JP2024092776A - 炭化珪素ウェハおよびそれを用いた炭化珪素半導体装置 - Google Patents

炭化珪素ウェハおよびそれを用いた炭化珪素半導体装置

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Abstract

【課題】エピタキシャル層のトラップ密度が1.0×1013cm-3以下とする。
【解決手段】SiCで構成される基板と、SiCで構成され、基板上に配置されたエピタキシャル層と、を備え、半導体素子が形成されるチップ形成領域と、チップ形成領域を囲む外周領域とを有し、エピタキシャル層は、チップ形成領域において、DLTS法で導出される0.10~0.20eVの活性化エネルギーにおけるトラップ密度が1.0×1013cm-3以下とされ、基板は、SIMS法で測定されるTi密度およびCr密度がそれぞれ1.0×1017cm-3以下とされている。
【選択図】図4

Description

本発明は、炭化珪素(以下では、SiCともいう)で構成されるSiCウェハおよびそれを用いたSiC半導体装置に関するものである。
従来より、SiCで構成される基板上にSiCのエピタキシャル層を成長させてSiCウェハを構成し、このSiCウェハを用いてMOSFET等の半導体素子を形成したSiC半導体装置が提案されている。なお、MOSFETは、metal oxide semiconductor field effect transistorの略称である。
例えば、MOSFETが形成されたSiC半導体装置は、次のような構成とされる。すなわち、MOSFETは、n型の基板と、基板上に配置されるn型のドリフト層と、ドリフト層上に配置されるp型のベース層と、ベース層の表層部に形成されるn型のソース領域とを有している。また、MOSFETは、ソース領域を貫通してドリフト層に達するように形成されたトレンチゲート構造と、ベース層およびソース領域と電気的に接続される第1電極と、基板と接続される第2電極とを有している。
そして、このようなSiC半導体装置は、次のように構成される。すなわち、ウェハ状の基板にn型のエピタキシャル層を配置してSiCウェハを構成した後、イオン注入等を行ってベース層やソース領域等を形成し、SiCウェハをチップ単位に分割することで製造される。なお、ドリフト層は、エピタキシャル層のうちのベース層やソース領域を構成する部分と異なる部分で構成される。
ところで、上記のようなSiC半導体装置は、広い電圧領域、詳しくは100Vから10kV以上の適用範囲に渡って既存のシリコンで構成される半導体装置に取って変わることが期待されている。この場合、SiC半導体装置の耐圧が10kVを超える超高耐圧デバイスとするには、伝導度変調効果を得るために低濃度のエピタキシャル層(すなわち、ドリフト層)が必要となる。例えば、非特許文献1には、超高耐圧デバイスを得るため、エピタキシャル層の不純物濃度を1.0×1014cm-3以下とすることが提案されている。
Materials Science Forum Vol924,pp 568-572
本発明者らは、上記の電圧領域全てに適用可能なエピタキシャル層(すなわち、ドリフト層)を作製するための技術の確立について鋭意検討を行った。具体的には、エピタキシャル層の不純物濃度を意図して制御するための技術について鋭意検討を行った。そして、本発明者らは、エピタキシャル層の不純物濃度を1.0×1014cm-3以下とするためには、エピタキシャル層におけるトラップ密度の影響を低減する必要があることに着目した。特に、Ti(すなわち、チタン)やCr(すなわち、クロム)は、エピタキシャル層に取り込まれた際に伝導帯から浅い位置に準位を形成してn型不純物として振る舞うことが知られており、SiC半導体装置の耐圧に影響する。そして、エピタキシャル層のトラップ密度が耐圧に影響し難くするためには、エピタキシャル層のトラップ密度をエピタキシャル層の不純物濃度よりも10%程度低くすることが好ましい。つまり、エピタキシャル層の不純物濃度を1.0×1014cm-3以下とする場合には、エピタキシャル層のトラップ密度を1.0×1013cm-3以下にすることが好ましい。なお、より低耐圧のデバイス、例えば1kV程度の場合、エピタキシャル層の不純物濃度は0.5~5.0×1016cm-3とされる。この場合、不純物濃度制御は容易な方向に向かうため、エピタキシャル層のトラップ密度を1.0×1013cm-3以下にすることができれば、異なる電圧領域のデバイスを作製するためのエピタキシャル層も包含することになる。
