JP2024502828A - 遠隔デバイスと共に使用するための皮下デバイス - Google Patents

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Abstract

皮下に埋め込み可能なデバイスは、筋肉、骨及び/又は第1の組織に皮下に埋め込み可能なデバイスを固定するように構成されたクリップと、クリップに隣接して固定されたクリップと、近位端及びクリップから離れて延び臓器、神経及び/又は第2の組織に接触するように構成された遠位端を有する第1のプロングと、を含む。第1のプロング上の第1の電極は、臓器、神経及び/又は第2の組織に接触するように構成される。ケーブルは第1の電極に導電的に結合され、当該ケーブルは、皮下に埋め込まれたデバイスを遠隔デバイスに電気的に結合するために、当該遠隔デバイスに接続されるように構成される。遠隔デバイスは、患者の体内に配置されたペースメーカーデバイス又は除細動器デバイスである。【選択図】図67A

Description

(関連出願の相互参照)
この出願は、代理人整理番号M999-012031を有する、2021年1月41日に出願された「遠隔デバイスと共に使用するための皮下デバイス」という名称の米国特許出願第17/141,034号の優先権を主張し、その開示は、その全体が参照により組み込まれる。
(発明の分野)
本発明は、埋め込み型医療機器、特に皮下デバイスに関する。
埋め込み型医療機器は、体内に埋め込まれる医療機器を含む。埋め込み型医療機器の例は、とりわけ、心臓モニタ、ペースメーカー及び埋め込み型除細動器を含み得る。これらの埋め込み型医療機器は、身体から信号を受信し、それらを診断目的のために使用することができる。これらの埋め込み型医療機器は、電気刺激を伝達したり、あるいは、治療目的のために薬剤を身体に送達したりすることもできる。例えば、ペースメーカーは、患者の心拍数を感知し、心臓の拍動が速すぎるか遅すぎるかを判定し、心臓の種々の心腔を速めたり遅くしたりするために電気刺激を心臓に伝達することができる。埋め込み型除細動器は、患者の心拍数を感知し、律動不整を検出し、電気ショックを患者に伝達することができる。
従来から、心臓モニタ、ペースメーカー及び埋め込み型除細動器は、電気回路を収容するハウジングを含む。リード線の近位端はハウジングに接続され、リード線の遠位端は心臓の内部又はその上に配置される。リード線の遠位端は、信号を受信及び送信することができる電極を含む。心臓モニタ、ペースメーカー及び埋め込み型除細動器のような埋め込み型医療機器は、通常、当該医療機器を体内に埋め込むための侵襲的手術を必要とする。
皮下に埋め込み可能なデバイスは、筋肉、骨及び/又は第1の組織に皮下に埋め込み可能なデバイスを固定するように構成されたクリップと、クリップに隣接して固定されたクリップと、近位端及びクリップから離れて延び臓器、神経及び/又は第2の組織に接触するように構成された遠位端を有する第1のプロングと、を含む。第1のプロング上の第1の電極は、臓器、神経及び/又は第2の組織に接触するように構成される。ケーブルは第1の電極に導電的に結合され、当該ケーブルは、皮下に埋め込まれたデバイスを遠隔デバイスに電気的に結合するために、当該遠隔デバイスに接続されるように構成される。遠隔デバイスは、患者の体内に配置されたペースメーカーデバイス又は除細動器デバイスである。
システムは、皮下に埋め込み可能なデバイス、遠隔デバイス及びケーブルを含む。皮下に埋め込み可能なデバイスは、筋肉、骨及び/又は第1の組織に皮下に埋め込み可能なデバイスを固定するように構成されたクリップと、クリップに隣接して固定された近位端と、クリップから離れて延び臓器、神経及び/又は第2の組織に接触するように構成された遠位端とを有する第1のプロングと、臓器、神経及び/又は第2の組織に接触するように構成された第1のプロング上の第1の電極と、を含む。遠隔デバイスは、患者の体内に配置されたペースメーカーデバイス又は除細動器デバイスである。遠隔デバイスは、ハウジングと、皮下に埋め込み可能なデバイス内の第1の電極と電気通信し、臓器、神経及び/又は第2の組織に関する監視、治療及び/又は診断能力を提供するように構成された、遠隔デバイスのハウジング内の回路と、を含む。ケーブルは、皮下に埋め込み可能なデバイスを遠隔デバイスに電気的に結合するために、皮下に埋め込み可能なデバイス内の第1の電極及び遠隔デバイス内の回路に導電的に結合される。
(皮下デバイス100)
皮下デバイスの第1の実施形態の斜視図である。 構造的身体構成要素に固定された皮下デバイスの第1の実施形態の側面図である。 皮下デバイスの第1の実施形態のハウジングの側面図である。 皮下デバイスの第1の実施形態のハウジングの上面図である。 皮下デバイスの第1の実施形態のハウジングの底面図である。 皮下デバイスの第1の実施形態のハウジングの後面図である。 図3Dの線3E-3Eに沿った、皮下デバイスの第1の実施形態のハウジングの断面図である。 皮下デバイスの第1の実施形態のクリップの上面図である。 皮下デバイスの第1の実施形態のクリップの底面図である。 皮下デバイスの第1の実施形態のクリップの側面図である。 皮下デバイスの第1の実施形態のクリップの正面図である。 皮下デバイスの第1の実施形態のクリップの後面図である。 皮下デバイスの第1の実施形態のプロングの側面図である。 皮下デバイスの第1の実施形態のプロングの上面図である。 皮下デバイスの第1の実施形態の側面図である。 皮下デバイスの第1の実施形態の上面図である。 皮下デバイスの第1の実施形態の底面図である。 皮下デバイスの第1の実施形態の後面図である。 皮下デバイスの第1の実施形態の正面図である。 皮下デバイスの第1の実施形態の機能ブロック図である。 剣状突起及び胸骨の上に配置された皮下デバイスの第1の実施形態の斜視図である。 剣状突起及び胸骨の上に配置された皮下デバイスの第1の実施形態の斜視図であり、心臓上におけるプロングの配置を示している。 剣状突起及び胸骨の上に配置された皮下デバイスの第1の実施形態の破断正面図であり、心臓上におけるプロングの配置を示している。 剣状突起及び胸骨の上に配置された皮下デバイスの第1の実施形態の破断斜視図であり、心臓上におけるプロングの配置を示している。(外科用器具200) 第1の位置にある外科用器具の斜視図である。 第1の位置にある外科用器具の断面図である。 外科用器具の本体の斜視図である。 外科用器具の本体の側面図である。 外科用器具の本体の底面図である。 外科用器具の本体の正面図である。 外科用器具のスライダの斜視図である。 外科用器具のスライダの正面図である。 外科用器具のスライダの側面図である。 外科用器具のスライダの底面図である。 外科用器具のブレードの斜視図である。 外科用器具のブレードの側面図である。 第2の位置にある外科用器具の斜視図である。 第2の位置にある外科用器具の断面図である。(方法300) 外科用器具を用いて皮下デバイスの第1の実施形態を埋め込むための方法を示すフローチャートである。 外科用器具内の第1の位置にある皮下デバイスの第1の実施形態の斜視図である。 外科用器具内の第1の位置にある皮下デバイスの第1の実施形態の断面図である。 皮下デバイスが埋め込まれているときの、外科用器具内の第2の位置にある皮下デバイスの第1の実施形態の斜視図である。 皮下デバイスが埋め込まれているときの、外科用器具内の第2の位置にある皮下デバイスの第1の実施形態の断面図である。 皮下デバイスが埋め込まれているときの、外科用器具内の第2の位置にある皮下デバイスの第1の実施形態の断面図である。 皮下デバイスが埋め込まれているときの、外科用器具内の第3の位置にある皮下デバイスの第1の実施形態の斜視図である。 皮下デバイスが埋め込まれているときの、外科用器具内の第3の位置にある皮下デバイスの第1の実施形態の断面図である。 外科用器具から展開された後の皮下デバイスの第1の実施形態の斜視図である。(皮下デバイス400) 皮下デバイスの第2の実施形態の斜視図である。(皮下デバイス500) 皮下デバイスの第3の実施形態の斜視図である。 皮下デバイスの第3の実施形態の側面図である。(皮下デバイス600) 皮下デバイスの第4の実施形態の斜視図である。 皮下デバイスの第4の実施形態の上面図である。 皮下デバイスの第4の実施形態の底面図である。 皮下デバイスの第4の実施形態の側面図である。 皮下デバイスの第4の実施形態の後面図である。 剣状突起及び胸骨の上に配置された皮下デバイスの第4の実施形態の斜視図であり、肺上におけるプロングの配置を示している。 剣状突起及び胸骨の上に配置された皮下デバイスの第4の実施形態の正面図であり、肺上におけるプロングの配置を示している。 剣状突起及び胸骨の上に配置された皮下デバイスの第4の実施形態の側面図であり、肺上におけるプロングの配置を示している。(皮下デバイス700) 皮下デバイスの第5の実施形態の上面図でFある。 皮下デバイスの第5の実施形態の底面図である。 皮下デバイスの第5の実施形態の側面図である。 皮下デバイスの第5の実施形態の正面図である。 剣状突起及び胸骨の上に配置された皮下デバイスの第5の実施形態の正面図であり、心臓の周りにおけるプロングの配置を示している。 剣状突起及び胸骨の上に配置された皮下デバイスの第5の実施形態の斜視図であり、心臓の周りにおけるプロングの配置を示している。(皮下デバイス800) 皮下デバイスの第6の実施形態の斜視図である。(皮下デバイス900) 皮下デバイスの第7の実施形態の斜視図である。 剣状突起及び胸骨上に配置された皮下デバイスの第7の実施形態の破断斜視図であり、心臓上におけるプロングの配置を示している。(皮下デバイス1000) 皮下デバイスの第8の実施形態の斜視図である。(皮下デバイス1100) 皮下デバイスの第9の実施形態の斜視図である。(皮下デバイス1200) 皮下デバイスの第10の実施形態の斜視図である。 皮下デバイスの第10の実施形態の側面図である。 皮下デバイスの第10の実施形態の上面図である。 皮下デバイスの第10の実施形態の正面図である。 皮下デバイスの第10の実施形態の後面図である。 剣状突起及び胸骨上に配置された皮下デバイスの第10の実施形態の破断斜視図であり、心臓上におけるプロングの配置を示している。 剣状突起及び胸骨の上に配置された皮下デバイスの第10の実施形態の破断正面図であり、心臓上におけるプロングの配置を示している。 剣状突起及び胸骨の上に配置された皮下デバイスの第10の実施形態の破断正面図であり、心臓上におけるプロングの配置を示している。(皮下デバイス1300) 皮下デバイスの第11の実施形態の斜視図である。(皮下デバイス1400) 皮下デバイスの第12の実施形態の斜視図である。 皮下デバイスの第12の実施形態の斜視図である。 皮下デバイスの第12の実施形態の側面図である。(皮下デバイス1500) 皮下デバイスの第13の実施形態の斜視図である。 皮下デバイスの第13の実施形態の斜視図である。 皮下デバイスの第13の実施形態の底面図である。 皮下デバイスの第13の実施形態の側面図である。 皮下デバイスの第13の実施形態の後面図である。 皮下デバイスの第13の実施形態の正面図である。 皮下デバイスの第13の実施形態の概略図である。 皮下デバイスの第13の実施形態の一部を側方から示す断面図である。 皮下デバイスの第13の実施形態の一部を下方から示す断面図である。 剣状突起及び胸骨の上に配置された皮下デバイスの第13の実施形態の斜視図である。(皮下デバイス1600) 構造的身体構成要素に固定された皮下デバイスの第14の実施形態の斜視図である。 構造的身体構成要素に固定された皮下デバイスの第14の実施形態の上面図である。 皮下デバイスの第14の実施形態の上面斜視図である。 皮下デバイスの第14の実施形態の上面斜視図である。 皮下デバイスの第14の実施形態の側面斜視図である。 皮下デバイスの第14の実施形態の側面図である。 皮下デバイスの第14の実施形態の上面図である。 皮下デバイスの第14の実施形態の後面斜視図である。 皮下デバイスの第14の実施形態の底面斜視図である。 皮下デバイスの第14の実施形態の底面斜視図である。 皮下デバイスの第14の実施形態の底面図である。 図39Eの線J-Jに沿った皮下デバイスの第14の実施形態の断面図である。 図39Fの線K-Kに沿った皮下デバイスの第14の実施形態の断面図である。 皮下デバイスの第14の実施形態のクリップの斜視図である。 剣状突起及び胸骨の上に配置された皮下デバイスの第14の実施形態の斜視図である。(皮下デバイス1700) 構造的身体構成要素に固定された皮下デバイスの第15の実施形態の斜視図である。 構造的身体構成要素に固定された皮下デバイスの第15の実施形態の上面図である。 皮下デバイスの第15の実施形態の上面斜視図である。 皮下デバイスの第15の実施形態の上面斜視図である。 皮下デバイスの第15の実施形態の側面図である。 皮下デバイスの第15の実施形態の上面図である。 皮下デバイスの第15の実施形態の底面図である。 皮下デバイスの第15の実施形態の底面斜視図である。 皮下デバイスの第15の実施形態の底面斜視図である。 皮下デバイスの第15の実施形態の後面図である。 皮下デバイスの第15の実施形態の正面図である。 図42Hの線J-Jに沿った皮下デバイスの第15の実施形態の断面図である。 図42Cの線K-Kに沿った皮下デバイスの第15の実施形態の断面図である。 皮下デバイスの第15の実施形態のクリップの斜視図である。 剣状突起及び胸骨の上に配置された皮下デバイスの第15の実施形態の斜視図である。(皮下デバイス1800) 構造的身体構成要素に固定された皮下デバイスの第16の実施形態の斜視図である。 構造的身体構成要素に固定された皮下デバイスの第16の実施形態の上面図である。 皮下デバイスの第16の実施形態の上面斜視図である。 皮下デバイスの第16の実施形態の上面斜視図である。 皮下デバイスの第16の実施形態の側面図である。 皮下デバイスの第16の実施形態の上面図である。 皮下デバイスの第16の実施形態の底面図である。 皮下デバイスの第16の実施形態の底面斜視図である。 皮下デバイスの第16の実施形態の底面斜視図である。 皮下デバイスの第16の実施形態の後面図である。 皮下デバイスの第16の実施形態の正面図である。 図45Hの線J-Jに沿った皮下デバイスの第16の実施形態の断面図である。 皮下デバイスの第16の実施形態のクリップの斜視図である。 剣状突起及び胸骨の上に配置された皮下デバイスの第16の実施形態の上面図である。(皮下デバイス1900) 構造的身体構成要素に固定された皮下デバイスの第17の実施形態の側面図である。 皮下デバイスの第17の実施形態の側面図である。 皮下デバイスの第17の実施形態の上面図である。 皮下デバイスの第17の実施形態の底面図である。 皮下デバイスの第17の実施形態の後面図である。 皮下デバイスの第17の実施形態の正面図である。 皮下デバイスの第17の実施形態の側面図であって、プロングを示している。 皮下デバイスの第17の実施形態の上面図であって、プロングを示している。 皮下デバイスの第17の実施形態の底面図であって、プロングを示している。 皮下デバイスの第17の実施形態の後面図であって、プロングを示している。 皮下デバイスの第17の実施形態の正面図であって、プロングを示している。 プロングの部分的な斜視図であって、電極を示している。 電極の斜視図である。 プロングの部分的な斜視図であって、電極の第2の実施形態を示している。 電極の第2の実施形態の斜視図である。 プロングの部分的な斜視図であって、電極の第3の実施形態を示している。 電極の第3の実施形態の斜視図である。 プロングの部分的な斜視図であって、電極の第4の実施形態を示している。 電極の第4の実施形態の斜視図である。 剣状突起及び/又は胸骨の上に配置された皮下デバイスの第17の実施形態の斜視図であり、心臓上におけるプロングの配置を示している。(皮下デバイス2200) 構造的身体構成要素に固定された皮下デバイスの第18の実施形態の側面図である。 皮下デバイスの第18の実施形態の上面斜視図である。 皮下デバイスの第18の実施形態の側面図である。 皮下デバイスの第18の実施形態の上面図である。 皮下デバイスの第18の実施形態の底面図である。 皮下デバイスの第18の実施形態の後面図である。 皮下デバイスの第18の実施形態の正面図である。 剣状突起及び/又は胸骨の上に配置された皮下デバイスの第18の実施形態の上面図である。 剣状突起及び/又は胸骨の上に配置された皮下デバイスの第18の実施形態の側面斜視図であり、心臓上におけるプロングの配置を示している。 剣状突起及び/又は胸骨の上に配置された皮下デバイスの第18の実施形態の側面斜視図であり、心臓上におけるプロングの配置を示している。(皮下デバイス2300) 構造的身体構成要素に固定された皮下デバイスの第19の実施形態の側面図である。 皮下デバイスの第19の実施形態の斜視図である。 皮下デバイスの第19の実施形態の側面図である。 皮下デバイスの第19の実施形態の上面図である。 皮下デバイスの第19の実施形態の底面図である。 皮下デバイスの第19の実施形態の後面図である。 皮下デバイスの第19の実施形態の正面図である。 皮下デバイスの第19の実施形態の斜視図であり、並んで配置されたプロングを示している。 剣状突起及び/又は胸骨の上に配置された皮下デバイスの第19の実施形態の斜視図であり、心臓上におけるプロングの配置を示している。(皮下デバイス2400) 構造的身体構成要素に固定された皮下デバイスの第20の実施形態の側面図である。 皮下デバイスの第20の実施形態の上面斜視図である。 皮下デバイスの第20の実施形態の側面図である。 皮下デバイスの第20の実施形態の側面図である。 皮下デバイスの第20の実施形態の上面図である。 剣状突起及び/又は胸骨の上に配置された皮下デバイスの第20の実施形態の上面図である。 剣状突起及び/又は胸骨の上に配置された皮下デバイスの第20の実施形態の側面斜視図である。 剣状突起及び/又は胸骨の上に配置された皮下デバイスの第20の実施形態の側面斜視図であり、心臓上におけるプロングの配置を示している。 剣状突起及び/又は胸骨の上に配置された皮下デバイスの第20の実施形態の側面斜視図であり、心臓上におけるプロングの配置を示している。 剣状突起及び/又は胸骨の上に配置された皮下デバイスの第20の実施形態の側面斜視図であり、心臓上におけるプロングの配置を示している。 剣状突起及び/又は胸骨の上に配置された皮下デバイスの第20の実施形態の端面斜視図であり、心臓上におけるプロングの配置を示している。 剣状突起及び胸骨の上に配置された皮下デバイスの第20の実施形態の破断正面図であり、心臓上におけるプロングの配置を示している。 皮下デバイスの第18の実施形態に結合された、皮下デバイスの第20の実施形態の斜視図である。 ペースメーカーに結合された皮下デバイスの第20の実施形態の上面図である。 皮下デバイスの第20の実施形態及びペースメーカーの斜視図である。 剣状突起及び/又は胸骨の上に配置された皮下デバイスの第20の実施形態及び胸骨に隣接して配置されたペースメーカーの側面斜視図である。 剣状突起及び/又は胸骨の上に配置された皮下デバイスの第20の実施形態及び胸骨に隣接して配置されたペースメーカーの端面斜視図である。 剣状突起及び/又は胸骨の上に配置された皮下デバイスの第20の実施形態及び胸骨に隣接して配置されたペースメーカーの上面図である。 剣状突起及び/又は胸骨の上に配置された皮下デバイスの第20の実施形態及び肋骨上に配置されたペースメーカーの上面図である。 除細動器に結合された皮下デバイスの第20の実施形態の上面図である。 皮下デバイスの第20の実施形態及び除細動器の上面図である。 剣状突起及び/又は胸骨の上に配置された皮下デバイスの第20の実施形態及び胸骨に隣接して配置された除細動器の側面斜視図である。 剣状突起及び/又は胸骨の上に配置された皮下デバイスの第20の実施形態及び胸骨に隣接して配置された除細動器の端面斜視図である。 剣状突起及び/又は胸骨の上に配置された皮下デバイスの第20の実施形態及び胸骨に隣接して配置された除細動器の上面図である。 組織内に配置され除細動器に結合された皮下デバイスの第20の実施形態のプロングの上面図である。 剣状突起及び/又は胸骨の上に配置された皮下デバイスの第20の実施形態及び肋骨上に配置された除細動器の上面図である。 構造的身体構成要素に固定された皮下デバイスの第20の実施形態の側面図である。(皮下デバイス2500) 構造的身体構成要素に固定された皮下デバイスの第21の実施形態の側面図である。 皮下デバイスの第21の実施形態の斜視図である。 皮下デバイスの第21の実施形態の側面図である。 皮下デバイスの第21の実施形態のクリップ及びプロングの後面図である。 剣状突起及び/又は胸骨に固定された皮下デバイスの第12の実施形態の側面図である。(皮下デバイス2600) 構造的身体構成要素に固定された皮下デバイスの第22の実施形態の側面図である。(皮下デバイス2700) 皮下デバイスの第23の実施形態の斜視図である。 皮下デバイスの第23の実施形態のクリップ、第1のプロング及び第2のプロングの後面図である。 剣状突起及び/又は胸骨に固定された皮下デバイスの第23の実施形態の側面図である。
一般に、本開示は、監視、診断及び治療の目的のために患者に注入され得る皮下デバイスに関する。皮下デバイスは、当該皮下デバイスの電気回路を収容するハウジングと、ハウジングの上面上のクリップと、ハウジングから離れるように延びる1つ以上のプロングとを含む。クリップは、皮下デバイスを筋肉、骨又は組織に取り付け、固定するように構成される。プロングはハウジングから離れるように延び、プロングの遠位端は、皮下デバイスから離れた臓器、神経又は組織と接触する。
皮下デバイスは、監視デバイス、診断デバイス、ペースメーカー、埋め込み型除細動器、一般的な臓器/神経/組織刺激器、及び/又は、薬剤送達デバイスであり得る。監視デバイスは、患者の生理学的パラメータを監視することができる。診断デバイスは、診断目的のために患者の生理学的パラメータを測定することができる。ペースメーカー及び埋め込み型除細動器は、患者の心拍数を感知し、異常が検出された場合、患者の心臓に治療用電気刺激を与えることができる。ペースメーカーは、徐脈、頻脈、心房粗動及び心房細動のような不整脈に反応して、心臓に電気刺激を与える。ペースメーカーによって与えられる電気刺激は、患者の心拍数を調節するために心筋を収縮させる。埋め込み型除細動器は、いずれも心臓突然死を引き起こす可能性のある心室細動及び心室頻拍に反応して、心臓に電気刺激を与える。埋め込み型除細動器は、電気的除細動又は除細動を患者の心臓に与える。電気的除細動は、患者の心拍数を回復するために、心臓周期と同期した特定の瞬間に心臓に電気刺激を与えることを含む。電気的除細動は、心室頻拍が検出された場合に、患者の心拍数を回復させるために使用することができる。心室細動が検出された場合は、除細動が必要である。除細動は、患者の心拍数を回復するために、心臓周期における適切な瞬間に心臓に大きな電気刺激を与えることを含む。埋め込み型除細動器は、患者の心臓の複数の心腔にペーシングを与えることもできる。一般的な臓器/神経/組織刺激器は、治療目的で患者の臓器、神経又は組織に電気刺激を与えることができる。薬剤送達デバイスは、患者の臓器、神経又は組織に、標的治療薬剤又は全身治療薬剤を提供することができる。
本開示に記載される皮下デバイスは、いくつかの実施形態において、患者の剣状突起及び/又は患者の胸骨の遠位端に固定され得る。剣状突起は、胸骨の下部の突起である。出生時、剣状突起は軟骨突起である。剣状突起は経時的に骨化し、線維性連結を伴って胸骨に融合する。皮下デバイスは、当該皮下デバイスのハウジングが剣状突起及び胸骨の下に配置されるように、剣状突起に固定され得る。一部の患者では、剣状突起が欠損しており、小さく、狭く又は引き伸ばされている。そのような場合、皮下デバイスは、患者の胸骨の遠位端に直接的に取り付けられ得る。皮下デバイスが剣状突起及び/又は胸骨に固定されると、皮下デバイスの1つ以上のプロングが前縦隔内へ延びる。
皮下デバイスの様々な実施形態を、以下で詳細に説明する。皮下デバイスの様々な実施形態は、以下を含み得る:シングルプロング心臓モニタリングデバイス、マルチプロング心臓モニタリングデバイス、肺モニタリングデバイス、単腔ペースメーカー、二腔ペースメーカー、三腔ペースメーカー、心房除細動器、シングルベクトル心室除細動器、マルチベクトル心室除細動器、及び、埋め込み型薬剤ポンプ及び/又は薬剤送達デバイスこれらの実施形態は例として含まれており、限定することを意図していない。皮下デバイスは、任意の適切な設計を有することができ、他の実施形態では任意の適切な目的のために使用することができる。各実施形態の特徴は、明示的な別段の開示がない限り、任意の他の実施形態の特徴と組み合わされ及び/又は置換され得る。更に、実施形態の多くは、複数の目的のために使用することができる。例えば、除細動器デバイスは、監視及びペーシングのために使用することもできる。皮下デバイスを患者の体内に埋め込むための外科用器具及び方法も説明する。
(皮下デバイス100)
図1は、皮下デバイス100の斜視図である。図2は、構造的身体構成要素Aに固定された皮下デバイス100の側面図である。皮下デバイス100は、ハウジング102、クリップ104及びプロング106を含む。図2は、構造的身体構成要素A及び遠隔身体構成要素Bを示す。
皮下デバイス100は、構造的身体構成要素Aに固定される医療機器である。構造的身体構成要素Aは、患者の筋肉、骨又は組織であり得る。皮下デバイス100は、監視デバイス、診断デバイス、治療デバイス又はそれらの任意の組み合わせであり得る。例えば、皮下デバイス100は、患者の心拍数を監視し、患者の心臓の不整脈を診断し、患者の心臓に治療用電気刺激を与えることができるペースメーカーデバイスであり得る。皮下デバイス100はハウジング102を含む。ハウジング102は、電源、コントローラ、メモリ、トランシーバ、センサ、感知回路、治療回路、及び/又は、医療機器の任意の他の構成要素を収容することができる。ハウジング102はまた、ハウジング102を取り囲む組織の電気的活動又は生理学的パラメータを感知することができ、及び/又は、ハウジング102を取り囲む組織に治療用電気刺激を与えることができる、1つ以上の電極を含み得る。
クリップ104はハウジング102に取り付けられる。クリップ104は、皮下デバイス100を構造的身体構成要素Aに固定するように構成される。クリップ104は、構造的身体構成要素Aの周りで前進させられるにつれて拡張する。クリップ104は、受動クリップ又は能動クリップであり得る。受動クリップは、骨、筋肉又は組織に取り付けるために、クランプ構成要素の剛性のみを使用する。この剛性は、設計又は埋め込み処置中の能動的クリンピングの結果であり得る。能動クリップは、クリップを骨、筋肉又は組織に固定するために、縫合糸、歯(tines)、ピン又はスクリューのような能動的な固定方法を付加的に使用してもよい。図1~2に示された実施形態において、クリップ104は、拡張されて構造的身体構成要素Aに取り付けられる際に、構造的身体構成要素Aにテンションをかけるバネ付勢を有する。クリップ104のバネ付勢によって、皮下デバイス100は構造的身体構成要素Aに固定される。クリップ104は、クリップ104を取り囲む組織の電気的活動又は生理学的パラメータを感知することができ、及び/又は、クリップ104を取り囲む組織に治療用電気刺激を与えることができる、1つ以上の電極を含み得る。
プロング106は、皮下デバイス100のハウジング102に接続され、そこから離れるように延びる。プロング106は、構造的身体構成要素Aから離れて配置された遠隔身体構成要素Bと接触するように構成される。遠隔身体構成要素Bは、患者の臓器、神経又は組織であり得る。例えば、遠隔身体構成要素Bは、心臓、肺又は体内の任意の他の適切な臓器を含み得る。プロング106は、遠隔身体構成要素Bの電気的活動又は生理学的パラメータを感知することができ、及び/又は、遠隔身体構成要素Bに治療用電気刺激を与えることができる、1つ以上の電極を含む。
一例において、皮下デバイス100はペースメーカーであることができ、皮下デバイス100のプロング106上の1つ以上の電極は、心臓の電気的活動を感知することができる。感知された電気的活動は、皮下デバイス100のハウジング102内の感知回路及びコントローラに伝達され得る。コントローラは患者の心拍数を決定することができ、不整脈があるかどうかを検出することができる。不整脈が検出された場合、コントローラは、心臓に治療用電気刺激を与えるために、治療回路に命令を送ることができる。このように、皮下デバイス100は、監視デバイス、診断デバイス及び治療デバイスとして機能する。
皮下デバイス100を、以下の図3A~9との関連で、より詳細に説明する。皮下デバイス100は、以下の図3A~9の説明において、監視、診断及び治療のために使用され得るペースメーカーとして説明される。皮下デバイス100はまた、代替の実施形態において、監視、診断、又は、これら2つの組み合わせのためにのみ使用され得る。更に、皮下デバイス100は、単極ペースメーカー又は双極ペースメーカーであり得る。
図3Aは、皮下デバイス100のハウジング102の側面図である。図3Bは、皮下デバイス100のハウジング102の上面図である。図3Cは、皮下デバイス100のハウジング102の底面図である。図3Dは、皮下デバイス100のハウジング102の後端面図である。図3Eは、皮下デバイス100のハウジング102の断面図である。ハウジング102は、第1の面110、第2の面112、上面114、底面116、前端118、後端120、曲面122、凹部124、ポート126、チャネル128、第1のガイド130、第2のガイド132、電極134及び電極136を含む。
ハウジング102は、第1の面110、第2の面112、上面114、底面116、前端118及び後端120を含む。第1の面110は、第2の面112の反対側であり;上面114は底面116の反対側であり;前端118は後端120の反対側である。ハウジング102は、図示された実施形態では実質的に長方形である。代替の実施形態において、ハウジング102は円錐、錐台又は円筒として成形され得る。ハウジング102は、ステンレス鋼、チタン、ニチノール、エポキシ、シリコーン、金属補強材を有するポリウレタン、又は、非多孔インプラントに適した任意の他の材料から製作され得る。ハウジング102はまた、外部コーティングを含むことができる。曲面122は、ハウジング102の前端118に隣接してハウジング102の上面114に配置される。曲面122は、皮下デバイス100のハウジング102の先細りの前端118を作り出す。代替の実施形態において、ハウジング102の前端118は楔形であり得る。ハウジング102の先細りの前端118は、ハウジング102の前端118が患者の体内の組織を通って押し進むのを助け、埋め込み又は注入プロセス中に皮下デバイス100をより容易に前進させることを可能とする。
ハウジング102は、上面114に凹部124を含む。凹部124は、ハウジング102の後端120に隣接してハウジング102の上面114上でハウジング102内に延びる溝である。皮下デバイス100(図1~2に示す)のクリップ104の一部は、クリップ104をハウジング102に取り付けるために凹部124内に配置される。代替の実施形態において、凹部124がハウジング102上に含まれなくてもよく、クリップ104はハウジング102の上面114に溶接され又はヘッダに接続されてもよい。ハウジング102は、更に、後端120にポート126含む。ポート126は、ハウジング102の後端120でハウジング102内に延びる穴である。皮下デバイス100(図1~2に示す)のプロング106の近位端は、プロング106をハウジング102に取り付けるためにポート126内に配置される。代替の実施形態において、ポート126はヘッダ内に配置され得る。ハウジング102はまた、後端120及び底面116にチャネル128を含む。チャネル128は、ハウジング102の後端120及び底面116でハウジング102内に延びる溝である。チャネル128は、皮下デバイス100が収容位置にあるとき、皮下デバイス100(図1~2に示す)のプロング106の一部を受容するように構成される。
ハウジング102はまた、第1の面110上に第1のガイド130を含み、第2の面112上に第2のガイド132を含む。第1のガイド130は、ハウジング102の第1の面110から外へ延びる突起部である。第2のガイド132は、ハウジング102の第2の面112から外へ延びる突起部である。第1のガイド130及び第2のガイド132は、皮下デバイス100を患者に埋め込むために使用される外科用器具を介して皮下デバイス100のハウジング102を案内するように構成される。
ハウジング102は、更に、ハウジング102の前端118に電極134を含み、ハウジング102の後端120に電極136を含む。図3A~3Eに示された実施形態においては、ハウジング102上に配置された2つの電極134及び136が存在する。代替の実施形態において、任意の数の電極をハウジング102上に配置することができ、又は、ハウジング102は電極を含まないことができる。電極134及び電極136は、ハウジング102を取り囲む組織の電気的活動又は生理学的パラメータを感知するように配置される。電極134及び電極136はまた、ハウジング102を取り囲む組織に治療用電気刺激を与えることができる。
図4Aは、皮下デバイス100のクリップ104の上面図である。図4Bは、皮下デバイス100のクリップ104の底面図である。図4Cは、皮下デバイス100のクリップ104の側面図である。図4Dは、皮下デバイス100のクリップ104の前面図である。図4Eは、皮下デバイス100のクリップ104の後面図である。クリップ104は、上部140、底部142、スプリング部144、先端146、開口148、スロット150及び電極152を含む。
クリップ104は、上部140、底部142及びスプリング部144を含む。上部140は、クリップ104の上部を形成する平坦部であり、底部142はクリップ104の底部を形成する平坦部である。底部142は、皮下デバイス100(図1~3Eに示す)のハウジング102に取り付けられるように構成される。スプリング部144は、クリップ104の後端に配置された湾曲した部位であり、上部140と底部142との間で延在し、これらを接続する。クリップ104は、ステンレス鋼、チタン、ニチノール、エポキシ、シリコーン、金属補強材を有するポリウレタン、又は、非多孔インプラントに適した任意の他の材料から製作され得る。
クリップ104の上部140は、クリップ104の前端に隣接して先端146を含む。上部140は、上部140の中央から先端146まで先細りになっている。クリップ104の上部140の先端146の先細りは、クリップ104が患者の筋肉、骨又は組織に固定されているときに、クリップ104が組織を通って押し進むのを助ける。クリップ104の上部140の先端146の先細りが組織を通る経路を作り出すので、外科医は患者の組織を通る経路を切開する必要がない。
上部140は、更に、開口148を含む。開口148は、上部140を通って延びている。図3A~3Eに示す実施形態においては、上部140に2つの開口148があるが、代替の実施形態においては、任意の数の開口148があってもよい。開口148は、皮下デバイス100を筋肉、骨又は組織に固定するために、クリップ104が患者の筋肉、骨又は組織に縫合され得るよう構成される。更に、開口148は、皮下デバイス100を筋肉、骨又は組織に固定するために、歯、ピン又はスクリューのような、付加的な固定機構を受容することができる。これらの付加的な固定機構は、生体吸収性材料から製作することができる。クリップ104は、スロット150も含む。スロット150は、クリップ104のスプリング部144を通って延びる開口である。スロット150は、皮下デバイス100を患者に埋め込むために用いられる外科用器具のブレードを受容するように構成される。
スプリング部144はクリップ104のためのスプリングとして作用し、テンション下にある。上部140はテンションアームとして作用し、スプリング部144からの力は、上部140に伝えられこれを押し下げる。その自然な状態において、スプリング部144のバネ付勢は、上部140の先端146をクリップ104の底部142に向かって押し付ける。上部140の先端146は持ち上げることができ、クリップ104を患者の筋肉、骨又は組織の上に配置することができる。クリップ104が患者の筋肉、骨又は組織の上に配置されると、スプリング部144のテンションは、上部140を筋肉、骨又は組織の上に押し付ける。このテンションが、クリップ104を筋肉、骨又は組織に固定する。クリップ104を骨、筋肉又は組織に固定するために、歯、ピン又はスクリューのような付加的な固定機構を使用することもできる。
クリップ104はまた、クリップ104の上面140に電極152を含む。図4A~4Eに示す実施形態においては、クリップ104に配置された単一の電極152が存在する。代替の実施形態において、任意の数の電極をクリップ104に配置することができ、又は、クリップ104は電極を含まないことができる。電極152は、クリップ104を取り囲む組織の電気的活動又は生理学的パラメータを感知するために、クリップ104の上部140に配置されている。電極152はまた、クリップ104を取り囲む組織に治療用電気刺激を与えることができる。
図5Aは、皮下デバイス100のプロング106の側面図である。図5Bは、皮下デバイス100のプロング106の上面図である。プロング106は、近位端160、遠位端162、ベース部164とスプリング部166、アーム部168、接触部170及び電極172を含む。
プロング106は、近位端160と、近位端160の反対側の遠位端162とを含む。プロング106の近位端160は、張力緩和又は運動を支援するための付加的な材料を有することができる。プロング106は、ベース部164、スプリング部166、アーム部168及び接触部170を含む。ベース部164の第1の端部はプロング106の近位端160と整列され、ベース部164の第2の端部はスプリング部166の第1の端部に接続される。ベース部164は、ハウジング102(図3D~3Eに示す)のポート126に配置された直線的な部位である。スプリング部166の第1の端部はベース部164の第2の端部に接続され、スプリング部166の第2の端部はアーム部168の第1の端部に接続される。アーム部168の第1の端部はスプリング部166の第2の端部に接続され、アーム部168の第2の端部は接触部170の第1の端部に接続される。アーム部168は、直線的な部位である。接触部170の第1の端部はアーム部168の第2の端部に接続され、接触部170の第2の端部はプロング106の遠位端162と整列される。接触部170は、遠隔身体構成要素B(図2に示される)に接触するように配置され得る。スプリング部166は、プロング106のためのスプリングとして作用し、テンション下にある。アーム部168はテンションアームとして作用し、スプリング部166からの力は、アーム部168に伝えられこれを押し下げる。その自然な状態において、スプリング部166のバネ付勢は、プロング106の遠位端162をハウジング102の底面116から遠ざかる方向に押す。
プロング106は、更に、電極172を含む。電極172は、図5A~5Bに示す実施形態においては、遠位端162にあるものとして示される。代替の実施形態において、電極172は接触部170の任意の点に配置することができ、任意の形状及び構成を有することができる。更に、プロング106は、図5A~5Bに示す実施形態においては、単一の電極172を有するものとして示される。プロング106は、代替の実施形態において、任意の数の電極を有することができる。電極172は、遠隔身体構成要素Bの電気的活動又は生理学的パラメータを感知するためにプロング106の遠位端162に配置されている。電極172は、遠隔身体構成要素Bに治療用電気刺激を与えることもできる。
プロング106は、皮下デバイス100が患者に埋め込まれるときに、体内の組織を通って押し進むことができるよう、硬い材料で製作されている。プロング106は、ニチノールとしても知られているニッケルチタンから製作することができる。ニチノールは超弾性を有する形状記憶合金であり、皮下デバイス100が患者に埋め込まれる際にプロング106が変形した場合、プロング106がその元の形状及び位置に戻ることを可能とする。プロング106はまた、シリコーン、ポリウレタン、ステンレス鋼、チタン、エポキシ、金属補強材を有するポリウレタン、又は、非多孔インプラントに適した任意の他の材料から製作され得る。一例として、プロング106は、ポリウレタン及びシリコーンから成り、バネ剛性を付与するために金属で補強された複合材料から製作することができる。
プロング106のスプリング部166は、プロング106がひとたび体内に配置されると可撓性を有することを可能とする。例えば、遠隔身体構成要素Bが患者の心臓であり、プロング106の接触部170が心臓に対して配置される場合、プロング106のスプリング部166は、心臓が拍動するにつれて、プロング106が上下に移動することを可能とする。これは、プロング106の接触部170が心臓と接触しているときに、プロング106が心臓を穿刺又は損傷しないことを保障する。プロング106の遠位端162は、プロング106の接触部170が心臓と接触しているときに、プロング106が心臓を穿刺又は損傷することを防止するために、丸みを帯びた形状を有する。プロング106の全体的な軸方向の剛性は、プロング106が心臓を穏やかに押し、心臓が拍動するにつれて心臓と接触して上下に移動するものの、心膜組織又は心外膜組織を穿刺し又は引き裂くのに十分なほど硬くも鋭くもないように、調整することができる。
図6Aは、皮下デバイス100の側面図である。図6Bは、皮下デバイス100の上面図である。図6Cは、皮下デバイス100の底面図である。図6Dは、皮下デバイス100の後面図である。図6Eは、皮下デバイス100の正面図である。皮下デバイス100は、ハウジング102、クリップ104及びプロング106を含む。ハウジング102は、第1の面110、第2の面112、上面114、底面116、前端118、後端120、曲面122、凹部124、ポート126、チャネル128、第1のガイド130、第2のガイド132、電極134及び電極136を含む。クリップ104は、上部140、底部142、スプリング部144、先端146、開口148、スロット150及び電極152を含む。プロング106は、近位端160、遠位端162、ベース部164とスプリング部166、アーム部168、接触部170及び電極172を含む。
皮下デバイス100は、ハウジング102、クリップ104及びプロング106を含む。ハウジング102は、上記の図3A~3Eを参照して詳細に説明されている。クリップ104は、上記の図4A~4Eを参照して詳細に説明されている。プロング106は、上記の図6A~6Bを参照して詳細に説明されている。
クリップ104は、皮下デバイス100のハウジング102の上面114に接続されている。ハウジング102の凹部124は、クリップ104の底部142に適合するように成形される。底部142は、例えば溶接によって、ハウジング102の凹部124内に位置決めされ、これに接続される。クリップ104のスプリング部144は、ハウジング102の後面120と整列される。クリップ104の上部140は、ハウジング102の上面114に沿って延びる。クリップ104におけるバネ付勢は、クリップ104の先端146をハウジング102に向かって押し付ける。クリップ104は、患者の骨、筋肉又は組織上にクリップ104を配置するために、クリップ104の先端146を持ち上げることによって拡張され得る。クリップ104が患者の筋肉、骨又は組織上に配置されると、スプリング部144におけるテンションは、クリップ104の上部140を筋肉、骨又は組織上に押し下げる。このテンションが、クリップ104を、したがって皮下デバイス100を、筋肉、骨又は組織に固定する。
プロング106は、皮下デバイス100のハウジング102の後面120に接続される。ハウジング102のポート126は、プロング106ベース部164に適合するように成形される。プロング106のベース部164は、ハウジング102のポート126内に配置される。プロング106のベース部164は、例えばフィードスルーを用いて、ハウジング102の内部構成要素に電気的に接続される。プロング106のベース部164はまた、ハウジング102のポート126内で気密に封止される。プロング106のスプリング部166は、ハウジング102の後面120の周りを湾曲し、アーム部168は、ハウジング102の底面116の下を延びる。アーム部168は、接触部170がハウジング102の前端118から外向きに配置されるよう、ハウジング102の前端118を通過して延びる。代替の実施形態において、プロング106は異なる形状及び長さを有することができる。更に、プロング106は、ハウジング102から任意の方向に延びることができる。
皮下デバイス100は、図6A~6Eにおいて展開位置で示される。皮下デバイス100が患者に埋め込まれるとき、皮下デバイス100は展開位置にある。展開位置では、プロング106はベース部164においてのみハウジング102と接触する。皮下デバイスはまた、収容位置を有する。皮下デバイス100が患者への送達の前に外科用器具に装填されるとき、皮下デバイス100は収容位置にある。収容位置において、プロング106のアーム部168は、ハウジング102のチャネル128内に配置される。皮下デバイス100が収容位置にあるとき、ハウジング102のチャネル128は、プロング106のアーム部168を、ハウジング102に関して中心位置で保持する。皮下デバイスが患者に埋め込まれるとき、皮下デバイス100は展開する。プロング106のスプリング部166のテンションは、アーム部168を、ハウジング102のチャンネル128から遠ざかるように外向きに押す。
皮下デバイス100は、ペースメーカーとして機能することができる。プロング106は、プロング106の接触部170が、心臓の右心室、左心室、右心房又は左心房と接触するように成形することができる。皮下デバイス100は、プロング106上の電極172と、ハウジング102上の電極134若しくは電極136のうちの一方又はクリップ104上の電極152とを利用して、単極ペースメーカーとして機能することができる。更に、皮下デバイス100は、プロング106上の電極172と、やはりプロング106上に配置された第2の電極とを利用して、双極ペースメーカーとして機能することができる。
図7は、皮下デバイス100の機能ブロック図である。皮下デバイス100は、ハウジング102、感知回路180、コントローラ182、メモリ184、治療回路186、電極188、センサ190、トランシーバ192及び電源194を含む。
ハウジング102は、感知回路180、コントローラ182、メモリ184及び治療回路186を収容する。感知回路180は、心臓から電気信号を受信し、当該電気信号をコントローラ182に伝送する。コントローラ182は電気信号を分析し、患者の心拍に不整脈があるかどうかを判定するために、メモリ184に記憶された命令を実行する。コントローラ182が不整脈ありと判断した場合、コントローラ182は、患者の心拍を調節するために電気刺激を心臓に送るよう、治療回路186に命令を送信する。感知回路180及び治療回路186は、共に電極188と通信する。電極188は、ハウジング102、クリップ104及び/又はプロング106内に配置されることができ、皮下デバイス100が患者に埋め込まれるとき、臓器、神経又は組織と接触する。電極188は、臓器、神経又は組織からの電気信号を感知し、心臓に電気刺激を与える。
コントローラ182はまた、感知回路180を介してセンサ190と通信する。センサ190は、ハウジング102及び/又はプロング106内に配置することができる。センサ190は、患者の生理学的パラメータを決定するために、コントローラ182と共に使用され得る。コントローラ182は更に、ハウジング102内に配置されたトランシーバ192と通信する。トランシーバ192は、皮下デバイス100の外部から情報及び命令を受信し、皮下デバイス100内で収集された情報を皮下デバイス100の外部に送信することができる。電源194もハウジング102内に配置され、必要に応じて、ハウジング102、クリップ104及びプロング106内の構成要素に電力を供給する。電源194は、ハウジング102内の構成要素に電力を供給するバッテリであり得る。
感知回路180は、プロング106を通ってハウジング102内に延びる導体を介して、電極188と電気的に結合されている。感知回路180は、電極188によって形成される感知ベクトルを受信するように構成されており、感知ベクトルをコントローラ182に伝送可能な電気信号に翻訳する。感知回路180は、電極(正端及び負端を含む)、アナログ回路、アナログ-デジタル変換器、アンプ、マイクロコントローラ及び電源を含む、任意の適切な回路であり得る。
コントローラ182は、機能を実行し、及び/又は、皮下デバイス100内での実行のための命令を処理するように構成される。コントローラ182は、メモリ184に記憶された命令を処理することができる。コントローラ182の例は、マイクロコントローラ、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA)又は他の同等の個別論理回路若しくは集積論理回路のうちの任意の1つ以上を含み得る。
メモリ184は、動作中に皮下デバイス100内で情報を記憶するように構成することができる。メモリ184は、いくつかの例において、コンピュータ可読記憶媒体として記述される。いくつかの例において、コンピュータ可読記憶媒体は、非一時的な媒体を含み得る。用語「非一時的」は、記憶媒体が搬送波又は伝搬信号内で具現化されないことを示し得る。特定の例において、非一時的な記憶媒体は、経時的に変化し得るデータを記憶することができる(例えば、RAM又はキャッシュ内に)。いくつかの例において、メモリ184は一時記憶装置であり、メモリ184の主目的が長期的な記憶ではないことを意味する。メモリ184は、いくつかの例においては揮発性メモリとして記述され、皮下デバイス100への電力がオフにされたときに、メモリ184が記憶された内容を保持しないことを意味する。揮発性メモリの例は、ランダム・アクセス・メモリ(RAM)、ダイナミック・ランダム・アクセス・メモリ(DRAM)、スタティック・ランダム・アクセス・メモリ(SRAM)及び他の形態の揮発性メモリを含み得る。いくつかの例において、メモリ184は、コントローラ182による実行のためのプログラム命令を記憶するために使用される。メモリ184は、1つの例において、プログラム実行中に一時的に情報を記憶するために、皮下デバイス100上で動作するソフトウェア又はアプリケーションによって使用される。
メモリ184は、いくつかの例において、コンピュータ可読記憶媒体をも含み得る。メモリ184は、揮発性メモリよりも大量の情報を記憶するように構成することができる。メモリ184は更に、情報の長期記憶のために構成することができる。いくつかの例において、メモリ184は、不揮発性記憶素子を含むことができる。そのような不揮発性記憶素子の例は、磁気ハードディスク、光ディスク、フロッピー(登録商標)ディスク、フラッシュメモリ、あるいは、電気的にプログラム可能なメモリ(EPROM)又は電気的に消去及びプログラム可能なメモリ(EEPROM)の形態を含み得る。
コントローラ182は、感知回路180から電気信号を受信し、当該電気信号を分析し、患者の心拍に不整脈が存在するかどうかを判定するために、メモリ184に記憶された命令を実行することができる。不整脈が検出された場合、コントローラ182は、電極188を介して心臓に電気刺激を送達するように治療回路186に命令を送信することができる。
治療回路186は、プロング106を通ってハウジング102内に延びる導体を介して、電極188と電気的に結合される。治療回路186は、電極188を介して心臓に電気刺激を送達するように構成される。治療回路186は、電気刺激を生成するためのキャパシタを含む。治療回路180は、マイクロコントローラ、電源、キャパシタ及びデジタル-アナログ変換器を含む任意の適切な回路であり得る。
コントローラ182はまた、センサ190から情報を受信することができる。センサ190は、温度センサ、加速度計、圧力センサ、近接センサ、赤外線センサ、光学センサ及び超音波センサを含むがこれらに限定されない任意の適切なセンサを含み得る。センサ190からの情報によって、皮下デバイス100が患者の生理学的パラメータを感知することが可能となる。例えば、センサからのデータは、心拍数、心拍リズム、呼吸数、呼吸波形、活動、運動、姿勢、酸素飽和度、フォトプレチスモグラム(PPG)、血圧、中核体温、肺水腫及び肺湿潤を計算するために使用することができる。加速度計は、レート応答ペーシングにも使用することができる。
皮下デバイス100はまた、トランシーバ192を含む。皮下デバイス100は、1つの例において、無線通信を介して外部デバイスと通信するためにトランシーバ192を利用する。皮下デバイス100は、第2の例において、無線通信を介して患者に埋め込まれた他のデバイスと通信するためにトランシーバ192を利用する。トランシーバ192は、イーサネット(登録商標)カード、光学トランシーバ、無線周波トランシーバ又は情報を送受信することができる任意の他のタイプのデバイスのような、ネットワークインターフェースカードであり得る。そのようなネットワークインターフェースの他の例は、Bluetooth(登録商標)、3G、4G、WiFi無線コンピューティングデバイス、ユニバーサル・シリアル・バス(USB)、標準誘導結合、低周波医療周波数無線(MICS)、超広帯域無線、標準オーディオ及び超音波無線を含み得る。トランシーバ192が通信できる外部デバイスの例は、ラップトップコンピュータ、携帯電話(スマートフォンを含む)、タブレットコンピュータ、携帯情報端末(PDA)、デスクトップコンピュータ、サーバー、メインフレーム、クラウドサーバー又は他のデバイスを含む。体内に埋め込まれた他のデバイスは、他のペースメーカー、埋め込み型電気的除細動器、神経刺激器のような他の埋め込み型医療機器を含み得る。トランシーバ192は、アンテナに接続することもできる。
皮下デバイス100は、ハウジング102内に配置された電源194を含む。皮下デバイス100はまた、ワイヤレス結合又はRFを介して電力及びデータを皮下デバイス100に伝送する、ハウジング102の外側のバッテリ又はデバイスを含むことができる。更に、電源194は、再充電可能なバッテリであり得る。
図7を参照して上述した皮下デバイス100の内部構成要素は、例示を意図したものである。皮下デバイス100は、より多くの、より少ない又は他の適切な構成要素を含むことができる。例えば、皮下デバイス100が診断のためにのみ使用される場合、皮下デバイス100は、治療回路186を含まない。更なる例として、皮下デバイス100は、センサ190なしでペースメーカーとして機能することができる。
図8は、剣状突起X及び胸骨Sの上に配置された皮下デバイス100の斜視図である。図9Aは、剣状突起X及び胸骨Sの上に配置された皮下デバイス100の斜視図であり、心臓Hの上におけるプロング106の配置を示している。図9Bは、剣状突起X及び胸骨Sの上に配置された皮下デバイス100の破断断正面であり、心臓Hの上におけるプロング106の配置を示している。図9Cは、剣状突起X及び胸骨Sの上に配置された皮下デバイス100の破断斜視図であり、心臓Hの上におけるプロング106の配置を示している。皮下デバイス100は、ハウジング102、クリップ104及びプロング106を含む。ハウジング102は、上面114、前端118及び曲面122を含む。クリップ104は、上部140、スプリング部144及び開口148を含む。プロング106は、遠位端162、スプリング部166、接触部170及び電極172を含む。図8~9Cは、剣状突起X及び胸骨Sを示す。図9A~9Cは、更に心臓H及び右心室RVを示す。図23Bも、肋骨Rを示している。
図8~9Cは、剣状突起X及び胸骨Sを示す。図9Bは、更に剣状突起X及び胸骨Sを肋骨Rとの関連において示す。皮下デバイス100は、患者の剣状突起X及び胸骨Sに固定することができる。剣状突起Xは、胸骨Sの下端から延びる突起である。皮下デバイス100が剣状突起Xに固定されると、皮下デバイス100のハウジング102は、部分的に患者の胸骨Sの下に配置される。一部の患者では、剣状突起Xが欠損し、小さく、狭く又は細長く、皮下デバイス100を胸骨Sの遠位端に直接的に取り付けることができる。皮下デバイスは、剣状突起X及び胸骨Sに固定される場合、患者の前縦隔に位置する。前縦隔は心膜の前方、胸骨Sの後方且つ胸郭面の下方にある領域である。前縦隔は、疎性結合組織、リンパ節及び胸骨下筋系を包含する。
皮下デバイス100が剣状突起X及び胸骨Sの上に展開されると、皮下デバイス100のハウジング102及びプロング106は、前縦隔を通って移動する。ハウジング102の上面114上の曲面122は、皮下デバイス100が前縦隔内の組織を通って押し進むのを助けるために、ハウジング102の先細りの前端118を作り出す。更に、プロング106は、それが前縦隔内の組織を通って押し進むことを可能とするために、硬い材料から製作されている。
皮下デバイス100は、クリップ104を用いて剣状突起X及び胸骨Sに固定することができる。クリップ104が剣状突起X上に配置されると、クリップ104の上部140は剣状突起X及び胸骨Sよりも上に配置される。クリップ104のスプリング部144は、クリップ104の上部140にテンションをかけ、上部140を剣状突起X及び胸骨Sの上に押し下げる。クリップ104は、皮下デバイス100を、剣状突起X及び胸骨S上の所定の位置に保持する。更に、クリップ104の上部140の開口148は、クリップ104を剣状突起X及び胸骨Sに縫合するために使用することができ、あるいは、開口148は、歯、ピン又はスクリューのような付加的な固定機構を受容することができる。これにより、皮下デバイス100は、更に剣状突起X及び胸骨Sに固定される。
皮下デバイス100が剣状突起X及び胸骨Sに固定されると、プロング106はハウジング102から延び、患者の心臓Hと接触する。具体的には、プロング106の接触部170及び電極172が、心膜と接触する。心膜は、心臓Hを取り囲む線維性の嚢である。電極172は、心臓Hの右心室RVを取り囲む心膜の部位に配置される。電気信号を、プロング106の遠位端162の電極172から心膜及び心外膜を通じて心臓Hの心筋内に伝達することにより、電気刺激を心臓Hの右心室RVに印加することができ、その結果、心臓Hが収縮する。プロング106は、心臓Hの体表面心電図を決定するために、心臓Hからの電気信号を感知することもできる。
心臓Hは、鼓動する時、垂直及び3次元のパターンで移動する。プロング106のスプリング部166は、心臓の鼓動につれてプロング106が心臓Hと共に移動できるよう、プロング106にある程度の柔軟性を与える。これにより、プロング106が心臓Hを穿刺又は損傷しないことが保障される。
皮下デバイス100を剣状突起X及び胸骨Sに固定することにより、皮下デバイス100が患者の体内で移動しないことが保障される。皮下デバイス100の位置を体内で維持することにより、プロング106が適切に位置決めされ、心臓Hとの接触を失わないことが保証される。更に、皮下デバイス100は、患者の体内で移動しないため、患者の心拍数及び他の生理学的パラメータを正確かつ確実に決定することができる。例えば、心電図の形態は、患者の体内での皮下デバイス100の移動によって変化しない。
