JP2024070717A - 診断装置、診断システム、診断方法、プログラム - Google Patents

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Abstract

Figure 2024070717000001
【課題】ドアの全閉状態を検知するスイッチやスイッチの可動接点を押圧するための部材の位置に関する異常の診断をより適切に行うことが可能な技術を提供する。
【解決手段】一実施形態に係るドア制御装置100は、鉄道車両1のドア80の閉動作の期間又は開動作の期間でのドア80の位置、及びドア80の全閉状態を検知するDCS60の出力の時系列のデータを取得し、取得したデータに基づき、DCS60、及びDCS60の可動接点62を押圧するためのDCS当接部213の少なくとも一方の位置に関する異常の診断を行う。
【選択図】図11

Description

本開示は、診断装置等に関する。
例えば、ドアの全閉状態を検知するスイッチのオンタイミングやオフタイミングのデータを用いて、スイッチの位置に関する異常(取付位置のずれ)の診断(検出)を行う方法が知られている(特許文献1参照)。
また、特許文献1の方法を援用することで、スイッチの可動接点を押圧するためにドア側に設けられる部材の位置に関する異常の診断を行うことも可能である。
特開2020-82993号公報
しかしながら、スイッチの物理的なオン/オフのタイミングと、スイッチの出力(信号)のオン/オフのタイミングとの間には、時間差が生じる可能性がある。例えば、スイッチの信号を受け取る回路には、チャタリング防止用のローパスフィルタが内蔵される場合があり、ローパスフィルタによる遅延によって、上記の時間差が生じる可能性がある。そのため、上記の時間差の大きさによっては、スイッチや押圧部材の位置に関する異常の診断の精度が悪化する可能性がある。
そこで、上記課題に鑑み、ドアの全閉状態を検知するスイッチやスイッチの可動接点を押圧するための部材の位置に関する異常の診断をより適切に行うことが可能な技術を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本開示の一実施形態では、
鉄道車両のドアの閉動作の期間又は開動作の期間での前記ドアの位置、及び前記ドアの全閉状態を検知するスイッチの出力の時系列のデータを取得し、
取得したデータに基づき、前記スイッチ、及び前記スイッチの可動接点を押圧するための押圧部材の少なくとも一方の位置に関する異常の診断を行う、
診断装置が提供される。
また、本開示の他の実施形態では、
鉄道車両のドアに閉動作又は開動作を行わせ、
前記ドアに前記閉動作又は前記開動作を行わせた期間での前記ドアの位置、及び前記ドアの全閉状態を検知するスイッチの出力の時系列のデータを取得し、
取得したデータに基づき、前記スイッチ、及び前記スイッチの可動接点を押圧するための押圧部材の少なくとも一方の位置に関する異常の診断を行う、
診断システムが提供される。
また、本開示の更に他の実施形態では、
情報処理装置が、
鉄道車両のドアの閉動作の期間又は開動作の期間での前記ドアの位置、及び前記ドアの全閉状態を検知するスイッチの出力の時系列のデータを取得し、
取得したデータに基づき、前記スイッチ、及び前記スイッチの可動接点を押圧するための押圧部材の少なくとも一方の位置に関する異常の診断を行う、
診断方法が提供される。
また、本開示の更に他の実施形態では、
情報処理装置に、
鉄道車両のドアが閉動作の期間又は開動作の期間での前記ドアの位置、及び前記ドアの全閉状態を検知するスイッチの出力の時系列のデータを取得させ、
取得したデータに基づき、前記スイッチ、及び前記スイッチの可動接点を押圧するための押圧部材の少なくとも一方の位置に関する異常の診断を行わせる、
プログラムが提供される。
上述の実施形態によれば、ドアの全閉状態を検知するスイッチやスイッチの可動接点を押圧するための部材の位置に関する異常の診断をより適切に行うことができる。
鉄道車両のドアの開閉動作に関連する構成の一例を示すブロック図である。 鉄道車両のドア及びドア駆動機構の配置構造の一例を示す概略図である。 鉄道車両のドア及びドア駆動機構の配置構造の一例を示す概略図である。 鉄道車両のドア及びドア駆動機構の配置構造の一例を示す概略図である。 鉄道車両のドア及びドア駆動機構の配置構造の一例を示す概略図である。 鉄道車両のドア及びドア駆動機構の配置構造の一例を示す概略図である。 DCSとDCS当接部との位置関係の第1例を示す図である。 DCSとDCS当接部との位置関係の第2例を示す図である。 DCSとDCS当接部との位置関係の第3例を示す図である。 DCSとDCS当接部との位置関係の第4例を示す図である。 診断モードでのドアの閉動作時におけるドアの位置及びDCS信号の時間変化の第1例を表す図である。 診断モードでのドアの閉動作時におけるドアの位置及びDCS信号の時間変化の第2例を表す図である。 診断モードでのドアの閉動作時におけるドアの位置及びDCS信号の時間変化の第3例を表す図である。 ドアに関する異常診断の処理の第1例を示すシーケンス図である。 ドアに関する異常診断の処理の第2例を示すシーケンス図である。 診断システムの他の例を示す図である。 ドアに関する異常診断の処理の第3例を示すシーケンス図である。 診断システムの更に他の例を示す図である。 ドアに関する異常診断の処理の第4例を示すシーケンス図である。
以下、図面を参照して実施形態について説明する。
[ドアの開閉動作に関する構成]
図1~図6を参照して、鉄道車両1のドア80の開閉動作に関する構成の一例について説明する。
図1は、鉄道車両1のドア80の開閉動作に関する構成の一例を示すブロック図である。図2~図6は、鉄道車両1のドア80及びドア駆動機構200の配置構造の一例を示す概略図である。具体的には、図2は、ドア80の全閉且つ施錠状態におけるドア80及びドア駆動機構200を示す概略図である。図3は、全閉且つ解錠状態におけるドア80及びドア駆動機構200を示す概略図である。図4は、開動作中(開動作開始直後)或いは閉動作中(閉動作完了直前)におけるドア80及びドア駆動機構200を示す概略図である。図5は、開動作中(開動作完了直前)或いは閉動作中(閉動作開始直後)におけるドア80及びドア駆動機構200を示す概略図である。図6は、全開状態におけるドア80及びドア駆動機構200を示す概略図である。
鉄道車両1は、1つの車両で構成される1両編成であってもよいし、複数の車両が数珠つなぎで連結される複数両編成であってもよい。
図1~図6に示すように、鉄道車両1は、上位装置10と、モータ30と、エンコーダ31と、電流センサ32と、施錠装置50と、DCS(Door Close Switch)60と、DLS(Door Lock Switch)70と、ドア80と、を含む。また、鉄道車両1は、ドア制御装置100と、電源150と、入力コンタクタ151と、ドア駆動機構200とを含む。
上位装置10は、車両制御装置12と、ドア開閉操作装置14と、伝送装置16とを含む。
車両制御装置12は、鉄道車両1の運行に関する制御を行う。例えば、鉄道車両1が複数両編成の場合、車両制御装置12は、先頭の車両の運転室と最後尾の車両の車掌室とに1つずつ設けられる。また、例えば、鉄道車両が1両編成の場合、車両制御装置12は、鉄道車両1(車両)の前端及び後端の運転室と車掌室とに1つずつ設けられる。
車両制御装置12の機能は、任意のハードウェア或いは任意のハードウェア及びソフトウェアの組み合わせ等により実現される。車両制御装置12は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、メモリ装置、補助記憶装置、及び外部との入出力用のインタフェース装置を含むコンピュータを中心に構成される。メモリ装置は、例えば、SRAM(Static Random Access Memory)である。補助記憶装置は、例えば、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)やフラッシュメモリである。インタフェース装置は、例えば、鉄道車両1の内部の通信回線や鉄道車両1の外部の通信回線に接続するための通信インタフェースを含む。また、インタフェース装置は、外部の記録媒体に接続するための外部インタフェースを含んでもよい。これにより、例えば、製造工程において、作業者は、鉄道車両1の運行の制御に関する処理に利用するプログラムや各種のデータを外部の記録媒体から車両制御装置12の補助記憶装置等にインストールすることができる。また、鉄道車両1の運行の制御に関する処理に利用するプログラムや各種のデータは、通信インタフェースを通じて、鉄道車両1の外部からダウンロードされてもよい。また、インタフェース装置は、接続する通信回線の種類に合わせて、複数の異なる種類のインタフェース装置を含んでよい。
車両制御装置12は、鉄道車両1が駅等に停車しているときに、停車中であることを表す停車信号をドア制御装置100に出力する。また、車両制御装置12は、ドア開閉操作装置14から入力される、ドア80の開動作を指示する開指令或いはドア80の閉動作を指示する閉指令をドア制御装置100に向けて出力する。
車両制御装置12は、インタロック信号を伝送する配線13が接続される。配線13は、その両端部が車両制御装置12に接続されると共に、配線13には、DCS60及びDLS70が設けられる。DCS60及びDLS70の少なくとも一方がオフ状態の場合、配線13が非導通状態であり、この場合、車両制御装置12に入力されるインタロック信号は、L(Low)レベルとなる。一方、DCS60及びDLS70が共にオン状態の場合、配線13が導通状態であり、この場合、車両制御装置12に入力されるインタロック信号は、H(High)レベルになる。車両制御装置12は、インタロック信号がHレベルの場合に、鉄道車両1を走行可能状態と判断する。そのため、インタロック信号がLレベルからHレベルに移行すると、鉄道車両1は、走行可能になる。
ドア開閉操作装置14は、鉄道車両1の乗務員(例えば、車掌)がドア80の開閉操作を行うために用いられる。ドア開閉操作装置14は、開スイッチ14Aと、閉スイッチ14Bとを含む。例えば、鉄道車両1の停車中に開スイッチ14Aが操作されると、ドア開閉操作装置14は、LレベルからHレベルに立ち上がる開指令を車両制御装置12に出力する。また、例えば、鉄道車両1の停車中に閉スイッチ14Bが操作されると、ドア開閉操作装置14は、HレベルからLレベルに立ち下がる閉指令を車両制御装置12に出力する。
伝送装置16は、鉄道車両1の複数のドア80ごとのドア制御装置100と車両制御装置12との間で信号の中継を行う。
具体的には、伝送装置16は、車両制御装置12からドア制御装置100に向けて送信される各種信号を受信し、対象の一部或いは全部のドア制御装置100に伝送してよい(入力信号SDR)。また、伝送装置16は、それぞれのドア制御装置100から車両制御装置12に向けて送信される各種信号(出力信号SD)を受信し、車両制御装置12に伝送してよい。
モータ30は、ドア80を開閉駆動する。モータ30は、例えば、三相交流の駆動電力で駆動される回転機である。モータ30は、三相交流の駆動電力で駆動されるリニアモータであってもよい。また、モータ30は、直流で駆動される直流モータであってもよい。
エンコーダ31は、モータ30の回転位置や変位位置を検出する。例えば、モータ30が回転機の場合、エンコーダ31は、モータ30の回転軸の回転位置(回転角度)を検出する。エンコーダ31は、例えば、モータ30の回転軸の一回転中の回転位置(回転角度)、及び回転数を検出する。エンコーダ31は、モータ30の回転軸の回転位置に関する情報を含む検出信号を出力し、検出信号は、ドア制御装置100に取り込まれる。これにより、ドア制御装置100は、エンコーダ31の信号に基づき、ドア80の開閉方向での位置情報を取得することができる。つまり、エンコーダ31の信号に含まれる情報は、ドア80の位置情報に相当する。
電流センサ32は、ドア制御装置100からモータ30に供給される三相交流の駆動電力の電流を検出する。電流センサ32は、ドア制御装置100とモータ30との間を接続するU相、V相、及びW相の3本の電力線のうちの2本の電力線の電流を検出する電流センサ32A,32Bを含む。例えば、電流センサ32Aは、U相の電力線の電流を検出し、電流センサ32Bは、W相の電力線の電流を検出する。また、電流センサ32は、残り1本の電力線の電流を検出する電流センサを含んでもよい。例えば、図1に示すように、電流センサ32は、ドア制御装置100に内蔵されてもよいし、ドア制御装置100の外部に設けられてもよい。電流センサ32(電流センサ32A,32B)の検出信号は、後述の常用系制御部110及び待機系制御部120に取り込まれる。
施錠装置50は、ドア80の施錠及び解錠を行う。施錠装置50は、例えば、ピン51と、コイル52,53とを含み、双方向自己保持型ソレノイドによって実現される。コイル52,53は、それぞれ、ドア制御装置100と接続される。
施錠装置50は、ドア制御装置100によってコイル52が通電されると、ピン51が施錠装置50の筐体から突出する。これにより、後述のロックピン230が解錠方向に移動し、ドア80が解錠される。また、施錠装置50は、自己保持型であることから、コイル52の通電が解除された後もその筐体から突出した状態を維持する。これにより、ドア80の解錠状態を維持することができる。
