JP2024504608A - 遺伝子操作rnaを使用した内因性adarの活用による標的化rnaの編集 - Google Patents

遺伝子操作rnaを使用した内因性adarの活用による標的化rnaの編集 Download PDF

Info

Publication number
JP2024504608A
JP2024504608A JP2023542592A JP2023542592A JP2024504608A JP 2024504608 A JP2024504608 A JP 2024504608A JP 2023542592 A JP2023542592 A JP 2023542592A JP 2023542592 A JP2023542592 A JP 2023542592A JP 2024504608 A JP2024504608 A JP 2024504608A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
rna
drna
sequence
target
nucleic acid
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2023542592A
Other languages
English (en)
Inventor
文▲勝▼ 魏
宗裔 伊
良 ▲チゥ▼
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Peking University
Original Assignee
Peking University
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Peking University filed Critical Peking University
Publication of JP2024504608A publication Critical patent/JP2024504608A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12NMICROORGANISMS OR ENZYMES; COMPOSITIONS THEREOF; PROPAGATING, PRESERVING, OR MAINTAINING MICROORGANISMS; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING; CULTURE MEDIA
    • C12N15/00Mutation or genetic engineering; DNA or RNA concerning genetic engineering, vectors, e.g. plasmids, or their isolation, preparation or purification; Use of hosts therefor
    • C12N15/09Recombinant DNA-technology
    • C12N15/10Processes for the isolation, preparation or purification of DNA or RNA
    • C12N15/102Mutagenizing nucleic acids
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K31/00Medicinal preparations containing organic active ingredients
    • A61K31/70Carbohydrates; Sugars; Derivatives thereof
    • A61K31/7088Compounds having three or more nucleosides or nucleotides
    • A61K31/7105Natural ribonucleic acids, i.e. containing only riboses attached to adenine, guanine, cytosine or uracil and having 3'-5' phosphodiester links
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12NMICROORGANISMS OR ENZYMES; COMPOSITIONS THEREOF; PROPAGATING, PRESERVING, OR MAINTAINING MICROORGANISMS; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING; CULTURE MEDIA
    • C12N15/00Mutation or genetic engineering; DNA or RNA concerning genetic engineering, vectors, e.g. plasmids, or their isolation, preparation or purification; Use of hosts therefor
    • C12N15/09Recombinant DNA-technology
    • C12N15/11DNA or RNA fragments; Modified forms thereof; Non-coding nucleic acids having a biological activity
    • C12N15/113Non-coding nucleic acids modulating the expression of genes, e.g. antisense oligonucleotides; Antisense DNA or RNA; Triplex- forming oligonucleotides; Catalytic nucleic acids, e.g. ribozymes; Nucleic acids used in co-suppression or gene silencing
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12NMICROORGANISMS OR ENZYMES; COMPOSITIONS THEREOF; PROPAGATING, PRESERVING, OR MAINTAINING MICROORGANISMS; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING; CULTURE MEDIA
    • C12N2310/00Structure or type of the nucleic acid
    • C12N2310/10Type of nucleic acid
    • C12N2310/20Type of nucleic acid involving clustered regularly interspaced short palindromic repeats [CRISPRs]
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12NMICROORGANISMS OR ENZYMES; COMPOSITIONS THEREOF; PROPAGATING, PRESERVING, OR MAINTAINING MICROORGANISMS; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING; CULTURE MEDIA
    • C12N2740/00Reverse transcribing RNA viruses
    • C12N2740/00011Details
    • C12N2740/10011Retroviridae
    • C12N2740/16011Human Immunodeficiency Virus, HIV
    • C12N2740/16041Use of virus, viral particle or viral elements as a vector
    • C12N2740/16043Use of virus, viral particle or viral elements as a vector viral genome or elements thereof as genetic vector
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12YENZYMES
    • C12Y305/00Hydrolases acting on carbon-nitrogen bonds, other than peptide bonds (3.5)
    • C12Y305/04Hydrolases acting on carbon-nitrogen bonds, other than peptide bonds (3.5) in cyclic amidines (3.5.4)
    • C12Y305/04004Adenosine deaminase (3.5.4.4)

Abstract

本願は、デアミナーゼリクルートRNAを宿主細胞に導入して標的RNA中のアデノシンを脱アミノ化することによりRNAを編集する方法を提供する。本願は、前記RNA編集方法に使用されるデアミナーゼリクルートRNA、それを含む組成物、及びキットをさらに提供する。【選択図】なし

