JP2024094091A - 乗用野菜移植機 - Google Patents

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Abstract

【課題】操縦者の運転負担を低減することができ、植付作業を支援すること。【解決手段】移植機1(乗用移植機)は、圃場に野菜の苗を植え付ける植付作業機4と、植付作業機4を装着して走行する走行体5と、走行体5に設けられた運転席3と、作業者により入力された方位を基準方位として設定する設定部131Cと、走行体5を基準方位に沿って走行させる自動操舵の制御を行う制御装置131とを備える。【選択図】図1D

Description

本発明は、例えば、圃場に野菜の苗を植え付ける乗用野菜移植機に関する。
特許文献1に開示された乗用野菜移植機は、圃場に野菜の苗を植え付ける植付作業機と、植付作業機を装着して走行する走行体と、走行体に設けられ、運転者が着座可能な運転席と、運転席の前方に設けられ、走行体を操向するステアリングハンドルと、を備えている。
特許第7134921号公報
特許文献1に開示の乗用野菜移植機では、運転者がステアリングハンドルを操作して走行体を圃場の畝に沿って走行させて、植付作業機により畝上面に野菜の苗を植え付ける作業が行われる。このため、乗用野菜移植機の運転者(作業者)の運転負担がかかるという問題がある。また、上記の乗用野菜移植機では、そもそも、基準方位に沿う自動操舵ができない。
そこで、本発明は、前記問題点に鑑み、乗用野菜移植機の作業者の運転負担を低減することができ、植付作業を支援することができる乗用野菜移植機を提供することを目的とする。
本発明の一態様に係る乗用野菜移植機は、圃場に野菜の苗を植え付ける植付作業機と、前記植付作業機を装着して走行する走行体と、前記走行体に設けられた運転席と、作業者により入力された方位を基準方位として設定する設定部と、前記走行体を前記基準方位に沿って走行させる自動操舵の制御を行う制御装置と、を備える。
乗用野菜移植機は、記憶装置を備え、前記設定部は、前記自動操舵の開始前の設定を行う設定モードである場合に、方位の入力を受け付け、入力された方位を前記基準方位として前記記憶装置に記憶させてもよい。
乗用野菜移植機は、表示装置と、前記基準方位の始点を設定する第1スイッチと、前記基準方位の終点を設定する第2スイッチと、前記自動操舵の開始及び終了のいずれかに切り換えるためにオン及びオフの操作が可能である操舵切換スイッチと、を備え、前記記憶装置は、方位入力の項目を含む複数の項目と、前記複数の項目毎の設定値とを対応付けて記憶し、前記制御装置は、前記設定モードである場合に、前記第1スイッチ及び前記第2スイッチの少なくとも一方の操作に基づいて前記複数の項目の中から前記方位入力の項目が選択された状態で前記操舵切換スイッチが操作されると、前記記憶装置に記憶された前記基準方位の方位値を前記表示装置に表示させ、前記第1スイッチ及び前記第2スイッチの少なくとも一方の操作に基づいて、前記表示装置に表示された前記方位値を変更し、前記操舵切換スイッチの操作があると、変更した方位値を前記基準方位として前記方位入力の項目に対応付けて前記記憶装置に記憶させてもよい。
前記複数の項目には、方位呼出の項目が含まれ、前記記憶装置は、前記方位呼出の項目と複数の方位名とを対応付けて記憶し、前記複数の方位名毎に方位情報を対応付けて記憶し、前記制御装置は、前記設定モードである場合に、前記第1スイッチ及び前記第2スイッチの少なくとも一方の操作に基づいて前記複数の項目の中から前記方位呼出の項目が選択された状態で前記操舵切換スイッチが操作されると、前記記憶装置に記憶された前記複数の方位名のうちで現在設定されている方位名の方位情報を前記表示装置に表示させ、前記第1スイッチ及び前記第2スイッチの少なくとも一方の操作に基づいて、前記表示装置に表示された前記複数の方位名のうちの任意の方位名を選択可能であり、前記操舵切換スイッチの操作があると、選択された方位名の方位情報が示す方位を前記基準方位に設定してもよい。
前記複数の項目には、条間設定の項目が含まれ、前記記憶装置は、前記条間設定の項目とその設定値とを対応付けて記憶し、前記制御装置は、前記設定モードである場合に、前記第1スイッチ及び前記第2スイッチの少なくとも一方の操作に基づいて前記複数の項目の中から前記条間設定の項目が選択された状態で前記操舵切換スイッチが操作されると、前記記憶装置に記憶された前記条間設定を前記表示装置に表示させ、前記第1スイッチ及び前記第2スイッチの少なくとも一方の操作に基づいて、前記表示装置に表示された前記条間設定の設定値を変更し、前記操舵切換スイッチの操作があると、変更した条間設定の設定値を前記条間設定の項目に対応付けて前記記憶装置に記憶させてもよい。
前記複数の項目には、自動操舵感度設定の項目が含まれ、前記記憶装置は、前記自動操舵感度設定の項目とその設定値とを対応付けて記憶し、前記制御装置は、前記設定モードである場合に、前記第1スイッチ及び前記第2スイッチの少なくとも一方の操作に基づいて前記複数の項目の中から前記自動操舵感度設定の項目が選択された状態で前記操舵切換スイッチが操作されると、前記記憶装置に記憶された前記自動操舵感度設定を前記表示装置に表示させ、前記第1スイッチ及び前記第2スイッチの少なくとも一方の操作に基づいて、前記表示装置に表示された前記自動操舵感度設定の設定値を変更し、前記操舵切換スイッチの操作があると、変更した自動操舵感度設定の設定値を前記自動操舵感度設定の項目に対応付けて前記記憶装置に記憶させてもよい。
前記制御装置は、前記設定モードでない場合に、前記第1スイッチが操作されたときの前記走行体の位置を前記始点として取得し、前記走行体を前記始点から所定距離以上走行させて前記第2スイッチの操作が操作されたときの前記走行体の位置を前記終点として取得し、前記始点と前記終点とを結ぶラインの方位を示す方位値を前記表示装置に表示させてもよい。
前記制御装置は、前記方位値が前記表示装置に表示されているときに、前記第2スイッチが第1操作されると、方位名が前記表示装置に表示され、前記第1スイッチ及び前記第2スイッチの少なくとも一方の操作に基づいて前記方位名を選択し、前記操舵切換スイッチが操作されると、前記方位値を前記基準方位とし、当該基準方位と選択された前記方位名とを対応付けて前記記憶装置に記憶させてもよい。
前記制御装置は、前記設定モードでない場合に、前記第2スイッチが第2操作されると、前記記憶装置に前記基準方位が記憶されていれば、前記記憶装置に記憶されている前記基準方位及び前記方位名を前記表示装置に表示させ、前記方位値が前記表示装置に表示されている間は前記自動操舵の制御を開始しないとしてもよい。
前記複数の項目には、圃場に関連性がある項目を関連付けた関連設定の項目が含まれ、前記記憶装置は、前記関連設定の項目と、当該関連設定の項目に対応付けられた複数の設定値とを記憶し、前記複数の設定値には、前記基準方位、条間及び自動操舵感度のうちの
2つ以上が含まれ、前記制御装置は、前記設定モードである場合に、前記第1スイッチ及び前記第2スイッチの少なくとも一方の操作に基づいて前記複数の項目の中から前記関連設定の項目が選択された状態で前記操舵切換スイッチが操作されると、前記記憶装置に記憶された前記関連設定の項目の前記複数の設定値を前記表示装置に順次に表示させてもよい。
前記表示装置は、セグメント表示部を含み、前記制御装置は、前記設定モードである場合に、前記複数の項目のうちで選択された項目と、その設定値とを、前記セグメント表示部に順番に表示させ、前記設定値について階層的に分けられた複数の設定値がある場合には当該複数の設定値を階層順に前記セグメント表示部に表示させてもよい。
乗用野菜移植機は、衛星測位情報を受信するアンテナユニットを備え、前記制御装置は、前記設定モードでないときに前記操舵切換スイッチがオンされると、前記衛星測位情報に基づいて前記自動操舵の制御を開始し、前記操舵切換スイッチがオフされると前記自動操舵の制御を終了するとしてもよい。
上記の構成によれば、乗用野菜移植機の作業者の運転負担を低減することができ、植付作業を支援することができる。
移植機の概略側面図である。 移植機の概略平面図である。 移植機の概略正面図である。 移植機の走行系構成及び制御ブロック図である。 運転席の前方のステアリングコラムを運転席側から見た図である。 移植機の予備苗台の上部箇所の左側面図である。 連結枠の中央箇所に取り付けられた位置検出装置の平面図である。 移植機の予備苗台の上部箇所を後方左下から見た分解斜視図である。 移植機の予備苗台の上部箇所を後方左上から見た分解斜視図である。 通信装置を収容した筐体の分解斜視図である。 連結枠を格納姿勢にした状態の予備苗台の上部箇所の左側面図である。 予備苗トレイを使用姿勢した状態を示す移植機の部分正面図である。 予備苗トレイを不使用姿勢した状態を示す移植機の部分正面図である。 機体の側面図である。 苗トレイの移動経路と空トレイ受け部を示す側面図である。 走行体の後部の斜視図である。 苗トレイの平面図である。 苗トレイの正面図である。 メインフレームの平面図である。 メインフレームの側面図である。 メインフレームの背面図である。 移植ユニットの平面図である。 ユニットフレームの前側支持を示す背面図である。 ユニットフレームの後側支持を示す平面図である。 ユニットフレームの後側支持を示す側面図である。 駆動主軸に動力を入力する動力入力部の側面図である。 動力入力部の平面図である。 作業機装着装置を示す側面図である。 作業機昇降機構及び装着フレームの側面図である。 作業機昇降機構及び装着フレームの斜視図である。 昇降駆動体の斜視図である。 ピストンロッド及び連結体の一部破断斜視図である。 ピストンロッド及び連結体の分解斜視図である。 ピストンロッド及び連結体の分解斜視図である。 連結体の本体部の断面図である。 変形例の昇降駆動体の斜視図である。 メインフレームの支持構造の背面図である。 ローリング機構の背面図である。 ローリング機構の側面図である。 感知ローラの支持構造の側面図である。 感知ローラの支持構造の背面図である。 感知ローラの支持構造の背面図である。 第1移植ユニット及び第2移植ユニットの平面図である。 植付深さ調節機構及び植付昇降機構を示す側面図である。 植付深さ調節機構を示す背面図である。 覆土圧調節機構を示す側面図である。 操作部を示す平面図である。 植付昇降機構を示す平面図である。 植付昇降機構の斜視図である。 植付昇降機構の背面図である。 植付昇降機構の回転ケース及び植付体の斜視図である。 植付体及び支持板の斜視図である。 植付昇降機構の回転ケース及び植付体の斜視図である。 回転ケースの分解斜視図である。 回転ケースの側面図である。 回転ケースの第2ケース体を取り外した状態を示す斜視図である。 回転ケースの分解斜視図である。 回転ケースの分解斜視図である。 第1ケース体及び第2ケース体の内側を示す図である。 第1~第5の平歯車の配置状態と植付体の上下運動の軌跡とを示す図である。 回転ケースの回転を示す図である。 回転ケースの回転を示す図である。 回転ケースの回転を示す図である。 回転ケースの回転を示す図である。 回転ケースの回転を示す図である。 回転ケースの回転を示す図である。 回転ケースの入力軸部分を示す断面斜視図である。 メインフレーム及び苗載せ台を示す平面図である。 苗載せ台を示す平面図である。 第1苗載せ台及び第2苗載せ台の連結構造を示す背面図である。 苗載せ台の下部の側面図である。 横送り機構を示す背面図である。 トレイ送り機構及び苗取出装置を示す側面図である。 記憶テーブルの一例を示す図である。 記憶テーブルの一例を示す図である。 変形例の記憶テーブルを示す図である。 表示装置における各種の設定項目の表示例を示す図である。 方位入力の表示例を示す図である。 方位呼出の表示例を示す図である。 方位出力の表示例を示す図である。
以下、本発明の一実施形態について、図面を適宜参照しつつ説明する。図1Aは、本実施形態に係る移植機1の全体構成を示す概略側面図である。図1Bは、移植機1の概略平面図である。図1Cは、移植機の概略正面図である。図1Aに示すように、移植機1は、オペレータ(運転者、操縦者、作業者)2が着座する運転席3を有する乗用型の移植機(乗用移植機)である。
図1A、図1Bに示すように、移植機1は、圃場6に苗7(例えば、野菜の苗)を植え付ける植付作業機4と、植付作業機4を装着して走行する走行体5とを有している。したがって、移植機1は、走行体5によって圃場6を走行しながら植付作業機4によって苗7を圃場6に植え付ける機械である。つまり、移植機1は、苗7(例えば、野菜の苗)を植え付ける乗用型の野菜移植機(乗用野菜移植機)である。
本発明の実施形態においては、移植機1の運転席3に着座したオペレータ2の前側の方向(図1A、図1Bの矢印A1の方向)を前方、オペレータ2の後側の方向(図1A、図1Bの矢印A2の方向)を後方として説明する。また、図1A、図1Bの矢印K1の方向を機体前後方向という。さらに、オペレータ2の右側(図1Bの矢印B1の方向)を右方、オペレータ2の左側(図1Bの矢印B2の方向)を左方として説明する。
また、図1Bに示すように、機体前後方向(矢印K1)に直交する方向である水平方向を機体幅方向(矢印K2)として説明する。機体の幅方向の中央部から右方、或いは、左方へ向かう方向を機体外方として説明する。言い換えれば、機体外方とは、機体幅方向K2であって機体の幅方向の中心から離れる方向のことである。機体外方とは反対の方向を、機体内方として説明する。言い換えれば、機体内方とは、機体幅方向K2であって機体の幅方向の中心に近づく方向である。
先ず、植付作業機4について概要を説明する。
図1Aに示すように、植付作業機4は、多数の苗7を有する複数の苗トレイ(セルトレイ)8を載置する苗載せ台9を有している。
図6、図7に示すように、苗トレイ8は、プラスチック製で、薄肉に形成されていて可撓性を有し、平面視長方形状に形成されている。苗トレイ8は、縦横に所定ピッチで碁盤目状に配列されて形成された多数のポット部8aを有する。ポット部8aの開口縁部は、平板状の上面壁8bによって接続されている。ポット部8aは、上面壁8bから背面側に突出している。苗トレイ8には、ポット部8aに床土を供給し、該床土に播種し、育苗することで、苗7(ソイルブロック苗)が育成されている。
図3に示すように、苗載せ台9は、苗トレイ8を下方に傾斜(下方に向かうにつれて後方に移行する方向に傾斜)させた状態で載置する載置板10を有する。 図1Aに示すように、苗トレイ8の苗7は、苗載せ台9の下部後方に配置された苗取出装置11によって一つずつ取り出されて下方の植付体12に供給される。植付体12は、上下に往復移動し且つ上死点位置で苗7を受け取る。また、植付体12は、下降時に圃場6に突入して苗7を植え付ける。詳しくは、植付体12は、前後に開閉可能な開口器で形成されており、閉じた状態で内部に苗7を保持して下方し、圃場6に突入した際に、前後に開いて圃場6に植穴を形成すると共に該植穴に苗7を落下させて植え付ける。植付作業機4は、苗トレイ8から苗7を取り出して圃場6に所定間隔をおいて自動的に植え付ける。
図3に示すように、載置板10は、複数の苗トレイ8を傾斜方向に沿って上下に並べて載置可能である。苗トレイ8は、長手方向を傾斜方向に合わせて配置される。苗取出装置11は、載置板10に載置された複数の苗トレイ8のうちの最下位の苗トレイ8(8A)から苗7を取り出す。また、苗取出装置11は、苗載せ台9を機体幅方向K2にポット部8aの一ピッチ分間欠的に横送りする間に苗トレイ8から苗7を一つずつ取り出す。苗トレイ8から横一列の苗7が取り出されると、苗トレイ8が傾斜方向に沿って下方にポット部8aの一ピッチ分縦送りされる。これにより、次の横一列の苗7が取出し可能となる。その後、苗載せ台9を先ほどとは逆の方向に横送りして苗7を取出し、横一列の苗7が取り出されると、苗トレイ8を縦送りする。これを順次繰り返すことにより、苗トレイ8から全部の苗7が取り出される。
図3に示すように、苗載せ台9は、下部に反転ガイド13を有し、苗取出装置11によって苗7が取り出された後の苗トレイ8は、縦送りされることにより反転ガイド13へ送られる。反転ガイド13へ送られた苗トレイ8は、反転ガイド13によって案内されて載置板10の背面側(下面側)10Aに案内される。また、苗載せ台9は、載置板10の背面側に空トレイガイド14を有する。空トレイガイド14は、下部に湾曲部14aを有する。湾曲部14aは、反転ガイド13から苗トレイ8を受け継いで、載置板10の背面側に配置されたガイド本体部14bへ案内する。空の苗トレイ8は、ガイド本体部14bによって、載置板10の背面上部へ案内される。空トレイガイド14は、上部に、上部ガイド部14cを有する。上部ガイド部14cは、ガイド本体部14bの上端から運転席3側に向けて前方に延びている。また、上部ガイド部14cは、若干、前下がり傾斜状(前方に向かうにつれて下方に移行する傾斜状)に形成されている。空の苗トレイ8は、上部ガイド部14cから取出し可能である。
次に、走行体5について詳細に説明する。
図1Aに示すように、走行体5は、植付作業機4の前方に配置されている。図4に示すように、走行体5は、運転席3が搭載された機体16と、機体16を走行可能に支持する走行装置17とを備えている。
機体16は、原動機18と、原動機フレーム19と、ミッションケース20と、機体フレーム21とを有する。原動機18は、例えば、ディーゼルエンジンである。原動機18は、走行体5の前部に配置されている。原動機フレーム19は、原動機18の下方に配置されて原動機18を支持している。ミッションケース20は、原動機18の後方に配置されており、原動機18から出力される動力を変速する変速機構を収容している。ミッションケース20の前部に原動機フレーム19が連結されている。機体フレーム21は、ミッションケース20の後方に配置されている。言い換えると、機体フレーム21は、走行体5の後部に配置されている。機体フレーム21の前部にミッションケース20が連結されている。機体フレーム21は、後部に、支持体22を有している。支持体22に、シート取付部材31を介して運転席3が取り付けられている。
運転席3は、機体16の後部に配置されている。運転席3は、座部3Aと背もたれ部3Bとを有する。座部3Aは、オペレータ2が着座する(臀部及び太股部を載せる)部位である。背もたれ部3Bは、着座したオペレータ2が背中をもたれかける部位であって、座部3Aの後部に上方に延びるように設けられている。
図1A、図1Bに示すように、走行装置17は、本実施形態では、左及び右の前輪23と、左及び右の後輪24とを有する車輪型の走行装置である。前輪23及び後輪24は、ミッションケース20から出力される動力が伝達されて回転する。
図1A、図1Bに示すように、運転席3の前方には、走行体5(前輪23)を操向する
ステアリングハンドル25とボンネット26及びステアリングコラム27が設けられている。ボンネット26内には、燃料タンク等が収容されている。ボンネット26の下方には、原動機18が配置されている。ステアリングコラム27は、ステアリングハンドル25を支持するハンドルポスト等を覆っている。
図1Dに示すように、移植機1は、操舵装置320を備えている。操舵装置320は、ステアリングハンドル25と、ステアリングハンドル25の回転に伴って回転する回転軸(操舵軸)25bと、ステアリングハンドル25の操舵を補助する補助機構(パワーステアリング機構)25cと、を有している。補助機構25cは、油圧ポンプ133と、油圧ポンプ133から吐出した作動油が供給される制御弁323と、制御弁323により作動するステアリングシリンダ321とを含んでいる。制御弁323は、制御信号に基づいて作動する電磁弁である。制御弁323は、例えば、スプール等の移動によって切り換え可能な3位置切換弁である。また、制御弁323は、操舵軸25bの操舵によっても切換可能である。ステアリングシリンダ321は、前輪23の向きを変えるアーム(ナックルアーム)322に接続されている。
したがって、ステアリングハンドル25を操作すれば、当該ステアリングハンドル25の操作に応じて制御弁323の切換位置及び開度が切り換わり、当該制御弁323の切換位置及び開度に応じてステアリングシリンダ321のピストンロッドが左又は右に移動することによって、前輪23の操舵方向を変更することができる。なお、上述した操舵装置320は一例であり、上述した構成に限定されない。
図1Dに示すように、移植機1は、位置検出装置330を備えている。図1A、図1Cに示すように、位置検出装置330は、連結枠420に装着されている。位置検出装置330は、衛星測位システムによって自己の位置(緯度、経度を含む測位情報)を検出する装置である。即ち、位置検出装置330は、複数の測位衛星から送信された信号(測位衛星の位置、送信時刻、補正情報等)を受信するアンテナユニット400と、測位衛星からの信号を受信可能な基地局(基準局)からの測位誤差の補正情報を受信可能な通信装置401とを備え、受信した衛星測位情報と補正情報とに基づいて位置(緯度、経度)を検出する。また、位置検出装置330がジャイロセンサや加速度センサ等の慣性計測装置を有し、慣性計測装置によって補正した位置を、自己の位置として検出してもよい。位置検出装置330は、移植機1(走行体5)の位置(走行位置)を検出することができる。
図1Dに示すように、移植機1は、アンテナユニット400にて受信した衛星測位情報に基づいて、走行体5の自動操舵の制御を行う制御装置131を備えている。制御装置131には、位置検出装置330と、走行系の走行検出装置341が接続されている。このため、制御装置131は、位置検出装置330で検出された位置(走行位置)、走行検出装置341が検出した検出値を取得可能である。走行検出装置341は、例えば、クランクセンサ、カムセンサ、エンジン回転センサ、アクセルセンサ、車速センサ、操舵角センサ等である。
制御装置131は、移植機1における走行系の制御を行う。制御装置131は、例えば、走行検出装置341が検出した検出値に基づいてエンジン回転数、車速、操舵装置320の操舵角等を制御する。制御装置131は、操舵制御部131Aと、記憶装置131Bとを有している。操舵制御部131Aは、制御装置131に設けられた電気・電子部品、当該制御装置131に組み込まれたプログラム等から構成されている。記憶装置131Bは、不揮発性のメモリ等である。
操舵制御部131A(制御装置131)は、設定された基準方位に基づいて移植機1(走行体5)の操舵を自動で制御(オートステアリング制御)可能である。図1D、図1Eに示すように、移植機1は、シフトレバー350と、操舵切換スイッチ(GSスイッチ)351と、第1スイッチ352と、第2スイッチ353と、メインスイッチ354と、を備えている。シフトレバー350と操舵切換スイッチ351と第1スイッチ352と第2スイッチ353とメインスイッチ354とは、制御装置131に接続されている。
シフトレバー350は、変速機構の変速のために、オペレータ2により操作される。操舵切換スイッチ351は、オペレータ2によってON/OFFに切り換え可能なスイッチであって、ONである場合にオートステアリング制御を有効にし、OFFである場合にオートステアリング制御を無効にする。第1スイッチ352は、基準方位の始点を設定するためにオペレータ2により操作される。第2スイッチ353は、基準方位の終点を設定するためにオペレータ2により操作される。
メインスイッチ354は、電源のオン・オフ及び原動機18のオン・オフを行うためのスイッチである。具体的には、メインスイッチ354は、始動、運転、及び、停止の何れかの位置に切換可能である。オペレータ2によりスイッチキーがメインスイッチ354に挿入され、始動の位置に回されると原動機18が始動し、移植機1の電源がオンとなる。なお、原動機18の始動後に手を離すと、スイッチキーが運転の位置に戻る。運転の位置では、移植機1の各種の電気機器が働く位置である。スイッチキーが運転の位置から停止の位置に回されると、原動機18が停止し、スイッチキーの抜き差しが可能となる。
図1Eに示すように、シフトレバー350、操舵切換スイッチ351、第1スイッチ352及び第2スイッチ353は、運転席3の近傍に設置され、オペレータ2が操作可能である。例えば、操舵切換スイッチ351は、シフトレバー350のグリップ近傍に設けられている。第1スイッチ352は、ステアリングコラム27の上部で表示装置360の右側に設けられ、第2スイッチ353は、ステアリングコラム27の上部で表示装置360の左側に設けられている。メインスイッチ354は、ステアリングコラム27の上部で右側手前に設けられている。
