JP2024119271A - 導電性樹脂組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】70℃や80℃などの低温で硬化する樹脂組成物はその反応性の高さから保存安定剤を添加することが必須となっている。保存安定剤は反応を阻害する効果を備えているため、特に低温での硬化をさせにくくしてしまい、接着力や導電性が悪くなってしまう傾向があった。本発明は、低温硬化時での接着力と導電性を両立した導電性樹脂組成物の提供を目的とするものである。【解決手段】(A)~(D)成分を含む、導電性樹脂組成物。(A)成分:エポキシ樹脂(B)成分:エポキシ硬化剤(C)成分:導電性粒子(D)成分:ホウ酸トリオクチル【選択図】なし

Description

本発明は、接着力と導電性を両立した導電性樹脂組成物に関するものである。
従来、スマートフォン、電子モバイル等の電気・電子部品の固定、アース取り用途に導電性樹脂組成物が使用されている。近年では電子部品の小型化に伴い、導電性樹脂組成物が塗布される量も減ってきており、少量の樹脂でも性能を発揮できるように、より優れた接着力や導電性を求められている。また、近年の電子部品はプラスチックを使用されていることが多いため70~80℃などの低温での硬化が求められている。低温で硬化する導電性樹脂組成物としては、特許文献1や特許文献2の様なものが挙げられる。
特開2000-230112号公報 特開2017-214548号公報
しかし、70℃や80℃などの低温で硬化する樹脂組成物はその反応性の高さから保存安定剤を添加することが必須となっている。保存安定剤としてはホウ酸エステル類が一般的に使用されるものの、これらは保存安定剤として反応を阻害する効果を備えているため、特に低温での硬化をさせにくくしてしまい、接着力や導電性が悪くなってしまう傾向があった。
本発明者らは、上記目的を達成するべく鋭意検討した結果、低温硬化時での接着力と導電性を両立した導電性樹脂組成物に関する手法を発見し、本発明を完成するに至った。
本発明の要旨を次に説明する。
[1]下記の(A)~(D)成分を含む、導電性樹脂組成物。
(A)成分:エポキシ樹脂
(B)成分:エポキシ潜在性硬化剤
(C)成分:導電性粒子
(D)成分:ホウ酸トリオクチル
[2](A)成分が、ビスフェノール型エポキシ樹脂を含む、請求項1に記載の導電性樹脂組成物。
[3](A)成分が、ビスフェノールA型エポキシ樹脂とビスフェノールF型エポキシ樹脂を含み、ビスフェノールA型エポキシ樹脂とビスフェノールF型エポキシ樹脂の質量比が25:75~75~25である、請求項1に記載の導電性樹脂組成物。
[4](C)成分が形状の異なる2種以上の導電性粒子を含むことを特徴とする、請求項1に記載の導電性樹脂組成物。
[5](C)成分がプレート状導電粒子を含む、請求項1に記載の導電性樹脂組成物。
[6](C)成分がプレート状導電粒子とフレーク状導電粒子を含む、請求項1に記載の導電性樹脂組成物。
[7]さらに(E)成分の保存安定剤として(D)成分を除くホウ酸エステル類を含む、請求項1に記載の導電性樹脂組成物。
[8](D)成分が(A)成分100質量部に対して0.1~10質量部である、請求項1に記載の導電性樹脂組成物。
[9]さらにゴム粒子を含む、請求項1に記載の導電性樹脂組成物。
[10]最表面がニッケルである被着体に使用する事を特徴とする、請求項1に記載の導電性樹脂組成物。
[11]請求項1に記載の導電性樹脂組成物を硬化させた硬化物。
本発明は、低温硬化時に、接着力と導電性に優れた導電性樹脂組成物を提供する。
本発明の詳細を次に説明する。なお、本明細書において、「X~Y」は、その前後に記載される数値(XおよびY)を下限値および上限値として含む意味で使用し、「X以上Y以下」を意味する。また、本明細書において、(メタ)アクリルとの語は、アクリルとメタクリルの両方を意味する。
本発明に用いられる(A)成分は、エポキシ樹脂である。(A)成分としては、1分子中にエポキシ基を1以上有するエポキシ樹脂であれば、固体でも液体でも良く、特に限定されないが、硬化性と作業性に優れるという点で、1分子中にエポキシ基を2以上有することが好ましく、液体であることが特に好ましい。(A)成分の具体例としては例えば、ビスフェノール型エポキシ樹脂、1,2-ブタンジオールジグリシジルエーテル、1,3-ブタンジオールジグリシジルエーテル、1,4-ブタンジオールジグリシジルエーテル、(ポリ)エチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、2,3-ブタンジオールジグリシジルエーテル、1,5-ペンタンジオールジグリシジルエーテル、1,6-ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、1,4-シクロヘキサンジメタノールジグリシジルエーテルなどのアルキレングリコール型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂などのノボラック型エポキシ樹脂;N,N-ジグリシジル-4-グリシジルオキシアニリン、4,4’-メチレンビス(N,N-ジグリシジルアニリン)、テトラグリシジルジアミノジフェニルメタン、テトラグリシジル-m-キシリレンジアミン等のグリシジルアミン化合物;グリシジル基を4つ有するナフタレン型エポキシ樹脂などが挙げられる。