JP2024097109A - 家畜用飼料 - Google Patents

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Abstract

【課題】増体重に優れ、飼料効率が向上した家畜用飼料を提供する。
【解決手段】アブシジン酸および/またはその塩と、アルギニンとを含有することを特徴とする家畜用飼料添加組成物、家畜用飼料;該家畜用飼料を家畜に摂取させることを特徴とする、家畜の飼育方法、家畜の体重増加を改善する方法、および家畜における飼料効率を高める方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、家畜用飼料に関する。より詳しくは、本発明は、アブシジン酸(以下、「ABA」ともいう)および/またはその塩およびアルギニンを配合した家畜用飼料に関する。
家畜は、その生産物(乳、肉、卵、毛、皮、毛皮、労働力など)をヒトが利用するために馴致・飼育している動物であり、ヒトの飼育下で繁殖させた動物である。一方、近年では産業動物という言い方が普及しており、産業動物は産業等の利用に供するために、飼養し、または保管している哺乳類および鳥類に属する動物である。
家畜は、利用の目的によって農用動物、愛玩動物(ペット)および実験動物に大別することができるが、狭義の家畜としては農用動物のみをさすこともある。農用動物は、上記生産物を生産する用畜と、労働力を利用する役畜に分けられる。
家畜は、経口的に栄養素を補給するため、飼料で飼育される。飼料を与える動物の飼育目的や畜種などによって各種の飼料を混合する混合飼料や配合飼料の需要が大きく伸びている。主要な飼料としては、マイロ (コーリャン)、とうもろこし、えん麦、小麦、大麦、大豆かす、ごまかす、亜麻仁かす、綿実かす、落花生かす、魚粉、肉粉、血粉、魚かす、米ぬか、麩、デンプンかすなどが用いられている。
飼料には、飼料の品質の低下の防止、飼料の栄養成分その他の有効成分の補給、および飼料が含有している栄養成分の有効な利用の促進を目的として、飼料添加物が添加、混合、湿潤、その他の方法によって配合される。飼料の品質の低下の防止用の飼料添加物としては、抗酸化剤、防かび剤、粘結剤、乳化剤および調整剤が用いられている。飼料の栄養成分その他の有効成分の補給用の飼料添加物としては、ビタミン類、ミネラル類および色調強化剤(カロテノイド)が用いられている。飼料が含有している栄養成分の有効な利用の促進用の飼料添加物としては、合成抗菌剤、抗生物質、着香料、呈味料、酵素および有機酸が用いられている。
アブシジン酸は天然の植物ホルモンであり、植物中に広く存在し、生理活性や情報伝達を細胞間で行う物質である。
アブシジン酸は植物が乾燥や低温といった環境ストレスにさらされたときに細胞内で合成され、乾燥耐性や成長抑制、種子の休眠等において役割を果たしている。アブシジン酸を含む市販の製剤は、農業および園芸において、収穫時および植え付け時またはそれらの周辺でのストレス耐性を改善し、また成長速度を遅くし、開花期を調節する等、所謂、植物成長調整剤として用いられている。
アブシジン酸またはその塩またはエステルはまた、ビタミン欠乏症の治療(特許文献1)、糖尿病や免疫系疾患の治療(特許文献2)、神経変性疾患の治療(特許文献3)に用いられている。アブシジン酸およびその生合成前駆体であるキサントキシンは、ヒト苦味Gタンパク質共役受容体(Bitter Taste G-protein Coupled Receptor)のインヒビターであることが報告されている(非特許文献1)。アブシジン酸の代謝産物であるファゼイン酸(phaseic acid)は、虚血脳障害において神経防護作用を有する(neuroprotective)ことが示されている(非特許文献2)。
アブシジン酸を家畜や魚に使用した例としては、特許文献4~8が挙げられる。特許文献4には、アブシジン酸を有効成分として含有することを特徴とする飼料給与により、家畜および養魚の飼養効率、増体量および増肉量の改善、飼育期間の短縮、抗生物資投与量の削減または不使用が可能であることが記載されている。
特許文献5には、アブシジン酸、その塩、誘導体および類似体を含む組成物、および該組成物を用いた動物の子孫の出生後の体重増加を改善する方法が記載されている。
特許文献6には、アブシジン酸、その塩および誘導体を含む組成物、およびアブシジン酸、その塩および誘導体を家畜または魚に投与することを含む、飼料効率を高める方法が記載されている。
特許文献7には、アブシジン酸、その塩、誘導体および類似体を含む組成物、およびアブシジン酸を妊娠した動物に投与することを含む、動物の生殖の生産性を向上させる方法が記載されている。
特許文献8には、アブシジン酸、その塩および誘導体を含む組成物、およびアブシジン酸、その塩および誘導体をニワトリに投与することを含む、死亡率を減らす方法が記載されている。
米国特許3958025号 米国特許7741367号 米国特許7718699号 WO2012037561 米国特許9591867号 米国特許出願公開2015/0250209号 米国特許10238613号 米国特許出願公開2020/0030269号
