JP2024503287A - バルーンカテーテル及びその使用方法 - Google Patents

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Abstract

システム及び方法は、血管形成術及び薬剤の送達のために血管壁組織内にセレーションを形成するために、帯状体に取り付けられた楔形切開器具を医療用バルーンに取り付けることを含む。バルーンのブロー成形技術は、セレーションバルーンカテーテルデバイスを形成するためのバルーンの外形、材料費及び製造時間を削減することができる。このタイプのバルーンを形成するための設計及びプロセスについて説明している。

Description

(関連出願の相互参照)本出願は、2020年12月31日に出願された米国仮特許出願第63/133192号の優先権の利益を主張するものであり、その全体は参照により本明細書に組み込まれる。本出願は、米国特許公開第2020/0155815号に関連するものであり、その全体が37CFR1.57に基づき参照により本明細書に組み込まれる。
本明細書に開示される特定の実施例は、概して、血管形成バルーンなどの医療用バルーンと一体化された一連の鋸歯状構造体及びセレーション(serration)を介して組織に薬剤を沈着させる方法に関する。一連の鋸歯状構造の製造方法及び一連の鋸歯状構造を含む治療方法は、集合的に鋸歯状構造である様々な楔形切開器具(ウェッジディセクタ)及びスプラインの特徴ともに開示される。楔形切開器具は、亀裂の伝播を制御し、流れを制限する解離を減少させ、ステントなどのインプラントの必要性を減少させ、内腔を拡大させ、疾患治療領域における流れを増加させるために、疾患治療領域に穿孔を形成するために使用される。
動脈硬化性閉塞性疾患は、米国及び先進工業国における脳卒中、心臓発作、四肢喪失、及び死亡の主な原因である。動脈硬化性プラークは、動脈の壁に沿って硬い層を形成し、カルシウム、コレステロール、圧縮された血栓及び細胞破片から構成されている。動脈硬化性疾患が進行すると、特定の血管を通過しようとする血液供給量が減少したり、閉塞プロセスによって阻止されることさえある。臨床的に重要な動脈硬化性プラークを治療する最も広く利用されている方法の一つはバルーン血管形成術である。
バルーン血管形成術は、体内の閉塞又は狭窄した血管を開く方法である。バルーン血管形成術用のカテーテルは,経皮的あるいは動脈の開放的な露出によって作られる遠隔アクセス部位から症状を示す血管(動脈など)に挿入される。カテーテルは症状を示す血管の内側に沿って、カテーテルを誘導するワイヤーに亘って移動する。バルーンが取り付けられたカテーテルの部分は、治療が必要な疾患(動脈硬化性プラークなど)の位置に配置される。バルーンは一般に,閉塞性疾患を発症する前の動脈の基準血管径と一致する大きさまで膨らませる。
バルーンが膨張すると、プラークは、組成、位置及びバルーンによる圧力の大きさに応じて、伸張、圧縮、破砕又は破壊される。プラークは不均一であり、ある部分では軟らかく、ある部分では硬いため、標準的なバルーン血管形成術では予測不可能な開裂面が形成される。バルーン血管形成術はプラークを破壊し、時には血管形成部位で動脈損傷を起こすことがある。
末梢動脈の狭窄病変は足への血流を減少させ、患者の可動性を制限し、痛みを生じさせ、治癒を阻害し、最も深刻な例では、組織喪失、感染が生じ、また切断が必要となることがある。末梢動脈におけるバルーン血管形成術の目的の一つは、狭窄病変を開いて足の血流を回復させることである。血流は動脈内の断面積に関係するので、狭い狭窄病変を最小限の血管損傷で近隣の基準血管径に戻すことが重要である。バルーン血管形成術の基本的なメカニズムは、狭窄部に加わる半径方向の膨張力を増加させ、最終的に病変部を治癒する。
血管の損傷を最小限に抑えながら動脈の径を増大させたいという要望に対処するためには,血管形成術の作用メカニズムを利用する革新的なアプローチが必要である。革新的なセレーション(serration)バルーンカテーテルは、上記目的を認識し、解離(血管損傷の一形態)の程度及びステントの必要性を最小限に抑えながら、内腔の拡大及び体積流量の増加の証拠を収集した。本特許及び関連特許に含まれるセレーションの設計は、血流量の増加に加えて、血管形成術及び血管内膜に沿った長手方向のセレーションを組み合わせたセレーション血管形成術バルーンであり、これにより血管形成術単独の作用メカニズムを変化させる。
血管形成術とセレーション技術を組み合わせることで、血流を改善するために必要な圧力を最小限に抑えることができる。一組のステンレス鋼の帯状体(帯状体:strip)が血管形成術用のバルーンに組み込まれており、バルーンが膨張すると、内膜に沿って一連の鋸歯状の線が生じ、典型的には中膜を貫通する(図1に示す)。鋸歯状の線は、血管形成術のエネルギーを動脈軸に沿ったこれらの脆弱な線に追従させる。内腔が拡大するにつれて、内膜と中膜の組織はより緩やかに予測通りに分離し、血流は、修復された狭窄した箇所を良好に通過することができる。図1は、治癒7日後のブタの組織におけるセレーションの効果を示す走査型電子顕微鏡写真である。
セレーション血管形成術による動脈容積流量の改善(ポアズイユの法則を応用した計算によるエビデンス)
動脈流量の改善を評価する数学的アプローチにより、通常の血管形成術とセレーション血管形成術のデータを比較することができる。この種のアルゴリズムにより、各研究の動脈の参照血管径とは無関係に、様々な研究からのデータを評価することができ、研究間における流れの改善の比較が可能となる。
血流量の改善を評価するため、導き出された方程式は、流量がパイプの半径の4乗に直接相関するという、確立された流体力学方程式(ポアズイユの法則)を利用したものである。ポアズイユの法則には、圧力、長さ、粘性係数などの付加的な変数(数1参照)が含まれている。疾患形態の性質と生体内組織のアクセス(接近)不可能性のため、単純化された流体力学モデル(数2)が比較のために有効であると主張されている。
数1:ポアズイユの法則
ここで、Rは動脈の半径であり、nは血液の粘性係数、Lは血管(又は病変部)の長さ、P-Pは圧力差である。
まず、ポアズイユの法則に適用される一連の仮定を反映して、研究間の動脈流の改善を評価することにより、心臓血管系の研究間の洞察を与える可能性のある式を提供する。
従来の方程式では、ポアズイユの法則は層流(例えば、流れが乱流であってはならない)を必要とし、液体が非圧縮性流体であることを要求する。血液は非圧縮性であり、一般に体内では層流であるが、動脈系では乱流が生じることが示されており、病変部では乱流の増加が示されている。このようなポアズイユの法則の使用と矛盾する仮定とは無関係に
、この法則はパイプの円周の2次積分によって導かれる。したがって、動脈の半径Rが大きくなると、流量は指数関数的に増加する。したがって、狭窄によって血管セグメントの半径が2分の1になった場合、単独で灌流されると仮定すると、狭くなったセグメント内の抵抗は16倍に増加する。図2(赤線で示す)では、末梢動脈が最大半径の50%になったとき、%最大遠位流がいかに低くなるかを示している。
したがって、体積流量は動脈の断面積に大きく依存する。末梢動脈の場合、この単純な類推は、足への流量を増加させるために内腔の直径を制約のない直径に回復させることの価値を指摘している。セレーション血管形成術について、通常のバルーン(図75)よりも高い体積流量を生じさせる一貫してより大きな内腔を形成する能力が観察されている(図76,78A,78B)。セレーション血管形成術がより高い体積流量を達成する能力は、血管のリモデリングとして説明することもできるし、又は血管のリモデリングと関連させることもできる。血管のリモデリングは,血管網における各セグメントの内径(D)と壁の厚さ(w)がそのセグメントが経験する刺激に応答して連続的に構造適応を受けるという仮説に基づいている。したがって、セレーション血管形成術の実施例で観察されるように、血管の挙動(適合性、流体力学及び内径)が改善されるように疾患血管が効果的に治療される場合、これらの結果を血管のポジティブなリモデリングと関連付けることが適切である。内部弾性薄膜が鋸歯痕を有し、バルーンの圧で弛緩することで、治療された患部は乱流が減少し、粗さが減少し、流れの中断や乱れが少なくなり、壁の摩擦や流れの抵抗が減少する。セレーション血管形成術が単独又は併用療法として使用される臨床例の大部分において見られる観察によると、最終的な結果は、血管や病変の不連続性や流れの乱れがほとんど、あるいは全く見られない動脈の輪郭及び流れの力学を示している。この現象を本明細書ではポジティブ血管リモデリングと呼ぶ。
流量の改善を評価する方法は、いくつかの実施例において、まず、初期動脈流量(F)を計算することによって開始される。初期動脈流量(F)は、平均初期RVDの半分と(1-%狭窄)(1-%stenosis)の積を4乗して求める。次に、最終動脈流量(F)を求める。最終動脈流量(F)は平均最終RVDの半分と(1-%残存狭窄)(1-%residual stenosis)の積を4乗して求める。これら2つの値をとると、F-Fとして流量の変化を計算することができる。したがって、流量の改善率(%)は単純に(F-F)/Fとなる。最後に、データセット(1)をデータセット(2)と比較する場合、データセット(2)に対するデータセット(1)の流量の改善率(%)は、改善率(%)(試験1)から改善率(%)(試験2)を引いた値を改善率(%)(試験2)で割ることで計算することができる。
数2:ポアズイユの法則の簡略版
ここで、Fは動脈内の流れ、rは半径である。
ここで、Fは、狭窄病変を横切る初期流量である。
したがって、動脈における流量の改善率(%)は、(F-F)/Fである。
ここで、Fは初期動脈流であり、Fは最終動脈流である。
最後に、治療前の血管半径が異なる複数の研究間で、流量の改善率を比較することにより、比較分析を行うことができる。この手法の限界は、最大の寄与変数が初期狭窄の程度であることである。初期の狭窄率(%)が増加するにつれて、流量の半径は減少する。この半径は、4乗で計算すると、初期の狭窄が僅かに増加するごとに非常に速く縮小する。
計算上の誤解を招く可能性を減らすため、体積流量比を(rpost/rpreで計算した。ここで、rpostは、治療後の血管半径であり、rpreは、治療前の血管半径である。血管半径(r)はr=RVD×(1-%狭窄)/2として計算した。
単純化された方程式、流れ=rを導出するために使用する仮定:
乱流に関連した流れの制限や減少は考慮されていない。乱流の可能性を評価するための情報が文献から欠落している(すなわち、狭窄特性、正確な三次元動脈構造など)。
バルーンのサイジングとバルーン圧のデータは入手できず、このデータはサイジングに関連するコンプライアンスに関する洞察は得られるものの、最終的な流量に関する洞察は得られないと想定される。
断面が丸い(パイプのような)という仮定があるが、生物学的な成長が正確に丸くなっていることはめったにない。
末梢動脈における治療後の急性の改善を評価するための2つの比較モデルを特定した。1つのモデル(図75)は体積流量の変化を評価し、もう1つのモデル(図76)は治療前RVD(治療前)に対する残存狭窄の改善を評価した。検討したデータによると、セレーション(鋸歯)バルーン血管形成術は、いずれの方法でも通常のバルーン血管形成術を一貫して上回った。セレーション(鋸歯)バルーン血管形成術は、62%~93%の狭窄病変に対して、通常のバルーン血管形成術より2.4倍の平均流速比を達成し、99~100%の狭窄病変に対しては、残存狭窄を62%減少させた。
バルーン血管形成術及び他の関連する治療システムを含む閉塞性疾患の治療方法を改善する必要性が絶えず存在する。いくつかの実施例では、安価に局所的な内膜破壊装置を取り付ける能力が必要とされている。このようなバルーンの設計には、バルーンのコストに対して最小限の追加コストでバルーン表面上に特徴を効果的に設けるなど、製造に対する革新的なアプローチが必要である。バルーンのブロー成形サイクル内で又はバルーンのブロー成形に直接的に特徴を融合又は統合できる実施例は、大幅なコスト削減を実現し、より効果的なバルーンの設計を可能にする。押し込み製、交差性、プロファイル、堅牢性、柔軟性、薬剤送達能力など、望ましいバルーンの特徴を備えた実施例が想定され、直径、長さ、円錐形状を含むバルーンの設計に組み込まれることで、バルーン表面上方に突出する特徴とは無関係に、全てを組み込むことができる。全ての実施例では、カテーテルをベースとするバルーン設計の戦略的コスト削減を単独又は集合的に促進する特徴及びプロセスが組み込まれる。
(バルーンの特徴)押し込み性、交差性及び柔軟性は、全て血管内治療技術に望まれる機能である。想定される設計の多くは、ポリマー層の間に組み込まれる長手方向に配向された構造を組み込んでいる。このような特徴が組み込まれ、長手方向に配向されているため、バルーンはより押しやすくなり、高度に硬直した病変部を横断する。全閉塞又は高度に狭窄した閉塞部を横断する能力は、帯状体(ストリップ)の長手方向に配向されたビーム状の構造がバルーン本体に与える剛性の向上が一因となっている。帯状体の長手方向のビーム状の要素は、バルーン本体の表面を中心に左右対称に配向されており、カラム強度を向上させる。帯状体のビーム状の構造によりカラム強度が向上することで、押し込み性及び交差性が向上する。平坦な底部及び周期的に盛り上がった楔形切開器具を有する帯状体のビーム設計は、柔軟でフレキシブルなビームを提供し、脆さを最小限に抑えながら柔軟性とトルク能力を向上させる。帯状体のビームがバルーン層の積層体(スタック)に捕捉又は保持されると、ビームはより安定する。バルーンのウイングのひだの下に帯状体をプリーツ加工し、帯状体の上にバルーンのウイングを圧着することで、安定性が向上し、送達カテーテルからバルーン遠位端及びカテーテル先端への力の伝達に対するセレーションバルーンの能力が高まる(図79)。
いくつかの実施例では、血管内の治療部位における薬剤溶出バルーンからの薬剤取り込みは、血管壁の媒体層に複数の微小亀裂を形成するため、当該部位において前処理バルーンを拡張することにより血管内の部位を前処理する方法によって改善される。前処理バルーンの実施例は、複数の帯状体(ストリップ)を有する。各々の帯状体は、各帯状体の表面に沿って間隔をあけて配置された複数の楔形切開器具(ウェッジディセクタ:wedge dissector)を含む。これらの帯状体は、前処理バルーンの外側面に沿って長手方向に延びている。この実施例に係る前処理バルーンは、その後、収縮され、場合によりバルーンの円周に沿って各帯状体の間隔とは異なる角度だけ回転される。非限定的な例として、バルーンの円周に沿って90度の間隔で4つの楔形切開器具がある場合、バルーンを、例えば45度回転させてから再び膨張させ、以前は何もなかった血管壁に沿って新たなセレーション、つまり鋸歯痕を形成することができる。その後、前処置用バルーンを再膨張させて、前処置用バルーンの帯状体が元の膨張時とは異なる位置に位置させるようにし、以前はセレーション(鋸歯、鋸歯痕ともいう)のなかった血管壁の領域にセレーションを形成する位置に楔形切開器具を位置させるようにする。臨床の場では、特定の、あるいは意図的な回転の効果が複雑になることが理解される。回転角度を予測する必要性はそれほど重要ではなく、医師がバルーンを膨張させ、収縮させ、バルーンを少なくとも1cm引き戻し、近位ハブを回転させ、次いで、バルーンを再挿入することで、通常、バルーンが回転し、最初の膨張時と異なる角度になることが予期される。その後、前処置用バルーンを取り外し、薬剤溶出用バルーンをその部位に配置する。薬剤溶出バルーンは拡張して血管壁に接触し、薬剤が薬剤溶出バルーンの表面から微小亀裂、内膜、中膜へと溶出する。いくつかの実施例では、前処理バルーンは、場合によっては、約1°~約180°の間、又は楔形切開器具を分離する角度を目指して回転され得る。通常、楔形切開器具は、360°を分割して円周方向に間隔を隔てて配置される。したがって、3つの楔形切開器具が存在する場合、周方向の間隔は、360°を3分割した値、つまり、120°となる。一部の実施例では、バルーンを第1の方向に1回転させた後、同じ方向又は反対方向に1回、2回、3回、4回、5回以上繰り返し回転させて、血管壁のセレーション(鋸歯痕)の数を増やすことができる。
いくつかの実施例において、部位の前処理方法は、長方形、楕円又は楕円に近似する形状を有する半径方向外側に面する面を有する楔形切開器具を用いて達成される。いくつかの実施例では、形状は一般により楕円であるが、短軸から長軸の頂点への円弧は基本的な楕円数学に従わない。このような条件下では、最終的な形状はより尖った楕円に近い。
いくつかの実施例では、組織におけるセレーション(鋸歯痕)を通して薬剤を堆積させる方法は、前処理バルーンを使用する。この前処理バルーンは、長手方向軸を画定する内側通路を有する細長い部材と、細長い部材の遠位端で細長い部材に接続された膨張可能なバルーンと、複数の帯状体(ストリップ)と、を有する。各々の帯状体は、帯状体の表面に沿って間隔をあけて配置された複数の楔形切開器具を有する。各々の帯状体は、バルーンの外側面に沿って長手方向に延びている。本例の楔形切開器具は、各々の帯状体の表面に直接隣接する帯状体対向ベース面と、研磨(ホーニング加工)されていない(unhoned)半径方向外側に面する面(以下、半径方向外側面ともいう)と、帯状体対向ベース面と半径方向外側面との間における側面と、を有する。半径方向外側面は、当該面の近位縁部と遠位縁部との間の長さを有し、各々の楔形切開器具の高さを画定する。半径方向外側面は、近位縁部における第1の幅と、近位縁部と遠位縁部との間における第1の幅よりも小さい第2の幅と、遠位縁部における第2の幅よりも大きい第3の幅と、を有する。第2の幅は、半径方向外側面の長さに沿った単一の点に対応するか、あるいは、第2の幅は、近位縁部と遠位縁部との間の中央の長さを有する中央セグメントに対応する。各々の帯状体の長さは、帯状体の長さと同軸のバルーンの外側面の長さよりも小さくてよいし、あるいは、各々の帯状体の長さは、帯状体の長さと同軸のバルーンの外側面の長さよりも約1%~約10%小さくてもよい。各々の楔形切開器具の半径方向外側面の全長は、各々の楔形切開器具の帯状体に面するベース面の全長よりも小さくてもよい。別の例において、半径方向外側面は、湾曲した面を有するか、又は1つの面取りされた面を有するか、又は近位縁部における第1の高さ及び近位縁部と遠位縁部との間の第2の高さを有し、第2の高さは第1の高さよりも大きい。いくつかの実施例において、半径方向外側面の最大高さは、境界のない第1の縁部と境界のない第2の縁部との間の中間点にある。境界のない面の最大高さは、近位縁部と遠位縁部との間の中間点からオフセットされていてもよい。帯状体に面するベース面から近位縁部までの楔形切開器具の側面セグメントは、化学エッチングによって生成されるような1つ又は複数の放物斜面を有していてもよい。帯状体の先端部は、通常、キャリアの先端部に連結されている。キャリアの先端部の形状は、通常、帯状体と同様の傾斜及び寸法を有する特徴を有する。
いくつかの実施例では、楔形切開器具を取り付ける方法は、医療用バルーンにセレーションを有するか否かにかかわらず、帯状体の表面に沿って長手方向に間隔をあけて配置された複数の楔形切開器具を含む帯状体を提供することによって達成することができる。楔形切開器具の各々は、帯状体の先端に面する帯状体先端対向キャリア先端面を有する。キャリアと帯状体先端が同じ材料からエッチングされ、取り付けられたままであるという事実により、キャリアが帯状体先端から分離されると、研磨(ホーニング加工)されていない半径方向外側面が形成される。分離されると、自由となった半径方向外側面は、半径方向外側面の近位縁部と半径方向外側面の遠位縁部との間の長さを有し、各々の楔形切開器具の高さを画定し、帯状体に面するベース面と半径方向外側面との間の側面を有する。
いくつかの実施例では、各々の楔形切開器具の研磨(ホーニング加工)されていない半径方向外側面は、取り付け領域において研磨(ホーニング加工)されていない半径方向外側面のキャリアに取り付けられる。取り付け領域の間の領域は空隙を画定し、帯状体(ストリップ)は、帯状体の第1の面に対向する第2の面を有する。次に、帯状体の第2の面をバルーンのブロー成形用のコレットに入れ、医療用バルーン内で又はバルーンと一体的に又はバルーンの面に隣接して、第2の面の最終的な配置位置に配置される。帯状体の第2の面が医療用バルーンに取り付けられた後、帯状体のキャリアは帯状体から切り離される。帯状体の第2の面は、接着剤により医療用バルーンの表面に接着され、かつ/あるいは、融着及び/又はラミネーションなどの他のプロセスにより医療用バルーンの表面に取り付けられる。帯状体からの帯状体キャリアの剥離は、機械的な力、レーザ切断又は他の手段を用いて達成され得る。帯状体キャリアは帯状体と一体的に形成されてもよい。場合により、帯状体キャリアと帯状体は化学エッチングを用いて作成される。
いくつかの実施例において、医療用バルーンに楔形切開器具を取り付けるためのキャリアシステムは、帯状体(ストリップ)の表面に沿って長手方向に間隔をあけて配置された複数の楔形切開器具を含む帯状体を有する。楔形切開器具の各々は、帯状体の第1の面に直接隣接する帯状体に面するベース面と、研磨(ホーニング加工)されていない半径方向外側面と、帯状体に面するベース面と半径方向外側面との間の側面と、を有する。半径方向外側面は、半径方向外側面の近位縁部と遠位縁部との間の長さを有し、各々の楔形切開器具の高さを画定する。帯状体は、帯状体の第1の面に対向する第2の面を有し、帯状体キャリアは自由端を有する。各楔形切開器具の研磨(ホーニング加工)されていない半径方向外側面は、一般的に、楔形切開器具の形状と周期性を反映した取り付け領域で、帯状体キャリアの自由端に取り付けられている。アタッチメント領域間には空隙があり、アタッチメント領域は、機械的な力又は繰り返される双方向のねじり力が加えられたときに切り離されるように構成されている。一例では、帯状体とともにキャリアシステムはステンレス鋼などの金属から形成される。他の適切な材料としては、ポリマー、コポリマー、複合組成の新規な材料などがある。
一部の方法では、帯状体のバルーンへの取り付けはバルーンのブロー成形中に完了する。この方法では、キャリアはバルーンブロー成形用金型と一体化されるように設計されている。ブロー成形方法の1つでは、帯状体の外側面にポリマー又はコポリマー層などの適合材料を有する帯状体を使用する。コーティング量は、通常、帯状体のベース部を包み込むように設定されており、一例では、帯状体が横たわるための保護床として機能する、バルーン表面上に帯状体のベース部近傍の領域を形成するように設定される。帯状体のコーティングは、浸漬法、塗装法、ラミネーション法、プレフォーム接着法など、さまざまな方法で行うことができるが、これらに限定されない。
材料を積層するために多数のアプローチを利用することができる。いくつかの実施例では、バルーンの外側面への金属製の帯状体の接合を説明する目的でラミネーションを使用することを開示している。
ラミネート層のスタック(積層体)を使用する場合、帯状体の構成要素は、通常、1ロール当たり数千から数百万の帯状体を有する金属製の長いシート又はロールと共に一体的に構成されている。金属製のロールは、通常、化学的にエッチングされ、キャリアと、所望の楔形断面形状を有する帯状体との意図されたデザインが形成される。エッチングされたロールは、次に、ポリマー、コポリマー又は繊維強化ポリマーでラミネートされ、典型的には両面がラミネートされたサンドイッチ状の構造となる。
実施例のいくつかでは、1つ以上のポリマー層は、積層体に適用される繊維強化ポリマーを含むことができ、ポリマーに埋め込まれた強化繊維を含む。ポリマーは、様々な層間の結合手段としても作用する。繊維強化ポリマーに使用するのに適した強化繊維としては、例えばガラス繊維、炭素繊維、金属繊維が挙げられ、必要に応じて、アラミド繊維、PBO繊維(Zylon)、M5繊維、超高分子量ポリエチレン又はポリプロピレン繊維などの延伸熱可塑性ポリマー繊維、及び/又は上記繊維の組み合わせも挙げることができる。また、ロービングのような繊維の交絡及び/又は交絡した束を使用してもよい。このようなロービングは、繊維形態の強化繊維及び熱可塑性ポリマーを含む。強化繊維に適したマトリックス材料の例としては、ポリアミド、ポリイミド、ポリエーテルサルフォン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリウレタン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリアミドイミド、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)、スチレン/無水マレイン酸(SMA)、ポリカーボネート、ポリフェニレンオキシドブレンド(PPO)、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートなどの熱可塑性ポリエステル、及び上記のポリマーの1種又は2種以上の混合物又はコ
ポリマーが挙げられる。
帯状体をバルーンに取り付けるための実施例では、帯状体のベース部及び又は側面にポリマーを直接含有させることが想定される。帯状体を製造する1つの方法では、化学エッチングの使用が想定されるが、電気化学的機械加工又は他の低コストで大量生産が可能な他の方法も想定される。
図2に模式的に示すように、帯状体が材料のリールから製造される場合、帯状体のベース上の両側(上部及び下部)にポリマー層を提供するため、ラミネーションなどの二次工程の使用が想定される。
ラミネーションプロセスは、図3の一実施例に概略的に示されているように、ステンレス鋼のリール状の帯状体を捕捉して材料のサンドイッチを敷設し、可撓性のバルーンと共に撓みかつ非可撓性帯状体材料に効果的に貼り付けることができる材料の融合表面を生成することができる。
いくつかの構成では、カテーテルはさらに、カテーテルに付随する拡張可能な部材を備える。
いくつかの構成では、膨張可能な部材はバルーンを含む。
いくつかの構成では、拡張可能なバルーンは複数の帯状体を含み、各帯状体はその上に複数の楔形の切開器具を含む。
一部の構成では、バルーンの外側面におけるセレーションと組み合わせて追加のエネルギー源を使用することで、さらなる利点を付加できることが想定されている。そのようなエネルギー源の1つは、バルーン本体内のトランスデューサから放出される可能性のある超音波振動又は超音波である。この実施例では、音エネルギー又は他のエネルギーは、複数の帯状体に加えて、バルーンの充填に使用される液体媒体及びバルーン壁を介して伝達され得る。このような設計では、音響波エネルギーの組織への効果的な伝達を可能にするために、楔形切開器具は、同じ形状又はわずかに異なる形状を有することができる。それにより、楔形切開器具の設計は、音響エネルギー又は他のエネルギーの疾患組織へのより効果的な伝達を可能にする。超音波又は他のエネルギー源などの付加的なエネルギー源の使用によって、同様の結果をもたらすため、より少ない鋸歯状の帯状体が必要とされる可能性があることが想定される。さらに、少ない楔とより長いギャップで、楔形切開器具の周期性をより長くすることができる。楔(ウェッジ)の形状を浅くしたり、短くしたりしてもよい。セレーション(鋸歯)とともに複数のエネルギー様式(すなわち、超音波及び圧力)を組み合わせることの他の利点は、超音波又は他のエネルギー放出源の複雑さを低減することができることである。そのため、リソプラスティ(lithoplasty)を行うために3つのトランスデューサを使用する必要がある場合、2つ又は1つのトランスデューサだけで済む可能性がある。このような組み合わせは、超音波の組織への伝達が少ないという欠点を最小限に抑えながら、バルーンとトランスデューサの統合の複雑さを軽減するという利点を提供する。
また、本明細書では、血管内の治療部位にセレーション又は鋸歯痕を形成する方法であって、複数の帯状体を有するバルーンを含むバルーンカテーテルを提供する。各帯状体は複数の楔形切開器具を含む。バルーンカテーテルはさらに、内側部材と、テーパ状をなす外側シースと、テーパ状の外側シースとテーパ状をなしていない内側部材との間における細長いテーパ状のコイルと、を含む。細長いコイルは、バルーンカテーテルの実質的に全長にわたってバルーンを貫通している。バルーンを所定の部位で拡張させ、血管壁を切断
することなく、血管壁の中膜層に複数の微小亀裂を形成し、バルーンを当該部位から取り除く。
また、本明細書では、血管内の治療部位に鋸歯痕を形成する方法であって、複数の帯状体を組み込んだバルーンを含むバルーンカテーテルを提供する。各帯状体は、バルーンのブロー成形中に取り付けられた複数の楔形切開器具を含む。バルーンカテーテルは、内側部材、外側シース、ハブ及び先端部をさらに含む。所定の部位でバルーンを拡張して、血管壁を切断することなく、血管壁の内膜層に複数の微小亀裂を形成して、当該部位からバルーンを取り除く。
いくつかの構成では、本方法はさらに、所定の部位においてインデックス処置を実行することを含む。
いくつかの構成では、インデックス処置は、血管内大動脈修復術(EVAR)、開窓型血管内大動脈修復術(FEVAR)、経カテーテル大動脈弁置換術(TAVR)、経カテーテル僧帽弁修復術又は置換術、及び胸部血管内大動脈修復術(TEVAR)からなる群から選択される。
いくつかの実施例では、血管内装置が提供される。血管内装置はバルーンを含む。血管内装置は複数の帯状体(ストリップ)を含む。いくつかの実施例では、複数の帯状体の各々は、各帯状体の表面に沿って間隔を置いて配置された複数の楔形切開器具を含む。いくつかの実施例において、各帯状体は、バルーンの外側面に沿って延びている。いくつかの実施例において、楔形切開器具は、ベース面と、研磨(ホーニング加工)されていない(unhoned)半径方向外側に面する面と、ベース面から半径方向外側に面する面まで延びる傾斜した側壁と、を備える。いくつかの実施例では、バルーンは、膨張して複数の帯状体間にローブ(lobe)を形成するように構成されている。いくつかの実施例において、ローブは、楔形切開器具の傾斜した側壁に力を加えて、楔形の切開器具を概ね接線方向から概ね垂直方向へ回転させる。
いくつかの実施例では、ローブは、楔形切開器具を略垂直方向から略接線方向に回転させるために、楔形切開器具の傾斜した側壁に力を加える。いくつかの実施例では、血管内装置は、複数の帯状体が時計回り又は反時計回り方向に回転可能なように双方向性である。いくつかの実施例では、複数の帯状体は、膨張前に、略接線方向において反時計回り方向を向いている。いくつかの実施例において、複数の帯状体は、膨張後に略接線方向で反時計回り方向を指している。いくつかの実施例では、複数の帯状体は、概して接線方向においてバルーンのプリーツによって少なくとも部分的に覆われている。いくつかの実施例では、各帯状体は、バルーンが収縮したときにバルーンのプリーツによって少なくとも部分的に覆われる。いくつかの実施例において、傾斜した側壁とローブの膨張との組み合わせは、楔形切開器具の略垂直方向の制御をより効果的に可能にするように構成されている。いくつかの実施例において、研磨されていない半径方向外側に面する面は、血管壁からのプラークの分離をほとんど生じないようにして血管壁に接触するように構成されている。いくつかの実施例において、ローブは、楔形切開器具が血管壁に接触する領域の近くで血管壁に引張力を及ぼすように構成されている。いくつかの実施例では、ローブは、血管壁を楔形切開器具から引き離すように血管壁に力を及ぼすように構成されている。いくつかの実施例では、ローブは、研磨されていない半径方向外側に面する面が血管壁にセレーション(鋸歯痕)を形成するように血管壁に力を及ぼすように構成されている。いくつかの実施例では、ローブは、研磨されていない半径方向外側に面する面が直線状の切断線を形成するように血管壁に力を及ぼすように構成されている。いくつかの実施例において、傾斜した側壁は、ローブの拡張と組み合わされて、動脈の寸法とは無関係に管腔を拡大する長手方向に配向された複数の線を内側層に形成するように構成されている。いくつかの
実施例において、ローブの拡張と組み合わせされた傾斜した側壁は、血流を増加させる内側層への長手方向に配向された複数の線を形成するように構成されている。いくつかの実施例において、ローブの拡張と組み合わせされた傾斜した側壁は、狭窄を改善する内側層への長手方向に配向された複数の線を形成するように構成されている。いくつかの実施例において、ローブの拡張と組み合わせされた傾斜した側壁は、積極的な血管リモデリングを引き起こすように構成されている。いくつかの実施例において、ローブの拡張と組み合わせされた傾斜した側壁は、楔形切開器具が内膜に分離ノード(nodes of separation)を誘発する際に、楔形切開器具の略垂直方向を維持するように構成されている。いくつかの実施例では、傾斜した側壁とローブの拡張との組み合わせは、楔形切開器具が血管壁をさらに貫通することを可能にする血管壁における圧力分布を変化させるように構成されている。いくつかの実施例では、バルーンはエネルギーを供給するように構成されている。いくつかの実施例では、帯状体は、バルーンに沿って長手方向に力を並進させることにより、追跡性及び押し込み性を向上させる。
いくつかの実施例では、血管内装置が提供される。血管内装置はバルーンを含む。血管内装置は複数の帯状体を含む。いくつかの実施例では、複数の帯状体の各帯状体は、各帯状体の表面に沿って間隔を置いて配置された複数の楔形切開器具を含む。いくつかの実施例では、各帯状体はバルーンの外側面に沿って延びている。血管内装置は、プレハブ式のカバー(プレハブカバー)を含む。いくつかの実施例では、プレハブカバーと、複数の帯状体を有するバルーンとの組み合わせは、複数の帯状体を有するバルーンをプレハブカバー内で膨張させ、プレハブカバーが軟化して複数の楔形切開器具がプレハブカバーを通って延びるように複数の帯状体に熱を加えることによって形成される。
いくつかの実施例では、プレハブカバーは複数の楔形切開器具の周囲で硬化する。いくつかの実施例では、各帯状体は、接着剤でバルーンの外側面又はバルーンのベースコートに接着される。いくつかの実施例では、複数の帯状体を有するバルーンは、プレハブカバーへの挿入前にプリーツ加工されるように構成されている。いくつかの実施例では、接着剤は、プレハブカバーへの挿入前に複数の帯状体を有するバルーンに塗布される。いくつかの実施例において、複数の楔形切開器具は、複数の帯状体を有するバルーンがプレハブカバー内で膨張するときに、略接線方向から略垂直方向へ回転するように構成されている。いくつかの実施例では、複数の楔形切開器具は、バルーンの膨張中にプレハブカバーを突き破らない、研磨されていない半径方向外側に面する面を備える。いくつかの実施例において、バルーンの膨張は、バルーンとプレハブカバーとの間に接着剤を均一に分布させる。いくつかの実施例では、プレハブカバーは、楔形切開器具を取り囲む相対的に厚い層を提供する。いくつかの実施例では、楔形切開器具近傍のプレハブカバーは、隣接する楔形切開器具間のスペースでプレハブカバーが裂ける能力を制限する。いくつかの実施例では、個々の楔形切開器具のみがプレハブカバーを通って延びている。いくつかの実施例では、プレハブカバーは、隣接する楔形切開器具間の長手方向のスペースに沿って無傷のままである。いくつかの実施例において、プレハブカバーは、楔形切開器具の傾斜した側壁に沿って長手方向に延びる再硬化材料からなる。いくつかの実施例において、プレハブカバーは、楔形切開器具の近位縁部及び/又は遠位縁部に沿って横方向に延びる再硬化材料からなる。いくつかの実施例において、プレハブカバー、バルーン及び複数の帯状体は、互いに接着される。いくつかの実施例において、プレハブカバー、バルーン及び複数の帯状体は、プリーツ加工されている。いくつかの実施例において、プレハブカバーは、バルーンに対する複数の帯状体の保持を容易にする。いくつかの実施例では、楔形切開器具は、血管内で略接線方向から略垂直方向へ回転するように構成されている。いくつかの実施例では、プレハブカバーとバルーンは、血管壁に引張力を加えて直線状の切断線を形成するように一体的に機能するように構成されている。
いくつかの実施例では、血管内装置が提供される。血管内装置はバルーンを含む。血管
内装置は複数の帯状体を含む。いくつかの実施例では、複数の帯状体の各帯状体は、各帯状体の表面に沿って間隔を置いて配置された複数の切開器具を含む。いくつかの実施例では、各帯状体は、バルーンの外側面に沿って延びている。いくつかの実施例において、切開器具は、ベース面、外側に面する面、及びベース面から半径方向外側に面する面まで延びる側壁を備える。いくつかの実施例において、バルーンは、膨張し、複数の帯状体間にローブを形成するように構成されている。いくつかの実施例において、ローブは、切開器具を略接線方向から略垂直方向へ回転させるために、切開器具の傾斜した側壁に力を加える。
いくつかの実施例では、血管内装置は、複数の帯状体が時計回り又は反時計回り方向に回転可能なように双方向性である。いくつかの実施例では、複数の帯状体は、膨張前及び膨張後に略接線方向で反時計回り方向を向いている。いくつかの実施例において、複数の帯状体は、略接線方向においてバルーンのプリーツによって少なくとも部分的に覆われている。いくつかの実施例では、血管内装置は、楔形切開器具の略接線方向のより効果的な制御を可能にする。いくつかの実施例では、血管内装置は、血管壁からのプラークの分離をほとんど生じないようにしながら血管壁に接触するように構成されている。いくつかの実施例では、ローブは血管壁に引張力を及ぼすように構成されている。いくつかの実施例では、ローブは血管壁に力を及ぼし、組織を切開器具から引き離すように構成されている。いくつかの実施例では、血管内装置は血管壁に鋸歯痕(セレーション)を形成するように構成されている。いくつかの実施例では、血管内装置は直線状の切断線を形成するように構成されている。
いくつかの実施例では、方法が提供される。本方法は、バルーンと、複数の微小穿孔器具(microperforator)を含む帯状体と、を含む血管形成治療のための血管内装置を提供することを含む。本方法は、バルーンを拡張して微小穿孔器具を第1の位置から、より垂直な第2の位置まで回転させることを含む。帯状体はバルーンのローブの間に配置される。本方法は、帯状体を半径方向外側に移動させ、血管壁に力を加えることにより、血管壁にセレーション、くぼみ及び/又は微小穿孔を形成するためにバルーンを拡張することを含む。本方法は、より高い圧力でバルーンを拡張させて、血管壁のセレーション、くぼみ及び/又は微小穿孔に沿って内側層まで亀裂を進展させることを含む。
いくつかの実施例では、本方法は、バルーンをプリーツ加工することを含む。いくつかの実施例では、この方法は、バルーンの折り目内に帯状体を配置することを含む。いくつかの実施例では、血管内装置は、接線方向に帯状体を備える。いくつかの実施例では、血管内装置は、バルーン材料で少なくとも部分的に覆われた帯状体を備える。いくつかの実施例では、微小穿孔器具を回転させるためのバルーンの拡張は4気圧以下の圧力で行われる。いくつかの実施例では、微小穿孔器具を回転させるためにバルーンを膨張させることは、バルーン材料を引き戻すことによって帯状体を覆い隠すことをさらに含む。いくつかの実施例では、バルーンを膨張して微小穿孔器具を回転させることは、血管壁を拡張することをさらに含む。いくつかの実施例では、セレーション、くぼみ及び/又は微小穿孔を形成するためにバルーンを膨張させることは、バルーンを2気圧から4気圧の間の圧力で60秒間保持することをさらに含む。いくつかの実施例において、より高い圧力でバルーンを膨張させることは、4気圧と6気圧との間の圧力で60秒間バルーンを保持することをさらに含む。いくつかの実施例では、より高い圧力でバルーンを膨張させることにより、動脈の寸法に依存しない安定した、より再現性のある内腔(管腔)の増大が生じる。いくつかの実施例では、より高い圧力でバルーンを膨張させると、内腔の拡大及び血流が改善される。いくつかの実施例では、より高い圧力でバルーンを膨張させると、最終的な狭窄が約50%改善される。いくつかの実施例では、より高い圧力でバルーンを膨張させることにより、石灰化に依存しない安定した、より再現性の高い内腔の拡大が得られる。いくつかの実施例では、より高い圧力でバルーンを膨張させると、血管のポジティブなリモ
デリングが生じる。いくつかの実施例において、本方法は、バルーンを治療部位近傍に位置決めすることを含む。ここで、帯状体は、位置決め中にバルーンの軸に沿って力を並進させる。いくつかの実施例において、本方法は、帯状体のプラズマ機能化を含むことができる。いくつかの実施例において、本方法は、血管壁に向けて音響波を加えることを含む。いくつかの実施例において、本方法は、薬剤でコーティングされたバルーンによるの血管形成術を含む。
いくつかの実施例では、血管内装置が提供される。血管内装置は、血管内で可逆的に膨張及び収縮するように構成されたバルーンを含む。血管内装置は、複数の微小穿孔器具を含む帯状体を含むことができる。いくつかの実施例では、各微小穿孔器具は、研磨されていない先端部を含み、帯状体は、隣接する微小穿孔器具の間にスペースを含む。いくつかの実施例では、バルーンは、帯状体を半径方向外側に移動させて血管壁に力を加えることにより、血管壁にセレーション、くぼみ及び/又は微小穿孔を形成するように拡張するように構成されている。