皮下デバイス100は、皮下デバイス100が外科用器具を用いて剣状突起X上に注入される単純な手順で、埋め込むことができる。皮下デバイス100を埋め込むための外科的手順は、皮下デバイスが体内の皮下に置かれるので、従来のペースメーカーデバイスに必要とされる外科的手順よりも、侵襲性が低い。患者の血管系内にリード線を配置する必要がなく、これにより患者に対する血栓症のリスクが低下する。皮下デバイス100を埋め込むための外科用器具及び方法を、以下でより詳細に説明する。
(注入可能な器具200)
図10Aは、第1の位置にある外科用器具200の斜視図である。図10Bは、第1の位置にある外科用器具200の断面斜視図である。外科用器具200は、本体202、スライダ204、ブレード206、ボルト208及びスクリュー210を含む。
外科用器具200は、患者に医療機器を埋め込むために使用することができる。以下の説明では、皮下デバイス100(図1~9に示す)を、外科用器具200を用いて患者に埋め込むことができるデバイスの一例として用いる。しかしながら、外科用器具200は、図20~37に示される皮下デバイス400、500、600、700、800、900、1000、1100、1200、1300、1400及び1500のいずれかを含む、任意の適切な医療機器を患者に埋め込むために使用することができる。
外科用器具200は、外科用器具200を保持し操作するためにユーザによって把持され得る本体202を含む。外科用器具200は、更に、本体202に取り付けられたスライダ204及びブレード206を含む。ボルト208は、スライダ204を外科用器具200内の所定の位置に保持するために、本体202及びスライダ204を通って延びる。スライダ204は、皮下デバイスが外科用器具200内に収容されているとき、皮下デバイスを患者の体内に展開するように構成される。スクリュー210は、ブレード206を本体202に取り付けるために、ブレード206を貫通して本体202内に延びる。ブレード206は、外科用器具200の前端を越えて延びるように構成され、外科用器具200内に収容された皮下デバイスを患者の体内に展開する前に、組織を切り開くために使用することができる。代替の実施形態において、ブレード206は、外科用器具200に接続されていない別個のブレードであることができる。
外科用器具200は、図10A~10Bにおいて、第1の位置で示されている。第1の位置において、スライダ204は本体202に当接するように配置されており、皮下デバイス100(図1~9に示される)を外科用器具200内に装填することができる。外科用器具200は、皮下デバイス100を患者の骨、筋肉又は組織の上に注入するために使用することができる。一例において、外科用器具200は、皮下デバイス100を患者の剣状突起及び胸骨の上に注入するために使用することができる。
図11Aは、外科用器具200の本体202の斜視図である。図11Bは、外科用器具200の本体202の側面図である。図11Cは、外科用器具200の本体202の底面図である。図11Dは、外科用器具200の本体202の正面図である。本体202は、ベース220、ハンドル222、上部アーム224、下部アーム226、スライダスロット228、ボルト孔230、ボルト孔232、ブレードスロット234、スクリュー孔236、ガイドトラック238、ガイドトラック240及びプロングトラック242を含む。
本体202は、互いに一体化されて本体202を形成する、ベース220、ハンドル222、上部アーム224及び下部アーム226を含む。ベース220は、本体202の中央に支持部を形成する。ハンドル222は、ベース220の後端から離れるように延びる。ハンドル222は、外科用器具200の本体202を把持するために、ユーザによって把持され得る。上部アーム224及び下部アーム226は、ベース220の前端から離れるように延びる。上部アーム224はベース220の上面に配置され、下部アーム226はベース220の下面に配置される。本体202は、任意の適切な金属又はプラスチック材料から製作することができる。
上部アーム224は、上部アーム224に開口を形成するスライダスロット228を含む。スライダスロット228は、外科用器具200(図10A~10Bに示される)のスライダ204が、上部アーム224を通って摺動することができるように構成される。上部アーム224は、更に、上部アーム224の前端を貫通して延びるボルト孔230を含む。上部アーム224のボルト孔230は、外科用器具200(図10A~10Bに示される)のボルト208を受容するように構成される。ボルト孔230は、ボルト208が本体202の前端と面一になるように、ボルト208の頭部を受容するように構成された凹部を有する。
ベース210は、ベース210の上端内に延びるボルト孔232を含む。ベース210のボルト孔232は、外科用器具200(図10A~10Bに示される)のボルト208を受容するように構成される。ボルト孔232は、ボルト208のネジ山を受容するために、ネジが切られている。ベース210は、更に、ベース210の中央に延びるブレードスロット234を含む。ベース210のブレードスロット234は、外科用器具200(図10A~10Bに示される)のブレード206を受容するように構成される。ベース210はまた、ベース210の底面からベース210内に上方に延びるスクリュー孔236を含む。スクリュー孔236は、外科用器具200(図10A~10Bに示される)のスクリュー210を受容するように構成される。ブレードスロット234は、スクリュー210がブレード206を通って延び、ブレード206を外科用器具200に取り付けることができるよう、スクリュー孔236内に延びる。
下部アーム226は、第1のガイドトラック238及び第2のガイドトラック240を含む。第1のガイドトラック238は、下部アーム226の第1の側の内面に沿って延びる溝であり、第2のガイドトラック240は、下部アーム226の第2の側の内面に沿って延びる溝である。第1のガイドトラック238及び第2のガイドトラック240は、皮下デバイス100(図3A~3D及び6A~6Eに示される)のハウジング102の第1のガイド130及び第2のガイド132をそれぞれ受容するように構成される。下部アーム226は、更に、プロングトラック242を含む。プロングトラック242は、下部アーム226の上面に沿って延びる溝である。プロングトラック242は、皮下デバイス100のプロング106を受け入れるように構成される。
図12Aは、外科用器具200のスライダ204の斜視図である。図12Bは、外科用器具200のスライダ204の正面図である。図12Cは、外科用器具200のスライダ204の側面図である。図12Dは、外科用器具200のスライダ204の底面図である。スライダ204は、ベース250、ノブ252、シャフト254、第1のガイド256、第2のガイド258、第3のガイド260、第4のガイド262、ボルト孔264、ブレードスロット266、第1の肩部268、第2の肩部270及びデバイスノッチ272を含む。
スライダ204は、スライダ204を形成するために互いに一体化されたベース250、ノブ252及びシャフト254を含む。ベース250は、スライダ204の中央に支持部を形成する。ノブ252は、ベース250から上方に延びる。ノブ252は、外科用器具200内でスライダ204を摺動させるために、ユーザによって把持され得る。シャフト254は、ベース250から下方に延びる。
ベース250は、ベース250の底面上に第1のガイド256及び第2のガイド258を含む。第1のガイド256はベース250の第1の側に配置され、ベース250の前端から後端まで延び、第2のガイド258はベース250の第2の側に配置され、ベース250の前端から後端まで延びる。シャフト254は、第3のガイド260及び第4のガイド262を含む。第3のガイド260は、シャフト254の第1の側で、シャフト254の前端から後端まで延び、第4のガイド262は、シャフト254の第2の側で、シャフト254の前端から後端まで延びる。第1のガイド256、第2のガイド258、第3のガイド260及び第4のガイド262は、スライダ204が外科用器具200(図10A~10Bに示される)を通って摺動するときに摩擦を低減するように構成される。
シャフト254はまた、スライダ204の前端から後端まで延びるボルト孔264を含む。ボルト孔264は、外科用器具200(図10A~10Bに示される)のボルト208の一部を受容するように構成される。シャフト254は、更に、スライダ204の前端から後端まで延びるブレードスロット266を含む。ブレードスロット266は、外科用器具200(図10A~10Bに示される)のブレード206の一部を受容するように構成される。シャフト254はまた、第1の肩部268及び第2の肩部270を含む。第1の肩部268はスライダ204の第1の側のリッジであり、第2の肩部270はスライダ204の第2の側のリッジである。第1の肩部268及び第2の肩部270は、本体202の下部アーム226に沿って摺動するように構成される。シャフト254は、付加的に、デバイスノッチ272を含む。デバイスノッチ272は、シャフト254の前端の溝である。デバイスノッチ272は、皮下デバイス100(図1~9に示される)の一部を受容するように構成される。
図13Aは、外科用器具200のブレード206の斜視図である。図13Bは、外科用器具200のブレード206の側面図である。ブレード206は、ベース280、シャフト282、先端284及び開口286を含む。
ブレード206は、ベース280、シャフト282及び先端284を含む。ベース280は、ブレード206の後端を形成する。シャフト282の後端は、ベース280に連結される。先端284は、シャフト282の前端に連結される。先端284は、ブレード先端である。ブレード206はまた、ブレード206のベース280を通って延びる開口286を含む。開口286は、外科用器具200にブレード206を取り付けるために、外科用器具200(図10A~10Bに示される)のスクリュー210を受容するように構成される。
図14Aは、外科用器具200の斜視図である。図14Bは、外科用器具200の断面図である。外科用器具200は、本体202、スライダ204、ブレード206、ボルト208及びスクリュー210を含む。本体202は、ベース220、ハンドル222、上部アーム224、下部アーム226、スライダスロット228、ボルト孔230、ボルト孔232、ブレードスロット234、スクリュー孔236、ガイドトラック238、ガイドトラック240及びプロングトラック242を含む。スライダ204は、ベース250、ノブ252、シャフト254、第1のガイド256、第2のガイド258、第3のガイド260、第4のガイド262、ボルト孔264、ブレードスロット266、第1の肩部268、第2の肩部270及びデバイスノッチ272を含む。ブレード206は、ベース280、シャフト282、先端284及び開口286を含む。
外科用器具200は、本体202、スライダ204、ブレード206、ボルト208及びスクリュー210を含む。本体202は、上記の図11A~11Dを参照して説明されている。スライダ204は、上記の図12A~12Dを参照して説明されている。ブレード206は、上記の図13A~13Bを参照して説明されている。
スライダ204は、外科用器具200の本体202のスライダスロット228内に配置され、そこで摺動可能である。スライダ204のベース250は、スライダ204が本体202のスライダスロット228を通って摺動するとき、本体202の上部アーム224に沿って摺動する。ボルト208は、本体202のボルト孔230、スライダ204のボルト孔264を通って、本体202のボルト孔232内へ延びる。スライダ204は、本体202のスライダスロット228を通って摺動するとき、ボルト208に沿って摺動することができる。代替の実施形態において、ボルト208は、スライダ204がその上を摺動することができるシャフト又は任意の他の適切な機構であることができる。更に、ブレード206は、スライダ204のブレードスロット266を通って延びる。スライダ204は、本体202のスライダスロット228を通って摺動するとき、ブレード206に沿って摺動することができる。スライダ204はまた、スライダ204が本体202のスライダスロット228を通って摺動するとき、下部アーム226の上側に当接し、それに沿って摺動する、第1の肩部268及び第2の肩部270を含む。
スライダ204は、外科用器具200に予め装填されたデバイスを外科用器具200から外へ展開するために、外科医によって手で押されることができる機構である。代替の実施形態において、スライダ204は自動であることができ、外科用器具200に予め装填されたデバイスは外科用器具200から外へ自動的に展開され得る。
ブレード206は、外科用器具200の本体202内に配置され、それに取り付けられる。ブレード206のベース250は、本体202のブレードスロット234内に配置され、その結果、ブレード206のベース250の開口286は、本体202のスクリュー孔236と整列される。スクリュー210は、ブレード206のベース280の開口286を通して挿入され、次いで、ブレード206を外科用器具200の本体202に取り付けるために、本体202のスクリュー孔236にねじ込まれ得る。ブレード206が外科用器具202に取り付けられると、ブレード206の先端284は、患者の体内の組織を切開するために外科医がブレード206の先端284を使用することができるように、外科用器具200の前端を越えて延びる。代替の実施形態において、ブレード206は、皮下デバイス100のために作り出されたポケットが正しい幅及び深さであることを保障するために、外科医が使用することができる鈍いエッジを含むことができる。
外科用器具200は、皮下デバイス100を患者の体内に埋め込むために使用することができる。外科用器具200のスライダ204は、皮下デバイス100を患者の骨、筋肉又は組織に注入するための注入機構として作用する。外科用器具200が骨、筋肉又は組織に隣接して配置されると、外科医は、皮下デバイス100を骨、筋肉又は組織上に注入するために、外科用器具200のスライダ204を前方に押す。皮下デバイス100を骨、筋肉又は組織上に注入するための方法を、図15~19を参照して以下でより詳細に説明する。
(方法300)
図15は、外科用器具200を使用して皮下デバイス100を埋め込むための方法300を示すフローチャートである。図16A~19は、皮下デバイス100が外科用器具200によって埋め込まれているときの、外科用器具200内の異なる位置における皮下デバイス100を示す。図16Aは、外科用器具200内の第1の位置にある皮下デバイス100の斜視図である。図16Bは、外科用器具200内の第1の位置にある皮下デバイス100の断面図である。図17Aは、皮下デバイスが埋め込まれているときの、外科用器具200内の第2の位置にある皮下デバイス100の斜視図である。図17Bは、皮下デバイス100が埋め込まれているときの、外科用器具200内の第2の位置にある皮下デバイス100の断面図である。図17Cは、皮下デバイス100が埋め込まれているときの、外科用器具200内の第2の位置にある皮下デバイス100の断面図である。図18Aは、皮下デバイス100が埋め込まれているときの、外科用器具200内の第3の位置にある皮下デバイス100の斜視図である。図18Bは、皮下デバイス100が埋め込まれているときの、外科用器具200内の第3の位置にある皮下デバイス100の断面図である。図19は、外科用器具200から展開された後の皮下デバイス100の斜視図である。皮下デバイス100は、ハウジング102、クリップ104及びプロング106を含む。クリップ104は、上部140と、底部142と、スプリング部144及びスロット150を含む。プロング106は、スプリング部144を含む。外科用器具200は、本体202、スライダ204、ブレード206、ボルト208及びスクリュー210を含む。本体202は、ベース220、ハンドル222及びスライダスロット228を含む。スライダ204は、シャフト254及びノブ252を含む。ブレード206は、先端284を含む。方法300は、ステップ302~314を含む。
方法300は、ここでは、皮下デバイス100(図1~9に示される)を患者の剣状突起及び胸骨上に埋め込むことに関連して説明される。しかしながら、方法300は、(図20~37に示される皮下デバイス400、500、600、700、800、900、1000、1100、1200、1300、1400及び1500のいずれかを含む)任意の適切な医療機器を患者の任意の骨、筋肉又は組織上に埋め込むために使用することができる。更に、方法300は、ここでは、皮下デバイス100を埋め込むために外科用器具200(図10A~14Bに示される)を用いることに関連して説明される。しかしながら、皮下デバイス100を埋め込むために、任意の適切な外科用器具200を使用することができる。
ステップ302は、剣状突起の下で患者に小さな切開を加えることを含む。患者は局所麻酔又は全身麻酔下にあり得る。外科医は、外科用メスを用いて、剣状突起の直下の皮膚を通して小さな切開を加えることができる。
ステップ304は、小さな切開部を通して外科用器具200を挿入することを含む。外科用器具200には、図16A~16Bに示されるように、小さな切開部を通して挿入されるとき、皮下デバイス100が予め装填される。外科用器具200に皮下デバイス100が予め装填される場合、外科用器具200は第1の位置にある。第1の位置において、外科用器具200のスライダ204のシャフト254は、外科用器具200の本体202のベース220に当接する。皮下デバイス100は、皮下デバイス100の前端が外科用器具200の前端と整列するように、外科用器具200内に装填される。皮下デバイス100の後端は、外科用器具200のスライダ204に当接する。皮下デバイス100のクリップ104のスプリング部144は、外科用器具200のスライダ204のデバイスノッチ272内に配置される。皮下デバイス100のハウジング102の第1のガイド130及び第2のガイド132は、それぞれ、外科用器具200の本体202のガイドトラック238及びガイドトラック240内に位置する。外科用器具200のブレード206は、皮下デバイス100のクリップ104のスロット150を通って延びる。ブレード206の先端284は、皮下デバイス100の前端を越えて延び、ブレード206の先端284が患者の組織を切断するために使用されることを可能とする。
ステップ306は、外科用器具200を剣状突起及び胸骨の遠位端に前進させることを含む。外科用器具200の本体202のハンドル222を保持する外科医は、外科用器具200を患者の中に及び患者を通して移動させることができる。外科医は、外科用器具200を操作して、剣状突起及び胸骨の遠位端への経路を提供するために、外科用器具200のブレード206の先端284を使用して患者の組織を切断することができる。
ステップ308は、外科用器具200のブレード206を用いて、剣状突起及び胸骨の遠位端から組織を除去することを含む。外科医は、外科用器具200を操作して、剣状突起及び胸骨の遠位端を露出すべく、外科用器具200のブレード206の先端284を使用して、剣状突起及び胸骨の遠位端の上の組織をそぎ落とすことができる。代替の実施形態において、外科医は、剣状突起及び胸骨の遠位端から組織をそぎ落とすために、外科用メス又は他の外科用器具を使用することができる。
ステップ310は、皮下デバイス100を剣状突起及び胸骨の遠位端の上に展開するために、外科用器具200を配置することを含む。剣状突起及び胸骨の遠位端が露出された後、外科医は、外科用器具200のブレード206が剣状突起の上面及び胸骨の遠位端に当接するように配置されるよう、外科用器具200を患者の体内で配置することができる。この位置において、皮下デバイス100のプロング206は、剣状突起及び胸骨の遠位端の下に配置される。更に、外科医は、プロング106が心膜、脂肪、筋肉又は組織と良好に接触することを保障するために、外科用器具200を用いて皮下デバイス100の位置を調整することができる。
ステップ312は、外科用器具200を用いて、剣状突起及び胸骨の遠位端の上に皮下デバイス100を押すことを含む。皮下デバイス100は、外科用器具200のスライダ204を押すことによって、外科用器具200から、剣状突起及び胸骨の遠位端の上に押し出される。図17A~17Cは、第2の位置にある外科用器具200を示す。第2の位置において、外科用器具200のスライダ204は、外科用器具200の本体202のスライダスロット228を通って半分だけ押されている。更に、第2の位置において、皮下デバイス100は、外科用器具200から部分的に押し出されている。図18A~18Bは、第3の位置にある外科用器具200を示す。第3の位置において、外科用器具200のスライダ204は、外科用器具200の本体202のスライダスロット228の前端まで押されている。更に、第3の位置において、皮下デバイス100は、外科用器具200からほぼ完全に押し出されている。
外科医は、外科用器具200の本体202のスライダスロット228に沿って、外科用器具200のスライダ204のノブ252を押す。スライダ204が外科用器具200を通って押されると、皮下デバイス100は外科用器具200から押し出される。皮下デバイス100が外外科用器具200から押し出されると、皮下デバイス100のハウジング102の第1のガイド130及び第2のガイド132は、図17Cに示されるように、それぞれ、外科用器具200の本体202のガイドトラック238及びガイドトラック240に沿ってスライドする。皮下デバイス100が外科用器具200から押し出されると、皮下デバイス100は、患者の剣状突起及び胸骨の遠位端の上に押される。代替の実施形態において、外科用器具200は、皮下デバイス100を外科用器具200から剣状突起及び胸骨の遠位端の上に自動的に前進させるように構成することができる。
ステップ314は、剣状突起及び胸骨の遠位端の上に皮下デバイス100を固定することを含む。皮下デバイス100が外科用器具200から押し出されると、皮下デバイス100のクリップ104の上部140は、剣状突起及び胸骨の遠位端の上部に押され、皮下デバイス100のクリップ104の下部142、ハウジング102及びプロング106は、剣状突起及び胸骨の遠位端の下に押される。皮下デバイス100は、皮下デバイス100のクリップ104のスプリング部144が剣状突起に当接するまで、剣状突起及び胸骨の遠位端の上に押される。皮下デバイス100のクリップ104のスプリング部144のテンションは、皮下デバイス100のクリップ104の上部140を、剣状突起及び胸骨の遠位端の上に押し下げる。このテンションは、皮下デバイス100を、剣状突起及び胸骨の遠位端の上に固定する。
皮下デバイス100が外科用器具200内に収容されると、皮下デバイス100のプロング106は皮下デバイス100のハウジング102のチャネル128内に配置される。皮下デバイス100が展開され、剣状突起及び胸骨の遠位端に固定されると、プロング106のスプリング部166はアーム部168及び接触部170を下方へ、ハウジング102から遠ざかるように押す。皮下デバイス100が剣状突起及び胸骨の遠位端の上に埋め込まれると、プロング106は、前縦隔内の組織を通って押し進む。皮下デバイス100が剣状突起及び胸骨の遠位端の上に埋め込まれるとき、プロング106の接触部170は、心臓の右心室上に配置されなければならない。外科医は、皮下デバイス100の埋め込み中に、必要に応じて、プロング106の配置をチェックし、調整することができる。
ステップ316は、患者の小さな切開部から外科用器具200を除去することを含む。皮下デバイス100が剣状突起及び胸骨の遠位端上に固定された後、外科用器具200は、図19に示されるように、患者の小さな切開部から除去され得る。外科用器具200が除去されるとき、皮下デバイス100は、剣状突起及び胸骨の遠位端に固定されたままである。
皮下デバイス100は、クリップ104のスプリング部144からクリップ104の上部140に加えられているテンションのため、剣状突起及び胸骨の遠位端に固定されたままである。クリップ104のテンションは、皮下デバイス100が動く危険性をほとんど伴わずに、剣状突起及び胸骨の遠位端の上の所定の位置に皮下デバイス100を保持する。手術後2~4週間で、線維症が皮下デバイス100の周囲に発症し始める。皮下デバイス100の周囲で発症する線維症は、更に皮下デバイス100を患者の体内の所定の位置に更に保持する。
皮下デバイス100を、手術後2~4週間以内に患者から除去する必要がある場合、皮下デバイス100の周囲で線維症が形成される前であれば、外科医は、剣状突起の下に小さな切開を加え、小さな切開部を通して器具を挿入して皮下デバイス100を患者から引き出すことができる。この器具は、皮下デバイス100のクリップ104の上部140を持ち上げ、皮下デバイス100のクリップ104を剣状突起及び胸骨の遠位端から引き離し、これにより、皮下デバイス100を患者から除去する。皮下デバイス100を除去するために用いられる器具は、皮下デバイス100を挿入するために用いられるものと同じ器具であってもよいし、別個の器具であってもよい。
皮下デバイス100の周りに線維症が形成された後に皮下デバイス100を患者から除去する必要がある場合、外科医は、外科用メス及び他の外科用器具を使用して、皮膚、組織及び線維症を切断し、皮下デバイス100にアクセスすることができる。次いで、外科医は、任意の適切な器具を使用して、患者から皮下デバイス100を除去することができる。
方法300は、非侵襲性の手術である。リード線が、侵襲性の技術を用いて患者の血管系に埋め込まれることはない。むしろ、皮下デバイス100は、外科用器具200を用いて剣状突起及び胸骨の遠位端に固定され、プロング106は前縦隔を通って延びて心臓に接触する。これにより、感染のリスク、手術中の合併症及びデバイスの不具合の可能性が低下する。方法300は、患者の体内の任意の骨、筋肉又は組織上に皮下デバイス100を埋め込むために使用することができる。代替の実施形態において、従来の外科的方法を含む任意の適切な方法、及び、任意の適切な器具を使用して、皮下デバイス100を埋め込むことができる。
以下の図20~37は、皮下デバイス100の異なる実施形態を示す。これらの実施形態は、例示的であることが意図される。皮下デバイス100は、任意の適切な設計及び機能を有し得る。以下の図20~37に示される実施形態の各々は、図10A~14Bに示される外科用器具200を用いて、及び/又は、図15~19に示される方法300を用いて、患者に埋め込まれ得る。以下の図20~37に示される皮下デバイス100の異なる実施形態に示されるように、皮下デバイス100は、任意の適切な数のプロング106を含むことができる。プロング106は、患者の体内に位置決めされ、及び/又は、患者の体内の様々な臓器、神経及び組織に接触するよう、任意の適切な長さ及び形状を有することができる。更に、皮下デバイス100は、監視デバイス、診断デバイス、ペースメーカーデバイス、除細動器デバイス又はそれらの任意の組合せとして機能することができる。
(皮下デバイス400)
図20は、皮下デバイス400の斜視図である。皮下デバイス400は、ハウジング402、クリップ404及びプロング406を含む。ハウジング402は、第1の面410、第2の面412、上面414、底面416、前端418、後端420、曲面422、凹部424、ポート426、チャネル428、第1のガイド430(図20には図示せず)、第2のガイド432、電極434及び電極146を含む。クリップ404は、上部440、底部442、スプリング部444、先端446、開口448、スロット450及び電極452を含む。プロング406は、近位端460(図20には図示せず)、遠位端462、ベース部464、スプリング部466、アーム部468、接触部470及び電極472を含む。
皮下デバイス400は、ハウジング402、クリップ404及びプロング406を含む。ハウジング402は、図1~9Cに示される皮下デバイス100のハウジング102と同一の一般的な構造及び設計を有する。クリップ404は、図1~9Cに示される皮下デバイス100のクリップ104と同一の一般的な構造及び設計を有する。ハウジング402及びクリップ404の部分を参照する参照番号は、図1~9Cに示される皮下デバイス100のハウジング102及びクリップ104の部分を参照する参照番号と比較して、300だけ増分される。
プロング406は、図1~9Cに示される皮下デバイス100のプロング106と同一の部分を含み、プロング406の部分を参照する参照番号は、図1~9Cに示される皮下デバイス100のプロング106の部分を参照する参照番号と比較して、300だけ増分される。しかしながら、プロング406は異なる形状を有する。スプリング部466及びアーム部468は、ハウジング402の第1の面410から離れて延びる。接触部470は、患者の心臓の左心室と接触するように構成された、プロング406の遠位端462に隣接するプロング406の部分である。接触部470上に配置された電極472はまた、患者の心臓の左心室と接触する。
一例において、皮下デバイス400は、患者の剣状突起及び胸骨に固定することができる。クリップ404は、皮下デバイス400を剣状突起及び胸骨に固定するように構成される。クリップ404は、剣状突起及び胸骨の周りを摺動するにつれて拡張する。スプリング部444はクリップ404のためのスプリングとして作用し、テンション下にある。上部440はテンションアームとして作用し、スプリング部444からの力は、上部440に伝えられこれを押し下げる。クリップ404が剣状突起及び胸骨の上に配置されると、スプリング部444のテンションによって、上部440が剣状突起及び胸骨の上に押し下げられ、クリップ404が剣状突起及び胸骨に固定される。更に、縫合糸、歯、ピン又はスクリューを、クリップ404の上部440の開口448を通して挿入し、皮下デバイス400を剣状突起及び胸骨に更に固定することができる。
皮下デバイス400は、電源、コントローラ、メモリ、トランシーバ、センサ、感知回路、治療回路、及び/又は、医療機器の任意の他の構成要素を含むことができる。図20に示される実施形態では、皮下デバイス400が単腔ペースメーカーであるように構成される。電極434、電極436、電極452及び電極472のいずれか1つ又は組み合わせは、心臓の電気的活動を感知することができる。感知された電気的活動は、皮下デバイス400のハウジング402内の感知回路及びコントローラに送信され得る。コントローラは患者の心拍数を決定することができ、不整脈があるかどうかを検出することができる。不整脈が検出された場合、コントローラは、心臓に治療用電気刺激を与えるために、治療回路に命令を送ることができる。具体的には、治療用電気刺激を左心室に与えることができる。このように、皮下デバイス400は、監視デバイス、診断デバイス及び治療デバイスとして機能する。代替の実施形態において、皮下デバイス400、監視デバイス、診断デバイス、治療デバイス又はそれらの任意の組合せとしてのみ機能することができる。
(皮下デバイス500)
図21Aは、皮下デバイス500の斜視図である。図21Bは、皮下デバイス500の側面図である。皮下デバイス500は、ハウジング502、クリップ504及びプロング506を含む。ハウジング502は、第1の面510、第2の面512、上面514、底面516、前端518、後端520、曲面522、凹部524、ポート526、チャネル528、第1のガイド530、第2のガイド532、電極534及び電極536を含む。クリップ504は、上部540、底部542、スプリング部544、先端546、開口548、スロット550及び電極552を含む。プロング506は、近位端560(図21A~21Bには図示せず)、遠位端562、ベース部564、スプリング部566、アーム部68、接触部570及び除細動器コイル574を含む。
皮下デバイス500は、ハウジング502、クリップ504及びプロング506を含む。ハウジング502は、図1~9Cに示される皮下デバイス100のハウジング102と同一の一般的な構造及び設計を有する。クリップ504は、図1~9Cに示される皮下デバイス100のクリップ104と同一の一般的な構造及び設計を有する。ハウジング502及びクリップ504の部分を参照する参照番号は、図1~9Cに示される皮下デバイス100のハウジング102及びクリップ104の部分を参照する参照番号と比較して、400だけ増分される。
プロング506は概して、図1~9Cに示される皮下デバイス100のプロング106と同一の部分を含み、プロング506の部分を参照する参照番号は、図1~9Cに示される皮下デバイス100のプロング106の部分を参照する参照番号と比較して、400だけ増分される。しかしながら、プロング406は異なる形状を有し、遠位端562に電極の代わりに除細動器コイル574を含む。スプリング部566及びアーム部568は、ハウジング502の底面520から離れて延びる。接触部570は、患者の心臓の下の組織と接触するように構成された、プロング506の遠位端562に隣接するプロング506の部分である。除細動器コイル574は、プロング506の遠位端562に隣接する接触部570上に配置される。電気信号が除細動器コイル574に送達されると、除細動器コイル574は、ハウジング502の前端518上の電極534と共にベクトルを生成する。図示の実施形態では、除細動器コイル574は負電極として機能し、電極534は正電極として機能する。しかしながら、代替の実施形態においては、これを逆にすることができる。プロング506は、遠位端562、したがって接触部570及び除細動器コイル574が心臓の下に位置するように配置される。したがって、除細動器コイル574と電極534との間に生成されるベクトルは、患者の心臓を通過して、患者の心臓に高電圧電気ショックを与える。
一例において、皮下デバイス500は、患者の剣状突起及び胸骨に固定することができる。クリップ504は、皮下デバイス500を剣状突起及び胸骨に固定するように構成される。クリップ504は、剣状突起及び胸骨の周りを摺動するにつれて拡張する。スプリング部544はクリップ504のためのスプリングとして作用し、テンション下にある。上部540はテンションアームとして作用し、スプリング部544からの力は、上部540に伝えられこれを押し下げる。クリップ504が剣状突起及び胸骨の上に配置されると、スプリング部544のテンションによって、上部540が剣状突起及び胸骨の上に押し下げられ、クリップ504が剣状突起及び胸骨に固定される。更に、縫合糸、歯、ピン又はスクリューを、クリップ504の上部540の開口548を通して挿入し、皮下デバイス500を剣状突起及び胸骨に更に固定することができる。
皮下デバイス500は、電源、コントローラ、メモリ、トランシーバ、センサ、感知回路、治療回路、及び/又は、医療機器の任意の他の構成要素を含むことができる。図21A~21Bに示される実施形態では、皮下デバイス500が除細動器であるように構成される。電極534、電極536及び電極552のいずれか1つ又は組み合わせは、心臓の電気的活動を感知することができる。更に、除細動器コイル574は、心臓の電気的活動を感知する電極として作用することができる。感知された電気的活動は、皮下デバイス500のハウジング502内の感知回路及びコントローラに送信され得る。コントローラは患者の心拍数を決定することができ、異常があるかどうかを検出することができる。異常が検出された場合、コントローラは、除細動器コイル574を用いて心臓に高電圧電気ショックを与えるために、治療回路に命令を送ることができる。このように、皮下デバイス500は、監視デバイス、診断デバイス及び治療デバイスとして機能する。代替の実施形態において、皮下デバイス500は、監視デバイス、診断デバイス、治療デバイス又はそれらの任意の組合せとしてのみ機能することができる。
(皮下デバイス600)
図22Aは、皮下デバイス600の斜視図である。図22Bは、皮下デバイス600の上面図である。図22Cは、皮下デバイス600の底面図である。図22Dは、皮下デバイス600の側面図である。図22Eは、皮下デバイス600の後面図である。図23Aは、剣状突起X及び胸骨S上に配置された皮下デバイス600の斜視図であり、左肺LL及び右肺RLの上におけるプロング606A及び606Bの位置決めを示している。図23Aは、剣状突起X及び胸骨S上に配置された皮下デバイス600の正面図であり、左肺LL及び右肺RLの上におけるプロング606A及び606Bの位置決めを示している。図23Cは、剣状突起X及び胸骨S上に配置された皮下デバイス600の側面図であり、左肺LL及び右肺RLの上におけるプロング606A及び606Bの位置決めを示している。皮下デバイス600は、ハウジング602、クリップ604、プロング606A及びプロング606Bを含む。ハウジング602は、第1の面610、第2の面612、上面614、底面616、前端618、後端620、曲面622、凹部624、ポート626A、ポート626B、チャネル628A、チャネル628B、第1のガイド630、第2のガイド632、電極634及び電極636を含む。クリップ604は、上部640、底部642、スプリング部644、先端646、開口648、スロット650及び電極652を含む。プロング606Aは、近位端660A(図22A~22Bには図示せず)、遠位端662A、ベース部664A、スプリング部666A、アーム部668A、接触部670A及び電極672Aを含む。プロング606Bは、近位端660B(図22A~22Bには図示せず)、遠位端662B、ベース部664B、スプリング部666B、アーム部668B、接触部670B及び電極672Bを含む。図23A~23Cは、剣状突起X、胸骨S、左肺LL及び右肺RLを示す。図23Bも、肋骨Rを示している。
皮下デバイス600は、ハウジング602、クリップ604、プロング606A及びプロング606Bを含む。ハウジング602は、図1~9Cに示される皮下デバイス100のハウジング102と同一の一般的な構造及び設計を有する。しかしながら、ハウジング602は、ポート626A及びポート626Bを含む2つのポートと、チャネル628A及びチャネル628Bを含む2つのチャネルとを含む。ハウジング602の部分を参照する参照番号は、図1~9Cに示される皮下デバイス100のハウジング102の部分を参照する参照番号と比較して、500だけ増分される。ポート626A及びポート626Bはハウジング602上で互いに隣接して配置され、チャネル628A及びチャネル628Bはハウジング602上で互いに隣接して配置される。プロング606Aはポート626Aに接続されるように構成され、皮下デバイス600が収容位置にあるとき、チャネル628A内に配置され得る。プロング606Bはポート626Bに接続されるように構成され、皮下デバイス600が収容位置にあるとき、チャネル628B内に配置され得る。
クリップ604は、図1~9Cに示される皮下デバイス100のクリップ104と同一の一般的な構造及び設計を有する。クリップ604の部分を参照する参照番号は、図1~9Cに示される皮下デバイス100のクリップ104の部分を参照する参照番号と比較して、500だけ増分される。
プロング606A及びプロング606Bはそれぞれ、図1~9Cに示される皮下デバイス100のプロング106と同じ部分を含み、プロング606A及びプロング606Bの部分を参照する参照番号は、図1~9Cに示される皮下デバイス100のプロング106の部分を参照する参照番号と比較して、500だけ増分される。しかしながら、プロング606A及び606Bは、図1~9Cに示されるプロング106とは異なる形状を有する。プロング606Aのスプリング部666A及びアーム部668Aは、ハウジング602の第1の面610から離れて延びる。接触部670Aは、患者の左肺LLと接触するように構成された、プロング606Aの遠位端662Aに隣接するプロング606Aの部分である。接触部670A上に配置された電極672Aも、左肺LLと接触する。プロング606Bのスプリング部666B及びアーム部668Bは、ハウジング602の第2の面612から離れて延びる。接触部670Bは、患者の右肺RLと接触するように構成された、プロング606Bの遠位端662Bに隣接するプロング606Bの部分である。接触部670B上に配置された電極672Bも、右肺RLと接触する。
一例において、皮下デバイス600は、患者の剣状突起X及び胸骨Sに固定することができる。クリップ604は、皮下デバイス600を剣状突起X及び胸骨Sに固定するように構成される。クリップ604は、剣状突起X及び胸骨Sの周りを摺動するにつれて拡張する。スプリング部644はクリップ604のためのスプリングとして作用し、テンション下にある。上部640はテンションアームとして作用し、スプリング部644からの力は、上部640に伝えられこれを押し下げる。クリップ604が剣状突起X及び胸骨Sの上に配置されると、スプリング部644のテンションは上部640を剣状突起X及び胸骨Sの上に押し下げてクリップ604を剣状突起X及び胸骨Sに固定する。更に、縫合糸、歯、ピン又はスクリューを、クリップ604の上部640上の開口648を通して挿入し、皮下デバイス600を剣状突起X及び胸骨Sに更に固定することができる。
皮下デバイス600は、電源、コントローラ、メモリ、トランシーバ、センサ、感知回路、電極、及び/又は、医療機器の任意の他の構成要素を含むことができる。図22A~23Cに示される実施形態では、皮下デバイス600が肺モニタリング及び診断デバイスであるように構成される。電極634、電極636、電極652、電極672A及び電極672Bのいずれか1つ又は組み合わせは、左肺LL、右肺RL並びに左肺LL及び右肺RLを取り囲む組織の電気的活動を感知することができる。感知された電気的活動は、皮下デバイス600のハウジング602内の感知回路及びコントローラに送信され得る。コントローラは、監視及び診断の目的のために、患者の生理学的パラメータを決定することができる。このように、皮下デバイス600は、監視デバイス及び診断デバイスとして機能する。代替の実施形態において、皮下デバイス600は、監視デバイス又は診断デバイスとしてのみ機能することができる。
(皮下デバイス700)
図24Aは、皮下デバイス700の上面図である。図24Bは、皮下デバイス700の底面図である。図24Cは、皮下デバイス700の側面図である。図24Dは、皮下デバイス700の正面図である。図25Aは、剣状突起X及び胸骨Sの上に配置された皮下デバイス700の正面図であり、心臓Hの周囲におけるプロング706A及び706Bの配置を示している。図25Bは剣状突起X及び胸骨Sの上に配置された皮下デバイス700の斜視図であり、心臓Hの周囲におけるプロング706A及び706Bの配置を示している。皮下デバイス700は、ハウジング702、クリップ704、プロング706A及びプロング706Bを含む。ハウジング702は、第1の面710、第2の面712、上面714、底面716、前端718、後端720、曲面722、凹部724、ポート726A、ポート726B、チャネル728A、チャネル728B、第1のガイド730、第2のガイド732、電極734及び電極736を含む。クリップ704は、上部740、底部742、スプリング部744、先端746、開口748、スロット750及び電極752を含む。プロング706Aは、近位端760A(図24A~25Bには図示せず)、遠位端762A、ベース部764A、スプリング部766A、アーム部768A、接触部770A及び電極772Aを含む。プロング706Bは、近位端760B(図24A~25Bには図示せず)、遠位端762B、ベース部764B、スプリング部766B、アーム部768B、接触部770B及び電極772Bを含む。図25A~25Bは、剣状突起X、胸骨S及び心臓Hを示す。
皮下デバイス700は、ハウジング702、クリップ704、プロング706A及びプロング706Bを含む。ハウジング702は、図1~9Cに示される皮下デバイス100のハウジング102と同一の一般的な構造及び設計を有する。しかしながら、ハウジング702は、ポート726A及びポート726Bを含む2つのポートと、チャネル728A及びチャネル728Bを含む2つのチャネルとを含む。ハウジング702の部分を参照する参照番号は、図1~9Cに示される皮下デバイス100のハウジング102の部分を参照する参照番号と比較して、600だけ増分される。ポート726A及びポート726Bはハウジング702上で互いに隣接して配置され、チャネル728A及びチャネル728Bはハウジング702上で互いに隣接して配置される。プロング706Aはポート726Aに接続されるように構成され、皮下デバイス700が収容位置にあるとき、チャネル728A内に配置され得る。プロング706Bはポート726Bに接続されるように構成され、皮下デバイス700が収容位置にあるとき、チャネル728B内に配置され得る。
クリップ704は、図1~9Cに示される皮下デバイス100のクリップ104と同一の一般的な構造及び設計を有する。クリップ704の部分を参照する参照番号は、図1~9Cに示される皮下デバイス100のクリップ104の部分を参照する参照番号と比較して、600だけ増分される。
プロング706A及びプロング706Bはそれぞれ、図1~9Cに示される皮下デバイス100のプロング106と同じ部分を含み、プロング706A及びプロング706Bの部分を参照する参照番号は、図1~9Cに示される皮下デバイス100のプロング106の部分を参照する参照番号と比較して、600だけ増分される。しかしながら、プロング706A及び706Bは、図1~9Cに示されるプロング106とは異なる形状を有する。プロング706Aのスプリング部766A及びアーム部768Aは、ハウジング702の第1の面710から離れて延びる。接触部770Aは、患者の心臓Hを取り囲む組織と接触するように構成された、プロング706Aの遠位端762Aに隣接するプロング706Aの部分である。接触部770Aに配置された電極772Aも、患者の心臓Hを取り囲む組織と接触する。プロング706Bのスプリング部766B及びアーム部768Bは、ハウジング702の第2の面712から離れて延びる。接触部770Bは、患者の心臓Hを取り囲む組織と接触するように構成された、プロング706Bの遠位端762Bに隣接するプロング706Bの部分である。接触部770Bに配置された電極772Bも、患者の心臓Hを取り囲む組織と接触する。
一例において、皮下デバイス700は、患者の剣状突起X及び胸骨Sに固定することができる。クリップ704は、皮下デバイス700を剣状突起X及び胸骨Sに固定するように構成される。クリップ704は、剣状突起X及び胸骨Sの周りを摺動するにつれて拡張する。スプリング部744はクリップ704のためのスプリングとして作用し、テンション下にある。上部740はテンションアームとして作用し、スプリング部744からの力は、上部740に伝えられこれを押し下げる。クリップ704が剣状突起X及び胸骨Sの上に配置されると、スプリング部744のテンションは上部740を剣状突起X及び胸骨Sの上に押し下げてクリップ704を剣状突起X及び胸骨Sに固定する。更に、縫合糸、歯、ピン又はスクリューを、クリップ704の上部740上の開口748を通して挿入し、皮下デバイス700を剣状突起X及び胸骨Sに更に固定することができる。
皮下デバイス700は、電源、コントローラ、メモリ、トランシーバ、センサ、感知回路、電極、及び/又は、医療機器の任意の他の構成要素を含むことができる。図24A~25Bに示される実施形態では、皮下デバイス700が心臓モニタリング及び診断デバイスであるように構成される。電極734、電極736、電極752、電極772A及び電極772Bのいずれか1つ又は組み合わせは、心臓Hを取り囲む組織の電気的活動を感知することができる。感知された電気的活動は、皮下デバイス700のハウジング702内の感知回路及びコントローラに伝達され得る。コントローラは、監視及び診断の目的のために、患者の生理学的パラメータを決定することができる。このように、皮下デバイス700は、監視デバイス及び診断デバイスとして機能する。代替の実施形態において、皮下デバイス700は、監視デバイス又は診断デバイスとしてのみ機能することができる。
具体的には、図24A~25Bに示す実施形態では、心臓Hの体表面心電図を、電極734、電極736、電極772A及び電極772Bを用いて決定することができる。第1のリード線は、皮下デバイス700のハウジング702上の電極734と電極736との間で決定され得る。第2のリード線、第1のプロング706A上の電極772Aと第2のプロング706B上の電極772Bとの間で決定され得る。次に、これら2つのリード線から収集された情報を外挿して、6つのリード線にわたる体表面心電図を与えることができる。皮下デバイス700を剣状突起X及び胸骨Sに固定することは、皮下デバイス700が体内で移動しておらず、心電図形態を変化させるため、体表面心電図の読みの一貫性及び正確性を可能とする。
(皮下デバイス800)
図26は、皮下デバイス800の斜視図である。皮下デバイス800は、ハウジング802、クリップ804、プロング806A及びプロング806Bを含む。ハウジング802は、第1の面810、第2の面812、上面814、底面816、前端818、後端820、曲面822、凹部824、ポート826A、ポート826B、チャネル828A、チャネル828B、第1のガイド830(図26には図示せず)、第2のガイド832、電極834及び電極836を含む。クリップ804は、上部840、底部842、スプリング部844、先端846、開口848、スロット850及び電極852を含む。プロング806Aは、近位端860A(図26には図示せず)、遠位端862A、ベース部864A、スプリング部866A、アーム部868A、接触部870A及び電極872Aを含む。プロング806Bは、近位端860B(図26には図示せず)、遠位端862B、ベース部864B、スプリング部866B、アーム部868B、接触部870B及び電極872Bを含む。
皮下デバイス800は、ハウジング802、クリップ804、プロング806A及びプロング806Bを含む。ハウジング802は、図1~9Cに示される皮下デバイス100のハウジング102と同一の一般的な構造及び設計を有する。しかしながら、ハウジング802は、ポート826A及びポート826Bを含む2つのポートと、チャネル828A及びチャネル828Bを含む2つのチャネルとを含む。ハウジング802の部分を参照する参照番号は、図1~9Cに示される皮下デバイス100のハウジング102の部分を参照する参照番号と比較して、700だけ増分される。ポート826A及びポート826Bはハウジング802上で互いに隣接して配置され、チャネル828A及びチャネル828Bはハウジング802上で互いに隣接して配置される。プロング806Aはポート826Aに接続されるように構成され、皮下デバイス800が収容位置にあるとき、チャネル828A内に配置され得る。プロング806Bはポート826Bに接続されるように構成され、皮下デバイス800が収容位置にあるとき、チャネル828B内に配置され得る。
クリップ804は、図1~9Cに示される皮下デバイス100のクリップ104と同一の一般的な構造及び設計を有する。クリップ804の部分を参照する参照番号は、図1~9Cに示される皮下デバイス100のクリップ104の部分を参照する参照番号と比較して、700だけ増分される。
プロング806A及びプロング806Bはそれぞれ、図1~9Cに示される皮下デバイス100のプロング106と同じ部分を含み、プロング806A及びプロング806Bの部分を参照する参照番号は、図1~9Cに示される皮下デバイス100のプロング106の部分を参照する参照番号と比較して、700だけ増分される。しかしながら、プロング806Aは、図1~9Cに示されるプロング106とは異なる形状を有する。プロング806Aのスプリング部866A及びアーム部868Aは、ハウジング802の第1の面810から離れて延びる。接触部870Aは、患者の心臓の左心室と接触するように構成された、プロング806Aの遠位端862Aに隣接するプロング806Aの部分である。接触部870Aに配置された電極872Aも、患者の心臓の左心室と接触する。プロング806Bは、図1~9Cに示されるプロング106と同一の形状を有する。プロング806Bのスプリング部866B及びアーム部868Bは、ハウジング802の底面816の下に延びる。接触部870Bは、患者の心臓の右心室と接触するように構成された、プロング806Bの遠位端862Bに隣接するプロング806Bの部分である。接触部870Bに配置された電極872Bも、患者の心臓の右心室と接触する。
一例において、皮下デバイス800は、患者の剣状突起及び胸骨に固定することができる。クリップ804は、皮下デバイス800を剣状突起及び胸骨に固定するように構成される。クリップ804は、剣状突起及び胸骨の周りを摺動するにつれて拡張する。スプリング部844はクリップ804のためのスプリングとして作用し、テンション下にある。上部840はテンションアームとして作用し、スプリング部844からの力は、上部840に伝えられこれを押し下げる。クリップ804が剣状突起及び胸骨の上に配置されると、スプリング部844のテンションによって、上部840が剣状突起及び胸骨の上に押し下げられ、クリップ804が剣状突起及び胸骨に固定される。更に、縫合糸、歯、ピン又はスクリューを、クリップ804の上部840の開口848を通して挿入し、皮下デバイス800を剣状突起及び胸骨に更に固定することができる。
皮下デバイス800は、電源、コントローラ、メモリ、トランシーバ、センサ、感知回路、治療回路、及び/又は、医療機器の任意の他の構成要素を含むことができる。図26に示される実施形態では、皮下デバイス800が二腔ペースメーカーであるように構成される。電極834、電極836、電極852、電極872A及び電極872Bのいずれか1つ又は組み合わせは、心臓の電気的活動を感知することができる。感知された電気的活動は、皮下デバイス800のハウジング802内の感知回路及びコントローラに送信され得る。コントローラは患者の心拍数を決定することができ、不整脈があるかどうかを検出することができる。不整脈が検出された場合、コントローラは、心臓に治療用電気刺激を与えるために、治療回路に命令を送ることができる。具体的には、治療用電気刺激を右心室及び左心室に与えることができる。このように、皮下デバイス800は、監視デバイス、診断デバイス及び治療デバイスとして機能する。代替の実施形態において、皮下デバイス800は、監視デバイス、診断デバイス、治療デバイス又はそれらの任意の組合せとしてのみ機能することができる。
(皮下デバイス900)
図27は、皮下デバイス900の斜視図である。図28は、剣状突起X及び胸骨Sの上に配置された皮下デバイス900の破断斜視図であり、心臓Hの上におけるプロング906A及び906Bの配置を示している。皮下デバイス900は、ハウジング902、クリップ904、プロング906A及びプロング906Bを含む。ハウジング902は、第1の面910、第2の面912、上面914、底面916、前端918、後端920、曲面922、凹部924、ポート926A、ポート926B、チャネル928A、チャネル928B、第1のガイド930(図27には図示せず)、第2のガイド932、電極934及び電極936を含む。クリップ904は、上部940、底部942、スプリング部944、先端946、開口948、スロット950及び電極952を含む。プロング906Aは、近位端960A(図27~28には図示せず)、遠位端962A、ベース部964A、スプリング部966A、アーム部968A、接触部970A及び電極972Aを含む。プロング906Bは、近位端960B(図27~28には図示せず)、遠位端962B、ベース部964B、スプリング部966B、アーム部968B、接触部970B及び電極972Bを含む。図28は、剣状突起X、胸骨S、心臓H、右心室RV及び右心房RAを示す。
皮下デバイス900は、ハウジング902、クリップ904、プロング906A及びプロング906Bを含む。ハウジング902は、図1~9Cに示される皮下デバイス100のハウジング102と同一の一般的な構造及び設計を有する。しかしながら、ハウジング902は、ポート926A及びポート926Bを含む2つのポートと、チャネル928A及びチャネル928Bを含む2つのチャネルとを含む。ハウジング902の部分を参照する参照番号は、図1~9Cに示される皮下デバイス100のハウジング102の部分を参照する参照番号と比較して、800だけ増分される。ポート926A及びポート926Bは互いに隣接して配置され、チャネル928A及びチャネル928Bは互いに隣接して配置される。プロング906Aはポート926Aに接続されるように構成され、皮下デバイス900が収容位置にあるとき、チャネル928A内に配置され得る。プロング906Bはポート926Bに接続されるように構成され、皮下デバイス900が収容位置にあるとき、チャネル928B内に配置され得る。
クリップ904は、図1~9Cに示される皮下デバイス100のクリップ104と同一の一般的な構造及び設計を有する。クリップ904の部分を参照する参照番号は、図1~9Cに示される皮下デバイス100のクリップ104の部分を参照する参照番号と比較して、800だけ増分される。
プロング906A及びプロング906Bはそれぞれ、図1~9Cに示される皮下デバイス100のプロング106と同じ部分を含み、プロング906A及びプロング906Bの部分を参照する参照番号は、図1~9Cに示される皮下デバイス100のプロング106の部分を参照する参照番号と比較して、800だけ増分される。プロング906Aは、図1~9Cに示されるプロング106と同一の形状を有する。プロング906Aのスプリング部966A及びアーム部968Aは、ハウジング902の底面916の下に延びる。接触部970Aは、患者の心臓Hの右心室RVと接触するように構成された、プロング906Aの遠位端962Aに隣接するプロング906Aの部分である。接触部970Aに配置された電極972Aも、患者の心臓Hの右心室RVと接触する。しかしながら、プロング906Bは、図1~9Cに示されるプロング106とは異なる形状を有する。プロング906Bのスプリング部966B及びアーム部968Bは、ハウジング902の第2の面912から離れて延びる。接触部970Bは、患者の心臓Hの右心室RAと接触するように構成された、プロング906Bの遠位端962Bに隣接するプロング906Bの部分である。接触部970Bに配置された電極972ABも、患者の心臓Hの右心室RAと接触する。
一例において、皮下デバイス900は、患者の剣状突起X及び胸骨Sに固定することができる。クリップ904は、皮下デバイス900を剣状突起X及び胸骨Sに固定するように構成される。クリップ904は、剣状突起X及び胸骨Sの周りを摺動するにつれて拡張する。スプリング部944はクリップ904のためのスプリングとして作用し、テンション下にある。上部940はテンションアームとして作用し、スプリング部944からの力は、上部940に伝えられこれを押し下げる。クリップ904が剣状突起X及び胸骨Sの上に配置されると、スプリング部944のテンションは上部940を剣状突起X及び胸骨Sの上に押し下げてクリップ904を剣状突起X及び胸骨Sに固定する。更に、縫合糸、歯、ピン又はスクリューを、クリップ904の上部940上の開口948を通して挿入し、皮下デバイス900を剣状突起X及び胸骨Sに更に固定することができる。