これらは単独で用いられてもよく、または2種以上併用されてもよいが、導通性に優れるという点からビスフェノール型エポキシを含むことが好ましく、エポキシ基を2以上有するビスフェノール型エポキシを含むことが好ましい。
前記ビスフェノール型エポキシ樹脂は、ビスフェノール骨格を有するエポキシ樹脂であれば、特に限定されないが、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型、ビスフェノールAD型エポキシ樹脂、水素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂、水素化ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ウレタン変性ビスフェノール型エポキシ樹脂、ゴム変性ビスフェノール型エポキシ樹脂、ポリオキシアルキレン変性ビスフェノール型エポキシ樹脂などが挙げられる。これらは単独で用いられてもよく、または2種以上併用されてもよいが、導通性と作業性に優れるという点からビスフェノールA型エポキシ樹脂とビスフェノールF型エポキシ樹脂を併用することが好ましく、ビスフェノールA型エポキシ樹脂とビスフェノールF型エポキシ樹脂の質量比が25:75~75~25であることが特に好ましい。
ビスフェノール型エポキシ樹脂の市販品としては、特に限定されないが、例えばjER828、1001、801、806、807、YX8000、YX8034、YX4000(三菱ケミカル株式会社製)、エピクロン830、850、EXA-830CRP、EXA-830LVP、EXA-850CRP、EXA-835LV(DIC株式会社製)、アデカレジンEP4100、EP4000、EP4080,EP4085、EP4088、EPU6、EPU7N、EPR4023、EPR1309、EP4920(株式会社ADEKA製)、TEPIC(日産化学工業株式会社製)、KF-101、KF-1001、KF-105、X-22-163B、X-22-9002(信越化学工業株式会社製)、デナコールEX411、314、201、212、252(ナガセケムテックス株式会社製)、DER-331、332、334、431、542(ダウケミカル社製)、YH-434、YH-434L(新日鉄住友化学株式会社製)等が挙げられる。これらは単独で用いられてもよく、または2種以上併用されてもよい。
前記(A)成分は、1分子中にエポキシ基を2以上有するエポキシ樹脂と、1分子中にエポキシ基を1有するエポキシ樹脂を併用することが好ましい。理由は明確ではないが、1分子中にエポキシ基を1有するエポキシ樹脂を併用することで粘度を調整できるだけでなく、接続抵抗値を低くできるため、低粘度の導電性のよい導電性樹脂組成物を得ることができる。1分子中にエポキシ基を1有するエポキシ樹脂としては特に限定されないが例えば、メチルグリシジルエーテル、エチルグリシジルエーテル、ブチルグリシジルエーテル、イソブチルグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテル、2-エチルヘキシルグリシジルエーテル、デシルグリシジルエーテル、ステアリルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル、2-メチルオクチルグリシジルエーテル、メトキシポリエチレングリコールモノグリシジルエーテル、エトキシポリエチレングリコールモノグリシジルエーテル、ブトキシポリエチレングリコールモノグリシジルエーテル、フェノキシポリエチレングリコールモノグリシジルエーテル、p-ターシャリーブチルフェニルグリシジルエーテル、sec-ブチルフェニルグリシジルエーテル、n-ブチルフェニルグリシジルエーテル、フェニルフェノールグリシジルエーテル、クレジルグリシジルエーテル、ジブロモクレジルグリシジルエーテル、ネオデカン酸グリシジルエステルなどが挙げられる。これらは単独で用いられてもよく、または2種以上併用されてもよいが、保存安定性や導電性に優位である点から、ネオデカン酸グリシジルエステルが好ましい。
1分子中にエポキシ基を1有するエポキシ樹脂の市販品としては、日油株式会社製のエピオールTB、MOMENTIVE社製のCARDURA E10P等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