いくつかの実施例では、血管内装置は、セレーション、くぼみ及び/又は微小穿孔に沿って予測可能で反復可能な亀裂伝播を生じさせるように構成されている。いくつかの実施例では、血管内装置は、血管の損傷を最小限に抑えながら動脈の直径を増大させるように構成されている。いくつかの実施例において、血管内装置は体積流量を増加させるように構成されている。一部の実施例では、血管内装置は、血流を改善するために最小限の大気圧を必要とするように構成されている。いくつかの実施例において、血管内装置は、血管形成エネルギーをセレーション、くぼみ及び/又は微小穿孔に沿って追従させて内膜と内側組織との分離を促進するように構成されている。いくつかの実施例では、血管内装置は、血管の内径、追従性及びフローダイナミクスのうちの1つ以上を改善するように構成されている。いくつかの実施例では、血管内装置は内部弾性薄膜を鋸歯状にするように構成されている。いくつかの実施例では、血管内装置は、流れの中断又は擾乱を少なくすることによって、処置された疾患領域に乱流が生じにくくなるように構成されている。いくつかの実施例では、血管内装置は残存狭窄を約50%改善するように構成されている。いくつかの実施例では、血管内装置は、帯状体を用いてバルーンを横切る力の追従性、押し込み性及び並進性を改善するように構成されている。いくつかの実施例において、帯状体は、帯状体が横方向に配向される場合にカラム強度を改善する。いくつかの実施例において、本方法は、帯状体上にプラズマ機能化層を含み得る。いくつかの実施例において、バルーンは、一貫した内腔の拡大をもたらすように構成されている。いくつかの実施例において、本方法は、カルシウム沈着を破壊するように構成されたエネルギー源を含み得る。いくつかの実施例において、バルーンは、4気圧未満の圧力でセレーション、くぼみ及び/又は微小穿孔を形成するように構成されている。
いくつかの実施例では、鋸歯状の金属が埋め込まれた医療用カテーテルが提供される。カテーテルは、内径及び外径を有する細長い部材からなる外側シャフトを含む。カテーテルは内側部材を含む。カテーテルは、金属の一部がバルーン直径の表面を超えて隆起するようにバルーン材料に埋め込まれた金属を有して膨張するバルーンを含む。
いくつかの実施例では、バルーン直径より高く隆起する金属は、隆起した部分と隆起していない部分とを有する。いくつかの実施例では、内側部材はガイドワイヤルーメン(guidewire lumen)を含む。いくつかの実施例では、金属は複数の帯状体を含み、各帯状体はその上に複数の楔形切開器具を含む。いくつかの実施例では、楔形切開器具は、血管を切断することなく血管にセレーション(鋸歯痕)を形成するように構成されている。いくつかの実施例では、楔形切開器具は、血管の一部を切断するように構成されている。いくつかの実施例では、カテーテルは、金属がバルーンを損傷するのを抑制するように構成された、バルーンの外側表面に間隔をあけて設けられた隆起部を含む。
いくつかの実施例では、金属を埋め込んだバルーンをブロー成形する方法が提供される。本方法は、バルーン押出成形体をバルーン金型に対して位置決めすることを含む。金型は、複数の分離したセグメントと、複数の分離したセグメント間の空きスペースと、を含む。本方法は、金属要素を金型の分離したセグメントに位置決めすることを含む。本方法は、金属要素の上に保持材を位置決めすることを含む。本方法は、バルーンを加熱することを含む。本方法は、バルーンを膨張させることを含む。いくつかの実施例において、金属要素は、帯状体及び微小楔(マイクロウェッジ)を含む。
いくつかの実施例において、システム及び方法は、本開示の任意の数の特徴を含むことができる。
上記及び他の特徴、態様及び利点は、図面を参照して以下に説明するが、図面は本発明の説明を意図しているが、本発明の限定を意図するものではない。図面において、同様の参照文字は、同様の実施例を通して一貫して対応する特徴を示す。
図1は、電子顕微鏡によるセレーションの例を示す図である。 図2は、圧力が一定であると仮定した場合の、末梢動脈における最大遠位流量を血管縮小率として示したグラフである。 図3は、リールの巻き戻し例を示す図である。 図4は、多層帯状体の一例を示す図である。 図5は、ドッグボーンが発生している治療部位の血管内における血管形成術用バルーンを示す図である。 図6は、別の実施例に係るケージの一部の詳細図である。 図7は、別の実施例に係る、円錐リングを備えたケージを示す図である。 図8は、複数の帯状体(ストリップ)を保持する円錐遠位リングの斜視図である。 図9Aは、ケージが配置されたバルーンの一端と、膨張及び収縮中にバルーンに加わる力を示す図である。 図9Bは、ケージが配置されたバルーンの一端と、膨張及び収縮中にバルーンに加わる力を示す図である。 図10は、楔形切開器具が複数のリングから突出した状態で複数のリングによって保持された帯状体の実施例を示す図である。 図11は、リングによって固定された帯状体の一実施例を示す図である。 図12は、リングによって固定された帯状体の他の実施例を示す図である。 図13は、リングによって固定された帯状体の他の実施例を示す図である。 図14は、帯状体上における楔形切開器具の実施例を示す拡大詳細図である。 図15は、いくつかの実施例による楔形切開器具の様々な寸法及び用語を示す概略透視図である。 図16は、楔形切開器具の形状の一実施例を示す図である。 図17は、楔形切開器具の形状の他の実施例を示す図である。 図18は、楔形切開器具の形状の他の実施例を示す図である。 図19は、楔形切開器具の形状の他の実施例を示す図である。 図20は、楔形切開器具の形状の他の実施例を示す図である。 図21は、楔形切開器具の形状の他の実施例を示す図である。 図22は、楔形切開器具の形状の他の実施例を示す図である。 図22Aは、実施例に係る楔形切開器具形状の端面図を示す。 図22Bは、実施例に係る楔形切開器具形状の等角図を示す。 図22Cは、実施例に係る楔形切開器具形状の端面図を示す。 図22Dは、実施例に係る楔形切開器具形状の等角図を示す。 図22Eは、実施例に係る楔形切開器具形状の端面図を示す。 図22Fは、実施例に係る楔形切開器具形状の等角図を示す。 図23Aは、実施例に係る非対称楔形切開器具形状の端面図を示す。 図23Bは、実施例に係る非対称楔形切開器具形状の等角図を示す。 図23Cは、実施例に係る非対称楔形切開器具形状の端面図を示す。 図23Dは、実施例に係る非対称楔形切開器具形状の等角図を示す。 図23Eは、理論に限定されない、セレーション装置の潜在的な作用機構を示す図である。 図23Fは、理論に限定されない、セレーション装置の潜在的な作用機構を示す図である。 図23F.1は、理論に限定されない、セレーション装置の潜在的な作用機構を示す図である。 図24は、いくつかの実施例に従って、非境界の面204が変化する高さを有することを例示する図である。 図25Aは、所定の位置に逃がし部(レリーフ)を有する帯状体の実施例を示す図である。 図25Bは、所定の位置に逃がし部を有する帯状体の実施例を示す図である。 図25Cは、所定の位置に逃がし部を有する帯状体の実施例を示す図である。 図25Dは、所定の位置に逃がし部を有する帯状体の実施例を示す図である。 図25Eは、所定の位置に逃がし部を有する帯状体の実施例を示す図である。 図25Fは、所定の位置に逃がし部を有する帯状体の実施例を示す図である。 図25Gは、所定の位置に逃がし部を有する帯状体の実施例を示す図である。 図25Hは、所定の位置に逃がし部を有する帯状体の実施例を示す図である。 図25Iは、所定の位置に逃がし部を有する帯状体の実施例を示す図である。 図25Jは、所定の位置に逃がし部を有する帯状体の実施例を示す図である。 図25Kは、所定の位置に逃がし部を有する帯状体の実施例を示す図である。 図25Lは、いくつかの実施例による、レーザ切断製造工程中に帯状体を安定化させる方法の実施例であって、一時的なタブを含む実施例を示す図である。 25Mは、いくつかの実施例による、レーザ切断製造工程中に帯状体を安定化させる方法の実施例であって、一時的なタブを含む実施例を示す図である。 図26は、いくつかの実施例による、帯状体の側方端部をバルーン表面に接着するための接着剤ランプの実施例を示す図である。 図26Aは、ランプが延びる帯状体端部からの距離を説明するために側面図で示されたランプの別のイメージを示す図である。 図27は、いくつかの実施例に係るバルーンのコーンランプを示す図である。 図28は、いくつかの実施例に係る一連のコーンレール又は支柱を示す図である。 図29は、いくつかの実施例による逃がし部を有する帯状体の別の実施例を示す図である。 図30Aは、楔形切開器具及び介在層を有するバルーンの概略断面を示す図である。 図30Bは、楔形切開器具及び介在層を有するバルーンの概略断面を示す図である。 図31は、プリーツ間に帯状体及び楔形切開器具を備えたプリーツ付きバルーンの実施例を示す図である。 図32は、セレーションを生成するための、変形された切断バルーンの一実施例を示す図である。 図33は、柔軟性がさらに強化され、切断部分が鋸歯状刃のパターンで完全に又は部分的に置き換えられる、変形された切断バルーンの説明図である。 図34は、バルーンインバルーン設計の製造方法の一実施例を概略的に示す図である。 図35Aは、楔形切開器具が傾斜した非直線状のエッジを有する楔形切開器具付き帯状体の実施例を示す図である。 図35Bは、楔形切開器具が傾斜した非直線状のエッジを有する楔形切開器具付き帯状体の実施例を示す図である。 図36は、楔形切開器具の先端部が、組織と接触する先端部(例えば、半径方向外側に面する面)に様々な固有の特徴を有することを示す図である。 図37は、楔形切開器具の鋸歯状縁部の代替例を示す別の設計を示す図であり、中央セグメントは図示のように小さな窪みを有することを示す図である。 図38は、効果的な組織貫通を提供する丸みを帯びた二重のこぶを有する接触面を先端に有する楔形切開器具を示す図である。 図39は、効果的な組織貫通を提供する楔形切開器具の先端に、相対的に鋭く尖った二重の接触面を有する設計のバリエーションを示す図である。 図40は、効果的な組織貫通を提供する各楔形切開器具の先端に、中央のより深く、より浅い谷部/窪みに接する、相対的に鋭く尖った二重の接触面を提供する類似の設計を示す図である。 図41Aは、楔形切開器具フレーム内で先端と先端とが接触する複数の帯状体(例えば、2つの同一の帯状体)を含む帯状体を作製可能であることを示す図である。 図41Bは、いくつかの実施例において、複数の帯状体が折り曲げ形態に折り曲げ又は折り重ね可能であることを示す図である。 図41Cは、いくつかの実施例において、複数の帯状体が折り曲げ形態に折り曲げ又は折り重ね可能であることを示す図である。 図41Dは、中央の凹状のセグメントを間に有する複数の尖った表面を含む鋸歯状の先端を有する代替の実施例を示す図である。 図41Eは、中央の凹状のセグメントを間に有する複数の尖った表面を含む鋸歯状の先端を有する代替の実施例を示す図である。 図42は、ブランクに接続された帯状体の積み重ねを用いた一連の説明図であり、ブランクは帯状体の取り付けプロセスの任意の時点で廃棄することができ、半径方向の遠位先端部は、簡単に折れるように連続エッジに接していることを示す図である。 図43は、一実施例に係る、ブランクへの帯状体の先端部の取り付けを示す拡大図である。 図44Aは、エッチングが複数の方向(マスク下の垂直方向及び水平方向の両方)で行われる等方性エッチングを示している図である。 図44Bは、エッチングが複数の方向(マスク下の垂直方向及び水平方向の両方)で行われる等方性エッチングを示している図である。 図45Aは、バルーンの壁部に埋め込まれた貫通孔に亘って帯状体を配置可能であることを示す図である。 図45Bは、バルーンの壁部に埋め込まれた貫通孔に亘って帯状体を配置可能であることを示す図である。 図46は、いくつかの実施例において、一連の4つのAフレーム帯状体をバルーンの壁部に埋め込まれた貫通孔に亘って配置可能であることを示す図である。 図47は、化学エッチング前にマスクセット上における帯状体の列がどのように見えるかを示す実施例(クローズアップインサート付き)を示している図である。 図48Aは帯状体の列を示す図である。 図48Bは、着脱可能な領域を有する隣接する楔形切開器具の詳細な拡大画像を示す図である。 図48Cは、整列、制御、配置及び製造の容易さのために帯状体キャリアに接続されたセレーション帯状体を示す図である。 図48Dは、帯状体に可逆的に取り付けられた帯状体キャリアの実施例を示す図である。 図49は、ガイドワイヤハブ及びバルーン膨張ハブを有するカテーテルに取り付けられた、カテーテルの外径上の一連の鋸歯状又はスコアリング楔形切開器具を示す、セレーションを用いた血管形成術のためのシステム全体の一実施例を示す図である。 図49Aは、ガイドワイヤハブ及びバルーン膨張ハブを有するカテーテルに取り付けられた、カテーテルの外径上の一連の鋸歯状又はスコアリング楔形切開器具を示す、セレーションを用いた血管形成術のためのシステム全体の一実施例を示す図である。 図49Bは、ガイドワイヤハブ及びバルーン膨張ハブを有するカテーテルに取り付けられた、カテーテルの外径上の一連の鋸歯状又はスコアリング楔形切開器具を示す、セレーションを用いた血管形成術のためのシステム全体の一実施例を示す図である。 図49Cは、ガイドワイヤハブ及びバルーン膨張ハブを有するカテーテルに取り付けられた、カテーテルの外径上の一連の鋸歯状又はスコアリング楔形切開器具を示す、セレーションを用いた血管形成術のためのシステム全体の一実施例を示す図である。 図49Dは、ガイドワイヤハブ及びバルーン膨張ハブを有するカテーテルに取り付けられた、カテーテルの外径上の一連の鋸歯状又はスコアリング楔形切開器具を示す、セレーションを用いた血管形成術のためのシステム全体の一実施例を示す図である。 図49Eは、ガイドワイヤハブ及びバルーン膨張ハブを有するカテーテルに取り付けられた、カテーテルの外径上の一連の鋸歯状又はスコアリング楔形切開器具を示す、セレーションを用いた血管形成術のためのシステム全体の一実施例を示す図である。 図49Fは、ガイドワイヤハブ及びバルーン膨張ハブを有するカテーテルに取り付けられた、カテーテルの外径上の一連の鋸歯状又はスコアリング楔形切開器具を示す、セレーションを用いた血管形成術のためのシステム全体の一実施例を示す図である。 図49Gは、ガイドワイヤハブ及びバルーン膨張ハブを有するカテーテルに取り付けられた、カテーテルの外径上の一連の鋸歯状又はスコアリング楔形切開器具を示す、セレーションを用いた血管形成術のためのシステム全体の一実施例を示す図である。 図49Hは、ガイドワイヤハブ及びバルーン膨張ハブを有するカテーテルに取り付けられた、カテーテルの外径上の一連の鋸歯状又はスコアリング楔形切開器具を示す、セレーションを用いた血管形成術のためのシステム全体の一実施例を示す図である。 図49Iは、ガイドワイヤハブ及びバルーン膨張ハブを有するカテーテルに取り付けられた、カテーテルの外径上の一連の鋸歯状又はスコアリング楔形切開器具を示す、セレーションを用いた血管形成術のためのシステム全体の一実施例を示す図である。 図49Jは、ガイドワイヤハブ及びバルーン膨張ハブを有するカテーテルに取り付けられた、カテーテルの外径上の一連の鋸歯状又はスコアリング楔形切開器具を示す、セレーションを用いた血管形成術のためのシステム全体の一実施例を示す図である。 図50は、いくつかの実施例による、長手方向に配向された材料の隆起部を有する押出成形品から吹き出されたバルーンを概略的に示す図である。 図51は、いくつかの実施例による、バルーンブロープロセスの前にバルーンブロー金型に配置される帯状体のセットを概略的に示す図である。 図52は、いくつかの実施例による、バルーンブロープロセスにおける押出しの方向付けを支援するための光学マーカを含む押出成形を概略的に示す図である。 図53は、バルーンの吹き出しに使用される押出し部が、バルーン自体よりもわずかに低いガラス転移温度を有する第2の保持層を有する実施例を示す図である。 図54は、いくつかの実施例による、修正されたバルーンブローマシンにクランプされた一連の帯状体を示す金型の(部分的にのみ透過的に示す)概略的図である。 図55は、いくつかの実施例による、帯状体と、帯状体のベース部を取り囲む接合材とを概略的に示す図である。 図56は、いくつかの実施例による、単一バルーンブロー金型の片側に配置された帯状体及び帯状体保持材料の概略断面図である。 図57は、いくつかの実施例による、互いに120度の角度で3つの金型セットに捕捉された3つの帯状体を概略的に示す図である。 図58は、いくつかの実施例による、バルーン金型の2つの側の間に捕捉された帯状体及び保持材料の概略的な拡大図である。 図59は、いくつかの実施例による、帯状体と保持材が接着され、バルーンブローマシンから取り外されたバルーンの概略断面図である。 図60は、いくつかの実施例による、保持層を有してバルーン表面に接着された3つの帯状体を概略的に示す図である。 図61は、いくつかの実施例による、保持層がバルーン表面に接着された後の帯状体の概略拡大図である。 図62は、いくつかの実施例による、保持層が接着された3つの帯状体の概略的な透視図であり、バルーン表面全体に対してバルーン外側面において保持層がカバーする最小表面積を示す図である。 図63は、帯状体の保持を援助するためバルーン上にフッティングが配設されるように、保持層が帯状体の上部、各楔形切開器具の間及びバルーン表面の一部の外側を覆うのを概略的に示す上面図である。 図64は、バルーン表面に沿って帯状体の両側に設置面積がなく最小化された保持層を概略的に示す図である。 図65は、帯状体の保持部に隣接する枕部を、帯状体の先端部の間隔と同様に点線パターンで模式的に示す図である。 図66は、バルーンの帯状体穿刺を最小化するための保護領域として、最小限の保持材料と一対のバルーン保護枕部を含む保持層を有する保持された帯状体の概略断面図である。 図67は、帯状体が横たわる領域に単一の枕部のみを有し、反対側に枕部を有していない実施例を概略的に示す図である。 図68は、片側の枕部の領域が帯状体の反対側の枕部の領域より少ない材料を含んでおり、帯状体の最小保持領域の同じ概念を有する変形例を概略的に示す図である。 図69は、帯状体の最小保持領域の同じ概念を有する変形例を概略的に示し、帯状体の近位端に付加的な材料を示す図である。 図70は、バルーンに一体化された保護領域(隆起した枕部の領域)が、バルーンの折り畳み及び圧着時にバルーンを保護する方法のバリエーションを模式的に示す図である。 図71は、ベース部によって接続された4つの楔形切開器具を有する小さい帯状体セクションの列と、ギャップを介して隣接する4つの楔形切開器具の他のセットと、を有する実施例を概略的に示す図である。 図72は、個々の楔形切開器具が接続されていない実施例を概略的に示す図である。 図73は、バルーン表面に一体化された帯状体の概略的な側面図である。 図74Aは、鋸歯を含む帯状体要素が接線方向からカバーされずに垂直方向に方向転換するための機構を示す図である。 図74Bは、鋸歯を含む帯状体要素が接線方向からカバーされずに垂直方向に方向転換するための機構を示す図である。 図74Cは、鋸歯を含む帯状体要素が接線方向からカバーされずに垂直方向に方向転換するための機構を示す図である。 図74Dは、鋸歯を含む帯状体要素が接線方向からカバーされずに垂直方向に方向転換するための機構を示す図である。 図74Eは、鋸歯を含む帯状体要素が接線方向からカバーされずに垂直方向に方向転換するための機構を示す図である。 図75は、治療前の半径に対する治療後/治療前の流量比のデータをプロットしたグラフである。 図76は、通常のバルーンと鋸歯バルーンの治療後の狭窄率を比較したグラフである。 図77Aは、鋸歯バルーン技術による治療前後に動脈内で撮影された一連の画像を示す図である。 図77Bは、鋸歯バルーン技術による治療前後に動脈内で撮影された一連の画像を示す図である。 図78Aは、通常のバルーンとセレーションバルーンとの内腔の拡大の効果の比較を示すグラフである。 図78Bは、通常のバルーンとセレーションバルーンとの内腔の拡大の効果の比較を示すグラフである。 図79は、カテーテルのハブを起点とする力の並進をカテーテルの先端と比較したグラフである。 図80は、さまざまな臨床部位におけるセレーションバルーンカテーテルの剥離発生率の低さを示す図である。
スパイクは、以下でさらに説明するように、任意の数の異なる方向及び構成で帯状体上に配置することができる。スパイクは、Schneiderらに対する米国特許第8,323,243号明細書(2012年12月4日発行、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)に記載されているスパイクのいずれかとすることができる。スパイク及びケージはまた、プラークのセレーション方法及び上記明細書に記載されている他の方法に従って使用され得る。
次に図6を見ると、ケージの一部の拡大詳細図が示されている。この実施例では、帯状体16は複数のスパイク又は楔形切開器具(ウェッジディセクタ)26を有して形成されている。いくつかの実施例では、未完成のケージのベース部から、隣接する帯状体を形成
するためにチューブにスリットを入れることができる。楔形切開器具26は、細長い先端部及びベース部を有するテント又は斧の頭部のような形状とすることができ、楔形切開器具の両方が、管の長手方向軸に沿って長手方向に延びている。楔形切開器具26は、血管形成処置の前又はその間にプラークを切断しかつ/又は穿孔するのを補助する。楔形切開器具26の間の空間は、材料を除去し、帯状体の可撓性を増加させるために、機械加工又は他の方法で形成され得る。楔形切開器具26間の空間は、楔形切開器具26の長さの2倍程度あるように図示されているが、他の間隔であってもよい。典型的には、間隔の長さは、長さに対して4:1~3:1の間隔とすることができ、より一般的には、長さに対して3:1~1:1の間隔とすることができる。
いくつかの実施例では、帯状体及び/又は帯状体セグメントの列をバルーン20の周囲に配置することができる。いくつかの列はバルーン20の全長にわたって延びてもよく、他の列は全長にわたって延びていなくてもよい。いくつかの例では、列は、隙間を介して隔てられた直列の複数の帯状体を含む。帯状体をバルーン上に直列に配置することで、より高い柔軟性を提供することができ、これにより曲がりくねった解剖学的構造を通る送達性を向上させることができる。
本明細書に示すように、帯状体16の多くは平坦な底部を有する。これは、帯状体16がバルーンの表面に配設され、楔形切開器具の向きを維持するのを補助する。これにより、バルーン20の表面上における帯状体16の回転を防止することができる。
いくつかの実施例に係る埋め込み型の帯状体の構成が達成を目指す独自の機能特性には、1)バルーン表面に対する楔形切開器具の垂直性、2)収縮状態におけるバルーン上の帯状体の平坦かつ低プロファイルの維持、及び、3)送達中又は収縮中に楔形切開器具がバルーン又は組織を損傷させるのを制限するための補助、が含まれる。これらの機能特性に寄与する設計上の特徴は、帯状体、領域及び間隔を含み、帯状体は、楔形切開器具の安定した配向を可能にする平坦な底部を有するが、バルーンに対して接線方向に敷設されるか、又は折り畳み中にバルーンの折り目に収容されるのに十分な薄さを有する帯状体であり、領域は、穿刺を制限するために厚さがわずかに増加したバルーン表面上の領域であり、間隔は、隆起領域又は刃先を有さない楔形切開器具間の間隔である。他の利点や利点も提供できることが理解されよう。
外側に金属(鋸歯状帯状体を含む)を有するバルーンカテーテルをブロー成形する方法の進行方法は、以下のいずれかを含むことができる:帯状体のベース部へのポリマーの堆積を可能にするように配置された材料の層の積層体(スタック)で帯状体のリールを積層するステップ。帯状体を収容するように設計された一連の金型に積層された帯状体を位置決めするステップ。帯状体は、前述したような楔形切開器具を含む。帯状体は、バルーンが吹き込まれる中心点の周囲に等間隔で配置される。通常、帯状体は、主に長手方向に延びるように配置される。特に長いバルーンの場合、帯状体は1~8列等の複数の列をなして連続的に配置されることあり、1個~25個又はそれ以上の帯状体が配置される。一部の実施例では、帯状体のベース領域は、バルーン材料と同様又はそれ以下のガラス転移温度を有する材料で予め浸漬、積層又はコーティングされる。いくつかの実施例では、コーティングは1つ又は複数の一連の材料である。単一以上の材料の場合、収集された材料スタックは、弾性バルーン表面と非弾性の帯状体表面との間の接着を提供するように設計され得る。全ての帯状体をバルーンブロー成形金型に配置すると、ベース下のコーティングがブロー成形金型の直径内に位置するようになる。金型の設計と帯状体が取り付けられる。
一連の金属製の帯状体をバルーンカテーテルに後付けする方法は、以下のいずれかのステップを含むことができる。膨張後又はバルーンブロー成形中にバルーンの周囲に帯状体
を配置するステップ。帯状体は楔形切開器具を含む。帯状体は、膨張したバルーンの周囲に等間隔で配置され。主に帯状体は長手方向に延びる。帯状体は、個別に配置されてもよいし、2列、3列、4列、5列、6列、又は7列等の列をなして連続的に配置されてもよいし、列は、1列から100列以上であってもよく、楔形切開器具は互いに離間して配置される。いくつかの実施例では、個々の楔形切開器具が隣接する楔形切開器具に結合されずにバルーン表面に配置されることが想定される。1つ以上の楔形切開器具が連結されると、それらは楔形切開器具の帯状体を形成する。個々の楔形切開器具又は帯状体は、接着剤でバルーンに恒久的又は一時的に取り付けられる。
リング12、13、14は様々な方法で帯状体16に取り付けられる。図11~13は、帯状体16に固定されたリング12、13、14の例を示す。図11は、リング12、13、14を形成するためにバルーンに巻き付けられた材料を示しており、リングの材料が複数の帯状体に固定されている。いくつかの実施例では、図12に示されるように、リング12、13、14は各帯状体の一部に巻き付けられる。これは、図10に図示したのと同じ方法で実現することができる。リングの各々は、帯状体16の一部の周りに巻き付ける上層及び下層を有することができる。図13は、バルーンの一部に取り付けられる固体リング12、13、14を図示する。帯状体の一部はリングに固定される。
熱収縮材をリングとして帯状体の端部の周囲に配置してもよい。熱収縮材の個々のリングは、バルーンの周囲に周方向に配置された複数の帯状体の端部に接続されてもよいし、当該端部を覆ってもよい。また、熱収縮材の個々のリングは、連続して配置された隣接する帯状体の端部に接続されてもよいし、当該端部を覆ってもよい。その後、熱を加えて熱収縮材を収縮させる。バルーンは収縮させた後、使用に備えて滅菌され得る。
本明細書に開示されるシステム及び方法は、動脈及び静脈などの脈管腔を含む任意の身体管腔にケージ及び楔形切開器具を配備することができる。動脈は、例えば、冠状動脈、末梢動脈、又は頸動脈もしくは他の脳動脈、例えば、腸骨動脈、大腿動脈、表在性大腿動脈、膝窩動脈、前及び後脛骨動脈、腓骨動脈、又は他の末梢血管である。この装置はまた、呼吸器系、消化器系、泌尿器系、生殖器系、リンパ系、聴覚系、光学系、又は内分泌系のいずれかに見られる任意の管腔又は輸送血管に使用され得る。これらの解剖学的領域のいずれか1つ、2つ又はそれ以上にセレーション(鋸歯痕)を生成するための装置は、わずかに異なるカテーテル本体及び特徴を有する可能性があることが理解されよう。あるシステムでは、モノレールの設計に見られるような特徴が設計に含まれ、他のシステムでは、急速交換のような設計特徴が提供される。その他の設計上の特徴も含まれることがあり、それぞれ微妙に異なる形態をとることがある。装置が使用される可能性のある場所とは無関係に、装置のいくつかの実施例は、支持スプライン上で一緒に結合される可能性のあるスパイク(本明細書では、楔形切開器具又はセレーション(鋸歯)要素とも呼ぶ)及びスパイクの特徴の直径を増減させる拡張可能な機構(バルーンなど)を含む。鋸歯状部分とバルーンを組み合わせることで、鋸歯状バルーン要素が形成される。鋸歯状バルーン要素はその後、ベースとなるカテーテル様器具に取り付けられる。
いくつかの実施例では、例えば、帯状体300上の楔形切開器具200の実施例の詳細拡大図である図14に示されるように、楔形切開器具200は、帯状体に面するベース面202(本明細書では境界面とも呼ぶ)を含む。楔形切開器具200の帯状体に面するベース面202は、楔(ウェッジ)200が外側に突出し、楔形切開器具とバルーンとの間の界面において帯状体の表面と直接連続するベース部によって画定され得る。帯状体は、スプライン300又は他の帯状体状構造であり得る。いくつかの実施例において、この帯状体に面するベース面202は、鋭利なエッジを保持することができる硬質材料で形成された相対的に狭い幅を有する。いくつかの実施例において、好ましい材料は、ロックウェルCスケール(HRC)で52~64の硬度を有するマルテンサイト系ステンレス鋼であ
るが、ポリオレフィン、フルオロポリマー(フッ素化エチレンプロピレン(FEP)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)又はポリフッ化ビニリデン(PVDF)(例えば、KYNAR)を含む)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ネオプレン、シリコーン、エラストマー又は合成ゴム及びフッ素ポリマーエラストマー(例えば、VITON)を含むが、これらに限定されないポリマー又はコポリマーを含む材料又はこれらの組み合わせを用いてもよい。いくつかの実施例では、帯状体、約0.004インチ、0.005インチ又は0.006インチ以下の幅(円周方向に配向)を有する。いくつかのケースでは、前記幅は、約0.006インチ~約0.020インチ又は約0.004インチ~約0.030インチである。いくつかの実施例において、帯状体300は、典型的には、作業バルーンの縁部の長手方向に延びているが、バルーン(又は他の膨張可能な構造体)の長手方向軸から90度までの角度及び90度を含む角度で、又は様々なピッチでらせん状に配向される。いくつかの実施例において、ベース帯状体300の高さは、約0.004インチ~約0.010インチ又は約0.002インチ~約0.020インチである。
なお図14を参照すると、楔形切開器具200は、半径方向外側に面する面204(本明細書では非境界面面とも呼ぶ)を含む。半径方向外側に面する面204は、第1(例えば、近位)の縁部206から第2(例えば、遠位)の縁部208に至る楔形切開器具200の上面を画定し、体内の組織、プラーク又は他の構造に接触するように構成されている。また、前面210、後面212及び対向する側面214,216が図示されている。いくつかの実施例では、面214,216は、帯状体の長手方向軸に対して略垂直に上方に延びており、半径方向外側に面する面は、側面/側面軸に対して所定の角度をなして、本明細書の他の箇所に記載したような直線状、曲線状又は他の形状として側面間に延びている。また、楔形切開器具200の帯状体に面する面又は境界面202と同軸である非境界面(例えば、上方に面する)面302、側面(例えば、304)及び下方に面する面303を有する帯状体又はスプライン300が図示されている。
図15は、楔形切開器具のいくつかの非限定的な実施例を示す概略図である。いくつかの実施例では、半径方向外側に面する面の長さL(例えば、図14に示す第1の縁部206と第2の縁部208との間における半径方向外側に面する面204)は、(図14の帯状体に面する面202の)帯状体に面する面の全長Lよりも約30%、20%又は10%小さい。いくつかの実施例では、半径方向外側に面する面長さLは、帯状体に面する面の長さLより約50%~約20%小さく、場合により、帯状体に面する面長さLと同程度の長さである。半径方向外側に面する面の幅Wは、場合により、帯状体に面する面の幅Wと等しいか又はそれ以下であり、典型的には、帯状体に面する面の幅Wの約10%、20%、30%、40%又は50%又はそれ以下であり、あるいは帯状体に面する面の幅Wの約20%~約50%であり、場合により、帯状体に面する面の幅Wの約50%、60%、70%、75%又は80%である。したがって、いくつかの実施例では、帯状体に面する面の幅Wから半径方向外側に面する面の幅Wへの傾斜を画定する角度θは、帯状体に面する面の幅Wの端部の少なくとも1つにおいて、約90°又は約90°未満の角度を有する。ある実施例では、半径方向外側に面する面の幅Wは、縁部から縁部まで一定であるが、ある実施例では、半径方向外側に面する面の幅Wは、本明細書の他の箇所に記載したように、半径方向外側に面する面の長さLに亘って変化し、例えば、第1の側方縁部から、半径方向外側に面する面のセグメントの第1の側方縁部と第2の側方縁部との間における点又はセグメントまで減少し、次いで、近位縁部と遠位縁部との間における点又はセグメントから遠位縁部まで増加する。いくつかの実施例において、近位縁部と遠位縁部との間における相対的に中央のセグメントは一定の幅を有し、一方、相対的に中央のセグメントを囲む側方のセグメントは、可変、例えばテーパ状の幅を有する。
半径方向外側に面する面の幅Wは、帯状体に面するベース面202の帯状体に面する
ベースの幅Wから、半径方向外側に面する面204の幅Wまで、図22A(二等辺三角形に類似する端面図)及び図22B(等角図)に示すような、一定の単一の傾斜角θ又はベベルを有して傾斜して、前記点に至るが、いくつかの実施例において、2つ、3つ又はそれ以上のベベルなど、単一の傾斜角度を超える複数の異なる角度を含むことができる(例えば、前記高さの第1のセグメントに対する第1の角度、前記高さの第2の部分に対する、第1の角度未満又は第1の角度より大きい第2の角度、及び、場合におり、前記高さの第3の部分に対する第3の角度であって、第1の角度未満又は第1の角度より大きく、第2の角度未満又は第2の角度より大きい第3の角度)。図22Cは端面図を示する。図22Dは、帯状体に面するベース面から半径方向外側に面する面に至る複数の異なる斜面及び対応する角度を有する楔形切開器具の等角図を示す。移行点より上方の水平と上向きの斜面との間の角度θ2は、水平方向の帯状体に面するベース縁部とこれに交差する上向きの斜面との間の角度θ1よりも大きい(換言すると、帯状体に面するベース面のベース縁部からの第1の斜面S1は、移行点後のより高い位置の第2の斜面S2よりもなだらかである)。図22E及び図22Fは、角度θ2が角度θ1よりも小さい(換言すれと、帯状体に面するベース面のベース縁部からの第1の斜面S1は、移行点より上方の第2の斜面S2より急である)点を除いて、図22C及び図22Dと同様の実施例を示している。
代替的に、いくつかの実施例は、異なる高さにおける異なる一連の段差を含み、幅がより狭い幅に移行し、その後、高さが上昇し続ける。ベベルの代わりに一連の段差を使用する場合、ステンレス鋼のリール以外の方法で縁部を研磨又はホーニング加工する場合、加工上の制限が生じることがある。帯状体に面する面の幅Wから半径方向外側に面する面の幅Wまでの段差を形成するために化学エッチングを使用する場合、側壁の形状は単一の傾斜を有さないことがある。側壁は、帯状体に面する面の幅Wから半径方向外側に面する面の幅Wに移行する1つ又は複数の一連の凹状エッチング領域を有する凹状になる傾向がある。
半径方向外側に面する面又は縁部(例えば、図14に示す半径方向外側に面する面204)の形状は、いくつかの実施例では、半径方向外側に面する長さ又は幅の一方の縁部206から他方の縁部208まで同じ高さとすることができる。いくつかの実施例では、半径方向外側に面する面204に沿った高さは、一方の縁部206から他方の縁部208に亘って変化している。半径方向外側に面する縁部又は面204が変化する場合、典型的には、半径方向外側に面する縁部は、本明細書において楔状切開器具、スパイク又は鋸歯状要素200と呼ぶ一連の隆起した特徴を有する。いくつかの実施例では、縁部206、208間の半径方向外側に面する面204に沿ったこれらの隆起した特徴の中点は、半径方向外側に面する面の最高点である。しかし、いくつかの実施例では、最高点は、中間点からオフセットされ、境界/ベース面202に対して低い点に挟まれた複数の最高点を有してもよい。楔形切開器具200の半径方向外側に面する面204の縁部206、208と、楔形切開器具200間のベース帯状体300の半径方向外側に面する面302との間の高さの最大の変化は、いくつかの実施例では、楔形切開器具200の全高の約80%、70%、60%、50%、40%、30%、20%、10%又はそれ未満である。
いくつかの実施例では、ベース帯状体300は、バルーンの外側面への接着を補助するため、粗面化された下面又は他の方法でテクスチャ加工された下面を有する。ベース帯状体は、正方形、長方形又はいくつかの実施例では台形などの任意の所望の形状を有することができ、下面は、例えば、上面の約10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、100%又はそれ以上の大きな幅を有する。いくつかの実施例では、帯状体300の上面の約1/3~1/2が楔形切開器具(微小楔とも呼ぶ)200で覆われ、上面の約1/2~2/3は楔形切開器具200がない。
図21を参照すると、いくつかの実施例では、上方から見た半径方向外側に面する面は、半径方向外側に面する長さの一方の縁部から半径方向外側に面する長さの他方の縁部まで延びる線として見ることができる(例えば、210Aを装置の半径方向外側に面する面と仮定した場合、Wは点である)。これは、見かけ上、幅のない、ホーニング加工(研磨)された又はカミソリのように鋭く縁部に類似している。他の実施例では、上面図は、(例えば、210B又は210Cが装置の上面であり、これらの線より上の全てが切り落とされたと仮定した場合)長方形に似たわずかに鈍い研磨されていない面として見ることができ、半径方向外側に面する面の幅Wは、帯状体に面するベース面の幅Wより小さく、帯状体に面するベース面から半径方向外側に面する面までの傾斜の幅及び高さに直接関係している。いくつかの実施例では、上面又は半径方向外側に面した面は、線形、平坦な長方形、丸みを帯びた面又は盛り上がった面(2次元では長方形又は正方形に見える)、ピラミッド形、楔形、台形、あるいは他の多角形の形状であってもよい。
いくつかの実施例では、研磨されていない幅は、例えば、半径方向外側に面する面又は縁部において測定して、約1nm、5nm、10nm、50nm、100nm、500nm、1μm、2μm、5μm、7μm、10μm、15μm、20μm、25μm及び30μmの幅又はその組み合わせとすることができる。いくつかの実施例では、楔形切開器具の研磨されていない半径方向外側に面する面は、研磨された(ホーニング加工された)縁部よりもわずかに鈍い/相対的に鋭くないため、例えば、楔形切開器具の目的とする部分に、管腔壁全体を貫通する切り込みを形成するよりも、セレーション、くぼみ及び/又は微小穿孔を形成することが望ましい場合などにおいて有利である。いくつかの実施例では、楔形切開器具の半径方向外側に面する面全体は、研磨されていない幅を有する。
楔形切開器具の形状は、図16~図22に示すような更なる非限定的な実施例に示すように、多くの形態をとることができる。例えば、図16に示されたベース帯状体300から立ち上がる楔形切開器具200は、縁部206から縁部208まで研磨(ホーニング加工)された/鋭利な半径方向外側に面する面204を有する。図17,18に示された楔形切開器具は、研磨(ホーニング加工)された中央の点782又は長さ781を有する縁部まで傾斜するかあるいは他の方法で上方に向けて傾斜した両側縁部に、半径方向外側に面する面の面取りセグメント780を有している。傾斜は、直線状の傾斜であってもよいし、図19に示すように曲線状であってもよい。図17に示すように、楔形切開器具は、半径方向外側に面する面の側方セグメント780を含む。中央の中間部781は、最小/僅かな幅を有し、側方セグメント780は、第1の縁部において、中間部781まで高さが高くなるにつれて幅が減少し、次いで、第2の縁部において中間部から高さが低くなるにつれて幅が増加する。図18は、中間部分が研磨(ホーニング加工)された単一の点782である点を除いて、図17と同様の楔形切開器具を示している。
図19は、半径方向外側に面する面785を有する楔形切開器具を示している。この切開器具は、第1の湾曲した長さに沿って、第1の縁部から高さが高くなるにつれて、中間点786などの中央領域まで幅が減少し、次いで、第2の湾曲した長さに沿って他方の縁部まで高さ低くなるにつれて幅が増加する。
図20~22は、鋭利な研磨(ホーニング加工)された点又は縁部を含まない(例えば、研磨(ホーニング加工)された縁部の幅よりも大きい幅を有する)、研磨(ホーニング加工)されていない半径方向外側に面する面を有する楔形切開器具の実施例を示す。図20は、半径方向外側に面する面がその長さに沿って完全に研磨(ホーニング加工)されていない点を除いて、図17のものと幾分類似した楔形切開器具の実施例を示す。図21は、半径方向外側に面する面がその長さ方向に沿って完全に研磨(ホーニング加工)されていない点を除き、図18のものとやや類似した楔形切開器具の実施例を示す図である。図22は、半径方向外側に面する面がその長さ方向に沿って完全に研磨(ホーニング加工)
されていない点を除き、図19のものとやや類似した楔形切開器具の実施例を示す。
図17~22の実施例の1つの共通点は、半径方向外側に面する面の幅が、側縁部においてより大きく(より広く)、中央の点又はより長い中央セグメントにおいて、より狭い(小さい)ことである。一方の縁部から他方の縁部までの半径方向外側に面する面の高さは、例えば、側面から見たときに、中央で最も高く、1つ又は複数の縁部で最も短い、アーチ状又は他の方法で可変とすることができる。これらの実施例において、半径方向外側に面する面の最も狭い部分又は最も薄い(最も幅の狭い)部分の向きは、帯状体の長手方向軸に沿っていてもよく、この長手方向軸は、バルーンの長手方向軸と整列していても、整列していなくてもよい。
他の実施例では、より狭い点又はセグメントは、半径方向外側に面する面の長さの中点について対称である必要はなく、場合によっては、長さの中点から非対称/オフセットしていてもよい。
