JP2024100355A - モータ制御装置 - Google Patents

モータ制御装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2024100355A
JP2024100355A JP2023004302A JP2023004302A JP2024100355A JP 2024100355 A JP2024100355 A JP 2024100355A JP 2023004302 A JP2023004302 A JP 2023004302A JP 2023004302 A JP2023004302 A JP 2023004302A JP 2024100355 A JP2024100355 A JP 2024100355A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
carrier wave
carrier
current
voltage command
pwm signal
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2023004302A
Other languages
English (en)
Inventor
陽介 中山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Honda Motor Co Ltd
Original Assignee
Honda Motor Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Honda Motor Co Ltd filed Critical Honda Motor Co Ltd
Priority to JP2023004302A priority Critical patent/JP2024100355A/ja
Publication of JP2024100355A publication Critical patent/JP2024100355A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Control Of Ac Motors In General (AREA)

Abstract

【課題】電圧指令値のサンプル点間の電流挙動を管理し、電流追従性を向上させることが可能なモータ制御装置を提供する。【解決手段】モータ制御装置1は、電流指令値に基づき電圧指令値を生成する電圧指令演算部2と、波形が異なる複数の搬送波を生成する搬送波生成部4と、複数の搬送波の中からPWM信号の生成に用いる搬送波を選択する搬送波選択部(電流推定部5、搬送波決定部10)と、所定のサンプリング周期で複数相の電圧指令値及び選択された搬送波を取得し、それらに基づきPWM信号を生成するPWM信号生成部6と、生成されたPWM信号に基づきモータ8を駆動するインバータ7と、を備え、搬送波選択部は、複数の搬送波ごとに、サンプル点間における電流指令値及び実電流の推定値を算出し、算出された電流指令値と実電流の推定値との誤差を算出し、複数の搬送波の中から誤差が最も小さい搬送波を選択することを特徴とする。【選択図】図4

Description

本発明は、PWM信号を用いたモータ制御装置に関し、特に電圧指令のサンプリングを行うサンプル点間の電流挙動を管理できるモータ制御装置に関する。
近年、低炭素社会又は脱炭素社会の実現に向けた取り組みが活発化し、車両においてもCO排出量の削減やエネルギー効率の改善のために、電動化技術に関する研究開発が行われている。
電動車両やハイブリッド車両の動力源として多く用いられる三相交流モータは、PWM(Pulse Width Modulation:パルス幅変調)制御による三相電圧型インバータを用いて駆動されることが多い。PWMとは、パルス波のデューティ比を変化させて変調を行う変調方法であり、PWM制御を実現する代表的な手法の一つとして、三角波比較方式がある。三角波比較方式では、所望の波形を有する変調波と、三角波の搬送波の高低を比較し、変調波の方が高ければオン、低ければオフとなるような矩形波のスイッチング制御信号を生成する。
一般に、搬送波の周波数(以下、「キャリア周波数」ともいう。)は、それにより生じるノイズや騒音を考慮した上で、用いられる機器の用途等に応じて適宜選択されるが、制御の応答性の向上を目的として、制御中に複数の異なるキャリア周波数を切り替えて用いる技術が開発されている。例えば特許文献1では、電力変換部と、PWM制御部と、周波数変更部とを備え、制御対象に対する制御偏差を算出し、制御偏差の積分値に基づきキャリア周波数を決定する電力変換装置を開示している。
特開2016-119822号公報
特許文献1の技術では、制御の応答性を向上させるために搬送波の周波数を適宜切り替える一方で、搬送波の波形(以下、「キャリア波形」ともいう。)としては、立ち上がりと立ち下がりの時間が等しい左右対称な三角波のみが用いられている。
