド鎖に沿ってN末端又はC末端から約1、2、3、4、5、10、15、20、25、30、40、50個以上のアミノ酸内にあると、N末端又はC末端に近接しているとみなされる。
上述したように、CRISPRヌクレアーゼは、核局在化配列(NLS)、細胞透過性ペプチド配列、及び/又は親和性タグのうちの1つ以上を含むように操作され得る。
一実施形態では、組成物は、CRISPRヌクレアーゼをコードする配列を含むヌクレオチド酸分子に操作可能に連結した異種プロモーターを含む組換え核酸分子を更に含む。
一実施形態では、CRISPRヌクレアーゼ又はCRISPRヌクレアーゼをコードする配列を含む核酸分子は、天然に存在しないか、又は操作されている。
本発明はまた、発明のCRISPRヌクレアーゼのうちのいずれかをコードする配列を含む核酸分子を含むベクター系を含む、天然に存在しないか、又は操作された組成物を提供する。
本発明はまた、対象のゲノム内の標的部位におけるヌクレオチド配列を修飾することを含む、ゲノム変異関連疾患に罹患している対象を治療するための、発明の組成物のうちのいずれかの使用を提供する。
本発明は、哺乳動物細胞のゲノムにおける標的部位でヌクレオチド配列を修飾する方法であって、細胞に、(i)配列番号1のアミノ酸配列と少なくとも95%の同一性を有するCRISPRヌクレアーゼ、又は配列が配列番号2~3の核酸配列と少なくとも95%の同一性を有するCRISPRヌクレアーゼをコードする配列を含む核酸分子を含む組成物と、(ii)標的DNAにおける配列に相補的であるヌクレオチド配列を含む、DNA標的化RNA分子、又はDNA標的化RNA分子をコードするDNAポリヌクレオチドと、を導入することを含む、方法を提供する。
いくつかの実施形態では、方法は、エクスビボで実施される。いくつかの実施形態では、方法は、インビボで実施される。いくつかの実施形態では、方法のいくつかのステップは、エクスビボで実施され、いくつかのステップは、インビボで実施される。いくつかの実施形態では、哺乳動物細胞は、ヒト細胞である。
一実施形態では、方法は、細胞に、(iii)tracrRNA配列を含むRNA分子、又はtracrRNA配列を含むRNA分子をコードするDNAポリヌクレオチドを導入することを更に含む。
一実施形態では、DNA標的化RNA分子は、crRNAリピート配列を含む。
一実施形態では、tracrRNA配列を含むRNA分子は、DNA標的化RNA分子に結合することができる。
一実施形態では、DNA標的化RNA分子及びtracrRNA配列を含むRNA分子は、相互作用してRNA複合体を形成し、RNA複合体は、CRISPRヌクレアーゼと活性複合体を形成することができる。
一実施形態では、DNA標的化RNA分子及びヌクレアーゼ結合RNA配列を含むRNA分子は、CRISPRヌクレアーゼと活性複合体を形成するのに好適な単一ガイドRNA分子の形態で融合される。
一実施形態では、ガイド配列部分は、プロトスペーサー配列に相補的な配列を含む。
一実施形態では、CRISPRヌクレアーゼは、DNA標的化RNA分子と複合体を形成し、プロトスペーサー隣接モチーフ(PAM)の3’又は5’である領域における二重鎖切断をもたらす。
本明細書に記載の方法のうちのいずれかの一実施形態では、方法は、ゲノム変異関連疾患に罹患している対象を治療するためのものであり、対象のゲノム内の標的部位におけるヌクレオチド配列を修飾することを含む。
一実施形態では、方法は、まず、ゲノム変異関連疾患に罹患している対象を選択し、対象から細胞を得ることを含む。
本発明はまた、本明細書に記載の方法のうちのいずれかによって得られる修飾された1つの細胞又は複数の細胞を提供する。一実施形態では、これらの修飾された1つの細胞又は複数の細胞は、子孫細胞を生じさせることが可能である。一実施形態では、これらの修飾された1つの細胞又は複数の細胞は、生着後に子孫細胞を生じさせることが可能である。
本発明はまた、これらの修飾された細胞及び薬学的に許容可能な担体を含む組成物を提供する。提供されるのはまた、細胞を薬学的に許容可能な担体と混合することを含む、組成物を調製するインビトロ又はエクスビボ方法である。
本発明はまた、天然に存在しないRNA分子を含む組成物であって、RNA分子が、crRNAリピート配列部分及びガイド配列部分を含み、RNA分子が、tracrRNA配列の存在下で、OMNI-103ヌクレアーゼと複合体を形成し、OMNI-103ヌクレアーゼをDNA標的部位に標的化し、tracrRNA配列が、RNA分子のtracrRNA部分又は第2のRNA分子のtracrRNA部分によってコードされる、組成物を提供する。
いくつかの実施形態では、crRNAリピート配列部分は、最大17個のヌクレオチドの長さ、好ましくは14~17個のヌクレオチドの長さである。
いくつかの実施形態では、crRNAリピート配列部分は、配列番号114又は115と少なくとも60~70%、71~80%、81~90%、91~95%、又は96~99%の配列同一性を有する。
いくつかの実施形態では、crRNAリピート配列部分は、配列番号114又は115のうちのいずれか1つと少なくとも95%の配列同一性を有する。
いくつかの実施形態では、crRNAリピート配列は、配列番号115以外である。
いくつかの実施形態では、crRNAリピート配列部分及びガイド配列部分を含むRNA分子は、tracrRNA部分を更に含む。
いくつかの実施形態では、crRNAリピート配列部分は、ポリヌクレオチドリンカー部分によってtracrRNA部分と共有結合する。
いくつかの実施形態では、組成物は、tracrRNA部分を含む第2のRNA分子を含む。
いくつかの実施形態では、OMNI-103ヌクレアーゼは、配列番号1のアミノ酸配列と少なくとも95%の配列同一性を有する。
いくつかの実施形態では、ガイド配列部分は、17~30個のヌクレオチドの長さ、好ましくは22個のヌクレオチドの長さである。
本発明はまた、天然に存在しないRNA分子を含む組成物であって、RNA分子が、tracrRNA配列部分を含み、RNA分子が、crRNAリピート配列部分及びガイド配列部分の存在下で、OMNI-103ヌクレアーゼと複合体を形成し、OMNI-103ヌクレアーゼをDNA標的部位に標的化し、crRNAリピート配列部分及びガイド配列部分が、RNA分子又は第2のRNA分子によってコードされる、組成物を提供する。
いくつかの実施形態では、tracrRNA部分は、85個未満のヌクレオチドの長さ、好ましくは84~80、79~75、74~70、69~65、又は64~60個のヌクレオチドの長さである。
いくつかの実施形態では、tracrRNA部分は、配列番号109~113のうちのいずれか1つのtracrRNA部分と少なくとも30~40%、41~50%、51~60%、61~70%、71~80%、81~90%、91~95%、又は96~99%の配列同一性を有する。
いくつかの実施形態では、tracrRNA部分は、配列番号109~113のうちのいずれか1つのtracrRNA部分と少なくとも95%の配列同一性を有する。
いくつかの実施形態では、tracrRNA部分は、配列番号15又は16のtracr部分以外である。
いくつかの実施形態では、tracrRNA部分は、最大19個のヌクレオチドの長さ、好ましくは16~19個のヌクレオチドの長さであるtracrRNAアンチリピート配列部分を含む。
いくつかの実施形態では、tracrRNA部分は、配列番号116又は117のうちのいずれか1つと少なくとも60~70%、71~80%、81~90%、91~95%、又は96~99%の配列同一性を有するtracrRNAアンチリピート配列部分を含む。
いくつかの実施形態では、tracrRNA部分は、配列番号116又は117のうちのいずれか1つと少なくとも95%の配列同一性を有するtracrRNAアンチリピート配列部分を含む。
いくつかの実施形態では、tracrRNA部分は、配列番号117以外の配列を有するtracrRNAアンチリピート配列部分を含む。
いくつかの実施形態では、RNA分子は、tracrRNA部分を含み、crRNAリピート配列部分及びガイド配列部分を更に含む。
いくつかの実施形態では、tracrRNA部分は、ポリヌクレオチドリンカー部分によってcrRNAリピート配列と共有結合する。
いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチドリンカー部分は、4~10個のヌクレオチドの長さである。
いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチドリンカーは、GAAAの配列を有する。
いくつかの実施形態では、組成物は、crRNAリピート配列部分及びガイド配列部分を含む第2のRNA分子を更に含む。
いくつかの実施形態では、OMNI-103ヌクレアーゼは、配列番号1のアミノ酸配列と少なくとも95%配列同一性である。
いくつかの実施形態では、ガイド配列部分は、17~30個のヌクレオチドの長さ、好ましくは22個のヌクレオチドの長さである。
本発明はまた、天然に存在しないRNA分子を含む組成物であって、RNA分子が、RNA足場部分を含み、RNA足場部分が、
crRNAリピート配列部分-tracrRNA部分の構造を有し、
RNA足場部分が、OMNI-103 CRISPRヌクレアーゼと複合体を形成し、OMNI-103 CRISPRヌクレアーゼを、RNA分子のガイド配列部分と相補性を有するDNA標的部位に標的化する、組成物を提供する。
いくつかの実施形態では、OMNI-103ヌクレアーゼは、配列番号1のアミノ酸配列と少なくとも95%の配列同一性を有する。
いくつかの実施形態では、RNA足場部分は、110~105、104~100、99~95、94~90、89~85、84~80、79~75、又は74~70個のヌクレオチドの長さである。
いくつかの実施形態では、RNA足場部分は、107、101、95、85、又は79個のヌクレオチドの長さである。
いくつかの実施形態では、RNA足場部分は、配列番号109~113のうちのいずれか1つと少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、又は少なくとも95%の配列同一性を有する。
いくつかの実施形態では、crRNAリピート配列部分は、最大17個のヌクレオチドの長さ、好ましくは14~17個のヌクレオチドの長さである。
いくつかの実施形態では、crRNAリピート配列部分は、配列番号114又は115と少なくとも60~70%、71~80%、81~90%、91~95%、又は96~99%の配列同一性を有する。
いくつかの実施形態では、crRNAリピート配列部分は、配列番号114又は115のうちのいずれか1つと少なくとも95%の配列同一性を有する。
いくつかの実施形態では、crRNAリピート配列は、配列番号23以外である。
いくつかの実施形態では、tracrRNA部分は、85個未満のヌクレオチドの長さ、好ましくは84~80、79~75、74~70、69~65、又は64~60個のヌクレオチドの長さである。
いくつかの実施形態では、tracrRNA部分は、配列番号109~113のうちのいずれか1つのtracrRNA部分と少なくとも30~40%、41~50%、51~60%、61~70%、71~80%、81~90%、91~95%、又は96~99%の配列同一性を有する。
いくつかの実施形態では、tracrRNA部分は、配列番号109~113のうちのいずれか1つのtracrRNA部分と少なくとも95%の配列同一性を有する。
いくつかの実施形態では、tracrRNA部分は、配列番号15又は16のtracrRNA部分以外である。
いくつかの実施形態では、RNA足場部分は、crRNAリピート配列部分とtracrRNA部分との間にリンカー部分を更に含み、その結果、RNA足場は、
crRNAリピート配列部分-リンカー部分-tracrRNA部分の構造を有する。
いくつかの実施形態では、tracrRNA部分は、tracrRNAアンチリピート配列部分を含み、crRNAリピート配列及びtracrRNAアンチリピート配列部分は、リンカー部分によって共有結合する。
いくつかの実施形態では、リンカー部分は、4~10個のヌクレオチドの長さであるポリヌクレオチドリンカーである。
いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチドリンカーは、GAAAの配列を有する。
いくつかの実施形態では、tracrRNA部分は、最大19個のヌクレオチドの長さ、好ましくは16~19個のヌクレオチドの長さであるtracrRNAアンチリピート配列部分を含む。
いくつかの実施形態では、tracrRNA部分は、配列番号116又は117のうちのいずれか1つと少なくとも60~70%、71~80%、81~90%、91~95%、又は96~99%の配列同一性を有するtracrRNAアンチリピート配列部分を含む。
いくつかの実施形態では、tracrRNA部分は、配列番号116又は117のうちのいずれか1つと少なくとも95%の配列同一性を有するtracrRNAアンチリピート配列部分を含む。
いくつかの実施形態では、tracrRNAアンチリピート配列は、配列番号117以外である。
いくつかの実施形態では、tracrRNA部分は、tracrRNAアンチリピート部分と結合した第1のヌクレオチドの区画を含み、第1のヌクレオチドの区画は、配列番号118~120のうちのいずれか1つと少なくとも95%の配列同一性を有する。
いくつかの実施形態では、tracrRNA部分は、第1のヌクレオチドの区画と結合した第2のヌクレオチドの区画を含み、第2のヌクレオチドの区画は、配列番号121~124のうちのいずれか1つと少なくとも95%の配列同一性を有する。
いくつかの実施形態では、RNA足場部分は、配列番号109~113のうちのいずれか1つのヌクレオチド配列と少なくとも95%の同一性を有する。
いくつかの実施形態では、RNA足場部分は、V2、V2.1、V2.2、V2.3、V2.4、又はV2.5 RNA足場のうちのいずれか1つの予測される構造を有する。
いくつかの実施形態では、RNA足場部分は、配列番号15又は16以外の配列を有する。
いくつかの実施形態では、ガイド配列部分は、RNA分子のcrRNAリピート配列部分と共有結合して、
ガイド配列部分-crRNAリピート配列部分-tracrRNA部分の構造を有する単一ガイドRNA分子を形成する。
いくつかの実施形態では、ガイド配列部分は、17~30個のヌクレオチド、より好ましくは20~23個のヌクレオチド、より好ましくは22個のヌクレオチドの長さである。
いくつかの実施形態では、OMNI-103 CRISPRヌクレアーゼを更に含み、OMNI-103 CRISPRヌクレアーゼは、配列番号1のアミノ酸配列と少なくとも95%の同一性を有する。
いくつかの実施形態では、RNA分子は、インビトロ転写(IVT)又は固相人工オリゴヌクレオチド合成によって形成される。
いくつかの実施形態では、RNA分子は、修飾ヌクレオチドを含む。
本発明はまた、上記実施形態のうちのいずれか1つのRNA分子をコードするポリヌクレオチド分子を提供する。
本発明はまた、無細胞系又は細胞のゲノムにおけるDNA標的部位のヌクレオチド配列を修飾する方法であって、系又は細胞に、本明細書に提示されるRNA分子のうちのいずれか1つ及び配列番号1のアミノ酸配列と少なくとも95%の配列同一性を有するCRISPRヌクレアーゼを導入することを含む、方法を提供する。
いくつかの実施形態では、細胞は、真核細胞又は原核細胞である。
いくつかの実施形態では、真核細胞は、ヒト細胞又は植物細胞である。
本発明はまた、無細胞系又は細胞のゲノムにおけるDNA標的部位のヌクレオチド配列を修飾するためのキットであって、系又は細胞に、上記実施形態のうちのいずれか1つの組成物、配列番号1のアミノ酸配列と少なくとも95%の配列同一性を有するCRISPRヌクレアーゼ、及びRNA分子及びCRISPRヌクレアーゼを細胞に送達するための説明書を導入することを含む、キットを提供する。
本発明の実施形態では、天然に存在しないRNA分子は、「スペーサー」又は「ガイド配列」部分を含む。RNA分子の「スペーサー部分」又は「ガイド配列部分」は、特定の標的DNA配列にハイブリダイゼーション可能なヌクレオチド配列を指し、例えば、ガイド配列部分は、ガイド配列部分の長さに沿って標的化されるDNA配列に完全に相補的であるヌクレオチド配列を有する。いくつかの実施形態では、ガイド配列部分は、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、若しくは30個のヌクレオチドの長さ、又は約17~30、17~29、17~28、17~27、17~26、17~25、17~24、18~22、19~22、18~20、17~20、若しくは21-22個のヌクレオチドの長さである。好ましくは、ガイド配列部分の全長は、ガイド配列部分の長さに沿って標的化されるDNA配列と完全に相補的である。ガイド配列部分は、CRISPRヌクレアーゼと複合体を形成して活性化することができる「足場部分」を有するRNA分子の一部であり得、RNA分子のガイド配列部分は、CRISPR複合体のDNA標的化部分として機能する。足場部分及びガイド配列部分を有するRNA分子がCRISPR分子と同時に存在する場合、RNA分子は、CRISPRヌクレアーゼを特定の標的DNA配列に標的化することができる。各可能性は、別個の実施形態を表す。RNA分子のスペーサー部分は、任意の所望の配列を標的化するようにカスタム設計することができる。