Pydi, et al., Biochemistry, 2015, 54, 2622-2631 Hou, et al., The Journal of Biological Chemistry, 2016, 291, 27007-27022
上記のように、家畜用飼料には、飼料の品質の低下の防止等を目的として、各種飼料添加物が添加されている。効率よく家畜の体重を増加させ、家畜の生産性を高める飼料に対する需要が存在する。
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意研究した結果、アブシジン酸および/またはその塩とアルギニンとを配合した飼料が、少量で効率よく家畜の体重を増加させるのに有効であることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、アブシジン酸および/またはその塩と、アルギニンとを含有することを特徴とする、家畜用飼料添加組成物;アブシジン酸および/またはその塩と、アルギニンとを含有することを特徴とする、家畜用飼料;該家畜用飼料を家畜に摂取させることを特徴とする、家畜の飼育方法、家畜の体重増加を改善する方法、および家畜における飼料効率を高める方法に関する。
したがって、本発明は以下を含む。
[1]アブシジン酸および/またはその塩と、アルギニンを含有することを特徴とする、家畜用飼料添加組成物。
[2]アブシジン酸および/またはその塩と、アルギニンを含有することを特徴とする、家畜用飼料。
[3]アブシジン酸および/またはその塩を0.01~100ppm含有する、[2]に記載の家畜用飼料。
[4]アブシジン酸および/またはその塩を0.1~10ppm含有する、[2]に記載の家畜用飼料。
[5]アブシジン酸および/またはその塩とアルギニンとの重量比が、アブシジン酸および/またはその塩1に対してアルギニンが約 60~700000である、[2]ないし[4]のいずれかに記載の家畜用飼料。
[6]アブシジン酸および/またはその塩とアルギニンとの重量比が、アブシジン酸および/またはその塩1に対してアルギニンが約600~70000である、[5]に記載の家畜用飼料。
[7]哺乳類用である、[2]ないし[6]のいずれかに記載の家畜用飼料。
[8][2]ないし[7]のいずれかに記載の家畜用飼料を家畜に摂取させることを特徴とする、家畜の飼育方法。
[9][2]ないし[7]のいずれかに記載の家畜用飼料を家畜に摂取させることを特徴とする、家畜の体重増加を改善する方法。
[10][2]ないし[7]のいずれかに記載の家畜用飼料を家畜に摂取させることを特徴とする、家畜における飼料効率を高める方法。
本発明は、飼料にアブシジン酸および/またはその塩とアルギニンの両者を組合せて配合することにより、アブシジン酸および/またはその塩とアルギニンをそれぞれ単独で飼料に配合した場合に比べて、増体重、飼料効率において相乗的な効果を奏する。
本発明により、アブシジン酸および/またはその塩と、アルギニンを含有する飼料を用いて家畜を飼育することにより、家畜の体重増加が改善され、家畜における飼料効率を高めることができる。
(発明の詳細な説明)
本発明の家畜用飼料に配合する「アブシジン酸および/またはその塩」としては、アブシジン酸のエナンチオマーの1つである(S)-(+)-アブシジン酸(以下、「S-アブシジン酸」または「S-ABA」ともいう)および/またはその塩が好ましく、S-ABAが特に好ましい。S-アブシシン酸は以下の構造を有する。
Figure 2024097109000001
本発明において使用できるアブシジン酸塩の例としては、無機酸塩、例えば、アンモニウム塩、リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩およびマグネシウム塩;および有機酸塩、例えば、トリエタノールアミン塩、ジメタノールアミン塩およびエタノールアミン塩が挙げられる。本発明では、これら塩に限られず、他の塩を用いることもできる。本発明において好ましい塩はアンモニウム塩である。本発明において好ましい他の塩はナトリウム塩およびカリウム塩である。塩の製造は、アブシジン酸を十分な量の所望の塩基と接触させることにより、常法により行うことができる。この塩を適当な希釈酸溶液、例えば、希釈した硫酸、塩酸またはリン酸で処理することにより、遊離の酸を再生することができる。遊離の酸はそれぞれの塩の形態とはある種の物理特性、例えば、極性溶媒中での溶解度が異なるが、本発明においてはいずれも用いることができる。本発明において使用できるアブシジン酸塩は、薬学的に許容される塩である。
アブシジン酸自体の製造は特に限定されず、従来公知の方法を採用することができる。例えば、ボトリチス(Botrytis)菌による製造法(特公昭61-35838号公報)およびセルコスポラ・ロシコラ(Cercospora rosicola)による製造法[Experimenta33、1556(1977)、特開昭58-36393号公報、特開昭56-160996号公報]などが公知となっている。
