JP2024086542A - 真空機器及びその運転方法 - Google Patents

真空機器及びその運転方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2024086542A
JP2024086542A JP2023096996A JP2023096996A JP2024086542A JP 2024086542 A JP2024086542 A JP 2024086542A JP 2023096996 A JP2023096996 A JP 2023096996A JP 2023096996 A JP2023096996 A JP 2023096996A JP 2024086542 A JP2024086542 A JP 2024086542A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
vacuum equipment
wear
operating
vacuum
quantities
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2023096996A
Other languages
English (en)
Inventor
ヨッヘン・ベットヒャー
Boettcher Jochen
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Pfeiffer Vacuum Technology AG
Original Assignee
Pfeiffer Vacuum Technology AG
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Pfeiffer Vacuum Technology AG filed Critical Pfeiffer Vacuum Technology AG
Publication of JP2024086542A publication Critical patent/JP2024086542A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F04POSITIVE - DISPLACEMENT MACHINES FOR LIQUIDS; PUMPS FOR LIQUIDS OR ELASTIC FLUIDS
    • F04DNON-POSITIVE-DISPLACEMENT PUMPS
    • F04D19/00Axial-flow pumps
    • F04D19/02Multi-stage pumps
    • F04D19/04Multi-stage pumps specially adapted to the production of a high vacuum, e.g. molecular pumps
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F04POSITIVE - DISPLACEMENT MACHINES FOR LIQUIDS; PUMPS FOR LIQUIDS OR ELASTIC FLUIDS
    • F04DNON-POSITIVE-DISPLACEMENT PUMPS
    • F04D27/00Control, e.g. regulation, of pumps, pumping installations or pumping systems specially adapted for elastic fluids
    • F04D27/001Testing thereof; Determination or simulation of flow characteristics; Stall or surge detection, e.g. condition monitoring
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F04POSITIVE - DISPLACEMENT MACHINES FOR LIQUIDS; PUMPS FOR LIQUIDS OR ELASTIC FLUIDS
    • F04DNON-POSITIVE-DISPLACEMENT PUMPS
    • F04D27/00Control, e.g. regulation, of pumps, pumping installations or pumping systems specially adapted for elastic fluids
    • F04D27/02Surge control
    • F04D27/0292Stop safety or alarm devices, e.g. stop-and-go control; Disposition of check-valves

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Non-Positive Displacement Air Blowers (AREA)

Abstract

【課題】摩耗に基づく真空機器の故障が回避される又は少なくとも遅延される、真空機器及びその運転方法を提供する。【解決手段】真空機器の動作量のセットを取得し、取得された動作量に基づいて、真空機器の少なくとも1つの構成要素610の摩耗を示す、真空機器に関する少なくとも1つの摩耗指標を特定するように構成されている、摩耗認識装置620と、少なくとも1つの摩耗指標が所定の状況を占めると、真空機器の摩耗を低減する手段を実行するように構成されている、保護装置630と、を備える。【選択図】図6

Description

本発明は、真空機器、例えば真空ポンプ又は測定管及びそのような真空機器を運転する方法に関する。
大抵の真空ポンプは、摩耗にさらされ得る可動の部分を有する。真空設備に用いられる測定管も同様に強い物理的な荷重に基づいて摩耗にさらされ得る部分を有する。このような真空機器の摩耗は、その都度の真空機器の運転条件及び周辺条件並びに負荷を掛けられる真空機器の構成要素の劣化に依存する。
