JP2024500880A - ムスカリン性アセチルコリン受容体m4のアンタゴニスト - Google Patents

ムスカリン性アセチルコリン受容体m4のアンタゴニスト Download PDF

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Abstract

ムスカリン性アセチルコリン受容体M4(mAChR M4)のアンタゴニストとして有用な式(III)の化合物を本明細書において開示する。また、化合物、化合物を含む医薬組成物を作製する方法、並びに化合物及び組成物を使用して神経変性障害を処置する方法も本明細書において開示する。【化1】TIFF2024500880000233.tif37170

Description

関連出願の相互参照
本出願は、2020年10月22日に出願された米国仮特許出願第63/129,196号、2021年4月5日に出願された米国仮特許出願第63/170,899号、及び2021年12月1日に出願された米国仮特許出願第63/284,750号に対する優先権を主張し、これらの各々の出願は、その全体が参照により組み込まれる。
政府の利益についての声明
本発明は、国防総省(Department of Defense)から交付された助成金W81XWH-19-1-0355の下で、政府の支援を受けて実施された。政府は本発明に関して一定の権利を有する。
技術分野
本開示は、ムスカリン性アセチルコリン受容体機能不全に関連する障害を治療するための化合物、組成物及び方法に関する。
パーキンソン病(PD)は、年齢の関数として有病率が増加する、2番目に最も一般的な神経変性疾患である。さらに、早期発症PDも増加している。PDの顕著な特徴は、黒質(SN)及び基底核(BG)におけるドーパミン作動性ニューロンの進行性変性及び損失であり、寡動、振戦、硬直、歩行機能障害及び姿勢不安定を含む顕著な運動症状をもたらす。現在、レボドパ(L-DOPA)は、運動症状を治療するための標準治療であるが、それは、治癒的ではなく、長期使用によりL-DOPA誘発ジスキネジア(LID)を引き起こす可能性がある。
L-DOPA以前には、抗コリン作動性を有する化合物が好ましいPD治療方法であった。コリン作動性ニューロンは、BG運動回路の重要な神経調節制御を提供する。基底核経路に対するコリン作動性経路の作用は、複雑であるが、ムスカリン性アセチルコリン受容体(mAChR)の活性化は、一般に、ドーパミン(DA)シグナル伝達に対抗する作用を有する。例えば、mAChRアゴニストは、DA放出を阻害し、DAレベル及びシグナル伝達を増加させる薬物の複数の行動効果を阻害する。興味深いことに、ムスカリン性アセチルコリン受容体(mAChR)アンタゴニストは、PDのための最初に利用可能な治療であり、この障害の治療のために依然として広く使用されている。mAChRアンタゴニストの作用に関する多くの研究は、ランダム化比較試験が導入される前に実施されたが、最近の十分に制御された二重盲検クロスオーバー設計研究は、mAChRアンタゴニストを受けている患者での運動機能の複数の局面における有意な改善を実証する。残念ながら、mAChRアンタゴニストは、多数の末梢性有害作用並びに錯乱及び重度の認知障害を含む、それらの臨床的有用性を厳しく制限する多数の用量制限有害作用を有する。
mAChRアンタゴニストに関連した有害作用は、許容され得る用量を制限するため、以前の臨床研究は、mAChRアンタゴニストの用量が、これらの薬剤の抗パーキンソン病効果に関与する特異的mAChRサブタイプのより完全な遮断を達成するために増加され得る場合に達成され得る効力を過小評価し得る。mAChRは、M~Mと呼ばれる5つのサブタイプを含む。スコポラミンなどの利用可能なmAChRアンタゴニストは、これらのサブタイプにわたって非選択的であり、それらの有害作用の多くは、抗パーキンソン病活性に関与しないmAChRサブタイプによって媒介される可能性が高い。したがって、個々のmAChRに対してより選択的なプロファイルを有する化合物は、PD及びジストニアなどの関連障害において利点を提供し得る。例えば、いくつかの研究は、M mAChRサブタイプが基底核運動機能のmAChR調節において支配的な役割を果たし得ることを示している。
本発明の一態様は、式(III)の化合物、
Figure 2024500880000002

又は薬学的に許容されるその塩を提供し、式中:
は、
Figure 2024500880000003

であり、
1aは、
Figure 2024500880000004

であり、
Rは、水素、C1~4アルキル、C3~4シクロアルキル、又は-C1~3アルキレン-C3~4シクロアルキルであり;
1aは、水素、C1~4アルキル、C1~4フルオロアルキル、-OC1~4アルキル、-OC1~4フルオロアルキル、-OC3~6シクロアルキル、-OCH3~6シクロアルキル、-SO1~4アルキル、-SO3~6シクロアルキル、フェニル、又はC3~6シクロアルキルであり、ここで、フェニル及び各C3~6シクロアルキルは、ハロゲン、シアノ、C1~4アルキル、C1~4ハロアルキル、-OC1~4アルキル、及び-OC1~4ハロアルキルからなる群から独立に選択される1~4個の置換基で任意選択で置換されており;
1bは、水素、ハロゲン、シアノ、C1~4アルキル、C1~4フルオロアルキル、又はC3~6シクロアルキルであり;
或いは代わりに、R1a及びR1bは、それらが付着している原子と一緒に、5員若しくは6員の不飽和若しくは部分不飽和の炭素環式環若しくは複素環式環を形成し、炭素環式環若しくは複素環式環は、非置換であるか、又はハロゲン、シアノ、C1~4アルキル、C1~4フルオロアルキル、C2~4アルケニル、C3~6シクロアルキル、及び-C1~3アルキレン-C3~4シクロアルキルからなる群から独立に選択される1~4個の置換基で置換されており;
は、CF又はCHFであり;
2aは、出現する毎に独立に、ハロゲン、C1~4アルキル、C1~4フルオロアルキル、-OC1~4アルキル、又は-OC1~4フルオロアルキルであり;
nは、0、1、又は2であり、
は、G、-L-G、-L-G、-L-L-G、-C2~6アルキレン-R3a、C3~7アルキル、又はC3~7ハロアルキルであり;
は、水素又はメチルであり;
は、C1~5アルキレン又はC1~5フルオロアルキレンであり;
は、1,1-シクロプロピレンであり;
は、6~12員アリール、5~12員ヘテロアリール、4~12員ヘテロシクリル、又は6員芳香族炭化水素に任意選択で縮合しているC3~12カルボシクリルであり、ここで、Gは、ハロゲン、シアノ、オキソ、C1~4アルキル、C1~4ハロアルキル、-OR13、-N(R13、-C1~3アルキレン-OR13、及び-C1~3アルキレン-N(R13からなる群から独立に選択される1~5個の置換基で任意選択で置換されており;
3aは、-OR14又は-N(R14であり;
13は、出現する毎に独立に、水素、C1~4アルキル、C1~4ハロアルキル、C3~4シクロアルキル、又は-C1~3アルキレン-C3~4シクロアルキルであり、ここで、代わりに、2個のR13は、2個のR13が付着している窒素と一緒に、ハロゲン及びC1~4アルキルからなる群から独立に選択される1~4個の置換基で任意選択で置換されている4~6員複素環式環を形成し;
14は、出現する毎に独立に、水素、C1~4アルキル、C1~4ハロアルキル、G、又は-C1~3アルキレン-Gであり、代わりに、2個のR14は、2個のR14が付着している窒素と一緒に、ハロゲン及びC1~4アルキルからなる群から独立に選択される1~4個の置換基で任意選択で置換されている4~6員複素環式環を形成し;
は、フェニル、単環式5~6員ヘテロアリール、単環式4~8員ヘテロシクリル、又は単環式C3~8シクロアルキルであり、ここで、Gは、ハロゲン、シアノ、C1~4アルキル、C1~4ハロアルキル、オキソ、-OR15、及び-N(R15からなる群から独立に選択される1~5個の置換基で任意選択で置換されており;
15は、出現する毎に独立に、水素、C1~4アルキル、C1~4ハロアルキル、C3~4シクロアルキル、又は-C1~3アルキレン-C3~4シクロアルキルであり、ここで、代わりに、2個のR15は、2個のR15が付着している窒素と一緒に、ハロゲン及びC1~4アルキルからなる群から独立に選択される1~4個の置換基で任意選択で置換されている4~6員複素環式環を形成する。
本発明の別の態様は、式(I)の化合物、
Figure 2024500880000005

又は薬学的に許容されるその塩を提供し、式中:
は、
Figure 2024500880000006

であり、
Rは、水素、C1~4アルキル、C3~4シクロアルキル、又は-C1~3アルキレン-C3~4シクロアルキルであり;
1aは、水素、C1~4アルキル、C1~4ジフルオロアルキル、-OC1~4アルキル、-OC1~4フルオロアルキル、-OC3~6シクロアルキル、-OCH3~6シクロアルキル、-SO1~4アルキル、-SO3~6シクロアルキル、フェニル、又はC3~6シクロアルキルであり、ここで、フェニル及び各C3~6シクロアルキルは、ハロゲン、シアノ、C1~4アルキル、C1~4ハロアルキル、-OC1~4アルキル、及び-OC1~4ハロアルキルからなる群から独立に選択される1~4個の置換基で任意選択で置換されており;
1bは、水素、ハロゲン、シアノ、C1~4アルキル、C1~4フルオロアルキル、又はC3~6シクロアルキルであり;
或いは代わりに、R1a及びR1bは、それらが付着している原子と一緒に、5員若しくは6員の不飽和若しくは部分不飽和の炭素環式環若しくは複素環式環を形成し、炭素環式環若しくは複素環式環は、非置換であるか、又はハロゲン、シアノ、C1~4アルキル、C1~4フルオロアルキル、C2~4アルケニル、C3~6シクロアルキル、及び-C1~3アルキレン-C3~4シクロアルキルからなる群から独立に選択される1~4個の置換基で置換されており;
は、CF又はCHFであり;
は、G、-L-G、-L-G、-L-L-G、-C2~6アルキレン-R3a、C3~7アルキル、又はC3~7ハロアルキルであり;
は、C1~5アルキレンであり;
は、1,1-シクロプロピレンであり;
は、6~12員アリール、5~12員ヘテロアリール、4~12員ヘテロシクリル、又は6員芳香族炭化水素に任意選択で縮合しているC3~12カルボシクリルであり、ここで、Gは、ハロゲン、シアノ、オキソ、C1~4アルキル、C1~4ハロアルキル、-OR13、-N(R13、-C1~3アルキレン-OR13、及び-C1~3アルキレン-N(R13からなる群から独立に選択される1~5個の置換基で任意選択で置換されており;
3aは、-OR14又は-N(R14であり;
13は、出現する毎に独立に、水素、C1~4アルキル、C1~4ハロアルキル、C3~4シクロアルキル、又は-C1~3アルキレン-C3~4シクロアルキルであり、ここで、代わりに、2個のR13は、2個のR13が付着している窒素と一緒に、ハロゲン及びC1~4アルキルからなる群から独立に選択される1~4個の置換基で任意選択で置換されている4~6員複素環式環を形成し;
14は、出現する毎に独立に、水素、C1~4アルキル、C1~4ハロアルキル、G、又は-C1~3アルキレン-Gであり、代わりに、2個のR14は、2個のR14が付着している窒素と一緒に、ハロゲン及びC1~4アルキルからなる群から独立に選択される1~4個の置換基で任意選択で置換されている4~6員複素環式環を形成し;
は、フェニル、単環式5~6員ヘテロアリール、単環式4~8員ヘテロシクリル、又は単環式C3~8シクロアルキルであり、ここで、Gは、ハロゲン、シアノ、C1~4アルキル、C1~4ハロアルキル、オキソ、-OR15、及び-N(R15からなる群から独立に選択される1~5個の置換基で任意選択で置換されており;
15は、出現する毎に独立に、水素、C1~4アルキル、C1~4ハロアルキル、C3~4シクロアルキル、又は-C1~3アルキレン-C3~4シクロアルキルであり、ここで、代わりに、2個のR15は、2個のR15が付着している窒素と一緒に、ハロゲン及びC1~4アルキルからなる群から独立に選択される1~4個の置換基で任意選択で置換されている4~6員複素環式環を形成する。
別の態様では、本発明は、式(I)又は(III)の化合物、又はその薬学的に許容される塩と、薬学的に許容される担体とを含む医薬組成物を提供する。
別の態様では、本発明は、mAChR Mの拮抗から利益を受ける対象の障害の治療方法であって、治療有効量の式(I)又は(III)の化合物、又はその薬学的に許容される塩若しくは組成物を、上記対象に投与することを含む方法を提供する。
別の態様では、本発明は、対象においてmAChR Mに拮抗する方法であって、治療有効量の式(I)又は(III)の化合物、又はその薬学的に許容される塩若しくは組成物を対象に投与する工程を含む方法を提供する。
別の態様では、本発明は、神経変性疾患、運動障害、又は脳障害の治療方法であって、治療有効量の式(I)又は(III)の化合物、又はその薬学的に許容される塩若しくは組成物を、それが必要な対象に投与する工程を含む方法を提供する。
別の態様では、本発明は、神経変性疾患、運動障害、又は脳障害の治療方法に使用するための、式(I)又は(III)の化合物、又はその薬学的に許容される塩若しくは組成物を提供する。
別の態様では、本発明は、対象におけるmAChR Mの拮抗に使用するための、式(I)又は(III)の化合物、又はその薬学的に許容される塩若しくは組成物を提供する。
別の態様では、本発明は、神経変性疾患、運動障害、又は脳障害の治療を目的とする医薬の製造における、式(I)又は(III)の化合物、又はその薬学的に許容される塩若しくは組成物の使用を提供する。
別の態様では、本発明は、対象においてmAChR Mに拮抗するための医薬の製造における、式(I)又は(III)の化合物又はその薬学的に許容される塩若しくは組成物の使用を提供する。
別の態様では、本発明は、式(I)又は(III)の化合物、又はその薬学的に許容される塩若しくは組成物、及び使用説明書を含むキットを提供する。
化合物番号61のX線結晶構造分析からのOak Ridge Thermal Ellipsoid Plot(ORTEP)を示す。
詳細な説明
1.定義
別段の定義がない限り、本明細書で使用されるすべての技術及び科学用語は、当業者によって普通に理解されるものと同じ意味を有する。矛盾する場合、本明細書が定義を含めて優先される。好ましい方法及び材料が以下に記載されるが、本明細書に記載したものと類似の又は均等な方法及び材料を本明細書の実施又は試験において使用することができる。本明細書で言及したすべての刊行物、特許出願、特許及び他の参考文献の全体が参照により本明細書に組み込まれる。本明細書に開示した材料、方法及び実施例は、実例に過ぎず、限定的であることを意図されない。
用語「含む」、「含まれる」、「有すること」、「有する」、「することができる」、「含有する」及びその異形は、本明細書で使用する場合、追加の作用又は構造の可能性を排除しない、制約のない移行する句、用語又は単語であることが意図される。単数形「1つの(a)」、「1つの(an)」及び「その(the)」には、文脈によって他に明確に指示しない限り複数の指示内容が含まれる。本開示は、明確に説明してもしなくても、本明細書で提供される実施形態又は要素を「含む」、「それからなる」及び「それから本質的になる」他の実施形態も意図する。
量に関連して使用される修飾語句「約」は、表示された値を含んでおり、文脈によって決まる意味を有する(例えば、これは、特定の量の測定に伴う最小の程度の誤差を含む)。修飾語句「約」はまた、2つの端点の絶対値によって定義される範囲を明らかにするものとみなされるべきである。例えば、表現「約2~約4」は、範囲「2~4」も開示する。用語「約」は、示された数のプラスマイナス10%を指すことができる。例えば、「約10%」は、9%~11%の範囲を示すことができ、「約1」は、0.9~1.1を意味することができる。四捨五入などの「約」の他の意味は、文脈から明らかであり得、したがって、例えば、「約1」は、0.5~1.4も意味することができる。
具体的な官能基及び化学用語の定義を以下により詳細に記載する。本開示の目的では、化学元素は、Periodic Table of the Elements,CAS version,Handbook of Chemistry and Physics,75th Ed.(表紙裏)に従って同定され、具体的な官能基は、概して、その中に記載されている通りに定義される。さらに、有機化学の一般原則並びに具体的な官能基及び反応性は、Organic Chemistry,Thomas Sorrell,University Science Books,Sausalito,1999;Smith and March March’s Advanced Organic Chemistry,5th Edition,John Wiley&Sons,Inc.,New York,2001;Larock,Comprehensive Organic Transformations,VCH Publishers,Inc.,New York,1989;Carruthers,Some Modern Methods of Organic Synthesis,3rd Edition,Cambridge University Press,Cambridge,1987(これらのそれぞれの内容全体が参照により本明細書に組み込まれる)に記載されている。
用語「アルコキシ」は、本明細書で使用する場合、基-O-アルキルを指す。アルコキシの代表例としては、限定はされないが、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、2-プロポキシ、ブトキシ及びtert-ブトキシが挙げられる。
用語「アルキル」は、本明細書で使用する場合、直鎖又は分枝の飽和炭化水素鎖を意味する。用語「低級アルキル」又は「C1-6アルキル」は、1~6個の炭素原子を含有する直鎖又は分枝鎖炭化水素を意味する。用語「C1-4アルキル」は、1~4個の炭素原子を含有する直鎖又は分枝鎖炭化水素を意味する。アルキルの代表例としては、限定はされないが、メチル、エチル、n-プロピル、イソ-プロピル、n-ブチル、sec-ブチル、イソ-ブチル、tert-ブチル、n-ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、n-ヘキシル、3-メチルヘキシル、2,2-ジメチルペンチル、2,3-ジメチルペンチル、n-ヘプチル、n-オクチル、n-ノニル及びn-デシルが挙げられる。
用語「アルケニル」は、本明細書で使用する場合、少なくとも1つの炭素-炭素二重結合を含有する直鎖又は分枝の炭化水素鎖を意味する。
用語「アルコキシアルキル」は、本明細書で使用する場合、本明細書で定義する通りのアルキル基を介して親分子部分に付加される、本明細書で定義する通りのアルコキシ基を指す。
用語「アルコキシフルオロアルキル」は、本明細書で使用する場合、本明細書で定義する通りのフルオロアルキル基を介して親分子部分に付加される、本明細書で定義する通りのアルコキシ基を指す。
用語「アルキレン」は、本明細書で使用する場合、直鎖又は分枝鎖飽和炭化水素に由来する二価の基を指す。アルキレンの代表例としては、限定はされないが、-CH-、-CD-、-CHCH-、-C(CH)(H)-、-C(CH)(D)-、-CHCHCH-、-CHCHCHCH-、及び-CHCHCHCHCH-が挙げられる。
用語「アルキルアミノ」は、本明細書で使用する場合、本明細書で定義する通りのアミノ基を介して親分子部分に付加される、本明細書で定義する通りの少なくとも1個のアルキル基を意味する。
用語「アミド」は、本明細書で使用する場合、-C(O)NR-又はNRC(O)-(式中、Rは、水素、アルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、複素環、アルケニル又はヘテロアルキルであり得る)を意味する。
用語「アミノアルキル」は、本明細書で使用する場合、本明細書で定義する通りのアルキレン基を介して親分子部分に付加される、本明細書で定義する通りの少なくとも1個のアミノ基を意味する。
用語「アミノ」は、本明細書で使用する場合、-NR(式中、R及びRは、水素、アルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、複素環、アルケニル又はヘテロアルキルであり得る)を意味する。アミノアルキル基又はアミノが2つの他の部分を共に付加するいずれかの他の部分の場合、アミノは、-NR-(式中、Rは、水素、アルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、複素環、アルケニル又はヘテロアルキルであり得る)であり得る。
用語「アリール」は、本明細書で使用する場合、フェニル、又は親分子部分に付加され、且つシクロアルカン基と縮合した(例えば、アリールは、インダン-4-イルであり得る)、6員アレン基と縮合した(即ち、アリールは、ナフチルである)、又は非芳香族複素環と縮合した(例えば、アリールは、ベンゾ[d][1,3]ジオキソール-5-イルであり得る)フェニルを指す。用語「フェニル」は、置換基を指す場合に用いられ、用語「6員アレン」は、縮合環を指す場合に用いられる。6員アレンは、単環式(例えば、ベンゼン又はベンゾ)である。アリールは、単環式(フェニル)又は二環式(例えば、9~12員融合二環系)であり得る。
用語「シアノアルキル」は、本明細書で使用する場合、本明細書で定義する通りのアルキレン基を介して親分子部分に付加される少なくとも1個の-CN基を意味する。
用語「シアノフルオロアルキル」は、本明細書で使用する場合、本明細書で定義する通りのフルオロアルキル基を介して親分子部分に付加される少なくとも1個の-CN基を意味する。
用語「シクロアルコキシ」は、本明細書で使用する場合、酸素原子を介して親分子部分に付加された、本明細書で定義されるシクロアルキル基を指す。
用語「シクロアルキル」又は「シクロアルカン」は、本明細書で使用する場合、環員として全て炭素原子と、0個の二重結合を含む飽和環系を指す。用語「シクロアルキル」は、本明細書では、置換基として存在する場合のシクロアルカンを指すために用いられる。シクロアルキルは、単環式シクロアルキル(例えば、シクロプロピル)、縮合二環式シクロアルキル(例えば、デカヒドロナフタレニル)、又は架橋シクロアルキル(環の2つの非隣接原子が、1、2、3、若しくは4個の炭素原子のアルキレン架橋により連結されている)(例えば、ビシクロ[2.2.1]ヘプタニル)であり得る。シクロアルキルの代表例としては、限定はされないが、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、シクロノニル、シクロデシル、アダマンチル、及びビシクロ[1.1.1]ペンタニルが挙げられる。
用語「シクロアルケニル」又は「シクロアルケン」は、本明細書で使用する場合、環員として全て炭素原子と、少なくとも1つの炭素-炭素二重結合を含有し、且つ、環ごとに5~10個の炭素原子を好ましくは有する非芳香族単環式又は多環式環系を意味する。用語「シクロアルケニル」は、本明細書では、置換基として存在する場合のシクロアルケンを指すために用いられる。シクロアルケニルは、単環式シクロアルケニル(例えば、シクロペンテニル)、縮合二環式(例えば、オクタヒドロナフタレニル)、又は架橋シクロアルケニル(環の2つの非隣接原子が、1、2、3、若しくは4個の炭素原子のアルキレン架橋により連結されている)(例えば、ビシクロ[2.2.1]ヘプテニル)であり得る。例示的な単環式シクロアルケニル環としては、シクロペンテニル、シクロヘキセニル又はシクロヘプテニルが挙げられる。例示的な単環式シクロアルケニル環としては、シクロペンテニル、シクロヘキセニル又はシクロヘプテニルが挙げられる。
用語「カルボシクリル」は、「シクロアルキル」又は「シクロアルケニル」を意味する。用語「炭素環」は、「シクロアルカン」又は「シクロアルケン」を意味する。用語「カルボシクリル」は、置換基として存在する場合の「炭素環」を指す。
用語「1,1-カルボシクリレン」は、シクロアルキルに由来するジェミナル二価基を指す。代表例として、1,1-C3~6シクロアルキレン(即ち、
Figure 2024500880000007

)がある。別の例は、1,1-シクロプロピレン(即ち、
Figure 2024500880000008

)である。
用語「フルオロアルキル」は、本明細書で使用する場合、1、2、3、4、5、6、7又は8個の水素原子がフッ素によって置き換えられている、本明細書で定義する通りのアルキル基を意味する。フルオロアルキルの代表例としては、限定はされないが、2-フルオロエチル、2,2,2-トリフルオロエチル、トリフルオロメチル、ジフルオロメチル、ペンタフルオロエチル及びトリフルオロプロピル(3,3,3-トリフルオロプロピルなど)が挙げられる。
用語「ジフルオロアルキル」は、本明細書において使用する場合、2個の水素原子がフッ素によって置き換えられている本明細書に定義されているようなアルキル基を意味する。ジフルオロアルキルの代表例は、ジフルオロメチル及びジフルオロエチルを含む。
用語「フルオロアルキレン」は、本明細書において使用する場合、1個、2個、3個、4個、5個、6個、7個若しくは8個の水素原子がフッ素によって置き換えられている本明細書に定義されているようなアルキレン基を意味する。フルオロアルキレンの代表例には、これらに限定されないが、-CF-、-CHCF-、1,2-ジフルオロエチレン、1,1,2,2-テトラフルオロエチレン、1,3,3,3-テトラフルオロプロピレン、1,1,2,3,3-ペンタフルオロプロピレン、及びペルフルオロプロピレン、例えば、1,1,2,2,3,3-ヘキサフルオロプロピレンが含まれる。
用語「フルオロアルコキシ」は、本明細書で使用する場合、酸素原子を介して親分子部分に付加される、本明細書で定義する通りの少なくとも1個のフルオロアルキル基を意味する。フルオロアルコキシの代表例としては、限定はされないが、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ及び2,2,2-トリフルオロエトキシが挙げられる。
用語「ハロゲン」又は「ハロ」は、本明細書で使用する場合、Cl、Br、I又はFを意味する。
用語「ハロアルキル」は、本明細書で使用する場合、1、2、3、4、5、6、7又は8個の水素原子がハロゲンによって置き換えられている、本明細書で定義する通りのアルキル基を意味する。
用語「ハロアルコキシ」は、本明細書で使用する場合、酸素原子を介して親分子部分に付加される、本明細書で定義する通りの少なくとも1個のハロアルキル基を意味する。
用語「ハロシクロアルキル」は、本明細書で使用する場合、1個以上の水素原子がハロゲンによって置き換えられている、本明細書で定義する通りのシクロアルキル基を意味する。
用語「ヘテロアルキル」は、本明細書で使用する場合、1個以上の炭素原子が、S、O、P及びNから選択されるヘテロ原子によって置き換えられている、本明細書で定義する通りのアルキル基を意味する。ヘテロアルキルの代表例としては、限定はされないが、アルキルエーテル、二級及び三級アルキルアミン、アミド及び硫化アルキルが挙げられる。
用語「ヘテロアリール」は、本明細書で使用する場合、芳香族単環式ヘテロ原子含有環(単環式ヘテロアリール)又は少なくとも1つの単環式ヘテロ芳香環を含む二環式環系(二環式ヘテロアリール)を指す。用語「ヘテロアリール」は、本明細書では、置換基として存在する場合のヘテロアレンを指すために用いられる。単環式ヘテロアリールは、N、O及びSからなる群から独立して選択される少なくとも1個のヘテロ原子(例えば、O、S及びNからなる群から独立して選択される1、2、3若しくは4個のヘテロ原子)を含有する5又は6員環である。5員の芳香族単環式環は、2つの二重結合を有し、6員の芳香族単環式環は、3つの二重結合を有する。二環式ヘテロアリール基は、8~12員環系であり、そうしたものとして、縮合二環式ヘテロ芳香環系(即ち、10π電子系)、例えば、6員アレンと縮合した単環式ヘテロアリール環(例えば、キノリン-4-イル、インドール-1-イル)、単環式ヘテロアレンと縮合した単環式ヘテロアリール環(例えば、ナフチリジニル)、及び単環式ヘテロアレンと縮合したフェニル(例えば、キノリン-5-イル、インドール-4-イル)が挙げられる。二環式ヘテロアリール/ヘテロアレン基は、4つの二重結合を有し、且つ、完全芳香族10π電子系に孤立電子対を付与する少なくとも1つのヘテロ原子を有する9員縮合二環式ヘテロ芳香環系、例えば、環接合部に窒素原子を有する環系(例えば、イミダゾピリジン)及びベンゾオキサジアゾリルなどを含む。二環式ヘテロアリールはまた、1つのヘテロ芳香環と1つの非芳香環からなる縮合二環系、例えば、単環式炭素環に縮合した単環式ヘテロアリール環(例えば、6,7-ジヒドロ-5H-シクロペンタ[b]ピリジニル)、又は単環式複素環と縮合した単環式ヘテロアリール環(例えば、2,3-ジヒドロフロ[3,2-b]ピリジニル)なども含む。二環式ヘテロアリールは、芳香環原子において親分子部分に付着される。ヘテロアリールの他の代表的な例としては、限定はされないが、インドリル(例えば、インドール-1-イル、インドール-2-イル、インドール-4-イル)、ピリジニル(ピリジン-2-イル、ピリジン-3-イル、ピリジン-4-イルが含まれる)、ピリミジニル、ピラジニル、ピリダジニル、ピラゾリル(例えば、ピラゾール-4-イル)、ピロリル、ベンゾピラゾリル、1,2,3-トリアゾリル(例えば、トリアゾール-4-イル)、1,3,4-チアジアゾリル、1,2,4-チアジアゾリル、1,3,4-オキサジアゾリル、1,2,4-オキサジアゾリル、イミダゾリル、チアゾリル(例えば、チアゾール-4-イル)、イソチアゾリル、チエニル、ベンズイミダゾリル(例えば、ベンズイミダゾール-5-イル)、ベンゾチアゾリル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾオキサジアゾリル、ベンゾチエニル、ベンゾフラニル、イソベンゾフラニル、フラニル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、プリニル、イソインドリル、キノキサリニル、インダゾリル(例えば、インダゾール-4-イル、インダゾール-5-イル)、キナゾリニル、1,2,4-トリアジニル、1,3,5-トリアジニル、イソキノリニル、キノリニル、イミダゾ[1,2-a]ピリジニル(例えば、イミダゾ[1,2-a]ピリジン-6-イル)、ナフチリジニル、ピリドイミダゾリル、チアゾロ[5,4-b]ピリジン-2-イル、及びチアゾロ[5,4-d]ピリミジン-2-イルが挙げられる。
用語「複素環」又は「複素環の」は、本明細書で使用する場合、単環式複素環、二環式複素環、又は三環式複素環を意味する。用語「ヘテロシクリル」は、本明細書では、置換基として存在する場合の複素環を指すために用いられる。単環式複素環は、O、N及びSからなる群から独立して選択される少なくとも1個のヘテロ原子を含有する3、4、5、6、7又は8員環である。3又は4員環は、0又は1個の二重結合と、O、N及びSからなる群から選択される1個のヘテロ原子とを含有する。5員環は、0又は1個の二重結合と、O、N及びSからなる群から選択される1、2又は3個のヘテロ原子とを含有する。6員環は、0、1又は2個の二重結合と、O、N及びSからなる群から選択される1、2又は3個のヘテロ原子とを含有する。7及び8員環は、0、1、2又は3個の二重結合と、O、N及びSからなる群から選択される1、2又は3個のヘテロ原子とを含有する。単環式複素環の代表例としては、限定はされないが、アゼチジニル、アゼパニル、アジリジニル、ジアゼパニル、1,3-ジオキサニル、1,3-ジオキソラニル、1,3-ジチオラニル、1,3-ジチアニル、イミダゾリニル、イミダゾリジニル、イソチアゾリニル、イソチアゾリジニル、イソオキサゾリニル、イソオキサゾリジニル、モルホリニル、2-オキソ-3-ピペリジニル、2-オキソアゼパン-3-イル、オキサジアゾリニル、オキサジアゾリジニル、オキサゾリニル、オキサゾリジニル、オキセタニル、オキセパニル、オキソカニル、ピペラジニル、ピペリジニル、ピラニル、ピラゾリニル、ピラゾリジニル、ピロリニル、ピロリジニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロピリジニル、テトラヒドロチエニル、チアジアゾリニル、チアジアゾリジニル、1,2-チアジナニル、1,3-チアジナニル、チアゾリニル、チアゾリジニル、チオモルホリニル、1,1-ジオキシドチオモルホリニル(チオモルホリンスルホン)、チオピラニル、及びトリチアニルが挙げられる。二環式複素環は、6員アレンと縮合した単環式複素環、又は単環式シクロアルカンと縮合した単環式複素環、又は単環式シクロアルケンと縮合した単環式複素環、又は単環式複素環と縮合した単環式複素環、又は単環式ヘテロアレン、若しくはスピロ複素環基、若しくは架橋単環式複素環系(ここで、環の2個の非隣接原子は、1、2、3若しくは4個の炭素原子のアルキレン架橋、又は2、3若しくは4個の炭素原子のアルケニレン架橋によって連結されている)と縮合した単環式複素環である。二環式ヘテロシクリルは、非芳香環原子(例えば、インドリン-1-イル)において親分子部分に結合されている。二環式ヘテロシクリルの代表例としては、限定はされないが、クロマン-4-イル、2,3-ジヒドロベンゾフラン-2-イル、2,3-ジヒドロベンゾチン-2-イル、1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン-2-イル、2-アザスピロ[3.3]ヘプタン-2-イル、2-オキサ-6-アザスピロ[3.3]ヘプタン-6-イル、アザビシクロ[2.2.1]ヘプチル(2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-イルを含む)、アザビシクロ[3.1.0]ヘキサニル(3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-3-イルを含む)、2,3-ジヒドロ-1H-インドール-1-イル、イソインドリン-2-イル、オクタヒドロシクロペンタ[c]ピロリル、オクタヒドロピロロピリジニル、テトラヒドロイソキノリニル、7-オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタニル、ヘキサヒドロ-2H-シクロペンタ[b]フラニル、2-オキサスピロ[3.3]ヘプタニル、3-オキサスピロ[5.5]ウンデカニル、6-オキサスピロ[2.5]オクタン-1-イル、及び3-オキサビシクロ[3.1.0]ヘキサン-6-イルが挙げられる。三環式複素環は、6員アレンと縮合した二環式複素環、又は単環式シクロアルカンと縮合した二環式複素環、又は単環式シクロアルケンと縮合した二環式複素環、又は単環式複素環と縮合した二環式複素環、又は二環式環の2個の非隣接原子が1、2、3若しくは4個の炭素原子のアルキレン架橋、又は2、3若しくは4個の炭素原子のアルケニレン架橋によって連結された二環式複素環によって例示される。三環式複素環の例としては、限定はされないが、オクタヒドロ-2,5-エポキシペンタレン、ヘキサヒドロ-2H-2,5-メタノシクロペンタ[b]フラン、ヘキサヒドロ-1H-1,4-メタノシクロペンタ[c]フラン、アザ-アダマンタン(1-アザトリシクロ[3.3.1.13,7]デカン)、及びオキサ-アダマンタン(2-オキサトリシクロ[3.3.1.13,7]デカン)が挙げられる。これらの単環式、二環式及び三環式ヘテロシクリルは、非芳香環原子において親分子部分に連結される。
用語「ヒドロキシル」又は「ヒドロキシ」は、本明細書で使用する場合、-OH基を意味する。
用語「ヒドロキシアルキル」は、本明細書で使用する場合、本明細書で定義する通りのアルキレン基を介して親分子部分に付加される少なくとも1個の-OH基を意味する。
用語「ヒドロキシフルオロアルキル」は、本明細書で使用する場合、本明細書で定義する通りのフルオロアルキル基を介して親分子部分に付加される少なくとも1個の-OH基を意味する。
「アルキル」、「シクロアルキル」、「アルキレン」などの用語は、具体的な事例において当該基に存在する原子の数を示す記号(例えば、「C1~4アルキル」、「C3~6シクロアルキル」、「C1~4アルキレン」)がその前に置かれる場合がある。これらの記号は、当業者により一般に理解されているのと同様に使用される。例えば、添え字の数字が続く「C」という表現は、それに続く基に存在する原子の数を示す。従って、「Cアルキル」は、3つの炭素原子を含むアルキル基である(即ち、n-プロピル、イソプロピル)。「C1~4」のように、範囲が付与される場合には、それに続く基のメンバーは、示される範囲内の任意の数の炭素原子を有し得る。「C1~4アルキル」は、例えば、どのような構成(即ち、直鎖又は分岐)であっても、1~4個の炭素原子を有するアルキル基である。
用語「置換される」は、水素ではない1個以上の置換基でさらに置換される可能性がある基を指す。置換基としては、限定はされないが、ハロゲン、=O(オキソ)、=S(チオキソ)、シアノ、ニトロ、フルオロアルキル、アルコキシフルオロアルキル、フルオロアルコキシ、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、ハロアルコキシ、ヘテロアルキル、シクロアルキル、シクロアルケニル、アリール、ヘテロアリール、複素環、シクロアルキルアルキル、ヘテロアリールアルキル、アリールアルキル、ヒドロキシ、ヒドロキシアルキル、アルコキシ、アルコキシアルキル、アルキレン、アリールオキシ、フェノキシ、ベンジルオキシ、アミノ、アルキルアミノ、アシルアミノ、アミノアルキル、アリールアミノ、スルホニルアミノ、スルフィニルアミノ、スルホニル、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、アミノスルホニル、スルフィニル、-COOH、ケトン、アミド、カルバメート及びアシルが挙げられる。
本明細書に記載した化合物について、原子及び置換基の認められた価数に従って、選択及び置換により、安定な化合物(例えば、これは、再編成、環化、脱離などによるものなどの転換を自然発生的に受けない)がもたらされるように、その基及び置換基を選択することができる。
本明細書で使用される用語「mAChR M受容体アンタゴニスト」は、例えば、動物、特に哺乳動物(例えば、ヒト)において、mAChR Mに直接的又は間接的に拮抗する任意の外因的に投与される化合物又は薬剤を指す。
本明細書の数値範囲の列挙について、それぞれその間にある数が同じ程度の精度で明確に意図される。例えば、6~9の範囲について、6及び9に加えて、数値7及び8が意図され、範囲6.0~7.0について、数値6.0、6.1、6.2、6.3、6.4、6.5、6.6、6.7、6.8、6.9及び7.0が明確に意図される。
2.化合物
一態様では、本発明は、式(I)又は(III)の化合物を提供し、ここで、R、R、R、R、G及びG1aは、本明細書に定義される通りである。以下に記載されるように、式(I)は、部分式:(I-A)、(I-A1)、(I-A2)、(I-B)、(I-B1)、(I-B2)、(II)、(II-A)、(II-A1)、(II-A2)、(II-B1)、又は(II-B2)のいずれかを有し得、それらのすべては式(III)の部分式である。式(III)もまた部分式、(I-C)、(I-C1)、(I-C2)、(I-D)、(I-D1)、(I-D2)、(III-A)、(III-B)、(III-A1)、(III-B1)、(III-A2)、(III-B2)、(IV)、(IV-A)、(IV-A1)、(IV-A2)、(IV-B)、(IV-B1)、(IV-B2)、(V)、(V-A)、(V-B)、(VI)、(VI-A)、及び(VI-B)のいずれかを有し得る。
アリール、ヘテロアリールなど、置換されていないか、又は置換された環(即ち、置換されていてもよい)は、環系と環系の任意の置換基から構成される。従って、環系は、その置換基とは独立して定義され得るため、環系のみを再定義することによって、以前のあらゆる任意の置換基が存在したまま残るようにする。例えば、任意の置換基を有する5~12員ヘテロアリールは、5~12員ヘテロアリールの環系が、5~6員ヘテロアリール(即ち、5~6員ヘテロアリール環系)であることを明示することによってさらに定義することができ、この場合、別に指示のない限り、5~12員ヘテロアリールの任意の置換基は、5~6員ヘテロアリールに依然として存在している。

Figure 2024500880000009

において、R1a及びR1bは、不特定の付着点と共に示し、置換に利用可能であるいずれかの環炭素原子において付着し得、すなわち、
Figure 2024500880000010

である。
下記において、本発明の番号付けされた実施形態を開示する。第1の実施形態は、E1aと表示し、それに続く実施形態は、E1b、E1.1、E2などと表示する。
E1a。式(III)の化合物:
Figure 2024500880000011

又は薬学的に許容されるその塩(式中:
は、
Figure 2024500880000012

であり、
1aは、
Figure 2024500880000013

であり、
Rは、水素、C1~4アルキル、C3~4シクロアルキル、又は-C1~3アルキレン-C3~4シクロアルキルであり;
1aは、水素、C1~4アルキル、C1~4フルオロアルキル、-OC1~4アルキル、-OC1~4フルオロアルキル、-OC3~6シクロアルキル、-OCH3~6シクロアルキル、-SO1~4アルキル、-SO3~6シクロアルキル、フェニル、又はC3~6シクロアルキルであり、ここで、フェニル及び各C3~6シクロアルキルは、ハロゲン、シアノ、C1~4アルキル、C1~4ハロアルキル、-OC1~4アルキル、及び-OC1~4ハロアルキルからなる群から独立に選択される1~4個の置換基で任意選択で置換されており;
1bは、水素、ハロゲン、シアノ、C1~4アルキル、C1~4フルオロアルキル、又はC3~6シクロアルキルであり;
或いは代わりに、R1a及びR1bは、それらが付着している原子と一緒に、5員若しくは6員の不飽和若しくは部分不飽和の炭素環式環若しくは複素環式環を形成し、炭素環式環若しくは複素環式環は、非置換であるか、又はハロゲン、シアノ、C1~4アルキル、C1~4フルオロアルキル、C2~4アルケニル、C3~6シクロアルキル、及び-C1~3アルキレン-C3~4シクロアルキルからなる群から独立に選択される1~4個の置換基で置換されており;
は、CF又はCHFであり;
2aは、出現する毎に独立に、ハロゲン、C1~4アルキル、C1~4フルオロアルキル、-OC1~4アルキル、又は-OC1~4フルオロアルキルであり;
nは、0、1、又は2であり、
は、G、-L-G、-L-G、-L-L-G、-C2~6アルキレン-R3a、C3~7アルキル、又はC3~7ハロアルキルであり;
は、水素又はメチルであり;
は、C1~5アルキレン又はC1~5フルオロアルキレンであり;
は、1,1-シクロプロピレンであり;
は、6~12員アリール、5~12員ヘテロアリール、4~12員ヘテロシクリル、又は6員芳香族炭化水素に任意選択で縮合しているC3~12カルボシクリルであり、ここで、Gは、ハロゲン、シアノ、オキソ、C1~4アルキル、C1~4ハロアルキル、-OR13、-N(R13、-C1~3アルキレン-OR13、及び-C1~3アルキレン-N(R13からなる群から独立に選択される1~5個の置換基で任意選択で置換されており;
3aは、-OR14又は-N(R14であり;
13は、出現する毎に独立に、水素、C1~4アルキル、C1~4ハロアルキル、C3~4シクロアルキル、又は-C1~3アルキレン-C3~4シクロアルキルであり、ここで、代わりに、2個のR13は、2個のR13が付着している窒素と一緒に、ハロゲン及びC1~4アルキルからなる群から独立に選択される1~4個の置換基で任意選択で置換されている4~6員複素環式環を形成し;
14は、出現する毎に独立に、水素、C1~4アルキル、C1~4ハロアルキル、G、又は-C1~3アルキレン-Gであり、代わりに、2個のR14は、2個のR14が付着している窒素と一緒に、ハロゲン及びC1~4アルキルからなる群から独立に選択される1~4個の置換基で任意選択で置換されている4~6員複素環式環を形成し;
は、フェニル、単環式5~6員ヘテロアリール、単環式4~8員ヘテロシクリル、又は単環式C3~8シクロアルキルであり、ここで、Gは、ハロゲン、シアノ、C1~4アルキル、C1~4ハロアルキル、オキソ、-OR15、及び-N(R15からなる群から独立に選択される1~5個の置換基で任意選択で置換されており;
15は、出現する毎に独立に、水素、C1~4アルキル、C1~4ハロアルキル、C3~4シクロアルキル、又は-C1~3アルキレン-C3~4シクロアルキルであり、ここで、代わりに、2個のR15は、2個のR15が付着している窒素と一緒に、ハロゲン及びC1~4アルキルからなる群から独立に選択される1~4個の置換基で任意選択で置換されている4~6員複素環式環を形成する)。
E1b。式(III)の化合物:
Figure 2024500880000014

又は薬学的に許容されるその塩(式中:
は、
Figure 2024500880000015

であり、
1aは、
Figure 2024500880000016

であり、
Rは、水素、C1~4アルキル、C3~4シクロアルキル、又は-C1~3アルキレン-C3~4シクロアルキルであり;
は、CF又はCHFであり;
2aは、出現する毎に独立に、ハロゲン、C1~4アルキル、C1~4フルオロアルキル、-OC1~4アルキル、又は-OC1~4フルオロアルキルであり;
nは、0、1、又は2であり、
は、G、-L-G、-L-G、-L-L-G、-C2~6アルキレン-R3a、C3~7アルキル、又はC3~7ハロアルキルであり;
は、水素又はメチルであり;
は、C1~5アルキレン又はC1~5フルオロアルキレンであり;
は、1,1-シクロプロピレンであり;
は、6~12員アリール、5~12員ヘテロアリール、4~12員ヘテロシクリル、又は6員芳香族炭化水素に任意選択で縮合しているC3~12カルボシクリルであり、ここで、Gは、ハロゲン、シアノ、オキソ、C1~4アルキル、C1~4ハロアルキル、-OR13、-N(R13、-C1~3アルキレン-OR13、及び-C1~3アルキレン-N(R13からなる群から独立に選択される1~5個の置換基で任意選択で置換されており;
3aは、-OR14又は-N(R14であり;
13は、出現する毎に独立に、水素、C1~4アルキル、C1~4ハロアルキル、C3~4シクロアルキル、又は-C1~3アルキレン-C3~4シクロアルキルであり、ここで、代わりに、2個のR13は、2個のR13が付着している窒素と一緒に、ハロゲン及びC1~4アルキルからなる群から独立に選択される1~4個の置換基で任意選択で置換されている4~6員複素環式環を形成し;
14は、出現する毎に独立に、水素、C1~4アルキル、C1~4ハロアルキル、G、又は-C1~3アルキレン-Gであり、代わりに、2個のR14は、2個のR14が付着している窒素と一緒に、ハロゲン及びC1~4アルキルからなる群から独立に選択される1~4個の置換基で任意選択で置換されている4~6員複素環式環を形成し;
は、フェニル、単環式5~6員ヘテロアリール、単環式4~8員ヘテロシクリル、又は単環式C3~8シクロアルキルであり、ここで、Gは、ハロゲン、シアノ、C1~4アルキル、C1~4ハロアルキル、オキソ、-OR15、及び-N(R15からなる群から独立に選択される1~5個の置換基で任意選択で置換されており;
15は、出現する毎に独立に、水素、C1~4アルキル、C1~4ハロアルキル、C3~4シクロアルキル、又は-C1~3アルキレン-C3~4シクロアルキルであり、ここで、代わりに、2個のR15は、2個のR15が付着している窒素と一緒に、ハロゲン及びC1~4アルキルからなる群から独立に選択される1~4個の置換基で任意選択で置換されている4~6員複素環式環を形成する)。
E1.1。式(III-A)のE1a若しくはE1bに記載の化合物、又は薬学的に許容されるその塩。
Figure 2024500880000017
E1.2。式(III-B)のE1a若しくはE1bに記載の化合物、又は薬学的に許容されるその塩。
Figure 2024500880000018
E1.3。式(III-A1)のE1.1に記載の化合物、又は薬学的に許容されるその塩。
Figure 2024500880000019
E1.4。式(III-B1)のE1.2に記載の化合物、又は薬学的に許容されるその塩。
Figure 2024500880000020
E1.5。式(III-A2)のE1.1に記載の化合物、又は薬学的に許容されるその塩。
Figure 2024500880000021
E1.6。式(III-B2)のE1.2に記載の化合物、又は薬学的に許容されるその塩。
Figure 2024500880000022
E2。式(I)のE1a若しくはE1bの化合物、又は薬学的に許容されるその塩
Figure 2024500880000023