ABAの製造に使用される菌は、ボトリチスやセルコスポラ属に属するアブシジン酸生産菌であれば特に限定されず、通常の変異菌や変異処理によって生じた菌をも含むものである。ボトリチス菌に属するアブシジン酸生産菌の菌株の具体例としてボトリチス・シネレア(Botrytis cinerea)FERM P-6156が挙げられる。このアブシジン酸生産能を有するボトリチス・シネレアの菌学的性質は、すでに特公昭61-35838号公報において検討されている。
アブシジン酸生産に使用される培養培地としては、固体や液体の培地が用いられる。この培地には、フスマ、小麦、米、カンショ、バレイショ、グルコース、麦芽糖、麦芽エキス、ショ糖、デキストリン、廃糖密、澱粉などの炭素源、脱脂大豆粉、大豆粉、グルテン、酵母エキス、ペプトン、肉エキス、コーンスティープリカーなどの窒素源が各々単独で、または二種以上混合して含有される。この他、たとえば、マグネシウム塩、カリウム塩、ナトリウム塩、リン酸塩などの無機物質、さらにビタミン類、油脂類、その他を添加することができる。
かくして得られる培養培地は常法により滅菌処理を実施し、実質的な無菌培地としたのち、菌を接種する。滅菌処理を行った培地にはボトリチス属に属するアブシジン酸生産菌株の胞子部分を含む滅菌水を用い、培地中に均一に胞子を分散させることにより種胞子を接種する方法が採用される。この場合胞子以外の菌糸体部分が混入してももちろんさしつかえない。種胞子を接種して培養することにより、より均一な培養を行うことができ、アブシジン酸を高濃度に高速度で蓄積せしめることができる。
培養条件は、培養温度が通常10~40℃、好ましくは20~30℃、培地のpHが通常3~12、好ましくは4~8、培養期間が通常1~30日間、好ましくは5~15日間程度であり、雑菌の混入を排除した培養系を用い培養する。さらに通気撹拌培養することが特に好ましい。静置培養においてもアブシジン酸は生成するが、通気撹拌培養によりその生成は顕著に促進される。
次に培養終了後、培地よりアブシジン酸を単離するには通常の方法を採用することができ、たとえば以下に述べる方法が用いられる。まず、培地から遠心分離により菌体を除きその上清液を活性炭に吸着させ、有機溶媒で溶出させる。この場合の溶出溶媒としてはたとえば、アセトン、メタノール、エタノールなどの溶媒が用いられる。溶出液中に移入したアブシジン酸は通常の分別抽出、吸着、分配、薄層クロマトグラフィー、蒸留などの一般的な精製法および通常の有機化合物の精製法を応用することによって培養後混合物から単離、精製が可能である。
本発明の家畜用飼料は、アブシジン酸および/またはその塩ととともにアルギニンを含有することを特徴とする。アブシジン酸および/またはその塩とともにアルギニンを組合せて配合することにより、アブシジン酸および/またはその塩とアルギニンをそれぞれ単独で飼料に配合した場合に比べて、増体重、飼料効率において相乗的な効果が得られる。以下、本発明の家畜用飼料を「ABA配合飼料」と称することもある。
本発明のABA配合飼料は、一般に使用されている家畜用飼料(以下、「基礎飼料」と称することもある)にアブシジン酸および/またはその塩とアルギニンの両者を配合することにより調製することができる。本発明のABA配合飼料の調整方法としては、アブシジン酸および/またはその塩と、アルギニンを含有する家畜用飼料添加組成物を基礎飼料に配合してもよいし、アブシジン酸および/またはその塩と、アルギニンを、それぞれ基礎飼料に配合してもよい。本発明のABA配合飼料の家畜への投与については特に制限はないが、基礎飼料にアブシジン酸および/またはその塩とアルギニンの両者を混合したABA配合飼料を家畜へ給餌するのが簡便で好ましい。配合するアブシジン酸および/またはその塩の量としては、好ましくは0.01~100ppm、さらに好ましくは0.1~10ppmである。アブシジン酸および/またはその塩1に対してアルギニンを好ましくは約60~700000、さらに好ましくは約600~70000配合する。このように、アルギニンに対しごく少量のアブシジン酸および/またはその塩を配合することにより、増体重、飼料効率の増大といった効果を得ることができる。特にアブシジン酸および/またはその塩とアルギニンとの配合比を前記のようにすることにより、各成分を単独で基礎飼料に配合した場合から予測されるよりも、増体重、飼料効率の増大において優れた効果、いわゆる相乗効果が見られる。
本発明のABA配合飼料に使用される基礎飼料は、特に制限されないが、以下よりなる群から選ばれる少なくとも1種を含有するものであってよい:アビシニアオート、あわ、イヌビエ、エクストルーダー処理小麦、エクストルーダー処理米、エクストルーダー処理大豆、エクストルーダー処理とうもろこし、えんどう、えん麦、大麦、加糖加熱処理大豆、甘しょ、きな粉、きび、キャッサバ、キャッサバミール、グレインソルガム(マイロ)、玄米、ごま、小麦、小麦粉、シコクビエ(フィンガーミレット)、末粉、スーダングラス、スマトラキビ、精白米、ソバ、そら豆、大豆、脱皮ルーピン、テオシント、デキストリン、トウジンビエ(パールミレット)、とうもろこし、コーンスターチ、ハッショウマメ(ベルベットビーン)、はだか麦、馬鈴しょでん粉、パン粉、ひえ、ヒヨコマメ、膨化大豆、膨化脱皮大豆