真空機器の構成要素が摩耗すると、真空機器の特定の機能が実行されない又はもはや要求される程度には実行されないおそれがある。ターボ分子真空ポンプは、例えばロータ用の転がり軸受及び/又は安全軸受を有してよく、この場合、ある程度の摩耗は最終的に真空ポンプの故障につながるおそれがある。摩耗は、さらに真空機器の特定の構成要素の前損傷につながるおそれがあり、前損傷は、引き続き真空機器を制御せずに運転することによって悪化し、真空機器の完全な故障につながるおそれがある。このことは、例えば真空ポンプが、軸受にある程度の前損傷があるにもかかわらず、温度、出力及び回転速度に関して定格条件で運転し続けると起こり得る。例えば軸受の前損傷が検出されない場合、定格条件での運転は、ポンプの故障までの時間を短縮する。
摩耗に基づく真空機器の故障を回避するために、保守推奨又は同様の設定が設けられることが多く、例えば所定の動作期間又は特定の別の条件下での真空機器の検査が規定されている。しかも、真空機器の故障は、例えばそれぞれの真空ポンプの運転方式に基づいて、真空機器の特定の構成要素の摩耗が認識されないと、そのような保守期間の経過前に起こり得る。しかもその逆に、保守までの設定された動作期間が過度に保守的に選択されるおそれがあるので、不要に早すぎる保守が実行される。このことは、真空機器の運転にとって不要なコストをもたらしてしまう。
本発明の課題は、摩耗に基づく真空機器の故障が回避される又は少なくとも遅延される、真空機器及びその運転方法を提供することにある。
この課題は、独立請求項に記載の特徴を有する真空機器及び方法によって解決される。本発明の有利な発展形態は、従属請求項、明細書及び図面に示されている。
特に真空ポンプである真空機器は、摩耗認識装置と保護装置とを備える。摩耗認識装置は、真空機器の動作量のセットを取得し、取得された動作量に基づいて、真空機器の少なくとも1つの構成要素の摩耗を表す、真空機器についての少なくとも1つの摩耗指標を求めるように構成されている。保護装置は、少なくとも1つの摩耗指標が事前設定された状態を占めると、真空機器の摩耗又は真空機器の1つ又は複数の構成要素の摩耗を低減する手段を実行するように構成されている。
真空機器の動作量のセットには、例えば真空機器の動作時間数などの少なくとも1つの動作量が含まれる。この場合、摩耗認識装置は、真空機器のこれまでの動作時間を取得するように構成されてよい。摩耗認識装置は、付加的又は代替的に、特定の所定の障害事象を検出し、検出された障害事象を特定の摩耗に割り当てるように構成されてよい。両方のケースでは、すなわち真空機器の総動作時間数及び/又は特定された障害事象に基づいて、摩耗認識装置は、これらの取得された動作量に、摩耗指標として特定の数値を割り当てることができる。
代替的又は付加的に、摩耗認識装置は、例えば真空ポンプの温度及び回転速度などの真空機器の特定の動作変数を取得できる。動作変数のそれぞれの値は、事前設定された期間にわたって取得でき、これにより摩耗指標がこのように取得された動作変数の値に関連付けられる。事前設定された期間にわたって取得された動作変数の値は、例えば合計する、積分する又は相互に別の値へと再計算することができ、これにより例えば動作変数についての平均値が得られ、平均値に基づいて摩耗指標を求めることができる。さらに代替的又は付加的に、摩耗認識装置が、真空機器の特定の動作媒体の状態を検出し、この状態を摩耗指標に割り当てることも可能である。そのような動作媒体の状態には、例えば真空機器の冷却剤の温度及び/又は特定の潤滑剤の品質が含まれてよい。
したがって、摩耗指標は、例えば真空機器の動作時間に基づいて、障害事象に基づいて及び/又は取得された動作変数に基づいて導き出される特定の数値を占めることができる。保護装置によって真空機器における磨耗を低減する手段を作動させる磨耗指標の事前設定された状態には、この場合、磨耗指標の数値が事前設定された閾値を超えることが含まれてよい。代替的に、摩耗指標は、真空機器の動作媒体の特定の状態に直接に割り当てられてよいので、動作媒体の状態は、例えば真空機器の冷却剤の特定の温度を超えることが、摩耗を低減する手段を直接に作動させる。
真空機器の摩耗を低減する手段には、真空機器の少なくとも1つの構成要素の摩耗が低減されるように、真空機器の特定の動作変数を適合させることが含まれてよい。真空ポンプでは、例えば実現可能な最高回転速度を低減でき、これにより例えば転がり軸受又は安全軸受に損傷を生じさせることなく真空ポンプを継続して運転できる。
したがって、本発明に係る真空機器は、真空機器の構成要素の1つの磨耗が、例えば動作時間をカウントすることによって検出されるだけでなく、付加的に摩耗指標に基づいて磨耗を低減する適切な手段が作動させられることを特徴としている。真空機器の動作量に基づいて摩耗指標を求めることによって、真空機器の入念な診断もさらに行われる。これにより、例えば、真空機器ひいては真空機器が組み込まれた設備の実際の破損のみならず故障が生じる前に警告を発することが可能である。真空機器の磨耗を低減する手段を作動させることによって、たとえ手段に基づいて、特定の状況下では許容可能ではあるが真空機器の運転に制限が伴われていたとしても、真空機器の運転を引き延ばす又は真空機器の動作期間を延長できる。総じて、真空機器の構成要素の摩耗に基づく真空機器の故障は、摩耗が早期に認識され、この構成要素のさらなる摩耗を低減する又はそれどころか回避する対抗手段が導入されることによって回避される。
一実施形態によれば、動作量のセットには、真空機器の動作期間が含まれてよく、少なくとも1つの摩耗指標には、真空機器の動作期間から導き出される数値が含まれてよい。例えば摩耗にさらされている真空機器の部分又は構成要素が、先行する保守に際して修理又は交換されるとき、真空機器のこの保守からの動作期間を取得できる。代替的に、真空機器の全体の動作期間を取得してよい。具体的には、真空機器の動作時間をカウントできるので、動作時間の数値が、摩耗指標を表す。動作時間数は、真空機器の構成要素の摩耗が比較的短い期間内で真空機器の障害のみならず故障につながり得るある程度の確率に割り当てられた、事前設定された閾値と比較できる。そのような閾値は、設定可能であってよく、すなわち閾値は、真空機器の特定のタイプ及び真空機器が使用される環境に適合可能であってよい。さらに、真空機器の動作期間の取得は、例えば多くの真空ポンプではいずれにせよ動作時間がカウントされるので、伴う労力が小さくてよい。