制御装置131は、圃場において、第1スイッチ352が操作されたときの移植機1(走行体5)の位置(アンテナユニット400にて受信した衛星測位情報に基づいて特定される位置)を、基準方位の始点とし、この始点を記憶装置131Bに記憶させる。続いて、運転者による操縦によって移植機1(走行体5)が所定距離以上進んで、第2スイッチ353が操作されたときの移植機1(走行体5)の位置(アンテナユニット400にて受信した衛星測位情報に基づいて特定される位置)を、基準方位の終点とし、この終点を記憶装置131Bに記憶させる。そして、制御装置131は、始点と終点とを結ぶ直線ルートの方位を基準方位として記憶装置131Bに記憶させる。
制御装置131は、自動操舵の許可条件を満たしている場合に、操舵切換スイッチ351がオンされると、移植機1(走行体5)を基準方位に沿って走行させる自動操舵の制御を行う。自動操舵の許可条件とは、基準方位が記憶装置131Bに記憶され(つまり、基準方位が設定され)、移植機1(走行体5)の進行方向と基準方位との差が許容値以下であることである。
操舵制御部131Aは、操舵切換スイッチ351がオンされてオートステアリング制御が有効となると、移植機1(走行体5)の走行位置(走行体5の位置)を含み且つ基準方位と平行な走行予定ルートに走行体5の位置を一致させるように、即ち、走行体5を基準方位に平行な走行予定ルート上を移動させるように、制御弁323の切換位置及び開度を設定する。言い換えれば、制御装置131は、操舵切換スイッチ351がONである場合、移植機1の走行位置と走行予定ルートとが一致するように、ステアリングシリンダ321のピストンロッドの移動方向及び移動量(前輪23の操舵方向及び操舵角)を設定する。
詳しくは、操舵制御部131Aは、オートステアリング制御が有効である場合、位置検出装置330で検出された移植機1(走行体5)の走行位置と、走行予定ルートで示された位置(走行予定位置)とを比較し、走行位置と走行予定位置とが一致している場合は、操舵装置320におけるステアリングハンドル25の操舵角及び操舵方向(前輪23の操舵角及び操舵方向)を変更せずに保持する(制御弁323の開度及び切換位置を変更せずに維持する)。
一方、操舵制御部131Aは、走行位置と走行予定位置とが一致していない場合、当該走行位置と走行予定位置との偏差(ズレ量)が零となるように、操舵装置320におけるステアリングハンドル25の操舵角及び/又は操舵方向を変更する(制御弁323の開度及び/又は切換位置を変更する)。
なお、上述した実施形態では、操舵制御部131Aは、オートステアリング制御において、走行位置と走行予定位置との偏差に基づいて操舵装置320の操舵角を変更していたが、走行予定ルートR1の方位と移植機1(走行体5)の進行方向(走行方向)の方位(車体方位)とが異なる場合、操舵制御部131Aは、車体方位が走行予定ルートRの方位に一致するように操舵角を設定してもよい。また、操舵制御部131Aは、オートステアリング制御において、偏差(位置偏差)に基づいて求めた操舵角と、方位偏差に基づいて求めた操舵角とに基づいて、オートステアリング制御における最終の操舵角を設定してもよい。上述した実施形態におけるオートステアリング制御における操舵角の設定は一例であり、限定されない。
制御装置131は、自動操舵の許可条件を満たしている場合に、操舵切換スイッチ351がオンされると、衛星測位情報に基づいて自動操舵の制御を開始し、操舵切換スイッチ351がオフされると自動操舵の制御を終了する。つまり、移植機1は、操舵切換スイッチ351がオンにされたときからオフにされるまでの間に亘って、操舵制御部131A(制御装置131)によるオートステアリング制御によって、走行体5を基準方位に沿って走行させることができる。
一方、操舵制御部131Aは、オートステアリング制御が無効である場合、オペレータ2の操作(オペレータ2のステアリングハンドル25の操作、オペレータ2のアクセルの操作等)に基づいて、前輪23の操舵方向及び操舵角、車速等を設定する。このように、操舵制御部131Aによって、移植機1(走行体5)の向きを手動で変更することができる。
図1D、図1Eに示すように、移植機1は、表示装置360と警報ランプ362とを備えている。表示装置360は、運転席3の前方のステアリングコラム27の上部の中央箇所に配置されている。警報ランプ362は、ステアリングコラム27の表示装置360の右側に配置されている。オペレータ2は、運転席3に着座した状態で表示装置360及び警報ランプ362を視認可能である。表示装置360は、例えば、セグメント表示部361を有している。セグメント表示部361は、複数(例えば、4個)の文字をセグメント形式で各種の情報を表示するセグメントLCD(Liquid Crystal Display)である。セグメント表示部361は、自動操舵の開始前の各種の設定情報、自動操舵に関する各種の表示情報などを、セグメント形式で表示可能である。なお、表示装置360は、セグメント表示部361に替えて、表現力に優れたドットマトリクス方式の表示部(例えば、液晶パネル、タッチパネル等で構成された表示部)を備えてもよい。警報ランプ362は、移植機1についての異常、注意などがあった場合に、制御装置131の制御により、点灯、点滅などを行う。このため、オペレータ2に対する報知が行われる。
さて、図1A、図1Cに示すように、ボンネット26の側方には、苗7を有する苗トレイ8を載せておく予備苗台28が配置されている。予備苗台28は、複数段(例えば6段)の予備苗トレイ28Aを有し、ボンネット26の左側方と右側方とに設けられている。オペレータ2は、予備苗台28から苗トレイ8を取り出して植付作業機4(苗載せ台9)に供給することができる。
予備苗台28は、運転席3よりも高い位置まで延出した支柱28Bを有している。支柱28Bは、走行体5の左右両側、例えばボンネット26の左側方と右側方とに立設されている。具体的には、支柱28Bは、走行体5の前後方向に間隔を空けて立設された前支柱28B1及び後支柱28B2と、前支柱28B1の頂部と後支柱28B2の頂部とを連結する前後枠28B3とを有する門型の支柱である。6段の予備苗トレイ28Aが上下方向に間隔を空けて支柱28Bに装着されている。
図1Cに示すように、左右両側の支柱28Bの上部同士は、連結枠420によって繋がれている。このため、両方の支柱28Bが連結枠420によって強固に保持されている。連結枠420には、図1A、図1Cに示すように、衛星測位情報を受信するアンテナユニット400と、通信装置401を収容した筐体405とが取り付けられている。
図2Aに示すように、連結枠420には、ブラケット410が取り付けられている。ブラケット410の上部にアンテナユニット400が取り付けられている。ブラケット410の下部に筐体405が取り付けられている。図2Bに示すように、平面視でアンテナユニット400と筐体405とがブラケット410を介して重複する位置に配置されている。図2Bに示すように、アンテナユニット400は、ケーブルCB1を介して制御装置131に接続されている。通信装置401は、ケーブルCB2を介して制御装置131に接続されている。ケーブルCB1、CB2は、連結枠420に沿うように配策されている。
具体的には、図2A~図2Dに示すように、ブラケット410は、筐体405が取り付けられ且つ連結枠420に固定された第1ブラケット411と、アンテナユニット400が取り付けられる第2ブラケット412とを備えている。図2C、図2Dに示すように、第1ブラケット411には、ネジ孔411aが形成されている。第2ブラケット412には、連結枠420に沿って長い長孔412aが形成されている。例えばボルト等の締結具413を長孔412aに挿入してネジ孔411aに螺合(ねじ止め)することより、第2ブラケット412が第1ブラケット411にねじ締結されている。
第1ブラケット411は、連結枠420に固定された側面視でコノ字形状の挟持部411Aと、筐体405が下面に取り付けられる平面視で矩形状の取付板部411Bとを備えている。例えば、コノ字形状の挟持部411Aは、その内側に連結枠420に圧接すること、又は、連結枠420に溶接することにより、連結枠420を挟持した状態で当該連結枠420に固定されている。なお、挟持部411Aを締結部品などで連結枠420に固定してもよい。
第1ブラケット411の取付板部411Bの四隅には、ボルト415が挿入される貫通孔が形成されている。貫通孔に挿入されたボルト415を筐体405の上面の四隅に形成された雌ネジ407にねじ止めすることにより、取付板部411Bの下面に筐体405が取り付けられる。
図2C、図2Dに示すように、第2ブラケット412は、丸みのある略矩形状の載置板部412Aと、載置板部412Aの下面に固定され且つ第2ブラケット412の横幅方向に長いL字枠体412Bと、を備えている。L字枠体412Bは、上辺部412B1と垂
下辺部412B2とを有している。L字枠体412Bの上辺部412B1が載置板部412Aの下面に固定されている。L字枠体412Bの垂下辺部412B2には、横幅方向に2個並べて長孔412aが形成されている。
図2Bに示すように、ブラケット410は、平面視において、アンテナユニット400が取り付けられる取付面の大きさが当該アンテナユニット400よりも大きい。この取付面は、第1ブラケット411の取付板部411Bと第2ブラケット412の載置板部412Aとで外郭が形成される面のことである。なお、図2B、図2Cに示すように、第2ブラケット412の載置板部412Aは、アンテナユニット400の下面400aよりも大きい。
図1A、図2Aに示すように、筐体405には、通信装置401とスピーカ402とが収容されている。スピーカ402は、運転席3の方を向く姿勢状態で筐体405に取り付けられている。筐体405は、通信装置401を収容した第1空間405Aとスピーカ402を収容した第2空間405Bとを仕切る仕切り壁406を備えている。
図2Eに示すように、筐体405は、上板部408Aと収容体408Bと開閉蓋部408Cとを備えている。開閉蓋部408Cは、通信装置401のケーブルCB2と、スピーカ402のケーブルCB3とが通される防水構造のケーブル通し部409を備えている。
連結枠420は、走行体5の横幅方向(機体幅方向K2)に沿う横軸心X3周りに回動することにより、図2Aに示す起立姿勢SPと、図2Fに示す格納姿勢DPと、に切換可能に構成されている。図2Aに示す連結枠420の起立姿勢SPでは、アンテナユニット400が両方の支柱28Bの上部よりも高い位置にあり且つ衛星測位情報を受信可能である。図2Fに示す連結枠420の格納姿勢DPでは、アンテナユニット400が起立姿勢SPよりも低くなり且つ筐体405の下方に位置している。このため、格納姿勢DPでは、アンテナユニット400は衛星測位情報を受信することができないか、著しく受信状態が悪くなる。
制御装置131は、アンテナユニット400からの衛星測位情報を示す信号の受信レベルが規定値以下であり、且つ、通信装置401にて測位誤差の補正情報が取得されている場合に、連結枠420が格納姿勢DPであると判定する。例えば、制御装置131は、連結枠420が格納姿勢DPであると判定すると、「連結枠420が格納姿勢DPである」ことをスピーカ402から音声出力したり、その旨を示す文字列を表示装置360にセグメント表示したり、警報ランプ362が発光することにより、オペレータ2に報知することができる。
ここで、連結枠420が図2Aに示す起立姿勢SPと図2Fに示す格納姿勢DPとに切換可能な構成について説明する。図2C、図2Dに示すように、連結枠420は、左脚部421と、右脚部422と、棒状体423とを備える。左脚部421は、走行体5の左側の支柱28Bの前後枠28B3と接続された左下部421Aと、左下部421Aから上方に屈曲されて延出した第1延出部421Bとを有する。右脚部422は、走行体5の右側の支柱28Bの前後枠28B3と接続された右下部422Aと、右下部422Aから上方に屈曲されて延出した第2延出部422Bとを有する。棒状体423は、第1延出部421Bの上端と第2延出部422Bの上端とを接続し、且つ、走行体5の横幅方向(機体幅方向K2)に延出する部材である。
支柱28Bの前後枠28B3の上部には、連結枠420を回動可能に支持する回動支持体28B4が固定されている。つまり、左右両側の支柱28Bのそれぞれに回動支持体28B4が固定されている。
左側の回動支持体28B4は、左脚部421の左下部421Aよりも僅かに大きい間隔を空けて上方に延出する一対の支持壁28B41と、当該一対の支持壁28B41の中央部に上方に突出した半円状の突出部28B42と、突出部28B42に形成された貫通孔と、左脚部421の左下部421Aの先端に形成された貫通孔とに挿入された固定ピン28B43と、を備えている。
また、右側の回動支持体28B4は、右脚部422の右下部422Aよりも僅かに大きい間隔を空けて上方に延出する一対の支持壁28B41と、当該一対の支持壁28B41の中央部に上方に突出した半円状の突出部28B42と、突出部28B42に形成された貫通孔と、右脚部422の右下部422Aの先端に形成された貫通孔とに挿入された固定ピン28B43と、を備えている。
このため、連結枠420は、図2Aに示す起立姿勢SPと、図2Fに示す格納姿勢DPとに回動可能となっている。
連結枠420は、図2Aに示す起立姿勢SPと、図2Fに示す格納姿勢DPとでそれぞれ固定可能である。図2Aに示すように、左側の回動支持体28B4は、起立姿勢SPの連結枠420をねじ止めするための第1雌ネジ部28B61と、格納姿勢DPの連結枠420をねじ止めするための第2雌ネジ部28B62とを備えている。図2Aに示す起立姿勢SPでは、左脚部421の左下部421Aに形成された上下貫通孔に2本の固定ボルト28B5が挿入され、2本の固定ボルト28B5により、左脚部421の左下部421Aが左側の回動支持体28B4の第1雌ネジ部28B61にねじ止めされる。また、右脚部422の右下部422Aに形成された上下貫通孔に2本の固定ボルト28B5が挿入され、2本の固定ボルト28B5により、右脚部422の右下部422Aが右側の回動支持体28B4の第1雌ネジ部28B61にねじ止めされる。これらにより、連結枠420が起立姿勢SPで支柱28Bに固定される。
一方、図2Dに示すように、左脚部421の左下部421Aから2本の固定ボルト28B5を取外すと共に、右脚部422の右下部422Aから2本の固定ボルト28B5を取外すことにより、連結枠420が回動可能になる。オペレータは、連結枠420を、横軸心X3周りに回動させて、図2Fに示す格納姿勢DPにする。図2Fに示す格納姿勢DPでは、取り外した2本の固定ボルト28B5が左脚部421の左下部421Aの上下貫通孔に挿入され、左側の回動支持体28B4の第2雌ネジ部28B62にねじ止めされる。また、取り外した2本の固定ボルト28B5が右脚部422の右下部422Aの上下貫通孔に挿入され、右側の回動支持体28B4の第2雌ネジ部28B62にねじ止めされる。これらにより、連結枠420が格納姿勢DPで支柱28Bに固定される。
図2G、図2Hに示すように、予備苗トレイ28Aは、基端部28A1が前支柱28B1及び後支柱28B2に走行体5の前後方向に沿う前後軸心X4周りに回動可能に装着され、図2Gに示す使用姿勢UP1と、図2Hに示す不使用姿勢UP2とに切換可能に構成されている。図2Gに示すように、予備苗トレイ28Aの使用姿勢UP1では、予備苗トレイ28Aの基端部28A1とは反対側の先端部28A2が走行体5の横幅方向に位置する姿勢であるため、予備苗が載置可能である。また、図2Hに示すように、予備苗トレイ28Aの不使用姿勢UP2では、予備苗トレイ28Aの先端部28A2が支柱28Bに近づくように上げられた傾斜姿勢であるため、予備苗が載置不可能である。
図2Hに示すように、連結枠420の棒状体423は、複数の予備苗トレイ28Aのうちの最上位の予備苗トレイ28Aが不使用姿勢UP2であるときの当該最上位の予備苗トレイ28Aよりも高い位置に位置している。つまり、連結枠420の棒状体423は、最
上位の予備苗トレイ28Aから第3高さH3の位置にある。
図1A、図1Bに示すように、走行体5は、運転席3の下方に配置されたフロアシート29を有する。フロアシート29は、前部に、運転席3に着座したオペレータ2が足を載せるフロントステップ29aを有する。フロントステップ29aは、運転席3の前方且つ下方に配置されている。フロントステップ29aの下方に、ミッションケース20が配置されている。フロントステップ29aの後方で且つ運転席3の下方には、支持体22における運転席3が支持される部分22A(図4参照)を覆うシート台カバー30が設けられている。
図1A~図5に示すように、シート台カバー30の後方には、空トレイガイド14から送り出された空の苗トレイ8を受けることが可能な空トレイ受け部15が設けられている。上部ガイド部14cは、空トレイ受け部15より上方に位置し且つ空トレイ受け部15側に延びている。空トレイ受け部15は、運転席3の後方側で且つ苗載せ台9の前方側に設けられている。言い換えると、空トレイ受け部15は、運転席3と空トレイガイド14(苗載せ台9)との間に設けられている。これにより、空トレイガイド14から送り出された空の苗トレイ8が、運転席3と空トレイガイド14(苗載せ台9)との間から下方に落ちるのを防止することができる。また、空トレイ受け部15は、フロントステップ29aより上方で且つ運転席3より下方に設けられている。したがって、空トレイ受け部15は、空トレイガイド14から送り出された空の苗トレイ8を良好に受けることができる高さに設けられている。また、上部ガイド部14cは、前下がり傾斜状に形成されて空トレイ受け部15側に延びているので、空の苗トレイ8を空トレイ受け部15に良好に送り出すことができる。また、空トレイ受け部15の後端部は、空トレイガイド14の上部後端部の下方に位置している。詳しくは、空トレイ受け部15の後端部と空トレイガイド14の後端部とは、平面視でオーバーラップしている。これにより、空トレイガイド14から送り出された空の苗トレイ8が、空トレイガイド14と空トレイ受け部15との間から下方に落ちるのを防止することができ、空の苗トレイ8を空トレイ受け部15で受けることができる。
図3、図5に示すように、空トレイ受け部15は、フロアシート29の後部の延出部(第1受け部)32と、延出部32の後方に配置された複数のリヤステップ(第2受け部)33とを有する。延出部32は、フロントステップ29aよりも高い位置に設けられ、シート台カバー30の後方に設けられている。詳しくは、シート台カバー30の後部下端から後方に突出している。また、延出部32の左部は、シート台カバー30よりも左方に突出しており、右部は、シート台カバー30よりも右方に突出している。延出部32の左部及び右部は、傾斜部29bによってフロントステップ29aに接続されている。傾斜部29bは、フロントステップ29aの後部から後方に向かうにつれて上方に移行する傾斜方向に延出されている。複数のリヤステップ33は、延出部32の後方で且つ延出部32と略同じ高さ位置に配置されている。
複数のリヤステップ33は、第1リヤステップ33Rと第2リヤステップ33Lとを含む。第1リヤステップ33Rは、延出部32の右部の後方に配置され、第2リヤステップ33Lは、延出部32の左部の後方に配置されている。第1リヤステップ33R及び第2リヤステップ33Lは、フレーム部材(ステップフレームという)34を介して機体16(機体フレーム21)に支持されている。
図3に示すように、ステップフレーム34は、第1フレーム材34A~第3フレーム材34Cを有する。第1フレーム材34Aは、リヤステップ33と延出部32との間に機体幅方向K2に延伸して配置されている。第2フレーム材34Bは、下部が機体フレーム21に固定され上部に第1フレーム材34Aが固定されている。第3フレーム材34Cは、第1フレーム材34Aから後方に突出している。第3フレーム材34Cは、リヤステップ33の下面側に配置されていてリヤステップ33を下支えしている。また、第3フレーム材34Cは、複数設けられており、第1リヤステップ33R及び第2リヤステップ33Lの左部と右部とにそれぞれ設けられている。
リヤステップ33は、苗載せ台9の前方に配置されている。したがって、オペレータ2は、苗トレイ8を苗載せ台9に供給(補給)する際に、リヤステップ33に足を掛けることができ、リヤステップ33に足を掛けることによって苗トレイ8の補給を容易に行える。
図1B、図5に示すように、本実施形態の植付作業機4は、2台(複数)の苗載せ台9を有しており、一方の苗載せ台9(第1苗載せ台9R)の前方に第1リヤステップ33Rが配置され、他方の苗載せ台9(第2苗載せ台9L)の前方に第2リヤステップ33Lが配置されている。
なお、第1リヤステップ33R及び第2リヤステップ33Lは連続状に形成されていてもよい。また、リヤステップ33は、1つの部材によって構成されていてもよい。また、苗載せ台9が1台の場合は、リヤステップ33は1つ設けられる。また、苗載せ台9が3台以上の場合は、リヤステップ33は、苗載せ台9の台数に応じた数、設けられてもよいし、各苗載せ台9に共通のリヤステップ33を1つ設けてもよい。
次に、植付作業機4について詳細に説明する。
図1A、図1Bに示すように、植付作業機4は、移植フレーム36を有する。図1Bに示すように、移植フレーム36は、メインフレーム37と、複数のユニットフレーム38とを有する。複数のユニットフレーム38は、第1ユニットフレーム38Rと第2ユニットフレーム38Lとを含む。
図8~図10に示すように、メインフレーム37は、第1フレーム39~第12フレーム50を有する。第1フレーム39は、メインフレーム37の前部に配置されている。第1フレーム39は、右部の第1支柱部39aと、左部の第2支柱部39bと、第1支柱部39aと第2支柱部39bの上部同士を連結する連結部39cとを有する。第1支柱部39a及び第2支柱部39bは、上下方向中途部で前側に屈曲されている。詳しくは、第1支柱部39a及び第2支柱部39bは、下部が上下方向に直線状で、上部が上方に向かうにつれて前方に移行する傾斜状に形成されている。第2支柱部39bの下部は、第1支柱部39aの下端よりも下方に突出している。
第2フレーム40は、第1支柱部39a及び第2支柱部39bの下方に機体幅方向K2に延伸して配置されている。第2支柱部39bの下端は第2フレーム40に連結されている。第2フレーム40の右部は第1支柱部39aよりも右方に突出し、左部は第2支柱部39bよりも左方に突出している。第3フレーム41は、第1支柱部39aの下部と第2フレーム40とを連結している。
第4フレーム42は、第1フレーム39の上下方向中途部から後方に突出している。詳しくは、第4フレーム42は、第1部位42a~第3部位42cを有する。第1部位42aの前部は、第1支柱部39aの上下方向中途部に接続され且つ第1支柱部39aから右方に突出している。第1部位42aの中途部から後部は、第1部位42aの前部の外端から後方に向けて延出されている。第2部位42bの前部は、第2支柱部39bの下部に接続され且つ第2支柱部39bから左方に突出している。第2部位42bの中途部から後部は、第2部位42bの前部外端から後方に向けて延出されている。第3部位42cは、第
1部位42aと第2部位42bの後端部同士を連結している。
第5フレーム43は、前部が水平状に形成されて第2フレーム40の右部に接続されている。第5フレーム43は、中途部から後部にかけて後方に向かうにつれて上方に移行する傾斜状に形成され、後端部が、第4フレーム42の第3部位42cに接続されている。
第6フレーム44は、前部が水平状に形成されて第2フレーム40の左部に接続されている。第6フレーム44は、中途部から後部にかけて後方に向かうにつれて上方に移行する傾斜状に形成され、後端部が、第4フレーム42の第3部位42cに接続されている。
第7フレーム45は、第4フレーム42の第1部位42aと第2部位42bとを連結している。詳しくは、第1部位42aの前部の機体内方側の部位(左部)と第2部位42bの前部の機体内方側の部位(右部)とを連結している。
第8フレーム46は、第4フレーム42の第1部位42aと第2部位42bとを連結している。詳しくは、第8フレーム46は、第1部位42aの機体前後方向中途部に固定された連結片51Rと、第2部位42bの機体前後方向中途部に固定された連結片51Lとを連結している。
第9フレーム47は、第2支柱部39bの下部と第3フレーム41とを連結している。
第10フレーム48は、メインフレーム37の機体幅方向K2の略中央部に配置され、第9フレーム47と第4フレーム42の第3部位42cとを連結している。
第11フレーム49及び第12フレーム50は、メインフレーム37の前部の機体幅方向K2の中央部に機体幅方向K2に間隔をあけて配置されている。第11フレーム49及び第12フレーム50は、第7フレーム45と第2フレーム40とを連結している。
