JP2024500697A - 生体内のボリュメトリック組織学的画像のリアルタイムでの取得のためのポイントオブケア顕微鏡 - Google Patents

生体内のボリュメトリック組織学的画像のリアルタイムでの取得のためのポイントオブケア顕微鏡 Download PDF

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Abstract

顕微鏡が、光学構成要素の第1のセットを通じて励起光の経路を定め、そのため、励起光は、試料へと投射され、斜めの角度で励起光のシートを形成する。シートの位置は走査要素の配向に依存して変化する。光学構成要素の第1のセットは、検出光の経路を走査要素へと戻すように定め、これは、検出光の経路を光学構成要素の第2のセットへと定める。光学構成要素の第2のセットは、検出器へと撮像される中間像平面を形成する。いくつかの実施形態において、折り鏡が光学構成要素の第1のセットと光学構成要素の第2のセットとの間に配置される。いくつかの実施形態において、光学的に透明なスペーサが、第1の対物レンズを覆い、撮像される組織に押し付くように構成される。このスペーサは、第1の対物レンズが組織内の特定の深さの範囲をキャプチャするために、作動距離を設定する。

Description

関連出願の相互参照
本出願は、2020年12月15日に出願された米国仮特許出願第63/125,817号の利益を主張し、その特許出願は、その全体が本明細書において参照により組み込まれている。
連邦政府による資金提供を受けた研究開発の記載
本発明は、国立衛生研究所によって与えられた助成金NS108213、NS09429、NS104649、およびCA236554と、全米科学財団によって与えられた助成金1644869、0801530、および0954796との下で、政府の支援で行われた。政府は、本発明において特定の権利を有する。
19世紀から、組織の微細構造および細胞組織が、組織の種類、組織の通常の状態、および病的状態を区別するために使用されてきた。しかしながら、大きな医学の進歩にも拘らず、組織の組織学的検査は、組織が切除され、処理され、スライスされ、染色され、そして撮像されることをなおも必要としている。生検標本は、貴重な組織を除去し、異常を見逃す可能性があり、処理するのに20分間から数日間かかるため、処置を長引かせ、コストを跳ね上げ、閉ループでの意思決定を妨げる。
600万回を超える生検処置が毎年米国で実施されている。しかしながら、病理組織学的な評価のために組織を切除、固定、および染色する標準的な実務は、コストおよび時間がかかり、治療を遅らせる一方で、標本誤差によって当惑させられる。術中迅速病理診断は20分以内で結果を提供することができるが、凍結および切断するのが特に難しい脳などの脂肪組織で、組織が凍結人工物、低品質の切開、腫れた細胞形態、および粗悪な染色に悩まされる。物理的に2Dの組織学のスライドの使用も、3D組織形態のより良い理解を得るために、病理学者が複数の切片を通じて特徴を追跡しなければならないため、評価のワークフローを遅らせてしまう。物理的なスライドは、顕微鏡を通じて手作業で見られなければならない、あるいは、見る前にデジタル化されなければならず、追加の時間および資源を必要とする。
しかしながら、最も重要なことは、凍結組織学および標準組織学の両方が、生体組織の物理的除去を必要とすることである。目、心臓、または脳などの正確な組織のために、保守的な生検は、アンダーサンプリングと、誤診断または不完全な外科的切除のいずれかとをもたらす可能性がある。生検の破壊的な性質は、組織の種類の特定などの一般外科的案内のために、または、身体の大きな領域を検査するためには、ほとんど使用されないことも意味している。生体外の組織は、組織の健康または病気の状態の価値のある生体指標を提供することができる潅流レベルおよび代謝状態などの特徴を、急速に失うことにもなる。
共焦点顕微内視鏡が、その場で組織の2D画像を生成するために光ファイバ導管を通じた共焦点走査を利用し、内視鏡の通路を通じて達成できる。しかしながら、共焦点顕微内視鏡の現在の市販の実施形態は、コントラストを提供するために、フルオレセインなどの明るい蛍光性の染料の全身への注入に依拠している一方で、小さな視界にわたって2D画像をキャプチャするだけのその能力は、確実に読み取るには困難であることが分かっている。特異度は、病気を選択的に強調することができる蛍光マーカで向上させることができるが、このような化学物質の規制の認可は、ほとんどの場合で、非常にコストがかかり、複雑であることが分かっている。二光子蛍光、第二高調波発生、蛍光寿命、および誘導ラマン分光が、生体内撮像とベッドサイドでの新鮮な組織の撮像との両方のために実証されており、素晴らしい内因性または「ラベルフリー」のコントラストを明らかにしている。しかしながら、これらの手法のすべてが限られた取得速度を有し、これは、生体内の動きを許容することができず、リアルタイム、大きい領域、または3D撮像を妨げてしまい、一方、高コストおよび/または高出力のパルスレーザ発生源へのこれらの手法の依拠は、いくつかの特例を除き、生体内の臨床撮像におけるそれら手法の使用をとても限られたものにしている。
米国特許第10,061,111号 米国特許出願公開第2019/0317312号
本発明の一態様は、光学構成要素の第1および第2のセットと、走査要素と、折り鏡と、光検出器配列と、第3の対物レンズとを備える第1の撮像装置に向けられている。光学構成要素の第1のセットは、近位端と遠位端とを有し、光学構成要素の第1のセットの遠位端に配置される第1の対物レンズを含む。第1の対物レンズは、10×から70×の間の倍率と、0.5から1.1の間の開口数とを有する。光学構成要素の第2のセットは、近位端と遠位端とを有し、光学構成要素の第2のセットの近位端に配置される第2の対物レンズを含む。走査要素は、光学構成要素の第1のセットの近位端に対して近位に配置され、光学構成要素の第2のセットの遠位端に対して遠位に配置される。走査要素は、光学構成要素の第1のセットの遠位端より遠位に位置決めされる試料へと励起光が投射されるように、光学構成要素の第1のセットを通じて近位から遠位への方向に励起光の経路を定めるように配置される。試料へと投射される励起光は、斜めの角度で励起光のシートを形成し、シートの位置は走査要素の配向に依存して変化する。光学構成要素の第1のセットは、試料からの検出光の経路を、遠位から近位への方向で走査要素へと戻すように定める。走査要素は、検出光が遠位から近位への方向において光学構成要素の第2のセットを通過し、光学構成要素の第2のセットが、光学構成要素の第2のセットの近位端より近位である位置において中間像平面を形成するように、検出光の経路を定める。折り鏡は、光学構成要素の第1のセットの近位端に対して近位に配置され、光学構成要素の第2のセットの遠位端に対して遠位に配置される。第3の対物レンズは、中間像平面から届く光の経路を光検出器配列に向けて定めるように配置される。
第1の撮像装置のいくつかの実施形態において、折り鏡は走査要素と光学構成要素の第2のセットの遠位端との間に位置決めされる。
第1の撮像装置のいくつかの実施形態において、第1の対物レンズは、50×から70×の間の倍率と、0.9から1.1の間の開口数と、2.5mmから3.5mmの間の有効焦点距離とを有し、第2の対物レンズは、40×から60×の間の倍率と、0.65から0.85の間の開口数と、3mmから5mmの間の有効焦点距離とを有する。
任意選択で、先の段落に記載されている実施形態において、第1の対物レンズは、60×の倍率と、1.0の開口数と、3mmの有効焦点距離とを有する。任意選択で、先の段落に記載されている実施形態において、第2の対物レンズは、50×の倍率と、0.75の開口数と、4mmの有効焦点距離とを有する。任意選択で、先の段落に記載されている実施形態において、光学構成要素の第1のセットは少なくとも1つのプレスル式接眼レンズを含む。任意選択で、先の段落に記載されている実施形態において、光学構成要素の第1のセットは12.7mmの直径で38.1mmのEFLアクロマートを備え、プレスル式接眼レンズは2つの12.7mmの直径で50.8mmのEFLアクロマートを備える。任意選択で、先の段落に記載されている実施形態において、光学構成要素の第2のセットは少なくとも1つのプレスル式接眼レンズを含む。任意選択で、先の段落に記載されている実施形態において、光学構成要素の第2のセットは、2つの1インチの直径で101.6mmのEFLアクロマートから作られるプレスル式接眼レンズと、1インチの直径で76.2mmのEFLアクロマートとを備える。任意選択で、先の段落に記載されている実施形態において、光学構成要素の第1のセットは、1.5Xの倍率を伴う望遠鏡を備え、光学構成要素の第2のセットは、1.5Xの倍率を伴う望遠鏡を備える。任意選択で、先の段落に記載されている実施形態において、第3の対物レンズは、15×から25×の間の倍率と、0.65から0.85の間の開口数とを有する。任意選択で、先の段落に記載されている実施形態において、第3の対物レンズは、20×の倍率と、0.75の開口数とを有する。
本発明の他の態様は、光学構成要素の第1および第2のセットと、走査要素と、光検出器配列と、第3の対物レンズと、光学的に透明なスペーサを備える第2の撮像装置に向けられている。光学構成要素の第1のセットは、近位端と遠位端とを有し、光学構成要素の第1のセットの遠位端に配置される第1の対物レンズを含む。光学構成要素の第2のセットは、近位端と遠位端とを有し、光学構成要素の第2のセットの近位端に配置される第2の対物レンズを含む。走査要素は、光学構成要素の第1のセットの近位端に対して近位に配置され、光学構成要素の第2のセットの遠位端に対して遠位に配置される。走査要素は、光学構成要素の第1のセットの遠位端より遠位に位置決めされる試料へと励起光が投射されるように、光学構成要素の第1のセットを通じて近位から遠位への方向に励起光の経路を定めるように配置される。試料へと投射される励起光は、斜めの角度で励起光のシートを形成し、シートの位置は走査要素の配向に依存して変化する。光学構成要素の第1のセットは、試料からの検出光の経路を、遠位から近位への方向で走査要素へと戻すように定める。走査要素は、検出光が遠位から近位への方向において光学構成要素の第2のセットを通過し、光学構成要素の第2のセットが、光学構成要素の第2のセットの近位端より近位である位置において中間像平面を形成するように、検出光の経路を定めるようにさらに配置される。第3の対物レンズは、中間像平面から届く光の経路を光検出器配列に向けて定めるように配置される。光学的に透明なスペーサは、第1の対物レンズを覆い、撮像される組織に押し付くように位置決めおよび構成される。
第2の撮像装置のいくつかの実施形態において、光学的に透明なスペーサは、第1の対物レンズが組織への50~350μmの深さ範囲をキャプチャするための作動距離を設定する。
第2の撮像装置のいくつかの実施形態において、光学的に透明なスペーサは、光学的に透明なスペーサと第1の対物レンズの遠位端との間に水密シールを提供するキャップに組み込まれる。任意選択で、これらの実施形態は、光学的に透明なスペーサと第1の対物レンズとの間に位置決めされるある量の媒体をさらに備え、媒体は、第1の対物レンズの液浸媒体と合致するように選択される屈折率を有し、ある量の媒体は、光学的に透明なスペーサを第1の対物レンズに光学的に結合し、キャップは水密シールを提供する。
第2の撮像装置のいくつかの実施形態において、光学的に透明なスペーサは、第1の対物レンズの必要とされる液浸媒体と合致する屈折率を伴う固体媒体から形成される。第2の撮像装置のいくつかの実施形態において、光学的に透明なスペーサは、第1の対物レンズの一次焦点面の近位の25μmから250μmの間に位置決めされる外面を有する。第2の撮像装置のいくつかの実施形態において、光学的に透明なスペーサは、スペーサの外面にわたって徐々に移動される試料の素早い3D撮像を可能にし、試料の連続3D画像のステッチングを可能にする。第2の撮像装置のいくつかの実施形態において、第1の対物レンズは、10×から70×の間の倍率と、0.5から1.1の間の開口数とを有する。
掃引共焦点整列平面励起顕微鏡の一実施形態の図である。 掃引共焦点整列平面励起顕微鏡の他の実施形態の図である。 図1および図2の実施形態について、無傷組織における単一の対物レンズ光シートの励起および発光の形状の図である。 単色または二色のyzスライスが、斜めボリュームを作り出すために、走査方向(x)に沿ってどのように受け取られるかを示す図である。 図1および図2のそれぞれの実施形態について、無収差の撮像の理論的な動作範囲を示す図である。 図1および図2のそれぞれの実施形態について、無収差の撮像の理論的な動作範囲を示す図である。 異なる焦点深さにおける図2の実施形態の光学的分解能を示す図である。 図1および図2の両方の実施形態における第1の対物レンズの遠位端を覆うように設計された撮像キャップの例の図である。
様々な実施形態が、同様の符号が同様の要素を表している添付の図面を参照して、以下で詳細に記載されている。
ここで、その場での生体組織のボリュメトリック組織学的撮像を、リアルタイムで、組織切除を必要とせずに可能にするMediSCAPEと呼ばれる小さいフォームファクタの掃引共焦点整列平面励起顕微鏡を実証する。MediSCAPEの高速3D撮像性能は、生体内の動きに耐え、動き回っての3D画像取得を可能にし、3Dステッチングと組み合わされることで、大きな組織領域の連続した分析を可能にする。MediSCAPEの高い感度は、弱い内因性の蛍光性についても、外因性の染色を必要とすることなく、無傷のその場での生体組織において、臨床的に関連する組織の構造のリアルタイムのマルチスペクトル3D撮像を可能にする。MediSCAPEは、多様な生体内において、新鮮なマウスおよび人の組織において実証され、組織構成の構造、疾病マーカ、生体内潅流、および組織機能の堅牢な視覚化を確保する。