付加的又は代替的に、動作量のセットには、真空機器の動作変数が含まれてよい。摩耗認識装置は、動作変数の値を所定の期間にわたって取得し、摩耗指標に関連付けることによって、摩耗指標を求めるように構成されてよい。動作変数には、例えば事前設定された真空機器の領域の温度及び/又は真空機器の振動が含まれてよい。例えば、真空機器の温度が事前設定された閾値を超える期間を取得できる。付加的又は代替的に、真空機器の振動の強さ、周波数及び/又は振幅を事前設定された期間にわたって取得してよい。振動の振幅が所定の期間にわたって累積して事前設定された閾値を超えると、及び/又は振動の周波数の事前設定された特性が取得可能であると、このことは、真空機器の1つ又は複数の構成要素の摩耗の増加につながり得る。これにより、真空機器の振動の測定は、対応する摩耗指標に割り当てられてよい。
真空機器が真空ポンプである場合、さらに、付加的又は代替的に、圧力、回転速度、回転速度/圧力の1サイクル又は回転速度/圧力の複数のサイクル及び/又は真空ポンプ内のガス流量を、真空ポンプの動作変数のセットの一部として取得してよい。他方、事前設定された期間にわたるこれらの動作変数の取得から、真空ポンプの特定の領域又は特定の構成要素に摩耗の増加が生じているか特定できる。
付加的又は代替的に、動作量のセットには、真空機器の少なくとも1つの動作媒体の状態が含まれてよい。この場合、摩耗認識装置は、少なくとも1つの動作媒体の状態に基づいて摩耗指標を求めるように構成されてよい。動作媒体の状態には、特に、真空機器の少なくとも1つの構成要素用の冷却剤の温度及び/又は潤滑剤の品質が含まれてよい。したがって、そのような構成では、真空機器の構成要素の摩耗は、構成要素と動作媒体との相互作用に基づいて間接的に検出できる。真空機器の特定の構成要素の摩耗の増加は、換言すると、少なくとも1つの動作媒体の状態の変化を伴うので、動作媒体の状態のこの変化を摩耗指標として使用できる。例えば冷却剤の温度の変化及び/又は潤滑油の品質の低下(これは例えば真空ポンプの潤滑油の濁りによって証明できる)は、真空機器の構成要素(そのために冷却剤又は潤滑剤が設けられている)の摩耗についての指標を表し得る。
既に前述したように、真空機器の動作量のセットには、例えば真空機器の動作時間などの1つの動作量だけが含まれてよい。しかも、真空機器の1つ又は複数の構成要素の摩耗を適時確実に検出するために、動作量のセットには、有利には、同時に取得される複数の動作量が含まれてよい。例えば、動作量のセットには、真空機器の動作期間と、例えば真空機器の温度及び/又は振動などの1つ又は複数の動作変数と、冷却剤又は潤滑剤の状態とが含まれてよい。これらの動作量のそれぞれに各々の摩耗指標が割り当てられてよい。保護装置は、複数の摩耗指標のうちの少なくとも1つが事前設定された状態になる、すなわち例えば特定の閾値を超えると直ちに、真空機器の摩耗を低減する1つ又は複数の手段を実行するように構成されてよい。そのような構成では、動作量のセットに複数の動作量が含まれると、真空機器の摩耗を低減する手段が適時実行されるが、他方、真空機器の保守は不必要に早期に実行されないことが保証され得る。
別の一構成によれば、保護装置は、真空機器の摩耗を低減する手段を実行して、真空機器の消費電力が制限されるように構成されてよい。真空機器の消費電力を制限することによって、例えば真空機器の温度、振動及び/又は機械荷重を制限して、真空機器の1つ又は複数の構成要素の付加的な摩耗が排除される又は少なくとも低減されるようにすることができる。真空機器が真空ポンプであるとき、消費電力を制限することによって、真空ポンプの考えられる最大回転速度を低下できる。
真空機器が組み込まれた真空設備において実行されるプロセスは、真空機器の消費電力の低下によって制限され得る。そのような制限は、許容可能であってよいので、消費電力が低下しても引き続きプロセスを実行可能である。しかも、真空機器の磨耗を低減する手段によって、真空機器の利用可能な動作期間を延長できるので、消費電力が低下してもプロセスを引き続き実行できる。その逆に、真空機器の消費電力の低下は、まさに真空機器の利用可能な動作期間の延長によって、プロセスを引き続き実行して完了させることができることを可能にする。このことは、真空機器の消費電力を低下しなければ、真空機器の付加的な摩耗が原因で、場合によっては保証されない。ただし、消費電力の制限によって、例えば真空ポンプの回転速度の低下に基づいて、真空ポンプに接続された真空チャンバ内の圧力が上昇するので、プロセスがもはや正しく実行できないときには、警告を発することができる。これにより、プロセス又は真空設備のオペレータは、プロセスの正しい実行がもはや保証されず、プロセスを終了するべきであることを認識できる。
真空機器の摩耗を低減する手段は、さらに、真空機器の通常運転中には考慮されず、一般的な形で真空機器の運転状態間の移行時にのみ役割を果たす予備運転の使用が制限されるように実行できる。例えば真空ポンプが、真空ポンプに接続されたレシピエント内の圧力に関して、以前の動作時点から新しい動作時点へ移行すべきとき、真空ポンプの最大消費電力が低下することによって、真空ポンプは、2つの動作時点間の移行段階のために、すなわち最大消費電力が制限されないときに要する期間と比較して、より長い期間が必要とされるようになる。レシピエントを有する真空設備内で実行される相応のプロセスは、そのような場合、場合によっては真空ポンプの最大消費電力の制限による影響を受けない、又は真空ポンプの最大消費電力の制限によって個々のプロセスステップが延長されるだけである。このことは、プロセスそのものが完全に実行できる限り、許容可能である。
保護装置は、さらに、動作量の少なくとも1つに対する警告及び/又はエラー通知を出力するための少なくとも1つの境界値が低下するように、真空機器の摩耗を低減する手段を実行するように構成されてよい。換言すると、摩耗指標を用いて検出される、真空機器の構成要素の摩耗に基づいて、警告及び/又はエラー通知は、通常運転中よりも早く、すなわちより低い限界値で出力される。この場合、摩耗指標は、少なくとも1つの構成要素の摩耗に基づいて真空機器の耐荷重能力が低下していて、例えば事前設定された動作量の低下した境界値の限界値に達するとスイッチオフするべきであることを表す。