第1支柱部39aの上部には、第1バネ掛けステー52Rが設けられ、第2支柱部39bの上部には、第2バネ掛けステー52Lが設けられている。
第11フレーム49及び第12フレーム50の間の上部には、固定プレート53が設けられている。固定プレート53には、ローリング軸54が前方突出状に取り付けられている。ローリング軸54は、機体前後方向(矢印K1)に延伸するローリング軸心X1を有している。ローリング軸54は、メインフレーム37の機体幅方向K2の略中央部に配置されている。
第7フレーム45の後方側には、機体幅方向K2に延伸するレール部材(第1レールという)56が配置されている。第1レール56は、溝型鋼状の部材によって形成され、後方に向けて開口している。第1レール56の上面には、複数のステー部材55が機体幅方向K2に所定間隔をおいて固定されている。各ステー部材55は、第7フレーム45にボルト固定されている。
第8フレーム46の前方側には、機体幅方向K2に延伸するレール部材(第2レールという)58が配置されている。第2レール58は、溝型鋼状の部材によって形成され、前方に向けて開口している。第2レール58には、複数のステー部材57が固定されている。各ステー部材57は、第8フレーム46にボルト固定されている。
第6フレーム44の前部には、支持ブラケット(第1支持ブラケットという)59が固定されている。第1支持ブラケット59は、第6フレーム44上に立設されている。第5
フレーム43の前部には、支持ブラケット(第2支持ブラケットという)60が固定されている。第2支持ブラケット60は、第5フレーム43上に立設されている。
メインフレーム37の後部には、複数の連結プレート61が設けられている。複数の連結プレート61は、第1連結プレート61Rと第2連結プレート61Lとを含む。第1連結プレート61Rは、第4フレーム42の第3部位42cの右部に固定されており、第2連結プレート61は、第3部位42cの左部に固定されている。
図1Bに示すように、第1ユニットフレーム38Rは、メインフレーム37の右部に配置され、第2ユニットフレーム38Lは、メインフレーム37の左部に配置されている。詳しくは、第1ユニットフレーム38R及び第2ユニットフレーム38Lは、第4フレーム42の第1部位42aと第2部位42bとの間に配置されており、第1ユニットフレーム38Rは、第1部位42aと第2部位42bとの間の右側に配置され、第2ユニットフレーム38Lは、第1部位42aと第2部位42bとの間の左側に配置されている。第1ユニットフレーム38Rの後方に第1連結プレート61Rが配置され、第2ユニットフレーム38Lの後方に第2連結プレート61Lが配置されている。
図1Aに示すように、第1ユニットフレーム38R及び第2ユニットフレーム38Lには、それぞれ苗取出装置11と、植付体12と、覆土輪(接地ローラ)62とが設けられている。
苗取出装置11は、複数設けられ、複数の苗取出装置11は、第1ユニットフレーム38Rに設けられた第1苗取出装置11Rと、第2ユニットフレーム38Lに設けられた第2苗取出装置11Lとを含む。
植付体12は、複数設けられ、複数の植付体12は、第1ユニットフレーム38Rに設けられた右植付体12Rと、第2ユニットフレーム38Lに設けられた左植付体12Lとを含む。右植付体12Rは、第1苗取出装置11Rで取り出された苗7を圃場6に植え付ける第1植付装置35R(図28参照)の一部を構成している。左植付体12Lは、第2苗取出装置11Lで取り出された苗7を圃場6に植え付ける第2植付装置35L(図28参照)の一部を構成している。
覆土輪62は、第1ユニットフレーム38Rに設けられた第1覆土輪62Rと、第2ユニットフレーム38Lに設けられた第2覆土輪62Lとを含む。第1覆土輪62R及び第2覆土輪62Lは、それぞれ2つずつ設けられている。2つの第1覆土輪62Rは、機体幅方向K2に並べて配置されている。2つの第2覆土輪62Lも、機体幅方向K2に並べて配置されている。第1覆土輪62Rは、右植付体12Rの後方に配置され、右植付体12Rで植え付けた苗7の左側及び右側を転動して該苗7の株際に土寄せすると共に該株際を鎮圧する。第2覆土輪62Lは、左植付体12Lの後方に配置され、左植付体12Lで植え付けた苗7の左側及び右側を転動して該苗7の株際に土寄せすると共に該株際を鎮圧する。
図1Aに示すように、第1ユニットフレーム38R、第1苗取出装置11R、右植付体12R(第1植付装置35R)及び第1覆土輪62Rは、第1移植ユニット63Rを構成している。第2ユニットフレーム38L、第2苗取出装置11L、左植付体12L(第2植付装置35L)及び第2覆土輪62Lは、第2移植ユニット63Lを構成している。
移植ユニットは、1つでもよいし、3つ以上であってもよい。また、移植ユニットの数に応じて苗載せ台の台数も決定される。
図11、図12に示すように、第1ユニットフレーム38Rは、平面視矩形状のフレーム本体64を有する。フレーム本体64は、機体幅方向で間隔をあけて対向状に配置された第1サイドフレーム65A及び第2サイドフレーム65Bと、第1サイドフレーム65Aと第2サイドフレーム65Bの前部同士を連結するフロントフレーム66(第1フロントフレームという)と、第1サイドフレーム65Aと第2サイドフレーム65Bの前部同士を連結するリヤフレーム67と、第1フロントフレーム66の後方に配置されて第1サイドフレーム65Aと第2サイドフレーム65Bと連結する第2フロントフレーム68とを有する。第1サイドフレーム65Aは、第2サイドフレーム65Bの機体外方に配置されている。
第2ユニットフレーム38Lも、第1ユニットフレーム38Rと同様の構成のフレーム本体64を有する。
各フレーム本体64の前部には、機体幅方向K2で間隔をあけて配置された第1ユニットブラケット69及び第2ユニットブラケット70が設けられている。第1ユニットブラケット69及び第2ユニットブラケット70は、上部が第1フロントフレーム66及び第2フロントフレーム68に固定されていて、フレーム本体64から下方に突出している。第1ユニットブラケット69は、フレーム本体64の機体外方側に配置され、第2ユニットブラケット70は、フレーム本体64の機体内方側に配置されている。
図11に示すように、第1ユニットフレーム38R(第1移植ユニット63R)及び第2ユニットフレーム38L(第2移植ユニット63L)の前部に、駆動主軸71が機体幅方向K2に延伸して配置されている。また、駆動主軸71は、メインフレーム37の前部に機体幅方向に延伸して設けられている。
駆動主軸71に第1ユニットフレーム38R及び第2ユニットフレーム38Lの前部が機体幅方向K2に移動可能に支持されている。詳しくは、駆動主軸71は、機体幅方向K2に延伸する軸心を有し、第5フレーム43の前部から第6フレーム44の前部にわたって設けられている。駆動主軸71は、左側が第1支持ブラケット59に軸受72を介して回転可能に支持され、右側が第2支持ブラケット60に軸受73を介して回転可能に支持されている。第1ユニットフレーム38R及び第2ユニットフレーム38Lは、駆動主軸71の上方に配置されている。駆動主軸71は、第1ユニットフレーム38R及び第2ユニットフレーム38Lの第1ユニットブラケット69及び第2ユニットブラケット70の下部を挿通しており、且つ第1ユニットブラケット69及び第2ユニットブラケット70に設けられた軸受74に回転可能に支持されている。これにより、第1ユニットフレーム38R及び第2ユニットフレーム38Lの前部が、駆動主軸71に機体幅方向K2に移動可能に支持されている。
図11、図13に示すように、第1ユニットフレーム38Rは、第1連結プレート61Rに取り付けられる第1取付プレート76Rを有し、第2ユニットフレーム38Lは、第2連結プレート61Lに取り付けられる第2取付プレート76Lを有する。
図13、図14に示すように、第1取付プレート76Rは、第1ユニットフレーム38Rのリヤフレーム67にボルト77A及びナット77Bによって機体幅方向K2に位置調節可能に取り付けられている。第2取付プレート76Lは、第2ユニットフレーム38Lのリヤフレーム67にボルト77A及びナット77Bによって機体幅方向K2に位置調節可能に取り付けられている。第1取付プレート76Rは、第1連結プレート61Rにボルト78A及びナット78Bによって機体幅方向K2に位置調節可能に取り付けられている。第2取付プレート76Lは、第2連結プレート61Lにボルト78A及びナット78Bによって機体幅方向K2に位置調節可能に取り付けられている。第1連結プレート61Rに対する第1取付プレート76Rの機体幅方向K2の取付位置を変更することにより、第1ユニットフレーム38Rがメインフレーム37に対して機体幅方向K2に位置調節可能である。第2連結プレート61Lに対する第2取付プレート76Lの機体幅方向K2の取付位置を変更することにより、第2ユニットフレーム38Lがメインフレーム37に対して機体幅方向K2に位置調節可能である。即ち、第1移植ユニット63Rと第2移植ユニット63Lは、メインフレーム37にそれぞれ独立して機体幅方向K2に位置調節可能に支持されている。
第1ユニットフレーム38Rと第2ユニットフレーム38Lの機体幅方向K2の位置を調節することにより、右植付体12Rと左植付体12Lとの機体幅方向K2の間隔(右植付体12Rで植え付けられる苗7と左植付体12Lで植え付けられる苗7との機体幅方向K2の間隔)である条間W1(図11参照)を調節することができる。
図13に示すように、第1取付プレート76R及び第2取付プレート76Lには、指標78が設けられている。第1連結プレート61R及び第2連結プレート61Lには、条間表示部79が設けられている。条間表示部79には、条間W1を表す数字が記されている。指標78を条間表示部79の数字に合わせることにより、条間W1の調節を容易に行うことができる。
図12に示すように、駆動主軸71の中央側には、駆動主軸71に回転動力を入力する入力部材である入力スプロケット83が一体回転可能に設けられている。入力スプロケット83は、軸受84に支持され、軸受84は第10フレーム48に固定されたステー部材85に取り付けられている。
図15は、駆動主軸71に動力を入力する動力入力部86の側面図を示し、図16は、動力入力部86の一部を展開した平面図を示している。
図15、図16に示すように、動力入力部86は、入力軸87と、ギヤ伝動機構88と、入力スプロケット83を含む巻掛け伝動機構89とを有する。
図1Aに示すように、入力軸87には、ミッションケース20から後方に突出したPTO軸(動力取出し軸)から動力が伝達される。詳しくは、PTO軸90には、植付クラッチ(株間クラッチ)91を介して第1ジョイント軸92が連動連結され、第1ジョイント軸92には、第2ジョイント軸93が連動連結されている。第2ジョイント軸93は、入力軸87に連動連結されている。植付クラッチ91は、PTO軸90から出力される動力を入力軸87に断続可能に伝達する。植付クラッチ91を切断すると、植付体12、苗取出装置11等の動作が停止し、接続すると、植付体12、苗取出装置11等の動作が再開する。したがって、制御装置131は、植付クラッチ91の切断時間を調節することにより、苗7を所定の株間に植付けることができる。
図15、図16に示すように、ギヤ伝動機構88は、入力軸87に一体回転可能に嵌められた第1ベベルギヤ88Aと、第1ベベルギヤ88Aに噛み合う第2ベベルギヤ88Bとを有する。巻掛け伝動機構89は、第2ベベルギヤ88Bと一体回転可能な第1伝動スプロケット94と、第1伝動スプロケット94から動力が伝達される第2伝動スプロケット95と、第2伝動スプロケット95から動力が伝達される第3伝動スプロケット96とを有する。第3伝動スプロケット96から入力スプロケット83に動力が伝達される。
図1A、図17に示すように、メインフレーム37(植付作業機4)は、作業機装着装置123を介して走行体5に装着されている。作業機装着装置123は、メインフレーム37(植付作業機4)を着脱可能に装着する装着フレーム124と、メインフレーム37
(植付作業機4)を昇降する作業機昇降機構125とを有する。
図17に示すように、装着フレーム124は、ローリング軸54をローリング軸心X1回りに回転可能に支持する軸受体128を有している。メインフレーム37は、装着フレーム124に対してローリング軸心X1回りに揺動可能である。右植付体12R及び左植付体12Lは、ローリング軸心X1を挟んで機体幅方向K2に並べて配置される。
作業機昇降機構125は、走行体5と装着フレーム124とを連結する連結リンク機構129と、植付作業機4を昇降駆動する昇降駆動体130とを有する。
連結リンク機構129は、平行リンクによって構成され、上部リンク129Aと、上部リンク129Aの下方側に配置された下部リンク129Bとを有する。上部リンク129Aは、前部が機体16(機体フレーム21)の後部に機体幅方向K2の軸心回りに回転可能に連結されている。上部リンク129Aの後部は、装着フレーム124に機体幅方向K2の軸心回りに回転可能に連結されている。下部リンク129Bは、前部が、機体16(機体フレーム21)の後部に機体幅方向K2の軸心回りに回転可能に連結されている。下部リンク129Bの後部は、装着フレーム124に機体幅方向K2の軸心回りに回転可能に連結されている。連結リンク機構129によって植付作業機4を平行に上下動することが可能である。
昇降駆動体130は、昇降シリンダ450と連結体460とを有する。昇降シリンダ450は、例えば、油圧シリンダである。昇降シリンダ450は、円柱形状のシリンダ本体451と、シリンダ本体451から当該シリンダ本体451の長手方向に伸長可能なピストンロッド452とを有する。連結体460は、昇降シリンダ450のピストンロッド452の先端に取り付けられ、且つ、装着フレーム124に連結されている。詳述すると、昇降シリンダ450の一端側(シリンダ本体451のボトム側)は、機体16(機体フレーム21)の後部に機体幅方向K2の軸心回りに回転可能に連結されている。昇降シリンダ450の他端側(ピストンロッド452の先端側に取り付けられた連結体460)は、装着フレーム124に機体幅方向K2の軸心回りに回転可能に連結されている。昇降シリンダ450の一端側は、上部リンク129Aの前部と同心状に枢支され、他端側は、下部リンク129Bの後部と同心状に枢支される。
図17に示すように、移植機1は、昇降シリンダ450を制御する制御弁132を備えている。制御弁132は、制御装置131によって制御される。制御弁132は、電磁弁によって形成され、例えば、中立位置と、上昇位置と、下降位置とに切り替え可能な3位置方向切替弁で構成される。制御弁132は、制御装置131に電気配線等によって接続されると共に、昇降シリンダ450のシリンダ本体451、油圧ポンプ133及び作動油タンク134に油圧管路を介して接続される。制御装置131から制御弁132に上昇指令信号が発信されると、制御弁132が上昇位置に切り替えられ、油圧ポンプ133からの作動油がシリンダ本体451のボトム側に供給され、昇降シリンダ450が伸長してメインフレーム(植付作業機4)が上昇する。また、制御装置131から制御弁132に下降指令信号が発信されると、制御弁132が下降位置に切り替えられ、作動油がシリンダ本体451のロッド側に供給され、昇降シリンダ450が収縮してメインフレーム37が下降する。
なお、昇降駆動体130は、電動シリンダ(電動アクチュエータ)又は電動油圧シリンダ(電動油圧アクチュエータ)で構成されていてもよい。電動シリンダは、電気駆動のシリンダであって、例えば、電動モータによってボールネジを軸心回りに回転させてボールねじナットを移動させ、このボールねじナットの移動によってロッドを進退させるアクチュエータである。電動油圧シリンダは、例えば、電動モータ、オイルタンク、油圧ポンプ、バルブ、油圧シリンダ等を一体化したアクチュエータであり、電動モータの回転によって油圧ポンプが回転すると共にバルブが切り替えられて油圧シリンダが作動するアクチュエータである。
さて、作業機昇降機構125は、図18A~図18Cに示すように、走行体5からの衝撃と植付作業機4からの衝撃とを吸収する緩衝装置470を備えている。具体的には、昇降駆動体130の連結体460は、緩衝装置470を備えている。
図19A、図20に示すように、ピストンロッド452は、その先端から第1間隔D1(図20を参照)を空けた第1位置に第1鍔部453を備えている。図19A、図19Bに示すように、第1鍔部453は、中央に貫通孔453aが形成された円盤形状の金属製の鍔部材である。第1鍔部453の貫通孔453aには、ピストンロッド452の先端部452A(図19B、図19Cを参照)が挿入されている。
図18A~図19Aに示すように、連結体460は、ピストンロッド452の先端部452Aに取り付けられる本体部464と、本体部464の側面から延出して装着フレーム124に連結される一対の脚部466と、を備えている。図19A~図19C、図20に示すように、本体部464は、ピストンロッド452の先端部452Aが挿入される貫通孔461を有する取付面462と、取付面462の外周端から当該ピストンロッド452の先端部452Aに沿うように延出した筒状部463と、を有している。一対の脚部466は、筒状部463の外周箇所から延出されて且つ装着フレーム124に対して走行体5の横幅方向の軸心回りに回転可能に連結されている。
図19A~図19C、図20に示すように、緩衝装置470は、ピストンロッド452の先端部452A(図19B、図19Cを参照)が挿入される貫通孔472を有する第1弾性体471を備えている。第1弾性体471は、円柱形状のゴムであり、第1鍔部453と当接する第1面471aと、本体部464と当接する第2面471bとを有する。第1弾性体471は、例えば、硬度が90度以上のウレタンゴムである。第1弾性体471は、円形の第1面471aの中心箇所から円形の第2面471bの中心箇所に貫通する貫通孔472が形成されている。貫通孔472は、図20に示すように、貫通孔472の深さ方向の略中心位置から第2面471bに向かうに連れて、当該貫通孔472の開口が徐々に大きくなるテーパ形状(すり鉢形状)となっている。貫通孔472のテーパ形状によって、第1弾性体471がピストンロッド452の先端部452Aに対する挿抜がし易くなっている。なお、第1弾性体471は、ウレタンゴム以外で硬度が90度以上のゴム、バネなどの弾性体であってもよい。第1弾性体471は、本体部464と第1鍔部453とで第1弾性体471を挟み込んで構成されている。
ピストンロッド452は、図19B、図20に示すように、第1位置を含む第1範囲RG1に第1ネジ山454が形成されている。ピストンロッド452の第1範囲RG1には、第1締結具455がねじ込まれている。このため、第1締結具455は、第1鍔部453を第1弾性体471に押し付ける状態でねじ止めされている。第1締結具455は、第1ナット455aと第2ナット455bであり、ピストンロッド452の第1範囲RG1にねじ込まれた第1ナット455a及び第2ナット455bが羽交い締めされている。この羽交い締めにより、第1締結具455は緩み防止措置がされている。
図19A、図20に示すように、ピストンロッド452は、その先端から第1間隔D1よりも短い第2間隔D2(図20を参照)を空けた第2位置に、第1鍔部453とは別の第2鍔部456を備えている。第2鍔部456は、中央に貫通孔456aが形成された円盤形状の金属製の鍔部材である。第2鍔部456の貫通孔456aには、ピストンロッド452の先端部452A(図19B、図19Cを参照)が挿入されている。
図19A~図19C、図20に示すように、緩衝装置470は、第1弾性体471とは別に第2弾性体474を備えている。第2弾性体474は、ピストンロッド452の先端部452Aが挿入される貫通孔473を有し且つ筒状部463の内側に位置している。第2弾性体474は、円柱形状のゴムであり、筒状部463の底面463a(図19B、図20を参照)と当接する円形の第1面474aと、第2鍔部456と当接する円形の第2面474bとを有する。第2弾性体474の貫通孔472は、円形の第1面474aの中心箇所から円形の第2面474bの中心箇所に貫通して形成されている。第2弾性体474は、例えば、硬度が90度以上のウレタンゴムである。なお、第2弾性体474は、ウレタンゴム以外で硬度が90度以上のゴム、バネなどの弾性体であってもよい。本実施形態では、第1弾性体471及び第2弾性体474は、同じ硬度としているが、異なる硬度であってもよい。
緩衝装置470は、第1弾性体471を第1鍔部453と本体部464の取付面462とで挟み込むと共に、第2弾性体474を本体部464の筒状部463の底面463aと第2鍔部456とで挟み込んで構成されている。
ピストンロッド452は、第2位置を含む第2範囲RG2に第2ネジ山457が形成されている。ピストンロッド452の第2範囲RG2には、例えばナットなどの第2締結具458がねじ込まれている。本体部464の筒状部463は、その内側に第2弾性体474及び第2鍔部456が挿入されている。この状態で、第2締結具458は、第2鍔部456を第2弾性体474に押し付ける状態でねじ止めされている。
図18C、図20に示すように、第1弾性体471は、その一部(例えば周面471c)が露出している。一方、第2弾性体474は、本体部464の筒状部463の内側に収容され且つ第2鍔部456で挟み込まれている。つまり、第2弾性体474は、露出していない。作業者は、第1弾性体471の周面471c(つまり露出する部分)を目視することができる。このため、連結体460を分解することなく、第1弾性体471の状態(例えば経年変化)を確認することができ、第1弾性体471及び第2弾性体474の少なくとも一方を必要に応じて適切な時期に交換などを行うことができる。
図22に示すように、移植機1は、植付作業機4をローリング軸心X1回りに揺動させるローリング機構135を有している。ローリング機構135は、ローリングモータ136と、ローリングローラ137と、索体138とを有している。ローリングモータ136及びローリングローラ137は、装着フレーム124(作業機装着装置123)に設けられている。ローリングモータ136及びローリングローラ137は、ローリング軸54よりも上方で且つメインフレーム37の機体幅方向K2の中央部に対応する位置に配置されている。ローリングローラ137は、ローリングモータ136よりも上方に配置されている。ローリングモータ136は、正逆転可能な電動モータで構成される。また、ローリングモータ136は、制御装置131に接続されている。制御装置131は、ローリング機構135を制御する。
図23、図24に示すように、ローリングモータ136の動力は、伝動機構(ギヤ伝動機構)139を介してローリングローラ137に伝達される。伝動機構139は、ローリングモータ136の動力によって回転駆動される第1ギヤ139Aと、第1ギヤ139Aに噛み合う第2ギヤ139Bとを有する。第2ギヤ139Bは第1ギヤ139Aよりも大径で且つローリングローラ137と一体回転する。したがって、ローリングモータ136の動力によってローリングローラ137が正逆に回転する。
索体138は、例えば、ワイヤ又はケーブル等によって形成され、ローリングローラ1
37に巻掛けられている。索体138の一側(右側)138Rは、ローリングローラ137から一側方(右側方)に延出され、他側(左側)138Lは、ローリングローラ137から他側方(左側方)に延出されている。索体138の一側138Rは、植付作業機4の機体幅方向K2の一側に連結され、他側138Lは、植付作業機4の機体幅方向K2の他側に連結される。詳しくは、図22に示すように、索体138の一側138Rは、第1緩衝バネ140Rの一端側に連結され、他側138Lは、第2緩衝バネ140Lの一端側に連結されている。第1緩衝バネ140Rの他端側は、メインフレーム37の第1バネ掛けステー52Rに引っ掛けられ、第2緩衝バネ140Lの他端側は、第2バネ掛けステー52Lに引っ掛けられている。つまり、索体138の一端側は、第1緩衝バネ140Rを介してメインフレーム37の機体幅方向K2の一側に連結され、他端側は、第2緩衝バネ140Lを介してメインフレーム37の機体幅方向K2の他側に連結されている。
ローリングモータ136によってローリングローラ137を正逆一方向へ回転させると、例えば、図22の時計回りの方向に回転させると、索体138の左側が引っ張られる。これにより、メインフレーム37(植付作業機4)が、ローリング軸心X1回りに図22の時計回りの方向に揺動する。また、ローリングモータ136によってローリングローラ137を正逆他方向(図22の反時計回りの方向)へ回転させると、索体138の右側が引っ張られる。これにより、メインフレーム37(植付作業機4)が、ローリング軸心X1回りに図22の反時計回りの方向に揺動する。上記のようにメインフレーム37(植付作業機4)は、ローリング軸心X1回りに自由揺動可能である。