MediSCAPEは、切除、処理、および染色を必要とすることなく、顕微鏡レベルで組織の素早く非破壊的なその場での検査を可能とする掃引共焦点整列平面励起(SCAPE: Swept Confocally Aligned Planar Excitation)顕微鏡法に基づく生体内撮像方法である。この手法は、生検部位選択を案内するために、外科的縁の評価および大きな組織領域の監視を含む閉ループの治療決定を可能にするリアルタイムでの手術中のフィードバックを提供する能力を有する。MediSCAPEの非破壊的な性質は、ロボット手術または整形外科の間の「組織分類」または潅流評価など、非病理学的な用途についても、MediSCAPEを価値のあるものにさせることができる。迅速なその場での組織病理学は、具体的には、最も一般的に移植され、大きな観察者間変動を受ける腎臓といった、人の移植のために提供される臓器の評価にも変革となり得る。
過去十年において、組織切開の必要性を低減する新たな「ベッドサイド」での新鮮な組織の組織病理学の手法の範囲の出現が見られたが、これらの方法は、生体外で試料を撮像し、しばしば追加の組織処理を必要とする。例えば、生体外の組織に光シート撮像を適用する近年の技術革新は、3D取得および視覚化の価値を証明している。しかしながら、生体内でのそれらの使用は、組織を染色および除去のステップと、3D画像を形成するために組織を物理的に移動させる必要性とによって、限られている。未処理の新鮮な組織試料のベッドサイドでの撮像のための二光子分光および誘導ラマン分光の近年の実証は、素晴らしい内因性コントラストを明らかにしてきた。それでもなお、高コストな高出力パルスレーザ発生源におけるそれらの限られた速度および信頼性は、いくつかの特性を除き、生体内の臨床撮像のための使用をはるかに限られたものにしてきた。さらに、切除された組織を撮像することは、幅広い範囲の選択的な染料およびラベルを利用することへの制約を取り除くため、MUSE顕微鏡法などのより簡素な技術が実行可能な代案である。
SCAPE顕微鏡法は、我々がモデル生物において細胞レベルの機能および構造を撮像するために元々は開発した高速3D単一対物レンズ光シートの手法である。しかしながら、SCAPE顕微鏡法は、臨床状況において人の組織を撮像するために理想的にさせる2つの特有の能力をもたらす。1)SCAPEは、1秒間あたり10個を超えるボリュームにわたって、無傷組織の3D画像を取得し、箱一杯の組織学のスライドに等しいその場での組織における3D多層構造のほぼ即時のキャプチャを可能にする。この高い速度は、人の手術の状況において不可避である自然な動きの許容範囲も提供し、ボリュメトリック画像の連続体が取得でき、無傷組織の大きい領域に及ぶ連続3D組織病理学へと一体にステッチさせることができる「動き回る」取得を可能にする。2)その高い速度にも拘らず、SCAPEは高い感度も有し、ほとんどの組織に既に存在する内因性フルオロフォアの検出を可能とし、外因性染料の必要性を排除する一方で、高出力パルスレーザの使用も必要とせず、臨床的な解釈およびその場での人の使用を大幅に容易にする。
MediSCAPE撮像は、同じ組織における代表的な組織学へと視覚化される構造と比較して、生体内および切除されたばかりのマウスおよび人の組織の範囲で実証されている。我々は、MediSCAPEのボリュメトリックデータが、任意の無作為の角度における断面を通じてスクロールする能力で、組織微細構造の検査をその自然な3Dの状況で可能にすることを強調し、解釈能力を大幅に向上させる。我々は、ビデオレートのボリュメトリック撮像速度が、大きな組織領域にわたる「動き回る走査」の3Dステッチングを可能とし、生体内の脈打つマウスの心臓を撮像することでモーションアーチファクトを克服することを示した。我々は、H&E組織学において視認可能であるよく知られている細胞成分を強調するために、プロフラビンおよびフルオレセインナトリウムを含む外因性染料の使用も実証した。
データセットが、2つのMediSCAPEの実施形態、つまり、最適化されたベンチトップシステム(図1)と、性能において些細でしかない妥協を伴う、手術中の人の使用に適しているフォームファクタを伴う新規の小型バージョンのMediSCAPE(図2)とを使用して取得された。この小型化された設計は、アクセス可能な開口部における生体内の組織の撮像ために使用されるだけでなく、腹腔鏡手術、ロボット手術、およびオープンフィールド手術の間にも使用されるMediSCAPEの能力を実証する。示されているすべての画像は、手頃な視認可能連続波レーザ光発生源(488nmおよび637nm)を使用して、FDA認可の共焦点内視鏡と等価の照明レベルで取得された。これらの実証は、MediSCAPEが顕微鏡法に基づく手術中案内に新たなパラダイムを提供することができることを示唆している。
図1は、生体内齧歯動物モデル、および、切除された腎臓など、新鮮な生体外でのマウスおよび人の組織試料を撮像するのに適したベンチトップの実施形態を描写している。この実施形態は、米国特許第10,061,111号(その全体において、本明細書において参照により組み込まれている)において開示されている構成と同様であるが、励起のための488nmおよび637nmのOBISレーザと、必要とされる場合には、ステージ走査のための3軸モータ駆動ステージ(Thorlabs DDSM50およびMTS25-Z8)とが追加されている。二色撮像が、スペクトルで分解された発光画像を並行して受け取るために、カメラの前の自作画像スプリッタを用いて達成される。このシステムによるすべての撮像は、対物レンズと、試料が置かれているカバースリップとの間に水がある状態で、反転構成で実施される。
図2は、小型化されたMediSCAPEの設計を描写している。細長い撮像ヘッドを伴うこのコンパクトな「折れの広がった」設計は、ブームに搭載でき、臨床的利用のために手で案内され得るフォームファクタを作り出しており、唯一のトレードオフは些細な視野の低減である。この小型化された図2のシステムにおける画像は、必要とされる場合にカバースリップが組織を平らにする状態で、直立構成においてキャプチャされる。示されているすべてのデータについての撮像パラメータは、Table 2(表2)に列記されている。
図1および図2の両方の実施形態において、MediSCAPEは、試料を照らすために斜めの光シートを使用し、同じ単一で静止した高開口数(NA: Numerical Aperture)の対物レンズ12を通じて戻る発光した蛍光を受け取る。システムの中のガルバノミラー32が、側方から側方へと(xに沿って)光シートを掃引し、戻ってくる蛍光をデスキャンし、それを、カメラ48(例えば、Andor Zyla 4.2+などのsCMOSカメラ)において焦点の合わせられる静止した共役斜め画像平面にマッピングする。斜めのyz’区域に対応する平面が、ボリュメトリック画像を発生させるためにガルバノミラー32がシートをxにおいて掃引するため、カメラ48によって取得される。システムのすべての構成要素が、1つのボリュームあたりにおいて1つの線で掃引するガルバノミラーを除いて静止したままであるため、撮像速度はカメラ読み取り速さのみによって限定される。したがって、ボリューム取得速さは、各々のボリュームに及ぶxステップの数と、カメラにおいて取得されるカメラ列の数(撮像されたz’における深さに対応する)とによって決定され、例えば、標準的なsCMOSカメラにおいて、100列について1秒あたり約2,000フレームといった、より少ない列はより素早い読み取りを可能にする。すべてのシステムにおいて、二色撮像は、カラム全体にわたって画像を分割して、スペクトルで分解された発光画像を速度の低下なしで並行して受け取る、カメラの前の自作画像スプリッタを用いて達成された。
画像は、3つの撮像パラダイムのうちの1つにおいて取得された、すなわち、1)静止した試料のボリュメトリック撮像のための光シートのガルバノミラーに基づく走査(約1x1mmのxy視野にわたる)、2)連続鏡に基づくボリュメトリック撮像の間に試料が手で移動させられる間の動き回る走査、および、3)静止した光シートによるxに沿っての試料のステージ走査(ガルバノメータ静止)。より大きな視野が、生体内の組織の動き回る走査、または、生体外の組織の連続ステージ走査からのいずれかのボリュームをステッチすることで生成された。ステージ走査は、大きな組織の切片または厚板の表面の真下の(例えば、50~350μmの深さで)素早い3D走査に良好に適している。ステージ走査が実施されるとき、走査要素32は固定位置で保持され、試料は顕微鏡全体に対して並進させられる(または、逆もまた同様である)。ステージ走査は、ガラスまたは他の平坦な材料に接触または配置されるプローブで実施でき、上方または下方から撮像され得る。体外の組織が、異なる染料および染色剤の範囲でより容易に染色できることに加え、自己蛍光を介して撮像させることができる。図3Aは、無傷組織におけるSCAPEの単一の対物レンズ光シートの励起および発光の形状を示す。斜めの光シートは、蛍光発光が同じ試料対物レンズを通じて受け取られる間、yz’に沿う単一の平面を照らす。
図3Bは、単色または二色のyz’スライスが、斜めボリュームを作り出すために、走査方向(x)に沿ってどのように受け取られるかを示す図である。
図1の実施形態では、488mm+637mmのレーザ光が、均一な光シートを形成するために、30°のパウエルレンズ68(PL)と、50mmおよび75mmの円柱レンズ61、62(CL)とを通過させられる。このシートは、ダイクロイック38を伴う一次光路へと導かれ、ここでは2mmの作動距離を伴う水20xで1.0NAのオリンパスの対物レンズである試料対物レンズ12(O1)において斜めの光シートを形成するために、xにおいて中心がずれて位置決めされる。蛍光の結果生じる平面は、同じ対物レンズ12を通じて受け取られ、4f構成で配置された2つの望遠鏡による二次対物レンズ26(O2)(ニコン20x、0.75NA、空気)と三次対物レンズ42(O2)(ニコン10x、0.45NA、空気)との間にある静止した中間像平面にマッピングされる。望遠鏡1は、2xの倍率のために75mmのプレスル式接眼レンズ16(SL1)と150mmのアクロマート14とから成り、望遠鏡2は、1.67xの倍率のために60mmのアクロマート22(SL2)と100mmのアクロマート24(TL2)とから成る。そのため、静止した像平面が、自作画像スプリッタ45が必要とされるときに2つの発光チャンネルへスペクトル分離を提供する状態で、sCMOSカメラ48において撮像される。4.6xの最終倍率を与える70mmの焦点距離の筒レンズ46(TL)が、70~200mmの可変焦点距離TLを使用した動画2(後で記載されている)からのデータを除いて、すべてのベンチトップデータセットのために使用された。鏡に基づく走査の間、米国特許第10,061,111号に記載されているように、ボリュームが、光シートを掃引すると同時に、静止した像平面への発光された蛍光をデスキャンするために、ガルバノミラーを使用して撮像される。
先のSCAPE顕微鏡法システムの大部分は、科学的研究のためのベンチトップ機器として使用されており、そのため、相当の小型化を必要としなかった。しかしながら、MediSCAPEを臨床的利用へと変換するために、図1の実施形態に対する設計のいくらかの小型化および簡素化が有利であり得る。
本明細書に記載されている図2の実施形態は、直視下手術野における手術中での使用に加え、口内検査および婦人科検査にとって適切とされたよりコンパクトなフォームファクタを有する一方で、撮像性能を維持しているMediSCAPE設計である。より小さい特別な一次対物レンズであれば、この同じ設計は、耳、鼻、および喉など、より小さい開口部で使用でき、また、関節鏡検査および腹腔鏡検査のために使用できる(特には、ロボット手術との組み合わせで)。
図2の実施形態では、画像は、直径が2.2cmである細い15cmの長さの導管を通じて取得される(直径は、市販の60xの対物レンズの使用だけによって限定されている)。システムのガルバノミラーを受け入れるための小さい曲げの後、導管は、3cm未満の直径で31cmにわたって一直線に続き、追加の光学系と、別体のコンピュータに接続するシステムのカメラとを保持する走査ヘッドに付着する。システムのカメラおよびレーザ発生源は、撮像ヘッドからある距離に位置付けることができ、必要な場合には光ファイバ結合を介して中継される。
図2の実施形態は、細胞レベルの分解能、実用的な深さ範囲、および横の視野を維持する一方で、携帯型とでき、手持ちでの生体内撮像に適している。任意選択で、この実施形態は、Table 1(表1)に列記されている構成要素を使用して構築され得る。この全体のユニットが、外科顕微鏡フレームに搭載でき、小さい規模での移動および電気機械的に安定させられた走査で、手術野の中での撮像ヘッドの手で案内される柔軟な移動を可能とする。ロッドおよびグリンレンズが、前方または側方を向くMediSCAPE撮像が管腔内撮像に追加され得る間、腹腔鏡の挿入とより適合するために、撮像アームのより細い部分を延ばすことができる。
いくつかの実施形態は、2mmの作動距離(WD)で、水浸一次対物レンズを使用する。臨床的利用のために、無菌のシースが撮像ヘッドを覆うために制作され得、撮像ヘッドは、撮像される組織の安定化を提供する一方で、対物レンズが組織への200~300μmの深さ範囲をキャプチャするための最適な作動距離を確保するために、光学的に透明なスペーサを組み込む。いくつかの実施形態において、深さ範囲は50~350μmである。
例えば、光ファイバの束に基づく検出を、MEMsミラーおよびGRINレンズを使用する遠位端の走査ヘッドと組み合わせることで、MediSCAPEのさらなる小型化が可能である。しかしながら、この実施は、画像品質および視野を犠牲にする可能性があり、消化器内視鏡検査の用途に主に供する。
