JP2024094886A - 複数の基地局装置と端末装置との間の通信を効率化する基地局装置、制御方法、及びプログラム - Google Patents
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Abstract
【課題】複数の基地局装置と接続している端末装置がハンドオーバをした際のデータ通信を行うことができない期間を短縮すること。
【解決手段】端末装置がマスタノード及びセカンダリノードと接続して通信を行うことができる無線通信システムにおける基地局装置は、端末装置と接続し、端末装置がバッファ内に保持している送信対象のデータの量を報告するバッファステータスレポートを、端末装置から受信し、端末装置がマスタノードとして基地局装置と接続する場合に、端末装置が接続すべきセカンダリノードを追加し、セカンダリノードとして動作する他の基地局装置へ、バッファステータスレポートによって取得した端末装置における送信対象のデータの量に関連する情報を通知する。
【選択図】 図6
【解決手段】端末装置がマスタノード及びセカンダリノードと接続して通信を行うことができる無線通信システムにおける基地局装置は、端末装置と接続し、端末装置がバッファ内に保持している送信対象のデータの量を報告するバッファステータスレポートを、端末装置から受信し、端末装置がマスタノードとして基地局装置と接続する場合に、端末装置が接続すべきセカンダリノードを追加し、セカンダリノードとして動作する他の基地局装置へ、バッファステータスレポートによって取得した端末装置における送信対象のデータの量に関連する情報を通知する。
【選択図】 図6
Description
本発明は、端末装置が複数の基地局装置と接続して並行して通信を行う際の効率化技術に関する。
近年、無線通信の需要が増大しており、例えば端末装置から基地局装置へ信号が送信される上りリンクにおける、映像伝送サービスなどのリアルタイムかつ大容量の通信サービスの提供が要求されている。このような大容量のデータ伝送のために、第3世代パートナーシッププロジェクト(3GPP(登録商標))では、端末装置が複数の基地局装置と接続して通信を行うDual Connectivity(DC)又はMulti Connectivity(MC)が規定されている(非特許文献1)。
3GPP TS37.340、V16.5.0、2021年3月
端末装置が移動する環境では、端末装置の接続先の基地局装置をハンドオーバによって順次切り替えながら、通信が継続される。一方で、DCが用いられる場合に、ハンドオーバによってマスタノードとして機能する基地局装置を切り替えると、それに伴ってセカンダリノードの切り替えも必要となる。また、ハンドオーバではなく、端末装置がDCによる通信を開始する際にも、このようなセカンダリノードをデータ通信に使用することができるようになるまでの時間が発生する。このため、端末装置は、ハンドオーバ後や初期接続時の一定期間、セカンダリノードを使用することができず、端末装置が要求する通信性能を満たすことができないことが想定される。
本発明は、複数の基地局装置と接続可能な端末装置がセカンダリノードとデータ通信を実行可能となるまでの期間を短縮する技術を提供する。
本発明の一態様による基地局装置は、端末装置がマスタノード及びセカンダリノードと接続して通信を行うことができる無線通信システムにおける基地局装置であって、前記端末装置と接続する接続手段と、当該端末装置がバッファ内に保持している送信対象のデータの量を報告するバッファステータスレポートを、当該端末装置から受信する受信手段と、前記端末装置がマスタノードとして前記基地局装置と接続する場合に、前記端末装置が接続すべきセカンダリノードを追加する追加手段と、前記セカンダリノードとして動作する他の基地局装置へ、前記バッファステータスレポートによって取得した前記端末装置における前記送信対象のデータの量に関連する情報を通知する通知手段と、を有する。
また、本発明の別の一態様による基地局装置は、端末装置がマスタノード及びセカンダリノードと接続して通信を行うことができる無線通信システムにおける基地局装置であって、前記端末装置がマスタノードとして接続する他の基地局装置からの要求に基づいて前記セカンダリノードとして前記端末装置と接続する接続手段と、前記端末装置がバッファ内に保持している送信対象のデータの量に関連する情報を、前記他の基地局装置から受信する受信手段と、前記情報に基づいて、前記端末装置から当該送信対象のデータの量を報告するバッファステータスレポートを受信することなく、前記端末装置に対して上りリンクでの送信許可を送信する送信手段と、を有する。
本発明によれば、複数の基地局装置と接続可能な端末装置がセカンダリノードとデータ通信を実行可能となるまでの期間を短縮することができる。
以下、添付図面を参照して実施形態を詳しく説明する。なお、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではなく、また実施形態で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明に必須のものとは限らない。実施形態で説明されている複数の特徴のうち二つ以上の特徴は任意に組み合わされてもよい。また、同一若しくは同様の構成には同一の参照番号を付し、重複した説明は省略する。