図23に示すように、装着フレーム124には、植付作業機4のローリング軸心X1回りの大きな揺動を検出する検出センサ141が設けられている。検出センサ141は、植付作業機4の時計回り方向の揺動を検出する第1リミットスイッチ141Rと、植付作業機4の反時計回り方向の揺動を検出する第2リミットスイッチ141Lとを含む。第2ギヤ139Bの多数の歯のうちの一つは、他の歯よりギヤの径方向外方に突出する検出歯142とされており、この検出歯142が第1リミットスイッチ141R又は第2リミットスイッチ141Lの接触子に接触することにより、植付作業機4のローリング軸心X1回りの大きな揺動が検出される。第1リミットスイッチ141R又は第2リミットスイッチ141Lが、検出歯142を検出すると、例えば、ローリングモータ136の駆動を停止する。
図1Bに示すように、植付作業機4は、右植付体12Rの前方側に配置された第1感知ローラ126R(感知ローラ126)と、左植付体12Lの前方に配置された第2感知ローラ126L(感知ローラ126)とを有する。第1感知ローラ126Rは、第1ユニットフレーム38Rに設けられている。即ち、第1移植ユニット63Rは、第1感知ローラ126Rを含む。第2感知ローラ126Lは、第2ユニットフレーム38Lに設けられている。即ち、第2移植ユニット63Lは、第2感知ローラ126Lを含む。
図22に示すように、第1感知ローラ126Rは、右植付体12Rに対応する圃場6の植付面である第1植付面144Rの高さを検出するための部材である。言い換えると、第1感知ローラ126Rは、右植付体12Rで苗7を植え付ける第1畝143Rの高さを検出するための部材である。
第2感知ローラ126Lは、左植付体12Lに対応する圃場6の植付面である第2植付面144Lの高さを検出するための部材である。言い換えると、第2感知ローラ126Lは、左植付体12Lで苗7を植え付ける第2畝143Lの高さを検出するための部材である。
第1感知ローラ126Rは、第1植付面144R上を転動し、第1植付面144Rの高
さ変化に追従して上下動する。第2感知ローラ126Lは、第2植付面144L上を転動し、第2植付面144Lの高さ変化に追従して上下動する。
図25に示すように、第1感知ローラ126Rは、第1ユニットフレーム38Rに第1ローラ支持機構145Rによって上下揺動可能に支持される。第2感知ローラ126Lは、第2ユニットフレーム38Lに第2ローラ支持機構145Lによって上下揺動可能に支持される。
第1ローラ支持機構145Rは、第1感知ローラ126Rを上下揺動可能に支持する第1ローラブラケット146Rと、第1ローラブラケット146Rを下方に付勢して第1感知ローラ126Rを圃場面(地面)に押し付ける第1付勢バネ(バネ)147Rとを有する。第1ローラブラケット146Rは、第1アーム148Aと、第2アーム148Bと、連結部材148Cとを有している。第1アーム148Aは、第1感知ローラ126Rの機体外方側に配置され、第2アーム148Bは、第1感知ローラ126Rの機体内方側に配置されている。第1アーム148A及び第2アーム148Bは、第1感知ローラ126Rから前方に突出している。連結部材148Cは、第1感知ローラ126Rの前方側で、第1アーム148Aと第2アーム148Bとを連結している。
図25、図27に示すように、第1ユニットフレーム38Rには、支持ブラケット149が設けられている。支持ブラケット149は、第1ユニットブラケット69と第2ユニットブラケット70とにわたって設けられた固定板149Aと、固定板149Aに固定された取付プレート149Bとを有する。取付プレート149Bは、第1感知ローラ126Rの前方に配置されている。取付プレート149Bは、第1感知ローラ126Rの機体幅方向K2の幅に対応する幅に形成されている。また、取付プレート149Bは、機体幅方向K2の外端側の第1側板部149aと機体幅方向K2の内端側の第2側板部149bとを有する。第1アーム148A及び第2アーム148Bの前部は、枢軸150によって第1側板部149a及び第2側板部149bに枢支されている。第1アーム148A及び第2アーム148Bの後部に第1感知ローラ126Rが機体幅方向K2に延伸する軸心を有するローラ軸151によって回転可能に支持されている。
図25、図26に示すように、第1付勢バネ147Rは、圧縮コイルバネで形成され、ロッド部材152の外側に嵌められている。ロッド部材152の下部は、第2アーム148Bに固定されたロッド支軸153に枢支されている。ロッド部材152の上部は、第1ユニットフレーム38Rの第2サイドフレーム65Bに固定された支持ステー154にロッド部材152の軸心方向に沿って上下動可能に支持されている。第1付勢バネ147Rは、ロッド部材152に取り付けられたバネ受け板155と支持ステー154との間に圧縮状に介在されている。
第2ローラ支持機構145Lは、第2感知ローラ126Lを上下揺動可能に支持する第2ローラブラケット146Lと、第2ローラブラケット146Lを下方に付勢して第2感知ローラ126Lを圃場面(地面)に押し付ける第2付勢バネ(バネ)147Lとを有する。第2ローラブラケット146Lは、第1ローラブラケット146Rと同様に構成されている。第2ローラブラケット146Lは、支持ブラケット149によって第2ユニットフレーム38Lに支持され、ローラ軸151によって第2感知ローラ126Lを回転可能に支持する。第2付勢バネ147Lは、圧縮コイルバネによって形成され、第2ユニットフレーム38L側のロッド部材152に嵌められている。該ロッド部材152は、第2ローラブラケット146Lに枢支されると共に、第2ユニットフレーム38Lの第2サイドフレーム65Bに固定された支持ステー154に支持されている。
第1植付面144Rの高さ(高さ変化)は、第1ローラブラケット146Rの揺動量(
第1感知ローラ126Rの上下方向の位置の変化量)を第1センサ機構156Rによって検出する。第2植付面144Lの高さ(高さ変化)は、第2ローラブラケット146Lの揺動量(第2感知ローラ126Lの上下方向の位置の変化量)を第2センサ機構156Lによって検出する。
図25、図27に示すように、第1センサ機構156Rは、第1高さ検出センサ157Rと、第1検出アーム159Rとを有している。第1高さ検出センサ157Rは、ポテンショメータで形成されている。第1高さ検出センサ157Rは、第1ユニットフレーム38R側の第2側板部149bに固定されたセンサブラケット158に取り付けられている。第1検出アーム159Rは、アーム本体160と当接子161とを有する。アーム本体160は、前部が第1高さ検出センサ157Rの回転検出子に連結されており、該回転検出子と共に回転可能である。当接子161は、アーム本体160の後部に固定されている。当接子161は、ピンによって形成され、第1ローラブラケット146Rの第2アーム148B上に当接している。アーム本体160は、第1ローラブラケット146Rと同心状に上下揺動可能であり、第1検出アーム159Rが第1ローラブラケット146Rと共に上下揺動することにより、第1高さ検出センサ157Rが第1ローラブラケット146Rの揺動量を検出する。これにより、第1植付面144Rの高さ(高さ変化)を検出することができる。
第2センサ機構156Lは、第2高さ検出センサ157Lと、第2検出アーム159Lとを有している。第2高さ検出センサ157Lも、ポテンショメータで形成されている。第2高さ検出センサ157Lは、第2ユニットフレーム38L側の第2側板部149bに固定されたセンサブラケット158に取り付けられている。第2検出アーム159Lは、アーム本体160と当接子161とを有する。アーム本体160は、前部が第2高さ検出センサ157Lの回転検出子に連結されており、該回転検出子と共に回転可能である。当接子161は、アーム本体160の後部に固定されている。当接子161は、ピンによって形成され、第2ローラブラケット146Lの第2アーム148B上に当接している。アーム本体160は、第2ローラブラケット146Lと同心状に上下揺動可能であり、第2検出アーム159Lが第2ローラブラケット146Lと共に上下揺動することにより、第2高さ検出センサ157Lが第2ローラブラケット146Lの揺動量を検出する。これにより、第2植付面144Lの高さ(高さ変化)を検出することができる。
図25、図26に示すように、第1ローラ支持機構145Rには、第1感知ローラ126Rの泥落としをするスクレーパ162が設けられている。スクレーパ162は、スクレーパブラケット163に取り付けられている。スクレーパブラケット163は、第1感知ローラ126Rを跨ぐように設けられて第1ローラブラケット146Rに固定されている。第2ローラ支持機構145Lにも、同様に第2感知ローラ126Lの泥落としをするスクレーパ162が設けられている。
図22に示すように、第1高さ検出センサ157R及び第2高さ検出センサ157Lは、制御装置131に接続され、検出値を制御装置131に送信する。制御装置131は、第1高さ検出センサ157R及び第2高さ検出センサ157Lで検出した検出値を取得する。
第1植付面144Rと第2植付面144Lとに高さの差があると、右植付体12Rで植え付ける苗7の植付け深さと、左植付体12Lで植え付ける苗7の植付け深さとが異なることとなる。そこで、第1植付面144Rと第2植付面144Lとに高さの差が生じると、第1植付面144R(植付面)に対する右植付体12Rの高さである第1高さH1と第2植付面144L(植付面)に対する左植付体12Lの高さである第2高さH2とを所定の高さにすべく、植付作業機4をローリング軸心X1回りに揺動させる。詳しくは、制御
装置131は、第1感知ローラ126R及び第2感知ローラ126Lによって検出される検出値に基づいて、第1高さH1と第2高さH2との高さの差を算出し、この高さの差を減少させる方向に植付作業機4をローリング軸心X1回りに揺動させる。言い換えると、制御装置131は、第1感知ローラ126R及び第2感知ローラ126Lによって検出される検出値に基づいて、第1感知ローラ126Rと第2感知ローラ126Lとの高さの差を算出し、この第1感知ローラ126Rと第2感知ローラ126Lとの高さの差を減少させる方向に植付作業機4をローリング軸心X1回りに揺動させる。
より具体的には、第1植付面144Rに対して第2植付面144Lが高いと、第1感知ローラ126Rと第2感知ローラ126Lとに高さの差が生じる。この場合、制御装置131は、植付作業機4をローリング軸心X1回りに左側が上がり右側が下がるように揺動させる。これにより、基本的には、右植付体12Rで植え付ける苗7の植付け深さと、左植付体12Lで植え付ける苗7の植付け深さとを同じ深さにする。なお、後述する角度調節部194によって、予め、第1高さH1と第2高さH2とに、高さの差を設けている場合は、この設定した高さにもどるように、植付作業機4をローリング軸心X1回りに揺動させる。
また、制御装置131は、第1感知ローラ126R又は第2感知ローラ126Lうちの一方の感知ローラによって検出される植付面(圃場6)の凹凸に基づいて植付作業機4を昇降させ、前記一方の感知ローラを基準として第1感知ローラ126Rと第2感知ローラ126Lとの高さの差を算出する。
本実施形態では、第1感知ローラ126Rで第1植付面144Rの凹凸を検出し、この第1植付面144Rの凹凸に応じて植付作業機4を昇降することで、機体前後方向(矢印K1)つまり畝の長手方向における苗7の植付深さを同じ深さにする。具体的には、植付面が高くなると、植付作業機4を上昇し、植付面が低くなると、植付作業機4を下降させる。また、第1感知ローラ126Rを基準として第1感知ローラ126Rに対する第2感知ローラ126Lの高さによって高さの差を算出する。第1感知ローラ126R又は第2感知ローラ126Lうちの一方の感知ローラを基準に第1感知ローラ126Rと第2感知ローラ126Lとの高さの差を算出することにより、植付作業機4をローリング軸心X1回りに揺動させるローリング制御を安定的に行うことができる。
なお、第2感知ローラ126Lで第2植付面144Lの凹凸を検出して、植付作業機4を昇降し、第2感知ローラ126Lを基準として第1感知ローラ126Rと第2感知ローラ126Lとの高さの差を算出してもよい。
また、本実施形態では、第1感知ローラ126Rと第2感知ローラ126Lとの高さの差が所定未満である場合は、制御装置131によるローリング制御は行われず、植付作業機4のローリング軸心X1回りの自由揺動で高さの差が吸収される。制御装置131は、第1植付面144Rと第2植付面144Lとの高さの差が所定以上になるとローリング機構135を作動させて、ローリング制御を行う。
図28に示すように、第1ユニットフレーム38R及び第2ユニットフレーム38Lには、それぞれ揺動フレーム164が上下揺動可能に設けられている。第1ユニットフレーム38R及び第2ユニットフレーム38Lは、メインフレーム37に対して固定であるので、揺動フレーム164は、メインフレーム37(移植フレーム36)に対して上下揺動可能である。
第1ユニットフレーム38Rに設けられた揺動フレーム164を第1揺動フレーム164Rといい、第2ユニットフレーム38Lに設けられた揺動フレーム164を第2揺動フレーム164Lという。第1揺動フレーム164Rと第2揺動フレーム164Lとは、左右対称で同様の構造で形成されているので、第1揺動フレーム164Rと第2揺動フレーム164Lとを纏めて説明する。
図28、図29に示すように、揺動フレーム164は、機体外方側の第1側枠部164Aと、機体内方側の第2側枠部164Bと、第1側枠部164Aと第2側枠部164Bの前後中途部同士を連結する中間枠部164Cと、第1側枠部164Aと第2側枠部164Bの後部同士を連結する後枠部164Dと、第1側枠部164Aの前部にボルト又は溶接等によって固定された第1支持部164Eと、第2側枠部164Bの前部にボルト又は溶接等によって固定された第2支持部164Fとを有する。
第1支持部164Eは、第1ユニットブラケット69に横軸(機体幅方向に延伸する軸心)回りに回転可能に支持され、第2支持部164Fは、第2ユニットブラケット70に横軸回りに回動可能に支持されている。したがって、揺動フレーム164は、後部が上下に揺動可能である。詳しくは、第1ユニットブラケット69と第2ユニットブラケット70とにわたって植付駆動軸165が横軸回りに回転可能に支持され、この植付駆動軸165に第1支持部164E及び第2支持部164Fが回転可能に支持されている。植付駆動軸165には、伝動ギヤ166が一体回転可能に設けられており、この伝動ギヤ166に駆動主軸71から回転動力が伝達されて植付駆動軸165が回転する。
図28、図29に示すように、第1揺動フレーム164Rには、第1植付昇降機構167R(植付昇降機構167)が設けられ、この第1植付昇降機構167Rに右植付体12Rが上下に往復移動可能に設けられている。第2揺動フレーム164Lには、第2植付昇降機構167L(植付昇降機構167)が設けられ、この第2植付昇降機構167Lに左植付体12Lが上下に往復移動可能に設けられている。右植付体12R及び第1植付昇降機構167Rは、第1植付装置35R(植付装置35)を構成し、左植付体12L及び第2植付昇降機構167Lは、第2植付装置35L(植付装置35)を構成している。
第1覆土輪62Rは、第1揺動フレーム164Rに第1ローラフレーム(ローラフレーム168)168Rによって上下揺動可能に支持されている。第2覆土輪62Lは、揺動フレーム164に第2ローラフレーム168L(ローラフレーム168)に上下揺動可能に支持されている。
第1ローラフレーム168Rと第2ローラフレーム168Lとは、同様の構造で形成されているので、第1ローラフレーム168Rと第2ローラフレーム168Lとを纏めて説明する。
図29、図30に示すように、ローラフレーム168は、パイプ材等によって形成され、機体外方側の第1側杆部168Aと、機体内方側の第2側杆部168Bと、後部の後杆部168Cとを有する。第1側杆部168Aは、機体前後方向に延伸する第1部位168aと、第1部位168aの後端から上方に延出する第2部位168bとを有する。第1部位168aの前部は、第1サイドフレーム65Aから下方に突出するブラケット部材169に横軸回りに回転可能に連結されている。第2側杆部168Bは、機体前後方向に延伸する第1部位168cと、第1部位168cの後端から上方に延出する第2部位168dとを有する。第1部位168cの前部は、第2サイドフレーム65Bから下方に突出するブラケット部材170に横軸回りに回転可能に連結されている。後杆部168Cは、第1側杆部168Aと第2側杆部168Bとの後部同士を連結している。詳しくは、第2部位168bと第2部位168dの上端部同士を連結している。覆土輪62は、第1部位168aの後部と第1部位168cの後部とにステー部材171を介して取り付けられている。
第1揺動フレーム164Rと第1ローラフレーム168Rとにわたって第1植付深さ調節機構172R(植付深さ調節機構172)が設けられ、第2揺動フレーム164Lと第2ローラフレーム168Lとにわたって第2植付深さ調節機構172L(植付深さ調節機構172)が設けられている。第1植付深さ調節機構172Rと第2植付深さ調節機構172Lとは、同様の構造で形成されているので、第1植付深さ調節機構172Rと第2植付深さ調節機構172Lとを纏めて説明する。
植付深さ調節機構172は、ローラフレーム168と揺動フレーム164との間隔を変更可能に固定し且つ間隔を変更することで苗7の植付深さを調節する機構である。
図29、図30に示すように、植付深さ調節機構172は、機構フレーム173と、アジャストモータ174と、駆動機構175と、リンク部材176とを有している。機構フレーム173は、揺動フレーム164の後枠部164Dに立設されている。アジャストモータ174は、電動モータによって形成され、制御装置131に接続されている。アジャストモータ174は、機構フレーム173に取り付けられている。詳しくは、アジャストモータ174は、機構フレーム173の上部に取り付けられている。駆動機構175は、アジャストモータ174によって駆動される。詳しくは、駆動機構175は、アジャストモータ174によって駆動される第1ギヤ177と、第1ギヤ177に噛合して回転する第2ギヤ178とを有する。リンク部材176は、駆動機構175とローラフレーム168とを連結し且つ駆動機構175の駆動に連動して上下動する。
第1ギヤ177は、ピニオンギヤによって形成され、第2ギヤ178は、セクタギヤによって形成されている。第1ギヤ(ピニオンギヤ)177は、機構フレーム173の上部に回転可能に取り付けられている。第2ギヤ(セクタギヤ)178は、下部が機構フレーム173に枢支され、上部に第1ギヤ(ピニオンギヤ)177に噛み合うギヤ部178aを有している。第2ギヤ178(セクタギヤ)は、リンク部材176を連結する連結部178bを有している。リンク部材176は、上部176aが連結部178bに球継ぎ手を介して連結されている。リンク部材176の下部176bは、球継ぎ手を介して、後杆部168Cに固定されたブラケット部材179に連結されている。
上記の植付深さ調節機構172にあっては、アジャストモータ174によって第1ギヤ177を回転させることにより、第2ギヤ178が枢支部180回りに揺動する。第2ギヤ178が揺動すると、連結部178bが上下動してリンク部材176を上下動させる。リンク部材176が上下動すると、ローラフレーム168に対して揺動フレーム164が上下に揺動する。これにより、ローラフレーム168と揺動フレーム164との間隔が変わると共に、覆土輪62に対する植付体12の高さが変わる。覆土輪62に対する植付体12の高さを変えると、植付面に対する植付体12の高さが変わるので、植付深さを変更することができる。また、アジャストモータ174の駆動を止めることにより、ローラフレーム168と揺動フレーム164との間隔が固定され、設定した植付深さを維持することができる。
揺動フレーム164は、覆土輪62が圃場6の凹凸に追従することで上下に揺動する。揺動フレーム164は、揺動許容範囲の中央に位置するように設定されている。植付深さを変更すると、揺動フレーム164は、移植フレーム36に対して上下揺動するので、移植フレーム36に対する上下方向の相対位置が変わる。そこで、ローラフレーム168と揺動フレーム164との間隔を変更すると、制御装置131は、ローラフレーム168と揺動フレーム164との間隔の変更に応じて移植フレーム36に対する揺動フレーム164の相対位置を戻す方向にメインフレーム37(移植フレーム36)を昇降させる。
植付深さ調節機構172は、ローラフレーム168と揺動フレーム164との間隔の変更量を検出する検出部182を有している。検出部182は、制御装置131に接続されていて、ローラフレーム168と揺動フレーム164との間隔の変更量を制御装置131にフィードバックする。検出部182は、例えば、ポテンショメータで構成される。検出部182の回転検出子は、第2ギヤ178を枢支する枢軸181に連結されている。枢軸181は、第2ギヤ178と一体回転する。したがって、検出部182は、第2ギヤ178の回転量を検出する。
図31は、覆土輪62の覆土圧(覆土輪62が地面を押圧する力)の調節を行う覆土圧調節機構183を示している。覆土圧調節機構183は、支持板185と、操作レバー184と、バネ掛けアーム186と、第1固定ブラケット187A、と第2固定ブラケット187Bと、連動リンク188と、調節バネ189とを有する。
支持板185は、ユニットフレーム38の後部に固定されている。操作レバー184は、支持板185に枢軸185Aによって揺動操作可能に取り付けられている。バネ掛けアーム186は、操作レバー184にボルトによって固定されていて操作レバー184と一体揺動する。第1固定ブラケット187Aは、揺動フレーム164に固定されている。第2固定ブラケット187Bは、ユニットフレーム38に固定されている。連動リンク188は、第1固定ブラケット187Aに枢支された第1リンク188Aと、第2固定ブラケット187Bに枢支された第2リンク188Bとを有している。第1リンク188Aと第2リンク188Bとは、枢支連結されている。調節バネ189は、引張りコイルバネによって形成され、一端がバネ掛けアーム186の端部に形成された係止穴186aに引っ掛けられ、他端が第1リンク188Aに形成された係止穴188aに引っ掛けられている。
覆土圧調節機構183にあっては、操作レバー184を枢軸185A回りに揺動させることにより、調節バネ189のバネ力を変化させることにより、覆土圧を調節することができる。支持板185の上部には、複数の係止部185aが設けられていて、操作レバー184の係止片184aを係止部185aに係止することで、操作レバー184を複数の位置に固定することができる。
図32に示すように、植付深さ調節機構172は、操作部127によって操作される。図1A、図1Bに示すように、操作部127は、運転席3の近傍に設けられている。詳しくは、操作部127は、運転席3の前方のステアリングコラム27の上部に、前方に向かうにつれて上方に移行する傾斜状に設けられている。また、操作部127は、ステアリングハンドル25の下方に配置されている。また、操作部127は、運転席3に着座したオペレータが操作可能である。図17、図30に示すように、操作部127は、制御装置131に接続されている。
図32に示すように、操作部127は、制御装置131に植付深さ調節機構172を操作する操作信号を送る。また、操作部127は、植付深さ調節機構172を操作する植付深さ調節部190を有する。植付深さ調節部190は、操作部127の後部(下部)に設けられている。植付深さ調節部190は、操作ダイヤル(回転操作部材)191と、操作ダイヤル191の回転位置を示す指標192と有している。指標192は、操作ダイヤル191の上面に設けられている。植付深さ調節機構172(アジャストモータ174)は、操作ダイヤル191を左又は右に回転操作することで操作される。植付深さ調節部190は、操作ダイヤル191の操作方向を示す深さ表示部193を有する。深さ表示部193は、操作ダイヤル191の右側に設けられた「深い」の文字と、操作ダイヤル191の左側に設けられた「浅い」の文字とを有する。
上記の植付深さ調節部190にあっては、操作ダイヤル191を右に回すと、操作部1
