JP2024090250A - 真空処理装置の運転方法 - Google Patents

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Abstract

Figure 2024090250000001
【課題】真空処理装置の運転方法に関して、真空処理室の利用効率を向上できる技術を提供する。
【解決手段】真空処理装置における運転方法は、コントローラが、手前側の第1の真空搬送容器に接続されている第1の真空処理容器内で任意の1つの試料の処理が終了する前に、予め、当該未処理の試料を、奥側の第2の真空搬送容器に接続されている第2の真空処理容器に搬送して処理を行った場合の第1のスループットと、当該未処理の試料を、スケジュールにおいて定められた第1の真空処理容器に搬送して処理を行った場合の第2のスループットとを算出し、第2のスループットよりも第1のスループットの方が大きいと判定した場合に、未処理の試料を第2の真空処理容器に搬送するように、スケジュールを再度定め、複数の試料を処理させるように運転を制御するステップを有する。
【選択図】図3

Description

本開示は、真空処理装置等の技術に関し、特に、真空容器内部の処理室内に半導体ウエハ等の基板状の試料を配置して当該試料を処理する真空処理容器(言い換えると真空処理室)を複数有し、複数の真空処理容器に連結された複数の真空搬送容器(言い換えると真空搬送室)を有する、真空処理装置の運転方法等に関する。
真空処理装置としては、各々の真空搬送容器内に搬送ロボットを持つ複数の真空搬送容器に対し、各々の真空処理容器内に処理ユニットを持つ複数の真空処理容器が接続されている、リンク式の真空処理装置がある。真空搬送容器内の搬送ロボットに備える複数のアーム(言い換えるとワンド)によって半導体ウエハ等の試料の受け渡しが行われる。また、説明上、複数の真空搬送容器が配置される方向に関して、大気側に最も近い真空搬送容器を手前とし、大気側から遠ざかる後続の真空搬送容器を奥(言い換えると後ろ)とし、前後方向と記載する場合がある。
上記のような真空処理装置の運転方法に係わる先行技術例として、特開2013-98412号公報(特許文献1)が挙げられる。特許文献1には、複数の搬送ロボット間でウエハの受け渡しを行う線形ツールの真空処理装置において、複数ウエハを連続的に処理する際のスループット(単位時間当たりの処理枚数)を向上させる旨の技術が記載されている。特許文献1には、複数のウエハ(被処理体)の搬送開始前に処理室の数および配置とウエハの処理時間との組合せの条件毎にウエハの搬送を制御する複数の搬送アルゴリズムをシミュレーションして得られた搬送アルゴリズム判定ルールの中から、最大のスループット値が予測される搬送アルゴリズムを選択し、選択された搬送アルゴリズムに基づいてウエハの搬送先を算出することにより、最高スループットの搬送制御を提供する旨が記載されている。
特開2013-98412号公報
上記背景技術では、以下の点について考慮が不十分であったため、課題が生じていた。
ウエハ上の処理対象の膜層の処理の条件やレシピによっては、処理中に形成された反応生成物等の処理室内の粒子に起因して異物が生じる場合がある。この異物発生を抑制するために、処理済みウエハを真空処理室から搬出した後に、処理室内部を密封して、所定時間だけ真空処理室の内部においてAr(アルゴン)等の不活性ガスをパージしつつ処理室内部を排気し、異物を生起させる虞のある粒子を処理室外に排出する工程を行う必要がある場合がある。このようなウエハ搬出後のArパージ工程が実施されている間では、真空側搬送ロボットは、ワンド上で現在Arパージ中の真空処理室に搬送が決められている未処理のウエハを保持したまま待機している。すなわち、当該真空側搬送ロボットは、その他のウエハを搬送できない状態となる。
上記の通り、真空側搬送ロボットが任意の未処理のウエハを真空処理室に搬入する時、Arパージ工程による待ち時間が生じて、当該未処理のウエハの次に搬送が予定されている別の真空処理室行きの未処理のウエハの搬送が遅れる。別の真空処理室は、Arパージ中の真空処理室、あるいはその真空処理室を経由する先にある他の真空処理室である。上記待機の結果として、真空処理室の利用効率が低下する。このような課題は、複数の真空処理室および複数の真空搬送室を有する構成において、手前の真空搬送室に接続された真空処理室にウエハを搬送する頻度が高いほど、頻発する。
本開示の目的は、上記真空処理装置の運転方法に関して、真空処理室の利用効率を向上できる技術を提供することである。
本開示のうち代表的な実施の形態は以下に示す構成を有する。一実施の形態の真空処理装置の運転方法は、処理対象の試料を搬送する搬送ロボットが収納された真空搬送容器が、複数、前後方向に配置された、複数の真空搬送容器と、前記複数の真空搬送容器における隣接する真空搬送容器の間を連結するように配置された、内部に前記試料の収納室を備える中間容器と、前記複数の真空搬送容器のうち、前記前後方向で最前の第1の真空搬送容器の前方に連結されるように配置され、内部に前記試料の収納室を備えるロードロック室と、前記複数の真空搬送容器に対し、左右方向に連結されるように配置された、複数の真空処理容器であって、各々の真空処理容器には、内部の処理室に搬送された前記試料を処理する処理ユニットを備える、前記複数の真空処理容器と、前記ロードロック室の前方に配置されたカセットの内部に収納されている複数の試料の各々の試料を、予め定めたスケジュールに基づいて、前記ロードロック室から前記複数の真空処理容器のうちのいずれか1つに搬送して処理するように制御する、コントローラと、を備える真空処理装置における運転方法であって、前記複数の真空搬送容器のうち、前記前後方向で手前側に配置されている真空搬送容器を第1の真空搬送容器、奥側に配置されている真空搬送容器を第2の真空搬送容器とし、前記複数の真空処理容器のうち、前記第1の真空搬送容器に接続されている真空処理容器を第1の真空処理容器、前記第2の真空搬送容器に接続されている真空処理容器を第2の真空処理容器とした場合に、前記第1の真空搬送容器に接続されている前記ロードロック室または前記中間容器に収納された、前記複数の試料のうちの未処理の1つの試料について、前記スケジュールにおいて、前記第1の真空搬送容器に接続されている前記第1の真空処理容器に搬送されることが定められた状態で、前記コントローラが、前記第1の真空搬送容器に接続されている前記第1の真空処理容器内で任意の1つの前記試料の処理が終了する前に、予め、当該未処理の試料を、前記第2の真空搬送容器に接続されている前記第2の真空処理容器に搬送して処理を行った場合の第1のスループットと、当該未処理の試料を、前記スケジュールにおいて定められた前記第1の真空搬送容器に接続されている前記第1の真空処理容器に搬送して処理を行った場合の第2のスループットと、を算出し、前記第1のスループットと前記第2のスループットとを比較した結果、前記第1のスループットの方が大きいと判定した場合に、前記未処理の試料を前記第2の真空搬送容器に接続されている前記第2の真空処理容器に搬送するように、前記スケジュールを再度定め、前記複数の試料を処理させるように運転を制御する第1のステップ、を有する、真空処理装置の運転方法である。
本開示のうち代表的な実施の形態によれば、上記真空処理装置の運転方法に関して、真空処理室の利用効率を向上できる。上記した以外の課題、構成および効果等については、発明を実施するための形態において示される。