前記(A)成分を併用する場合は、1分子中にエポキシ基を2以上有するエポキシ樹脂と1分子中にエポキシ基を1有するエポキシ樹脂の質量比が、99:1~50:50が好ましく、95:5~60:40がさらに好ましく90:10~70:30が最も好ましい。99:1~50:50の範囲であることで保存安定性と導電性に優れた導電性樹脂組成物を得ることができる。
本発明に用いられる(B)成分は、エポキシ潜在性硬化剤である。(B)成分はエポキシ樹脂を硬化させるものであれば、特に限定されず、例えば、アミン化合物、イミダゾール化合物、アダクト型潜在性硬化剤(アミン化合物とエポキシ化合物、イソシアネート化合物、または尿素化合物とを反応させた反応生成物)、ジシアンジアミド、ヒドラジド化合物、三フッ化ホウ素-アミン錯体、チオール化合物、酸無水物などが挙げられるが、保存安定性と硬化性のバランスからアダクト型潜在性硬化剤が好ましい。これらは単独で用いられてもよく、または2種以上併用されてもよい。
アダクト型潜在性硬化剤としては、特に限定されず、例えば、アミン化合物と、イソシアネート化合物または尿素化合物を反応させた反応生成物(尿素アダクト型潜在性硬化剤)またはアミン化合物と、エポキシ化合物の反応生成物(エポキシアミンアダクト型潜在性硬化剤)等が挙げられるが、保存安定性と硬化性のバランスから尿素アダクト型潜在性硬化剤が好ましく、さらに好ましくは変性脂肪族ポリアミン系潜在性硬化剤である。
前記(B)成分は、液体でも固体でもかまわないが、保存安定性の観点から固体が好ましく、さらに好ましくは粉体である。粉体の平均粒径は、好ましくは0.1~30μmの範囲であり、より好ましくは0.5~20μmの範囲であり、最も好ましくは1~10μmである。ここで、(B)成分の平均粒径は、レーザー回折散乱法によって求めた粒度分布における累積体積比率50%での粒径(D50)である。
前記粉体の(B)成分は低温硬化性に優れることから、軟化点が50~180℃であることが好ましい。さらに好ましくは60~150℃であり、特に好ましくは80~150℃であり、最も好ましくは110~130℃である。
前記(B)成分の市販品としては、特に限定されないが、例えば尿素アダクト型潜在性硬化剤としては、フジキュアーFXE-1000、FXR-1020、FXR-1030、FXB-1050、FXR-1081(株式会社T&K TOKA製)等が挙げられる。エポキシアミンアダクト型潜在性硬化剤としては、アミキュアPN-23、アミキュアPN-H、アミキュアPN-31、アミキュアPN-40、アミキュアPN-50、アミキュアPN-F、アミキュアPN-23J、アミキュアPN-31J、アミキュアPN-40J、アミキュアMY-24、アミキュアMY-25、アミキュアMY-R、アミキュアPN-R(味の素ファインテクノ株式会社製)等が挙げられる。液状アミン系化合物としてはフジキュアー7000、7001、7002(株式会社T&K TOKA製)等が挙げられる。チオール化合物としてはフジキュアー7004、7005(株式会社T&K TOKA製)や、PEMP(SC有機化学株式会社製)、カレンズMTPE1(株式会社レゾナック製)が挙げられる。これらは単独で用いられてもよく、または2種以上併用されてもよい。
前記(B)成分の含有量は、(A)成分100質量部に対して1~100質量部が好ましく、10~50質量部がさらに好ましく15~40質量部が最も好ましい。1質量部以上であることで硬化性に優れ、100質量部以下であることで保存安定性に優れた導電性樹脂組成物が得られる。
本発明に用いられる(C)成分は、導電性粒子である。(C)成分は導電性を発現すれば粒子の材質、粒子の形状は限定されない。例えば、金、銀、銅、ニッケル、パラジウム、白金、錫、ビスマス等の金属から選ばれる1種以上からで構成される金属粒子、またはこれらを複数種組み合わせてなる合金粒子、あるいは前記金属を被覆層として表面を被覆してなる粒子などより適宜選択することができる。これらは単独で用いられてもよく、または2種以上併用されてもよいが、導電性やコストなどの点から銀粒子であることが好ましい。(C)成分の形状としては、球状、不定形、フレーク状(鱗片状)、プレート状、フィラメント状(針状)および樹枝状などが挙げられる。これらは単独あるいは混合で使用してもよいが、導電性に優れるという点から、形状の異なる2種以上を併用することが好ましく、プレート状とその他形状を併用することがさらに好ましく、プレート状とフレーク状を併用することが特に好ましい。また(C)成分は滑剤で表面処理されていてもよい。滑剤としては、飽和脂肪酸または/および不飽和脂肪酸を使用することができる。例えば、カプリン酸、ウンデシル酸、ラウリン酸、トリデシル酸、ミリスチン酸、ペンタデシル酸、パルミチン酸、マルガリン酸、ステアリン酸、リノレン酸、リノール酸、パルミトレイン酸、オレイン酸等が挙げられるが、分散性や保存安定性に優れるという点でステアリン酸が好ましい。これらは単独で用いられてもよく、または2種以上併用されてもよい。