(式中:
1aは、水素、C1~4アルキル、C1~4ジフルオロアルキル、-OC1~4アルキル、-OC1~4フルオロアルキル、-OC3~6シクロアルキル、-OCH3~6シクロアルキル、-SO1~4アルキル、-SO3~6シクロアルキル、フェニル、又はC3~6シクロアルキルであり、ここで、フェニル及び各C3~6シクロアルキルは、ハロゲン、シアノ、C1~4アルキル、C1~4ハロアルキル、-OC1~4アルキル、及び-OC1~4ハロアルキルからなる群から独立に選択される1~4個の置換基で任意選択で置換されており;
1bは、水素、ハロゲン、シアノ、C1~4アルキル、C1~4フルオロアルキル、又はC3~6シクロアルキルであり;
或いは代わりに、R1a及びR1bは、それらが付着している原子と一緒に、5員若しくは6員の不飽和若しくは部分不飽和の炭素環式環若しくは複素環式環を形成し、炭素環式環若しくは複素環式環は、非置換であるか、又はハロゲン、シアノ、C1~4アルキル、C1~4フルオロアルキル、C2~4アルケニル、C3~6シクロアルキル、及び-C1~3アルキレン-C3~4シクロアルキルからなる群から独立に選択される1~4個の置換基で置換されており;
は、CF又はCHFであり;
は、C1~5アルキレンである)。
E2.1。式(I-A)のE1a、E1b、若しくはE2のいずれかに記載の化合物、又は薬学的に許容されるその塩。
Figure 2024500880000024
E2.2。式(I-A1)のE2.1に記載の化合物、又は薬学的に許容されるその塩。
Figure 2024500880000025
E2.3。式(I-A2)のE2.1に記載の化合物、又は薬学的に許容されるその塩。
Figure 2024500880000026
E2.4。式(I-B)のE1a、E1b、若しくはE2のいずれかに記載の化合物、又は薬学的に許容されるその塩。
Figure 2024500880000027
E2.5。式(I-B1)のE2.4に記載の化合物、又は薬学的に許容されるその塩。
Figure 2024500880000028
E2.6。式(I-B2)のE2.4に記載の化合物、又は薬学的に許容されるその塩。
Figure 2024500880000029
E2.7。式(I-C)のE1a若しくはE1bに記載の化合物、又は薬学的に許容されるその塩。
Figure 2024500880000030
E2.8。式(I-C1)のE2.7に記載の化合物、又は薬学的に許容されるその塩。
Figure 2024500880000031
E2.9。式(I-C2)のE2.7に記載の化合物、又は薬学的に許容されるその塩。
Figure 2024500880000032
E2.10。式(I-D)のE1a若しくはE1bに記載の化合物、又は薬学的に許容されるその塩。
Figure 2024500880000033
E2.11。式(I-D1)のE2.10に記載の化合物、又は薬学的に許容されるその塩。
Figure 2024500880000034
E2.12。式(I-D2)のE2.10に記載の化合物、又は薬学的に許容されるその塩。
Figure 2024500880000035
E3。Rが、-L-Gである、E1a~E2.12のいずれかに記載の化合物、又は薬学的に許容されるその塩。
E4。Rが、Gである、E1a~E2.12のいずれかに記載の化合物、又は薬学的に許容されるその塩。
E5。Gが、任意選択で置換されている4~12員ヘテロシクリルである、E1a~E4のいずれかに記載の化合物、又は薬学的に許容されるその塩。
E6。Gにおける任意選択で置換されている4~12員ヘテロシクリルの環系が、4~8員単環式ヘテロシクリル環系、6~10員架橋二環式ヘテロシクリル環系、7~12員縮合二環式ヘテロシクリル環系、又は7~12員スピロヘテロシクリル環系であり、ここで、ヘテロシクリル環系が、O、N、及びSから独立に選択される1~2個のヘテロ原子を含有する、E5に記載の化合物、又は薬学的に許容されるその塩。
E6.1。Gにおける任意選択で置換されている4~12員ヘテロシクリルの環系が、4~8員単環式ヘテロシクリル環系である、E6に記載の化合物、又は薬学的に許容されるその塩。
E6.2。Gにおける任意選択で置換されている4~12員ヘテロシクリルの環系が、7~12員縮合二環式ヘテロシクリル環系である、E6に記載の化合物、又は薬学的に許容されるその塩。
E6.3。Gにおける任意選択で置換されている4~12員ヘテロシクリルの環系が、6~10員架橋二環式ヘテロシクリル環系である、E6に記載の化合物、又は薬学的に許容されるその塩。
E6.4。Gにおける任意選択で置換されている4~12員ヘテロシクリルの環系が、7~12員スピロヘテロシクリル環系である、E6に記載の化合物、又は薬学的に許容されるその塩。
E6.5。Gにおけるヘテロシクリル環系が、1~2個の環酸素原子を含有する、E5~E6.4のいずれかに記載の化合物、又は薬学的に許容されるその塩。
E7。Gにおける任意選択で置換されている4~12員ヘテロシクリルの環系が、オキセタニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロピラニル、オキセパニル、テトラヒドロチオピラニル、7-オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタニル、1,4-ジオキサニル、ヘキサヒドロ-2H-シクロペンタ[b]フラニル、オクタヒドロ-3aH-シクロヘプタ[b]フラニル、3-オキサビシクロ[3.1.0]ヘキサニル、2-オキサスピロ[3.3]ヘプタニル、3-オキサスピロ[5.5]ウンデカニル、6-オキサスピロ[2.5]オクタニル、5-オキサスピロ[2.4]ヘプタニル、2-オキサビシクロ[2.1.1]ヘキサニル、又は5-オキサスピロ[3.5]ノナニルである、E5若しくはE6に記載の化合物、又は薬学的に許容されるその塩。
E7.1。Gにおける任意選択で置換されている4~12員ヘテロシクリルの環系が、オキセタニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロピラニル、オキセパニル、テトラヒドロチオピラニル、7-オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタニル、1,4-ジオキサニル、ヘキサヒドロ-2H-シクロペンタ[b]フラニル、オクタヒドロ-3aH-シクロヘプタ[b]フラニル、3-オキサビシクロ[3.1.0]ヘキサニル、2-オキサスピロ[3.3]ヘプタニル、3-オキサスピロ[5.5]ウンデカニル、6-オキサスピロ[2.5]オクタニル、5-オキサスピロ[2.4]ヘプタニル、又は2-オキサビシクロ[2.1.1]ヘキサニルである、E5、E6、若しくはE7のいずれかに記載の化合物、又は薬学的に許容されるその塩。
E7.2。Gにおける任意選択で置換されている4~12員ヘテロシクリルの環系が、オキセタニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロピラニル、オキセパニル、テトラヒドロチオピラニル、7-オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタニル、1,4-ジオキサニル、ヘキサヒドロ-2H-シクロペンタ[b]フラニル、オクタヒドロ-3aH-シクロヘプタ[b]フラニル、3-オキサビシクロ[3.1.0]ヘキサニル、2-オキサスピロ[3.3]ヘプタニル、3-オキサスピロ[5.5]ウンデカニル、又は6-オキサスピロ[2.5]オクタニルである、E7.1に記載の化合物、又は薬学的に許容されるその塩。
E7.3。Gにおける任意選択で置換されている4~12員ヘテロシクリルの環系が、オキセタニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロピラニル、オキセパニル、テトラヒドロチオピラニル、7-オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタニル、1,4-ジオキサニル、ヘキサヒドロ-2H-シクロペンタ[b]フラニル、3-オキサビシクロ[3.1.0]ヘキサニル、2-オキサスピロ[3.3]ヘプタニル、3-オキサスピロ[5.5]ウンデカニル、又は6-オキサスピロ[2.5]オクタニルである、E7.2に記載の化合物、又は薬学的に許容されるその塩。
E7.4。Gにおける任意選択で置換されている4~12員ヘテロシクリルの環系が、オクタヒドロ-3aH-シクロヘプタ[b]フラニルである、E7.2に記載の化合物、又は薬学的に許容されるその塩。
E7.5。Gにおける任意選択で置換されている4~12員ヘテロシクリルの環系が、テトラヒドロピラニル、オキセパニル、1,4-ジオキサニル、ヘキサヒドロ-2H-シクロペンタ[b]フラニル、又はオクタヒドロ-3aH-シクロヘプタ[b]フラニルである、E7.2に記載の化合物、又は薬学的に許容されるその塩。
E7.6。Gにおける任意選択で置換されている4~12員ヘテロシクリルの環系が、5-オキサスピロ[2.4]ヘプタニル又は2-オキサビシクロ[2.1.1]ヘキサニルである、E7.1に記載の化合物、又は薬学的に許容されるその塩。
E7.7。Gにおける任意選択で置換されている4~12員ヘテロシクリルの環系が、5-オキサスピロ[3.5]ノナニルである、E7に記載の化合物、又は薬学的に許容されるその塩。
E8。Gにおける任意選択で置換されている4~12員ヘテロシクリルの環系が、オキセタン-3-イル、テトラヒドロフラン-3-イル、テトラヒドロピラン-2-イル、テトラヒドロピラン-3-イル、テトラヒドロピラン-4-イル、オキセパン-4-イル、7-オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-イル、1,4-ジオキサン-2-イル、ヘキサヒドロ-2H-シクロペンタ[b]フラン-3-イル、オクタヒドロ-3aH-シクロヘプタ[b]フラン-3a-イル、3-オキサビシクロ[3.1.0]ヘキサン-6-イル、2-オキサスピロ[3.3]ヘプタン-6-イル、3-オキサスピロ[5.5]ウンデカン-9-イル、6-オキサスピロ[2.5]オクタン-1-イル、テトラヒドロ-2H-チオピラン-4-イル、5-オキサスピロ[2.4]ヘプタン-6-イル、又は2-オキサビシクロ[2.1.1]ヘキサン-4-イル、又は5-オキサスピロ[3.5]ノナン-8-イルである、E5~E7のいずれかに記載の化合物、又は薬学的に許容されるその塩。
E8.1。Gにおける任意選択で置換されている4~12員ヘテロシクリルの環系が、オキセタン-3-イル、テトラヒドロフラン-3-イル、テトラヒドロピラン-2-イル、テトラヒドロピラン-3-イル、テトラヒドロピラン-4-イル、オキセパン-4-イル、7-オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-イル、1,4-ジオキサン-2-イル、ヘキサヒドロ-2H-シクロペンタ[b]フラン-3-イル、オクタヒドロ-3aH-シクロヘプタ[b]フラン-3a-イル、3-オキサビシクロ[3.1.0]ヘキサン-6-イル、2-オキサスピロ[3.3]ヘプタン-6-イル、3-オキサスピロ[5.5]ウンデカン-9-イル、6-オキサスピロ[2.5]オクタン-1-イル、テトラヒドロ-2H-チオピラン-4-イル、5-オキサスピロ[2.4]ヘプタン-6-イル、又は2-オキサビシクロ[2.1.1]ヘキサン-4-イルである、E5~E7.1若しくはE8のいずれかに記載の化合物、又は薬学的に許容されるその塩。
E8.2。Gにおける任意選択で置換されている4~12員ヘテロシクリルの環系が、オキセタン-3-イル、テトラヒドロフラン-3-イル、テトラヒドロピラン-2-イル、テトラヒドロピラン-3-イル、テトラヒドロピラン-4-イル、オキセパン-4-イル、7-オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-イル、1,4-ジオキサン-2-イル、ヘキサヒドロ-2H-シクロペンタ[b]フラン-3-イル、オクタヒドロ-3aH-シクロヘプタ[b]フラン-3a-イル、3-オキサビシクロ[3.1.0]ヘキサン-6-イル、2-オキサスピロ[3.3]ヘプタン-6-イル、3-オキサスピロ[5.5]ウンデカン-9-イル、6-オキサスピロ[2.5]オクタン-1-イル、又はテトラヒドロ-2H-チオピラン-4-イルである、E8.1に記載の化合物、又は薬学的に許容されるその塩。
E8.3。Gにおける任意選択で置換されている4~12員ヘテロシクリルの環系が、オキセタン-3-イル、テトラヒドロフラン-3-イル、テトラヒドロピラン-2-イル、テトラヒドロピラン-3-イル、テトラヒドロピラン-4-イル、オキセパン-4-イル、7-オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-イル、1,4-ジオキサン-2-イル、ヘキサヒドロ-2H-シクロペンタ[b]フラン-3-イル、3-オキサビシクロ[3.1.0]ヘキサン-6-イル、2-オキサスピロ[3.3]ヘプタン-6-イル、3-オキサスピロ[5.5]ウンデカン-9-イル、6-オキサスピロ[2.5]オクタン-1-イル、又はテトラヒドロ-2H-チオピラン-4-イルである、E8.2に記載の化合物、又は薬学的に許容されるその塩。
E8.4。Gにおける任意選択で置換されている4~12員ヘテロシクリルの環系が、オクタヒドロ-3aH-シクロヘプタ[b]フラン-3a-イルである、E8.2に記載の化合物、又は薬学的に許容されるその塩。
E8.5。Gにおける任意選択で置換されている4~12員ヘテロシクリルの環系が、テトラヒドロピラン-2-イル、テトラヒドロピラン-3-イル、テトラヒドロピラン-4-イル、オキセパン-4-イル、1,4-ジオキサン-2-イル、ヘキサヒドロ-2H-シクロペンタ[b]フラン-3-イル、又はオクタヒドロ-3aH-シクロヘプタ[b]フラン-3a-イルである、E8.2に記載の化合物、又は薬学的に許容されるその塩。
E8.6。Gにおける任意選択で置換されている4~12員ヘテロシクリルの環系が、5-オキサスピロ[2.4]ヘプタン-6-イル又は2-オキサビシクロ[2.1.1]ヘキサン-4-イルである、E8.1に記載の化合物、又は薬学的に許容されるその塩。
E8.7。Gにおける任意選択で置換されている4~12員ヘテロシクリルの環系が、5-オキサスピロ[3.5]ノナン-8-イルである、E8に記載の化合物、又は薬学的に許容されるその塩。
E9。Gが、ハロゲン、ヒドロキシ、オキソ、C1~4アルキル、及び-OC1~4アルキルからなる群から独立に選択される1~4個の置換基で任意選択で置換されている、E5~E8.7のいずれかに記載の化合物、又は薬学的に許容されるその塩。
E9.1。Gが、フルオロ及びメチルからなる群から独立に選択される1~4個の置換基で任意選択で置換されている、E9に記載の化合物、又は薬学的に許容されるその塩。
E10。Gが、
Figure 2024500880000036

である、E1a~E9のいずれかに記載の化合物、又は薬学的に許容されるその塩。
E10.1。Gが、
Figure 2024500880000037

である、E1a~E10のいずれかに記載の化合物、又は薬学的に許容されるその塩。
E10.2。Gが、
Figure 2024500880000038

である、E1a~E10.1のいずれかに記載の化合物、又は薬学的に許容されるその塩。
E10.3。Gが、
Figure 2024500880000039

ある、E1a~E10.2のいずれかに記載の化合物、又は薬学的に許容されるその塩。
E10.4。Gが、
Figure 2024500880000040

である、E1a~E10.2のいずれかに記載の化合物、又は薬学的に許容されるその塩。
E10.5。Gが、
Figure 2024500880000041

である、E1a~E10.1のいずれかに記載の化合物、又は薬学的に許容されるその塩。
E10.6。Gが、
Figure 2024500880000042

である、E1a~E10のいずれかに記載の化合物、又は薬学的に許容されるその塩。
E11。Gが、
Figure 2024500880000043

である、E1a~E10のいずれかに記載の化合物、又は薬学的に許容されるその塩。
E11.1。Gが、
Figure 2024500880000044

である、E1a~E10.1若しくはE11のいずれかに記載の化合物、又は薬学的に許容されるその塩。
E11.2。Gが、
Figure 2024500880000045

である、E1a~E11.1のいずれかに記載の化合物、又は薬学的に許容されるその塩。
E11.3。Gが、
Figure 2024500880000046

である、E1a~E10.3若しくはE11~E11.2のいずれかに記載の化合物、又は薬学的に許容されるその塩。
E11.4。Gが、
Figure 2024500880000047

である、E11.2に記載の化合物、又は薬学的に許容されるその塩。
E11.5。Gが、
Figure 2024500880000048

である、E11.1に記載の化合物、又は薬学的に許容されるその塩。
E12。Gが、
Figure 2024500880000049

である、E1a~E11のいずれかに記載の化合物、又は薬学的に許容されるその塩。
E12.1。Gが、
Figure 2024500880000050

である、E1a~E11.1若しくはE12のいずれかに記載の化合物、又は薬学的に許容されるその塩。
E12.2。Gが、
Figure 2024500880000051

である、E1a~E11.2若しくはE12.1のいずれかに記載の化合物、又は薬学的に許容されるその塩。
E12.3。Gが、
Figure 2024500880000052

である、E12.2に記載の化合物、又は薬学的に許容されるその塩。
E12.4。Gが、
Figure 2024500880000053

である、E12.2に記載の化合物、又は薬学的に許容されるその塩。
E12.5。Gが、
Figure 2024500880000054

である、E12~E12.4のいずれかに記載の化合物、又は薬学的に許容されるその塩。
E12.6。Gが、
Figure 2024500880000055

である、E12~E12.4のいずれかに記載の化合物、又は薬学的に許容されるその塩。
E13。Gが、
Figure 2024500880000056

である、E1a~E12.3のいずれかに記載の化合物、又は薬学的に許容されるその塩。
E14。Gにおける
Figure 2024500880000057

が、
Figure 2024500880000058

である、E13に記載の化合物、又は薬学的に許容されるその塩。
E15。Gが、任意選択で置換されている6~12員アリールである、E1a~E4のいずれかに記載の化合物、又は薬学的に許容されるその塩。
E16。Gが、任意選択で置換されている5~12員ヘテロアリールである、E1a~E4のいずれかに記載の化合物、又は薬学的に許容されるその塩。
E17。Gが、6員芳香族炭化水素に任意選択で縮合している任意選択で置換されているC3~12カルボシクリルである。E1a~E4のいずれかに記載の化合物、又は薬学的に許容されるその塩。
E18。6員芳香族炭化水素に任意選択で縮合している任意選択で置換されているC3~12カルボシクリルの環系が、単環式C3~8シクロアルキルである、E1a~E4若しくはE17のいずれかに記載の化合物、又は薬学的に許容されるその塩。
E18.1。6員芳香族炭化水素に任意選択で縮合している任意選択で置換されているC3~12カルボシクリルの環系が、シクロヘキシルである、E18に記載の化合物、又は薬学的に許容されるその塩。
E19。Gが、シクロヘキシルである、E1a~E4若しくはE17~E18.1のいずれかに記載の化合物、又は薬学的に許容されるその塩。
E20。Lが、C1~5アルキレンである、E1a~E3若しくはE5~E19のいずれかに記載の化合物、又は薬学的に許容されるその塩。
E21。Lが、CH、CHCH、又はC(CH)(H)である、E1a~E3若しくはE5~E20のいずれかに記載の化合物、又は薬学的に許容されるその塩。
E22。Lが、CHである、E21に記載の化合物、又は薬学的に許容されるその塩。
E23。LにおけるCHが、CDである、E22に記載の化合物、又は薬学的に許容されるその塩。
E23.1。LにおけるCHが、CHDである、E22に記載の化合物、又は薬学的に許容されるその塩。
E24。Lが、CHCHである、E21に記載の化合物、又は薬学的に許容されるその塩。
E25。LにおけるCHCHが、CDCHである(すなわち、-L-Gが、-CDCH-Gである)、E24に記載の化合物、又は薬学的に許容されるその塩。
E26。Lが、C1~5フルオロアルキレンである、E1a~E1.6、E2.1~E3、若しくはE5~E19のいずれかに記載の化合物、又は薬学的に許容されるその塩。
E27。Lが、CHCFである(すなわち、-L-Gが、-CHCF-Gである)、E26に記載の化合物、又は薬学的に許容されるその塩。
E28。LにおけるCHCFが、CDCFである(すなわち、-L-Gが、-CDCF-Gである)、E27に記載の化合物、又は薬学的に許容されるその塩。
E29。R1aが、水素、C1~4アルキル、C1~4ジフルオロアルキル、-OC1~4アルキル、-OC1~4フルオロアルキル、-OC3~6シクロアルキル、-OCH3~6シクロアルキル、-SO1~4アルキル、-SO3~6シクロアルキル、フェニル、又はC3~6シクロアルキルであり、ここで、フェニル及び各C3~6シクロアルキルが、ハロゲン、シアノ、C1~4アルキル、C1~4ハロアルキル、-OC1~4アルキル、及び-OC1~4ハロアルキルからなる群から独立に選択される1~4個の置換基で任意選択で置換されており;
1bが、水素、ハロゲン、シアノ、C1~4アルキル、C1~4フルオロアルキル、又はC3~6シクロアルキルである、E1a~E28のいずれかに記載の化合物、又は薬学的に許容されるその塩。
E30。R1aが、水素、-CH、-C(CH、-CHF、-C(CH)F、-OCH、-SOCH、5-フルオロ-2-メチルフェニル、シクロプロピル、2,2-ジフルオロシクロプロピル、1-トリフルオロメチルシクロプロピル、又はシクロブチルであり;R1bが、水素、シアノ、CH、又はCFである、E1a~E29のいずれかに記載の化合物、又は薬学的に許容されるその塩。
E30.1。R1aが、水素、-CH、-CHF、-OCH、又はシクロプロピルであり;R1bが、水素、シアノ、CH、又はCFである、E30に記載の化合物、又は薬学的に許容されるその塩。
E30.2。R1bが、水素である、E30.1に記載の化合物、又は薬学的に許容されるその塩。
E31。Gが、
Figure 2024500880000059

である、E1a~E29のいずれかに記載の化合物、又は薬学的に許容されるその塩。
E32。Gが、
Figure 2024500880000060

である、E1a~E29のいずれかに記載の化合物、又は薬学的に許容されるその塩。
E33。Gが、
Figure 2024500880000061

である(すなわち、G1a-G-が、
Figure 2024500880000062

である)、E1a~E32のいずれかに記載の化合物、又は薬学的に許容されるその塩。
E33.1。Gが、
Figure 2024500880000063

である、E33に記載の化合物、又は薬学的に許容されるその塩。
E34。R1a及びR1bが、水素である(すなわち、Gが、
Figure 2024500880000064

である)、E1a~E33のいずれかに記載の化合物、又は薬学的に許容されるその塩。
E34.1。式(II)
Figure 2024500880000065

を有する、E34に記載の化合物、又は薬学的に許容されるその塩。
E34.2。式(II-A)のE34.1に記載の化合物、又は薬学的に許容されるその塩。
Figure 2024500880000066
E34.3。式(II-A1)のE34.2に記載の化合物、又は薬学的に許容されるその塩。
Figure 2024500880000067
E34.4。式(II-A2)のE34.2に記載の化合物、又は薬学的に許容されるその塩。
Figure 2024500880000068
E34.5。式(II-B)のE34.1に記載の化合物、又は薬学的に許容されるその塩。
Figure 2024500880000069
E34.6。式(II-B1)のE34.5に記載の化合物、又は薬学的に許容されるその塩。
Figure 2024500880000070
E34.7。式(II-B2)のE34.5に記載の化合物、又は薬学的に許容されるその塩。
Figure 2024500880000071
E34.8。式(IV)
Figure 2024500880000072

を有する、E34に記載の化合物、又は薬学的に許容されるその塩。
E34.9。式(IV-A)のE34.8に記載の化合物、又は薬学的に許容されるその塩。
Figure 2024500880000073
E34.10。式(IV-A1)のE34.9に記載の化合物、又は薬学的に許容されるその塩。
Figure 2024500880000074
E34.11。式(IV-A2)のE34.9に記載の化合物、又は薬学的に許容されるその塩。
Figure 2024500880000075
E34.12。式(IV-B)のE34.8に記載の化合物、又は薬学的に許容されるその塩。
Figure 2024500880000076
E34.13。式(IV-B1)のE34.12に記載の化合物、又は薬学的に許容されるその塩。
Figure 2024500880000077
E34.14。式(IV-B2)のE34.12に記載の化合物、又は薬学的に許容されるその塩。
Figure 2024500880000078
E35。R1a及びR1bが、それらが付着している原子と一緒に、5員若しくは6員の不飽和若しくは部分不飽和の炭素環式環若しくは複素環式環を形成し、炭素環式環若しくは複素環式環が、非置換であるか、又はハロゲン、シアノ、C1~4アルキル、C1~4フルオロアルキル、C2~4アルケニル、C3~6シクロアルキル、及び-C1~3アルキレン-C3~4シクロアルキルからなる群から独立に選択される1~4個の置換基で置換されている、E1a~E28のいずれかに記載の化合物、又は薬学的に許容されるその塩。
E36。R1a及びR1bが、それらが付着している原子と一緒に、非置換若しくは置換5員不飽和複素環式環を形成する、E35に記載の化合物、又は薬学的に許容されるその塩。
E37。非置換若しくは置換5員不飽和複素環式環の環系が、チオフェンである、E36に記載の化合物、又は薬学的に許容されるその塩。
E38。Gが、
Figure 2024500880000079

である、請求項37に記載の化合物、又は薬学的に許容されるその塩。
E39。R1a及びR1bが、それらが付着している原子と一緒に、非置換若しくは置換6員不飽和若しくは部分不飽和の炭素環式環を形成する、E35に記載の化合物、又は薬学的に許容されるその塩。
E40。Gが、
Figure 2024500880000080

である、E39に記載の化合物、又は薬学的に許容されるその塩。
E41。G1aが、
Figure 2024500880000081

である、E1a~E1.6、E3~E34、若しくはE35~E40のいずれかに記載の化合物、又は薬学的に許容されるその塩。
E41.1。G1aが、
Figure 2024500880000082

である、E41に記載の化合物、又は薬学的に許容されるその塩。
E42。G1aが、
Figure 2024500880000083

である、E1a~E1.6、E3~E34、若しくはE35~E40のいずれかに記載の化合物、又は薬学的に許容されるその塩。
E43。nが、0である、E1a~E1.6、E3~E34、若しくはE35~E42のいずれかに記載の化合物、又は薬学的に許容されるその塩。
E43.1。G1aが、
Figure 2024500880000084

である、E43に記載の化合物、又は薬学的に許容されるその塩。
E43.2。G1aが、
Figure 2024500880000085

である、E43に記載の化合物、又は薬学的に許容されるその塩。
E44。nが、1である、E1a~E1.6、E3~E34、若しくはE35~E42のいずれかに記載の化合物、又は薬学的に許容されるその塩。
E45。R2aが、CFである、E1a~E1.6、E3~E34、若しくはE35~E44のいずれかに記載の化合物、又は薬学的に許容されるその塩。
E46。Rが、CFである、E1a~E45のいずれかに記載の化合物、又は薬学的に許容されるその塩。
E46.1。G1aが、
Figure 2024500880000086

である、E46に記載の化合物、又は薬学的に許容されるその塩。
E46.2。G1aが、
Figure 2024500880000087

である、E46に記載の化合物、又は薬学的に許容されるその塩。
E46.3。G1aが、
Figure 2024500880000088

である、E46に記載の化合物、又は薬学的に許容されるその塩。
E47。Rが、CHFである、E1a~E45のいずれかに記載の化合物、又は薬学的に許容されるその塩。
E47.1。G1aが、
Figure 2024500880000089

である、E47に記載の化合物、又は薬学的に許容されるその塩。
E47.2。G1aが、
Figure 2024500880000090

である、E47に記載の化合物、又は薬学的に許容されるその塩。
E48。Rが、水素である、E1a~E47.2のいずれかに記載の化合物、又は薬学的に許容されるその塩。
E49。Rが、水素である、E1a~E1.6若しくはE3~E48のいずれかに記載の化合物、又は薬学的に許容されるその塩。
E49.1。式(V)のE49に記載の化合物、又は薬学的に許容されるその塩。
Figure 2024500880000091
E49.1a。Gが、
Figure 2024500880000092

であり、
1aが、
Figure 2024500880000093

であり、
Rが、水素、C1~4アルキル、C3~4シクロアルキル、又は-C1~3アルキレン-C3~4シクロアルキルであり;
1aが、水素、C1~4アルキル、C1~4フルオロアルキル、-OC1~4アルキル、-OC1~4フルオロアルキル、-OC3~6シクロアルキル、-OCH3~6シクロアルキル、-SO1~4アルキル、-SO3~6シクロアルキル、フェニル、又はC3~6シクロアルキルであり、ここで、フェニル及び各C3~6シクロアルキルが、ハロゲン、シアノ、C1~4アルキル、C1~4ハロアルキル、-OC1~4アルキル、及び-OC1~4ハロアルキルからなる群から独立に選択される1~4個の置換基で任意選択で置換されており;
1bが、水素、ハロゲン、シアノ、C1~4アルキル、C1~4フルオロアルキル、又はC3~6シクロアルキルであり;
或いは代わりに、R1a及びR1bが、それらが付着している原子と一緒に、5員若しくは6員の不飽和若しくは部分不飽和の炭素環式環若しくは複素環式環を形成し、炭素環式環若しくは複素環式環が、非置換であるか、又はハロゲン、シアノ、C1~4アルキル、C1~4フルオロアルキル、C2~4アルケニル、C3~6シクロアルキル、及び-C1~3アルキレン-C3~4シクロアルキルからなる群から独立に選択される1~4個の置換基で置換されており;
が、CF又はCHFであり;
2aが、出現する毎に独立に、ハロゲン、C1~4アルキル、C1~4フルオロアルキル、-OC1~4アルキル、又は-OC1~4フルオロアルキルであり;
nが、0、1、又は2であり、
が、-L-Gであり;
が、CHであり;
が、
Figure 2024500880000094

である、E49.1に記載の化合物、又は薬学的に許容されるその塩。
E49.1b。式(V-A):
Figure 2024500880000095

を有する、E49.1aに記載の化合物、又は薬学的に許容されるその塩。
E49.1c。LにおけるCHが、CDである、E49.1a若しくは49.1bに記載の化合物、又は薬学的に許容されるその塩。
E49.1d。Gが、
Figure 2024500880000096

である、E49.1a~E49.1cのいずれかに記載の化合物、又は薬学的に許容されるその塩。
E49.1e。G1aが、
Figure 2024500880000097

である、E49.1a~E49.1dのいずれかに記載の化合物、又は薬学的に許容されるその塩。
E49.1f。G1aが、
Figure 2024500880000098

である、E49.1a~E49.1dのいずれかに記載の化合物、又は薬学的に許容されるその塩。
E49.1g。nが、0である、E49.1a~E49.1fのいずれかに記載の化合物、又は薬学的に許容されるその塩。
E49.1h。Rが、水素である、E49.1a~E49.1gのいずれかに記載の化合物、又は薬学的に許容されるその塩。
E49.1i。
Figure 2024500880000099

である、E49.1aに記載の化合物、又は薬学的に許容されるその塩。
E49.1j。
Figure 2024500880000100

である、E49.1aに記載の化合物、又は薬学的に許容されるその塩。
E49.1k。キラル炭素原子において90%と等しいか若しくはそれより多い鏡像体過剰率を有する形態の、E49.1a~E49.1jのいずれかに記載の化合物、又は薬学的に許容されるその塩。
E49.1m。そのエナンチオマーが実質的に非含有である形態の、E49.1a~E49.1jのいずれかに記載の化合物、又は薬学的に許容されるその塩。
E49.1n。各重水素標識において少なくとも50%の重水素取り込みを有する形態の、E49.1a~E49.1mのいずれかに記載の化合物、又は薬学的に許容されるその塩。
E49.2。式(V-A)のE49.1に記載の化合物、又は薬学的に許容されるその塩。
Figure 2024500880000101
E49.3。式(V-B)のE49.1に記載の化合物、又は薬学的に許容されるその塩。
Figure 2024500880000102
E49.4。式(V)が、式(VI)
Figure 2024500880000103

を有する、E49.1に記載の化合物、又は薬学的に許容されるその塩。
E49.5。式(V-A)が、式(VI-A)
Figure 2024500880000104

を有する、E49.2に記載の化合物、又は薬学的に許容されるその塩。
E49.6。式(V-B)が、式(VI-B)
Figure 2024500880000105

を有する、E49.3に記載の化合物、又は薬学的に許容されるその塩。
E50。Rが、メチルである、E1a~E1.6若しくはE3~E48のいずれかに記載の化合物、又は薬学的に許容されるその塩。
E51。(3aR,5s,6aS)-2-((テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)メチル)-N-(6-(4-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-イル)ピリダジン-3-イル)オクタヒドロシクロペンタ[c]ピロール-5-アミン;
(3aR,5s,6aS)-2-((テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)メチル-d)-N-(6-(4-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-イル)ピリダジン-3-イル)オクタヒドロシクロペンタ[c]ピロール-5-アミン;
(3aR,5s,6aS)-2-((3,3-ジメチルテトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)メチル-d)-N-(6-(4-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-イル)ピリダジン-3-イル)オクタヒドロシクロペンタ[c]ピロール-5-アミン;
(3aR,5s,6aS)-2-((4-メチルテトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)メチル-d)-N-(6-(4-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-イル)ピリダジン-3-イル)オクタヒドロシクロペンタ[c]ピロール-5-アミン;
(3aR,5s,6aS)-2-(((S)-1,4-ジオキサン-2-イル)メチル-d)-N-(6-(4-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-イル)ピリダジン-3-イル)オクタヒドロシクロペンタ[c]ピロール-5-アミン;
(3aR,5s,6aS)-2-(((R)-1,4-ジオキサン-2-イル)メチル-d)-N-(6-(4-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-イル)ピリダジン-3-イル)オクタヒドロシクロペンタ[c]ピロール-5-アミン;
(3aR,5s,6aS)-2-(((R)-テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)メチル-d)-N-(6-(4-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-イル)ピリダジン-3-イル)オクタヒドロシクロペンタ[c]ピロール-5-アミン;
(3aR,5s,6aS)-2-(((S)-テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)メチル-d)-N-(6-(4-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-イル)ピリダジン-3-イル)オクタヒドロシクロペンタ[c]ピロール-5-アミン;
(3aR,5s,6aS)-2-((テトラヒドロ-2H-ピラン-3-イル)メチル-d)-N-(6-(4-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-イル)ピリダジン-3-イル)オクタヒドロシクロペンタ[c]ピロール-5-アミン;
(3aR,5s,6aS)-2-(シクロヘキシルメチル-d)-N-(6-(4-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-イル)ピリダジン-3-イル)オクタヒドロシクロペンタ[c]ピロール-5-アミン;
(3aR,5s,6aS)-2-((4-フルオロテトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)メチル-d)-N-(6-(4-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-イル)ピリダジン-3-イル)オクタヒドロシクロペンタ[c]ピロール-5-アミン;
(3aR,5s,6aS)-2-((テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル-2,2,6,6-d)メチル-d)-N-(6-(4-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-イル)ピリダジン-3-イル)オクタヒドロシクロペンタ[c]ピロール-5-アミン;
(3aR,5s,6aS)-N-(6-(4-(ジフルオロメチル)ピリジン-3-イル)ピリダジン-3-イル)-2-((テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)メチル-d)オクタヒドロシクロペンタ[c]ピロール-5-アミン;
(3aR,5s,6aS)-N-(4-シクロプロピル-6-(4-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-イル)ピリダジン-3-イル)-2-((テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)メチル-d)オクタヒドロシクロペンタ[c]ピロール-5-アミン;
(3aR,5s,6aS)-N-(4-メトキシ-6-(4-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-イル)ピリダジン-3-イル)-2-((テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)メチル-d)オクタヒドロシクロペンタ[c]ピロール-5-アミン;
(3aR,5s,6aS)-N-(4-メチル-6-(4-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-イル)ピリダジン-3-イル)-2-((テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)メチル-d)オクタヒドロシクロペンタ[c]ピロール-5-アミン;
(3aR,5s,6aS)-N-(6-(4,6-ビス(トリフルオロメチル)ピリジン-3-イル)ピリダジン-3-イル)-2-((テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)メチル-d)オクタヒドロシクロペンタ[c]ピロール-5-アミン;
(3aR,5s,6aS)-N-(4-メチル-6-(4-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-イル)ピリダジン-3-イル)-2-((テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル-2,2,6,6-d)メチル-d)オクタヒドロシクロペンタ[c]ピロール-5-アミン;
(3aR,5s,6aS)-N-(4-メチル-6-(4-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-イル)ピリダジン-3-イル)-2-((テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル-2,2,6,6-d)メチル)オクタヒドロシクロペンタ[c]ピロール-5-アミン;
(3aR,5s,6aS)-2-((3,3-ジメチルテトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)メチル-d)-N-(4-メチル-6-(4-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-イル)ピリダジン-3-イル)オクタヒドロシクロペンタ[c]ピロール-5-アミン;
(3aR,5s,6aS)-2-((3,3-ジメチルテトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)メチル-d)-N-(4-メトキシ-6-(4-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-イル)ピリダジン-3-イル)オクタヒドロシクロペンタ[c]ピロール-5-アミン;
(3aR,5s,6aS)-N-(4-メトキシ-6-(4-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-イル)ピリダジン-3-イル)-2-((テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル-2,2,6,6-d)メチル-d)オクタヒドロシクロペンタ[c]ピロール-5-アミン;
(3aR,5s,6aS)-N-(4-メトキシ-6-(4-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-イル)ピリダジン-3-イル)-2-((テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル-2,2,6,6-d)メチル)オクタヒドロシクロペンタ[c]ピロール-5-アミン;
(3aR,5s,6aS)-2-(((S)-テトラヒドロ-2H-ピラン-3-イル)メチル-d)-N-(6-(4-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-イル)ピリダジン-3-イル)オクタヒドロシクロペンタ[c]ピロール-5-アミン;
(3aR,5s,6aS)-2-(((R)-テトラヒドロ-2H-ピラン-3-イル)メチル-d)-N-(6-(4-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-イル)ピリダジン-3-イル)オクタヒドロシクロペンタ[c]ピロール-5-アミン;
(3aR,5s,6aS)-N-(4-(ジフルオロメチル)-6-(4-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-イル)ピリダジン-3-イル)-2-((テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)メチル-d)オクタヒドロシクロペンタ[c]ピロール-5-アミン;
(3aR,5S,6aS)-3a-メチル-2-((テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル-2,2,6,6-d)メチル-d)-N-(6-(4-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-イル)ピリダジン-3-イル)オクタヒドロシクロペンタ[c]ピロール-5-アミン;
(3aS,5R,6aR)-3a-メチル-2-((テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル-2,2,6,6-d)メチル-d)-N-(6-(4-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-イル)ピリダジン-3-イル)オクタヒドロシクロペンタ[c]ピロール-5-アミン;
(3aR,5s,6aS)-2-(オキセパン-4-イルメチル-d)-N-(6-(4-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-イル)ピリダジン-3-イル)オクタヒドロシクロペンタ[c]ピロール-5-アミン;
(3aR,5s,6aS)-2-(((3aR,6aR)-ヘキサヒドロ-3aH-シクロペンタ[b]フラン-3a-イル)メチル-d)-N-(6-(4-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-イル)ピリダジン-3-イル)オクタヒドロシクロペンタ[c]ピロール-5-アミン;
(3aR,5s,6aS)-2-(((3aS,6aS)-ヘキサヒドロ-3aH-シクロペンタ[b]フラン-3a-イル)メチル-d)-N-(6-(4-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-イル)ピリダジン-3-イル)オクタヒドロシクロペンタ[c]ピロール-5-アミン;
(3aR,5s,6aS)-2-(((3aS,8aR)-オクタヒドロ-3aH-シクロヘプタ[b]フラン-3a-イル)メチル-d)-N-(6-(4-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-イル)ピリダジン-3-イル)オクタヒドロシクロペンタ[c]ピロール-5-アミン;
(3aR,5s,6aS)-2-(((3aR,8aS)-オクタヒドロ-3aH-シクロヘプタ[b]フラン-3a-イル)メチル-d)-N-(6-(4-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-イル)ピリダジン-3-イル)オクタヒドロシクロペンタ[c]ピロール-5-アミン;
(3aR,5s,6aS)-2-(2-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)エチル-1,1-d)-N-(6-(4-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-イル)ピリダジン-3-イル)オクタヒドロシクロペンタ[c]ピロール-5-アミン;
(3aR,5s,6aS)-2-((2,2,6,6-テトラメチルテトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)メチル-d)-N-(6-(4-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-イル)ピリダジン-3-イル)オクタヒドロシクロペンタ[c]ピロール-5-アミン;
(3aR,5s,6aS)-2-((2,2-ジメチルテトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)メチル-d)-N-(6-(4-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-イル)ピリダジン-3-イル)オクタヒドロシクロペンタ[c]ピロール-5-アミン;
N-((3aR,5s,6aS)-2-((テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)メチル-d)オクタヒドロシクロペンタ[c]ピロール-5-イル)-7-(4-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-イル)チエノ[2,3-d]ピリダジン-4-アミン;
N-((3aR,5s,6aS)-2-((テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)メチル-d)オクタヒドロシクロペンタ[c]ピロール-5-イル)-4-(4-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-イル)チエノ[2,3-d]ピリダジン-7-アミン;
(3aR,5s,6aS)-2-(2,2-ジフルオロ-2-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)エチル-1,1-d)-N-(6-(4-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-イル)ピリダジン-3-イル)オクタヒドロシクロペンタ[c]ピロール-5-アミン;
(3aR,5s,6aS)-2-(2,2-ジフルオロ-2-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)エチル-1,1-d)-N-(4-メチル-6-(4-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-イル)ピリダジン-3-イル)オクタヒドロシクロペンタ[c]ピロール-5-アミン;
(3aR,5s,6aS)-N-(6-(2-(ジフルオロメチル)ピリジン-3-イル)ピリダジン-3-イル)-2-((テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)メチル-d)オクタヒドロシクロペンタ[c]ピロール-5-アミン;
(3aR,5s,6aS)-2-((テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)メチル-d)-N-(6-(2-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-イル)ピリダジン-3-イル)オクタヒドロシクロペンタ[c]ピロール-5-アミン;
(3aR,5s,6aS)-2-((テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)メチル)-N-(6-(2-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-イル)ピリダジン-3-イル)オクタヒドロシクロペンタ[c]ピロール-5-アミン;
(3aR,5s,6aS)-2-((テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)メチル-d)-N-(2’-(トリフルオロメチル)-[2,3’-ビピリジン]-5-イル)オクタヒドロシクロペンタ[c]ピロール-5-アミン;
(3aR,5s,6aS)-2-(2-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)エチル-1,1-d)-N-(6-(2-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-イル)ピリダジン-3-イル)オクタヒドロシクロペンタ[c]ピロール-5-アミン;
(3aR,5s,6aS)-2-((2,2-ジメチルテトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)メチル-d)-N-(6-(2-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-イル)ピリダジン-3-イル)オクタヒドロシクロペンタ[c]ピロール-5-アミン;
(3aR,5s,6aS)-2-((テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル-2,2,6,6-d)メチル-d)-N-(6-(2-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-イル)ピリダジン-3-イル)オクタヒドロシクロペンタ[c]ピロール-5-アミン;
(3aR,5s,6aS)-2-((2,2,6,6-テトラメチルテトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)メチル-d)-N-(6-(2-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-イル)ピリダジン-3-イル)オクタヒドロシクロペンタ[c]ピロール-5-アミン;
(3aR,5s,6aS)-2-(((R)-テトラヒドロ-2H-ピラン-3-イル)メチル-d)-N-(6-(2-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-イル)ピリダジン-3-イル)オクタヒドロシクロペンタ[c]ピロール-5-アミン;
(3aR,5s,6aS)-2-(((S)-テトラヒドロ-2H-ピラン-3-イル)メチル-d)-N-(6-(2-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-イル)ピリダジン-3-イル)オクタヒドロシクロペンタ[c]ピロール-5-アミン;
(3aR,5s,6aS)-2-(((S)-テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)メチル-d)-N-(6-(2-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-イル)ピリダジン-3-イル)オクタヒドロシクロペンタ[c]ピロール-5-アミン;
(3aR,5s,6aS)-2-(((R)-テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)メチル-d)-N-(6-(2-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-イル)ピリダジン-3-イル)オクタヒドロシクロペンタ[c]ピロール-5-アミン;
(3aR,5s,6aS)-N-(4-メチル-6-(2-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-イル)ピリダジン-3-イル)-2-((テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)メチル-d)オクタヒドロシクロペンタ[c]ピロール-5-アミン;
(3aR,5s,6aS)-2-(((S)-1,4-ジオキサン-2-イル)メチル-d)-N-(6-(2-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-イル)ピリダジン-3-イル)オクタヒドロシクロペンタ[c]ピロール-5-アミン;
(3aR,5s,6aS)-2-(オキセパン-4-イルメチル-d)-N-(6-(2-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-イル)ピリダジン-3-イル)オクタヒドロシクロペンタ[c]ピロール-5-アミン;
(3aR,5s,6aS)-2-((3,3-ジメチルテトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)メチル-d)-N-(6-(2-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-イル)ピリダジン-3-イル)オクタヒドロシクロペンタ[c]ピロール-5-アミン;
(3aR,5s,6aS)-2-((5-オキサスピロ[2.4]ヘプタン-6-イル)メチル-d)-N-(6-(2-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-イル)ピリダジン-3-イル)オクタヒドロシクロペンタ[c]ピロール-5-アミン;
(3aR,5s,6aS)-2-((1-メチル-2-オキサビシクロ[2.1.1]ヘキサン-4-イル)メチル-d)-N-(6-(2-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-イル)ピリダジン-3-イル)オクタヒドロシクロペンタ[c]ピロール-5-アミン;
(3aR,5S,6aS)-3a-メチル-2-((テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)メチル-d)-N-(6-(2-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-イル)ピリダジン-3-イル)オクタヒドロシクロペンタ[c]ピロール-5-アミン;
(3aS,5R,6aR)-3a-メチル-2-((テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)メチル-d)-N-(6-(2-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-イル)ピリダジン-3-イル)オクタヒドロシクロペンタ[c]ピロール-5-アミン;
(3aR,5S,6aS)-3a-メチル-2-((テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル-2,2,6,6-d)メチル-d)-N-(6-(2-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-イル)ピリダジン-3-イル)オクタヒドロシクロペンタ[c]ピロール-5-アミン;
(3aS,5R,6aR)-3a-メチル-2-((テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル-2,2,6,6-d)メチル-d)-N-(6-(2-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-イル)ピリダジン-3-イル)オクタヒドロシクロペンタ[c]ピロール-5-アミン;
(3aR,5s,6aS)-2-(((S)-2,2-ジメチルテトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)メチル-d)-N-(6-(4-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-イル)ピリダジン-3-イル)オクタヒドロシクロペンタ[c]ピロール-5-アミン;
(3aR,5s,6aS)-2-(((R)-2,2-ジメチルテトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)メチル-d)-N-(6-(4-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-イル)ピリダジン-3-イル)オクタヒドロシクロペンタ[c]ピロール-5-アミン;
(3aR,5s,6aS)-2-((5-オキサスピロ[3.5]ノナン-8-イル)メチル-d)-N-(6-(2-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-イル)ピリダジン-3-イル)オクタヒドロシクロペンタ[c]ピロール-5-アミン;
(3aR,5s,6aS)-2-(((S)-2,2-ジメチルテトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)メチル-d)-N-(6-(2-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-イル)ピリダジン-3-イル)オクタヒドロシクロペンタ[c]ピロール-5-アミン;
(3aR,5s,6aS)-2-(((R)-2,2-ジメチルテトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)メチル-d)-N-(6-(2-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-イル)ピリダジン-3-イル)オクタヒドロシクロペンタ[c]ピロール-5-アミン;
(3aR,5s,6aS)-2-((テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)メチル-d)-N-(6-(2-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-イル)ピリダジン-3-イル)オクタヒドロシクロペンタ[c]ピロール-5-アミン;
(3aR,5s,6aS)-2-((2,2-ジメチルテトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)メチル)-N-(6-(2-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-イル)ピリダジン-3-イル)オクタヒドロシクロペンタ[c]ピロール-5-アミンからなる群から選択される、E1aに記載の化合物、又は薬学的に許容されるその塩。
E52。同位体的に標識されている、E1a~E51のいずれかに記載の化合物、又は薬学的に許容されるその塩。
E52.1。各重水素標識において少なくとも50%の重水素取り込みを有する、E1a~E52のいずれかに記載の化合物、又は薬学的に許容されるその塩。
E52.2。各重水素標識において少なくとも75%の重水素取り込みを有する、E52.1に記載の化合物、又は薬学的に許容されるその塩。
E52.3。各重水素標識において少なくとも90%の重水素取り込みを有する、E52.1に記載の化合物、又は薬学的に許容されるその塩。