本実施例に係わる真空処理装置の全体の構成の概略を示す図。 本実施例における、ウエハを搬送するスケジューリングの流れを示すフローチャート。 本実施例における、搬送順入替を決定するまでの流れを示すフローチャート。 本実施例における、対象処理ユニット(PU)に対して搬送順入替による待ち時間の変化量を算出する処理のフローチャート。 本実施例における、搬送順入替可否の判定条件の一覧表。 本実施例の適用の前後でのウエハ搬送のタイミングチャート。 本実施例の適用の前後での各処理室における処理終了時間の差を示したタイミングチャート。 本実施例における、搬送律速や待機時間等に関する補足説明図。
以下、図面を参照しながら本開示の実施の形態を詳細に説明する。図面において、同一部には原則として同一符号を付し、繰り返しの説明を省略する。図面において、構成要素の表現は、発明の理解を容易にするために、実際の位置、大きさ、形状、範囲等を表していない場合がある。
説明上、プログラムによる処理について説明する場合に、プログラムや機能や処理部等を主体として説明する場合があるが、それらについてのハードウェアとしての主体は、プロセッサ、あるいはそのプロセッサ等で構成されるコントローラ、装置、計算機、システム等である。計算機は、プロセッサによって、適宜にメモリや通信インタフェース等の資源を用いながら、メモリ上に読み出されたプログラムに従った処理を実行する。これにより、所定の機能や処理部等が実現される。プロセッサは、例えばCPU/MPUやGPU等の半導体デバイス等で構成される。処理は、ソフトウェアプログラム処理に限らず、専用回路でも実装可能である。専用回路は、FPGA、ASIC、CPLD等が適用可能である。
プログラムは、対象計算機に予めデータとしてインストールされていてもよいし、プログラムソースから対象計算機にデータとして配布されてもよい。プログラムソースは、通信網上のプログラム配布サーバでもよいし、非一過性のコンピュータ読み取り可能な記憶媒体、例えばメモリカードやディスクでもよい。プログラムは、複数のモジュールから構成されてもよい。コンピュータシステムは、複数台の装置によって構成されてもよい。コンピュータシステムは、クライアント・サーバシステム、クラウドコンピューティングシステム、IoTシステム等で構成されてもよい。各種のデータや情報は、例えばテーブルやリスト等の構造で構成されるが、これに限定されない。識別情報、識別子、ID、名前、番号等の表現は互いに置換可能である。
<実施例>
図1~図7を用いて、本開示の実施例の真空処理装置の運転方法について説明する。
本実施例は、半導体デバイスを製造するために用いられる半導体ウエハなどの試料を、真空容器内部の処理室内で処理を行う、線形ツール(言い換えるとリンク式)の真空処理装置の運転方法である。
図1は、実施例1に係わる真空処理装置の全体の構成の概略を示す上面図である。図1に示す真空処理装置101は、大気側装置構成102と、真空側装置構成103と、それらの動作を制御する制御部104とを有して構成されている。制御部104は、言い換えると、コントローラ、制御装置、コンピュータシステムである。
大気側装置構成102は、大気圧下において複数枚のウエハを収納可能なカセット(以降、本実施例ではFOUPと呼ぶ)から、ウエハの搬出および搬入を実施する部分である。真空側装置構成103は、大気圧から所定の真空度まで減圧された圧力下にてウエハの搬送を行い、複数の真空処理室である真空処理室113,114,118,119の内部でウエハを処理する部分である。
なお、図1では、複数の真空搬送室(111,116,121)等が配置された、手前や奥に対応する方向を、前後方向とし、その前後方向に対して直交する、真空処理室が連結される方向を、左右方向として示している。
制御部104は、真空処理装置101全体の状態の監視や、ウエハの搬送およびウエハの処理に伴う各ステーションの動作制御を行う部分である。
大気側装置構成102は、複数枚のウエハを内部に収納可能なFOUPが置かれるロードポート105、大気圧下でのウエハ搬送を行う大気側搬送ロボット107、長方形型の大気搬送容器106、ウエハの向き調節や中心位置検出を行うアライナー108、および、ウエハの一時的な待避用の場所である待避ステーション109を有して構成されている。
大気側装置構成102は、大気側搬送ロボット107により、FOUPから処理対象のウエハを搬出した後に、アライナー108を経由して、真空側装置構成103に接続されているロードロック室110への搬入を行う。また、大気側装置構成102は、真空側装置構成103からロードロック室110に搬送されてきたウエハを搬出した後に、FOUPへの収納を行う。
ロードロック室110は、所定の真空圧下までの減圧および大気圧下までの加圧を行うことが可能な機構であり、大気側装置構成102からウエハを搬入した後に減圧を行い、真空側装置構成103と同じ真空状態にすることで真空側装置構成103へのウエハの搬入を行う。逆に、ロードロック室110は、真空側装置構成103からウエハを搬入した後には、加圧を行い、ロードロック室110の内部を大気圧状態にすることで、大気側装置構成102への搬送を行うことができる。
真空側装置構成103は、複数の真空側搬送ロボットである真空側搬送ロボット112,117,122や、複数の真空搬送室である真空搬送室111,116,121と、複数の待機スペースである待機スペース115,120と、複数の真空処理室である真空処理室113,114,118,119,123,124とを有して構成されている。
複数(本例では3個)の真空側搬送ロボットは、それぞれ、真空容器内部でウエハの搬送を行うロボットである。複数(本例では3個)の真空搬送室は、それぞれ、内部に真空側搬送ロボットを備えている。複数(本例では2個)の待機スペースは、それぞれ、複数の真空搬送室の間に設置されるスペースであり、試料の収納室を備えた中間容器である。複数(本例では6個)の真空処理室は、それぞれ、ウエハに対して施されるエッチングやアッシングや成膜等の処理のうちの所定の処理を行う処理室を内部に有する。なお、これらを構成する真空容器の間には、ゲートバルブが配置されており、当該ゲートバルブが、ウエハの搬入および搬出時に開かれる。
待機スペース115,120には、それぞれ、ウエハを置くスペースが設けられており、隣接する真空搬送室111,116,121の各真空側搬送ロボット112,117,122が、当該待機スペース115,120を利用して、ウエハを搬送できる。例えば、真空処理装置101における前方(手前側)の真空側搬送ロボット112が待機スペース115にウエハを搬入した後に、真空処理装置101における後方(奥側)の真空側搬送ロボット117が待機スペース115からウエハを搬出する。これにより、真空搬送室間でウエハを受け渡しすることができる。
制御部104は、真空処理装置101全体の状態を監視しながら、ウエハの搬送およびウエハの処理に伴う各ステーションの動作を制御する。ステーションとは、上記した真空搬送室などの各構成要素やそれに対応する場所を指す。また、制御部104は、ウエハの搬送スケジュールの決定やウエハの搬送動作を指示する演算部125と、各種のデータ・情報を記憶する記憶部126を有して構成されている。
演算部125は、少なくともプロセッサを有しており、各種の演算や処理を行う機能を有する。記憶部126は、少なくともメモリを有している。記憶部126は、制御部104の外部にある記憶資源を用いて構成されてもよい。制御部104は、1以上のプロセッサおよび1以上のメモリを有していればよく、複数のコンピュータシステムによって構成されてもよい。制御部104は、プロセッサによって、メモリ上に読み出されたプログラムに従った処理を実行する。これにより、所定の機能や処理部が実現される。