楔形切開器具の幾何学的形状とは無関係に、いくつかの実施例は、長さ及び幅を有する境界端部202又はベース部(例えば、スパイクは、それがスプライン(又は帯状体)であるか、バルーンであるか、又はある種の成形された要素であるかにかかわらず、スパイクが「取り付けられる」ベース部を有する)と、長さ及び幅を有する半径方向外側に面する面204、端部又は先端部と、を有することを特徴とする。いくつかの実施例では、半径方向外側に面する面又は端部の幅は、帯状体に面するベース部の幅の約90%、85%、80%、75%、70%、65%、60%、55%、50%、45%、40%、35%、30%、25%、20%又はそれ以下であるか、又は前述の値のうちの2つのいずれかを含む範囲である。楔形切開器具(並びにスプライン/帯状体)の帯状体に面するベース端部の幅は、固定/一定であってもよいし、代替的に可変であってもよい。
楔形切開器具は、多数の異なる大きさ及び形状を有していてもよい。いくつかの実施例では、楔形切開器具は、帯状体に面するベース部における長さが、例えば、約0.10インチ、約0.09インチ、約0.08インチ、約0.07インチ、約0.06インチ、約0.05インチ、約0.04インチ、約0.03インチ、約0.02インチ、又は約0.01インチ以下の長さであるか、前述の値のうちの任意の2つを含む範囲の長さ、約0.01インチ~約0.06インチ、あるいは約0.01インチ~約0.04インチの長さである。いくつかの実施例において、楔形切開器具は、ベース帯状体の結合していない端部から測定した高さが約0.05インチ、約0.04インチ、約0.03インチ、約0.025インチ、約0.025インチ、約0.01インチ、又は約0.005インチ以下であるか、約0.005インチ~約0.025インチ、約0.01インチ~約0.025インチ、あるいは約0.005インチ~約0.015インチである。
いくつかの実施例において、楔形切開器具(又は微小楔)は、約25mm、約20mm、約15mm、約14mm、約13mm、約12mm、約11mm、約10mm、約9mm、約8mm、約7mm、約6mm、約5mm、約4mm、約3mm、約2mm、又は約1mm以下の長さ、又は前述の値のうちの任意の2つ以上を組み込んだ範囲の楔形帯状体に面するベース部の長さを有する。いくつかの実施例では、楔形切開器具は、2mm、2.5mm、又は3mmの長さ、又は約1mm~約5mmの長さ、又は約1.5mm~約3.5mmの長さの楔形帯状体に面するベース部の長さを有する。楔形切開器具は、装置の可撓性を高めるために、規則的又は不規則に間隔を空けることができる。例えば、隣接する楔形切開器具間の間隔は、例えば、楔形切開器具が長さ方向に配置された状態で、楔形切開器具の楔形帯状体に面するベース部の長さの約2倍~約10倍の間隔とすることができる。例えば、いくつかの実施例では、約2.5mmの長さの楔形帯状体に面するベース部の長さを有する楔形切開器具は、切開器具の間に約5mmの間隔、又はそれらの間に約
25mmの間隔を有する。いくつかの実施例では、楔形切開器具のグループは、例えば、楔形切開器具の帯状体に面するベース部の長さの約1~4倍である小さい第1の比率で間隔を設け、次いで、例えば、楔形切開器具の帯状体に面するベース部の長さの約8~10倍である大きい第2の比率で間隔を設けてもよい。例えば、2.5mmの帯状体に面するベース長さを有する楔形切開器具の第1のグループは、切開器具の間に5mmの間隔を有し、次に、楔形切開器具の第2のグループは、第1のグループから20mmの間隔を有する。第2のグループは、第1のグループと同じ大きさ、形状、間隔を有してもよいし、異なる大きさ、形状、間隔を有してもよい。
帯状体に面するベース面に対する半径方向外側に面する面の位置は、いくつかの実施例では、必ずしも中心又は対称ではない。言い換えれば、半径方向外側に面する面の中点は、帯状体に面するベース面の中点からオフセットされ得る。図23A~B及び図24は、スパイクの代替実施例として、非対称な半径方向外側に面する面を示している。非対称の半径方向外側に面する面は、帯状体に面するベース部の真上にある半径方向外側に面する縁部の整列に関して中心からずれている。この構成では、図23Aから分かるように、帯状体に面するベース部の一方の縁部のみが、半径方向外側に面する面から高さ方向に向けて傾斜した縁部440を有し、他方の縁部442は、帯状体に面するベース面444に対して90°(直角)RAで垂直に立ち上がっている。加えて、半径方向外側に面する面の縁部は、幅方向の端部の一方又は両方、及び/又は長さ方向の端部の一方又は両方において、面取りされ得るか、ベベル又は半径を有し得る。いくつかの変形例では、半径方向外側に面する面の位置は、帯状体に面するベース面上に上向きに投影された領域に限定される。半径方向外側に面する面は、例えば、鋭利な線(例えば、研磨(ホーニング加工)された縁部)又は本明細書に記載の研磨(ホーニング加工)されていない縁部のバリエーションのいずれかとすることができる。図23C,23Dに示す実施例では、楔形切開器具の総体積又は実質的な総体積が、例えば、帯状体の幅又は表面積の約70%、60%、50%、40%、又は30%以下となるように、帯状体のベース部の全幅(又は表面積)未満にわたって上昇/存在し、したがって、楔形切開器具は、帯状体の長手方向軸から前方又は後方に非対称的にオフセットしている。
図24は、半径方向外側に面する面204が、帯状体に面するベース面202から変化する高さ(第1の縁部206における第1の高さ24H1から第2の縁部208における第2の高さ24H2まで増加する)を有し、縁部206,208の曲率半径が丸みを帯びた縁部プロファイルを含む実施例を示している。一方の縁部206は、曲率半径が大きく、帯状体に面するベース面202から測定した高さ24H1が低い一方、反対側の縁部208は、曲率半径が小さく、帯状体に面するベース面202から測定した高さ24H2が高い。
いくつかの実施例において、本明細書に記載される様々な楔形切開器具の特徴は、半径方向外側に面する面が送達器具の外側に配置され、及び/又は管腔壁に接触し、動脈内を移動する間に血管壁を擦る可能性がある場合に、血管の外傷を低減することを含む装置の送達を助ける独自の利点を提供する。上記特徴はこれに限定されない。これは、例えば、研磨(ホーニング加工)されていない半径方向外側に面する面を有する楔形切開器具を有する実施例の場合である。
加えて、理論に限定されるものではないが、ある種の形状は組織に対するより効果的な侵入をもたらす。例えば、面取りされた、又は丸みを帯びた半径方向外側に面する縁部を含む楔形切開器具は、組織を弱め、血管の外傷及び細胞の傷害を最小限に抑えて、組織の拡張を可能にする効果的な微小チャネル5100を維持したまま、より小さな力で血管壁に入る(組織を貫通するために必要な圧力がより小さい)。
さらに、バルーンの拡張と連動してプラークを切断又は除去するために、血管形成術中又は他の処置中にバルーンにブレード又は鋭利な縁部又はスコアリングワイヤを設けるという提案があったが、この提案に係る方法は問題又は欠点を有しているが、この問題又は欠点は、本明細書に開示されたシステム及び方法によって排除又は回避される。血管形成術中に、例えばプラークなど管腔壁を切断又は除去することは、高圧で実行されるため、血管に高い損傷をもたらす可能性がある。プラークを広げるために血管形成術用バルーンを拡張させるのと同時に、切断ブレード、縁部又はスコアリングワイヤを血管の壁内に押し込む。このプロセスの間、切断ブレード、縁部又はスコアリングワイヤは、傾斜した角度で血管壁に押し込まれ、プラークを鋤き、解離の傾向及びステントなどのインプラントの潜在的な必要性を増大させる可能性がある。対照的に、いくつかの実施例において、プラーク又は管腔壁の他の位置又は他の目標地点に正確なくぼみ、開裂線又は平面を形成する半径方向外側に向けた正確な微小穿孔、鋸歯痕(セレーション)及び/又はくぼみを形成するように、楔形切開器具は低圧でプラークに対して拡張され得る。楔形切開器具の半径方向外側に面する面は、小さな表面領域でプラーク又は他の管腔表面に押し込まれ、これによってプラーク又は管腔表面を鋤く可能性がはるかに低くなる。
いくつかの実施例では、楔状剥離器は、病的な血管壁に一連の指向性のある穿刺又は鋸歯痕を形成するように設計される(ただし、場合によって完全に貫通しない)。図23Eに示すように、穿孔は、医薬剤又は他の薬剤のための微小チャネルなどの通路として機能することができる。医薬又は他の薬剤は、本明細書に開示された装置とともに、又は開示された装置の使用後に使用される別個の装置のいずれかに組み込まれた薬剤コーティングバルーンを使用して送達され得る。いくつかの実施例では、楔形切開器具は、ベース帯状体から取り外し可能であり、及び/又は、薬剤の送達のため1つ又は複数の薬剤でコーティングされるか又は含浸される。図23F及び図23F.1に示されるように、楔形切開器具は、血管壁の連続的な軸方向セグメントを切断することなく、より効果的でより穏やかな血管の内腔拡張5110を可能にする脆弱部又は穿孔の直線的な線を形成する。5110、5130、5140、5150の段階的な拡張及び鋸歯痕(セレーション)の形成の例を示す。バルーンを膨張させ、バルーン内の圧力を上昇させると、次のような一連の事象が発生する。バルーンが動脈内で展開され、折り畳み状態の静止位置から帯状体が露出する。帯状体上の楔形切開器具の先端部(例えば、半径方向外側に面する面)が壁部に接触する。先端部の相対的に狭い外形状が壁部を貫通して、複数の裂け目の核となる部位が形成され、複数の裂け目が管腔内表面に沿って急速に亀裂を生じさせる。亀裂の近接と整列により、亀裂は管腔内表面に沿って長い亀裂となる。当該長い亀裂は、帯状体の全長に亘って延びるか、あるいは帯状体の長さ以下又は帯状体の長さ以上に延びる。
スプライン又はベース帯状体の潜在的な剛性を低減するために、図25及び図29(又は図25~29)に図示されているように、いくつかの実施例において、スプラインに一連の逃がし部(レリーフ)を付加することができる。逃がし部は、材料が除去され、楔が帯状体に対向するベースに対してより柔軟なスプラインを提供することを意図して、多くの異なる方法で製造される。逃がし部は、楔形切開器具の帯状体に面するベース面に対向するスプラインのベース部、楔形切開器具の帯状体に面するベース面に直接隣接するスプラインの上部、又は両方の位置、例えば上部及び下部の組み合わせに形成され得る。逃がし部は、スプラインの側部に形成されてもよく、あるいはスプラインの他の領域によってベース部に面する開口部をスプラインに追加してもよい。上部、下部、側部又は貫通開口部の任意の組み合わせをスプラインに追加して、逃がし部を提供してもよい。
いくつかの実施例では、図25~図20に示されるように、帯状体300は、上部、底部、中心部、又は中心から外れた位置に逃がし部孔又はスリットを有することができる(図25~図29参照)。帯状体は、円形、長方形、直線状、三角形、楕円形又はそれらの組み合わせのいずれかの形状を有する。帯状体は、楔が正しく配向されるように、柔軟で
バルーンの動きに追従することを意図した支持ベース基盤を提供する。
図25~29に示されるような逃がし孔は、バルーンベースの薬理学的薬剤が移動するための経路を提供するように特に設計される。さらに、逃がし孔は、曲がりくねった解剖学的構造におけるデバイスの送達可能性を高めるために、表面に逃がし部(リリーフ)を提供する。図25A~25Cは、楔形切開器具200の境界面とは反対側の帯状体300の下面500に逃がし部(リリーフ)502を有する楔形切開器具の実施例を示す。図25Aは、逃がし部502が、各楔形切開器具200の境界面の長さに対してほぼ規則的に離間している実施例を示す。図25Bは、リリーフ502が、各楔形切開器具200の境界面の長さの50%以下の間隔で規則的に配置されている実施例を示す。図25Cは、各逃がし部502が各楔形切開器具200の境界面の長さの50%以下の間隔をあけて配置されており、逃がし部502は楔形切開器具の下方だけに配設されており、楔形切開器具間の帯状体の下方には存在しない実施例を示す。他の実施例では、逃がし部502は、楔形切開器具の間の帯状体セクションの下方だけに配設され、楔形切開器具の直下の帯状体セクションの下方には存在しない。
図25D~25Eは、逃がし部(レリーフ)502が楔形切開器具の間の帯状体の上面(境界面又は上向き面302)に形成されている実施例を示す。図25D及び25Eにおいて、逃がし部は、図25Dに示すような湾曲したベースと、図25Eに示すような比較的正方形又は長方形のベースとを有する楔形切開器具間において帯状体の上面に面する面302に、丸みを帯びた縁部を有するか又は有さない窪みを形成する。図25Fは、図25C及び図25Dの実施例に見られる2つの異なる種類の逃がし部502を組み合わせた実施例である。所望の臨床結果に応じて、他の組み合わせも可能である。図25G及び図25Hは、逃がし部502が帯状体300の前側面304及び/又は後側面に設けられた他の実施例を示す。図25Gは概ねピラミッド形状の逃がし部502を図示し、図25Hは概ね円弧状の逃がし部502を図示する。逃がし部(レリーフ)は、図示されているように楔形切開器具から軸方向に間隔をあけて配置され、かつ/又は、他の実施例では楔形切開器具と軸方向に間隔をあけて整列される。図25I及び図25Jは、逃がし部502が、垂直方向(図25I)又は水平方向(図25J)に配向された貫通チャネルの形態をとる実施例を示し、これらは、図示のように楔形切開器具から軸方向に間隔をあけて配置されるか、又は別の構成で配置される。いくつかの実施例では、逃がし部は、帯状体の長手方向軸に対して斜めに配向され得る。図25Kは、逃がし部502が、前側面及び/又は後側面、境界ベース面及び/又は他の位置に設けられたスロットの形態をとる実施例を示す。
一部の実施例では、バルーンはプリーツ加工されて、非常に細い外形状のひだ(しわ)が形成され、細い直径のイントロデューサシース(introducer sheath)を通して装置を送達することができる。バルーンが展開され収縮すると、膨張後のバルーンのプロファイルは、プリーツ加工され、ひだが形成された元の直径よりも大きくなる。この新しいバルーン形状には、動脈壁をこすったり、イントロデューサシースなどの付属器具の開口部に引っ掛かったりする可能性のある、バルーン形状の外側に位置する帯状体がある。いくつかの実施例によれば、一般にランプとして説明される以下の要素は、この潜在的な問題に対処する。
図26は、接着剤又は他の材料のランプ680が、帯状体300の一部又は全部の側方端部333の一方又は両方(例えば、その上)に配置される実施例を概略的に示している。帯状体がバルーンに埋め込まれている場合、ランプは、場合によっては、バルーンの金型内の追加材料、又は接着剤単独、接着接合された追加材料、又は帯状体の遠位端部及び近位端部などの他の位置に配置されるラミネートからの材料とすることができる。ランプ680は、ランプ680が帯状体300の材料よりも相対的に可撓性を有する材料(例え
ば、接着剤、材料の層積層体)から形成されるため、可撓性バルーン(図示せず)の端部と半硬質の帯状体300との間に効果的で可撓なインタフェースを提供する。ランプ680は、いくつかの実施例では、バルーン表面(図示せず)から帯状体の端部まで緩やかに傾斜するように設計される。いくつかの実施例において、接着剤のランプ680は、有利には、帯状体を保持すると同時に、処置中に帯状体300と補助装置との望ましくない相互作用からの保護を提供する。
いくつかの実施例では、帯状体の側縁部は、帯状体300を保持し、処置中に帯状体が補助装置と相互作用しないように保護するための接着剤のランプ680を含む。ランプは、図26Aに見られるように、ランプができるまで層を積層し積み上げる一連の堆積及び硬化ステップを繰り返すUV接着剤を用いて製造することができる。あるいは、タラップを所望の形状にプレハブ化し、シアノアクリレート、UV接着剤、又はプレハブ化されたタラップとバルーン表面との間に化学的、機械的又は電磁的結合を提供する他の材料又は方法を用いて表面に接着することもできる。この実施例では、接着剤層の頂部は、帯状体突起(楔形切開器具先端部)681の頂部付近にあることに留意されたい。いくつかの実施例では、ランプは、約0.008インチ~約0.040インチ、約0.008インチ~約0.012インチ、約0.010インチ~約0.040インチ、約0.020インチ~約0.030インチの長さ、又は所望の結果に応じて他の寸法だけ、帯状体の縁部を越えて側方に延びる。
いくつかの実施例では、バルーン要素に組み込むことができる特徴は、円錐ランプである。円錐ランプの特徴は、いくつかの方法で実装することができる。一実施例では、円錐ランプは、より大きなバルーン用の円錐体構造、例えば6mmバルーン用の円錐体又は5.5mmバルーン用の円錐体を含み、5mmバルーンに取り付けられるように既知の方法を使用して、組み込むことにより形成される。そのような一実施例を図27に模式的に示す。円錐体970は、場合によっては、バルーン960の外径よりも大きい外径、例えばバルーン960の外径の約5%、10%、15%、20%又はそれ以上、あるいはいくつかの実施例ではバルーン960の外径の約5%~約20%大きい外径を有することができる。相対的大きな円錐体970は、バルーン本体と交差する箇所にリップ部972を形成するバルーン960の位置に配置される。リップ972は、バルーンが収縮してイントロデューサーカテーテルを通して引き込まれる際に、金属製の帯状体の端部が引っ掛かったり浮き上がったりするのを低減するのに有益である。
図28に示されるいくつかの実施例では、円錐体970に沿って一連のレール980が含まれ、支持構造又は補強構造として機能し、バルーン960がイントロデューサカテーテル(図示せず)に入る際にバルーン960が潰れるのを補助する。いくつかの実施例では、レール980は帯状体の長手方向軸に対して配向/整列しており、円錐体がイントロデューサカテーテルを通して引っ張られる際に帯状体をバルーンの中央に向けて押し出す機能をさらに高めている。
いくつかの実施例では、帯状体を取り付けるためにバルーンの外側面に窪みを配設可能なバルーンも本明細書に開示される。バルーンの表面には一連の窪みを形成することができる。窪みは、一部の実施例では、帯状体を窪み内、例えば窪み全体に配置できるように、十分な幅及び長さを有するように構成される。窪みの深さは、バルーンの収縮中に帯状体がイントロデューサの遠位開口部に引っ掛かる可能性を制限する大きさにすることができる。
図23Eに示すように、スプライン内又はスプライン側面のいずれかに貫通孔又は微小チャネル5100を使用することで、例えば1つ又は複数の薬剤、ナノ粒子、及び/又は幹細胞などの治療薬が、毛細管現象又は拡散作用によってバルーン表面から疾患内腔表面
に送られるメカニズム、及び/又は微小チャネル5100を通じて薬剤、ナノ粒子、及び/又は幹細胞を表面又は疾患部位に強制的に送り込むバルーン圧力の利用を提供することができる。あるいは、微小チャネル5100や改質された表面は、薬剤、ナノ粒子、幹細胞、あるいは他の治療薬を患部へ運ぶ間に配置し保護するためのリザーバを提供することができる。いくつかの実施例において、薬剤は、当該技術分野で公知の任意の薬剤であってよい。いくつかの実施例において、治療される特定の疾患に応じて、また薬剤の物理的特性を考慮して、本発明の方法及び装置における使用に適し得る薬剤の例としては、限定されないが、抗再狭窄、増殖促進又は抗増殖、抗炎症薬、抗新生物薬、抗有糸分裂薬、抗血小板薬、抗凝固薬、抗フィブリン薬、抗トロンビン薬、細胞賦活薬、抗生物質、抗酵素薬、抗代謝薬、血管新生薬、細胞保護薬、アンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害薬、アンジオテンシンII受容体拮抗薬及び/又は心臓保護薬が挙げられる。
抗増殖薬の例としては、アクチノマイシン、タキソール、ドセタキセル、パクリタキセル、シロリムス(ラパマイシン)、バイオリムスA9(シンガポール国、BiosensorsInternational社)、デフォロリムス、AP23572(AriadPharmaceuticals社)、タクロリムス、テムシロリムス、ピメクロリムス、ゾタロリムス(ABT-578)、40-O-(2-ヒドロキシ)エチル-ラパマイシン(エベロリムス)、40-O-(3-ヒドロキシプロピル)ラパマイシン(ラパマイシンの構造的誘導体)、40-O-[2-(2-ヒドロキシ)エトキシ]エチル-ラパマイシン(ラパマイシンの構造誘導体)、40-O-テトラゾール-ラパマイシン(ラパマイシンの構造的誘導体)、40-O-テトラゾリル-ラパマイシン、40-エピ-(N-1-テトラゾール)-ラパマイシン、及びピルフェニドンが挙げられるが、これに限定されない。
抗炎症薬の例としては、ステロイド系及び非ステロイド系(NSAID)抗炎症薬、例えば、限定されないが、クロベタゾール、アルクロフェナク、ジプロピオン酸アルクロメタゾン、アルゲストンアセトニド、αアミラーゼ、アムシナファル、アムシナフィド、アムフェナクナトリウム、塩酸アミプリロース、アナキンラ、アニロラック、アニトラザフェン、アパゾン、バルサラジド二ナトリウム、ベンダザック、ベノキサプロフェン、塩酸ベンジダミン、ブロメライン、ブロペラモール、ブデソニド、カルプロフェン、シクロプロフェン、シンタゾン、クリプロフェン、プロピオン酸クロベタゾール、酪酸クロベタゾン、クロピラック、プロピオン酸クロチカゾン、クロベタゾン酪酸エステル、クロピラック、クロチカゾンプロピオン酸エステル、コルメタゾン酢酸エステル、コルトドゾン、デフラザコート、デソニド、デソキシメタゾン、デキサメタゾン、デキサメタゾンジプロピオン酸エステル酢酸デキサメタゾン、リン酸デキサメタゾン、モメンタゾン、コルチゾン、酢酸コルチゾン、ヒドロコルチゾン、プレドニン、酢酸プレドニン、ベタメタゾン、酢酸ベタメタゾン、ジクロフェナクカリウム、ジクロフェナクナトリウム、ジフロラゾンジアセテート、ジフルミドンナトリウム、ジフルニサル、ジフルプレドネート、ジフタロン、ジメチルスルホキシド、ドロシノニド、エンドリゾン、エンリモマブ、エノリカムナトリウム、エピリゾール、エトドラク、エトフェナマート、フェルビナク、フェナモール、フェンブフェン、フェンクロフェナク、フェンクロラック、フェンドサール、フェンピパロン、フェンチアザック、フラザロン、フルアザコート、フルフェナム酸、フルミゾール、酢酸フルニソリド、フルニキシン、フルニキシンメグルミン、フルオコルチンブチル、酢酸フルオロメトロン、フルカゾン、フルルビプロフェン、フルレトフェン、フルチカゾンプロピオン酸エステル、フラプロフェン、フロブフェン、ハルシノニド、ハロベタゾールプロピオン酸エステル、ハロプレドン酢酸エステル、イブフェナク、イブプロフェン、イブプロフェンアルミニウム、イブプロフェンピコノールイロニダップ、インドメタシン、インドメタシンナトリウム、インドプロフェン、インドキソール、イントラゾール、酢酸イソフルプレドン、イソキセパック、イソキシカム、ケトプロフェン、塩酸ロフェミゾール、ロモキシカムロテプレドノールエタボネート、メクロフェナム酸ナトリウム、メク
ロフェナム酸、メクロリゾンジブチレート、メフェナム酸、メサラミン、メセクラゾン、メチルプレドニゾロンスレプタン酸エステル、モミフルメート、ナブメトン、ナプロキセン、ナプロキセンナトリウム、ナプロキソール、ニマゾン、オルサラジンナトリウム、オルゴテイン、オルパノキシン、オキサプロジン、オキシフェンブタゾン、塩酸パラニリン、ペントサンポリスルファートナトリウムフェンブタゾンナトリウムグリセレート、ピルフェニドン、ピロキシカム、ピロキシカム桂皮酸塩、ピロキシカムオラミン、ピルプロフェン、プレドナゼート、プリフェロン、プロドール酸、プロカゾン、プロキサゾール、クエン酸プロキサゾール、リメキソロン、ロマザリット、サルコレックス、サルナセディン、サルサレート、塩化サンギナリウム、セクラゾン、セルメタシン、スドキシカム、スリンダク、スプロフェン、タルメタシン、タルニフルメート、タロサレート、テブフェロン、テニダップ、テニダップナトリウム、テノキシカム、テシカム、テシミド、テトリダミン、チオピナク、チキソコルトールピバレート、トルメチン、トルメチンナトリウムトリクロニド、トリフルミデート、ジドメタシン、ゾメピラックナトリウム、アスピリン(アセチルサリチル酸)、サリチル酸、コルチコステロイド、グルココルチコイド、タクロリムス、ピメクロリムスが挙げられるが、これに限定されない。
抗悪性腫瘍剤及び抗刺激剤の例としては、パクリタキセル、ドセタキセル、メトトレキサート、アザチオプリン、ビンクリスチン、ビンブラスチン、フルオロウラシル、塩酸ドキソルビシン及びマイトマイシンが挙げられるが、これに限定されない。
抗血小板薬、抗凝固薬、抗フィブリン薬及び抗トロンビン薬の例としては、ヘパリン、ヘパリンナトリウム、低分子量ヘパリン、ヘパリノイド、ヒルジン、アルガトロバン、フォルスコリン、バピプロスト、プロスタサイクリン、プロスタサイクリンデキストランD-phe-pro-arg-クロロメチルケトン、ジピリダモール、糖蛋白IIb/IIIa血小板膜受容体拮抗抗体、遺伝子組み換えヒルジン及びトロンビン、ANGIOMAX(登録商標:bivalirudin、Biogen社)などのトロンビン阻害薬、ニフェジピンなどのカルシウム拮抗薬、コルヒチン、魚油(オメガ3脂肪酸)、ヒスタミン拮抗薬、ロバスタチン、血小板由来成長因子(PDGF)受容体に特異的なモノクローナル抗体、ニトロプルシド、ホスホジエステラーゼ阻害薬、プロスタグランジン阻害薬、スラミン、セロトニン遮断薬、ステロイド、チオプロテアーゼ阻害薬、トリアゾロピリミジン、一酸化窒素又は一酸化窒素供与体、スーパーオキシドジスムターゼ、スーパーオキシドジスムターゼ模倣薬、4-アミノ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-1-オキシル(4-アミノ-TEMPO)が挙げられるが、これに限定されない。
細胞賦活剤又は抗増殖剤の例としては、アンジオペプチン、カプトプリル、シラザプリル又はリシノプリルなどのアンジオテンシン変換酵素阻害剤、ニフェジピンなどのカルシウム拮抗剤;コルヒチン、線維芽細胞増殖因子(FGF)拮抗剤;魚油(ω-3-脂肪酸);ヒスタミン拮抗剤;ロバスタチン、血小板由来成長因子(PDGF)受容体に特異的なモノクローナル抗体、ニトロプルシド、ホスホジエステラーゼ阻害剤、プロスタグランジン阻害剤、スラミン、セロトニン遮断剤、ステロイド、チオプロテアーゼ阻害剤、トリアゾロピリミジン(PDGF拮抗剤)及び一酸化窒素が挙げられるが、これに限定されない。
ACE阻害剤の例としては、キナプリル、ペリンドプリル、ラミプリル、カプトプリル、ベナゼプリル、トランドラプリル、ホシノプリル、リシノプリル、モエキシプリル及びエナラプリルが挙げられるが、これに限定されない。
アンジオテンシンII受容体拮抗薬の例としては、イルベサルタン及びロサルタンが挙げられるが、これに限定されない。
本明細書において有益な使用が見出され得る他の治療薬としては、α-インターフェロン、遺伝子操作された内皮細胞、デキサメタゾン、相補的DNAに結合して転写を阻害するアンチセンス分子、及びリボザイム、抗体、核内受容体リガンドであるエストラジオール及びレチノイドのような受容体リガンド、チアゾリジンジオン(グリタゾン)、酵素、接着ペプチド、血液凝固因子、ストレプトキナーゼ及び組織プラスチナーゼのような阻害剤又は血栓溶解剤が挙げられる、チアゾリジン(グリタゾン)、酵素、接着ペプチド、血液凝固因子、ストレプトキナーゼや組織プラスミノーゲンアクチベーターなどの阻害剤や血栓溶解剤、免疫用抗原、ホルモンや成長因子、アンチセンスオリゴヌクレオチドやリボザイムなどのオリゴヌクレオチド、遺伝子治療に用いるレトロウイルスベクター、抗ウイルス剤、利尿剤などが挙げられるが、これに限定されない。
他の実施例において、前述の薬剤又は他の治療剤の任意の2つ、3つ又は他の数の組み合わせが、所望の臨床結果に応じて利用され得る。
薬剤、ナノ粒子、幹細胞、又は他の治療薬を、リリーフホールのような特定の領域に敷設するための1つの方法は、直接書き込みプロセス、例えば、マイクロペニング(MICRO-PENNING、ニューヨーク州ハニーオアイフォールズに所在するMICROPEN Technologies社)を使用して、材料を表面に堆積させることである。一般に、「直接書き込み」という用語は、設計されたパターンの流動性材料を表面に吐出するために、動かないパターン生成装置を備えたコンピュータ化された運動制御ステージを用いる印刷又はパターン形成方法を表す。マイクロペニングは、フローベースのマイクロディスペンシング技術であり、印刷された材料は、シリンジと精密なペン先を通して高度に制御されながら押し出される。ペン先は材料の表面に「乗り」、基材表面には触れず、正確な位置に正確な量の材料を配置することができる。
図29は、楔形切開器具200の境界面に対向する帯状体300の下側の面に逃がし部(レリーフ)502を有し、楔形切開器具200の間に、帯状体300の下側のバルーンへの結合を容易にするように構成される追加の比較的大きな開口503を有する帯状体500の実施例を示している。これは、例えば、2016年5月12日に公開され、参照によりその全体が本明細書に組み込まれるWO2016/073490号に開示されている。開口503は、所望の臨床結果に応じて、楕円形、円形又は任意の他の形状とすることができる。
いくつかの実施例では、帯状体の長手方向軸は、バルーンに沿って長手方向に配向され、互いに間隔をあけて配置される。いくつかの実施例では、帯状体はバルーンの長さを完全にカバーしない。例えば、一実施例では、長さ80mmのバルーンは、76.6mmの帯状体を有する。帯状体の長さは、定義された作業バルーンの長さと同じにすることができるが、いくつかの実施例では、帯状体の長さは、バルーンが定格破裂圧力に達したときに典型的に観察されるバルーンの収縮を許容するために、定義された作動バルーンの長さよりも短い。各帯状体の長さは、場合によっては、全体の作業バルーンの長さよりも約15%、10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%、又は1%以下、又は約1%~約7%、約1%~約5%、又は約1%~約4%短くすることができる。一部の実施例では、作業バルーンの長さには円錐体の長さは含まれない。
いくつかの実施例では、帯状体の一部、例えば帯状体のベース部(例えば、バルーンの外側面に取り付けられるように構成された最も下側の面)は、接着を補助するために粗面化される。
スパイク(例えば、鋸歯状要素又は楔形切開器具)は、多くの異なる製造方法及び広範囲の形状を有して形成される。製造プロセスに関して、装置は、1つ以上の付加的又は減
法的プロセスを用いて形成される。高エネルギー気相成長、例えばレーザー化学気相成長、自己組織化技術、ポリマー/金属3Dプリンティング、選択的レーザー焼結、パウダープリンター、又は他のステレオリソグラフィなどの付加的プロセスは、いくつかの選択肢であるが、他の付加的プロセスを使用してもよい。あるいは、エッチング、CNCフライス加工、レーザー切断、ウォータージェット、放電加工などのサブトラクティブプロセスがその一例であるが、他のサブトラクティブプロセスを使用してもよい。
いくつかの実施例では、製造方法は、例えば、ロックウェルCスケール(HRC)で約52~約64の硬度又は4~7のより広いモース範囲を有する300又は400シリーズのステンレス鋼などのマルテンサイト系ステンレス鋼のリールを使用することを含むが、他の材料を使用することもできる。リールは、鋼の片側又は両側の縁にホーニング加工が施されているか、又は正確にホーニング加工が施されていない。いくつかの実施例では、鋼材は、厚さ約0.004インチ~約0.020インチ、又は厚さ約0.005インチ~約0.010インチの薄いリール帯状体の形態をなしており、加工システムが扱える範囲の幅とすることができる。幅は、加工システムが処理できる限り大きくすることができる。ホーニング加工されるかホーニング加工されない縁部は、単一のホーニング又は2つ以上のホーニング角(例えば図15~22に図示)とすることができる。いくつかの実施例において、ホーニング加工された縁部の角度が、図15に示される境界のある端部から境界のない端部の高さまでの勾配として測定される場合、ホーニング加工された縁部の角度は、例えば、約75度より大きくすることができる。しかし、複数のホーニング角が使用される場合、先端角は、例えば、約75度未満であり得る。いくつかの実施例では、ホーニング加工された縁部が、帯状体に面する表面の幅Wと半径方向外側に面する幅Wとの間の角度として測定されるとき、ホーニング加工されていない縁部は、一連の開先においてホーニング加工された縁部に向かうにつれて、約、少なくとも約、又は70度、75度、80度、85度又はそれ以上の間の量の角度を有する。ホーニング加工された縁部に加えて、ホーニング加工された角度の数とは無関係に、いくつかの実施例では、帯状体の結合されていない縁部のごく先端に、別個の追加の縁部が生成される。追加された場合、ホーニング加工された縁部から未結合縁部までの追加の先端縁部の高さは、しばしば非常に短く、典型的には、ホーニング加工された縁部全体よりもはるかに大きな角度を有する。使用されるホーニング角の数とは無関係に、非境界先端部の幅Wuは、先端の半径として記述することができる。非境界先端部の幅Wuは病変部への貫入縁部であり、場合によっては、幅が約0.015インチ又は0.006インチ未満であると、表面積が最小化されて血管との接触面がより目立たなくなり、貫入に必要なエネルギー量の低減が可能になる。先端部がカルシウム床のような硬い表面に刺入するように構成されている場合、場合によっては、より鈍角にするか、又は結合していない表面からより大きな距離で結合していない先端部を除去することで、より広い先端縁部を形成することができる(図15、Wu参照)。理論にとらわれることなく、この広い縁部は、より広い表面積に負荷を分散させ、先端が硬い組織表面に圧入されたときに、先端の変形に対してより効果的な抵抗力を生み出す。一旦リールがシャープにされると、それは所望の刃の長さに型押しされる。いくつかの実施例では、リールは硬化され、その後、所望の長さに型押しされる。スタンピングがいつ行われるかに関係なく、刃は場合によっては不動態化され、例えば約HRC45以上に硬化させることができるが、より典型的には約HRC58~約HRC62の範囲である。硬化したブレードは、レーザー切断、スタンピング、EDM加工、又はその他の精密な金属成形技術により、スパイク、鋸歯状要素、又は楔形切開器具を利用することができる。場合によっては、鋸歯状要素はリール上で加工された後、硬化され不動態化される。先端がシャープになったホーニング加工された縁部でない帯状体のいくつかの実施例では、リールのシャープ化ステップで生成されたブレードの先端が、楔形切開器具と帯状体の製造ステップで除去される。場合によっては、材料除去は、ホーニング加工された縁部の下方で、約0.0001インチ~約0.003インチなどの距離から開始するように設計されるか、又は約0.0001インチ~約0.0005インチがホーニング加工され
た縁部から除去され、図21に示されるように平らな頂部を生成する。先にホーニング加工された縁部側に残った最も薄い縁部(場合によっては平坦な上部)が、帯状体の非境界面となる。
いくつかの実施例では、帯状体を取り付ける方法が開示されている。この方法は、製造中及び使用中に効果的な帯状体の保持、垂直方向の配向、及び構造安定性を提供する任意の数の処理ステップを含むことができる。一実施例において、境界面は、典型的には、ポリウレタンの均一な層を生成する制御された浸漬工程を通じて、ポリマー、例えばポリウレタンなどの適切な材料のベースコートで被覆される。コーティングは乾燥され、通常3~4枚の帯状体が帯状体位置合わせ機構又は治具で位置合わせされ、医療用シアノアクリレートで所定の方向に接着される。帯状体の数及び周期性は、例えば1~8まで様々であり、典型的には同じ数のバルーンの折り目と関連付けられるが、折り目の数より少なくすることもでき、周期性は非連続的なものにすることもできる。帯状体がバルーン表面に接着されると、帯状体を保持し、スコアリング要素の薄い先端からバルーンを保護するために、金属製の中断されたスコアリング要素又は楔形切開器具の上に、単一又は一連の複数のトップコート又は保持層が配置される。一部の実施例では、これらの層は、ウレタン又はポリウレタンの1つ又は複数の均一な層を生成する制御された浸漬プロセスを使用して、ベースコート又はプレコートと同様のプロセスに従う。いくつかの実施例では、ベースコートはなく、トップコートは1層のみである。ベースコートとトップコートの数は、ベースコートとトップコートのいずれにおいても0~4の間で変更することができる。保持層が硬化したら、バルーンの摩擦を低減させ、バルーン送達及び回収性を高めるために、親水性コーティング又はその他のコーティングを施すことができる。外側のスリップコーティングを施すと、バルーンを挿入及び収納する際の力が軽減されるため、バルーンの機能性が向上する。
図30Aは、本発明のいくつかの実施例による、バルーンの外側面に動作可能に取り付けられた帯状体及び楔形切開器具の概略断面図を示す。典型的には薄い(例えば、0.0001インチ~0.0009インチ)、いくつかの実施例では約0.001インチ以下、例えばバルーンの直径プロファイルを増大させることを制限するようなポリマー層が、外側バルーン表面を覆うベースコート(層270A)として使用され得る。このベースコート270Aは、中断されたスコアリング要素のバルーン表面への界面接合層を提供する。この層270Aは、バルーン表面への化学的、機械的又は電磁的結合を提供しながら、他の層と同じ又は類似のポリマーから形成することができる。このベースコート層270Aは、バルーン外表面と金属製スコアリング要素の接合面との間の界面ひずみを低減するように構成することができ、また低減できる可能性がある。2つの表面間のひずみは、接着層270E及びスコアリング要素200が、バルーンの膨張及び加圧の間、バルーンのひずみから独立し、ある程度隔離されたポリマーマトリックス内に挟まれるようにすることによって低減される。典型的なベースコート270Aはポリマー、例えばウレタン又はポリウレタンであるが、この層は他の様々な材料とすることができる。いくつかの実施例では、コーティングは、例えば、ビニルポリマーと非架橋ヒドロゲルとのポリマーネットワークなどのヒドロゲルポリマーなどを含むシリコーン及び親水性コーティングを含み得る。ポリエチレンオキシド(PEO)はヒドロゲルの一例である。ビニルポリマーの例としては、ネオペンチルグリコールジアクリレート(NPG)が挙げられる。層の成膜は、制御された挿入及び抽出条件下で、バルーン又はバルーンのマトリックスを、両方向又は一方向に制御された速度でポリマー浴に単一又は連続して浸漬することによって行うことができる。別の方法として、層はスプレーコーティングすることもできるし、公知の様々なプロセスを用いて堆積させることもできる。このようなプロセスには、公知で実用化されている自己組織化技術、典型的には表面イオン帯電を用いた自己組織化による単分子膜のコーティングが含まれる。
図30Aを参照すると、金属製のスコアリング要素200とベースコート270Aとの間の接合層270Eは、典型的には0.0002インチ~0.001インチと薄くすることができるが、より典型的には0.0006インチ~0.001インチであり、いくつかの実施例では0.002インチと厚くすることができる。いくつかの実施例では、接着層は、バルーンの直径プロファイルの増大を制限するように十分に薄く設計される。接着層270Eは、シアノアクリレートとすることができるが、ベースコート270Aと金属製のスコアリング要素の接着面との間に化学的、機械的、又は電磁的結合を提供するUV硬化接着剤などの他の接着材料から生成することもできる。この層270Eは、金属製のスコアリング要素の接合面をバルーンに接合する際の機能層と見なすことができ、金属製のスコアリング要素の接合面と外側のバルーン表面との間の唯一の層となることもある。この層270Eは、1つ又は複数の接着剤製品とすることができる。ある好ましい実施例では、接着層270Eは、金属製のスコアリング要素の接着面とベースコートとの界面に沿って接着剤のウィッキングを可能にする低粘度の単一の接着剤である。いくつかの実施例では、接着材料は迅速に乾燥し、最小限の硬化遅延で接着剤層の上に連続層を塗布することができる。他の製造方法では、より粘性の高い接着剤層を帯状体の底部の両端に配置するか、又は金属製のスコアリング要素の接着面とベース層との間に周期的に配置することで、接着されていない部分を自由又は非接着にすることができる。さらに別の方法では、複数の接着剤を使用することもできる。例えば、より粘性の高い接着剤を中断された金属製のスコアリング要素の接着面の両端に使用し、その後、接着されていない部分の一部又は全てにウィッキング接着剤を使用することができる。いくつかの実施例では、1層(例えば、単層)2層、又はそれ以上の保持層(図27に示す2層)270B、270Cを、スコアリング要素と同様にベース層270A上に存在させることができる。ポリマー保持層は、いくつかの実施例において、ベース層270A及び保持層270B、270Cが層間に効果的な結合を生じるような十分な特性を有するベース層について上述したのと同様であり、かつそのような寸法を有することができる。場合によっては、保持層はベース層と同様の厚さを提供するように設計することができるが、保持層をベース層よりもわずかに厚くすることが有用であることもある。より厚いベース層及び/又は保持層は、状況によっては、中断された金属製のスコアリング要素からの潜在的な穿刺、体内に残されたインプラントからのあらゆる鋭利な縁部、又は例えば重度に石灰化した疾患血管に見られる鋭利な縁部からの穿刺に対して、より大きな穿刺抵抗性及びバルーンの耐久性の向上を提供することができる。いくつかの実施例では、外側スリップ層270Dもまた、バルーン及び/又はスコアリング要素上の保持層(複数可)の上に、存在し得る。様々な親水性コーティングが市販されており、摩擦を低減し、曲がりくねった狭い解剖学的特徴を通るバルーンのナビゲーションを向上させる。一部の実施例では、バルーンの表面を完全に親水性コーティングで包むことができるが、他の実施例では、バルーンをプリーツ加工した後、又はプリーツ加工とひだ(しわ)加工を施した後にコーティングすることができるため、送達中に通常露出する表面のみを親水性コーティングでコーティングすることができる。典型的な親水性被膜の厚さは数ミクロンであり、一部の実施例では約10オングストロームまで薄くすることができる。