皮下デバイス900は、電源、コントローラ、メモリ、トランシーバ、センサ、感知回路、治療回路、及び/又は、医療機器の任意の他の構成要素を含むことができる。図27~28に示す実施形態では、皮下デバイス900が二腔ペースメーカーであるように構成される。電極934、電極936、電極952、電極972A及び電極972Bのいずれか1つ又は組み合わせは、心臓Hの電気的活動を感知することができる。感知された電気的活動は、皮下デバイス900のハウジング902内の感知回路及びコントローラに伝達され得る。コントローラは患者の心拍数を決定することができ、不整脈があるかどうかを検出することができる。不整脈が検出された場合、コントローラは心臓Hに治療用電気刺激を与えるように治療回路に命令を送ることができる。具体的には、右心室及び右心房に治療用電気刺激を与えることができる。このように、皮下デバイス900は、監視デバイス、診断デバイス及び治療デバイスとして機能する。代替の実施形態において、皮下デバイス900は、監視デバイス、診断デバイス、治療デバイス又はそれらの任意の組合せとしてのみ機能することができる。
(皮下デバイス1000)
図29は、皮下デバイス1000の斜視図である。皮下デバイス1000は、ハウジング1002、クリップ1004、プロング1006A及びプロング1006Bを含む。ハウジング1002は、第1の面1010、第2の面1012、上面1014、底面1016、前端1018、後端1020、曲面1022、凹部1024、ポート1026A、ポート1026B、チャネル1028A、チャネル1028B、第1のガイド1030(図29には図示せず)、第2のガイド1032、電極1034及び電極1036を含む。クリップ1004は、上部1040、底部1042、スプリング部1044、先端1046、開口1048、スロット1050及び電極1052を含む。プロング1006Aは、近位端1060A(図29には図示せず)、遠位端1062A、ベース部1064A、スプリング部1066A、アーム部1068A、接触部1070A及び電極1072Aを含む。プロング1006Bは、近位端1060B(図29には図示せず)、遠位端1062B、ベース部1064B、スプリング部1066B、アーム部1068B、接触部1070B及び電極1072Bを含む。
皮下デバイス1000は、ハウジング1002、クリップ1004、プロング1006A及びプロング1006Bを含む。ハウジング1002は、図1~9Cに示される皮下デバイス100のハウジング102と同一の一般的な構造及び設計を有する。しかしながら、ハウジング1002は、ポート1026A及びポート1026Bを含む2つのポートと、チャネル1028A及びチャネル1028Bを含む2つのチャネルとを含む。ハウジング1002の部分を参照する参照番号は、図1~9Cに示される皮下デバイス100のハウジング102の部分を参照する参照番号と比較して、900だけ増分される。ポート1026A及びポート1026Bはハウジング1002上で互いに隣接して配置され、チャネル1028A及びチャネル1028Bはハウジング1002上で互いに隣接して配置される。プロング1006Aはポート1026Aに接続されるように構成され、皮下デバイス1000が収容位置にあるとき、チャネル1028A内に配置され得る。プロング1006Bはポート1026Bに接続されるように構成され、皮下デバイス1000が収容位置にあるとき、チャネル1028B内に配置され得る。
クリップ1004は、図1~9Cに示される皮下デバイス100のクリップ104と同一の一般的な構造及び設計を有する。クリップ1004の部分を参照する参照番号は、図1~9Cに示される皮下デバイス100のクリップ104の部分を参照する参照番号と比較して、900だけ増分される。
プロング1006A及びプロング1006Bはそれぞれ、図1~9Cに示される皮下デバイス100のプロング106と同じ部分を含み、プロング1006A及びプロング1006Bの部分を参照する参照番号は、図1~9Cに示される皮下デバイス100のプロング106の部分を参照する参照番号と比較して、900だけ増分される。しかしながら、プロング1006A及び1006Bは、図1~9Cに示されるプロング106とは異なる形状を有する。プロング1006Aのスプリング部1066A及びアーム部1068Aは、ハウジング1002の第1の面1010から離れて延びる。接触部1070Aは、患者の心臓の左心室と接触するように構成された、プロング1006Aの遠位端1062Aに隣接するプロング1006Aの部分である。接触部1070Aに配置された電極1072Aも、患者の心臓の左心室とも接触する。プロング1006Bのスプリング部1066B及びアーム部1068Bは、ハウジング1002の第2の面1012から離れて延びる。接触部1070Bは、患者の心臓の右心房と接触するように構成された、プロング1006Bの遠位端1062Bに隣接するプロング1006Bの部分である。接触部1070Bに配置された電極1072Bも、患者の心臓の右心房と接触する。
一例において、皮下デバイス1000は、患者の剣状突起及び胸骨に固定することができる。クリップ1004は、皮下デバイス1000を剣状突起及び胸骨に固定するように構成される。クリップ1004は、剣状突起及び胸骨の周りを摺動するにつれて拡張する。スプリング部1044はクリップ1004のためのスプリングとして作用し、テンション下にある。上部1040はテンションアームとして作用し、スプリング部1044からの力は、上部1040に伝えられこれを押し下げる。クリップ1004が剣状突起及び胸骨の上に配置されると、スプリング部1044のテンションによって、上部1040が剣状突起及び胸骨の上に押し下げられ、クリップ1004が剣状突起及び胸骨に固定される。更に、縫合糸、歯、ピン又はスクリューを、クリップ1004の上部1040の開口1048を通して挿入し、皮下デバイス1000を剣状突起及び胸骨に更に固定することができる。
皮下デバイス1000は、電源、コントローラ、メモリ、トランシーバ、センサ、感知回路、治療回路、及び/又は、医療機器の任意の他の構成要素を含むことができる。図29に示される実施形態では、皮下デバイス1000が二腔ペースメーカーであるように構成される。電極1034、電極1036、電極1052、電極1072A及び電極1072Bのいずれか1つ又は組み合わせは、心臓の電気的活動を感知することができる。感知された電気的活動は、皮下デバイス1000のハウジング1002内の感知回路及びコントローラに送信され得る。コントローラは患者の心拍数を決定することができ、不整脈があるかどうかを検出することができる。不整脈が検出された場合、コントローラは、心臓に治療用電気刺激を与えるために、治療回路に命令を送ることができる。具体的には、治療用電気刺激を左心室及び右心房に与えることができる。このように、皮下デバイス1000は、監視デバイス、診断デバイス及び治療デバイスとして機能する。代替の実施形態において、皮下デバイス1000、監視デバイス、診断デバイス、治療デバイス又はそれらの任意の組合せとしてのみ機能することができる。
(皮下デバイス1100)
図30は、皮下デバイス1100の斜視図である。皮下デバイス1100は、ハウジング1102、クリップ1104、プロング1106A及びプロング1106Bを含む。ハウジング1102は、第1の面1110、第2の面1112、上面1114、底面1116、前端1118、後端1120、曲面1122、凹部1124、ポート1126A、ポート1126B、チャネル1128A、チャネル1128B、第1のガイド1130(図29には図示せず)、第2のガイド1132、電極1134及び電極1136を含む。クリップ1104は、上部1140、底部1142、スプリング部1144、先端1146、開口1148、スロット1150及び電極1152を含む。プロング1106Aは、近位端1160A(図30には図示せず)、遠位端1162A、ベース部1164A、スプリング部1166A、アーム部1168A、接触部1170A及び電極1172Aを含む。プロング1106Bは、近位端1160B(図30には図示せず)、遠位端1162B、ベース部1164B、スプリング部1166B、アーム部1168B、接触部1170B及び電極1172Bを含む。
皮下デバイス1100は、ハウジング1102、クリップ1104、プロング1106A及びプロング1106Bを含む。ハウジング1102は、図1~9Cに示される皮下デバイス100のハウジング102と同一の一般的な構造及び設計を有する。しかしながら、ハウジング1102は、ポート1126A及びポート1126Bを含む2つのポートと、チャネル1128A及びチャネル1128Bを含む2つのチャネルとを含む。ハウジング1102の部分を参照する参照番号は、図1~9Cに示される皮下デバイス100のハウジング102の部分を参照する参照番号と比較して、1000だけ増分される。ポート1126A及びポート1126Bはハウジング1102上で互いに隣接して配置され、チャネル1128A及びチャネル1128Bはハウジング1102上で互いに隣接して配置される。プロング1106Aはポート1126Aに接続されるように構成され、皮下デバイス1100が収容位置にあるとき、チャネル1128A内に配置され得る。プロング1106Bはポート1126Bに接続されるように構成され、皮下デバイス1100が収容位置にあるとき、チャネル1128B内に配置され得る。
クリップ1104は、図1~9Cに示される皮下デバイス100のクリップ104と同一の一般的な構造及び設計を有する。クリップ1104の部分を参照する参照番号は、図1~9Cに示される皮下デバイス100のクリップ104の部分を参照する参照番号と比較して、1000だけ増分される。
プロング1106A及びプロング1106Bは概して、図1~9Cに示される皮下デバイス100のプロング106と同じ部分を含み、プロング1106A及びプロング1106Bの部分を参照する参照番号は、図1~9Cに示される皮下デバイス100のプロング106の部分を参照する参照番号と比較して、1000だけ増分される。プロング1106Aは、図1~9Cに示されるプロング106と同一の形状を有する。スプリング部1166A及びアーム部1168Aは、ハウジング1102の底面1120から離れて延びる。接触部1170Aは、患者の心臓の右心室と接触するように構成された、プロング1106Aの遠位端1162Aに隣接するプロング1106Aの部分である。接触部1170Aに配置された電極1172Aも、患者の心臓の右心室と接触する。しかしながら、プロング1106Bは、図1~9Cに示されるプロング106とは異なる形状を有し、電極の代わりに除細動器コイル1174Bを含む。スプリング部1166B及びアーム部1168Bは、ハウジング1102の底面1120から離れて延びる。接触部1170Bは、患者の心臓の下の組織と接触するように構成された、プロング1106Bの遠位端1162Bに隣接するプロング1106Bの部分である。除細動器コイル1174Bは、プロング1106Bの遠位端1162Bに隣接する接触部1170B上に配置される。電気信号が除細動器コイル1174Bに送達されると、除細動器コイル1174Bは、ハウジング1102の前端1118の電極1134と共にベクトルを生成する。図示の実施形態では、除細動器コイル1174Bは負電極として機能し、電極1134は正電極として機能する。しかしながら、代替の実施形態においては、これを逆にすることができる。プロング1106Bは、遠位端1162B、したがって接触部1170B及び除細動器コイル1174Bが心臓の下に位置するように配置される。したがって、除細動器コイル1174Bと電極1134との間に生成されるベクトルは、患者の心臓を通過して、患者の心臓に高電圧電気ショックを与える。
一例において、皮下デバイス1100は、患者の剣状突起及び胸骨に固定することができる。クリップ1104は、皮下デバイス1100を剣状突起及び胸骨に固定するように構成される。クリップ1104は、剣状突起及び胸骨の周りを摺動するにつれて拡張する。スプリング部1144はクリップ1104のためのスプリングとして作用し、テンション下にある。上部1140はテンションアームとして作用し、スプリング部1144からの力は、上部1140に伝えられこれを押し下げる。クリップ1104が剣状突起及び胸骨の上に配置されると、スプリング部1144のテンションによって、上部1140が剣状突起及び胸骨の上に押し下げられ、クリップ1104が剣状突起及び胸骨に固定される。更に、縫合糸、歯、ピン又はスクリューを、クリップ1104の上部1140の開口1148を通して挿入し、皮下デバイス1100を剣状突起及び胸骨に更に固定することができる。
皮下デバイス1100は、電源、コントローラ、メモリ、トランシーバ、センサ、感知回路、治療回路、及び/又は、医療機器の任意の他の構成要素を含むことができる。図30に示す実施形態では、皮下デバイス1100が単腔ペースメーカー及び除細動器であるように構成される。電極1134、電極1136、電極1152及び電極1172Aのいずれか1つ又は組み合わせは、心臓の電気的活動を感知することができる。更に、除細動器コイル1174Bは、心臓の電気的活動を感知する電極として作用することができる。感知された電気的活動は、皮下デバイス1100のハウジング1102内の感知回路及びコントローラに送信され得る。コントローラは患者の心拍数を決定することができ、不整脈又は異常があるかどうかを検出することができる。不整脈が検出された場合、コントローラは、電極1172Aによって心臓に治療用刺激を与えるために、治療回路に命令を送ることができる。異常が検出された場合、コントローラは、除細動器コイル1174Bによって心臓に高電圧電気ショックを与えるために、治療回路に命令を送ることができる。このように、皮下デバイス1100は、監視デバイス、診断デバイス及び治療デバイスとして機能する。代替の実施形態において、皮下デバイス1100は、監視デバイス、診断デバイス、治療デバイス又はそれらの任意の組合せとしてのみ機能することができる。
(皮下デバイス1200)
図31Aは、皮下デバイス1200の斜視図である。図31Bは、皮下デバイス1200の側面図である。図31Cは、皮下デバイス1200の上面図である。図31Dは、皮下デバイス1200の正面図である。図31Eは、皮下デバイス1200の後面図である。図32Aは、剣状突起X及び胸骨Sの上に配置された皮下デバイス1200の破断斜視図であり、心臓Hの上におけるプロング1206A、1206B及び1206Cの配置を示している。図32Bは、剣状突起X及び胸骨Sの上に配置された皮下デバイス1200の破断正面図であり、心臓Hの上におけるプロング1206A、1206B及び1206Cの配置を示している。図32Cは、剣状突起X及び胸骨Sの上に配置された皮下デバイス1200の破断正面図であり、心臓Hの上におけるプロング1206A、1206B及び1206Cの配置を示している。皮下デバイス1200は、ハウジング1202、クリップ1204、プロング1206A、プロング1206B及びプロング1206Cを含む。ハウジング1202は、第1の面1210、第2の面1212、上面1214、底面1216、前端1218、後端1220、曲面1222、凹部1224、ポート1226A、ポート1226B、ポート1226C、チャネル1228A、チャネル1228B、チャネル1228C、第1のガイド1230、第2のガイド1232、電極1234及び電極1236を含む。クリップ1204は、上部1240、底部1242、スプリング部1244、先端1246、開口1248、スロット1250及び電極1252を含む。プロング1206Aは、近位端1260A(図31A~32Cには図示せず)、遠位端1262A、ベース部1264A、スプリング部1266A、アーム部1268A、接触部1270A及び電極1272Aを含む。プロング1206Bは、近位端1260B(図31A~32Cには図示せず)、遠位端1262B、ベース部1264B、スプリング部1266B、アーム部1268B、接触部1270B及び電極1272Bを含む。プロング1206Cは、近位端1260C(図31A~32Cには図示せず)、遠位端1262C、ベース部1264C、スプリング部1266C、アーム部1268C、接触部1270C及び電極1272Cを含む。図32A~32Cは、剣状突起X、胸骨S、心臓H、左心室LV、右心室RV及び右心房RAを示す。図32Cは、肋骨Rも示している。
皮下デバイス1200は、ハウジング1202、クリップ1204、プロング1206A、プロング1206B及びプロング1206Cを含む。ハウジング1202は、図1~9Cに示される皮下デバイス100のハウジング102と同一の一般的な構造及び設計を有する。しかしながら、ハウジング1202は、ポート1226A、ポート1226B及びポート1226Cを含む3つのポートと、チャネル1228A、チャネル1228B及びチャネル1228Cを含む3つのチャネルとを含む。ハウジング1202の部分を参照する参照番号は、図1~9Cに示される皮下デバイス100のハウジング102の部分を参照する参照番号と比較して、1100だけ増分される。ポート1226A、ポート1226B及びポート1226Cはハウジング1202上で互いに隣接して配置され、チャネル1228A、チャネル1228B及びチャネル1228Cはハウジング1202上で互いに隣接して配置される。プロング1206Aはポート1226Aに接続されるように構成され、皮下デバイス1200が収容位置にあるとき、チャネル1228A内に配置され得る。プロング1206Bはポート1226Bに接続されるように構成され、皮下デバイス1200が収容位置にあるとき、チャネル1228B内に配置され得る。プロング1206Cはポート1226Cに接続されるように構成され、皮下デバイス1200が収容位置にあるとき、チャネル1228C内に配置され得る。
クリップ1204は、図1~9Cに示される皮下デバイス100のクリップ104と同一の一般的な構造及び設計を有する。クリップ1204の部分を参照する参照番号は、図1~9Cに示される皮下デバイス100のクリップ104の部分を参照する参照番号と比較して、1100だけ増分される。
プロング1206A、プロング1206B及びプロング1206Cはそれぞれ、図1~9Cに示される皮下デバイス100のプロング106と同じ部分を含み、プロング1206A、プロング1206B及びプロング1206Cの部分を参照する参照番号は、図1~9Cに示される皮下デバイス100のプロング106の部分を参照する参照番号と比較して、1100だけ増分される。しかしながら、プロング1206A及び1206Cは、図1~9Cに示されるプロング106とは異なる形状を有する。プロング1206Aのスプリング部1266A及びアーム部1268Aは、ハウジング1202の第1の面1210から離れて延びる。接触部1270Aは、患者の心臓Hの左心室LVと接触するように構成された、プロング1206Aの遠位端1262Aに隣接するプロング1206Aの部分である。接触部1270Aに配置された電極1272Aも、患者の心臓Hの左心室LVと接触する。プロング1206Cのスプリング部1266C及びアーム部1268Cは、ハウジング1202の第2の面1212から離れて延びる。接触部1270Cは、患者の心臓Hの右心房RAと接触するように構成された、プロング1206Cの遠位端1262Cに隣接するプロング1206Cの部分である。接触部1270Cに配置された電極1272Cも、患者の心臓Hの右心房RAと接触する。プロング1206Bは、図1~9Cに示されるプロング106と同一の形状を有する。プロング1206Bのスプリング部1266B及びアーム部1268Bは、ハウジング1202の底面1216の下に延びる。接触部1270Bは、患者の心臓Hの右心室RVと接触するように構成された、プロング1206Bの遠位端1262Bに隣接するプロング1206Bの部分である。接触部1270Bに配置された電極1272Bも、患者の心臓Hの右心室RVと接触する。
一例において、皮下デバイス1200は、患者の剣状突起X及び胸骨Sに固定することができる。クリップ1204は、皮下デバイス1200を剣状突起X及び胸骨Sに固定するように構成される。クリップ1204は、剣状突起X及び胸骨Sの周りを摺動するにつれて拡張する。スプリング部1244はクリップ1204のためのスプリングとして作用し、テンション下にある。上部1240はテンションアームとして作用し、スプリング部1244からの力は、上部1240に伝えられこれを押し下げる。クリップ1204が剣状突起X及び胸骨Sの上に配置されると、スプリング部1244のテンションは上部1240を剣状突起X及び胸骨Sの上に押し下げてクリップ1204を剣状突起X及び胸骨Sに固定する。更に、縫合糸、歯、ピン又はスクリューを、クリップ1204の上部1240上の開口1248を通して挿入して、皮下デバイス1200を剣状突起X及び胸骨Sに更に固定することができる。
皮下デバイス1200は、電源、コントローラ、メモリ、トランシーバ、センサ、感知回路、治療回路、及び/又は、医療機器の任意の他の構成要素を含むことができる。図31A~32Cに示す実施形態では、皮下デバイス1200が三腔ペースメーカーであるように構成される。電極1234、電極1236、電極1252、電極1272A、電極1274B及び電極1274Cのいずれか1つ又は組み合わせは、心臓Hの電気的活動を感知することができる。感知された電気的活動は、皮下デバイス1200のハウジング1202内の感知回路及びコントローラに伝達され得る。コントローラは患者の心拍数を決定することができ、不整脈があるかどうかを検出することができる。不整脈が検出された場合、コントローラは心臓Hに治療用電気刺激を与えるように治療回路に命令を送ることができる。具体的には、右心室、左心室及び右心房に治療用電気刺激を与えることができる。このように、皮下デバイス1200は、監視デバイス、診断デバイス及び治療デバイスとして機能する。代替の実施形態において、皮下デバイス1200は、監視デバイス、診断デバイス、治療デバイス又はそれらの任意の組合せとしてのみ機能することができる。
(皮下デバイス1300)
図33は、皮下デバイス1300の斜視図である。皮下デバイス1300は、ハウジング1302、クリップ1304、プロング1306A、プロング1306B及びプロング1306Cを含む。ハウジング1302は、第1の面1310、第2の面1312、上面1314、底面1316、前端1318、後端1320、曲面1322、凹部1324、ポート1326A、ポート1326B、ポート1326C、チャネル1328A(図33には図示せず)、チャネル1328B、チャネル1328C、第1のガイド1330(図33には図示せず)、第2のガイド1332、電極1334及び電極1336を含む。クリップ1304は、上部1340、底部1342、スプリング部1344、先端1346、開口1348、スロット1350及び電極1352を含む。プロング1306Aは、近位端1160A(図33には図示せず)、遠位端1362A、ベース部1364A、スプリング部1366A、アーム部1368A、接触部1130A及び電極1372Aを含む。プロング1306Bは、近位端1360B(図29には図示せず)、遠位端1362B、ベース部1364B、スプリング部1366B、アーム部1368B、接触部1370B及び電極1372Bを含む。プロング1306Cは、近位端1360C(図33には図示せず)、遠位端1362C、ベース部1364C、スプリング部1366C、アーム部1368C、接触部1370C及び除細動器コイル1374Cを含む。
皮下デバイス1300は、ハウジング1302、クリップ1304、プロング1306A、プロング1306B及びプロング1306Cを含む。ハウジング1302は、図1~9Cに示される皮下デバイス100のハウジング102と同一の一般的な構造及び設計を有する。しかしながら、ハウジング1302は、ポート1326A、ポート1326B及びポート1326Cを含む3つのポートと、チャネル1328A、チャネル1328B及びチャネル1328Cを含む3つのチャネルとを含む。ハウジング1302の部分を参照する参照番号は、図1~9Cに示される皮下デバイス100のハウジング102の部分を参照する参照番号と比較して、1200だけ増分される。ポート1326A、ポート1326B及びポート1326Cはハウジング1302上で互いに隣接して配置され、チャネル1328A、チャネル1328B及びチャネル1328Cはハウジング1302上で互いに隣接して配置される。プロング1306Aはポート1326Aに接続されるように構成され、皮下デバイス1300が収容位置にあるとき、チャネル1328A内に配置され得る。プロング1306Bはポート1326Bに接続されるように構成され、皮下デバイス1300が収容位置にあるとき、チャネル1328B内に配置され得る。プロング1306Cはポート1326Cに接続されるように構成され、皮下デバイス1300が収容位置にあるとき、チャネル1328C内に配置され得る。
クリップ1304は、図1~9Cに示される皮下デバイス100のクリップ104と同一の一般的な構造及び設計を有する。クリップ1304の部分を参照する参照番号は、図1~9Cに示される皮下デバイス100のクリップ104の部分を参照する参照番号と比較して、1200だけ増分される。
プロング1306A、プロング1306B及びプロング1306Cは概して、図1~9Cに示される皮下デバイス100のプロング106と同じ部分を含み、プロング1306A、プロング1306B及びプロング1306Cの部分を参照する参照番号は、図1~9Cに示される皮下デバイス100のプロング106の部分を参照する参照番号と比較して、1200だけ増分される。しかしながら、プロング1306A及び1306Cは、図1~9Cに示されるプロング106とは異なる形状を有し、プロング1306Cは電極の代わりに除細動器コイル1374Cを含む。スプリング部1366A及びアーム部1368Aは、ハウジング1302の第1の面1310から離れて延びる。接触部1370Aは、患者の心臓の左心室と接触するように構成された、プロング1306Aの遠位端1362Aに隣接するプロング1306Aの部分である。接触部1370Aに配置された電極1372Aも、患者の心臓の左心室と接触する。スプリング部1366C及びアーム部1368Cは、ハウジング1302の底面1320から離れて延びる。接触部1370Bは、患者の心臓の下の組織と接触するように構成された、プロング1306Cの遠位端1362Cに隣接するプロング1306Cの部分である。除細動器コイル1374Cは、プロング1306Cの遠位端1362Cに隣接する接触部1370C上に配置される。電気信号が除細動器コイル1374Cに送達されると、除細動器コイル1374Cは、ハウジング1302の前端1318の電極1334と共にベクトルを生成する。図示の実施形態では、除細動器コイル1374Cは負電極として機能し、電極1334は正電極として機能する。しかしながら、代替の実施形態においては、これを逆にすることができる。プロング1306Cは、遠位端1362C、したがって接触部1370C及び除細動器コイル1374Cが心臓の下に位置するように配置される。したがって、除細動器コイル1374Cと電極1334との間に生成されるベクトルは、患者の心臓を通過して、患者の心臓に高電圧電気ショックを与える。プロング1306Bは、図1~9Cに示されるプロング106と同一の形状を有する。スプリング部1366B及びアーム部1368Bは、ハウジング1302の底面1320から離れて延びる。接触部1370Bは、患者の心臓の左心室と接触するように構成された、プロング1306Bの遠位端1362Bに隣接するプロング1306Bの部分である。接触部1370Bに配置された電極1372Bも、患者の心臓の左心室と接触する。
一例において、皮下デバイス1300は、患者の剣状突起及び胸骨に固定することができる。クリップ1304は、皮下デバイス1300を剣状突起及び胸骨に固定するように構成される。クリップ1304は、剣状突起及び胸骨の周りを摺動するにつれて拡張する。スプリング部1344はクリップ1304のためのスプリングとして作用し、テンション下にある。上部1340はテンションアームとして作用し、スプリング部1344からの力は、上部1340に伝えられこれを押し下げる。クリップ1304が剣状突起及び胸骨の上に配置されると、スプリング部1344のテンションによって、上部1340が剣状突起及び胸骨の上に押し下げられ、クリップ1304が剣状突起及び胸骨に固定される。更に、縫合糸、歯、ピン又はスクリューを、クリップ1304の上部1340の開口1348を通して挿入し、皮下デバイス1300を剣状突起及び胸骨に更に固定することができる。
皮下デバイス1300は、電源、コントローラ、メモリ、トランシーバ、センサ、感知回路、治療回路、及び/又は、医療機器の任意の他の構成要素を含むことができる。図33に示す実施形態では、皮下デバイス1300が二腔ペースメーカー及び除細動器であるように構成される。電極1334、電極1336、電極1352、電極1372A及び電極1372Bのいずれか1つ又は組み合わせは、心臓の電気的活動を感知することができる。更に、除細動器コイル1374Cは、心臓の電気的活動を感知する電極として作用することができる。感知された電気的活動は、皮下デバイス1300のハウジング1302内の感知回路及びコントローラに送信され得る。コントローラは患者の心拍数を決定することができ、不整脈又は異常があるかどうかを検出することができる。不整脈が検出された場合、コントローラは、電極1372A及び電極1372Bによって心臓に治療用電気刺激を与えるために、治療回路に命令を送ることができる。具体的には、治療用電気刺激を右心室及び左心室に与えることができる。異常が検出された場合、コントローラは、除細動器コイル1374Cによって心臓に高電圧電気ショックを与えるために、治療回路に命令を送ることができる。このように、皮下デバイス1300は、監視デバイス、診断デバイス及び治療デバイスとして機能する。代替の実施形態において、皮下デバイス1300は、監視デバイス、診断デバイス、治療デバイス又はそれらの任意の組合せとしてのみ機能することができる。
(皮下デバイス1400)
図34Aは、皮下デバイス1400の斜視図である。図34Bは、皮下デバイス1400の斜視図である。図34Cは、皮下デバイス1400の側面図である。皮下デバイス1400は、ハウジング1402、クリップ1404、プロング1406A、プロング1406B、プロング1406C及びプロング1406Dを含む。ハウジング1402は、第1の面1410、第2の面1412、上面1414、底面1416、前端1418、後端1420、曲面1422、凹部1424、ポート1426A、ポート1426B、ポート1426C、ポート1426D、チャネル1428A(図34A~34Cには図示せず)、チャネル1428B、チャネル1428C、チャネル1428D、第1のガイド1430、第2のガイド1432、電極1434及び電極1436を含む。クリップ1404は、上部1440、底部1442、スプリング部1444、先端1446、開口1448、スロット1450及び電極1452を含む。プロング1406Aは、近位端1460A(図34A~34Cには図示せず)、遠位端1462A、ベース部1464A、スプリング部1466A、アーム部1468A、接触部1470A及び除細動器コイル1474Aを含む。プロング1406Bは、近位端1460B(図34A~34Cには図示せず)、遠位端1462B、ベース部1464B、スプリング部1466B、アーム部1468B、接触部1470B及び除細動器コイル1474Bを含む。プロング1406Cは、近位端1460C(図34A~34Cには図示せず)、遠位端1462C、ベース部1464C、スプリング部1466C、アーム部1468C、接触部1470C及び電極1474Cを含む。プロング1406Dは、近位端1460D(図34A-34Cには図示せず)、遠位端1462D、ベース部1464D、スプリング部1466D、アーム部1468D、接触部1470D及び除細動器コイル1474Dを含む。
皮下デバイス1400は、ハウジング1402、クリップ1404、プロング1406A、プロング1406B、プロング1406C及びプロング1406Dを含む。ハウジング1402は、図1~9Cに示される皮下デバイス100のハウジング102と同一の一般的な構造及び設計を有する。しかしながら、ハウジング1402は、ポート1426A、ポート1426B、ポート1426C及びポート1426Dを含む4つのポートと、チャネル1428A、チャネル1428B、チャネル1428C及びチャネル1428Dを含む4つのチャネルとを含む。ハウジング1402の部分を参照する参照番号は、図1~9Cに示される皮下デバイス100のハウジング102の部分を参照する参照番号と比較して、1300だけ増分される。ポート1426A、ポート1426B、ポート1426C及びポート1426Dはハウジング1402上で互いに隣接して配置され、チャネル1428A、チャネル1428B、チャネル1428C及びチャネル1428Dはハウジング1402上で互いに隣接して配置される。プロング1406Aはポート1426Aに接続されるように構成され、皮下デバイス1400が収容位置にあるとき、チャネル1428A内に配置され得る。プロング1406Bはポート1426Bに接続されるように構成され、皮下デバイス1400が収容位置にあるとき、チャネル1428B内に配置され得る。プロング1406Cはポート1426Cに接続されるように構成され、皮下デバイス1400が収容位置にあるとき、チャネル1428C内に配置され得る。プロング1406Dはポート1426Dに接続されるように構成され、皮下デバイス1400が収容位置にあるとき、チャネル1428D内に配置され得る。
クリップ1404は、図1~9Cに示される皮下デバイス100のクリップ104と同一の一般的な構造及び設計を有する。クリップ1404の部分を参照する参照番号は、図1~9Cに示される皮下デバイス100のクリップ104の部分を参照する参照番号と比較して、1300だけ増分される。
プロング1406A、プロング1406B、プロング1406C及びプロング1406Dは概して、図1~9Cに示される皮下デバイス100のプロング106と同じ部分を含み、プロング1406A、プロング1406B、プロング1406C及びプロング1406Dの部分を参照する参照番号は、図1~9Cに示される皮下デバイス100のプロング106の部分を参照する参照番号と比較して、1300だけ増分される。しかしながら、プロング1406A、プロング1406B及びプロング1406Dは、図1~9Cに示されるプロング106とは異なる形状を有し、電極の代わりに除細動器コイル1474A、除細動器コイル1474B、除細動器コイル1474C及び除細動器コイル1474Dを含む。
スプリング部1466A及びアーム部1468Aは、ハウジング1402の第1の面1410から離れて延びる。接触部1470Aは、ハウジング1402の第1の面1410上の組織と接触するように構成された、プロング1406Aの遠位端1462Aに隣接するプロング1406Aの部分である。除細動器コイル1474Aは、プロング1406Aの遠位端1462Aに隣接する接触部1470BAに配置される。除細動器コイル1474Aは、除細動器コイル1474Bと共にベクトルを生成するように構成される。スプリング部1466D及びアーム部1468Dは、ハウジング1402の第2の面1412に沿って延びる。接触部1470Dは、ハウジング1402の第2の面1412上の組織と接触するように構成された、プロング1406Dの遠位端1462Dに隣接するプロング1406Dの部分である。除細動器コイル1474Dは、プロング1406Dの遠位端1462Dに隣接する接触部1470D上に配置される。除細動器コイル1474Dは、除細動器コイル1474Bと共にベクトルを生成するように構成される。
スプリング部1466B及びアーム部1468Bは、ハウジング1402の底面1420から離れて延びる。接触部1470Bは、患者の心臓の下の組織と接触するように構成された、プロング1406Bの遠位端1462Bに隣接するプロング1406Bの部分である。除細動器コイル1474Bは、プロング1406Bの遠位端1462Bに隣接する接触部1470B上に配置される。電気信号が除細動器コイル1474Bに送られると、除細動器コイル1474Bは、ハウジング1402の前端1418の電極1434と共に第1のベクトルを、プロング1406A上の除細動器コイル1474Aと共に第2のベクトルを、プロング1406D上の除細動器コイル1474D共にと第3のベクトルを、それぞれ生成する。図示の実施形態では、除細動器コイル1474Bは負電極として機能し、電極1434、除細動器コイル1474A及び除細動器コイル1474Dは正電極として機能する。しかしながら、代替の実施形態においては、これを逆にすることができる。プロング1406Bは、遠位端1462B、したがって接触部1470B及び除細動器コイル1474Bが心臓の下に位置するように配置される。したがって、除細動器コイル1474Bと、電極1434、除細動器コイル1474A及び除細動器コイル1474Dとの間に生成されるベクトルは、患者の心臓を通過して、患者の心臓に高電圧電気ショックを与える。
プロング1406Cは、図1~9Cに示されるプロング106と同一の形状を有する。スプリング部1466C及びアーム部1468Cは、ハウジング1402の底面1420から離れて延びる。接触部1470Cは、患者の心臓の左心室と接触するように構成された、プロング1406Cの遠位端1462Cに隣接するプロング1406Cの部分である。接触部1470Cに配置された電極1472Cも、患者の心臓の左心室と接触する。
一例において、皮下デバイス1400は、患者の剣状突起及び胸骨に固定することができる。クリップ1404は、皮下デバイス1400を剣状突起及び胸骨に固定するように構成される。クリップ1404は、剣状突起及び胸骨の周りを摺動するにつれて拡張する。スプリング部1444はクリップ1404のためのスプリングとして作用し、テンション下にある。上部1440はテンションアームとして作用し、スプリング部1444からの力は、上部1440に伝えられこれを押し下げる。クリップ1404が剣状突起及び胸骨の上に配置されると、スプリング部1444のテンションによって、上部1440が剣状突起及び胸骨の上に押し下げられ、クリップ1404が剣状突起及び胸骨に固定される。更に、縫合糸、歯、ピン又はスクリューを、クリップ1404の上部1440の開口1448を通して挿入し、皮下デバイス1400を剣状突起及び胸骨に更に固定することができる。
皮下デバイス1400は、電源、コントローラ、メモリ、トランシーバ、センサ、感知回路、治療回路、及び/又は、医療機器の任意の他の構成要素を含むことができる。図34A-34Cに示す実施形態では、皮下デバイス1400が単腔ペースメーカー及びマルチベクトル除細動器であるように構成される。電極1434、電極1436、電極1452及び電極1472Cのいずれか1つ又は組み合わせは、心臓の電気的活動を感知することができる。更に、除細動器コイル1474A、除細動器コイル1474B及び除細動器コイル1474Dは、心臓の電気的活動を感知する電極として作用することができる。感知された電気的活動は、皮下デバイス1400のハウジング1402内の感知回路及びコントローラに送信され得る。コントローラは患者の心拍数を決定することができ、不整脈又は異常があるかどうかを検出することができる。不整脈が検出された場合、コントローラは、電極1472Cによって心臓に治療用電気ショックを与えるために、治療回路に命令を送ることができる。異常が検出された場合、コントローラは、除細動器コイル1474Bによって心臓に高電圧電気ショックを与えるために、治療回路に命令を送ることができる。このように、皮下デバイス1400は、監視デバイス、診断デバイス及び治療デバイスとして機能する。代替の実施形態において、皮下デバイス1400、監視デバイス、診断デバイス、治療デバイス又はそれらの任意の組合せとしてのみ機能することができる。
(皮下デバイス1500)
図35Aは、皮下デバイス1500の斜視図である。図35Bは、皮下デバイス1500の斜視図である。図35Cは、皮下デバイス1500の底面図である。図35Dは、皮下デバイス1500の側面図である。図35Eは、皮下デバイス1500の後面図である。図35Fは、皮下デバイス1500の正面図である。図36Aは、皮下デバイス1500の概略図である。図36Bは、皮下デバイス1500の一部を側方から示す断面図である。図36Cは、皮下デバイス1500の一部を下方から示す断面図である。図37は、剣状突起X及び胸骨Sの上に配置された皮下デバイス1500の斜視図である。皮下デバイス1500は、ハウジング1502、クリップ1504、プロング1506A及びプロング1506Bを含む。ハウジング1502は、第1の面1510、第2の面1512、上面1514、底面1516、前端1518、後端1520、曲面1522、凹部1524、ポート1526A、ポート1526B、第1のガイド1530、第2のガイド1532、電極1534及び電極1536を含む。クリップ1504は、上部1540、底部1542、スプリング部1544、先端1546、開口1548、スロット1550及び電極1552を含む。プロング1506Aは、近位端1560A、遠位端1562A、ベース部1564A、スプリング部1566A、アーム部1568A、接触部1570A、開口1576A及び管腔1578Aと含む。プロング1506Bは、近位端1560B、遠位端1562B、ベース部1564B、スプリング部1566B、アーム部1568B、開口1576B及び管腔1578Bを含む。皮下デバイス1500は更に、薬剤貯槽1580、薬剤ポンプ1582、流体コネクタ1584、流体コネクタ1586、流体コネクタ1588、電子部品1590及びバッテリ1592を含む。図37は、剣状突起X及び胸骨Sを示す。
皮下デバイス1500は、ハウジング1502、クリップ1504、プロング1506A及びプロング1506Bを含む。ハウジング1502は、図1~9Cに示される皮下デバイス100のハウジング102と同一の一般的な構造及び設計を有する。しかしながら、ハウジング1502は、ポート1526A及びポート1526Bを含む2つのポートを含む。ハウジング1502の部分を参照する参照番号は、図1~9Cに示される皮下デバイス100のハウジング102の部分を参照する参照番号と比較して、1400だけ増分される。ポート1526A及びポート1526Bは、ハウジング1502上で互いに隣接して配置される。プロング1506Aは、ポート1526Aに接続されるように構成される。プロング1506Bは、ポート1526Bに接続されるように構成される。
クリップ1504は、図1~9Cに示される皮下デバイス100のクリップ104と同一の一般的な構造及び設計を有する。クリップ1504の部分を参照する参照番号は、図1~9Cに示される皮下デバイス100のクリップ104の部分を参照する参照番号と比較して、1400だけ増分される。
プロング1506A及びプロング1506Bは概して、図1~9Cに示される皮下デバイス100のプロング106と同じ部分を含み、プロング1506A及びプロング1506Bの部分を参照する参照番号は、図1~9Cに示される皮下デバイス100のプロング106の部分を参照する参照番号と比較して、1400だけ増分される。しかしながら、プロング1506A及びプロング1506Bは図1~9Cに示されるプロング106とは異なる形状を有し、開口1576A及び管腔1578A、並びに、開口1576B及び管腔1578Bをそれぞれ含む。スプリング部1566A及びアーム部1568Aは、ハウジング1502の底面1516の下に延びる。接触部1570Aは、患者の臓器、神経又は組織と接触するように構成された、プロング1506Aの遠位端1562Aに隣接するプロング1506Aの部分である。プロング1506Aは遠位端1562Aに開口1576Aを有し、近位端1560Aから遠位端1562Aまで延びる管腔1578Aを含む。スプリング部1566B及びアーム部1568Bは、ハウジング1502の底面1520に沿って上方へ延びる。プロング1506Bは遠位端1562Bに開口1576Bを有し、近位端1560Bから遠位端1562Bまで延びる管腔1578Bを含む。
一例において、皮下デバイス1500は、患者の剣状突起X及び胸骨Sに固定することができる。クリップ1504は、皮下デバイス1500を剣状突起X及び胸骨Sに固定するように構成される。クリップ1504は、剣状突起X及び胸骨Sの周りを摺動するにつれて拡張する。スプリング部1544はクリップ1504のためのスプリングとして作用し、テンション下にある。上部1540はテンションアームとして作用し、スプリング部1544からの力は、上部1540に伝えられこれを押し下げる。クリップ1504が剣状突起X及び胸骨Sの上に配置されると、スプリング部1544のテンションは上部1540を剣状突起X及び胸骨Sの上に押し下げてクリップ1504を剣状突起X及び胸骨Sに固定する。更に、縫合糸、歯、ピン又はスクリューを、クリップ1504の上部1540上の開口1548を通して挿入し、皮下デバイス1500を剣状突起X及び胸骨Sに更に固定することができる。
皮下デバイス1500は、電源、コントローラ、メモリ、トランシーバ、センサ、感知回路、治療回路、及び/又は、医療機器の任意の他の構成要素を含むことができる。図35A~37に示す実施形態では、皮下デバイス1500が薬剤送達デバイスであるように構成される。図36A~36Cに示されるように、皮下デバイス1500は、ハウジング1502内に配置された薬剤貯槽1580及び薬剤ポンプ1582を含む。薬剤貯槽1580は、薬剤貯槽1580をプロング1506Bに流体的に接続する流体コネクタ1584と、薬剤貯槽1580を薬剤ポンプ1582に流体的に接続する流体コネクタ1586とを含む。薬剤ポンプ1582はまた、薬剤ポンプ1582をプロング1506Aに流体的に接続する流体コネクタ1588を含む。薬剤は、プロング1506Bの開口1576Bに挿入され、次いで、プロング1506Bの管腔1578Bを通って薬剤貯槽1580に移動することができる。このようにして、薬剤貯槽1580は、必要に応じて補充され、再充填され得る。注射器を開口1578Bに配置して、薬剤をプロング1506Bに注入することができる。次いで、薬剤貯槽1580内の薬剤は、薬剤ポンプ1582によって薬剤貯槽1580から送出され得る。薬剤ポンプ1582は、薬剤貯槽1580内の薬剤を、流体コネクタ1586、薬剤ポンプ1582及び流体コネクタ1588を通じて、プロング1506A中に送出する。プロング1506A内の薬剤は、プロング1506Aの管腔1578Aを通って移動し、開口1576Aにおいてプロング1506Aを出ることができる。開口1576Aは、臓器、神経又は組織に接触するように配置され、その結果、薬剤が臓器、神経又は組織に適用され得る。図36A~36Cはまた、コントローラ、メモリ、トランシーバ、センサ、感知回路、治療回路、電極、及び/又は、医療機器の任意の他の構成要素を含み得る電子部品1590と、バッテリ1592とを示す。バッテリ1592は、電子部品1590及び薬剤ポンプ1592を含む皮下デバイス1500に電力を供給する。電子部品1590は特に、プログ1506Aを通して患者に薬剤を投与するために薬剤ポンプ1592に信号を送ることができる治療回線を含み得る。このように、皮下デバイス1500は、臓器、神経又は組織に標的治療薬剤又は全身治療薬剤を提供することができる薬剤送達デバイスとして機能する。標的治療薬剤又は全身治療薬剤の提供は、癌、糖尿病及び高血圧を治療するために用いることができる。癌を標的治療薬剤又は全身治療薬剤で治療することにより、副作用を軽減することができる。代替の実施形態において、皮下デバイス1500は、それが監視及び診断デバイス、ペースメーカーデバイス又は除細動器デバイスとしても機能することを可能にする構成要素を含むことができる。
(皮下デバイス1600)
図38Aは、構造的身体構成要素Aに固定された皮下デバイス1600の斜視図である。図38Bは、構造的身体構成要素Aに固定された皮下デバイス1600の上面図である。図38A及び図38Bについては、共に説明する。皮下デバイス1600は、ハウジング1602、クリップ1604及びスクリュー1608を含む。
皮下デバイス1600は、構造的身体構成要素Aに固定されるように構成された医療機器である。構造的身体構成要素Aは、患者の筋肉、骨又は組織であり得る。皮下デバイス1600は、監視デバイス、診断デバイス、治療デバイス又はそれらの任意の組み合わせであり得る。例えば、皮下デバイス1600は、患者の心拍数を監視し、患者の心臓の不整脈を診断し、患者の心臓に治療用電気刺激を与えることができるペースメーカーデバイスであり得る。皮下デバイス1600はハウジング1602を含む。皮下デバイス1600のハウジング1602は、図7に関連して説明されたように、感知回路180、コントローラ182、メモリ184、治療回路186、電極188、センサ190、トランシーバ192及び電源194、あるいは、医療機器の他の構成要素を含むことができる。
皮下デバイス1600は、スクリュー1608を介してハウジング1602に取り付けられたクリップ1604を含む。クリップ1604は、皮下デバイス1600を構造的身体構成要素Aに固定するように構成される。スクリュー1608は、ハウジング1602内で垂直に移動し、クリップ1604をハウジング1602内で開位置と閉位置との間で垂直に移動させる。クリップ1604が開位置にあるとき、スクリュー1608はハウジング1602から垂直に離れるように動かされる。クリップ1604は、構造的身体構成要素Aの周りを前進するにつれて開位置になる。クリップ1604は、アクティブなクリップである。骨、筋肉又は組織に取り付けるためにクランプ構成要素の剛性を使用することに加えて、クリップ1604は、歯及び/又はスクリューのような能動的な固定方法、及び/又は、クリップ1604を骨、筋肉又は組織に固定するための任意の他の適切な固定構造を使用する。スクリュー1608は、ハウジング1602に向かって垂直に移動し、クリップ1604を開位置から閉位置に変化させる。クリップ1604は、図38A及び38Bにおいて、構造的身体構成要素Aの周りをクランプし、皮下デバイス1600を構造的身体構成要素Aに固定するために、構造的身体構成要素Aの周りで閉位置において示される。図1~37を参照して示され説明されたプロングのいずれかのような1つ又は複数のプロングが、構造的身体構成要素Aから離れて位置付けられる患者の臓器、神経又は組織のような遠隔身体構成要素に接触するよう、ハウジング1602に接続され、そこから離れるように延びる。例えば、遠隔身体構成要素は、身体内の心臓、肺又は任意の他の適切な臓器を含むことができる。プロングは、遠隔身体構成要素の電気的活動又は生理学的パラメータを感知することができ、及び/又は、遠隔身体構成要素に治療用電気刺激を与えることができる、電極を含む。
一例において、皮下デバイス1600はペースメーカーであることができ、皮下デバイス1600のプロング上の1つ以上の電極は、心臓の電気的活動を感知することができる。感知された電気的活動は、皮下デバイス1600のハウジング1602内の感知回路及びコントローラに伝達され得る。コントローラは患者の心拍数を決定することができ、不整脈があるかどうかを検出することができる。不整脈が検出された場合、コントローラは、心臓に治療用電気刺激を与えるために、治療回路に命令を送ることができる。このように、皮下デバイス1600は、監視デバイス、診断デバイス及び治療デバイスとして機能する。
皮下デバイス1600を、以下の図39A~41との関連で、より詳細に説明する。皮下デバイス1600は、以下の図40及び41の説明において、監視、診断及び治療のために使用され得るペースメーカーとして説明される。皮下デバイス1600は、単極ペースメーカー又は双極ペースメーカーであり得る。皮下デバイス1600は、また、監視デバイス、診断デバイス、埋め込み型除細動器、一般的な臓器/神経/組織刺激器、及び/又は、薬剤送達デバイスであり得る。
図39Aは、皮下デバイス1600の上面斜視図である。図39Bは、皮下デバイス1600の上面斜視図である。図39Cは、皮下デバイス1600の側面斜視図である。図39Dは、皮下デバイス1600の側面図である。図39Eは、皮下デバイス1600の上面図である。図39Fは、皮下デバイス1600の後面斜視図である。図39Gは、皮下デバイス1600の底面斜視図である。図39Hは、皮下デバイス1600の底面斜視図である。図39Iは、皮下デバイス1600の底面図である。図39Jは、図39Eの線J-Jに沿った皮下デバイス1600の断面図である。図39Kは、図39Fの線K-Kに沿った皮下デバイス1600の断面図である。図39Lは、皮下デバイス1600のクリップ1604の斜視図である。図39A~39Lは、共に説明される。皮下デバイス1600は、ハウジング1602、クリップ1604及びスクリュー1608を含む。ハウジング1602は、第1の面1610、第2の面1612、上面1614、底面1616、前端1618、後端1620、(開口1624及びネジ部1626を有する)受容部1622,及びガイド1630を含む。クリップ1604は、固定部1640、マスト部1642、前端1644、後端1646、上面1648、底面1650、前部1652、後部1654、開口1655、中央部1656、歯1657、開口1658及びネジ部1659を含む。図39C、39D及び39Eも、開口Oを示す。
皮下デバイス1600は、図38A及び38Bを参照して説明したように、ハウジング1602、クリップ1604及びスクリュー1608を含む。ハウジング1602は、ステンレス鋼、チタン、ニチノール、エポキシ、シリコーン、金属補強材を有するポリウレタン、又は、非多孔インプラントに適した任意の他の材料から製作され得る。ハウジング1602はまた、外部コーティングを含むことができる。クリップ1604は、ステンレス鋼、チタン、ニチノール、エポキシ、シリコーン、金属補強材を有するポリウレタン、又は、非多孔インプラントに適した任意の他の材料から製作され得る。スクリュー1608は、クリップ1604及びハウジング1602に接続される。スクリュー1608は、頭部及び当該頭部に接続されたネジ胴体を有するスクリューである。スクリュー1608は、クリップ1604をハウジング1602に接続する。
ハウジング1602は、第1の面1610、第2の面1612、上面1614、底面1616、前端1618及び後端1620を含む。第1の面1610は、第2の面1612の反対側である。上面1614は、ハウジング1602の底である底面1616の反対側にあるハウジング1602の上部である。前端1618は、後端1620の反対側である。ハウジング1602は、図示された実施形態では実質的に長方形である。代替の実施形態において、ハウジング1602は、例えば円錐、錐台又は円筒として成形され得る。
ハウジング1602の受容部1622は、後端1620に接続される。受容部1622は、受容部1622の上部から受容部1622の底まで延びる円筒形の開口1624を有する柱状の形状を有する。開口1624は、受容部1622の上部に沿ってより大きな直径を有し、受容部1622の底部に沿ってより小さな直径を有する。受容部1622の上部における開口1624は、クリップ1604お及びスクリュー1608を受容するために、より大きい。受容部1622の底部における開口1624は、スクリュー1608をのみ受容するため、より小さい。図39Jに見られるように、開口1624に面する受容部1622の底部に沿って延びる。ネジ部1626は、スクリュー1608上のネジ部と係合するように構成される。ガイド1630は、ハウジング1602の後端1620及び第1の面1610に接続されるL字形ロッドである。この実施形態では、ガイド1630は、ハウジング1602の底面1616よりも上面1614に近い。ガイド1630は、皮下デバイス1600を患者に埋め込むために使用される外科用器具を介して皮下デバイス1600のハウジング1602を案内するように構成される。
クリップ1604は、マスト部1642に接続された固定部1640を有する。固定部1640は、クリップ1604の上部を形成し、ハウジング1602の上面1614を横切って延びる。マスト部1642は、クリップ1604の底部を形成し、受容部1622の上部の開口1624内に嵌合するように構成された円筒形部分である。
クリップ1604の固定部1640は、前端1644から後端1646に延びる。前端1644は、後端1646の反対側である。前端1644は、クリップ1640の先端を形成する。マスト部1642は、後端1646に隣接する固定部1640に接続される。固定部1640は、底面1650とは反対側の上面1648を有する。上面1648及び下面1650は、クリップ1604の平坦な部分である。固定部1640は、前端1644から延びる前部1652と、後端1646から延びる後部1654とを有する。前部1652は、後部1654よりも狭い。この実施形態では、前部1652及び後部1654はそれぞれ、そこを通って上面1648から下面1650まで延びる開口1655を有し、当該開口は、図4A~4Eに関して説明した開口148と同じ機能を有し得る。代替実施形態では、任意の数の開口1655が前部1652及び/又は後部1654を通って延び得る。前部1652は、前部1652と後部1654との間に接続された中央部1656を介して、後部1654に接続されている。前部1652は前端1644に向かって先細になり、後部1654は中央部1656に向かって先細になる。この実施形態では、中央部1656は、前部1652及び後部1654よりも狭い。代替実施形態では、中央部1656が前部1652より狭いだけでもよい。前部1652のテーパ及びサイズは、図38A及び38Bに示され説明されるように、クリップ1604が患者の筋肉、骨又は組織のような構造的身体構成要素Aに固定されているときに、クリップ1604が組織を通じて押すのを助けることができる。
図示の実施形態では、歯1657が固定部1640から延びる。歯1657は、固定部1640の中央部1656に接続された第1の端部を有し、ハウジング1602の上部1614に向かってクリップの底部1650から離れるように延びる。代替実施形態では、歯1657が固定部1640の任意の適切な部分に接続された第1の端部を有することができる。歯1657は湾曲している。歯1657は薄く、金属又は任意の他の適切な材料から作製され得る。この実施形態では、クリップ1604は4つの歯1657を有する。代替実施形態では、クリップ1604が任意の数の歯1657を有することができる。更に、代替実施形態では、歯1657と共に又はその代わりに、任意の他の適切な固定構造又は能動的な固定方法が用いられ得る。歯1657は、異なる方向に延びる。この実施形態では、第1の歯1657は0度で延び、第2の歯1657は90度で延び、第3の歯1657は180度で延び、第4の歯1657は270度で延びる。代替実施形態では、歯1657が固定部1640から任意の角度で延びてもよい。歯1657は、図38A及び38Bに見られるように、構造的身体構成要素Aを貫いてそれに固定するように構成される。
クリップ1604のマスト部1642は、皮下デバイス1600のハウジング1602に取り付けられる。マスト部1642は、後端1646に隣接するクリップ1604の固定部1640の底面1650に接続される。クリップ1604の開口1658は円筒形であり、クリップ1604の固定部1640を通って上面1648から底面1650まで、及び、クリップ1604のマスト部1642を通って、延びる。クリップ1604のネジ部1659は、図39Jに見られるように、開口1658に沿って固定部1640及びマスト部1642を通って延びる。したがって、ネジ部1659は、開口1658の上端から下端まで延びる。ネジ部1659は、スクリュー1608上のネジ部を受容するように構成される。