施錠装置50は、ドア制御装置100によってコイル53が通電されると、ピン51が施錠装置50の筐体に引き込まれる。これにより、後述のロックピン230が施錠方向に移動し、ドア80が施錠される。また、施錠装置50は、自己保持型であることから、コイル53の通電が解除された後もその筐体に引き込まれた状態を維持する。これにより、ドア80の施錠状態を維持することができる。
DCS60は、鉄道車両1のドア80の開閉状態に関する検知を行う。具体的には、DCS60は、鉄道車両1のドア80の完全に閉じられた全閉状態を検知する。DCS60は、例えば、ドア80が全閉位置まで移動すると、ドア80の作用によって押圧されるリミットスイッチによって実現される。例えば、図2~図6に示すように、DCS60は、鉄道車両1の車体側に取り付けられる。また、DCS60は、鉄道車両1のドア80側、具体的には、ドア80或いはドア80(ドアパネル80A,80B)と共に移動する構成要素(例えば、連結部212,222等)に設けられてもよい。
DCS60は、固定接点61A1,61A2と、固定接点61B1,61B2と、可動接点62とを含む。
固定接点61A1,61A2は、配線13を分断する態様で、配線13に直列に配置される。以下、固定接点61A1,61A2を便宜的にDCS60の「A接点」と称する場合がある。
固定接点61B1,61B2は、両端がドア制御装置100に接続される配線101を分断する態様で、配線101に直列に配置される。これにより、ドア制御装置100は、固定接点61B1,61B2の導通状態及び非導通状態のそれぞれを示すHレベルの信号及びLレベルの信号によって、DCS60のオン・オフの状態を把握することができる。以下、固定接点61B1,61B2を便宜的にDCS60の「B接点」と称する場合がある。
可動接点62は、軸方向(図1中の上下方向)に沿って移動することによって、DCS60のA接点(固定接点61A1,61A2)及びB接点(固定接点61B1,61B2)の何れか一方を導通させる。DCS60は、外力が作用しない状態では、可動接点62がB接点を導通させる状態、即ち、B接点がオン、及びA接点がオフの状態にある。一方、DCS60は、後述の如く、可動接点62がドア80の作用によって押圧されると、A接点が可動接点62によって導通された状態でA接点がオンされ、B接点がオフされる。そして、DCS60は、可動接点62がドア80の作用によって押圧されない状態に戻ると、B接点が可動接点62によって導通された状態でB接点がオンされ、A接点がオフされる状態に戻る。以下、DCS60のオン/オフは、A接点のオン/オフを表す前提で説明を進める。
例えば、ドア制御装置100は、配線101を通じて入力される信号に基づき、DCS60のB接点のオン・オフ状態を把握することができる。また、例えば、ドア制御装置100は、配線101を通じて入力される信号を反転させることにより、DCS60のA接点のオン・オフ状態を把握することができる。
DLS70は、ドア80の施錠の有無の検知を行う。具体的には、ドア80の施錠されている状態を検知する。DLS70は、例えば、ドア80のロックピン230が施錠位置に移動すると、ロックピン230の作用によって押圧されるリミットスイッチによって実現される。
DLS70は、固定接点71A1,71A2と、固定接点71B1,71B2と、可動接点72とを含む。
固定接点71A1,71A2は、配線13を分断する態様で、配線13に直列に配置される。以下、固定接点71A1,71A2を便宜的にDLS70の「A接点」と称する場合がある。
固定接点71B1,71B2は、両端がドア制御装置100に接続される配線102を分断する態様で、配線102に直列に配置される。これにより、ドア制御装置100は、固定接点71B1,71B2の導通状態及び非導通状態のそれぞれを示すHレベルの信号及びLレベルの信号によって、DLS70のオン・オフの状態を把握することができる。以下、固定接点71B1,71B2を便宜的にDLS70の「B接点」と称する場合がある。
可動接点72は、軸方向(図1中の上下方向)に沿って移動することによって、DLS70のA接点(固定接点71A1,71A2)及びB接点(固定接点71B1,71B2)の何れか一方を導通させる。DLS70は、外力が作用しない状態では、可動接点72がB接点を導通する状態、即ち、B接点がオンされ、A接点がオフされる状態にある。一方、DLS70は、可動接点72がロックピン230の作用によって押圧されると、A接点がオンされB接点がオフされる。そして、DLS70は、可動接点72がロックピン230の作用によって押圧されない状態に戻ると、B接点がオンされA接点がオフされる状態に戻る。
例えば、ドア制御装置100は、配線102を通じて入力される信号に基づき、DLS70のB接点のオン・オフ状態を把握することができる。また、例えば、ドア制御装置100は、配線102を通じて入力される信号を反転させることにより、DLS70のA接点のオン・オフ状態を把握することができる。
配線13は、ドア80が全閉し且つ施錠されることにより、DCS60のA接点及びDLS70のA接点が共にオンされると、導通状態となり、インタロック信号がHレベルになる。
ドア80は、鉄道車両1の車体の左右の側面の開口部(以下、「ドア開口」)に設けられる両開き式の引戸である。ドア80は、ドアパネル80A,80Bを含む。
ドアパネル80A,80Bは、モータ30の動力によって、ドア駆動機構200を介してドア80(車体のドア開口)の開閉動作を行う。具体的には、ドアパネル80A,80Bは、車体のドア開口の前後方向の中央を中心として前後方向で対称の動作を行うことにより、車体のドア開口を閉じたり開いたりすることができる。
ドア80の全閉状態において、ドアパネル80A,80Bの互いに当接する部分には、それぞれ、戸先ゴム81A,81Bが設けられる。戸先ゴム81A,81Bは、それぞれ、ドアパネル80A,80Bの合わせ目の部分において、上端から下端に亘る範囲に設けられる。
ドア制御装置100は、ドア80の開閉動作に関する制御を行う。ドア制御装置100は、鉄道車両1に設けられる複数のドア80ごとに設けられる。
ドア制御装置100の機能は、任意のハードウェア或いは任意のハードウェア及びソフトウェアの組み合わせ等により実現される。ドア制御装置100は、例えば、CPU、メモリ装置、補助記憶装置、及び外部との入出力用のインタフェース装置を含むコンピュータを中心に構成される。メモリ装置は、例えば、SRAMである。補助記憶装置は、例えば、EEPROMやフラッシュメモリである。インタフェース装置は、例えば、鉄道車両1の内部の通信回線に接続するための通信インタフェースを含む。また、インタフェース装置は、外部の記録媒体に接続するための外部インタフェースを含んでもよい。これにより、例えば、製造工程において、作業者は、ドア80の制御に関する処理に利用するプログラムや各種のデータを外部の記録媒体からドア制御装置100の補助記憶装置等にインストールすることができる。また、ドア80の制御に関する処理に利用するプログラムや各種のデータは、通信インタフェースを通じて、上位装置10からダウンロードされてもよい。また、インタフェース装置は、接続する通信回線の種類に合わせて、複数の異なる種類のインタフェース装置を含んでよい。
ドア制御装置100は、常用系制御部110と、待機系制御部120と、切換回路部130と、切換回路部140と、を含む。
常用系制御部110は、ドア80の開閉動作に関する制御を行う。常用系制御部110は、電源回路111と、通信部112と、入力信号検出部113と、シーケンス部114と、モータ制御部115と、モータ駆動部116と、施錠・解錠駆動部117とを含む。
電源回路111は、常用系制御部110の各種機器の駆動電源として機能する。電源回路111は、電源150からドア制御装置100に供給される、相対的に高い電圧(例えば、100V)の電力を用いて、常用系制御部110の機器を駆動するための相対的に低い電圧(例えば、5V以下)の電力を生成する。
通信部112は、ドア制御装置100の外部の伝送装置16と双方向の通信を行う。
入力信号検出部113は、ドア制御装置100の外部から入力される各種信号を検出する。
また、入力信号検出部113は、検出した信号に基づき、各種処理を行ってもよい。
例えば、入力信号検出部113は、入力された信号の中から所定の信号を検出すると、所定の信号をシーケンス部114やモータ制御部115に送る。即ち、入力信号検出部113は、入力される複数の種類の信号の中からシーケンス部114やモータ制御部115の制御で必要な信号を抽出(選択)し、シーケンス部114やモータ制御部115に送る。これにより、シーケンス部114及びモータ制御部115は、入力信号検出部113から入力される信号に基づき、後述のシーケンス制御やモータ30の駆動制御を適切に実行することができる。
シーケンス部114は、入力信号検出部113から入力される信号に基づき、ドア80の開閉動作に関するシーケンス制御を行う。具体的には、シーケンス部114は、車両制御装置12からの停車信号、開指令、及び閉指令等に応じて、ドア80の開閉動作に関するシーケンス制御を行う。また、シーケンス部114は、エンコーダ31、DCS60、及びDLS70等の信号を用いて、ドア80の開閉状態、ドア80の開閉方向の位置、ドア80の施錠の有無等を把握しながら、ドア80の開閉動作に関するシーケンス制御を行う。
モータ制御部115は、シーケンス部114からのドア80の開閉動作に関する制御指令に応じて、制御指令に対応するドア80の開閉動作を実現するように、モータ30の駆動制御を行う。モータ制御部115は、例えば、シーケンス部114から入力されるモータ30の速度指令及び推力指令に基づき、モータ30を駆動するPWM(Pulse Width Modulation)信号を生成し、モータ駆動部116に出力する。具体的には、モータ制御部115は、入力信号検出部113から入力される、エンコーダ31及び電流センサ32等の検出信号を用いて、モータ30の電流及び回転軸の回転位置等を把握しながら、速度指令及び推力指令に適合するPWM信号を生成してよい。
モータ駆動部116は、電源150から入力される直流電源を用いて、モータ30を駆動する三相交流電力を生成し出力する。モータ駆動部116は、例えば、直流を所定の電圧及び所定の周波数の三相交流に変換するインバータ回路を含む。モータ駆動部116は、その入力側の2本の直流電力線が入力コンタクタ151を通じて電源150に接続され、その出力側の3本の電力線が切換回路部130を通じてモータ30に接続される。
施錠・解錠駆動部117は、シーケンス部114から入力される施錠指令や解錠指令に応じて、施錠装置50のコイル52,53を通電させ、ドア80の施錠方向或いは解錠方向に施錠装置50(ピン51)を駆動する。施錠・解錠駆動部117は、その入力側の正ライン及び負ラインの直流電力線が入力コンタクタ151を通じて電源150に接続される。そして、施錠・解錠駆動部117は、その出力側の正ライン及び負ラインの直流電力線の二組のうちの一方の組が切換回路部140を通じてコイル52に接続され、他方の組が切換回路部140を通じてコイル53に接続される。例えば、施錠・解錠駆動部117は、入力側の直流電力線と、出力側の一方の組の直流電力線、及び他方の組の直流電力線のそれぞれとの間の導通・非導通を切り換え可能な半導体スイッチを有し、半導体スイッチのオン・オフを切り換える。具体的には、施錠・解錠駆動部117は、シーケンス部114から解錠指令が入力されると、入力側の直流電力線と、出力側の一方の組の直流電力線との間を導通状態に移行させ、切換回路部140を通じて施錠装置50のコイル52を通電させてよい。また、施錠・解錠駆動部117は、シーケンス部114から施錠指令が入力されると、入力側の直流電力線と、他方の一組の直流電力線との間を導通状態に移行させ、切換回路部140を通じて施錠装置50のコイル53を通電させてよい。
待機系制御部120は、ドア80の開閉動作に関する制御を実行可能に構成され、常用系制御部110のバックアップ機能を果たす。これにより、ドア制御装置100は、常用系制御部110に加えて、待機系制御部120が設けられることで、ドア80の開閉動作に関する制御系の冗長化を図ることができる。具体的には、待機系制御部120は、常用系制御部110に異常が発生した場合に、常用系制御部110に代わり、ドア80の開閉動作に関する制御を行う。
待機系制御部120は、常用系制御部110と同様の構成要素を含む。具体的には、待機系制御部120は、電源回路121と、通信部122と、入力信号検出部123と、シーケンス部124と、モータ制御部125と、モータ駆動部126と、施錠・解錠駆動部127とを含む。
電源回路121は、常用系制御部110の電源回路111と同様のハードウェア構成及び機能を有する。また、通信部122は、常用系制御部110の通信部112と同様のハードウェア構成及び機能を有する。また、入力信号検出部123は、常用系制御部110の入力信号検出部113と同様のハードウェア構成及び機能を有する。また、シーケンス部124は、常用系制御部110のシーケンス部114と同様のハードウェア構成及び機能を有する。また、モータ制御部125は、常用系制御部110のモータ制御部115と同様のハードウェア構成及び機能を有する。また、モータ駆動部126は、常用系制御部110のモータ駆動部116と同様のハードウェア構成及び機能を有する。また、及び施錠・解錠駆動部127は、常用系制御部110の施錠・解錠駆動部117と同様のハードウェア構成及び機能を有する。そのため、詳細な説明を省略する。