一実施形態では、ヌクレアーゼ結合RNAヌクレオチド配列及びDNA標的化RNAヌクレオチド配列(例えば、スペーサー又はガイド配列部分)は、単一ガイドRNA分子(sgRNA)上にあり、sgRNA分子は、OMNI-103 CRISPRヌクレアーゼと複合体を形成し、DNA標的化モジュールとして機能することができる。
一実施形態では、ヌクレアーゼ結合RNAヌクレオチド配列は、第1のRNA分子上にあり、DNA標的化RNAヌクレオチド配列は、第2のRNA分子上にあり、第1及び第2のRNA分子は、塩基対形成によって相互作用し、CRISPRヌクレアーゼと複合体を形成し、標的化モジュールとして機能する。
発明のいくつかの態様によれば、開示の方法は、無細胞系又は細胞のゲノム内の標的部位におけるヌクレオチド配列を修飾する方法であって、本明細書に記載の実施形態のうちのいずれか1つの組成物を細胞に導入することを含む、方法を含む。
本発明はまた、細胞内のDNA標的部位のヌクレオチド配列を修飾するための本発明の組成物又は方法のいずれかの使用を提供する。
本発明は、真核細胞のゲノム内の標的部位におけるヌクレオチド配列を修飾する方法を提供する。
本発明は、哺乳動物細胞のゲノム内の標的部位におけるヌクレオチド配列を修飾する方法を提供する。いくつかの実施形態では、哺乳動物細胞は、ヒト細胞である。
本発明は、植物細胞のゲノム内の標的部位におけるヌクレオチド配列を修飾する方法を提供する。
いくつかの実施形態では、方法は、エクスビボで実施される。いくつかの実施形態では、方法は、インビボで実施される。いくつかの実施形態では、方法のいくつかのステップは、エクスビボで実施され、いくつかのステップは、インビボで実施される。いくつかの実施形態では、哺乳動物細胞は、ヒト細胞である。
本発明はまた、本明細書に記載の方法のうちのいずれかによって得られる修飾された1つの細胞又は複数の細胞を提供する。一実施形態では、これらの修飾された1つの細胞又は複数の細胞は、子孫細胞を生じさせることが可能である。一実施形態では、これらの修飾された1つの細胞又は複数の細胞は、生着後に子孫細胞を生じさせることが可能である。
本発明はまた、これらの修飾された細胞及び薬学的に許容可能な担体を含む組成物を提供する。提供されるのはまた、細胞を薬学的に許容可能な担体と混合することを含む、組成物を調製するインビトロ又はエクスビボ方法である。
本発明はまた、無細胞系又は細胞のゲノムにおけるDNA標的部位のヌクレオチド配列を修飾するためのキットであって、系又は細胞に、配列番号1のアミノ酸配列と少なくとも95%の配列同一性を有するCRISPRヌクレアーゼ、CRISPRヌクレアーゼと複合体を形成するように、かつ/又は複合体を標的部位に標的化するように構成されている1つ以上のRNA分子、及びRNA分子及びCRISPRヌクレアーゼを細胞に送達するための説明書を導入することを含む、キットを提供する。例えば、キットは、細胞中又は試験管中のヌクレオチド分子における標的部位(例えば、DNA配列)の存在を検出するための診断キットとして使用され得る。
DNA標的化RNA分子
RNA分子の「ガイド配列部分」は、特定の標的DNA配列にハイブリダイゼーション可能なヌクレオチド配列を指し、例えば、ガイド配列部分は、ガイド配列部分の長さに沿って標的化されるDNA配列と部分的又は完全に相補的であるヌクレオチド配列を有する。いくつかの実施形態では、ガイド配列部分は、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、若しくは50個のヌクレオチドの長さ、又は約17~50、17~49、17~48、17~47、17~46、17~45、17~44、17~43、17~42、17~41、17~40、17~39、17~38、17~37、17~36、17~35、17~34、17~33、17~31、17~30、17~29、17~28、17~27、17~26、17~25、17~24、17~22、17~21、18~25、18~24、18~23、18~22、18~21、19~25、19~24、19~23、19~22、19~21、19~20、20~22、18~20、20~21、21~22、若しくは17~20個のヌクレオチドの長さである。ガイド配列部分の全長は、ガイド配列部分の長さに沿って標的化されるDNA配列に完全に相補的である。ガイド配列部分は、CRISPRヌクレアーゼと複合体を形成することができるRNA分子の一部であり得、ガイド配列部分がCRISPR複合体のDNA標的化部分として機能する。ガイド配列部分を有するDNA分子がCRISPR分子と同時に存在するとき、RNA分子は、CRISPRヌクレアーゼを特定の標的DNA配列に標的化することができる。各可能性は、別個の実施形態を表す。任意の所望の配列を標的化するように、RNA分子をカスタム設計することができる。したがって、「ガイド配列部分」を含む分子は、標的化分子の一種である。本出願全体を通して、「ガイド分子」、「RNAガイド分子」、「ガイドRNA分子」、及び「gRNA分子」という用語は、ガイド配列部分を含む分子と同義であり、「スペーサー」という用語は、ガイド配列部分と同義である。
本発明の実施形態では、CRISPRヌクレアーゼは、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、又は30個のヌクレオチドを有するガイド配列部分を含むRNA分子とともに使用されるとき、その最大の切断活性を有する。
単一ガイドRNA(sgRNA)分子は、CRISPRヌクレアーゼを所望の標的部位に誘導するために使用され得る。単一ガイドRNAは、ガイド配列部分及び足場部分を含む。足場部分は、CRISPRヌクレアーゼと相互作用し、ガイド配列部分と一緒に、CRISPRヌクレアーゼを活性化し、所望の標的部位に標的化する。足場部分は、例えば、縮小されたサイズを有するように、更に操作され得る。例えば、OMNI-103 CRIPSRヌクレアーゼは、79個のヌクレオチドのみの長さである操作された足場部分を有するsgRNA分子でのオンターゲットヌクレアーゼ活性を示す。
発明のいくつかの態様によれば、開示の方法は、無細胞系又は細胞のゲノム内の標的部位におけるヌクレオチド配列を修飾する方法であって、本明細書に記載の実施形態のうちのいずれか1つの組成物を細胞に導入することを含む、方法を含む。
いくつかの実施形態では、細胞は、真核細胞、好ましくは、哺乳動物細胞又は植物細胞である。
発明のいくつかの態様によれば、開示の方法は、ゲノム変異関連疾患に罹患している対象を治療するための、本明細書に記載の組成物のうちのいずれか1つの使用であって、対象のゲノム内の標的部位におけるヌクレオチド配列を修飾することを含む、使用を含む。
発明のいくつかの態様によれば、開示の方法は、変異障害を有する対象を治療する方法であって、本明細書に記載の組成物のうちのいずれか1つを、変異障害に関連する対立遺伝子に標的化することを含む、方法を含む。
いくつかの実施形態では、変異障害は、新生物、加齢関連黄斑変性、統合失調症、神経学的、神経変性、又は運動障害、脆弱X症候群、分泌酵素関連障害、プリオン関連障害、ALS、中毒、自閉症、アルツハイマー病、好中球減少症、炎症関連障害、パーキンソン病、血液及び凝固疾患及び障害、ベータサラセミア、鎌状赤血球症、細胞調節不全及び腫瘍疾患及び障害、炎症及び免疫関連疾患及び障害、代謝性、肝臓、腎臓、及びタンパク質疾患及び障害、筋肉及び骨格疾患及び障害、皮膚疾患及び障害、神経学的及び神経疾患及び障害、並びに眼疾患及び障害のうちのいずれかから選択される疾患又は障害に関連する。
OMNI CRISPRヌクレアーゼドメイン
CRISPRヌクレアーゼの特徴的な標的化ヌクレアーゼ活性は、その特異的ドメインの様々な機能によって付与される。本出願では、OMNI-103 CRISPRヌクレアーゼドメインは、ドメインA、ドメインB、ドメインC、ドメインD、ドメインE、ドメインF、ドメインG、ドメインH、ドメインI、及びドメインJとして定義される。
各OMNI-103 CRISPRヌクレアーゼドメインの活性は、本明細書に記載されており、各ドメイン活性は、ヌクレアーゼの有利な特徴の態様を提供する。
具体的には、ドメインA、ドメインG、及びドメインIは、DNA鎖切断に関与するヌクレアーゼ活性部位を含有する、OMNI CRISPRヌクレアーゼの構造単位を形成する。ドメインA、ドメインG、及びドメインIによって形成された構造単位は、二本鎖DNA標的部位に結合するガイドRNA分子によって置き換えられるDNA鎖を切断する。
ドメインBは、OMNI CRISPRヌクレアーゼのDNA部位の標的への結合後、DNA切断活性を開始することに関与する。
ドメインC、ドメインD、ドメインE、及びドメインFは、ガイドRNA分子に結合し、標的部位認識のための特異性を提供することに関与する。
ドメインHは、DNA鎖切断に関与するヌクレアーゼ活性部位を含有する。ドメインHは、ガイドRNA分子がDNA標的部位に結合するDNA鎖を切断する。
ドメインJは、PAM部位照合及び認識の態様を含む、PAM部位特異性をOMNI CRISPRヌクレアーゼに提供することに関与する。ドメインJはまた、トポイソメラーゼ活性を行う。
他のCRISPRヌクレアーゼドメイン及びそれらの一般機能の更なる説明は、とりわけ、参照により本明細に組み込まれる、Mir et al., ACS Chem. Biol. (2019), Palermo et al., Quarterly Reviews of Biophysics (2018), Jiang and Doudna, Annual Review of Biophysics (2017), Nishimasu et al., Cell (2014)及びNishimasu et al., Cell (2015)に見出すことができる。
本発明の一態様では、OMNI CRISPRヌクレアーゼドメインと類似性を有するアミノ酸配列は、ペプチドが、OMNI CRISPRヌクレアーゼドメイン活性の有利な特徴を示すように、天然に存在しないペプチド、例えば、CRISPRヌクレアーゼの設計及び製造に利用され得る。
一実施形態では、そのようなペプチド、例えば、CRISPRヌクレアーゼは、OMNI-103 CRISPRヌクレアーゼのドメインA、ドメインB、ドメインC、ドメインD、ドメインE、ドメインF、ドメインG、ドメインH、ドメインI、又はドメインJのうちの少なくとも1つのアミノ酸配列と少なくとも100%、99.5%、99%、98%、97%、96%、95%、94%、93%、92%、91%、90%、89%、88%、87%、86%、85%、84%、83%、82%、81%、80%、79%、78%、77%、76%、75%、74%、73%、72%、71%、又は70%の同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、ペプチドは、OMNI-103 CRISPRヌクレアーゼのドメインA、ドメインB、ドメインC、ドメインD、ドメインE、ドメインF、ドメインG、ドメインH、ドメインI、及びドメインJのアミノ酸配列と100%、99.5%、99%、98%、97%、96%、95%、94%、93%、92%、91%、90%、89%、88%、87%、86%、85%、84%、83%、82%、81%、80%、79%、78%、77%、76%、75%、74%、73%、72%、71%、又は70%の同一性を有するアミノ酸配列から選択される、少なくとも1個、少なくとも2個、少なくとも3個、少なくとも4個、少なくとも5個、少なくとも6個、少なくとも7個、少なくとも8個、少なくとも9個、少なくとも10個、又は少なくとも11個のアミノ酸配列を含む。各可能性は、別個の実施形態を表す。一実施形態では、ペプチドは、OMNI-103 CRISPRヌクレアーゼのドメインA、ドメインB、ドメインC、ドメインD、ドメインE、ドメインF、ドメインG、ドメインH、ドメインI、又はドメインJのうちの少なくとも1つのアミノ酸配列と少なくとも100%、99.5%、99%、98%、97%、96%、95%、94%、93%、92%、91%、90%、89%、88%、87%、86%、85%、84%、83%、82%、81%、80%、79%、78%、77%、76%、75%、74%、73%、72%、71%、又は70%の同一性を有するアミノ酸配列外の完全長OMNI-103 CRISPRヌクレアーゼアミノ酸配列に対する広範なアミノ酸変動性を示す。一実施形態では、ペプチドは、2つのドメイン配列間に介在するアミノ酸配列を含む。一実施形態では、介在するアミノ酸配列は、1~10個、10~20個、20~40個、40~50個、50~60個、80~100個、100~150個、150~200個、200~250個、最大100個、最大200個、又は最大300個のアミノ酸長である。各可能性は、別個の実施形態を表す。一実施形態では、介在する配列は、リンカー配列である。一実施形態では、CRISPRヌクレアーゼは、OMNI CRISPRヌクレアーゼからの複数のドメインを含み、ドメインは、好ましくは、CRISPRヌクレアーゼのN末端からC末端まで、アルファベット順に整理される。例えば、CRISPRヌクレアーゼは、OMNI-103のドメインA、ドメインE、及びドメインIを含み、CRISPRヌクレアーゼ配列におけるそれらのドメインの順序は、ドメインA、ドメインE、及び最後にドメインIであり、各ドメインのいずれかの末端又は両端に介在配列の可能性がある。
本発明の一態様では、本明細書に記載されるOMNI CRISPRヌクレアーゼのドメインのうちのいずれか1つをコードするアミノ酸配列は、元のOMNI CRISPRヌクレアーゼドメイン配列と比較して、1つ以上のアミノ酸置換を含み得る。アミノ酸置換は、保存的置換、すなわち、元のアミノ酸と同様の化学的特性を有するアミノ酸との置換であり得る。例えば、正に荷電したアミノ酸は、交互に正に荷電したアミノ酸と置換され得、例えば、アルギニン残基が、リジン残基と置換され得るか、又は極性アミノ酸が、異なる極性アミノ酸と置換され得る。保存的置換は、より許容性が高く、OMNI CRISPRヌクレアーゼのドメインのうちのいずれか1つをコードするアミノ酸配列は、10%ほどのそのような置換を含有し得る。アミノ酸置換は、ラジカル置換、すなわち、元のアミノ酸とは異なる化学的特性を有するアミノ酸との置換であり得る。例えば、正に荷電したアミノ酸は、負に荷電したアミノ酸と置換され得、例えば、アルギニン残基が、グルタミン酸残基と置換され得るか、又は極性アミノ酸が、非極性アミノ酸と置換され得る。アミノ酸置換は、半保存的置換であり得るか、又はアミノ酸置換は、任意の他のアミノ酸に対してであり得る。置換は、元のOMNI CRISPRヌクレアーゼドメイン機能と比較して活性を改変させ得、例えば、触媒ヌクレアーゼ活性を低減し得る。
本発明のいくつかの態様によれば、開示される組成物は、CRISPRヌクレアーゼを含む天然に存在しない組成物を含み、CRISPRヌクレアーゼは、OMNI-103 CRISPRヌクレアーゼのドメインA、ドメインB、ドメインC、ドメインD、ドメインE、ドメインF、ドメインG、ドメインH、ドメインI、又はドメインJのうちの少なくとも1つのアミノ酸配列に対応するアミノ酸配列を含む。そのそれぞれのOMNI CRISPRヌクレアーゼアミノ酸配列内の各ドメインのアミノ酸範囲は、補足表1に提供される。本発明のいくつかの実施形態では、CRISPRヌクレアーゼは、少なくとも1つ、少なくとも2つ、少なくとも3つ、少なくとも4つ、又は少なくとも5つのアミノ酸配列を含み、各アミノ酸配列は、OMNI-103 CRISPRヌクレアーゼのアミノ酸配列ドメインA、ドメインB、ドメインC、ドメインD、ドメインE、ドメインF、ドメインG、ドメインH、ドメインI、又はドメインJのうちのいずれか1つに対応する。したがって、CRISPRヌクレアーゼは、OMNI CRISPRヌクレアーゼのドメインA、ドメインB、ドメインC、ドメインD、ドメインE、ドメインF、ドメインG、ドメインH、ドメインI、又はドメインJのうちのいずれかに対応するアミノ酸配列の任意の組み合わせを含み得る。いくつかの実施形態では、アミノ酸配列は、少なくとも100~250、250~500、500~1000、1000~1500、1000~1700、又は1000~2000アミノ酸長である。