E52.4。各重水素標識において少なくとも99%の重水素取り込みを有する、E52.1に記載の化合物、又は薬学的に許容されるその塩。
E52.5。各重水素標識において少なくとも99.5%の重水素取り込みを有する、E52.1に記載の化合物、又は薬学的に許容されるその塩。
E53。キラル炭素原子において90%と等しいか若しくはそれより多い鏡像体過剰率を有する形態の、E1a~E52.5のいずれかに記載の化合物、又は薬学的に許容されるその塩。
E53.1。キラル炭素原子において95%と等しいか若しくはそれより多い鏡像体過剰率を有する形態の、E53に記載の化合物、又は薬学的に許容されるその塩。
E53.2。キラル炭素原子において98%と等しいか若しくはそれより多い鏡像体過剰率を有する形態の、E53.1に記載の化合物、又は薬学的に許容されるその塩。
E53.3。キラル炭素原子において99%と等しいか若しくはそれより多い鏡像体過剰率を有する形態の、E53.2に記載の化合物、又は薬学的に許容されるその塩。
E54。そのエナンチオマーが実質的に非含有である形態の、E1a~E52.5のいずれかに記載の化合物、又は薬学的に許容されるその塩。
E55。E1a~E54のいずれかに記載の化合物、又は薬学的に許容されるその塩、及び薬学的に許容される担体を含む、医薬組成物。
E56。対象においてmAChR Mをアンタゴナイズする方法であって、対象に治療的有効量のE1a~E54のいずれかに記載の化合物、若しくは薬学的に許容されるその塩、又はE55に記載の医薬組成物を投与することを含む、方法。
E57。対象において障害を処置する方法であって、対象は、mAChR Mの拮抗作用から恩恵を受け、哺乳動物に治療的有効量のE1a~E54のいずれかに記載の化合物、若しくは薬学的に許容されるその塩、又はE55に記載の医薬組成物を投与することを含む、方法。
E58。障害が、神経変性障害、運動障害、又は脳障害である、E57に記載の方法。
E59。障害が、運動障害である、E58に記載の方法。
E60。障害が、パーキンソン病、薬物によって誘発されるパーキンソニズム、ジストニア、トゥレット症候群、ジスキネジア、統合失調症、統合失調症と関連する認知欠損、過剰日中睡眠症、注意欠陥多動性障害(ADHD)、ハンチントン病、舞踏病、脳性麻痺、及び進行性核上性麻痺から選択される、E58に記載の方法。
E61。対象において運動症状を処置する方法であって、それを必要とする対象に治療的有効量のE1a~E54のいずれかに記載の化合物、若しくは薬学的に許容されるその塩、又はE55に記載の医薬組成物を投与することを含む、方法。
E62。対象が、パーキンソン病、薬物によって誘発されるパーキンソニズム、ジストニア、トゥレット症候群、ジスキネジア、統合失調症、統合失調症と関連する認知欠損、過剰日中睡眠症、注意欠陥多動性障害(ADHD)、ハンチントン病、舞踏病、脳性麻痺、及び進行性核上性麻痺から選択される障害を有する、E61に記載の方法。
E63。神経変性障害、運動障害、又は脳障害の処置において使用するための、E1a~E54のいずれかに記載の化合物、若しくは薬学的に許容されるその塩、又はE55に記載の医薬組成物。
E64。神経変性障害、運動障害、又は脳障害の処置のための医薬の調製のための、E1a~E54のいずれかに記載の化合物、若しくは薬学的に許容されるその塩、又はE55に記載の医薬組成物の使用。
本発明の化合物の実施形態及び記載内容を通して、ハロアルキルの全ての実例は、フルオロアルキルであり得る(例えば、任意のC1~4ハロアルキルは、C1~4フルオロアルキルであり得る)。
化合物名及び/又は構造は、CHEMDRAW(登録商標)ULTRAの部分としてStruct=Name命名アルゴリズムを使用することによって割り当て/決定することができる。
化合物は、不斉中心又はキラル中心が存在する立体異性体として存在し得る。化合物は、鏡像異性的に濃縮された形態を含めた立体化学的に濃縮された形態で存在し得る。化合物の鏡像異性的に濃縮された形態は、特定のエナンチオマーの鏡像体過剰率パーセントによって定義し得る。鏡像異性的に濃縮された化合物は、そのエナンチオマーが実質的に非含有であり得る。立体異性体は、キラル炭素原子の周囲の置換基の立体配置に応じて、「R」又は「S」である。本明細書で使用する用語「R」及び「S」は、Pure Appl.Chem.,1976,45:13-30内、IUPAC 1974 Recommendations for Section E,Fundamental Stereochemistryに定義される通りの立体配置である。本開示は、様々な立体異性体及びそれらの混合物を意図し、これらは、本発明の範囲内に明確に含まれる。立体異性体には、鏡像異性体及びジアステレオマー並びに鏡像異性体又はジアステレオマーの混合物が含まれる。この化合物のそれぞれの立体異性体は、不斉中心又はキラル中心を含有する市販品として入手可能な出発材料から、合成によって又はラセミ混合物の調製、それに続く当業者に周知の分割の方法によって調製することができる。これらの分割の方法は、(1)鏡像異性体の混合物のキラル補助剤への付着、再結晶又はクロマトグラフィーによる得られたジアステレオマーの混合物の分離及び補助剤からの光学的に純粋な生成物の任意選択の遊離(Furniss,Hannaford,Smith,and Tatchell,“Vogel’s Textbook of Practical Organic Chemistry,”5th edition(1989)、Longman Scientific&Technical,Essex CM20 2JE,Englandに記載されている通り)、又は(2)キラルクロマトグラフィーカラムでの光学的鏡像異性体の混合物の直接的な分離、又は(3)分別再結晶方法によって例示される。
化合物は、3,3a,4,5,6,6a-ヘキサヒドロ-1H-シクロペンタ[c]ピロールコア構造を有し、これは、以下の2つの代表的な構造に示すように対称面を有し得る。
Figure 2024500880000106

これらの構造は、A及びBが、それぞれの鏡像と重ね合わせ可能であることから、メソとみなされる。A及びBタイプの対称構造について、環縮合と5位との間の相対立体化学を示すために、本明細書では、3a、5、及び6aの立体化学記号を使用する。従って、上に示した方向で描かれる場合、3aR,5s,6aSは、5位の置換基と環縮合との間のトランス相対立体化学を指し、3aR,5r,6aSは、5位の置換基と環縮合との間のシス相対立体化学を指す。5位の小文字のs及びr記号は、Pure and Applied Chemistry(1996),68(12)2193-2222内の“Basic terminology of stereochemistry(IUPAC Recommendations)”においてG.P.Mossにより記載される通り、偽不斉を指す。当業者は、構造A及びBが鏡像として描かれている場合、化学命名プログラムは、プログラムに応じて、3a及び6位の立体化学記号をRからSへ、SからRへとそれぞれ反転し得るが、優先規則及びR及びS記号を有する炭素の反転に従って、RはSよりも優先されるために、5位の偽不斉は不変のままであることを理解されよう。式(I)若しくは(III)又はそのいずれかの部分式の化合物は、トランス配置又はシス配置の5位置換基を有してもよいし、又はトランス及びシスの混合物として調製することもできる。
この化合物が互変異性型並びに幾何異性体を有し得ること、またこれらも本開示の実施形態を構成することを理解するべきである。
式(I)若しくは(III)、及び任意の部分式の化合物において、任意の「水素」又は「H」は、明示的であろうと、又は構造において暗に示されていようと、水素同位体H(プロチウム)及びH(重水素)を包含する。
本開示はまた、同位体的に標識された化合物(例えば、重水素標識された)を含み、ここで、同位体的に標識された化合物における原子は、原子の特定の同位体として特定される。本発明の化合物への包含に適した同位体の例としては、水素、炭素、窒素、酸素、リン、硫黄、フッ素及び塩素、例えば、限定はされないが、それぞれH、H、13C、14C、15N、18O、17O、31P、32P、35S、18F及び36Clが挙げられる。重水素、すなわちHなどのより重い同位体での置換は、より大きい代謝安定性に起因するある種の治療的利点、例えばインビボ半減期の延長又は投薬量の必要性の低下をもたらすことができるため、状況によっては好ましい可能性がある。この化合物は、受容体の分布を決定するために、医用画像及び陽電子放射断層撮影法(PET)研究のための陽電子放射同位体を組み込むことができる。式(I)又は(III)の化合物に組み込むことができる適切な陽電子放射同位体は、11C、13N、15O及び18Fである。
式(I)若しくは(III)の、又は任意の部分式の化合物の同位体的に濃縮された形態は一般に、当業者には公知の従来の技術によって、又は非同位体的に濃縮された試薬の代わりに適当な同位体的に濃縮された試薬を使用した、添付の実施例において記載されているものと類似のプロセスによって調製し得る。同位体濃縮の程度は、同位体標識された原子における特定の同位体の取り込みパーセント(例えば、重水素標識における重水素取り込み%)として特性決定することができる。
薬学的に許容される塩
開示する化合物は、薬学的に許容される塩として存在することができる。用語「薬学的に許容される塩」は、妥当なベネフィット/リスク比に見合い、且つその意図される使用に有効な、必要以上の毒性、刺激性及びアレルギー反応なしの障害の治療に適した、水若しくは油溶性又は分散可能であるこの化合物の塩又は双性イオンを指す。これらの塩は、この化合物の最終の単離及び精製中に又は別途この化合物のアミノ基を適切な酸と反応させることによって調製することができる。例えば、化合物は、限定はされないが、メタノール及び水などの適切な溶媒に溶解し、塩酸のような少なくとも1種の酸均等物で処理することができる。得られた塩を沈殿させ、濾過によって単離し、減圧下で乾燥させることができる。代わりに、溶媒及び過剰な酸を減圧下で除去して、塩を提供することができる。代表的な塩としては、酢酸塩、アジピン酸塩、アルギン酸塩、クエン酸塩、アスパラギン酸塩、安息香酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、重硫酸塩、酪酸塩、樟脳酸塩、樟脳スルホン酸塩、ジグルコン酸塩、グリセロリン酸塩、ヘミ硫酸塩、ヘプタン酸塩、ヘキサン酸塩、ギ酸塩、イセチオン酸塩、フマル酸塩、乳酸塩、マレイン酸塩、メタンスルホン酸塩、ナフチレンスルホン酸塩、ニコチン酸塩、シュウ酸塩、パモ酸塩、ペクチニン酸塩、過硫酸塩、3-フェニルプロピオン酸塩、ピクリン酸塩、シュウ酸塩、マレイン酸塩、ピバル酸塩、プロピオン酸塩、コハク酸塩、酒石酸塩、トリクロロ酢酸塩、トリフルオロ酢酸塩、グルタミン酸塩、パラ-トルエンスルホン酸塩、ウンデカン酸塩、塩酸塩、臭化水素酸塩、硫酸塩、リン酸塩などが挙げられる。この化合物のアミノ基は、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、ラウリル、ミリスチル、ステアリルなどの塩化、臭化及びヨウ化アルキルで四級化することもできる。
塩基付加塩は、カルボキシル基と、リチウム、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム若しくはアルミニウムなどの金属カチオンの水酸化物、炭酸塩、又は炭酸水素塩、又は一級、二級若しくは三級有機アミンなどの適切な塩基との反応により、開示する化合物の最終の単離及び精製中に調製することができる。メチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ジエチルアミン、エチルアミン、トリブチルアミン、ピリジン、N,N-ジメチルアニリン、N-メチルピペリジン、N-メチルモルホリン、ジシクロヘキシルアミン、プロカイン、ジベンジルアミン、N,N-ジベンジルフェネチルアミン、1-エフェナミン及びN,N’-ジベンジルエチレンジアミン、エチレンジアミン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、ピペリジン、ピペラジンなどに由来するものなどの四級アミン塩も調製することができる。
b.一般的合成
式(I)若しくは(III)又はいずれかの部分式の化合物は、合成プロセス又は代謝プロセスによって調製することができる。代謝プロセスによるこの化合物の調製には、ヒト又は動物体内で(インビボで)起こるもの又はインビトロで起こるプロセスが含まれる。
略語:AcOHは、酢酸であり;BMSは、ボランジメチルスルフィド錯体であり;Bocは、tert-ブチルオキシカルボニルであり;BrettPhos-Pd-G3は、[(2-ジ-シクロヘキシルホスフィノ-3,6-ジメトキシ-2’,4’,6’-トリイソプロピル-1,1’-ビフェニル)-2-(2’-アミノ-1,1’-ビフェニル)]パラジウム(II)メタンスルホネート(CAS番号1470372-59-8)であり;t-BuXPhosは、2-ジ-tert-ブチルホスフィノ-2’,4’,6’-トリイソプロピルビフェニルであり;DASTは、三フッ化ジエチルアミノイオウであり;DCEは、1,2-ジクロロエタンであり;DCMは、ジクロロメタンであり;DIADは、ジイソプロピルアゾジカルボキシレートであり;DIBALは、水素化ジイソブチルアルミニウムであり;DIEA及びDIPEAはいずれも、N,N-ジイソプロピルエチルアミンを指し;DMFは、N,N-ジメチルホルムアミドであり;EtSiClは、クロロトリエチルシランであり;HATUは、2-(7-アザ-1H-ベンゾトリアゾール-1-イル)-1,1,3,3-テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェートであり;LiAlH(OtBu)は、水素化リチウムトリ-tert-ブトキシアルミニウムであり;m-CPBAは、メタ-クロロペルオキシ安息香酸であり;MeOHは、メタノールであり;MsClは、塩化メタンスルホニルであり;NaBH(OAc)及びSTABはいずれも、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウムを指し;rt又はr.t.は、室温であり;NMPは、N-メチル-2-ピロリドンであり;Pd(dppf)Clは、[1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)であり;Pd(dba)は、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)であり;PPhは、トリフェニルホスフィンであり;RuPhos-Pd-G3は、(2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2’,6’-ジイソプロポキシ-1,1’-ビフェニル)[2-(2’-アミノ-1,1’-ビフェニル)]パラジウム(II)メタンスルホネート(CAS番号1445085-77-7)であり;Selectfuor(商標)は、1-クロロメチル-4-フルオロ-1,4-ジアゾニアビシクロ[2.2.2]オクタンビス(テトラフルオロボレート)であり;t-BuOHは、tert-ブチルアルコールであり;t-BuOKは、カリウムtert-ブトキシドであり;TBAIは、テトラブチルアンモニウムヨージドであり;THFは、テトラヒドロフランであり;TosMICは、トルエンスルホニルメチルイソシアニドである。
式(I)若しくは(III)又はいずれかの部分式の化合物は、以下のスキームに示すように合成することができる。
Figure 2024500880000107

スキーム1に示すように、シス-tert-ブチル5-オキソヘキサヒドロシクロペンタ[c]ピロール-2(1H)-カルボキシレート(化合物A;CAS#146231-54-1,Synthonix,カタログ♯B8253)を還元して(例えば、水素化リチウムトリ-t-ブトキシアルミニウム)、化合物Bを形成することができ、これを、対応するアジド化合物Cに変換することができる。アミンへの還元によって化合物Dが得られ、これを3,6-ジクロロピリダジンと反応させて化合物Eを生成することができる。好適なボロン酸又はエステルとのカップリングにより、化合物Fを取得し、これを脱保護して(例えば、塩酸を用いて)、化合物Gを生成し得る。化合物Gを、Rに対応する好適なアルデヒド又はケトンと反応させて、還元的アミノ化により、Hを得ることができ、ここで、Rは、G2’、-L-G、-C2~6アルキレン-R3a、又はC3~7アルキルであり、G2’は、Gのカルボシクリル又はヘテロシクリルである。
化合物Aはまた、重水素化ホウ素ナトリウムで還元して、ヒドロキシル基の付着点におけるBへと重水素を導入し得る。
Figure 2024500880000108

スキーム2は、式Hの化合物への代替の合成経路を例示し、ここで、還元的アミノ化及びボロン酸カップリングステップは逆転する。酸条件下での化合物Eの脱保護は、化合物Iを提供し、これは還元的アミノ化によってRに対応する適切なアルデヒド又はケトンと反応して、化合物J(式中、Rは、G2’、-L-G、-C2~6アルキレン-R3a、又はC3~7アルキルである)を提供し得る。そして次に、適切なボロン酸又はエステルとの化合物Jの反応は、化合物Hを提供し得る。中間体Jはまた、スキーム4のアルキル化プロセスを使用して調製し得る。
Figure 2024500880000109

スキーム3に示すように、標準的なアミド結合形成条件下で、化合物Gをカルボン酸R20COHと反応させて、アミドMを得ることができる。好適な反応条件は、室温で、DME中のDIPEA(3当量)及びHATU(1.5当量)の存在下、G(1当量)をカルボン酸(1.2当量)と反応させることを含む。アミドMは、エチルグリニャール及びTi(OiPr)(クーリンコビッチ・デ・メイエール(Kulinkovich-de Meijere)反応)からインサイチュで生成されたチタンシクロプロパン(titanacyclopropane)と反応して、式Nのシクロプロピル化合物をもたらすことができる。好適な反応条件は、不活性雰囲気下、-78℃で、THF中の臭化エチルマグネシウム(5当量、1.0M溶液)の溶液とチタン(IV)イソプロポキシド(2.1当量)を30分反応させ、化合物M(THF中1当量)を添加した後、室温まで昇温させてから、還流下で1h攪拌することを含む。スキーム3において、R20は、G、-L-G、アルキル基(例えば、C1~4アルキル)、-C1~3アルキレン-OR13、又は-C1~3アルキレン-N(R13であり、ここで、G、L、及びR13は、本明細書に定義される通りである。
Figure 2024500880000110

スキーム4に示すように、標準的な第2級アミンアルキル化条件を用いて、式Gの化合物をアルキル化して、第3級アミンHを得ることができ、ここで、Rは、-L-G、-C2~6アルキレン-R3a、又はC3~7ハロアルキルであり;Lは、C2~6アルキレン基であり;LGは、脱離基(例えば、Cl、Br、I、メシレート、トシレート、トリフレート)であり;R3a、L、及びGは、本明細書に定義される通りである。アルキル化のための例示的な一連の条件は、CsCOなどの塩基の存在下、DMF又はDMSOなどの溶媒中で、反応物質を約70℃℃まで加熱するものである。別の例示的な一連のアルキル化条件は、DIPEAなどの第3級塩基の存在下、アセトニトリル、DMF又はDMSOなどの溶媒を用いて、マイクロ波反応器内の密閉容器中、約>100℃まで反応物質を加熱するものである。
スキーム4のアルキル化プロセスは、化合物Iに適応し得る。Iのアルキル化に続いて、鈴木反応によって化合物Hを提供し得る。適切な鈴木反応条件は、スキーム1及び2において一般に概要を述べられており、且つ本明細書の実施例において記載されているものを含む。
Figure 2024500880000111

スキーム5に示すように、第2級アミン化合物Gを塩基性条件下でエポキシドと反応させて、ヒドロキシ化合物Pを得ることができ、ここで、R30は、合わせて2~4個の炭素を有するアルキル基であるか、又は2つのR30は、それらが結合する炭素と一緒に、Gのカルボシクリル又はヘテロシクリル(例えば、テトラヒドロピラニル、シクロへキシル)を形成する。
Figure 2024500880000112

スキーム6に示すように、化合物Gを適切なカルボン酸と反応させて、アミド化合物Rを形成することができ、これを還元して、化合物Sを生成することができ、ここで、Rは、G、-C1~2アルキレン-G、-C1~5アルキレン-R3a、又はC2~6アルキルであり、ここで、G及びR3aは、本明細書に定義される通りである。アミドカップリング条件は、当技術分野で公知であり、DMF若しくはDCMなどの溶媒中、塩基(例えば、DIPEA)の存在下、HATUなどのカップリング剤で反応物質を処理することを含む。アミド還元条件は、当技術分野で公知であり、DCM中のDIBAL又はTHF中のLiAlHのような還元剤でアミド基質を処理することを含む。反応は、-78℃から室温までのいずれで実施してもよい。また、化合物RをLiAlDで処理して、カルボニルの代わりに重水素原子を導入してもよい。
スキーム6のアミド結合工程は、R置換ピリジン置換基がクロロにより置換される化合物(化合物I)に使用することができる。クロロ置換中間体を鈴木反応に付す前、又は付した後、カルボニル還元を実施してもよい。好適な鈴木反応条件は、スキーム1及び2で概略的に描いたもの、並びに本明細書の実施例に記載されるものを含む。
Figure 2024500880000113

スキーム7に示すように、7,3-アミノ-6-クロロピリダジンをシス-N-Boc-5-オキソ-オクタヒドロシクロペンタ[c]ピロールと反応させて、化合物Tを生成することができ、これを適切なボロン酸又はエステルとカップリングして、化合物Uを形成することができる。脱保護(例えば、塩酸を用いて)により、化合物Vが生成され、好適なアルデヒド又はケトンとの反応により、化合物Wが生成される(Rは、G2’(上に定義される通り)、-L-G、-C2~6アルキレン-R3a、又はC3~7アルキルであり、L、G、及びR3aは、本明細書に定義される通りである)。
Figure 2024500880000114

スキーム8は、中間体X及びYを調製する工程、還元的アミノ化によるYからZへの変換、それに続く鈴木カップリングを示す。Yの還元的アミノ化は、好適なアルデヒド又はケトンとの反応を含み得る(Rは、G2’(上に定義される通り)、-L-G、-C2~6アルキレン-R3a、又はC3~7アルキルであり、L、G、及びR3aは、本明細書に定義される通りである)。或いは、中間体Xをスキーム1に従って処理して、最終化合物Zを得ることもできる。また、化合物Xをスキーム1及び3~6に従って処理して、本発明のさらに別の化合物を得ることもできる。
Figure 2024500880000115

スキーム9は、ラセミ体の中間体AG、AH、及びAJを調製するプロセス、並びにスキーム1のプロセスを使用したAKへのAJの変換を示す。化合物AGはまた、スキーム2~7によって処理して、本発明のさらなる化合物を得てもよい。
スキーム1~9のプロセスを使用して、市販であるか、又は公知の文献の手順を使用して調製し得る適当な置換ピリジン試薬を選択することによって、式(III)のさらなる化合物(式中、G1aは、
Figure 2024500880000116

のいずれかである)を調製し得る。例えば、(2-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-イル)ボロン酸(又は対応するエステル試薬)は、本明細書に記載されているスキーム及び合成プロセスにおいて使用して、本発明の化合物、例えば、表1における化合物39~57を調製し得る。
Figure 2024500880000117

様々な置換ジクロロピリダジン中間体は、スキーム10において概略を述べたミニッシ反応を使用して調製して、置換基R1aを導入し得、ここで、R1aは、C1~4アルキル、C1~4ジフルオロアルキル、又は任意選択で置換されているC3~6シクロアルキルであり、R1bは、本明細書に定義されている通りである。
Figure 2024500880000118

スキーム11において示すように、化合物Dは2-クロロ-5-ヨードピリジンとカップリングして、化合物ALを提供し得、これはボロン酸G1aB(OH)(又は対応するエステル)との鈴木カップリングに供して、化合物AM(式中、G1aは、本明細書に定義されている通りである)を定義し得る。化合物AMは、スキーム1又は3~6において記載される方法によって処理して、R基を付加し、一般式ANの化合物を提供し得る。
本発明の化合物を調製するのに使用し得る置換ピリダジン試薬
Figure 2024500880000119

は、3,6-ジクロロ-4-メチルピリダジン、3,6-ジクロロ-4-シクロプロピルピリダジン、3,6-ジクロロ-4-(トリフルオロメチル)ピリダジン、3,6-ジクロロ-4-シクロプロピル-5-(トリフルオロメチル)ピリダジン、4-(tert-ブチル)-3,6-ジクロロピリダジン、3,6-ジクロロ-4-(1,1-ジフルオロエチル)ピリダジン、3,6-ジクロロ-4-(1-(トリフルオロメチル)シクロプロピル)ピリダジン、3,6-ジクロロ-4-(2,2-ジフルオロシクロプロピル)ピリダジン、3,6-ジクロロ-4-(ジフルオロメチル)ピリダジン、3,6-ジクロロ-4-シクロブチルピリダジン、3,6-ジクロロ-4-メチル-5-(トリフルオロメチル)ピリダジン、3,6-ジクロロ-5-メチルピリダジン-4-カルボニトリル、3,6-ジクロロ-4-メトキシピリダジン、及び3,6-ジクロロ-4-(メチルスルホニル)ピリダジン、4,7-ジクロロチエノ[2,3-d]ピリダジン、1,4-ジクロロフタラジン、及び1,4-ジクロロ-5,6,7,8-テトラヒドロフタラジンを含む。置換ピリダジン試薬は市販であるか、文献において公知であるか、又は本明細書に記載されている合成プロセスを使用して調製し得る。
スキーム1~9のプロセスで使用するのに好適な還元的アミノ化条件は、当技術分野で公知である。アルデヒド還元的アミノ化のための例示的な反応条件は、任意選択で塩基(例えば、DIPEA)の存在下、DCM、THF、及びMeOH、並びにそれらの混合物などの溶媒中で、反応物質をNaBH(OA)で処理することを含む。アルデヒド還元的アミノ化はまた、加熱しながら(例えば、約80℃まで)EtOH中のNaBHCNで処理することにより実施してもよい。ケトン還元的アミノ化は、溶媒混合物(例えば、DCM-THF)への酢酸などの酸の添加及び40℃までの約1時間の加熱により促進することができる。DCM:THF:AcOHの代表的な溶媒比は、(3:3:0.5)である。また、ケトン還元的アミノ化は、室温から80℃までの温度で、EtOH中のTi(OiPr)及びNaBHCN又はNaBHで処理することにより実施してもよい。NaBHCNの代わりにNaBDCNを用いて、重水素を取り込み、プロチウムに対して重水素が豊富な化合物を取得することができる。
ボロン酸及びエステル試薬
Figure 2024500880000120

