JP2024094561A - エピタキシャル基板の製造方法及びエピタキシャル基板 - Google Patents

エピタキシャル基板の製造方法及びエピタキシャル基板 Download PDF

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和徳 萩本
慶太郎 土屋
一平 久保埜
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Abstract

Figure 2024094561000001
【課題】耐圧特性が高く、|反り|≦50μmであるエピタキシャル基板及びそのようなエピタキシャル基板の製造方法を提供する。
【解決手段】エピタキシャル基板100の製造方法は、厚さ1500μm以上の単結晶Si基板1を用い、単結晶Si基板の抵抗率及び単結晶Si基板の厚さ/III族窒化物エピタキシャル層2の厚さとの比aをパラメータとして、単結晶Si基板上へのIII族窒化物エピタキシャル層のエピタキシャル成長と得られたエピタキシャル基板の反りの測定を、パラメータを変えて行い、単結晶Si基板の抵抗率毎に比aとエピタキシャル基板の反りの相関関係を求める工程と、前記相関関係から、エピタキシャル基板の反りの絶対値が50μm以下となる製造パラメータを決定する工程と、決定した製造パラメータを用いて、単結晶Si基板上にIII族窒化物エピタキシャル層をエピタキシャル成長させる工程と、を含む。
【選択図】図1

Description

本発明は、エピタキシャル基板の製造方法及びエピタキシャル基板に関する。
GaNやAlNをはじめとするIII族窒化物半導体はSi(シリコン)の材料としての限界を超える次世代の半導体材料として期待されている。III族窒化物半導体は、2次元電子ガスを用いた高電子移動度トランジスタ(HEMT)を作製することができるため、高周波用途の半導体デバイスとしての応用が期待されている。また、上記のIII族窒化物半導体は、機械的特性に優れた圧電体でもあり、通信用高周波フィルターや、センサー、エナジーハーベスターなどへの利用も期待されている。近年、Si単結晶基板上にIII族窒化物のエピタキシャル成長を行うことで高周波デバイスを製造することが行われている。
特開2015-176936号公報 特開2014-216474号公報 特開2011-103380号公報 特開2003-063897号公報
GaN on Si基板のようなSi単結晶基板上にIII族窒化物のエピタキシャル層を備えたエピタキシャル基板で高耐圧化するには、GaN等のIII族窒化物のエピタキシャル層の膜厚を厚くするかCドープにより高耐圧化する方法が知られている(特許文献1)。しかしながら、エピタキシャル層の膜厚を厚くすることで、エピタキシャル基板の反りが大きくなるという問題がある。
特許文献2はBドーパント濃度及びエピタキシャル層の膜厚と反りとの関係について述べているが、Si基板の厚さと反りの関係は言及されておらず、抵抗率別に適した(基板/エピ)厚さ比についても言及していない。
特許文献3は、エピタキシャル層の厚さが8μmの時、窒化物半導体基板の反りが24μmであったとしているが、Si基板の直径は4インチ(100mm)である。反りは基板の直径の増加に伴い大きくなるため、より大直径で反りの絶対値を50μm以下(「|反り|≦50μm」と表記することもある)を達成するにはさらなる対策が必要となる。例えば、発明者らが直径300mm、厚さ1.5mmのSi基板を用いて確認したところ、特許文献3の請求項2の酸素濃度及び抵抗率の範囲でも、エピ厚5.7μmで応力がかかりすぎて割れてしまった。