疾患及び療法
発明のある特定の実施形態では、遺伝子編集の形態、治療する方法、又は療法として、ヌクレアーゼを、疾患又は障害に関連する特定の遺伝子座に標的化する。例えば、遺伝子の編集又はノックアウトを誘導するために、本明細書に開示される新規ヌクレアーゼは、カスタム設計されたガイドRNA分子を使用して遺伝子の病原性変異対立遺伝子に特異的に標的化され得る。ガイドRNA分子は、好ましくは、まず、本明細書に示されるように、遺伝子編集が実施されている系にも依存する、ヌクレアーゼのPAM要件を考慮することによって設計される。例えば、OMNI-103ヌクレアーゼを標的部位に標的化するように設計されたガイドRNA分子は、OMNI-103 PAM配列、例えば、「NNRRHY」又は「NNRACT」又は「NNRVCT」に隣接するDNA二重鎖領域のDNA鎖に相補的なスペーサー領域を含有するように設計される。ガイドRNA分子は、更に、好ましくは、ヌクレアーゼの特異的活性を増加させ、オフターゲット効果を低減するために、十分であり、好ましくは最適な長さのスペーサー領域(すなわち、標的対立遺伝子に相補性を有するガイドRNA分子の領域)を含有するように設計される。
非限定的な例として、ガイドRNA分子は、ヌクレアーゼによって引き起こされるDNA損傷の際に、非相同末端接合(NHEJ)経路が誘導され、フレームシフト変異の導入による変異対立遺伝子のサイレンシングをもたらすように、ヌクレアーゼを変異対立遺伝子の特定領域に標的化するように設計され得る。ガイドRNA分子設計に対するこのアプローチは、ドミナントネガティブ変異の効果を変化させ、それによって対象を治療するために特に有用である。別個の非限定的な例として、ガイドRNA分子は、ヌクレアーゼによって引き起こされるDNA損傷の際に、相同性指向修復(HDR)経路が誘導され、変異対立遺伝子のテンプレート媒介性補正をもたらすように、変異対立遺伝子の特定の病原性変異を標的化するように設計され得る。ガイドRNA分子に対するこのアプローチは、変異対立遺伝子のハプロ不全効果を変化させ、それによって対象を治療するために特に有用である。
疾患又は障害を治療するための変化のために標的化され得る特定の遺伝子の非限定的な例を本明細書で以下に提示する。変異障害を誘導する特定の疾患関連遺伝子及び変異は、文献に記載されている。そのような変異は、CRISPR組成物を疾患関連遺伝子の対立遺伝子に標的化するようにDNA標的化RNA分子を設計するために使用することができ、CRISPR組成物が、DNA損傷を引き起こし、DNA修復経路を誘導して対立遺伝子を変化させ、それによって変異障害を治療する。
ELANE遺伝子の変異は、好中球減少症に関連している。したがって、限定されないが、ELANEを標的化する発明の実施形態は、好中球減少症に罹患している対象を治療する方法で使用され得る。
CXCR4は、ヒト免疫不全ウイルス1型(HIV-1)感染症の共受容体である。したがって、限定されないが、CXCR4を標的化する発明の実施形態は、HIV-1に罹患している対象を治療する方法、又はHIV-1感染に対する耐性を対象に付与する方法で使用され得る。
プログラム細胞死タンパク質1(PD-1)破壊は、腫瘍細胞のCAR-T細胞媒介性殺傷を向上させ、PD-1は、他のがん療法における標的であり得る。したがって、限定されないが、PD-1を標的化する発明の実施形態は、がんに罹患している対象を治療する方法で使用され得る。一実施形態では、治療は、PD-1欠損となるように発明に従って修飾されたT細胞を用いたCAR-T細胞療法である。
加えて、BCL11Aは、ヘモグロビン産生の抑制において役割を果たす遺伝子である。グロビン産生は、BCL11Aを阻害することによって、サラセミア又は鎌状赤血球貧血などの疾患を治療するために増加され得る。例えば、国際公開第2017/077394号、米国特許出願公開第2011/0182867号、Humbert et al. Sci. Transl. Med. (2019)及びCanver et al. Nature (2015)を参照されたい。したがって、限定されないが、BCL11Aのエンハンサーを標的化する発明の実施形態は、ベータサラセミア又は鎌状赤血球貧血に罹患している対象を治療する方法で使用され得る。
発明の実施形態はまた、任意の疾患関連遺伝子を標的化するために、以下の表A又は表Bに列挙される疾患又は障害のうちのいずれかを研究、変化、又は治療するために使用され得る。実際、遺伝子座に関連する任意の疾患は、本明細書に開示のヌクレアーゼを、適切な疾患関連遺伝子、例えば、米国特許出願公開第2018/0282762号及び欧州特許第3079726号に列挙されているものを標的化することによって、研究、変化、又は治療することができる。
別途定義されない限り、本明細書で使用される全ての技術用語及び/又は科学用語は、発明が関連する技術分野の当業者によって通常理解されるのと同じ意味を有する。本明細書に記載されるものと同様又は同等の方法及び材料を、発明の実施形態の実施又は試験で使用することができるが、例示的な方法及び/又は材料を以下に記載する。矛盾する場合、定義を含む特許明細書が優先されるであろう。加えて、材料、方法、及び実施例は、単なる例示であり、必ずしも限定することを意図しない。
別途記載されない限り、考察における発明の実施形態の1つの特色又は複数の特色の条件又は関係特徴を修正する「実質的に」及び「約」などの形容詞は、条件又は特徴が、それが意図される用途のための実施形態の操作に対して許容可能な許容範囲内に定義されることを意味すると理解される。別途示されない限り、本明細書及び特許請求の範囲における「又は」という単語は、排他的な又はではなく、包括的な「又は」であるとみなされ、それが結合する項目のうちの少なくとも1つ及び任意の組み合わせを示す。
上及び本明細書の他の箇所で使用される「a」及び「an」という用語は、列挙された構成要素のうちの「1つ以上」を指すことが理解されるべきである。別途特別に記載されない限り、単数形の使用が複数形を含むことは当業者には明らかであろう。したがって、「a」、「an」、及び「少なくとも1つ」という用語は、本出願において同義に使用される。
本教示のより良好な理解、及び教示の範囲を決して限定しないことを目的とするために、別途示されない限り、本明細書及び特許請求の範囲で使用される量、割合、又は比率、及び他の数値を表す全ての数は、「約」という用語によって全ての事例で修正されるものと理解されるものである。したがって、別途逆の意味が示されない限り、以下の明細書及び添付の特許請求の範囲に記載の数値パラメータは、得ることが求められる所望の特性に応じて変動し得る近似値である。最低限でも、各数値パラメータは、少なくとも、報告された有意な桁の数に照らして、及び通常の丸め技法を適用することによって解釈されるべきである。
本明細書で数値範囲が列挙される場合、本発明は、別途記載されない限り、上限と下限との間の各整数、並びに上限及び下限を含む各整数を企図することが理解される。
本出願の記載及び特許請求の範囲では、動詞「含む(comprise)」、「含む(include)」、及び「有する」、及びそれらの活用形の各々は、必ずしも動詞の1つの目的語又は複数の目的語が、構成要素、要素、又は動詞の1つの対象又は複数の対象の一部の完全な列挙ではないことを示すために使用される。本明細書で使用される他の用語は、当該技術分野において周知の意味によって定義されることを意味する。
「ポリヌクレオチド」、「ヌクレオチド」、「ヌクレオチド配列」、「核酸」、及び「オリゴヌクレオチド」という用語は、同義に使用される。これらは、任意の長さのヌクレオチド、デオキシリボヌクレオチド若しくはリボヌクレオチドのいずれか、又はそれらの類似体のポリマー形態を指す。ポリヌクレオチドは、任意の三次元構造を有し得、既知又は未知の任意の機能を実施し得る。以下は、ポリヌクレオチドの非限定的な例である:遺伝子又は遺伝子断片のコード領域又は非コード領域、連結分析から定義される複数の遺伝子座(1つの遺伝子座)、鉄におけるエクソン、メッセンジャーRNA(mRNA)、転写RNA、リボソームRNA、短い干渉RNA(siRNA)、短いヘアピンRNA(shRNA)、マイクロRNA(miRNA)、リボザイム、cDNA、組換えポリヌクレオチド、分岐ポリヌクレオチド、プラスミド、ベクター、任意の配列の単離DNA、任意の配列の単離RNA、核酸プローブ、及びプライマーである、ポリヌクレオチドは、メチル化ヌクレオチド及びヌクレオチド類似体などの1つ以上の修飾ヌクレオチドを含み得る。存在する場合、ヌクレオチド構造への修飾は、ポリマーの組み立ての前又は後に付与され得る。ヌクレオチドの配列は、非ヌクレオチド成分によって中断されてもよい。ポリヌクレオチドは、標識構成要素とのコンジュゲーションなどによる重合後に、更に修飾され得る。
「ヌクレオチド類似体」又は「修飾ヌクレオチド」という用語は、ヌクレオシドの窒素塩基(例えば、シトシン(C)、チミン(T)、又はウラシル(U)、アデニン(A)、又はグアニン(G))の中若しくは上に、ヌクレオシドの糖部分(例えば、リボース、デオキシリボース、修飾リボース、修飾デオキシリボース、6員糖類似体、又は開鎖糖類似体)、又はリン酸塩の中若しくは上に、1つ以上の化学的修飾(例えば、置換)を含有するヌクレオチドを指す。本明細書に記載のRNA配列の各々は、1つ以上のヌクレオチド類似体を含み得る。
本明細書で使用される場合、以下のヌクレオチド識別子は、参照されるヌクレオチド塩基を表すために使用される。
本明細書で使用される場合、「標的化配列」又は「標的化分子」という用語は、特定の標的配列にハイブリダイズすることが可能なヌクレオチド配列又はヌクレオチド配列を含む分子を指し、例えば、標的化配列は、標的化配列の長さに沿って標的化される配列に少なくとも部分的に相補的であるヌクレオチド配列を有する。標的化配列又は標的化分子は、CRISPRヌクレアーゼと複合体を形成することができる、標的化RNA分子の一部であり得、標的化配列がCRISPR複合体の標的化部分として機能する。標的化配列を有する分子がCRISPR分子と同時に存在すると、RNA分子は、CRISPRヌクレアーゼを特異的標的配列に標的化させることが可能である。各可能性は、別個の実施形態を表す。任意の所望の配列に標的化するように、標的化RNA分子をカスタム設計することができる。
本明細書で使用される場合、「標的化する」という用語は、標的化配列又は標的化分子を、標的ヌクレオチド配列を有する核酸に優先的にハイブリダイゼーションすることを指す。「標的化する」という用語は、標的ヌクレオチド配列を有する核酸を優先的に標的化するが、オンターゲットハイブリダイゼーションに加えて、意図しないオフターゲットハイブリダイゼーションも生じ得るように、可変的なハイブリダイゼーション効率を包含することが理解される。RNA分子が配列を標的化する場合、RNA分子とCRISPRヌクレアーゼ分子との複合体は、ヌクレアーゼ活性によりその配列を標的化することが理解される。
複数の細胞に存在するDNA配列を標的化する背景では、標的化は、RNA分子のガイド配列部分と、細胞のうちの1つ以上の配列とのハイブリダイゼーションを包含し、また、RNA分子と、複数の細胞において全ての細胞よりも少ない標的配列とのハイブリダイゼーションを包含することが理解される。したがって、RNA分子が複数の細胞内の配列を標的化する場合、RNA分子及びCRISPRヌクレアーゼの複合体は、1つ以上の細胞内の標的配列とハイブリダイズすると理解され、また、全ての細胞よりも少ない標的配列とハイブリダイゼーションし得ることが理解される。したがって、RNA分子とCRISPRヌクレアーゼとの複合体は、1つ以上の細胞の標的配列とのハイブリダイゼーションと関連して二重鎖分解を導入し、また、全ての細胞よりも少ない標的配列とのハイブリダイゼーションと関連して二重鎖分解を導入し得ることが理解される。本明細書で使用される場合、「修飾細胞」という用語は、二重鎖分解が、標的配列とのハイブリダイゼーション、すなわち、オンターゲットハイブリダイゼーションの結果として、RNA分子とCRISPRヌクレアーゼとの複合体によって影響を受ける細胞を指す。
本明細書で使用される場合、「野生型」という用語は、当業者によって理解される当該技術分野の用語であり、変異形態又はバリアント形態とは区別される、天然に存在する生物、株、遺伝子、又は特徴の典型的な形態を意味する。したがって、本明細書で使用される場合、アミノ酸又はヌクレオチドの配列が野生型配列を指す場合、バリアントは、例えば、置換、欠失、挿入を含む、その配列のバリアントを指す。本発明の実施形態では、操作されたCRISPRヌクレアーゼは、表1に示されるCRISPRヌクレアーゼのうちのいずれかのCRISPRヌクレアーゼと比較して、少なくとも1つのアミノ酸修飾(例えば、置換、欠失、及び/又は挿入)を含むバリアントCRISPRヌクレアーゼである。
「天然に存在しない」又は「操作」という用語は、同義に使用され、ヒトの操作を示す。核酸分子又はポリペプチドを指す場合、これらの用語は、核酸分子又はポリペプチドが、それらが天然で自然に関連し、天然で見出される少なくとも1つの他の構成要素を少なくとも実質的に含まないことを意味し得る。
本明細書で使用される場合、「アミノ酸」という用語は、グリシン、及びD又はIの両方、光学異性体、及びアミノ酸類似体、及びペプチド模倣体を含む、天然及び/又は非天然又は合成アミノ酸を含む。
本明細書で使用される場合、「ゲノムDNA」は、目的の1つの細胞又は複数の細胞に存在する線状及び/若しくは染色体DNA、並びに/又はプラスミド、又は他の染色体外DNA配列を指す。いくつかの実施形態では、目的の細胞は、真核細胞である。いくつかの実施形態では、目的の細胞は、原核細胞である。いくつかの実施形態では、方法は、ゲノムDNA配列内の所定の標的部位で二重鎖分解(DSB)を生じ、ゲノム内の標的部位におけるDNA配列の変異、挿入、及び/又は欠失を生じる。
「真核生物」細胞としては、限定されないが、真菌細胞(酵母など)、植物細胞、動物細胞、哺乳動物細胞、及びヒト細胞が挙げられる。
本明細書で使用される場合、「ヌクレアーゼ」という用語は、核酸のヌクレオチドサブユニット間のホスホジエステル結合を切断することが可能な酵素を指す。ヌクレアーゼは、天然源から単離されていても、又は天然源に由来してもよい。天然源は、任意の生物であり得る。代替的に、ヌクレアーゼは、ホスホジエステル結合切断活性を保持する修飾タンパク質又は合成タンパク質であり得る。
本明細書で使用される場合、「PAM」という用語は、標的化されたDNA配列に近接して位置し、CRISPRヌクレアーゼによって認識される標的DNAのヌクレオチド配列を指す。PAM配列は、ヌクレアーゼの同一性に応じて異なり得る。
本明細書で使用される場合、「変異障害」又は「変異疾患」という用語は、変異によって引き起こされる遺伝子の機能不全に関連する任意の障害又は疾患を指す。変異障害として現れる機能不全遺伝子は、その対立遺伝子のうちの少なくとも1つに変異を含有し、「疾患関連遺伝子」と称される。変異は、疾患関連遺伝子の任意の部分、例えば、調節部分、コード部分、又は非コード部分にあり得る。変異は、置換、挿入、又は欠失などの任意のクラスの変異であり得る。疾患関連遺伝子の変異は、劣性、ドミナントネガティブ、機能獲得、機能喪失、又は遺伝子産物のハプロ不全をもたらす変異などの任意のタイプの変異のメカニズムによる障害又は疾患として現れ得る。
本発明の実施形態が、プロトスペーサー隣接モチーフ(PAM)に隣接する目的の標的ゲノムDNA配列と会合するためなどの、ヌクレアーゼ、例えばCRISPRヌクレアーゼと複合体化することが可能なRNA分子を開示していることを当業者は理解するであろう。次いで、ヌクレアーゼは標的DNAの切断を媒介して、プロトスペーサー内に二重鎖分解を作り出す。
本発明の実施形態では、CRISPRヌクレアーゼ及び標的化分子は、標的DNA配列に結合して標的DNA配列の切断をもたらすCRISPR複合体を形成する。CRISPRヌクレアーゼは、更なる別個のtracrRNA分子なしで、CRISPRヌクレアーゼ及びRNA分子を含むCRISPR複合体を形成し得る。代替的に、CRISPRヌクレアーゼは、CRISPRヌクレアーゼ、RNA分子、及びtracrRNA分子の間でCRISPR複合体を形成し得る。
「タンパク質結合配列」又は「ヌクレアーゼ結合配列」という用語は、CRISPRヌクレアーゼと結合してCRISPR複合体を形成することが可能な配列を指す。当業者は、CRISPRヌクレアーゼと結合してCRISPR複合体を形成することが可能なtracrRNAが、タンパク質又はヌクレアーゼ結合配列を含むことを理解するであろう。
