JP2024500870A - 二官能性線状融合コラーゲン局在化免疫調節分子およびその方法 - Google Patents

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Abstract

IL-2;IL-12、コラーゲン結合ドメイン、および線状ポリペプチドスペーサーを含む免疫調節融合タンパク質、それを作製および使用する方法が本明細書に開示される。本明細書に開示される免疫調節融合タンパク質は、がんを処置するのに有用である。本明細書に記載されるのは、がんを処置するための化合物、組成物、および方法である。化合物は、IL-2、IL-12、コラーゲン結合ドメイン、および線状ポリペプチドスペーサーの各々を含む融合タンパク質を含む。

Description

関連出願への相互参照
本出願は、その開示が参照によりその全体がすべての目的で本明細書に組み込まれる、2020年12月18日に出願された米国仮特許出願第63/127,995号の利益およびそれに対する優先権を主張する。
背景
免疫療法は、少数の患者において治癒応答が持続することにより腫瘍学を一変させたが、免疫関連の有害事象(irAE)により、その広範な適用は制限されている(Michot et al. 2016, Eur J Cancer, 54: 139-148)。最も強力な免疫活性化事象を腫瘍組織に限定し、一方で腫瘍ではない健康な組織は温存することが望ましい。様々な腫瘍局在化アプローチが提案されている:免疫調節剤を免疫サイトカインの腫瘍標的化モジュールに連結させること(Hutmacher and Neri 2018, Adv Drug Deliv Rev);マスキング剤の全身的活性と腫瘍局在化タンパク質分解活性化(Thomas and Daugherty 2009, Protein Sci 18:2053-2059);薬剤の腫瘍内注射(Singh and Overwijk 2015, Nat Commun 8:1447;Ager et al. 2017, Cancer Immunol Res 5:676-684;Bommareddy et al. 2017, Cancer J 23:40-47;Milling et al. 2017, Adv Drug Deliv Rev 114:79-101;Singh et al. 2017, Nat Commun 8:1447;Sagiv-Barfi et al. 2018, Sci Transl Med 10:eaan4488);薬剤を捕捉するための固体生体材料の腫瘍周囲注射(Park et al. 2018, Sci Transl Med, 10:eaar1916);固体粒子へのコンジュゲーション(Kwong et al. 2013, Cancer Res 73:1547- 1558)または腫瘍細胞外マトリックスへの薬剤の一部非特異的固着を促進するための塩基性荷電ペプチドのコンジュゲーション(Ishihara et al. 2017, Sci Transl Med 9:eaan0401;Ishihara et al. 2018, Mal Cancer Ther 17:2399-2411)。関連するが異なるアプローチは、組織を再生させるために組織内に成長因子を局在化させることである(Nishi et al. 1998, Proc Natl Acad Sci 95:7018-7023;Martino et al. 2014, Science 343:885-888;Mitchell et al. 2016, Acta Biomater 30:1-12)。
上記の現在のアプローチにはそれぞれ重大な問題がある。免疫サイトカインは、免疫細胞を免疫調節剤に全身的に曝露させる(Tzeng et al. 2015, Proc Natl Acad Sci 112:3320-3325)。マスキング剤は標的組織の外側でマスクされない場合があり、マスキング剤は製造および免疫原性を複雑にする場合がある。腫瘍内注射は、腫瘍区画の外に急速に拡散されることが多い。ランダムな部位へのペプチドのコンジュゲーションは再現が難しく、特異的活性に負の影響を及ぼす可能性があり、腫瘍の脱出(tumor exit)を完全には防げず、ランダムなコンジュゲーション法の生成物が不均一であるために重大なCMC問題を引き起こす。
したがって、全身毒性を防止しながら、腫瘍局在化を促進し、有効性を増加させる新規免疫療法のアプローチに対する需要が依然として存在する。
Michot et al. 2016, Eur J Cancer, 54: 139-148 Hutmacher and Neri 2018, Adv Drug Deliv Rev Thomas and Daugherty 2009, Protein Sci 18:2053-2059 Singh and Overwijk 2015, Nat Commun 8:1447 Ager et al. 2017, Cancer Immunol Res 5:676-684 Bommareddy et al. 2017, Cancer J 23:40-47 Milling et al. 2017, Adv Drug Deliv Rev 114:79-101 Singh et al. 2017, Nat Commun 8:1447 Sagiv-Barfi et al. 2018, Sci Transl Med 10:eaan4488 Park et al. 2018, Sci Transl Med, 10:eaar1916 Ishihara et al. 2017, Sci Transl Med 9:eaan0401 Ishihara et al. 2018, Mal Cancer Ther 17:2399-2411 Nishi et al. 1998, Proc Natl Acad Sci 95:7018-7023 Martino et al. 2014, Science 343:885-888 Mitchell et al. 2016, Acta Biomater 30:1-12 Tzeng et al. 2015, Proc Natl Acad Sci 112:3320-3325
概要
本明細書に記載されるのは、がんを処置するための化合物、組成物、および方法である。化合物は、IL-2、IL-12、コラーゲン結合ドメイン、および線状ポリペプチドスペーサーの各々を含む融合タンパク質を含む。対象に投与されると、化合物は、腫瘍内で好ましい滞留時間を有し、一部の実施形態では、許容可能な毒性または治療指数の増強を有する処置をもたらし得る。一部の実施形態では、コラーゲン結合ドメインは、腫瘍内のコラーゲンに結合し、長期間、腫瘍内での化合物の局在化を維持する。
(i)IL-2;(ii)IL-12;(iii)コラーゲン結合ドメイン、および(iv)線状ポリペプチドスペーサーを含む免疫調節融合タンパク質が本明細書で開示される。
様々な実施形態では、免疫調節融合タンパク質は線状である。様々な実施形態では、免疫調節融合タンパク質は、連続的な鎖である。様々な実施形態では、免疫調節融合タンパク質は、連続的なポリペプチド鎖である。
様々な実施形態では、IL-2は、免疫調節融合タンパク質のN末端に存在する。様々な実施形態では、IL-12は、免疫調節融合タンパク質のC末端に存在する。様々な実施形態では、IL-2は免疫調節融合タンパク質のN末端に存在し、IL-12は免疫調節融合タンパク質のC末端に存在する。
様々な実施形態では、線状ポリペプチドスペーサーは、IL-2とコラーゲン結合ドメインとの間に配置されている。様々な実施形態では、コラーゲン結合ドメインは、IL-12と線状ポリペプチドスペーサーとの間に配置されている。
様々な実施形態では、IL-2のC末端は、線状ポリペプチドスペーサーのN末端に作動可能に連結している。様々な実施形態では、IL-2のC末端は、線状ポリペプチドスペーサーのN末端にリンカーによって作動可能に連結している。
様々な実施形態では、線状ポリペプチドスペーサーのC末端は、コラーゲン結合ドメインのN末端に作動可能に連結している。様々な実施形態では、線状ポリペプチドスペーサーのC末端は、コラーゲン結合ドメインのN末端にリンカーによって作動可能に連結している。
様々な実施形態では、コラーゲン結合ドメインのC末端は、IL-12のN末端に作動可能に連結している。様々な実施形態では、コラーゲン結合ドメインのC末端は、IL-12のN末端にリンカーによって作動可能に連結している。
様々な実施形態では、コラーゲン結合ドメインは、IL-2と線状ポリペプチドスペーサーとの間に配置されている。様々な実施形態では、線状ポリペプチドスペーサーは、IL-12とコラーゲン結合ドメインとの間に配置されている。様々な実施形態では、IL-2のC末端は、コラーゲン結合ドメインのN末端に作動可能に連結している。
様々な実施形態では、IL-2のC末端は、コラーゲン結合ドメインのN末端にリンカーによって作動可能に連結している。様々な実施形態では、コラーゲン結合ドメインのC末端は、線状ポリペプチドスペーサーのN末端に作動可能に連結している。
様々な実施形態では、コラーゲン結合ドメインのC末端は、線状ポリペプチドスペーサーのN末端にリンカーによって作動可能に連結している。様々な実施形態では、線状ポリペプチドスペーサーのC末端は、IL-12のN末端に作動可能に連結している。様々な実施形態では、線状ポリペプチドスペーサーのC末端は、IL-12のN末端にリンカーによって作動可能に連結している。
様々な実施形態では、IL-2は、免疫調節融合タンパク質のC末端に存在する。様々な実施形態では、IL-12は、免疫調節融合タンパク質のN末端に存在する。様々な実施形態では、IL-2は免疫調節融合タンパク質のC末端に存在し、IL-12は免疫調節融合タンパク質のN末端に存在する。
様々な実施形態では、IL-2のN末端は、線状ポリペプチドスペーサーのC末端に作動可能に連結している。様々な実施形態では、IL-2のN末端は、線状ポリペプチドスペーサーのC末端にリンカーによって作動可能に連結している。
様々な実施形態では、線状ポリペプチドスペーサーのN末端は、コラーゲン結合ドメインのC末端に作動可能に連結している。様々な実施形態では、線状ポリペプチドスペーサーのN末端は、コラーゲン結合ドメインのC末端にリンカーによって作動可能に連結している。
様々な実施形態では、コラーゲン結合ドメインのN末端は、IL-12のC末端に作動可能に連結している。様々な実施形態では、コラーゲン結合ドメインのN末端は、IL-12のC末端にリンカーによって作動可能に連結している。
様々な実施形態では、コラーゲン結合ドメインは、IL-2と線状ポリペプチドスペーサーとの間に配置されている。様々な実施形態では、線状ポリペプチドスペーサーは、IL-12とコラーゲン結合ドメインとの間に配置されている。
様々な実施形態では、IL-2のN末端は、コラーゲン結合ドメインのC末端に作動可能に連結している。様々な実施形態では、IL-2のN末端は、コラーゲン結合ドメインのC末端にリンカーによって作動可能に連結している。
様々な実施形態では、コラーゲン結合ドメインのN末端は、線状ポリペプチドスペーサーのC末端に作動可能に連結している。様々な実施形態では、コラーゲン結合ドメインのN末端は、線状ポリペプチドスペーサーのC末端にリンカーによって作動可能に連結している。
様々な実施形態では、線状ポリペプチドスペーサーのN末端は、IL-12のC末端に作動可能に連結している。様々な実施形態では、線状ポリペプチドスペーサーのN末端は、IL-12のC末端にリンカーによって作動可能に連結している。
様々な実施形態では、リンカーのうちの1つまたは複数は、同一である。様々な実施形態では、リンカーのうちの1つまたは複数は、異なっている。
様々な実施形態では、IL-12は、免疫調節融合タンパク質のC末端に存在し、コラーゲン結合ドメインに作動可能に連結しており、コラーゲン結合ドメインは線状ポリペプチドスペーサーに作動可能に連結しており、線状ポリペプチドスペーサーはタンパク質のN末端のIL-2に作動可能に連結しており、タンパク質は線状である。
様々な実施形態では、IL-12は、免疫調節融合タンパク質のN末端に存在し、コラーゲン結合ドメインに作動可能に連結しており、コラーゲン結合ドメインは線状ポリペプチドスペーサーに作動可能に連結しており、線状ポリペプチドスペーサーはタンパク質のC末端のIL-2に作動可能に連結しており、タンパク質は線状である。
様々な実施形態では、IL-12は、免疫調節融合タンパク質のC末端に存在し、線状ポリペプチドスペーサーに作動可能に連結しており、線状ポリペプチドスペーサーはコラーゲン結合ドメインに作動可能に連結しており、コラーゲン結合ドメインはタンパク質のN末端のIL-2に作動可能に連結しており、タンパク質は線状である。
様々な実施形態では、IL-12は、免疫調節融合タンパク質のN末端に存在し、線状ポリペプチドスペーサーに作動可能に連結しており、線状ポリペプチドスペーサーはコラーゲン結合ドメインに作動可能に連結しており、コラーゲン結合ドメインはタンパク質のC末端のIL-2に作動可能に連結しており、タンパク質は線状である。
様々な実施形態では、免疫調節融合タンパク質は、第2の線状ポリペプチドスペーサーをさらに含む。
様々な実施形態では、IL-12は、免疫調節融合タンパク質のN末端に存在し、第1の線状ポリペプチドスペーサーに作動可能に連結しており、第1の線状ポリペプチドスペーサーはコラーゲン結合ドメインに作動可能に連結しており、コラーゲン結合ドメインは第2の線状ポリペプチドスペーサーに作動可能に連結しており、第2の線状ポリペプチドスペーサーはタンパク質のC末端のIL-2に作動可能に連結しており、タンパク質は線状である。
様々な実施形態では、IL-12は、免疫調節融合タンパク質のC末端に存在し、第1の線状ポリペプチドスペーサーに作動可能に連結しており、第1の線状ポリペプチドスペーサーはコラーゲン結合ドメインに作動可能に連結しており、コラーゲン結合ドメインは第2の線状ポリペプチドスペーサーに作動可能に連結しており、第2の線状ポリペプチドスペーサーはタンパク質のN末端のIL-2に作動可能に連結しており、タンパク質は線状である。
様々な実施形態では、免疫調節融合タンパク質は、連続的な鎖である。様々な実施形態では、免疫調節融合タンパク質は、連続的なポリペプチド鎖である。
様々な実施形態では、コラーゲン結合ドメインは、(i)ルミカンを含む低分子ロイシンリッチプロテオグリカン(SLRP)ファミリーのヒトプロテオグリカンクラスIIのメンバー由来のロイシンリッチリピート;または(ii)LAIR1およびLAIR2から選択されるIg様ドメインを有するヒトI型糖タンパク質を含む。
様々な実施形態では、コラーゲン結合ドメインは、ルミカンを含む。様々な実施形態では、ルミカンは、配列番号11に示されるアミノ酸配列に対して少なくとも約80%の配列同一性を含む。
様々な実施形態では、コラーゲン結合ドメインは、LAIR 1を含む。様々な実施形態では、LAIR1は、配列番号13に示されるアミノ酸配列に対して少なくとも約80%の配列同一性を含む。様々な実施形態では、LAIR1は、配列番号14に示されるアミノ酸に対して少なくとも80%の同一性を含む。
様々な実施形態では、コラーゲン結合ドメインは、LAIR 2を含む。様々な実施形態では、LAIR2は、配列番号15に示されるアミノ酸配列に対して少なくとも80%の同一性を含む。
様々な実施形態では、IL-2は、ヒトIL-2を含む。様々な実施形態では、IL-2は、ヒト野生型IL-2を含む。様々な実施形態では、IL-2は、配列番号1に示されるアミノ酸配列に対して少なくとも約80%の配列同一性を含む。様々な実施形態では、IL-2は、配列番号2に示されるアミノ酸配列に対して少なくとも約80%の配列同一性を含む。
様々な実施形態では、IL-12は、ヒトIL-12を含む。様々な実施形態では、IL-12は、ヒト野生型IL-12を含む。様々な実施形態では、IL-12は、配列番号5に示されるアミノ酸配列に対して少なくとも約80%の配列同一性を含む。様々な実施形態では、IL-12は、配列番号6に示されるアミノ酸配列に対して少なくとも約80%の配列同一性を含む。
様々な実施形態では、線状ポリペプチドスペーサーは、アルブミンである。様々な実施形態では、線状ポリペプチドスペーサーは、アルブミン結合ドメインである。様々な実施形態では、アルブミンは、ヒトアルブミンを含む。
様々な実施形態では、アルブミンは、配列番号16~18に示されるアミノ酸配列に対して少なくとも約80%の配列同一性を含む。様々な実施形態では、アルブミン結合ドメインは、配列番号19に示されるアミノ酸配列に対して少なくとも約80%の配列同一性を含む。
様々な実施形態では、免疫調節融合タンパク質の分子量は、少なくとも約100~1000kDaである。
本明細書に開示される免疫調節融合タンパク質のいずれか1つの免疫調節融合タンパク質、および薬学的に許容される担体を含む医薬組成物がさらに本明細書に開示される。
対象において免疫細胞による応答を活性化、増強もしくは促進するか、または対象において免疫細胞による応答を阻害、低減もしくは抑制するための方法であって、それを必要とする対象に、本明細書に開示される医薬組成物のいずれか1つの医薬組成物の有効量を投与するステップを含む、方法がさらに本明細書に開示される。
がんを処置するため、または腫瘍成長を低減もしくは阻害するための方法であって、それを必要とする対象に、本明細書に開示される医薬組成物のいずれか1つの医薬組成物の有効量を投与するステップを含む、方法がさらに本明細書に開示される。
様々な実施形態では、対象は、少なくとも1つの腫瘍を有する。様々な実施形態では、組成物は、少なくとも1つの腫瘍に対して、腫瘍内に(i.tu)または腫瘍周囲に(peri.tu)投与される。様々な実施形態では、少なくとも1つの腫瘍サイズは、参照標準に対して低減されるかまたは実質的に同一である。様々な実施形態では、参照標準は、投与前の腫瘍のサイズである。
様々な実施形態では、組成物は、注射により投与される。
様々な実施形態では、組成物は、24時間を超える腫瘍内保持t1/2を有する。
様々な実施形態では、腫瘍内注射の12時間後に、注射した用量の25%未満が血清中で検出される。