、もみ、モロコシ、ライ麦、ルーピン等の穀類;あわぬか、大麦しょうちゅうかす、大麦ジスチラーズグレイン、大麦ジスチラーズグレインソリュブル、大麦ジスチラーズソリュブル、グァーミール、クエン酸発酵かす、アルギニン発酵かす、玄米ジスチラーズグレイン、玄米ジスチラーズグレインソリュブル、小麦・玄米ジスチラーズグレイン、小麦ジスチラーズグレイン、コムギジスチラーズグレインソリュブル、小麦・とうもろこしジスチラーズグレインソリュブル、米しょうちゅうかす、米ぬか、米胚芽、コーングルテンフィード、酒かす、しょうちゅうかす、しょう油かす、スクリーニングペット、精白米・小麦ジスチラーズグレイン、精白米・小麦・黒糖液ジスチラーズグレイン、精白米ジスチラーズグレインソリュブル、大豆皮、てん菜糖液・小麦ジスチラーズグレイン、てん菜糖液ジスチラーズグレイン、でん粉かす(甘しょでん粉かす、キャッサバでん粉かす、馬鈴しょでん粉かす)、糖蜜ジスチラーズソリュブル、とうもろこし・大麦ジスチラーズグレイン、とうもろこし・大麦ジスチラーズグレインソリュブル、とうもろこし・大麦ジスチラーズソリュブル、とうもろこし・大麦ジスチラーズソリュブル、とうもろこしジスチラーズグレイン、とうもろこしジスチラーズグレインソリュブル、とうもろこしジスチラーズソリュブル、麦芽根、ビールかす、ふすま、膨化ふすま、ホミニーフィード、麦ぬか(大麦荒ぬか、大麦混合ぬか、大麦仕上ぬか、はだか麦混合ぬか)、リジン発酵かす等のそうこう類;油ヤシ空果房抽出物、あまに油かす、エクストルーダー処理大豆油かす、エクストルーダー処理脱皮大豆油かす、エクストルーダー処理なたね油かす、えんどうたん白、加湿加熱処理大豆油かす、加糖エクストルーダー処理脱皮大豆油かす、加糖加熱処理なたね油かす、加糖加熱処理大豆油かす、カポック油かす、屑大豆油かす、ごま油かす、小麦グルテン、小麦グルテン酵素分解物、コーングルテンミール、とうもろこし胚芽油かす(コーンジャムミール)、サンフラワー油かす、脱皮サンフラワー油かす、大豆油かす、脱皮大豆油かす、大豆胚芽油かす、大豆ホエー、なたね油かす、濃縮米たん白、濃縮大豆たん白、発酵脱皮大豆油かす、酵素分解物脱皮大豆かす、馬鈴しょたん白(ポテトプロテイン)、パーム核油かす、ひまわり油かす、分離大豆たん白、膨化脱皮大豆油かす、綿実油かす、やし油かす、落花生油かす等の植物性油かす類;えび粉末、おきあみ粉末、チキンミール、ホールチキンミール、カゼイン、かに殻粉末、乾燥サナギ、乾燥ホエー、魚粉、ホワイトフィッシュミール、鶏卵粉末、血しょうたん白、血粉、酵素処理魚たん白、酵素分解豚小腸乾燥物、サナギかす、ゼラチン、全卵酵素分解物、脱脂粉乳、肉骨粉(ポークミール)、濃縮ホエーたん白、フィッシュソリュブル、フィッシュソリュブル吸着飼料、フェザーミール、豚血液加水分解たん白等の動物質性飼料;およびあま稈、アマニ油けん化物、あめかす、アルファルファ、アルファルファミール、イガマメ、L-乳酸、塩酸L-リジン、オオカラスノエンドウ、カカオ豆殻、菓子屑、菓子パン屑、果糖、カブ、甘蔗梢頭部(ケイントップ)、乾燥えのき茸菌床かす、キャッサバ茎葉粉末、ギョウギシバ(バミューダグラス)、魚油エステル、銀ねむ茎葉粉末、クズ、グラスピー、アルギニン発酵副産液、クローバー、クロレラ、くわ枝葉粉末、ゲンゲ、酵母抽出物、ココナツミルクかす、コーヒーかす、とうもろこし穂軸粉末(コーンコブミール)、コーンスティープリカー、こんにゃく飛粉、砂糖、蚕ぷん、ジウレイドイソブタン、脂肪酸カルシウム、シャーナットかす、食品副産物、植物油ケン化物、植物性ガム物質、植物性油脂、脱殻トルラ酵母、トルラ酵母、パン酵母、ビール酵母、精製魚粉、製麺屑、大豆胚芽、大豆油さい、タマザキクサフジ、中鎖脂肪酸カルシウム、天かす粉末、とうもろこし胚芽(コーンジャム)、DL-メチオニン、てん菜茎葉、てん菜製糖福産液、とう乳かす、とうふかす、動物性油脂、糖蜜、トレハロース、なたね油さい、ナヨクサフジ、にせあかしや茎葉粉末(ニセアカシヤリーフミール)、乳酸発酵しょう油かす・とうふかす、乳糖、尿素、ネッタイクズ、パイナップルかす、バガス、パスタ屑、発酵とうふかす、ビート粉末、ビートパルプ、フェスク(ウシノゲグサ属)、ぶどう酒かす、ぶどう糖、ブルーグラス、ブロムグラス(スズメノチャヒキ属)、マンゲルワーゼル(飼料用ビート)、みかん皮(陳皮)、みかんジュースかす、ミヤコグサ(トレフォイル)、メドハギ、綿実、綿実殻、木材クラフトパルプ、もみ殻、ヤセイカンラン、硫酸L-リジン、りんごジュースかす、ルタバガ、ルーピン皮等のその他の飼料等を適宜混合して調製した飼料等が挙げられる。本発明に用いられる家畜用飼料は、とうもろこし、小麦、マイロ、えん麦、大麦、大豆、大豆油かす、なたね油かす、とうもろこしジスチラーズグレインソリュブル、コーングルテンフィード、ふすまおよび米ぬか。
本発明のABA配合飼料は、ビタミン類、ミネラル類、グアニジノ酢酸、色素等をさらに含有していてもよい。