本発明は上記点に鑑み、エピタキシャル層のトラップ密度が1.0×1013cm-3以下であるSiCウェハおよびSiC半導体装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するための請求項1は、SiCで構成されるSiCウェハであって、SiCで構成される基板(10)と、SiCで構成され、基板上に配置されたエピタキシャル層(20)と、を備え、半導体素子が形成されるチップ形成領域(RA)と、チップ形成領域を囲む外周領域(RB)とを有し、エピタキシャル層は、チップ形成領域において、DLTS法で導出される0.10~0.20eVの活性化エネルギーにおけるトラップ密度が1.0×1013cm-3以下とされ、基板は、SIMS法で測定されるTi密度およびCr密度がそれぞれ1.0×1017cm-3以下とされている。
これによれば、エピタキシャル層におけるTiおよびCrに起因するトラップ密度を1.0×1013cm-3以下にできるため、超高耐圧のデバイスまで製造できるSiCウェハとできる。また、基板上にエピタキシャル層を成長させる前においては、SIMS法で基板のTi密度およびCr密度が1.0×1017cm-3以下であるか否かを確認すればよく、製造工程を大幅に増加させることなく、信頼性の高いSiC半導体装置を製造することができる。同様に、基板上にエピタキシャル層を成長させた後には、DLTS法でエピタキシャル層のTiおよびCrのトラップ密度が1.0×1013cm-3以下であるか否かを確認すればよく、製造工程を大幅に増加させることなく、信頼性の高いSiC半導体装置を得ることができる。
請求項6は、SiC半導体装置であって、請求項1に記載の基板およびエピタキシャル層を備え、基板とエピタキシャル層との積層方向に沿って電流を流す半導体素子が形成されている。
これによれば、超高耐圧のデバイスであるSiC半導体装置とできる。
なお、各構成要素等に付された括弧付きの参照符号は、その構成要素等と後述する実施形態に記載の具体的な構成要素等との対応関係の一例を示すものである。
第1実施形態におけるSiC半導体装置の断面図である。 温度とDLTS法で得られる信号との関係を示す図である。 SiCウェハの平面図である。 SIMS法で測定される基板中のTi密度と、DLTS法で得られるエピタキシャル層中のTiトラップ密度との関係を示す図である。
以下、本発明の実施形態について図に基づいて説明する。なお、以下の各実施形態相互において、互いに同一もしくは均等である部分には、同一符号を付して説明を行う。
(第1実施形態)
第1実施形態について、図面を参照しつつ説明する。なお、本実施形態では、半導体素子としてのMOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistorの略)が形成されたSiC半導体装置1を例に挙げて説明する。なお、SiC半導体装置1は、特に図示しないが、セル領域、およびセル領域を囲むように形成された周辺領域を有している。そして、図1に示すMOSFETは、SiC半導体装置1のうちのセル領域に形成されている。
SiC半導体装置1は、SiCで構成されるn型の基板10を用いて構成されている。基板10の表面上には、SiCで構成されるエピタキシャル層20が配置されている。本実施形態のエピタキシャル層20は、n型のバッファ層21、n型のドリフト層22、およびp型のベース層23が順に配置された構成とされている。
なお、本実施形態のエピタキシャル層20は、基板10の面方向に対する法線方向に沿った長さを膜厚とすると、膜厚が4~300μm程度とされ、不純物濃度が5.0×1013~1.0×1019cm-3とされている部分を有する構成とされている。また、具体的には後述するが、エピタキシャル層20は、DLTS(Deep Level Transient Spectroscopyの略)法で測定される0.10~0.20eVの活性化エネルギー内のTiおよびCrのトラップ密度がそれぞれ1.0×1013cm-3以下とされている。