27から制御装置131に第1操作信号S1が送られる。制御装置131は、第1操作信号S1を取得すると、植付深さを深くする方向に植付深さ調節部190を作動させる。指標192が図32に示す前方(上方)を向く状態で基準の植付け深さに設定されており、操作ダイヤル191を指標192が前方を向く状態から右に回せば回すほど植付け深さが基準の深さから深くなる。また、操作ダイヤル191を左に回すと操作部127から制御装置131に第2操作信号S2が送られる。制御装置131は、第2操作信号S2を取得すると、植付深さを浅くする方向に植付深さ調節部190を作動させる。操作ダイヤル191を指標192が前方を向く状態から左に回せば回すほど植付け深さが基準の深さから浅くなる。なお、操作ダイヤル191を右に回すと植付深さを深くし、左に回すと植付深さを浅くするようにしてもよい。
操作ダイヤル191は、段階的に操作可能であって、植付け深さは、段階的に調節可能である。操作ダイヤル191を連続的に操作可能にして、植付け深さを連続的に調節可能としてもよい。
オペレータ2は、植付深さ調節部190によって運転席3に着座した状態で植付深さ調節機構172を操作することができるので、苗7の植付深さの調節を容易に行える。
操作部127は、角度調節部194を有している。角度調節部194は、植付作業機4の機体幅方向K2の一側をローリング軸心X1回りに下げるか又は他側を下げるかの操作を行う。植付作業機4の機体幅方向K2の一側を下げることにより、該一側の植付体12が下がり、植付作業機4の機体幅方向K2の他側を下げることにより、該他側の植付体12が下がる。これにより、植付け深さの微調節を行うことができる。
例えば、第1植付面144Rと第2植付面144Lとが同じ高さであっても、右植付体12Rで植え付ける苗7の植付け深さと、左植付体12Lで植え付ける苗7の植付け深さとが若干異なる場合がある。このようなときに、例えば、植付け深さの浅めの方の植付体12を下げることにより、植付け深さの微調節を行う。ローリング制御は、この調節を行った状態で行われる。
図32に示すように、角度調節部194は、操作部127の前部(上部)に設けられ、機体幅方向K2で横並びに配置された右下げ用スイッチ195及び左下げ用スイッチ196を有している。右下げ用スイッチ195は、植付作業機4の一側(第1植付体配置側)をローリング軸心X1回りに下げる第1下げ信号を制御装置131に送る。言い換えると、右下げ用スイッチ195は、ローリング軸心X1回りに植付作業機4の第1植付体配置側を下げる第1下げ信号S3を制御装置131に送る。制御装置131は、第1下げ信号S3を取得すると、植付作業機4の右側を下げる。
左下げ用スイッチ196は、植付作業機4の機体幅方向K2の他側(第2植付体配置側)をローリング軸心X1回りに下げる第2下げ信号S4を制御装置131に送る。制御装置131は、第2下げ信号S4を取得すると、植付作業機4の左側を下げる。
例えば、右下げ用スイッチ195又は左下げ用スイッチ196を押すごとに、植付作業機4がローリング軸心X1回りに所定角度回転し、植付け深さを所定の寸法単位(数ミリ単位又は数センチ単位)で微調節することができる。なお、これに限定されることはない。
また、操作部127は、移植部高さ調節部197を有する。移植部高さ調節部197は、操作部127の中途部(角度調節部194と植付深さ調節部190との間)に配置されており、上げスイッチ198と、下げスイッチ199とを有する。下げスイッチ199は、上げスイッチ198の右方で且つ後方(下方)に配置されている。
移植部高さ調節部197は、感知ローラ126と覆土輪62の沈み込み量の差を補正する。また、機械的・電気的な初期値のずれの補正にも使用する。狙いは揺動フレーム164が揺動範囲の上または下に大きくずれないようにするためである。
これについて、以下に詳しく説明する。また、以下の説明で記載する数値は、例示的なものであって限定的なものではない。
前部(植付駆動軸165)を支点に上下揺動する揺動フレーム164に植付体12及び覆土輪62が付けられており、揺動フレーム164に対して(接地している)覆土輪62を、例えば、1cm上げると、揺動フレーム164が下がって植付体12が地中に約1cm深く入り、植付深さが約1cm深くなる。
揺動フレーム164は覆土輪62部分で約4cmの揺動範囲があり、覆土輪62が揺動範囲の中央にあれば畝の凹凸が±2cmあっても植付深さを一定に保つことができる。
しかし移植フレーム36の高さ(揺動フレーム164の回動支点(植付駆動軸165)の高さ)が同じであれば、覆土輪62を1cm上げると、揺動フレーム164が揺動範囲の下側にずれて畝凹凸適応範囲は-1cm~+3cmになる。よって、植付深さを1cm深くする場合は、覆土輪62を1cm上げると共に移植フレーム36を1cm下げて揺動フレーム164が揺動範囲の中央になるようにしている。
なお、植付深さ調節範囲は-2cm~+5cmであり、0は根鉢(苗7の床土)上面と畝上面が同面としている。必ず0が同面になる訳ではなく、深植え側の調節代を多くとっているということである。
ところで、感知ローラ126の接地高さと覆土輪62の接地高さは同じではない。即ち、感知ローラ126より覆土輪62の方が、鎮圧荷重が高いため、覆土輪62が沈み、覆土輪62が感知ローラ126より低くなる。設計上、覆土輪62の方が1cm低くなるとみているが、覆土輪62の鎮圧荷重調節、畝上面の硬さ、マルチフィルムの有無等により沈み込み量の差が変わる。この沈み込み量の差を補正するため、移植部高さ調節部197を設けている。
下げスイッチ199を押すと、移植部高さ調節部197は、補正値(第1補正値S5)を制御装置131に送り、制御装置131は、それに基づいて移植フレーム36を下げる。具体的には、通常では、感知ローラ126と覆土輪62との接地面の差が1cmであるところ、畝が柔らかく覆土輪62の沈み込みが大きく(揺動フレーム164が揺動範囲の下方にずれており)、接地面の差が大きい、例えば、接地面の差が1.5cmであるとすると、下げスイッチ199(「低く」)を押して移植フレーム36を0.5cm下げて(感知ローラを0.5cm上げ)、揺動フレーム164が揺動範囲の中央になるように修正する。
また、上げスイッチ198を押すと、移植部高さ調節部197は、補正値(第2補正値S6)を制御装置131に送り、制御装置131は、それに基づいて移植フレーム36を上げる。具体的には、畝が硬い場合やマルチフィルムがある場合は感知ローラ126と覆土輪62の接地面高さの差が少なく、揺動フレーム164が揺動範囲の上側にずれるため、上げスイッチ198(「高く」)を押して移植フレーム36を上げる。
なお、上げスイッチ198及び下げスイッチ199は、例えば、押すごとに、所定の寸
法単位で数値を変更することができるようにしてもよい。また、植付深さ調節で覆土輪62が2cm狙いなら、感知ローラ126は覆土輪62より1cm高い3cmを狙う。即ち、感知ローラ126の検出値が+1cm(4cm)になると移植フレーム36を上げ、-1cm(2cm)になると移植フレーム36を下げる。また、上げスイッチ198を押して移植フレーム高さを0.5cm「高く」すると感知ローラ126は覆土輪62より(1-0.5=)0.5cm高い2.5cmを目標に制御する(感知ローラ高さ目標値は低くなるが逆に移植フレーム高さは高くなる。)。 即ち、感知ローラ126の検出値が+1cm(3.5cm)になると移植フレーム36を上げ、-1cm(1.5cm)になると移植フレーム36を下げる。また、下げスイッチ199を押して移植フレーム高さを0.5cm「低く」すると感知ローラ126は覆土輪62より(1+0.5=)1.5cm高い3.5cmを目標に制御する。即ち、感知ローラ126の検出値が+1cm(4.5cm)になると移植フレーム36を上げ、-1cm(2.5cm)になると移植フレーム36を下げる。
さて、図33、図34A等を参照して、第1植付昇降機構167R及び第2植付昇降機構167Lを説明する。第1植付昇降機構167Rと第2植付昇降機構167Lとは、左右対称で同様の構造で形成されているので、第1植付昇降機構167Rと第2植付昇降機構167Lとを纏めて説明する。
図33、図34Aに示すように、植付昇降機構167は、回転ケース201を備えている。回転ケース201は、第1側枠部164Aに第1支軸202を介して回転自在に支持されている。詳しくは、第1側枠部164Aに設けられたブラケット部材169に軸受部材204を設け、この軸受部材204に第1支軸202を回転可能に支持し、第1支軸202に回転ケース201の入力軸205が連結され、第1支軸202に回転ケース201が支持されている。第1支軸202には、スプロケット203が一体回転可能に取り付けられている。図28に示すように、スプロケット203には、植付駆動軸165に一体回転可能に取り付けられたスプロケット207から動力が伝達される。
図34B、図34Cに示すように、回転ケース201には、2個の出力軸215(第1の出力軸215A及び第2の出力軸215B)が設けられている。2個の出力軸215には、支持板111がそれぞれ固定されている。支持板111に形成された取付孔111Aに出力軸215が挿入されて固定されている。各支持板111には植付体12が設けられている。このため、出力軸215の回転により、支持板111が回転し、図36A~図36Fに示すように、2個の植付体12(第1の植付体12及び第2の植付体12)がそれぞれ回転する。即ち、回転ケース201が半回転すると、1個目の植付体12によって野菜の苗の植え付けがされ、さらに半回転すると、2個目の植付体12によって野菜の苗の植え付けがされる。言い換えれば、回転ケース201が1回転すると、2個の植付体12によって野菜の苗の植え付けがされる。つまり、植付昇降機構167は、2連ロータリカップの構成となっている。
2個の植付体12については、同一構成であるため、一方の植付体12についてのみ説明する。図34A~図34Eに示すように、植付体12は、前後に開閉可能な開口器206で形成されている。詳しくは、植付体12は、前構成体206Aと後構成体206Bとを有する。前構成体206Aの上部前側には上部前板115Aが設けられ、上部前板115Aに枢軸112Aが形成されている。後構成体206Bの上部後側には上部後板115Bが設けられ、上部後板115Bに枢軸112Bが形成されている。枢軸112A及び枢軸112Bには、軸受部材113がそれぞれ設けられている。支持板111の上部には、支持孔部114A、114Bが設けられている。支持板111の支持孔部114Aには、軸受部材113を介して枢軸112Aが挿入され、支持孔部114Bには、軸受部材113を介して枢軸112Bが挿入されている。
図34A、図34Dに示すように、上部前板115Aの後端の切欠き部115A1には、上部後板115Bの前端に形成された軸部115B1が挿入され、上部前板115Aと上部後板115Bとが軸部115B1を軸心として前構成体206Aと後構成体206Bとが開閉可能となっている。上部前板115A及び上部後板115Bにはばね116が係止されている。具体的には、ばね116の一端が上部前板115Aの下端に係止され、ばね116の他端が上部後板115Bの下端に係止されており、このばね116によって植付体12(開口器206)が閉状態となるように付勢されている。
図34A~図34Eに示すように、回転ケース201は、入力軸205の軸方向に二分される第1ケース体201A及び第2ケース体201Bを有する。図34F、図34Gに示すように、第2ケース体201Bの外側箇所で第1の出力軸215Aの周りには、第1の開口器206を開閉させるための第1の開閉カム214Aが配置されている。第2ケース体201Bの外側箇所で第2の出力軸215Bの周りには、第2の開口器206を開閉させるための第2の開閉カム214Bが配置されている。図34A~図34Eに示すように、上部後板115Bには、開閉カム(第1の開閉カム214A、第2の開閉カム214B)に当接しながら摺動する摺動部117が設けられている。上部後板115Bは、回転ケース201に向けて開閉カムの位置まで突出した突出軸部115B2を有し、この突出軸部115B2の先端側に摺動部117が設けられている。この摺動部117は、例えば、玉軸受であり、開閉カムに摺動する際に回動可能であるので、開閉カムへの摺動抵抗を小さくすることができ、滑らかに摺動させることができる。
図34Gに示すように、第1の開閉カム214A及び第2の開閉カム214Bは、出力軸215を中心とし、出力軸215からの距離が予め定められた第1半径である第1周範囲1LRと、出力軸215からの距離が第1半径よりも長い予め定められた第2半径である第2周範囲2LRと、出力軸215からの距離が第1半径から第2半径又は第2半径から第1半径に遷移する遷移周範囲3LRと、を有する形状である。上部後板115Bの摺動部117が、開閉カム(第1の開閉カム214A、第2の開閉カム214B)の第1周範囲1LRに当接している場合、植付体12(開口器206)が閉状態(図34Aの紙面上側の植付体12を参照)となり、第2周範囲2LRに当接している場合、植付体12(開口器206)が開状態(図34Aの紙面下側の植付体12を参照)となり、遷移周範囲3LRに当接している場合、植付体12(開口器206)が開状態から閉状態又は閉状態から開状態に変化中(図36Fの紙面上側の植付体12を参照)となる。
図35A~図35Dに示すように、回転ケース201は、第1の平歯車G1と、第1の平歯車G1と噛み合う第2の平歯車G2と、第2の平歯車G2と噛み合う第3の平歯車G3と、第3の平歯車G3と噛み合う第4の平歯車G4と、第4の平歯車G4と噛み合う第5の平歯車G5とが内部に配置されている。回転ケース201は、入力軸205の軸方向に二分される第1ケース体201A及び第2ケース体201Bを有する。第1ケース体201A及び第2ケース体201Bの内部空間には、第1~第5の平歯車G1~G5が収容されている。
図35Eに示すように、第1~第5の平歯車G1~G5は、全て同じ大きさであり、平歯車の円形中心から軸心までの偏心距離EDも同じである。なお、図35Eでは、植付体12が上下運動するときの卵形の軌跡Tを図示している関係上、第4、第5の平歯車G4、G5の偏心距離EDの図示を省略している。図35Dに示すように、回転ケース201は、第1~第5の平歯車G1~G5を直線上に並べ、且つ、当該直線上に第1~第5の平歯車G1~G5の軸心J1~J5を揃えた状態で収容している。回転ケース201が上下方向に起立した姿勢(つまり、入力軸205の回転角度が0度及び180度)である場合に、第1~第5の平歯車G1~G5の軸心J1~J5は、当該直線上で、平歯車中心から同一方向側(図35Dでは、紙面の上側)に位置した状態で揃っている。なお、第1~第5の平歯車G1~G5に替えて、はすば歯車、やまば歯車などを用いてもよい。
入力軸205は、回転ケース201の第3の平歯車G3が位置する箇所に設けられている。入力軸205は、第1支軸202からの回転力、つまり、回転ケース201を回転させるための回転力が入力される。第1の出力軸215Aは、第1の平歯車G1の軸心J1と一体成型され、第1の平歯車G1の回転力を出力する。第2の出力軸215Bは、第5の平歯車G5の軸心J5と一体成型され、第5の平歯車G5の回転力を出力する。なお、第1の出力軸215Aは、第1の平歯車G1の軸心J1に結合させた構成であってもよい。第2の出力軸215Bは、第5の平歯車G5の軸心J5に結合させた構成であってもよい。
回転ケース201には、固定部材210が設けられている。固定部材210は、入力軸205及び回転ケース201を回転可能に支持し、且つ、第3の平歯車G3が固定されている。
図35B、図35C及び図36Gに示すように、固定部材210は、入力軸205が筒内に挿入される筒状本体211を備えている。筒状本体211は、回転ケース201に挿入される挿入筒部211Aと、挿入筒部211Aから回転ケース201の外側(正確には、第1ケース体201Aの外側)に突出した突出筒部211Bとを有する。具体的には、挿入筒部211Aは、第1ケース体201Aの長手方向の中央箇所に形成された支持孔201A3及び第2ケース体201Bの長手方向の中央箇所に形成された支持孔201B3に挿入される。図36Gに示すように、突出筒部211Bの筒内には、入力軸205を回転可能に支持する第1軸受212Aが設けられ、挿入筒部211Aの外周には、回転ケース201を回転可能に支持する2個の第2軸受212Bが設けられている。また、第3の平歯車G3の軸心J3には、軸孔G3Aが同一軸心で貫通形成されている。第3の平歯車G3の軸孔G3Aに挿入筒部211Aが嵌入されることにより、第3の平歯車G3が挿入筒部211Aに固定されている。
図36Gに示すように、挿入筒部211Aの外周には、第2軸受212Bが挿入筒部211Aの筒長さ方向に2個間隔を空けて設けられている。2個の第2軸受212Bのうちの一方が、第1ケース体201Aの支持孔201A3に保持され、第1ケース体201Aを回転可能に支持する。また、2個の第2軸受212Bのうちの他方が、第2ケース体201Bの支持孔201B3に保持され、第2ケース体201Bを回転可能に支持する。第3の平歯車G3は、2個の第2軸受212Bの間で挿入筒部211Aに固定されている。
図35B及び図35Cに示すように、第1の平歯車G1の軸心J1の第1ケース体201A側及び第2ケース体201B側には、第3軸受212Cがそれぞれ設けられている。第1ケース体201Aには、保持部201A1が形成されている。第1ケース体201Aの保持部201A1は、第1の平歯車G1の第1ケース体201A側の第3軸受212Cを保持する。保持部201A1は、第1ケース体201Aの内側面に第3軸受212Cが嵌められる窪み形状となっており、第3軸受212Cが保持部201A1に嵌められることで、第3軸受212Cが保持部201A1に保持される。第2ケース体201Bには、保持部201B1が形成されている。第2ケース体201Bの保持部201B1は、第1の平歯車G1の第2ケース体201B側の第3軸受212Cを保持する。保持部201B1は、第2ケース体201Bの内側面に第3軸受212Cが嵌められる窪み形状となっており、第3軸受212Cが保持部201B1に嵌められることで、第3軸受212Cが保持部201B1に保持される。
第1ケース体201Aには、第2の平歯車G2の軸心J2の第1ケース体201A側を
支持する軸支持部201A2が形成されている。軸支持部201A2は、軸心J2が挿入可能な窪み形状となっている。第2ケース体201Bには、第2の平歯車G2の軸心J2の第2ケース体201B側を支持する軸支持部201B2が形成されている。軸支持部201B2は、軸心J2が挿入可能な窪み形状となっている。
第1ケース体201Aには、第4の平歯車G4の軸心J4の第1ケース体201A側を支持する軸支持部201A4が形成されている。軸支持部201A4は、軸心J4が挿入可能な窪み形状となっている。第2ケース体201Bには、第4の平歯車G4の軸心J4の第2ケース体201B側を支持する軸支持部201B4が形成されている。軸支持部201B4は、軸心J4が挿入可能な窪み形状となっている。
第5の平歯車G5の軸心J5の第1ケース体201A側及び第2ケース体201B側には、第3軸受212Cがそれぞれ設けられている。第1ケース体201Aには、保持部201A5が形成されている。第1ケース体201Aの保持部201A5は、第5の平歯車G5の第1ケース体201A側の第3軸受212Cを保持する。保持部201A5は、第1ケース体201Aの内側面に第3軸受212Cが嵌められる窪み形状となっており、第3軸受212Cが保持部201A5に嵌められることで、第3軸受212Cが保持部201A5に保持される。第2ケース体201Bには、保持部201B5が形成されている。第2ケース体201Bの保持部201B5は、第5の平歯車G5の第2ケース体201B側の第3軸受212Cを保持する。保持部201B5は、第2ケース体201Bの内側面に第3軸受212Cが嵌められる窪み形状となっており、第3軸受212Cが保持部201B5に嵌められることで、第3軸受212Cが保持部201B5に保持される。
また、入力軸205は、回転ケース201に挿入された先端部が取付板213に固定されている。例えば、挿入筒部211Aから第2ケース体201Bの外側に突き出た入力軸205の先端部には、固定鍔部205Aが固着される。取付板213は、取付孔213Aを有し、第2ケース体201Bの外側箇所に固定されている。固定鍔部205Aは、取付板213の取付孔213Aに嵌合される。これにより、入力軸205は、その先端部にて取付板213に固定されている。つまり、入力軸205による回転力が回転ケース201に伝達される。また、図34C、図34Fに示すように、取付板213と第2ケース体201Bと第1ケース体201Aとが締結部材216Aにより共締めされている。
また、第1の開閉カム214Aと第2ケース体201Bと第1ケース体201Aとが、締結部材216Bにより共締めされている。第2の開閉カム214Bと第2ケース体201Bと第1ケース体201Aとが、締結部材216Cにより共締めされている。
入力軸205が第1軸受212Aにて回転可能に支持されており、入力軸205による回転力が筒状本体211に伝達されず、取付板213を介して第2ケース体201Bに伝達されるので、回転ケース201が回転し、筒状本体211及び第3の平歯車G3が回転しない。
図35Dに示すように、回転ケース201は、第1の平歯車G1の軸心J1の周面に当接し且つ当該第1の平歯車G1が逆転する場合に当該第1の平歯車G1に係止する爪部材208Aと、爪部材208Aを軸心J1の周面に付勢する付勢部材209Aとを備えている。また、回転ケース201は、第5の平歯車G5の軸心J5の周面に当接し且つ当該第5の平歯車G5が逆転する場合に当該第5の平歯車G5に係止する爪部材208Bと、爪部材208Bを軸心J5の周面に付勢する付勢部材209Bとを備えている。
図36A~図36Fに示すように、植付昇降機構167は、入力軸205への回転力の入力によって回転ケース201が入力軸205回りに矢印Y1の方向に回転することに伴
い、第2の平歯車G2及び第4の平歯車G4が、第3の平歯車G3を介して互いに対向する位置関係を維持しながら第3の平歯車G3の外周に沿ってそれぞれ矢印Y21の方向に回転し、第2の平歯車G2の矢印Y21の方向への回転に伴って第1の平歯車G1が矢印Y22の方向に回転すると共に、第4の平歯車G4の矢印Y21の方向への回転に伴って第5の平歯車G5が矢印Y22の方向に回転することにより、第1の植付体12及び第2の植付体12を卵形の軌跡Tを描いて上下運動させ、第2の植付体12を上昇させているときに第1の植付体12を下降させて圃場に突入させて苗を植え付け、第1の植付体12を上昇させているときに第2の植付体12を下降させて圃場に突入させて苗を植え付ける。
また、図35Eに示すように、第1~第3の平歯車G1~G3が偏心しているので、入力軸205の回転角度が0度~360度に変化(つまり、回転ケース201が1回転)する場合において、入力軸205の回転角度(=回転ケース201の回転角度)が0度及び180度(回転ケース201が上下方向に起立した姿勢である)以外の角度において、入力軸205の回転角度よりも出力軸215の回転角度の方が小さいという差が生じる。図35Eでは、入力軸205の回転角度が例えば、45°、90°、135°、225°、275°、315°のときに、出力軸215の回転角度が約30°、65°、約120°、210°、245°、約300°となっており、入力軸205の回転角度よりも出力軸215の回転角度が小さいという差が生じている。この差に応じた首振り角度で植付体12が首振りされる。もし仮に、第1~第3の平歯車G1~G3の軸心が偏心することなく円形中心である場合、入力軸205の回転角度が0度~360度に変化しても、植付体12が垂下姿勢のままで首振りされない。なお、従前の植付昇降機構では、首振りカムを設けることで、植付体12の首振りを実現していた。これに対して、上記構成では、首振りカムを設けることなく、植付体12の首振りを実現することができる。なお、第3~第5の平歯車G3~G5についても、上記の第1~第3の平歯車G1~G3と同様である。
なお、回転ケース201の回転方向(つまり、入力軸205の回転方向)は矢印Y1と反対方向であってもよい。この場合には、矢印Y21及び矢印Y22も反対方向になる。すなわち、第2の平歯車G2及び第4の平歯車G4が、第3の平歯車G3を介して互いに対向する位置関係を維持しながら第3の平歯車G3の外周に沿ってそれぞれ矢印Y21の反対方向に回転し、第2の平歯車G2の矢印Y21の反対方向への回転に伴って第1の平歯車G1が矢印Y22の反対方向に回転すると共に、第4の平歯車G4の矢印Y21の反対方向への回転に伴って第5の平歯車G5が矢印Y22の反対方向に回転する。
図37に示すように、第1苗載せ台9Rと第2苗載せ台9Lとは、機体幅方向K2で並べて配置されてメインフレーム37に搭載されている。第1苗載せ台9Rと第2苗載せ台9Lとは、メインフレーム37のレール部材(第1レール56、第2レール58)に機体幅方向K2に移動可能に支持されている。