CRISPRヌクレアーゼの「RNA結合部分」は、RNA分子に結合してCRISPR複合体、例えばtracrRNA分子のヌクレアーゼ結合配列を形成し得るCRISPRヌクレアーゼの部分を指す。CRISPRヌクレアーゼの「活性部分(activity portion)」又は「活性部分(active portion)」は、例えばDNA標的化RNA分子と複合体を形成すると、DNA分子内の二重鎖分解をもたらすCRISPRヌクレアーゼの部分を指す。
RNA分子は、塩基対形成を介してtracrRNAにハイブリダイゼーションし、CRISPR複合体の形成を促進するように、tracrRNA分子に十分に相補的な配列を含み得る。(米国特許第8,906,616号を参照されたい)。本発明の実施形態では、RNA分子は、tracrメイト配列を有する部分を更に含み得る。
本発明の実施形態では、標的化分子は、tracrRNA分子の配列を更に含み得る。そのような実施形態は、RNA分子のガイド部分(gRNA又はcrRNA)と、トランス活性化crRNA(tracrRNA)との合成融合として設計され得、一緒に単一ガイドRNA(sgRNA)を形成する。(Jinek et al., Science (2012)を参照されたい)。本発明の実施形態はまた、別個のtracrRNA分子及びガイド配列部分を含む別個のRNA分子を利用して、CRISPR複合体を形成し得る。そのような実施形態では、tracrRNA分子は、塩基対形成を介してRNA分子とハイブリダイゼーションし得、本明細書に記載の発明のある特定の用途において有利であり得る。
本発明の実施形態では、RNA分子は、RNA分子の構造を更に定義し得る「ネクサス」領域及び/又は「ヘアピン」領域を含み得る。(Briner et al., Molecular Cell (2014)を参照されたい)。
本明細書で使用される場合、「直接リピート配列」という用語は、ヌクレオチド配列の特定のアミノ酸配列の2つ以上のリピートを指す。
本明細書で使用される場合、CRISPRヌクレアーゼと「相互作用する」又は「結合する」ことが可能なRNA配列又は分子は、CRISPRヌクレアーゼとCRISPR複合体を形成するRNA配列又は分子の能力を指す。
本明細書で使用される場合、「操作可能に連結した」という用語は、2つの配列間又は分子間の関係(すなわち、融合、ハイブリダイゼーション)が、それらが意図された様式で機能することを可能にする関係を指す。本発明の実施形態では、RNA分子がプロモーターに操作可能に連結されていると、RNA分子とプロモーターとの両方が、意図された様式で機能することが可能になる。
本明細書で使用される場合、「異種プロモーター」という用語は、促進される分子又は経路が一緒に天然に存在しないプロモーターを指す。
本明細書で使用される場合、分子の配列間の塩基又はアミノ酸のX%が同じであり、同じ相対位置にある場合、配列又は分子は、別の配列又は分子とX%の「配列同一性」を有する。例えば、第2のヌクレオチド配列と少なくとも95%の配列同一性を有する第1のヌクレオチド配列は、他の配列と同じ相対位置において少なくとも95%同一の塩基を有するであろう。
核局在化配列
「核局在化配列」及び「NLS」という用語は、核エンベロープバリアを越えて細胞の細胞質からのタンパク質と会合するタンパク質の輸送を指示するアミノ酸配列/ペプチドを示すために同義に使用される。「NLS」という用語は、特定のペプチドの核局在化配列だけでなく、核エンベロープバリアを超えて細胞質ポリペプチドのトランスロケーションを指示することが可能なその誘導体も包含することが意図される。NLSは、ポリペプチドのN末端、C末端、又はN末端とC末端との両方に結合すると、ポリペプチドの核トランスロケーションを指示することが可能である。加えて、そのN末端又はC末端によってポリペプチドのアミノ酸配列に沿ってランダムに位置するアミノ酸側鎖に結合したNLSを有するポリペプチドは、トランスロケーションされるであろう。典型的には、NLSは、タンパク質表面に露出している正に荷電したリジン又はアルギニンの1つ以上の短い配列からなるが、他のタイプのNLSが知られている。NLSの非限定的な例としては、SV40ウイルス大型T抗原、ヌクレオプラズミン、c-myc、hRNPal M9 NLS、インポーチン-アルファからのIBBドメイン、筋腫Tタンパク質、ヒトp53、マウスc-abl IV、インフルエンザvims NS1、肝炎ウイルスデルタ抗原、マウスMx1タンパク質、ヒトポリ(ADP-リボース)ポリメラーゼ、及びステロイドホルモン受容体(ヒト)グルココルチコイドに由来するNLS配列が挙げられる。
送達
本明細書に記載のCRISPRヌクレアーゼ又はCRISPR組成物は、タンパク質、DNA分子、RNA分子、リボ核タンパク質(RNP)、核酸ベクター、又はそれらの任意の組み合わせとして送達され得る。いくつかの実施形態では、RNA分子は、化学的修飾を含む。好適な化学的修飾の非限定的な例には、2’-0-メチル(M)、2’-0-メチル、3’ホスホロチオエート(MS)又は2’-0-メチル、3’チオPACE(MSP)、シュードウリジン、及び1-メチルシュード-ウリジンが含まれる。各可能性は、本発明の別個の実施形態を表す。
本明細書に記載のCRISPRヌクレアーゼ及び/若しくはそれをコードするポリヌクレオチド、並びに任意選択的に追加のタンパク質(例えば、ZFP、TALEN、転写因子、制限酵素)、並びに/又はガイドRNAなどのヌクレオチド分子は、任意の好適な手段によって標的細胞に送達され得る。標的細胞は、任意の環境の、例えば、単離された若しくは単離されていない、培養中の、インビトロ、エクスビボ、インビボ、又は植物体内で維持されている、任意のタイプの細胞、例えば、真核細胞又は原核細胞であり得る。
いくつかの実施形態では、送達される組成物は、ヌクレアーゼのmRNA及びガイドのRNAを含む。いくつかの実施形態では、送達される組成物は、ヌクレアーゼのmRNA、ガイドのRNA、及びドナーテンプレートを含む。いくつかの実施形態では、送達される組成物は、CRISPRヌクレアーゼ及びガイドRNAを含む。いくつかの実施形態では、送達される組成物は、CRISPRヌクレアーゼ、ガイドRNA、及び例えば、相同性指向修復を介した遺伝子編集のためのドナーテンプレートを含む。いくつかの実施形態では、送達される組成物は、ヌクレアーゼのmRNA、DNA標的化RNA、及びtracrRNAを含む。いくつかの実施形態では、送達される組成物は、ヌクレアーゼのmRNA、DNA標的化RNA、及びtracrRNA、及びドナーテンプレートを含む。いくつかの実施形態では、送達される組成物は、CRISPRヌクレアーゼDNA標的化RNA及びtracrRNAを含む。いくつかの実施形態では、送達される組成物は、CRISPRヌクレアーゼ、DNA標的化RNA、及びtracrRNA、及び例えば、相同性指向修復を介した遺伝子編集のためのドナーテンプレートを含む。
任意の好適なウイルスベクター系を使用して、RNA組成物を送達することができる。従来のウイルス及び非ウイルスに基づく遺伝子転写方法を使用して、細胞(例えば、哺乳動物細胞、植物細胞など)及び標的組織に核酸及び/又はCRISPRヌクレアーゼを導入することができる。そのような方法はまた、インビトロで細胞に、CRISPRヌクレアーゼタンパク質をコードする核酸及び/又はCRISPRヌクレアーゼタンパク質を投与するために使用され得る。ある特定の実施形態では、核酸及び/又はCRISPRヌクレアーゼは、インビボ又はエクスビボ遺伝子療法を使用するために投与される。非ウイルスベクター送達系は、裸の核酸、及びリポソーム又はポロキサマーなどの送達ビヒクルと複合体化された核酸を含む。遺伝子療法手順の概説については、Anderson, Science (1992);Nabel and Felgner, TIBTECH (1993);Mitani and Caskey, TIBTECH (1993);Dillon, TIBTECH (1993);Miller, Nature (1992);Van Brunt, Biotechnology (1988);Vigne et al., Restorative Neurology and Neuroscience 8:35-36 (1995);Kremer and Perricaudet, British Medical Bulletin (1995);Haddada et al., Current Topics in Microbiology and Immunology (1995)及びYu et al., Gene Therapy 1:13-26 (1994)を参照されたい。
核酸及び/又はタンパク質の非ウイルス送達の方法としては、エレクトロポレーション、リポフェクション、マイクロインジェクション、バイオリスティックス、パーティクルガン加速、ビロソーム、リポソーム、イムノリポソーム、脂質ナノ粒子(LNP)、ポリカチオン若しくは脂質:核酸コンジュゲート、人工ビリオン、及び核酸の薬剤で増強された取り込みが挙げられるか、又は細菌若しくはウイルス(例えば、Agrobacterium、Rhizobium sp.NGR234、Sinorhizoboiummeliloti、Mesorhizobium loti、タバコモザイクウイルス、ジャガイモXウイルス、カリフラワーモザイクウイルス、及びキャッサバ静脈モザイクウイルスによって植物細胞に送達され得る。例えば、Chung et al. Trends Plant Sci. (2006)を参照されたい。例えば、Sonitron 2000系(Rich-Mar)を使用するパルス超音波照射も、核酸の送達に使用され得る。タンパク質及び/又は核酸のカチオン性脂質媒介送達は、インビボ、エクスビボ、又はインビトロ送達方法としても企図される。Zuris et al., Nat. Biotechnol. (2015), Coelho et al., N. Engl. J. Med. (2013);Judge et al., Mol. Ther. (2006)及びBasha et al., Mol. Ther. (2011)を参照されたい。
トランスポゾンベースのシステム、例えば、組換えSleeping Beautyトランスポゾンシステム又は組換えPiggyBacトランスポゾンシステムなどの、非ウイルスベクターはまた、標的細胞に送達され、標的細胞における組成物の分子のポリヌクレオチド配列又は組成物の分子をコードするポリヌクレオチド配列のトランスポジションに利用され得る。
追加の例示的な核酸送達系としては、Amaxa(登録商標)Biosystems(Cologne, Germany)、Maxcyte, Inc.(Rockville, Md.)、BTX Molecular Delivery Systems(Holliston, Mass.)、及びCopernicus Therapeutics Inc.、(例えば、米国特許第6,008,336を参照されたい)によって提供されるものが挙げられる。リポフェクションは、例えば、米国特許第5,049,386号、米国特許第4,946,787号、及び米国特許第4,897,355号に記載されており、リポフェクション試薬は、市販されている(例えば、Transfectam(商標)、Lipofectin(商標)、及びLipofectamine(商標)RNAiMAX)。ポリヌクレオチドの効率的な受容体認識リポフェクションに好適なカチオン性及び中性脂質としては、国際公開第91/17424号及び同第91/16024号に開示のものが挙げられる。送達は、細胞(エクスビボ投与)又は標的組織(インビボ投与)へのものであり得る。
免疫脂質複合体などの標的化されたリポソームを含む、脂質:核酸複合体の調製は、当業者には周知である(例えば、Crystal, Science (1995);Blaese et al., Cancer Gene Ther. (1995);Behr et al., Bioconjugate Chem. (1994);Remy et al., Bioconjugate Chem. (1994);Gao and Huang, Gene Therapy (1995);Ahmad and Allen, Cancer Res., (1992)、米国特許第4,186,183号、同第4,217,344号、同第4,235,871号、同第4,261,975号、同第4,485,054号、同第4,501,728号、同第4,774,085号、同第4,837,028号、及び同第4,946,787号を参照されたい)。
追加の送達の方法としては、EnGeneIC送達ビヒクル(EDV)に送達される核酸のパッケージングの使用が挙げられる。これらのEDVは、抗体の一方のアームが標的組織に対する特異性を有し、他方がEDVに対する特異性を有する二重特異性抗体を使用して標的組織に特異的に送達される。抗体は、EDVを標的細胞表面に運び、次いでEDVは、エンドサイトーシスによって細胞内に運び込まれる。細胞内に入ると、内容物が放出される(MacDiamid et al., Nature Biotechnology (2009))を参照されたい)。
送達ビヒクルとしては、当該技術分野で既知の他の送達ビヒクルの中でも、細菌、好ましくは、非病原性ビヒクル、ナノ粒子、エクソソーム、マイクロベシクル、遺伝子銃送達、例えば、「遺伝子銃」を介して使用して細胞に発射される金粒子への組成物の付着によるもの、レンチウイルス、AAV、及びレトロウイルスを含むが、これらに限定されない、ウイルスビヒクル、ウイルス様粒子(VLP)、大型VLP(LVLP)、レンチウイルス様粒子、トランスポゾン、ウイルスベクター、裸のベクター、DNA、又はRNAが挙げられるが、これらに限定されない。
CRISPRヌクレアーゼ及び/又はCRIPSRヌクレアーゼをコードするポリヌクレオチド、並びに任意選択的に追加のヌクレオチド分子及び/又は追加のタンパク質若しくはペプチドの送達は、単一の送達ビヒクル若しくは方法、又は異なる送達ビヒクル若しくは方法の組み合わせを利用することによって行われ得る。例えば、CRISPRヌクレアーゼは、LNPを利用する細胞に送達され得、crRNA分子及びtracrRNA分子は、AAVを利用する細胞に送達され得る。代替的に、CRISPRヌクレアーゼは、AAV粒子を利用する細胞に送達され得、crRNA分子及びtracrRNA分子は、別個のAAV粒子を利用する細胞に送達され得、これはサイズ制限のために有利であり得る。
核酸の送達のためのRNA又はDNAウイルスに基づく系の使用は、ウイルスを体内の特定の細胞に標的化し、ウイルスペイロードを核に輸送するための高度に進化したプロセスを利用する。ウイルスベクターは、患者に直接投与され得る(インビボ)か、又は細胞をインビトロで治療するために使用され得、修飾細胞は、患者に投与される(エクスビボ)。核酸を送達するための従来のウイルスに基づくシステムとしては、限定されないが、遺伝子転写のための組換えレトロウイルス、レンチウイルス、アデノウイルス、アデノ随伴、ワクシニア、及び単純ヘルペスウイルスベクターが挙げられる。しかしながら、RNAウイルスが、本明細書に記載のRNA組成物の送達に好ましい。追加的に、多くの異なる細胞型及び標的組織での高い形質導入効率が観察されている。発明の核酸は、非統合レンチウイルスによって送達され得る。任意選択的に、レンチウイルスを用いるRNA送達が利用される。任意選択的に、レンチウイルスは、ヌクレアーゼのmRNA、ガイドのRNAを含む。任意選択的に、レンチウイルスは、ヌクレアーゼのmRNA、ガイドのRNA、及びドナーテンプレートを含む。任意選択的に、レンチウイルスは、ヌクレアーゼタンパク質、ガイドRNAを含む。任意選択的に、レンチウイルスは、ヌクレアーゼタンパク質、ガイドRNA、及び/又は例えば、相同性指向修復を介した遺伝子編集のためのドナーテンプレートを含む。任意選択的に、レンチウイルスは、ヌクレアーゼのmRNA、DNA標的化RNA、及びtracrRNAを含む。任意選択的に、レンチウイルスは、ヌクレアーゼのmRNA、DNA標的化RNA、及びtracrRNA、及びドナーテンプレートを含む。任意選択的に、レンチウイルスは、ヌクレアーゼタンパク質、DNA標的化RNA、及びtracrRNAを含む。任意選択的に、レンチウイルスは、ヌクレアーゼタンパク質、DNA標的化RNA、及びtracrRNA、及び例えば、相同性指向修復を介した遺伝子編集のためのドナーテンプレートを含む。
上に言及した本明細書に記載の組成物は、非統合レンチウイルス粒子方法、例えば、LentiFlash(登録商標)システムを使用して、標的細胞に送達され得る。標的細胞へのRNAの送達が標的細胞内部で本明細書に記載の組成物の組み立てを生じるようにそのような方法を使用して、mRNA又は他のタイプのRNAを標的細胞内に送達することができる。また、国際公開第2013/014537号、同第2014/016690号、同第2016/185125号、同第2017/194902号、及び同第2017/194903号を参照されたい。