Description

ASCIIテキストファイルでの配列表の提出
ASCIIテキストファイルで提出された以下の内容は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる:配列表のコンピュータ可読形式(CRF)(ファイル名:FE00330PCTR-prj_ST25.txt、記録日:2021年1月12日、サイズ:18KB)。
本開示は、一般的に、アデノシンデアミナーゼをリクルートして標的RNA中の1種又は複数種のアデノシンを脱アミノ化することができる遺伝子操作RNAを使用してRNAを編集するための方法及び組成物に関する。
ゲノム編集は、生物医学の研究や病気の治療法の開発のための有力なツールである。(ジンクフィンガーヌクレアーゼ(ZFN)、転写活性化因子様エフェクターヌクレアーゼ(TALEN)、CRISPR系のCasタンパク質など)の操作されたヌクレアーゼを用いた編集技術は、無数の生体のゲノム操作に応用されている。最近では、RNAに作用するアデノシンデアミナーゼ(ADAR)などのデアミナーゼタンパク質を用いて、RNA編集用の新しいツールが開発されている。哺乳動物細胞には、Adar1(p110とp150の2種類のアイソフォーム)、Adar2、Adar3(触媒活性なし)の3種類のADARタンパク質がある。ADARタンパク質の触媒基質は二本鎖RNAであり、ADARはアデノシン(A)核酸塩基から-NH2基を除去し、Aをイノシン(I)に変えることができる。(I)はグアノシン(G)として認識され、その後の細胞転写および翻訳の間にシチジン(C)と対になる。標的RNA編集を実現するために、ADARタンパク質又はその触媒ドメインをλ Nペプチド、SNAP-タグ又はCasタンパク質(dCas13b)と融合させ、そしてガイドRNAを設計してキメラADARタンパク質を標的部位にリクルートする。代わりに、ADAR1またはADAR2タンパク質をR/Gモチーフを持つガイドRNAとともに過剰発現させると、標的化RNA編集が可能になることも報告されている。
ただし、現在利用可能なADAR媒介RNA編集技術には一定の限界がある。例えば、遺伝子治療のための最も効果的なインビボ送達はウイルスベクターを介するが、非常に望ましいアデノ随伴ウイルス(AAV)ベクターがカーゴサイズ(約4.5kb)に制限されており、タンパク質とガイドRNAの両方を保持するのが困難である。さらに、ADAR1の過剰発現は、RNA上の異常なハイパー編集により多発性骨髄腫に発がん性を与え、大幅なグローバルなオフターゲット編集を生成することが最近報告されている。さらに、非ヒト由来のタンパク質またはそのドメインの異所性発現は、免疫原性を引き起こす潜在的なリスクを有する。さらに、既存の適応性免疫およびp53媒介DNA損傷応答は、治療タンパク質(Cas9など)の有効性を損なう可能性がある。
本願は、ADARリクルートRNA(「dRNA」又は「arRNA」)を使用してRNAを編集するための方法を提供し、これらのADARリクルートRNAは、RNAに作用する内因性アデノシンデアミナーゼ(「ADAR」)タンパク質を利用してRNA編集を行うことができる。本明細書では、これらの方法に用いられる遺伝子操作dRNA又は遺伝子操作dRNAをコードする核酸を含む構築物、並びに、これらを含む組成物及びキットも提供される。本明細書では、個体の疾患又は障害を治療又は予防するための方法であって、個体の細胞において疾患又は障害に関連する標的RNAを編集することを含む方法も提供される。
一態様では、本明細書は、宿主細胞内で標的RNAを編集するための方法であって、デアミナーゼリクルートRNA(dRNA)又はdRNAをコードする核酸を含む構築物を宿主細胞に導入することを含み、
(1)dRNAは、標的RNAに少なくとも部分的に相補的な標的化RNA配列を含み、
(2)dRNAは、RNAに作用するアデノシンデアミナーゼ(ADAR)をリクルート可能であり、及び
(3)dRNAは、環状RNAであるか、又は宿主細胞内で環状RNAを形成可能である、方法を提供する。
いくつかの実施形態では、dRNAは、宿主細胞内で環状RNAを形成可能な線状RNAである。いくつかの実施形態では、dRNAは、3’ライゲーション配列及び5’ライゲーション配列をさらに含む。いくつかの実施形態では、3’ライゲーション配列及び5’ライゲーション配列は、互いに少なくとも部分的に相補的である。いくつかの実施形態では、3’ライゲーション配列及び5’ライゲーション配列の長さは、約20~約75ヌクレオチドである。いくつかの実施形態では、dRNAは、RNAリガーゼによって環状化される。いくつかの実施形態では、RNAリガーゼはRNAリガーゼRtcBである。いくつかの実施形態では、RNAリガーゼRtcBは、宿主細胞内で内因的に発現される。いくつかの実施形態では、dRNAは環状RNAである。
いくつかの実施形態では、該方法は、dRNAをコードする核酸を含む構築物を宿主細胞に導入することを含む。いくつかの実施形態では、構築物は、dRNAをコードする核酸の3’末端に連結された3’ツイスターリボザイム配列と、dRNAをコードする核酸の5’末端に連結された5’ツイスターリボザイム配列と、をさらに含む。いくつかの実施形態では、3’ツイスター配列はツイスターP3 U2Aであり、5’ツイスター配列はツイスターP1である。いくつかの実施形態では、5’ツイスター配列はツイスターP3 U2Aであり、3’ツイスター配列はツイスターP1である。
いくつかの実施形態では、dRNAは環状RNAであり、該方法は、インビトロで線状RNAを使用して環状RNAを形成することをさらに含む。
いくつかの実施形態では、dRNAは、線状RNAを使用して、5’触媒グループIイントロンフラグメント及び3’触媒グループIイントロンフラグメントを含むグループIイントロンの自己触媒によってインビトロで形成される環状RNAである。いくつかの実施形態では、線状RNAは、3’触媒グループIイントロンフラグメントによって認識可能な3’エクソン配列の5’末端に隣接する3’触媒グループIイントロンフラグメントと、5’触媒グループIイントロンフラグメントによって認識可能な5’エクソン配列の3’末端に隣接する5’触媒グループIイントロンフラグメントと、を含む。いくつかの実施形態では、線状RNAは、3’触媒グループIイントロンフラグメントの5’末端に隣接する5’相同配列と、5’触媒グループIイントロンフラグメントの3’末端に隣接する3’相同配列と、をさらに含む。いくつかの実施形態では、前記環状RNAの形成は、(a)5’触媒グループIイントロンフラグメント及び3’触媒グループIイントロンフラグメントの自己触媒を活性化する条件を線状RNAに曝して環状化RNA産物を提供することと、(b)環状化RNA産物を単離することにより、環状RNAを提供することと、を含む。
いくつかの実施形態では、dRNAは、リガーゼによってインビトロで線状RNAを使用して形成される環状RNAである。いくつかの実施形態では、リガーゼは、T4 DNAリガーゼ(T4 Dnl)、T4RNAリガーゼ1(T4 Rnl1)、及びT4RNAリガーゼ2(T4 Rnl2)から選択される。いくつかの実施形態では、線状RNAは、環状RNAをコードする核酸配列の5’末端に5’ライゲーション配列を含み、環状RNAをコードする核酸配列の3’末端に3’ライゲーション配列を含み、5’ライゲーション配列及び3’ライゲーション配列は、リガーゼによって互いに連結されてもよい。いくつかの実施形態では、前記環状RNAの形成は、(a)線状RNAを一本鎖アダプター核酸と接触させることであって、一本鎖アダプター核酸は、5’末端から3’末端まで、3’ライゲーション配列に相補的な第1配列と5’ライゲーション配列に相補的な第2配列とを含み、5’ライゲーション配列及び3’ライゲーション配列は一本鎖アダプター核酸とハイブリダイズして、5’ライゲーション配列の3’末端と3’ライゲーション配列の5’末端との間の一本鎖切断を含む二本鎖核酸中間体を提供する、ことと、(b)5’ライゲーション配列と3’ライゲーション配列のライゲーションを可能にする条件下で、中間体をRNAリガーゼと接触させて、環状化RNA産物を提供することと、(c)環状化RNA産物を単離することにより、環状RNAを提供することと、を含む。いくつかの実施形態では、前記環状RNAの形成は、(a)5’ライゲーション配列と3’ライゲーション配列のライゲーションを可能にする条件下で、線状RNAをRNAリガーゼと接触させて、環状化RNA産物を提供することと、(b)環状化RNA産物を単離することにより、環状RNAを提供することと、を含む。
いくつかの実施形態では、該方法は、インビトロで線状RNAを使用して環状RNAを形成することを含み、該方法は、線状RNAをコードする核酸配列を含む核酸構築物をインビトロで転写することによって線状RNAを得ることをさらに含む。いくつかの実施形態では、該方法は、環状RNAを精製することをさらに含む。
別の態様では、本明細書は、宿主細胞内で標的RNAを編集するための方法であって、デアミナーゼリクルートRNA(dRNA)又はdRNAをコードする核酸を含む構築物を宿主細胞に導入することを含み、dRNAは、
(1)標的RNAに少なくとも部分的に相補的な標的化RNA配列、及び
(2)標的化RNA配列の3’及び/又は5’末端に連結された核小体低分子RNA(snoRNA)配列を含み、
dRNAは、RNAに作用するアデノシンデアミナーゼ(ADAR)をリクルートすることができる、方法を提供する。
いくつかの実施形態では、dRNAは、標的化RNA配列の5’末端に連結されたsnoRNA配列(「5’ snoRNA配列」)を含む。いくつかの実施形態では、dRNAは、標的化RNA配列の3’末端に連結されたsnoRNA配列(「3’ snoRNA配列」)を含む。いくつかの実施形態では、snoRNA配列の長さは、少なくとも約70ヌクレオチドである。いくつかの実施形態では、3’ snoRNA配列は、SEQ ID NO:1の核酸配列からなる。いくつかの実施形態では、5’ snoRNA配列は、SEQ ID NO:2の核酸配列からなる。いくつかの実施形態では、snoRNA配列はC/D Box snoRNA配列である。いくつかの実施形態では、snoRNA配列は、H/ACA Box snoRNA配列である。いくつかの実施形態では、snoRNA配列は、複合C/D BoxとH/ACA Box snoRNA配列である。いくつかの実施形態では、snoRNA配列は、オーファンsnoRNA配列である。いくつかの実施形態では、該方法は、dRNAをコードする核酸を含む構築物を宿主細胞に導入することを含む。いくつかの実施形態では、構築物は、dRNAをコードする核酸に作動可能に連結されたプロモーターをさらに含む。いくつかの実施形態では、プロモーターは、ポリメラーゼIIプロモーター(「Pol IIプロモーター」)である。いくつかの実施形態では、構築物は、ウイルスベクター又はプラスミドである。いくつかの実施形態では、構築物は、AAVベクターである。
別の態様では、本明細書は、宿主細胞内で標的RNAを編集するための方法であって、デアミナーゼリクルートRNA(dRNA)をコードする核酸を含む構築物を宿主細胞に導入することを含み、
(1)dRNAは、標的RNAに少なくとも部分的に相補的な標的化RNA配列を含み、
(2)dRNAは、RNAに作用するアデノシンデアミナーゼ(ADAR)をリクルートすることができ、及び
(3)構築物は、dRNAをコードする核酸に作動可能に連結されたポリメラーゼIIプロモーター(「Pol IIプロモーター」)を含む、方法を提供する。
いくつかの実施形態では、pol IIプロモーターはCMVプロモーターである。いくつかの実施形態では、CMVプロモーターは、SEQ ID NO:3の核酸配列からなる。
以下の実施形態は上記の3つの態様のいずれにも適用できる。いくつかの実施形態では、構築物は、ウイルスベクター又はプラスミドである。いくつかの実施形態では、構築物はAAVベクターである。いくつかの実施形態では、ADARは宿主細胞に内因的に発現される。いくつかの実施形態では、宿主細胞はT細胞である。いくつかの実施形態では、標的化RNA配列の長さは50ヌクレオチドを超える。いくつかの実施形態では、標的化RNA配列の長さは約100~約180ヌクレオチドである。いくつかの実施形態では、標的化RNA配列の長さは約100~約150ヌクレオチドである。いくつかの実施形態では、標的化RNA配列は、標的RNA中の標的アデノシンに直接対向するシチジン、アデノシン又はウリジンを含む。いくつかの実施形態では、標的化RNA配列は、標的RNA中の標的アデノシンに直接対向するシチジンミスマッチを含む。いくつかの実施形態では、シチジンミスマッチは、標的化RNA配列の3’末端から少なくとも20ヌクレオチド離れる位置、及び標的化RNA配列の5’末端から少なくとも5ヌクレオチド離れる位置にある。いくつかの実施形態では、標的化RNA配列は、それぞれが標的RNA中の非標的アデノシンに対向する1つ又は複数のグアノシンを含む。いくつかの実施形態では、標的化RNA配列は、標的RNA中の非標的アデノシンに対向する2つ以上の連続したミスマッチヌクレオチドを含む。
いくつかの実施形態では、標的RNA中の標的アデノシンの5’最近傍は、U、C、A、及びGから選択されるヌクレオチドであり、好ましくはU>C≒A>Gであり、標的RNA中の標的アデノシンの3’最近傍は、G、C、A、及びUから選択されるヌクレオチドであり、好ましくはG>C>A≒Uである。いくつかの実施形態では、標的アデノシンは、標的RNA中のUAG、UAC、UAA、UAU、CAG、CAC、CAA、CAU、AAG、AAC、AAA、AAU、GAG、GAC、GAA、及びGAUから選択される3塩基モチーフ内にある。いくつかの実施形態では、3塩基モチーフはUAGであり、標的化RNAは、3塩基モチーフ内のウリジンに直接対向するA、標的アデノシンに直接対向するシチジン、及び3塩基モチーフ内のグアノシンに直接対向するシチジン、グアノシン又はウリジンを含む。いくつかの実施形態では、標的RNAは、プレメッセンジャーRNA、メッセンジャーRNA、リボソームRNA、トランスファーRNA、長鎖ノンコーディングRNA、及び低分子RNAから選択されるRNAである。いくつかの実施形態では、標的RNAは、プレメッセンジャーRNAである。
いくつかの実施形態では、該方法は、ADAR3阻害剤を宿主細胞に導入することをさらに含む。いくつかの実施形態では、該方法は、インターフェロン刺激剤を宿主細胞に導入することをさらに含む。いくつかの実施形態では、該方法は、それぞれが異なる標的RNAを標的化する複数のdRNA又は構築物を導入することを含む。いくつかの実施形態では、該方法は、ADAR(例えば、外因性ADAR)を宿主細胞に導入することをさらに含む。いくつかの実施形態では、標的RNAの編集効率が少なくとも40%である。いくつかの実施形態では、構築物又はdRNA免疫応答を誘導しない。いくつかの実施形態では、ADARはE1008変異を含むADAR1である。
いくつかの実施形態では、標的RNA中の標的アデノシンの脱アミノ化は、標的RNA中のミスセンス変異、早期終止コドン、異常スプライシング若しくは選択的スプライシング、又は標的RNA中のミスセンス変異、早期終止コドン、異常スプライシング若しくは選択的スプライシングの逆転を生じさせる。いくつかの実施形態では、標的RNA中の標的アデノシンの脱アミノ化は、標的RNAによってコードされるタンパク質的点変異、トゥランケイション、伸長及び/又はミスフォールディング、あるいは標的RNA中のミスセンス変異、早期終止コドン、異常スプライシング若しくは選択的スプライシングの逆転による機能的な、完全長の、正しくフォールディングされた及び/又は野生型タンパク質を生じさせる。いくつかの実施形態では、宿主細胞は真核細胞である。いくつかの実施形態では、宿主細胞は哺乳動物細胞である。いくつかの実施形態では、宿主細胞はヒト又はマウス細胞である。本明細書は、上記の3つの態様によるいずれかの方法によって産生される編集RNA又は編集RNAを有する宿主細胞をさらに提供する。
別の態様では、本明細書は、個体の疾患又は障害を治療又は予防するための方法であって、上記で提供される方法のいずれかによって個体の細胞内で疾患又は障害に関連する標的RNAを編集することを含む、方法を提供する。いくつかの実施形態では、疾患又は障害は、遺伝性の遺伝性疾患又は1種又は複数種の後天的遺伝子変異に関連する疾患又は障害である。いくつかの実施形態では、標的RNAは、GからAへの変異を持つ。いくつかの実施形態では、疾患又は障害は、単一遺伝子疾患又は障害である。いくつかの実施形態では、疾患又は障害は、多遺伝子性の疾患又は障害である。
いくつかの実施形態では、標的RNAはTP53であり、疾患又は障害は癌である。いくつかの実施形態では、標的RNAはIDUAであり、疾患又は障害はムコ多糖症I型(MPS I)である。いくつかの実施形態では、標的RNAはCOL3A1であり、疾患又は障害はエーラス・ダンロス症候群である。いくつかの実施形態では、標的RNAはBMPR2であり、疾患又は障害はジュベール症候群である。いくつかの実施形態では、標的RNAはFANCCであり、疾患又は障害はファンコニ貧血である。いくつかの実施形態では、標的RNAはMYBPC3であり、疾患又は障害は、原発性家族性肥大型心筋症である。いくつかの実施形態では、標的RNAはIL2RGであり、疾患又は障害は、X 連鎖重度複合免疫不全症である。
別の態様では、本明細書は、宿主細胞内で標的RNAを編集するためのデアミナーゼリクルートRNA(dRNA)であって、標的RNAに少なくとも部分的に相補的な標的化RNA配列を含み、dRNAは、RNAに作用するアデノシンデアミナーゼ(ADAR)をリクルートすることができ、dRNAは、環状であるか、又は宿主細胞内で環状RNAを形成可能である、デアミナーゼリクルートRNA(dRNA)を提供する。いくつかの実施形態では、dRNAは、環状RNAを形成可能である線状RNAである。いくつかの実施形態では、dRNAは、3’ライゲーション配列及び5’ライゲーション配列をさらに含む。いくつかの実施形態では、3’ライゲーション配列及び5’ライゲーション配列は、互いに少なくとも部分的に相補的である。いくつかの実施形態では、3’ライゲーション配列及び5’ライゲーション配列の長さは約20~約75ヌクレオチドである。
いくつかの実施形態では、dRNAは環状RNAである。いくつかの実施形態では、dRNAは、インビトロで線状RNAにより形成される環状RNAである。いくつかの実施形態では、dRNAは、宿主細胞内で環状RNAを形成可能である線状RNAである。いくつかの実施形態では、dRNAは、5’触媒グループIイントロンフラグメント及び3’触媒グループIイントロンフラグメントを含むグループIイントロンの自己触媒によって線状RNAを環状化することにより形成される環状RNAである。いくつかの実施形態では、線状RNAは、3’触媒グループIイントロンフラグメントによって認識可能な3’エクソン配列の5’末端に隣接する3’触媒グループIイントロンフラグメントと、5’触媒グループIイントロンフラグメントによって認識可能な5’エクソン配列の3’末端に隣接する5’触媒グループIイントロンフラグメントと、を含む。いくつかの実施形態では、線状RNAは、3’触媒グループIイントロンフラグメントの5’末端に隣接する5’相同配列と、5’触媒グループIイントロンフラグメントの3’末端に隣接する3’相同配列と、をさらに含む。いくつかの実施形態では、線状RNAはリガーゼによって環状化される。いくつかの実施形態では、リガーゼは、T4 DNAリガーゼ(T4 Dnl)、T4RNAリガーゼ1(T4 Rnl1)、及びT4RNAリガーゼ2(T4 Rnl2)から選択される。いくつかの実施形態では、線状RNAは、環状dRNAをコードする核酸配列の5’末端に5’ライゲーション配列を含み、環状dRNAをコードする核酸配列の3’末端に3’ライゲーション配列を含み、5’ライゲーション配列及び3’ライゲーション配列は、RNAリガーゼによって互いに連結されてもよい。
いくつかの実施形態では、標的RNAは、プレメッセンジャーRNA、メッセンジャーRNA、リボソームRNA、トランスファーRNA、長鎖ノンコーディングRNA、及び低分子RNAから選択されるRNAである。
本態様に記載の環状dRNAを形成可能である線状RNAも提供される。本明細書は、宿主細胞内で標的RNAを編集するためのキットであって、本態様に記載の線状dRNAを含む、キットをさらに提供する。
本明細書は、本態様に記載のdRNAをコードする核酸を含む構築物をさらに提供する。いくつかの実施形態では、構築物は、dRNAをコードする核酸の3’末端に連結された3’ツイスターリボザイム配列と、dRNAをコードする核酸の5’末端に連結された5’ツイスターリボザイム配列と、をさらに含む。いくつかの実施形態では、3’ツイスター配列はツイスターP3 U2Aであり、5’ツイスター配列はツイスターP1である。いくつかの実施形態では、5’ツイスター配列はツイスターP3 U2Aであり、3’ツイスター配列はツイスターP1である。本明細書は、本態様に記載の構築物又はdRNAを含む宿主細胞をさらに提供する。本明細書は、宿主細胞内で標的RNAを編集するためのキットであって、本態様に記載の構築物又はdRNAを含む、キットをさらに提供する。
別の態様では、本明細書は、標的RNAを編集するためのデアミナーゼリクルートRNA(dRNA)であって、
(1)標的RNAに少なくとも部分的に相補的な標的化RNA配列、及び
(2)標的化RNA配列の3’及び/又は5’末端にある核小体低分子RNA(snoRNA)配列を含み、
dRNAは、RNAに作用するアデノシンデアミナーゼ(ADAR)をリクルートすることができる、デアミナーゼリクルートRNA(dRNA)をさらに提供する。
いくつかの実施形態では、dRNAは、標的化RNA配列の5’末端に連結されたsnoRNA配列(「5’ snoRNA配列」)を含む。いくつかの実施形態では、dRNAは、標的化RNA配列の3’末端に連結されたsnoRNA配列(「3’ snoRNA配列」)を含む。いくつかの実施形態では、snoRNA配列の長さは、少なくとも約70ヌクレオチドである。いくつかの実施形態では、3’ snoRNA配列は、SEQ ID NO:1の核酸配列を含む。いくつかの実施形態では、5’ snoRNA配列は、SEQ ID NO:2の核酸配列を含む。いくつかの実施形態では、snoRNA配列は、C/D Box snoRNA配列である。いくつかの実施形態では、snoRNA配列は、H/ACA Box snoRNA配列である。いくつかの実施形態では、snoRNA配列は、複合C/D BoxとH/ACA Box snoRNA配列である。いくつかの実施形態では、snoRNA配列は、オーファンsnoRNA配列である。本明細書は、本態様に記載のdRNAをコードする核酸を含む構築物をさらに提供する。いくつかの実施形態では、構築物は、dRNAをコードする核酸に作動可能に連結されたプロモーターをさらに含む。いくつかの実施形態では、プロモーターは、ポリメラーゼIIプロモーター(「Pol IIプロモーター」)である。いくつかの実施形態では、標的RNAは、プレメッセンジャーRNA、メッセンジャーRNA、リボソームRNA、トランスファーRNA、長鎖ノンコーディングRNA、及び低分子RNAから選択されるRNAである。本明細書は、本態様に記載の構築物又はdRNAを含む宿主細胞をさらに提供する。本明細書は、宿主細胞内で標的RNAを編集するためのキットであって、本態様に記載の構築物又はdRNAを含む、キットをさらに提供する。
別の態様では、本明細書は、宿主細胞に入るデアミナーゼリクルートRNA(dRNA)をコードする核酸を含む構築物であって、
(1)dRNAは、標的RNAに少なくとも部分的に相補的な標的化RNA配列を含み、
(2)dRNAは、RNAに作用するアデノシンデアミナーゼ(ADAR)をリクルート可能であり、
(3)構築物は、dRNAをコードする核酸に作動可能に連結されたポリメラーゼIIプロモーター(「Pol IIプロモーター」)を含む、構築物を提供する。
いくつかの実施形態では、pol IIプロモーターはCMVプロモーターである。いくつかの実施形態では、CMVプロモーターはSEQ ID NO:3の核酸配列からなる。いくつかの実施形態では、構築物は、ウイルスベクター又はプラスミドである。いくつかの実施形態では、構築物は、AAVベクターである。いくつかの実施形態では、標的RNAは、プレメッセンジャーRNA、メッセンジャーRNA、リボソームRNA、トランスファーRNA、長鎖ノンコーディングRNA、及び低分子RNAから選択されるRNAである。本明細書は、本態様に記載の構築物を含む宿主細胞をさらに提供する。本明細書は、宿主細胞内で標的RNAを編集するためのキットであって、本態様に記載の構築物を含む、キットをさらに提供する。
なお、本明細書に記載される各実施形態の特性の1つ、いくつか又はすべては組み合わせられて本明細書の他の実施形態としてもよい。以下の詳細な説明により本明細書のこれら及び他の実施形態がさらに説明される。
pol IIプロモーター(CMV)によって駆動されるarRNAを発現するプラスミド、及びPol IIIプロモーター(U6)によって駆動されるarRNAを発現するプラスミドのトランスフェクション48時間後のFACS分析を示す。EGFP陽性パーセンテージはトランスフェクション効率で正規化され、トランスフェクション効率はmCherry陽性率で決定される。データは平均値± s.d.(n=3)である。 snoRNA末端に隣接するSno-arRNA151が媒介するレポーターmRNA上の標的化RNAの編集を示す。図2Aは、arRNA発現プラスミドの概略図を示す。蛍光レポーター-1を標的化する151-nt arRNAは、ヒトU6プロモーターの下で発現される。 snoRNA末端に隣接するSno-arRNA151が媒介するレポーターmRNA上の標的化RNAの編集を示す。図2Bは、sno-arRNA又はarRNAのトランスフェクション結果のFACS結果を示す。sno-arRNA151、arRNA151、sno-CtrlRNA151又はCtrlRNA151を、レポーターを発現するプラスミドとともにHEK293T細胞にトランスフェクションする。 snoRNA末端に隣接するSno-arRNA151が媒介するレポーターmRNA上の標的化RNAの編集を示す。図2Cは、図2BにおけるFACS結果の定量を示す。 CMVプロモーターで発現されたsno-arRNA及びhU6プロモーターで発現されたsno-arRNAの編集効率を示す。図3Aは、hU6由来のsno-arRNA又はarRNAの各時間点での定量的FACS結果を示す。 CMVプロモーターで発現されたsno-arRNA及びhU6プロモーターで発現されたsno-arRNAの編集効率を示す。図3Bは、CMV又はhU6由来のarRNAの各時間点での定量的FACS結果を示す。 CMVプロモーターで発現されたsno-arRNA及びhU6プロモーターで発現されたsno-arRNAの編集効率を示す。図3Cは、CMV又はhU6由来のsno-arRNAの各時間点での定量的FACS結果を示す。 LEAPER系に環状arRNAを使用するときの編集効率を示す。図4Aは、環状arRNA発現の概略図を示す。環状arRNA転写物には、それぞれが自己切断を受ける5’-ツイスターP3 U2A及び3’-ツイスターP1リボザイムが隣接している5’及び3’ライゲーション配列が隣接している。RtcB認識によって得られたRNA末端はライゲーションに用いられる。 LEAPER系に環状arRNAを使用するときの編集効率を示す。図4Bは、レポーター-1及びレポーター-3の概略図を示す。mCherry遺伝子及びEGFP遺伝子は、3×(レポーター-1の場合)又は1×(レポーター-3の場合)GGGGS-コード領域とインフレームUAG停止コドンを含む配列によって連結される。レポーター発現細胞はmCherryタンパク質のみを産生したが、レポーター転写物のUAG停止コドンを標的化する編集によりUAGがUIGに変換され、下流のEGFP発現が可能になる。 LEAPER系に環状arRNAを使用するときの編集効率を示す。図4Cは、環状arRNA71、環状arRNA25-71-25、環状arRNA50-71-50、環状arRNA111、環状arRNA25-111-25、環状arRNA50-111-50、環状CtrlRNA123(非標的配列)、arRNA71、CtrlRNA71、arRNA111、CtrlRNA111発現プラスミド1μgを用いて、12ウェルプレート(3×10細胞/ウェル)に接種した、レポーター-1を安定的に発現させるHEK293T細胞をそれぞれトランスフェクションする実験の結果を示す。トランスフェクション2日後及び7日後にFACS分析を行う。EGFP+細胞の比率はトランスフェクション効率で正規化される。 LEAPER系に環状arRNAを使用するときの編集効率を示す。図4Dは、CtrlRNA151(環状)、31-nt、51-nt、71-nt、91-nt、111-nt、131-nt、151-nt環状arRNA発現プラスミド1μgを用いて、12ウェルプレート(3×10細胞/ウェル)に接種した、レポーター-3を安定的に発現させるHEK293T細胞をそれぞれトランスフェクションする実験の結果を示す。トランスフェクション2日後にFACS分析を行う。EGFP+細胞の比率は、トランスフェクション効率で正規化される。 LEAPER系に環状arRNAを使用するときの編集効率を示す。図4Eは、レポーター-1発現プラスミド0.5μg及び環状arRNA111発現プラスミド0.5μgを用いて、12ウェルプレート(2×10細胞/ウェル)に接種したHeLa及びA549細胞をそれぞれ同時トランスフェクションする実験の結果を示す。トランスフェクション2日後にFACS分析を行う。EGFP+細胞の比率はトランスフェクション効率で正規化される。 様々な環状arRNAの同時トランスフェクション48時間及び96時間後のFACS分析を示し、EGFP陽性パーセンテージはトランスフェクション効率で正規化され、トランスフェクション効率はmCherry陽性で決定される。データは平均値± s.d.(n=3)である。 様々な環状arRNAのHEK293T細胞における同時トランスフェクション48時間及び96時間後のFACS分析を示す。EGFP陽性パーセンテージはトランスフェクション効率で正規化され、トランスフェクション効率はmCherry陽性で測定される。データは平均値± s.d.(n=3)である。 様々な環状arRNAのHEK293T細胞における同時トランスフェクション48時間及び96時間後のFACS分析を示す。EGFP陽性パーセンテージはトランスフェクション効率で正規化され、トランスフェクション効率はmCherry陽性で測定される。データは平均値± s.d.(n=3)である。 EGFP陽性(EGFP+)細胞の定量を示す。レポーター-1を安定的に発現させる細胞を、Tornado CtrlRNA111ウイルスや長さの異なる標的化Tornado-arRNAウイルスを含み各種のTornado-arRNAレンチウイルスで感染させ、感染2日後にFACSを行う。データは平均値± s.e.m.(n=2)である。 T4RNAリガーゼによる一本鎖DNA(ssDNA)アダプターに結合した線状インビトロRNA転写物のライゲーションを介した環状dRNA(arRNAとも呼ばれる)のインビトロ生成を示す概略図である。 ssDNAアダプターを使用せずに、T4RNAリガーゼによる線状インビトロRNA転写物のライゲーションを介した環状dRNA(arRNAとも呼ばれる)のインビトロ生成を示す概略図である。 グループI触媒イントロンのスプライシングを介した環状DNA(arRNAとも呼ばれる)のインビトロ生成を示す概略図である。 細胞内のEGFPレポーターを標的化するように設計された、線状前駆体RNA(図9A)、T4 Rnl1-処理RNA (図9B)及びT4-Rnl2処理RNA(図9C)のHPLCクロマトグラムを示す。 細胞内のEGFPレポーターを標的化するように設計された、線状前駆体RNA(図9A)、T4 Rnl1-処理RNA (図9B)及びT4-Rnl2処理RNA(図9C)のHPLCクロマトグラムを示す。 細胞内のEGFPレポーターを標的化するように設計された、線状前駆体RNA(図9A)、T4 Rnl1-処理RNA (図9B)及びT4-Rnl2処理RNA(図9C)のHPLCクロマトグラムを示す。 EGFPレポーターを標的化する線状前駆体RNA、T4 Rnl1処理RNA、及びT4 Rnl2処理RNAを1日、3日、及び7日トランスフェクションした後の細胞の蛍光顕微鏡画像を示す。 EGFPレポーターを標的化する線状前駆体RNA(上図)、T4 Rnl1処理RNA(中間図)、及びT4 Rnl2処理RNA(下図)を48時間トランスフェクションした細胞における標的部位のSangerシーケンシングの結果を示す。 EGFPレポーターを標的化する線状前駆体RNA(上図)、T4 Rnl1処理RNA(中間図)、及びT4 Rnl2処理RNA(下図)を48時間トランスフェクションした細胞における標的部位のディープシーケンシングの結果である。 対照(circ-CtrlRNA151)、circ-arRNA151-PPIB、又はU6-arRNA151-PPIB構築物を48時間トランスフェクションした細胞における内因性PPIB標的部位のディープシーケンシング結果を示す。U6-arRNA151-PPIB構築物は、同じPPIB標的部位を標的化するdRNAを発現するU6プロモーター駆動プラスミドを示す。 対照(circ-CtrlRNA151)、又はcirc-arRNA151-IDUAを48時間トランスフェクションした細胞における内因性IDUA標的部位のディープシーケンシングの結果を示す。
本明細書は、宿主細胞内で標的RNAを編集するための、RNA編集方法(本明細書では、「改良型LEAPER」方法と呼ばれる)、及びデアミナーゼリクルートRNA(「dRNA」)又はADARリクルートRNA(「arRNA」)と呼び特に設計されたRNA、又はこれらのdRNAをコードする核酸を含む構築物を提供する。
「LEAPER」(内因性ADARを利用してRNAをプログラム可能に編集)は、本願発明者らによって以前に開発されており、内因性ADARを利用して、dRNA(「arRNA」とも呼ばれる)を利用することにより標的RNAを編集する。LEAPER方法は、PCT/CN2018/110105号及びPCT/CN2020/101248号に記載されており、これらの全内容は引用により本明細書に組み込まれている。具体的には、標的転写物に部分に相補的な標的化RNAは、天然ADAR1又はADAR2をリクルートし、標的RNA中の特定部位でアデノシンをイノシンに変化させることに用いられる。したがって、RNA編集は、宿主細胞におけるADARタンパク質の異所性または過剰発現なしに、特定のシステムで達成できる。
本願は、例えば標的細胞におけるdRNAのレベルを増加させることによってRNA編集の効率を高めることを可能にする改良型LEAPER方法を提供した。一態様では、改良型LEAPER方法は、環状dRNA(例えば、インビトロで線状RNAから形成される環状dRNA)、または標的宿主細胞内で環状RNAを形成可能であるdRNAの使用に関する。別の態様では、改良型LEAPER方法は、標的化RNA配列の3’または5’に連結された1つまたは複数の核小体低分子RNA(snoRNA)を含むdRNAの使用に関する。別の態様では、改良型LEAPER方法は、ポリメラーゼIIプロモーター(「Pol IIプロモーター」)の制御下に置かれたdRNAに関する。我々は、LEAPER方法と比較して、改良型LEAPER方法によりdRNAの編集効率が大幅に向上することを実証した。理論に束縛されるものではないが、改良型LEAPER方法で使用されるdRNAの安定性または量の増加が、RNA編集効率のそのような改善に寄与したと考えられる。
したがって、本明細書の一態様は、1種又は複数種の改良型LEAPER方法によって標的RNAを編集する方法を提供する。
別の態様では、改良型LEAPER方法のためのdRNA及び構築物を提供する。
本明細書は、RNA編集方法によって個体の疾患又は障害を治療又は予防する方法、及び組成物をさらに提供する。
I.定義
別段の定義がない限り、本明細書で使用されるすべての技術用語および科学用語は、本開示の当業者が一般に理解するものと同じ意味を有する。本明細書に記載されているすべての特許、出願、公開出願及びその他の出版物は、参照によってその全体が本明細書に組み込まれている。本項に記載された定義が、参照によって本明細書に組み込まれた特許、出願、または他の出版物に記載された定義と相反するか、または矛盾する場合、本項に記載された定義は、参照によって本明細書に組み込まれた定義よりも優先される。
なお、明確にするために、個別の実施例の文脈で説明された本開示のいくつかの特徴も、単一の実施形態で組み合わせて提供することができることが理解されるべきである。対照的に、単一の実施形態の文脈で説明された本開示の様々な特徴は、簡潔さのために、単独で、または任意の適切なサブ組合せで提供されてもよい。特定の方法ステップ、試薬、または条件に関連する実施形態のすべての組合せは、本開示で具体的にカバーされ、個別の組合せおよび各種の組合せが個別かつ明示的に開示されているように、本明細書で開示されている。
本明細書及び特許請求の範囲で使用されているように、単数形「1つ(a)」、「1種(an)」及び「該(the)」は、文脈に別段の明示的な規定がない限り、複数の表示を含む。特許請求の範囲は、任意の要素を除外するように作成することができることにも留意すべきである。したがって、この記載は、特許請求の範囲の要素の説明に関連して、「単独で」、「のみ」のような排他的な用語を使用するため、または「否定的な」制限を使用するための前駆的基礎として使用されることを意図している。
「デアミナーゼリクルートRNA」、「dRNA」、「ADARリクルートRNA」および「arRNA」という用語は、本明細書において交換可能に使用され、RNA中の標的アデノシンを脱アミノ化するためにADARをリクルート可能である遺伝子操作RNAを意味する。
「ポリヌクレオチド」、「ヌクレオチド配列」および「核酸」という用語は、交換して使用することができる。これらは、デオキシリボヌクレオチド、リボヌクレオチド、またはその類似体であってもよい、任意の長さのヌクレオチドの重合形態を意味する。
本明細書で使用される「アデニン」、「グアニン」、「シトシン」、「チミン」、「ウラシル」および「ヒポキサンチン」という用語は、核酸塩基そのものを指す。「アデノシン」、「グアノシン」、「シチジン」、「チミジン」、「ウリジン」および「イノシン」という用語は、リボースまたはデオキシリボースの糖部分に結合した核酸塩基を指す。「ヌクレオシド」という用語は、リボースまたはデオキシリボースに結合した核酸塩基を指す。「ヌクレオチド」という用語は、それぞれの核酸塩基-リボシル-リン酸または核酸塩基-デオキシリボシル-リン酸を指す。アデノシンとアデニン(略語「A」)、グアノシンとグアニン(略語「G」)、シトシンとシチジン(略語「C」)、ウラシルとウリジン(略語「U」)、チミンとチミジン(略語「T」)、イノシンおよびヒポキサンチン(略語「I」)という用語は、対応する核酸塩基、ヌクレオシドまたはヌクレオチドを指すために互換的に使用され得る。文脈上明らかに異なる必要がない限り、核酸塩基、ヌクレオシド、およびヌクレオチドという用語は、互換的に使用され得る。
本明細書で使用される用語「導入(introducing/introduction)」は、dRNAまたは1つまたは複数の構築物(本明細書に記載のベクターを含む)のような1つまたは複数のポリヌクレオチド、およびその1つまたは複数の転写物を宿主細胞に送達することを意味する。本発明は、プレメッセンジャーRNA、メッセンジャーRNA、リボソームRNA、トランスファーRNA、長鎖ノンコーディングRNA、および低分子RNA(miRNAなど)のようなRNAを標的化して編集することができる基本的なプラットフォームとして使用される。本明細書の方法は、本明細書に記載されたdRNAまたは構築物の宿主細胞への導入を実現するために、ウイルス、リポソーム、エレクトロポレーション、マイクロインジェクション、およびコンジュゲーションを含むがこれらに限定されない多くの送達系を採用することができる。哺乳動物細胞または標的組織に核酸を導入するために、従来のウイルスベースおよび非ウイルスベースの遺伝子導入方法を使用することができる。このような方法は、本明細書のdRNAをコードする核酸を培養物中の細胞または宿主生体に投与するために使用することができる。非ウイルスベクター送達系は、DNAプラスミド、RNA(例えば、本明細書に記載の構築物の転写物)、裸の核酸、および送達ベクター(例えば、リポソーム)と複合化された核酸を含む。ウイルスベクター送達系は、遊離型または統合型ゲノムを有するDNAおよびRNAウイルスを含み、宿主細胞に送達される。
本明細書の文脈において、「標的RNA」とは、デアミナーゼリクルートRNA配列が、当該RNA配列と完全または実質的に相補性を有するように設計され、標的配列とdRNAとのハイブリダイゼーションが、標的アデノシンを脱アミノ化するRNAに作用するアデノシンデアミナーゼ(ADAR)をリクルートする標的アデノシン含有二本鎖RNA(dsRNA)領域を形成するRNA配列をいう。いくつかの実施形態では、ADARは真核細胞(例えば、ヒト細胞のような哺乳動物細胞)のような宿主細胞に天然に存在する。いくつかの実施形態では、ADARは宿主細胞に導入される。
本明細書で使用されるように、「相補性」とは、従来のワトソン-クリック塩基対合によって核酸が他の核酸と水素結合を形成する能力を意味する。相補性パーセンテージは、第2の核酸と水素結合を形成(すなわち、ワトソン-クリック塩基対合)可能である核酸分子内の残基のパーセンテージを表す(例えば、それぞれ約50%、約60%、約70%、約80%、約90%、約100%相補的である約5、6、7、8、9、10/10)。「完全に相補的」とは、核酸配列の連続するすべての残基が、第2の核酸配列の連続する残基と同数の水素結合を形成することを意味する。本明細書で使用される「実質的に相補性」とは、約40、50、60、70、80、100、150、200、250またはそれ以上のヌクレオチドの領域における少なくとも約70%、75%、80%、85%、90%、95%、97%、98%、99%、または100%のいずれかの相補性の程度、またはストリンジェントな条件下でハイブリダイズする2つの核酸を意味する。
本明細書で使用されるように、ハイブリダイゼーションのための「ストリンジェントな条件」とは、標的配列に相補的な核酸が主に標的配列とハイブリダイズし、非標的配列とは実質的にハイブリダイズしない条件をいう。ストリンジェントな条件は通常、配列依存性であり、多くの要因に応じて変化する。一般に、配列が長いほど、配列が標的配列と特異的にハイブリダイズする温度が高くなる。ストリンジェントな条件の非限定的な例はTijssen(1993)、『生化学と分子生物学実験室技術-核酸プローブハイブリダイゼーション(Laboratory Techniques In Biochemistry And Molecular BiologyHybridization With Nucleic Acid Probes)』第1部、第2章『核酸プローブハイブリダイゼーションの原理とアッセイの戦略の概要(Overview of principles of hybridization and the strategy of nucleic acid probe assay)』、Elsevier,N,Yに詳細に記載されている。
「ハイブリダイゼーション」とは、これらのポリヌクレオチドの1つまたは複数が反応して、ヌクレオチド残基の塩基間の水素結合により結合して安定化された複合体を形成する反応をいう。水素結合は、ワトソン・クリック塩基対合、フーグシュタイン結合、または他の任意の配列特異的な方法によって起こり得る。所定の配列とハイブリダイズすることができる配列は、所定の配列の「相補配列」と呼ばれる。
本明細書で使用されるように、「含む」、「含有する」、および「包含する」という用語は、そのオープンで非限定的な意味で使用される。本明細書に記載された本願の態様および実施形態は、態様および実施形態「からなる」および/または「本質的にからなる」ことを含み得ることも理解される。
「約」という用語が明示的に使用されるか否かにかかわらず、本明細書で与えられるあらゆる量は、実際の所定の値を指すことを意味し、また、そのような所定の値の実験条件および/または測定条件による等価物および近似値を含む、当業者に基づいて合理的に推測されるそのような所定の値の近似値を指すことも意図されることが理解される。
本明細書で使用されるように、「担体」には、使用される量および濃度で曝露される細胞または哺乳動物に対して非毒性である薬学的に許容される担体、賦形剤、または安定剤が含まれる。一般的に、生理学的に許容される担体は、pH緩衝水溶液である。生理学的に許容される担体の非限定的な例としては、リン酸塩、クエン酸塩、および他の有機酸などの緩衝液;アスコルビン酸を含む抗酸化物質;低分子量(約10残基未満)ポリペプチド;血清アルブミン、ゼラチンや免疫グロブリンなどのタンパク質;ポリビニルピロリドンなどの親水性ポリマー;グリシン、グルタミン、アスパラギン、アルギニン、リジンなどのアミノ酸;単糖類、二糖類、およびグルコース、マンノース、またはデキストリンを含む他の炭水化物;EDTAなどのキレート剤;マンニトールやソルビトールなどの糖アルコール;ナトリウムなどの塩形成対イオン;および/またはTWEEN(登録商標)、ポリエチレングリコール(PEG)、およびPLURONICS(登録商標)などの非イオン性界面活性剤が含まれる。
本明細書で使用されるように、物質の「有効量」または「治療有効量」という用語は、特定の障害を改善または予防するために測定可能な少なくとも必要な最小濃度である。本明細書における有効量は、患者の疾患状態、年齢、性別および体重、ならびに個人において所望の反応を引き起こす物質の能力などの要因に応じて変化することができる。有効量はまた、治療の有益な効果が治療の毒性または有害な効果を上回る量でもある。癌に関しては、有効量には、腫瘍の縮小を引き起こし、および/または腫瘍の増殖速度を低下させる(例えば、腫瘍の増殖を阻害する)か、または癌における他の不要な細胞増殖を予防または遅延させるのに十分な量が含まれる。いくつかの実施形態では、有効量は、癌の進行を遅らせるのに十分な量である。いくつかの実施形態では、有効量は、再発を防止または遅延させるのに十分な量である。いくつかの実施形態では、有効量は、個体の再発率を減少させるのに十分な量である。有効量は、1回または複数回の投与で投与することができる。薬物又は組成物の有効量は、(i)がん細胞の数を減少させることができること、(ii)腫瘍の大きさを減少させること、(iii)末梢臓器への癌細胞の浸潤を阻害、遅らせ、ある程度遅くし、できれば止めること、(iv)腫瘍の転移を抑制する(すなわち、ある程度遅らせ、好ましくは停止させる)こと、(v)腫瘍の増殖を抑制すること、(vi)腫瘍の発生及び/又は再発を予防し又は遅らせること、(vii)腫瘍の再発率を低下させること、および/または(viii)がんに関連する1つ又は複数の症状をある程度緩和することができる。有効量は、1回または複数回の投与で投与することができる。本開示の目的のために、薬物、化合物または医薬組成物の有効量は、予防的または治療的処置を直接的または間接的に達成するのに十分な量である。臨床的文脈において理解されるように、薬物、化合物、または医薬組成物の有効量は、他の薬物、化合物、または医薬組成物と組み合わせて、または組み合わせなくても達成することができる。したがって、1種又は複数種の治療剤を投与する場合には「有効量」を考慮することができ、1種又は複数種の他の薬剤と組み合わせて所望の結果が得られるかまたは達成される場合には、1つの薬剤を有効量で投与することを考慮することができる。
本明細書に記載された「宿主細胞」とは、本明細書に記載されたように修飾可能であることを条件として、宿主細胞として使用可能な任意の細胞型を意味する。例えば、宿主細胞は、RNAに作用するアデノシンデアミナーゼ(ADAR)が内因的に発現されている宿主細胞であってもよいし、当該分野において公知の方法によりRNAに作用するアデノシンデアミナーゼ(ADAR)が導入されている宿主細胞であってもよい。宿主細胞は、例えば、原核細胞、真核細胞、または植物細胞であってもよい。いくつかの実施形態では、宿主細胞は、ヒト細胞株または非ヒト細胞株を含む哺乳動物細胞株のような、予め確立された細胞株から誘導される。いくつかの実施形態では、宿主細胞は、ヒト個体のような個体に由来する。
「組換えAAVベクター(rAAVベクター)」とは、1つ又は複数の異種配列(すなわち、AAV由来でない核酸配列)を含み、少なくとも1つの異種配列が隣接し、実施形態では2つのAAV逆方向末端反復配列(ITR)が隣接するポリヌクレオチドベクターをいう。このrAAVベクターは、適切なヘルパーウイルスで感染し(または適切なヘルパー機能を発現した)、AAV repおよびcap遺伝子産物(すなわち、AAV repおよびCapタンパク質)を発現した宿主細胞内に存在する場合、複製して感染性ウイルス粒子にパッケージングすることができる。rAAVベクターは、より大きなポリヌクレオチド(例えば、染色体中またはクローンまたはトランスフェクションのためのプラスミドのような他のベクター)に組み込まれた場合、AAVパッケージング機能および適切な補助機能の存在下で複製およびカプシド化することによって「救済」され得る「プレベクター」と呼ばれてもよい。rAAVベクターは、プラスミド、線状人工染色体、脂質と複合化され、リポソームに封入され、ウイルス粒子(特にAAV粒子)に封入されていることを含むが、これらに限定されない、多くの形態のいずれかであってもよい。rAAVベクターは、「組換えアデノ随伴ウイルス粒子(rAAV粒子)」を生成するために、AAVウイルスキャプシドにパッケージングされることができる。
「AAV逆方向末端反復(ITR)」配列は当業者の公知の用語であり、天然の一本鎖AAVゲノムの両末端に存在する約145個のヌクレオチドの配列である。ITRの最も外側にある125個のヌクレオチドは、2つの交互方向のいずれかに存在し、異なるAAVゲノム間および単一のAAVゲノムの両端間に異質性をもたらすことができる。最も外側にある125個のヌクレオチドはまた、いくつかの短い自己相補性領域(A、A’、B、B’、C、C’およびD領域と命名される)を含み、ITRのその部分内での鎖内塩基対合を可能にする。
「添付文書」とは、薬物の市販パッケージに慣例的に含まれる指示書を指し、適応症、用法、用量、投与、禁忌、包装された製品と組み合わせる他の薬物、および/またはそのような薬物の使用に関する警告などに関する情報を含む、薬物の市販パッケージに慣例的に含まれる適応症に関する情報を含む。
「被験者」、「患者」または「個人」は、ヒトまたは他の動物のような哺乳動物を含み、一般にヒトである。いくつかの実施形態では、治療剤および組成物が投与される被験者(例えば、患者)は、哺乳動物、一般的にはヒトのような霊長類である。いくつかの実施形態では、霊長類はサルまたは類人猿である。被験者は、男性または女性であってもよく、乳児、少年、青少年、成人および高齢者を含む任意の適切な年齢であってもよい。いくつかの実施形態では、被験者は非霊長類哺乳動物、例えば齧歯類、犬、猫、牛または馬などの農場動物などである。
本明細書で使用されるように、「治療」という用語は、臨床病理学的過程の間に、治療される個人または細胞の自然過程に有益で望ましい作用を有するように設計された臨床介入を意味する。本開示の目的のために、所望の治療効果は、疾患の進行速度の低下、疾患状態の改善または緩和、および予後の緩和または改善を含むがこれに限定されない。例えば、癌に関連する1つ又は複数の症状が緩和または除去された場合、個体は、癌細胞の増殖を減少させる(または癌細胞を破壊する)こと、癌細胞の殺傷を増加させること、疾患に起因する症状を減少させること、疾患の伝播を防止すること、疾患の再発を防止すること、疾患に罹患している人々の生活の質を増加させること、疾患の治療に必要な他の薬物の投与量を減少させること、疾患の進行を遅延させること、および/または個体の生存を延長することを含むが、これらに限定されない「治療」に成功する。
「グループIイントロン」および「グループI触媒イントロン」という用語は、交換的に使用可能であり、RNA前駆体からの自身の切除を触媒できる自己スプライシングリボザイムを指す。グループIイントロンは、5’触媒グループIイントロンフラグメントと3’触媒グループIイントロンフラグメントの2つのフラグメントと、を含み、これらはフォールディング機能と触媒機能(つまり、自己スプライシング活性)を保持している。自然環境では、5’触媒グループIイントロンフラグメントは、5’末端には5’エクソンが隣接しており、5’触媒グループIイントロンフラグメントによって認識される5’エクソン配列を含み、3’触媒グループIイントロンフラグメントは、3’末端に3’エクソンが隣接しており、3’触媒グループIイントロンフラグメントによって認識される3’エクソン配列を含む。本明細書で使用される用語「5’エクソン配列」および「3’エクソン配列」は、例えば図8Cに示すように、自然環境におけるグループIイントロンに対するエクソンの順序に従って標識される。
II.RNA編集方法
本明細書は、宿主細胞内で標的RNAを編集するための方法であって、デアミナーゼリクルートRNA(dRNA)又はdRNAをコードする核酸を含む構築物を宿主細胞(例えば、真核細胞)に導入することを含み、(1)dRNAは、標的RNAに少なくとも部分的に相補的な標的化RNA配列を含み、(2)dRNAは、RNAに作用するアデノシンデアミナーゼ(ADAR)をリクルートすることができる、方法を提供する。
環状dRNA
一態様では、本明細書は、宿主細胞内で標的RNAを編集するための方法であって、デアミナーゼリクルートRNA(dRNA)又はdRNAをコードする核酸を含む構築物を宿主細胞(例えば、真核細胞)に導入することを含み、(1)dRNAは、標的RNAに少なくとも部分的に相補的な標的化RNA配列を含み、(2)dRNAは、RNAに作用するアデノシンデアミナーゼ(ADAR)をリクルートすることができ、かつ(3)dRNAは環状RNAであるか、又は宿主細胞内で環状RNAを形成可能である、方法を提供する。
