JP2024095436A - 診断装置、診断システム、診断方法、プログラム - Google Patents

診断装置、診断システム、診断方法、プログラム Download PDF

Info

Publication number
JP2024095436A
JP2024095436A JP2022212721A JP2022212721A JP2024095436A JP 2024095436 A JP2024095436 A JP 2024095436A JP 2022212721 A JP2022212721 A JP 2022212721A JP 2022212721 A JP2022212721 A JP 2022212721A JP 2024095436 A JP2024095436 A JP 2024095436A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
door
data
diagnostic
abnormality
opening
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2022212721A
Other languages
English (en)
Inventor
真次 湯川
Shinji Yugawa
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fuji Electric Co Ltd
Original Assignee
Fuji Electric Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fuji Electric Co Ltd filed Critical Fuji Electric Co Ltd
Priority to JP2022212721A priority Critical patent/JP2024095436A/ja
Priority to US18/492,057 priority patent/US20240218727A1/en
Priority to CA3217732A priority patent/CA3217732A1/en
Publication of JP2024095436A publication Critical patent/JP2024095436A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • EFIXED CONSTRUCTIONS
    • E05LOCKS; KEYS; WINDOW OR DOOR FITTINGS; SAFES
    • E05FDEVICES FOR MOVING WINGS INTO OPEN OR CLOSED POSITION; CHECKS FOR WINGS; WING FITTINGS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR, CONCERNED WITH THE FUNCTIONING OF THE WING
    • E05F15/00Power-operated mechanisms for wings
    • E05F15/60Power-operated mechanisms for wings using electrical actuators
    • E05F15/603Power-operated mechanisms for wings using electrical actuators using rotary electromotors
    • E05F15/632Power-operated mechanisms for wings using electrical actuators using rotary electromotors for horizontally-sliding wings
    • E05F15/635Power-operated mechanisms for wings using electrical actuators using rotary electromotors for horizontally-sliding wings operated by push-pull mechanisms, e.g. flexible or rigid rack-and-pinion arrangements
    • EFIXED CONSTRUCTIONS
    • E05LOCKS; KEYS; WINDOW OR DOOR FITTINGS; SAFES
    • E05FDEVICES FOR MOVING WINGS INTO OPEN OR CLOSED POSITION; CHECKS FOR WINGS; WING FITTINGS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR, CONCERNED WITH THE FUNCTIONING OF THE WING
    • E05F15/00Power-operated mechanisms for wings
    • E05F15/60Power-operated mechanisms for wings using electrical actuators
    • E05F15/603Power-operated mechanisms for wings using electrical actuators using rotary electromotors
    • E05F15/632Power-operated mechanisms for wings using electrical actuators using rotary electromotors for horizontally-sliding wings
    • E05F15/655Power-operated mechanisms for wings using electrical actuators using rotary electromotors for horizontally-sliding wings specially adapted for vehicle wings
    • E05F15/659Control circuits therefor
    • EFIXED CONSTRUCTIONS
    • E05LOCKS; KEYS; WINDOW OR DOOR FITTINGS; SAFES
    • E05YINDEXING SCHEME ASSOCIATED WITH SUBCLASSES E05D AND E05F, RELATING TO CONSTRUCTION ELEMENTS, ELECTRIC CONTROL, POWER SUPPLY, POWER SIGNAL OR TRANSMISSION, USER INTERFACES, MOUNTING OR COUPLING, DETAILS, ACCESSORIES, AUXILIARY OPERATIONS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR, APPLICATION THEREOF
    • E05Y2201/00Constructional elements; Accessories therefor
    • E05Y2201/60Suspension or transmission members; Accessories therefor
    • E05Y2201/606Accessories therefor
    • EFIXED CONSTRUCTIONS
    • E05LOCKS; KEYS; WINDOW OR DOOR FITTINGS; SAFES
    • E05YINDEXING SCHEME ASSOCIATED WITH SUBCLASSES E05D AND E05F, RELATING TO CONSTRUCTION ELEMENTS, ELECTRIC CONTROL, POWER SUPPLY, POWER SIGNAL OR TRANSMISSION, USER INTERFACES, MOUNTING OR COUPLING, DETAILS, ACCESSORIES, AUXILIARY OPERATIONS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR, APPLICATION THEREOF
    • E05Y2400/00Electronic control; Electrical power; Power supply; Power or signal transmission; User interfaces
    • E05Y2400/10Electronic control
    • E05Y2400/50Fault detection
    • E05Y2400/502Fault detection of components
    • EFIXED CONSTRUCTIONS
    • E05LOCKS; KEYS; WINDOW OR DOOR FITTINGS; SAFES
    • E05YINDEXING SCHEME ASSOCIATED WITH SUBCLASSES E05D AND E05F, RELATING TO CONSTRUCTION ELEMENTS, ELECTRIC CONTROL, POWER SUPPLY, POWER SIGNAL OR TRANSMISSION, USER INTERFACES, MOUNTING OR COUPLING, DETAILS, ACCESSORIES, AUXILIARY OPERATIONS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR, APPLICATION THEREOF
    • E05Y2900/00Application of doors, windows, wings or fittings thereof
    • E05Y2900/50Application of doors, windows, wings or fittings thereof for vehicles
    • E05Y2900/51Application of doors, windows, wings or fittings thereof for vehicles for railway cars or mass transit vehicles

Landscapes

  • Power-Operated Mechanisms For Wings (AREA)

Abstract

【課題】ドアパネルとドアパネルを開閉動作させるための駆動機構との間の締結部に関する異常の診断を行うことが可能な技術を提供する。【解決手段】一実施形態に係るドア制御装置100は、鉄道車両1のドア80の開動作及び閉動作の少なくとも一方の動作時におけるドア80の動作に関するデータを取得し、取得したデータに基づき、ドア80のドアパネル80A,80Bとドアパネル80A,80Bを開閉動作させるためのドア駆動機構200(ラック210,220)との締結構造FSに関する異常の診断を行う。【選択図】図9