保護装置は、付加的又は代替的に、真空機器の少なくとも1つの動作媒体の状態を適合させることによって、真空機器の摩耗を低減する手段を実行するように構成されている。例えば、真空機器の構成要素の付加的な摩耗に対応するために、利用される動作媒体、例えば冷却剤及び/又は潤滑剤の量を、真空機器の温度に応じて増減できる。
本発明の別の観点は、真空機器、特に真空ポンプを運転する方法に関する。この方法によれば、摩耗認識装置によって、真空機器の動作量のセットを取得し、取得された動作量に基づいて、真空機器の少なくとも1つの構成要素の摩耗を表す、真空機器についての少なくとも1つの摩耗指標を求める。少なくとも1つの摩耗指標が事前設定された状態を占めると、保護装置によって、真空機器の摩耗を低減する手段を実行する。事前設定された状態には、摩耗指標が事前設定された閾値より大きい数値を有すること、又は摩耗指標が1つ又は複数の動作量の状態を直接に反映することが含まれてよい。
したがって、前述の真空機器は、摩耗認識装置と保護装置とによって方法のステップを実行するために設けられている。したがって、本発明に係る真空機器に関する前述の記載は、特に開示内容、利点及び好適な構成に関して、本発明に係る方法にも準用される。
動作量のセットには、真空機器の動作期間が含まれてよく、少なくとも1つの摩耗指標の数値は、真空機器の動作期間から導き出すことができる。真空機器の動作期間の特定には、例えば、真空ポンプの動作時間を例えば真空ポンプ内でカウントすることが含まれてよい。
動作量のセットには、代替的又は付加的に、真空機器の少なくとも1つの動作変数が含まれてよい。この場合、事前設定された期間にわたって動作変数の値を取得し、摩耗指標に関連付けることによって、摩耗指標を求めることができる。動作変数には、例えば真空機器の温度及び/又は累積して取得できる真空機器の振動の振幅又は周波数特性が含まれてよい。真空機器が真空ポンプであるとき、動作変数には、圧力、真空ポンプのロータの回転速度、1つ又は複数の回転速度/圧力サイクル、及び/又は真空ポンプ内の気体流量が含まれてよい。
付加的又は代替的には、動作量のセットには、真空機器の少なくとも1つの動作媒体の状態が含まれてよい。この場合、摩耗指標を、少なくとも1つの動作媒体の状態に基づいて求めることができる。動作媒体の状態には、例えば真空機器用の冷却剤の温度及び/又は真空機器の少なくとも1つの構成要素用の潤滑剤の品質が含まれてよい。
真空機器の摩耗を低減する手段は、さらに、保護装置を用いて、真空機器の消費電力が制限されるように実行してよい。真空機器の摩耗を低減する手段は、代替的又は付加的に、動作量の少なくとも1つに対する警告及び/又はエラー通知を出力するための少なくとも1つの限界値が低下するように実行してよい。他方、代替的又は付加的に、真空機器の摩耗を低減する手段を、真空機器の少なくとも1つの動作媒体の状態を適合させることによって実行してよい。動作媒体の状態の適合には、真空機器の構成要素用の動作媒体の利用可能な量を増減させ、これにより構成要素の摩耗を低減することが含まれてよい。
以下、添付の図面を参照して、有利な実施形態に基づいて本発明を例示的に説明する。
公知のターボ分子ポンプの斜視図を示す。 図1のターボ分子ポンプの下面図を示す。 図2に示された切断線A-Aに沿ったターボ分子ポンプを断面図で示す。 図2に示された切断線B-Bに沿ったターボ分子ポンプを断面図で示す。 図2に示された切断線C-Cに沿ったターボ分子ポンプを断面図で示す。 本発明に係る真空機器のブロック線図を示す。 本発明に係る方法のフローチャートを示す。
図1に示されたターボ分子ポンプ111は、吸気口フランジ113によって取り囲まれたポンプ吸気口115を有する。ポンプ吸気口115には、それ自体公知のように、図示されていないレシピエントを接続してよい。レシピエントから到来する気体は、ポンプ吸気口115を介してレシピエントから吸い込まれ、そしてポンプを通ってポンプ排気口117へと圧送できる。ポンプ排気口117には、例えばロータリベーンポンプ等の補助真空ポンプを接続してよい。
吸気口フランジ113は、図1による真空ポンプの向きでは、真空ポンプ111のハウジング119の上端部を形成する。ハウジング119は、下部分121を有する。下部分121には、側方にエレクトロニクスハウジング123が配置されている。エレクトロニクスハウジング123内には、例えば真空ポンプ内に配置された電動モータ125(図3も参照)を作動させるための、真空ポンプ111の電気的及び/又は電子的な構成要素が収容されている。エレクトロニクスハウジング123には、アクセサリに対する複数の接続部127が設けられている。さらに、データインタフェース129(例えばRS485規格に準拠するもの)及び電流供給接続部131が、エレクトロニクスハウジング123に配置されている。
取り付けられたこの種のエレクトロニクスハウジングを有さずに、外部の駆動エレクトロニクスに接続されるターボ分子ポンプも存在する。
ターボ分子ポンプ111のハウジング119には、通気用吸気口133が、特に通気弁の形態で設けられている。通気用吸気口133を介して、真空ポンプ111を通気してよい。下部分121の領域には、その上さらに、シールガス接続部135(パージガス接続部とも称される)が配置されている。シールガス接続部135を介して、パージガスを、ポンプによって圧送される気体に対して電動モータ125(例えば図3参照)を防護するために、モータ室137内に送り込んでよい。モータ室137内で、真空ポンプ111に、電動モータ125が収容されている。下部分121には、その上さらに2つの冷却剤接続部139が配置されている。この場合、一方の冷却剤接続部は、冷却剤用の吸気口として、そして他方の冷却剤接続部は、排気口として設けられている。冷却剤は、冷却目的で真空ポンプ内に導入可能である。存在する別のターボ分子真空ポンプ(図示されていない)は、専ら空冷式に運転される。