一部の実施例では、接着剤をバルーンと帯状体に別々に塗布した後、両構成要素を接着することができる。バルーンの表面に沿ったスコアリング要素の適切な位置決めを確実にするためにテンプレートを使用することができる。
保持ポリマー層270B、270Cは、典型的には、ベース層と保持層とが層間で効果的な結合を生じるような十分な特性を有するベース層と同様のものとすることができる。保持層は、ベース層と同様の厚さに設計されることもあるが、保持層をベース層よりもわずかに厚くすることが有用な場合もあり、約20%、15%、10%、又は5%以下厚くすることもある。より厚いベース層及び/又は保持層は、金属製の中断されたスコアリング要素からの潜在的な穿刺、体内に残されたインプラントからのあらゆる鋭利な縁部、又
は重度に石灰化した疾患血管に見られる鋭利な縁部からの穿刺に対して、より大きな穿刺抵抗性及びバルーンの耐久性の向上を提供する。複数の保持層270B、270Cを有するいくつかの実施例では、層は同じ材料又は異なる材料で作ることができる。
図30Bにおいて、表面機能化の付加が帯状体200に適用される。この機能化は、真空条件下の大型プラズマチャンバー内で、プラズマフィールド内に配置された数百枚の帯状体200を用いて行うことができる。堆積された機能化層は、典型的には数百オングストロームのオーダーで非常に薄い。表面強化又は官能基化を使用することで、効果的な接合面が得られる。
バルーンは、図30Aの特徴のいずれかを有することができる。図30Bは、いくつかの実施例による、バルーンの外側面に動作可能に取り付けられた帯状体及び楔形切開器具の概略断面図を示す。バルーンの外側表面を覆うベースコート(層270A)としてポリマー層を使用することができる。接着剤などの接合層270Eが、帯状体200とベースコート270Aとの間に存在し得る。いくつかの実施例では、1つ(例えば、単層)、2つ、3つ又はそれ以上の保持層270B、270Cが、ベース層270A及び帯状体200に存在し得る。保持層270Bは、予め形成されたコーティング接着層とすることができる。保持層270Cは、予め形成されたコーティングであり得る。いくつかの実施例では、バルーン及び/又は帯状体200上の保持層(複数可)の上に、外側スリップ層270Dも存在し得る。図30Bのバルーンは、プラズマ層280を含むことができる。
プラズマ洗浄は、2つの表面間の接着係数に利点を提供することができる。プラズマ洗浄は特定の条件下で接着性を向上させるのに非常に効果的であるが、いくつかの実施例では、表面を洗浄するだけでは十分ではない。表面にアミノ基を結合させることによる表面官能基化の使用は、さらなる利点を提供することができる。金属製の帯状体表面200へのポリマー接着のために効果的に官能化された表面を達成するために、予め選択されたアミノ基を適用するためにプラズマ技術を使用することができる。プラズマプロセスは、3つの活性プラズマステップ、すなわち、帯状体表面に対する意図的な物理的又は化学的変化が起こるステップを有する。つの活性プラズマステップとは、1)洗浄、2)活性化、3)官能化である。プラズマプロセスは、帯状体200の基材を洗浄し(ステップ1)、ステンレス鋼製の帯状体を接合層270E、プレハブコーティング接合層270B、プレハブコーティング270C、及び/又は外側スリップ層270Dに接合するために使用されるUVシアノアクリレート接着剤と容易に反応するペンダントビニル基を帯状体200のステンレス鋼基材に付与する(ステップ2及び3)ように設計されている。官能基化は、アクリル官能性オルガノシランのカップリングを用いる。シラン化として指定された官能基化は、2つのステップ、すなわち、帯状体200の基材に原子レベルの薄さ(50オングストローム未満)のヒドロキシル基を導入するヒドロキシル化(ステップ2)、次いで、縮合反応を介して有機シランがペンダントヒドロキシル基に結合する100~500オングストロームの範囲の厚さのシラン化(ステップ3)を採用する。低出力のプラズマにより、熱や触媒反応よりもはるかに穏やかな条件で反応が開始される。オングストロームの薄層を蒸着する技術は他にも知られているが、プラズマ技術の使用は、ステンレス鋼製の帯状体200の官能基化の目的に効果的で再現性のある結果を示している。
帯状体200は、帯状体の表面に施される表面処理を含むことができる。表面処理はプラズマ処理を含むことができる。処理はチャンバ内で完了することができる。1つ以上の帯状体200は、真空下でチャンバ内に配置することができる。チャンバはプラズマフィールド内に配置することができる。プラズマは、帯状体200の表面全体に堆積させることができる。プラズマは、帯状体200の1つ以上の表面に堆積させることができる。プラズマは官能化層として堆積させることができる。帯状体200の外側表面は、薄いプラズマ層を含むことができる。この層は、100オングストローム、200オングストロー
ム、300オングストローム、400オングストローム、500オングストローム、600オングストローム、700オングストローム、800オングストローム、900オングストローム、又は前述の値の2つ以上の任意の範囲とすることができる。プラズマ層280は、他の層への接合を促進することができる。プラズマ層280は、帯状体200とベースコート270Aとの間の接合を促進することができる。プラズマ層280は、帯状体200と接着剤270Eとの間の接合を促進することができる。プラズマ層280は、帯状体200とPFCボンディング層270Bとの間の結合を促進することができる。プラズマ層280は、帯状体200とPFC270Cとの間の接合を促進することができる。プラズマ層280は、強化された接合面とすることができる。
プラズマ層280は、帯状体200の表面と別の層などの2つの表面間の接合係数を改善することができる。いくつかの実施例では、帯状体200はプラズマ洗浄を受ける。プラズマ洗浄により、帯状体200の表面を改良して接合性を向上させることができる。いくつかの実施例では、プラズマ洗浄は、表面官能化と組み合わせて使用される。表面官能化は、表面にアミノ基を結合させることを含み得る。プラズマ層280は、1つ以上のアミノ基を含むことができる。アミノ基は、帯状体200の金属表面と追加のポリマー/接着剤層との間の接着を促進することができる。アミノ基は、これらの異なる材料間の接着を改善するためのブリッジとして機能することができる。アミノ基は、金属層と非金属層との間のブリッジとして機能することができる。プラズマプロセスによりアミノ基を適用することができる。アミノ基は、接合される層に基づいて予め選択することができる。プラズマ層280は、層間の接着を促進するためにアミノ基を含むことができる。
プロセスは、1つ以上のステップを含むことができる。これらのステップは、活性プラズマステップと考えることができる。プロセスは、帯状体200の表面の物理的変化を含むことができる。プロセスは、帯状体200の表面の化学的変化を含むことができる。プロセスは洗浄を含むことができる。プラズマプロセスは、帯状体200の表面を洗浄するように設計され得る。プロセスは、帯状体200の外側表面全体を洗浄することができる。洗浄は、帯状体200の表面のその後のコーティングの前提条件とすることができる。洗浄は表面処理とすることができる。洗浄は、帯状体200の表面から不純物及び/又は汚染物質を除去することができる。
プロセスは活性化を含むことができる。プラズマ活性化は、帯状体200の表面接着特性を改善することができる。このプロセスは、帯状体200の表面にアミノ酸を加えることができる。いくつかの実施例において、帯状体200は、ペンダントビニル基が配置される。ペンダントビニル基などのアミノ酸は接着剤と反応するように構成されている。ペンダントビニル基などのアミノ酸は、UVシアノアクリレート接着剤と反応するように構成されている。UVシアノアクリレート接着剤は、帯状体200を層に接着するために1つ以上の層に塗布される。UVシアノアクリレート接着剤は、帯状体200をベースコート270Aに接着するために使用することができる。接着剤270EはUVシアノアクリレート接着剤とすることができる。UVシアノアクリレート接着剤は、帯状体200をPFC270Cに接着するために使用することができる。PFC接着層270BはUVシアノアクリレート接着剤とすることができる。
プロセスは官能化を含むことができる。プラズマ官能化は、帯状体200の表面接着特性を改善することができる。このプロセスはアクリル官能性オルガノシランをカップリングすることができる。これは光硬化性組成物用のカップリング剤であり得る。プロセスはヒドロキシル化を含むことができる。ヒドロキシル化により、帯状体200の表面にヒドロキシル基を付与することができる。ヒドロキシル基は50オングストローム未満とすることができ、例えば、層は5オングストローム、10オングストローム、15オングストローム、20オングストローム、25オングストローム、30オングストローム、35オ
ングストローム、40オングストローム、45オングストローム、50オングストローム、又は前述の値の2つ以上の任意の範囲とすることができる。プロセスは、シラン化を含み得る。シラン化は、100~500オングストロームの範囲の厚さ、例えば100オングストローム、200オングストローム、300オングストローム、400オングストローム、500オングストローム、又は前述の値の2つ以上の任意の範囲の厚さを有する層を含み得る。有機シランは、縮合反応を介してペンダントヒドロキシル基に結合する。このプロセスは、帯状体200の表面に材料の薄層を堆積させることができる。このプロセスは、均一なクリーニングをもたらし得る。プロセスは、均一な分布をもたらし得る。プロセスは、均一な表面官能化をもたらし得る。プロセスは、他の層に接着するのに適した帯状体200の表面をもたらし得る。プロセスは、層間のより効果的な接着をもたらし得る。プロセスは、層間の効果的かつ反復可能な接着をもたらすことができる。
図30Bは、帯状体保持の修正された層スタックを示す。図30Aに記載した層の多くを含めることができる。図30Bは、プレハブコーティング270C、PFCボンディング層270B、帯状体200、接着層270E及びベースコート270Aを図示する。この図は、帯状体200全体を覆うプラズマ層280も示している。官能性シロキサンの堆積は、主に帯状体200のステンレス鋼のニッケル、チタン及びクロム含有量に依存するヒドロキシル基との縮合を介して帯状体200の基材に結合される。このプロセスの化学式の一例(使用する接着剤の種類に依存する)は以下の通りである。
摩擦を低減し、曲がりくねった狭い解剖学的形状を通過するバルーンのナビゲーションを向上させるために、さまざまな親水性コーティングが市販されている。さらに、バルーンをコーティングする方法として、浸漬、噴霧、その他の蒸着など、さまざまな方法が市販されている。一部の実施例では、図30Aの層270Dを親水性スリップ層とすることができる。好ましい一実施例では、バルーン表面を親水性コーティングで完全に包むことができる。他の実施例では、バルーンは、プリーツ加工後、又はプリーツ加工及びひだ(しわ)加工後にコーティングすることができ、これらの実施例のみでは、送達中に典型的に露出する表面は、上記の堆積方法のいずれかを介してコーティングされる。表面は、バルーンがプリーツ加工され折り畳まれた後に露出する表面のみを覆う親水性コーティングで部分的にコーティングされるだけの場合もある。いくつかの実施例では、典型的な親水性被膜の厚さは数百ミクロン未満であり、例えば100オングストロームと薄くすることができ、単一のコーティングよりも多く組み込むことができる。
外側バルーン封入(カプセル化)工程の楔形切開器具、帯状体及び層の高さは、血管形成術用バルーンなどの医療用バルーンなどの膨張可能部材と共に、又は医療用バルーンなどの膨張可能部材を含む医療処置の一部として使用するためのケージと見なすことができる。キーホールやカテーテルに基づく手術を効果的に行うためには、バルーンを意図された膨張直径の数分の一の直径に折り畳み可能であることに価値がある。従って、バルーン及び場合によってはケージは、折り畳まれたバルーンの外形状が効果的に使用できるように折り畳まれるのが一般的である。そのような実施例の1つでは、ケージは、図28に図示されているように、送達及び除去中にバルーンを穿刺したり管腔の内膜を削ったりするのを回避するスパイクの配向をもたらす方法によって折り畳まれる。図28は、複数のプリーツ1002と、プリーツ間にある帯状体300と、対応する楔形切開器具200と、を有するバルーン1000を図示し、したがって、複数の楔形切開器具200を有する単一の帯状体300が2つのプリーツ1002の間に位置している。スパイク及びスプライ
ンの効果的な配向を提供するプリーツ加工ツールを設計した。プリーツ加工ツールは、一連のプリーツ加工楔(ウェッジ)を有する。各楔は、楔要素がバルーン上で閉じられると、楔の間でバルーンにひだを形成する能力を提供する。スプライン要素はかさばるため、また、楔ヘッドへの接触や潜在的な損傷を最小限に抑えるため、楔は、楔ヘッドの長さに亘る一連のポケットを備えて設計されている。楔ヘッドのポケットは、スプラインの特徴部がポケット内に位置する能力を提供し、スプラインと楔との接触を制限する。ポケットはまた、スプライン及びスパイクの特徴部の配向を補助する能力を提供することができ、特徴部の配向は、過折り曲げなどのバルーンとの接触を制限し、バルーン上での装置の送達中に血管の内膜の擦り傷を生じさせる可能性がある、バルーンに対する垂直方向の配向などの配向を制限し、このようなスパイクの向きとしては、図31に示す、バルーン表面に対する接線方向、見かけ上の横向きなどが考えられる。
いくつかの実施例において、組織に鋸歯痕を形成することによって線形の切開を生じさせるシステム及び方法が本明細書に開示されている。閉塞病変の内腔サイズを増大させるために介入的方法を適用することは、血流を改善し、最小限の内腔の拡大が処置後に達成される場合よりも血管がより長く開存を維持する可能性が増大することは、心血管系疾患においてよく知られている。内腔径を拡大する方法には様々な選択肢がある。基本的な方法としては、経皮的バルーン血管形成術(Plain Old Balloon Angioplasty:POBA)や経皮的血管形成術(PTA)、あるいはそれに類する方法が病変部の開通にしばしば用いられる。さらに、切断バルーン、アンジオスカルプト(AngioSculpt;Spectranetics社製)、チョコレート(Chocolate;Cordis社)など、バルーンのエネルギーを補助又は制御する機構を備えたより特殊な器具もある。このような一般的なカテゴリーに属する製品では、バルーンの表面に外付けの構造物(取り付けられているか否かは問わない)を設け、最初に壁部に接触し、バルーンの圧力で壁部の表面に押し込まれるように設計されていることが多い。理論的には、外表面の構造物によって内腔にかかる力が局所的に増大し、その結果、内腔表面が切開され、バルーンの拡張とともに動脈の拡張が可能になるというものである。これらのバルーンのデザインは、POBAや通常バルーン(プレーンバルーン)単独の場合と比較していくつかの利点があるものの、いずれもその有効性と、特に複雑な疾患に使用される可能性のある内腔の拡張を促進する能力には限界がある。
内膜に沿って圧縮線を形成する外部構造物の代案として、内腔に沿って長手方向に鋸歯状の線を形成する方法がある。材料(紙、切手、厚紙、花崗岩、大理石など)の分離を助けるセレーション(鋸歯)の有効性はよく理解されており、疾患形態には軟質材料と硬質材料の両方が含まれることが多いので、セレーション技術は血管の拡張を効果的に助けるのに有利である。セレーションを形成する方法はいくつかあり、2016年11月1日に発行された米国特許第9,480,826号明細書、2015年12月10日に公開されたWO2015/187872号、2016年5月12日に公開されたWO2016/073511号、2016年5月12日に公開されたWO2016/073490号、及び2016年9月16日に出願された米国特許出願第15/268,407号に開示されている。上記の文献は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。例えば、一連のセレーション要素は、展開部位においてセレーション又は線形で鋸歯状の痕を生成するように構成された特徴を提供することができる。
いくつかの実施例では、セレーション血管形成術による内腔の拡大はバルーン単独よりも優れている。内腔の拡大の改善が記録されており(図78)、通常のバルーン単独の場合と比較して、セレーションバルーンによる最終狭窄は49%改善した。内腔径の増大は血流を改善する(図75及び76)。血管血流にポアズイユの法則を適用すると、体積流量が計算できる。平均流量比の改善を比較することができ、これは、 (介入後の半径/介入前の半径)の4乗で定義することができる。通常のバルーンとセレーションバルーンを
比較したデータセット及びパワーフィッティング曲線を図75に示す。図75は、セレーションバルーン血管形成術が平均流量比の2倍以上を達成することができることを示している。
いくつかの実施例では、セレーション技術を含めることで、薬剤でコーティングされたバルーンの使用前又は使用と同時に組織を準備するためだけでなく、単一ステップの薬剤送達機構としてもバルーンに利点をもたらす。バルーンのセレーションに隣接するリザーバー又は領域上、その周囲、及び/又は領域内に薬剤コーティングを施すことで、セレーションバルーンのセレーションが、例えば管腔壁の内膜、中膜、又は外膜表面など、所望の標的位置の深部への所望の薬剤又は他の治療薬の送達を促進することができる。
通常、薬剤でコーティングされたバルーンはその表面にコーティングが施されている薬剤コーティングでされているが、セレーション(鋸歯)を有していないバルーンが膨張すると、内膜に接触し、その表面に存在する薬剤を溶出し始めるため、バルーンの表面が深部組織空間への薬剤送達を行う能力が阻害される。以下の開示には、いくつかの実施例において、設計要素に依存しないセレーション(鋸歯)を使用して組織内に薬剤を効果的に送達することができる構成要素及び構成要素を使用する方法が含まれるが、これらに限定されるものではない。
1)半径方向に拡張可能な表面(例えば、コンプライアントバルーン又はセミコンプライアントバルーン)。
2)各帯状体の表面に沿って間隔を空けて配置された複数の楔形切開器具を含む一連の薬剤でコーティングされた帯状体(いくつかの実施例では、各楔形切開器具間のスペースは楔形切開器具自体の長さほど長くなく、及び/又は楔形切開器具の高さはバルーン直径のごく一部である)。
3)突起は、場合によっては、ベース部から先端まで角度をつけたA-フレーム構造とすることができ、A-フレーム構造内の長いウェル(well)又は空間が薬剤リザーバ領域となる。
4)Aフレーム上の楔形切開器具の側壁は、セレーションの真下の中断表面への薬剤の移送を可能にするために、一連の開口部及び/又は微小チャネルを含むことができる。
5)帯状体の各A-フレーム構造内に薬剤、幹細胞、又は他の治療薬を配置できる単一又は一連のウェル。
6a)ウェルは、バルーン表面への窪み、又はバルーン本体に沿った別個のカテーテル状チャネルのいずれかを含むことができ、このチャネルは、(レーザー穿孔又は他の精密な方法によって作製された)微細の孔を含むことができ、より多くの量の治療薬を存在させる。
6a.1)場合によっては、カテーテルチャンネルは、カテーテルシャフトの内径に組み込まれ、シャフトの全長にわたってハブへと戻ることができるため、ハブのポートからチャンネルを通じてバルーン表面に薬剤を送達することができる。
6b)バルーンの膨張中、外向きのバルーン圧力は、a)窪んだウェルに力を加え、治療薬が存在する容積を変位させるか、b)微細の孔を拡張し、薬剤が孔を通過できるようにすることができる。
6c)通常、バルーンの送達時に、ウェル、帯状体、隆起要素、及びAフレームはバルーンのひだ内に捕捉され、治療薬が全身に浸出するのを最小限に抑える。
7)バルーンの拡張に伴い、鋸歯付きのAフレームが内膜組織層を分離して中膜を露出させ、場合によっては中膜層と外膜層が開いて、バルーンのひだ内に捕捉された治療薬が主に血管壁の深部に排出され、かつ/又は露出する。
8)治療薬及び薬剤が鋸歯状の薬剤溶出バルーンの表面から、鋸歯状のAフレームによって形成された切開部及び微小亀裂に溶出し、内膜を通って中膜又は外膜に溶出する。
本発明は、いくつかの実施例において、血管内処置と組み合わせたセレーション技術の使用に関し、セレーション技術の設計は、バルーン上に選択的に配置された薬剤、セレーション要素の近傍又は下に含まれる薬剤のウェル、又は薬剤が送達システムのより近位の部分からバルーン表面まで移動し、セレーション要素によって形成されたアクセスを通じて組織内に至る経路と組み合わせた新規の薬剤送達設計を含む。
いくつかの実施例において、セレーション要素は、例えば、米国特許出願第15/268,407号明細書に開示された2層又は3層のポリマーなどの多層と組み合わせることができ、ベースポリマーと一つ又は複数の最上層との間の空間を薬剤リザーバ空間として使用することができる。いくつかの実施例では、底部のポリマーが除去され、バルーンの表面と一つ又は複数の最上層の間の空間が薬剤リザーバ空間として使用され得る。この空間への薬剤の堆積は、例えば、スプレーコーティング、浸漬、又は薬剤がポリマーのベース層と最上層の間にカプセル化されるナノテクノロジー自己組織化技術の利用によって促進することができる。薬剤リザーバ層は、いくつかの実施例では、一つ又は複数の最上層のカプセル化により環境に曝されないため、身体又は穿孔されていない内膜層への曝露が制限される。カプセル化された層の上、周囲、及び/又は内部に薬剤コーティングが含まれることにより、セレーションバルーンのセレーションが主に内膜下への薬剤送達を容易にする。
図32は、セレーションを形成するために改良された切断(カッティング)バルーンの一実施例を示す。いくつかの実施例では、セレーションの有利な効果は、例えば、オブライエン(O’Brien)による米国特許出願公開第2006/0184191号(参照により本願に組み込まれる)に開示されているように、切断バルーンカテーテルを改良することによって、セレーションの有利な効果を達成することができる。バルーンカテーテルは、結合されたバルーンを有するカテーテルシャフトを含むことができる。バルーンには、1つ又は複数の切断部材又はブレードが結合される。バルーンは、切断バルーンカテーテルの可撓性を高めるために、可撓性の1つ以上の離散的な点又は領域3200を含むことができる。1つ又は複数の切断部材の切れ目は、バルーンの1つ又は複数の離散的な可撓点に合わせてもよい。いくつかの実施例では、可撓点は、10mm及び15mmの長さで5mmごとに配置することができる(6mmの長さ=0、10mmの長さ=1、15mmの長さ=2)。可撓点を含むアセロトーム(atherotome)は、場合によっては、以前は届かなかった病変部への追跡を助ける。
図33は、改良された切断バルーンの説明図であり、当該バルーンでは、可撓性がさらに強化され、切断が鋸歯状ブレード3350のパターンで完全に又は部分的に置き換えられる。図32に示すように、切断部材3320はバルーン3316に対する数、位置、及び配置が異なる場合がある。例えば、カテーテル3310は、バルーン3316に沿った任意の位置に、規則的、不規則的、又は他の任意の適切なパターンで配置される、1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ又はそれ以上の切断部材3320を含むことができる。パターンは、切断部材3320の概ねらせん状の配向を含むことができる。カテーテル33
10は、概ね長手方向に延びるバルーン3316に対して等距離に配置された複数の切断部材3320を含むことができる。一般に、切断部材3320は、可変の可撓性を提供するか、さもなければカテーテル3310の可撓性を変化させるように構成することができる。切断部材3320、バルーン3316、及び/又はカテーテル3310の可撓性を高めることは、例えば、曲がりくねった解剖学的構造を通るカテーテル3310の追従能力及び一般的な送達性を向上させることができるため、望ましい。さらに、柔軟性を高めることにより、他の柔軟性の低い切断バルーンカテーテルでは容易に到達できないことがある位置を含む、より多くの血管内位置にカテーテル3310を移動させることができる。一般に、柔軟性の向上は、切断部材3320の構造的特徴、切断部材3320の構造的変更、及び/又は切断バルーン3316の構造的特徴の結果である。例えば、切断部材3320は、第1のセクション3344a、第2のセクション3344b、及び第1のセクション3344aと第2のセクション3344bとの間に配置された隙間又は切れ目3346を含むことができる。切れ目3346は、第1のセクション3344aと第2のセクション3344bとの間の空間のような可撓な領域を提供するように構成されてもよい。いくつかの実施例では、切れ目3346は、切断部材3320の切断面に形成される下向きの撓み又はスロットによって画定されてもよい。あるいは、切れ目3346は、第1のセクション3344aと第2のセクション3344bとの間の物理的な隙間でなくてもよいが、切れ目3346は、減少した肉厚を有する切断部材3320の領域であってもよいし、第1及び第2のセクション3344a、3344bの材料に対して増加した可撓性を有する材料から構成されてもよい。切れ目3346はまた、セクション3344a、3344bを橋渡しするために第1のセクション3344a及び第2のセクション3344bの両方に接続される外部コネクタから構成されてもよい。セクション3344a、3344bを分離することにより、切断部材3320の可撓性及び/又はカテーテル3310の全体的な可撓性を高めることができる。
いくつかの実施例では、上記のような一連の切断要素(又は微小アセロトーム)を、ブレードの上面に隙間を隔ててバルーンの表面に沿って直線的に配置することができる。上記の概略図では、隙間の長さは個々のブレードの長さの約10分の1である。いくつかの実施例では、ブレード長さに対するギャップ長さの比は、例えば、約1/15~約1/1、約1/10~約1/1、約1/5~約1/1、約1/5~約1/2、又は約1/15、約1/14、約1/13、約1/12、約1/11、約1/10、約1/9、約1/8、約1/7、約1/6、約1/5、約1/4、約1/3、約1/2、約1/1、約1/1.5、約2/1、又は前述の値の任意の2つを含む範囲とすることができる。
本明細書では、より柔軟で、より安定した設計を提供し、組織に鋸歯痕又はセレーションを形成することができる寸法を有する改良された切断部材について説明する。改良された切断部材の実施例は、例えば、切断面が鋸歯状でないか又は鋸歯状の程度が少ないセクションの有無にかかわらず、約8度、9度、10度、11度、12度、13度、14度、15度、20度、又はそれ以上の横方向の屈曲を提供することができる。いくつかの実施例は、直列に又は切断部材の間もしくは端部に本明細書の他の箇所に記載したような鋸歯の特徴(例えば、隆起要素)を有する、一連の切断部材を含むことができる。切断部材(X)は、複数の離散的なセクションに分割される場合、例えば、約0.01インチ~約0.10インチの範囲の長さを有し、例えば、約0.01インチ~約0.08インチのスペース(Y)によって分離され得る。切断ブレード全体が、ブレードに沿った任意の1箇所又は任意の数の位置に離散的なセクションを有していてもよい。バルーンによって組織に圧力が加えられると、その結果生じる組織の破壊は、接合された改良切断部材によって生じる一連の点とダッシュ、又は点とダッシュの任意の組み合わせのように見えることがあり、離散的な切断部材(X)が位置する狭い領域でのみ組織を貫通する。この離散的な局所的貫通の効果は、改良された切断刃を有するバルーンが、セラトプラスティ(serratoplasty)と呼ばれる新しい血管形成術効果をもたらすことである。例えば、
このようなセラトプラスティの設計の1つは、切断ブレードの両端に、組織にドットのような効果(又は鋸歯のような特徴)をもたらすことができる小さな隆起した特徴があり、次にブレードの中央部分にダッシュをもたらすことができる長い隆起した特徴がある。セラトプラスティのデザインでは、小さい隆起と長い隆起を交互に繰り返すパターン、あるいは繰り返さないパターンで、1つ以上のダッシュにより離間された一連のドットを混在させてもよい。一実施例は、バルーンの外側に1、3、4、5、6、又は8個の部材、例えばブレード(又はこれらの数の部材、例えばブレードの組み合わせ)を有してもよく、ブレードは典型的にはバルーン本体の長さより短い。セラトプラスティ又はセレーション血管形成術用に構成された本装置は、単体の血管形成術用バルーンとして、又は後続の治療の前の準備装置として使用することができる。後続の治療には、ステント留置、薬剤溶出ステント留置、アテレクトミー、高圧バルーン留置、薬剤コーティングバルーン治療、又は効果的な管腔形成を必要とするその他の血管内治療が含まれるが、これらに限定されない。本装置が後続の治療のための準備装置として使用されるか、又は単独治療として使用されるかにかかわらず、本明細書に開示されるような改変されたアセロトーム(鋸歯状の特徴)の使用を通じて、本装置は、結合を弱め、細胞又は構造的解離を開始し、一般的に血管形成術のみによって生じる細胞又は構造的圧縮を最小限にすることによって、プラーク又はカルシウムを効果的に管理する。セラトプラスティは、多数の実質的な剥離及び隆起したフラップを形成することなく、低圧を使用して、所望の直径まで、病変した管腔を安全に正確に拡張及び伸展させることを可能にする(図80)。セレーションは、プラークをより均等かつ円滑に拡張し、剥離や狭窄の残存につながるランダムな亀裂の形成を避けることができる。プラークをセレーションで治療又は前処理した後,場合によっては,標準的なバルーン血管形成術で使用される圧力よりも低い圧力で拡張することもできる。改良された切断部材で接着されたバルーンによって加えられる低いバルーン内圧(例えば、4、3.5、3、2.5、2、1、0.5atm以下、又はその組み合わせ)は、プラークの破壊を少なくし、剥離を少なくし、動脈壁の損傷を少なくする。この「低圧」あるいは「最小傷害」のセラトプラスティは,しばしばバルーン血管形成術後に起こる新生内膜過形成や平滑筋細胞の複製を伴う生物学的反応を引き起こしにくい。加えて、セレーションはバルーン血管形成術の際のプラークの破砕や破壊を少なくしてプラークの拡張を可能にする。鋸歯を有する(血管内に鋸歯痕を形成する)バルーンを用いてプラークを準備することにより、解離の数と重症度を減少させることができる。これにより、セレーションを有するバルーン血管形成術後の解離や残存狭窄を治療するためのステント留置の必要性が減少する。
本明細書に記述されているように、鋸歯痕が付けられた血管はより低い圧力で開口し、時間の経過とともに効果的な内腔の拡大を保持することが可能である。セレーション血管形成術後、15分以上経過しても、血管内腔の拡張が維持されていることが観察されている。血管が引き伸ばされた後、反動で血管が委縮するか血管内腔が減少するという概念は起こりうるものであり、血管の収縮傾向を克服できるデザインが必要とされている。セレーション血管形成術では、委縮がほとんど生じないことが臨床的に観察されている。委縮の現象を評価するため、医師は、セレーション血管形成術後、そしてセレーション血管形成術15分後に血管造影画像を収集した。この画像で血管径の変化や血管の委縮を評価した結果、委縮はほとんど検出されなかった。これらの観察結果は予想外のものであり、委縮を減少させる目的で設計されたセレーション血管形成術の実施例を調査するために、さらなる実験デザインを奨励するものである。委縮が減少する現象は、動脈系と静脈系の両方、特に吻合部又は動脈-静脈吻合部近傍に見られる疾患において見られる。本明細書に記載したセレーションバルーンは、動脈系における委縮を軽減し、場合によっては委縮をなくすのに有効な結果を示している。また、基準血管径より小さいバルーンのセレーション血管形成術は、疾患部位の前処置に使用できることが確認されている。
この前処理は、動脈壁又はその内膜下組織への損傷を避けるように、穿孔を伴うプラー
クの準備のために約4気圧以下の低バルーン圧で、場合によってはその後に行うバルーン血管形成術を含めながら、同様に効果的なセレーション血管形成術治療を提供することができる。プラークの準備してから低圧血管形成術を行うことで,動脈の中膜層を露出させる可能性がありながら,深部組織の断裂を生じる解離が起こる可能性が少なくなる。動脈壁内からの深部組織の露出は、場合によってはコラーゲンの露出による血栓形成を刺激し、また平滑筋細胞の増殖を刺激し、これが後に動脈の新生内膜過形成性閉塞を引き起こす。このような解離の数の減少及び重症度の減少は、場合によっては、従来の切断又はスコアリング装置や、超音波エネルギーを供給する血管形成術を含むがこれに限定されない他の形態のプラーク破壊術と比較して、有利な差別化要因となりうる。
バルーンデザインに組み込まれる帯状体
いくつかの実施例では、トップコートの代わりに、(本明細書及び、例えば、Schneiderらの米国特許出願公開第2017/0333686号及び、Giasolliらの米国特許出願公開第2017/0080192号に開示されたような、上記文献は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)、あるいは、プレハブカバーもしくはトップバルーンコートの代わりに(本明細書に記載されるだけでなく、例えば、及びGiasollietalの米国特許出願公開第2020/0155815号、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)、帯状体をバルーンに埋め込む使用が好ましい。埋め込まれた帯状体の使用は、例えば、製造の容易さ、厚さの正確な制御、帯状体の保持の増加、外層の均一性、バルーンをより低いプロファイルに圧着する能力、及び/又はバルーンとして使用するため、及びバルーンを保護する特徴のための、より広い範囲の材料を使用する能力などの一連の付加価値を提供することができる。帯状体を埋め込むことができる材料の範囲には、押し出し可能でバルーン型に吹き込むことができるほぼ全ての材料を含めることができる。一部の実施例では、埋め込みバルーンは単一材料又は単一層以上の材料で形成されてもよい。単層以上を使用する場合、最上層は、通常、ベースバルーンよりも伸縮性又は柔軟性の高い材料から形成される。埋め込みバルーンの機能特性は、バルーンの設計におけるバルーンとは異なるため、それを構築するために使用される材料及び工程は通常異なる。埋め込み用バルーンの外表面の場合、主な要件は、先端をベースバルーンより高くできるようにしながら、隆起要素(例えば、楔形切開器具/セレーション)を保持することである。埋め込みバルーンの製造に使用される材料やプロセスとは無関係に、バルーンの寸法は通常のベースバルーンの寸法と同じでも異なっていてもよい。前述のラプラスの公式により、バルーン表面の接線応力はバルーンの半径とバルーン内部の圧力に正比例する。そのため、バルーンの直径が異なれば、選択する素材や埋め込みバルーンの寸法を変える必要がある。したがって、直径2.5mmのバルーンでは、同じ圧力でもバルーン表面の張力が5.0mmのバルーンの1/2になるため、直径5.0mmのバルーンよりも伸縮性の高い素材が必要になる場合がある。
プレハブカバーとベースバルーンの界面接着
隆起要素間の間隔又はベース帯状体の上面は、帯状体を保持し、隆起要素をバルーン表面に安定させる伸縮可能な膜と考えることができる。いくつかの実施例では、この隆起要素間の空間は、ベースバルーン及び帯状体に接着されてもよい。他の実施例では、この空間はベースバルーンに接着されず、プレハブバルーンが帯状体領域において自由に浮遊できる一方、両バルーンが選択的に他の場所に接着される場合がある。帯状体領域が選択的に接着されていない実施例では、収縮時に内側のバルーンが実質的に落下する可能性がある。バルーンシステムが収縮する際、外側のバルーンは内側のバルーンとはわずかに異なる速度で収縮する。収縮速度のばらつきにより、バルーン間に局所的な空隙が生じる。この空間により、鋸歯状帯状体が空間内に引っ込むことが可能になる。そのため、帯状体本体の隆起要素は、外側のバルーンの上に位置する隆起要素の高さ又はプロファイルが最小限に抑えられ、場合によっては、隆起要素の全てがバルーン間の空間に完全に引っ込む。このような実施例は、例えば、装置の挿入中又は取り外し中に、セレーションが、標的治
療位置以外の血管又は分岐部などの解剖学的構造の望ましくない部分に引っ掛かるリスクを低減するのに有利であり得る。しかし、一部の実施例では、プレハブカバーバルーン又は外側バルーンがベースバルーンに接着されて一体化されている。
図34に示されるように、いくつかの実施例では、表面に接着されたセレーションを有するバルーンが、プレハブカバーの内部で膨らむ。図34は、バルーンインバルーン設計を製造する方法の一実施例を概略的に示している。パネル1に示すように、ベースバルーン5100が提供される。いくつかの実施例では、ベースバルーン5100は、バルーン血管形成術(Plain Old Balloon Angioplasty:POBA)バルーンとすることができる。ベースバルーン5100は、血管に所望の支持を提供する。ベースバルーン5100は、セレーションに所望の支持を提供する。ベースバルーン5100は、本明細書に記載の方法を達成するための任意の特性を有することができる。ベースバルーン5100は、本明細書に記載の圧力に対応することができる。ベースバルーン5100は、本明細書で説明する直径まで拡張することができる。ベースバルーン5100は、典型的には、短いカテーテル上に配置され得る。ベースバルーン5100は、カテーテルの遠位端に配置することができる。ベースバルーン5100は、カテーテルの長さに沿った任意の位置に配置することができる。ベースバルーン5100は単独で使用することもできる。ベースバルーン5100は単一のベースコートのみで使用することができる。ベースバルーン5100は、他の場合には、複数のベースコートと共に使用することができる。ベースバルーン5100は、本明細書で説明する任意の材料から構成することができる。ベースバルーン5100は十何トであることができる。ベースバルーン5100はエラストマー系であることができる。ベースバルーン5100は、ポリウレタン、ナイロン、ポリエチレン、ポリオレフィンコポリマー、ポリエチレンテレフタレート又はシリコン、又は材料の任意の組み合わせで作ることができる。ベースバルーン5100は、容積を満たす膨張媒体によって膨張させることができる。
パネル2に示すように、楔形切開器具5102を備えた帯状体は、ベースバルーン5100に取り付けることができる。楔形切開器具5102を備えた帯状体は、ベースバルーン5100に、帯状体5102のベース部に沿って接着剤で取り付けることができる。楔形切開器具5102を備えた帯状体は、ベースバルーン5100に対して長手方向に適用することができる。楔形切開器具5102を含む帯状体は、ベースバルーン5100の外側面に貼り付けられる。楔形切開器具5102を含む帯状体は、例えば本明細書の他の箇所に記載されているように適用して、セレーションバルーンを形成することができる。図示の実施例では、ベースバルーン5100に4つの楔形切開器具5102を含む帯状体が適用されている。セレーションバルーンは、楔形切開器具5102を含む帯状体の数が1、2、3、4、5、6、7、8、又は前述の値の2つ以上の任意の範囲を含む任意の数を含むことができる。楔形切開器具5102を含む帯状体は、ベースバルーン5100の円周上に等間隔で配置される。楔形切開器具5102を含む帯状体は、ベースバルーン5100の円周上に等間隔に配置される。隣接する帯状体は、30度、45度、60度、75度、90度、105度、120度、135度、150度、165度、180度、又は前述の値のうちの2つ以上の任意の範囲だけ離すことができる。
パネル3に示すように、次いで、楔形切開器具5102を有する帯状体が取り付けられたベースバルーン5100をプリーツ加工する。楔形切開器具5102を有する単一の帯状体は、ベースバルーン5100の表面とプリーツとの間に位置することができる。楔形切開器具5102を有する帯状体は、本明細書に記載されるように、接線方向にあることができる。接線方向は、帯状体5102がベースバルーン5100の表面に対して横たわることを可能にする。接線方向により、帯状体5102は、薄型のアセンブリ構成を有することができる。楔形切開器具5102は、プリーツによって完全に覆われる。楔形切開器具5102は、プリーツによって少なくとも部分的に覆われる。バルーン5100は、
1つ以上のプリーツ、例えば、1つのプリーツ、2つのプリーツ、3つのプリーツ、4つのプリーツ、5つのプリーツ、6つのプリーツ、又は前述の値のうちの任意の2つの範囲を含むことができる。プリーツの数は、楔形切開器具5102を有する帯状体の数に対応し得る。