生体内の臨床的利用について、図2の実施形態は、手術野への外科医のアクセスを曖昧にすることなく手術野における操縦を許容するより細くてより長い撮像ヘッドを提供する。図2に示されているように、この特徴は、図1のシステムの通常は直交の望遠鏡の折れを広げるために、折れを広げる鏡34を使用し、ガルバノミラー32を一次の細長いビーム経路の中に位置決めすることで達成された。より小さい直径の60xで1.0NAの水浸一次対物レンズ12(O1)が選択される一方で、図1のシステムにおける2インチの直径のレンズは、12mmの直径の光学系で置き換えられている。より機械的な安定性を整列に提供するために、レーザ照射は、単一モードファイバを介して導入され、次に対物レンズ26(O2)へと方向付けられ、撮像ヘッドを単純化する一方で、画像回転対物レンズおよびレーザ発射をすべて撮像ヘッドの遠位の板にしっかりと搭載させることができる。
図2の実施形態は、一次対物レンズ12(O1)から入射する斜めの光シートで組織を照らす。このシートによって励起される蛍光は、同じ対物レンズを通じて受け取られる。レンズ望遠鏡14、16(TL1およびSL1)は、光をO1(符号12)とガルバノミラー32との間でマップし、試料において側方から側方へと励起シートを掃引するために、および、第2の撮像望遠鏡24,22(TL1およびSL2)へと戻る光を二次対物レンズ26(O2)へと再方向付けするために使用される。このレンズは試料の中間画像を作り出し、その中間像は、ガルバノミラー32のデスキャン機能のおかげで、走査する光シートに対して静止したままである。この中間画像空間における光シートの斜めの画像は、第3の斜めに整列された対物レンズ42(O3)によって、カメラ48へと中継される。図2に描写されている実施形態では、この中間画像空間は、励起光を導入するための場所としても使用されている。
一次対物レンズ12(O1)は、できるだけ高いNAと長い作動距離(WD)とを提供すべきである。我々は、30mmの直径を有する、図1のシステムで使用されている20xで1.0NAのオリンパスXLUMPLFLN20XWを、22mmの直径であり、水において3mmの有効焦点距離(EFL)、1.0の完全なNA、および2mmWDを有するはるかにより小さい60×のオリンパス水浸対物レンズ(LUMPLFLN 60XW)を置き換えた。このより高い倍率の対物レンズに移行する主な影響は、システムの使用可能な視野(FOV)における1.0mmから0.4mmへの低減である。代替の実施形態では、一次対物レンズは、50×から70×の間の倍率と、0.9から1.1の間の開口数と、2.5mmから3.5mmの間の有効焦点距離とを有する。
01によって撮像された3D試料ボリュームを02によって形成された中間3D画像に等方的に再現するために、O2の半開口受光角はO1の半開口受光角以上でなくてはならない。そのため、我々は、0.75のNA(空気において)と4mmのEFLとを伴う50×のミツトヨの平アポクロマート対物レンズ(#58-237、Edmund)をO2として選択した。この対物レンズは、5.2mmのWDを特徴とし、これは、O3を通じて静止した中間画像を再撮像するためと、励起シートを発射するためとの両方で、十分な空間および柔軟性を可能とする。代替の実施形態において、O2は、40×から60×の間の倍率と、0.65から0.85の間の開口数と、3mmから5mmの間の有効焦点距離とを有する。
図2の実施形態は、近位端と遠位端とを有する光学構成要素の第1のセット10を有する。光学構成要素の第1のセット10は、光学構成要素の第1のセットの遠位端に配置された第1の対物レンズ12を含む。第1の対物レンズ12は、10×から70×の間の倍率と、0.5から1.1の間の開口数とを有する。この実施形態は、近位端と遠位端とを有する光学構成要素の第2のセット20も有する。光学構成要素の第2のセット20は、光学構成要素の第2のセット20の近位端に配置された第2の対物レンズ26を含む。図2の実施形態のいくつかの(すべてではない)変形において、第1の対物レンズ12は、50×から70×の間の倍率と、0.9から1.1の間の開口数と、2.5mmから3.5mmの間の有効焦点距離とを有し、第2の対物レンズ26は、40×から60×の間の倍率と、0.65から0.85の間の開口数と、3mmから5mmの間の有効焦点距離とを有する。
走査要素32が、光学構成要素の第1のセット10の近位端に対して近位に配置され、光学構成要素の第2のセット20の遠位端に対して遠位に配置されている。走査要素32は、光学構成要素の第1のセット10の遠位端より遠位に位置決めされる試料へと励起光が投射されるように、光学構成要素の第1のセット10を通じて近位から遠位への方向に励起光の経路を定めるように配置されている。試料へと投射される励起光は、斜めの角度で励起光のシートを形成し、シートの位置は走査要素32の配向に依存して変化する。光学構成要素の第1のセット10は、試料からの検出光の経路を、遠位から近位への方向で走査要素32へと戻すように定める。走査要素は、検出光が遠位から近位への方向において光学構成要素の第2のセット20を通過し、光学構成要素の第2のセット20が、光学構成要素の第2のセット20の近位端より近位である位置において中間像平面を形成するように、検出光の経路を定める。
折り鏡34が、光学構成要素の第1のセット10の近位端に対して近位に配置され、光学構成要素の第2のセット20の遠位端に対して遠位に配置されている。図2に示されている実施形態では、折り鏡34は走査要素32と光学構成要素の第2のセット20の遠位端との間に位置決めされている。しかし、代替の実施形態(図示せず)では、走査要素32の位置と折り鏡34の位置とは交換され、その場合、折り鏡34は走査要素32と光学構成要素の第1のセット10の近位端との間に位置決めされることになる。
第3の対物レンズ42が、中間像平面から届く光の経路を光検出器配列48に向けて定めるように配置されている。
実験的および理論的な特性は、0.811±0.123μm(y)、1.07±0.115μm(x)、および2.10±0.479μm(z)のビームウエストに近い分解能と、些細な視野の低減(システムAおよびBについて約1mm×1mmのx-yに対して、図2のシステムについて約0.4×0.6のx-y)である唯一のトレードオフとによって、図1のシステムと比較して、図2のシステムの等価またはさらに優れた分解能および光効率を明らかにしている。
図4Aおよび図4Bは、図1の設計および図2のO1-O2のこの組み合わせによって提供される無収差撮像の理論的な動作範囲をそれぞれ示す。変化する焦点ずれの距離における軸上の点源のストレール比および焦点ずれの係数が、両方の実施形態について計算された。図示されているように、O1-O2の組み合わせは、約±80μmの焦点ずれ範囲を受け入れることができ(0.9を超えるストレール比および5μm未満の過剰な焦点ずれにおいて)、これは、生物学的組織の光学的撮像にとって十分である約160μmの軸方向範囲を提供する。図2の実施形態について選択されたO1-O2の組み合わせは、動作範囲とコンパクト性との間に良好なトレードオフを提供する。
図2の実施形態において、O1からガルバノミラーへの間の中継望遠鏡のための走査レンズおよび筒レンズ16、14(SL1およびTL1)は、以下の基準を満たすように選択され、すなわち、1)外径はできるだけコンパクトでなければならず、2)4f系全体が、容易な操縦性のために十分な長さの手持ち部分を形成しなければならず、3)TL1の焦点距離が、対物レンズの内側であるが、O1のFOV(直径が約400μm)の縁からの周辺光線のクロッピングがあるほどの長さではない19.1mmに位置付けられるO1(符号12)の後焦点面に到達するに十分な長さでなければならず、4)O1の6mmの直径の後の瞳が、開口の損失なくガルバノミラーにおいて縮小されなければならない。これらの検討を要因として考え、12.7mmの直径で38.1mmのEFLアクロマートをTL1として選択し、2つの12.7mmの直径で50.8mmのEFLアクロマートを備えるプレスル式接眼レンズをSL1として選択した。第2の中継望遠鏡(SL2およびTL2)は試料空間からさらに遠くに離れて据え付けられ、そのため、それらの1インチへの物理的直径の制約を緩和し、2つの1インチの直径の101.6mmのEFLアクロマートから作られたプレスル式接眼レンズをSL2として選択し、1インチの直径の76.2mmのEFLアクロマートをTL2として選択した。すべてのプレスル組立体について、構成要素のアクロマート同士の間の分離は、初めにOpticStudio 16.5(Zemax LLC)およびSolidworks 2016(Dassault Systemes)においてモデル化され、次に厚さが0.4mmまたは1.0mmの光学スペーサ(SM1S01、SM05S1M、およびSM1S1M、Thorlabs)を重ねることで1mm以下の精度で実用的に制御された。
これらの望遠鏡の両方が1.5xの倍率を有するが、O1(符号12)(3mm)およびO2(符号26)(4mm)についてのEFLの比は、試料から中間画像への1.33の効果的な倍率を生み出し、O1およびO2のそれぞれについて、水浸(n=1.33)および空気(n=1)対物レンズの使用に基づく再撮像についての「完全な3D撮像条件」を満たす。第2の望遠鏡は、図2に示されているような線形構成を形成するために、90度の銀鏡34を用いてガルバノミラーの近くで折られる。
この図2の設計を小型化するのを助けるために、励起光がシステムへと発射される場所は、(図1に示されているようなベンチトップの設計におけるような)SL2(符号22)とガルバノミラー32との間から、代わりにO2(符号26)における入口へと移動させられた。この手法は、中間画像に光シートを効果的に作り出し、その全体において本明細書において参照により組み込まれている米国特許出願公開第2019/0317312号に記載されているように、戻り画像が試料から中間画像へと中継されるのと同じ方法で光シートを試料に中継する。
シートを形成するために、2.8μmのモードフィールド直径を伴う単一モードファイバ60(SM450、Thorlabs)からのレーザ光(488nm)が、15mmのEFL非球面レンズによって、1/eウエストにおいて約3.33mmのガウスビームへと平行にさせられる。このガウスビームは、円柱4f系61、62(CL1およびCL2)によって約3.3×で拡張され、次に、楕円ガウスビームを発生させるために、50mmのEFL円柱レンズ66(CL3)によって、すべてx方向に沿って焦点が合わせられる。シートのビームウエストは、O2(符号26)の焦点面と一致するように注意深く整列させられ、O2へと約39°の斜めの角度で発射され、O2(符号26)の背面開口においてずれた2.5mmの横のビームに対応する。
ニコンPlan Apo λ 20× 0.75NA対物レンズが、検出対物レンズO3(符号42)として選択された。このレンズは、中間画像をsCMOSカメラ48(Andor Zyla 4.2+)へと拡大するために、適切な焦点距離(例えば、組織撮像のための35mmのEFL、または分解能較正のための135mmのEFL)の筒レンズ46(TL3)と対にされた。O3は170μmの厚さのカバースリップについて補正されているため、カバースリップマウントが、3D印刷を使用して製作され、球面収差を最小限にするためにO3の前に設置された。代替の実施形態では、O3は、15×から25×の間の倍率と、0.65から0.85の間の開口数とを有する。
分解能は、1%のアガロースゲルに埋め込まれた200nmの直径の蛍光ビーズを撮像することで特徴付けられた。135mm EFL筒レンズ(SAL135F18Z、ソニー)が、試料からカメラ(Zyla 4.2+、6.5μmの画素サイズ)への全体で約18×の倍率を提供するためにTL3として使用された。サンプリング密度は、x方向、y方向、またはz方向に沿って試料を100μmだけ手動で並進させ、ビーズ変位を定量化し、Δx=0.337μm、Δy=0.371μm、およびΔz=0.286μmをそれぞれ生み出すことで確認された。試料におけるシート角度は39.5°に較正された。MediSCAPEデータをデスキューした後、システムのFWHM分解能は、シートウエストの近くで0.811±0.123μm(y)、1.07±0.115μm(x)、および2.10±0.479μm(z)になると推定された。xおよびyの分解能は深さが実質的に変化しないが、zの分解能は、予測されるとおり、ビームウエストからの距離と共に低下する。
図5は、異なる焦点深さにおけるMediSCAPEの図2の実施形態の光学的分解能を示す。約6,300個のビーズが、スキュー補正された三次元データから抽出され、すべての3方向に沿ってのそれらのFWHMの大きさが推定された。次に、ビーズは、それらの深さに従って5μmの厚さ間隔へとグループ分けされ、それによって、平均FWHMおよび標準偏差が各々の深さ間隔について計算された。
図6は、撮像ヘッド(または、より明確には、撮像ヘッドの第1の対物レンズ12の遠位端)を覆うように製作される撮像キャップ82の例を描写している。キャップ82は、撮像される組織の安定化を提供するために、光学的に透明なスペーサを組み込んでいる。キャップ82は、本明細書で記載されている図1または図2の実施形態のいずれかと一緒に使用できる。いくつかの実施形態において、撮像キャップ82は、必要な水浸の他に、撮像される組織からの一次対物レンズ(O1)の正確な間隔を提供する。撮像キャップ82は、撮像される組織を有利に静止および安定化させもする。
キャップ82の例が、標準的な対物レンズ12に嵌まるように、3D印刷を用いて製造された。円形のガラスカバースリップ88が、シアノアクリレート接着剤を使用し、水密シールを提供する前面に接着された。対物レンズ12にわたって配置されると、水85がレンズとキャップ82との間の隙間に注入され、対物レンズ12をカバーガラス88に結合する。キャップの位置が撮像面との正しい距離および整列に調整されると、キャップ82の本体における設定ねじ(図示せず)が固定を可能にする。カバーガラス88の外面は、典型的には、対物レンズ12の一次焦点面から50~150ミクロン(例えば、2mmの作動距離の対物レンズの前面から1.85mm)に位置決めされた。この方法では、焦点面が150ミクロンの深さにおいて中心付けられる場合、ガラス88の外面に押し付けられた組織は300ミクロンの深さ範囲にわたって撮像され得る。(この距離の選択は、撮像される組織への予測される侵入深さに基づいて行うことができる)。実際のところ、キャップは、撮像される組織を安定させるために組織(例えば、口腔組織)に押し付けることができるため、および、組織を所望の作動距離に保ちながら組織にわたって滑る能力のため、生体内の人の組織に制約されない撮像にとって極めて有益であることが分かっている。いくつかの実施形態において、キャップは患者の保護のために殺菌可能および/または破棄可能であり得る。