一般的なPWM制御においては、所定のサンプリング周期で電圧指令値をサンプリングし、サンプル点(サンプリングを行った時点)における値を次のサンプル点まで保持するゼロ次ホールド処理を行った電圧指令値を搬送波と比較することで、パルス波形を生成する。このとき、サンプル点間のデューティ比が等しいならば、搬送波がどのような波形であっても、そのサンプル点間に出力される電圧は等しいものとなる。一方で、搬送波の波形が変わると、スイッチ切替えのタイミングが変化することにより、出力される電流の波形が変化する。
図1は、異なるキャリア波形ごとのPWMのスイッチングパターンと、それによる応答電流の波形を模式的に表す図である。同図において、デューティ比は等しいが波形が異なるパターン1~6までの搬送波を例示している。例えばパターン1は、右下がりの鋸波であり、サンプリング周期の最初期と中間点で比較的短時間のスイッチオフが行われるため、実電流はサンプリング周期の最初期と中間点で比較的小さく振動するような波形を示す。また、例えばパターン3は、上に凸な三角波であり、サンプリング周期の中間点で比較的長時間のスイッチオフが行われるため、実電流はサンプリング周期の中間点で比較的大きく振動するような波形を示す。
図2は、三角波の搬送波における立ち上がり/立ち下がり時間の変化と、それによる応答電流の変化を模式的に表す図である。同図に示すように、同じ三角波であっても、波形の中心をずらすことで、スイッチングパターンが変わってパルス電圧が変化し、サンプル点間の応答電流の波形が変化する。
このように、キャリア波形は、サンプル点間の電流挙動に影響を与える。例えばモータはロータの位相によって異なる特性を示すため、PWM信号を用いてモータを駆動する場合、モータの特性に応じて電流の振動タイミングを意図的に変化させることで、制御の応答性の向上や損失の低減に役立つ可能性がある。例えば、モータの特性としてインダクタンスが大きくなるタイミング(位相)に電流の振動タイミングを合わせることで、電流脈動を小さくしてトルクリプルを低減し得る。また、反対に、モータのインダクタンスが小さくなるタイミング(位相)に電流の振動タイミングを合わせることで、電流の変化をより大きくして電流応答を向上させ得る。
したがって、動作条件に応じて最適なキャリア波形を選択して使用することが可能なモータ制御装置が要望されている。
本発明は、このような課題を解決するためになされたものであり、電圧指令値のサンプル点間の電流挙動を管理し、サンプル点間の電流追従性を向上させることが可能なモータ制御装置を提供することを目的とする。そして、延いてはエネルギーの効率の改善に寄与するものである。
この目的を達成するために、本発明の請求項1に係るモータ制御装置は、外部装置からの電流指令値(実施形態における(以下、本項において同じ)三相電流値i* uvw)に基づき複数相の電圧指令値(三相電圧指令値v uvw)を生成する電圧指令演算部2と、波形が異なる複数の搬送波Cを生成する搬送波生成部4と、複数の搬送波Cの中からPWM信号の生成に用いる搬送波(最適搬送波C)を選択する搬送波選択部(電流推定部5、搬送波決定部10)と、所定のサンプリング周期で複数相の電圧指令値及び選択された搬送波を取得し、取得した電圧指令値及び搬送波に基づきPWM信号を生成するPWM信号生成部6と、生成されたPWM信号に基づきモータ8を駆動するインバータ7と、を備え、搬送波選択部は、複数の搬送波Cごとに、PWM信号生成部が複数相の電圧指令値及び選択された搬送波を取得するサンプル点間における電流指令値(dq軸電流指令値i dq(k|#0~#n))、及びサンプル点間における実電流の推定値(dq軸電流推定値i^dq(k|#0~#n))を算出するとともに、算出された電流指令値と実電流の推定値との誤差(誤差積分値S)を算出し、複数の搬送波の中から誤差が最も小さい搬送波を選択することを特徴とする。
このモータ制御装置では、複数の搬送波ごとに、PWM信号生成部による電圧指令値のサンプル点間、すなわちサンプリングを行う時点と時点の間の電流指令値及び実電流の推定値を算出し、これらの電流指令値と実電流推定値の間の誤差を算出する。そして、複数の搬送波の中から、誤差が最も小さくなる搬送波、すなわち電流指令値に対する追従性が最も高い搬送波を選択する。選択された搬送波は、PWM信号生成部によって取得され、PWM信号の生成に用いられる。このようにして、本発明のモータ制御装置によれば、動作条件に応じて搬送波の波形を切り替えることで、電圧指令値のサンプル点間の電流挙動を管理し、サンプル点間の電流追従性を向上させることができる。
本発明の請求項2に係る発明は、請求項1に記載のモータ制御装置において、搬送波選択部は、複数の搬送波ごとに、サンプル点間毎の電流指令値、及びサンプル点間毎の実電流の推定値を算出し、算出された電流指令値と実電流の推定値との誤差を算出することにより、サンプル点間毎に、複数の搬送波の中から誤差が最も小さい搬送波を選択することを特徴とする。
