JP2024505135A - フェロニッケル合金直接精製プロセス及び硫酸ニッケル又は他のニッケル製品の製造プロセス - Google Patents

フェロニッケル合金直接精製プロセス及び硫酸ニッケル又は他のニッケル製品の製造プロセス Download PDF

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Abstract

フェロニッケル合金を精製する、及び硫酸ニッケル又は他のニッケル製品を製造するプロセス及び方法であって、フェロニッケル合金が酸化浸出で処理されるプロセス及び方法が提供される。酸化浸出は、例えば、圧力酸化(POX)浸出又は過酸化物若しくは銅(II)イオンを使った浸出であり得る。処理は、硫酸銅溶液を提供することによるなどの、添加銅の存在下にであり得る。硫酸ニッケルの製造は、浸出後に銅及び鉄を除去することと、不純物を除去することと、硫酸ニッケルを結晶化させることか、又は別のニッケル製品を沈澱させる/獲得することかのどちらかとを含み得る。

Description

本開示は、フェロニッケル合金の直接精製に関する。
フェロニッケル(FeNi)合金は、普通は、ステンレス鋼を製造するために使用される。リチウムイオン電池の製造のために利用される、硫酸ニッケルの不足は、2020年半ばまで予測されている。
本開示の実施形態は、添付の図に関連して、ほんの一例として、これから記載される。
本開示の実施形態によるフェロニッケル(FeNi)直接精製プロセスの略図である。 結晶化硫酸ニッケルの一般的な生成プロセスのフローダイヤグラムである。
本開示は、フェロニッケル合金の精製プロセスであって、フェロニッケル合金が酸化浸出で処理されるプロセスを提供する。この処理は、銅又は過酸化物の存在下にであり得る。ある実施形態において、フェロニッケルを直接精製して硫酸ニッケル又は他の貴重なニッケル製品を提供するプロセスが提供される。1つ以上の実施形態において、フェロニッケル合金の精製プロセスであって、フェロニッケル合金が、任意に添加された銅の存在下に、圧力酸化(POX)浸出で処理されるプロセスが提供される。1つ以上の実施形態において、フェロニッケル合金の精製プロセスであって、フェロニッケル合金が、過酸化物の存在下に浸出されるプロセスが提供される。浸出の他の方法が、本発明の主旨から逸脱することなく、銅の存在下に又は不在下に、用いられ得ることは理解されるであろう。例えば、銅は、フェロニッケル合金浸出プロセス中に提供され得る。フェロニッケル合金は、添加銅の存在下にPOXで処理され得る。フェロニッケル合金は、添加銅の存在下に直接酸浸出で処理され得る。フェロニッケル合金は、添加銅の存在下に堆積浸出で処理され得る。フェロニッケル合金は、ステンレス鋼の製造での使用を当初意図された供給原料であり得る。フェロニッケル合金は、サプロライト供給原料から製造されるフェロニッケル合金などの鉄及びニッケルを含有する任意の適切な供給原材料であり得る。フェロニッケル合金は、銅の存在下に容器(カラムなどの)において処理され得る。フェロニッケル合金は、任意に添加された銅の存在下に、過酸化水素及び硫酸の存在下にカラム浸出で処理され得る。
ほとんどない銅を含有するフェロニッケル合金は、酸化浸出においてなどの、浸出を加速させるための増やされた銅含有量から恩恵を受け得る。
1つ以上の実施形態において、銅は、第1のフィル試薬(fill reagent)として添加され得る。添加銅は、POX浸出物に溶解させ、次いで完全に固めることができる。銅は、POX浸出後に添加されたフェロニッケル合金の一部上に完全に固められ得る。完全に固められた銅は、POX浸出にリサイクルして戻され得る。
1つ以上の実施形態において、銅は、プロセスに連続的に添加され得る。添加銅は、銅濃縮物又は硫酸銅溶液の形態にあり得る。添加銅は、銅プラントからの銅含有流れの形態にあり得る。添加銅は、その後、溶媒交換ステップ又は、電解採取及び/若しくはセメンテーション及び/若しくは硫化及び/若しくはイオン交換などの他の手段によってなどの、任意の適切な方法によって除去され、回収され得る。
1つ以上の実施形態において、プロセスに添加される銅は、硫化銅若しくは酸化銅濃縮物などの、銅濃縮物としてか、又は硫酸銅若しくは任意の他の適切な銅リッチの材料として添加される。1つ以上の実施形態において、プロセスに添加される銅は、その溶解度を増すために、POX浸出、大気圧浸出などの、プレ浸出ステップ、又は焙焼ステップにおいて処理され得る。
1つ以上の実施形態において、可溶性銅を含有する酸化浸出の排出液の一部は、POXオートクレーブになどの、酸化浸出に返され得る。排出液は、可溶性銅を提供して反応させるために、及び/又は冷却液を提供するために酸化浸出に返され得る。
一態様において、本開示は、フェロニッケル合金の改善された直接精製法であって、その改善が、圧力酸化(POX)浸出などの、浸出ステップにおいてフェロニッケル合金に銅を添加することを含む精製法を提供する。
一態様において、本開示は、硫酸ニッケル、又はニッケル電池材料若しくはそれ用の中間供給原料の製造プロセスであって、添加銅の存在下に圧力酸化(POX)浸出などの、酸化浸出でフェロニッケル合金供給原料を処理すること、銅及び鉄を除去すること、他の不純物を除去すること、並びに硫酸ニッケルの結晶化又は別のニッケル製品の沈澱/獲得を含むプロセスを提供する。
一態様において、本開示は、フェロニッケルからのニッケル製品の製造プロセスであって、鉄に関して使用可能なヘマタイト製品、硫酸塩に関して販売可能な硫酸カリウム製品、及び他の冶金プロセス用のインプットとして使用される組み合わせられた濃縮不純物流れを生成することによって残渣及び環境影響を最小限にするプロセスを提供する。
特に定義しない限り、本明細書で用いられる全ての技術用語及び科学用語は、本発明が属する技術分野の当業者によって一般的に理解されるものと同じ意味を有する。本明細書及び特許請求の範囲で用いるところでは、単数形「ア(a)」、「アン(an)」及び「ザ(the)」は、文脈が特に明らかに指示しない限り、複数の言及を含む。用語「含む(comprising)」は、本明細書で用いるところでは、次に来るリストは、非網羅的であり、任意の他の追加の適切な項目、例えば、必要に応じて1つ以上の更なる特徴、成分及び/又は原料を含み得る又は含み得ないことを意味すると理解されるであろう。
フェロニッケル合金浸出及び精製
本明細書で、フェロニッケル合金の精製プロセス及び方法であって、フェロニッケル合金が、酸化浸出で処理されるプロセス及び方法が提供される。酸化浸出は、銅の存在下にであり得る。1つ以上の実施形態において、フェロニッケル合金は、銅の存在下に圧力酸化(POX)浸出で処理される。
フェロニッケル合金の精製は、フェロニッケル合金を過酸化物の存在下に処理することを含み得る。フェロニッケル合金の処理は、硫酸の存在下にであり得る。1つ以上の実施形態において、フェロニッケル合金は、カラムなどの、容器において大気圧で処理される(それは、カラム浸出と言われ得る)。処理は、過酸化水素などの、過酸化物、及び硫酸の存在下に起こり得る。処理は、銅の存在下に起こり得る。処理は、過酸化物及び銅の存在下に起こり得る。処理は、過酸化水素、硫酸、及び銅の存在下に起こり得る。
フェロニッケル合金は、前もって前処理され得るか、又はプロセス若しくは方法は、前処理ステップを含み得る。前処理ステップは、微粒化又は粒状化などの、粒径縮小を含み得る。任意の適切な前処理ステップが用いられ得ることは理解されるであろう。例えば、酸化浸出がPOX浸出である場合、粒径縮小は好ましいことであり得るが、一方、酸化浸出が過酸化物及び硫酸の存在下での浸出である場合、粒径縮小は必要とされないかもしれない。
酸化浸出は、排出液を提供し得、排出液の少なくとも一部は、リサイクルされ得る。例えば、排出液は、酸化浸出に返され得る。フェロニッケル合金の精製は、過酸化物処理及びPOX処理の両方を含み得る。そのような場合に、過酸化物処理は、フェロニッケル合金を過酸化物の存在下に処理して第1の排出液を提供することを含み得、POX処理は、第1の排出液をPOXで処理して第2の排出液を提供することを含み得る。そのような場合に、第1の及び第2の排出液の1つ又は両方がリサイクルされ得る。例えば、POX排出液(第2の排出液)は、過酸化物処理に又はPOX処理に返され得る。排出液(POX排出液などの)のリサイクリングは、浸出サーキットが酸消費を減らす及び/又は排出液中のニッケル濃度を高めるのに役立つ。
本明細書で用いるところでは、「圧力酸化」(POX)は、圧力酸化浸出又は圧力酸化反応と同じ意味で用いられ得る。圧力酸化は、酸素及び硫酸の存在下に実施され得る。圧力酸化は、任意の適切な温度及び圧力で実施され得る。圧力酸化は、任意の適切な長さの時間実施され得る。POXは、オートクレーブ中で実施され得る。POXは、フェロニッケル合金を浸出するために用いられ得る。POXは、ヘマタイトなどの、鉄製品を製造するために用いられ得る。POXは、フェロニッケル合金(鉄/ニッケルリッチの浸出貴液(pregnant leach solution)の形態でのフェロニッケル合金などの)を精製し、それによってヘマタイトと、溶解ニッケルを含有する排出液とを生み出すために用いられ得る。POXは、過酸化物の存在下での浸出などの、追加の酸化浸出の前又は後にフェロニッケル合金を精製するために用いられ得る。例えば、フェロニッケル合金は、過酸化物及び硫酸の存在下での酸化浸出によって精製され得、加えてPOXによって精製され得る。圧力酸化ステップからの排出液は、POX排出液、又は第2の排出液(第1の排出液が定義される実施形態において)と言われ得る。POX排出液は、溶液又はスラリーであり得る。POX排出液がスラリーである場合、スラリーは、濃縮及び/又は濾過技術を使ってなどの、固/液分離を用いて処理され得る。POX排出液は、直接に使用され得るか、又はニッケル、鉄、及び他の不純物を含有する浸出貴液を提供するために処理され得る(例えば、固/液分離によって)。POX排出液が、固/液分離によって処理される場合、それはまた、ヘマタイト及び他の不溶性成分を含有する固相又は濃縮スラリーを提供し得る。