(システム構成)
図1は、本実施形態の無線通信システムの構成例を示す図である。本無線通信システムは、例えば、第3世代パートナーシッププロジェクト(3GPP(登録商標))の第5世代(5G)規格などのセルラ通信規格に準拠して構成された、セルラ通信システムである。無線通信システムは、多数の基地局装置(基地局装置101、基地局装置102、基地局装置121など)と、多数の端末装置(端末装置141など)を含んで構成される。なお、図1では、説明を簡単にするために、少数の基地局装置と1つの端末装置のみを示している。なお、基地局装置101はセル111を構成し、基地局装置102はセル112を構成し、基地局装置121はセル131を構成している。端末装置141は、例えば、Dual Connectivity(DC)技術又はMulti Connectivity(MC)技術を利用して、複数の基地局装置と並行して接続し、無線通信を行うことができるように構成されている。図1では、端末装置141は、セル111とセル131とが重なる領域に存在し、基地局装置101及び基地局装置121と接続し、これらの基地局装置と並行して無線通信を行っているものとする。なお、基地局装置101がマスタノードとして機能し、基地局装置121がセカンダリノードとして機能しているものとする。なお、以下では、マスタノードをMN、セカンダリノードをSNと呼ぶ場合がある。
図1は、本実施形態の無線通信システムの構成例を示す図である。本無線通信システムは、例えば、第3世代パートナーシッププロジェクト(3GPP(登録商標))の第5世代(5G)規格などのセルラ通信規格に準拠して構成された、セルラ通信システムである。無線通信システムは、多数の基地局装置(基地局装置101、基地局装置102、基地局装置121など)と、多数の端末装置(端末装置141など)を含んで構成される。なお、図1では、説明を簡単にするために、少数の基地局装置と1つの端末装置のみを示している。なお、基地局装置101はセル111を構成し、基地局装置102はセル112を構成し、基地局装置121はセル131を構成している。端末装置141は、例えば、Dual Connectivity(DC)技術又はMulti Connectivity(MC)技術を利用して、複数の基地局装置と並行して接続し、無線通信を行うことができるように構成されている。図1では、端末装置141は、セル111とセル131とが重なる領域に存在し、基地局装置101及び基地局装置121と接続し、これらの基地局装置と並行して無線通信を行っているものとする。なお、基地局装置101がマスタノードとして機能し、基地局装置121がセカンダリノードとして機能しているものとする。なお、以下では、マスタノードをMN、セカンダリノードをSNと呼ぶ場合がある。
ここで、端末装置141がこの状態から移動し、例えば、セル112とセル131とが重なる領域へ進入するものとする。この場合、端末装置141は、MN(基地局装置101)が提供するセルから離脱するため、他の基地局装置をMNとすべく、ハンドオーバ手順を実行することとなる。この時の通信の流れを図2に示す。なお、図2では、端末装置141が接続中のMNをSource MNと表記し、ハンドオーバ先のMNをTarget MNと表記している。また、端末装置141は、ハンドオーバの前後において、同じSN(基地局装置121)を利用するものとする。ただし、これは一例に過ぎず、ハンドオーバの前後で異なるSNに接続してもよい。また、図2の処理は概略的に示したものであり、一部の処理が簡略的に示されていることに留意されたい。
端末装置141は、例えば、現在接続中のMN(基地局装置101)から送出された無線信号の測定結果と、周囲のMNとして動作しうる他の基地局装置から送出された無線信号の測定結果とを比較する。そして、端末装置141は、他の基地局装置の無線品質の方が所定レベル以上良好であるなどのイベントが発生したことに応じて、ハンドオーバ手順を開始する。端末装置141は、ハンドオーバ手順において、周囲の他の基地局装置の無線品質の測定報告を接続中のMNへ送信する(S201)。そして、接続中のMNは、端末装置を基地局装置102へとハンドオーバさせることを決定し、その基地局装置102へ、Handover Requestメッセージを送信する(S202)。基地局装置102は、Handover Requestを受信すると、応答としてHandover Request Ackメッセージを、現在のMNである基地局装置101へ送信し(S203)、端末装置141のハンドオーバを受け入れる。そして、基地局装置101は、端末装置へ、Radio Resource Control(RRC) Reconfigurationメッセージを送信し(S205)、端末装置141に対して、基地局装置102へのハンドオーバを行うように指示する。なお、端末装置141は、このメッセージを受信するまでは、接続中のMN及びSNに対して、上りリンクのデータ(物理上りリンク共有チャネル(PUSCH))の送信を行うことができる(S204)。端末装置141は、RRC Reconfigurationメッセージを受信すると、データ通信を行うことができなくなる。