この構成によれば、複数の搬送波ごとに、PWM信号生成部による電圧指令値のサンプル点間毎の電流指令値及び実電流の推定値を算出し、これらの電流指令値と実電流推定値の間の誤差を算出する。そして、サンプル点間毎に、複数の搬送波の中から誤差が最も小さくなる搬送波、すなわち電流指令値に対する追従性が最も高い搬送波を選択する。したがって、サンプル点間毎に搬送波の波形を切り替えることができ、サンプル点間毎の電流挙動を管理し、サンプル点間毎の電流追従性を向上させることができる。
本発明の請求項3に係る発明は、請求項1に記載のモータ制御装置において、複数の搬送波には、波形の異なる複数の三角波及び鋸波が含まれることを特徴とする。
この構成によれば、波形の異なる複数の三角波及び鋸波を含む搬送波を生成し、それらの様々な搬送波の中から電流指令値に対する追従性が最も高い搬送波を選択することができるので、電圧指令値のサンプル点間の電流追従性をより向上させることができる。
本発明の請求項4に係る発明は、請求項1に記載のモータ制御装置において、搬送波生成部は、キャリア周波数が異なる複数の搬送波を更に生成し、搬送波選択部は、波形及びキャリア周波数が異なる複数の搬送波の中から、誤差が最も小さい搬送波を選択することを特徴とする。
この構成によれば、波形のみならず、キャリア周波数も異なる様々な搬送波の中から電流指令値に対する追従性が最も高い搬送波を選択することができるので、電圧指令値のサンプル点間の電流追従性をより向上させることができる。
本発明の請求項5に係るモータ制御方法は、外部装置からの電流指令値に基づき複数相の電圧指令値を生成する電圧指令生成工程と、波形が異なる複数の搬送波を生成する搬送波生成工程と、複数の搬送波の中からPWM信号の生成に用いる搬送波を選択する搬送波選択工程と、所定のサンプリング周期で複数相の電圧指令値及び選択された搬送波を取得し、取得した電圧指令値及び搬送波に基づきPWM信号を生成するPWM信号生成工程と、生成されたPWM信号に基づきモータを駆動するモータ駆動工程と、を含み、搬送波選択工程は、複数の搬送波ごとに、PWM信号生成工程において複数相の電圧指令値及び選択された搬送波が取得されるサンプル点間における電流指令値、及びサンプル点間における実電流の推定値を算出する算出工程と、算出された電流指令値と実電流の推定値との誤差を算出し、複数の搬送波の中から誤差が最も小さい搬送波を選択する選択工程と、を含むことを特徴とする。
このモータ制御方法では、複数の搬送波ごとに、PWM信号生成工程における電圧指令値のサンプル点間の電流指令値及び実電流の推定値を算出し、これらの電流指令値と実電流推定値の間の誤差を算出する。そして、複数の搬送波の中から、誤差が最も小さい搬送波、すなわち電流指令値に対する追従性が最も高い搬送波を選択する。したがって、本発明のモータ制御方法によれば、動作条件に応じて搬送波の波形を切り替えることで、電圧指令値のサンプル点間の電流挙動を管理し、サンプル点間の電流追従性を向上させることができる。
種々のキャリア波形ごとのPWMのスイッチングパターンと、それによる応答電流の波形を模式的に表す図である。 三角波の搬送波の立ち上がり/立ち下がり時間の変化と、それによる応答電流の変化を模式的に表す図である。 本発明の一実施形態に係るモータ制御装置の構成例を示すブロック図である。 搬送波生成選択部の詳細な構成例を示すブロック図である。 電流推定部の構成例を示すブロック図である。 搬送波選択処理を示すフローチャートである。 デューティ指令値と参照搬送波を用いたパルス電圧の生成とスイッチングタイミングを示す図であり、(a)は上凸の三角波におけるスイッチングタイミングの例、(b)は下凸の三角波におけるスイッチングタイミングの例を示す図である。 UVW各相のスイッチングタイミングの時系列化を説明するための図である。 各時刻における三相電流指令値の例を示す図である。 サンプル点間のdq軸電流の推定を説明するための図である。 サンプル点間のdq軸電流指令値とdq軸電流推定値の間の誤差の算出を説明するための図である。 サンプル点間のdq軸電流指令値とdq軸電流推定値の間の誤差の算出を説明するための図である。
以下、図面を参照しながら、本発明のモータ制御装置の好ましい実施形態を詳細に説明する。以下に説明する構成は本発明の一例であり、本発明はこれに限定されない。
図3は、本実施形態に係るモータ制御装置1の構成例を示す。このモータ制御装置1は、三相電流指令値に基づき三相PWM指令値を生成し、この三相PWM指令値により、インバータ7を介して三相(U相、V相、W相)の交流モータ8の駆動を制御するものである。
電圧指令演算部2は、外部装置から受け取った電流指令値と、モータ8からフィードバックされる三相電流値から、周知の手法によって各相の三相電圧指令値v uvwを演算する。
搬送波生成選択部3は、搬送波生成部4及び電流推定部5を含み、後述するように、複数の波形の異なる搬送波の中から、電流指令値と実電流の推定値との誤差が最も小さくなる搬送波を最適搬送波Cとして選択する。
PWM信号生成部6は、電圧指令演算部2からの三相電圧指令値v uvwと、搬送波生成選択部3からの最適搬送波Cとに基づき、モータ8を駆動するための三相PWM指令値を生成する。三相PWM指令値とは、U相、V相、W相の各相におけるパルス信号である。