本明細書で用いるところでは、「酸化浸出」は、ニッケル及び/又は鉄製品をそれらから得ることができるように、フェロニッケル合金を浸出するための、フェロニッケル合金の少なくとも一部を可溶化するための任意の適切な浸出条件を含むことができる。酸化浸出は、圧力酸化であり得る。酸化浸出は、少なくとも1種の酸化剤の存在下に容器における浸出によってなど、大気圧で行われ得る。少なくとも1種の酸化剤は、過酸化水素などの、過酸化物を含み得る。1つ以上の実施形態において、酸化剤は、過酸化水素及び硫酸を含み得る。少なくとも1種の酸化剤は、過酸化物などの、追加の酸化剤あり又はなしで、銅を含み得る。容器は、カラムであり得る。酸化浸出は、添加銅あり又はなしで実施され得る。1つ以上の実施形態において、銅は、POX浸出又はカラム浸出になどの、酸化浸出に添加される。酸化浸出は、排出液を提供し得る。排出液の一部は、酸化浸出に返され得る。酸化浸出は、鉄沈澱又はヘマタイト製造を含み得る。酸化浸出からの排出液は、固形分除去、銅セメンテーション、鉄除去、硫酸ニッケル製造、水酸化ニッケル製造、若しくは他の精製/前処理ステップを使って、及び/又は本明細書で開示される更なるステップの包含によってなどで、更に処理され得る。
本明細書で用いるところでは、「酸化浸出」は、フェロニッケル合金又は前処理されたフェロニッケル合金固体若しくは溶液を銅の存在下に処理することを含むことができる。銅(例えば、硫化物、酸化物、又は硫酸塩の形態でなどの)の存在下での酸化浸出は、「銅処理」と言われ得る。銅処理は、唯一の、又は追加の酸化浸出ステップに加えての酸化浸出ステップであり得る。1つ以上の実施形態において、銅処理は、カラム浸出プロセスである。銅処理は、単段又は多段で起こり得る。銅処理が多段で実施される場合、各段階は、pH及び/又は酸化還元電位(ORP)の点で適切なレベルまで変わり得る。そのような場合に、第二鉄イオン、Fe(III)は、ヘマタイト製造のためのPOX処理の前にフェロニッケル合金粒子及び/又は二酸化硫黄(SO)などの還元剤を添加することによって、第一鉄イオンFe(II)へ部分的に又は完全に変換され得る。1つ以上の実施形態において、プロセスは、第1の排出液を提供するための銅処理を含む。第1の排出液は、銅処理が多段で実施されるように、銅処理に返され得る。第1の排出液は、POX処理に提供され得、その場合に、POX処理は、フェロニッケル合金を更に浸出して及び/又はヘマタイトを沈澱させて、第2の排出液を提供することであり得る。第2の排出液は、酸化浸出ステップになどの、上流に返され得る。1つ以上の実施形態において、第2の排出液は、銅処理ステップに返され得る。第2の排出液は、それから硫酸ニッケルを結晶化させるためになど、更に処理され得る。本明細書に記載されるプロセス及び方法は、上に記載されたものなどの、銅処理ステップを含み得るか、又は銅処理ステップは、省略され得る。プロセス又は方法は、過酸化物処理又はPOX処理などの、酸化浸出ステップの別の形態を含み得、酸化浸出ステップは、添加銅の存在下に又は不在下に実施され得ることは理解されるであろう。
本明細書で用いるところでは、「過酸化物処理」は、フェロニッケル合金又は前処理されたフェロニッケル合金固体若しくは溶液を過酸化物の存在下に処理することを含むことができる。過酸化物処理は、過酸化水素及び硫酸の存在下にであり得る。1つ以上の実施形態において、過酸化物処理は、カラム浸出プロセスであり、代わりに、カラム浸出と言われ得る。過酸化物処理は、一段で又は多段で実施され得る。過酸化物処理が多段で実施される場合、各段階は、pH及び/又は酸化還元電位(ORP)の点で適切なレベルまで変わり得る。そのような場合に、第二鉄イオン、Fe(III)は、ヘマタイト製造のためのPOX処理の前にフェロニッケル合金粒子及び/又は二酸化硫黄(SO)などの還元剤を添加することによって、第一鉄イオンFe(II)へ部分的に又は完全に変換され得る。1つ以上の実施形態において、プロセスは、第1の排出液を提供するための過酸化物処理を含む。第1の排出液は、過酸化物処理が多段で実施されるように、過酸化物処理に返され得る。第1の排出液は、POX処理に提供され得、その場合に、POX処理は、フェロニッケル合金を更に浸出して及び/又はヘマタイトを沈澱させて、第2の排出液を提供することであり得る。第2の排出液は、酸化浸出ステップになどの、上流に返され得る。1つ以上の実施形態において、第2の排出液は、酸をリサイクルするために過酸化物処理ステップに返され得る。第2の排出液は、それから硫酸ニッケルを結晶化させるためなど、更に処理され得る。
1つ以上の実施形態において、浸出ステップにおいて存在する銅は、浸出処理後に完全に固められ得る。銅セメンテーションステップにおいて形成された銅は、プロセス又は方法における他のどこかで使用され得る。1つ以上の実施形態において、銅セメンテーションステップにおいて形成された銅は、酸化浸出などの、浸出ステップにリサイクルして戻され得る。銅が、セメンテーション、溶媒交換、電解採取、硫化、及び/又はイオン交換によってなどの、任意の適切なやり方で除去され得ることは理解されるであろう。
本明細書で用いるところでは、「銅セメンテーション」は、可溶化銅イオンを沈澱させるプロセスを指し得る。
1つ以上の実施形態において、プロセス又は方法は、鉄除去を含む。
本明細書で用いるところでは、「鉄除去」は、可溶化鉄イオンを沈澱させるプロセス又はイオン交換プロセスを指し得る。例えば、鉄除去プロセスは、ヘマタイトを形成するための鉄の沈澱を含み得る。本明細書で開示されるプロセスは、ヘマタイト製造ステップを含み得る。ヘマタイト製造ステップは、POXプロセスであり得る。プロセスは、酸化浸出ステップ及びヘマタイト製造ステップを含み得るが、2つのステップは同時に起こり得ることが理解されるであろう。例えば、プロセスは、フェロニッケル合金を浸出するための及びヘマタイトを形成して鉄を除去するための両方のPOX処理を含み得る。1つ以上の実施形態において、プロセスは、フェロニッケル合金を浸出するための過酸化物処理などの酸化浸出を含み得、そのようなプロセスは、溶解した鉄を沈澱させ、ヘマタイトを形成するための、POX処理などの、別個のヘマタイト製造ステップを更に含み得る。ヘマタイト製造ステップは、塩基性硫酸第二鉄を形成することを含み得る。塩基性硫酸第二鉄は、酸性条件下でなどで、可溶化され、例えば、フラッシング中に、再溶解させられ得る。本明細書で開示されるプロセスは、鉄副産物生成を含み得る。プロセスは、ヘマタイト製造の代わりに、又はそれに加えて鉄副産物生成を含み得る。鉄副産物は、ジャロサイト又は針鉄鉱を含み得る。鉄副産物生成は、プロセスにおける条件及び他のステップに依存し得る。
1つ以上の実施形態において、本明細書に記載されるようなプロセスは、硫酸ニッケルを含む水溶液(例えば、硫酸塩マトリックス、浸出貴液(PLS))を精製することを含み、ここで、PLSは、特定の不純物又は成分を除去するために精製段階(本明細書では不純物又は成分除去段階とも言われる)の任意の1つ又は組合せにかけられる。用語浸出貴液(PLS)及び排出液(例えば、酸化浸出の排出液、又はPOX排出液)は、硫酸ニッケルを含む水溶液を指すために本明細書では同じ意味で用いられ得る。硫酸ニッケルを含む任意の適切な溶液が、硫酸ニッケルを結晶化させるためになどの、更なる精製のために使用され得る。
浸出の後に、PLSは、1つ以上の不純物又は成分を除去することによってPLSを精製するために1つ以上の精製段階を受け得る。除去されるべき不純物又は成分のタイプ及び量は、少なくとも一部分において、PLSがそれから形成される供給原料のタイプ、並びにプロセスによって生成する最終製品の規格(例えば、純度、グレード硫酸ニッケル(NiSO))に依存する。除去されるべき不純物又は成分の例としては、ナトリウム(Na)、アルミニウム(Al)、鉄(Fe)、銅(Cu)、亜鉛(Zn)、リチウム(Li)、コバルト(Co)、及びマンガン(Mn)が挙げられるが、それらに限定されない。バッテリーグレードの硫酸ニッケルが必要とされる場合、許容されるそのような不純物に関する特定の製品規格(例えば、限度)があり;前記製品規格を超える量でプロセスの供給原料中に存在する任意のそのような不純物、水、又は試薬は、それらの濃度が減らされる必要があろう。