外来のエンベロープタンパク質を組み込み、標的細胞の潜在的な標的集団を拡大することによって、レトロウイルスのトロピズムを変化させることができる。レンチウイルスベクターは、非分裂細胞を形質導入又は感染させることが可能なレトロウイルスベクターであり、典型的には、高いウイルス力価を生成する。レトロウイルス遺伝子転写系の選択は、標的組織に依存する。レトロウイルスベクターは、最大6~10kbの外来配列のパッケージング能力を有する、シス作用型の長い末端リピートから構成される。最小のシス作用LTRは、ベクターの複製及びパッケージングに十分であり、次いで、療法的遺伝子を標的細胞に統合して永続的な導入遺伝子発現を提供するために使用される。広く使用されているレトロウイルスベクターとしては、マウス白血病ウイルス(MuLV)、テナガザル白血病ウイルス(GaLV)、サル免疫不全ウイルス(SIV)、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)、及びそれらの組み合わせに基づくものが挙げられる(例えば、Buchscher Panganiban, J. Virol. (1992);Johann et al., J. Virol. (1992);Sommerfelt et al., Virol. (1990);Wilson et al., J. Virol. (1989);Miller et al., J. Virol. (1991)、国際公開第94/26877号を参照されたい)。
現在、ヘルパー細胞株に挿入された遺伝子による欠陥ベクターの相補性を伴うアプローチを利用して、形質導入物質を生成する臨床試験における遺伝子転写には、少なくとも6つのウイルスベクターアプローチが利用可能である。
pLASN及びMFG-Sは、臨床試験で使用されているレトロウイルスの例である(Dunbar et al., Blood (1995);Kohn et al., Nat. Med. (1995);Malech et al., PNAS (1997))。PA317/pLASNは、遺伝子療法試験で使用された最初の療法的ベクターであった(Blaese et al., Science (1995))。MFG-Sをパッケージングしたベクターでは、50%以上の形質導入効率が観察されている(Ellem et al., Immunol Immunother. (1997);Dranoff et al., Hum. Gene Ther. (1997))。
パッケージング細胞は、宿主細胞に感染することが可能なウイルス粒子を形成するために使用される。そのような細胞としては、アデノウイルス、AAV、及びpsi.2細胞をパッケージングする293細胞、又はレトロウイルスをパッケージングするPA317細胞が挙げられる。遺伝子療法に使用されるウイルスベクターは、通常、核酸ベクターをウイルス粒子内にパッケージングするプロデューサー細胞株によって生成される。ベクターは、典型的には、パッケージング及びその後の宿主への統合に必要な最小限のウイルス配列を含有し(該当する場合)、他のウイルス配列は、発現されるタンパク質をコードする発現カセットによって置き換えられる。欠損したウイルス機能は、パッケージング細胞株によってトランスで供給される。例えば、遺伝子療法に使用されるAAVベクターは、典型的には、パッケージング及び宿主ゲノムへの統合に必要な、AAVゲノムからの逆位末端配列(ITR)配列のみを有する。ウイルスDNAは、他のAAV遺伝子、すなわちrep及びcapをコードするが、ITR配列を欠くヘルパープラスミドを含有する細胞株にパッケージングされる。細胞株はまた、ヘルパーとしてのアデノウイルスに感染する。ヘルパーウイルスは、AAVベクターの複製及びヘルパープラスミドからのAAV遺伝子の発現を促進する。ヘルパープラスミドは、ITR配列を欠くことに起因して、有意な量でパッケージングされない。アデノウイルスによる汚染は、例えば、アデノウイルスがAAVよりも感受性が高い熱処理によって低減することができる。追加的に、AAVは、バキュロウイルス系を使用して臨床規模で産生することができる(米国特許第7,479,554号を参照されたい)。
多くの遺伝子療法用途において、遺伝子療法ベクターは、特定の組織タイプに対して高い程度の特異性で送達されることが望ましい。したがって、ウイルスベクターは、ウイルスの外表面上にウイルスコートタンパク質を有する融合タンパク質としてリガンドを発現させることによって、所与の細胞型に対する特異性を有するように修飾することができる。リガンドは、目的の細胞型上に存在することが知られている受容体に対して親和性を有するように選択される。例えば、Han et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA (1995)は、Moloneyマウス白血病ウイルスが、gp70に融合したヒトヘレグリンを発現するように修飾することができ、組換えウイルスは、ヒト表皮増殖因子受容体を発現するある特定のヒト乳がん細胞に感染することを報告した。この原理は、標的細胞が受容体を発現し、ウイルスが細胞表面受容体のリガンドを含む融合タンパク質を発現する、他のウイルス標的細胞対に拡大することができる。例えば、糸状ファージは、事実上任意の選択された細胞受容体に対する特異的結合親和性を有する抗体断片(例えば、FAB又はFv)を表示するように操作することができる。上の説明は、主にウイルスベクターに適用されるが、同じ原理を非ウイルスベクターに適用することができる。そのようなベクターは、特異的標的細胞による取り込みに有利な特異的取り込み配列を含有するように操作され得る。
遺伝子療法ベクターは、以下に記載されるように、個々の患者への投与によって、典型的には、全身投与(例えば、静脈内、腹腔内、筋肉内、皮下、又は頭蓋内注入)、又は局所適用によって、インビボで送達され得る。代替的に、ベクターは、個々の患者から摘出された細胞(例えば、リンパ球、骨髄穿刺液、組織生検)、又はユニバーサルドナー造血幹細胞などの細胞にエクスビボで送達され、続いて、通常、ベクターを組み込んだ細胞の選択後に、患者への細胞の再移植が行われ得る。いくつかの実施形態では、インビボ及びエクスビボでのmRNAの送達、並びにRNP送達が利用され得る。
診断、研究、又は遺伝子療法のための(例えば、宿主生物へのトランスフェクト細胞の再注入を介した)エクスビボ細胞トランスフェクションは、当業者に周知である。好ましい実施形態では、細胞は、対象生物から単離され、RNA組成物でトランスフェクトされ、対象生物(例えば、患者)に再注入される。エクスビボトランスフェクションに好適な様々な細胞型は、当業者に周知である(例えば、患者から細胞を単離及び培養する方法の考察については、Freshney, “Culture of Animal Cells, A Manual of Basic Technique and Specialized Applications (6th edition, 2010))、及びこれに列挙されている参考文献を参照されたい)。
好適な細胞としては、限定されないが、真核細胞及び原核細胞、並びに/又は細胞株が挙げられる。そのような細胞又はそのような細胞から生成される細胞株の非限定的な例としては、COS、CHO(例えば、CHO-S、CHO-K1、CHO-DG44、CHO-DUXB11、CHO-DUKX、CHOK1SV)、VERO、MDCK、WI38、V79、B14AF28-G3、BHK、HaK、NSO、SP2/0-Ag14、HeLa、HEK293(例えば、HEK293-F、HEK293-H、HEK293-T)、及びPerC6細胞、任意の植物細胞(分化又は未分化)、並びにSpodopterafugiperda(Sf)などの昆虫細胞、又はSaccharomyces、Pichia、及びSchizosaccharomycesなどの真菌細胞が挙げられる。ある特定の実施形態では、細胞株は、CHO-K1、MDCK、又はHEK293細胞株である。追加的に、初代細胞は、単離され、ヌクレアーゼ(例えば、ZFN又はTALEN)、又はヌクレアーゼ系(例えば、CRISPR)での処理に続いて、治療される対象への再導入のためにエクスビボで使用され得る。好適な初代細胞としては、末梢血単核細胞(PBMC)、並びに限定されないが、CD4+T細胞又はCD8+T細胞などの他の血液細胞サブセットが挙げられる。また、好適な細胞としては、例としては、胚性幹細胞、人工多能性幹細胞、造血幹細胞(CD34+)、神経幹細胞、及び間葉系幹細胞などの幹細胞が挙げられる。
一実施形態では、幹細胞は、細胞トランスフェクション及び遺伝子療法のためのエクスビボ手順で使用される。幹細胞を使用する利点は、それらがインビトロで他の細胞型に分化することができるか、又はそれらが骨髄に移植される場合、哺乳動物(細胞のドナーなど)に導入することができることである。CD34+細胞をインビトロでGM-CSF、IFN-ガンマ、及びTNF-アルファなどのサイトカインを使用して臨床的に重要な免疫細胞型に分化させるための方法が知られている(非限定的な例として、Inaba et al., J. Exp. Med. (1992)を参照されたい)。
幹細胞は、既知の方法を使用して形質導入及び分化のために単離される。例えば、幹細胞は、CD4+及びCD8+(T細胞)、CD45+(panB細胞)、GR-1(顆粒球)、並びにIad(分化抗原提示細胞)などの不要な細胞に結合する抗体で骨髄細胞を選別することによって、骨髄細胞から単離される(非限定的な例として、Inaba et al., J. Exp. Med. (1992)を参照されたい)。いくつかの実施形態では、修飾された幹細胞も使用され得る。
とりわけ、本明細書に記載されるCRISPRヌクレアーゼのいずれか1つは、有糸分裂後の細胞又は活動的に分裂していない任意の細胞、例えば、休止細胞におけるゲノム編集に好適であり得る。本発明のCRISPRヌクレアーゼを使用して編集され得る有糸分裂後の細胞の例としては、限定されないが、筋細胞、心筋細胞、肝細胞、骨細胞、及びニューロンが挙げられる。
療法的RNA組成物を含有するベクター(例えば、レトロウイルス、リポソームなど)はまた、インビボでの細胞の形質導入のために生物に直接投与され得る。代替的に、裸のRNA又はmRNAが投与され得る。投与は、限定されないが、注射、注入、局所適用、及びエレクトロポレーションを含む、血液又は組織細胞との根本的な接触に分子を導入するために通常使用される経路のうちのいずれかによる。そのような核酸を投与する好適な方法は、利用可能かつ当業者に周知であり、2つ以上の経路を使用して特定の組成物を投与することができるが、特定の経路は、多くの場合、別の経路よりも即時的かつ効果的な反応を提供し得る。
免疫細胞(例えば、T細胞)への導入遺伝子の導入に好適なベクターとしては、非統合レンチウイルスベクターが挙げられる。例えば、米国特許公開第2009/0117617号を参照されたい。
薬学的に許容可能な担体は、投与される特定の組成物によって、並びに組成物を投与するために使用される特定の方法によって部分的に決定される。したがって、以下に記載されるように、利用可能な薬学的組成物の多様な好適な製剤が存在する(例えば、Remington's Pharmaceutical Sciences, 17th ed., 1989を参照されたい)。
相同組換えによるDNA修復
「相同性指向修復」又は「HDR」という用語は、例えば、DNAにおける二重鎖及び一本鎖分解の修復中に、細胞におけるDNA損傷を修復するための機構を指す。HDRは、ヌクレオチド配列相同性を必要とし、「核酸テンプレート」(本明細書で同義に使用される核酸テンプレート又はドナーテンプレート)を使用して、二重鎖又は一本鎖分解が生じた配列(例えば、DNA標的配列)を修復する。これにより、例えば、核酸テンプレートからDNA標的配列への遺伝子情報の転写が生じる。核酸テンプレート配列がDNA標的配列と異なり、核酸テンプレートポリヌクレオチド又はオリゴヌクレオチドの一部又は全てがDNA標的配列に組み込まれる場合、HDRは、DNA標的配列の変化(例えば、挿入、欠失、変異)を生じ得る。いくつかの実施形態では、核酸テンプレートポリヌクレオチド全体、核酸テンプレートポリヌクレオチドの一部分、又は核酸テンプレートのコピーは、DNA標的配列の部位に統合される。
「核酸テンプレート」及び「ドナー」という用語は、ゲノムに挿入又はコピーされるヌクレオチド配列を指す。核酸テンプレートは、標的核酸に付加されるか、又は標的核酸の変化をテンプレートするか、又は標的配列を修飾するために使用され得るであろう、例えば、1つ以上のヌクレオチドのヌクレオチド配列を含む。核酸テンプレート配列は、任意の長さ、例えば2~10,000個のヌクレオチドの長さ(又はそれらの間若しくはそれらの上の任意の整数値)、好ましくは約100~1,000個のヌクレオチドの長さ(又はそれらの間の任意の整数値)、より好ましくは約200~500個のヌクレオチドの長さであり得る。核酸テンプレートは、一本鎖核酸、二重鎖核酸であり得る。いくつかの実施形態では、核酸テンプレートは、例えば、標的位置の標的核酸の野生型配列に対応する、例えば1つ以上のヌクレオチドのヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態では、核酸テンプレートは、例えば、標的位置の標的核酸の野生型配列に対応する、例えば1つ以上のリボヌクレオチドのリボヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態では、核酸テンプレートは、修飾されたリボヌクレオチドを含む。
外因性配列(「ドナー配列」、「ドナーテンプレート」、又は「ドナー」とも呼ばれる)の、例えば、変異遺伝子の補正のための、又は野生型遺伝子の発現増加のための挿入も行うことができる。ドナー配列は、典型的には、それが配置されるゲノム配列と同一ではないことが容易に明らかであろう。ドナー配列は、目的の位置で効率的なHDRを可能にするために、相同性の2つの領域に隣接する非相同配列を含有し得る。追加的に、ドナー配列は、細胞クロマチンにおける目的の領域に相同ではない配列を含有するベクター分子を含み得る。ドナー分子は、細胞クロマチンと相同性のいくつかの非連続的な領域を含有し得る。例えば、目的の領域に通常存在しない配列の標的化された挿入のために、当該配列が、ドナー核酸分子内に存在し、目的の領域内の配列と相同性の領域に隣接してもよい。
ドナーポリヌクレオチドは、DNA又はRNA、一本鎖及び/又は二重鎖であり得、線状又は環状形態で細胞に導入され得る。例えば、米国特許出願公開第2010/0047805号、同第2011/0281361号、同第2011/0207221号、及び同第2019/0330620号を参照されたい。線状形態で導入される場合、ドナー配列の末端は、当業者に既知の方法によって(例えば、エキソヌクレアーゼによる分解から)保護され得る。例えば、1つ以上のジデオキシヌクレオチド残基が線状分子の3’末端に付加され、及び/又は自己相補性オリゴヌクレオチドが1つ又は両方の末端にライゲーションされる。例えば、Chang and Wilson, Proc. Natl. Acad. Sci. USA (1987);Nehls et al., Science (1996)を参照されたい。外因性ポリヌクレオチドを分解から保護するための追加の方法としては、限定されないが、末端アミノ基の付加、並びに修飾ヌクレオチド間連結、例えば、ホスホロチオエート、ホスホロアミダート、及びO-メチルリボース、又はデオキシリボース残基などの使用が挙げられる。
したがって、修復のためにドナーテンプレートを使用する本発明の実施形態は、線状又は環状形態で細胞に導入され得るDNA又はRNA、一本鎖及び/又は二重鎖ドナーテンプレートが使用され得る。本発明の実施形態では、遺伝子編集組成物は、(1)修復前の遺伝子内の二重鎖分解に影響を及ぼすためのガイド配列を含むRNA分子、及び(2)修復のためのドナーRNAテンプレートを含み、ガイド配列を含むRNA分子が、第1のRNA分子であり、ドナーRNAテンプレートが、第2のRNA分子である。いくつかの実施形態では、ガイドRNA分子及びテンプレートRNA分子は、単一分子の一部として接続されている。
ドナー配列はまた、オリゴヌクレオチドであり得、内因性配列の遺伝子補正又は標的遺伝子の変化のために使用され得る。オリゴヌクレオチドは、ベクター上で細胞に導入され得るか、細胞内にエレクトロポレートされ得るか、又は当該技術分野において既知の他の方法を介して導入され得る。オリゴヌクレオチドは、内因性遺伝子の変異配列(例えば、ベータグロビンの鎌状変異)を「補正」するために使用することができるか、又は所望の目的を有する配列を内因性遺伝子座に挿入するために使用することができる。