様々な実施形態では、少なくとも1つの腫瘍は、1mm当たり50個以下の細胞の間質性CD8+細胞傷害性T細胞(CTL)を有する。様々な実施形態では、少なくとも1つの腫瘍は、1mm当たり50個以上の細胞の間質性CD8+細胞傷害性T細胞(CTL)および1mm当たり500個以下の細胞の上皮内区画CD8+細胞傷害性T細胞(CTL)を有する。様々な実施形態では、少なくとも1つの腫瘍は、1mm当たり500個以上の細胞の上皮内区画CD8+細胞傷害性T細胞(CTL)を有する。
様々な実施形態では、方法は、対象においてサイトカイン放出症候群をもたらさない。様々な実施形態では、対象は、グレード4のサイトカイン放出症候群を経験しない。
対象において、腫瘍成長を低減もしくは阻害するため、またはがんを処置するための方法であって、それを必要とする対象に、本明細書に開示される医薬組成物のうちのいずれか1つの医薬組成物の有効量、および(i)腫瘍抗原を標的とする抗体、(ii)がんワクチン、(iii)免疫チェックポイント阻害剤、または(iv)養子細胞療法を含む第2の組成物の有効量を投与し、それによって、対象において、腫瘍成長を低減もしくは阻害するかまたはがんを処置するステップを含む、方法がさらに本明細書に開示される。
様々な実施形態では、腫瘍抗原は、腫瘍関連抗原(TAA)、腫瘍特異的抗原(TSA)、もしくは腫瘍ネオ抗原である、および/または腫瘍抗原を標的とする抗体は、ヒトHER-2/neu、EGFR、VEGFR、CD20、CD33、CD38もしくはその抗原結合断片に特異的に結合する。様々な実施形態では、がんワクチンは、1つもしくは複数の腫瘍関連抗原を含むペプチド、またはin vitroで腫瘍抗原により免疫され、対象に投与される細胞の集団である。様々な実施形態では、免疫チェックポイント阻害剤は、PD-1、PD-L1、CTLA-4、LAG3、またはTIM3に結合する抗体またはその抗原結合断片である。様々な実施形態では、免疫エフェクター細胞は、腫瘍抗原に結合するキメラ抗原受容体(CAR)分子を含む。
ある特定の態様では、本明細書に記載されるのは、IL-2;IL-12;LAIR2コラーゲン結合ドメイン(LAIR2は、配列番号15に示されるアミノ酸配列に対して少なくとも80%の同一性を含む);およびアルブミン(アルブミンは、配列番号16~18に示されるアミノ酸配列に対して少なくとも約80%の配列同一性を含む)を含む免疫調節融合タンパク質である。
図1は、IL-12、コラーゲン結合ドメイン、アルブミン、およびIL-2を含む例示的な二官能性線状融合コラーゲン局在化免疫調節構築物を例示する。
図2A~2Fは、NiNTA樹脂で精製し、分析的サイズ排除クロマトグラフィー(SEC)を使用して生成物品質を評価した組換えタンパク質を示すグラフである。図2Aは、12-MSA-Lum-MSA-2構築物のSECプロファイルを示す(HMW=19%;メイン=79%;LMW=2%)。図2Bは、12-Lum-MSA-2構築物のSECプロファイルを示す(HMW=9%;メイン=90%;LMW=1%)。図2Cは、12-MSA-Lum-2構築物のSECプロファイルを示す(HMW=34%;メイン=64%;LMW=2%)。図2Dは、12-MSA-LAIR-MSA-2構築物のSECプロファイルを示す(HMW=11%;メイン=89%;LMW=0%)。図2Eは、12-LAIR-MSA-2構築物のSECプロファイルを示す(HMW=11%;メイン=89%;LMW=1%)。図2Fは、12-MSA-LAIR-2構築物のSECプロファイルを示す(HMW=16%;メイン=84%;LMW=0%)。 同上。
図3は、様々な構築物の生成物収量および生成物品質を示す棒グラフである。生成物収量および生成物品質(メインピークのパーセンテージ)は、単一のMSAのみが構築物中に存在し、このようなMSAがコラーゲン結合ドメイン(ルミカンまたはLAIR)とIL-2の間に位置した場合に、最も高い。
図4A~4Bは、コラーゲン結合ドメインを含む二官能性線状融合免疫調節構築物のコラーゲンへの結合を濃度の関数として示すグラフである。結合は、ELISAによって決定した。図4Aは、ルミカンを含む構築物(例えば、12-MSA-Lum-MSA-2構築物)と比較して、コラーゲンに対するより高い親和性結合をもたらしたLAIRを含む構築物(例えば、12-MSA-LAIR-MSA-2構築物)を示す。さらに、ルミカンをMSAとIL-2の間に配置することにより(例えば、12-MSA-Lum-2構築物)、ルミカンをMSAとIL-2の間に配置するよりもコラーゲンに対するより高い親和性結合を可能にした。図4Bは、LAIRを含む3つの構築物を示し、これらは各々、LAIRとIL-2の間に異なるスペーサー、すなわち、MSA、ABD、およびMSA_Mut1-2を含み、同等レベルのコラーゲン結合をもたらす。MSA_Mut1-2は、FcRn結合を抑止するH464Q変異を含む。
図5A~5Bは、様々な構築物のIL-2サイトカイン活性がコラーゲンの存在下で維持されることを示すグラフである。IL-2の生体活性は以下について測定した:(1)IL-2単独、(2)IL-12単独、(3)コラーゲン結合ドメインを含むIL-2単官能性線状構築物とコラーゲン結合ドメインを含むIL-12単官能性線状構築物との組合せ、および(4)各々がコラーゲン結合ドメインを含む2つの二官能性線状構築物:12-Lum-MSA-2および12-LAIR-MSA-2。図5Aは、正常組織培養プレートにおける構築物の吸光度読取り値を示す。図5Bは、コラーゲンI(Corning)をコーティングしたプレートにおける構築物の吸光度読取り値を示す。
図5C~5Dは、様々な構築物のIL-2サイトカイン活性がコラーゲンの存在下で維持されることを示すグラフである。IL-2生体活性を以下のコラーゲン結合ドメインを含む3つの二官能性線状構築物について測定した:(1)12-LAIR-MSA-2、(2)12-LAIR-MSA-2、および(3)FcRn結合を抑止するH464Q変異を含む12-LAIR-MSA_H464Q-2。図5Cは、正常組織培養プレートにおける構築物の吸光度読取り値を示す。図5Dは、コラーゲンI(Corning)でコーティングしたプレートにおける構築物の吸光度読取り値を示す。
図6A~6Bは、様々な構築物のIL-12活性がコラーゲンの存在下で維持されることを示すグラフである。IL-12の生体活性は以下について測定した:(1)IL-2単独、(2)IL-12単独、(3)コラーゲン結合ドメインを含むIL-2単官能性線状構築物とコラーゲン結合ドメインを含むIL-12単官能性線状構築物の組合せ、および(4)各々がコラーゲン結合ドメインを含む2つの二官能性線状構築物:12-Lum-MSA-2および12-LAIR-MSA-2。図6Aは、正常組織培養プレートにおける構築物の吸光度読取り値を示す。図6Bは、コラーゲンI(Corning)をコーティングしたプレートにおける構築物の吸光度読取り値を示す。
図7Aは、B16F10細胞を接種し、次に、0および6日目に、100pmolの:(1)PBS、(2)MSAを含むIL-2単官能性線状構築物(MSA-2)とMSAを含むIL-12単官能性線状構築物(12-MSA)の組合せ、(3)MSAおよびコラーゲン結合ドメインを含むIL-2単官能性線状構築物(LAIR-MSA-2)とMSAおよびコラーゲン結合ドメインを含むIL-12単官能性線状構築物(12-MSA-LAIR)の組合せ、(4)MSAおよびコラーゲン結合ドメインを含む二官能性線状構築物12-Lum-MSA-2、ならびに(5)MSAおよびコラーゲン結合ドメインを含む二官能性線状構築物12-LAIR-MSA-2を腫瘍内注射により処置したC57BL/6マウスの腫瘍体積成長を示す腫瘍成長曲線(経時的な平均腫瘍体積)のグラフである。
図7Bは、B16F10細胞を接種し、次に、0および6日目に、100pmolの:(1)PBS、(2)MSAを含むIL-2単官能性線状構築物(MSA-2)とMSAを含むIL-12単官能性線状構築物(12-MSA)の組合せ、(3)MSAおよびコラーゲン結合ドメインを含むIL-2単官能性線状構築物(LAIR-MSA-2)とMSAおよびコラーゲン結合ドメインを含むIL-12単官能性線状構築物(12-MSA-LAIR)の組合せ、(4)MSAおよびコラーゲン結合ドメインを含む二官能性線状構築物12-Lum-MSA-2、ならびに(5)MSAおよびコラーゲン結合ドメインを含む二官能性線状構築物12-LAIR-MSA-2を腫瘍内注射により処置したC57BL/6マウスの体重変化率を示すグラフである。
図8A~8Bは、C57BL/6マウスの両脇腹に接種した皮下B16F10黒色腫同系モデルにおける、MSAおよびコラーゲン結合ドメインを含む二官能性線状構築物、12-LAIR-MSA-2の用量応答治療有効性を示す腫瘍成長曲線(経時的な平均腫瘍体積)のグラフである。試験した用量レベルのすべてにおいて、二官能性線状構築物12-LAIR-MSA-2は、処置した腫瘍(図8A)と未処置の腫瘍(図8B)の両方で、有意な腫瘍成長阻害をもたらし、アブスコパル効果を実証した。
図9A~9Cは、B16F10マウスモデルにおける様々な二官能性構築物の有効性および毒性を示す。C57BL/6マウスにB16F10細胞を接種し、400pmolの(1)PBS対照、(2)12-LAIR-MSA-2、(3)12-LAIR-MSA_H464Q-2、(4)12-LAIR-ABD-2、および(5)12-Lum-MSA-2を腫瘍内注射により処置した。図9Aは、試験したすべての二官能性構築物が、PBS対照群と比較して有意な腫瘍成長阻害をもたらしたことを示す腫瘍成長曲線(経時的な平均腫瘍体積)のグラフである。図9Bは、PBS対照群と比較して、二官能性構築物を腫瘍内注射により処置した動物の生存率が延長されたことを示す生存率のグラフである。図9Cは、試験したすべての二官能性構築物が体重減少の欠如を反映した良好な安全性プロファイルを実証したことを示す、体重変化率のグラフである。
図10A~10Cは、チェックポイント阻害剤である抗PD1または抗CTLAと組み合わせた12-LAIR-MSA-2の有効性および毒性を示す。C57BL/6マウスにB16F10細胞を接種し、指示した通り、PBSまたは400pmolの12-LAIR-MSA-2の腫瘍内(IT)注射およびアイソタイプ対照(ラットIgG2a)、抗PD1(クローンRMP1-14)、または抗CTLA4(9D9)の腹腔内(IP)注射により処置した。図10A~10Bは、抗PD1または抗CTLA4のいずれか単独での処置が腫瘍成長阻害に影響を及ぼさなかったこと、二官能性構築物12-LAIR-MSA-2単独での処置が有意な腫瘍成長阻害をもたらしたこと、および12-LAIR-MSA-2の抗腫瘍活性が抗PD1または抗CTLA4のいずれかとの組合せによってさらに増強されたことを示す。図10Cは、抗PD1または抗CTLA4のいずれかを二官能性構築物12-LAIR-MSA-2に加えても、12-LAIR-MSA-2単独での処置と比較してさらなる体重減少はもたらされなかったことを示す。 同上。
図11Aは、MC38細胞を接種し、次に、0および6日目に、PBSまたは12-LAIR-MSA-2を腫瘍内注射により処置したC57BL/6マウスの腫瘍体積成長を示す腫瘍成長曲線(経時的な平均腫瘍体積)のグラフである。
図11Bは、MC38細胞を接種し、次に、0および6日目に、PBSまたは12-LAIR-MSA-2を腫瘍内注射により処置したC57BL/6マウスの体重変化率を示すグラフである。
図12Aは、MC38細胞を接種し、次に、0および6日目に、指定した用量の試験物品(PBS、12-LAIR-MSA-2、12-LAIR-ABD-2、および12-Lum-MSA-2)を腫瘍内注射により0および6日目に腫瘍内注射により処置したC57BL/6マウスの腫瘍体積成長を示す腫瘍成長曲線(経時的な平均腫瘍体積)のグラフである。指定された場合、マウスに、アイソタイプ対照(ラットIgG2a)または抗PD1(クローンRMP1-14)をBIWで3週間、腹腔内注射により処置した。
図12Bは、MC38細胞を接種し、次に、0および6日目に、指定した用量の試験物品(PBS、12-LAIR-MSA-2、12-LAIR-ABD-2、および12-Lum-MSA-2)を腫瘍内注射により0および6日目に腫瘍内注射により処置したC57BL/6マウスの体重変化率を示すグラフである。指定された場合、マウスに、アイソタイプ対照(ラットIgG2a)または抗PD1(クローンRMP1-14)をBIWで3週間、腹腔内注射により処置した。
図13Aは、CT6細胞を接種し、次に、0および6日目に、PBSまたは12-LAIR-MSA-2を腫瘍内注射により処置したBALB/cマウスの腫瘍体積成長を示す腫瘍成長曲線(経時的な平均腫瘍体積)のグラフである。
図13Bは、CT26細胞を接種し、次に、0および6日目に、PBSまたは12-LAIR-MSA-2を腫瘍内注射により処置したBALB/cマウスの体重変化率を示すグラフである。
図14Aは、CT26細胞を接種し、次に、0および6日目に、指定した用量の試験物品(PBS、12-LAIR-MSA-2、12-LAIR-ABD-2、および12-Lum-MSA-2)を腫瘍内注射により0および6日目に腫瘍内注射により処置したBALB/cマウスの腫瘍体積成長を示す腫瘍成長曲線(経時的な平均腫瘍体積)のグラフである。指定された場合、マウスに、アイソタイプ対照(ラットIgG2a)または抗PD1(クローンRMP1-14)をBIWで3週間、腹腔内注射により処置した。
図14Bは、CT26細胞を接種し、次に、0および6日目に、指定した用量の試験物品(PBS、12-LAIR-MSA-2、12-LAIR-ABD-2、および12-Lum-MSA-2)を腫瘍内注射により0および6日目に腫瘍内注射により処置したBALB/cマウスの体重変化率を示すグラフである。指定された場合、マウスに、アイソタイプ対照(ラットIgG2a)または抗PD1(クローンRMP1-14)をBIWで3週間、腹腔内注射により処置した。
図15Aは、B16F10細胞を右後側腹部に接種したC57BL/6マウス血清中の12-LAIR-MSA-2レベルを示すグラフである。接種(0日目)の7日後に、マウスを処置群(n=10)に無作為化し、マウスに、400pmolのPBS対照または12-LAIR-MSA-2を静脈内または腫瘍内注射のいずれかにより処置した。投与の2時間後または24時間後に、血清中の12-LAIR-MSA-2量を測定した。
図15Bは、ITまたはIV投与による12-LAIR-MSA-2融合タンパク質投与の2時間後または24時間後のいずれかのインターフェロンガンマ(INF-γ)レベルを示すグラフである。
図15Cは、ITまたはIV投与による12-LAIR-MSA-2融合タンパク質投与の2時間後または24時間後のいずれかのIP-10レベルを示すグラフである。
図15Dは、ITまたはIV投与による12-LAIR-MSA-2融合タンパク質投与の2時間後または24時間後のいずれかのMCP-1レベルを示すグラフである。
図15Eは、IV投与と比較した、IT投与(aministration)により12-LAIR-MSA-2融合タンパク質を投与したマウスにおける、生存率で測定した処置の有効性を示すグラフである。
詳細な説明
腫瘍制御のために免疫細胞応答を増幅および調整するサイトカインは、他の免疫療法との強固な相乗効果を発揮することができる。このような2つのサイトカインは、インターロイキン-2(IL-2)およびIL-12であり、T細胞およびナチュラルキラー(NK)細胞を拡大および刺激し、抗腫瘍免疫を媒介する。それらの有望な治療効果にもかかわらず、一部の実施形態では、用量制限毒性は、これらのサイトカイン療法の有効性および臨床応用を抑制する。
最終的に、サイトカインの治療指数は、その作用を腫瘍に局在化させ、健康な組織から離すことによって改善することができる。しかしながら、腫瘍に直接投与された場合であっても、サイトカインは、速やかに漏出し全身循環に入るため、毒性および限定的な有効性の問題に十分に対処することができない。本明細書に記載の化合物は、一部の実施形態では、腫瘍に注入されると、それらの治療的抗腫瘍活性を延長し局在化させながら、全身へと広がるのを制限し(imiting)、それによって安全性プロファイルを改善しながら有効性を改善する。一部の実施形態では、化合物は、多くの腫瘍型で豊富に発現され、そこに存在するコラーゲンに結合する。
二官能性線状融合構築物
コラーゲン結合サイトカインを作出する(devise)ために、IL-2およびIL-12を単一の融合タンパク質においてコラーゲン結合タンパク質と組み合わせた。
腫瘍内投与した場合、コラーゲン結合ドメイン、IL-2、およびIL-12を含む二官能性線状免疫調節融合タンパク質は、コラーゲン結合ドメインおよびIL-2を含む線状免疫調節融合タンパク質、またはコラーゲン結合ドメインおよびIL-12を含む線状免疫調節融合タンパク質のいずれかの投与と比較して、全身曝露の低下および治療指数の改善を実証した。一部の実施形態では、全身曝露の低下により、毒性の低下または治療指数の改善がもたらされる。腫瘍内投与した場合、コラーゲン結合ドメイン、IL-2、およびIL-12を含む二官能性線状免疫調節融合タンパク質は、コラーゲン結合ドメインおよびIL-2を含む免疫調節融合タンパク質とコラーゲン結合ドメインおよびIL-12を含む免疫調節融合タンパク質のいずれかの併用投与と比較して、全身曝露の低下を実証した。一部の実施形態では、全身曝露の低下により、毒性の低下または治療指数の改善がもたらされる。
腫瘍内保持
以下のいくつかの因子は、サイトカイン融合タンパク質の腫瘍内保持を必要とする:コラーゲン結合親和性、コラーゲン濃度、拡散または対流によるサイズ依存性の漏出、およびサイトカイン受容体に媒介される消費。コラーゲンへの親和性および分子量の増加が、コラーゲン結合融合タンパク質の腫瘍内保持および全身分布に寄与する。一部の実施形態では、コラーゲンへの親和性の増加またはコラーゲン結合免疫調節分子の分子量の増加が、腫瘍内保持を増加させ、全身分布を減少させることにより、対象に投与される免疫調節融合タンパク質を含む組成物の治療効果をもたらす。
したがって、コラーゲンに対する特異的親和性を有するドメインへの免疫調節融合体が本明細書において提供され、これは、一部の実施形態では、特定のコラーゲンに富む腫瘍内でより多くの保持をもたらす。本明細書に記載の一部の態様では、免疫調節融合タンパク質は、IL-2、IL-12、およびコラーゲン結合ドメインを含み、コラーゲン結合ドメインは、対象における腫瘍内投与後に、腫瘍保持を増加させ、IL-2およびIL-12への全身曝露を低減し、それによって、処置に関連する毒性を低減する。