また特許文献4には、反り抑制のためにエピタキシャル層厚さ/基板厚さ比≦0.011かつ基板厚さ≧450μmの技術が開示されている。しかしながら、特許文献4の実施例の基板の直径は5cmで、GaN層厚さは7μmまでであった。発明者が調査したところ、III族窒化物のエピタキシャル層の厚さを7μmを超えて更に厚くした場合、耐圧は更に向上することが確認された。例えば、リーク電流が1×10-6A/mmに達した時のバイアス電圧を耐圧とした時、III族窒化物のエピタキシャル層の厚さが6.5μmの場合は耐圧900Vであるのに対し、III族窒化物のエピタキシャル層の厚さが7.5μmの場合は耐圧1000Vであった。なお、後者は反りの絶対値を50μm以下にするため基板の厚さも増大させたが、使用した基板は5mΩcmと低抵抗率であり、基板の厚さを増大したことによる耐圧増加の効果はなく、耐圧の上昇はエピタキシャル層の厚さの増加によるものである。以上のように、III族窒化物のエピタキシャル層の厚さを7μmを超えてさらに厚くすれば、さらなる高耐圧デバイスに適した窒化物半導体基板が得られる。このため、III族窒化物のエピタキシャル層の膜厚が7μmを超え反りの絶対値が50μm以下であるIII族窒化物のエピタキシャル層を備えたエピタキシャル基板が求められていた。
本発明は、上記問題を解決するためになされたものであり、本発明は、さらなる高耐圧化の為に、III族窒化物エピタキシャル層の厚さを7μmより厚くしながらも、エピタキシャル基板の反りの絶対値を50μm以下(|反り|≦50μm)に抑制可能な半導体デバイス用のエピタキシャル基板及びそのようなエピタキシャル基板を容易に安定して得ることができる製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、上記目的を達成するためになされたものであり、単結晶Si基板と該単結晶Si基板上のIII族窒化物エピタキシャル層を含むエピタキシャル基板の製造方法であって、厚さが1500μm以上の単結晶Si基板を用い、該単結晶Si基板の抵抗率及び単結晶Si基板の厚さとIII族窒化物エピタキシャル層の厚さとの比a(単結晶Si基板の厚さ/III族窒化物エピタキシャル層の厚さ)をパラメータとして、単結晶Si基板上へのIII族窒化物エピタキシャル層のエピタキシャル成長と得られたエピタキシャル基板の反りの測定を、前記パラメータを変えて行い、前記単結晶Si基板の抵抗率毎に、前記比aと前記エピタキシャル基板の前記反りの相関関係を求める相関関係取得工程と、前記相関関係から前記エピタキシャル基板の反りの絶対値が50μm以下となる前記単結晶Si基板の抵抗率及び前記比aを決定する製造パラメータ決定工程と、前記決定した製造パラメータを用いて単結晶Si基板上にIII族窒化物エピタキシャル層をエピタキシャル成長するエピタキシャル基板製造工程を含むエピタキシャル基板の製造方法を提供する。
このようなエピタキシャル基板の製造方法によれば、耐圧特性を高めながら反りを抑制し|反り|≦50μmのエピタキシャル基板を容易に安定して得ることができる。
本発明は、上記目的を達成するためになされたものであり、単結晶Si基板と、該単結晶Si基板上のIII族窒化物エピタキシャル層を含み、直径が150mm以下のエピタキシャル基板であって、前記単結晶Si基板は厚さが1500μm以上、前記III族窒化物エピタキシャル層は厚さが7μmより厚いものであり、単結晶Si基板の厚さとIII族窒化物エピタキシャル層の厚さの比(単結晶Si基板の厚さ/III族窒化物エピタキシャル層の厚さ)をaとしたときに、下記(A)~(C)の少なくとも一つを満たすものであるエピタキシャル基板を提供する。
(A) 前記単結晶Si基板の抵抗率が2mΩcm以下かつ比aが125以上
(B) 前記単結晶Si基板の抵抗率が3mΩcm以下かつ比aが135以上
(C) 前記単結晶Si基板の抵抗率が5mΩcm以下かつ比aが137以上
このようなエピタキシャル基板によれば、耐圧特性が高くかつ反りが抑制され|反り|≦50μmのものとなる。
このとき、前記単結晶Si基板は酸素濃度が11~18ppma(JEIDA)のものであるエピタキシャル基板とすることができる。
これにより、より安定して反りが抑制されたものとなる。
以上のように、本発明のエピタキシャル基板の製造方法によれば、耐圧特性を高めながら反りを抑制し|反り|≦50μmのエピタキシャル基板を容易に安定して得ることが可能となる。本発明のエピタキシャル基板によれば、耐圧特性が高くかつ反りが抑制され|反り|≦50μmのものとなる。
本発明に係るエピタキシャル基板の構造の一例を示す。 単結晶Si基板1(厚さ1500μm)の抵抗率毎に取得した、単結晶Si基板1の厚さとIII族窒化物エピタキシャル層2の厚さとの比a(単結晶Si基板の厚さ/III族窒化物エピタキシャル層の厚さ)とエピタキシャル基板100の反りの絶対値の関係を示す。 図2の一部を拡大した図である。 単結晶Si基板の厚さの違いによる、比aと反りの関係を示す。