は、公知の手順を使用して対応するハライド(例えば、ブロミド)から調製し得る。
化合物及び中間体は、有機合成の分野の当業者に周知の方法によって単離及び精製することができる。化合物を単離及び精製するための従来の方法の例としては、限定はされないが、例えば、「Vogel’s Textbook of Practical Organic Chemistry」5th edition(1989),by Furniss,Hannaford,Smith及びTatchell、pub.Longman Scientific&Technical,Essex CM20 2JE,Englandに記載されている通りの活性炭での任意選択の前処理を伴う、高温又は低温での再結晶によってアルキルシラン基を用いて誘導体化されたシリカゲル、アルミナ又はシリカなどの固形状支持体上でのクロマトグラフィー、薄層クロマトグラフィー、様々な圧力での蒸留、真空中での昇華及び研和(trituration)を挙げることができる。
開示する化合物は、少なくとも1つの塩基性窒素(それにより、この化合物が酸で処理されて所望の塩を形成することができる)を有し得る。例えば、化合物を室温又は室温を超える温度で酸と反応させて、所望の塩(これは、沈殿し、冷却後に濾過によって収集される)を提供することができる。この反応に適した酸の例としては、限定はされないが、酒石酸、乳酸、コハク酸並びにマンデル酸、アトロ乳酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、トルエンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、炭酸、フマル酸、マレイン酸、グルコン酸、酢酸、プロピオン酸、サリチル酸、塩酸、臭化水素のリン酸、硫酸、クエン酸、ヒドロキシ酪酸、カンファースルホン酸、リンゴ酸、フェニル酢酸、アスパラギン酸又はグルタミン酸などが挙げられる。
それぞれ個々のステップについての反応条件及び反応時間は、用いられる特定の反応物及び使用される反応物内に存在する置換基に応じて変動し得る。実施例セクションにおいて、具体的な手順を提供する。反応は、従来の方式で、例えば、残留物から溶媒を取り除くことによって後処理し、限定はされないが、結晶化、蒸留、抽出、研和及びクロマトグラフィーなど、当技術分野で一般に知られている方法論に従ってさらに精製することができる。他に記載しない限り、出発材料及び試薬は、市販品として入手可能であるか、又は化学文献に記載されている方法を使用して、市販品として入手可能な材料から当業者によって調製することができる。市販品として入手可能ではない場合、出発材料は、標準の有機化学技術、公知の構造的に類似の化合物の合成と類似の技術、上に記載したスキーム又は合成例セクションに記載されている手順と類似の技術から選択される手順によって調製することができる。
反応条件、試薬及び合成経路の順序、反応条件に適合する可能性がないいずれかの化学的官能性の保護及びその方法の反応順序における適切な時点での脱保護の適切な操作を含めた通例の実験法は、本発明の範囲に含まれる。適切な保護基並びにこうした適切な保護基を使用して様々な置換基を保護及び脱保護するための方法は、当業者に周知であり、その例は、その内容全体が参照により本明細書に組み込まれる、Protective Groups in Organic Synthesis(4thed.)という名称のGreeneの書籍におけるPGM Wuts and TW Greene,John Wiley&Sons,NY(2006)で参照することができる。本発明の化合物の合成は、上で及び具体例において記載した合成スキームに記載された方法と類似の方法によって実現することができる。
光学活性型の開示する化合物が必要とされる場合、これは、光学活性な出発材料(例えば、適切な反応ステップの不斉誘導によって調製される)を使用する本明細書に記載した手順の1つを実施することにより、又は標準の手順(クロマトグラフィー分離、再結晶又は酵素分割など)を使用する化合物又は中間体の立体異性体の混合物の分割により得ることができる。
同様に、この化合物の純粋な幾何異性体が必要とされる場合、これは、出発材料として純粋な幾何異性体を使用する上の手順の1つを実施することにより、又はクロマトグラフィー分離などの標準の手順を使用する化合物又は中間体の幾何異性体の混合物の分割により得ることができる。
記載した合成スキーム及び具体例は、例示的であり、添付の特許請求の範囲において定義される本発明の範囲を限定するものと解釈されるべきではないことが理解され得る。合成方法及び具体例のすべての代替形態、改変形態及び均等物が特許請求の範囲の範囲内に含まれる。
ムスカリン性アセチルコリン受容体M活性
は、線条体において最も高度に発現されるmAChRサブタイプであり、その発現は、げっ歯類及び霊長類において類似している。選択的Mアンタゴニストがないため、Mのメカニズムの解明は、生化学的及び遺伝学的研究並びに高度に選択的なMポジティブアロステリックモジュレーター(PAM)の使用によって導かれてきた。高度に選択的なM PAMは、線条体DAレベルを増加させることによって作用する精神運動刺激薬に対する行動応答の強力な減少を誘導する。さらに、Mの遺伝的欠失は、探索的自発運動活性を増加させ、アンフェタミン及び他の刺激物質に対する自発運動応答を増強し、自発運動活性に対するM PAMの効果を排除し、これらの効果はまた、DA受容体のD1サブタイプ(D1-SPN)を発現する線条体脊髄投射ニューロンからのMの選択的欠失と共に観察される。インビボ微小透析研究は、M PAMの投与が背側及び腹側線条体におけるアンフェタミン誘発DA放出を減少させることを明らかにし、fMRI研究は、M PAMが線条体及び他の基底核における脳血流(CBV)のアンフェタミン誘発増加を逆転させることを示す。さらに、近年、高速走査サイクリックボルタンメトリー(FSCV)及び遺伝子研究は、M PAMが少なくとも部分的に、線条体脊髄突起ニューロン(SPN)からのエンドカンナビノイドの放出及びDA末端上のCB2カンナビノイド受容体の活性化を通して、線条体におけるシナプス前DA末端からのDA放出の抑制によって作用することを実証した。
は、DA受容体(DDR)のDサブタイプも発現するSPNのサブセットにおいて強く発現され、これは、黒質網状部(SNr)に阻害投射を送る直接経路(D1-SPN)を形成する。興味深いことに、DDRは、D1-SPN中の特異なGTP結合タンパク質を活性化し、これは、DRをアデニル酸シクラーゼの活性化、cAMPの生成及びプロテインキナーゼA(PKA)の活性化に結合するGαolfと称される。このシグナル伝達経路は、運動活性のDA介在性活性化の多くの行動にとって重要である。興味深いことに、Mは、アデニリルシクラーゼを阻害し、D受容体シグナル伝達及び運動機能に対する効果を直接的に阻害する能力を有するGαi/oGタンパク質に結合する。これらの研究は、DA放出の阻害に加えて、M PAMがcAMP形成の直接阻害によりD-SPNにおけるD1R媒介シグナル伝達を直接阻害する可能性を提起し、これは、基底核におけるDAシグナル伝達の選択的M活性化の強力な阻害作用にも寄与し得る。これと一致して、M PAMは、直接作用性Dアゴニストの自発運動刺激効果を阻害する。さらに、一連の薬理学的、遺伝学的及び分子/細胞学的研究は、この反応がD1-SPNにおけるDDRシグナル伝達の阻害によって媒介されることを明らかにしている。したがって、DDRシグナル伝達に対するM PAMの主な作用は、線条体ではなく、SNrにおけるD-SPNのGABA作動性末端であり、ここで、DDRの活性化は、GABA放出の強力な増加を誘導する。これは、線条体機能のコリン作動性調節が持続的に活性な線条体コリン作動性介在ニューロン(ChI)から放出されるAChを介してほとんど排他的に媒介されるという広範な見解に挑戦し、脚橋核からのコリン作動性投射からのSNrのコリン作動性神経支配が基底核直接経路の運動活性及び他の機能の調節でも重要な役割を果たし得る可能性を高める。総合すると、これらのデータは、DA放出を阻害することに加えて、M活性化がD発現SPNにおいてシナプス後に作用して運動機能も阻害することを示唆する。
運動機能の調節に関与する主要なmAChRサブタイプとしてのMの顕著な役割と一致して、mAChRアンタゴニストスコポラミンの自発運動活性化作用は、Mノックアウトマウスでは劇的に低下するが、他の4つのmAChRサブタイプ(M3、5)では低下しないことが多数の報告で示されている。さらに、ハロペリドール誘発性カタレプシー(パーキンソン運動障害の模型)は、野生型対照と比較してMノックアウトマウスにおいて減少する。DA受容体アンタゴニストハロペリドールによって誘導されるカタレプシーに対するこの化合物の効果を評価することによるスコポラミンの抗パーキンソン作用の評価は、WTマウスにおいてスコポラミンによって完全に逆転された強力なカタレプシーを示す。スコポラミンによる逆転は、代謝型グルタミン酸(mGlu)受容体mGlu又はmGlu、AAアデノシン受容体及びNMDA受容体を含む、潜在的な抗パーキンソン作用について評価されている他の多くの標的を標的とする薬剤で観察されるものよりも並外れて強固であり、より顕著であった。重要なことに、スコポラミンは、MKOマウスにおけるカタレプシーを減少させるのに効果がなく、スコポラミンの抗カタレプシー作用がmAChR Mに対する作用を必要とすることを示唆している。基底核及び運動機能のM調節に関する広範な研究と合わせて、これらの研究は、Mが非選択的mAChRアンタゴニストの抗パーキンソン作用に関与する優勢なmAChRサブタイプであることの説得力のあるエビデンスを提供し、PD、ジストニア、遅発性ジスキネジア及び他の運動障害のような神経変性疾病の治療のための選択的Mアンタゴニストの発見及び発展のための支持を提供する。
mAChRリサーチの進歩にもかかわらず、M mAChRの強力で有効で選択的なアンタゴニストである化合物は、依然として不足している。高度に選択的なMアンタゴニストは、PD、ジストニア、遅発性ジスキネジア及び他の運動障害を含む神経変性疾患の治療のための新しい治療的手法であり、パン-mAChR阻害によって媒介される有害作用なしにスコポラミンの臨床的利益を提供し得る。
いくつかの実施形態では、開示される化合物は、mAChR Mのアンタゴニストである。このような活性は、当技術分野で公知の方法論によって実証され得る。例えば、mAChR M活性の拮抗作用は、Ca2+感受性蛍光色素(例えば、Fluo-4)を負荷した細胞におけるアゴニスト、例えばアセチルコリンに反応するカルシウムフラックスの計測及びキメラ又は乱雑(promiscuous)Gタンパク質の共発現によって決定することができる。いくつかの実施形態では、カルシウムフラックスは、蛍光静止比の増加として測定することができる。いくつかの実施形態では、アンタゴニスト活性は、EC80アセチルコリン応答(すなわち最大応答の80%を生じるアセチルコリン濃度でのmAChR Mの応答)の濃度依存性増加として分析することができる。
いくつかの実施形態では、開示する化合物は、化合物の非存在下での同等のCHO-K1細胞の反応と比較して、化合物の存在下でのmAChR MトランスフェクトCHO-K1細胞におけるカルシウム蛍光の低下としてmAChR Mに拮抗する。いくつかの実施形態では、開示する化合物は、約10μM未満、約5μM未満、約1μM未満、約500nM未満、約100nM未満又は約50nM未満のIC50でmAChR M反応に拮抗する。いくつかの実施形態では、mAChR MトランスフェクトCHO-K1細胞は、ヒトmAChR Mでトランスフェクトされる。いくつかの実施形態では、mAChR MトランスフェクトCHO-K1細胞は、ラットmAChR Mでトランスフェクトされる。いくつかの実施形態では、mAChR MトランスフェクトCHO-K1細胞は、イヌ又はカニクイザル由来のmAChR Mでトランスフェクトされる。
開示する化合物は、mAChR M、M、M又はMトランスフェクトCHO-K1細胞の1つ以上に対するIC50未満のIC50でmAChR MトランスフェクトCHO-K1細胞におけるmAChR M反応に拮抗し得る。すなわち開示する化合物は、mAChR M、M、M又はM受容体の1つ以上に対して、mAChR M受容体に対する選択性を有することができる。例えば、いくつかの実施形態では、開示する化合物は、mAChR Mに対するものよりも約5倍低い、約10倍低い、約20倍低い、約30倍低い、約50倍低い、約100倍低い、約200倍低い、約300倍低い、約400倍低い、又は約500倍超低いIC50でmAChR M反応に拮抗することができる。いくつかの実施形態では、開示する化合物は、mAChR Mに対するものよりも約5倍低い、約10倍低い、約20倍低い、約30倍低い、約50倍低い、約100倍低い、約200倍低い、約300倍低い、約400倍低い、又は約500倍超低いIC50でmAChR M反応に拮抗することができる。いくつかの実施形態では、開示する化合物は、mAChR Mに対するものよりも約5倍低い、約10倍低い、約20倍低い、約30倍低い、約50倍低い、約100倍低い、約200倍低い、約300倍低い、約400倍低い、又は約500倍超低いIC50でmAChR M反応に拮抗することができる。いくつかの実施形態では、開示する化合物は、mAChR Mに対するものよりも約5倍低い、約10倍低い、約20倍低い、約30倍低い、約50倍低い、約100倍低い、約200倍低い、約300倍低い、約400倍低い、又は約500倍超低いIC50でmAChR M反応に拮抗することができる。いくつかの実施形態では、開示する化合物は、M~M受容体に対するものよりも5倍低い、約10倍低い、約20倍低い、約30倍低い、mAChR M、M、M又はM受容体に対するものよりも約50倍低い、約100倍低い、約200倍低い、約300倍低い、約400倍低い、又は約500倍超低いIC50でmAChR M反応に拮抗することができる。
開示する化合物は、約10μM未満のIC50でMトランスフェクトCHO-K1細胞におけるmAChR M反応に拮抗し、mAChR M、M、M又はM受容体の1つ以上に対してM受容体に対する選択性を示すことができる。例えば、いくつかの実施形態では、化合物は、約10μM未満、約5μM未満、約1μM未満、約500nM未満、約100nM未満又は約50nM未満のIC50を有することができ;化合物は、mAChR Mに対するものより約5倍低い、10倍低い、20倍低い、30倍低い、50倍低い、100倍低い、200倍低い、300倍低い、400倍低い、又は約500倍超低いIC50でmAChR M反応にも拮抗することができる。いくつかの実施形態では、化合物は、約10μM未満、約5μM未満、約1μM未満、約500nM未満、約100nM未満又は約50nM未満のIC50を有することができ;化合物は、mAChR Mに対するものより約5倍低い、約10倍低い、約20倍低い、約30倍低い、約50倍低い、約100倍低い、約200倍低い、約300倍低い、約400倍低い、又は約500倍超低いIC50でmAChR M反応にも拮抗することができる。いくつかの実施形態では、化合物は、約10μM未満、約5μM未満、約1μM未満、約500nM未満、約100nM未満又は約50nM未満のIC50を有することができ;化合物は、mAChR Mに対するものより約5倍低い、約10倍低い、約20倍低い、約30倍低い、約50倍低い、約100倍低い、約200倍低い、約300倍低い、約400倍低い、又は約500倍超低いIC50でmAChR M反応にも拮抗することができる。いくつかの実施形態では、化合物は、約10μM未満、約5μM未満、約1μM未満、約500nM未満、約100nM未満又は約50nM未満のIC50を有することができ;化合物は、mAChR Mに対するものより約5倍低い、約10倍低い、約20倍低い、約30倍低い、約50倍低い、約100倍低い、約200倍低い、約300倍低い、約400倍低い、又は約500倍超低いIC50でmAChR M反応にも拮抗することができる。いくつかの実施形態では、化合物は、約10μM未満、約5μM未満、約1μM未満、約500nM未満、約100nM未満又は約50nM未満のIC50を有することができ;化合物は、M~M受容体に対するものより約5倍低い、約10倍低い、約20倍低い、約30倍低い、M、M又はMに対するものより約50倍低い、約100倍低い、約200倍低い、約300倍低い、約400倍低い、又はmAChR M、M、M又はM受容体に対するものより約500倍超低いIC50で、mAChR M反応にも拮抗することができる。
抗パーキンソン病活性を予測するモデルにおける、開示する化合物のインビボ効力は、多数の前臨床ラットモデルにおいて測定することができる。例えば、開示する化合物は、マウス又はラットにおけるドーパミン受容体アンタゴニストによって誘導される運動機能の欠損を逆転させ得る。また、これらの化合物は、ドーパミンニューロンの選択的病変など、ドーパミン作動性シグナル伝達を低下させる他の操作で観察される運動機能の欠損を逆転させることができる。さらに、これらの化合物は、ジストニアの動物モデルにおいて効力を有し、動物モデルにおける注意力、認知機能及び動機付けの尺度を増加させ得ることが可能である。
3.医薬組成物及び製剤
開示する化合物は、対象(ヒト又は非ヒトであり得る患者など)への投与に適した医薬組成物に組み込むことができる。開示する化合物は、噴霧乾燥分散製剤などの製剤として提供することもできる。
これらの医薬組成物及び製剤は、「治療有効量」又は「予防有効量」の薬剤を含み得る。「治療有効量」は、所望の治療的結果を達成するのに必要な投薬量及び期間で有効な量を指す。この組成物の治療有効量は、当業者によって決定することができ、個人の疾患状態、年齢、性別及び体重並びにこの組成物が個人における所望の反応を引き出す能力などの因子に応じて変動し得る。治療有効量は、本発明の化合物(例えば、式(I)若しくは(III)又はそのいずれかの部分式の化合物)のいずれかの治療的に有益な影響が毒性又は有害な影響を上回る量でもある。「予防有効量」は、所望の予防的結果を達成するのに必要な投薬量及び期間で有効な量を指す。一般的に、予防的用量は、疾患よりも前又は初期段階の対象に使用されるため、予防有効量は、治療有効量よりも低いであろう。
例えば、式(I)若しくは(III)又はそのいずれかの部分式の化合物の治療有効量は、約1mg/kg~約1000mg/kg、約5mg/kg~約950mg/kg、約10mg/kg~約900mg/kg、約15mg/kg~約850mg/kg、約20mg/kg~約800mg/kg、約25mg/kg~約750mg/kg、約30mg/kg~約700mg/kg、約35mg/kg~約650mg/kg、約40mg/kg~約600mg/kg、約45mg/kg~約550mg/kg、約50mg/kg~約500mg/kg、約55mg/kg~約450mg/kg、約60mg/kg~約400mg/kg、約65mg/kg~約350mg/kg、約70mg/kg~約300mg/kg、約75mg/kg~約250mg/kg、約80mg/kg~約200mg/kg、約85mg/kg~約150mg/kg及び約90mg/kg~約100mg/kgであり得る。
この医薬組成物及び製剤は、薬学的に許容される担体を含み得る。用語「薬学的に許容される担体」は、本明細書で使用する場合、あらゆる種類の非毒性の不活性な固体、半固体又は液体の充填剤、希釈剤、封入材料或いは製剤補助剤を意味する。薬学的に許容される担体としての役割を果たし得る材料のいくつかの例は、糖、例えば、限定はされないが、ラクトース、グルコース及びスクロース;デンプン、例えば、限定はされないが、トウロモロコシデンプン及びバレイショデンプン;セルロース及びその誘導体、例えば、限定はされないが、カルボキシメチルセルロースナトリウム、エチルセルロース及び酢酸セルロース;粉末状のトラガカント;麦芽;ゼラチン;タルク;賦形剤、例えば、限定はされないが、カカオ脂及び座剤用ワックス;油、例えば、限定はされないが、ピーナッツ油、綿実油、ベニバナ油、ゴマ油、オリーブ油、トウモロコシ油及びダイズ油;グリコール;例えば、プロピレングリコール;エステル、例えば、限定はされないが、オレイン酸エチル及びラウリン酸エチル;寒天;緩衝薬、例えば、限定はされないが、水酸化マグネシウム及び水酸化アルミニウム;アルギン酸;パイロジェンフリー水;等張食塩水;リンゲル液;エチルアルコール及びリン酸緩衝液であり、また、他の非毒性の適合性のある滑沢剤、例えば、限定はされないが、ラウリル硫酸ナトリウム及びステアリン酸マグネシウム並びに着色剤、放出剤、コーティング剤、甘味料、香味及び芳香剤、保存剤及び酸化防止剤も調剤者の判断に従って組成物中に存在することができる。
したがって、この化合物及びその生理学的に許容される塩を、例えば固体投薬、点眼薬、油を基剤とする局所用製剤中、注射、(口若しくは鼻を通した)吸入、植込錠による投与又は経口、頬側、非経口若しくは直腸内投与のために製剤化することができる。技術及び製剤は、一般に、「Remington’s Pharmaceutical Sciences」(Meade Publishing Co.,Easton,Pa.)で参照することができる。治療用組成物は、一般的に無菌であり、且つ製造及び保管の条件下で安定でなければならない。
開示する化合物が投与される経路及びその組成物の形態は、使用される担体の種類を決定する。この組成物は、例えば、全身投与(例えば、経口、直腸内、経鼻、舌下、頬側、植込若しくは非経口)又は局所投与(例えば、皮膚、肺、鼻、耳、目、リポソーム送達系若しくはイオントフォレーシス)に適した様々な形態であり得る。
全身投与のための担体としては、一般的に、希釈剤、滑沢剤、結合剤、崩壊剤、着色料、フレーバー、甘味料、酸化防止剤、保存剤、流動化剤、溶媒、懸濁化剤、湿潤剤、界面活性剤、それらの組み合わせなどの少なくとも1種挙げられる。すべての担体は、組成物内で任意選択である。
適切な希釈剤としては、糖、例えばグルコース、ラクトース、デキストロース及びスクロース;ジオール、例えばプロピレングリコール;炭酸カルシウム;炭酸ナトリウム;糖アルコール、例えばグリセリン;マンニトール;及びソルビトールが挙げられる。全身又は局所用組成物中の希釈剤の量は、一般的に約50~約90%である。
適切な滑沢剤としては、シリカ、タルク、ステアリン酸及びそのマグネシウム塩及びカルシウム塩、硫酸カルシウム;並びに液体滑沢剤、例えばポリエチレングリコール及び植物油、例えばピーナッツ油、綿実油、ゴマ油、オリーブ油、トウモロコシ油及びカカオの油が挙げられる。全身又は局所用組成物中の滑沢剤の量は、一般的に約5~約10%である。
適切な結合剤としては、ポリビニルピロリドン;ケイ酸アルミニウムマグネシウム;デンプン、例えばトウロモロコシデンプン及びバレイショデンプン;ゼラチン;トラガカント;並びにセルロース及びその誘導体、例えばカルボキシメチルセルロースナトリウム、エチルセルロース、メチルセルロース、微結晶セルロース及びカルボキシメチルセルロースナトリウムが挙げられる。全身組成物中の結合剤の量は、一般的に約5~約50%である。
適切な崩壊剤としては、寒天、アルギン酸及びそのナトリウム塩、発泡性混合物、クロスカルメロース、クロスポピドン、カルボキシメチルデンプンナトリウム、デンプングリコール酸ナトリウム、粘土及びイオン交換樹脂が挙げられる。全身又は局所用組成物中の崩壊剤の量は、一般的に約0.1~約10%である。
適切な着色料としては、FD&C色素などの着色料が挙げられる。使用される場合、全身又は局所用組成物中の着色料の量は、一般的に約0.005~約0.1%である。
適切なフレーバーとしては、メントール、ペパーミント及び果実フレーバーが挙げられる。使用される場合、全身又は局所用組成物中のフレーバーの量は、一般的に約0.1~約1.0%である。
適切な甘味料としては、アスパルテーム及びサッカリンが挙げられる。全身又は局所用組成物中の甘味料の量は、一般的に約0.001~約1%である。
適切な酸化防止剤としては、ブチルヒドロキシアニソール(「BHA」)、ブチルヒドロキシトルエン(「BHT」)及びビタミンEが挙げられる。全身又は局所用組成物中の酸化防止剤の量は、一般的に約0.1~約5%である。
適切な保存剤としては、塩化ベンザルコニウム、メチルパラベン及び安息香酸ナトリウムが挙げられる。全身又は局所用組成物中の保存剤の量は、一般的に約0.01~約5%である。
適切な流動化剤としては、二酸化ケイ素が挙げられる。全身又は局所用組成物中の流動化剤の量は、一般的に約1~約5%である。
適切な溶媒としては、水、等張食塩水、オレイン酸エチル、グリセリン、水酸化ヒマシ油、エタノールなどのアルコール及びリン酸緩衝液が挙げられる。全身又は局所用組成物中の溶媒の量は、一般的に約0~約100%である。
適切な懸濁化剤としては、AVICEL RC-591(FMC Corporation of Philadelphia,PAより)及びアルギン酸ナトリウムが挙げられる。全身又は局所用組成物中の懸濁化剤の量は、一般的に約1~約8%である。
適切な界面活性剤としては、レシチン、ポリソルベート80、及びラウリル硫酸ナトリウム、及びTWEENS(登録商標)(Atlas Powder Company of Wilmington、Delawareより)が挙げられる。適切な界面活性剤としては、C.T.F.A.Cosmetic Ingredient Handbook,1992,pp.587-592;Remington’s Pharmaceutical Sciences,15th Ed.1975,pp.335-337;及びMcCutcheon’s Volume1,Emulsifiers&Detergents,1994,North American Edition,pp.236-239に開示されているものが挙げられる。全身又は局所用組成物中の界面活性剤の量は、一般的に約0.1%~約5%である。
全身用組成物中の構成成分の量は、調製される全身用組成物の種類に応じて変動し得るが、一般に、全身用組成物は、0.01%~50%の活性な化合物(例えば、式(I)若しくは(III)又はそのいずれかの部分式の化合物)と、50%~99.99%の1種以上の担体とを含む。非経口投与のための組成物は、一般的に、0.1%~10%の活性物質と、90%~99.9%の担体(希釈剤及び溶媒が含まれる)とを含む。
経口投与のための組成物は、様々な剤形を有し得る。例えば、固体剤形としては、錠剤、カプセル剤、顆粒剤及び混合散剤(bulk powder)が挙げられる。これらの経口用剤形は、安全且つ有効な量の、通常、少なくとも約5%、より具体的には約25%~約50%の活性物質を含む。これらの経口投薬組成物は、約50%~約95%、より具体的には約50%~約75%の担体を含む。
錠剤は、圧縮、湿製錠剤化(tablet triturate)、腸溶コーティング、糖衣コーティング、フィルムコーティング又は多重圧縮することができる。錠剤は、一般的に、活性な成分と、希釈剤、滑沢剤、結合剤、崩壊剤、着色料、フレーバー、甘味料、流動化剤及びそれらの組み合わせから選択される成分を含む担体とを含む。具体的な希釈剤としては、炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム、マンニトール、ラクトース及びセルロースが挙げられる。具体的な結合剤としては、デンプン、ゼラチン及びスクロースが挙げられる。具体的な崩壊剤としては、アルギン酸及びクロスカルメロースが挙げられる。具体的な滑沢剤としては、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸及びタルクが挙げられる。具体的な着色料は、外観のために添加することができるFD&C色素である。咀嚼錠は、アスパルテーム及びサッカリンなどの甘味料若しくはメントール、ペパーミント、果実フレーバーなどのフレーバー又はそれらの組み合わせを含有することが好ましい。
カプセル剤(植込錠、徐放性及び持続製剤が含まれる)は、一般的に、活性な化合物(例えば、式(I)若しくは(III)又はそのいずれかの部分式の化合物)と、ゼラチンを含むカプセル剤中の上で開示した1種以上の希釈剤を含む担体とを含む。顆粒剤は、一般的に、開示する化合物と、好ましくは流動特性を向上させるための二酸化ケイ素などの流動化剤とを含む。植込錠は、生分解性又は非生分解性型のものであり得る。
経口用組成物のための担体中の成分の選択は、本発明の目的にとって重要でない味、費用及び貯蔵安定性のような補助的考慮事項に依存する。
固体組成物は、所望の作用を継続するために、開示する化合物が胃腸管内若しくは所望の適用場所付近で又は様々な場所及び時点で放出されるように、一般的にpH又は時間依存性のコーティングで従来の方法によってコーティングすることができる。コーティングは、一般的に、酢酸フタル酸セルロース、ポリ酢酸フタル酸ビニル、フタル酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース、エチルセルロース、EUDRAGIT(登録商標)コーティング(Evonik Industries of Essen,Germanyから入手可能)、ワックス及びセラックからなる群から選択される1種以上の構成成分を含む。
経口投与のための組成物は、液体形態をとることができる。例えば、適切な液体形態としては、水溶液、乳濁液、懸濁液、非発泡性顆粒剤から再構成された溶液、非発泡性顆粒剤から再構成された懸濁液、発泡性顆粒剤から再構成された発泡性調製物、エリキシル、チンキ、シロップなどが挙げられる。液体の経口投与される組成物は、一般的に、開示する化合物と、担体、すなわち希釈剤、着色料、フレーバー、甘味料、保存剤、溶媒、懸濁化剤及び界面活性剤から選択される担体とを含む。経口液体組成物は、着色料、フレーバー及び甘味料から選択される1種以上の成分を含むことが好ましい。
対象化合物の全身送達を達成するのに有用な他の組成物としては、舌下、頬側及び経鼻剤形が挙げられる。こうした組成物は、一般的に、スクロース、ソルビトール及びマンニトールを含めた希釈剤;並びにアラビアゴム、微結晶セルロース、カルボキシメチルセルロース及びヒドロキシプロピルメチルセルロースなどの結合剤などの1種以上の可溶性の充填物質を含む。こうした組成物は、滑沢剤、着色料、フレーバー、甘味料、酸化防止剤及び流動化剤をさらに含み得る。
開示する化合物は、局所的に投与することができる。皮膚に局部的に適用することができる局所用組成物は、固形物、溶液、油、クリーム、軟膏、ゲル、ローション、シャンプー、洗い流さない及び洗い流すヘアコンディショナー、乳状液、洗浄剤(cleanser)、保湿剤、スプレー、皮膚貼付剤などを含めたあらゆる形態であり得る。局所用組成物は、開示する化合物(例えば、式(I)若しくは(III)又はそのいずれかの部分式の化合物)と、担体とを含む。局所用組成物の担体は、化合物の皮膚への浸透を促進することが好ましい。この担体は、1種以上の任意選択の構成成分をさらに含み得る。
開示する化合物と共に用いられる担体の量は、この化合物の単位用量あたりの、投与に有用な量の組成物を提供するのに十分である。本発明の方法において有用な剤形を作るための技術及び組成物は、次の参考文献:Modern Pharmaceutics,Chapters 9 and 10,Banker&Rhodes,eds.(1979);Lieberman et al.,Pharmaceutical Dosage Forms:Tablets(1981);及びAnsel,Introduction to Pharmaceutical Dosage Forms,2nd Ed.,(1976)に記載されている。
担体は、単一の成分又は2種以上の成分の組み合わせを含み得る。局所用組成物では、この担体には局所用担体が含まれる。適切な局所用担体としては、リン酸緩衝生理食塩水、等張水、脱イオン水、単官能性アルコール、対称性アルコール、アロエベラゲル、アラントイン、グリセリン、ビタミンA及びE油、鉱油、プロピレングリコール、プロピオン酸PPG-2ミリスチル、ジメチルイソソルビド、ヒマシ油、それらの組み合わせなどから選択される1種以上の成分が挙げられる。より具体的には、皮膚適用のための担体としては、プロピレングリコール、ジメチルイソソルビド及び水、さらに具体的には、リン酸緩衝生理食塩水、等張水、脱イオン水、単官能性アルコール及び対称性アルコールが挙げられる。
局所用組成物の担体としては、皮膚軟化薬、噴射剤、溶媒、湿潤剤、増粘剤、散剤、香料、色素及び保存剤(これらはすべて任意選択である)から選択される1種以上の成分をさらに挙げることができる。
適切な皮膚軟化薬としては、ステアリルアルコール、モノリシノール酸グリセリル、モノステアリン酸グリセリル、プロパン-1,2-ジオール、ブタン-1,3-ジオール、ミンクオイル、セチルアルコール、イソステアリン酸イソプロピル、ステアリン酸、パルミチン酸イソブチル、ステアリン酸イソセチル、オレイルアルコール、ラウリン酸イソプロピル、ラウリン酸ヘキシル、オレイン酸デシル、オクタデカン-2-オール、イソセチルアルコール、パルミチン酸セチル、セバシン酸ジ-n-ブチル、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、ステアリン酸イソプロピル、ステアリン酸ブチル、ポリエチレングリコール、トリエチレングリコール、ラノリン、ゴマ油、ヤシ油、ラッカセイ油、ヒマシ油、アセチル化ラノリンアルコール、石油、鉱油、ミリスチン酸ブチル、イソステアリン酸、パルミチン酸、リノール酸イソプロピル、乳酸ラウリル、乳酸ミリスチル、オレイン酸デシル、ミリスチン酸ミリスチル及びそれらの組み合わせが挙げられる。皮膚のための具体的な皮膚軟化薬としては、ステアリルアルコール及びポリジメチルシロキサンが挙げられる。皮膚対応の局所用組成物中の皮膚軟化薬の量は、一般的に約5%~約95%である。
適切な噴射剤としては、プロパン、ブタン、イソブタン、ジメチルエーテル、二酸化炭素、亜酸化窒素及びそれらの組み合わせが挙げられる。局所用組成物中の噴射剤の量は、一般的に約0%~約95%である。
適切な溶媒としては、水、エチルアルコール、塩化メチレン、イソプロパノール、ヒマシ油、エチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン及びそれらの組み合わせが挙げられる。具体的な溶媒としては、エチルアルコール及びホモトピック(homotopic)アルコールが挙げられる。局所用組成物中の溶媒の量は、一般的に約0%~約95%である。
適切な湿潤剤としては、グリセリン、ソルビトール、2-ピロリドン-5-カルボン酸ナトリウム、可溶性コラーゲン、フタル酸ジブチル、ゼラチン及びそれらの組み合わせが挙げられる。具体的な湿潤剤としては、グリセリンが挙げられる。局所用組成物中の湿潤剤の量は、一般的に0%~95%である。
局所用組成物中の増粘剤の量は、一般的に約0%~約95%である。
適切な粉末としては、β-シクロデキストリン、ヒドロキシプロピルシクロデキストリン、チョーク、タルク、フーラー土、カオリン、デンプン、ゴム、コロイド状二酸化ケイ素、ポリアクリル酸ナトリウム、テトラアルキルアンモニウムスメクタイト、トリアルキルアリールアンモニウムスメクタイト、化学修飾されたケイ酸マグネシウムアルミニウム、有機変性モンモリロナイト粘土、ケイ酸アルミニウム水和物、フュームドシリカ、カルボキシビニルポリマー、カルボキシメチルセルロースナトリウム、モノステアリン酸エチレングリコール及びそれらの組み合わせが挙げられる。局所用組成物中の粉末の量は、一般的に0%~95%である。
局所用組成物香料の量は、一般的に約0%~約0.5%、特に約0.001%~約0.1%である。
適切なpH調整添加剤としては、局所用医薬組成物のpHを調整するのに十分な量のHCl又はNaOHが挙げられる。
医薬組成物又は製剤は、約10μM未満、約5μM未満、約1μM未満、約500nM未満又は約100nM未満のIC50でmAChR Mに拮抗することができる。医薬組成物又は製剤は、約10μM~約1nM、約1μM~約1nM、約100nM~約1nM又は約10nM~約1nMのIC50でmAChR M4に拮抗することができる。
a.噴霧乾燥分散製剤
開示する化合物は、噴霧乾燥分散(SDD)として製剤化することができる。SDDは、ポリマーマトリックス中の薬物の単相の非晶質分子分散である。これは、固体マトリックスに分子的に「溶解」された化合物を含む固体溶液である。SDDは、薬物及びポリマーを有機溶媒に溶解し、次いでこの溶液を噴霧乾燥させることによって得られる。医薬用途のための噴霧乾燥の使用は、生物薬剤学分類システム(BCS)クラスII(高透過性、低溶解度)及びクラスIV(低透過性、低溶解度)薬物の溶解度が増大された非晶質分散をもたらすことができる。配合及び操作条件は、溶媒が液滴から急速に蒸発することにより、与えられる時間が相分離又は結晶化に不十分となるように選択される。SDDは、長期安定性及び製造可能性を示す。例えば、SDDでは、2年を超える貯蔵寿命が実証されている。SDDの利点としては、限定はされないが、水に溶けにくい化合物の経口的バイオアベイラビリティの増進、従来の固体剤形(例えば、錠剤及びカプセル剤)を使用する送達、再現可能、制御可能、且つ拡大縮小可能な製造工程並びに幅広い物性を有する構造的に異なる不溶性化合物への広い適用可能性が挙げられる。
したがって、一実施形態では、本開示は、式(I)若しくは(III)又はいずれかの部分式の化合物を含む噴霧乾燥分散製剤を提供することができる。
4.使用方法
開示する化合物、医薬組成物及び製剤は、ムスカリン性アセチルコリン受容体機能不全に関連する、神経障害及び/又は精神障害などの障害の治療のための方法において使用することができる。開示する化合物及び医薬組成物は、哺乳動物におけるムスカリン性アセチルコリン受容体活性を低下させるための方法でも使用することができる。本方法は、治療結果を改善するための共治療方法をさらに含む。本明細書に記載された使用方法において、さらなる治療剤は、開示する化合物及び組成物と同時に又は連続して投与され得る。
a.障害の治療
開示する化合物、医薬組成物及び製剤は、患者がmAChR Mの拮抗作用から恩恵を受けるであろう様々な障害又は障害の症状を治療、予防、改善、制御、軽減又はそのリスクを低減するための方法において使用することができる。いくつかの実施形態では、障害は、神経変性障害、運動障害又は脳障害であり得る。本方法は、このような治療を必要とする対象に、治療有効量の式(I)若しくは(III)又はいずれかの部分式の化合物若しくはその薬学的に許容される塩又は治療有効量の式(I)若しくは(III)又はいずれかの部分式の化合物若しくはその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物を投与することを含み得る。
患者がmAChR Mの拮抗作用から恩恵を受けるであろう障害には、神経変性障害及び運動障害が含まれ得る。例えば、例示的な障害には、パーキンソン病、薬物誘発パーキンソニズム、ジストニア、トゥレット症候群、ジスキネジア(例えば、遅発性ジスキネジア又はレボドパ誘発性ジスキネジア)、統合失調症、統合失調症に関連する認知障害、過剰な日中の眠気(例えば、ナルコレプシー)、注意欠陥多動障害(ADHD)、ハンチントン病、舞踏病(例えば、ハンチントン病に関連する舞踏病)、脳性麻痺及び進行性核上性麻痺が含まれ得る。
いくつかの実施形態では、本開示は、パーキンソン病を有する対象において運動症状を治療するための方法であって、それを必要とする対象に、治療有効量の式(I)若しくは(III)又はいずれかの部分式の化合物若しくはその薬学的に許容される塩又は治療有効量の式(I)若しくは(III)又はいずれかの部分式の化合物若しくはその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物を投与することを含む方法を提供する。いくつかの実施形態では、運動症状は、寡動、振戦、硬直、歩行機能障害及び姿勢不安定から選択される。本方法は、対象における運動症状を治療し、運動症状を制御し、且つ/又は運動症状を減少させることができる。
いくつかの実施形態では、本開示は、ジストニアを有する対象において運動症状を治療するための方法であって、治療有効量の式(I)若しくは(III)又はいずれかの部分式の化合物若しくはその薬学的に許容される塩又は治療有効量の式(I)若しくは(III)又はいずれかの部分式の化合物若しくはその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物を対象に投与することを含む方法を提供する。本方法は、対象における運動症状を治療し、運動症状を制御し、且つ/又は運動症状を減少させることができる。例えば、治療は、ジストニアを有する対象における筋肉収縮又は痙攣を減少させることができる。
いくつかの実施形態では、本開示は、遅発性ジスキネジアを有する対象において運動症状を治療するための方法であって、治療有効量の式(I)若しくは(III)又はいずれかの部分式の化合物若しくはその薬学的に許容される塩又は治療有効量の式(I)若しくは(III)又はいずれかの部分式の化合物若しくはその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物を対象に投与することを含む方法を提供する。本方法は、対象における運動症状を治療し、運動症状を制御し、且つ/又は運動症状を減少させることができる。例えば、治療は、遅発性ジスキネジアを有する対象における不随意運動を減少させることができる。
いくつかの実施形態では、本開示は、遅発性ジスキネジアを発症する危険性のある対象において遅発性ジスキネジアを予防又は遅延させる方法であって、治療有効量の式(I)若しくは(III)又はいずれかの部分式の化合物若しくはその薬学的に許容される塩又は治療有効量の式(I)若しくは(III)又はいずれかの部分式の化合物若しくはその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物を対象に投与することを含む方法を提供する。例えば、対象は、神経遮断薬物(例えば、典型的な抗精神病薬又は非典型的な抗精神病薬)、ドーパミンアンタゴニスト又は制吐薬で治療されている対象であり得る。
いくつかの実施形態では、本開示は、統合失調症に罹患している対象においてカタレプシーを治療する方法であって、治療有効量の式(I)若しくは(III)又はいずれかの部分式の化合物若しくはその薬学的に許容される塩又は治療有効量の式(I)若しくは(III)又はいずれかの部分式の化合物若しくはその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物を対象に投与することを含む方法を提供する。例えば、統合失調症に罹患している対象は、神経遮断薬(例えば、典型的な抗精神病薬又は非典型的な抗精神病薬)によって誘導されるカタレプシーを有し得る。
いくつかの実施形態では、本開示は、mAChR Mの拮抗作用から恩恵を受けることができるドーパミン及びコリン作動性シグナル伝達の変化を特徴とする脳障害を治療する方法であって、治療有効量の式(I)若しくは(III)又はいずれかの部分式の化合物若しくはその薬学的に許容される塩又は治療有効量の式(I)若しくは(III)又はいずれかの部分式の化合物若しくはその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物を対象に投与することを含む方法を提供する。例えば、治療は、統合失調症及び他の脳障害のような、目標指向行動に対するモチベーションの低下を特徴とする障害に罹患している患者におけるモチベーション又は目標指向行動を増加させることができる。
いくつかの実施形態では、本開示は、覚醒の増加及び/又は過剰な日中の眠気の減少を、それを必要とする対象において行うための方法であって、治療有効量の式(I)若しくは(III)又はいずれかの部分式の化合物若しくはその薬学的に許容される塩又は治療有効量の式(I)若しくは(III)又はいずれかの部分式の化合物若しくはその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物を対象に投与することを含む方法を提供する。いくつかの実施形態では、対象は、ナルコレプシーに罹患している対象である。
いくつかの実施形態では、本開示は、注意の増大を、それを必要とする対象(例えば、ADHDなどの注意欠陥障害を患っている対象)において行う方法であって、治療有効量の式(I)若しくは(III)又はいずれかの部分式の化合物若しくはその薬学的に許容される塩又は治療有効量の式(I)若しくは(III)又はいずれかの部分式の化合物若しくはその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物を対象に投与することを含む方法を提供する。
いくつかの実施形態では、本開示は、薬物誘発運動障害を有する対象において運動症状を治療するための方法であって、治療有効量の式(I)若しくは(III)又はいずれかの部分式の化合物若しくはその薬学的に許容される塩又は治療有効量の式(I)若しくは(III)又はいずれかの部分式の化合物若しくはその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物を対象に投与することを含む方法を提供する。いくつかの実施形態では、薬物誘発運動障害は、薬物誘発パーキンソニズム、遅発性ジスキネジア、遅発性ジストニア、アカシジア、ミオクローヌス及び振戦から選択される。本方法は、対象における運動症状を治療し、運動症状を制御し、且つ/又は運動症状を減少させることができる。
この化合物及び組成物は、本明細書に言及した疾患、障害及び状態の予防、治療、制御、改善又はリスクの低下においてさらに有用であり得る。この化合物及び組成物は、他の薬剤と組み合わせて、前述の疾患、障害及び状態の予防、治療、制御、改善又はリスクの低下のための方法においてさらに有用であり得る。
mAChR Mの拮抗作用から恩恵を受けるであろう状態などの状態の治療において、適切な投与量レベルは、約0.01~500mg/kg患者体重/日であり得、これは、単回又は多回用量で投与され得る。好適な投与量レベルは、約0.1~約250mg/kg/日又は約0.5~約100mg/kg/日であり得る。好適な投与量レベルは、約0.01~250mg/kg/日、約0.05~100mg/kg/日又は約0.1~50mg/kg/日であり得る。この範囲内で、投与量は、0.05~0.5、0.5~5又は5~50mg/kg/日であり得る。経口投与のために、組成物は、1.0~1000ミリグラムの活性成分、特に1.0、5.0、10、15、20、25、50、75、100、150、200、250、300、400、500、600、750、800、900又は1000ミリグラムの活性成分を含有する錠剤の形態で提供されて、治療される患者への投薬量を症候的に調節することができる。化合物は、1日に1~4回、好ましくは1日に1回又は2回のレジメンで投与することができる。この投薬レジメンは、最適な治療応答を提供するように調整され得る。しかしながら、任意の特定の患者に対する投与量の特定の用量レベル及び頻度は、変化させることができ、使用される特定の化合物の活性、その化合物の代謝安定性及び作用の長さ、年齢、体重、一般的な健康状態、性別、食事、投与の様式及び時間、排泄速度、薬物の組み合わせ、特定の状態の重篤度並びに治療を受けている宿主を含む様々な因子に依存することが理解されるであろう。
したがって、いくつかの実施形態では、本開示は、少なくとも1つの細胞においてmAChR M受容体に拮抗する方法であって、少なくとも1つの細胞においてmAChR Mに拮抗するのに有効な量で、少なくとも1つの細胞を少なくとも1つの開示する化合物又は開示する方法の少なくとも1つの産物と接触させる工程を含む方法に関する。いくつかの実施形態では、細胞は、哺乳動物、例えばヒトである。いくつかの実施形態では、細胞は、接触工程前に対象から単離されている。いくつかの実施形態では、接触は、対象への投与を介する。
いくつかの実施形態では、本発明は、対象においてmAChR M受容体に拮抗する方法であって、対象においてmAChR M受容体に拮抗するのに有効な投与量及び量で、少なくとも1つの開示する化合物又は開示する方法の少なくとも1つの産物を対象に投与する工程を含む方法に関する。いくつかの実施形態では、対象は、哺乳動物、例えばヒトである。いくつかの実施形態では、哺乳動物は、投与工程前にmAChR M拮抗作用が必要であると診断されている。いくつかの実施形態では、哺乳動物は、投与工程前にmAChR M拮抗作用が必要であると診断されている。いくつかの実施形態では、この方法は、mAChR M拮抗作用を必要とする対象を同定する工程をさらに含む。
ムスカリン性アセチルコリン受容体の拮抗作用
いくつかの実施形態では、本開示は、哺乳動物においてmAChR Mに拮抗するための方法であって、有効量の少なくとも1つの開示する化合物若しくはその薬学的に許容される塩又は少なくとも1つの開示する化合物若しくはその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物を哺乳動物に投与する工程を含む方法に関する。
いくつかの実施形態では、ムスカリン性アセチルコリン受容体の拮抗作用は、ムスカリン性アセチルコリン受容体活性を低下させる。
いくつかの実施形態では、投与される化合物は、約10μM未満、約5μM未満、約1μM未満、約500nM未満又は約100nM未満のIC50でmAChR Mに拮抗する。いくつかの実施形態では、投与される化合物は、約10μM~約1nM、約1μM~約1nM、約100nM~約1nM又は約10nM~約1nMのIC50でmAChR Mに拮抗する。
いくつかの実施形態では、哺乳動物は、ヒトである。いくつかの実施形態では、哺乳動物は、投与工程前にムスカリン性アセチルコリン受容体活性を低下させる必要があると診断されている。いくつかの実施形態では、この方法は、ムスカリン性アセチルコリン受容体活性を低下させる必要がある哺乳動物を同定する工程をさらに含む。いくつかの実施形態では、ムスカリン性アセチルコリン受容体の拮抗作用は、哺乳動物におけるムスカリン性アセチルコリン受容体活性に関連する障害を治療する。いくつかの実施形態では、ムスカリン性アセチルコリン受容体は、mAChR Mである。
いくつかの実施形態では、哺乳動物におけるムスカリン性アセチルコリン受容体の拮抗作用は、ムスカリン性受容体機能不全に関連する障害、例えば本明細書に開示される障害の治療に関連する。いくつかの実施形態では、ムスカリン受容体は、mAChR Mである。
いくつかの実施形態では、本開示は、細胞中のムスカリン性アセチルコリン受容体に拮抗するための方法であって、細胞を有効量の少なくとも1つの開示する化合物又はその薬学的に許容される塩と接触させる工程を含む方法を提供する。いくつかの実施形態では、細胞は、哺乳動物(例えば、ヒト)である。いくつかの実施形態では、細胞は、接触工程前に哺乳動物から単離されている。いくつかの実施形態では、接触は、哺乳動物への投与を介する。
共治療方法
本発明は、治療結果を改善するための、選択的mAChR MアンタゴニストなどのmAChR Mアンタゴニストの投与にさらに関する。すなわち、いくつかの実施形態では、本開示は、有効量及び用量の少なくとも1つの開示する化合物又はその薬学的に許容される塩を哺乳動物に投与する工程を含む共治療方法に関する。
いくつかの実施形態では、投与は、認知療法又は行動療法との関連で治療結果を改善する。認知又は行動療法に関連した投与は、連続的又は断続的であり得る。投与は、療法と同時である必要はなく、療法前、療法中及び/又は療法後であり得る。例えば、認知又は行動療法は、化合物の投与前又は後の1、2、3、4、5、6、7日以内に提供することができる。さらなる例として、認知又は行動療法は、化合物の投与前又は後の1、2、3又は4週以内に提供することができる。なおもさらなる例として、認知又は行動療法は、投与する化合物の1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10半減期の時間以内において投与前又は後に提供することができる。
いくつかの実施形態では、投与は、理学療法又は作業療法の状況下で治療結果を改善することができる。理学療法又は作業療法に関連する投与は、連続的又は断続的であり得る。投与は、療法と同時である必要はなく、療法前、その間及び/又はその後であり得る。例えば、理学療法又は作業療法は、化合物の投与前又は投与後1、2、3、4、5、6、7日以内に提供することができる。さらなる例として、理学療法又は作業療法は、化合物の投与前又は投与後1、2、3又は4週間以内に提供することができる。なおさらなる例として、理学療法又は作業療法は、投与された化合物の1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10半減期の期間内において投与前又は後に提供することができる。
開示する共治療方法は、開示する化合物、組成物、キット及び使用に関連して使用され得ることが理解される。
併用療法
本明細書に記載される使用方法において、さらなる治療剤は、開示する化合物及び組成物と同時に又は連続して投与され得る。連続投与は、開示する化合物及び組成物の前又は後の投与を含む。いくつかの実施形態では、追加の治療剤は、開示する化合物と同じ組成物で投与され得る。他の実施形態では、追加の治療薬の投与と、開示する化合物の投与との間に時間隔があり得る。いくつかの実施形態では、開示する化合物との追加の治療薬の投与は、より低い用量の他の治療薬及び/又はより少ない頻度の間隔での投与を可能にし得る。1つ以上の他の活性成分と併用される場合、本発明の化合物及び他の活性成分は、各々が単独で使用される場合よりも低い用量で使用され得る。したがって、本発明の医薬組成物は、式(I)若しくは(III)又はいずれかの部分式の化合物に加えて、1つ以上の他の活性成分を含有するものを含む。上記の組み合わせには、本発明の化合物と、1つの他の活性化合物との組み合わせだけでなく、2つ以上の他の活性化合物との組み合わせも含まれる。
開示する化合物は、化合物又は他の薬物が有用性を有する前述の疾患、障害及び状態の治療、予防、制御、改善又はリスクの低減において、単一の薬剤として又は1つ以上の他の薬物と組み合わせて使用され得、ここで、薬物の組み合わせは、いずれかの薬物単独よりも安全であるか又はより有効である。他の薬物は、開示する化合物と同時に又は連続して、そのために一般的に使用される経路及び量で投与することができる。開示する化合物が1つ以上の他の薬物と同時に使用される場合、このような薬物及び開示する化合物を含む単位剤形の医薬組成物が使用され得る。しかしながら、併用療法は、重複するスケジュールで投与することもできる。また、1つ以上の活性成分と、開示する化合物との組み合わせは、単一の薬剤としてのいずれよりも有効であり得ることも想定される。したがって、1つ以上の他の活性成分と併用される場合、開示する化合物及び他の活性成分は、各々が単独で使用される場合よりも低い用量で使用され得る。
本発明の医薬組成物及び方法は、上記の病的状態の治療に通常適用される、本明細書に記載の他の治療活性化合物をさらに含むことができる。
上記の組み合わせには、開示する化合物と、1種の他の活性な化合物との組み合わせだけでなく、2種以上の他の活性な化合物との組み合わせも含まれる。同様に、開示する化合物は、開示する化合物が有用である疾患又は状態の予防、治療、制御、改善又はリスクの低下において使用される他の薬物と組み合わせて使用することができる。こうした他の薬物は、そのために一般的に使用される経路及び量で本発明の化合物と同時に又は逐次的に投与することができる。本発明の化合物が1種以上の他の薬物と同時に使用される場合、開示する化合物に加えてこうした他の薬物を含有する医薬組成物が好ましい。したがって、この医薬組成物には、本発明の化合物に加えて、1種以上の他の活性成分も含有するものが含まれる。
開示する化合物と第2の活性成分との重量比は、変動する可能性があり、各成分の有効な用量に依存する。一般に、それぞれの有効な用量が使用される。したがって、例えば、本発明の化合物が別の薬剤と組み合わせられる場合、開示する化合物と他の薬剤との重量比は、一般に、約1000:1~約1:1000、好ましくは約200:1~約1:200の範囲となる。本発明の化合物と他の活性成分との組み合わせはまた、一般に、前述の範囲の範囲内となるが、その都度、有効な用量の各活性成分が使用されるべきである。
こうした組み合わせでは、開示する化合物と他の活性な薬剤は、別々に又は一緒に投与することができる。さらに、一方の要素の投与は、他の薬剤の投与前、それと同時又はその後であり得る。
したがって、開示する化合物は、単独で、或いは対象適応症において有益であることが公知である他の薬剤又は開示する化合物の有効性、安全性、利便性を増大させるか、又は所望されない副作用若しくは毒性を低下させる、受容体若しくは酵素に影響を与える他の薬物と組み合わせて使用することができる。対象化合物及び他の薬剤は、併用療法で又は一定量の組み合わせで同時投与することができる。
いくつかの実施形態では、化合物は、本明細書に記載される障害を治療するために使用される任意の他の薬剤、例えば本明細書に記載される障害のような、mAChR M拮抗作用から恩恵を受けるであろう障害のための標準治療療法と組み合わせて使用され得る。例えば、いくつかの実施形態では、化合物は、パーキンソン病薬(例えば、L-DOPA又はカルビドパ/レボドパ)、mGluポジティブアロステリックモジュレーター、mGluネガティブアロステリックモジュレーター、AAインヒビター、T型カルシウムチャネルアンタゴニスト、VMAT2インヒビター、筋弛緩薬(例えば、バクロフェン)、抗コリン薬、制吐薬、典型的又は非典型的な神経遮断薬(例えば、リスペリドン、ジプラシドン、ハロペリドール、ピモジド、フルフェナジン)、抗高血圧薬(例えば、クロニジン又はグアンファシン)、三環系抗うつ薬(例えば、アミトリプチリン、ブトリプチリン、クロミプラミン、デシプラミン、ドスレピン、ドキセピン、イミプラミン、イプリンドール、ロフェプラミン、ノルトリプチリン、プロトリプチリン又はトリミプラミン)、細胞外ドーパミン濃度を上昇させる薬剤(例えば、アンフェタミン、メチルフェニデート又はリスデキサンフェタミン)、過剰な日中の眠気を治療する薬剤(例えば、ナトリウムオキシベート又はアルモダフィニル若しくはモダフィニルなどの覚醒促進剤)及びノルエピネフリン再取り込み阻害剤(選択的NRI、例えばアトモキセチン及び非選択的NRI、例えばブプロピオンを含む)と併用することができる。
投与の様式
治療方法は、開示する組成物を投与する任意の数の様式を含み得る。投与の様式には、錠剤、丸剤、糖衣錠、硬質及び軟質ゲルカプセル、顆粒、ペレット、水性、脂質、油性若しくは他の溶液、水中油型エマルジョンなどのエマルジョン、リポソーム、水性若しくは油性懸濁液、シロップ、エリキシル、固体エマルジョン、固体分散液又は分散性粉末が含まれ得る。経口投与のための医薬組成物の調製のために、薬剤は、例えば、アラビアゴム、タルク、デンプン、糖(例えば、マンニトース、メチルセルロース、ラクトースなど)、ゼラチン、界面活性剤、ステアリン酸マグネシウム、水性若しくは非水性溶媒、パラフィン誘導体、架橋剤、分散剤、乳化剤、滑沢剤、保存剤、香味剤(例えば、エーテル性油)、溶解度増強剤(例えば、安息香酸ベンジル又はベンジルアルコール)又はバイオアベイラビリティ増強剤(例えば、Gelucire(商標))など、一般に知られており使用されているアジュバント及び賦形剤と混合することができる。医薬組成物において、薬剤は、微粒子、例えばナノ粒子組成物中にも分散され得る。
非経口投与のために、薬剤は、生理学的に許容される希釈剤、例えば水、緩衝液、可溶化剤を含む又は含まない油、界面活性剤、分散剤又は乳化剤に溶解又は懸濁され得る。油としては、例えば、限定するものではないが、オリーブ油、落花生油、綿実油、大豆油、ヒマシ油及びゴマ油を使用することができる。より一般的に言えば、非経口投与のために、薬剤は、水性、脂質、油性若しくは他の種類の溶液若しくは懸濁液の形態であり得るか、又はさらにリポソーム若しくはナノ懸濁液の形態で投与され得る。
用語「非経口的」は、本明細書で使用する場合、静脈内、筋肉内、腹腔内、胸骨内、皮下及び関節内注射及び注入を含む投与様式を指す。
5.キット
一態様では、本開示は、少なくとも1つの開示する化合物若しくはその薬学的に許容される塩又は少なくとも1つの開示する化合物若しくはその薬学的に許容される塩と、以下の1つ以上を含む医薬組成物とを含むキットを提供する:
(a)mAChR M活性を増大させることが知られている少なくとも1つの薬剤;
(b)mAChR M活性を低下させることが知られている少なくとも1つの薬剤;
(c)mAChR Mに関連する障害(例えば、本明細書に記載される障害)を処置することが知られている少なくとも1つの薬剤;及び
(d)化合物を投与するための説明書。
いくつかの実施形態では、少なくとも1種の開示する化合物と少なくとも1種の薬剤とは、同時製剤化される。いくつかの実施形態では、少なくとも1種の開示する化合物と少なくとも1種の薬剤とは、同時包装される。これらのキットは、他の構成成分と共に同時包装、同時製剤化及び/又は同時送達される化合物及び/又は生成物も含み得る。例えば、薬物製造者、薬物販売代理店、医師、調剤店又は薬剤師は、開示する化合物及び/又は生成物と、患者への送達のための別の成分とを含むキットを提供することができる。
開示するキットは、開示する使用の方法と共に用いることができる。
これらのキットは、キットの使用が、哺乳類(特にヒト)における身体疾患に対する治療を提供するという情報、説明又はその両方を含み得る。これらの情報及び説明は、言葉、画像又はその両方などの形態であり得る。キットは、さらに又は選択的に、哺乳類(例えば、ヒト)における身体疾患を治療又は予防するという利点を好ましくは有する化合物、組成物又はその両方;及び化合物又は組成物の適用の方法に関する情報、説明又はその両方を含み得る。
本発明の化合物及びプロセスは、本発明の範囲の例示を目的とするが限定を目的としない以下の実施例を参照することにより、より良く理解されるであろう。
6.実施例
すべてのNMRスペクトルは、400MHz AMX Bruker NMR分光計で記録した。H化学シフトは、重水素化された溶媒を内部標準として用いて、ppm(低磁場)におけるδ値で報告する。データは、次の通りに報告する:化学シフト、多重度(s=一重線、bs=広い一重線、d=二重線、t=三重線、q=四重線、dd=二重線の二重線、m=多重線、ABq=AB四重線)、結合定数、積分値。逆相LCMS分析は、以下のパラメータを用いて、デガッサを備え付けたバイナリポンプ、高性能オートサンプラー、サーモスタット付きカラムコンパートメント、C18カラム、ダイオードアレイ検出器(DAD)及びAgilent 6150 MSDから構成される、Agilent 1200システムを使用して実施した。グラジエント条件は、1.4分かけて5%から95%までのアセトニトリル(水相は、0.1% TFA(水中))であった。試料を、カラム及び溶媒温度を55℃に維持しながら、0.5mL/分においてWaters Acquity UPLC BEH C18 カラム(1.7μm、1.0×50mm)で分離した。DADを、190~300nmでスキャンするように設定し、使用したシグナルは、220nm及び254nm(いずれも4nmの幅のバンドを用いる)であった。MS検出器を、エレクトロスプレーイオン化源を用いて設定し、低分解能マススペクトルを、0.13サイクル/秒での0.2AMUのステップサイズ及び0.008分のピーク幅を用いて140~700AMUでスキャンすることによって得た。乾燥ガス流(drying gas flow)は、300℃で13リットル/分に設定し、ネブライザー圧力は、30psiに設定した。キャピラリーニードル電圧は、3000Vに設定し、フラグメンター電圧は、100Vに設定した。Agilent Chemstation及びAnalytical Studio Reviewerソフトウェアを用いてデータ取得を行った。
下記の実施例において使用し得る略語は、以下である:
AcOHは、酢酸であり;
BINAPは、2,2’-ビス(ジフェニルホスフィノ)-1,1’-ビナフチルであり;
Bocは、tert-ブチルオキシカルボニルであり;
BrettPhos-Pd-G3は、[(2-ジ-シクロヘキシルホスフィノ-3,6-ジメトキシ-2’,4’,6’-トリイソプロピル-1,1’-ビフェニル)-2-(2’-アミノ-1,1’-ビフェニル)]パラジウム(II)メタンスルホネート(CAS番号1470372-59-8)であり;
tBuOHは、tert-ブチルアルコールであり;
Celite(登録商標)は、珪藻土であり;
DCEは、1,2-ジクロロエタンであり;
DCMは、ジクロロメタンであり;
DIADは、ジイソプロピルアゾジカルボキシレートであり;
DIPEAは、N,N-ジイソプロピルエチルアミンであり;
DMFは、N,N-ジメチルホルムアミドであり;
DMSOは、ジメチルスルホキシドであり;
eq、eq.、又はequivは、当量であり;
EtOは、ジエチルエーテルであり;
EtOAcは、酢酸エチルであり;
EtOHは、エタノールであり;
EtNは、トリエチルアミンであり;
HATUは、2-(7-アザ-1H-ベンゾトリアゾール-1-イル)-1,1,3,3-テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェートであり;
h又はh.は、時間であり;
hexは、ヘキサンであり;
IPAは、イソプロピルアルコールであり;
LCMSは、液体クロマトグラフィー質量分析法であり;
LiAlDは、重水素化リチウムアルミニウムであり;
LiAlH(OtBu)は、リチウムスルフェートトリ-tert-ブトキシアルミニウムヒドリドであり;
m-CPBAは、メタクロロ過安息香酸であり;
MeCNは、アセトニトリルであり;
MeMgBrは、臭化メチルマグネシウムであり;
MeOHは、メタノールであり;
MeODは、重水素化メタノールであり;
min又はmin.は、分であり;
MTBEは、メチルtert-ブチルエーテルであり;
NMPは、N-メチル-2-ピロリドンであり;
Pd(OAc)は、酢酸パラジウム(II)であり;
Pd(dppf)Clは、[1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)であり;
PPhは、トリフェニルホスフィンであり;
RP-HPLCは、逆相高速液体クロマトグラフィーであり;
RuPhos-Pd-G3は、(2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2’,6’-ジイソプロポキシ-1,1’-ビフェニル)[2-(2’-アミノ-1,1’-ビフェニル)]パラジウム(II)メタンスルホネート(CAS番号1445085-77-7)であり;
rt、RT、又はr.t.は、室温であり;
sat.は、飽和であり;
SFCは、超臨界流体クロマトグラフィーであり;
soln.は、溶液であり;
TESClは、クロロトリエチルシランであり;
TFAは、トリフルオロ酢酸であり;
THFは、テトラヒドロフランであり;
tosylは、トルエンスルホニルである。
実施例1.tert-ブチル(3aR,5s,6aS)-5-((6-クロロピリダジン-3-イル)アミノ)ヘキサヒドロシクロペンタ[c]ピロール-2(1H)-カルボキシレート
Figure 2024500880000121