切換回路部130は、モータ駆動部116とモータ30とを電気的に接続する状態と、モータ駆動部126とモータ30とを電気的に接続する状態とを切り換える。具体的には、切換回路部130は、その入力側に、モータ駆動部116及びモータ駆動部126のそれぞれの三相交流の出力電力線が接続され、その出力側に、モータ30から延びる三相交流の入力電力線が接続される。そして、切換回路部130は、モータ駆動部116の出力電力線とモータ30の入力電力線とを導通させる状態と、モータ駆動部126の出力電力線とモータ30の入力電力線とを導通させる状態とを切り換える。
切換回路部130は、常用系制御部110によりドア80の開閉動作に関する制御が行われる場合、モータ駆動部116とモータ30とを電気的に接続する状態を維持する。一方、切換回路部130は、常用系制御部110に異常が生じ、待機系制御部120によりドア80の開閉動作に関する制御が行われる状態に移行する場合、モータ駆動部126とモータ30とを電気的に接続する状態に切り換える。
切換回路部140は、施錠・解錠駆動部117と施錠装置50(コイル52,53)とを接続する状態と、施錠・解錠駆動部127と施錠装置50(コイル52,53)とを接続する状態とを切り換える。具体的には、切換回路部140は、その入力側に施錠・解錠駆動部117及び施錠・解錠駆動部127のそれぞれの二組の出力電力線が接続され、その出力側に、施錠装置50(コイル52,53)から延びる二組の入力電力線が接続される。そして、切換回路部140は、施錠・解錠駆動部117の二組の出力電力線と、施錠装置50の二組の入力電力線との間を接続する状態と、施錠・解錠駆動部127の二組の出力電力線と、施錠装置50の二組の入力電力線との間を接続する状態とを切り換える。
切換回路部140は、常用系制御部110によりドア80の開閉動作に関する制御が行われる場合、施錠・解錠駆動部117と施錠装置50(コイル52,53)とを電気的に接続する状態を維持する。一方、切換回路部140は、常用系制御部110に異常が生じ、待機系制御部120によりドア80の開閉動作に関する制御が行われる状態に移行する場合、施錠・解錠駆動部127と施錠装置50(コイル52,53)とを電気的に接続する状態に切り換える。
電源150は、モータ30、施錠装置50、及びドア制御装置100を含む、鉄道車両1の各種機器に所定の電圧(例えば、100ボルト)の直流電力を供給する。電源150は、例えば、バッテリや補助電源装置を含む。バッテリは、鉄道車両1のパンタグラフが架線に接続されていない状態で、鉄道車両1の各種機器に直流電力を供給する。補助電源装置は、鉄道車両1のパンタグラフが架線に接続されている状態で、パンタグラフを通じて架線から供給される電力に基づき、直流電力を生成し、鉄道車両1の各種機器に直流電力を供給する。
入力コンタクタ151は、電源150とドア制御装置100を含む各種機器との間の電力回路に設けられ、電力回路の開閉を行うことにより、鉄道車両1の各種機器への電力供給のオン・オフを切り換える。入力コンタクタ151は、例えば、鉄道車両1の運転室における電源オンに相当する所定の操作に応じて、閉じられる。これにより、ドア制御装置100を含む鉄道車両1の各種機器への電力供給が開始され、鉄道車両1が起動する。また、入力コンタクタ151は、例えば、鉄道車両1の運転室における電源オフに相当する所定の操作に応じて、開かれる。これにより、ドア制御装置100を含む鉄道車両1の各種機器への電力供給が停止(遮断)され、鉄道車両1が停止する。
ドア駆動機構200は、モータ30の動力をドア80に伝達し、ドア80の開閉動作を行わせる。また、ドア駆動機構200は、施錠装置50(ピン51)の動作に合わせて、ドア80の施錠状態及び解錠状態を実現する。
ドア駆動機構200は、ラック210,220と、ロックピン230とを含む。
ラック210は、ドアパネル80Aの上端部に取り付けられる。ラック210は、ラック部211と、連結部212とを含む。
ラック部211は、鉄道車両1の前後方向に延びる部材である。ラック部211の下面には、ラックギヤ211Aが設けられる。ラック部211は、鉄道車両1(車体)のドア開口の上方において、回転軸が鉄道車両1の幅方向(左右方向)に沿うように配置されるモータ30の回転軸よりも若干上方に配置される。これにより、モータ30の回転軸と同軸で配置されるピニオンギヤとラック部211の下面のラックギヤ211Aとを係合させることができる。そのため、モータ30の回転に合わせて、ラック部211を鉄道車両1の前後方向に移動させることができる。
連結部212は、ドアパネル80Aとラック部211とを連結する。連結部212は、ドアパネル80Aの上端部から上向きに延び出すように設けられ、その上端部にラック部211が連結される。これにより、ドアパネル80Aは、モータ30の回転に合わせたラック部211の移動に連動して、鉄道車両1の前後方向に移動し、ドア80の開閉動作を実現することができる。この際、ドアパネル80Aは、スライドレール(以下、「ドアレール」)によって前後方向への移動が案内される。
連結部212には、DCS当接部213が設けられる。
図2、図3に示すように、DCS当接部213は、ドアパネル80A,80Bが完全に閉じた全閉状態に移行すると、DCS60の可動接点62に当接し、可動接点62が押圧される。これにより、可動接点が押し込まれて、DCS60がオンされる。一方、図4~図6に示すように、DCS当接部213は、ドアパネル80Aが完全に閉じた全閉状態以外の状態に移行すると、DCS60の可動接点62と当接しない状態に移行し、DCS60がオフされる。
尚、上述の如く、DCS60がドア側に設けられる場合、DCS当接部213は、鉄道車両1の車体側に設けられてもよい。
ラック220は、ドアパネル80Bの上端部に取り付けられる。ラック220は、ラック部221と、連結部212と、ロックピン当接部223とを含む。
ラック部221は、鉄道車両1の前後方向に延びる部材である。ラック部221の上面には、ラックギヤ221Aが設けられる。ラック部221は、鉄道車両1のドア開口の上方において、モータ30の回転軸よりも若干下方に配置される。これにより、モータ30の回転軸と同軸で配置されるピニオンギヤとラック部221の上面のラックギヤ211Aとを係合させることができる。そのため、モータ30の回転に合わせて、ラック部221を鉄道車両1の前後方向に移動させることができる。
連結部222は、ドアパネル80Bとラック部221とを連結する。連結部222は、ドアパネル80Bの上端部から上向きに延び出すように設けられ、その上端部にラック部221が連結される。これにより、ドアパネル80Bは、モータ30の回転に合わせたラック部221の移動に連動して、鉄道車両1の前後方向に移動し、ドア80の開閉動作を実現することができる。この際、ドアパネル80Bは、スライドレール(ドアレール)によって前後方向への移動が案内される。
ここで、モータ30と同軸のピニオンギヤに対して、ラックギヤ211Aが上から係合し、ラックギヤ221Aが下から係合することにより、モータ30の回転に応じて、ラック210,220を反対向きに移動させることができる。そのため、1つのモータ30で2枚のドアパネル80A,80Bの開動作及び閉動作を実現することができる。
連結部222の上端部には、鉄道車両1の前後方向におけるドア開口の中央側に向かって下り傾斜する傾斜部222Aが設けられる。
ロックピン当接部223は、ドア80の施錠状態において、ロックピン230が当接する。ロックピン当接部223は、連結部222に対して、ラック部221の延び出す方向とは反対側に突出するように設けられる。ロックピン当接部223には、ロックホール223Aが設けられる。
ロックホール223Aは、ロックピン当接部223の上面に設けられる凹部である。ロックホール223Aには、ドア80が施錠される際に、ロックピン230(後述のピン部231)の下端が挿入される。
ロックピン230は、ラック220のロックピン当接部223の上方に設けられる。ロックピン230は、ピン部231と、施錠装置当接部232とを含む。
ピン部231は、上下方向に延びるように設けられる。
施錠装置当接部232は、ピン部231の上端部に取り付けられ、ピン部231との連結部から水平方向、具体的には、鉄道車両1の前後方向におけるドア開口とは反対向きに延び出すように設けられる。施錠装置当接部232の下方には、施錠装置50が固定して配置され、施錠装置50のピン51の上端部と施錠装置当接部232の下面とが当接している。これにより、施錠装置50のピン51が上方向に突出すると、施錠装置当接部232が上方向に持ち上げられ、施錠装置50のピン51が下方向に引き込まれると、ロックピン230の自重で、施錠装置当接部232が下方向に下がる。
図3~図6に示すように、施錠装置50のピン51が突出した状態では、施錠装置当接部232と連結されるピン部231の下端は、ラック220の傾斜部222Aよりも上方に位置し、ピン部231は、ロックホール223Aに係合しない。そのため、ロックピン230の配置による影響を受けることなく、ラック220が移行可能なことから、ドア80(ドアパネル80A,80B)は、開閉方向に移動可能な状態にある。
一方、図2に示すように、施錠装置50のピン51が引き込まれた状態では、ピン部231の下端がラック220の傾斜部222Aよりも下方に位置する。また、ドア80の全閉状態では、ピン部231は、鉄道車両1の前後方向において、傾斜部222Aよりもロックピン当接部223側に位置する。そのため、ドア80の全閉状態で、施錠装置50のピン51が引き込まれると、施錠装置当接部232が下向きに移動し、ピン部231がラック220のロックホール223A(凹部)に係合する。これにより、ラック220の移動が規制されると共に、ラック220のラックギヤに係合するピニオンギヤの回転が規制され、その結果、ピニオンギヤに係合するラックギヤ211Aを有するラック210の移動が規制される。そのため、ラック210,220と連結されるドアパネル80A,80Bの移動が規制され、ドアパネル80A,80Bの施錠状態が実現される。
[DCSとDCS当接部との位置関係]
次に、図7~図10を参照して、ドア80の閉動作時及び開動作時のDCS60とDCS当接部213との位置関係の変化について説明する。
図7は、DCS60とDCS当接部213との位置関係の第1例を示す図である。図8は、DCS60とDCS当接部213との位置関係の第2例を示す図である。図9は、DCS60とDCS当接部213との位置関係の第3例を示す図である。図10は、DCS60とDCS当接部213との位置関係の第4例を示す図である。具体的には、図7~図10は、ドア80の閉動作時或いは開動作時のDCS60とDCS当接部213との位置関係を時系列で示す図である。
図7~図10に示すように、DCS当接部213は、本体部213Aと、当接部213Bと、接続部213Cと、ばね部213Dと、取付部213Eとを含む。
本体部213Aは、接続部213Cを介して、先端の当接部213Bを鉄道車両1の前後方向或いはドア80の開閉方向に所定範囲内で移動可能に保持する。ドア80の開閉方向は、ドアレールの前後方向に対する傾きによって決まり、ドアレールが前後方向に平行に取り付けられる場合、ドア80の開閉方向は、鉄道車両1の前後方向と一致する。
当接部213Bは、ドア80の全閉状態において、DCS60の可動接点62に当接する箇所である。当接部213Bは、鉄道車両1の前後方向或いはドア80の開閉方向において、本体部213AとDCS60(可動接点62)との間に配置される。
接続部213Cは、鉄道車両1の前後方向或いはドア80の開閉方向において、当接部213Bから本体部213Aに向かって延びるように設けられ、その先端は、本体部213Aに挿入される。これにより、本体部213Aは、接続部213Cの先端をその内部に保持し、鉄道車両1の前後方向或いはドア80の開閉方向において、所定範囲内で移動可能なように案内することができる。所定範囲は、例えば、鉄道車両1の前後方向或いはドア80の開閉方向において、当接部213Bと本体部213Aとの距離の最大値がばね部213Dの自然長より短く、且つ、その最小値がばね部213Dの最小長さ以上であるように規定される。
ばね部213Dは、接続部213Cの周囲に巻き回される形で、本体部213Aと当接部213Bとの間に配置される。これにより、本体部213Aの機能と併せて、当接部213BとDCS60とが当接していない状態で、鉄道車両1の前後方向或いはドア80の開閉方向における当接部213Bと本体部213Aとの間の距離をばね部213Dの自然長より短い所定値に維持することができる。
取付部213Eは、本体部213Aに設けられ、DCS当接部213をドア80側(連結部212)に取り付けるために用いられる。例えば、取付部213Eには、鉄道車両1の前後方向或いはドア80の開閉方向に延び且つ左右方向に貫通する長孔が設けられる。そして、長孔を通じて前後方向に離隔される形で2本のボルトBLTが連結部212の対応するねじ孔(雌ねじ)にねじ込まれることにより、DCS当接部213が連結部212に固定される。これにより、例えば、製造工程において、作業者は、長孔の長さと2本のボルトBLTの取付スパンとにより規定される範囲で、DCS当接部213の、鉄道車両1の前後方向或いはドア80の開閉方向での取付位置を調整することができる。