PLSから不純物又は成分を除去するための多くの適切な方法がある。そのような方法は、沈澱、大気浸出又は加圧浸出、硫化、溶媒抽出、イオン交換、及びセメンテーションを含むが、それらに限定されない。適切な方法(及びそれの操作条件)の選択は、少なくとも一部分において、除去されるべき不純物又は成分のタイプ及び量、並びにプロセスによって生成する最終製品の規格に依存する。例えば、銅は、沈澱、溶媒抽出、硫化、セメンテーション、又はイオン交換等によって除去され得;鉄及びアルミニウムは、沈澱、又はイオン交換等によって除去され得;亜鉛は、硫化、溶媒抽出、又はイオン交換等によって除去され得;コバルトは、溶媒抽出、イオン交換、又は酸化沈澱等によって除去され得る。各方法に関する条件及び操作パラメーターは、一般に公知であり、除去されるべき不純物又は成分のタイプ及び量に応じて選択することができる。
例えば、セメンテーションは、第1の金属イオンと第1の固体金属との間のレドックス反応を伴うプロセスであり、それによって第1の金属イオンは第2の固体金属に還元され、第1の固体金属が順に第2の金属イオンに酸化される。セメンテーションは、他の試薬の使用なしに(例えば、ニッケル粉末が第1の固体金属として使用される場合にNiを添加することによって)それが貴金属をプロセスに添加することができるので;及び/又は酸若しくは塩基試薬をプロセスに添加する必要なしに(例えば、還元によって)それが不純物の除去を可能にすることができるので、例えば、銅を除去するために選択され得る。
不純物又は成分をPLSから除去するための精製段階は、酸又は塩基試薬の使用を最小限にするために選択され得る。例えば、Cuは、酸をほとんど及び塩基を全く必要としない、並びに酸を全く生成しない、ニッケル粉末でのセメンテーションによって除去することができ;対照的に、溶媒抽出(SX)によるCuの除去は、除去されるCuの1モル当たり1モルの硫酸を必要とし、前記添加酸の全ては、下流で塩基によって中和される必要がある。別の例において、Cuは、単段若しくは多段カラムを通してのフェロニッケル供給粒子、又は容器(タンクなどの)中の粒状/微粒化フェロニッケル材料でのセメンテーションによって除去することができる。Fe及びAlなどの他の不純物は、添加塩基を必要とするが、添加酸を全く必要としない、pHを上げる(例えば、約5.5に)ことによる沈澱によって除去することができ;その塩基は、外部中和剤として、又はプロセスの下流で生成する塩基性金属塩として導入することができる。対照的に、イオン交換(IX)によるFe及びAlの除去は、Fe及びAlを交換カラム上へロードするために添加塩基を必要とし、並びにそれはまた、交換カラムからFe及びAlをストリップするための添加酸、及びそれらの不純物を簡単に処分できる形態に変換するための追加の試薬若しくはプロセスステップを必要とする。
ニッケル製品の製造
1つ以上の実施形態において、プロセス又は方法は、硫酸ニッケルの結晶化又は別のニッケル製品の沈澱/獲得を含む。
1つ以上の実施形態において、フェロニッケル合金の浸出(及び精製)は、硫酸ニッケル溶液又は固体(例えば、硫酸塩マトリックス、浸出貴液(PLS)又はPOX排出液)をもたらす。硫酸ニッケルを含む水溶液は、バッテリーグレードの硫酸ニッケルなどの、結晶化硫酸ニッケルを形成するために結晶化させられ得る。1つ以上の実施形態において、硫酸ニッケル又は硫酸ニッケル及び硫酸コバルトなどの、金属硫酸塩の生成プロセスが提供され得る。1つ以上の実施形態において、硫酸ニッケルの生成プロセスであって、硫酸ニッケルを水溶液から結晶化させて結晶化硫酸ニッケルを母液(母液は、結晶化していない硫酸ニッケルを含む)中に形成すること;結晶化硫酸ニッケルを母液から分離することを含むプロセスが提供され得る。プロセスは、母液の一部を塩基性化して結晶化していない硫酸ニッケルを塩基性ニッケル塩に変換することを更に含み得る。塩基性ニッケル塩は、水酸化ニッケルであり得る。塩基性ニッケル塩は、硫酸ニッケルの結晶化の上流で使用され得る。
本明細書に記載されるプロセスの1つ以上の実施形態において、塩基性ニッケル塩を上流で使用することは、塩基性ニッケル塩を結晶化していない硫酸ニッケルに変換して戻すことを含み得る。塩基性ニッケル塩を結晶化していない硫酸ニッケルに変換して戻すことは、塩基性ニッケル塩を第1の中和剤として使用して硫酸ニッケルの結晶化の上流で酸を中和することを含み得る。母液の一部を塩基性化して結晶化していない硫酸ニッケルを塩基性ニッケル塩に変換することは、母液を出液すること及び出液速度を制御して、硫酸ニッケルの結晶化の上流で中和される酸の量と少なくともおよそ同等である量の塩基性ニッケル塩を生み出すことを更に含み得る。第1の中和剤としての塩基性ニッケル塩の使用は、浸出段階における第1の中和剤としての塩基性ニッケル塩の使用を含み得るか;又は精製段階における第1の中和剤としての塩基性ニッケル塩の使用を含む。
本明細書に記載されるプロセスの1つ以上の実施形態において、母液の一部の塩基性化は、結晶化していない硫酸ニッケルを塩基性ニッケル塩に変換するための第2の中和剤の使用を含み得る。第2の中和剤は水酸化ナトリウムであり得、水酸化ナトリウムは、結晶化していない硫酸ニッケルを塩基性ニッケル塩に変換するときに硫酸ナトリウムに変換され得る。プロセスは、硫酸ナトリウムを電解によって水酸化ナトリウムに変換して戻すことを更に含み得る。第2の中和剤は、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、水酸化リチウム、又は酸化マグネシウムの任意の1つ又は組合せであり得る。水酸化カリウム、水酸化カルシウム、水酸化リチウム、又は酸化マグネシウムの任意の1つ又は組合せの使用は、硫酸カリウム、硫酸カルシウム、硫酸リチウム、又は硫酸マグネシウムの任意の1つ又は組合せを副産物として形成し得る。
本明細書に記載されるプロセスの1つ以上の実施形態において、プロセスは、結晶化していない硫酸ニッケルを結晶化させることを更に含み得る。硫酸ニッケルの結晶化は、母液を出液すること及び出液速度を制御して、硫酸ニッケルを結晶化させるときに不純物の結晶化を選択的に阻止することを更に含み得る。硫酸ニッケルの結晶化は、晶析装置中の遊離水の量を制御して、硫酸ニッケルを結晶化させるときに不純物の結晶化を選択的に阻止することを更に含み得る。遊離水の量の制御は、晶析装置からの水蒸発の速度を制御すること、又は晶析装置への水の添加を制御することを含み得る。不純物は、リチウム、ナトリウム、カリウム、マンガン又はアンモニウムを含み得る。これに関連して、「不純物」は、本明細書に記載されるような硫酸ニッケルではない、又は本明細書に記載されるような硫酸ニッケル若しくは結晶化硫酸ニッケルの形成に寄与しない供給原料の成分を指す。本明細書で用いるところでは、「不純物」は、一旦供給原料から単離されると、有用な、貴重な、又は望ましい材料であり得る。
本明細書に記載されるプロセスの1つ以上の実施形態において、プロセスは、塩基性ニッケル塩を母液から単離することを更に含み得る。塩基性ニッケル塩の単離は、一段若しくは二段沈澱サーキットを使用すること及び塩基性ニッケル塩を選択的に沈澱させることを含み得る。塩基性ニッケル塩は、水酸化ニッケルを含み得る。
本明細書に記載されるプロセスの1つ以上の実施形態において、結晶化硫酸ニッケルは、バッテリーグレードの結晶化硫酸ニッケル、又は電気めっき-グレードの結晶化硫酸ニッケルであり得る。プロセスから単離される結晶化硫酸ニッケルのうちで、いくつかは、硫酸ニッケル水和物(例えば、結晶化硫酸ニッケル及び結晶の不可欠な部分として様々な比率;例えば、硫酸ニッケル当たり1個の水分子、又は硫酸ニッケル当たり6個の水分子、又は硫酸ニッケル当たり7個の水分子の比率で組み合わせられた水分子)であり得る。
1つ以上の実施形態において、本明細書に記載されるようなプロセスは、硫酸ニッケルを含む水溶液(例えば、硫酸塩マトリックス、浸出貴液(PLS))を精製することを更に含み得、ここで、PLSは、Cu(例えば、硫化、溶媒抽出、セメンテーション、イオン交換等によって)、Fe及びAl(例えば、沈澱、イオン交換等によって)、Zn(例えば、硫化、溶媒抽出、イオン交換等によって)、Co(例えば、溶媒抽出、イオン交換、沈澱等によって)、Ca(例えば溶媒抽出、イオン交換等によって)、又はMg(例えば、溶媒抽出、イオン交換等によって)などの特定の不純物又は成分を除去するための精製段階(本明細書では不純物又は成分除去段階とも言われる)の任意の1つ又は組合せにかけられる。次いで、精製されたPLSは、精製されたPLSから硫酸ニッケル(NiSO)を選択的に結晶化させて結晶化硫酸ニッケルを母液中に生み出す(例えば、供給原料に応じてリチウム、マグネシウム、ナトリウム、カリウム又アンモニウムに反して、真空下等の強制循環によって)のに十分な条件下で晶析装置に導入され得る。次いで、これらの結晶化硫酸ニッケルは、母液から単離される(例えば、晶析装置から排出させられて)。1つの結晶化サイクル(例えば、1つの晶析装置を使用する)が結晶化硫酸ニッケルを製造するのに不十分である場合(それは、例えば、より高い濃度の不純物を含有する供給原料で起こり得る)、晶析装置から排出される結晶は、硫酸塩水溶液を形成るために純水に溶解させられ、その後再結晶させるために第2の結晶化サイクル(例えば、第2の晶析装置を使用する)へ導入され得る。