tert-ブチル(3aR,5r,6aS)-5-ヒドロキシ-3,3a,4,5,6,6a-ヘキサヒドロ-1H-シクロペンタ[c]ピロール-2-カルボキシレート。-78℃のTHF(300mL)中のtert-ブチル(3aR,6aS)-5-オキソヘキサヒドロシクロペンタ[c]ピロール-2(1H)-カルボキシレート(10.0g、44.4mmol)の溶液に、1.0M水素化リチウムトリ-tert-ブトキシアルミニウム溶液(53.3mL、53.3mmol)を滴下しながら添加した。得られた溶液を-78℃で2h攪拌した後、反応混合物を0℃まで昇温させて、HO(17.0mL)、1M NaOH溶液(17.0mL)及びHO(51.0mL)の順次のゆっくりとした添加によりクエンチングした。混合物を0℃で1h攪拌した後、ジエチルエーテル(3×200mL)を用いた濾過により固形分を除去した。濾過物をEtOAc(500mL)及びsat.NHCl溶液(300mL)で希釈し、水層をEtOAc(3×500mL)で抽出した。合わせた有機抽出物をMgSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、標題化合物の粗混合物を黄色の油として取得し、これをそれ以上精製せずに次のステップに送った。H-NMR(400MHz,CDCl)δ 4.30(pent,J=6.4Hz,1H),3.54-3.46(m,2H),3.34(dd,J=11.2,3.7Hz,2H),2.65-2.56(m,2H),2.20-2.13(m,2H),1.53-1.47(m,2H),1.45(s,9H);d.r.=97:3;ESI-MS=[M+H]-t-ブチル=172.0.
Figure 2024500880000122
tert-ブチル(3aR,5s,6aS)-5-アジド-3,3a,4,5,6,6a-ヘキサヒドロ-1H-シクロペンタ[c]ピロール-2-カルボキシレート。tert-ブチル(3aR,5r,6aS)-5-ヒドロキシヘキサヒドロシクロペンタ[c]ピロール-2(1H)-カルボキシレート(10.1g、44.4mmol)のDCM(250mL)中の溶液に、塩化メシル(4.12mL、53.3mmol)、4-ジメチルアミノピリジン(0.06mL、0.44mmol)、及びN,N-ジイソプロピルエチルアミン(11.6mL、66.6mmol)を添加した。反応混合物をr.t.で一晩攪拌した。完了後、反応混合物をsat.NaHCO(100mL)でクエンチングした後、DCM(3×200mL)で抽出した。合わせた有機抽出物をNaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、メシレート中間体の粗混合物を油として取得し、これをそれ以上精製せずに次のステップに送った。ES-MS=[M+H]-t-ブチル=250.0.
DMF(200mL)中のtert-ブチル(3aR,5r,6aS)-5-((メチルスルホニル)オキシ)ヘキサヒドロシクロペンタ[c]ピロール-2(1H)-カルボキシレート(13.6g、44.4mmol)、アジ化ナトリウム(7.2g、111.0mmol)、及びヨウ化テトラブチルアンモニウム(16.4mg、0.04mmol)の混合物を60℃で攪拌した。一晩攪拌した後、反応物をr.t.まで冷却させてから、EtOAc(200mL)及びHO(100mL)で希釈した。有機層をHOで洗浄し、水層をEtOAc(200mL)で1×逆抽出した。合わせた有機抽出物をNaSOで乾燥させ、溶媒を濾過し、減圧下で濃縮した。粗残留物をシリカゲル上のカラムクロマトグラフィー(ヘキサン中0~100%EtOAc)により精製して、標題化合物を透明な油として得た(6.9g、3ステップで62%)。H-NMR(400MHz,CDCl)δ 4.14-4.10(m,1H),3.50-3.48(m,2H),3.22-3.16(m,2H),2.84-2.78(m,2H),2.03-1.97(m,2H),1.76-1.68(m,2H),1.45(s,9H);ES-MS=[M+H]-t-ブチル=197.0.
Figure 2024500880000123
tert-ブチル(3aR,5s,6aS)-5-アミノ-3,3a,4,5,6,6a-ヘキサヒドロ-1H-シクロペンタ[c]ピロール-2-カルボキシレート。tert-ブチル(3aR,5s,6aS)-5-アジド-3,3a,4,5,6,6a-ヘキサヒドロ-1H-シクロペンタ[c]ピロール-2-カルボキシレート(6.4g、25.3mmol)をTHF(400mL)に溶解させてから、20%wt Pd(OH)/C(1.8g、2.5mmol)を添加した。得られた混合物をH(バルーン)下、0℃で8h攪拌し、続いてr.t.までゆっくりと昇温させ、一晩攪拌した後、反応混合物をEtOAcと一緒にセライト(登録商標)のパッドで濾過し、減圧下で濃縮した。粗残留物をシリカゲル上のカラムクロマトグラフィー(DCM中0~100%DCM、MeOH、NHOH(89:10:1))により精製して、標題化合物を個体として得た(5.3g、93%)。H-NMR(400MHz,MeOD)δ 3.54-3.43(m,3H),3.33-3.32(m,2H),3.17-3.12(m,2H),2.86-2.80(m,2H),1.81-1.75(m,2H),1.70-1.62(m,2H),1.47(s,9H);ES-MS[M+H]=227.0.
Figure 2024500880000124
tert-ブチル(3aR,5s,6aS)-5-((6-クロロピリダジン-3-イル)アミノ)ヘキサヒドロシクロペンタ[c]ピロール-2(1H)-カルボキシレート。3,6-ジクロロピリダジン(3.95g、26.5mmol、3eq.)、tert-ブチル(3aR,5s,6aS)-5-アミノヘキサヒドロシクロペンタ[c]ピロール-2(1H)-カルボキシレート(2g、8.84mmol、1eq.)、及びDIPEA(4.62mL、26.5mmol、3eq.)をマイクロ波バイアル内のtert-ブタノール(40mL)に懸濁させ、150℃のマイクロ波照射下で2h加熱した。反応物を真空下で濃縮した後、カラムクロマトグラフィー(ヘキサン中0~80%EtOAc)により精製して、標題化合物を得た(967mg、32%)。H-NMR(400MHz,MeOD)δ 7.27(d,J=9.4Hz,1H),6.87(d,J=9.4Hz,1H),4.41(p,J=6.3Hz,1H),3.55(dd,J=11.4,8.0Hz,2H),3.19(dd,J=11.4,3.9Hz,2H),2.90-2.80(m,2H),1.98-1.92(m,2H),1.89-1.82(m,2H),1.46(s,9H).ES-MS[M+H](-t-ブチル)=283.4.
実施例1.1.(3aR,5s,6aS)-N-(6-クロロピリダジン-3-イル)オクタヒドロシクロペンタ[c]ピロール-5-アミンジヒドロクロリド
Figure 2024500880000125

tert-ブチル(3aR,5s,6aS)-5-((6-クロロピリダジン-3-イル)アミノ)ヘキサヒドロシクロペンタ[c]ピロール-2(1H)-カルボキシレート(2.22g、6.55mmol)を1,4-ジオキサン(22mL)及びMeOH(2mL)に溶解し、ジオキサン溶液(16mL)中の4MのHClを滴下で加えた。このように得られた混合物をr.t.にて一晩撹拌し、この時間の後で、溶媒を減圧下で濃縮し、このように得られた白色の固体を真空下で乾燥させ、それ以上精製することなく直接使用した(2.04g、100%)。ES-MS[M+H]=239.4。
実施例1.2.(3aR,5s,6aS)-N-(6-クロロピリダジン-3-イル)-2-((テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)メチル)オクタヒドロシクロペンタ[c]ピロール-5-アミン
Figure 2024500880000126

(3aR,5s,6aS)-N-(6-クロロピリダジン-3-イル)オクタヒドロシクロペンタ[c]ピロール-5-アミンジヒドロクロリド(2.04g、6.55mmol)をDCM(30mL)及びTHF(30mL)に溶解し、テトラヒドロ-2H-ピラン-4-カルバルデヒド(2.05mL、19.7mmol)を加え、このように得られた溶液を10分間撹拌した。次いで、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(4.17g、19.7mmol)を加えた。このように得られた溶液をr.t.にて2h撹拌し、この時間の後で、反応物をsat.NaHCOをゆっくり加えることによってクエンチし、水層を3:1のクロロホルム/IPAで抽出した。合わせた有機抽出物をMgSOで乾燥させ、溶媒を濾過し、減圧下で濃縮し、このように得られた黄色の固体をそれ以上精製することなく使用した(1.75g、79%)。H-NMR(400MHz,CDCl)δ 7.15(d,J=9.3Hz,1H),6.63(d,J=9.3Hz,1H),4.84(d,J=7.0Hz,1H),4.32-4.24(m,1H),3.96(dd,J=10.9,3.7Hz,2H),3.38(td,J=11.9,1.9Hz,2H),2.78-2.54(m,4H),2.36-2.27(m,4H),1.95-1.91(m,2H),1.72-1.65(m,5H),1.33-1.23(m,2H).ES-MS[M+H]=337.2.
実施例2.(3aR,5s,6aS)-2-((テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)メチル-d)-N-(6-(4-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-イル)ピリダジン-3-イル)オクタヒドロシクロペンタ[c]ピロール-5-アミン
Figure 2024500880000127

(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)メチル-d4-メチルベンゼンスルホネート。重水素化リチウムアルミニウム(2.0g、53mmol、2.5eq)をTHF(60mL)に0℃にて加えた。このように得られた溶液を不活性雰囲気下に置き、それに続いてメチルスルフェートテトラヒドロ-2H-ピラン-4-カルボキシレート(3.0g、21mmol、1eq)を滴下で加えた。このように得られた溶液をr.t.へと2h温めている間に撹拌し、この時間の後で、反応物を0℃に冷却し、2mLの水及び5mLのNaOH溶液を加えるまで、0.05mLの水及び0.15mLの1NのNaOH溶液をゆっくりと繰返し加えることによってクエンチした。次いで、混合物をr.t.にて1h撹拌し、この時間の後で、アルミニウムスルフェート沈殿物を濾別し、THF及びDCMで数回洗浄した。有機層をMgSO上で乾燥させ、溶媒を減圧下で除去した(2.46g、100%)。このように得られたアルコールをDCM(30mL)に懸濁させ、それに続いてトリエチルアミン(6.4mL、2.2eq)及び塩化トシル(5.1g、27mmol、1.3eq)を加え、40℃に一晩加熱した。溶媒を除去し、粗残渣をカラムクロマトグラフィー(ヘキサン中の3~70%EtOAc)によって精製した。生成物を含有する画分を濃縮し、表題化合物を白色の結晶性固体(2ステップに亘り3.55g、63%)として得た。H NMR(400MHz,CDCl)δ 7.77(d,J=8.2Hz,2H),7.34(d,J=8.2Hz,2H),3.92(dd,J=11.6,3.9Hz,2H),3.32(td,J=11.8,2.1Hz,2H),2.44(s,3H),1.91(tt,J=11.7,3.9Hz,1H),1.59-1.52(m,2H),1.31-1.19(m,2H).ES-MS[M+H]=273.2.
Figure 2024500880000128

(3aR,5s,6aS)-N-(6-クロロピリダジン-3-イル)-2-((テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)メチル-d)オクタヒドロシクロペンタ[c]ピロール-5-アミン。Tert-ブチル(3aR,5s,6aS)-5-((6-クロロピリダジン-3-イル)アミノ)ヘキサヒドロシクロペンタ[c]ピロール-2(1H)-カルボキシレート(760mg、2.2mmol、1eq)をMeOH(5mL)に溶解し、ジオキサン溶液(17mL)中の4MのHClを滴下で加えた。このように得られた溶液をr.t.にて1h撹拌し、この時間の後で、溶媒を減圧下で濃縮し、HCl塩を白色の固体として得て、これを真空下で乾燥させ、さらなる精製を伴わずに使用した(620mg、100%)。HClアミンをTHF(6mL)に懸濁させ、それに続いてHO(6mL)中のNaOH(650mg、16mmol、7eq)をゆっくりと加えた。溶液をr.t.にて5min間撹拌し、それに続いて(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)メチル-d4-メチルベンゼンスルホネート(1800mg、6.7mmol、3eq)を加えた。このように得られた溶液を密封し、80℃に18h加熱した。溶媒を除去し、このように得られた固体をEtOAcで複数回洗浄した。有機層を濃縮し、このように得られた粗残渣をRP-HPLC(20min.に亘り0.05%NHOH水溶液中の20~55%MeCN)によって精製した。生成物を含有する画分をDCMで抽出し、MgSO上で乾燥させた。溶媒を減圧下で濃縮し、表題化合物を白色の固体(395mg、52%)として得た。H NMR(400MHz,CDCl)δ 7.15(d,J=9.3Hz,1H),6.66(d,J=9.3Hz,1H),4.96(d,J=7.3Hz,1H),4.38-4.27(m,1H),3.96(dd,J=11.5,3.6Hz,2H),3.38(td,J=11.7,1.9Hz,2H),2.85-2.68(m,4H),2.45-2.35(m,2H),1.99-1.91(m,2H),1.76-1.66(m,5H),1.35-1.24(m,2H).ES-MS[M+H]=339.2.
Figure 2024500880000129

(3aR,5s,6aS)-2-((テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)メチル-d)-N-(6-(4-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-イル)ピリダジン-3-イル)オクタヒドロシクロペンタ[c]ピロール-5-アミン。(3aR,5s,6aS)-N-(6-クロロピリダジン-3-イル)-2-((テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)メチル-d)オクタヒドロシクロペンタ[c]ピロール-5-アミン(2.50g、7.38mmol、1eq)、炭酸カリウム(3.10g、22.1mmol、3eq)、3-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-4-(トリフルオロメチル)ピリジン(4.03g、14.8mmol、2eq)、及びBrettPhos-Pd-G3(1.00g、1.11mmol、0.15eq)をフラスコに加え、これを密封し、不活性雰囲気下に置いた。次いで、5:1の1,4-ジオキサン/HO溶液(全部で40mL、真空下で脱気)をシリンジによって加えた。このように得られた溶液を100℃にて4h撹拌し、この時間の後で、反応混合物をr.t.に冷却し、HO及びDCMで希釈した。水層をDCMで抽出し、合わせた有機抽出物をMgSOで乾燥させた。溶媒を濾過し、減圧下で濃縮し、粗残渣をRP-HPLC(20分に亘り0.1%TFA水溶液中の5~35%MeCN)によって精製した。生成物を含有する画分をsat.NaHCO溶液で塩基性化し、DCMで抽出した。合わせた有機抽出物をMgSOで乾燥させた。溶媒を濾過し、減圧下で濃縮し、表題化合物を黄色の固体(614mg、19%)として得た。H NMR(400MHz,MeOD)δ 8.87(d,J=5.2,1H),8.79(s,1H),7.84(d,J=5.2Hz,1H),7.42(d,J=9.4Hz,1H),6.94(d,J=9.4Hz,1H),4.57-4.48(m,1H),3.93(dd,J=11.5,5.1Hz,2H),3.42(td,J=11.8,2.0Hz,2H),2.86-2.74(m,4H),2.27-2.21(m,2H),2.00-1.93(m,2H),1.81-1.69(m,5H),1.32-1.20(m,2H).ES-MS[M+H]=450.4.
実施例2.1.(3aR,5s,6aS)-N-(6-クロロピリダジン-3-イル)-2-((テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)メチル-d2)オクタヒドロシクロペンタ[c]ピロール-5-アミン(代替の合成)
Figure 2024500880000130

(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)メタン-d-オール。重水素化リチウムアルミニウム(1.45g、38.1mmol、1.1eq)のTHF(30mL)溶液に、メチルテトラヒドロ-2H-ピラン-4-カルボキシレート(5.00g、34.7mmol、1eq)のTHF(70mL)溶液を滴下で0℃にて不活性雰囲気下で加えた。このように得られた反応混合物をr.t.に温め、1.5h撹拌し、この時間の後で、反応物を0℃に再び冷却し、HO(1mL)、1MのNaOH(1mL)及びHO(3mL)を逐次的に加えた。反応混合物をr.t.に温め、5min間撹拌し、この時間の後で、MgSOをさらに撹拌しながら加えた。反応混合物をCelite(登録商標)のパッドを通してEtOAcと共に濾過した。濾液を濃縮し、表題化合物を僅かに黄色の油として得て、これをそれ以上精製することなく直接使用した(4.10g、100%)。H NMR(400MHz,CDCl)δ 4.02-3.92(m,2H),3.39(td,J=11.8,2.2Hz,2H),1.78-1.72(m,1H),1.64(ddd,J=13.3,4.1,2.1Hz,2H),1.39-1.20(m,2H).
Figure 2024500880000131

4-(ブロモメチル-d)テトラヒドロ-2H-ピラン。(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)メタン-d-オール(4.10g、34.7mmol、1eq)及びトリフェニルホスフィン(11.8g、45.1mmol、1.3eq)をDCM(100mL)に溶解し、0℃に冷却した。次いで、四臭化炭素(15.0g、45.1mmol、1.3eq)を加えた。このように得られた溶液をr.t.に温め、不活性雰囲気下で一晩撹拌し、この時間の後で、HOを加えた。水層をDCMで抽出し、合わせた有機抽出物をブラインで洗浄し、MgSO上で乾燥させ、溶媒を濾過し、除去した。粗残渣をカラムクロマトグラフィー(ヘキサン中の3~20%EtOAc)によって精製し、表題化合物を無色の液体(4.61g、73%)として得た。H NMR(400MHz,CDCl)δ 4.01-3.96(m,2H),3.37(td,J=11.9,2.1Hz,2H),1.91-1.84(m,1H),1.76(ddd,J=13.1,4.0,2.0Hz,2H),1.40-1.30(m,2H).
Figure 2024500880000132

(3aR,5s,6aS)-N-(6-クロロピリダジン-3-イル)-2-((テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)メチル-d)オクタヒドロシクロペンタ[c]ピロール-5-アミン。(3aR,5s,6aS)-N-(6-クロロピリダジン-3-イル)オクタヒドロシクロペンタ[c]ピロール-5-アミン(1.00g、4.19mmol、1eq)及び4-(ブロモメチル-d)テトラヒドロ-2H-ピラン(1.02g、5.66mmol、1.35eq)を1,4-ジオキサン(3.5mL)に懸濁させ、HO(1.5mL)中のNaOH(859mg、20.9mmol、5eq)を加えた。このように得られた反応混合物を100℃にて一晩撹拌し、この時間の後で、溶媒を濃縮し、残渣をDCM及びHOに溶解した。水層をDCMで抽出し、合わせた有機抽出物をMgSOで乾燥させた。溶媒を濾過し、濃縮し、表題化合物を黄褐色の固体として得て、これをそれ以上精製することなく使用した(1.04g、73%)。H NMR(400MHz,CDCl)δ 7.16(d,J=9.2Hz,1H),6.63(d,J=9.2Hz,1H),4.83(d,J=7.2Hz,1H),4.22-4.32(m,1H),3.94-3.99(m,2H),3.35-3.42(m,2H),2.65-2.79(m,2H),2.51-2.62(m,2H),2.30-2.37(m,2H),1.89-1.96(m,2H),1.63-1.74(m,5H),1.22-1.34(m,2H).ES-MS[M+H]=339.2.
実施例3.(3aR,5s,6aS)-2-((テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル-2,2,6,6-d)メチル-d)-N-(6-(4-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-イル)ピリダジン-3-イル)オクタヒドロシクロペンタ[c]ピロール-5-アミン
Figure 2024500880000133

tert-ブチル(3aR,5s,6aS)-5-((6-(4-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-イル)ピリダジン-3-イル)アミノ)ヘキサヒドロシクロペンタ[c]ピロール-2(1H)-カルボキシレート。Tert-ブチル(3aR,5s,6aS)-5-((6-クロロピリダジン-3-イル)アミノ)ヘキサヒドロシクロペンタ[c]ピロール-2(1H)-カルボキシレート(644mg、1.90mmol、1eq)、炭酸カリウム(800mg、5.70mmol、3eq)、3-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-4-(トリフルオロメチル)ピリジン(2.08g、7.60mmol、4eq)、及びBrettPhos-Pd-G3(345mg、0.38mmol、0.2eq)をフラスコに加え、これを密封し、不活性雰囲気下に置いた。次いで、5:1の1,4-ジオキサン/HO溶液(全部で10mL、真空下で脱気)をシリンジによって加えた。このように得られた溶液を100℃にて2.5h撹拌し、この時間の後で、反応混合物をr.t.に冷却し、HO及びDCMで希釈した。水層をDCMで抽出し、合わせた有機抽出物を、相分離器を通して濾過し、濃縮した。粗残渣をカラムクロマトグラフィー(EtOAc中の0~5%MeOH)によって精製し、表題化合物を白色の固体(669mg、78%)として得た。ES-MS[M+H]-t-ブチル=394.2。
Figure 2024500880000134

(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル-2,2,6,6-d)((3aR,5s,6aS)-5-((6-(4-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-イル)ピリダジン-3-イル)アミノ)ヘキサヒドロシクロペンタ[c]ピロール-2(1H)-イル)メタノン。tert-ブチル(3aR,5s,6aS)-5-((6-(4-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-イル)ピリダジン-3-イル)アミノ)ヘキサヒドロシクロペンタ[c]ピロール-2(1H)-カルボキシレート(669mg、1.49mmol、1eq)を1,4-ジオキサン(6mL)及びMeOH(2mL)に溶解し、ジオキサン溶液(5mL)中の4MのHClを滴下で加えた。このように得られた濁った混合物をr.t.にて1h撹拌し、この時間の後で、溶媒を減圧下で濃縮し、このように得られたHCl塩を真空下で乾燥させ、それ以上精製することなく使用した(629mg、100%)。ES-MS[M+H]=350.2。HClアミン(350mg、0.83mmol、1eq)及びテトラヒドロ-2H-ピラン-4-カルボキシ-2,2,6,6-d酸(133mg、0.99mmol、1.2eq)のDMF(5mL)溶液に、DIPEA(0.43mL、2.49mmol、3eq)、それに続いてHATU(473mg、1.24mmol、1.5eq)を加えた。このように得られた溶液をr.t.にて1h撹拌し、この時間の後で、反応混合物をRP-HPLC(20minに亘り0.05%NHOH水溶液中の10~50%MeCN)によって直接精製した。生成物を含有する画分を濃縮し、表題化合物を無色の油(274mg、71%)として得た。ES-MS[M+H]=466.3。
Figure 2024500880000135

(3aR,5s,6aS)-2-((テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル-2,2,6,6-d)メチル-d)-N-(6-(4-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-イル)ピリダジン-3-イル)オクタヒドロシクロペンタ[c]ピロール-5-アミン。(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル-2,2,6,6-d)((3aR,5s,6aS)-5-((6-(4-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-イル)ピリダジン-3-イル)アミノ)ヘキサヒドロシクロペンタ[c]ピロール-2(1H)-イル)メタノン(274mg、0.59mmol、1eq)をTHF(5mL)に溶解し、不活性雰囲気下に置いた。次いで、重水素化リチウムアルミニウム(112mg、2.94mmol、5eq)を加えた。このように得られた黄色の反応混合物をr.t.にて15min間撹拌し、この時間の後で、反応混合物を0℃に冷却し、EtOで希釈した。HO(0.1mL)、1MのNaOH(0.1mL)及びHO(0.3mL)を逐次的に加えた。反応混合物をr.t.に温め、MgSOを加え、それに続いて15min撹拌した。固体を濾過によって除去し、濾液を濃縮した。粗残渣をRP-HPLC(20minに亘り0.1TFA水溶液中の5~25%MeCN)によって精製した。生成物を含有する画分をsat.NaHCOで塩基性化し、DCMで抽出した。合わせた有機抽出物をMgSOで乾燥させた。溶媒を濾過し、濃縮し、表題化合物を僅かに黄色の固体(123mg、46%)として得た。H NMR(400MHz,MeOD)δ 8.87(d,J=5.3,Hz,1H),8.79(s,1H),7.84(d,J=5.3Hz,1H),7.42(d,J=9.3,1H),6.94(d,J=9.3Hz,1H),4.57-4.48(m,1H),2.86-2.73(m,4H),2.27-2.21(m,2H),2.00-1.94(m,2H),1.81-1.68(m,5H),1.30-1.20(m,2H).
実施例4.テトラヒドロ-2H-ピラン-4-カルボキシ-2,2,6,6-d
Figure 2024500880000136

(E)-ジエチル3-スチリルペンタンジオエート。ピリジン(210mL)中のシンナムアルデヒド(60g、456mmol、57.4mL、1eq)、3-エトキシ-3-オキソプロパン酸(301.4g、2281mmol、5eq)、及びDMAP(11.2g、91.3mmol、0.2eq)の混合物を脱気し、Nでパージし、混合物を不活性雰囲気下で60℃にて20h撹拌した。次いで、混合物を140℃にて48h撹拌した。反応混合物を減圧下で濃縮し、ピリジンを除去した。次いで、残渣をHOで希釈し、MTBEで抽出した。合わせた有機層をHCl(15%)で洗浄し、NaSO上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮し、残渣を得た。残渣をカラムクロマトグラフィー(SiO、石油エーテル/酢酸エチル=1/0~10/1)によって精製し、表題化合物を黄色の固体(27g、61%)として得た。H NMR(400MHz,CDCl)δ 7.27-7.37(m,4H)7.17-7.25(m,1H)6.48(d,J=15.9Hz,1H)6.12(dd,J=15.8,8.4Hz,1H)4.13(q,J=7.1Hz,4H)3.23(dq,J=14.6,7.2Hz,1H)2.52(qd,J=15.4,7.1Hz,4H)1.23(t,J=7.1Hz,6H).
Figure 2024500880000137

1,1,5,5-テトラジュウテリオ-3-[(E)-スチリル]ペンタン-1,5-ジオール。重水素化リチウムアルミニウム(7.60g、180.8mmol、1.5eq)のTHF(80mL)溶液に、THF(350mL)中の(E)-ジエチル3-スチリルペンタンジオエート(35g、120.5mmol、1eq)を0℃にて滴下で加えた。このように得られた混合物を20℃にて1h撹拌した。反応混合物に、HO(76mL)、15%NaOH水溶液(76mL)及びHO(227mL)を撹拌しながら逐次的に加えた。MgSOを撹拌しながら加え、反応混合物をCelite(登録商標)のパッドを通して濾過した。濾液を減圧下で濃縮し、表題化合物を白色の固体(20.4g、80%)として得た。H NMR(400MHz,CDCl)δ 7.27-7.37(m,4H)7.17-7.23(m,1H)6.43(d,J=15.8Hz,1H)5.96(dd,J=15.9,9.1Hz,1H)2.54(qt,J=9.2,4.8Hz,1H)1.72(dd,J=13.8,4.9Hz,2H)1.52-1.64(m,2H).
Figure 2024500880000138

2,2,6,6-テトラジュウテリオ-4-[(E)-スチリル]テトラヒドロピラン。トルエン(140mL)中の1,1,5,5-テトラジュウテリオ-3-[(E)-スチリル]ペンタン-1,5-ジオール(14g、66.6mmol、1eq)、及びTsOH(2.29g、13.3mmol、0.2eq)の混合物を、ディーンスタークトラップを伴って140℃にて12h加熱還流させた。このように得られた残渣をsat.NaHCO溶液中に注いだ。水相を酢酸エチルで抽出し、合わせた有機相をブラインで洗浄し、無水NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。粗残渣をカラムクロマトグラフィー(SiO、石油エーテル/酢酸エチル=20/1~5/1)によって精製し、表題化合物を無色の油(7.23g、56%)として得た。H NMR(400MHz,CDCl)δ 7.28-7.41(m,4H)7.20-7.26(m,1H)6.41(d,J=16.0Hz,1H)6.18(dd,J=16.0,6.8Hz,1H)2.34-2.46(m,1H)1.68-1.75(m,2H)1.52-1.63(m,2H).
Figure 2024500880000139

2,2,6,6-テトラジュウテリオテトラヒドロピラン-4-カルバルデヒド。オゾンを2,2,6,6-テトラジュウテリオ-4-[(E)-スチリル]テトラヒドロピラン(6.0g、31.2mmol、1eq)のDCM(90mL)及びMeOH(18mL)溶液中に-78℃にて30min間泡立てた。過剰なOをNによってパージした後、MeS(22mL)を20℃にて2h加えた。反応混合物を濃縮し、粗生成物を得た。粗残渣をカラムクロマトグラフィー(SiO、石油エーテル/酢酸エチル=10/1~1/1)によって精製し、表題化合物を無色の油(3.05g、83%)として得た。H NMR(400MHz,CDCl)δ 9.64(s,1H)2.43-2.55(m,1H)1.83(dd,J=13.8,4.1Hz,2H)1.63-1.71(m,2H).
Figure 2024500880000140

2,2,6,6-テトラジュウテリオテトラヒドロピラン-4-カルボン酸。2,2,6,6-テトラジュウテリオテトラヒドロピラン-4-カルバルデヒド(3.0g、25.4mmol、1eq)のt-BuOH(30mL)、HO(10mL)及びTHF(15mL)溶液に、NaClO(6.89g、76.2mmol、3eq)、NaHPO(9.14g、76.2mmol、3eq)及び2-メチルブタ-2-エン(14.2g、203mmol、21.5mL、8eq)を加えた。このように得られた混合物を25℃にて12h撹拌した。次いで、反応混合物を20℃にてHOを加えることによってクエンチし、次いで、1MのHClによってpH2に調節し、抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、NaSO上で乾燥させた。溶媒を濾過し、減圧下で濃縮し、表題化合物を白色の固体(2.1g、62%)として得た。H NMR(400MHz,CDCl)δ 9.76-12.28(m,1H)2.58(tt,J=10.8,4.3Hz,1H)1.83-1.91(m,2H)1.73-1.83(m,2H).
実施例5.代表的な合成手順
代表的な合成1。
Figure 2024500880000141

(3aR,5s,6aS)-N-(6-クロロピリダジン-3-イル)-2-(2,2-ジメチルテトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)オクタヒドロシクロペンタ[c]ピロール-5-アミン。(3aR,5s,6aS)-N-(6-クロロピリダジン-3-イル)オクタヒドロシクロペンタ[c]ピロール-5-アミン二塩酸塩(300mg、0.96mmol)をDCM(3mL)、THF(3mL)及びAcOH(0.5mL)に溶解させ、2,2-ジメチルテトラヒドロ-4H-ピラン-4-オン(370mg、2.89mmol)、続いてトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(612mg、2.89mmol)を添加した。得られた溶液を40℃で1h攪拌した後、反応物をsat.NaHCOでクエンチングし、3:1のクロロホルム/IPA(v/v)で抽出した。合わせた有機抽出物を相分離器により濾過し、濃縮した。粗残留物をDMSOに溶解させてから、RP-HPLC(0.1%TFA水溶液中5~35%MeCNで20min)により直接精製した。生成物を含有する画分をsat.NaHCOで塩基性にし、3:1のクロロホルム/IPA(v/v)で抽出した。合わせた有機抽出物をMgSOで乾燥させ、溶媒を濾過し、減圧下で濃縮して、白色の固体として標題化合物を取得した(138mg、41%)。ES-MS[M+H]=351.3.
代表的な合成2.(3aR,5s,6aS)-N-(6-(2-クロロ-5-フルオロフェニル)ピリダジン-3-イル)-2-(1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)シクロプロピル)オクタヒドロシクロペンタ[c]ピロール-5-アミン
Figure 2024500880000142

((3aR,5s,6aS)-N-((6-(2-クロロ-5-フルオロフェニル)ピリダジン-3-イル)アミノ)ヘキサヒドロシクロペンタ[c]ピロール-2(1H)-イル(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)メタノン。(3aR,5s,6aS)-N-(6-(2-クロロ-5-フルオロフェニル)ピリダジン-3-イル)オクタヒドロシクロペンタ[c]ピロール-5-アミン塩酸塩(53.4mg、0.14mmol)及び4-オキサン酸(22.6mg、0.17mmol)をDMF(1mL)に溶解させ、DIPEA(0.076mL、0.43mmol)、続いてHATU(82.5mg、0.22mmol)を添加した。得られた溶液をr.t.で1h攪拌した後、反応混合物をRP-HPLC(0.05%NHOH水溶液中25~65%MeCNで10min)により直接精製した。生成物を含有する画分を濃縮して、標題の化合物を無色の油として取得した(39mg、61%)。ES-MS[M+H]=445.0.
Figure 2024500880000143

(3aR,5s,6aS)-N-(6-(2-クロロ-5-フルオロフェニル)ピリダジン-3-イル)-2-(1-テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)シクロプロピル)オクタヒドロシクロペンタ[c]ピロール-5-アミン。-78℃で、THF(0.2mL)中の臭化エチルマグネシウム(0.062mL、0.062mmol、1.0M溶液)の溶液に、0.1mLのTHF中のチタン(IV)イソプロポキシド(0.008mL、0.026mmol)を添加した。得られた溶液を不活性雰囲気下、-78℃で30min攪拌した後、((3aR,5s,6aS)-5-((6-(2-クロロ-5-フルオロフェニル)ピリダジン-3-イル)アミノ)ヘキサヒドロシクロペンタ[c]ピロール-2(1H)-イル(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)メタノン(11mg、0.025mmol(THF中0.3mL))を滴下しながら添加した。得られた溶液をr.t.まで昇温させた後、還流で1h攪拌した後、反応混合物を0℃まで冷却させてから、さらに2.5eqの臭化エチルマグネシウム(1.0M溶液、計5eq)及び1.05eqのチタン(IV)イソプロポキシド(0.1mL THF中、計2.1eq)を滴下しながら添加した。得られた褐色の溶液をr.t.まで昇温させ、1h攪拌した後、反応物をHOでクエンチングし、3:1のクロロホルム/IPA(v/v)で希釈した。水層を3:1のクロロホルム/IPA(v/v)で抽出し、合わせた有機抽出物を相分離器により濾過し、濃縮した。粗残留物をRP-HPLC(0.05%NHOH水溶液中65~95%MeCNで5min)により精製し、生成物を含有する画分を濃縮して、黄褐色の固体として標題化合物を取得した(1.1mg、10%)。H-NMR(400MHz,MeOD)δ 7.58(d,J=9.4Hz,1H),7.56(dd,J=8.8,5.0Hz,1H),7.37(dd,J=9.0,3.1Hz,1H),7.24-7.19(m,1H),6.94(d,J=9.4Hz,1H),4.54-4.48(m,1H),3.99-3.95(m,2H),3.45-3.39(m,2H),2.67-2.64(m,4H),2.46-2.42(m,2H),1.94-1.83(m,4H),1.63-1.49(m,5H),0.70(dd,J=6.5,5.0Hz,2H),0.44(dd,J=6.2,4.8Hz,2H).ES-MS[M+H]=457.4.
代表的な合成3.(3aR,5s,6aS)-N-(6-(2-クロロ-5-フルオロフェニル)ピリダジン-3-イル)-2-(3-メトキシプロピル)オクタヒドロシクロペンタ[c]ピロール-5-アミン
Figure 2024500880000144

(3aR,5s,6aS)-N-(6-(2-クロロ-5-フルオロフェニル)ピリダジン-3-イル)オクタヒドロシクロペンタ[c]ピロール-5-アミン塩酸塩(20.3mg、0.050mmol)をDMF(1mL)に溶解させた後、炭酸セシウム(49mg、0.15mmol)、続いて1-ブロモ-3-メトキシプロパン(38mg、0.25mmol)を添加した。得られた溶液を70℃で一晩攪拌した後、固形分をシリンジ濾過により除去し、粗残留物をRP-HPLC(0.1%TFA水溶液中5~35%MeCNで5min)により精製した。生成物を含有する画分をsat.NaHCOで塩基性にし、3:1のクロロホルム/IPA(v/v)で抽出した。合わせた有機抽出物を相分離器により濾過し、濃縮して、白色の固体として標題化合物を取得した(3.2mg、16%)。H-NMR(400MHz,MeOD)δ 7.46(d,J=9.3Hz,1H),7.44(dd,J=8.8,5.0Hz,1H),7.25(dd,J=9.0,3.1Hz,1H),7.12-7.07(m,1H),6.82(d,J=9.4Hz,1H),4.45-4.38(m,1H),3.35(t,J=6.2Hz,2H),3.23(s,3H),2.92-2.87(m,2H),2.74-2.69(m,2H),2.49-2.45(m,2H),2.17-2.14(m,2H),1.91-1.85(m,2H),1.74-1.61(m,4H).ES-MS[M+H]=405.4.
代表的な合成4.1-((3aR,5s,6aS)-5-((6-(2-クロロ-5-フルオロフェニル)ピリダジン-3-イル)アミノ)ヘキサヒドロシクロペンタ[c]ピロール-2(1H)-イル)-2-メチルプロパン-2-オール
Figure 2024500880000145

(3aR,5s,6aS)-N-(6-(2-クロロ-5-フルオロフェニル)ピリダジン-3-イル)オクタヒドロシクロペンタ[c]ピロール-5-アミン塩酸塩(19.7mg、0.053mmol)をEtOH(1mL)に溶解させた後、DIPEA(0.028mg、0.16mmol)、続いてイソブチレンオキシド(0.014mL、0.16mmol)を添加した。得られた溶液を70℃で4h攪拌した後、反応混合物をr.t.まで冷却させてから、溶媒を濃縮した。粗残留物をRP-HPLC(0.1%TFA水溶液中5~35%MeCNで5min)により精製した。生成物を含有する画分をsat.NaHCOで塩基性にし、3:1のクロロホルム/IPA(v/v)で抽出した。合わせた有機抽出物を相分離器により濾過し、濃縮して、標題化合物を白色の固体として取得した(11mg、51%)。H-NMR(400MHz,CDCl)δ 7.62(d,J=9.3Hz,1H),7.47(dd,J=9.2,3.1Hz,1H),7.41(dd,J=8.8,5.0Hz,1H),7.07-7.02(m,1H),6.71(d,J=9.3Hz,1H),5.03(d,J=4.8Hz,1H),4.41(br,1H),2.96(br,2H),2.85(br,2H),2.67(br,2H),2.55(br,2H),2.04-1.96(m,2H),1.86-1.79(m,2H),1.24(m,6H);ES-MS[M+H]=405.4.
代表的な合成5.N-[4-[6-[[(3aR,5r,6aS)-2-(3,3-ジメチルブチル)-3,3a,4,5,6,6a-ヘキサヒドロ-1H-シクロペンタ[c]ピロール-5-イル]アミノ]ピリダジン-3-イル]フェニル]アセトアミド
Figure 2024500880000146

tert-ブチル(3aR,5r,6aS)-5-((6-クロロピリダジン-3-イル)アミノ)ヘキサヒドロシクロペンタ[c]ピロール-2(1H)-カルボキシレート。シス-N-Boc-5-オキソ-オクタヒドロシクロペンタ[c]ピロール(100mg、0.44mmol)をTHF(1mL)及びDCE(1mL)に溶解させた後、3-アミノ-6-クロロピリダジン(288mg、2.22mmol)を添加し、得られた溶液を10分間攪拌した。次に、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(376mg、1.78mmol)を添加し、得られた溶液を60℃に加熱してから、一晩攪拌し、その後、反応物をDCM及び3:1クロロホルム/iPA溶液で希釈し、水層を3:1クロロホルム/IPA溶液で抽出した。合わせた有機抽出物を相分離器で濾過し、濃縮した後、粗残留物をRP-HPLCにより精製した。生成物を含む画分をsat.NaHCOで塩基性化してから、3:1クロロホルム/iPAで抽出し、合わせた有機抽出物を相分離器で濾過し、濃縮して、標題化合物を褐色の油として得た(15.1mg、10%)。ES-MS[M+H]=339.3.
Figure 2024500880000147

tert-ブチル(3aR,5r,6aS)-5-((6-(4-アセトアミドフェニル)ピリダジン-3-イル)アミノ)ヘキサヒドロシクロペンタ[c]ピロール-2(1H)-カルボキシレート。tert-ブチル(3aR,5r,6aS)-5-((6-クロロピリダジン-3-イル)アミノ)ヘキサヒドロシクロペンタ[c]ピロール-2(1H)-カルボキシレート(15.1mg、0.045mmol)、KCO(18.7mg、0.13mmol)、4-アセチルアミノフェニルボロン酸(9.6mg、0.053mmol)及びRuPhos-Pd-G3(3.7mg、0.004mmol)を密閉バイアル内で合わせ、不活性雰囲気下に置いた。次に、シリンジを介して、5:1の1,4-ジオキサン/HO溶液(0.6mL、脱気済)を添加した。得られた混合物をマイクロ波照射下で、120℃に30分間加熱した後、反応物をr.t.まで冷却してから、sat.NaHCO、及びDCMで希釈した。水層をDCMで抽出し、合わせた抽出物を相分離器で濾過し、濃縮した。粗残留物をカラムクロマトグラフィー(hex/EtOAc)により精製して、標題化合物を褐色の油として得た(3.9mg、20%)。ES-MS[M+H]=438.4.
Figure 2024500880000148

N-(4-(6-(((3aR,5r,6aS)-オクタヒドロシクロペンタ[c]ピロール-5-イル)アミノ)ピリダジン-3-イル)フェニル)アセトアミドジヒドロクロリド。tert-ブチル(3aR,5r,6aS)-5-((6-(4-アセトアミドフェニル)ピリダジン-3-イル)アミノ)ヘキサヒドロシクロペンタ[c]ピロール-2(1H)-カルボキシレート(3.9mg、0.009mmol)を1,4-ジオキサン(0.5mL)に溶解させてから、4M HClのジオキサン溶液(0.5mL)を滴下した。得られた溶液をr.t.で30分間攪拌した後、溶媒を減圧下で濃縮し、得られた白色固体をそれ以上精製せずに直接使用した(3.9mg、100%)。ES-MS[M+H]=338.4.
Figure 2024500880000149