前記ビタミン類としては、L-アスコルビン酸、L-アスコルビン酸カルシウム、L-アスコルビン酸ナトリウム、L-アスコルビン酸-2-リン酸エステルマグネシウム、アセトメナフトン、イノシトール、塩酸ジベンゾイルチアミン、エルゴカルシフェロール、塩化コリン、塩酸チアミン、塩酸ピリドキシン、β-カロチン、コレカルシフェロール、酢酸dl-α-トコフェロール、酢酸レチニル、シアノコバラミン、硝酸チアミン、ニコチン酸、ニコチン酸アミド、パラアミノ安息香酸、パルミチン酸レチニル、D-パントテン酸カルシウム、DL-パントテン酸カルシウム、d-ビオチン、ビタミンA粉末、ビタミンA油、ビタミンD粉末、ビタミンD3油、ビタミンE粉末、25-ヒドロキシコレカルシフェロール、プロピオン酸レチニル、メナジオン亜硫酸水素ナトリウム、メナジオンニコチンアミド重亜硫酸、葉酸、リボフラビン、リボフラビン酪酸エステル等が挙げられる。
前記ミネラル類としては、塩化亜鉛、塩化カリウム、塩化鉄、塩化銅、塩基性塩化銅、クエン酸鉄、クエン酸鉄アンモニウム、グルコン酸カルシウム、コハク酸クエン酸鉄ナトリウム、酢酸亜鉛、酢酸コバルト、酢酸銅、酸化亜鉛、酸化銅、酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化マンガン、セレン、炭酸亜鉛、炭酸コバルト、炭酸水素ナトリウム、炭酸鉄、炭酸マグネシウム、炭酸マンガン、2-デアミノ-ヒドロキシメチオニン亜鉛、DL-トレオニン鉄、乳酸カルシウム、フマル酸第一鉄、ペプチド亜鉛、ペプチド鉄、ペプチド銅、ペプチドマンガン、モリブデン、ヨウ化カリウム、ヨウ素酸カリウム、ヨウ素酸カルシウム、硫酸亜鉛、硫酸亜鉛メチオニン、硫酸ナトリウム、硫酸マグネシウム、硫酸コバルト、硫酸鉄、硫酸銅、硫酸マンガン、リジン銅錯体、リン酸一水素カリウム、リン酸一水素ナトリウム、リン酸三カルシウム、リン酸二水素カリウム、硫酸二水素ナトリウム等が挙げられる。
前記色素としては、アスタキサンチン、β-アポ-8‘-カロチン酸エチルエステル、カプサンチン、カーボンブラック、カンタキサンチン、シトラナキサンチン、ゼアキサンチン、ルテイン等が挙げられる。
本発明のABA配合飼料には、着香料、呈味料、酵素、有機酸等をさらに含有させてもよい。
前記着香料としては、エステル類、エーテル類、ケトン類、脂肪酸類、脂肪族高級アルコール類、脂肪族高級アルデヒド類、脂肪族高級炭化水素類、テルペン系炭化水素類、フェノールエーテル類、フェノール類、芳香族アルコール類、芳香族アルデヒド類、ラクトン類等が挙げられる。
前記呈味料としては、サッカリンナトリウム等が挙げられる。
前記酵素としては、アミラーゼ、アルカリ性プロテアーゼ、ガラクトシダーゼ、キシラナーゼ、キシラナーゼ・ペクチナーゼ複合酵素、β-グルカナーゼ、酸性プロテアーゼ、セルラーゼ、セルラーゼ・プロテアーゼ・ペクチナーゼ複合酵素、中性プロテアーゼ、フィターゼ、マンナナーゼ、ラクターゼ、リパーゼ等が挙げられる。
前記有機酸としては、ギ酸カルシウム、グルコン酸ナトリウム、二ギ酸カリウム、フマル酸等が挙げられる。
本発明のABA配合飼料にはまた、合成抗菌剤、抗生物質を併用して用いることができる。
前記合成抗菌剤としては、アンプロリウム・エトパベート、アンプロリウム・エトパベート・スルファキノキサリン、塩酸ロベニジン、クエン酸モランテル、ジクラズリル、デコキネート、ナイカルバシン、ハロフジノン臭化水素酸塩、ハロフジノンポリスチレンスルホン酸カルシウム等が挙げられる。
前記抗生物質としては、亜鉛バシトラシン、アビラマイシン、アルキルトリメチルアンモニウムカルシウムオキシテトラサイクリン、エンラマイシン、クロルテトラサイクリン、サリノマイシンナトリウム、センデュラマイシンナトリウム、ナラシン、ノシヘプタイド、ビコザマイシン、フラボフォスフォリポール、マデュラマイシンアンモニウム、モネンシンナトリウム、ラサロシドナトリウム、リン酸タイロシン等が挙げられる。
本発明のABA配合飼料にはまた、飼料の品質の低下の防止のため、抗酸化剤、粘結剤、乳化剤、調整剤等をさらに含有させてもよい。
前記抗酸化剤としては、アスコルビン酸、アスコルビン酸ナトリウム、アスコルビン酸カルシウム、α-トコフェロール、エトキシキン、ジブチルヒドロキシトルエン、パルミチン酸アスコルビル、ブチルヒドロキシアニソール等が挙げられる。
前記粘結剤としては、アルギン酸ナトリウム、カゼインナトリウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、プロピレングリコール、ポリアクリル酸ナトリウム等が挙げられる。
前記乳化剤としては、グリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル等が挙げられる。
前記調整剤としては、ギ酸等が挙げられる。