Description

本開示は、診断装置等に関する。
従来、鉄道車両のドアに関する異常を診断する技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2012-197144号公報
しかしながら、特許文献1では、ドアパネルと、ドアパネルを開閉動作させるための駆動機構との間の締結部に関する異常の診断については開示されていない。そのため、ドアパネルと駆動機構との締結部に関する異常の診断を行うことができない。
そこで、上記課題に鑑み、ドアパネルとドアパネルを開閉動作させるための駆動機構との間の締結部に関する異常の診断を行うことが可能な技術を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本開示の一実施形態では、
鉄道車両のドアの開動作及び閉動作の少なくとも一方の動作時における前記ドアの動作に関するデータを取得し、
取得したデータに基づき、前記ドアのドアパネルと前記ドアパネルを開閉動作させるための駆動機構との締結部に関する異常の診断を行う、
診断装置が提供される。
また、本開示の他の実施形態では、
鉄道車両のドアに開動作及び閉動作の少なくとも一方を行わせ、
前記ドアの前記開動作及び前記閉動作の少なくとも一方の動作時における前記ドアの動作に関するデータを取得し、
取得したデータに基づき、前記ドアのドアパネルと前記ドアパネルを開閉動作させるための駆動機構との締結部に関する異常の診断を行う、
診断システムが提供される。
また、本開示の更に他の実施形態では、
診断装置が、
鉄道車両のドアの開動作及び閉動作の少なくとも一方の動作時における前記ドアの動作に関するデータを取得し、
取得したデータに基づき、前記ドアのドアパネルと前記ドアパネルを開閉動作させるための駆動機構との締結部に関する異常の診断を行う、
診断方法が提供される。
また、本開示の更に他の実施形態では、
情報処理装置に、
鉄道車両のドアの開動作及び閉動作の少なくとも一方の動作時における前記ドアの動作に関するデータを取得させ、
取得したデータに基づき、前記ドアのドアパネルと前記ドアパネルを開閉動作させるための駆動機構との締結部に関する異常の診断を行わせる、
プログラムが提供される。
上述の実施形態によれば、ドアパネルとドアパネルを開閉動作させるための駆動機構との間の締結部に関する異常の診断を行うことができる。
鉄道車両のドアの開閉動作に関連する構成の一例を示すブロック図である。 鉄道車両のドア及びドア駆動機構の配置構造の一例を示す概略図である。 鉄道車両のドア及びドア駆動機構の配置構造の一例を示す概略図である。 鉄道車両のドア及びドア駆動機構の配置構造の一例を示す概略図である。 鉄道車両のドア及びドア駆動機構の配置構造の一例を示す概略図である。 鉄道車両のドア及びドア駆動機構の配置構造の一例を示す概略図である。 ドアパネルとドア駆動機構との締結構造の一例を示す図である。 ドアパネルとドア駆動機構との締結構造の正常時におけるドアの開動作時のドアの位置、速度、及びモータの電流の時間変化の一例を示す図である。 ドアパネルとドア駆動機構との締結構造の異常時におけるドアの開動作時のドアの位置、速度、及びモータの電流の時間変化の一例を示す図である。 ドアの開動作時の電流の時系列データの周波数解析の結果の第1例を示す図である。 ドアの開動作時の電流の時系列データの周波数解析の結果の第2例を示す図である。 診断モードにおけるドアの動作の第1例を説明する図である。 診断モードにおけるドアの動作の第2例を説明する図である。 ドアに関する異常診断の処理の第1例を示すシーケンス図である。 ドアに関する異常診断の処理の第2例を示すシーケンス図である。 ドアに関する異常診断の処理の第3例を示すシーケンス図である。 診断システムの他の例を示す図である。 ドアに関する異常診断の処理の第4例を示すシーケンス図である。 診断システムの更に他の例を示す図である。 ドアに関する異常診断の処理の第5例を示すシーケンス図である。
以下、図面を参照して実施形態について説明する。
[ドアの開閉動作に関する構成]
図1~図7を参照して、鉄道車両1のドア80の開閉動作に関する構成の一例について説明する。
図1は、鉄道車両1のドア80の開閉動作に関する構成の一例を示すブロック図である。図2~図6は、鉄道車両1のドア80及びドア駆動機構200の配置構造の一例を示す概略図である。具体的には、図2は、ドア80の全閉且つ施錠状態におけるドア80及びドア駆動機構200を示す概略図である。図3は、全閉且つ解錠状態におけるドア80及びドア駆動機構200を示す概略図である。図4は、開動作中(開動作開始直後)或いは閉動作中(閉動作完了直前)におけるドア80及びドア駆動機構200を示す概略図である。図5は、開動作中(開動作完了直前)或いは閉動作中(閉動作開始直後)におけるドア80及びドア駆動機構200を示す概略図である。図6は、全開状態におけるドア80及びドア駆動機構200を示す概略図である。図7は、ドアパネル80A,80Bとドア駆動機構200との締結構造FSの一例を示す図である。
鉄道車両1は、1つの車両で構成される1両編成であってもよいし、複数の車両が数珠つなぎで連結される複数両編成であってもよい。
図1~図6に示すように、鉄道車両1は、上位装置10と、モータ30と、エンコーダ31と、電流センサ32と、診断用センサ40と、施錠装置50と、DCS(Door Close Switch)60と、DLS(Door Lock Switch)70と、ドア80と、を含む。また、鉄道車両1は、ドア制御装置100と、電源150と、入力コンタクタ151と、ドア駆動機構200とを含む。
上位装置10は、車両制御装置12と、ドア開閉操作装置14と、伝送装置16とを含む。
車両制御装置12は、鉄道車両1の運行に関する制御を行う。例えば、鉄道車両1が複数両編成の場合、車両制御装置12は、先頭の車両の運転室と最後尾の車両の車掌室とに1つずつ設けられる。また、例えば、鉄道車両が1両編成の場合、車両制御装置12は、鉄道車両1(車両)の前端及び後端の運転室と車掌室とに1つずつ設けられる。
車両制御装置12の機能は、任意のハードウェア或いは任意のハードウェア及びソフトウェアの組み合わせ等により実現される。車両制御装置12は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、メモリ装置、補助記憶装置、及び外部との入出力用のインタフェース装置を含むコンピュータを中心に構成される。メモリ装置は、例えば、SRAM(Static Random Access Memory)である。補助記憶装置は、例えば、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)やフラッシュメモリである。インタフェース装置は、例えば、鉄道車両1の内部の通信回線や鉄道車両1の外部の通信回線に接続するための通信インタフェースを含む。また、インタフェース装置は、外部の記録媒体に接続するための外部インタフェースを含んでもよい。これにより、例えば、製造工程において、作業者は、鉄道車両1の運行の制御に関する処理に利用するプログラムや各種のデータを外部の記録媒体から車両制御装置12の補助記憶装置等にインストールすることができる。また、鉄道車両1の運行の制御に関する処理に利用するプログラムや各種のデータは、通信インタフェースを通じて、鉄道車両1の外部からダウンロードされてもよい。また、インタフェース装置は、接続する通信回線の種類に合わせて、複数の異なる種類のインタフェース装置を含んでよい。
車両制御装置12は、鉄道車両1が駅等に停車しているときに、停車中であることを表す停車信号をドア制御装置100に出力する。また、車両制御装置12は、ドア開閉操作装置14から入力される、ドア80の開動作を指示する開指令或いはドア80の閉動作を指示する閉指令をドア制御装置100に向けて出力する。
車両制御装置12は、インタロック信号を伝送する配線13が接続される。配線13は、その両端部が車両制御装置12に接続されると共に、配線13には、DCS60及びDLS70が設けられる。DCS60及びDLS70の少なくとも一方がオフ状態の場合、配線13が非導通状態であり、この場合、車両制御装置12に入力されるインタロック信号は、L(Low)レベルとなる。一方、DCS60及びDLS70が共にオン状態の場合、配線13が導通状態であり、この場合、車両制御装置12に入力されるインタロック信号は、H(High)レベルになる。車両制御装置12は、インタロック信号がHレベルの場合に、鉄道車両1を走行可能状態と判断する。そのため、インタロック信号がLレベルからHレベルに移行すると、鉄道車両1は、走行可能になる。
ドア開閉操作装置14は、鉄道車両1の乗務員(例えば、車掌)がドア80の開閉操作を行うために用いられる。ドア開閉操作装置14は、開スイッチ14Aと、閉スイッチ14Bとを含む。例えば、鉄道車両1の停車中に開スイッチ14Aが操作されると、ドア開閉操作装置14は、LレベルからHレベルに立ち上がる開指令を車両制御装置12に出力する。また、例えば、鉄道車両1の停車中に閉スイッチ14Bが操作されると、ドア開閉操作装置14は、HレベルからLレベルに立ち下がる閉指令を車両制御装置12に出力する。
伝送装置16は、鉄道車両1の複数のドア80ごとのドア制御装置100と車両制御装置12との間で信号の中継を行う。
具体的には、伝送装置16は、車両制御装置12からドア制御装置100に向けて送信される各種信号を受信し、対象の一部或いは全部のドア制御装置100に伝送してよい(入力信号SDR)。また、伝送装置16は、それぞれのドア制御装置100から車両制御装置12に向けて送信される各種信号(出力信号SD)を受信し、車両制御装置12に伝送してよい。
モータ30は、ドア80を開閉駆動する。モータ30は、例えば、三相交流の駆動電力で駆動される回転機である。モータ30は、三相交流の駆動電力で駆動されるリニアモータであってもよい。また、モータ30は、直流で駆動される直流モータであってもよい。
エンコーダ31は、モータ30の回転位置や変位位置を検出する。例えば、モータ30が回転機の場合、エンコーダ31は、モータ30の回転軸の回転位置(回転角度)を検出する。エンコーダ31は、例えば、モータ30の回転軸の一回転中の回転位置(回転角度)、及び回転数を検出する。エンコーダ31は、モータ30の回転軸の回転位置に関する情報を含む検出信号を出力し、検出信号は、ドア制御装置100に取り込まれる。これにより、ドア制御装置100は、エンコーダ31の信号に基づき、ドア80の開閉方向での位置情報を取得することができる。つまり、エンコーダ31の信号に含まれる情報は、ドア80の位置情報に相当する。
電流センサ32は、ドア制御装置100からモータ30に供給される三相交流の駆動電力の電流を検出する。電流センサ32は、ドア制御装置100とモータ30との間を接続するU相、V相、及びW相の3本の電力線のうちの2本の電力線の電流を検出する電流センサ32A,32Bを含む。例えば、電流センサ32Aは、U相の電力線の電流を検出し、電流センサ32Bは、W相の電力線の電流を検出する。また、電流センサ32は、残り1本の電力線の電流を検出する電流センサを含んでもよい。例えば、図1に示すように、電流センサ32は、ドア制御装置100に内蔵されてもよいし、ドア制御装置100の外部に設けられてもよい。電流センサ32(電流センサ32A,32B)の検出信号は、後述の常用系制御部110及び待機系制御部120に取り込まれる。
診断用センサ40は、ドア80に関する異常の診断(以下、「異常診断」)に用いられる、ドア80の動作に関するデータを取得する。診断用センサ40は、例えば、ドア80の開閉動作時の音を測定する音センサ(マイクロフォン)やドア80の開閉動作時の振動を測定する振動センサ等である。
尚、診断用センサ40は、省略されてもよい。
施錠装置50は、ドア80の施錠及び解錠を行う。施錠装置50は、例えば、ピン51と、コイル52,53とを含み、双方向自己保持型ソレノイドによって実現される。コイル52,53は、それぞれ、ドア制御装置100と接続される。
施錠装置50は、ドア制御装置100によってコイル52が通電されると、ピン51が施錠装置50の筐体から突出する。これにより、後述のロックピン230が解錠方向に移動し、ドア80が解錠される。また、施錠装置50は、自己保持型であることから、コイル52の通電が解除された後もその筐体から突出した状態を維持する。これにより、ドア80の解錠状態を維持することができる。
施錠装置50は、ドア制御装置100によってコイル53が通電されると、ピン51が施錠装置50の筐体に引き込まれる。これにより、後述のロックピン230が施錠方向に移動し、ドア80が施錠される。また、施錠装置50は、自己保持型であることから、コイル53の通電が解除された後もその筐体に引き込まれた状態を維持する。これにより、ドア80の施錠状態を維持することができる。
DCS60は、鉄道車両1のドア80の開閉状態に関する検知を行う。具体的には、DCS60は、鉄道車両1のドア80の完全に閉じられた全閉状態を検知する。DCS60は、例えば、ドア80が全閉位置まで移動すると、ドア80の作用によって押圧されるリミットスイッチによって実現される。
DCS60は、固定接点61A1,61A2と、固定接点61B1,61B2と、可動接点62とを含む。
固定接点61A1,61A2は、配線13を分断する態様で、配線13に直列に配置される。以下、固定接点61A1,61A2を便宜的にDCS60の「A接点」と称する場合がある。
固定接点61B1,61B2は、両端がドア制御装置100に接続される配線101を分断する態様で、配線101に直列に配置される。これにより、ドア制御装置100は、固定接点61B1,61B2の導通状態及び非導通状態のそれぞれを示すHレベルの信号及びLレベルの信号によって、DCS60のオン・オフの状態を把握することができる。以下、固定接点61B1,61B2を便宜的にDCS60の「B接点」と称する場合がある。
可動接点62は、軸方向(図1中の上下方向)に沿って移動することによって、DCS60のA接点(固定接点61A1,61A2)及びB接点(固定接点61B1,61B2)の何れか一方を導通させる。DCS60は、外力が作用しない状態では、可動接点62がB接点を導通させる状態、即ち、B接点がオン、及びA接点がオフの状態にある。一方、DCS60は、後述の如く、可動接点62がドア80の作用によって押圧されると、A接点が可動接点62によって導通された状態でA接点がオンされ、B接点がオフされる。そして、DCS60は、可動接点62がドア80の作用によって押圧されない状態に戻ると、B接点が可動接点62によって導通された状態でB接点がオンされ、A接点がオフされる状態に戻る。
例えば、ドア制御装置100は、配線101を通じて入力される信号に基づき、DCS60のB接点のオン・オフ状態を把握することができる。また、例えば、ドア制御装置100は、配線101を通じて入力される信号を反転させることにより、DCS60のA接点のオン・オフ状態を把握することができる。
DLS70は、ドア80の施錠の有無の検知を行う。具体的には、ドア80の施錠されている状態を検知する。DLS70は、例えば、ドア80のロックピン230が施錠位置に移動すると、ロックピン230の作用によって押圧されるリミットスイッチによって実現される。
DLS70は、固定接点71A1,71A2と、固定接点71B1,71B2と、可動接点72とを含む。
固定接点71A1,71A2は、配線13を分断する態様で、配線13に直列に配置される。以下、固定接点71A1,71A2を便宜的にDLS70の「A接点」と称する場合がある。
固定接点71B1,71B2は、両端がドア制御装置100に接続される配線102を分断する態様で、配線102に直列に配置される。これにより、ドア制御装置100は、固定接点71B1,71B2の導通状態及び非導通状態のそれぞれを示すHレベルの信号及びLレベルの信号によって、DLS70のオン・オフの状態を把握することができる。以下、固定接点71B1,71B2を便宜的にDLS70の「B接点」と称する場合がある。
可動接点72は、軸方向(図1中の上下方向)に沿って移動することによって、DLS70のA接点(固定接点71A1,71A2)及びB接点(固定接点71B1,71B2)の何れか一方を導通させる。DLS70は、外力が作用しない状態では、可動接点72がB接点を導通する状態、即ち、B接点がオンされ、A接点がオフされる状態にある。一方、DLS70は、可動接点72がロックピン230の作用によって押圧されると、A接点がオンされB接点がオフされる。そして、DLS70は、可動接点72がロックピン230の作用によって押圧されない状態に戻ると、B接点がオンされA接点がオフされる状態に戻る。
例えば、ドア制御装置100は、配線102を通じて入力される信号に基づき、DLS70のB接点のオン・オフ状態を把握することができる。また、例えば、ドア制御装置100は、配線102を通じて入力される信号を反転させることにより、DLS70のA接点のオン・オフ状態を把握することができる。
配線13は、ドア80が全閉し且つ施錠されることにより、DCS60のA接点及びDLS70のA接点が共にオンされると、導通状態となり、インタロック信号がHレベルになる。
ドア80は、鉄道車両1の車体の左右の側面の開口部(以下、「ドア開口」)に設けられる両開き式の引戸である。ドア80は、ドアパネル80A,80Bを含む。
ドアパネル80A,80Bは、モータ30の動力によって、ドア駆動機構200を介してドア80(車体のドア開口)の開閉動作を行う。具体的には、ドアパネル80A,80Bは、車体のドア開口の前後方向の中央を中心として前後方向で対称の動作を行うことにより、車体のドア開口を閉じたり開いたりすることができる。
ドア80の全閉状態において、ドアパネル80A,80Bの互いに当接する部分には、それぞれ、戸先ゴム81A,81Bが設けられる。戸先ゴム81A,81Bは、それぞれ、ドアパネル80A,80Bの合わせ目の部分において、上端から下端に亘る範囲に設けられる。
ドア制御装置100は、ドア80の開閉動作に関する制御を行う。ドア制御装置100は、鉄道車両1に設けられる複数のドア80ごとに設けられる。