真空ポンプの下面141は、ベースとして使用できるので、真空ポンプ111は、下面141を基準に縦置きで運転してよい。しかも、真空ポンプ111は、吸気口フランジ113を介してレシピエントに固定し、したがって、いわば懸架した状態で運転してもよい。さらに、真空ポンプ111は、図1に示されたのとは別の向きで整向されているときでも運転できるように構成されてもよい。下面141を下向きではなく、横向きに又は上向きに配置できる真空ポンプの形態も実現可能である。この場合、原則として、任意の角度が考えられる。
特に図示されたポンプよりも大きな、存在する別のターボ分子真空ポンプ(図示されていない)は、縦置きでは運転できない。
図2に示された下面141には、様々なねじ143がさらに配置されている。これらのねじ143によって、ここでは詳細には特定されない真空ポンプの構成部材が互いに固定されている。例えば、軸受カバー145が下面141に固定されている。
下面141には、固定孔147がさらに配置されている。固定孔147を介して、ポンプ111を、例えば設置面に固定できる。このことは、特に図示されたポンプよりも大きな、存在する別のターボ分子真空ポンプ(図示されていない)では、不可能である。
図2から図5には、冷却剤管路148が示されている。冷却剤管路148内で、冷却剤接続部139を介して導入及び導出される冷却剤が循環可能である。
図3から図5の断面図に示されているように、真空ポンプは、複数のプロセスガスポンプ段を有する。プロセスガスポンプ段は、ポンプ吸気口115に作用するプロセスガスをポンプ排気口117へ圧送するためのものである。
ハウジング119内には、ロータ149が配置されている。ロータ149は、回転軸線151を中心に回転可能なロータシャフト153を有する。
ターボ分子ポンプ111は、ポンピング作用を及ぼすように互いに直列に接続された複数のターボ分子ポンプ段を有する。ターボ分子ポンプ段は、ロータシャフト153に固定された半径方向の複数の動翼155と、動翼155同士の間に配置され、そしてハウジング119内に固定された複数の静翼157とを有する。この場合、1枚の動翼155とこれに隣り合う1枚の静翼157とが、それぞれ1つのターボ分子ポンプ段を形成する。静翼157は、スペーサリング159によって、互いに所望の軸方向の間隔を置いて保持されている。
真空ポンプは、半径方向で互いに内外に配置され、そしてポンピング作用を及ぼすように互いに直列に接続されたホルベックポンプ段をさらに有する。ホルベックポンプ段を有しない別のターボ分子真空ポンプ(図示されていない)が存在する。
ホルベックポンプ段のロータは、ロータシャフト153に配置されたロータハブ161と、ロータハブ161に固定され、そしてこのロータハブ161によって支持される円筒側面状の2つのホルベックロータスリーブ163、165とを有する。ホルベックロータスリーブ163、165は、回転軸線151に対して同軸に配向されていて、そして半径方向で互いに内外に係合している。円筒側面状の2つのホルベックステータスリーブ167、169がさらに設けられている。ホルベックステータスリーブ167、169は、同様に、回転軸線151に対して同軸に配向されていて、そして半径方向で見て互いに内外に係合している。
ホルベックポンプ段の、ポンピング作用を奏する表面は、側面によって、つまりホルベックロータスリーブ163、165及びホルベックステータスリーブ167、169の半径方向の内側面及び/又は外側面によって形成されている。外側のホルベックステータスリーブ167の半径方向の内側面は、半径方向のホルベック間隙171を形成しつつ、外側のホルベックロータスリーブ163の半径方向の外側面に対向していて、そしてこの外側面と共に、ターボ分子ポンプに後続する第1のホルベックポンプ段を形成する。外側のホルベックロータスリーブ163の半径方向の内側面は、半径方向のホルベック間隙173を形成しつつ、内側のホルベックステータスリーブ169の半径方向の外側面に対向していて、そしてこの外側面と共に、第2のホルベックポンプ段を形成する。内側のホルベックステータスリーブ169の半径方向の内側面は、半径方向のホルベック間隙175を形成しつつ、内側のホルベックロータスリーブ165の半径方向の外側面に対向していて、そしてこの外側面と共に、第3のホルベックポンプ段を形成する。
ホルベックロータスリーブ163の下端部には、半径方向に延びるチャネルが設けられてよい。チャネルを介して、半径方向外側に位置するホルベック間隙171が、中央のホルベック間隙173に接続されている。内側のホルベックステータスリーブ169の上端部には、半径方向に延びるチャネルがさらに設けられてよい。チャネルを介して、中央のホルベック間隙173が、半径方向内側に位置するホルベック間隙175に接続されている。これにより、互いに内外に係合する複数のホルベックポンプ段が、互いに直列で接続される。半径方向内側に位置するホルベックロータスリーブ165の下端部には、排気口117に通じる接続チャネル179がさらに設けられてよい。
ホルベックステータスリーブ167、169の、前述のポンピング作用を奏する表面は、回転軸線151を中心に螺旋状に周回しつつ軸方向に延びる複数のホルベック溝をそれぞれ有する。その一方で、ホルベックロータスリーブ163、165の、これに対向する側面は、滑らかに形成されていて、そして真空ポンプ111の運転のための気体をホルベック溝内において前方へ送り出す。
ロータシャフト153の回転可能な軸支のために、ポンプ排気口117の領域に転がり軸受181が設けられていて、ポンプ吸気口115の領域に永久磁石式の磁気軸受183が設けられている。
転がり軸受181の領域には、ロータシャフト153に、円錐形のスプラッシュナット185が設けられている。スプラッシュナット185は、転がり軸受181の方へ増大する外径を有する。スプラッシュナット185は、動作媒体貯蔵部の少なくとも1つの掻落とし部材と滑り接触している。存在する別のターボ分子真空ポンプ(図示されていない)では、スプラッシュナットの代わりに、スプラッシュねじが設けられてよい。これにより、様々な構成が実現可能であるので、上記関係において、「スプラッシュ尖端」との用語も用いられる。
動作媒体貯蔵部は、上下にスタックされた吸収性の複数のディスク187を有する。これらのディスク187には、転がり軸受181用の動作媒体、例えば潤滑剤が含浸されている。