N-(4-(6-(((3aR,5r,6aS)-オクタヒドロシクロペンタ[c]ピロール-5-イル)アミノ)ピリダジン-3-イル)フェニル)アセトアミドジヒドロクロリド(3.3mg、0.009mmol)をTHF(0.25mL)及びDCE(0.25mL)に溶解させてから、3,3-ジメチルブチルアルデヒド(4.3mg、0.004mmol)を添加した。得られた混合物をr.t.で6h攪拌した後、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(9.2mg、0.044mmol)を添加し、得られた溶液をr.t.で一晩攪拌し、その後、溶媒を濃縮し、粗残留物をRP-HPLCにより直接精製した。生成物を含む画分をsat.NaHCOで塩基性化してから、3:1クロロホルム/iPAで抽出した。合わせた有機抽出物を相分離器で濾過し、濃縮して、標題化合物を白色固体として得た(1.8mg、49%)。H-NMR(400MHz,CDCl)δ 7.95(d,J=8.6Hz,2H),7.58(d,J=8.6Hz,2H),7.51(d,J=9.3Hz,1H),6.54(d,J=9.3Hz,1H),4.67-4.62(m,1H),2.81(d,J=9.6Hz,2H),2.75-2.67(m,2H),2.47-2.43(m,2H),2.22-2.15(m,7H),1.74-1.44(m,4H),0.94(s,9H).ES-MS[M+H]=422.4.
代表的な合成6.(3aR,5s,6aS)-2-(1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)エチル)-N-(6-(2,3,5-トリフルオロフェニル)ピリダジン-3-イル)オクタヒドロシクロペンタ[c]ピロール-5-アミン
Figure 2024500880000150

(3aR,5s,6aS)-N-(6-(2,3,5-トリフルオロフェニル)ピリダジン-3-イル)オクタヒドロシクロペンタ[c]ピロール-5-アミンヒドロクロリド(10mg、0.027mmol、1eq)及び1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)エタン-1-オン(17mg、0.13mmol、5eq)をEtOH(0.5mL)に懸濁させ、チタン(IV)イソプロポキシド(40μL、0.13mmol、5eq)を加えた。このように得られた溶液を45℃にて2h撹拌し、この時間の後で、NaBH(5.1mg、0.13mmol、5eq)を加えた。このように得られた溶液をr.t.にて1h撹拌し、この時間の後で、反応混合物をsat.NaHCOでクエンチし、DCMで抽出した。合わせた有機抽出物を、相分離器を通して濾過し、濃縮し、粗残渣をRP-HPLC(5minに亘り0.1%TFA水溶液中の5~35%MeCN)によって精製した。生成物を含有する画分をsat.NaHCOで塩基性化し、3:1のクロロホルム/IPAで抽出した。合わせた有機抽出物を、相分離器を通して濾過し、濃縮し、表題化合物を白色の固体(1.9mg、16%)として得た。ES-MS[M+H]=447.4。
実施例6.3,6-ジクロロ-4-シクロプロピルピリダジン及び3,6-ジクロロ-4,5-ジシクロプロピルピリダジン
Figure 2024500880000151

水(90mL)中の3,6-ジクロロピリダジン(3000mg、20.1mmol、1eq)、シクロプロパンカルボン酸(2770mg、32.2mmol、1.6eq)、硝酸銀(342mg、2.0mmol、0.1eq)、及び硫酸(1.6mL、1.5eq)を72℃に加熱し、それに続いて過硫酸アンモニウム(6890mg、30.2mmol、1.5eq)を加えた。20min後、反応物を冷却し、1MのNaOH溶液(20mL)でクエンチし、それに続いてDCMで抽出し、濃縮した。残渣をRP-HPLC(20minに亘り0.05NHOH水溶液中の20~60%MeCN)によって精製した。生成物を含有する画分を減圧下で濃縮し、表題化合物を得た。主要な生成物:(1665.4mg、44%)H-NMR(400MHz,CDCl)δ 6.94(s,1H),2.24-2.16(m,1H),1.34-1.27(m,2H),0.90-0.84(m,2H).ES-MS[M+H]=189.4、微量な生成物:(355.1mg、8%)H-NMR(400MHz,CDCl)δ 1.90-1.81(m,2H),1.29-1.23(m,4H),0.83-0.77(m,4H).ES-MS[M+H]=230.4.
実施例7.3,6-ジクロロ-4-シクロプロピル-5-(トリフルオロメチル)ピリダジン
Figure 2024500880000152

3,6-ジクロロ-4-(トリフルオロメチル)ピリダジン(1000mg、4.61mmol、1eq)、シクロプロパンカルボン酸(600mg、6.91mmol、1.5eq)、過硫酸アンモニウム(1100mg、4.82mmol、1.1eq)、及び硝酸銀(235mg、1.38mmol、0.3eq)を72℃に加熱し、それに続いて硫酸(0.37mL、1.2eq)を加えた。1h後、反応物を冷却し、1MのNaOH(10mL)で中和し、DCMで抽出し、濃縮した。残渣をRP-HPLC(20minに亘り0.1%TFA溶液中の50~80%MeCN)によって精製した。生成物を含有する画分をsat.NaHCO溶液で塩基性化し、DCMで抽出し、濃縮し、表題化合物をオフホワイト色の油(639.2mg、54%)として得た。H-NMR(400MHz,CDCl)δ 2.07-1.98(m,1H),1.40-1.32(m,2H),0.81-0.74(m,2H).ES-MS[M+H]=257.0.
実施例8.4-(tert-ブチル)-3,6-ジクロロピリダジン
Figure 2024500880000153

水(30mL)中の3,6-ジクロロピリダジン(1000mg、6.7mmol、1eq)、ピバル酸(1370mg、13.4mmol、2eq)、過硫酸アンモニウム(2300mg、10.1mmol、1.5eq)、及び硝酸銀(285mg、1.7mmol、0.25eq)に、72℃にて硫酸(0.54mL、1.5eq)を加えた。1h後、反応物を冷却し、1MのNaOH(10mL)で中和し、DCMで抽出し、濃縮した。残渣をRP-HPLC(20minに亘り0.05%NHOH溶液中の30~70%MeCN)によって精製した。生成物を含有する画分をDCMで抽出し、濃縮し、表題化合物を白色の固体(753.7mg、55%)として得た。H-NMR(400MHz,CDCl)δ 7.46(s,1H),1.48(s,9H).ES-MS[M+H]=205.2.
実施例9.3,6-ジクロロ-4-(1,1-ジフルオロエチル)ピリダジン及び3,6-ジクロロ-4,5-ビス(1,1-ジフルオロエチル)ピリダジン
Figure 2024500880000154

水(40mL)中の3,6-ジクロロピリダジン(1000mg、6.7mmol、1eq)、2,2-ジフルオロプロパン酸(1293mg、11.7mmol、1.75eq)、過硫酸アンモニウム(2300mg、10.1mmol、1.5eq)、及び硝酸銀(400mg、2.3mmol、0.35eq)に、72℃にて硫酸(0.54mL、1.5eq)を加えた。30min後、反応物を冷却し、1MのNaOH(5mL)で中和し、DCMで抽出し、濃縮した。残渣をRP-HPLC(20minに亘り0.05%NHOH溶液中の30~70%MeCN)によって精製した。生成物を含有する画分をDCMで抽出し、濃縮し、表題化合物を両方とも白色の固体として得た。主要な生成物:(767.2mg、54%)H-NMR(400MHz,CDCl)δ 7.71(s,1H),2.13-2.04(m,3H).ES-MS[M+H]=213.0.、微量な生成物:(153.3mg、8%)ES-MS[M+H]=277.0。
実施例10.3,6-ジクロロ-4-(1-(トリフルオロメチル)シクロプロピル)ピリダジン
Figure 2024500880000155

水(30mL)中の3,6-ジクロロピリダジン(1000mg、6.7mmol、1eq)、1-(トリフルオロメチル)シクロプロパン-1-カルボン酸(2070mg、13.4mmol、2eq)、過硫酸アンモニウム(2300mg、10.1mmol、1.5eq)、及び硝酸銀(285mg、1.7mmol、0.25eq)に、72℃にて硫酸(0.54mL、1.5eq)を加えた。1h後、反応物を冷却し、1MのNaOH(10mL)で中和し、DCMで抽出し、濃縮した。残渣をRP-HPLC(20minに亘り0.05%NHOH中の30~70%MeCN)によって精製した。生成物を含有する画分をDCMで抽出し、濃縮し、表題化合物を白色の固体(474.1mg、28%)として得た。H-NMR(400MHz,CDCl)δ 7.64(s,1H),1.67-1.62(m,2H),1.22-1.16(m,2H).ES-MS[M+H]=257.0.
実施例11.3,6-ジクロロ-4-(2,2-ジフルオロシクロプロピル)ピリダジン
Figure 2024500880000156

水(18mL)中の3,6-ジクロロピリダジン(600mg、4.0mmol、1eq)、2,2-ジフルオロシクロプロパン-1-カルボン酸(790mg、6.4mmol、1.6eq)、及び硝酸銀(170mg、1.0mmol、0.25eq)に、硫酸(0.53mL、1.5eq)を加えた。反応物を72℃に加熱し、それに続いて水(6mL)中の過硫酸アンモニウム(1380mg、6.0mmol、1.5eq)を加えた。30min後、反応物を冷却し、1MのNaOH(5mL)で中和し、DCMで抽出し、濃縮した。残渣をRP-HPLC(20minに亘り0.1%TFA溶液中の25~65%MeCN)によって精製した。生成物を含有する画分をDCMで抽出し、濃縮し、表題化合物(261.2mg、29%)を得た。ES-MS[M+H]=225.0。
実施例12.3,6-ジクロロ-4-(ジフルオロメチル)ピリダジン及び3,6-ジクロロ-4,5-ビス(ジフルオロメチル)ピリダジン
Figure 2024500880000157

3,6-ジクロロピリダジン(3000mg、20.1mmol、1eq)を水(120mL)及び硫酸(1.6mL)に溶解し、それに続いて過硫酸アンモニウム(6900mg、30.2mmol、1.5eq)、硝酸銀(2000mg、11.7mmol、0.58eq)、及びジフルオロ酢酸(2.4mL、40.3mmol、2eq)を加えた。このように得られた灰色の溶液を72℃にて45min.間撹拌し、r.t.に冷却し、1MのNaOH(10mL)で中和し、DCMで抽出した。有機物を濃縮し、残渣をRP-HPLC(20minに亘り0.05NHOH水溶液中の30~70%MeCN)によって精製した。生成物を含有する画分をDCMで抽出し、濃縮し、表題化合物を得た。主要な生成物(朽葉色の油):(848.4mg、21%)H-NMR(400MHz,CDCl)δ 7.80(s,1H),6.97-6.7(t,J=53.8Hz,1H),ES-MS[M+H]=199.2.微量な生成物(茶色の固体):(331.8mg、7%)H-NMR(400MHz,CDCl)δ 7.38-7.07(m,2H).ES-MS[M+H]=249.0.
実施例13.3,6-ジクロロ-4-シクロブチルピリダジン及び3,6-ジクロロ-4,5-ジシクロブチルピリダジン
Figure 2024500880000158

水(90mL)中の3,6-ジクロロピリダジン(2000mg、13.4mmol、1eq)、シクロブタンカルボン酸(1613mg、16.1mmol、1.2eq)、硝酸銀(228mg、1.34mmol、0.1eq)、及び硫酸(1.6mL、1.5eq)を72℃に加熱し、それに続いて過硫酸アンモニウム(4595mg、20.1mmol、1.5eq)を加えた。30min後、反応物を冷却し、1MのNaOH溶液(10mL)でクエンチし、それに続いてDCMで抽出し、濃縮した。残渣をRP-HPLC(20minに亘り0.05NHOH水溶液中の25~75%MeCN)によって精製した。生成物を含有する画分を減圧下で濃縮し、表題化合物を得た。主要な生成物:(1583.5mg、58%)。H-NMR(400MHz,CDCl)δ 7.38(s,1H),3.74-3.63(m,1H),2.53-2.43(m,2H),2.19-2.07(m,3H),1.97-1.88(m,1H).ES-MS[M+H]=203.2.微量な生成物:(377.8mg、11%)、H-NMR(400MHz,CDCl)δ 3.85-3.74(m,2H),2.56-2.37(m,8H),2.09-1.85(m,4H).ES-MS[M+H]=257.2.
実施例14.3,6-ジクロロ-4-メチル-5-(トリフルオロメチル)ピリダジン
Figure 2024500880000159

水(40mL)中の3,6-ジクロロ-4-(トリフルオロメチル)ピリダジン(1500mg、6.9mmol、1eq)、酢酸(1245mg、20.7mmol、3eq)、硝酸銀(352.3mg、2.07mmol、0.3eq)、及び過硫酸アンモニウム(2366mg、10.4mmol、1.5eq)を72℃に加熱し、それに続いて硫酸(0.55mL、1.5eq)を加えた。1h後、反応物を冷却し、1MのNaOH(10mL)で中和し、DCMで抽出し、濃縮した。残渣をRP-HPLC(20minに亘り0.1%TFA溶液中の25~65%MeCN)によって精製した。生成物を含有する画分をsat.NaHCO溶液で塩基性化し、DCMで抽出し、濃縮し、表題化合物(807.2mg、51%)を得た。H-NMR(400MHz,CDCl)δ 2.67-2.64(m,3H).ES-MS[M+H]=231.0.
実施例15.3,6-ジクロロ-5-メチルピリダジン-4-カルボニトリル
Figure 2024500880000160

3,6-ジクロロ-5-メチルピリダジン-4-カルボン酸。メチル3,6-ジクロロ-5-メチルピリダジン-4-カルボキシレート(1.0g、4.52mmol、1eq)及びLiOH(135mg、5.66mmol、1.25eq)をTHF(15mL)及びHO(15mL)中で合わせ、このように得られた混合物を45℃に2h加熱し、この時間の後で、反応混合物をr.t.に冷却し、EtOAc及びHOで希釈した。水層を1MのHCl溶液でpH2に酸性化し、EtOAcで抽出した。合わせた有機抽出物をMgSOで乾燥させ、溶媒を濾過し、減圧下で濃縮し、表題化合物を黄褐色の固体(691mg、74%)として得た。ES-MS[M+H]=207.4。
3,6-ジクロロ-5-メチルピリダジン-4-カルボニトリル。撹拌した3,6-ジクロロ-5-メチルピリダジン-4-カルボン酸(691mg、3.34mmol、1eq)及び塩化アンモニウム(357mg、6.68mmol、2eq)のDMF(11mL)溶液に、DIPEA(2.91mL、16.70mmol、5eq)を滴下で、それに続いてHATU(3.81g、10.02mmol、3eq)を加えた。このように得られた溶液をr.t.にて72h撹拌し、この時間の後で、反応混合物をHOで希釈し、水層をEtOAcで抽出した。合わせた有機抽出物をブラインで洗浄し、MgSOで乾燥させた。溶媒を濾過し、減圧下で濃縮し、表題化合物を黄色の油として得て、これをそれ以上精製することなく直接使用した(688mg、100%)。ES-MS[M+H]=206.2。撹拌した3,6-ジクロロ-5-メチルピリダジン-4-カルボキサミド(688mg、3.34mmol、1eq)のDCM(22mL)溶液に、トリフルオロ酢酸無水物(1.62mL、11.69mmol、3.5eq)を加えた。このように得られた溶液をr.t.にて15min間撹拌し、この時間の後で、反応混合物をHOでゆっくり希釈し、水層をDCMで抽出した。合わせた有機抽出物をsat.NaHCO溶液で洗浄し、MgSOで乾燥させた。溶媒を濾過し、減圧下で濃縮し、粗残渣をカラムクロマトグラフィー(ヘキサン中の0~50%EtOAc)によって精製し、表題化合物を白色の固体(2ステップに亘り251mg、40%)として得た。ES-MS[M+H]=188.2。
実施例16.(3aR,5s,6aS)-N-(4-シクロプロピル-6-(4-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-イル)ピリダジン-3-イル)-2-((テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)メチル-d2)オクタヒドロシクロペンタ[c]ピロール-5-アミン
Figure 2024500880000161

tert-ブチル(3aR,5s,6aS)-5-((6-クロロ-4-シクロプロピルピリダジン-3-イル)アミノ)ヘキサヒドロシクロペンタ[c]ピロール-2(1H)-カルボキシレート及びtert-ブチル(3aR,5s,6aS)-5-((6-クロロ-5-シクロプロピルピリダジン-3-イル)アミノ)ヘキサヒドロシクロペンタ[c]ピロール-2(1H)-カルボキシレート。Tert-ブチル(3aR,5s,6aS)-5-アミノヘキサヒドロシクロペンタ[c]ピロール-2(1H)-カルボキシレート(650mg、2.9mmol、1eq)、3,6-ジクロロ-4-シクロプロピルピリダジン(814mg、4.3mmol、1.5eq)、炭酸セシウム(2044mg、6.2mmol、2.2eq)、酢酸パラジウム(II)(32.5mg、0.14mmol、0.05eq.)、及びラセミBINAP(268.3mg、0.43mmol、0.15eq)をバイアル中で密封し、不活性雰囲気下に置き、それに続いてトルエン(14mL)を加えた。反応物を110℃にて一晩加熱し、熱から取り出し、Celite(登録商標)プラグを通してDCM及びEtOAcと共に濾過した。溶媒を除去し、残渣をカラムクロマトグラフィー(ヘキサン中の3~80%EtOAc)によって精製し、表題化合物を得た。主要な生成物:(542.8mg、50%)H-NMR(400MHz,CDCl)δ 6.87(s,1H),4.95-4.85(m,1H),4.74-4.65(m,1H),3.62-3.52(m,2H),3.23-3.12(m,2H),2.88-2.77(m,2H),2.15-2.06(m,2H),1.87-1.79(m,2H),1.59-1.52(m,1H),1.45(s,9H),1.08-1.02(m,2H),0.68-0.63(m,2H).ES-MS[M+H]-t-ブチル=323.4。微量な生成物:(75mg、7%)H-NMR(400MHz,CDCl)δ 6.15(s,1H),5.10-5.04(m,1H),4.33-4.26(m,1H),3.59-3.50(m,2H),3.23-3.13(m,2H),2.85-2.76(m,2H),2.10-2.04(m,1H),2.01-1.93(m,2H),1.84-1.74(m,2H),1.46(s,9H),1.16-1.10(m,2H),0.75-0.69(m,2H).ES-MS[M+H]-t-ブチル=323.4.
Figure 2024500880000162

((3aR,5s,6aS)-5-((6-クロロ-4-シクロプロピルピリダジン-3-イル)アミノ)ヘキサヒドロシクロペンタ[c]ピロール-2(1H)-イル)(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)メタノン。tert-ブチル(3aR,5s,6aS)-5-((6-クロロ-4-シクロプロピルピリダジン-3-イル)アミノ)ヘキサヒドロシクロペンタ[c]ピロール-2(1H)-カルボキシレート(542.8mg、1.43mmol、1eq)のメタノール(2mL)及び1,4-ジオキサン(6mL)溶液に、ジオキサン(7.2mL、20eq)中の4MのHClを滴下で加えた。r.t.にて1.5h後、反応物を減圧下で濃縮し、それ以上精製することなく使用した(452mg、100%)。DMF(8mL)中の塩酸塩(452mg、1.43mmol、1eq)に、テトラヒドロ-2H-ピラン-4-カルボン酸(233mg、1.79mmol、1.25eq)及びDIPEA(1.25mL、5eq)を加え、それに続いてHATU(816mg、2.15mmol、1.5eq)を加えた。2h後、反応物をRP-HPLC(20minに亘り0.05%NHOH溶液中の5~60%MeCN)によって精製した。生成物を含有する画分を濃縮し、表題化合物を白色の固体として得た。H NMR(400MHz,CDCl)δ 6.87(s,1H),5.10-4.92(m,1H),4.74-4.61(m,1H),4.06-3.95(m,2H),3.78-3.67(m,2H),3.48-3.30(m,4H),3.01-2.89(m,1H),2.89-2.79(m,1H)2.63-2.53(m,1H),2.24-2.14(m,1H),2.13-2.03(m,1H),1.95-1.80(m,4H),1.68-1.53(m,3H),1.10-1.01(m,2H),0.69-0.62(m,2H).ES-MS[M+H]+=391.5.
Figure 2024500880000163

((3aR,5s,6aS)-5-((4-シクロプロピル-6-(4-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-イル)ピリダジン-3-イル)アミノ)ヘキサヒドロシクロペンタ[c]ピロール-2(1H)-イル)(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)メタノン。((3aR,5s,6aS)-5-((6-クロロ-4-シクロプロピルピリダジン-3-イル)アミノ)ヘキサヒドロシクロペンタ[c]ピロール-2(1H)-イル)(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)メタノン(111mg、0.28mmol、1eq)、3-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-4-(トリフルオロメチル)ピリジン(116mg、0.43mmol、1.5eq)、炭酸カリウム(119mg、0.85mmol、3eq)、及びBrettPhos-Pd-G3(38.7mg、0.043mmol、0.15eq)をバイアル中で密封し、不活性雰囲気下に置いた。5:1の1,4-ジオキサン/HO(全部で3mL、真空下で脱気)をシリンジによって加えた。100℃にて3h後、反応物を冷却し、HOで希釈し、DCMで抽出し、相分離器を通過させた。濃縮した粗製物を順相クロマトグラフィー(DCM中の0~10%MeOH)によって精製し、表題化合物を淡黄色の固体(42mg、30%)として得た。H NMR(400MHz,MeOD)δ 8.86(d,J=5.3Hz,1H),8.76(s,1H),7.83(d,J=5.2Hz,1H),7.14(s,1H),4.82-4.73(m,1H),4.00-3.94(m,2H),3.87(dd,J=10.9,8.5Hz,2H),3.70(dd,J=12.4,8.6Hz,1H),3.56-3.45(m,3H),3.40(dd,J=12.6,4.7Hz,1H),3.09-2.99(m,1H),2.99-2.89(m,1H),2.83(tt,J=11.3,3.9Hz,1H),2.19(ddd,J=13.4,6.8,4.0Hz,1H),2.10-1.95(m,3H),1.87-1.71(m,3H),1.71-1.61(m,1H),1.14-1.08(m,2H),0.74-0.69(m,2H).ES-MS[M+H]+=502.2.
Figure 2024500880000164

(3aR,5s,6aS)-N-(4-シクロプロピル-6-(4-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-イル)ピリダジン-3-イル)-2-((テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)メチル-d)オクタヒドロシクロペンタ[c]ピロール-5-アミン。((3aR,5s,6aS)-5-((4-シクロプロピル-6-(4-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-イル)ピリダジン-3-イル)アミノ)ヘキサヒドロシクロペンタ[c]ピロール-2(1H)-イル)(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)メタノン(42mg、0.084mmol、1eq)のTHF(3mL)溶液に、0℃にて重水素化リチウムアルミニウム(16mg、0.42mmol、5eq)を加えた。このように得られた黄色-オレンジ色の溶液をr.t.へと温める間に1h撹拌し、次いで、HO(0.05mL)でクエンチした。15min.後、水性混合物をMgSOで乾燥させ、DCMですすぎ、濃縮した。濃縮した残渣をRP-HPLC(4minに亘り0.1%TFA溶液中の10~40%MeCN)によって精製した。生成物を含有する画分をsat.NaHCOsoln.で塩基性化し、DCMで抽出した。有機物を、相分離器を通して濾過し、濃縮し、表題化合物をオフホワイト色の固体として得た。H NMR(400MHz,MeOD)δ 8.86(d,J=5.3,1H),8.77(s,1H),7.84(d,J=5.3Hz,1H),7.14(s,1H),4.82-4.73(m,1H),3.93(dd,J=11.5,4.9Hz,2H),3.42(td,J=11.9,2.0Hz,2H),2.98-2.91(m,2H),2.83-2.76(m,2H),2.18(dd,J=9.2,5.7Hz,1H),2.04(dd,J=12.5,6.1Hz,2H),1.86-1.70(m,6H),1.33-1.21(m,2H),1.13-1.07(m,2H),0.73-0.68(m,2H).ES-MS[M+H]=490.2.
実施例17.(3aR,5s,6aS)-N-(4-メチル-6-(4-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-イル)ピリダジン-3-イル)-2-((テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)メチル-d)オクタヒドロシクロペンタ[c]ピロール-5-アミン
Figure 2024500880000165

tert-ブチル(3aR,5s,6aS)-5-((6-クロロ-4-メチルピリダジン-3-イル)アミノ)ヘキサヒドロシクロペンタ[c]ピロール-2(1H)-カルボキシレート及びtert-ブチル(3aR,5s,6aS)-5-((6-クロロ-5-メチルピリダジン-3-イル)アミノ)ヘキサヒドロシクロペンタ[c]ピロール-2(1H)-カルボキシレート。tert-ブチル(3aR,5s,6aS)-5-アミノヘキサヒドロシクロペンタ[c]ピロール-2(1H)-カルボキシレート(2500mg、11mmol、1eq)、3,6-ジクロロ-4-メチルピリダジン(2520mg、15mmol、1.4eq)、炭酸セシウム(7200mg、22mmol、2eq)、パラジウム(II)アセテート(125mg、0.55mmol、0.05eq)、及びラセミBINAP(1000mg、1.7mmol、0.15eq)をバイアル中に密封し、不活性雰囲気下に置いた。トルエン(40mL)をシリンジによって加えた。110℃にて一晩加熱した後、反応物を冷却し、Celite(登録商標)を通してEtOAcと共に濾過した。溶媒を除去し、残渣をカラムクロマトグラフィー(ヘキサン中の3~80%EtOAc)によって精製し、表題化合物を黄褐色の固体として得た。主要な生成物:(259.7mg、22%)H-NMR(400MHz,CDCl)δ 7.0(s,1H),4.73-4.64(m,1H),4.12(d,J=5.7Hz,1H),3.64-3.53(m,2H),3.48(d,J=5.3Hz),3.18-3.13(m,2H),2.86-2.76(m,2H),2.19-2.06(m,5H),1.83-1.71(m,2H),1.45(s,9H).ES-MS[M+H-]-t-ブチル=297.4.微量な生成物:(43.5mg、4%)H-NMR(400MHz,CDCl)δ 6.49(s,1H),4.80-4.71(m,1H),4.31-4.21(m,1H),3.61-3.50(m,2H),3.25-3.13(m,2H),2.86-2.76(m,2H),2.28(s,3H),2.03-1.95(m,2H),1.85-1.76(m,2H),1.45(s,9H).ES-MS[M+H]-t-ブチル=297.4.
Figure 2024500880000166

tert-ブチル(3aR,5s,6aS)-5-((4-メチル-6-(4-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-イル)ピリダジン-3-イル)アミノ)ヘキサヒドロシクロペンタ[c]ピロール-2(1H)-カルボキシレート。tert-ブチル(3aR,5s,6aS)-5-((6-クロロ-4-メチルピリダジン-3-イル)アミノ)ヘキサヒドロシクロペンタ[c]ピロール-2(1H)-カルボキシレート(1200mg、3.4mmol、1eq)、3-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-4-(トリフルオロメチル)ピリジン(2800mg、10mmol、3eq)、炭酸カリウム(1400mg、10mmol、3eq)、及びBrettPhos-Pd-G3(620mg、0.68mmol、0.2eq)をバイアル中で密封し、不活性雰囲気下に置いた。5:1の1,4-ジオキサン/HO(全部で15mL、真空下で脱気)をシリンジによって加えた。100℃にて4h後、反応物を冷却し、HOに希釈し、DCMで抽出した。粗残渣を順相クロマトグラフィー(ヘキサン中の3~100%EtOAc、次いで、DCM中の0~10%MeOH)によって精製し、表題化合物を黄褐色の固体(1087mg、69%)として得た。H NMR(400MHz,CDCl)δ 8.84(s,1H),8.78(d,J=5.2Hz,1H),7.59(d,J=5.1Hz,1H),7.14(s,1H),4.87-4.78(m,1H),4.62-4.55(m,1H),3.62-3.51(m,2H),3.20-3.13(d,J=11.3Hz,2H),2.85-2.78(m,2H),2.17-2.08(m,2H),2.15(s,3H),1.88-1.79(m,2H),1.42(s,9H).ES-MS[M+H]=464.1.
Figure 2024500880000167

(3aR,5s,6aS)-N-(4-メチル-6-(4-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-イル)ピリダジン-3-イル)-2-((テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)メチル-d)オクタヒドロシクロペンタ[c]ピロール-5-アミン。MeOH(2mL)中のtert-ブチル(3aR,5s,6aS)-5-((4-メチル-6-(4-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-イル)ピリダジン-3-イル)アミノ)ヘキサヒドロシクロペンタ[c]ピロール-2(1H)-カルボキシレート(900mg、1.9mmol、1eq)に、4MのHCl(10mL、21eq)を滴下で加えた。r.t.にて30min.後、溶媒を減圧下で濃縮し、このように得られた白色の固体をそれ以上精製することなく使用した(776mg、100%)。1,4-ジオキサン(8mL)中の塩酸塩(776mg、1.9mmol、1eq)に、4-(ブロモメチル-d2)テトラヒドロ-2H-ピラン(530mg、2.9mmol、1.5eq)を加え、それに続いてHO(2mL)に懸濁させたNaOH(640mg、16mmol、8eq)を滴下で加えた。100℃にて18h後、反応物を冷却し、HOに希釈し、DCMで抽出した。粗残渣をRP-HPLC(20min.に亘り0.1%TFA溶液中の3~33%MeCN)によって精製した。生成物を含有する画分をsat.NaHCOsoln.で塩基性化し、DCMで抽出し、表題化合物を白色の固体(570mg、63%)として得た。H NMR(400MHz,MeOD)δ 8.86(d,J=5.2,1H),8.77(s,1H),7.83(d,J=5.2Hz,1H),7.32(s,1H),4.80-4.72(m,1H),3.93(dd,J=11.6,4.7,2H),3.42(td,J=11.8,2.0Hz,2H),3.00-2.93(m,2H),2.83-2.75(m,2H),2.22(s,3H),2.19-2.14(m,2H),2.07-2.00(m,2H),1.83-1.70(m,5H),1.31-1.20(m,2H).ES-MS[M+H]=464.2.
実施例18.N-((3aR,5s,6aS)-2-((テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)メチル-d)オクタヒドロシクロペンタ[c]ピロール-5-イル)-7-(4-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-イル)チエノ[2,3-d]ピリダジン-4-アミン及びN-((3aR,5s,6aS)-2-((テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)メチル-d)オクタヒドロシクロペンタ[c]ピロール-5-イル)-4-(4-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-イル)チエノ[2,3-d]ピリダジン-7-アミン
Figure 2024500880000168

tert-ブチル(3aR,5s,6aS)-5-((7-クロロチエノ[2,3-d]ピリダジン-4-イル)アミノ)ヘキサヒドロシクロペンタ[c]ピロール-2(1H)-カルボキシレート及びtert-ブチル(3aR,5s,6aS)-5-((4-クロロチエノ[2,3-d]ピリダジン-7-イル)アミノ)ヘキサヒドロシクロペンタ[c]ピロール-2(1H)-カルボキシレート。tert-ブチル(3aR,5s,6aS)-5-アミノヘキサヒドロシクロペンタ[c]ピロール-2(1H)-カルボキシレート(250mg、1.10mmol、1eq)及び4,7-ジクロロチエノ[2,3-d]ピリダジン(453mg、2.21mmol、2eq)のt-ブタノール(2mL)溶液に、DIPEA(0.58mL、3.31mmol、3eq)を加えた。このように得られた溶液をマイクロ波照射下で150℃にて2h加熱し、この時間の後で、溶媒を濃縮し、粗残渣をカラムクロマトグラフィー(ヘキサン中の3~80%EtOAc)によって精製し、クロロチエノピリダジン位置異性体の混合物を得て、これを超臨界流体クロマトグラフィー(4.6×250mmのLux Cellulose-4カラム;エタノール共溶媒を伴う25%の無勾配(isocratic gradient)、40℃にて80mL/min)によってさらに分離し、両方の表題化合物をオフホワイト色の固体として得た。主要な生成物:(183mg、42%)。H-NMR(400MHz,CDCl)δ 7.74(d,J=5.4Hz,1H),7.34(d,J=5.4Hz,1H),4.86-4.77(m,2H),3.65-3.55(m,2H),3.27-3.15(m,2H),2.89-2.80(m,2H),2.24-2.09(m,2H),1.94-1.81(m,2H),1.46(s,9H).ES-MS[M+H]=395.4.微量な生成物:(92mg、21%)。H-NMR(400MHz,CDCl)δ 7.72(d,J=5.3Hz,1H),7.50(d,J=5.3Hz,1H),4.87-4.78(m,1H),4.53(d,J=6.5Hz,1H),3.65-3.55(m,2H),3.28-3.16(m,2H),2.90-2.81(m,2H),2.23-2.09(m,2H),1.95-1.83(m,2H),1.47(s,9H).ES-MS[M+H]=395.4.
Figure 2024500880000169

tert-ブチル(3aR,5s,6aS)-5-((7-(4-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-イル)チエノ[2,3-d]ピリダジン-4-イル)アミノ)ヘキサヒドロシクロペンタ[c]ピロール-2(1H)-カルボキシレート。Tert-ブチル(3aR,5s,6aS)-5-((7-クロロチエノ[2,3-d]ピリダジン-4-イル)アミノ)ヘキサヒドロシクロペンタ[c]ピロール-2(1H)-カルボキシレート(250mg、0.63mmol、1eq)、3-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-4-(トリフルオロメチル)ピリジン(520mg、1.9mmol、3eq)、炭酸カリウム(270mg、1.9mmol、3eq)、及びBrettPhos-Pd-G3(110mg、0.13mmol、0.2eq)をバイアル中で密封し、不活性雰囲気下に置いた。5:1の1,4-ジオキサン/HO(全部で4mL、真空下で脱気)をシリンジによって加えた。100℃にて4h後、反応物を冷却し、HOに希釈し、DCMで抽出した。粗残渣をRP-HPLC(12min.に亘り0.1%TFA水溶液中の20~70%MeCN)によって精製した。生成物を含有する画分をsat.NaHCOで遊離塩基に変換し、DCMで抽出し、表題化合物を白色の固体(22.3mg、7%)として得た。H NMR(400MHz,MeOD)δ 8.98(d,J=5.3,1H),8.87(s,1H),7.98(d,J=5.4Hz,1H),7.93(d,J=5.2Hz,1H),7.88(d,J=5.4Hz,1H),4.89-4.81(m,1H),3.61(dd,J=11.2,8.1Hz,2H),3.25(dd,J=11.4,4.1Hz,2H),2.97-2.90(dq,J=8.1,4.4Hz,2H),2.16-2.07(m,2H),2.07-1.98(m,2H),1.47(s,9H).ES-MS[M+H]=506.2.
Figure 2024500880000170

N-((3aR,5s,6aS)-2-((テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)メチル-d)オクタヒドロシクロペンタ[c]ピロール-5-イル)-7-(4-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-イル)チエノ[2,3-d]ピリダジン-4-アミン。tert-ブチル(3aR,5s,6aS)-5-((7-(4-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-イル)チエノ[2,3-d]ピリダジン-4-イル)アミノ)ヘキサヒドロシクロペンタ[c]ピロール-2(1H)-カルボキシレート(22.3mg、0.044mmol、1eq)に、ジオキサンsoln.(0.33mL、30eq)中の4MのHClを加えた。r.t.にて1h撹拌した後、溶媒を除去し、それ以上精製することなく使用した(19.5mg、100%)。1,4-ジオキサン(1mL)中の塩酸塩(19.5mg、0.044mmol、1eq)に、4-(ブロモメチル-d2)テトラヒドロ-2H-ピラン(12mg、0.066mmol、1.5eq)を加え、それに続いてHO(0.2mL)中のNaOH(14mg、0.35mmol、8eq)を滴下で加えた。100℃にて一晩撹拌した後、反応物を冷却し、HOに希釈し、DCMで抽出した。粗残渣をRP-HPLC(5minに亘り0.1%TFA溶液中の3~35%MeCN)によって精製した。生成物を含有する画分をsat.NaHCOで塩基性化し、DCMで抽出し、表題化合物を白色の固体(10mg、45%)として得た。H NMR(400MHz,MeOD)δ 8.98(d,J=5.3Hz,1H),8.87(s,1H),7.96(d,J=5.3Hz,1H),7.93(d,J=5.2Hz,1H),7.87(d,J=5.4Hz,1H),4.89-4.80(m,1H),3.93(dd,J=11.5,5.0Hz,2H),3.42(td,J=11.9,2.0Hz,2H),2.96-2.90(m,2H),2.84-2.78(m,2H),2.21(dd,J=9.3,5.7Hz,2H),2.07(dd,J=13.0,6.0Hz,2H),1.88-1.71(m,5H),1.32-1.21(m,2H).ES-MS[M+H]=506.2.
Figure 2024500880000171

tert-ブチル(3aR,5s,6aS)-5-((4-(4-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-イル)チエノ[2,3-d]ピリダジン-7-イル)アミノ)ヘキサヒドロシクロペンタ[c]ピロール-2(1H)-カルボキシレート。tert-ブチル(3aR,5s,6aS)-5-((4-クロロチエノ[2,3-d]ピリダジン-7-イル)アミノ)ヘキサヒドロシクロペンタ[c]ピロール-2(1H)-カルボキシレート(100mg、0.25mmol、1eq)、3-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-4-(トリフルオロメチル)ピリジン(210mg、0.76mmol、3eq)、炭酸カリウム(110mg、0.76mmol、3eq)、及びBrettPhos-Pd-G3(46mg、0.051mmol、0.2eq)をバイアル中で密封し、不活性雰囲気下に置いた。5:1の1,4-ジオキサン/HO(全部で4mL、真空下で脱気)をシリンジによって加えた。100℃にて4h後、反応物を冷却し、HOに希釈し、DCMで抽出した。粗残渣をRP-HPLC(12min.に亘り0.1%TFA水溶液中の20~70%MeCN)によって精製した。生成物を含有する画分をsat.NaHCOで塩基性化し、DCMで抽出し、表題化合物を白色の固体(28.9mg、23%)として得た。H NMR(400MHz,MeOD)δ 8.96(d,J=5.3Hz,1H),8.78(s,1H),7.98(d,J=5.3Hz,1H),7.92(d,J=5.2Hz,1H),7.08(d,J=5.3Hz,1H),4.93-4.85(s,1H),3.60(dd,J=11.3,8.2Hz,2H),3.25(dd,J=11.4,4.0Hz,2H),2.98-2.90(m,2H),2.15-1.99(m,4H),1.47(s,9H).ES-MS[M+H]=506.1.
Figure 2024500880000172

N-((3aR,5s,6aS)-2-((テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)メチル-d)オクタヒドロシクロペンタ[c]ピロール-5-イル)-4-(4-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-イル)チエノ[2,3-d]ピリダジン-7-アミン。tert-ブチル(3aR,5s,6aS)-5-((4-(4-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-イル)チエノ[2,3-d]ピリダジン-7-イル)アミノ)ヘキサヒドロシクロペンタ[c]ピロール-2(1H)-カルボキシレート(28.9mg、0.057mmol、1eq)に、ジオキサン溶液(0.43mL、30eq)中の4MのHClを加えた。r.t.にて1h撹拌した後、溶媒を除去し、それ以上精製することなく使用した(25.3mg、100%)。1,4-ジオキサン(1mL)中の塩酸塩(19.5mg、0.044mmol、1eq)に、4-(ブロモメチル-d2)テトラヒドロ-2H-ピラン(16mg、0.086mmol、1.5eq)を加え、それに続いてHO(0.2mL)中のNaOH(19mg、0.46mmol、8eq)を滴下で加えた。100℃にて一晩撹拌した後、反応物を冷却し、HOに希釈し、DCMで抽出した。粗残渣をRP-HPLC(5minに亘り0.1%TFA溶液中の5~35%MeCN)によって精製した。生成物を含有する画分をsat.NaHCOで塩基性化し、DCMで抽出し、表題化合物を白色の固体(10.9mg、38%)として得た。H NMR(400MHz,MeOD)δ 8.96(d,J=5.3Hz,1H),8.79(s,1H),7.97(d,J=5.2Hz 1H),7.92(d,J=5.3Hz,1H),7.08(d,J=5.3Hz,1H),4.92-4.84(m,1H),3.93(dd,J=11.2,3.9Hz,2H),3.43(td,J=11.8,2.0Hz,2H),2.96-2.90(m,2H),2.85-2.77(s,2H),2.21(dd,J=8.6,5.0Hz,2H),2.07(dd,J=12.5,6.0Hz,2H),1.90-1.70(m,5H),1.33-1.21(m,2H).ES-MS[M+H]=506.2.
実施例19.(3aR,5s,6aS)-N-(4-メトキシ-6-(4-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-イル)ピリダジン-3-イル)-2-((テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)メチル-d)オクタヒドロシクロペンタ[c]ピロール-5-アミン
Figure 2024500880000173

tert-ブチル(3aR,5s,6aS)-5-((6-クロロ-4-メトキシピリダジン-3-イル)アミノ)ヘキサヒドロシクロペンタ[c]ピロール-2(1H)-カルボキシレート。Tert-ブチル(3aR,5s,6aS)-5-アミノヘキサヒドロシクロペンタ[c]ピロール-2(1H)-カルボキシレート(350mg、1.55mol.、1eq)、3,6-ジクロロ-4-メトキシピリダジン(291mg、1.62mmol、1.05eq)、Pd(OAc)(17.5mg、0.077mmol、0.05eq)、ラセミ-BINAP(144mg、0.23mmol、0.15eq)及び炭酸セシウム(1.01g、3.09mmol、2eq)を密封バイアル中で合わせ、不活性雰囲気下に置いた。次いで、トルエン(7mL)をシリンジによって加え、このように得られた混合物を真空下で5min間撹拌し、この時間の後で、反応混合物を不活性雰囲気下に置き、110℃にて一晩撹拌した。反応混合物をr.t.に冷却し、Celite(登録商標)のプラグを通してDCMと共に濾過した。溶媒を減圧下で濃縮し、粗残渣をカラムクロマトグラフィー(ヘキサン中の3~100%EtOAc)によって精製し、表題化合物を白色の固体(260mg、46%)として得た。H-NMR(400MHz,CDCl3)δ 6.53(s,1H),4.81(d,J=6.6Hz,1H),4.67-4.59(m,1H),3.90(s,3H),3.57(br s,2H),3.18(br s,2H),2.86-2.76(m,2H),2.05(br s,2H),1.81(br s,2H),1.45(s,9H).ES-MS[M+H]-t-ブチル=313.4。
Figure 2024500880000174

((3aR,5s,6aS)-5-((6-クロロ-4-メトキシピリダジン-3-イル)アミノ)ヘキサヒドロシクロペンタ[c]ピロール-2(1H)-イル)(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)メタノン。tert-ブチル(3aR,5s,6aS)-5-((6-クロロ-4-メトキシピリダジン-3-イル)アミノ)ヘキサヒドロシクロペンタ[c]ピロール-2(1H)-カルボキシレート(375mg、1.0mmol、1eq)に、ジオキサン溶液(7.6mL、30eq)中の4MのHClを加えた。30min後、溶媒を除去し、このように得られた白色の固体をそれ以上精製することなく使用した(309mg、100%)。DMF(5mL)中の塩酸塩に、テトラヒドロ-2H-ピラン-4-カルボン酸(200mg、1.5mmol、1.5eq)及びDIPEA(0.88mL、5eq)、それに続いてHATU(580mg、1.5mmol、1.5eq)を加えた。r.t.にて1h後、粗製物をRP-HPLC(20minに亘り0.05%NHOH水溶液中の5~60%MeCN)によって精製した。生成物を含有する画分を濃縮し、表題化合物を白色の固体(319.1mg、82%)として得た。H NMR(400MHz,CDCl)δ 6.58(s,1H),5.26-5.05(m,1H),4.71-4.62(m,1H),4.05-3.99(m,2H),3.93(s,3H),3.77-3.69(m,2H),3.49-3.35(m,4H),2.99-2.89(m,1H),2.89-2.79(m,1H),2.60(tt,J=11.4,3.8Hz,1H),2.22-2.15(m,1H),2.09-2.02(m,1H),1.96-1.80(m,4H),1.70-1.55(m,2H).ES-MS[M+H]=381.2.
Figure 2024500880000175

((3aR,5s,6aS)-5-((4-メトキシ-6-(4-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-イル)ピリダジン-3-イル)アミノ)ヘキサヒドロシクロペンタ[c]ピロール-2(1H)-イル)(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)メタノン。((3aR,5s,6aS)-5-((6-クロロ-4-メトキシピリダジン-3-イル)アミノ)ヘキサヒドロシクロペンタ[c]ピロール-2(1H)-イル)(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)メタノン(200mg、0.53mmol、1eq)、3-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-4-(トリフルオロメチル)ピリジン(430mg、1.6mmol、3eq)、炭酸カリウム(220mg、1.6mmol、3eq)、及びBrettPhos-Pd-G3(95mg、0.11mmol、0.2eq)をバイアル中に密封し、不活性雰囲気下に置いた。5:1の1,4-ジオキサン/HO(全部で4mL、真空下で脱気)をシリンジによって加えた。100℃にて4h後、反応物を冷却し、HOに希釈し、DCMで抽出した。粗残渣を順相クロマトグラフィー(DCM中の0~10%MeOH)によって精製し、表題化合物をオフホワイト色の固体(173.8mg、67%)として得た。H NMR(400MHz,MeOD)δ 8.88(d,J=5.2Hz,1H),8.79(s,1H),7.84(d,J=5.2Hz,1H),7.01(s,1H),4.72-4.63(m,1H),3.98(s,3H),4.01-3.94(m,2H),3.85(dd,J=11.1,8.4Hz,1H),3.68(dd,J=12.5,8.7Hz,1H),3.54-3.45(m,3H),3.38(dd,J=12.7,4.7Hz,1H),3.06-2.96(m,1H),2.96-2.86(m,1H),2.82(tt,J=11.3,3.9Hz,1H),2.16-2.09(m,1H),2.04-1.90(m,3H),1.85-1.70(m,3H),1.70-1.60(m,1H).ES-MS[M+H]=492.2.
Figure 2024500880000176