本発明のABA配合飼料には、上記の他に例えば、ショウブ(Acorus calamus)、ニンニク(Allium sativum)、イノンド(Anethum graveolens)、ニガヨモギ(Artemisia absinthium)、キャラウェイ(Carum carvi)、ニッケイ属(Cinnamomum)、コリアンダー(Coriandrum sativum)、クミン(Cuminum cyminum)、ターメリック(Curcuma longa)、レモングラス(Cymbopogon citratus)、アーティチョーク(Cynara scolymus)、ムラサキバレンギク属(Echinacea)、カルダモン(Elettaria cardamomum)、フェンネル(Foeniculum vulgare)、イチョウ(Ginkgo biloba)、リコリス(Glycyrrhiza glabra)、セイヨウオトギリ(Hypericum perforatum)、ゲッケイジュ(Laurus nobilis)、ラベージ(Levisticum officinale)、ティーツリー(Melaleuca alternifolia)、レモンバーム(Melissa officinalis)、スペアミント(Mentha spicata)、ペパーミント(Mentha x piperita)、ナツメグ(Myristica fragrans)、バジル(Ocimum basilicum)、マジョラム(Origanum majorana)、オレガノ(Origanum vulgare)、オタネニンジン(Panax ginseng)、パセリ(Petroselinum sativum)、オールスパイス(Pimenta dioica)、アニス(Pimpinella anisum)、コショウ(Piper nigrum)、パチョリ(Pogostemon cablin)、ローズマリー(Rosmarinus officinalis)、セージ(Salvia officinalis)、ステビア(Stevia rebaudiana)、クローブ(Syzygium aromaticum)、タンジー(Tanacetum vulgare)、セイヨウタンポポ(Taraxacum officinale)、タイム(Thymus)、アジョワン(Trachyspermum ammi)、ショウガ(Zingiber officinale)等のハーブ類を、単独または複数混用または併用して用いてもよい。前記ハーブ類は粉末の他、抽出して精油(エッセンシャルオイル)等の形態にして用いることもできる。
本発明のABA配合飼料はまた、さらに固形担体、液状担体等の賦形剤や水を加えて錠剤、粉末剤、顆粒剤、カプセル剤、水溶剤、液剤、水和剤、または懸濁剤等に製剤化して用いてもよい。賦形剤としては例えば、アラビアゴム、アルブミン、エチルセルロース、カオリン、カゼイン、活性グルテン、カラゲーナン、カラメル、カルナウバろう、含水二酸化ケイ素、含水無晶形酸化ケイ素、肝臓粉末、寒天、キサンタンガム、キトサン、きな粉、グァーガム、グリセリン、グルコマンナン、グルテン、グルテンミール、ケイ酸、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、軽質無水ケイ酸、軽質流動パラフィン、ケイソウ土、硬化油、高級飽和脂肪酸、小麦粉、小麦ミドリング、米ぬか、米ぬか油かす、コーングリッツ、コーングルテンフィード、コーンコブミール、コーンスターチ、シイタケホダ木粉末、ジスチラーズグレイン、ジスチラーズグレインソリュブル、脂肪酸、脂肪酸カルシウム、食塩、植物性油脂、ステアリン酸カルシウム、ゼオライト、ゼラチン、セルロース、ソイビーンミルラン、ソルビトール、脱脂魚粉、脱脂粉乳、炭酸カルシウム、大豆油かす、大豆皮、大豆粉、タマリンド種子多糖類、タルク、炭酸ナトリウム、デキストラン、デキストリン、天然ケイ酸アルミニウム、デンプン、α-デンプン、動物性油脂、トウモロコシ粉、トラカントガム、トルラ酵母、乳糖、濃縮大豆たん白、麦芽糖、白糖、バーミキュライト、パン酵母、ビール酵母、ファーセレラン、ふすま、ブドウ糖、プルラン、ペクチン、変性食用デンプン、ベントナイト、ポテトパルプ、ホワイトフィッシュミール、D-マンニトール、無水ケイ酸、無水ケイ酸塩類、もみがら、もみがら粉末、リグノスルホン酸カルシウム、リグノスルホン酸ナトリウム、流動パラフィン、リン酸一水素カルシウム、リン酸三カルシウム、リン酸二水素カルシウム、レシチン、ローカストビーンガム等が挙げられる。
本発明のABA配合飼料は、家畜の飼料として用いて家畜を増体重させ、飼料効率を向上させることができる。また本発明のABA配合飼料は、家畜の生殖の生産性を向上させることができる。
本明細書において「増体重」とは、家畜の成長速度(体重増加量)をあらわす単位で、一般にグラム/日で示される。1日平均増体量あるいは増体日量ともいう。
本明細書において「飼料要求率(FCR: feed conversion ratio)」とは、畜産物1kg当たりの生産に要する摂取(または消費)飼料数量を意味し、飼料効率(feed efficiency)の逆数であり、以下の式で表わされる。
飼料要求率=[飼料摂取量(または消費量)(kg)/畜産物の生産量(kg)]
一方、本明細書において「飼料効率」とは、「畜産物の生産量(kg)/飼料摂取量(または消費量)(kg)」を意味する。