ドア制御装置100の機能は、任意のハードウェア或いは任意のハードウェア及びソフトウェアの組み合わせ等により実現される。ドア制御装置100は、例えば、CPU、メモリ装置、補助記憶装置、及び外部との入出力用のインタフェース装置を含むコンピュータを中心に構成される。メモリ装置は、例えば、SRAMである。補助記憶装置は、例えば、EEPROMやフラッシュメモリである。インタフェース装置は、例えば、鉄道車両1の内部の通信回線に接続するための通信インタフェースを含む。また、インタフェース装置は、外部の記録媒体に接続するための外部インタフェースを含んでもよい。これにより、例えば、製造工程において、作業者は、ドア80の制御に関する処理に利用するプログラムや各種のデータを外部の記録媒体からドア制御装置100の補助記憶装置等にインストールすることができる。また、ドア80の制御に関する処理に利用するプログラムや各種のデータは、通信インタフェースを通じて、上位装置10からダウンロードされてもよい。また、インタフェース装置は、接続する通信回線の種類に合わせて、複数の異なる種類のインタフェース装置を含んでよい。
ドア制御装置100は、常用系制御部110と、待機系制御部120と、切換回路部130と、切換回路部140と、を含む。
常用系制御部110は、ドア80の開閉動作に関する制御を行う。常用系制御部110は、電源回路111と、通信部112と、入力信号検出部113と、シーケンス部114と、モータ制御部115と、モータ駆動部116と、施錠・解錠駆動部117とを含む。
電源回路111は、常用系制御部110の各種機器の駆動電源として機能する。電源回路111は、電源150からドア制御装置100に供給される、相対的に高い電圧(例えば、100V)の電力を用いて、常用系制御部110の機器を駆動するための相対的に低い電圧(例えば、5V以下)の電力を生成する。
通信部112は、ドア制御装置100の外部の伝送装置16と双方向の通信を行う。
入力信号検出部113は、ドア制御装置100の外部から入力される各種信号を検出する。
また、入力信号検出部113は、検出した信号に基づき、各種処理を行ってもよい。
例えば、入力信号検出部113は、入力された信号の中から所定の信号を検出すると、所定の信号をシーケンス部114やモータ制御部115に送る。即ち、入力信号検出部113は、入力される複数の種類の信号の中からシーケンス部114やモータ制御部115の制御で必要な信号を抽出(選択)し、シーケンス部114やモータ制御部115に送る。これにより、シーケンス部114及びモータ制御部115は、入力信号検出部113から入力される信号に基づき、後述のシーケンス制御やモータ30の駆動制御を適切に実行することができる。
シーケンス部114は、入力信号検出部113から入力される信号に基づき、ドア80の開閉動作に関するシーケンス制御を行う。具体的には、シーケンス部114は、車両制御装置12からの停車信号、開指令、及び閉指令等に応じて、ドア80の開閉動作に関するシーケンス制御を行う。また、シーケンス部114は、エンコーダ31、DCS60、及びDLS70等の信号を用いて、ドア80の開閉状態、ドア80の開閉方向の位置、ドア80の施錠の有無等を把握しながら、ドア80の開閉動作に関するシーケンス制御を行う。
モータ制御部115は、シーケンス部114からのドア80の開閉動作に関する制御指令に応じて、制御指令に対応するドア80の開閉動作を実現するように、モータ30の駆動制御を行う。モータ制御部115は、例えば、シーケンス部114から入力されるモータ30の速度指令及び推力指令に基づき、モータ30を駆動するPWM(Pulse Width Modulation)信号を生成し、モータ駆動部116に出力する。具体的には、モータ制御部115は、入力信号検出部113から入力される、エンコーダ31及び電流センサ32等の検出信号を用いて、モータ30の電流及び回転軸の回転位置等を把握しながら、速度指令及び推力指令に適合するPWM信号を生成してよい。
モータ駆動部116は、電源150から入力される直流電源を用いて、モータ30を駆動する三相交流電力を生成し出力する。モータ駆動部116は、例えば、直流を所定の電圧及び所定の周波数の三相交流に変換するインバータ回路を含む。モータ駆動部116は、その入力側の2本の直流電力線が入力コンタクタ151を通じて電源150に接続され、その出力側の3本の電力線が切換回路部130を通じてモータ30に接続される。
施錠・解錠駆動部117は、シーケンス部114から入力される施錠指令や解錠指令に応じて、施錠装置50のコイル52,53を通電させ、ドア80の施錠方向或いは解錠方向に施錠装置50(ピン51)を駆動する。施錠・解錠駆動部117は、その入力側の正ライン及び負ラインの直流電力線が入力コンタクタ151を通じて電源150に接続される。そして、施錠・解錠駆動部117は、その出力側の正ライン及び負ラインの直流電力線の二組のうちの一方の組が切換回路部140を通じてコイル52に接続され、他方の組が切換回路部140を通じてコイル53に接続される。例えば、施錠・解錠駆動部117は、入力側の直流電力線と、出力側の一方の組の直流電力線、及び他方の組の直流電力線のそれぞれとの間の導通・非導通を切り換え可能な半導体スイッチを有し、半導体スイッチのオン・オフを切り換える。具体的には、施錠・解錠駆動部117は、シーケンス部114から解錠指令が入力されると、入力側の直流電力線と、出力側の一方の組の直流電力線との間を導通状態に移行させ、切換回路部140を通じて施錠装置50のコイル52を通電させてよい。また、施錠・解錠駆動部117は、シーケンス部114から施錠指令が入力されると、入力側の直流電力線と、他方の一組の直流電力線との間を導通状態に移行させ、切換回路部140を通じて施錠装置50のコイル53を通電させてよい。
待機系制御部120は、ドア80の開閉動作に関する制御を実行可能に構成され、常用系制御部110のバックアップ機能を果たす。これにより、ドア制御装置100は、常用系制御部110に加えて、待機系制御部120が設けられることで、ドア80の開閉動作に関する制御系の冗長化を図ることができる。具体的には、待機系制御部120は、常用系制御部110に異常が発生した場合に、常用系制御部110に代わり、ドア80の開閉動作に関する制御を行う。
待機系制御部120は、常用系制御部110と同様の構成要素を含む。具体的には、待機系制御部120は、電源回路121と、通信部122と、入力信号検出部123と、シーケンス部124と、モータ制御部125と、モータ駆動部126と、施錠・解錠駆動部127とを含む。
電源回路121は、常用系制御部110の電源回路111と同様のハードウェア構成及び機能を有する。また、通信部122は、常用系制御部110の通信部112と同様のハードウェア構成及び機能を有する。また、入力信号検出部123は、常用系制御部110の入力信号検出部113と同様のハードウェア構成及び機能を有する。また、シーケンス部124は、常用系制御部110のシーケンス部114と同様のハードウェア構成及び機能を有する。また、モータ制御部125は、常用系制御部110のモータ制御部115と同様のハードウェア構成及び機能を有する。また、モータ駆動部126は、常用系制御部110のモータ駆動部116と同様のハードウェア構成及び機能を有する。また、施錠・解錠駆動部127は、常用系制御部110の施錠・解錠駆動部117と同様のハードウェア構成及び機能を有する。そのため、詳細な説明を省略する。
切換回路部130は、モータ駆動部116とモータ30とを電気的に接続する状態と、モータ駆動部126とモータ30とを電気的に接続する状態とを切り換える。具体的には、切換回路部130は、その入力側に、モータ駆動部116及びモータ駆動部126のそれぞれの三相交流の出力電力線が接続され、その出力側に、モータ30から延びる三相交流の入力電力線が接続される。そして、切換回路部130は、モータ駆動部116の出力電力線とモータ30の入力電力線とを導通させる状態と、モータ駆動部126の出力電力線とモータ30の入力電力線とを導通させる状態とを切り換える。
切換回路部130は、常用系制御部110によりドア80の開閉動作に関する制御が行われる場合、モータ駆動部116とモータ30とを電気的に接続する状態を維持する。一方、切換回路部130は、常用系制御部110に異常が生じ、待機系制御部120によりドア80の開閉動作に関する制御が行われる状態に移行する場合、モータ駆動部126とモータ30とを電気的に接続する状態に切り換える。
切換回路部140は、施錠・解錠駆動部117と施錠装置50(コイル52,53)とを接続する状態と、施錠・解錠駆動部127と施錠装置50(コイル52,53)とを接続する状態とを切り換える。具体的には、切換回路部140は、その入力側に施錠・解錠駆動部117及び施錠・解錠駆動部127のそれぞれの二組の出力電力線が接続され、その出力側に、施錠装置50(コイル52,53)から延びる二組の入力電力線が接続される。そして、切換回路部140は、施錠・解錠駆動部117の二組の出力電力線と、施錠装置50の二組の入力電力線との間を接続する状態と、施錠・解錠駆動部127の二組の出力電力線と、施錠装置50の二組の入力電力線との間を接続する状態とを切り換える。
切換回路部140は、常用系制御部110によりドア80の開閉動作に関する制御が行われる場合、施錠・解錠駆動部117と施錠装置50(コイル52,53)とを電気的に接続する状態を維持する。一方、切換回路部140は、常用系制御部110に異常が生じ、待機系制御部120によりドア80の開閉動作に関する制御が行われる状態に移行する場合、施錠・解錠駆動部127と施錠装置50(コイル52,53)とを電気的に接続する状態に切り換える。
電源150は、モータ30、施錠装置50、及びドア制御装置100を含む、鉄道車両1の各種機器に所定の電圧(例えば、100ボルト)の直流電力を供給する。電源150は、例えば、バッテリや補助電源装置を含む。バッテリは、鉄道車両1のパンタグラフが架線に接続されていない状態で、鉄道車両1の各種機器に直流電力を供給する。補助電源装置は、鉄道車両1のパンタグラフが架線に接続されている状態で、パンタグラフを通じて架線から供給される電力に基づき、直流電力を生成し、鉄道車両1の各種機器に直流電力を供給する。
入力コンタクタ151は、電源150とドア制御装置100を含む各種機器との間の電力回路に設けられ、電力回路の開閉を行うことにより、鉄道車両1の各種機器への電力供給のオン・オフを切り換える。入力コンタクタ151は、例えば、鉄道車両1の運転室における電源オンに相当する所定の操作に応じて、閉じられる。これにより、ドア制御装置100を含む鉄道車両1の各種機器への電力供給が開始され、鉄道車両1が起動する。また、入力コンタクタ151は、例えば、鉄道車両1の運転室における電源オフに相当する所定の操作に応じて、開かれる。これにより、ドア制御装置100を含む鉄道車両1の各種機器への電力供給が停止(遮断)され、鉄道車両1が停止する。
ドア駆動機構200は、モータ30の動力をドア80に伝達し、ドア80(ドアパネル80A,80B)の開閉動作を行わせる。また、ドア駆動機構200は、施錠装置50(ピン51)の動作に合わせて、ドア80の施錠状態及び解錠状態を実現する。
ドア駆動機構200は、ラック210,220と、ロックピン230とを含む。
ラック210は、ドアパネル80Aの上端部に取り付けられる。ラック210は、ラック部211と、連結部212とを含む。
ラック部211は、鉄道車両1の前後方向に延びる部材である。ラック部211の下面には、ラックギヤ211Aが設けられる。ラック部211は、鉄道車両1(車体)のドア開口の上方において、回転軸が鉄道車両1の幅方向(左右方向)に沿うように配置されるモータ30の回転軸よりも若干上方に配置される。これにより、モータ30の回転軸と同軸で配置されるピニオンギヤとラック部211の下面のラックギヤ211Aとを係合させることができる。そのため、モータ30の回転に合わせて、ラック部211を鉄道車両1の前後方向に移動させることができる。
連結部212は、ドアパネル80Aとラック部211とを連結する。連結部212は、ドアパネル80Aの上端部から上向きに延び出すように設けられ、その上端部にラック部211が連結される。これにより、ドアパネル80Aは、モータ30の回転に合わせたラック部211の移動に連動して、鉄道車両1の前後方向に移動し、ドア80の開閉動作を実現することができる。この際、ドアパネル80Aは、スライドレール(以下、「ドアレール」)によって前後方向への移動が案内される。
連結部212には、DCS当接部213が設けられる。
図2、図3に示すように、DCS当接部213は、ドアパネル80A,80Bが完全に閉じた全閉状態に移行すると、DCS60の可動接点62に当接し、可動接点62が押圧される。これにより、可動接点が押し込まれて、DCS60がオンされる。一方、図4~図6に示すように、DCS当接部213は、ドアパネル80Aが完全に閉じた全閉状態以外の状態に移行すると、DCS60の可動接点62と当接しない状態に移行し、DCS60がオフされる。
ラック220は、ドアパネル80Bの上端部に取り付けられる。ラック220は、ラック部221と、連結部212と、ロックピン当接部223とを含む。
ラック部221は、鉄道車両1の前後方向に延びる部材である。ラック部221の上面には、ラックギヤ221Aが設けられる。ラック部221は、鉄道車両1のドア開口の上方において、モータ30の回転軸よりも若干下方に配置される。これにより、モータ30の回転軸と同軸で配置されるピニオンギヤとラック部221の上面のラックギヤ211Aとを係合させることができる。そのため、モータ30の回転に合わせて、ラック部221を鉄道車両1の前後方向に移動させることができる。
連結部222は、ドアパネル80Bとラック部221とを連結する。連結部222は、ドアパネル80Bの上端部から上向きに延び出すように設けられ、その上端部にラック部221が連結される。これにより、ドアパネル80Bは、モータ30の回転に合わせたラック部221の移動に連動して、鉄道車両1の前後方向に移動し、ドア80の開閉動作を実現することができる。この際、ドアパネル80Bは、スライドレール(ドアレール)によって前後方向への移動が案内される。
ここで、モータ30と同軸のピニオンギヤに対して、ラックギヤ211Aが上から係合し、ラックギヤ221Aが下から係合することにより、モータ30の回転に応じて、ラック210,220を反対向きに移動させることができる。そのため、1つのモータ30で2枚のドアパネル80A,80Bの開動作及び閉動作を実現することができる。
連結部222の上端部には、鉄道車両1の前後方向におけるドア開口の中央側に向かって下り傾斜する傾斜部222Aが設けられる。
ロックピン当接部223は、ドア80の施錠状態において、ロックピン230が当接する。ロックピン当接部223は、連結部222に対して、ラック部221の延び出す方向とは反対側に突出するように設けられる。ロックピン当接部223には、ロックホール223Aが設けられる。
ロックホール223Aは、ロックピン当接部223の上面に設けられる凹部である。ロックホール223Aには、ドア80が施錠される際に、ロックピン230(後述のピン部231)の下端が挿入される。
ロックピン230は、ラック220のロックピン当接部223の上方に設けられる。ロックピン230は、ピン部231と、施錠装置当接部232とを含む。
ピン部231は、上下方向に延びるように設けられる。
施錠装置当接部232は、ピン部231の上端部に取り付けられ、ピン部231との連結部から水平方向、具体的には、鉄道車両1の前後方向におけるドア開口とは反対向きに延び出すように設けられる。施錠装置当接部232の下方には、施錠装置50が固定して配置され、施錠装置50のピン51の上端部と施錠装置当接部232の下面とが当接している。これにより、施錠装置50のピン51が上方向に突出すると、施錠装置当接部232が上方向に持ち上げられ、施錠装置50のピン51が下方向に引き込まれると、ロックピン230の自重で、施錠装置当接部232が下方向に下がる。
図3~図6に示すように、施錠装置50のピン51が突出した状態では、施錠装置当接部232と連結されるピン部231の下端は、ラック220の傾斜部222Aよりも上方に位置し、ピン部231は、ロックホール223Aに係合しない。そのため、ロックピン230の配置による影響を受けることなく、ラック220が移行可能なことから、ドア80(ドアパネル80A,80B)は、開閉方向に移動可能な状態にある。
一方、図2に示すように、施錠装置50のピン51が引き込まれた状態では、ピン部231の下端がラック220の傾斜部222Aよりも下方に位置する。また、ドア80の全閉状態では、ピン部231は、鉄道車両1の前後方向において、傾斜部222Aよりもロックピン当接部223側に位置する。そのため、ドア80の全閉状態で、施錠装置50のピン51が引き込まれると、施錠装置当接部232が下向きに移動し、ピン部231がラック220のロックホール223A(凹部)に係合する。これにより、ラック220の移動が規制されると共に、ラック220のラックギヤに係合するピニオンギヤの回転が規制され、その結果、ピニオンギヤに係合するラックギヤ211Aを有するラック210の移動が規制される。そのため、ラック210,220と連結されるドアパネル80A,80Bの移動が規制され、ドアパネル80A,80Bの施錠状態が実現される。
ドアパネル80A,80Bとドア駆動機構200(ラック210,220)とは別体に構成され、任意の締結構造FSによって締結(連結)される。
例えば、図7に示すように、締結構造FSは、締結板80A1,80B1と、ボルトBLTとを含む。
締結板80A1は、ドアパネル80Aの上端部において、上方に延びるように設けられる平板部である。例えば、締結板80A1は、溶接等によりドアパネル80Aの本体部分と連結される。締結板80A1には、ボルトBLTに対応する2つの締結孔が設けられる。2つの締結孔は、鉄道車両1の幅方向(左右方向)に締結板80A1を貫通するように設けられる。
ラック210の連結部212の下部には、ラック210とドアパネル80Aとの適切な連結状態において、締結板80A1の2つの締結孔と前後方向及び上下方向の位置が略一致するように2つの締結孔が設けられる。2つの締結孔は、鉄道車両1の幅方向(左右方向)に連結部212を貫通するように設けられる。これにより、締結板80A1及び連結部212は、双方の2つの締結孔の前後方向及び上下方向の位置が合うように重ねて配置された上で、ボルトBLTが双方の締結孔を順番に通過するように挿通され、裏側のナットに対して締め付けられることにより締結される。
締結板80B1は、ドアパネル80Bの上端部において、上方に延びるように設けられる平板部である。例えば、締結板80B1は、溶接等によりドアパネル80Bの本体部分と連結される。締結板80B1には、ボルトBLTに対応する2つの締結孔が設けられる。2つの締結孔は、鉄道車両1の幅方向(左右方向)に締結板80B1を貫通するように設けられる。