(3aR,5s,6aS)-N-(4-メトキシ-6-(4-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-イル)ピリダジン-3-イル)-2-((テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)メチル-d)オクタヒドロシクロペンタ[c]ピロール-5-アミン。((3aR,5s,6aS)-5-((4-メトキシ-6-(4-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-イル)ピリダジン-3-イル)アミノ)ヘキサヒドロシクロペンタ[c]ピロール-2(1H)-イル)(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)メタノン(170mg、0.35mmol、1eq)をTHF(3mL)に懸濁させ、0℃に冷却した。重水素化リチウムアルミニウム(45mg、1.2mmol、3.4eq)を加えた。1h後r.t.へと温める間に、反応物をHO(50μL)でクエンチし、それに続いて15min撹拌した。反応混合物をMgSO上で乾燥させ、DCMですすぎ、濃縮した。粗残渣をRP-HPLC(12minに亘り0.1%TFA水溶液中5~35%MeCN)によって精製した。生成物を含有する画分をsat.NaHCOsoln.で塩基性化し、DCMで抽出し、表題化合物を淡黄色の固体(25.4mg、15%)として得た。H NMR(400MHz,MeOD)δ 8.88(d,J=5.3,1H),8.80(s,1H),7.85(d,J=5.2Hz,1H),7.01(s,1H),4.71-4.63(m,1H),3.97(s,3H),3.93(d,J=11.3,4.0Hz,2H),3.42(td,J=11.9,1.9Hz,2H),2.94-2.88(m,2H),2.80-2.73(m,2H),2.16(dd,J=9.1,5.6Hz,2H),1.99(dd,J=13.0,6.0,Hz,2H),1.81-1.69(m,5H),1.32-1.20(m,2H).ES-MS[M+H]=480.2
実施例20.(3aR,5s,6aS)-N-(4-(ジフルオロメチル)-6-(4-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-イル)ピリダジン-3-イル)-2-((テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)メチル-d)オクタヒドロシクロペンタ[c]ピロール-5-アミン
Figure 2024500880000177

tert-ブチル(3aR,5s,6aS)-5-((6-クロロ-4-(ジフルオロメチル)ピリダジン-3-イル)アミノ)ヘキサヒドロシクロペンタ[c]ピロール-2(1H)-カルボキシレート及びtert-ブチル(3aR,5s,6aS)-5-((6-クロロ-5-(ジフルオロメチル)ピリダジン-3-イル)アミノ)ヘキサヒドロシクロペンタ[c]ピロール-2(1H)-カルボキシレート。tert-ブチル(3aR,5s,6aS)-5-アミノヘキサヒドロシクロペンタ[c]ピロール-2(1H)-カルボキシレート(700mg、3.1mmol、1eq)及び3,6-ジクロロ-4-(ジフルオロメチル)ピリダジン(770mg、3.9mmol、1.25eq)のt-ブタノール(8mL)溶液に、DIPEA(1.6mL、9.28mmol、3eq)を加えた。このように得られた溶液をマイクロ波照射下で150℃にて4h加熱し、この時間の後で、溶媒を除去し、残渣をカラムクロマトグラフィーによって精製し、両方の表題化合物を赤茶色の油として得た。主要な生成物:H-NMR(400MHz,CDCl)δ 7.26(s,1H),6.68-6.4(t,J=51.0Hz 1H),4.92-4.82(m,1H),4.81-4.71(m,1H),3.66-3.56(m,2H),3.25-3.17(m,2H),2.90-2.71(m,2H),2.19-2.09(m,2H),1.90-1.79(m,2H),1.48(s,9H),ES-MS[M+H]-t-ブチル= 333.2.微量な生成物:(383.8mg、32%)H-NMR(400MHz,CDCl)δ 6.99(s,1H),6.87-6.6(t,J=52.5Hz,1H),5.87-5.76(m,1H),4.43-4.34(m,2H),3.62-3.53(m,2H),3.27-3.18(m,2H),2.92-2.82(m,2H),2.09-2.01(m,2H),1.93-1.84(m,2H),1.47(s,9H)ES-MS[M+H]-t-ブチル=333.2.
Figure 2024500880000178

tert-ブチル(3aR,5s,6aS)-5-((4-(ジフルオロメチル)-6-(4-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-イル)ピリダジン-3-イル)アミノ)ヘキサヒドロシクロペンタ[c]ピロール-2(1H)-カルボキシレート。Tert-ブチル(3aR,5s,6aS)-5-((6-クロロ-4-(ジフルオロメチル)ピリダジン-3-イル)アミノ)ヘキサヒドロシクロペンタ[c]ピロール-2(1H)-カルボキシレート(145mg、0.37mmol、1eq)、3-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-4-(トリフルオロメチル)ピリジン(305mg、1.1mmol、3eq)、炭酸カリウム(160mg、1.1mmol、3eq)、及びBrettPhos-Pd-G3(68mg、0.075mmol、0.2eq)をバイアル中で密封し、不活性雰囲気下に置いた。5:1の1,4-ジオキサン/HO(全部で4mL、真空下で脱気)をシリンジによって加えた。100℃にて4h後、反応物を冷却し、HOに希釈し、DCMで抽出した。粗残渣を順相クロマトグラフィー(ヘキサン中の3~100%EtOAc、次いでDCM中の0~10%MeOH)によって精製し、表題化合物を淡黄色-緑色の固体(153.2mg、78%)として得た。H NMR(400MHz,CDCl)δ 8.91(s,1H),8.89(d,J=5.1Hz,1H),7.68(d,J=5.2Hz,1H),7.41(s,1H),6.68(t,J=53.8Hz,1H),5.34-5.20(m,1H),4.97-4.88(m,1H),3.60(dd,J=11.4,7.8Hz,2H),3.22(d,J=11.2Hz,2H),2.91-2.84(m,2H),2.21-2.14(m,2H),1.95-1.87(m,2H),1.46(s,9H).ES-MS[M+H]=444.2.
Figure 2024500880000179

(3aR,5s,6aS)-N-(4-(ジフルオロメチル)-6-(4-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-イル)ピリダジン-3-イル)-2-((テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)メチル-d)オクタヒドロシクロペンタ[c]ピロール-5-アミン。MeOH(1mL)中のtert-ブチル(3aR,5s,6aS)-5-((4-(ジフルオロメチル)-6-(4-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-イル)ピリダジン-3-イル)アミノ)ヘキサヒドロシクロペンタ[c]ピロール-2(1H)-カルボキシレート(138mg、0.28mmol、1eq)に、ジオキサン(1.4mL、21eq)中の4MのHClを加えた。r.t.にて30min後、溶媒を除去し、このように得られたオフホワイト色の固体をそれ以上精製することなく使用した(120mg、100%)。DMF(1mL)中の塩酸塩(30mg、0.069mmol、1eq)に、4-(ブロモメチル-d2)テトラヒドロ-2H-ピラン(25mg、0.14mmol、2eq)及び炭酸セシウム(45mg、0.14mmol、2eq)を加えた。100℃にて一晩撹拌した後、粗製物をRP-HPLC(6minに亘り0.1%TFA水溶液中の5~45%MeCN)によって精製した。生成物を含有する画分をsat.NaHCOsoln.で塩基性化し、DCMで抽出し、表題化合物をオフホワイト色の固体(5.7mg、17%)として得た。H NMR(400MHz,MeOD)δ 8.90(d,J=5.2Hz,1H),8.83(s,1H),7.87(d,J=5.2Hz,1H),7.64(s,1H),6.97(t,J=53.8Hz,1H),4.87-4.80(m,1H),3.93(dd,J=11.4,3.9Hz,2H),3.42(td,J=11.9,2.0Hz,2H),2.95-2.87(m,2H),2.84-2.75(m,2H),2.25(dd,J=8.8,4.7Hz,2H),2.04(dd,J=12.7,6.0Hz,2H),1.84-1.70(m,5H),1.33-1.21(m,2H).ES-MS[M+H]=500.2.
実施例21.2,2-ジフルオロ-2-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)エチル-1,1-d4-メチルベンゼンスルホネート
Figure 2024500880000180

2,2-ジフルオロ-2-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)エチル-1,1-d4-メチルベンゼンスルホネート。重水素化リチウムアルミニウム(208mg、5.48mmol、2.1eq)のTHF(20mL)溶液を0℃に冷却し、2,2-ジフルオロ-2-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)酢酸(470mg、2.61mmol、1eq)を加えた。反応混合物を0℃にて15min間撹拌し、次いで、r.t.に温めた。2h後、反応混合物をHO(0.05mL)及び1MのNaOH(0.15mL)をゆっくりと加えることによってクエンチした。さらに30min撹拌した後、沈殿物を濾過によって除去し、THFですすいだ。約10mLの溶液が残存するまで溶媒を殆ど濃縮乾燥させた。この溶液に、DCM(30mL)及びトリメチルアミン(0.8mL、5.74mmol、2.2eq)を撹拌しながら加えた。次いで、塩化トシル(597mg、3.13mmol、1.2eq)を加え、反応混合物を一晩撹拌した。溶媒を濃縮し、粗残渣をカラムクロマトグラフィー(ヘキサン中の3~80%EtOAc)によって精製し、表題化合物を白色の固体(2ステップに亘り362mg、43%)として得た。H NMR(400MHz,CDCl)δ 7.81(d,J=8.3Hz,2H),7.38(d,J=8.0Hz,2H),4.01(dt,J=11.4,3.3Hz,2H),3.35(ddd,J=11.6,8.7,5.6Hz,2H),2.47(s,3H),2.27-2.12(m,1H),1.64-1.52(m,4H).ES-MS[M+H]=323.0.
実施例22.(3aR,5s,6aS)-2-((テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)メチル)-N-(6-(4-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-イル)ピリダジン-3-イル)オクタヒドロシクロペンタ[c]ピロール-5-アミン
Figure 2024500880000181

(3aR,5s,6aS)-N-(6-クロロピリダジン-3-イル)-2-((テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)メチル)オクタヒドロシクロペンタ[c]ピロール-5-アミン(65mg、0.19mmol、1eq)、3-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-4-(トリフルオロメチル)ピリジン(63mg、0.23mmol、1.2eq)、炭酸カリウム(81mg、0.58mmol、3eq)及びBrettPhos-Pd-G3(18mg、0.019mmol、0.1eq)をバイアル中で合わせ、これを密封し、不活性雰囲気下に置いた。次いで、5:1の1,4-ジオキサン/HO溶液(全部で1mL、真空下で脱気)をシリンジによって加えた。このように得られた反応混合物を100℃にて1h撹拌し、この時間の後で、反応物をr.t.に冷却し、DCM及びHOで希釈した。水層をDCMで抽出し、合わせた有機抽出物を、相分離器を通して濾過し、濃縮した。粗残渣をRP-HPLC(10minに亘り0.1%TFA水溶液中の2~32%MeCN)によって精製した。生成物を含有する画分をsat.NaHCOで塩基性化し、DCMで抽出した。合わせた有機抽出物を、相分離器を通して濾過し、濃縮し、表題化合物を白色の固体(11mg、13%)として得た。H NMR(400MHz,MeOD)δ 8.77(dd,J=5.3,0.8Hz,1H),8.69(s,1H),7.74(d,J=5.2Hz,1H),7.32(dd,J=9.3,0.7Hz,1H),6.84(d,J=9.3Hz,1H),4.47-4.39(m,1H),3.83(dd,J=11.7,4.2Hz,2H),3.32(td,J=11.9,2.0Hz,2H),2.78-2.63(m,4H),2.23(d,J=6.8Hz,2H),2.16(d,J=7.6Hz,2H),1.88(dd,J=12.6,5.9Hz,2H),1.73-1.59(m,5H),1.25-1.08(m,2H).ES-MS[M+H]=448.2.
実施例23.(3aR,5s,6aS)-2-((テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)メチル-d)-N-(6-(2-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-イル)ピリダジン-3-イル)オクタヒドロシクロペンタ[c]ピロール-5-アミン
Figure 2024500880000182

(3aR,5s,6aS)-N-(6-クロロピリダジン-3-イル)-2-((テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)メチル-d)オクタヒドロシクロペンタ[c]ピロール-5-アミン(500mg、1.48mmol、1eq)、(2-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-イル)ボロン酸(423mg、2.21mmol、1.5eq)、炭酸カリウム(620mg、4.43mmol、3eq)及びBrettPhos-Pd-G3(134mg、0.148mmol、0.1eq)をバイアル中で合わせ、これを密封し、不活性雰囲気下に置いた。次いで、5:1の1,4-ジオキサン/HO溶液(全部で10mL、真空下で脱気)をシリンジによって加えた。このように得られた反応混合物を100℃にて22h撹拌し、この時間の後で、反応混合物をr.t.に冷却し、HOで希釈し、DCMで抽出した。溶媒を除去し、粗残渣をRP-HPLC(20minに亘り0.1%TFA水溶液中の2~35%MeCN)によって精製した。生成物を含有する画分をsat.NaHCO3溶液で塩基性化し、DCMで抽出し、有機溶媒を濃縮した。化合物をRP-HPLC(10minに亘り0.05%NH4OH水溶液中の20~50%MeCN)によるさらなる精製に供した。生成物を含有する画分をDCMで抽出し、有機溶媒を濃縮し、表題化合物を白色の固体(165.6mg、25%)として得た。H NMR(400MHz,MeOD)δ 8.76(dd,J=4.7,0.9Hz,1H),8.03(dd,J=7.9,0.9Hz,1H),7.76(dd,J=8.0,4.8Hz,1H),7.39(d,J=9.3Hz,1H),6.93(d,J=9.3Hz,1H),4.57-4.47(m,1H),3.93(dd,J=11.1,3.3Hz,2H),3.42(td,J=11.9,2.0Hz,2H),2.86-2.72(m,4H),2.28-2.20(m,2H),2.01-1.93(m,2H),1.81-1.67(m,5H),1.36-1.19(m,2H).ES-MS[M+H]=450.2.
実施例24.(3aR,5S,6aS)-2-(((R)-1,4-ジオキサン-2-イル)メチル-d)-N-(6-(4-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-イル)ピリダジン-3-イル)オクタヒドロシクロペンタ[c]ピロール-5-アミン
Figure 2024500880000183

((3aR,5s,6aS)-5-((6-クロロピリダジン-3-イル)アミノ)ヘキサヒドロシクロペンタ[c]ピロール-2(1H)-イル)((S)-1,4-ジオキサン-2-イル)メタノン。(3aR,5s,6aS)-N-(6-クロロピリダジン-3-イル)オクタヒドロシクロペンタ[c]ピロール-5-アミン(310mg、1.30mmol、1eq)及び(S)-1,4-ジオキサン-2-カルボン酸(223mg、1.69mmol、1.3eq)を、DMF(10mL)に溶解した。DIPEA(0.68mL、3.90mmol、3eq)、次いで、HATU(741mg、1.95mmol、1.5eq)を反応混合物に加え、r.t.にて2h撹拌した。反応混合物をHOで希釈し、DCMで抽出した。溶媒を濃縮し、粗残渣をRP-HPLC(20minに亘り0.1%TFA水溶液中の2~22%MeCN)によって精製した。生成物を含有する画分をsat.NaHCO3溶液で塩基性化し、DCMで抽出し、有機溶媒を濃縮し、表題化合物を白色の固体(458.2mg、38%)として得た。ES-MS[M+H]+=353.1。
Figure 2024500880000184

(3aR,5s,6aS)-2-(((R)-1,4-ジオキサン-2-イル)メチル-d)-N-(6-クロロピリダジン-3-イル)オクタヒドロシクロペンタ[c]ピロール-5-アミン。((3aR,5s,6aS)-5-((6-クロロピリダジン-3-イル)アミノ)ヘキサヒドロシクロペンタ[c]ピロール-2(1H)-イル)((S)-1,4-ジオキサン-2-イル)メタノン(172mg、0.49mmol、1eq)をTHF(4mL)に溶解した。重水素化リチウムアルミニウム(93mg、2.44mmol、5eq)をゆっくりと加え、反応混合物をr.t.にて1h撹拌した。逐次的に、HO(92μL)、1MのNaOH(92μL)、HO(92μL)それに続いてMgSOを混合物に加え、これをさらに5min間撹拌した。固体をEtOで複数回洗浄し、溶媒を濾過し、濃縮し、表題化合物を白色の固体(166.1mg、100%)として得た。ES-MS[M+H]=341.2。
Figure 2024500880000185

(3aR,5s,6aS)-2-(((R)-1,4-ジオキサン-2-イル)メチル-d)-N-(6-(4-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-イル)ピリダジン-3-イル)オクタヒドロシクロペンタ[c]ピロール-5-アミン。(3aR,5s,6aS)-2-(((R)-1,4-ジオキサン-2-イル)メチル-d)-N-(6-クロロピリダジン-3-イル)オクタヒドロシクロペンタ[c]ピロール-5-アミン(166mg、0.49mmol、1eq)、3-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-4-(トリフルオロメチル)ピリジン(0.17mL、0.73mmol、1.5eq)、炭酸カリウム(205mg、1.46mmol、3eq)及びBrettPhos-Pd-G3(44mg、0.049mmol、0.1eq)をバイアル中で合わせ、これを密封し、不活性雰囲気下に置いた。次いで、5:1の1,4-ジオキサン/HO溶液(全部で3mL、真空下で脱気)をシリンジによって加えた。このように得られた反応混合物を100℃にて5日間撹拌し、この時間の後で、反応混合物をr.t.に冷却し、HOで希釈し、DCMで抽出した。溶媒を除去し、粗残渣をRP-HPLC(10minに亘り0.1%TFA水溶液中の2~27%MeCN)によって精製した。生成物を含有する画分をsat.NaHCO3溶液で塩基性化し、DCMで抽出し、有機溶媒を濃縮し、表題化合物を白色の固体(23.6mg、11%)として得た。H NMR(400MHz,MeOD)δ 8.87(d,J=5.2Hz,1H),8.79(s,1H),7.84(d,J=5.2Hz,1H),7.43(d,J=9.3Hz,1H),6.95(d,J=9.3Hz,1H),4.56-4.47(m,1H),3.80-3.65(m,5H),3.58(dd,J=11.5,2.7Hz,1H),3.29(d,J=1.5Hz,1H),2.93(dt,J=16.0,8.3Hz,2H),2.84-2.72(m,2H),2.26(dt,J=9.4,6.2Hz,2H),1.97(dd,J=13.2,5.8Hz,2H),1.75(dt,J=12.8,8.2Hz,2H),ES-MS[M+H]=452.1.
実施例25.(3aR,5S,6aS)-3a-メチル-2-((テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル-2,2,6,6-d)メチル-d)-N-(6-(4-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-イル)ピリダジン-3-イル)オクタヒドロシクロペンタ[c]ピロール-5-アミン及び(3aS,5R,6aR)-3a-メチル-2-((テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル-2,2,6,6-d)メチル-d)-N-(6-(4-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-イル)ピリダジン-3-イル)オクタヒドロシクロペンタ[c]ピロール-5-アミン
Figure 2024500880000186

tert-ブチル5-((トリエチルシリル)オキシ)-3,3a,4,6a-テトラヒドロシクロペンタ[c]ピロール-2(1H)-カルボキシレート。tert-ブチル(3aR,6aS)-5-オキソヘキサヒドロシクロペンタ[c]ピロール-2(1H)-カルボキシレート(1.0g、4.4mmol、1.0eq)のDMF(17.8mL)溶液に、クロロトリエチルシラン(0.89mL、5.3mmol、1.2eq)を滴下で加えた。次いで、トリエチルアミン(1.48mL、10.7mmol、2.4eq)を不活性雰囲気下にて滴下で加えた。反応は80℃にて一晩進行し、この時間の後で、反応物をr.t.に冷却し、DCM(50mL)及びsat.NaHCO(50mL)で希釈した。水層をDCM(3×50mL)で抽出した。合わせた有機抽出物をMgSOで乾燥させ、溶媒を濾過し、濃縮した。粗残渣をカラムクロマトグラフィー(ヘキサン中の1~10%EtOAc)によって精製し、表題化合物を無色の油(723.6mg、48%)として得た。ES-MS[M+H]-t-ブチル=284.4。
Figure 2024500880000187

tert-ブチル5-オキソ-3,3a,4,5-テトラヒドロシクロペンタ[c]ピロール-2(1H)-カルボキシレート。撹拌したtert-ブチル5-((トリエチルシリル)オキシ)-3,3a,4,6a-テトラヒドロシクロペンタ[c]ピロール-2(1H)-カルボキシレート(724mg、2.1mmol、1.0eq)のMeCN(15mL)溶液に、酢酸パラジウム(II)(531mg、2.3mmol、1.1eq)を加えた。反応物をオープンエアで2h撹拌し、この時間の後で、過剰な触媒をシリンジ濾過によって除去し、溶媒を減圧下で蒸発させ、粗残渣を得た。粗残渣をカラムクロマトグラフィー(ヘキサン中の0~60%EtOAc)によって精製し、表題化合物を茶色の結晶性固体(422mg、89%)として得た。H NMR(400MHz,CDCl)δ 6.07(d,J=10.5Hz,1H),4.25(t,J=10.3Hz,2H),4.06(dt,J=34.8,8.4Hz,1H),3.22(d,J=35.8Hz,2H),2.87(dd,J=10.9,7.0Hz,1H),2.66(dd,J=17.6,8.3Hz,1H),2.18(dt,J=19.4,6.7Hz,1H),1.48(s,9H).ES-MS[M+H]-t-ブチル=168.4。
Figure 2024500880000188

tert-ブチル(3aR,6aS)-3a-メチル-5-オキソヘキサヒドロシクロペンタ[c]ピロール-2(1H)-カルボキシレート及びtert-ブチル(3aS,6aR)-3a-メチル-5-オキソヘキサヒドロシクロペンタ[c]ピロール-2(1H)-カルボキシレート。撹拌したCuI(719mg、3.78mmol、2.0eq)のTHF(2.5mL)懸濁液に、-78℃にてEtO中のMeMgBrの3.0M溶液(1.9mL、5.7mmol、3.0eq)を不活性雰囲気下にて滴下で加えた。このように得られた溶液を-78℃にて30min.間撹拌し、この時間の後で、tert-ブチル5-オキソ-3,3a,4,5-テトラヒドロシクロペンタ[c]ピロール-2(1H)-カルボキシレート(422mg、1.88mmol、1.0eq)のTHF(2.5mL)溶液を滴下で加えた。30分間撹拌した後、反応混合物をr.t.に温め、sat.NHCl(5.0mL)でクエンチした。反応物をEtOAc(50mL)及びHO(50mL)で希釈した。水層をEtOAc(3×50mL)で抽出した。合わせた有機抽出物をMgSOで乾燥させ、溶媒を濾過し、次いで、濃縮した。粗残渣をカラムクロマトグラフィー(ヘキサン中の0~50%EtOAc)によって精製し、表題化合物を白色の固体(310mg、69%)として得た。H NMR(400MHz,CDCl)δ 3.73(d,J=7.2Hz,1H),3.45-3.10(m,3H),2.59-2.43(m,2H),2.39-2.12(m,3H),1.45(s,9H),1.23(s,3H).ES-MS[M+H]+-t-ブチル=184.4.
Figure 2024500880000189

tert-ブチル(3aR,5R,6aS)-5-ヒドロキシ-3a-メチルヘキサヒドロシクロペンタ[c]ピロール-2(1H)-カルボキシレート及びtert-ブチル(3aS,5S,6aR)-5-ヒドロキシ-3a-メチルヘキサヒドロシクロペンタ[c]ピロール-2(1H)-カルボキシレート。撹拌した立体異性体であるtert-ブチル(3aR,6aS)-3a-メチル-5-オキソヘキサヒドロシクロペンタ[c]ピロール-2(1H)-カルボキシレート/tert-ブチル(3aS,6aR)-3a-メチル-5-オキソヘキサヒドロシクロペンタ[c]ピロール-2(1H)-カルボキシレート(310mg、1.3mmol、1.0eq)の混合物のTHF(6.4mL、0.2M)溶液に、-78℃にてLiAlH(OtBu)(1.9mL、1.9mmol、1.3eq)の溶液をシリンジによって滴下で加えた。このように得られた溶液を-78℃にて1h撹拌し、この後で、反応物をHO(0.5mL)、それに続いて1MのNaOH(0.5mL)を-78℃にてゆっくりと加えてクエンチした。反応物をr.t.に温め、15min間撹拌した。MgSOを加え、スラリーを生じさせた。さらに15min.の撹拌後、スラリーをDCM(20mL)で希釈し、固体を濾過によって除去した。次いで、濾液をDCM及びsat.NHCl(50mL)に分配した。水層をEtOAc(3×50mL)で抽出した。合わせた有機抽出物をMgSOで乾燥させ、溶媒を濾過し、濃縮し、無色の粗液体を得て、これはさらなる精製を必要としなかった。ES-MS[M+H]-t-ブチル=184.4。
Figure 2024500880000190

tert-ブチル(3aR,5S,6aS)-5-(1,3-ジオキソイソインドリン-2-イル)-3a-メチルヘキサヒドロシクロペンタ[c]ピロール-2(1H)-カルボキシレート及びtert-ブチル(3aS,5R,6aR)-5-(1,3-ジオキソイソインドリン-2-イル)-3a-メチルヘキサヒドロシクロペンタ[c]ピロール-2(1H)-カルボキシレート。立体異性体であるtert-ブチル(3aR,5R,6aS)-5-ヒドロキシ-3a-メチルヘキサヒドロシクロペンタ[c]ピロール-2(1H)-カルボキシレート/tert-ブチル(3aS,5S,6aR)-5-ヒドロキシ-3a-メチルヘキサヒドロシクロペンタ[c]ピロール-2(1H)-カルボキシレート(433mg、2.9mmol、1.0eq.)及びトリフェニルホスフィン(772mg、2.9mmol、1.0eq)の混合物のTHF(5.0mL、0.45M)溶液に、0℃にてジイソプロピルアゾジカルボキシレート(0.58mL、2.94mmol)のTHF(1mL)溶液を滴下で加えた。フラスコを氷浴から取り出し、r.t.にて1h撹拌し、この時間の後で、反応物をMeOH(0.25mL)でクエンチし、有機物を減圧下で蒸発させた。粗残渣をカラムクロマトグラフィー(ヘキサン中の5~30%EtOAc)によって精製し、表題化合物を白色の固体(422mg、50%)として得た。ES-MS[M+H]-t-ブチル=315.2。
Figure 2024500880000191

tert-ブチル(3aR,5S,6aS)-5-アミノ-3a-メチルヘキサヒドロシクロペンタ[c]ピロール-2(1H)-カルボキシレート及びtert-ブチル(3aS,5R,6aR)-5-アミノ-3a-メチルヘキサヒドロシクロペンタ[c]ピロール-2(1H)-カルボキシレート。撹拌した立体異性体であるtert-ブチル(3aR,5S,6aS)-5-(1,3-ジオキソイソインドリン-2-イル)-3a-メチルヘキサヒドロシクロペンタ[c]ピロール-2(1H)-カルボキシレート/tert-ブチル(3aS,5R,6aR)-5-(1,3-ジオキソイソインドリン-2-イル)-3a-メチルヘキサヒドロシクロペンタ[c]ピロール-2(1H)-カルボキシレート(423mg、1.1mmol、1.0eq)の混合物のEtOH(6mL、0.19M)溶液に、r.t.にてヒドラジン(0.18mL、5.7mmol、5.0eq)を加えた。次いで、反応物を80℃にて1h還流させ、この時間の後で、反応混合物をr.t.に冷却した。固体を濾過によって除去し、EtO(10mL)、次いでDCM(10mL)で洗浄した。有機溶媒を減圧下で蒸発させ、表題化合物を粗液体として得て、これをそれ以上精製することなく使用した(228mg、83%)。ES-MS[M+H]=241.4。
Figure 2024500880000192

tert-ブチル(3aR,5S,6aS)-5-((6-クロロピリダジン-3-イル)アミノ)-3a-メチルヘキサヒドロシクロペンタ[c]ピロール-2(1H)-カルボキシレート及びtert-ブチル(3aS,5R,6aR)-5-((6-クロロピリダジン-3-イル)アミノ)-3a-メチルヘキサヒドロシクロペンタ[c]ピロール-2(1H)-カルボキシレート。立体異性体であるtert-ブチル(3aR,5S,6aS)-5-アミノ-3a-メチルヘキサヒドロシクロペンタ[c]ピロール-2(1H)-カルボキシレート/tert-ブチル(3aS,5R,6aR)-5-アミノ-3a-メチルヘキサヒドロシクロペンタ[c]ピロール-2(1H)-カルボキシレート(490mg、3.8mmol、1.0eq)の混合物のtBuOH(3.2mL)溶液に、固体3,6-ジクロロピリダジン(239mg、1.6mmol、1.7eq)及びDIPEA(0.66mL、3.79mmol、4eq)を加えた。反応槽を150℃での4hのマイクロ波照射に供した。溶媒を減圧下で蒸発させ、粗残渣をカラムクロマトグラフィー(ヘキサン中の0~80%EtOAc)によって精製し、表題化合物を白色の固体(153mg、46%)として得た。ES-MS[M+H]-t-ブチル=297.4
Figure 2024500880000193

tert-ブチル(3aR,5S,6aS)-3a-メチル-5-((6-(4-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-イル)ピリダジン-3-イル)アミノ)ヘキサヒドロシクロペンタ[c]ピロール-2(1H)-カルボキシレート及びtert-ブチル(3aS,5R,6aR)-3a-メチル-5-((6-(4-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-イル)ピリダジン-3-イル)アミノ)ヘキサヒドロシクロペンタ[c]ピロール-2(1H)-カルボキシレート。撹拌棒を有する丸底フラスコに、立体異性体であるtert-ブチル(3aR,5S,6aS)-5-((6-クロロピリダジン-3-イル)アミノ)-3a-メチルヘキサヒドロシクロペンタ[c]ピロール-2(1H)-カルボキシレート/tert-ブチル(3aS,5R,6aR)-5-((6-クロロピリダジン-3-イル)アミノ)-3a-メチルヘキサヒドロシクロペンタ[c]ピロール-2(1H)-カルボキシレート(153.3mg、0.43mmol、1.0eq)、BrettPhos-Pd-G3(98.6mg、0.11mmol、0.25eq)、4-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-ボロン酸ピナコールエステル(355mg、1.3mmol、3.0eq)、及び炭酸カリウム(0.08mL、1.3mmol、3.0eq)の混合物を加えた。フラスコを密封し、次いで、固体を脱気した1,4-ジオキサン/HO溶液(全部で3.6mL)に懸濁させた。次いで、反応物を100℃にて2h.撹拌し、この時間の後で、反応混合物をr.t.に冷却し、DCM(5.0mL)及びHO(5.0mL)で希釈した。有機層を、相分離器を通して濾過し、有機抽出物をNaSOで乾燥させ、濾過し、溶媒を減圧下で蒸発させた。粗残渣をカラムクロマトグラフィー(DCM中の0~90%EtOAc)によって精製し、表題化合物を黄色/茶色の固体(94.5mg、47%)として得た。ES-MS[M+H]=464.4。
Figure 2024500880000194

(3aR,5S,6aS)-3a-メチル-N-(6-(4-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-イル)ピリダジン-3-イル)オクタヒドロシクロペンタ[c]ピロール-5-アミンヒドロクロリド及び(3aS,5R,6aR)-3a-メチル-N-(6-(4-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-イル)ピリダジン-3-イル)オクタヒドロシクロペンタ[c]ピロール-5-アミンヒドロクロリド。撹拌した立体異性体であるtert-ブチル(3aR,5S,6aS)-3a-メチル-5-((6-(4-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-イル)ピリダジン-3-イル)アミノ)ヘキサヒドロシクロペンタ[c]ピロール-2(1H)-カルボキシレート/tert-ブチル(3aS,5R,6aR)-3a-メチル-5-((6-(4-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-イル)ピリダジン-3-イル)アミノ)ヘキサヒドロシクロペンタ[c]ピロール-2(1H)-カルボキシレート(94.5mg、0.20mmol、1.0eq)の混合物のMeOH(0.5mL)溶液に、ジオキサン(0.68mL)中の4MのHClを加えた。このように得られた濁った混合物をr.t.にて1h.撹拌し、この時間の後で、有機溶媒を減圧下で蒸発させ、このように得られたHCl塩を真空下で乾燥させ、表題化合物を白色の固体(88.0mg、100%収率)として得た。ES-MS[M+H]=364.0。
Figure 2024500880000195

((3aR,5S,6aS)-3a-メチル-5-((6-(4-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-イル)ピリダジン-3-イル)アミノ)ヘキサヒドロシクロペンタ[c]ピロール-2(1H)-イル)(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル-2,2,6,6-d)メタノン及び((3aS,5R,6aR)-3a-メチル-5-((6-(4-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-イル)ピリダジン-3-イル)アミノ)ヘキサヒドロシクロペンタ[c]ピロール-2(1H)-イル)(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル-2,2,6,6-d)メタノン。撹拌した立体異性体である(3aR,5S,6aS)-3a-メチル-N-(6-(4-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-イル)ピリダジン-3-イル)オクタヒドロシクロペンタ[c]ピロール-5-アミンヒドロクロリド/(3aS,5R,6aR)-3a-メチル-N-(6-(4-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-イル)ピリダジン-3-イル)オクタヒドロシクロペンタ[c]ピロール-5-アミンヒドロクロリド(112mg、0.26mmol、1.0eq)及び2,2,6,6-テトラジュウテリオテトラヒドロピラン-4-カルボン酸(41.3mg、0.31mmol、1.2eq)の混合物のDMF(5.0mL)溶液に、r.t.にてDIPEA(0.13mL、0.77mmol、3eq)、それに続いてHATU(146mg、0.38mmol、1.5eq)を加えた。反応物をr.t.にて1h.撹拌し、この時間の後で、反応混合物をRP-HPLC(10min.に亘り0.1%TFA水溶液中の5~40%MeCN)によって直接精製した。生成物を含有する画分をsat.NaHCOで塩基性化し、DCMで抽出した。合わせた有機抽出物をMgSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮し、表題化合物を白色の固体(55.2mg、45%収率)として得た。H NMR(400MHz,CDCl)δ 8.88(s,1H),8.84(d,J=5.2Hz,1H),7.64(d,J=5.2Hz,1H),7.35(dd,J=9.1,2.1Hz,1H),6.71(dd,J=9.4,3.1Hz,1H),5.40(s,1H),4.49(dq,J=18.8,7.2Hz,1H),3.83-3.71(m,1H),3.60-3.26(m,3H),2.58(qt,J=11.6,3.9Hz,1H),2.52-2.35(m,2H),2.17(dddd,J=16.5,12.6,7.4,5.0Hz,1H),2.04-1.94(m,2H),1.94-1.82(m,2H),1.67-1.55(m,2H),1.27(d,J=7.1Hz,3H).ES-MS[M+H]=480.0.
Figure 2024500880000196

(3aR,5S,6aS)-3a-メチル-2-((テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル-2,2,6,6-d)メチル-d)-N-(6-(4-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-イル)ピリダジン-3-イル)オクタヒドロシクロペンタ[c]ピロール-5-アミン及び(3aS,5R,6aR)-3a-メチル-2-((テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル-2,2,6,6-d)メチル-d)-N-(6-(4-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-イル)ピリダジン-3-イル)オクタヒドロシクロペンタ[c]ピロール-5-アミン。立体異性体である((3aR,5S,6aS)-3a-メチル-5-((6-(4-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-イル)ピリダジン-3-イル)アミノ)ヘキサヒドロシクロペンタ[c]ピロール-2(1H)-イル)(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル-2,2,6,6-d)メタノン/((3aS,5R,6aR)-3a-メチル-5-((6-(4-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-イル)ピリダジン-3-イル)アミノ)ヘキサヒドロシクロペンタ[c]ピロール-2(1H)-イル)(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル-2,2,6,6-d)メタノン(55.2mg、0.12mmol、1.0eq)の混合物の撹拌した溶液に、r.t.にて重水素化リチウムアルミニウム(21.9mg、0.58mmol、5.0eq)を1回で加えた。反応物をr.t.にて20min.間撹拌を続け、この時間の後で、反応物をEtOで希釈し、1MのNaOH(0.5mL)でクエンチし、30分間撹拌した。次いで、MgSOを加え、スラリーを生じさせた。さらに15min.の撹拌後、スラリーをEtO(20mL)で希釈し、固体を濾過によって除去した。溶媒を減圧下で蒸発させ、このように得られた粗残渣をRP-HPLC(10min.に亘り0.1%TFA水溶液中の5~40%MeCN)によって精製した。生成物を含有する画分をsat.NaHCOで塩基性化し、DCMで抽出した。合わせた有機抽出物をMgSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮し、表題化合物を白色の固体(19.2mg、36%収率)として得た。H NMR(400MHz,CDCl)δ 8.89(s,1H),8.83(d,J=5.2Hz,1H),7.63(d,J=5.2Hz,1H),7.34(d,J=9.2Hz,1H),6.75(d,J=9.3Hz,1H),5.16(s,1H),4.50(s,1H),3.11-2.18(m,8H),2.08(dd,J=13.0,5.8Hz,1H),1.86-1.60(m,4H),1.44(dd,J=12.6,9.8Hz,1H),1.29(d,J=7.9Hz,3H).ES-MS[M+H]=468.1.
実施例26.(3aR,5s,6aS)-2-(2,2-ジフルオロ-2-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)エチル-1,1-d)-N-(6-(4-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-イル)ピリダジン-3-イル)オクタヒドロシクロペンタ[c]ピロール-5-アミン
Figure 2024500880000197

tert-ブチル(3aR,5s,6aS)-5-((6-(4-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-イル)ピリダジン-3-イル)アミノ)ヘキサヒドロシクロペンタ[c]ピロール-2(1H)-カルボキシレート。tert-ブチル(3aR,5s,6aS)-5-((6-クロロピリダジン-3-イル)アミノ)ヘキサヒドロシクロペンタ[c]ピロール-2(1H)-カルボキシレート(660mg、1.95mmol、1eq)、3-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-4-(トリフルオロメチル)ピリジン(1.60g、5.84mmol、3eq)、炭酸カリウム(819mg、5.84mmol、3eq)及びBrettPhos-Pd-G3(354mg、0.39mmol、0.2eq)をバイアル中で合わせ、これを密封し、不活性雰囲気下に置いた。次いで、5:1の1,4-ジオキサン/HO溶液(全部で12mL、真空下で脱気)をシリンジによって加えた。このように得られた反応混合物を100℃にて4h撹拌し、この時間の後で、反応混合物をr.t.に冷却し、HOで希釈し、DCMで抽出した。合わせた有機抽出物を除去し、粗残渣をカラムクロマトグラフィー(ヘキサン中の3~100%EtOAc、次いで、DCM中の0~10%MeOH)によって精製し、表題化合物を淡黄色の固体(620mg、71%)として得た。ES-MS[M+H]=450.3。
Figure 2024500880000198

(3aR,5s,6aS)-2-(2,2-ジフルオロ-2-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)エチル-1,1-d)-N-(6-(4-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-イル)ピリダジン-3-イル)オクタヒドロシクロペンタ[c]ピロール-5-アミン。tert-ブチル(3aR,5s,6aS)-5-((6-(4-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-イル)ピリダジン-3-イル)アミノ)ヘキサヒドロシクロペンタ[c]ピロール-2(1H)-カルボキシレート(400mg、0.89mmol、1eq)をMeOH(1mL)に溶解し、ジオキサン溶液(4.6mL)中の4MのHClを滴下で加えた。このように得られた黄色の溶液をr.t.にて30min間撹拌し、この時間の後で、溶媒を濃縮し、HCl塩を黄色の固体として得て、これを乾燥させ、それ以上精製することなく使用した(343mg、100%)。ES-MS[M+H]=350.1。HClアミン(20mg、0.052mmol、1eq)及び2,2-ジフルオロ-2-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)エチル-1,1-d2 4-メチルベンゼンスルホネート(25mg、0.078mmol、1.5eq)を、1,4-ジオキサン(1mL)に懸濁させ、それに続いてHO(0.2mL)中のNaOH(17mg、0.41mmol、8eq)を滴下で加えた。反応混合物を100℃にて18h撹拌し、次いで、マイクロ波照射下で180℃にて4h撹拌し、この時間の後で、溶媒を除去し、粗残渣をRP-HPLC(5minに亘り0.1%TFA水溶液中の5~35%MeCN)によって精製した。生成物を含有する画分をsat.NaHCOで塩基性化し、DCMで抽出した。合わせた有機抽出物を、相分離器を通して濾過し、濃縮し、表題化合物(1.3mg、5%)を得た。H NMR(400MHz,MeOD)δ 8.87(dd,J=5.2,0.8Hz,1H),8.79(s,1H),7.84(d,J=5.2Hz,1H),7.42(d,J=9.3Hz,1H),6.93(d,J=9.3Hz,1H),4.64-4.47(m,1H),3.97(dd,J=11.5,4.5Hz,2H),3.44(td,J=12.0,2.1Hz,2H),2.78-2.67(m,4H),2.55(dd,J=9.1,2.8Hz,2H),2.45-2.26(m,1H),1.97(ddd,J=12.3,5.8,2.2Hz,2H),1.86-1.69(m,4H),1.63-1.53(m,2H).ES-MS[M+H]=500.0.
実施例27.(3aR,5s,6aS)-N-(6-(4,6-ビス(トリフルオロメチル)ピリジン-3-イル)ピリダジン-3-イル)-2-((テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)メチル-d)オクタヒドロシクロペンタ[c]ピロール-5-アミン
Figure 2024500880000199

5-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-2,4-ビス(トリフルオロメチル)ピリジン。5-ブロモ-2,4-ビス(トリフルオロメチル)ピリジン(50mg、0.17mmol、1eq)、酢酸カリウム(50mg、0.51mmol、3eq)、ビス(ピナコラト)ジボロン(65mg、0.26mmol、1.5eq)及びPd(dppf)Cl・DCM(14mg、0.017mmol、0.1eq)をバイアル中で合わせ、これを密封し、不活性雰囲気下に置いた。次いで、1,4-ジオキサン(1.7mL)をシリンジによって加えた。このように得られた反応混合物を150℃にてマイクロ波照射下で1h撹拌し、この時間の後で、反応混合物をCelite(登録商標)のプラグを通してDCMと共に濾過し、溶媒を濃縮した。粗残渣をカラムクロマトグラフィー(DCM中の0~10%MeOH)によって精製し、表題化合物をオレンジ色の油(50mg、86%)として得た。ES-MS[M+H]=260.6(ボロン酸の質量が観察される)。
Figure 2024500880000200

(3aR,5s,6aS)-N-(6-(4,6-ビス(トリフルオロメチル)ピリジン-3-イル)ピリダジン-3-イル)-2-((テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)メチル-d)オクタヒドロシクロペンタ[c]ピロール-5-アミン。(3aR,5s,6aS)-N-(6-クロロピリダジン-3-イル)-2-((テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)メチル-d)オクタヒドロシクロペンタ[c]ピロール-5-アミン(25mg、0.074mmol、1eq)、5-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-2,4-ビス(トリフルオロメチル)ピリジン(75mg、0.22mmol、3eq)、炭酸カリウム(31mg、0.22mmol、3eq)及びBrettPhos-Pd-G3(17mg、0.018mmol、0.25eq)をフラスコ中で合わせ、これを密封し、不活性雰囲気下に置いた。次いで、5:1の1,4-ジオキサン/HO(全部で1mL、真空下で脱気)を加えた。このように得られた反応混合物を100℃にて4h撹拌し、この時間の後で、反応物をr.tに冷却し、水層をDCMで抽出した。合わせた有機抽出物を濃縮し、粗残渣をRP-HPLC(5minに亘り0.1%TFA水溶液中の5~35%MeCN)によって精製した。生成物を含有する画分をsat.NaHCOで塩基性化し、DCMで抽出した。合わせた有機抽出物をMgSOで乾燥させ、溶媒を濾過し、除去し、表題化合物(4.9mg、13%)を得た。H NMR(400MHz,CDCl)δ 9.05(s,1H),8.01(s,1H),7.39(d,J=9.3Hz,1H),6.73(d,J=9.3Hz,1H),5.10(d,J=9.9Hz,1H),4.45-4.35(m,1H),3.97(dd,J=10.8,3.6Hz,2H),3.39(td,J=11.9,1.9Hz,2H),2.85-2.71(m,2H),2.65-2.52(m,2H),2.44-2.32(m,2H),2.05-1.94(m,2H),1.81-1.69(m,5H),1.36-1.20(m,2H).ES-MS[M+H]=518.3.
実施例28.(3aR,5s,6aS)-2-((2,2-ジメチルテトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)メチル-d)-N-(6-(2-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-イル)ピリダジン-3-イル)オクタヒドロシクロペンタ[c]ピロール-5-アミン
Figure 2024500880000201

((3aR,5s,6aS)-5-((6-クロロピリダジン-3-イル)アミノ)ヘキサヒドロシクロペンタ[c]ピロール-2(1H)-イル)(2,2-ジメチルテトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)メタノン。(3aR,5s,6aS)-N-(6-クロロピリダジン-3-イル)オクタヒドロシクロペンタ[c]ピロール-5-アミンヒドロクロリド(50mg、0.18mmol、1eq)及び2,2-ジメチルテトラヒドロ-2H-ピラン-4-カルボン酸(32mg、0.20mmol、1.1eq)をDMF(2mL)に溶解し、DIPEA(0.095mL、0.55mmol、3eq)及びHATU(104mg、0.27mmol、1.5eq)を加えた。このように得られた反応混合物をr.t.にて1h撹拌し、この時間の後で、反応物をHO及びDCMで希釈した。水層をDCMで抽出し、合わせた有機抽出物を、相分離器を通して濾過し、濃縮し、残渣を得て、これを真空下で乾燥させ、さらなる精製を伴わずに使用した(69mg、100%)。ES-MS[M+H]=379.2。
Figure 2024500880000202