図1の実施形態と一緒での使用のために設計されたキャップは、標準的な60xの1.0NAで、2mmの作動距離で、カバーガラス補正された水浸の市販の対物レンズ(オリンパス)への取り付けのために成形および寸法決定された。この手法は、小型化されたレンズおよび特別なレンズを含め、あらゆる種類の対物レンズに適用することができる。例えば、レンズは、正しい距離におけるキャップの正確な配置/取り付けのために位置決め溝または他の案内部を有するように製作することができる。距離は、機械的、電気的、空気圧式、または液圧式の機構によって調整可能であってもよい。ガラス前面88の使用は、対物レンズがカバーガラスで補正される場合に理想的であるが、代替の前面媒体は、屈折率が水と一致することによるPTFE、または、PDMSもしくは屈折率を特定したポリマなどの他の材料を含め、必要とされる場合に使用できる。代替の前面媒体の場合、スペーサ全体が、固体であり得る、または、小滴の水または屈折率の合致する媒体で対物レンズに結合され得る。スペーサが十分に剛性のある場合、対物レンズにわたって戻るように延びるキャップ部品は、例えば、スペーサが上部に取り付けられた薄いプラスチックシースといった、より柔軟とすることができる。他の実施形態では、スペーサを対物レンズ自体へと設計することができ、約150ミクロンの作動距離を伴うレンズを提供する。薄い屈折率の合致したシースが使い捨てカバーを提供することができる、または、レンズは化学的または熱的に安定可能であり得る。光路(電気的に調節可能なレンズを含む)における光学構成要素は、前面を再位置決めする必要なく撮像深さ範囲を調節することができるように、対物レンズの効果的な作動距離を調節するために使用できる。
任意選択で、キャップは、撮像場所へのマーカ染料の注入を特定するために、または、さらには撮像場所において試料を取得するためになど、組織と相互作用する方法を組み込むかまたは受け入れることができる。
生体内における、Medi-SCAPEによる口腔のラベルフリーの人の撮像
図6に描写されているキャップ構成は、図2および図1の両方の実施形態を使用して、健康な大人のボランティアの口腔において生体内の人のデータを取得するために、成功裏に使用された。キャップは、レンズのための水浸境界面を保ちつつ、それぞれの対物レンズが組織への200~300μmの深さ範囲をキャプチャするために最適な作動距離を確保するように構成される。いくつかの実施形態において、深さ範囲は50~350μmである。
舌、内唇、および外唇のラベルフリーの動き回る走査が、大人の被験者に、適切な組織を図6に描写されている撮像キャップにおいて位置決めさせ、3~5VPSにおいて最大120秒間にわたっての連続的なボリュメトリック撮像の間にその位置をゆっくりと移動させることで、取得された。これらの動き回る走査は、連続的な大きな3Dボリュームへとステッチされた。図1および図2の両方の実施形態からのデータは、異なる種類の舌乳頭、および、口腔粘膜の組織病理学の標準的な特徴を繰り返す異なる組織の種類の間での移行を含め、口腔組織の層の特徴を一貫して明らかにした。明るい蛍光は、舌の糸状乳頭において、可能性としてケラチンおよびバクテリアから視認可能であり、一方、茸状乳頭の上皮は透明であり、毛細管の構造と良好に合致させられる明るい緑色の内部分岐構造における邪魔のない視認を可能にする。興味深いことに、生体内の画像コントラストの主な発生源のうちの1つは、血管壁の緑色の自己蛍光と、血液自体に対応する赤色の合図との両方から、血管であることが分かっている。唇では、異なる血管形成された乳頭間突起構造の多様性が、内唇における細かい先の尖った所から、内唇から外唇への移行部におけるより厚くてより切り株状の所まで進むときに見られた。唇から皮膚への移行部は、微小血管系によって囲まれた毛包の顕著な特徴をキャプチャした。
表面上皮の下の基底膜のこれらの突出および連続性のパターンの規則性と、固有層の中の血管パターンとを撮像するMediSCAPEの能力は、MediSCAPEが、潰瘍および瘢痕組織から扁平上皮がんまで、ある範囲の口腔粘膜の疾患を実行可能に検出することができることを示唆している。重要なことに、興味のある組織の大きい領域が、実証のために最大13mmまでステッチされ、疑わしい病変の早期の検出、ならびに非侵襲的な経過観察および監視のために、詳しく調査され得る。口腔は、健康なボランティアにおいて容易にアクセス可能であるため、この第1の生体内の人での実証のために選択されたが、このデータは、歯科学、耳鼻咽喉学、眼科学、婦人科学、ならびに、多様な直視下および腹腔鏡の手術および処置を含む幅広い臨床状況において、MediSCAPEがその場で生体内の人の組織を撮像することに幅広く適用できるという価値のある証拠を提供する。
生体内での腎臓および心臓のリアルタイムでのラベルフリーボリュメトリック撮像
蛍光撮像における妨害が通常は検討されているが、生体組織における自己蛍光は、組織の組織学的評価のために定期的に使用される形態学的特徴の視覚化を可能にすることができる。生物組織における内因性蛍光発生源の例には、エラスチン繊維、リポ色素(例えば、リポフスチンおよびセロイド)、リン脂質、およびフラビン(例えば、フラビンアデニンジヌクレオチド、リボフラビン、およびフラビンモノヌクレオチド)がある。これらのフルオロフォアは、MediSCAPEにおいて488nmの励起の下で視認可能であり得る。約525nmの発光チャンネルは、エラスチン、フラビン、リポフスチン、セロイド、リン脂質、ビリルビン、およびヒアリンをキャプチャすることができ、一方、約618nmのチャンネルは、リポフスチン、セロイド、およびポルフィリンからの相対的により大きい信号をキャプチャする。
さらに、エラスチンおよびFADなどの内因性フルオロフォアの分布および集中は、豊富な分子情報の範囲を提供し、構造的な変化が視認可能になる前であっても、組織の健康における変化を指示することができる。人におけるラベルフリーの撮像は、生体内での染料の使用が、安全性の制約、FDA認可を得る複雑性およびコストによって制限され、限られた侵入深さ、外来の染色、ならびに、臨床状況における染料管理の時間感度によって制限されるため、特に価値がある。
生体内の自己蛍光コントラストを高い速度でキャプチャするMediSCAPEの能力を実証するために、鏡に基づく走査が、強く麻酔された野生型マウスの露出された腎臓および心臓を撮像するために使用された。
MediSCAPEの利益および適用
MediSCAPEは、外因性の染料を必要とすることなく、無傷の生体内の新鮮な組織のリアルタイムでのボリュメトリック撮像を可能とし、これは、臨床状況において組織の簡素であるが包括的な評価を可能にすることができる。従来の共焦点顕微内視鏡に対するMediSCAPEの特有の利点は、はるかにより高い感度と組み合わされたその超高速3D撮像速度である。これらの特徴は、生体内の動きを許容し、リアルタイムでの組織の大きい領域の動的な監視を可能にする一方で、細胞の特徴の高品質な生体内での撮像と、自己蛍光コントラストだけを用いる3D形態とを可能とする。MediSCAPEは、異なる外因性フルオロフォアの範囲を撮像することができ、より幅広い臨床用途に向けてその有用性を拡大する。
我々が予想するMediSCAPEの主な臨床適用範囲は、病変切除および生検部位選択のための外科的案内である。図2の実施形態のフォームファクタは、脳、心臓、整形外科、および腹部の手術を含む直視下手術野と、口および頸部などのアクセス可能な開口部の中の組織と、ならびに、可能性として腹腔鏡手術およびロボット手術について、現在のところ相性が良い。膵臓がんのマウスモデルにおける結果は、MediSCAPEが複雑なウィップル処置手術の間に価値のある案内を提供することができることを示唆している。MediSCAPEのより小さいフォームファクタシステム、またはGRINレンズに基づく延長は、案内することができる、または、針生検処置に組み込むことができる「プローブ」式の撮像を、可能にすることができる。
無傷組織を非破壊的に撮像するMediSCAPEの能力は、臨床用途および獣医の用途の両方について、組織健康状態の評価、組織の分類、神経の位置特定、微小血管系のマッピング、および、血管内の染料を使用する再潅流の評価を可能にすることができる。さらに、自己蛍光へのMediSCAPEの感度は、新規の病気のバイオマーカとして代謝の変化を明らかにするために利用することができる。MediSCAPEは、特には初期の臨床評価の学習の間、細胞レベルの摂取を視覚化し、ラベル付けの曖昧さをなくすために、標的とされた「分子プローブ」の広視野の撮像との組み合わせで、非常に価値があることも証明することができる。新鮮な切除された組織の成功裏の包括的な撮像によって実証されているように、MediSCAPE顕微鏡法は、外因性の造影剤ありまたはなしで、ベッドサイドでの生検および切除された組織の素早い3D評価について相当の潜在力も有する。
MediSCAPEの侵入深さは、撮像される組織の散乱特性によって制限されるが、生成される高速3Dデータは、10~3桁の連続した薄い組織学的切片に等しい。多くの状況において、この3D情報は、組織構造について価値のある追加の情報を提供する一方で、2D平面撮像では不可能である動き回りおよびステッチングを可能にもする。この侵入深さの制限は、深い組織構造の非侵襲的な撮像を妨げるが、切除の間に繰り返し撮像する能力は、その場での柔軟な調査と、覆っている組織が除去されるときの残せる余地とを可能にする。侵入深さは、光シートの最適化で、または、特には赤色にシフトされた造影剤と合わせて、赤色または近赤外線の照射の使用で、向上させることもできる。
MediSCAPEは、移植の前のドナーの臓器の素早い非破壊検査を有利に容易にもする。多くのドナーの腎臓は、提供と移植との間の短い時間の間隔の中で腎臓の健康状態を評価することの難しさのため、廃棄されている。無傷の人の腎臓における重要な診断上の特徴を視覚化するMediSCAPEの能力は、この潜在的な用途を支援し、これは、肝臓および心臓などの他の移植臓器におけるその場での評価および生検案内へと拡張することができる。
ステージ走査の取得による、新鮮な切除された組織の包括的な撮像によって実証されているように、MediSCAPE顕微鏡法は、ベッドサイドでの生検および切除された組織の素早い3D評価について相当の潜在力も有する。MediSCAPEは、点走査の共焦点、二光子、およびラマンの顕微鏡法の3D撮像速度の制限をはるかに上回る一方で、ベッドサイドに位置付けるには困難であり得る高コストの専用レーザの必要性を回避する。さらに、切除された組織を撮像することは、新鮮な組織と適合する幅広い範囲の選択的な染料およびラベルを利用することへの制約を排除するため、染色された新鮮な組織におけるMediSCAPEの結果は、MediSCAPEのベッドサイドの形態が、生検された組織のより包括的な評価を、生体内での使用に対する相補的/相互の検証として提供することができることを示す。生体外の組織は、より包括的な3D視覚化を提供するために、化学的にきれいにすることもできる。組織をきれいにするステップは過剰な時間を取り得るが、きれいにされた組織は、単一の対物レンズの光シートの形状の簡潔さと、一次対物レンズの作動距離の一杯の深さまで撮像する能力とを含む2つの対物レンズの光シートのシステムに対して利点を提供する図1の実施形態を用いて、撮像させることができる。
コントラストの発生源
本明細書に記載されている画像の大部分は、蛍光励起のための単一488nmレーザで取得された。しかしながら、405nm、561nm、および近赤外線範囲を含め、より幅広い範囲の励起波長がMediSCAPEに容易に組み込むことができる。追加の波長は、NADH、コラーゲン、またはレチノールなどの自己蛍光分子の他に、インドシアニングリーンなどの近赤外線へと拡張する外因性染料を利用することができる。
自己蛍光撮像を、代表としての従来の組織学的コントラストと比較してきたが、自己蛍光は、組織学において見られるもの以上の追加の価値のある情報を明らかにする潜在力を有する。例えば、人の腎臓における488nmの励起で検出される自己蛍光は、動脈壁の弾性板、細胞質リポフスチン沈着、および尿円柱物質において特に強力であった。同じくはっきりと視認可能なのは、疑似肥大近位尿細管の上皮細胞の中の細胞質顆粒構造、および、リソソーム信号を示唆する強力な点状の核周囲の自己蛍光を伴う局所性細動脈であった。これらの組織特徴のほとんどすべてが、定期的組織学ではほとんど特徴を示さず、従来の組織学が提供することができること以上の付加的な情報をMediSCAPEが集めることの潜在力を示唆している。新たな診断の特徴は、特に、小さい針芯生検など、限られたまたは貴重な人の組織について、臨床的に大きな意義を持つ。
視覚化、表示、および自動分析
MediSCAPEの臨床採用における重要な因子は、取得する外科医および検査する病理学者の両者によってデータがリアルタイムで視覚化および解釈され得る方法である。本明細書に記載されているMediSCAPE画像のすべての分析およびレンダリングはオフラインで実施されたが、深さ断面および横断面のリアルタイムのステッチングおよび視覚化が、超音波およびOCTデータのリアルタイムの視覚化およびレンダリングについて良好に機能するフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)技術を用いて実行可能なはずである。さらに、MediSCAPEのデータのデジタルネイチャは、それらの好ましい視認および色スキームを容易に選択することができる(放射線学において一般的であるような)遠隔の病理学者によるデータセットのオンライン検査を可能にする。MediSCAPEの豊富なボリュメトリックデータは、理想的には、通常の領域および疑わしい領域を自動的に分類し、重要な組織特徴を取り出すことができる自己機械学習に基づく分析にも適応させられる。オンライン分析の結果は、拡張現実を用いて視覚化された手術野に投射され得る。利用可能な場合、MediSCAPEデータは、定位座標、およびMRIなどの他の撮像モダリティに、空間的に登録され、患者の電子健康記録の一部として完全にアーカイブすることができる。