前記(C)成分の平均粒径は、好ましくは0.01~100μmの範囲であり、より好ましくは0.1~50μmの範囲であり、最も好ましくは0.1~30μmである。また、導電性に優れるという理由から粒径の異なる2種以上の導電粒子を含むことが好ましい。(C)成分の平均粒径は、レーザー回折散乱法によって求めた粒度分布における累積体積比率50%での粒径(D50)である。
前記プレート状導電性粒子は、公知の製造方法で製造されるものであり、例えば特開2014-196527号公報に示される製造方法が挙げられる。プレート状導電性粒子は一般的に厚みが均一なプレート状の薄片粒子であり、表面が平滑な銀粒子である。
さらにプレート状導電性粒子は単結晶であることが好ましい。単結晶であることで接続抵抗値や体積抵抗率等の導電性に優れた導電性樹脂組成物を得ることができる。
前記プレート状導電性粒子の形状としては、一般的に三角形板状などの多角形板状が挙げられるが、これに限定されるものではない。またプレート状導電性粒子は滑剤で表面処理されていてもよい。滑剤としては、飽和脂肪酸または/および不飽和脂肪酸を使用することができる。例えば、カプリン酸、ウンデシル酸、ラウリン酸、トリデシル酸、ミリスチン酸、ペンタデシル酸、パルミチン酸、マルガリン酸、ステアリン酸、リノレン酸、リノール酸、パルミトレイン酸、オレイン酸等が挙げられるが、分散性や保存安定性に優れるという点でステアリン酸が好ましい。これらは単独で用いられてもよく、または2種以上併用されてもよい。
前記プレート状導電性粒子の平均粒径は、接続抵抗値に優れるという点から好ましくは0.01~30μmの範囲であり、より好ましくは0.1~20μmの範囲であり、特に好ましくは0.3~15μmであり、最も好ましくは4.1~15μmである。ここで、プレート状導電性粒子の平均粒径は、レーザー回折散乱法によって求めた粒度分布における累積体積比率50%での粒径(D50)である。
前記プレート状導電性粒子の市販品としては、特に限定されないが、例えばN300、M612、M13、M27、LM1(トクセン工業株式会社製)などが挙げられる。
前記その他形状の導電性粒子の平均粒径は、好ましくは0.1~50μmの範囲であり、より好ましくは0.1~30μmの範囲であり、特に好ましくは1~20μmであり、最も好ましくは1~4μmである。ここで、その他形状の導電性粒子の平均粒径は、レーザー回折散乱法によって求めた粒度分布における累積体積比率50%での粒径(D50)である。
前記(C)成分の含有量は、(A)成分100質量部に対して50~500質量部が好ましく、100~400質量部がさらに好ましく150~350質量部が最も好ましい。50質量部以上であることで接続抵抗値や体積抵抗率等の導電性に優れ、500質量部以下であることで作業性に優れた導電性樹脂組成物を得ることができる。
前記プレート状導電性粒子とその他形状の導電性粒子を併用する場合の重量比率としては、10:90~90:10であることが好ましく、10:90~75:25がさらに好ましく、15:85~50:50であることが最も好ましい。10:90~90:10の範囲であることで接続抵抗値や体積抵抗率等の導通性に優れた導電性樹脂組成物を得ることができる。
(C)成分は、導電性樹脂組成物全体に対して40~90質量%含有するのが好ましく、50~80質量%がさらに好ましく、55~75質量%が最も好ましい。40質量%以上であることで導電性に優れであることで作業性と導電性に優れた導電性樹脂組成物を得ることができる。
本発明に用いられる(D)成分は、ホウ酸トリオクチルである。原因は明確ではないが、ホウ酸トリオクチルを含有することによって低温での硬化性に優れ、導電性と接着力に優れた硬化物を得ることができる。ホウ酸トリオクチルとしてはホウ酸トリ-nーオクチルやホウ酸トリイソオクチルが挙げられるが、低温での硬化性に優れることからホウ酸トリ-n-オクチルが好ましい。
前記(D)成分の含有量は、(A)成分100質量部に対して0.01~15質量部が好ましく、0.1~10質量部がさらに好ましく0.5~5質量部が最も好ましい。0.01質量部以上であることで優れた導電性と接着力の硬化物を得ることができ、15質量部以下であることで硬化を阻害することがない。