より具体的には、PWM信号生成部6は、所定のサンプリング周期で三相電圧指令値v uvwを取得し、ゼロ次ホールド処理により、サンプル点(サンプリングを行った時点)における三相電圧指令値v uvwを次のサンプル点までの値として保持する。すなわち、三相電圧指令値v uvwは、サンプル点間(サンプル点とサンプル点の間)において一定な値として取り扱われる。
PWM信号生成部6は、サンプル点間における一定の値として取得した三相電圧指令値v uvwと、搬送波生成選択部3から取得した最適搬送波Cの高低を比較する。そして、三相電圧指令値v uvwが0以上である場合は、三相電圧指令値v uvwが最適搬送波Cと同じかより高ければオン(ハイレベル信号)、三相電圧指令値v uvwが最適搬送波Cよりも低ければオフ(ローレベル信号)となる矩形波のスイッチング信号を、三相PWM指令値として出力する。また、三相電圧指令値v uvwが0よりも小さい場合は、三相電圧指令値v uvwが最適搬送波Cよりも高ければオン(ハイレベル信号)、三相電圧指令値v uvwが最適搬送波Cと同じかより低ければオフ(ローレベル信号)となる矩形波のスイッチング信号を、三相PWM指令値として出力する。
インバータ7は、PWM信号生成部6からの三相PWM指令値を、三相PWM電圧に変換してモータ8を駆動する。
上述のように、モータ制御装置1は、電圧指令演算部2と、搬送波生成選択部3と、PWM信号生成部6と、を備える。これらの構成要素は、例えばCPU(Central Processing Unit)がプログラム(ソフトウェア)を実行することにより実現される。これらの構成要素のうちの一部又は全部は、回路を含むハードウェアによって実現されてもよいし、ソフトウェアとハードウェアの協働によって実現されてもよい。プログラムは、予めフラッシュメモリ等の記憶装置に格納されていてもよいし、着脱可能な記憶媒体に格納され、適時インストールされてもよく、あるいはクラウド上に保存されたものをインターネット等を介して供給されてもよい。
次に、搬送波生成選択部3の構成について詳しく説明する。図4は、搬送波生成選択部3の詳細な構成例を示す。搬送波生成選択部3は、搬送波生成部4と、複数の電流推定部5と、搬送波決定部10と、を含む。
搬送波生成部4は、波形が異なる複数の搬送波C~Cを生成可能な発振器である。複数の搬送波としては、例えば波形が異なる複数の三角波や鋸波を含む。また、三角波は、立ち上がり時間と立ち下がり時間が等しい左右対称な三角波のみならず、立ち上がり時間と立ち下がり時間が不均一な左右非対称の三角波を含むことができる。
複数の電流推定部5の各々は、搬送波生成部4が生成した複数の搬送波C~Cのうちの1つに対応し、当該搬送波を用いた場合に、上述した三相電圧指令値v uvwのサンプル点間に流れる電流値を推定する。各電流推定部5によるサンプル点間電流値の推定は、外部装置からの三相電流指令値i uvw、電圧指令演算部2からの三相電圧指令値v uvw、搬送波生成部4からの参照搬送波C、モータ8からフィードバックされる三相電流値iuvw、モータ8に設けられた回転子位置センサ9から得られる回転子位相θre、回転子位相を微分器Dに通すことで得られる回転子角周波数ωreを用いて行われる。これらの具体的な処理については後述する。
搬送波決定部10は、複数の電流推定部5の各々から後述する誤差積分値Sを取得し、最も小さな誤差積分値Sを特定するとともに、当該誤差積分値Sの算出に用いられた参照搬送波Cを、最適搬送波CとしてPWM信号生成部6に出力する。
図5は、電流推定部5の詳細な構成例を示す。同図に示すように、電流推定部5は、三相電圧指令値v uvwと参照搬送波Cを比較して各相のスイッチングタイミングtuvw 0~endを取得するスイッチングタイミング取得部51と、各相のスイッチングタイミングtuvw 0~endを時系列化し、時系列に沿った時系列三相スイッチング電圧指令値v uvw(k|#0~#n)及び時系列三相電流指令値i uvw(k|#0~#n)を取得する時系列化部52と、時系列三相スイッチング電圧指令値v uvw(k|#0~#n)、時系列三相電流指令値i uvw(k|#0~#n)、及び三相実電流iuvwをdq座標系に座標変換し、dq軸電圧指令値v dq(k|#0~#n)、dq軸電流指令値i dq(k|#0~#n)、及びサンプル点dq軸電流値idq(k|#0)を取得する座標変換部53と、dq軸電圧指令値v dq(k|#0~#n)とサンプル点dq軸電流値idq(k|#0)に基づきサンプル点間のdq軸電流推定値i^dq(k|#0~#n)を算出するサンプル点間電流推定部54と、dq軸電流指令値i dq(k|#0~#n)とdq軸電流推定値i^dq(k|#0~#n)の間の誤差積分値Sを算出する誤差積分部55と、を有する。上記各部51~55及び搬送波決定部10を用いた搬送波選択処理について、以下に詳しく説明する。
図6は、上述した搬送波生成選択部3による搬送波選択処理を示すフローチャートである。本処理は、PWM信号生成部6による電圧指令値のサンプリング周期に同期して実行される。