ドア80の閉動作時において、DCS60とDCS当接部213との位置関係は、通常、図7、図8、及び図9の順に変化する。また、図9の状態から更にドア80が閉動作を継続する場合、図10の状態に到達する可能性がある。
図7は、ドア80の閉動作時にDCS60の可動接点62の先端に当接部213Bが当接したタイミングでのDCS60とDCS当接部213との位置関係を表す。図8は、ドア80の閉動作時にDCS60の可動接点62が当接部213BによりDCS60の筐体内に押し込まれDCS60がオフからオンに切り換わるタイミングでのDCS60とDCS当接部213との位置関係を表す。図9は、ドア80の閉動作時にDCS60の可動接点62が当接部213BによりDCS60の筐体内に全て押し込まれ当接部213BとDCS60の筐体とが当接したタイミングでのDCS60とDCS当接部213との位置関係を表す。図10は、図9の状態から更にドア80が閉方向に移動し当接部213Bと本体部213Aとの距離がばね部213Dの最短長さに到達したときのDCS60とDCS当接部213との位置関係を表す。図9の状態から図10の状態への移行の際、当接部213BがDCS60の筐体と当接し移動できないことから、ドア80の閉方向への移動に伴って、ばね部213Dが縮む。
また、ドア80の開動作時において、DCS60とDCS当接部213との位置関係は、通常、図9、図8、及び図7の順に変化する。また、ドア80の閉動作時に図10の位置関係になっている場合、図10、図9、図8、及び図7の順に変化する。
図10は、ドア80の開動作時において、可動接点62がDCS60の筐体内に全て押し込まれ且つ当接部213Bと本体部213Aとの距離がばね部213Dの最短長さになっているときのDCS60とDCS当接部213との位置関係を表す。図9は、ドア80の開動作時において、可動接点62がDCS60の筐体内に全て押し込まれ且つ当接部213Bと本体部213Aとの距離がばね部213Dの自然長になっているときのDCS60とDCS当接部213との位置関係を表す。図10の状態から図9の状態への移行の際、鉄道車両1の前後方向或いはドア80の開閉方向での当接部213Bの位置は変化せず、図10の状態で最短長さまで縮んでいるばね部213Dが伸びる。図8は、ドア80の開動作時に当接部213Bによる可動接点62への規制が徐々に解除されDCS60の可動接点62がDCS60の筐体から出てきてDCS60がオンからオフに切り換わるタイミングでのDCS60とDCS当接部213との位置関係を表す。図7は、ドア80の開動作時に当接部213Bによる可動接点62への規制が完全に解除されDCS60の可動接点62がDCS60の筐体から最大量で突出したタイミングでのDCS60とDCS当接部213との位置関係を表す。図9の状態から図8及び図7の状態に移行の際、当接部213Bと本体部213Aとの間の前後方向の距離は、当接部213Bが本体部213Aに対して移動可能な範囲の中で最大値の状態に維持され、ドア80の開方向への移動に合わせて、可動接点62がDCS60の内部から徐々に出てくる。可動接点62は、DCS60の筐体の外側に出るように付勢されているからである。
[ドアに関する異常診断]
次に、引き続き、図7~図10を参照して、ドア80に関する異常の診断(以下、単に「異常診断」)について説明する。以下、本項目では、ドア80に関する異常診断を行う主体を便宜的に診断システムSYSとして説明を行う。
ドア制御装置100(モータ制御部125)は、ドア80の開閉動作に関する制御モードとして、通常モードと診断モードとを有する。
通常モードは、ドア開口から鉄道車両1の乗客が乗降する際に使用される、ドア80の開閉動作に関する制御モードである。通常モードでは、ドア制御装置100は、ドア80を一定の速度V1で動作(走行)させる。
診断モードは、ドア80に関する異常診断を行うためのデータを測定(取得)する際に使用される、ドア80の開閉動作に関する制御モードである。例えば、ドア80の診断モードでは、ドア制御装置100は、ドア80を一定の速度V2で動作(走行)させる。これにより、後述のエンコーダ31の出力に基づくドア80の位置の測定精度を向上させることができる。また、速度V2は、速度V1よりも小さくてもよい(V2<V1)。これにより、後述のエンコーダ31の出力に基づくドア80の位置の測定精度を向上させることができる。
尚、速度V2は、速度V1と同じであってもよいし、一定の速度でなくてもよい。
異常診断には、例えば、異常の有無の診断や異常の程度の診断等が含まれる。また、異常診断には、異常の兆候の有無の診断が含まれてもよい。ドア80に関する異常診断には、例えば、DCS60やDCS当接部213の位置に関する異常診断が含まれる。
DCS60やDCS当接部213の位置に関する異常とは、鉄道車両1の前後方向或いはドア80の開閉方向において、ドア80の全閉状態でのDCS60とDCS当接部213との位置関係が所定範囲内に収まっていない状態を意味する。所定範囲は、例えば、ドア80の全閉状態において、当接部213Bによる可動接点62のDCS60の筐体内への押し込み量PDが閾値PDthに対して相対的に大きく且つばね部213Dの長さLが閾値Lthに対して相対的に大きい範囲として規定される。閾値PDthは、例えば、DCS60のオン状態を確実に実現可能な可動接点62の押し込み量の最小値として予め規定される。これにより、ドア80の全閉状態でのDCS60とDCS当接部213との位置関係が所定範囲内にある場合、ドア80の全閉状態に合わせて、DCS60は、その出力(以下、「DCS信号」)をオフからオンに適切に切り換えることができる。また、閾値Lthは、ばね部213Dの自然長より小さく且つ最小長さより大きい範囲に設定される。これにより、ドア80の全閉状態における本体部213Aと当接部213Bとの間の距離が適切に確保される。
尚、DCS60やDCS当接部213の位置に関する異常は、様々な要因で生じうる。例えば、DCS当接部213の位置に関する異常は、経年でのボルトBLTの緩みによるDCS当接部213の位置の変化により生じうる。また、DCS60やDCS当接部213の位置に関する異常は、製造時や整備時のDCS60やDCS当接部213の取付位置の調整不良等によっても生じうる。
以下、診断モードは、DCS60やDCS当接部213の位置に関する異常診断のためのデータを測定するための制御モードである前提で説明を進める。
診断モードでは、ドア制御装置100は、例えば、速度V2で全開位置から全閉位置までのドア80の閉動作を実施させる。また、診断モードでは、ドア制御装置は、速度V2で全閉位置から全開位置までのドア80の開動作を実施させてもよい。
そして、ドア制御装置100は、診断モードでのドア80の閉動作時や開動作時のドア80の位置、及びDCS60の出力の時系列のデータを測定(取得)する。また、診断モードにて、ドア制御装置100は、診断モードでのドア80の閉動作時や開動作時のドア80の速度の時系列のデータを測定(取得)してもよい。ドア80の位置や速度は、エンコーダ31の出力に基づき測定(取得)される。
尚、診断モードでは、ドア80の閉動作は、全開位置から開始されなくてもよい。同様に、診断モードでは、ドア80の開動作は、全開位置まで実施されなくてもよい。具体的には、診断モードでは、ドア80の全閉位置とDCS信号がオフからオン(閉動作時)或いはオンからオフ(開動作時)とが観測可能であればよい。そのため、例えば、診断モードでは、全閉位置よりも開方向に若干移動した位置からドア80の閉動作が実施されてもよいし、DCS信号のオンからオフへの切り換わりが観測される直後に相当する位置でドア80の閉動作が終了されてもよい。これにより、診断モードでのドア80の動作時間を短くすることができ、その結果、ドア80のDCS60やDCS当接部213の位置に関する異常診断に要する時間を抑制し、効率化を図ることができる。
診断システムSYSは、診断モードでの開動作時や閉動作時のドア80の位置、及びDCS信号の測定データに基づき、DCS60やDCS当接部213の位置に関する異常診断を行う。
例えば、診断システムSYSは、以下の(A-1)~(A-5)の手順に沿って、DCS60やDCS当接部213の位置に関する評価指標を取得(推定)する。
(A-1)
診断システムSYSは、診断モードでの閉動作時のドア80の位置、及びDCS60の出力(DCS信号)の時系列の測定データに基づき、DCS信号がオフ(Lレベル)からオン(Hレベル)に切り換わったタイミング(時刻t0)を取得する。時刻t0は、DCS信号の立ち上がりのタイミングに相当する。
また、診断システムSYSは、診断モードでの開動作時のドア80の位置、及びDCS60の出力(DCS信号)の時系列の測定データに基づき、DCS信号がオン(Hレベル)からオフ(Lレベル)に切り換わったタイミング(時刻t3)を取得してもよい。時刻t3は、DCS信号の立ち下がりのタイミングに相当する。
(A-2)
診断システムSYSは、取得済みの時刻t0と、DCS60が物理的にオンされたタイミング(時刻t1)とDCS信号がオフからオンに切り換わったタイミング(時刻t0)との間に想定される時間差Δt1とに基づき、時刻t1を推定する。DCS60が物理的にオンされたタイミングとは、DCS60のB接点が物理的にオンされたタイミングを意味する。
具体的には、診断システムSYSは、取得済みの時刻t1から時間差Δt1だけ遡る形で、時刻t0を算出してよい。時間差Δt1は、例えば、診断モードでのドア80の閉動作に関する実験やシミュレーションを通じて予め規定される。
また、診断システムSYSは、取得済みの時刻t3と、DCS60が物理的にオフされたタイミング(時刻t4)とDCS信号がオンからオフに切り換わったタイミング(時刻t3)との時間差Δt2とに基づき、時刻t4を推定してもよい。DCS60が物理的にオフされたタイミングとは、DCS60のB接点が物理的にオフされたタイミングを意味する。
具体的には、診断システムSYSは、取得済みの時刻t3から時間差Δt2だけ遡る形で、時刻t4を算出してよい。時間差Δt2は、例えば、診断モードでのドア80の閉動作に関する実験やシミュレーションを通じて予め規定される。時間差Δt1,Δt2は、同じであってもよいし異なっていてもよい。
尚、時間差Δt1,Δt2の要因は、例えば、DCS60のB接点のオン/オフ状態を受け取る回路のローパスフィルタに起因するDCS信号の遅延である。また、時間差Δt1を考慮せず、DCS信号がオフからオンに切り換わったタイミングをDCS60が物理的にオンされたタイミング(時刻t1)とみなしてもよい。評価指標(例えば、後述の可変部分の寸法S)に時間差Δt1に起因する誤差が含まれていることを考慮して、評価基準(例えば、後述の上限値Sth1及び下限値Sth2)が規定されることも可能だからである。また、時間差Δt2についても同様であってよい。この場合、手順(A-2)は省略される。
(A―3)
診断システムSYSは、診断モードでのドア80の閉動作時のドア80の位置の時系列の測定データと、時刻t1の推定結果とに基づき、ドア80の閉動作時の時刻t1におけるドア80の位置P1を推定する。
また、診断システムSYSは、診断モードでのドア80の開動作時のドア80の位置の時系列の測定データと、時刻t4の推定結果とに基づき、ドア80の開動作時の時刻t4におけるドア80の位置P4を推定してもよい。
(A-4)
診断システムSYSは、診断モードでのドア80の閉動作時におけるドア80の位置の時系列の測定データに基づき、ドア80の全閉位置P2を取得する。
例えば、ドア制御装置100は、ドア80が全閉位置P2に到達しても、少なくともある程度の期間で、ドア80を閉方向に駆動し続ける。そのため、ドアパネル80A,80Bは、ドア80の閉動作時の全閉位置において、少なくともある程度の期間でモータ30により互いに押し付けられる状態に維持される。よって、診断システムSYSは、ドア80の閉動作時におけるドア80の位置の時系列データにおいて、ドア80の変化がなくなったときの位置をドア80の全閉位置P2として取得することができる。
また、診断システムSYSは、診断モードでのドア80の開動作時のドア80の位置の時系列の測定データに基づき、ドア80の全閉位置P2を取得してもよい。
例えば、診断システムSYSは、ドア80の開動作の開始位置を全閉位置P2として取得する。
尚、(A-1)~(A-4)の手順は、順序が適宜変更されてもよい。
(A-5)
診断システムSYSは、ドア80の取得済みの位置P1及び全閉位置P2に基づき、DCS60やDCS当接部213の位置に関する評価指標を取得(推定)する。
例えば、診断システムSYSは、ドア80の全閉状態における、鉄道車両1の前後方向或いはドア80の開閉方向でのDCS60及びDCS当接部213の可変部分(以下、単に「可変部分」)の寸法Sを評価指標として推定する。可変部分は、鉄道車両1の前後方向或いはドア80の開閉方向においてその寸法(長さ)が変化する箇所を意味する。具体的には、可変部分は、当接部213Bと本体部213Aとの間の部分(即ち、ばね部213D)、及び可動接点62のDCS60の筐体から出ている部分である。この場合、診断システムSYSは、可変部分の寸法Sの基準値S0から、ドア80の取得済みの位置P1と全閉位置P2との差分を減算することにより、評価指標としての可変部分の寸法を推定することができる。(S=S0-|P1-P2|)。基準値S0は、図8の状態での、鉄道車両1の前後方向或いはドア80の開閉方向におけるばね部213Dの寸法と可動接点62のDCS60の筐体から出ている寸法との和に相当する。