結晶化後に、母液は、望ましくない塩/金属(例えば、LiSO、MgSO、NaSO、CoSO、(NHSO、KSO等)、並びに溶液から晶出しなかった硫酸ニッケル(本明細書では結晶化していない硫酸ニッケルとも言われる)を含有し得る。溶液中の残存する望ましくない材料からこれらの結晶化していない硫酸ニッケルを選択的に回収するために、母液は、晶析装置から出液され、結晶化していない硫酸ニッケルを水酸化ニッケル(Ni(OH))などの、塩基性ニッケル塩へ変換するために塩基性化される。これらの水酸化ニッケルは、プロセスのPLSを形成する浸出及び/又は精製段階中に導入された酸を中和するために上流で使用され得、こうして水酸化ニッケルを硫酸ニッケルに変換して戻し、次いで硫酸ニッケルは結晶化によって単離することができる。上流で使用する前に、水酸化ニッケルは、母液から単離され、洗浄され得、そして移動のために水で再スラリー化され、それは、空気への暴露を制限し、こうして水酸化物の酸化を制限する。
中和剤としての水酸化ニッケルの使用に加えて、又はそれの代わりに、プロセスは、外部源の中和剤(例えば、添加される酸化物、水酸化物)を使用して晶析装置から出てくる母液を塩基性化する、並びに任意に浸出及び/又は精製段階中に導入された酸を中和する。これらの外部中和剤は、廃棄物流れ(例えば、試剤としてのCaO/CaCO、廃棄物としてのCaSO・2HO;試剤としてのNaOH、廃棄物としてのNaSO)を形成することを最小限にする又は回避するために、それらの廃棄物から再生される(例えば、電解等によって)それらの能力に関してか;又はより高く評価される副産物(例えば、試剤としてのKOH、副産物としてのKSO)を生成するそれらの能力に関してかのどちらかで選択される。
本開示の1つ以上の実施形態において、図1若しくは図2に描かれるような、又は実施例1において記載されるようなプロセスが提供される。本開示のプロセス及び方法の1つ以上の実施形態において、図2に描かれるような処理が提供され、ここで:浸出及び精製ステップは、本明細書に記載されるようなフェロニッケル合金供給原料を前処理してプレ浸出された供給原料を形成すること、及びプレ浸出された供給原料を浸出及び精製ステップにかけて、結晶化していない硫酸ニッケルを含む精製された、浸出された溶液を形成することを含み;結晶化ステップは、精製された、浸出された溶液を晶析装置へ導入すること、及び結晶化硫酸ニッケルを母液(母液は、残存する結晶化していない硫酸ニッケルを含む)中で形成すること、及び結晶化硫酸ニッケルを母液から分離することを含み;並びに塩基性化ステップは、母液の一部を塩基性化して、残存する結晶化していない硫酸ニッケルを塩基性ニッケル塩に変換すること;及び塩基性ニッケル塩を硫酸ニッケルの結晶化の上流で;例えば、硫酸ニッケルの結晶化の上流で酸を中和するための中和剤として使用することを含む。
結晶化
本明細書に記載されるプロセス及び方法は、金属硫酸塩を水溶液から結晶化させて、硫酸ニッケル、硫酸コバルト、又はそれらの組合せなどの、結晶化金属硫酸塩を形成することを含み得る。精製されたPLSなどの、水溶液は、金属硫酸塩を溶液から選択的に結晶化させるのに十分な条件下に晶析装置へ導入され得る。そのような選択的な結晶化は、精製されたPLS中に残存する(供給原料に応じて)リチウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、アンモニウムなどの成分に反して起こって1つ以上の結晶化金属硫酸塩を母液中に提供する。
異なるタイプの晶析装置が、硫酸ニッケル結晶化又は硫酸ニッケル及び硫酸コバルト共結晶化などの、金属硫酸塩の選択的な結晶化又は共結晶化に影響を及ぼすのに適しているかもしれない。そのような晶析装置は、蒸発晶析装置、強制循環(FC)晶析装置、間接強制循環(IFC)晶析装置、及びドラフトチューブバッフル(DTB)晶析装置を含むが、それらに限定されない。そのような晶析装置のための条件及び操作パラメーターは、結晶化させられる硫酸ニッケルのタイプ及び純度、並びに/又はPLS中の不純物のタイプ及び濃度に応じて選択することができる。例えば、IFC又はDTB晶析装置が使用される場合、より粗い結晶が、硫酸ニッケルを結晶化させるときに形成され得;これは、前記結晶化中に、リチウム、ナトリウム、マグネシウム、及び/又はカリウムなどの、不純物の同伴を阻止することができる。強制循環晶析装置が使用される場合、それは、PLSを周囲温度(例えば、約25℃)にフラッシュクールするために真空下で操作され得、それは順に、水の蒸発及び金属塩結晶化を容易にすることができる。そのような場合に、蒸発する遊離水の量は、リチウム又はナトリウムなどの、特定の不純物の飽和点に達するのに必要な量未満であり得る。晶析装置が、リチウム及びナトリウムなどの不純物に反して硫酸ニッケルを選択的に結晶化させるために使用される場合、晶析装置は、1~5の間、又は1.5~2.5の間のpHレベルで操作され得る。いくつかの実施形態において、0未満、1.5未満、又は0.5~1.5のpHレベルが効果的である。
晶析装置の条件及び操作パラメーターは、溶液中の他の硫酸塩及び成分(例えば不純物)よりも硫酸ニッケルを選択的に結晶化させるために選択され得る。晶析装置の条件及び操作パラメーターは、溶液中の他の硫酸塩及び成分(例えば不純物)よりも硫酸ニッケル及び硫酸コバルトを選択的に共結晶化させるために選択され得る。晶析装置のための条件及び操作パラメーターはまた、結晶化金属硫酸塩の純度を管理するために選択され得る。結晶化中の晶析装置からの母液の出液、及び出液が起こる速度は、例えば、不純物の結晶化を選択的に阻止することによって、結晶化硫酸ニッケルの純度に影響を及ぼすことができる。本明細書で用いるところでは、特定の不純物の結晶化を選択的に阻止するための出液速度の選択は、それが異なる不純物の結晶化を阻止するだろうよりももっと特定の不純物の結晶化を阻止する可能な出液速度の範囲内に、晶析装置出液速度を設定することを意味する。出液速度は、それが特定の不純物の結晶化の阻止を最大限にするように選択され得る。不純物は、ナトリウム、カリウム、マグネシウム等であり得る。母液のより高い出液速度の使用は、母液中の不純物及び他の成分のより低い濃度を維持するのに役立ち、それは、結晶化硫酸ニッケルの純度に影響を及ぼすことができるであろう。
更に、不純物溶解性は、温度依存性であり;それ故に、晶析装置温度並びに晶析装置出液速度は、結晶化中の金属硫酸塩の純度を管理するのに有効であることができる。
不純物溶解性はまた、PLS及び/又は母液中に存在する遊離水の量に依存性であることができ;それ故、晶析装置における水レベルの管理は、結晶化中の金属硫酸塩の純度を管理する有効な手段であることができる。例えば、いくつかの場合に、金属硫酸塩は、金属硫酸塩水和物(すなわち、結晶の不可欠な部分として確定された比率で化合した結晶化金属硫酸塩及び水分子)として溶液から晶出し、それは、母液中の水の濃度を低下させる。遊離水の濃度を低下させることによって、母液中の不純物(例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウム等)の濃度はまた、それらが溶液から晶出するポイントまで増加し、結晶化金属硫酸塩の純度に影響を及ぼし得る。しかしながら、十分な量の水が、晶析装置中のときのPLS及び/又は母液に添加される場合、又は上流処理後のPLS中にその量の過剰の水(例えば、少なくとも、水和物形成により失われることが予期されるほどの多くの水)が残っている場合、その遊離水の存在は、溶液からの不純物の晶出を阻止することができる。
硫酸ニッケル、又は硫酸ニッケル及び硫酸コバルトなどの、結晶化金属硫酸塩は、それらを晶析装置から排出することによって母液から単離され得る。例えば、結晶化属硫酸塩は、スラリーとして排出され得、スラリーは、結晶を母液から分離するためにフィルター又は遠心分離機に通される。次いで、濾液又は濃縮物(すなわち、母液)は、晶析装置に通して戻されるか、又はその一部が出液され得;単離された結晶は、フィルター又は遠心分離機上で洗浄され、乾燥させられる。いくつかの場合には、たった一つの晶析装置の使用は、PLSがより汚れた供給原料から形成される場合など、適切に純粋な、結晶化金属硫酸塩を製造するのに不十分である。第1の晶析装置から排出された結晶は、次いで、水(例えば純水)に溶解させられ、その後、再結晶され、更に精製されるために第2の晶析装置に導入される。
いくつかの実施形態において、本明細書に記載されるプロセスは、溶媒抽出サーキットの代わりに、晶析装置を使用して結晶化金属硫酸塩を単離することによって資本及び運転コストを削減するのに役立ち得る。結晶化は、エネルギー入力を必要とするが、それは、追加の試薬の使用を必要とせず、それによって運転コストを削減するのに役立つ。更に、結晶化に関連する資本コストは、溶媒抽出サーキットに関連するものよりも低い。