いくつかの実施形態では、本明細書は、宿主細胞内で標的RNAを編集するための方法であって、デアミナーゼリクルートRNA(dRNA)又はdRNAをコードする核酸を含む構築物を宿主細胞に導入することを含み、(1)dRNAは、標的RNAに少なくとも部分的に相補的な標的化RNA配列を含み、(2)dRNAは、宿主細胞内で内因性的に発現するADARをリクルートして、標的RNA中の標的アデノシン残基を脱アミノ化することができ、かつ(3)dRNAは環状RNAであるか、又は宿主細胞内で環状RNAを形成可能である、方法を提供する。いくつかの実施形態では、該方法は、タンパク質(例えば、Cas、ADAR、又はADARとCasの融合タンパク質)をコードする核酸を含むいずれのタンパク質又は構築物を宿主細胞に導入することを含まない。
いくつかの実施形態では、本明細書は、宿主細胞内で標的RNAを編集するための方法であって、デアミナーゼリクルートRNA(dRNA)又はdRNAをコードする核酸を含む構築物を宿主細胞に導入することを含み、(1)dRNAは、標的RNAに少なくとも部分的に相補的な標的化RNA配列を含み、(2)dRNAは、宿主細胞内で因性的に発現するADARをリクルートして、標的RNA中の標的アデノシン残基を脱アミノ化することができ、かつ(3)dRNAは環状RNAである、方法を提供する。いくつかの実施形態では、該方法は、タンパク質(例えば、Cas、ADAR、又はADARとCasの融合タンパク質)をコードする核酸を含むいずれのタンパク質又は構築物を宿主細胞に導入することを含まない。
いくつかの実施形態では、本明細書は、宿主細胞内で標的RNAを編集するための方法であって、デアミナーゼリクルートRNA(dRNA)又はdRNAをコードする核酸を含む構築物を宿主細胞に導入することを含み、(1)dRNAは、標的RNAに少なくとも部分的に相補的な標的化RNA配列を含み、(2)dRNAは、宿主細胞内で因性的に発現するADARをリクルートして標的RNA中の標的アデノシン残基を脱アミノ化することができ、かつ(3)dRNAは、宿主細胞内で環状RNAを形成可能である線状RNAである、方法を提供する。いくつかの実施形態では、該方法は、タンパク質(例えば、Cas、ADAR、又はADARとCasの融合タンパク質)をコードする核酸を含むいずれのタンパク質又は構築物を宿主細胞に導入することを含まない。
いくつかの実施形態では、本明細書は、宿主細胞内で標的RNAを編集するための方法であって、デアミナーゼリクルートRNA(dRNA)又はdRNAをコードする核酸を含む構築物を宿主細胞に導入することと、ADAR又はADARをコードする核酸を含む構築物を宿主細胞に導入することと、を含み、(1)dRNAは、標的RNAに少なくとも部分的に相補的な標的化RNA配列を含み、(2)dRNAは、ADARをリクルートして標的RNA中の標的アデノシン(「A」)残基を脱アミノ化することができ、かつ(3)dRNAは環状RNAであるか、又は宿主細胞内で環状RNAを形成可能である、方法を提供する。いくつかの実施形態では、ADARは、宿主細胞で内因的にコードされるADARであり、ADARの導入は宿主細胞でADARを過剰発現することを含む。いくつかの実施形態では、ADARは、宿主細胞に対して外因性である。いくつかの実施形態では、ADARをコードする核酸を含む構築物は、ベクター、例えばプラスミド、又はウイルスベクター(例えば、AAV又はレンチウイルスベクター)である。
一態様では、本明細書は、宿主細胞内で複数種の標的RNA(例えば、少なくとも約2、3、4、5、10、20、50、100、1000又はそれ以上)をコードするための方法であって、複数種のdRNA又はdRNAをコードする1種又は複数種の構築物を宿主細胞に導入する、方法を提供する。
一態様では、dRNAは、宿主細胞内で環状RNAを形成することができる線状RNAである。いくつかの実施形態では、Litke,J.L.及びJaffrey,S.R.『自己触媒転写体を用いた細胞内での環状RNAアプタマーの高効率発現(Highly efficient expression of circular RNA aptamers in cells using autocatalytic transcripts)』『ネイチャーバイオテクノロジー(Nat Biotechnol)』37,667-675(2019)」に記載されているように、Tornado発現系(「持続的な過剰発現のためのツイスター最適化RNA」)を用いて循環を行い、その全文を引用により本明細書に組み込んだ。簡単に言えば、Tornadoが発現する転写体には、そのツイスターリボザイムが隣接した目的のRNAが含まれている。ツイスターリボザイムは、自己切断可能な任意の触媒RNA配列である。リボザイムは、RNAリガーゼによって連結された末端を残して自己触媒切断を迅速に行う。
いくつかの実施形態では、dRNAはdRNAをコードする核酸を含む構築物によって導入される。いくつかの実施形態では、構築物は、dRNAをコードする核酸の3’末端に連結された3’ツイスターリボザイム配列をさらに含む。いくつかの実施形態では、構築物は、dRNAをコードする核酸の5’末端に連結された5’ツイスターリボザイム配列をさらに含む。いくつかの実施形態では、構築物は、dRNAをコードする核酸の3’末端に連結された3’ツイスターリボザイム配列と、dRNAをコードする核酸の5’末端に連結された5’ツイスターリボザイム配列と、をさらに含む。いくつかの実施形態では、3’ツイスター配列はツイスターP3 U2Aであり、5’ツイスター配列はツイスターP1である。いくつかの実施形態では、5’ツイスター配列はツイスターP3 U2Aであり、3’ツイスター配列はツイスターP1である。いくつかの実施形態では、dRNAは自己触媒切断を受ける。いくつかの実施形態では、触媒されたdRNA産物は、3’末端に5’-ヒドロキシ及び2’,3’-環状リン酸エステルを含む。いくつかの実施形態では、触媒されたdRNA産物は、遍在する内因性RNAリガーゼ(例えば、RNAリガーゼRtcB)によって連結される。いくつかの実施形態では、構築物はプラスミド、又はウイルスベクターである。
いくつかの実施形態では、dRNA転写物は、5’及び/又は3’ライゲーション配列にも隣接し、次に、それぞれ5’-ツイスターリボザイム及び/又は3’-ツイスターリボザイムに隣接する。いくつかの実施形態では、dRNAは、3’ライゲーション配列を含む。いくつかの実施形態では、dRNAは、5’ライゲーション配列を含む。いくつかの実施形態では、dRNAは、3’ライゲーション配列及び5’ライゲーション配列をさらに含む。いくつかの実施形態では、3’ライゲーション配列及び5’ライゲーション配列は、互いに少なくとも部分的に相補的である。いくつかの実施形態では、3’ライゲーション配列及び5’ライゲーション配列は、互いに少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、又は少なくとも約99%相補的である。いくつかの実施形態では、3’ライゲーション配列及び5’ライゲーション配列は、互いに完全に相補的である。
いくつかの実施形態では、3’ライゲーション配列及び5’ライゲーション配列の長さは、独立に、少なくとも約20ヌクレオチド、少なくとも約25ヌクレオチド、少なくとも約30ヌクレオチド、少なくとも約35ヌクレオチド、少なくとも約40ヌクレオチド、少なくとも約45ヌクレオチド、少なくとも約50ヌクレオチド、少なくとも約55ヌクレオチド、少なくとも約60ヌクレオチド、少なくとも約65ヌクレオチド、少なくとも約70ヌクレオチド、少なくとも約75ヌクレオチド、少なくとも約80ヌクレオチド、少なくとも約85ヌクレオチド、少なくとも約90ヌクレオチド、少なくとも約95ヌクレオチド、又は少なくとも約100ヌクレオチドである。いくつかの実施形態では、3’ライゲーション配列及び5’ライゲーション配列の長さは、独立に、約20~30ヌクレオチド、約30~40ヌクレオチド、約40~50ヌクレオチド、約50~60ヌクレオチド、約60~70ヌクレオチド、約70~80ヌクレオチド、約80~90ヌクレオチド、約90~100ヌクレオチド、約100~125ヌクレオチド、約125~150ヌクレオチド、約20~50ヌクレオチド、約50~100ヌクレオチド、又は約100~150ヌクレオチドである。
いくつかの実施形態では、dRNAは、RNAリガーゼによって環状化される。RNAリガーゼの非限定的な例としては、RtcB、T4RNAリガーゼ1、T4RNAリガーゼ2、Rnl3、及びTrl1が含まれる。いくつかの実施形態では、RNAリガーゼは、宿主細胞内で内因的に発現される。いくつかの実施形態では、RNAリガーゼはRNAリガーゼRtcBである。いくつかの実施形態では、該方法は、RNAリガーゼ(例えば、RtcB)を宿主細胞に導入することをさらに含む。
いくつかの実施形態では、dRNAは、宿主細胞に導入される前に環状化される。いくつかの実施形態では、dRNAは、インビトロで線状RNAにより形成される環状RNAである。いくつかの実施形態では、dRNAは化学合成される。いくつかの実施形態では、dRNAは、インビトロ酵素によるライゲーション(例えば、RNA若しくはDNAリガーゼを使用するか、又はイントロンフラグメントのスプライシングを介して)又は化学ライゲーション(例えば、臭化シアン又は類似の縮合剤を使用して)を通じて環状化される。
1つ又は2つのsnoRNA末端を有するdRNA
別の態様では、本明細書は、宿主細胞(例えば、真核細胞)内で標的RNAを編集するための方法であって、デアミナーゼリクルートRNA(dRNA)又はdRNAをコードする核酸を含む構築物を宿主細胞に導入することを含み、dRNAは、(1)標的RNAに少なくとも部分的に相補的な標的化RNA配列及び(2)標的化RNA配列の3’及び/又は5’末端に連結された核小体低分子RNA(snoRNA)配列を含み、dRNAは、RNAに作用するアデノシンデアミナーゼ(ADAR)をリクルート可能である、方法を提供する。
いくつかの実施形態では、本明細書は、宿主細胞(例えば、真核細胞)内で標的RNAを編集するための方法であって、デアミナーゼリクルートRNA(dRNA)又はdRNAをコードする核酸を含む構築物を宿主細胞に導入することを含み、dRNAは、(1)標的RNAに少なくとも部分的に相補的な標的化RNA配列、及び(2)標的化RNA配列の3’及び/又は5’末端に連結された核小体低分子RNA(snoRNA)配列を含み、dRNAは、宿主細胞内で因性的に発現するRNAに作用するアデノシンデアミナーゼ(ADAR)をリクルートして、標的RNA中の標的アデノシン残基を脱アミノ化することができる、方法を提供する。いくつかの実施形態では、該方法は、タンパク質(例えば、Cas、ADAR、又はADARとCasの融合タンパク質)をコードする核酸を含むいずれのタンパク質又は構築物を宿主細胞に導入することを含まない。
いくつかの実施形態では、本明細書は、宿主細胞(例えば、真核細胞)内で標的RNAを編集するための方法であって、(a)デアミナーゼリクルートRNA(dRNA)又はdRNAをコードする核酸を含む構築物と、(b)ADAR又はADARをコードする核酸を含む構築物とを宿主細胞に導入することを含み、dRNAは、(1)標的RNAに少なくとも部分的に相補的な標的化RNA配列、及び(2)標的化RNA配列の3’及び/又は5’末端に連結された核小体低分子RNA(snoRNA)配列を含み、dRNAは、ADARをリクルートして、標的RNA中の標的アデノシン残基を脱アミノ化することができる。いくつかの実施形態では、ADARは、宿主細胞の内因的にコードされるADARであり、ADARの導入は、宿主細胞内でADARを過剰発現することを含む、方法を提供する。いくつかの実施形態では、ADARは、宿主細胞に対して外因的である。いくつかの実施形態では、ADARをコードする核酸を含む構築物は、ベクター、例えばプラスミド、又はウイルスベクター(例えば、AAV又はレンチウイルスベクター)である。
一態様では、本願は、宿主細胞内で複数種の標的RNA(例えば、少なくとも約2、3、4、5、10、20、50、100、1000又はそれ以上)をコードするための方法であって、複数種のdRNA又はdRNAをコードする1種又は複数種の構築物を宿主細胞に導入する、方法を提供する。
核小体低分子RNA(snoRNA)は、リボソームRNA、トランスファーRNA、核小体低分子RNAなどの他のRNAの化学修飾をガイドすることが知られている小さな非コードRNA分子である。snoRNAには、その特定の二次構造の特徴に応じて、box C/Dとbox H/ACAの2つの主要なグループがある。snoRNAの両方の構造的特徴により、snoRNAはアクセサリータンパク質とともに対応するRNA結合タンパク質(RBP)に結合し、機能的な核小体低分子リボ核タンパク質(snoRNP)複合体を形成可能である。C/D snoRNAはメチル化に関連していると考えられているが、H/ACA box snoRNAはシュードウリジル化に関連していると考えられている。snoRNAの他のファミリーには、たとえば、複合H/ACAおよびC/D box snoRNAおよびオーファンsnoRNAが含まれる。本明細書に記載されるsnoRNA配列は、天然に存在するsnoRNA、その一部、またはその変異体を含むことができる。
いくつかの実施形態では、dRNAは、標的化RNA配列の5’末端に連結されたsnoRNA配列(「5’ snoRNA配列」)を含む。いくつかの実施形態では、dRNAは、標的化RNA配列の3’末端に連結されたsnoRNA配列(「3’ snoRNA配列」)を含む。いくつかの実施形態では、dRNAは、標的化RNA配列の5’末端に連結されたsnoRNA配列(「5’ snoRNA配列」)と、標的化RNA配列の3’末端に連結されたsnoRNA配列(「3’ snoRNA配列」)を含む。いくつかの実施形態では、snoRNA配列の長さは、少なくとも約50ヌクレオチド、少なくとも約60ヌクレオチド、少なくとも約70ヌクレオチド、少なくとも約80ヌクレオチド、少なくとも約90ヌクレオチド、少なくとも約100ヌクレオチド、少なくとも約110ヌクレオチド、少なくとも約120ヌクレオチド、少なくとも約130ヌクレオチド、少なくとも約140ヌクレオチド、少なくとも約150ヌクレオチド、少なくとも約160ヌクレオチド、少なくとも約170ヌクレオチド、少なくとも約180ヌクレオチド、少なくとも約190ヌクレオチド、又は少なくとも約200ヌクレオチドである。いくつかの実施形態では、snoRNA配列の長さは、約50~75ヌクレオチド、約75~100ヌクレオチド、約100~125ヌクレオチド、約125~150ヌクレオチド、約150~175ヌクレオチド、約175~200ヌクレオチド、約50~100ヌクレオチド、約100~150ヌクレオチド、約150~200ヌクレオチド、約125~175ヌクレオチド、又は約100~200ヌクレオチドである。
いくつかの実施形態では、3’ snoRNA配列は、SEQ ID NO:1(5’-AAGATTGTGTGTGGATCGATGATGACTTCCATATATACATTCCTTGGAAAGCTGAACAAAATGAGTGAAAACTCTATACCGTCATTCTCGTCGAACTGAGGTCCAGCACATTACTCCAACAG -3’)の核酸配列からなる。いくつかの実施形態では、5’ snoRNA配列は、SEQ ID NO:2(5’-GAGTGAGATCTTGGACCAATGATGACTTCCATACATGCATTCCTTGGAAAGCTGAACAAAATGAGTGGGAACTCTGTACTATCATCTTAGTTGAACTGAGGTCCACCGGGGGCTAA -3’)の核酸配列からなる。いくつかの実施形態では、snoRNA配列は、C/D Box snoRNA配列である。いくつかの実施形態では、snoRNA配列は、H/ACA Box snoRNA配列である。いくつかの実施形態では、snoRNA配列は、複合C/D BoxとH/ACA Box snoRNA配列である。いくつかの実施形態では、snoRNA配列は、オーファンsnoRNA配列である。
線状RNAからインビトロで形成される環状dRNA
いくつかの実施形態では、環状RNAは、イントロンフラグメント(例えばグループI触媒性イントロンフラグメント)のインビトロスプライシングによって形成される。いくつかの実施形態では、dRNAをコードする核酸配列の5’末端に隣接する3’触媒グループIイントロンフラグメントによって認識可能な3’エクソン配列と、dRNAをコードする核酸配列の3’末端に隣接する5’触媒グループIイントロンフラグメントによって認識可能な5’エクソン配列と、を含む、dRNAは環状RNAである。いくつかの実施形態では、3’触媒グループIイントロンフラグメントによって認識可能な3’エクソン配列は、SEQ ID NO:54の核酸配列からなる。いくつかの実施形態では、5’触媒グループIイントロンフラグメントによって認識可能な5’エクソン配列は、SEQ ID NO:55の核酸配列からなる。いくつかの実施形態では、3’エクソン配列は、SEQ ID NO:54の核酸配列からなり、5’エクソン配列は、SEQ ID NO:55の核酸配列からなる。
SEQ ID NO:54(3’触媒グループIイントロンフラグメントによって認識可能な3’エクソン配列)
AAAAUCCGUUGACCUUAAACGGUCGUGUGGGUUCAAGUCCCUCCACCCCCAC
SEQ ID NO:55(5’触媒グループIイントロンフラグメントによって認識可能な5’エクソン配列)
GAGACGCUACGGACUU
いくつかの実施形態では、T4ファージTd遺伝子のグループI触媒性イントロンは、リボザイムのフォールディングに重要な構造要素を保存するような方法で二分される。次に、エクソンフラグメント2をエクソンフラグメント1の上流に連結し、dRNAをコードする核酸配列をエクソン-エクソン接合部の間に挿入する。
いくつかの実施形態では、環状RNAは、線状RNAのインビトロライゲーションによって形成され、線状RNAは、線状RNAの5’末端に5’ライゲーション配列、及び線状RNAの3’末端に3’ライゲーション配列を含み、5’ライゲーション配列及び3’ライゲーション配列は、リガーゼ(例えば、T4RNAリガーゼ)を介して互いに連結される。
本願は、本明細書の前記環状dRNAを製造するための核酸構築物(例えば、線状RNA及びベクターなど)、及び、例えば、線状RNAの化学ライゲーション、酵素的ライゲーション又はリボザイム自己触媒によって環状dRNAを製造するための方法をさらに提供する。線状RNAは、本明細書では、「線状RNA前駆体」とも呼ばれる。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の方法は、環状dRNAをインビトロで形成する方法のいずれか1つ又は複数のステップ、例えば、インビトロライゲーション又はスプライシング、線状RNA前駆体のインビトロ転写及び環状dRNAの単離や精製のステップを含む。これらのステップ及び成分については、以下のセクションa)~e)でさらに詳細に説明する。
a)インビトロスプライシングによって環状化される線状RNA
いくつかの実施形態では、本願は、本明細書の前記のいずれかの実施例に記載の環状dRNAを形成する線状RNAを提供する。いくつかの実施形態では、線状RNAは、臭化シアン又は類似の縮合剤を使用する化学的環状化方法によって環状化されてもよい。いくつかの実施形態では、線状RNAは、5’触媒グループIイントロンフラグメントと3’触媒グループIイントロンフラグメントを含むグループIイントロンの自己触媒によって環状化されてもよい。いくつかの実施形態では、線状RNAは、リガーゼによって環状化されてもよい。いくつかの実施形態では、線状RNAは、T4RNAリガーゼによって環状化されてもよい。いくつかの実施形態では、線状RNAは、DNAリガーゼによって環状化されてもよい。適切なリガーゼは、T4 DNAリガーゼ(T4 Dnl)、T4RNAリガーゼ1(T4 Rnl1)、及びT4RNAリガーゼ2(T4 Rnl2)を含むが、これらに限定されない。
いくつかの実施形態では、本願は、本明細書の前記いずれかの実施例の環状dRNAを形成可能である線状RNAを提供し、線状RNAは、グループIイントロンの自己触媒によって環状化されてもよい。いくつかの実施形態では、グループIイントロンは、5’触媒グループIイントロンフラグメント及び3’触媒グループIイントロンフラグメントを含む。いくつかの実施形態では、線状RNAは、3’触媒グループIイントロンフラグメント(例えばSEQ ID NO:56で示される配列)及び5’触媒グループIイントロンフラグメント(例えばSEQ ID NO:57で示される配列)を含み、3’触媒グループIイントロンフラグメントは、3’触媒グループIイントロンフラグメント(例えばSEQ ID NO:54で示される配列)によって認識可能な3’エクソン配列の5’末端に隣接し、5’触媒グループIイントロンフラグメントは、5’触媒グループIイントロンフラグメント(例えばSEQ ID NO:55で示される配列)によって認識可能な5’エクソン配列の3’末端に隣接する。
SEQ ID NO:56(3’触媒グループIイントロンフラグメント)
AACAAUAGAUGACUUACAACUAAUCGGAAGGUGCAGAGACUCGACGGGAGCUACCCUAACGUCAAGACGAGGGUAAAGAGAGAGUCCAAUUCUCAAAGCCAAUAGGCAGUAGCGAAAGCUGCAAGAGAAUG
SEQ ID NO:57(5’触媒グループIイントロンフラグメント)
AAAUAAUUGAGCCUUAAAGAAGAAAUUCUUUAAGUGGAUGCUCUCAAACUCAGGGAAACCUAAAUCUAGUUAUAGACAAGGCAAUCCUGAGCCAAGCCGAAGUAGUAAUUAGUAAG
いくつかの実施形態では、線状RNAは、3’触媒グループIイントロンフラグメントの5’末端に隣接する5’相同配列と、5’触媒グループIイントロンフラグメントの3’末端に隣接する3’相同配列と、をさらに含む。いくつかの実施形態では、線状RNAは、5’から3’末端まで、5’ホモロジーアーム-3’触媒グループIイントロンフラグメント-3’エクソン配列-dRNA -5’エクソン配列-5’触媒グループIイントロンフラグメント-3’ホモロジーアーム配列を含む。いくつかの実施形態では、相同配列の長さは、1~100、5~80、5~60、10~50、又は12~50ヌクレオチドであってもよい。いくつかの実施形態では、相同配列の長さは、約20~30ヌクレオチドである。いくつかの実施形態では、5’相同配列は、SEQ ID NO:58の核酸配列を含み、3’相同配列は、SEQ ID NO:59の核酸配列を含む。いくつかの実施形態では、ホモロジーアームは、RNA環状化効率を約0~20%、20%以上、30%以上、40%以上又は50%以上向上させる。
SEQ ID NO:58(例示的な5’相同配列)
GGGAGACCCUCGACCGUCGAUUGUCCACUGGUC
SEQ ID NO:59(例示的な3’相同配列)
ACCAGUGGACAAUCGACGGAUAACAGCAUAUCUAG
いくつかの実施形態では、線状RNAをコードする核酸配列を含む核酸構築物を提供する。いくつかの実施形態では、T7プロモーターは、線状RNAをコードする核酸配列に作動可能に連結される。いくつかの実施形態では、T7プロモーターはSEQ ID NO:60で示される配列からなる。いくつかの実施形態では、T7プロモーターはインビトロ転写を駆動可能である。
SEQ ID NO:60(T7プロモーター)
UAAUACGACUCACUAUAGG
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の方法は、リボザイム自己触媒又は触媒性イントロンのインビトロスプライシングによって線状RNAを環状化することを含む。いくつかの実施形態では、方法は、(a)グループIイントロン(又はその5’及び3’触媒グループIイントロンフラグメント)の自己触媒を活性化する条件を本明細書の前記線状RNAに曝さして環状化RNA産物を提供することと、(b)環状化RNA産物を単離することにより、環状dRNAを提供することと、を含む。
いくつかの実施形態では、該方法は、まず、線状化RNAをコードする配列をプラスミドベクターにクローニングし、次に、組換えプラスミドを線状化することにより、線状RNAを得るステップを含む。いくつかの実施形態では、組換えプラスミドは、制限酵素消化によって線状化される。いくつかの実施形態では、組換えプラスミドは、PCR増幅によって線状化される。いくつかの実施形態では、該方法は、線状化されたプラスミドテンプレートを用いてインビトロ転写を行うことをさらに含む。いくつかの実施形態では、インビトロ転写は、T7プロモーターによって駆動される。いくつかの実施形態では、該方法は、線状RNA転写物を精製することをさらに含む。いくつかの実施形態では、線状RNAはゲル精製によって精製される。
いくつかの実施形態では、本明細書は、グループIイントロンのリボザイム自己触媒によって線状RNA(例えば、精製された線状RNA)を環状化する方法を提供する。スプライシング中、グアノシンヌクレオチドの3’ヒドロキシは、5’スプライシング部位でエステル交換反応に関与する。5’イントロンの半分が切除され、中間体の末端にある遊離ヒドロキシが3′スプライシング部位で2回目のエステル交換を起こし、介在領域が環状化して3’イントロンが切除される。いくつかの実施形態では、グループIイントロン又は5’及び3’触媒グループIイントロンフラグメントの自己触媒を活性化する条件は、GTP及びMg2+の添加である。いくつかの実施形態では、55℃でGTP及びMg2+を添加し15分間保持することによって線状RNAを環状化するステップを提供する。いくつかの実施形態では、該方法は、反応混合物をRNase Rで処理して線状RNA転写物を消化することをさらに含む。いくつかの実施形態では、該方法は、環状dRNAを単離することをさらに含む。
いくつかの実施形態では、環状化は、少なくとも2%、少なくとも5%、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも32%、少なくとも34%、少なくとも36%、少なくとも38%、少なくとも40%、少なくとも42%、少なくとも44%、少なくとも46%、少なくとも48%、又は少なくとも50%の効率を有する。いくつかの実施形態では、環状化は、約40%~約50%、又は50%を超える効率を有する。
b)ライゲーションにより環状化された線状RNA
いくつかの実施形態では、環状RNAは、リガーゼ(例えばRNAリガーゼ)を使用した線状RNAのインビトロライゲーションによって形成される。いくつかの実施形態では、線状RNAは、T4RNAリガーゼによって環状化されてもよい。いくつかの実施形態では、線状RNAは、環状dRNAをコードする核酸配列の5’末端に5’ライゲーション配列を含み、環状dRNAをコードする核酸配列の3’末端に3’ライゲーション配列を含み、5’ライゲーション配列及び3’ライゲーション配列は、RNAリガーゼによって互いにライゲーションしてもよい。非限定的な例において、線状RNAは、リガーゼ(例えばT4 DNAリガーゼ(T4 Dnl)、T4RNAリガーゼ1(T4 Rnl1)、及びT4RNAリガーゼ2(T4 Rnl2))によって環状化されてもよい。線状RNAは、一本鎖核酸アダプター(例えば、スプリントDNA)の存在の有無に関わらず環状化されてもよい。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の方法は、線状RNAをインビトロで環状化することを含み、線状RNAをインビトロで環状化することは、(a)環状dRNAをコードする核酸配列の5’末端に5’ライゲーション配列を含み、上記環状dRNAをコードする核酸配列の3’末端に3’ライゲーション配列を含む線状RNAのいずれかを、一本鎖アダプター核酸と接触させ、一本鎖アダプター核酸は、5’末端から3’末端まで3’ライゲーション配列に相補的な第1配列及び5’ライゲーション配列に相補的な第2配列を含み、5’ライゲーション配列及び3’ライゲーション配列は一本鎖アダプター核酸とハイブリダイズして、5’ライゲーション配列の3’末端と3’ライゲーション配列の5’末端との間の一本鎖切断を含む二本鎖核酸中間体を提供することと、(b)5’ライゲーション配列と3’ライゲーション配列のライゲーションを可能にする条件下で、中間体をRNAリガーゼと接触させて、環状化RNA産物を提供することと、(c)環状化RNA産物を単離することにより、環状dRNAを提供することと、を含む。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の方法は、線状RNAをインビトロで環状化することを含み、線状RNAをインビトロで環状化することは、(a)環状dRNAをコードする核酸配列の5’末端に5’ライゲーション配列を含み、上記環状dRNAをコードする核酸配列の3’末端に3’ライゲーション配列を含む線状RNAのいずれかを、5’ライゲーション配列と3’ライゲーション配列のライゲーションを可能にする条件下で、RNAリガーゼと接触させて、環状化RNA産物を提供することと、(b)環状化RNA産物を単離することにより、環状dRNAを提供することと、を含む。
いくつかの実施形態では、該方法は、反応混合物をRNase Rで処理して、線状RNA転写物を消化することをさらに含む。いくつかの実施形態では、該方法は、環状dRNAを単離することをさらに含む。
いくつかの実施形態では、DNA又はRNAリガーゼを使用して5’-リン酸化された核酸分子(例えば、線状RNA)を核酸(例えば、線状核酸)の3’-ヒドロキシに酵素的に連結して、新しいホスホジエステル結合を形成してもよい。例示的な反応では、製造業者のプロトコルに従って、線状環状RNAを1~10単位のT4RNAリガーゼ(ニューイングランドバイオラボ、マサチューセッツ州イプスウィッチ(New England Biolabs))とともに37℃で1時間インキュベートする。ライゲーション反応は、酵素的ライゲーション反応を補助するために、5’領域と3’領域の両方と並列して塩基対形成できる線状核酸の存在下で起こり得る。いくつかの実施形態では、ライゲーションはスプリントライゲーションである。例えば、スプリントリガーゼ、例えばSPLINTR(登録商標)リガーゼは、スプリントライゲーションに使用できる。スプリントライゲーションの場合、一本鎖多ヌクレオチド(スプリント)、例えば一本鎖RNAは、線状ポリリボヌクレオチドの両方の末端とハイブリダイズするように設計されてもよく、その結果、一本鎖スプリントとのハイブリダイゼーションの際に2つの末端が並置され得る。したがって、線状ポリリボヌクレオチドの並置された2つの末端のライゲーションを触媒し、環状ポリリボヌクレオチドを生成することができる。
いくつかの実施形態では、DNA又はRNAリガーゼは、環状RNAの合成に有用である。非限定的な例としては、リガーゼは、サークルリガーゼまたは環状リガーゼであってもよい。
c)化学ライゲーションにより環状化された線状RNA
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の方法は、線状RNAをインビトロで環状化することを含み、線状RNAをインビトロで環状化することは、(a)環状dRNAをコードする核酸配列を含む線状RNAの5’末端と3’末端を化学的に連結することと、(b)環状化RNA産物を単離することにより、環状dRNAを提供することと、を含む。
いくつかの実施形態では、線状RNAを環状化するステップは、臭化シアン又は類似の縮合剤を使用した化学的環状化方法を含む。
いくつかの実施形態では、線状RNA前駆体は、化学的方法によって環状化されてもよい。いくつかの実施形態では、核酸(例えば、線状環状ポリリボヌクレオチド)の5’-末端及び3’-末端は、化学反応性基を含み、この化学反応性基が互いに接近すると、分子の5’-末端と3’-末端との間に新しい共有結合を形成し得る。5’-末端にはNHSエステル反応性基が含まれ、3’-末端には3’-アミノ末端ヌクレオチドが含まれてもよく、これにより、有機溶媒中では、線状RNA分子の3’-末端にある3’-アミノ末端ヌクレオチドが5’-NHS-エステル部分に対して求核攻撃を受け、新しい5’-/3’-アミド結合が形成される。
いくつかの実施形態では、本明細書による環状化方法の環状化効率は、少なくとも約10%、少なくとも約15%、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約45%、少なくとも約50%、少なくとも約60、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、又は100%である。いくつかの実施形態では、本明細書による環状化方法の環状化効率は、少なくとも約40%である。
d)プラスミド
いくつかの実施形態では、本願は、本明細書に記載のヌクレオチド配列を含むプラスミドを提供する。いくつかの実施形態では、プラスミドは、線状RNAをコードする配列をプラスミドベクターにクローニングすることによって得られる。プラスミドは、Gibsonクローニングまたは制限酵素を使用するクローニングなどの当技術分野で知られている技術によって生成することができる。いくつかの実施形態では、プラスミドベクターは、プラスミドを発現する細菌の抗生物質選択を可能にする抗生物質発現カセットを含む。いくつかの実施形態では、提供されるプラスミドは細菌から精製され、環状RNAの産生に使用され得る。線状RNAのインビトロ転写に適した任意のプラスミドベクターを使用することができる。
いくつかの実施形態では、プラスミドは、線状RNAのインビトロ転写前に線状化される。いくつかの実施形態では、組換えプラスミドは、制限酵素消化によって線状化される。いくつかの実施形態では、組換えプラスミドはPCR増幅によって線状化される。いくつかの実施形態では、該方法は、線状化されたプラスミドテンプレートを用いてインビトロ転写を実施することをさらに含む。いくつかの実施形態では、インビトロ転写は、T7プロモーターによって駆動される。
e)環状dRNAの精製
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の方法は、環状RNA産物を単離および/または精製するステップをさらに含む。いくつかの実施形態では、該方法は、環状dRNAをゲルにより精製することを含む。いくつかの実施形態では、アガロースゲル電気泳動により、線状前駆体分子、ニックを入れた環、スプライシング中間体、および除去されたイントロンからの環状スプライシング産物の簡単かつ効果的な分離が可能になる。いくつかの実施形態では、該方法は、クロマトグラフィー(例えばHPLC)によって環状dRNAを精製することを含む。いくつかの実施形態では、精製した環状dRNAは、-80℃で保存してもよい。
Pol IIプロモーターを有する構築物
別の態様では、本明細書は、宿主細胞内で標的RNAを編集するための方法であって、デアミナーゼリクルートRNA(dRNA)をコードする核酸を含む構築物を宿主細胞に導入することを含み、(1)dRNAは、標的RNAに少なくとも部分的に相補的な標的化RNA配列を含み、(2)dRNAは、RNAに作用するアデノシンデアミナーゼ(ADAR)をリクルート可能であり、(3)構築物は、dRNAをコードする核酸に作動可能に連結されたポリメラーゼIIプロモーター(「Pol IIプロモーター」)を含む、方法を提供する。
いくつかの実施形態では、宿主細胞内で標的RNAを編集するための方法であって、デアミナーゼリクルートRNA(dRNA)をコードする核酸を含む構築物を宿主細胞に導入することを含み、(1)dRNAは、標的RNAに少なくとも部分的に相補的な標的化RNA配列を含み、(2)dRNAは、宿主細胞内で因性的に発現するRNAに作用するアデノシンデアミナーゼ(ADAR)をリクルートして、標的RNA中の標的アデノシン残基を脱アミノ化することができ、(3)構築物は、dRNAをコードする核酸に作動可能に連結されたポリメラーゼIIプロモーター(「Pol IIプロモーター」)を含む、方法を提供する。いくつかの実施形態では、該方法は、タンパク質(例えば、Cas、ADAR、又はADARとCasの融合タンパク質)をコードする核酸を含むいずれのタンパク質又は構築物を宿主細胞に導入することを含まない。
いくつかの実施形態では、本明細書は、宿主細胞内で標的RNAを編集するための方法であって、(a)デアミナーゼリクルートRNA(dRNA)をコードする核酸を含む構築物と、(b)ADAR又はADARをコードする核酸を含む構築物と、を宿主細胞に導入することを含み、(1)dRNAは、標的RNAに少なくとも部分的に相補的な標的化RNA配列を含み、(2)dRNAは、RNAに作用するアデノシンデアミナーゼ(ADAR)をリクルートして、標的RNA中の標的アデノシン残基を脱アミノ化することができ、(3)構築物は、dRNAをコードする核酸に作動可能に連結されたポリメラーゼIIプロモーター(「Pol IIプロモーター」)を含む、方法を提供する。いくつかの実施形態では、ADARは、宿主細胞の内因的にコードされるADARであり、ADARの導入は、宿主細胞内でADARを過剰発現することを含む。いくつかの実施形態では、ADARは、宿主細胞に対して外因的である。いくつかの実施形態では、ADARをコードする核酸を含む構築物は、ベクター、例えばプラスミド、又はウイルスベクター(例えば、AAV又はレンチウイルスベクター)である。
一態様では、本明細書は、宿主細胞内で複数種の標的RNA(例えば、少なくとも約2、3、4、5、10、20、50、100、1000又はそれ以上)をコードするための方法であって、複数種のdRNA又はdRNAをコードする1種又は複数種の構築物を宿主細胞に導入することを含む、方法を提供する。いくつかの実施形態では、1つPol IIプロモーター(例えば、CMV)は、2つ以上のdRNAの発現を駆動する。
Pol IIプロモーターの非限定的な例としては、CMV、SV40、EF-1α、CAG、及びRSVを含む。いくつかの実施形態では、Pol IIプロモーターは、CMVプロモーターである。いくつかの実施形態では、CMVプロモーターは、SEQ ID NO:3(5’-CGTTACATAACTTACGGTAAATGGCCCGCCTGGCTGACCGCCCAACGACCCCCGCCCATTGACGTCAATAATGACGTATGTTCCCATAGTAACGCCAATAGGGACTTTCCATTGACGTCAATGGGTGGAGTATTTACGGTAAACTGCCCACTTGGCAGTACATCAAGTGTATCATATGCCAAGTACGCCCCCTATTGACGTCAATGACGGTAAATGGCCCGCCTGGCATTATGCCCAGTACATGACCTTATGGGACTTTCCTACTTGGCAGTACATCTACGTATTAGTCATCGCTATTACCATGGTGATGCGGTTTTGGCAGTACATCAATGGGCGTGGATAGCGGTTTGACTCACGGGGATTTCCAAGTCTCCACCCCATTGACGTCAATGGGAGTTTGTTTTGGCACCAAAATCAACGGGACTTTCCAAAATGTCGTAACAACTCCGCCCCATTGACGCAAATGGGCGGTAGGCGTGTACGGTGGGAGGTCTATATAAGCAGAGCT-3’)の核酸配列を含む。
本明細書に記載の方法のいずれかによるいくつかの実施形態では、宿主細胞は原核細胞である。いくつかの実施形態では、宿主細胞は真核細胞である。いくつかの実施形態では、宿主細胞は哺乳動物細胞である。いくつかの実施形態では、宿主細胞はヒト細胞である。いくつかの実施形態では、宿主細胞はねずみ細胞である。いくつかの実施形態では、宿主細胞は、植物細胞又は真菌細胞である。
本明細書に記載の方法又は使用のいずれかによるいくつかの実施形態では、宿主細胞は、細胞系、例えばHEK293T、HT29、A549、HepG2、RD、SF268、SW13、及びHeLa細胞である。いくつかの実施形態では、宿主細胞は線維芽細胞、上皮細胞、または免疫細胞などの初代細胞である。いくつかの実施形態では、宿主細胞はT細胞である。いくつかの実施形態では、宿主細胞は有糸分裂後細胞である。いくつかの実施形態では、宿主細胞は、脳細胞、例えば、小脳細胞などの中枢神経系(CNS)の細胞である。
本明細書に記載の方法のいずれかによるいくつかの実施形態では、ADARは宿主細胞に対して内因的である。いくつかの実施形態では、RNAに作用するアデノシンデアミナーゼ(ADAR)は、宿主細胞内に天然または内因的に存在し、例えば、真核細胞内に天然または内因的に存在する。いくつかの実施形態では、ADARは宿主細胞によって内因的に発現される。いくつかの実施形態では、ADARは宿主細胞に外因的に導入される。いくつかの実施形態では、ADARはADAR1および/またはADAR2である。いくつかの実施形態では、ADARは、hADAR1、hADAR2、マウスADAR1、およびADAR2からなる群から選択される1つまたは複数のADARである。いくつかの実施形態では、ADARは、ADAR1、例えば、ADAR1のp110アイソフォーム(「ADAR1p110」)および/またはADAR1のp150アイソフォーム(「ADAR1p150」)である。いくつかの実施形態では、ADARはADAR2である。いくつかの実施形態では、ADARは、宿主細胞によって発現されるADAR2、例えば、小脳細胞によって発現されるADAR2である。
いくつかの実施形態では、ADARは、宿主細胞に対して外因的なADARである。いくつかの実施形態では、ADARは、天然に存在するADARの過剰活性変異体である。いくつかの実施形態では、ADARは、E1008Q変異を含むADAR1である。いくつかの実施形態では、ADARは、結合ドメインを含む融合タンパク質ではない。いくつかの実施形態では、ADARは、遺伝子操作二本鎖核酸結合ドメインを含まない。いくつかの実施形態では、ADARは、dRNA中の相補的RNA配列に融合されるMS2ヘアピンに結合するMCPドメインを含まない。いくつかの実施形態では、ADARはDSBを含まない。
本明細書に記載の方法のいずれかによるいくつかの実施形態では、宿主細胞は、高いADAR1(ADAR1p110および/またはADAR1p150など)の発現レベル、例えば、βチューブリンのタンパク質発現レベルと比較して約10%、20%、50%、100%、2倍、3倍、5倍、またはそれ以上の少なくともいずれか1つを有する。いくつかの実施形態では、宿主細胞は、βチューブリンのタンパク質発現レベルと比較して、高いADAR2発現レベル、例えば、約10%、20%、50%、100%、2倍、3倍、5倍、またはそれ以上の少なくともいずれか1つを有する。いくつかの実施形態では、宿主細胞は、ADAR3の発現レベルが低く、例えば、βチューブリンのタンパク質発現レベルと比較して約5倍、3倍、2倍、100%、50%、20%またはそれ以下のいずれか1つ以下である。
本明細書に記載の方法のいずれかによる特定の実施形態では、dRNAは、少なくとも約40、45、50、55、60、65、70、75、80、90、100、110、120、130、140、150、160、170、180、190、200、210、220、230、240又は250ヌクレオチドのうちのいずれか1つを含む。本明細書に記載の方法のいずれか1つによる特定の実施形態では、dRNAは、約40、45、50、55、60、65、70、75、80、90、100、110、120、130、140、150、160、170、180、190、200、210、220、230、240又は250ヌクレオチド以下のうちのいずれか1つを含む。特定の実施形態では、dRNAの長さは、約40~260、45~250、50~240、60~230、65~220、70~220、70~210、70~200、70~190、70~180、70~170、70~160、70~150、70~140、70~130、70~120、70~110、70~100、70~90、70~80、75~200、80~190、85~180、90~170、95~160、100~200、100~150、100~175、110~200、110~175、110~150又は105~140ヌクレオチドのうちのいずれか1つである。
本明細書に記載の方法又は使用のいずれかによるいくつかの実施形態では、dRNAはADARリクルートドメインを含まない。「ADARリクルートドメイン」は、ADARに高親和性で結合するヌクレオチド配列もしくは構造、または遺伝子操作ADAR構築物中のADARに融合された結合パートナーに結合するヌクレオチド配列であってもよい。例示的なADARリクルートドメインとしては、GluR-2、GluR-B(R/G)、GluR-B(Q/R)、GluR-6(R/G)、5HT2C、およびFlnA(Q/R)ドメインが含まれるが、これらに限定されない。例えば、Wahlstedt、Helene、およびMarieら、『サイト選択型vs無差別的なA-to-I編集(Site-selective vs promiscuous A-to-I editing)』(Wiley Interdisciplinary Reviews: RNA)』2.6(2011): 761-771を参照する。これは、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。いくつかの実施形態では、dRNAは二本鎖部分を含まない。いくつかの実施形態では、dRNAは、MS2ステムループなどのヘアピンを含まない。いくつかの実施形態では、dRNAは一本鎖である。いくつかの実施形態では、dRNAはDSB結合ドメインを含まない。いくつかの実施形態では、dRNAは、相補的RNA配列からなる(または本質的に相補的RNA配列からなる)。
本明細書に記載の方法のいずれかによるいくつかの実施形態では、dRNAは化学修飾を含まない。いくつかの実施形態では、dRNAは、2’-O-メチルヌクレオチドまたはホスホロチオエート結合を有するヌクレオチドなどの化学的に修飾されたヌクレオチドを含まない。いくつかの実施形態では、dRNAは、最初の3残基と最後の3残基のみに2’-O-メチルおよびホスホロチオエート結合修飾を含む。いくつかの実施形態では、dRNAはアンチセンスオリゴヌクレオチド(ASO)ではない。
本明細書に記載のdRNAは、標的RNAに少なくとも部分的に相補的な標的化RNA配列を含む。本明細書に記載の方法のいずれかによる特定の実施形態では、dRNA中の標的化RNA配列は、少なくとも約40、45、50、55、60、65、70、75、80、90、100、110、120、130、140、150、160、170、180、190、200、210、220、230、240又は250ヌクレオチドのうちのいずれか1つを含む。本明細書に記載の方法のいずれかによる特定の実施形態では、dRNA中の標的化RNA配列は、約40、45、50、55、60、65、70、75、80、90、100、110、120、130、140、150、160、170、180、190、200、210、220、230、240又は250ヌクレオチド以下のうちのいずれか1つを含む。特定の実施形態では、dRNA中の標的化RNA配列の長さは、約40~260、45~250、50~240、60~230、65~220、70~220、70~210、70~200、70~190、70~180、70~170、70~160、70~150、70~140、70~130、70~120、70~110、70~100、70~90、70~80、75~200、80~190、85~180、90~170、95~160、100~200、100~150、100~175、110~200、110~160、110~175、110~150、140~160、105~140又は105~155ヌクレオチドのうちのいずれか1つである。いくつかの実施形態では、dRNA中の標的化RNA配列の長さは、約71ヌクレオチドである。いくつかの実施形態では、dRNAの長さは、約111ヌクレオチドである。いくつかの実施形態では、dRNAの長さは、約151ヌクレオチドである。
いくつかの実施形態では、標的化RNA配列は、標的RNA中の標的アデノシン残基に直接対向するシチジン、アデノシン又はウリジンを含む。いくつかの実施形態では、標的化RNA配列は、標的RNA中の標的アデノシン残基に直接対向するシチジンミスマッチを含む。いくつかの実施形態では、シチジンミスマッチは、標的化RNA配列の5’末端から少なくとも5ヌクレオチド、例えば、少なくとも10、15、20、25、30又はそれ以上のヌクレオチド離れる位置にある。いくつかの実施形態では、シチジンミスマッチは、相補的RNA配列の3’末端から少なくとも20ヌクレオチド、例えば、少なくとも25、30、35又はそれ以上のヌクレオチドから離れる位置にある。いくつかの実施形態では、シチジンミスマッチは、標的化RNA配列の3’末端から20(例えば、15、10、5又はそれ以下)ヌクレオチド離れる位置にある。いくつかの実施形態では、シチジンミスマッチは、標的化RNA配列の3’末端から少なくとも20ヌクレオチド(例えば、少なくとも25、30、35又はそれ以上のヌクレオチド)離れる位置、及び標的化RNA配列の5’末端から少なくとも5ヌクレオチド(例えば、少なくとも10、15、20、25、30又はそれ以上のヌクレオチド)離れる位置にある。いくつかの実施形態では、シチジンミスマッチは、標的化RNA配列の中心にある。いくつかの実施形態では、シチジンミスマッチは、dRNA中の標的化配列の中心にある20ヌクレオチド(例えば、15、10、9、8、7、6、5、4、3、2又は1ヌクレオチド)内にある。
本明細書に記載の方法のいずれかによるいくつかの実施形態では、標的化RNA配列は、1つ又は複数のグアノシン、例えば、1、2、3、4、5、6又はそれ以上のGを含み、それぞれは、標的RNA中の非標的アデノシンに直接対向する。いくつかの実施形態では、標的化RNA配列は、標的RNA中の非標的アデノシンに対向する2つ以上の連続したミスマッチヌクレオチド(例えば、2、3、4、5個又はそれ以上のミスマッチヌクレオチド)を含む。
いくつかの実施形態では、標的RNAは、約20個以下の非標的Aを含み、例えば約15、10、9、8、7、6、5、4、3、2、または1個の非標的Aのいずれか1つ以下を含む。非標的Aに対向するG及び連続したミスマッチヌクレオチドは、ADARによるオフターゲット編集効果を低減することができる。
本明細書に記載の方法のいずれかによる特定の実施形態では、標的アデノシン残基の5’最近傍は、U、C、A、及びGから選択されるヌクレオチドであり、好ましくはU>C≒A>Gであり、標的アデノシン残基の3’最近傍は、G、C、A、及びUから選択されるヌクレオチドであり、好ましくはG>C>A≒Uである。特定の実施形態では、標的アデノシン残基は、標的RNA中のUAG、UAC、UAA、UAU、CAG、CAC、CAA、CAU、AAG、AAC、AAA、AAU、GAG、GAC、GAA、及びGAUから選択される3塩基モチーフ内にある。特定の実施形態では、3塩基モチーフはUAGであり、dRNAは3塩基モチーフ内のUに直接対向するA、標的Aに直接対向するC、及び3塩基モチーフ内のGに直接対向するC、G又はUを含む。いくつかの実施形態では、3塩基モチーフは標的RNA中のUAGであり、dRNAは、標的RNA的UAGに対向するACC、ACG又はACUを含む。特定の実施形態では、3塩基モチーフは標的RNA中のUAGであり、dRNAは、標的RNA的UAGに対向するACCを含む。
本明細書に記載の方法のいずれかによるいくつかの実施形態では、標的RNAは、プレメッセンジャーRNA、メッセンジャーRNA、リボソームRNA、トランスファーRNA、長鎖ノンコーディングRNA、及び低分子RNA(例えば、miRNA)からなる群から選択されるいずれか1種である。いくつかの実施形態では、標的RNAは、プレメッセンジャーRNAである。いくつかの実施形態では、標的RNAは、メッセンジャーRNAである。
本明細書に記載の方法のいずれかによる特定の実施形態では、該方法は、ADAR3阻害剤を宿主細胞に導入することをさらに含む。いくつかの実施形態では、ADAR3阻害剤は、ADAR3に対するRNAi、例えばADAR3に対するshRNA、又はADAR3に対するsiRNAである。いくつかの実施形態では、該方法は、インターフェロン刺激剤を宿主細胞に導入することをさらに含む。いくつかの実施形態では、ADARは、インターフェロンによって誘導されてもよく、例えば、ADARはADARp150である。いくつかの実施形態では、インターフェロン刺激剤はIFNβである。いくつかの実施形態では、ADAR3阻害剤及び/又はインターフェロン刺激剤は、dRNAをコードする相同構築物(例えば、ベクター)によってコードされる。
本明細書に記載の方法のいずれかによる特定の実施形態では、標的RNAの編集効率は、少なくとも約10%、例えば、少なくとも約15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、又はそれ以上のいずれか1種である。いくつかの実施形態では、標的RNAの編集効率は、少なくとも約40%である。いくつかの実施形態では、編集効率は、Sangerシーケンシングによって決定される。いくつかの実施形態では、編集効率は、新世代のシーケンシングによって決定される。いくつかの実施形態では、編集効率は、レポーター(例えば蛍光レポーター、例えば、EGFP)の発現を評価することによって決定される。
本明細書に記載の方法のいずれかによる特定の実施形態では、該方法は、低いオフターゲット編集率を有する。いくつかの実施形態では、該方法は、標的RNA中の非標的Aに対しては、約1%未満(例えば、約0.5%、0.1%、0.05%、0.01%、0.001%以下、又はそれ以下のいずれか1つ)の編集効率がある。いくつかの実施形態では、該方法は、標的RNA中の非標的Aを編集しない。いくつかの実施形態では、該方法は、非標的RNA中のAに対して、約0.1%未満(例えば、約0.05%、0.01%、0.005%、0.001%、0.0001%以下、又はそれ以下のいずれかの1つ)の編集効率がある。
本明細書に記載の方法のいずれかによる特定の実施形態では、該方法は、免疫応答、例えば自然免疫応答を誘導しない。いくつかの実施形態では、該方法は、宿主細胞内のインターフェロン及び/又はインターロイキンの発現を誘導しない。いくつかの実施形態では、該方法は、宿主細胞内のIFN-β及び/又はIL-6の発現を誘導しない。