本処理では、まずステップ601(「S601」と図示。以下同じ)において、スイッチングタイミング取得部51により、各相のスイッチングタイミングが取得される。ここでは、まず、電圧指令演算部2から三相電圧指令値v uvwを取得する。ここで、三相電圧指令値v uvwは、インバータ7の入力側の電圧であるインバータ一次電圧VDCを用いて、以下の式(1)のようにリミット処理されているものとする。
さらに、リミット処理後の三相電圧指令値を、以下の式(2)によりデューティ指令値に変換する。
こうして求めたデューティ指令値dutyと参照搬送波Cを比較することで、スイッチング電圧SWを生成する。なお、本実施形態では、参照搬送波Cの1周期につき1回サンプリングを行い、サンプル点間のデューティ値dutyはゼロ次ホールドで補間するものとする。
その後、各スイッチングタイミングt、t、t、tip、tendを取得する。ここで、t:サンプル点、t:デューティ指令値dutyと参照搬送波Cが1番目に交わる時刻、t:デューティ指令値dutyと参照搬送波Cが2番目に交わる時刻、tip:参照搬送波Cの変曲点の時刻、tend:参照搬送波Cの周期、である。また、併せてスイッチングタイミングt、t、t、tend間のスイッチング電圧SWt0~t1、SWt1~t2、SWt2~tendも取得する。なお、tipとtendは、参照搬送波Cを設定する際に予め決定される変数であるため既知である。
図7は、デューティ指令値dutyと参照搬送波Cを用いたスイッチング電圧SWの生成と各スイッチングタイミングを示す図である。同図(a)は、参照搬送波Cが上凸の三角波の場合のスイッチング電圧SWと各スイッチングタイミングを示し、同図(b)は、参照搬送波Cが下凸の三角波の場合のスイッチング電圧SWと各スイッチングタイミングを示す。図7より、t1、t2、及び各スイッチングタイミング間のスイッチング電圧は、表1のように求められる。
以上により、ステップ601では、上述の処理をU相、V相、W相の三相分行うことで、スイッチングタイミング取得部51が各相におけるスイッチングタイミングtuvw 、tuvw 、tuvw 、tuvw ip、tuvw end及びスイッチング電圧SWuvw t0~t1、SWuvw t1~t2、SWuvw t2~tendを出力する。
次に、ステップ602では、時系列化部52により、外部装置からの三相電流指令値i uvw及びスイッチング電圧SWを、各相のスイッチングタイミングtuvw 、tuvw 、tuvw 、tuvw ip、tuvw endを用い、各相を通した時系列t#0~t#nに沿った時系列データに変換する。ここで、t#n:tuvw ~tuvw endを小さい順に並べた際のn番目の時刻、である。図7のスイッチングパターンを例とすると、t#0~t#nは以下の式(3)のように導出することができる。
また、スイッチング間隔Δt#n-1,nは、以下の式(4)のように求められる。
図8は、スイッチングタイミングの時系列化を図で表したものである。ステップ603では、ステップ601で出力された各相のスイッチング電圧SWuvw t0~t1、SWuvw t1~t2、SWuvw t2~tendを時刻t#0~t#nと紐づけることにより、サンプル点kによる時刻t#0~t#nにおける時系列スイッチング電圧v uvw(k|#0~#n)を取得する。
ステップ603で時刻t#0~t#nにおけるスイッチング電圧v uvw(k|#0)~v uvw(k|#n)を取得した後、続くステップ604では、予め作成された、引数に電流位相角を含む三相電流指令マップを参照することにより、サンプル点kによる時刻t#0~t#nにおける時系列三相電流指令値i uvw(k|#0~#n)を取得する。図9は、取得された各時刻における時系列三相電流指令値i uvw(k|#0~#n)の例を示す図である。
以上のようにして、ステップ602~604により、時系列化部52が時刻t#0~t#n、スイッチング間隔Δt#01~Δt#n-1,n、時系列スイッチング電圧v uvw(k|#0~#n)、時系列三相電流指令値i uvw(k|#0~#n)を出力する。
次に、ステップ605では、座標変換部53により、ステップ603で取得した、uvw座標系で表現されている時系列スイッチング電圧v uvw(k|#0~#n)を、以下の式(5)を用いてαβ座標系に座標変換した後、以下の式(6)を用いてdq座標系に座標変換する。ここで、uvw座標とは、モータ8の固定子巻線が指向する座標であり、固定座標である。また、αβ座標とは、uvw座標を2軸で表現した固定座標である。また、dq座標とは、モータ8の回転子の電気角周波数でuvw座標及びαβ座標上を回転する回転座標である。なお、θre:モータ8の回転子位相、ωre:モータ8の回転子電気角周波数、である。
また、ステップ604で取得した、uvw座標系で表現されている時系列三相電流指令値i uvw(k|#0~#n)を、以下の式(7)を用いてαβ座標系に座標変換した後、以下の式(8)を用いてdq座標系に座標変換する。