文脈が別段に指定していなければ、本明細書に記載の様々な特徴(feature)を任意の組合せで使用することができることが具体的に意図される。さらに、一部の実施形態では、本明細書に示される任意の特徴または特徴の組合せは、排除または省略され得る。例示すると、本明細書で複合体が構成成分A、B、およびCから構成されると記載されている場合、A、B、もしくはCのいずれか、またはこれらの組合せは、単独でまたは任意の組合せで省略および放棄され得ることが具体的に意図される。
定義
本明細書において使用される場合、以下の語句は、それらが使用される文脈が他を指示する場合を除き、一般に、以下に示される意味を有することが意図される。
本明細書および特許請求の範囲で使用される場合、単数形「1つの(a)」、「1つの(an)」および「その(the)」は、文脈が明確に他を指示しない限り、複数の参照を含むことに留意されたい。
本明細書で使用される場合、「および/または(and/or)」は、関連する列挙された項目の1つまたは複数のあらゆる可能な組合せ、および選択肢(「または(or)」)で解釈させる場合の組合せの欠如を指す(reder to)と共に包含する。さらに、本明細書に示される任意の特徴または特徴の組合せは、排除または省略され得る。
用語「約(about)」は、本明細書で使用される場合、例えば、化合物または薬剤の量、用量、時間、温度などの測定可能な値に言及する場合、特定の量の±10%、±5%、±1%、±0.5%、またはさらには±0.1%の変動を包含することを意味する。
「ポリペプチド」、「タンパク質」または「ペプチド」という用語は、その長さまたは翻訳後修飾(例えば、グリコシル化またはリン酸化)に関わらず、アミノ酸残基の任意の鎖を指す。
「融合タンパク質」という用語は、本明細書で使用される場合、2つまたはそれより多い要素、構成成分、もしくはドメインおよび/またはポリペプチドを接合させて、より大きなポリペプチドを作出することによって作出されるタンパク質を指す。本明細書で使用される場合、「連結した(linked)」、「作動可能に連結した(operably linked)」、「融合した(fused)」または「融合(fusion)」という用語は、互換的に使用され、少なくとも1つの要素、構成成分、ドメインおよび/またはポリペプチドが、融合タンパク質中で発現された場合に、その天然の状態および/または連結なしで発現された場合と同様に、生物学的機能または細胞活性の少なくとも一部を有することを可能にする、融合タンパク質内の2つまたはそれより多い要素、構成成分、ドメインおよび/またはポリペプチドの接合を指す。2つまたはそれより多い要素または構成成分またはドメインの接合は、化学的コンジュゲーション、非共有結合による複合体形成または組換え手段を含む、当技術分野で公知のあらゆる手段によって実施され得る。化学的コンジュゲーションの方法(例えば、ヘテロ二官能性架橋剤を使用する)は当技術分野で公知である。よって、要素、構成成分、ドメインおよび/またはポリペプチドは、共有結合(例えば、ペプチド結合)または非共有結合によって接合され得る。要素、構成成分、ドメインおよび/またはポリペプチドは、翻訳中または翻訳後のリボソーム内でのペプチド結合形成によって接合され得る。
別段に定義されない限り、本明細書で使用されるすべての技術用語および科学用語は、当業者によって一般的に理解されるのと同じ意味を有する。本明細書において使用される用語は、特定の実施形態のみを説明するためのものであり、限定的であることを意図しない。
免疫調節融合タンパク質
本明細書で使用される場合、「免疫調節融合タンパク質」という用語は、IL-2およびIL-12に作動可能に連結したコラーゲン結合ドメインを含むポリペプチドを指す。一部の実施形態では、コラーゲン結合ドメインは、線状ポリペプチドスペーサーによってIL-2およびIL-12に作動可能に連結している。一部の実施形態では、コラーゲン結合ドメインは、線状ポリペプチドスペーサーによってIL-2およびIL-12に作動可能に連結している。一部の実施形態では、コラーゲン結合ドメインは、リンカーによってIL-2およびIL-12に作動可能に連結している。
一部の態様では、本開示は、IL-2およびIL-12に作動可能に連結した(is operably linked to an IL-2 and IL-12)コラーゲン結合ドメインを含む免疫調節融合タンパク質を提供する。一部の態様では、本開示は、線状ポリペプチドスペーサーによりIL-2およびIL-12に作動可能に連結したコラーゲン結合ドメインを含む免疫調節融合タンパク質を提供する。一部の実施形態では、免疫調節融合タンパク質は、リンカーをさらに含む。一部の実施形態では、免疫調節融合タンパク質は、複数のリンカーをさらに含む。
I.コラーゲン結合ドメイン
一部の実施形態では、本開示は、コラーゲン結合ドメインを含む免疫調節融合タンパク質を提供する。一部の実施形態では、コラーゲン結合ドメインは、約5~1,000kDa、約5~100kDa、約10~80kDa、約20~60kDa、約30~50kDa、または約10kDa、約20kDa、約30kDa、約40kDa、約50kDa、約60kDa、約70kDa、約80kDa、約90kDaまたは約100kDaのMWを有する。一部の実施形態では、コラーゲン結合ドメインは、約5kDa、約10kDa、約20kDa、約30kDa、約40kDa、約50kDa、約60kDa、約70kDa、約80kDa、約90kDa、約100kDa、約150kDa、約200kDa、約300kDA、約400kDa、約500kDa、約600kDa、約700kDa、約800kDa、約900kDaまたは約1,000kDaである。一部の実施形態では、コラーゲン結合ドメインは、約30kDaである。一部の実施形態では、コラーゲン結合ドメインは、約40kDaである。
一部の実施形態では、コラーゲン結合ドメインは、約10~350、約10~300、約10~250、約10~200、約10~150、約10~100、約10~50、または約10~20アミノ酸長である。一部の実施形態では、コラーゲン結合ドメインは、約10アミノ酸長である。一部の実施形態では、コラーゲン結合ドメインは、約15アミノ酸長である。一部の実施形態では、コラーゲン結合ドメインは、約20アミノ酸長である。一部の実施形態では、コラーゲン結合ドメインは、約30アミノ酸長である。一部の実施形態では、コラーゲン結合ドメインは、約40アミノ酸長である。一部の実施形態では、コラーゲン結合ドメインは、約50アミノ酸長である。一部の実施形態では、コラーゲン結合ドメインは、約60アミノ酸長である。一部の実施形態では、コラーゲン結合ドメインは、約70アミノ酸長である。一部の実施形態では、コラーゲン結合ドメインは、約80アミノ酸長である。一部の実施形態では、コラーゲン結合ドメインは、約90アミノ酸長である。一部の実施形態では、コラーゲン結合ドメインは、約100アミノ酸長である。一部の実施形態では、コラーゲン結合ドメインは、約120アミノ酸長である。一部の実施形態では、コラーゲン結合ドメインは、約150アミノ酸長である。一部の実施形態では、コラーゲン結合ドメインは、約200アミノ酸長である。一部の実施形態では、コラーゲン結合ドメインは、約250アミノ酸長である。一部の実施形態では、コラーゲン結合ドメインは、約300アミノ酸長である。一部の実施形態では、コラーゲン結合ドメインは、約350アミノ酸長である。
一部の実施形態では、コラーゲン結合ドメインは、コラーゲンに結合する1つまたは複数の(例えば、2、3、4、5、6、7、8、9、10またはそれより多い)ロイシンリッチリピートを含む。一部の実施形態では、コラーゲン結合ドメインは、プロテオグリカンを含む。一部の実施形態では、コラーゲン結合ドメインは、プロテオグリカンを含み、プロテオグリカンは、デコリン、ビグリカン、テスティカン、ビクニン、フィブロモジュリン、ルミカン、コンドロアドヘリン、ケラチン、ECM2、エピフィカン、アスポリン、PRELP、ケラトカン、オステオアドヘリン、オプチシン、オステオグリカン、ニクタロピン、ツクシ、ポドカン、ポドカン様タンパク質1バーシカン、ペルレカン、ニドゲン、ニューロカン、アグレカン、およびブレビカンからなる群から選択される。
一部の実施形態では、コラーゲン結合ドメインは、クラスI低分子ロイシンリッチプロテオグリカン(SLRP)を含む。一部の実施形態では、コラーゲン結合ドメインは、クラスII SLRPを含む。一部の実施形態では、コラーゲン結合ドメインは、クラスIII SLRPを含む。一部の実施形態では、コラーゲン結合ドメインは、クラスIV SLRPを含む。一部の実施形態では、コラーゲン結合ドメインは、クラスV SLRPを含む。SLRPクラスについてのさらなる説明は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、Schaefer & Iozzo (2008) J Biol Chem 283(31):21305-21309に開示されている。
一部の実施形態では、コラーゲン結合ドメインは、低分子ロイシンリッチプロテオグリカン(SLRP)ファミリーのヒトプロテオグリカンクラスIIのメンバー由来の1つもしくは複数のロイシンリッチリピートを含む。一部の実施形態では、SLRPは、ルミカン、デコリン、ビグリカン、フィブロモジュリン、ケラチン、エピフィカン、アスポリンおよびオステオグリシンから選択される。
「k」(秒-1)という用語は、本明細書で使用される場合、特定のタンパク質間相互作用の解離速度定数を指す。この値は、koff値とも称される。
「k」(M-1×秒-1)という用語は、本明細書で使用される場合、特定のタンパク質間相互作用の会合速度定数を指す。この値は、kon値とも称される。
「K」(M)という用語は、本明細書で使用される場合、特定のタンパク質間相互作用の解離平衡定数を指す。K=k/k。一部の実施形態では、タンパク質(例えば、結合ドメイン)の親和性は、2つのタンパク質間の相互作用に関するKについて記載されている。明確化のために、当技術分野で公知のように、K値が小さいほど親和性の高い相互作用を示し、K値が大きいほど親和性の低い相互作用を示す。
一部の実施形態では、コラーゲン結合ドメインは、タンパク質結合親和性を決定するための当技術分野で公知の好適な方法によって、例えば、ELISA、表面プラズモン共鳴(BIAcore)、FACS分析などによって測定した場合に、0.1~1,000nMの結合親和性K値でコラーゲン(例えば、コラーゲン1型または3型)に結合する。一部の実施形態では、コラーゲン結合ドメインは、当技術分野で公知の好適な方法によって決定した場合に、0.1~1.0nM、1.0~10nM、10~20nM、20~30nM、30~40mM、40~50nM、50~60nM、70~80nM、90~100nM、10~50nM、50~100nM、100~1,000、または1,000~10,000nMの結合親和性K値でコラーゲンに結合する。一部の実施形態では、免疫調節融合タンパク質は、当技術分野で公知の好適な方法によって決定した場合に、0.1~1.0nM、1.0~10nM、10~20nM、20~30nM、30~40mM、40~50nM、50~60nM、70~80nM、90~100nM、10~50nM、50~100nM、100~1,000、または1,000~10,000nMの結合親和性K値でコラーゲンに結合する。一部の実施形態では、コラーゲン結合ドメインは、GPOトリプレットの繰り返しを含有する三量体ペプチドに結合する。一部の実施形態では、コラーゲン結合ドメインは、ヒドロキシプロリンに依存して共通のコラーゲンモチーフに結合する。
A.ルミカン
LUMとしても公知のルミカンは、ヒトにおいて、第12染色体上のLUM遺伝子にコードされている細胞外マトリックスタンパク質である(Chakravarti et al., (1995) Genomics 27(3):481-488)。ルミカンは、デコリン、ビグリカン、フィブロモジュリン、ケラトカン、エピフィカン、およびオステオグリシンを含む低分子ロイシンリッチプロテオグリカン(SLRP)ファミリーのプロテオグリカンクラスIIのメンバーである(Iozzo & Schaefer (2015) Matrix Biology 42: 11-55)。ルミカンは、コラーゲンI型およびIV型に特異的に結合する安定なタンパク質である。
ルミカンは、約40kDaの分子量を有し、4つの主要な分子内ドメインを有する:1)16アミノ酸残基のシグナルペプチド、2)硫酸化チロシンおよびジスルフィド結合を含有する負に荷電したN末端ドメイン、3)ルミカンをコラーゲンに結合させる10個のタンデムロイシンリッチリピート、および4)32残基離れた2つの保存システインを含有する50アミノ酸残基のカルボキシル末端ドメイン。Kao et al., (2006) Experimental Eye Research 82(1):3-4)。ケラタン硫酸で置換され得るタンパク質コアのロイシンリッチリピートドメイン内に4つのN連結部位が存在する。ルミカン(デコリンおよびフィブロモジュリンのような)のコアタンパク質は馬蹄型である。これにより、ルミカンが、コラーゲン原線維内のコラーゲン分子に結合し、よって、隣接する原線維を離れた状態に保つのを助けることが可能になる、Scott (1996) Biochemistry 35(27): 8795-8799。
一部の実施形態では、コラーゲン結合ドメインは、クラスII低分子ロイシンリッチプロテオグリカン(SLRP)を含む。SLRPクラスについてのさらなる説明は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、Schaefer & Iozzo (2008) J Biol Chem 283(31):21305-21309に開示されている。一部の実施形態では、コラーゲン結合ドメインは、低分子ロイシンリッチプロテオグリカン(SLRP)ファミリーのヒトプロテオグリカンクラスIIのメンバー由来の1つもしくは複数のロイシンリッチリピートを含む。一部の実施形態では、SLRPはルミカンである。一部の実施形態では、ルミカンは、ヒトルミカンである。一部の実施形態では、ルミカンは、配列番号11に示されるアミノ酸配列に対して少なくとも80%、少なくとも81%、少なくとも82%、少なくとも83%、少なくとも84%、少なくとも85%、少なくとも86、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の同一性を有するアミノ酸配列、またはその一部を含む。
一部の実施形態では、ルミカンは、配列番号11のアミノ酸配列を含むルミカンタンパク質と比較して、1つまたは複数のアミノ酸置換、付加または欠失、必要に応じて2、3、4、5、6、7、8、9、10またはそれより多いアミノ酸置換、付加または欠失を含むバリアントである。一部の実施形態では、ルミカンバリアントは、配列番号11のアミノ酸配列を含むルミカンタンパク質のコラーゲン結合親和性と比較して、コラーゲンに対する結合親和性が増加している。一部の実施形態では、ルミカンバリアントは、配列番号11のアミノ酸配列を含むルミカンタンパク質のコラーゲン結合親和性と比較して、コラーゲンに対する結合親和性が低下している。
B.LAIR1およびLAIR2
白血球関連免疫グロブリン様受容体(LAIR-およびLAIR-2)白血球関連lg様受容体(LAIR)-1は、コラーゲン結合の際に免疫細胞機能を阻害するコラーゲン受容体である。LAIR-Iの次に、ヒトゲノムは、可溶性ホモログであるLAIR-2をコードする。ヒト(h)LAIR-Iは、PBMCおよび胸腺細胞の大多数で発現される(Maasho et al., (2005) Mal Immunol 42: 1521-1530)。in vitroでのmAbによるLAIR-1の架橋は、免疫細胞機能を阻害することが可能である強力な阻害シグナルを送達する。コラーゲンは、LAIR分子に対する天然の、高親和性リガンドであることが公知である。hLAIR-1のコラーゲンとの相互作用は、in vitroで、免疫細胞活性化を直接阻害する(Meyaard et al., (1997) Immunity 7:283-290;Poggi (1998) Eur J Immunol 28:2086-2091;Van der Vuurst de Vries et al., (1999) Eur J Immunol 29:3160-3167;Lebbink et al., (2006) J Exp Med 203:1419-1425)。
一部の実施形態では、コラーゲン結合ドメインは、Ig様ドメインを有するヒトI型糖タンパク質、またはコラーゲンに結合するその細胞外部分を含む。一部の実施形態では、I型糖タンパク質は、コラーゲンI型への結合に関して、結合に関してルミカンと競合する。一部の実施形態では、ヒトI型糖タンパク質は、LAIR、LAIR1、およびLAIR2から選択される。
一部の実施形態では、ヒトI型糖タンパク質は、LAIR1である。一部の実施形態では、LAIR1は、配列番号13に示されるアミノ酸配列に対して少なくとも80%、少なくとも81%、少なくとも82%、少なくとも83%、少なくとも84%、少なくとも85%、少なくとも86、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の同一性を有するアミノ酸配列、またはその一部を含む。一部の実施形態では、ヒトI型糖タンパク質はLAIR1であり、コラーゲン結合ドメインは、配列番号13に示されるアミノ酸配列のアミノ酸残基22~122に対して少なくとも80%、少なくとも81%、少なくとも82%、少なくとも83%、少なくとも84%、少なくとも85%、少なくとも86、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の同一性を有するアミノ酸配列、またはその一部を含む。
一部の実施形態では、ヒトI型糖タンパク質は、LAIR1である。一部の実施形態では、LAIR1は、配列番号14に示されるアミノ酸配列に対して少なくとも80%、少なくとも81%、少なくとも82%、少なくとも83%、少なくとも84%、少なくとも85%、少なくとも86、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の同一性を有するアミノ酸配列、またはその一部を含む。