演算部125は、処理部として、例えば、搬送スケジュール処理部127や搬送制御処理部128を有する。搬送スケジュール処理部127は、ロードポート105に設置されたFOUPに収納されている複数枚のウエハを搬送する順番を決定し、言い換えると、搬送スケジュールを生成・制御する。搬送制御処理部128は、搬送スケジュールとして決定された搬送順に従い、搬送処理を制御する。搬送制御処理部128は、例えば、ウエハの搬送を行うロボットやゲートバルブなどの機器の動作を制御する。
記憶部126は、演算処理に必要なデータ・情報として、例えば、装置状態情報129、処理室情報130、処理指示情報131、処理進捗情報132、ウエハ搬送順情報133、搬送制限枚数情報134、および装置スループット情報135を有している。メモリには、その他、演算処理中に生成されたデータなどが適宜に記憶される。
また、本実施例では、制御部104は、ネットワーク(通信網)136を介して、ホスト137と接続されている。ホスト137は、制御部104に対する上位の計算機(言い換えるとコンピュータシステム)であり、真空処理装置101の使用者(ユーザ)が操作する任意の計算機(例えばPC)である。これにより、ホスト137は、真空処理装置101(特に制御部104)に対して、必要に応じて、処理の命令や状態の監視ができる。制御部104またはホスト137には、入力装置(例えばキーボード、マウス、マイク等)や出力装置(例えばディスプレイ、プリンタ、スピーカ等)が内蔵または外部接続されてもよい。その他、制御部104は、ネットワーク136を介して、外部装置として、サーバや製造実行システムなどと通信し、必要なデータ・情報を授受してもよい。制御部104は、図示しないが、通信のための通信インタフェース装置や電源装置なども備えている。
演算部125に含まれる各処理部についての概要説明は以下の通りである。搬送スケジュール処理部127は、記憶部126に予め記憶されたソフトウェア(コンピュータプログラム等)に記載されたアルゴリズムに沿って、記憶部126に記憶された装置状態情報129、処理室情報130、処理指示情報131、処理進捗情報132、および装置スループット情報135を、通信を介して入手する。その後、搬送スケジュール処理部127は、これらの情報から、ウエハ搬送順情報133の算出を行う。算出されたウエハ搬送順(ウエハ搬送順情報133)は、発信されて、搬送制御処理部128で受信される。
搬送制御処理部128は、記憶部126に記憶された、搬送スケジュール処理部127で決定した情報であるウエハ搬送順情報133と、搬送制限枚数情報134とに基づいて、真空処理装置101に対するウエハの搬送を行うための指令信号を算出する。これにより、搬送制御処理部128は、搬送ロボット(107,112,117,122)によるウエハの搬入出や移動、ロードロック室110の減圧や加圧、各真空処理室での処理やゲートバルブの開閉など、個々の動作の制御を行う。また、搬送制御処理部128は、処理室で処理が開始したときに、記憶部126に記憶された処理室情報130の情報から、適宜、ウエハ搬送順情報133を変更する処理を有する。
記憶部126に含まれる各データ・情報の概要は以下の通りである。装置状態情報129は、真空処理装置101の複数の部分の動作の状態や圧力値などの情報が含まれている。処理室情報130は、現在の真空処理室の処理室内部の状態や処理の状況を示すデータが格納されている。
これらの情報は、真空処理装置101あるいは真空処理室113,114,118,119,123,124、真空搬送室111,116,121の内部の真空側搬送ロボット112,117,122の運転の進行に伴い、変化する。これらの情報は、所定の時間間隔で周期的に更新され、最新のデータとともに、過去のデータを含んでおり、これらが区別されて、装置状態情報129または処理室情報130として記憶される。
処理指示情報131には、複数個のシーケンスレシピが、使用者により、処理前に予め設定されている。シーケンスレシピは、任意のウエハが収納されたFOUPから搬出されていずれかの真空処理室PU1,PU2,PU3,PU4,PU5,PU6に搬送されて処理された後、再度搬送されて元のFOUP内の位置に戻されるまでに経由するステーションとその順番とを含む経路の情報を有して構成される。また、シーケンスレシピは、目標の真空処理室内部での処理の情報、クリーニングの処理時間および処理条件を含んで構成される。クリーニングとは、前述のArパージ工程の場合を含む。
クリーニングの処理条件とは、例えば、「製品ウエハ10枚毎にクリーニングを実施する」等の条件である。各シーケンスレシピは、処理指示情報131内で、番号または名前により管理および識別される。
本実施例においては、真空処理装置101は、ホスト137からの処理の指示に従い、ウエハを各真空処理室に搬送した後に、各真空処理室でウエハに対しての処理を実施する。処理の指示には、処理対象の単一もしくは複数のウエハ毎に、処理指示情報131のシーケンスレシピを指定する番号が含まれる。本実施例では、ホスト137からの処理の指示をJOB(ジョブ)と呼び、そのJOBが持つ情報をJOB情報と呼ぶ。また、ホスト137は、JOBを、ネットワーク136を経由して制御部104に送信する。
処理進捗情報132は、真空処理装置101で処理が進行しているJOBに対して、当該JOBでの処理の進捗状況を示すデータが格納されている。例として、FOUPにはウエハが複数枚、例えば25枚収納されている。処理進捗情報132には、所定の時間の間隔で情報を取得している場合、任意の時刻に対して、予め与えられたウエハの処理順序の何枚目のウエハがFOUPから搬出され処理されているかを示す情報が格納されている。また、処理進捗情報132には、対応するウエハの処理指示情報131におけるどのシーケンスを実行中であるかを示す情報が格納されている。
ウエハ搬送順情報133は、FOUP内に収納された複数枚のウエハの各々について搬送の順番を示す情報が格納されている。この情報は、各ウエハの搬送順を示す番号、各ウエハが収納されているFOUP内のスロットを示す番号、各ウエハが処理される真空処理室113,114,118,119,123,124についての番号、および、各ウエハが搬送可能となるイベントの設定などが、情報として格納されている。イベントとは、ある処理室での処理の終了や、指定された待機時間の経過などである。真空処理装置101は、搬送可能なウエハから、ウエハ搬送順情報133に基づいた搬送順序に従って、ウエハの搬送を開始する。
搬送制限枚数情報134は、JOB実行中の真空処理装置101において真空処理室で処理中であるウエハと搬送中のウエハとのウエハの枚数が一定数以下になるように制限するための情報である。これは、同時に多数のウエハが処理中/搬送中になることによって、真空処理装置101内におけるステーション内にウエハが詰まってしまい(言い換えると滞留してしまい)、ある一定の時間ウエハの搬送が行えない状態になることを、避けるための情報である。
本実施例では、搬送制限枚数情報134を用いて、FOUPから未搬出のウエハについて、その搬出の可否を判定する。なお、ウエハ無しのクリーニング処理がある時、真空処理装置101内におけるステーション内にウエハが詰まっていると、クリーニングを実施する対象の真空処理室内にウエハが存在しない空き状態をつくる必要性(前述のArパージ工程の場合など)から、デッドロック状態になってしまうケースが発生する。そのようなデッドロック状態は避けたい。そのため、本実施例では、ウエハ無しクリーニング用の搬送制限枚数の条件(搬送制限枚数情報134に含まれる)を備えており、制御部104は、ウエハ無しクリーニングがある場合に、その条件に基づいてFOUPから未搬出のウエハについて、搬出の可否の判定を行う。