図38に示すように、反転ガイド13は、苗載せ台9の下部の機体幅方向K2中央部、右側及び左側に設けられ、苗載せ台9の下部に設けられた支持杆217に取り付けられている。空トレイガイド14は、苗載せ台9の機体外方側に配置された第1杆部14Aと、苗載せ台9の機体内方側に配置された第2杆部14Bと、第1杆部14Aと第2杆部14Bの上部同士を連結する連結杆部14Cとを有する。苗載せ台9の下部には、右側に設けられた第1収容部218と、左側に設けられた第2収容部219とを有する。
図39、図40に示すように、第1苗載せ台9Rは、第1ホルダ部材221Rを有する。第1ホルダ部材221Rは、上ホルダ222Rと、上ホルダ222Rの下方側に設けられた下ホルダ223Rとを有する。上ホルダ222Rは、第1収容部218に取り付けられる第1ステー224Rと、第2収容部219に取り付けられる第2ステー225Rと、第1ステー224Rと第2ステー225Rとを連結する連結ステー226Rとを有する。連結ステー226Rの機体内方側(左側)には、第1ステー板227Rが固定されている。連結ステー226Rには、連結ブラケット228が固定されている(図46参照)。連結ブラケット228は、第1ステー板227Rの機体外方側に配置されていて第1ステー板227Rにも固定されている。第1苗載せ台9Rの下部には、機体幅方向K2に延伸する作動軸229が機体幅方向K2にわたって且つ回転可能に設けられている。作動軸229の機体外方側は、第1収容部218よりも外方に大きく突出している。作動軸229には、機体幅方向K2で間隔をあけて配置された2つのホロワ230が取り付けられている。
下ホルダ223Rは、第1収容部218に取り付けられる第1ステー231Rと、第2収容部219に取り付けられる第2ステー232Rと、第1ステー231Rと第2ステー232Rとを連結する連結ステー233Rとを有する。
連結ステー226R及び連結ステー233Rには、複数の第1ローラ234Rが回転可能に取り付けられている。連結ステー226Rに取り付けられた第1ローラ234Rは、第1レール56に機体幅方向K2に移動可能に支持されている。連結ステー233Rに取り付けられた第1ローラ234Rは、第2レール58に機体幅方向K2に移動可能に支持されている。
図39、図40に示すように、第2苗載せ台9Lは、第2ホルダ部材221Lを有する。第2ホルダ部材221Lは、上ホルダ222Lと、上ホルダ222Lの下方側に設けられた下ホルダ223Lとを有する。上ホルダ222Lは、第1収容部218に取り付けられる第1ステー224Lと、第2収容部219に取り付けられる第2ステー225Lと、第1ステー224Lと第2ステー225Lとを連結する連結ステー226Lとを有する。連結ステー226Lの機体内方側(右側)には、第2ステー板227Lが固定されている。下ホルダ223Lは、第1収容部218に取り付けられる第1ステー231Lと、第2収容部219に取り付けられる第2ステー232Lと、第1ステー231Lと第2ステー232Lとを連結する連結ステー233Lとを有する。
連結ステー226L及び連結ステー233Lには、複数の第2ローラ234Lが回転可能に取り付けられている。連結ステー226Lに取り付けられた複数の第2ローラ234Lは、第1レール56に機体幅方向K2に移動可能に支持されている。連結ステー233Lに取り付けられた複数の第2ローラ234Lは、第2レール58に機体幅方向K2に移動可能に支持されている。
図39に示すように、第1苗載せ台9Rの左部から第2苗載せ台9Lにわたって機体幅方向K2に延伸する連結部材235が設けられている。第1ステー板227は、連結部材235の右部にボルト固定されている。第2ステー板227Lは、連結部材235に機体幅方向K2に位置調節可能にボルト固定されている。
第1苗載せ台9Rと第2苗載せ台9Lとが連結部材235を介して連結されているので、第1苗載せ台9R及び第2苗載せ台9Lは、第1レール56及び第2レール58に沿って機体幅方向K2に一体的に移動する。
図39は、条間W1が、一番狭い間隔の場合の第1苗載せ台9R及び第2苗載せ台9Lの状態を示している。この状態から、第2ステー板227Lの取付位置を変更することで、条間W1の調節に合わせて、第1苗載せ台9Rと第2苗載せ台9Lとの機体幅方向K2の間隔の調節を行うことができる。
図41は、第1苗載せ台9R及び第2苗載せ台9Lを機体幅方向K2にポット部8aの一ピッチ分間欠的に横送りする横送り機構236を示している。横送り機構236は、第1苗載せ台9Rの下方に配置された横送り軸237を有する。横送り軸237は、機体幅方向K2に延伸して配置され、第1ユニットフレーム38Rに固定された支持体238に支持されている。支持体238は、第1ユニットフレーム38Rのフレーム本体64に設けられている。支持体238は、フレーム本体64に取り付けられた第1ブラケット238Aと、第1ブラケット238Aに固定された第2ブラケット238Bと、第2ブラケット238Bの右端側に固定された第3ブラケット238Cと、第2ブラケット238B及び第3ブラケット238Cに固定されたギヤボックス238Dと、第2ブラケット238Bのギヤボックス238Dとは反対側に設けられた第4ブラケット238Eとを有する。横送り軸237は、ギヤボックス238Dと第4ブラケット238Eとにわたって設けられている。第3ブラケット238Cの下部には、駆動主軸71と一体回転可能で且つ軸心方向に移動可能な第1伝動スプロケット239が設けられている。第1伝動スプロケット239は、第2ブラケット238Bに設けられた第2伝動スプロケット240に動力を伝達可能である。第2伝動スプロケット240に伝達された動力は、該第2伝動スプロケット240に一体回転可能に設けられた入力軸からギヤボックス238D内の伝動機構を介して横送り軸237に伝達される。
横送り軸237には、軸方向に往復する螺旋溝(いわゆるトラバース溝)237aを外周面に形成したナピヤねじが用いられている。横送り軸237には、トラバース溝237aに係合する係合部241aを備えた摺動体241が嵌められている。摺動体241には、連結軸242が設けられ、該連結軸242は、第1苗載せ台9Rの第1ホルダ部材221Rに設けられた連結ブラケット228に連結されている。横送り軸237には、一端側及び他端側に、縦送りカム(操作体)243が固定されている。
横送り軸237が回転すると、トラバース溝237aに沿って係合部241aが案内されて摺動体241を機体幅方向K2に往復移動する。これにより、第1苗載せ台9Rを機体幅方向K2に往復移動可能とされている。また、第1苗載せ台9Rに連結部材235を介して第2苗載せ台9Lが連結されていることから第1苗載せ台9Rと第2苗載せ台9Lとが一体的に機体幅方向K2に往復移動可能である。
条間W1の調節をする場合、第1苗載せ台9Rと第1ユニットフレーム38R(第1移植ユニット63R)とは、横送り機構236を介して連結され且つ第1苗載せ台9Rと第2苗載せ台9Lとは、連結部材235で連結されていることから、第1苗載せ台9R、第2苗載せ台9L及び第1移植ユニット63Rは、機体幅方向K2に一体的に位置調節される。第2移植ユニット63Lは、第1移植ユニット63Rとは別に、位置調節される。第1移植ユニット63Rと第2移植ユニット63Lとを機体幅方向K2に調整した後に、第2苗載せ台9Lを、調節した条間W1に合わせて位置調節する。
図42は、苗トレイ8を傾斜方向に沿って下方にポット部8aの一ピッチ分縦送りする縦送り機構244と苗取出装置11とを示している。縦送り機構244は、各苗載せ台9の第1収容部218及び第2収容部219の各々に設けられたトレイ送り機構245を有する。トレイ送り機構245は、駆動スプロケット246と、従動スプロケット247と、駆動スプロケット246と従動スプロケット247とにわたって巻掛けられたエンドレスの搬送チェーン248とを有する。搬送チェーン248には、ポット部8a間に嵌る搬送ピン249が長手方向に間隔をあけて設けられている。駆動スプロケット246を、図42の矢印Y3方向に回転させることにより、搬送チェーン248及び搬送ピン249を介して苗トレイ8が載置板10に沿って下方に(図42の矢印Y4方向に)縦送りされる。
図42に示すように、苗取出装置11は、苗載せ台9の下部後方に配置され、苗取爪250を有している。苗取爪250は、後方からポット部8a内に突入して苗7の根鉢を突き刺し、根鉢を突き刺した状態でポット部8aから後退することで、ポット部8aから苗7を取り出す。苗取爪250は、苗7を取り出した後、苗7の床土(根鉢)が下方の植付体12に向くように姿勢変更し、その後、苗7を放出して植付体12へ投入する。
さて、本実施形態の移植機1では、自動操舵の開始前の設定を行う設定モードにおいて、オペレータ2による手入力にて各種の情報設定などが可能である。例えば、本実施形態の移植機1では、移植機1を圃場で走行させて基準方位を取得する作業を行うことなく、設定モードにおいてオペレータ2による手入力にて基準方位が設定可能である。また、設定モードでは、基準方位以外の情報についてもオペレータ2による手入力にて設定可能である。このため、設定モードは、自動操舵の開始前において、オペレータ2による手入力により、各種の設定項目の設定値の入力、呼出、変更などが可能なモードである。
制御装置131は、所定操作に基づいて、移植機1を設定モードに移行させる。ここで言う所定操作は、例えば、メインスイッチ354がオフ(つまり、スイッチキーが停止の位置)のときに操舵切換スイッチ351を押した状態で、メインスイッチ354をオン(例えば、スイッチキーを始動又は運転の位置)にした後、2秒以内に操舵切換スイッチ351を離すことである。なお、所定操作は、これ以外の操作であってもよい。なお、移植機1が設定モードでないときには、各種の設定を行うことができない非設定モードである。非設定モードでは、各種の設定を行う以外の作業を許容するモードであり、例えば手動運転又は自動操舵による運転を行うことができる。
図1Dに示すように、制御装置131は、設定部131Cを有している。設定部131Cは、制御装置131に設けられた電気・電子部品、当該制御装置131等に組み込まれたプログラム等から構成されている。設定部131Cは、移植機1の走行及び作業に関する設定(図43Aに示す自動感度設定、方位設定、GPS調整、条間設定、及び、RTK設定など)を行う。方位設定について言えば、設定部131Cは、作業者により入力(例えば手入力)された方位を、基準方位として設定することができる。詳述すると、設定部131Cは、設定モードである場合に、方位の入力(例えば作業者による方位の手入力)を受け付け、入力された方位を基準方位として記憶装置131Bに記憶させる。
図43Aに示すように、記憶装置131Bは、複数の項目(つまり設定項目)と、複数の項目(設定項目)毎の設定値とを対応付けた記憶テーブルDT1を記憶している。複数の設定項目には、自動感度設定(GS感度設定)、方位設定、GPS調整、条間設定、及び、RTK設定の各項目が含まれる。なお、記憶テーブルDT1の設定項目は、大項目と小項目とに大別される。大項目は、最上位の階層である第1階層の項目である。小項目は、第1階層よりも低い第2階層の項目である。自動感度設定の項目、方位設定の項目、GPS調整の項目、条間設定の項目、及び、RTK設定の項目は、全て第1階層の項目である。また、方位設定の項目には、方位入力の項目と、方位呼出の項目とが含まれ、これらが小項目(第2階層の項目)として記憶されている。また、複数の設定項目毎の設定値は、第2階層よりも低い第3階層の値である。設定値は、設定項目の種類によって、第1位、第2位、第3位、及び第4位に階層分けされている。
自動感度設定の項目は、直進操舵の感度設定を行うための項目であり、その設定値は、第1位の値のみが対応付けられ、標準、敏感及び鈍感に大別される。自動感度設定の設定値としては、標準を示す「DEF」、敏感を示す「+数値(+1、+2等の整数)」、鈍感を示す「-数値(-1、-2等の整数)」が設定可能である。標準であれば、位置偏差、方位偏差に対する自動操舵の操舵角を普通とし、敏感であれば、自動操舵の操舵角を、普通よりも前記数値に応じて大きくし、鈍感であれば、自動操舵の操舵角を、普通よりも数値に応じて小さくする。図43Aでは、自動感度設定の項目に対応する設定値として、「DEF」の値が記憶されている。
方位設定の項目は、方位設定に関する項目である。方位入力の項目は、方位情報(つまり、基準方位)を手入力するための小項目であり、その設定値は、方位の整数部の値(方位整数部:第1位の値)と、方位の小数部の値(方位少数部:第2位の値)とが対応付けられている。図43Aでは、方位入力の項目に対応する設定値の第1位の値(方位整数部)として、方位359.99°の整数部を示す「H359」の値が記憶され、第2位の値(方位小数部)として、方位359.99°の小数部(小数点第2位まで)を示す「L_99」の値が記憶されている。
方位呼出の項目は、登録した方位を呼び出すための小項目であり、その設定値は、方位名(第1位の値)と、登録年月日(第2位の値)と、方位整数部(第3位の値)と、方位小数部(第4位の値)と、が対応付けられている。図43Aでは、方位呼出の項目に対応する設定値のうち、第1位の値(方位名)として「A4」(識別番号)、第2位の値(登録年月日)として「2022」、「0823」及び「1658」、第3位の値(方位整数部)として「H359」、第4位の値(方位小数部)として「L_99」の値が記憶されている。
GPS調整の項目は、GPSの位置調整を行うための項目であり、その設定値は、第1位の値のみが対応付けられ、標準、+補正及び-補正に大別される。GPS調整の設定値としては、標準を示す「DEF」、+補正を示す「+数値(+1、+2等の整数)」、-補正を示す「-数値(-1、-2等の整数)」が設定可能である。図43Aでは、GPS調整の項目に対応する設定値として、「DEF」の値が記憶されている。
条間設定の項目は、条間アシストに使用する隣接条間の距離を設定するための項目である。条間アシストは、直進キープ走行開始時に隣接条間の「ズレ」をオペレータ2に知らせて、隣接条間の「ズレ」を無くすように自動操舵によるアシストを行う機能である。条間設定の設定値は、第1位の値のみが対応付けられ、隣接条間の距離である1200mmを示す「1200」、1320mmを示す「1320」などがデフォルト値として記憶されている。これら以外の値をデフォルト値としてもよい。図43Aでは、条間設定の項目に対応する設定値として、「1200」の値が記憶されている。
RTK設定の項目は、RTKに設定を行うための項目であり、その設定値は、第1位の値のみが対応付けられ、標準、カスタムに大別される。図43Aでは、RTK設定の項目に対応する設定値として、標準を示す「DEF」の値が記憶されている。
図43Bに示すように、記憶装置131Bは、方位呼出の項目と複数の方位名とを対応付け、複数の方位名毎に方位情報を対応付けた記憶テーブルDT2を記憶している。図43Bに示す記憶テーブルDT2では、複数の方位名として、1~4番目の方位名(例えば、「A1」~「A4」)が記憶されている。例えば、1番目の方位名(「A1」)には、登録年月日(西暦(例えば2022年)を示す数値「2022」、月日(例えば3月2日)を示す数値「0322」、24時間表示による時分(例えば8時45分)を示す数値「0845」)、方位整数部(例えば「H302」の値)及び方位小数部(例えば「L_79」の値)が対応付けられている。
制御装置131は、設定モードである場合に、複数の項目のうちで選択された項目と、その設定値とを、セグメント表示部361に順番に表示させ、設定値について階層的に分けられた複数の設定値がある場合には当該複数の設定値を階層順にセグメント表示部361に表示させる。
なお、操舵切換スイッチ351は、非設定モードでは自動操舵の開始及び終了を指示するためのボタンであったが、設定モードでは決定ボタンとして機能する。また、第1スイッチ352及び第2スイッチ353は、非設定モードでは基準方位の始点及び終点を指示するためのボタンであったが、設定モードでは選択ボタンとして機能する。例えば、設定モードでは、第1スイッチ352は昇順に変更又は値を増加させ、第2スイッチ353は降順に変更又は値を減少させることができる。つまり、制御装置131は、非設定モードと設定モードとで、操舵切換スイッチ351、第1スイッチ352及び第2スイッチ353の機能(指示内容)を異ならせている。
ここで、オペレータ2が手入力により基準方位を設定する場合について説明する。制御装置131は、設定モードである場合に、第1スイッチ352及び第2スイッチ353の少なくとも一方の操作に基づいて、図44Aに示す複数の項目を切り換えて表示装置360のセグメント表示部361に表示させる。すなわち、セグメント表示部361は、第1スイッチ352の操作があるごとに、自動感度設定(GS感度設定)、方位設定、GPS調整、条間設定、及び、RTK設定の各項目を昇順で切り換えて表示し、第2スイッチ353の操作があるごとに、降順で切り換えて表示する。オペレータ2は、図44Aに示す各種のセグメント表示、つまり、「GAIN」、「A--B」、「I--N」、「READ」、「ADJ」、「JOU」、「GPS」が、自動感度設定(GS感度設定)、方位設定、方位入力、方位呼出、GPS調整、条間設定、及び、RTK設定であることを理解できる。
制御装置131は、方位設定の項目が選択された状態、つまり、セグメント表示部361に図44Bに示す大項目(例えば「A--B」)が表示された状態で操舵切換スイッチ351が操作されると、方位設定の項目に決定し、第1スイッチ352及び第2スイッチ353の少なくとも一方の操作に基づいて、方位入力と方位呼出とを順番に切り換えて表示させる。
制御装置131は、方位入力の項目が選択された状態、つまり、セグメント表示部361に図44Bに示す小項目(例えば「I--N」)が表示された状態で操舵切換スイッチ351が操作されると、記憶装置131Bに記憶された基準方位の方位値をセグメント表示部361に表示させる。具体的には、セグメント表示部361に図44Bに示す設定値である方位整数部(第3階層)の値(「H359」が表示され、所定秒後に続いて設定値である方位小数部(第4階層)の値「L_99」を表示させる。制御装置131は、第1スイッチ352及び第2スイッチ353の少なくとも一方の操作に基づいて、セグメント表示部361に表示された方位値を変更する。例えば、制御装置131は、方位整数部の表示中に第1スイッチ352が操作されると、表示中の方位整数部の値を増加させ、第2スイッチ353が操作されるとその値を減少させる。制御装置131は、操舵切換スイッチ351の操作があると、変更した方位値を基準方位として方位入力の項目に対応付けて記憶装置131Bに記憶させる。例えば、変更された方位値が359.97°であればこの値が基準方位として記憶される。なお、方位値が元の値のままで、操舵切換スイッチ351の操作があった場合には記憶しないとしてもよいし、上書き記憶してもよい。
次に、オペレータ2が手入力により記憶済みの方位(登録された方位)を呼び出して基準方位を変更する場合について説明する。制御装置131は、設定モードである場合に、方位呼出の項目が選択された状態、つまり、セグメント表示部361に図44Aに示す大項目(例えば「READ」)が表示された状態で操舵切換スイッチ351が操作されると、方位呼出の項目に決定する。制御装置131は、記憶装置131Bに記憶された複数の方位名のうちで現在設定されている方位名の方位情報をセグメント表示部361に表示させる。図43Aに示す記憶テーブルDT1には、現在設定されている設定項目及びその設定値(方位名、登録年月日、方位整数部、方位小数部)が記憶されている。このため、図44Cに示すように、制御装置131は、4番目の方位名と、その設定値とを順番にセグメント表示部361に表示させる。つまり、セグメント表示部361は、「A4」、「2022」、「0823」、「1658」、「H359」、「L_99」をその順番で表示する。
制御装置131は、4番目の方位名が表示された状態で第1スイッチ352及び第2スイッチ353の少なくとも一方の操作に基づいて、セグメント表示部361に表示された複数の方位名のうちの任意の方位名を選択可能である。図43Bに示すように記憶テーブルDT2には、1~4番目の方位名とその方位情報が記憶されている。記憶テーブルDT2の2番目の方位名「A2」が選択されると、2番目の方位名「A2」とその設定値が順番に表示される。2番目の方位名「A2」が表示された状態で操舵切換スイッチ351の操作があると、選択された方位名の方位情報が示す方位を基準方位に設定する。例えば、選択された2番目の方位名「A2」の設定値が示す方位値、つまり、図43Bに示す方位名「A2」の方位値である方位358.44°が、基準方位に変更される。
次に、オペレータ2が手入力により条間設定する場合について説明する。制御装置131は、設定モードである場合に、複数の項目の中から条間設定の項目が選択された状態、つまり、セグメント表示部361に図44Aに示す大項目(例えば「JOU」)が表示された状態で操舵切換スイッチ351が操作されると、条間設定の項目に決定する。制御装置131は、記憶装置131Bに記憶された条間設定をセグメント表示部361に表示させる。セグメント表示部361は、図43Aに示す記憶テーブルDT1に記憶された条間設定の設定値、つまり、隣接条間の距離である1200mmを示す「1200」を表示する。
制御装置131は、条間設定の設定値(ここでは「1200」)の表示中に第1スイッチ352が操作されると、表示中の設定値を増加させ、第2スイッチ353が操作されると設定値を減少させる。制御装置131は、操舵切換スイッチ351の操作があると、セグメント表示部361に表示された条間設定の設定値を変更後の条間設定の設定値として記憶させる。例えば、変更された条間設定の設定値が「1300」であればこの値が条間設定として記憶される。なお、条間設定の設定値が元の値のままで、操舵切換スイッチ351の操作があった場合には記憶しないとしてもよいし、上書き記憶してもよい。
次に、オペレータ2が手入力により自動操舵感度の設定値を変更する場合について説明する。制御装置131は、設定モードである場合に、複数の項目の中から自動操舵感度設定の項目が選択された状態、つまり、セグメント表示部361に図44Aに示す大項目(例えば「GAIN」)が表示された状態で操舵切換スイッチ351が操作されると、自動操舵感度の項目に決定する。制御装置131は、記憶装置131Bに記憶された自動操舵感度の設定値をセグメント表示部361に表示させる。セグメント表示部361は、第1スイッチ352及び第2スイッチ353の少なくとも一方の操作に基づいて、セグメント表示部361に表示された自動操舵感度の設定値を変更する。例えば、制御装置131は、その設定値の表示中に操舵切換スイッチ351の操作があると、変更した自動操舵感度の設定値を自動操舵感度設定の項目に対応付けて記憶装置131Bに記憶させる。
制御装置131は、設定モードでない場合(非設定モード)に、第1スイッチ352が操作されたときの走行体5の位置を始点として取得し、走行体5を始点から所定距離以上走行させて第2スイッチ353の操作が操作されたときの走行体5の位置を終点として取得する。そして、制御装置131は、始点と終点とを結ぶラインの方位を示す方位値(ここでは方位290.13°であったとする)をセグメント表示部361に表示させる。
制御装置131は、方位値がセグメント表示部361に表示されているときに、第2スイッチ353が第1操作(例えば長押し)されると、方位名がセグメント表示部361に表示される。制御装置131は、第1スイッチ352及び第2スイッチ353の少なくとも一方の操作に基づいて空きの方位名(「A5」)を選択する。なお、制御装置131は、記憶済みの方位名(「A4」)の次の方位名(「A5」)を自動的に選択してもよい。制御装置131は、操舵切換スイッチ351が操作されると、方位値(方位290.13°)を基準方位とし、当該基準方位と選択された方位名(「A5」)とを対応付けて記憶装置131Bに記憶させる。また、制御装置131は、リアルタイムクロックを備えており、記憶時のリアルタイムクロックが示す年月日を登録年月日として合わせて記憶させる。
なお、制御装置131は、設定モードでない場合に、第2スイッチ353が第2操作(例えば短押し)されると、記憶装置131Bに基準方位が記憶済みであれば、記憶装置131Bに記憶済みの基準方位及び方位名をセグメント表示部361に表示させる。具体的には、制御装置131は、図43Aに示す記憶テーブルDT1に記憶済みの基準方位及び方位名をセグメント表示部361に表示させる。例えば、図44Cに示すように、制御装置131は、「A4」、「2022」、「0823」、「1658」、「H359」、「L_99」をその順番でセグメント表示部361に表示する。制御装置131は、方位値(方位359.99°)がセグメント表示部361に表示されている間は自動操舵の制御を開始しない。また、制御装置131は、方位値(方位359.99°)がセグメント表示部361に表示されている間は、始点及び終点を消去しない。