ポリヌクレオチドは、例えば、複製起点、プロモーター、及び抗生物質耐性をコードする遺伝子などの追加の配列を有するベクター分子の一部として細胞に導入され得る。更に、ドナーポリヌクレオチドは、裸の核酸として、リポソーム若しくはポロキサマーなどの物質と複合体化された核酸として導入され得るか、又は組換えウイルス(例えば、アデノウイルス、AAV、ヘルペスウイルス、レトロウイルス、レンチウイルス、及びインテグラーゼ欠損レンチウイルス(IDLV))によって送達され得る。
ドナーは、一般に、その発現が、統合部位の内因性プロモーター、すなわち、ドナーが挿入される内因性遺伝子の発現を推進するプロモーターによって推進されるように挿入される。しかしながら、ドナーは、プロモーター及び/又はエンハンサー、例えば、構成的プロモーター、又は誘導性若しくは組織特異的プロモーターを含み得ることが明らかであろう。
ドナー分子は、内因性遺伝子の全て、一部を発現するか、又は全く発現しないように、内因性遺伝子に挿入され得る。例えば、本明細書に記載の導入遺伝子は、例えば、導入遺伝子との融合体として、内因性配列の一部(導入遺伝子に対するN末端及び/又はC末端)を発現するか、又は内因性配列のいずれも発現しないように、内因性遺伝子座に挿入され得る。他の実施形態では、(例えば、内因性遺伝子などための追加のコード配列を有するか又は有さない)導入遺伝子は、任意の内因性遺伝子座、例えば、セーフハーバー遺伝子座、例えば、CCR5遺伝子、CXCR4遺伝子、PPP1R12c(AAVS1としても知られている)遺伝子、アルブミン遺伝子、又はRosa遺伝子に統合される。例えば、米国特許第7,951,925号、及び同第8,110,379号、米国特許出願公開第2008/0159996号、同第2010/0218264号、同第2010/0291048号、同第2012/0017290号、同第2011/0265198号、同第2013/0137104号、同第2013/0122591号、同第2013/0177983号、及び同第2013/0177960号、並びに米国仮出願第61/823,689号を参照されたい)。
内因性配列(内因性又は導入遺伝子の一部)が導入遺伝子を伴って発現される場合、内因性配列は、完全長配列(野生型又は変異型)又は部分配列であり得る。好ましくは、内因性配列は、機能的である。これらの全長配列又は部分配列の機能の非限定的な例としては、導入遺伝子によって発現されるポリペプチドの血清半減期を増加させること(例えば、療法的遺伝子)、及び/又は担体として作用することが挙げられる。
更に、発現には必要ではないが、外因性配列としてはまた、転写又は翻訳調節配列、例えば、プロモーター、エンハンサー、インシュレーター、内部リボソーム進入部位、2Aペプチドをコードする配列、及び/又はポリアデニル化シグナルを挙げることができる。
ある特定の実施形態では、ドナー分子は、タンパク質をコードする遺伝子(例えば、細胞内若しくは個体に欠けているタンパク質をコードするコード配列、又はタンパク質をコードする遺伝子の代替バージョン)、調節配列、及び/又はマイクロRNA若しくはsiRNAなどの構造的核酸をコードする配列からなる群から選択される配列を含む。
前述の実施形態では、本明細書に開示の各実施形態は、他の開示の実施形態の各々に適用可能であることが企図される。例えば、本発明のRNA分子又は組成物のうちのいずれかを、本発明の方法のうちのいずれかに利用することができることが理解される。
本明細書で使用される場合、全ての見出しは単に組織についての見出しであり、いかなる様式でも開示を限定することを意図しない。任意の個々の段落の内容は、全ての段落に同等に適用可能であり得る。
本発明の追加の目的、利点、及び新規の特色は、限定することを意図しない以下の実施例を考察することによって、当業者に明らかになるであろう。追加的に、本明細書に上述され、以下の特許請求の範囲の段落で特許請求される本発明の様々な実施形態及び態様の各々により、以下の実施例において実験的裏付けが見出される。
明確にするために、別個の実施形態の文脈で記載される本発明の特定の特徴はまた、組み合わせられて単一の実施形態で提供され得ることが理解される。むしろ、簡潔にするために、単一の実施形態の背景で記載される発明の様々な特色はまた、別個に、又は任意の好適な部分的な組み合わせで、又は発明の任意の他の記載の実施形態で好適なものとして提供され得る。様々な実施形態の文脈で記載される特定の特徴は、実施形態がそれらの要素なしでは動作しない場合を除いて、それらの実施形態の本質的な特徴とみなされるべきではない。
一般に、本明細書で使用される命名法、及び本発明で利用される実験手順は、分子、生化学、微生物学、及び組換えDNA技法を含む。そのような技法は、文献において丁寧に説明されている。例えば、Sambrook et al., "Molecular Cloning: A laboratory Manual" (1989);Ausubel, R. M. (Ed.), "Current Protocols in Molecular Biology" Volumes I-III (1994);Ausubel et al., "Current Protocols in Molecular Biology", John Wiley and Sons, Baltimore, Maryland (1989);Perbal, "A Practical Guide to Molecular Cloning", John Wiley & Sons, New York (1988);Watson et al., "Recombinant DNA", Scientific American Books, New York;Birren et al. (Eds.), "Genome Analysis: A Laboratory Manual Series", Vols. 1-4, Cold Spring Harbor Laboratory Press, New York (1998)、米国特許第4,666,828号、同第4,683,202号、同第4,801,531号、同第5,192,659号、及び同第5,272,057号に記載される方法論、Cellis, J. E. (Ed.), "Cell Biology: A Laboratory Handbook", Volumes I-III (1994);Freshney, "Culture of Animal Cells - A Manual of Basic Technique" Third Edition, Wiley-Liss, N. Y. (1994);Coligan J. E. (Ed.), "Current Protocols in Immunology" Volumes I-III (1994);Stites et al. (Eds.), "Basic and Clinical Immunology" (8th Edition), Appleton & Lange, Norwalk, CT (1994);Mishell and Shiigi (Eds.), "Strategies for Protein Purification and Characterization - A Laboratory Course Manual" CSHL Press (1996);Clokie and Kropinski (Eds.), "Bacteriophage Methods and Protocols", Volume 1: Isolation, Characterization, and Interactions (2009)を参照されたく、これらの全ては参照によって組み込まれる。他の一般的な参考文献は、本文書全体を通して提供される。
発明のより完全な理解を容易にするために、実施例を以下に提供する。以下の実施例は、発明の作製及び実施の例示的なモードを示している。しかしながら、発明の範囲は、これらの実施例に開示の特定の実施形態に限定されず、該実施形態は例示のみを目的とするものである。
実験の詳細
発明のより完全な理解を容易にするために、実施例を以下に提供する。以下の実施例は、発明の作製及び実施の例示的なモードを示している。しかしながら、発明の範囲は、これらの実施例に開示の特定の実施形態に限定されず、該実施形態は例示のみを目的とするものである。
実施例1:OMNI-103 CRISPRヌクレアーゼ
環境試料の配列の異なるメタゲノムデータベースから、CRISPRリピート(crRNA)、トランス活性化RNA(tracrRNA)、ヌクレアーゼポリペプチド(OMNI)、及びプロトスペーサー隣接モチーフ(PAM)配列を予測した。
OMNIヌクレアーゼポリペプチドの構築
新規ヌクレアーゼポリペプチド(OMNI)の構築のために、いくつかの特定されたOMNIのオープンリーディングフレームを、ヒト細胞株発現のためにコドン最適化した。ORFを、細菌発現プラスミドpET9a及び哺乳動物発現プラスミドpmOMNIにクローニングした(表4)。
sgRNAの予測及び構築
各OMNIについて、それぞれの細菌ゲノムにおけるCRISPRリピートアレイ配列及びtracrRNAの検出によって、単一ガイドRNA(sgRNA)を予測した。ナイーブ成熟前crRNA及びtracrRNA配列を、テトラループ「gaaa」配列を用いてインシリコで接続し、二重鎖の二次構造要素を、RNA二次構造予測ツールを使用して予測した。
完全二重鎖RNA要素(crRNA-tracrRNAキメラ)の予測される二次構造を、sgRNAの設計のための可能なtracrRNA配列の特定に使用した。上部ステムの異なる位置で二重鎖を短縮することによって、いくつかの可能なsgRNA足場バージョンを構築した(OMNI-103 sgRNA設計が表2に列挙される)。追加的に、潜在的転写及び構造的制約を克服するため、ヒト細胞環境文脈でのsgRNA足場の可塑性を評価するため、いくつかの場合において可能なsgRNAのヌクレオチド配列における小さな変更を行った(図1、表2)。最後に、可能な設計された足場の最大3つのバージョンを、各OMNIについて合成し、22ヌクレオチドの普遍的な固有のスペーサー配列(T2、配列番号135)の下流に接続し、哺乳動物発現のためのU6プロモーターと組み合わせた誘導性T7プロモーター下で細菌発現プラスミドにクローニングした(pShuttleGuide、表4)。
T2-GGAAGAGCAGAGCCTTGGTCTC(配列番号135)
TXTLによるインビトロ枯渇アッセイ
インビトロでのPAM配列の枯渇を、Maxwell et al, Methods. 2018によって記載されるように追跡した。簡潔には、T7プロモーター下でOMNIヌクレアーゼ及びsgRNAを発現する線状DNAを、無細胞転写-翻訳インビトロシステム(TXTLミックス、Arbor Bioscience)に、T7ポリメラーゼを発現する線状構築物と一緒に付加した。TXTLミックスによるRNA発現及びタンパク質翻訳は、リボ核タンパク質(RNP)複合体の形成をもたらす。線状DNAが使用されたので、Chi6 DNA配列をTXTL反応ミックスに付加して、RecBCDのエキソヌクレアーゼ活性を阻害し、それによって線状DNAを分解から保護した。sgRNAスペーサーは、潜在的なPAM配列の8Nランダム化セットに隣接される標的プロトスペーサー(pbPOS T2ライブラリ、表4)を含有するプラスミドのライブラリを標的化するように設計される。ライブラリからのPAM配列の枯渇を、PCRを使用して、必要なアダプター及びインデックスを切断されたライブラリ及び非標的化gRNAを発現する対照ライブラリの両方に付加するハイスループットシーケンシングによって測定した。ディープシーケンシング後、インビトロ活性は、対象におけるそれらの発生と比較して、同じPAM配列を有する枯渇した配列の画分によって確認され、OMNIヌクレアーゼにより機能的DNA切断を示す(図4A~4B及び表3)。
ヒト細胞内の内因性ゲノム標的における活性
OMNI-103を、ヒト細胞における特定のゲノム位置上での編集を促進するその能力についてもアッセイした。OMNI-103のヒトゲノム標的に対する編集活性を、OMNI-103ヌクレアーゼ及び各々異なるゲノム位置を標的化するように設計された固有のsgRNA分子のパネルと共トランスフェクトされたHeLa細胞上でのNGS切断分析によって評価した。この目的のために、ヒト最適化OMNI-103ヌクレアーゼをインフレームP2A-mCherry発現ベクター(pmOMNI、表4)にクローニングし、OMNI-103 sgRNA分子配列の各々をシャトルガイドベクター(pShuttle Guide、表4)にクローニングした。sgRNA分子は、対応するOMNI-103 PAMの選好に従って、ヒトゲノムにおける特定の位置を標的化する22ヌクレオチドのガイド配列部分(表5)、続いてTXTLによって発見されたsgRNA足場配列(表3)を含有するように設計された。トランスフェクション後72時間で、細胞を採取した。採取された細胞の半分を、mCherry蛍光をマーカーとして使用するFACSによるOMNI-103ヌクレアーゼ発現の定量化に使用した。細胞の残りを溶解し、それらのゲノムDNA内容物を抽出し、対応するゲノム標的のPCR増幅のためのテンプレートとして使用した。アンプリコンを、次世代シーケンシング(NGS)に供し、次いで得られたリードを使用して、それらの標的部位における編集イベントのパーセンテージを計算した。切断部位の周囲の短い挿入又は欠失(インデル)は、ヌクレアーゼ誘導DNA切断に続くDNA末端の修復の典型的な結果である。編集%の計算は、各アンプリコン内のアラインされたリード合計に対するインデルリードの分数から推測した。表5(列5、「編集%」)に見ることができるように、OMNI-103ヌクレアーゼは、ほとんどのゲノム部位上で高く有意な編集レベルを示した。
OMNI-103ヌクレアーゼのタンパク質精製
RNPアセンブリにおける使用のためのヌクレアーゼタンパク質産生及び合成ガイド産生のための発現方法は、米国仮出願第63/286,855号に記載された。簡潔には、OMNI-103ヌクレアーゼオープンリーディングフレームを細菌についてコドン最適化し(表1)、以下の要素-SV40 NLS-OMNI-103 ORF細菌最適化(第2のアミノ酸から)-HAタグ-SV40 NLS-8 Hisタグを有する修飾pET9aプラスミドにクローニングした(表4)。OMNI-103構築物をKRX細胞(PROMEGA)において発現させた。細胞を、6.66mMのラムノース(0.5Mストックからの26.4ml)、及び0.05%のグルコース(0.5Mからの2ml)の添加を有するTB+0.4%グリセロール中で増殖させ、20℃まで温度低下後、4時間にわたる対数期中期において発現させた。化学溶解を使用して細胞を溶解させ、清浄された溶解物をNi-NTA樹脂上で精製した。Ni-NTA溶出画分をCEX(SO3 fractogel)樹脂上で精製し、続いてSuperdex(登録商標)200 Increase 10/300 GL、AKTA Pure(GE Healthcare Life Sciences)上でのSEC精製を行った。OMNI-103タンパク質を含む画分をプールし、30mg/mlストックに濃縮して、液体窒素中で急速冷凍し、-80℃で保存した。
インビトロでのRNPのOMNI-103切断活性
3’及び5’末端の3つの2’-O-メチル3’-ホスホロチオエート(Agilent)を用いて、OMNI-103の合成sgRNAを合成した。
OMNI-103 RNPの活性を、ガイドPDCD1 S40と同じ標的部位を標的化する異なるスペーサー長(20~25ヌクレオチド)を有するガイド分子を用いてインビトロでアッセイした(表6、図2A)。簡単には、10pmolのOMNI-103ヌクレアーゼを、20pmolの合成ガイドと混合した。室温で10分のインキュベーション後、RNP複合体を、4、2、1、0.5pmolに段階希釈し、抽出されたゲノムDNAからのPDCD1 S40標的部位の増幅によって調製された40ngの線状DNAテンプレートと反応させた。全てのスペーサー長(20~25ヌクレオチド)は、高い切断活性を示す全てのRNP濃度でPDCD1テンプレートの完全な切断を示した(図2A)。
U2OS細胞におけるRNPの編集活性を測定することによるOMNI-103ヌクレアーゼのガイド最適化