一部の実施形態では、LAIRは、配列番号12に示されるアミノ酸配列に対して少なくとも80%、少なくとも81%、少なくとも82%、少なくとも83%、少なくとも84%、少なくとも85%、少なくとも86、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の同一性を有するアミノ酸配列、またはその一部を含む。
一部の実施形態では、LAIR1は、配列番号13のアミノ酸配列を含むLAIR1タンパク質と比較して、1つまたは複数のアミノ酸置換、付加または欠失、必要に応じて2、3、4、5、6、7、8、9、10またはそれより多いアミノ酸置換、付加または欠失を含むバリアントである。一部の実施形態では、LAIR1バリアントは、配列番号13のアミノ酸配列を含むLAIR1タンパク質のコラーゲン結合親和性と比較して、コラーゲンに対する結合親和性が増加している。一部の実施形態では、LAIR1バリアントは、配列番号13のアミノ酸配列を含むLAIR1タンパク質のコラーゲン結合親和性と比較して、コラーゲンに対する結合親和性が低下している。
一部の実施形態では、LAIR1は、配列番号14のアミノ酸配列を含むLAIR1タンパク質と比較して、1つまたは複数のアミノ酸置換、付加または欠失、必要に応じて2、3、4、5、6、7、8、9、10またはそれより多いアミノ酸置換、付加または欠失を含むバリアントである。一部の実施形態では、LAIR1バリアントは、配列番号14のアミノ酸配列を含むLAIR1タンパク質のコラーゲン結合親和性と比較して、コラーゲンに対する結合親和性が増加している。一部の実施形態では、LAIR1バリアントは、配列番号14のアミノ酸配列を含むLAIR1タンパク質のコラーゲン結合親和性と比較して、コラーゲンに対する結合親和性が低下している。
一部の実施形態では、LAIRは、配列番号12のアミノ酸配列を含むLAIRタンパク質と比較して、1つまたは複数のアミノ酸置換、付加または欠失、必要に応じて2、3、4、5、6、7、8、9、10またはそれより多いアミノ酸置換、付加または欠失を含むバリアントである。一部の実施形態では、LAIR1バリアントは、配列番号12のアミノ酸配列を含むLAIRタンパク質のコラーゲン結合親和性と比較して、コラーゲンに対する結合親和性が増加している。一部の実施形態では、LAIRバリアントは、配列番号12のアミノ酸配列を含むLAIRタンパク質のコラーゲン結合親和性と比較して、コラーゲンに対する結合親和性が低下している。
一部の実施形態では、ヒトI型糖タンパク質は、LAIR2である。一部の実施形態では、LAIR2は、配列番号15に示されるアミノ酸配列に対して少なくとも80%、少なくとも81%、少なくとも82%、少なくとも83%、少なくとも84%、少なくとも85%、少なくとも86、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の同一性を有するアミノ酸配列、またはその一部を含む。
一部の実施形態では、LAIR2は、配列番号15のアミノ酸配列を含むLAIR2タンパク質と比較して、1つまたは複数のアミノ酸置換、付加または欠失、必要に応じて2、3、4、5、6、7、8、9、10またはそれより多いアミノ酸置換、付加または欠失を含むバリアントである。一部の実施形態では、LAIR2バリアントは、配列番号15のアミノ酸配列を含むLAIR2タンパク質のコラーゲン結合親和性と比較して、コラーゲンに対する結合親和性が増加している。一部の実施形態では、LAIR2バリアントは、配列番号15のアミノ酸配列を含むLAIR2タンパク質のコラーゲン結合親和性と比較して、コラーゲンに対する結合親和性が低下している。
Figure 2024500870000002
Figure 2024500870000003
II.免疫調節ドメイン
本明細書に開示される免疫調節融合タンパク質は、少なくとも1つのIL-2および少なくとも1つのIL-12を含む。ある特定の実施形態では、本明細書に開示される免疫調節融合タンパク質は、IL-2、IL-12、およびコラーゲン結合ドメインを含む。ある特定の実施形態では、本明細書に開示される免疫調節融合タンパク質は、IL-2、IL-12、コラーゲン結合ドメイン、および少なくとも1つの線状ポリペプチドスペーサーを含む。一部の実施形態では、IL-2は、コラーゲン結合ドメインに作動可能に連結している。一部の実施形態では、IL-2は、線状ポリペプチドスペーサーに作動可能に連結している。一部の実施形態では、IL-12は、コラーゲン結合ドメインに作動可能に連結している。一部の実施形態では、IL-12は、線状ポリペプチドスペーサーに作動可能に連結している。
A.IL-2
本明細書で使用される場合、「インターロイキン(IL)-2」(IL-2)は、T細胞およびナチュラルキラー(NK)細胞を活性化し、それらの増殖を誘導する多面発現性サイトカインを指す。IL-2の生物活性は、細胞膜にわたる3つのポリペプチドサブユニット:p55(IL-2Rα、アルファサブユニット、ヒトではCD25としても公知)、p75(IL-2Rβ、ベータサブユニット、ヒトではCD122としても公知)およびp64(IL-2Rγ、ガンマサブユニット、ヒトではCD132としても公知)のマルチサブユニットIL-2受容体複合体(IL-2R)を介して媒介される。
一部の実施形態では、免疫調節融合タンパク質は、IL-2を含む。一部の実施形態では、IL-2は、コラーゲン結合ドメインに作動可能に連結している。一部の実施形態では、免疫調節融合タンパク質は、コラーゲン結合ドメインに作動可能に連結したIL-2ファミリーのメンバーを含む。
IL-2に対するT細胞応答は、以下を含む種々の因子に依存する:(1)IL-2の濃度;(2)細胞表面のIL-2R分子数;および(3)IL-2に専有されるIL-2R数(すなわち、IL-2とIL-2Rの間の結合相互作用の親和性(Smith, "Cell Growth Signal Transduction is Quanta!" In Receptor Activation by Antigens, Cytokines, Hormones, and Growth Factors 766:263-271, 1995))。
一部の実施形態では、IL-2は、野生型IL-2である(例えば、その前駆体形態のヒトIL-2または成熟IL-2)。一部の実施形態では、IL-2はヒトIL-2である。一部の実施形態では、IL-2は、配列番号1または2に示されるアミノ酸配列に対して少なくとも80%、少なくとも81%、少なくとも82%、少なくとも83%、少なくとも84%、少なくとも85%、少なくとも86、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の同一性を有するアミノ酸配列、またはその一部を含む。一部の実施形態では、IL-2は、配列番号3または4に示されるアミノ酸配列に対して少なくとも80%、少なくとも81%、少なくとも82%、少なくとも83%、少なくとも84%、少なくとも85%、少なくとも86、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の同一性を有するアミノ酸配列、またはその一部を含む。
他の実施形態では、IL-2は、変異体ヒトIL-2である。「IL-2変異体」または「変異体IL-2ポリペプチド」という用語は、本明細書で使用される場合、全長IL-2、IL-2の切断型形態(truncated form)およびIL-2が融合または化学的コンジュゲーションなどによって別の分子に連結している形態を含むIL-2分子の様々な形態の任意の体変異形態を包含することを意図する。IL-2変異体の様々な形態は、IL-2のCD25との相互作用に影響を及ぼす少なくとも1つのアミノ酸変異を有することで特徴付けられる。この変異は、その位置に通常配置される野生型アミノ酸残基の置換、欠失、切断または修飾に関与し得る。アミノ酸置換によって得られる変異体が好ましい。別段に指定されていなければ、IL-2変異体は、本明細書において、IL-2変異体ペプチド配列、IL-2変異体ポリペプチド、IL-2変異体タンパク質またはIL-2変異体アナログと称されてもよい。
一部の実施形態では、IL-2変異体は、CD25に結合する配列番号1または2に対して少なくとも80%同一であるアミノ酸配列を含む。例えば、一部の実施形態では、IL-2変異体は、野生型IL-2と比較して、IL-2受容体のアルファサブユニットに対する親和性を増加させる少なくとも1つの変異(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、またはそれより多いアミノ酸残基の欠失、付加、または置換)を有する。マウスのIL-2において同定された変異が、完全長ヒトIL-2(核酸配列(アクセッション:NM000586);アミノ酸配列(アクセッション:P60568))またはシグナルペプチドを含まないヒトIL-2の対応する残基でなされ得ることが理解されるべきである。したがって、一部の実施形態では、IL-2はヒトIL-2である。他の実施形態では、IL-2は、変異体ヒトIL-2である。ヒトIL-2のアミノ酸配列(配列番号1;完全長)は、GenbankのアクセッションロケーターNP_000577.2で見出される。成熟ヒトIL-2のアミノ酸配列は、配列番号2(ヒト野生型成熟)に示されている。マウス(Mus musculus)のIL-2アミノ酸配列は、Genbankのアクセッションロケーターに見出される(配列番号3)。成熟マウスIL-2のアミノ酸配列は、配列番号4に示されている。
ある特定の実施形態では、IL-2は、未修飾IL-2と比較して、IL-2Rアルファ受容体に対する親和性が変更される(例えば、親和性が低下する)ように変異している。部位特異的変異誘発を使用して、野生型IL-2と比較して、CD25に対する結合親和性の低下を示すIL-2変異体、すなわち、IL-2Raを単離することができる。細胞表面でのIL-2のIL-2Raに対する親和性を増加させることにより、IL-2濃度の限られた範囲内での受容体占有率が増加し、同様に細胞表面でのIL-2の局所濃度が上昇する。
一部の実施形態では、IL-2Rβ結合親和性を増加させるアミノ酸置換は:L80F、R81D、L85V、I86V、およびI92Fを含む。一部の実施形態では、IL-2Rβ結合親和性を増加させるアミノ酸置換は:L80F、R81D、L85V、I86V、およびI92Fを含む。
Figure 2024500870000004
Figure 2024500870000005
B.IL-12
インターロイキン-12(IL-2)は、自然免疫および適応免疫において重要な役割を果たす。Gately, MK et al., Annu Rev Immunol. 16: 495-521 (1998)。IL-12は、2つのジスルフィド連結p35およびp40サブユニットからなる70kDaのヘテロ二量体タンパク質として主に機能する。IL-12 p40サブユニットの前駆体形態(NM_002187;P29460;IL-12B、ナチュラルキラー細胞刺激因子2、細胞傷害性リンパ球成熟因子2とも称される)は、328アミノ酸長であるが、その成熟形態は306アミノ酸長である。IL-12 p35サブユニットの前駆体形態(NM_000882;P29459;IL-12A、ナチュラルキラー細胞刺激因子1、細胞傷害性リンパ球成熟因子1とも称される)は、219アミノ酸長であり、成熟形態は197アミノ酸長である。
一部の実施形態では、免疫調節融合タンパク質は、IL-12を含む。一部の実施形態では、免疫調節融合タンパク質は、コラーゲン結合ドメインに作動可能に連結したIL-12を含む。
一部の実施形態では、IL-12はIL-12A(例えば、配列番号6)を含む。一部の実施形態では、IL-12は、配列番号6に示されるIL-12Aのアミノ酸配列に対して少なくとも80%、少なくとも81%、少なくとも82%、少なくとも83%、少なくとも84%、少なくとも85%、少なくとも86、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の同一性を有するアミノ酸配列、またはその一部を含む。
一部の実施形態では、IL-12はIL-12A(例えば、配列番号8)を含む。一部の実施形態では、IL-12は、配列番号8に示されるIL-12Aのアミノ酸配列に対して少なくとも80%、少なくとも81%、少なくとも82%、少なくとも83%、少なくとも84%、少なくとも85%、少なくとも86、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の同一性を有するアミノ酸配列、またはその一部を含む。
一部の実施形態では、IL-12は、配列番号10に示されるIL-12Aのアミノ酸配列に対して少なくとも80%、少なくとも81%、少なくとも82%、少なくとも83%、少なくとも84%、少なくとも85%、少なくとも86、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の同一性を有するアミノ酸配列、またはその一部を含む。
一部の実施形態では、IL-12はIL-12B(例えば、配列番号5)を含む。一部の実施形態では、IL-12は、配列番号5に示されるIL-12Bのアミノ酸配列に対して少なくとも80%、少なくとも81%、少なくとも82%、少なくとも83%、少なくとも84%、少なくとも85%、少なくとも86、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の同一性を有するアミノ酸配列、またはその一部を含む。
一部の実施形態では、IL-12はIL-12B(例えば、配列番号7)を含む。一部の実施形態では、IL-12は、配列番号7に示されるIL-12Bのアミノ酸配列に対して少なくとも80%、少なくとも81%、少なくとも82%、少なくとも83%、少なくとも84%、少なくとも85%、少なくとも86、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の同一性を有するアミノ酸配列、またはその一部を含む。一部の実施形態では、IL-12はIL-12B(例えば、配列番号7)を含む。
一部の実施形態では、IL-12は、配列番号9に示されるIL-12Bのアミノ酸配列に対して少なくとも80%、少なくとも81%、少なくとも82%、少なくとも83%、少なくとも84%、少なくとも85%、少なくとも86、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の同一性を有するアミノ酸配列、またはその一部を含む。
一部の実施形態では、IL-12は、IL-12AとIL-12Bの両方を含む。一部の実施形態では、IL-12は、IL-12AとIL-12Bの両方およびリンカーを含む。一部の実施形態では、免疫調節融合タンパク質は、配列番号5~10に示されるアミノ酸配列を含むIL-12を含む。一部の実施形態では、IL-12は、配列番号5~10に示されるIL-12AおよびIL-12Bのアミノ酸配列に対して少なくとも80%、少なくとも81%、少なくとも82%、少なくとも83%、少なくとも84%、少なくとも85%、少なくとも86、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の同一性を有するアミノ酸配列、またはその一部を含む。
「IL-12変異体」または「変異体IL-12ポリペプチド」という用語は、本明細書で使用される場合、全長IL-12、IL-12の切断型形態およびIL-12が融合または化学的コンジュゲーションなどによって別の分子に連結している形態を含むIL-12分子の様々な形態の任意の変異体形態を包含することを意図する。IL-12変異体の様々な形態は、少なくとも1つのアミノ酸変異を有することで特徴付けられる。この変異は、その位置に通常配置される野生型アミノ酸残基の置換、欠失、切断または修飾に関与し得る。アミノ酸置換によって得られる変異体が好ましい。別段に指定されていなければ、IL-12変異体は、本明細書において、IL-12変異体ペプチド配列、IL-12変異体ポリペプチド、IL-12変異体タンパク質またはIL-12変異体アナログと称されてもよい。
Figure 2024500870000006
Figure 2024500870000007
III.線状ポリペプチドスペーサー
一部の実施形態では、線状ポリペプチドスペーサーは、「N」アミノ酸長を含むポリペプチドであり、ここで、N=1~1000、50~800、100~600、または200~500である。一部の実施形態では、線状ポリペプチドスペーサーは、約1~約100個のアミノ酸残基を含む。一部の実施形態では、線状ポリペプチドスペーサー(linear polypeptide space)は、100個より多いアミノ酸残基を含む。ある特定の実施形態では、線状ポリペプチドスペーサーは、約1~約100個のアミノ酸残基を含む。
一部の実施形態では、線状ポリペプチドスペーサーは、可溶性ポリペプチドである。一部の実施形態では、線状ポリペプチドスペーサーは、1~200kDaの間の分子量を有する。一部の実施形態では、線状ポリペプチドスペーサーは、1~10kDa、10~20kDa、20~30kDa、30~40kDa、40~50kDa、50~60kDa、60~70kDa、70~80kDa、80~90kDa、90~100kDa、100~110kDa、110~120kDa、120~130kDa、130~140kDa、140~150kDa、150~160kDa、160~170kDa、170~180kDa、180~190kDa、190~200kDa、10~100、100~200kDa、200~300kDa、300~400kDa、400~500kDA、500~1,000kDaまたは100~1,000kDaの分子量を有する。
ある特定の実施形態では、線状ポリペプチドスペーサーは、融合タンパク質の1つの要素と別の要素との間に立体的分離をもたらす。ある特定の実施形態では、線状ポリペプチドスペーサーは、融合タンパク質の1つのドメインと別のドメインとの間に立体的分離をもたらす。一部の実施形態では、IL-2とコラーゲン結合タンパク質の間の線状ポリペプチドスペーサーは、IL-2がその活性(例えば、受容体/リガンドエンゲージメントを促進する)を保持するように、立体的分離をもたらす。一部の実施形態では、IL-12とコラーゲン結合タンパク質の間の線状ポリペプチドスペーサーは、IL-12がその活性(例えば、受容体/リガンドエンゲージメントを促進する)を保持するように、立体的分離をもたらす。ある特定の実施形態では、IL-2とコラーゲン結合タンパク質および/またはIL-12とコラーゲン結合タンパク質の間の線状ポリペプチドスペーサーは、IL-2および/またはIL-12が同じ細胞上の受容体に結合するように(wuch that)、立体的分離をもたらす。ある特定の実施形態では、IL-2とコラーゲン結合タンパク質および/またはIL-12とコラーゲン結合タンパク質の間の線状ポリペプチドスペーサーは、IL-2および/またはIL-12が異なる細胞上の受容体に結合するように(wuch that)、立体的分離をもたらす。