以下、本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
上述のように、耐圧特性が高くかつ反りが抑制され|反り|≦50μmであるエピタキシャル基板及びそのようなエピタキシャル基板を容易に安定して得ることができる製造方法が求められていた。
本発明者らは、上記課題について鋭意検討を重ねた結果、単結晶Si基板と該単結晶Si基板上のIII族窒化物エピタキシャル層を含むエピタキシャル基板の製造方法であって、厚さが1500μm以上の単結晶Si基板を用い、該単結晶Si基板の抵抗率及び単結晶Si基板の厚さとIII族窒化物エピタキシャル層の厚さとの比a(単結晶Si基板の厚さ/III族窒化物エピタキシャル層の厚さ)をパラメータとして、単結晶Si基板上へのIII族窒化物エピタキシャル層のエピタキシャル成長と得られたエピタキシャル基板の反りの測定を、前記パラメータを変えて行い、前記単結晶Si基板の抵抗率毎に、前記比aと前記エピタキシャル基板の前記反りの相関関係を求める相関関係取得工程と、前記相関関係から前記エピタキシャル基板の反りの絶対値が50μm以下となる前記単結晶Si基板の抵抗率及び前記比aを決定する製造パラメータ決定工程と、前記決定した製造パラメータを用いて単結晶Si基板上にIII族窒化物エピタキシャル層をエピタキシャル成長するエピタキシャル基板製造工程を含むエピタキシャル基板の製造方法により耐圧特性を高めながら反りを抑制し|反り|≦50μmのエピタキシャル基板を容易に安定して得ることができることを見出し、本発明を完成した。
また、本発明者らは、単結晶Si基板と、該単結晶Si基板上のIII族窒化物エピタキシャル層を含み、直径が150mm以下のエピタキシャル基板であって、前記単結晶Si基板は厚さが1500μm以上、前記III族窒化物エピタキシャル層は厚さが7μmより厚いものであり、単結晶Si基板の厚さとIII族窒化物エピタキシャル層の厚さの比(単結晶Si基板の厚さ/III族窒化物エピタキシャル層の厚さ)をaとしたときに、下記(A)~(C)の少なくとも一つを満たすものであるエピタキシャル基板により、耐圧特性が高くかつ反りが抑制され|反り|≦50μmのものとなることを見出し、本発明を完成した。
(A) 前記単結晶Si基板の抵抗率が2mΩcm以下かつ比aが125以上
(B) 前記単結晶Si基板の抵抗率が3mΩcm以下かつ比aが135以上
(C) 前記単結晶Si基板の抵抗率が5mΩcm以下かつ比aが137以上
以下、図面を参照して説明する。
[エピタキシャル基板]
まず、本発明に係るエピタキシャル基板について、図1の例を参照しながら説明する。図1に示されるように、本発明に係るエピタキシャル基板100は、単結晶Si基板1とIII族窒化物エピタキシャル層2とを備えている。また、本発明に係るエピタキシャル基板100は、直径が150mm(6インチ)以下のものである。
単結晶Si基板1の厚さは1500μm(1.5mm)以上である。このような厚さの単結晶Si基板1は、反りを抑制する効果が高いものである。また、III族窒化物エピタキシャル層2の厚さは7μmより厚い。このような厚さのIII族窒化物エピタキシャル層2は、耐圧特性の高いものである。
図2に、単結晶Si基板1(厚さ1500μm)の抵抗率毎に取得した、単結晶Si基板1の厚さとIII族窒化物エピタキシャル層2の厚さとの比a(単結晶Si基板の厚さ/III族窒化物エピタキシャル層の厚さ)とエピタキシャル基板100の反りの絶対値(|反り|)の関係を示す。図2に示すように、単結晶Si基板1の抵抗率が同じ場合には、単結晶Si基板1の厚さとIII族窒化物エピタキシャル層2の厚さとの比a(以下、単に「比a」ということがある)が大きくなると、エピタキシャル基板100の反りの絶対値が小さくなることがわかる。図3は、図2の一部領域を拡大した図である。図3から、単結晶Si基板1の抵抗率と比aとが適切な範囲であれば、|反り|≦50μmのエピタキシャル基板となることがわかる。
具体的には、図3より、
(A) 前記単結晶Si基板の抵抗率が2mΩcm以下かつ比aが125以上
(B) 前記単結晶Si基板の抵抗率が3mΩcm以下かつ比aが135以上