プリーツが形成されると、プリーツ加工されたベースバルーン5100の外側面に接着剤が塗布される。接着剤は、バルーン表面のプリーツ領域に塗布可能な複数の接着剤ラインである。3つのプリーツを持つバルーンの場合、3本の接着剤ラインを塗布することができる。プリーツが4つあるバルーンには、4本の接着剤を塗布することができる。全てのプリーツに接着剤を塗布する方法は、プリーツの数に関係なく同じである。いくつかの方法では、全てのプリーツに接着剤を塗布する。別の方法では、接着剤をスプレーしたり、他の方法で塗布したりすることもできる。接着剤の量は、通常、膨らませたバルーンの表面積に関連付けられる。直径の大きいバルーンや長さの長いバルーンでは、接着剤の量を多くする。最終的な接着剤の量は、本明細書で説明するように、内側のベースバルーンを外側のプレハブカバーに効果的に接着させるために適用される。一部の方法では、接着剤はプリーツ付きベースバルーン5100の外側面にのみ塗布され、接着剤は楔形切開器具付き帯状体5102には塗布されない。楔形切開器具5102を有する帯状体は、接着剤が塗布されている間、プリーツによって覆われ得るか、又は少なくとも部分的に覆われ得る。接着剤は、例えば、楔形切開器具5102を有する帯状体がプリーツによって完全に覆われている場合、円周方向に塗布することができる。接着剤は、楔形切開器具5102を有する帯状体がプリーツによって部分的にしか覆われていない場合、長手方向に塗布することができる。
パネル4に示すように、接着剤が塗布され、楔形切開器具5102付きの帯状体が取り付けられたプリーツバルーン5100は、その後、プレハブカバー5104に挿入される。接着剤は潤滑剤として機能し、滑りを促進する。ベースバルーン5100はプレハブカバー5104内の中央に配置される。プレハブカバー5104は第2のバルーンとすることができる。プレハブカバー5104は任意の外壁構造とすることができる。プレハブカバー5104は任意の被覆とすることができる。プレハブカバー5104は、その外側面にいかなるセレーション/楔形切開器具を含まなくてもよい。プレハブカバー5104は、本明細書に記載される任意の材料からなる。プレハブカバー5104は、バルーン血管形成術(POBA)バルーンとすることができる。プレハブカバー5104及びベースバルーン5100は同じ材料から形成されてもよい。プレハブカバー5104とベースバルーン5100とは異なる材料で形成されてもよい。プレハブカバー5104及びベースバルーン5100は、同一又は類似の寸法を有する。プレハブカバー5104とベースバルーン5100は、異なる寸法を有する。プレハブカバー5104は、ベースバルーン5100よりも直径及び/又は長さがわずかに大きくなり得る。プリーツバルーン5100は、プレハブカバー5104に挿入するための薄型アセンブリ構成を有することができる。
パネル5に示すように、内側の鋸歯状のベースバルーン5100を次に膨張させることができる。楔形切開器具5102を有する帯状体は、ベースバルーン5100のプリーツの下の接線方向から、ベースバルーン5100によって覆われていない状態まで回転し、プレハブカバー5104内で垂直に配向される。ベースバルーン5100の膨張により、楔形切開器具5102を有する帯状体が、略接線方向から略垂直な方向へと向きを変えることができる。ベースバルーン5100の膨張中、楔形切開器具5102を有する帯状体は、プレハブカバー5104内で回転し始める。ベースバルーン5100はローブを形成することができる。ベースバルーン5100のローブは、ローブの膨張時に楔形切開器具5102を有する帯状体を覆い隠すことができる。ベースバルーン5100のローブは、プレハブカバー5104に接触して膨張することができる。ベースバルーン5100は、ローブがプレハブカバー5104に対して静止するまで膨張することができる。膨張時に
楔形切開器具5102を有する帯状体が回転する方向は、ベースバルーン5100がどのようにプリーツ加工されるかの方向によって規定され得る。ベースバルーン5100のローブは、楔形切開器具5102を備えた帯状体の回転を促進することができる。ベースバルーン5100のローブは、楔形切開器具5102の傾斜した表面にトルクを加えることができる。形状の側壁及び帯状体5102の剛性に関連して、ベースバルーン5100のローブの制御された膨張は、帯状体5102をより垂直な方向へと確実に回転させる。ベースバルーン5100は、プレハブカバー5104内で高圧まで膨張する。ベースバルーン5100は、4気圧、少なくとも4気圧、4.5気圧、少なくとも4.5気圧以下、5気圧、少なくとも5気圧以下、5.5気圧、少なくとも5.5気圧以下、5.5気圧、6気圧、6気圧まで、少なくとも6気圧、6気圧を超えない、7気圧、7気圧まで、少なくとも7気圧、7気圧を超えない、8気圧、8気圧まで、少なくとも8気圧、8気圧を超えない、9気圧、9気圧まで、少なくとも9気圧、9気圧を超えない、10気圧、10気圧まで、少なくとも10気圧、10気圧以下、11気圧、11気圧まで、少なくとも11気圧、11気圧以下、12気圧、12気圧まで、少なくとも12気圧、12気圧以下、4気圧以上6気圧以下、又は前述の値の2つの範囲まで膨張可能である。
帯状体5102を含む内側ベースバルーン5100が膨らむと、楔形切開器具の先端がプレハブカバー5104の内径をへこませることができる。多くの場合、楔形切開器具の先端はプレハブカバー5104を突き破らない。楔形切開器具の先端は、本明細書で説明するように、研磨(ホーニング加工)されていないことがある。楔形切開器具の先端の研磨(ホーニング加工)されていない縁部の設計は、プレハブカバー5104に対して鈍い又は突き当たる力を生じさせる。これとは対照的に、ホーニング加工されるか又は鋭利な縁部は、ベースバルーン5100の膨張及びプレハブカバー5104との接触時にプレハブカバー5104を突き破る。シャープな縁部や鋭利な縁部がない場合、膨らんだベースバルーン5100が帯状体5102とともに及ぼす外向きの力を受けてプレハブカバーが伸びる。楔形切開器具の研磨(ホーニング加工)されていない面は、プレハブカバー5104の伸びを引き起こす。楔型切開器具(ディセクタの研磨(ホーニング加工)されていない面は、方法によってはプレハブカバー5104を貫通しない。
いくつかの方法では、プレハブカバー5104を帯状体5102の楔形切開器具の近くで変化させることができる。プレハブカバー5104はベースバルーン5100が膨張している間に変化させることができる。プレハブカバー5104は、帯状体5102がプレハブカバー5104に接触しているときに変化させることができる。この方法は、プレハブカバー5104を弱めるための対抗的な機械力の使用を含むことができる。本方法は、プレハブカバー5104を弱めるための1つ以上の加熱源の使用を含むことができる。熱源は加熱アイロンである。本方法は、プレハブカバー5104を弱めるための放電の使用を含むことができる。本方法は、プレハブカバー5104を弱めるための任意の他の送達システムの使用を含むことができる。この方法は、帯状体5102の先端がプレハブカバー5104を外側に押している領域でプレハブカバー5104を弱めることを含むことができる。いくつかの方法では、加熱アイロン又は他の熱源が使用される。いくつかの方法では、プレハブカバー5104の転移温度よりも高い熱が帯状体5102の先端に加えられる。熱は、帯状体5102の近くでプレハブカバー5104に加えることができる。熱は帯状体5102の長さに沿って加えることができる。熱は帯状体の近傍に加えることができる。熱は、帯状体5102の近傍のプレハブカバー5104を弱めることができる。
ベースバルーン5100が膨張してプレハブカバー5104の内面に接触すると、プリーツに塗布された接着剤が均一に分散される。接着剤はベースバルーン5100のプリーツの外側面に塗布することができる。プリーツは圧力を受けて膨張し、ローブを形成することができる。ローブはプレハブカバー5104の内面に押し付けることができる。ベースバルーン5100の膨張は、ベースバルーン5100とプレハブカバー5104との間
に接着剤を均一に分布させることができる。いくつかの実施例では、接着剤はプレハブカバー5104の内面全体に沿って均一に分布する。いくつかの実施例では、接着剤は先端とプレハブカバー5104との間に延在している。
ベースバルーン5100は、1つ以上のベースコートを含むことができる。ベースコートは、ポリウレタンを含む本明細書に記載の任意の材料とすることができる。接着剤はベースバルーン5100とプレハブカバー5104との間の内部空間内に広がることができる。接着剤は、ベースバルーン5100を覆うポリウレタンベースコートとプレハブカバー5104との間の内部空間内に広がることができる。接着剤は、層間に接着材料の均一な薄層を提供することができる。接着剤は、ベースバルーン5100とプレハブカバー5104との間に接着材料の均一な薄層を提供することができる。接着剤は、ベースバルーン5100上に設けられている場合には、1つ以上のベースコートとプレハブカバー5104との間に接着材料の均一な薄層を提供することができる。
いくつかの方法では、熱及び/又は力を加えることによってプレハブカバー5102の変更を促進することができる。いくつかの方法では、帯状体5102がプレハブカバー5104と接触しているときに、熱及び/又は力を帯状体5102に加えることができる。加熱アイロンなどの熱源を帯状体5102の先端部上で回転させることができる。帯状体の先端に熱を加える方法では、加熱アイロンなどの熱源からの熱によってプレハブカバー5104を溶融又は液化させることができる。熱源は、帯状体5102の各先端部周辺の材料を溶融するために使用することができる。プレハブカバー5104の材料が帯状体5102の先端の領域で溶融すると、帯状体5102の先端はプレハブカバー5104の溶融した開口を通って突出することができる。帯状体5102の先端はプレハブカバー5104の外側面より上に上昇することができる。プレハブカバー5104の溶融材料は、熱が取り除かれると、帯状体5102の先端を囲む領域で素早く再硬化する。再硬化した材料は、プレハブカバー5104のより厚く、より耐久性があり、より強靭な層を提供する。プレハブカバー5104の溶融して再硬化した材料は帯状体5102の先端を取り囲む。帯状体5102の各先端の周りの追加の材料は、プレハブカバー5104の引裂きに対する抵抗を増加させる。帯状体5102の各先端の周囲に追加された材料は、プレハブカバー5104が帯状体間の隙間で裂けるのを制限する。
いくつかの実施例では、プレハブカバー5104は、楔形切開器具の研磨(ホーニング加工)されていない面に沿って溶融される。帯状体5102は、単一の帯状体に沿って隣接する楔形切開器具間に長手方向の空間を有することができる。プレハブカバー5104は、個々の楔形切開器具のみがプレハブカバー5104の開口を通って延びるように、研磨(ホーニング加工)されていない面に沿ってのみ溶融され得る。プレハブカバー5104は、隣接する楔形切開器具間の長手方向の空間に沿って無傷のままであることができる。プレハブカバー5104は、隣接する楔形切開器具間の円周方向のスペースに沿ってそのままの状態を維持することができる。再硬化材料は、プレハブカバー5104を通って延びる楔形切開器具を取り囲むことができる。再硬化材料は、楔形切開器具の傾斜面に沿って長手方向に延びることができる。再硬化材料は、楔形切開器具の近位縁部及び/又は遠位縁部に沿って横方向に延びることができる。再硬化材料は、楔形切開器具近傍のプレハブカバー5104を強化することができる。いくつかの方法では、楔形切開器具は、プレハブカバー5104に開口部を形成する力及び/又は熱の印加下でのみ、プレハブカバー5104を通って延びることができる。研磨(ホーニング加工)されていない面は、熱又は力が加えられるまでプレハブカバー5104を突き破ることができず、プレハブカバー5104はベースバルーン5104からの圧力で伸びる。力及び/又は熱の印加により、プレハブカバー5104は楔形切開器具の近傍で弱くなる。プレハブカバー5104は、楔形切開器具の周囲で溶融し、楔形切開器具の周囲に厚くなった材料を形成する。力及び/又は熱は、楔形切開器具がプレハブカバー5104を通って延びることを可能にする
。力及び/又は熱は、楔形切開器具の近くでプレハブカバー5104を補強し、プレハブカバー5104の破れを防止又は低減する。再硬化された材料は、各楔形切開器具の間においてより破れにくい。再硬化された材料は、楔形切開器具の近傍領域においてより裂けにくい。再硬化された材料は、最も裂けやすい領域でより裂けにくい。帯状体5102の押し出し先端部周囲のプレハブカバー5104の材料を溶融する方法は、引き裂きに対して最も脆弱な領域における引き裂き抵抗を増大させ、したがってシステムの堅牢性と耐久性を増大させる。
プレハブカバー5104はベースバルーン5100に対する帯状体5102の保持を容易にすることができる。プレハブカバー5104は帯状体5102の取り付けを補強することができる。プレハブカバー5104の1つの重要な特徴は、血管内処置中に帯状体5102がバルーンから自由に落下するのを防止することである。帯状体5102は、拡張中及びプラークとの相互作用中に血管系内で大きな力を受ける可能性がある。プレハブカバー5104は、帯状体5102とベースバルーン5100との間に保持層を提供する。例えば、プレハブカバー5104を弱めるために力及び/又は熱を加えることによって先端部の突出を補助する方法は、楔形切開器具の近傍で局所的に材料が厚くなるという付加的な利点を有することができる。プレハブカバー5104の材料肥厚は、帯状体保持機能としてのプレハブカバー5104の機能的効果を増大させるように設計することができる。
パネル5に示すように、鋸歯状の内側ベースバルーン5100が膨張する。楔形切開器具はプレハブカバー5104の開口部を通って延びている。プレハブカバー5104の開口部は個々の楔形切開器具を取り囲んでいる。プレハブカバー5104は、個々の楔形切開器具の間で連続している。プレハブカバー5104の開口部は、楔形切開器具を取り囲む厚くなった壁を有することができる。いくつかの方法では、接着剤をプレハブカバー5104の開口部に分配することができる。接着剤は、プレハブカバー5104の硬化して厚くなった材料と楔形切開器具との間に薄い層を形成することができる。
いくつかの実施例では、ベースバルーン5100、楔形切開器具5102を有する帯状体、及び外側プレファブリケーションカバー5104の間の空間全体が接着される。接着剤は、ベースバルーン5100、楔形切開器具5102を含む帯状体、及び外側のプレハブカバー5104の間に薄い層を形成することができる。ベースバルーン5100、楔形切開器具5102を含む帯状体、及び外側のプレハブカバー5104は、接着剤を硬化させるためにUV光に曝すことができる。最終的なバルーンインバルーン構造体5199は、パネル6に見ることができる。2つの層の接着は、パネル3及び4に示すように、外側プレハブカバー材5104を内側ベースバルーン5100の上にスライドさせる前に、内側ベースバルーン5100の表面に均一に塗布される、例えばUV硬化型接着剤又はその他の接着剤を使用して行われるのが一般的である。その後、パネル5に示すように、内側ベースバルーンを高圧(例えば、約5気圧、6気圧、7気圧、8気圧、又はそれ以上の気圧)に膨張させ、UV光を照射して硬化させる。圧力負荷下でのベースバルーン5100とプレハブカバー5104の2つの表面の接触により、接着剤が均一に分散される。ベースバルーン5100とプレハブカバー5104の接触と圧力により、硬化サイクルの前にバルーン本体とバルーンの円錐体の表面に均一なコーティング厚を形成することができる。最終的なバルーンインバルーン構造体5199はプリーツ加工が可能である。最終的なバルーンインバルーン構造体5199は、本明細書で説明するあらゆる方法で利用することができる。最終バルーンインバルーン構造体5199は鋸歯状バルーンである。帯状体5102の楔形切開器具は、血管内で接線方向から垂直方向へ回転することができる。プレハブカバー5104及びベースバルーン5100は、血管壁に接触するローブを形成するように一体的に機能することができる。プレハブカバー5104及びベースバルーン5100は、帯状体を垂直方向に回転させるように一体的に機能することができる。プレハ
ブカバー5104及びベースバルーン5100は、血管壁に引張力を加えて直線状の分離線を形成するように一体的に機能することができる。
最終的なバルーンインバルーン構造体5199にはいくつかの利点がある。帯状体5102はベースバルーン5100に取り付けることができる。プレハブカバー5104は、この帯状体の取り付けを機能的に補強することができる。接着剤をベースバルーン5100のプリーツに塗布することができる。この接着剤は、ベースバルーン5100をプレハブカバー5104にスライドさせるための潤滑剤として機能することができる。帯状体5102は、ベースバルーン5100が膨張するにつれて、プレハブカバー5104内で回転することができる。帯状体5102は、プレハブカバー5104内で垂直方向に回転することができる。ベースバルーン5100からの圧力が加わっても、楔形切開器具がプレハブカバー5104を突き破ることはない。プレハブカバー5104は、耐久性のある柔軟な材料とすることができる。プレハブカバー5104は、熱を加えることによって楔形切開器具によって貫通させることができる。熱はプレハブカバー5104と相互作用して、楔形切開器具の近傍でプレハブカバー5104を溶かす。楔形切開器具は、熱の印加下でプレハブカバー5104を突き抜け、楔形切開器具の周囲にプレハブカバー5104の軟化した材料から隆起が形成される。プレハブカバー5104は、個々の楔形切開器具を取り囲む。研磨(ホーニング加工)されていない面は、プレハブカバー5104から延びている。楔形切開器具の高さは大部分が露出している。プレハブカバー5104は、楔形切開器具の高さの大部分がプレハブカバー5104から延びるように、薄い層とすることができる。プレハブカバー5104は、熱が除去されると、楔形切開器具の周囲に硬化した隆起を形成する。ベースバルーン5100のプリーツに先に塗布された接着剤は、楔形切開器具とプレハブカバー5104の硬化した隆起との間の空間を通って分布することができる。バルーンインバルーン構造体5199は、接着剤を硬化させるために光に曝すことができる。最終的なバルーン内バルーン構成体5199は、新しい鋸歯状バルーンとすることができる。最終的なバルーンインバルーン構造体5199は、ベースバルーン5100の上及び帯状体5102の楔形切開器具間の長手方向の空間の上に薄い層を形成するプレハブカバー5104を有利に含む。プレハブカバー5104は、薄く耐久性のある層とすることができる。いくつかの実施例では、プレハブカバー5104は、ベースバルーン5100と帯状体5102との間の接着剤層のみよりも、ベースバルーン5100に取り付けられた帯状体5102をより良好に支持することができる。いくつかの実施例では、プレハブカバー5104は、帯状体5102を所定の位置に維持するために、帯状体5102とバルーン5100との間の接続を補強することができる。いくつかの方法において、動脈形状の力学は、帯状体5102をベースバルーン5100から外すように作用し得る。このような動態は、帯状体5102とベースバルーン5100との間の連結を補強するプレハブカバー5104によって克服することができる。プレハブカバー5104は、ベースバルーン5100上及び楔形切開器具間に均一に延在し、プレハブカバー5104の開口部から楔形切開器具のみを露出させることができる。プレハブカバー5104は、帯状体5102の一貫した保持を提供することができる。
図41Aに示されるように、楔形切開器具フレーム又はキャリア4110に、先端が先端4100にのみ接触する複数の帯状体(例えば、2つの同一の帯状体)を含む帯状体3500を作製することができる。この楔形切開器具フレーム4110は、化学エッチングのような機械的な除去プロセスを介して作成され得る。いくつかの実施例において、帯状体3500は、帯状体3500の楔形切開器具の形状を修正することなく、機械的な力又は他の手段を介してフレーム4110及び鏡像の帯状体から容易かつきれいに剥離され得る。いくつかの実施例では、フレーム又はキャリア4110は、本明細書の他の箇所に記載されるように、楔形切開器具のベース部に対向する帯状体の表面がバルーンの表面に接着されるか又は他の方法で取り付けられるまで、帯状体3500に取り付けられたままであることができる。
図41B及び図41Cは、いくつかの実施例において、複数の帯状体4100が、先端4100を残して曲げ形態4120に折り曲げられるか又は折り重ねられ、組み合わされたAフレーム楔形切開器具3510アセンブリの半径方向外側に面する面内に隙間又はウェルを有するAフレーム4130を生成することができることを示す。
図41D及び図41Eは、(図41B及び図41Cの中央平坦セグメント4140と比較して)その間に中央凹セグメント4150を有する複数の尖った表面を含む鋸歯状先端部4160を有する代替実施例を示す。鋸歯状先端部4160を有する帯状体3500は、鋸歯状先端部4160を残して折り曲げられ、開いた隙間又はウェルを有する鋸歯状先端部4160を有するAフレームを形成することができる。
いくつかの実施例では、ベース部における隣接するベース帯状体間の距離は、約30μm~約260μm、約60μm~約190μm、又は約90μm~約130μmである。いくつかの実施例では、Aフレームの「A」の頂点におけるギャップの寸法、例えば幅は、例えば、約10μm~約150μm、約25μm~約100μm、又は約50μm~約75μmとすることができる。いくつかの実施例では、2つの楔形切開器具の遠位部分の交差によって画定されるAフレームの「A」の頂点を作る角度は、例えば、約5度~約45度、例えば、約10度~約30度、又は約15度~約22度であり得る。
図42は、帯状体取り付けプロセス(バルーンへの配置前、バルーン配置中、又は帯状体のバルーンへの接着後)の任意の時点で廃棄可能なブランク又はキャリア4300に接続された帯状体4200のスタックを示す一連の説明図である。このプロセスは、帯状体のピックアップと配置の自動化を支援し、帯状体とバルーンの位置合わせの精度を向上させる。半径方向遠位先端4210は、帯状体の簡単な剥離を可能にするために、連続的な自由端4220又は他の連続的もしくは不連続的な表面に対して接することができる。いくつかの実施例では、医療用バルーンに楔形切開器具を取り付けるためのキャリアシステムは、帯状体の表面に沿って長手方向に間隔をあけて配置された複数の楔形切開器具を含む帯状体を含むことができる。楔形切開器具の各々は、帯状体の第1の表面に直接隣接する帯状体に面するベース面と、半径方向外側に面する面の近位端部と半径方向外側に面する面の遠位端部との間の長さを有し、各楔形切開器具の高さを規定する、研磨(ホーニング加工)されていない半径方向外側に面する面と、帯状体に面するベース面と半径方向外側に面する面との間の側面表面とを含むことができる。帯状体はまた、帯状体の第1表面に対向する第2表面と、自由端を含む帯状体担体と、を含むことができる。各楔形切開器具の研磨(ホーニング加工)されていない半径方向外側に面する面は、取り付け領域において帯状体キャリアの自由縁に可逆的に取り付けることができる。取り付け領域の間の領域は、空隙を画定することができ、機械的な力の印加時に切り離されるように構成することができる。いくつかの実施例において、帯状体の第2表面は医療用バルーンの表面に取り付けられ、帯状体の第2表面が医療用バルーンに取り付けられた後に帯状体キャリアが帯状体から切り離され得る。いくつかの実施例では、帯状体キャリアは帯状体と一体的に形成することができ、化学エッチングなどのプロセスを用いて作成される。帯状体キャリアは、帯状体と同じ材料又は異なる材料から形成される。
図43は、ブランク又はキャリア4300の自由縁部4220への楔形切開器具4100の半径方向外側に面する面4325の取付けの拡大図の実施例を示す。また、帯状体のベース面がブランク又はキャリアの対応する自由端4420に接触しない、取り付け領域4328間の空隙4280も示されている。いくつかの実施例において、各空隙又は全ての空隙4280は、各帯状体の楔形切開器具又は楔形切開器具のそれぞれの表面積の約110%、約120%、約130%、約140%、約150%、約160%、約170%、約180%、約190%、約200%、約250%、約300%又はそれ以上の表面積を
有する。いくつかの実施例において、ブランク又はキャリア4300の近位側の自由縁4420は、帯状体/楔形切開器具4100とブランク4300との間の交差点又は接触点が直線のみに沿うように、楔形切開器具4325の遠位側最端縁又は表面に接触し(例えば、唯一の接触縁である)、帯状体又は帯状体の楔形切開器具のどの部分とブランク又はキャリアとの間にも、図43に示されるような高さ寸法などの寸法における重なりが存在しないか又は実質的に存在しない。いくつかの実施例において、これは、有利には、キャリアからの帯状体及び関連する楔形切開器具の簡単な剥離を可能にし得る。他の実施例では、キャリアの取り付け領域と帯状体及び関連する楔形切開器具との間に、例えば、ブランクの自由端におけるスロット又は溝を介して、1つ又は複数の寸法において重なりが存在し得る。他の実施例では、取り付け領域は、ブランク又はキャリアの連続的な自由縁に沿っている必要はなく、むしろ、ブランク又はキャリアの突起と楔形切開器具との間の間隔を隔てた間隔にある。突起は、楔形切開器具の鏡像であってもよいし、別のパターンであってもよい。
図44A及び図44Bは、金属、例えばステンレス鋼材料のストック4410のような適切な材料のリールを利用する、セラトプラスティ形成帯状体、切断部材、又は楔形切開器具3510を製造するための製造プロセスの実施例の説明を示す。ストック4410は、研磨(ホーニング加工)された縁部の有無にかかわらず、成形又は研削することができる。研磨(ホーニング加工)された縁部4430は、その縁部上に単一又は複数のファセット(小平面)を有して形成され、先端が細かくなるように研磨されるか(例えば、ホーニング加工)、又は側面が狭いが平坦になるように研磨される(例えば、ホーニング加工なし)。いくつかの実施例における研磨(ホーニング加工)されたストック4430の断面図は、正三角形の斜面の立ち上がり側に潜在的に複数の斜面を有する三角形のような形状とすることができる。
上述の材料研削加工技術に加えて、ステンレス鋼製の鋸歯状ブレードの製造は、他のバルク加工技術で達成することができる。
このような研削、スタンピング、エッチングは、鋸歯状先端部の低コストの製造を達成するためのバルク加工技術であることが想定される。
化学エッチングに含まれ得る製造ステップの説明は、いくつかの実施例において、以下のいくつか又は全てを含むことができる。
一連の鋸歯状ブレード、切断部材、又は楔形切開器具を製造するための情報と設計の詳細を含むマスク又はマスクセット4400を、耐光性層4420の上に配置することができる。各マスク4400は、光がマスク4400を透過するようにするための一連の開口部である。マスクセット4400は、ステンレス鋼材4410の片面を部分的にエッチングできるように、同じであってもよいし、互いにわずかに異なっていてもよい。
マスク、フォトレジスト、及びエッチング材料を使用するステンレス鋼リール又はシート4410の化学エッチングは、低コストで大量の材料をエッチングすることを可能にするために有利に適用することができる。
バルク化学エッチングにより、極めて再現性の高い低コスト部品を大量に製造することができる。従来、化学エッチングは、90度に近い角度で材料を貫通する緩やかな傾斜の側壁を有する丸みを帯びた縁部を生成する。より緩やかな傾斜角度を実現するために、グレースケールのマスキングが検討したが、結果は芳しくなかった。グレースケールに代わる新しいマスキング技術は、比較的狭い孔と狭いスリットのようなパターンを利用し、エッチング速度を制御することに成功した。レジスト層を通るエッチング材料の流れを制御
することにより、ブレードのような構造の角度が達成された。
両面マスク露光により、材料の両側からエッチングすることができる。両面露光により、縁部プロファイルはステンレス鋼材の両側でより大きな制御ミラーイメージングプロファイルを生成する。
図45Bは、バルーン壁4510に埋め込まれた貫通孔4500の上に帯状体3500を配置できることを示している。この貫通孔は、バルーンの製造前に押し出された孔とすることができ、従って、治療薬(単数又は複数)を通過させて鋸歯痕の付いた組織に送達することができる導管を提供することができる。図45Aと同様に、いくつかの実施例では、帯状体3500は、バルーン壁4510を穿刺するためレーザー切断又は他の方法で形成されたの一連の貫通孔4520の上に配置され、押し出しプロセスで生成された別の導管に至り、したがって、治療薬(単数又は複数)を通過させ、鋸歯痕の付いた組織に送達することができる導管を提供する。
図46は、いくつかの実施例において、バルーン壁4610に埋め込まれた貫通孔4600の上に、4つのAフレーム帯状体3500(又は、本明細書で開示されるような楔形切開器具を有する非Aフレーム帯状体)などの一連の複数のAフレーム帯状体を配置することができることを示す。上記Aフレーム帯状体3500は、例示したように規則的に間隔を空けることができ、又は他の実施例では不規則に間隔を空けることができる。
言い換えると、いくつかの実施例では、「A-フレーム」帯状体3500の設計は、それぞれのベース部において間隔をあけて配置された第1の帯状体3510及び第2の帯状体3520を含み、各帯状体は、周囲を有する半径方向外側に面する面を有する楔形切開器具3510を含む、第1の帯状体3510及び第2の帯状体3520の楔形切開器具3510は、半径方向外側に面する面のそれぞれの周縁の一部で互いに接触し、楔形切開器具3510の第1の帯状体3510及び楔形切開器具3510の第2の帯状体3520が互いに接触しない位置に頂部ギャップが存在し、ギャップは、その中に薬剤リザーバ孔4500を収容するように構成されている。
図47は、化学エッチングの前にセットされたマスク4700上の帯状体3500の列の実施例(拡大図も示す)を示す。帯状体3500の各列は、隣接する楔形切開器具3510の間に剥離可能な領域4710を含むことができる。
図48Aは帯状体アレイ3500を示す。図48Bは、着脱可能な領域4710を有する隣接する楔形切開器具3510の詳細な拡大図を示す。図48Cは、整列、制御、配置、及び製造の容易さのために帯状体キャリア4810に可逆的に接続されたセレーション帯状体3500を示す。異なる形状を有する帯状体キャリア4810と帯状体3500との接続の3つの化学エッチングバリエーションが、エッチングI 4820、エッチングII 4830、及びエッチングIII 4840に示されている。クローズアップは、側面の楔形切開器具3510が帯状体キャリア4810にどのように接続されるかを示す。図48Dは、帯状体4890の楔形切開器具に可逆的に取り付けられた帯状体キャリア4480の別の実施例を示す。帯状体キャリア4880は、任意の適切な形状を有することができ、場合によっては、丸みを帯びた又は他のタブ4882、開口4884、横方向のタブ4886、又は整列、制御、配置、及び製造の容易さのための他の特徴を有する。いくつかの実施例では、帯状体キャリアは、帯状体がバルーン(図示せず)に接着又は他の方法で固定された後などの取り外しを容易にするために、帯状体の楔形切開器具の鏡像とすることができる突起を含む。
上記図49は、ガイドワイヤハブ4900及びバルーン膨張ハブ4910を有するカテ
ーテル3310に取り付けられたバルーン3316の外径に設けられた一連の鋸歯状又はスコアリング楔形切開器具3510を示す、セラトプラスティを製造するためのシステム全体の一実施例の図解である。図49A~49Jは、セラトプラスティシステムの一実施例の追加図を示す。
図50は、いくつかの実施例による、一組の長手方向に配向した材料の隆起部を有する押出成形品から吹き出されたバルーンを概略的に示す。隆起部の材料は、バルーンの材料と同じであってもよいし、異なっていてもよい。隆起部の数及び位置は、典型的には、プリーツ位置及びクリンプ位置に横たわったときの帯状体の先端の位置に対応する。隆起部は、バルーンが隆起部のない領域よりも厚い領域を提供する。この厚みのある領域は、バルーン表面に保持された帯状体による不慮のバルーンの破裂を制限及び防止するための緩衝領域又は枕部(ピロー)として機能する。
図51は、いくつかの実施例による、バルーンのブロー工程の前にバルーンブロー金型内に配置される帯状体のセットを概略的に示している。この設計では、帯状体は、帯状体用のキャリア部分に統合された位置合わせ要素を含むことによって、金型セット内に正確に配置される能力を提供する。金型(例えば、図示のような3つの分離されたセグメントのような複数)は、帯状体のベース部の十分な高さが、加熱及びバルーンブロー工程中に帯状体をバルーンマトリックスに埋め込むことを可能にする傾向の位置に一致するように、帯状体の適切な位置決めを可能にする。
図52は、いくつかの実施例による、バルーンブロー工程における押出成形の方向付けを支援するための光学マーカを含む押出成形を概略的に示す。示されるように、いくつかの実施例では、プリーツ及び折り畳み工程中にバルーンの枕部(例えば、保護)領域として正確に位置決めされる隆起部のために帯状体が整列するように適切に位置決めされることを可能にするために、バルーンブロー工程において押出成形を方向付けるための光学基準面として使用される3つの領域(強調表示)が存在する。
図53は、バルーンをブロー成形のために使用される押出成形品が、バルーン自体よりもわずかに低いガラス転移温度を有する第2の保持層を有する実施例を示す。この第二の層は、帯状体をその中に埋め込むことを可能にする、わずかに寛容な材料の有効領域を提供する。バルーン金型への押出成形品の加熱及び吹き込みの際、上部の保持層はバルーン金型の金型に設計された空洞に流れ込みやすくなり、図示のように帯状体を封入するスペースが確保される。この設計でも、金型と帯状体キャリアの設計によって帯状体の深さを制御できるため、高い許容範囲と最小限の制御労力で帯状体をより効果的に配置できる。
図54は、いくつかの実施例による、改良型バルーンブローマシンにクランプされた一連の帯状体が示された金型(部分的かつ透過的にのみ示される)の透視図を概略的に示す。部分的かつ透明な金型は、バルーン表面の各セクションあたり約120度をカバーする3つのセクションで示されている。帯状体担体には、担体中央の穴や切り抜きなど、一連の特徴が見られる。これらの特徴は、ブローサイクルの間、バルーン表面の領域と位置合わせされた狭い範囲の位置に帯状体を正確に位置合わせし、補助するように設計されている。
図55は、いくつかの実施例による、帯状体と、帯状体のベースを取り囲む接合材料とを概略的に示している。この断面図では、接合材は単一の材料であるが、2層、3層、又はそれ以上の層など、1層以上の材料とすることができる。接合材料は、バルーンに対する効果的な帯状体保持を提供するように設計されている。従って、材料は、送達、膨張、病変組織の破壊、及び回収の間、システムの様々な力負荷条件下で、帯状体の保持の柔軟性及び耐久性を提供するように設計される。
図56は、いくつかの実施例による、帯状体及び帯状体保持材料が単一のバルーンブロー金型の片側に配置される様子を概略的に示す断面図である。バルーンブローシステム用の金型の形状は、帯状体のテーパの形状と整合させることができることに留意されたい。金型をこのように設計すると、位置合わせによってバルーン上の帯状体の位置を制御することが可能になり、保持材料が帯状体の先端を越えて流れる可能性が低くなる。
図57は、いくつかの実施例による、互いに120度離れた3つの金型のセット内に取り込まれた3つの帯状体を模式的に示している。バルーンブロープロセスに先立ち、帯状体は染料キャビティ内に配置され、保持材がバルーンブローキャビティ内に突出するようになっている。他の実施例では、180度間隔の2本の帯状体、90度間隔の4本の帯状体、又は不規則な間隔の帯状体を含めることができる。
図58は、いくつかの実施例による、バルーン金型の2つの側面間に捕捉された帯状体及び保持材料の拡大図を概略的に示す。バルーン金型には、保持材が流れ込むように輪郭が付けられている。バルーン成形を可能にするために金型が加熱されると、保持材も加熱される。加熱は、バルーン材料と保持材料の両方のガラス転移温度付近又はそれ以上となるように十分に高くすることができ、材料が効果的に流動して単一の複合材料となる。
図59は、いくつかの実施例による、帯状体と保持材が接着され、バルーンブローマシンから取り外されたバルーンの断面を概略的に示している。ここでは、帯状体がバルーン表面に効果的に接着され、保持材がバルーン外側面に接着又は融着されている。バルーンと保持材は複数の層で構成できることに留意すべきである。場合によっては、保持材の最外層とバルーンの最外層は同じ素材であるか、バルーンのブロー温度で効果的に融着するように設計された素材から形成されている。保持層の設計には複数の層を含めることができ、ある層はより高い弾性を有し、他の層はより非弾性的である。弾性層と非弾性層を組み合わせることで、保持層は高弾性バルーンと高非弾性帯状体の両方の保持力を高めることができる。
図60は、いくつかの実施例に従って、3つの帯状体が保持層でバルーン表面に接着されている様子を模式的に示している。このステップではキャリアを取り外し、バルーンを完全に膨張させて、展開中の帯状体の向きを示す。
図61は、いくつかの実施例による、保持層がバルーン表面に接着された後の帯状体の拡大図を概略的に示す。保持層は、帯状体の下で帯状体の周囲に巻き付けられ、折り畳まれたときに帯状体が保持層上に敷かれるのに十分な距離だけ帯状体の両側に広がっているように示されている。
図62は、いくつかの実施例による、保持層が接着された3つの帯状体の透視図を概略的に示し、保持層がバルーン表面全体に対してバルーン外側面でカバーする最小表面積を示している。
図63は、保持層が、帯状体の上部を覆い、楔形切開器具の各々の間を覆い、そして帯状体保持を助けるためにバルーン上にフッティング(足場)が形成されるようにバルーン表面の一部の外側に示される上面図を概略的に示す。いくつかの実施例によれば、保持層の高さは、典型的には、帯状体の上方で最小である。
図64は、バルーン表面に沿って帯状体の両側にフットプリントがなく最小化された保持層を概略的に示している。この実施例では、保持層と同じであってもそうでなくてもよい追加の2列以上の材料が、プリーツ及び折り畳み時に帯状体の先端がバルーン上に横た
わる領域に保護領域(枕部領域)を可能にする距離で帯状体に対して水平に走ることが想定されている。
図65は、帯状体の保持部に隣接する枕部を、帯状体の先端の間隔と同様の点線のパターンで模式的に示している。これらの個々の枕部は、バルーンに対する追加の容積を最小限に抑えつつ、バルーンを保護するための最小限の表面積の保持領域を提供する。
図66は、バルーンの帯状体の穿刺を最小化するための保護領域として、最小限の保持材料と、両側に付随する一対のバルーン保護枕部を備えた保持層を有する保持帯状体の断面図を概略的に示している。
図67は、帯状体が横たわる領域に示されるように単一の枕部のみを備え、この反対側に枕部を備えていない実施例を概略的に示している。
図68は、帯状体の最小保持領域についての同じ概念のバリエーションを概略的に示しており、片側の枕部領域が帯状体の反対側の枕部領域より少ない材料を含む例を示している。
図69は、帯状体の最小保持領域についての同じ概念の変形を概略的に示しており、帯状体の近位端部に追加的な材料が示されている。材料の付加的な領域は、帯状体の端部に典型的に見られるより構造化された保持領域を提供する。
図70は、バルーンに一体化された保護領域(隆起した枕部領域)が、バルーンの折り畳み及び圧着中にバルーンの保護を提供する方法のバリエーションを概略的に示している。これらの設計バリエーションは、一部の実施例では、個々の微小楔(マイクロウェッジ)の鋭い縁部からバルーンに穴が開く可能性を最小限に抑えながら、一連の微小楔をバルーンによりきつく折り畳んで圧着する能力を提供することができる。各図において、帯状体はバルーンのひだの内側に配置することができる。バリエーションAでは、1つの短い枕部をバルーンの折り重なった素材上に配置し、2つの短い枕部をバルーンの折り目の内周に配置して、バルーンがパンクしないように保護している。バリエーションBでは、1つの長い枕部をバルーンの折り返し部分に配置し、1つの長い枕部をバルーンの折り返し部分の内周に配置さして、バルーンがパンクしないように保護している。バリエーションCでは、1つの長い枕部をバルーンの折り返し部分に配置し、1つの短い枕部をバルーンの折り返し部分の内周に配置して、バルーンがパンクしないように保護している。バルーンがパンクしないように保護するために、バルーンの折り返し部分又はバルーンの折り返し部分の内周のいずれかに、枕部の長さ及び数の任意のバリエーションを含む枕部が設けられる。
図71は、ベースに続いてギャップによって接続された4つの楔形切開器具と、別のセットの4つの楔形切開器具の列と、小さい帯状体セクションの列を有する実施例を概略的に示す。この設計バリエーションは、一緒に結合され、隣接する列から分離された任意の数の長さの楔形切開器具を有することができる。例えば、5個、6個、又はそれ以上の列や、2個又は3個の列が想定される。保持部及び枕部の設計は、先に述べた設計パターンのいずれにも従うことができる。
図72は、個々の楔形切開器具が連結されていない実施例を概略的に示している。一部の実施例では、バルーンの一部の領域は連結されていない楔形切開器具を有するが、バルーンの他の領域は図示の右側に示されているように連結されていてもよい。保持部及び枕部の設計は、先に説明した設計パターンのいずれにも従うことができる。
図73は、バルーン表面に一体化された帯状体の側面図を概略的に示している。バルーンの円錐体の本体に最も近い最後の楔形切開器具に付加的な保持領域が形成されている。バルーンの円錐体には、送達中及び収縮中により多くの応力がかかる可能性があり、さらに、円錐体端部近傍の領域において緩やかな傾斜を有する可能性があることは、バルーンブローの分野において一般的に知られている。この理由及びここには列挙されていない他の理由から、帯状体が集合的に接着されているか否かに関係なく、最遠位端部の楔形切開器具に付加的な材料を配置することが有利になり得る。