また、モータ8からフィードバックされるuvw座標系の三相電流値について、サンプル点(#0のタイミング)のみの値を、以下の式(9)を用いてαβ座標系に座標変換した後、以下の式(10)を用いてdq座標系に座標変換する。他のスイッチングタイミング(#1~#nのタイミング)の値については、次のステップ606において推定する。
以上により、ステップ605では、座標変換部53がdq軸電圧指令値v dq(k|#0~#n)、dq軸電流指令値i dq(k|#0~#n)、及びサンプル点dq軸電流値idq(k|#0)を出力する。
次に、ステップ606では、サンプル点間電流推定部54が、ステップ605の座標変換により得られたdq軸電圧指令値v dq(k|#0~#n)、及びサンプル点dq軸電流値idq(k|#0)に基づき、以下の式(11)、式(12)を用いて各スイッチングタイミングにおけるdq軸電流i^dq(k|#0~#n)を推定する。図10は、サンプル点間のdq軸電流の推定を図で表したものである。
ここで、Δid#n―1,n及びΔiq#n―1,nは、dq軸電圧指令値v dq(k|#n)、巻線抵抗R、d軸インダクタンスLd、q軸インダクタンスLq、誘起電圧定数ψを用い、それぞれ以下の式(13)、式(14)のように求める。
以上により、ステップ606では、サンプル点間電流推定部54がサンプル点間の各スイッチングタイミングにおけるdq軸電流推定値i^dq(k|#0~#n)を出力する。
次に、ステップ607では、誤差積分部55が、ステップ605で得られたdq軸電流指令値i dq(k|#0~#n)及びステップ606で得られた各スイッチングタイミングにおけるdq軸電流推定値i^dq(k|#0~#n)の間の誤差積分値Sを算出し、サンプル点間の電流追従性を求める。
誤差積分値の算出に当たっては、隣接するスイッチングタイミング間の電流指令値及び電流推定値の大小関係により、積分計算の仕方を表2のとおりに条件分けする。
図11は、表2の条件1及び条件2の場合に求めるべき誤差積分値Sを面積で図示したものである。この場合、誤差積分値Sは、以下の式(15)により求められる。
ここで、式(15)において、Δtは、重みwを用いて以下の式(A)のように求める。
Δt=w{t(k|x+1)-t(k|x)} …(A)
なお、式(A)における重みwは、参照搬送波Cの1周期の長さによって決定する調節パラメータである。
また、図12は、表2の条件3及び条件4の場合に求めるべき誤差積分値Sを面積で図示したものである。この場合、誤差積分値Sは、以下の式(16)により求められる。式(15)と同様に、Δtは上述の式(A)により求められる。
以上により、ステップ607では、誤差積分部55が、誤差積分値Sをサンプル点間の電流追従性を表す指標として出力する。
最後に、ステップ608では、搬送波決定部10が、複数の電流推定部5の各々において算出された誤差積分値Sを取得し、最も小さな誤差積分値Sを特定する。そして、その最も小さな誤差積分値Sの算出に用いられた参照搬送波Cを、最適搬送波Cとして選択し、PWM信号生成部6に出力する。
すなわち、ステップ608では、搬送波決定部10が、複数の電流推定部5において算出された誤差積分値Sに基づき、以下の式(17)で表される評価関数Jを最小化する最適搬送波Cを選択して出力する。
以上のようにして、複数の電流推定部5と搬送波決定部10により、複数の搬送波の中から、最適搬送波C、すなわちサンプル点間の電流指令値と実電流の推定値の誤差を最小化する搬送波が選択される。すなわち、複数の電流推定部5と搬送波決定部10は協働することで搬送波選択部として機能する。
以上に説明したように、本実施形態のモータ制御装置1によれば、複数の搬送波Cを生成し、これらの複数の搬送波Cごとに、電圧指令値のサンプル点間、すなわちサンプリングを行う時点と時点の間のdq軸電流指令値i dq(k|#0~#n)及びdq軸電流推定値i^dq(k|#0~#n)を算出し、これらの指令値と推定値の間の誤差を算出する。そして、複数の搬送波Cの中から、誤差が最も小さくなる搬送波、すなわち電流指令値に対する追従性が最も高い搬送波を最適搬送波Cとして選択する。その後、最適搬送波CはPWM信号生成部6によって取得され、PWM信号の生成に用いられる。このようにして、本実施形態のモータ制御装置1によれば、動作条件に応じて搬送波の波形を切り替えることで、電圧指令値のサンプル点間の電流挙動を管理し、サンプル点間の電流追従性を向上させることができる。
また、本実施形態では、上述した最適搬送波Cの選択を、PWM信号生成部による電圧指令値のサンプル点間毎に行うので、サンプル点間毎の電流挙動を管理し、サンプル点間毎の電流追従性を向上させることができる。
また、本実施形態では、搬送波生成部4が生成する複数の搬送波Cに波形の異なる複数の三角波及び鋸波が含まれ、それらの様々な波形の搬送波の中から誤差積分値Sが最も小さくなる搬送波を選択するので、サンプル点間の電流追従性をより向上させることができる。