本発明に用いられる(E)成分は、保存安定剤である。本発明で用いられている(D)成分は、保存安定剤としては効果が弱く、十分な保存安定性のためには(E)成分を併用することが好ましい。(E)成分としては、保存安定性を向上させるものであれば特に限定されないが、ホウ酸エステル化合物(ただし(D)成分を除く)、燐酸、アルキルリン酸エステル、p-トルエンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸メチル等を配合してもよい。ホウ酸エステル化合物としては、例えば、ホウ酸トリメチル、ホウ酸トリエチル、ホウ酸トリ-n-プロピル、ホウ酸トリイソプロピル、ホウ酸トリブチル、ホウ酸トリヘキシル、トリス(2-エチルヘキシロキシ)ボラン、トリフェニルボレート、トリメトキシボロキシン等が挙げられる。また、ホウ酸エステル化合物の市販品としては、例えば、「キュアダクトL-07N」(四国化成工業株式会社製)等が挙げられる。アルキルリン酸エステルとしては、リン酸トリメチル、リン酸トリブチルなどを使用することができるが、これらに限定されるものではない。保存安定剤は単独でも複数を混合して使用しても良い。保存安定性を考慮すると、燐酸、ホウ酸エステル化合物、トリメトキシボロキシン、p-トルエンスルホン酸メチルであることが好ましい。
前記(E)成分の含有量は、(A)成分100質量部に対して0.01~10質量部が好ましく、0.02~7質量部がさらに好ましく0.05~5質量部がさらに好ましい。0.01質量部以上であることで優れた保存安定性を、10質量部以下であることで硬化を阻害することがない。
前記(D)成分と(E)成分の質量比としては99:1~10:90が好ましく、98:2~15:85がさらに好ましく。97:3~20:80が最も好ましい。99:1~10:90の範囲であることで、導電性、接着力に優れた硬化物と保存安定性を両立することができる。
本発明の導電性樹脂組成物は、有機溶剤を実質的に含まないことが好ましい。導電性樹脂組成物に有機溶剤を含んだ場合、有機溶剤が(B)成分を溶解することによる保存安定性の悪化や、有機溶剤の分離が起こり、物性への影響が見られる。有機溶剤を実質的に含まないとは、導電性樹脂組成物の配合物として意図的に含有しないということであり、具体的には導電性樹脂組成物全体に対して1質量%以下であり、好ましくは0.5質量%以下であり、さらに好ましくは0.1質量%以下である。1質量%以下であれば保存安定性の悪化や分離が起こることがない。
前記有機溶剤としては、例えば、トルエン及びキシレン等の芳香族系有機溶剤;n-ヘキサン等の脂肪族系有機溶剤;シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、及びエチルシクロヘキサン等の脂環族系有機溶剤;アセトン及びメチルエチルケトン等のケトン系有機溶剤;メタノール及びエタノール等のアルコール系有機溶剤;酢酸エチル及び酢酸ブチル等のエステル系有機溶剤;並びに、プロピレングリコールメチルエーテル、プロピレングリコールエチルエーテル、及びプロピレングリコール-t-ブチルエーテル等のプロピレングリコールエーテル系有機溶剤等が挙げられる。
本発明の導電性樹脂組成物には、上記の各成分に加えて、任意成分として本発明の効果を損なわない範囲で必要に応じて各種添加剤を加えることができる。添加剤としては、例えば、ゴム粒子、シランカップリング剤、可塑剤、充填剤、粘着付与剤、有機または無機顔料、金属錯体、防錆剤、消泡剤、分散剤、界面活性剤、粘弾性調製剤、増粘剤を挙げることができる。
本発明の導電性樹脂組成物は、ゴム粒子を含有してもよい。本発明でいうゴム粒子とは、ゴム弾性を示す層を含む粒子である。ゴム粒子は、ゴム弾性を示す1層のみからなる粒子であっても良いし、ゴム弾性を示す多層構造の粒子であるコアシェル粒子であっても良いが、体積抵抗率に優れるという点でコアシェル粒子が好ましい。また事前にエポキシ樹脂内に分散されたゴム粒子を使用しても良い。例えば、ブタジエンゴム、アクリルゴム、シリコ-ンゴム、ブチルゴム、オレフィンゴム、スチレンゴム、NBR,SBR,IR,EPR等が用いられる。これらは単独で用いられてもよく、または2種以上併用されてもよい。
前記コアシェル粒子とは粒子のコア(核)の部分とシェル(壁)の部分が異なる性質の重合体からなる微粒子である。本発明で使用される好ましい粉末粒子の製造においては、まず、コア部分として重合性モノマーを重合させることにより製造させる。この重合性モノマーの例としてn-プロピル(メタ)アクリレート、n-ブチル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n-デシル(メタ)アクリレートなどの(メタ)アクリレート系モノマー、スチレン、ビニルトルエン、α-メチルスチレンなどの芳香族ビニル系化合物、アクリロニトリル、メタクリロニトリルなどのシアン化ビニル化合物、シアン化ビニリデン、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、3-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシエチルフマレート、ヒドロキシブチルビニルエーテル、モノブチルマレエート、ブトキシエチルメタクリレートなどが挙げられさらに、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレートトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオールトリ(メタ)アクリレート、オリゴエチレンジ(メタ)アクリレート、オリゴエチレントリ(メタ)アクリレートなどの反応性基を2個以上有する架橋性モノマー、ジビニルベンゼンなどの芳香族ジビニルモノマー、トリメリット酸トリアリル、トリアリルイソシアネレートなどが挙げられ、これらは1種または異なる2種以上を選択し使用できる。