ラック220の連結部222の下部には、ラック220とドアパネル80Bとの適切な連結状態において、締結板80B1の2つの締結孔と前後方向及び上下方向の位置が略一致するように2つの締結孔が設けられる。2つの締結孔は、鉄道車両1の幅方向(左右方向)に連結部222を貫通するように設けられる。これにより、締結板80B1及び連結部222は、双方の2つの締結孔の前後方向及び上下方向の位置が合うように重ねて配置された上で、ボルトBLTが双方の締結孔を順番に通過するように挿通され、裏側のナットに対して締め付けられることにより締結される。
[ドアに関する異常診断]
次に、図8~図13を参照して、ドア80に関する異常の診断(以下、単に「異常診断」)について説明する。以下、本項目では、ドア80に関する異常診断を行う主体を便宜的に診断システムSYSとして説明を行う。
図8は、ドアパネル80A,80Bとドア駆動機構200との締結構造FSの正常時におけるドア80の開動作時のドア80の位置、速度、及びモータ30の電流の時間変化の一例を示す図である。具体的には、図8は、締結構造FSの正常時におけるドア80の開動作時のドア80の位置、速度、及びモータ30の電流のそれぞれの測定データの時間変化の一例を表す図8A~8Cを含む。図9は、ドアパネル80A,80Bとドア駆動機構200との締結構造FSの異常時におけるドア80の開動作時のドア80の位置、速度、及びモータ30の電流の時間変化の一例を示す図である。具体的には、図9は、締結構造FSの異常時におけるドア80の開動作時のドア80の位置、速度、及びモータ30の電流の測定データの時間変化の一例を表す図9A~9Cを含む。図10は、ドア80の開動作時の電流の時系列データの周波数解析の結果の第1例を示す図である。具体的には、図10は、締結構造FSの正常時、異常度合いの低い異常時、及び異常度合いの高い異常時のそれぞれのおけるドア80の開動作時の電流の時系列データの、連続ウェーブレット変換(CWT:Continuous Wavelet Transform)による周波数解析データを表す図10A~10Cを含む。図11は、ドア80の開動作時の電流の時系列データの周波数解析の結果の第2例を示す図である。具体的には、図11は、締結構造FSの正常時、異常度合いの低い異常時、及び異常度合いの高い異常時のそれぞれのおけるドア80の開動作時の電流の時系列データの、短時間フーリエ変換(STFT:Short Time Fourier Transform)による周波数解析データを表す図11A~11Cを含む。図12は、診断モードの第1例に対応するドア80の動作を説明する図である。具体的には、図12は、診断モードの第1例に対応する、ドア80の位置、及びドア80の速度指令値のそれぞれの時間変化を表す図12A,12Bを含む。図13は、診断モードの第2例に対応するドア80の動作を説明する図である。具体的には、図13は、診断モードの第2例に対応する、ドア80の位置、及びドア80の速度指令値のそれぞれの時間変化を表す図13A,13Bを含む。
尚、図8B,9Bの一点鎖線は、ドア80の速度指令値の時間変化を表す。また、図10、図11では、周波数成分の大きさが色や色の濃淡によって表現される。
診断システムSYSは、ドア80の開閉動作の際のドア80の動作に関するデータ(以下、「診断用データ」)を取得し、取得した診断用データに基づき、ドア80の異常診断を行う。
ドア80の動作に関する診断用データには、例えば、ドア80の動作に関する測定値のデータ(測定データ)や指令値のデータが含まれる。
異常診断には、例えば、異常の有無の診断や異常の程度の診断等が含まれる。また、異常診断には、異常の兆候の有無の診断が含まれてもよい。
ドア80に関する異常診断には、例えば、ドア80の締結構造FSに関する異常診断が含まれる。締結構造FSに関する異常には、例えば、締結構造FSに劣化による緩みが生じている異常状態が含まれる。また、締結構造FSに関する異常には、例えば、何等かの原因によって、ドア80やドア駆動機構200に対して比較的大きな衝撃が入力され、締結構造FSに緩みや部分的な損傷等が生じている異常状態が含まれてもよい。
以下、診断システムSYSによる締結構造FSに関する異常診断について説明する。
ドア制御装置100(モータ制御部115或いはモータ制御部125)は、ドア80の開閉動作に関する制御モードとして通常モードを有する。
通常モードは、ドア開口から鉄道車両1の利用者が乗降する際に使用される、ドア80の開閉動作に関する制御モードである。通常モードでは、ドア制御装置100は、開動作或いは閉動作の動作開始からの加速時及び動作停止前の減速時を除き、一定の速度V1でドア80を動作(走行)させる。
例えば、診断システムSYSは、ドア80が通常モードに対応する動作モードで開動作及び閉動作の少なくとも一方を行っているときのドア80の動作に関する診断用データを取得する。これにより、例えば、鉄道車両1の運行中の駅での停車時に、締結構造FSに関する異常診断のための診断用データを取得することができる。そのため、診断システムSYSは、ドア80の異常に関する診断をより容易に行うことができる。また、診断システムSYSは、診断用データを取得するタイミングをより多く設けることができ、その結果、締結構造FSに関する異常や異常の兆候をより早期に検出することができる。
ドア80の動作に関するデータは、例えば、ドア80の速度のデータやモータ30の電流のデータである。また、ドア80の動作に関するデータは、診断用センサ40で取得可能な種類のデータ(例えば、ドア80の音や振動のデータ)であってもよい。
診断システムSYSにより取得される診断用データには、ドア80の動作開始を起点とする加速区間、及び動作停止を終点とする減速区間の少なくとも一方の区間のデータが含まれる。より具体的には、診断システムSYSにより取得される診断用データには、ドア制御装置100の内部で生成される、ドア80の速度の指令値(速度指令値)が時間変化する区間でのデータが含まれる。ドア80の加速状態や減速状態の動作に関するデータには、締結構造FSの異常に伴うドアパネル80A,80Bの慣性の影響が正常状態に比して大きく現れるからである。例えば、締結構造FSに異常がある場合、ドア駆動機構200に対するドアパネル80A,80Bのガタツキが生じる。その結果、モータ30の動力がドア駆動機構200を通じてドアパネル80A,80Bに伝達される過程で、ドアパネル80A,80Bの慣性の影響が大きくなる可能性がある。
尚、診断用データには、ドア80の加速状態及び減速状態の少なくとも一方の区間のデータのみが含まれていてもよいし、ドア80の加速状態及び減速状態以外の区間のデータが含まれていてもよい。また、診断システムSYSは、診断用データに加速状態及び減速状態以外の区間のデータが含まれる場合、診断用データをそのまま用いて、ドア80の異常に関する診断を行ってもよいし、診断用データからドア80の加速状態及び減速状態の区間のみを抽出した加工データを用いて、ドア80の異常に関する診断を行ってもよい。
例えば、図8B,9Bに示すように、時刻0からt11の区間(以下、「加速区間」)において、ドア80の速度指令値がドアパネル80A,80B同士を閉方向に押し付ける状態に対応する負値からゼロを超えて正値に上昇している。これにより、ドア80の速度(測定値)は、速度指令値の上昇に合わせて、時刻0から時刻t11以降の時刻t12までの区間で上昇している。
図8B,9Bに示すように、締結構造FSに異常がある場合、ドア80の速度(測定値)は、加速区間の初期において、正常な場合と異なり、ドアパネル80A,80Bの慣性の影響で、相対的に短い周期の振動を伴いながら上昇している(囲み801,901参照)。そのため、診断システムSYSは、加速区間の初期、つまり、ドア80の動き出しの直後のドア80の速度の測定値の時系列データ(診断用データ)に基づき、ドアパネル80A,80Bの慣性の影響の有無を判断し、締結構造FSの異常診断を行うことができる。
また、図8C,9Cに示すように、締結構造FSに異常がある場合、モータ30のq軸電流は、加速区間において、正常な場合と異なり、ドアパネル80A,80Bの慣性の影響で、相対的に短い周期の振動を伴いながら上昇している(囲み804,904参照)。そのため、診断システムSYSは、加速区間でのドア80の電流の測定値や指令値の時系列データ(診断用データ)に基づき、ドアパネル80A,80Bの慣性の影響の有無を判断し、締結構造FSの異常診断を行うことができる。
また、図8B,9Bに示すように、ドア80の速度指令値は、時刻t12から時刻t13までの一定の区間の後、時刻t13から時刻t14の区間(以下、「第1の減速区間」)にて略線形に低下している。そのため、ドア80の速度(測定値)は、速度指令値の低下に合わせて、時刻t13以降の区間で低下している。
図8B,9Bに示すように、締結構造FSに異常がある場合、ドア80の速度(測定値)には、第1の減速区間において、正常な場合と異なり、ドアパネル80A,80Bの慣性の影響で、比較的大きな乱れが部分的に生じている(囲み802,902参照)。そのため、診断システムSYSは、第1の減速区間でのドア80の速度の測定値の時系列データ(診断用データ)に基づき、ドアパネル80A,80Bの慣性の影響の有無を判断し、締結構造FSの異常診断を行うことができる。
また、図8C,9Cに示すように、締結構造FSに異常がある場合、モータ30のq軸電流は、第1の減速区間において、ドアパネル80A,80Bの慣性の影響で、正常な場合よりも遅れて、負の領域(回生領域)で相対的に大きい値を取るように低下している(囲み805,905参照)。そのため、診断システムSYSは、第1の減速区間でのドア80の電流の測定値や指令値の時系列データ(診断用データ)に基づき、ドアパネル80A,80Bの慣性の影響の有無を判断し、締結構造FSの異常診断を行うことができる。
また、図8B,9Bに示すように、ドア80の速度指令値は、時刻t14から時刻15までの一定の区間の後、ステップ状に低下する。そして、ドア80の速度指令値は、時刻t15から時刻t16の一定の区間の後、時刻t16から時刻t17の区間(以下、「第2の減速区間」)で、非常に緩やかに低下し、時刻t17でゼロ(0)に到達する。そのため、ドア80の速度(測定値)は、速度指令値の低下に合わせて、時刻t16から時刻t17の区間で低下しゼロ(0)に到達している。
図8B,9Bに示すように、締結構造FSに異常がある場合、ドア80の速度(測定値)には、第2の減速区間の初期において、正常な場合よりも大きな乱れが生じている(囲み803,903参照)。そのため、診断システムSYSは、第2の減速区間の初期でのドア80の速度の測定値の時系列データ(診断用データ)に基づき、ドアパネル80A,80Bの影響の有無を判断し、締結構造FSの異常診断を行うことができる。
また、図8C,9Cに示すように、締結構造FSに異常がある場合、モータ30のq軸電流は、第2の減速区間において、正常な場合よりも相対的に大きく変動している(囲み806,906参照)。そのため、診断システムSYSは、第2の減速区間でのq軸電流の測定値や指令値の時系列データ(診断用データ)に基づき、ドアパネル80A,80Bの影響の有無を判断し、締結構造FSの異常診断を行うことができる。
例えば、診断システムSYSは、加速区間や減速区間を含むドア80の開動作時や閉動作時のドア80の動作に関する診断用データを、締結構造FSの正常状態に対応する、ドア80の動作に関する同じ種類の基準データと直接或いは間接の比較をし、締結構造FSの異常診断を行う。
基準データは、例えば、締結構造FSの正常時に取得される、ドア80の動作に関するデータである。また、基準データは、締結構造FSの正常時に取得される、ドア80の動作に関するデータ群から統計処理等により生成されるデータであってもよい。基準データに利用される、ドア80の動作に関するデータは、例えば、鉄道車両1の運用開始時やメンテナンス直後に取得される。
具体的には、診断システムSYSは、パターンマッチング等の既知の方法を任意に適用し、診断用データと基準データとの直接の比較を行うことにより、締結構造FSの異常診断を行ってよい。また、診断システムSYSは、基準データから生成される、加速区間や減速区間に規定される上限値や下限値等の閾値を用いて、診断用データと基準データとの間接の比較を行うことにより、締結構造FSの異常診断を行ってもよい。
また、診断システムSYSは、締結構造FSの正常時に取得される、ドア80の動作に関するデータ群を含む教師データセットにより教師あり学習がされた学習済みモデルを用いて、診断用データに基づき、締結構造FSの異常診断を行ってもよい。これにより、診断システムSYSは、ドア80の動作に関する診断用データと、締結構造FSの正常時に対応する、ドア80の動作に関するデータとの間接の比較を行い、締結構造FSに関する異常診断を行うことができる。
学習済みモデルは、診断システムSYSの内部で生成されてもよいし、診断システムSYSの外部で生成されてもよい。例えば、学習済みモデルは、後述の診断装置2により生成される。
また、診断システムSYSは、取得した診断用データの周波数解析を行い、周波数解析の結果のデータ(以下、「診断用の周波数解析データ」)に基づき、締結構造FSの異常診断を行ってもよい。
周波数解析は、診断用データの加速区間や減速区間の全体を対象として、周波数成分を解析する形態の周波数解析であってもよいし、診断用データの時間区間での周波数成分の変化を含めて解析を行う形態の周波数解析(即ち、時間-周波数解析)であってもよい。前者の場合、例えば、高速フーリエ変換(FFT:Fast Fourier Transform)が使用され、後者の場合、例えば、連続ウェーブレット変換(CWT)や短時間フーリエ変換(STFT)が使用される。
例えば、図10に示すように、連続ウェーブレット変換による周波数解析データの時間-周波数軸の領域1001~1004では、締結構造FSの異常時において、正常時よりも周波数成分が大きい範囲が増加する傾向がある。また、領域1001~1004では、異常度合いが高くなるほど、周波数成分が大きい範囲が増加する傾向がある。
よって、診断システムSYSは、連続ウェーブレット変換による周波数解析データの時間-周波数軸の領域1001~1004の周波数成分に基づき、締結構造FSに関する異常診断を行うことができる。例えば、診断システムSYSは、領域1001~1004の周波数成分の大きさに基づき、締結構造FSに関する異常の有無や異常の度合いを診断する。
また、図11に示すように、短時間フーリエ変換による周波数解析データの時間-周波数軸の領域1101~1103では、締結構造FSの異常時において、正常時よりも周波数成分が大きい範囲が増加する傾向がある。また、領域1101~1103では、異常度合いが高くなるほど、周波数成分が大きい範囲が増加する傾向がある。
よって、診断システムSYSは、短時間フーリエ変換による周波数解析データの時間-周波数軸の領域1101~1103の周波数成分に基づき、締結構造FSに関する異常診断を行うことができる。例えば、診断システムSYSは、領域1101~1003の周波数成分の大きさに基づき、締結構造FSに関する異常の有無や異常の度合いを診断する。
連続ウェーブレット変換は、周波数領域を対数で分割する。そのため、連続ウェーブレット変換による周波数解析データを用いることで、診断システムSYSは、相対的に低い周波数域において、ドアパネル80A,80Bの慣性の影響に伴う周波数成分の変化をより容易に捉えることができる。一方、短時間フーリエ変換は、周波数領域を等間隔に分割する。そのため、短時間フーリエ変換を用いることで、診断システムSYSは、周波数領域全体において、ドアパネル80A,80Bの慣性の影響に伴う周波数成分の変化を比較的容易に捉えることができる。よって、診断システムSYSは、連続ウェーブレット変換による周波数解析データと、短時間フーリエ変換による周波数解析データとの双方に基づき、締結構造FSに関する異常診断を行ってもよい。
例えば、診断システムSYSは、診断用の周波数解析データと、締結構造FSの正常状態に対応する、ドア80の動作に関する同じ種類のデータの周波数解析の結果のデータ(以下、「基準の周波数解析データ」)との直接或いは間接の比較をし、締結構造FSの異常診断を行う。
基準の周波数解析データは、例えば、締結構造FSの正常時に取得される、ドア80の動作に関するデータについての周波数解析の結果のデータである。また、基準の周波数解析データは、締結構造FSの正常時に取得される、ドア80の動作に関するデータ群の各データの周波数解析の結果のデータに基づき、統計処理等により得られてもよい。基準の周波数解析データの元データとして利用される、締結構造FSの正常時に対応する、ドア80の動作に関するデータは、例えば、鉄道車両1の運用開始時やメンテナンス直後に取得される。
具体的には、診断システムSYSは、パターンマッチング等の既知の方法を任意に適用し、診断用の周波数解析データと基準の周波数解析データとの直接の比較を行うことにより、締結構造FSの異常診断を行ってよい。また、診断システムSYSは、基準の周波数解析データから設定される、特定の周波数領域での閾値を用いて、診断用の周波数解析データと基準の周波数解析データとの間接の比較を行うことで、締結構造FSの異常診断を行ってもよい。
また、診断システムSYSは、学習済みモデルを用いて、診断用の周波数解析データに基づき、締結構造FSに関する異常診断を行ってもよい。学習済みモデルは、締結構造FSの正常時に取得される、ドア80の動作に関するデータ群のそれぞれの周波数解析の結果のデータを含む教師データセットを用いて、教師あり学習がされることにより生成される。これにより、診断システムSYSは、診断用の周波数解析データと、締結構造FSの正常時に対応する、ドア80の動作に関するデータの周波数解析の結果のデータとの間接の比較を行い、締結構造FSに関する異常診断を行うことができる。
学習済みモデルは、上記と同様、診断システムSYSの内部で生成されてもよいし、診断システムSYSの外部で生成されてもよい。
また、図10、図11に示すように、周波数解析データは、画像データとして表されていてもよい。これにより、診断装置2等は、画像データを入力として、セマンティックセグメンテーションにより画像の中の異常検知を行うことが可能な既存のモデル(例えば、U-net等)をベースにして、比較的容易に学習済みモデルを生成することができる。
また、ドア制御装置100は、ドア80の開閉動作に関する制御モードとして、上述の通常モードに加えて、診断モードを有してもよい。
診断モードは、ドア80に関する異常診断を行うためのデータを測定(取得)する際に使用される、ドア80の開閉動作に関する制御モードである。
