JP2024504703A - 耐炎性準固体および固体状態電解質、リチウムバッテリーならびに生産方法 - Google Patents

耐炎性準固体および固体状態電解質、リチウムバッテリーならびに生産方法 Download PDF

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Abstract

アノード、カソード、ならびにアノードおよびカソードとイオン流通した準固体または固体状態電解質を含む、充電式リチウムバッテリーであって、電解質が、反応性添加剤の(場合によりその場)重合または架橋生成物であるポリマーを含み、反応性添加剤が、重合可能な液体溶媒(モノマーであってもよい)、開始剤、架橋剤、または硬化剤、リチウム塩、および任意選択的な第2の液体溶媒を含み;重合可能な液体溶媒が、フッ素化カーボネート、スルホン、スルフィド、ニトリル、ホスフェート、ホスファイト、スルフェート、シロキサン、シラン、およびその組み合わせからなる群から選択され;ならびに重合可能な液体溶媒の重量または体積で少なくとも70%が重合している、充電式リチウムバッテリー。第1の液体溶媒は、第2の液体溶媒と比較してより低い引火点、より高い蒸気圧、より高い誘電率、またはリチウム塩のより高い溶解性を有してもよい。【選択図】図1(A)

Description

本開示は、耐火性/耐炎性電解質ならびにそのような電解質を含有するリチウムバッテリー(リチウムイオンおよびリチウム金属バッテリー)を提供する。
充電式リチウムイオン(Liイオン)およびリチウム金属バッテリー(例えば、リチウム硫黄、リチウムセレン、およびLi金属空気バッテリー)は、電動輸送機器(EV)、ハイブリッド電動輸送機器(HEV)、ならびに携帯型電子デバイス、例えばラップトップコンピュータおよびモバイルホンのための有望な電源と考えられている。金属元素としてのリチウムは、アノード活性材料として任意の他の金属または金属挿入化合物(4,200mAh/gの比容量を有するLi4.4Siを除く)と比較して最も高いリチウム貯蔵容量(3,861mAh/g)を有する。それゆえ、一般に、Li金属バッテリー(リチウム金属アノードを有する)は、リチウムイオンバッテリー(グラファイトアノードを有する)よりも有意に高いエネルギー密度を有する。
しかしながら、リチウムイオンバッテリーおよびすべてのリチウム金属二次バッテリーのために使用される電解質は、何らかの安全性の課題を提示する。有機液体電解質のほとんどは、熱暴走または爆発問題を引き起こし得る。
イオン液体(IL)は、著しく低い温度において液体である、純粋にイオン性の、塩様の材料の新たなクラスである。ILの公式の定義は、参照点として水の沸点を使用する:「イオン液体は100℃未満で液体であるイオン性化合物である」。ILの特に有用なおよび科学的に興味深いクラスは室温イオン液体(RTIL)であり、これは、室温またはそれ未満の温度で液体である塩を指す。RTILはまた、有機液体塩または有機溶融塩として参照される。RTILの認められる定義は、周囲温度よりも低い融解温度を有する任意の塩である。
ILは、それらの非可燃性に起因して充電式リチウムバッテリーのための潜在的な電解質として示唆されたが、従来のイオン液体組成物は、恐らくはいくつかの本来的な欠点に起因して電解質として使用された場合に満足のいく性能を呈していない:(a)ILは、室温またはより低い温度において相対的に高い粘度を有し;そのためリチウムイオン輸送に適しないと考えられている;(b)Li-S電池での使用のために、ILは、カソードにおいてリチウム多硫化物を溶解させ、溶解された種がアノードに移動することを可能とする能力を有する(すなわち、シャトル効果は依然として重度である);および(c)リチウム金属二次電池のために、ILのほとんどはアノードにおいてリチウム金属と強く反応して、Liを消費し続け、繰り返しの充電および放電の間に電解質それ自体を枯渇させる。これらの要因は、相対的に不良な比容量(特には高電流または高充電/放電速度条件下;それゆえより低い出力密度下において)、低い比エネルギー密度、急速な容量減衰および不良なサイクル寿命に繋がる。さらには、ILは依然として極めて高価である。結果的に、現時点で、商業的に入手可能なリチウムバッテリーは、一次電解質成分としてイオン液体を使用していない。
固体状態電解質は、防火および防爆の観点において安全であると一般的に考えられている。固体状態電解質は、有機、無機、有機-無機複合電解質に分けられ得る。しかしながら、有機ポリマー固体状態電解質、例えばポリ(エチレンオキシド)(PEO)、ポリプロピレンオキシド(PPO)、ポリ(エチレングリコール)(PEG)、およびポリ(アクリロニトリル)(PAN)の伝導性は典型的には低い(<10-5S/cm)。
無機固体状態電解質(例えば、ガーネットタイプおよび金属硫化物タイプ)は高い伝導性(約10-3S/cm)を呈し得るが、無機固体状態電解質と電極(カソードまたはアノード)との間の界面インピーダンスまたは抵抗は高い。さらに、伝統的な無機セラミック電解質は非常にもろく、不良なフィルム形成能力および不良な機械的特性を有する。これらの材料は、高い対費用効果で生産することができない。有機-無機複合電解質は、低減した界面抵抗に繋がり得るが、リチウムイオン伝導性および動作電圧は、有機ポリマーの追加に起因して減少し得る。
本出願人の研究グループは、第4のタイプの固体状態電解質と考えられ得る準固体状態電解質(QSSE)を以前に開発した。準固体状態電解質のある特定の変形形態において、電解質と電極との間の物理的およびイオン的接触を向上させ、そのため界面抵抗を低減させることを助けるために小量の液体電解質が存在し得る。QSSEの例は以下において開示されている:Hui He,et al.「Lithium Secondary Batteries Containing a Non-flammable Quasi-solid Electrolyte」、米国特許出願第13/986,814号(2013年6月10日);米国特許第9,368,831号(2016年6月14日);米国特許第9,601,803号(2017年3月21日);米国特許第9,601,805号(2017年3月21日);米国特許第9,059,481号(2015年6月16日)。
しかしながら、ある特定の液体電解質の存在は、何らかの問題、例えば液体漏出、気体放出(gassing)、および高温に対する低い耐性を引き起こし得る。したがって、これらの課題のすべてまたはほとんどを取り除く新規の電解質システムが必要とされている。
それゆえ、本開示の一般的な目的は、既存のバッテリー製造設備と適合性の充電式リチウム電池のための安全な、耐炎性/耐火性の、準固体または固体状態電解質システムを提供することである。
本開示は、アノード、カソード、ならびにアノードおよびカソードとイオン流通した準固体または固体状態電解質を含む、充電式リチウムバッテリーであって、電解質が、反応性添加剤の重合または架橋生成物であるポリマーを含み、反応性添加剤が、少なくとも1つの重合可能な液体溶媒(それ自体はモノマーである)、重合可能な液体溶媒中に溶解したリチウム塩、ならびに架橋剤および/または開始剤を含み;重合可能な液体溶媒が、骨格または環状構造中に不飽和(二重結合または三重結合)を有するフッ素化モノマー(例えば、フッ素化ビニルカーボネート、フッ素化ビニルモノマー、フッ素化エステル、フッ素化ビニルエステル、およびフッ素化エーテル)、スルホン(メチルエチレンスルホンおよびエチルビニルスルホンを含まない)、スルフィド、ニトリル、ホスフェート、ホスファイト、ホスホネート、ホスファゼン、スルフェート、シロキサン、シラン、およびその組み合わせからなる群から選択され;ならびに重合可能な液体溶媒の重量または体積で少なくとも20%(好ましくは>50%、より好ましくは>70%、最も好ましくは>99%)が重合している、充電式リチウムバッテリーを提供する。
リチウムイオンバッテリーまたはリチウム金属バッテリー産業において、上記に列記される液体溶媒は、その中にリチウム塩を溶解させるための溶媒として一般的に使用されており、結果としてもたらされる溶液は液体電解質として使用されている。これらの液体溶媒は、重合可能であることは知られておらず、別々のポリマーまたはモノマーが、ゲルポリマー電解質または固体ポリマー電解質を作製するために産業において典型的には使用されている。液体溶媒を、それがバッテリー電池に注入されてから重合させることができることは独特に有利である。そのような新規の戦略を用いて、容易に液体溶媒を低減させるか、または一斉に液体溶媒を完全に排除することができる。これは意義深い有用性上の価値を有し、その理由は、有機溶媒のほとんどは、揮発性および可燃性であることが公知であり、火および爆発の危険性を課すからである。
好ましくは、リチウム塩は重量で0.1%~30%を占有し、重合可能な液体溶媒は重量で1%~90%を占有し、ならびに架橋剤および/または開始剤は重量で0.1~90%(好ましくは<50%)を占有し、すべては、組み合わせられたリチウム塩、架橋剤および/または開始剤、ならびに重合可能な液体溶媒の全重量に基づく。
一部の実施形態において、ポリマー電解質は、20℃で測定された場合に0.001kPaよりも低い蒸気圧、重合なしの前記液体溶媒およびリチウム塩単独での蒸気圧の10%よりも低い蒸気圧、前記液体溶媒単独での引火点よりも少なくとも100℃高い引火点、もしくは200℃よりも高い引火点を呈するか、または測定可能な引火点を呈さず、ならびにポリマーは、室温で10-8S/cm~10-2S/cmのリチウムイオン伝導性を有する。
ある特定の実施形態において、反応性添加剤は、第1の重合可能な液体溶媒および第2の液体溶媒を含み、ならびに第2の液体溶媒は、重合可能でないか、または重合可能であるが、第1の重合可能な液体溶媒と比較してより低い程度まで重合される。この第2の液体溶媒の存在は、重合した電解質にある特定の所望される特性、例えばリチウムイオン伝導性、難燃性、電極(アノードおよび/またはカソード)に浸透してアノード活性材料および/またはカソード活性材料の表面を適切に湿潤させる電解質の能力を付与するように設計される。
好ましくは、第2の液体溶媒は、フッ素化カーボネート、ハイドロフルオロエーテル、フッ素化エステル、スルホン、ニトリル、ホスフェート、ホスファイト、アルキルホスホネート、ホスファゼン、スルフェート、シロキサン、シラン、1,3-ジオキソラン(DOL)、1,2-ジメトキシエタン(DME)、テトラエチレングリコールジメチルエーテル(TEGDME)、ポリ(エチレングリコール)ジメチルエーテル(PEGDME)、ジエチレングリコールジブチルエーテル(DEGDBE)、2-エトキシエチルエーテル(EEE)、スルホン、スルホラン、エチレンカーボネート(EC)、ジメチルカーボネート(DMC)、メチルエチルカーボネート(MEC)、ジエチルカーボネート(DEC)、エチルプロピオネート、メチルプロピオネート、プロピレンカーボネート(PC)、ガンマ-ブチロラクトン(γ-BL)、アセトニトリル(AN)、エチルアセテート(EA)、プロピルホルメート(PF)、メチルホルメート(MF)、トルエン、キシレン、メチルアセテート(MA)、フルオロエチレンカーボネート(FEC)、ビニレンカーボネート(VC)、アリルエチルカーボネート(AEC)、またはその組み合わせから選択される。
望ましい重合可能な液体溶媒(好ましくは100℃よりも低い、より好ましくは50℃よりも低い融点を有する)は、不飽和(重合のために開き得る二重結合または三重結合)を有するフッ素化モノマー;例えば、フッ素化ビニルカーボネート、フッ素化ビニルモノマー、フッ素化エステル、フッ素化ビニルエステル、およびフッ素化ビニルエーテルを含む。フッ素化ビニルエステルは、RCOCH=CHおよびプロペニルケトン、RCOCH=CHCHを含み、式中、Rは、Fまたは任意のF含有官能基(例えば、CF-およびCFCF-)である。
フッ素化ビニルカーボネートの2つの例は以下に与えられる:
Figure 2024504703000002
これらの液体溶媒は、モノマーとして、開始剤(例えば、UVまたは電子線により活性化され得る2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニル-プロパン-1-オン、Ciba DAROCUR-1173)の存在下で硬化し得る:
Figure 2024504703000003
一部の実施形態において、フッ素化カーボネートは、フルオロエチレンカーボネート(FEC)、DFDMEC、FNPEC、その組み合わせ、またはハイドロフルオロエーテル(HFE)、トリフルオロプロピレンカーボネート(FPC)、もしくはメチルノナフルオロブチルエーテル(MFE)とのその組み合わせのビニルまたは二重結合含有バリアントから選択され、FEC、DFDMEC、およびFNPECの化学式はそれぞれ以下に示される:
Figure 2024504703000004
重合可能な液体溶媒としての望ましいスルホンは、アルキルおよびアリールビニルスルホンまたはスルフィド;例えば、エチルビニルスルフィド、アリルメチルスルフィド、フェニルビニルスルフィド、フェニルビニルスルホキシド、エチルビニルスルホン、アリルフェニルスルホン、アリルメチルスルホン、およびジビニルスルホンを含むが、これらに限定されない。
単純なアルキルビニルスルホン、例えばエチルビニルスルホンは、エマルションおよびバルク方法を介して重合させてもよい。プロピルビニルスルホンは、ソフトポリマーを形成させるための過硫酸アルカリ開始剤により重合させてもよい。アリールビニルスルホン、例えば、ナフチルビニルスルホン、フェニルビニルスルホン、およびパラ置換フェニルビニルスルホン(R=NH、NOまたはBr)は、フリーラジカル開始剤を用いて重合不可能であることが報告されたことが留意され得る。しかしながら、フェニルおよびメチルビニルスルホンは、いくつかのアニオンタイプ開始剤を用いて重合可能であることを我々は観察した。有効なアニオンタイプ触媒または開始剤は、n-BuLi、ZnEt2、LiN(CH、NaNH、およびZnEt2またはAlEhとのn-LiBuの錯体である。第2の溶媒、例えばピリジン、スルホラン、トルエンまたはベンゼンは、アルキルビニルスルホン、アリールビニルスルホン、および他のより大きいスルホン分子を溶解させるために使用され得る。
ポリ(スルホン)は、燃焼時に高い酸素指数および低い煙放出を有する。ポリ(スルホン)は、それらの高度に芳香性の特徴により本来的に自己消失性の材料である。アジピン酸とのジエチレングリコールおよび4,4-ジヒドロキシジエトキシジフェニルスルホンの溶融重縮合により合成されるヒドロキシ末端化コポリ(エステルスルホン)は、難燃剤として使用され得る。
ある特定の実施形態において、スルホンは、TrMS、MTrMS、TMS、またはTrMS、MTrMS、TMS、EMS、MMES、EMES、EMEES、もしくはその組み合わせのビニルもしくは二重結合含有バリアントから選択され;それらの化学式は以下に与えられる:
Figure 2024504703000005
環状構造、例えばTrMS、MTrMS、およびTMSは、イオンタイプ開始剤の補助と共に開環重合を介して重合させることができる。
ニトリルは、ジニトリル、例えば以下の化学式を有するAND、GLN、およびSENから選択されてもよい。
Figure 2024504703000006
一部の実施形態において、ホスフェート、ホスホネート、ホスファゼン、ホスファイト、またはスルフェートは、トリス(トリメチルシリル)ホスファイト(TTSPi)、アルキルホスフェート、トリアリルホスフェート(TAP)、エチレンスルフェート(DTD)、その組み合わせから選択される。ホスフェート、アルキルホスホネート、またはホスファゼンは以下から選択されてもよい:
Figure 2024504703000007
Figure 2024504703000008
ホスフェート、アルキルホスホネート、ホスホン酸、およびホスファゼンは、重合で、本質的に非可燃性となることが見出されている。良好な例は、ジエチルビニルホスホネート、ジメチルビニルホスホネート、ビニルホスホン酸、ジエチルアリルホスフェート、およびジエチルアリルホスホネートを含む。
重合可能なホスファゼンの例は、一般構造式:
[-NP(A)(B)-]
(式中、基AおよびBは、--O--、--S--、--NH--、または--NR--(R=C~C)アルキル)を通じてリン原子に結合しており、ならびにAは、より的確にはビニルエーテル基またはスチレンエーテル基を表し、ならびにBは、より的確には炭化水素基を表す)を有する誘導体を含有する。一般に、Aは、一般式Q--O--CR’=CHR’’の少なくとも1つのビニルエーテル基および/または一般式:
Figure 2024504703000009
のスチレンエーテル基を含有し、式中、R’および/またはR’’は水素またはC~C10アルキルを表し;Bは、O、S、および/またはNを任意選択的に含有する、ならびに少なくとも1つの反応性基を任意選択的に含有する反応性または非反応性炭化水素基を表し;Qは、O、S、および/またはNを任意選択的に含有する脂肪族、脂環式、芳香族、および/または複素環式炭化水素基であり;aは、0より大きい数であり;bは、0または0より大きい数であり、およびa+b=2であり;xは、少なくとも2であるすべての数を表し;ならびにzは0または1を表す。
これらのホスファゼン誘導体のための開始剤は、ルイス酸、SbCl、AlCl、または硫黄化合物のものであることができる。
シロキサンまたはシランは、アルキルシロキサン(Si-O)、アルキルシラン(Si-C)、液体オリゴマーシロキサン(-Si-O-Si-)、またはその組み合わせから選択されてもよい。
反応性添加剤は、N,N-ジメチルアセトアミド、N,N-ジエチルアセトアミド、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジエチルホルムアミド、またはその組み合わせから選択されるアミド基をさらに含んでもよい。
ある特定の実施形態において、架橋剤は、分子中にヒドロキシル基、アミノ基、イミノ基、アミド基、アクリルアミド基、アミン基、アクリル基、アクリルエステル基、またはメルカプト基から選択される少なくとも1つの反応性基を有する化合物を含む。
ある特定の実施形態において、架橋剤は、ポリ(ジエタノール)ジアクリレート、ポリ(エチレングリコール)ジメタクリレート、ポリ(ジエタノール)ジメチルアクリレート、ポリ(エチレングリコール)ジアクリレート、ヘキサフルオロリン酸リチウム(LiPF)、ホウフッ化リチウム(LiBF)、ヘキサフルオロヒ化リチウム(LiAsF)、トリフルオロ-メタンスルホン酸リチウム(LiCFSO)、ビス-トリフルオロメチルスルホニルイミドリチウム(LiN(CFSO)、ビス(オキサラト)ホウ酸リチウム(LiBOB)、オキサリルジフルオロホウ酸リチウム(LiBF)、オキサリルジフルオロホウ酸リチウム(LiBF)、またはその組み合わせから選択される。
開始剤は、アゾ化合物(例えば、アゾジイソブチロニトリル、AIBN)、アゾビスイソブチロニトリル、アゾビスイソヘプトニトリル、ジメチルアゾビスイソブチレート、ベンゾイルペルオキシド tert-ブチルペルオキシド(benzoyl peroxide tert-butyl peroxide)およびメチルエチルケトンペルオキシド、過酸化ベンゾイル(BPO)、ビス(4-tert-ブチルシクロヘキシル)ペルオキシジカーボネート、t-アミルペルオキシピバレート、2,2’-アゾビス-(2,4-ジメチルバレロニトリル)、2,2’-アゾビス-(2-メチルブチロニトリル)、1,1-アゾビス(シクロヘキサン-1-カルボニトリル、過酸化ベンゾイル(BPO)、過酸化水素、ドデカノイルペルオキシド(dodecamoyl peroxide)、イソブチリルペルオキシド、クメンヒドロペルオキシド、tert-ブチルペルオキシピバレート、ジイソプロピルペルオキシジカーボネート、またはその組み合わせから選択されてもよい。
開示されるポリマー電解質において、リチウム塩は、過塩素酸リチウム(LiClO)、ヘキサフルオロリン酸リチウム(LiPF)、ホウフッ化リチウム(LiBF)、ヘキサフルオロヒ化リチウム(LiAsF)、トリフルオロ-メタンスルホン酸リチウム(LiCFSO)、ビス-トリフルオロメチルスルホニルイミドリチウム(LiN(CFSO)、ビス(オキサラト)ホウ酸リチウム(LiBOB)、オキサリルジフルオロホウ酸リチウム(LiBF)、硝酸リチウム(LiNO)、Li-フルオロアルキル-ホスフェート(LiPF(CFCF)、リチウムビスパーフルオロ-エチルスルホニルイミド(LiBETI)、リチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、リチウムビス(フルオロスルホニル)イミド、リチウムトリフルオロメタンスルホンイミド(LiTFSI)、イオン液体リチウム塩、またはその組み合わせから選択されてもよい。
開示されるリチウム電池におけるカソードは、典型的には、カソード活性材料の粒子を含み、および電解質は、カソードに浸透し、実質的にすべてのカソード活性材料粒子と物理的に接触している。
一部の好ましい実施形態において、バッテリー電池は、その中に残された液体溶媒を実質的に含有しない(液体溶媒の実質的にすべては重合してポリマーとなっている)。しかしながら、電池に液体溶媒を最初に含めて、リチウム塩がリチウムイオンおよびアニオンに解離することを可能にすることが必須である。液体溶媒の大部分(>50%、好ましくは>70%)または実質的にすべては次に硬化(重合または架橋)される。実質的に0%の液体溶媒を用いる場合、結果としてもたらされる電解質は固体状態電解質である。30%未満の液体溶媒を用いる場合、準固体電解質が得られる。両方は高度に耐炎性である。
電解質中の液体溶媒のより低い割合は、有意に低減した蒸気圧および増加した引火点または完全に排除された引火点(検出不可能)に繋がる。典型的には液体溶媒の割合を低減させることにより、結果としてもたらされる電解質について低減したリチウムイオン伝導性が観察される傾向があるが;しかしながら、かなり驚くべきことに、閾値となる液体溶媒比率後に、この傾向は減少または逆転される(リチウムイオン伝導性は、一部の場合において、液体溶媒の低減と共に実際に増加し得る)。
架橋剤は、好ましくは、分子中にヒドロキシル基、アミノ基、イミノ基、アミド基、アミン基、アクリル基、またはメルカプト基から選択される少なくとも1つの反応性基を有する化合物を含む。一部の所望される実施形態において、架橋剤は、以下の化学式1:
Figure 2024504703000010
(式中、RおよびRは各々独立して水素またはメチル基であり、およびnは3~30の整数であり、R’はC~Cアルキル基である)により表される化学種から選択されてもよい。
一部の実施形態において、架橋剤は、N,N-メチレンビスアクリルアミド、エピクロロヒドリン、1,4-ブタンジオールジグリシジルエーテル、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド、ケイ皮酸、塩化第二鉄、硫酸アルミニウム18水和物、ジエポキシ、ジカルボン酸化合物、ポリ(カリウム1-ヒドロキシアクリレート)(PKHA)、グリセロールジグリシジルエーテル(GDE)、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル(PEGDE)、クエン酸、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸の誘導体化合物、メタクリル酸の誘導体化合物、グリシジル官能基、N,N’-メチレンビスアクリルアミド(MBAAm)、エチレングリコールジメタクリレート(EGDMAAm)、イソボルニル(isobomyl)メタクリレート、ポリ(アクリル酸)(PAA)、メチルメタクリレート、イソボルニルアクリレート、エチルメタクリレート、イソブチルメタクリレート、n-ブチルメタクリレート、エチルアクリレート、2-エチルヘキシルアクリレート、n-ブチルアクリレート、ジイソシアネート、ウレタン鎖、その化学的誘導体、またはその組み合わせから選択されてもよい。
一部の実施形態において、電解質は、ハロゲン化難燃剤、リン系難燃剤、メラミン難燃剤、金属水酸化物難燃剤、ケイ素系難燃剤、リン酸難燃剤、生体分子難燃剤、またはその組み合わせから選択される難燃性添加剤をさらに含む。
電解質中で、難燃性添加剤は、実質的にリチウムイオン不透過性および液体電解質不透過性のコーティング材料のシェルにより被包された添加剤を含む被包された粒子の形態であってもよく、前記シェルは、閾値温度よりも高い温度に曝露された場合に破壊可能である。
混合物中の難燃性添加剤対液体溶媒の比は、重量で1/95~50/50、好ましくは重量で15/85~40/60、さらに好ましくは重量で20/80~30/70である。
電解質中のポリマーは、ポリ(エチレンオキシド)、ポリプロピレンオキシド、ポリ(エチレングリコール)、ポリ(アクリロニトリル)、ポリ(メチルメタクリレート)、ポリ(ビニリデンフルオリド)、ポリビス-メトキシエトキシエトキシド-ホスファゼン、ポリビニルクロリド、ポリジメチルシロキサン、ポリ(ビニリデンフルオリド)-ヘキサフルオロプロピレン、シアノエチルポリ(ビニルアルコール)、ペンタエリトリトールテトラアクリレート系ポリマー、脂肪族ポリカーボネート、カルボキシレートアニオン、スルホニルイミドアニオン、もしくはスルホネートアニオンを有する単一Liイオン伝導性固体ポリマー電解質、ポリ(エチレングリコール)ジアクリレートもしくはポリ(エチレングリコール)メチルエーテルアクリレートの架橋電解質、そのスルホン化誘導体、またはその組み合わせから選択される第2のポリマーとの混合物、コポリマー、半相互貫入ネットワーク、または同時相互貫入ネットワークを形成していてもよい。この第2のポリマーは、アノードおよび/またはカソードに予め混合されてもよい。代替的に、この第2のポリマーは、バッテリー電池への注入に先立って溶液を形成させるために、適切または可能な場合に液体溶媒に溶解されてもよい。