その後、端末装置141は、ハンドオーバ先の基地局装置102との間でランダムアクセス手順を実行する(S206)。端末装置141は、RRC Reconfiguration Completeメッセージを送信して(S207)、ランダムアクセス手順を完了すると、基地局装置102との間でデータの通信を行うことが可能となる(S208)。すなわち、この時点で、端末装置141は、MNとの通信を再開することができる。この後に、ハンドオーバ後のMNとして機能する基地局装置102は、SNを追加するための手順を実行することができる。基地局装置102は、例えば、端末装置141に対して、周囲のSNとして機能しうる他の基地局装置の無線品質を測定させるための設定を、RRC Reconfigurationメッセージを送信することにより行う(S209)。そして、端末装置141は、このメッセージに対してRRC Reconfiguration Completeメッセージを送信して(S210)、設定を完了する。端末装置141は、その設定に従って周囲の他の基地局装置の無線品質を測定し、その測定結果を基地局装置102へ通知する(S211)。ここで、基地局装置102は、その測定結果に基づいて、基地局装置121をSNとして追加することを決定したものとする。この場合、基地局装置102は、基地局装置121へSN Add Requestメッセージを送信する(S212)。基地局装置121は、このメッセージを受信すると、応答としてSN Add Request Ackメッセージを基地局装置102へ送信する。その後、基地局装置102は、端末装置141へ、SNの追加のためのRRC Reconfigurationメッセージを送信し(S214)、端末装置141からRRC Reconfiguration Completeメッセージを受信する(S215)と、基地局装置121へ、SN Reconfiguration completeメッセージを送信する(S216)。これにより、ネットワーク側でのSNの追加の準備が完了する。この状態となると、端末装置141がSNとして追加された基地局装置121との間でランダムアクセス手順を実行する(S217)ことにより、基地局装置121との間で接続を確立して、SNを利用可能な状態となる。
その後、端末装置141は、SNへデータを送信するために、スケジューリング要求(SR)を基地局装置121へ送信する(S218)。基地局装置121は、SRを受信すると、端末装置141がバッファ内に保持している送信対象のデータの量を特定するために、端末装置141に上りリンクのリソースを割り当てて、バッファステータスレポート(BSR)を送信させる。すなわち、基地局装置121は、BSRのための上りリンクの送信許可(グラント)を送信し(S219)、端末装置141は、割り当てられたリソースでBSRを送信する(S220)。基地局装置121は、BSRを受信することによって、端末装置141に対してどの程度の量の上りリンクの無線リソースを割り当てるべきかを特定することができるようになる。そして、基地局装置121は、BSRに基づいて特定された量の無線リソースを端末装置141に対して割り当てる上りリンクグラントを送信する(S221)。端末装置141は、この上りリンクグラントを受信すると、割り当てられた無線リソースにおいて、上りリンクデータを送信することができる(S222)。
上述の例では、端末装置141は、S204において上りリンクデータを送信した後、MNについてはS207が完了した後にデータの送信を再開することができるが、SNについては、S221までデータを送信することができない。すなわち、端末装置141は、MNに関するハンドオーバをした場合に、SNへのデータの送信を再開することができるようになるまでに多くの時間を要する。
本実施形態では、このような事情に鑑み、端末装置141がSNへのデータの送信を行うことができるようにするまでの時間を短縮する技術を提供する。なお、以下では、ハンドオーバの文脈で本実施形態に係る手法について説明するが、これに限られない。例えば、端末装置141が基地局装置102に初期接続してSNを追加する場合は、図2のS206以降の処理と同様の処理が行われるが、この場合にも以下の議論を適用することができる。これによれば、端末装置141が、他の基地局装置からのハンドオーバではなく、非接続状態から、MNとして機能する基地局装置に接続してその後にSNを追加する流れにおいて、SNの追加の処理の開始から、実際に端末装置141がSNへデータを送信することができるようになるまでの時間を短縮することができる。