例えば、図12に示すように、診断モードでは、ドア80に加速及び停止を繰り返し行わせながらドア80に開動作を行わせる。具体的には、診断モードでのドア80の速度指令値は、時刻0から時刻t21までの区間でゼロから略線形に増加し、時刻t21から時刻t22までの区間でゼロに維持される。また、診断モードでの速度指令値は、時刻t22から時刻t23までの区間で、ゼロから略線形に増加し、時刻t23から時刻t24までの区間でゼロに維持される。また、診断モードでのドア80の速度指令値は、時刻t24から時刻t25までの区間でゼロから略線形に増加し、時刻t25から時刻t26までの区間でゼロに維持される。そして、ドア80が全開位置に到達するまでこのパターンのドア80の速度指令値が繰り返される。また、同様に、診断モードでは、ドア80に加速及び停止を繰り返し行わせながらドア80に閉動作を行わせてもよい。これにより、診断モードでのドア80の開動作時や閉動作時のドア80の動作に関する診断用データには、ドア80が停止状態からの加速するときのデータが時系列で繰り返し含まれるようになる。そのため、診断用データには、ドアパネル80A,80Bの慣性の影響がより出現し易くなる。その結果、診断システムSYSは、診断モードでのドア80の開動作時や閉動作時のドア80の動作に関する診断用データを用いることにより、より精度良く締結構造FSの異常診断を行うことができる。
また、図13に示すように、ドア80の速度指令値をあるタイミング大きく変動させてもよい。具体的には、ドア80の速度指令値は、時刻t0から時刻t31までの区間でゼロから略線形に増加することにより、ドア80は、加速しながら開動作を行う。また、ドア80の速度指令値は、時刻t31で負値に反転し、時刻t31から時刻t32までの区間で所定の負値からゼロまで線形に絶対値が減少することにより、ドア80は、減速しながら閉動作を行う。これにより、時刻t31を境界にして、ドア80は、開動作から閉動作に且つ加速状態から減速状態に変化することにより、その加速度が大きく変化する。そのため、診断用データには、ドアパネル80A,80Bの慣性の影響がより出現し易くなる。その結果、診断システムSYSは、診断モードでのドア80の開閉動作時のドア80の動作に関する診断用データを用いることにより、より精度良く締結構造FSの異常診断を行うことができる。
このように、本例では、診断システムSYSは、ドア80の加速状態や減速状態を含むドア80の開閉動作時におけるドア80の動作に関する診断用データを取得し、取得した診断用データに基づき、締結構造FSに関する異常診断を行うことができる。
また、診断システムSYSは、ドア80の動作に関する診断用データの履歴や締結構造FSに関する異常診断の結果や異常診断に利用された、ドア80の動作に関する診断用データの履歴に基づき、締結構造FSに関する異常の兆候の有無を診断してもよい。
また、診断システムSYSは、ビッグデータに相当する、多数のドア80に関する異常診断の結果や異常診断に利用されたデータを利用可能な場合がありうる(図17~図20参照)。この場合、診断システムSYSは、多数のドア80に関する異常診断の結果の情報や異常診断に利用されたデータに基づき、クラスタリング等の機械学習(教師なし学習)を適用し、対象のドア80の締結構造FSに関する異常の兆候の有無を診断してもよい。
[ドアに関する異常診断の処理の第1例]
次に、図14を参照して、ドア80に関する異常診断の処理の第1例について説明する。
図14は、ドア80に関する異常診断の処理の第1例を示すシーケンス図である。
本例では、診断システムSYSは、鉄道車両1に設けられ、上位装置10と、ドア制御装置100を含む。
以下、本例では、ドア制御装置100において、常用系制御部110及び待機系制御部120のうちの常用系制御部110がドア80に関する制御を行う場合について説明する。
図14に示すように、上位装置10の車両制御装置12は、運転室や車掌室の乗務員等のユーザからの所定の入力に応じて、ドア80に関する異常診断のアプリケーションプログラム(以下、「診断アプリ」)を起動させる(ステップS102)。
ステップS102の処理の完了後、車両制御装置12は、ユーザからのドア80に関する異常診断の開始を要求する所定の入力に応じて、診断指令を、伝送装置16を介して、ドア制御装置100に送信する(ステップS104)。
診断指令では、鉄道車両1の全てのドア80が異常診断の対象であってもよいし、鉄道車両1の全てのドア80のうちの一部のドア80のみが異常診断の対象であってもよい。後者の場合、鉄道車両1の全てのドア80のうちの異常診断対象のドア80は、ユーザからの入力により指定され、診断指令は、異常診断対象のドア80を制御対象とするドア制御装置100のみに送信される。
ドア制御装置100の入力信号検出部113は、通信部112を通じて、ステップS104の処理で送信される診断指令を受信し、ドア制御装置100のモータ制御部115は、ドア80の制御モードを診断モードに移行させる(ステップS106)。
ステップS106の処理が完了すると、常用系制御部110は、モータ制御部115及び施錠・解錠駆動部117により診断モードに対応するドア80の開閉動作を行わせ、入力信号検出部113は、ドア80の開閉動作時の診断用データを取得する(ステップS108)。
ステップS108の処理が完了すると、入力信号検出部113は、ステップS108で取得した診断用データに基づき、ドア80に関する異常診断を行う(ステップS110)。
ステップS110の処理が完了すると、入力信号検出部113は、通信部112を通じて、ステップS110のドア80に関する異常診断の結果のデータを上位装置10に送信する(ステップS112)。
上位装置10の車両制御装置12は、伝送装置16を通じて、ステップS112の処理で送信される、ドア80に関する異常診断の結果のデータを受信する。(ステップS114)。
ステップS114の処理が完了すると、車両制御装置12は、例えば、運転室や車掌室の表示装置に、ドア80に関する異常診断の結果を表示させる(ステップS116)。
これにより、運転室や車掌室の乗務員等のユーザは、ドア80に関する異常診断の結果を確認することができる。
このように、本例では、診断システムSYSは、上位装置10を通じて入力されるユーザからの要求に応じて、ドア制御装置100にて、診断モードでのドア80の開閉動作時の診断用データを取得し、ドア80に関する異常診断を行う。そして、診断システムSYSは、ドア80に関する異常診断の結果のデータをドア制御装置100から上位装置10に送信させて、上位装置10を通じて、ドア80に関する異常診断の結果をユーザに提供する。
これにより、運転室や車掌室において、ユーザは、鉄道車両1の全てのドア80に関する異常診断の結果を確認することができる。また、上位装置10とドア制御装置100との間でやり取りされるデータは、診断指令のデータや異常診断の結果のデータ等、ドア80の閉動作時の測定データに比して相対的にデータ量が小さい。そのため、上位装置10とドア制御装置100との間でのデータの通信量を相対的に小さく抑制することができる。
尚、鉄道車両1における異常診断の対象のドア80付近で、ユーザからの異常診断の要求の入力が行われ、且つ、異常診断の結果のユーザへの提供が行われてもよい。例えば、ドア80の上方の空間の車体に設置されるドア制御装置100には、ユーザからの異常診断の要求の入力を受け付ける入力装置とユーザに異常診断の結果を通知する通知装置(例えば、インジケータ等)が設けられてもよい。これにより、例えば、点検作業者等のユーザは、ドア80ごとに、異常診断を実施させて、ドア80が設置されるその場所でドア80に関する異常診断の結果を確認することができる。また、上位装置10とドア制御装置100との間でのドア80に関する異常診断のデータのやり取りを行う必要性がないことから、上位装置10とドア制御装置100との間でのデータの通信量をより小さく抑制することができる。
[ドアに関する異常診断の処理の第2例]
次に、図15を参照して、ドア80に関する異常診断の処理の第2例について説明する。
図15は、ドア80に関する異常診断の処理の第2例を示すシーケンス図である。
本例では、上述の第1例と同様、診断システムSYSは、鉄道車両1に設けられ、上位装置10と、ドア制御装置100を含む。
以下、本例では、ドア制御装置100において、常用系制御部110及び待機系制御部120のうちの常用系制御部110がドア80に関する制御を行う場合について説明する。
図15に示すように、上位装置10の車両制御装置12は、ドア開閉操作装置14から入力される開指令をドア制御装置100に向けて送信する(ステップS202)。
ステップS202の処理の後、ドア制御装置100の入力信号検出部113は、通信部112を通じて、ステップS202の処理で送信される開指令を受信する(ステップS204)。
ステップS204の処理が完了すると、ドア制御装置100の常用系制御部110は、ドア80に通常モードでの開動作を実行させる(ステップS206)。
ステップS206の処理の開始後、ドア制御装置100の常用系制御部110は、ドア80の通常モードに対応する開動作に応じて、診断用データを取得する(ステップS208)。
ステップS204,S206の処理が完了すると、入力信号検出部113は、ステップS206で取得した診断用データに基づき、ドア80に関する異常診断を行う(ステップS210)。
ステップS212,S214,S216の処理は、上述の図14のステップS112,S114,S116と同じであるため、説明を省略する。
このように、本例では、診断システムSYSは、ドア80の開指令に応じて、ドア制御装置100にて、通常モードでのドア80の開閉動作時の診断用データを取得し、ドア80に関する診断を行う。
これにより、例えば、鉄道車両1の駅での停車のタイミングに合わせて、診断システムSYSは、ドア80に関する異常診断を行うことができる。これにより、診断システムSYSは、ドア80に関する異常の有無や異常の兆候の有無をより早期に(即ち、リアルタイムに)検出することができる。
尚、ドア80の閉指令が車両制御装置12からドア制御装置100に送信される場合についても、図15と同様の処理によって、ドア80に関する異常診断が行われてもよい。また、通常モードに対応するドア80の開動作時や閉動作時の診断用データは、蓄積され、所定のタイミングで、蓄積された診断用データに基づき、ドア80に関する異常診断が行われてもよい。また、ドア制御装置100は、ドア80への異物の挟み込みを検知した場合、そのときのドア80の開動作や閉動作での診断用データの取得を途中で中止してもよい。また、ドア制御装置100は、鉄道車両1或いは複数両編成の鉄道車両1の中の制御対象のドア80が配置される車両の利用者の混雑度合いが所定基準に対して相対的に高い場合、診断用のデータの取得を行わないようにしてもよい。また、ドア制御装置100は、ドア80への異物の挟み込みを検知したとき、或いは、利用者の混雑度合いが所定基準に対して相対的に高いときに取得した診断用データを締結部に関する異常の診断に採用しないようにしてもよい。ドア80への異物の挟み込みや乗降時のドア80と利用客との接触等に起因して、ドア80の開動作や閉動作が想定される動作パターンから解離し、締結部に関する異常の診断に利用可能な診断用データを取得できない可能性が高いからである。
[ドアに関する異常診断の処理の第3例]
次に、図16を参照して、ドア80に関する異常診断の処理の第3例について説明する。
図16は、ドア80に関する異常診断の処理の第3例を示すシーケンス図である。
本例では、上述の第1例や第2例と同様、診断システムSYSは、鉄道車両1に設けられ、上位装置10と、ドア制御装置100を含む。
図16に示すように、ステップS302,S304,S306,S308は、上述の図14のステップS102,S104,S106,S108と同じであるため、説明を省略する。
ステップS308の処理を完了すると、入力信号検出部113は、ステップS308で取得した診断用データを、通信部112を通じて、上位装置10に送信する(ステップS310)。
上位装置10の車両制御装置12は、伝送装置16を通じて、ステップS310でドア制御装置100から送信される診断用データを受信する(ステップS312)。
ステップS312の処理が完了すると、車両制御装置12は、ステップS312で受信した診断用データに基づき、ドア80に関する異常診断を行う(ステップS314)。
ステップS314の処理が完了すると、車両制御装置12は、上述の図14のステップS116と同様、例えば、運転室や車掌室の表示装置に、ドア80に関する異常診断の結果を表示させる(ステップS316)。
このように、本例では、診断システムSYSは、ドア制御装置100にて、診断モードでのドア80の開閉動作時の診断用データを取得し、取得した診断用データを上位装置10に送信する。そして、診断システムSYSは、上位装置10にて、ドア制御装置100から受信した診断用データに基づき、ドア80に関する異常診断を行う。
これにより、本例では、診断システムSYSは、上位装置10にて、鉄道車両1の全てのドア80に関する診断用データや異常診断の結果を履歴的に蓄積することができる。上位装置10の記憶リソースは、ドア制御装置100の記憶リソースよりも十分に大きく確保することが可能だからである。そのため、車両制御装置12は、上位装置10に蓄積される、鉄道車両1の全てのドア80の診断モードでの開閉動作時の診断用データや異常診断の結果に基づき、ドア80の異常に関する解析を行うことができる。例えば、車両制御装置12は、特定のドア80について、診断用データや異常診断の結果の履歴を解析してもよい。これにより、診断システムSYSは、車両制御装置12での解析結果に基づき、ドア80の劣化状況(異常の兆候)を予測し、ドア80の異常の有無だけでなく、ドア80の異常の兆候の有無を診断することができる。よって、診断システムSYSは、ドア80に関する異常診断をより適切に行うことができる。
尚、上述の第2例(図15)のように、通常モードに対応する診断用データが取得される場合についても、本例と同様に、ドア制御装置100から上位装置10に診断用データが送信され、上位装置10にて、ドア80に関する異常診断を行われてもよい。この場合、図16において、ステップS302,S304,S306,S308の処理に代えて、図15のステップS202,S204,S206,S208の処理が採用される。
[診断システムの他の例]
次に、図17を参照して、診断システムSYSの他の例について説明する。
図17は、診断システムSYSの他の例を示す図である。
図17に示すように、診断システムSYSは、鉄道車両1(上位装置10及びドア制御装置100)と、診断装置2とを含む。
本例では、診断システムSYSに含まれる鉄道車両1は、1編成であってもよいし、複数編成であってもよい。以下、後述の更に他の例(図19)についても同様であってよい。
診断装置2は、鉄道車両1のドア80に関する異常診断を行う。
診断装置2は、鉄道車両1の外部に設けられる。診断装置2は、鉄道車両1と所定の通信回線を通じて通信可能に接続される。
所定の通信回線は、例えば、基地局を末端とする移動体通信網や通信衛星を利用する衛星通信網等の広域ネットワーク(WAN:Wide Area Network)を含む。また、所定の通信回線は、例えば、駅や車両基地等に整備されるローカルネットワークを含んでもよい。また、所定の通信回線は、例えば、ブルートゥース(登録商標)やWiFi等の所定の通信規格に基づく近距離通信回線を含んでもよい。
診断装置2は、相対的に処理能力が高いサーバ装置である。サーバ装置は、オンプレミスサーバやクラウドサーバであってもよいし、エッジサーバであってもよい。また、診断装置2は、サーバ装置よりも相対的に処理能力低い端末装置であってもよい。端末装置は、例えば、デスクトップ型のPC(Personal Computer)等の定置型の端末装置であってもよいし、例えば、スマートフォン、タブレット端末、ラップトップ型のコンピュータ等の可搬型の端末装置(携帯端末)であってもよい。
診断装置2の機能は、任意のハードウェアや任意のハードウェア及びソフトウェアの組み合わせにより実現されてよい。例えば、診断装置2は、CPU、メモリ装置、補助記憶装置、及びインタフェース装置を含むコンピュータを中心に構成される。メモリ装置は、例えば、SRAMやDRAM(Dynamic Random Access Memory)である。補助記憶装置は、例えば、HDD(Hard Disc Drive)やSSD(Solid State Drive)やEEPROMやフラッシュメモリ等である。インタフェース装置は、例えば、鉄道車両1(上位装置10)を含む外部装置と通信を行うための通信インタフェースを含む。また、インタフェース装置は、外部の記録媒体に接続するための外部インタフェースを含む。これにより、記録媒体から診断装置2の補助記憶装置等にドア80に関する異常診断の処理を行うためのプログラムや各種のデータをインストールすることができる。また、ドア80に関する異常診断の処理を行うためのプログラムや各種のデータは、通信インタフェースを通じて、診断装置2の外部からダウンロードされてもよい。また、インタフェース装置は、接続する通信回線の種類に合わせて、複数の異なる種類のインタフェース装置を含んでよい。また、診断装置2は、更に、ユーザからの各種の入力を受け付けるための入力装置やユーザに向けて情報を出力するための出力装置を含んでもよい。入力装置は、例えば、マウス、キーボード、タッチパネル等のユーザからの機械的な入力を受け付ける機械操作入力装置を含む。また、入力装置は、例えば、カメラやマイクロフォン等によって、ユーザからジェスチャや音声による入力を受け付け可能なジェスチャ入力装置や音声入力装置を含んでもよい。出力装置は、例えば、視覚的に情報を出力する表示装置や聴覚的に情報を出力する音出力装置を含む。表示装置は、例えば、液晶ディスプレイや有機EL(Electroluminescence)である。音出力装置は、例えば、スピーカである。
[ドアに関する異常診断の処理の第4例]
次に、図18を参照して、ドア80に関する異常診断の処理の第4例について説明する。
図18は、ドア80に関する異常診断の処理の第4例を示すシーケンス図である。
本例では、上述の図17の診断システムSYSを前提とする。
図18に示すように、ステップS402,S404,S406,S408,S410,S412は、上述の図16のステップS302,S304,S306,S308,S310,S312の処理と同じであるため、説明を省略する。
上位装置10の車両制御装置12は、ステップS412で受信した診断用データを鉄道車両1の外部の診断装置2に送信する(ステップS414)。
診断装置2は、ステップS414で鉄道車両1の上位装置10から送信される診断用データを受信する(ステップS416)。
診断装置2は、ステップS416で受信した診断用データに基づき、ドア80に関する異常診断を行う(ステップS418)。