ベース層23の表層部には、n型のソース領域24が形成されている。なお、ソース領域24は、ベース層23の表層部にイオン注入をするか、またはベース層23に溝を形成すると共に当該溝にn型のエピタキシャル層を配置することで構成される。
基板10は、例えば、比抵抗が30mΩ・cm以下(例えば、20mΩ・cm)とされ、表面が(0001)Si面とされ、(0001)Si面に対して0.5~5°のオフ角が設けられたものが用いられる。また、基板10は、具体的には後述するが、SIMS法(Secondary Ion Mass Spectrometryの略)で測定されるTi密度およびCr密度が1.0×1017cm-3以下とされている。なお、本実施形態では、基板10がMOSFETにおけるドレイン層を構成する。
バッファ層21は、例えば、n型不純物濃度が1.0×1016~1.0×1019cm-3とされている。ドリフト層22は、超高耐圧デバイスとするため、n型不純物濃度が1.0×1014cm-3以下とされている。
ベース層23は、チャネル領域が形成される部分であり、例えば、p型不純物濃度が3.0×1017cm-3程度とされ、厚さが0.5~2μmとされている。ソース領域24は、ドリフト層22よりも高不純物濃度とされ、例えば、表層部におけるn型不純物濃度が2.5×1018~1.0×1019cm-3程度とされ、厚さが0.5~2μmとされている。なお、ドリフト層22、ベース層23およびソース領域24の膜厚等は、任意であり、上記に限定されるものではない。
また、ベース層23およびソース領域24を貫通してドリフト層22に達するようにトレンチ30が形成されている。そして、このトレンチ30の側面と接するように、上記のベース層23およびソース領域24が配置されている。なお、図1では、1本のトレンチ30のみを図示しているが、実際のトレンチ30は、複数本が紙面左右方向に等間隔に配置されたストライプ状に形成されている。
トレンチ30の内壁面には、ゲート絶縁膜31が形成されている。ゲート絶縁膜31の表面には、ドープドPoly-Siにて構成されたゲート電極32が形成されている。そして、トレンチ30は、これらゲート絶縁膜31およびゲート電極32によって埋め尽くされている。本実施形態では、このようにしてトレンチゲート構造が構成されている。
エピタキシャル層20上には、ゲート電極32と絶縁され、ベース層23およびソース領域24と接続されるソース電極としての上部電極41が配置されている。本実施形態では、上部電極41は、例えば、Ni/Al等の複数の金属にて構成されている。そして、複数の金属のうちのn型SiC(すなわち、ソース領域24)を構成する部分と接触する部分は、n型SiCとオーミック接触可能な金属で構成されている。また、複数の金属のうちの少なくともp型SiC(すなわち、ベース層23)と接触する部分は、p型SiCとオーミック接触可能な金属で構成されている。
基板10の裏面側には、基板10と電気的に接続されるドレイン電極としての下部電極42が形成されている。本実施形態では、このような構造により、nチャネルタイプの反転型であるトレンチゲート構造のMOSFETが構成されている。そして、このようなMOSFETが複数配置されることでセル領域が構成されている。
以上が本実施形態におけるSiC半導体装置1の基本的な構成である。このようなSiC半導体装置1は、ゲート電極32に所定のゲート電圧が印加されることにより、ベース層23のうちのトレンチ30と接する部分に反転層が形成されて上部電極41と下部電極42との間に電流が流れる。つまり、基板10とエピタキシャル層20との積層方向に沿った電流が流れる。
そして、上記のように、10kV以上の超高耐圧を有するSiC半導体装置1とする場合には、ドリフト層22の不純物濃度を1.0×1014cm-3以下にすることが望まれる。そして、ドリフト層22の不純物濃度を1.0×1014cm-3以下にする場合には、耐圧に影響し難くなるように、ドリフト層22(すなわち、エピタキシャル層20)のトラップ密度を1.0×1013cm-3以下にすることが望まれる。