本実施形態では、例えば、基地局装置102が、端末装置141がバッファ内に保持している送信対象のデータの量に関連する情報を、SNとして追加する基地局装置121へ通知する。基地局装置102は、端末装置141との接続を確立した後に、例えばS208などにおいて、端末装置141からBSRを受信する。そして、基地局装置102は、そのBSRにおいて示される、端末装置141がバッファ内に保持している送信対象のデータの量に関連する情報を、基地局装置121へ通知しうる。なお、基地局装置102は、送信対象のデータの量に関連する情報として、端末装置141から受信したBSRをそのまま転送してもよい。また、基地局装置102は、BSRによって通知された送信対象のデータの量を特定可能な任意の形式の情報を、基地局装置121へ通知してもよい。また、基地局装置102は、そのBSRによって示された送信対象のデータの量のうち、端末装置141からSNに対して送信されるべきデータの量に関する情報を、基地局装置121へ通知してもよい。ここで、端末装置141からSNに対して送信されるべきデータの量は、例えば、BSRによって示された送信対象のデータの量から、基地局装置102が割り当てることのできる無線リソースの量に応じたデータの量を減じた量であってもよい。また、例えば、SNを介して特定のネットワークスライスの通信サービスが提供される場合に、そのネットワークスライスに関して端末装置141が保持している送信対象のデータの量が通知されてもよい。また、その他の基準で、端末装置141からSNに対して送信されるべきデータの量が特定されて、基地局装置121へ通知されてもよい。
基地局装置121は、端末装置141が保持している送信対象のデータの量の情報を受信すると、その情報に基づいて、端末装置141からバッファステータスレポートを受信することなく、端末装置141に対して上りリンクの送信許可を送信しうる。これによれば、例えば、図2のS219~S220の処理が省略されるため、端末装置141がSNとの通信を開始するまでの時間を短縮することができる。なお、基地局装置121は、スケジューリング要求の受信後に、バッファステータスレポートの取得処理を行わずに、データ送信のための上りリンクグラントを端末装置141へ送信しうる。また、基地局装置121は、接続が確立されたことに応じて、スケジューリング要求を受信することなく、データ通信のための上りリンクグラントを送信してもよい。すなわち、基地局装置121は、基地局装置102から受信した情報に基づいて、送信すべきデータを端末装置121が保持していることを認識することができるため、スケジューリング要求を待たずにスケジューリングを行ってもよい。
基地局装置102は、例えば、S213においてSN Add Request Ackメッセージを受信したことに応じて、送信対象のデータの量に関連する情報を基地局装置121へ通知しうる。すなわち、基地局装置102は、端末装置141が基地局装置121に対する接続処理を開始しているか否かによらず、送信対象のデータの量に関連する情報の通知を行いうる。これにより、基地局装置121は、端末装置141との接続が確立された時点又はその時点から短い経過時間で、端末装置141が保持している送信対象のデータの量を認識することができ、迅速に上りリンクの送信許可を発行することができるようになる。また、基地局装置102は、この通知を、定期的に繰り返して送信してもよい。これによれば、端末装置141が保持している送信対象のデータの量を、基地局装置121がより確実に認識することができるようになる。
また、基地局装置121は、S212においてSN Add Requestメッセージを受信してSN Add Request Ackメッセージを送信したこと(すなわち、自装置がSNとして追加されたこと)に応じて、端末装置141が保持している送信対象のデータの量の情報を要求するメッセージを、基地局装置102へ通知してもよい。基地局装置102は、この要求メッセージを受信したことに応じて、送信対象のデータの量の情報を基地局装置121へ通知する。これにより、基地局装置121は、要求メッセージに応答して基地局装置102から情報を取得することができるため、例えばさらなる他の基地局装置と通信していないタイミングなどにおいて、情報を受信することができるようになる。この結果、基地局装置121は、端末装置141が保持している送信対象のデータの量を、確実に取得することができるようになる。
なお、上述の例では、端末装置141が保持している送信対象データの量が、MNとして動作する基地局装置102から、SNとして追加された他の基地局装置121へ通知される例を示したが、これに限られない。例えば、そのような通知が行われずに、SNとして追加された基地局装置121が、端末装置141との接続後、BSRを受信することなく、一定量の無線リソースをデータ通信用に割り当てる上りリンクグラントを端末装置141へ割り当ててもよい。すなわち、SNとして機能する基地局装置121は、SNとして追加されたことに応じて、端末装置141が保持している送信対象データの量によらずに、一定量の無線リソースをデータ通信用に割り当てるようにしてもよい。このような方法によっても、上述のS219~S220の処理が省略されるため、端末装置141がSNとの通信を開始するまでの時間を短縮することができる。ここでの一定量は、例えばS219のBSRのための上りリンクグラントによって割り当てられる無線リソースの量よりは多くの無線リソースが割り当てられうる。例えば基地局装置121が割り当て可能な最大量の無線リソースが割り当てられてもよいし、経験的に得られた所定量の無線リソースが割り当てられてもよい。
(装置構成)