次に、このようにして得られた重合体粒子をコアとし、さらに、重合性モノマーを重合させて、室温以上の融点を有する重合体からなるシェルを形成させる第2回目の重合を行う。この際用いられる重合性モノマーとしては、前記のコアを得るための重合性モノマーと同じものから選択し使用することができる。シェル材として使用される重合性モノマーの好ましい例は、エチル(メタ)アクリレート、n-ブチルアクリレート、メチルメタクリレート、ブチルメタクリレート、などのアルキル基の炭素数が1~4の(メタ)アクリレートが挙げられる。
コアシェル粒子は上述により合成しても良いが、市販のものを使用しても良い。コアシェル粒子の市販品としては、特に限定されないが、例えば、ブタジエン・メタクリル酸アルキル・スチレン共重合物からなるパラロイドEXL-2655(呉羽化学工業社製)、アクリル酸エステル・メタクリル酸エステル共重合体からなるスタフィロイドAC-3355、スタフィロイドAC3364、スタフィロイドTR-2105、スタフィロイドTR-2102、スタフィロイドTR-2122、スタフィロイドIM-101、スタフィロイドIM-203、スタフィロイドIM-301、スタフィロイドIM-401、及びスタフィロイドIM-406、アクリル酸エステル・アクリロニトリル・スチレン共重合体からなるスタフィロイドIM-601、ポリメタクリル酸エステル系重合体からなるゼフィアックF-351G(アイカ工業株式会社製)、パラロイドEXL-2314、EXL-2611、EXL-3387(ダウ・ケミカル日本株式会社製)等を使用することが出来る。これらは単独で用いられてもよく、または2種以上併用されてもよい。
ゴム粒子の粒径は0.01~10μmが好ましく、0.05~5μmが特に好ましい。上記範囲であることで、粘度の上昇を抑え、導通性に優れた導電性樹脂組成物を得ることができる。
ゴム粒子の含有量は、(A)成分100質量部に対して0.01~20質量部が好ましく、0.03~10質量部がさらに好ましく、0.05~5質量部が最も好ましい。上記範囲であることで、接続抵抗値や体積抵抗率等の導通性に優れた導電性樹脂組成物を得ることができる。
事前にエポキシ樹脂内に分散されたゴム粒子としては、具体的には、エポキシ樹脂内にハイパーやホモジナイザーなどの混合撹拌装置により分散されたゴム粒子や、エポキシ樹脂内で乳化重合により合成されたゴム粒子が挙げられる。これらは単独で用いられてもよく、または2種以上併用されてもよい。ゴム粒子を分散させるエポキシ樹脂は前記(A)成分として扱う。
前記ゴム分散エポキシ樹脂の市販品としては、カネエースMX-153、MX-136、MX-257、MX-127、MX-451(株式会社カネカ製)、アクリセットBPF-307,BPA-328(株式会社日本触媒製)等が挙げられる。これらは単独で用いられてもよく、または2種以上併用されてもよい。
本発明の導電性樹脂組成物は、シランカップリング剤を含有してもよい。シランカップリング剤としては、例えば、3-グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、3-グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン等のグリシジル基含有シランカップリング剤、ビニルトリス(β-メトキシエトキシ)シラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン等のビニル基含有シランカップリング剤、γ-メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン等の(メタ)アクリル基含有シランカップリング剤、N-β-(アミノエチル)-γ-アミノプロピルトリメトキシシラン、γ-アミノプロピルトリエトキシシラン、N-フェニル-γ-アミノプロピルトリメトキシシラン等のアミノ基含有シランカップリング剤、γ-メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ-クロロプロピルトリメトキシシラン、およびこれらのオリゴマー等が挙げられるが、密着性に優れるという点でグリシジル基含有シランカップリング剤が好ましい。これらは単独で用いられてもよく、または2種以上併用されてもよい。