本明細書に記載の方法のいずれか1つによって産生された編集RNAまたは編集RNAを有する宿主細胞も提供される。いくつかの実施形態では、編集RNAはイノシンを含む。いくつかの実施形態では、宿主細胞は、ミスセンス変異、早期終止コドン、選択的スプライシング部位、または異常スプライシング部位を有するRNAを含む。いくつかの実施形態では、宿主細胞は、変異タンパク質、切断タンパク質(truncated protein)、またはミスフォールドタンパク質を含む。
核酸の非ウイルス送達方法には、リポフェクション、ヌクレオフェクション、マイクロインジェクション、バイオリスティック、ビロソーム、リポソーム、免疫リポソーム、ポリカチオンまたは脂質、核酸コンジュゲート、エレクトロポレーション、ナノ粒子、エキソソーム、微小胞または遺伝子銃、裸のDNAおよび人工ビリオンが含まれる。
核酸の送達にRNAまたはDNAウイルスベースのシステムを使用すると、ウイルスを特定の細胞に標的化し、ウイルスペイロードを細胞核に輸送する際に高い効率が得られる。
本明細書に記載の方法のいずれかによる特定の実施形態では、該方法は、dRNAをコードするウイルスベクター(例えばAAV又はレンチウイルスベクター)を宿主細胞に導入することを含む。いくつかの実施形態では、ベクターは、組換えアデノ随伴ウイルス(rAAV)ベクターである。いくつかの実施形態では、構築物は、1つ又は複数のAAV逆方向末端反復(ITR)配列に隣接する。いくつかの実施形態では、構築物は2つのAAV ITRに隣接する。いくつかの実施形態では、AAV ITRは、AAV1、AAV2、AAV3、AAV4、AAV5、AAV6、AAV7、AAV8、AAVrh8、AAVrh8R、AAV9、AAV10、AAVrh10、AAV11、AAV12、AAV2R471A、AAV DJ、ヤギAAV、ウシAAV、又はマウスAAV血清型ITRである。いくつかの実施形態では、AAV ITRは、AAV2 ITRである。いくつかの実施形態では、ベクターは、スタッファー核酸をさらに含む。いくつかの実施形態では、スタッファー核酸は、dRNAをコードする核酸の上流又は下流にある。いくつかの実施形態では、ベクターは、自己相補的rAAVベクターである。いくつかの実施形態では、ベクターは、dRNAをコードする第1核酸配列と、dRNAをコードする相補的配列の第2核酸配列と、を含み、第1核酸配列は、その長さの大部分又は全部に沿って第2核酸配列と鎖内塩基対を形成可能である。いくつかの実施形態では、第1核酸配列及び第2核酸配列は、変異AAV ITRによって連結されており、変異AAV ITRは、D領域の欠失を含み、かつ末端分解配列(terminal resolution sequence)の変異を含む。いくつかの実施形態では、ベクターはrAAV粒子内にキャプシド化されている。いくつかの実施形態では、AAVウイルス粒子は、AAV1、AAV2、AAV3、AAV4、AAV5、AAV6、AAV7、AAV8、AAVrh8、AAVrh8R、AAV9、AAV10、AAVrh10、AAV11、AAV12、AAV2R471A、AAV2/2-7m8、AAV DJ、AAV2 N587A、AAV2 E548A、AAV2 N708A、AAV2 V708K、AAV2-HBKO、AAVDJ8、AAVPHP.B、AAVPHP.eB、AAVBR1、AAVHSC15、AAVHSC17、ヤギAAV、キメラAAV1/AAV2、ウシAAV、マウスAAV、又はrAAV2/HBoV1血清型キャプシドを含む。
いくつかの実施形態では、該方法は、dRNAをコードするプラスミドを宿主細胞に導入することを含む。いくつかの実施形態では、該方法は、宿主細胞へのdRNA(例えば、合成dRNA)のエレクトロポレーションを含む。いくつかの実施形態では、該方法は、宿主細胞へのdRNAのトランスフェクションを含む。
脱アミノ化後、標的RNAおよび/または標的RNAによってコードされるタンパク質の修飾は、標的RNA内の標的アデノシンの位置に応じて異なる方法を使用して決定できる。例えば、標的RNAにおいて「A」が「I」に編集されたか否かを決定するために、当技術分野で知られているRNAシーケンシング法を使用してRNA配列の修飾を検出することができる。標的アデノシンがmRNAのコード領域に位置する場合、RNA編集により、mRNAによってコードされるアミノ酸配列が変化し得る。例えば、点突然変異がmRNAに導入され、「A」から「I」への変換により、mRNAにおける先天的または後天的な点突然変異が逆転して野生型遺伝子産物が得られ得る。当該技術分野で公知の方法によるアミノ酸シーケンシングを使用して、コードされたタンパク質内のアミノ酸残基のあらゆる変化を見つけることができる。終止コドンの修飾は、機能的、伸長型、切断型、全長および/または野生型タンパク質の存在を評価することによって決定され得る。例えば、標的アデノシンがUGA、UAG、またはUAA終止コドンに位置する場合、標的アデノシン残基(UGAまたはUAG)またはAs(UAA)の修飾により、リードスルー変異および/または伸長タンパク質が生じる可能性があり、または標的RNAによってコードされる切断タンパク質が逆転して、機能的な完全長タンパク質および/または野生型タンパク質が作製され得る。標的RNAの編集により、標的RNAに異常なスライシング部位および/または選択的スライシング部位が生成され、その結果、伸長、トゥランケイション、またはミスフォールディングされたタンパク質が生じたり、標的RNAにコードされている異常なスプライシング部位または選択的スプライシング部位が逆転して、機能的で正しくフォールディングされた完全長および/または野生型タンパク質が作成され得る。いくつかの実施形態では、本願は、先天的および後天的遺伝子変化の両方、例えば、ミスセンス変異、早期終止コドン、異常スプライシングまたは標的RNAによってコードされる選択的スプライシング部位の編集を企図する。既知の方法を使用して、標的RNAによってコードされるタンパク質の機能を評価すると、RNA編集が望ましい効果を達成するか否かを知ることができる。アデノシン(A)からイノシン(I)への脱アミノ化は、タンパク質をコードする変異体RNAの標的位置の変異Aを修正し得るため、イノシンへの脱アミノ化の同定により、機能性タンパク質が存在するか否か、または変異アデノシンの存在によって引き起こされる疾患または薬剤耐性に関連するRNAが元に戻るか部分的に元に戻るか否かの評価が得られ得る。同様に、アデノシン(A)からイノシン(I)への脱アミノ化は、得られるタンパク質に点突然変異を導入する可能性があるため、イノシンへの脱アミノ化の同定は、疾患の原因または疾患の関連因子を特定するための機能的指標を提供し得る。
標的アデノシンの存在が異常なスプライシングを引き起こす場合、リードアウトは、異常なスプライシングの発生および頻度の評価であり得る。一方、スプライス部位を導入するために標的アデノシンの脱アミノ化が望ましい場合、類似のアプローチを使用して、必要なタイプのスプライシングが発生しているか否かを確認できる。当業者に周知の方法を使用して標的アデノシンの脱アミノ化後にイノシンの存在を同定するための例示的な適切な方法は、RT-PCRおよびシーケンシングである。
標的アデノシンの脱アミノ化の作用には、例えば、得られるタンパク質の点突然変異、早期終止コドン、異常なスプライス部位、選択的スプライス部位、およびミスフォールディングが含まれる。これらの作用は、遺伝子遺伝するか後天的な遺伝子変異によって引き起こされるかにかかわらず、疾患に関連するRNAおよび/またはタンパク質の構造的および機能的変化を誘発し得る。あるいは、薬剤耐性の発生に関連するRNAおよび/またはタンパク質の構造的および機能的変化を誘発し得る。したがって、本願のdRNA、dRNAをコードする構築物、およびRNA編集方法は、疾患関連RNAおよび/またはタンパク質の構造および/または機能を変化させることによって、遺伝性の遺伝性疾患または障害、あるいは後天的な遺伝子変異に関連する疾患または障害の予防または治療に使用することができる。
いくつかの実施形態では、標的RNAは制御性RNAである。いくつかの実施形態では、編集される標的RNAは、リボソームRNA、トランスファーRNA、長鎖ノンコーディングRNA、または低分子RNA(例えば、miRNA、pri-miRNA、pre-miRNA、piRNA、siRNA、snoRNA、snRNA、exRNA、またはscaRNA)である。標的アデノシンの脱アミノ化の作用には、例えば、標的RNAの三次元構造の変化および/または機能の喪失もしくは機能の獲得を含む、リボソームRNA、トランスファーRNA、長鎖ノンコーディングRNAまたは低分子RNA(例えば、miRNA)の構造的および機能的変化が含まれる。いくつかの実施形態では、標的RNA中の標的Asの脱アミノ化により、標的RNAの1つまたは複数の下流分子(例えば、タンパク質、RNAおよび/または代謝産物)の発現レベルが変化する。下流分子の発現レベルの変化は、発現レベルの増加または減少であり得る。
本願のいくつかの実施形態は、宿主細胞における標的RNAの多重編集を含み、これは、宿主細胞における標的遺伝子または異なる遺伝子の異なる変異体をスクリーニングするのに有用である。いくつかの実施形態では、該方法は、複数のdRNAを宿主細胞に導入することを含み、複数のdRNAのうちの少なくとも2つのdRNAは異なる配列を有し、および/または異なる標的RNAを有する。いくつかの実施形態では、各dRNAは、異なる配列および/または異なる標的RNAを有する。いくつかの実施形態では、該方法は、宿主細胞内の単一の標的RNAにおいて複数(例えば、少なくとも2、3、5、10、50、100、1000またはそれ以上)の修飾を生成する。いくつかの実施形態では、該方法は、宿主細胞内の複数(例えば、少なくとも2、3、5、10、50、100、1000またはそれ以上)の標的RNAに修飾を生じさせる。いくつかの実施形態では、該方法は、複数の宿主細胞集団における複数の標的RNAを編集することを含む。いくつかの実施形態では、宿主細胞の各集団は、宿主細胞の他の集団とは異なるdRNA、または異なる標的RNAを有するdRNAを受け取る。
III.デアミナーゼリクルートRNA、構築物、及びライブラリー
本明細書は、本明細書に記載のいずれかの方法のためのデアミナーゼリクルートRNA又は構築物をさらに提供する。このセクションに記載されるdRNAまたは構築物のいずれか1つが、本明細書に記載されるRNA編集および治療の方法に使用され得る。dRNAまたは構築物について本明細書に記載される特徴およびパラメータのいずれも、あたかもすべての組み合わせが個別に記載されているかのように、互いに組み合わせることができることが意図されている。本明細書に記載されるdRNAは、CRISPR/Cas系で使用されるtracrRNA、crRNA、またはgRNAを含まない。いくつかの実施形態では、標的RNAとハイブリダイズする相補的RNA配列を含む、ADARをリクルートすることによって標的RNA中の標的アデノシンを脱アミノ化するためのデアミナーゼリクルートRNA(dRNA)が提供される。
一態様では、本発明は、本明細書に記載のデアミナーゼリクルートRNAのいずれか1つを含む構築物を提供する。特定の実施形態では、構築物はウイルスベクター(レンチウイルスベクターなど)またはプラスミドである。いくつかの実施形態では、構築物は単一のdRNAをコードする。いくつかの実施形態では、構築物は複数(例えば、約1、2、3、4、5、10、20またはそれ以上のいずれか1つ)のdRNAをコードする。
一態様では、本願は、本明細書に記載の複数のデアミナーゼリクルートRNAまたは複数の構築物を含むライブラリーを提供する。
一態様では、本願は、本明細書に記載のデアミナーゼリクルートRNAまたは構築物を含む組成物または宿主細胞を提供する。特定の実施形態では、宿主細胞は原核細胞または真核細胞である。いくつかの実施形態では、宿主細胞は哺乳動物細胞である。いくつかの実施形態では、宿主細胞はヒト細胞である。
環状dRNA及び構築物
一態様では、本明細書は、宿主細胞内で標的RNAを編集するためのデアミナーゼリクルートRNA(dRNA)であって、標的RNAに少なくとも部分的に相補的な標的化RNA配列を含み、dRNAは、RNAに作用するアデノシンデアミナーゼ(ADAR)をリクルート可能であり、dRNAは、環状であるか、又は宿主細胞内で環状RNAを形成可能である、デアミナーゼリクルートRNA(dRNA)を提供する。
いくつかの実施形態では、dRNAは、宿主細胞内で環状RNAを形成可能である線状RNAである。いくつかの実施形態では、dRNAは、Tornado方法によって環状化される。いくつかの実施形態では、dRNA転写物は、5’及び/又は3’ライゲーション配列にも隣接し、次に、それぞれ5’-ツイスターリボザイム及び/又は3’-ツイスターリボザイムに隣接する。いくつかの実施形態では、3’ライゲーション配列及び5’ライゲーション配列は、互いに少なくとも部分的に相補的である。いくつかの実施形態では、3’ライゲーション配列及び5’ライゲーション配列は、互いに少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、又は少なくとも約99%相補的である。いくつかの実施形態では、3’ライゲーション配列及び5’ライゲーション配列は、互いに完全に相補的である。
いくつかの実施形態では、3’ライゲーション配列及び5’ライゲーション配列の長さは、独立に、少なくとも約20ヌクレオチド、少なくとも約25ヌクレオチド、少なくとも約30ヌクレオチド、少なくとも約35ヌクレオチド、少なくとも約40ヌクレオチド、少なくとも約45ヌクレオチド、少なくとも約50ヌクレオチド、少なくとも約55ヌクレオチド、少なくとも約60ヌクレオチド、少なくとも約65ヌクレオチド、少なくとも約70ヌクレオチド、少なくとも約75ヌクレオチド、少なくとも約80ヌクレオチド、少なくとも約85ヌクレオチド、少なくとも約90ヌクレオチド、少なくとも約95ヌクレオチド、又は少なくとも約100ヌクレオチドである。いくつかの実施形態では、3’ライゲーション配列及び5’ライゲーション配列の長さは、独立に、約20~30ヌクレオチド、約30~40ヌクレオチド、約40~50ヌクレオチド、約50~60ヌクレオチド、約60~70ヌクレオチド、約70~80ヌクレオチド、約80~90ヌクレオチド、約90~100ヌクレオチド、約100~125ヌクレオチド、約125~150ヌクレオチド、約20~50ヌクレオチド、約50~100ヌクレオチド、又は約100~150ヌクレオチドである。
いくつかの実施形態では、dRNAは、RNAリガーゼによって環状化される。いくつかの実施形態では、RNAリガーゼは、宿主細胞内で内因的に発現される。いくつかの実施形態では、RNAリガーゼは、RNAリガーゼRtcBである。いくつかの実施形態では、RNAリガーゼRtcBは、宿主細胞内で内因的に発現される。いくつかの実施形態では、dRNAは、インビトロで酵素によるライゲーション(例えば、RNA、DNAリガーゼ又はスプライシングを使用して)又は化学ライゲーション(例えば、臭化シアン又は類似の縮合剤を使用して)によって環状化される。
本明細書は、dRNAをコードする核酸を含む構築物をさらに提供する。いくつかの実施形態では、dRNAをコードする核酸を含む構築物によってdRNAを導入する。いくつかの実施形態では、構築物は、dRNAをコードする核酸の3’末端に連結された3’ツイスターリボザイム配列をさらに含む。いくつかの実施形態では、構築物は、dRNAをコードする核酸の5’末端に連結された5’ツイスターリボザイム配列をさらに含む。いくつかの実施形態では、構築物は、dRNAをコードする核酸の3’末端に連結された3’ツイスターリボザイム配列と、dRNAをコードする核酸の5’末端に連結された5’ツイスターリボザイム配列と、をさらに含む。いくつかの実施形態では、3’ツイスター配列はツイスターP3 U2Aであり、5’ツイスター配列はツイスターP1である。いくつかの実施形態では、5’ツイスター配列はツイスターP3 U2Aであり、3’ツイスター配列はツイスターP1である。いくつかの実施形態では、dRNAは自己触媒切断を受ける。いくつかの実施形態では、触媒のdRNA産物は、3’末端に5’-ヒドロキシ及び2’,3’-環状リン酸エステルを含む。いくつかの実施形態では、触媒的dRNA産物は、遍在する内因性RNAリガーゼ(例えば、RNAリガーゼRtcB)によって連結される。いくつかの実施形態では、構築物は、プラスミド、又はウイルスベクターである。
1つ又は2つのsnoRNA末端を有するdRNA、及び構築物
別の態様では、本明細書は、標的RNAを編集するためのデアミナーゼリクルートRNA(dRNA)であって、(1)標的RNAに少なくとも部分的に相補的な標的化RNA配列と、(2)標的化RNA配列の3’及び/又は5’末端にある核小体低分子RNA(snoRNA)配列と、を含み、dRNAは、RNAに作用するアデノシンデアミナーゼ(ADAR)をリクルート可能である、デアミナーゼリクルートRNA(dRNA)を提供する。
いくつかの実施形態では、dRNAは、標的化RNA配列の5’末端に連結されたsnoRNA配列(「5’ snoRNA配列」)を含む。いくつかの実施形態では、dRNAは、標的化RNA配列の3’末端に連結されたsnoRNA配列(「3’ snoRNA配列」)を含む。いくつかの実施形態では、snoRNA配列の長さは、少なくとも約50ヌクレオチド、少なくとも約60ヌクレオチド、少なくとも約70ヌクレオチド、少なくとも約80ヌクレオチド、少なくとも約90ヌクレオチド、少なくとも約100ヌクレオチド、少なくとも約110ヌクレオチド、少なくとも約120ヌクレオチド、少なくとも約130ヌクレオチド、少なくとも約140ヌクレオチド、少なくとも約150ヌクレオチド、少なくとも約160ヌクレオチド、少なくとも約170ヌクレオチド、少なくとも約180ヌクレオチド、少なくとも約190ヌクレオチド、又は少なくとも約200ヌクレオチド。いくつかの実施形態では、snoRNA配列の長さは約50~75ヌクレオチド、約75~100ヌクレオチド、約100~125ヌクレオチド、約125~150ヌクレオチド、約150~175ヌクレオチド、約175~200ヌクレオチド、約50~100ヌクレオチド、約100~150ヌクレオチド、約150~200ヌクレオチド、約125~175ヌクレオチド、又は約100~200ヌクレオチドである。
いくつかの実施形態では、3’snoRNA配列は、SEQ ID NO:1の核酸配列からなる。いくつかの実施形態では、5’ snoRNA配列は、SEQ ID NO:2の核酸配列からなる。いくつかの実施形態では、snoRNA配列は、C/D Box snoRNA配列である。いくつかの実施形態では、snoRNA配列は、H/ACA Box snoRNA配列である。いくつかの実施形態では、snoRNA配列は、複合C/D BoxとH/ACA Box snoRNA配列である。いくつかの実施形態では、snoRNA配列は、オーファンsnoRNA配列である。
Pol IIプロモーターを有する構築物
別の態様では、本明細書は、宿主細胞に入るデアミナーゼリクルートRNA(dRNA)をコードする核酸を含む構築物であって、(1)dRNAは、標的RNAに少なくとも部分的に相補的な標的化RNA配列を含み、(2)dRNAは、RNAに作用するアデノシンデアミナーゼ(ADAR)をリクルート可能であり、(3)構築物は、dRNAをコードする核酸に作動可能に連結されたポリメラーゼIIプロモーター(「Pol IIプロモーター」)を含む、構築物を提供する。
いくつかの実施形態では、Pol IIプロモーターは、プロモーターがコードヌクレオチド配列の転写または発現を制御するように、コードヌクレオチド配列に作動可能に連結される。Pol IIプロモーターは、その制御下でコードヌクレオチド配列の5’(上流)に位置し得る。Pol IIプロモーターとコード配列との間の距離は、そのプロモーターと、そのプロモーターが由来する遺伝子においてそのプロモーターが制御する遺伝子との間の距離とほぼ同じであり得る。当技術分野で知られているように、この距離の変動は、プロモーター機能を失うことなく適応され得る。いくつかの実施形態では、構築物は、コードヌクレオチド配列の転写または発現を調節する5’UTRおよび/または3’UTRを含む。いくつかの実施形態では、Pol IIプロモーターはCMVプロモーターである。いくつかの実施形態では、CMVプロモーターは、SEQ ID NO:3の核酸配列からなる。いくつかの実施形態では、1つのPol IIプロモーター(例えば、CMV)が、2つ以上のdRNAの発現を駆動している。
本明細書に記載のdRNA、構築物、ライブラリー又は組成物のいずれかによるいくつかの実施形態では、標的化RNA配列は、標的RNA中の編集される標的アデノシンに直接対向するシチジン、アデノシン又はウリジンを含む。いくつかの実施形態では、標的化RNA配列は、1つ又は複数のグアノシンをさらに含み、それぞれは標的RNA中の非標的アデノシンに直接対向する。特定の実施形態では、標的アデノシン残基の5’最近傍は、U、C、A及びGから選択されるヌクレオチドであり、好ましくはU>C≒A>Gであり、標的アデノシン残基の3’最近傍は、G、C、A及びUから選択されるヌクレオチドであり、好ましくはG>C>A≒Uである。いくつかの実施形態では、標的アデノシン残基の5’最近傍はUである。いくつかの実施形態では、標的アデノシン残基の5’最近傍はC又はAである。いくつかの実施形態では、標的アデノシン残基の3’最近傍はGである。いくつかの実施形態では、標的アデノシン残基の3’最近傍はCである。
本明細書に記載のdRNA、構築物、ライブラリー又は組成物のいずれかによるいくつかの実施形態では、標的アデノシン残基は、標的RNA中のUAG、UAC、UAA、UAU、CAG、CAC、CAA、CAU、AAG、AAC、AAA、AAU、GAG、GAC、GAA、及びGAUから選択される3塩基モチーフ内にある。いくつかの実施形態では、3塩基モチーフはUAGであり、dRNAは、3塩基モチーフ内のUに直接対向するA、標的Aに直接対向するC、及び3塩基モチーフ内のGに直接対向するC、G又はUを含む。特定の実施形態では、3塩基モチーフは標的RNA中のUAGであり、dRNAは、標的RNA的UAGに対向するACC、ACG又はACUを含む。
いくつかの実施形態では、dRNAは、標的RNA中の標的アデノシン残基に直接対向するシチジンミスマッチを含む。いくつかの実施形態では、シチジンミスマッチは、相補的RNA配列の中心に近い位置、例えば相補的RNA配列の中心から20、15、10、5、4、3、2又は1ヌクレオチド離れる位置にある。いくつかの実施形態では、シチジンミスマッチは、相補的RNA配列の5’末端少なくとも5ヌクレオチドから離れる。いくつかの実施形態では、シチジンミスマッチは、相補的RNA配列の3’末端から少なくとも20ヌクレオチド離れる。
本明細書に記載のdRNA、構築物、ライブラリー又は組成物のいずれかによるいくつかの実施形態では、dRNAは、約40、45、50、55、60、65、70、75、80、90、100、110、120、130、140、150、160、170、180、190、200、210、220、230、240又は250個を超えるヌクレオチドのうちのいずれか1つを含む。特定の実施形態では、dRNAの長さは、約40~260、45~250、50~240、60~230、65~220、70~210、70~200、70~190、70~180、70~170、70~160、70~150、70~140、70~130、70~120、70~110、70~100、70~90、70~80、75~200、80~190、85~180、90~170、95~160、100~150又は105~140ヌクレオチドのうちのいずれか1つである。
本願のdRNAは、標的RNAとハイブリダイズする標的化RNA配列を含む。標的化RNA配列は、標的RNAに対して完全に相補的であるか、または実質的に相補的であり、標的化RNA配列の標的RNAへのハイブリダイゼーションを可能にする。いくつかの実施形態では、標的化RNA配列は、標的RNAと100%の配列相補性を有する。いくつかの実施形態では、標的化RNA配列は、標的RNA中の少なくとも約20、40、60、80、100、150、200、またはそれ以上のヌクレオチドの任意の1つの連続ストレッチにわたって、少なくとも約70%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、または99%のいずれか1つ以上相補的である。いくつかの実施形態では、標的化RNA配列と標的RNAとの間のハイブリダイゼーションによって形成されるdsRNAは、1つまたは複数(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10又はそれ以上)の非ワトソン・クリック塩基対(すなわち、ミスマッチ)を有する。
ADAR、たとえば、ヒトADAR酵素は、多くの要因に応じて、さまざまな特異性を有する二本鎖RNA(dsRNA)構造を編集する。重要な要素の1つは、dsRNA配列を構成する2本の鎖の相補性の程度である。dRNAと標的RNA間の完全な相補性により、通常、ADARの触媒ドメインが無差別にアデノシンを脱アミノ化する。ADARの特異性と効率は、dsRNA領域にミスマッチを導入することによって修飾され得る。例えば、編集されるアデノシンの脱アミノ化の特異性と効率を高めるには、A-Cミスマッチが推奨されることが好ましい。逆に、標的アデノシン残基以外の他のA(アデノシン)位置(すなわち、「非標的A」)では、G-Aミスマッチによりオフターゲット編集が減少し得る。dRNAとその標的RNAとの間のハイブリダイゼーションおよびdsRNAの形成に実質的な相補性があれば、dRNAとその標的RNAとの間のdsRNA形成に完全な相補性は必ずしも必要ではない。いくつかの実施形態では、dRNA配列またはその一本鎖RNA領域は、最適にアラインメントされた場合、標的RNAに対して約70%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、または99%の配列相補性のうちの少なくとも1つを有する。最適なアラインメントは、配列をアラインメントするための任意の適切なアルゴリズムを使用して決定することができ、その非限定的な例としては、スミス・ウォーターマンアルゴリズム(Smith-Waterman algorithm)、ニードルマン・ウィムシュアルゴリズム(Needleman-Wimsch algorithm)、バロウズ・ウィーラー変換(Burrows-Wheeler Transform)に基づくアルゴリズム(例えば、バロウズ・ウィーラー・アライナー)が挙げられる。
標的アデノシンに隣接するヌクレオチドも、脱アミノ化の特異性と効率に影響を与える。例えば、アデノシンの脱アミノ化の特異性と効率の観点から、標的RNA配列内で編集される標的アデノシンの5’最近傍は好ましくはU>C≒A>Gであり、標的RNA配列内で編集される標的アデノシンの3’最近傍は好ましくはG>C>A≒Uである。いくつかの実施形態では、標的アデノシンが、標的RNA中のUAG、UAC、UAA、UAU、CAG、CAC、CAA、CAU、AAG、AAC、AAA、AAU、GAG、GAC、GAAおよびGAUからなる群から選択される3塩基モチーフにあり得る場合、アデノシンの脱アミノ化の特異性および効率は、他の3塩基モチーフにおけるアデノシンよりも高い。いくつかの実施形態では、編集される標的アデノシンが3塩基モチーフUAG、UAC、UAA、UAU、CAG、CAC、AAG、AACまたはAAA内にある場合、アデノシンの脱アミノ化の効率は、他のモチーフ内のアデノシンよりもはるかに高い。同じ3塩基モチーフでも、dRNAの設計が異なると脱アミノ効率も異なる場合がある。3塩基モチーフUAGを例に挙げると、いくつかの実施形態では、dRNAが、編集される標的アデノシンに直接対向するシチジン(C)、ウリジンに直接対向するアデノシン(A)、およびグアノシンに直接対向するシチジン(C)、グアノシン(G)またはウリジン(U)を含む場合、標的アデノシンの脱アミノ化の効率は、他のdRNA配列を使用する場合よりも高い。いくつかの実施形態では、dRNAが、標的RNAのUAGに対向するACC、ACG、またはACUを含む場合、標的RNAのUAGにおけるAの編集効率は、約25%~90%(例えば、約25%~80%、25%~70%、25%~60%、25%~50%、25%~40%、または25%~30%)に達し得る。
標的アデノシンの他に、編集することが望ましくない1つまたは複数のアデノシンが標的RNAに存在する可能性がある。これらのアデノシンについては、編集効率を極力下げることが好ましい。本開示により、グアノシンが標的RNAにおけるアデノシンに直接対向する場合、脱アミノ化効率が著しく低下することが判明した。したがって、オフターゲットの脱アミノ化を減少させるために、標的RNAで編集される標的アデノシン以外の1つまたは複数のアデノシンに直接対向する1つまたは複数のグアノシンを含むようにdRNAを設計できる。
標的RNA配列の編集に必要な特異性のレベルおよび効率は、さまざまな用途に応じて異なる。本特許出願の説明に従って、当業者は、必要に応じて標的RNA配列に対して相補的または実質的に相補的な配列を有するdRNAを設計することができ、多少の試行錯誤を経て、所望の結果を得ることができる。本明細書で使用されるように、「ミスマッチ」という用語は、ワトソン・クリック塩基対規則に従って完全な塩基対を形成しない二本鎖RNA(dsRNA)内の対向するヌクレオチドを指す。ミスマッチ塩基対には、例えば、G-A、C-A、U-C、A-A、G-G、C-C、U-U塩基対が含まれる。A-Cマッチを例に挙げると、標的RNA内の標的アデノシン残基が編集される場合、編集されるAの反対側にCを含むようにdRNAが設計され、標的RNAとdRNAの間のハイブリダイゼーションによって形成されるdsRNAにA-Cミスマッチが生成される。
いくつかの実施形態では、dRNAと標的RNAとの間のハイブリダイゼーションによって形成されるdsRNAは、ミスマッチを含まない。いくつかの実施形態では、dRNAと標的RNAとの間のハイブリダイゼーションによって形成されるdsRNAは、1つまたは複数、例えば、1、2、3、4、5、6、7つまたはそれ以上のミスマッチ(例えば、同じタイプまたは異なるタイプのミスマッチ)を含む。いくつかの実施形態では、dRNAと標的RNAとの間のハイブリダイゼーションによって形成されるdsRNAは、1つまたは複数のミスマッチ、例えば、G-A、C-A、U-C、A-A、G-G、C-CおよびU-Uから選択される1、2、3、4、5、6、7種類のミスマッチを含む。
dRNAと標的RNAの間のハイブリダイゼーションによって形成されるdsRNA内のミスマッチヌクレオチドはバルジを形成する可能性があり、これにより標的RNAの編集効率が向上する。ミスマッチによって形成されるバルジは1つ(標的アデノシンでのみ形成される)または複数存在する可能性がある。追加のバルジ誘発ミスマッチは、標的アデノシンの上流および/または下流にあり得る。バルジは、単一ミスマッチバルジ(1つのミスマッチ塩基対によって引き起こされる)またはマルチミスマッチバルジ(2つ以上の連続したミスマッチ塩基対、例えば、2つまたは3つの連続したミスマッチ塩基対によって引き起こされる)であり得る。
dRNA中の標的化RNA配列は一本鎖である。dRNAは、完全に一本鎖であってもよく、又は1つ又は複数の(例えば、1、2、3又はそれ以上)の二本鎖領域及び/又は1つ又は複数のステムループを含んでもよい。いくつかの実施形態では、標的化RNA配列は、少なくとも約40、45、50、55、60、65、70、75、80、90、100、110、120、130、140、150、160、170、180、190、200又はそれ以上のヌクレオチドのうちのいずれか1つである。特定の実施形態では、標的化RNA配列の長さは、約40~260、45~250、50~240、60~230、65~220、70~220、70~210、70~200、70~190、70~180、70~170、70~160、70~150、70~140、70~130、70~120、70~110、70~100、70~90、70~80、75~200、80~190、85~180、90~170、95~160、100~200、100~150、100~175、110~200、110~160、110~175、110~150、140~160、105~140又は105~155ヌクレオチドのうちのいずれか1つである。いくつかの実施形態では、dRNA中の標的化RNA配列の長さは、約71ヌクレオチドである。いくつかの実施形態では、dRNAの長さは、約111ヌクレオチドである。いくつかの実施形態では、dRNAの長さは、約151ヌクレオチドである。
いくつかの実施形態では、dRNAは、標的化RNA配列とは別に、dRNAを安定化するための領域、例えば、1つまたは複数の二本鎖領域および/またはステムループ領域をさらに含む。いくつかの実施形態では、dRNAの二本鎖領域またはステムループ領域は、約200、150、100、50、40、30、20、10以下の塩基対のいずれか1つ以下を含む。いくつかの実施形態では、dRNAはステムループまたは二本鎖領域を含まない。いくつかの実施形態では、dRNAは、ADARリクルートドメインを含む。いくつかの実施形態では、dRNAは、ADARリクルートドメインを含まない。
dRNAは、1つ又は複数の修飾を含んでもよい。いくつかの実施形態では、dRNAは、核酸塩基修飾および/または主鎖修飾を含む、1つまたは複数の修飾ヌクレオチドを有する。RNAに対する例示的な修飾には、ホスホロチオエート主鎖修飾、リボースの2’-置換(2’-O-メチルおよび2’-フルオロ置換など)、LNA、およびL-RNAが含まれるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、dRNAは、核酸塩基または主鎖に修飾を有していない。
本願はまた、本明細書に記載のdRNAを含む構築物を企図しており、これには、上記のセクションに記載の構築物のいずれかが含まれるが、これらに限定されない。本明細書で使用される「構築物」という用語は、RNAに転写され得る、またはタンパク質に発現され得るコードヌクレオチド配列を含むDNAまたはRNA分子を指す。いくつかの実施形態では、構築物は、RNAまたはタンパク質をコードするヌクレオチド配列に作動可能に連結された1つまたは複数の調節エレメントを含む。構築物が宿主細胞に導入されると、適切な条件下で、構築物中のコードヌクレオチド配列が転写または発現され得る。
いくつかの実施形態では、構築物は、プロモーターがコードヌクレオチド配列の転写または発現を制御するように、コードヌクレオチド配列に作動可能に連結されたプロモーターを含む。プロモーターは、その制御下でコードヌクレオチド配列の5’(上流)に位置し得る。プロモーターとコード配列との間の距離は、そのプロモーターと、そのプロモーターが由来する遺伝子においてそれが制御する遺伝子との間の距離とほぼ同じであり得る。当技術分野で知られているように、この距離の変動は、プロモーター機能を失うことなく適応され得る。いくつかの実施形態では、構築物は、コードヌクレオチド配列の転写または発現を調節する5’UTRおよび/または3’UTRを含む。いくつかの実施形態では、プロモーターはU6プロモーターである。いくつかの実施形態では、プロモーターは、上記のセクションで説明したように、PolyIIプロモーターである。
いくつかの実施形態では、構築物は、本願に開示されるdRNAのいずれか1つをコードするベクターである。「ベクター」という用語は、それが結合している別の核酸を輸送することができる核酸分子を指す。ベクターには、一本鎖、二本鎖、または部分的に二本鎖の核酸分子;1つまたは複数の自由末端を含み、自由末端を含まない(例えば、環状)核酸分子;DNA、RNA、またはその両方を含む核酸分子;および当技術分野で知られている他の種類のポリヌクレオチドが含まれるが、これらに限定されない。ベクターの1つのタイプは「プラスミド」であり、これは、標準的な分子クローニング技術などによって追加のDNAセグメントを挿入できる環状二本鎖DNAループを指す。特定のベクターは、それらが導入された宿主細胞内で自律複製することができる(例えば、細菌の複製起点を有する細菌ベクターおよびエピソーマル哺乳類ベクター)。他のベクター(例えば、非エピソーム哺乳動物ベクター)は、宿主細胞に導入されると宿主細胞のゲノムに組み込まれ、それによって宿主ゲノムとともに複製される。さらに、特定のベクターは、それらが作動可能に連結されているコードヌクレオチド配列の転写または発現を指示することができる。このようなベクターを本明細書では「発現ベクター」と呼ぶ。
組換え発現ベクターは、宿主細胞における核酸の転写または発現に適した形態で本願の核酸を含むことができる。いくつかの実施形態では、組換え発現ベクターは、転写または発現に使用される宿主細胞に基づいて選択され得る、転写または発現される核酸配列に作動可能に連結される、1つまたは複数の調節エレメントを含む。組換え発現ベクター内で、「作動可能に連結された」とは、目的のヌクレオチド配列が、ヌクレオチド配列の発現を可能にするように(例えば、インビトロ転写/翻訳系において、またはベクターが宿主細胞に導入されるときの宿主細胞において)調節エレメントに連結されていることを意味することを意図する。
いくつかの実施形態では、ベクターはrAAVベクターである。いくつかの実施形態では、rAAVベクターは、AAV血清型由来のベクターで、AAV ITRは、AAV1、AAV2、AAV3、AAV4、AAV5、AAV6、AAV7、AAV8、AAVrh8、AAVrh8R、AAV9、AAV10、AAVrh10、AAV11、AAV12、AAV2R471A、AAV DJ、ヤギAAV、ウシAAV、又はマウスAAVキャプシド血清型などを含んでもよいが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、AAV中の核酸は、AAV1、AAV2、AAV3、AAV4、AAV5、AAV6、AAV7、AAV8、AAVrh8、AAVrh8R、AAV9、AAV10、AAVrh10、AAV11、AAV12、AAV2R471A、AAVDJ、ヤギAAV、ウシAAV、又はマウスAAVキャプシド血清型などのITRを含む。いくつかの実施形態では、AAV中の核酸はさらに本明細書に記載のdRNAをコードする。任意のAAV血清型の使用は、本開示の範囲内であるとみなされる。いくつかの実施形態では、ベクターはrAAV粒子内にキャプシド化される。いくつかの実施形態では、AAVウイルス粒子は、AAV1、AAV2、AAV3、AAV4、AAV5、AAV6、AAV7、AAV8、AAVrh8、AAVrh8R、AAV9、AAV10、AAVrh10、AAV11、AAV12、AAV2R471A、AAV2/2-7m8、AAV DJ、AAV2 N587A、AAV2 E548A、AAV2 N708A、AAV2 V708K、AAV2-HBKO、AAVDJ8、AAVPHP.B、AAVPHP.eB、AAVBR1、AAVHSC15、AAVHSC17、ヤギAAV、キメラAAV1/AAV2、牛AAV、マウスAAV、又はrAAV2/HBoV1血清型キャプシドを含む。
いくつかの実施形態では、dRNAをコードするヌクレオチド配列を含む構築物(例えば、ベクター、例えばウイルスベクター)を提供する。いくつかの実施形態では、ADARをコードするヌクレオチド配列を含む構築物(例えば、ベクター、例えばウイルスベクター)を提供する。いくつかの実施形態では、dRNAをコードする第1ヌクレオチド配列及びADARをコードする第2ヌクレオチド配列を含む構築物を提供する。いくつかの実施形態では、第1ヌクレオチド配列及び第2ヌクレオチド配列は、同一プロモーターに作動可能に連結される。いくつかの実施形態では、第1ヌクレオチド配列及び第2ヌクレオチド配列は、異なるプロモーターに作動可能に連結される。いくつかの実施形態では、プロモーターは誘導型のものである。いくつかの実施形態では、構築物はADARをコードしない。いくつかの実施形態では、ベクターは、ADAR3阻害剤(例えば、ADAR3 shRNA又はsiRNA)及び/又はインターフェロン刺激剤(例えば、IFN-α)をコードする核酸配列をさらに含む。
IV.治療方法
本明細書に記載のRNA編集方法および組成物は、遺伝性遺伝子疾患および薬剤耐性を含むがこれらに限定されない個体の疾患または状態を治療または予防するために使用することができる。
いくつかの実施形態では、個体(例えば、ヒト個体)の細胞内で標的RNAをエクスビボで編集する方法であって、本明細書に記載されるRNA編集方法のいずれか1つにより標的RNAを編集することを含む、方法を提供する。
いくつかの実施形態では、個体(例えば、ヒト個体)の細胞内で標的RNAをエクスビボで編集する方法であって、dRNA又はdRNAをコードする核酸を含む構築物を個体の細胞に導入することを含み、dRNAは、標的RNAとハイブリダイズする標的化RNA配列を含み、dRNAは、ADARをリクルートして標的RNA中の標的アデノシン残基を脱アミノ化することができ、dRNAは、環状RNAであるか、又は個体の細胞内で環状RNAを形成可能である、方法を提供する。
いくつかの実施形態では、個体(例えば、ヒト個体)の細胞内で標的RNAをエクスビボで編集する方法であって、dRNA又はdRNAをコードする核酸を含む構築物を個体の細胞に導入することを含み、dRNAは、(1)標的RNAとハイブリダイズする標的化RNA配列と、(2)標的化RNA配列の3’及び/又は5’末端に連結された核小体低分子RNA(snoRNA)配列と、を含み、dRNAは、ADARをリクルートして標的RNA中の標的アデノシン残基を脱アミノ化することができる、方法を提供する。
いくつかの実施形態では、個体(例えば、ヒト個体)の細胞内で標的RNAをエクスビボで編集する方法であって、dRNAをコードする核酸を含む構築物を個体の細胞に導入することを含み、dRNAは、標的RNAとハイブリダイズする標的化RNA配列を含み、dRNAは、ADARをリクルートして標的RNA中の標的アデノシン残基を脱アミノ化することができ、構築物は、dRNAをコードする核酸に作動可能に連結されたポリメラーゼIIプロモーター(「Pol IIプロモーター」)を含む、方法を提供する。いくつかの実施形態では、ADARは内因的に発現される。いくつかの実施形態では、該方法は、ADAR又はADARをコードする核酸を含む構築物を細胞に導入することをさらに含む。
いくつかの実施形態では、標的RNAは個体の疾患又は障害に関連している。いくつかの実施形態では、疾患又は障害は、遺伝性の遺伝子疾患、又は1種又は複数種の後天的遺伝子変異(例えば、薬剤耐性)に関連する疾患又は障害である。いくつかの実施形態では、該方法は、個体から細胞を得ることをさらに含む。
いくつかの実施形態では、個体(例えば、ヒト個体)の疾患又は障害を治療又は予防する方法であって、本明細書に記載のいずれかのRNA編集方法によって個体の細胞内で疾患又は障害に関連する標的RNAを編集することを含む、方法を提供する。
いくつかの実施形態では、個体(例えば、ヒト個体)の疾患又は障害を治療又は予防する方法であって、dRNA又はdRNAをコードする核酸を含む構築物を個体の単離細胞にエクスビボで導入することを含み、dRNAは、疾患又は障害に関連する標的RNAとハイブリダイズする標的化RNA配列を含み、dRNAは、ADARをリクルートして標的RNA中の標的アデノシン残基を脱アミノ化することができ、dRNAは、環状RNAであるか、又は個体の単離細胞内で環状RNAを形成可能である、方法を提供する。
いくつかの実施形態では、個体(例えば、ヒト個体)の疾患又は障害を治療又は予防する方法であって、dRNA又はdRNAをコードする核酸を含む構築物を個体の単離細胞にエクスビボで導入することを含み、dRNAは、(1)標的RNAとハイブリダイズする標的化RNA配列と、(2)標的化RNA配列の3’及び/又は5’末端に連結された核小体低分子RNA(snoRNA)配列と、を含み、dRNAは、ADARをリクルートして標的RNA中の標的アデノシン残基を脱アミノ化することができる、方法を提供する。
いくつかの実施形態では、個体(例えば、ヒト個体)の疾患又は障害を治療又は予防する方法であって、dRNAをコードする核酸を含む構築物を個体の単離細胞にエクスビボで導入することを含み、dRNAは、標的RNAとハイブリダイズする標的化RNA配列を含み、dRNAは、ADARをリクルートして標的RNA中の標的アデノシン残基を脱アミノ化することができ、構築物は、dRNAをコードする核酸に作動可能に連結されたポリメラーゼIIプロモーター(「Pol IIプロモーター」)を含む、方法を提供する。
いくつかの実施形態では、ADARは、単離細胞内で内因的に発現されるADARである。いくつかの実施形態では、該方法は、ADAR又はADARをコードする核酸を含む構築物を単離細胞に導入することを含む。いくつかの実施形態では、該方法は、編集RNAを持つ細胞を培養することをさらに含む。いくつかの実施形態では、該方法は、個体へ編集RNAを持つ細胞を投与することをさらに含む。いくつかの実施形態では、疾患又は障害は、遺伝性の遺伝子疾患、又は1種又は複数種の後天的遺伝子変異(例えば、薬剤耐性)に関連する疾患又は障害である。
いくつかの実施形態では、個体(例えば、ヒト個体)の疾患又は障害を治療又は予防する方法であって、dRNA又はdRNAをコードする核酸を含む構築物の有効量を個体に投与することを含み、dRNAは、疾患又は障害に関連する標的RNAとハイブリダイズする標的化RNA配列を含み、dRNAは、ADARをリクルートして標的RNA中の標的アデノシン残基を脱アミノ化することができ、dRNAは、環状RNAであるか、又は個体の細胞内で環状RNAを形成可能である、方法を提供する。
いくつかの実施形態では、個体(例えば、ヒト個体)の疾患又は障害を治療又は予防する方法であって、dRNA又はdRNAをコードする核酸を含む構築物の有効量を個体に投与することを含み、dRNAは、(1)標的RNAとハイブリダイズする標的化RNA配列と、(2)標的化RNA配列の3及び/又は5’末端に連結された核小体低分子RNA(snoRNA)配列と、を含み、dRNAは、ADARをリクルートして標的RNA中の標的アデノシン残基を脱アミノ化することができる、方法を提供する。
いくつかの実施形態では、個体(例えば、ヒト個体)の疾患又は障害を治療又は予防する方法であって、dRNAをコードする核酸を含む構築物の有効量を個体に投与することを含み、dRNAは、標的RNAとハイブリダイズする標的化RNA配列を含み、dRNAは、ADARをリクルートして標的RNA中の標的アデノシン残基を脱アミノ化することができ、構築物は、dRNAをコードする核酸に作動可能に連結されたポリメラーゼIIプロモーター(「Pol IIプロモーター」)を含む、方法を提供する。
いくつかの実施形態では、ADARは、個体の細胞内で内因的に発現されるADARである。いくつかの実施形態では、該方法は、ADAR又はADARをコードする核酸を含む構築物を個体に投与することを含む。いくつかの実施形態では、疾患又は障害は、遺伝性の遺伝子疾患、又は1種又は複数種の後天的遺伝子変異(例えば、薬剤耐性)に関連する疾患又は障害である。
本願の方法を用いて治療するのに適している疾患及び障害には、変異に関連する疾患、例えばGからAへの変異、例えば、RNA転写物中のミスセンス変異、早期終止コドン、異常スプライシング若しくは選択的スプライシングを生じさせるGからAへの変異が含まれる。本願の方法で回復させ得る疾患関連変異の例としては、癌に関連するTP53W53X(例えば、158G>A)、ムコ多糖症I型(MPS I)に関連するIDUAW402X(例えば、エクソン9中のTGG>TAG変異)、エーラス・ダンロス症候群に関連するCOL3A1W1278X(例えば、3833G>A変異)、原発性肺高血圧症に関連するBMPR2W298X(例えば、893G>A)、ジュベール症候群に関連するAHI1W725X(例えば、2174G>A)、ファンコニ貧血に関連するFANCCW506X(例えば、1517G>A)、原発性家族性肥大型心筋症に関連するMYBPC3W1098X(例えば、3293G>A)、X 連鎖重度複合免疫不全症に関連するIL2RGW237X(例えば、710G>A)が含まれるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、疾患又は障害は、癌である。いくつかの実施形態では、疾患又は障害は、単一遺伝子疾患である。いくつかの実施形態では、疾患又は障害は、多遺伝子性の疾患である。
いくつかの実施形態では、個体において変異(例えば、G>A変異)を持つ標的RNAに関連する癌を治療する方法であって、dRNA又はdRNAをコードする核酸を含む構築物を個体の単離細胞にエクスビボで導入することを含み、dRNAは、疾患又は障害に関連する標的RNAとハイブリダイズする標的化RNA配列を含み、dRNAは、ADARをリクルートして標的RNA中の標的アデノシン残基を脱アミノ化することができ、dRNAは、環状RNAであるか、又は個体の単離細胞内で環状RNAを形成可能である、方法を提供する。
いくつかの実施形態では、個体において変異(例えば、G>A変異)を持つ標的RNAに関連する癌を治療する方法であって、dRNA又はdRNAをコードする核酸を含む構築物を個体の単離細胞にエクスビボで導入することを含み、dRNAは、(1)標的RNAとハイブリダイズする標的化RNA配列と、(2)標的化RNA配列の3’及び/又は5’末端に連結された核小体低分子RNA(snoRNA)配列と、を含み、dRNAは、ADARをリクルートして標的RNA中の標的アデノシン残基を脱アミノ化することができる、方法を提供する。
いくつかの実施形態では、個体において変異(例えば、G>A変異)を持つ標的RNAに関連する癌を治療する方法であって、dRNAをコードする核酸を含む構築物を個体の単離細胞にエクスビボで導入することを含み、dRNAは、標的RNAとハイブリダイズする標的化RNA配列を含み、dRNAは、ADARをリクルートして標的RNA中の標的アデノシン残基を脱アミノ化することができ、構築物は、dRNAをコードする核酸に作動可能に連結されたポリメラーゼIIプロモーター(「Pol IIプロモーター」)を含む、方法を提供する。
いくつかの実施形態では、ADARは、単離細胞内で内因的に発現されるADARである。いくつかの実施形態では、該方法は、ADAR又はADARをコードする核酸を含む構築物を単離細胞に導入することを含む。いくつかの実施形態では、標的RNAは、TP53W53X(例えば、158G>A)である。いくつかの実施形態では、dRNAは、SEQ ID NO:4(5’-GGGAGCAGCCUCUGGCAUUCUGGGAGCUUCAUCUGGACCUGGGUCUUCAGUGAACCAUUGUUCAAUAUCGUCCGGGGACAGCAUCAAAUCAUCCAUUGCUUGGGACGGCAA-3’)の核酸配列からなる。
いくつかの実施形態では、個体において変異(例えば、G>A変異)を持つ標的RNAを用いて癌を治療又は予防する方法であって、dRNA又はdRNAをコードする核酸を含む構築物の有効量を個体に投与することを含み、dRNAは、疾患又は障害に関連する標的RNAとハイブリダイズする標的化RNA配列を含み、dRNAは、ADARをリクルートして標的RNA中の標的アデノシン残基を脱アミノ化することができ、dRNAは、環状RNAであるか、又は個体の細胞内で環状RNAを形成可能である、方法を提供する。
いくつかの実施形態では、個体において変異(例えば、G>A変異)を持つ標的RNAを用いて癌を治療又は予防する方法であって、dRNA又はdRNAをコードする核酸を含む構築物の有効量を個体に投与することを含み、dRNAは、(1)標的RNAとハイブリダイズする標的化RNA配列と、(2)標的化RNA配列の3’及び/又は5’末端に連結された核小体低分子RNA(snoRNA)配列と、を含み、dRNAは、ADARをリクルートして標的RNA中の標的アデノシン残基を脱アミノ化することができる、方法を提供する。
いくつかの実施形態では、個体において変異(例えば、G>A変異)を持つ標的RNAを用いて癌を治療又は予防する方法であって、dRNAをコードする核酸を含む構築物の有効量を個体に投与することを含み、dRNAは、標的RNAとハイブリダイズする標的化RNA配列を含み、dRNAは、ADARをリクルートして標的RNA中の標的アデノシン残基を脱アミノ化することができ、構築物は、dRNAをコードする核酸に作動可能に連結されたポリメラーゼIIプロモーター(「Pol IIプロモーター」)を含む、方法を提供する。
いくつかの実施形態では、ADARは、個体の細胞内で内因的に発現されるADARである。いくつかの実施形態では、該方法は、ADAR又はADARをコードする核酸を含む構築物を個体に投与することを含む。いくつかの実施形態では、標的RNAは、TP53W53X(例えば、158G>A)である。いくつかの実施形態では、dRNAは、SEQ ID NO:4の核酸配列からなる。
いくつかの実施形態では、個体において変異(例えば、G>A変異)を持つ標的RNAに関連するMPS I(例えば、Hurler症候群又はScheie症候群)を治療する方法であって、dRNA又はdRNAをコードする核酸を含む構築物を個体の単離細胞にエクスビボで導入することを含み、dRNAは、疾患又は障害に関連する標的RNAとハイブリダイズする標的化RNA配列を含み、dRNAは、ADARをリクルートして標的RNA中の標的アデノシン残基を脱アミノ化することができ、dRNAは、環状RNAであるか、又は個体の単離細胞内で環状RNAを形成可能である、方法を提供する。
いくつかの実施形態では、個体において変異(例えば、G>A変異)を持つ標的RNAに関連するMPS I(例えば、Hurler症候群又はScheie症候群)を治療する方法であって、dRNA又はdRNAをコードする核酸を含む構築物を個体の単離細胞にエクスビボで導入することを含み、dRNAは、(1)標的RNAとハイブリダイズする標的化RNA配列と、(2)標的化RNA配列の3’及び/又は5’末端に連結された核小体低分子RNA(snoRNA)配列と、を含み、dRNAは、ADARをリクルートして標的RNA中の標的アデノシン残基を脱アミノ化することができる、方法を提供する。