本明細書において「家畜」とは、ヒトの飼育下で繁殖させた動物を指し、ウシ、バリウシ、ヤク、スイギュウ、ヒツジ、ヤギ、ヒトコブラクダ、フタコブラクダ、ラマ、アルパカ、トナカイ、ブタ、ウマ、ロバ、イヌ、ミンク、フェレット、ネコ、ハムスター、マウス、ラット、モルモット,ウサギ等の哺乳類;ニワトリ、ウズラ、シチメンチョウ、ホロホロチョウ、ハト、アヒル、バリケン、ガチョウ、カナリア等の鳥類(家禽);コイ、キンギョ等の魚類;カイコ、ミツバチ等の昆虫類を含むが、これらに限られない。本発明のABA配合飼料は、ウシ、ブタ、ヒツジ、ヤギ、ウマ等の哺乳類用飼料として用いるのが好ましく、単胃哺乳類用飼料として用いるのがさらに好ましく、ブタ用飼料として用いるのが特に好ましい。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によって何ら限定されるものではない。以下の実施例ではラットを対象にしてABAおよびアルギニンの飼料への添加効果を検証したが、本発明はこれに限られるものではなく、他の哺乳類用飼料に関しても同様の効果が得られるものである。
試験例1
以下のようにして、ABAおよびアルギニンの飼料への添加効果を検証した。
(1)材料および方法
各実験にSDラット雌7週齢2匹を用いた。1ケージあたり2匹のラットを収容した。3週間、週3回、表1に示す組成の餌を給餌し、ラットに自由摂取させた。
Figure 2024097109000002
(2)観察および測定項目
(i)臨床症状:毎日観察した。
(ii)体重:週3回、ラットの体重を個体別に測定し、個体別増体重を算出した。
(iii)飼料摂取量:週3回、ケージ毎に残餌量および給餌量を測定した。下記式で1匹あたり1日の平均摂餌量を算出した。
(前回給餌量-残餌量)/(1ケージのラット数×期間)
(臨床症状)
すべての個体で異常は認められなかった。
(増体量)
19日間飼育後の増体重の結果を表2に示す。基礎飼料のみの試験(No.1-1)よりも、基礎飼料にアブシジン酸のみを添加した試験(No.1-2)、基礎飼料にアルギニンのみを添加した試験(No.1-3)、基礎飼料にアルギニンおよびアブシジン酸を添加した試験(No.1-4)のほうが、体重が増加した。さらに基礎飼料にアルギニンおよびアブシジン酸を添加した試験(No.1-4)では、No.1-2およびNo.1-3の結果から予測される結果を超える体重増加が観察された。特に、基礎飼料にアルギニンのみを添加した試験(No.1-3)と基礎飼料にアルギニンおよびアブシジン酸を添加した試験(No.1-4)とを対比すると、前者に比べて後者においてさらに体重増加が観察されたことから、本発明に従ってアルギニンに加えてさらにアブシジン酸を添加することにより顕著な増体量の効果が得られることが明らかとなった。すなわち、アルギニンとアルギニンに対してごく少量のアブシジン酸とを組み合わせることにより、相乗効果を奏することが確認できた。
Figure 2024097109000003
(飼料要求率(FCR))
19日間飼育後の飼料要求率の結果を表3に示す。飼料要求率は、体重1kgを増加させるために必要な飼料摂取量であり、飼料摂取量を増体重で除したもので表される。基礎飼料のみの試験(No.1-1)よりも、基礎飼料にアブシジン酸のみを添加した試験(No.1-2)、基礎飼料にアルギニンのみを添加した試験(No.1-3)、基礎飼料にアルギニンおよびアブシジン酸を添加した試験(No.1-4)のほうが、飼料要求率の低下が観察された。
Figure 2024097109000004
(生産指数)
19日飼育後の生産指数の結果を表4に示す。生産指数は育成率×1匹1日当たりの増体量÷飼料要求率で表される。本試験での育成率は100%であり、育成率(100)×増体重(表2)÷19日÷飼料要求率(表3)で各試験の生産指数を算出した。基礎飼料のみの試験(No.1-1)よりも、基礎飼料にアブシジン酸のみを添加した試験(No.1-2)、基礎飼料にアルギニンのみを添加した試験(No.1-3)、基礎飼料にアルギニンおよびアブシジン酸を添加した試験(No.1-4)のほうが、生産指数が上昇した。さらに基礎飼料にアルギニンおよびアブシジン酸を添加した試験(No.1-4)では、No.1-2およびNo.1-3の結果から予測される結果を超える生産指数の改善が観察された。特に、基礎飼料にアルギニンのみを添加した試験(No.1-3)と基礎飼料にアルギニンおよびアブシジン酸を添加した試験(No.1-4)とを対比すると、前者に比べて後者においてさらに生産指数の改善が観察されたことから、本発明に従ってアルギニンに加えてさらにアブシジン酸を添加することにより顕著な生産指数改善の効果が得られることが明らかとなった。すなわち、アルギニンとアルギニンに対してごく少量のアブシジン酸とを組み合わせることにより、相乗効果を奏することが確認できた。
Figure 2024097109000005
試験例2
以下のようにして、ABAおよびアルギニンの飼料への添加効果を検証した。
(1)材料および方法
各実験にSDラット雌7週齢2匹を用いた。1ケージあたり2匹のラットを収容した。3週間、週3回、表1に示す組成の餌を給餌し、ラットに自由摂取させた。
Figure 2024097109000006
(2)観察および測定項目
(i)臨床症状:毎日観察した。
(ii)体重:週3回、ラットの体重を個体別に測定し、個体別増体重を算出した。
(iii)飼料摂取量:週3回、ケージ毎に残餌量および給餌量を測定した。下記式で1匹あたり1日の平均摂餌量を算出した。