ここで、現状ではトラップ密度を分析するための手法としてSIMS法が良く用いられているが、SIMS法では、1.0×1014cm-3以下のトラップ密度を検出することが困難であると報告されている。このため、本発明者らは、1.0×1011cm-3程度のトラップ密度まで評価可能なDLTS法を用いてエピタキシャル層20のトラップ密度を評価することについて検討し、図2に示される結果を得た。
図2に示されるように、DLTS法では、90K付近に欠陥ピークI1が存在することが確認された。そして、この欠陥ピークI1に基づいて活性化エネルギーを導出すると、活性化エネルギーは0.1~0.2eVとなる。つまり、エピタキシャル層20は、DLTS法で測定される0.10~0.20eVの活性化エネルギーに欠陥ピークI1を有するといえる。そして、この欠陥ピークI1は、TiおよびCrの欠陥準位に相当するものである。つまり、欠陥ピークI1は、TiおよびCrに起因しているといえる。なお、図2中のピークI2は、炭素空孔に起因するピークである。また、図2は、後述するSiCウェハ100を製造した後にショットキー電極を形成して評価を行った結果であり、DLTS法における区間期間を19.2msとした場合の結果である。この場合、ショットキー電極は、後述するSiCウェハ100中の全体に均一に形成してもよいし、TEGとして形成するようにしてもよい。
そして、エピタキシャル層20にTiおよびCrが取り込まれる原因は、エピタキシャル層20を成長させる際の各部材、原料ガス、および下地となる基板10の影響が考えられる。具体的には、上記のようなSiC半導体装置1は、次のように製造される。すなわち、まず、ウェハ状の基板10を用意し、基板10上にエピタキシャル層20を成長させ、図3に示されるように、複数のチップ形成領域RAと、チップ形成領域RAを囲む外周領域RBとを有するSiCウェハ100を製造する。なお、各チップ形成領域RAは、ダイシングラインDLによって区画されている。そして、SiC半導体装置1は、各チップ形成領域RAにイオン注入等の所定の半導体製造プロセスを行ってソース領域24等を有する半導体素子を形成した後、各チップ形成領域RAをダイシングラインDLに沿ってチップ単位に分割することで製造される。
なお、外周領域RBは、例えば、SiCウェハ100の面方向における端部から3mmとされる。また、上記バッファ層21およびドリフト層22等(すなわち、エピタキシャル層20)の厚さおよび不純物濃度は、SiCウェハ100の状態でも同様となる。
この場合、SiCウェハ100は、反応室を構成するチャンバ内に配置された台座上に基板10を配置し、チャンバ内の温度を制御しつつ、シランやプロパン等の反応ガスをチャンバ内に導入して基板10上にエピタキシャル層20を成長させて製造される。
そして、チャンバ等の各部材およびエピタキシャル層20を成長させるための反応ガスは、エピタキシャル層20の結晶品質を良くするため、通常はできる限り高純度な材料が用いられる。例えば、チャンバ等の各部材は、極めて高純度な炭素部材で構成されるものが用いられたり、高純度な炭素コーディング膜で覆われたものが用いられる。このため、エピタキシャル層20内のTiおよびCrは、基板10上にエピタキシャル層20を成長させる際、基板10に含まれるTiおよびCrがデガスとしてエピタキシャル層20内に取り込まれていると考えられる。そして、本発明者らは、基板10中のTi密度と、エピタキシャル層20内に形成されるTiトラップ密度との関係について鋭意検討を行い、図4に示される結果を得た。なお、基板10中のTi密度はSIMS法で測定しており、エピタキシャル層20中のTiトラップ密度はDLTS法で測定している。
図4に示されるように、基板10中のTi密度が高くなるほどエピタキシャル層20内のTiトラップ密度も高くなることが確認される。そして、エピタキシャル層20中のTiトラップ密度を1.0×1013cm-3以下とするには、基板10中のTi密度を1.0×1017cm-3以下とすればよいことが確認される。なお、ここでは、Ti密度について説明したが、Crについてもほぼ同様の結果となる。したがって、本実施形態では、基板10のTi密度およびCr密度が1.0×1017cm-3以下とされている。