一部の実施形態では、IL-2とコラーゲン結合タンパク質の間の線状ポリペプチドスペーサーは、免疫調節ドメインのコラーゲン原線維への吸着を低減するのに十分な長さまたは質量のものである。一部の実施形態では、IL-12とコラーゲン結合タンパク質の間の線状ポリペプチドスペーサーは、免疫調節ドメインのコラーゲン原線維への吸着を低減するのに十分な長さまたは質量のものである。吸着を測定するための方法は、当業者にとって公知である。例えば、吸着は、エリプソメトリー(ELM)、表面プラズモン共鳴(SPR)、光導波路ライトモード分光法(OWLS)、減衰全反射赤外分光法(ATR-IR)、円二色性分光法(CD)、全反射赤外分光法(TIRF)、および他の高分解能顕微鏡技法によって測定することができる。一部の実施形態では、これらの方法は、免疫調節融合タンパク質のドメイン間の空間的配置を示す。
ある特定の実施形態では、線状ポリペプチドスペーサーは、以下を含むがこれらに限定されないいくつかの機能的利益のうちの1つを提供する:i)IL2とIL12を分離し、両サイトカインが同一細胞上または別々の細胞上のいずれかの受容体にアクセスできるようにする;ii)IL2からコラーゲンを分離し、in vivoでのそれらの相互作用の幾何学的形状を改善する;iii)融合構築物の流体力学的半径を増加させ、それによって、サイズ排除を利用して投与の際のバースト放出速度を遅くする;および/またはiv)比較的不溶性であるドメインの安定化および/または溶解性の改善。ある特定の実施形態では、線状ポリペプチドスペーサーは、対象に投与された際の標的組織における融合生成物の保持を改善する。
一部の実施形態では、IL-2とコラーゲン結合タンパク質の間の線状ポリペプチドスペーサーは、組織からの拡散を遅らせるかまたは低減するのに十分な分子量をもたらす。一部の実施形態では、IL-12とコラーゲン結合タンパク質の間の線状ポリペプチドスペーサーは、組織からの拡散を遅らせるかまたは低減するのに十分な分子量をもたらす。組織からの拡散を測定するための方法は、当業者にとって公知である。例えば、拡散は、in vivoイメージングによって、または経時的な組織切片の顕微鏡検査によって測定することができる。例示的な方法は、少なくともSchmidt & Wittrup, Mol. Canc. Ther. 2009'およびWittrup et al., Methods in Enzymol 2012に記載されており、これらは各々参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
アルブミン
「アルブミン」という用語は、ヒトアルブミン(配列番号16)と同一であるか、または非常に類似する三次元構造を有し、血清半減期の長いタンパク質を指す。例示的なアルブミンタンパク質としては、ヒト血清アルブミン(HSA;配列番号17および18)、霊長類血清アルブミン(チンパンジー血清アルブミンなど)、ゴリラ血清アルブミンまたはマカク血清アルブミン、齧歯類血清アルブミン(ハムスター血清アルブミンなど)、モルモット血清アルブミン、マウス血清アルブミンおよびラット血清アルブミン、ウシ(bovine)血清アルブミン(ウシ(cow)血清アルブミンなど)、ウマ(equine)血清アルブミン(ウマ(horse)血清アルブミンまたはロバ血清アルブミンなど)、ウサギ血清アルブミン、ヤギ血清アルブミン、ヒツジ血清アルブミン、イヌ血清アルブミン、ニワトリ血清アルブミンおよびブタ血清アルブミンが挙げられる。
一部の実施形態では、線状ポリペプチドスペーサーは、アルブミン、アルブミン結合剤、アルブミン結合ドメイン、またはアルブミン変異である。一部の実施形態では、線状ポリペプチドスペーサーは、アルブミン、またはその断片を含む。一部の実施形態では、線状ポリペプチドスペーサーは、ヒトアルブミンである。一部の実施形態では、アルブミンは、血清アルブミン、例えば、ヒト血清アルブミン(配列番号17)である。一部の実施形態では、線状ポリペプチドスペーサーは、アルブミン結合ドメインである。
一部の実施形態では、線状ポリペプチドスペーサーは、配列番号16に示されるヒトアルブミンのアミノ酸配列に対して少なくとも80%、少なくとも81%、少なくとも82%、少なくとも83%、少なくとも84%、少なくとも85%、少なくとも86、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の同一性を有するアミノ酸配列、またはその一部を含む。
一部の実施形態では、線状ポリペプチドスペーサーは、配列番号17に示されるヒト血清アルブミンのアミノ酸配列に対して少なくとも80%、少なくとも81%、少なくとも82%、少なくとも83%、少なくとも84%、少なくとも85%、少なくとも86、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の同一性を有するアミノ酸配列、またはその一部を含む。
一部の実施形態では、線状ポリペプチドスペーサーは、配列番号18に示されるヒト血清アルブミンのアミノ酸配列に対して少なくとも80%、少なくとも81%、少なくとも82%、少なくとも83%、少なくとも84%、少なくとも85%、少なくとも86、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の同一性を有するアミノ酸配列、またはその一部を含む。
一部の実施形態では、アルブミンは、配列番号16~18のアミノ酸配列を含むアルブミンタンパク質と比較して、1つまたは複数のアミノ酸置換、付加または欠失、必要に応じて、2、3、4、5、6、7、8、9、10またはそれより多いアミノ酸置換、付加または欠失を含むバリアントである。一部の実施形態では、アルブミン変異は、野生型アルブミンと比較して、少なくとも1つのアミノ酸変異を含む。この変異は、その位置に通常配置される野生型アミノ酸残基の置換、欠失、切断または修飾に関与し得る。
ある特定の実施形態では、線状ポリペプチドは、血清タンパク質結合ドメインである。一部の実施形態では、線状ポリペプチドスペーサーは、アルブミン結合ドメインである。一部の実施形態では、線状ポリペプチドスペーサーは、配列番号19に示されるアルブミン結合ドメインのアミノ酸配列に対して少なくとも80%、少なくとも81%、少なくとも82%、少なくとも83%、少なくとも84%、少なくとも85%、少なくとも86、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の同一性を有するアミノ酸配列、またはその一部を含む。一部の実施形態では、アルブミン結合ドメインは、対象に投与されると、血清アルブミンに非共有結合により結合する。一部の実施形態では、アルブミン結合ドメインは、in situで、融合構築物の流体力学的半径を増強する非共有結合的手段を実証する。ある特定の実施形態では、アルブミン結合ドメインは、対象に投与された場合、標的組織における融合構築物の保持を改善する。
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IV.リンカー
ある特定の実施形態では、本明細書に記載の融合タンパク質は、1つまたは複数のリンカーを含む。ある特定の実施形態では、リンカーは、融合タンパク質の1つの要素を別の要素に接続する。ある特定の実施形態では、リンカーは、融合タンパク質の1つのドメインを別のドメインに接続する。ある特定の実施形態では、本明細書に記載の融合タンパク質は、1、2、3、4、5つまたはそれより多いリンカーを含む。一部の実施形態では、リンカーは、「短い」、例えば、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11または12個のアミノ酸残基からなる。よって、ある特定の事例では、リンカーは、約12個またはそれより少ないアミノ酸残基からなる。0個のアミノ酸残基の場合には、リンカーは、ペプチド結合である。一部の実施形態では、リンカーは、約3~約50個、例えば、8、9または10個の連続したアミノ酸残基からなる。一部の実施形態では、リンカーは、0~約100個のアミノ酸残基を含む。一部の実施形態では、リンカーは、約5~約50個のアミノ酸残基を含む。一部の実施形態では、リンカーは、約5~約15個のアミノ酸残基を含む。ある特定の実施形態では、リンカーは、非ペプチドリンカーである。ある特定の実施形態では、リンカーは、融合タンパク質の1つの要素を別の要素に、共有結合により接続する。ある特定の実施形態では、リンカーは、融合タンパク質の1つの要素を別の要素に、非共有結合により接続する。ある特定の実施形態では、本明細書に記載の融合タンパク質は、2つ以上の種類のリンカー、および/または同じかもしくは異なる長さ(例えば、アミノ酸残基の数)の2つ以上のリンカーを含む。
ペプチドリンカー
例示的なリンカーには、gly-serポリペプチドリンカー、グリシン-プラリン(praline)ポリペプチドリンカー、およびプラリン-アラニンポリペプチドリンカーが含まれる。ある特定の実施形態では、線状ポリペプチドスペーサーは、gly-serポリペプチドリンカー、すなわち、グリシン残基およびセリン残基からなるペプチドである。
一部の実施形態では、リンカーは、本明細書に記載されているかまたは当技術分野で公知の、1つまたは複数のアミノ酸、典型的には、約2~20個のアミノ酸を含むペプチドリンカーである。好適な、非免疫原性リンカーペプチドは、例えば、(GS)、(SGまたはG(SGリンカーペプチドを含み、ここで、nは、一般に1~10の間、典型的には2~4の間の数である。
例示的なgly-serポリペプチドリンカーは、アミノ酸配列Ser(GlySer)を含む。ある特定の実施形態では、n=1である。ある特定の実施形態では、n=2である。ある特定の実施形態では、n=3、すなわち、Ser(GlySer)である。ある特定の実施形態では、n=4、すなわち、Ser(GlySer)である。ある特定の実施形態では、n=5である。ある特定の実施形態では、n=6である。ある特定の実施形態では、n=7である。ある特定の実施形態では、n=8である。ある特定の実施形態では、n=9である。ある特定の実施形態では、n=l0である。別の例示的なgly-serポリペプチドリンカーは、アミノ酸配列Ser(GlySer)を含む。ある特定の実施形態では、n=1である。ある特定の実施形態では、n=2である。ある特定の実施形態では、n=3である。ある特定の実施形態では、n=4である。ある特定の実施形態では、n=5である。ある特定の実施形態では、n=6である。別の例示的なgly-serポリペプチドリンカーは、(GlySer)を含む。ある特定の実施形態では、n=1である。ある特定の実施形態では、n=2である。ある特定の実施形態では、n=3である。ある特定の実施形態では、n=4である。ある特定の実施形態では、n=5である。ある特定の実施形態では、n=6である。別の例示的なgly-serポリペプチドリンカーは、(GlySer)を含む。ある特定の実施形態では、n=1である。ある特定の実施形態では、n=2である。ある特定の実施形態では、n=3である。ある特定の実施形態では、n=4である。ある特定の実施形態では、n=5である。ある特定の実施形態では、n=6である。
一部の実施形態では、IL-2は、リンカー、例えば、gly-serリンカーによって、コラーゲン結合ドメインに作動可能に連結している。一部の実施形態では、IL-2は、リンカー、例えば、gly-serリンカーによって、線状ペプチドスペーサーに作動可能に連結している。一部の実施形態では、IL-12は、リンカー、例えば、gly-serリンカーによって、コラーゲン結合ドメインに作動可能に連結している。一部の実施形態では、IL-12は、リンカー、例えば、gly-serリンカーによって、線状ポリペプチドスペーサーに作動可能に連結している。一部の実施形態では、コラーゲン結合ドメインは、リンカー、例えば、gly-serリンカーによって、線状ペプチドスペーサーに作動可能に連結している。
V.例示的な免疫調節融合タンパク質
本開示は、免疫調節ドメインおよびコラーゲン結合ドメインを含む免疫調節融合タンパク質を提供する。本開示の免疫調節融合タンパク質は、モジュラーであり、様々な個々のドメインを組み込むように構成することができる。
A.IL-2およびIL-12融合タンパク質
一部の実施形態では、免疫調節融合タンパク質は、IL-2、IL-12、ルミカンおよび線状ポリペプチドスペーサーを含み、ここで、IL-2はルミカンに作動可能に連結している。一部の実施形態では、免疫調節融合タンパク質は、IL-2、IL-12、ルミカンおよび線状ポリペプチドスペーサーを含み、ここで、IL-2は線状ポリペプチドスペーサーに作動可能に連結している。一部の実施形態では、免疫調節融合タンパク質は、IL-2、IL-12、ルミカン、および線状ポリペプチドスペーサーを含み、ここで、IL-12はルミカンに作動可能に連結している。一部の実施形態では、免疫調節融合タンパク質は、IL-2、IL-12、ルミカン、および線状ポリペプチドスペーサーを含み、ここで、IL-12は線状ポリペプチドスペーサーに作動可能に連結している。
一部の実施形態では、免疫調節融合タンパク質は、IL-2、IL-12、LAIR1および線状ポリペプチドスペーサー(linear polypeptide space)を含み、ここで、IL-2はLAIR1に作動可能に連結している。一部の実施形態では、免疫調節融合タンパク質は、IL-2、IL-12、LAIR1および線状ポリペプチドスペーサー(linear polypeptide space)を含み、ここで、IL-2は線状ポリペプチドスペーサーに作動可能に連結している。一部の実施形態では、免疫調節融合タンパク質は、IL-2、IL-12、LAIR1、および線状ポリペプチドスペーサーを含み、ここで、IL-12はLAIR1に作動可能に連結している。一部の実施形態では、免疫調節融合タンパク質は、IL-2、IL-12、LAIR1、および線状ポリペプチドスペーサーを含み、ここで、IL-12は線状ポリペプチドスペーサーに作動可能に連結している。
一部の実施形態では、免疫調節融合タンパク質は、IL-2、IL-12、LAIR2および線状ポリペプチドスペーサー(linear polypeptide space)を含み、ここで、IL-2はLAIR2に作動可能に連結している。一部の実施形態では、免疫調節融合タンパク質は、IL-2、IL-12、LAIR2および線状ポリペプチドスペーサー(linear polypeptide space)を含み、ここで、IL-2は線状ポリペプチドスペーサーに作動可能に連結している。一部の実施形態では、免疫調節融合タンパク質は、IL-2、IL-12、LAIR2、および線状ポリペプチドスペーサーを含み、ここで、IL-12はLAIR2に作動可能に連結している。一部の実施形態では、免疫調節融合タンパク質は、IL-2、IL-12、LAIR2、および線状ポリペプチドスペーサーを含み、ここで、IL-12は線状ポリペプチドスペーサーに作動可能に連結している。
一部の実施形態では、免疫調節融合タンパク質は、配列番号23~70に示されるアミノ酸配列に対して少なくとも80%、少なくとも81%、少なくとも82%、少なくとも83%、少なくとも84%、少なくとも85%、少なくとも86、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の同一性を有するアミノ酸配列、またはその一部を含む。
一部の実施形態では、免疫調節融合タンパク質は、配列番号71に示されるリーダー配列:MRVPAQLLGLLLLWLPGARCAを有するアミノ酸配列を含む。
一部の実施形態では、免疫調節融合タンパク質は、配列番号72に示されるHisタグ配列:HHHHHHHHHHを有するアミノ酸配列を含む。
一部の実施形態では、免疫調節融合タンパク質は、配列番号23~70に示されるアミノ酸配列に対して少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列またはその一部を含み、ここで、免疫調節融合タンパク質は、配列番号71のリーダー配列:MRVPAQLLGLLLLWLPGARCAを除外する。
一部の実施形態では、免疫調節融合タンパク質は、配列番号23~70に示されるアミノ酸配列に対して少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列またはその一部を含み、ここで、免疫調節融合タンパク質は、配列番号72のHisタグ配列:HHHHHHHHHHを除外する。
一部の実施形態では、免疫調節融合タンパク質は、配列番号23~70に示されるアミノ酸配列に対して少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列またはその一部を含み、ここで、免疫調節融合タンパク質は、配列番号71のリーダー配列:MRVPAQLLGLLLLWLPGARCAおよび配列番号72のHisタグ配列:HHHHHHHHHHを除外する。
一部の実施形態では、免疫調節融合タンパク質は、配列番号23~70に示されるアミノ酸配列の一部に対して少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を含み、ここで、一部は、配列番号71に示されるアミノ酸配列を有するリーダー配列を除外する。
一部の実施形態では、免疫調節融合タンパク質は、配列番号23~70に示されるアミノ酸配列の一部に対して少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を含み、ここで、一部は、配列番号72に示されるアミノ酸配列を有するHisタグ配列を除外する。
一部の実施形態では、免疫調節融合タンパク質は、配列番号23~70に示されるアミノ酸配列の一部に対して少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を含み、ここで、一部は、配列番号71に示されるアミノ酸配列を有するリーダー配列を除外し、一部は、配列番号72に示されるアミノ酸配列を有するHisタグ配列をさらに除外する。