技術的開発およびフォームファクタ
本明細書に記載されている結果のほとんどがMediSCAPEの図1の実施形態を利用したが、図2の実施形態でもほぼ同等の性能を示し、そのフォームファクタは、外科用顕微鏡フレームに搭載され、手術野の中において手で案内されることと相性が良い。MEMsミラー、光ファイバまたはロッドおよびグリンレンズ、ならびに、特別に構築された小さい直径で高いNAの対物レンズを使用するさらなる小型化はすべて、腹腔鏡およびさらには内視鏡の使用を可能にするために、システムのフォームファクタをさらに小さくすることができる。
定期的な臨床的利用について、システムは、一次対物レンズの先端において、最適な作動距離で組織に押し付くために、廃棄可能または殺菌可能なシースに組み込まれる光学的に透明なスペーサを任意選択で使用する。微小規模の安定化、および固定距離にわたる自動走査などの特徴は、使用の容易性を向上させることができる一方で、特定された領域を撮像と合わせてマーク付け、キャプチャ、またはさらにはレーザ焼灼する能力は、微小規模の切除に相当の利益を提供することができる。興味のある特徴へと動的にズームするMediSCAPEの能力も有益であり、動き回りを介してより大きな領域を網羅することと、興味のある組織における病気の重要な特徴をキャプチャすることとの間の妥協案を提供する。
手短に言えば、MediSCAPEは、その場での組織病理学への強力な新たな手法であり、幅広い範囲の組織の高速3Dラベルフリー撮像を可能にする光シート走査の特有の利益を利用する。MediSCAPEは、生検および従来の組織病理学を置き換えることを越えて、その場での価値のある組織特徴の幅広い範囲の非破壊評価への新たな扉を開く潜在力を有する。これらの新たな能力は、標準治療を大きく向上させることができる一方で、幅広い範囲の外科処置の時間およびコストを低減することもできる。
データ処理
MediSCAPEデータ処理は、バックグラウンド除去法、データのスキュー補正、および、特別に書かれたMATLAB(商標登録)グラフィカルユーザインターフェス(GUI)で二色画像を融合することから成る。疑似フラットフィールド補正が、ガウスぼかし平均強度z投射によってボリュームを分割することによって、x軸およびy軸に沿って二色画像に適用された。詳細のより良好な視覚化のために、画像セット3に示されているMediSCAPEデータは、アンシャープマスク(半径1、量0.3)およびCLAHEヒストグラム平坦化(ブロックサイズ75、傾斜2)で処理された。
プロフラビン染色で取得されたMediSCAPEデータセットのH&E疑似着色について、Giacomelliらによって開発された仮想H&Eアルゴリズムが、ランベルト-ベールの法則に基づいて蛍光データから明視野のH&E色チャンネルを作り出すために使用された。488nm励起で618/45nmバンドパスフィルタを通じて受け取られた自己蛍光発光が、対数目盛りにおいて全体的な細胞核でないバックグラウンド構造を指示するために使用され(エオシン)、一方、488nmで励起されたプロフラビン蛍光が細胞核構造を指示するために使用された(ヘマトキシリン)。
データステッチング
MediSCAPEの重要な特徴は、弱い自己蛍光を撮像するときであっても非常に素早いその3D撮像速度である。この速度は、システムの3D視野に対して組織を「動き回す」または連続的に移動させることで、組織の大きい領域の診査を可能とするために利用され得る。MediSCAPEの速度は、各々の個別のボリュームにおける相当のアーチファクトなしでこの変換を許容することができ、各々のボリュームが最後にいくらかの空間的な重なりを有するため、ボリュームの連続が、数ミリメートル以上に及ぶデータの完全に連続した3Dの帯片を生成するためにステッチされ得る。この特徴は、連続的またはモータ制御された移動を必要とせず、呼吸などの不可避の生体内の移動を許容することができ、組織の種類同士の間の移行を評価するために、または、細胞レベルおよびメゾスコピックレベルにおける複数の目盛りの空間パターンのための外来領域を診査するために、理想的とさせる。
動き回る走査からの連続して取得された重なるボリュームをステッチするために、特別なImageJマクロが、MATLABにおけるバックグラウンドの除去された二色TIFF Stackとして既に保存されているボリュームに作用するために、Fijiにおける既存のPairwise Stitchingプラグインを使用して書かれた。ボリュームは、FPGAを用いて実施され得るリアルタイムステッチングをシミュレーションするために、対でステッチされた。ボリューム速さは、組織が取得の間に並進される速さより概してはるかに高いため、取得されたn番目ごとのボリューム(ここで、n=2~5)が、処理時間全体を短くし、ステッチングエラーを低減するために、ステッチングのために使用された。画像セット1、画像セット2、画像セット7、ならびに動画1、3、および10において示されたステッチされたボリューム(後で記載されている)は、対の様態で連続的に取得されたおおよそ4番目ごとのボリュームを融合することで作り出された。各々のステッチングステップの間、ボリュームは、Y軸およびZ軸に沿って2xでダウンサンプリングされ、大まかに整列させられ、以前の成功裏のステッチングステップにおいて見出された整列位置が与えられた。整列r値が所与の閾値(約0.8)を上回った場合、未加工のボリューム同士の細かい整列が初期の粗い整列値を用いて実施され、未加工のボリューム同士は10%の重なりでの線形混合を使用して融合された。粗い整列r値が、過剰な動きのため閾値を下回る場合、ボリュームが正確に整列できるまで、次の連続ボリュームが読み込まれて整列させられた。データは、ステッチングの後、MATLABにおいてスキュー補正された。動画1および動画3について以下に記載されている「リアルタイムのステッチング」の動画を作り出すために、各々のステッチングステップが、スキュー補正され、最終的な完全にステッチされたボリュームと同じ3Dサイズの空白のキャンバスに位置決めされた。
FijiにおけるBigstitcherプラグインが、ステージ走査されたデータをステッチするために使用された。特別なMATLABおよびImageJパイプラインが、バックグラウンド除去されてスキュー補正された二色のTIFF StackをMATLABに自動的に保存し、HDF5フォーマットにおけるデータを変換してBigStitcherへと読み込ませ、ボリュームをステージ座標と事前に整列させ、デフォルトのステッチングウィザードプリセットおよび細かいICP整列による線形混合を使用してデータをステッチするために実施された。
試料画像の14個のセット(本明細書では、画像セット1~画像セット14と称されている)と、10個の動画(本明細書では、動画1~動画10と称されている)とが、本明細書に記載されているハードウェアの能力を実証するためにキャプチャ/作成された。より明確には、以下のとおりである。
画像セット1は、鏡に基づく走査で、0.78秒間に1x1.4x1.1μm/ボクセルのサンプリング密度で、802x861x275μmの二色xyzボリュームとして受け取られた生体内のマウス腎臓のボリュームレンダリングおよび個々の平面を示している。自己蛍光は、488nmの光で励起され、2つの発光チャンネルが、重なるチャンネルのより良好な視覚化を可能とした青色および「黄色高温」のカラーマップを使用して、525/45nmおよび618/45nmのバンドパスフィルタを通じて受け取られた。
尿細管は、近位尿細管が遠位尿細管(青色/紫色)より約525nm(黄色高温)においてより高い発光を示す状態で、両方の発光チャンネルにおける堅牢な自己蛍光を示した。この範囲における自己蛍光は、代謝的に活性な近位尿細管細胞におけるフラビンのためであり得る。核が、点状の暗い領域として尿細管壁に沿って区別できる。マウス腎臓皮質の同様の領域から処理されたH&E組織学は、通常の管状構造を示した。両方の種類の画像の間の構造的な情報は同様であったが、MediSCAPEは、フラビン、エラスチン、ポルフィリン、およびリポフスチンを含め、内生フルオロフォアのスペクトル的に分解された発光に基づく追加の分子コントラストを提供した。
MediSCAPEの重要な特徴は、この自己蛍光コントラストがリアルタイムでキャプチャでき、組織における大きな3D視野のより容易な診査を可能にすることである。「動き回る走査」をキャプチャするために、MediSCAPE撮像プローブが無傷の生体内の組織にわたってどのように動き回るかを模倣するために、麻酔されたマウスが3つの次元に沿って手で並進させられた。xyzにおいて358x798x165μmの二色ボリュームが、2.5x1.4x1.1μm/ボクセルのサンプリング密度で、無傷の腎臓皮質表面にわたって連続的に動き回る間に、9.3VPSにおいて取得された。生きている腎臓の1x3mmの帯片にわたる高品質ボリュメトリック画像の連続的な順序を提供することに加えて、この動き回ってのデータは、連続ボリュームを生成するためにステッチされた。このより大きな視野を生成するために、重なる3Dボリュームが、ボリュームがフィールドプログラマブルアレイ(FPGA)においてリアルタイムでどのようにステッチされるかと同様に、ImageJにおける対でのステッチングプラグインを使用してステッチされた。より詳細な画像において、核は、構造とスペクトル発光との両方に基づいて、近位尿細管と遠位尿細管との間に明確な違いを伴う尿細管壁に沿ってネガティブスペースとして現れる。これらの特徴は、小さくされたxの範囲および深さ範囲にわたっての2.5μmのより粗いxステップにも拘らず、以前の単一のボリュームスキャンと同様であり、リアルタイムでの速度を可能とした。動画1(後で記載されている)は、取得された各々のボリュームからの横断面および深さ断面を伴う動き回る走査のリアルタイム再生と、重なるボリュームが取得されるときの、より大きい視野のステッチングとを示している。
細胞の特徴がこのサンプリング密度において見られるが、MediSCAPEは、興味のある特徴に「ズームイン」するために、分解能を視野とトレードオフする能力を有する。動画2(後で記載されている)は、可変の70~200mmの焦点距離の筒レンズを用いて取得されたマウスの腎臓データを示し、通常(4.6x)と高倍率(11.4x)との間で切り替わり、管状構造のより縮れたより詳細な視覚化を明らかにする。この「ズームイン」の特徴は、容易に自動化でき、より小さい倍率において取得されたより大きい視野に対するより粗い撮像と共にステッチさせることができる。
画像セット2は、固有の生体内の動きに対するMediSCAPEの許容範囲を実証している。同じ生体内の標本が、脈を打つ無傷の生体内のマウス心臓を撮像するために使用された。データは、12.9VPS(2.5x1.4x1.1μm/ボクセルのサンプリング密度で305x798x138μmのボリュームの大きさに対するガルバノメータ走査)において二色ボリュームを連続的に取得する間に、露出された心臓表面にわたって動き回ることで取得された。画像セット2は、心臓組織にわたって手で動き回すために3軸ステージを使用する間に取得された15.6秒間のデータから作り出された3Dステッチされた視野の中のxyスライスを示している。心筋における横紋心筋細胞がはっきりと視覚化された。静脈および動脈がネガティブスペースとして現れるが、動脈は、その壁に沿った高い自己蛍光性のエラスチンによって区別することができる。弾性繊維も心筋の表面に見られる。筋繊維に沿っての粒状自己蛍光は、時間と共に高活性細胞に蓄積するリポ色素である、リポフスチンであり得る。この取得の間に生じた周期的な心臓の脈拍は、キモグラフにおけるy軸に沿っての急激な横移動として現れており、xおよびyの最大強度の突出が15.6秒間の撮像にわたって示されている。システムは、最小限の視認可能なモーションアーチファクトまたはぼかしで、成功裏に一体にステッチされ得るボリュームを取得することができた。動画3(後で記載されている)は、脈打つ心臓の断面のリアルタイム再生に加え、それら断面が取得されたときのこれらのボリュームのステッチングを示している。三次元組織ボリュームをステッチすることが、三次元すべてにおける組織の動きを補償し、横および深さ軸に沿って動き回ることを可能にする。従来の2Dの視野をステッチすることと比較して、ボリュームステッチングは、より確実に3D組織構造を本質的に再構築し、生体内において回避不可能である平面外の動きを補正する。
画像セット3は、MediSCAPEで撮像された切除されたばかりの多様なマウス組織における自己蛍光だけで視認可能な組織構造の特徴付けを実証している。画像セット3は、H&E組織学がマウス組織における同じ領域または隣接領域を示している様々な組織深さにおけるxy横スライスを示している。動画3および4(後で記載されている)が、各々の3Dボリュームの完全な深さフライスルー動画を示している。切除されたばかりの組織は、以下のもの、すなわち、心室における心筋繊維と、脳の矢状切断面における小脳と、肺における肺胞および臓側胸膜と、肝小葉における典型的な肝細胞索状物形成および嚢と、脾臓における赤脾髄および包囲する嚢と、より良好な視覚化のために画素強度が対数目盛りで示されている膀胱の粘膜における表層と、大腿筋の中の深くにおいて視認可能な筋繊維と、結腸粘膜におけるリーベルキューン腺小窩とを含んだ。