真空ポンプ111の運転時、動作媒体は、毛管現象によって、動作媒体貯蔵部から掻落とし部材を介して、回転するスプラッシュナット185へと伝達され、そして、遠心力に基づいて、スプラッシュナット185に沿って、スプラッシュナット185の、増大していく外径の方へと、転がり軸受181に向かって送られる。そこでは、例えば潤滑機能が満たされる。転がり軸受181及び動作媒体貯蔵部は、真空ポンプ内で槽状のインサート189と軸受カバー145とによって囲繞されている。
永久磁石式の磁気軸受183は、ロータ側の軸受半部191と、ステータ側の軸受半部193とを有する。これらは、それぞれ1つのリングスタックを有し、リングスタックは、軸方向に上下にスタックされた永久磁石の複数のリング195、197からなる。リング磁石195、197は、互いに半径方向の軸受間隙199を形成しつつ、対向していて、この場合、ロータ側のリング磁石195は、半径方向外側に、そしてステータ側のリング磁石197は、半径方向内側に配置されている。軸受間隙199内に存在する磁界は、リング磁石195、197の間に磁気的反発力を引き起こす。その反発力は、ロータシャフト153の半径方向の軸支を実現する。ロータ側のリング磁石195は、ロータシャフト153の支持部分201によって支持されている。支持部分201は、リング磁石195を半径方向外側で取り囲む。ステータ側のリング磁石197は、ステータ側の支持部分203によって支持されている。支持部分203は、リング磁石197を通って延びていて、そしてハウジング119の半径方向の支材205に懸架されている。回転軸線151に対して平行に、ロータ側のリング磁石195が、支持部分203に連結されたカバー要素207によって固定されている。ステータ側のリング磁石197は、回転軸線151に対して平行に1つの方向で、支持部分203に結合された固定リング209と支持部分203に結合された固定リング211とによって固定されている。固定リング211とリング磁石197との間に、皿ばね213がさらに設けられてよい。
磁気軸受内に、非常用軸受又は安全軸受215が設けられている。非常軸受又は安全軸受215は、真空ポンプの通常運転時には、非接触で空転し、そしてロータ149がステータに対して相対的に半径方向に過剰に変位するとようやく係合し、これにより、ロータ側の構造とステータ側の構造との衝突が阻止されるように、ロータ149に対する半径方向のストッパが形成される。安全軸受215は、非潤滑式の転がり軸受として構成されていて、そしてロータ149及び/又はステータと共に半径方向の間隙を形成する。間隙によって、安全軸受215は、通常のポンプ運転時には係合しないようになる。半径方向の変位に際して安全軸受215が係合し、半径方向の変位は、十分に大きく寸法付けられているので、安全軸受215は、真空ポンプの通常運転時は係合せず、そして同時に十分に小さいので、ロータ側の構造とステータ側の構造との衝突があらゆる状況で阻止される。
真空ポンプ111は、ロータ149を回転駆動する電動モータ125を有する。電動モータ125の電機子は、ロータ149によって形成されている。ロータ149のロータシャフト153は、モータステータ217を通って延びる。ロータシャフト153の、モータステータ217を通って延びる部分には、半径方向外側に又は埋入して、永久磁石アセンブリが配置されてよい。モータステータ217と、ロータ149の、モータステータ217を通って延びる部分との間には、中間室219が配置されている。中間219は、半径方向のモータ間隙を有する。モータ間隙を介して、モータステータ217と永久磁石アセンブリとは、駆動トルクを伝達するために、磁気的に影響を及ぼしてよい。
モータステータ217は、ハウジング内で、電動モータ125に対して設けられたモータ室137内に固定されている。シールガス接続部135を介して、シールガス(パージガスとも称され、これは例えば空気や窒素であってよい)が、モータ室137に到達し得る。シールガスを介して、電動モータ125を、プロセスガス、例えばプロセスガスの腐食性の部分に対して保護できる。モータ室137は、ポンプ排気口117を介して真空引きしてもよい。つまりモータ室137内に、少なくとも近似的に、ポンプ排気口117に接続された補助真空ポンプによって実現される真空圧が作用する。
ロータハブ161と、モータ室137を画成する壁部221との間には、それ自体公知のいわゆるラビリンスシール223がさらに設けられてよい。これにより、特に、半径方向外側に位置するホルベックポンプ段に対するモータ室217のより良好なシールが達成される。
図6は、例えば図1から図5に示されたターボ分子ポンプ111である真空機器600の概略的なブロック線図を示す。真空機器600は、真空機器600の動作中に場合によっては摩耗にさらされることが知られた構成要素610を有する。ターボ分子ポンプ111の場合、構成要素610には、転がり軸受181(図3から図5参照)と、非常用軸受又は安全軸受215(図3参照)と、ターボ分子ポンプ111の、動作中に可動である前述の全ての部分とが含まれる。構成要素610には、一方では電動モータ125の可動の部分(図3参照)と、他方ではターボ分子ポンプ111の動作中に特別な負荷、例えば上昇した温度及び/又は高い電圧及び/又は高い電流強度にさらされる、電動モータ125の電気的及び電子的な要素とがさらに含まれる。
真空機器600は、摩耗認識装置620をさらに有し、摩耗認識装置620は、真空機器600の構成要素610に接続されていて、これにより、真空機器の動作量のセットが取得され、取得された動作量に基づいて、真空機器600の少なくとも1つの構成要素610の摩耗を表す、真空機器600についての少なくとも1つの摩耗指標が求められる。摩耗認識装置620は、真空機器600がターボ分子ポンプ111である場合、電動モータ125に通信接続されていることによって、動作量のセットの第1の要素として、真空機器600又はターボ分子ポンプ111の動作期間を取得する。真空機器600の動作期間に基づいて、摩耗認識装置620は、真空機器600の摩耗指標として用いられる数値を導き出す。