ある特定の望ましい実施形態において、電解質は、2nm~30μmの粒子サイズを有する無機固体電解質材料の粒子をさらに含み、無機固体電解質材料の粒子は、ポリマー中に分散されているか、またはポリマーにより化学的に結合されている。無機固体電解質材料の粒子は、好ましくは、酸化物タイプ、硫化物タイプ、水素化物タイプ、ハロゲン化物タイプ、ホウ酸タイプ、リン酸タイプ、リチウムリン酸窒化物(LiPON)、ガーネットタイプ、リチウム超イオン伝導体(LISICON)タイプ、ナトリウム超イオン伝導体(NASICON)タイプ、またはその組み合わせから選択される。
本開示は、リチウム金属二次電池、リチウムイオン電池、リチウム硫黄電池、リチウムイオン硫黄電池、リチウムセレン電池、またはリチウム空気電池を含む、充電式リチウムバッテリーをさらに提供する。このバッテリーは、本明細書に開示されている非可燃性の、安全な、および高性能の電解質を特色とする。
充電式リチウム電池は、アノードとカソードとの間に配されたセパレータをさらに含んでもよい。好ましくは、セパレータは、本明細書に開示されている準固体または固体状態電解質を含む。
重合可能物は最初に、バッテリー電池に注入され、次にその場で電池の内側で硬化(重合および/または架橋)され得る液体モノマー状態であってもよい。
代替的に、反応性液体溶媒は(必要とされる開始剤および/または架橋剤と共に)、電極活性材料(例えばカソード活性材料粒子、例えばNCM、NCAおよびリン酸鉄リチウム)、伝導性添加剤(例えばカーボンブラック、カーボンナノチューブ、膨張化グラファイトフレーク、またはグラフェンシート)、ならびに任意選択的な難燃剤および/または任意選択的な無機固体電解質の粒子と混合されて、反応性スラリーまたはペーストを形成してもよい。スラリーまたはペーストは次に、場合により集電体(例えばカソード集電体としてのAlホイル)の表面上に支持された、所望される電極形状(例えばカソード電極)にされる。リチウムイオン電池のアノードは、アノード活性材料(例えばグラファイト、Si、SiOなどの粒子)を使用して類似した方式で作られ得る。アノード電極、カソード電極、および任意選択的なセパレータは次に組み合わせられて、バッテリー電池が形成される。電池の内側の反応性溶媒は次に、その場でバッテリー電池の内側で重合および/または架橋される。
電解質組成物は、カソードの内部構造中に浸透し、カソード中のカソード活性材料と物理的に接触またはイオン的に接触するように、およびアノード電極に浸透して、存在する場合にアノード活性材料と物理的に接触またはイオン的に接触するように設計される。
準固体電解質の引火点は、典型的には、重合していない同じ有機液体溶媒の引火点よりも少なくとも100度高い。ほとんどの場合において、引火点は200℃より高いか、または引火点は検出され得ない。電解質は単に燃え移ることも点火されることもない。任意の偶発的に引き起こされた炎は数秒よりも長く持続しない。火および爆発の課題が、バッテリー駆動式電動輸送機器が広く認められるための大きな障害となっているという考えを考慮すると、これは非常に意義深い発見である。この新たな技術はEV産業の風景を潜在的に造り直し得る。
本開示のさらに別の好ましい実施形態は、カソード活性材料として硫黄またはリチウム多硫化物を有する硫黄カソードを含有する充電式リチウム硫黄電池またはリチウムイオン硫黄電池である。
リチウム金属電池(リチウム金属が主要な活性アノード材料である)のために、アノード集電体は、2つの主要な表面を有する金属のホイル、穿孔されたシート、またはフォームを含んでもよく、少なくとも1つの主要な表面は、親リチウム性金属(金属-Li固体溶液を形成する能力を有するか、もしくはリチウムイオンによりウェッタブルな金属)の層、グラフェン材料の層、または両方でコーティングまたは保護されている。金属ホイル、穿孔されたシート、またはフォームは、好ましくは、Cu、Ni、ステンレス鋼、Al、グラフェンコーティングされた金属、グラファイトコーティングされた金属、炭素コーティングされた金属、またはその組み合わせから選択される。親リチウム性金属は、好ましくは、Au、Ag、Mg、Zn、Ti、K、Al、Fe、Mn、Co、Ni、Sn、V、Cr、その合金、またはその組み合わせから選択される。
本開示の電解質を特色とするリチウムイオンバッテリーのために、アノード活性材料の選択に関する制限は特にない。アノード活性材料は、(a)ケイ素(Si)、ゲルマニウム(Ge)、スズ(Sn)、鉛(Pb)、アンチモン(Sb)、リン(P)、ビスマス(Bi)、亜鉛(Zn)、アルミニウム(Al)、チタン(Ti)、ニッケル(Ni)、コバルト(Co)、およびカドミウム(Cd);(b)他の元素とのSi、Ge、Sn、Pb、Sb、Bi、Zn、Al、Ti、Ni、Co、またはCdの合金または金属間化合物;(c)Si、Ge、Sn、Pb、Sb、Bi、Zn、Al、Ti、Fe、Ni、Co、V、またはCdの酸化物、炭化物、窒化物、硫化物、リン化物、セレン化物、およびテルル化物、ならびにそれらの混合物、複合物、またはリチウム含有複合物;(d)Snの塩および水酸化物;(e)チタン酸リチウム、マンガン酸リチウム、アルミン酸リチウム、ニオブ酸リチウムチタン、リチウム含有チタン酸化物、リチウム遷移金属酸化物、ZnCo;(f)炭素またはグラファイト粒子;(g)そのプレリチウム化されたバージョン;ならびに(h)その組み合わせからなる群から選択されてもよい。
一部の実施形態において、アノード活性材料は、プレリチウム化されたSi、プレリチウム化されたGe、プレリチウム化されたSn、プレリチウム化されたSnO、プレリチウム化されたSiO、プレリチウム化された酸化鉄、プレリチウム化されたV、プレリチウム化されたV、プレリチウム化されたCo、プレリチウム化されたNi、またはその組み合わせを含有し、x=1~2である。
セパレータは、本開示の電解質を含んでもよい。ある特定の実施形態において、セパレータは、ポリマー繊維、セラミック繊維、ガラス繊維、またはその組み合わせを含む。これらの繊維は、リチウムイオンの透過を可能とするが、任意の潜在的に形成されるリチウムデンドライトの透過を可能としないポアがあるような方式で積み重ねられてもよい。これらの繊維は、マトリックス材料中に分散されているか、またはバインダー材料により結合されてもよい。このマトリックスまたはバインダー材料はセラミックまたはガラス材料を含有してもよい。ポリマー電解質は、これらの繊維を一緒に保持することを助けるマトリックス材料またはバインダー材料として役立ち得る。セパレータは、ガラスまたはセラミック材料(例えば金属酸化物、金属炭化物、金属窒化物、金属ホウ化物など)の粒子を含有してもよい。
充電式リチウム電池は、アルミニウムホイル、炭素もしくはグラフェンコーティングされたアルミニウムホイル、ステンレス鋼ホイルもしくはウェブ、炭素もしくはグラフェンコーティングされた鋼ホイルもしくはウェブ、炭素もしくはグラファイト紙、炭素もしくはグラファイト繊維生地、柔軟なグラファイトホイル、グラフェン紙もしくはフィルム、またはその組み合わせから選択されるカソード集電体をさらに含んでもよい。ウェブは、好ましくは相互接続されたポアまたは貫通したアパーチャを有する、スクリーン様構造物または金属フォームを意味する。
本開示はまた、開示される充電式リチウム電池を製造する方法であって、(a)アノード、任意選択的なセパレータ層、カソード、および保護用ハウジングを組み合わせて電池を形成させること;(b)反応性液体電解質組成物を電池に導入することであって、反応性液体電解質組成物が、第1の重合可能な液体溶媒、第1の重合可能な液体溶媒中に溶解したリチウム塩、架橋剤および/または開始剤を少なくとも含み、ならびに重合可能な液体溶媒が、フッ素化カーボネート、ハイドロフルオロエーテル、フッ素化エステル、スルホン、ニトリル、ホスフェート、ホスファイト、アルキルホスホネート、ホスファゼン、スルフェート、シロキサン、シラン、およびその組み合わせからなる群から選択される、導入すること;ならびに(c)液体溶媒を部分的にまたは完全に重合させて、第1の重合可能な液体溶媒の重量で少なくとも30%が重合している準固体または固体状態電解質を得ることを含む、方法を提供する。
この方法において、反応性液体電解質組成物は第2の液体溶媒(重合可能または重合不可能)をさらに含んでもよく、および工程(c)は、第2の液体溶媒を重合させないか、または第1の重合可能な液体溶媒と比較して異なる程度まで第2の液体溶媒を重合させる。
本開示は、充電式リチウム電池を製造する方法であって、(A)カソード活性材料の粒子、任意選択的な伝導性添加剤、任意選択的なバインダー、反応性添加剤、およびリチウム塩を混合してカソードを形成させることであって、反応性添加剤が、第1の重合可能な液体溶媒および架橋剤または開始剤を少なくとも含む、形成させること;(B)アノードを用意すること;(C)カソードおよびアノードを組み合わせて電池を形成させること;ならびに(D)工程(C)の前または後に、第1の重合可能な溶媒を部分的にまたは完全に重合させて、第1の液体溶媒の重量で少なくとも30%が重合している充電式リチウム電池を製造することを含む、方法をさらに提供する。
この方法において、アノードは、類似した方式において作製されてもよく、工程(B)は、アノード活性材料の粒子、任意選択的な伝導性添加剤、任意選択的なバインダー、反応性添加剤、およびリチウム塩を混合してアノードを形成させる手順を含んでもよく、反応性添加剤は、重合可能な液体溶媒および架橋剤または開始剤を少なくとも含み、ならびに方法は、工程(C)の前または後に、反応性添加剤を重合および/または架橋させて充電式リチウム電池を製造することをさらに含む。
方法において、工程(A)は、カソード中またはアノード中に無機固体電解質粉末の粒子を加えることをさらに含んでもよい。
工程(D)の後に、第2の液体溶媒を電池に注入する工程(E)を実行することを選択してもよい。この第2の液体溶媒は重合可能または重合不可能であってもよい。
本開示は、充電式リチウム電池を製造するさらに別の方法であって、(A)アノード、任意選択的なセパレータ層、カソード、および保護用ハウジングを組み合わせて電池を形成させること;(B)反応性添加剤をアノード、カソードまたは実質的に電池全体に導入することであって、反応性添加剤が、少なくとも1つの重合可能な液体溶媒、第2の液体溶媒、ならびに第1および/または第2の溶媒のための架橋剤または開始剤を含む、導入すること;ならびに(C)反応性添加剤を部分的にまたは完全に重合および/または架橋させて、第1の液体溶媒および第2の溶媒が異なる程度まで重合または架橋されている充電式リチウム電池を製造することを含む、方法を提供する。
すべての方法のために、第1の液体溶媒および第2の液体溶媒は、典型的には、同じ条件下であっても異なる程度まで重合および/または架橋される。第2の液体溶媒は、重合不可能であるように選択されてもよい。
重合および/または架橋の手順は、熱、UV、高エネルギー放射線、またはその組み合わせに反応性添加剤を曝露することを含んでもよい。高エネルギー放射線は、電子線、ガンマ放射線、X線、中性子放射線などから選択されてもよい。電子線照射は特に有用である。
本開示は、アノード、カソード、ならびにアノードおよびカソードとイオン流通した準固体または固体状態電解質を含む、充電式リチウムバッテリーであって、電解質が、反応性添加剤の重合または架橋生成物であるポリマーを含み、反応性添加剤が、(i)重合可能な第1の液体溶媒、(ii)開始剤または硬化剤、(iii)リチウム塩、および(iv)第2の液体溶媒を含み;反応性添加剤の全重量に基づいて第1の液体溶媒が重量で1%~99%を占有し、および第2の液体電解質が重量で0.1%~99%を占有し;第1の液体溶媒が、第2の液体溶媒と比較してより低い引火点(より高い可燃性)、より高い蒸気圧、より高い誘電率(それゆえ、リチウム塩を溶解させるより高い能力)、またはリチウム塩のより高い溶解性を有し;ならびにポリマーが、アノード、カソード、セパレータ、アノードとセパレータとの間、またはカソードとセパレータとの間において存在する、充電式リチウムバッテリーを提供する。好ましくは、重合可能な第1の液体溶媒の重量で少なくとも20%は重合しており;より好ましくは>50%、さらに好ましくは>70%、最も好ましくは>99%は重合している。
ある特定の実施形態において、第1の液体溶媒は、ビニレンカーボネート、フルオロ-エチレンカーボネート(FEC)、エチレンカーボネート、ビニルサルファイト、ビニルエチレンサルファイト、ビニルエチレンカーボネート、1,3-プロピルスルトン、1,3-アクリル-スルトン、メチルエチレンスルホン、メチルビニルスルホン、エチルビニルスルホン、メチルメタクリレート、ビニルアセテート、アクリルアミド、1,3-ジオキソラン(DOL)、フッ素化ビニルエステル、フッ素化ビニルエーテル、またはその組み合わせから選択される。これらの溶媒は、相対的に低い引火点、高い可燃性、しかしリチウム塩を溶解させる良好な能力を有する傾向がある。
従来のリチウムイオンバッテリーまたはリチウム金属バッテリー産業において、上記に列記される液体溶媒は、その中にリチウム塩を溶解させるための溶媒として一般的に使用されており、結果としてもたらされる溶液は液体電解質として使用されている。これらの液体溶媒は、相対的に高い誘電率を有し、多くの量のリチウム塩を溶解させる能力を有するが;典型的には高度に揮発性であり、低い引火点を有し、高度に可燃性である。さらに、これらの液体溶媒は、第2の液体溶媒の存在ありまたはなしで、重合可能であることは一般に知られておらず、別々のまたは異なるポリマーまたはモノマーが、ゲルポリマー電解質または固体ポリマー電解質を作製するために産業において典型的には使用されている。
液体電解質(第1の液体溶媒中に溶解したリチウム塩を有する)がバッテリー電池に注入されてから液体溶媒を重合させることができることは独特に有利である。そのような新規の戦略を用いて、容易に液体溶媒を低減させるか、または一斉に揮発性の液体溶媒を完全に排除することができる。所望される量の第2の液体溶媒、好ましくは耐炎性液体溶媒が、電解質のリチウムイオン伝導性を向上させるためにバッテリー電池中に保持されてもよい。この戦略は、結果的な電解質のいくつかの望ましい属性を達成することを可能にし、それは、液体電解質漏出の問題がないこと(その場で硬化されたポリマーは、残留する液体を一緒に保持してゲルを形成させる能力を有する)、十分なリチウム塩量、良好なリチウムイオン伝導性、低減または排除された可燃性、アノード/カソード活性材料上で表面を湿潤させる電解質の良好な能力(それゆえ、有意に低減された界面インピーダンスおよび内部抵抗)、加工容易性、現行のリチウムイオンバッテリー製造方法および設備との適合性などである。これは意義深い有用性上の価値を有し、その理由は、有機溶媒のほとんどは、揮発性および可燃性であることが公知であり、火および爆発の危険性を課し、また現行の固体状態電解質は既存のリチウムイオンバッテリー生産設備および方法と適合性でないからである。
ある特定の好ましい実施形態において、第2の液体溶媒は、有機リン化合物、無機リン化合物、そのハロゲン化誘導体、またはその組み合わせから選択される難燃剤を含む。有機リン化合物または無機リン化合物は、好ましくは、ホスフェート、ホスホネート、ホスホン酸、亜リン酸、ホスファイト、リン酸、ホスフィネート、ホスフィン、ホスフィンオキシド、ホスファゼン化合物、その誘導体、およびその組み合わせからなる群から選択される。
ある特定の実施形態において、第2の液体溶媒は、フッ素化エーテル、フッ素化エステル、スルホン、スルフィド、ニトリル、スルフェート、シロキサン、シラン、その組み合わせ、ならびにホスフェート、ホスホネート、ホスフィネート、ホスフィン、ホスフィンオキシド、ホスホン酸、亜リン酸、ホスファイト、リン酸、ホスファゼン化合物、その誘導体、およびその組み合わせとの組み合わせからなる群から選択される。
一部の実施形態において、第2の液体溶媒は、ホスフェート、ホスホネート、ホスフィネート、ホスフィン、または
Figure 2024504703000011
(式中、R10、R11、およびR12は、アルキル、アリール、ヘテロアルキル、ヘテロアリール、ハロゲン置換されたアルキル、ハロゲン置換されたアリール、ハロゲン置換されたヘテロアルキル、ハロゲン置換されたヘテロアリール、アルコキシ、アリールオキシ、ヘテロアルコキシ、ヘテロアリールオキシ、ハロゲン置換されたアルコキシ、ハロゲン置換されたアリールオキシ、ハロゲン置換されたヘテロアルコキシ、およびハロゲン置換されたヘテロアリールオキシ官能基からなる群から独立して選択される)の構造を有するホスフィンオキシドから選択され、ならびに第2の液体溶媒は、4Vよりも低い印加された電位の下で安定である。
一部の実施形態において、第2の液体溶媒は、
Figure 2024504703000012
(式中、R、R、およびRは、アルキル、アリール、ヘテロアルキル、ヘテロアリール、ハロゲン置換されたアルキル、ハロゲン置換されたアリール、ハロゲン置換されたヘテロアルキル、ハロゲン置換されたヘテロアリール、アルコキシ、アリールオキシ、ヘテロアルコキシ、ヘテロアリールオキシ、ハロゲン置換されたアルコキシ、ハロゲン置換されたアリールオキシ、ハロゲン置換されたヘテロアルコキシ、およびハロゲン置換されたヘテロアリールオキシ官能基からなる群から独立して選択され、R、R、およびRは、少なくとも2つの異なる置換基により表され、ならびにXは、オルガノシリル基またはtert-ブチル基からなる群から選択される)の構造を有するホスホランイミンを含む。R、R、およびRは、アルコキシ基、およびアリールオキシ基からなる群から各々独立して選択されてもよい。
好ましくは、リチウム塩は反応性添加剤の重量で0.1%~30%を占有し、ならびに架橋剤および/または開始剤は重量で0.1~50%を占有する。
一部の実施形態において、ポリマー電解質は、20℃で測定された場合に0.001kPaよりも低い蒸気圧、重合なしの組み合わせられた第1の液体溶媒およびリチウム塩単独での蒸気圧の10%よりも低い蒸気圧、液体溶媒単独での引火点よりも少なくとも100℃高い引火点、もしくは200℃よりも高い引火点を呈するか、または測定可能な引火点を呈さず、ならびにポリマーは、室温で10-8S/cm~10-2S/cmのリチウムイオン伝導性を有する。
ある特定の実施形態において、反応性添加剤は、重合可能な第1の液体溶媒および第2の液体溶媒を含み、ならびに第2の液体溶媒は、重合可能でないか、または重合可能であるが、第1の液体溶媒と比較してより低い程度まで重合される。この第2の液体溶媒の存在は、重合した電解質にある特定の所望される特性、例えばリチウムイオン伝導性、難燃性、ならびに電極(アノードおよび/またはカソード)に浸透してアノード活性材料および/またはカソード活性材料の表面を適切に湿潤させる電解質の能力を付与するように設計される。
好ましくは、第2の液体溶媒は、フッ素化カーボネート、ハイドロフルオロエーテル、フッ素化エステル、スルホン、ニトリル、ホスフェート、ホスファイト、アルキルホスホネート、ホスファゼン、スルフェート、シロキサン、シラン、1,3-ジオキソラン(DOL)、1,2-ジメトキシエタン(DME)、テトラエチレングリコールジメチルエーテル(TEGDME)、ポリ(エチレングリコール)ジメチルエーテル(PEGDME)、ジエチレングリコールジブチルエーテル(DEGDBE)、2-エトキシエチルエーテル(EEE)、スルホン、スルホラン、ジメチルカーボネート(DMC)、メチルエチルカーボネート(MEC)、エチルプロピオネート、メチルプロピオネート、プロピレンカーボネート(PC)、ガンマ-ブチロラクトン(γ-BL)、アセトニトリル(AN)、エチルアセテート(EA)、プロピルホルメート(PF)、メチルホルメート(MF)、トルエン、キシレン、メチルアセテート(MA)、フルオロエチレンカーボネート(FEC)、ビニレンカーボネート(VC)、アリルエチルカーボネート(AEC)、またはその組み合わせから選択される。高粘性溶媒、例えばエチレンカーボネート(EC)および低誘電率溶媒、例えばジエチルカーボネート(DEC)は、本開示の電解質における使用のための望ましい第2の液体溶媒ではない。
第1または第2の液体溶媒は、不飽和(重合のために開き得る二重結合または三重結合)を有するフッ素化モノマー;例えば、フッ素化ビニルカーボネート、フッ素化ビニルモノマー、フッ素化エステル、フッ素化ビニルエステル、およびフッ素化ビニルエーテルを含んでもよい。フッ素化ビニルエステルは、RCOCH=CHおよびプロペニルケトン、RCOCH=CHCHを含み、式中、Rは、Fまたは任意のF含有官能基(例えば、CF-およびCFCF-)である。
フッ素化ビニルカーボネートの2つの例は以下に与えられる:
Figure 2024504703000013
これらの液体溶媒は、そのように所望される場合に開始剤(例えば、UVまたは電子線により活性化され得る2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニル-プロパン-1-オン、Ciba DAROCUR-1173)の存在下で硬化し得る:
Figure 2024504703000014
一部の実施形態において、フッ素化カーボネートは、フルオロエチレンカーボネート(FEC)、DFDMEC、FNPEC、ハイドロフルオロエーテル(HFE)、トリフルオロプロピレンカーボネート(FPC)、メチルノナフルオロブチルエーテル(MFE)、またはその組み合わせのビニルまたは二重結合含有バリアントから選択され、FEC、DFDMEC、およびFNPECの化学式はそれぞれ以下に示される:
Figure 2024504703000015
第1または第2の液体溶媒としての望ましいスルホンは、アルキルおよびアリールビニルスルホンまたはスルフィド;例えば、エチルビニルスルフィド、アリルメチルスルフィド、フェニルビニルスルフィド、フェニルビニルスルホキシド、エチルビニルスルホン、アリルフェニルスルホン、アリルメチルスルホン、およびジビニルスルホンを含むが、これらに限定されない。
単純なアルキルビニルスルホン、例えばエチルビニルスルホンは、エマルションおよびバルク方法を介して重合させてもよい。プロピルビニルスルホンは、ソフトポリマーを形成させるための過硫酸アルカリ開始剤により重合させてもよい。アリールビニルスルホン、例えば、ナフチルビニルスルホン、フェニルビニルスルホン、およびパラ置換フェニルビニルスルホン(R=NH、NOまたはBr)は、フリーラジカル開始剤を用いて重合不可能であることが報告されたことが留意され得る。しかしながら、フェニルおよびメチルビニルスルホンは、いくつかのアニオンタイプ開始剤を用いて重合可能であることを我々は観察した。有効なアニオンタイプ触媒または開始剤は、n-BuLi、ZnEt2、LiN(CH、NaNH、およびZnEt2またはAlEhとのn-LiBuの錯体である。第2の溶媒、例えばピリジン、スルホラン、トルエンまたはベンゼンは、アルキルビニルスルホン、アリールビニルスルホン、および他のより大きいスルホン分子を溶解させるために使用され得る。
ポリ(スルホン)は、燃焼時に高い酸素指数および低い煙放出を有する。ポリ(スルホン)は、それらの高度に芳香性の特徴により本来的に自己消失性の材料である。ある特定の実施形態において、第1または第2の液体溶媒としてのスルホンは、TrMS、MTrMS、TMS、またはTrMS、MTrMS、TMS、EMS、MMES、EMES、EMEES、もしくはその組み合わせのビニルもしくは二重結合含有バリアントから選択され;それらの化学式は以下に与えられる:
Figure 2024504703000016
環状構造、例えばTrMS、MTrMS、およびTMSは、イオンタイプ開始剤の補助と共に開環重合を介して重合させることができる。
第1または第2の液体溶媒は、ジニトリル、例えば以下の化学式を有するAND、GLN、およびSENから好ましくは選択されるニトリルであってもよい:
Figure 2024504703000017
一部の実施形態において、第1の液体溶媒としてのまたは第2の液体溶媒中のホスフェート、ホスホネート、ホスファゼン、ホスファイト、またはスルフェートは、トリス(トリメチルシリル)ホスファイト(TTSPi)、アルキルホスフェート、トリアリルホスフェート(TAP)、エチレンスルフェート(DTD)、その組み合わせから選択される。ホスフェート、アルキルホスホネート、またはホスファゼンは以下から選択されてもよい:
Figure 2024504703000018
ホスフェート、アルキルホスホネート、ホスホン酸、およびホスファゼンは耐炎性である。良好な例は、ジエチルビニルホスホネート、ジメチルビニルホスホネート、ビニルホスホン酸、ジエチルアリルホスフェート、およびジエチルアリルホスホネートを含む。
第2の液体溶媒中のシロキサンまたはシランは、アルキルシロキサン(Si-O)、アルキルシラン(Si-C)、液体オリゴマーシロキサン(-Si-O-Si-)、またはその組み合わせから選択されてもよい。