ステップS418の処理が完了すると、診断装置2は、ドア80に関する異常診断の結果を鉄道車両1の上位装置10に送信する(ステップS420)。
上位装置10の車両制御装置12は、ステップS420の処理で診断装置2から送信される、ドア80に関する異常診断の結果を受信する(ステップS422)。
ステップS422の処理が完了すると、車両制御装置12は、上述の図14、図16のステップS116,S216と同様、例えば、運転室や車掌室の表示装置に、ドア80に関する異常診断の結果を表示させる(ステップS424)。
このように、本例では、診断システムSYSは、鉄道車両1の外部の診断装置2にて、ドア80に関する異常診断を行うことができる。そのため、通常、処理リソースが比較的小さい鉄道車両1(上位装置10及びドア制御装置100)での処理負荷を軽減することができる。
また、本例では、診断システムSYSは、複数編成の鉄道車両1のドア80の診断用データや異常診断の結果を履歴的に蓄積することができる。これにより、診断装置2は、自身に蓄積される、複数編成に亘る鉄道車両1の全てのドア80の診断モードでの診断用データや異常診断の結果に基づき、ドア80の異常に関する解析を行うことができる。そのため、診断装置2は、自身に蓄積される、対象の鉄道車両1の全てのドア80の診断モードでの診断用データや異常診断の結果に基づき、ドア80の異常に関する解析を行うことができる。例えば、診断装置2は、特定のドア80について、診断用データや異常診断の結果の履歴を解析する。これにより、診断システムSYSは、診断装置2での解析結果に基づき、ドア80の劣化状況(異常の兆候)を予測し、ドア80の異常の有無だけでなく、ドア80の異常の兆候の有無を診断することができる。また、診断装置2は、全ての編成の鉄道車両1のドア80に関する診断用データや異常診断の結果の履歴に基づき、クラスタリング等の機械学習を適用し、全ての編成の鉄道車両1のドア80の中から異常或いは異常の兆候のあるドア80を抽出してもよい。これにより、診断システムSYSは、上述の方法に代えて、或いは、加えて、機械学習を適用し、ドア80に関する異常診断を行うことができる。よって、診断システムSYSは、ドア80に関する異常診断を更に適切に行うことができる。
尚、診断アプリは、診断装置2にインストールされていてもよく、診断装置2でのユーザからの所定の入力に応じて、診断装置2から鉄道車両1(上位装置10)に診断指令が送信されてもよい。また、診断システムSYSに複数編成の鉄道車両1が含まれる場合、診断指令は、ユーザからの所定の入力によって指定される特定の鉄道車両1に向けて送信される。また、上述の第2例(図15)のように、通常モードに対応する診断用データが取得される場合についても、本例と同様に、ドア制御装置100から上位装置10を経由して診断装置2に診断用データが送信され、診断装置2にて、ドア80に関する異常診断を行われてもよい。この場合、図16において、ステップS402,S404,S406,S408の処理に代えて、図15のステップS202,S204,S206,S208の処理が採用される。
[診断システムの更に他の例]
次に、図19を参照して、診断システムSYSの更に他の例について説明する。
図19は、診断システムSYSの更に他の例を示す図である。
図19に示すように、診断システムSYSは、上述の他の例(図17)と同様、鉄道車両1(上位装置10及びドア制御装置100)と、診断装置2とを含む。また、診断システムSYSは、上述の他の例(図17)と異なり、ユーザ端末3を含む。
ユーザ端末3は、診断システムSYSのユーザが利用する端末装置である。
ユーザ端末3は、例えば、ドア80の点検を行う点検者や鉄道車両1の保守・点検の責任者等が利用する端末装置である。また、ユーザ端末3は、例えば、診断装置2のユーザが利用する端末装置であってもよい。
ユーザ端末3は、例えば、デスクトップ型のPC等の定置型の端末装置であってもよいし、例えば、スマートフォン、タブレット端末、ラップトップ型のPC等の可搬型の端末装置(携帯端末)であってもよい。
ユーザ端末3の機能は、任意のハードウェアや任意のハードウェア及びソフトウェアの組み合わせにより実現されてよい。例えば、ユーザ端末3は、CPU、メモリ装置、補助記憶装置、インタフェース装置、入力装置、及び出力装置を含むコンピュータを中心に構成される。メモリ装置は、例えば、SRAMやDRAM(Dynamic Random Access Memory)である。補助記憶装置は、例えば、HDDやSSDやEEPROMやフラッシュメモリ等である。インタフェース装置は、例えば、診断装置2を含む外部装置と通信を行うための通信インタフェースを含む。また、インタフェース装置は、外部の記録媒体に接続するための外部インタフェースを含む。これにより、記録媒体からユーザ端末3の補助記憶装置等にドア80に関する異常診断の処理を行うためのプログラムや各種のデータをインストールすることができる。また、ドア80に関する異常診断の処理を行うためのプログラムや各種のデータは、通信インタフェースを通じて、ユーザ端末3の外部からダウンロードされてもよい。また、インタフェース装置は、接続する通信回線の種類に合わせて、複数の異なる種類のインタフェース装置を含んでよい。入力装置は、例えば、マウス、キーボード、タッチパネル等のユーザからの機械的な入力を受け付ける機械操作入力装置を含む。また、入力装置は、例えば、カメラやマイクロフォン等によって、ユーザからジェスチャや音声による入力を受け付け可能なジェスチャ入力装置や音声入力装置を含んでもよい。出力装置は、例えば、視覚的に情報を出力する表示装置や聴覚的に情報を出力する音出力装置を含む。表示装置は、例えば、液晶ディスプレイや有機EL(Electroluminescence)である。音出力装置は、例えば、スピーカである。
[ドアに関する異常診断の処理の第5例]
次に、図20を参照して、ドア80に関する異常診断の処理の第5例について説明する。
図20は、ドア80に関する異常診断の処理の第5例を示すシーケンス図である。
本例では、上述の図19の診断システムSYSを前提とする。
図20に示すように、ユーザ端末3は、ユーザからの所定の入力に応じて、診断アプリを起動させる(ステップS502)。
ステップS502の完了後、ユーザ端末3は、ユーザからのドア80に関する異常診断の開始を要求する所定の入力に応じて、診断指令を診断装置2に送信する(ステップS504)。
複数編成の鉄道車両1のユーザ端末3から送信される診断指令には、ドア80に関する異常診断が実施される対象の鉄道車両1が指定される。対象の鉄道車両1は、ユーザからの所定の入力によって指定される。
診断装置2は、ステップS504の処理でユーザ端末3から送信される診断指令を受信する(ステップS506)。
ステップS506の処理が完了すると、診断装置2は、ユーザ端末3からの診断指令を中継する形で、対象の鉄道車両1(上位装置10)に診断指令を送信する(ステップS508)。
対象の鉄道車両1の上位装置10(車両制御装置12)は、ステップS508で送信される診断指令を受信する(ステップS510)。
車両制御装置12は、ステップS508で受信した診断指令を中継する形で、伝送装置16を介して、ドア制御装置100に送信する(ステップS512)。
ステップS514,S516,S518,S520,S522,S524,S526は、上述の第4例(図18)のステップS406,S408,S410,S412,S414,S416,S418の処理と同じであるための説明を省略する。
ステップS526の処理が完了すると、診断装置2は、ステップS526でのドア80に関する異常診断の結果をユーザ端末3に送信する(ステップS528)。
ユーザ端末3は、ステップS528で診断装置2から送信される異常診断の結果を受信する(ステップS530)。
ステップS530の処理が完了すると、ユーザ端末3は、自身の出力装置(表示装置)にドア80に関する異常診断の結果を表示させる(ステップS532)。
これにより、ユーザは、ユーザ端末3を用いて、ドア80に関する異常診断の結果を確認することができる。
このように、本例では、診断システムSYSは、ユーザ端末3からドア80に関する異常診断の要求(診断指令)を、診断装置2を通じて鉄道車両1に送信し、ユーザ端末3にて、ドア80に関する異常診断の結果をユーザに通知する。
これにより、診断システムSYSのユーザは、ユーザ端末3を用いて、ドア80に関する異常診断の異常診断を要求し、ドア80に関する異常診断の結果を確認することができる。そのため、例えば、鉄道車両1や診断装置2を直接利用可能なユーザ以外のユーザがユーザ端末3を用いて、異常診断の結果を確認することができる。例えば、ドア80の保守部品を取り扱うメーカの担当者は、鉄道車両1の編成ごとのドア80の異常の発生状況を把握し、保守部品の管理等の最適化を図ることができる。また、例えば、鉄道車両1の保守や点検の担当者は、ユーザ端末3を所持し、ドア80ごとの異常診断の結果を確認しながら、実際の鉄道車両1のドア80の保守・点検作業を行うことができる。よって、診断システムSYSのユーザの利便性を向上させることができる。
尚、上述の第2例(図15)のように、通常モードに対応する診断用データが取得される場合についても、本例と同様に、ユーザ端末3を通じて、診断結果がユーザに提供されてもよい。この場合、図20において、ステップS502,S504,S506,S508,S510,S512,S514,S516の処理に代えて、図15のステップS202,S204,S206,S208の処理が採用される。
[作用]
次に、本実施形態に係る診断装置、診断システム、診断方法、及びプログラムの作用について説明する。
本実施形態では、診断装置は、鉄道車両のドアの開動作及び閉動作の少なくとも一方の動作時におけるドアに関するデータを取得する。そして、診断装置は、取得したデータに基づき、ドアのドアパネルとドアパネルを開閉動作させるための駆動機構との締結部に関する異常の診断を行う。診断装置は、例えば、上述の診断装置2や車両制御装置12やドア制御装置100である。鉄道車両は、例えば、上述の鉄道車両1である。ドアは、例えば、上述のドア80である。ドアパネルは、例えば、上述のドアパネル80A,80Bである。駆動機構は、例えば、上述のドア駆動機構200である。締結部は、例えば、上述の締結構造FSである。
また、本実施形態では、診断システムは、鉄道車両のドアに開動作及び閉動作の少なくとも一方を行わせる。また、診断システムは、鉄道車両のドアに行わせた開動作及び閉動作の少なくとも一方の動作時におけるドアの動作に関するデータを取得する。そして、診断システムは、取得したデータに基づき、ドアのドアパネルとドアパネルを開閉動作させるための駆動機構との締結部に関する異常の診断を行う。診断システムは、例えば、上述の診断システムSYSである。
また、診断装置は、診断方法を実行してもよい。具体的には、診断方法では、診断装置が、鉄道車両のドアの開動作及び閉動作の少なくとも一方の動作時におけるドアに関するデータを取得する。そして、診断方法では、診断装置が、取得したデータに基づき、ドアのドアパネルとドアパネルを開閉動作させるための駆動機構との締結部に関する異常の診断を行う。
また、プログラムは、情報処理装置に診断方法を実行させてもよい。情報処理装置は、例えば、上述の診断装置2や車両制御装置12やドア制御装置100である。具体的には、プログラムは、情報処理装置に、鉄道車両のドアの開動作及び閉動作の少なくとも一方の動作時におけるドアに関するデータを取得させ、取得したデータに基づき、ドアのドアパネルとドアパネルを開閉動作させるための駆動機構との締結部に関する異常の診断を行わせる。
これにより、診断装置等は、鉄道車両のドアの開動作時や閉動作時のドアの動作に関するデータに基づき、ドアパネルと駆動機構との締結部の緩みや破損等に起因して生じる、ドアパネルの慣性の影響やその程度を判断することができる。そのため、診断装置等は、ドアパネルと駆動機構との間の締結部に関する異常の診断を行うことができる。
また、本実施形態では、診断装置等は、取得したデータに含まれる、ドアの加速状態及び減速状態に対応するデータに基づき、異常の診断を行ってもよい。
これにより、診断装置等は、ドアの加速状態や減速状態でのデータに基づき、ドアパネルと駆動機構との締結部の緩みや破損等に起因して生じる、ドアパネルの慣性の影響やその程度を判断し、締結部に関する異常の診断を行うことができる。
また、本実施形態では、ドアの加速状態及び減速状態は、ドアの動作を制御する制御装置で生成される速度指令値が時系列で変化する状態であってもよい。制御装置は、例えば、上述のドア制御装置100である。
これにより、診断装置等は、速度指令値の影響が実際のドアの加速度として現れる前の区間を含めた、ドアの加速状態や減速状態でのデータを利用することができる。そのため、診断装置等は、締結部に関する異常の診断をより適切に行うことができる。
また、本実施形態では、診断装置等は、取得したデータ、又は、取得したデータを加工した加工データと、締結部が正常状態の場合のドアの動作に関するデータとの直接の又は間接の比較に基づき、締結部に関する異常の診断を行ってもよい。加工データは、例えば、上述の周波数解析データや取得したデータからドアの加速状態や減速状態でのデータ部分を抽出した抽出データ等である。
これにより、診断装置等は、締結部が正常状態の場合のドアの動作に関するデータを基準として、締結部に関する異常の診断を行うことができる。
また、本実施形態では、診断装置等は、締結部が正常状態の場合のドアの動作に関するデータで教師あり学習がされた学習済みモデルを用いて、取得したデータに基づき、異常の診断を行ってもよい。
これにより、診断装置は、締結部が正常な状態を学習済みの学習済みモデルを用いて、締結部に関する異常の診断を行うことができる。
また、本実施形態では、診断装置等は、取得したデータに対応する画像データを生成し、学習済みモデルを用いて、画像データに基づき、異常の診断を行ってもよい。
これにより、診断装置等や別途設けられる学習装置は、入力に画像データを利用可能な既知のアルゴリズムが適用された、セグメンテーションモデルを活用して学習済みモデルを生成することができる。そのため、診断装置等は、より容易に学習済みモデルを適用した異常診断を実装することができる。
また、本実施形態では、締結部が正常状態の場合のドアの動作に関するデータは、ドアの運用開始時、及びドアのメンテナンス直後の少なくとも一方のタイミングでのドアの動作に関するデータであってもよい。
これにより、診断装置等は、締結部が正常状態の場合のドアの動作に関するデータを利用することができる。
また、本実施形態では、診断装置等は、鉄道車両の利用者の乗降の際に使用される通常の動作モードでドアが動作したときのドアの動作に関するデータを取得してもよい。通常の動作モードは、例えば、上述のドア制御装置100の通常モードに対応するドア80の動作モードである。
これにより、診断装置等は、例えば、鉄道車両の運行時の駅での停車のタイミングのたびに、ドアの動作に関するデータを取得することができる。そのため、診断装置等は、鉄道車両の運行に合わせて、締結部に関する異常の診断を行うことができる。
また、本実施形態では、診断装置等は、鉄道車両の利用者の乗降の際に使用される通常の動作モードとは異なる、診断用の動作モードでドアが動作したときのドアの動作に関するデータを取得してもよい。診断用の動作モードは、例えば、上述のドア制御装置100の診断モードに対応するドア80の動作モードである。
これにより、診断装置等は、例えば、加速状態や減速状態の程度が通常の動作モードより大きい動作モードや加速状態や減速状態の回数が通常の動作モードより多い動作モードでのドアの動作に関するデータを取得することができる。そのため、診断装置等は、診断用の動作モードでのドアの動作に関するデータに基づき、締結部の緩みや破損等の異常
に起因するドアパネルの慣性の影響をより容易に判断することができる。その結果、診断装置等は、締結部に関する異常の診断をより精度良く行うことができる。
また、本実施形態では、診断装置等は、取得したデータの周波数解析の結果を表す加工データに基づき、異常の診断を行ってもよい。周波数解析の結果を表す加工データは、例えば、上述の診断用の周波数解析データである。
これにより、診断装置等は、周波数解析の結果を表す加工データに基づき、取得したデータの周波数成分に表れる変化を捉えて、締結部に関する異常の診断を行うことができる。
また、本実施形態では、診断装置等は、ドアの動作に関するデータは、ドアの速度、電流、音、又は振動に関するデータであってもよい。
これにより、診断装置等は、ドアの加速状態や減速状態でのドアの速度、電流、音、振動に関するデータを用いて、締結部に関する異常の診断を行うことができる。
以上、実施形態について詳述したが、本開示はかかる特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
1 鉄道車両
2 診断装置
3 ユーザ端末
10 上位装置
12 車両制御装置
13 配線
14 ドア開閉操作装置
14A 開スイッチ
14B 閉スイッチ
15 時刻
16 伝送装置
30 モータ
31 エンコーダ
32 電流センサ
32A 電流センサ
32B 電流センサ
40 診断用センサ
50 施錠装置
51 ピン
52 コイル
53 コイル
60 DCS
61A1 固定接点
61A2 固定接点
61B1 固定接点
61B2 固定接点
62 可動接点
70 DLS
71A1 固定接点
71A2 固定接点
71B1 固定接点
71B2 固定接点
72 可動接点
80 ドア
80A ドアパネル
80A1 締結板
80B ドアパネル
80B1 締結板
81A 戸先ゴム
81B 戸先ゴム
100 ドア制御装置
101 配線
102 配線
110 常用系制御部
111 電源回路
112 通信部
113 入力信号検出部
114 シーケンス部
115 モータ制御部
116 モータ駆動部
117 施錠・解錠駆動部
120 待機系制御部
121 電源回路
122 通信部
123 入力信号検出部
124 シーケンス部
125 モータ制御部
126 モータ駆動部
127 施錠・解錠駆動部
130 切換回路部
140 切換回路部
150 電源
151 入力コンタクタ
200 ドア駆動機構
210 ラック
211 ラック部
211A ラックギヤ
212 連結部
213 DCS当接部
220 ラック
221 ラック部
221A ラックギヤ
222 連結部
222A 傾斜部
223 ロックピン当接部
223A ロックホール
230 ロックピン
231 ピン部
232 施錠装置当接部
BLT ボルト
FS 締結構造
SYS 診断システム