(3aR,5s,6aS)-N-(6-クロロピリダジン-3-イル)-2-((2,2-ジメチルテトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)メチル-d)オクタヒドロシクロペンタ[c]ピロール-5-アミン。((3aR,5s,6aS)-5-((6-クロロピリダジン-3-イル)アミノ)ヘキサヒドロシクロペンタ[c]ピロール-2(1H)-イル)(2,2-ジメチルテトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)メタノン(69mg、0.18mmol、1eq)をTHF(1mL)に溶解し、0℃に冷却した。次いで、重水素化リチウムアルミニウム(34mg、0.91mmol、5eq)を加え、このように得られた反応混合物をr.t.に温め、2h撹拌し、この時間の後で、HO(34μL)、1MのNaOH(34μL)及びHO(34μL)を逐次的に加えた。NaSOを加え、このように得られた混合物を5min間撹拌した。固体をジエチルエーテルと共に濾過によって除去し、濾液を減圧下で濃縮し、残渣を得て、これを真空下で乾燥させ、さらなる精製を伴わずに使用した(67mg、100%)。ES-MS[M+H]=367.2。
Figure 2024500880000203

(3aR,5s,6aS)-2-((2,2-ジメチルテトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)メチル-d)-N-(6-(2-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-イル)ピリダジン-3-イル)オクタヒドロシクロペンタ[c]ピロール-5-アミン。(3aR,5s,6aS)-N-(6-クロロピリダジン-3-イル)-2-((2,2-ジメチルテトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)メチル-d)オクタヒドロシクロペンタ[c]ピロール-5-アミン(67mg、0.18mmol、1eq)、炭酸カリウム(76mg、0.55mmol、3eq)、(2-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-イル)ボロン酸(52mg、0.27mmol、1.5eq)及びBrettPhos-Pd-G3(16mg、0.018mmol、0.1eq)をバイアル中で合わせ、不活性雰囲気下に置いた。次いで、5:1の1,4-ジオキサン/HO溶液(全部で1mL、真空下で脱気)をシリンジによって加え、このように得られた反応混合物を100℃にて15h撹拌した。次いで、反応混合物をr.t.に冷却し、DCM及びHOで希釈した。水層をDCMで抽出し、合わせた有機抽出物を、相分離器を通して濾過し、濃縮した。粗残渣をRP-HPLC(10minに亘り0.05%NHOH水溶液中の34~69%MeCN)によって精製した。生成物を含有する画分を3:1のクロロホルム/IPA溶液(v/v)で抽出した。合わせた有機抽出物を、相分離器を通して濾過し、濃縮し、表題化合物(3ステップに亘り5.5mg、6%)を得た。H NMR(400MHz,MeOD)δ 8.76(dd,J=4.7,0.9Hz,1H),8.03(dd,J=8.1,1.2Hz,1H),7.76(dd,J=7.9,4.7Hz,1H),7.39(d,J=9.3Hz,1H),6.93(d,J=9.3Hz,1H),4.56-4.49(m,1H),3.72-3.69(m,2H),2.90-2.83(m,2H),2.82-2.75(m,2H),2.28-2.21(m,2H),2.00-1.91(m,3H),1.78-1.66(m,4H),1.24(s,3H),1.20(s,3H),1.18-1.02(m,2H).ES-MS[M+H]=478.2.
実施例29.(3aR,5s,6aS)-2-((テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)メチル-d)-N-(2’-(トリフルオロメチル)-[2,3’-ビピリジン]-5-イル)オクタヒドロシクロペンタ[c]ピロール-5-アミン
Figure 2024500880000204

tert-ブチル(3aR,5s,6aS)-5-((6-クロロピリジン-3-イル)アミノ)ヘキサヒドロシクロペンタ[c]ピロール-2(1H)-カルボキシレート。2-クロロ-5-ヨードピリジン(200mg、0.84mmol、1eq)、tert-ブチル(3aR,5s,6aS)-5-アミノヘキサヒドロシクロペンタ[c]ピロール-2(1H)-カルボキシレート(246mg、1.09mmol、1.3eq)、ヨウ化銅(I)(8.0mg、0.042mmol、0.05eq)、及び炭酸セシウム(548mg、1.67mmol、2eq)を、不活性雰囲気下で密封した。DMF(0.5mL)を加え、それに続いて2-イソブチリルシクロヘキサノン(28.1mg、0.17mmol、0.2eq)を加えた。r.t.にて80h後、反応混合物を濾過し、有機相をsat.NaHCOsoln.で希釈し、DCMで抽出した。濃縮した粗製物をカラムクロマトグラフィー(ヘキサン中の3~100%EtOAc)によって精製し、表題化合物を無色の油(194.3mg、69%)として得たH NMR(400MHz,CDCl)δ 7.72(d,J=2.9Hz,1H),7.07(d,J=8.6Hz,1H),6.83(dd,J=8.6,3.1Hz,1H),3.96-3.87(m,1H),3.76(d,J=6.2Hz,1H),3.60-3.48(m,2H),3.25-3.12(s,2H),2.85-2.75(m,2H),1.98-1.90(m,2H),1.81-1.73(m,2H),1.45(s,9H).ES-MS[M+H-tert-ブチル]=282.0。
Figure 2024500880000205

tert-ブチル(3aR,5s,6aS)-5-((2’-(トリフルオロメチル)-[2,3’-ビピリジン]-5-イル)アミノ)ヘキサヒドロシクロペンタ[c]ピロール-2(1H)-カルボキシレート。tert-ブチル(3aR,5s,6aS)-5-((6-クロロピリジン-3-イル)アミノ)ヘキサヒドロシクロペンタ[c]ピロール-2(1H)-カルボキシレート(180mg、0.53mmol、1eq)、(2-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-イル)ボロン酸(295mg、1.55mmol、2.9eq)、炭酸カリウム(224mg、1.60mmol、3eq)、及びBrettPhos-Pd-G3(73mg、0.08mmol、0.15eq)をバイアル中で合わせ、不活性雰囲気下で密封した。5:1の1,4-ジオキサン/HO(全部で4mL、真空下で脱気)をシリンジによって加え、このように得られた混合物を100℃に加熱した。2h後、反応混合物を冷却し、HOに希釈し、DCMで抽出した。濃縮した後、このように得られた残渣をカラムクロマトグラフィー(ヘキサン中の3~100%EtOAc)によって精製し、表題化合物を淡黄色の油(206mg、86%)として得た。H NMR(400MHz,CDCl)δ 8.68(d,J=4.8Hz,1H),8.07(d,J=2.8Hz,1H),7.91(d,J=8.0Hz,1H),7.52(dd,J=8.0,4.6Hz,1H),7.26(d,J=8.5Hz,1H),6.91(dd,J=8.5,2.9Hz,1H),4.05-3.97(m,1H),3.94(d,J=6.2Hz,1H),3.60-3.51(d,J=9.1Hz,2H),3.28-3.15(m,2H),2.89-2.78(m,2H),2.02-1.95(m,2H),1.87-1.80(m,2H),1.46(s,9H).ES-MS[M+H]=449.1.
Figure 2024500880000206

(3aR,5s,6aS)-2-((テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)メチル-d)-N-(2’-(トリフルオロメチル)-[2,3’-ビピリジン]-5-イル)オクタヒドロシクロペンタ[c]ピロール-5-アミン。tert-ブチル(3aR,5s,6aS)-5-((2’-(トリフルオロメチル)-[2,3’-ビピリジン]-5-イル)アミノ)ヘキサヒドロシクロペンタ[c]ピロール-2(1H)-カルボキシレート(100mg、0.22mmol、1eq)を、ジオキサン溶液(1.67mL)中の4MのHClに懸濁させた。このように得られた混合物をr.t.にて30min間撹拌し、この時間の後で、溶媒を濃縮し、塩酸塩を白色の固体(85.8mg、100%)として得た。塩酸塩(85.8mg、0.22mmol、1eq)のNMP(3mL)溶液に、炭酸セシウム(292mg、0.89mmol、4eq)及び4-(ブロモメチル-d)テトラヒドロ-2H-ピラン(60.6mg、0.33mmol、1.5eq)を加えた。このように得られた反応混合物を100℃にて16h撹拌し、この時間の後で、反応物をr.t.に冷却し、RP-HPLC(11minに亘り0.1%TFA水溶液中の3~33%MeCN)によって直接精製した。生成物を含有する画分をsat.NaHCOsoln.で塩基性化し、DCMで抽出し、表題化合物を白色の固体(5.2mg、5%)として得た。H NMR(400MHz,MeOD)δ 8.68(dd,J=4.8,1.2Hz,1H),7.99(d,J=2.9,1H),7.96(dd,J=7.8,1.2Hz,1H),7.70(dd,J=7.9,4.7Hz,1H),7.26(d,J=8.7Hz,1H),7.09(dd,J=8.5,2.8Hz,1H),4.04-3.97(m,1H),3.94(dd,J=11.4,4.3Hz,2H),3.43(td,J=11.8,2.1Hz,2H),2.80-2.72(m,2H),2.73-2.66(m,2H),2.32(dd,J=8.9,3.6Hz,2H),1.91(ddd,J=12.6,5.8,2.4Hz,2H),1.81-1.70(m,5H),1.34-1.21(m,2H).ES-MS[M+H]=449.1.
実施例30.(3aR,5s,6aS)-2-(((S)-2,2-ジメチルテトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)メチル-d)-N-(6-(2-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-イル)ピリダジン-3-イル)オクタヒドロシクロペンタ[c]ピロール-5-アミン及び(3aR,5s,6aS)-2-(((R)-2,2-ジメチルテトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)メチル-d)-N-(6-(2-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-イル)ピリダジン-3-イル)オクタヒドロシクロペンタ[c]ピロール-5-アミン
Figure 2024500880000207

tert-ブチル(3aR,5s,6aS)-5-((6-(2-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-イル)ピリダジン-3-イル)アミノ)ヘキサヒドロシクロペンタ[c]ピロール-2(1H)-カルボキシレート。tert-ブチル(3aR,5s,6aS)-5-((6-クロロピリダジン-3-イル)アミノ)ヘキサヒドロシクロペンタ[c]ピロール-2(1H)-カルボキシレート(38.0g、112mmol、1eq)、炭酸カリウム(47.2g、336mmol、3eq)、(2-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-イル)ボロン酸(42.8g、224mmol、2eq)及びBrettPhos-Pd-G3(15.3g、16.8mmol、0.15eq)をフラスコ中で合わせ、1,4-ジオキサン(300mL)及びHO(60mL)を加えた。このように得られた反応混合物を真空下で撹拌し、Nでパージした。反応混合物を100℃に加熱し、5h撹拌し、この時間の後で、これをr.t.に冷却し、固体を濾過によってDCMと共に除去した。濾液を濃縮し、DCM及びHOに溶解した。水層をDCMで抽出し、合わせた有機抽出物をMgSOで乾燥させた。溶媒を濾過し、減圧下で除去し、粗残渣をカラムクロマトグラフィー(ヘキサン中の3~100%EtOAc)によって精製し、表題化合物を淡褐色の固体(25.8g、51%)として得た。H NMR(400MHz,CDCl)δ 8.76(dd,J=4.7,1.1Hz,1H),8.04(dd,J=7.7,1.0Hz,1H),7.60(dd,J=7.9,4.7Hz,1H),7.37(d,J=9.2Hz,1H),6.70(d,J=9.3Hz,1H),5.07(d,J=6.8Hz,1H),4.45-4.37(m,1H),3.63-3.52(m,2H),3.27-3.16(m,2H),2.91-2.82(m,2H),2.10-2.04(m,2H),1.92-1.85(m,2H),1.46(s,9H).ES-MS[M+H]=394.2(-t-ブチル)。
Figure 2024500880000208

(2,2-ジメチルテトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)((3aR,5s,6aS)-5-((6-(2-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-イル)ピリダジン-3-イル)アミノ)ヘキサヒドロシクロペンタ[c]ピロール-2(1H)-イル)メタノン。tert-ブチル(3aR,5s,6aS)-5-((6-(2-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-イル)ピリダジン-3-イル)アミノ)ヘキサヒドロシクロペンタ[c]ピロール-2(1H)-カルボキシレートを1,4-ジオキサン(300mL)に溶解し、1,4-ジオキサン溶液(200mL)中の4MのHClを0℃にて加えた。このように得られた反応混合物をr.t.に温め、2h撹拌し、この時間の後で、固体を濾過によって集め、それに続いてジエチルエーテルで洗浄し、(3aR,5s,6aS)-N-(6-(2-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-イル)ピリダジン-3-イル)オクタヒドロシクロペンタ[c]ピロール-5-アミンのHCl塩を黄褐色の固体として得て、これを真空下で乾燥させ、それ以上精製することなく使用した(29.1g、99%;ES-MS[M+H]=350.2)。HCl塩(3.46g、8.19mmol、1eq)及び2,2-ジメチルテトラヒドロ-2H-ピラン-4-カルボン酸(1.56g、9.83mmol、1.2eq)のDCM(45mL)懸濁液に、DIPEA(4.28mL、24.6mmol、3eq)、それに続いてHATU(4.67g、12.3mmol、1.5eq)を加えた。このように得られた反応混合物をr.t.にて一晩撹拌し、この時間の後で、これをsat.NaHCO溶液で希釈し、水層をDCMで抽出した。合わせた有機抽出物をMgSOで乾燥させた。溶媒を濾過し、減圧下で濃縮し、粗残渣をカラムクロマトグラフィー(DCM中0~7%MeOH)によって精製し、表題化合物を白色のスポンジ状の固体(3.02g、75%)として得た。H NMR(400MHz,CDCl)δ 8.79(dd,J=4.7,1.1Hz,1H),8.03(dd,J=8.2,1.1Hz,1H),7.62(dd,J=7.9,4.7Hz,1H),7.43(d,J=9.3Hz,1H),6.80(dd,J=9.4,3.3Hz,1H),5.58(d,J=26.4Hz,1H),4.50-4.44(m,1H),3.84-3.64(m,4H),3.43-3.34(m,2H),3.06-2.97(m,1H),2.95-2.86(m,1H),2.79-2.70(m,1H),2.16-2.05(m,2H),2.01-1.91(m,2H),1.88-1.51(m,4H),1.25(dd,J=5.1,2.3Hz,6H).ES-MS[M+H]=490.1.
Figure 2024500880000209

(3aR,5s,6aS)-2-(((S)-2,2-ジメチルテトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)メチル-d)-N-(6-(2-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-イル)ピリダジン-3-イル)オクタヒドロシクロペンタ[c]ピロール-5-アミン及び(3aR,5s,6aS)-2-(((R)-2,2-ジメチルテトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)メチル-d)-N-(6-(2-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-イル)ピリダジン-3-イル)オクタヒドロシクロペンタ[c]ピロール-5-アミン。(2,2-ジメチルテトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)((3aR,5s,6aS)-5-((6-(2-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-イル)ピリダジン-3-イル)アミノ)ヘキサヒドロシクロペンタ[c]ピロール-2(1H)-イル)メタノン(3.02g、6.17mmol、1eq)のTHF(35mL)溶液に、重水素化リチウムアルミニウム(702mg、18.5mmol、3eq)を加えた。このように得られた溶液をr.t.にて20min間撹拌し、この時間の後で、反応混合物を0℃に冷却し、ジエチルエーテルで希釈した。HO(0.7mL)、10%NaOH溶液(0.7mL)及びHO(2.1mL)を逐次的に滴下で加えた。このように得られた混合物をr.t.に温め、MgSOを加え、それに続いて10min間撹拌した。固体を濾過によってDCM及びジエチルエーテルと共に除去し、濾液を減圧下で濃縮し、ラセミ表題化合物を黄色の固体として得た。ES-MS[M+H]=478.1。
ラセミ材料を、分取超臨界流体(SFC)キラルクロマトグラフィー(4.6×250mm Chiralpak(登録商標)IAカラム、0.1%ジエチルアミン調節剤を伴うMeOH共溶媒;40℃にて20%の無勾配)を使用して精製し、各エナンチオマーを>98%eeで白色の固体として得た。早期の溶出ピークのMeOH/EtOAc中で成長した結晶を、X線結晶解析によって(3aR,5s,6aS)-2-(((S)-2,2-ジメチルテトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)メチル-d)-N-(6-(2-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-イル)ピリダジン-3-イル)オクタヒドロシクロペンタ[c]ピロール-5-アミンとして同定した(図)。
(3aR,5s,6aS)-2-(((S)-2,2-ジメチルテトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)メチル-d)-N-(6-(2-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-イル)ピリダジン-3-イル)オクタヒドロシクロペンタ[c]ピロール-5-アミン(937mg、32%)。H NMR(400MHz,CDCl)δ 8.76(dd,J=4.7,1.6Hz,1H),8.05(dd,J=7.8,1.6Hz,1H),7.60(dd,J=7.9,4.7Hz,1H),7.37(d,J=9.2Hz,1H),6.70(d,J=9.3Hz,1H),4.96(d,J=7.3Hz,1H),4.41-4.32(m,1H),3.75(ddd,J=11.8,5.2,1.6Hz,1H),3.66(td,J=12.2,2.3Hz,1H),2.79-2.70(m,2H),2.67-2.54(m,2H),2.31(d,J=9.0Hz,2H),2.00-1.96(m,2H),1.89-1.80(m,1H),1.78-1.70(m,2H),1.69-1.59(m,2H),1.21(d,J=2.1Hz,6H),1.21-1.03(m,2H).ES-MS[M+H]=478.1.
(3aR,5s,6aS)-2-(((R)-2,2-ジメチルテトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)メチル-d)-N-(6-(2-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-イル)ピリダジン-3-イル)オクタヒドロシクロペンタ[c]ピロール-5-アミン(906mg、31%)。ES-MS[M+H]=478.1。
実施例31.(3aR,5s,6aS)-2-((テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)メチル-d)-N-(6-(2-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-イル)ピリダジン-3-イル)オクタヒドロシクロペンタ[c]ピロール-5-アミン
Figure 2024500880000210

(3aR,5s,6aS)-N-(6-(2-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-イル)ピリダジン-3-イル)オクタヒドロシクロペンタ[c]ピロール-5-アミンヒドロクロリド(100mg、0.26mmol、1eq)及びテトラヒドロ-2H-ピラン-4-カルバルデヒド(89mg、0.78mmol、3eq)のDCM(2mL)溶液に、反応混合物が均質となるまでTHF及びDOを加えた。次いで、シアノ重水素化ホウ素ナトリウム(51mg、0.78mmol、3eq)を加え、このように得られた反応混合物をr.t.にて1h撹拌し、この時間の後で、反応混合物をsat.NaHCO溶液で塩基性とし、水層をDCMで抽出した。合わせた有機抽出物を、相分離器を通して濾過し、濃縮し、このように得られた残渣をRP-HPLC(20minに亘り0.05%NHOH水溶液中の15~55%MeCN)によって精製した。画分を濃縮し、表題化合物を白色の固体(29mg、25%)として得た。H NMR(400MHz,MeOD)δ 8.76(dd,J=4.9,1.6Hz,1H),8.04-8.01(m,1H),7.76(dd,J=7.9,4.7Hz,1H),7.39(d,J=9.3Hz,1H),6.93(d,J=9.3Hz,1H),4.56-4.49(m,1H),3.93(ddd,J=11.3,4.9,1.8Hz,2H),3.42(td,J=11.8,2.0Hz,2H),2.86-2.75(m,4H),2.31-2.23(m,3H),1.97(ddd,J=13.0,5.8,2.0Hz,2H),1.82-1.70(m,5H),1.32-1.21(m,2H);ES-MS[M+H]=449.3.
実施例32.(3aR,5s,6aS)-2-((2,2-ジメチルテトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)メチル)-N-(6-(2-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-イル)ピリダジン-3-イル)オクタヒドロシクロペンタ[c]ピロール-5-アミン
Figure 2024500880000211

(3aR,5s,6aS)-N-(6-クロロピリダジン-3-イル)-2-((2,2-ジメチルテトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)メチル)オクタヒドロシクロペンタ[c]ピロール-5-アミン。(3aR,5s,6aS)-N-(6-クロロピリダジン-3-イル)オクタヒドロシクロペンタ[c]ピロール-5-アミンヒドロクロリド(200mg、0.73mmol、1eq)及び2,2-ジメチルテトラヒドロ-2H-ピラン-4-カルバルデヒド(114mg、0.80mmol、1.1eq)のDCM(1mL)及びTHF(1mL)溶液に、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(462mg、2.18mmol、3eq)を加えた。このように得られた反応混合物をr.t.にて1.5h撹拌し、この時間の後で、sat.NaHCO溶液を加えた。水層をDCMで抽出し、合わせた有機抽出物を、相分離器を通して濾過し、濃縮した。粗残渣をRP-HPLC(10minに亘り0.1%TFA水溶液中の2~25%MeCN)によって精製した。生成物を含有する画分をsat.NaHCO溶液で塩基性化し、DCMで抽出した。合わせた有機抽出物を、相分離器を通して濾過し、濃縮し、表題化合物(144mg、54%)を得た。ES-MS[M+H]=365.4。
Figure 2024500880000212

(3aR,5s,6aS)-2-((2,2-ジメチルテトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)メチル)-N-(6-(2-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-イル)ピリダジン-3-イル)オクタヒドロシクロペンタ[c]ピロール-5-アミン。(3aR,5s,6aS)-N-(6-クロロピリダジン-3-イル)-2-((2,2-ジメチルテトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)メチル)オクタヒドロシクロペンタ[c]ピロール-5-アミン(93mg、0.25mmol.、1eq)、(2-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-イル)ボロン酸(73mg、0.38mmol、1.5eq)、炭酸カリウム(107mg、0.76mmol、3eq)、及びBrettPhos-Pd-G3(23mg、0.025mmol、0.1eq)をバイアル中で合わせ、これを密封し、不活性雰囲気下に置いた。次いで、5:1の1,4-ジオキサン/HO溶液(全部で1mL、真空下で脱気)をシリンジによって加え、このように得られた反応混合物を100℃にて2h撹拌し、この時間の後で、反応物をr.t.に冷却し、DCM及びHOで希釈した。水層をDCMで抽出し、合わせた有機抽出物を、相分離器を通して濾過し、濃縮した。粗残渣をRP-HPLC(10minに亘り0.05%NHOH水溶液中の30~65%MeCN)によって精製した。生成物を含有する画分を3:1のクロロホルム/IPA溶液(v/v)で抽出し、合わせた有機抽出物を、相分離器を通して濾過し、濃縮し、表題化合物を白色の固体(2.6mg、2%)として得た。ES-MS[M+H]=476.3。
表1において示す化合物は、適当な出発材料を伴って上記の化合物と同様に調製し得る。本発明の化合物を調製するために使用し得るさらなる出発材料は、3-ブロモ-4-(ジフルオロメチル)ピリジン、テトラヒドロ-2H-ピラン-4-カルバルデヒド、(S)-(1,4-ジオキサン-2-イル)メタノール)、(R)-(1,4-ジオキサン-2-イル)メタノール)、(S)-1,4-ジオキサン-2-カルボン酸、(R)-1,4-ジオキサン-2-カルボン酸、(S)-テトラヒドロ-2H-ピラン-2-カルボン酸、(R)-テトラヒドロ-2H-ピラン-2-カルボン酸、(S)-テトラヒドロ-2H-ピラン-3-カルボン酸、(R)-テトラヒドロ-2H-ピラン-3-カルボン酸、4-フルオロテトラヒドロ-2H-ピラン-4-カルボン酸、4-メトキシテトラヒドロ-2H-ピラン-4-カルボン酸、3-メチルテトラヒドロ-2H-ピラン-3-カルボン酸、2-メチルテトラヒドロ-2H-ピラン-2-カルボン酸、4-エチルテトラヒドロ-2H-ピラン-4-カルボン酸、2,2-ジメチルテトラヒドロ-2H-ピラン-4-カルボン酸、3,3-ジメチルテトラヒドロ-2H-ピラン-4-カルボン酸、2,2,6,6-テトラメチルテトラヒドロ-2H-ピラン-4-カルボン酸、(S)-テトラヒドロフラン-3-カルボン酸、(R)-テトラヒドロフラン-3-カルボン酸、(R)-(テトラヒドロフラン-3-イル)メタノール、2-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)アセトアルデヒド、4-メチルテトラヒドロ-2H-ピラン-4-カルバルデヒド、4-メチルテトラヒドロ-2H-ピラン-4-カルボン酸、rac-(1R,2S,4S)-2-(ブロモメチル)-7-オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタン、rac-(1R,2R,4S)-2-(ブロモメチル)-7-オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタン、rac-(3aR,6aS)-ヘキサヒドロ-2H-シクロペンタ[b]フラン-3a-カルボン酸、オクタヒドロ-3aH-シクロヘプタ[b]フラン-3a-カルボン酸、5-オキサスピロ[2.4]ヘプタン-6-カルボン酸、1-メチル-2-オキサビシクロ[2.1.1]ヘキサン-4-カルボン酸、5-オキサスピロ[3.5]ノナン-8-カルボン酸、2,2,6,6-テトラメチルテトラヒドロ-4H-ピラン-4-オン、2-オキサスピロ[3.3]ヘプタン-6-オン、1,6-ジオキサスピロ[2.5]オクタン、シクロヘキサンカルバルデヒド、シクロヘプタンカルバルデヒド、シクロヘキサノン、ピコリンアルデヒド、6-メチルピコリンアルデヒド、6-メトキシピコリンアルデヒド、4-クロロピコリンアルデヒド、6-クロロピコリンアルデヒド、5-フルオロピコリンアルデヒド、6-フルオロピコリンアルデヒド、3-メチルピコリンアルデヒド、1-(ピリジン-2-イル)エタン-1-オン、6,7-ジヒドロ-4H-ピラゾロ[5,1-c][1,4]オキサジン-2-カルバルデヒド、2,2-ジフルオロベンゾ[d][1,3]ジオキソール-5-カルバルデヒド、ピリダジン-4-カルバルデヒド、1-フルオロシクロヘキサン-1-カルボン酸、2-フルオロベンズアルデヒド、2,3-ジフルオロベンズアルデヒド、2,4-ジフルオロベンズアルデヒド、2,6-ジフルオロ安息香酸及び3,3-ジフルオロテトラヒドロ-2H-ピラン-4-カルボン酸を含む。
生物活性
A.ムスカリン性アセチルコリン受容体M4を発現している細胞株
ヒト又はラットM cDNAを、キメラGタンパク質Gqi5と共に、リポフェクタミン2000を用いて、American Type Culture Collectionから購入したチャイニーズハムスター卵巣(CHO-K1)細胞にトランスフェクトした。M/Gqi5/CHO細胞を、10%熱不活化ウシ胎児血清(FBS)、20mM HEPES、500μg/mL G418スルフェート及び200μg/mLヒグロマイシンBを含むHam’s F-12培地で増殖させた。
B.ムスカリン性アセチルコリン受容体M4活性の細胞ベースの機能的アッセイ
細胞内カルシウムのアゴニスト誘発増加のハイスループット測定のために、ムスカリン受容体を安定に発現するCHO-K1細胞を、Greiner384ウェル黒壁組織培養(TC)処理透明底プレート(VWR)中の15,000細胞/20μL/ウェルで、G418及びハイグロマイシンを欠く増殖培地中にプレーティングした。細胞を37℃及び5% COで一晩インキュベートした。翌日、ELX405(BioTek)を用いてアッセイ緩衝液で細胞を洗浄し、次いで最終容量を20μLまで吸引した。次に、DMSO中の2.3mMストックとして調製し、10%(w/v)Pluronic F-127と1:1の比で混合し、アッセイ緩衝液で希釈したFluo-4/アセトキシメチルエステル(Invitrogen,Carlsbad,CA)の2.3μMストック20μLをウェルに加え、細胞プレートを37℃及び5% COで50分間インキュベートした。ELX405で洗浄することによって色素を除去し、最終容量を20μLまで吸引した。化合物マスタープレートを、BRAVO液体ハンドラー(Agilent)を使用して、10又は1mMの出発濃度を有する100% DMSO中の10点濃度-応答曲線(CRC)フォーマット(1:3希釈)でフォーマットした。次いで、試験化合物CRCを、Echoアコースティックプレート再フォーマッター(Labcyte,Sunnyvale,CA)を使用してドータープレート(240nL)に移し、次いでThermo Fisher Combi(Thermo Fisher Scientific,Waltham,MA)を使用して、アッセイ緩衝液(40μL)に希釈して2×ストックとした。
カルシウム流入を静的蛍光比の増大として、Functional Drug Screening System(FDSS)6000又は7000(Hamamatsu Corporation,Tokyo,Japan)を使用して測定した。化合物は、FDSSの自動システムを使用して、プロトコルのうちの2秒で細胞に適用し(20μL、2×)、データを1Hzで収集した。143秒で10μLのEC20濃度のムスカリン受容体アゴニスト・アセチルコリンを添加し(5×)、続いて268秒時点で12μLのEC80濃度のアセチルコリンを添加した(5×)。アゴニスト活性は、化合物添加時のカルシウム動員の濃度依存的増大として分析した。ポジティブアロステリックモジュレーター活性は、EC20アセチルコリン反応の濃度依存的増大として分析した。アンタゴニスト活性は、EC80アセチルコリン応答における濃度依存性の減少として分析された。本明細書の表の目的のために、IC50(阻害濃度50)は、アセチルコリンのEC80濃度によって誘発される応答の濃度依存性の減少として計算された。Excel(Microsoft,Redmond,WA)又はPrism(GraphPad Software、Inc.,San Diego,CA)又はDotmaticsソフトウェアプラットフォーム(Dotmatics,Bishop’s Stortford,UK)のためのXLFit曲線適合ソフトウェア(IDBS,Bridgewater,NJ)における4パラメータロジスティック方程式を使用して、濃度応答曲線を生成した。
上記のアッセイは、蛍光ベースラインの確立後、約3秒間、適切な固定濃度の本発明の化合物を細胞に加え、細胞における応答を測定する第2のモードでも操作した。140秒後、漸増濃度のアゴニストからなる全濃度-応答範囲を加え、カルシウム応答(最大-極小応答)を測定した。試験化合物の存在下又は非存在下でのアゴニストのEC50値を非線形曲線適合によって決定した。本発明化合物の濃度増大に伴うアゴニストのEC50値の低下(アゴニスト濃度-反応曲線の左へのシフト)は、本発明化合物の所与の濃度でのムスカリン性ポジティブアロステリック調節の程度の指標である。本発明化合物の濃度増大に伴うアゴニストのEC50値の増大(アゴニスト濃度-反応曲線の右へのシフト)は、本発明化合物の所与の濃度でのムスカリン性アンタゴニズムの程度の指標である。第2の様式は、本発明化合物がムスカリン受容体のアゴニストへの最大反応に影響を与えるかどうかも示す。
C.mAChR M細胞ベースのアッセイにおける化合物の活性
化合物を上記のように合成した。活性(IC50及びEmin)は、上記のようにmAChR M細胞に基づく機能的アッセイで測定した。データを表2に示す。
D.ムスカリン性アセチルコリン受容体M1を発現している細胞系
hM cDNAはMissouri S&T cDNA Resourceから購入し、Lipofectamine2000を使用してアメリカ培養細胞系統保存機関から購入したCHO-K1細胞を安定にトランスフェクトするために使用した。10%熱不活性化ウシ胎仔血清(FBS)、20mMのHEPES、及び50μg/mLのG418スルフェートを含有するHamのF-1培地中でhM細胞を成長させた。
E.ムスカリン性アセチルコリン受容体M1活性のセルベース機能アッセイ
細胞内カルシウムにおけるアゴニストが誘起する増加のハイスループット測定のために、ムスカリン受容体を安定に発現しているCHO-K1細胞を、Greiner384ウェルブラックウォール組織培養(TC)処理したクリアボトムプレート(VWR)においてG418及びハイグロマイシンを欠いている成長培地中に15,000個の細胞/20μL/ウェルで蒔いた。細胞を37℃及び5%COで一晩インキュベートした。翌日、細胞をアッセイ緩衝液の4回の洗浄(80μL)を伴うELX405(BioTek)を使用して洗浄し、次いで、20μLまで吸引した。次に、20μLの16μMのFluo-4/アセトキシメチルエステル(Invitrogen、Carlsbad、CA)(DMSO中の2.3mMのストックとして調製し、10%(w/v)Pluronic F-127と1:1比で混合し、アッセイ緩衝液に希釈)をウェルに加え、細胞プレートを37℃及び5%COで50min間インキュベートした。染料は、ELX405(アッセイ緩衝液の4回の洗浄(80μL))による洗浄によって除去し、次いで、20μLまで吸引した。化合物マスタープレートは、BRAVOリキッドハンドラー(Agilent)を使用して10mMの開始濃度を伴う100%DMSO中で11ポイントCRCフォーマット(1:3希釈)でフォーマットした。次いで、試験化合物CRCを、Echoアコースティックプレートリフォーマッター(Labcyte、Sunnyvale、CA)を使用して娘プレート(240nL)に移し、次いで、Thermo Fisher Combi(Thermo Fisher Scientific、Waltham、MA)を使用してアッセイ緩衝液(40μL)中で2×ストックへと希釈した。
カルシウム流を、Functional Drug Screening System(FDSS)6000(浜松ホトニクス、東京、日本)を使用して蛍光静態比率(fluorescent static ratio)における増加として測定した。300秒のプロトコルの4秒目にFDSS6000の自動システムを使用して化合物を細胞に加え(20μL、2×)、データを1Hzで収集した。300秒のプロトコルの144秒目に、10μLのEC20濃度のムスカリン受容体アゴニストであるアセチルコリンを加え(5×)、それに続いて12μLのEC80濃度のアセチルコリンを230秒の時点において加えた(5×)。アゴニスト活性を、化合物添加によるカルシウム動員における濃度依存的増加として分析した。アゴニスト活性についてのEmax値は、アセチルコリンについての最大に対して表す。ポジティブアロステリックモジュレーター活性を、EC20アセチルコリン応答における濃度依存的増加として分析した。アンタゴニスト活性は、EC80アセチルコリン応答における濃度依存的減少として分析した;本明細書において表の目的のために、IC50(阻害濃度スルフェート50)は、アセチルコリンのEC80濃度によって誘発される応答の濃度依存的減少として計算した。濃度応答曲線は、Excel(Microsoft、Redmond、WA)又はPrism(GraphPad Software,Inc.、San Diego、CA)のためのXLfit曲線の当てはめソフトウェア(IDBS、Bridgewater、NJ)において4パラメーターロジスティック方程式(logistical equation)を使用して作製した。
上記のアッセイはまた第2のモードで動作したが、ここで、約3秒間の蛍光ベースラインの確立の後に、適当な固定濃度の本化合物を細胞に加えた、細胞における応答を測定した。140秒後、適当な濃度のアゴニストを加え、読み取り値をさらに106秒間取得した。データを上記のように換算し、試験化合物の存在下でのアゴニストについてのEC50値を非線形曲線の当てはめによって決定した。増加する濃度の本化合物によるアゴニストのEC50値における増加(アゴニスト濃度応答曲線の右へのシフト)は、所与の濃度の本化合物でのムスカリン拮抗作用の程度の指標である。第2のモードはまた、本化合物がまたアゴニストへのムスカリン受容体の最大応答に影響を与えるかどうかを示す。
F.mAChR Mセルベースアッセイにおける化合物の活性
活性(IC50及びEmin)を上記のようなmAChR Mセルベース機能アッセイにおいて決定し、データを表3において示す。表3におけるデータは、化合物61が化合物62より少ないヒトmAChR Mアンタゴニスト活性を有することを示す。
上記の詳細な記載内容及び添付の実施例は単に例示であり、添付の特許請求の範囲及びそれらの同等物によってのみ定義される本発明の範囲に対する制限としては見なさないことが理解される。
開示された実施形態への様々な変更及び修正は当業者には明らかであろう。これらに限定されないが、化学構造、置換基、誘導体、中間体、合成、組成物、配合物、又は本発明の使用の方法に関するものを含めたこのような変更及び修正は、その精神及び範囲を逸脱することなく行い得る。

Claims (22)

  1. 式(III)の化合物:
    Figure 2024500880000225

    又は薬学的に許容されるその塩(式中:
    は、
    Figure 2024500880000226

    であり、
    1aは、
    Figure 2024500880000227

    であり、
    Rは、水素、C1~4アルキル、C3~4シクロアルキル、又は-C1~3アルキレン-C3~4シクロアルキルであり;
    1aは、水素、C1~4アルキル、C1~4フルオロアルキル、-OC1~4アルキル、-OC1~4フルオロアルキル、-OC3~6シクロアルキル、-OCH3~6シクロアルキル、-SO1~4アルキル、-SO3~6シクロアルキル、フェニル、又はC3~6シクロアルキルであり、ここで、前記フェニル及び各C3~6シクロアルキルは、ハロゲン、シアノ、C1~4アルキル、C1~4ハロアルキル、-OC1~4アルキル、及び-OC1~4ハロアルキルからなる群から独立に選択される1~4個の置換基で任意選択で置換されており;
    1bは、水素、ハロゲン、シアノ、C1~4アルキル、C1~4フルオロアルキル、又はC3~6シクロアルキルであり;
    或いは代わりに、R1a及びR1bは、それらが付着している原子と一緒に、5員若しくは6員の不飽和若しくは部分不飽和の炭素環式環若しくは複素環式環を形成し、前記炭素環式環若しくは複素環式環は、非置換であるか、又はハロゲン、シアノ、C1~4アルキル、C1~4フルオロアルキル、C2~4アルケニル、C3~6シクロアルキル、及び-C1~3アルキレン-C3~4シクロアルキルからなる群から独立に選択される1~4個の置換基で置換されており;
    は、CF又はCHFであり;
    2aは、出現する毎に独立に、ハロゲン、C1~4アルキル、C1~4フルオロアルキル、-OC1~4アルキル、又は-OC1~4フルオロアルキルであり;
    nは、0、1、又は2であり、
    は、-L-G、G、-L-G、-L-L-G、-C2~6アルキレン-R3a、C3~7アルキル、又はC3~7ハロアルキルであり;
    は、水素又はメチルであり;
    は、C1~5アルキレン又はC1~5フルオロアルキレンであり;
    は、1,1-シクロプロピレンであり;
    は、4~12員ヘテロシクリル、6~12員アリール、5~12員ヘテロアリール、又は6員芳香族炭化水素に任意選択で縮合しているC3~12カルボシクリルであり、ここで、Gは、C1~4アルキル、ハロゲン、シアノ、オキソ、C1~4ハロアルキル、-OR13、-N(R13、-C1~3アルキレン-OR13、及び-C1~3アルキレン-N(R13からなる群から独立に選択される1~5個の置換基で任意選択で置換されており;
    3aは、-OR14又は-N(R14であり;
    13は、出現する毎に独立に、水素、C1~4アルキル、C1~4ハロアルキル、C3~4シクロアルキル、又は-C1~3アルキレン-C3~4シクロアルキルであり、ここで、代わりに、2個のR13は、前記2個のR13が付着している窒素と一緒に、ハロゲン及びC1~4アルキルからなる群から独立に選択される1~4個の置換基で任意選択で置換されている4~6員複素環式環を形成し;
    14は、出現する毎に独立に、水素、C1~4アルキル、C1~4ハロアルキル、G、又は-C1~3アルキレン-Gであり、代わりに、2個のR14は、前記2個のR14が付着している窒素と一緒に、ハロゲン及びC1~4アルキルからなる群から独立に選択される1~4個の置換基で任意選択で置換されている4~6員複素環式環を形成し;
    は、フェニル、単環式5~6員ヘテロアリール、単環式4~8員ヘテロシクリル、又は単環式C3~8シクロアルキルであり、ここで、Gは、ハロゲン、シアノ、C1~4アルキル、C1~4ハロアルキル、オキソ、-OR15、及び-N(R15からなる群から独立に選択される1~5個の置換基で任意選択で置換されており;
    15は、出現する毎に独立に、水素、C1~4アルキル、C1~4ハロアルキル、C3~4シクロアルキル、又は-C1~3アルキレン-C3~4シクロアルキルであり、ここで、代わりに、2個のR15は、前記2個のR15が付着している窒素と一緒に、ハロゲン及びC1~4アルキルからなる群から独立に選択される1~4個の置換基で任意選択で置換されている4~6員複素環式環を形成する)。
  2. が、-L-Gである、請求項1に記載の化合物、又は薬学的に許容されるその塩。
  3. が、任意選択で置換されている4~12員ヘテロシクリルである、請求項1若しくは2に記載の化合物、又は薬学的に許容されるその塩。
  4. における前記任意選択で置換されている4~12員ヘテロシクリルの環系が、4~8員単環式ヘテロシクリル環系、6~10員架橋二環式ヘテロシクリル環系、7~12員縮合二環式ヘテロシクリル環系、又は7~12員スピロヘテロシクリル環系であり、ここで、前記ヘテロシクリル環系が、O、N、及びSから独立に選択される1~2個のヘテロ原子を含有する、請求項3に記載の化合物、又は薬学的に許容されるその塩。
  5. における前記任意選択で置換されている4~12員ヘテロシクリルの環系が、テトラヒドロピラニル、オキセタニル、テトラヒドロフラニル、オキセパニル、テトラヒドロチオピラニル、7-オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタニル、1,4-ジオキサニル、ヘキサヒドロ-2H-シクロペンタ[b]フラニル、オクタヒドロ-3aH-シクロヘプタ[b]フラニル、3-オキサビシクロ[3.1.0]ヘキサニル、2-オキサスピロ[3.3]ヘプタニル、3-オキサスピロ[5.5]ウンデカニル、6-オキサスピロ[2.5]オクタニル、5-オキサスピロ[2.4]ヘプタニル、2-オキサビシクロ[2.1.1]ヘキサニル、又は5-オキサスピロ[3.5]ノナニルである、請求項3若しくは4に記載の化合物、又は薬学的に許容されるその塩。
  6. が、C1~4アルキル、ハロゲン、ヒドロキシ、オキソ、及び-OC1~4アルキルからなる群から独立に選択される1~4個の置換基で任意選択で置換されている、請求項1~5のいずれかに記載の化合物、又は薬学的に許容されるその塩。
  7. が、
    Figure 2024500880000228

    である、請求項1~6のいずれかに記載の化合物、又は薬学的に許容されるその塩。
  8. が、C1~5アルキレンである、請求項1~7のいずれかに記載の化合物、又は薬学的に許容されるその塩。
  9. が、CHである、請求項8に記載の化合物、又は薬学的に許容されるその塩。
  10. における前記CHが、CDである、請求項9に記載の化合物、又は薬学的に許容されるその塩。
  11. 1aが、水素、C1~4アルキル、C1~4ジフルオロアルキル、-OC1~4アルキル、-OC1~4フルオロアルキル、-OC3~6シクロアルキル、-OCH3~6シクロアルキル、-SO1~4アルキル、-SO3~6シクロアルキル、フェニル、又はC3~6シクロアルキルであり、ここで、前記フェニル及び各C3~6シクロアルキルが、ハロゲン、シアノ、C1~4アルキル、C1~4ハロアルキル、-OC1~4アルキル、及び-OC1~4ハロアルキルからなる群から独立に選択される1~4個の置換基で任意選択で置換されており;
    1bが、水素、ハロゲン、シアノ、C1~4アルキル、C1~4フルオロアルキル、又はC3~6シクロアルキルである、請求項1~10のいずれかに記載の化合物、又は薬学的に許容されるその塩。
  12. が、
    Figure 2024500880000229

    である、請求項1~11のいずれかに記載の化合物、又は薬学的に許容されるその塩。
  13. 1a及びR1bが、それらが付着している原子と一緒に、5員若しくは6員の不飽和若しくは部分不飽和の炭素環式環若しくは複素環式環を形成し、前記炭素環式環若しくは複素環式環が、非置換であるか、又はハロゲン、シアノ、C1~4アルキル、C1~4フルオロアルキル、C2~4アルケニル、C3~6シクロアルキル、及び-C1~3アルキレン-C3~4シクロアルキルからなる群から独立に選択される1~4個の置換基で置換されている、請求項1~10のいずれかに記載の化合物、又は薬学的に許容されるその塩。
  14. が、
    Figure 2024500880000230

    である、請求項13に記載の化合物、又は薬学的に許容されるその塩。
  15. 1aが、
    Figure 2024500880000231

    である、請求項1~14のいずれかに記載の化合物、又は薬学的に許容されるその塩。
  16. 1aが、
    Figure 2024500880000232

    である、請求項1~14のいずれかに記載の化合物、又は薬学的に許容されるその塩。
  17. nが、0である、請求項1~16のいずれかに記載の化合物、又は薬学的に許容されるその塩。
  18. が、CFである、請求項1~17のいずれかに記載の化合物、又は薬学的に許容されるその塩。
  19. Rが、水素である、請求項1~18のいずれかに記載の化合物、又は薬学的に許容されるその塩。
  20. が、水素である、請求項1~19のいずれかに記載の化合物、又は薬学的に許容されるその塩。
  21. 請求項1~20のいずれかに記載の化合物、又は薬学的に許容されるその塩、及び薬学的に許容される担体を含む、医薬組成物。
  22. 神経変性障害、運動障害、又は脳障害の処置において使用するための、請求項1~20のいずれかに記載の化合物、若しくは薬学的に許容されるその塩、又は請求項21に記載の医薬組成物。
JP2023537969A 2020-12-22 2021-12-22 ムスカリン性アセチルコリン受容体m4のアンタゴニスト Pending JP2024500880A (ja)

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