(C) 前記単結晶Si基板の抵抗率が5mΩcm以下かつ比aが137以上
であれば、|反り|≦50μmのエピタキシャル基板となる。
また、図2からわかるように、抵抗率が5mΩcmを超える範囲では、比aの変化に対し|反り|の変化が極めて大きくなり、比aと|反り|の相関関係曲線が急勾配となる。このため、|反り|≦50μmとするために取り得る比aの範囲が狭い、すなわち、エピタキシャル層の調整可能範囲が狭い。さらに、このような相関関係曲線の勾配のもとでは比aの変動による反りのバラツキも大きくなりがちであり、安定して制御を行うことができない恐れがある。このような理由により、本発明に係るエピタキシャル基板においては、単結晶Si基板1として抵抗率が5mΩcm以下のものを用いる。
なお、本発明者らの調査によれば、単結晶Si基板の厚さが1500μm(1.5mm)以上の範囲では、相関関係に及ぼす単結晶Si基板の厚さの影響は小さいことがわかっている。図4は、単結晶Si基板の抵抗率を3mΩcmとし、単結晶Si基板の厚さが1500μm(1.5mm)と2000μm(2.0mm)の場合を比較した図である。図4に示すように、|反り|≦50μmの条件付近では、相関関係に及ぼす単結晶Si基板の厚さの影響は無視できるレベルである。
以下、再び図1を参照しながら、本発明に係るエピタキシャル基板100の構成毎により詳しく説明する。
(単結晶Si基板)
次に、単結晶Si基板1について説明する。単結晶Si基板の抵抗率は、単一のウェーハからなるものであってもよく、1500μm以上の厚さを確保するために複数の単結晶Siウェーハを接合した接合基板であっても良い。接合基板の形態は基板同士が直接貼り合わされたものや、酸化膜を介在させて接合された接合基板でも良い。
単結晶Si基板1の酸素濃度は特に限定されないが、11~18ppma(JEIDA)のものが好ましい。このような範囲のものであれば、安定して反りが抑制されたものとなる。なお本明細書において、酸素濃度の値はJEIDA-61-2000規格によるものである。
(III族窒化物エピタキシャル層)
次に、III族窒化物エピタキシャル層2について説明する。本発明に係るIII族窒化物エピタキシャル層2はIII族窒化物のエピタキシャル層であれば特に限定されないが、例えば、バッファ層3、デバイス層4を含むことができる。バッファ層3は初期層5や他の層6を含んでいてもよく、さらに超格子層7が含まれていてもよい。デバイス層4は例えばGaN層8、障壁層9、キャップ層10などを備えるものであってもよい。
III族窒化物エピタキシャル層2がGaNを含むものである場合、バッファ層は、例えば、AlNの初期層及びその上に設けられるAlGaN層、GaN層が例示される。また、超格子層7としては、Al1-xGaN/GaNの繰り返し構造などが例示される。
[エピタキシャル基板の製造方法]
次に、本発明に係るエピタキシャル基板の製造方法について説明する。本発明に係るエピタキシャル基板の製造方法は、単結晶Si基板とその上のIII族窒化物エピタキシャル層を含む|反り|≦50μmのエピタキシャル基板の製造方法である。以下、各工程に分けて説明する。
(相関関係取得工程)
相関関係取得工程では、厚さが1500μm以上の単結晶Si基板1を用いる。そして、単結晶Si基板1の抵抗率及び単結晶Si基板の厚さとIII族窒化物エピタキシャル層の厚さとの比a(単結晶Si基板の厚さ/III族窒化物エピタキシャル層の厚さ)をパラメータとして、単結晶Si基板上へのIII族窒化物エピタキシャル層のエピタキシャル成長を行う。上述のパラメータを変更して、エピタキシャル成長を繰り返し行う。例えば、実際のエピタキシャル基板製造工程で使用する単結晶Si基板の厚さや抵抗率が決まっている場合には、単結晶Si基板の厚さ、抵抗率を固定し、III族窒化物エピタキシャル層の厚さを振ってエピタキシャル成長を行えばよい。もちろん、すべての条件を振ってエピタキシャル成長を行ってもよい。その後、エピタキシャル成長して得たエピタキシャル基板について、反りを測定する。