反応性添加剤は、N,N-ジメチルアセトアミド、N,N-ジエチルアセトアミド、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジエチルホルムアミド、またはその組み合わせから選択されるアミド基をさらに含んでもよい。
ある特定の実施形態において、架橋剤は、好ましくは、分子中にヒドロキシル基、アミノ基、イミノ基、アミド基、アクリルアミド基、アミン基、アクリル基、アクリルエステル基、またはメルカプト基から選択される少なくとも1つの反応性基を有する化合物を含む。
ある特定の実施形態において、架橋剤は、ポリ(ジエタノール)ジアクリレート、ポリ(エチレングリコール)ジメタクリレート、ポリ(ジエタノール)ジメチルアクリレート、ポリ(エチレングリコール)ジアクリレート、ヘキサフルオロリン酸リチウム(LiPF)、ホウフッ化リチウム(LiBF)、ヘキサフルオロヒ化リチウム(LiAsF)、トリフルオロ-メタンスルホン酸リチウム(lithium trifluoro-metasulfonate)(LiCFSO)、ビス-トリフルオロメチルスルホニルイミドリチウム(LiN(CFSO)、ビス(オキサラト)ホウ酸リチウム(LiBOB)、オキサリルジフルオロホウ酸リチウム(LiBF)、オキサリルジフルオロホウ酸リチウム(LiBF)、またはその組み合わせから選択される。
開始剤は、アゾ化合物(例えば、アゾジイソブチロニトリル、AIBN)、アゾビスイソブチロニトリル、アゾビスイソヘプトニトリル、ジメチルアゾビスイソブチレート、ベンゾイルペルオキシド tert-ブチルペルオキシドおよびメチルエチルケトンペルオキシド、過酸化ベンゾイル(BPO)、ビス(4-tert-ブチルシクロヘキシル)ペルオキシジカーボネート、t-アミルペルオキシピバレート、2,2’-アゾビス-(2,4-ジメチルバレロニトリル)、2,2’-アゾビス-(2-メチルブチロニトリル)、1,1-アゾビス(シクロヘキサン-1-カルボニトリル、過酸化ベンゾイル(BPO)、過酸化水素、ドデカノイルペルオキシド、イソブチリルペルオキシド、クメンヒドロペルオキシド、tert-ブチルペルオキシピバレート、ジイソプロピルペルオキシジカーボネート、またはその組み合わせから選択されてもよい。
開示されるポリマー電解質において、リチウム塩は、過塩素酸リチウム(LiClO)、ヘキサフルオロリン酸リチウム(LiPF)、ホウフッ化リチウム(LiBF)、ヘキサフルオロヒ化リチウム(LiAsF)、トリフルオロ-メタンスルホン酸リチウム(LiCFSO)、ビス-トリフルオロメチルスルホニルイミドリチウム(LiN(CFSO)、ビス(オキサラト)ホウ酸リチウム(LiBOB)、オキサリルジフルオロホウ酸リチウム(LiBF)、オキサリルジフルオロホウ酸リチウム(LiBF)、硝酸リチウム(LiNO)、Li-フルオロアルキル-ホスフェート(LiPF(CFCF)、リチウムビスパーフルオロ-エチルスルホニルイミド(lithium bisperfluoro-ethysulfonylimide)(LiBETI)、リチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、リチウムビス(フルオロスルホニル)イミド、リチウムトリフルオロメタンスルホンイミド(LiTFSI)、イオン液体リチウム塩、またはその組み合わせから選択されてもよい。
開示されるリチウム電池におけるカソードは、典型的には、カソード活性材料の粒子を含み、および電解質は、カソードに浸透して、実質的にすべてのカソード活性材料粒子と物理的に接触している。
一部の好ましい実施形態において、バッテリー電池は、その中に残された液体溶媒を実質的に含有しない(液体溶媒の実質的に>99%は重合してポリマーとなっている)。しかしながら、電池に液体溶媒を最初に含めて、リチウム塩がリチウムイオンおよびアニオンに解離することを可能にすることが必須である。液体溶媒の大部分(>50%、好ましくは>70%)または実質的にすべては次に硬化(重合または架橋)される。1%未満の液体溶媒を用いる場合、結果としてもたらされる電解質は固体状態電解質である。30%未満の液体溶媒を用いる場合、準固体電解質が得られる。両方は高度に耐炎性である。
電解質中の液体溶媒のより低い割合は、有意に低減した蒸気圧および増加した引火点または完全に排除された引火点(検出不可能)に繋がる。典型的には液体溶媒の割合を低減させることにより、結果としてもたらされる電解質について低減したリチウムイオン伝導性が観察される傾向があるが;しかしながら、かなり驚くべきことに、閾値となる液体溶媒比率後に、この傾向は減少または逆転される(リチウムイオン伝導性は、一部の場合において、液体溶媒の低減と共に実際に増加し得る)。
架橋剤は、好ましくは、分子中にヒドロキシル基、アミノ基、イミノ基、アミド基、アミン基、アクリル基、またはメルカプト基から選択される少なくとも1つの反応性基を有する化合物を含む。一部の所望される実施形態において、架橋剤は、以下の化学式1:
Figure 2024504703000019
(式中、RおよびRは各々独立して水素またはメチル基であり、およびnは3~30の整数であり、R’はC~Cアルキル基である)により表される化学種から選択されてもよい。
一部の実施形態において、架橋剤は、N,N-メチレンビスアクリルアミド、エピクロロヒドリン、1,4-ブタンジオールジグリシジルエーテル、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド、ケイ皮酸、塩化第二鉄、硫酸アルミニウム18水和物、ジエポキシ、ジカルボン酸化合物、ポリ(カリウム1-ヒドロキシアクリレート)(PKHA)、グリセロールジグリシジルエーテル(GDE)、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル(PEGDE)、クエン酸、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸の誘導体化合物、メタクリル酸の誘導体化合物、グリシジル官能基、N,N’-メチレンビスアクリルアミド(MBAAm)、エチレングリコールジメタクリレート(EGDMAAm)、イソボルニルメタクリレート、ポリ(アクリル酸)(PAA)、メチルメタクリレート、イソボルニルアクリレート、エチルメタクリレート、イソブチルメタクリレート、n-ブチルメタクリレート、エチルアクリレート、2-エチルヘキシルアクリレート、n-ブチルアクリレート、ジイソシアネート、ウレタン鎖、その化学的誘導体、またはその組み合わせから選択されてもよい。
電解質中のポリマーは、ポリ(エチレンオキシド)、ポリプロピレンオキシド、ポリ(エチレングリコール)、ポリ(アクリロニトリル)、ポリ(メチルメタクリレート)、ポリ(ビニリデンフルオリド)、ポリビス-メトキシエトキシエトキシド-ホスファゼン、ポリビニルクロリド、ポリジメチルシロキサン、ポリ(ビニリデンフルオリド)-ヘキサフルオロプロピレン、シアノエチルポリ(ビニルアルコール)、ペンタエリトリトールテトラアクリレート系ポリマー、脂肪族ポリカーボネート、カルボキシレートアニオン、スルホニルイミドアニオン、もしくはスルホネートアニオンを有する単一Liイオン伝導性固体ポリマー電解質、ポリ(エチレングリコール)ジアクリレートもしくはポリ(エチレングリコール)メチルエーテルアクリレートの架橋電解質、そのスルホン化誘導体、またはその組み合わせから選択される第2のポリマーとの混合物、コポリマー、半相互貫入ネットワーク、または同時相互貫入ネットワークを形成していてもよい。この第2のポリマーは、アノードおよび/またはカソードに予め混合されてもよい。代替的に、この第2のポリマーは、バッテリー電池への注入に先立って溶液を形成させるために、適切または可能な場合に液体溶媒に溶解されてもよい。
ある特定の望ましい実施形態において、電解質は、2nm~30μmの粒子サイズを有する無機固体電解質材料の粒子をさらに含み、無機固体電解質材料の粒子は、ポリマー中に分散されているか、またはポリマーにより化学的に結合されている。無機固体電解質材料の粒子は、好ましくは、酸化物タイプ、硫化物タイプ、水素化物タイプ、ハロゲン化物タイプ、ホウ酸タイプ、リン酸タイプ、リチウムリン酸窒化物(LiPON)、ガーネットタイプ、リチウム超イオン伝導体(LISICON)タイプ、ナトリウム超イオン伝導体(NASICON)タイプ、またはその組み合わせから選択される。
本開示は、リチウム金属二次電池、リチウムイオン電池、リチウム硫黄電池、リチウムイオン硫黄電池、リチウムセレン電池、またはリチウム空気電池を含む、充電式リチウムバッテリーをさらに提供する。このバッテリーは、本明細書に開示されている非可燃性の、安全な、および高性能の電解質を特色とする。
充電式リチウム電池は、アノードとカソードとの間に配されたセパレータをさらに含んでもよい。好ましくは、セパレータは、本明細書に開示されている準固体または固体状態電解質を含む。
重合可能な第1の液体溶媒は最初に、バッテリー電池に注入され、次にその場で電池の内側で硬化(重合および/または架橋)され得る液体モノマー状態であってもよい。
代替的に、反応性液体溶媒は(必要とされる開始剤および/または架橋剤と共に)、電極活性材料(例えばカソード活性材料粒子、例えばNCM、NCAおよびリン酸鉄リチウム)、伝導性添加剤(例えばカーボンブラック、カーボンナノチューブ、膨張化グラファイトフレーク、またはグラフェンシート)、ならびに任意選択的な難燃剤および/または任意選択的な無機固体電解質の粒子と混合されて、反応性スラリーまたはペーストを形成してもよい。スラリーまたはペーストは次に、場合により集電体(例えばカソード集電体としてのAlホイル)の表面上に支持された、所望される電極形状(例えばカソード電極)にされる。リチウムイオン電池のアノードは、アノード活性材料(例えばグラファイト、Si、SiOなどの粒子)を使用して類似した方式で作られ得る。アノード電極、カソード電極、および任意選択的なセパレータは次に組み合わせられて、バッテリー電池が形成される。電池の内側の反応性溶媒は次に、その場でバッテリー電池の内側で重合および/または架橋される。
電解質組成物は、カソードの内部構造中に浸透し、カソード中のカソード活性材料と物理的に接触またはイオン的に接触するように、およびアノードに浸透して、存在する場合にアノード活性材料と物理的に接触またはイオン的に接触するように設計される。
準固体電解質の引火点は、典型的には、重合していない同じ有機液体溶媒の引火点よりも少なくとも100度高い。ほとんどの場合において、引火点は200℃より高いか、または引火点は検出され得ない。電解質は単に燃え移ることも点火されることもない。任意の偶発的に引き起こされた炎は数秒よりも長く持続しない。火および爆発の課題が、バッテリー駆動式電動輸送機器が広く認められるための大きな障害となっているという考えを考慮すると、これは非常に意義深い発見である。この新たな技術はEV産業の風景を潜在的に造り直し得る。
本開示はまた、(i)重合可能な第1の液体溶媒、(ii)開始剤または硬化剤、(iii)リチウム塩、および(iv)第2の液体溶媒を含む、反応性電解質組成物であって;反応性電解質組成物の全重量に基づいて第1の液体溶媒が重量で1%~99%を占有し、および第2の溶媒が重量で0.1%~99%を占有し;第1の液体溶媒が、第2の液体溶媒と比較してより低い引火点、より高い蒸気圧、より高い誘電率、またはリチウム塩のより高い溶解性を有する、反応性電解質組成物を提供する。
この反応性電解質組成物において、第1の液体溶媒は、好ましくは、ビニレンカーボネート、エチレンカーボネート、フルオロ-エチレンカーボネート、ビニルサルファイト、ビニルエチレンサルファイト、ビニルエチレンカーボネート、1,3-プロピルスルトン、1,3-アクリル-スルトン、メチルエチレンスルホン、メチルビニルスルホン、エチルビニルスルホン、メチルメタクリレート、ビニルアセテート、アクリルアミド、1,3-ジオキソラン(DOL)、フッ素化ビニルカーボネート、フッ素化ビニルモノマー、フッ素化エステル、フッ素化ビニルエステル、フッ素化ビニルエーテル、またはその組み合わせから選択される。
この反応性電解質組成物中の第2の液体溶媒は、好ましくは、フッ素化エーテル、フッ素化エステル、スルホン、スルフィド、ニトリル、スルフェート、シロキサン、シラン、その組み合わせ、ならびにホスフェート、ホスホネート、ホスフィネート、ホスフィン、ホスフィンオキシド、ホスホン酸、亜リン酸、ホスファイト、リン酸、ホスファゼン化合物、その誘導体、およびその組み合わせとの組み合わせからなる群から選択される。
本開示はまた、開示される充電式リチウム電池を製造する方法であって、(a)アノード、任意選択的なセパレータ層、カソード、および保護用ハウジングを組み合わせて電池を形成させること;(b)反応性液体電解質組成物を電池に導入することであって、反応性液体電解質組成物が、重合可能な第1の液体溶媒、第1の液体溶媒中に溶解したリチウム塩、架橋剤および/または開始剤、ならびに第2の液体溶媒を少なくとも含み、反応性液体電解質組成物の全重量に基づいて第1の液体溶媒が重量で1%~99%を占有し、および第2の液体溶媒が重量で0.1%~99%を占有し、ならびに第1の液体溶媒が、第2の液体溶媒と比較してより低い引火点(より高い可燃性)、より高い蒸気圧、より高い誘電率、またはリチウム塩のより高い溶解性を有する、導入すること;ならびに(c)第1の液体溶媒を部分的にまたは完全に重合させて、重合可能な第1の液体溶媒の重量で30%~100%が重合している準固体または固体状態電解質を得ることを含む、方法を提供する。
好ましくは、第1の液体溶媒は、ビニレンカーボネート、エチレンカーボネート、ビニルサルファイト、ビニルエチレンサルファイト、ビニルエチレンカーボネート、1,3-プロピルスルトン、1,3-アクリル-スルトン、メチルエチレンスルホン、メチルビニルスルホン、エチルビニルスルホン、メチルメタクリレート、ビニルアセテート、アクリルアミド、1,3-ジオキソラン(DOL)、またはその組み合わせから選択される。
好ましくは、工程(c)は、第2の液体溶媒を重合させないか、または重合可能な第1の液体溶媒と比較して異なる程度まで第2の液体溶媒を重合させる。
本開示は、充電式リチウム電池を製造する方法であって、(A)カソード活性材料の粒子、任意選択的な伝導性添加剤、任意選択的なバインダー、および反応性添加剤を混合してカソードを形成させることであって、反応性添加剤が、(i)重合可能な第1の液体溶媒、(ii)開始剤または硬化剤、(iii)リチウム塩、および(iv)第2の液体溶媒を含み;反応性添加剤の全重量に基づいて第1の液体溶媒が重量で1%~99%を占有し、ならびに第1の液体溶媒が、第2の液体溶媒と比較してより低い引火点、より高い蒸気圧、より高い誘電率、またはリチウム塩のより高い溶解性を有する、形成させること;(B)アノードを用意すること;(C)カソード、セパレータ、およびアノードを組み合わせて電池を形成させること;ならびに(D)工程(C)の前または後に、第1の溶媒を部分的にまたは完全に重合させて、第1の液体溶媒の重量で少なくとも30%が重合している充電式リチウム電池を製造することを含む、方法をさらに提供する。
一部の実施形態において、工程(B)は、アノード活性材料の粒子、任意選択的な伝導性添加剤、任意選択的なバインダー、反応性添加剤、およびリチウム塩を混合してアノードを形成させる手順を含み、反応性添加剤は、重合可能な液体溶媒、架橋剤または開始剤、および第2の液体溶媒を少なくとも含み、ならびに方法は、工程(C)の前または後に、反応性添加剤を重合および/または架橋させて充電式リチウム電池を製造することをさらに含む。工程(A)は、カソード中またはアノード中に無機固体電解質粉末の粒子を加えることをさらに含んでもよい。
本開示のこれらおよび他の利点および特色は、以下のベストモードの実施および実例的な実施例の記載と共により明確となる。
図1(A)は、本開示の一部の実施形態による実質的に固体状態電解質を含むリチウム金属バッテリーを製造する方法を図示するためのプロセスフローチャート。図1(B)は、本開示の一部の実施形態による反応性電解質組成物を製造する方法を図示するためのプロセスフローチャート。図1(C)は、本開示の一部の実施形態による実質的に固体状態電解質を含むリチウム金属バッテリーを製造する方法を図示するためのプロセスフローチャート。図1(D)は、本開示の一部の実施形態による実質的に固体状態電解質を含むリチウム金属バッテリーを製造する方法を図示するためのプロセスフローチャート。 図2(A)は、本開示の一部の実施形態によるアノードレスリチウム金属電池(生産時または放電された状態)の構造。図2(B)は、本開示の一部の実施形態によるアノードレスリチウム金属電池(充電された状態)の構造。
詳細な説明
本開示は、リチウムイオン電池またはリチウム金属電池の様々なタイプのいずれかであり得る、安全なおよび高性能のリチウムバッテリーを提供する。高い程度の安全性は、高度に耐炎性のおよび火を引き起こすことも火を持続させることもなく、それゆえ爆発の危険を課さない新規のおよび独特の電解質によりこのバッテリーに付与される。本開示は、20年以上もリチウム金属およびリチウムイオン産業を悩ませてきた最も重大な課題を解決する。
背景技術のセクションにおいて既に指し示したように、既存のバッテリー製造設備と適合性の、充電式リチウム電池のための安全な、非可燃性の、しかし注入可能な準固体電解質(または固体状態電解質)システムに対する強い必要性が存在する。従来の固体状態電解質バッテリーは、典型的には、既存のリチウムイオンバッテリー製造設備または方法を使用して製造され得ないことは当技術分野において周知である。
本開示は、アノード、カソード、ならびにアノードおよびカソードとイオン流通した準固体または固体状態電解質を含む、充電式リチウムバッテリーであって、電解質が、反応性添加剤の重合または架橋生成物であるポリマーを含み、反応性添加剤が、少なくとも1つの重合可能な液体溶媒(それ自体はモノマーである)、重合可能な液体溶媒中に溶解したリチウム塩、ならびに架橋剤および/または開始剤を含み;重合可能な液体溶媒が、フッ素化カーボネート、ハイドロフルオロエーテル、フッ素化エステル、スルホン、スルフィド、ニトリル、ホスフェート、ホスファイト、アルキルホスホネート、ホスファゼン、スルフェート、シロキサン、シラン、およびその組み合わせからなる群から選択され;ならびに重合可能な液体溶媒の重量または体積で少なくとも20%(好ましくは>50%、より好ましくは>70%、最も好ましくは>99%)が重合している、充電式リチウムバッテリーを提供する。
好ましくは、リチウム塩は重量で0.1%~30%を占有し、重合可能な液体溶媒は重量で1%~90%を占有し、ならびに架橋剤および/または開始剤は重量で1~90%を占有し、すべては、組み合わせられたリチウム塩、架橋剤および/または開始剤、ならびに重合可能な液体溶媒の全重量に基づく。
リチウムイオンバッテリーまたはリチウム金属バッテリー産業において、上記に列記される液体溶媒(例えば、上記に列記されるもの)は、その中にリチウム塩を溶解させるための溶媒として一般的に使用されており、結果としてもたらされる溶液は液体電解質として使用されている。これらの液体溶媒は、重合可能であることは知られておらず、別々のポリマーまたはモノマーが、ゲルポリマー電解質または固体ポリマー電解質を作製するために産業において典型的には使用されている。液体溶媒を、それがバッテリー電池に注入されてから重合させることができることは独特に有利である。そのような新規の戦略を用いて、容易に液体溶媒を低減させるか、または一斉に液体溶媒を完全に排除することができる。これは意義深い有用性上の価値を有し、その理由は、有機溶媒のほとんどは、揮発性および可燃性であることが公知であり、火および爆発の危険性を課すからである。
本開示は、アノード、カソード、ならびにアノードおよびカソードとイオン流通した準固体または固体状態電解質を含む、充電式リチウムバッテリーであって、電解質が、反応性添加剤の重合または架橋生成物であるポリマーを含み、反応性添加剤が、(i)重合可能な第1の液体溶媒、(ii)開始剤または硬化剤、(iii)リチウム塩、および(iv)第2の液体溶媒を含み;反応性添加剤の全重量に基づいて第1の液体溶媒が重量で1%~99%を占有し、および第2の液体電解質が重量で0.1%~99%を占有し;第1の液体溶媒が、第2の液体溶媒と比較してより低い引火点(より高い可燃性)、より高い蒸気圧、より高い誘電率(それゆえ、リチウム塩を溶解させるより高い能力)、またはリチウム塩のより高い溶解性を有し;ならびにポリマーが、アノード、カソード、セパレータ、アノードとセパレータとの間、またはカソードとセパレータとの間において存在する、充電式リチウムバッテリーを提供する。好ましくは、重合可能な第1の液体溶媒の重量で少なくとも20%は重合しており;より好ましくは>50%、さらに好ましくは>70%、最も好ましくは>99%は重合している。
ある特定の実施形態において、第1の液体溶媒は、ビニレンカーボネート、エチレンカーボネート、フルオロエチレンカーボネート、ビニルサルファイト、ビニルエチレンサルファイト、ビニルエチレンカーボネート、1,3-プロピルスルトン、1,3-アクリル-スルトン、メチルエチレンスルホン、メチルビニルスルホン、エチルビニルスルホン、メチルメタクリレート、ビニルアセテート、アクリルアミド、1,3-ジオキソラン(DOL)、またはその組み合わせから選択される。
従来のリチウムイオンバッテリーまたはリチウム金属バッテリー産業において、上記に列記される液体溶媒は、その中にリチウム塩を溶解させるための溶媒として一般的に使用されており、結果としてもたらされる溶液は液体電解質として使用されている。これらの液体溶媒は、相対的に高い誘電率を有し、多くの量のリチウム塩を溶解させる能力を有するが;典型的には高度に揮発性であり、低い引火点を有し、高度に可燃性である。さらに、これらの液体溶媒は、第2の液体溶媒の存在ありまたはなしで、重合可能であることは一般に知られておらず、別々のまたは異なるポリマーまたはモノマーが、ゲルポリマー電解質または固体ポリマー電解質を作製するために産業において典型的には使用されている。
液体電解質(第1の液体溶媒中に溶解したリチウム塩を有する)がバッテリー電池に注入されてから液体溶媒を重合させることができることは非常に有利である。そのような革新的な戦略を用いて、容易に液体溶媒を低減させるか、または一斉に揮発性の液体溶媒を完全に排除することができる。所望される量の第2の液体溶媒、好ましくは耐炎性液体溶媒が、電解質のリチウムイオン伝導性を向上させるためにバッテリー電池中に保持されてもよい。望ましい難燃剤タイプの第2の液体溶媒は、例として、アルキルホスフェート、アルキルホスホネート、ホスファゼン、ハイドロフルオロエーテル、フッ素化エーテル、およびフッ素化エステルである。
この戦略は、結果的な電解質およびバッテリーのいくつかの望ましい特色を達成することを可能にする:
a)液体電解質漏出の問題がないこと(その場で硬化されたポリマーは、残留する液体を一緒に保持してゲルを形成させる能力を有する);
b)十分なリチウム塩量が電解質中に溶解可能であり、良好なリチウムイオン伝導性を可能にし得る;
c)低減または排除された可燃性(固体ポリマーおよび非可燃性の第2の液体のみが電池中に保持される);
d)アノード/カソード活性材料上で表面を湿潤させる電解質の良好な能力(それゆえ、有意に低減された界面インピーダンスおよび内部抵抗);
e)加工容易性ならびに現行のリチウムイオンバッテリー製造方法および設備などとの適合性;ならびに
f)従来の固体ポリマー電解質または無機固体電解質を用いて作業する場合のカソード活性材料の重量で典型的には75%未満とは対照的に、カソード電極における高いカソード活性材料の割合(典型的には75~97%)を可能にすること。
この開示されるその場で硬化されるポリマー電解質のアプローチは意義深い有用性上の価値を有し、その理由は、有機溶媒のほとんどは、揮発性および可燃性であることが公知であり、火および爆発の危険性を課すからである。さらに、現行の固体状態電解質は、既存のリチウムイオンバッテリー生産設備および方法と適合性ではない。
重合および/または架橋で、電解質は、以下の非常に望まれているおよび有利な特色:(i)液体電解質により一般的に享受される良好な電解質-電極接触および界面安定性(最小の固体電極-電解質界面インピーダンス);(ii)バッテリー電池製造の良好な加工可能性および容易性;(iii)炎および火に対する高度な耐性を有する準固体または実質的に固体状態電解質となる。
ある特定の好ましい実施形態において、第2の液体溶媒は、有機リン化合物、無機リン化合物、そのハロゲン化誘導体、またはその組み合わせから選択される耐炎性または難燃性液体を含む。有機リン化合物または無機リン化合物は、好ましくは、ホスフェート、ホスホネート、ホスホン酸、亜リン酸、ホスファイト、リン酸、ホスフィネート、ホスフィン、ホスフィンオキシド、ホスファゼン化合物、その誘導体、およびその組み合わせからなる群から選択される。
ある特定の実施形態において、第2の液体溶媒は、フッ素化エーテル、フッ素化エステル、スルホン、スルフィド、ニトリル、スルフェート、シロキサン、シラン、ホスフェート、ホスホネート、ホスフィネート、ホスフィン、ホスフィンオキシド、ホスホン酸、亜リン酸、ホスファイト、リン酸、ホスファゼン化合物、その誘導体、およびその組み合わせからなる群から選択される。