クリップ1604は、スクリュー1608を介して、ハウジング1602の受容部1622に接続される。スクリュー1608は、クリップのネジ部1659を介してクリップ1604の開口1658にねじ込まれ、スクリュー1608をクリップ1604に接続する。スクリュー1608はまた、ネジ部1626を介してハウジング1602の受容部分622の開口1624にねじ込まれ、スクリュー及びクリップ1604をハウジング1602に接続する。したがって、クリップ1604のマスト部1642は、ハウジング1602の受容部1622の開口1624内にある。スクリュー1608は、クリップ1604及び受容部1622に接続され、クリップ1604の開口1658及びハウジング1602の受容部1622の開口1624内に配置される。
クリップ1604がハウジング1602に接続されると、クリップ1604の固定部1640は、ハウジング1602の上面1614に沿って延びる。クリップ1604の固定部1640は、後端1620から前端1618までハウジング1602の長さに対してある角度で延びる。図39Eに示されるように、クリップ1604の固定部1640は、軸Cに沿って延びるように構成され、当該軸は、皮下デバイス1600が患者に挿入されるとき、患者の胸骨の中心軸であり得る。ハウジング1602は。後端1620から前端1618まで、軸Cから約15度のように、軸Cに対して0度より大きい角度で延びる。ハウジング1602は、遠隔身体構成要素の位置、並びに、遠隔身体構成要素に接触するために使用されるプロングの形状及び大きさに基づいて、軸Cに対して他の角度で延びてもよい。例えば、ハウジング1602は、心臓の右心室に到達するために軸Cから約20~30度、好ましくは軸Cから25度で延びるか、又は、心臓の左心室に到達するために軸Cから約45~60度で延びることができる。したがって、ハウジング1602は、後端1620から前端1618まで軸Cから少なくとも約15度の角度で延びることができる。更に、代替実施形態では、ハウジング1602は、クリップ1604の固定部1640がハウジング1602と整列されるか又は平行であるよう、後端1620から前端1618まで軸Cに対して0度で延びることができる。クリップ1604の固定部1640がハウジング1602に対して角度を付けられる一方で、クリップ1604の固定部1640はハウジング1602の幅内に留まる。したがって、クリップ1604の固定部1640は、ハウジング1602の第1の面1610と第2の面1612との間にある。
開口Oが、クリップ1604の固定部1640とハウジング1602の上面1614との間に形成される。具体的には、開口Oは、クリップの歯1657の第2の又は底部の端部と、ハウジング1602の上面1614との間にある。クリップ1604は、開口Oの高さを変化させるために、受容部1622内で開位置と閉位置との間で移動可能である。図39A~39Kに見られるように、クリップ1604は開位置にある。クリップ1604が開位置にあるとき、開口Oは拡張され、高さが増加する。スクリュー1608は、クリップ1604のネジ部1659にねじ込まれ、クリップ1604のマスト部分642を通って延びる。スクリュー1608の頭部は、クリップ1604の上面1656に接触する。スクリュー1608は、ハウジング1602の受容部1622のネジ部1626に部分的にしかねじ込まれていない。クリップ1604は、皮下デバイス1600が患者に挿入されたとき、開位置にある。開口Oは、筋肉、骨又は組織の周囲に配置される。開口Oが増大又は拡大されるので、皮下デバイス1600は、著しい抵抗を受けることなく、筋肉、骨又は組織の上へ容易に摺動する。
皮下デバイス1600が筋肉、骨又は組織の上に位置決めされると、クリップ1604は閉位置に移動される。クリップ1604が閉位置にあるとき、開口Oは縮小し、高さが減少する。スクリュー1608は、クリップ1604を閉位置に移動させるように回転される。スクリュー1608は、受容部1622のネジ部1626に沿ってハウジング1602の受容部1622内へ更にねじ込まれ、それにより、クリップ1604のマスト部1642をハウジング1602の受容部1622内へ更に押し込む。したがって、クリップの固定部1640は、ハウジング1602の上面1614に向かって、筋肉、骨又は組織の上へ下に、押し付けられ、開口Oの高さを低減する。スクリュー1608は、図38A及び38Bに見られるように、歯1657が筋肉、骨又は組織に取り付けられ、クリップ1604を筋肉、骨又は組織に固定するまで、受容部1622にねじ込まれる。歯1657は、スクリュー1608からの圧力に応答して、筋肉、骨又は組織を貫く。開口Oは、歯1657がハウジング1602の上面1614に接触するように縮小され得る。それにより、歯1657は、筋肉、骨又は組織の周りで曲がって戻り、クリップ1604及び皮下デバイス1600を筋肉、骨又は組織に更に固定する。ハウジング1602に接続され、そこから離れるように延びる、図1~37を参照して示され説明されたプロングのうちのいずれかのような、1つ又は複数のプロングは、ハウジング1602が構造的身体構成要素Aに固定されるとき、遠隔身体構成要素に接触する。
歯1657はまた、皮下デバイス1600が容易に取り外し可能であるように、筋肉、骨又は組織から取り外し可能である。歯1657の薄い金属又は他の適切な材料が、歯1657が可撓性を維持することを可能にする。クリップ1604を構造的身体構成要素Aから取り外すために、スクリュー1608は、ネジ部1626に沿って受容部1622から外され、マスト部1642を受容部1622から外に移動させる。固定部1640がハウジング1602の上面1614から離れるように移動され、開口Oを拡大し、クリップ1604を開位置に移動させるにつれて、クリップ1604の固定部1640への圧力が低減される。皮下デバイス1600は、次いで、筋肉、骨又は組織から取り外され、患者の身体から引き出され、取り外され得る。外科用メス又は焼灼器のような付加的な器具が、筋肉、骨又は組織からの皮下デバイス1600の除去を補助するために使用され得る。
クリップ1604は、構造的身体構成要素Aに取り付けられて、皮下デバイス1600を構構造的身体構成要素Aに十分に固定し、構造的身体構成要素A及び遠隔身体構成要素に対する皮下デバイス1600の適切な位置合わせを確実にする、歯1657を含む。歯1657及びスクリュー1608はまた、構造的身体構成要素Aからの皮下デバイス1600の取り外しを可能にする。皮下デバイス1600のハウジング1602とクリップ1604との間の開口Oは、スクリュー1608を介して調節可能であり、皮下デバイス1600の容易な挿入及び取り外しを可能にする。皮下デバイス1600を取り外すことは、例えば、心臓に融合されたリード線を有する従来のペースメーカーを取り外すことよりも、はるかに外傷が少ない。したがって、皮下デバイス1600は、従来のペースメーカーのような従来のデバイスよりも少ない外傷性の挿入及び取り外しプロセスを使用して、確実に埋め込まれ、修理又は交換のために容易に取り外され得る。
図40は、剣状突起X及び胸骨Sの上に配置された皮下デバイス1600の斜視図である。皮下デバイス1600は、ハウジング1602、クリップ1604及びスクリュー1608を含む。ハウジング1602は、上面1614と、受容部1622とを含む。クリップ1604は、固定部1640、マスト部1642及び歯1657を含む。図40も、剣状突起X及び胸骨Sを示す。
皮下デバイス1600は、図38A~39Kを参照して上述したように、ハウジング1602及びクリップ1604を含む。図40に示される実施形態では、皮下デバイス1600が、図1~9Cに関して説明された皮下デバイス100のように、心臓モニタリング、診断及び/又は治療に使用されるペースメーカーであるように構成される。皮下デバイス1600は、図1~9Cを参照して示され説明されたプロング106と同じ構造及び機能を有し得るプロングを有する。図40に示される実施形態において、皮下デバイス1600は、患者の剣状突起X及び胸骨Sに固定され得る。皮下デバイス1600は、皮下デバイス1600が外科用器具を用いて剣状突起X及び胸骨S上に注入される単純な手順で、埋め込むことができる。例えば、皮下デバイス1600は、図10A~14Bに示される外科用器具200と同様の外科用器具、及び、図15~19を参照して説明された方法300と同様の方法を使用して、剣状突起X及び胸骨Sに固定され得る。外科用器具は、皮下デバイス1600の形状に適応するように設計することができ、皮下デバイス1600を外科用器具から剣状突起X及び胸骨S上に押し出すように構成することができる。
解剖学的マーカーは、皮下デバイス1600を挿入するために使用され得る。例えば、皮下デバイス1600のハウジング1602は、第5肋骨と第6肋骨との間の肋間空間に向かって、胸骨の左に向けられ、胸骨はプロングを心臓の心室に向ける。したがって、ハウジング1602は、胸骨Sに沿った軸Cから約15度の角度である。なぜなら、心臓の心室の表面は、胸骨Sから約15度の角度であるからである。ハウジング1602に対するクリップ1604の固定部1640の角度の故に、クリップ1604の固定部1640は胸骨Sに沿った軸Cと整列し、クリップ1604と胸骨Sとの間の接触を最大化する。結果として、皮下デバイス1600は、単一の方向に挿入されることができ、患者の外傷を最小化する。更に、心臓カテーテル検査室は、皮下デバイス1600を配備する必要がない。
クリップ1604の固定部1640がハウジング1602に対して角度を付けられている一方で、固定部1640は、ハウジング1602の第1の面1610と第2の面1612との間で、ハウジング1602の幅内に留まる。したがって、皮下デバイス1600の幅は、ハウジング1602の幅である。皮下デバイス1600を挿入するための患者への切開の幅は、角度の付いたクリップ1602では増加しない。したがって、皮下デバイス1600は、患者に挿入されるか又は患者から引き出されるために、ハウジング1602の幅にほぼ等しい幅を有する小さな切開部のみを必要とし、患者に対する外傷を最小限に維持する。
クリップ1604は、皮下デバイスが挿入されたとき、開位置にある。クリップ1604の固定部1640とハウジング1602の上面1614との間の開口Oは、剣状突起X及び胸骨Sの周りで前進される。クリップ1604の固定部1640は、剣状突起X及び胸骨Sよりも上方に位置付けられる。クリップ1604が剣状突起X及び胸骨S上に位置付けられるとき、スクリュー1608は受容部1622内にねじ込まれ、クリップ1604のマスト部1642を受容部1622内により深く入れる。その結果、クリップ1604の固定部1640は、ハウジング1602の上面1614に近づくように引かれる。クリップ1604が閉位置に移動することにつれて、開口Oが縮小する。クリップ1604が閉位置にある剣状突起X及び胸骨S上に配置されると、スクリュー1608は固定部1640を剣状突起X及び胸骨Sの上に押し下げて、クリップ1604を、剣状突起X及び胸骨Sに固定する。更に、歯1657は、剣状突起X及び/又は胸骨Sに接触及び接続して、皮下デバイス1600を、剣状突起X及び胸骨Sに更に固定する。歯1657は、スクリュー1608によってクリップ1604の固定部1640に加えられた圧力に基づいて、胸骨組織、筋肉及び/又は骨に食い込む。スクリュー1608からの圧力下で、固定部1640は、歯1657が剣状突起X及び胸骨Sの周りで後方へ曲がるよう、剣状突起X及び胸骨S並びにハウジング1602の上面1614の上に押されることができる。クリップ1604は、皮下デバイス1600を剣状突起X及び胸骨Sに固定する。
クリップ1604は、皮下デバイス1600を、剣状突起X及び胸骨S上の定位置に保持する。皮下デバイス1600が剣状突起X及び胸骨Sに固定されると、プロングは、図9Aに示される第1の実施形態と同様に、ハウジング1602から離れて延び、心臓と接触する。プロングは、心臓の右心室、左心室、右心房又は左心房に接触するように成形され得る。代替実施形態では、プロングは、図1~37を参照して示され説明された突起のうちのいずれかのような、任意の適切なプロングであってもよい。クリップ1604の固定部1640はハウジング1602に対して角度が付けられているので、クリップ1604の固定部1640は胸骨Sと整列され、一方、ハウジング1602は後端1620から前端1618まで心臓の方向に延びる。したがって、プロングはハウジング1602の前端1618から心臓の方向に延び、プロングが心臓の心室に到達することを確実にする。
皮下デバイス1600を、クリップ1604を介して剣状突起X及び胸骨Sに固定することにより、皮下デバイス1600が患者の体内で移動しないことが保障される。体内で皮下デバイス1600の位置を維持することは、プロングが適切に位置決めされ、心臓との接触を失わないことを確実にする。更に、皮下デバイス1600は、患者の体内で移動しないため、患者の心拍数及び他の生理学的パラメータを正確かつ確実に決定することができる。例えば、心電図の形態は、患者の体内での皮下デバイス1600の移動によって変化しない。
皮下デバイス1600を埋め込むための外科的手順は、皮下デバイスが体内の皮下に置かれるので、従来のペースメーカーデバイスに必要とされる外科的手順よりも、侵襲性が低い。患者の血管系内にリード線を配置する必要がなく、これにより患者に対する血栓症のリスクが低下する。
(皮下デバイス1700)
図38Aは、構造的身体構成要素Aに固定された皮下デバイス1700の斜視図である。図38Bは、構造的身体構成要素Aに固定された皮下デバイス1700の上面図である。図38A及び図38Bについては、共に説明する。皮下デバイス1700はハウジング1702及びクリップ1704を含む。
皮下デバイス1700は、構造的身体構成要素Aに固定されるように構成された医療機器である。構造的身体構成要素Aは、患者の筋肉、骨又は組織であり得る。皮下デバイス1700は、監視デバイス、診断デバイス、治療デバイス又はそれらの任意の組み合わせであり得る。例えば、皮下デバイス1700は、患者の心拍数を監視し、患者の心臓の不整脈を診断し、患者の心臓に治療用電気刺激を与えることができるペースメーカーデバイスであり得る。皮下デバイス1700はハウジング1702を含む。皮下デバイス1700のハウジング1702は、図7に関連して説明されたように、感知回路180、コントローラ182、メモリ184、治療回路186、電極188、センサ190、トランシーバ192及び電源194、あるいは、医療機器の他の構成要素を含むことができる。
皮下デバイス1700は、ハウジング1702に取り付けられたクリップ1704を含む。クリップ1704は、皮下デバイス1700を構造的身体構成要素Aに固定するように構成される。クリップ1704は、ハウジング1702内で、開位置と閉位置との間を垂直に移動する。クリップ1704が開位置にあるとき、クリップ1704はハウジング1702から垂直に離れるように動かされる。クリップ1704は、構造的身体構成要素Aの周りを前進するにつれて開位置になる。クリップ1704は、アクティブなクリップである。骨、筋肉又は組織に取り付けるためにクランプ構成要素の剛性を使用することに加えて、クリップ1704は、歯及び/又はスクリューのような能動的な固定方法、及び/又は、クリップ1704を骨、筋肉又は組織に固定するための任意の他の適切な固定構造を使用する。クリップ1704は、ハウジング1702に向かって垂直に移動し、クリップ1704を開位置から閉位置に変化させる。クリップ1704は、図41A及び41Bにおいて、構造的身体構成要素Aの周りをクランプし、皮下デバイス1700を構造的身体構成要素Aに固定するために、構造的身体構成要素Aの周りで閉位置において示される。図1~37を参照して示され説明されたプロングのいずれかのような1つ又は複数のプロングが、構造的身体構成要素Aから離れて位置付けられる患者の臓器、神経又は組織のような遠隔身体構成要素に接触するよう、ハウジング1702に接続され、そこから離れるように延びる。例えば、遠隔身体構成要素は、身体内の心臓、肺又は任意の他の適切な臓器を含むことができる。プロングは、遠隔身体構成要素の電気的活動又は生理学的パラメータを感知することができ、及び/又は、遠隔身体構成要素に治療用電気刺激を与えることができる、電極を含む。
一例において、皮下デバイス1700はペースメーカーであることができ、皮下デバイス1700のプロング上の1つ以上の電極は、心臓の電気的活動を感知することができる。感知された電気的活動は、皮下デバイス1700のハウジング1702内の感知回路及びコントローラに伝達され得る。コントローラは患者の心拍数を決定することができ、不整脈があるかどうかを検出することができる。不整脈が検出された場合、コントローラは、心臓に治療用電気刺激を与えるために、治療回路に命令を送ることができる。このように、皮下デバイス1700は、監視デバイス、診断デバイス及び治療デバイスとして機能する。
皮下デバイス1700を、以下の図42A~43との関連で、より詳細に説明する。皮下デバイス1700は、以下の図43の説明において、監視、診断及び治療のために使用され得るペースメーカーとして説明される。皮下デバイス1700は、単極ペースメーカー又は双極ペースメーカーであり得る。皮下デバイス1700は、また、監視デバイス、診断デバイス、埋め込み型除細動器、一般的な臓器/神経/組織刺激器、及び/又は、薬剤送達デバイスであり得る。
図42Aは、皮下デバイス1700の上面斜視図である。図42Bは、皮下デバイス1700の上面斜視図である。図42Cは、皮下デバイス1700の側面図である。図42Dは、皮下デバイス1700の上面図である。図42Eは、皮下デバイス1700の底面図である。図42Fは、皮下デバイス1700の底面斜視図である。図42Gは、皮下デバイス1700の底面斜視図である。図42Hは、皮下デバイス1700の後面図である。図42Iは、皮下デバイス1700の正面図である。図42Jは、図42Hの線J-Jに沿った皮下デバイス1700の断面図である。図42Kは、図42Cの線K-Kに沿った皮下デバイス1700の断面図である。図42Lは、皮下デバイス1700のクリップ1704の斜視図である。図42A~42Lは、共に説明される。本体1724及びガイド1730は、透明として示されている。皮下デバイス1700はハウジング1702及びクリップ1704を含む。ハウジング1702は、第1の面1710、第2の面1712、上面1714、底面1716、前端1718、後端1720、(本体1724及びカプラー1726を有する)受容部1722,及びガイド1730を含む。クリップ1704は、固定部1740、マスト部1742、前端1744、後端1746、上面1748、底面1750、前部1752、後部1754、開口1755、中央部1756、歯1757及びスロット1758を含む。本体1724は、開口1760及び窓1762を含む。カプラー1726は、ピン1766及び底部1768を有する嵌合部1764を含む。図39C、39D及び39Eも、開口Oを示す。
皮下デバイス1700は、図41A及び41Bを参照して説明したように、ハウジング1702及びクリップ1704を含む。ハウジング1702は、ステンレス鋼、チタン、ニチノール、エポキシ、シリコーン、金属補強材を有するポリウレタン、又は、非多孔インプラントに適した任意の他の材料から製作され得る。ハウジング1702はまた、外部コーティングを含むことができる。クリップ1704は、ステンレス鋼、チタン、ニチノール、エポキシ、シリコーン、金属補強材を有するポリウレタン、又は、非多孔インプラントに適した任意の他の材料から製作され得る。
ハウジング1702は、第1の面1710、第2の面1712、上面1714、底面1716、前端1718及び後端1720を含む。第1の面1710は、第2の面1712の反対側である。上面1714は、ハウジング1702の底である底面1716の反対側にあるハウジング1702の上部である。前端1718は、後端1720の反対側である。ハウジング1702は、図示された実施形態では実質的に長方形である。代替の実施形態において、ハウジング1702は、例えば円錐、錐台又は円筒として成形され得る。
ハウジング1702の受容部1722は、ハウジングの後端1720に接続される。受容部1722は、長方形の本体1724と、カプラー1726とを有する。長方形の本体1724の前端は、ハウジング1702の後端1720に接続される。カプラー1726は、本体1724を介してクリップ1704に接続される。ガイド1730は、ハウジング1702の受容部1722、後端1720及び第1の面1710に接続されるL字形ロッドである。この実施形態では、ガイド1730は、ハウジング1602の底面1716よりも上面1714に近い。ガイド1730は、皮下デバイス1700を患者に埋め込むために使用される外科用器具を介して皮下デバイス1700のハウジング1702を案内するように構成される。
クリップ1704は、マスト部1742に接続された固定部1740を有する。固定部1740は、クリップ1704の上部を形成し、ハウジング1602の上面1714を横切って延びる。マスト部1742はクリップ1704の底部を形成し、受容部1722の本体1724内に嵌合するように構成された平坦な部分である。
クリップ1704の固定部1740は、前端1744から後端1746に延びる。前端1744は、後端1746の反対側である。前端1744は、クリップ1704の先端を形成する。マスト部1742は、後端1746で固定部1740に接続される。固定部1740は、底面1750とは反対側の上面1748を有する。上面1748及び下面1750は、クリップ1704の平坦な部分である。固定部1740は、前端1744から延びる前部1752と、後端1746から延びる後部1754とを有する。前部1752は、後部1754よりも狭い。この実施形態では、前部1752及び後部1754はそれぞれ、そこを通って上面1748から下面1750まで延びる開口1755を有し、当該開口は、図4A~4Eに関して説明した開口148と同じ機能を有し得る。代替実施形態では、任意の数の開口1755が前部1752及び/又は後部1754を通って延び得る。前部1752は、前部1752と後部1754との間に接続された中央部1756を介して、後部1754に接続されている。前部1752は前端1744に向かって先細になり、後部1754は中央部1756に向かって先細になる。この実施形態では、中央部1756は、前部1752及び後部1754よりも狭い。代替実施形態では、中央部1756が前部1752より狭いだけでもよい。前部1752のテーパ及びサイズは、図41A及び41Bに示され説明されるように、クリップ1704が患者の筋肉、骨又は組織のような構造的身体構成要素Aに固定されているときに、クリップ1704が組織を通じて押すのを助けることができる。
図示の実施形態では、歯1757が固定部1740から延びる。歯1757は、固定部1740の中央部1756に接続された第1の端部を有し、ハウジング1702の上部1714に向かってクリップの底部1750から離れるように延びる。代替実施形態では、歯1757が固定部1740の任意の適切な部分に接続された第1の端部を有することができる。歯1757は湾曲している。歯1757は薄く、金属又は任意の他の適切な材料から作製され得る。この実施形態では、クリップ1704は4つの歯1757を有する。代替実施形態では、クリップ1704が任意の数の歯1757を有することができる。更に、代替実施形態では、歯1757と共に又はその代わりに、任意の他の適切な固定構造又は能動的な固定方法が用いられ得る。歯1757は、異なる方向に延びる。この実施形態では、第1の歯1757は0度で延び、第2の歯1757は90度で延び、第3の歯1757は180度で延び、第4の歯1757は270度で延びる。代替実施形態では、歯1757が固定部1740から任意の角度で延びてもよい。図41A及び41Bに見られるように、歯1757は構造的身体構成要素Aを貫いてそれに固定するように構成される。
クリップ1704のマスト部1742は、後端1746でクリップ1704の固定部1740に接続される。クリップ1704のマスト部1742は、皮下デバイス1700のハウジング1702に取り付けられる。クリップ1704のスロット1758は、マスト部1742の前端から後端までクリップ1704のマスト部1742を通って延びる長方形の開口である。スロット1758は、マスト部1742に沿って互いに離間している。スロット1758は、カプラー1726を受容するように構成される。
受容部1722の本体1724の前端は、ハウジング1702の後端1720に接続されている。受容部1722の本体1724は、本体1724の上部から本体1724の底部まで延びる長方形の開口1760を有する。長方形の開口1760は、クリップ1704のマスト部1742を受容するように構成される。本体1724の窓1762は、本体1724の後端の開口である。受容部1722のカプラー1726は、本体1724の窓1762を通してクリップ1704に接続される。カプラー1726は、窓1762の上端及び下端を越えて延びる。カプラー1726は、ピン1766及び底部1768を含む嵌合部1764を有する。カプラー1726の嵌合部1764は、クリップ1704に接続される。ピン1766は、カプラー1726の嵌合部1764から延び、クリップ1704のマスト部1742のスロット1758のうちの1つと係合する。ピン1766は、わずかに下向きに湾曲する。カプラー1726の底部1768は、カプラー1726の嵌合部1764に接続される。カプラー1726の底部1768は、本体1724の底部の周りで、ハウジング1702の底面1716に沿って延びる。カプラー1726の底部1768は、プロングを受容するように構成された湾曲部を有する。
クリップ1704は、カプラー1726を介してハウジング1702の受容部1722に接続される。カプラー1726の嵌合部1764のピン1766は、窓1762を通って本体1724の開口1760内に延びる。嵌合部1764は、窓1762の上端及び下端を越えて延び、本体1724に接触する。クリップ1704のマスト部1742は、受容部1722の本体1724の開口1760に挿入される。カプラー1726のピン1766は、クリップ1704のマスト部1742のスロット1758に係合して、受容部1722のカプラー1726をクリップ1704に固定し、これは、受容部1722のカプラー1726及びクリップ1704を、ハウジング1702の受容部1722の本体1724に固定する。したがって、受容部1722は、ピン1766及びスロット1758を用いるラチェット機構を介して、クリップ1704をハウジング1722に接続する。クリップ1704のマスト部1742は、ハウジング1702の受容部1722の本体1724の開口1760内にある。カプラー1726は、クリップ1704及び受容部1722の本体1724に接続される。
クリップ1704がハウジング1702に接続されると、クリップ1704の固定部1740は、ハウジング1702の上面1714に沿って延びる。クリップ1704の固定部1740は、後端1720から前端1718までハウジング1702の長さに対してある角度で延びる。図39Eに示されるように、クリップ1704の固定部1740は、軸Cに沿って延びるように構成され、当該軸は、皮下デバイス1700が患者に挿入されるとき、患者の胸骨の中心軸であり得る。ハウジング1702は。後端1720から前端1718まで、軸Cから約15度のように、軸Cに対して0度より大きい角度で延びる。ハウジング1702は、遠隔身体構成要素の位置、並びに、遠隔身体構成要素に接触するために使用されるプロングの形状及び大きさに基づいて、軸Cに対して他の角度で延びてもよい。例えば、ハウジング1702は、心臓の右心室に到達するために軸Cから約20~30度、好ましくは軸Cから25度で延びるか、又は、心臓の左心室に到達するために軸Cから約45~60度で延びることができる。したがって、ハウジング1702は、後端1720から前端1718まで軸Cから少なくとも約15度の角度で延びることができる。更に、代替実施形態では、ハウジング1702は、クリップ1704の固定部1740がハウジング1702と整列されるか又は平行であるよう、後端1720から前端1718まで軸Cに対して0度で延びることができる。クリップ1704の固定部1740がハウジング1702に対して角度を付けられる一方で、クリップ1704の固定部1740はハウジング1702の幅内に留まる。したがって、クリップ1704の固定部1740は、ハウジング1702の第1の面1710と第2の面1712との間にある。
開口Oが、クリップ1704の固定部1740とハウジング1702の上面1714との間に形成される。具体的には、開口Oは、クリップの歯1757の第2の又は底部の端部と、ハウジング1702の上面1714との間にある。クリップ1704は、開口Oの高さを変化させるために、受容部1722内で開位置と閉位置との間で移動可能である。クリップ1704が開位置にあるとき、開口部Oは拡張され、高さが増加する。カプラー1726のピン1766は、クリップ1704のマスト部1742の下端付近のスロット1758と係合する。クリップ1704のマスト部1742の下端と、受容部1722の本体1724の下端との間には、空間がある。クリップ1704は、皮下デバイス1700が患者に挿入されたとき、開位置にある。開口Oは、筋肉、骨又は組織の周囲に配置される。開口Oが増大又は拡大されるので、皮下デバイス1700は、著しい抵抗を受けることなく、筋肉、骨又は組織の上へ容易に摺動する。
皮下デバイス1700が筋肉、骨又は組織の上に位置決めされると、クリップ1704は閉位置に移動される。クリップ1704が閉位置にあるとき、開口Oは縮小し、高さが減少する。クリップ1704のマスト部1742は、クリップ1704を閉位置に移動させるために、受容部1722の本体1724の開口1769内に更に進められる。クリップ1704のマスト部1742の下端が受容部1722の本体1725の下端に近づくにつれて、ピン1766は、マスト部1742の下端付近のスロット1758から、マスト部1742の上端付近のスロット1758に移動する。したがって、クリップの固定部1740は、ハウジング1702の上面1714に向かって、筋肉、骨又は組織の上へ押し下げられ、開口Oの高さを減少させる。クリップ1704のマスト部1742は、歯1657が筋肉、骨又は組織に付着するほどハウジング702の上面1724の近くにクリップ1704の固定部1740を位置付けるスロット1758にピン1766が達するまで、受容部1722の本体1724内へ更に進められ、図41A及び41Bに見られるように、クリップ1704を筋肉、骨又は組織に固定する歯1757は、スロット1758に係合したピン1766からの圧力に応答して、筋肉、骨又は組織を貫く。開口Oは、歯1757がハウジング1702の上面1714に接触するように縮小され得る。それにより、歯1757は、筋肉、骨又は組織の周りで後方へ曲がり、クリップ1704及び皮下デバイス1700を筋肉、骨又は組織に更に固定する。ハウジング1702に接続され、そこから離れるように延びる、図1~37を参照して示され説明されたプロングのうちのいずれかのような、1つ又は複数のプロングは、ハウジング1702が構造的身体構成要素Aに固定されるとき、遠隔身体構成要素に接触する。
歯1757はまた、皮下デバイス1700が容易に取り外し可能であるように、筋肉、骨又は組織から取り外し可能である。歯1757の薄い金属又は他の適切な材料が、歯1757が可撓性を維持することを可能にする。クリップ1704を構造的身体構成要素Aから取り外すために、カプラー1726の嵌合部1764は、受容部1722の本体1724及びクリップ1704から引き離され、ピン1766をスロット1758から係合解除する。クリップ1704のマスト部1742は、受容部1722の本体1724の開口1760から外へ移動される。嵌合部1764は解放されることができ、ピン1766は、クリップ1704のマスト部1742の下端付近のスロット1758に再係合することができる。固定部1740がハウジング1702の上面1714から離れるように移動され、開口Oを拡大し、クリップ1704を開位置に移動させるにつれて、クリップ1704の固定部1740への圧力が低減される。皮下デバイス1700は、次いで、筋肉、骨又は組織から取り外され、患者の身体から引き出され、取り外され得る。外科用メス又は焼灼器のような付加的な器具が、筋肉、骨又は組織からの皮下デバイス1700の除去を補助するために使用され得る。
クリップ1704は、構造的身体構成要素Aに取り付けられて、皮下デバイス1700を構構造的身体構成要素Aに十分に固定し、構造的身体構成要素A及び遠隔身体構成要素に対する皮下デバイス1700の適切な位置合わせを確実にする、歯1757を含む。歯1757及びピン1766はまた、構造的身体構成要素Aからの皮下デバイス1700の取り外しを可能にする。皮下デバイス1700のハウジング1702とクリップ1704との間の開口Oは、皮下デバイス1700の容易な挿入及び取り外しを可能にするために、受容部1722のピン1766及びクリップ1704のスロット1758によって形成されるラチェット機構を介して調整可能である。皮下デバイス1700を取り外すことは、例えば、心臓に融合されたリード線を有する従来のペースメーカーを取り外すことよりも、はるかに外傷が少ない。したがって、皮下デバイス1700は、従来のペースメーカーのような従来のデバイスよりも少ない外傷性の挿入及び取り外しプロセスを使用して、確実に埋め込まれ、修理又は交換のために容易に取り外され得る。
図43は、剣状突起X及び胸骨Sの上に配置された皮下デバイス1700の斜視図である。皮下デバイス1700は、ハウジング1702及びクリップ1704を含む。ハウジング1702は、上面1714と、カプラー1726を含む受容部1722とを含む。クリップ1704は、固定部1740、マスト部1742、歯1757及びスロット1758を含む。カプラー1726は、ピン1766を含む。図44も、剣状突起X及び胸骨Sを示す。
皮下デバイス1700は、図41A~42Lを参照して上述したように、ハウジング1702及びクリップ1704を含む。図43に示される実施形態では、皮下デバイス1700が、図1~9Cに関して説明された皮下デバイス100のように、心臓モニタリング、診断及び/又は治療に使用されるペースメーカーであるように構成される。皮下デバイス1700は、図1~9Cを参照して示され説明されたプロング106と同じ構造及び機能を有し得るプロングを有する。図43に示される実施形態において、皮下デバイス1700は、患者の剣状突起X及び胸骨Sに固定され得る。皮下デバイス1700は、皮下デバイス1700が外科用器具を用いて剣状突起X及び胸骨S上に注入される単純な手順で、埋め込むことができる。例えば、皮下デバイス1700は、図10A~14Bに示される外科用器具200と同様の外科用器具、及び、図15~19を参照して説明された方法300と同様の方法を使用して、剣状突起X及び胸骨Sに固定され得る。外科用器具は、皮下デバイス1700の形状に適応するように設計することができ、皮下デバイス1700を外科用器具から剣状突起X及び胸骨S上に押し出すように構成することができる。
解剖学的マーカーは、皮下デバイス1700を挿入するために使用され得る。例えば、皮下デバイス1700のハウジング1702は、第5肋骨と第6肋骨との間の肋間空間に向かって、胸骨の左に向けられ、胸骨はプロングを心臓の心室に向ける。したがって、ハウジング1702は、胸骨Sに沿った軸Cから約15度の角度である。なぜなら、心臓の心室の表面は、胸骨Sから約15度の角度であるからである。ハウジング1702に対するクリップ1704の固定部1740の角度の故に、クリップ1704の固定部1740は胸骨Sに沿った軸Cと整列し、クリップ1704と胸骨Sとの間の接触を最大化する。結果として、皮下デバイス1700は、単一の方向に挿入されることができ、患者の外傷を最小化する。更に、心臓カテーテル検査室は、皮下デバイス1700を配備する必要がない。
クリップ1704の固定部1740がハウジング1702に対して角度を付けられている一方で、固定部1740は、ハウジング1702の第1の面1710と第2の面1712との間で、ハウジング1702の幅内に留まる。したがって、皮下デバイス1700の幅は、ハウジング1702の幅である。皮下デバイス1700を挿入するための患者への切開の幅は、角度の付いたクリップ1702では増加しない。したがって、皮下デバイス1700は、患者に挿入されるか又は患者から引き出されるために、ハウジング1702の幅にほぼ等しい幅を有する小さな切開部のみを必要とし、患者に対する外傷を最小限に維持する。
クリップ1704は、皮下デバイスが挿入されたとき、開位置にある。クリップ1704の固定部1740とハウジング1702の上面1714との間の開口Oは、剣状突起X及び胸骨Sの周りで前進される。クリップ1704の固定部1740は、剣状突起X及び胸骨Sよりも上方に位置付けられる。クリップ1704が剣状突起X及び胸骨S上に位置付けられるとき、クリップ1704のマスト部1742は、受容部1722内により深く前進され、ピン1766を所望のスロット1758と係合させる。その結果、クリップ1704の固定部1740は、ハウジング1702の上面1714に近づくように引かれる。クリップ1704が閉位置に移動することにつれて、開口Oが縮小する。クリップ1704が剣状突起X及び胸骨Sの上で閉位置に配置されると、受容部1722のピン1766及びクリップ1604のスロット1758によって形成されるラチェット機構が、固定部1740を、剣状突起X及び胸骨Sの上に押し下げて、クリップ1704を剣状突起X及び胸骨Sに固定する。更に、歯1757が剣状突起X及び/又は胸骨Sに接触及び接続して、皮下デバイス1700を剣状突起X及び胸骨Sに更に固定する。歯1757は、ピン1766によってクリップ1704の固定部1740に加えられた圧力に基づいて、胸骨組織、筋肉及び/又は骨に食い込む。ピン1766及びスロット1758の係合からの圧力下で、固定部1740は、歯1757が剣状突起X及び胸骨Sの周りで後方へ曲がるよう、剣状突起X及び胸骨S並びにハウジング1702の上面1714の上に押されることができる。クリップ1704は、皮下デバイス1700を剣状突起X及び胸骨Sに固定する。
クリップ1704は、皮下デバイス1700を、剣状突起X及び胸骨S上の定位置に保持する。皮下デバイス1700が剣状突起X及び胸骨Sに固定されると、プロングは、ハウジング1702から離れて延び、心臓と接触する。プロングは、心臓の右心室、左心室、右心房又は左心房に接触するように成形され得る。代替実施形態では、プロングは、図1~37を参照して示され説明された突起のうちのいずれかのような、任意の適切なプロングであってもよい。クリップ1704の固定部1740はハウジング1702に対して角度が付けられているので、クリップ1704の固定部1740は胸骨Sと整列され、一方、ハウジング1702は後端1720から前端1718まで心臓の方向に延びる。したがって、プロングはハウジング1702の前端1718から心臓の心室の方向に延び、プロングが心臓の心室に到達することを確実にする。
皮下デバイス1700を、クリップ1704を介して剣状突起X及び胸骨Sに固定することにより、皮下デバイス1700が患者の体内で移動しないことが保障される。体内で皮下デバイス1700の位置を維持することは、プロングが適切に位置決めされ、心臓との接触を失わないことを確実にする。更に、皮下デバイス1700は、患者の体内で移動しないため、患者の心拍数及び他の生理学的パラメータを正確かつ確実に決定することができる。例えば、心電図の形態は、患者の体内での皮下デバイス1700の移動によって変化しない。
皮下デバイス1700を埋め込むための外科的手順は、皮下デバイスが体内の皮下に置かれるので、従来のペースメーカーデバイスに必要とされる外科的手順よりも、侵襲性が低い。患者の血管系内にリード線を配置する必要がなく、これにより患者に対する血栓症のリスクが低下する。
(皮下デバイス1800)
図44Aは、構造的身体構成要素Aに固定された皮下デバイス1800の斜視図である。図44Bは、構造的身体構成要素Aに固定された皮下デバイス1800の上面図である。図44A及び44Bについては、共に説明する。皮下デバイス1800はハウジング1802及びクリップ1804を含む。
皮下デバイス1800は、構造的身体構成要素Aに固定されるように構成された医療機器である。構造的身体構成要素Aは、患者の筋肉、骨又は組織であり得る。皮下デバイス1800は、監視デバイス、診断デバイス、治療デバイス又はそれらの任意の組み合わせであり得る。例えば、皮下デバイス1800は、患者の心拍数を監視し、患者の心臓の不整脈を診断し、患者の心臓に治療用電気刺激を与えることができるペースメーカーデバイスであり得る。皮下デバイス1800はハウジング1802を含む。皮下デバイス1800のハウジング1802は、図7に関連して説明されたように、感知回路180、コントローラ182、メモリ184、治療回路186、電極188、センサ190、トランシーバ192及び電源194、あるいは、医療機器の他の構成要素を含むことができる。
皮下デバイス1800は、ハウジング1802に取り付けられたクリップ1804を含む。クリップ1804は、皮下デバイス1800を構造的身体構成要素Aに固定するように構成される。クリップ1804は、ハウジング1802内で、開位置と閉位置との間を垂直に移動する。クリップ1804が開位置にあるとき、クリップ1804はハウジング1802から垂直に離れるように動かされる。クリップ1804は、構造的身体構成要素Aの周りを前進するにつれて開位置になる。クリップ1804は、アクティブなクリップである。骨、筋肉又は組織に取り付けるためにクランプ構成要素の剛性を使用することに加えて、クリップ1804は、歯及び/又はスクリューのような能動的な固定方法、及び/又は、クリップ1804を骨、筋肉又は組織に固定するための任意の他の適切な固定構造を使用する。クリップ1804は、ハウジング1802に向かって垂直に移動し、クリップ1804を開位置から閉位置に変化させる。クリップ1804は、図44A及び44Bにおいて、構造的身体構成要素Aの周りをクランプし、皮下デバイス1800を構造的身体構成要素Aに固定するために、構造的身体構成要素Aの周りで閉位置において示される。図1~37を参照して示され説明されたプロングのいずれかのような1つ又は複数のプロングが、構造的身体構成要素Aから離れて位置付けられる患者の臓器、神経又は組織のような遠隔身体構成要素に接触するよう、ハウジング1802に接続され、そこから離れるように延びる。例えば、遠隔身体構成要素は、身体内の心臓、肺又は任意の他の適切な臓器を含むことができる。プロングは、遠隔身体構成要素の電気的活動又は生理学的パラメータを感知することができ、及び/又は、遠隔身体構成要素に治療用電気刺激を与えることができる、電極を含む。
一例において、皮下デバイス1800はペースメーカーであることができ、皮下デバイス1800のプロング上の1つ以上の電極は、心臓の電気的活動を感知することができる。感知された電気的活動は、皮下デバイス1800のハウジング1802内の感知回路及びコントローラに伝達され得る。コントローラは患者の心拍数を決定することができ、不整脈があるかどうかを検出することができる。不整脈が検出された場合、コントローラは、心臓に治療用電気刺激を与えるために、治療回路に命令を送ることができる。このように、皮下デバイス1800は、監視デバイス、診断デバイス及び治療デバイスとして機能する。
皮下デバイス1800を、以下の図39A~41との関連で、より詳細に説明する。皮下デバイス1800は、以下の図46の説明において、監視、診断及び治療のために使用され得るペースメーカーとして説明される。皮下デバイス1800は、単極ペースメーカー又は双極ペースメーカーであり得る。皮下デバイス1800は、また、監視デバイス、診断デバイス、埋め込み型除細動器、一般的な臓器/神経/組織刺激器、及び/又は、薬剤送達デバイスであり得る。
図45Aは、皮下デバイス1800の上面斜視図である。図45Bは、皮下デバイス1800の上面斜視図である。図45Cは、皮下デバイス1800の側面図である。図45Dは、皮下デバイス1800の上面図である。図45Eは、皮下デバイス1800の底面図である。図45Fは、皮下デバイス1800の底面斜視図である。図45Gは、皮下デバイス1800の底面斜視図である。図45Hは、皮下デバイス1800の後面図である。図45Iは、皮下デバイス1800の正面前図である。図45Jは、図45Hの線J-Jに沿った皮下デバイス1800の断面図である。図45Kは、皮下デバイス1800のクリップ1804の斜視図である。図45A~45Kは、共に説明される。皮下デバイス1800はハウジング1802及びクリップ1804を含む。ハウジング1802は、第1の面1810、第2の面1812、上面1814、底面1816、前端1818、後端1820、(本体1824及びカプラー1826を有する)受容部1822,及びガイド1830を含む。クリップ1804は、固定部1840、底部1842、前端1844、後端1846、上面1848、底面1850、前部1852、後部1854、開口1855、中央部1856、歯1857及びピン1858を含む。本体1824は、開口1860及び窓1862を含む。カプラー1826は、スロット1866及び底部1868を有する嵌合部1864を含む。図46C及び46Iも、開口Oを示す。
皮下デバイス1800は、図44A及び44Bを参照して説明したように、ハウジング1802及びクリップ1804を含む。ハウジング1802は、ステンレス鋼、チタン、ニチノール、エポキシ、シリコーン、金属補強材を有するポリウレタン、又は、非多孔インプラントに適した任意の他の材料から製作され得る。ハウジング1802はまた、外部コーティングを含むことができる。クリップ1804は、ステンレス鋼、チタン、ニチノール、エポキシ、シリコーン、金属補強材を有するポリウレタン、又は、非多孔インプラントに適した任意の他の材料から製作され得る。
ハウジング1802は、第1の面1810、第2の面1812、上面1814、底面1816、前端1818及び後端1820を含む。第1の面1810は、第2の面1812の反対側である。上面1814は、ハウジング1802の底である底面1816の反対側にあるハウジング1802の上部である。前端1818は、後端1820の反対側である。ハウジング1802は、図示された実施形態では実質的に長方形である。代替の実施形態において、ハウジング1802は、例えば円錐、錐台又は円筒として成形され得る。
ハウジング1802の受容部1822は、ハウジングの後端1820に接続される。受容部1822は、長方形状の本体1824と、カプラー1826とを有する。本体1824の前端は、ハウジング1802の後端1820に接続される。カプラー1826は、本体1824を介してクリップ1804に接続される。ガイド1830は、ハウジング1802の受容部1822、後端1820及び第1の面1810に接続されるL字形ロッドである。この実施形態では、ガイド1830は、ハウジング1802の底面1816よりも上面1814に近い。ガイド1830は、皮下デバイス1800を患者に埋め込むために使用される外科用器具を介して皮下デバイス1800のハウジング1802を案内するように構成される。
クリップ1804は、マスト部1842に接続された固定部1840を有する。固定部1840は、クリップ1804の上部を形成し、ハウジング1802の上面1814を横切って延びる。マスト部1842はクリップ1804の底部を形成し、受容部1822の本体1824内に嵌合するように構成された平坦な部分である。
クリップ1804の固定部1840は、前端1844から後端1846に延びる。前端1844は、後端1846の反対側である。前端1844は、クリップ1840の先端を形成する。マスト部1842は、後端1846で固定部1840に接続される。固定部1840は、底面1850とは反対側の上面1848を有する。上面1848及び下面1850は、クリップ1804の平坦な部分である。固定部1840は、前端1844から延びる前部1852と、後端1846から延びる後部1854とを有する。前部1852は、後部1854よりも狭い。この実施形態では、前部1852及び後部1854はそれぞれ、そこを通って上面1848から下面1850まで延びる開口1855を有し、当該開口は、図4A~4Eに関して説明した開口148と同じ機能を有し得る。代替実施形態では、任意の数の開口1855が前部1852及び/又は後部1854を通って延び得る。前部1852は、前部1852と後部1854との間に接続された中央部1856を介して、後部1854に接続されている。前部1852は前端1844に向かって先細になり、後部1854は中央部1856に向かって先細になる。この実施形態では、中央部1856は、前部1852及び後部1854よりも狭い。代替実施形態では、中央部1856が前部1852より狭いだけでもよい。前部1852のテーパ及びサイズは、図44A及び44Bに示され説明されるように、クリップ1804が患者の筋肉、骨又は組織のような構造的身体構成要素Aに固定されているときに、クリップ1804が組織を通じて押すのを助けることができる。
図示の実施形態では、歯1857が固定部1840から延びる。歯1857は、固定部1840の中央部1856に接続された第1の端部を有し、ハウジング1802の上部1814に向かってクリップの底部1850から離れるように延びる。代替実施形態では、歯1857が固定部1840の任意の適切な部分に接続された第1の端部を有することができる。歯1857は湾曲している。歯1857は薄く、金属又は任意の他の適切な材料から作製され得る。この実施形態では、クリップ1804は4つの歯1857を有する。代替実施形態では、クリップ1804が任意の数の歯1857を有することができる。更に、代替実施形態では、歯1857と共に又はその代わりに、任意の他の適切な固定構造又は能動的な固定方法が用いられ得る。歯1857は、異なる方向に延びる。この実施形態では、第1の歯1857は0度で延び、第2の歯1857は90度で延び、第3の歯1857は180度で延び、第4の歯1857は270度で延びる。代替実施形態では、歯1857が固定部1840から任意の角度で延びてもよい。図44A及び44Bに見られるように、歯1857は構造的身体構成要素Aを貫いてそれに固定するように構成される。
クリップ1804のマスト部1842は、後端1846でクリップ1804の固定部1840に接続される。クリップ1804のマスト部1842は、マスト部1842の後端から延びるピン1858を有する。ピン1858はわずかに湾曲しており、マスト部1842に沿って互いに離間している。クリップ1804のピン1858は、受容部1822のカプラー1826と係合するように構成される。クリップ1804のマスト部1842は、ピン1858を介して皮下デバイス1800のハウジング1802に取り付けられる。
受容部1822の本体1824の前端は、ハウジング1802の後端1820に接続されている。受容部1822の本体1824は、本体1824の上部から本体1824の底部まで延びる長方形の開口1860を有する。長方形の開口1860は、クリップ1804のマスト部1842を受容するように構成される。本体1824の窓1862は、本体1824の後端の開口である。受容部1822のカプラー1826は、本体1824の窓1862を通してクリップ1804に接続される。カプラー1826は、窓1862の上端及び下端を越えて延びる。カプラー1826は、スロット1866及び底部1868を含む嵌合部1864を有する。カプラー1826の嵌合部1864は、本体1826の窓1862を通してクリップ1804のマスト部1842に接続される。スロット1858は、カプラー1826の嵌合部1864を通って嵌合部1864の前端から後端まで延びる長方形の開口である。スロット1866は、カプラー1826の嵌合部1864に沿って互いに離間している。スロット1866は、ピン1858を受容するように構成される。クリップ1804のマスト部1842上のピン1858は、カプラー1826の嵌合部1864内のスロット1866と係合する。カプラー1826の底部1868は、カプラー1826の嵌合部1864に接続される。カプラー1826の底部1868は、本体1824の底部の周りで、ハウジング1802の底面1816に沿って延びる。カプラー1826の底部1868は、プロングを受容するように構成された湾曲部を有する。
クリップ1804は、カプラー1826を介してハウジング1802の受容部1822に接続される。クリップ1804のマスト部1842は、受容部1822の本体1824の開口1860に挿入される。クリップ1804のマスト部1842の少なくとも1つのピン1858は、本体1724の開口1760から窓1762に向かって延びる。クリップ1804の少なくとも1つのピン1858は、受容部分1822のカプラー1826の嵌合部1864のスロット1866に係合して、受容部1822のカプラー1826をクリップ1804に固定し、これは、受容部1822のカプラー1826及びクリップ1804をハウジング1802の受容部1822の本体1824に固定する。嵌合部1864は、窓1862の上端及び下端を越えて延び、本体1824に接触する。したがって、受容部1822は、ピン1858及びスロット1866を用いるラチェット機構を介して、クリップ1804をハウジング1822に接続する。クリップ1804のマスト部1842は、本体1824の開口1860内にある。カプラー1826は、クリップ1804及び受容部1822の本体1824に接続される。
クリップ1804がハウジング1802に接続されると、クリップ1804の固定部1840は、ハウジング1802の上面1814に沿って延びる。クリップ1804の固定部1840は、後端1820から前端1818までハウジング1802の長さに対してある角度で延びる。図39Eに示されるように、クリップ1804の固定部1840は、軸Cに沿って延びるように構成され、当該軸は、皮下デバイス1800が患者に挿入されるとき、患者の胸骨の中心軸であり得る。ハウジング1802は。後端1820から前端1818まで、軸Cから約15度のように、軸Cに対して0度より大きい角度で延びる。ハウジング1802は、遠隔身体構成要素の位置、並びに、遠隔身体構成要素に接触するために使用されるプロングの形状及び大きさに基づいて、軸Cに対して他の角度で延びてもよい。例えば、ハウジング1802は、心臓の右心室に到達するために軸Cから約20~30度、好ましくは軸Cから25度で延びるか、又は、心臓の左心室に到達するために軸Cから約45~60度で延びることができる。したがって、ハウジング1802は、後端1820から前端1818まで軸Cから少なくとも約15度の角度で延びることができる。更に、代替実施形態では、ハウジング1802は、クリップ1804の固定部1840がハウジング1802と整列されるか又は平行であるよう、後端1820から前端1818まで軸Cに対して0度で延びることができる。クリップ1804の固定部1840がハウジング1802に対して角度を付けられる一方で、クリップ1804の固定部1840はハウジング1802の幅内に留まる。したがって、クリップ1804の固定部1840は、ハウジング1802の第1の面1810と第2の面1812との間にある。
開口Oが、クリップ1804の固定部1840とハウジング1802の上面1814との間に形成される。具体的には、開口Oは、クリップの歯1857の第2の又は底部の端部と、ハウジング1802の上面1814との間にある。クリップ1804は、開口Oの高さを変化させるために、受容部1822内で開位置と閉位置との間で移動可能である。図46Aに見られるように、クリップ1804は開位置にある。クリップ1804が開位置にあるとき、開口Oは拡張され、高さが増加する。クリップ1804のマスト部1842のピン1858は、カプラー1826の嵌合部1864の上端付近のスロット1866と係合する。カプラー1826の嵌合部1864は、受容部1822の本体1824に接触する。クリップ1804のマスト部1842の下端と、受容部1822の本体1824の下端との間には、空間がある。クリップ1804は、皮下デバイス1800が患者に挿入されたとき、開位置にある。開口Oは、筋肉、骨又は組織の周囲に配置される。開口Oが増大又は拡大されるので、皮下デバイス1800は、著しい抵抗を受けることなく、筋肉、骨又は組織の上へ容易に摺動する。
皮下デバイス1800が筋肉、骨又は組織の上に位置決めされると、クリップ1804は閉位置に移動される。クリップ1804が閉位置にあるとき、開口Oは縮小し、高さが減少する。クリップ1804のマスト部1842は、クリップ1804を閉位置に移動させるために、受容部1822の本体1824の開口1869内に更に進められる。クリップ1804のマスト部1842の下端が受容部1822の本体1825の下端に近づくにつれて、ピン1858は、嵌合部1864の上端付近のスロット1866から、嵌合部1864の下端付近のスロット1866に移動する。したがって、嵌合部1864と接触していなかったピン1858は、嵌合部1864の上端付近のスロット1866と係合し、嵌合部1864のより多くのスロット1866がピン1858を受容するようになる。代替実施形態は、任意の数のピン1858及び対応するスロット1866を含むことができる。したがって、クリップの固定部1840は、ハウジング1802の上面1814に向かって、筋肉、骨又は組織の上へ押し下げられ、開口Oの高さを減少させる。クリップ1804のマスト部1842は、歯1857が筋肉、骨又は組織に付着するほどハウジング1802の上面1824の近くにクリップ1804の固定部1840を位置付けるスロット1866にピン1858が達するまで、受容部1822の本体1824内へ更に進められ、図44A及び44Bに見られるように、クリップ1804を筋肉、骨又は組織に固定する。歯1857は、スロット1866に係合したピン1858からの圧力に応答して、筋肉、骨又は組織を貫く。開口Oは、歯1857がハウジング1802の上面1814に接触するように縮小され得る。それにより、歯1857は、筋肉、骨又は組織の周りで後方へ曲がり、クリップ1804及び皮下デバイス1800を筋肉、骨又は組織に更に固定する。ハウジング1802に接続され、そこから離れるように延びる、図1~37を参照して示され説明されたプロングのうちのいずれかのような、1つ又は複数のプロングは、ハウジング1802が構造的身体構成要素Aに固定されるとき、遠隔身体構成要素に接触する。
歯1857はまた、皮下デバイス1800が容易に取り外し可能であるように、筋肉、骨又は組織から取り外し可能である。歯1857の薄い金属又は他の適切な材料が、歯1857が可撓性を維持することを可能にする。クリップ1804を構造的身体構成要素Aから取り外すために、カプラー1826の嵌合部1864は、受容部1822の本体1824及びクリップ1804から引き離され、ピン1858をスロット1866から係合解除する。クリップ1804のマスト部1842は、受容部1822の本体1824の開口1860から外へ移動される。嵌合部1864は解放されることができ、ピン1858は、クリップ1804の嵌合部1864の上端付近のスロット1866に再係合することができる。固定部1840がハウジング1802の上面1814から離れるように移動され、開口Oを拡大し、クリップ1804を開位置に移動させるにつれて、クリップ1804の固定部1840への圧力が低減される。皮下デバイス1800は、次いで、筋肉、骨又は組織から取り外され、患者の身体から引き出され、取り外され得る。外科用メス又は焼灼器のような付加的な器具が、筋肉、骨又は組織からの皮下デバイス1800の除去を補助するために使用され得る。