いくつかの実施形態では、個体において変異(例えば、G>A変異)を持つ標的RNAに関連するMPS I(例えば、Hurler症候群又はScheie症候群)を治療する方法であって、dRNAをコードする核酸を含む構築物を個体の単離細胞にエクスビボで導入することを含み、dRNAは、標的RNAとハイブリダイズする標的化RNA配列を含み、dRNAは、ADARをリクルートして標的RNA中の標的アデノシン残基を脱アミノ化することができ、構築物は、dRNAをコードする核酸に作動可能に連結されたポリメラーゼIIプロモーター(「Pol IIプロモーター」)を含む、方法を提供する。
いくつかの実施形態では、ADARは、単離細胞内で内因的に発現されるADARである。いくつかの実施形態では、該方法は、ADAR又はADARをコードする核酸を含む構築物を単離細胞に導入することを含む。いくつかの実施形態では、標的RNAは、IDUAW402X(例えば、エクソン9中のTGG>TAG変異)である。いくつかの実施形態では、dRNAは、SEQ ID NO:5(5’-GACGCCCACCGUGUGGUUGCUGUCCAGGACGGUCCCGGCCUGCGACACUUCGGCCCAGAGCUGCUCCUCAUCUGCGGGGCGGGGGGGGGCCGUCGCCGCGUGGGGUCGUUG-3’)の核酸配列からなる。
いくつかの実施形態では、個体において変異(例えば、G>A変異)を持つ標的RNAを用いてMPS I(例えば、Hurler症候群又はScheie症候群)を治療又は予防する方法であって、dRNA又はdRNAをコードする核酸を含む構築物の有効量を個体に投与することを含み、dRNAは、疾患又は障害に関連する標的RNAとハイブリダイズする標的化RNA配列を含み、dRNAは、ADARをリクルートして標的RNA中の標的アデノシン残基を脱アミノ化することができ、dRNAは、環状RNAであるか、又は個体の細胞内で環状RNAを形成可能である、方法を提供する。
いくつかの実施形態では、個体において変異(例えば、G>A変異)を持つ標的RNAを用いてMPS I(例えば、Hurler症候群又はScheie症候群)を治療又は予防する方法であって、dRNA又はdRNAをコードする核酸を含む構築物の有効量を個体に投与することを含み、dRNAは、(1)標的RNAとハイブリダイズする標的化RNA配列と、(2)標的化RNA配列の3’及び/又は5’末端に連結された核小体低分子RNA(snoRNA)配列と、を含み、dRNAは、ADARをリクルートして標的RNA中の標的アデノシン残基を脱アミノ化することができる、方法を提供する。
いくつかの実施形態では、個体において変異(例えば、G>A変異)を持つ標的RNAを用いてMPS I(例えば、Hurler症候群又はScheie症候群)を治療又は予防する方法であって、dRNAをコードする核酸を含む構築物の有効量を個体に投与することを含み、dRNAは、標的RNAとハイブリダイズする標的化RNA配列を含み、dRNAは、ADARをリクルートして標的RNA中の標的アデノシン残基を脱アミノ化することができ、構築物は、dRNAをコードする核酸に作動可能に連結されたポリメラーゼIIプロモーター(「Pol IIプロモーター」)を含む、方法を提供する。
いくつかの実施形態では、ADARは、個体の細胞内で内因的に発現されるADARである。いくつかの実施形態では、該方法は、ADAR又はADARをコードする核酸を含む構築物を個体に投与することを含む。いくつかの実施形態では、標的RNAは、IDUAW402X(例えば、エクソン9中のTGG>TAG変異)である。いくつかの実施形態では、dRNAは、SEQ ID NO:5の核酸配列からなる。
いくつかの実施形態では、個体において変異(例えば、G>A変異)を持つ標的RNAに関連する疾患又は障害であるエーラス・ダンロス症候群を治療する方法であって、dRNA又はdRNAをコードする核酸を含む構築物を個体の単離細胞にエクスビボで導入することを含み、dRNAは、疾患又は障害に関連する標的RNAとハイブリダイズする標的化RNA配列を含み、dRNAは、ADARをリクルートして標的RNA中の標的アデノシン残基を脱アミノ化することができ、dRNAは、環状RNAであるか、又は個体の単離細胞内で環状RNAを形成可能である、方法を提供する。
いくつかの実施形態では、個体において変異(例えば、G>A変異)を持つ標的RNAに関連する疾患又は障害であるエーラス・ダンロス症候群を治療する方法であって、dRNA又はdRNAをコードする核酸を含む構築物を個体の単離細胞にエクスビボで導入することを含み、dRNAは、(1)標的RNAとハイブリダイズする標的化RNA配列と、(2)標的化RNA配列の3’及び/又は5’末端に連結された核小体低分子RNA(snoRNA)配列と、を含み、dRNAは、ADARをリクルートして標的RNA中の標的アデノシン残基を脱アミノ化することができる、方法を提供する。
いくつかの実施形態では、個体において変異(例えば、G>A変異)を持つ標的RNAに関連する疾患又は障害であるエーラス・ダンロス症候群を治療する方法であって、dRNAをコードする核酸を含む構築物を個体の単離細胞にエクスビボで導入することを含み、dRNAは、標的RNAとハイブリダイズする標的化RNA配列を含み、dRNAは、ADARをリクルートして標的RNA中の標的アデノシン残基を脱アミノ化することができ、構築物は、dRNAをコードする核酸に作動可能に連結されたポリメラーゼIIプロモーター(「Pol IIプロモーター」)を含む、方法を提供する。
いくつかの実施形態では、ADARは、単離細胞内で内因的に発現されるADARである。いくつかの実施形態では、該方法は、ADAR又はADARをコードする核酸を含む構築物を単離細胞に導入することを含む。いくつかの実施形態では、標的RNAは、COL3A1W1278X(例えば、3833G>A変異)である。いくつかの実施形態では、dRNAは、SEQ ID NO:6(5’-CAUAUUACAGAAUACCUUGAUAGCAUCCAAUUUGCAUCCUUGGUUAGGGUCAACCCAGUAUUCUCCACUCUUGAGUUCAGGAUGGCAGAAUUUCAGGUCUCUGCAGUUUCU-3’)の核酸配列からなる。
いくつかの実施形態では、個体において変異(例えば、G>A変異)を持つ標的RNAを用いてエーラス・ダンロス症候群を治療又は予防する方法であって、dRNA又はdRNAをコードする核酸を含む構築物の有効量を個体に投与することを含み、dRNAは、疾患又は障害に関連する標的RNAとハイブリダイズする標的化RNA配列を含み、dRNAは、ADARをリクルートして標的RNA中の標的アデノシン残基を脱アミノ化することができ、dRNAは、環状RNAであるか、又は個体の細胞内で環状RNAを形成可能である、方法を提供する。
いくつかの実施形態では、個体において変異(例えば、G>A変異)を持つ標的RNAを用いてエーラス・ダンロス症候群を治療又は予防する方法であって、dRNA又はdRNAをコードする核酸を含む構築物の有効量を個体に投与することを含み、dRNAは、(1)標的RNAとハイブリダイズする標的化RNA配列と、(2)標的化RNA配列の3’及び/又は5’末端に連結された核小体低分子RNA(snoRNA)配列と、を含み、dRNAは、ADARをリクルートして標的RNA中の標的アデノシン残基を脱アミノ化することができる、方法を提供する。
いくつかの実施形態では、個体において変異(例えば、G>A変異)を持つ標的RNAを用いてエーラス・ダンロス症候群を治療又は予防する方法であって、dRNAをコードする核酸を含む構築物の有効量を個体に投与することを含み、dRNAは、標的RNAとハイブリダイズする標的化RNA配列を含み、dRNAは、ADARをリクルートして標的RNA中の標的アデノシン残基を脱アミノ化することができ、構築物は、dRNAをコードする核酸に作動可能に連結されたポリメラーゼIIプロモーター(「Pol IIプロモーター」)を含む、方法を提供する。
いくつかの実施形態では、ADARは、個体の細胞内で内因的に発現されるADARである。いくつかの実施形態では、該方法は、ADAR又はADARをコードする核酸を含む構築物を個体に投与することを含む。いくつかの実施形態では、標的RNAは、COL3A1W1278X(例えば、3833G>A変異)である。いくつかの実施形態では、dRNAは、SEQ ID NO:6の核酸配列からなる。
いくつかの実施形態では、個体において変異(例えば、G>A変異)を持つ標的RNAに関連する原発性肺高血圧症を治療する方法であって、dRNA又はdRNAをコードする核酸を含む構築物を個体の単離細胞にエクスビボで導入することを含み、dRNAは、疾患又は障害に関連する標的RNAとハイブリダイズする標的化RNA配列を含み、dRNAは、ADARをリクルートして標的RNA中の標的アデノシン残基を脱アミノ化することができ、dRNAは、環状RNAであるか、又は個体の単離細胞内で環状RNAを形成可能である、方法を提供する。
いくつかの実施形態では、個体において変異(例えば、G>A変異)を持つ標的RNAに関連する原発性肺高血圧症を治療する方法であって、dRNA又はdRNAをコードする核酸を含む構築物を個体の単離細胞にエクスビボで導入することを含み、dRNAは、(1)標的RNAとハイブリダイズする標的化RNA配列と、(2)標的化RNA配列の3’及び/又は5’末端に連結された核小体低分子RNA(snoRNA)配列と、を含み、dRNAは、ADARをリクルートして標的RNA中の標的アデノシン残基を脱アミノ化することができる、方法を提供する。
いくつかの実施形態では、個体において変異(例えば、G>A変異)を持つ標的RNAに関連する原発性肺高血圧症を治療する方法であって、dRNAをコードする核酸を含む構築物を個体の単離細胞にエクスビボで導入することを含み、dRNAは、標的RNAとハイブリダイズする標的化RNA配列を含み、dRNAは、ADARをリクルートして標的RNA中の標的アデノシン残基を脱アミノ化することができ、構築物は、dRNAをコードする核酸に作動可能に連結されたポリメラーゼIIプロモーター(「Pol IIプロモーター」)を含む、方法を提供する。
いくつかの実施形態では、ADARは、単離細胞内で内因的に発現されるADARである。いくつかの実施形態では、該方法は、ADAR又はADARをコードする核酸を含む構築物を単離細胞に導入することを含む。いくつかの実施形態では、標的RNAは、BMPR2W298X(例えば、893G>A)。いくつかの実施形態では、dRNAは、SEQ ID NO:7(5’-GUGAAGAUAAGCCAGUCCUCUAGUAACAGAAUGAGCAAGACGGCAAGAGCUUACCCAGUCACUUGUGUGGAGACUUAAAUACUUGCAUAAAGAUCCAUUGGGAUAGUACUC-3’)の核酸配列からなる。
いくつかの実施形態では、個体において変異(例えば、G>A変異)を持つ標的RNAを用いて原発性肺高血圧症を治療又は予防する方法であって、dRNA又はdRNAをコードする核酸を含む構築物の有効量を個体に投与することを含み、dRNAは、疾患又は障害に関連する標的RNAとハイブリダイズする標的化RNA配列を含み、dRNAは、ADARをリクルートして標的RNA中の標的アデノシン残基を脱アミノ化することができ、dRNAは、環状RNAであるか、又は個体の細胞内で環状RNAを形成可能である、方法を提供する。
いくつかの実施形態では、個体において変異(例えば、G>A変異)を持つ標的RNAを用いて原発性肺高血圧症を治療又は予防する方法であって、dRNA又はdRNAをコードする核酸を含む構築物の有効量を個体に投与することを含み、dRNAは、(1)標的RNAとハイブリダイズする標的化RNA配列と、(2)標的化RNA配列の3’及び/又は5’末端に連結された核小体低分子RNA(snoRNA)配列と、を含み、dRNAは、ADARをリクルートして標的RNA中の標的アデノシン残基を脱アミノ化することができる、方法を提供する。
いくつかの実施形態では、個体において変異(例えば、G>A変異)を持つ標的RNAを用いて原発性肺高血圧症を治療又は予防する方法であって、dRNAの有効量を個体に投与することを含み、dRNAは、標的RNAとハイブリダイズする標的化RNA配列を含み、dRNAは、ADARをリクルートして標的RNA中の標的アデノシン残基を脱アミノ化することができ、構築物は、dRNAをコードする核酸に作動可能に連結されたポリメラーゼIIプロモーター(「Pol IIプロモーター」)を含む、方法を提供する。
いくつかの実施形態では、ADARは、個体の細胞内で内因的に発現されるADARである。いくつかの実施形態では、該方法は、ADAR又はADARをコードする核酸を含む構築物を個体に投与することを含む。いくつかの実施形態では、標的RNAは、BMPR2W298X(例えば、893G>A)である。いくつかの実施形態では、dRNAは、SEQ ID NO:7の核酸配列からなる。
いくつかの実施形態では、個体において変異(例えば、G>A変異)を持つ標的RNAに関連するジュベール症候群を治療する方法であって、dRNA又はdRNAをコードする核酸を含む構築物を個体の単離細胞にエクスビボで導入することを含み、dRNAは、疾患又は障害に関連する標的RNAとハイブリダイズする標的化RNA配列を含み、dRNAは、ADARをリクルートして標的RNA中の標的アデノシン残基を脱アミノ化することができ、dRNAは、環状RNAであるか、又は個体の単離細胞内で環状RNAを形成可能である、方法を提供する。
いくつかの実施形態では、個体において変異(例えば、G>A変異)を持つ標的RNAに関連するジュベール症候群を治療する方法であって、dRNA又はdRNAをコードする核酸を含む構築物を個体の単離細胞にエクスビボで導入することを含み、dRNAは、(1)標的RNAとハイブリダイズする標的化RNA配列と、(2)標的化RNA配列の3’及び/又は5’末端に連結された核小体低分子RNA(snoRNA)配列と、を含み、dRNAは、ADARをリクルートして標的RNA中の標的アデノシン残基を脱アミノ化することができる、方法を提供する。
いくつかの実施形態では、個体において変異(例えば、G>A変異)を持つ標的RNAに関連するジュベール症候群を治療する方法であって、dRNAをコードする核酸を含む構築物を個体の単離細胞にエクスビボで導入することを含み、dRNAは、標的RNAとハイブリダイズする標的化RNA配列を含み、dRNAは、ADARをリクルートして標的RNA中の標的アデノシン残基を脱アミノ化することができ、構築物は、dRNAをコードする核酸に作動可能に連結されたポリメラーゼIIプロモーター(「Pol IIプロモーター」)を含む、方法を提供する。
いくつかの実施形態では、ADARは、単離細胞内で内因的に発現されるADARである。いくつかの実施形態では、該方法は、ADAR又はADARをコードする核酸を含む構築物を単離細胞に導入することを含む。いくつかの実施形態では、標的RNAは、AHI1W725X(例えば、2174G>A)。いくつかの実施形態では、dRNAは、SEQ ID NO:8(5’-GUGAACGUCAAACUGUCGGACCAAUAUGGCAGAAUCUUCUCUCAUCUCAACUUUCCAUAUCCGUAUCAUGGAAUCAUAGCAUCCUGUAACUACUAGCUCUCUUACAGCUGG-3’)の核酸配列からなる。
いくつかの実施形態では、個体において変異(例えば、G>A変異)を持つ標的RNAを用いてジュベール症候群を治療又は予防する方法であって、dRNA又はdRNAをコードする核酸を含む構築物の有効量を個体に投与することを含み、dRNAは、疾患又は障害に関連する標的RNAとハイブリダイズする標的化RNA配列を含み、dRNAは、ADARをリクルートして標的RNA中の標的アデノシン残基を脱アミノ化することができ、dRNAは、環状RNAであるか、又は個体の細胞内で環状RNAを形成可能である、方法を提供する。
いくつかの実施形態では、個体において変異(例えば、G>A変異)を持つ標的RNAを用いてジュベール症候群を治療又は予防する方法であって、dRNA又はdRNAをコードする核酸を含む構築物の有効量を個体に投与することを含み、dRNAは、(1)標的RNAとハイブリダイズする標的化RNA配列と、(2)標的化RNA配列の3’及び/又は5’末端に連結された核小体低分子RNA(snoRNA)配列と、を含み、dRNAは、ADARをリクルートして標的RNA中の標的アデノシン残基を脱アミノ化することができる、方法を提供する。
いくつかの実施形態では、個体において変異(例えば、G>A変異)を持つ標的RNAを用いてジュベール症候群を治療又は予防する方法であって、dRNAをコードする核酸を含む構築物の有効量を個体に投与することを含み、dRNAは、標的RNAとハイブリダイズする標的化RNA配列を含み、dRNAは、ADARをリクルートして標的RNA中の標的アデノシン残基を脱アミノ化することができ、構築物は、dRNAをコードする核酸に作動可能に連結されたポリメラーゼIIプロモーター(「Pol IIプロモーター」)を含む、方法を提供する。
いくつかの実施形態では、ADARは、個体の細胞内で内因的に発現されるADARである。いくつかの実施形態では、該方法は、ADAR又はADARをコードする核酸を含む構築物を個体に投与することを含む。いくつかの実施形態では、標的RNAはAHI1W725X(例えば、2174G>A)である。いくつかの実施形態では、dRNAは、SEQ ID NO:8の核酸配列からなる。
いくつかの実施形態では、個体において変異(例えば、G>A変異)を持つ標的RNAに関連するファンコニ貧血を治療する方法であって、dRNA又はdRNAをコードする核酸を含む構築物を個体の単離細胞にエクスビボで導入することを含み、dRNAは、疾患又は障害に関連する標的RNAとハイブリダイズする標的化RNA配列を含み、dRNAは、ADARをリクルートして標的RNA中の標的アデノシン残基を脱アミノ化することができ、dRNAは、環状RNAであるか、又は個体の単離細胞内で環状RNAを形成可能である、方法を提供する。
いくつかの実施形態では、個体において変異(例えば、G>A変異)を持つ標的RNAに関連するファンコニ貧血を治療する方法であって、dRNA又はdRNAをコードする核酸を含む構築物を個体の単離細胞にエクスビボで導入することを含み、dRNAは、(1)標的RNAとハイブリダイズする標的化RNA配列と、(2)標的化RNA配列の3’及び/又は5’末端に連結された核小体低分子RNA(snoRNA)配列と、を含み、dRNAは、ADARをリクルートして標的RNA中の標的アデノシン残基を脱アミノ化することができる、方法を提供する。
いくつかの実施形態では、個体において変異(例えば、G>A変異)を持つ標的RNAに関連するファンコニ貧血を治療する方法であって、dRNAをコードする核酸を含む構築物を個体の単離細胞にエクスビボで導入することを含み、dRNAは、標的RNAとハイブリダイズする標的化RNA配列を含み、dRNAは、ADARをリクルートして標的RNA中の標的アデノシン残基を脱アミノ化することができ、構築物は、dRNAをコードする核酸に作動可能に連結されたポリメラーゼIIプロモーター(「Pol IIプロモーター」)を含む、方法を提供する。
いくつかの実施形態では、ADARは、単離細胞内で内因的に発現されるADARである。いくつかの実施形態では、該方法は、ADAR又はADARをコードする核酸を含む構築物を単離細胞に導入することを含む。いくつかの実施形態では、標的RNAはFANCCW506X(例えば、1517G>A)である。いくつかの実施形態では、dRNAは、SEQ ID NO:9(5’-GCCAAUGAUCUCGUGAGUUAUCUCAGCAGUGUGAGCCAUCAGGGUGAUGACAUCCCAGGCGAUCGUGUGGCCUCCAGGAGCCCAGAGCAGGAAGUUGAGGAGAAGGUGCCU-3’)の核酸配列からなる。
いくつかの実施形態では、個体において変異(例えば、G>A変異)を持つ標的RNAを用いてファンコニ貧血を治療又は予防する方法であって、dRNA又はdRNAをコードする核酸を含む構築物の有効量を個体に投与することを含み、dRNAは、疾患又は障害に関連する標的RNAとハイブリダイズする標的化RNA配列を含み、dRNAは、ADARをリクルートして標的RNA中の標的アデノシン残基を脱アミノ化することができ、dRNAは、環状RNAであるか、又は個体の細胞内で環状RNAを形成可能である、方法を提供する。
いくつかの実施形態では、個体において変異(例えば、G>A変異)を持つ標的RNAを用いてファンコニ貧血を治療又は予防する方法であって、dRNA又はdRNAをコードする核酸を含む構築物の有効量を個体に投与することを含み、dRNAは、(1)標的RNAとハイブリダイズする標的化RNA配列と、(2)標的化RNA配列の3’及び/又は5’末端に連結された核小体低分子RNA(snoRNA)配列と、を含み、dRNAは、ADARをリクルートして標的RNA中の標的アデノシン残基を脱アミノ化することができる、方法を提供する。
いくつかの実施形態では、個体において変異(例えば、G>A変異)を持つ標的RNAを用いてファンコニ貧血を治療又は予防する方法であって、dRNAをコードする核酸を含む構築物の有効量を個体に投与することを含み、dRNAは、標的RNAとハイブリダイズする標的化RNA配列を含み、dRNAは、ADARをリクルートして標的RNA中の標的アデノシン残基を脱アミノ化することができ、構築物は、dRNAをコードする核酸に作動可能に連結されたポリメラーゼIIプロモーター(「Pol IIプロモーター」)を含む、方法を提供する。
いくつかの実施形態では、ADARは、個体の細胞内で内因的に発現されるADARである。いくつかの実施形態では、該方法は、ADAR又はADARをコードする核酸を含む構築物を個体に投与することを含む。いくつかの実施形態では、標的RNAは、FANCCW506X(例えば、1517G>A)である。いくつかの実施形態では、dRNAは、SEQ ID NO:9の核酸配列からなる。
いくつかの実施形態では、個体において変異(例えば、G>A変異)を持つ標的RNAに関連する原発性家族性肥大型心筋症を治療する方法であって、dRNA又はdRNAをコードする核酸を含む構築物を個体の単離細胞にエクスビボで導入することを含み、dRNAは、疾患又は障害に関連する標的RNAとハイブリダイズする標的化RNA配列を含み、dRNAは、ADARをリクルートして標的RNA中の標的アデノシン残基を脱アミノ化することができ、dRNAは、環状RNAであるか、又は個体の単離細胞内で環状RNAを形成可能である、方法を提供する。
いくつかの実施形態では、個体において変異(例えば、G>A変異)を持つ標的RNAに関連する原発性家族性肥大型心筋症を治療する方法であって、dRNA又はdRNAをコードする核酸を含む構築物を個体の単離細胞にエクスビボで導入することを含み、dRNAは、(1)標的RNAとハイブリダイズする標的化RNA配列と、(2)標的化RNA配列の3’及び/又は5’末端に連結された核小体低分子RNA(snoRNA)配列と、を含み、dRNAは、ADARをリクルートして標的RNA中の標的アデノシン残基を脱アミノ化することができる、方法を提供する。
いくつかの実施形態では、個体において変異(例えば、G>A変異)を持つ標的RNAに関連する原発性家族性肥大型心筋症を治療する方法であって、dRNAをコードする核酸を含む構築物を個体の単離細胞にエクスビボで導入することを含み、dRNAは、標的RNAとハイブリダイズする標的化RNA配列を含み、dRNAは、ADARをリクルートして標的RNA中の標的アデノシン残基を脱アミノ化することができ、構築物は、dRNAをコードする核酸に作動可能に連結されたポリメラーゼIIプロモーター(「Pol IIプロモーター」)を含む、方法を提供する。
いくつかの実施形態では、ADARは、単離細胞内で内因的に発現されるADARである。いくつかの実施形態では、該方法は、ADAR又はADARをコードする核酸を含む構築物を単離細胞に導入することを含む。いくつかの実施形態では、標的RNAは、MYBPC3W1098X(例えば、3293G>A)である。いくつかの実施形態では、dRNAは、SEQ ID NO:10(5’-CAAGACGGUGAACCACUCCAUGGUCUUCUUGUCGGCUUUCUGCACUGUGUACCCCCAGAGCUCCGUGUUGCCGACAUCCUGGGGUGGCUUCCACUCCAGAGCCACAUUAAG-3’)の核酸配列からなる。
いくつかの実施形態では、個体において変異(例えば、G>A変異)を持つ標的RNAを用いて原発性家族性肥大型心筋症を治療又は予防する方法であって、dRNA又はdRNAをコードする核酸を含む構築物の有効量を個体に投与することを含み、dRNAは、疾患又は障害に関連する標的RNAとハイブリダイズする標的化RNA配列を含み、dRNAは、ADARをリクルートして標的RNA中の標的アデノシン残基を脱アミノ化することができ、dRNAは、環状RNAであるか、又は個体の細胞内で環状RNAを形成可能である。
いくつかの実施形態では、個体において変異(例えば、G>A変異)を持つ標的RNAを用いて原発性家族性肥大型心筋症を治療又は予防する方法であって、dRNA又はdRNAをコードする核酸を含む構築物の有効量を個体に投与することを含み、dRNAは、(1)標的RNAとハイブリダイズする標的化RNA配列と、(2)標的化RNA配列の3’及び/又は5’末端に連結された核小体低分子RNA(snoRNA)配列と、を含み、dRNAは、ADARをリクルートして標的RNA中の標的アデノシン残基を脱アミノ化することができる、方法を提供する。
いくつかの実施形態では、個体において変異(例えば、G>A変異)を持つ標的RNAを用いて原発性家族性肥大型心筋症を治療又は予防する方法であって、dRNAをコードする核酸を含む構築物の有効量を個体に投与することを含み、dRNAは、標的RNAとハイブリダイズする標的化RNA配列を含み、dRNAは、ADARをリクルートして標的RNA中の標的アデノシン残基を脱アミノ化することができ、構築物は、dRNAをコードする核酸に作動可能に連結されたポリメラーゼIIプロモーター(「Pol IIプロモーター」)を含む、方法を提供する。
いくつかの実施形態では、ADARは、個体の細胞内で内因的に発現されるADARである。いくつかの実施形態では、該方法は、ADAR又はADARをコードする核酸を含む構築物を個体に投与することを含む。いくつかの実施形態では、標的RNAは、MYBPC3W1098X(例えば、3293G>A)である。いくつかの実施形態では、dRNAは、SEQ ID NO:10の核酸配列からなる。
いくつかの実施形態では、個体において変異(例えば、G>A変異)を持つ標的RNAに関連するX 連鎖重度複合免疫不全症を治療する方法であって、dRNA又はdRNAをコードする核酸を含む構築物を個体の単離細胞にエクスビボで導入することを含み、dRNAは、疾患又は障害に関連する標的RNAとハイブリダイズする標的化RNA配列を含み、dRNAは、ADARをリクルートして標的RNA中の標的アデノシン残基を脱アミノ化することができ、dRNAは、環状RNAであるか、又は個体の単離細胞内で環状RNAを形成可能である、方法を提供する。
いくつかの実施形態では、個体において変異(例えば、G>A変異)を持つ標的RNAに関連するX 連鎖重度複合免疫不全症を治療する方法であって、dRNA又はdRNAをコードする核酸を含む構築物を個体の単離細胞にエクスビボで導入することを含み、dRNAは、(1)標的RNAとハイブリダイズする標的化RNA配列と、(2)標的化RNA配列の3’及び/又は5’末端に連結された核小体低分子RNA(snoRNA)配列と、を含み、dRNAは、ADARをリクルートして標的RNA中の標的アデノシン残基を脱アミノ化することができる、方法を提供する。
いくつかの実施形態では、個体において変異(例えば、G>A変異)を持つ標的RNAに関連するX 連鎖重度複合免疫不全症を治療する方法であって、dRNAをコードする核酸を含む構築物を個体の単離細胞にエクスビボで導入することを含み、dRNAは、標的RNAとハイブリダイズする標的化RNA配列を含み、dRNAは、ADARをリクルートして標的RNA中の標的アデノシン残基を脱アミノ化することができ、構築物は、dRNAをコードする核酸に作動可能に連結されたポリメラーゼIIプロモーター(「Pol IIプロモーター」)を含む、方法を提供する。
いくつかの実施形態では、ADARは、単離細胞内で内因的に発現されるADARである。いくつかの実施形態では、該方法は、ADAR又はADARをコードする核酸を含む構築物を単離細胞に導入することを含む。いくつかの実施形態では、標的RNAは、IL2RGW237X(例えば、710G>A)である。いくつかの実施形態では、dRNAは、SEQ ID NO:11(5’-AGGAUUCUCUUUUGAAGUAUUGCUCCCCCAGUGGAUUGGGUGGCUCCAUUCACUCCAAUGCUGAGCACUUCCACAGAGUGGGUUAAAGCGGCUCCGAACACGAAACGUGUA-3’)の核酸配列からなる。
いくつかの実施形態では、個体において変異(例えば、G>A変異)を持つ標的RNAを用いてX 連鎖重度複合免疫不全症を治療又は予防する方法であって、dRNA又はdRNAをコードする核酸を含む構築物の有効量を個体に投与することを含み、dRNAは、疾患又は障害に関連する標的RNAとハイブリダイズする標的化RNA配列を含み、dRNAは、ADARをリクルートして標的RNA中の標的アデノシン残基を脱アミノ化することができ、dRNAは、環状RNAであるか、又は個体の細胞内で環状RNAを形成可能である、方法を提供する。
いくつかの実施形態では、個体において変異(例えば、G>A変異)を持つ標的RNAを用いてX 連鎖重度複合免疫不全症を治療又は予防する方法であって、dRNA又はdRNAをコードする核酸を含む構築物の有効量を個体に投与することを含み、dRNAは、(1)標的RNAとハイブリダイズする標的化RNA配列と、(2)標的化RNA配列の3’及び/又は5’末端に連結された核小体低分子RNA(snoRNA)配列と、を含み、dRNAは、ADARをリクルートして標的RNA中の標的アデノシン残基を脱アミノ化することができる、方法を提供する。
いくつかの実施形態では、個体において変異(例えば、G>A変異)を持つ標的RNAを用いてX 連鎖重度複合免疫不全症を治療又は予防する方法であって、dRNAをコードする核酸を含む構築物の有効量を個体に投与することを含み、dRNAは、標的RNAとハイブリダイズする標的化RNA配列を含み、dRNAは、ADARをリクルートして標的RNA中の標的アデノシン残基を脱アミノ化することができ、構築物は、dRNAをコードする核酸に作動可能に連結されたポリメラーゼIIプロモーター(「Pol IIプロモーター」)を含む、方法を提供する。
いくつかの実施形態では、ADARは、個体の細胞内で内因的に発現されるADARである。いくつかの実施形態では、該方法は、ADAR又はADARをコードする核酸を含む構築物を個体に投与することを含む。いくつかの実施形態では、標的RNAは、IL2RGW237X(例えば、710G>A)である。いくつかの実施形態では、dRNAは、SEQ ID NO:11の核酸配列からなる。
一般に、組成物(例えば、dRNAまたはdRNAをコードする核酸を含む構築物)の投与量、スケジュール、および投与経路は、個体のサイズおよび状態に従って、および標準的な薬務(薬学的実務)に従って決定され得る。例示的な投与経路には、静脈内、動脈内、腹腔内、肺内、膀胱内、筋肉内、気管内、皮下、眼内、くも膜下腔内、または経皮が含まれる。
本願のRNA編集方法は、動物細胞、例えば哺乳動物細胞において使用できるだけでなく、植物または真菌、例えば内因的に発現したADARを有する植物または真菌のRNAの修飾にも使用することができる。本明細書に記載の方法を使用して、特性が改善された遺伝子操作植物および真菌を生成することができる。
本明細書に記載の治療方法は、線状RNA前駆体から環状dRNAをインビトロで調製する1つ又は複数のステップをさらに含んでもよい。さらに、本明細書に記載の治療方法のいずれか1つにおいて使用するための、本明細書に記載のdRNA、構築物、編集RNAを有する細胞、および組成物のいずれか1つ、ならびに疾患または症状を治療するための薬剤の製造における本明細書に記載のdRNA、構築物、編集された細胞、および組成物のいずれか1つの使用が提供される。
V.組成物、キット、及び製品
本明細書では、本明細書に記載のdRNA、構築物、ライブラリー、または編集RNAを有する宿主細胞のいずれか1つを含む組成物(薬学的組成物など)も提供される。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載のdRNAまたはdRNAをコードする構築物のいずれか1つと、薬学的に許容される担体、賦形剤または安定剤とを含む医薬組成物が提供される(『レミントン薬学』(Remington's Pharmaceutical Sciences)第16版,Osol, A.編集(1980))。許容される担体、賦形剤、または安定剤は、使用される用量および濃度ではレシピエントに対して無毒であり、リン酸塩、クエン酸塩、その他の有機酸などの緩衝剤;アスコルビン酸やメチオニンなどの抗酸化物質;防腐剤(塩化オクタデシルジメチルベンジルアンモニウム、塩化ヘキサメトニウム、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、フェノール、ブチルアルコールまたはベンジルアルコール;メチルまたはプロピルパラベンなどのアルキルパラベン;カテコール;レゾルシノール;シクロヘキサノール;3-ペンタノール;およびm-クレゾールなど);低分子量(約10残基未満)ポリペプチド;血清アルブミン、ゼラチン、免疫グロブリンなどのタンパク質;ポリビニルピロリドン等の親水性ポリマー;グリシン、グルタミン、アスパラギン、ヒスチジン、アルギニン、リジンなどのアミノ酸;単糖類、二糖類、およびグルコース、マンノース、またはデキストリンを含む他の炭水化物;EDTAなどのキレート剤;スクロース、マンニトール、トレハロース、ソルビトールなどの糖類;ナトリウムなどの塩を形成する対イオン;金属錯体(例えば、Zn-タンパク質錯体);および/またはTWEEN(登録商標)、PLURONICS(登録商標)またはポリエチレングリコール(PEG)などの非イオン性界面活性剤を含む。いくつかの実施形態では、凍結乾燥製剤が提供される。インビボ投与に使用される医薬組成物は無菌でなければならない。これは、例えば、滅菌濾過膜による濾過によって容易に達成される。
本明細書に記載のdRNA、構築物、組成物、ライブラリー又は編集宿主細胞のいずれかを含む、本明細書に記載のいずれかのRNA編集方法又は治療方法に用いられるキットも提供される。
いくつかの実施形態では、宿主細胞内で標的RNAを編集するためのキットであって、dRNA又はdRNAをコードする核酸を含む構築物を含み、dRNAは、疾患又は障害に関連する標的RNAとハイブリダイズする標的化RNA配列を含み、dRNAは、ADARをリクルートして標的RNA中の標的アデノシン残基を脱アミノ化することができ、dRNAは環状RNAであるか、又は宿主細胞内で環状RNAを形成可能である、キットを提供する。
いくつかの実施形態では、宿主細胞内で標的RNAを編集するためのキットであって、dRNA又はdRNAをコードする核酸を含む構築物を含み、dRNAは、(1)標的RNAとハイブリダイズする標的化RNA配列と、(2)標的化RNA配列の3’及び/又は5’末端に連結された核小体低分子RNA(snoRNA)配列と、を含み、dRNAは、ADARをリクルートして標的RNA中の標的アデノシン残基を脱アミノ化することができる、キットを提供する。
いくつかの実施形態では、宿主細胞内で標的RNAを編集するためのキットであって、環状dRNAをインビトロで製造するための線状RNA又はその構築物を含み、dRNAは、疾患又は障害に関連する標的RNAとハイブリダイズする標的化RNA配列を含み、dRNAは、ADARをリクルートして宿主細胞内の標的RNA中の標的アデノシン残基を脱アミノ化することができる、キットを提供する。いくつかの実施形態では、キットは、環状dRNAを例えばスプライシング又はライゲーションによりインビトロ製造するためのプロトコールをさらに提供する。いくつかの実施形態では、キットは、リガーゼ(例えば、T4 Rnl1又はT4Rnl2)をさらに含む。
いくつかの実施形態では、宿主細胞内で標的RNAを編集するためのキットであって、dRNAをコードする核酸を含有する構築物を含み、dRNAは、標的RNAとハイブリダイズする標的化RNA配列を含み、dRNAは、ADARをリクルートして標的RNA中の標的アデノシン残基を脱アミノ化することができ、構築物は、dRNAをコードする核酸に作動可能に連結されたポリメラーゼIIプロモーター(「Pol IIプロモーター」)を含む、キットを提供する。
いくつかの実施形態では、キットは、ADAR又はADARをコードする核酸を含む構築物をさらに含む。いくつかの実施形態では、キットは、ADAR3阻害剤又はその構築物をさらに含む。いくつかの実施形態では、キットは、インターフェロン刺激剤又はその構築物をさらに含む。いくつかの実施形態では、キットは、本明細書に記載のRNA編集方法又は治療方法のいずれか1つを行うためのプロトコールをさらに含む。
本願のキットは、適切な包装に入っている。適切な包装には、バイアル、ボトル、ジャー、柔軟な包装(例えば、密封されたマイラーまたはビニール袋)などが含まれるが、これらに限定されない。キットは、トランスフェクションまたは形質導入試薬、細胞培養培地、緩衝液、および解釈情報などの追加のコンポーネントを必要に応じて提供する場合がある。
したがって、本願は製品も提供する。製品は、容器と、容器上の、または容器に付随するラベルまたは添付文書とを備えることができる。適切な容器には、バイアル(密封バイアルなど)、ボトル、ジャー、柔軟な包装などが含まれる。いくつかの実施形態では、容器は医薬組成物を収容し、滅菌アクセスポートを有し得る(例えば、容器は、皮下注射針によって穿刺可能なストッパーを有する静脈内溶液バッグまたはバイアルであり得る)。医薬組成物を収容する容器は、再構成された製剤の反復投与(例えば、2~6回の投与)を可能にする複数回使用できるバイアルであってもよい。添付文書とは、治療用製品の市販パッケージに慣例的に含まれる取扱書を指し、そのような製品の使用に関する適応症、用法、用量、投与、禁忌および/または警告に関する情報が含まれている。また、製品は、静菌注射用水(BWFI)、リン酸緩衝生理食塩水、リンゲル液、およびブドウ糖溶液などの薬学的に許容される緩衝液を含む第2容器をさらに含んでもよい。さらに、他の緩衝液、希釈剤、フィルター、針、注射器など、商業的およびユーザーの観点から望ましい他の材料を含んでもよい。
キットまたは製品は、薬局、例えば病院薬局および調剤薬局での保管および使用に十分な量で包装された、複数の単位用量の医薬組成物および使用説明書を含んでもよい。
以下の例示的な実施形態および実施例は、本願の例示的なものであることを意図しており、したがって、いかなる形でも本発明を限定するものとみなすべきではない。以下の例示的な実施形態、実施例および詳細な説明は、例示として提供されるものであり、限定として提供されるものではない。
例示的な実施形態
本願は、以下の実施形態を提供する。
1. 宿主細胞内で標的RNAを編集するための方法であって、デアミナーゼリクルートRNA(dRNA)又は前記dRNAをコードする核酸を含む構築物を前記宿主細胞に導入することを含み、
(1)前記dRNAは、前記標的RNAに少なくとも部分的に相補的な標的化RNA配列を含み、
(2)前記dRNAは、RNAに作用するアデノシンデアミナーゼ(ADAR)をリクルートすることができ、
(3)前記dRNAは、環状RNAであるか、又は前記宿主細胞内で環状RNAを形成可能である、方法。
2. 前記dRNAは、3’ライゲーション配列及び5’ライゲーション配列をさらに含む、実施形態1に記載の方法。
3. 前記3’ライゲーション配列及び前記5’ライゲーション配列は、互いに少なくとも部分的に相補的である、実施形態2に記載の方法。
4. 前記3’ライゲーション配列及び前記5’ライゲーション配列の長さは約20~約75ヌクレオチドである、実施形態2又は実施形態3に記載の方法。
5. 前記dRNAは、RNAリガーゼRtcBによって環状化される、実施形態1~4のいずれか1項に記載の方法。
6. 前記RNAリガーゼRtcBは、前記宿主細胞内で内因的に発現される、実施形態4に記載の方法。
7. 前記dRNAは環状RNA(circRNA)である、実施形態1~6のいずれか1項に記載の方法。
8. 前記dRNAは、宿主細胞内で環状RNAを形成できる線状RNAである、実施形態1~6のいずれか1項に記載の方法。
9. 前記dRNAをコードする核酸を含む構築物を前記宿主細胞に導入することを含む、実施形態1~6のいずれか1項に記載の方法。
10. 前記構築物は、前記dRNAをコードする前記核酸の3’末端に連結された3’ツイスターリボザイム配列、及び前記dRNAをコードする前記核酸の5’末端に連結された5’ツイスターリボザイム配列を含む、実施形態9に記載の方法。
11. 前記3’ツイスター配列はツイスターP3 U2Aであり、かつ前記5’ツイスター配列はツイスターP1である、実施形態10に記載の方法。
12. 前記5’ツイスター配列はツイスターP3 U2Aであり、かつ前記3’ツイスター配列はツイスターP1である、実施形態10に記載の方法。
13. 線状RNAをインビトロで使用して環状RNAを形成することを含む、実施形態7に記載の方法。
14. 前記線状RNAは、5’触媒グループIイントロンフラグメントと3’触媒グループIイントロンフラグメントを含むグループIイントロンの自己触媒によって環状化される、実施形態13に記載の方法。
15. 宿主細胞内で標的RNAを編集するための方法であって、デアミナーゼリクルートRNA(dRNA)又は前記dRNAをコードする核酸を含む構築物を前記宿主細胞に導入することを含み、
(1)前記dRNAは、前記標的RNAに少なくとも部分的に相補的な標的化RNA配列を含み、
(2)前記dRNAは、RNAに作用するアデノシンデアミナーゼ(ADAR)をリクルート可能であり、
(3)前記dRNAは、線状RNAを使用して5’触媒グループIイントロンフラグメント及び3’触媒グループIイントロンフラグメント的グループIイントロンの自己触媒によってインビトロで形成される環状RNAである、方法。
16. 前記線状RNAは、前記3’触媒グループIイントロンフラグメントと前記5’触媒グループIイントロンフラグメントを含み、前記3’触媒グループIイントロンフラグメントは、前記3’触媒グループIイントロンフラグメントによって認識可能な3’エクソン配列の5’末端に隣接し、前記5’触媒グループIイントロンフラグメントは、前記5’触媒グループIイントロンフラグメントによって認識可能な5’エクソン配列の3’末端に隣接する、実施形態14又は15に記載の方法。
17. 前記線状RNAは、前記3’触媒グループIイントロンフラグメントの5’末端に隣接する5’相同配列と、前記5’触媒グループIイントロンフラグメントの3’末端に隣接する3’相同配列と、を含む、実施形態16に記載の方法。
18. 前記環状RNAの形成は、
(a)前記5’触媒グループIイントロンフラグメント及び前記3’触媒グループIイントロンフラグメントの自己触媒を活性化する条件を前記線状RNAに曝さして環状化RNA産物を提供することと、
(b)前記環状化RNA産物を単離することにより、前記環状RNAを提供することと、を含む、実施形態14~17のいずれか1項に記載の方法。
19. 前記線状RNAはリガーゼによって環状化される、実施形態13に記載の方法。
20. 前記リガーゼは、T4 DNAリガーゼ(T4 Dnl)、T4RNAリガーゼ1(T4 Rnl1)、及びT4RNAリガーゼ2(T4 Rnl2)から選択される、実施形態19に記載の方法。
21. 前記線状RNAは、前記環状RNAをコードする前記核酸配列の5’末端に5’ライゲーション配列を含み、前記環状RNAをコードする核酸配列の3’末端に3’ライゲーション配列を含み、前記5’ライゲーション配列と前記3’ライゲーション配列は前記リガーゼを介して互いに連結可能である、実施形態19又は20に記載の方法。
22. 前記環状RNAの形成は、
(a)前記線状RNAを一本鎖アダプター核酸と接触させることであって、前記一本鎖アダプター核酸は、前記5’末端から前記3’末端まで、前記3’ライゲーション配列に相補的な第1配列と、前記5’ライゲーション配列に相補的な第2配列と、を含み、前記5’ライゲーション配列及び前記3’ライゲーション配列は、前記一本鎖アダプター核酸とハイブリダイズして、前記5’ライゲーション配列の前記3’末端と前記3’ライゲーション配列の前記5’末端との間の一本鎖切断を含む二本鎖核酸中間体を提供することと、
(b)前記5’ライゲーション配列と前記3’ライゲーション配列とのライゲーションを可能にする条件下で、前記中間体をRNAリガーゼと接触させて、環状化RNA産物を提供することと、
(c)前記環状化RNA産物を単離することにより、前記環状RNAを提供することと、を含む、実施形態21に記載の方法。
23. 前記環状RNAの形成は、
(a)前記5’ライゲーション配列と前記3’ライゲーション配列とのライゲーションを可能にする条件下で、前記線状RNAをRNAリガーゼと接触させて、環状化RNA産物を提供することと、
(b)前記環状化RNA産物を単離することにより、前記環状RNAを提供することと、を含む、実施形態21に記載の方法。
24. 前記線状RNAをコードする核酸配列を含む核酸構築物をインビトロで転写することによって前記線状RNAを得る、及び/又は前記環状RNAを精製することをさらに含む、実施形態13~23のいずれか1項に記載の方法。
25. 宿主細胞内で標的RNAを編集するための方法であって、デアミナーゼリクルートRNA(dRNA)又は前記dRNAをコードする核酸を含む構築物を前記宿主細胞に導入することを含み、前記dRNAは、
(1)前記標的RNAに少なくとも部分的に相補的な標的化RNA配列と、
(2)前記標的化RNA配列の3’及び/又は5’末端に連結された核小体低分子RNA(snoRNA)配列と、を含み、前記dRNAは、RNAに作用するアデノシンデアミナーゼ(ADAR)をリクルートすることができる、方法。
26. 前記dRNAは、前記標的化RNA配列の5’末端に連結されたsnoRNA配列(「5’ snoRNA配列」)を含む、実施形態25に記載の方法。
27. 前記dRNAは、前記標的化RNA配列の3’末端に連結されたsnoRNA配列(「3’ snoRNA配列」)を含む、実施形態25又は26に記載の方法。
28. 前記snoRNA配列の長さは、少なくとも約70ヌクレオチドである、実施形態25~27のいずれか1項に記載の方法。
29. 前記3’ snoRNA配列は、SEQ ID NO: 1の核酸配列からなる、実施形態25~28のいずれか1項に記載の方法。
30. 前記5’ snoRNA配列は、SEQ ID NO:2の核酸配列からなる、実施形態25~29のいずれか1項に記載の方法。
31. 前記snoRNA配列は、C/D Box snoRNA配列である、実施形態25~30のいずれか1項に記載の方法。
32. 前記snoRNA配列は、H/ACA Box snoRNA配列である、実施形態25~30のいずれか1項に記載の方法。
33. 前記snoRNA配列は、複合C/D BoxとH/ACA Box snoRNA配列である、実施形態25~30のいずれか1項に記載の方法。
34. 前記snoRNA配列は、オーファンsnoRNA配列である、実施形態25~30のいずれか1項に記載の方法。
35. 前記方法は、前記dRNAをコードする核酸を含む構築物を前記宿主細胞に導入することを含む、実施形態25~34のいずれか1項に記載の方法。
36. 前記構築物は、前記dRNAをコードする核酸に作動可能に連結されたプロモーターをさらに含む、実施形態9~12、及び25のいずれか1項に記載の方法。
37. 前記プロモーターはポリメラーゼIIプロモーター(「Pol IIプロモーター」)である、実施形態36に記載の方法。
38. 宿主細胞内で標的RNAを編集するための方法であって、デアミナーゼリクルートRNA(dRNA)をコードする核酸を含む構築物を前記宿主細胞に導入することを含み、
(1)前記dRNAは、前記標的RNAに少なくとも部分的に相補的な標的化RNA配列を含み、
(2)前記dRNAは、RNAに作用するアデノシンデアミナーゼ(ADAR)をリクルート可能であり、
(3)前記構築物は、前記dRNAをコードする前記核酸に作動可能に連結されたポリメラーゼIIプロモーター(「Pol IIプロモーター」)を含む、方法。
39. 前記Pol IIプロモーターはCMVプロモーターである、実施形態37又は38に記載の方法。
40. 前記CMVプロモーターはSEQ ID NO:3の核酸配列からなる、実施形態39に記載の方法。
41. 前記構築物は、ウイルスベクター又はプラスミドである、実施形態9~12、及び25~40のいずれか1項に記載の方法。
42. 前記構築物は、AAVベクターである、実施形態41に記載の方法。
43. 前記ADARは、前記宿主細胞によって内因的に発現される、実施形態1~42のいずれか1項に記載の方法。
44. 前記宿主細胞はT細胞である、実施形態43に記載の方法。
45. 前記標的化RNA配列の長さは、50ヌクレオチドを超える、実施形態1~44のいずれか1項に記載の方法。
46. 前記標的化RNA配列の長さは、約100~約150ヌクレオチドである、実施形態45に記載の方法。
47. 前記標的化RNA配列は、前記標的RNA中の標的アデノシンに直接対向するシチジン、アデノシン又はウリジンを含む、実施形態1~46のいずれか1項に記載の方法。
48. 前記標的化RNA配列は、前記標的RNA中の標的アデノシンに直接対向するシチジンミスマッチを含む、実施形態47に記載の方法。
49. 前記シチジンミスマッチは、前記標的化RNA配列の3’末端から少なくとも20ヌクレオチド離れる位置、及び前記標的化RNA配列の5’末端から少なくとも5ヌクレオチド離れる位置にある、実施形態48に記載の方法。
50. 前記標的化RNA配列は、1つ又は複数のグアノシンをさらに含み、前記グアノシンは、それぞれ前記標的RNA中の非標的アデノシンに対向する、実施形態1~49のいずれか1項に記載の方法。
51. 前記標的化RNA配列は、前記標的RNA中の非標的アデノシンに対向する2つ以上の連続したミスマッチヌクレオチドを含む、実施形態1~50のいずれか1項に記載の方法。
52. 前記標的RNA中の前記標的アデノシンの5’最近傍は、U、C、A及びGから選択されるヌクレオチドであり、好ましくはU>C≒A>Gであり、前記標的RNA中の前記標的アデノシンの3’最近傍は、G、C、A及びUから選択されるヌクレオチドであり、好ましくはG>C>A≒Uである、実施形態1~51のいずれか1項に記載の方法。
53. 前記標的アデノシンは、前記標的RNA中のUAG、UAC、UAA、UAU、CAG、CAC、CAA、CAU、AAG、AAC、AAA、AAU、GAG、GAC、GAA、及びGAUから選択される3塩基モチーフ内にある、実施形態1~52のいずれか1項に記載の方法。
54. 前記3塩基モチーフはUAGであり、前記標的化RNAは、前記3塩基モチーフ内のウリジンに直接対向するA、前記標的アデノシンに直接対向するシチジン、及び前記3塩基モチーフ内のグアノシンに直接対向するシチジン、グアノシン又はウリジンを含む、実施形態53に記載の方法。
55. 前記標的RNAは、プレメッセンジャーRNA、メッセンジャーRNA、リボソームRNA、トランスファーRNA、長鎖ノンコーディングRNA、及び低分子RNAから選択されるRNAである、実施形態1~54のいずれか1項に記載の方法。
56. 前記標的RNAは、プレメッセンジャーRNAである、実施形態55に記載の方法。
57. ADAR3阻害剤を前記宿主細胞に導入することをさらに含む、実施形態1~56のいずれか1項に記載の方法。
58. インターフェロン刺激剤を前記宿主細胞に導入することをさらに含む、実施形態1~57のいずれか1項に記載の方法。
59. それぞれが異なる標的RNAを標的化する複数のdRNA又は構築物を導入することを含む、実施形態1~58のいずれか1項に記載の方法。
60. 前記標的RNAの編集効率は少なくとも40%である、実施形態1~59のいずれか1項に記載の方法。
61. 前記構築物又は前記dRNA免疫応答を誘導しない、実施形態1~60のいずれか1項に記載の方法。
62. ADAR(例えば、外因性ADAR)を前記宿主細胞に導入することをさらに含む、実施形態1~61のいずれか1項に記載の方法。
63. 前記ADARは、E1008変異を含むADAR1である、実施形態62に記載の方法。
64. 前記標的RNA中の前記標的アデノシンの脱アミノ化は、前記標的RNA中のミスセンス変異、早期終止コドン、異常スプライシング若しくは選択的スプライシング、又は前記標的RNA中ミスセンス変異、早期終止コドン、異常スプライシング若しくは選択的スプライシングの逆転を生じさせる、実施形態1~63のいずれか1項に記載の方法。
65. 前記標的RNA中の前記標的アデノシンの脱アミノ化は、前記標的RNAによってコードされるタンパク質的点変異、トゥランケイション、伸長及び/又はミスフォールディング、あるいは前記標的RNA中のミスセンス変異、早期終止コドン、異常スプライシング若しくは選択的スプライシングの逆転による機能的な、完全長の、正しくフォールディングされた及び/又は野生型タンパク質を生じさせる、実施形態64に記載の方法。
66. 前記宿主細胞は真核細胞である、実施形態1~65のいずれか1項に記載の方法。
67. 前記宿主細胞は哺乳動物細胞である、実施形態66に記載の方法。
68. 前記宿主細胞はヒト又はマウス細胞である、実施形態67に記載の方法。
69. 実施形態1~68のいずれか1項に記載の方法によって産生される編集RNA又は編集RNAを有する宿主細胞。
70. 個体の疾患又は障害を治療又は予防する方法であって、実施形態1~69のいずれか1項に記載の方法によって前記個体の細胞内で前記疾患又は障害に関連する標的RNAを編集することを含む、方法。
71. 前記疾患又は障害は、遺伝性の遺伝子疾患又は1種又は複数種の後天的遺伝子変異に関連する疾患又は障害である、実施形態70に記載の方法。
72. 前記標的RNAは、GからAへの変異を持つ、実施形態70又は71に記載の方法。