摩耗認識装置620は、真空機器600の動作変数をさらに取得し、動作変数には、ターボ分子ポンプ111の場合、ターボ分子ポンプ11の温度と、ターボ分子ポンプ11の高真空側に掛かる圧力と、ロータ149の回転速度と、1つ又は複数の回転速度/圧力サイクルと、ターボ分子ポンプ111の振動とが含まれ、この場合、最後に記載の振動は、図示されていない振動センサを用いて測定される。他方、真空機器600又はターボ分子ポンプ111の、取得されたこれらの動作変数に基づいて、摩耗認識装置620は、前述の1つ又は複数の動作変数に対してそれぞれ固有であって動作変数に割り当てられた1つ又は複数の摩耗指標を求める。それぞれの動作量の値は、事前設定された期間にわたって取得され、それぞれの閾値と比較され、これにより真空機器600の1つ又は複数の構成要素610が高められた摩耗にさらされているか求められる。これにより、摩耗指標は、取得された動作変数の値に関連付けられる。事前設定された期間にわたって取得された動作変数の値は、例えば合計される、積分される又は他の形で互いに対して算定され、これにより動作変数について平均値が得られ、この平均値に基づいて摩耗指標が求められる。
摩耗認識装置620は、真空機器600の少なくとも1つの動作媒体の状態、例えばターボ分子ポンプ111の場合、潤滑を必要とするターボ分子ポンプ111の構成要素用の潤滑剤の品質をさらに取得する。潤滑剤の品質は、例えば、潤滑剤の1つ又は複数の物理特性及び/又は化学特性、例えば潤滑剤中の特定の物質の存在、その粘性及び/又はその光学特性が監視されることによって取得できる。
真空機器600は、保護装置630をさらに有し、保護装置630は、少なくとも1つの摩耗指標が事前設定された状態を占めると、真空機器600の摩耗を低減する手段を実行するために設けられている。摩耗認識装置620は、保護装置630に通信接続されていて、真空機器600の様々な動作量のそれぞれの摩耗指標を保護装置630に伝送する。それぞれの摩耗指標の状態に基づいて、保護装置630は、真空機器600の摩耗を低減する手段を作動させる。それぞれの摩耗指標の状態は、動作期間や動作変数の場合、それらの値が事前設定されたそれぞれの閾値を超えることによって与えられている。真空機器の動作媒体について、動作媒体の事前に規定された状態が、真空機器600の摩耗を低減する手段を作動させる摩耗指標の状態に割り当てられている。
ターボ分子ポンプ111の場合、この手段には、ターボ分子ポンプ111の消費電力を制限することが含まれる。これにより、ターボ分子ポンプ111のロータ149の到達可能な最高回転速度も制限される。ロータ149の最高回転速度のこのような制限によって、転がり軸受181(図3から図5参照)及び非常用軸受又は安全軸受215(図3参照)の、ターボ分子ポンプ111が引き続きその定格回転速度で運転されるときに生じるであろう摩耗が低減される。
図7は、真空機器600、つまり特にターボ分子ポンプ111を運転する方法700の概略的なフローチャートを示す。710では、摩耗認識装置620を用いて、真空機器600の様々な構成要素610にそれぞれ割り当てられた、真空機器600の動作量のセットが取得される。ターボ分子ポンプ111の場合、動作量には、とりわけターボ分子ポンプ111の動作時間数、温度、ロータ149の回転速度及びターボ分子ポンプ111内の圧力が含まれる。
720では、取得された動作量に基づいて、摩耗認識装置620を用いて、真空機器600について、真空機器600の1つ又は複数の構成要素610の摩耗を表すそれぞれの摩耗指標が求められる。730では、摩耗指標の少なくとも1つが、例えば事前設定された閾値を超えることによって、事前設定された状態を占めるか調べられる。そうでない場合、方法はステップ710へと戻り、これにより真空機器600の動作量が引き続き監視され、新たな動作量のセットが取得される。
しかし、720で求められた摩耗指標の少なくとも1つが、1つ又は複数の構成要素610の摩耗の増加を表す、事前設定された状態を占めると、740で、保護装置によって、真空機器600の摩耗を低減する手段が実行される。ターボ分子ポンプ111の場合、これらの手段の1つは、ターボ分子ポンプ111の消費電力を制限することにあり、これによりロータ149の最高回転速度が制限され、転がり軸受181(図3から図5参照)及び非常用軸受又は安全軸受215(図3参照)が保護される。
111 ターボ分子ポンプ
113 吸気口フランジ
115 ポンプ吸気口
117 ポンプ排気口
119 ハウジング
121 下部分
123 エレクトロニクスハウジング
125 電動モータ
127 アクセサリ接続部
129 データインタフェース
131 電流供給接続部
133 通気用吸気口
135 シールガス接続部
137 モータ室
139 冷却剤接続部
141 下面
143 ねじ
145 軸受カバー
147 固定孔
148 冷却剤管路
149 ロータ
151 回転軸線
153 ロータシャフト
155 動翼
157 静翼
159 スペーサリング
161 ロータハブ
163 ホルベックロータスリーブ
165 ホルベックロータスリーブ
167 ホルベックステータスリーブ
169 ホルベックステータスリーブ
171 ホルベック間隙
173 ホルベック間隙
175 ホルベック間隙
179 接続チャネル
181 転がり軸受
183 永久磁石式の磁気軸受
185 スプラッシュナット
187 ディスク
189 インサート
191 ロータ側の軸受半部
193 ステータ側の軸受半部
195 リング磁石
197 リング磁石
199 軸受間隙
201 支持部分
203 支持部分
205 半径方向の支柱
207 カバー要素
209 支持リング
211 固定リング
213 皿ばね
215 非常用軸受又は安全軸受
217 モータステータ
219 中間室
221 壁部
223 ラビリンスシール
600 真空機器
610 真空機器の構成要素
620 摩耗認識装置
630 保護装置
700 真空機器を運転する方法
710-740 方法ステップ
しかし、720で求められた摩耗指標の少なくとも1つが、1つ又は複数の構成要素610の摩耗の増加を表す、事前設定された状態を占めると、740で、保護装置によって、真空機器600の摩耗を低減する手段が実行される。ターボ分子ポンプ111の場合、これらの手段の1つは、ターボ分子ポンプ111の消費電力を制限することにあり、これによりロータ149の最高回転速度が制限され、転がり軸受181(図3から図5参照)及び非常用軸受又は安全軸受215(図3参照)が保護される。
なお、本願は、特許請求の範囲に記載の発明に関するものであるが、他の態様として以下を含む。
1.