なお、本発明は、説明した実施形態に限定されることなく、種々の態様で実施することができる。例えば、実施形態では、搬送波生成部4が波形の異なる複数の搬送波を生成するように構成したが、別の実施形態では、搬送波生成部が波形に加えて周波数の異なる複数の搬送波を生成するように構成してもよい。そのような構成とした場合、波形のみならず、キャリア周波数も異なる様々な搬送波の中から電流指令値に対する追従性が最も高い搬送波を選択することができるので、電圧指令値のサンプル点間の電流追従性をさらに向上させることができる。
また、実施形態では、PWM信号生成部による電圧指令値のサンプリング周期と搬送波の周期が一致する(1サンプリング周期に1つの搬送波が用いられる)構成としたが、サンプリング周期よりも搬送波の周期を短く設定し、1サンプリング周期に複数周期の搬送波を用いる構成とすることも可能である。この場合、複数の搬送波周期毎に最適な搬送波を選択することで、サンプル点間の電流追従性をさらに向上させることができる。その他、本発明の趣旨の範囲内で、細部の構成を適宜、変更することが可能である。
1…モータ制御装置
2…電圧指令演算部
3…搬送波生成選択部
4…搬送波生成部
5…電流推定部(搬送波選択部)
6…PWM信号生成部
7…インバータ
8…モータ
9…回転子位置センサ
10…搬送波決定部(搬送波選択部)
C…最適搬送波
…参照搬送波
dq(k|#0~#n)…dq軸電流指令値
i^dq(k|#0~#n)…dq軸電流推定値
S…誤差積分値
uvw…三相電圧指令値

Claims (5)

  1. 外部装置からの電流指令値に基づき複数相の電圧指令値を生成する電圧指令演算部と、
    波形が異なる複数の搬送波を生成する搬送波生成部と、
    前記複数の搬送波の中からPWM信号の生成に用いる搬送波を選択する搬送波選択部と、
    所定のサンプリング周期で前記複数相の前記電圧指令値及び前記選択された搬送波を取得し、取得した前記電圧指令値及び前記搬送波に基づきPWM信号を生成するPWM信号生成部と、
    前記生成されたPWM信号に基づきモータを駆動するインバータと、を備え、
    前記搬送波選択部は、前記複数の搬送波ごとに、前記PWM信号生成部が前記複数相の電圧指令値及び前記選択された搬送波を取得するサンプル点間における前記電流指令値、及び前記サンプル点間における実電流の推定値を算出するとともに、前記算出された電流指令値と前記実電流の推定値との誤差を算出し、前記複数の搬送波の中から前記誤差が最も小さい搬送波を選択することを特徴とする、モータ制御装置。
  2. 前記搬送波選択部は、前記複数の搬送波ごとに、前記サンプル点間毎の前記電流指令値、及び前記サンプル点間毎の実電流の推定値を算出し、前記算出された電流指令値と前記実電流の推定値との誤差を算出することにより、前記サンプル点間毎に、前記複数の搬送波の中から前記誤差が最も小さい搬送波を選択することを特徴とする、請求項1に記載のモータ制御装置。
  3. 前記複数の搬送波には、波形の異なる複数の三角波及び鋸波が含まれることを特徴とする、請求項1に記載のモータ制御装置。
  4. 前記搬送波生成部は、キャリア周波数が異なる複数の搬送波を更に生成し、
    前記搬送波選択部は、波形及びキャリア周波数が異なる複数の搬送波の中から、前記誤差が最も小さい搬送波を選択することを特徴とする、請求項1に記載のモータ制御装置。
  5. 外部装置からの電流指令値に基づき複数相の電圧指令値を生成する電圧指令生成工程と、
    波形が異なる複数の搬送波を生成する搬送波生成工程と、
    前記複数の搬送波の中からPWM信号の生成に用いる搬送波を選択する搬送波選択工程と、
    所定のサンプリング周期で前記複数相の前記電圧指令値及び前記選択された搬送波を取得し、取得した前記電圧指令値及び前記搬送波に基づきPWM信号を生成するPWM信号生成工程と、
    前記生成されたPWM信号に基づきモータを駆動するモータ駆動工程と、を含み、
    前記搬送波選択工程は、前記複数の搬送波ごとに、前記PWM信号生成工程において前記複数相の電圧指令値及び前記選択された搬送波が取得されるサンプル点間における前記電流指令値、及び前記サンプル点間における実電流の推定値を算出する算出工程と、前記算出された電流指令値と前記実電流の推定値との誤差を算出し、前記複数の搬送波の中から前記誤差が最も小さい搬送波を選択する選択工程と、を含むことを特徴とする、モータ制御方法。
JP2023004302A 2023-01-16 2023-01-16 モータ制御装置 Pending JP2024100355A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2023004302A JP2024100355A (ja) 2023-01-16 2023-01-16 モータ制御装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2023004302A JP2024100355A (ja) 2023-01-16 2023-01-16 モータ制御装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2024100355A true JP2024100355A (ja) 2024-07-26