(前回給餌量-残餌量)/(1ケージのラット数×期間)
(臨床症状)
すべての個体で異常は認められなかった。
(増体量)
8-19日間飼育後の増体重の結果を表6に示す。基礎飼料のみの試験(No.2-1)よりも、基礎飼料にアブシジン酸のみを添加した試験(No.2-2)、基礎飼料にアルギニンのみを添加した試験(No.2-3)、基礎飼料にアルギニンおよびアブシジン酸を添加した試験(No.2-4)のほうが、体重が増加した。さらに基礎飼料にアルギニンおよびアブシジン酸を添加した試験(No.2-4)では、No.2-2およびNo.2-3の結果から予測される結果を超える体重増加が観察された。特に、基礎飼料にアルギニンのみを添加した試験(No.2-3)と基礎飼料にアルギニンおよびアブシジン酸を添加した試験(No.2-4)とを対比すると、前者に比べて後者においてさらに体重増加が観察されたことから、本発明に従ってアルギニンに加えてさらにアブシジン酸を添加することにより顕著な増体量の効果が得られることが明らかとなった。すなわち、アルギニンとアルギニンに対してごく少量のアブシジン酸とを組み合わせることにより、相乗効果を奏することが確認できた。
Figure 2024097109000007
(飼料要求率(FCR))
8-19日間飼育後の飼料要求率の結果を表7に示す。飼料要求率は、体重1kgを増加させるために必要な飼料摂取量であり、飼料摂取量を増体重で除したもので表される。基礎飼料のみの試験(No.2-1)よりも、基礎飼料にアブシジン酸のみを添加した試験(No.2-2)、基礎飼料にアルギニンのみを添加した試験(No.2-3)、基礎飼料にアルギニンおよびアブシジン酸を添加した試験(No.2-4)のほうが、飼料要求率の低下が観察された。
Figure 2024097109000008
(生産指数)
8-19日飼育後の生産指数の結果を表8に示す。生産指数は育成率×1匹1日当たりの増体量÷飼料要求率で表される。本試験での育成率は100%であり、育成率(100)×増体重(表2)÷12日÷飼料要求率(表3)で各試験の生産指数を算出した。基礎飼料のみの試験(No.2-1)よりも、基礎飼料にアブシジン酸のみを添加した試験(No.2-2)、基礎飼料にアルギニンのみを添加した試験(No.2-3)、基礎飼料にアルギニンおよびアブシジン酸を添加した試験(No.2-4)のほうが、生産指数が上昇した。さらに基礎飼料にアルギニンおよびアブシジン酸を添加した試験(No.2-4)では、No.2-2およびNo.2-3の結果から予測される結果を超える生産指数の改善が観察された。特に、基礎飼料にアルギニンのみを添加した試験(No.2-3)と基礎飼料にアルギニンおよびアブシジン酸を添加した試験(No.2-4)とを対比すると、前者に比べて後者においてさらに生産指数の改善が観察されたことから、本発明に従ってアルギニンに加えてさらにアブシジン酸を添加することにより顕著な生産指数改善の効果が得られることが明らかとなった。すなわち、アルギニンとアルギニンに対してごく少量のアブシジン酸とを組み合わせることにより、相乗効果を奏することが確認できた。
Figure 2024097109000009
本発明のアブシジン酸および/またはその塩と、アルギニンとを含有する家畜用飼料は、増体重、飼料効率において優れた家畜用飼料として家畜の飼育に用いることができる。本発明により、アブシジン酸および/またはその塩とアルギニンとを含有する飼料を用いて家畜を飼育することにより、家畜の体重増加が改善され、家畜における飼料効率を高めることができる。

Claims (10)

  1. アブシジン酸および/またはその塩と、アルギニンを含有することを特徴とする、家畜用飼料添加組成物。
  2. アブシジン酸および/またはその塩と、アルギニンを含有することを特徴とする、家畜用飼料。
  3. アブシジン酸および/またはその塩を0.01~100ppm含有する、請求項2に記載の家畜用飼料。
  4. アブシジン酸および/またはその塩を0.1~10ppm含有する、請求項2に記載の家畜用飼料。
  5. アブシジン酸および/またはその塩とアルギニンとの重量比が、アブシジン酸および/またはその塩1に対してアルギニンが約60~700000である、請求項2ないし4のいずれか一項に記載の家畜用飼料。
  6. アブシジン酸および/またはその塩とアルギニンとの重量比が、アブシジン酸および/またはその塩1に対してアルギニンが約600~70000である、請求項5に記載の家畜用飼料。
  7. 哺乳類用である、請求項2ないし6のいずれか一項に記載の家畜用飼料。
  8. 請求項2ないし7のいずれか一項に記載の家畜用飼料を家畜に摂取させることを特徴とする、家畜の飼育方法。
  9. 請求項2ないし7のいずれか一項に記載の家畜用飼料を家畜に摂取させることを特徴とする、家畜の体重増加を改善する方法。
  10. 請求項2ないし7のいずれか一項に記載の家畜用飼料を家畜に摂取させることを特徴とする、家畜における飼料効率を高める方法。
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