クリップ1804は、構造的身体構成要素Aに取り付けられて、皮下デバイス1800を構構造的身体構成要素Aに十分に固定し、構造的身体構成要素A及び遠隔身体構成要素に対する皮下デバイス1800の適切な位置合わせを確実にする、歯1857を含む。歯1857及び受容部1822内のピン1858はまた、構造的身体構成要素Aからの皮下デバイス1800の取り外しを可能にする。皮下デバイス1800のハウジング1802とクリップ1804との間の開口Oは、皮下デバイス1800の容易な挿入及び取り外しを可能にするために、クリップ1604のピン1858及び受容部1822のスロット1866によって形成されるラチェット機構を介して調整可能である。皮下デバイス1800を取り外すことは、例えば、心臓に融合されたリード線を有する従来のペースメーカーを取り外すことよりも、はるかに外傷が少ない。したがって、皮下デバイス1800は、従来のペースメーカーのような従来のデバイスよりも少ない外傷性の挿入及び取り外しプロセスを使用して、確実に埋め込まれ、修理又は交換のために容易に取り外され得る。
図46は、剣状突起X及び胸骨Sの上に配置された皮下デバイス1800の上面図である。皮下デバイス1800は、ハウジング1802及びクリップ1804を含む。ハウジング1802は、上面1814と、カプラー1826を含む受容部1822とを含む。クリップ1804は、固定部1840、マスト部1842、歯1857及びピン1858を含む。カプラー1826は、スロット1866を含む。図46も、剣状突起X及び胸骨Sを示す。
皮下デバイス1800は、図44A~45Kを参照して上述したように、クリップ1604プロング1606、ワイヤ1802及びコネクタ1804を含む。図46に示される実施形態では、皮下デバイス1800が、図1~9Cに関して説明された皮下デバイス100のように、心臓モニタリング、診断及び/又は治療に使用されるペースメーカーであるように構成される。皮下デバイス1800は、図1~9Cを参照して示され説明されたプロング106と同じ構造及び機能を有し得るプロングを有する。図46に示される実施形態において、皮下デバイス1800は、患者の剣状突起X及び胸骨Sに固定され得る。皮下デバイス1800は、皮下デバイス1800が外科用器具を用いて剣状突起X及び胸骨S上に注入される単純な手順で、埋め込むことができる。例えば、皮下デバイス1800は、図10A~14Bに示される外科用器具200と同様の外科用器具、及び、図15~19を参照して説明された方法300と同様の方法を使用して、剣状突起X及び胸骨Sに固定され得る。外科用器具は、皮下デバイス1800の形状に適応するように設計することができ、皮下デバイス1800を外科用器具から剣状突起X及び胸骨S上に押し出すように構成することができる。
解剖学的マーカーは、皮下デバイス1800を挿入するために使用され得る。例えば、皮下デバイス1800のハウジング1802は、第5肋骨と第6肋骨との間の肋間空間に向かって、胸骨の左に向けられ、胸骨はプロングを心臓の心室に向ける。したがって、ハウジング1802は、胸骨Sに沿った軸Cから約15度の角度である。なぜなら、心臓の心室の表面は、胸骨Sから約15度の角度であるからである。ハウジング1802に対するクリップ1804の固定部1840の角度の故に、クリップ1804の固定部1840は胸骨Sに沿った軸Cと整列し、クリップ1804と胸骨Sとの間の接触を最大化する。結果として、皮下デバイス1800は、単一の方向に挿入されることができ、患者の外傷を最小化する。更に、心臓カテーテル検査室は、皮下デバイス1800を配備する必要がない。
クリップ1804の固定部1840がハウジング1802に対して角度を付けられている一方で、固定部1840は、ハウジング1802の第1の面1810と第2の面1812との間で、ハウジング1802の幅内に留まる。したがって、皮下デバイス1800の幅は、ハウジング1802の幅である。皮下デバイス1800を挿入するための患者への切開の幅は、角度の付いたクリップ1802では増加しない。したがって、皮下デバイス1800は、患者に挿入されるか又は患者から引き出されるために、ハウジング1802の幅にほぼ等しい幅を有する小さな切開部のみを必要とし、患者に対する外傷を最小限に維持する。
クリップ1804は、皮下デバイス1800が挿入されたとき、開位置にある。クリップ1804の固定部1840とハウジング1802の上面1814との間の開口Oは、剣状突起X及び胸骨Sの周りで前進される。クリップ1804の固定部1840は、剣状突起X及び胸骨Sよりも上方に位置付けられる。クリップ1804が剣状突起X及び胸骨S上に位置付けられるとき、クリップ1804のマスト部1842は、受容部1822内により深く前進され、ピン1858を所望のスロット1866と係合させる。その結果、クリップ1804の固定部1840は、ハウジング1802の上面1814に近づくように引かれる。クリップ1804が閉位置に移動することにつれて、開口Oが縮小する。クリップ1804が剣状突起X及び胸骨Sの上で閉位置に配置されると、受容部1822のピン1858及びクリップ1804のスロット1866によって形成されるラチェット機構が、固定部1840を、剣状突起X及び胸骨Sの上に押し下げて、クリップ1804を剣状突起X及び胸骨Sに固定する。更に、歯1857が剣状突起X及び/又は胸骨Sに接触及び接続して、皮下デバイス1800を剣状突起X及び胸骨Sに更に固定する。歯1857は、ピン1858によってクリップ1804の固定部1840に加えられた圧力に基づいて、胸骨組織、筋肉及び/又は骨に食い込む。ピン1858及びスロット1866の係合からの圧力下で、固定部1840は、歯1857が剣状突起X及び胸骨Sの周りで後方へ曲がるよう、剣状突起X及び胸骨S並びにハウジング1802の上面1814の上に押されることができる。クリップ1804は、皮下デバイス1800を剣状突起X及び胸骨Sに固定する。
クリップ1804は、皮下デバイス1800を、剣状突起X及び胸骨S上の定位置に保持する。皮下デバイス1800が剣状突起X及び胸骨Sに固定されると、プロングは、ハウジング1802から離れて延び、心臓と接触する。プロングは、心臓の右心室、左心室、右心房又は左心房に接触するように成形され得る。代替実施形態では、プロングは、図1~37を参照して示され説明された突起のうちのいずれかのような、任意の適切なプロングであってもよい。クリップ1804の固定部1840はハウジング1802に対して角度が付けられているので、クリップ1804の固定部1840は胸骨Sと整列され、一方、ハウジング1802は後端1820から前端1818まで心臓の方向に延びる。したがって、プロングはハウジング1802の前端1818から心臓の心室の方向に延び、プロングが心臓の心室に到達することを確実にする。
皮下デバイス1800を、クリップ1804を介して剣状突起X及び胸骨Sに固定することにより、皮下デバイス1800が患者の体内で移動しないことが保障される。体内で皮下デバイス1800の位置を維持することは、プロングが適切に位置決めされ、心臓との接触を失わないことを確実にする。更に、皮下デバイス1800は、患者の体内で移動しないため、患者の心拍数及び他の生理学的パラメータを正確かつ確実に決定することができる。例えば、心電図の形態は、患者の体内での皮下デバイス1800の移動によって変化しない。
皮下デバイス1800を埋め込むための外科的手順は、皮下デバイスが体内の皮下に置かれるので、従来のペースメーカーデバイスに必要とされる外科的手順よりも、侵襲性が低い。患者の血管系内にリード線を配置する必要がなく、これにより患者に対する血栓症のリスクが低下する。
皮下デバイス100、400、500、100、400、500、600、700、800、900、1000、1100、1200、1300、1400及び1800は、以下を含む皮下デバイスの種々の実施形態を開示する:シングルプロング心臓モニタリングデバイス、マルチプロング心臓モニタリングデバイス、肺モニタリングデバイス、単腔ペースメーカー、二腔ペースメーカー、三腔ペースメーカー、心房除細動器、シングルベクトル心室除細動器、マルチベクトル心室除細動器、及び、埋め込み型薬剤ポンプ及び/又は薬剤送達デバイスペースメーカーの実施形態の各々は、監視及び診断デバイス及び/又は薬剤送達デバイスとしても機能することができ、除細動器の実施形態の各々は、監視及び診断デバイス、ペースメーカーデバイス及び/又は薬剤送達デバイスとしても機能することができ、薬剤送達の実施形態の各々は、監視及び診断デバイス、ペースメーカーデバイス及び/又は除細動器デバイスとしても機能することができる。更に、各実施形態の特徴は、明示的な別段の開示がない限り、任意の他の実施形態の特徴と組み合わされ及び/又は置換され得る。例えば、各実施形態は、別途明示的に開示されない限り、電気刺激、ペーシング、電気ショック送達、薬剤送達、電気信号感知(例えば、光受容体を組み込む)、音響及び振動感知(例えば、マイクロフォンを組み込む)並びに磁場感知(例えば、磁力計を組み込む)を含む、治療能力及び/又は診断能力を提供し得る。
(皮下デバイス1900)
図47は、構造的身体構成要素Aに固定された皮下デバイス1900の側面図である。皮下デバイス1900は、ハウジング1902、クリップ1904及びプロング1906を含む。
皮下デバイス1900は、構造的身体構成要素Aに固定されるように構成された医療機器である。構造的身体構成要素Aは、患者の筋肉、骨又は組織であり得る。皮下デバイス1900は、監視デバイス、診断デバイス、治療デバイス又はそれらの任意の組み合わせであり得る。例えば、皮下デバイス1900は、患者の心拍数を監視し、患者の心臓の不整脈を診断し、患者の心臓に治療用電気刺激を与えることができるペースメーカーデバイスであり得る。皮下デバイス1900はハウジング1902を含む。皮下デバイス1900のハウジング1902は、図7に関連して説明されたように、感知回路180、コントローラ182、メモリ184、治療回路186、電極188、センサ190、トランシーバ192及び電源194、あるいは、医療機器の他の構成要素を含むことができる。
クリップ1904はハウジング1902に取り付けられる。クリップ1904は、皮下デバイス1900を構造的身体構成要素Aに固定するように構成される。クリップ1904は、構造的身体構成要素Aの周りで前進させられるにつれて拡張する。クリップ1904は、受動クリップ又は能動クリップであり得る。受動クリップは、骨、筋肉又は組織に取り付けるために、クランプ構成要素の剛性のみを使用する。この剛性は、設計又は埋め込み処置中の能動的クリンピングの結果であり得る。能動クリップは、クリップを骨、筋肉又は組織に固定するために、縫合糸、歯(tines)、ピン又はスクリューのような能動的な固定方法を付加的に使用してもよい。図47に示される実施形態では、クリップ1904はバネ付勢を有し、当該バネ付勢は、拡張されて構造的身体構成要素A上に取り付けられた時、当該構造的身体構成要素Aにテンションをかける。クリップ1904のバネ付勢は、皮下デバイス1900を構造的身体構成要素Aに固定する。
プロング1906は、皮下デバイス1900のハウジング1902に接続され、そこから離れるように延びる。プロング1906は、構造的身体構成要素Aから離れて配置された遠隔身体構成要素Bと接触するように構成される。遠隔身体構成要素Bは、患者の臓器、神経又は組織であり得る。例えば、遠隔身体構成要素Bは、心臓、肺又は体内の任意の他の適切な臓器を含み得る。プロング1906は、遠隔身体構成要素Bの電気的活動又は生理学的パラメータを感知することができ、及び/又は、遠隔身体構成要素Bに治療用電気刺激を与えることができる、1つの電極を含む。
一例において、皮下デバイス1900はペースメーカーであることができ、皮下デバイス1900のプロング1906上の1つの電極は、心臓の電気的活動を感知することができる。感知された電気的活動は、皮下デバイス1900のハウジング1902内の感知回路及びコントローラに伝達され得る。コントローラは患者の心拍数を決定することができ、不整脈があるかどうかを検出することができる。不整脈が検出された場合、コントローラは、心臓に治療用電気刺激を与えるために、治療回路に命令を送ることができる。このように、皮下デバイス1900は、監視デバイス、診断デバイス及び治療デバイスとして機能する。
皮下デバイス1900を、以下の図48A~54との関連で、より詳細に説明する。皮下デバイス1900は、以下の図48A~54の説明において、監視、診断及び治療のために使用され得るペースメーカーとして説明される。この実施形態では、皮下デバイス1900は単極ペースメーカーである。代替的な実施形態では、皮下デバイス1900は双極ペースメーカーであり得る。皮下デバイス1900は、また、監視デバイス、診断デバイス、埋め込み型除細動器、一般的な臓器/神経/組織刺激器、及び/又は、薬剤送達デバイスであり得る。
図48Aは、皮下デバイス1900の側面図である。図48Bは、皮下デバイス1900の上面図である。図48Cは、皮下デバイス1900の底面図である。図48Dは、皮下デバイス1900の後面図である。図48Eは、皮下デバイス1900の正面図である。図48A~48Eは、共に説明される。皮下デバイス1900は、ハウジング1902、クリップ1904及びプロング1906を含む。ハウジング1902は、第1の面1910、第2の面1912、上面1914、底面1916、前端1918、後端1920、第1のハウジングクリップ1922、第2のハウジングクリップ1924及びガイド1930を含む。クリップ1904は、上部1940、底部1942、スプリング部1944及び開口1948を含む。プロング1906は、近位端1960、遠位端1962、ベース部1964、アーム部1968、接触部1970及び電極1972を含む。
皮下デバイス1900は、図47を参照して説明したように、ハウジング1902、クリップ1904及びプロング1906を含む。ハウジング1902は、ステンレス鋼、チタン、ニチノール、エポキシ、シリコーン、金属補強材を有するポリウレタン、又は、非多孔インプラントに適した任意の他の材料から製作され得る。ハウジング1902はまた、外部コーティングを含むことができる。クリップ1904は、ステンレス鋼、チタン、ニチノール、エポキシ、シリコーン、金属補強材を有するポリウレタン、又は、非多孔インプラントに適した任意の他の材料から製作され得る。プロング1906は、ニチノールとしても知られているニッケルチタンから製作することができる。ニチノールは超弾性を有する形状記憶合金であり、皮下デバイス1900が患者に埋め込まれる際にプロング1906が変形した場合、プロング1906がその元の形状及び位置に戻ることを可能とする。プロング1906はまた、シリコーン、ポリウレタン、ステンレス鋼、チタン、エポキシ、金属補強材を有するポリウレタン、又は、非多孔インプラントに適した任意の他の材料から製作され得る。一例として、プロング1906は、ポリウレタン及びシリコーンから成り、バネ剛性を付与するために金属で補強された複合材料から製作することができる。
ハウジング1902は、第1の面1910、第2の面1912、上面1914、底面1916、前端1918、後端1920、第1のハウジングクリップ1922、第2のハウジングクリップ1924及びガイド1930を含む。第1の面1910は、第2の面1912の反対側である。上面1914は、ハウジング1902の底である底面1916の反対側にあるハウジング1902の上部である。前端1918は、後端1920の反対側である。ハウジング1902は、図示された実施形態では実質的に長方形である。代替の実施形態において、ハウジング1902は円錐、錐台又は円筒として成形され得る。ハウジング1902は、ステンレス鋼、チタン、ニチノール、エポキシ、シリコーン、金属補強材を有するポリウレタン、又は、非多孔インプラントに適した任意の他の材料から製作され得る。ハウジング1902はまた、外部コーティングを含むことができる。
第1のハウジングクリップ1922はU字状であり、第1の端部と、ハウジング1902の底面1916に取り付けられた第2の端部とを有する。第1のハウジングクリップ1922は、ハウジングの後端1920に隣接する。第1のハウジングクリップ1922は、プロング1906をハウジング1902の底面1916に取り付けるように構成される。第2のハウジングクリップ1924はU字状であり、第1の端部と、ハウジング1902の底面1916に取り付けられた第2の端部とを有する。第2のハウジングクリップ1924は、第1のハウジングクリップ1922から隔てられる。したがって、第2のハウジングクリップ1924は、第1のハウジングクリップ1922よりも、ハウジングの第1の端部1918に近い。第2のハウジングクリップ1924は、プロング1906をハウジング1902の底面1916に取り付けるように構成される。ガイド1930は、ハウジング1902の後端1920及び第1の面1910に接続されるL字形ロッドである。この実施形態では、ガイド1930は、ハウジング1902の底面1916よりも上面1914に近い。ガイド1930は、皮下デバイス1900を患者に埋め込むために使用される外科用器具を介して皮下デバイス1900のハウジング1902を案内するように構成される。
クリップ1904は、上部1940、底部1942、スプリング部1944及び開口1948を含む。上部1940は、クリップ1904の上部を形成する平坦部であり、底部1942はクリップ1904の底部を形成する平坦部である。底部1942は、皮下デバイス1900のハウジング1902に取り付けられるように構成される。クリップ1904の底部1942は、ハウジング1902と共に一体に形成されることもでき、及び/又は、ハウジング1902はクリップ1904の底部1942を形成することができる。スプリング部1944は、クリップ1904の後端に配置された湾曲した部位であり、上部1940と底部1942との間で延在し、これらを接続する。クリップ1904は、ステンレス鋼、チタン、ニチノール、エポキシ、シリコーン、金属補強材を有するポリウレタン、又は、非多孔インプラントに適した任意の他の材料から製作され得る。
クリップ1904の上部1940は、開口1948を含む。開口1948は、上部1940を通って延びている。図48A~48Fに示される実施形態では、開口1948は、上部1940を通って延びている。代替実施形態では、任意の適切な数の開口1948が上部1940を通って延び得る。開口1948は、皮下デバイス1900を筋肉、骨又は組織に固定するために、クリップ1904が患者の筋肉、骨又は組織に縫合され得るよう構成される。更に、開口1948は、皮下デバイス1900を筋肉、骨又は組織に固定するために、歯、ピン又はスクリューのような、付加的な固定機構を受容することができる。これらの付加的な固定機構は、生体吸収性材料から製作することができる。
クリップ1904は、皮下デバイス1900のクリップ1906の底部1942をハウジング1902の上面1914と位置合わせするために、ハウジング1902の後端1920に結合される。クリップ1904の底部1942は、底部1942がハウジングの後端1920を越えて延びるよう、ハウジングの上面1914に隣接するハウジング1902の後端1920に結合される。クリップ1904のスプリング部1944は、ハウジング1902の後端1920を越えて配置される。クリップ1904の上部1940の一部は、ハウジング1902の上面1914に沿って延びる。
スプリング部1944はクリップ1904のためのスプリングとして作用し、テンション下にある。上部1940はテンションアームとして作用し、スプリング部1944からの力は、上部1940に伝えられこれを押し下げる。その自然状態において、スプリング部1944のバネ付勢は、ハウジング1902の上面1914の上に配置された上部1940の端部にある上部1940の先端を、クリップ1904の底部1942及びハウジング1902の上部1914に向かって押す。クリップ1904の上部1940の先端は、クリップ1904を広げるために持ち上げることができ、クリップ1904を患者の筋肉、骨又は組織の上に配置することができる。クリップ1904が患者の筋肉、骨又は組織の上に配置されると、スプリング部1944のテンションは、上部1940を筋肉、骨又は組織の上に押し付ける。このテンションが、クリップ1904を筋肉、骨又は組織に固定する。クリップ1904を骨、筋肉又は組織に固定するために、歯、ピン又はスクリューのような付加的な固定機構を使用することもできる。
プロング1906は、近位端1960と、近位端1960の反対側の遠位端1962とを含む。プロング1906は、ベース部1964、アーム部1968及び接触部1970を含む。ベース部1964の第1の端部はプロング1906の近位端1960と整列され、ベース部1964の第2の端部はアーム部1968の第1の端部に接続される。ベース部1964は、ハウジング1902の底面1916に接して配置され、それに沿って延びる、直線的な平坦な部分である。ベース部1964はハウジング1902に取り付けられる。第1のハウジングクリップ1922及び第2のハウジングクリップ1924は、プロング1906のベース部1964をハウジング1902に固定するために、プロング1906のベース部1964の周りを延びる。ベース部1964は、第1のハウジングクリップ1922及び第2のハウジングクリップ1924を通って延びる。したがって、プロング1906の近位端1960は、ハウジング1902に取り付けられる。プロング106のベース部1964は、例えばフィードスルーを用いて、ハウジング1902の内部構成要素に電気的に接続される。
アーム部1968の第1の端部はベース部1964の第2の端部に接続され、アーム部1968の第2の端部は接触部1970の第1の端部に接続される。したがって、アーム部1968は、アーム部1968の対向する端部あるいは第1の端部及び第2の端部を含み、ハウジング1902の水平平面に対して垂直な第1の平面を、当該第1の平面が、ハウジング1902を前端1918から後端1920まで長手方向に二分し、上面1914及び底面1916に対して垂直な垂直平面であるように画定するよう、ベース部1964から延びる。アーム部1968も、接触部1970がハウジング1902の前端1918から外向きに配置されるよう、ハウジング1902の前端1918を通過して延びる。アーム部1968は、ハウジング1902に対して角度を付けられた、主に直線状の部分である。この実施形態では、アーム部1968は、ハウジング1902の底面1916から離れるように角度を付けられるか又は離れるように、延びる。例えば、アーム部1968は、ハウジング1902の底面1916によって画定される水平から約30度~約60度下方に角度付けられてもよい。アーム部1968の第1の端部は、プロング1906のためのスプリングとして作用し、テンション下にある。アーム部1968はテンションアームとして作用し、アーム部1968の第1の端部からの力は、アーム部1968の第2の端部に伝えられこれを押し下げる。その自然な状態において、アーム部1968のバネ付勢は、プロング1906の遠位端1962をハウジング1902の底面1916から遠ざかる方向に押す。したがって、プロング1906は、ハウジング1902の水平平面に対して平行な水平平面と、ハウジング1902の水平平面に対して垂直な垂直平面との両方で、バネ作用を受ける。代替実施形態では、プロング1906のアーム部1968は、ハウジング1902から任意の方向に延びることができる。
接触部1970の第1の端部はアーム部1968の第2の端部に接続され、接触部1970の第2の端部はプロング1906の遠位端1962と整列される。したがって、アーム部1968は、ベース部1964と接触部1970との間にある。アーム部1968は、接触部1970がハウジング1902の前端1918を越えて配置されるよう、ハウジング1902の前端1918を越えて延びる。接触部1970は、プロング1906の遠位端1962が遠隔身体構成要素B(図47に示される)に接触するように配置され得る。接触部1970は、ハウジング1902及びアーム部1968に対して角度を付けられている。接触部1970は、アーム部1968及びハウジング1902に対して画定された第1の平面から離れるように角度を付けられている。この実施形態では、接触部1970は、ハウジング1902の底面1916から離れるように更に角度を付けられている。接触部はまた、ハウジング1902の第1の面1910から離れるように湾曲しているか又は角度を付けられている。接触部1970は、ハウジング1902の底面1916から離れるように延びると共に、ハウジング1902の第1の側面1910から離れるように延び、それにより、プロング1906の遠位端1962は、ハウジング1902及びアーム部1968の下にかつそれから離れるように配置される。代替実施形態では、接触部1970は、構造的身体構成要素Aに対する遠隔身体構成要素Bの位置に応じて、ハウジング1902の底面1916に対して任意の方向に、並びに、ハウジング1902の第1の面1910及び第2の面1912に対して任意の方向に、角度付けられていてもよい。接触部1970は、遠隔身体構成要素Bに向かって角度付けられている。接触部1970はまた、構造的身体構成要素Aに対する遠隔身体構成要素Bの位置に応じて、任意の角度を有し得る。例えば、遠隔身体構成要素Bが肺又は腎臓であるとき、接触部1970は肺又は腎臓に向かって角度が付けられる。接触部1970は、アーム部1968及びハウジング1902に対して画定された第1の垂直平面から約45度~約60度の角度が付けられて得る。接触部1970は、90度まで角度を付けられ得る。
プロング1906は、更に、電極1972を含む。電極1972は、突起1906の遠位端1962にある。したがって、電極1972は、接触部1970の第2の端部を構成する。電極1972は、丸みを帯びた端部を有する。プロング1906は、図48A~48Fに示す実施形態においては、単一の電極1972を有する。プロング1906は、代替の実施形態において、任意の数の電極を有することができる。電極1972は、遠隔身体構成要素Bの電気的活動又は生理学的パラメータを感知するためにプロング1906の遠位端1962に配置されている。電極1972は、遠隔身体構成要素Bに治療用電気刺激を与えることもできる。
プロング1906は、電極1972と遠隔身体構成要素Bとの接触を改善するために、ハウジング1902に対して角度が付けられている。プロング1906は、接触部1970が心臓のような遠隔身体構成要素Bに対して押し下げるように角度が付けられている。プロング1906の遠位端1962における電極1972は心臓に接触し、心臓組織に埋没する。更に、プロング1906は、心臓に向かって下向きに角度を付けられているので、プロング1906は、その剛性を増加させることなく、心臓が拍動して上下に移動するときに、心臓に圧力を加える。その結果、電極1972は、電極1972を心臓に固定することなく、心臓との接触を維持する。例えば、プロング1906は、機能性を低下させる断続的な接触を引き起こし得る、心臓が鼓動するにつれて心臓から跳ね返ることが防止される。更に、接触部1970は、皮下デバイス1900が患者の剣状突起及び/又は胸骨に取り付けられるとき、プロング1906の遠位端1962が心臓上に配置されることを確実にするために、ハウジング1902の底部1916及び第1の面1910から離れるように角度を付けられている。したがって、皮下デバイス1900は、心臓カテーテル検査室を必要とすることなく、患者に挿入され、展開され得る。したがって、デバイスを挿入するための処置は簡単であり、局所麻酔のみを必要とし、これは、救急車内のような様々な環境で実施され得ることを意味する。
プロング1906のアーム部1968は、プロング1906がひとたび体内に配置されると可撓性を有することを可能とする。アーム部1968の回転の中心は第2のハウジングクリップ1924にあり、これは、プロング1906をハウジング1902にしっかりと取り付け、それによって、プロング1906に構造的安定性を提供する。例えば、遠隔身体構成要素Bが患者の心臓であり、プロング1906の接触部1970が心臓に対して配置される場合、プロング1906のアーム部1968は、心臓が拍動するにつれて、プロング1906が心臓と共に上下に移動することを可能とする。これは、プロング1906の接触部1970が心臓との接触を維持する一方で、プロング1906が心臓を穿刺又は損傷しないことを保障する。この実施形態では、プロング1906の遠位端1962の電極1972は、プロング1906の接触部1970が心臓と接触しているときに、プロング1906が心臓を穿刺又は損傷することを防止するために、丸みを帯びた形状を有する。プロング1906の全体的な軸方向の剛性は、プロング1906が心臓を穏やかに押し、心臓が拍動するにつれて心臓と接触して上下に移動するものの、心膜組織又は心外膜組織を穿刺し又は引き裂くのに十分なほど硬くも鋭くもないように、調整することができる。例えば、プロング1906の全体的な軸方向の剛性は、プロング1906の材料、プロング1906のバネ付勢又は機械的な抵抗、プロング1906の断面厚さ、遠隔身体構成要素B上のプロング1906の入射角、プロング1906が遠隔身体構成要素Bに接触するプロング1906の外側プロファイル、及び/又は、プロング1906の任意の他の適切な特性を調整することによって、調整され得る。
皮下デバイス1900は、ペースメーカーとして機能することができる。プロング1906は、プロング1906の接触部1970が、心臓の右心室、左心室、右心房又は左心房と接触するように成形することができる。皮下デバイス1900は、プロング1906上の電極1972を利用して、単極ペースメーカーとして機能することができる。更に、皮下デバイス1900は、2つ以上のプロング1906及び電極1972を利用して、双極ペースメーカーとして機能することができる。
図49Aは、皮下デバイス1900の側面図であって、プロング1906を示している。図49Bは、皮下デバイス1900の上面図であって、プロング1906を示している。図49Cは、皮下デバイス1900の底面図であって、プロング1906を示している。図49Dは、皮下デバイス1900の後面図であって、プロング1906を示している。図49Eは、皮下デバイス1900の正面図であって、プロング1906を示している。プロング1906は、近位端1960、遠位端1962、ベース部1964、アーム部1968、接触部1970、電極1972、スリーブ1974(上部1976及び下部1978を含む)、リード線1980、構造管1982及び構造管1984を含む。プロング1906のスリーブ1974は、図49A~49Eに透明として示されている。
プロング1906は、図48A~48Eを参照して説明したように、近位端1960、遠位端1962、ベース部1964、アーム部1968、接触部1970及び電極1972を含む。スリーブ1974は、プロング1906の中空の外側部分である。スリーブ1974は、プロング1960の近位端1960から接触部1970まで延びる。スリーブの第1の端部は、プロング1906の近位端1960と位置合わせされる。スリーブ1974は、ベース部1964、アーム部1968及び接触部1970の一部に沿って延びる。スリーブ1974の第2の端部は、接触部1970内にある。したがって、スリーブ1974は、ベース部1964の外側部分、アーム部1968及び接触部1970の一部を構成する。スリーブ1974は、下部1978の反対側に上部1976を有する。上部1976及び下部1978は、スリーブ1974が平坦な又は概ね矩形の断面を有するように、平坦又は平面状である。したがって、プロング1906の大部分は、平坦な又は概ね矩形の断面を有する。
リード線1980は、スリーブ1974を通って、上部1976と下部1978との間で、プロング1906の近位端1960から接触部1970まで延びる。リード線1980は、スリーブ1974の第2の端部を越えて延びる。リード線1980の第1の端部は、プロング1906の近位端1960と位置合わせされる。リード線1980は、ベース部1964、アーム部1968及び接触部1970の一部に沿って延びる。リード線1980の第2の端部は、電極1972に連結される。したがって、プロング1906の接触部1970は、スリーブ1974、リード線1980及び電極1972から構成される。リード線1980は、スリーブ1974と同じ全体形状及び角度を有し、スリーブ1974の第2の端部を越えて延びる。したがって、この実施形態では、リード線1980がハウジング1902の底面1916から離れるように角度が付けられ、ハウジング1902の第1の面1910から離れるように湾曲又は角度が付けられる。
構造管1982及び1984は、スリーブ1974を通って、上部1976と下部1978との間で、リード線1980に沿って延びる。構造管1982及び1984は、プロング1960の近位端1960からアーム部1968の第2の端部まで延びる。構造管1982及び1984の第1の端部は、プロング1906の近位端1960と位置合わせされる。構造管1982及び1984は、ベース部1964及びアーム部1968に沿って延びる。構造管1982及び1984の第2の端部は、アーム部1968の第2の端部と位置合わせされる。代替実施形態では、構造管1982及び1984が、それらの第2の端部がスリーブ1974の第2の端部と位置合わせされるように、接触部1970内にスリーブ1974の第2の端部まで延びてもよい。構造管1982及び1984は、ベース部1964及びアーム部1968と同じ全体形状及び角度を有する。したがって、この実施形態では、構造管1982及び1984がハウジング1902の底面1916から離れるように、遠隔本体構成要素Bに向かって角度を付けられ又は延びる。
リード線1980が、その両側に構造管1982及び1984を有するように、第1の構造管1982はリード線1980の第1の側にあり、第2の構造管1984はリード線1980の第2の側にある。代替実施形態では、プロング1906が、その所望の剛性に基づいて、任意の数の構造管1982及び1984を含むことができる。構造管1982及び1984は、中空又は中実であり得る。構造管1982及び1984は、任意の適切なサイズであり得る。例えば、構造管1982及び1984は互いに同じ直径を有することができ、リード線1980と同じ直径を有することができ、又は、リード線1980よりも小さい直径を有することができる。構造管1982及び1984は、プロング1906の所望の剛性に基づいて任意の適切な厚さを有することができる。構造管1982及び1984は、金属、ポリウレタン、シリコーン、任意の適切なプラスチック、金属とプラスチックとの組み合わせ、又は、任意の他の適切な材料から作製され得る。構造管1982及び1984は、皮下デバイス1900がMRI適合性であることを可能にする金属の量に制限される。代替実施形態では、プロング1906が、任意の数の構造管1982及び1984を含むことができる。構造管1982及び1984のサイズ、形状及び材料は、プロング1906の所望の剛性に基づいて選択することができる。例えば、プロング1906は、当該プロング1906をより平坦にし、その剛性を増大させるために、5つ、7つ又は任意の他の適切な数の構造管1982及び1984を含むことができる。
平面状の上部1976及び平面状の下部1978によって形成されたスリーブ1974の平坦な又は矩形の断面は、プロング1906に剛性を提供し、これは、プロング1906の面内曲げに対する耐性を増大させる。スリーブ1974はまた、リード線1980が構造管1982及び1984によって囲まれるための空間を提供する。構造管1982及び1984はまた、プロング1906に所望の構造剛性を提供する。結果として、プロング1906は、心臓に対する位置決めを維持するために、面内曲げ又は任意の方向の曲げに抵抗し、これは、電極1972が蛍光透視法又は他の可視化ツールを必要とすることなく、心臓との接触を維持することを保障する。代替の実施形態では、プロング1906が、構造管1982及び1984と共に又はその代わりに、剛性を提供するために、ニチノールのような形状記憶材料で作製された、予め成形されたスパインを含んでもよい。これらの実施形態では、プロング1906が、例えば図47に示される形状、又は、他の適切な形状若しくは構成を有することができる。
皮下デバイス1900は、本明細書では単一のプロング1906を有するものとして記載される。代替の実施形態では、皮下デバイス1900は任意の数のプロングを含むことができ、それらのプロングは任意の形状を有することができる。例えば、皮下デバイス1900は、図1~37を参照して示され説明された任意のプロングを含むことができる。アーム部1968及び接触部1970は、それぞれ、ハウジング1902の底面1916及び第1の面1910に対して任意の角度を有することができる。
図50Aは、プロング1906の部分的な斜視図であって、電極1972を示している。図50Bは、電極1972の斜視図である。プロング1906は、遠位端1962と、電極1972と、リード線1980とを含む。電極1972は、円筒部1986と、リング部1988と、コーン部分1990とを含む。
プロング1906は、図47~49Eを参照して説明される。電極1972は、リード線1980の第2の端部に接続される。電極1972は金属であり、導電性である。電極1972は、円錐形状を有する。電極1972は第1の端部に円筒部1986を有し、円筒部1986はリング部1988に接続されている。リング部1988は、円筒部1866よりも大きな直径を有する。電極1972は第2の端部に円錐部1990を有し、円錐部1990はリング部1988に接続されている。したがって、リング部1988が円筒部1986と円錐部1990との間にあるように、リング部1988の第1の端部は円筒部1986に接続され、リング部1988の第2の端部は円錐部1990に接続される。電極1972の円筒部1986は、リード線1980の第2の端部内に配置される。リング部1988及び円錐部1990は、リード線1980の外側に配置される。円筒部1986に接続されたリング部1988の第1の端部は、リード線1980の第2の端部に当接する。円錐部1990は、丸みを帯びた端部を有する円錐形状を有する。円錐部1990は、プロング1906の遠位端1962を画定する。
円筒部1986は、電極1972をリード線1980に接続する。リング部1988は電極1972をリード線1980の端部に位置決めし、電極1972のためのストッパとして作用する。円錐部1990は、遠隔身体構成要素Bに接触するように構成される。例えば、円錐部1990は、皮下デバイス1900が患者の剣状突起及び/又は胸骨上に位置付けられると、心臓の表面に埋没する。円錐部1990は、電極1972が遠隔身体構成要素Bと接触する場所で、電極1972が丸みを帯びており鋭くないよう、丸みを帯びた端部を有する。例えば、電極1972が心臓を押すとき、電極1972は、心膜又は心外膜組織を穿孔又は裂くのに十分に硬くないか又は鋭くない。
電極1972は、インピーダンスを著しく減少させることなく導電性であり、遠隔身体構成要素Bを穿孔することなく、遠隔身体構成要素Bとの最適な接触を可能にするように成形される。電極1972の円錐部1990の丸みを帯びた端部は、電極1972が心臓を穿刺又は損傷することを防止する。したがって、プロング1906は十分な剛性を有し、遠隔身体構成要素Bに損傷を引き起こすことなく、電極1972と遠隔身体構成要素Bとの間の一定の接触を維持するのに十分な圧力を遠隔身体構成要素に印加することができる。例えば、遠隔身体構成要素Bが心臓であるとき、電極1972は、心臓を穿刺せず、心臓が鼓動するにつれて心臓に損傷を引き起こさない。
図51Aは、プロング1906Aの部分的な斜視図であって、電極1972Aを示している。図51Bは、電極1972Aの斜視図である。プロング1906Aは、遠位端1962Aと、電極1972Aと、リード線1980Aとを含む。電極1972Aは、円筒部1986Aと球状部1988Aとを含む。
プロング1906Aは、電極1972Aが異なる形状を有することを除いて、図47~49Eを参照して説明したプロング1906と同じ構造及び機能を有する。電極1972Aは、リード線1980Aの第2の端部に接続される。電極1972Aは金属であり、導電性である。電極1972Aは、球形状を有する。電極1972Aは、第1の端部に円筒部1986Aを有し、第2の端部に球状部1988Aを有する。円筒部1986Aは、球状部1988Aに接続されている。電極1972Aの円筒部1986Aは、リード線1980Aの第2の端部内に配置される。球状部1988Aは、リード線1980Aの外側に配置される。球状部1988Aは、プロング1906Aの遠位端1962Aを画定する。
円筒部1986Aは、電極1972Aをリード線1980Aに接続する。球状部1988Aは、電極1972Aをリード線1980Aの端部に位置決めし、電極1972Aのためのストッパとして作用する。球状部1988Aは、遠隔身体構成要素Bに接触するように構成される。例えば、球状部1988Aは、皮下デバイス1900Aが患者の剣状突起及び/又は胸骨上に位置付けられると、心臓の表面に埋没する。球状部1988Aは、電極1972Aが遠隔身体構成要素Bと接触する場所で、電極1972Aが丸みを帯びており鋭くないよう、丸みを帯びている。例えば、電極1972Aが心臓を押すとき、電極1972Aは、心膜又は心外膜組織を穿孔又は裂くのに十分に硬くないか又は鋭くない。
電極1972Aは、インピーダンスを著しく減少させることなく導電性であり、遠隔身体構成要素Bを穿孔することなく、遠隔身体構成要素Bとの最適な接触を可能にするように成形される。電極1972Aの丸みを帯びた球状部1988Aは、電極1972Aが心臓を穿刺又は損傷することを防止する。したがって、プロング1906Aは十分な剛性を有し、遠隔身体構成要素Bに損傷を引き起こすことなく、電極1972Aと遠隔身体構成要素Bとの間の一定の接触を維持するのに十分な圧力を遠隔身体構成要素に印加することができる。例えば、遠隔身体構成要素Bが心臓であるとき、電極1972Aは、心臓を穿刺せず、心臓が鼓動するにつれて心臓に損傷を引き起こさない。
図52Aは、プロング1906Bの部分的な斜視図であって、電極1972Bを示している。図52Bは、電極1972Bの斜視図である。プロング1906Bは、遠位端1962Bと、電極1972Bと、リード線1980Bとを含む。電極1972Bは、円筒部1986Bと、外側円筒部1988Bとを含む。
プロング1906Bは、電極1972Bが異なる形状を有することを除いて、図47~49Eを参照して説明したプロング1906と同じ構造及び機能を有する。電極1972Bは、リード線1980Bの第2の端部に接続される。電極1972Bは金属であり、導電性である。電極1972Bは、円筒形を有する。電極1972Bは、第1の端部に円筒部1986Bを有し、第2の端部に外側円筒部1988Bを有する。円筒部1986Bは、外側円筒部1988Bに接続されている。電極1972Bの円筒部1986Bは、リード線1980Bの第2の端部内に配置される。外側円筒部1988Bは、リード線1980Bの外側に配置される。外側円筒部1988Bは、プロング1906Bの遠位端1962Bを画定する。
円筒部1986Bは、電極1972Bをリード線1980Bに接続する。外側円筒部1988Bは、遠隔身体構成要素Bに接触するように構成される。例えば、外側円筒部1988Bは、皮下デバイス1900Bが患者の剣状突起及び/又は胸骨上に位置付けられると、心臓の表面に埋没する。円筒部1988Bは、電極1972Bが遠隔身体構成要素Bに接触する場所で鋭くないように、丸みを帯びた端部を有する。外側円筒部1988Bは完全に金属であるので、その最遠位端を含め、電極1972Bが遠隔身体構成要素Bに接触する場所ではどこでも導電性である。例えば、電極1972Bが心臓を押すとき、電極1972Bは、導電性表面で心臓に接触する。
電極1972Bは、インピーダンスを著しく減少させることなく導電性であり、遠隔身体構成要素Bを穿孔することなく、遠隔身体構成要素Bとの最適な接触を可能にするように成形される。電極1972Bの外側円筒部1988Bは、電極1972Bが、遠隔身体構成要素Bに固定されることなく、導電性表面で、心臓のような遠隔身体構成要素Bと接触することを確実にする。したがって、プロング1906Bは十分な剛性を有し、電極1972Bの導電性表面と遠隔身体構成要素Bとの間の一定の接触を維持するために、遠隔身体構成要素Bに十分な圧力を加えることができる。例えば、遠隔身体構成要素Bが心臓であるとき、電極1972Bは、心臓が鼓動するにつれて、心臓との電気的接触を維持する。
図53Aは、プロング1906Cの部分斜視図であって、電極1972Cを示している。図53Bは、電極1972Cの斜視図である。プロング1906Cは、遠位端1962Cと、電極1972Cと、リード線1980Cとを含む。電極1972Cは、円筒部1986Cと、平行部1988Cと、垂直部1990Cとを含む。
プロング1906Cは、電極1972Cが異なる形状を有することを除いて、図47~49Eを参照して説明したプロング1906と同じ構造および機能を有する。電極1972Cは、リード線1980Cの第2の端部に接続される。電極1972Cは金属であり、導電性である。電極1972Cは、ハンマーヘッド形状を有する。電極1972Cは、第1の端部に円筒部1986Cを有し、当該円筒部1986Cは平行部1988Cに接続されている。電極1972Cは、第2の端部に垂直部1990Cを有し、当該垂直部1990Cは平行部1988Cに接続されている。したがって、平行部1988Cが円筒部1986Cと垂直部1990Cとの間にあるように、平行部1988Cの第1の端部は円筒部1986Cに接続され、平行部1988Cの第2の端部は垂直部1990Cに接続される。電極1972Cの垂直部1986Cは、リード線1980Cの第2の端部内に配置される。平行部1988C及び垂直部1990Cは、リード線1980の外側に配置され、スクリューヘッド又はハンマーヘッド形状を形成する。平行部1988Cは円筒状であり、平行であり、円筒部1986Cと位置合わせされている。垂直部1990Cも円筒状であり、平行部1988Cに対して垂直である。垂直部1990Cは、プロング1906Cの遠位端1962Cを画定する。
円筒部1986Cは、電極1972Cをリード線1980Cに接続する。平行部1988Cは、電極1972Cの垂直部1990Cをリード線1980の端部から離れるように位置決めする。垂直部1990Cは、遠隔身体構成要素Bに接触するように構成される。例えば、垂直部1990Cは、皮下デバイス1900Cが患者の剣状突起及び/又は胸骨上に位置付けられると、心臓の表面に埋没する。垂直部1990Cは、遠隔身体構成要素Bに接触する場所で電極1972Cが丸みを帯びており鋭くないように、丸みを帯びた端部を有する。平行部1988C及び垂直部1990Cは完全に金属であるので、電極1972Cが遠隔身体構成要素Bに接触する場所ではどこでも導電性である。例えば、電極1972Cが心臓を押すと、電極1972Cは導電性表面で心臓に接触する。
電極1972Cは、インピーダンスを著しく減少させることなく導電性であり、遠隔身体構成要素Bを穿孔することなく、遠隔身体構成要素Bとの最適な接触を可能にするように成形される。電極1972Cの平行部1988C及び垂直部1990Cは、電極1972Cが、遠隔身体構成要素Bに固定されることなく、導電性表面で、心臓のような遠隔身体構成要素Bと接触することを確実にする。したがって、プロング1906Cは十分な剛性を有し、電極1972Cの導電性表面と遠隔身体構成要素Bとの間の一定の接触を維持するために、遠隔身体構成要素Bに十分な圧力を加えることができる。例えば、遠隔身体構成要素Bが心臓であるとき、電極1972Cは、心臓が鼓動するにつれて、心臓との電気的接触を維持する。
図54は、剣状突起X及び胸骨S上に位置する皮下デバイス1900の斜視図であり、心臓H上におけるプロング1906の位置を示している。皮下デバイス1900は、ハウジング1902、クリップ1904及びプロング1906を含む。ハウジング1902は、第1の面1910と、底面1916とを含む。プロング1906は、遠位端1962と、アーム部1968と、接触部1970と、電極1972と、スリーブ1974と、構造管1982と、構造管1984とを含む。図54も、剣状突起X、胸骨S及び心臓Hを示す。
皮下デバイス1900は、図47-49Eを参照して上で説明したように、ハウジング1902、クリップ1904及びプロング1906を含む。図54に示される実施形態では、皮下デバイス1900が、図1~9Cに関して説明された皮下デバイス100のように、心臓モニタリング、診断及び/又は治療に使用されるペースメーカーであるように構成される。図54に示される実施形態において、皮下デバイス1900は、患者の剣状突起X及び胸骨Sに固定され得る。皮下デバイス1900は、皮下デバイス1900が外科用器具を用いて剣状突起X及び胸骨S上に注入される単純な手順で、埋め込むことができる。例えば、皮下デバイス1900は、代理人整理番号C729-012017を有する、2020年11月25日に出願された「皮下デバイスのための外科用器具」という名称の米国特許出願第17/105,457号(その開示は、その全体が参照により組み込まれる)に記載されているような外科用器具及び方法を使用して、剣状突起X及び/又は胸骨Sに展開及び固定されることができる。
皮下デバイス1900がクリップ1904を介して剣状突起X及び胸骨Sに固定されると、プロング1906は、ハウジング1902の第1の面1910及び底面1916から離れるように延びる。アーム部1968は、ハウジング1902の底面1916から離れるように延び、接触部1970は、ハウジング1902の底面1916及び第1の面1910から離れるように延びる。したがって、接触部1970は、心臓Hを押し下げ、プロング1906の遠位端1962の電極1972は心臓Hに接触し、心臓Hが鼓動する時に接触を維持する。プロング1906は、心臓の右心室、左心室、右心房又は左心房と接触するように成形することができる。プロング1906の全体的な所望の剛性は、スリーブ1974内の構造管1982及び構造管1984を介して達成され、これは、プロング1906が心臓Hを穏やかに押し、心臓Hが鼓動する時に心臓Hと接触して上下に移動するものの、心膜組織又は心外膜組織を穿刺し又は引き裂くのに十分なほど硬くも鋭くもないことを保証する。
プロング1906は、心臓Hに対して適切に位置決めされ、心臓Hとの接触を失わないことを確実にするように成形される。皮下デバイス1900を埋め込むための外科的処置は、皮下デバイスが体内で皮下に配置されるため、より従来のペースメーカーデバイスに必要とされる外科的処置よりも、侵襲性が低い。患者の血管系内にリード線を配置する必要がなく、これにより患者に対する血栓症のリスクが低下する。
(皮下デバイス2200)
図55は、構造的身体構成要素Aに固定された皮下デバイス2200の側面図である。皮下デバイス2200は、ハウジング2202、クリップ2204及びプロング2206を含む。
皮下デバイス2200は、患者の筋肉、骨又は組織であり得る構造的身体構成要素Aに固定されるように構成された医療機器である。皮下デバイス2200は、監視デバイス、診断デバイス、治療デバイス又はそれらの任意の組み合わせであり得る。例えば、皮下デバイス2200は、患者の心拍数を監視し、患者の心臓の不整脈を診断し、患者の心臓に治療用電気刺激を与えることができるペースメーカーデバイスであり得る。皮下デバイス2200はハウジング2202を含む。皮下デバイス2200のハウジング2202は、図7に関連して説明されたように、感知回路180、コントローラ182、メモリ184、治療回路186、電極188、センサ190、トランシーバ192及び電源194、あるいは、医療機器の他の構成要素を含むことができる。
クリップ2204はハウジング2202に取り付けられる。クリップ2204は、皮下デバイス2200を構造的身体構成要素Aに固定するように構成される。クリップ2204は、ハウジング2202内で、開位置と閉位置との間を垂直に移動する。クリップ2204が開位置にあるとき、クリップ2204はハウジング2202から垂直に離れるように動かされる。クリップ2204は、構造的身体構成要素Aの周りを前進するにつれて開位置になる。クリップ2204は、アクティブなクリップである。骨、筋肉又は組織に取り付けるためにクランプ構成要素の剛性を使用することに加えて、クリップ2204は、歯及び/又はスクリューのような能動的な固定方法、及び/又は、クリップ2204を骨、筋肉又は組織に固定するための任意の他の適切な固定構造を使用する。クリップ2204は、ハウジング2202に向かって垂直に移動し、クリップ2204を開位置から閉位置に変化させる。クリップ2204は図55に、構造的身体構成要素Aの周りの閉鎖位置で示され、構造的身体構成要素Aの周りをクランプし、皮下デバイス2200を構造体構成要素Aに固定する。
プロング2206は、皮下デバイス2200のハウジング2202に接続され、そこから離れるように延びる。プロング2206は、構造的身体構成要素Aから離れて配置された遠隔身体構成要素Bと接触するように構成される。遠隔身体構成要素Bは、患者の臓器、神経又は組織であり得る。例えば、遠隔身体構成要素Bは、心臓、肺又は体内の任意の他の適切な臓器を含み得る。プロング2206は、遠隔身体構成要素Bの電気的活動又は生理学的パラメータを感知することができ、及び/又は、遠隔身体構成要素Bに治療用電気刺激を与えることができる、1つの電極を含む。
一例において、皮下デバイス2200はペースメーカーであることができ、皮下デバイス2200のプロング2206上の1つの電極は、心臓の電気的活動を感知することができる。感知された電気的活動は、皮下デバイス2200のハウジング2202内の感知回路及びコントローラに伝達され得る。コントローラは患者の心拍数を決定することができ、不整脈があるかどうかを検出することができる。不整脈が検出された場合、コントローラは、心臓に治療用電気刺激を与えるために、治療回路に命令を送ることができる。このように、皮下デバイス2200は、監視デバイス、診断デバイス及び治療デバイスとして機能する。
皮下デバイス2200を、以下の図56A~58Bとの関連で、より詳細に説明する。皮下デバイス2200は、以下の図56A~58Bの説明において、監視、診断及び治療のために使用され得るペースメーカーとして説明される。この実施形態では、皮下デバイス2200は単極ペースメーカーである。代替的な実施形態では、皮下デバイス2200は双極ペースメーカーであり得る。皮下デバイス2200は、また、監視デバイス、診断デバイス、埋め込み型除細動器、一般的な臓器/神経/組織刺激器、及び/又は、薬剤送達デバイスであり得る。
図56Aは、皮下デバイス2200の上面図である。図56Bは、皮下デバイス2200の側面図である。図56Cは、皮下デバイス2200の上面図である。図56Dは、皮下デバイス2200の底面図である。図56Eは、皮下デバイス2200の後面図である。図56Fは、皮下デバイス2200の正面図である。皮下デバイス2200は、ハウジング2202、クリップ2204及びプロング2206を含む。ハウジング2202は、第1の面2210、第2の面2212、上面2214、底面2216、前端2218、後端2220、ハウジングラッチ2222及びガイド2230を含む。クリップ2204は、上部2240、底部2242及び歯2244を含む。プロング2206は、近位端2260、遠位端2262、ベース部2264、アーム部2268、接触部2270、電極2272、スリーブ2274(上部2276及び下部2278を含む)、リード線2280、構造管2282及び構造管2284を含む。
皮下デバイス2200は、図55を参照して説明したように、ハウジング2202、クリップ2204及びプロング2206を含む。ハウジング2202は、ステンレス鋼、チタン、ニチノール、エポキシ、シリコーン、金属補強材を有するポリウレタン、又は、非多孔インプラントに適した任意の他の材料から製作され得る。ハウジング2202はまた、外部コーティングを含むことができる。クリップ2204は、ステンレス鋼、チタン、ニチノール、エポキシ、シリコーン、金属補強材を有するポリウレタン、又は、非多孔インプラントに適した任意の他の材料から製作され得る。プロング2206は、ニチノールとしても知られているニッケルチタンから製作することができる。ニチノールは超弾性を有する形状記憶合金であり、皮下デバイス2200が患者に埋め込まれる際にプロング2206が変形した場合、プロング2206がその元の形状及び位置に戻ることを可能とする。プロング2206はまた、シリコーン、ポリウレタン、ステンレス鋼、チタン、エポキシ、金属補強材を有するポリウレタン、又は、非多孔インプラントに適した任意の他の材料から製作され得る。一例として、プロング2206は、ポリウレタン及びシリコーンから成り、バネ剛性を付与するために金属で補強された複合材料から製作することができる。
ハウジング2202は、第1の面2210、第2の面2212、上面2214、底面2216、前端2218、後端2220、ハウジングラッチ2222及びガイド2230を含む。第1の面2210は、第2の面2212の反対側である。上面2214は、ハウジング2202の底である底面2216の反対側にあるハウジング2202の上部である。前端2218は、後端2220の反対側である。ハウジング2202は、図示された実施形態では実質的に長方形である。代替の実施形態において、ハウジング2202は円錐、錐台又は円筒として成形され得る。ハウジング2202は、ステンレス鋼、チタン、ニチノール、エポキシ、シリコーン、金属補強材を有するポリウレタン、又は、非多孔インプラントに適した任意の他の材料から製作され得る。ハウジング2202はまた、外部コーティングを含むことができる。
ハウジングラッチ2222は、ハウジング2202の後端2220に接続される。ハウジングラッチ2222は、ハウジングの後端2220に沿って延びる上部と、ハウジング2220の底面2216に沿って延びる底部とを有する。ハウジングラッチ2222の上部は、クリップ2204と係合するように構成される。ハウジングラッチ2222の底部は、プロング2206を受容するように湾曲している。したがって、ハウジングラッチ2222は、ハウジングの後端2220に沿ってクリップ2204と係合し、ハウジング2202の底面2216に沿ってプロング2206と係合する。ハウジングラッチ2222は、プロング2206をハウジング2202の底面2216に取り付けるように構成される。ガイド2230は、ハウジング2202の後端2220及び第1の面2210に接続されるL字形ロッドである。この実施形態では、ガイド2230は、ハウジング2202の底面2216よりも上面2214に近い。ガイド2230は、皮下デバイス2200を患者に埋め込むために使用される外科用器具を介して皮下デバイス2200のハウジング2202を案内するように構成される。
クリップ2204は、上部2240、底部2242及び歯2244を含む。上部2240は、底部2242に接続される。上部2240は、クリップ2204の上部を形成し、ハウジング2202の上面2214を横切って延びるクリップ2204の平坦部である。底部2242はクリップ2204の底部を形成し、ハウジング2202の後端2220に沿って延びる平坦な部分である。クリップ2204の底部2242は、ハウジング2202に取り付けられ、ハウジングラッチ2222と嵌合するように構成される。クリップ2204の底部2242は、ハウジングラッチ2222の上部のスロットと係合するように構成された後端から延びるピンを有する。したがって、クリップ2204は、ハウジングラッチ2222を介してハウジング2202に接続される。歯2244は、クリップ2204の上部2240から延びる。歯2244は、上部2240の中央部に接続された第1の端部と、ハウジング2202の上部2240から上面2214に向かって延びる第2の端部とを有する。歯2244は、湾曲しており、異なる方向に延びる。歯2244は薄く、金属又は任意の他の適切な材料から作製され得る。この実施形態では、クリップ2204は4つの歯2244を有する。代替実施形態では、クリップ2204が任意の数の歯2244を有することができる。更に、代替実施形態では、歯2244と共に又はその代わりに、任意の他の適切な固定構造又は能動的な固定方法が用いられ得る。歯2244は構造的身体構成要素Aを貫いてそれに固定するように構成される。