装置スループット情報135は、真空処理装置101において各真空処理室の組み合わせと各真空処理室内でのウエハの処理時間とにおける装置のスループットを表す情報が予め記録されている。
また、装置スループット情報135は、真空処理装置101において各真空処理室の組み合わせと各真空処理室内でのウエハの処理時間とにおける、装置が搬送律速になる基準値(「搬送律速基準値」)を持つ。律速とは一般に全体の速度を律する(決める)ことやその要因である。搬送律速とは、装置全体の搬送・処理の速度を律することやその要因である。すなわち、本実施例における搬送律速とは、真空処理室113,114,118,119,123,124のいずれかの対象真空処理室でウエハに対して実施される処理の処理時間が十分に短い場合に、その真空処理室への次のウエハの搬送が行えるようになる時刻よりも、当該処理が終わる時刻の方が、早い状態である。言い換えると、その真空処理室でのウエハの処理が終了する時刻よりも、当該真空処理室への次のウエハの搬送が可能になる時刻の方が、遅い状態である。
例えば、図1の真空搬送室111に連結された真空処理室113と真空処理室114との2つの真空処理室を使用する場合に、搬送律速基準値=40秒となる。これらの搬送律速の値は、真空処理装置101の各種機器の動作時間に基づいて算出されるので、装置の仕様が分った時点で算出またはシミュレーションできる。上記搬送律速の基準値は、対象真空処理室でウエハを処理中に、隣接する真空搬送室で搬送ロボットが次のウエハを搬送するために保持しているような待ち時間が、なるべく発生しないようにするための値である。上記搬送律速となるように制御した場合、対象真空処理室でのウエハの処理中に隣接する真空搬送室を含む手前側のステーションで次のウエハの搬送のための待ち状態になることが、回避できる。
図8は、上記搬送律速や待機時間などに関する補足説明図である。(A)では、図1の真空処理装置101の構成で、例えば、第1の真空搬送容器である真空搬送室111に接続されている第1の真空処理容器である真空処理室PU1において、第1のウエハの処理が行われる。その処理の終了後に、処理済みの第1のウエハが真空側搬送ロボットVR1により真空搬送室111(TU1)内に搬出される。その後、当該処理済みの真空処理室PU1が密封された状態で当該処理済みの真空処理室PU1内の処理室内に不活性ガスが所定時間導入されるパージ工程が行われる。制御部104は、このようなパージ工程を考慮して、搬送律速となるように、搬送順に応じたスループットや待機時間を算出した結果に基づいて、より好適なスケジュールを定める。
(B)では、上記真空処理室PU1での第1のウエハの処理時間と、上記真空搬送室TU1での次の第2のウエハ(搬送先を同じPU1とする)の搬送開始可能時間や待機時間を示す。第1のウエハの処理は、時点t1に開始し、時点t2に終了し、処理時間がT0である。第2のウエハの搬送は、2行目に示すTU1では、時点t3に開始可能である。2行目に示すTU1では、第1のウエハの処理の終了時点t2よりも、第2のウエハの搬送開始可能時点t3が後ろとなる条件を満たす場合、すなわち搬送律速となる場合を示している。時間T1は、時点t2と時点t3との差である。一方、3行目に示すTU1では、第1のウエハの処理の終了時点t2よりも、第2のウエハの搬送開始可能時点t3が前となる場合を示している。時間T2は、時点t4と時点t2との差であり、真空側搬送ロボットVR1が第2のウエハを保持したままとなる待機時間である。制御部104は、このような待機時間が生じないように、言い換えると搬送律速となるように、複数のウエハの搬送順に応じたスループットや待機時間の算出結果に基づいて、スケジュールを定める。特に、制御部104は、複数のウエハの搬送順の入れ替えを仮定した各ケースのスループットや待機時間を比較して、スループットが大きく、待機時間が小さくなるように、スケジュールを定める。
[仕様や制約]
本実施例における真空処理装置101の構成は、下記の仕様に限定される。ロードポート105は、2つ以上とする。また、真空側装置構成103において、6つの真空処理室113,114,118,119,123,124を有する真空処理装置101、または、4つの真空処理室113,114,118,119を有する真空処理装置101、に限定される。それに対応して、3つの真空搬送室111,116,121を有する構成、または、2つの真空搬送室111,116を有する構成に限定される。さらに、各々の真空搬送室(例えば3つの真空搬送室111,116,121)には、3つ以上の真空処理室が接続される真空処理装置101に限定される。また、複数の真空処理室は、全て同じ種別の真空処理室とする。真空処理室内部の真空室でウエハに対し行われる処理(エッチングやアッシング、成膜等)については、異なっていてもよい。
なお、本実施例では、処理室を内部に有する複数の真空処理室113,114,118,119,123,124の各々の真空処理室(対応する処理ユニット)を、説明の便宜上、PU1,PU2,PU3,PU4,PU5,PU6のように記載する場合がある。
ロードポート105から起動するJOBについての制約を以下に述べる。まず、1つのロードポート105で起動するJOBの搬送経路は、同一リンク内の2つ以上の真空処理室であること。なお、同一リンクとは、図1のように、複数の真空処理室が真空搬送室や待機スペースを介して連結されている構成である。
処理工程(1つの処理の工程)は、1つの真空処理室において1回の処理が行われて当該処理が完了する工程であること。
各真空処理室での製品処理時間(ウエハの処理時間)は、最もロードポート105に近い真空搬送室に接続された真空処理室の製品処理時間が、真空側搬送ロボットの動作サイクル時間よりも短いこと。
手前の真空搬送室に接続された真空処理室の処理時間よりも、それより奥の真空搬送室に接続された真空処理室の処理時間の方が長いこと。
上記仕様や制約は、本実施例での特徴的な機能を実現するために必要な仕様や制約である。
[搬送動作の流れ]
ここで、図1を用いながら、真空処理装置101における搬送動作の一連の流れについて以下に説明する。仮に、処理対象の真空処理室がPU3(118)である場合で、処理対象に対して一枚のウエハに対する真空処理装置101の一連の搬送の動作について、以下に順番に列挙して説明する。これらの真空処理装置101の搬送の動作は、主に演算部125における搬送制御処理部128によって制御される。以下の数字(1~18)は、説明上の動作ステップに相当する。
1.ロードポート105に設置された複数枚のウエハを収納可能な任意のFOUPが設定される。
2.ホスト137からネットワーク136を経由して制御部104に対しJOBが起動される。
3.搬送スケジュール処理部127によって、ウエハ搬送順情報133が更新される。
4.ウエハ搬送順情報133および搬送制限枚数情報134に従い、FOUPからウエハが大気側搬送ロボット107によって搬出される。
5.大気側搬送ロボット107によって搬出されたウエハは、アライナー108へ搬入され、ウエハのアライメントが実施される。
6.アライメントが終了したウエハは、大気側搬送ロボット107によって搬出される。
7.ロードロック室110内部が大気圧状態まで加圧された後、大気搬送容器106とロードロック室110とに連結されているゲートバルブが開き、大気側搬送ロボット107がウエハを搬入する。その後、当該ゲートバルブが閉まる。