他の実施形態において、本明細書に記載されるプロセスは、試薬の使用を減らすことによって資本及び運転コストを削減する。例えば、硫酸ニッケルを形成するためのニッケル溶媒抽出サーキットは、製造される硫酸ニッケルの1モル当たり1モルの硫酸及び2モルの水酸化ナトリウムを必要とする。対照的に、結晶化は、いかなる追加の試薬の使用も必要としない。本明細書に記載されるプロセスは、溶媒抽出ステップが精製段階の一部として使用される場合でさえも、前記溶媒抽出が一般に、より小さい負荷(すなわち、より低い濃度での不純物)を経験するであろうし、だからより少ない酸及び塩基を必要とするので、試薬の使用を減らすのに役立ち得る。いくつかの実施形態において、本明細書に記載されるプロセスは、処理ステップの数を減らすことによって資本及び運転コストを削減するのに役立ち得る。プロセスステップの数の削減は、資本及び運転コストを削減するのみならず、それはまた、プロセスの複雑性を低減し、それ故に、インフラストラクチャーの複雑性及びプロセスを実施するために必要とされるスキル一式を低減する。例えば、溶媒抽出は、多段の抽出、スクラビング、及びストリッピングを必要とする;並びに水性排出流れの処理、クラッド除去、有機蒸気回収、及び防火のためのシステムを必要とする比較的複雑な単位操作である。溶媒抽出サーキットの代わりに、晶析装置を使用して結晶化硫酸ニッケルを単離することによって、そのようなプロセス複雑性(及び関連コスト)は、低減され得るか、全く回避され得る。
他の実施形態において、本明細書に記載されるプロセスは、リチウム、ナトリウム、カリウム、又はマグネシウムなどの、プロセスの浸出及び/又は精製段階における特定の不純物又は成分の添加を減らす又は防ぐことによって結晶化金属硫酸塩の収率を高めるのに役立ち得る。例えば、結晶化硫酸ニッケルのワンパス収率は、晶析装置において上がるので、母液中のリチウム、ナトリウム等などの不純物の濃度もまた増加し得る。結果として、晶析装置出液速度はまた、結晶化硫酸ニッケルの純度を管理するために増加しなければならない(例えば、不純物が母液においてそれらの飽和濃度に近付くことを阻止する又は防ぐことによって)。しかしながら、晶析装置出液速度の増加は、出液された結晶化していない硫酸ニッケルが塩基性化され、沈澱させられ、試薬を消費するだろうから、非効率性を生み出し得る。したがって、プロセスの浸出及び/又は精製段階におけるこれらの不純物の添加を減らす又は防ぐことは、不純物と硫酸ニッケルとの共結晶化を回避しながら、晶析装置がより低い出液速度で操作されることができ得ることを意味し、それは、運転コストをまた下げながら結晶化硫酸ニッケルのワンパス収率を向上させることができる。本開示のプロセスの1つ以上の実施形態において、特定の不純物(例えば、リチウム、ナトリウム、マグネシウム等)の添加は、晶析装置から出液される母液から沈澱させられる塩基性金属塩(例えば、金属水酸化物Ni(OH)、Co(OH)、Mn(OH)等)を使用することによって減らされ得る又は防がれ得る。いくつかの実施形態において、塩基性金属塩の沈澱及び洗浄は、塩基性金属塩中への不純物(例えば、リチウム、ナトリウム、マグネシウム等)の沈澱を減らす又は防ぐために注意深く制御され得る(例えば、pHレベルの選択、2段沈澱サーキットの使用等によって)。
いくつかの実施形態において、本明細書に記載されるプロセスは、溶液中の結晶化していない硫酸ニッケルを塩基性ニッケル塩(例えば、水酸化ニッケル)に変換するために結晶化母液を単離し、塩基性化するループを用いることによって、及びそれらの塩基性ニッケル塩を中和剤として使用して塩を結晶化のための硫酸ニッケルに変換して戻すことによって結晶化硫酸ニッケルの収率を高め得る。ループの反復的特質は、結晶化硫酸ニッケルの良好な回収を確保するのに役立ち得る。
他の実施形態において、本明細書に記載されるプロセスは、硫酸ナトリウムから水酸化ナトリウムを再生することによって廃棄物流れとしての硫酸ナトリウムを減少させ得る又は排除し得る。硫酸ナトリウムは、環境的及び財政的観点の両方から、費用のかかる廃棄物問題である可能性を持った、乏しいと一般に懸念される市場性の副産物である。
塩基性化
本明細書に記載されるプロセス及び方法は、母液の一部を塩基性化することを含み得る。母液の一部の塩基性化は、結晶化していない金属硫酸塩を塩基性金属塩に変換するためであり得る。母液の一部の塩基性化は、結晶化していない金属硫酸塩(硫酸ニッケル又は硫酸ニッケル及び硫酸コバルトなどの)を塩基性金属塩(水酸化ニッケル又は水酸化ニッケル及び水酸化コバルトなどの)に変換するためであり得る。母液の一部の塩基性化は、結晶化していない硫酸ニッケルを、水酸化ニッケルなどの、塩基性ニッケル塩に変換するためであり得る。本明細書に記載されるプロセスの1つ以上の実施形態において、プロセスは、第2の中和剤を使用して母液の一部を塩基性化して結晶化していない硫酸ニッケルを塩基性ニッケル塩に変換することを含み得る。1つ以上の実施形態において、塩基性ニッケル塩を結晶化していない硫酸ニッケルに変換して戻すことは、塩基性ニッケル塩を第1の中和剤として使用して硫酸ニッケルの結晶化の上流で酸を中和することを含み得る。
結晶化母液は、LiSO、NaSO等などの塩及び金属のような、他の不純物及び成分に加えて、結晶化していない金属硫酸塩(ニッケル又はニッケル及びコバルト)を含有する。次に来る硫酸ニッケルについての考察は、硫酸ニッケル及び硫酸コバルトなどの、他の金属硫酸塩にも当てはまり得ることが理解されるであろう。これらの結晶化していない硫酸ニッケルを選択的に回収するために、及び中和剤として上流で使用するための塩基性ニッケル塩(本明細書では第1の中和剤とも言われる)を形成するために、母液は、晶析装置から出液され、母液中に残存する結晶化していない硫酸ニッケルを、水酸化ニッケル(Ni(OH))などの、前記塩基性ニッケル塩に変換するために塩基性化され得る。母液を塩基性化するとき、pHレベルを7.5~10、又は7.5~9.5に上げるために十分な塩基が添加され得る。得られた水酸化ニッケルは、母液から沈澱し、濾過によって母液から単離され得、洗浄されてケーキを形成し、再パルプ化されてスラリーを形成し得る。例えば、水酸化ニッケルは、濾過、濃縮及び濾過、又は遠心分離によって回収され、次いで濾紙又は遠心分離機上で洗浄されてケーキを形成し得る。ケーキの少なくとも一部は、再パルプタンクに通され、水又はプロセス液を使用してスラリー化され得る。水酸化ニッケルは、例えば、一段又は二段沈澱サーキットによって、母液から選択的に沈澱させられ得る。沈澱サーキットは、母液におけるそれらの存在が原因の水酸化ニッケル中の不純物から水酸化ニッケルを選択的に沈澱させるために使用することができる。
1つ以上の実施形態において、金属水酸化物(水酸化ニッケル及び/又は水酸化コバルトなどの)は、プロセスにおける上流で導入され得る。例えば、水酸化ニッケルは、浸出及び/又は精製段階で導入された酸を中和するための中和剤として使用され得る。例えば、約0%~40%の水酸化ニッケル(例えば、ケーキのような)が浸出段階へ導入され得;約60%~100%の水酸化ニッケル(例えば、ケーキのような)が精製段階へ導入され得る。中和剤としての水酸化ニッケルの使用は、外部中和剤を導入する必要性を低減し及び/又は排除し;これは、試薬使用(及び関連コスト)を削減し、並びに製品純度に影響を及ぼし得る不純物(例えば、外部中和剤からの不純物金属カチオン)、及びさもなければ、結晶化硫酸ニッケルの不純物及び汚染物質の共沈澱を回避するために晶析装置出液速度がより高いことを要求するだろう不純物の追加の源を低減する及び/又排除する。いくつかの場合に、中和剤としての使用に利用可能な、十分な量の塩基性ニッケル塩、例えば、水酸化ニッケルが存在することを確実にするのに役立つために、母液が晶析装置から出液される及び水酸化ニッケルを形成するために塩基性化される速度は、形成される水酸化ニッケルの量が、浸出及び/又は精製段階で導入される酸の量に少なくともおよそ同等である、又はおよそ同等であるように制御され得る。例えば、精製されたPLSが高純度のものである場合、晶析装置出液速度は、結晶化硫酸ニッケル(例えば、上に記載されたような)の純度を管理するために非常に高いことが必要とされ得ない;しかしながら、晶析装置出液速度は、それにもかかわらず、上流での使用のために十分な量の水酸化ニッケルが形成されることを確実にするために高める必要があり得る。他の場合に、母液が晶析装置から出液される及び水酸化ニッケルを形成するために塩基性化される速度は、外部中和剤の添加量と組み合わせて形成される水酸化ニッケルの量が、浸出及び/又は精製段階で導入される酸の量に少なくともおよそ同等であるように制御され得る;しかしながら、添加される外部中和剤の量は、外部中和剤の使用が、結晶化硫酸ニッケルの純度に影響を及ぼすだろう濃度で不純物(例えば、不純物金属カチオン)を導入しないように十分に低く保たれ得る。そのよう場合、形成された水酸化ニッケルと外部中和剤との組合せが、資本及び/又は運転コストを管理するために使用され得る。更に、水酸化ニッケルが上流プロセスに計量供給される速度は、前記プロセス(例えば、浸出、精製等)についてのpH設定点によって制御され得る。
更に、中和剤としての塩基性金属塩(例えば、水酸化ニッケル)の使用は、塩基性金属塩を精製されたPLS内で金属硫酸塩に変換して戻し得る。変換された金属硫酸塩を含む、精製されたPLSは、次いで、晶析装置へ進み、そこで、変換された金属硫酸塩は、結晶化させられ、母液から単離され得る。単離する及び母液を塩基性化して溶液中の結晶化していない金属硫酸塩を塩基性金属塩に変換する、及びそれらの塩基性金属塩を中和剤として使用して塩基性金属塩を金属硫酸塩(それは次いで結晶化によって単離することができる)に変換して戻すこのループは、特定の供給原料から得られる、単離される、結晶化金属硫酸塩の収率を向上させるのに役立ち得る。