また、診断システムSYSは、ドア80の取得済みの位置P4及び全閉位置P2に基づき、DCS60やDCS当接部213の位置に関する評価指標を取得(推定)してもよい。
例えば、診断システムSYSは、上記と同様、ドア80の全閉状態における可変部分の寸法Sを評価指標として推定する。この場合、診断システムSYSは、可変部分の寸法Sの基準値S0から、ドア80の取得済みの位置P4と全閉位置P2との差分を減算することにより、評価指標としての可変部分の寸法を推定することができる。(S=S0-|P4-P2|)。
また、診断システムSYSは、上述の手順(A-2)~(A-5)に代えて、以下の(B-2)~(B-5)の手順を実施することにより、DCA60やDCS当接部213の位置に関する評価指標を取得(推定)してもよい。
(B-2)
診断システムSYSは、診断モードでのドア80の閉動作時のドア80の位置の時系列の測定データと、手順(A-1)で取得済みの時刻t0とに基づき、DCS信号がオフからオンに切り換わるタイミング(時刻t0)でのドア80の位置P0を取得する。
また、診断システムSYSは、診断モードでのドア80の開動作時のドア80の位置の時系列の測定データと、手順(A-1)で取得済みの時刻t3とに基づき、DCS信号がオンからオフに切り換わるタイミング(時刻t3)でのドア80の位置P3を取得してもよい。
(B-3)
診断システムSYSは、診断モードでのドア80の閉動作時のドア80の位置の時系列の測定データに基づき、ドア80の全閉位置P2を取得する。
診断システムSYSは、診断モードでのドア80の開動作時のドア80の位置の時系列の測定データに基づき、ドア80の全閉位置P2を取得してもよい。
(B-4)
診断システムSYSは、ドア80の取得済みの位置P0及び全閉位置P2に基づき、DCS信号がオフからオンに切り換わってからドア80が全閉位置に到達するまでの移動距離TL2を算出する。
具体的には、診断システムSYSは、移動距離TL2として、ドア80の取得済みの位置P0と全閉位置P2との差を算出する(TL2=|P1-P2|)。
また、診断システムSYSは、ドア80の取得済みの位置P3及び全閉位置P2に基づき、ドア80の開動作の開始からDCS信号がオンからオフに切り換わるまでのドア80の移動距離TL3を算出してもよい。
具体的には、診断システムSYSは、移動距離TL3として、ドア80の取得済みの位置P3と全閉位置P2との差を算出する(TL3=|P3-P2|)。
(B-5)
診断システムSYSは、ドア80の閉動作時にDCS60が物理的にオンされてからDCS信号がオンに切り換わるまでの時間差Δt1での移動距離TL1と、取得済みの移動距離TL2とに基づき、ドア80の全閉状態での可変部分の寸法Sを推定する。
具体的には、診断システムSYSは、可変部分の寸法Sの基準値S0から、ドア80の移動距離TL1,TL2を減算することにより、ドア80の全閉状態での可変部分の寸法Sを取得(推定)する(S=S0-TL1-TL2)。
移動距離TL1は、例えば、診断モードでの速度V2の制御パターンと、上述の時間差Δt1とに基づき予め規定される。また、移動距離TL1は、診断モードでの実際のドア80の速度の時系列データと、時間差Δt1とに基づき、推定(算出)されてもよい。
また、診断システムSYSは、ドア80の開動作時にDCS60が物理的にオフされてからDCS信号がオフに切り換わるまでの時間差Δt2での移動距離TL4と、取得済みの移動距離TL3とに基づき、ドア80の全閉状態での可変部分の寸法Sを推定してもよい。
具体的には、診断システムSYSは、可変部分の寸法Sの基準値S0から、ドア80の移動距離TL3を減算し且つドア80の移動距離TL4を加算することにより、ドア80の全閉状態での可変部分の寸法Sを取得(推定)する(S=S0-TL3+TL4)。
移動距離TL4は、例えば、診断モードでの速度V2の制御パターンと、上述の時間差Δt2とに基づき予め規定される。また、移動距離TL4は、診断モードでの実際のドア80の速度の時系列データと、時間差Δt2とに基づき、推定(算出)されてもよい。
尚、寸法Sに代えて、基準値S0から移動距離TL2や移動距離TL3を減算した値をDCS60やDCS当接部213の位置に関する評価指標にしてもよい。評価指標に時間差Δt1,t2に対応する移動距離TL1,TL4が反映されていないことを考慮して、評価基準が規定されることも可能だからである。この場合、手順(B-5)は省略される。
診断システムSYSは、推定結果の可変部分の寸法Sが上限値Sth1及び下限値Sth2で規定される所定範囲内にない場合、DCS60やDCS当接部213の位置に関する異常があると判定する。所定範囲内には、上限値Sth1が含まれていてもよいし、含まれていなくてもよい。同様に、所定範囲内には、下限値Sth2が含まれていてもよいし、含まれていなくてもよい。上限値Sth1は、基準値S0よりも小さい値に設定され、下限値Sth2は、ばね部213Dの最小長さよりも大きい値に設定される。
また、診断システムSYSは、対象のドア80についての異常診断の結果(可変部分の寸法S)の履歴に基づき、対象のドア80のDCS60やDCS当接部213の位置に関する異常の兆候の有無を診断してもよい。
また、診断システムSYSは、ビッグデータに相当する、多数のドア80の診断結果(可変部分の寸法S)を利用可能な場合がありうる(図16~図19参照)。この場合、診断システムSYSは、多数のドア80の診断結果の情報に基づき、クラスタリング等の機械学習(教師なし学習)を適用し、対象のドア80のDCS60やDCS当接部213の位置に関する異常の兆候の有無を診断してもよい。
このように、診断システムSYSは、診断モードでのドア80の開動作時や閉動作時のドア80の位置、及びDCS信号の時系列の測定データに基づき、DCS60やDCS当接部213の位置に関する評価指標を取得(推定)することができる。これにより、診断システムSYSは、その評価指標を用いて、DCS60やDCS当接部213の位置に関する異常診断を行うことができる。
また、診断モードでは、通常モードでの速度V1よりも小さい速度V2でドア80の開動作や閉動作を行わせたときのドア80の位置、及びDCS信号の時系列のデータを用いることができる。これにより、DCS60の物理的なオン/オフの切り換わりとDCS信号のオン/オフの切り換わりとの時間差に相当する期間でのドア80の移動量を抑制することができる。そのため、その時間差によって生じる、DCS60やDCS当接部213の位置に関する評価指標の誤差を抑制することができる。その結果、診断システムSYSは、DCS60やDCS当接部213の位置に関する異常診断の精度を向上させることができる。
[ドアに関する異常診断の具体例]
次に、図11~図13を参照して、ドア80に関する異常診断(DCS60やDCS当接部213の位置に関する異常診断)の具体例について説明する。
<第1例>
図11は、診断モードでのドア80の閉動作時におけるドア80の位置及びDCS信号の時間変化の第1例を表す図である。具体的には、図11は、ドア80の全閉状態でのDCS60とDCS当接部213との位置関係が上述の図9の状態に相当する正常な場合のドア80の閉動作時におけるドア80の位置及びDCS信号の時間変化の具体例を表している。
尚、図11中の時刻t10及び時刻t11は、上述の時刻t0及び時刻t1に対応し、図11中の位置P10、位置P11、及び位置P12は、上述のドア80の位置P0、位置P1、及び全閉位置P2に対応する。
本例では、図9に示すように、ドア80の全閉状態において、可動接点62が全てDCS60の筐体内に押し込まれ且つ本体部213Aと当接部213Bとの間の距離が最大値の状態にある。つまり、本例では、ドア80の全閉状態において、ドア80側のDCS当接部213は、DCS60のオン状態を確実に維持可能な程度にDCS60を押圧しつつ、ばね部213Dが大きく縮むようなDCS60を押しすぎの状態を回避している。そのため、図11に示すように、本例では、DCS60が物理的にオンされたタイミング(時刻t11)での位置P11とドア80の全閉位置に対応する位置P12との間の距離が大きすぎず且つ小さすぎない適切な範囲にある。その結果、基準値S0から位置P11,P12の間の距離を減算することにより得られる可変部分の寸法Sは、上限値Sth1及び下限値Sth2により規定される所定範囲内に含まれることになる。そのため、本例では、診断システムSYSは、DCS60やDCS当接部213の位置に関する異常がなく、正常であると診断することができる。
<第2例>
図12は、診断モードでのドア80の閉動作時におけるドア80の位置及びDCS信号の時間変化の第2例を表す図である。具体的には、図12は、ドア80の全閉状態でのDCS60とDCS当接部213との位置関係が上述の図10の状態に相当する異常な場合のドア80の閉動作時におけるドア80の位置及びDCS信号の時間変化の具体例を表している。
尚、図12中の時刻t20及び時刻t21は、上述の時刻t0及び時刻t1に対応し、図12中のドア80の位置P20、位置P21、及び位置P22は、上述のドア80の位置P0、位置P1、及び全閉位置P2に対応する。
図10に示すように、本例では、可動接点62がDCS60の筐体内に全て押し込まれ且つばね部213Dが最小長さまで大きく縮んでいる。つまり、本例では、ドア80の全開状態において、ドア80側のDCS当接部213は、DCS60のオン状態を確実に維持可能なレベルを大きく超えて、ばね部213Dが大きく縮む形でDCS60を押しすぎの状態になっている。そのため、図12に示すように、本例では、DCS60が物理的にオンされたタイミング(時刻t21)での位置P21とドア80の全閉位置に対応する位置P22との間の距離が上述の第1例(図11)に比して大きすぎる。その結果、基準値S0から位置P21,P22の間の距離を減算することにより得られる可変部分の寸法Sは、下限値Sth2に対して相対的に小さくなり、上限値Sth1及び下限値Sth2により規定される所定範囲を小さい方向に逸脱する。そのため、本例では、診断システムSYSは、DCS60やDCS当接部213の位置に関する異常があると診断することができる。
<第3例>
図13は、診断モードでのドア80の閉動作時におけるドア80の位置及びDCS信号の時間変化の第3例を表す図である。具体的には、図13は、ドア80の全閉状態でのDCS60とDCS当接部213との位置関係が上述の図8の状態に相当する異常な場合のドア80の閉動作時におけるドア80の位置及びDCS信号の時間変化の具体例を表している。
尚、図13中の時刻t30及び時刻t31は、上述の時刻t0及び時刻t1に対応し、図13中のドア80の位置P30、位置P31、及び位置P32は、上述のドア80の位置P0、位置P1、及び全閉位置P2に対応する。
図8に示すように、本例では、ドア80の全閉状態において、可動接点62がDCS60の筐体内にある程度押し込まれているものの、押し込み量は、DCS60のB接点をオンすることが可能なぎりぎりの状態にある。つまり、本例では、ドア80の全閉状態において、ドア80側のDCS当接部213は、DCS60のオン状態を確実に維持可能な程度までDCS60を押圧できていない。そのため、図13に示すように、ドア80の全閉位置付近でDCS60がオンされているものの、押し込み量の微妙な変化によって、オフに戻り、その後、再度オンされた後にオン状態が維持されている。そして、DCS60が物理的にオンされたタイミング(時刻t31)での位置P31とドア80の全閉位置に対応する位置P32とが同じになっている。その結果、可変部分の寸法Sは、上限値Sth1よりも大きい基準値S0となり、上限値Sth1及び下限値Sth2により規定される所定範囲を大きい方向に逸脱する。そのため、本例では、診断システムSYSは、DCS60やDCS当接部213の位置に関する異常があると診断することができる。
また、本例では、診断システムSYSは、ドア80の閉動作時にDCS信号がオフからオンに切り換わる複数回(本例では、2回)のタイミングのうちの最も遅いタイミング(時刻t30)に基づき、DCS60やDCS当接部213の位置に関する異常診断を行う。これにより、DCS60が物理的にオンされたタイミング(時刻t31)でのドア80の位置P1(位置P31)をドア80の全閉位置P2(位置P32)に極力近づけることができる。その結果、ドア80の全閉状態において、DCS当接部213がDCS60のオン状態を維持可能な程度までDCS60を押圧できていない異常状態に対して、診断システムSYSは、DCS60やDCS当接部213の位置に関する異常があると確実に診断することができる。
尚、上述の如く、診断モードがドア80の開動作によって実施されてもよい。この場合、診断システムSYSは、ドア80の開動作時にDCS信号がオンからオフに切り換わる複数回のタイミングがあると、そのうちの最も早いタイミングに基づき、DCS60やDCS当接部213の位置に関する異常診断を行ってよい。
<他の例>
ドア80の閉動作時にDCS当接部213が可動接点62に当接できても、DCS60をオフからオンに移行させることができない異常な場合もありうる。この場合、診断システムSYSは、ドア80の全閉状態でも、DCS60がオフされないことを以て、DCS60やDCS当接部213の位置に関する異常があると診断することができる。
[ドアに関する異常診断の処理の第1例]