一部の実施形態において、第2の液体溶媒は、ホスフェート、ホスホネート、ホスフィネート、ホスフィン、または
Figure 2024504703000020
(式中、R10、R11、およびR12は、アルキル、アリール、ヘテロアルキル、ヘテロアリール、ハロゲン置換されたアルキル、ハロゲン置換されたアリール、ハロゲン置換されたヘテロアルキル、ハロゲン置換されたヘテロアリール、アルコキシ、アリールオキシ、ヘテロアルコキシ、ヘテロアリールオキシ、ハロゲン置換されたアルコキシ、ハロゲン置換されたアリールオキシ、ハロゲン置換されたヘテロアルコキシ、およびハロゲン置換されたヘテロアリールオキシ官能基からなる群から独立して選択される)の構造を有するホスフィンオキシドから選択され、ならびに第2の液体溶媒は、4Vよりも低い印加された電位の下で安定である。
一部の実施形態において、第2の液体溶媒は、
Figure 2024504703000021
(式中、R、R、およびRは、アルキル、アリール、ヘテロアルキル、ヘテロアリール、ハロゲン置換されたアルキル、ハロゲン置換されたアリール、ハロゲン置換されたヘテロアルキル、ハロゲン置換されたヘテロアリール、アルコキシ、アリールオキシ、ヘテロアルコキシ、ヘテロアリールオキシ、ハロゲン置換されたアルコキシ、ハロゲン置換されたアリールオキシ、ハロゲン置換されたヘテロアルコキシ、およびハロゲン置換されたヘテロアリールオキシ官能基からなる群から独立して選択され、R、R、およびRは、少なくとも2つの異なる置換基により表され、ならびにXは、オルガノシリル基またはtert-ブチル基からなる群から選択される)の構造を有するホスホランイミンを含む。R、R、およびRは、アルコキシ基、およびアリールオキシ基からなる群から各々独立して選択されてもよい。
ポリマー電解質は、典型的には、室温で典型的には10-8S/cm~10-2S/cmのリチウムイオン伝導性を有する。
ある特定の実施形態において、充電式リチウム電池は、
(a)(任意選択的な伝導性添加剤および任意選択的な樹脂バインダーと共に)カソード活性材料を含有してもよいカソードならびにカソード活性材料を支持する任意選択的なカソード集電体(例えばAlホイル);
(b)電池が作られるときに、最初にアノード活性材料を有するか、または有しない、アノード集電体を含有してもよいアノード(電池が作られたときならびに電池が充電および放電され始める前に従来のアノード活性材料、例えばグラファイト、Si、SiO、Sn、および変換タイプアノード材料、ならびにリチウム金属が電池に存在しない場合、バッテリー電池は「アノードレス」リチウム電池として一般的に参照されることが留意され得る);
(c)アノードおよびカソードを電子的に分離する任意選択的な多孔性セパレータ(リチウムイオン透過膜);ならびに
(d)(i)リチウム塩および(ii)反応性添加剤の重合または架橋生成物であるポリマーを含む、電解質であって、反応性添加剤が、少なくとも1つの重合可能な液体溶媒ならびに架橋剤および/または開始剤を含み、重合可能な液体溶媒が、フッ素化カーボネート、ハイドロフルオロエーテル、フッ素化エステル、スルホン、ニトリル、ホスフェート、ホスファイト、アルキルホスホネート、ホスファゼン、スルフェート、シロキサン、シラン、およびその組み合わせからなる群から選択される、電解質
を含む。
これらの液体溶媒(例えば、第1の液体溶媒)は、重合で、本質的に非可燃性となることが留意され得る。これらの液体溶媒は、典型的には、リチウム塩を溶解させるために有用であることが知られていたが、それらの重合可能性または電解質ポリマーとしてのそれらの潜在能力については知られていなかった。
一部の好ましい実施形態において、バッテリー電池は、重合後のバッテリー電池の中に(揮発性)液体溶媒を実質的に含有しない。しかしながら、電池に液体溶媒を最初に含めて、リチウム塩がリチウムイオンおよびアニオンに解離することを可能にすることが必須である。液体溶媒(特には有機溶媒)の大部分(>50%、好ましくは>70%)または実質的にすべては次に、反応性添加剤の硬化の直前または後に除去される。実質的に0%の液体溶媒を用いる場合、結果としてもたらされる電解質は固体状態電解質である。30%未満の液体溶媒を用いる場合、準固体電解質が得られる。両方は高度に耐炎性である。
ある特定の実施形態において、電解質は、20℃で測定された場合に0.001kPaよりも低い蒸気圧、ポリマーなしの(もしくは重合に先立つ)組み合わせられた(第1の)液体溶媒およびリチウム塩単独での蒸気圧の60%よりも低い蒸気圧、重合に先立つ液体溶媒の引火点よりも少なくとも100℃高い引火点、もしくは200℃よりも高い引火点を呈するか、または測定可能な引火点を呈さず、ならびにポリマーは、室温で10-8S/cm~10-2S/cmのリチウムイオン伝導性を有する。
電解質中の重合していない液体溶媒のより低い割合は、有意に低減した蒸気圧および増加した引火点または完全に排除された引火点(検出不可能)に繋がる。典型的には液体溶媒の割合を低減させることにより、結果としてもたらされる電解質について低減したリチウムイオン伝導性が観察される傾向があるが;しかしながら、かなり驚くべきことに、閾値となる液体溶媒比率後に、この傾向は減少または逆転される(リチウムイオン伝導性は、一部の場合において、液体溶媒の低減と共に実際に増加し得る)。
ある特定の実施形態において、反応性添加剤は、第1の重合可能な液体溶媒および第2の液体溶媒を含み、ならびに第2の液体溶媒は、重合可能でないか、または重合可能であるが、第1の重合可能な液体溶媒と比較してより低い程度まで重合される。この第2の液体溶媒の存在は、重合した電解質にある特定の所望される特性、例えばリチウムイオン伝導性、難燃性、電極(アノードおよび/またはカソード)に浸透してアノード活性材料および/またはカソード活性材料の表面を適切に湿潤させる電解質の能力を付与するように設計される。
一部の実施形態において、第2の液体溶媒は、フッ素化カーボネート、ハイドロフルオロエーテル、フッ素化エステル、スルホン、ニトリル、ホスフェート、ホスファイト、アルキルホスホネート、ホスファゼン、スルフェート、シロキサン、シラン、1,3-ジオキソラン(DOL)、1,2-ジメトキシエタン(DME)、テトラエチレングリコールジメチルエーテル(TEGDME)、ポリ(エチレングリコール)ジメチルエーテル(PEGDME)、ジエチレングリコールジブチルエーテル(DEGDBE)、2-エトキシエチルエーテル(EEE)、スルホン、スルホラン、エチレンカーボネート(EC)、ジメチルカーボネート(DMC)、メチルエチルカーボネート(MEC)、ジエチルカーボネート(DEC)、エチルプロピオネート、メチルプロピオネート、プロピレンカーボネート(PC)、ガンマ-ブチロラクトン(γ-BL)、アセトニトリル(AN)、エチルアセテート(EA)、プロピルホルメート(PF)、メチルホルメート(MF)、トルエン、キシレン、メチルアセテート(MA)、フルオロエチレンカーボネート(FEC)、ビニレンカーボネート(VC)、アリルエチルカーボネート(AEC)、またはその組み合わせから選択される。
望ましい重合可能な液体溶媒(場合により100℃または50℃よりも低い融点を有する)は、骨格または環状構造中に不飽和(二重結合または三重結合)を有するフッ素化モノマー(例えば、フッ素化ビニルカーボネート、フッ素化ビニルモノマー、フッ素化エステル、フッ素化ビニルエステル、およびフッ素化ビニルエーテル)を含む。フッ素化ビニルエステルは、RCOCH=CHおよびプロペニルケトン、RCOCH=CHCHを含み、式中、Rは、Fまたは任意のF含有官能基(例えば、CF-およびCFCF-)である。
フッ素化ビニルカーボネートの2つの例は以下に与えられる:
Figure 2024504703000022
これらの液体溶媒は、モノマーとして、開始剤(例えば、UVまたは電子線により活性化され得る2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニル-プロパン-1-オン、Ciba DAROCUR-1173)の存在下で硬化し得る:
Figure 2024504703000023
一部の実施形態において、フッ素化カーボネートは、フルオロエチレンカーボネート(FEC)、DFDMEC、FNPEC、その組み合わせ、またはハイドロフルオロエーテル(HFE)、トリフルオロプロピレンカーボネート(FPC)、もしくはメチルノナフルオロブチルエーテル(MFE)とのその組み合わせのビニルまたは二重結合含有バリアントから選択され、FEC、DFDMEC、およびFNPEC(すべてイオン性開始剤を用いる開環重合を介して重合可能)の化学式はそれぞれ以下に示される:
Figure 2024504703000024
重合可能な(第1または第2の)液体溶媒としての望ましいスルホンは、アルキルおよびアリールビニルスルホンまたはスルフィド;例えば、エチルビニルスルフィド、アリルメチルスルフィド、フェニルビニルスルフィド、フェニルビニルスルホキシド、エチルビニルスルホン、アリルフェニルスルホン、アリルメチルスルホン、およびジビニルスルホンを含むが、これらに限定されない。
Figure 2024504703000025
単純なアルキルビニルスルホン、例えばエチルビニルスルホンは、エマルションおよびバルク方法を介して重合させてもよい。プロピルビニルスルホンは、ソフトポリマーを形成させるための過硫酸アルカリ開始剤により重合させてもよい。アリールビニルスルホン、例えば、ナフチルビニルスルホン、フェニルビニルスルホン、およびパラ置換フェニルビニルスルホン(R=NH、NOまたはBr)は、フリーラジカル開始剤を用いて重合不可能であることが報告されたことが留意され得る。しかしながら、フェニルおよびメチルビニルスルホンは、いくつかのアニオンタイプ開始剤を用いて重合可能であることを我々は観察した。有効なアニオンタイプ触媒または開始剤は、n-BuLi、ZnEt2、LiN(CH、NaNH、およびZnEt2またはAlEhとのn-LiBuの錯体である。第2の溶媒、例えばピリジン、スルホラン、トルエンまたはベンゼンは、アルキルビニルスルホン、アリールビニルスルホン、および他のより大きいスルホン分子を溶解させるために使用され得る。
ポリ(スルホン)は、燃焼時に高い酸素指数および低い煙放出を有する。ポリ(スルホン)は、それらの高度に芳香性の特徴により本来的に自己消失性の材料である。アジピン酸とのジエチレングリコールおよび4,4-ジヒドロキシジエトキシジフェニルスルホンの溶融重縮合により合成されるヒドロキシ末端化コポリ(エステルスルホン)は、難燃剤として使用され得る。一部の例は、二官能性β-アリルスルホンおよび4,4Φ-(m-フェニレン-ジオキシ)ビス(ベンゼンスルホニルクロリド)である:
Figure 2024504703000026
ビスフェノールS(BPS)および4,4’-ジクロロジフェニルスルホン(DCDPS)は、ポリマー構造の部分であり得る追加の例である。ビスフェノールS(BPS)は、式(HOCSOを有する有機化合物である:
Figure 2024504703000027
MP=148℃を有する4,4’-ジクロロジフェニルスルホン(DCDPS)は、式(ClCSOを有する有機化合物である:
Figure 2024504703000028
ある特定の実施形態において、スルホンは、TrMS、MTrMS、TMS、またはTrMS、MTrMS、TMS、EMS、MMES、EMES、EMEES、もしくはその組み合わせのビニルもしくは二重結合含有バリアントから選択され;それらの化学式は以下に与えられる:
Figure 2024504703000029
環状構造、例えばTrMS、MTrMS、およびTMSは、イオンタイプ開始剤の補助と共に開環重合を介して重合させることができる。
ニトリルは、AND、GLN、SEN、またはその組み合わせから選択されてもよく、それらの化学式は以下に与えられる:
Figure 2024504703000030
一部の実施形態において、ホスフェート(リン酸の様々な誘導体を含む)、アルキルホスホネート、ホスファゼン、ホスファイト、またはスルフェートは、トリス(トリメチルシリル)ホスファイト(TTSPi)、アルキルホスフェート、トリアリルホスフェート(TAP)、エチレンスルフェート(DTD)、その組み合わせ、または1,3-プロパンスルトン(PS)もしくはプロペンスルトン(PES)との組み合わせから選択される。ホスフェート、アルキルホスホネート、またはホスファゼンは以下:
Figure 2024504703000031
(式中、R=H、NH、またはC~Cアルキルである)から選択されてもよい。
ホスホネート部分は、ホスホネート基(例えば、モノホスホネートまたはビスホスホネートのいずれか)を有するアリルタイプ、ビニルタイプ、スチレンタイプおよび(メタ)アクリルタイプモノマーを製造するためにビニルモノマーに容易に導入され得る。これらの液体溶媒は、電解質組成物中で第1または第2の液体溶媒として役立ち得る。ホスフェート、アルキルホスホネート、ホスホン酸、およびホスファゼンは、重合で、本質的に非可燃性となることが見出されている。良好な例は、ジエチルビニルホスホネート、ジメチルビニルホスホネート、ビニルホスホン酸、ジエチルアリルホスフェート、およびジエチルアリルホスホネートを含む。
Figure 2024504703000032
重合可能なホスファゼンの例は、一般構造式:
Figure 2024504703000033
(式中、基AおよびBは、--O--、--S--、--NH--、または--NR--(R=C~C)アルキル)を通じてリン原子に結合しており、ならびにAは、より的確にはビニルエーテル基またはスチレンエーテル基を表し、ならびにBは、より的確には炭化水素基を表す)を有する誘導体を含有する。一般に、Aは、一般式Q--O--CR’=CHR’’の少なくとも1つのビニルエーテル基および/または一般式:
Figure 2024504703000034
のスチレンエーテル基を含有し、式中、R’および/またはR’’は水素またはC~C10アルキルを表し;Bは、O、S、および/またはNを任意選択的に含有する、ならびに少なくとも1つの反応性基を任意選択的に含有する反応性または非反応性炭化水素基を表し;Qは、O、S、および/またはNを任意選択的に含有する脂肪族、脂環式、芳香族、および/または複素環式炭化水素基であり;aは、0より大きい数であり;bは、0または0より大きい数であり、およびa+b=2であり;xは、少なくとも2であるすべての数を表し;ならびにzは0または1を表す。
これらのホスファゼン誘導体のための開始剤は、ルイス酸、SbCl、AlCl、または硫黄化合物のものであることができる。
ビニルホスホン酸の重合において使用され得る開始剤化合物の例は、過酸化物、例えば過酸化ベンゾイル、トルイル(toluy)ペルオキシド、ジ-tert.ブチルペルオキシド、クロロベンゾイルペルオキシド、またはヒドロペルオキシド、例えばメチルエチルケトンペルオキシド、tert.ブチルヒドロペルオキシド、クメンヒドロペルオキシド、水素スーパーオキシド、またはアゾ-ビス-イソ-ブチロニトリル、またはスルフィン酸、例えばp-メトキシフェニル-スルフィン酸、イソアミル-スルフィン酸、ベンゼン-スルフィン酸、または様々なそのような触媒の互いとの組み合わせ、および/または、例えば、ホルムアルデヒドナトリウムスルホキシレートもしくはアルカリ金属サルファイトとの組み合わせである。
シロキサンまたはシランは、アルキルシロキサン(Si-O)、アルキルシラン(Si-C)、液体オリゴマーシロキサン(-Si-O-Si-)、またはその組み合わせから選択されてもよい。
反応性添加剤は、N,N-ジメチルアセトアミド、N,N-ジエチルアセトアミド、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジエチルホルムアミド、またはその組み合わせから選択されるアミド基をさらに含んでもよい。
ある特定の実施形態において、架橋剤は、好ましくは、分子中にヒドロキシル基、アミノ基、イミノ基、アミド基、アクリルアミド基、アミン基、アクリル基、アクリルエステル基、またはメルカプト基から選択される少なくとも1つの反応性基を有する化合物を含む。
ある特定の実施形態において、架橋剤は、ポリ(ジエタノール)ジアクリレート、ポリ(エチレングリコール)ジメタクリレート、ポリ(ジエタノール)ジメチルアクリレート、ポリ(エチレングリコール)ジアクリレート、ヘキサフルオロリン酸リチウム(LiPF)、ホウフッ化リチウム(LiBF)、ヘキサフルオロヒ化リチウム(LiAsF)、トリフルオロ-メタンスルホン酸リチウム(LiCFSO)、ビス-トリフルオロメチルスルホニルイミドリチウム(LiN(CFSO)、ビス(オキサラト)ホウ酸リチウム(LiBOB)、オキサリルジフルオロホウ酸リチウム(LiBF)、オキサリルジフルオロホウ酸リチウム(LiBF)、またはその組み合わせから選択される。
開始剤は、アゾ化合物(例えば、アゾジイソブチロニトリル、AIBN)、アゾビスイソブチロニトリル、アゾビスイソヘプトニトリル、ジメチルアゾビスイソブチレート、ベンゾイルペルオキシド tert-ブチルペルオキシドおよびメチルエチルケトンペルオキシド、過酸化ベンゾイル(BPO)、ビス(4-tert-ブチルシクロヘキシル)ペルオキシジカーボネート、t-アミルペルオキシピバレート、2,2’-アゾビス-(2,4-ジメチルバレロニトリル)、2,2’-アゾビス-(2-メチルブチロニトリル)、1,1-アゾビス(シクロヘキサン-1-カルボニトリル、過酸化ベンゾイル(BPO)、過酸化水素、ドデカノイルペルオキシド、イソブチリルペルオキシド、クメンヒドロペルオキシド、tert-ブチルペルオキシピバレート、ジイソプロピルペルオキシジカーボネート、またはその組み合わせから選択されてもよい。
開示されるポリマー電解質において、リチウム塩は、過塩素酸リチウム(LiClO)、ヘキサフルオロリン酸リチウム(LiPF)、ホウフッ化リチウム(LiBF)、ヘキサフルオロヒ化リチウム(LiAsF)、トリフルオロ-メタンスルホン酸リチウム(LiCFSO)、ビス-トリフルオロメチルスルホニルイミドリチウム(LiN(CFSO)、ビス(オキサラト)ホウ酸リチウム(LiBOB)、オキサリルジフルオロホウ酸リチウム(LiBF)、硝酸リチウム(LiNO)、Li-フルオロアルキル-ホスフェート(LiPF(CFCF)、リチウムビスパーフルオロ-エチルスルホニルイミド(LiBETI)、リチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、リチウムビス(フルオロスルホニル)イミド、リチウムトリフルオロメタンスルホンイミド(LiTFSI)、イオン液体リチウム塩、またはその組み合わせから選択されてもよい。
架橋剤は、好ましくは、分子中にヒドロキシル基、アミノ基、イミノ基、アミド基、アミン基、アクリル基、またはメルカプト基から選択される少なくとも1つの反応性基を有する化合物を含む。アミン基は、好ましくは、化学式2から選択される:
Figure 2024504703000035
充電式リチウムバッテリーにおいて、反応性添加剤は、化学式3により表される化学種またはその誘導体をさらに含んでもよく、および架橋剤は、化学式4により表される化学種またはその誘導体を含み:
Figure 2024504703000036
式中、Rは水素またはメチル基であり、ならびにRおよびRは、各々独立して、水素、メチル、エチル、プロピル、ジアルキルアミノプロピル(--CN(R’))およびヒドロキシエチル(CHCHOH)基からなる群から選択されるものであり、ならびにRおよびRは各々独立して水素またはメチル基であり、ならびにnは3~30の整数であり、R’はC~Cアルキル基である。
化学式3を有する好適なビニルモノマーの例は、アクリルアミド、N,N-ジメチルアクリルアミド、N,N-ジエチルアクリルアミド、N-イソプロピルアクリルアミド、N,N-ジメチルアミノ-プロピルアクリルアミド、およびN-アクリロイルモルホリンを含む。これらの種の中で、N-イソプロピルアクリルアミドおよびN-アクリロイルモルホリンは好ましい。
架橋剤は、好ましくは、N,N-メチレンビスアクリルアミド、エピクロロヒドリン、1,4-ブタンジオールジグリシジルエーテル、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド、ケイ皮酸、塩化第二鉄、硫酸アルミニウム18水和物、ジエポキシ、ジカルボン酸化合物、ポリ(カリウム1-ヒドロキシアクリレート)(PKHA)、グリセロールジグリシジルエーテル(GDE)、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル(PEGDE)、クエン酸(以下の式4)、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸の誘導体化合物、メタクリル酸の誘導体化合物(例えばポリヒドロキシエチルメタクリレート)、グリシジル官能基、N,N’-メチレンビスアクリルアミド(MBAAm)、エチレングリコールジメタクリレート(EGDMAAm)、イソボルニルメタクリレート、ポリ(アクリル酸)(PAA)、メチルメタクリレート、イソボルニルアクリレート、エチルメタクリレート、イソブチルメタクリレート、n-ブチルメタクリレート、エチルアクリレート、2-エチルヘキシルアクリレート、n-ブチルアクリレート、ジイソシアネート(例えばメチレンジフェニルジイソシアネート、MDI)、ウレタン鎖、その化学的誘導体、またはその組み合わせから選択される。
電解質は、液体溶媒とは組成が異なる難燃性添加剤をさらに含んでもよい。難燃性添加剤は、関与する様々な機序(加熱、点火、および熱分解の伝播)に干渉することによりポリマー熱分解および電解質燃焼プロセスを阻害しまたは停止させることが意図される。
難燃性添加剤は、ハロゲン化難燃剤、リン系難燃剤、メラミン難燃剤、金属水酸化物難燃剤、ケイ素系難燃剤、リン酸難燃剤、生体分子難燃剤、またはその組み合わせから選択されてもよい。
弾性ポリマーに物理的にまたは化学的に組み込まれ得る難燃剤のタイプに関して制限はない。難燃剤の主なファミリーは、ハロゲン(臭素および塩素)、リン、窒素、膨張系(Intumescent Systems)、鉱物(アルミニウムおよびマグネシウムに基づく)、ならびにその他(例えばホウ砂、Sb、およびナノ複合材料)を含有する化合物に基づく。三酸化アンチモンは良好な選択であるが、アンチモンの他の形態、例えばアンチモン酸五酸化物およびナトリウムもまた使用され得る。
反応性タイプ(ポリマー構造に化学的に結合するか、またはその部分となる)および添加物タイプ(ポリマーマトリックス中に単純に分散される)を使用することができる。例えば、反応性ポリシロキサンは、EPDMタイプ弾性ポリマーと化学的に反応し、架橋ネットワークポリマーの部分となることができる。難燃基修飾されたポリシロキサンそれ自体は、本開示の一実施形態による難燃剤を含有する弾性ポリマー複合物であることが留意され得る。反応性タイプおよび添加物タイプの両方の難燃剤は、いくつかの異なるクラスにさらに分けられ得る:
1)鉱物:例は、水酸化アルミニウム(ATH)、水酸化マグネシウム(MDH)、ハンタイトおよびハイドロマグネサイト、様々な水和物、赤リンならびにホウ素化合物(例えばホウ酸塩)を含む。
2)有機ハロゲン化合物:このクラスは、有機塩素、例えばクロレンド酸誘導体および塩素化パラフィン;有機臭素、例えばデカブロモジフェニルエーテル(decaBDE)、デカブロモジフェニルエタン(decaBDEの代替物)、ポリマー臭素化化合物、例えば臭素化ポリスチレン、臭素化カーボネートオリゴマー(BCO)、臭素化エポキシオリゴマー(BEO)、テトラブロモフタル酸無水物(tetrabromophthalic anyhydride)、テトラブロモビスフェノールA(TBBPA)、およびヘキサブロモシクロドデカン(HBCD)を含む。
3)有機リン化合物:このクラスは、有機ホスフェート、例えばトリフェニルホスフェート(TPP)、レゾルシノールビス(ジフェニルホスフェート)(RDP)、ビスフェノールAジフェニルホスフェート(BADP)、およびトリクレジルホスフェート(TCP);ホスホネート、例えばジメチルメチルホスホネート(DMMP);ならびにホスフィネート、例えばアルミニウムジエチルホスフィネートを含む。難燃剤の1つの重要なクラスにおいて、化合物はリンおよびハロゲンの両方を含有する。そのような化合物は、トリス(2,3-ジブロモプロピル)ホスフェート(臭素化トリス)ならびに塩素化有機ホスフェート、例えばトリス(1,3-ジクロロ-2-プロピル)ホスフェート(塩素化トリスまたはTDCPP)およびテトラキス(2-クロレチル)ジクロロイソペンチルジホスフェート(V6)を含む。
4)有機化合物、例えばカルボン酸およびジカルボン酸。
鉱物難燃剤は、主に添加物難燃剤として作用し、周囲のシステム(ポリマー)に化学的に取り付けられない。有機ハロゲンおよび有機ホスフェート化合物のほとんどもまた、ポリマーに取り付けられるために永久的に反応しない。反応性および非放射性の特徴を有する、ある特定の新たな非ハロゲン化生成物もまた商業的に入手可能である。
ある特定の実施形態において、難燃性添加剤は、閾値温度よりも高い温度(例えば、内部短絡により誘導される炎または火の温度)に曝露された場合に破壊可能または融解可能なコーティング材料のシェルにより被包された添加剤を含む被包された粒子の形態である。被包性材料は、実質的にリチウムイオン不透過性および液体電解質不透過性のコーティング材料である。被包性または微小滴形成プロセス。