スペーサー長最適化を、哺乳動物細胞の文脈でも試験した。100uMのOMNI-103ヌクレアーゼを、120uMの異なるスペーサー長(20~25個のヌクレオチド、表6)の合成ガイド及び100uMのCas9エレクトロポレーションエンハンサー(IDT)と混合することによって、RNPを組み立てた。室温での10分のインキュベーション後、RNP複合体を、200,000個の予め洗浄されたU2OS細胞と混合し、DN100を備えたLonza SE Cell Line 4D-Nucleofector(商標)X Kitを製造業者のプロトコルに従って使用してエレクトロポレートした。エレクトロポレーションの72時間後、細胞を溶解し、それらのゲノムDNA内容物を抽出した。次いで、対応するゲノム標的部位をPCRによって増幅した。アンプリコンをNGSに供し、次いで得られた配列を使用して、編集イベントのパーセンテージを計算した。図2B及び表7に見ることができるように、22個のヌクレオチドのスペーサー長は、最も高い編集レベルを示した。
ヒト細胞におけるOMNI-103 RNP編集活性
哺乳動物細胞におけるRNPとしてのOMNI-103タンパク質の活性は、U2OSにおいて観察され(表7、図2C)、同等の活性は、T細胞においても観察された(表8)。RNPを、100uMのヌクレアーゼを120uMの合成ガイド(表6)及び100uMのCas9エレクトロポレーションエンハンサー(IDT)と混合することによって組み立てた。室温での10分のインキュベーション後、RNP複合体を、200,000個のU2OS細胞と混合し、DN100を備えたLonza SE Cell Line 4D-Nucleofector(商標)X Kitを製造業者のプロトコルに従って使用してエレクトロポレートした。エレクトロポレーションの72時間後、細胞を溶解し、それらのゲノムDNA内容物を抽出した。次いで、対応するゲノム標的部位をPCRによって増幅した。アンプリコンをNGSに供し、次いで得られた配列を使用して、編集イベントのパーセンテージを計算した。OMNI-103 RNPを、PDCD1 S40、TRAC S35、TRAC S36、及びB2M S12ガイドで試験した。試験された4つのガイドは全て、70~90%の編集レベルを示した(図2C)。
Guide-seq不偏分析方法を使用してオフターゲット効果を評価する
ガイド配列は、生細胞中のCRISPRヌクレアーゼによって引き起こされるオフターゲットゲノム編集イベントの不偏インビトロ検出を可能にする。生ヒト細胞のゲノムにおける平滑末端CRISPR RNAガイドヌクレアーゼ(RGN)誘導DSBは、NHEJと一致する末端結合プロセスを介して、これらの切断での平滑二本鎖オリゴデオキシヌクレオチド(dsODN)の統合によってタグ付けされる。ゲノムDNAにおけるdsODN統合部位は、不偏増幅及びディープNGSを使用してヌクレオチドレベルで正確にマッピングされる。ゲノムDNA超音波処理及び一連のアダプターライゲーション後、オリゴヌクレオチド含有ライブラリをハイスループットDNAシーケンシングに供し、出力をデフォルトGuide-seqソフトウェアで処理して、オリゴヌクレオチド捕捉の部位を特定する。
OMNI-103ヌクレアーゼの特異性を評価するために、Guide-seqを使用して、PDCD1 S40及びTRAC S35部位を使用するヒトU2OS細胞のゲノムにわたるオフターゲット切断の不偏調査を生成した(表6)。
RNPを、100uMのヌクレアーゼを120uMの合成ガイド及び100uMのCas9エレクトロポレーションエンハンサー(IDT)と混合することによって組み立てた。室温での10分のインキュベーション後、RNP複合体を、100uMのdsODN及び200,000個の予め洗浄されたU2OS細胞と混合した。DN100を備えたLonza SE Cell Line 4D-Nucleofector(商標)X Kitを、製造業者のプロトコルに従って使用して、細胞をエレクトロポレートした。エレクトロポレーションの72時間後、細胞を溶解し、それらのゲノムDNA内容物を抽出した。次いで、対応するゲノム標的部位をPCRによって増幅した。アンプリコンをNGSに供し、次いで得られた配列を使用して、編集イベント及びdsODN統合のパーセンテージを計算した(図3A)。OMNI-103は、PDCD1 S40及びTRAC S35部位でいかなるオフターゲット効果も示さなかった(図3B)。
表1.OMNIヌクレアーゼ配列
表1は、OMNI名、その対応するヌクレアーゼタンパク質配列、そのDNA配列、そのヒト最適化DNA配列、不活性化RuvCドメインを有するニッカーゼを生成するために置換される代替位置、不活性化HNHドメインを有するニッカーゼを生成するために置換される代替位置、並びに不活性化RuvC及びHNHドメインを有する触媒的に不活性なヌクレアーゼを生成するために置換される代替位置を列挙する。列5~7に示されるアミノ酸位置の各々について、アスタリスクが続く場合を除き、任意の他のアミノ酸への置換が許容され、これはアスパラギン酸(D)からグルタミン酸(E)へ又はグルタミン酸(E)からアスパラギン酸(D)へ以外の任意の置換が不活性化をもたらすことを示す。
補足表1.OMNIドメイン
補足表1は、OMNI CRISPRヌクレアーゼについて特定された各ドメインのアミノ酸範囲を列挙する。例えば、OMNI-103のドメインGは、配列番号1のアミノ酸728~778によって特定される。列挙されたアミノ酸範囲は、Smith-Watermanアルゴリズムを使用して生成された局所アラインメントの好ましい分析に基づくが、各ドメイン範囲の始め又は終わりは、最大5つのアミノ酸によって増加又は減少し得る。
表5.哺乳動物細胞における内因性の背景でのヌクレアーゼ活性
OMNI-103ヌクレアーゼは、sgRNA発現プラスミドと一緒にDNAトランスフェクションによって哺乳動物細胞系(HeLa)において発現させた。部位特異的ゲノムDNA増幅及びNGSに、細胞溶解物を使用した。インデルの割合を測定し、分析して編集レベルを決定した。
表7.OMNI-103 RNPを合成sgRNA(Agilent)で組み立て、U2OS細胞にエレクトロポレートした。遺伝子名、スペーサー配列、及びスペーサー長は、NGSによって測定された編集レベル(インデル%)の横に示される。
表8.TRAC又はB2Mのいずれかを標的化する特定の合成sgRNA分子(Agilent)でのOMNI-103のエレクトロポレーションの3日後の、初代T細胞におけるTCR及びB2Mのタンパク質発現レベル。
実施例2:代替OMNI-103 CRISPRヌクレアーゼ-RNA複合体
方法
OMNI-103タンパク質発現
簡潔には、上述のタンパク質発現方法と同様に、ヌクレアーゼオープンリーディングフレームをヒト細胞についてコドン最適化し、以下の要素-SV40 NLS-OMNI-103 ORF(第2のアミノ酸ヒト最適化から)-HAタグ-SV40 NLS-8 Hisタグを有する修飾pET9aプラスミドにクローニングした。この配列は、表4に見出すことができる。OMNI-103構築物をKRX細胞(Promega)において発現させた。細胞を、6.66mMのラムノース(0.5Mストックからの26.4ml)及び0.05%のグルコース(0.5Mからの2ml)の添加を有するTB+0.4%グリセロール中で増殖させた。タンパク質を、20℃まで温度低下後4時間にわたる対数期中期において発現させた。化学溶解を使用して細胞を溶解させ、清浄された溶解物をNi-NTA樹脂上で精製した。Ni-NTA溶出画分をCEX(SO3 fractogel)樹脂上で精製し、続いてSuperdex 200 Increase 10/300 GL、AKTA Pure(GE Healthcare Life Sciences)上でのSEC精製を行った。OMNI-103タンパク質を含む画分をプールし、30mg/mlストックに濃縮して、液体窒素中で急速冷凍し、-80℃で保存した。
使用される合成sgRNA
OMNI-103の全ての合成sgRNAを、3’及び5’末端の3つの2’-O-メチル 3’-ホスホロチオエートを用いて合成した(Agilent又はSynthego)。
哺乳動物細胞株における活性
より短いsgRNAバージョンでの編集を促進するOMNI-103の能力を、ヒト細胞における特定のゲノム位置で試験した(表10)。HeLa細胞について、OMNI-103-P2A-mCherry発現ベクター(pmOMNI、表4)をsgRNA(pShuttleガイド-表4、スペーサー配列-表10)と一緒にトランスフェクトした。
U2OS細胞について、RNPを、100uMのヌクレアーゼを120uMの合成ガイド及び100uMのCas9エレクトロポレーションエンハンサー(IDT)と混合することによって組み立てた。室温での10分のインキュベーション後、RNP複合体を、200,000個の予め洗浄されたU2OS細胞と混合し、DN100プログラムを備えたLonza SE Cell Line 4D-Nucleofector(商標)X Kitを製造業者のプロトコルに従って使用してエレクトロポレートした。72時間で細胞を溶解し、それらのゲノムDNA内容物をPCR反応に使用し、対応する推定ゲノム標的を増幅した。アンプリコンにNGSを施し、次いで生じた配列を使用して、編集イベントの割合を計算した。
T細胞について、RNPを、113uMのヌクレアーゼ及び160uMの合成ガイドを混合し、室温で10分間インキュベートすることによって組み立て、RNP複合体を、200,000個の初代活性化T細胞と混合し、EH-115パルスコードで、P3 Primary Cell 4D-Nucleofector TM X Kitを使用してエレクトロポレートした。3日及び8日後、細胞を採取し、CD3及び編集されたタンパク質発現をフローサイトメトリーによって測定した。
結果
ゲノム部位及び細胞型にわたる短いガイドの活性
OMNI-103ヌクレアーゼ活性を、より短いsgRNA足場での使用のために最適化した。5つの短いsgRNA足場を、テトラループ「GAAA」及びターミネーター領域の周りに最大4つの欠失を含有した、「V2」二本鎖バージョンに基づいて設計した(表9、図6A~6F)。設計されたV2足場で表示された活性OMNI-103のレベルを試験するために、「TRAC-s91」又は「PDCD-s40」のガイド配列部分を有するsgRNAをHeLa細胞にトランスフェクトした。編集活性をNGS結果に基づいて計算した(図7)。全ての場合において、設計されたsgRNAは、編集活性を可能にした。次のステップは、U2OS及び初代T細胞におけるRNPとしてのOMNI-103活性を試験することであった。OMNI-103を、V2、v2.2、又はV2.3足場を有し、「TRAC-s35」又は「B2M-s12」のガイド配列部分を有するsgRNAでエレクトロポレートした。編集活性は、NGS結果に基づいて計算され、実証されたように、OMNI-103活性のレベルは、足場バリアントのいずれかと使用されるとき損なわれなかった(図8)。初代T細胞において、短い足場バリアントが利用されたとき、改善された活性が示された。
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Claims (81)

  1. 配列番号1のアミノ酸配列と少なくとも90%の同一性を有する配列を含むCRISPRヌクレアーゼ、又は前記CRISPRヌクレアーゼをコードする配列を含む核酸分子を含む、天然に存在しない組成物。
  2. 1つ以上のRNA分子、又は前記1つ以上のRNA分子のうちのいずれか1つをコードするDNAポリヌクレオチドを更に含み、前記1つ以上のRNA分子及び前記CRISPRヌクレアーゼが、一緒に天然に存在せず、前記1つ以上のRNA分子が、前記CRISPRヌクレアーゼと複合体を形成するように、かつ/又は前記複合体を標的部位に標的化するように構成されている、請求項1に記載の組成物。
  3. 前記CRISPRヌクレアーゼが、配列番号1に示されるアミノ酸配列と少なくとも90%の同一性を有する配列を含み、少なくとも1つのRNA分子が、配列番号4~36からなる群から選択される配列を含む、請求項2に記載の組成物。
  4. 前記CRISPRヌクレアーゼが、配列番号1に示されるアミノ酸配列と少なくとも90%の同一性を有する配列を含み、少なくとも1つのRNA分子が、ガイド配列部分と、配列番号4~7及び18~21からなる群から選択される配列と、を含む、CRISPR RNA(crRNA)分子である、請求項3に記載の組成物。
  5. 配列番号8~14、17、22~28、及び32からなる群に示される配列を含むトランス活性化CRISPR RNA(tracrRNA)分子を更に含む、請求項4に記載の組成物。
  6. 前記CRISPRヌクレアーゼが、配列番号1に示されるアミノ酸配列と少なくとも90%の同一性を有する配列を含み、少なくとも1つのRNA分子が、ガイド配列部分と、配列番号4~36からなる群から選択される配列と、を含む、単一ガイドRNA(sgRNA)分子である、請求項2に記載の組成物。
  7. 前記CRISPRヌクレアーゼが、配列番号1に示されるアミノ酸配列と少なくとも90%の同一性を有する配列を含み、少なくとも1つのRNA分子が、ガイド配列部分と、少なくとも79個のヌクレオチドの長さである足場部分と、を含む、単一ガイドRNA(sgRNA)分子である、請求項2に記載の組成物。
  8. 前記CRISPRヌクレアーゼが、D12、E776、H988、又はD991位でのアミノ酸置換によって作製されたニッカーゼである、請求項1~7のいずれか一項に記載の組成物。
  9. 前記CRISPRヌクレアーゼが、D856、H857、又はN880位でのアミノ酸置換によって作製されたニッカーゼであり、D856位でのアミノ酸置換が、アスパラギン酸(D)からグルタミン酸(E)へ以外の置換である、請求項1~7のいずれか一項に記載の組成物。
  10. 前記CRISPRヌクレアーゼが、D12、E776、H988、又はD991位のうちのいずれか1つでのアミノ酸置換、及びD856、H857、又はN880位のうちのいずれか1つでのアミノ酸置換によって作製された触媒的に不活性なヌクレアーゼであり、D856位でのアミノ酸置換が、アスパラギン酸(D)からグルタミン酸(E)へ以外の置換である、請求項1~7のいずれか一項に記載の組成物。
  11. CRISPRヌクレアーゼを含む天然に存在しない組成物であって、前記CRISPRヌクレアーゼが、配列番号1のドメインA、ドメインB、ドメインC、ドメインD、ドメインE、ドメインF、ドメインG、ドメインH、ドメインI、又はドメインJのうちの少なくとも1つのアミノ酸配列に対応するアミノ酸配列を含み、
    a)ドメインAが、配列番号1のアミノ酸1~45と少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%の同一性を有する配列を含み、
    b)ドメインBが、配列番号1のアミノ酸46~83と少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%の同一性を有する配列を含み、
    c)ドメインCが、配列番号1のアミノ酸84~158と少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%の同一性を有する配列を含み、
    d)ドメインDが、配列番号1のアミノ酸159~302と少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%の同一性を有する配列を含み、
    e)ドメインEが、配列番号1のアミノ酸303~515と少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%の同一性を有する配列を含み、
    f)ドメインFが、配列番号1のアミノ酸516~727と少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%の同一性を有する配列を含み、
    g)ドメインGが、配列番号1のアミノ酸728~778と少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%の同一性を有する配列を含み、
    h)ドメインHが、配列番号1のアミノ酸779~923と少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%の同一性を有する配列を含み、
    i)ドメインIが、配列番号1のアミノ酸924~1068と少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%の同一性を有する配列を含み、
    j)ドメインJが、配列番号1のアミノ酸1069~1348と少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%の同一性を有する配列を含む、組成物。
  12. 無細胞系又は細胞のゲノムにおけるDNA標的部位のヌクレオチド配列を修飾する方法であって、前記細胞に、請求項1~11のいずれか一項に記載の組成物を導入することを含む、方法。