8.ロードロック室110内部において大気圧状態から所定の真空度まで減圧された後、ロードロック室110と真空搬送室111とに連結されているゲートバルブが開き、真空側搬送ロボット112(手前側の第1の真空側搬送ロボット)がロードロック室110内部のウエハを搬出する。その後、当該ゲートバルブが閉まる。
9.真空側搬送ロボット112は、ウエハを保持したまま、待機スペース115の方を向くまで旋回した後、待機スペース115にウエハを搬入する。
10.真空処理装置101の後方(奥側)の真空側搬送ロボット117(3個のうち中間にある第2の真空側搬送ロボット)が、待機スペース115からウエハを搬出する。
11.真空側搬送ロボット117は、ウエハを保持したまま、処理対象である真空処理室PU3(118)の方を向くまで旋回した後、真空処理室PU3のゲートバルブが開き、真空処理室PU3にウエハを搬入する。その後、当該ゲートバルブが閉まる。
12.真空処理室PU3(118)の内部において、ウエハに対する処理が行われる。
13.真空処理室PU3(118)内部での処理の終了後、真空処理室PU3のゲートバルブが開き、真空側搬送ロボット117が、真空処理室PU3からウエハを搬出する。その後、当該ゲートバルブが閉まる。
14.真空側搬送ロボット117は、ウエハを保持したまま、待機スペース115の方を向くまで旋回した後、待機スペース115にウエハを搬入する。
15.真空処理装置101の前方(手前側)の真空側搬送ロボット112は、待機スペース115からウエハを搬出する。
16.真空側搬送ロボット112は、ウエハを保持したまま、ロードロック室110の方を向くまで旋回した後、ロードロック室110と真空搬送室111とに連結されたゲートバルブが開き、ウエハを搬入する。その後、当該ゲートバルブが閉まる。
17.ロードロック室110内部において大気圧状態まで加圧された後、大気搬送容器106とロードロック室110とに連結されているゲートバルブが開き、大気側搬送ロボット107が、ロードロック室110からウエハを搬出する。その後、当該ゲートバルブが閉まる。
18.大気側搬送ロボット107は、ウエハを搬出したFOUPの元のスロットの場所にウエハを収納する。
ここで説明した一連の搬送動作において、対象の真空処理室をPU4(119)にする場合には、真空側搬送ロボット117が搬入する真空処理室がPU4に変わるだけであり、その他の一連の搬送動作は上記と同様である。また、対象の真空処理室がPU1(113)またはPU2(114)である場合には、真空側搬送ロボット112に搬送された時点で、対象の真空処理室PU1またはPU2への搬送を行う搬送動作となり、搬送動作の流れに大きな変化は無い。また、上記搬送動作は、一枚のウエハに対するものであるが、真空処理装置101は、搬送動作(同一の搬送経路)において複数のウエハを同時(言い換えると順次)に扱うことができる。
なお、対象の真空処理室でウエハ搬出後の前述のArパージを実施する場合、上記13.の動作ステップの後、対象の真空処理室PU3(118)の内部でArパージが実施される。複数のウエハを扱う場合、Arパージの間、真空搬送室116内の真空側搬送ロボット117は、真空処理室PU3に搬入する次のウエハを保持したままの状態になる。真空処理装置101は、Arパージ終了後、真空側搬送ロボット117に保持されたウエハを真空処理室PU3に搬入して、14.の動作ステップ以降の処理を実施する。複数のウエハのそれぞれに対して上記搬送動作が行われる。また、真空処理装置101は、複数のFOUPを対象に上記搬送動作を行うことも可能である。
[搬送スケジュール処理部の処理]
図2は、搬送スケジュール処理部127の処理の概要を示すフローチャートであり、当該フローに基づく動作は以下の通りである。図2の処理は、ロードポート105に設置されたFOUPに収納されている複数枚のウエハを搬送する順番を決定するタイミングで周期的に実施される。まず、ステップS201で、演算部125は、ホスト137から新たなJOBの要求がある場合には、ネットワーク136を経由してJOB情報を取得する。搬送スケジュール処理部122は、演算部125の一時バッファにJOB情報を保持する。
次に、ステップS202で、演算部125は、一時バッファに保持されているJOB情報の数の分、ステップS203のJOB実行可能状態確認を繰り返し実施する。具体的には、演算部125は、記憶部126における、装置状態情報129、処理室情報130、処理指示情報131および処理進捗情報132から、真空処理装置101が該当JOBを搬送可能か確認する。真空処理装置101は、JOBを同時に実行可能である場合には、複数個同時に実施してもよい。また、真空処理装置101は、例えば、ホスト132から先に要求されたJOBを優先する等、同時に実行するJOBを制御してもよい。
演算部125は、繰り返しステップであるステップS202が終了した後に、新たに実行するJOBが一つも無い場合には、搬送スケジュール処理部127の処理を終了する。
新たに実行するJOBが決定したら、演算部125は、ステップS204およびステップS205で、新たに実行するJOBに割り当てられたウエハも含めて、ウエハ搬送順情報128を更新する。具体的には、演算部125は、ステップS204で、JOB情報およびJOBに設定されたシーケンスレシピ情報から、各真空処理室に搬送するウエハの枚数の比率の計算および比率の決定を行う。
さらに、演算部125は、ステップS205で、実行するJOBのJOB情報、シーケンスレシピ情報、およびステップS205で算出したウエハ枚数比率から、各真空処理室に搬送するウエハ順序を決定する。
その後、ステップS206で、演算部125は、搬送順序入替判定のアルゴリズムの処理を実施し、ステップS205で決定した搬送順序を入れ替えるかどうか判定する。ステップS201~S206を実施後、演算部125は、ウエハ搬送順情報133を更新する。
[搬送順序入れ替えの判定(S206)]
図3は、図2のステップS206の搬送順序入れ替えの判定の詳細を示し、搬送順入れ替えを決定するまでの流れを示すフローチャートである。このフローは、次回搬送予定の真空処理室(総称でPUと表す場合がある)へのウエハ搬送開始前のタイミングで実施される。ここでは、図1の真空側搬送ロボット112(手前側の第1の真空側搬送ロボット)をVR1と定義する。
まず、ステップS301で、演算部125は、装置の処理条件および処理状況の判定を実施する。演算部125は、装置の処理条件の判定では、ウエハ搬出後のArパージ処理が有効であるかをレシピ情報から取得する。演算部125は、処理状況の判定では、[真空処理室PUの処理時間]<[VR1の動作サイクル時間]を満たすこと、および、各真空処理室PUで2枚目以降に搬送されるウエハであること、が条件である。
[PUの処理時間]<[VR1の動作サイクル時間]を満たす場合、真空処理室PUでの処理の終了時、次のウエハがまだ真空側搬送ロボット112(VR1)上に搬送されておらず、搬送が間に合っていない状態になる。[VR1の動作サイクル時間]は、図2のステップS204、ステップS205、および[VR1の動作時間](=[VR1の旋回時間]+[ウエハ搬入出時間]+[Arパージ時間])より算出される。
各真空処理室PUで2枚目以降に搬送されるウエハであることの判定は、対象真空処理室PUの実績時間を取得できることによって実現できるものとする。
次に、ステップS302で、演算部125は、従来技術(本実施例での搬送順序入れ替え等の機能を持たない技術を指す)の搬送順に従い、次回搬送予定の真空処理室PUと次々回搬送予定の真空処理室PUとの情報を取得する。搬送順は、図2のステップS205より取得される。