内因性コントラストだけによって、ミクロンの度合いの構造が、研究されたすべての新鮮な組織において視認可能であり、H&E組織学において視認可能である構造に良好に対応した。例えば、リーベルキューン腺小窩の形および直径は、結腸粘膜において明確に区別することができる。高蛍光性エラスチンではっきりと線引きされた肺組織における肺胞は、無傷であると評価できるが、組織学は、繊細な空気で満たされた組織の切開による大きな歪みをしばしば示す。膀胱の粘膜などの組織内の層は、はっきりと分かり、3Dで評価でき、2D組織学的切片および単一平面の共焦点顕微内視鏡より包括的な評価を可能にする。組織学レベルの分解能が可能である最大深さは、組織に依存し、励起波長によって変化もする。多くの組織について、分解能は、488nmの励起を伴った50μmの後に低下し始める。例えば、骨格筋では、細胞レベルのコントラストは、組織の内部の121μmにおいて観察された。画像は、それぞれ試料において5~7mWのレーザ出力で、100fpsにおいて、1x1.4x1.1μm/画素のサンプリング密度で、xyzにおいて801x1065x275~330μmのボリュームの大きさで取得された。
人の組織において疾病状態と関連付けられる組織学的特徴の検出
人の組織において病気と関連付けられる特徴をキャプチャするMediSCAPEの能力を試験するために、新鮮な人の腎臓組織が、外科的な腎摘出術の標本から得られ、撮像結果が、同じ試料においての従来の過ヨウ素酸シッフ(PAS)およびH&E組織学と比較された。
画像セット4は、内在する慢性腎疾患(CKD)を患う患者からの腎摘出術の標本においてMediSCAPEによって撮像された自己蛍光を示している。SCAPE画像における領域を組織学画像における領域と共に位置付けるために、13.3x10.6x0.3mmのボリュームを取得およびステッチするために、モータ付きステージ走査を使用して新鮮な標本の全体で平坦な面を撮像した。撮像データは196秒間において取得された。動画7(後で記載されている)は、全部ステッチされたボリュームにおける横断面を示す深さフライスルー動画を示している。全部ステッチされたボリュームから、2.1x1.6mmのxyのROIが得られた。MediSCAPEによって特定された重要な診断の特徴の例には、動脈硬化および細動脈ヒアリン症がある。動脈の特定は、二重の弾性板を伴う内膜肥厚によって狭くされた内腔がある高血圧性動脈硬化の状況では、MediSCAPE撮像においてさらにより顕著となる、動脈壁の内弾性板の強い自己蛍光によって助けられる。我々は、糸球体をはっきりと特定し、全硬化を示す糸球体を区別することができた。我々は、特にボーマン嚢が部分的な硬化を有するとき(画像セット4d、注記矢印)、糸球体毛細血管房、ボーマン隙、およびボーマン嚢を含む糸球体下構造要素も区別することができた。また、我々は、分節性糸球体硬化症、限局性ヒアリン症、結節性メサンギウム硬化症を含むCKDに関するいくつかの糸球体の特徴を特定することができた(データは示されていない)。尿細管間質性区画において、腎臓転帰と最も強い相関を有することが知られている尿細管萎縮および間質性線維症を含む特徴的な慢性変化が、MediSCAPE画像においてはっきりと明らかになった。我々は、非萎縮性尿細管から萎縮症を区別し、近位尿細管および管状円柱の疑似肥大を特定することができた。
画像セット5は、無傷の新鮮な組織のMediSCAPEの等方性3D撮像の特有の値を強調している。画像セット5は、2次元の薄い切片から特定するには不明瞭であり得る臨床的に関係する病変の例を示している。いくつかの平面状の画像において、単一の画像において、大きく拡張した萎縮性尿細管または単純な腎嚢胞のいずれかであり得る小さい嚢胞状の構造が明らかとなった。しかしながら、3Dデータは、嚢胞状空間の内壁に押し付けられた残留する圧縮されて硬化した毛細血管叢を明らかにし、この構造を、何らかの種類の管状生成された要素ではなく無管状糸球体(または「糸球体小嚢胞」)として区別している。通常の人の腎臓組織からの腎周囲脂肪を検査する場合、我々は、MediSCAPEが、内因性自己蛍光に基づいて、弾性繊維および含脂肪細胞の3D配置をキャプチャできることも分かった。ボリュメトリック空間におけるこれらの特徴を評価することは、脂肪含量の他に、異なる組織区画における繊維の構造、密度、および固有性(例えば、弾性に対するコラーゲン)のより正確な評価を可能にすることができた。
新鮮な人の組織における局所染料のボリュメトリック撮像
画像セット6は、利用可能な場合、MediSCAPEが幅広い範囲の蛍光性造影剤を使用して臨床的に関連する特徴を撮像することができることを実証している。画像セット6は、臨床撮像研究において一般的に使用される局所核染料であるプロフラビンで染色された新鮮な通常の人の腎臓の試料から受け取られたMediSCAPEデータの例を示している。プロフラビンおよび赤色自己蛍光発光が、5.6秒間において7500x918x164μmボリュームを作り出すために、ステージ走査を用いて488nmの励起で取得された。プロフラビン染色は、核の大きさ、形、および分布を明らかにし、一方、自己蛍光は補足的な構造の情報を提供した。組織病理学における組織蛍光の視覚化についての最近の慣例に続いて、我々は、プロフラビンをヘマトキシリン類似体として使用する疑似カラーH&Eカラースケール(紫色)と、618/45nmバンドパスフィルタで受け取られた自己蛍光信号によって表された「エオシン」(桃色)とで、二色MediSCAPEデータも生成した。疑似色とされたMediSCAPE画像は、従来の明視野のH&E組織学によく似ており、必要とされるときに核の詳細のより容易な評価を可能にすることができる。動画8(後で記載されている)は、疑似色とされたMediSCAPEボリュームの深さにおける上部30μmのフライスルーを示している。
血管内フルオロフォアを使用する潅流の動き回っての生体内ボリュメトリック撮像
画像セット7は、微小血管潅流のリアルタイムの3D生体内撮像を実施するMediSCAPEの能力を実証している。我々は、デキストラン共役フルオレセインの静脈注射に続いて、ガラス頭蓋窓を通じて生きている頭の固定されたマウスの脳を撮像した。動き回る走査は、9VPSにおいて取得され、3Dステッチされたボリュームと、単一のボリュームの多視点最大強度投射とが生成された。動画10(後で記載されている)はリアルタイムの動き回るデータを示しており、器官において流れる動的な流れを観測する一方で、モーションアーチファクトなしで3D微小血管アーキテクチャのきれいな詳細もキャプチャする明らかな能力を示している。神経学的手術用途に加え、この手法は、腫瘍境界において、または、腫瘍塞栓、動静脈奇形、および臓器再潅流の後に、微小血管系を評価するのに価値のあるものであり得る。MediSCAPEは、フルオレセイン、および、より深い組織侵入のための近赤外線フルオロフォアインドシアニングリーンなど、一般的に使用される血管内フルオロフォアを利用することができる。
画像セット8は、ゲルに埋め込まれた200-nm蛍光ビーズのMediSCAPE画像を実証している。60μmの範囲にわたる最大強度投射が、スキュー補正された未加工データから3軸すべてに沿って取られた。各々の断面は、390x742x145μmのxyz視野にわたる等方μm/画素を与えるように縮小拡大された。
図2のシステムの撮像性能を図1のシステムと比較するために、我々は新鮮な染色されていないマウス組織を撮像した。試料に488nmの励起および約4.6mWの入射出力を使用して、我々は、xyzにおいて1.0×1.4×1.08μm/ボクセルのサンプリング密度で取得され、xyzにおいて400×700×162μm3の大きさの二色ボリュームを受け取るために、ガルバノメータ走査を使用した。画像は、組織構造を図1のシステムで取得されたものと比較するために、300Hz(0.75VPS)において受け取られた。画像セット10は、腎臓皮質における尿細管と、肝臓における肝細胞および洞様毛細血管の線維嚢および下にある索状物と、心臓の表面における心筋と、結腸粘膜におけるリーベルキューン腺小窩とを表示する断面を示している。これらのボリュームは、より小さい丸くされた視野(より小さいフォームファクタの60xの対物レンズをO1として使用することで引き起こされる)にも拘らず、図1のシステムと比較して、非常に近い侵入深さおよび組織構造の分解能を実証する。
新鮮な組織における撮像性能のさらなる実証として、我々は、結腸粘膜にわたって動き回る間に、11.2VPSにおいて250x700x136μmのxyzボリュームを連続的に取得した。16秒間の動き回りからのステッチの視野が、受け取られたボリュームをおおよそ1つごとに対でステッチすることで作り出された。明確な腺窩構造が、xに沿っての2μmのサンプリング密度および1400fpsで受け取られたフレームであっても、各々の寸法に沿って視認可能であった。
これらの走査の間、等価の信号レベルがAndor Zyla 4.2+カメラにおいて検出された。両方のシステムの良好に合致された信号対ノイズおよび分解能は、MediSCAPEの図2の形態が、発せられた光のより大きいNAを実際に受け取り、図1のシステムよりさらに光効率が高いことを予測するモデルと一致する。より小さいフォームファクタについての主なトレードオフは、図2の実施形態におけるよりコンパクトな60xの一次対物レンズの使用から生じる視野の大きさである。この実証は、手術野へのMediSCAPE撮像ヘッドの簡単な操縦および正確な位置決めを可能とするために、より小さい一次対物レンズと、より長くより細い望遠鏡または中継レンズとを通じてMediSCAPEを実施する実現性を支持している。
画像セット10は、図2の実施形態による新鮮なマウス組織のラベルフリー撮像を示している。様々な新鮮なマウス組織におけるxy(上)およびyz(下)の断面が、488nmの励起および二色発光チャンネルを伴う図2のシステムで取得された。断面は、腎臓皮質における尿細管と、肝臓における肝細胞の嚢および下にある索状物と、心臓における心筋と、結腸粘膜におけるリーベルキューン腺小窩とを示した。画像品質は、腎臓尿細管、結腸粘膜におけるリーベルキューン腺小窩、および肝臓嚢における個々のエラスチン繊維において核が視認可能であり、図1の設計と同様である。主な違いは、組織にわたって動き回ることによってより大きい視野をステッチすることにより軽減され得る視野の低減である。
画像セット10は二色の自己蛍光視覚化を実証している。xy画像平面が、浮き出た血管を含め、新鮮なマウスの脳皮質において、MediSCAPEによって取得された。コントラストは、488nmの光によって励起された自己蛍光に対応した。二色発光画像が、カメラの前の画像スプリッタを使用し、各々の色チャンネルを(yに沿って)カメラ先端において隣り合って位置決めすることで同時に取得された。このセットにおける2の画像は、それぞれ525/45nmおよび618/45nmのバンドパスフィルタで取得されたグレースケールの未加工発光チャンネルを示した。これらのチャンネルは、「黄色高温」および青色のカラーマップへと変換されてから、セットにおける他の画像へと融合された。
画像セット11は、MediSCAPEで撮像された糖尿病の人の腎臓組織における自己蛍光を実証している。MediSCAPEによってキャプチャされた自己蛍光は、定期的な組織学において見られるものと共通以上の特徴を明らかにした。このセットにおける1つの画像は、軽症の糖尿病の腎症の特徴を伴う高齢の糖尿病患者からの腎臓皮質組織のPAS組織学画像であった。このセットにおける他の画像は、488nmにおいて励起された自己蛍光を示す(新鮮な間の)同じ組織片のステージ走査されたボリュームからのMediSCAPEのxyスライスであった。腎臓嚢および尿円柱がMediSCAPE画像とPAS画像との両方において見られた。このセットにおける他の画像は、自己蛍光細胞質顆粒による尿細管の局所被膜下採取を示した。尿円柱物質は、xy平面においても明らかであり、yx平面における特徴的に強い自己蛍光によってさらに明らかにされた。このセットにおける他の画像は、強調された尿細管周囲自己蛍光を伴う尿細管を示した。このセットにおける他の画像は、局所自己蛍光顆粒を伴う糸球体を示した。
画像セット12は、人の腎周囲脂肪における弾性繊維および脂肪細胞のMediSCAPEのラベルフリー撮像を実証している。このセットにおける1つの画像は、高い蛍光性の弾性繊維および脂肪細胞を示す通常の人の腎周囲脂肪の切片の3Dレンダリング(ImageJ 3DViewer)であった。このセットにおける他の画像は、指示された平面からのyz断面であり、円形の黄色の滴として区別できる脂肪細胞にわたる繊維の層を示す。このセットにおける他の画像は、脂肪細胞および交差する血管が視認可能である横断面であった。
画像セット12は、MediSCAPEで撮像された染色された人の腎臓組織も実証している。動脈性腎硬化症の特徴を示す新鮮な人の腎臓組織が、メチレンブルーまたはプロフラビンのいずれかの核染料で染色され、MediSCAPEによって撮像され、次に、同じ組織ブロック面がPASおよび/またはH&Eで染色された組織学のために処理された。このセットにおける3つの画像は、PASとH&Eとの両方の組織学で定期的に評価されなければならない4つの主要な腎臓組織要素が、PAS組織学において、メチレンブルーで染色されたMediSCAPEボリュームのxyスライスにおいて、および、H&E組織学において、どのように現れるかを実証している。これらの画像は、糸球体、動脈、尿細管、および間質を明らかにした。MediSCAPE画像におけるメチレンブルーは、H&Eと同様に、細胞の細胞質、核、および細胞外区画を定めるが、PAS細胞学切片と同様に、動脈弾性板、尿細管、および間質区画をより良好に強調した。
同じ患者からの第2の生検片は、MediSCAPE画像および対応するH&E組織学画像の両方において、線維症の局所領域において傷跡の残る尿細管間質を示した。このセットにおける他の画像は、MediSCAPEに取得されたより大きいステージ走査されたボリュームの3Dレンダリング(Imaris)であった。この画像は、線維症、動脈、および糸球体の3D構造を示した。xz深さ区域の原点が視認可能である。このセットにおける2つ以上の画像が、深さにおける20μmにわたって非硬化糸球体をより詳細に示した。
H&EおよびPAS組織学の組み合わせを通じて一般的に評価されたすべての4つの腎臓の組織学的区画が、特にはメチレンブルー染色で、MediSCAPE画像において明確に区別できる。