混合物中の難燃性添加剤対液体溶媒の比は、重量で1/95~99/1、好ましくは重量で10/85~80/20、さらに好ましくは重量で20/80~70/20、最も好ましくは重量で35/65~65/35である。
電解質中のポリマーは、ポリ(エチレンオキシド)、ポリプロピレンオキシド、ポリ(エチレングリコール)、ポリ(アクリロニトリル)、ポリ(メチルメタクリレート)、ポリ(ビニリデンフルオリド)、ポリビス-メトキシエトキシエトキシド-ホスファゼン、ポリビニルクロリド、ポリジメチルシロキサン、ポリ(ビニリデンフルオリド)-ヘキサフルオロプロピレン、シアノエチルポリ(ビニルアルコール)、ペンタエリトリトールテトラアクリレート系ポリマー、脂肪族ポリカーボネート、カルボキシレートアニオン、スルホニルイミドアニオン、もしくはスルホネートアニオンを有する単一Liイオン伝導性固体ポリマー電解質、ポリ(エチレングリコール)ジアクリレートもしくはポリ(エチレングリコール)メチルエーテルアクリレートの架橋電解質、そのスルホン化誘導体、またはその組み合わせから選択される第2のポリマーとの混合物、コポリマー、半相互貫入ネットワーク、または同時相互貫入ネットワークを形成していてもよい。これらのポリマーの1つまたは複数は、ドライ電池への電極および他の構成要素の組み立てに先立ってアノードおよび/またはカソード中に予め混合されてもよい。
ある特定の望ましい実施形態において、電解質は、2nm~30μmの粒子サイズを有する無機固体電解質材料の粒子をさらに含み、無機固体電解質材料の粒子は、ポリマー中に分散されているか、またはポリマーにより化学的に結合されている。無機固体電解質材料の粒子は、好ましくは、酸化物タイプ、硫化物タイプ、水素化物タイプ、ハロゲン化物タイプ、ホウ酸タイプ、リン酸タイプ、リチウムリン酸窒化物(LiPON)、ガーネットタイプ、リチウム超イオン伝導体(LISICON)タイプ、ナトリウム超イオン伝導体(NASICON)タイプ、またはその組み合わせから選択される。
弾性ポリマー保護層(または電解質)に組み込まれ得る無機固体電解質は、ペロブスカイトタイプ、NASICONタイプ、ガーネットタイプおよび硫化物タイプ材料を含むが、これらに限定されない。代表的なおよび周知のペロブスカイト固体電解質は、Li3xLa2/3-xTiOであり、これは室温で10-3S/cmを上回るリチウムイオン伝導性を呈する。この材料は、リチウム金属との接触でのTi4+の還元のためリチウムバッテリーにおいて好適でないとみなされてきた。しかしながら、この材料は、弾性ポリマー中に分散された場合に、この問題を被らないことを我々は見出した。
ナトリウム超イオン伝導体(NASICON)タイプ化合物は、周知のNa1+xZrSi3-x12を含む。これらの材料は、一般に、AM(POの式を有し、A部位は、Li、NaまたはKにより占有される。M部位は、通常は、Ge、ZrまたはTiにより占有される。特に、LiTi(POシステムは、リチウムイオンバッテリー用の固体状態電解質として広く研究されている。LiZr(POのイオン伝導性は非常に低いが、HfまたはSnの置換により改善され得る。これは、Li1+xTi2-x(PO(M=Al、Cr、Ga、Fe、Sc、In、Lu、YまたはLa)を形成させるための置換でさらに増強され得る。Al置換は、最も有効な固体状態電解質であることが実証されている。Li1+xAlGe2-x(POシステムもまた、その相対的に広い電気化学安定性ウィンドウに起因して有効な固体状態である。NASICONタイプ材料は、高電圧固体電解質バッテリーのための好適な固体電解質と考えられている。
ガーネットタイプ材料は一般式ASi12を有し、AおよびBのカチオンはそれぞれ8配位および6配位を有する。LiLn12(M=WまたはTe)に加えて、広範囲のガーネットタイプ材料が添加剤として使用可能であり、これは、LiLa12(M=NbまたはTa)、LiALa12(A=Ca、SrまたはBa;M=NbまたはTa)、Li5.5La1.750.2512(M=NbまたはTa;B=InまたはZr)ならびに立方体システムLiLaZr12およびLi7.060.06Zr1.9412(M=La、NbまたはTa)を含む。Li6.5LaZr1.75Te0.2512化合物は、室温で1.02×10-3S/cmの高いイオン伝導性を有する。
硫化物タイプ固体電解質はLiS-SiSシステムを含む。このタイプの材料において報告された最も高い伝導性は6.9×10-4S/cmであり、これは、LiS-SiSシステムにLiPOをドーピングすることにより達成された。硫化物タイプはまた、LiS-Pシステムにより表されるチオ-LISICON(リチウム超イオン伝導体)結晶性材料のクラスを含む。LiS-Pシステムの化学的安定性は不良と考えられ、材料は水分に対して感受性である(気体状HSを生成する)。安定性は、金属酸化物の追加により改善され得る。安定性はまた、LiS-P材料が弾性ポリマー中に分散された場合に有意に改善される。
電解質ポリマー中に分散されたこれらの固体電解質粒子は、内因的に低いイオン伝導性を有するある特定のポリマーのリチウムイオン伝導性の増強を助けることができる。
好ましくはおよび典型的には、ポリマーは、10-5S/cm以上、より好ましくは10-4S/cm以上、さらに好ましくは10-3S/cm以上のリチウムイオン伝導性を有する。
開示されるリチウムバッテリーは、リチウムイオンバッテリーまたはリチウム金属バッテリーであることができ、後者は、主要なアノード活性材料としてリチウム金属を有する。リチウム金属バッテリーは、電池が作られるときにアノードに装備されたリチウム金属を有することができる。代替的に、リチウムはカソード活性材料中に貯蔵されてもよく、アノード側は最初にリチウム金属フリーである。これはアノードレスリチウム金属バッテリーと呼ばれる。
図2(A)に図示されるように、アノードレスリチウム電池は、本開示のある特定の実施形態にしたがって生産時のまたは完全に放電された状態にある。電池は、アノード集電体12(例えば、Cuホイル)、セパレータ、カソード活性材料、任意選択的な伝導性添加剤(図示せず)、任意選択的な樹脂バインダー(図示せず)、および電解質(カソード層全体中に分散されており、カソード活性材料と接触している)を含むカソード層16、ならびにカソード層16を支持するカソード集電体18を含む。電池が生産されるときにアノード側にリチウム金属はない。
充電された状態において、図2(B)に図示されるように、電池は、アノード集電体12、アノード集電体12(例えば、Cuホイル)の表面(または2つの表面)上にめっきされたリチウム金属20、セパレータ15、カソード層16、およびカソード層を支持するカソード集電体18を含む。リチウム金属は、カソードが作られるときにLi元素を含有するカソード活性材料(例えば、LiCoOおよびLiMn)に由来する。充電工程の間に、リチウムイオンはカソード活性材料から放出され、アノード側に移動してアノード集電体の1つまたは両方の表面に沈着する。
本開示のアノードレスリチウム電池の1つの独特の特色は、バッテリー電池が作られるときにアノード活性材料およびリチウム金属が実質的に存在しないという概念である。一般的に使用されるアノード活性材料、例えばインターカレーションタイプアノード材料(例えばグラファイト、炭素粒子、Si、SiO、Sn、SnO、Geなど)、P、または任意の変換タイプアノード材料は電池に含まれない。アノードは、集電体または保護された集電体のみを含有する。電池が作られるときにリチウム金属(例えばLi粒子、表面安定化Li粒子、Liホイル、Liチップなど)はアノードに存在せず;リチウムは基本的にカソードに貯蔵される(例えばLiCoO、LiMn、リン酸鉄リチウム、リチウム多硫化物、リチウム多セレン化物などにおけるLi元素)。電池がハウジング(例えばステンレス鋼中空シリンダーまたはAl/プラスチック積層エンベロープ)中に密封された後の第1の充電手順の間に、リチウムイオンは、カソード中のこれらのLi含有化合物(カソード活性材料)から放出され、電解質/セパレータを通じてアノード側に移動し、アノード集電体の表面上に沈着する。引き続いての放電手順の間に、リチウムイオンはこれらの表面を離れ、再びカソードに移動し、カソード活性材料にインターカレートまたは挿入される。
そのようなアノードレス電池は、製造がはるかにより単純およびより高い費用効果であり、その理由は、従来のスラリーコーティングおよび乾燥手順を介してCuホイル表面上にプレコーティングされたアノード活性材料(例えば、伝導性添加剤およびバインダーと共に、グラファイト粒子)の層を有する必要がないからである。アノード材料およびアノード活性層生産コストは節約され得る。さらには、アノード活性材料層(さもなければ典型的には40~200μmの厚さ)がないので、電池の重量および体積は有意に低減可能であり、それにより、電池の重量測定および容積測定エネルギー密度が増加され得る。
アノードレス電池の別の重要な利点は、リチウム金属電池が作られるときにアノードにリチウム金属が存在しないという概念である。リチウム金属(例えばLi金属ホイルおよび粒子)は、空気中の水分および酸素に対して高度に感受性であり、Li金属電池の生産の間の取り扱いの困難性および危険性が悪名高く知られている。生産設備は、特別なクラスのドライルームを備えているべきであり、これは高価であり、バッテリー電池のコストを重大に増加させる。
アノード集電体は、Cu、Ni、ステンレス鋼、Al、グラフェン、グラファイト、グラフェンコーティングされた金属、グラファイトコーティングされた金属、炭素コーティングされた金属、またはその組み合わせのホイル、穿孔されたシート、またはフォームから選択されてもよい。好ましくは、集電体は、Cuホイル、Niホイル、ステンレス鋼ホイル、グラフェンコーティングされたAlホイル、グラファイトコーティングされたAlホイル、または炭素コーティングされたAlホイルである。
アノード集電体は、典型的には、2つの主要な表面を有する。好ましくは、これらの主要な表面の1つまたは両方は、リチウム誘引性金属(親リチウム性金属)の複数の粒子またはコーティングを沈着されており、好ましくは1nm~10μmの直径または厚さを有する、リチウム誘引性金属は、Au、Ag、Mg、Zn、Ti、K、Al、Fe、Mn、Co、Ni、Sn、V、Cr、その合金、またはその組み合わせから選択される。この沈着された金属層は、親リチウム性金属の複数の粒子またはコーティングをカバーおよび保護するグラフェンの層をさらに沈着されていてもよい。
グラフェン層は、単一層または少数層グラフェンから選択されるグラフェンシートを含んでもよく、少数層グラフェンシートは、X線回折による測定で0.3354nm~0.6nmの面間間隔d002を有する積み重ねられたグラフェン面の2~10個の層を有するように一般的に定義される。単一層または少数層グラフェンシートは、本質的に0%の非炭素元素を有するプリスティングラフェン材料、または重量で0.001%~45%の非炭素元素を有する非プリスティングラフェン材料を含有してもよい。非プリスティングラフェンは、グラフェン酸化物、還元されたグラフェン酸化物、グラフェンフッ化物、グラフェン塩化物、グラフェン臭化物、グラフェンヨウ化物、水素化されたグラフェン、窒素化されたグラフェン、ドーピングされたグラフェン、化学的に官能化されたグラフェン、またはその組み合わせから選択されてもよい。
グラフェン層は、グラフェンボールおよび/またはグラフェンフォームを含んでもよい。好ましくは、グラフェン層は、1nm~50μmの厚さを有し、および/または5~1000m/g(より好ましくは10~500m/g)の比表面積を有する。
本開示の電解質を特色とするリチウムイオンバッテリーのために、アノード活性材料の選択に関する制限は特にない。アノード活性材料は、(a)ケイ素(Si)、ゲルマニウム(Ge)、スズ(Sn)、鉛(Pb)、アンチモン(Sb)、リン(P)、ビスマス(Bi)、亜鉛(Zn)、アルミニウム(Al)、チタン(Ti)、ニッケル(Ni)、コバルト(Co)、およびカドミウム(Cd);(b)他の元素とのSi、Ge、Sn、Pb、Sb、Bi、Zn、Al、Ti、Ni、Co、またはCdの合金または金属間化合物;(c)Si、Ge、Sn、Pb、Sb、Bi、Zn、Al、Ti、Fe、Ni、Co、V、またはCdの酸化物、炭化物、窒化物、硫化物、リン化物、セレン化物、およびテルル化物、ならびにそれらの混合物、複合物、またはリチウム含有複合物;(d)Snの塩および水酸化物;(e)チタン酸リチウム、マンガン酸リチウム、アルミン酸リチウム、ニオブ酸リチウムチタン、リチウム含有チタン酸化物、リチウム遷移金属酸化物、ZnCo;(f)炭素またはグラファイト粒子;(g)そのプレリチウム化されたバージョン;ならびに(h)その組み合わせからなる群から選択されてもよい。
別の驚くべきおよび途方もない科学的なおよび技術的な意義は、十分に多い量のリチウム塩およびポリマーをこの有機溶媒に加えて溶解させて固体様または準固体電解質(例えばカソードにおける第1の電解質)を形成させれば、任意の揮発性有機溶媒の可燃性は有効に抑制され得るという我々の発見である。一般に、そのような準固体電解質は、(20℃で測定された場合に)0.01kPa未満、多くの場合に0.001kPa未満、および(100℃で測定された場合に)0.1kPa未満、多くの場合に0.01kPa未満の蒸気圧を呈する。(その中に溶解したいかなるリチウム塩も有しない、対応するニート溶媒の蒸気圧は典型的には有意により高い。)多くの場合に、蒸気分子は実際的に、検出されるためには少なすぎる。
非常に意義深い観察は、さもなければ揮発性の溶媒(モノマー)に由来する(それから重合された)ポリマーは、熱力学的平衡状態において蒸気相に逃避できる揮発性溶媒分子の量を劇的に削減できるということである。多くの場合に、これは、任意の可燃性気体分子が炎を引き起こすことを極めて高温においても有効に予防した。準固体または固体状態電解質の引火点は、重合なしのニート有機溶媒の引火点よりも典型的には少なくとも100度(多くの場合に>150度)高い。ほとんどの場合において、引火点は200℃よりも有意に高いか、または引火点は検出され得ない。電解質は単に燃え移ることがない。さらには、任意の偶発的に引き起こされた炎は3秒よりも長く持続しない。火および爆発の課題が、バッテリー駆動式電動輸送機器が広く認められるための大きな障害となっているという考えを考慮すると、これは非常に意義深い発見である。この新たな技術は、活気に満ちたEV産業の到来に意義深く影響し得る。
非可燃性および高いリチウムイオン転移数に加えて、本開示の準固体または固体状態電解質の使用と関連付けられるいくつかの追加の利益がある。1つの例として、これらの電解質は、リチウムデンドライトの増大の有効な抑制を通じて充電式リチウムバッテリーの寿命および安全性性能を有意に増強することができる。電解質と電極との間の良好な接触に起因して、界面インピーダンスは有意に低減され得る。追加的に、ポリマーの存在により誘導される局所的な高い粘性は、電解質からの圧力を増加させてデンドライトの増大を阻害し、アノードの表面上のリチウムイオンのより均一な沈着を潜在的にもたらすことができる。高い粘性はまた、沈着区画の近くでのアニオン対流を制限して、Liイオンのより均一な沈着を促進し得る。これらの理由は、別々にまたは組み合わせで、我々がこれまで調査してきた多数の充電式リチウム電池のいずれでもデンドライト様特色が観察されていないという考えの原因となると考えられる。
別の利益の例として、この電解質は、カソードにおけるリチウム多硫化物の溶解およびLi-S電池のアノードへの移動を阻害する能力を有し、そのため多硫化物シャトル現象を克服し、電池容量が時間と共に重大に劣化しないことを可能とする。結果的に、100%に近いクーロン効率が長いサイクル寿命と共に達成され得る。濃縮された電解質および架橋ポリマーが使用される場合、リチウム多硫化物の溶解性は有意に低減される。
リチウム塩は、過塩素酸リチウム(LiClO)、ヘキサフルオロリン酸リチウム(LiPF)、ホウフッ化リチウム(LiBF)、ヘキサフルオロヒ化リチウム(LiAsF)、トリフルオロ-メタンスルホン酸リチウム(LiCFSO)、ビス-トリフルオロメチルスルホニルイミドリチウム(LiN(CFSO)、ビス(オキサラト)ホウ酸リチウム(LiBOB)、オキサリルジフルオロホウ酸リチウム(LiBF)、硝酸リチウム(LiNO)、Li-フルオロアルキル-ホスフェート(LiPF(CFCF)、リチウムビスパーフルオロ-エチルスルホニルイミド(LiBETI)、リチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、リチウムビス(フルオロスルホニル)イミド、リチウムトリフルオロメタンスルホンイミド(LiTFSI)、イオン液体リチウム塩、またはその組み合わせから選択されてもよい。
イオン液体は、イオンのみから構成される。イオン液体は、所望される温度を上回る場合に融解または液体状態である低融解温度の塩である。例えば、イオン性の塩は、その融点が100℃を下回る場合にイオン液体と考えられる。融解温度が室温(25℃)に等しいかまたはそれより低い場合、塩は室温イオン液体(RTIL)として参照される。ILベースリチウム塩は、大きいカチオンと電荷非局在化アニオンとの組み合わせに起因して、弱い相互作用により特徴付けられる。これは、柔軟性(アニオン)および非対称性(カチオン)に起因して結晶化する低い傾向を結果としてもたらす。
一部のILは、本開示の第1の有機溶媒と共に働くために(塩としてではなく)共溶媒として使用されてもよい。周知のイオン液体は、1-エチル-3-メチル-イミダゾリウム(EMI)カチオンとN,N-ビス(トリフルオロメタン)スルホンアミド(TFSI)アニオンとの組み合わせにより形成される。この組み合わせは、多くの有機電解質溶液と同等のイオン伝導性、低い分解傾向および約300~400℃までで低い蒸気圧を有する液体を与える。これは一般に低い揮発性および非可燃性、ならびにそれゆえバッテリー用のはるかにより安全な電解質溶媒を含意する。
イオン液体は、有機または無機イオンから基本的に構成され、多様なそれらの成分の作製の容易性に起因して無数の構造的バリエーションがある。そのため、様々な種類の塩を使用して、所与の応用のための所望される特性を有するイオン液体を設計することができる。これらは、数ある中でも、カチオンとしてのイミダゾリウム、ピロリジニウムおよび第四級アンモニウム塩ならびにアニオンとしてのビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、ビス(フルオロスルホニル)イミドおよびヘキサフルオロホスフェートを含む。有用なイオン液体ベースリチウム塩(溶媒ではない)は、カチオンとしてのリチウムイオンならびにアニオンとしてのビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、ビス(フルオロスルホニル)イミドおよびヘキサフルオロホスフェートから構成されてもよい。例えば、リチウムトリフルオロメタンスルホンイミド(LiTFSI)は特に有用なリチウム塩である。
それらの組成に基づいて、イオン液体は、各々が特有の応用のために好適な、3つの基本的なタイプ:非プロトン、プロトンおよび双性イオンタイプを含む異なるクラスに入る。室温イオン液体(RTIL)の一般的なカチオンは、テトラアルキルアンモニウム、ジ、トリ、およびテトラ-アルキルイミダゾリウム、アルキルピリジニウム、ジアルキル-ピロリジニウム、ジアルキルピペリジニウム、テトラアルキルホスホニウム、ならびにトリアルキルスルホニウムを含むが、これらに限定されない。RTILの一般的なアニオンは、BF 、B(CN) 、CHBF 、CHCHBF 、CFBF 、CBF 、n-CBF 、n-CBF 、PF 、CFCO 、CFSO 、N(SOCF 、N(COCF)(SOCF、N(SOF) 、N(CN) 、C(CN) 、SCN、SeCN、CuCl 、AlCl 、F(HF)2.3 などを含むが、これらに限定されない。相対的に言えば、イミダゾリウムまたはスルホニウム系カチオンと複合ハロゲン化物アニオン、例えばAlCl 、BF 、CFCO 、CFSO 、NTf 、N(SOF) 、またはF(HF)2.3 との組み合わせは、良好な作動伝導性を有するRTILを結果としてもたらす。
RTILは、典型的な特性、例えば高い内因的イオン伝導性、高い熱安定性、低い揮発性、低い(実際的に0の)蒸気圧、非可燃性、室温を上回るおよび下回る広範囲の温度において液体のままである能力、高い極性、高い粘性、ならびに広い電気化学的ウィンドウを有することができる。これらの特性は、高い粘性を除いて、充電式リチウム電池における電解質共溶媒としてRTILを使用する場合に望ましい属性である。
本開示の実施において使用され得るカソード材料のタイプに関しても制限はない。Li-S電池のために、カソード活性材料はリチウム多硫化物または硫黄を含有してもよい。電池が作られるときにカソード活性材料がリチウム含有種(例えば、リチウム多硫化物)を含む場合、リチウム金属がアノードに予備装備される必要はない。
一次バッテリーまたは二次バッテリーであることができる本開示のリチウムバッテリーにおいて使用され得るカソード活性材料のタイプに関して特に制限はない。充電式リチウム金属またはリチウムイオン電池は、好ましくは、例として、層状化合物LiMO、スピネル化合物LiM、カンラン石化合物LiMPO、ケイ酸化合物LiMSiO、タボライト化合物LiMPOF、ホウ酸化合物LiMBO、またはその組み合わせから選択されるカソード活性材料を含有してもよく、Mは遷移金属または複数の遷移金属の混合物である。
充電式リチウム電池において、カソード活性材料は、金属酸化物、金属酸化物フリー無機材料、有機材料、ポリマー材料、硫黄、リチウム多硫化物、セレン、またはその組み合わせから選択されてもよい。金属酸化物フリー無機材料は、遷移金属フッ化物、遷移金属塩化物、遷移金属ジカルコゲン化物、遷移金属トリカルコゲン化物、またはその組み合わせから選択されてもよい。特に有用な実施形態において、アノードがアノード活性材料としてリチウム金属を含有する場合に、カソード活性材料は、FeF、FeCl、CuCl、TiS、TaS、MoS、NbSe、MnO、CoO、酸化鉄、酸化バナジウム、またはその組み合わせから選択される。酸化バナジウムは、好ましくは、VO、LiVO、V、Li、V、Li、Li、V、Li、V13、Li13、それらのドーピングされたバージョン、それらの誘導体、およびその組み合わせからなる群から選択されてもよく、0.1<x<5である。その中にLi元素を含有しないカソード活性材料について、最初にカソード側にリチウム供給源が装備されているべきである。これは、高いリチウム含有量を含有する任意の化合物、またはリチウム金属合金などであることができる。
充電式リチウム電池(例えば、リチウムイオンバッテリー電池)において、カソード活性材料は、層状化合物LiMO、スピネル化合物LiM、カンラン石化合物LiMPO、ケイ酸化合物LiMSiO、タボライト化合物LiMPOF、ホウ酸化合物LiMBO、またはその組み合わせを含有するように選択されてもよく、Mは遷移金属または複数の遷移金属の混合物である。
特に望ましいカソード活性材料は、リチウムニッケルマンガン酸化物(LiNiMn2-a、0<a<2)、リチウムニッケルマンガンコバルト酸化物(LiNiMnCo1-n-m、0<n<1、0<m<1、n+m<1)、リチウムニッケルコバルトアルミニウム酸化物(LiNiCoAl1-c-d、0<c<1、0<d<1、c+d<1)、マンガン酸リチウム(LiMn)、リン酸鉄リチウム(LiFePO)、リチウムマンガン酸化物(LiMnO)、リチウムコバルト酸化物(LiCoO)、リチウムニッケルコバルト酸化物(LiNiCo1-p、0<p<1)、またはリチウムニッケルマンガン酸化物(LiNiMn2-q、0<q<2)を含む。
好ましいリチウム金属二次電池において、カソード活性材料は、好ましくは、(a)セレン化ビスマスもしくはテルル化ビスマス、(b)遷移金属ジカルコゲン化物もしくはトリカルコゲン化物、(c)ニオビウム、ジルコニウム、モリブデン、ハフニウム、タンタル、タングステン、チタン、コバルト、マンガン、鉄、ニッケル、もしくは遷移金属の硫化物、セレン化物、もしくはテルル化物;(d)窒化ホウ素、または(e)その組み合わせから選択される無機材料を含有する。再び、その中にLi元素を含有しないカソード活性材料について、最初にカソード側にリチウム供給源が装備されているべきである。
別の好ましい充電式リチウム電池(例えばリチウム金属二次電池またはリチウムイオン電池)において、カソード活性材料は、ポリ(アントラキノニルスルフィド)(PAQS)、リチウムオキソカーボン(スクアリン酸、クロコン酸、およびロジゾン酸リチウム塩を含む)、オキサカーボン(キニーネ、酸無水物、およびニトロ化合物を含む)、3,4,9,10-ペリレンテトラカルボン酸二無水物(PTCDA)、ポリ(アントラキノニルスルフィド)、ピレン-4,5,9,10-テトラオン(PYT)、ポリマー結合PYT、Quino(トリアゼン)、レドックス活性有機材料(複数の隣接するカルボニル基に基づくレドックス活性構造(例えば、「C」タイプ構造、オキソカーボン)、テトラシアノキノジメタン(TCNQ)、テトラシアノエチレン(TCNE)、2,3,6,7,10,11-ヘキサメトキシトリフェニレン(HMTP)、ポリ(5-アミノ-1,4-ジヒドロキシアントラキノン)(PADAQ)、ホスファゼンジスルフィドポリマー([(NPS]n)、リチウム化1,4,5,8-ナフタレンテトラオールホルムアルデヒドポリマー、ヘキサアザトリナフチレン(HATN)、ヘキサアザトリフェニレンヘキサカルボニトリル(HAT(CN)6)、5-ベンジリデンヒダントイン、イサチンリチウム塩、ピロメリト酸ジイミドリチウム塩、テトラヒドロキシ-p-ベンゾキノン誘導体(THQLi)、N,N’-ジフェニル-2,3,5,6-テトラケトピペラジン(PHP)、N,N’-ジアリル-2,3,5,6-テトラケトピペラジン(AP)、N,N’-ジプロピル-2,3,5,6-テトラケトピペラジン(PRP)、チオエーテルポリマー、キノン化合物、1,4-ベンゾキノン、5,7,12,14-ペンタセンテトロン(PT)、5-アミノ-2,3-ジヒドロ-1,4-ジヒドロキシアントラキノン(ADDAQ)、5-アミノ-1,4-ジヒドロキシアントラキノン(ADAQ)、カリックスキノン、Li、Li、Li、またはその組み合わせから選択される有機材料またはポリマー材料を含有する。