次に、図14を参照して、ドア80に関する異常診断の処理の第1例について説明する。
図14は、ドア80に関する異常診断の処理の第1例を示すシーケンス図である。
本例では、診断システムSYSは、鉄道車両1に設けられ、上位装置10と、ドア制御装置100を含む。
以下、本例では、ドア制御装置100において、常用系制御部110及び待機系制御部120のうちの常用系制御部110がドア80に関する制御を行う場合について説明する。
図14に示すように、上位装置10の車両制御装置12は、運転室や車掌室の乗務員等のユーザからの所定の入力に応じて、ドア80に関する異常診断のアプリケーションプログラム(以下、「診断アプリ」)を起動させる(ステップS102)。
ステップS102の処理の完了後、車両制御装置12は、ユーザからのドア80に関する異常診断の開始を要求する所定の入力に応じて、診断指令を、伝送装置16を介して、ドア制御装置100に送信する(ステップS104)。
診断指令では、鉄道車両1の全てのドア80が異常診断の対象であってもよいし、鉄道車両1の全てのドア80のうちの一部のドア80のみが異常診断の対象であってもよい。後者の場合、鉄道車両1の全てのドア80のうちの異常診断対象のドア80は、ユーザからの入力により指定され、診断指令は、異常診断対象のドア80を制御対象とするドア制御装置100のみに送信される。
ドア制御装置100の入力信号検出部113は、通信部112を通じて、ステップS104の処理で送信される診断指令を受信し、ドア制御装置100のモータ制御部115は、ドア80の制御モードを診断モードに移行させる(ステップS106)。
ステップS106の処理が完了すると、常用系制御部110は、モータ制御部115及び施錠・解錠駆動部117により診断モードに対応するドア80の閉動作を行わせ、入力信号検出部113によりドア80の閉動作時のデータを測定する(ステップS108)。診断モードに対応するドア80の閉動作は、速度V2でのドア80の閉動作である。測定対象のデータは、上述の如く、ドア80の閉動作時のドア80の位置のデータやDLS信号のデータやドア80の速度のデータ等である。
尚、ステップS106では、常用系制御部110は、診断モードに対応するドア80の開動作を行わせ、ドア80の開動作時のデータを測定してもよい。
ステップS108の処理が完了すると、入力信号検出部113は、ステップS108で取得した測定データに基づき、ドア80に関する異常診断を行う(ステップS110)。
ステップS110の処理が完了すると、入力信号検出部113は、通信部112を通じて、ステップS110のドア80に関する異常診断の結果のデータを上位装置10に送信する(ステップS112)。
上位装置10の車両制御装置12は、伝送装置16を通じて、ステップS112の処理で送信される、ドア80に関する異常診断の結果のデータを受信する。(ステップS114)。
ステップS114の処理が完了すると、車両制御装置12は、例えば、運転室や車掌室の表示装置に、ドア80に関する異常診断の結果を表示させる(ステップS116)。
これにより、運転室や車掌室の乗務員等のユーザは、ドア80に関する異常診断の結果を確認することができる。
このように、本例では、診断システムSYSは、上位装置10を通じて入力されるユーザからの要求に応じて、ドア制御装置100にて、診断モードでのドア80の閉動作時のデータを取得し、ドア80に関する異常診断を行う。そして、診断システムSYSは、ドア80に関する異常診断の結果のデータをドア制御装置100から上位装置10に送信させて、上位装置10を通じて、ドア80に関する異常診断の結果をユーザに提供する。
これにより、運転室や車掌室において、ユーザは、鉄道車両1の全てのドア80に関する異常診断の結果を確認することができる。また、上位装置10とドア制御装置100との間でやり取りされるデータは、診断指令のデータや異常診断の結果のデータ等、ドア80の閉動作時の測定データに比して相対的にデータ量が小さい。そのため、上位装置10とドア制御装置100との間でのデータの通信量を相対的に小さく抑制することができる。
尚、鉄道車両1における異常診断の対象のドア80付近で、ユーザからの異常診断の要求の入力が行われ、且つ、異常診断の結果のユーザへの提供が行われてもよい。例えば、ドア80の上方の空間の車体に設置されるドア制御装置100には、ユーザからの異常診断の要求の入力を受け付ける入力装置とユーザに異常診断の結果を通知する通知装置(例えば、インジケータ等)が設けられてもよい。これにより、例えば、点検作業者等のユーザは、ドア80ごとに、異常診断を実施させて、ドア80が設置されるその場所でドア80に関する異常診断の結果を確認することができる。また、上位装置10とドア制御装置100との間でのドア80に関する異常診断のデータのやり取りを行う必要性がないことから、上位装置10とドア制御装置100との間でのデータの通信量をより小さく抑制することができる。
[ドアに関する異常診断の処理の第2例]
次に、図15を参照して、ドア80に関する異常診断の処理の第2例について説明する。
図15は、ドア80に関する異常診断の処理の第2例を示すシーケンス図である。
本例では、上述の第1例と同様、診断システムSYSは、鉄道車両1に設けられ、上位装置10と、ドア制御装置100を含む。
図15に示すように、ステップS202,S204,S206,S208は、上述の図14のステップS102,S104,S106,S108と同じであるため、説明を省略する。
ステップS208の処理を完了すると、入力信号検出部113は、ステップS208で取得した測定データを、通信部112を通じて、上位装置10に送信する(ステップS210)。
ステップS210にて、上位装置10の車両制御装置12は、伝送装置16を通じて、ステップS210でドア制御装置100から送信される測定データを受信する(ステップS212)。
ステップS212の処理が完了すると、車両制御装置12は、ステップS212で受信した測定データに基づき、ドア80に関する異常診断を行う(ステップS214)。
ステップS214の処理が完了すると、車両制御装置12は、上述の図14のステップS116と同様、例えば、運転室や車掌室の表示装置に、ドア80に関する異常診断の結果を表示させる(ステップS216)。
このように、本例では、診断システムSYSは、ドア制御装置100にて、診断モードでのドア80の閉動作時のデータを取得し、取得したデータを上位装置10に送信する。そして、診断システムSYSは、上位装置10にて、ドア制御装置100から受信したデータに基づき、ドア80に関する異常診断を行う。
これにより、本例では、診断システムSYSは、上位装置10にて、鉄道車両1の全てのドア80の測定データや異常診断の結果を履歴的に蓄積することができる。上位装置10の記憶リソースは、ドア制御装置100の記憶リソースよりも十分に大きく確保することが可能だからである。そのため、車両制御装置12は、上位装置10に蓄積される、鉄道車両1の全てのドア80の測定データや異常診断の結果に基づき、ドア80の異常に関する解析を行うことができる。例えば、車両制御装置12は、特定のドア80について、異常診断の結果(例えば、寸法Sの推定値)の履歴を解析する。これにより、診断システムSYSは、車両制御装置12での解析結果に基づき、ドア80の劣化状況(異常の兆候)を予測し、ドア80の異常の有無だけでなく、ドア80の異常の兆候の有無を診断することができる。よって、診断システムSYSは、ドア80に関する異常診断をより適切に行うことができる。
[診断システムの他の例]
次に、図16を参照して、診断システムSYSの他の例について説明する。
図16は、診断システムSYSの他の例を示す図である。
図16に示すように、診断システムSYSは、鉄道車両1(上位装置10及びドア制御装置100)と、診断装置2とを含む。
本例では、診断システムSYSに含まれる鉄道車両1は、1編成であってもよいし、複数編成であってもよい。以下、後述の第4例(図18)についても同様であってよい。
診断装置2は、鉄道車両1のドア80に関する異常診断を行う。
診断装置2は、鉄道車両1の外部に設けられる。診断装置2は、鉄道車両1と所定の通信回線を通じて通信可能に接続される。
所定の通信回線は、例えば、基地局を末端とする移動体通信網や通信衛星を利用する衛星通信網等の広域ネットワーク(WAN:Wide Area Network)を含む。また、所定の通信回線は、例えば、駅や車両基地等に整備されるローカルネットワークを含んでもよい。また、所定の通信回線は、例えば、ブルートゥース(登録商標)やWiFi等の所定の通信規格に基づく近距離通信回線を含んでもよい。
診断装置2は、相対的に処理能力が高いサーバ装置である。サーバ装置は、オンプレミスサーバやクラウドサーバであってもよいし、エッジサーバであってもよい。また、診断装置2は、サーバ装置よりも相対的に処理能力低い端末装置であってもよい。端末装置は、例えば、デスクトップ型のPC(Personal Computer)等の定置型の端末装置であってもよいし、例えば、スマートフォン、タブレット端末、ラップトップ型のコンピュータ等の可搬型の端末装置(携帯端末)であってもよい。
診断装置2の機能は、任意のハードウェアや任意のハードウェア及びソフトウェアの組み合わせにより実現されてよい。例えば、診断装置2は、CPU、メモリ装置、補助記憶装置、及びインタフェース装置を含むコンピュータを中心に構成される。メモリ装置は、例えば、SRAMやDRAM(Dynamic Random Access Memory)である。補助記憶装置は、例えば、HDD(Hard Disc Drive)やSSD(Solid State Drive)やEEPROMやフラッシュメモリ等である。インタフェース装置は、例えば、鉄道車両1(上位装置10)を含む外部装置と通信を行うための通信インタフェースを含む。また、インタフェース装置は、外部の記録媒体に接続するための外部インタフェースを含む。これにより、記録媒体から診断装置2の補助記憶装置等にドア80に関する異常診断の処理を行うためのプログラムや各種のデータをインストールすることができる。また、ドア80に関する異常診断の処理を行うためのプログラムや各種のデータは、通信インタフェースを通じて、診断装置2の外部からダウンロードされてもよい。また、インタフェース装置は、接続する通信回線の種類に合わせて、複数の異なる種類のインタフェース装置を含んでよい。また、診断装置2は、更に、ユーザからの各種の入力を受け付けるための入力装置やユーザに向けて情報を出力するための出力装置を含んでもよい。入力装置は、例えば、マウス、キーボード、タッチパネル等のユーザからの機械的な入力を受け付ける機械操作入力装置を含む。また、入力装置は、例えば、カメラやマイクロフォン等によって、ユーザからジェスチャや音声による入力を受け付け可能なジェスチャ入力装置や音声入力装置を含んでもよい。出力装置は、例えば、視覚的に情報を出力する表示装置や聴覚的に情報を出力する音出力装置を含む。表示装置は、例えば、液晶ディスプレイや有機EL(Electroluminescence)である。音出力装置は、例えば、スピーカである。
[ドアに関する異常診断の処理の第3例]
次に、図17を参照して、ドア80に関する異常診断の処理の第3例について説明する。
図17は、ドア80に関する異常診断の処理の第3例を示すシーケンス図である。
本例では、上述の図16の診断システムSYSを前提とする。
図17に示すように、ステップS302,S304,S306,S308,S310,S312は、上述の図15のステップS202,S204,S206,S208,S210,S212の処理と同じであるため、説明を省略する。
上位装置10の車両制御装置12は、ステップS312で受信した測定データを鉄道車両1の外部の診断装置2に送信する(ステップS314)。
診断装置2は、ステップS314で鉄道車両1の上位装置10から送信される測定データを受信する(ステップS316)。
診断装置2は、ステップS316で受信した測定データに基づき、ドア80に関する異常診断を行う(ステップS318)。
ステップS318の処理が完了すると、診断装置2は、ドア80に関する異常診断の結果を鉄道車両1の上位装置10に送信する(ステップS320)。
上位装置10の車両制御装置12は、ステップS320の処理で診断装置2から送信される、ドア80に関する異常診断の結果を受信する(ステップS322)。
ステップS322の処理が完了すると、車両制御装置12は、上述の図14、図15のステップS116,S216と同様、例えば、運転室や車掌室の表示装置に、ドア80に関する異常診断の結果を表示させる(ステップS324)。
このように、本例では、診断システムSYSは、鉄道車両1の外部の診断装置2にて、ドア80に関する異常診断を行うことができる。そのため、通常、処理リソースが比較的小さい鉄道車両1(上位装置10及びドア制御装置100)での処理負荷を軽減することができる。