シランカップリング剤の市販品としては、特に限定されないが、例えばKBM-1003、KBE-1003、KBM-303、KBM-403、KBE-403、KBM-502、KBE-502、KBM-503、KBE-503、KBM-5103、KBM-1403、KBM-602、KBM-603、KBM-903、KBE-903(信越化学工業株式会社製)、Z-6610、Z-6044、Z-6825、Z-6033、Z-6062(東レ・ダウコーニング株式会社製)などが挙げられる。
<塗布方法>
本発明の導電性樹脂組成物を被着体への塗布する方法としては、公知のシール剤や接着
剤の方法が用いられる。例えば、自動塗布機を用いたディスペンシング、スプレー、イン
クジェット、スクリーン印刷、グラビア印刷、ディッピング、スピンコートなどの方法を
用いることができる。
<硬化方法および硬化物>
本発明の導電性樹脂組成物を硬化させることで得られる硬化物も発明の一態様である。ま
た、本発明の導電性樹脂組成物は、熱に弱いプラスチック部材が用いられる用途で使用のため低温での硬化が可能である。硬化温度条件は、特に限定されないが、加熱硬化として低温である、25~100℃が好ましく、より好ましくは50~90℃であり、最も好ましくは70~80℃である。。硬化時間は特に限定されないが、10~180分が好ましく、より好ましくは20~120分であり、最も好ましくは30~90分である。
<用途>
本発明の導電性樹脂組成物は、低温での硬化が可能であるため、熱に弱いプラスチック等を使用している部材に使用できる。具体的には液晶画像表示素子、有機EL素子、太陽電池素子、カメラモジュール、フレキシブルプリント基板、ウェアラブル、電池パックなどが挙げられる。
また、本発明の導電性樹脂組成物は、最表面がニッケルである被着体に使用する事が好ましい。上記構成を有する本発明の導電性樹脂組成物では、明確な理由は分かっていないが、最表面が酸化皮膜を形成するニッケルである被着体であっても、接続抵抗値を低くすると共に、保存安定性に優れており、更に優れた取扱性を奏することができるためである。ここで、最表面がニッケルである被着体としては、特に制限されるものではなく、主にニッケルメッキを施したものであり、例えば、SPCC(冷延鋼板)、ステンレス、銅製の部材に対して、電解メッキや無電解メッキを施したもの(電線、プリント回路(基)板等)が挙げられる。
次に実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。また、特に指定がない限り、試験は25℃,55%RHの環境下で実施した。
[実施例1~3および比較例1~6]
導電性樹脂組成物を調製するために下記成分を準備した。以下、導電性樹脂組成物を単に組成物とも呼ぶ。
(A)成分:エポキシ樹脂
・エピクロンEXA-835LV(ビスフェノールA型エポキシ樹脂とビスフェノールF型エポキシ樹脂の混合物 質量比50:50 DIC株式会社製)
・CARDURA E10P(ネオデカン酸グリシジルエステル MOMENTIVE社製)
(B)成分:エポキシ潜在性硬化剤
・フジキュアーFXR-1081(変性脂肪族ポリアミン系潜在性硬化剤 平均粒径:5μm 軟化点:120℃ 株式会社T&K TOKA製)
(C)導電性粒子
・M27(プレート状銀粒子 ステアリン酸表面処理 平均粒径:4.5μm トクセン工業株式会社製)
・シルベストTC-770(フレーク状銀粒子 ステアリン酸表面処理 平均粒径:3.5μm 株式会社徳力本店製)
(D)成分:ホウ酸トリオクチル
・ホウ酸トリ-n-オクチル
(D’)成分:その他ホウ酸エステル化合物
・ホウ酸トリプロピル
・ホウ酸トリブチル
・ホウ酸トリヘキシル
・ホウ酸トリデシル
(E)成分:保存安定剤
・キュアダクトL-07N(エポキシ樹脂とホウ酸エステル化合物の混合物 四国化成工業株式会社製)
任意成分
・ゼフィアックF-351G(ゴム粒子 ポリメタクリル酸エステル系コアシェル粒子 平均粒径:0.3μm アイカ工業株式会社製)
実施例1~3及び比較例1~6に係る組成物の製造方法は次の通りである。(A)成分、(B)成分、(C)成分、(D)成分(または(D’)成分)および任意成分を秤量して、プラネタリーミキサーにより30分撹拌した。次いで、(E)成分を秤量して添加した後、プラネタリーミキサーを用いてさらに30分真空脱泡しながら撹拌し、導電性樹脂組成物を得た。得られた導電性樹脂組成物は、いずれも25℃で液状であった。詳細な調製量は表1に従い、数値は全て質量部で表記する。
<導電性測定>