73. 疾患又は障害は、単一遺伝子疾患又は障害である、実施形態70~72のいずれか1項に記載の方法。
74. 前記疾患又は障害は、多遺伝子性の疾患又は障害である、実施形態70~73のいずれか1項に記載の方法。
75. (i)前記標的RNAはTP53であり、前記疾患又は障害は癌であり、
(ii)前記標のRNAはIDUAであり、前記疾患又は障害はムコ多糖症I型(MPS I)であり、
(iii)前記標的RNAはCOL3A1であり、前記疾患又は障害は、エーラス・ダンロス症候群であり、
(iv)前記標的RNAはBMPR2であり、前記疾患又は障害はジュベール症候群であり、
(v)前記標的RNAはFANCCであり、前記疾患又は障害はファンコニ貧血であり、
(vi)前記標的RNAはMYBPC3であり、前記疾患又は障害は原発性家族性肥大型心筋症であり、又は
(vii)前記標的RNAはIL2RGであり、前記疾患又は障害は、X 連鎖重度複合免疫不全症である、実施形態70~74のいずれか1項に記載の方法。
76. 宿主細胞内で標的RNAを編集するためのデアミナーゼリクルートRNA(dRNA)であって、前記標的RNAに少なくとも部分的に相補的な標的化RNA配列を含み、前記dRNAは、RNAに作用するアデノシンデアミナーゼ(ADAR)をリクルート可能であり、前記dRNAは、環状であるか、又は前記宿主細胞内で環状RNAを形成することができる、dRNA。
77. 前記dRNAは、3’ライゲーション配列及び5’ライゲーション配列をさらに含む、実施形態76に記載のdRNA。
78. 前記3’ライゲーション配列及び前記5’ライゲーション配列は、互いに少なくとも部分的に相補的である、実施形態77に記載のdRNA。
79. 前記3’ライゲーション配列及び前記5’ライゲーション配列の長さは約20~約75ヌクレオチドである、実施形態77又は78に記載のdRNA。
80. 前記dRNAは環状RNAである、実施形態76に記載のdRNA。
81. 前記dRNAは、インビトロで線状RNAにより形成される環状RNAである、実施形態80に記載のdRNA。
82. 前記dRNAは、前記宿主細胞内で環状RNAを形成できる線状RNAである、実施形態76~79のいずれか1項に記載のdRNA。
83. 前記線状RNAは、5’触媒グループIイントロンフラグメントと3’触媒グループIイントロンフラグメントを含むグループIイントロンの自己触媒によって環状化される、実施形態81に記載のdRNA。
84. 前記線状RNAは、前記3’触媒グループIイントロンフラグメントと前記5’触媒グループIイントロンフラグメントを含み、前記3’触媒グループIイントロンフラグメントは、前記3’触媒グループIイントロンフラグメントによって認識可能な3’エクソン配列の5’末端に隣接し、前記5’触媒グループIイントロンフラグメントは、前記5’触媒グループIイントロンフラグメントによって認識可能な5’エクソン配列の3’末端に隣接する、実施形態83に記載のdRNA。
85. 前記線状RNAは、前記3’触媒グループIイントロンフラグメントの5’末端に隣接する5’相同配列と、前記5’触媒グループIイントロンフラグメントの3’末端に隣接する3’相同配列と、をさらに含む、実施形態84に記載のdRNA。
86. 前記線状RNAはリガーゼによって環状化される、実施形態82に記載のdRNA。
87. 前記リガーゼは、T4 DNAリガーゼ(T4 Dnl)、T4RNAリガーゼ1(T4 Rnl1)、及びT4RNAリガーゼ2(T4 Rnl2)から選択される、実施形態86に記載のdRNA。
88. 前記線状RNAは、前記環状dRNAをコードする前記核酸配列の5’末端に5’ライゲーション配列を含み、前記環状dRNAをコードする前記核酸配列の3’末端に3’ライゲーション配列を含み、前記5’ライゲーション配列及び前記3’ライゲーション配列は、RNAリガーゼによって互いに連結されてもよい、実施形態87に記載のdRNA。
89. 実施形態83~88のいずれか1項に記載の環状dRNAを形成可能である線状RNA。
90. 実施形態76~88のいずれか1項に記載のdRNA又は実施形態89に記載の線状RNAをコードする核酸を含む構築物。
91. 前記dRNAをコードする前記核酸の3’末端に連結された3’ツイスターリボザイム配列と、前記dRNAをコードする前記核酸の5’末端に連結された5’ツイスターリボザイム配列と、をさらに含む、実施形態90に記載の構築物。
92. 前記3’ツイスター配列はツイスターP3 U2Aであり、前記5’ツイスター配列はツイスターP1である、実施形態91に記載の構築物。
93. 前記5’ツイスター配列は、ツイスターP3 U2Aであり、前記3’ツイスター配列はツイスターP1である、実施形態92に記載の構築物。
94. 標的RNAを編集するためのデアミナーゼリクルートRNA(dRNA)であって、
(1)前記標的RNAに少なくとも部分的に相補的な標的化RNA配列と、
(2)前記標的化RNA配列の3’及び/又は5’末端にある核小体低分子RNA(snoRNA)配列と、を含み、
前記dRNAは、RNAに作用するアデノシンデアミナーゼ(ADAR)をリクルート可能である、dRNA。
95. 前記dRNAは、前記標的化RNA配列の5’末端に連結されたsnoRNA配列(「5’ snoRNA配列」)を含む、実施形態94に記載のdRNA。
96. 前記dRNAは、前記標的化RNA配列の3’末端に連結されたsnoRNA配列(「3’ snoRNA配列」)を含む、実施形態95に記載のdRNA。
97. 前記snoRNA配列の長さは、少なくとも約70ヌクレオチドである、実施形態94~96のいずれか1項に記載のdRNA。
98. 前記3’ snoRNA配列は、SEQ ID NO:1の核酸配列からなる、実施形態96~97のいずれか1項に記載のdRNA。
99. 前記5’ snoRNA配列は、SEQ ID NO:2の核酸配列からなる、実施形態95~98のいずれか1項に記載のdRNA。
100. 前記snoRNA配列は、C/D Box snoRNA配列である、実施形態94~99のいずれか1項に記載のdRNA。
101. 前記snoRNA配列は、H/ACA Box snoRNA配列である、実施形態94~99のいずれか1項に記載のdRNA。
102. 前記snoRNA配列は、複合C/D BoxとH/ACA Box snoRNA配列である、実施形態94~99のいずれか1項に記載のdRNA。
103. 前記snoRNA配列は、オーファンsnoRNA配列である、実施形態94~99のいずれか1項に記載のdRNA。
104. 実施形態94~103のいずれか1項に記載のdRNAをコードする核酸を含む構築物。
105. 前記構築物は、前記dRNAをコードする前記核酸に作動可能に連結されたプロモーターをさらに含む、実施形態90~93及び104のいずれか1項に記載の構築物。
106. 前記プロモーターは、ポリメラーゼIIプロモーター(「Pol IIプロモーター」)である、実施形態105に記載の構築物。
107. 前記宿主細胞に入るデアミナーゼリクルートRNA(dRNA)をコードする核酸を含む構築物であって、
(1)前記dRNAは、前記標的RNAに少なくとも部分的に相補的な標的化RNA配列を含み、
(2)前記dRNAは、RNAに作用するアデノシンデアミナーゼ(ADAR)をリクルート可能であり、
(3)前記構築物は、前記dRNAをコードする前記核酸に作動可能に連結されたポリメラーゼIIプロモーター(「Pol IIプロモーター」)を含む、構築物。
108. 前記Pol IIプロモーターはCMVプロモーターである、実施形態106又は107に記載の構築物。
109. 前記CMVプロモーターは、SEQ ID NO:3の核酸配列からなる、実施形態108に記載の構築物。
110. ウイルスベクター又はプラスミドである、実施形態90~93、及び104~109のいずれか1項に記載の構築物。
111. AAVベクターである、実施形態110に記載の構築物。
112. 、前記標的RNAは、プレメッセンジャーRNA、メッセンジャーRNA、リボソームRNA、トランスファーRNA、長鎖ノンコーディングRNA、及び低分子RNAから選択されるRNAである、実施形態76~88、及び90~111のいずれか1項に記載の構築物又はdRNA。
113. 実施形態76~88、及び90~111のいずれか1項に記載の構築物又はdRNAを含む宿主細胞。
114. 宿主細胞内で標的RNAを編集するためのキットであって、実施形態76~111のいずれか1項に記載の構築物、線状RNA又はdRNAを含む、キット。
材料および方法
プラスミド構築
mCherryおよびEGFP(EGFPの第1コドンATG欠損)コードDNAをPCRにより増幅し、PCR中にプライマーを介して3×GSリンカーおよび標的DNA配列を付加し、二重蛍光レポーターをクローニングした。その後、II型制限酵素BsmB1(米サーモ社(Thermo))とT4 DNAリガーゼ(NEB)で切断してPCR産物を連結し、次に、pLenti主鎖(pLenti-CMV-MCS-SV-Bsd、スタンフォード大学スタンレー・コーエン研究室(Stanley Cohen Lab,Stanford University))に挿入した。
Lbuプラスミド(Addgene#83485)からPCRによりdLbuCas13 DNAを増幅した。ADAR1DDとADAR2DDはAdar1(p150)cDNAとAdar2 cDNAから増幅され、両者は厦門大学(Xiamen University)の韓の実験室(Han’s lab)から得られた。オーバーラップPCRによりADAR1DDあるいはADAR2DDとdLbuCas13 DNAを融合し、融合したPCR産物をpLenti主鎖に挿入した。
哺乳動物細胞におけるdRNAの発現では、dRNA配列を直接合成し(短いdRNAの場合)、オーバーラップssDNAを合成することによってアニーリングしまたはPCR 増幅し、生成物をゴールデンゲートクローニングによってU6発現下で対応するベクターにクローニングした。
全長Adar1(p110)およびAdar1(p150)はAdar1(p150)cDNAからPCR増幅し、全長Adar2はAdar2 cDNAからPCR増幅し、それぞれpLenti主鎖にクローニングした。
二重蛍光レポーターの2つのバージョン(レポーター-1および-3)については、mCherryおよびEGFP(EGFPの開始コドンATG欠損)コード配列をPCR増幅し、BsmBI(サーモフィッシャーサイエンティフィック社(Thermo Fisher Scientific)、ER0452)を使用して消化し、続いてT4 DNAリガーゼ(NEB、M0202L)を介してGGGGSリンカーとライゲーションを行った。その後、ライゲーション産物をpLenti-CMV-MCS-PURO主鎖に挿入した。
dLbuCas13-ADARDD(E1008Q)発現構築物の場合、ADAR1DD遺伝子をADAR1p150構築物(厦門大学のJiahuai Hanの研究室(Jiahuai Han’s lab, Xiamen University)からの寄贈)から増幅した。dLbuCas13遺伝子を、Lbu_C2c2_R472A_H477A_R1048A_H1053Aプラスミド(Addgene #83485)からPCRによって増幅した。ADAR1DD(過剰活性E1008Q変異体)をオーバーラップPCRによって生成し、dLbuCas13に融合した。ライゲーション産物をpLenti-CMV-MCS-BSD主鎖に挿入した。
arRNA発現構築物については、arRNAの配列を合成し、pLenti-sgRNA-lib 2.0(Addgene #89638)主鎖にゴールデンゲートをクローニングし、hU6プロモーターによってarRNAの転写を駆動した。ADAR発現構築物については、全長ADAR1p110およびADAR1p150をADAR1p150構築物からPCR増幅し、全長ADAR2をADAR2構築物からPCR増幅した(厦門大学の Jiahuai Han の研究室からの寄贈)。次に、増幅産物をpLenti-CMV-MCS-BSD主鎖にクローニングした。
病原性変異を持つ遺伝子を発現する構築物については、TP53(ヴィジェビオ社(Vigenebioから注文))および他の6つの疾患関連遺伝子(COL3A1、BMPR2、AHI1、FANCC、MYBPC3及びIL2RG、中国医学アカデミー病原体生物学研究所の Jianwei Wang の研究室(Jianwei Wang’s lab, Institute of pathogen biology, Chinese Academy of Medical Sciences)から寄贈)の完全長コード配列を、変異誘発PCRによりG>A変異を導入した対応する遺伝子をコードする構築物から増幅した。増幅産物をGibsonクローニング法により pLenti-CMV-MCS-mCherry主鎖にクローニングした。
哺乳動物細胞株および細胞培養方法
10%ウシ胎児血清(中国蘭州市の蘭州百嶺生物技術有限公司(Lanzhou Bailing Biotechnology Co., Ltd.))を添加し、1%ペニシリン-ストレプトマイシンを補充したダルベッコ改変イーグル培地(10-013-CV、米国マサチューセッツ州テュークスベリー、コーニング社(Corning, Tewksbury, MA, USA))を用いて、5%CO、37℃で哺乳動物細胞株を培養した。Adar1-KO細胞株は中国エディジーン社(EdiGene China)から購入し、遺伝子型解析の結果も中国エディジーン社から提供された。
HeLa細胞株とB16細胞株はZ.Jiangの研究室(北京大学)からのものであった。HEK293T細胞株はC.Zhangの研究室(北京大学)からのものであった。RD細胞株は、J Wangの研究室(北京協和病院および中国医学アカデミー病原体生物学研究所(Institute of Pathogen Biology, Peking Union Medical College & Chinese Academy of Medical Sciences))からのものであった。SF268 細胞株は、中国医学院基礎医学研究所細胞センターから入手したものであった。A549およびSW13細胞株はEdiGene Inc.から入手した。HepG2、HT29、NIH3T3、およびMEF細胞株は北京大学の研究室で維持された。これらの哺乳動物細胞株を、10%ウシ胎児血清(CellMax、SA201.02)を含み、さらに1%ペニシリン-ストレプトマイシンを添加したダルベッコ改変イーグル培地(Corning社、10-013-CV)中で、5%CO、37℃で培養した。特に記載がない限り、メーカーの取扱書に従って、X-tremeGENE HP DNA トランスフェクション試薬(ロシュ社(Roche)、06366546001)を使用して細胞をトランスフェクトした。
ヒト初代肺線維芽細胞(#3300)およびヒト初代気管支上皮細胞(#3210)は ScienCell Research Laboratories, Inc.から購入し、それぞれ線維芽細胞培地(ScienCell、#2301)および気管支上皮細胞培地(ScienCell、#3211)で培養した。両方の培地には15%ウシ胎児血清(BI)と1%ペニシリン-ストレプトマイシンが添加された。初代 GM06214およびGM01323細胞は、Coriell Institute for Medical Research から購入され、15%ウシ胎児血清(BI)および1%ペニシリン-ストレプトマイシンを含むダルベッコ改変イーグル培地(Corning社、10-013-CV)で培養された。すべての細胞は、5%CO、37℃で培養された。
レポーターシステムトランスフェクション、FACS解析、Sangerシーケンシング
二重蛍光レポーター編集実験では、293T-WT細胞または293T-Adar1-KO細胞を6ウェルプレートに播種し(6×10細胞/ウェル)、24時間後、レポータープラスミド1.5μgとdRNAプラスミド1.5μgをX-tremeGENEHPDNAトランスフェクション試薬(06366546001;Roche、マンハイム、ドイツ)で、サプライヤーのプロトコルに従って共トランスフェクションした。48~72時間後に細胞を回収し、FACS解析を行った。レポーターmRNA編集をさらに確認するために、FACS Ariaフローサイトメーター(BD Biosciences)を使用してレポーターおよびdRNAプラスミドをトランスフェクトした293T-WT細胞からEGFP陽性細胞を選別し、続いて全RNAを単離した(TIANGEN、DP430)。次に、RNAをRT-PCR(TIANGEN、KR103-04)によってcDNAに逆転写し、標的遺伝子座を対応するプライマーペアでPCR増幅し(23PCRサイクル)、PCR産物をSangerシーケンシングのために精製した。
Adar1(p110)、Adar1(p150)またはAdar2レスキューおよび過剰発現実験のために、293T-WT細胞または293T-Adar1-KO細胞を12ウェルプレートに播種し(2.5×10細胞/ウェル)、24時間後、レポータープラスミド0.5μg、dRNAプラスミド0.5μgおよびAdar1/2プラスミド0.5μg(コントロールとしての pLenti主鎖)を、X-tremeGENE HP DNAトランスフェクション試薬(06366546001、Roche、マンハイム、ドイツ)を使用して、共トランスフェクションした。48~72時間後に細胞を回収し、FACS解析を行った。
内在性mRNA実験のために、293T-WT細胞を6ウェルプレートに播種し(6×10細胞/ウェル)、約70%コンフルエントになったら、X-tremeGENE HP DNAトランスフェクション試薬(06366546001、Roche、マンハイム、ドイツ)を使用してdRNAプラスミド3μgをトランスフェクションした。72 時間後、細胞を収集し、次の RNA 単離のために FACS によって GFP 陽性細胞または BFP 陽性細胞を(対応する蛍光メーカーに従って)選別した。
ヒト初代T細胞の単離および培養
健康なドナーからの白血球除去産物から初代ヒトT細胞を単離した。簡単に説明すると、末梢血単核細胞(PBMC)をFicoll遠心分離(Dakewei、AS1114546)によって単離し、T細胞をEasySepヒトT細胞分離キット(STEMCELL、17951)を使用した磁気ネガティブセレクションによってPBMCから単離した。単離後、T細胞をX-vivo15培地、10% FBSおよびIL2(1000 U/ml)で培養し、CD3/CD28 DynaBeads(サーモフィッシャー社(ThermoFisher)、11131D)で2日間刺激した。健康なドナーからの白血球除去製品は、AllCells LLC Chinaから入手した。すべての健康なドナーはインフォームドコンセントを提供した。
慢性ウイルスパッケージングおよびレポーター細胞株の構築
発現プラスミドを、X-tremeGENE HP DNA トランスフェクション試薬を用いて、2つのウイルスパッケージングプラスミドであるpR8.74およびpVSVG(Addgene)とともにHEK293T-WT細胞に同時トランスフェクションした。72時間後、上清ウイルスを回収し、-80℃で保存した。HEK293T-WT細胞をレンチウイルスに感染させ、72時間後にmCherry陽性細胞をFACSで選別し、培養して、限界希釈法によりEGFPバックグラウンドが非常に低い二重蛍光レポーターシステムを安定して発現する単一クローン細胞株を選択した。
安定したレポーター細胞株の場合、レポーター構築物(pLenti-CMV-MCS-PURO主鎖)を2つのウイルスパッケージングプラスミドであるpR8.74およびpVSVGとともにHEK293T細胞に同時トランスミッションした。72時間後、上清ウイルスを回収し、-80℃で保存した。HEK293T細胞をレンチウイルスに感染させ、次にmCherry陽性細胞をFACSで選別し、培養して、検出可能なEGFPバックグラウンドのないが二重蛍光レポーターシステムを安定に発現する単一クローン細胞株を選択した。以前に報告された方法60に従って、HEK293T ADAR1-/-及びTP53-/-細胞株を生成した。ADAR1を標的化するsgRNAと、CMV駆動ピューロマイシン耐性遺伝子を含むPCR増幅されたドナーDNAとをHEK293T細胞に同時トランスフェクションした。次に、トランスフェクションの7日後に細胞をピューロマイシンで処理した。ピューロマイシン耐性細胞から単一クローンを単離し、続いてシーケンシングおよびウェスタンブロットによる検証を行った。
内因性または外因性に発現された転写物のRNA編集
二重蛍光レポーターでのRNA編集を評価するために、HEK293T細胞またはHEK293T ADAR1 -/- 細胞を6ウェルプレートに播種した(6×10細胞/ウェル)。24時間後、細胞をレポータープラスミド1.5μgおよびarRNAプラスミド1.5μgで同時トランスミッションした。ADAR1p110、ADAR1p150、またはADAR2タンパク質発現の影響を調べるために、編集効率をEGFP陽性比率とディープシークエンシングによってアッセイした。
HEK293T ADAR1 -/- 細胞を12ウェルプレートに播種した(2.5×10細胞/ウェル)。24時間後、細胞をレポータープラスミド0.5μg、arRNAプラスミド0.5μg、およびADAR1/2プラスミド0.5μg(コントロールとしてのpLenti主鎖)で同時トランスミッションした。EGFP陽性比率とディープシークエンシングによって編集効率を評価した。
内因性mRNA転写物に対するRNA編集を評価するために、HEK293T細胞を6ウェルプレートに播種した(6×10細胞/ウェル)。24時間後、細胞を3μgのarRNAプラスミドでトランスミッションした。ディープシークエンシングによって編集効率を評価した。
複数の細胞株におけるRNA編集効率を評価するために、8~9×10(RD、SF268、HeLa)または1.5×10(HEK293T)細胞を12ウェルプレートに播種した。HT29、A549、HepG2、SW13、NIH3T3、MEFおよびB16などのトランスフェクションが難しい細胞の場合、2~2.5×10細胞を6ウェルプレートに播種した。24時間後、レポーターとarRNAプラスミドをこれらの細胞に同時トランスミッションした。EGFP陽性比率によって編集効率を評価した。
EGFP陽性比率を評価するために、トランスフェクションの48~72時間後に、蛍光活性化細胞選別(FACS)分析によって細胞を選別および収集した。mCherryシグナルは、レポーター/arRNA発現細胞の蛍光選択マーカーとして機能し、EGFP/mCherry細胞の割合が編集効率の読み取り値として算出された。
AからIへの編集率のNGS定量化のために、トランスフェクション48~72時間後に、FACSアッセイによって細胞を選別して収集し、その後RNA単離(TIANGEN、DP420)に供した。次に、全RNAをRT-PCR(TIANGEN、KR103-04)を介して cDNAに逆転写し、標的遺伝子座を次の表に列挙した対応するプライマーを使用してPCR増幅した。
Figure 2024504608000001
PCR産物は、精製されて、SangerシーケンシングまたはNGS(Illumina HiSeq X Ten)に供した。
複数の細胞株でのテスト
HEK293T(陽性対照)およびHEK293T ADAR1-/-(陰性対照)細胞に加えて、1つのマウス細胞株(NIH3T3)および異なる組織および器官に由来する7つのヒト細胞株(RD、RD、HeLa、SF268、A549、HepG2、HT-29、SW13)を選択して実験を実施した。より高いトランスフェクション効率を有する細胞株については、約8~9×10細胞(RD、HeLa、SF268)または1.5×10細胞(HEK293T)を12ウェルプレートの各ウェルに播種した。トランスフェクションが難しい細胞株(A549、HepG2、HT-29、SW13、NIH3T3)については、2~2.5×10細胞を6ウェルプレートに播種した。そして、これらすべての細胞は、10%ウシ胎児血清(FBS、CellMax)を添加したダルベッコ改変イーグル培地(DMEM、Corning社)中で、5%CO、37℃で維持された。24時間後、CG2レポーターと71nt dRNA(35-C-35)プラスミドを、X-tremeGENE HP DNAトランスフェクション試薬(Roche)を使用してさまざまな種類の細胞に同時トランスフェクションした。トランスフェクションの48時間後、細胞をトリプシンで処理し、FACS(BD)によって分析した。トランスフェクション効率の低い細胞ではmCherryおよびBFP陽性細胞がかなり少ないため、6ウェルプレートにプレーティングされた細胞のFACS分析の総細胞数を1×10に増やした。
実施例1.CMVプロモーターを用いてarRNA発現を駆動することによるLEAPERの最適化
RNAポリメラーゼII(Pol II)が編集効率を向上させることができるか否かをテストするために、PolIIプロモーター(CMV)によって駆動されるarRNAを発現するプラスミドを構築した。EGFP発現に基づくレポーターシステム(レポーター1、図4B)を使用して、CMVおよびU6プロモーターによって駆動されるarRNA間のRNA編集効率を比較した(arRNA51)。未処理の細胞を模擬対照(モック)として使用した。非標的化RNAでトランスミッションされた細胞もコントロール(Ctrl RNA)として使用された。CMV-arRNAは、RNA編集においてU6-arRNAよりも優れていることが見出された(図1)。
Figure 2024504608000002
実施例2.sno-arRNAを介したRNA編集
arRNAを安定化し、その核局在化を強化するために、snoRNA 末端を持つようにarRNAを操作した。蛍光レポーター1を標的化する151-nt arRNAは、snoRNA末端に隣接した(図2A)。
5’末端:
GAGTGAGATCTTGGACCAATGATGACTTCCATACATGCATTCCTTGGAAAGCTGAACAAAATGAGTGGGAACTCTGTACTATCATCTTAGTTGAACTGAGGTCCACCGGGGGCTAA(SEQ ID NO:19)
3’末端:
AAGATTGTGTGTGGATCGATGATGACTTCCATATATACATTCCTTGGAAAGCTGAACAAAATGAGTGAAAACTCTATACCGTCATTCTCGTCGAACTGAGGTCCAGCACATTACTCCAACAG(SEQ ID NO:20)
sno-arRNA151と命名した。
二重蛍光レポーター-1は、mCherryの配列(SEQ ID NO:21)と、3×GSリンカーおよび標的Aを含む配列(SEQ ID NO:22)と、eGFPの配列(SEQ ID NO:23)とを含む。
Figure 2024504608000003
次に、ヒトU6駆動sno-arRNA151、arRNA151、sno-CtrlRNA151、またはCtrlRNA151をレポーター発現プラスミドとともにHEK293T細胞にトランスフェクトした。トランスフェクションの48時間後、FACS分析によってEGFP陽性比率を定量化した。FACSの結果は、snoRNA末端に隣接するsno-arRNA151が、線状arRNAよりも低いほぼ38%のEGFP陽性比率でレポーターmRNA上の標的RNA編集を媒介できることを示した(図2B~2C)。
snoRNA末端がarRNAを安定化するか否かをテストするために、EGPF陽性率をさまざまな時点で測定した。ヒトU6プロモーター下のsno-arRNA151、arRNA151、sno-Ctrl RNA151、またはCtrl RNA151をHEK293T-レポーター細胞にトランスミッションした。EGFP陽性比率は、トランスフェクション後3日、6日、12日の3時点で測定した。結果は、sno-arRNAが長期間にわたってarRNAよりも高い編集効率を示すことを示し、snoRNA末端がarRNAを分解から保護し、sno-arRNAの存在量を高めることができることを示した(図3A)。
arRNAの発現レベルをさらに高めるために、ウイルスベースの強力なプロモーターCMVを使用してarRNAまたはsno-arRNAを発現させた。結果は、CMVプロモーター発現arRNA(CMV_arRNA)が、U6プロモーター発現arRNA(U6_arRNA)よりもはるかに高い編集効率を有することを示した。また、U6_arRNAグループのEGFP陽性比率は時間の経過とともに減少したが、CMV_arRNAグループのEGFP陽性率はトランスフェクション後6日目でも依然として増加した。同様に、CMVプロモーター発現sno-arRNA(CMV_sno-arRNA)は、U6プロモーター発現sno-arRNA(U6_sno-arRNA)よりもはるかに高い編集効率を達成した(図3Bおよび図3C)。
上記の結果に基づいて、snoRNA末端はarRNAを安定化することができ、CMVプロモーターによって駆動されるarRNAまたはsno-arRNAはその発現レベルを増加させることができることが証明された。これら2つの戦略は両方とも、arRNAの編集効率を大幅に高めることができる。
実施例3.環状arRNAを介したRNA編集
mCherryとEGFPとの間のインフレーム終止コドンを含むレポーター1を安定的に発現するHEK293T細胞(図4B)を、両方ともレポーター1を標的化する環状arRNA71および環状arRNA111を発現するプラスミドでトランスミッションした。EGFP蛍光は、RNAに対するターゲット編集の効率を示した。最も効率的なarRNA構造を試験するために、環状arRNAを、両端ライゲーション配列に接続する25ntまたは50ntのリンカーで隣接させた(図4A)。比較のために、線状(非環状)arRNA71およびarRNA111も同時トランスミッションした。その結果、環状arRNAは、線状arRNAと比較して、EGFP細胞の比率およびEGFP強度の両方を強く改善するが(図4C)、25ntまたは50ntのリンカーを有する環状arRNAは、効率の改善を弱めることが判明した(図4C)。
レポーター-3を安定して発現するHEK293T(図4B)において、編集効率に対する長さの影響をさらに試験した。レポーターEGFP比率に基づいて、環状arRNAの長さは編集効率と正の相関があり、111~151ntでピークに達し(図4D)、71ntが環状arRNA活性に必要な最小長であった(図4D)。
二重蛍光レポーター-3は、mCherryの配列(SEQ ID NO:21)と、1×GSリンカー(斜体および太字で示す)および標的Aを含む配列(SEQ ID NO:24)と、eGFPの配列(SEQ ID NO:23)とを含む。
Figure 2024504608000004
環状arRNAは、ADAR1の発現レベルが低いかADAR3の発現が高いために、テストした複数の細胞株の中でLEAPER効率が比較的低いHeLaおよびA549細胞で使用された。その結果、EGFPレポーターアッセイに基づいて、環状arRNAが両方の細胞株において編集効率を大幅に高めることが判明した(図4E)。
Figure 2024504608000005
Figure 2024504608000006
Figure 2024504608000007
実施例4.環状arRNAを有するLEAPER系を使用した中途終止コドンの修正
多くの疾患は、中途終止コドン(PTC)によって引き起こされる。PTC関連疾患の治療におけるLEAPER-環状arRNAの可能性を調べるために、インフレームUAA終止コドンレポーターを構築した。環状arRNAの3つのバージョン(Tornado-arRNA111-A1、Tornado-arRNA111-A2及びTornado-arRNA111-2A)は、このレポーターのUAA部位を標的化するように設計され、3つの異なるarRNAのEGFP陽性パーセンテージを比較した。その結果、TAAコドンの2番目のアデノシンを標的化するTornado-arRNA111-A2がより効率的であることが判明した(図5)。
実施例5.環状arRNAを有するLEAPER系を使用したmRNAスプライシングの調節
mRNAスプライシングを操作して新しいスプライシング産物を生成することは、疾患(デュシェーヌ型筋ジストロフィーなど)を治療する戦略のひとつである。RG6スプライシングレポーターを使用して、LEAPER-環状arRNAがスプライシングアクセプター部位を変更できるか否かをテストした。Tornado-arRNA71(71-nt)、Tornado-arRNA71(111-nt)、及びTornado-arRNA71+BP(111-ntがアクセプター部位と分岐点の両方を標的化する)を含む、環状arRNAの3つのバージョンが、RG6スプライシングアクセプター部位を標的化するように設計された。HEK293T細胞では、スプライシングパターンがLEAPER-Tornadoによって変化した場合、RG6レポーターは、EGFPタンパク質よりも多くのdsRNAタンパク質を発現した(図6A)。我々は、LEAPER-環状arRNAが細胞スプライシング機構を効率的に標的化できることを発見した(図6B)。
実施例6. 環状arRNAを有するLEAPER系によるレンチウイルス送達
治療用RNAを継続的に投与することは、その有効性にとって重要である。環状arRNAを伴うLEAPERによるレンチウイルス送達がRNA編集を達成できるか否かをテストした。研究したところ、環状arRNAを有するLEAPERはレンチウイルス送達を通じて機能し、それによって様々なTornado-arRNAがゲノムに組み込まれ、安定して発現できることが判明した。Tornado-arRNAの長さは編集効率と正の相関を示した(図7)。
実施例7. インビトロで産生された環状arRNAによって媒介されるRNA編集
Tornado系を使用したインビボでの環状arRNAの発現に加えて、arRNA をインビトロで環状化することもできる。
図8A~8Bに示すように、DNAスプリント(すなわち、一本鎖DNAアダプター)の有無にかかわらず、T4 RNAリガーゼを使用して、arRNAをインビトロで生成した。簡単に言うと、arRNAに対応するインビトロRNA転写物は、DNAテンプレートのインビトロ転写(IVT)を使用して得られた。次いで、IVT産物を、DNAスプリントに結合したT4 RNAリガーゼ(T4 Rnl1またはT4 Rnl2)(図8A)、またはDNAスプリントなしで直接(図8B)に連結した。T4 Rnl1とT4 Rnl2はどちらも、インビトロで線状ssRNAを効率的に環状化できた。
図8Cは、グループI触媒イントロンに基づいてインビトロで環状arRNAを生成する方法を示す。典型的なグループI触媒イントロンは、5’末端から3’末端まで、5’触媒グループIイントロンフラグメントによって認識可能な5’エクソン配列の5’エクソン(エクソン1)、5’触媒グループIイントロンフラグメント、3’触媒グループIイントロンフラグメント、および3’触媒グループIイントロンフラグメントによって認識可能な3’エクソン配列の3’エクソン(エクソン2)を含む。arRNA配列を含む線状RNA構築物は、arRNA配列の両端を結合し、グループIイントロンによる自己スプライシング後に環状arRNAを得るために、グループIイントロンフラグメントの自己触媒作用を可能にするように作成できる。線状構築物は、5’から3’まで、3’触媒グループIイントロンフラグメント、3’エクソン(エクソン2)、arRNA配列、5’エクソン(エクソン1)および5’グループIイントロンを含む。線状RNA構築物は、IVTを使用して取得された。精製したIVT産物にGTPとMg2+を加えて環状化し、55℃で15分間インキュベートした。線状RNA前駆体を除去するために、反応混合物をRNase Rで処理するか、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)を使用して精製した。RNase R処理および/またはHPLCの後、精製されたRNAをアルカリホスファターゼで処理して、必要に応じてリン酸基を除去した。
上記のインビトロ法を使用して、実施例2に記載したように、レポーター1を標的化する環状arRNAを生成した。図9A~9Cに示すように、T4 Rnl1はarRNAを効率的に環状化した。環状化効率は、HPLC分析により測定した結果、約60%であった。精製した環状arRNAをレポーター-1安定細胞株にトランスミッションした。arRNAは、環状arRNAのトランスフェクション24時間後にEGFP発現を効率的にオンにした(図10)。環状arRNA151処理グループでは、ほぼすべての細胞がEGFPの発現を示した。Sangerシーケンシングの結果(図11)に基づいて、48時間のトランスフェクション後の編集効率が約60%であると決定した。この編集効率は、ディープシークエンシングの結果と一致している(図12)。環状arRNAによる影響の持続時間をテストするために、細胞を半月培養し続けた。図10に示すように、環状arRNAでトランスミッションされた細胞の大部分は、トランスフェクション後少なくとも1週間はEGFPを発現し続けた。
次に、インビトロ法を使用して、内因性転写物を標的化する環状arRNAを生成した。arRNAの長さは151ntであった。T4 RnlベースおよびグループI触媒イントロンベースの方法を利用して、内因性転写物を標的化する環状arRNAをインビトロで生成することに成功した。精製した環状arRNAを使用して、HEK293Tおよびマウス胎児線維芽細胞(MEF)をトランスフェクトした。
HEK293TのPPIB転写産物にあるUAGモチーフを標的化した。PPIB転写産物の標的アデノシン部位は、それに対応する環状arRNAによって編集された。次に、編集効率が用量依存性であるか否かをテストした。図13Aのデータは、編集効率が用量依存性であり、高用量の環状arRNAがより高い編集率をもたらす傾向があることを示した。
単遺伝子性疾患であるHurler症候群の治療に環状arRNAを使用する可能性を検討した。Hurler症候群は、ムコ多糖の分解に関与するリソソーム代謝酵素であるIDUAの欠損によるムI型ムコ多糖症(MPSI)の最も重篤なサブタイプである。もともとHurler症候群のマウスモデルから単離されたMEF細胞を選択した。これらのMEF細胞は、IDUA遺伝子のエクソン9にホモ接合性のTGGからTAGへの変異を含んでいた。IDUA転写物を標的化する環状arRNAをMEFにトランスミッションし、編集効率を測定した。図13Bのディープシーケンシングの結果は、IDUA転写物の編集効率が約27%であったことを示している。
参考文献
1 Porteus, M. H. & Carroll, D.『ジンクフィンガーヌクレアーゼを使用した遺伝子ターゲティング(Gene targeting using zinc finger nucleases)』『ネイチャーバイオテクノロジー(Nat Biotechnol)』23,967-973(2005)。
2 Boch, J.ら『TAL タイプ III エフェクターの DNA 結合特異性のコードを解く(Breaking the code of DNA binding specificity of TAL-type III effectors)』『サイエンス(Science)』326,1509-1512(2009)。
3 Moscou, M. J.及びBogdanove, A. J.『TAL エフェクターによる DNA 認識を制御する単純な暗号(A simple cipher governs DNA recognition by TAL effectors)』『サイエンス』326,1501(2009)。
4 Miller, J. C.ら『効率的なゲノム編集のための TALE ヌクレアーゼ アーキテクチャ(A TALE nuclease architecture for efficient genome editing)』『自然生物技術』29,143-148(2011)。
5 Jinek, M.ら『適応細菌免疫におけるプログラム可能なデュアル RNA ガイド DNA エンドヌクレアーゼ(A programmable dual-RNA-guided DNA endonuclease in adaptive bacterial immunity)』『サイエンス』337,816-821(2012)。
6 Cong, L.ら『CRISPR/Casシステムを用いた多重ゲノム工学(Multiplex genome engineering using CRISPR/Cas systems)』『サイエンス』339,819-823(2013)。
7 Mali, P.ら『Cas9 を介した RNA 誘導ヒトゲノム操作(RNA-guided human genome engineering via Cas9)』『サイエンス』339,823-826(2013)。
8 Komor, A. C., Kim, Y. B., Packer, M. S., Zuris, J. A. & Liu, D. R.『二本鎖 DNA 切断を伴わない、ゲノム DNA 内の標的塩基のプログラム可能な編集(Programmable editing of a target base in genomic DNA without double-stranded DNA cleavage)』『ネイチャー(Nature)』533,420-424(2016)。
9 Ma, Y.ら『標的化 AID 媒介変異誘発 (TAM) により、哺乳類細胞の効率的なゲノム多様化が可能になる(Targeted AID-mediated mutagenesis(TAM)enables efficient genomic diversification in mammalian cells)』『ネイチャー方法(Nat Methods)』13,1029-1035(2016)。
10 Gaudelli, N. M.ら『DNA切断を伴わないゲノムDNA内のA*TからG*Cへのプログラム可能な塩基編集(Programmable base editing of A*T to G*C in genomic DNA without DNA cleavage)』『ネイチャー』551,464-471(2017)。
11 Tan, M. H.ら『哺乳動物におけるRNA編集の動的な状況と制御(Dynamic landscape and regulation ofRNAediting in mammals)』『ネイチャー』550,249-254(2017)。
12 Nishikura, K.『ADARデアミナーゼによるRNA編集の機能と制御(Functions and regulation ofRNAediting by ADAR deaminases)』『生化学の年次レビューアヌ・レヴ・バイオケム(Annu Rev Biochem)』79,321-349(2010)。
13 Bass, B. L.及びWeintraub, H.『二本鎖RNA基質を共有結合的に修飾する巻き戻し活性(An unwinding activity that covalently modifies its double-stranded RNA substrate)』『細胞(Cell)』55,1089-1098(1988)。
14 Wong, S. K., Sato, S.及びLazinski, D. W.『ADAR1 および ADAR2 による基質認識(Substrate recognition by ADAR1 and ADAR2)』『RNA』7,846-858(2001)。
15 Montiel-Gonzalez, M. F., Vallecillo-Viejo, I., Yudowski, G. A.及びRosenthal, J. J.『部位特異的RNA編集による嚢胞性線維症の膜貫通コンダクタンス調節因子内の変異の修正(Correction of mutations within the cystic fibrosis transmembrane conductance regulator by site-directedRNAediting)』『米国国立科学アカデミー紀要(Proc Natl Acad Sci U S A)』110,18285-18290(2013)。
16 Sinnamon, J. R.ら『ニューロンにおける内在性 Mecp2RNA の部位特異的 RNA 修復(Site-directedRNArepair of endogenous Mecp2RNAin neurons)』『米国国立科学アカデミー紀要』114,E9395-E9402(2017)。
17 Montiel-Gonzalez, M. F., Vallecillo-Viejo, I. C.及びRosenthal, J. J.『mRNA内の遺伝情報を選択的に変更するための効率的なシステム(An efficient system for selectively altering genetic information within mRNAs)』『核酸研究(Nucleic Acids Res)』44,e157(2016)。
18 Hanswillemenke, A., Kuzdere, T., Vogel, P., Jekely, G.及びStafforst, T.『生体内での部位特異的RNA編集は、人工リボタンパク質の光駆動アセンブリによって引き起こされる可能性がある(Site-DirectedRNAEditing in Vivo Can Be Triggered by the Light-Driven Assembly of an Artificial Riboprotein)』『美国化学会志(J Am Chem Soc)』137,15875-15881(2015)。
19 Schneider, M. F., Wettengel, J., Hoffmann, P. C.及びStafforst, T.『hADAR1 および hADAR2 のデアミナーゼ活性をトランスでリダイレクトするための最適なガイド RNA(Optimal guideRNAs for re-directing deaminase activity of hADAR1 and hADAR2 in trans)』『核酸研究』42,e87(2014)。
20 Vogel, P., Hanswillemenke, A.及びStafforst, T.『光の制御下での部位特異的RNA編集によるタンパク質局在の切り替え(Switching Protein Localization by Site-DirectedRNAEditing under Control of Light)』『ACS合成生物学(ACS synthetic biology)』6,1642-1649(2017)。
21 Vogel, P., Schneider, M. F., Wettengel, J.及びStafforst, T.『ガイド RNA の化学修飾による in vitro および細胞培養における部位特異的 RNA 編集の改善(Improving site-directedRNAediting in vitro and in cell culture by chemical modification of the guideRNA)』『応用化学(Angewandte Chemie)』53,6267-6271(2014)。
22 Vogel, P.ら『SNAPタグ付きADARによる内在性転写産物の効率的かつ正確な編集(Efficient and precise editing of endogenous transcripts with SNAP-tagged ADARs)』『ネイチャー方法』15,535-538(2018)。
23 Cox, D. B. T.ら『CRISPR-Cas13 による RNA 編集(RNA editing with CRISPR-Cas13)』『サイエンス』358,1019-1027(2017)。
24 Fukuda, M.ら『細胞内A-to-IのRNA編集を利用した部位特異的RNA変異誘発用ガイドRNAの構築(Construction of a guide-RNA for site-directedRNAmutagenesis utilising intracellular A-to-I RNA editing)』『サイエンティフィック・リポーツ(Scientific reports)』7,41478(2017)。
25 Wettengel, J., Reautschnig, P., Geisler, S., Kahle, P. J.及びStafforst, T.『ヒト ADAR2 を RNA 修復に利用する - PINK1 変異の再コードによりマイトファジーが救出される(Harnessing human ADAR2 forRNArepair-Recoding a PINK1 mutation rescues mitophagy)』『核酸研究』45,2797-2808(2017)。
26 Heep, M., Mach, P., Reautschnig, P., Wettengel, J.及びStafforst, T.『部位特異的RNA編集-G/C置換にヒトADAR1p110およびADAR1p150を適用すると、ガイドRNAが編集に対して安定化される(Applying Human ADAR1p110 and ADAR1p150 for Site-DirectedRNAEditing-G/C Substitution Stabilizes GuideRNAs against Editing)』『遺伝子(バーゼル)(Genes(Basel))』8(2017)。
27 Katrekar, D.ら『RNA誘導性アデノシンデアミナーゼによる点変異のin vivo RNA編集(In vivoRNAediting of point mutations viaRNA-guided adenosine deaminases)』『ネイチャー方法』16,239-242(2019)。
28 Yin, H., Kauffman, K. J.及びAnderson, D. G.『ゲノム編集の送達技術(Delivery technologies for genome editing)』『Nat Rev ドラッグ ディスコブ(Nat Rev Drug Discov)』16,387-399(2017)。
29 Platt, R. J.ら『ゲノム編集およびがんモデリング用の CRISPR-Cas9 ノックイン マウス(CRISPR-Cas9 knockin mice for genome editing and cancer modeling)』『細胞』159,440-455(2014)。
30 Chew, W. L.ら『多機能 AAV-CRISPR-Cas9 とその宿主応答(A multifunctional AAV-CRISPR-Cas9 and its host response)』『ネイチャー方法』13,868-874(2016)。
31 Teoh, P. J.ら『ADAR1による骨髄腫トランスクリプトームの異常な過剰編集は発がん性をもたらし、予後不良のマーカーとなる(Aberrant hyperediting of the myeloma transcriptome by ADAR1 confers oncogenicity and is a marker of poor prognosis)』『血液(Blood)』132,1304-1317(2018)。
32 Vallecillo-Viejo, I. C., Liscovitch-Brauer, N., Montiel-Gonzalez, M. F., Eisenberg, E.及びRosenthal, J. J. C.『部位特異的RNA編集による豊富なオフターゲット編集は、編集酵素の核局在化によって削減可能(Abundant off-target edits from site-directedRNAediting can be reduced by nuclear localization of the editing enzyme)』『RNA生物学(RNA biology)』15,104-114(2018)。
33 Mays, L. E.及びWilson, J. M.『AAV ベクターにコードされた導入遺伝子産物に対する T 細胞活性化の複雑かつ進化するストーリー(The complex and evolving story of T cell activation to AAV vector-encoded transgene products)』『分子治療(Mol Ther)』19,16-27(2011)。
34 Wagner, D. L.ら『成人集団における化膿レンサ球菌 Cas9 反応性 T 細胞の高い有病率(High prevalence of Streptococcus pyogenes Cas9-reactive T cells within the adult human population)』『ネイチャー医学(Nat Med)』25,242-248(2019)。
35 Simhadri, V. L.ら『米国人口におけるCRISPR関連ヌクレアーゼCas9に対する既存抗体の蔓延(Prevalence of Pre-existing Antibodies to CRISPR-Associated Nuclease Cas9 in the USA Population)』『分子治療方法及び臨床発展(Mol Ther Methods Clin Dev)』10,105-112(2018)。
36 Charlesworth, C. T.ら『ヒトにおける Cas9 タンパク質に対する既存の適応免疫の同定(Identification of preexisting adaptive immunity to Cas9 proteins in humans)』『自然医学』25,249-254(2019)。
37 Haapaniemi, E., Botla, S., Persson, J., Schmierer, B.及びTaipale, J.『CRISPR-Cas9 ゲノム編集は p53 媒介 DNA 損傷応答を誘発する(CRISPR-Cas9 genome editing induces a p53-mediated DNA damage response)』『自然医学』24,927-930(2018)。
38 Ihry, R. J.ら『p53はヒト多能性幹細胞におけるCRISPR-Cas9遺伝子操作を阻害する(p53 inhibits CRISPR-Cas9 engineering in human pluripotent stem cells)』『自然医学』24,939-946(2018)。