図74A~74Eは、鋸歯状帯状体要素200がバルーン材料の翼部の下での接線方向から、非常に狭い狭窄病変内でかばーを取らずに垂直に方向転換するための機構を示す一連の図である。この一連の図は、バルーンの送達構成及びその後の拡張を示す。概要として、帯状体200はバルーン100の拡張中に回転する。帯状体200は接線方向に送達される。帯状体200は、送達中にバルーン100によって少なくとも部分的に又は完全に覆われ得る。帯状体200は、送達中に横たわる。バルーンの膨張により、帯状体200は接線方向から垂直方向へと向きを変えることができる。さらに、バルーンの収縮により、帯状体200を垂直方向から接線方向に回転させることができる。帯状体200は、直径が非常に小さい血管内で回転することができる。帯状体200は、小径の狭窄病変内で回転することができる。バルーン100の拡張の力学は、セレーションの形成とそれに続く亀裂伝播を促進する。これらの図は、バルーンの拡張がどのように起こるかを示している。
図74Aは、プリーツ状に巻かれたバルーン100を示す。バルーンは薄く折り畳むことができる。バルーン100は、1つ又は複数のプリーツ、例えば1つのプリーツ、2つのプリーツ、3つのプリーツ、4つのプリーツ、5つのプリーツ、6つのプリーツ、又は前述の値のうちの任意の2つの範囲を含むことができる。プリーツの数は、帯状体200の数に対応し得る。図示の実施例では、バルーン100は3つの帯状体200を含み、バルーン100は3つのプリーツを含む。プリーツは、帯状体200を少なくとも部分的に覆うように設計され得る。プリーツは、帯状体200の全長を覆うことができる。プリーツは、帯状体200の先端を覆うことができる。プリーツは、帯状体200をオーバーハングさせることができる。帯状体200は、プリーツとバルーンの表面との間に配置される。帯状体200はポケット内に配置される。帯状体200は、バルーン100のひだ内に収容される。プリーツは翼部110を形成することができる。翼部110は、帯状体200の一部を覆うバルーン100の一部であり得る。翼部110は、バルーン100の材料のフラップとすることができる。翼部110は、本明細書に記載されるように膨張するように構成され得る。
帯状体200は、挿入中にバルーン100によって少なくとも部分的に覆われる。バルーン100、特に翼部110は、送達中又は回収中に血管内腔と帯状体200との間の緩衝材の役割を果たすことができる。バルーン100は帯状体200の先端を覆うことができる。帯状体200の先端は、帯状体200の研磨(ホーニング加工)されていない先端を保護するために覆われる。帯状体200の先端は、挿入中及び回収中に血管壁を保護するために覆される。
帯状体200は接線方向に配置される。接線方向への配向により、帯状体200がバルーンの表面に対して横たわることが可能となる。接線方向は、帯状体200が低プロファイルの送達構成を有することを可能にする。接線方向は、研磨(ホーニング加工)されていない先端が翼部110によって覆われることを可能にする。接線方向は、送達及び回収のためにカテーテルの直径を小さくする。接線方向への配向により、帯状体200がバルーン200のひだ又はプリーツ内に収納され得る。接線方向への配向により、帯状体200が平らになる。帯状体200はバルーンカテーテル150の内側部材に近接するか、あ
るいは対向する。カテーテルの小さい直径は帯状体200の厚さを含む。カテーテルの小さい直径には帯状体200の高さは含まれない。送達のために帯状体200が接線方向に配向されるために、カテーテルの直径を小さくする。帯状体200が垂直方向に配向されれば、送達径がより大きくなる。送達径は血管径よりも小さくすることができる。
バルーン100の折り目内の帯状体200の位置は、説明したような膨張サイクル中に利点をもたらす。帯状体200がバルーン100の折り目内に位置することにより、帯状体200が図74Aに示す接線方向から回転することが可能になる。帯状体200は、バルーンが治療部位内に位置すると回転する。帯状体200は、バルーン100が膨張すると回転する。帯状体200は、送達のための接線方向の配向を有する。送達のための接線方向の配向は、帯状体200をバルーン100の折り目内に収納することを可能にする。
バルーン100の翼部110は、説明したような膨張サイクル中に利点をもたらす。バルーン材料100は帯状体200を覆うことができる。バルーン材料は各帯状体200の先端からはみ出してもよい。プリーツ又は翼部110を形成するバルーン材料が示されている。いくつかの実施例では、翼部110は帯状体先端部200を越えて延びてもよい。いくつかの実施例では、翼部110は隣接する帯状体200を越えて延びることはない。翼部110は、一方の帯状体200の一方又は一部のみを覆う。翼部110は他の帯状体を完全にカバーしない。
図74Bは、流体がバルーン100に入り、バルーン構造が膨張する初期膨張イベントを示している。膨張のこの段階において、帯状体200は垂直方向への回転を開始する。膨張を制限し、帯状体要素200の回転を制限する可能性のある表面を表すために、内径2mmの閉塞を示す円300が示されている。バルーン100が造影剤で満たされると、バルーン100内の圧力は無視できる程度であるが、バルーン100が展開し始めるには十分である。バルーン100が展開すると、帯状体200を埋めたバルーン100の翼部110が剥離する。同時に、充填に対する抵抗が最小である帯状体200間の領域が充填を開始し、バルーンカテーテル150の内側部材に面する帯状体200の内壁に緩やかな圧力を加え始める。
この図はバルーン100の初期膨張を示す。バルーン100は血管300内に配置されている。血管壁300は円として示されているが、血管壁は任意の断面形状を有することができる。流体がバルーン100内に入り始める。流体はバルーン100を膨張させる。バルーン100はローブ120を形成する。ローブ120は帯状体200の間に配置することができる。バルーンは、任意の数のローブ、例えば、1つのローブ、2つのローブ、3つのローブ、4つのローブ、5つのローブ、6つのローブ又は前述の値のうちの任意の2つの範囲を有することができる。ローブ120は拡張することができる。ローブ120は、血管壁300に接触していない位置から血管壁300に接触する位置まで拡張することができる。バルーン100は、ローブ120が血管壁300に対して静止するまで膨張し得る。バルーン100の充填を継続すると、ローブ120の表面積が大きくなり、血管壁300に接触するようになる。流体はバルーン100に入り、ローブ120を膨張させる。ローブ120は均一に膨張し得る。ローブ120は同時に膨張し得る。ローブ120は不均一に膨張し得る。ローブ120は順次拡張することができる。ローブ120は、血管壁300の形状に基づいて受動的に拡張し得る。ローブ120は、バルーン100の抵抗の小さい領域に基づいて拡張することができる。
帯状体200は回転することができる。帯状体200は、バルーン100が膨張する際に回転することができる。帯状体は、本明細書で説明するように、バルーンが収縮するにつれて回転することができる。帯状体200が回転する方向は、バルーン100及び帯状体200がどのようにプリーツ加工されるかの向きによって規定することができる。帯状
体200が回転する方向は、バルーン100が膨張しているか収縮しているかによって決定することができる。以下の説明では、図74A~図74Eに関連して、帯状体200は接線方向に反時計回り方向を向いている。図74Aから図74Eまでのシリーズでは、バルーンは膨張中であり、帯状体200は、膨張中に時計回りに回転することによって、横方向から垂直方向へと回転する。帯状体200は、収縮中に反時計回りに回転することにより、垂直方向から横方向へと回転する。他の実施例では、帯状体200は時計回りの接線方向を向いている。この実施例では、帯状体200は、膨張中に反時計回りに回転することによって、横方向から垂直方向へ回転する。帯状体200は、収縮中に時計回りに回転することによって、垂直方向から横方向へと回転する。帯状体200は、製造工程中に配置されたプリーツの向きにより、いずれの方向にも回転することができる。プリーツは、帯状体が時計回り又は反時計回りに向く方向を定めるのに役立つ。プリーツは、膨張中に帯状体を確実に展開し回転させるのに役立つ。プリーツは、収縮時に帯状体を確実に折り畳み直して回転させるのに役立つ。帯状体200は時計回りにも反時計回りにも回転する。帯状体200は、膨張及び収縮のサイクル中に回転したり戻ったりする。帯状体200は膨張時に第一の方向に回転する。帯状体200は、収縮時には第二の反対方向に回転する。帯状体200は、横方向から垂直方向へ、及びその逆の方向へ、確実かつ繰り返し回転する。膨張と収縮のサイクルは、処置中に複数回発生することがある。プリーツ又はバルーンの翼部110の下での帯状体200の再位置決めは、1回の処置で何度も起こり得る。
帯状体200は接線方向から接線方向でない方向へ回転することができる。帯状体200は接線方向から垂直方向へと回転することができる。帯状体200はバルーンカテーテル150の内側部材に対して回転することができる。帯状体200は、バルーン100の膨張の影響を受けて回転することができる。帯状体200は、垂直方向への回転を開始することができる。帯状体200は血管壁300まで回転することができる。帯状体200の先端は、研磨(ホーニング加工)されていない。帯状体200の先端は、先端が血管壁300に接触するまで回転することができる。血管壁300は任意の直径を有することができる。ローブ120は血管壁300に対向することができる。研磨(ホーニング加工)されていない先端は血管壁300に当接することができる。血管壁300は、ローブ120の膨張を制限することができる。血管壁300は、帯状体200の回転を制限することができる。
バルーン100は流体で満たされ続ける。流体は液体や気体など、任意の流体とすることができる。流体は造影剤であってもよい。バルーン100内の圧力は低く、例えば無視できる程度、0.5気圧未満、1気圧未満、2気圧未満とすることができる。低い圧力でもバルーン100の展開を可能にする。バルーン100は、バルーンが充填されるにつれて、より大きなローブ120を形成する。バルーン100の翼部110は、バルーンが充填されるにつれて引き戻され始める。バルーン100の翼部110が液体で満たされる。バルーン100の翼部110はローブ120と合体し始める。バルーン100の翼部110が帯状体200の研磨(ホーニング加工)されれていない先端を覆い隠す。バルーン100の翼部110が帯状体200の側面又は高さを覆い隠す。バルーン100の翼部110が帯状体200を覆い隠す。
ローブ120は膨張し続ける。ローブ120は、隣接する帯状体200間のバルーン100の領域である。ローブ120の充填抵抗は最小である。ローブ120の充填は帯状体200によって拘束されない。ローブ120は翼部110よりも充填に対する抵抗が小さい。翼部110がローブ120と合体するにつれて、翼部110はローブ120となって充填される。翼部110は帯状体100を覆い隠すように移動する。流体は、充填に対して最小限の抵抗で領域を充填する。ローブ120は血管300の内壁に圧力を加える。ローブ120は帯状体200に圧力を加える。ローブ120は帯状体200の内壁に圧力を
加える。ローブ120は、バルーンカテーテル150の内側部材又は管腔に面する帯状体の内壁に圧力を加える。ローブ120は帯状体200を回転させる圧力を加える。ローブ120は、帯状体200をバルーンカテーテル150の内側部材又は管腔に対して垂直方向に配向させるように圧力を加える。
理論によって限定されるものではないが、回転を起こすローブ130の部分があってもよい。部分130は、帯状体200の表面とバルーンカテーテル150の内側部材との間に位置することができる。ローブ120の部分130が膨張すると、部分130は帯状体200に力又はトルクを加える。ローブ120の膨張の圧力は、帯状体200の剛性及びねじれに対する抵抗に打ち勝つことができ、それによって帯状体200を回転させる。帯状体の剛性は、配送中に帯状体200を横方向に維持する。ローブ120の圧力は、帯状体200を回転させるためにこの剛性に打ち勝たなければならない。ローブ120の膨張が回転を生じさせることができる。帯状体200の回転の方向性は、プリーツによって影響され得る。プリーツは、ローブ120の膨張を導く。形状の側壁及び帯状体200の剛性に関連して、ローブ200の制御された膨張は、確実かつ予測可能な回転を引き起こす。回転は双方向性である。帯状体200は、膨張によって一方向に回転し、収縮によって他方向に回転することができる。帯状体200は構成間で可逆的に変化することができる。ローブ120の形状は、荷重を集中させることができる。ローブ120は、帯状体200が垂直方向に回転することを可能にすることができる。ローブ120は、帯状体200が繰り返し垂直方向に戻ることを可能にする。ローブ120は、帯状体200が横方向へ繰り返し戻ることを可能にする。
図74Cは、流体がバルーン100の大部分を満たし、バルーン構造体100が膨張して疾患血管300のほぼ全てに接触した状態での膨張イベントの継続を示す。この膨張の段階の間、圧力はまだ低いが(2気圧以下)、帯状体200を垂直方向に付勢するのに十分である。内径2mmの閉塞を示す円300が拡張バルーン表面100の下に示されていることに留意されたい。この段階のバルーン100は、プレーンバルーンと同様の挙動を示し、セレーションの影響は最小限に抑えられている。帯状体200の剛性及び堅く結合していた疾患により、鋸歯状帯状体200が壁を貫通することが制限される。バルーン100は、帯状体200間の拡張バルーン100のローブ120が帯状体200を上方かつ血管壁に対して垂直に配列させ続ける間、病変血管を外側に押し出すことができる。
バルーン100は血管壁に圧力をかけることができる。圧力は2気圧以下などの低圧とすることができる。方法によっては、血管の直径が拡大する。拡張する直径はわずかである。円は、図74Bの血管の直径300と、拡張された血管の直径300’を示している。血管の直径300は2mmとすることができ、増大した血管直径は2mmより大きくすることができる。この段階のバルーン100は、バルーン100内の流体の圧力に基づいて血管壁300’に圧力を及ぼす。バルーン100は膨張を続ける。流体はバルーン100の大部分を満たすことができる。ローブ120は膨張し続ける。血管壁と接触するローブ120の表面積が増加する。ローブ120は血管壁300’のほぼ全てに接触する。ローブ120は、帯状体200付近を除いて血管壁300’に接触する。ローブ120はほぼ全周に接触する。
バルーン100内の圧力は、0.5気圧未満、1気圧未満、2気圧未満と低くすることができる。バルーン100内の圧力は、帯状体200を所望の方向に押すことができる。圧力は、帯状体200を垂直方向に回転させることができる。流体は抵抗の少ない領域を満たす。流体はローブ120を満たす。ローブ120は帯状体200に作用し、それによって帯状体200を垂直方向に回転させる。
理論によって限定されるものではないが、ローブ120の部分130は、帯状体200
の側面に対して完全に拡張することができる。部分130は、帯状体200の表面とバルーンカテーテル150の内側部材との間の位置から、隣接する帯状体200の内側に面する表面の横方向の位置まで拡張することができる。部分130は、帯状体200に対向するように拡張することができる。部分130は、帯状体200に力又はトルクを加えて、帯状体200を垂直に方向付けることができる。2つの隣接するローブ120は、帯状体200に力を加えることができる。隣接する2つのローブ120は、帯状体200を垂直に方向付けるために圧力を加えることができる。この膨張の段階の間、流体の圧力は2気圧未満であり得る。この圧力は、帯状体200を回転させるのに十分である。帯状体200は、図74Aに示す横方向から図74Cに示す垂直方向に回転する。バルーン100は、帯状体200が回転する際に、1つ以上の中間の配向を含み得る。
いくつかの実施例では、帯状体200の側壁は傾斜しており、ベース部が上部よりも広い。図15は、傾斜した側壁の例を概略的に示している。帯状体200は、半径方向外側に面する面の幅Wと、帯状体に面する表面の幅Wとを含む。帯状体に面する表面の幅Wから半径方向外側に面する面の幅Wへの傾斜角は、約90度に等しいか又は約90度未満である。一定の傾斜角又は複数の異なる角度、例えば二重、三重又はそれ以上のベベルのような単一の傾斜角以上の角度を有していてもよい。いくつかの実施例では、幅は研磨(ホーニング加工)されていない先端に向かって狭い幅へと移行する、高さが異なる一連の段差を設けることができる。帯状体200の傾斜した側壁は、ローブ120に隣接し得る。ローブ120は帯状体200の傾斜した側壁に圧力を加える。ローブ120は、本明細書に記載されるように、膨張中に帯状体200を回転させるために傾斜した側壁に圧力を加える。この側壁200の傾斜と、帯状体に隣接するローブ120の部分130の膨張との組み合わせにより、帯状体200の垂直方向への配向をより効果的に制御することができる。ローブ120は、本明細書で説明するように、膨張中に傾斜した側壁に圧力を加えて垂直方向の配向を維持する。ローブ120は、帯状体200の傾斜面の側面に圧力を加えることができる。ローブはまた、研磨(ホーニング加工)されていない先端部の側面に圧力を加えることができる。ローブ120は、帯状体200の輪郭の周りに膨らむことができる。ローブ120は、研磨(ホーニング加工)されていない先端部の上方に膨出することができる。ローブ120が帯状体の上方の領域で膨らむことにより、帯状体のベース部はより効果的に最適化された垂直方向の配向に位置決めされる。傾斜した側壁は、帯状体200を垂直にすることを可能にするもう一つの要素と考えることができる。ローブ120は帯状体の先端部及びその周囲で膨張し、垂直方向の配向を維持するのを助けることができる。いくつかの実施例では、単一の帯状体200の2つの側壁は同じ勾配を有することができる。側壁は隣接するローブ120から同じ荷重を受けることができる。ローブ120は傾斜した側壁100に基づいて平衡に達することができる。ローブ120が傾斜した側壁の上まで延びるにつれて、ローブ120は帯状体を垂直方向に安定させる。
圧力は、血管壁を300から300’にわずかに膨張させるのに十分である。血管壁300’は、帯状体200が垂直方向に配向されるのを可能にし得る。帯状体200は、血管壁300’から内側に位置することができる。いくつかの方法では、帯状体200の研磨(ホーニング加工)されていない先端は血管壁300’に接触しない。いくつかの方法では、図74Cに示す帯状体200の位置ではセレーション効果がないか、又はセレーション効果が最小である。この位置では、研磨(ホーニング加工)されていない先端は血管壁300’に接触しないことがある。疾患の硬度とともに帯状体200の剛性は、血管壁300’への貫入を制限又は防止する。血管壁300は、300から300’への低圧下でのわずかな膨張を許容する。血管壁300’は、堅く結合されていることがある。血管壁300’は石灰化されていたり、疾患含むことがあり、これによって帯状体200の貫通深さが制限される。バルーン100は低圧下で病的な血管をわずかに外側に拡張させることができる。血管壁は300’まで拡張する。バルーン100のローブ120が血管壁
を押して血管壁300’を拡張する。バルーン100のローブ120は、ローブ120間の帯状体200を整列させ続ける。バルーン100のローブ120は、帯状体200を垂直に整列させ続ける。バルーンのローブ120は、バルーンカテーテル150の内側部材から半径方向外向きに帯状体200を整列させ続ける。
帯状体200はバルーン100の外側面に取り付けることができる。帯状体200は、帯状体200に重なる1つ以上の層を有することができる。帯状体200はバルーン100の表面に接着され得る。帯状体200は剛性構造に含まれていない。帯状体200は、バルーン100の膨張に伴って自由に回転する。帯状体200は、平坦化され、回転した状態で送達される。帯状体200はバルーン100の膨張に伴って回転する。帯状体200は、バルーン100が収縮するにつれて回転する。帯状体200は自動的に復元すると考えることができる。帯状体200は自転すると考えることができる。帯状体200は、使用中に適切な方向に回転する。帯状体200は収縮時に適切な方向に回転する。ローブ120は、帯状体200の反復可能で予測可能な配向を提供する。
図74Dは、バルーンの圧力が2気圧から4気圧の間で膨張が続く様子を示している。膨張のこの段階の間、圧力は帯状体200のベース部により大きな力を及ぼすが、帯状体200がその垂直方向の配向を維持するのを依然として補助する。第2のリング300’は、内径3mmの組織への貫通を示す円形であることに注意されたい。この段階でのバルーンは、内膜組織を貫通し、内側面に鋸歯痕の線を生じさせることができる。この段階で、医師はバルーン100を60秒以上保持し、鋸歯痕の線を定着させ、本明細書に記載のセレーション効果を開始させることができる。
帯状体200上の鋸歯状要素が血管内に押し込まれることにより、一連の脆弱な線が鋸歯痕の線に沿って形成される。鋸歯痕の線は微小穿孔の間に間隔をあけている。鋸歯痕の線は連続的ではない。鋸歯痕の線は病的な血管壁をほとんど破壊することはない。ローブ120は血管壁300’を圧迫する。ローブ120は血管の大部分と接触している。ローブ120は血管壁300’を押す。ローブ120が血管300’を拡張するにつれて、ローブ120は、鋸歯状要素が組織を貫通した領域の下で引張力を発生させる。この血管の伸張により、血管の内腔の拡張が可能になる。病変血管の拡張が進むにつれて、直線的な切断線が生じる。血管の内腔は、最小限の動脈損傷で拡張する。弱くなった組織は、バルーン100と及びローブの圧力により容易に屈服する。バルーン100は患部血管をより容易に外側に押し出すことができ、鋸歯状要素200は鋸歯痕を形成し、その鋸歯痕はゆっくりと鋸歯状要素200から引き離される直線状の分離線に結合し、動脈径を緩やかに拡大する。ローブ120は血管を押しており、それによって引張力が生じる。ローブ120による血管の伸張の下で、永久的な線状の分離線ができる。ローブ120による血管の伸張の下では、永久的な内腔の拡張が起こりうる。ローブ120による血管の伸張の下では、低圧力によって動脈損傷を防止又は軽減することができる。ローブ120は血管を引き延ばして血管を開通させ、永久的な線状の分離線を形成することができる。微小穿孔に沿った引き裂きは、ローブ120によって引き起こされ得る。ローブ120は引張力を発揮して引き裂きを促進することができる。
バルーンは圧力上昇下で充填を続ける。ローブ120内の圧力は上昇する。前の段階ではローブ120は約2気圧又はそれ以下であったが、圧力が上昇する。圧力は、2気圧から最大4気圧まで、例えば最大2気圧、少なくとも2気圧、2.5気圧、少なくとも2.5気圧、2.5気圧、3気圧、3.5気圧まで、少なくとも3気圧、3.5気圧以下、3.5気圧、3.5気圧まで、少なくとも3.5気圧、3.5気圧以下、4気圧、4気圧まで、少なくとも4気圧、4気圧以下、又は前述の値の2つの任意の範囲に亘って上昇する。ローブ120は、血管壁300’の表面に対して完全に拡張され得る。血管壁は罹患していてもよく、それによって血管壁300’のさらなる拡張に抵抗する。血管壁は病的で
あり得、それによって、血管壁300’のローブ120からの最小膨張が、前述の値のうちの2つ以上の任意の範囲の0.5mm未満、1.0mm未満、1.5mm未満、2.0mm未満となり得る。バルーン100は最小限の剥離を引き起こすことができる。バルーン100は、血管壁300’をごくわずかに拡張させることができる。ローブ120の引張力の下で作用する鋸歯痕状の線は、血管壁の直径をより大きく成長させる。手技の後半に生じる永久的な直線状の分離線は、内腔の増大を可能にする。この段階では、永久的な線形の分離線が形成されていないため、低圧下でのバルーン拡張は血管壁の拡張にはほとんど寄与しない。
流体は最も抵抗の少ないバルーン領域を満たすことができる。帯状体200の下にはバルーンの一部分がある。この部分140は、ほとんどの方法において、ローブ120の後に膨張され得る。ローブ120は、ほとんどの状況において、充填に対する抵抗が少ない。どの部分が流れに対してより大きな抵抗を示すかの間にはバランスがある。ほとんどの場合、部分140は血管壁300’のさらなる膨張よりも抵抗が少ない。部分140は、流体からの増大した圧力下で膨張させることができる。増大した圧力は、帯状体200の慣性力又は剛性に打ち勝ち、血管壁の内膜組織への貫通を開始させる。バルーン100の流体の圧力はより大きな力を発揮する。圧力は帯状体200のベース部に力を及ぼす。圧力は、帯状体200が垂直方向に配置された後に力を発揮する。
帯状体200は徐々に外側に押し出される。帯状体は内膜組織を貫通する。帯状体200はバルーンカテーテル150の内側部材に対して半径方向外側に膨張する。帯状体は内部の弾性薄膜を貫通する。帯状体200はローブ120の間に配置される。ローブ120は垂直方向の配向を容易にする。帯状体200は膨張中もローブ120に対する配向を維持する。ローブ120は膨張時に帯状体200をガイドする。帯状体200は半径方向外側に移動する。帯状体200はバルーンカテーテル150の内側部材から半径方向外側に移動する。帯状体200のベース部下のバルーン100の部分140は拡張を続ける。
血管壁300’は、ほとんどの方法では、この段階では膨張しない。血管壁300’は、このような低圧、例えば4気圧以下では膨張しない場合がある。低圧は、血管壁300’の直径のさらなる膨張を引き起こすのに十分でない場合がある。バランス上、最も抵抗の少ない領域は、帯状体200のベース部の部分140に充填することができる。
理論に限定されるものではないが、帯状体200の下の領域140は、多くの考慮事項により拡大することができる。領域140は、既に充填されたローブ120に対して小さい。ベース部の下のバルーン100の領域140の幾何学的形状は、帯状体200の移動を容易にすることができる。帯状体は薄いベース部を有し得る。図15に戻って参照すると、ベース部の幅Wbは、ベース部の長さLbよりも何倍も小さくすることができる。バルーンの面積140はベース部の表面積に対応する。
理論に拘束されるものではないが、領域140は、圧力が増大したときに帯状体を移動させる力を発生させるように作用することができる。領域140は、ローブ120と比較して細く長くすることができる。帯状体200の下の領域140の圧力は、圧力が上昇するにつれて外側に移動を引き起こすことができる。流体の増加圧力はどこかに行かなければならず、最も抵抗の少ない領域は帯状体200のベース部の下のバルーン100の領域140である。ローブ120の外側への移動には多くの要因がある。ローブ120が充填され、垂直方向ほ配向を維持するために傾斜した側面に沿って作用する。バルーン100の力は、帯状体200の外側への移動に方向指示を与えることができる。血管壁300’の力学から圧力変化がある。圧力分布の変化の理由は、帯状体200の上昇要素が内膜に分離のノードを誘発したことによる。これらの分離のノードは、帯状体の研磨(ホーニング加工)されていない先端部が行く場所を持つことを可能にする。帯状体200を押し戻
す血管壁からの圧力は低い。この血管壁300’からの低圧とバルーン100のローブ120からの圧力との組み合わせにより、帯状体200が半径方向外向きに、血管壁内へさらに移動することが可能となる。血管壁からの初期抵抗が結節形成によって克服されると、帯状体200は内側層に向かって急速に加速することができる。バルーン100の低圧、例えば4気圧以下の圧力は、結節形成後に帯状体200のセレーション要素を血管壁に押し込むのに十分である。帯状体200と血管壁300’との間の相互作用は動的であり、持続的な圧力下で経時的に変化する。バルーンの設計と方法は、ローブ120による血管壁への圧力の増大下で、研磨(ホーニング加工)されていない先端部が貫通するように促す。上昇した帯状体は、低圧で組織内に伸びる。バルーン100は、帯状体200の下にひずみを生じさせ、外側への移動を促すことができる。
帯状体200は、柔軟でありながら耐久性があり剛性を有することができる。理論に高速されるものではないが、流体圧力は帯状体200の剛性に打ち勝たなければ、帯状体を病変組織に半径方向外向きに押し込むことができない。圧力は、静的な帯状体200の慣性に打ち勝って病変部に侵入しなければならない。ほとんどの方法では、圧力は4気圧以下であり得る。帯状体200は、この低圧で半径方向外側に移動するように設計される。
血管壁300’が図示されている。血管壁300’は任意の直径を有する。血管壁300’は、初期の血管壁300よりも大きな断面寸法を有する。血管壁300’は、低圧下でわずかに膨張する。圧力は4気圧未満であり得る。この低圧は、血管壁300’の有意な拡張を引き起こすには不十分な場合がある。いくつかの方法では、血管壁300は、0.25mm、0.50mm、0.75mm、1mm、又は前述の値のうちの2つの任意の範囲で拡張され得る。いくつかの方法では、血管壁300は、10%、20%、30%、40%、50%、又は前述の値のうちの2つの任意の範囲で拡張され得る。血管壁300は、流体の圧力が低いために300’へとわずかに拡大される。ここで圧力は4気圧以下である。帯状体200は内膜を貫通することができる。帯状体200は内部の弾性薄膜を貫通することができる。帯状体200は内膜組織に浸入することができる。
帯状体200は血管壁300’まで半径方向に拡大する。帯状体200の先端は、研磨(ホーニング加工)されていないことがある。上面から見た研磨(ホーニング加工)されていない面はわずかに鈍い。研磨(ホーニング加工)されていない面は幅を有する。研磨(ホーニング加工)されて面の幅はベース部の幅より小さいが、帯状体200の勾配又は斜面と直接相関させることができる。研磨(ホーニング加工)されていない面はどのような形状であってもよい。いくつかの実施例において、頂部又は半径方向外側に面する面は、長方形、正方形、楕円形、丸みを帯びた、多角形、又はゼロでない幅を有する任意の他の形状とすることができる。いくつかの実施例において、研磨(ホーニング加工)されていない先端部は、半径方向外側に面する端部又は表面で測定した、例えば、約20nm、50nm、100nm、500nm、1μm、2μm、5μm、7μm、10μm、15μm、20μm、25μm、及び30μm、40μm、50μm、60μm、70μmである幅を有することができる、80μm、90μm、100μm、5μmと30μmの間、30μmより大きい値、30μm~100μm又は前述の値の2つの任意の範囲に亘る幅を有する。研磨(ホーニング加工)されていない半径方向外側に面する面は、本明細書で説明するような鋭利な研磨(ホーニング加工)された点や縁部を含まない。研磨(ホーニング加工)されて半径方向外側に面する面は、研磨(ホーニング加工)された縁部の幅よりも大きい幅を有する。帯状体200は、その長さに沿って完全に研磨(ホーニング加工)されていない半径方向外側に面する面を有することができる。帯状体200は、本明細書に記載される任意の特徴を有することができる。
帯状体200の研磨(ホーニング加工)されていない面が血管壁300’に接触する。理論に拘束されるものではないが、帯状体200の研磨(ホーニング加工)されていない
面は刃として機能しない。帯状体200の研磨(ホーニング加工)されていない面は、研磨(ホーニング加工)加工された切断面ではない。帯状体200の研磨(ホーニング加工)されていない面は、シャープに(鋭く)されていない。ブレードのような研磨(ホーニング加工)された縁部では、縁部は材料部分を押すために最小限の力で高い圧力を加える。研磨(ホーニング加工)された縁部は、極めて狭い縁部から材料を切り裂く。研磨(ホーニング加工)された縁部の有効性は、縁部の鋭さや形状に関係する。研磨(ホーニング加工)された縁部は、血管壁の分子などの分子を分離する。分子は、研磨(ホーニング加工)された縁部の部分で互いに分離する。研磨(ホーニング加工)された縁部の幅が狭ければ狭いほど、例えば原子スケールの鋭さに近ければ近いほど、縁部は材料を切断しやすくなる。
楔形切開器具の研磨(ホーニング加工)されていない半径方向外側に面する面は、有利にはわずかに鈍くすることができる。帯状体200は、血管壁300’にセレーション(鋸歯痕)、くぼみ、及び/又は微細な穿孔を形成することができる。血管壁300’内のこれらのセレーション、くぼみ及び/又は微小穿孔は、研磨(ホーニング加工)された面を用いる場合にように管腔壁を貫通する切り込みを入れるよりも望ましい。理論に拘束されるものではないが、血管壁300’のセレーション、くぼみ及び/又は微細な穿孔は、多くの力の影響下で生じ得る。帯状体200の研磨(ホーニング加工)されていない半径方向外側に面する面は、血管壁300’に対向することができる。バルーンの流体圧は、帯状体200を血管壁300’にしっかりと接触させる力を加えることができる。ある実施態様では、研磨(ホーニング加工)されていない面の幅は、流体圧力の影響下で血管壁300’を貫通するには大きすぎる。圧力は4気圧以下とすることができる。ある実施態様では、研磨(ホーニング加工)されていない面は、領域140の圧力だけでは血管壁300’に切り込むことができない。
セレーション、くぼみ及び/又は微細な穿孔は、少なくとも部分的には、ローブ120が及ぼす力によって生じ得る。理論に拘束されるものではないが、ローブ120は血管壁300’に力を及ぼし、血管壁300’を帯状体200から引き離す原因となる。ある実施態様では、血管壁300’は研磨(ホーニング加工)されていない先端部で引き離されることはない。むしろ、血管壁300’は、研磨(ホーニング加工)されていない面の高さに沿って引き離される。バルーン100の膨張の力学は、研磨(ホーニング加工)されていない面によるセレーションを促進する。バルーン100の膨張の仕組みにより、セレーション(鋸歯痕)が低圧で形成される。この場合、帯状体200にかかる圧力だけでは研磨(ホーニング加工)されていない面が貫通できない。
本明細書で説明するように、帯状体200は、各帯状体の表面に沿って間隔をあけて配置された複数の楔形切開器具からなる。帯状体200は、長手方向に連続した貫通面を構成しない。むしろ、帯状体は、微小穿孔器具間の不連続性又は空間からなる。血管壁300’は、微小穿孔器具又はその近傍でのみ帯状体200から引き離すことができる。血管壁300’は、微小穿孔器具の間の不連続面又は空間においてそのままの状態を維持することができる。これにより、帯状体200及びバルーンは、セレーション、くぼみ及び/又は微小穿孔を形成する。セレーション、くぼみ及び/又は微小穿孔は不連続とすることができる。セレーション、くぼみ及び/又は微小穿孔のパターンは、帯状体200の微小穿孔器具のパターンを反映することができる。亀裂伝播のため、セレーション、くぼみ及び/又は微小穿孔は、各微小穿孔器具の幅及び長さよりもわずかに大きくすることができる。血管壁300’は、帯状体200の複数の微小穿孔器具から引き抜かれ、それによってセレーション、くぼみ及び/又は微小穿孔が形成される。セレーション、くぼみ及び/又は微小穿孔は長手方向に配向させることができる。セレーション、くぼみ及び/又は微小穿孔は不連続であることができる。セレーション、くぼみ及び/又は微小穿孔は不連続であることができる。
セレーション、くぼみ及び/又は微小穿孔を形成する力学は、非常に複雑なプロセスである。帯状体200の形状は、結果として生じるセレーション、くぼみ及び/又は微小穿孔の形状に影響を与え得る。ローブ120においてバルーン100が及ぼす圧力は、結果として生じるセレーション、くぼみ及び/又は微小穿孔の形状に影響を与え得る。帯状体200のベース部下の領域140でバルーン100が及ぼす圧力は、結果として生じるセレーション、くぼみ及び/又は微小穿孔の形状に影響を与え得る。血管壁300’の表面は、結果として生じるセレーション、くぼみ及び/又は微小穿孔の形状に影響を与え得る。理論に拘束されるものではないが、セレーション、くぼみ及び/又は微小穿孔は、血管壁300’上及び帯状体200上の両方におけるバルーン100による圧力の影響下で、血管壁300’が微小穿孔器具の高さに沿って原子レベルで分離することによって生じ得る。
帯状体200は、血管壁300’にセレーション、くぼみ及び/又は微小穿孔が形成されると、半径方向外向きに膨張する。血管壁300’が開くと、帯状体200の外方への拡張を妨げる圧力が減少する。バルーン100は病変部全体を阻害する必要はない。むしろ、バルーンは、病変部にセレーション、くぼみ及び/又は微小穿孔を形成するために、微小穿孔器具近傍のごく小さな領域を乱す。帯状体200は血管壁300’を越えて病変部に形成されたセレーション、くぼみ及び/又は微小穿孔に侵入する。帯状体200は、セレーション、くぼみ及び/又は微小穿孔が形成されると、セレーション、くぼみ及び/又は微小穿孔に貫入する。バルーン100及び帯状体200の力学的作用により血管壁300’がセレーション、くぼみ及び/又は微小穿孔に開くと、帯状体下のバルーン100の領域140は膨張に対する抵抗が少なくなる。セレーション、くぼみ及び/又は微細な穿孔は、バルーン100の圧力の影響を受けて血管壁300’に深く拡張する。バルーン100の圧力は4気圧以下とすることができる。
血管壁300’が帯状体200に関連して図示されている。帯状体200は、破線の円で図示された血管壁300’を超える距離に亘って貫通することができる。いくつかの方法では、帯状体200は、0.25mm、0.50mm、0.75mm、1mm、又は前述の値のうちの2つの任意の範囲を延びることができる。いくつかの方法では、帯状体200は、10%、20%、30%、40%、50%、又は前述の値のうちの2つの任意の範囲など、血管壁の直径300’の割合を延長することができる。
バルーン100及び帯状体200は、鋸歯痕のラインを生成することができる。線は少なくとも初期には不連続であり得る。線は、少なくとも最初は、病変部及び/又は血管壁への不連続な穿孔であり得る。ラインは、少なくとも初期には、帯状体200上の微小穿孔器具の間隔及び分離を反映することができる。
鋸歯痕の線は内膜組織を貫通することができる。鋸歯痕の線は内膜面に入ることもある。理論に拘束されるものではないが、セレーション、くぼみ及び/又は微小穿孔は瞬時に生じるものではない。研磨(ホーニング加工)された面の場合、縁部は瞬時に面を切断する。帯状体200の研磨(ホーニング加工)されていない面とバルーン100の圧力との間の複雑な相互作用の場合、貫通は瞬間的なものではない。バルーン100の圧力は、方法によっては、楔形切開器具の面の高さに沿って引き裂きを引き起こすことがある。バルーン100の圧力は、帯状体200の下の部分140における圧力により、帯状体200のゆっくりとした外向きの移動が生じる。セレーション、くぼみ及び/又は微小穿孔は、内膜組織をゆっくりと這う。セレーション、くぼみ及び/又は微小穿孔はゆっくりと内膜面へ進入する。いくつかの方法では、セレーション、くぼみ及び/又は微小穿孔の形成には一定時間がかかる。この時間は、20秒、少なくとも20秒、20秒より長い時間、30秒、少なくとも30秒、30秒より長い時間、40秒、少なくとも40秒、40秒より
長い時間、50秒、少なくとも50秒、50秒より長い時間、60秒、少なくとも60秒、60秒より長い時間、又は前述の値のうちの2つの任意の範囲とすることができる。上記時間は、帯状体200が内側層内に着座するのに十分であり得る。この時間は、セレーション、くぼみ及び/又は微小穿孔が内側層まで延びるのに十分な時間とすることができる。
理論に拘束されるわけではないが、セレーション、くぼみ及び/又は微細な穿孔は、最初は離散的で、その後融合すると説明することができる。しかし、病的な血管壁の力学的な性質により、この現象は2段階には進行しない。むしろ、2つ以上のセレーション、くぼみ及び/又は微小穿孔がいつでも1本の線に合体する可能性がある。セレーション、くぼみ及び/又は微小穿孔は内膜層で合流することがある。セレーション、くぼみ及び/又は微小穿孔は内膜層で合流してもよい。セレーション、くぼみ及び/又は微小穿孔は、亀裂の伝播の力学のもとで合体する。亀裂の伝播は、エネルギーのバランスに基づく非常に複雑なプロセスである。クラックは、エネルギーが病変部や組織の抵抗に打ち勝ったときに、離散的なセレーション、くぼみ及び/又は微小穿孔の間を伝播する。亀裂の成長によって放出されるエネルギーが亀裂を形成するのに必要なエネルギーよりも大きい場合、セレーション、くぼみ及び/又は微小穿孔の間に線が形成される。伝播はバルーン100の動的負荷下で発生する可能性がある。伝播は圧力の影響下で発生することもある。伝播は時間の影響下で発生することもある。バルーン100の膨張の力学は、その後の亀裂の伝播を促進する。
バルーンは、4気圧以下などの低圧に維持することができる。セレーション、くぼみ及び/又は微細な穿孔を形成することができる。帯状体200は、セレーション、くぼみ及び/又は微小穿孔内に着座させることができる。帯状体200は平衡に達することができる。帯状体200はバルーン100の圧力下でそれ以上膨張することができない。帯状体200は、この低圧で一定期間保持され得る。伝播は時間に依存し得る。帯状体200は、鋸歯痕の線に沿って弱点線又は亀裂が形成されるように保持することができる。
帯状体200は、バルーン100の表面に沿って長手方向に配向される。帯状体200は、バルーン100の表面に沿って半径方向に間隔を空けることができる。帯状体200は等距離であり得る。帯状体200は、鋸歯痕の線が十分に離間するように、周方向に間隔をあけて設けられる。鋸歯痕の線の間の間隔は、周方向の亀裂伝播を防止又は低減することができる。長手方向に隣接するセレーション、くぼみ及び/又は微小穿孔の間隔は、周方向に隣接するセレーション、くぼみ及び/又は微小穿孔の間隔よりも小さい。周方向における隣接するセレーション、くぼみ及び/又は微小穿孔間の間隔は、長手方向における間隔の2倍、5倍、10倍、15倍、20倍、又は前述の値のうちの2つの任意の範囲などの倍数とすることができる。