一部の実施形態では、免疫調節融合タンパク質は、配列番号73に示されるアミノ酸配列の一部に対して少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を含む。一部の実施形態では、免疫調節融合タンパク質は、配列番号73に示されるアミノ酸配列に対して少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の同一性を有するアミノ酸配列を含む。
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VI.免疫調節融合タンパク質を作製するための方法
本発明の免疫調節融合タンパク質は、組換えDNA技術を使用して作製される。一部の態様では、本明細書に記載の免疫調節融合タンパク質のドメイン(例えば、コラーゲン結合ドメイン、サイトカイン)は、組換えDNA技法を使用して、形質転換宿主細胞において作製される。このようなDNA分子を調製する方法は当技術分野で周知である。例えば、ペプチドをコードする配列は、好適な制限酵素を使用してDNAから切除され得る。あるいは、DNA分子は、ホスホルアミデート法などの化学的合成技法を使用して合成することができる。また、これらの技法の組合せを使用することができる。
本発明の免疫調節融合タンパク質は、遠心分離、深層濾過、細胞溶解、ホモジナイゼーション、凍結融解、親和性精製、ゲル濾過、サイズ交換クロマトグラフィー、イオン交換クロマトグラフィー、疎水性相互作用交換クロマトグラフィー、および混合モードクロマトグラフィーを含む、当技術分野で公知の1つまたは複数の方法を使用して、単離および精製される。ある特定の実施形態では、本明細書に記載の融合タンパク質は、プロテインA樹脂を用いるサイズ交換クロマトグラフィーによって精製される。ある特定の実施形態では、本明細書に記載の融合タンパク質は、Capto(商標)Blue樹脂を用いるサイズ交換クロマトグラフィーによって精製される。ある特定の実施形態では、本明細書に記載の融合タンパク質は、CaptureSelect(商標)HSA樹脂を用いるサイズ交換クロマトグラフィーによって精製される。ある特定の実施形態では、本明細書に記載の精製された融合タンパク質は、当技術分野で公知の任意の好適な方法によって濃縮される。ある特定の実施形態では、精製された融合タンパク質は、0.1~100mg/ml、1~50mg/ml、または10~30mg/mlの濃度まで濃縮される。ある特定の実施形態では、精製された融合タンパク質は、融合タンパク質の検出可能な凝集なしに、0.1~100mg/ml、1~50mg/ml、または10~30mg/mlの濃度まで濃縮される。ある特定の実施形態では、精製された融合タンパク質は、融合タンパク質の検出可能な凝集なしに、約20mg/mlの濃度まで濃縮される。
例示的な一実施形態では、IL-12、IL-2、コラーゲン結合タンパク質、およびアルブミンをコードする(encoding comprising)コドン最適化DNA配列が合成され、pD2610-v1ベクターへとクローニングされた。拡大させるために、プラスミドがDH10Bコンピテント細胞中に形質転換された。精製された発現ベクターは、HEK293細胞中に一過的にトランスフェクトされた。組換えタンパク質は、Q Sepharose樹脂を使用する陰イオン交換および分取サイズ排除クロマトグラフィー(SEC)により精製された。
VII.医薬組成物および投与方式
本明細書で使用される場合、「医薬組成物」という用語は、活性剤と、組成物をin vivoまたはex vivoで診断的または治療的に使用するのに特に好適なものにする不活性または活性な担体との組合せを指す。
本明細書で使用される場合、「薬学的に許容される担体」という用語は、リン酸緩衝食塩水、水、エマルション(例えば、油/水または水/油エマルションなど)、および様々な種類の湿潤剤などの標準的な医薬担体のいずれかを指す。組成物は、安定剤および防腐剤も含み得る。担体、安定剤およびアジュバントの例については、例えば、Martin, Remington's Pharmaceutical Sciences, l5th Ed., Mack Publ. Co., Easton, PA [1975]を参照されたい。
本明細書で使用される場合、「薬学的に許容される塩」という用語は、対象への投与の際に、本発明の化合物またはその活性代謝物もしくは残留物を提供することが可能である本発明の化合物の任意の薬学的に許容される塩(例えば、酸または塩基)を指す。当業者に公知であるように、本発明の化合物の「塩」は、無機または有機の酸および塩基に由来してもよい。例示的な酸としては、以下に限定されないが、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、過塩素酸、フマル酸、マレイン酸、リン酸、グリコール酸、乳酸、サリチル酸、コハク酸、p-トルエンスルホン酸(toluene-psulfonic acid)、酒石酸、酢酸、クエン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ギ酸、安息香酸、マロン酸、ナフタレン-2-スルホン酸、ベンゼンスルホン酸などが挙げられる。シュウ酸などの他の酸は、それ自体は薬学的に許容されないが、本発明の化合物およびそれらの薬学的に許容される酸付加塩を得る際の中間体として有用な塩の調製において用いられてもよい。ある特定の実施形態では、本開示は、免疫調節融合タンパク質を、薬学的に許容される希釈剤、担体、可溶化剤、乳化剤、防腐剤および/またはアジュバントと共に含む医薬組成物を提供する。
ある特定の実施形態では、本開示は、免疫調節融合タンパク質を、薬学的に許容される希釈剤、担体、可溶化剤、乳化剤、防腐剤および/またはアジュバントと共に含む医薬組成物を提供する。
ある特定の実施形態では、治療的に用いられる免疫調節融合タンパク質を含む医薬組成物の有効量は、例えば、治療的状況および目的に依存する。当業者は、よって、ある特定の実施形態による処置のための適切な投与量レベルが、送達される分子、免疫調節融合タンパク質が使用されている適応症、投与経路、および患者のサイズ(体重、体表面または臓器のサイズ)および/または状態(年齢および全身の健康状態)に部分的に依存して変化することを認識する。ある特定の実施形態では、臨床医は、投与量を設定し、最適な治療効果を得るために投与経路を修正することができる。
VIII.処置方法
本明細書に記載の免疫調節融合タンパク質および/またはそれを発現する核酸は、異常なアポトーシスまたは分化プロセス(例えば、細胞増殖性障害(例えば、過剰増殖性障害)または細胞分化障害、例えば、がん)に関連する障害を処置するのに有用である。本開示の方法により処置を受けることができるがんの非限定的な例は以下に記載される。
細胞増殖性および/または分化障害の例としては、がん(例えば、癌、肉腫、転移性障害または造血新生物障害、例えば、白血病)が挙げられる。転移性腫瘍は、前立腺、結腸、肺、乳房および肝臓のものを含むがこれらに限定されない多数の原発性腫瘍型から生じ得る。したがって、例えば、免疫調節融合タンパク質を含む本明細書で使用される組成物は、がんを有する患者に投与され得る。
本明細書で使用される場合、「がん」(または「がん性」)、「過剰増殖性」、および「新生物」という用語は、自律増殖(すなわち、急速に増殖する細胞成長によって特徴付けられる異常状態または状態)の能力を有する細胞を指す。過剰増殖性および新生物の疾患状態は、病的である(すなわち、疾患状態を特徴付けるかまたはそれを構成する)と分類されてもよく、またはそれらは、病的でないと(すなわち、疾患状態とは関連しないが正常からは逸脱していると)分類されてもよい。これらの用語は、組織病理学的種類や浸潤段階に関係なく、あらゆる種類のがん性成長またはがん原性プロセス、転移組織または悪性の形質転換細胞、組織、もしくは臓器を含むことを意味する。「病理学的過剰増殖性」細胞は、悪性腫瘍の成長を特徴とする疾患状態で生じる。非病理学的過剰増殖性細胞の例としては、創傷修復に関連する細胞の増殖が挙げられる。
「がん」または「新生物」という用語は、肺、乳房、甲状腺、リンパ腺およびリンパ組織、消化器官、および尿生殖器管に影響を及ぼすものを含む、様々な臓器系の悪性腫瘍、ならびにほとんどの結腸がん、腎細胞癌、前立腺がんおよび/または精巣腫瘍、肺の非小細胞癌、小腸のがんおよび食道のがんなどの悪性腫瘍を含むと一般に考えられている腺癌を指すために使用される。
「癌」という用語は、当技術分野で認識されており、呼吸器系の癌、消化器系の癌、尿生殖器系の癌、精巣の癌、乳癌、前立腺癌、内分泌系の癌、および黒色腫を含む、上皮組織または内分泌組織の悪性腫瘍を指す。免疫調節融合タンパク質は、腎癌もしくは黒色腫を含む任意の種類のがん、または任意のウイルス性疾患を有するか、それを有することが疑われるか、またはそれを発症するリスクが高い可能性がある患者を処置するために使用され得る。例示的な癌には、子宮頸部、肺、前立腺、乳房、頭頸部、結腸および卵巣の組織から形成されるものが含まれる。この用語には、癌肉腫も含まれ、癌肉腫には、癌組織と肉腫組織から構成される悪性腫瘍が含まれる。「腺癌」は、腺組織に由来するかまたは腫瘍細胞が認識可能な腺構造を形成する癌を指す。
ある特定の実施形態では、本明細書に開示される免疫調節融合タンパク質は、がんを処置するために使用される。ある特定の実施形態では、本明細書に開示される免疫調節融合タンパク質は、黒色腫、白血病、肺がん、乳がん、前立腺がん、卵巣がん、結腸がん、および脳がんを処置するために使用される。
ある特定の実施形態では、本明細書に開示される免疫調節融合タンパク質は、腫瘍細胞の成長および/または増殖を阻害する。ある特定の実施形態では、本明細書に開示される免疫調節融合タンパク質は、腫瘍サイズを低減する。ある特定の実施形態では、本明細書に開示される免疫調節融合タンパク質は、原発性腫瘍の転移を阻害する。
ある特定の実施形態では、本明細書に開示される免疫調節融合タンパク質の対象への投与により、対象への投与後にサイトカイン放出症候群をもたらさない。ある特定の実施形態では、対象は、グレード4のサイトカイン放出症候群を経験しない。ある特定の実施形態では、対象は、低血圧、臓器毒性、発熱および/または酸素補充の必要性をもたらす呼吸困難からなる群から選択されるグレード4のサイトカイン放出症候群に関連する1つまたは複数の症状を経験しない。
ある特定の実施形態では、本明細書に開示される融合タンパク質の投与は、がんを有する対象において静脈内または腫瘍内のいずれかに投与される場合、サイトカインレベルは、組換えIL-2および/またはIL-12のIVまたはIT投与と比較して、投与後の対象の血清中で増加する。ある特定の実施形態では、対象の血清中で増加するサイトカインは、INFγ、IP-10およびMCP-1から選択される。
併用療法
一部の実施形態では、免疫調節融合タンパク質は、他の治療と組み合わせて使用される。一部の実施形態では、免疫調節融合タンパク質は、がんを処置するためにさらなる治療剤と組み合わせて使用される。例えば、一部の実施形態では、免疫調節融合タンパク質は、別の免疫療法と組み合わせて使用される。例示的な免疫療法としては、以下に限定されないが、キメラ抗原受容体(CAR)T細胞療法、腫瘍関連抗原標的化抗体、免疫チェックポイント阻害剤、およびがんワクチンが挙げられる。
I.腫瘍関連抗原標的化抗体
一部の態様では、本開示は、腫瘍抗原を標的とする抗体と併せて使用または実施される免疫調節融合タンパク質を提供する。
治療用モノクローナル抗体は、腫瘍選択的抗原またはエピトープを標的とすることによって、腫瘍選択的処置を可能にする薬学的に活性な薬剤の一分類として考えられてきた。
抗体、およびその抗原結合断片を生成する方法は当技術分野で周知であり、例えば、それらのすべてが参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、米国特許第7,247,301号、同第7,923,221号、および米国特許出願第2008/0138336号に開示されている。
本開示の方法において使用することができる治療用抗体には、以下に限定されないが、使用が承認されているか、臨床試験中であるか、または臨床使用のために開発中である、当技術分野で認識されている抗がん抗体のいずれかが含まれる。ある特定の実施形態では、2つ以上の抗がん抗体が、本開示の併用療法に含まれ得る。
抗がん抗体の非限定的な例としては、限定されないが、以下を含む:HER-2/neu陽性乳がんもしくは転移性乳がんを処置するために使用されるトラスツズマブ(Genentech製のHERCEPTIWM、South San Francisco、Calif.);結腸直腸がん、転移性結腸直腸がん、乳がん、転移性乳がん、非小細胞肺がん、もしくは腎細胞癌を処置するために使用されるベバシズマブ(Genentech製のAVASTIWM);非ホジキンリンパ腫もしくは慢性リンパ性白血病を処置するために使用されるリツキシマブ(Genentech製のRITUXAWM)、乳がん、前立腺がん、非小細胞肺がんもしくは卵巣がんを処置するために使用される
ペルツズマブ(Genentech製のOMNITARG(商標));結腸直腸がん、転移性結腸直腸がん、肺がん、頭頚部がん、結腸がん、乳がん、前立腺がん、胃がん、卵巣がん、脳がん、膵臓がん、食道がん、腎細胞がん、前立腺がん、子宮頸がん、もしくは膀胱がんを処置するために使用することができるセツキシマブ(ImClone Systems Incorporated製のERBITUX(商標)、New York、N.Y.);結腸直腸がん、頭頚部がん、および他の潜在的ながん標的を処置するために使用されるIMC-1 Cl 1(Im Clone Systems Incorporated);その疾患がリツキシマブに対して難治性であり化学療法後に再発した、形質転換を有するおよび有さない、CD20陽性、濾胞性非ホジキンリンパ腫であり得る非ホジキンリンパ腫を処置するために使用されるトシツモマブおよびトシツモマブおよびヨウ素I 131(Corixa Corporation製のBEXXAR XM、Seattle、Wash.);In111イブリツモマブチウキセタン(ibirtumomab tiuxetan);Y90イブリツモマブチウキセタン;リンパ腫もしくは再発性濾胞性リンパ腫を含み得る非ホジキンリンパ腫を処置するために使用されるIn111イブリツモマブチウキセタンおよびY90イブリツモマブチウキセタン(Biogen Idee製のZEVALIN(商標)、Cambridge、Mass.);再発もしくは難治性の、低グレードもしくは濾胞性の非ホジキンリンパ腫;または形質転換B細胞非ホジキンリンパ腫;非小細胞肺がんまたは子宮頸がんを処置するために使用されるEMD 7200(EMD Pharmaceuticals、Durham、N.C.);ホジキンリンパ腫もしくは非ホジキンリンパ腫を処置するために使用されるSGN-30(Seattle Genetics製のCD30抗原を標的とする遺伝子操作されたモノクローナル抗体、Bothell、Wash.);非小細胞肺がんを処置するために使用されるSGN-15(Seattle Genetics製のドキソルビシンにコンジュゲートしたLewisy関連抗原を標的とする遺伝子操作されたモノクローナル抗体);急性骨髄性白血病(AML)および骨髄異形成症候群(MDS)を処置するために使用されるSGN-33(Seattle Genetics製のCD33抗原を標的とするヒト化抗体);多発性骨髄腫または非ホジキンリンパ腫を処置するために使用されるSGN-40(Seattle Genetics製のCD40抗原を標的とするヒト化モノクローナル抗体);非ホジキンリンパ腫を処置するために使用されるSGN-35(Seattle Genetics製のオーリスタチンEにコンジュゲートしたCD30抗原を標的とする遺伝子操作されたモノクローナル抗体);腎がんおよび鼻咽頭癌を処置するために使用されるSGN-70(Seattle Genetics製のCD70抗原を標的とするヒト化抗体);SGN-75(Seattle Genetics製のSGN70抗体およびオーリスタチン誘導体から構成されるコンジュゲート);ならびに黒色腫または転移性黒色腫を処置するために使用されるSGN-17/19(Seattle Genetics製の抗体およびメルファランプロドラッグにコンジュゲートした酵素を含む融合タンパク質)。
II.免疫チェックポイント遮断
一部の態様では、本開示は、免疫チェックポイント阻害剤または免疫チェックポイント遮断薬と併せて使用または実施される免疫調節融合タンパク質を提供する。
T細胞の活性化およびエフェクター機能は、「免疫チェックポイント」と呼ばれる共刺激性および阻害性シグナルによってバランスが保たれている。T細胞のエフェクター機能を調節する阻害性リガンドおよび受容体は、腫瘍細胞で過剰発現される。次に、共刺激性受容体のアゴニストまたは阻害性シグナルのアンタゴニストによって、抗原特異的T細胞応答の増幅がもたらされる。腫瘍細胞を直接的に標的とする治療用抗体とは対照的に、免疫チェックポイント遮断薬は、内因性の抗腫瘍活性を増強する。
ある特定の実施形態では、本明細書に開示される方法において使用するのに好適な免疫チェックポイント遮断薬は、阻害性シグナルのアンタゴニスト、例えば、PD-1、PD-L1、CTLA-4、LAG3、B7-H3、B7-H4、またはTIM3を標的とする抗体である。これらのリガンドおよび受容体は、Pardall, D., Nature. 12: 252-264, 2012において概説される。
ある特定の実施形態では、免疫チェックポイント遮断薬は、阻害性免疫調節薬からのシグナル伝達を破壊するかまたは阻害する、抗体またはその抗原結合部分である。ある特定の実施形態では、免疫チェックポイント遮断薬は、阻害性免疫調節薬からのシグナル伝達を破壊するかまたは阻害する、低分子である。
ここで概して記載されている本発明は、本発明のある特定の態様および実施形態を単に例示するために含まれ、本発明を限定することを意図しない以下の実施例を参照してより容易に理解される。
(実施例1)
線状構築物の調製方法