ここで、制御装置131は、複数の設定項目のうち圃場に関連性のある少なくとも2つ以上の設定項目を関連設定とすることができる。図43Cに示す変形例の記憶テーブルDT3は、圃場に関連性がある項目を関連付けた関連設定の項目と、当該関連設定の項目に対応付けられた複数の設定値とを記憶し、複数の設定値には、基準方位、条間及び自動操舵感度のうちの2つ以上が含まれている。図43Cでは、同じ圃場6についての方位呼出、条間設定及び自動感度設定(GS感度設定)の設定値が関連付けて記憶されている。つまり、基準方位、条間設定及び自動感度設定(GS感度設定)の設定値は、同じ圃場6についての設定値である。
制御装置131は、設定モードである場合に、第1スイッチ352及び第2スイッチ353の少なくとも一方の操作に基づいて複数の項目の中から関連設定の項目が選択された状態、つまり、セグメント表示部361に図43Cに示す関連設定の項目(例えば「RS」)が表示された状態で操舵切換スイッチ351が操作されると、関連設定の項目に決定する。制御装置131は、記憶装置131Bに記憶された関連設定の項目の複数の設定値をセグメント表示部361に順次に表示させる。つまり、セグメント表示部361は、「READ」、「A4」、「2022」、「0823」、「1658」、「H359」、「L_99」、「JOU」、「1200」、「GAIN」、「DEF」をその順番で表示する。オペレータ2は、セグメント表示部361に順次に表示される基準方位、条間及び自動操舵感度の設定値を一気に確認することができる。
上記した本実施形態の移植機1(乗用野菜移植機)は、圃場に野菜の苗を植え付ける植付作業機4と、植付作業機4を装着して走行する走行体5と、走行体5に設けられ、操縦者が着座可能な運転席3と、衛星測位情報を受信するアンテナユニット400と、衛星測位情報に基づいて、走行体5の自動操舵の制御を行う制御装置131と、を備える。
この構成によれば、移植機1(乗用野菜移植機)において、アンテナユニット400にて受信した衛星測位情報に基づいて自動操舵をすることができる。このため、乗用野菜移植機の操縦者の運転負担を低減することができ、植付作業を支援することができる。
また、移植機1(乗用野菜移植機)は、走行体5の左右両側に立設され且つ運転席3よりも高い位置まで延出した支柱28Bと、両方の支柱28Bの上部同士を繋ぐ連結枠420と、通信装置401を収容した筐体405と、を備え、連結枠420には、アンテナユニット400と筐体405とが取り付けられている。
この構成によれば、走行体5の左右両側にそれぞれ立設された両方の支柱28Bは、運転席3よりも高い位置まで延出している。この両方の支柱28Bの上部同士を繋ぐ連結枠420には、アンテナユニット400が設けられている。即ち、アンテナユニット400が走行体5の最も高い位置に設けられているので、アンテナユニット400の受信状態を最良とすることができる。また、アンテナユニット400が設けられた連結枠420に筐体405が取り付けられ、この筐体405内に通信装置401が収容されている。このため、アンテナユニット400の近傍に通信装置401を位置させることができる。
また、移植機1(乗用野菜移植機)は、連結枠420に取り付けられたブラケット410を備え、ブラケット410の上部にアンテナユニット400が取り付けられ、ブラケット410の下部に筐体405が取り付けられ、平面視でアンテナユニット400と筐体405とがブラケット410を介して重複する位置に配置されている。
この構成によれば、連結枠420に取り付けられたブラケット410の上部にアンテナユニット400が、当該ブラケット410の下部に筐体405が取り付けられ、平面視でアンテナユニット400と筐体405とがブラケット410を介して重複する位置に配置されている。このため、アンテナユニット400と通信装置401とを上下で近傍に配置することができる。
また、ブラケット410は、筐体405が取り付けられ且つ連結枠420に固定された第1ブラケット411と、アンテナユニット400が取り付けられる第2ブラケット412とを備える。第1ブラケット411には、ネジ孔411aが形成されている。第2ブラケット412には、連結枠420に沿って長い長孔412aが形成されている。締結具413を長孔412aに挿入してネジ孔411aに螺合することより、第2ブラケット412が第1ブラケット411にねじ締結されている。
この構成によれば、筐体405が取り付けられ且つ連結枠420に固定された第1ブラケット411に対して、アンテナユニット400が取り付けられた第2ブラケット412を走行体5の横幅方向(機体幅方向K2)に位置合わせして固定することができる。つまり、アンテナユニット400を走行体5の横幅方向の好適な位置に位置合わせすることができる。
また、ブラケット410は、アンテナユニット400が取り付けられる取付面の大きさが当該アンテナユニット400よりも大きい。この構成によれば、ブラケット410は、アンテナユニット400が取り付けられる取付面の大きさが当該アンテナユニット400よりも大きい。このため、衛星から到来する電波のうち地面又は乗用野菜移植機の走行体5などで反射して下方からアンテナユニット400に向かう反射波、つまり下方反射波を、ブラケット410によって遮ることができ、下方反射波による外乱の影響を低減することができる。
また、筐体405は、スピーカ402を収容し、スピーカ402は、運転席3の方を向く姿勢状態で筐体405に取り付けられている。この構成によれば、筐体405には、スピーカ402が運転席3の方を向く姿勢状態で取り付けられているので、運転席3に着座した操縦者に対して、聞こえ易い状態で音声出力することができ、操縦者に適切に音声報
知を行うことができる。
また、筐体405は、通信装置401を収容した第1空間405Aとスピーカ402を収容した第2空間405Bとを仕切る仕切り壁406を備えている。この構成によれば、筐体405は、通信装置401を収容した第1空間405Aと、スピーカ402を収容した第2空間405Bとを有し、第1空間405Aと第2空間405Bとが仕切り壁406により仕切られている。このため、スピーカ402からの電磁波が通信装置401に到来することを低減することができ、筐体405を有効活用することができる。
また、連結枠420は、走行体5の横幅方向(機体幅方向K2)に沿う横軸心X3周りに回動することにより、アンテナユニット400が両方の支柱28Bの上部よりも高い位置にあり且つ衛星測位情報を受信可能な起立姿勢SPと、アンテナユニット400が起立姿勢SPよりも低くなり且つ筐体405の下方に位置する格納姿勢DPと、に切換可能に構成されている。
この構成によれば、連結枠420は、走行体5の横幅方向に沿う横軸心X3周りに回動することにより、起立姿勢SPと格納姿勢DPとに切換可能である。連結枠420が起立姿勢SPであれば、アンテナユニット400が両方の支柱28Bの上部よりも高い位置にあり、衛星測位情報を受信可能である。一方、連結枠420が格納姿勢DPであれば、アンテナユニット400が起立姿勢SPよりも低くなり且つ筐体405の下方に位置する。このため、連結枠420を格納姿勢DPにすることで、乗用野菜移植機の高さを低くすることができ、乗用野菜移植機を高さ制限のある納屋、倉庫などに収容することができる。また、連結枠420が格納姿勢DPであれば、筐体405の下にアンテナユニット400が位置するので、筐体405によってアンテナユニット400を保護することができる。例えば、筐体405によってアンテナユニット400を雨や直射日光から守ることができ、外部の物体との接触によるアンテナユニット400の損傷を低減できる。
また、通信装置401は、測位誤差の補正情報を受信可能である。制御装置131は、アンテナユニット400からの衛星測位情報を示す信号の受信レベルが規定値以下であり、且つ、通信装置401にて測位誤差の補正情報が取得されている場合に、連結枠420が格納姿勢DPであると判定する。この構成によれば、制御装置131は、アンテナユニット400での受信レベルが規定値以下であり、且つ、通信装置401にて測位誤差の補正情報が取得されている場合に、連結枠420が格納姿勢DPであると判定する。このため、連結枠420が格納姿勢DPであること、つまり、アンテナユニット400が受信不可能な状態であることを操縦者に知らせることができる。
また、支柱28Bは、走行体5の前後方向に間隔を空けて立設された前支柱28B1及び後支柱28B2と、前支柱28B1の頂部と後支柱28B2の頂部とを連結する前後枠28B3とを有する門型の支柱であり、予備苗を載置可能な予備苗トレイ28Aが複数上下方向に間隔を空けて配置されている。予備苗トレイ28Aは、基端部28A1が前支柱28B1及び後支柱28B2に走行体5の前後方向に沿う前後軸心X4周りに回動可能に装着され、基端部28A1とは反対側の先端部28A2が走行体5の横幅方向に位置する姿勢で且つ予備苗が載置可能な使用姿勢UP1と、先端部28A2が支柱28Bに近づくように上げられた傾斜姿勢で且つ予備苗が載置不可能な不使用姿勢UP2と、に切換可能に構成されている。連結枠420は、走行体5の左側の支柱28Bの前後枠28B3と接続された左下部421Aと、左下部421Aから上方に屈曲されて延出した第1延出部421Bとを有する左脚部421と、走行体5の右側の支柱28Bの前後枠28B3と接続された右下部422Aと、右下部422Aから上方に屈曲されて延出した第2延出部422Bとを有する右脚部422と、第1延出部421Bの上端と第2延出部422Bの上端とを接続し、且つ、走行体5の横幅方向に延出する棒状体423と、を備えている。連結枠420の棒状体423は、複数の予備苗トレイ28Aのうちの最上位の予備苗トレイ28Aが不使用姿勢UP2であるときの当該最上位の予備苗トレイ28Aよりも高い位置に位置している。
この構成によれば、走行体5の左右両側に立設された両支柱28Bには、上下方向に複数の予備苗トレイ28Aが設けられ、これらの予備苗トレイ28Aが使用姿勢UP1と不使用姿勢UP2とに切換可能となっている。両支柱28Bを繋ぐ連結枠420は、両支柱28Bよりも高く延出した左脚部421及び右脚部422と、左脚部421及び右脚部422を繋ぐ棒状体423とを備えている。連結枠420の棒状体423は、複数の予備苗トレイ28Aのうちの最上位の予備苗トレイ28Aが不使用姿勢UP2であるときの当該最上位の予備苗トレイ28Aよりも高い位置に位置している。このため、アンテナユニット400は、不使用姿勢UP2である最上位の予備苗トレイ28Aよりも高い位置にある。即ち、アンテナユニット400が走行体5の最も高い位置に配置されているので、アンテナユニット400の受信状態を最良とすることができる。
また、本実施形態の移植機1(乗用移植機)は、圃場に苗を植え付ける植付作業機4と、植付作業機4を装着して走行する走行体5と、走行体5に設けられ、操縦者が着座可能な運転席3と、植付作業機4を昇降する作業機昇降機構125と、を備え、作業機昇降機構125は、走行体5からの衝撃と植付作業機4からの衝撃とを吸収する緩衝装置470を備える。
この構成によれば、作業機昇降機構125の緩衝装置470は、走行体5からの衝撃と植付作業機4からの衝撃とを吸収する。このため、植付作業機4による苗の植え付け高さの変動を低減することができる。したがって、植付作業機4の植え付け精度を向上させることができる。これにより、植付作業を支援することができる。また、植付作業機4から運転席3への振動を低減することができる。よって、乗用移植機の乗り心地を向上させることができる。
また、植付作業機4は、メインフレーム37を備える。作業機昇降機構125は、メインフレーム37が装着される装着フレーム124と走行体5とを連結する連結リンク機構129と、メインフレーム37を昇降駆動する昇降駆動体130とを有する。昇降駆動体130は、昇降シリンダ450と、昇降シリンダ450のピストンロッド452の先端に取り付けられ且つ装着フレーム124に連結された連結体460と、を有し、昇降シリンダ450が伸長するとメインフレーム37が上昇し、昇降シリンダ450が収縮するとメインフレーム37が下降する。連結体460は、緩衝装置470を備える。
この構成によれば、昇降シリンダ450のピストンロッド452の先端の連結体460に設けられた緩衝装置470により、植付作業機4による苗の植え付け高さの変動を低減することができ、植付作業機4の植え付け精度を向上させることができる。したがって、緩衝装置470を備える作業機昇降機構125を好適に実現することができる。
また、ピストンロッド452は、その先端から第1間隔D1を空けた第1位置に第1鍔部453を備える。連結体460は、ピストンロッド452の先端部452Aが挿入される貫通孔461を有する取付面462と取付面462の外周端から当該ピストンロッド452の先端部452Aに沿うように延出した筒状部463とを有し且つ当該ピストンロッド452の先端部452Aに取り付けられる本体部464を備える。緩衝装置470は、ピストンロッド452の先端部452Aが挿入される貫通孔472を有する第1弾性体471を備え、本体部464と第1鍔部453とで第1弾性体471を挟み込んで構成されている。
この構成によれば、走行体5から昇降シリンダ450のピストンロッド452を経て植付作業機4に加わる衝撃と、植付作業機4から昇降シリンダ450のピストンロッド452を経て走行体5に加わる衝撃とを、本体部464と第1鍔部453とで挟み込まれた第1弾性体471により吸収することができる。つまり、走行体5から植付作業機4への衝撃と、植付作業機4から走行体5への衝撃とを、好適に吸収することができる。
また、ピストンロッド452は、第1位置を含む第1範囲RG1に第1ネジ山454が形成されている。ピストンロッド452の第1範囲RG1には、第1締結具455がねじ込まれている。第1締結具455は、第1鍔部453を第1弾性体471に押し付ける状態でねじ止めされている。この構成によれば、第1鍔部453と本体部464とで第1弾性体471を確実に挟み込むことができ、第1弾性体471にて確実に衝撃を吸収することができる。
また、第1弾性体471は、第1鍔部453と当接する第1面471aと、本体部464と当接する第2面471bとを有するゴムである。このため、走行体5から植付作業機4への衝撃と、植付作業機4から走行体5への衝撃とを効果的に吸収することができ、走行体5への振動及び植付作業機4への振動を低減することができる。したがって、植付作業機4の植え付け精度を向上させることができると共に、乗用移植機の乗り心地を向上させることができる。
また、ピストンロッド452は、その先端から第1間隔D1よりも短い第2間隔D2を空けた第2位置に、第1鍔部453とは別の第2鍔部456を備える。緩衝装置470は、第1弾性体471と、ピストンロッド452の先端部452Aが挿入される貫通孔473を有し且つ筒状部463の内側に位置する第2弾性体474とを備え、第1弾性体471を第1鍔部453と本体部464の取付面462とで挟み込むと共に、第2弾性体474を本体部464の筒状部463の底面463aと第2鍔部456とで挟み込んで構成されている。
この構成によれば、走行体5から昇降シリンダ450のピストンロッド452を経て植付作業機4に加わる衝撃と、植付作業機4から昇降シリンダ450のピストンロッド452を経て走行体5に加わる衝撃とを、本体部464と第1鍔部453とで挟み込まれた第1弾性体471により吸収することができる。つまり、走行体5から植付作業機4への衝撃と、植付作業機4から走行体5への衝撃とを、好適に吸収することができる。更に、昇降シリンダ450のピストンロッド452を走行体5の方に引っ張る衝撃と、連結体460の本体部464を植付作業機4の方に引っ張る衝撃とを、筒状部463の底面463aと第2鍔部456とで挟み込まれた第2弾性体474により吸収することができる。つまり、第1弾性体471と第2弾性体474とで衝撃の種類に応じた衝撃吸収を実現することができる。
また、ピストンロッド452は、第2位置を含む第2範囲RG2に第2ネジ山457が形成されている。ピストンロッド452の第2範囲RG2には、第2締結具458がねじ込まれている。本体部464の筒状部463は、その内側に第2弾性体474及び第2鍔部456が挿入されている。第2締結具458は、第2鍔部456を第2弾性体474に押し付ける状態でねじ止めされている。この構成によれば、本体部464の筒状部463と第2鍔部456とで第2弾性体474を確実に挟み込むことができ、第2弾性体474にて確実に衝撃を吸収することができる。
また、第2弾性体474は、筒状部463の底面463aと当接する第1面474aと、第2鍔部456と当接する第2面474bとを有するゴムである。このため、昇降シリンダ450のピストンロッド452を走行体5の方に引っ張る衝撃と、連結体460の本体部464を植付作業機4の方に引っ張る衝撃とを効果的に吸収することができ、走行体5への振動及び植付作業機4への振動を低減することができる。したがって、植付作業機4の植え付け精度を向上させることができると共に、乗用移植機の乗り心地を向上させることができる。
また、第1締結具455は、第1ナット455aと第2ナット455bであり、ピストンロッド452の第1範囲RG1にねじ込まれた第1ナット455a及び第2ナット455bが羽交い締めされている。このため、第1締結具455(つまり、第1ナット455a及び第2ナット455b)の緩みを防止することができる。
また、植付作業機4は、苗載せ台9に載置される苗トレイ8から苗を取り出す苗取出装置11と、苗取出装置11にて取り出された苗を圃場に植え付ける植付体12と、植付体12の後方に配置され、植付体12で植え付けた苗の左側及び右側を転動して当該苗の株際に土寄せすると共に当該株際を鎮圧する覆土輪62と、を備える。
この構成によれば、緩衝装置470は、走行体5からの衝撃と植付作業機4からの衝撃とを吸収するので、植付作業機4による苗の植え付け高さの変動を低減することができる。つまり、畝の上面が波打って鎮圧されることを低減することができる。このため、覆土輪62による苗の株際の鎮圧を精度良く実施することができる。
<変形例の昇降駆動体130>
なお、図21に示すような変形例の昇降駆動体130を採用することができる。変形例の昇降駆動体130では、上記の実施形態の連結体460に替えて形状の異なる連結体460Aを備えている。連結体460Aは、上記の実施形態に示した一対の脚部466とは長さが異なる一対の脚部466Aを備えている。具体的には、一対の脚部466Aは、本体部464よりもピストンロッド452の長手方向に延出した長さ(つまり、本体部464からの延出長さL1)が、本体部464におけるピストンロッド452の長手方向の長さL3の2倍以上又は昇降シリンダ450のシリンダ本体451の長さL2以上である。
この構成によれば、作業機昇降機構125の連結リンク機構129の諸元(寸法など)を維持しつつ、昇降シリンダ450のピストンロッド452の長さを従来よりも短くすることができる。一般的に、昇降シリンダ450のピストンロッド452が長くなる程、当該ピストンロッド452の芯出しの難易度が高くなり、昇降シリンダ450の生産に費用と時間がかかるという問題がある。これに対して、昇降シリンダ450のピストンロッド452が短くてよいので、昇降シリンダ450の生産にかかる費用と時間を削減することができる。従って、乗用移植機の生産性を向上させることができる。
上記の実施形態では、回転ケース201は、第1~第5の平歯車G1~G5が配置されるとし、2個の植付体12(つまり、2連ロータリカップ)の構成としているが、これに限定されない。例えば、回転ケース201は、第1~第3の歯車G1~G3(例えば第1~第3の平歯車G1~G3)が配置されるとし、第1の平歯車G1の第1の出力軸215Aにて1個の植付体12が卵形の軌跡Tを描いて上下運動される構成(つまり、1連ロータリカップの構成)としてよい。
本実施形態の移植機1(乗用又は非乗用の何れの移植機であってもよい)は、圃場に苗を植え付ける植付作業機4と、植付作業機4を装着して走行する走行体5と、を備え、植付作業機4は、苗を保持する植付体12を上下運動させる植付昇降機構167を備え、植付昇降機構167は、第1の歯車G1と、第1の歯車G1と噛み合う第2の歯車G2と、第2の歯車G2と噛み合う第3の歯車G3と、第1~第3の歯車G1~G3が配置された回転ケース201と、第3の歯車G3が位置する箇所に設けられ且つ当該回転ケース20
1を回転させるための回転力が入力される入力軸205と、植付体12が取り付けられ且つ第1の歯車G1の回転力を出力する出力軸215と、入力軸205及び回転ケース201を回転可能に支持し且つ第3の歯車G3が固定された固定部材210と、を備え、第1の歯車G1、第2の歯車G2及び第3の歯車G3は、円形中心から偏心した軸心J1~J3を有し且つ軸心J1~J3が同一直線上に並ぶように回転ケース201内に配置されている。
この構成によれば、単一の回転ケース201を回転させることで、植付体12を卵形の軌跡Tを描いて上下運動させることができる。このため、植付昇降機構167の部品点数を削減することができ、植付昇降機構167を簡易な構成とすることができる。
また、第1~第3の歯車G1~G3は、同一大きさの第1~第3の平歯車G1~G3であり、回転ケース201は、第1~第3の平歯車G1~G3を直線上に並べ且つ当該直線上に第1~第3の平歯車G1~G3の軸心J1~J3を揃えて収容し、植付昇降機構167は、入力軸205への回転力の入力によって回転ケース201が回転することに伴い、第2の平歯車G2が第3の平歯車G3の外周に沿って回転し、第2の平歯車G2の回転に伴って第1の平歯車G1が回転することにより、植付体12を卵形の軌跡Tを描いて上下運動させ、植付体12を下降させたときに圃場に突入させて苗を植え付ける。
この構成によれば、単一の回転ケース201を回転させることで、植付体12を卵形の軌跡Tを描いて上下運動させることができ、部品点数を削減することができる。詳述すると、従前の植付昇降機構では、第1回転ケース及び第2回転ケースが必要であった。これに比べて、上記構成では、単一の回転ケース201のみで済む。このため、部品点数を削減することができる。また、従前の植付昇降機構では、第1回転ケース及び第2回転ケースを互いに異なる方向に回転させる複雑な構造であった。これに比べて、上記構成では、単一の回転ケース201が回転するだけであるので、植付昇降機構167を簡易な構成とすることができる。したがって、植付昇降機構167を簡易でかつ部品点数を削減した構成とすることができる。
また、植付昇降機構167は、更に、第2の平歯車G2と同じ第4の平歯車G4と、第1の平歯車G1と同じ第5の平歯車G5を備え、回転ケース201は、第1~第5の平歯車G1~G5を直線上に並べ且つ当該直線上に第1~第5の平歯車G1~G5の軸心J1~J5を揃えて収容し、出力軸215を第1の出力軸215Aとし、植付体12を第1の植付体12とし、植付昇降機構167は、更に、第5の平歯車G5の軸心J5に設けられ且つ苗を保持する第2の植付体12が取り付けられる第2の出力軸215Bを備え、入力軸205への回転力の入力によって回転ケース201が回転することに伴い、第2の平歯車G2及び第4の平歯車G4が、第3の平歯車G3を介して互いに対向する位置関係を維持しながら第3の平歯車G3の外周に沿ってそれぞれ回転し、第2の平歯車G2の回転に伴って第1の平歯車G1が回転すると共に、第4の平歯車G4の回転に伴って第5の平歯車G5が回転することにより、第1の植付体12及び第2の植付体12を卵形の軌跡Tを描いて上下運動させ、第2の植付体12を上昇させているときに第1の植付体12を下降させて圃場に突入させて苗を植え付け、第1の植付体12を上昇させているときに第2の植付体12を下降させて圃場に突入させて苗を植え付ける。
この構成によれば、単一の回転ケース201を回転させることで、第1の植付体12及び第2の植付体12を卵形の軌跡Tを描いてそれぞれ上下運動させることができる。このため、回転ケース201が1回転する際に、苗の植付を2回行うことができる。苗の植付効率を2倍にすることができる。つまり、2連植付を実現できる。また、回転ケース201の長手方向の中央箇所を回転軸心として回転するので、回転ケース201をバランス良く回転させることができ、回転ケース201の長手方向の両端に位置する各植付体12(
第1の植付体12及び第2の植付体12)にて効率良く苗を植え付けることができる。