Claims (13)

  1. 鉄道車両のドアの開動作及び閉動作の少なくとも一方の動作時における前記ドアの動作に関するデータを取得し、
    取得したデータに基づき、前記ドアのドアパネルと前記ドアパネルを開閉動作させるための駆動機構との締結部に関する異常の診断を行う、
    診断装置。
  2. 取得したデータに含まれる、前記ドアの加速状態及び減速状態の少なくとも一方に対応するデータに基づき、前記異常の診断を行う、
    請求項1に記載の診断装置。
  3. 取得したデータ、又は、取得したデータを加工した加工データと、前記締結部が正常状態の場合の前記ドアの動作に関するデータとの直接の又は間接の比較に基づき、前記異常の診断を行う、
    請求項1又は2に記載の診断装置。
  4. 前記締結部が正常状態の場合の前記ドアの動作に関するデータで教師あり学習がされた学習済みモデルを用いて、取得したデータに基づき、前記異常の診断を行う、
    請求項3に記載の診断装置。
  5. 取得したデータに対応する画像データを生成し、
    前記学習済みモデルを用いて、前記画像データに基づき、前記異常の診断を行う、
    請求項4に記載の診断装置。
  6. 前記締結部が正常状態の場合の前記ドアの動作に関するデータは、前記ドアの運用開始時、及び前記ドアのメンテナンス直後の少なくとも一方のタイミングでの前記ドアの動作に関するデータである、
    請求項3に記載の診断装置。
  7. 前記鉄道車両の利用者の乗降の際に使用される通常の動作モードで前記ドアが動作したときの前記ドアの動作に関するデータを取得する、
    請求項1又は2に記載の診断装置。
  8. 前記鉄道車両の利用者の乗降の際に使用される通常の動作モードとは異なる、診断用の動作モードで前記ドアが動作したときの前記ドアの動作に関するデータを取得する、
    請求項1又は2に記載の診断装置。
  9. 取得したデータの周波数解析の結果を表す加工データに基づき、前記異常の診断を行う、
    請求項1又は2に記載の診断装置。
  10. 前記ドアの動作に関するデータは、前記ドアの速度、電流、音、又は振動に関するデータである、
    請求項1又は2に記載の診断装置。
  11. 鉄道車両のドアに開動作及び閉動作の少なくとも一方を行わせ、
    前記ドアの前記開動作及び前記閉動作の少なくとも一方の動作時における前記ドアの動作に関するデータを取得し、
    取得したデータに基づき、前記ドアのドアパネルと前記ドアパネルを開閉動作させるための駆動機構との締結部に関する異常の診断を行う、
    診断システム。
  12. 診断装置が、
    鉄道車両のドアの開動作及び閉動作の少なくとも一方の動作時における前記ドアの動作に関するデータを取得し、
    取得したデータに基づき、前記ドアのドアパネルと前記ドアパネルを開閉動作させるための駆動機構との締結部に関する異常の診断を行う、
    診断方法。
  13. 情報処理装置に、
    鉄道車両のドアの開動作及び閉動作の少なくとも一方の動作時における前記ドアの動作に関するデータを取得させ、
    取得したデータに基づき、前記ドアのドアパネルと前記ドアパネルを開閉動作させるための駆動機構との締結部に関する異常の診断を行わせる、
    プログラム。
JP2022212721A 2022-12-28 2022-12-28 診断装置、診断システム、診断方法、プログラム Pending JP2024095436A (ja)