クリップ2204がハウジング2202の後端2220に接続されると、クリップ2204の上部2240は、ハウジング2202の上面2214に沿って延びる。この実施形態では、クリップ2204の上部2240は、後端2220から前端2218までハウジング2202の長さに対してある角度で延びる。代替実施形態では、クリップ2204の上部2240がハウジング2202の長さに対して任意の角度で延びてもよい。
開口が、クリップ2204の上部2240とハウジング2202の上面2214との間に形成される。クリップ2204は、開口の高さを変変化させるために、開位置と閉位置との間で移動可能である。クリップ2204が開位置にあるとき、開口は拡張され、皮下デバイス2200は、開口が筋肉、骨又は組織の周りに配置されるように患者に挿入される。皮下デバイス2200が筋肉、骨又は組織の上に位置決めされた後、クリップ2204は閉位置に移動される。クリップ2204が閉位置にあるとき、開口は縮小される。クリップ2204及びハウジングラッチ2222の底部2242は、開位置および閉位置にクリップ2204を移動させるためのラチェット機構を形成する。クリップ2204の上部2240は、ハウジング2202の上面2214に向かって、筋肉、骨又は組織上に押し下げられる。歯2244は、クリップ2204を筋肉、骨又は組織に固定する、筋肉、骨又は組織に付着する。歯2244は、クリップ2204の底部2242とハウジングラッチ2222との係合からの圧力に応答して、筋肉、骨又は組織を貫く。歯2244は、筋肉、骨又は組織の周りに曲がって戻り、更にクリップ2204及び皮下デバイス2200を筋肉、骨又は組織に固定するように、ハウジングの上面2214に接触してもよい。歯2244はまた、皮下デバイス2200が構造的身体構成要素Aから容易に取り外し可能であるように、筋肉、骨又は組織から取り外し可能である。
プロング2206は、近位端2260と、近位端2260の反対側の遠位端2262とを含む。プロング2206は、ベース部2264、アーム部2268及び接触部2270を含む。ベース部2264の第1の端部はプロング2206の近位端2260と整列され、ベース部2264の第2の端部はアーム部2268の第1の端部に接続される。ベース部2264は、ハウジング2202の底面2216に接して配置され、それに沿って延びる、直線的な平坦な部分である。ベース部2264はハウジング2202に取り付けられる。ハウジングラッチ2222は、プロング2206のベース部2264をハウジング2202に固定するために、プロング2206のベース部2264の周りを延びる。ベース部2264は、ハウジングラッチ2222を通って延びる。したがって、プロング2206の近位端2260は、ハウジング2202に取り付けられる。プロング2206のベース部2264は、例えばプロング2206も接続されるフィードスルーを用いて、ハウジング2202の内部構成要素に電気的に接続される。
アーム部2268の第1の端部はベース部2264の第2の端部に接続され、アーム部2268の第2の端部は接触部2270の第1の端部に接続される。したがって、アーム部2268は、アーム部2268の対向する端部あるいは第1の端部及び第2の端部を含み、ハウジング2202の水平平面に対して垂直な第1の平面を、当該第1の平面が、ハウジング2202を前端2218から後端2220まで長手方向に二分し、上面2214及び底面2216に対して垂直な垂直平面であるように画定するよう、ベース部2264から延びる。アーム部2268も、接触部2270がハウジング2202の前端2218から外向きに配置されるよう、ハウジング2202の前端2218を通過して延びる。この実施形態では、アーム部2268は、平面状で、ベース部2264と位置合わせされる、主に直線状の部分である。アーム部2268の第1の端部は、プロング2206のためのスプリングとして作用し、テンション下にある。アーム部2268はテンションアームとして作用し、アーム部2268の第1の端部からの力は、アーム部2268の第2の端部に伝えられこれを押し下げる。したがって、プロング2206は、ハウジング2202の水平平面に対して垂直な垂直平面においてバネ作用を受け、平面状のアーム部2268の高い横方向剛性のために、ハウジング2202の水平平面に対して平行な水平平面においてバネ作用が低減される。代替実施形態では、プロング2206のアーム部2268は、ハウジング2202から任意の方向に延びることができる。
接触部2270の第1の端部はアーム部2268の第2の端部に接続され、接触部2270の第2の端部はプロング2206の遠位端2262と整列される。したがって、アーム部2268は、ベース部2264と接触部2270との間にある。アーム部2268は、接触部2270がハウジング2202の前端2218を越えて配置されるよう、ハウジング2202の前端2218を越えて延びる。接触部2270は、プロング2206の遠位端2262が遠隔身体構成要素B(図55に示される)に接触するように配置され得る。接触部2270は、ハウジング2202及びアーム部2268に対して角度を付けられている。接触部2270は、アーム部2268及びハウジング2202に対して画定された第1の平面から離れるように角度を付けられている。この実施形態では、接触部2270は、ハウジング2202の底面2216から離れるように角度を付けられている。接触部2270はまた、ハウジング2202の第1の面2210から離れるように湾曲しているか又は角度を付けられている。接触部2270は、ハウジング2202の底面2216から離れるように延びると共に、ハウジング2202の第1の側面2210から離れるように延び、それにより、プロング2206の遠位端2262は、ハウジング2202及びアーム部2268の下にかつそれから離れるように配置される。代替実施形態では、接触部2270は、構造的身体構成要素Aに対する遠隔身体構成要素Bの位置に応じて、ハウジングの底面2216に対して任意の方向に、並びに、ハウジング2202の第1の面2210及び第2の面2212に対して任意の方向に、角度付けられていてもよい。接触部2270は、遠隔身体構成要素Bに向かって角度付けられている。例えば、遠隔身体構成要素Bが肺又は腎臓であるとき、接触部2270は肺又は腎臓に向かって角度が付けられる。この実施形態では、接触部2270の第1の部分がハウジング2202及びアーム部2268の底面2216から約90度の角度を付けられており、接触部2270の第2の部分はハウジング2202及びアーム部2268の第1の面2210から約90度の角度を付けられている。接触部2270は、アーム部2268及びハウジング2202に対して画定された第1の垂直平面から約45度~約60度の角度が付けられて得る。
プロング2206は、更に、電極2272を含む。電極2272は、突起2206の遠位端2262にある。したがって、電極2272は、接触部2270の第2の端部を構成する。電極2272は丸みを帯びた端部を有し、図51A及び51Bを参照して説明した電極1972Aと同じ形状を有する。代替実施形態では、電極2272が、電極1972、1972B及び1972Cの形状のいずれかなど、任意の適切な形状を有し得る。プロング2206は、図56A~56Fに示す実施形態においては、単一の電極2272を有する。プロング2206は、代替の実施形態において、任意の数の電極を有することができる。電極2272は、遠隔身体構成要素Bの電気的活動又は生理学的パラメータを感知するためにプロング2206の遠位端2262に配置されている。電極2272は、遠隔身体構成要素Bに治療用電気刺激を与えることもできる。
スリーブ2274は、プロング2206の中空の外側部分である。スリーブ2274は、プロング2260の近位端2260から接触部2270まで延びる。スリーブ2274の第1の端部は、プロング2206の近位端2260と位置合わせされる。スリーブ2274は、ベース部2264、アーム部2268及び接触部2270の第1の部分に沿って延びる。スリーブ2274の第2の端部は、接触部2270内にある。したがって、スリーブ2274は、ベース部2264の外側部分、アーム部2268及び接触部2270の第1の部分を構成する。スリーブ2274は、下部2278の反対側に上部2276を有する。上部2276及び下部2278は、スリーブ2274が平坦な又は概ね矩形の断面を有するように、平坦又は平面状である。したがって、プロング2206の大部分は、平坦な又は概ね矩形の断面を有する。
リード線2280は、スリーブ2274を通って、上部2276と下部2278との間で、プロング2206の近位端2260から接触部2270まで延びる。リード線2280は、スリーブ2274の第2の端部を越えて延びる。リード線2280の第1の端部は、プロング2206の近位端2260と位置合わせされる。リード線2280は、ベース部2264、アーム部2268及び接触部2270に沿って延びる。リード線2280の第2の端部は、電極2272に連結される。したがって、プロング2206の接触部2270は、スリーブ2274、リード線2280及び電極2272から構成される。リード線2280は、スリーブ2274と同じ全体形状及び角度を有し、スリーブ2274の第2の端部を越えて延びる。リード線2280は、スリーブ2274の第2の端部及びハウジング2202の第1の面2210から離れて延びる。この実施形態では、リード線2280は、スリーブ2274の第2の端部から約90度離れて延びる。したがって、この実施形態では、リード線2280がスリーブ2274と共にハウジング2202の底面2216から離れるように角度が付けられ、スリーブ2274を越えてハウジング22021602の第1の面2210から離れるように湾曲又は角度が付けられる。
構造管2282及び2284は図40A~40Eに示されるように、構造管1982及び1984のように構成され得る。構造管2282及び2284は、スリーブ2274を通って、上部2276と下部2278との間で、リード線2280に沿って延びる。構造管2282及び2284は、プロング2260の近位端2260からアーム部2268の第2の端部まで延びる。構造管2282及び2284の第1の端部は、プロング2206の近位端2260と位置合わせされる。構造管2282及び2284は、ベース部2264及びアーム部2268に沿って延びる。構造管2282及び2284の第2の端部は、アーム部2268の第2の端部と位置合わせされる。代替実施形態では、構造管2282及び2284が、それらの第2の端部がスリーブ2274の第2の端部と位置合わせされるように、接触部2270内にスリーブ2274の第2の端部まで延びてもよい。構造管2282及び2284は、ベース部2264及びアーム部2268と同じ全体形状を有する。したがって、この実施形態では、構造管2282及び2284は平面状である。
リード線2280が、その両側に構造管2282及び2284を有するように、第1の構造管2282はリード線2280の第1の側にあり、第2の構造管2284はリード線2280の第2の側にある。代替実施形態では、プロング2206が、その所望の剛性に基づいて、任意の数の構造管2282及び2284を含むことができる。構造管2282及び2284は、中空又は中実であり得る。構造管2282及び2284は、任意の適切なサイズであり得る。例えば、構造管2282及び2284は互いに同じ直径を有することができ、リード線2280と同じ直径を有することができ、又は、リード線2280よりも小さい直径を有することができる。構造管2282及び2284は、プロング2206の所望の剛性に基づいて任意の適切な厚さを有することができる。構造管2282及び2284は、金属、ポリウレタン、シリコーン、任意の適切なプラスチック、金属とプラスチックとの組み合わせ、又は、任意の他の適切な材料から作製され得る。構造管2282及び2284は、皮下デバイス2200がMRI適合性であることを可能にする金属の量に制限される。代替実施形態では、プロング2206が、任意の数の構造管2282及び2284を含むことができる。構造管2282及び2284のサイズ、形状及び材料は、プロング2206の所望の剛性に基づいて選択することができる。例えば、プロング2206は、当該プロング2206をより平坦にし、その剛性を増大させるために、5つ、7つ又は任意の他の適切な数の構造管2282及び2284を含むことができる。
プロング2206は、電極2272と遠隔身体構成要素Bとの接触を改善するために、ハウジング2202に対して角度が付けられている。プロング2206は、接触部2270が心臓のような遠隔身体構成要素Bに対して押し下げるように角度が付けられている。プロング2206の遠位端2262における電極2272は心臓に接触し、心臓組織に埋没する。更に、プロング2206は、心臓に向かって下向きに角度を付けられているので、プロング2206は、その剛性を増加させることなく、心臓が拍動して上下に移動するときに、心臓に圧力を加える。その結果、電極2272は、電極2272を心臓に固定することなく、心臓との接触を維持する。例えば、プロング2206は、機能性を低下させる断続的な接触を引き起こし得る、心臓が鼓動するにつれて心臓から跳ね返ることが防止される。更に、接触部2270は、皮下デバイス2200が患者の剣状突起及び/又は胸骨に取り付けられるとき、プロング2206の遠位端2262が心臓上に配置されることを確実にするために、ハウジング2202の底部2216及び第1の面2210から離れるように角度を付けられている。したがって、皮下デバイス2200は、心臓カテーテル検査室を必要とすることなく、患者に挿入され、展開され得る。したがって、デバイスを挿入するための処置は簡単であり、局所麻酔のみを必要とし、これは、救急車内のような様々な環境で実施され得ることを意味する。
プロング2206のアーム部2268は、プロング2206がひとたび体内に配置されると可撓性を有することを可能とする。アーム部2268の回転の中心は、ベース部2264の第2の端部に接続されたアーム部2268の第1の端部に隣接し、ハウジング2202の前端2218から近位端2206まで、又は、プロング2206がハウジングラッチ2222によってハウジング2202の底面2216に固定される場所までよりも、わずかに近位端部2206に近い。例えば、遠隔身体構成要素Bが患者の心臓であり、プロング2206の接触部2270が心臓に対して配置される場合、プロング2206のアーム部2268は、心臓が拍動するにつれて、プロング2206が心臓と共に上下に移動することを可能とする。これは、プロング2206の接触部2270が心臓との接触を維持する一方で、プロング2206が心臓を穿刺又は損傷しないことを保障する。この実施形態では、プロング2206の遠位端2262の電極2272は、プロング2206の接触部2270が心臓と接触しているときに、プロング2206が心臓を穿刺又は損傷することを防止するために、丸みを帯びた形状を有する。プロング2206の全体的な軸方向の剛性は、プロング2206が心臓を穏やかに押し、心臓が拍動するにつれて心臓と接触して上下に移動するものの、心膜組織又は心外膜組織を穿刺し又は引き裂くのに十分なほど硬くも鋭くもないように、調整することができる。例えば、プロング2206の全体的な軸方向の剛性は、プロング2206の材料、プロング2206のバネ付勢又は機械的な抵抗、プロング2206の断面厚さ、遠隔身体構成要素B上のプロング2206の入射角、プロング2206が遠隔身体構成要素Bに接触するプロング2206の外側プロファイル、及び/又は、プロング2206の任意の他の適切な特性を調整することによって、調整され得る。
平面状の上部227及び平面状の下部2278によって形成されたスリーブ2274の平坦な又は矩形の断面は、プロング2206に剛性を提供し、これは、プロング2206の面内曲げに対する耐性を増大させる。スリーブ2274はまた、リード線2280が構造管2282及び2284によって囲まれるための空間を提供する。構造管2282及び2284はまた、プロング2206に所望の構造剛性を提供する。結果として、プロング2206は、心臓に対する位置決めを維持するために、面内曲げ又は任意の方向の曲げに抵抗し、これは、電極2272が蛍光透視法又は他の可視化ツールを必要とすることなく、心臓との接触を維持することを保障する。代替の実施形態では、プロング2206が、構造管2282及び2284と共に又はその代わりに、剛性を提供するために、ニチノールのような形状記憶材料で作製された、予め成形されたスパインを含んでもよい。これらの実施形態では、プロング2206が、例えば図55に示される形状、又は、他の適切な形状若しくは構成を有することができる。
皮下デバイス2200は、本明細書では単一のプロング2206を有するものとして記載される。代替の実施形態では、皮下デバイス2200は任意の数のプロングを含むことができ、それらのプロングは任意の形状を有することができる。例えば、皮下デバイス2200は、図1~37を参照して示され説明された任意のプロングを含むことができる。接触部2270は、ハウジング2202の底面2216、第1の面2210及び第2の面2212に対して任意の角度を有することができる。
皮下デバイス2200は、ペースメーカーとして機能することができる。プロング2206は、プロング2206の接触部2270が、心臓の右心室、左心室、右心房又は左心房と接触するように成形することができる。皮下デバイス2200は、プロング2206上の電極2272を利用して、単極ペースメーカーとして機能することができる。更に、皮下デバイス2200は、2つ以上のプロング2206及び電極2272を利用して、双極ペースメーカーとして機能することができる。
図57は、剣状突起X及び/又は胸骨S上に配置された皮下デバイス2200の上面図である。図58Aは、剣状突起X及び/又は胸骨S上に配置された皮下デバイス2200の斜視側面図であり、心臓H上のプロング2206の配置を示す。図58Bは、剣状突起X及び/又は胸骨S上に配置された皮下デバイス2200の斜視側面図であり、心臓H上のプロング2206の配置を示す。皮下デバイス2200は、ハウジング2202、クリップ2204、およびプロング2206を含む。ハウジング2202は、第1の面2210と、底面2216とを含む。プロング2206は、遠位端2262、アーム部2268、接触部2270、電極2272及びスリーブ2274を含む。図57、58A及び58Bも、剣状突起X及び胸骨Sを示す。図58A及び58Bは心臓Hを示す。
皮下デバイス2200は、図55-56Fを参照して上で説明したように、ハウジング2202、クリップ2204及びプロング2206を含む。図57-58Bに示される実施形態では、皮下デバイス2200が、図1~9Cに関して説明された皮下デバイス100のように、心臓モニタリング、診断及び/又は治療に使用されるペースメーカーであるように構成される。図57-58Bに示される実施形態において、皮下デバイス2200は、患者の剣状突起X及び胸骨Sに固定され得る。皮下デバイス2200は、皮下デバイス2200が外科用器具を用いて剣状突起X及び胸骨S上に注入される単純な手順で、埋め込むことができる。例えば、皮下デバイス2200は、代理人整理番号C729-012017を有する、2020年11月25日に出願された「皮下デバイスのための外科用器具」という名称の米国特許出願第17/105,457号(その開示は、その全体が参照により組み込まれる)に記載されているような外科用器具及び方法を使用して、剣状突起X及び/又は胸骨Sに展開及び固定されることができる。
皮下デバイス2200がクリップ2204を介して剣状突起X及び胸骨Sに固定されると、プロング2206は、ハウジング2202の第1の面2210及び底面2216から離れるように延びる。接触部2270は、ハウジング2202の底面2216及び第1の面2210から離れるように延びる。したがって、接触部2270は、心臓Hを押し下げ、プロング2206の遠位端2262の電極2272は心臓Hに接触し、心臓Hが鼓動する時に接触を維持する。プロング2206は、心臓の右心室、左心室、右心房又は左心房と接触するように成形することができる。プロング2206の全体的な所望の剛性は、スリーブ2274内の構造管2282及び構造管2284(図56A~56Fに関して説明される)を介して達成され、これは、プロング2206が心臓Hを穏やかに押し、心臓Hが鼓動する時に心臓Hと接触して上下に移動するものの、心膜組織又は心外膜組織を穿刺し又は引き裂くのに十分なほど硬くも鋭くもないことを保証する。
プロング2206は、心臓Hに対して適切に位置決めされ、心臓Hとの接触を失わないことを確実にするように成形される。皮下デバイス2200を埋め込むための外科的処置は、皮下デバイスが体内で皮下に配置されるため、より従来のペースメーカーデバイスに必要とされる外科的処置よりも、侵襲性が低い。患者の血管系内にリード線を配置する必要がなく、これにより患者に対する血栓症のリスクが低下する。
(皮下デバイス2300)
図59は、構造的身体構成要素Aに固定された皮下デバイス2300の側面図である。皮下デバイス2300は、ハウジング2302、クリップ2304、プロング2306及びプロング2306Aを含む。
皮下デバイス2300は、患者の筋肉、骨又は組織であり得る構造的身体構成要素Aに固定されるように構成された医療機器である。皮下デバイス2300は、監視デバイス、診断デバイス、治療デバイス又はそれらの任意の組み合わせであり得る。例えば、皮下デバイス2300は、患者の心拍数を監視し、患者の心臓の不整脈を診断し、患者の心臓に治療用電気刺激を与えることができるペースメーカーデバイスであり得る。皮下デバイス2300はハウジング2302を含む。皮下デバイス2300のハウジング2302は、図7に関連して説明されたように、感知回路180、コントローラ182、メモリ184、治療回路186、電極188、センサ190、トランシーバ192及び電源194、あるいは、医療機器の他の構成要素を含むことができる。
クリップ2304はハウジング2302に取り付けられる。クリップ2304は、皮下デバイス2300を構造的身体構成要素Aに固定するように構成される。クリップ2304は、ハウジング2302内で、開位置と閉位置との間を垂直に移動する。クリップ2304が開位置にあるとき、クリップ2304はハウジング2302から垂直に離れるように動かされる。クリップ2304は、構造的身体構成要素Aの周りを前進するにつれて開位置になる。クリップ2304は、アクティブなクリップである。骨、筋肉又は組織に取り付けるためにクランプ構成要素の剛性を使用することに加えて、クリップ2304は、歯及び/又はスクリューのような能動的な固定方法、及び/又は、クリップ2304を骨、筋肉又は組織に固定するための任意の他の適切な固定構造を使用する。クリップ2304は、ハウジング2302に向かって垂直に移動し、クリップ2304を開位置から閉位置に変化させる。クリップ2304は図59に、構造的身体構成要素Aの周りの閉鎖位置で示され、構造的身体構成要素Aの周りをクランプし、皮下デバイス2300を構造体構成要素Aに固定する。
プロング2306及びプロング2306Aは、皮下デバイス2300のハウジング2302に接続され、そこから離れるように延びる。図59に示される実施形態では、プロング2306Aは、プロング2306とハウジング2302との間にあるように、プロング2306の上に配置される。代替実施形態では、プロング2306Aは、図60Gに示されるように、プロング2306の隣に配置されてもよい。プロング2306及びプロング2306Aは、構造的身体構成要素Aから離れて配置された遠隔身体構成要素Bに接触するように構成される。代替実施形態では、プロング2306Aは、構造的身体構成要素A及びプロング2306が接触する遠隔身体構成要素Bから離れて配置された異なる遠隔身体構成要素Bに接触するように構成され得る。遠隔身体構成要素Bは、患者の臓器、神経又は組織であり得る。例えば、遠隔身体構成要素Bは、心臓、肺又は体内の任意の他の適切な臓器を含み得る。プロング2306及びプロング2306Aはそれぞれ、遠隔身体構成要素Bの電気的活動又は生理学的パラメータを感知することができ、及び/又は、遠隔身体構成要素Bに治療用電気刺激を与えることができる、1つの電極を含む。
一例において、皮下デバイス2300はペースメーカーであることができ、皮下デバイス2300のプロング2306及びプロング2306A上の1つの電極は、心臓の電気的活動を感知することができる。感知された電気的活動は、皮下デバイス2300のハウジング2302内の感知回路及びコントローラに伝達され得る。コントローラは患者の心拍数を決定することができ、不整脈があるかどうかを検出することができる。不整脈が検出された場合、コントローラは、心臓に治療用電気刺激を与えるために、治療回路に命令を送ることができる。このように、皮下デバイス2300は、監視デバイス、診断デバイス及び治療デバイスとして機能する。
皮下デバイス2300を、以下の図60A~61との関連で、より詳細に説明する。皮下デバイス2300は、以下の図60A~61の説明において、監視、診断及び治療のために使用され得るペースメーカーとして説明される。この実施形態では、皮下デバイス2300は単極ペースメーカーである。代替的な実施形態では、皮下デバイス2300は双極ペースメーカーであり得る。皮下デバイス2300は、また、監視デバイス、診断デバイス、埋め込み型除細動器、一般的な臓器/神経/組織刺激器、及び/又は、薬剤送達デバイスであり得る。
図60Aは、皮下デバイス2300の斜視図である。図60Bは、皮下デバイス2300の側面図である。図60Cは、皮下デバイス2300の上面図である。図60Dは、皮下デバイス2300の底面図である。図60Eは、皮下デバイス2300の後面図である。図60Fは、皮下デバイス2300の正面図である。図60Gは、皮下デバイス2300の斜視図であり、並んで配置されたプロング2306及び2306Aを示している。皮下デバイス2300は、ハウジング2302、クリップ2304、プロング2306及びプロング2306Aを含む。ハウジング2302は、第1の面2310、第2の面2312、上面2314、底面2316、前端2318、後端2320、ハウジングラッチ2322及びガイド2330を含む。クリップ2304は、上部2340、底部2342及び歯2344を含む。プロング2306は、近位端2360、遠位端2362、ベース部2364、アーム部2368、接触部2370、電極2372、スリーブ2374(上部2376及び下部2378を含む)、リード線2380、構造管2382及び構造管2384を含む。プロング2306Aは、近位端2360A、遠位端2362A、ベース部2364A、アーム部2368A、接触部2370A、電極2372A、スリーブ2374A(上部2376A及び下部2378Aを含む)、リード線2380A、構造管2382A及び構造管2384Aを含む。
皮下デバイス2300は、図59を参照して説明したように、ハウジング2302、クリップ2304、プロング2306及びプロング2306Aを含む。ハウジング2302は、ステンレス鋼、チタン、ニチノール、エポキシ、シリコーン、金属補強材を有するポリウレタン、又は、非多孔インプラントに適した任意の他の材料から製作され得る。ハウジング2302はまた、外部コーティングを含むことができる。クリップ2304は、ステンレス鋼、チタン、ニチノール、エポキシ、シリコーン、金属補強材を有するポリウレタン、又は、非多孔インプラントに適した任意の他の材料から製作され得る。プロング2306及びプロング2306Aは、ニチノールとしても知られているニッケルチタンから製作することができる。ニチノールは超弾性を有する形状記憶合金であり、皮下デバイス2300が患者に埋め込まれる際にプロング2306及び/又はプロング2306Aが変形した場合、プロング2306及びプロング2306Aがそれらの元の形状及び位置に戻ることを可能とする。プロング2306及びプロング2306Aはまた、シリコーン、ポリウレタン、ステンレス鋼、チタン、エポキシ、金属補強材を有するポリウレタン、又は、非多孔インプラントに適した任意の他の材料から製作され得る。一例として、プロング2306は、ポリウレタン及びシリコーンから成り、バネ剛性を付与するために金属で補強された複合材料から製作することができる。
ハウジング2302は、第1の面2310、第2の面2312、上面2314、底面2316、前端2318、後端2320、ハウジングラッチ2322及びガイド2330を含む。第1の面2310は、第2の面2312の反対側である。上面2314は、ハウジング2302の底である底面2316の反対側にあるハウジング2302の上部である。ハウジング2302の底面2316は(図59~60Fに示されるように)プロング2306Aを受容するチャネルを形成するように成形されてもよく、又は、プロング2306Aはラッチを用いてハウジング2302の底面2316に取り付けられてもよい。プロング2306及び2306Aはまた、並んで配置され、ラッチ(図60Gに示されるように)を用いて又はチャネル内で、ハウジング2302の底面2316に取り付けられてもよい。前端2318は、後端2320の反対側である。ハウジング2302は、図示された実施形態では実質的に長方形である。代替の実施形態において、ハウジング2302は円錐、錐台又は円筒として成形され得る。ハウジング2302は、ステンレス鋼、チタン、ニチノール、エポキシ、シリコーン、金属補強材を有するポリウレタン、又は、非多孔インプラントに適した任意の他の材料から製作され得る。ハウジング2302はまた、外部コーティングを含むことができる。
ハウジングラッチ2322は、ハウジング2302の後端2320に接続される。ハウジングラッチ2322は、ハウジングの後端2320に沿って延びる上部と、ハウジング2320の底面2316に沿って延びる底部とを有する。ハウジングラッチ2322の上部は、クリップ2304と係合するように構成される。ハウジングラッチ2322の底部は、プロング2306、いくつかの実施形態ではプロング2306Aを受容するように湾曲している。例えば、ハウジングラッチ2322は、図60Gに示されるように、プロング2306及びプロング2306Aが並んで配置されるとき、プロング2306及びプロング2306Aを受容してもよい。したがって、ハウジングラッチ2322は、ハウジングの後端2320に沿ってクリップ2304と係合し、ハウジング2302の底面2316に沿ってプロング2306と、時にはプロング2306Aと、係合する。ハウジングラッチ2322は、プロング2306及び2306Aをハウジング2302の底面2216に取り付けるように構成される。ガイド2330は、ハウジング2302の後端2320及び第1の面2310に接続されるL字形ロッドである。この実施形態では、ガイド2330は、ハウジング2302の底面2316よりも上面2314に近い。ガイド2330は、皮下デバイス2300を患者に埋め込むために使用される外科用器具を介して皮下デバイス2300のハウジング2302を案内するように構成される。
クリップ2304は、上部2340、底部2342及び歯2344を含む。上部2340は、底部2342に接続される。上部2340は、クリップ2304の上部を形成し、ハウジング2302の上面2314を横切って延びるクリップ2304の平坦部である。底部2342はクリップ2304の底部を形成し、ハウジング2302の後端2320に沿って延びる平坦な部分である。クリップ2304の底部2342は、ハウジング2302に取り付けられ、ハウジングラッチ2322と嵌合するように構成される。クリップ2304の底部2342は、ハウジングラッチ2322の上部のスロットと係合するように構成された後端から延びるピンを有する。したがって、クリップ2304は、ハウジングラッチ2322を介してハウジング2302に接続される。歯2344は、クリップ2304の上部2340から延びる。歯2344は、上部2340の中央部に接続された第1の端部と、ハウジング2302の上部2340から上面2314に向かって延びる第2の端部とを有する。歯2344は、湾曲しており、異なる方向に延びる。歯2344は薄く、金属又は任意の他の適切な材料から作製され得る。この実施形態では、クリップ2304は4つの歯2344を有する。代替実施形態では、クリップ2304が任意の数の歯2344を有することができる。更に、代替実施形態では、歯2344と共に又はその代わりに、任意の他の適切な固定構造又は能動的な固定方法が用いられ得る。歯2344は構造的身体構成要素Aを貫いてそれに固定するように構成される。
クリップ2304がハウジング2302の後端2320に接続されると、クリップ2304の上部2340は、ハウジング2302の上面2314に沿って延びる。この実施形態では、クリップ2304の上部2340は、後端2320から前端2318までハウジング2302の長さに対してある角度で延びる。代替実施形態では、クリップ2304の上部2340がハウジング2302の長さに対して任意の角度で延びてもよい。
開口が、クリップ2304の上部2340とハウジング2302の上面2314との間に形成される。クリップ2304は、開口の高さを変変化させるために、開位置と閉位置との間で移動可能である。クリップ2304が開位置にあるとき、開口は拡張され、皮下デバイス2300は、開口が筋肉、骨又は組織の周りに配置されるように患者に挿入される。皮下デバイス2300が筋肉、骨又は組織の上に位置決めされた後、クリップ2304は閉位置に移動される。クリップ2304が閉位置にあるとき、開口は縮小される。クリップ2304及びハウジングラッチ2322の底部2342は、開位置および閉位置にクリップ2304を移動させるためのラチェット機構を形成する。クリップ2304の上部2340は、ハウジング2302の上面2314に向かって、筋肉、骨又は組織上に押し下げられる。歯2344は、クリップ2304を筋肉、骨又は組織に固定する、筋肉、骨又は組織に付着する。歯2344は、クリップ2304の底部2342とハウジングラッチ2322との係合からの圧力に応答して、筋肉、骨又は組織を貫く。歯2344は、筋肉、骨又は組織の周りに曲がって戻り、更にクリップ2304及び皮下デバイス2300を筋肉、骨又は組織に固定するように、ハウジングの上面2314に接触してもよい。歯2344はまた、皮下デバイス2300が構造的身体構成要素Aから容易に取り外し可能であるように、筋肉、骨又は組織から取り外し可能である。
プロング2306は、近位端2360と、近位端2360の反対側の遠位端2362とを含む。プロング2306は、ベース部2364、アーム部2368及び接触部2370を含む。ベース部2364の第1の端部はプロング2306の近位端2360と整列され、ベース部2364の第2の端部はアーム部2368の第1の端部に接続される。ベース部2364は、プロング2306Aがプロング2306の上方に配置されるとき、ハウジング2302の底面2316に対して配置され、プロング2306Aの底部に沿って延びる、直線状の平坦な部分である。ベース部2364はハウジング2302に取り付けられる。ハウジングラッチ2322は、プロング2306のベース部2364をハウジング2302に固定するために、プロング2306のベース部2364の周りを延びる。ベース部2364は、ハウジングラッチ2322を通って延びる。したがって、プロング2306の近位端2360は、ハウジング2302に取り付けられる。プロング2306のベース部2364は、例えばプロング2306も接続されるフィードスルーを用いて、ハウジング2302の内部構成要素に電気的に接続される。
アーム部2368の第1の端部はベース部2364の第2の端部に接続され、アーム部2368の第2の端部は接触部2370の第1の端部に接続される。したがって、アーム部2368は、アーム部2368の対向する端部あるいは第1の端部及び第2の端部を含み、ハウジング2302の水平平面に対して垂直な第1の平面を、当該第1の平面が、ハウジング1902を前端1918から後端1920まで長手方向に二分し、上面1914及び底面1916に対して垂直な垂直平面であるように画定するよう、ベース部2364から延びる。アーム部2368も、接触部2370がハウジング2302の前端2318から外向きに配置されるよう、ハウジング2302の前端2318を通過して延びる。この実施形態では、アーム部2368は、平面状で、ベース部2364と位置合わせされる、主に直線状の部分である。アーム部2368の第1の端部は、プロング2306のためのスプリングとして作用し、テンション下にある。アーム部2368はテンションアームとして作用し、アーム部2368の第1の端部からの力は、アーム部2368の第2の端部に伝えられこれを押し下げる。代替実施形態では、プロング2306のアーム部2368は、ハウジング2302から任意の方向に延びることができる。
接触部2370の第1の端部はアーム部2368の第2の端部に接続され、接触部2370の第2の端部はプロング2306の遠位端2362と整列される。したがって、アーム部2368は、ベース部2364と接触部2370との間にある。アーム部2368は、接触部2370がハウジング2302の前端2318を越えて配置されるよう、ハウジング2302の前端2318を越えて延びる。接触部2370は、プロング2306の遠位端2362が遠隔身体構成要素B(図59に示される)に接触するように配置され得る。接触部2370は、ハウジング2302及びアーム部2368に対して角度を付けられている。接触部2370は、アーム部2368及びハウジング2302に対して画定された第1の平面から離れるように角度を付けられている。この実施形態では、接触部2370は、ハウジング2302の底面2316から離れるように角度を付けられている。接触部2370はまた、ハウジング2302の第1の面2310から離れるように湾曲しているか又は角度を付けられている。接触部2370は、ハウジング2302の底面2316から離れるように延びると共に、ハウジング2302の第1の側面2310から離れるように延び、それにより、プロング2306の遠位端2362は、ハウジング2302及びアーム部2368の下にかつそれから離れるように配置される。代替実施形態では、接触部2370は、構造的身体構成要素Aに対する遠隔身体構成要素Bの位置に応じて、ハウジングの底面2316に対して任意の方向に、並びに、ハウジング2302の第1の面2310及び第2の面2312に対して任意の方向に、角度付けられていてもよい。接触部2370は、遠隔身体構成要素Bに向かって角度付けられている。例えば、遠隔身体構成要素Bが肺又は腎臓であるとき、接触部2370は肺又は腎臓に向かって角度が付けられる。この実施形態では、接触部2370の第1の部分がハウジング2302及びアーム部2368の底面2316から約90度の角度を付けられており、接触部2370の第2の部分はハウジング2302及びアーム部2368の第1の面2310から約90度の角度を付けられている。接触部2370は、アーム部2368及びハウジング2302に対して画定された第1の垂直平面から約45度~約60度の角度が付けられて得る。
プロング2306は、更に、電極2372を含む。電極2372は、突起2306の遠位端2362にある。したがって、電極2372は、接触部2370の第2の端部を構成する。電極2372は丸みを帯びた端部を有し、図51A及び51Bを参照して説明した電極1972Aと同じ形状を有する。代替実施形態では、電極2372が、電極1972、1972B及び1972Cの形状のいずれかなど、任意の適切な形状を有し得る。プロング2306は、図60A~60Fに示す実施形態においては、単一の電極2372を有する。プロング2306は、代替の実施形態において、任意の数の電極を有することができる。電極2372は、遠隔身体構成要素Bの電気的活動又は生理学的パラメータを感知するためにプロング2306の遠位端2362に配置されている。電極2372は、遠隔身体構成要素Bに治療用電気刺激を与えることもできる。
スリーブ2374は、プロング2306の中空の外側部分である。スリーブ2374は、プロング2360の近位端2360から接触部2370まで延びる。スリーブ2374の第1の端部は、プロング2306の近位端2360と位置合わせされる。スリーブ2374は、ベース部2364、アーム部2368及び接触部2370の第1の部分に沿って延びる。スリーブ2374の第2の端部は、接触部2370内にある。したがって、スリーブ2374は、ベース部2364の外側部分、アーム部2368及び接触部2370の第1の部分を構成する。スリーブ2374は、下部2378の反対側に上部2376を有する。上部2376及び下部2378は、スリーブ2374が平坦な又は概ね矩形の断面を有するように、平坦又は平面状である。したがって、プロング2306の大部分は、平坦な又は概ね矩形の断面を有する。
リード線2380は、スリーブ2374を通って、上部2376と下部2378との間で、プロング2306の近位端2360から接触部2370まで延びる。リード線2380は、スリーブ2374の第2の端部を越えて延びる。リード線2380の第1の端部は、プロング2306の近位端2360と位置合わせされる。リード線2380は、ベース部2364、アーム部2368及び接触部2370に沿って延びる。リード線2380の第2の端部は、電極2372に連結される。したがって、プロング2306の接触部2370は、スリーブ2374、リード線2380及び電極2372から構成される。リード線2380は、スリーブ2374と同じ全体形状及び角度を有し、スリーブ2374の第2の端部を越えて延びる。リード線2380は、スリーブ2374の第2の端部及びハウジング2302の第1の面2310から離れて延びる。この実施形態では、リード線2380は、スリーブ2374の第2の端部から約90度離れて延びる。したがって、この実施形態では、リード線2380がスリーブ2374と共にハウジング2302の底面2316から離れるように角度が付けられ、スリーブ2374を越えてハウジング2302の第1の面2310から離れるように湾曲又は角度が付けられる。
構造管2382及び2384は図40A~40Eに示されるように、構造管1982及び1984のように構成され得る。構造管2382及び2384は、スリーブ2374を通って、上部2376と下部2378との間で、リード線2380に沿って延びる。構造管2382及び2384は、プロング2360の近位端2360からアーム部2368の第2の端部まで延びる。構造管2382及び2384の第1の端部は、プロング2306の近位端2360と位置合わせされる。構造管2382及び2384は、ベース部2364及びアーム部2368に沿って延びる。構造管2382及び2384の第2の端部は、アーム部2368の第2の端部と位置合わせされる。代替実施形態では、構造管2382及び2384が、それらの第2の端部がスリーブ2374の第2の端部と位置合わせされるように、接触部2370内にスリーブ2374の第2の端部まで延びてもよい。構造管2382及び2384は、ベース部2364及びアーム部2368と同じ全体形状を有する。したがって、この実施形態では、構造管2382及び2384は平面状である。
リード線2380が、その両側に構造管2382及び2384を有するように、第1の構造管2382はリード線2380の第1の側にあり、第2の構造管2384はリード線2380の第2の側にある。代替実施形態では、プロング2306が、その所望の剛性に基づいて、任意の数の構造管2382及び2384を含むことができる。構造管2382及び2384は、中空又は中実であり得る。構造管2382及び2384は、任意の適切なサイズであり得る。例えば、構造管2382及び2384は互いに同じ直径を有することができ、リード線2380と同じ直径を有することができ、又は、リード線2380よりも小さい直径を有することができる。構造管2382及び2384は、プロング2306の所望の剛性に基づいて任意の適切な厚さを有することができる。構造管2382及び2384は、金属、ポリウレタン、シリコーン、任意の適切なプラスチック、金属とプラスチックとの組み合わせ、又は、任意の他の適切な材料から作製され得る。構造管2382及び2384は、皮下デバイス2300がMRI適合性であることを可能にする金属の量に制限される。代替実施形態では、プロング2306が、任意の数の構造管2382及び2384を含むことができる。構造管2382及び2384のサイズ、形状及び材料は、プロング2306の所望の剛性に基づいて選択することができる。例えば、プロング2306は、当該プロング2306をより平坦にし、その剛性を増大させるために、5つ、7つ又は任意の他の適切な数の構造管2382及び2384を含むことができる。
プロング2306Aは、近位端2360Aと、近位端2360Aの反対側の遠位端2362Aとを含む。プロング2306Aは、ベース部2364A、アーム部2368A及び接触部2370Aを含む。ベース部2364Aの第1の端部はプロング2306Aの近位端2360Aと整列され、ベース部2364Aの第2の端部はアーム部2368Aの第1の端部に接続される。ベース部2364Aは、プロング2306Aがプロング2306の上方に配置されるとき、ハウジング2302Aの底面2316Aに対して配置され、プロング2306Aの底部2364に沿って延びる、直線状の平坦な部分である。ベース部2364Aはハウジング2302に取り付けられる。ハウジングラッチ2322Aは、プロング2306及びプロング2306Aが(図60Gに示されるように)並んで配置されるときなど、プロング2306Aのベース部2364Aをハウジング2302Aに固定するために、プロング2306Aのベース部2364Aの周りに延びてもよい。したがって、ベース部2364Aはハウジングラッチ2322Aを通って延び、プロング2306Aの近位端2360Aは、ハウジング2302Aに取り付けられる。プロング2306Aのベース部2364Aは、例えばプロング2306Aも接続されるフィードスルーを用いて、ハウジング2302Aの内部構成要素に電気的に接続される。
アーム部2368Aの第1の端部は、ベース部2364Aの第2の端部に接続され、アーム部2368Aの第2の端部は、接触部2370Aの第1の端部に接続される。したがって、アーム部2368Aは、アーム部2368Aの対向する端部あるいは第1の端部及び第2の端部を含み、ハウジング2302の水平平面に対して垂直な第2の平面を、当該第2の平面が、ハウジング2302を前端2318から後端2320まで長手方向に二分し、上面2314及び底面2316に対して垂直な垂直平面であるように画定するよう、ベース部2364Aから延びる。アーム部2368Aも、接触部2370Aがハウジング2302Aの前端2318Aから外向きに配置されるよう、ハウジング2302Aの前端2318Aを通過して延びる。アーム部2368Aは、プロング2306のアーム部2368を越えて延びる。この実施形態では、アーム部2368Aは、平面状で、ベース部2364Aと位置合わせされる、主に直線状の部分である。アーム部2368Aの第1の端部は、プロング2306Aのためのスプリングとして作用し、テンション下にある。アーム部2368Aはテンションアームとして作用し、アーム部2368Aの第1の端部からの力は、アーム部2368Aの第2の端部に伝えられこれを押し下げる。代替実施形態では、プロング2306Aのアーム部2368Aは、ハウジング2302Aから任意の方向に延びることができる。
接触部2370Aの第1の端部はアーム部2368Aの第2の端部に接続され、接触部2370Aの第2の端部はプロング2306Aの遠位端2362Aと整列される。したがって、アーム部2368Aは、ベース部2364Aと接触部2370Aとの間にある。アーム部2368Aは、接触部2370Aがハウジング2302Aの前端2318Aを越えて配置されるよう、ハウジング2302Aの前端2318Aを越えて延びる。更に、アーム部2368Aは、接触部2370Aがプロング2306の接触部2370を越えて延びるように、プロング2306のアーム部2368を越えて延びる。接触部2370Aは、プロング2306Aの遠位端2362Aが遠隔身体構成要素B(図59に示される)に接触するように配置され得る。接触部2370Aは、ハウジング2302A及びアーム部2368Aに対して角度を付けられている。接触部2370Aは、アーム部2368A及びハウジング2302に対して画定された第2の平面から離れるように角度を付けられている。この実施形態では、接触部2370Aは、ハウジング2302Aの底面2316Aから離れるように角度を付けられている。接触部2370Aはまた、ハウジング2302Aの第1の面2310Aから離れるように湾曲しているか又は角度を付けられている。接触部2370Aは、ハウジング2302Aの底面2316Aから離れるように延びると共に、ハウジング2302Aの第1の側面2310Aから離れるように延び、それにより、プロング2306Aの遠位端2362Aは、ハウジング2302及びアーム部2368Aの下にかつそれから離れるように配置される。代替実施形態では、接触部2370Aは、構造的身体構成要素Aに対する遠隔身体構成要素Bの位置に応じて、ハウジングの底面2316Aに対して任意の方向に、並びに、ハウジング2302Aの第1の面2310A及び第2の面2312Aに対して任意の方向に、角度付けられていてもよい。接触部2370Aは、遠隔身体構成要素Bに向かって角度付けられている。例えば、遠隔身体構成要素Bが肺又は腎臓であるとき、接触部2370Aは肺又は腎臓に向かって角度が付けられる。この実施形態では、接触部2370Aの第1の部分がハウジング2302A及びアーム部2368Aの底面2316Aから約90度の角度を付けられており、接触部2370Aの第2の部分はハウジング2302A及びアーム部2368Aの第1の面2310Aから約90度の角度を付けられている。接触部2370Aは、アーム部2368A及びハウジング2302に対して画定された第1の垂直平面から約45度~約60度の角度が付けられて得る。
プロング2306Aは、更に、電極2372Aを含む。電極2372Aは、突起2306Aの遠位端2362Aにある。したがって、電極2372Aは、接触部2370Aの第2の端部を構成する。電極2372Aは丸みを帯びた端部を有し、図51A及び51Bを参照して説明した電極1972Aと同じ形状を有する。代替実施形態では、電極2372Aが、電極1972、1972B及び1972Cの形状のいずれかなど、任意の適切な形状を有し得る。プロング2306Aは、図60A~60Fに示す実施形態においては、単一の電極2372Aを有する。プロング2306Aは、代替の実施形態において、任意の数の電極を有することができる。電極2372Aは、遠隔身体構成要素Bの電気的活動又は生理学的パラメータを感知するためにプロング2306Aの遠位端2362Aに配置されている。電極2372Aは、遠隔身体構成要素Bに治療用電気刺激を与えることもできる。
スリーブ2374Aは、プロング2306Aの中空の外側部分である。スリーブ2374Aは、プロング2360Aの近位端2360Aから接触部2370Aまで延びる。スリーブ2374Aの第1の端部は、プロング2306Aの近位端2360Aと位置合わせされる。スリーブ2374Aは、ベース部2364A、アーム部2368A及び接触部2370Aの第1の部分に沿って延びる。スリーブ2374Aの第2の端部は、接触部2370A内にある。したがって、スリーブ2374Aは、ベース部2364Aの外側部分、アーム部2368A及び接触部2370Aの第1の部分を構成する。スリーブ2374Aは、下部2378Aの反対側に上部2376Aを有する。上部2376A及び下部2378Aは、スリーブ2374Aが平坦な又は概ね矩形の断面を有するように、平坦又は平面状である。したがって、プロング2306Aの大部分は、平坦な又は概ね矩形の断面を有する。プロング2306Aのスリーブ2374Aの下部2378Aは、プロング2306のスリーブ2374の上部2376に隣接する。
リード線2380Aは、スリーブ2374Aを通って、上部2376Aと下部2378Aとの間で、プロング2306Aの近位端2360Aから接触部2370Aまで延びる。リード線2380Aは、スリーブ2374Aの第2の端部を越えて延びる。リード線2380Aの第1の端部は、プロング2306Aの近位端2360Aと位置合わせされる。リード線2380Aは、ベース部2364A、アーム部2368A及び接触部2370Aに沿って延びる。リード線2380Aの第2の端部は、電極2372Aに連結される。したがって、プロング2306Aの接触部2370Aは、スリーブ2374A、リード線2380A及び電極2372Aから構成される。リード線2380Aは、スリーブ2374Aと同じ全体形状及び角度を有し、スリーブ2374Aの第2の端部を越えて延びる。リード線2380Aは、スリーブ2374Aの第2の端部及びハウジング2302Aの第1の面2310Aから離れて延びる。この実施形態では、リード線2380Aは、スリーブ2374Aの第2の端部から約90度離れて延びる。したがって、この実施形態では、リード線2380Aがスリーブ2374Aと共にハウジング2302Aの底面2316Aから離れるように角度が付けられ、スリーブ2374Aを越えてハウジング2302Aの第1の面2310Aから離れるように湾曲又は角度が付けられる。
構造管2382A及び2384Aは図49A~49Eに示されるように、構造管1982及び1984のように構成され得る。構造管2382A及び2384Aは、スリーブ2374Aを通って、上部2376Aと下部2378Aとの間で、リード線2380Aに沿って延びる。構造管2382A及び2384Aは、プロング2360Aの近位端2360Aからアーム部2368Aの第2の端部まで延びる。構造管2382A及び2384Aの第1の端部は、プロング2306Aの近位端2360Aと位置合わせされる。構造管2382A及び2384Aは、ベース部2364A及びアーム部2368Aに沿って延びる。構造管2382A及び2384Aの第2の端部は、アーム部2368Aの第2の端部と位置合わせされる。代替実施形態では、構造管2382A及び2384Aが、それらの第2の端部がスリーブ2374Aの第2の端部と位置合わせされるように、接触部2370A内にスリーブ2374Aの第2の端部まで延びてもよい。構造管2382A及び2384Aは、ベース部2364A及びアーム部2368Aと同じ全体形状を有する。したがって、この実施形態では、構造管2382A及び2384Aは平面状である。
リード線2380Aが、その両側に構造管2382A及び2384Aを有するように、第1の構造管2382Aはリード線2380Aの第1の側にあり、第2の構造管2384Aはリード線2380Aの第2の側にある。代替実施形態では、プロング2306Aが、その所望の剛性に基づいて、任意の数の構造管2382A及び2384Aを含むことができる。構造管2382A及び2384Aは、中空又は中実であり得る。構造管2382A及び2384Aは、任意の適切なサイズであり得る。例えば、構造管2382A及び2384Aは互いに同じ直径を有することができ、リード線2380Aと同じ直径を有することができ、又は、リード線2380Aよりも小さい直径を有することができる。構造管2382A及び2384Aは、プロング2306Aの所望の剛性に基づいて任意の適切な厚さを有することができる。構造管2382A及び2384Aは、金属、ポリウレタン、シリコーン、任意の適切なプラスチック、金属とプラスチックとの組み合わせ、又は、任意の他の適切な材料から作製され得る。構造管2382A及び2384Aは、皮下デバイス2300がMRI適合性であることを可能にする金属の量に制限される。代替実施形態では、プロング2306Aが、任意の数の構造管2382A及び2384Aを含むことができる。構造管2382A及び2384Aのサイズ、形状及び材料は、プロング2306Aの所望の剛性に基づいて選択することができる。例えば、プロング2306Aは、当該プロング2306Aをより平坦にし、その剛性を増大させるために、5つ、7つ又は任意の他の適切な数の構造管2382A及び2384Aを含むことができる。
プロング2306及び2306Aは、電極2372及び2372Aのそれぞれと遠隔身体構成要素Bとの接触を改善するために、ハウジング2302に対して角度が付けられている。プロング2306及び2306Aは、接触部2370及び2370Aが心臓のような遠隔身体構成要素Bに対して押し下げるように角度が付けられている。接触部2370Aは接触部2370を越えて延びるので、電極2372Aは電極2372を越えて配置される。プロング2306の遠位端2362における電極2372及びプロング2306Aの遠位端2362Aにおける電極2372Aは、心臓及び異なる位置に接触し、心臓組織に埋没する。更に、プロング2306及び2306Aは、心臓に向かって下向きに角度を付けられているので、プロング2306及び2306Aは、その剛性を増加させることなく、心臓が拍動して上下に移動するときに、心臓に圧力を加える。その結果、電極2372及び2372Aは、電極2372及び2372Aを心臓に固定することなく、心臓との接触を維持する。例えば、プロング2306及び2306Aは、機能性を低下させる断続的な接触を引き起こし得る、心臓が鼓動するにつれて心臓から跳ね返ることが防止される。電極2372がプロング2306上にあり、電極2372Aが別個のプロング2306A上にあるので、電極2372及び2372Aが配置される心臓の異なる位置が、異なる方向又は異なる速度などで非同期的に動いても、電極2372及び2372Aはいずれも心臓との接触を維持する。更に、接触部2370及び2370Aは、皮下デバイス2300が患者の剣状突起及び/又は胸骨に取り付けられるとき、プロング2306及び2360Aのそれぞれの遠位端2362及び2362Aが心臓上に配置されることを確実にするために、ハウジング2302の底部2316及び第1の面2310から離れるように角度を付けられている。したがって、皮下デバイス2300は、心臓カテーテル検査室を必要とすることなく、患者に挿入され、展開され得る。したがって、デバイスを挿入するための処置は簡単であり、局所麻酔のみを必要とし、これは、救急車内のような様々な環境で実施され得ることを意味する。
プロング2306及び2306Aのアーム部2368及び2368Aは、プロング2306及び2306Aがひとたび体内に配置されると可撓性を有することを可能とする。アーム部2368及び2368Aのそれぞれの回転の中心は、ベース部2364及び2364Aのそれぞれの第2の端部に接続されたアーム部2368及び2368Aのそれぞれの第1の端部に隣接し、ハウジング2302の前端2318から近位端2306及び2306Aまで、又は、プロング2306及び2306Aがハウジングラッチ2322によってハウジング2302の底面2316に固定される場所までよりも、わずかに近位端部2360及び2360Aに近い。例えば、遠隔身体構成要素Bが患者の心臓であり、プロング2306の接触部2370及びプロング2306Aの接触部2370Aが心臓に対して配置される場合、プロング2306及び2306Aのそれぞれのアーム部2368及び2368Aは、心臓が拍動するにつれて、プロング2306及び2306Aが心臓と共に上下に移動することを可能とする。更に、プロング2306は、電極2372及び電極2372Aの両方が心臓との接触を維持するように、プロング2306Aとは別個に移動することができる。これは、プロング2306A及び2360のそれぞれの接触部2370及び2370Aが心臓との接触を維持する一方で、プロング2306及び2360が心臓を穿刺又は損傷しないことを保障する。この実施形態では、プロング2306及び2306Aのそれぞれの遠位端2362及び2362Aにおける電極2372及び2372Aが、プロング2306及び2360Aのそれぞれの接触部2370及び2370Aが心臓と接触しているときに、プロング2306及び2306Aが心臓を穿刺又は損傷することを更に防止するために、丸みを帯びた端部を有する。プロング2306及び2306Aの全体的な軸方向の剛性は、プロング2306及び2306Aが心臓を穏やかに押し、心臓が拍動するにつれて心臓と接触して、時には別個に、上下に移動するものの、心膜組織又は心外膜組織を穿刺し又は引き裂くのに十分なほど硬くも鋭くもないように、調整することができる。例えば、プロング2306及び2306Aの全体的な軸方向の剛性は、プロング2306及び2306Aの材料、プロング2306及び2306Aのバネ付勢又は機械的な抵抗、プロング2306及び2306Aの断面厚さ、遠隔身体構成要素B上のプロング2306及び2306Aの入射角、プロング2306及び2306Aが遠隔身体構成要素Bに接触するプロング2306及び2306Aの外側プロファイル、及び/又は、プロング2306及び2306Aの任意の他の適切な特性を調整することによって、調整され得る。