続いて、装置構成について説明する。図3は、本実施形態の基地局装置のハードウェア構成例を示している。なお、端末装置も同様のハードウェア構成を有しうる。基地局装置は、一例において、プロセッサ301、ROM302、RAM303、記憶装置304、及び通信回路305を含んで構成される。プロセッサ301は、汎用のCPU(中央演算装置)や、ASIC(特定用途向け集積回路)等の、1つ以上の処理回路を含んで構成されるコンピュータであり、ROM302や記憶装置304に記憶されているプログラムを読み出して実行することにより、装置の全体の処理や、上述の各処理を実行する。ROM302は、基地局装置が実行する処理に関するプログラムや各種パラメータ等の情報を記憶する読み出し専用メモリである。RAM303は、プロセッサ301がプログラムを実行する際のワークスペースとして機能し、また、一時的な情報を記憶するランダムアクセスメモリである。記憶装置304は、例えば着脱可能な外部記憶装置等によって構成される。通信回路305は、例えば、LTEや5Gの無線通信用の回路によって構成される。なお、図3では、1つの通信回路305が図示されているが、基地局装置は、複数の通信回路を有しうる。例えば、基地局装置は、LTE用、5G用、およびその後継規格用のそれぞれのための無線通信回路と、共通のアンテナを有しうる。なお、基地局装置は、各規格に適したアンテナを別個に有してもよい。また、基地局装置は、さらに、他の基地局装置やコアネットワークのノードと通信する際に使用される有線通信回路を有しうる。なお、基地局装置は、使用可能な複数の周波数帯域のそれぞれについて別個の通信回路305を有してもよいし、それらの周波数帯域の少なくとも一部に対して共通の通信回路305を有してもよい。
続いて、装置構成について説明する。図3は、本実施形態の基地局装置のハードウェア構成例を示している。なお、端末装置も同様のハードウェア構成を有しうる。基地局装置は、一例において、プロセッサ301、ROM302、RAM303、記憶装置304、及び通信回路305を含んで構成される。プロセッサ301は、汎用のCPU(中央演算装置)や、ASIC(特定用途向け集積回路)等の、1つ以上の処理回路を含んで構成されるコンピュータであり、ROM302や記憶装置304に記憶されているプログラムを読み出して実行することにより、装置の全体の処理や、上述の各処理を実行する。ROM302は、基地局装置が実行する処理に関するプログラムや各種パラメータ等の情報を記憶する読み出し専用メモリである。RAM303は、プロセッサ301がプログラムを実行する際のワークスペースとして機能し、また、一時的な情報を記憶するランダムアクセスメモリである。記憶装置304は、例えば着脱可能な外部記憶装置等によって構成される。通信回路305は、例えば、LTEや5Gの無線通信用の回路によって構成される。なお、図3では、1つの通信回路305が図示されているが、基地局装置は、複数の通信回路を有しうる。例えば、基地局装置は、LTE用、5G用、およびその後継規格用のそれぞれのための無線通信回路と、共通のアンテナを有しうる。なお、基地局装置は、各規格に適したアンテナを別個に有してもよい。また、基地局装置は、さらに、他の基地局装置やコアネットワークのノードと通信する際に使用される有線通信回路を有しうる。なお、基地局装置は、使用可能な複数の周波数帯域のそれぞれについて別個の通信回路305を有してもよいし、それらの周波数帯域の少なくとも一部に対して共通の通信回路305を有してもよい。
図4は、マスタノードとして機能する基地局装置の機能構成例を示す。マスタノードとして機能する基地局装置は、例えば、接続処理部401、BSR受信部402、SN追加処理部403、及び、バッファ情報通知部404を有する。なお、図4では、本実施形態に特に関係する機能のみを示しており、基地局装置が有しうる他の各種機能については図示を省略している。例えば、基地局装置は、LTEや5Gなどの基地局装置が一般的に有する他の機能を当然に有する。また、図4の機能ブロックは概略的に示したものであり、それぞれの機能ブロックが一体化されて実現されてもよいし、さらに細分化されてもよい。また、図4の各機能は、例えば、プロセッサ301がROM302や記憶装置304に記憶されているプログラムを実行することにより実現されてもよいし、例えば通信回路305の内部に存在するプロセッサが所定のソフトウェアを実行することによって実現されてもよい。なお、各機能部が実行する処理の詳細について、上述の詳細についてはここでは説明せず、その大まかな機能のみを概説する。