本発明のタンパク質は、典型的には、組換えDNA技術を使用して作製される。例示的な一実施形態では、IL-12、IL-2、コラーゲン結合タンパク質、およびアルブミンをコードするコドン最適化DNA配列が合成され、pD2610-v1ベクターへとクローニングされた。拡大させるために、プラスミドをDH10Bコンピテント細胞中に形質転換した。精製された発現ベクターをHEK293細胞中に一過的にトランスフェクトした。組換えタンパク質をQ Sepharose樹脂を使用する陰イオン交換および分取サイズ排除クロマトグラフィー(SEC)により精製した。濃縮したタンパク質は、分析的SECを使用して、生成物品質について評価した。次に、in vitroおよびin vivoでの評価の前に、もう一回分取SECを行うことにより、タンパク質を仕上げた。
タンパク質は、遠心分離、深層濾過、細胞溶解、ホモジナイゼーション、凍結融解、親和性精製、ゲル濾過、イオン交換クロマトグラフィー、疎水性相互作用交換クロマトグラフィー、および混合モードクロマトグラフィーを含む、当技術分野で公知の方法を使用して、単離および精製される。
(実施例2)
組換えコラーゲン結合融合タンパク質はin vitroでコラーゲンに結合する
コラーゲンに結合するコラーゲン結合免疫調節分子の能力を評価するために、実施例1において記載されている発現および精製したコラーゲン結合融合タンパク質を、コラーゲンIをコーティングしたプレートに結合する能力について、線状融合構築物および抗His検出を用いるELISAによって試験した。簡潔に言うと、コラーゲンI(Corning)をコーティングした96ウェルプレートを、1%wt/volのウシ血清アルブミン(BSA)により、室温で1時間ブロッキングした。Hisx10を含有するタンパク質を漸増濃度でプレートにおいて1.5時間インキュベートした。次に、ウェルを洗浄し、抗Hisタグ検出抗体(Abcam)と共に1.5時間インキュベートした。結合したHisx10でタグ付けされたコラーゲン結合融合タンパク質をTMBの発色により可視化し、それに続いて、450nmの吸光度読取り値から650nmの吸光度読取り値を差し引いた。図4Aに示されているように、LAIRを含有する構築物は、Lumを含有する構築物と比較して、コラーゲンに対してより強力に結合した。さらに、ルミカンをMSAとIL-2の間に配置することにより、ルミカンをMSAとIL-2の間に配置するよりもコラーゲンに対するより緊密な結合を可能にした。図4Bに示されているように、LAIRとIL-2の間に異なるスペーサーを使用する3つのLAIR含有構築物は、同等レベルのコラーゲン結合をもたらした。
LAIR融合体は、コラーゲンに強力に結合する。LAIR融合体は、ルミカン融合体よりも緊密な親和性で結合する。必要に応じて、弱い結合または強力な結合を選択するため、in vivoデータおよび生物活性を未決定にしておく。
(実施例3)
組換えコラーゲン結合融合タンパク質はIL-2サイトカイン活性を維持する
コラーゲン(collage)の存在下でIL-2サイトカイン活性を維持するコラーゲン結合免疫調節分子の能力を評価するために、試料をアッセイ培地で段階希釈し、50μlの希釈試料および50μlのアッセイ培地を、正常組織培養プレートまたはコラーゲンI(Corning)をコーティングしたプレートのいずれかに添加し、1時間インキュベートした。次に、約25,000個のCTLL-2細胞を100μlのアッセイ培地中の各ウェルに移し、3日間インキュベートした。インキュベーション後に、20μlのPromega Substrate Cell Titer 96 Aqueous One Solution Reagentを各ウェルに添加し、37℃でインキュベートし、490nmで吸光度を読み取った。
図5A~5Dに示されているように、IL-2とIL-12の両方を含有する二官能性構築物は、IL-2単独と同等レベルのIL-2活性をもたらした。さらに、IL-2活性は、コラーゲン結合によって影響を受けず、スペーサーの選択またはコラーゲン結合ドメインの選択と無関係である。
(実施例4)
組換えコラーゲン結合融合タンパク質はIL-12サイトカイン活性を維持する
コラーゲンの存在下でIL-2サイトカイン活性を維持するためのコラーゲン結合免疫調節分子の能力を評価するために、試料をアッセイ培地で段階希釈し、50μlの希釈試料および50μlのアッセイ培地を、通常の組織培養プレートまたはCorningのコラーゲンIをコーティングしたプレートのいずれかに添加し、1時間インキュベートした。次に、約15,000個の2D6細胞を100μlのアッセイ培地を含む各ウェルに移し、4日間インキュベートした。インキュベーション後に、20μlのPromega Substrate Cell Titer 96 Aqueous One Solution Reagentを各ウェルに添加し、37℃でインキュベートし、490nmで吸光度を読み取った。
図6A~6Bに示されているように、IL-2とIL-12の両方を含有する二官能性構築物は、IL-12単独と同等レベルのIL-12活性をもたらした。さらに、IL-12活性は、コラーゲン結合によって影響を受けず、コラーゲン結合ドメインの選択と無関係である。
(実施例5)
マウス黒色腫腫瘍モデルにおける免疫調節コラーゲン結合分子および抗腫瘍抗原抗体の相乗効果
二官能性構築物および単官能性構築物の組合せによる有効性および毒性を評価するために、C57BL/6マウスの右後側腹部に、PBS0.1ml中200,000個のB16F10細胞を接種した。接種後(0日目)の9日後に、マウスを処置群へと無作為化した(n=10)。0および6日目に、100pmolの:(1)PBS、(2)MSAを含むIL-2単官能性線状構築物(MSA-2)とMSAを含むIL-12単官能性線状構築物(12-MSA)の組合せ、(3)MSAおよびコラーゲン結合ドメインを含むIL-2単官能性線状構築物(LAIR-MSA-2)とMSAおよびコラーゲン結合ドメインを含むIL-12単官能性線状構築物(12-MSA-LAIR)の組合せ、(4)MSAおよびコラーゲン結合ドメインを含む二官能性線状構築物12-Lum-MSA-2、ならびに(5)MSAおよびコラーゲン結合ドメインを含む二官能性線状構築物12-LAIR-MSA-2の100pmolの腫瘍内注射によりマウスを処置した。少なくとも週に2回、腫瘍成長および体重減少についてマウスをモニターし、瀕死の状態にあるか、体重減少が20%を超えるか、または腫瘍体積が3,000mmを超えることが判明した場合には安楽死させた。
図7A~7Bに示されているように、二官能性構築物または単官能性構築物の組合せによる処置の際の腫瘍成長および体重は、単官能性構築物がコラーゲン結合ドメインを含有するかどうかにかかわらず、単官能構築物の組合せと比較して、二官能性線状構築物である12-Lum-MSA-2および12-LAIR-MSA-2の両方が、サイトカインの全身曝露に関連する毒性を示す体重減少の欠如によって示されるより優れた安全性プロファイルを実証したことを示す。12-Lum-MSA-2と12-LAIR-MSA-2の両方は有意な腫瘍成長阻害をもたらした。
(実施例6)
B16F10モデルにおける線状構築単剤療法-アブスコパル効果および両脇腹モデル
MSAおよびコラーゲン結合ドメインを含む二官能性線状構築物の用量応答治療有効性をさらに評価するために、12-LAIR-MSA-2をC57BL/6マウスの両脇腹に接種した皮下B16F10黒色腫同系モデルにおいて評価した。対照のC57BL/6マウスの右後側腹部(処置した腫瘍プロット)または10日後に左後側腹部(未処置の腫瘍プロット)のいずれかに、PBS0.1mL中200,000個のB16F10細胞を接種した。研究における他のマウスの右後側腹部と10日後に左後側腹部には、PBS0.1mL中200,000個のB16F10細胞を接種した。右後側腹部の腫瘍接種の8日後(0日目)に、マウスを処置群へと無作為化した(n=15)。0、6、および12日目に、指定した用量の12-LAIR-MSA-2を腫瘍内注射により、マウスの右後側腹部腫瘍を処置した。少なくとも週に2回、両脇腹の腫瘍成長および体重減少についてマウスをモニターし、瀕死の状態にあるか、体重減少が20%を超えるか、または腫瘍総体積が3,000mmを超えることが判明した場合には安楽死させた。
図8A~8Bに示されているように、試験した用量レベルのすべてにおいて、二官能性線状構築物12-LAIR-MSA-2は、処置した腫瘍(図8A)と未処置の腫瘍(図8B)の両方で、有意な腫瘍成長阻害をもたらし、アブスコパル効果を実証した。
(実施例7)
B16F10モデルにおける線状構築物の比較
様々な二官能性構築物の有効性および毒性を、B16F10マウスモデルにおいて評価した。C57BL/6マウスの右後側腹部に、PBS0.1ml中200,000個のB16F10細胞を接種した。接種の7日後(0日目)に、マウスを処置群へと無作為化した(n=10)。0および6日目に(n days 0 and 6)、400pmolの(1)PBS対照、(2)12-LAIR-MSA-2、(3)12-LAIR-MSA_H464Q-2、(4)12-LAIR-ABD-2、および(5)12-Lum-MSA-2の腫瘍内注射によりマウスを処置した。少なくとも週に2回、腫瘍成長および体重減少についてマウスをモニターし、瀕死の状態にあるか、体重減少が20%を超えるか、または腫瘍体積が3,000mmを超えることが判明した場合には安楽死させた。
図9A~9Cに示されているように、試験したすべての二官能性構築物は有意な腫瘍成長阻害をもたらし、体重減少の欠如によって反映される良好な安全性プロファイル、およびPBS対照群と比較した動物の生存率の延長を実証した。
(実施例8)
B16F10モデルにおける線状構築物-チェックポイント併用
チェックポイント阻害剤である抗PD1または抗CTLAと組み合わせた12-LAIR-MSA-2を評価するために、C57BL/6マウスの右後側腹部に、PBS0.1ml中200,000個のB16F10細胞を接種した。接種の7日後(0日目)に、マウスを処置群へと無作為化した(n=10)。指示した通り、PBSまたは400pmolの12-LAIR-MSA-2の腫瘍内(IT)注射およびアイソタイプ対照(ラットIgG2a)、抗PD1(クローンRMP1-14)、または抗CTLA4(9D9)の腹腔内(IP)注射により、マウスを処置した。IP注射を研究終了までBIWで実施しながら、0、6、および12日目にIT注射を実施した。少なくとも週に2回、腫瘍成長および体重減少についてマウスをモニターし、瀕死の状態にあるか、体重減少が20%を超えるか、または腫瘍体積が3,000mmを超えることが判明した場合には安楽死させた。
図10A~10Bに示されているように、抗PD1または抗CTLA4のいずれか単独での処置は、腫瘍成長阻害に影響を及ぼさなかった。二官能性構築物12-LAIR-MSA-2単独での処置は、有意な腫瘍成長阻害をもたらした。12-LAIR-MSA-2の抗腫瘍活性は、抗PD1または抗CTLA4のいずれかとの併用によってさらに増強された。図10Cに示されているように、抗PD1または抗CTLA4のいずれかを二官能性構築物12-LAIR-MSA-2に追加することにより、12-LAIR-MSA-2単独での処置と比較して、さらなる体重減少はもたらされなかった。
(実施例9)
MC38モデルにおける線状構築単剤療法-安全性および有効性
MSAおよびコラーゲン結合ドメインを含む二官能性線状構築物12-LAIR-MSA-2の用量応答治療有効性を、C57BL/6マウスのMC38モデルにおいて評価した。C57BL/6マウスの右後側腹部に、PBS0.1ml中1,000,000個のMC38細胞を接種した。接種の6日後(0日目)に、マウスを処置群へと無作為化した(n=10)。0および6日目に、指定した用量の12-LAIR-MSA-2の腫瘍内注射により、マウスを処置した。少なくとも週に2回、腫瘍成長および体重減少についてマウスをモニターし、瀕死の状態にあるか、体重減少が20%を超えるか、または腫瘍体積が3,000mmを超えることが判明した場合には安楽死させた。
図11Aに示されているように、すべての用量レベルの12-LAIR-MSA-2による処置により、有意な腫瘍成長阻害がもたらされた。さらに、最も高い完全奏効(CR)率をもたらす最高用量レベルでの処置に関して、用量反応を観察した。図11Bに示されているように、処置群はいずれも有意な体重減少を示さなかった。
(実施例10)
MC38モデルにおける線状構築物の比較
様々な二官能性構築物の有効性および毒性を、B16F10マウスモデルにおいて評価した。0および6日目に、指定した用量のPBS、12-LAIR-MSA-2、12-LAIR-ABD-2、および12-Lum-MSA-2の腫瘍内注射により、マウスを処置した。指定された場合、マウスを、アイソタイプ対照(ラットIgG2a)または抗PD1(クローンRMP1-14)をBIWで3週間、腹腔内注射により処置した。少なくとも週に2回、腫瘍成長および体重減少についてマウスをモニターし、瀕死の状態にあるか、体重減少が20%を超えるか、または腫瘍体積が3,000mmを超えることが判明した場合には安楽死させた。
図12Aに示されているように、異なるコラーゲン結合ドメインまたはIL-2とコラーゲン結合ドメインの間のスペーサーを含有する二官能性構築物はすべて、有意な腫瘍成長阻害およびCR率をもたらした。比較すると、同一モデルにおける抗PD1による処置では、同程度の腫瘍成長制御は得られず、いずれの治癒ももたらされなかった。図12Bに示されているように、処置群はいずれも有意な体重減少を示さなかった。
(実施例11)
CT26モデルにおける線状構築単剤療法-安全性および有効性
MSAおよびコラーゲン結合ドメインを含む二官能性線状構築物12-LAIR-MSA-2の用量応答治療有効性を、BALB/cマウスのCT26モデルにおいて評価した。BALB/cマウスの右後側腹部に、PBS0.1ml中500,000個のCT26細胞を接種した。接種の6日後(0日目)に、マウスを処置群へと無作為化した(n=10)。0、6、および12日目に処置を施行して、指定した用量のPBSまたは12-LAIR-MSA-2の腫瘍内注射により、マウスを処置した。指定された場合、マウスを、アイソタイプ対照(ラットIgG2a)または抗PD1(クローンRMP1-14)をBIWで3週間、腹腔内注射により処置した。少なくとも週に2回、腫瘍成長および体重減少についてマウスをモニターし、瀕死の状態にあるか、体重減少が20%を超えるか、または腫瘍体積が3,000mmを超えることが判明した場合には安楽死させた。
図13A~13Bに示されているように、様々な用量レベルまたは投与頻度での12-LAIR-MSA-2による処置の際の腫瘍成長阻害および体重変化。処置群はいずれも体重減少を示さず、用量依存性の抗腫瘍活性が観察された。
(実施例12)
MC38モデルにおける線状構築物の比較
様々な二官能性構築物の有効性および毒性を、B16F10マウスモデルにおいて評価した。BALB/cマウスの右後側腹部に、PBS0.1ml中500,000個のCT26細胞を接種した。接種の6日後(0日目)に、マウスを処置群へと無作為化した(n=10)。0、6、および12日目に処置を施行して、指定した回数で指定した用量のPBS、12-LAIR-MSA-2、12-LAIR-ABD-2、および12-Lum-MSA-2の腫瘍内注射により、マウスを処置した。指定された場合、マウスを、アイソタイプ対照(ラットIgG2a)または抗PD-1(クローンRMP1-14)をBIWで3週間、腹腔内注射により処置した。少なくとも週に2回、腫瘍成長および体重減少についてマウスをモニターし、瀕死の状態にあるか、体重減少が20%を超えるか、または腫瘍体積が3,000mmを超えることが判明した場合には安楽死させた。
図14A~14Bに示されているように、異なるコラーゲン結合ドメインまたはIL-2とコラーゲン結合ドメインの間のスペーサーを含有する二官能性構築物はすべて、有意な腫瘍成長阻害をもたらした。比較すると、同一モデルにおける抗PD1による処置は、腫瘍成長阻害をもたらさなかった。処置群はいずれも体重減少を示さなかった。
(実施例13)
B16F10モデルにおける線状構築物-ITおよびIV投与
12-LAIR-MSA-2構築物の静脈内(IV)投与と比較した腫瘍内(IT)投与の有効性をB16F10マウスモデルにおいて評価した。C57BL/6マウスの右後側腹部に、PBS0.1ml中200,000個のB16F10細胞を接種した。接種の7日後(0日目)に、マウスを処置群へと無作為化した(n=10)。400pmolのPBS対照または12-LAIR-MSA-2の静脈内注射または腫瘍内注射のいずれかでマウスを処置した。投与の2時間後または24時間後に、血清中の12-LAIR-MSA-2量を測定した(図15A)。2時間後に、IVと比較してITで送達した場合に、融合タンパク質の血清レベルに有意な低下が見られた。24時間後に、ITまたはIVのいずれかで融合タンパク質を投与したマウスにおいて、非常に低レベルの融合タンパク質が検出された。サイトカインである、インターフェロンガンマ(INF-γ)、インターフェロンガンマ誘導性タンパク質(IP-10)および単球走化性タンパク質-1(MCP-1)も、ITまたはIV投与による融合タンパク質の投与の2時間後または24時間後のいずれかに測定した(図15B~15D)。24時間後のサイトカインレベルは、融合タンパク質をITまたはIV投与したマウスと比較して有意差がなかった。しかし、生存率で測定した場合の処置の有効性は、IV投与と比較して、IT投与(aministration)によって融合タンパク質を投与したマウスにおいて有意に改善された(図15E)。これらの結果によって、本明細書に記載の融合タンパク質が、融合タンパク質を腫瘍内投与により投与した場合に、融合タンパク質の血清中濃度を低下させ、対象の生存率を改善するのに有効であることが確認される。
参照による組込み
本明細書において引用された特許文書および科学文献のそれぞれの全開示は、参照によりすべての目的で組み込まれる。
均等物
本開示は、その本質的な特性から逸脱しつつ、他の具体的な形態で具体化することができる。したがって、前述の実施形態は、本明細書に記載される開示を限定するものではなく、例示的なものとみなされる。本開示の範囲は、前述の説明によってではなく、添付の特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲の意味および均等の範囲内のすべての変更は、その中に包含されることが意図される。