また、本例では、診断システムSYSは、診断装置2において、複数編成の鉄道車両1のドア80の測定データやその測定データに基づく異常診断の結果を取得し蓄積することができる。これにより、診断装置2は、自身に蓄積される、複数編成に亘る鉄道車両1の全てのドア80の閉動作時の測定データや異常診断の結果に基づき、ドア80の異常に関する解析を行うことができる。そのため、診断装置2は、自身に蓄積される、対象の鉄道車両1の全てのドア80の測定データや異常診断の結果に基づき、ドア80の異常に関する解析を行うことができる。例えば、診断装置2は、特定のドア80について、異常診断の結果(例えば、可変部分の寸法Sの推定値)の履歴を解析する。これにより、診断システムSYSは、診断装置2での解析結果に基づき、ドア80の劣化状況(異常の兆候)を予測し、ドア80の異常の有無だけでなく、ドア80の異常の兆候の有無を診断することができる。また、診断装置2は、全ての編成の鉄道車両1のドア80に関する異常診断の結果(寸法Sの推定値)の履歴に基づき、クラスタリング等の機械学習を適用し、全ての編成の鉄道車両1のドア80の中から異常或いは異常の兆候のあるドア80を抽出してもよい。これにより、診断システムSYSは、上述の方法に代えて、或いは、加えて、機械学習を適用し、ドア80に関する異常診断を行うことができる。よって、診断システムSYSは、ドア80に関する異常診断を更に適切に行うことができる。
尚、診断アプリは、診断装置2にインストールされていてもよく、診断装置2でのユーザからの所定の入力に応じて、診断装置2から鉄道車両1(上位装置10)に診断指令が送信されてもよい。また、診断システムSYSに複数編成の鉄道車両1が含まれる場合、診断指令は、ユーザからの所定の入力によって指定される特定の鉄道車両1に向けて送信される。
[診断システムの更に他の例]
次に、図18を参照して、診断システムSYSの更に他の例について説明する。
図18は、診断システムSYSの更に他の例を示す図である。
図18に示すように、診断システムSYSは、上述の他の例(図16)と同様、鉄道車両1(上位装置10及びドア制御装置100)と、診断装置2とを含む。また、診断システムSYSは、上述の他の例(図16)と異なり、ユーザ端末3を含む。
ユーザ端末3は、診断システムSYSのユーザが利用する端末装置である。
ユーザ端末3は、例えば、ドア80の点検を行う点検者や鉄道車両1の保守・点検の責任者等が利用する端末装置である。また、ユーザ端末3は、例えば、診断装置2のユーザが利用する端末装置であってもよい。
ユーザ端末3は、例えば、デスクトップ型のPC等の定置型の端末装置であってもよいし、例えば、スマートフォン、タブレット端末、ラップトップ型のPC等の可搬型の端末装置(携帯端末)であってもよい。
ユーザ端末3の機能は、任意のハードウェアや任意のハードウェア及びソフトウェアの組み合わせにより実現されてよい。例えば、ユーザ端末3は、CPU、メモリ装置、補助記憶装置、インタフェース装置、入力装置、及び出力装置を含むコンピュータを中心に構成される。メモリ装置は、例えば、SRAMやDRAM(Dynamic Random Access Memory)である。補助記憶装置は、例えば、HDDやSSDやEEPROMやフラッシュメモリ等である。インタフェース装置は、例えば、診断装置2を含む外部装置と通信を行うための通信インタフェースを含む。また、インタフェース装置は、外部の記録媒体に接続するための外部インタフェースを含む。これにより、記録媒体からユーザ端末3の補助記憶装置等にドア80に関する異常診断の処理を行うためのプログラムや各種のデータをインストールすることができる。また、ドア80に関する異常診断の処理を行うためのプログラムや各種のデータは、通信インタフェースを通じて、ユーザ端末3の外部からダウンロードされてもよい。また、インタフェース装置は、接続する通信回線の種類に合わせて、複数の異なる種類のインタフェース装置を含んでよい。入力装置は、例えば、マウス、キーボード、タッチパネル等のユーザからの機械的な入力を受け付ける機械操作入力装置を含む。また、入力装置は、例えば、カメラやマイクロフォン等によって、ユーザからジェスチャや音声による入力を受け付け可能なジェスチャ入力装置や音声入力装置を含んでもよい。出力装置は、例えば、視覚的に情報を出力する表示装置や聴覚的に情報を出力する音出力装置を含む。表示装置は、例えば、液晶ディスプレイや有機EL(Electroluminescence)である。音出力装置は、例えば、スピーカである。
[ドアに関する異常診断の処理の第4例]
次に、図19を参照して、ドア80に関する異常診断の処理の第4例について説明する。
図19は、ドア80に関する異常診断の処理の第4例を示すシーケンス図である。
本例では、上述の図18の診断システムSYSを前提とする。
図19に示すように、ユーザ端末3は、ユーザからの所定の入力に応じて、診断アプリを起動させる(ステップS402)。
ステップS402の完了後、ユーザ端末3は、ユーザからのドア80に関する異常診断の開始を要求する所定の入力に応じて、診断指令を診断装置2に送信する(ステップS404)。
複数編成の鉄道車両1のユーザ端末3から送信される診断指令には、ドア80に関する異常診断が実施される対象の鉄道車両1が指定される。対象の鉄道車両1は、ユーザからの所定の入力によって指定される。
診断装置2は、ステップS404の処理でユーザ端末3から送信される診断指令を受信する(ステップS406)。
ステップS406の処理が完了すると、診断装置2は、ユーザ端末3からの診断指令を中継する形で、対象の鉄道車両1(上位装置10)に診断指令を送信する(ステップS408)。
対象の鉄道車両1の上位装置10(車両制御装置12)は、ステップS408で送信される診断指令を受信する(ステップS410)。
車両制御装置12は、ステップS408で受信した診断指令を中継する形で、伝送装置16を介して、ドア制御装置100に送信する(ステップS412)。
ステップS414,S416,S418,S420,S422,S424,S426は、上述の第3例(図17)のステップS306,S308,S310,S312,S314,S316,S318の処理と同じであるための説明を省略する。
ステップS426の処理が完了すると、診断装置2は、ステップS426でのドア80に関する異常診断の結果をユーザ端末3に送信する(ステップS428)。
ユーザ端末3は、ステップS428で診断装置2から送信される異常診断の結果を受信する(ステップS430)。
ステップS430の処理が完了すると、ユーザ端末3は、自身の出力装置(表示装置)にドア80に関する異常診断の結果を表示させる(ステップS432)。
これにより、ユーザは、ユーザ端末3を用いて、ドア80に関する異常診断の結果を確認することができる。
このように、本例では、診断システムSYSは、ユーザ端末3からドア80に関する異常診断の要求(診断指令)を、診断装置2を通じて鉄道車両1に送信し、ユーザ端末3にて、ドア80に関する異常診断の結果をユーザに通知する。
これにより、診断システムSYSのユーザは、ユーザ端末3を用いて、ドア80に関する異常診断の異常診断を要求し、ドア80に関する異常診断の結果を確認することができる。そのため、例えば、鉄道車両1や診断装置2を直接利用可能なユーザ以外のユーザがユーザ端末3を用いて、異常診断の結果を確認することができる。例えば、ドア80の保守部品を取り扱うメーカの担当者は、鉄道車両1の編成ごとのドア80の異常の発生状況を把握し、保守部品の管理等の最適化を図ることができる。また、例えば、鉄道車両1の保守や点検の担当者は、ユーザ端末3を所持し、ドア80ごとの異常診断の結果を確認しながら、実際の鉄道車両1のドア80の保守・点検作業を行うことができる。よって、診断システムSYSのユーザの利便性を向上させることができる。
[作用]
次に、本実施形態に係る診断装置、診断システム、診断方法、及びプログラムの作用について説明する。
本実施形態では、診断装置は、鉄道車両のドアの閉動作の期間又は開動作の期間でのドアの位置、及びドアの全閉状態を検知するスイッチの出力の時系列のデータを取得する。診断装置は、例えば、上述の診断装置2や車両制御装置12やドア制御装置100である。鉄道車両は、例えば、上述の鉄道車両1である。ドアは、例えば、上述のドア80である。スイッチは、例えば、上述のDCS60である。そして、診断装置は、取得したデータに基づき、スイッチ、及びスイッチの可動接点を押圧するための押圧部材の少なくとも一方の位置に関する異常の診断を行う。可動接点は、例えば、上述の可動接点62である。押圧部材は、例えば、上述のDCS当接部213である。
また、本実施形態では、診断システムは、鉄道車両のドアに閉動作又は開動作を行わせる。診断システムは、例えば、上述の診断システムSYSである。また、診断システムは、ドアに閉動作又は開動作を行わせた期間でのドアの位置、及びドアの全閉状態を検知するスイッチの出力の時系列のデータを取得する。そして、診断システムは、取得したデータに基づき、スイッチ、及びスイッチの可動接点を押圧するための押圧部材の少なくとも一方の位置に関する異常の診断を行う。
また、情報処理装置は、診断方法を実行してもよい。情報処理装置は、例えば、上述の診断装置2や車両制御装置12やドア制御装置100である。具体的には、診断方法では、情報処理装置が、鉄道車両のドアの閉動作の期間又は開動作の期間でのドアの位置、及びドアの全閉状態を検知するスイッチの出力の時系列のデータを取得する。そして、診断方法では、情報処理装置が、取得したデータに基づき、スイッチ、及びスイッチの可動接点を押圧するための押圧部材の少なくとも一方の位置に関する異常の診断を行う。
また、情報処理装置にプログラムを実行させてもよい。具体的には、プログラムは、情報処理装置に、鉄道車両のドアの閉動作の期間又は開動作の期間でのドアの位置、及びドアの全閉状態を検知するスイッチの出力の時系列のデータを取得させる。そして、プログラムは、取得したデータに基づき、スイッチ、及びスイッチの可動接点を押圧するための押圧部材の少なくとも一方の位置に関する異常の診断を行わせる。
これにより、診断装置等は、例えば、ドアの閉動作時や開動作時のドアの位置、及び全閉状態を検知するスイッチの出力の時系列データから、ドアの全閉位置やスイッチの出力が切り換わったときのドアの位置を把握することができる。そのため、診断装置等は、ドアの全閉状態でのスイッチとスイッチを押圧する押圧部材と位置関係を評価し、スイッチや押圧部材の位置に関する異常の診断を行うことができる。
また、本実施形態では、診断装置等は、鉄道車両の乗客の乗降の際の第1の速度よりも小さい第2の速度で実施されるドアの閉動作の期間又は開動作の期間でのドアの位置、及びスイッチの出力の時系列のデータを取得してもよい。第1の速度は、例えば、上述の速度V1である。第2の速度は、例えば、上述の速度V2である。
これにより、診断装置等は、通常の乗客の乗降の際の速度よりも小さい速度でドアが閉動作や開動作を行ったときのデータを用いることができる。そのため、例えば、スイッチの物理的なオン/オフのタイミングと、スイッチの出力(信号)のオン/オフのタイミングとの間には、時間差が生じる場合であっても、その時間差でのドアの移動量を相対的に小さく抑制することができる。よって、診断装置は、スイッチのオン/オフのタイミングを用いて、スイッチや押圧部材の位置を評価する場合に、上記の時間差による評価結果の誤差を抑制し、より適切に異常診断を行うことができる。
また、本実施形態では、第2の速度は、一定の速度であってもよい。
これにより、ドアの位置の測定精度を向上させることができる。また、診断装置等は、例えば、スイッチの物理的なオン/オフの切り換わりとスイッチの出力のオン/オフの切り換わりとの間にタイミングのズレがあっても、ドアの速度が一定であることから、その時間差を考慮して、比較的容易にスイッチの物理的なオン/オフのタイミングでのドアの位置を推定できる。そのため、診断装置等は、ドアの全閉状態でのスイッチと押圧部材と位置関係をより適切に評価することができ、その結果、スイッチや押圧部材に関する異常の診断をより適切に行うことができる。
また、本実施形態では、診断装置は、スイッチの出力の時系列のデータに基づき、閉動作時にスイッチの出力がオフからオンに、又は、開動作時にスイッチの出力がオンからオフに切り換わる第1のタイミングを取得してもよい。第1のタイミングは、例えば、上述の時刻t0或いは時刻t3である。また、診断装置は、第1のタイミングと、ドアの位置の時系列のデータとに基づき、閉動作時にスイッチが物理的にオフからオンに切り換わったとき、又は開動作時にスイッチが物理的にオンからオフに切り換わったときのドアの第1の位置を取得してもよい。第1の位置は、例えば、上述の位置P1或いは位置P4である。また、診断装置は、ドアの位置の時系列のデータに基づき、ドアの全閉状態に相当する第2の位置を取得してもよい。第2の位置は、例えば、上述の全閉位置P2である。そして、診断装置は、第1の位置と第2の位置とに基づき、異常の診断を行ってもよい。
これにより、診断装置等は、スイッチの物理的なオン/オフの切り換わり時のドアの第1の位置と、ドアの全閉状態に対応する第2の位置とに基づき、ドアの全閉状態でのスイッチと押圧部材との位置関係を評価することができる。そのため、診断装置等は、その評価結果に基づき、スイッチや押圧部材の位置に関する異常診断を行うことができる。
また、本実施形態では、第1のタイミングと、ドアの閉動作時にスイッチが物理的にオフからオンに切り換わってからスイッチの出力がオフからオンに切り換わるまでの間、又は、ドアの開動作時にスイッチが物理的にオンからオフに切り換わってからスイッチの出力がオンからオフに切り換わるまでの間に想定される時間差と、ドアの位置の時系列のデータとに基づき、閉動作時にスイッチが物理的にオフからオンに切り換わったとき、又は開動作時にスイッチが物理的にオンからオフに切り換わったときのドアの第1の位置を取得してもよい。時間差は、例えば、上述の時間差Δt1或いは時間差Δt2である。