中和剤としての、塩基性金属塩、例えば、水酸化ニッケルの使用に加えて、プロセスは、外部源の中和剤(例えば、添加された酸化物、水酸化物等)(本明細書では第2の中和剤とも言われる)を、精製段階において酸を中和するために、及び/又は晶析装置から出てくる母液出液を塩基性化するために使用し得る。外部中和剤のタイプ及び量の選択は、少なくとも一部分において、精製段階の特質、並びに母液中の硫酸ニッケル及び他の成分のタイプに依存し得る。精製段階での使用に、及び/又は母液の塩基性化での使用に適切であり得る異なるタイプの外部中和剤が存在する。適切な外部中和剤は、水酸化カリウム(KOH)、水酸化カルシウム(Ca(OH))、水酸化ナトリウム(NaOH)、水酸化リチウム(LiOH)、又は酸化マグネシウム(MgO)を含むが、それらに限定されない。例えば、水酸化カリウム(KOH)、水酸化カルシウム(Ca(OH))、水酸化ナトリウム(NaOH)、水酸化リチウム(LiOH)、及び酸化マグネシウム(MgO)の任意の一つ又は組合せが、外部中和剤として使用され得る。精製段階での使用に及び/又は母液の塩基性化での使用にあまり適切ではないタイプの外部中和剤が存在する。例えば、外部中和剤としてのアンモニアの使用は、硫酸ニッケルアンモニウムなどの、複塩、又はニッケル錯体の形成をもたらし得る。そのようなカチオン、塩又は錯体は、プロセスを実行可能性の少ないものにし、並びに/又は必須の溶媒抽出サーキットのために運転及び資本コストを増やし得る。
外部中和剤の量は、精製段階の特質に応じて選択され得る。例えば、精製段階において除去される必要がある高濃度のCuが存在する場合、高い濃度/体積の中和剤が、銅溶媒抽出段階において生成した任意の酸を中和するために必要とされ得る。更に、精製段階において除去される必要がある高濃度のFeが存在する場合、高い濃度/体積の中和剤が、pHを高め、加水分解によってFeを除去するために必要とされるであろう。
外部中和剤のタイプは、商業的な価値を有する副産物などの、特定の副産物を、塩回収ステップによって、生み出し、回収するために選択され得る。例えば、外部中和剤が水酸化カリウムであることが選択される場合、その使用は、硫酸カリウム(KSO)、肥料を生成し得る。外部中和剤が水酸化カルシウムであることが選択される場合、その使用は、石膏(CaSO・2HO)、廃棄物として処理され得るか、又は乾式壁及び建設に使用され得る生成物を生成し得る。外部中和剤が酸化マグネシウム(MgO)であることが選択される場合、その使用は、硫酸マグネシウムを生成し得る。外部中和剤が酸化リチウム(LiOH)であることが選択される場合、その使用は、硫酸リチウムを生成し得る。
外部中和剤のタイプはまた、中和剤をプロセスにおいて使用し、次いで再使用のために再生することができるように、塩回収ステップによって、回収される、及び再生されるその能力に基づいて選択され得る。例えば、外部中和剤が水酸化ナトリウムであることが選択される場合、その使用は、硫酸ナトリウムを副産物生成し得る。水酸化ナトリウムは、電解によって硫酸ナトリウムから再生することができる。一般に、電解は、副産物硫酸ナトリウムを、プロセスにおいて再使用するための水酸化ナトリウムに直接変換して戻すことができ、硫酸をこの変換中に生み出す。より具体的には、電解は、印加電位及び1種以上のイオン選択膜を使用して酸及び塩基を塩溶液から再生させ、選択膜で分離された2つ以上のコンパートメントを含むことができる電気化学セルを使用して行われる。例えば、電解は、1500~3000A/mの電流密度で6Vの電位下で作動する3コンパートメントセルを伴い得、それは、硫酸ナトリウムから硫酸のおよそ10重量%溶液と一緒に水酸化ナトリウムのおよそ20重量%溶液を生み出すことができ得、それらの両方ともプロセスの上流での使用のためにリサイクルされ得る。外部中和剤がLiOHであることが選択される場合、その使用は、塩基性化及び結晶化などの下流回収ステップ、又は電解を使用してLiOHに変換して戻され得る硫酸リチウムを生成することができ、又は販売可能な製品としての炭酸リチウムに変換することができよう。
1つ以上の実施形態において、本明細書に記載されるプロセスは、バッテリーグレードの、結晶化硫酸ニッケルを単離するために溶媒抽出サーキットを使用しない。1つ以上の実施形態において、本明細書に記載されるプロセスは、資本及び運転コストを削減する;結晶化硫酸ニッケルの収率を高める;及び/又は固体廃棄物としての硫酸ナトリウムを減らす若しくは排除する(水酸化ナトリウムが外部中和剤として使用される、及び硫酸ナトリウムが電解によって水酸化ナトリウムに変換されて戻される場合、又は必要とされる外部中和剤の量が減らされる場合)のに役立つ。
実施例1
図1は、本開示のある実施形態によるFeNi(フェロニッケル)合金直接精製プロセスの略図を示す。FeNi合金は、圧力酸化(POX)浸出、引き続き固形分除去、及び次いで銅セメンテーションに提供される。銅セメンテーションステップにおいて完全に固められた銅は、次いで、POX浸出にリサイクルして戻される。銅セメンテーションステップにおいて完全に固められた銅は、プレ浸出で処理され、その後POX浸出にリサイクルして戻され得る。更なる処理ステップは、鉄除去、及び硫酸ニッケル製造を含み得る。更なる処理ステップは、水酸化ニッケルの結晶化を含み得る。1つ以上の実施形態において、プロセスは、銅セメンテーション、及び/又は鉄除去に関連して含む、本プロセスにおける上流で使用するための水酸化ニッケルを沈澱させるための処理を更に含む。
この実施例において、粒状/微粒化FeNi粒子は、銅支援POX浸出のためにPOXオートクレーブに直接提供され;浸出及びヘマタイト製造は、1つの単位操作で起こる。
実施例2
実施例1のプロセスが、以下の変更ありで実施され得る:FeNi合金が圧力酸化(POX)浸出で直接処理される代わりに、FeNi合金は、それよりむしろ、過酸化物及び硫酸の存在下に容器(カラムなどの)における浸出で処理され得る。
実施例1及び図1に記載される銅支援POX浸出の代替策又は捕足として、硫酸の存在下にフェロニッケルを溶解させるためのカラム浸出における酸化剤として過酸化水素を使用することができる。この実施例において、FeNi合金ショット(実施例1の粒状/微粒化FeNi粒子よりも大きい粒径を有する)が、過酸化物/硫酸浸出カラムに提供され、それによってフェロニッケルをワンステップで浸出する。第2のステップにおいて、浸出カラムからの排出液は、ヘマタイトを沈澱させるためにPOXに送られる。この実施例において、銅は、POXステップに添加されなかった。このプロセスにおいて、POX PLS(又は第2の排出液)は、酸消費を減らす及びニッケル濃度を高めるために過酸化物支援浸出サーキットにリサイクルされ得る。ニッケル濃度を高めることによって、オートクレーブ操作は、高い酸性度及び高い鉄処理量を可能にし得る。ニッケル濃度は、PLSリサイクル流れによって制御されるので、オートクレーブ操作条件の安定性は、改善され得る。高いニッケル濃度PLSの別の利点は、ニッケル製造のための下流流量を下げ、こうして資本コストを削減するのに役立つことであり得る。
PLSのリサイクル比は、塩基性硫酸塩又は針鉄鋼の形成を減少させるために調整され得る。プロセスにおける望ましい鉄製品は、その高い鉄含有量、低い硫黄含有量及び市場性潜在力のためにヘマタイトである。
酸化浸出の後に、本実施例は、固形分除去、次いで銅セメンテーション(銅が酸化浸出に添加された場合)を含めて、同じやり方で実施することができる。更なる処理ステップは、実施例1に関して上でリストアップされたものを含み得る。
実施例3
実施例1のプロセスが、以下の変更ありで実施され得る:FeNi合金が圧力酸化(POX)浸出で直接処理される代わりに、FeNi合金は、それよりむしろ、添加銅の存在下に容器(カラムなどの)において浸出で処理され得る。
実施例1及び図1に記載される銅支援POX浸出の代替策又は捕足として、フェロニッケルを溶解させるためのカラム浸出における酸化剤として銅を使用することができる。添加銅は、硫酸銅溶液などの、銅イオンの任意の適切な源である得る。処理は、FeNi合金の粒状化又は微粒化などの、前処理あり又はなしであり得る。処理は、単段、又は多段として実施され得る。処理後に、銅は、スポンジの形態で完全に固められ得、カラムを出る。銅は、リサイクルされ得る。例えば、銅は、酸化浸出の段階に、又は実施例1のものなどの、直接POX浸出プロセスに返され得る。
実施形態
1.フェロニッケル合金の精製プロセスであって、
フェロニッケル合金を酸化浸出で処理すること
を含むプロセス。
2.フェロニッケル合金を酸化浸出で処理することは、フェロニッケル合金を圧力酸化(POX)浸出で処理することを含む、実施形態1のプロセス。
3.フェロニッケル合金を酸化浸出で処理することは、フェロニッケル合金を銅の存在下に処理することを含む、実施形態1又は2のプロセス。
4.フェロニッケル合金を酸化浸出で処理することは、フェロニッケル合金を過酸化物の存在下に処理することを含む、実施形態1~3のいずれか一つのプロセス。
5.フェロニッケル合金を酸化浸出で処理することは、フェロニッケル合金を硫酸の存在下に処理することを含む、実施形態1~4のいずれか一つのプロセス。
6.フェロニッケル合金を酸化浸出で処理することは、フェロニッケル合金を、カラムなどの、容器において大気圧で処理することを含む、実施形態1~5のいずれか一つのプロセス。