Claims (94)

  1. (i)IL-2;
    (ii)IL-12;
    (iii)コラーゲン結合ドメイン、および
    (iv)線状ポリペプチドスペーサー
    を含む免疫調節融合タンパク質。
  2. 線状である、請求項1に記載の免疫調節融合タンパク質。
  3. 連続的な鎖である、請求項1から2のいずれか一項に記載の免疫調節融合タンパク質。
  4. 連続的なポリペプチド鎖である、請求項1から3のいずれか一項に記載の免疫調節融合タンパク質。
  5. 前記IL-2がN末端に存在する、請求項1から4のいずれか一項に記載の免疫調節融合タンパク質。
  6. 前記IL-12がC末端に存在する、請求項1から5のいずれか一項に記載の免疫調節融合タンパク質。
  7. 前記IL-2がN末端に存在し、前記IL-12がC末端に存在する、請求項1から6のいずれか一項に記載の免疫調節融合タンパク質。
  8. 前記線状ポリペプチドスペーサーが、前記IL-2と前記コラーゲン結合ドメインとの間に配置されている、請求項1から7のいずれか一項に記載の免疫調節融合タンパク質。
  9. 前記コラーゲン結合ドメインが、前記IL-12と前記線状ポリペプチドスペーサーとの間に配置されている、請求項1から8のいずれか一項に記載の免疫調節融合タンパク質。
  10. 前記IL-2のC末端が、前記線状ポリペプチドスペーサーのN末端に作動可能に連結している、請求項1から9のいずれか一項に記載の免疫調節融合タンパク質。
  11. 前記IL-2のC末端が、前記線状ポリペプチドスペーサーのN末端にリンカーによって作動可能に連結している、請求項10に記載の免疫調節融合タンパク質。
  12. 前記線状ポリペプチドスペーサーのC末端が、前記コラーゲン結合ドメインのN末端に作動可能に連結している、請求項1から11のいずれか一項に記載の免疫調節融合タンパク質。
  13. 前記線状ポリペプチドスペーサーのC末端が、前記コラーゲン結合ドメインのN末端にリンカーによって作動可能に連結している、請求項12に記載の免疫調節融合タンパク質。
  14. 前記コラーゲン結合ドメインのC末端が、前記IL-12のN末端に作動可能に連結している、請求項1から13のいずれか一項に記載の免疫調節融合タンパク質。
  15. 前記コラーゲン結合ドメインのC末端が、前記IL-12のN末端にリンカーによって作動可能に連結している、請求項14に記載の免疫調節融合タンパク質。
  16. 前記コラーゲン結合ドメインが、前記IL-2と前記線状ポリペプチドスペーサーとの間に配置されている、請求項1から6のいずれか一項に記載の免疫調節融合タンパク質。
  17. 前記線状ポリペプチドスペーサーが、前記IL-12と前記コラーゲン結合ドメインとの間に配置されている、請求項16に記載の免疫調節融合タンパク質。
  18. 前記IL-2のC末端が、前記コラーゲン結合ドメインのN末端に作動可能に連結している、請求項16から17のいずれか一項に記載の免疫調節融合タンパク質。
  19. 前記IL-2のC末端が、前記コラーゲン結合ドメインのN末端にリンカーによって作動可能に連結している、請求項18に記載の免疫調節融合タンパク質。
  20. 前記コラーゲン結合ドメインのC末端が、前記線状ポリペプチドスペーサーのN末端に作動可能に連結している、請求項16から19のいずれか一項に記載の免疫調節融合タンパク質。
  21. 前記コラーゲン結合ドメインのC末端が、前記線状ポリペプチドスペーサーのN末端にリンカーによって作動可能に連結している、請求項20に記載の免疫調節融合タンパク質。
  22. 前記線状ポリペプチドスペーサーのC末端が、前記IL-12のN末端に作動可能に連結している、請求項16から21のいずれか一項に記載の免疫調節融合タンパク質。
  23. 前記線状ポリペプチドスペーサーのC末端が、前記IL-12のN末端にリンカーによって作動可能に連結している、請求項22に記載の免疫調節融合タンパク質。
  24. 前記IL-2がC末端に存在する、請求項1から3のいずれか一項に記載の免疫調節融合タンパク質。
  25. 前記IL-12がN末端に存在する、請求項24に記載の免疫調節融合タンパク質。
  26. 前記IL-2がC末端に存在し、前記IL-12がN末端に存在する、請求項24から25のいずれか一項に記載の免疫調節融合タンパク質。
  27. 前記IL-2のN末端が、前記線状ポリペプチドスペーサーのC末端に作動可能に連結している、請求項24から27のいずれか一項に記載の免疫調節融合タンパク質。
  28. 前記IL-2のN末端が、前記線状ポリペプチドスペーサーのC末端にリンカーによって作動可能に連結している、請求項27に記載の免疫調節融合タンパク質。
  29. 前記線状ポリペプチドスペーサーのN末端が、前記コラーゲン結合ドメインのC末端に作動可能に連結している、請求項24から28のいずれか一項に記載の免疫調節融合タンパク質。
  30. 前記線状ポリペプチドスペーサーのN末端が、前記コラーゲン結合ドメインのC末端にリンカーによって作動可能に連結している、請求項27に記載の免疫調節融合タンパク質。
  31. 前記コラーゲン結合ドメインのN末端が、前記IL-12のC末端に作動可能に連結している、請求項24から30のいずれか一項に記載の免疫調節融合タンパク質。
  32. 前記コラーゲン結合ドメインのN末端が、前記IL-12のC末端にリンカーによって作動可能に連結している、請求項31に記載の免疫調節融合タンパク質。
  33. 前記コラーゲン結合ドメインが、前記IL-2と前記線状ポリペプチドスペーサーとの間に配置されている、請求項26に記載の免疫調節融合タンパク質。
  34. 前記線状ポリペプチドスペーサーが、前記IL-12と前記コラーゲン結合ドメインとの間に配置されている、請求項27に記載の免疫調節融合タンパク質。
  35. 前記IL-2のN末端が、前記コラーゲン結合ドメインのC末端に作動可能に連結している、請求項33から34のいずれか一項に記載の免疫調節融合タンパク質。
  36. 前記IL-2のN末端が、前記コラーゲン結合ドメインのC末端にリンカーによって作動可能に連結している、請求項35に記載の免疫調節融合タンパク質。
  37. 前記コラーゲン結合ドメインのN末端が、前記線状ポリペプチドスペーサーのC末端に作動可能に連結している、請求項33から36のいずれか一項に記載の免疫調節融合タンパク質。
  38. 前記コラーゲン結合ドメインのN末端が、前記線状ポリペプチドスペーサーのC末端にリンカーによって作動可能に連結している、請求項37に記載の免疫調節融合タンパク質。
  39. 前記線状ポリペプチドスペーサーのN末端が、前記IL-12のC末端に作動可能に連結している、請求項33から38のいずれか一項に記載の免疫調節融合タンパク質。
  40. 前記線状ポリペプチドスペーサーのN末端が、前記IL-12のC末端にリンカーによって作動可能に連結している、請求項39に記載の免疫調節融合タンパク質。
  41. 前記リンカーのうちの1つまたは複数が同一である、請求項11、13、15、19、21、23、28、30、32、36、38、40のいずれか一項に記載の免疫調節融合タンパク質。
  42. 前記リンカーのうちの1つまたは複数が異なっている、請求項11、13、15、19、21、23、28、30、32、36、38、40のいずれか一項に記載の免疫調節融合タンパク質。
  43. 前記IL-12が、C末端に存在し、前記コラーゲン結合ドメインに作動可能に連結しており、前記コラーゲン結合ドメインが線状ポリペプチドスペーサーに作動可能に連結しており、前記線状ポリペプチドスペーサーが前記タンパク質のN末端で前記IL-2に作動可能に連結しており、前記タンパク質が線状である、請求項1に記載の免疫調節融合タンパク質。
  44. 前記IL-12が、N末端に存在し、前記コラーゲン結合ドメインに作動可能に連結しており、前記コラーゲン結合ドメインが線状ポリペプチドスペーサーに作動可能に連結しており、前記線状ポリペプチドスペーサーが前記タンパク質のC末端で前記IL-2に作動可能に連結しており、前記タンパク質が線状である、請求項1に記載の免疫調節融合タンパク質。
  45. 前記IL-12が、C末端に存在し、前記線状ポリペプチドスペーサーに作動可能に連結しており、前記線状ポリペプチドスペーサーがコラーゲン結合ドメインに作動可能に連結しており、前記コラーゲン結合ドメインが前記タンパク質のN末端で前記IL-2に作動可能に連結しており、前記タンパク質が線状である、請求項1に記載の免疫調節融合タンパク質。
  46. 前記IL-12が、N末端に存在し、前記線状ポリペプチドスペーサーに作動可能に連結しており、前記線状ポリペプチドスペーサーがコラーゲン結合ドメインに作動可能に連結しており、前記コラーゲン結合ドメインが前記タンパク質のC末端で前記IL-2に作動可能に連結しており、前記タンパク質が線状である、請求項1に記載の免疫調節融合タンパク質。
  47. 第2の線状ポリペプチドスペーサーをさらに含む、請求項1から46のいずれか一項に記載の免疫調節融合タンパク質。
  48. 前記IL-12が、N末端に存在し、第1の線状ポリペプチドスペーサーに作動可能に連結しており、前記第1の線状ポリペプチドスペーサーが前記コラーゲン結合ドメインに作動可能に連結しており、前記コラーゲン結合ドメインが前記第2の線状ポリペプチドスペーサーに作動可能に連結しており、前記第2の線状ポリペプチドスペーサーが前記タンパク質のC末端で前記IL-2に作動可能に連結しており、前記タンパク質が線状である、請求項47に記載の免疫調節融合タンパク質。
  49. 前記IL-12が、C末端に存在し、第1の線状ポリペプチドスペーサーに作動可能に連結しており、前記第1の線状ポリペプチドスペーサーが前記コラーゲン結合ドメインに作動可能に連結しており、前記コラーゲン結合ドメインが前記第2の線状ポリペプチドスペーサーに作動可能に連結しており、前記第2の線状ポリペプチドスペーサーが前記タンパク質のN末端で前記IL-2に作動可能に連結しており、前記タンパク質が線状である、請求項47に記載の免疫調節融合タンパク質。
  50. 連続的な鎖である、請求項43から49のいずれか一項に記載の免疫調節融合タンパク質。
  51. 連続的なポリペプチド鎖である、請求項43から50のいずれか一項に記載の免疫調節融合タンパク質。
  52. 前記コラーゲン結合ドメインが、
    (i)ルミカンを含む低分子ロイシンリッチプロテオグリカン(SLRP)ファミリーのヒトプロテオグリカンクラスIIのメンバー由来のロイシンリッチリピート;または
    (ii)LAIR1およびLAIR2から選択されるIg様ドメインを有するヒトI型糖タンパク質
    を含む、請求項1から51のいずれか一項に記載の免疫調節融合タンパク質。
  53. 前記コラーゲン結合ドメインがルミカンを含む、請求項52に記載の免疫調節融合タンパク質。
  54. 前記ルミカンが、配列番号11に示されるアミノ酸配列に対して少なくとも約80%の配列同一性を含む、請求項53に記載の免疫調節融合タンパク質。
  55. 前記コラーゲン結合ドメインがLAIR 1を含む、請求項52に記載の免疫調節融合タンパク質。
  56. LAIR1が、配列番号13に示されるアミノ酸配列に対して少なくとも約80%の配列同一性を含む、請求項55に記載の免疫調節融合タンパク質。
  57. LAIR1が、配列番号14に示されるアミノ酸配列に対して少なくとも80%の同一性を含む、請求項55に記載の免疫調節融合タンパク質。
  58. 前記コラーゲン結合ドメインがLAIR 2を含む、請求項52に記載の免疫調節融合タンパク質。
  59. LAIR2が、配列番号15に示されるアミノ酸配列に対して少なくとも80%の同一性を含む、請求項58に記載の免疫調節融合タンパク質。
  60. 前記IL-2がヒトIL-2を含む、請求項1から59のいずれか一項に記載の免疫調節融合タンパク質。
  61. 前記IL-2がヒト野生型IL-2を含む、請求項1から60のいずれか一項に記載の免疫調節融合タンパク質。
  62. 前記IL-2が、配列番号1に示されるアミノ酸配列に対して少なくとも約80%の配列同一性を含む、請求項1から61のいずれか一項に記載の免疫調節融合タンパク質。
  63. 前記IL-2が、配列番号2に示されるアミノ酸配列に対して少なくとも約80%の配列同一性を含む、請求項1から62のいずれか一項に記載の免疫調節融合タンパク質。
  64. 前記IL-12がヒトIL-12を含む、請求項1から63のいずれか一項に記載の免疫調節融合タンパク質。
  65. 前記IL-12がヒト野生型IL-12を含む、請求項1から64のいずれか一項に記載の免疫調節融合タンパク質。
  66. 前記IL-12が、配列番号5または配列番号6に示されるアミノ酸配列に対して少なくとも約80%の配列同一性を含む、請求項1から65のいずれか一項に記載の免疫調節融合タンパク質。
  67. 前記線状ポリペプチドスペーサーがアルブミンである、請求項1から66のいずれか一項に記載の免疫調節融合タンパク質。
  68. 前記線状ポリペプチドスペーサーが、アルブミン結合ドメインである、請求項1から66のいずれか一項に記載の免疫調節融合タンパク質。
  69. 前記アルブミンがヒトアルブミンを含む、請求項67に記載の免疫調節融合タンパク質。
  70. 前記アルブミンがヒト血清アルブミンを含む、請求項67に記載の免疫調節融合タンパク質。
  71. 前記アルブミンが、配列番号16~18に示されるアミノ酸配列に対して少なくとも約80%の配列同一性を含む、請求項67に記載の免疫調節融合タンパク質。
  72. 前記アルブミン結合ドメインが、配列番号19に示されるアミノ酸配列に対して少なくとも約80%の配列同一性を含む、請求項68に記載の免疫調節融合タンパク質。
  73. 分子量が、少なくとも100~1000kDaである、請求項1から72のいずれか一項に記載の免疫調節融合タンパク質。
  74. 請求項1から73のいずれか一項に記載の免疫調節融合タンパク質、および薬学的に許容される担体を含む医薬組成物。
  75. 対象において免疫細胞による応答を活性化、増強もしくは促進するか、または対象において免疫細胞による応答を阻害、低減もしくは抑制するための方法であって、それを必要とする対象に、請求項74に記載の医薬組成物の有効量を投与するステップを含む、方法。
  76. がんを処置する、または腫瘍成長を低減もしくは阻害するための方法であって、それを必要とする対象に、請求項74に記載の医薬組成物の有効量を投与するステップを含む、方法。
  77. 前記対象が、少なくとも1つの腫瘍を有する、請求項76に記載の方法。
  78. 前記組成物が、前記少なくとも1つの腫瘍に対して、腫瘍内に(i.tu)または腫瘍周囲に(peri.tu)投与される、請求項77に記載の方法。
  79. 前記組成物が、注射により投与される、請求項78に記載の方法。
  80. 少なくとも1つの腫瘍サイズが、参照標準に対して低減されるかまたは実質的に同一である、請求項77から79のいずれか一項に記載の方法。
  81. 前記参照標準が、投与前の前記腫瘍のサイズである、請求項80に記載の方法。
  82. 前記組成物が、24時間を超える腫瘍内保持t1/2を有する、請求項75から81のいずれか一項に記載の方法。
  83. 腫瘍内注射の12時間後に、注射した用量の25%未満が血清中で検出される、請求項78に記載の方法。
  84. 前記少なくとも1つの腫瘍が、1mm当たり50個以下の細胞の間質性CD8+細胞傷害性T細胞(CTL)を有する、請求項77から83のいずれか一項に記載の方法。
  85. 前記少なくとも1つの腫瘍が、1mm当たり50個以上の細胞の間質性CD8+細胞傷害性T細胞(CTL)および1mm当たり500個以下の細胞の上皮内区画CD8+細胞傷害性T細胞(CTL)を有する、請求項77から83のいずれか一項に記載の方法。
  86. 前記少なくとも1つの腫瘍が、1mm当たり500個以上の細胞の上皮内区画CD8+細胞傷害性T細胞(CTL)を有する、請求項77から83のいずれか一項に記載の方法。
  87. 前記対象においてサイトカイン放出症候群をもたらさない、請求項75から86のいずれか一項に記載の方法。
  88. 前記対象が、グレード4のサイトカイン放出症候群を経験しない、請求項75から87のいずれか一項に記載の方法。
  89. 対象において、腫瘍成長を低減もしくは阻害するため、またはがんを処置するための方法であって、それを必要とする対象に、請求項74に記載の医薬組成物の有効量、および(i)腫瘍抗原を標的とする抗体、(ii)がんワクチン、(iii)免疫チェックポイント阻害剤、または(iv)養子細胞療法を含む第2の組成物の有効量を投与し、それによって、前記対象において、腫瘍成長を低減もしくは阻害するかまたはがんを処置するステップを含む、方法。
  90. 前記腫瘍抗原が、腫瘍関連抗原(TAA)、腫瘍特異的抗原(TSA)、もしくは腫瘍ネオ抗原であるおよび/または前記腫瘍抗原を標的とする抗体が、ヒトHER-2/neu、EGFR、VEGFR、CD20、CD33、CD38もしくはその抗原結合断片に特異的に結合する、請求項89に記載の方法。
  91. 前記がんワクチンが、1つもしくは複数の腫瘍関連抗原を含むペプチド、またはin vitroにて腫瘍抗原で免疫され、前記対象に投与される細胞の集団である、請求項89に記載の方法。
  92. 前記免疫チェックポイント阻害剤が、PD-1、PD-L1、CTLA-4、LAG3、またはTIM3に結合する抗体またはその抗原結合断片である、請求項89に記載の方法。
  93. 前記免疫エフェクター細胞が、腫瘍抗原に結合するキメラ抗原受容体(CAR)分子を含む、請求項89に記載の方法。
  94. (i)IL-2;
    (ii)IL-12;
    (iii)LAIR2コラーゲン結合ドメインであって、
    LAIR2が、配列番号15に示されるアミノ酸配列に対して少なくとも80%の同一性を含む、LAIR2コラーゲン結合ドメイン;および
    (iv)アルブミンであって、
    配列番号16~18に示されるアミノ酸配列に対して少なくとも約80%の配列同一性を含む、アルブミン
    を含む免疫調節融合タンパク質。
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