これにより、診断装置は、スイッチの物理的なオン/オフの切り換わりのタイミングとスイッチの出力のオン/オフのタイミングとの時間差を考慮して、ドアの全閉状態でのスイッチと押圧部材との位置関係を評価することができる。そのため、診断装置等は、スイッチや押圧部材の位置に関する異常の診断をより適切に行うことができる。
また、本実施形態では、診断装置は、第1の位置及び第2の位置に基づき、ドアの全閉状態におけるスイッチ及び押圧部材の間の鉄道車両の前後方向又はドアの開閉方向での位置関係を表す寸法を取得してもよい。寸法は、例えば、上述の可変部分の寸法Sである。そして、診断装置は、その寸法が上限値及び下限値により規定される所定範囲内にあるか否かによって、異常の有無を診断してもよい。上限値及び下限値は、例えば、上述の上限値Sth1及び下限値Sth2である。
これにより、診断装置等は、スイッチ及び押圧部材との間の鉄道車両の前後方向又はドアの開閉方向での位置関係を表す寸法を評価することで、スイッチや押圧部材の位置に関する異常診断を行うことができる。
また、本実施形態では、診断装置は、スイッチの出力の時系列のデータに基づき、閉動作時にスイッチの出力がオフからオンに、又は、開動作時にスイッチの出力がオンからオフに切り換わる第2のタイミングを取得してもよい。第2のタイミングは、例えば、上述の時刻t0或いは時刻t3である。また、診断装置は、第2のタイミングと、ドアの位置の時系列のデータとに基づき、第2のタイミングでのドアの第3の位置を取得してもよい。第3の位置は、例えば、上述の位置P0或いは位置P3である。また、診断装置は、ドアの位置の時系列のデータに基づき、ドアの全閉状態に相当する第4の位置を取得してもよい。第4の位置は、上述の全閉位置P2である。また、診断装置は、第3の位置及び第4の位置に基づき、閉動作時にスイッチの出力がオフからオンに切り換わってからドアが全閉状態に到達するまでの、又は開動作時にドアの全閉状態からスイッチの出力がオンからオフに切り換わるまでのドアの第1の移動距離を取得してもよい。第1の移動距離は、例えば、上述の移動距離TL2或いは移動距離TL3である。また、診断装置は、第1の移動距離と、閉動作時にスイッチが物理的にオフからオンに切り換わってからスイッチの出力がオフからオンに切り換わるまでの間、又は開動作時にスイッチが物理的にオンからオフに切り換わってからスイッチの出力がオンからオフに切り換わるまでの間に想定される、ドアの第2の移動距離とに基づき、異常の診断を行ってもよい。第2の移動距離は、例えば、上述の移動距離TL1或いは移動距離TL4である。
これにより、診断装置等は、診断装置は、スイッチの物理的なオン/オフの切り換わりのタイミングとスイッチの出力のオン/オフのタイミングとの時間差でのドアの移動を考慮して、ドアの全閉状態でのスイッチと押圧部材との位置関係を評価することができる。そのため、診断装置等は、スイッチや押圧部材の位置に関する異常の診断をより適切に行うことができる。
また、本実施形態では、第2の移動距離は、閉動作時にスイッチが物理的にオフからオンに切り換わってからスイッチの出力がオフからオンに切り換わるまでの間、又は開動作時にスイッチが物理的にオンからオフに切り換わってからスイッチの出力がオンからオフに切り換わるまでの間に想定される時間差と、その間のドアの速度とに基づき取得されてもよい。
これにより、診断装置等は、スイッチの物理的なオン/オフの切り換わりのタイミングとスイッチの出力のオン/オフのタイミングとの時間差でのドアの移動距離(第2の移動距離)を取得することができる。
また、本実施形態では、診断装置は、第1の移動距離及び第2の移動距離に基づき、ドアの全閉状態におけるスイッチ及び押圧部材の間の鉄道車両の前後方向又はドアの開閉方向での位置関係を表す寸法を取得してもよい。そして、診断装置は、その寸法が上限値及び下限値により規定される所定範囲内にあるか否かによって、異常の有無を診断してもよい。
これにより、診断装置等は、スイッチ及び押圧部材との間の鉄道車両の前後方向又はドアの開閉方向での位置関係を表す寸法を評価することで、スイッチや押圧部材の位置に関する異常診断を行うことができる。
また、本実施形態では、診断装置は、ドアの閉動作時にスイッチの出力がオフからオンに切り換わったタイミングオフに切り換わったタイミングが複数回ある場合、複数回のうちの最も遅いタイミングを基準として、異常の有無を診断してもよい。同様に、診断装置は、ドアの開動作時にスイッチの出力がオンからオフに切り換わったタイミングが複数回ある場合、複数回のうちの最も早いタイミングを基準として、異常の有無を診断してもよい。
これにより、診断装置等は、スイッチの出力のオン/オフの切り換わり時のドアの位置と、ドアの全閉状態に対応する位置との間の距離をより小さく評価することができる。その結果、診断装置等は、全閉状態において、スイッチと押圧部材と位置関係が離れすぎているとして、スイッチや押圧部材の位置が異常であるとの診断を行うことができる。そのため、押圧部材がスイッチのオン/オフを確実に切り換え可能な程度に可動接点を押し込むことができず、スイッチのオン・オフが繰り返される状況で、診断装置等は、スイッチや押圧部材の位置に関する異常があるとの診断をより確実に行うことができる。
以上、実施形態について詳述したが、本開示はかかる特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
1 鉄道車両
2 診断装置
3 ユーザ端末
10 上位装置
12 車両制御装置
16 伝送装置
30 モータ
31 エンコーダ
32 電流センサ
32A 電流センサ
32B 電流センサ
50 施錠装置
51 ピン
52 コイル
53 コイル
60 DCS
61A1 固定接点
61A2 固定接点
61B1 固定接点
61B2 固定接点
62 可動接点
70 DLS
71A1 固定接点
71A2 固定接点
71B1 固定接点
71B2 固定接点
72 可動接点
80 ドア
80A ドアパネル
80B ドアパネル
81A 戸先ゴム
81B 戸先ゴム
100 ドア制御装置
101 配線
102 配線
110 常用系制御部
111 電源回路
112 通信部
113 入力信号検出部
114 シーケンス部
115 モータ制御部
116 モータ駆動部
117 施錠・解錠駆動部
120 待機系制御部
121 電源回路
122 通信部
123 入力信号検出部
124 シーケンス部
125 モータ制御部
126 モータ駆動部
127 施錠・解錠駆動部
130 切換回路部
140 切換回路部
150 電源
151 入力コンタクタ
200 ドア駆動機構
210 ラック
211 ラック部
211A ラックギヤ
212 連結部
213 DCS当接部
220 ラック
221 ラック部
221A ラックギヤ
222 連結部
222A 傾斜部
223 ロックピン当接部
223A ロックホール
230 ロックピン
231 ピン部
232 施錠装置当接部
SYS 診断システム

Claims (13)

  1. 鉄道車両のドアの閉動作の期間又は開動作の期間での前記ドアの位置、及び前記ドアの全閉状態を検知するスイッチの出力の時系列のデータを取得し、
    取得したデータに基づき、前記スイッチ、及び前記スイッチの可動接点を押圧するための押圧部材の少なくとも一方の位置に関する異常の診断を行う、
    診断装置。
  2. 前記鉄道車両の乗客の乗降の際の第1の速度よりも小さい第2の速度で実施される前記ドアの前記閉動作の期間又は前記開動作の期間での前記ドアの位置、及び前記スイッチの出力の時系列のデータを取得する、
    請求項1に記載の診断装置。
  3. 前記第2の速度は、一定の速度である、
    請求項2に記載の診断装置。
  4. 前記スイッチの出力の時系列のデータに基づき、前記ドアの閉動作時に前記スイッチの出力がオフからオンに、又は、前記ドアの開動作時に前記スイッチの出力がオンからオフに切り換わる第1のタイミングを取得し、
    前記第1のタイミングと、前記ドアの位置の時系列のデータとに基づき、前記閉動作時に前記スイッチが物理的にオフからオンに切り換わったとき、又は前記開動作時に前記スイッチが物理的にオンからオフに切り換わったときの前記ドアの第1の位置を取得し、
    前記ドアの位置の時系列のデータに基づき、前記ドアの全閉状態に相当する第2の位置を取得し、
    前記第1の位置と前記第2の位置とに基づき、前記異常の診断を行う、
    請求項1乃至3の何れか一項に記載の診断装置。
  5. 前記第1のタイミングと、前記閉動作時に前記スイッチが物理的にオフからオンに切り換わってから前記スイッチの出力がオフからオンに切り換わるまでの間、又は、前記開動作時に前記スイッチが物理的にオンからオフに切り換わってから前記スイッチの出力がオンからオフに切り換わるまでの間に想定される時間差と、前記ドアの位置の時系列のデータとに基づき、前記閉動作時に前記スイッチが物理的にオフからオンに切り換わったとき、又は前記開動作時に前記スイッチが物理的にオンからオフに切り換わったときの前記ドアの前記第1の位置を取得する、
    請求項4に記載の診断装置。
  6. 前記第1の位置及び前記第2の位置に基づき、前記ドアの全閉状態における前記スイッチ及び前記押圧部材の間の前記鉄道車両の前後方向又は前記ドアの開閉方向での位置関係を表す寸法を取得し、
    前記寸法が上限値及び下限値により規定される所定範囲内にあるか否かによって、前記異常の有無を診断する、
    請求項4に記載の診断装置。
  7. 前記スイッチの出力の時系列のデータに基づき、前記閉動作時に前記スイッチの出力がオフからオンに、又は、前記開動作時に前記スイッチの出力がオンからオフに切り換わる第2のタイミングを取得し、
    前記第2のタイミングと、前記ドアの位置の時系列のデータとに基づき、前記第2のタイミングでの前記ドアの第3の位置を取得し、
    前記ドアの位置の時系列のデータに基づき、前記ドアの全閉状態に相当する第4の位置を取得し、
    前記第3の位置及び前記第4の位置に基づき、前記閉動作時に前記スイッチの出力がオフからオンに切り換わってから前記ドアが全閉状態に到達するまでの、又は前記開動作時に前記ドアの全閉状態から前記スイッチの出力がオンからオフに切り換わるまでの前記ドアの第1の移動距離を取得し、
    前記第1の移動距離と、前記閉動作時に前記スイッチが物理的にオフからオンに切り換わってから前記スイッチの出力がオフからオンに切り換わるまでの間、又は前記開動作時に前記スイッチが物理的にオンからオフに切り換わってから前記スイッチの出力がオンからオフに切り換わるまでの間に想定される、前記ドアの第2の移動距離とに基づき、前記異常の診断を行う、
    請求項1乃至3の何れか一項に記載の診断装置。
  8. 前記第2の移動距離は、前記閉動作時に前記スイッチが物理的にオフからオンに切り換わってから前記スイッチの出力がオフからオンに切り換わるまでの間、又は前記開動作時に前記スイッチが物理的にオンからオフに切り換わってから前記スイッチの出力がオンからオフに切り換わるまでの間に想定される時間差と、その間の前記ドアの速度とに基づき取得される、
    請求項7に記載の診断装置。
  9. 前記第1の移動距離及び前記第2の移動距離に基づき、前記ドアの全閉状態における前記スイッチ及び前記押圧部材の間の前記鉄道車両の前後方向又は前記ドアの開閉方向での位置関係を表す寸法を取得し、
    前記寸法が上限値及び下限値により規定される所定範囲内にあるか否かによって、前記異常の有無を診断する、
    請求項8に記載の診断装置。
  10. 前記閉動作時に前記スイッチの出力がオフからオンに切り換わったタイミングが複数回ある場合、その複数回のうちの最も遅いタイミングを基準として、又は、前記開動作時に前記スイッチの出力がオンからオフに切り換わったタイミングが複数回ある場合、その複数回のうちの最も早いタイミングを基準として、前記異常の有無を診断する、
    請求項1又は2に記載の診断装置。
  11. 鉄道車両のドアに閉動作又は開動作を行わせ、
    前記ドアに前記閉動作又は前記開動作を行わせた期間での前記ドアの位置、及び前記ドアの全閉状態を検知するスイッチの出力の時系列のデータを取得し、
    取得したデータに基づき、前記スイッチ、及び前記スイッチの可動接点を押圧するための押圧部材の少なくとも一方の位置に関する異常の診断を行う、
    診断システム。
  12. 情報処理装置が、
    鉄道車両のドアの閉動作の期間又は開動作の期間での前記ドアの位置、及び前記ドアの全閉状態を検知するスイッチの出力の時系列のデータを取得し、
    取得したデータに基づき、前記スイッチ、及び前記スイッチの可動接点を押圧するための押圧部材の少なくとも一方の位置に関する異常の診断を行う、
    診断方法。
  13. 情報処理装置に、
    鉄道車両のドアの閉動作の期間又は開動作の期間での前記ドアの位置、及び前記ドアの全閉状態を検知するスイッチの出力の時系列のデータを取得させ、
    取得したデータに基づき、前記スイッチ、及び前記スイッチの可動接点を押圧するための押圧部材の少なくとも一方の位置に関する異常の診断を行わせる、
    プログラム。
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