  13. 前記CRISPRヌクレアーゼが、配列番号1に示されるアミノ酸配列と少なくとも90%の同一性を有する配列を含み、前記CRISPRヌクレアーゼが、NNRRHY、NNRACT、又はNNRVCTプロトスペーサー隣接モチーフ(PAM)配列に隣接するDNA鎖切断をもたらし、かつ/又は前記PAM配列に相補的である配列に隣接するDNA鎖切断をもたらす、請求項12に記載の方法。
  14. 前記CRISPRヌクレアーゼが、D12、E776、H988、又はD991位でのアミノ酸置換によって作製されたニッカーゼであり、前記PAM配列に隣接するDNA鎖切断をもたらす、請求項12に記載の方法。
  15. 前記CRISPRヌクレアーゼが、D856、H857、又はN880位でのアミノ酸置換によって作製されたニッカーゼであり、前記PAM配列に相補的である配列に隣接するDNA鎖切断をもたらし、D856位でのアミノ酸置換が、アスパラギン酸(D)からグルタミン酸(E)へ以外の置換である、請求項12に記載の方法。
  16. 前記細胞が、真核細胞又は原核細胞である、請求項12~15のいずれか一項に記載の方法。
  17. 前記細胞が、哺乳動物細胞である、請求項16に記載の方法。
  18. 前記細胞が、ヒト細胞である、請求項17に記載の方法。
  19. 天然に存在しないRNA分子を含む組成物であって、前記RNA分子が、crRNAリピート配列部分及びガイド配列部分を含み、前記RNA分子が、tracrRNA配列の存在下で、OMNI-103ヌクレアーゼと複合体を形成し、OMNI-103ヌクレアーゼをDNA標的部位に標的化し、前記tracrRNA配列が、前記RNA分子のtracrRNA部分又は第2のRNA分子のtracrRNA部分によってコードされる、組成物。
  20. 前記crRNAリピート配列部分が、最大17個のヌクレオチドの長さ、好ましくは14~17個のヌクレオチドの長さである、請求項19に記載の組成物。
  21. 前記crRNAリピート配列部分が、配列番号114又は115と少なくとも60~70%、71~80%、81~90%、91~95%、又は96~99%の配列同一性を有する、請求項19又は20に記載の組成物。
  22. 前記crRNAリピート配列部分が、配列番号114又は115のうちのいずれか1つと少なくとも95%の配列同一性を有する、請求項19~21のいずれか一項に記載の組成物。
  23. 前記crRNAリピート配列が、配列番号115以外である、請求項19~22のいずれか一項に記載の組成物。
  24. 前記crRNAリピート配列部分及び前記ガイド配列部分を含む前記RNA分子が、前記tracrRNA部分を更に含む、請求項19~23のいずれか一項に記載の組成物。
  25. 前記crRNAリピート配列部分が、ポリヌクレオチドリンカー部分によって前記tracrRNA部分と共有結合している、請求項24に記載の組成物。
  26. 前記組成物が、前記tracrRNA部分を含む第2のRNA分子を含む、請求項19~23のいずれか一項に記載の組成物。
  27. 前記OMNI-103ヌクレアーゼが、配列番号1のアミノ酸配列と少なくとも95%の配列同一性を有する、請求項19~26のいずれか一項に記載の組成物。
  28. 前記ガイド配列部分が、17~30個のヌクレオチドの長さ、好ましくは22個のヌクレオチドの長さである、請求項19~27のいずれか一項に記載の組成物。
  29. 天然に存在しないRNA分子を含む組成物であって、前記RNA分子が、tracrRNA部分を含み、前記RNA分子が、crRNAリピート配列部分及びガイド配列部分の存在下で、OMNI-103ヌクレアーゼと複合体を形成し、OMNI-103ヌクレアーゼをDNA標的部位に標的化し、前記crRNAリピート配列部分及び前記ガイド配列部分が、前記RNA分子又は第2のRNA分子によってコードされる、組成物。
  30. 前記tracrRNA部分が、85個未満のヌクレオチドの長さ、好ましくは84~80、79~75、74~70、69~65、又は64~60個のヌクレオチドの長さである、請求項29に記載の組成物。
  31. 前記tracrRNA部分が、配列番号109~113のうちのいずれか1つのtracrRNA部分と少なくとも30~40%、41~50%、51~60%、61~70%、71~80%、81~90%、91~95%、又は96~99%の配列同一性を有する、請求項29又は30に記載の組成物。
  32. 前記tracrRNA部分が、配列番号109~113のうちのいずれか1つのtracrRNA部分と少なくとも95%の配列同一性を有する、請求項29~31のいずれか一項に記載の組成物。
  33. 前記tracrRNA部分が、配列番号15又は16のtracr部分以外である、請求項29~32のいずれか一項に記載の組成物。
  34. 前記tracrRNA部分が、最大19個のヌクレオチドの長さ、好ましくは16~19個のヌクレオチドの長さであるtracrRNAアンチリピート配列部分を含む、請求項29~33のいずれか一項に記載の組成物。
  35. 前記tracrRNA部分が、配列番号116又は117のうちのいずれか1つと少なくとも60~70%、71~80%、81~90%、91~95%、又は96~99%の配列同一性を有するtracrRNAアンチリピート配列部分を含む、請求項29~34のいずれか一項に記載の組成物。
  36. 前記tracrRNA部分が、配列番号116又は117のうちのいずれか1つと少なくとも95%の配列同一性を有するtracrRNAアンチリピート配列部分を含む、請求項29~35のいずれか一項に記載の組成物。
  37. 前記tracrRNA部分が、配列番号117以外の配列を有するtracrRNAアンチリピート配列部分を含む、請求項29~36のいずれか一項に記載の組成物。
  38. 前記RNA分子が、tracrRNA部分を含み、crRNAリピート配列部分及びガイド配列部分を更に含む、請求項29~37のいずれか一項に記載の組成物。
  39. 前記tracrRNA部分が、ポリヌクレオチドリンカー部分によって前記crRNAリピート配列と共有結合している、請求項29~38のいずれか一項に記載の組成物。
  40. 前記ポリヌクレオチドリンカー部分が、4~10個のヌクレオチドの長さである、請求項39に記載の組成物。
  41. 前記ポリヌクレオチドリンカーが、GAAAの配列を有する、請求項40に記載の組成物。
  42. 前記組成物が、crRNAリピート配列部分及びガイド配列部分を含む第2のRNA分子を更に含む、請求項29~37のいずれか一項に記載の組成物。
  43. 前記OMNI-103ヌクレアーゼが、配列番号1のアミノ酸配列と少なくとも95%配列同一性である、請求項29~42のいずれか一項に記載の組成物。
  44. 前記ガイド配列部分が、17~30個のヌクレオチドの長さ、好ましくは22個のヌクレオチドの長さである、請求項29~43のいずれか一項に記載の組成物。
  45. 天然に存在しないRNA分子を含む組成物であって、前記RNA分子が、RNA足場部分を含み、前記RNA足場部分が、
    crRNAリピート配列部分-tracrRNA部分の構造を有し、
    前記RNA足場部分が、OMNI-103 CRISPRヌクレアーゼと複合体を形成し、OMNI-103 CRISPRヌクレアーゼを、前記RNA分子のガイド配列部分と相補性を有するDNA標的部位に標的化する、組成物。
  46. 前記OMNI-103ヌクレアーゼが、配列番号1のアミノ酸配列と少なくとも95%の配列同一性を有する、請求項45に記載の組成物。
  47. 前記RNA足場部分が、110~105、104~100、99~95、94~90、89~85、84~80、79~75、又は74~70個のヌクレオチドの長さである、請求項45又は46に記載の組成物。
  48. 前記RNA足場部分が、107、101、95、85、又は79個のヌクレオチドの長さである、請求項45~47のいずれか一項に記載の組成物。
  49. 前記RNA足場部分が、配列番号109~113のうちのいずれか1つと少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、又は少なくとも95%の配列同一性を有する、請求項45~48のいずれか一項に記載の組成物。
  50. 前記crRNAリピート配列部分が、最大17個のヌクレオチドの長さ、好ましくは14~17個のヌクレオチドの長さである、請求項45~49のいずれか一項に記載の組成物。
  51. 前記crRNAリピート配列部分が、配列番号114又は115と少なくとも60~70%、71~80%、81~90%、91~95%、又は96~99%の配列同一性を有する、請求項45~50のいずれか一項に記載の組成物。
  52. 前記crRNAリピート配列部分が、配列番号114又は115のうちのいずれか1つと少なくとも95%の配列同一性を有する、請求項45~51のいずれか一項に記載の組成物。
  53. 前記crRNAリピート配列が、配列番号115以外である、請求項45~52のいずれか一項に記載の組成物。
  54. 前記tracrRNA部分が、85個未満のヌクレオチドの長さ、好ましくは84~80、79~75、74~70、69~65、又は64~60個のヌクレオチドの長さである、請求項45~53のいずれか一項に記載の組成物。
  55. 前記tracrRNA部分が、配列番号109~113のうちのいずれか1つのtracrRNA部分と少なくとも30~40%、41~50%、51~60%、61~70%、71~80%、81~90%、91~95%、又は96~99%の配列同一性を有する、請求項45~54のいずれか一項に記載の組成物。
  56. 前記tracrRNA部分が、配列番号109~113のうちのいずれか1つのtracrRNA部分と少なくとも95%の配列同一性を有する、請求項45~55のいずれか一項に記載の組成物。
  57. 前記tracrRNA部分が、配列番号15又は16のtracrRNA部分以外である、請求項45~56のいずれか一項に記載の組成物。
  58. 前記RNA足場部分が、前記crRNAリピート配列部分と前記tracrRNA部分との間にリンカー部分を更に含み、その結果、前記RNA足場が、
    crRNAリピート配列部分-リンカー部分-tracrRNA部分の構造を有する、請求項45~57のいずれか一項に記載の組成物。
  59. 前記tracrRNA部分が、tracrRNAアンチリピート配列部分を含み、前記crRNAリピート配列及び前記tracrRNAアンチリピート配列部分が、前記リンカー部分によって共有結合している、請求項45~58のいずれか一項に記載の組成物。
  60. 前記リンカー部分が、4~10個のヌクレオチドの長さであるポリヌクレオチドリンカーである、請求項59に記載の組成物。
  61. 前記ポリヌクレオチドリンカーが、GAAAの配列を有する、請求項60に記載の組成物。
  62. 前記tracrRNA部分が、最大19個のヌクレオチドの長さ、好ましくは16~19個のヌクレオチドの長さであるtracrRNAアンチリピート配列部分を含む、請求項45~61のいずれか一項に記載の組成物。
  63. 前記tracrRNA部分が、配列番号116又は117のうちのいずれか1つと少なくとも60~70%、71~80%、81~90%、91~95%、又は96~99%の配列同一性を有するtracrRNAアンチリピート配列部分を含む、請求項45~62のいずれか一項に記載の組成物。
  64. 前記tracrRNA部分が、配列番号116又は117のうちのいずれか1つと少なくとも95%の配列同一性を有するtracrRNAアンチリピート配列部分を含む、請求項45~63のいずれか一項に記載の組成物。
  65. 前記tracrRNAアンチリピート配列が、配列番号117以外である、請求項45~64のいずれか一項に記載の組成物。
  66. 前記tracrRNA部分が、前記tracrRNAアンチリピート部分と連結された第1のヌクレオチドの区画を含み、前記第1のヌクレオチドの区画が、配列番号118~120のうちのいずれか1つと少なくとも95%の配列同一性を有する、請求項45~65のいずれか一項に記載の組成物。
  67. 前記tracrRNA部分が、第1のヌクレオチドの区画と連結された第2のヌクレオチドの区画を含み、前記第2のヌクレオチドの区画が、配列番号121~124のうちのいずれか1つと少なくとも95%の配列同一性を有する、請求項45~66のいずれか一項に記載の組成物。
  68. 前記RNA足場部分が、配列番号109~113のうちのいずれか1つのヌクレオチド配列と少なくとも95%の同一性を有する、請求項45~67のいずれか一項に記載の組成物。
  69. 前記RNA足場部分が、V2、V2.1、V2.2、V2.3、V2.4、又はV2.5 RNA足場のうちのいずれか1つの予測される構造を有する、請求項45~68のいずれか一項に記載の組成物。
  70. 前記RNA足場部分が、配列番号15又は16以外の配列を有する、請求項45~69のいずれか一項に記載の組成物。
  71. ガイド配列部分が、前記RNA分子の前記crRNAリピート配列部分と共有結合して、
    ガイド配列部分-crRNAリピート配列部分-tracrRNA部分の構造を有する単一ガイドRNA分子を形成する、請求項45~70のいずれか一項に記載の組成物。
  72. 前記ガイド配列部分が、17~30個のヌクレオチド、より好ましくは20~23個のヌクレオチド、より好ましくは22個のヌクレオチドの長さである、請求項45~71のいずれか一項に記載の組成物。
  73. OMNI-103 CRISPRヌクレアーゼを更に含み、前記OMNI-103 CRISPRヌクレアーゼが、配列番号1のアミノ酸配列と少なくとも95%の同一性を有する、請求項45~72のいずれか一項に記載の組成物。
  74. 前記RNA分子が、インビトロ転写(IVT)又は固相人工オリゴヌクレオチド合成によって形成される、請求項1~73のいずれか一項に記載の組成物。
  75. 前記RNA分子が、修飾ヌクレオチドを含む、請求項74に記載の組成物。
  76. 請求項1~75のいずれか一項に記載のRNA分子をコードする、ポリヌクレオチド分子。
  77. 無細胞系又は細胞のゲノムにおけるDNA標的部位のヌクレオチド配列を修飾する方法であって、前記系又は細胞に、請求項1~75のいずれか一項に記載の組成物を導入することを含む、方法。
  78. 前記細胞が、真核細胞又は原核細胞である、請求項77に記載の方法。
  79. 前記真核細胞が、ヒト細胞又は植物細胞である、請求項78に記載の方法。
  80. 無細胞系又は細胞のゲノムにおけるDNA標的部位のヌクレオチド配列を修飾するためのキットであって、前記系又は細胞に、請求項2~75のいずれか一項に記載の組成物、配列番号1のアミノ酸配列と少なくとも95%の配列同一性を有するCRISPRヌクレアーゼ、及びRNA分子及び前記CRISPRヌクレアーゼを前記細胞に送達するための説明書を導入することを含む、キット。
  81. 本出願において開示される1つ以上の要素によって特徴付けられる、組成物、方法、生成物、プロセス、システム、キット、又は使用。
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WO2023091987A2 (en) Omni 263, 264, 266, 268, 269, 271, 274, 275, 276, 278, 279, 280, 281, 283, 284, 286,287, 288, 290, 291, 293, 294, 295, 296, 297, 298, 299, 300, 301, 302, 303, 304, 305, 307,308, 309, 310, 311, 312, 313, 314, 315, 316, 317, 318, 319, 320, 321, 322, 323, 324, 325,326, 327, 329, 330, 331, 332, 333, 334, 336, 337, 338, 339, 340, 341, 342, 343, 344, 345,346, 347, 348, 349, 350, 351, 352, 353, 354, 356, 357, 358, 359, 360, 361, 362, 363, 364,365, 366, 367, 368, 369, 370, 371, 372, 373, 375, 376, 377, 378, 380, 381, 382, 383, 384, 385, and 386 crispr nucleases
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