画像セット14は、新鮮なマウスの結腸粘膜に適用された局所染料の比較を実証している。新鮮なマウス結腸粘膜の試料における単一のxyスライスおよびyzスライスが、MediSCAPEで撮像された。このセットからの3つの画像において、コントラストが、a)0.01%のプロフラビン、核染料(励起488nm、発光525/45nm)、b)1%メチレンブルー、臨床的に使用された核染料(励起637nm、発光>685nm)、およびc)フルオレセインナトリウム、FDA認可局所IV染料(励起488nm、発光525/45nm)から導き出された。対応する断面および核の場所が視認可能であった。局所的に適用された染料の深さ侵入は、yz深さ切片において見られるように、染色依存的および組織依存的の両方であった。リーベルキューン腺小窩および杯細胞が視認可能であった。これらの結果は、高い信号対ノイズを伴う様々な外因性コントラストをキャプチャするMediSCAPEの能力を実証し、内因性のコントラストを利用することと比較して、染料侵入を確保することの難しさも強調している。
動画1は、9.3VPSにおいてMediSCAPEで撮像されたラベルフリーの生体内マウス腎臓を実証している。358x798x165μmの二色ボリュームからのxy断面およびyz断面は、生体内マウス腎臓にわたって動き回る間、9.3VPSにおいて受け取られた。より大きい視野の3Dレンダリング(ImageJ 3D Viewer)および横断面が、それらが受け取られるときに重なるボリュームからステッチされた。再生は、処理後に行われるボリュームのステッチングでリアルタイムであった。撮像パラメータは、Table 2(表2)において後で示されているようになっている。
動画2は、MediSCAPEにおける低倍率および高倍率で撮像された新鮮なマウス腎臓を実証している。新鮮な腎臓組織の同じ領域における自己蛍光が、異なる倍率で撮像された。可変焦点距離筒レンズが、必要とされる分解能、視野、およびボリューム速度に基づいて調整可能である倍率の範囲において二色撮像を可能にする。データの1つのセットが、4.6xの倍率についてf=70mmに設定された可変筒レンズで受け取られ、データの他のセットが、可変筒レンズを11.4xの倍率についてf=170mmに設定した直後に同じ領域で受け取られた。約525nmの範囲における自己蛍光発光が黄色高温において示されており、約618nmにおける発光が青色で示されている。撮像パラメータは、Table 2(表2)において後で示されているようになっている。
動画3は、12.9VPSにおいて撮像された生体内のマウスの心臓のレベルフリーMediSCAPE撮像を実証している。305x798x138μmの二色ボリュームからのxy断面およびyz断面は、無傷の脈打つマウスの心臓にわたって動き回る間、12.9VPSにおいて受け取られた。心臓の鼓動が、個々のボリュームにおいて、時間に伴うデータの最大強度投射において周期的に見ることができた。より大きい3D視野からの異なるz深さにおける横(xy)断面が、それらが受け取られるときに重なるボリュームからステッチされた。再生は、処理後に行われるボリュームのステッチングでリアルタイムであった。約525nmの範囲における自己蛍光発光が黄色高温において示されており、約618nmにおける発光が青色で示されている。撮像パラメータは、Table 2(表2)において後で示されているようになっている。
動画4は、MediSCAPEで撮像された新鮮なマウスの心臓、脳、肺、および肝臓における自己蛍光を実証している。内因性コントラストの深さフライスルーが、無傷の切除されたばかりのマウス心臓、矢状に切断された小脳、無傷の肺、および無傷の肝臓組織の表面から50μmにおいて撮像された。約525nmの範囲における自己蛍光発光が黄色高温において示されており、約618nmにおける発光が青色で示されている。撮像パラメータは、Table 2(表2)において後で示されているようになっている。
動画5は、MediSCAPEで撮像された新鮮なマウスの脾臓、膀胱、筋肉、および結腸における自己蛍光を実証している。内因性コントラストの深さフライスルーが、無傷の切除されたばかりの脾臓表面、膀胱粘膜、大腿筋、および結腸粘膜の表面から100μmにおいて撮像された。約525nmにおける自己蛍光発光が黄色高温において示されており、約618nmにおける発光が青色で示されている。撮像パラメータは、Table 2(表2)において後で示されているようになっている。
動画6は、図2のシステムで撮像された新鮮なマウスの腎臓、肝臓、心臓、および結腸を実証している。内因性コントラストの深さフライスルーが、4種類の新鮮な無傷のマウスの腎臓、肝臓、心臓、および結腸粘膜の表面から50μmにおいて撮像された。約525nmの範囲における自己蛍光発光が黄色高温において示されており、約618nmにおける発光が青色で示されている。撮像パラメータは、Table 2(表2)において後で示されているようになっている。
動画7は、慢性腎疾患を伴う新鮮な人の腎臓生検のMediSCAPE自己蛍光画像を実証している。13.3x10.6x0.3mmのxyz視野が、全体で196秒間において取得された12ステージで走査された二色ボリュームからステッチされた。約525nmの範囲における自己蛍光発光が黄色高温において示されており、約618nmにおける発光が青色で示されている。撮像パラメータは、Table 2(表2)において後で示されているようになっている。
動画8は、プロフラビンで染色された新鮮な通常の人の腎臓組織のH&E疑似カラーMediSCAPE画像の深さフライスルーを実証している。プロフラビン蛍光がヘマトキシリン(紫色)として符号化され、赤色自己蛍光発光がエオシン(桃色)(488nm励起)として符号化された。完全な7500x918x164μmのxyzボリュームが5.6秒間でのステージ走査によって取得された。
動画9は、MediSCAPEで撮像されたプロフラビン染色された人の腎臓組織の3Dレンダリングおよびフライスルーを実証している。2732x921x273μmのxyzステージ走査されたボリュームが動脈性腎硬化症の印を示した。尿細管萎縮および間質性線維症により傷跡の残る皮質の局所領域が、中心の近くで明らかであった。糸球体および動脈が、自己蛍光と488nmにおいて励起されたプロフラビン信号とによってはっきりと視認可能であり、それらの構造が横断面および深さ断面の両方を通じてスクロールすることでより容易に評価された。
動画10は、IV FITC-デキストランで生体内のマウスの脳の脈管構造の動き回るMediSCAPE撮像を実証している。ボリュームが、ガラス頭蓋窓の周りを動き回る間、9VPSにおいてガラス頭蓋窓を通じて取得された。リアルタイムデータの3Dレンダリングが動き回る間に実施された。より大きな3D視野が、ボリュームが受け取られるとき、重なるボリュームをステッチすることで構築された。再生は、処理後に行われるボリュームのステッチングでリアルタイムであった。
Table 2(表2)について以下の注記がある。(a)他に記されていない場合、試料はラベルフリーの新鮮な生体外の組織であった。(b)二色取得について、y寸法は、一色チャンネルの最終的な切り取られたy寸法として与えられる。カメラにおける元のy寸法は、色画像がカメラにおけるy軸に沿って隣り合って同時に取得されるため、最終的な切り取られたy寸法の2x超である。x寸法は、取得されたボリュームの未スキューx寸法(#x-ステップ、*x-ステップの大きさ)として与えられる。(c)他に記されていない場合、走査が、4.66xの有効倍率を与える70mmの焦点距離の筒レンズで取得された。(d)走査種類が鏡に基づく動き回る走査である場合、ボリューム速さが報告された。鏡に基づく静止したステージ走査について、全体の取得の形式は秒で与えられている。(e)レーザ出力は、典型的には488nmのレーザ励起についてである。
本明細書に記載されているMediSCAPEの実施形態は、共焦点および二光子の顕微鏡法と比較された。より明確には、488nmの励起を伴うMediSCAPEと、488nmおよび561nmの励起を伴う共焦点と、800nmの励起を伴う二光子の顕微鏡法とが比較された。自己蛍光コントラストを比較するために、新鮮なマウスの結腸粘膜および腎臓の試料がすべての3つの技術で撮像された。細胞および組織レベルの特徴は、すべての3つの技術にわたってほとんど同様であったが、点走査は、弱い内因性の蛍光については、非常に長い取得時間を必要とする。
MediSCAPEの重要な利点は、生体内での大きな領域の撮像を容易にするリアルタイムの3D速度、および、弱い内因性コントラスの検出を可能にする感度である。ここで、我々は、MediSCAPEの速度および感度が、光学的に切り取られた蛍光撮像についての選択の従来の技術である点走査の共焦点および二光子の顕微鏡法より良好な度合いであるかの理由を説明する。我々は、新鮮な組織の組織構造のMediSCAPEの自己蛍光画像が、同様の励起波長および発光波長における共焦点および二光子の顕微鏡法によって取得された画像と定性的に同様であることも実証する。
MediSCAPEと点走査の共焦点および二光子とについての高速3D走査の実現性
光シート励起のMediSCAPEの使用は、組織ボリュームにおける平面全体の並列化された励起および発光の検出のおかげで、感度において相当の向上をもたらす。この並列化は、より長い積分時間と、より穏やかなレーザ励起出力とを可能にし、これは、組織における光退色および光毒性を低減する。一方で、共焦点顕微内視鏡システムおよびベッドサイド二光子システムは点走査を使用し、組織ボリュームにおける各々個別の画素が、励起させられ、連続的にキャプチャされる。点走査は、1つの画素あたりの利用可能な積分時間を大幅に短縮するが、高いガルバノメータ走査速度を必要とする。以下のTable 3(表3)は、MediSCAPEと点走査顕微鏡との間での、ガルバノメータ線走査速度、および、おおよそ同等のボリューム撮像速さについての1つの画素あたりの積分時間の実質的な違いを示す。MediSCAPEについて列記された撮像パラメータは、例として、画像セット1において示された第1の2つのデータセットからのものである。
Table 3(表3)について以下の注記がある。(1)走査パラメータは、生体内のマウスの腎臓の鏡に基づく静止走査に基づいている。(2)走査パラメータは、生体内のマウスの腎臓の鏡に基づく動き回る走査に基づいている。(3)FPSは、MediSCAPEについてはyzフレームについて計算され、点走査についてはxyフレームについて計算されている。
マウス腎臓における単一の高分解能走査について、MediSCAPEは、二色自己蛍光コントラストの802x615x250のxyz画素ボリュームを取得するために、0.79秒かかる。同じ速度で同等の単色ボリュームを取得するために、点走査顕微鏡は、共鳴スキャナを使用しても達成できない速度である195kHzの線速さでガルバノメータを走査する必要がある。さらに、1つの画素あたりの積分時間は6.3nsとなり、これはフルオロフォアの多くの蛍光存続時間に近い。対照的に、MediSCAPEの走査鏡は1.27Hzだけで移動する必要があり、一方、1つの画素あたりの積分時間が0.98msとなる。この153,379回のより長い積分時間は、合理的なレーザ出力レベルおよび取得時間を維持しつつ(追加のサポートモデルについて、Hillmanらを参照されたい)、弱い内因性コントラストが共焦点および二光子よりもはるかに容易にMediSCAPEで撮像できる理由を強調している。9.3VPSにおいて取られた動き回る走査について、必要とされるガルバノメータ線走査速さ、および、結果生じる1画素あたりの積分時間について、MediSCAPEシステムと点走査システムとの間に同じ度合いの差が見られる。
さらに、生体内およびベッドサイドの使用ために設計された点走査顕微鏡は、zでの重ねを取得するために、鏡の走査、または、プローブもしくは組織の物理的移動を必要とする。これは、生体内の組織の移動の存在において、モーションアーチファクトを実施するにも、モーションアーチファクトをしやすくするにも、機械的に困難であり得る。MediSCAPEの横走査と、一度にすべての深さからの同時の記録とは、3D撮像の間に顕微鏡の焦点深さを変化させる必要性を排除する。
MediSCAPE、共焦点、および二光子での自己蛍光コントラストの比較
MediSCAPEによってキャプチャされた自己蛍光の特徴を他の顕微鏡法技術と比較するために、切除されたばかりのマウスの結腸粘膜および腎臓皮質の切片が、共焦点、二光子、およびMediSCAPEの顕微鏡で連続して撮像された。共焦点撮像は、ニコンの反転したA1R共焦点において実施された。二光子の撮像が、ガルバノミラー走査およびMai-TaiのHPのレーザを使用して実施された。組織が、撮像時間ごとの間に氷の上で維持され、生理食塩水で水分が保たれ、3時間の切除の内で撮像された。
各々の組織からの代表的な画像がキャプチャされ、示されている各々のボリュームを取得するために使用された撮像パラメータがTable 4(表4)に提供されている。新鮮なマウスの結腸粘膜において、各々の撮像技術は、リーベルキューン腺小窩の内側の上皮細胞において強い点状で緑色の自己蛍光を示しており、腺窩構造同士の間における固有層において赤色発光を発散する。MediSCAPEの画像と共焦点の画像との両方はほとんど同様であったが、二光子の励起は、上皮細胞の他に、腺窩を包囲する繊維においても、強い青色の発光を明らかにした。新鮮なマウスの腎臓皮質において、すべての3つの撮像技術が自己蛍光を通じて尿細管をはっきりと視覚化することができ、近位尿細管が緑色チャンネルにおいてより大きな発光を示し、遠位尿細管が赤色チャンネルにおいてより大きい発光を示している。二光子撮像は、緑色チャンネルと大きく重なって、尿細管における青色の自己蛍光も明らかにした。本明細書における尿細管は、腎臓皮質の中のより深くで撮像され、MediSCAPEおよび共焦点の画像において示されているように、皮質表面のより近くの尿細管と形態学的に異なって現れることは留意されたい。また、試料のドリフトが、両方の組織におけるボリューム取得の経過にわたる共焦点および二光子の撮像における主な問題点であったことも留意されたい。