また、上記のようにSiCウェハ100を製造する場合、端部側の部分は半導体素子が形成されない外周領域RBとなる。したがって、エピタキシャル層20は、少なくともチップ形成領域RAのTiおよびCrのトラップ密度が1.0×1013cm-3以下とされていればよい。
さらに、エピタキシャル層20は、SiC半導体装置1を構成した際の歩留まりが低下することを抑制するため、基板10の面方向に沿ったキャリア濃度分布のずれが15%以内とされていることが好ましい。この場合、詳しくは、各チップ形成領域RAに位置するエピタキシャル層20の面方向に沿ったキャリア濃度分布のずれが15%以内とされていることが好ましい。
なお、基板10は、通常、SiCインゴットを切断して得られる。具体的には、SiCインゴットは、高温CVD(chemical vapor depositionの略)法や昇華法によって得られる。より詳しくは、SiCインゴットは、チャンバ内にSiCで構成される種基板を配置し、チャンバの周囲等に配置された加熱装置でチャンバ内の温度を制御しつつ、シランやプロパン等の反応ガスをチャンバ内に導入して種基板上にエピタキシャル層を成長させることで製造される。そして、SiCインゴットを製造する際においても、種基板からエピタキシャル層へTiおよびCrがデガスとして取り込まれる。したがって、SiCインゴットを製造する際の種基板においても、Ti密度およびCr密度が1.0×1017cm-3以下のものを用いることにより、Ti密度およびCr密度が1.0×1017cm-3以下とされたSiCインゴット(すなわち、基板10)を製造できる。
以上説明した本実施形態によれば、基板10のTi密度およびCr密度が1.0×1017cm-3以下とされている。このため、エピタキシャル層20におけるTiおよびCrに起因するトラップ密度を1.0×1013cm-3以下にでき、超高耐圧のデバイスまで製造できるSiCウェハ100とできる。また、基板10上にエピタキシャル層20を成長させる前においては、SIMS法で基板10のTi密度およびCr密度が1.0×1017cm-3以下であるか否かを確認すればよく、製造工程を大幅に増加させることなく、信頼性の高いSiC半導体装置1を得ることができる。同様に、基板10上にエピタキシャル層20を成長させた後には、DLTS法でエピタキシャル層20のTiおよびCrのトラップ密度が1.0×1013cm-3以下であるか否かを確認すればよく、製造工程を大幅に増加させることなく、信頼性の高いSiC半導体装置を得ることができる。なお、エピタキシャル層20を成長させた後に基板10およびエピタキシャル層20の各要件をそれぞれ確認するようにしてもよい。また、これらの要件を確認する場合には、さらにCV測定を行って実行的な不純物濃度を確認するようにしてもよい。
(1)本実施形態では、SiCウェハ100におけるエピタキシャル層20は、基板10の面方向に沿ったキャリア濃度分布のずれが15%以内とされている。このため、SiC半導体装置1を製造する際の歩留まりが低下することを抑制できる。
(2)本実施形態では、エピタキシャル層20は、不純物濃度が5.0×1013~1.0×1019cm-3とされている部分を有し、膜厚が4~300μmとされている。また、バッファ層21は、1.0×1016~1.0×1019cm-3とされており、ドリフト層22は、1.0×1014cm-3以下とされている。このため、超高耐圧なMOSFETとすることができる。
(他の実施形態)
本開示は、実施形態に準拠して記述されたが、本開示は当該実施形態や構造に限定されるものではないと理解される。本開示は、様々な変形例や均等範囲内の変形をも包含する。加えて、様々な組み合わせや形態、さらには、それらに一要素のみ、それ以上、あるいはそれ以下、を含む他の組み合わせや形態をも、本開示の範疇や思想範囲に入るものである。
例えば、上記各実施形態では、MOSFETが形成されたSiC半導体装置1について説明した。しかしながら、SiC半導体装置1は、ショットキーダイオードを有する構成とされていてもよいし、pnダイオードを有する構成とされていてもよい。