平面状の上部2376及び2376A並びに平面状の下部2378及び2378Aによって形成されたスリーブ2374及び2372Aの平坦な又は矩形の断面は、プロング2306及び2306Aのそれぞれに剛性を提供し、これは、プロング2306及び2306Aの面内曲げに対する耐性を増大させる。スリーブ2374及び2374Aはまた、リード線2380及び2380Aがそれぞれ構造管2382及び2382A並びに構造管2384及び2384Aによって囲まれるための空間を提供する。構造管2382、2382A、2384及び2384Aはまた、プロング2306及び2306Aに所望の構造剛性を提供する。結果として、プロング2306及び2306Aは、心臓に対する位置決めを維持するために、面内曲げ又は任意の方向の曲げに抵抗し、これは、電極2372及び2372Aが蛍光透視法又は他の可視化ツールを必要とすることなく、心臓との接触を維持することを保障する。代替の実施形態では、プロング2306及び2306Aが、構造管2282、2284、2282A及び2284Aと共に又はその代わりに、剛性を提供するために、ニチノールのような形状記憶材料で作製された、予め成形されたスパインを含んでもよい。これらの実施形態では、プロング2306及び2306Aが、例えば図59に示される形状、又は、他の適切な形状若しくは構成を有することができる。
皮下デバイス2300は、本明細書では2つのプロング2306及び2306Aを有するものとして記載される。したがって、電極2372及び2372Aは、心臓のような遠隔身体構成要素の異なる位置又は異なる遠隔身体構成要素に接触することができる。代替の実施形態では、皮下デバイス2300は、任意の形状を有するプロング2306及び2306Aを含むことができる。例えば、皮下デバイス2300は、図1~37を参照して示され説明された任意のプロングを含むことができる。接触部2370及び2370Aは、ハウジング2302の底面2316、第1の面2310及び第2の面2312に対して任意の角度を有することができる。
皮下デバイス2300は、ペースメーカーとして機能することができる。プロング2306及び2306Aは、プロング2306の接触部2370及びプロング2306Aの接触部2370Aが心臓の右心室、左心室、右心房及び左心房のうちの1つ又はそれらの組み合わせに接触するように成形され得る。皮下デバイス2300は、プロング2306上の電極2372及びプロング2306A上の電極2372Aを利用して、双極ペースメーカーとして機能することができる。
図61は、剣状突起X及び胸骨S上に位置する皮下デバイス2300の斜視図であり、心臓H上におけるプロング2306及び2306Aの位置を示している。皮下デバイス2300は、ハウジング2302、クリップ2304、プロング2306及びプロング2306Aを含む。ハウジング2302は、第1の面2310と、底面2316とを含む。プロング2306は、遠位端2362、アーム部2368、接触部2370、電極2372及びスリーブ2374を含む。プロング2306Aは、遠位端2362A、アーム部2368A、接触部2370A、電極2372A及びスリーブ2374Aを含む。図61も、剣状突起X、胸骨S及び心臓Hを示す。
皮下デバイス2300は、図59-60Fを参照して説明したように、ハウジング2302、クリップ2304、プロング2306及びプロング2306Aを含む。図61に示される実施形態では、皮下デバイス2300が、図1~9Cに関して説明された皮下デバイス100のように、心臓モニタリング、診断及び/又は治療に使用されるペースメーカーであるように構成される。図61に示される実施形態において、皮下デバイス2300は、患者の剣状突起X及び胸骨Sに固定され得る。皮下デバイス2300は、皮下デバイス2300が外科用器具を用いて剣状突起X及び胸骨S上に注入される単純な手順で、埋め込むことができる。例えば、皮下デバイス2300は、代理人整理番号C729-012017を有する、2020年11月25日に出願された「皮下デバイスのための外科用器具」という名称の米国特許出願第17/105,457号(その開示は、その全体が参照により組み込まれる)に記載されているような外科用器具及び方法を使用して、剣状突起X及び/又は胸骨Sに展開及び固定されることができる。
皮下デバイス2300がクリップ2304を介して剣状突起X及び胸骨Sに固定されると、プロング2306及び2306Aは、ハウジング2302の第1の面2310及び底面2316から離れるように延びる。接触部2370及び2370Aは、ハウジング2302の底面2316及び第1の面2310から離れるように延びる。したがって、接触部2370及び2370Aは、心臓Hを押し下げる。プロング2306の遠位端2362の電極2372及びプロング2306Aの遠位端2362Aの電極2372Aは心臓Hに接触し、心臓Hが鼓動する時に接触を維持する。具体的には、プロング2306の遠位端2362の電極2372は、右心室の心膜のような第1の位置で心臓Hに接触し、プロング2306Aの遠位端2362Aの電極2372Aは、左心室の心膜層のような第2の位置で心臓Hに接触する。プロング2306及び2306Aは、心臓の右心室、左心室、右心房又は左心房と接触するように成形することができる。プロング2306のアーム部2368が、プロング2306Aのアーム部2368Aとは別々に移動して、電極2372及び2372Aがたとえ心臓Hの第1の位置及び第2の位置が非同期的に移動していても、それぞれ心臓Hとの接触を維持することを可能にするように、プロング2306及び2306Aは別個である。プロング2306及び2306Aの全体的な所望の剛性は、スリーブ2374及び2374内の構造管2382及び2382A並びに構造管2384及び2384A(図60A~60Fに関して説明される)を介して達成され、これは、プロング2306及び2306Aが心臓Hを穏やかに押し、心臓Hが鼓動する時に心臓Hと接触して上下に移動するものの、心膜組織又は心外膜組織を穿刺し又は引き裂くのに十分なほど硬くも鋭くもないことを保証する。
プロング2306及び2306Aは、心臓Hに対して適切に位置決めされ、心臓Hとの接触を失わないことを確実にするように成形される。皮下デバイス2300を埋め込むための外科的処置は、皮下デバイスが体内で皮下に配置されるため、より従来のペースメーカーデバイスに必要とされる外科的処置よりも、侵襲性が低い。患者の血管系内にリード線を配置する必要がなく、これにより患者に対する血栓症のリスクが低下する。
(皮下デバイス2400)
図62は、構造的身体構成要素Aに固定された皮下デバイス2400の側面図である。皮下デバイス2400は、本体2402、クリップ2404及びプロング2406を含む。図62は、更に、構造的身体構成要素A及び遠隔身体構成要素Bを示す。
皮下デバイス2400は、患者の筋肉、骨又は組織であり得る構造的身体構成要素Aに固定されるように構成された医療機器である。皮下デバイス2400は、監視デバイス、診断デバイス、治療デバイス又はそれらの任意の組み合わせであり得る。皮下デバイス2400は、当該皮下デバイス2400の一部を形成しない遠隔デバイスに接続され、それに電気的に結合され、それと連携して動作することができる。例えば、皮下デバイス2400は、図1~9C、20~61に示される皮下デバイス100、400、500、600、700、800、900、1000、1100、1200、1300、1400、1500、1600、1700、1800、1900,2200及び2300のいずれかなど、別の皮下デバイスに接続され、それと連携して動作することができる。例示的な一実施形態では、皮下デバイス2400は、患者の心拍数を監視し、患者の心臓の不整脈を診断し、患者の心臓に治療用電気刺激を与えることができる皮下ペースメーカーデバイスに接続され、それに電気的に結合され、それと連携して動作し得る。したがって、皮下デバイス2400は、一次皮下デバイスに対する二次皮下デバイスとして作用する。代替的に、皮下デバイス2400は、従来のペースメーカー又は除細動器リードの代わりに、従来のペースメーカー又は除細動器デバイスに接続され、それに電気的に結合され、それと連携して動作することができる。例えば、皮下デバイス2400は、患者の心拍数を監視し、患者の心臓の不整脈を診断し、患者の心臓に治療用電気刺激を与えることができる従来のペースメーカーデバイスに接続され、それに電気的に結合され、それと連携して動作することができる。したがって、皮下デバイス2400は、従来のペースメーカー又は除細動器デバイスのためのリードとして機能的に作用する。
皮下デバイス2400は、ハウジングを含まない。むしろ、皮下デバイス2400は、一次皮下デバイスのハウジング、又は、従来のペースメーカー若しくは除細動器デバイスのハウジングに接続される。一次皮下デバイスのハウジングは、図7に関連して説明されたように、感知回路180、コントローラ182、メモリ184、治療回路186、電極188、センサ190、トランシーバ192及び電源194、及び/又は、当技術分野で一般に知られているような医療機器の任意の他の構成要素を含むことができる。従来のペースメーカー又は除細動器デバイスのハウジングは、感知回路、コントローラ、メモリ、治療回路、1つ又は複数の電極、1つ又は複数のセンサ、トランシーバ、電源、及び/又は、当技術分野で一般に知られている医療デバイスの任意の他の構成要素を含むことができる。
本体2402は、クリップ2404をプロング2406に接続する。クリップ2404は、皮下デバイス2400を構造的身体構成要素Aに固定するように構成される。クリップ2404は、構造的身体構成要素Aの周りを前進するにつれて拡張する。骨、筋肉又は組織に取り付けるためにクランプ構成要素の剛性を使用することに加えて、クリップ2404は、歯及び/又はスクリューのような能動的な固定方法、及び/又は、クリップ2404を骨、筋肉又は組織に固定するための任意の他の適切な固定構造を使用する。クリップ2404はバネ付勢を有し、当該バネ付勢は、拡張されて構造的身体構成要素A上に取り付けられた時、当該構造的身体構成要素Aにテンションをかける。クリップ2404のバネ付勢及び能動的な固定方法は、皮下デバイス2400を構造的身体構成要素Aに固定する。代替的に、クリップ2404は、本明細書で図1~61に示されるクリップ設計のいずれかを含む、任意の適切なクリップ設計を有することができる。本体2402は、任意の適切なクリップ設計に適合するように成形することができる。
プロング2406は、皮下デバイス2400のクリップ2404に接続され、そこから離れるように延びる。プロング2406は、構造的身体構成要素Aから離れて配置された遠隔身体構成要素Bと接触するように構成される。遠隔身体構成要素Bは、患者の臓器、神経又は組織であり得る。例えば、遠隔身体構成要素Bは、心臓、肺又は体内の任意の他の適切な臓器を含み得る。プロング2406は、遠隔身体構成要素Bの電気的活動又は生理学的パラメータを感知することができ、及び/又は、遠隔身体構成要素Bに治療用電気刺激を与えることができる電極を含む。プロング2406はまた、いくつかの実施形態では、治療用ショックを遠隔身体構成要素Bに送達することができる除細動器コイルを含むことができる。更に、プロング2406は、薬剤を遠隔身体構成要素Bに送達するために近位端から遠位端まで延びる管腔を含むことができる。
一例では、皮下デバイス2400がペースメーカーである他の一次皮下デバイスと協働することができ、皮下デバイス2400のプロング2406上の1つの電極は、心臓の電気的活動を感知することができる。感知された電気的活動は、一次皮下デバイスのハウジング内の感知回路及びコントローラに伝達され得る。コントローラは患者の心拍数を決定することができ、不整脈があるかどうかを検出することができる。不整脈が検出された場合、コントローラは、心臓に治療用電気刺激を与えるために、治療回路に命令を送ることができる。このように、皮下デバイス2400は、監視デバイス、診断デバイス及び治療デバイスとして機能する。
第2の例において、皮下デバイス2400は、従来のペースメーカーのリードとして機能的に作用し、皮下デバイス2400のプロング2406上の電極は心臓の電気的活動を感知することができる。感知された電気的活動は、従来のペースメーカー内の感知回路及びコントローラに伝達され得る。コントローラは患者の心拍数を決定することができ、不整脈があるかどうかを検出することができる。不整脈が検出された場合、コントローラは、心臓に治療用電気刺激を与えるために、治療回路に命令を送ることができる。このように、皮下デバイス2400は、従来のペースメーカーのためのリードとして機能する。
皮下デバイス2400、又は代替的な実施形態の皮下デバイス2400’を、以下の図63A~73との関連で、より詳細に説明する。皮下デバイス2400は、以下の図63A~図65Eの議論において監視、診断及び治療に使用することができるペースメーカーとして、図55~図58Bに関して説明した皮下デバイス2200と併せて説明する。この実施形態では、皮下デバイス2400が別の皮下デバイスと共に、二腔又は三腔のペースメーカーとして機能する。皮下デバイス2400は、以下の図67A~69の議論において従来のペースメーカーと併せて議論される。皮下デバイス2400は、以下の図70A~72の議論において従来の除細動器と併せて議論される。皮下デバイス2400’は、皮下デバイス2400の代替実施形態であり、以下の図73の説明において従来の除細動器と併せて説明される。皮下デバイス2400は、また、監視デバイス、診断デバイス、埋め込み可能な除細動器、一般的な臓器/神経/組織刺激器、及び/又は、薬剤送達デバイスとなるべく、他の一次皮下デバイス又は任意の他の埋め込み医療デバイスと協働することができる。
図63Aは、皮下デバイス2400の上面斜視図である。図63Bは、皮下デバイス2400の側面図である。図63Cは、皮下デバイス2400の側面図である。図63Dは、皮下デバイス2400の上面図である。皮下デバイス2400は、本体2402、クリップ2404及びプロング2406を含む。本体2402は、第1の面2410、第2の面2412、上面2414、底面2416、前端2418及び後端2420を含む。クリップ2404は、上部2440、底部2442、スプリング部2444及び歯2446を含む。プロング2406は、近位端2460、遠位端2462、ベース部2464、アーム部2468、接触部2470、電極2472、スリーブ2474(上部2476及び下部2478を含む)、リード線2480、構造管2482及び構造管2484を含む。
皮下デバイス2400は、図62を参照して説明したように、本体2402、クリップ2404及びプロング2406を含む。本体2402は、ステンレス鋼、チタン、ニチノール、エポキシ、シリコーン、金属補強材を有するポリウレタン、又は、非多孔インプラントに適した任意の他の材料から製作され得る。本体2402はまた、外部コーティングを含むことができる。クリップ2404は、ステンレス鋼、チタン、ニチノール、エポキシ、シリコーン、金属補強材を有するポリウレタン、又は、非多孔インプラントに適した任意の他の材料から製作され得る。プロング2406は、ニチノールとしても知られているニッケルチタンから製作することができる。ニチノールは超弾性を有する形状記憶合金であり、皮下デバイス2400が患者に埋め込まれる際にプロング2406が変形した場合、プロング2406がその元の形状及び位置に戻ることを可能とする。プロング2406はまた、シリコーン、ポリウレタン、ステンレス鋼、チタン、エポキシ、金属補強材を有するポリウレタン、又は、非多孔インプラントに適した任意の他の材料から製作され得る。一例として、プロング2406は、ポリウレタン及びシリコーンから成り、バネ剛性を付与するために金属で補強された複合材料から製作することができる。
本体2402は、第1の面2410、第2の面2412、上面2414、底面2416、前端2418及び後端2420を含む。第1の面2410は、第2の面2412の反対側である。上面2414は、本体2402の底である底面2416の反対側にあるハウジング2402の上部である。前端2418は、後端2420の反対側である。本体2402は、図示された実施形態では実質的に円筒形である。代替実施形態では、本体2402は、円錐形、錐台形、長方形、又は、クリップ2404とプロング2406を係合するのに適した任意の他の形状として成形することができる。
本体2402は、クリップ2404と係合するように構成される。クリップ2404は、本体2402の上面2414に回転可能に接続される。本体2402は、プロング2604を受容するように構成される。プロング2604は、上面2414と下面2416との間で、前端2418から後端2420まで本体2402内に延びる。したがって、本体2402は。その上面2414でクリップ2404と係合し、その上面2414と底面2416との間でプロング2406と係合する。本体2402は、プロング2406を受容し、プロング2406をクリップ2404に取り付けるように構成される。
クリップ2404は、上部2440、底部2442、スプリング部2444及び歯2464を含む。上部2440は、底部2442に接続される。上部2440は、クリップ2404の上部を形成する平坦部であり、底部2442はクリップ2404の底部を形成する平坦部である。底部2442は、皮下デバイス2400の本体2402の上面2414に取り付けられるように構成される。底部2442は、本体2402の後端2420を越えて延びる。底部2442は、クリップ2404が本体2402及びプロング2406に対して回転することができるよう、本体2402に対して回転するように構成される。スプリング部2444は、クリップ2404の後端に配置された湾曲した部位であり、上部2440と底部2442との間で延在し、これらを接続する。クリップ2404のスプリング部2444は、ハウジング2404の後端2420を越えて配置される。クリップ2404は、ステンレス鋼、チタン、ニチノール、エポキシ、シリコーン、金属補強材を有するポリウレタン、又は、非多孔インプラントに適した任意の他の材料から製作され得る。歯2446は、クリップ2404の上部2440から延びる。歯2446は、上部2440の中央部に接続された第1の端部と、クリップ2404の上部2440から底部2442に向かって延びる第2の端部とを有する。歯2446は、湾曲しており、異なる方向に延びる。歯2446は薄く、金属又は任意の他の適切な材料から作製され得る。この実施形態では、クリップ2404は4つの歯2446を有する。代替実施形態では、クリップ2404が任意の数の歯2446を有することができる。更に、代替実施形態では、歯2446と共に又はその代わりに、任意の他の適切な固定構造又は能動的な固定方法が用いられ得る。歯2446は構造的身体構成要素Aを貫いてそれに固定するように構成される。
クリップ2404が本体2402に接続されると、クリップ2404の上部2440は、プロング2406に対してある角度で延びる。クリップ2404は、クリップ2404がプロング2406に対して回転することができるよう、本体2402に対して回転するように構成される。クリップ2404は、構造的身体構成要素Aに固定される前に、90度回転して所定の位置に嵌め込まれるように構成され得る。クリップ2404が回転されると、クリップ2404は、突起2406に対してある角度で延びる。クリップ2404は、プロング2406がクリップ2404に対して任意の角度で延びるように回転するよう構成され得る。
スプリング部2444はクリップ2404のためのスプリングとして作用し、テンション下にある。上部2440はテンションアームとして作用し、スプリング部2444からの力は、上部2440に伝えられこれを押し下げる。その自然状態において、スプリング部2444のバネ付勢は、本体2402の上面2414の上に配置された上部2440の端部にある上部2440の先端を、クリップ2404の底部2442及び本体2402の上部2414に向かって押す。クリップ2404の上部2440の先端は、クリップ2404を広げるために持ち上げることができ、クリップ2404を患者の筋肉、骨又は組織の上に配置することができる。クリップ2404が患者の筋肉、骨又は組織の上に配置されると、スプリング部2444のテンションは、上部2440を筋肉、骨又は組織の上に押し付ける。このテンションが、クリップ2404を筋肉、骨又は組織に固定する。
皮下デバイス2400が筋肉、骨又は組織上に配置された後、歯2446は、クリップ2404を筋肉、骨又は組織に固定する筋肉、骨又は組織に付着する。歯2446は、スプリング部2444の張力又はクリップ2404の上部2440に向けられた付加的な圧力に応答して、筋肉、骨又は組織を貫く。歯2446は、筋肉、骨又は組織の周りに曲がって戻り、更にクリップ2404及び皮下デバイス2400を筋肉、骨又は組織に固定するように、クリップ2404の底部2442に接触してもよい。歯2446はまた、皮下デバイス2400が構造的身体構成要素Aから容易に取り外し可能であるように、筋肉、骨又は組織から取り外し可能である。代替の実施形態では、クリップ2404は、図1~61に示され、論じられるクリップのいずれかの設計及び構造を有することができる。
プロング2406は、近位端2460と、近位端2460の反対側の遠位端2462とを含む。プロング2406は、ベース部2464、アーム部2468及び接触部2470を含む。ベース部2464の第1の端部はプロング2406の近位端2460と整列され、ベース部2464の第2の端部はアーム部2468の第1の端部に接続される。ベース部2464は、本体2402内に配置され延びる直線状の平坦な部分である。ベース部2464は本体2402に取り付けられる。したがって、プロング2406の近位端2460は、ハウジング2402に取り付けられる。プロング2406のベース部2464は、プロング2406の近位端2460に取り付けられた第1の電気的にアクティブなコネクタと、(図66、67A-67B及び70A-70Bに示されるように)第2の一次皮下デバイス又は従来のペースメーカー若しくは除細動器のハウジング上のヘッダ又はフィードスルーに取り付けられた第2の電気的にアクティブなコネクタとを有する小さなケーブルを介して、皮下デバイス2200のような第2の一次皮下デバイスの内部構成要素に電気的に接続される。
アーム部2468の第1の端部はベース部2464の第2の端部に接続され、アーム部2468の第2の端部は接触部2470の第1の端部に接続される。したがって、アーム部2468は、アーム部2468の対向する端部あるいは第1の端部及び第2の端部を含み、本体2402の水平平面に対して垂直な第1の平面を、当該第1の平面が、本体2402を前端2418から後端2420まで長手方向に二分し、上面2414及び底面2416に対して垂直な垂直平面であるように画定するよう、ベース部2464から延びる。アーム部2468はまた、接触部2470がクリップ2404から外側に位置付けられるように、クリップ2404を越えて延びる。この実施形態では、アーム部2468がプロング2406の本体2402、クリップ2404及びベース部2464に対して角度を付けられた、主に直線的な部分である。この実施形態では、アーム部2468は、ハウジング2402の底面2416及びクリップ2404の底部2442から離れるように角度を付けられるか又は離れるように、延びる。アーム部2468の第1の端部は、プロング2406のためのスプリングとして作用し、テンション下にある。アーム部2468はテンションアームとして作用し、アーム部2468の第1の端部からの力は、アーム部2468の第2の端部に伝えられこれを押し下げる。その自然な状態において、アーム部2468のバネ付勢は、プロング2406の遠位端2462を本体2404の底面2442及びクリップ2404の底部2442から遠ざかる方向に押す。代替実施形態では、プロング2406のアーム部2468は、任意の方向に延びることができる。
接触部2470の第1の端部はアーム部2468の第2の端部に接続され、接触部2470の第2の端部はプロング2406の遠位端2462と整列される。したがって、アーム部2468は、ベース部2464と接触部2470との間にある。アーム部2468は、接触部2470がクリップ2404を越えて配置されるよう、クリップ2404を越えて延びる。接触部2470は、プロング2406の遠位端2462が遠隔身体構成要素B(図62に示される)に接触するように配置され得る。接触部2470は、本体2402及びアーム部2468に対して角度を付けられている。接触部2470は、アーム部2468及び本体2402に対して画定された第1の平面から離れるように角度を付けられている。この実施形態では、接触部2470は、本体2402の底面2416から離れるように更に角度を付けられている。接触部2470はまた、本体2402の第1の面2410から離れるように湾曲しているか又は角度を付けられている。接触部2470は、本体2402の底面2416から離れるように延びると共に、本体2402の第1の側面2410から離れるように延び、それにより、プロング2406の遠位端2462は、本体2402及びアーム部2468の下にかつそれから離れるように配置される。代替実施形態では、接触部2470は、構造的身体構成要素Aに対する遠隔身体構成要素Bの位置に応じて、本体の底面2416に対して任意の方向に、並びに、本体2402の第1の面2410及び第2の面2412に対して任意の方向に、角度付けられていてもよい。接触部2470は、遠隔身体構成要素Bに向かって角度付けられている。例えば、遠隔身体構成要素Bが肺又は腎臓であるとき、接触部2470は肺又は腎臓に向かって角度が付けられる。この実施形態では、接触部2470の第1の部分が本体2402及びアーム部2468の底面2416から約90度の角度を付けられており、接触部2470の第2の部分は本体2402及びアーム部2468の第1の面2410から約90度の角度を付けられている。接触部2470は、アーム部2468及び本体2402に対して画定された第1の垂直平面から約45度~約60度の角度が付けられて得る。
プロング2406は、更に、電極2472を含む。電極2472は、突起2406の遠位端2462にある。したがって、電極2472は、接触部2470の第2の端部を構成する。電極2472は丸みを帯びた端部を有し、図51A及び51Bを参照して説明した電極1972Aと同じ形状を有する。代替実施形態では、電極2472が、図50A-50B及び52A-53Bを参照して説明した電極1972、1972B及び1972Cの形状のいずれかなど、任意の適切な形状を有し得る。プロング2406は、図63A~63Dに示す実施形態においては、単一の電極2472を有する。プロング2406は、代替の実施形態において、任意の数の電極を有することができる。電極2472は、遠隔身体構成要素Bの電気的活動又は生理学的パラメータを感知するためにプロング2406の遠位端2462に配置されている。電極2472は、遠隔身体構成要素Bに治療用電気刺激を与えることもできる。
スリーブ2474は、プロング2406の中空の外側部分である。スリーブ2474は、プロング2460の近位端2460から接触部2470まで延びる。スリーブ2474の第1の端部は、プロング2406の近位端2460と位置合わせされる。スリーブ2474は、ベース部2464、アーム部2468及び接触部2470の第1の部分に沿って延びる。スリーブ2474の第2の端部は、接触部2470内にある。したがって、スリーブ2474は、ベース部2464の外側部分、アーム部2468及び接触部2470の第1の部分を構成する。スリーブ2474は、下部2478の反対側に上部2476を有する。上部2476及び下部2478は、スリーブ2474が平坦な又は概ね矩形の断面を有するように、平坦又は平面状である。したがって、プロング2406の大部分は、平坦な又は概ね矩形の断面を有する。
リード線2480は、スリーブ2474を通って、上部2476と下部2478との間で、プロング2406の近位端2460から接触部2470まで延びる。リード線2480は、スリーブ2474の第2の端部を越えて延びる。リード線2480の第1の端部は、プロング2406の近位端2460と位置合わせされる。リード線2480は、ベース部2464、アーム部2468及び接触部2470に沿って延びる。リード線2480の第2の端部は、電極2472に連結される。したがって、プロング2406の接触部2470は、スリーブ2474、リード線2480及び電極2472から構成される。リード線2480は、スリーブ2474と同じ全体形状及び角度を有し、スリーブ2474の第2の端部を越えて延びる。リード線2480は、スリーブ2474の第2の端部及び本体2402の第1の面2410から離れて延びる。この実施形態では、リード線2480は、スリーブ2474の第2の端部から約90度離れて延びる。したがって、この実施形態では、リード線2480がスリーブ2474と共に本体2402の底面2416から離れるように角度が付けられ、スリーブ2474を越えて本体2402の第1の面2410から離れるように湾曲又は角度が付けられる。
構造管2482及び2484は図40A~40Eに示されるように、構造管1982及び1984のように構成され得る。構造管2482及び2484は、スリーブ2474を通って、上部2476と下部2478との間で、リード線2480に沿って延びる。構造管2482及び2484は、プロング2460の近位端2460からアーム部2468の第2の端部まで延びる。構造管2482及び2484の第1の端部は、プロング2406の近位端2460と位置合わせされる。構造管2482及び2484は、ベース部2464及びアーム部2468に沿って延びる。構造管2482及び2484の第2の端部は、アーム部2468の第2の端部と位置合わせされる。代替実施形態では、構造管2482及び2484が、それらの第2の端部がスリーブ2474の第2の端部と位置合わせされるように、接触部2470内にスリーブ2474の第2の端部まで延びてもよい。構造管2482及び2484は、ベース部2464及びアーム部2468と同じ全体形状を有する。したがって、この実施形態では、構造管2482及び2484は平面状である。
リード線2480が、その両側に構造管2482及び2484を有するように、第1の構造管2482はリード線2480の第1の側にあり、第2の構造管2484はリード線2480の第2の側にある。代替実施形態では、プロング2406が、その所望の剛性に基づいて、任意の数の構造管2482及び2484を含むことができる。構造管2482及び2484は、中空又は中実であり得る。構造管2482及び2484は、任意の適切なサイズであり得る。例えば、構造管2482及び2484は互いに同じ直径を有することができ、リード線2480と同じ直径を有することができ、又は、リード線2480よりも小さい直径を有することができる。構造管2482及び2484は、プロング2406の所望の剛性に基づいて任意の適切な厚さを有することができる。構造管2482及び2484は、金属、ポリウレタン、シリコーン、任意の適切なプラスチック、金属とプラスチックとの組み合わせ、又は、任意の他の適切な材料から作製され得る。構造管2482及び2484は、皮下デバイス2400がMRI適合性であることを可能にする金属の量に制限される。代替実施形態では、プロング2406が、任意の数の構造管2482及び2484を含むことができる。構造管2482及び2484のサイズ、形状及び材料は、プロング2406の所望の剛性に基づいて選択することができる。例えば、プロング2406は、当該プロング2406をより平坦にし、その剛性を増大させるために、5つ、7つ又は任意の他の適切な数の構造管2482及び2484を含むことができる。
プロング2406は、電極2472と遠隔身体構成要素Bとの接触を改善するために、本体2402及びクリップ2404に対して角度が付けられている。プロング2406は、接触部2470が心臓のような遠隔身体構成要素Bに対して押し下げるように角度が付けられている。プロング2406の遠位端2462における電極2472は心臓に接触し、心臓組織に埋没する。更に、プロング2406は、心臓に向かって下向きに角度を付けられているので、プロング2406は、その剛性を増加させることなく、心臓が拍動して上下に移動するときに、心臓に圧力を加える。その結果、電極2472は、電極2472を心臓に固定することなく、心臓との接触を維持する。例えば、プロング2406は、機能性を低下させる断続的な接触を引き起こし得る、心臓が鼓動するにつれて心臓から跳ね返ることが防止される。更に、接触部2470は、皮下デバイス2400が患者の剣状突起及び/又は胸骨に取り付けられるとき、プロング2406の遠位端2462が心臓上に配置されることを確実にするために、本体2402の底部2416及び第1の面2410から離れるように角度を付けられている。したがって、皮下デバイス2400は、心臓カテーテル検査室を必要とすることなく、患者に挿入され、展開され得る。したがって、デバイスを挿入するための処置は簡単であり、局所麻酔のみを必要とし、これは、救急車内のような様々な環境で実施され得ることを意味する。
プロング2406のアーム部2468は、プロング2406がひとたび体内に配置されると可撓性を有することを可能とする。アーム部2468の回転の中心は、ベース部2464の第2の端部に接続されたアーム部2468の第1の端部にある。例えば、遠隔身体構成要素Bが患者の心臓であり、プロング2406の接触部2470が心臓に対して配置される場合、プロング2406のアーム部2468は、心臓が拍動するにつれて、プロング2406が心臓と共に上下に移動することを可能とする。これは、プロング2406の接触部2470が心臓との接触を維持する一方で、プロング2406が心臓を穿刺又は損傷しないことを保障する。この実施形態では、プロング2406の遠位端2462の電極2472は、プロング2406の接触部2470が心臓と接触しているときに、プロング2406が心臓を穿刺又は損傷することを防止するために、丸みを帯びた形状を有する。プロング2406の全体的な軸方向の剛性は、プロング2406が心臓を穏やかに押し、心臓が拍動するにつれて心臓と接触して上下に移動するものの、心膜組織又は心外膜組織を穿刺し又は引き裂くのに十分なほど硬くも鋭くもないように、調整することができる。例えば、プロング2406の全体的な軸方向の剛性は、プロング2406の材料、プロング2406のバネ付勢又は機械的な抵抗、プロング2406の断面厚さ、遠隔身体構成要素B上のプロング2406の入射角、プロング2406が遠隔身体構成要素Bに接触するプロング2406の外側プロファイル、及び/又は、プロング2406の任意の他の適切な特性を調整することによって、調整され得る。
平面状の上部227及び平面状の下部2478によって形成されたスリーブ2474の平坦な又は矩形の断面は、プロング2406に剛性を提供し、これは、プロング2406の面内曲げに対する耐性を増大させる。スリーブ2474はまた、リード線2480が構造管2482及び2484によって囲まれるための空間を提供する。構造管2482及び2484はまた、プロング2406に所望の構造剛性を提供する。結果として、プロング2406は、心臓に対する位置決めを維持するために、面内曲げ又は任意の方向の曲げに抵抗し、これは、電極2472が蛍光透視法又は他の可視化ツールを必要とすることなく、心臓との接触を維持することを保障する。代替の実施形態では、プロング2406が、構造管2482及び2484と共に又はその代わりに、剛性を提供するために、ニチノールのような形状記憶材料で作製された、予め成形されたスパインを含んでもよい。これらの実施形態では、プロング2406が、例えば図62に示される形状、又は、他の適切な形状若しくは構成を有することができる。
皮下デバイス2400は、本明細書では単一のプロング2406を有するものとして記載される。代替の実施形態では、皮下デバイス2400は任意の数のプロングを含むことができ、それらのプロングは任意の形状を有することができる。例えば、皮下デバイス2400は、図1~37を参照して示され説明された任意のプロングを含むことができる。接触部2470は、本体2402の底面2416、第1の面2410及び第2の面2412に対して任意の角度を有することができる。
皮下デバイス2400は、他の皮下デバイスと、又は、従来のペースメーカー若しくは除細動器と連動して動作する。したがって、皮下デバイス2400は、二次デバイスとして作用するか、又は、ロードとして機能的に作用する。例えば、皮下デバイス2400は、ペースメーカーとして機能するために、他の皮下デバイスに接続され、他の皮下デバイスと協働することができる。クリップ2404は、プロング2406が、本体2402と同軸である臓器に到達することのみに限定されないよう、本体2402及びプロング2406に対して回転する。プロング2406は、プロング2406の接触部2470が、心臓の右心室、左心室、右心房又は左心房と接触するように成形することができる。皮下デバイス2400は、一次皮下デバイス上の電極と共にプロング2406上の電極2472を利用して、他の一次皮下デバイスと共に双極ペースメーカーとして機能することができる。更に、代替実施形態では、皮下デバイス2400が2つ以上のプロング2406及び電極2472を利用することができる。
図64Aは、剣状突起X及び/又は胸骨S上に配置された皮下デバイス2400及び皮下デバイス2200の上面図である。図64Bは、剣状突起X及び/又は胸骨S上に配置された皮下デバイス2400及び皮下デバイス2200の斜視側面図である。図65Aは、剣状突起X及び/又は胸骨S上に配置された皮下デバイス2400及び皮下デバイス2200の斜視側面図であり、心臓H上におけるプロング2406及び2206の位置付けを示している。図65Bは、剣状突起X及び/又は胸骨S上に配置された皮下デバイス2400及び皮下デバイス2200の斜視側面図であり、心臓H上におけるプロング2406及び2206の位置付けを示している。図65Cは、剣状突起X及び/又は胸骨S上に配置された皮下デバイス2400及び皮下デバイス2200の斜視側面図であり、心臓H上におけるプロング2406及び2206の位置付けを示している。図65Dは、剣状突起X及び/又は胸骨S上に配置された皮下デバイス2400及び皮下デバイス2200の斜視端面図であり、心臓H上におけるプロング2406及び2206の位置付けを示している。図65Eは、剣状突起X及び/又は胸骨S上に配置された皮下デバイス2400及び皮下デバイス2200の正面破断図であり、心臓H上におけるプロング2406及び2206の位置付けを示している。図66は、皮下デバイス2200に接続された皮下デバイス2400の斜視図である。
皮下デバイス2200は、ハウジング2202、クリップ2204及びプロング2206を含む。プロング2206は、電極2272を含む。皮下デバイス2400は、本体2402、クリップ2404、プロング2406及びケーブル2486Aを含む。プロング2406は、電極2472を含む。ケーブル2486Aは、第1のコネクタ2488A及び第2のコネクタ2490Aを含む。図64A及び64Bも、剣状突起X及び胸骨Sを示す。図65A~65Eは心臓Hを示す。
皮下デバイス2200は、図55~図58Bに関して説明したものと同じである。皮下デバイス2400は、図62-63Dを参照して上で説明したように、本体2402、クリップ2404及びプロング2406を含む。皮下デバイス2400はまた、第1の端部に第1のコネクタ2488Aを有し、第2の端部に第2のコネクタ2490Aを有するケーブル2486Aを含む。ケーブル2486Aは、皮下デバイス2400を皮下デバイス2200に接続する。第1のコネクタ2488A及び第2のコネクタ2490Aは、電気的にアクティブなコネクタである。第1のコネクタ2488Aは、プロング2406の近位端2460に取り付けられる。具体的には、第1のコネクタ2488Aがプロング2406内のリード線2480(図63A~63Dに示す)に電気的に結合される。例えば、ケーブル2486Aをプロング2406に電気的に結合するために、第1のコネクタ2488Aはリード線2480にはんだ付けされ得る。代替的に、第1のコネクタ2488Aが、ケーブル2486Aをプロング2406に電気的に結合するためにリード線2480に電気的に結合される皮下デバイス2400内のポートに、取り外し可能に接続され得る。第2のコネクタ2490Aは、皮下デバイス2200のハウジング2202のヘッダ又はフィードスルーに接続される。ケーブル2486Aは、皮下デバイス2400のプロング2406を、皮下デバイス2200のハウジング2202内の回路に電気的に接続する。図64A-66に示される実施形態では、皮下デバイス2200及び皮下デバイス2400が、図1~9Cに関して説明された皮下デバイス100のように、心臓モニタリング、診断及び/又は治療に使用されるペースメーカーとして共に機能するように構成される。図64A-66に示される実施形態において、皮下デバイス2200及び皮下デバイス2400は、患者の剣状突起X及び胸骨Sに固定され得る。皮下デバイス2200は、皮下デバイス2200が外科用器具を用いて剣状突起X及び胸骨S上に注入される単純な手順で、埋め込むことができる。例えば、皮下デバイス2200は、代理人整理番号C729-012017を有する、2020年11月25日に出願された「皮下デバイスのための外科用器具」という名称の米国特許出願第17/105,457号(その開示は、その全体が参照により組み込まれる)に記載されているような外科用器具及び方法を使用して、剣状突起X及び/又は胸骨Sに展開及び固定されることができる。
皮下デバイス2400は、皮下デバイス2200の展開後に埋め込むことができる。例えば、皮下デバイス2400は、代理人整理番号C729-012017を有する、2020年11月25日に出願された「皮下デバイスのための外科用器具」という名称の米国特許出願第17/105,457号(その開示は、その全体が参照により組み込まれる)に記載されているような外科用器具及び方法を使用して、剣状突起X及び/又は胸骨Sに展開及び固定されることができる。しかしながら、皮下デバイス2400は、剣状突起X及び胸骨S上に、皮下デバイス2200に隣接してかつその左側に注入される。皮下デバイス2400は、ケーブル2486Aを介して、皮下デバイス2200に物理的かつ電気的に接続される。
皮下デバイス2200及び2400がクリップ2204及び2404のそれぞれを介して剣状突起X及び胸骨Sに固定されるとき、プロング2206及び2406は、ハウジング2202の第1の面2210及び底面2216、並びに、本体2402の第1の面2410及び底面2416のそれぞれから離れるように延びる。したがって、プロング2200及び2400は、心臓Hを押し下げ、電極2272及び2472は心臓Hに接触し、心臓Hが鼓動する時に接触を維持する。具体的には、電極2272は第1の位置で心臓Hに接触し、電極2472は第2の位置で心臓Hに接触する。例えば、プロング2206上の電極2272は左心室に接触し、プロング2406上の電極2474は心臓の右心室に接触することができる。プロング2206及び2406は、心臓の右心室、左心室、右心房又は左心房と接触するように成形することができる。プロング2206及び2406の全体的な所望の剛性は、スリーブ2274及び2474内の構造管2282及び2482並びに構造管2284及び2482のそれぞれを介して達成され、これは、プロング2206及び2406が心臓Hを穏やかに押し、心臓Hが鼓動する時に心臓Hと接触して上下に移動するものの、心膜組織又は心外膜組織を穿刺し又は引き裂くのに十分なほど硬くも鋭くもないことを保証する。
プロング2206及び2406は、心臓Hに対して適切に位置決めされ、心臓Hとの接触を失わないことを確実にするように成形される。皮下デバイス2400を埋め込むための外科的処置は、皮下デバイスが体内で皮下に配置されるため、より従来のペースメーカーデバイスに必要とされる外科的処置よりも、侵襲性が低い。患者の血管系内にリード線を配置する必要がなく、これにより患者に対する血栓症のリスクが低下する。
図67Aは、ペースメーカーPに接続された皮下デバイス2400の上面図である。図67Bは、皮下デバイス2400及びペースメーカーPの斜視図である。皮下デバイス2400は、本体2402と、クリップ2404と、プロング2406と、ケーブル2486Bとを含む。プロング2406は、電極2472を含む。ケーブル2486Bは、第1のコネクタ2488B及びペースメーカーコネクタ2492Bを含む。図67A-67Bは、肋骨Rも示す。
皮下デバイス2400は、図62-66を参照して上で説明したように、本体2402、クリップ2404及びプロング2406を含む。図67A~67Bに示される実施形態では、皮下デバイス2400がペースメーカーPのためのリードとして機能的に作用するように構成される。ペースメーカーPは、従来のペースメーカーである。皮下デバイス2400は、従来のペースメーカーリードの代わりに使用されるように構成される。
皮下デバイス2400は、第1の端部に第1のコネクタ2488Bを有し、第2の端部にペースメーカーコネクタ2492Bを有するケーブル2486Bを含む。ケーブル2486Bは、皮下デバイス2400をペースメーカーPに接続する。第1のコネクタ2488B及びペースメーカーコネクタ2492Bは、電気的にアクティブなコネクタである。第1のコネクタ2488Bは、皮下デバイス2400に接続され、プロング2406に電気的に結合される。例えば、第1のコネクタ2488Bは、ケーブル2486Bをプロング2406に電気的に結合するために、リード線2480(図67A~67Bには図示せず)にはんだ付けされ得る。代替的に、第1のコネクタ2488Bが、ケーブル2486Bをプロング2406に電気的に結合するためにリード線2480に電気的に結合される皮下デバイス2400内のポートに、取り外し可能に接続され得る。第1のコネクタ2488Bは、プロング2406上の電極2472にリード線2480を介して電気的に結合される。図67Bに示されるように、ペースメーカーコネクタ2492Bは、従来のペースメーカーに接続するために従来のペースメーカーリード上で使用される標準コネクタである。例えば、ペースメーカーコネクタ2492Bは、IS-1コネクタ又はIS-4コネクタであり得る。ペースメーカーコネクタ2492Bは、ペースメーカーP上のヘッダ又はフィードスルーに取り付けられる。ケーブル2486Bは、皮下デバイス2400のプロング2406をペースメーカーP内の回路に電気的に結合する。
図68Aは、剣状突起X及び/又は胸骨S上に配置された皮下デバイス2400並びに胸骨Sに隣接して配置されたペースメーカーPの斜視側面図である。図68Bは、剣状突起X及び/又は胸骨S上に配置された皮下デバイス2400並びに胸骨Sに隣接して配置されたペースメーカーPの斜視端面図である。図68Cは、剣状突起X及び/又は胸骨S上に配置された皮下デバイス2400並びに胸骨Sに隣接して配置されたペースメーカーPの上面図である。図69は、剣状突起X及び/又は胸骨S上に配置された皮下デバイス2400並びに肋骨R上に配置されたペースメーカーPの上面図である。皮下デバイス2400は、本体2402、クリップ2404、プロング2406及びケーブル2486Bを含む。プロング2406は、電極2472と、スリーブ2474と、構造管2482と、構造管2484とを含む。ケーブル2486Bは、第1のコネクタ2488B及びペースメーカーコネクタ2492Bを含む。図68A~69はまた、剣状突起X、胸骨S及び心臓Hを示す。図69は、更に、肋骨R並びに領域AR1、AR2、及びAR3を示す。
図68A-69に示される実施形態では、皮下デバイス2400及びペースメーカーPは、心臓モニタリング、診断及び/又は治療に使用されるペースメーカーとして共に機能するように構成される。図68A-69に示される実施形態において、皮下デバイス2400は、患者の剣状突起X及び/又は胸骨Sに固定され得る。皮下デバイス2400は、皮下デバイス2400が外科用器具を用いて剣状突起X及び/又は胸骨S上に注入される単純な手順で、埋め込むことができる。例えば、皮下デバイス2400は、代理人整理番号C729-012017を有する、2020年11月25日に出願された「皮下デバイスのための外科用器具」という名称の米国特許出願第17/105,457号(その開示は、その全体が参照により組み込まれる)に記載されているような外科用器具及び方法を使用して、剣状突起X及び/又は胸骨Sに展開及び固定されることができる。
図68A~69では、ペースメーカーPが身体の第1の側の胸骨Sに隣接する肋骨Rの上に埋め込まれる。図69は、領域AR1、AR2及びAR3として図69に示されるペースメーカーPの代替の埋め込み位置を示す。領域AR1は、身体の第1の側の横方向の肋骨R上の領域である。領域AR2は、身体の第2の側に横方向の肋骨R上に埋め込まれた領域である。領域AR3は、身体の第2の側の胸骨Sに隣接する肋骨R上領域である。ペースメーカーPは、領域AR1、AR2又はAR3のいずれか、又は任意の他の適切な埋め込み位置に埋め込むことができる。ペースメーカーPは、従来の外科的方法を使用して埋め込むことができる。
皮下デバイス2400は、ケーブル2486Bを介してペースメーカーPに物理的かつ電気的に接続される。第1のコネクタ2488Bは、ケーブル2486Bの第1の端部にあり、皮下デバイス2400に接続される。ペースメーカーコネクタ2492Bは、ケーブル2486Bの第2の端部にあり、ペースメーカーPに取り付けられる。ケーブル2486Bは、皮下デバイス2400のプロング2406をペースメーカーP内の回路に電気的に接続する。皮下デバイス2400が剣状突起X及び/又は胸骨Sの皮下移に埋め込まれると、ケーブル2486Bは従来の外科的方法を使用して、ペースメーカーPに接続するよう組織を通される。
皮下デバイス2400がクリップ2404を介して剣状突起X及び胸骨Sに固定されると、プロング2406は、本体2402の第1の面2410及び底面2416から離れるように延びる。したがって、プロング2406は、心臓Hを押し下げ、電極2272は心臓Hに接触し、心臓Hが鼓動する時に接触を維持する。プロング2406は、プロング2406上の電極2472が心臓Hの右心室、左心室、右心房又は左心房に接触するように成形され得る。プロング2406の全体的な所望の剛性は、スリーブ2474内の構造管2482及び構造管2484を介して達成され、これは、プロング2406が心臓Hを穏やかに押し、心臓Hが鼓動する時に心臓Hと接触して上下に移動するものの、心膜組織又は心外膜組織を穿刺し又は引き裂くのに十分なほど硬くも鋭くもないことを保証する。
プロング2406は、心臓Hに対して適切に位置決めされ、心臓Hとの接触を失わないことを確実にするように成形される。皮下デバイス2400を埋め込むための外科的処置は、皮下デバイスが体内で皮下に配置されるため、より従来のペースメーカーデバイスに必要とされる外科的処置よりも、侵襲性が低い。患者の血管系内にリード線を配置する必要がなく、これにより患者に対する血栓症のリスクが低下する。
図70Aは、除細動器Dに接続された皮下デバイス2400の上面図である。図70Bは、皮下デバイス2400及び除細動器Dの上面図である。皮下デバイス2400は、本体2402と、クリップ2404と、プロング2406と、ケーブル2486Cとを含む。プロング2406は、アーム部2468と、電極2472と、除細動器コイル2473とを含む。ケーブル2486Cは、第1のコネクタ2488C及び除細動器コネクタ2494Cを含む。図70A-70Bは、除細動器Dも示す。
皮下デバイス2400は、図62-63Dを参照して上で説明したように、本体2402、クリップ2404及びプロング2406を含む。皮下デバイス2400はまた、除細動器コイル2473を含む。除細動器コイル2473は、プロング2406のアーム部2468の周りに巻き付けられ、プロング2406内のリード線に電気的に接続される。図70A~70Bに示される実施形態では、皮下デバイス2400は、除細動器Dのためのリードとして機能的に作用する。除細動器Dは、従来の除細動器である。皮下デバイス2400は、従来の除細動器リードの代わりに使用されるように構成される。
皮下デバイス2400は、第1の端部に第1のコネクタ2488Cを有し、第2の端部に除細動器コネクタ2494Cを有するケーブル2486Cを含む。ケーブル2486Cは、皮下デバイス2400を除細動器Dに接続する。第1のコネクタ2488C及び除細動器コネクタ2494Cは、電気的にアクティブなコネクタである。第1のコネクタ2488Cは、皮下デバイス2400に接続され、プロング2406に電気的に結合される。例えば、第1のコネクタ2488Cは、ケーブル2486Cをプロング2406に電気的に結合するために、プロング2406内のリード線2480(図70A~70Bには図示せず)のような1つ又は複数のリード線にはんだ付けされ得る。代替的に、第1のコネクタ2488Cは、ケーブル2486Cをプロング2406に電気的に結合するために、リード線2480のようなプロング2406内の1つ又は複数のリード線に電気的に結合される、皮下デバイス2400内のポートに取り外し可能に接続され得る。第1のコネクタ2488Cは、プロング2406内の1つ又は複数のリード線を介して、プロング2406上の電極2472及び除細動器2473に電気的に結合される。図70Bに示されるように、除細動器コネクタ2492Cは、従来の除細動器に接続するために従来の除細動器リード上で使用される標準コネクタである。例えば、除細動器コネクタ2492Cは、DF-1コネクタ又はDF-4コネクタであり得る。除細動器コネクタ2492Cは、除細動器D上のヘッダ又はフィードスルーに取り付けられる。ケーブル2486Cは、皮下デバイス2400のプロング2406を除細動器D内の回路に電気的に結合する。
図71Aは、剣状突起X及び/又は胸骨S上に配置された皮下デバイス2400並びに胸骨Sに隣接して配置された除細動器Dの斜視側面図である。図71Bは、剣状突起X及び/又は胸骨S上に配置された皮下デバイス2400並びに胸骨Sに隣接して配置された除細動器Dの斜視端面図である。図71Cは、剣状突起X及び/又は胸骨S上に配置された皮下デバイス2400並びに胸骨Sに隣接して配置された除細動器Dの上面図である。図71Dは、組織Tに配置されて除細動器Dに接続された、皮下デバイス2400のプロング2406の上面図である。図72は、剣状突起X及び/又は胸骨S上に配置された皮下デバイス2400、並びに、肋骨上に配置された除細動器Dの上面図である。皮下デバイス2400は、本体2402、クリップ2404、プロング2406及びケーブル2486Cを含む。プロング2406は、電極2472と、除細動器コイル2472と、スリーブ2474と、構造管2482と、構造管2484とを含む。ケーブル2486Cは、第1のコネクタ2488C及び除細動器コネクタ2494Cを含む。図71A~72はまた、剣状突起X、胸骨S及び心臓Hを示す。図71Dは更に、組織Tを示す。図72は更に、肋骨R並びに領域AR1、AR2及びAR3を示す。
図71A~72に示される実施形態では、皮下デバイス2400及び除細動器Dが、心臓監視、診断及び/又は治療に使用される除細動器として共に機能するように構成される。図71A-72に示される実施形態において、皮下デバイス2400は、患者の剣状突起X及び/又は胸骨Sに固定され得る。皮下デバイス2400は、皮下デバイス2400が外科用器具を用いて剣状突起X及び/又は胸骨S上に注入される単純な手順で、埋め込むことができる。例えば、皮下デバイス2400は、代理人整理番号C729-012017を有する、2020年11月25日に出願された「皮下デバイスのための外科用器具」という名称の米国特許出願第17/105,457号(その開示は、その全体が参照により組み込まれる)に記載されているような外科用器具及び方法を使用して、剣状突起X及び/又は胸骨Sに展開及び固定されることができる。
図71A~72では、除細動器Dが、身体の第1の側の胸骨Sに隣接する肋骨R上に埋め込まれる。図71は、領域AR1、AR2及びAR3として図71に示される除細動器Dの代替的な埋め込み位置を示す。領域AR1は、身体の第1の側の横方向の肋骨R上の領域である。領域AR2は、身体の第2の側の横方向の肋骨R上の領域である。領域AR3は、身体の第2の側の胸骨Sに隣接する肋骨R上領域である。除細動器Dは、領域AR1、AR2又はAR3のいずれか、又は任意の他の適切な埋め込み位置に埋め込むことができる。除細動器は、従来の外科的方法を使用して埋め込むことができる。
皮下デバイス2400は、ケーブル2486Cを介して除細動器Dに物理的かつ電気的に接続される。第1のコネクタ2488Cは、ケーブル2486Cの第1の端部にあり、皮下デバイス2400に取り付けられる。除細動器コネクタ2492Cは、ケーブル2486Cの第2の端部にあり、除細動器Dに取り付けられる。ケーブル2486Cは、皮下デバイス2400のプロング2406を除細動器D内の回路に電気的に接続する。皮下デバイス2400が剣状突起X及び/又は胸骨Sの皮下移に埋め込まれると、ケーブル2486Cは従来の外科的方法を使用して、除細動器Dに接続するよう組織を通される。
皮下デバイス2400がクリップ2404を介して剣状突起X及び胸骨Sに固定されると、プロング2406は、本体2402の第1の面2410及び底面2416から離れるように延びる。したがって、プロング2406は、心臓Hを押し下げ、電極2272は心臓Hに接触し、心臓Hが鼓動する時に接触を維持する。プロング2406は、プロング2406上の電極2472が心臓Hの右心室、左心室、右心房又は左心房に接触するように成形され得る。プロング2406の全体的な所望の剛性は、スリーブ2474内の構造管2482及び構造管2484を介して達成され、これは、プロング2406が心臓Hを穏やかに押し、心臓Hが鼓動する時に心臓Hと接触して上下に移動するものの、心膜組織又は心外膜組織を穿刺し又は引き裂くのに十分なほど硬くも鋭くもないことを保証する。
皮下デバイス2400がクリップ2404を介して剣状突起X及び/又は胸骨Sに固定されるとき、除細動器コイル2473は、図71Dに示されるように、組織Tの上に位置決めされる。組織T及び除細動器コイル2473は、心臓H及び電極2472の下方に配置される。図71A~72に示される実施形態では、除細動器コイル2473は、心臓Hを通過し心臓Hに高電圧電気ショックを提供する除細動器Dを有するベクトルを形成することができる。代替実施形態では、除細動器コイル2473は、皮下デバイス2400から延びる第2のプロング上に配置された除細動器コイルと共にベクトルを形成することができ、第2の除細動器コイルはプロング2406上に配置され、除細動器コイルは第2の皮下デバイス若しくは他の埋め込み医療デバイス上に配置され、電極は第2の皮下デバイス若しくは他の埋め込み医療デバイス上に配置され、又は任意の他の埋め込み医療デバイスを有する。