チオエーテルポリマーは、主鎖チオエーテルポリマーとしてポリ[メタンテトリル-テトラ(チオメチレン)](PMTTM)、ポリ(2,4-ジチオペンタニレン)(PDTP)、またはポリ(エテン-1,1,2,2-テトラチオール)(PETT)から選択されてもよく、該ポリマーにおいて硫黄原子は炭素原子を連結してポリマー骨格を形成させる。側鎖チオエーテルポリマーは、コンジュゲート性芳香族部分からなるポリマー主鎖を有するが、ペンダントとしてチオエーテル側鎖を有する。それらの中で、ポリ(2-フェニル-1,3-ジチオラン)(PPDT)、ポリ(1,4-ジ(1,3-ジチオラン-2-イル)ベンゼン)(PDDTB)、ポリ(テトラヒドロベンゾジチオフェン)(PTHBDT)、およびポリ[1,2,4,5-テトラキス(プロピルチオ)ベンゼン](PTKPTB)はポリフェニレン主鎖を有し、チオランをペンダントとしてのベンゼン部分に連結している。同様に、ポリ[3,4(エチレンジチオ)チオフェン](PEDTT)はポリチオフェン骨格を有し、シクロ-チオランをチオフェン環の3,4位に連結している。
さらに別の好ましい充電式リチウム電池において、カソード活性材料は、銅フタロシアニン、亜鉛フタロシアニン、スズフタロシアニン、鉄フタロシアニン、鉛フタロシアニン、ニッケルフタロシアニン、バナジルフタロシアニン、フルオロクロムフタロシアニン、マグネシウムフタロシアニン、二価マンガンフタロシアニン、ジリチウムフタロシアニン、アルミニウムフタロシアニンクロリド、カドミウムフタロシアニン、クロロガリウムフタロシアニン、コバルトフタロシアニン、銀フタロシアニン、金属フリーフタロシアニン、その化学的誘導体、またはその組み合わせから選択されるフタロシアニン化合物を含有する。このクラスのリチウム二次バッテリーは、高い容量および高いエネルギー密度を有する。再び、その中にLi元素を含有しないカソード活性材料について、最初にカソード側にリチウム供給源が装備されているべきである。
図1(B)に図示されるように、本開示はまた、(a)少なくとも重合可能な液体溶媒を含む、第1の溶液;ならびに(b)開始剤および/または架橋剤、リチウム塩、ならびに第2の非水性液体溶媒(例えば、有機溶媒またはイオン液体溶媒)を含む、第2の溶液を含む、電解質組成物であって、電解質を形成させるために第1の溶液および第2の溶液が混合される前に、第1の溶液および第2の溶液が別々に貯蔵されている、電解質組成物を提供する。第1の液体溶媒は、第2の液体溶媒と比較してより低い引火点(より高い可燃性)、より高い蒸気圧、より高い誘電率、またはリチウム塩のより高い溶解性を有してもよい。さらに、リチウム塩は、第1の溶媒、第2の溶媒、または両方に溶解していてもよい。
本開示は、(図1(A)において図示されるような)充電式リチウム電池を製造する方法であって、(a)カソードを用意すること;(b)アノードを用意すること;(c)カソードおよびアノードを組み合わせてドライ電池を形成させること;ならびに(d)ドライ電池に本開示の電解質組成物を導入(例えば、注入)し、ならびに反応性添加剤を重合および/または架橋させて充電式リチウム電池を製造することを含む、方法をさらに提供する。工程(d)は、そのように所望される場合に、任意の重合していない液体溶媒を部分的にまたは完全に除去することを含んでもよい。
この方法において、工程(a)は、任意の一般的に使用されるカソード製造方法から選択されてもよい。例えば、方法は、(i)カソード活性材料の粒子、伝導性添加剤、任意選択的な樹脂バインダー、任意選択的な固体無機電解質粉末の粒子、および任意選択的な難燃剤を液体媒体(例えば、有機溶媒、例えばNMP)中で混合してスラリーを形成させること;ならびに(ii)カソード集電体(例えば、Alホイル)上にスラリーをコーティングし、および溶媒を除去することを含んでもよい。工程(b)におけるアノードは、類似した方式であるが、アノード活性材料の粒子(例えば、Si、SiO、Sn、SnO、グラファイト、および炭素の粒子)を使用して製造されてもよい。アノードの製造において使用される液体媒体は水または有機溶媒であってもよい。工程(c)は、アノード、多孔性セパレータ、カソードをそれらのそれぞれの集電体と共に組み合わせて、ドライ電池を形成させるための保護用ハウジング中に封入された単位電池を形成させることを伴ってもよい。
図1(C)に図示されるように、本開示はまた、開示される充電式リチウム電池を製造する方法であって、(A)カソード活性材料の粒子、任意選択的な伝導性添加剤(カソードにおいて典型的には要求される)、任意選択的なバインダー(重合および/または架橋で、反応性添加剤は電極において固体粒子を結合させるバインダーとなるため、任意選択的であるが要求されない)、任意選択的な難燃剤、任意選択的な無機固体電解質粉末の粒子、反応性添加剤、ならびにリチウム塩を混合してカソードを形成させることであって、反応性添加剤が、少なくとも1つの重合可能な溶媒および硬化剤または開始剤を含む、形成させること;(B)アノードを用意すること;(C)カソードおよびアノードを組み合わせて電池を形成させること;ならびに(D)工程(C)の前または後に、反応性添加剤を重合および/または架橋させて充電式リチウム電池を製造することを含む、方法を提供する。
工程(A)において、カソード活性材料の粒子、任意選択的な伝導性添加剤、任意選択的なバインダー、任意選択的な難燃剤、リチウム塩、および任意選択的な無機固体電解質粉末の粒子は、スラリーを形成させるために反応性添加剤(少なくとも重合可能な液体溶媒を含有する)中に溶解または分散されてもよい。スラリーは、カソードを形成させるためにカソード集電体(例えば、Alホイル)の主要な表面または両方の主要な表面上に取り付けまたはコーティングされる。
ある特定の実施形態において、工程(B)は、アノード活性材料の粒子、任意選択的な伝導性添加剤(アノード活性材料が炭素またはグラファイト材料である場合には要求されない)、任意選択的なバインダー(重合および/または架橋で、反応性添加剤は電極において固体粒子を結合させるバインダーとなるため、要求されない)、任意選択的な難燃剤、任意選択的な無機固体電解質粉末の粒子、反応性添加剤(カソードにおいて使用されるものと同じまたは異なる反応物)、ならびにリチウム塩を混合してアノードを形成させる手順を含む。
方法は、工程(C)の前または後に、反応性添加剤を重合および/または架橋させて充電式リチウム電池を製造することをさらに含む。
一部の実施形態において、工程(A)は、カソード中に無機固体電解質粉末の粒子を加えることをさらに含む。工程(B)は、アノード中に無機固体電解質粉末の粒子を加えることをさらに含んでもよい。
図1(D)において図示されるのは、開示される充電式リチウム電池を製造する方法である、本開示のさらに別の実施形態である。方法は、(A)カソード活性材料の粒子、任意選択的な伝導性添加剤(カソードにおいて典型的には要求される)、任意選択的なバインダー(反応性添加剤は重合および/または架橋でバインダーとなるため、要求されない)、任意選択的な難燃剤、任意選択的な無機固体電解質粉末の粒子、ならびに反応性添加剤を混合してカソード(好ましくは集電体上に支持された少なくとも1つのカソード活性材料層を含有する)を形成させることであって、反応性添加剤が、少なくとも1つの重合可能な液体溶媒を含む、形成させること;(B)アノードを用意すること;(C)カソード、任意選択的なセパレータ、アノード、および保護用ハウジングを組み合わせて電池を形成させること;ならびに(D)リチウム塩、開始剤または架橋剤、任意選択的な難燃剤(液体状態である場合)および第2の非水性液体溶媒の液体混合物を電池に注入し、ならびに反応性添加剤を重合および/または架橋させて充電式リチウム電池を製造することを含む。これに続いて、任意の重合していない溶媒を部分的にまたは完全に除去する工程が行われてもよい。
リチウムイオン電池の製造のために、工程(B)は、アノード材料の粒子(例えば、Si、SiO、グラファイト、炭素粒子など)、任意選択的な伝導性添加剤、任意選択的なバインダー、任意選択的な難燃剤、任意選択的な無機固体電解質粉末の粒子、および反応性添加剤を混合して、アノード集電体(例えば、Cuホイル)上に支持された少なくとも1つのアノード活性層を形成させることを含んでもよい。
以下の実施例は、主に本開示のベストモードの実施を説明する目的のために提示され、本開示の範囲を限定すると解釈されるべきではない。
実施例1a:その場で重合されるFVCおよびPEGDAを特色とするリチウム金属電池
1つの例において、フッ素化ビニレンカーボネート(FVC)およびポリ(エチレングリコール)ジアクリレート(PEGDA)をアルゴンガスの保護下で、均質な溶液が得られるまで撹拌した。引き続いて、ヘキサフルオロリン酸リチウムを次に加え、上記の溶液中に溶解させて反応性混合溶液を得、反応性混合溶液中でフッ素化ビニレンカーボネート、ポリエチレングリコールジアクリレート、およびヘキサフルオロリン酸リチウムの重量比率はそれぞれ85wt%、10wt%、および5wt%であった。
アノード活性材料としてのリチウム金属ホイル、LiCoOを含むカソード、およびポリフッ化ビニリデンマトリックス中に包埋されたLiLaZr12の粒子から構成される固体状態電解質ベースセパレータ(無機固体電解質/PVDF比=4/6)を含むリチウム金属電池を作った。この電池に次に反応性溶液混合物(全電池重量に基づいて重量で10%)を注入した。40Gyの全線量に達するまで電池に次に電子線を室温で照射した。バッテリー電池中での重合可能な液体溶媒のその場重合が達成された。
実施例1b:
実施例1aに類似した手順に従ったが、重合可能な溶媒は、以下:
Figure 2024504703000037
に与えられるフッ素化ビニルカーボネートであり、これを、電子線照射の補助と共に、開始剤、2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニル-プロパン-1-オン(Ciba DAROCUR-1173)を用いて硬化させた。
実施例1c:
実施例1aに類似した手順に従ったが、重合可能な溶媒は、以下に示される2-(トリフルオロメチル)アクリル酸(融点=52℃)であった:
Figure 2024504703000038
ポリ(エチレングリコール)ジアクリレートを開始剤として使用し、混合を60℃で実行した。
実施例2a:その場で重合されるフェニルビニルスルフィドを特色とするリチウムイオン電池
この実施例において作製されたリチウムイオン電池は、メソカーボンマイクロビーズ(MCMB、China Steel Chemical Co.、Taiwanから供給される人工的なグラファイト)のアノード、NCM-622粒子のカソード、およびセパレータとしての多孔性PE/PP膜を含む。
フェニルビニルスルフィド、CTA(連鎖移動剤;以下に示される)、AIBN(開始剤、1.0%)、および重量で5%のトリフルオロ-メタンスルホン酸リチウム(LiCFSO)を混合し、リチウムイオン電池に注入し、60℃で加熱して、その場で硬化される固体状態電解質を含有するバッテリー電池を得た。
Figure 2024504703000039
実施例2b:その場で重合されるエチルビニルスルホンを特色とするリチウムイオン電池
ビニルスルホン(例えば、エチルビニルスルホン、EVS)、共反応物または硬化剤としてのアクリレート(例えばヘキサンチオール、HA)および/または1-ヘキサンチオール(HT)、ならびに開始剤としてのトリエチルアミン(TEA)のその場での反応を調べた。ヘキサンチオール(HT)、エチルビニルスルホン(EVS)およびヘキシルアクリレート(HA)を1:1:0.1(未反応のHAなし)~1:1:0.3(HAの20%が未反応のまま)のモル比で調製した。チオール反応物および開始剤をトリフルオロ-メタンスルホン酸リチウム(LiCFSO)と共にガラスバイアルに加え、徹底的に混合した。種々の化学量論量のビニルスルホンおよびアクリレートを混合物に加え、それを激しく混合し、次にバッテリー電池に導入してチオール-マイケル付加反応を開始させた。2.0%のTEA開始剤を用いて、反応は約20~40分で完了可能であり、架橋された鎖のネットワークを生成した。三元システムにおけるチオール-マイケル付加反応を介するアクリレートの使用を使用して、チオール-マイケル付加反応により形成される架橋ポリマーネットワークのゲル化挙動を制御した。
この実施例において作製されたリチウムイオン電池は、メソカーボンマイクロビーズ(MCMB、人工的なグラファイト)のアノード、NCM-622粒子のカソード、およびセパレータとしての多孔性PE/PP膜を含む。
実施例2c:その場で重合されるフェニルビニルスルホンを特色とするリチウムイオン電池
この実施例において作製されたリチウムイオン電池は、グラフェン保護されたSi粒子のアノード、NCM-622粒子のカソード、およびセパレータとしての多孔性PE/PP膜を含む。
フェニルビニルスルホン(PVS)は、いくつかのアニオンタイプ開始剤;例えば、n-BuLi、ZnEt2、LiN(CH、およびNaNHを用いて重合され得る。第2の溶媒は、ピリジン、スルホラン、トルエンまたはベンゼンから選択されてもよく、これは重合の前または後に除去されてもよい。
PVS、n-BuLi(1.0%)、LiBF(0.5M)、およびスルホランの混合物を徹底的に混合し、バッテリー電池に注入し、バッテリー電池を30℃で終夜維持してポリマーを硬化させた。
実施例3:ビニルホスホン酸(VPA)およびトリエチレングリコールジメタクリレート(TEGDA)またはアクリル酸(AA)からの準固体および固体状態電解質
ビニルホスホン酸(VPA)を用いるアクリル酸(AA)のフリーラジカル重合は、開始剤として過酸化ベンゾイルを用いて触媒され得る。還流コンデンサーを備えた容器中で、150部のビニルホスホン酸を150部のイソプロパノールに溶解させ、0.75部の過酸化ベンゾイルおよび20部のビス(オキサラト)ホウ酸リチウム(LiBOB)と共に90℃で5時間加熱した。ポリビニルホスホン酸の非常に粘性の透明な溶液が得られた。別々に、類似した反応性混合物に望ましい量(例えば、10~50部)のAAまたはTEGDAをコモノマーとして加えた。リチウム電池の作製のために、ドライ電池に反応物を注入し、続いてイソプロパノールのほとんどを除去した。
別々の実験において、ビニルホスホン酸を>45℃(VPAの融点=36℃)に加熱し、それに過酸化ベンゾイル、LiBOB、および重量で25%のガーネットタイプ固体電解質(LiLaZr12(LLZO)粉末)を加えた。激しく撹拌した後に、結果としてもたらされたペーストをガラス表面にキャストし、90℃で5時間硬化させて、アノード層とカソード層との間に配される固体電解質セパレータを形成させた。リチウムイオン電池のために、天然グラファイトベースアノード、固体電解質セパレータ、およびLiCoOベースカソードを組み合わせた。アノードレスリチウム電池のために、固体電解質セパレータ層をCuホイルとLiCoOベースカソード層との間に装備する。
電気化学測定(CV曲線)を1~100mV/sのスキャン速度で電気化学ワークステーションにおいて実行した。Arbin電気化学ワークステーションを使用して50~500mA/gの電流密度において定電流充電/放電サイクリングにより電池の電気化学的性能を評価した。その場硬化により得られる準固体または固体状態電解質を含有する電池は非常に良好な性能であることを試験結果は指し示す。これらの電池は耐炎性であり、相対的に安全である。
実施例4:リチウム/NCM-532電池(最初に電池はリチウムフリーである)ならびにSiベースアノードおよびNCM-532カソードを含有するリチウムイオン電池中のその場で硬化されるジエチルビニルホスホネートおよびジイソプロピルビニルホスホネートポリマー電解質
ジエチルビニルホスホネートおよびジイソプロピルビニルホスホネートの両方を、LiBFと共に、過酸化物開始剤(ジ-tert-ブチルペルオキシド)により、低分子量の透明なライトイエローのポリマーまで重合させた。典型的な手順において、ジエチルビニルホスホネートまたはジイソプロピルビニルホスホネート(室温で液体)のいずれかにジ-tert-ブチルペルオキシド(重量で0.5~2%)およびLiBF(重量で5~10%)を加えて反応性溶液を形成させる。溶液を45℃に加熱し、ドライバッテリー電池に注入した。バルク重合を2~12時間進行させた。リチウムイオン電池の構築のために、グラフェンコーティングされたSi粒子ベースのアノード、多孔性セパレータ、およびNCM-532ベースカソードを積み重ね、プラスチック/Al積層エンベロープに収容して電池を形成させた。リチウム金属電池の構築のために、Cuホイルアノード集電体、多孔性セパレータ、およびNCM-532ベースカソードを積み重ね、プラスチック/Al積層エンベロープに収容して電池を形成させた。
追加的に、ジエチルビニルホスホネートおよびジイソプロピルビニルホスホネートポリマー電解質の層をガラス表面にキャストし、同等の条件下で重合させた。これらの固体状態電解質のリチウムイオン伝導性を測定した。ジエチルビニルホスホネート由来ポリマーのリチウムイオン伝導性は5.4×10-5S/cm~7.3×10-4S/cmの範囲内であり、ジイソプロピルビニルホスホネートポリマー電解質のリチウムイオン伝導性は6.6×10-5S/cm~8.4×10-4S/cmの範囲内であることが見出された。両方は、高度に耐炎性の固体状態電解質である。
一部の試料において、所望される量(全電極重量に基づいて重量で5%)の難燃剤(例えば別々にデカブロモジフェニルエタン(DBDPE)、臭素化ポリ(2,6-ジメチル-1,4-フェニレンオキシド)(BPPO)、およびメラミン系難燃剤;後者はItalmatch Chemicalsからのもの)を反応物に加えた。
いくつかの試料において、ガーネットタイプ固体電解質(LiLaZr12(LLZO)粉末)をアノードレスリチウムバッテリーにおけるカソード(NCM-532)に加えた。
実施例5:リン酸の環状エステルのその場硬化を介する固体状態電解質
ホスフェートからのポリマーの選択された例として、開始剤としてn-CLi、(CMg、または(i-CAlを使用することにより一般式:-CHCH(R)OP(O)-(OR’)O-のリン酸の5員の環状エステルを高分子量の固体可溶性ポリマーまで重合させた。結果としてもたらされるポリマーは、以下:
Figure 2024504703000040
(式中、RはHであり、R’=CH、C、n-C、i-C;n-C、CClCH、もしくはCであるか、またはRはCHClであり、R’はCである)のような繰り返し単位を有する。ポリマーは典型的にはM=10~10を有する。
代表的な手順において、リチウム塩として開始剤n-CLi(重量で0.5%)および5%のビス(オキサラト)ホウ酸リチウム(LiBOB)を2-アルコキシ-2-オキソ-1,3,2-ジオキサホスホラン(以下の化学式においてR’=H)と混合した:
Figure 2024504703000041
必要な場合、温度または第2の溶媒を使用して反応混合物の粘性を調整してもよい。混合物をバッテリー電池に導入し、アニオン重合を室温(またはより低い温度)で終夜進行させてその場で固体状態電解質を製造した。このシリーズの固体電解質の室温でのリチウムイオン伝導性は2.5×10-5S/cm~1.6×10-3S/cmの範囲内である。
実施例6:ジニトリルモノマーからのその場で硬化されたポリマーを含有するLi金属電池およびLiイオン電池
重合反応においてo-ジクロロベンゼン(o-DCB)中に溶解した開始剤としてのトリフルオロメタンスルホン酸(CFSOH)と共にモノマー溶媒4,4’-(1,4-ブチレンジオキシ)ジベンゾニトリル(BDDN)を使用した。
Figure 2024504703000042
反応は、o-DCB中、窒素下で30分間実行し、[BDDN]=0.125M;および[CFSOH]=0.5Mを有した。BDDNの重合のための典型的な実験手順を以下に例として与える。マグネチックスターラーを備えた20mL試験管中に、2mLのo-DCB中のBDDN(0.25mmol)およびCFSOH(1mmol)を入れた。混合溶液を室温で5分間撹拌し、次にバッテリー電池に注入した。反応は1hで完了した。
Li金属電池(アノード材料としてリチウムホイルを含有する)およびLiイオン電池(アノード活性材料として人工的なグラファイト粒子を含有する)の両方を作製した。両方の電池はカソード活性材料としてNCA粒子を含む。
実施例7:固体充填剤または添加剤としての使用のための固体電解質粉末、リン酸リチウム窒化物化合物(LIPON)の作製
LiPOの粒子(平均粒子サイズ4μm)および尿素を原材料として用意し;各々5gのLiPOおよび尿素を計量し、乳鉢中で混合して原材料組成物を得た。引き続いて、モールド製作機で1cm×1cm×10cmのロッドに原材料組成物をモールド成型し、得られたロッドをガラスチューブに入れ、排気した。ガラスチューブを次に管状炉中での500℃で3時間の加熱に供してリン酸リチウム窒化物化合物(LIPON)を得た。化合物を乳鉢中で粉末形態に粉砕した。これらの粒子を弾性ポリマーマトリックスに加えて、所望されるアノード活性材料またはカソード活性材料と共にそれぞれアノードまたはカソードを作ることができる。
実施例8:固体電解質粉末、Li10GeP12(LGPS)タイプ構造を有するリチウム超イオン伝導体の作製
ボールミーリング装置を使用して出発材料、LiSおよびSiO粉末をミーリング加工して微粒子を得た。これらの出発材料を次に、Ar充填グローブボックス中で適切なモル比のPと共に混合した。混合物を次にステンレス鋼ポットに入れ、高強度ボールミルを使用して90分間ミーリング加工した。試料を次にペレットにプレス加工し、グラファイトのるつぼに入れ、次に炭素コーティングされた石英チューブ中に10Paで密封した。1,000℃の反応温度で5h加熱した後に、チューブを氷水中でクエンチした。得られた固体電解質材料を次に乳鉢中での摩砕に供して、意図される弾性ポリマーマトリックス中に分散された無機固体電解質粒子として後に加えられる粉末試料を形成させた。
実施例9:ガーネットタイプ固体電解質粉末の作製
c-Li6.25Al0.25LaZr12の合成は、改変されたゾル-ゲル合成燃焼方法に基づき、650℃の温度でのか焼後にサブミクロンサイズの粒子を得た(J.van den Broek,S.Afyon and J.L.M.Rupp,Adv.Energy Mater.,2016,6,1600736)。
組成c-Li6.25Al0.25LaZr12の立方体ガーネット粒子の合成のために、化学量論量のLiNO、Al(NO-9HO、La(NO-6(HO)、およびジルコニウム(IV)アセチルアセトネートを70℃の温度で水/エタノール混合物中に溶解させた。か焼および焼結の間の起こり得るLi損失を回避するために、リチウム前駆体を他の前駆体と比べてわずかに過剰な10wt%とした。溶媒を95℃で終夜蒸発させてドライキセロゲルを得、それを乳鉢中で粉砕し、650℃の鉛直管状炉中、一定の合成気流下のアルミナのるつぼ中で15hか焼した。か焼は立方相c-Li6.25Al0.25LaZr12を直接的にもたらし、それをさらなる加工のために乳鉢中で微細な粉末に粉砕した。
(1070℃の水平管状炉中O雰囲気下で10h焼結した)この粉末から作られた約87±3%の相対密度を有するc-Li6.25Al0.25LaZr12固体電解質ペレットは、約0.5×10-3S cm-1のイオン伝導性を呈した(RT)。粉末形態のc-Li6.25Al0.25LaZr12(LLZO)の組成を有するガーネットタイプ固体電解質を、先述のいくつかの電気的な、イオン伝導性ポリマー中に分散させた。
実施例10:ナトリウム超イオン伝導体(NASICON)タイプ固体電解質粉末の作製
八面体6配位Zr部位にアルカリ土類イオンをドーピングすることによりNa3.1Zr1.950.05SiPO12(M=Mg、Ca、Sr、Ba)材料を合成した。用いた手順は2つの逐次的な工程を含む。最初に、アルカリ土類金属酸化物(MO)およびZrOの固体溶液を875rpmで2時間の高エネルギーボールミーリング加工により合成した。次にNASICON Na3.1Zr1.950.05SiPO12構造物を1260℃でのNaCO、Zr1.950.053.95、SiO、およびNHPOの固体状態反応を通じて合成した。
実施例11:第1の液体溶媒としてのその場で重合されるVCまたはFECおよび第2の液体溶媒としてのTEPを特色とするリチウム金属電池