接続処理部401は、端末装置と接続を確立するための処理を行う。接続処理部401は、例えば、いずれの基地局装置とも接続を確立していない端末装置と初期接続を確立し、又は、他の基地局装置と接続している端末装置のハンドオーバによってその端末装置と接続を確立する。BSR受信部402は、接続処理部401によって接続した端末装置から、その端末装置が保持している送信対象データの量の情報を含んだバッファステータスレポート(BSR)を受信する。SN追加処理部403は、接続処理部401によって接続した端末装置141が接続可能な他の基地局装置を、DC又はMCのセカンダリノードとして追加する処理を行う。バッファ情報通知部404は、接続処理部401によって接続した端末装置が保持している送信対象データの量に関する情報を、SN追加処理部403によってSNとして追加された他の基地局装置へ通知する。一例において、バッファ情報通知部404は、BSRそのものを他の基地局装置へ転送しうる。また、バッファ情報通知部404は、BSRによって特定された送信対象データの量の情報をBSRとは別の形式で他の基地局装置へ送信してもよい。また、バッファ情報通知部404は、その送信対象データの量のうちSNへ送信されるべきデータの量を特定し、その量を示す情報を他の基地局装置へ送信してもよい。バッファ情報通知部404は、例えば、SN追加処理部403によってSNが追加されたことに応じて、そのSNとして機能する他の基地局装置からの要求によらずに、1回又は所定回数定期的に繰り返し、送信対象データの量を示す情報をその他の基地局装置へ通知しうる。また、バッファ情報通知部404は、SNとして機能する他の基地局装置からの要求メッセージを受信したことに応じて、送信対象データの量を示す情報をその他の基地局装置へ通知してもよい。
図5は、セカンダリノードとして機能する基地局装置の機能構成例を示す。セカンダリノードとして機能する基地局装置は、例えば、接続部501、バッファ情報受信部502、及び、通信制御部503を有する。なお、図5では、本実施形態に特に関係する機能のみを示しており、基地局装置が有しうる他の各種機能については図示を省略している。例えば、基地局装置は、LTEや5Gなどの基地局装置が一般的に有する他の機能を当然に有する。また、図5の機能ブロックは概略的に示したものであり、それぞれの機能ブロックが一体化されて実現されてもよいし、さらに細分化されてもよい。また、図5の各機能は、例えば、プロセッサ301がROM302や記憶装置304に記憶されているプログラムを実行することにより実現されてもよいし、例えば通信回路305の内部に存在するプロセッサが所定のソフトウェアを実行することによって実現されてもよい。なお、各機能部が実行する処理の詳細について、上述の詳細についてはここでは説明せず、その大まかな機能のみを概説する。
接続部501は、端末装置のSNとして追加される処理がMNとの間で行われたことに応じて、その端末装置との間で接続を確立する。バッファ情報受信部502は、その端末装置が保持している送信対象データの量を示す情報を、マスタノードから受信する。バッファ情報受信部502は、例えば、SNとして追加されたことに応じてマスタノードから送出される情報を待ち受けてもよいしい、マスタノードに情報の提供を要求する要求メッセージを送信してもよい。通信制御部503は、バッファ情報受信部502によって受信された情報に基づいて、BSRを端末装置から受信することなく、端末装置に対して上りリンクグラントを送信し、上りリンクのデータ通信を行うための制御を実行する。なお、通信制御部503は、例えば、端末装置からのスケジューリング要求を受信したことに応じて、BSRを受信する処理を行うことなく上りリンクグラントを送信してもよいし、BSRのみならずスケジューリング要求を受信することなく、上りリンクグラントを送信してもよい。このとき、上りリンクグラントには、バッファ情報受信部502によって受信された情報によって示される、送信対象データの量に応じた無線リソースを割り当てる情報が含まれる。
なお、基地局装置は、マスタノード及びセカンダリノードの両方で動作しうる。このため、基地局装置は、図4の構成と図5の構成を共に有しうる。なお、端末装置は、基地局装置がBSRの要求をしないことに応じてBSRを送信しないように構成される以外は従来の端末装置と同様であるため、ここでの説明については省略する。
(処理の流れ)
続いて、無線通信システムにおいて実行される処理の流れの例について、図6~図8を用いて説明する。なお、以下の説明において、図2の処理と同様の処理については重複した説明を行わない。また、図6~図8は、ハンドオーバの文脈での処理の流れの例が記載されているが、上述のように、例えばS206以降の処理を実行することにより、初期接続時にも同様の処理を実行することができる。
続いて、無線通信システムにおいて実行される処理の流れの例について、図6~図8を用いて説明する。なお、以下の説明において、図2の処理と同様の処理については重複した説明を行わない。また、図6~図8は、ハンドオーバの文脈での処理の流れの例が記載されているが、上述のように、例えばS206以降の処理を実行することにより、初期接続時にも同様の処理を実行することができる。