プロング2406は、心臓Hに対して適切に位置決めされ、心臓Hとの接触を失わないことを確実にするように成形される。皮下デバイス2400を埋め込むための外科的処置は、皮下デバイスが体内で皮下に配置されるため、より従来の除細動器デバイスに必要とされる外科的処置よりも、侵襲性が低い。患者の血管系内にリード線を配置する必要がなく、これにより患者に対する血栓症のリスクが低下する。
図73は、構造的身体構成要素Aに固定された皮下デバイス2400’の側面図である。皮下デバイス2400’は、本体2402と、クリップ2404と、第1のプロング2406A’と、第2のプロング2406B’と、ケーブル2486Dとを含む。第1のプロング406A’は、電極2472A’及び除細動器コイル2473A’を含む。第2のプロング2406B’は、除細動器コイル2473B’を含む。ケーブル2486Dは、第1のコネクタ2488D及び除細動器コネクタ2494Dを含む。図73は更に、構造的身体構成要素A、遠隔身体構成要素B及び除細動器Dを示す。
皮下デバイス2400’は、患者の筋肉、骨又は組織であり得る構造的身体構成要素Aに固定されるように構成された医療機器である。皮下デバイス2400’は、監視デバイス、診断デバイス、治療デバイス又はそれらの任意の組み合わせであり得る。皮下デバイス2400’は、当該皮下デバイス2400’の一部を形成しない遠隔デバイスに接続され、それに電気的に結合され、それと連携して動作することができる’。図73に示される実施形態では、皮下デバイス2400’は、従来の除細動器リードの代わりに、従来の除細動器Dに接続され、電気的に結合され、連携して動作する。皮下デバイス2400’は、患者の心拍数を監視し、患者の心臓の不整脈を診断し、患者の心臓に治療的電気ショックを提供するために、除細動器Dと共に使用することができる。したがって、皮下デバイス2400は、従来の除細動器デバイスのためのリードとして機能的に作用する。
皮下デバイス2400’は、図62~63Dを参照して説明したように、本体2402及びクリップ2404を含む。皮下デバイス2400’は更に、第1のプロング2406A’及び第2のプロング2406B’を含む。第1のプロング2406A’及び第2のプロング2406B’は、皮下デバイス2400の本体2402及びクリップ2404に接続され、それらから離れるように延びる。第1のプロング2406A’は、構造的身体構成要素Aから離れて配置された遠隔身体構成要素Bと接触するように構成される。遠隔身体構成要素Bは、患者の臓器、神経又は組織であり得る。例えば、遠隔身体構成要素Bは、心臓、肺又は体内の任意の他の適切な臓器を含み得る。第1のプロング2406A’及び第2のプロング2406B’は、本明細書で図1~66に示される任意のプロング設計を含む、任意の適切なプロング設計を有することができる。本体2402は、任意の適切なプロング設計に適合するように成形することができる。
第1のプロング2406A’は、遠隔身体構成要素Bの電気的活動又は生理学的パラメータを感知することができ、及び/又は、遠隔身体構成要素Bに治療用電気刺激を与えることができる、の電極2472A’を含む。電極2472A’は、第1のプロング2406A’の遠位端に配置される。電極2472A’は、図50A~53Bを参照して説明した電極1972、1972A、1972B及び1972Cの形状のいずれかのような、任意の適切な形状を有することができる。第1のプロング2406A’は、代替の実施形態において、任意の数の電極を有することができる。第1の突起2406A’はまた、遠隔身体構成要素Bに治療的ショックを送達することができる除細動器コイル2473A’を含む。除細動器コイル2473A’は、第1のプロング2406A’の遠位端と近位端との間に配置される。電極2472A’及び除細動器コイル2473A’は、プロング2406A’内の1つ又は複数のリード線に電気的に結合される。第2のプロング2406B’は、遠隔身体構成要素Bに治療的ショックを送達することができる除細動器コイル2473B’を含む。除細動器コイル2473B’は、第2のプロング2473B’の遠位端に配置される。除細動器コイル2473B’は、プロング2406B’内のリード線に電気的に結合される。
皮下デバイス2400’は、第1の端部に第1のコネクタ2488Dを有し、第2の端部に第2のコネクタ2494Dを有するケーブル2486Dを含む。ケーブル2486Dは、皮下デバイス2400’を除細動器Dに接続する。第1のコネクタ2488D及び除細動器コネクタ2494Dは、電気的にアクティブなコネクタである。第1のコネクタ2488Dは、皮下デバイス2400’に接続され、第1のプロング2406A’及び第2のプロング2406B’に電気的に結合される。例えば、第1のコネクタ2488Dは、ケーブル2486Dを第1のプロング2406A’及び第2のプロング2406B’に電気的に結合するために、第1のプロング2406A’及び第2のプロング2406B’を通って延在する1つ又は複数のリード線にはんだ付けされ得る。代替的に、第1のコネクタ2488Dは、第1のプロング2406A’及び第2のプロング2406B’内の1つ又は複数のリード線に電気的に結合されて、ケーブル2486Dを第1のプロング2406A’及び第2のプロング2406B’に電気的に結合する、皮下デバイス2400内のポートに取り外し可能に接続され得る。第1のコネクタ2488Dは、第1のプロング2406A’上の電極2472A’及び除細動器コイル2473A’に、並びに、第2のプロング2406B’上の除細動器コイル2473B’に、電気的に結合される。除細動器コネクタ2494Dは、従来の除細動器に接続するために従来の除細動器リード上で使用される標準コネクタであり得る。例えば、除細動器コネクタ2494Dは、DF-1コネクタ又はDF-4コネクタであり得る。除細動器コネクタ2494Dは、除細動器D上のヘッダ又はフィードスルーに取り付けられる。ケーブル2486Dは、皮下デバイス2400’の第1のプロング2406A’及び第2のプロング2406B’を除細動器D内の回路に電気的に結合する。
図73に示される実施形態では、皮下デバイス2400’及び除細動器Dは、心臓監視、診断及び/又は治療に使用される除細動器として共に機能するように構成される。図73に示される実施形態では、皮下デバイス2400’は、患者の剣状突起及び/又は胸骨であり得る構造的身体構成要素Aに固定され得る。皮下デバイス2400’は、皮下デバイス2400’が外科用器具を用いて剣状突起及び/又は胸骨上に注入される単純な手順で、埋め込むことができる。例えば、皮下デバイス2400は、代理人整理番号C729-012017を有する、2020年11月25日に出願された「皮下デバイスのための外科用器具」という名称の米国特許出願第17/105,457号(その開示は、その全体が参照により組み込まれる)に記載されているような外科用器具及び方法を使用して、剣状突起及び/又は胸骨に展開及び固定されることができる。
除細動器Dは、任意の適切な位置に埋め込むことができる。例えば、除細動器Dは、身体の第1の側の胸骨Sに隣接する肋骨R上に埋め込むことができる。代替的に、除細動器Dは、身体の第1の側の横方向の肋骨R上の領域;身体の第2の側の横方向の肋骨R上の領域;又は身体の第2の側の胸骨Sに隣接する肋骨R上の領域に埋め込むことができる。除細動器Dは、従来の外科的方法を使用して埋め込むことができる。
皮下デバイス2400’は、ケーブル2486Dを介して除細動器Dに物理的かつ電気的に接続される。第1のコネクタ2488Dは、ケーブル2486Dの第1の端部にあり、皮下デバイス2400’に取り付けられる’。除細動器コネクタ2494Dは、ケーブル2486Dの第2の端部にあり、除細動器Dに取り付けられる。ケーブル2486Dは、皮下デバイス2400の第1のプロング2406A’及び第2のプロング2406B’を、除細動器D内の回路に電気的に接続する。皮下デバイス2400が剣状突起及び/又は胸骨の皮下移に埋め込まれると、ケーブル2486Dは従来の外科的方法を使用して、除細動器Dに接続するよう組織を通される。
皮下デバイス2400がクリップ2404を介して剣状突起X及び/又は胸骨Sに固定されると、第1のプロング2406A’は、本体2402の第1の面2410及び底面2416から離れるように延びる。したがって、第1のプロング2406A’は、遠隔身体構成要素B、例えば、心臓に対して押し下げることができ、電極2472A’は、心臓に接触し、心臓が鼓動するときに接触を維持することができる。第1のプロング2406A’は、第1のプロング2406A’上の電極2472A’が心臓の右心室、左心室、右心房又は左心房に接触するように成形され得る。第1のプロング2406A’の全体的な所望の剛性は、第1のプロング2406A’が心臓を穏やかに押圧し、心臓が鼓動するときに心臓と接触して上下に移動するが、心膜又は心外膜組織を穿孔又は裂傷するのに十分に剛でなく又は鋭くないことを確実にするように設計され得る。更に、第1のプロング2406A’が本体2402の第1の面2410及び底面2416から離れて延びるとき、第1のプロング2406A’上の除細動器コイル2473A’は、心臓の前方に位置付けられる。
皮下デバイス2400’がクリップ2404を介して剣状突起及び/又は胸骨に固定されると、第2のプロング2406B’は、本体2402の第1の面2410及び底面2416から離れるように延びる。したがって、第2のプロング2406B’の遠位端上の除細動器コイル2473B’は、心臓の後方に配置され得る。図73に示される実施形態では、第2のプロング2406B’上の除細動器コイル2473B’は、第1のプロング2406A’上の除細動器コイル2473A’と共に、心臓を通過し心臓に高電圧電気ショックを与えるベクトルを形成することができる。代替の実施形態では、除細動器コイル2473A’及び/又は除細動器コイル2473B’は、除細動器Dと共にベクトルを形成することもできる。
第1のプロング2406A’は、第1の突起2406A’が心臓に対して適切に位置決めされ、心臓との接触を失わないことを確実にするように成形される。皮下デバイス2400を埋め込むための外科的手順は、皮下デバイス2400が体内の皮下に置かれるので、従来の除細動器デバイスに必要とされる外科的手順よりも、侵襲性が低い。患者の血管系内にリード線を配置する必要がなく、これにより患者に対する血栓症のリスクが低下する。
(皮下デバイス2500)
図74は、構造的身体構成要素Aに固定された皮下デバイス2500の側面図である。皮下デバイス2500は、クリップ2504、プロング2506、ケーブル(例えばワイヤ)2508及びコネクタ2509を含む。図74は、構造的身体構成要素A、遠隔身体構成要素B、皮膚SK及び外部デバイスEDをも示す。
皮下デバイス2500は、構造的身体構成要素Aに固定されるように構成された医療機器である。構造的身体構成要素Aは、患者の筋肉、骨又は組織であり得る。皮下デバイス2500は、監視デバイス、診断デバイス、治療デバイス又はそれらの任意の組み合わせであり得る。皮下デバイス2500は、短い期間患者に埋め込まれ、その後容易に患者から除去され得る、一時的な医療機器であるように構成される。図74に示されるように、皮下デバイス2500のクリップ2504及びプロング2506は、患者の身体の内部に配置される。ケーブル2508は、患者の身体の内部のプロング2506から、患者の皮膚SKを通って、患者の身体の外部へ延びる。コネクタ2509は、患者の身体の外部に配置される。皮下デバイス2500は、患者の身体の外部に配置された外部デバイスEDのような遠隔デバイスに導電的に接続される。
皮下デバイス2500は、クリップ2504を含む。クリップ2504は、皮下デバイス2500を構造的身体構成要素Aに固定するように構成される。クリップ2504は、構造的身体構成要素Aの周りで前進させられるにつれて拡張する。クリップ2504は、受動クリップ又は能動クリップであり得る。受動クリップは、骨、筋肉又は組織に取り付けるために、クランプ構成要素の剛性のみを使用する。この剛性は、設計又は埋め込み処置中の能動的クリンピングの結果であり得る。能動クリップは、クリップを骨、筋肉又は組織に固定するために、縫合糸、歯(tines)、ピン又はスクリューのような能動的な固定方法を付加的に使用してもよい。図74に示される実施形態では、クリップ2504はバネ付勢を有し、当該バネ付勢は、拡張されて構造的身体構成要素A上に取り付けられた時、当該構造的身体構成要素にテンションをかける。クリップ2504のバネ付勢は、皮下デバイス2500を構造的身体構成要素Aに固定する。
プロング2506は、皮下デバイス2500のクリップ2504に接続され、そこから離れるように延びる。プロング2506は、構造的身体構成要素Aから離れて配置された遠隔身体構成要素Bと接触するように構成される。遠隔身体構成要素Bは、患者の臓器、神経又は組織であり得る。例えば、遠隔身体構成要素Bは、心臓、肺又は体内の任意の他の適切な臓器を含み得る。プロング2506は、遠隔身体構成要素Bの電気的活動又は生理学的パラメータを感知することができ、及び/又は、遠隔身体構成要素Bに治療用電気刺激を与えることができる、1つ以上の電極を含む。
ケーブル2508は、プロング2506上の1つ以上の電極から、プロング2506内の1つ以上の管腔を通り、プロング2506の近位端から外へ延びる。ケーブル2508は、プロング2506から離れ患者の皮膚SK内の経皮ポートを通って延びる。コネクタ2509は、患者の身体の外部に配置されたケーブル2508の近位端に接続される。コネクタ2509は、如何なる電気コネクタであってもよい。コネクタ2509は、患者の身体の外部に配置された外部デバイスEDに接続されるように構成される。外部デバイスは、コントローラ、感知回路、治療回路、メモリ、電源、トランシーバ、ディスプレイスクリーン、及び/又は、医療機器の任意の他の構成要素を含み得る。外部デバイスEDは、プロング2506上の1つ以上の電極から信号を受信し、プロング2506上の1つ以上の電極に電気信号を送達するように構成される。
皮下デバイス2500は、他の手術を受けている間に患者に埋め込まれ得る。例えば、開心術の終わりに、外科医は、皮下デバイス2500を筋肉、骨及び/又は第1の組織に固定するために、クリップ2504を筋肉、骨及び/又は第1の組織の周囲に配置することができる。患者の切開部は手術に続いて閉じられるので、ケーブル2508は、患者の皮膚SKの切開部を取って延びるように配置され得る。代替的に、皮下デバイス2500は、患者の皮膚SKに小さな切開部を作ることにより患者に埋め込まれることができ、その時、皮下デバイス2500を患者の体内に挿入し、皮下デバイス2500を筋肉、骨及び/又は第1の組織に固定するために、外科用器具が使用され得る。ケーブル2508は、患者の皮膚SKに作られた小さな切開部を通って延びることができる。
一例において、皮下デバイス2500は一時的なペースメーカーであることができ、皮下デバイス2500のプロング2506上の1つ以上の電極は、心臓の電気的活動を感知することができる。感知された電気的活動は、外部デバイスED内の感知回路及びコントローラに伝達され得る。コントローラは患者の心拍数を決定することができ、不整脈があるかどうかを検出することができる。不整脈が検出された場合、コントローラは、プロング2506上の1つ以上の電極を通じて心臓に治療用電気刺激を与えるために、治療回路に命令を送ることができる。このように、皮下デバイス2500は、監視デバイス、診断デバイス及び治療デバイスとして機能する。皮下デバイス2500は、外部デバイスEDによって制御される。外部デバイスEDは、感知デバイス、ペースメーカーデバイス、除細動器デバイス、又は、皮下デバイス2500から信号を受信し、皮下デバイス2500へ信号を送信するために、当該皮下デバイス1600に電気的に接続され得る任意のデバイスであることができる。
皮下デバイス2500を、以下の図75A~76との関連で、より詳細に説明する。皮下デバイス2500は、以下の図75A~76の説明において、監視、診断及び治療のために使用され得る一時的なペースメーカーとして説明される。皮下デバイス2500はまた、代替の実施形態において、監視、診断、又は、これら2つの組み合わせのためにのみ使用され得る。更に、皮下デバイス2500は、単極ペースメーカー又は双極ペースメーカーであり得る。
図75Aは、皮下デバイス2500の斜視図である。図75Bは、皮下デバイス2500の側面図である。図75Cは、皮下デバイス2500のクリップ2504及びプロング2506の後面図である。皮下デバイス2500は、クリップ2504、プロング2506、ケーブル2508及びコネクタ2509を含む。クリップ2504は、上部2540、底部2542、スプリング部2544、先端2546、開口2548、スロット2550及び溝2551を含む。プロング2506は、近位端2560、遠位端2562、ベース部2564、アーム部2568、接触部2570、開口2571、電極2572及び電極2573を含む。
皮下デバイス2500は、患者に埋め込まれるクリップ2504及びプロング2506を含む。ケーブル2508は、プロング2506の近位端を通って延び、コネクタ2509で終端する。ケーブル2508は、患者の皮膚のポートを通って経皮的に延びるように構成される。コネクタ2509は、患者の身体の外部に配置された外部デバイスに接続されるように構成される。
クリップ2504は、上部2540、底部2542及びスプリング部2544を含む。上部2540は、クリップ2504の上部を形成する平坦部であり、底部2542はクリップ2504の底部を形成する平坦部である。スプリング部2544は、クリップ2504の後端に配置された湾曲した部位であり、上部2540と底部2542との間で延在し、これらを接続する。クリップ2504は、ステンレス鋼、チタン、ニチノール、エポキシ、シリコーン、金属補強材を有するポリウレタン、又は、非多孔インプラントに適した任意の他の材料から製作され得る。
クリップ2504の上部2540は、クリップ2504の前端に隣接して先端2546を含む。上部2540は、上部2540の中央から先端2546まで先細りになっている。クリップ2504の上部2540の先端2546の先細りは、クリップ2504が患者の筋肉、骨又は組織に固定されているときに、クリップ2504が組織を通って押し進むのを助ける。クリップ2504の上部2540の先端2546の先細りは、クリップ2504が骨、筋肉又は組織に固定されるときに、組織を通る経路を生成する。
上部2540は、任意に、開口2548を含み得る。開口2548は、上部2540を通って延びている。図75A~75Cに示す実施形態においては、上部2540に2つの開口2548があるが、代替の実施形態においては、任意の数の開口2548があってもよい。開口2548は、皮下デバイス2500を筋肉、骨又は組織に固定するために、クリップ2504が患者の筋肉、骨又は組織に縫合され得るよう構成される。更に、開口2548は、皮下デバイス2500を筋肉、骨又は組織に固定するために、歯、ピン又はスクリューのような、付加的な固定機構を受容することができる。これらの付加的な固定機構は、生体吸収性材料から製作することができる。クリップ2504は、スロット2550も含む。スロット2550は、クリップ2504のスプリング部2544を通って延びる開口である。スロット2550は、皮下デバイス2500を患者に埋め込むために用いられ得る外科用器具のブレードを受容するように構成される。
底部2542は、溝2551をも含む。底部2542は上部2540よりも厚く、溝2551は底部2542の下側の前端から後端まで延びる。溝2551は、プロング2506を受容するように構成される。プロング2506は、溝2551でクリップ1604に取り付けられ、溝2551の前端から後端まで延びる。プロング2506は、接着剤、機械的なラッチ又は他の任意の適切な取り付け手段を用いて、溝2551に取り付けられ得る。
スプリング部2544はクリップ2504のためのスプリングとして作用し、テンション下にある。上部2540はテンションアームとして作用し、スプリング部2544からの力は、上部2540に伝えられこれを押し下げる。その自然な状態において、スプリング部2544のバネ付勢は、上部2540の先端2546をクリップ2504の底部2542に向かって押し付ける。上部2540の先端2546は持ち上げることができ、クリップ2504を患者の筋肉、骨又は組織の上に配置することができる。クリップ2504が患者の筋肉、骨又は組織の上に配置されると、スプリング部2544のテンションは、上部2540を筋肉、骨又は組織の上に押し付ける。このテンションが、クリップ2504を筋肉、骨又は組織に固定する。クリップ2504を骨、筋肉又は組織に固定するために、歯、ピン又はスクリューのような付加的な固定機構を使用することもできる。
プロング2506は、近位端2560と、近位端2560の反対側の遠位端2562とを含む。プロング2506の近位端2560は、張力緩和又は運動を支援するための付加的な材料を有することができる。プロング2506は、ベース部2564、アーム部2568及び接触部2570を含む。ベース部2564の第1の端部はプロング2506の近位端2560と整列され、ベース部2564の第2の端部はアーム部2568の第1の端部に接続される。ベース部2564は、クリップ2504の溝2551に配置され取り付けられた直線的な部分である。アーム部2568の第1の端部はベース部2564の第2の端部に接続され、アーム部2568の第2の端部は接触部2570の第1の端部に接続される。接触部2570の第1の端部はアーム部2568の第2の端部に接続され、接触部2570の第2の端部はプロング2506の遠位端2562と整列される。接触部2570は、遠隔身体構成要素に接触するように配置され得る。
1つ以上の管腔がプロング2506を通って延び、当該管腔を通ってケーブル2508が延びる。開口2571がプロング2506の近位端2560を通って延び、プロング2506内の1つ以上の管腔へのアクセスを提供する。プロング2506は、更に、電極2572及び電極2573を含む。プロング2506は、電極2572及び電極2573のそれぞれに対応する1つの管腔を含むことができる。電極2572及び電極2573は、リング電極又はディスク電極であり得る。電極2572は、図75A~75Cに示す実施形態においては、遠位端2562にあるものとして示される。電極2573は、図75A~75Cに示す実施形態においては、遠位端2562上で電極2572に隣接して配置されるものとして示される。代替の実施形態において、電極2572及び電極2573は接触部2570の任意の点に配置することができ、任意の形状及び構成を有することができる。更に、プロング2506は、代替の実施形態において、単一の電極又は2つより多くの電極を有することができる。電極2572及び電極2573は、遠隔身体構成要素の電気的活動又は生理学的状態を感知するために、プロング2506の接触部2570上に配置される。電極2572及び電極2573はまた、遠隔身体構成要素に治療用電気刺激を与えることができる。
プロング2506は、皮下デバイス2500が患者に埋め込まれるときに、体内の組織を通って押し進むことができるよう、硬い材料で製作されている。プロング2506は、ニチノールとしても知られているニッケルチタンから製作することができる。ニチノールは超弾性を有する形状記憶合金であり、皮下デバイス2500が患者に埋め込まれる際にプロング2506が変形した場合、プロング2506がその元の形状及び位置に戻ることを可能とする。プロング2506はまた、シリコーン、ポリウレタン、ステンレス鋼、チタン、エポキシ、金属補強材を有するポリウレタン、又は、非多孔インプラントに適した任意の他の材料から製作され得る。一例として、プロング2506は、ポリウレタン及びシリコーンから成り、バネ剛性を付与するために金属で補強された複合材料から製作することができる。
ケーブル2508は、プロング2506の近位端2560の開口2571を通って、及び、プロング2506内の1つ以上の管腔を通って延びる。図75A~75Cに示される実施形態では、プロング2506は2つの管腔を含み、ケーブル2508はプロング2506内で2つのリードに分かれる。第1のリードは電極2572に接続するために第1の管腔を通って延び、第2のリードは、電極2573に接続するために第2の管腔を通って延びる。2つのリードはケーブル2508を形成し、ケーブル2508は、プロング2506の近位端2560の開口2571を通って延びる。ケーブル2508は、開口2571内で気密に封止される。代替の実施形態では、ケーブル2508又はケーブル2508の1つ以上のリードが、電極2572及び電極2573と接触するプロング2506内に形成される導電性リードと接触してもよい。
クリップ2504は、図1~9Cに示される皮下デバイス100のクリップ104に関して説明されたのと同様の方法で、筋肉、骨及び/又は組織に固定され得る。更に、皮下デバイス2500は、本明細書では単一のプロング2506を有するものとして記載される。代替の実施形態では、皮下デバイス2500は任意の数のプロングを含むことができ、それらのプロングは任意の形状を有することができる。例えば、皮下デバイス2500は、図1~73を参照して示され説明された任意のプロングを含むことができる。
図76は、剣状突起X及び/又は胸骨Sに固定された皮下デバイス2500の側面図である。皮下デバイス2500は、クリップ2504、プロング2506、ワイヤ2508及びコネクタ2509を含む。クリップ2504は、上部2540、底部2542、スプリング部2544、先端2546、開口2548(図76に図示せず)、スロット2550(図76に図示せず)及び溝2551(図76に図示せず)を含む。プロング2506は、近位端2560、遠位端2562、ベース部2564、アーム部2568、接触部2570、開口2571(図76に図示せず)、電極2572及び電極2573を含む。図76はまた、剣状突起X、胸骨S、心臓H、皮膚SK及び外部ペースメーカーEPを示す。
皮下デバイス2500は、図74~75Cを参照して上述したように、クリップ2504、プロング2506、ケーブル2508及びコネクタ2509を含む。図76に示す実施形態では、皮下デバイス2500は一時的なペースメーカーデバイスであり、それは、外部ペースメーカーEPと接続した状態で、患者の心拍数を監視し、患者の心臓の不整脈を診断し、患者の心臓に治療用電気刺激を提供することができる。一時的なペースメーカーデバイスは、手術後、緊急事態又は心臓モニタリング及び/又はペーシングが短期間、典型的には1日から30日の範囲で必要とされる他の任意の時に、患者に埋め込まれ得る。従来、一時的なペースメーカーは、患者の心臓に接続され、外部ペーシング装置に接続されるために患者の皮膚の経皮ポートを通って延びるリードを含む。
図76に示すように、クリップ2504は、剣状突起X及び胸骨Sに固定される。皮下デバイス2500は、他の手術、例えば開心術中に、外科医によって剣状突起X及び胸骨Sに固定され得る。皮下デバイス2500はまた、図10A~14Bに示される外科用器具200と同様の外科用器具、及び、図15~19を参照して説明された方法300と同様の方法を使用して、剣状突起X及び胸骨Sに固定され得る。外科用器具は、皮下デバイス2500の形状に適応するように設計することができ、皮下デバイス2500を外科用器具から剣状突起X及び胸骨S上に押し出すように構成することができる。
クリップ2504が剣状突起X及び胸骨Sに固定されると、プロング2506はクリップ2504から離れて延び、心臓Hに接触する。プロング2506は、プロング2506の接触部2570が、心臓Hの右心室、左心室、右心房又は左心房に接触するように成形され得る。プロング2506上の電極2572及び電極2573は、心臓Hからの電気信号を感知し及び/又は心臓Hに治療信号を送達するために、心臓Hに接触する。ケーブル2508は、電極2572及び電極2573から、プロング2506内の管腔を通って、患者の皮膚SKの経皮ポートから外へ延びる。コネクタ2509は、ケーブル2508の近位端に接続され、患者の身体の外部に配置される。コネクタ2509は、外部ペースメーカーEPに接続され、皮下デバイス2500を外部ペースメーカーEPに電気的に接続する。コネクタ2509及び外部ペースメーカーEPは、標準的な電気コネクタ、ワニ口クリップ又は他の接続機構を使用して接続され得る。
図76に示される実施形態において、皮下デバイス2500は双極ペースメーカーとして機能し、電極2572又は電極2573の一方は正電極として機能し、電極2572又は電極2573の他方は負電極として機能する。代替の実施形態では、皮下デバイス2500は単極ペースメーカーとして機能することができ、プロング2506上の単一の電極が第1の電極として機能し、クリップ2504は第2の電極として機能する。
クリップ2504及びプロング2506は、皮下デバイス2500が患者の小さな切開部から引き出され得るよう、狭くなるように設計される。具体的には、クリップ2504は、剣状突起Xよりも薄くなるように設計され得る。皮下デバイス2500が患者から除去されるべき場合、クリップ2504及びプロング2506が切開部を通って引かれ得るよう、それを通ってケーブル2508が延びる経皮ポートは僅かに開かれ得る。
外部ペースメーカーEPは、患者がポケット内で持ち歩くことができるか、又は、患者の胸部にテープで留められ得る小型デバイスであることができる。代替的に、外部ペースメーカーEPは、テーブル又は他の支持構造上に支持されるより大きなデバイスであることができる。外部ペースメーカーEPは、電源、コントローラ、メモリ、トランシーバ、感知回路、治療回路、及び/又は、医療機器の任意の他の構成要素を含むことができる。外部ペースメーカーEPは、コネクタ2509を介して、皮下デバイス2500に電気的に接続される。図76に示される実施形態では、電極2572及び電極2573のいずれか1つ又は組み合わせが、心臓Hの電気的活動を感知することができる。感知された電気的活動は、外部ペースメーカーEP内の感知回路及びコントローラに送信され得る。コントローラは患者の心拍数を決定することができ、不整脈があるかどうかを検出することができる。不整脈が検出された場合、コントローラは、電極2572及び/又は電極2573を介して心臓Hに治療用電気刺激を与えるために、治療回路に命令を送ることができる。このように、皮下デバイス2500は、監視デバイス、診断デバイス及び治療デバイスとして機能する。代替の実施形態において、皮下デバイス2500、監視デバイス、診断デバイス、治療デバイス又はそれらの任意の組合せとしてのみ機能することができる。患者がペーシング治療をもはや必要としない場合、皮下デバイス2500は、容易に患者から除去され得る。
(皮下デバイス2600)
図77は、剣状突起X及び/又は胸骨Sに固定された皮下デバイス2600の側面図である。皮下デバイス2600は、クリップ2604、プロング1806A、プロング1806B、ワイヤ)2608及びコネクタ2609を含む。クリップ2604は、上部2640、底部2642、スプリング部2644、先端2646、開口2648(図77に図示せず)、スロット2650(図77に図示せず)及び溝2651(図77に図示せず)を含む。プロング2606は、近位端2660、遠位端2662、ベース部2664、アーム部2668、接触部2670、開口2671(図77に図示せず)及び電極2672を含む。図77はまた、剣状突起X、胸骨S、心臓H、皮膚SK及び外部ペースメーカーEPを示す。
皮下デバイス2600は、クリップ2604、プロング2606、ケーブル2608及びコネクタ2609を含む。コネクタ2609は、皮下デバイス2600を外部ペースメーカーEPのような遠隔デバイスに電気的に接続するように構成される。図77に示されるように、皮下デバイス2600のクリップ2604及びプロング2606は、患者の身体の内部に配置される。ケーブル2608は、患者の身体の内部のプロング2606から、患者の皮膚SKを通って、患者の身体の外部へ延びる。コネクタ2609は、患者の身体の外部に配置される。皮下デバイス2600は、患者の身体の外部に配置された外部ペースメーカーEPに導電的に接続される。
クリップ2604は、図74~76に示される皮下デバイス2500のクリップ2504と同一の一般的な構造及び設計を有する。クリップ2604の部分を参照する参照番号は、図74~76に示される皮下デバイス2500のクリップ2504の部分を参照する参照番号と比較して、100だけ増分される。
プロング2606は、図74~76に示される皮下デバイス2500のプロング2506と同一の部分を含み、プロング2606の部分を参照する参照番号は、図74~76に示される皮下デバイス2500のプロング2506の部分を参照する参照番号と比較して、100だけ増分される。しかしながら、プロング2606は異なる形状を有し、単一の電極のみを含む。アーム部2668は、クリップ2606から離れて延びるにつれて、凸形状に下向きに徐々に湾曲する。接触部2670は心臓Hと接触するように構成されたプロング2606の遠位端2662に隣接するプロング2606の部分である。電極2672は、接触部2670上に配置され、心臓Hと接触する。
図77に示される実施形態において、皮下デバイス2600は、患者の剣状突起X及び胸骨Sに固定され得る。クリップ2604は、皮下デバイス2600を剣状突起X及び胸骨Sに固定するように構成される。クリップ2604は、剣状突起X及び胸骨Sの周りに配置されるにつれて拡張する。スプリング部2644はクリップ2604のためのスプリングとして作用し、テンション下にある。上部2640はテンションアームとして作用し、スプリング部2644からの力は、上部2640に伝えられこれを押し下げる。クリップ2604が剣状突起X及び胸骨Sの上に配置されると、スプリング部2644のテンションは上部2640を剣状突起X及び胸骨Sの上に押し下げてクリップ2604を剣状突起X及び胸骨Sに固定する。更に、縫合糸、歯、ピン又はスクリューを、クリップ2604の上部2640上の開口2648を通して挿入し、皮下デバイス2600を剣状突起X及び胸骨Sに更に固定することができる。
図77に示される実施形態では、皮下デバイス2600は単極ペースメーカーとして機能し、クリップ2604は正電極として機能し、プロング2606上の電極2672は負電極として機能する。代替の実施形態では、皮下デバイス2600はプロング2606上に2つの電極を有することができ、双極ペースメーカーとして機能することができる。
外部ペースメーカーEPは、患者がポケット内で持ち歩くことができるか、又は、患者の胸部にテープで留められ得る小型デバイスであることができる。代替的に、外部ペースメーカーEPは、テーブル又は他の支持構造上に支持されるより大きなデバイスであることができる。外部ペースメーカーEPは、電源、コントローラ、メモリ、トランシーバ、感知回路、治療回路、及び/又は、医療機器の任意の他の構成要素を含むことができる。外部ペースメーカーEPは、コネクタ2609を介して、皮下デバイス2600に電気的に接続される。図77に示す実施形態では、電極2672は心臓Hの電気的活動を感知することができる。感知された電気的活動は、外部ペースメーカーEP内の感知回路及びコントローラに送信され得る。コントローラは患者の心拍数を決定することができ、不整脈があるかどうかを検出することができる。不整脈が検出された場合、コントローラは、電極2672を介して心臓Hに治療用電気刺激を与えるために、治療回路に命令を送ることができる。本実施形態では、電極2672は負電極として機能し、クリップ2604は正電極として機能する。このように、皮下デバイス2600は、監視デバイス、診断デバイス及び治療デバイスとして機能する。代替の実施形態において、皮下デバイス2600、監視デバイス、診断デバイス、治療デバイス又はそれらの任意の組合せとしてのみ機能することができる。患者がペーシング治療をもはや必要としない場合、皮下デバイス2600は、容易に患者から除去され得る。
(皮下デバイス2700)
図78Aは、皮下デバイス2700の斜視図である。図78Bは、皮下デバイス2700のクリップ2704、第1のプロング2706A及び第2のプロング2706Bの後面図である。図79は、剣状突起X及び/又は胸骨Sに固定された皮下デバイス2700の側面図である。皮下デバイス2700は、クリップ2704、プロング2706A、プロング2706B、ケーブル(例えばワイヤ)2708及びコネクタ2709を含む。クリップ2704は、上部2740、底部2742、スプリング部2744、先端2746、開口2748、スロット2750、溝2751A及び溝2751Bを含む。プロング2706Aは、近位端2760A、遠位端2762A、ベース部2764A、アーム部2768A、接触部2770A、開口2771A、電極2772A及び電極2773Aを含む。プロング2706Bは、近位端2760B、遠位端2762B、ベース部2764B、アーム部2768B、接触部2770B、開口2771B及び除細動器コイル2774Bを含む。図79はまた、剣状突起X、胸骨S、心臓H、皮膚SK及び外部除細動器EFを示す。
皮下デバイス2700は、一時的な除細動器デバイスである。心筋梗塞を経験した患者及び/又は血管形成術を受けた患者は、30~60日の期間、突然の心停止のリスクがある。皮下デバイス2700は、心筋梗塞及び/又は血管形成術に続いて患者の心臓を監視するために、一時的に患者に埋め込まれ得る。治療がもはや必要とされない場合、皮下デバイス2700は、患者の小さな切開部を通して除去され得る。
皮下デバイス2700は、クリップ2704、プロング2706A、プロング2706B、ケーブル2708及びコネクタ2709を含む。コネクタ2709は、皮下デバイス2700を外部除細動器EFのような遠隔デバイスに電気的に接続するように構成される。図79に示されるように、皮下デバイス2700のクリップ2704、プロング2706A及びプロング2706Bは、患者の身体の内部に配置される。ケーブル2708は、患者の身体の内部のプロング2706A及びプロング2706Bから、患者の皮膚SKを通って、患者の身体の外部へ延びる。コネクタ2709は、患者の身体の外部に配置される。皮下デバイス2700は、患者の身体の外部に配置された外部除細動器EFに導電的に接続される。
クリップ2704は、図74~76に示される皮下デバイス2500のクリップ2504と同一の一般的な構造及び設計を有する。しかしながら、クリップ2704は、溝2751A及び溝2751Bを含む2つの溝を含む。クリップ2704の部分を参照する参照番号は、図74~76に示される皮下デバイス2500のクリップ2504の部分を参照する参照番号と比較して、200だけ増分される。溝2751A及び溝2751Bは、クリップ2704上で互いに隣接して配置される。プロング2706Aは、プロング2706Aをクリップ2704に取り付けるために、溝2751A内に配置され取り付けられるように構成される。プロング2706Bは、プロング2706Bをクリップ2704に取り付けるために、溝2751B内に配置され取り付けられるように構成される。
プロング2706A及びプロング2706Bは概して、図74~76に示される皮下デバイス2500のプロング2506と同じ部分を含み、プロング2706A及びプロング2706Bの部分を参照する参照番号は、図74~76に示される皮下デバイス2500のプロング2506の部分を参照する参照番号と比較して、200だけ増分される。プロング2706Aは、図74~76に示されるプロング2506と同一の形状を有する。アーム部2768Bは、クリップ2704から離れて延びる。接触部2770Aは、心臓Hと接触するように構成されたプロング2706Aの遠位端2762Aに隣接するプロング2706Aの部分である。接触部2770A上に配置された電極2772A及び電極2773Aも、心臓Hと接触する。しかしながら、プロング2706Bは、図74~76に示されるプロング2506とは異なる形状を有し、電極の代わりに除細動器コイル2774Bを含む。アーム部2768Bは、クリップ2704から離れて延びる。接触部2770Bは、心臓Hより下の組織と接触するように構成されたプロング2706Bの遠位端2762Bに隣接するプロング2706Bの部分である。除細動器コイル2774Bは、プロング2706Bの遠位端2762Bに隣接する接触部2770B上に配置される。電気信号が除細動器コイル2774Bに送達されると、除細動器コイル2774Bは、プロング2706A上の電極2772Aと共にベクトルを生成する。図示の実施形態では、除細動器コイル2774Bは負電極として機能し、電極2772Aは正電極として機能する。しかしながら、代替の実施形態においては、これを逆にすることができる。プロング2706Bは、遠位端2762B、したがって接触部2770B及び除細動器コイル2774Bが心臓の下に位置するように配置される。したがって、除細動器コイル2774Bと電極2772Aとの間に生成されるベクトルは、心臓Hを通過して心臓Hに高電圧電気ショックを提供する。除細動器コイル2774B及び電極2772Aは、ベクトルが心臓Hの心室を通過するように配置され得る。更に、除細動器コイル2774B及び電極2772Aが心臓Hに近接しているため、心臓Hにショックを与えるために必要とされるエネルギーは比較的低い。
図79に示される実施形態において、皮下デバイス2700は、患者の剣状突起X及び胸骨Sに固定され得る。クリップ2704は、皮下デバイス2700を剣状突起X及び胸骨Sに固定するように構成される。クリップ2704は、剣状突起X及び胸骨Sの周りに配置されるにつれて拡張する。スプリング部2744はクリップ2704のためのスプリングとして作用し、テンション下にある。上部2740はテンションアームとして作用し、スプリング部2744からの力は、上部2740に伝えられこれを押し下げる。クリップ2704が剣状突起X及び胸骨Sの上に配置されると、スプリング部2744のテンションは上部2740を剣状突起X及び胸骨Sの上に押し下げてクリップ2704を剣状突起X及び胸骨Sに固定する。更に、縫合糸、歯、ピン又はスクリューを、クリップ2704の上部2740上の開口2748を通して挿入し、皮下デバイス2700を剣状突起X及び胸骨Sに更に固定することができる。
外部除細動器EFは、電源、コントローラ、メモリ、トランシーバ、感知回路、治療回路、及び/又は、医療機器の任意の他の構成要素を含むことができる。図79に示す実施形態では、皮下デバイス2700が単腔ペースメーカー及び除細動器であるように構成される。電極2772A及び電極2773Aのいずれか1つ又は組み合わせは、心臓の電気的活動を感知することができる。更に、除細動器コイル2774Bは、心臓の電気的活動を感知する電極として作用することができる。感知された電気的活動は、外部除細動器EF内の感知回路及びコントローラに伝達され得る。コントローラは患者の心拍数を決定することができ、不整脈又は異常があるかどうかを検出することができる。不整脈が検出された場合、コントローラは、電極2772A及び電極2772Bによって心臓に治療用刺激を与えるために、治療回路に命令を送ることができる。異常が検出された場合、コントローラは、除細動器コイル2774Bによって心臓に高電圧電気ショックを与えるために、治療回路に命令を送ることができる。このように、皮下デバイス2700は、監視デバイス、診断デバイス及び治療デバイスとして機能する。代替の実施形態において、皮下デバイス2700は、監視デバイス、診断デバイス、治療デバイス又はそれらの任意の組合せとしてのみ機能することができる。患者が監視及び除細動器治療をもはや必要としない場合、皮下デバイス2700は、容易に患者から除去され得る。
皮下デバイス100、100、400、500、600、700、800、900、1000、1100、1200、1300、1400、1500、1600、1700、1800、1900、2200、2300,2400,2500,2600及び2700は、以下を含む皮下デバイスの様々な実施形態を開示する:シングルプロング心臓モニタリングデバイス、マルチプロング心臓モニタリングデバイス、肺モニタリングデバイス、単腔ペースメーカー、二腔ペースメーカー、三腔ペースメーカー、心房除細動器、シングルベクトル心室除細動器、マルチベクトル心室除細動器、及び、埋め込み型薬剤ポンプ及び/又は薬剤送達デバイスペースメーカーの実施形態の各々は、監視及び診断デバイス及び/又は薬剤送達デバイスとしても機能することができ、除細動器の実施形態の各々は、監視及び診断デバイス、ペースメーカーデバイス及び/又は薬剤送達デバイスとしても機能することができ、薬剤送達の実施形態の各々は、監視及び診断デバイス、ペースメーカーデバイス及び/又は除細動器デバイスとしても機能することができる。更に、各実施形態の特徴は、明示的な別段の開示がない限り、任意の他の実施形態の特徴と組み合わされ及び/又は置換され得る。例えば、各実施形態は、別途明示的に開示されない限り、電気刺激、ペーシング、電気ショック送達、薬剤送達、電気信号感知(光受容体を組み込む)、音響及び振動感知(マイクロフォンを組み込む)並びに磁場感知(磁力計を組み込む)を含む、治療能力及び/又は診断能力を提供し得る。更に、記載され示された実施形態のいくつか又は全てにおいて、開示されたクリップデザインのいずれかは、本明細書又は2020年9月14日に出願された「CLIP DESIGN FOR A SUBCUTANEOUS DEVICE」と題された米国特許出願第17/020,356号に開示された任意の他のクリップ設計と置き換えられてもよく、これは参照により組み込まれる。
(可能な実施形態の説明)
以下は、本発明の可能な実施形態の非排他的な説明である。
皮下に埋め込み可能なデバイスは、筋肉、骨及び/又は第1の組織に皮下に埋め込み可能なデバイスを固定するように構成されたクリップと、クリップに隣接して固定されたクリップと、近位端及びクリップから離れて延び臓器、神経及び/又は第2の組織に接触するように構成された遠位端を有する第1のプロングと、を含む。第1のプロング上の第1の電極は、臓器、神経及び/又は第2の組織に接触するように構成される。ケーブルは第1の電極に導電的に結合され、当該ケーブルは、皮下に埋め込まれたデバイスを遠隔デバイスに電気的に結合するために、当該遠隔デバイスに接続されるように構成される。
前段落のデバイスは、任意選択で付加的に及び/又は代替的に、以下の特徴、構成及び/又は追加の構成要素のうちの任意の1つ又は複数を含むことができる:
遠隔デバイスは、患者の体外に配置される外部デバイスである。
管腔は第1のプロングを通って延び、ケーブルは第1の電極から管腔を通り第1のプロングの近位端の開口から外へ延びる。
遠隔デバイスは、患者の体内に配置されたペースメーカーデバイス又は除細動器デバイスである。
ケーブルは第1の端部に第1のコネクタを含み、第1のコネクタは、ケーブルを第1のプロングに導電的に結合するように、皮下埋め込みデバイスに接続される。
ケーブルは、第1の電極に導電的に結合された第1のプロングを通って延びるリード線に導電的に結合される。
ケーブルは、ケーブルを遠隔デバイスに導電的に結合するために遠隔デバイスに接続されるように構成された第、2の端部上に第2のコネクタを含む。
第2のコネクタは、標準的なIS-1又はIS-4ペースメーカーコネクタ、又は、標準的なDF-1又はDF-4除細動器コネクタである。
第1の電極は、臓器、神経、及び/又は第2の組織に関する監視、治療及び/又は診断能力を提供するために、遠隔デバイス内の回路と電気通信するように構成される。
第1のプロングは、第1のプロングの近位端上にあり、クリップに隣接して固定されるベース部と、ベース部から延びるアーム部と、アーム部から延び、臓器、神経及び/又は第2の組織に接触するように構成される、第1のプロングの遠位端で終端する接触部とを備える。
第1の電極は、接触部上に配置される。
第1のプロングは更に、ベース部、アーム部及び接触部の一部に沿って延びるスリーブと、スリーブを通って延び、その端部が第1の電極に接続されるリード線と、リード線の両側でベース部及びプロングのアーム部に沿ってスリーブを通って延びる構造管とを備える。
第1のプロングのベース部は、本体を有するクリップに接続される。
接触部は、臓器、神経及び/又は第2の組織に向かって身体から離れるように角度を付けられる。
接触部は、第1のプロングが臓器、神経及び/又は第2の組織を押し下げるように、本体から離れるように角度を付けられる。
第1のプロングは、形状記憶材料で作られたスパインを備える。
第1の電極は、円錐形状、球形状、円筒形状又はハンマーヘッド形状を有する。
デバイスは、更に、臓器、神経及び/又は第2の組織に接触するように構成された第1のプロング上の第2の電極を含む。
ケーブルは、第2の電極を遠隔デバイスに電気的に接続するために、第2の電極に導電的に結合される。
第1のプロングは、心臓の右心室、心臓の左心室、心臓の右心房又は心臓の左心房に接触するように構成される。
デバイスは、クリップに隣接して固定された近位端と、クリップから離れるように延びる遠位端とを有する第2のプロングを更に含む。
デバイスは、臓器、神経及び/又は第2の組織に接触するように構成された第2のプロング上の第2の電極を更に含み、ケーブルは、第2の電極を遠隔デバイスに電気的に接続するために、第2の電極に導電的に結合される。
デバイスは、第1のプロング上に配置され、第1のプロングに電気的に結合された除細動器コイルを更に含み、ケーブルは、除細動器コイルを遠隔デバイスに電気的に結合するように構成される。
システムは、皮下に埋め込み可能なデバイス、遠隔デバイス及びケーブルを含む。皮下に埋め込み可能なデバイスは、筋肉、骨及び/又は第1の組織に皮下に埋め込み可能なデバイスを固定するように構成されたクリップと、クリップに隣接して固定された近位端と、クリップから離れて延び臓器、神経及び/又は第2の組織に接触するように構成された遠位端とを有する第1のプロングと、臓器、神経及び/又は第2の組織に接触するように構成された第1のプロング上の第1の電極と、を含む。遠隔デバイスは、ハウジングと、皮下に埋め込み可能なデバイス内の第1の電極と電気通信し、臓器、神経及び/又は第2の組織に関する監視、治療及び/又は診断能力を提供するように構成された、遠隔デバイスのハウジング内の回路と、を含む。ケーブルは、皮下に埋め込み可能なデバイスを遠隔デバイスに電気的に結合するために、皮下に埋め込み可能なデバイス内の第1の電極及び遠隔デバイス内の回路に導電的に結合される。
前段落のデバイスは、任意選択で、付加的に及び/又は代替的に、以下の特徴、構成及び/又は追加の構成要素のうちの任意の1つ又は複数を含むことができる:
遠隔デバイスは、患者の体外に配置される外部デバイスである。
遠隔デバイスは、患者の体内に配置されたペースメーカーデバイス又は除細動器デバイスである。
ケーブルは第1の端部に第1のコネクタを含み、第1のコネクタは、ケーブルを第1のプロングに導電的に結合するように、皮下埋め込みデバイスに接続される。
ケーブルは、ケーブルを遠隔デバイスに導電的に結合するために遠隔デバイスに接続されるように構成された第、2の端部上に第2のコネクタを含む。
第2のコネクタは、標準的なIS-1又はIS-4ペースメーカーコネクタ、又は、標準的なDF-1又はDF-4除細動器コネクタである。
第1の電極は、臓器、神経、及び/又は第2の組織に関する監視、治療及び/又は診断能力を提供するために、遠隔デバイス内の回路と電気通信するように構成される。
例示的な実施形態を参照して本発明を説明してきたが、本発明の範囲から逸脱することなく、様々な変更を行うことができ、構成要素の代わりに均等物を用いることができることが、当業者には理解されよう。加えて、その本質的な範囲から逸脱することなく、特定の状況又は材料を本発明の教示に適合させるために、多くの変更を行うことができる。したがって、本発明は、開示された特定の実施形態に限定されるものではなく、添付の特許請求の範囲に含まれる全ての実施形態を含むことが意図される。

Claims (26)

  1. 皮下に埋め込み可能なデバイスであって、
    前記皮下に埋め込み可能なデバイスを筋肉、骨及び/又は第1の組織に固定するように構成されたクリップと、
    前記クリップに固定された近位端と、前記クリップから離れて延び、臓器、神経及び/又は第2の組織に接触するように構成された遠位端とを有するプロングと、
    前記臓器、前記神経及び/又は前記第2の組織に接触するように構成された前記第1のプロング上の第1の電極と、
    前記第1の電極に導電的に結合されたケーブルであって、皮下に埋め込まれた前記デバイスを遠隔デバイスに電気的に結合するために当該遠隔デバイスに接続されるように構成され、前記遠隔デバイスは、患者の体内に配置されたペースメーカーデバイス又は除細動器デバイスである、ケーブルと、
    を備えるデバイス。
  2. 管腔が前記第1のプロングを通って延び、前記ケーブルは前記第1の電極から前記管腔を通り前記第1のプロングの前記近位端の開口から外へ延びる、請求項1に記載のデバイス。
  3. 前記ケーブルは、第1の端部に第1のコネクタを含み、前記第1のコネクタは、前記ケーブルを前記第1のプロングに導電的に結合するように、皮下に埋め込まれた前記デバイスに接続される、請求項1に記載のデバイス。
  4. 前記ケーブルは、前記第1の電極に導電的に結合され、前記第1のプロングを通って延びるリード線に、導電的に結合される、請求項1に記載のデバイス。
  5. 前記ケーブルは、第2の端部に第2のコネクタを含み、前記第2のコネクタは、前記ケーブルを前記遠隔デバイスに導電的に結合するために前記遠隔デバイスに接続されるように構成される、請求項1に記載のデバイス。
  6. 前記第2のコネクタは、標準的なIS-1又はIS-4ペースメーカーコネクタ、又は、標準的なDF-1又はDF-4除細動器コネクタである、請求項5に記載のデバイス。
  7. 前記第1の電極は、前記臓器、前記神経及び/又は前記第2の組織に関する監視、治療及び/又は診断能力を提供するために、前記遠隔デバイス内の回路と電気通信するように構成される、請求項1に記載のデバイス。
  8. 前記第1のプロングは更に、
    前記第1のプロングの前記近位端上のベース部であって、前記クリップに隣接して固定されるベース部と、
    前記ベース部から延びるアーム部と、
    前記アーム部から延び、前記臓器、前記神経及び/又は前記第2の組織に接触するように構成された前記第1の突起の前記遠位端で終端する接触部と、
    を備える、請求項1に記載のデバイス。
  9. 前記第1の電極は前記接触部上に配置される、請求項8に記載のデバイス。
  10. 前記第1のプロングは更に、
    前記ベース部、前記アーム部及び前記接触部の一部に沿って延びるスリーブと、
    前記スリーブを通って延び、その端部が前記第1の電極に接続されるリード線と、
    前記リード線の両側で前記ベース部及び前記プロングの前記アーム部に沿って前記スリーブを通って延びる構造管と、
    を備える、請求項8に記載のデバイス。
  11. 前記第1のプロングのベース部は、本体を有する前記クリップに接続される、請求項8に記載のデバイス。
  12. 前記接触部は、前記臓器、前記神経及び/又は前記第2の組織に向かって前記本体から離れるように角度を付けられるように構成される、請求項11に記載のデバイス。
  13. 前記接触部は、前記第1のプロングが前記臓器、前記神経及び/又は前記第2の組織を押し下げるように、前記本体から離れるように角度を付けられる、請求項11に記載のデバイス。
  14. 前記第1のプロングは、形状記憶材料で作製されたスパインを備える、請求項1に記載のデバイス。
  15. 前記第1の電極は、円錐形状、球形状、円筒形状又はハンマーヘッド形状を有する、請求項1に記載のデバイス。
  16. 前記臓器、前記神経及び/又は前記第2の組織に接触するように構成された、前記第1のプロング上の第2の電極、を更に備える、請求項1に記載のデバイス。
  17. 前記ケーブルは、前記第2の電極を前記外部デバイスに電気的に接続するために、前記第2の電極に導電的に接続される、請求項16に記載のデバイス。
  18. 前記第1のプロングは、前記心臓の右心室、前記心臓の左心室、前記心臓の右心房又は前記心臓の左心房に接触するように構成される、請求項1に記載のデバイス。
  19. 前記クリップに隣接して固定された近位端と、前記クリップから離れるように延びる遠位端とを有する第2のプロング、を更に備える、請求項1に記載のデバイス。
  20. 前記臓器、前記神経及び/又は前記第2の組織に接触するように構成された前記第2のプロング上の第2の電極を更に備え、前記ケーブルは、前記第2の電極を前記遠隔デバイスに電気的に接続するために、前記第2の電極に導電的に結合される、請求項19に記載のデバイス。
  21. 前記第1のプロング上に配置され、前記第1のプロングに電気的に結合された除細動器コイルを更に備え、前記ケーブルは、前記除細動器コイルを前記遠隔デバイスに電気的に結合するように構成される、請求項1に記載のデバイス。
  22. 皮下に埋め込み可能なデバイスであって、
    前記皮下に埋め込み可能なデバイスを筋肉、骨及び/又は第1の組織に固定するように構成されたクリップと、
    前記クリップに隣接して固定された近位端と、前記クリップから離れて延び、臓器、神経及び/又は第2の組織に接触するように構成された遠位端とを有する、第1のプロングと、
    前記臓器、前記神経及び/又は前記第2の組織に接触するように構成された、前記第1のプロング上の第1の電極と、
    を備える皮下に埋め込み可能なデバイスと、
    患者の体内に配置されたペースメーカーデバイス又は除細動器デバイスである遠隔デバイスであって、
    ハウジングと、
    前記皮下に埋め込み可能なデバイス内の前記第1の電極と電気通信し、前記臓器、前記神経及び/又は前記第2の組織に関する監視、治療及び/又は診断能力を提供するように構成された、前記遠隔デバイスの前記ハウジング内の回路と、
    を備える遠隔デバイスと、
    前記皮下に埋め込み可能なデバイスを前記遠隔デバイスに電気的に結合するために、前記皮下に埋め込み可能なデバイス内の前記第1の電極及び前記遠隔デバイス内の前記回路に導電的に結合されたケーブルと、
    を備えるシステム。
  23. 前記ケーブルは第1の端部に第1のコネクタを含み、前記第1のコネクタは、前記ケーブルを前記第1のプロングに導電的に結合するために、皮下埋め込まれた前記デバイスに接続される、請求項22に記載のシステム。
  24. 前記ケーブルは、前記ケーブルを前記遠隔デバイスに導電的に結合するために前記遠隔デバイスに接続されるように構成された、第2の端部上の第2のコネクタを含む、請求項22に記載のシステム。
  25. 前記第2のコネクタは、標準的なIS-1又はIS-4ペースメーカーコネクタ、又は、標準的なDF-1又はDF-4除細動器コネクタである、請求項24に記載のシステム。
  26. 前記第1の電極は、前記臓器、前記神経及び/又は前記第2の組織に関する監視、治療及び/又は診断能力を提供するために、前記遠隔デバイス内の回路と電気通信するように構成される、請求項22に記載のシステム。
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