帯状体200上の微小穿孔器具の形状は、亀裂の伝播を促進することができる。表面は矩形である。この表面は幅よりも長さの方が大きい。微小穿孔器具は、帯状体200に沿ってその間に離散的な空間を有することができる。セレーション、くぼみ及び/又は微小穿孔は、帯状体200の形状を反映することができる。セレーション、くぼみ及び/又は微小穿孔は、幅よりも長い長さを有することができる。セレーション、くぼみ及び/又は微小穿孔は、その間に離散的な空間を有することができる。理論に拘束されるものではないが、セレーション、くぼみ及び/又は微小穿孔は、例えば、セレーション、くぼみ及び/又は微小穿孔の幅に沿うよりも長さに沿うなど、より容易に長い方向に伝播することができる。
バルーン100に対する帯状体200の配向により、長手方向の亀裂伝播が促進される。バルーン100に対する帯状体200の配向により、円周方向の亀裂伝播を低減又は防
止することができる。バルーン100に対する帯状体200の配向によって、繰り返し可能で予測可能な亀裂の形成を可能にすることができる。バルーン100に対する帯状体200の配向によって、バルーン100の長さに沿って亀裂線を形成することができる。帯状体200の微小穿孔器具の形状は、亀裂の伝播方向を決定することができる。セレーション、くぼみ及び/又は微小穿孔の形状は、亀裂の伝播方向を決定することができる。
理論に拘束されるわけではないが、セレーション、くぼみ及び/又は微小穿孔は組織を弱める。弱くなった組織は最終的にバルーン100の圧力に屈する。弱くなった組織は時間の影響を受けて圧力に屈する。弱体化した組織は、セレーション、くぼみ及び/又は微小穿孔に沿って亀裂を伝播させる。セレーション、くぼみ及び/又は微小穿孔は、徐々に結合して直線状の分離線になる。セレーション、くぼみ及び/又は微小穿孔は、最初は帯状体200によって形成される。帯状体200は、線状の解剖線を形成する刃としては機能しない。むしろ、線状の分離線は、いくつかの実施例では、一連のセレーション、くぼみ及び/又は微小穿孔に沿って亀裂が伝播することによってのみ形成される。亀裂は長手方向に伝播する。バルーン100は、1つの帯状体200に対応する1つの長手方向の亀裂を形成することができる。バルーン100は、2つの帯状体200に対応する2つの長手方向の亀裂を生じさせることができる。バルーン100は、3つの帯状体200に対応する3つの長手方向の亀裂を生じさせることができる。縦方向の亀裂により、血管の直径を外側に広げることができる。亀裂が伝播すると、バルーン100は血管壁をより容易に外側に押し出すことができる。
図74Eは、通常4気圧以上で完全に膨張した直径の最終的な静止バルーンを示す。この膨張の段階において、圧力は帯状体200のベース部により大きな力を及ぼすが、帯状体は依然としてその垂直方向の配向を維持するのに役立っている。2つ目の円は、内径3mmの組織への貫通を示す円であることに注意されたい。この段階でのバルーン100は、内膜組織を貫通し、内側面に鋸歯痕の線を形成している。この段階で、医師はバルーン100を60秒間保持し、鋸歯痕の線を定着させ、本明細書で説明するセレーションの効果を開始させることができる。鋸歯状要素200が血管内に押し込まれることにより、一連の脆弱な線が鋸歯痕の線に沿って形成される。弱くなった組織は、バルーンの圧力に容易に屈する。バルーン100はより容易に病変血管を外側に押し出すことができ、鋸歯状要素200はセレーションを形成し、このセレーションはゆっくりと鋸歯状要素から引き離される直線状の分離線に結合し、動脈径を緩やかに拡大する。
バルーンは充填を続け、ローブ120内の圧力が上昇する。前段階ではローブは4気圧又はそれ以下であったが、圧力が上昇する。圧力は、例えば4気圧まで、少なくとも4気圧、4.5気圧まで、少なくとも4.5気圧以下、5気圧まで、少なくとも5気圧以下、5.5気圧まで、少なくとも5.5気圧以下、5.5気圧まで、少なくとも5.5気圧以下、5.5気圧以下、5.5気圧以下、5.5気圧以下、5.5気圧、6気圧、6気圧まで、少なくとも6気圧、6気圧を超えない、7気圧、7気圧まで、少なくとも7気圧、7気圧を超えない、8気圧、8気圧まで、少なくとも8気圧、8気圧を超えない、9気圧、9気圧まで、少なくとも9気圧、9気圧を超えない、10気圧、10気圧まで、少なくとも10気圧、10気圧以下、11気圧まで、11気圧まで、少なくとも11気圧、11気圧以下、12気圧まで、12気圧まで、少なくとも12気圧、12気圧以下、4気圧以上6気圧以下、又は前述の値の2つの範囲の圧力である。
ローブ120は、血管壁の表面に対して完全に拡張する。血管壁は、図74Dの300’から図74Eの300’’まで拡張することができる。血管壁300’’には、1つ又は複数の直線状の分離線が形成され得る。1つ又は複数の直線状の分離線は、血管壁の300’から300’’へのさらなる拡張を可能にする。いくつかの方法において、血管壁300’は、0.25mm、0.50mm、0.75mm、1mm、又は前述の値のうち
の2つの任意の範囲に亘って拡張して血管壁300’’に至る。いくつかの方法では、血管壁300’は、血管壁300’’に至るために、10%、20%、30%、40%、50%、又は前述の値のうちの2つの任意の範囲で拡張される。血管壁300’は、流体のより高い圧力のためにわずかに拡張され、ここで圧力は4気圧より大きくなり得る。
流体の圧力は、帯状体200のベース部の下の領域140に力を及ぼす。圧力は帯状体200の垂直方向の配向を維持するのを助ける。ローブの表面張力は、帯状体200の垂直方向の配向の維持を助ける。圧力により、帯状体200はバルーンカテーテル150の内側部材からさらに外側に移動する。この帯状体200のさらなる移動により、亀裂の伝播が促進される。バルーン100の膨張と亀裂伝播は相乗的である。バルーン100が膨張すると、より多くのセレーション、くぼみ及び/又は微小穿孔を連結することにより、直線状の分離線が長くなる。セレーション、くぼみ及び/又は微小穿孔が連結して線状の分離線が形成されると、バルーン100はさらに膨張することができる。線状の分離線は、内膜組織を貫通して内側面に形成され得る。
線状の分離線は内膜組織をゆっくりと這うように進む。線状の分離線はゆっくりと進む。いくつかの方法では、線状の分離線の形成には一定の時間がかかる。この時間は、20秒、少なくとも20秒、20秒より長い時間、30秒、少なくとも30秒、30秒より長い時間、40秒、少なくとも40秒、40秒より長い時間、50秒、少なくとも50秒、50秒より長い時間、60秒、少なくとも60秒、60秒より長い時間、又は前述の値の2つの任意の範囲とすることができる。時間は、帯状体200が組織層内に着座するのに十分であり得る。この時間は、線状の分離線が内側層まで延びるのに十分な時間とすることができる。この期間は、鋸歯痕の線が着座し、本明細書に記載されるようなセレーション効果を開始させるのに十分であり得る。
理論に拘束されるわけではないが、鋸歯痕の線は組織を弱める。弱くなった組織はバルーン100の圧力に屈する。弱くなった組織は時間の影響を受ける。弱くなった組織は、亀裂が鋸歯痕の線に沿って、内側層に達するまで深く伝播することを可能にする。セレーション、くぼみ、及び/又は微小穿孔は、ゆっくりと線状の分離線に結合し、鋸歯痕の線はゆっくりと組織の層を深く貫いていく。セレーション、くぼみ、及び/又は微細な穿孔は、最初は帯状体200によって形成される。線状の分離線は、一連のセレーション、くぼみ及び/又は微小穿孔に沿って亀裂が伝播することによって形成され、この亀裂は時間の経過とともに、またバルーン100がより大きな圧力をかけるにつれて深くなる。亀裂が進展すると、バルーン100は血管壁をより容易に外側に押し出すことができるようになり、鋸歯痕の線が深くなる。亀裂は、セレーション、くぼみ及び/又は微小穿孔の間を長手方向に伝播する。
理論に拘束されるわけではないが、バルーン100が膨張するにつれて亀裂は深くなる。バルーン100の圧力が高まるにつれて亀裂は深くなる。帯状体200がセレーション、くぼみ及び/又は微小穿孔内に完全に入るにつれて亀裂が深くなる。帯状体200が微小穿孔器具の高さ方向に沿ってより多くの組織を引き離すにつれて亀裂が深くなる。バルーン100が血管壁300により大きな圧力をかけ、それによって血管壁が帯状体200から引き離されるにつれて、亀裂は深くなる。理論に拘束されるわけではないが、亀裂の伝播は、研磨(ホーニング加工)されていない先端から間隔をおいて生じる。先端部自体が亀裂をさらに深くすることはない。むしろ、微小穿孔器具の長さに沿って組織が裂け、亀裂が深くなる。亀裂は微小穿孔器具の高さよりも深い。
バルーン100は、本明細書で説明するように血管のリモデリングを促進することができる。血管壁は300’’まで拡張することができる。図74Bでは、血管壁300は病的状態のために収縮している。例えば、広範な狭窄によって血管が収縮し、それによって
流れが妨げられている。セレーション、くぼみ及び/又は微小穿孔が形成されても、血管壁300’は依然として収縮することがある。血管壁300’’は、亀裂の伝播下で隣接するセレーション、くぼみ及び/又は微小穿孔の接合により形成される鋸歯痕の線により拡張することができる。鋸歯痕の線はバルーン100によって予測可能に形成される。バルーン100は、帯状体200の形状に基づいて、同じパターンのセレーション、くぼみ及び/又は微小穿孔を繰り返し形成する。バルーン100は、帯状体200の形状に基づいて、1つ又は複数の鋸歯痕の線の同じパターンを繰り返し形成する。バルーン100は、縦方向の鋸歯痕の線を繰り返し形成する。
帯状体200は血管壁の円周のごく一部しか邪魔しない。血管壁の円周と比較して、帯状体200は小さな幅を有する。帯状体200の幅は、血管壁の円周の割合、例えば1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、15%、5%未満、10%未満、又は前述の値の2つの任意の範囲とすることができる。
ローブ120の幅は、110%、111%、112%、113%、114%、115%、116%、117%、118%、119%、120%未満、115%未満、110%以上、又は前述の値のうちの2つの任意の範囲など、血管壁の円周に対して大きな割合を占めることができる。帯状体200が血管内に押し込まれると、一連の深く長い亀裂が形成される。亀裂は内側層まで延びている。亀裂は、一般に帯状体200の幅に対応する比較的薄いものである。亀裂は比較的長く、概ね帯状体200の長さに対応している。亀裂は比較的深く、帯状体200の高さより深く延びている。亀裂は研磨(ホーニング加工)されていない面を越えて延びている。セレーション、くぼみ及び/又は微小穿孔は、約60秒、65秒、70秒、75秒、80秒、85秒、90秒、95秒、100秒、115秒、110秒、115秒、120秒、125秒、130秒、135秒、140秒、145秒、150秒、155秒、160秒、165秒、170秒、175秒、180秒、60秒以上、120秒以上、180秒未満、又は前述の値の2つの範囲の時間にわたって形成され、ゆっくりと線状の分離線に結合される。
セレーション、くぼみ及び/又は微小穿孔は、時間の経過とともに、またバルーンによる圧力の増大下で、帯状体100から引き離され、その結果、線状の分離線が形成される。この直線状の分離線により、血管壁300’’の低圧膨張が可能になる。バルーン100は収縮され得る。バルーン100は血管から取り外すことができる。血管壁300’’は拡張したままである。線状の分離線は、血管の積極的なリモデリングを可能にする。線状の分離線は、実質的な内腔の拡大を可能にする。線状の分離線により、委縮が低減される。本明細書に記載されているように、血管は予想よりもはるかに少ない委縮を伴う。本明細書で述べるように、血管はリモデリングされて疾患前の状態に戻り、それによって流量が増加する。
いくつかの方法では、1つ以上のステップを逆にすることができる。バルーン100の膨張と収縮は双方向であり得る。バルーン100は膨張状態から収縮状態になることができる。バルーン100は収縮した状態から膨張した状態になることができる。垂直方向から横方向への帯状体の回転は双方向であり得る。帯状体200は垂直方向から横方向へ向かうことができる。帯状体200は横方向から垂直方向へ向かうことができる。バルーン100を膨張及び収縮させることにより、帯状体200は両方向に回転する。
図74Eは、完全に拡張された直径を有する静止した最終的なバルーン100を示す。帯状体200は垂直方向に維持されている。バルーン100は、内膜組織を貫通し、内側面に鋸歯痕の線を形成する。医師は、バルーン100を5秒、10秒、20秒、30秒、40秒、50秒、60秒、120秒、又は前述の値の2つ以上の任意の範囲を含む時間保持し、鋸歯痕の線が形成されて、セレーション効果を開始させる。バルーン100は病変
血管を外側に押し出すことができる。セレーション(鋸歯痕)は、ゆっくりと線状の分離線に結合し、鋸歯状要素から引き離される。バルーン100は動脈径を緩やかに拡張させる。
バルーン100は、通常4気圧以上で膨らませることができる。ローブ120内の圧力は最大圧力に達する。最大圧力は、4気圧、4.5気圧、5気圧、5.5気圧、6気圧、7気圧、8気圧、9気圧、10気圧、11気圧、12気圧、4気圧と6気圧との間、4気圧と8気圧との間、又は前述の値の2つ以上の任意の範囲とすることができる。ローブ120は、血管壁300’’の表面に対して膨張させることができ、それによって壁を外側に付勢する。血管壁300’’は拡張される。分断線は、本明細書に記載されるように、内腔の拡大及び血管のリモデリングを促進する。バルーン100の拡張と亀裂伝播は、血管の拡張を可能にするために共に機能する。
バルーン100は収縮を開始することができる。バルーン100は最大圧力から収縮することができる。圧力は、5秒、10秒、20秒、30秒、40秒、50秒、60秒、又は前述の値のうちの2つ以上の任意の範囲を含む期間にわたって徐々に低下することができる。低下した圧力は4気圧以下とすることができる。バルーン100は、図74Dに示すものと同様の方法で収縮させることができる。収縮中、血管壁は300’’にとどまることができる。血管壁300’’は拡張した直径を永久に保持することができる。血管壁はごくわずかに収縮することがあるが、これは従来の血管形成術よりもかなり少ない。この収縮の効果は、バルーン100によって形成される浸透性の線状の分離線によって減衰される。線状の分離線は血管壁300’’のセグメントを形成する。セグメントは線によって内側層に分離される。これらのセグメントは、直径の小さい300’又は300へと収縮する可能性が低い。
バルーン100内の圧力が低下すると、帯状体200のベース部にはより小さな力が作用する。より低い圧力であっても、帯状体200はその垂直方向の配向を維持することができる。圧力は2気圧から4気圧の間まで下げることができる。帯状体200上の鋸歯状要素は直線状の分離線から後退する。帯状体200上の鋸歯状要素は半径方向内側に後退する。収縮は膨張よりも速く起こり得る。膨張は、鋸歯後の線が形成されてセレーション効果を開始させるために遅くすることができる。永久的な直線状の鋸歯後の線が形成されるため、収縮はより速く起こり得る。帯状体200の鋸歯状要素は、拡張した血管壁300’’から容易に後退する。
バルーン100は減圧下で収縮を続ける。ローブ120内の圧力は低下する。ローブ120は約2気圧まで減少することができる。圧力は、2気圧、2.5気圧、3気圧、3.5気圧、4気圧、又は前述の値の2つ以上の任意の範囲まで低下するなど、4気圧から2気圧まで徐々に低下することができる。ローブ120は、血管壁300’’の表面に対する位置から収縮することができる。いくつかの方法では、ローブ120及び帯状体200の下の部分140はほぼ等しく収縮する。いくつかの方法では、ローブ120は帯状体200の下の部分140よりもわずかに先に収縮する。いくつかの方法では、帯状体200の下の部分140は、ローブ120よりもわずかに先に収縮する。帯状体200は、収縮の一部の間、その垂直方向の配向を維持することができる。ローブ120は、帯状体200の両側に配置され得る。ローブ120は、帯状体200の垂直方向の配向を維持する圧力を及ぼすことができる。
帯状体200は、バルーン100が収縮するにつれて徐々に内側に移動する。帯状体200はバルーンカテーテル150の内側部材に対して半径方向に収縮する。帯状体200は透過性の直線状の分離線から後退する。帯状体200は内部の弾性薄膜から後退する。帯状体200は引き込み中、ローブ120の間に配置される。帯状体200は後退中もロ
ーブ120に対する向きを維持する。ローブ120は収縮中、帯状体200を案内する。帯状体200は半径方向内側に移動する。帯状体200はバルーンカテーテル150の内側部材に向かって半径方向内側に移動する。帯状体200のベース部の下にあるバルーン100の部分140は、圧力が低下するにつれて収縮し続ける。バルーン100が収縮する間、血管壁300’’は拡張状態を維持する。血管壁300’’の膨張は、浸透性線状の分離線に起因し得る。浸透性で線状の分離線は、血管を再構成して流れを増加させる。バルーン100は、透過性で線状の分離線が形成された後の拡張状態で血管壁300’’を支持する必要はない。さらに、永久的な線状の分離線は、ステントのような管腔支持の必要性を減少させることができる。
帯状体200は、ローブ120の間の空間に後退することができる。バルーンは図74Cに示すのと同様の方法で収縮することができる。収縮中も血管壁は300’’のままである。血管壁300’’は拡張した直径を永久的に保持することができる。一部の方法では、バルーン100が収縮しても血管壁300’’は収縮しない。帯状体200は、収縮中も垂直方向の配向を維持する。帯状体200のベース部下のバルーン100の部分140は、ローブ120に対して小さい。ベース部下のバルーン100の部分140の形状は、収縮を容易にすることができる。幅の狭い帯状体200は、収縮中にローブ120の間に容易に収まることができる。帯状体200は、収縮中にローブ120に向かって流体を置換することができる。帯状体200は、ローブ120が収縮するよりも速く内側に後退することができる。帯状体200は、低圧で半径方向内方に移動するように設計され得る。ほとんどの方法において、帯状体200がローブ120の円周の下に落ちるとき、圧力は4気圧以下とすることができる。流体は、バルーン100の過半数未満を満たすことができる。ローブ120は血管壁300’’から引き離され始めることができる。ローブ120は、円周のごく一部のみが血管壁300’’に接触するように収縮し得る。圧力は低下し続けることができる。圧力は2気圧以下とすることができる。帯状体200は、低圧では垂直方向の配向のままである。
バルーン100内の圧力は、0.5気圧未満、1気圧未満、2気圧未満と低下し続けることができる。バルーン100内の圧力が低いと、帯状体200を所望の方向に折り畳むことが容易になる。低下する圧力は、帯状体200を垂直方向の配向から回転させることができる。ローブ120内の圧力は減少し続ける。ローブ120は収縮中に帯状体200に作用する。ローブ120の収縮は、帯状体200を垂直方向の配向から回転させることができる。
帯状体200の側面に対するローブ130の部分は収縮することができる。部分130は、収縮中に帯状体200を横方向に方向付けるために帯状体200に力又はトルクを加えることができる。2つの隣接するローブ120は、帯状体200に力を加えることができる。2つの隣接するローブ120は、帯状体200を横方向に配向させるための圧力を加えることができる。この収縮の段階の間、流体の圧力は2気圧未満であり得る。圧力の損失は、帯状体200を回転させるのに十分であり得る。帯状体200は、図74Cに示される垂直方向の配向から図74Bの横断配向へと回転する。バルーン100は、帯状体200が回転する際に、1つ以上の中間配向を含み得る。バルーン100の収縮と組み合わせた側壁のこの傾斜は、帯状体200の配向の効果的な制御を可能にする。ローブ120が帯状体200に近い領域で収縮することにより、帯状体200は、最適化された横方向へ効果的に配置される。血管壁300’’は、このバルーン100のさらなる収縮の間、拡張されたままであることができる。バルーン100及び帯状体200は、血管壁300’’と接触しないようにすることができる。帯状体200は、帯状体200及びローブ120の形状を含むバルーン100の収縮の力学に部分的に起因して折り畳まれ得る。帯状体200は、バルーン100が収縮する際に、平坦化され、回転した状態を取り得る。帯状体200は、バルーン100が収縮する際に回転を受ける。帯状体200は自己配向
性を有すると考えることができる。帯状体200は、収縮中に適切な向きに回転する。ローブ120は、収縮中に帯状体200の反復可能かつ予測可能な配向を提供する。
図74Aに示すように、帯状体200は横方向へ回転する。帯状体200は接線方向に戻る。帯状体200は、バルーン材料の翼部110の下に配置され得る。ローブ120が収縮すると、ローブ120は帯状体200を部分的に覆うことができる。バルーン100は、拡張した血管壁300’’内で収縮することができる。この一連の図を逆にすると、その後の収縮を示すことができる。帯状体200はバルーン100の収縮中に回転する。帯状体200は、送達方向又は接線方向に戻る。帯状体200は、収縮後、バルーン100によって少なくとも部分的に又は完全に覆われ得る。帯状体200は収縮後に横たわる。バルーンの収縮により、帯状体200は垂直方向の配向から接線方向の配向に回転することができる。帯状体200は拡張した血管壁300’’内で回転することができる。
バルーン100は、薄型に折り畳むことができる。バルーン100は、1つ以上のプリーツを含むことができる。プリーツの数は、帯状体200の数に対応させることができる。プリーツは、バルーンが収縮したときに帯状体200を少なくとも部分的に覆うように設計することができる。帯状体200は、バルーンが収縮したときに、プリーツとバルーンの表面との間に配置され得る。プリーツは、翼部110を形成することができる。翼部110は、バルーンが収縮したときに帯状体200の一部を覆うバルーン100の一部であり得る。帯状体200は、バルーンが収縮すると、バルーン100によって少なくとも部分的に覆われる。帯状体200は、血管からの除去のためにバルーン100によって少なくとも部分的に覆われる。帯状体200は、血管内の別の場所への移動のために、バルーン100によって少なくとも部分的に覆われる。バルーン100、特に翼部110は、血管内での移動中又は回収中に、血管の内腔と帯状体200との間の緩衝材としての役割を果たすことができる。バルーン100は帯状体200の先端を覆うことができる。帯状体200の先端は、移動中又は回収中に血管壁を保護するために覆うことができる。帯状体200は、移動中又は回収中に接線方向に位置することができる。接線方向は、帯状体200が薄型の回復構成を有することを可能にする。
バルーン100は、同じ血管内の別の場所に配置され得る。バルーン100は収縮させた状態で移動させることができる。その後、バルーン100を膨張させて永久的な直線状の分離線を形成することができる。バルーン100は、回収することなく同じ血管内で再び展開させることができる。バルーン100は同じ血管内で長手方向に移動させることができる。同じ血管内でバルーン100を回転させることができる。バルーン100は、血管に沿った2箇所以上に永久的な直線状の分離線を形成することができる。バルーン100は、その後、2箇所以上に沿って収縮及び膨張させることができる。
いくつかの方法では、第一の位置からの永久的な直線状の分離線と第二の位置からの永久的な直線状の分離線とを合体させることができる。例えば、バルーン100を帯状体200の長さにほぼ等しい血管内で長手方向に移動させることができる。バルーン100は長手方向に移動させることはできるが、回転させることはできない。第1の位置からの永久的な線状の分離線は、第2の位置の永久的な線状の分離線と整列することができる。バルーン100は、その後の展開によって、帯状体200の長さよりも長い永久的な線状の分離線を形成することができる。バルーン100は、その後に収縮及び膨張させて、所望の長さの永久的な線状の分離線を形成することができる。
バルーン100は、別の血管内の別の位置に配置することができる。バルーン100は隣接する血管に移動させることができる。バルーン100を対をなす血管に移動させることができる。バルーン100は収縮させた状態で移動させることができる。その後、バルーン100を膨張させて永久的な直線状の分離線を形成することができる。バルーン10
0は、回収前に2本以上の血管を再構成することができる。バルーン100は、2箇所以上に永久的な線状の分離線を迅速に形成することができる。
バルーン100は患者の血管系から回収することができる。バルーン100は血管系を通して移動させることができる。バルーン100は収縮した状態で移動させることができる。バルーン100は、送達構成と同様の低プロファイル構成を有することができる。帯状体200は回収時に少なくとも部分的に覆うことができる。
図75は、プレーンオールドバルーン血管形成術(POBA)及び鋸歯バルーン(セレーションバルーンともいう)100のデータについて、治療後/治療前の流量比及び治療前の半径の片対数プロット図である。この図は、治療前の半径に対する治療後と治療前の流量比を示す。y軸は、処理前流量に対する処理後流量の流量比である。x軸はミリメートル単位の処理前の半径である。症例は治療前の狭窄が99%以下であった。治療前の半径が非常に小さい場合、流量比は大きくなる。POBAのデータは青で示されている。鋸歯バルーン100のデータはオレンジ色で示されている。POBAのサンプルサイズは20である。鋸歯バルーンのサンプルサイズは9である。POBAと鋸歯バルーンのベストフィット線が示されている。グラフは片対数プロットである。鋸歯バルーンはPOBAよりも高い体積流量を形成している。鋸歯バルーンの方が、試験された全ての処理前の半径において、処理前と処理後の体積流量比が高い。
鋸歯バルーン100には数多くの利点がある。鋸歯バルーン100は、あらゆる血管サイズに対して一貫して高い流量をもたらすことができる。鋸歯バルーン100は流量を増加させることができる。鋸歯バルーン100は、POBAと比較して、直線状の分離線を形成した後、流量を増加させることができる。理論に縛られるわけではないが、POBAは血管壁の単純な膨張に依存している。POBAは圧力を高めて血管壁を外側に押し出す。POBAは血管壁をリモデリングしない。むしろPOBAは、病的な壁部を物理的に外側に押し出す高圧の力を加える。POBAでは、バルーンを外すと血管は収縮(径が減少)する。このことは、結果として生じる流速比によって示される。POBAは血管を通過する流量を増加させるが、鋸歯バルーン100は一貫してより大きな流量比を生み出す。オレンジ色のベストフィット線は、常に青色のベストフィット線を上回っている。いずれの処理前の半径においても、鋸歯バルーン100はより大きな流量比を生み出す。この流量比は、POBAよりも2倍、3倍、4倍、5倍、6倍、7倍、8倍、9倍、10倍、又は前述の値の任意の範囲で大きくすることができる。0.15mm未満のような小さな処理前の半径の場合、鋸歯バルーン100はPOBAと比較して流量比を最大10倍まで増加させることができる。
鋸歯バルーン100は、より予測可能な結果を導くこともできる。鋸歯バルーン100の流量比は、全てのデータポイントでベストフィットの直線に近い。POBAの流量比はデータポイントにばらつきがある。POBAのデータポイントにこのようなばらつきがあるのは、予期せず直径が大きくなる現象が原因である可能性がある。POBAは鋸歯バルーン200よりも上記現象が生じやすい。POBAは高圧のため、予測できない裂け目が生じる。このようにPOBAのデータポイントがばらつくのは、血管の状態によって収縮の程度が異なるためと考えられる。POBAは単純な膨張と収縮である。POBAは鋸歯バルーンよりも収縮が生じやすい。POBAのデータポイントにばらつきがあるのは、POBAの一時的な性質に起因している。POBAはバルーンが膨張している間、血管の拡張状態をサポートするだけである。POBAは予測可能で永続的な方法で血管をリモデリングするわけではない。
鋸歯バルーン100はデータポイントのばらつきが非常に少ない。鋸歯バルーン100のこのばらつきの少なさは、直線的な分離線が予測可能かつ繰り返し作成可能であること
に起因すると考えられる。分離線は長さに比べて幅が狭い場合がある。分離線は、血管の周長と比較して狭い幅を有することができる。分離線は狭い幅を有することができ、それによって血管壁の表面を乱すことが少なくなる。鋸歯バルーン100は、POBAよりも低い圧力で予測可能な分離線を形成する。鋸歯バルーン100のこのようなばらつきの少なさは、反動が少ないことに起因すると考えられる。血管が小さな直径や断面に戻りにくくなる。分離線は、病変部又はプラークの完全性を妨げることなく、血管壁が拡張するための余地を提供する。切分離線は、流体の流れの下で血管が拡張するための柔軟性を提供する。鋸歯バルーン100のこのようなばらつきの少なさは、鋸歯バルーン100によって形成される線状の鋸歯痕の線が永久的な性質を持つことに起因している可能性がある。鋸歯バルーン100は、1本以上の恒久的かつ予測可能な鋸歯痕の線を追加することにより、血管壁を恒久的に変化させる。鋸歯バルーン100は、永久的かつ予測可能な方法で血管を再形成する。このリモデリングにより、鋸歯バルーン100のデータポイントのばらつきが少なくなる。
処理前の半径が0.05mmから0.15mmの場合、鋸歯バルーン100は処理前に対する処理後の流量比を1000から10000の間で増加させることができる。処理前の半径が0.15mm~0.25mmの場合、鋸歯バルーン100は処理前に対する処理後の流量比を100~1000の間で増加させることができる。処理前の半径が0.25mm~0.35mmの場合、鋸歯バルーン100は処理前に対する処理後の流量比を100~1000の間で増加させることができる。処理前の半径が0.35mm~0.45mmの場合、鋸歯バルーン100は処理前に対する処理後の流量比を10~1000の間で増加させることができる。鋸歯バルーン100は、POBAと比較して高い流量比を実現する。鋸歯バルーン100は、POBAよりも処理後の流量を大幅に向上させる。
図76は、データセットに99%又は100%の閉塞前の狭窄を組み込んだ場合の、プレーンバルーンと鋸歯バルーンの治療後の狭窄の割合を比較したグラフである。この図は、治療前の狭窄が99%又は100%であった症例について、治療後と治療前の腎血管疾患(RVD)の狭窄の割合を示している。プレーンオールドバルーン血管形成術(POBA)は青色で示されている。鋸歯バルーン100はオレンジ色で示されている。POBAと鋸歯バルーンのベストフィット線が示されている。この図は、5つのPOBAバルーンと8つの鋸歯バルーンの治療後の狭窄率をデータポイントで比較したものである。y軸は内腔の拡大を示し、x軸は血管寸法を示している。内腔の拡大は、治療前に対する治療後の狭窄の割合である。鋸歯バルーンの場合、内腔の拡大は試験した全ての動脈寸法で一貫して20%前後であった。POBAの場合、内腔の拡大率は動脈の寸法によって異なる。治療前の狭窄は99%又は100%閉塞であった。このデータから、セレーション血管形成術は血管径に関係なく安定した、より再現性のある内腔の拡大を提供する傾向があると解釈できる。
鋸歯バルーン100は多数の利点を有することができる。鋸歯バルーン100は治療後の狭窄の割合が一定である。鋸歯バルーン100の治療後の狭窄の割合は約20%であり得る。鋸歯バルーン100の治療後の狭窄の割合は10%から30%の範囲である。ほとんどのサンプルは19%から23%であった。POBAの治療後の狭窄率は20%から50%の範囲である。
鋸歯バルーン100は、全ての治療前のRVDに対して一貫した狭窄の割合を有することができる。鋸歯バルーン100の変動は20%未満であり得る。鋸歯バルーン100のばらつきは約15%から約29%の範囲であり得る。POBAでは、治療前のRVDによって結果が大きく異なる。POBAのばらつきは20%以上であり、その範囲は約20%~48%であった。これらの結果は治療前の狭窄が99%の症例で一貫していた。これらの結果は治療前の狭窄が100%の症例でも一貫していた。
鋸歯バルーン100は、一貫した内腔の拡大を得ることができる。全ての動脈寸法において、内腔の拡大は驚くほど一貫していた。鋸歯バルーン100のベストフィット線は平坦である。鋸歯バルーンは一貫した内腔の拡大を示した。POBAは、内腔の拡大に一貫性がなかった。試験した全ての動脈寸法で、内腔の拡大に大きなばらつきが見られた。POBAの最良適合線は、動脈の寸法が大きくなるにつれて内腔ゲインが増加する。内腔の拡大はより太い動脈ほど大きい。内腔の拡大度は20%から50%の間で変化した。
鋸歯バルーン100は、試験した全ての動脈寸法にわたって安定した結果をもたらす。セレーション血管形成術は、POBAと比較して、より再現性のある内腔の拡大を提供する傾向がある。セレーション血管形成術は、動脈寸法に関係なく、より再現性のある内腔の拡大を提供する傾向がある。POBAの場合、血管の内腔の増大は血管径に依存するようである。
治療前のRVDが1.5mm以上2mm以下の場合、鋸歯バルーン100は治療後の狭窄率が10%以上20%以下となる。治療前のRVDが2mm以上2.5mm以下の場合、鋸歯バルーン100の治療後の狭窄率は10%以上30%以下となる。治療前のRVDが2.5mm~3.0mmの場合、鋸歯バルーン100は治療後の狭窄率が20%~30%となる。治療前のRVDが3.0mm以上3.5mm以下の場合、鋸歯バルーン100は治療後の狭窄率が20%以上30%以下となる。治療前のRVDが3.5mmから4.0mmの場合、鋸歯バルーン100の治療後の狭窄率は20%から30%となる。鋸歯バルーン100は、POBAと比較して治療後の狭窄率が安定している。
図77A~77Bは、鋸歯バルーン100技術による治療前後に動脈内から撮影された一連の画像であり、血管壁全体に鋸歯痕を含む動脈のポジティブなリモデリングを示している。
図77Aは、後脛骨動脈の血管造影及び血管内超音波(IVUS)画像を示す。介入前の画像は、びまん性の円周方向の表在性石灰化を示した(上部の血管形成術の画像、A-D)。介入後の画像はセレーション血管形成術後の動脈を示す。介入後の画像は黄色の矢印で示したスリットを示す(下部の血管形成術の画像、A’-D’)。表在カルシウムのスリットにより、剥離することなく内腔を拡大することができる。介入前と介入後の画像を左側に沿って示す。介入前の画像のA、B、C、Dの位置を示す。介入後の画像におけるA’、B’、C’、D’の位置を示す。この図は、セレーション血管形成術前とセレーション血管形成術後の病変部の血管造影とIVUS画像を示す。左の画像セットでは、介入前が右に、介入後が左に示されている。介入前と介入後の両方に対応する画像セットは右側の上下のパネル(それぞれ)にある。この図はIVUSによって収集された一連の断面像の下側のパネルにおけるセレーション効果を示している。この図はまた、左の画像の動脈流の平面図によって、セレーション効果がいかに内腔の拡大と血流を改善したかを示している。
図77Bは、血管造影及び光干渉断層計(OCT)を示す。この図には、セレーション血管形成術前後の病変部の血管造影画像と光干渉断層計(OCT)画像の両方が含まれている。治療前の画像は血管に沿って血流が遮断されていることを示している。介入後の画像はセレーション血管形成術後の血管を示す。介入後の画像は白の矢印で示したスリットを示す。左の画像セットでは、介入前が右のペインに、介入後が左のペインに示されている。セレーション血管形成術前と後の両方に対応する画像セットは右側の上下のパネル(それぞれ)にある。この図は、OCTによって収集された一連の断面画像の下側のパネルにおけるセレーション効果を示している。この図はまた、左の画像の動脈流の平面図によって、セレーション効果がいかに内腔の拡大と血流を改善したかを示している。
血管のリモデリングは血管の構造の変化を含むことができる。鋸歯バルーン100は線状の鋸歯痕の線を形成することにより血管壁の構造を変化させることができる。鋸歯バルーン100は病変部などの疾患部位の血管の大きさを変化させることができる。鋸歯バルーン100は血管の断面寸法又は直径を増大させることができる。血管を拡張することにより、血管を積極的にリモデリングすることができる。リモデリングされた血管は、流れを大きくすることができる。鋸歯バルーン100は、血管が内腔の大きさを維持するように血管をリモデリングすることができる。鋸歯バルーン100は、蓄積した病変にもかかわらず拡張した血管を促進することができる。
鋸歯バルーン100は、血管内に重要な構造的な変化を生じさせる線状の亀裂を生じさせることができる。鋸歯バルーン100は内膜層を通り越して亀裂を生じさせることができる。鋸歯バルーン100は、内膜層に線状の亀裂を生じさせることができる。鋸歯バルーン100は内部弾性薄板に変化を生じさせることができる。鋸歯バルーン100は内膜に変化を生じさせることができる。鋸歯バルーン100は中膜に変化を生じさせることができる。
鋸歯バルーン100は心血管系の病態の進行を改善することができる。狭窄は、血管が沈着物によって狭くなる動脈硬化によって引き起こされる可能性がある。これらの沈着物は、時間の経過とともに硬化するプラークのような脂肪沈着物であることがある。鋸歯バルーン100はこの閉塞を改善することができる。鋸歯バルーン100は、沈着物を大きく破壊することなく血管を拡大することができる。鋸歯バルーン100は血管壁をセグメントに分離する。血管壁の隣接するセグメントは、内側層まで延びる亀裂によって分離される。理論に拘束されるものではないが、亀裂があることで、セグメントを圧力下でより容易に拡張させることができる。亀裂があることで、セグメントの血流が劇的に改善される。亀裂は、セグメントが反動で小径に収縮するのを防ぐことができる。
図77A及び図77B(左側のパネル)の血管形成術画像は、鋸歯バルーン100による介入前及び介入後を示している。鋸歯状となる位置が介入前の左パネルに示されている。右のパネルには介入後の同じ位置が示されている。鋸歯バルーン100は血管を再形成する。鋸歯バルーン100は血管の長さに沿って位置A’-D’間に亀裂を生じさせることができる。亀裂は位置A’-D’間で連続することができる。亀裂は血管の長さの一部に沿って長手方向に延びることができる。血管の内腔の拡大は黒くなった血管で確認できる。血流は回復する。鋸歯バルーン100は内腔の拡大を実現する。鋸歯バルーン100は血管を拡張する。鋸歯バルーン100は血流を増加させる。図77A及び77Bの血管形成術画像の動脈流の平面図はこの改善を示している。
図77AのIVUS画像(右側のパネル)は、鋸歯バルーン100による介入前と介入後を示している。鋸歯バルーンが挿入される位置が介入前の上側のパネルに示されている。これらの同じ位置が介入後の下のパネルに示されている。矢印は、鋸歯バルーン100によって形成された亀裂を指す。線状の分離線は断面A’~D’を通って延びている。線状の分離線は内膜を通って内側層まで伸びている。線状の分離線は血管壁へのスリットのように見える。線状の分離線はプラークや他の沈着物を貫通して延びている。線状の分離線は硬化部や石灰化部を通過することもある。硬化又は石灰化した部分は内膜に沿って白く示されている。硬化部や石灰化部は、セレーションバルーン技術によってほとんど無傷のまま維持される。硬化部や石灰化部は狭い亀裂の部分でのみ障害される。
鋸歯バルーン100は血管を再形成する。鋸歯バルーン100は内腔を拡張させることができる。内腔(管腔)の拡大は、各位置における断面の比較によって確認できる。例えば、第一の位置(介入前についてはA、介入後についてはA’とする)では、内腔の断面
寸法を増大させることができる。方法によっては、管腔の形状を変えることもできる。内腔は楕円形から丸みを帯びた形状に変化する。内腔は疾患前の形状に戻ることができる。内腔は疾患前の直径又は断面に戻ることができる。
図77B(右側のパネル)のOCT画像は、鋸歯バルーン100による介入前と介入後を示している。鋸歯状になる位置が介入前の上部パネルに示されている。これらの同じ位置が介入後の下側のパネルに示されている。矢印は、鋸歯バルーン100によって形成された亀裂を指す。線状の分離線は内膜を貫通して内側層まで伸びている。線状の分離線は血管壁へのスリット又はチャネルとして現れる。この図に最も明瞭に示されているように、線状の分離線はV字型チャネルを形成することができる。線状の分離線はプラークや他の沈着物を貫通して延びることもある。
鋸歯バルーン100は血管を劇的に再形成する。鋸歯バルーン100は内腔を拡張させることができる。内腔の拡大は、各位置における断面の比較によって確認できる。例えば、第2の位置(最も右の位置として示す)では、内腔の断面寸法が増大する。この内腔の増大は、介入前と比較した介入後の流量の比率を100%、1000%、10,000%、100,000%、又は前述の値のうちの2つの任意の範囲で増大させるなど、劇的なものとすることができる。方法によっては、内腔の形を変えることもできる。内腔は、血管によって通常収容される血液の流れを収容するように拡張することができる。方法によっては、セレーション技術の後、流体の流れそのものによって内腔を拡大することもできる。血液の流れは血管の内腔を通って回復する。