エピタキシャル成長として標準的な条件の例では、所定の厚さのSi基板上に、バッファ層として、初期層AlN(厚さ150nm)、AlGaN層(厚さ50nm)、GaN層(厚さ50nm)、その上に超格子層(SLs構造:Al1-xGaN厚さ2~10nm/GaN厚さ2~15nmの繰り返し構造)を6.6μm成長し、さらに上記バッファ層の上に、デバイス層としてGaN層(厚さ4.4μm)、AlGaN障壁層(厚さ23nm)、GaN-Cap層(厚さ3nm)を成長する。相関関係を取得するためにIII族窒化物のエピタキシャル層の厚さ(総膜厚)を調整する場合には、上記のような標準的なIII族窒化物のエピタキシャル層を基準として、バッファ層とデバイス層の比率を同等としながら全体の厚さを調節する。なかでもバッファ層における超格子層とデバイス層におけるGaN層とが、それぞれの層における膜厚の割合が大きいため、これらの膜厚を調整することが好ましい。
上述のパラメータ及び測定結果から、比aとエピタキシャル基板の反りの相関関係を求める。例えば、図2、3に示すような比aとエピタキシャル基板の反りの絶対値の相関関係を得ることができる。
(製造パラメータ決定工程)
上記のようにして得られた相関関係を用いて、エピタキシャル基板の反りの絶対値が50μm以下となる条件、すなわち、単結晶Si基板の抵抗率及び比aを決定する。例えば、|反り|≦50μmとなる条件は、図2、3から選択し、製造パラメータとして容易に決定することができる。
(エピタキシャル基板製造工程)
上記のようにして決定した製造パラメータを用いて単結晶Si基板上にIII族窒化物エピタキシャル層をエピタキシャル成長することで、|反り|≦50μmのエピタキシャル基板を得ることができる。
なお、反りの測定に使用する装置は特に限定されない。例えば、大塚電子製OPTMを使用して行うことができる。
エピタキシャル成長の手法は、III族窒化物膜を成膜できれば特に限定されず、熱CVD、MOVPE、MBE等などが挙げられる。エピタキシャル成長条件も特に限定されない。例えば、エピタキシャル層の中にバッファ層の一部として初期層のAlNを成長する場合は1050~1200℃、AlGaN層を成長する場合は1150~1050℃、超格子層を成長する場合は1100~1000℃、デバイス層の一部としてGaN層を成長する場合は900~1000℃等が例示される。
以下、実施例を挙げて本発明について具体的に説明するが、これは本発明を限定するものではない。
(実施例1)
まず、直径150mm(6インチ)、厚さ1500μmのSi基板を準備した。Si基板の抵抗率は、2、3、5、8、16mΩcmの水準とした。準備したSi基板上に、III族窒化物エピタキシャル層を成長して、エピタキシャル基板を得た。このとき、III族窒化物エピタキシャル層の膜厚を変えることで、パラメータであるSi基板の厚さとIII族窒化物エピタキシャル層の厚さとの比a(単結晶Si基板の厚さ/III族窒化物エピタキシャル層の厚さ)を振った。
より具体的には、III族窒化物エピタキシャル層として、バッファ層(初期層AlN、AlGaN層、GaN層、超格子層(Al1-xGaN厚さ2~10nm/GaN厚さ2~15nmの繰り返し構造)と、その上のデバイス層(GaN層、AlGaN障壁層、GaN-Cap層)を成長した。III族窒化物エピタキシャル層の厚さを変える場合には、バッファ層とデバイス層の比率を同等にしながら、全体の総厚を変化させることとした。
このようにして作製したエピタキシャル基板の反りの測定を行った。そして、比aと反り(絶対値)を取得し、これらの相関関係を求めたところ、図2、3に示すような相関関係を得ることができた。
上記のようにして得た相関関係に基づいて、|反り|≦50μmとなる条件、すなわち、Si基板として抵抗率3mΩcmのものを採用するとともに、比aとして135を超える条件を採用した。具体的には、抵抗率3mΩcm、酸素濃度14.7ppma(JEIDA)、厚さ1500μmのSi基板を準備した。エピタキシャル層の成長について、具体的には、初期層AlN(厚さ150nm)上にAlGaN層(厚さ50nm)、GaN層(厚さ50nm)を成長した。その上に超格子層(SLs構造:Al1-xGaN厚さ2~10nm/GaN厚さ2~15nmの繰り返し構造)(厚さ6.5μm)を成長した。さらにその上にGaN層(厚さ4.2μm)とAlGaN障壁層(厚さ23nm)、その上にGaN-Cap層(厚さ3nm)を成長した。この場合、エピタキシャル層の膜厚は11.0μmであり、比aは136.4である。また、この条件からエピタキシャル層の厚さを表1に示すように変更してエピタキシャル基板の製造及び反りの評価を行った。実施例1においてエピタキシャル基板の反りは±50μm以下(|反り|≦50μm)であった。