次に、ステップS303で、演算部125は、次回および次々回の搬送予定の真空処理室PUに接続されている真空搬送室(総称してTUと記載する場合がある)について判定する。この判定の条件は、次回搬送予定の真空処理室PUが最奥リンクではなく、次々回搬送予定の真空処理室PUが次回搬送予定の真空処理室PUよりも奥リンクの真空処理室PUであることである。この条件を満たした場合(YES)、演算部125は、ステップS304の処理を実行する。それ以外の場合(NO)には、図3(ステップS206)の処理を終了する。
次に、ステップS304で、演算部125は、次々回搬送予定の真空処理室PUに対して、搬送順変更前後の待ち時間を算出する。本例では、次々回搬送予定の真空処理室PUを、図1の真空処理室PU3(118)と定める。このステップS304での処理手順としては、演算部125は、真空処理室PU3において搬送順入替前後の待ち時間をそれぞれ算出し、その結果から、搬送順入替による変化量を算出する。
次に、ステップS305で、演算部125は、次回搬送予定の真空処理室PUに対して、搬送順変更前後の待ち時間を算出する。本例では、次回搬送予定の真空処理室PUを、図1の真空処理室PU1(113)と定める。このステップS305での処理手順としては、演算部125は、真空処理室PU1において搬送順前後の待ち時間をそれぞれ算出し、その結果から、搬送順入替による変化量を算出する。なお、ステップS304およびステップS305の算出手順の詳細については図4を用いて後述する。
次に、ステップS306で、演算部125は、搬送順入替により対象真空処理室PUの合計の待ち時間が減少するかどうかを判定する。演算部125は、ステップS304とステップS305の搬送順変更前後による待ち時間の結果から、合計の待ち時間が減少する場合のみ、ステップS307の処理を実行し、それ以外の場合には、図3(ステップS206)の処理を終了する。なお、ステップS306の搬送順入替判定の基準の詳細については図5を用いて後述する。
最後に、ステップS307で、演算部125は、搬送予定の真空処理室PU1と真空処理室PU3との搬送順の入れ替えを実施して、図3(ステップS206)の処理を終了する。
[搬送順入替による待ち時間の変化量の算出(S304,S305)]
図4は、図3のステップS304,S305の、対象真空処理室PUに対して、搬送順入替による待ち時間の変化量を算出する処理の詳細のフローチャートである。ここでは、搬送予定の真空処理室PUで次のウエハが処理可能となるまでの時間(言い換えると真空処理室PUでの処理開始最短時間)を、搬送予定真空処理室PUの残り時間と、真空側搬送ロボットVR1の旋回時間と、ウエハ搬出時間と、Arパージ時間とを合算した時間として定義する。
まず、図3のステップS304の詳細を説明する。ステップS401で、演算部125は、搬送順入替前の待ち時間を算出する。演算部125は、現在時刻(言い換えると判定時の時刻)から次々回搬送予定の真空処理室PU3の搬入までの時間(この時間は真空処理室PU3よりも手前の真空処理室PU1で実施されるArパージ処理による待ち時間を含む)を算出する。演算部125は、上述の時間から、真空処理室PU3での処理開始最短時間を引く。これにより求められた時間は、搬送順変更前の真空処理室PU3でのArパージ処理による待ち時間となる。
ステップS402で、演算部125は、搬送順入替後(変更後)の待ち時間を算出する。この搬送順入替後(変更後)は、仮定である。演算部125は、現在時刻(判定時の時刻)から次々回搬送予定の真空処理室PU3の搬入までの時間を算出する。演算部125は、上述の時間から、真空処理室PU3での処理開始最短時間を引く。これにより求められた時間は、搬送順変更後の真空処理室PU3での待ち時間となる。
最後にステップS403で、演算部125は、搬送順入替による変化量を算出するために、ステップS401で得た時間から、ステップS402で得た時間を引く。演算部125は、その減算の結果が、正の数である場合、搬送順変更前よりも変更後の方が待ち時間が減少していると判断する。演算部125は、その減算の結果が、負の数である場合、搬送順変更前よりも変更後の方が待ち時間が増加していると判断する。演算部125は、その減算の結果が0である場合には、変化無しと判断する。
次に、図3のステップS305の詳細を説明する。ステップS401で、演算部125は、搬送順入替前の待ち時間を算出する。演算部125は、現在時刻(判定時の時刻)から次回搬送予定の真空処理室PU1の搬入までの時間を算出する。演算部125は、上述の時間から、真空処理室PU1での処理開始最短時間を引く。これにより求められた時間は、搬送順変更前の真空処理室PU1での待ち時間となる。
ステップS402で、演算部125は、搬送順変更後の待ち時間を算出する。演算部125は、現在時刻(判定時の時刻)から次回搬送予定の真空処理室PU1の搬入までの時間(この時間は、次々回搬送予定の真空処理室PU3に搬送するための真空側搬送ロボットの動作時間を含む)を算出する。演算部125は、上述の時間から、真空処理室PU1での処理開始最短時間を引く。これにより求められた時間は、搬送順変更後の真空処理室PU1での待ち時間となる。
最後にステップS403で、演算部125は、搬送順入替による変化量を算出するために、ステップS401で得た時間からステップS402で得た時間を引く。演算部125は、その減算の結果が、正の数である場合、搬送順変更前よりも変更後の方が待ち時間が減少していると判断する。演算部125は、その減算の結果が、負の数である場合、搬送順変更前よりも変更後の方が待ち時間が増加していると判断する。演算部125は、その減算の結果が0である場合には、変化無しと判断する。
図5は、上記図3のステップS304,S305の待ち時間の変化量に基づいて、ステップS306の搬送順の入れ替えにより待ち時間が減少するかを判定するための条件、および搬送順入替可否の一覧を表形式で示す。図5の表は、Case番号列、「搬送順序入替前後の待ち時間の変化量」列として「次回搬送予定PU(C1)」列および「次々回搬送予定PU(C2)」列、「入替要否」列として「判定式」列および「結果」列を有する。ここでは、次回搬送予定PUの待ち時間の変化量をC1とし、次々回搬送予定PUの待ち時間の変化量をC2とする。各変化量の列では、値として、「減少」、「増加」、「変化無し」がある。入替要否列の結果列では、値として、「必要」、「不要」がある。
次回搬送予定PUの変化量C1と次々回搬送予定PUの変化量C2とのそれぞれの変化量の傾向が同じである場合、判定式では、図示のCase1~3のように、判断しないもの(-)とする。傾向としてどちらの変化量も減少である場合には、図示のCase1のように、入替要否が「必要」になり、傾向としてどちらの変化量も増加である場合、または変化無しの場合には、入替要否が「不要」になる。
一方、それぞれの変化量の傾向が異なる場合、演算部125は、増減量を判定式で判断し、減少量の方が大きい場合には入替要否が「必要」、それ以外の場合には入替要否が「不要」になる。Case4では、変化量C1が増加または変化無し、変化量C2が減少であり、この場合、判定式はC1<C2であり、入れ替えが「必要」となる。Case5では、変化量C1が増加、変化量C2が減少または変化無しであり、この場合、判定式はC1≧C2であり、入れ替えが「不要」となる。Case6では、変化量C1が減少または変化無し、変化量C2が増加であり、この場合、判定式はC1≦C2であり、入れ替えが「不要」となる。Case7では、変化量C1が減少、変化量C2が増加または変化無しであり、この場合、判定式はC1>C2であり、入れ替えが「必要」となる。具体例として、次回搬送予定の真空処理室がPU1(113)、次々回搬送予定の真空処理室がPU3(118)である場合の、Caseごとの入替要否および判定式は、以下の通りである。