Claims (43)

  1. 宿主細胞内で標的RNAを編集するための方法であって、
    デアミナーゼリクルートRNA(dRNA)又は前記dRNAをコードする核酸を含む構築物を前記宿主細胞に導入することを含み、
    (1)前記dRNAは、前記標的RNAに少なくとも部分的に相補的な標的化RNA配列を含み、
    (2)前記dRNAは、RNAに作用するアデノシンデアミナーゼ(ADAR)をリクルートすることができ、かつ
    (3)前記dRNAは、環状RNAであるか、又は前記宿主細胞内で環状RNAを形成することができる、方法。
  2. 前記dRNAは、3’ライゲーション配列と5’ライゲーション配列をさらに含み、任意選択に、
    (i)前記3’ライゲーション配列及び前記5’ライゲーション配列は、互いに少なくとも部分的に相補的であり、及び/又は
    (ii)前記3’ライゲーション配列及び前記5’ライゲーション配列の長さは、約20~約75ヌクレオチドである、請求項1に記載の方法。
  3. 前記dRNAは環状RNAである、請求項1又は2に記載のdRNA。
  4. 前記dRNAは、前記宿主細胞内で環状RNAを形成できる線状RNAである、請求項1又は2に記載のdRNA。
  5. インビトロで線状RNAを使用して前記環状RNAを形成することをさらに含む、請求項3に記載の方法。
  6. 前記線状RNAは、5’触媒グループIイントロンフラグメントと3’触媒グループIイントロンフラグメントを含むグループIイントロンの自己触媒によって環状化される、請求項5に記載の方法。
  7. 前記線状RNAは、前記3’触媒グループIイントロンフラグメントと前記5’触媒グループIイントロンフラグメントを含み、前記3’触媒グループIイントロンフラグメントは前記3’触媒グループIイントロンフラグメントによって認識可能な3’エクソン配列の5’末端に隣接し、前記5’触媒グループIイントロンフラグメントは前記5’触媒グループIイントロンフラグメントによって認識可能な5’エクソン配列の3’末端に隣接する、請求項6に記載の方法。
  8. 前記線状RNAは、前記3’触媒グループIイントロンフラグメントの5’末端に隣接する5’相同配列と、前記5’触媒グループIイントロンフラグメントの3’末端に隣接する3’相同配列と、をさらに含む、請求項7に記載の方法。
  9. 前記環状RNAの形成は、
    (a)前記5’触媒グループIイントロンフラグメント及び前記3’触媒グループIイントロンフラグメントの自己触媒を活性化する条件を前記線状RNAに曝さして環状化RNA産物を提供することと、(b)前記環状化RNA産物を単離することにより、前記環状RNAを提供することと、を含む、請求項6~8のいずれか1項に記載の方法。
  10. 前記線状RNAはリガーゼによって環状化される、請求項5に記載の方法。
  11. 前記リガーゼは、T4 DNAリガーゼ(T4 Dnl)、T4RNAリガーゼ1(T4 Rnl1)、及びT4RNAリガーゼ2(T4 Rnl2)から選択される、請求項10に記載の方法。
  12. 前記線状RNAは、前記環状RNAをコードする核酸配列の5’末端に5’ライゲーション配列を含み、前記環状RNAをコードする前記核酸配列の3’末端に3’ライゲーション配列を含み、前記5’ライゲーション配列と前記3’ライゲーション配列は前記リガーゼを介して互いに連結可能である、請求項10又は11に記載の方法。
  13. 前記環状RNAの形成は、
    (a)前記線状RNAを一本鎖アダプター核酸と接触させることであって、前記一本鎖アダプター核酸は、5’末端から3’末端まで、前記3’ライゲーション配列に相補的な第1配列と前記5’ライゲーション配列に相補的な第2配列とを含み、前記5’ライゲーション配列及び前記3’ライゲーション配列は前記一本鎖アダプター核酸とハイブリダイズして、前記5’ライゲーション配列の3’末端と前記3’ライゲーション配列の5’末端との間の一本鎖切断を含む二本鎖核酸中間体を提供する、ことと、
    (b)前記5’ライゲーション配列と前記3’ライゲーション配列とのライゲーションを可能にする条件下で、前記中間体をRNAリガーゼと接触させて、環状化RNA産物を提供することと、
    (c)前記環状化RNA産物を単離することにより、前記環状RNAを提供することと、を含む、請求項12に記載の方法。
  14. 前記環状RNAの形成は、
    (a)前記5’ライゲーション配列と前記3’ライゲーション配列とのライゲーションを可能にする条件下で、前記線状RNAをRNAリガーゼと接触させて、環状化RNA産物を提供することと、
    (b)前記環状化RNA産物を単離することにより、前記環状RNAを提供することと、を含む、請求項12に記載の方法。
  15. 前記線状RNAをコードする核酸配列を含む核酸構築物をインビトロ転写することによって前記線状RNAを得ることをさらに含む、請求項5~14のいずれか1項に記載の方法。
  16. (i)前記標的化RNA配列の長さは50ヌクレオチドを超え、任意選択に、前記標的化RNA配列の長さは約100~約150ヌクレオチドであり、
    (ii)前記標的化RNA配列は、前記標的RNA中の標的アデノシンに直接対向するシチジン、アデノシン又はウリジンを含み、任意選択に、前記標的化RNA配列は、前記標的RNA中の前記標的アデノシンに直接対向するシチジンミスマッチを含み、例えば、前記シチジンミスマッチは、前記標的化RNA配列の3’末端から少なくとも20ヌクレオチド離れた位置、及び前記標的化RNA配列の5’末端から少なくとも5ヌクレオチド離れた位置にあり、
    (iii)前記標的化RNA配列は、それぞれ前記標的RNA中の非標的アデノシンに対向する1つ又は複数のグアノシンをさらに含み、
    (iv)前記標的化RNA配列は、前記標的RNA中の非標的アデノシンに対向する2つ以上の連続したミスマッチヌクレオチドを含み、
    (v)前記標的RNA中の前記標的アデノシンの5’最近傍は、U、C、A及びGから選択されるヌクレオチドであり、好ましくはU>C≒A>Gであり、前記標的RNA中の前記標的アデノシンの3’最近傍は、G、C、A及びUから選択されるヌクレオチドであり、好ましくはG>C>A≒Uであり、
    (vi)前記標的アデノシンは、前記標的RNA中のUAG、UAC、UAA、UAU、CAG、CAC、CAA、CAU、AAG、AAC、AAA、AAU、GAG、GAC、GAA、及びGAUから選択される3塩基モチーフ内にあり、任意選択に、前記3塩基モチーフはUAGであり、前記標的化RNAは、前記3塩基モチーフ内のウリジンに直接対向するA、前記標的アデノシンに直接対向するシチジン、及び前記3塩基モチーフ内のグアノシンに直接対向するシチジン、グアノシン又はウリジンを含み、及び/又は
    (vii)前記標的RNAは、プレメッセンジャーRNA、メッセンジャーRNA、リボソームRNA、トランスファーRNA、長鎖ノンコーディングRNA、及び低分子RNAから選択されるRNAであり、任意選択に、前記標的RNAはプレメッセンジャーRNAである、請求項1~15のいずれか1項に記載の方法。
  17. ADAR3阻害剤及び/又はインターフェロン刺激剤を前記宿主細胞に導入することをさらに含む、請求項1~16のいずれか1項に記載の方法。
  18. それぞれが異なる標的RNAを標的化する複数のdRNA又は構築物を導入することを含む、請求項1~17のいずれか1項に記載の方法。
  19. 前記標的RNAの編集効率が少なくとも40%である、請求項1~18のいずれか1項に記載の方法。
  20. 前記構築物又は前記dRNAは免疫応答を誘導しない、請求項1~19のいずれか1項に記載の方法。
  21. ADARを前記宿主細胞に導入することをさらに含み、任意選択に、前記ADARは、E1008変異を含むADAR1である、請求項1~20のいずれか1項に記載の方法。
  22. 前記標的RNA中の前記標的アデノシン的脱アミノ化は、前記標的RNA中のミスセンス変異、早期終止コドン、異常スプライシング若しくは選択的スプライシング、又は前記標的RNA中のミスセンス変異、早期終止コドン、異常スプライシング若しくは選択的スプライシングの逆転を生じさせ、任意選択に、前記標的RNA中の前記標的アデノシンの脱アミノ化は、前記標的RNAによってコードされるタンパク質の点変異、トゥランケイション、伸長及び/又はミスフォールディング、あるいは前記標的RNA中のミスセンス変異、早期終止コドン、異常スプライシング若しくは選択的スプライシングの逆転による機能的な、完全長の、正しくフォールディングされた及び/又は野生型タンパク質を生じさせる、請求項1~21のいずれか1項に記載の方法。
  23. 前記宿主細胞は真核細胞であり、任意選択に、前記宿主細胞は哺乳動物細胞であり、例えば、前記宿主細胞はヒト又はマウス細胞である、請求項1~22のいずれか1項に記載の方法。
  24. 請求項1~23のいずれか1項に記載の方法によって産生される編集RNA又は編集RNAを有する宿主細胞。
  25. 個体の疾患又は障害を治療又は予防する方法であって、
    請求項1~23のいずれか1項に記載の方法によって前記個体の細胞内で前記疾患又は障害に関連する標的RNAを編集することを含む、方法。
  26. (i)前記疾患又は障害は、遺伝性の遺伝性疾患、又は1種又は複数種の後天的遺伝子変異に関連する疾患又は障害であり、
    (ii)前記標的RNAはGからAへの変異を有し、及び/又は
    (iii)前記疾患又は障害は、単一遺伝子又は多遺伝子性の疾患又は障害である、請求項25に記載の方法。
  27. (i)前記標的RNAはTP53であり、前記疾患又は障害は癌であり、
    (ii)前記標的RNAはIDUAであり、前記疾患又は障害はムコ多糖症I型(MPS I)であり、
    (iii)前記標的RNAはCOL3A1であり、前記疾患又は障害はエーラス・ダンロス症候群であり、
    (iv)前記標的RNAはBMPR2であり、前記疾患又は障害はジュベール症候群であり、
    (v)前記標的RNAはFANCCであり、前記疾患又は障害はファンコニ貧血であり、
    (vi)前記標的RNAはMYBPC3であり、前記疾患又は障害は原発性家族性肥大型心筋症であり、又は
    (vii)前記標的RNAはIL2RGであり、前記疾患又は障害はX 連鎖重度複合免疫不全症である、請求項25又は26に記載の方法。
  28. 宿主細胞内で標的RNAを編集するためのデアミナーゼリクルートRNA(dRNA)であって、
    前記標的RNAに少なくとも部分的に相補的な標的化RNA配列を含み、前記dRNAは、RNAに作用するアデノシンデアミナーゼ(ADAR)をリクルートすることができ、前記dRNAは、環状であるか、又は前記宿主細胞内で環状RNAを形成することができる、デアミナーゼリクルートRNA(dRNA)。
  29. 前記dRNAは、3’ライゲーション配列と5’ライゲーション配列をさらに含み、任意選択に、
    (i)前記3’ライゲーション配列及び前記5’ライゲーション配列は、互いに少なくとも部分的に相補的であり、及び/又は
    (ii)前記3’ライゲーション配列及び前記5’ライゲーション配列の長さは約20~約75ヌクレオチドである、請求項28に記載のdRNA。
  30. 前記dRNAは環状RNAである、請求項28又は29に記載のdRNA。
  31. 前記dRNAは、宿主細胞内で環状RNAを形成できる線状RNAである、請求項28又は29に記載のdRNA。
  32. 前記dRNAは、インビトロで線状RNAにより形成される環状RNAである、請求項30に記載のdRNA。
  33. 請求項28~32のいずれか1項に記載のdRNAをコードする核酸を含む構築物。
  34. 標的RNAを編集するためのデアミナーゼリクルートRNA(dRNA)であって、
    (1)前記標的RNAに少なくとも部分的に相補的な標的化RNA配列と、
    (2)前記標的化RNA配列の3’及び/又は5’末端にある核小体低分子RNA(snoRNA)配列と、を含み、
    前記dRNAは、RNAに作用するアデノシンデアミナーゼ(ADAR)をリクルートすることができる、デアミナーゼリクルートRNA(dRNA)。
  35. (i)前記dRNAは、前記標的化RNA配列の5’末端に連結されたsnoRNA配列(「5’ snoRNA配列」)を含み、
    (ii)前記dRNAは、前記標的化RNA配列の3’末端に連結されたsnoRNA配列(「3’ snoRNA配列」)を含み、
    (iii)前記snoRNA配列の長さは、少なくとも約70ヌクレオチドであり、
    (iv)前記3’ snoRNA配列は、SEQ ID NO:1の核酸配列からなり、
    (v)前記5’ snoRNA配列は、SEQ ID NO:2の核酸配列からなり、及び/又は
    (vi)前記snoRNA配列は、C/D Box snoRNA配列、H/ACA Box snoRNA配列、複合C/D BoxとH/ACA Box snoRNA配列、又はオーファンsnoRNA配列である、請求項34に記載のdRNA。
  36. 請求項34又は35に記載のdRNAをコードする核酸を含む、構築物。
  37. 前記構築物は、前記dRNAをコードする前記核酸に作動可能に連結されたプロモーターをさらに含み、前記プロモーターはポリメラーゼIIプロモーター(「Pol IIプロモーター」)である、請求項32~36のいずれか1項に記載の構築物。
  38. 前記宿主細胞に入ったデアミナーゼリクルートRNA(dRNA)をコードする核酸を含む構築物であって、
    (1)前記dRNAは、前記標的RNAに少なくとも部分的に相補的な標的化RNA配列を含み、
    (2)前記dRNAは、RNAに作用するアデノシンデアミナーゼ(ADAR)をリクルートすることができ、
    (3)前記構築物は、前記dRNAをコードする前記核酸に作動可能に連結されたポリメラーゼIIプロモーター(「Pol IIプロモーター」)を含む、構築物。
  39. 前記Pol IIプロモーターはCMVプロモーターであり、任意選択に、前記CMVプロモーターはSEQ ID NO:3の核酸配列からなる、請求項37又は38に記載の構築物。
  40. 前記構築物はウイルスベクター又はプラスミドであり、任意選択に、前記構築物はAAVベクターである、請求項32~39のいずれか1項に記載の構築物。
  41. 前記標的RNAは、プレメッセンジャーRNA、メッセンジャーRNA、リボソームRNA、トランスファーRNA、長鎖ノンコーディングRNA、及び低分子RNAから選択されるRNAである、請求項28~40のいずれか1項に記載の構築物又はdRNA。
  42. 請求項28~40のいずれか1項に記載の構築物又はdRNAを含む宿主細胞。
  43. 請求項28~40のいずれか1項に記載の構築物又はdRNAを含む、宿主細胞内で標的RNAを編集するためのキット。
JP2023542592A 2021-01-12 2021-01-12 遺伝子操作rnaを使用した内因性adarの活用による標的化rnaの編集 Pending JP2024504608A (ja)