これらのデータセットは、MediSCAPEにおいて取得されたコントラストを、共焦点および二光子において取得されたコントラストと比較するだけのために取得されたが、Table 4(表4)において示された撮像パラメータは、共焦点および二光子の撮像が、同じ組織においてMediSCAPEを用いて取得された画像と同様の品質の単色ボリュームを取得するために、ほとんど2倍の程度の時間を必要とすることを示す。
*ボクセル速さは、全体の撮像時間のうちの1秒あたりに取得された色ボクセルの#として計算された。
方法
生体内のマウス組織の標本および撮像
生体内のマウス撮像は、コロンビア大学のInstitutional Animal Care and Use Committeeによって検討および認可されたプロトコルに従って実行された。撮像の前に、野生型マウスが、イソフルレンを使用して強く麻酔され、その鼻先がマウス用マスクに配置された。体温が、マウスの上に位置決めされた加温パッドで維持され、呼吸が連続的に監視された。腹部臓器が最初に露出され、マウスは、3軸ステージに搭載された60mmの直径のガラス底の皿に配置された。臓器が、下方から撮像するために、ガラスのカバースリップの表面に当てるように位置決めされた。動き回る撮像について、マウスの位置は連続的な撮像の間に並進させられた。暖かい生理食塩水が、乾燥を最小限にし、体温を維持するために、組織を周期的に洗い流すために使用された。臓器を撮像した後、次に胸腔が開かれ、心臓が安楽死の前に撮像のために素早く位置決めされた。
(先に記載されている)画像セット7および動画10において示されている脳の微小血管系を撮像するために、マウスは、ウレタンを用いて麻酔され、封止された両側のガラス頭蓋窓が、先に記載されているように、体性感覚皮質にわたって埋め込まれた。金属の頭部プレートが、直立した構成でのMediSCAPE対物レンズの下での頭の固定を可能にするために、頭蓋骨に接着された。撮像は、5%のw/vで70,000MWのフルオレセインイソチオシアネート-デキストランの約0.1mlの尾静脈注射に続いて実施された。マウスのxyz位置が、動き回る撮像の間に3軸ステージによって手動で並進させられた。
新鮮なマウス組織の標本および撮像
新鮮なマウス組織は、コロンビア大学のInstitutional Animal Care and Use Committeeによって検討および認可されたプロトコルに従って、野生型マウスから切除された。マウスは、強く麻酔され、次に、頸椎脱臼を用いて安楽死させられた。切除された組織は、撮像まで、または、染色の少なくとも30分前まで、氷の上で保たれた。すべてのデータは切除の3時間以内に取得された。組織は、反転された設定において、MediSCAPEの対物レンズで、30mmの直径のガラス底の皿において下方から撮像された。組織は、生理食塩水で水分が保たれ、必要とされるとき、より平坦な撮像面を作り出すために、カバースリップで優しく押し下げられた。図2のシステムでは、組織がペトリ皿に配置され、上方から撮像された(直立した構成において)。組織は、生理食塩水で水分が保たれ、必要とされるとき、カバースリップで押し下げられた。染色された新鮮な組織を示すデータセットについて、組織は、室温において1~3分間にわたって局所的に染色され、生理食塩水で濯がれ、先に記載されているようにすぐに撮像された。
人の腎臓の生検の受け取りおよび撮像
匿名化された新鮮な人の腎臓組織が、IRB認可プロトコルの下で、コロンビア大学のMedical Center Department of Pathologyにおける組織バンクを通じて取得された。組織は、切除の24時間以内に撮像され、生理食塩水で浸された布を伴うペトリ皿において4℃で保管され、撮像前に氷の上で保たれた。組織は、水分を保つために生理食塩水を伴う30mmの直径のガラス底の皿において、下方から撮像された。
新鮮な組織の染色
指示されている場合、組織は、生理食塩水における0.01%のプロフラビン(Sigma、131105)、1%のメチレンブルー(Ricca、485016)、および/または、水における0.01%のフルオレセインナトリウムで局所的に染色された。染料が、室温において1~3分間にわたって綿棒で組織に優しく適用され、次に生理食塩水によって3回濯がれた。染色された領域はすぐに撮像された。
組織学
撮像の後、MediSCAPEにおいて撮像され、撮像される面が生検紙において平らに置かれる状態で組織学カセットに置かれる面を明確に指示するために、すべての新鮮な組織が組織マーカでマーク付けされた。組織は、10%のホルマリンにおいて、少なくとも24時間にわたって4℃で固定された。続いての組織学的埋め込み、薄く切る、染色、および搭載が、CUMC Herbert Irving Cancer CenterにおけるMolecular Pathology Histology Servicesによって行われた。すべてのマウス組織が、撮像される面の表面から50~100μmに及ぶいくつかの5μmの平坦面切片へと水平に切られ、H&Eのために染色された。腎臓生検組織が、撮像される面の表面から50~100μmに及ぶ2μmの平坦面切片へと切られ、H&EおよびPASのために染色された。組織学スライドが、ニコンAZ100スライドスキャナを使用してデジタルで走査された。興味のある領域が、MediSCAPE画像およびデジタル組織学データにおいて視認可能である構造的特徴を手作業で比較することで一致させられた。
結論
本発明は、特定の実施形態を参照して開示されているが、記載されている実施形態への数多くの改良、変更、および変形が、添付の特許請求の範囲にて定められているような本発明の領域および範囲から逸脱することなく可能である。したがって、本発明が記載されている実施形態に限定されないことと、本発明が添付の特許請求の範囲の言葉およびその均等によって定められる完全な範囲を有することとが、意図されている。
1 望遠鏡
2 望遠鏡、動画
10 光学構成要素の第1のセット
12 一次対物レンズ、第1の対物レンズ
14 アクロマート、レンズ望遠鏡
16 プレスル式接眼レンズ、レンズ望遠鏡
20 光学構成要素の第2のセット
22 アクロマート
24 アクロマート、第2の撮像望遠鏡
26 二次対物レンズ、第2の撮像望遠鏡、第2の対物レンズ
32 ガルバノミラー、走査要素
34 折り鏡、銀鏡
38 ダイクロイック
42 三次対物レンズ、第3の対物レンズ、検出対物レンズ
45 自作画像スプリッタ
46 筒レンズ
48 sCMOSカメラ、光検出器配列
60 単一モードファイバ
61、62 円柱レンズ、円柱4f系
66 円柱レンズ
68 パウエルレンズ
82 撮像キャップ
85 水
88 カバースリップ、カバーガラス、ガラス前面

Claims (20)

  1. 近位端および遠位端を有する光学構成要素の第1のセットであって、前記光学構成要素の第1のセットは、前記光学構成要素の第1のセットの前記遠位端に配置される第1の対物レンズを含み、前記第1の対物レンズは、10×から70×の間の倍率と、0.5から1.1の間の開口数とを有する、光学構成要素の第1のセットと、
    近位端および遠位端を有する光学構成要素の第2のセットであって、前記光学構成要素の第2のセットの前記近位端に配置される第2の対物レンズを含む光学構成要素の第2のセットと、
    前記光学構成要素の第1のセットの前記近位端に対して近位に配置され、前記光学構成要素の第2のセットの前記遠位端に対して遠位に配置される走査要素であって、
    前記走査要素は、前記光学構成要素の第1のセットの前記遠位端より遠位に位置決めされる試料へと励起光が投射されるように、前記光学構成要素の第1のセットを通じて近位から遠位への方向に前記励起光の経路を定めるように配置され、
    前記試料へと投射される前記励起光は、斜めの角度で励起光のシートを形成し、前記シートの位置は前記走査要素の配向に依存して変化し、
    前記光学構成要素の第1のセットは、前記試料からの検出光の経路を、遠位から近位への方向で前記走査要素へと戻すように定め、
    前記走査要素は、前記検出光が遠位から近位への方向において前記光学構成要素の第2のセットを通過し、前記光学構成要素の第2のセットが、前記光学構成要素の第2のセットの前記近位端より近位である位置において中間像平面を形成するように、前記検出光の経路を定めるようにさらに配置される、
    走査要素と、
    前記光学構成要素の第1のセットの前記近位端に対して近位に配置され、前記光学構成要素の第2のセットの前記遠位端に対して遠位に配置される折り鏡と、
    光検出器配列と、
    前記中間像平面から届く光の経路を前記光検出器配列に向けて定めるように配置される第3の対物レンズと、
    を備える撮像装置。
  2. 前記折り鏡は前記走査要素と前記光学構成要素の第2のセットの前記遠位端との間に位置決めされる、請求項1に記載の装置。
  3. 前記第1の対物レンズは、50×から70×の間の倍率と、0.9から1.1の間の開口数と、2.5mmから3.5mmの間の有効焦点距離とを有し、
    前記第2の対物レンズは、40×から60×の間の倍率と、0.65から0.85の間の開口数と、3mmから5mmの間の有効焦点距離とを有する、請求項1に記載の装置。
  4. 前記第1の対物レンズは、60×の倍率と、1.0の開口数と、3mmの有効焦点距離とを有する、請求項3に記載の装置。
  5. 前記第2の対物レンズは、50×の倍率と、0.75の開口数と、4mmの有効焦点距離とを有する、請求項3に記載の装置。
  6. 前記光学構成要素の第1のセットは少なくとも1つのプレスル式接眼レンズを含む、請求項3に記載の装置。
  7. 前記光学構成要素の第1のセットは12.7mmの直径で38.1mmのEFLアクロマートを備え、プレスル式接眼レンズは2つの12.7mmの直径で50.8mmのEFLアクロマートを備える、請求項3に記載の装置。
  8. 前記光学構成要素の第2のセットは少なくとも1つのプレスル式接眼レンズを含む、請求項3に記載の装置。
  9. 前記光学構成要素の第2のセットは、2つの1インチの直径で101.6mmのEFLアクロマートから作られるプレスル式接眼レンズと、1インチの直径で76.2mmのEFLアクロマートとを備える、請求項3に記載の装置。
  10. 前記光学構成要素の第1のセットは、1.5Xの倍率を伴う望遠鏡を備え、前記光学構成要素の第2のセットは、1.5Xの倍率を伴う望遠鏡を備える、請求項3に記載の装置。
  11. 前記第3の対物レンズは、15×から25×の間の倍率と、0.65から0.85の間の開口数とを有する、請求項3に記載の装置。
  12. 前記第3の対物レンズは、20×の倍率と、0.75の開口数とを有する、請求項3に記載の装置。
  13. 近位端および遠位端を有する光学構成要素の第1のセットであって、前記光学構成要素の第1のセットの前記遠位端に配置される第1の対物レンズを含む光学構成要素の第1のセットと、
    近位端および遠位端を有する光学構成要素の第2のセットであって、前記光学構成要素の第2のセットの前記近位端に配置される第2の対物レンズを含む光学構成要素の第2のセットと、
    前記光学構成要素の第1のセットの前記近位端に対して近位に配置され、前記光学構成要素の第2のセットの前記遠位端に対して遠位に配置される走査要素であって、
    前記走査要素は、前記光学構成要素の第1のセットの前記遠位端より遠位に位置決めされる試料へと励起光が投射されるように、前記光学構成要素の第1のセットを通じて近位から遠位への方向に前記励起光の経路を定めるように配置され、
    前記試料へと投射される前記励起光は、斜めの角度で励起光のシートを形成し、前記シートの位置は前記走査要素の配向に依存して変化し、
    前記光学構成要素の第1のセットは、前記試料からの検出光の経路を、遠位から近位への方向で前記走査要素へと戻すように定め、
    前記走査要素は、前記検出光が遠位から近位への方向において前記光学構成要素の第2のセットを通過し、前記光学構成要素の第2のセットが、前記光学構成要素の第2のセットの前記近位端より近位である位置において中間像平面を形成するように、前記検出光の経路を定めるようにさらに配置される、
    走査要素と、
    光検出器配列と、
    前記中間像平面から届く光の経路を前記光検出器配列に向けて定めるように配置される第3の対物レンズと、
    前記第1の対物レンズを覆い、撮像される組織に押し付くように位置決めおよび構成される光学的に透明なスペーサと、
    を備える撮像装置。
  14. 前記光学的に透明なスペーサは、前記第1の対物レンズが前記組織への50~350μmの深さ範囲をキャプチャするための作動距離を設定する、請求項13に記載の装置。
  15. 前記光学的に透明なスペーサは、前記光学的に透明なスペーサと前記第1の対物レンズの遠位端との間に水密シールを提供するキャップに組み込まれる、請求項13に記載の装置。
  16. 前記光学的に透明なスペーサと前記第1の対物レンズとの間に位置決めされるある量の媒体をさらに備え、前記媒体は、前記第1の対物レンズの液浸媒体と合致するように選択される屈折率を有し、前記ある量の媒体は、前記光学的に透明なスペーサを前記第1の対物レンズに光学的に結合し、前記キャップは水密シールを提供する、請求項15に記載の装置。
  17. 前記光学的に透明なスペーサは、前記第1の対物レンズの必要とされる液浸媒体と合致する屈折率を伴う固体媒体から形成される、請求項13に記載の装置。
  18. 前記光学的に透明なスペーサは、前記第1の対物レンズの一次焦点面の近位の25μmから250μmの間に位置決めされる外面を有する、請求項13に記載の装置。
  19. 前記光学的に透明なスペーサは、前記スペーサの外面にわたって徐々に移動される試料の素早い3D撮像を可能にし、前記試料の連続3D画像のステッチングを可能にする、請求項13に記載の装置。
  20. 前記第1の対物レンズは、10×から70×の間の倍率と、0.5から1.1の間の開口数とを有する、請求項13に記載の装置。
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