搬送順入替実施の条件は、Case1、Case4、Case7である。Case1は、次回搬送予定の真空処理室PU1で待ち時間が減少、次々回搬送予定の真空処理室PU3で待ち時間が減少の場合である。Case4は、PU1で待ち時間が増加または変化無し、PU3で待ち時間が減少の場合であり、判定式は、C1(PU1増加量)<C2(PU3減少量)を満たす場合である。Case7は、PU1で待ち時間が減少、PU3で待ち時間が増加または変化無しの場合であり、判定式は、C1(PU1減少量)>C2(PU3増加量)を満たす場合である。
搬送順入替不要の条件は、Case2、Case3、Case5、Case6である。Case2は、PU1で待ち時間が増加、PU3で待ち時間が増加の場合である。Case3は、PU1およびPU3のいずれも待ち時間が変化無しの場合である。Case5は、PU1で待ち時間が増加、PU3で待ち時間が減少または変化無しの場合であり、判定式は、C1(PU1増加量)≧C2(PU3減少量)を満たす場合である。Case6は、PU1で待ち時間が減少または変化無し、PU3で待ち時間が増加の場合であり、判定式は、C1(PU1減少量)≦C2(PU3増加量)を満たす場合である。
図6は、本実施例(特徴的な機能)を適用した前後における、ウエハ搬送のタイミングチャートである。(A)は適用前である比較例のタイミングチャートを示し、(B)は適用後すなわち本実施例でのタイミングチャートを示す。本例では、各真空処理室PUに2枚目以降のウエハを1枚ずつ搬送した時のタイミングチャートを示す。なお、起動するJOBの搬送経路および処理時間は、前述の制約に準拠する。
図6で、時間軸は、左から右に進み、下向きの矢印は、ウエハ搬送の遷移を示す。ここでは、2つの真空側搬送ロボット(図1での112,117)を、ロードポート105に近い順(言い換えると手前から奥への順)に、VR1,VR2とする。真空側搬送ロボットVR1に接続された真空処理室をPU1(113)およびPU2(114)とし、真空側搬送ロボットVR2に接続された真空処理室をPU3(118)およびPU4(119)とする。時間軸方向の太い矢印は、真空処理室PUでの待ち時間(例えば待ち時間W1等)を示す。
(A)の比較例で、時間601は、各真空側搬送ロボット(総称してVR)から接続されている真空処理室PUへ搬送するまでの時間を示す。時間602は、第2の真空搬送室(実施例での116)に搬送する時間を示す。時間603は、ウエハを真空処理室から搬入出する時間を示す。
時間604は、各真空処理室でのウエハ処理時間を示す。処理605は、比較例の第1の真空搬送室(実施例での111)内の真空側搬送ロボットVR1と第1の真空搬送室に接続されている真空処理室PU1,PU2の処理を示す。処理606は、比較例の第2の真空搬送室内の真空側搬送ロボットVR2と第2の真空搬送室に接続されている真空処理室PU3,PU4の処理を示す。(A)の比較例のタイミングチャートでは、真空処理室PU(4つの真空処理室PU1~PU4)への搬送順が、PU1→PU3→PU2→PU4である。
上記真空処理室PU1,PU2は、相対的に処理時間が短いため、真空処理室PU3,PU4よりも先にウエハが搬送される。そのため、真空処理室PU3,PU4行きのウエハが搬送される最中に、真空処理室PU1またはPU2のArパージを実施していることで、ウエハ搬送の妨げになる。結果として、真空処理室PU3またはPU4での待ち時間(W3,W4)が増加し、複数の真空処理室PUの利用効率が低下する。
(B)の本実施例において、処理時間、真空側搬送ロボット(VR)の動作時間、Arパージ時間は、(A)と同様である。処理615は、本実施例での第1の真空搬送室(図1での手前側の真空搬送室111)内の真空側搬送ロボットVR1と第1の真空搬送室に接続されている真空処理室PU1,PU2の処理を示す。処理616は、本実施例での第2の真空搬送室(図1での真空搬送室116)内の真空側搬送ロボットVR2と第2の真空搬送室に接続されている真空処理室PU3,PU4の処理を示す。本実施例のタイミングチャートでは、真空処理室PUへの搬送順が、PU3→PU1→PU4→PU2である。
比較例と比べると、本実施例では、真空処理室PU1,PU2の待ち時間(W11,W12)は少し長くなる。これは、搬送順入替(変更)によって、真空処理室PU3,PU4へ先に搬送することにより、時間612の処理時間が追加されるため、真空処理室PU1,PU2へのウエハ搬送が遅れることが原因である。
一方、本実施例では、比較例と比べて、真空処理室PU3,PU4の待ち時間(W13,W14)は、大幅に短くなる。これは、手前側の真空処理室PU(PU1,PU2)よりも先に奥側の真空処理室PU(PU3,PU4)にウエハを搬送することで、奥側の真空処理室PUに搬入された後に手前側の真空処理室PUのArパージが実施されるため、搬送の妨げにならないからである。
本実施例での搬送順変更後の効果として、上記のように、手前側の真空処理室PU1,PU2で待ち時間が少し長くなることがあるが、それ以上に、奥側の真空処理室PU3,PU4での待ち時間の減少量が大きい。そのため、真空処理装置101の全体として待ち時間が減少し、複数の真空処理室PUの利用効率が向上する効果が得られる。
図7は、本実施例の適用の前後における、各真空処理室における処理終了時間の差を示したタイミングチャートである。(A)は、適用前の比較例の真空処理室PU1と真空処理室PU2のタイミングチャートである。(B)は適用後の本実施例の真空処理室PU1と真空処理室PU2のタイミングチャートである。
差701は、真空処理室PU1において(A)(B)のそれぞれの処理時間終了のタイミングの時間差を示す。この結果より、比較例よりも本実施例の方が、処理終了時間が少し長くなった。差702は、真空処理室PU2において(A)(B)のそれぞれの処理時間終了のタイミングの時間差を示す。この結果より、比較例よりも本実施例の方が、処理終了時間が少し長くなった。
(C)は適用前の比較例の真空処理室PU3と真空処理室PU4のタイミングチャートである。(D)は適用後の本実施例の真空処理室PU3と真空処理室PU4のタイミングチャートである。差703は、真空処理室PU3において(C)(D)のそれぞれの処理時間終了のタイミングの時間差を示す。この結果より、比較例よりも本実施例の方が、処理終了時間が大幅に短くなった。差704は、真空処理室PU4において(C)(D)のそれぞれの処理時間終了のタイミングの時間差を示す。この結果より、比較例よりも本実施例の方が、処理終了時間が大幅に短くなった。
これらの結果より、本実施例によれば、搬送順入替によって、搬送経路上で手前側の真空側搬送ロボットVR1に接続されている手前側の真空処理室PUでは処理終了時間が長くなるが、それ以上に、奥側の真空側搬送ロボットVR2に接続されている奥側の真空処理室PUで処理時間が短くなる減少量の方が大きい。そのため、真空処理装置101の全体として待ち時間が減少する効果が得られる。
[実施例の効果等]
実施例の真空処理装置の運転方法によれば、リンク式の真空処理装置101において、手前の真空搬送室に接続された真空処理室(例えばPU1,PU2)でのウエハの処理時間よりも奥の真空搬送室に接続された真空処理室(例えばPU3,PU4)でのウエハの処理時間の方が長い場合に、それらの真空処理室間での搬送順の入れ替えを行う。これによって、ウエハ搬出後のArパージの影響を受ける前に、最手前の真空搬送室以降の真空処理室へウエハを搬送する。これにより、最手前の真空搬送室以降の真空処理室での待ち時間が減少し、真空処理装置101の全体で複数の真空処理室の利用効率が向上する。