Family

ID=91958169

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2023004302A Pending JP2024100355A (ja) 2023-01-16 2023-01-16 モータ制御装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2024100355A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US8446117B2 (en) Methods, systems and apparatus for adjusting duty cycle of pulse width modulated (PWM) waveforms
Lim et al. FCS-MPC-based current control of a five-phase induction motor and its comparison with PI-PWM control
Kadjoudj et al. A robust hybrid current control for permanent-magnet synchronous motor drive
Inderka et al. High-dynamic direct average torque control for switched reluctance drives
US8278865B2 (en) Control device
US6023417A (en) Generalized discontinuous pulse width modulator
US7075267B1 (en) Space vector-based current controlled PWM inverter for motor drives
EP2704306B1 (en) Apparatus for controlling motor for electric vehicle and method for reducing torque ripple using the same
JP2002142500A (ja) モーター制御システム
Zidani et al. Direct torque control of induction motor with fuzzy minimization torque ripple
US8330405B2 (en) Method and apparatus for increased current stability in a PWM drive
US9595902B2 (en) Methods, systems and apparatus for adjusting modulation index to improve linearity of phase voltage commands
JPWO2018131093A1 (ja) モータ制御装置
Ji et al. Simplified three-vector-based model predictive thrust force control with cascaded optimization process for a double-side linear vernier permanent magnet motor
JP6536460B2 (ja) インバータ制御装置
Mehta et al. Predictive current control of mutually coupled switched reluctance motors using net flux method
JP2012095485A (ja) 回転電機制御システム
JP2017153249A (ja) インバータ制御装置
Sanila Direct Torque Control of induction motor with constant switching frequency
CN109104134B (zh) 交流旋转电机的控制装置
Jarzebowicz Impact of low switching-to-fundamental frequency ratio on predictive current control of PMSM: A simulation study
Riccio et al. A direct model predictive control strategy for high-performance synchronous reluctance motor drives
JP2010213485A (ja) 回転電機制御システム
JP5808210B2 (ja) モータ制御装置およびモータ制御方法
JP7189075B2 (ja) 電動機駆動制御装置および該方法ならびに電動機駆動制御システム