鋸歯バルーン100を取り外した後も、内腔はこの拡張した形状を維持することができる。鋸歯バルーン100は介入技術である。鋸歯バルーン100は、ほとんどの方法では拡張後も患者の体内に留まることはない。鋸歯バルーン100は除去される。POBAの場合、POBAが取り除かれると血管は収縮する。血管がPOBAの圧力で支えられていない場合、血管は反動で直径が小さくなる(収縮する)。硬化したプラークは、介入前の直径に戻すように血管を収縮させる機能を果たすことができる。鋸歯バルーン100では、血管の収縮は劇的に小さくなる。血管は直線的な鋸歯痕の線によって永久的に変化するため、収縮はそれほど大きくならない。血管が収縮しないのは、プラークがセグメントに分離されているからである。プラークが線状の鋸歯痕の線によって中断されるため、プラークが戻る能力が低下する。
図78A~78Bは、プレーンバルーン技術(POBA)とセレーションバルーン100技術の内腔の拡大の比較を示す。図78Aは、最終的な残存狭窄に対するセレーションとPOBAを示す。青の棒は狭窄前のパーセンテージを示し、緑色の棒は狭窄後の割合を示す。セレーションバルーンのサンプルサイズは17であった。セレーションバルーンの狭窄前割合は平均86.2%であった。セレーションバルーンの狭窄後割合は平均17.2%であった。POBAのサンプル数は25であった。POBAの狭窄前割合は平均81.4%。POBAの狭窄後割合は平均33.7%であった。セレーションバルーン100では、POBAと比較して最終狭窄が49%改善した。この図は、通常のプレーンバルーン(POBA)とセレーションバルーンの効果による内腔の拡大の比較を示している。どちらの動脈セットも治療前の狭窄量はほぼ同じで、セレーション血管形成術は通常のプレーンバルーン単独よりも最終狭窄を49%改善している。最終狭窄の低下は内腔径の増大と直接相関している。
セレーションバルーン100には多数の利点がある。セレーションバルーン100は最終的な残存狭窄を劇的に低くすることができる。セレーションバルーン100とPOBAは介入前の狭窄率が高い血管に使用された。セレーションバルーン100を使用したサンプルでは、インターベンション前の平均狭窄率は86.2%であった。POBAを用いた
サンプルでは、介入前の平均狭窄率は81.4%であった。セレーションバルーン100は顕著な内腔拡大効果を示した。セレーションバルーン100の治療後の平均狭窄率は17.2%であった。POBAのインターベンション後の平均狭窄率は33.7%であった。POBAの内腔拡大はかなり小さかった。セレーションバルーン100ははるかに大きな内腔の増加を示した。
セレーションバルーン100はPOBAと比較して最終的な狭窄が改善された。最終的な残存狭窄は49%改善された。最終的な残存狭窄は、POBAと比較して、10%、少なくとも10%、20%、少なくとも20%、30%、少なくとも30%、40%、少なくとも40%、50%、少なくとも50%、60%、少なくとも60%、又は前述の値のうちの任意の2つの範囲で改善され得る。
図78Bは、重度の石灰化とそれ以下の石灰化(例えば、なし、軽度、又は中等度)とのセレーション技術の比較を示す。血管はセレーション血管形成術用の鋸歯バルーン100で処置された。y軸は内腔の拡大を示す。重度の石灰化のサンプル数は7であり、石灰化なし、軽度、中等度のサンプル数は18とした。重度の石灰化の平均内腔拡大は3.45mmであった。軽度の石灰化の平均内腔拡大は3.33mmであった。この図は、重度の石灰化病変を有する血管と、石灰化病変を有さない/軽度/中等度の血管との内腔長を比較したものである。両病型ともほぼ同じ内腔増加量を示す。石灰化の程度に関係なく、セレーション血管形成術は効果的な内腔拡大と病変部のポジティブなリモデリングをもたらす。図76、78A及び78Bはセレーション血管形成術がより大きな内腔を形成できることを示している。
鋸歯バルーン100は、試験した全ての石灰化において安定した結果をもたらす。セレーション血管形成術は、重度の石灰化病変と、そうでない/軽度/中等度の石灰化病変とで、より再現性のある内腔の拡大を提供する傾向がある。理論に限定されるものではないが、鋸歯バルーン100は、血管壁の病変状態に関係なく、内側層に亀裂を生じさせる。鋸歯バルーン100は、血管壁の病的状態に関係なく、亀裂の間で血管壁をセグメント化する働きをする。これらのセグメントは血管壁の病的状態に関係なく拡張しやすくなる。セレーション血管形成術は、石灰化とは無関係に、より再現性のある内腔の拡大を提供する傾向がある。POBAの場合、内腔拡大は石灰化に依存する可能性がある。石灰化は反動を引き起こす可能性があり、POBAが圧力をかけている間に経験した内腔の拡大は減少する。
図79は、カテーテルのハブを起点とするカテーテル先端への力の変換を比較したグラフである。鋸歯バルーン100は、バルーンの外側に金属を使用した他の技術よりも、バルーン本体に亘って先端まで大きな力を伝達することができる。比較対象は、セレーション血管形成術(Serrantor(登録商標))レール血管形成術(Angiosculpt(登録商標))と拘束血管形成術(Chocolate(登録商標))である。セレーション血管形成術は青い菱形で示している。レール血管形成術はオレンジ色の四角で示されている。拘束血管形成術は灰色の三角形で示す。ベストフィットの線が示されている。y軸はグラム単位の出力である。x軸はサンプル数である。この図は、カテーテルハブからバルーンに亘ってカテーテル本体に沿ってカテーテル先端まで力を並進させる異なる技術の比較を示している。バルーン全体への力の伝達を補助する効果的な縦方向の支持構造がバルーンにない場合、カテーテルから先端への柱力の伝達はバルーン全体ですぐに失われる可能性がある。プリーツ加工や折り畳み加工を施すことで、バルーンの柱強度の一部を向上させることができる。セレーション血管形成術では、鋸歯バルーンに亘る直線的な一体型帯状体が、ハブから先端までバルーンを横断する力の変換に独自の利点とサポートを提供する。
鋸歯バルーン100は多数の利点を有することができる。帯状体200はバルーン100の柱強度を高めることができる。帯状体200は長手方向に配置することができる。帯状体200は、カテーテルのハブからカテーテルの先端まで力を伝達できるようにすることができる。帯状体200は、バルーン100を長手方向に強化することができる。
帯状体200はバルーン100の配置を容易にすることができる。帯状体200は長さに沿ってバルーンを硬くすることができる。帯状体200は、バルーンが座屈することなく押し込まれることを可能にする。帯状体200は、帯状体の長手方向軸に垂直な方向に可撓性を有することができる。帯状体200は、バルーン100が血管系を移動する際にバルーン100が左右に撓むことを可能にし得る。
帯状体200は、図74Aに示す配送構成において柱強度を向上させることができる。帯状体200は横向きにすることができる。帯状体200は支持支柱として機能することができる。帯状体200は、折り畳まれプリーツ加工された構成において柱強度を有することができる。帯状体200は、横方向に配向されたときに支柱強度を有することができる。帯状体200は、挿入構成又は配送構成にあるときに支柱強度を有することができる。帯状体200は、バルーン100の翼部110の下に折り畳まれたときに柱強度を有することができる。
帯状体200は、図74B~74Eに示したどのような構成でも柱強度を向上させることができる。帯状体200は横方向にあまり配向されないようにすることができる。帯状体200は垂直方向に配向され得る。帯状体200は、拡張された構成において柱強度を有することができる。帯状体200は、垂直に配向された場合に柱強度を有することができる。帯状体200は、血管壁を貫通する際に柱強度を有することができる。帯状体200は、セレーションに着座したときに柱強度を有することができる。
図80は、さまざまな臨床部位における、セレーションバルーンカテーテルを用いたセレーション血管形成術の解離(剥離)発生率の低さを示している。この図では、さまざまな医師が参加した施設において、セレーション血管形成術の解離発生率は低かった。第1部位のサンプル数は4であった。第2部位のサンプル数は8であった。第3部位のサンプル数は17であった。第5部位のサンプル数は11であった。第6部位のサンプル数は6であった。第7部位のサンプル数は7であった。合計53のサンプルがあった。大半のサンプルでは解離が生じなかった。第2,3,5,7部位では、Aタイプの解離の割合が少なかった。第1,2,6,7部位では、Bタイプの解離の割合が少なかった。第2部位では、Dタイプの解剖の割合が少なく、不明解剖の割合も少なかった。第2部位は、バルーン径が基準血管径の2倍以上の場合にDタイプの解離を認めた。
鋸歯バルーン100には多くの利点がある。鋸歯バルーン100は解離(剥離)の可能性を大幅に減少させることができる。鋸歯バルーン100は、低圧で病変部の内腔(管腔)を拡大させることができる。鋸歯バルーン100は、低圧でセレーション、くぼみ及び/又は微小穿孔を形成することができる。鋸歯バルーン100は、2気圧から4気圧の間の圧力でセレーション、くぼみ、及び/又は微細な穿孔を形成することができる。鋸歯バルーン100は、低圧での亀裂伝播を促進することができる。鋸歯バルーン100は、4気圧以上の圧力で亀裂の伝播を促進することができる。鋸歯バルーン100は、POBAよりも低い圧力での亀裂伝播を促進することができる。鋸歯バルーン100は、多数の実質的な解離(剥離)や隆起皮弁(フラップ)を生じさせることなく、直線的な鋸歯痕の線を形成することができる。各部位における介入の大部分において、解離(剥離)は見られなかった。
鋸歯バルーン100は、プラークをより均一かつ円滑に拡張させることができる。鋸歯
バルーン100は、プラークを含んでも含まなくてもよい血管壁のセグメントを形成する。鋸歯バルーン100は、容易に拡張又は押し広げられるセグメントを形成する。鋸歯バルーン100は、独立して拡張可能なセグメントを形成する。鋸歯バルーン100は、少ない力で拡張可能なセグメントを形成する。鋸歯バルーン100は、方法によっては、流体の流れの下で拡張可能なセグメントを形成する。鋸歯バルーン100は、より低い圧力で拡張可能なセグメントを形成する。鋸歯バルーン100は、ランダムな亀裂の形成を有利に回避する。鋸歯バルーン100は、予測可能な直線状の鋸歯痕の線を形成する。鋸歯バルーン100は、繰り返し可能な直線状の鋸歯痕の線を形成する。
鋸歯バルーン100は、血管の損傷を最小限に抑えながら、動脈径を有利に増大させる。鋸歯バルーン100は、血管形成術の作用機序の利用に対する革新的なアプローチを有利に含む。鋸歯バルーン100は有利に体積流量を増加させる。鋸歯バルーン100は、有利には、解離(剥離)及び他の形態の血管損傷の程度を最小化する。鋸歯バルーン100はステントの必要性を有利に減少させる。鋸歯バルーン100は血管形成術と、動脈の内膜に沿った長手方向のセレーションとを有利に組み合わせる。鋸歯バルーン100は血管形成術単独の作用機序を有利に変化させる。
鋸歯バルーン100は有利なことに血管形成術とセレーションの特徴を兼ね備えている。鋸歯バルーン100は、有利なことに、血流の改善を達成するために最小限の大気圧しか必要としない。鋸歯バルーン100は、鋸歯バルーン100に一体化された一組の帯状体200を含むことができる。鋸歯バルーン100は、バルーン100が膨張すると、有利なことに、内膜に沿って一連の鋸歯痕の線を生成する。帯状体200は中膜を貫通することができる。鋸歯バルーン100は有利に鋸歯痕の線を形成する。鋸歯バルーン100は、有利なことに、血管形成術のエネルギーが、動脈軸に沿って配向された脆弱な線に沿うように促進する。内腔が拡大するにつれて、内膜及び内側組織はより穏やかかつ予測可能に分離する。内腔が拡大するにつれて、内膜と内側組織は分離し、修復された狭窄病変を通過するより効果的な血流が可能になる。亀裂は内膜を越えて広がることがある。亀裂は内膜層にまで及ぶことがある。亀裂は内部の弾性薄板を貫通することがある。亀裂は内膜層まで達することがある。
体積流量は動脈の断面に大きく依存する。末梢動脈の場合、内腔の直径を制約のない直径に戻すと流量が増加する。鋸歯バルーン100は有利なことに、一貫した予測可能な方法でより大きな内腔を生成する。鋸歯バルーン100は、他の形態の血管形成術と比較して、より高い体積流量を有利に生成する。セレーション血管形成術がより高い体積流量を達成する能力は、血管のリモデリングに関連して説明することができる。鋸歯バルーン100は、有利には、適合性、流体力学及び内径のうちの1つ以上を含む血管挙動が改善されるように、疾患血管を治療する。鋸歯バルーン100は、有利なことに、内部弾性薄膜を鋸歯状にすることができる。鋸歯バルーン100は、有利なことに、バルーン圧力下で内部弾性薄膜を弛緩させることができる。鋸歯バルーン100は、有利なことに、処置された病変部位の乱れやざらつきを少なくすることができる。鋸歯バルーン100は、有利なことに、処置された患部領域が流れの中断又は乱れをより少なくすることを可能にする。鋸歯バルーン100は有利に壁面摩擦を低減する。鋸歯バルーン100は流れ抵抗を有利に低減する。鋸歯バルーン100は、セレーション血管形成術を単独の治療法として使用することを可能にする。鋸歯バルーン100は、セレーション血管形成術を併用療法として使用することを有利に可能にする。鋸歯バルーン100は、有利なことに、血管又は疾患の不連続性又は流れの中断の外観を最小限又は全く伴わずに、動脈の外形及び流れの動態をもたらす。鋸歯バルーン100は有利なことに、血管の積極的なリモデリングを可能にする。
鋸歯バルーン100は体積流量を有利に改善する。鋸歯バルーン100は、治療前のR
VD(治療前)に対して、残存狭窄を有利に改善する。鋸歯バルーン100は、有利なことに一貫してPOBAを上回る。鋸歯バルーン100は、狭窄病変に対して、POBAに対して少なくとも2倍の平均流量比を有利に達成する。鋸歯バルーン100は、狭窄病変の残存狭窄を有利に少なくとも50%減少させる。その他の利点も本明細書に開示されている。
鋸歯バルーン100は、血管形成術用バルーンカテーテルのあらゆる技術を組み込むことができる。鋸歯バルーン100は末梢動脈疾患の患者を治療することができる。鋸歯バルーン100は現在の治療に取って代わることができる。鋸歯バルーン100は、使い慣れたバルーンカテーテルの技術に基づいて構築することができる。鋸歯バルーン100は現在の治療と併用することができる。鋸歯バルーン100は、その後の血管形成術治療をより効果的にすることができる。鋸歯バルーン100は薬剤コーティングバルーン治療をより効果的にすることができる。鋸歯バルーン100は軟組織を有利に温存できる。鋸歯バルーン100は重度の石灰化病変を治療することができる。
いくつかの構成では、鋸歯バルーン100は音波技術を有利に組み込んでいる。鋸歯バルーン100は音波を利用して閉塞血管内のプラーク又は他の病変を破壊することができる。鋸歯バルーン100は砕石術を利用することができる。鋸歯バルーン100は音波を利用して堆積物を破壊することができる。鋸歯バルーン100は、バルーンの外表面のセレーションと組み合わせて追加のエネルギー源を含むことができる。エネルギー源とセレーションは相乗的に作用しうる。エネルギー源とセレーションにより、深部や高度に石灰化した部位を含む病変を安全に修正することができる。エネルギー源とセレーションは、高度に石灰化した部位を含む血管であっても確実に拡張させることができる。エネルギー源は、超音波振動又は超音波を発生させることができる。エネルギー源は、エミッタの小型アレイを含むことができる。エネルギー源は、結石破砕エミッタを含むことができる。エネルギー源は、治療部位に局所的な効果を生じさせることができる。エネルギー源は心臓血管のカルシウムの沈着を減少させることができる。エネルギー源はエネルギーを放出することができる。エネルギー源は、バルーン100内の流体を気化させることができる。エネルギー源は膨張及び収縮する気泡を発生させることができる。エネルギー源は音波圧力波を発生させることができる。エネルギー源は、治療部位に局所的な効果をもたらす波を発生させることができる。エネルギー源は、軟脈管組織を通過する波を生成する。エネルギー源は沈着物を選択的に割ることができる。エネルギー源はカルシウム沈着物を内膜層で割ることができる。エネルギー源は内側層のカルシウム沈着物を割ることができる。エネルギー源は血管壁内のカルシウム沈着物を割ることができる。バルーン100は、エネルギー源の使用前にセレーションを形成することができる。バルーン100はエネルギー源の使用後にセレーションを形成することができる。バルーン100は病変部の拡張に使用できる。バルーン100は低圧で拡張させることができる。バルーン100は、内腔拡大のために血管を拡張するために使用することができる。理論に拘束されるものではないが、エネルギー源は、軟組織とは異なる密度を有する沈着物を割ることができる。
バルーン100は、バルーン本体内のトランスデューサからエネルギーを放出することができる。音エネルギー又はその他のエネルギーは、バルーン100を充填するために使用される液体媒体を介して伝達することができる。音エネルギー又はその他のエネルギーは、バルーンの壁を通して伝達することができる。帯状体200はエネルギーの伝送を可能にする。エネルギー波は、帯状体200によってバルーン100内を妨害されずに通過することができる。帯状体200は、エネルギーが伝達されるように変更された形状を含むことができる。帯状体200は、エネルギーが伝達されるように変更された材料を含むことができる。いくつかの実施例において、帯状体200の材料は、軟組織と同様の密度を有することができる。帯状体200は、音響波の効果的な伝達を可能にするように改良され得る。エネルギー源は音響パルス波を生成することができる。エネルギー源は、高出
力の音波を生成することができる。エネルギー源は音波圧力波を生成することができる。エネルギー源は、同様の臨床結果を生じさせながら、バルーン100上でより少ない帯状体200を利用することを可能にし得る。いくつかの実施例では、1つ又は複数の帯状体200が利用される。
エネルギー源と帯状体は相乗効果をもたらすことができる。エネルギー源は微小穿孔器具間の間隔を広げることができる。エネルギー源によって、微小穿孔器具の高さをより浅く、あるいは短くすることができる。エネルギー源は、セレーションがより少ない材料を貫通することを可能にすることができる。エネルギー源は、堆積物の層を減少させ、それによって内側層までの高さを減少させることができる。バルーン100は、圧力拡張とセレーションの組み合わせに加え、オプションでエネルギー送達を含めることができる。エネルギー供給は全ての臨床事象に利用可能であるが、いくつかの実施例では高度に石灰化した病変にのみ利用される。一部の実施例では、エネルギー照射は全ての臨床事象に利用可能であり、全ての石灰化病変に利用可能である。セレーションはエミッタの数を減らすことができる。セレーションはトランスデューサの数を減らすことができる。セレーションはエネルギー供給の複雑さを軽減することができる。方法によっては、エネルギー源は全ての沈着物を減少させる必要はない。方法によっては、エネルギー源は堆積物を減らすだけでよい。エネルギー源は、より少ないエネルギーを治療部位に供給することができる。
帯状体200とエネルギー源の組み合わせは、堆積物の厚さを減少させることができる。エネルギー源は、セレーションが使用されるとき、より少ないエネルギーを供給し得る。エネルギー源が使用される場合、セレーションはより少ない浸透を必要とし得る。エネルギー源は、カルシウムの厚さを、内側層に対してより少ない程度に減少させ得る。セレーションは、音波圧力によるカルシウム層の破壊により、より少ない厚さで貫通する可能性がある。
上記の教示に照らして、様々な他の修正、適合及び代替設計が可能である。したがって、添付の特許請求の範囲の範囲内で、本発明は、本明細書で具体的に説明した以外の方法で実施され得ることが、この時点で理解されるべきである。上記に開示された実施例の特定の特徴及び態様の様々な組み合わせ又は下位組み合わせがなされ、それでもなお本発明の1つ又は複数の範囲内に入ることが企図される。さらに、実施例に関連する任意の特定の特徴、態様、方法、特性、品質、属性、要素などの本明細書における開示は、本明細書に規定される他の全ての実施例において使用することができる。したがって、開示された発明の様々な態様を形成するために、開示された実施例の様々な特徴及び態様を互いに組み合わせ、又は互いに置換することができることを理解されたい。したがって、本明細書に開示された本発明の範囲は、上述の特定の開示された実施例によって限定されるべきではないことが意図される。さらに、本発明は、様々な変更、及び代替形態の影響を受けやすいが、その具体例が図面に示されており、本明細書で詳細に説明される。しかしながら、本発明は、開示された特定の形態又は方法に限定されるものではなく、それどころか、本発明は、記載された様々な実施例及び添付の特許請求の範囲の精神及び範囲内に入る全ての変更、等価物、及び代替物をカバーするものであることが理解されるべきである。本明細書に開示された方法は、記載された順序で実行される必要はない。本明細書に開示された方法は、施術者が行う特定の動作を含むが、明示的又は暗示的に、これらの動作の任意の第三者による指示を含むこともできる。例えば、「動脈プラークに微小穿孔を形成する」という行為は、「動脈プラークに微小穿孔を形成することを指示する」ことを含む。また、本明細書で開示される範囲は、あらゆる重複、部分範囲、及びそれらの組み合わせを包含する。まで」、「少なくとも」、「より大きい」、「より小さい」、「間」などの言葉は、記載された数を含む。本明細書で使用される「約」、「約」、及び「実質的に」などの用語で先行される数字は、記載された数字を含み(例えば、約10%=10%)、
また、所望の機能を果たすか、又は所望の結果を達成する、記載された量に近い量を表す。例えば、用語「約」、「約」、及び「実質的に」は、記載された量の10%未満、5%未満、1%未満、0.1%未満、及び0.01%未満の範囲内にある量を指す場合がある。

Claims (94)

  1. バルーンと、
    複数の帯状体と、
    を備える血管内デバイスであって、
    前記当該複数の帯状体の各々は、各々の帯状体の面に沿って離間した複数の楔形切開器具を有し、前記各々の帯状体は、前記バルーンの外側面に沿って延びており、
    前記楔形切開器具は、ベース面と、研磨されていない半径方向外側に面する面と、前記ベース面から前記半径方向外側に面する面まで延びる傾斜側壁と、を備え、
    前記バルーンは、膨張し、前記複数の帯状体の間にローブを形成するように構成され、
    前記ローブは、前記楔形切開器具を略接線方向から略垂直方向に回転させるように、前記楔形切開器具の前記傾斜側壁に力を加える、ことを特徴とする血管内デバイス。
  2. 前記ローブは、前記楔形切開器具を略垂直方向から略接線方向に回転させるように、前記楔形切開器具の前記傾斜側壁に力を加える、ことを特徴とする請求項1に記載の血管内デバイス。
  3. 前記血管内デバイスは、前記複数の帯状体を時計回り又は反時計回りに回転させるように双方向性を有する、ことを特徴とする請求項1に記載の血管内デバイス。
  4. 前記複数の帯状体は、膨張前、略接線方向で反時計回り方向に向いている、ことを特徴とする請求項1に記載の血管内デバイス。
  5. 前記複数の帯状体は、膨張後、略接線方向で時計回り方向に向いている、ことを特徴とする請求項1に記載の血管内デバイス。
  6. 前記複数の帯状体は、略接線方向において、前記バルーンのひだによって少なくとも部分的に覆われる、ことを特徴とする請求項1に記載の血管内デバイス。
  7. 前記帯状体の各々は、前記バルーンが収縮したときに、前記バルーンのひだによって少なくとも部分的に覆われる、ことを特徴とする請求項1に記載の血管内デバイス。
  8. 前記傾斜側壁と前記ローブの拡張状態との組み合わせは、前記楔形切開器具の略垂直方向の配向をより効果的に制御するように構成されている、ことを特徴とする請求項1に記載の血管内デバイス。
  9. 前記半径方向外側に面する面は、血管壁からプラークをほぼ剥離しないようにしつつ前記血管壁に接触するように構成されている、ことを特徴とする請求項1に記載の血管内デバイス。
  10. 前記ローブは、前記楔形切開器具が血管壁に接触する領域の近傍で前記血管壁に引張力を及ぼすように構成されている、ことを特徴とする請求項1に記載の血管内デバイス。
  11. 前記ローブは、血管壁に力を加え、当該血管壁を前記楔形切開器具から引き離すように構成されている、ことを特徴とする請求項1に記載の血管内デバイス。
  12. 前記ローブは、前記半径方向外側に面する面が前記血管壁に鋸歯痕を形成することを許容するため、前記血管壁に力を加えるように構成されている、ことを特徴とする請求項1に記載の血管内デバイス。
  13. 前記ローブは、前記半径方向外側に面する面が直線状の分離線を形成することを許容するように、前記血管壁に力を加えるように構成されている、ことを特徴とする請求項1に記載の血管内デバイス。
  14. 前記傾斜側壁と前記ローブの拡張状態との組み合わせは、動脈の寸法とは無関係に内腔の拡大をもたらす中間層に複数の長手方向に配向された線を生成するように構成されている、ことを特徴とする請求項1に記載の血管内デバイス。
  15. 前記傾斜側壁と前記ローブの拡張状態との組み合わせは、体積血流を増加させる中間層に複数の長手方向に配向された線を生成するように構成されている、ことを特徴とする請求項1に記載の血管内デバイス。
  16. 前記傾斜側壁と前記ローブの拡張状態との組み合わせは、狭窄を改善する中間層に複数の長手方向に配向された線を生成するように構成されている、ことを特徴とする請求項1に記載の血管内デバイス。
  17. 前記傾斜側壁と前記ローブの拡張状態との組み合わせは、積極的な血管リモデリングを起こすように構成されている、ことを特徴とする請求項1に記載の血管内デバイス。
  18. 前記傾斜側壁と前記ローブの拡張状態との組み合わせは、前記楔形切開器具が内膜に分離のノードを誘発するときに、前記楔形切開器具の略垂直方向を維持するように構成されている、ことを特徴とする請求項1に記載の血管内デバイス。
  19. 前記傾斜側壁と前記ローブの拡張状態との組み合わせは、血管壁における圧力分布を変化させて、前記楔形切開器具が前記血管壁をさらに貫通可能なように構成されている、ことを特徴とする請求項1に記載の血管内デバイス。
  20. 前記バルーンは、エネルギーを供給するように構成されている、ことを特徴とする請求項1に記載の血管内デバイス。
  21. 前記帯状体は、前記バルーンに沿って長手方向に力を変換することにより、追従性及び押し込み性を向上させる、ことを特徴とする請求項1に記載の血管内デバイス。
  22. バルーンと、
    複数の帯状体と、
    プレハブカバーと、
    を備える血管内デバイスであって、
    前記複数の帯状体の各々の帯状体は、各々の帯状体の面に沿って離間した複数の楔形切開器具を有し、前記各々の帯状体は、前記バルーンの外側面に沿って延びており、
    前記プレハブカバー及び前記バルーンと前記複数の帯状体との組み合わせは、前記複数の帯状体と一緒に前記バルーンを前記プレハブカバー内で膨らませ、前記プレハブカバーが軟化しかつ前記複数の楔形切開器具が前記プレハブカバーを通って延びるように前記複数の帯状体に熱を加えることによって形成される、ことを特徴とする血管内デバイス。
  23. 前記プレハブカバーは、前記複数の楔形切開器具の周囲で硬化する、ことを特徴とする請求項22に記載の血管内デバイス。
  24. 前記帯状体の各々は、接着剤により前記バルーンの前記外側面又は前記バルーンのベースコートに接着されている、ことを特徴とする請求項22に記載の血管内デバイス。
  25. 前記複数の帯状体を含む前記バルーンは、前記プレハブカバーへの挿入前にプリーツが付けられる、ことを特徴とする請求項22に記載の血管内デバイス。
  26. 前記プレハブカバーへの挿入前に、前記複数の帯状体を含む前記バルーンに接着剤が適用される、ことを特徴とする請求項22に記載の血管内デバイス。
  27. 前記複数の帯状体を含む前記バルーンが前記プレハブカバー内で膨張したときに、前記複数の楔形切開器具は、略接線方向から略垂直方向に回転するように構成されている、ことを特徴とする請求項22に記載の血管内デバイス。
  28. 前記複数の楔形切開器具は、研磨されていない半径方向外側に面する面を有し、当該半径方向外側に面する面は、前記バルーンの膨張中に前記プレハブカバーを突き破らない、ことを特徴とする請求項22に記載の血管内デバイス。
  29. 前記バルーンの膨張により、前記バルーンと前記プレハブカバーとの間の接着剤が均一に分散される、ことを特徴とする請求項22に記載の血管内デバイス。
  30. 前記プレハブカバーは、前記楔形切開器具を囲む相対的に厚い層を提供する、ことを特徴とする請求項22に記載の血管内デバイス。
  31. 前記楔形切開器具近傍の前記プレハブカバーは、隣接する楔形切開器具の間のスペースにおいて前記プレハブカバーが裂けるのを制限する、ことを特徴とする請求項22に記載の血管内デバイス。
  32. 個々の楔形切開器具だけが前記プレハブカバーを通って延びる、ことを特徴とする請求項22に記載の血管内デバイス。
  33. 前記プレハブカバーは、隣接する楔形切開器具の間の長手方向のスペースに沿って無傷のまま残る、ことを特徴とする請求項22に記載の血管内デバイス。
  34. 前記プレハブカバーは、前記楔形切開器具の傾斜側壁に沿って長手方向に延びる再硬化材料を含む、ことを特徴とする請求項22に記載の血管内デバイス。
  35. 前記プレハブカバーは、前記楔形切開器具の近位縁部及び/又は遠位縁部に沿って横方向に延びる再硬化材料を含む、ことを特徴とする請求項22に記載の血管内デバイス。
  36. 前記プレハブカバー、前記バルーン及び前記複数の帯状体は互いに接着される、ことを特徴とする請求項22に記載の血管内デバイス。
  37. 前記プレハブカバー、前記バルーン及び前記複数の帯状体はプリーツを有する、ことを特徴とする請求項22に記載の血管内デバイス。
  38. 前記プレハブカバーは、前記バルーンに対する前記複数の帯状体の保持を容易にする、ことを特徴とする請求項22に記載の血管内デバイス。
  39. 前記楔形切開器具は、血管内で略接線方向から略垂直方向へ回転するように構成されている、ことを特徴とする請求項22に記載の血管内デバイス。
  40. 前記プレハブカバー及び前記バルーンは、血管壁に引張力を加えて直線状の分離線を形成するために一体的に機能するように構成されている、ことを特徴とする請求項22に記
    載の血管内デバイス。
  41. バルーンと、
    複数の帯状体と、
    を備える血管内デバイスであって、
    前記複数の帯状体の各々の帯状体は、各々の帯状体の面に沿って離間した複数の切開器具を有し、前記各々の帯状体は、前記バルーンの外側面に沿って延びており、
    前記切開器具は、ベース面と、外側に面する面と、前記ベース面から前記外側に面する面に延在する側壁と、を有し、
    前記バルーンは、膨張して、前記複数の帯状体の間にローブを形成するように構成され、
    前記ローブは、前記切開器具の傾斜側壁に力を加えて、略接線方向から略垂直方向に前記切開器具を回転させる、ことを特徴とする血管内デバイス。
  42. 前記血管内デバイスは、前記複数の帯状体の時計回り又は反時計回りへの回転を許容するように双方向性である、ことを特徴とする請求項41に記載の血管内デバイス。
  43. 前記複数の帯状体は、膨張前及び膨張後に、略接線方向で反時計回りに向いている、ことを特徴とする請求項41に記載の血管内デバイス。
  44. 前記複数の帯状体は、前記バルーンのひだにより略接線方向で少なくとも部分的に覆われる、ことを特徴とする請求項41に記載の血管内デバイス。
  45. 前記血管内デバイスは、前記楔形切開器具の略垂直方向の効果的な制御を可能にする、ことを特徴とする請求項41に記載の血管内デバイス。
  46. 前記血管内デバイスは、血管壁からのプラークの剥離をほぼ又は全く生じさせずに血管壁に接触するように構成されている、ことを特徴とする請求項41に記載の血管内デバイス。
  47. 前記ローブは、血管壁に引張力を与えるように構成されている、ことを特徴とする請求項41に記載の血管内デバイス。
  48. 前記ローブは、血管壁に力を加え、前記切開器具から組織を引き離すように構成されている、ことを特徴とする請求項41に記載の血管内デバイス。
  49. 前記血管内デバイスは、血管壁に鋸歯痕を形成するように構成されている、ことを特徴とする請求項41に記載の血管内デバイス。
  50. 前記血管内デバイスは、直線状の分離線を形成するように構成されている、ことを特徴とする請求項41に記載の血管内デバイス。
  51. バルーンと、複数の微小穿孔器具を含む帯状体と、を備える血管形成術治療用の血管内デバイスを提供するステップと、
    前記微小穿孔器具を第1の位置から略垂直の第2の位置まで回転させるように、前記バルーンを膨張させるステップであって、前記帯状体が前記バルーンのローブの間に配置されている、ステップと、
    前記帯状体を半径方向外側に移動させて、血管壁に力を加えることにより、当該血管壁に鋸歯痕、刻み目及び/又は微小穿孔を形成するように前記バルーンを膨張させるステップと、
    前記血管壁において、前記鋸歯痕、前記刻み目及び/又は前記微小穿孔に沿って中間層まで亀裂を進展させるように前記バルーンをより高い圧力で膨張させるステップと、
    を含む、ことを特徴とする方法。
  52. 前記バルーンをプリーツ加工するステップをさらに含む、ことを特徴とする請求項51に記載の方法。
  53. 前記バルーンの折り目内に前記帯状体を配置するステップをさらに含む、ことを特徴とする請求項51に記載の方法。
  54. 前記血管内デバイスは、前記帯状体を接線方向に備える、ことを特徴とする請求項51に記載の方法。
  55. 前記血管内デバイスは、バルーン材料で少なくとも部分的に覆われた前記帯状体を備える、ことを特徴とする請求項51に記載の方法。
  56. 前記微小穿孔器具を第1の位置から略垂直の第2の位置まで回転させるように、前記バルーンを膨張させるステップは、4気圧以下の圧力で行われる、ことを特徴とする請求項51に記載の方法。
  57. 前記微小穿孔器具を第1の位置から略垂直の第2の位置まで回転させるように、前記バルーンを膨張させるステップは、バルーン材料を引き戻すことにより前記帯状体を露出させることを含む、ことを特徴とする請求項51に記載の方法。
  58. 前記微小穿孔器具を第1の位置から略垂直の第2の位置まで回転させるように、前記バルーンを膨張させるステップは、前記血管壁を広げることを含む、ことを特徴とする請求項51に記載の方法。
  59. 前記鋸歯痕、刻み目及び/又は微小穿孔を形成するように前記バルーンを膨張させるステップは、60秒間の間、2気圧~4気圧で前記バルーンを保持することを含む、ことを特徴とする請求項51に記載の方法。
  60. 前記バルーンをより高い圧力で膨張させるステップは、60秒間の間、4気圧~6気圧で前記バルーンを保持することを含む、ことを特徴とする請求項51に記載の方法。
  61. 前記バルーンをより高い圧力で膨張させるステップは、動脈の寸法に依存することなく、安定しかつ再現性の高い内腔の拡大をもたらす、ことを特徴とする請求項51に記載の方法。
  62. 前記バルーンをより高い圧力で膨張させるステップは、内腔の拡大及び血流を改善する、ことを特徴とする請求項51に記載の方法。
  63. 前記バルーンをより高い圧力で膨張させるステップは、最終的な狭窄を約50%改善させる、ことを特徴とする請求項51に記載の方法。
  64. 前記バルーンをより高い圧力で膨張させるステップは、石灰化とは無関係に安定しかつ再現性の高い内腔の拡大をもたらす、ことを特徴とする請求項51に記載の方法。
  65. 前記バルーンをより高い圧力で膨張させるステップは、積極的な血管リモデリングを行う、ことを特徴とする請求項51に記載の方法。
  66. 治療部位の近傍に前記バルーンを配置するステップをさらに含み、
    前記帯状体は、前記配置の間に前記バルーンの軸に沿って力を伝える、ことを特徴とする請求項51に記載の方法。
  67. 前記帯状体のプラズマ機能化を含む、ことを特徴とする請求項51に記載の方法。
  68. 前記血管壁に向けて音響波を送るステップをさらに含む、ことを特徴とする請求項51に記載の方法。
  69. 薬剤でコーティングされたバルーンによるその後の血管形成術を含む、ことを特徴とする請求項51に記載の方法。
  70. 血管内デバイスであって、
    血管内で可逆的に拡張及び収縮するように構成されたバルーンと、
    複数の微小穿孔器具を有する帯状体と、
    を備え、
    前記微小穿孔器具の各々は、研磨されていない先端部を有し、
    前記帯状体は、隣接する前記微小穿孔器具の間にスペースを有し、
    前記バルーンは、拡張し、前記帯状体を半径方向外側に移動させ、かつ血管壁に力を加えることにより、血管壁に鋸歯痕、刻み目及び/又は微小穿孔を形成するように構成されている、ことを特徴とする血管内デバイス。
  71. 前記血管内デバイスは、前記鋸歯痕、前記刻み目及び/又は前記微小穿孔に沿って、予測可能でかつ再現性がある亀裂を形成するように構成されている、ことを特徴とする請求項70に記載の血管内デバイス。
  72. 前記血管内デバイスは、血管の損傷を最小限に抑えつつ、動脈の直径を拡大するように構成されている、ことを特徴とする請求項70に記載の血管内デバイス。
  73. 前記血管内デバイスは、体積流量を増加させるように構成されている、ことを特徴とする請求項70に記載の血管内デバイス。
  74. 前記血管内デバイスは、血流改善のために最小限の大気圧しか必要としないように構成されている、ことを特徴とする請求項70に記載の血管内デバイス。
  75. 前記血管内デバイスは、前記鋸歯痕、前記刻み目及び/又は前記微小穿孔に沿って追従して、内膜と内側組織とを分離するために血管形成術のエネルギーを促進するように構成されている、ことを特徴とする請求項70に記載の血管内デバイス。
  76. 前記血管内デバイスは、血管への適合性、フローダイナミクス及び内径のうち1つ以上を改善するように構成されている、ことを特徴とする請求項70に記載の血管内デバイス。
  77. 前記血管内デバイスは、内部弾性薄膜を鋸歯状にするように構成されている、ことを特徴とする請求項70に記載の血管内デバイス。
  78. 前記血管内デバイスは、血流の中断又は乱流れを減少させることによって、治療された病変部位の乱れを減少させるように構成されている、ことを特徴とする請求項70に記載の血管内デバイス。
  79. 前記血管内デバイスは、残存狭窄を約50%改善するように構成されている、ことを特徴とする請求項70に記載の血管内デバイス。
  80. 前記血管内デバイスは、前記バルーンの追従性、押し込み性及び前記帯状体を含む前記バルーンに亘る力の伝達性を改善するように構成されている、ことを特徴とする請求項70に記載の血管内デバイス。
  81. 前記帯状体が横方向に配向しているときに強度が向上する、ことを特徴とする請求項70に記載の血管内デバイス。
  82. 前記帯状体にプラズマ機能層をさらに備える、ことを特徴とする請求項70に記載の血管内デバイス。
  83. 前記バルーンは、一貫した内腔の拡大を生じさせるように構成されている、ことを特徴とする請求項70に記載の血管内デバイス。
  84. カルシウム沈着を破壊するように構成されたエネルギー源をさらに備える、ことを特徴とする請求項70に記載の血管内デバイス。
  85. 前記バルーンは、4気圧以下の圧力で、鋸歯痕、刻み目及び/又は微小穿孔を形成するように構成されている、ことを特徴とする請求項70に記載の血管内デバイス。
  86. 鋸歯状の金属が埋め込まれた医療用のカテーテルであって、
    内径及び外径を有する細長い部材を含む外側シャフトと、
    内側部材と、
    バルーンと、
    を備え、
    前記バルーンは、前記金属の一部がバルーン径より外方に隆起するように、バルーン材料に金属を埋め込んだ状態で膨張する、ことを特徴とするカテーテル。
  87. 前記バルーン径より外方に隆起する前記金属は、隆起したセクション及び隆起していないセクションを含む、ことを特徴とする請求項86に記載のカテーテル。
  88. 前記内側部材は、ガイドワイヤルーメンを含む、ことを特徴とする請求項86又は87に記載のカテーテル。
  89. 前記金属は、複数の帯状体を含み、各々の帯状体は、複数の楔形切開器具を含む、ことを特徴とする請求項86~88のいずれかに記載のカテーテル。
  90. 前記楔形切開器具は、血管を切断することなく、当該血管に鋸歯痕を形成するように構成されている、ことを特徴とする請求項89に記載のカテーテル。
  91. 前記楔形切開器具は、血管を切断するように構成されている、ことを特徴とする請求項89に記載のカテーテル。
  92. 前記金属が前記バルーンを損傷するのを防ぐように構成され、前記バルーンの外側面において間隔を隔てて設けられた複数の隆起部をさらに備える、ことを特徴とする請求項86~91のいずれかに記載のカテーテル。
  93. 金属が埋め込まれたバルーンをブロー成型する方法であって、
    バルーン金型に対してバルーン押出物を配置するステップであって、前記金型は、複数の分離セグメントと、前記複数の分離セグメント間の開放空間と、を有する、ステップと、
    前記金型の前記分離セグメントに金属要素を配置するステップと、
    前記金属要素上に保持材料を配置するステップと、
    前記バルーンを加熱するステップと、
    前記バルーンを膨張させるステップと、
    を含むことを特徴とする方法。
  94. 前記金属要素は、帯状体及び微小楔を有する、ことを特徴とする請求項93に記載の方法。
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