7.フェロニッケル合金を酸化浸出で処理することは、
フェロニッケル合金を過酸化物及び硫酸の存在下に処理して、排出液を提供することを含む過酸化物処理を提供することと、
排出液をPOXで処理することを含むPOX処理を提供することと
を含む、実施形態4~6のいずれか一つのプロセス。
8.銅は、硫化銅、酸化銅、又は硫酸銅として提供される、実施形態3~7のいずれか一つのプロセス。
9.フェロニッケル合金を酸化浸出で処理する前にフェロニッケル合金を前処理すること
を更に含む、実施形態1~8のいずれか一つのプロセス。
10.フェロニッケル合金を前処理することは、微粒化又は粒状化などの、粒径縮小を含む、実施形態9のプロセス。
11.酸化浸出は、排出液を提供し、排出液の少なくとも一部は、酸化浸出に返される、実施形態1~10のいずれか一つのプロセス。
12.フェロニッケル合金を酸化浸出で処理することは、
フェロニッケル合金を過酸化物の存在下に処理して、第1の排出液を提供することを含む過酸化物処理を提供すること、
フェロニッケル合金をPOXで処理して、第2の排出液を提供することを含むPOX処理を提供することと、
第2の排出液の少なくとも一部を過酸化物処理に返すこと
を含む、実施形態7のプロセス。
13.第2の排出液を過酸化物処理に返すことは、過酸化物処理におけるニッケルの濃度を高める、実施形態12のプロセス。
14.第2の排出液を過酸化物処理に返すことは、過酸化物処理のpHを調整する、実施形態12又は13のプロセス。
15.鉄製品を製造すること
を更に含む、実施形態1~14のいずれか一つのプロセス。
16.鉄製品を製造することは、ヘマタイト、ジャロサイト、又は針鉄鉱を製造することを含む、実施形態15のプロセス。
17.鉄製品を製造することは、フェロニッケル合金の圧力酸化(POX)によってヘマタイトの形態で鉄を選択的に除去することを含む、実施形態16のプロセス。
18.銅の少なくとも一部を回収するために、銅回収ステップを酸化浸出後に更に含む、実施形態3~17のいずれか一つのプロセス。
19.銅回収ステップは、溶媒抽出ステップ、電解採取ステップ、セメンテーションステップ、硫化ステップ、pH調整ステップ、イオン交換ステップ、又は圧力酸化ステップを含む、実施形態18のステップ。
20.銅回収ステップは、セメンテーションステップを含む、実施形態19のプロセスであって、フェロニッケル合金の一部又はニッケル粉末が銅を固めるために提供される、プロセス。
21.銅回収ステップは、カラムなどの、容器におけるセメンテーションステップを含む、実施形態19又は20のプロセス。
22.回収された銅の少なくとも一部は、フェロニッケル合金を酸化浸出で処理するステップに上流へ又は酸化浸出処理ステップの上流のプレ浸出ステップに返される、実施形態18~21のいずれか一つのプロセス。
23.銅は、銅セメンテーションステップ、酸化浸出、又は酸化浸出の上流のプレ浸出ステップ中にプロセスに添加される、実施形態3~22のいずれか一つのプロセス。
24.銅は、銅プラントからの銅含有流れを含む、実施形態3~23のいずれか一つのプロセス。
25.ニッケル製品を製造すること
を更に含む、実施形態1~24のいずれか一つのプロセス。
26.酸化浸出は、結晶化していない金属硫酸塩を含む排出液を提供し、及びニッケル製品を製造することは、結晶化していない金属硫酸塩を結晶化させて結晶化硫酸ニッケル又は共結晶化硫酸ニッケル及び硫酸コバルトを母液中に形成することを含む、実施形態25のプロセス。
27.ニッケル製品は、結晶化硫酸ニッケルである、実施形態26のプロセス。
28.結晶化させる前に排出液を精製することを更に含む、実施形態26又は27のプロセス。
29.結晶化硫酸ニッケル又は共結晶化硫酸ニッケル及び硫酸コバルトを母液から分離することを更に含む、実施形態26~28のいずれか一つのプロセス。
30.母液は、残存する結晶化していない金属硫酸塩を含む、実施形態29のプロセスであって、母液の一部を塩基性化して残存する結晶化していない金属硫酸塩を塩基性金属塩に変換することを更に含むプロセス。
31.金属硫酸塩の結晶化の上流で塩基性金属塩を使用することを更に含む、実施形態30のプロセス。
32.塩基性金属塩を上流で使用することは、塩基性金属塩を結晶化していない金属硫酸塩に変換して戻すことを含む、実施形態31のプロセス。
33.フェロニッケル合金の改善された直接精製方法であって、改善が、フェロニッケル合金の浸出の間中銅を提供することを含む方法。
34.フェロニッケル合金の浸出は、酸化浸出を含む、実施形態33の方法。
35.ニッケル製品の製造プロセスであって、
フェロニッケル合金供給原料を酸化浸出で処理して、浸出された材料(浸出された材料は、ニッケル、及び鉄を含む)を形成することと;
鉄の少なくとも一部を浸出された材料から除去することと;
ニッケル製品を回収することと
を含むプロセス。
36.フェロニッケル合金供給原料を酸化浸出で処理することは、フェロニッケル合金供給原料を圧力酸化(POX)浸出で処理することを含む、実施形態35のプロセス。
37.フェロニッケル合金供給原料を酸化浸出で処理することは、フェロニッケル合金供給原料を銅の存在下に処理することを含む、実施形態35又は36のプロセス。
38.フェロニッケル合金供給原料を酸化浸出で処理することは、フェロニッケル合金供給原料を過酸化物の存在下に処理することを含む、実施形態35~37のいずれか一つのプロセス。
39.フェロニッケル合金供給原料を酸化浸出で処理することは、フェロニッケル合金供給原料を硫酸の存在下に処理することを含む、実施形態35~38のいずれか一つのプロセス。
40.フェロニッケル合金供給原料を酸化浸出で処理することは、フェロニッケル合金供給原料を、カラムなどの、容器において大気圧で処理することを含む、実施形態38又は39のプロセス。
41.フェロニッケル合金供給原料を酸化浸出で処理することは、
フェロニッケル合金供給原料を過酸化物の存在下に処理することを含む過酸化物処理を提供することと;
フェロニッケル合金供給原料をPOXで処理することを含むPOX処理を提供することと
を含む実施形態38~40のいずれか一つのプロセス。
42.不純物を浸出された材料から除去することを更に含む、実施形態35~41のいずれか一つのプロセス。
43.ニッケル製品は、硫酸ニッケル、硫酸ニッケル及び硫酸コバルト共結晶化材料、又はバッテリーグレードのニッケル材料を含む、実施形態35~42のいずれか一つのプロセス。
44.ニッケル製品の回収は、結晶化、沈澱、又は電解採取を含む、実施形態35~43のいずれか一つのプロセス。
45.結晶化は、結晶化していない硫酸ニッケルを浸出された材料から結晶化させて結晶化硫酸ニッケルを母液中に形成することを含む、実施形態44のプロセス。
46.結晶化硫酸ニッケルを母液から分離することを更に含む、実施形態45のプロセス。
47.母液は、残存する結晶化していない硫酸ニッケルを含む、実施形態46のプロセスであって、母液の一部を塩基性化して結晶化していない硫酸ニッケルを塩基性ニッケル塩に変換することを更に含むプロセス。
48.ニッケル塩の結晶化の上流で塩基性ニッケル塩を使用することを更に含む、実施形態47のプロセス。
49.塩基性ニッケル塩を上流で使用することは、塩基性ニッケル塩を結晶化していない硫酸ニッケルに変換して戻すことを含む、実施形態48のプロセス。
50.フェロニッケルからのニッケル製品の製造プロセスであって、鉄からの使用可能なヘマタイト製品、硫酸塩からの販売可能な硫酸カリウム製品及び他の冶金プロセス用のインプットとして使用される組み合わせられた濃縮不純物流れを生成することによって残渣及び環境影響を最小限にするのに役立つプロセス。
本明細書に記載される実施形態は、例であるにすぎないことを意図する。変更、修正及び変形は、当業者により特定の実施形態に対してもたらすことができる。特許請求の範囲の範囲は、本明細書に明記される特定の実施形態によって限定されるべきではないが、全体として本明細書に整合した形で解釈されるべきである。
本明細書で言及される全ての刊行物、特許及び特許出願は、本発明が関連する技術分野の当業者の技術レベルを示し、あたかも各個別の刊行物、特許、又は特許出願が参照により援用されることが具体的に及び個別に示されているかのように同じ程度まで参照により本明細書に援用される。
本発明はこのようにして記載されているので、それは様々に変わり得ることは明らかであろう。そのような変形は、本発明の主旨及び範囲からの逸脱と見なされるべきではなく、当業者に明らかであるような全てのそのような修正は、以下の特許請求の範囲の範囲内に含まれることが意図される。

Claims (50)

  1. フェロニッケル合金の精製プロセスであって、
    前記フェロニッケル合金を酸化浸出で処理すること
    を含むプロセス。
  2. 前記フェロニッケル合金を前記酸化浸出で処理することは、前記フェロニッケル合金を圧力酸化(POX)浸出で処理することを含む、請求項1に記載のプロセス。
  3. 前記フェロニッケル合金を前記酸化浸出で処理することは、前記フェロニッケル合金を銅の存在下に処理することを含む、請求項1又は2に記載のプロセス。
  4. 前記フェロニッケル合金を前記酸化浸出で処理することは、前記フェロニッケル合金を過酸化物の存在下に処理することを含む、請求項1~3のいずれか一項に記載のプロセス。