図6において、ハンドオーバ先のMNである基地局装置102は、SNの追加要求を基地局装置121へ送信して、その要求への応答を受信すると(S212~S213)、基地局装置121に対して、端末装置が保持している送信対象データの量を通知する(S601)。上述のように、この通知は、例えば基地局装置102がS208などで受信したBSRをそのまま転送するものであってもよいし、そのBSRの内容に基づいて生成された別の形式の情報が送信されてもよい。なお、図6では、この通知が、3回、定期的に繰り返して行われる状態を示している。ただし、これは一例であり、通知の回数は1回又は2回であってもよいし、4回以上であってもよい。また、通知が、S215において端末装置141からRRC Reconfiguration Completeメッセージを受信した後に行われる例を示しているが、これに限られない。例えば、S214のRRC Reconfigurationメッセージの送信前や、S214のRRC Reconfigurationメッセージの送信後かつS215のRRC Reconfiguration Completeメッセージを受信前に、その通知が行われてもよい。すなわち、S213でSN Add Request Ackメッセージが受信されて、基地局装置間のSNの追加の合意が取れた後の任意のタイミングでこの通知が行われてもよい。また、基地局装置102は、S212のSN Add Requestメッセージに、この通知を含めてもよい。なお、基地局装置121と端末装置141とのランダムアクセス手順の完了後に最も早いタイミングで送信される上りリンクグラントの生成タイミングより前に、この通知が実行されることにより、端末装置141とSN121との間のデータ通信の開始までの時間を最短にすることができる。
基地局装置121は、この通知を受信すると、端末装置141が保持している送信対象データの量を特定することができる。そして、基地局装置121は、個別に端末装置141からBSRを受信することなく、その送信対象データの量に応じた量の無線リソースを割り当てる上りリンクグラントを送信する(S602)。これによれば、図2と比較して、S218~S220の処理が省略されるため、端末装置141がSNとデータ通信を行うことができるようになるまでの期間が短縮される。なお、図6では、スケジューリング要求も省略されている例を示しているが、基地局装置121は、スケジューリング要求の受信後に、BSRを要求することなく、データ通信のための上りリンクグラントを送信するようにしてもよい。
図7では、追加されたSNとして機能する基地局装置121が、端末装置が保持している送信対象データの量に関する通知を要求するメッセージを基地局装置102へ送信する(S701)。基地局装置102は、この要求メッセージに応答して、端末装置が保持している送信対象データの量に関する通知を基地局装置121へ送信する(S702)。なお、図7では、この要求メッセージの送信タイミングについても、特に限定されない。ただし、S702の通知が、基地局装置121と端末装置141とのランダムアクセス手順の完了後に最も早いタイミングで送信される上りリンクグラントの生成タイミングより前に完了することにより、端末装置141とSN121との間のデータ通信の開始までの時間を最短にすることができる。この後の処理は、図6と同様である。これによれば、図2と比較して、S218~S220の処理が省略されるため、端末装置141がSNとデータ通信を行うことができるようになるまでの期間が短縮される。
図8では、MNとして動作する基地局装置102から、SNとして追加された基地局装置121への、端末装置が保持している送信対象データの量の通知が行われない。この処理例では、基地局装置121は、端末装置141が保持している送信対象のデータの量を特定することなく、例えば(他の端末装置に割り当てられていない)割り当て可能な無線リソースの全てや、経験的に定められた一定量の無線リソースを割り当てるための上りリンクグラントを、その端末装置141へ送信する(S801)。この場合、端末装置141によって使用されない無線リソースが発生し、又は、端末装置141が本来要求する量より少ない無線リソースしか割り当てられない状況となりうる。しかしながら、端末装置141がSNへデータ送信をする際のBSRの送信などが省略されるため、端末装置141がSNとデータ通信を行うことができるようになるまでの期間が短縮される。
以上のようにして、複数の基地局装置と接続可能な端末装置がセカンダリノードとデータ通信を実行可能となるまでの期間を短縮し、通信の効率を向上させることができる。よって、国連が主導する持続可能な開発目標(SDGs)の目標9「レジリエントなインフラを整備し、持続可能な産業化を推進するとともに、イノベーションの拡大を図る」に貢献することが可能となる。
発明は上記の実施形態に制限されるものではなく、発明の要旨の範囲内で、種々の変形・変更が可能である。
Claims (14)
- 端末装置がマスタノード及びセカンダリノードと接続して通信を行うことができる無線通信システムにおける基地局装置であって、
前記端末装置と接続する接続手段と、
当該端末装置がバッファ内に保持している送信対象のデータの量を報告するバッファステータスレポートを、当該端末装置から受信する受信手段と、
前記端末装置がマスタノードとして前記基地局装置と接続する場合に、前記端末装置が接続すべきセカンダリノードを追加する追加手段と、
前記セカンダリノードとして動作する他の基地局装置へ、前記バッファステータスレポートによって取得した前記端末装置における前記送信対象のデータの量に関連する情報を通知する通知手段と、
を有することを特徴とする基地局装置。 - 前記追加手段は、前記他の基地局装置に対してSN Add Requestメッセージを送信し、当該他の基地局装置からSN Add Request Ackメッセージを受信することにより、前記他の基地局装置を前記端末装置のためのセカンダリノードとして追加し、