(比較例1)
実施例1と同じ抵抗率3mΩcmのSi基板を用いたが、エピタキシャル層の膜厚を11.5μmとすると反りが±50μmを超えてしまった。このときの比aは130.4であり135を下回る条件だった。
(比較例2)
実施例1と同じ抵抗率3mΩcmのSi基板を用いたが、エピタキシャル層の膜厚を12.0μmとすると反りが±50μmを超えてしまった。このときの比aは125.0であり135を下回る条件だった。
(比較例3)
抵抗率16mΩcm、酸素濃度17.0ppma(JEIDA)のSi基板を準備した。エピタキシャル層の膜厚が10μmになると、反りが-208μmと大きくなった。
(比較例4)
抵抗率8mΩcm、酸素濃度10.5ppma(JEIDA)、厚さ1000μmのSi基板を準備し、厚さ7.47μmのエピタキシャル層を成長させた。反りが-209μmと大きくなった。なお、このときの比aは134だった。
表1に、実施例1、比較例1~4の条件及び結果をまとめた。
Figure 2024094561000002
以上のとおり、本発明の実施例によれば、耐圧特性が高くかつ反りが|反り|≦50μmと抑制されたエピタキシャル基板を得ることができた。
させることができた。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
1…単結晶Si基板、 2…III族窒化物エピタキシャル層、 3…バッファ層、
4…デバイス層、 5…初期層、 6…層、 7…超格子層、 8…GaN層、
9…障壁層、 10…キャップ層、 100…エピタキシャル基板。

Claims (3)

  1. 単結晶Si基板と該単結晶Si基板上のIII族窒化物エピタキシャル層を含むエピタキシャル基板の製造方法であって、
    厚さが1500μm以上の単結晶Si基板を用い、該単結晶Si基板の抵抗率及び単結晶Si基板の厚さとIII族窒化物エピタキシャル層の厚さとの比a(単結晶Si基板の厚さ/III族窒化物エピタキシャル層の厚さ)をパラメータとして、単結晶Si基板上へのIII族窒化物エピタキシャル層のエピタキシャル成長と得られたエピタキシャル基板の反りの測定を、前記パラメータを変えて行い、前記単結晶Si基板の抵抗率毎に、前記比aと前記エピタキシャル基板の前記反りの相関関係を求める相関関係取得工程と、
    前記相関関係から前記エピタキシャル基板の反りの絶対値が50μm以下となる前記単結晶Si基板の抵抗率及び前記比aを決定する製造パラメータ決定工程と、
    前記決定した製造パラメータを用いて単結晶Si基板上にIII族窒化物エピタキシャル層をエピタキシャル成長するエピタキシャル基板製造工程を含むことを特徴とするエピタキシャル基板の製造方法。
  2. 単結晶Si基板と、該単結晶Si基板上のIII族窒化物エピタキシャル層を含み、直径が150mm以下のエピタキシャル基板であって、
    前記単結晶Si基板は厚さが1500μm以上、前記III族窒化物エピタキシャル層は厚さが7μmより厚いものであり、
    単結晶Si基板の厚さとIII族窒化物エピタキシャル層の厚さの比(単結晶Si基板の厚さ/III族窒化物エピタキシャル層の厚さ)をaとしたときに、下記(A)~(C)の少なくとも一つを満たすものであることを特徴とするエピタキシャル基板。
    (A) 前記単結晶Si基板の抵抗率が2mΩcm以下かつ比aが125以上
    (B) 前記単結晶Si基板の抵抗率が3mΩcm以下かつ比aが135以上
    (C) 前記単結晶Si基板の抵抗率が5mΩcm以下かつ比aが137以上
  3. 前記単結晶Si基板は酸素濃度が11~18ppma(JEIDA)のものであることを特徴とする請求項2に記載のエピタキシャル基板。
JP2022211189A 2022-12-28 エピタキシャル基板の製造方法及びエピタキシャル基板 Pending JP2024094561A (ja)

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