Priority Applications (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2022212721A JP2024095436A (ja) 2022-12-28 2022-12-28 診断装置、診断システム、診断方法、プログラム
US18/492,057 US20240218727A1 (en) 2022-12-28 2023-10-23 Diagnostic apparatus, diagnostic system, and diagnostic method
CA3217732A CA3217732A1 (en) 2022-12-28 2023-10-25 Diagnostic apparatus, diagnostic system, and diagnostic method

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2022212721A JP2024095436A (ja) 2022-12-28 2022-12-28 診断装置、診断システム、診断方法、プログラム

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2024095436A true JP2024095436A (ja) 2024-07-10

Family

ID=91621626

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2022212721A Pending JP2024095436A (ja) 2022-12-28 2022-12-28 診断装置、診断システム、診断方法、プログラム

Country Status (3)

Country Link
US (1) US20240218727A1 (ja)
JP (1) JP2024095436A (ja)
CA (1) CA3217732A1 (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
CA3217732A1 (en) 2024-06-28
US20240218727A1 (en) 2024-07-04

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US11286133B2 (en) Elevator health monitoring system
JP5833477B2 (ja) エレベータの異常音診断方法、それに用いる装置、及びその装置を備えたエレベータ
Huang et al. Turnout fault diagnosis through dynamic time warping and signal normalization
JP7219062B2 (ja) 車両用戸閉装置の異常検出方法
US11148906B2 (en) Elevator vandalism monitoring system
KR101944070B1 (ko) 빅데이터를 활용한 승강장안전문 관리시스템 및 방법
JP6796545B2 (ja) 鉄道車両機器診断装置および鉄道車両機器診断方法
US10907394B2 (en) Diagnostic operation method and system for a transport vehicle automatic or semi-automatic access device
JP6204151B2 (ja) 車両用戸閉装置のメンテナンス時期判定方法
JP2024095436A (ja) 診断装置、診断システム、診断方法、プログラム
Chen et al. Fault diagnosis using discrete wavelet transform (DWT) and artificial neural network (ANN) for a railway switch
KR20100011872A (ko) 이중 제어부를 포함하는 자동 출입문 제어 시스템
CN112127718B (zh) 站台门系统滑动门门锁运行状态检测方法
CN117129247A (zh) 一种地铁车门故障诊断方法
JP2024095435A (ja) 診断装置、診断システム、診断方法、プログラム
JP2024070716A (ja) 診断装置、診断システム、診断方法、プログラム
JP2024113941A (ja) 診断装置、診断システム、診断方法、プログラム
JP2024070717A (ja) 診断装置、診断システム、診断方法、プログラム
JP5493313B2 (ja) 鉄道車両用電気駆動式ドアの制御装置
KR100741505B1 (ko) 차상컴퓨터 시험시스템 및 방법
JP2010101860A (ja) 車両に搭載された機構の故障診断装置
Guziński et al. Induction Motor Control Application in High‐Speed Train Electric Drive
JP2024040108A (ja) パラメータ同定方法、制御装置、診断装置
US12116820B2 (en) Monitoring apparatus and monitoring method
KR102673205B1 (ko) 대차 주행안전성 예측 장치 및 방법