1つの例において、第1の液体溶媒としてのビニレンカーボネート(VC)またはフルオロエチレンカーボネート(FEC)、第2の液体溶媒(難燃剤)としてのTEP、およびポリ(エチレングリコール)ジアクリレート(PEGDA、架橋剤として)をアルゴンガスの保護下で、均質な溶液が得られるまで撹拌した。TEPは以下の化学構造を有する:
Figure 2024504703000043
引き続いて、リチウム塩としてのヘキサフルオロリン酸リチウムを加え、上記の溶液中に溶解させて反応性混合溶液を得、反応性混合溶液中でVCまたはFEC、TEP、ポリエチレングリコールジアクリレート、およびヘキサフルオロリン酸リチウムの重量比率はそれぞれ80wt%、5wt%、10wt%、および5wt%であった。
アノード活性材料としてのリチウム金属ホイル、LiCoOを含むカソード、およびポリフッ化ビニリデンマトリックス中に包埋されたLiLaZr12の粒子から構成される固体状態電解質ベースセパレータ(無機固体電解質/PVDF比=4/6)を含むリチウム金属電池を作った。この電池に次に反応性溶液混合物(全電池重量に基づいて重量で10%)を注入した。40Gyの全線量に達するまで電池に次に電子線を室温で照射した。バッテリー電池中での重合可能な第1の液体溶媒のその場重合が達成され、カソードに浸透してLiCoO粒子の表面を湿潤させ、多孔性セパレータを含浸させ、およびアノード中のリチウム金属と接触する準固体電解質が得られた。
実施例12:重合可能な第1の溶媒としてのVCまたはFECおよび第2の溶媒としての不飽和ホスファゼン
実施例11に類似した手順に従ったが、第2の液体溶媒は、以下の構造を有する不飽和ホスファゼン(UPA)であった:
Figure 2024504703000044
このUPAは、Mason K.Harrup,et al.「Unsaturated phosphazenes as co-solvents for lithium-ion battery electrolytes,」Journal of Power Sources 278(2015)794-801により報告される手順にしたがって合成した。VC/UPAまたはFEC/UPA比は、25/75、50/50、および75/25と変動させた。
実施例13:第1の液体溶媒としてのVCまたはFECおよび第2の液体溶媒としてのトリフルオロ-ホスフェート(TFP)
この研究において、VCまたはFECを第1の液体溶媒として、アゾジイソブチロニトリル(AIBN)を開始剤として、リチウムジフルオロ(オキサレート)ボレート(LiDFOB)をリチウム塩として、およびTFPを第2の難燃性液体溶媒として使用した。TFPは以下の化学構造を有する:
Figure 2024504703000045
それぞれVCおよびFEC中の1.5MのLiDFOB、および0.2wt%のAIBN(VCまたはFECに対して)を含有する溶液を作製した。次に、TFP(TFP/VCまたはTFP/FEC比は10/90~50/50)を溶液に加えて混合電解質溶液を形成させた。電解質溶液を異なるドライバッテリー電池に別々に注入して電解質溶液をアノード中(アノード活性材料;例えば、グラファイト粒子を湿潤させる)、カソード中(カソード活性材料;例えば、NCM-532粒子を湿潤させる)、および多孔性セパレータ層(多孔性PE/PPフィルムまたはエレクトロスピンされたPANナノファイバーの不織布)に浸透させた。バッテリー電池を60℃で24時間および次に80℃でさらに2時間貯蔵して、ポリマー鎖のそれらのマトリックス中にTFPを含有する重合したVCまたは重合したFECを得た。VCの重合スキームを以下に示す(反応スキーム1):
Figure 2024504703000046
恐らくは電池の内側のFECは以下の反応にしたがってVCに天然に変換される可能性があり、結果としてもたらされるVCは以下の反応スキーム2にしたがって重合され得ることが留意され得る:
Figure 2024504703000047
結果的なVCは次に、上記に示される反応スキーム1にしたがって重合される。恐らくは、HFは、サイクリング性能の向上のためにLiアノードまたはグラファイトアノード材料表面上でのLiFリッチ固体電解質インターフェース層の形成を助けることができる。
実施例14:第1の溶媒としてのビニルエチレンサルファイト(VES)および第2の溶媒としてのハイドロフルオロエーテル(HFE)
アルゴンガス雰囲気の保護下で、ビニルエチレンサルファイト(VES)、ハイドロフルオロエーテル(HFE)、およびテトラ(エチレングリコール)ジアクリレートを均一に撹拌して溶液を形成させた。ビストリフルオロメチルスルフィミドリチウムを次に溶液中に溶解させて溶液混合物を得た。この溶液混合物中で、4つの原料成分の重量比率は、VEC(40%)、HFE(20%)、テトラ(エチレングリコール)ジアクリレート(20%)、およびビストリフルオロメチルスルフィミド(10%)であった。
混合溶液を、NCMカソード、グラファイトアノード、および多孔性PE/PP膜を有するリチウムイオン電池に加えた。混合溶液を注入した後に、混合溶液は全電池重量の3%を占めた。20kGyの線量に達するまで電池を50℃で電子線に曝露した。VECは重合および架橋されて固体ポリマーとなったが、HFEは液体のままであった。
実施例15:第2の溶媒TMSの存在下でのその場で重合されるフェニルビニルスルフィド(PVS)(PVS/TMS比=9/1)を特色とするリチウムイオン電池
TMSは以下の化学式を有する:
Figure 2024504703000048
この実施例において作製されたリチウムイオン電池は、メソカーボンマイクロビーズ(MCMB、China Steel Chemical Co.、Taiwanから供給される人工的なグラファイト)のアノード、NCM-622粒子のカソード、およびセパレータとしての多孔性PE/PP膜を含む。
フェニルビニルスルフィド(第1の液体溶媒)、TMS(第2の溶媒)、CTA(連鎖移動剤;以下に示される)、AIBN(開始剤、1.0%)、および重量で5%のトリフルオロ-メタンスルホン酸リチウム(LiCFSO)を混合し、リチウムイオン電池に注入し、60℃で加熱して、その場で硬化されるポリマー電解質を含有するバッテリー電池を得た。
Figure 2024504703000049
実施例16:その場で重合されるフェニルビニルスルホンを特色とするリチウムイオン電池
この実施例において作製されたリチウムイオン電池は、グラフェン保護されたSi粒子のアノード、NCM-622粒子のカソード、およびセパレータとしての多孔性PE/PP膜を含む。
フェニルビニルスルホン(PVS)は、いくつかのアニオンタイプ開始剤;例えば、n-BuLi、ZnEt2、LiN(CH、およびNaNHを用いて重合され得る。第2の溶媒は、ピリジン、スルホラン、トリメチルホスフェート(TMP)、トリフルオロ-ホスフェート(TFP)などから選択されてもよい。トリメチルホスフェートは以下の化学構造を有する:
Figure 2024504703000050
PVS、TFP、n-BuLi(PVSに対して1.0%)、およびLiBF(0.5M)の混合物を徹底的に混合し、バッテリー電池に注入し、バッテリー電池を30℃で終夜維持してポリマーを硬化させた。
実施例17:ビニルホスホン酸(VPA)からの準固体および固体状態電解質
ビニルホスホン酸(VPA)のフリーラジカル重合は、開始剤として過酸化ベンゾイルを用いて触媒され得る。手順において、150部のビニルホスホン酸、0.75部の過酸化ベンゾイル、および20部のビス(オキサラト)ホウ酸リチウム(LiBOB)を150部のイソプロパノールに溶解させた。リチウム電池の作製のために、ドライ電池に反応物を注入し、続いてイソプロパノールのほとんどを除去し、第2の溶媒としてのTFPで置き換えた。電池を次に90℃で5時間加熱して、重量で5%のTFPと混合したポリビニルホスホン酸を形成させた。
別々の実験において、ビニルホスホン酸を>45℃(VPAの融点=36℃)に加熱し、それに過酸化ベンゾイル、LiBOB、および重量で25%のガーネットタイプ固体電解質(LiLaZr12(LLZO)粉末)を加えた。激しく撹拌した後に、結果としてもたらされたペーストをガラス表面にキャストし、90℃で5時間硬化させて、アノード層とカソード層との間に配される固体電解質セパレータを形成させた。リチウムイオン電池のために、天然グラファイトベースアノード、固体電解質セパレータ、およびLiCoOベースカソードを組み合わせた。アノードレスリチウム電池のために、固体電解質セパレータ層をCuホイルとLiCoOベースカソード層との間に装備する。
電気化学測定(CV曲線)を1~100mV/sのスキャン速度で電気化学ワークステーションにおいて実行した。Arbin電気化学ワークステーションを使用して50~500mA/gの電流密度において定電流充電/放電サイクリングにより電池の電気化学的性能を評価した。その場硬化により得られる準固体または固体状態電解質を含有する電池は非常に良好な性能であることを試験結果は指し示す。これらの電池は耐炎性であり、相対的に安全である。
実施例18:リチウム/NCM-532電池(最初に電池はリチウムフリーである)ならびにSiベースアノードおよびNCM-532カソードを含有するリチウムイオン電池中のその場で硬化されるジエチルビニルホスホネートおよびジイソプロピルビニルホスホネートポリマー電解質
ジエチルビニルホスホネートおよびジイソプロピルビニルホスホネートの両方を、LiBFと共に、過酸化物開始剤(ジ-tert-ブチルペルオキシド)により、低分子量の透明なライトイエローのポリマーまで重合させることができる。典型的な手順において、重量で85%のジエチルビニルホスホネートまたはジイソプロピルビニルホスホネート(室温で液体)のいずれかおよび5%の第2の液体溶媒(不飽和ホスファゼン)にジ-tert-ブチルペルオキシド(重量で1%)およびLiBF(重量で9%)を加えて反応性溶液を形成させた。溶液を45℃に加熱し、ドライバッテリー電池に注入した。バッテリー電池の内側でバルク重合を2~12時間進行させた。リチウムイオン電池の構築のために、グラフェンコーティングされたSi粒子ベースのアノード、多孔性セパレータ、およびNCM-532ベースカソードを積み重ね、プラスチック/Al積層エンベロープに収容して電池を形成させた。リチウム金属電池の構築のために、Cuホイルアノード集電体、多孔性セパレータ、およびNCM-532ベースカソードを積み重ね、プラスチック/Al積層エンベロープに収容して電池を形成させた。
追加的に、ジエチルビニルホスホネートおよびジイソプロピルビニルホスホネートポリマー電解質の層をガラス表面にキャストし、同等の条件下で重合させた。これらの固体状態電解質のリチウムイオン伝導性を測定した。第2の溶媒なしでジエチルビニルホスホネート由来ポリマーのリチウムイオン伝導性は5.4×10-5S/cm~7.3×10-4S/cmの範囲内であり、ジイソプロピルビニルホスホネートポリマー電解質のリチウムイオン伝導性は6.6×10-5S/cm~8.4×10-4S/cmの範囲内であることが見出された。両方は、高度に耐炎性の固体状態電解質である。ホスファゼン液体の存在は、リチウムイオン伝導性を3~5倍増加させることが見出された。
いくつかの試料において、ガーネットタイプ固体電解質(LiLaZr12(LLZO)粉末)をアノードレスリチウムバッテリーにおけるカソード(NCM-532)に加えた。
実施例19:リン酸の環状エステルのその場硬化を介する固体状態電解質
ホスフェートからのポリマーの選択された例として、開始剤としてn-CLi、(CMg、または(i-CAlを使用することにより一般式:-CHCH(R)OP(O)-(OR’)O-のリン酸の5員の環状エステルを高分子量の固体可溶性ポリマーまで重合させた。結果としてもたらされるポリマーは、以下:
Figure 2024504703000051
(式中、RはHであり、R’=CH、C、n-C、i-C;n-C、CClCH、もしくはCであるか、またはRはCHClであり、R’はCである)のような繰り返し単位を有する。ポリマーは典型的にはM=10~10を有する。
代表的な手順において、リチウム塩として開始剤n-CLi(重量で0.5%)および5%のビス(オキサラト)ホウ酸リチウム(LiBOB)を2-アルコキシ-2-オキソ-1,3,2-ジオキサホスホラン(以下の化学式においてR’=H)と混合した:
Figure 2024504703000052
以下の構造を有する第2の溶媒、DMMPを使用して反応混合物の粘性を調整した:
Figure 2024504703000053
混合物をバッテリー電池に導入し、アニオン重合を室温(またはより低い温度)で終夜進行させてその場で固体状態電解質を製造した。このシリーズの固体電解質の室温でのリチウムイオン伝導性は2.5×10-5S/cm~1.6×10-3S/cmの範囲内である。
Li金属電池(アノード材料としてリチウムホイルを含有する)およびLiイオン電池(アノード活性材料として人工的なグラファイト粒子を含有する)の両方を作製した。両方の電池はカソード活性材料としてNCA粒子を含む。

Claims (74)

  1. アノード、カソード、ならびに前記アノードおよび前記カソードとイオン流通した準固体または固体状態電解質を含む、充電式リチウムバッテリーであって、前記電解質が、反応性添加剤の重合または架橋生成物であるポリマーを含み、前記反応性添加剤が、少なくとも1つの重合可能な液体溶媒、前記重合可能な液体溶媒中に溶解したリチウム塩、ならびに架橋剤および/または開始剤を含み;
    前記重合可能な液体溶媒が、重合のための不飽和を有するフッ素化モノマー、スルホン、スルフィド、ニトリル、ホスフェート、ホスファイト、ホスホネート、ホスファゼン、スルフェート、シロキサン、シラン、およびその組み合わせからなる群から選択され;ならびに前記重合可能な液体溶媒の重量または体積で少なくとも30%が重合している、
    前記充電式リチウムバッテリー。
  2. 前記リチウム塩が重量で0.1%~30%を占有し、前記重合可能な液体溶媒が重量で1%~90%を占有し、ならびに前記架橋剤および/または開始剤が重量で0.1~50%を占有し、すべてが、組み合わせられた前記リチウム塩、前記架橋剤および/または開始剤、ならびに前記重合可能な液体溶媒の全重量に基づく、請求項1に記載の充電式リチウムバッテリー。
  3. 前記電解質が、20℃で測定された場合に0.001kPaよりも低い蒸気圧、前記重合なしの前記液体溶媒およびリチウム塩単独での蒸気圧の10%よりも低い蒸気圧、前記液体溶媒単独での引火点よりも少なくとも100℃高い引火点、もしくは200℃よりも高い引火点を呈するか、または測定可能な引火点を呈さず、ならびに前記ポリマーが、室温で10-8S/cm~10-2S/cmのリチウムイオン伝導性を有する、請求項1に記載の充電式リチウムバッテリー。
  4. 前記反応性添加剤が、第1の重合可能な液体溶媒および第2の液体溶媒を含み、ならびに前記第2の液体溶媒が、重合可能でないか、または前記第1の重合可能な液体溶媒と比較してより低い程度まで重合される、請求項1に記載の充電式リチウムバッテリー。
  5. 前記第2の液体溶媒が、フッ素化カーボネート、ハイドロフルオロエーテル、フッ素化エステル、スルホン、ニトリル、ホスフェート、ホスファイト、アルキルホスホネート、ホスファゼン、スルフェート、シロキサン、シラン、1,3-ジオキソラン(DOL)、1,2-ジメトキシエタン(DME)、テトラエチレングリコールジメチルエーテル(TEGDME)、ポリ(エチレングリコール)ジメチルエーテル(PEGDME)、ジエチレングリコールジブチルエーテル(DEGDBE)、2-エトキシエチルエーテル(EEE)、スルホン、スルホラン、エチレンカーボネート(EC)、ジメチルカーボネート(DMC)、メチルエチルカーボネート(MEC)、ジエチルカーボネート(DEC)、エチルプロピオネート、メチルプロピオネート、プロピレンカーボネート(PC)、ガンマ-ブチロラクトン(γ-BL)、アセトニトリル(AN)、エチルアセテート(EA)、プロピルホルメート(PF)、メチルホルメート(MF)、トルエン、キシレン、メチルアセテート(MA)、フルオロエチレンカーボネート(FEC)、ビニレンカーボネート(VC)、アリルエチルカーボネート(AEC)、またはその組み合わせから選択される、請求項4に記載の充電式リチウムバッテリー。
  6. 前記フッ素化モノマーが、フッ素化ビニルカーボネート、フッ素化ビニルモノマー、フッ素化エステル、フッ素化ビニルエステル、およびフッ素化ビニルエーテルおよびその組み合わせからなる群から選択される、請求項1に記載の充電式リチウムバッテリー。
  7. 前記スルホンまたはスルフィドが、ビニルスルホン、アリルスルホン、アルキルビニルスルホン、アリールビニルスルホン、ビニルスルフィド、TrMS、MTrMS、TMS、EMS、MMES、EMES、EMEES、またはその組み合わせのビニル含有バリアントから選択される、請求項1に記載の充電式リチウムバッテリー:
    Figure 2024504703000054
  8. 前記ビニルスルホンまたはスルフィドが、エチルビニルスルフィド、アリルメチルスルフィド、フェニルビニルスルフィド、フェニルビニルスルホキシド、アリルフェニルスルホン、アリルメチルスルホン、ジビニルスルホン、またはその組み合わせから選択され、前記ビニルスルホンがメチルエチレンスルホンおよびエチルビニルスルホンを含まない、請求項7に記載の充電式リチウムバッテリー。
  9. 前記ニトリルが、ジニトリルを含むか、またはAND、GLN、SEN、もしくはその組み合わせから選択される、請求項1に記載の充電式リチウムバッテリー:
    Figure 2024504703000055
  10. 前記ホスフェートが、ホスホネート部分を有するアリルタイプ、ビニルタイプ、スチレンタイプおよび(メタ)アクリルタイプモノマーから選択される、請求項1に記載の充電式リチウムバッテリー。
  11. 前記ホスフェート、ホスホネート、ホスホン酸、ホスファゼン、またはホスファイトが、TMP、TEP、TFP、TDP、DPOF、DMMP、DMMEMP、トリス(トリメチルシリル)ホスファイト(TTSPi)、アルキルホスフェート、トリアリルホスフェート(TAP)、その組み合わせから選択され、TMP、TEP、TFP、TDP、DPOF、DMMP、DMMEMP、およびホスファゼンが、以下の化学式:
    Figure 2024504703000056
    Figure 2024504703000057
    (式中、R=H、NH、またはC~Cアルキルである)を有する、
    請求項1に記載の充電式リチウムバッテリー。
  12. 前記シロキサンまたはシランが、アルキルシロキサン(Si-O)、アルキルシラン(Si-C)、液体オリゴマーシロキサン(-Si-O-Si-)、またはその組み合わせから選択される、請求項1に記載の充電式リチウムバッテリー。
  13. 前記反応性添加剤が、N,N-ジメチルアセトアミド、N,N-ジエチルアセトアミド、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジエチルホルムアミド、またはその組み合わせから選択されるアミド基をさらに含む、請求項1に記載の充電式リチウムバッテリー。
  14. 前記架橋剤が、分子中にヒドロキシル基、アミノ基、イミノ基、アミド基、アクリルアミド基、アミン基、アクリル基、アクリルエステル基、またはメルカプト基から選択される少なくとも1つの反応性基を有する化合物を含む、請求項1に記載の充電式リチウムバッテリー。
  15. 前記架橋剤が、ポリ(ジエタノール)ジアクリレート、ポリ(エチレングリコール)ジメタクリレート、ポリ(ジエタノール)ジメチルアクリレート、ポリ(エチレングリコール)ジアクリレート、またはその組み合わせから選択される、請求項1に記載の充電式リチウムバッテリー。
  16. 前記開始剤が、アゾ化合物、アゾビスイソブチロニトリル、アゾビスイソヘプトニトリル、ジメチルアゾビスイソブチレート、ベンゾイルペルオキシド tert-ブチルペルオキシドおよびメチルエチルケトンペルオキシド、過酸化ベンゾイル(BPO)、ビス(4-tert-ブチルシクロヘキシル)ペルオキシジカーボネート、t-アミルペルオキシピバレート、2,2’-アゾビス-(2,4-ジメチルバレロニトリル)、2,2’-アゾビス-(2-メチルブチロニトリル)、1,1-アゾビス(シクロヘキサン-1-カルボニトリル、過酸化ベンゾイル(BPO)、過酸化水素、ドデカノイルペルオキシド、イソブチリルペルオキシド、クメンヒドロペルオキシド、tert-ブチルペルオキシピバレート、ジイソプロピルペルオキシジカーボネート、ヘキサフルオロリン酸リチウム(LiPF)、ホウフッ化リチウム(LiBF)、ヘキサフルオロヒ化リチウム(LiAsF)、トリフルオロ-メタンスルホン酸リチウム(LiCFSO)、ビス-トリフルオロメチルスルホニルイミドリチウム(LiN(CFSO)、ビス(オキサラト)ホウ酸リチウム(LiBOB)、オキサリルジフルオロホウ酸リチウム(LiBF)、オキサリルジフルオロホウ酸リチウム(LiBF)、またはその組み合わせから選択される、請求項1に記載の充電式リチウムバッテリー。
  17. 前記リチウム塩が、過塩素酸リチウム(LiClO)、ヘキサフルオロリン酸リチウム(LiPF)、ホウフッ化リチウム(LiBF)、ヘキサフルオロヒ化リチウム(LiAsF)、トリフルオロ-メタンスルホン酸リチウム(LiCFSO)、ビス-トリフルオロメチルスルホニルイミドリチウム(LiN(CFSO)、ビス(オキサラト)ホウ酸リチウム(LiBOB)、オキサリルジフルオロホウ酸リチウム(LiBF)、硝酸リチウム(LiNO)、Li-フルオロアルキル-ホスフェート(LiPF(CFCF)、リチウムビスパーフルオロ-エチルスルホニルイミド(LiBETI)、リチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、リチウムビス(フルオロスルホニル)イミド、リチウムトリフルオロメタンスルホンイミド(LiTFSI)、イオン液体リチウム塩、またはその組み合わせから選択される、請求項1に記載の充電式リチウム電池。
  18. 前記電解質が、ハロゲン化難燃剤、リン系難燃剤、メラミン難燃剤、金属水酸化物難燃剤、ケイ素系難燃剤、リン酸難燃剤、生体分子難燃剤、またはその組み合わせから選択される難燃性添加剤をさらに含む、請求項1に記載の充電式リチウムバッテリー。
  19. 前記難燃性添加剤が、実質的にリチウムイオン不透過性および液体電解質不透過性のコーティング材料のシェルにより被包された前記添加剤を含む被包された粒子の形態であり、前記シェルが、閾値温度よりも高い温度に曝露された場合に破壊可能である、請求項14に記載の充電式リチウムバッテリー。
  20. 前記ポリマーが、ポリ(エチレンオキシド)、ポリプロピレンオキシド、ポリ(エチレングリコール)、ポリ(アクリロニトリル)、ポリ(メチルメタクリレート)、ポリ(ビニリデンフルオリド)、ポリビス-メトキシエトキシエトキシド-ホスファゼン、ポリビニルクロリド、ポリジメチルシロキサン、ポリ(ビニリデンフルオリド)-ヘキサフルオロプロピレン、シアノエチルポリ(ビニルアルコール)、ペンタエリトリトールテトラアクリレート系ポリマー、脂肪族ポリカーボネート、カルボキシレートアニオン、スルホニルイミドアニオン、もしくはスルホネートアニオンを有する単一Liイオン伝導性固体ポリマー電解質、ポリ(エチレングリコール)ジアクリレート、ポリ(エチレングリコール)メチルエーテルアクリレートの架橋電解質、そのスルホン化誘導体、またはその組み合わせから選択される第2のポリマーとの混合物、コポリマー、半相互貫入ネットワーク、または同時相互貫入ネットワークを形成している、請求項1に記載の充電式リチウムバッテリー。
  21. 前記ポリマーが、2nm~30μmの粒子サイズを有する微細粉末の形態の無機固体電解質材料をさらに含み、無機固体電解質材料の前記粒子が、前記ポリマー中に分散されているか、または前記ポリマーにより化学的に結合されている、請求項1に記載の電解質。
  22. 無機固体電解質材料の前記粒子が、酸化物タイプ、硫化物タイプ、水素化物タイプ、ハロゲン化物タイプ、ホウ酸タイプ、リン酸タイプ、リチウムリン酸窒化物(LiPON)、ガーネットタイプ、リチウム超イオン伝導体(LISICON)タイプ、ナトリウム超イオン伝導体(NASICON)タイプ、またはその組み合わせから選択される、請求項17に記載の電解質。
  23. リチウム金属二次電池、リチウムイオン電池、リチウム硫黄電池、リチウムイオン硫黄電池、リチウムセレン電池、またはリチウム空気電池である、請求項1に記載の充電式リチウム電池。
  24. 前記カソードが、リチウムニッケルマンガン酸化物(LiNiMn2-a、0<a<2)、リチウムニッケルマンガンコバルト酸化物(LiNiMnCo1-n-m、0<n<1、0<m<1、n+m<1)、リチウムニッケルコバルトアルミニウム酸化物(LiNiCoAl1-c-d、0<c<1、0<d<1、c+d<1)、マンガン酸リチウム(LiMn)、リン酸鉄リチウム(LiFePO)、リチウムマンガン酸化物(LiMnO)、リチウムコバルト酸化物(LiCoO)、リチウムニッケルコバルト酸化物(LiNiCo1-p、0<p<1)、またはリチウムニッケルマンガン酸化物(LiNiMn2-q、0<q<2)から選択されるカソード活性材料を含む、請求項1に記載の充電式リチウム電池。