幅10mmで厚さ100μmのマスキングテープに、長さ方向に沿って10mm間隔で直径5mm×5個の穴を開けた。幅25mm×長さ100mm×厚さ1.6mmの無電解ニッケルメッキ板に当該マスキングテープを貼り付けて、組成物をスキージした。スキージする際、組成物には泡が混入しないように注意する。次に、マスキングテープを剥がして、組成物上に2φ×1mmの金メッキされた銅チップを乗せてテストピースを作成した。その後、熱風乾燥炉により70℃または80℃×60分加熱して組成物を硬化させた。テストピースはそれぞれの温度、時間にて作成した。テストピースの温度が室温まで下がった後、隣同士の硬化物上にある金メッキチップにデュアルディスプレイマルチメータの針状電極を触れさせて抵抗を測定する。これにより硬化物自体の抵抗値(体積抵抗率)と、導電性ペーストと金メッキチップおよび無電解ニッケルメッキ板との間に生じる抵抗(接続抵抗値)を測定し、「導電性(Ω)」とした。導電性は70℃硬化の場合は0.1Ω以下が好ましく、80℃硬化の場合は0.5Ω以下であることが好ましい。試験結果の「絶縁」はデュアルディスプレイマルチメータの測定上限を超える抵抗であったことを示し、「未硬化」は組成物が硬化しなかったため測定出来なかったことを示す。「-」は70℃での硬化ができなかったため、80℃での試験を行わなかったことを示す。
<接着力測定>
厚さ1.6mm×幅25mm×長さ100mmの無電解ニッケルメッキ板上に、幅5mm×厚さ50μmになる様にマスキングテープを貼り付け、組成物をスキージして均一な塗膜を形成した後、マスキングテープを剥がした。塗膜上に2φ×1mmのセラミック製チップを塗膜から1cm上から垂直に落下させてテストピースを作成した(n=5)。当該テストピースを熱風乾燥炉により70℃×60分加熱して組成物を硬化させた。テストピースの温度が室温まで下がった後、ニッケルメッキ板を固定した状態で、接触子付きのデジタルフォースゲージを50mm/分で移動させて、テストピースの長辺に対して垂直方向に接触子でチップを押して「最大強度(N)」を測定した。接着面積から換算して、「接着力(MPa)」を計算し、下記の評価基準から判断を行う。被着体が脱落しないためには、12MPa以上であることが好ましい。試験結果の「未硬化」は組成物が硬化しなかったため測定出来なかったことを示す。
実施例1~3はそれぞれ(A)~(D)成分を含む組成物であり、(D)成分の含有量が異なる組成物であるが、いずれも70℃硬化での導電性、80℃硬化での導電性、接着力に優れていることが確認された。一方で比較例1は(D)成分を含まない組成物であるが、80℃硬化での導電性が劣ることが確認された。比較例2、3は(D)成分をそれぞれ(D’)成分であるホウ酸トリプロピルとホウ酸トリブチルに置き換えたものであるが、いずれも70℃硬化での導電性が高く、接着力も劣っていることが確認された。比較例4は(D)成分を(D’)成分であるホウ酸トリヘキシルに置き換えた組成物であるが、接着力に劣る結果となった。比較例5は(D)成分を(D’)成分であるホウ酸トリデシルに置き換えたものであるが、70℃で硬化しなかった。比較例6は(D)成分を含有せず、(E)成分である保存安定剤を増量したものであるが、70℃で硬化しなかった。
本発明の導電性ペーストは、導通性と接着力に優れるため、近年の小型化された電気・電子部品向けの導通・接着用途に有用であり、特にニッケルなどの導通性が悪くなりやすい金属に対する抵抗値を低くすることができる。これらの特性から、本発明は様々な電気・電子部品などの組み立てに使用することができ、広い用途に展開される可能性がある。

Claims (11)

  1. 下記の(A)~(D)成分を含む、導電性樹脂組成物。
    (A)成分:エポキシ樹脂
    (B)成分:エポキシ潜在性硬化剤
    (C)成分:導電性粒子
    (D)成分:ホウ酸トリオクチル
  2. (A)成分が、ビスフェノール型エポキシ樹脂を含む、請求項1に記載の導電性樹脂組成物。
  3. (A)成分が、ビスフェノールA型エポキシ樹脂とビスフェノールF型エポキシ樹脂を含み、ビスフェノールA型エポキシ樹脂とビスフェノールF型エポキシ樹脂の質量比が25:75~75~25である、請求項1に記載の導電性樹脂組成物。
  4. (C)成分が形状の異なる2種以上の導電性粒子を含むことを特徴とする、請求項1に記載の導電性樹脂組成物。
  5. (C)成分がプレート状導電粒子を含む、請求項1に記載の導電性樹脂組成物。
  6. (C)成分がプレート状導電粒子とフレーク状導電粒子を含む、請求項1に記載の導電性樹脂組成物。
  7. さらに(E)成分の保存安定剤として(D)成分を除くホウ酸エステル類を含む、請求項1に記載の導電性樹脂組成物。
  8. (D)成分が(A)成分100質量部に対して0.1~10質量部である、請求項1に記載の導電性樹脂組成物。
  9. さらにゴム粒子を含む、請求項1に記載の導電性樹脂組成物。
  10. 最表面がニッケルである被着体に使用する事を特徴とする、請求項1に記載の導電性樹脂組成物。
  11. 請求項1に記載の導電性樹脂組成物を硬化させた硬化物。
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