また、上記各実施形態では、第1導電型をn型、第2導電型をp型としたnチャネルタイプのトレンチゲート構造のMOSFETが形成されたSiC半導体装置1を説明した。しかしながら、例えばnチャネルタイプに対して各構成要素の導電型を反転させたpチャネルタイプのトレンチゲート構造のMOSFETが形成されたSiC半導体装置1とされていてもよい。さらに、SiC半導体装置1は、MOSFET以外に、同様の構造のIGBTが形成された構成とされていてもよい。IGBTの場合、上記第1実施形態におけるn型の基板10をp型の基板10に変更する以外は、上記第1実施形態で説明したMOSFETと同様である。
(本発明の特徴)
[請求項1]
炭化珪素で構成される炭化珪素ウェハであって、
炭化珪素で構成される基板(10)と、
炭化珪素で構成され、前記基板上に配置されたエピタキシャル層(20)と、を備え、
半導体素子が形成されるチップ形成領域(RA)と、前記チップ形成領域を囲む外周領域(RB)とを有し、
前記エピタキシャル層は、前記チップ形成領域において、DLTS法で導出される0.10~0.20eVの活性化エネルギーにおけるトラップ密度が1.0×1013cm-3以下とされ、
前記基板は、SIMS法で測定されるTi密度およびCr密度がそれぞれ1.0×1017cm-3以下とされている炭化珪素ウェハ。
[請求項2]
前記エピタキシャル層は、前記基板の面方向に沿ったキャリア濃度分布のずれが15%以内とされている請求項1に記載の炭化珪素ウェハ。
[請求項3]
前記エピタキシャル層は、不純物濃度が5.0×1013~1.0×1019cm-3とされている部分を有する請求項1または2に記載の炭化珪素ウェハ。
[請求項4]
前記エピタキシャル層は、膜厚が4~300μmとされている請求項1ないし3のいずれか1つに記載の炭化珪素ウェハ。
[請求項5]
前記エピタキシャル層は、前記基板側に位置するバッファ層(21)と、前記バッファ層上に位置するドリフト層(22)と、を有し、
前記バッファ層は、1.0×1016~1.0×1019cm-3とされている請求項4に記載の炭化珪素ウェハ。
[請求項6]
炭化珪素半導体装置であって、
請求項1ないし5のいずれか1つに記載の基板およびエピタキシャル層を備え、
前記基板と前記エピタキシャル層との積層方向に沿って電流を流す半導体素子が形成された炭化珪素半導体装置。
10 基板
20 エピタキシャル層
RA チップ形成領域
RB 外周領域

Claims (6)

  1. 炭化珪素で構成される炭化珪素ウェハであって、
    炭化珪素で構成される基板(10)と、
    炭化珪素で構成され、前記基板上に配置されたエピタキシャル層(20)と、を備え、
    半導体素子が形成されるチップ形成領域(RA)と、前記チップ形成領域を囲む外周領域(RB)とを有し、
    前記エピタキシャル層は、前記チップ形成領域において、DLTS法で導出される0.10~0.20eVの活性化エネルギーにおけるトラップ密度が1.0×1013cm-3以下とされ、
    前記基板は、SIMS法で測定されるTi密度およびCr密度がそれぞれ1.0×1017cm-3以下とされている炭化珪素ウェハ。
  2. 前記エピタキシャル層は、前記基板の面方向に沿ったキャリア濃度分布のずれが15%以内とされている請求項1に記載の炭化珪素ウェハ。
  3. 前記エピタキシャル層は、不純物濃度が5.0×1013~1.0×1019cm-3とされている部分を有する請求項1または2に記載の炭化珪素ウェハ。
  4. 前記エピタキシャル層は、膜厚が4~300μmとされている請求項1に記載の炭化珪素ウェハ。
  5. 前記エピタキシャル層は、前記基板側に位置するバッファ層(21)と、前記バッファ層上に位置するドリフト層(22)と、を有し、
    前記バッファ層は、1.0×1016~1.0×1019cm-3とされている請求項3に記載の炭化珪素ウェハ。
  6. 炭化珪素半導体装置であって、
    請求項1に記載の基板およびエピタキシャル層を備え、
    前記基板と前記エピタキシャル層との積層方向に沿って電流を流す半導体素子が形成された炭化珪素半導体装置。
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