  5. 前記フェロニッケル合金を前記酸化浸出で処理することは、前記フェロニッケル合金を硫酸の存在下に処理することを含む、請求項1~4のいずれか一項に記載のプロセス。
  6. 前記フェロニッケル合金を前記酸化浸出で処理することは、前記フェロニッケル合金を、カラムなどの、容器において大気圧で処理することを含む、請求項1~5のいずれか一項に記載のプロセス。
  7. 前記フェロニッケル合金を前記酸化浸出で処理することは、
    前記フェロニッケル合金を過酸化物及び硫酸の存在下に処理して、排出液を提供することを含む過酸化物処理を提供することと、
    前記排出液を前記POXで処理することを含むPOX処理を提供することと
    を含む、請求項4~6のいずれか一項に記載のプロセス。
  8. 前記銅は、硫化銅、酸化銅、又は硫酸銅として提供される、請求項3~7のいずれか一項に記載のプロセス。
  9. 前記フェロニッケル合金を前記酸化浸出で処理する前に前記フェロニッケル合金を前処理すること
    を更に含む、請求項1~8のいずれか一項に記載のプロセス。
  10. 前記フェロニッケル合金を前処理することは、微粒化又は粒状化などの、粒径縮小を含む、請求項9に記載のプロセス。
  11. 前記酸化浸出は、排出液を提供し、前記排出液の少なくとも一部は、前記酸化浸出に返される、請求項1~10のいずれか一項に記載のプロセス。
  12. 前記フェロニッケル合金を前記酸化浸出で処理することは、
    前記フェロニッケル合金を過酸化物の存在下に処理して、第1の排出液を提供することを含む前記過酸化物処理を提供すること、
    前記フェロニッケル合金を前記POXで処理して、第2の排出液を提供することを含むPOX処理を提供すること、
    前記第2の排出液の少なくとも一部を前記過酸化物処理に返すこと
    を含む、請求項7に記載のプロセス。
  13. 前記第2の排出液を前記過酸化物処理に返すことは、前記過酸化物処理におけるニッケルの濃度を高める、請求項12に記載のプロセス。
  14. 前記第2の排出液を前記過酸化物処理に返すことは、前記過酸化物処理のpHを調整する、請求項12又は13に記載のプロセス。
  15. 鉄製品を製造すること
    を更に含む、請求項1~14のいずれか一項に記載のプロセス。
  16. 前記鉄製品を製造することは、ヘマタイト、ジャロサイト、又は針鉄鉱を製造することを含む、請求項15に記載のプロセス。
  17. 前記鉄製品を製造することは、前記フェロニッケル合金の圧力酸化(POX)によってヘマタイトの形態で鉄を選択的に除去することを含む、請求項16に記載のプロセス。
  18. 前記銅の少なくとも一部を回収するために、銅回収ステップを前記酸化浸出後に更に含む、請求項3~17のいずれか一項に記載のプロセス。
  19. 前記銅回収ステップは、溶媒抽出ステップ、電解採取ステップ、セメンテーションステップ、硫化ステップ、pH調整ステップ、イオン交換ステップ、又は圧力酸化ステップを含む、請求項18に記載のプロセス。
  20. 前記銅回収ステップは、セメンテーションステップを含む、請求項19に記載のプロセスであって、フェロニッケル合金の一部又はニッケル粉末が前記銅を固めるために提供される、プロセス。
  21. 前記銅回収ステップは、カラムなどの、容器におけるセメンテーションステップを含む、請求項19又は20に記載のプロセス。
  22. 前記回収された銅の少なくとも一部は、前記フェロニッケル合金を前記酸化浸出で処理するステップに上流へ又は前記酸化浸出処理ステップの上流へプレ浸出ステップに返される、請求項18~21のいずれか一項に記載のプロセス。
  23. 前記銅は、前記銅セメンテーションステップ、前記酸化浸出、又は前記酸化浸出の上流のプレ浸出ステップ中に前記プロセスに添加される、請求項3~22のいずれか一項に記載のプロセス。
  24. 前記銅は、銅プラントからの銅含有流れを含む、請求項3~23のいずれか一項に記載のプロセス。
  25. ニッケル製品を製造すること
    を更に含む、請求項1~24のいずれか一項に記載のプロセス。
  26. 前記酸化浸出は、結晶化していない金属硫酸塩を含む排出液を提供し、及び前記ニッケル製品を製造することは、前記結晶化していない金属硫酸塩を結晶化させて結晶化硫酸ニッケル又は共結晶化硫酸ニッケル及び硫酸コバルトを母液中に形成することを含む、請求項25に記載のプロセス。
  27. 前記ニッケル製品は、結晶化硫酸ニッケルである、請求項26に記載のプロセス。
  28. 結晶化させる前に前記排出液を精製することを更に含む、請求項26又は27に記載のプロセス。
  29. 前記結晶化硫酸ニッケル又は共結晶化硫酸ニッケル及び硫酸コバルトを前記母液から分離することを更に含む、請求項26~28のいずれか一項に記載のプロセス。
  30. 前記母液は、残存する結晶化していない金属硫酸塩を含む、請求項29に記載のプロセスであって、前記母液の一部を塩基性化して前記残存する結晶化していない金属硫酸塩を塩基性金属塩に変換することを更に含む、プロセス。
  31. 前記金属硫酸塩の結晶化の上流で前記塩基性金属塩を使用することを更に含む、請求項30に記載のプロセス。
  32. 前記塩基性金属塩を上流で使用することは、前記塩基性金属塩を前記結晶化していない金属硫酸塩に変換して戻すことを含む、請求項31に記載のプロセス。
  33. フェロニッケル合金の改善された直接精製方法であって、前記改善が、前記フェロニッケル合金の浸出の間中銅を提供することを含む方法。
  34. 前記フェロニッケル合金の浸出は、酸化浸出を含む、請求項33に記載の方法。
  35. ニッケル製品の製造プロセスであって、
    フェロニッケル合金供給原料を酸化浸出で処理して、浸出された材料であって、前記浸出された材料は、ニッケル、及び鉄を含む、浸出された材料を形成することと;
    前記鉄の少なくとも一部を前記浸出された材料から除去することと;
    前記ニッケル製品を回収することと
    を含むプロセス。
  36. 前記フェロニッケル合金供給原料を前記酸化浸出で処理することは、前記フェロニッケル合金供給原料を圧力酸化(POX)浸出で処理することを含む、請求項35に記載のプロセス。
  37. 前記フェロニッケル合金供給原料を前記酸化浸出で処理することは、前記フェロニッケル合金供給原料を銅の存在下に処理することを含む、請求項35又は36に記載のプロセス。
  38. 前記フェロニッケル合金供給原料を前記酸化浸出で処理することは、前記フェロニッケル合金供給原料を過酸化物の存在下に処理することを含む、請求項35~37のいずれか一項に記載のプロセス。
  39. 前記フェロニッケル合金供給原料を前記酸化浸出で処理することは、前記フェロニッケル合金供給原料を硫酸の存在下に処理することを含む、請求項35~38のいずれか一項に記載のプロセス。
  40. 前記フェロニッケル合金供給原料を前記酸化浸出で処理することは、前記フェロニッケル合金供給原料を、カラムなどの、容器において大気圧で処理することを含む、請求項38又は39に記載のプロセス。
  41. 前記フェロニッケル合金供給原料を前記酸化浸出で処理することは、
    前記フェロニッケル合金供給原料を過酸化物の存在下に処理することを含む過酸化物処理を提供することと;
    前記フェロニッケル合金供給原料を前記POXで処理することを含むPOX処理を提供することと
    を含む、請求項38~40のいずれか一項に記載のプロセス。
  42. 不純物を前記浸出された材料から除去することを更に含む、請求項35~41のいずれか一項に記載のプロセス。
  43. 前記ニッケル製品は、硫酸ニッケル、硫酸ニッケル及び硫酸コバルト共結晶化材料、又はバッテリーグレードのニッケル材料を含む、請求項35~42のいずれか一項に記載のプロセス。
  44. 前記ニッケル製品の回収は、結晶化、沈澱、又は電解採取を含む、請求項35~43のいずれか一項に記載のプロセス。
  45. 結晶化は、結晶化していない硫酸ニッケルを前記浸出された材料から結晶化させて結晶化硫酸ニッケルを母液中に形成することを含む、請求項44に記載のプロセス。
  46. 前記結晶化硫酸ニッケルを前記母液から分離することを更に含む、請求項45に記載のプロセス。
  47. 前記母液は、残存する結晶化していない硫酸ニッケルを含む、請求項46に記載のプロセスであって、前記母液の一部を塩基性化して前記結晶化していない硫酸ニッケルを塩基性ニッケル塩に変換することを更に含む、プロセス。
  48. 前記ニッケル塩の結晶化の上流で前記塩基性ニッケル塩を使用することを更に含む、請求項47に記載のプロセス。
  49. 前記塩基性ニッケル塩を上流で使用することは、前記塩基性ニッケル塩を前記結晶化していない硫酸ニッケルに変換して戻すことを含む、請求項48に記載のプロセス。
  50. フェロニッケルからのニッケル製品の製造プロセスであって、鉄からの使用可能なヘマタイト製品、硫酸塩からの販売可能な硫酸カリウム製品及び他の冶金プロセス用のインプットとして使用される組み合わせられた濃縮不純物流れを生成することによって残渣及び環境影響を最小限にするのに役立つプロセス。
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