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
PCT/CN2021/071292 WO2022150974A1 (en) 2021-01-12 2021-01-12 Targeted rna editing by leveraging endogenous adar using engineered rnas

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2024504608A true JP2024504608A (ja) 2024-02-01

Family

ID=82446457

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2023542592A Pending JP2024504608A (ja) 2021-01-12 2021-01-12 遺伝子操作rnaを使用した内因性adarの活用による標的化rnaの編集

Country Status (4)

Country Link
EP (1) EP4277990A1 (ja)
JP (1) JP2024504608A (ja)
CN (1) CN117015605A (ja)
WO (1) WO2022150974A1 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CR20210572A (es) 2019-04-15 2022-04-07 Univ Beijing Métodos y composiciones para editar ácido ribonucleicos (arn)
JP2022536546A (ja) 2019-07-12 2022-08-17 北京大学 遺伝子操作rnaを用いた内因性adarによる標的化rna編集

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5773244A (en) * 1993-05-19 1998-06-30 Regents Of The University Of California Methods of making circular RNA
CA2968336C (en) * 2014-12-17 2021-11-23 Proqr Therapeutics Ii B.V. Construct for site directed editing of an adenosine nucleotide in target rna
MX2021004187A (es) * 2018-10-12 2021-09-08 Edigene Therapeutics Beijing Inc Métodos y composiciones para editar ácidos ribonucleicos.
CN109943586B (zh) * 2019-03-15 2021-02-26 上海交通大学 一种植物circRNA过表达载体及其构建方法
CR20210572A (es) * 2019-04-15 2022-04-07 Univ Beijing Métodos y composiciones para editar ácido ribonucleicos (arn)

Also Published As

Publication number Publication date
WO2022150974A1 (en) 2022-07-21
EP4277990A1 (en) 2023-11-22
CN117015605A (zh) 2023-11-07

Similar Documents

Publication Publication Date Title
AU2020313143B2 (en) Targeted RNA editing by leveraging endogenous adar using engineered RNAs
US11702658B2 (en) Methods and compositions for editing RNAs
JP7252328B2 (ja) Rnaを編集する方法および組成物
KR20210053898A (ko) 신규 crispr 효소 및 시스템
CN114207130A (zh) 用于从白蛋白基因座进行转基因表达的组合物和方法
WO2022150974A1 (en) Targeted rna editing by leveraging endogenous adar using engineered rnas
EP3891283A1 (en) Gene-editing systems for editing a cystic fibrosis transmembrane regulator (cftr) gene
US20200263206A1 (en) Targeted integration systems and methods for the treatment of hemoglobinopathies
WO2023020574A1 (en) Engineered adar-recruiting rnas and methods of use thereof
WO2023185231A1 (en) Engineered adar-recruiting rnas and methods of use for usher syndrome
WO2023143539A1 (en) Engineered adar-recruiting rnas and methods of use thereof
WO2023196772A1 (en) Novel rna base editing compositions, systems, methods and uses thereof
JP2023550381A (ja) 真核生物遺伝子編集のためのベクター、システムおよび方法

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20231115

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20231115