前記通知手段は、前記SN Add Request Ackメッセージを受信したことに応じて、前記送信対象のデータの量に関連する情報を前記他の基地局装置へ通知する、ことを特徴とする請求項1に記載の基地局装置。 - 前記通知手段は、前記SN Add Request Ackメッセージを受信してから定期的に繰り返し、前記送信対象のデータの量に関連する情報を前記他の基地局装置へ通知する、ことを特徴とする請求項2に記載の基地局装置。
- 前記通知手段は、前記セカンダリノードとして追加された前記他の基地局装置からの要求メッセージを受信したことに応じて、前記送信対象のデータの量に関連する情報を前記他の基地局装置へ通知する、ことを特徴とする請求項1に記載の基地局装置。
- 前記送信対象のデータの量に関連する情報は、前記バッファステータスレポートである、ことを特徴とする請求項1に記載の基地局装置。
- 端末装置がマスタノード及びセカンダリノードと接続して通信を行うことができる無線通信システムにおける基地局装置であって、
前記端末装置がマスタノードとして接続する他の基地局装置からの要求に基づいて前記セカンダリノードとして前記端末装置と接続する接続手段と、
前記端末装置がバッファ内に保持している送信対象のデータの量に関連する情報を、前記他の基地局装置から受信する受信手段と、
前記送信対象のデータの量に関連する情報に基づいて、前記端末装置から当該送信対象のデータの量を報告するバッファステータスレポートを受信することなく、前記端末装置に対して上りリンクでの送信許可を送信する送信手段と、
を有することを特徴とする基地局装置。 - 前記他の基地局装置からSN Add Requestメッセージを受信し、当該他の基地局装置へSN Add Request Ackメッセージを送信することにより、前記他の基地局装置が前記端末装置のためのセカンダリノードとして追加され、
前記送信対象のデータの量に関連する情報は、前記SN Add Request Ackメッセージを送信したことに応じて、前記他の基地局装置から前記基地局装置へ送信される、ことを特徴とする請求項6に記載の基地局装置。 - 前記送信対象のデータの量に関連する情報は、前記SN Add Request Ackメッセージを送信した後に、定期的に繰り返し、前記他の基地局装置から送信される、ことを特徴とする請求項7に記載の基地局装置。
- 前記受信手段は、前記他の基地局装置によって前記セカンダリノードとして追加されたことに応じて、前記送信対象のデータの量に関連する情報を要求する要求メッセージを前記他の通信装置へ送信し、当該要求メッセージへの応答によって、前記送信対象のデータの量に関連する情報を受信する、ことを特徴とする請求項6に記載の基地局装置。
- 前記送信手段は、前記端末装置との間でランダムアクセス手順を行った後に、当該端末装置からスケジューリング要求を受信することなく、前記上りリンクでの送信許可を前記端末装置へ送信する、ことを特徴とする請求項6に記載の基地局装置。
- 前記送信対象のデータの量に関連する情報は、前記バッファステータスレポートである、ことを特徴とする請求項6に記載の基地局装置。
- 端末装置がマスタノード及びセカンダリノードと接続して通信を行うことができる無線通信システムにおける基地局装置によって実行される制御方法であって、
前記端末装置と接続することと、
当該端末装置がバッファ内に保持している送信対象のデータの量を報告するバッファステータスレポートを、当該端末装置から受信することと、
前記端末装置がマスタノードとして前記基地局装置と接続する場合に、前記端末装置が接続すべきセカンダリノードを追加することと、
前記セカンダリノードとして動作する他の基地局装置へ、前記バッファステータスレポートによって取得した前記端末装置における前記送信対象のデータの量に関連する情報を通知することと、
を含むことを特徴とする制御方法。 - 端末装置がマスタノード及びセカンダリノードと接続して通信を行うことができる無線通信システムにおける基地局装置によって実行される制御方法であって、
前記端末装置がマスタノードとして接続する他の基地局装置からの要求に基づいて前記セカンダリノードとして前記端末装置と接続することと、
前記端末装置がバッファ内に保持している送信対象のデータの量に関連する情報を、前記他の基地局装置から受信することと、
前記送信対象のデータの量に関連する情報に基づいて、前記端末装置から当該送信対象のデータの量を報告するバッファステータスレポートを受信することなく、前記端末装置に対して上りリンクでの送信許可を送信することと、
を含むことを特徴とする制御方法。 - コンピュータを、請求項1から11のいずれか1項に記載の基地局装置が有する各手段として機能させるためのプログラム。
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2024094886A true JP2024094886A (ja) | 2024-07-10 |
Family
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