以上、本開示の実施の形態について具体的に説明したが、前述の実施の形態に限定されず、要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。実施の形態は、必須構成要素を除き、構成要素の追加・削除・置換などが可能である。特に限定しない場合、各構成要素は、単数でも複数でもよい。
101…真空処理装置、102…大気側装置構成、103…真空側装置構成、104…制御部、105…ロードポート、106…大気搬送容器、107…大気側搬送ロボット、108…アライナー、109…待避ステーション、110…ロードロック室、111,116,121…真空搬送室、112,117,122…真空側搬送ロボット、113,114,118,119,123,124…真空処理室(処理ユニット)、115…待機スペース、125…演算部、126…記憶部、127…搬送スケジュール処理部、128…搬送制御処理部、129…装置状態情報、130…処理室情報、131…処理指示情報、132…処理進捗情報、133…ウエハ搬送順情報、134…搬送制限枚数情報、135…装置スループット情報、136…ネットワーク、137…ホスト。

Claims (6)

  1. 処理対象の試料を搬送する搬送ロボットが収納された真空搬送容器が、複数、前後方向に配置された、複数の真空搬送容器と、
    前記複数の真空搬送容器における隣接する真空搬送容器の間を連結するように配置された、内部に前記試料の収納室を備える中間容器と、
    前記複数の真空搬送容器のうち、前記前後方向で最前の第1の真空搬送容器の前方に連結されるように配置され、内部に前記試料の収納室を備えるロードロック室と、
    前記複数の真空搬送容器に対し、左右方向に連結されるように配置された、複数の真空処理容器であって、各々の真空処理容器には、内部の処理室に搬送された前記試料を処理する処理ユニットを備える、前記複数の真空処理容器と、
    前記ロードロック室の前方に配置されたカセットの内部に収納されている複数の試料の各々の試料を、予め定めたスケジュールに基づいて、前記ロードロック室から前記複数の真空処理容器のうちのいずれか1つに搬送して処理するように制御する、コントローラと、
    を備える真空処理装置における運転方法であって、
    前記複数の真空搬送容器のうち、前記前後方向で手前側に配置されている真空搬送容器を第1の真空搬送容器、奥側に配置されている真空搬送容器を第2の真空搬送容器とし、前記複数の真空処理容器のうち、前記第1の真空搬送容器に接続されている真空処理容器を第1の真空処理容器、前記第2の真空搬送容器に接続されている真空処理容器を第2の真空処理容器とした場合に、
    前記第1の真空搬送容器に接続されている前記ロードロック室または前記中間容器に収納された、前記複数の試料のうちの未処理の1つの試料について、前記スケジュールにおいて、前記第1の真空搬送容器に接続されている前記第1の真空処理容器に搬送されることが定められた状態で、
    前記コントローラが、前記第1の真空搬送容器に接続されている前記第1の真空処理容器内で任意の1つの前記試料の処理が終了する前に、予め、当該未処理の試料を、前記第2の真空搬送容器に接続されている前記第2の真空処理容器に搬送して処理を行った場合の第1のスループットと、当該未処理の試料を、前記スケジュールにおいて定められた前記第1の真空搬送容器に接続されている前記第1の真空処理容器に搬送して処理を行った場合の第2のスループットと、を算出し、前記第1のスループットと前記第2のスループットとを比較した結果、前記第1のスループットの方が大きいと判定した場合に、前記未処理の試料を前記第2の真空搬送容器に接続されている前記第2の真空処理容器に搬送するように、前記スケジュールを再度定め、前記複数の試料を処理させるように運転を制御する第1のステップ、
    を有する、真空処理装置の運転方法。
  2. 請求項1記載の真空処理装置の運転方法において、
    前記第1の真空搬送容器に接続されている前記ロードロック室または前記中間容器に収納された、前記複数の試料のうちの、未処理の第1の試料が、前記第1の真空搬送容器に接続されている前記第1の真空処理容器に搬送され、かつ、前記未処理の第1の試料の次に搬送予定の未処理の第2の試料が、前記第2の真空搬送容器に接続されている前記第2の真空処理容器に搬送されることが、前記スケジュールにおいて定められた状態で、
    前記第1のステップは、前記コントローラが、前記第1の真空搬送容器に接続されている前記第1の真空処理容器内で任意の1つの前記試料の処理が終了する前に、予め、前記未処理の第1の試料および前記未処理の第2の試料を、前記スケジュールにおける搬送先を入れ替えて前記真空処理容器に搬送して処理を行った場合の前記第1のスループットと、前記未処理の第1の試料および前記未処理の第2の試料を前記スケジュールにおいて定められた順で搬送して処理を行った場合の前記第2のスループットとの2つのスループットを算出し、前記2つのスループットを比較した結果、前記第1のスループットの方が大きいと判定した場合に、前記スケジュールにおける搬送先を入れ替えて前記真空処理容器に搬送するように前記スケジュールを再度定めるステップである、
    真空処理装置の運転方法。
  3. 請求項1記載の真空処理装置の運転方法において、
    前記真空処理装置において前記複数の試料を搬送して処理するフローは、前記真空処理容器での前記試料の処理が終了した後に、当該処理済みの試料が前記搬送ロボットにより当該真空処理容器が接続されている前記真空搬送容器内に搬出された後、当該処理済みの真空処理容器が密封された状態で当該処理済みの真空処理容器内の前記処理室内に不活性ガスが所定時間導入されるパージ工程を含み、
    前記第1のステップは、前記コントローラが、前記パージ工程を考慮して前記第1のスループットおよび前記第2のスループットを算出するステップである、
    真空処理装置の運転方法。
  4. 請求項1記載の真空処理装置の運転方法において、
    前記第1のステップは、前記コントローラが、前記スケジュールにおいて連続する搬送が定められた2つの未処理の試料について、前記複数の真空搬送容器に接続されている前記真空処理容器の前記処理室内に最初の未処理の試料の搬入が開始されてから、前記処理が終了して当該試料が前記処理室外に搬出されるまでの時間よりも、前記搬送ロボットが次の未処理の試料の当該真空処理容器の前記処理室内へ搬入が可能になるまでの時間の方が長くなるように、前記スケジュールを定めるステップである、
    真空処理装置の運転方法。
  5. 請求項1記載の真空処理装置の運転方法において、
    前記コントローラが、前記第1のステップによる前記スケジュールの更新を所定の周期で繰り返す、
    真空処理装置の運転方法。
  6. 請求項1記載の真空処理装置の運転方法において、
    前記第1のスループットおよび前記第2のスループットは、前記真空処理容器での前記試料の処理の終了後に当該真空処理容器に接続されている前記真空搬送容器から次の前記試料を当該真空処理容器に搬送が可能となるまでの待ち時間を用いて算出される、
    真空処理装置の運転方法。
JP2022206009A 2022-12-22 真空処理装置の運転方法 Pending JP2024090250A (ja)

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