また、固定部材210は、入力軸205が筒内に挿入される筒状本体211を備え、筒状本体211は、回転ケース201に挿入される挿入筒部211Aと、挿入筒部211Aから回転ケース201の外側に突出した突出筒部211Bとを有し、突出筒部211Bの筒内には、入力軸205を回転可能に支持する第1軸受212Aが設けられ、挿入筒部211Aの外周には、回転ケース201を回転可能に支持する第2軸受212Bが設けられ、第3の平歯車G3の軸心J3に貫通形成された軸孔G3Aに挿入筒部211Aが嵌入されることにより、第3の平歯車G3が挿入筒部211Aに固定されている。
この構成によれば、固定部材210は、入力軸205が筒内に挿入される筒状本体211を備える。筒状本体211は、回転ケース201に挿入される挿入筒部211Aと回転ケース201の外側に突出した突出筒部211Bとを有する。突出筒部211Bの筒内に設けられた第1軸受212Aは、入力軸205を回転可能に支持する。挿入筒部211Aの外周に設けられた第2軸受212Bは、回転ケース201を回転可能に支持する。第3の平歯車G3の軸心J3に貫通形成された軸孔G3Aには、挿入筒部211Aが嵌入されており、第3の平歯車G3が挿入筒部211Aに固定されている。このため、第3の平歯車G3の軸孔G3Aに第1軸受212Aを介して入力軸205を位置させることができ、第3の平歯車G3を固定とし、第3の平歯車G3の軸心J3を回転ケース201の回転軸として当該回転ケース201を回転させることができる。すなわち、固定部材210及び第3の平歯車G3を固定とし、固定部材210及び第3の平歯車G3に対して回転ケース201を回転させることができる。
また、回転ケース201は、入力軸205の軸方向に二分され且つ内部に第1~第5の平歯車G1~G5を収容する第1ケース体201A及び第2ケース体201Bを有し、挿入筒部211Aの外周には、第2軸受212Bが2個間隔を空けて設けられ、2個の第2軸受212Bのうちの一方が第1ケース体201Aを回転可能に支持し、2個の第2軸受212Bのうちの他方が第2ケース体201Bを回転可能に支持し、2個の第2軸受212Bの間に第3の平歯車G3が固定されている。
この構成によれば、挿入筒部211Aの外周に2個間隔を空けて第2軸受212Bが設けられている。2個の第2軸受212Bのうちの一方が第1ケース体201Aを回転可能に支持し、その他方が第2ケース体201Bを回転可能に支持する。このため、2個の第2軸受212Bにより、回転ケース201の回転軸のブレが低減でき、回転ケース201を安定的に回転可能に支持することができる。また、挿入筒部211Aにおける2個の第2軸受212Bの間に第3の平歯車G3が固定されている。このため、第3の平歯車G3を回転ケース201内で安定した姿勢で固定することができる。
また、入力軸205は、挿入筒部211Aから第2ケース体201Bの外側に突き出た先端部に取付板213が固定され、取付板213は、第2ケース体201Bの外側箇所に固定されている。
この構成によれば、入力軸205の先端に固定された取付板213が、回転ケース201の第2ケース体201Bに固定されている。このため、入力軸205による回転力が第2ケース体201Bの外側箇所の取付板213に伝達され、第2ケース体201B及び第1ケース体201A(回転ケース201)を回転させることができる。つまり、固定部材210及び第3の平歯車G3を固定とし、固定部材210及び第3の平歯車G3に対して回転ケース201を回転させることができる。
また、回転ケース201は、第1の平歯車G1の軸心J1の周面に当接し且つ当該第1
の平歯車G1が逆転する場合に当該第1の平歯車G1に係止する爪部材208Aと、爪部材208Aを軸心J1の周面に付勢する付勢部材209Aとを備えている。
この構成によれば、付勢部材209Aは、爪部材208Aを軸心J1の周面に付勢する。爪部材208Aは、第1の平歯車G1の軸心J1の周面に当接し、第1の平歯車G1が逆転する場合に第1の平歯車G1に係止する。このため、第1の平歯車G1の逆転を防止でき、植付体12の逆戻りを防止することができる。
また、回転ケース201は、第5の平歯車G5の軸心J5の周面に当接し且つ当該第5の平歯車G5が逆転する場合に当該第5の平歯車G5に係止する爪部材208Bと、爪部材208Bを軸心J5の周面に付勢する付勢部材209Bとを備えている。
この構成によれば、付勢部材209Bは、爪部材208Bを軸心J5の周面に付勢する。爪部材208Bは、第5の平歯車G5の軸心J5の周面に当接し、第5の平歯車G5が逆転する場合に第5の平歯車G5に係止する。このため、第5の平歯車G5の逆転を防止でき、植付体12の逆戻りを防止することができる。
また、取付板213と第2ケース体201Bと第1ケース体201Aとを締結部材216Aにより共締めしている。
この構成によれば、取付板213と第2ケース体201Bとの締結と、第2ケース体201Bと第1ケース体201Aとの締結とを、共用の締結部材216Aによって行うことができる。このため、締結部材を削減しつつ、取付板213と第2ケース体201Bと第1ケース体201Aとを固定することができる。
また、第1の植付体12は、前後に開閉可能な第1の開口器206で形成され、第2の植付体12は、前後に開閉可能な第2の開口器206で形成され、第2ケース体201Bの外側箇所で第1の出力軸215Aの周りに配置され且つ第1の開口器206を開閉させるための第1の開閉カム214Aと、第2ケース体201Bと、第1ケース体201Aとを、締結部材216Bにより共締めし、第2ケース体201Bの外側箇所で第2の出力軸215Bの周りに配置され且つ第2の開口器206を開閉させるための第2の開閉カム214Bと、第2ケース体201Bと、第1ケース体201Aとを、締結部材216Cにより共締めしている。
この構成によれば、第1の開閉カム214Aと第2ケース体201Bとの締結と、第2ケース体201Bと第1ケース体201Aとの締結とを、共用の締結部材216Bによって行うことができる。また、第2の開閉カム214Bと第2ケース体201Bとの締結と、第2ケース体201Bと第1ケース体201Aとの締結とを、共用の締結部材216Cによって行うことができる。このため、締結部材を削減しつつ、第1の開閉カム214Aと第2ケース体201Bと第1ケース体201Aとを固定することができ、第2の開閉カム214Bと第2ケース体201Bと第1ケース体201Aとを固定することができる。
また、本実施形態の移植機1(乗用野菜移植機)は、圃場に野菜の苗を植え付ける植付作業機4と、植付作業機4を装着して走行する走行体5と、走行体5に設けられた運転席3と、作業者により入力された方位を基準方位として設定する設定部131Cと、走行体5を基準方位に沿って走行させる自動操舵の制御を行う制御装置131と、を備える。
この構成によれば、移植機1(乗用野菜移植機)において、作業者により入力された任意の方位を基準方位として設定することができる。このため、乗用野菜移植機を実際に圃場にて走行させ、当該走行の始点及び終点を設定し、始点と終点とを結ぶ走行ラインの方
位を基準方位として設定する事前作業(つまり、基準方位を取得するための事前走行による作業)を不要にすることができる。したがって、乗用野菜移植機の作業者の運転負担を低減することができ、植付作業を支援することができる。
移植機1(乗用野菜移植機)は、記憶装置131Bを備え、設定部131Cは、自動操舵の開始前の設定を行う設定モードである場合に、方位の入力を受け付け、入力された方位を基準方位として記憶装置131Bに記憶させる。
この構成によれば、設定モードである場合に、入力された方位を受け付け、入力された方位を基準方位に設定することができる。このため、自動操舵の開始前において適切に基準方位を設定することができる。
移植機1(乗用野菜移植機)は、表示装置360と、基準方位の始点を設定する第1スイッチ352と、基準方位の終点を設定する第2スイッチ353と、自動操舵の開始及び終了のいずれかに切り換えるためにオン及びオフの操作が可能である操舵切換スイッチ351と、を備え、記憶装置131Bは、方位入力の項目を含む複数の項目と、複数の項目毎の設定値とを対応付けて記憶し、制御装置131は、設定モードである場合に、第1スイッチ352及び第2スイッチ353の少なくとも一方の操作に基づいて複数の項目の中から方位入力の項目が選択された状態で操舵切換スイッチ351が操作されると、記憶装置131Bに記憶された基準方位の方位値を表示装置360に表示させ、第1スイッチ352及び第2スイッチ353の少なくとも一方の操作に基づいて、表示装置360に表示された方位値を変更し、操舵切換スイッチ351の操作があると、変更した方位値を基準方位として方位入力の項目に対応付けて記憶装置131Bに記憶させる。
この構成によれば、方位入力専用の操作具又は方位値を受信するための通信装置などの入力機器を別途に設けることなく、第1スイッチ352、第2スイッチ353及び操舵切換スイッチ351(GSスイッチ)を活用して基準方位を変更することができる。
複数の項目には、方位呼出の項目が含まれ、記憶装置131Bは、方位呼出の項目と複数の方位名とを対応付けて記憶し、複数の方位名毎に方位情報を対応付けて記憶し、制御装置131は、設定モードである場合に、第1スイッチ352及び第2スイッチ353の少なくとも一方の操作に基づいて複数の項目の中から方位呼出の項目が選択された状態で操舵切換スイッチ351が操作されると、記憶装置131Bに記憶された複数の方位名のうちで現在設定されている方位名の方位情報を表示装置360に表示させ、第1スイッチ352及び第2スイッチ353の少なくとも一方の操作に基づいて、表示装置360に表示された複数の方位名のうちの任意の方位名を選択可能であり、操舵切換スイッチ351の操作があると、選択された方位名の方位情報が示す方位を基準方位に設定する。
この構成によれば、記憶装置131Bに記憶済みの方位を呼び出して確認表示することができ、呼び出した方位を基準方位に設定することができる。このため、方位呼出専用の操作具又は方位値を受信するための通信装置などの入力機器を別途に設けることなく、第1スイッチ352、第2スイッチ353及び操舵切換スイッチ351を活用して記憶済みの方位を選択して基準方位を設定することができる。
複数の項目には、条間設定の項目が含まれ、記憶装置131Bは、条間設定の項目とその設定値とを対応付けて記憶し、制御装置131は、設定モードである場合に、第1スイッチ352及び第2スイッチ353の少なくとも一方の操作に基づいて複数の項目の中から条間設定の項目が選択された状態で操舵切換スイッチ351が操作されると、記憶装置131Bに記憶された条間設定を表示装置360に表示させ、第1スイッチ352及び第2スイッチ353の少なくとも一方の操作に基づいて、表示装置360に表示された条間設定の設定値を変更し、操舵切換スイッチ351の操作があると、変更した条間設定の設定値を条間設定の項目に対応付けて記憶装置131Bに記憶させる。
この構成によれば、条間設定専用の操作具又は条間設定の設定値を受信するための通信装置などの入力機器を別途に設けることなく、第1スイッチ352、第2スイッチ353及び操舵切換スイッチ351を活用して条間設定を変更することができる。
複数の項目には、自動操舵感度設定の項目が含まれ、記憶装置131Bは、自動操舵感度設定の項目とその設定値とを対応付けて記憶し、制御装置131は、設定モードである場合に、第1スイッチ352及び第2スイッチ353の少なくとも一方の操作に基づいて複数の項目の中から自動操舵感度設定の項目が選択された状態で操舵切換スイッチ351が操作されると、記憶装置131Bに記憶された自動操舵感度設定を表示装置360に表示させ、第1スイッチ352及び第2スイッチ353の少なくとも一方の操作に基づいて、表示装置360に表示された自動操舵感度の設定値を変更し、操舵切換スイッチ351の操作があると、変更した自動操舵感度の設定値を自動操舵感度設定の項目に対応付けて記憶装置131Bに記憶させる。
この構成によれば、自動操舵感度設定の専用の操作具又は自動操舵感度の設定値を受信するための通信装置などの入力機器を別途に設けることなく、第1スイッチ352、第2スイッチ353及び操舵切換スイッチ351を活用して自動操舵感度設定を変更することができる。
制御装置131は、設定モードでない場合に、第1スイッチ352が操作されたときの走行体5の位置を始点として取得し、走行体5を始点から所定距離以上走行させて第2スイッチ353の操作が操作されたときの走行体5の位置を終点として取得し、始点と終点とを結ぶラインの方位を示す方位値を表示装置360に表示させる。
この構成によれば、設定モードでないときに乗用野菜移植機を圃場にて走行させて始点(A点)及び終点(B点)を取得し、この取得された始点及び終点による方位値が表示装置360に表示されるので、作業者は方位値を確認することができる。
制御装置131は、方位値が表示装置360に表示されているときに、第2スイッチ353が第1操作されると、方位名が表示装置360に表示され、第1スイッチ352及び第2スイッチ353の少なくとも一方の操作に基づいて方位名を選択し、操舵切換スイッチ351が操作されると、方位値を基準方位とし、当該基準方位と選択された方位名とを対応付けて記憶装置131Bに記憶させる。
この構成によれば、方位値が表示装置360に表示されているときに、操舵切換スイッチ351が第1操作(例えば長押し)されると、表示装置360に表示中の方位値を基準方位とし、当該基準方位と選択された方位名とが対応付けて記憶装置131Bに記憶される。このため、基準方位を方位名と共に記憶装置131Bに記憶させることができ、基準方位の管理を適切に行うことができる。
制御装置131は、設定モードでない場合に、第2スイッチ353が第2操作されると、記憶装置131Bに基準方位が記憶済みであれば、記憶装置131Bに記憶済みの基準方位及び方位名を表示装置360に表示させ、方位値が表示装置360に表示されている間は自動操舵の制御を開始しない。
この構成によれば、設定モードでない場合に、第2スイッチ353が第2操作(例えば短押し)されると、記憶装置131Bに記憶済みの基準方位が表示されるので、作業者は
基準方位を確認することができる。また、方位値の表示中において操舵切換スイッチ351が操作されたとしても、自動操舵を開始しない。このため、基準方位の確認表示中において自動操舵が開始されることを防止できる。
複数の項目には、圃場に関連性がある項目を関連付けた関連設定の項目が含まれ、記憶装置131Bは、関連設定の項目と、当該関連設定の項目に対応付けられた複数の設定値とを記憶し、複数の設定値には、基準方位、条間及び自動操舵感度のうちの2つ以上が含まれ、制御装置131は、設定モードである場合に、第1スイッチ352及び第2スイッチ353の少なくとも一方の操作に基づいて複数の項目の中から関連設定の項目が選択された状態で操舵切換スイッチ351が操作されると、記憶装置131Bに記憶された関連設定の項目の複数の設定値を表示装置360に順次に表示させる。
この構成によれば、関連設定の項目を選択するだけで、圃場に関連性がある複数の設定値、つまり、基準方位、条間及び自動操舵感度のうちの2つ以上についての設定値が表示装置360に順次に表示されるので、圃場に関連性がある複数の設定値を一気に目視確認することができ、利便性に優れる。
表示装置360は、セグメント表示部361を含み、制御装置131は、設定モードである場合に、複数の項目のうちで選択された項目と、その設定値とを、セグメント表示部361に順番に表示させ、設定値について階層的に分けられた複数の設定値がある場合には当該複数の設定値を階層順にセグメント表示部361に表示させる。
この構成によれば、表示装置360が、表現力の低いセグメント表示部361であっても、項目とその設定値とを表示することができる。また、階層的に分けられた複数の設定値がある場合には、セグメント表示部361において当該複数の設定値を階層順に表示させることができる。このため、簡素な表示装置360が装備された乗用野菜移植機においても、表現力の高い高性能な表示装置360を別途に設けることなく、第1スイッチ352、第2スイッチ353及び操舵切換スイッチ351を活用して、項目とその設定値とを好適に表示することができる。
移植機1(乗用野菜移植機)は、衛星測位情報を受信するアンテナユニット400を備え、制御装置131は、設定モードでないときに操舵切換スイッチ351がオンされると、衛星測位情報に基づいて自動操舵の制御を開始し、操舵切換スイッチ351がオフされると自動操舵の制御を終了する。この構成によれば、自動操舵の制御を好適に行うことができる。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 移植機(乗用移植機、乗用野菜移植機)
3 運転席
4 植付作業機
5 走行体
28B 支柱
37 メインフレーム
124 装着フレーム
125 作業機昇降機構
129 連結リンク機構
130 昇降駆動体
131 制御装置
131B 記憶装置
131C 設定部
167 植付昇降機構
201 回転ケース
205 入力軸
215 出力軸
210 固定部材
351 操舵切換スイッチ
352 第1スイッチ
353 第2スイッチ
360 表示装置
361 セグメント表示部
400 アンテナユニット
401 通信装置
405 筐体
410 ブラケット
411 第1ブラケット
412 第2ブラケット
420 連結枠
450 昇降シリンダ
452 ピストンロッド
460 連結体
470 緩衝装置
471 第1弾性体
474 第2弾性体
G1 第1の歯車(第1の平歯車)
G2 第2の歯車(第2の平歯車)
G3 第3の歯車(第3の平歯車)
G4 第4の歯車(第4の平歯車)
G5 第5の歯車(第5の平歯車)

Claims (12)

  1. 圃場に野菜の苗を植え付ける植付作業機と、
    前記植付作業機を装着して走行する走行体と、
    前記走行体に設けられた運転席と、
    作業者により入力された方位を基準方位として設定する設定部と、
    前記走行体を前記基準方位に沿って走行させる自動操舵の制御を行う制御装置と、を備える乗用野菜移植機。
  2. 記憶装置を備え、
    前記設定部は、前記自動操舵の開始前の設定を行う設定モードである場合に、方位の入力を受け付け、入力された方位を前記基準方位として前記記憶装置に記憶させる請求項1に記載の乗用野菜移植機。
  3. 表示装置と、
    前記基準方位の始点を設定する第1スイッチと、
    前記基準方位の終点を設定する第2スイッチと、
    前記自動操舵の開始及び終了のいずれかに切り換えるためにオン及びオフの操作が可能である操舵切換スイッチと、を備え、
    前記記憶装置は、方位入力の項目を含む複数の項目と、前記複数の項目毎の設定値とを対応付けて記憶し、
    前記制御装置は、前記設定モードである場合に、前記第1スイッチ及び前記第2スイッチの少なくとも一方の操作に基づいて前記複数の項目の中から前記方位入力の項目が選択された状態で前記操舵切換スイッチが操作されると、前記記憶装置に記憶された前記基準方位の方位値を前記表示装置に表示させ、前記第1スイッチ及び前記第2スイッチの少なくとも一方の操作に基づいて、前記表示装置に表示された前記方位値を変更し、前記操舵切換スイッチの操作があると、変更した方位値を前記基準方位として前記方位入力の項目に対応付けて前記記憶装置に記憶させる請求項2に記載の乗用野菜移植機。
  4. 前記複数の項目には、方位呼出の項目が含まれ、
    前記記憶装置は、前記方位呼出の項目と複数の方位名とを対応付けて記憶し、前記複数の方位名毎に方位情報を対応付けて記憶し、
    前記制御装置は、前記設定モードである場合に、前記第1スイッチ及び前記第2スイッチの少なくとも一方の操作に基づいて前記複数の項目の中から前記方位呼出の項目が選択された状態で前記操舵切換スイッチが操作されると、前記記憶装置に記憶された前記複数の方位名のうちで現在設定されている方位名の方位情報を前記表示装置に表示させ、前記第1スイッチ及び前記第2スイッチの少なくとも一方の操作に基づいて、前記表示装置に表示された前記複数の方位名のうちの任意の方位名を選択可能であり、前記操舵切換スイッチの操作があると、選択された方位名の方位情報が示す方位を前記基準方位に設定する請求項3に記載の乗用野菜移植機。
  5. 前記複数の項目には、条間設定の項目が含まれ、
    前記記憶装置は、前記条間設定の項目とその設定値とを対応付けて記憶し、
    前記制御装置は、前記設定モードである場合に、前記第1スイッチ及び前記第2スイッチの少なくとも一方の操作に基づいて前記複数の項目の中から前記条間設定の項目が選択された状態で前記操舵切換スイッチが操作されると、前記記憶装置に記憶された前記条間設定を前記表示装置に表示させ、前記第1スイッチ及び前記第2スイッチの少なくとも一方の操作に基づいて、前記表示装置に表示された前記条間設定の設定値を変更し、前記操舵切換スイッチの操作があると、変更した条間設定の設定値を前記条間設定の項目に対応付けて前記記憶装置に記憶させる請求項3に記載の乗用野菜移植機。
  6. 前記複数の項目には、自動操舵感度設定の項目が含まれ、
    前記記憶装置は、前記自動操舵感度設定の項目とその設定値とを対応付けて記憶し、
    前記制御装置は、前記設定モードである場合に、前記第1スイッチ及び前記第2スイッチの少なくとも一方の操作に基づいて前記複数の項目の中から前記自動操舵感度設定の項目が選択された状態で前記操舵切換スイッチが操作されると、前記記憶装置に記憶された前記自動操舵感度設定を前記表示装置に表示させ、前記第1スイッチ及び前記第2スイッチの少なくとも一方の操作に基づいて、前記表示装置に表示された前記自動操舵感度設定の設定値を変更し、前記操舵切換スイッチの操作があると、変更した自動操舵感度設定の設定値を前記自動操舵感度設定の項目に対応付けて前記記憶装置に記憶させる請求項3に記載の乗用野菜移植機。
  7. 前記制御装置は、前記設定モードでない場合に、前記第1スイッチが操作されたときの前記走行体の位置を前記始点として取得し、前記走行体を前記始点から所定距離以上走行させて前記第2スイッチの操作が操作されたときの前記走行体の位置を前記終点として取得し、前記始点と前記終点とを結ぶラインの方位を示す方位値を前記表示装置に表示させる請求項3に記載の乗用野菜移植機。
  8. 前記制御装置は、前記方位値が前記表示装置に表示されているときに、前記第2スイッチが第1操作されると、方位名が前記表示装置に表示され、前記第1スイッチ及び前記第2スイッチの少なくとも一方の操作に基づいて前記方位名を選択し、前記操舵切換スイッチが操作されると、前記方位値を前記基準方位とし、当該基準方位と選択された前記方位名とを対応付けて前記記憶装置に記憶させる請求項7に記載の乗用野菜移植機。
  9. 前記制御装置は、前記設定モードでない場合に、前記第2スイッチが第2操作されると、前記記憶装置に前記基準方位が記憶されていれば、前記記憶装置に記憶されている前記基準方位及び前記方位名を前記表示装置に表示させ、前記方位値が前記表示装置に表示されている間は前記自動操舵の制御を開始しない請求項8に記載の乗用野菜移植機。
  10. 前記複数の項目には、圃場に関連性がある項目を関連付けた関連設定の項目が含まれ、
    前記記憶装置は、前記関連設定の項目と、当該関連設定の項目に対応付けられた複数の設定値とを記憶し、前記複数の設定値には、前記基準方位、条間及び自動操舵感度のうちの2つ以上が含まれ、
    前記制御装置は、前記設定モードである場合に、前記第1スイッチ及び前記第2スイッチの少なくとも一方の操作に基づいて前記複数の項目の中から前記関連設定の項目が選択された状態で前記操舵切換スイッチが操作されると、前記記憶装置に記憶された前記関連設定の項目の前記複数の設定値を前記表示装置に順次に表示させる請求項3に記載の乗用野菜移植機。
  11. 前記表示装置は、セグメント表示部を含み、
    前記制御装置は、前記設定モードである場合に、前記複数の項目のうちで選択された項目と、その設定値とを、前記セグメント表示部に順番に表示させ、前記設定値について階層的に分けられた複数の設定値がある場合には当該複数の設定値を階層順に前記セグメント表示部に表示させる請求項3~10の何れか1項に記載の乗用野菜移植機。
  12. 衛星測位情報を受信するアンテナユニットを備え、
    前記制御装置は、前記設定モードでないときに前記操舵切換スイッチがオンされると、前記衛星測位情報に基づいて前記自動操舵の制御を開始し、前記操舵切換スイッチがオフされると前記自動操舵の制御を終了する請求項11に記載の乗用野菜移植機。
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