  25. リチウムイオン電池であり、前記アノードが、(a)ケイ素(Si)、ゲルマニウム(Ge)、スズ(Sn)、鉛(Pb)、アンチモン(Sb)、リン(P)、ビスマス(Bi)、亜鉛(Zn)、アルミニウム(Al)、チタン(Ti)、ニッケル(Ni)、コバルト(Co)、およびカドミウム(Cd);(b)他の元素とのSi、Ge、Sn、Pb、Sb、Bi、Zn、Al、Ti、Ni、Co、またはCdの合金または金属間化合物;(c)Si、Ge、Sn、Pb、Sb、Bi、Zn、Al、Ti、Fe、Ni、Co、V、またはCdの酸化物、炭化物、窒化物、硫化物、リン化物、セレン化物、およびテルル化物、ならびにそれらの混合物、複合物、またはリチウム含有複合物;(d)Snの塩および水酸化物;(e)チタン酸リチウム、マンガン酸リチウム、アルミン酸リチウム、ニオブ酸リチウムチタン、リチウム含有チタン酸化物、リチウム遷移金属酸化物、ZnCo;(f)炭素またはグラファイト粒子;(g)そのプレリチウム化されたバージョン;ならびに(h)その組み合わせからなる群から選択されるアノード活性材料を含む、請求項1に記載の充電式リチウム電池。
  26. 前記アノードと前記カソードとの間に配されたセパレータをさらに含み、前記セパレータが前記準固体または固体状態電解質を含む、請求項1に記載の充電式リチウム電池。
  27. 請求項1に記載の充電式リチウム電池を製造する方法であって、
    a.アノード、任意選択的なセパレータ層、カソード、および保護用ハウジングを組み合わせて電池を形成させること;
    b.反応性液体電解質組成物を前記電池に導入することであって、前記反応性液体電解質組成物が、第1の重合可能な液体溶媒、前記第1の重合可能な液体溶媒中に溶解したリチウム塩、架橋剤および/または開始剤を少なくとも含み、ならびに前記重合可能な液体溶媒が、フッ素化カーボネート、ハイドロフルオロエーテル、フッ素化エステル、スルホン、ニトリル、ホスフェート、ホスファイト、アルキルホスホネート、ホスファゼン、スルフェート、シロキサン、シラン、およびその組み合わせからなる群から選択される、前記導入すること;ならびに
    c.前記液体溶媒を部分的にまたは完全に重合させて、前記第1の重合可能な液体溶媒の重量で少なくとも30%が重合している準固体または固体状態電解質を得ること
    を含む、前記方法。
  28. 前記反応性液体電解質組成物が第2の液体溶媒をさらに含み、およびサブプロセス(c)が、前記第2の液体溶媒を重合させないか、または前記第1の重合可能な液体溶媒と比較して異なる程度まで前記第2の液体溶媒を重合させる、請求項27に記載の方法。
  29. 請求項1に記載の充電式リチウム電池を製造する方法であって、
    A)カソード活性材料の粒子、任意選択的な伝導性添加剤、任意選択的なバインダー、反応性添加剤、およびリチウム塩を混合してカソードを形成させることであって、前記反応性添加剤が、第1の重合可能な液体溶媒および架橋剤または開始剤を少なくとも含む、前記形成させること;
    B)アノードを用意すること;
    C)前記カソードおよび前記アノードを組み合わせて電池を形成させること;ならびに
    D)サブプロセス(C)の前または後に、前記第1の重合可能な溶媒を部分的にまたは完全に重合させて、前記第1の液体溶媒の重量で少なくとも30%が重合している前記充電式リチウム電池を製造すること
    を含む、前記方法。
  30. サブプロセス(B)が、アノード活性材料の粒子、任意選択的な伝導性添加剤、任意選択的なバインダー、反応性添加剤、およびリチウム塩を混合してアノードを形成させる手順を含み、前記反応性添加剤が、重合可能な液体溶媒および架橋剤または開始剤を少なくとも含み、ならびに前記方法が、サブプロセス(C)の前または後に、前記反応性添加剤を重合および/または架橋させて前記充電式リチウム電池を製造することをさらに含む、請求項29に記載の方法。
  31. サブプロセス(A)が、前記カソード中または前記アノード中に無機固体電解質粉末の粒子を加えることをさらに含む、請求項29に記載の方法。
  32. 第2の液体溶媒を前記電池に注入するサブプロセス(e)をさらに含む、請求項29に記載の方法。
  33. 充電式リチウム電池を製造する方法であって、
    (A)アノード、任意選択的なセパレータ層、カソード、および保護用ハウジングを組み合わせて電池を形成させること;
    (B)反応性添加剤を前記アノード、前記カソードまたは実質的に前記電池全体に導入することであって、前記反応性添加剤が、少なくとも1つの重合可能な液体溶媒、第2の液体溶媒、ならびに前記第1および/または前記第2の溶媒のための架橋剤または開始剤を含む、前記導入すること;ならびに
    (C)前記反応性添加剤を部分的にまたは完全に重合および/または架橋させて前記充電式リチウム電池を製造することであって、前記第1の液体溶媒および前記第2の溶媒が異なる程度まで重合または架橋される、前記製造すること
    を含む、前記方法。
  34. 重合および/または架橋の前記手順が、熱、紫外光、高エネルギー放射線、またはその組み合わせに前記反応性添加剤を曝露することを含む、請求項27に記載の方法。
  35. 重合および/または架橋の前記手順が、熱、紫外光、高エネルギー放射線、またはその組み合わせに前記反応性添加剤を曝露することを含む、請求項29に記載の方法。
  36. アノード、カソード、ならびに前記アノードおよび前記カソードとイオン流通した準固体または固体状態電解質を含む、充電式リチウムバッテリーであって、前記電解質が、反応性添加剤の重合または架橋生成物であるポリマーを含み、前記反応性添加剤が、(i)重合可能な第1の液体溶媒、(ii)開始剤または硬化剤、(iii)リチウム塩、および(iv)第2の液体溶媒を含み;前記反応性添加剤の全重量に基づいて前記第1の液体溶媒が重量で1%~99%を占有し、および前記第2の溶媒が重量で0.1%~99%を占有し;前記第1の液体溶媒が、前記第2の液体溶媒と比較してより低い引火点、より高い蒸気圧、より高い誘電率、または前記リチウム塩のより高い溶解性を有し、ならびに前記ポリマーが、前記アノードまたは前記カソードのうちの少なくとも1つにおいて存在する、前記充電式リチウムバッテリー。
  37. 前記第1の液体溶媒が、ビニレンカーボネート、エチレンカーボネート、フルオロエチレンカーボネート、ビニルサルファイト、ビニルエチレンサルファイト、ビニルエチレンカーボネート、1,3-プロピルスルトン、1,3-アクリル-スルトン、メチルエチレンスルホン、メチルビニルスルホン、エチルビニルスルホン、メチルメタクリレート、ビニルアセテート、アクリルアミド、1,3-ジオキソラン(DOL)、またはその組み合わせから選択される、請求項36に記載の充電式リチウムバッテリー。
  38. 前記第2の液体溶媒が、フッ素化エーテル、フッ素化エステル、スルホン、スルフィド、ニトリル、スルフェート、シロキサン、シラン、その組み合わせ、ならびにホスフェート、ホスホネート、ホスフィネート、ホスフィン、ホスフィンオキシド、ホスホン酸、亜リン酸、ホスファイト、リン酸、ホスファゼン化合物、その誘導体、およびその組み合わせとの組み合わせからなる群から選択される、請求項36に記載の充電式リチウムバッテリー。
  39. 前記第2の液体溶媒が、有機リン化合物、無機リン化合物、そのハロゲン化誘導体、またはその組み合わせから選択される難燃剤を含む、請求項36に記載の充電式リチウムバッテリー。
  40. 前記有機リン化合物または前記無機リン化合物が、ホスフェート、ホスホネート、ホスホン酸、亜リン酸、ホスファイト、リン酸、ホスフィネート、ホスフィン、ホスフィンオキシド、ホスファゼン化合物、その誘導体、およびその組み合わせからなる群から選択される、請求項39に記載の充電式リチウムバッテリー。
  41. 前記第2の液体溶媒が、ホスフェート、ホスホネート、ホスフィネート、ホスフィン、または
    Figure 2024504703000058
    (式中、R10、R11、およびR12は、アルキル、アリール、ヘテロアルキル、ヘテロアリール、ハロゲン置換されたアルキル、ハロゲン置換されたアリール、ハロゲン置換されたヘテロアルキル、ハロゲン置換されたヘテロアリール、アルコキシ、アリールオキシ、ヘテロアルコキシ、ヘテロアリールオキシ、ハロゲン置換されたアルコキシ、ハロゲン置換されたアリールオキシ、ハロゲン置換されたヘテロアルコキシ、およびハロゲン置換されたヘテロアリールオキシ官能基からなる群から独立して選択される)の構造を有するホスフィンオキシドから選択され、ならびに前記第2の液体溶媒が、4Vよりも低い印加された電位の下で安定である、
    請求項36に記載の充電式リチウムバッテリー。
  42. 前記第2の液体溶媒が、
    Figure 2024504703000059
    (式中、R、R、およびRは、アルキル、アリール、ヘテロアルキル、ヘテロアリール、ハロゲン置換されたアルキル、ハロゲン置換されたアリール、ハロゲン置換されたヘテロアルキル、ハロゲン置換されたヘテロアリール、アルコキシ、アリールオキシ、ヘテロアルコキシ、ヘテロアリールオキシ、ハロゲン置換されたアルコキシ、ハロゲン置換されたアリールオキシ、ハロゲン置換されたヘテロアルコキシ、およびハロゲン置換されたヘテロアリールオキシ官能基からなる群から独立して選択され、R、R、およびRは、少なくとも2つの異なる置換基により表され、ならびにXは、オルガノシリル基またはtert-ブチル基からなる群から選択される)の構造を有するホスホランイミンを含む、
    請求項36に記載の充電式リチウムバッテリー。
  43. 、R、およびRが、アルコキシ基、およびアリールオキシ基からなる群から各々独立して選択される、請求項42に記載の充電式リチウムバッテリー。
  44. 前記リチウム塩が前記反応性添加剤の重量で0.1%~30%を占有し、ならびに前記架橋剤および/または開始剤が重量で0.1~50%を占有する、請求項36に記載の充電式リチウムバッテリー。
  45. 前記電解質が、20℃で測定された場合に0.001kPaよりも低い蒸気圧、前記重合なしの組み合わせられた前記第1の液体溶媒およびリチウム塩単独での蒸気圧の10%よりも低い蒸気圧、前記第1の液体溶媒単独での引火点よりも少なくとも100℃高い引火点、もしくは200℃よりも高い引火点を呈するか、または測定可能な引火点を呈さず、ならびに前記ポリマーが、室温で10-8S/cm~10-2S/cmのリチウムイオン伝導性を有する、請求項36に記載の充電式リチウムバッテリー。
  46. 前記第2の液体溶媒が、重合されないか、または前記第1の液体溶媒と比較してより低い程度まで重合される、請求項36に記載の充電式リチウムバッテリー。
  47. 前記第2の液体溶媒が、フッ素化カーボネート、ハイドロフルオロエーテル、フッ素化エステル、スルホン、ニトリル、ホスフェート、ホスファイト、アルキルホスホネート、ホスファゼン、スルフェート、シロキサン、シラン、1,3-ジオキソラン(DOL)、1,2-ジメトキシエタン(DME)、テトラエチレングリコールジメチルエーテル(TEGDME)、ポリ(エチレングリコール)ジメチルエーテル(PEGDME)、ジエチレングリコールジブチルエーテル(DEGDBE)、2-エトキシエチルエーテル(EEE)、スルホン、スルホラン、ジメチルカーボネート(DMC)、メチルエチルカーボネート(MEC)、エチルプロピオネート、メチルプロピオネート、プロピレンカーボネート(PC)、ガンマ-ブチロラクトン(γ-BL)、アセトニトリル(AN)、エチルアセテート(EA)、プロピルホルメート(PF)、メチルホルメート(MF)、トルエン、キシレン、メチルアセテート(MA)、フルオロエチレンカーボネート(FEC)、アリルエチルカーボネート(AEC)、またはその組み合わせから選択され、前記第2の液体溶媒が前記第1の液体溶媒とは異なる、請求項37に記載の充電式リチウムバッテリー。
  48. 前記第1または前記第2の液体溶媒が、フッ素化ビニルカーボネート、フッ素化ビニルモノマー、フッ素化エステル、フッ素化ビニルエステル、およびフッ素化ビニルエーテルおよびその組み合わせからなる群から選択される、請求項36に記載の充電式リチウムバッテリー。
  49. 前記第1または前記第2の液体溶媒が、ビニルスルホン、アリルスルホン、アルキルビニルスルホン、アリールビニルスルホン、ビニルスルフィド、TrMS、MTrMS、TMS、EMS、MMES、EMES、EMEES、またはその組み合わせから選択されるスルホンまたはスルフィドを含む、請求項36に記載の充電式リチウムバッテリー:
    Figure 2024504703000060
  50. 前記ビニルスルホンまたはスルフィドが、エチルビニルスルフィド、アリルメチルスルフィド、フェニルビニルスルフィド、フェニルビニルスルホキシド、アリルフェニルスルホン、アリルメチルスルホン、ジビニルスルホン、またはその組み合わせから選択され、前記ビニルスルホンがメチルエチレンスルホンおよびエチルビニルスルホンを含まない、請求項49に記載の充電式リチウムバッテリー。
  51. 前記第1または前記第2の液体溶媒が、ニトリル、AND、GLN、もしくはSENから選択されるジニトリル、またはその組み合わせを含む、請求項36に記載の充電式リチウムバッテリー:
    Figure 2024504703000061
  52. 前記第1または前記第2の液体溶媒が、ホスホネート部分を有するアリルタイプ、ビニルタイプ、スチレンタイプおよび(メタ)アクリルタイプモノマーから選択されるホスフェートを含む、請求項36に記載の充電式リチウムバッテリー。
  53. 前記第1または前記第2の液体溶媒が、TMP、TEP、TFP、TDP、DPOF、DMMP、DMMEMP、トリス(トリメチルシリル)ホスファイト(TTSPi)、アルキルホスフェート、トリアリルホスフェート(TAP)、またはその組み合わせから選択されるホスフェート、ホスホネート、ホスホン酸、ホスファゼン、またはホスファイトを含み、TMP、TEP、TFP、TDP、DPOF、DMMP、DMMEMP、およびホスファゼンが、以下の化学式:
    Figure 2024504703000062
    (式中、R=H、NH、またはC~Cアルキルである)を有する、
    請求項36に記載の充電式リチウムバッテリー。
  54. 前記第1または前記第2の液体溶媒が、アルキルシロキサン(Si-O)、アルキルシラン(Si-C)、液体オリゴマーシロキサン(-Si-O-Si-)、またはその組み合わせから選択されるシロキサンまたはシランを含む、請求項36に記載の充電式リチウムバッテリー。
  55. 前記反応性添加剤が、N,N-ジメチルアセトアミド、N,N-ジエチルアセトアミド、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジエチルホルムアミド、またはその組み合わせから選択されるアミド基をさらに含む、請求項36に記載の充電式リチウムバッテリー。
  56. 前記架橋剤が、分子中にヒドロキシル基、アミノ基、イミノ基、アミド基、アクリルアミド基、アミン基、アクリル基、アクリルエステル基、またはメルカプト基から選択される少なくとも1つの反応性基を有する化合物を含む、請求項36に記載の充電式リチウムバッテリー。
  57. 前記架橋剤が、ポリ(ジエタノール)ジアクリレート、ポリ(エチレングリコール)ジメタクリレート、ポリ(ジエタノール)ジメチルアクリレート、ポリ(エチレングリコール)ジアクリレート、またはその組み合わせから選択される、請求項36に記載の充電式リチウムバッテリー。
  58. 前記開始剤が、アゾ化合物、アゾビスイソブチロニトリル、アゾビスイソヘプトニトリル、ジメチルアゾビスイソブチレート、ベンゾイルペルオキシド tert-ブチルペルオキシドおよびメチルエチルケトンペルオキシド、過酸化ベンゾイル(BPO)、ビス(4-tert-ブチルシクロヘキシル)ペルオキシジカーボネート、t-アミルペルオキシピバレート、2,2’-アゾビス-(2,4-ジメチルバレロニトリル)、2,2’-アゾビス-(2-メチルブチロニトリル)、1,1-アゾビス(シクロヘキサン-1-カルボニトリル、過酸化ベンゾイル(BPO)、過酸化水素、ドデカノイルペルオキシド、イソブチリルペルオキシド、クメンヒドロペルオキシド、tert-ブチルペルオキシピバレート、ジイソプロピルペルオキシジカーボネート、ヘキサフルオロリン酸リチウム(LiPF)、ホウフッ化リチウム(LiBF)、ヘキサフルオロヒ化リチウム(LiAsF)、トリフルオロ-メタンスルホン酸リチウム(LiCFSO)、ビス-トリフルオロメチルスルホニルイミドリチウム(LiN(CFSO)、ビス(オキサラト)ホウ酸リチウム(LiBOB)、オキサリルジフルオロホウ酸リチウム(LiBF)、オキサリルジフルオロホウ酸リチウム(LiBF)、またはその組み合わせから選択される、請求項36に記載の充電式リチウム電池。
  59. 前記リチウム塩が、過塩素酸リチウム(LiClO)、ヘキサフルオロリン酸リチウム(LiPF)、ホウフッ化リチウム(LiBF)、ヘキサフルオロヒ化リチウム(LiAsF)、トリフルオロ-メタンスルホン酸リチウム(LiCFSO)、ビス-トリフルオロメチルスルホニルイミドリチウム(LiN(CFSO)、ビス(オキサラト)ホウ酸リチウム(LiBOB)、オキサリルジフルオロホウ酸リチウム(LiBF)、オキサリルジフルオロホウ酸リチウム(LiBF)、硝酸リチウム(LiNO)、Li-フルオロアルキル-ホスフェート(LiPF(CFCF)、リチウムビスパーフルオロ-エチルスルホニルイミド(LiBETI)、リチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、リチウムビス(フルオロスルホニル)イミド、リチウムトリフルオロメタンスルホンイミド(LiTFSI)、イオン液体リチウム塩、またはその組み合わせから選択される、請求項36に記載の充電式リチウム電池。
  60. 前記カソードが、リチウムニッケルマンガン酸化物(LiNiMn2-a、0<a<2)、リチウムニッケルマンガンコバルト酸化物(LiNiMnCo1-n-m、0<n<1、0<m<1、n+m<1)、リチウムニッケルコバルトアルミニウム酸化物(LiNiCoAl1-c-d、0<c<1、0<d<1、c+d<1)、マンガン酸リチウム(LiMn)、リン酸鉄リチウム(LiFePO)、リチウムマンガン酸化物(LiMnO)、リチウムコバルト酸化物(LiCoO)、リチウムニッケルコバルト酸化物(LiNiCo1-p、0<p<1)、またはリチウムニッケルマンガン酸化物(LiNiMn2-q、0<q<2)から選択されるカソード活性材料を含む、請求項36に記載の充電式リチウム電池。
  61. リチウムイオン電池であり、前記アノードが、(a)ケイ素(Si)、ゲルマニウム(Ge)、スズ(Sn)、鉛(Pb)、アンチモン(Sb)、リン(P)、ビスマス(Bi)、亜鉛(Zn)、アルミニウム(Al)、チタン(Ti)、ニッケル(Ni)、コバルト(Co)、およびカドミウム(Cd);(b)他の元素とのSi、Ge、Sn、Pb、Sb、Bi、Zn、Al、Ti、Ni、Co、またはCdの合金または金属間化合物;(c)Si、Ge、Sn、Pb、Sb、Bi、Zn、Al、Ti、Fe、Ni、Co、V、またはCdの酸化物、炭化物、窒化物、硫化物、リン化物、セレン化物、およびテルル化物、ならびにそれらの混合物、複合物、またはリチウム含有複合物;(d)Snの塩および水酸化物;(e)チタン酸リチウム、マンガン酸リチウム、アルミン酸リチウム、ニオブ酸リチウムチタン、リチウム含有チタン酸化物、リチウム遷移金属酸化物、ZnCo;(f)炭素またはグラファイト粒子;(g)そのプレリチウム化されたバージョン;ならびに(h)その組み合わせからなる群から選択されるアノード活性材料を含む、請求項36に記載の充電式リチウム電池。
  62. リチウム金属二次電池、リチウムイオン電池、リチウム硫黄電池、リチウムイオン硫黄電池、リチウムセレン電池、またはリチウム空気電池である、請求項36に記載の充電式リチウム電池。
  63. 前記アノードと前記カソードとの間に配されたセパレータをさらに含み、前記セパレータが前記準固体または固体状態電解質の少なくとも部分を含有する、請求項36に記載の充電式リチウム電池。
  64. (i)重合可能な第1の液体溶媒、(ii)開始剤または硬化剤、(iii)リチウム塩、および(iv)第2の液体溶媒を含む、反応性電解質組成物であって;前記反応性電解質組成物の全重量に基づいて前記第1の液体溶媒が重量で1%~99%を占有し、および前記第2の溶媒が重量で0.1%~99%を占有し、ならびに前記第1の液体溶媒が、前記第2の液体溶媒と比較してより低い引火点、より高い蒸気圧、より高い誘電率、または前記リチウム塩のより高い溶解性を有する、前記反応性電解質組成物。
  65. 前記第1の液体溶媒が、ビニレンカーボネート、エチレンカーボネート、フルオロエチレンカーボネート、ビニルサルファイト、ビニルエチレンサルファイト、ビニルエチレンカーボネート、1,3-プロピルスルトン、1,3-アクリル-スルトン、メチルエチレンスルホン、メチルビニルスルホン、エチルビニルスルホン、メチルメタクリレート、ビニルアセテート、アクリルアミド、1,3-ジオキソラン(DOL)、フッ素化ビニルエステル、フッ素化ビニルエーテル、またはその組み合わせから選択される、請求項64に記載の反応性電解質組成物。
  66. 前記第2の液体溶媒が、フッ素化エーテル、フッ素化エステル、スルホン、スルフィド、ニトリル、スルフェート、シロキサン、シラン、その組み合わせ、ならびにホスフェート、ホスホネート、ホスフィネート、ホスフィン、ホスフィンオキシド、ホスホン酸、亜リン酸、ホスファイト、リン酸、ホスファゼン化合物、その誘導体、およびその組み合わせとの組み合わせからなる群から選択される、請求項64に記載の反応性電解質組成物。
  67. 請求項36に記載の充電式リチウム電池を製造する方法であって、
    a.アノード、カソード、および保護用ハウジングを組み合わせて電池を形成させること;
    b.反応性液体電解質組成物を前記電池に導入することであって、前記反応性液体電解質組成物が、重合可能な第1の液体溶媒、前記第1の液体溶媒中に溶解したリチウム塩、架橋剤および/または開始剤、ならびに第2の液体溶媒を少なくとも含み、前記第1の液体溶媒が前記反応性液体電解質組成物の全重量に基づいて重量で1%~99%を占有し、ならびに前記第1の液体溶媒が、前記第2の液体溶媒と比較してより低い引火点、より高い蒸気圧、より高い誘電率、または前記リチウム塩のより高い溶解性を有する、前記導入すること;ならびに
    c.前記第1の液体溶媒を部分的にまたは完全に重合させて、前記重合可能な第1の液体溶媒の重量で30%~100%が重合している準固体または固体状態電解質を得ること
    を含む、前記方法。
  68. 前記第1の液体溶媒が、ビニレンカーボネート、エチレンカーボネート、ビニルサルファイト、ビニルエチレンサルファイト、ビニルエチレンカーボネート、1,3-プロピルスルトン、1,3-アクリル-スルトン、メチルエチレンスルホン、メチルビニルスルホン、エチルビニルスルホン、メチルメタクリレート、ビニルアセテート、アクリルアミド、1,3-ジオキソラン(DOL)、またはその組み合わせから選択される、請求項67に記載の方法。
  69. 工程(c)が、前記第2の液体溶媒を重合させないか、または前記重合可能な第1の液体溶媒と比較して異なる程度まで前記第2の液体溶媒を重合させる、請求項67に記載の方法。
  70. 充電式リチウム電池を製造する方法であって、
    E)カソード活性材料の粒子、伝導性添加剤、バインダー、および反応性添加剤を混合してカソードを形成させることであって、前記反応性添加剤が、(i)重合可能な第1の液体溶媒、(ii)開始剤または硬化剤、(iii)リチウム塩、および(iv)第2の液体溶媒を含み;前記第1の液体溶媒が前記反応性添加剤の全重量に基づいて重量で1%~99%を占有し、ならびに前記第1の液体溶媒が、前記第2の液体溶媒と比較してより低い引火点、より高い蒸気圧、より高い誘電率、または前記リチウム塩のより高い溶解性を有する、前記形成させること;
    F)アノードを用意すること;
    G)前記カソード、セパレータ、および前記アノードを組み合わせて電池を形成させること;ならびに
    H)工程(C)の前または後に、前記第1の溶媒を部分的にまたは完全に重合させて、前記第1の液体溶媒の重量で少なくとも30%が重合している前記充電式リチウム電池を製造すること
    を含む、前記方法。
  71. 工程(B)が、アノード活性材料の粒子、伝導性添加剤、バインダー、反応性添加剤、およびリチウム塩を混合してアノードを形成させる手順を含み、前記反応性添加剤が、重合可能な液体溶媒、架橋剤または開始剤、および第2の液体溶媒を少なくとも含み、ならびに前記方法が、工程(C)の前または後に、前記反応性添加剤を重合および/または架橋させて前記充電式リチウム電池を製造することをさらに含む、請求項70に記載の方法。
  72. 前記カソード中または前記アノード中に無機固体電解質粉末の粒子を加えることをさらに含む、請求項70に記載の方法。
  73. 重合および/または架橋の前記手順が、熱、紫外光、電子線、高エネルギー放射線、またはその組み合わせに前記反応性添加剤を曝露することを含む、請求項67に記載の方法。
  74. 重合および/または架橋の前記手順が、熱、紫外光、電子線、高エネルギー放射線、またはその組み合わせに前記反応性添加剤を曝露することを含む、請求項70に記載の方法。
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