真空機器(600)、特に真空ポンプ(111)において、
真空機器(600)の動作量のセットを取得し、取得された動作量に基づいて、真空機器(600)の少なくとも1つの構成要素(610)の摩耗を表す、真空機器(600)についての少なくとも1つの摩耗指標を求めるように構成されている、摩耗認識装置(620)と、
少なくとも1つの摩耗指標が事前設定された状態を占めると、真空機器(600)の摩耗を低減する手段を実行するように構成されている、保護装置(630)と、
を備える、真空機器(600)。
2.
動作量のセットには、真空機器(600)の動作期間が含まれ、少なくとも1つの摩耗指標には、真空機器(600)の動作期間から導き出される数値が含まれる、上記1の真空機器(600)。
3.
動作量のセットには、真空機器(600)の動作変数が含まれ、摩耗認識装置(620)は、動作変数の値を事前設定された期間にわたって取得し、摩耗指標に関連付けることによって、摩耗指標を求めるように構成されている、上記1又は2の真空機器(600)。
4.
動作量のセットには、真空機器(600)の少なくとも1つの動作媒体の状態が含まれ、摩耗認識装置(620)は、少なくとも1つの動作媒体の状態に基づいて摩耗指標を求めるように構成されている、上記1から3のいずれか一つの真空機器(600)。
5.
動作媒体の状態には、真空機器(600)の少なくとも1つの構成要素(610)用の冷却剤の温度及び/又は潤滑剤の品質が含まれる、上記4の真空機器(600)。
6.
保護装置(630)は、真空機器(600)の消費電力が制限されるように、真空機器(600)の摩耗を低減する手段を実行するように構成されている、上記1から5のいずれか一つの真空機器(600)。
7.
保護装置(630)は、動作量の少なくとも1つに対する警告及び/又はエラー通知を出力するための少なくとも1つの境界値が低下するように、真空機器(600)の摩耗を低減する手段を実行するように構成されている、上記1から6のいずれか一つの真空機器(600)。
8.
保護装置(630)は、真空機器(600)の少なくとも1つの動作媒体の状態を適合させることによって、真空機器(600)の摩耗を低減する手段を実行するように構成されている、上記1から7のいずれか一つの真空機器(600)。
9.
真空機器(600)、特に真空ポンプ(111)を運転する方法(700)において、
方法は、
摩耗認識装置(620)を用いて、真空機器(600)の動作量のセットを取得し、取得された動作量に基づいて、真空機器(600)の少なくとも1つの構成要素(610)の摩耗を表す、真空機器(600)についての少なくとも1つの摩耗指標を求め、
少なくとも1つの摩耗指標が事前設定された状態を占めると、保護装置(630)によって、真空機器(600)の摩耗を低減する手段を実行する、方法(700)。
10.
動作量のセットには、真空機器(600)の動作期間が含まれ、少なくとも1つの摩耗指標の数値は、真空機器(600)の動作期間から導き出される、上記9の方法(700)。
11.
動作量のセットには、真空機器(600)の少なくとも1つの動作変数が含まれ、事前設定された期間にわたって動作変数の値を取得し、摩耗指標に関連付けることによって、摩耗指標を求める、上記9又は10の方法(700)。
12.
動作変数のセットには、真空機器(600)の少なくとも1つの動作媒体の状態が含まれ、摩耗指標を、少なくとも1つの動作媒体の状態に基づいて求める、上記9から11のいずれか一つの方法(700)。
13.
保護装置(630)によって、真空機器(600)の摩耗を低減する手段を、真空機器(600)の消費電力が制限されるように実行する、上記9から12のいずれか一つの方法(700)。
14.
真空機器(600)の摩耗を低減する手段を、動作量の少なくとも1つについての警告及び/又はエラー通知を出力するための少なくとも1つの境界値が低下するように実行する、上記9から13のいずれか一つの方法(700)。
15.
真空機器(600)の摩耗を低減する手段を、真空機器(600)の少なくとも1つの動作媒体の状態を適合させることによって実行する、上記9から14のいずれか一つの方法(700)。

Claims (15)

  1. 真空機器(600)、特に真空ポンプ(111)において、
    真空機器(600)の動作量のセットを取得し、取得された動作量に基づいて、真空機器(600)の少なくとも1つの構成要素(610)の摩耗を表す、真空機器(600)についての少なくとも1つの摩耗指標を求めるように構成されている、摩耗認識装置(620)と、
    少なくとも1つの摩耗指標が事前設定された状態を占めると、真空機器(600)の摩耗を低減する手段を実行するように構成されている、保護装置(630)と、
    を備える、真空機器(600)。
  2. 動作量のセットには、真空機器(600)の動作期間が含まれ、少なくとも1つの摩耗指標には、真空機器(600)の動作期間から導き出される数値が含まれる、請求項1に記載の真空機器(600)。
  3. 動作量のセットには、真空機器(600)の動作変数が含まれ、摩耗認識装置(620)は、動作変数の値を事前設定された期間にわたって取得し、摩耗指標に関連付けることによって、摩耗指標を求めるように構成されている、請求項1又は2に記載の真空機器(600)。
  4. 動作量のセットには、真空機器(600)の少なくとも1つの動作媒体の状態が含まれ、摩耗認識装置(620)は、少なくとも1つの動作媒体の状態に基づいて摩耗指標を求めるように構成されている、請求項1から3のいずれか一項に記載の真空機器(600)。
  5. 動作媒体の状態には、真空機器(600)の少なくとも1つの構成要素(610)用の冷却剤の温度及び/又は潤滑剤の品質が含まれる、請求項4に記載の真空機器(600)。
  6. 保護装置(630)は、真空機器(600)の消費電力が制限されるように、真空機器(600)の摩耗を低減する手段を実行するように構成されている、請求項1から5のいずれか一項に記載の真空機器(600)。
  7. 保護装置(630)は、動作量の少なくとも1つに対する警告及び/又はエラー通知を出力するための少なくとも1つの境界値が低下するように、真空機器(600)の摩耗を低減する手段を実行するように構成されている、請求項1から6のいずれか一項に記載の真空機器(600)。
  8. 保護装置(630)は、真空機器(600)の少なくとも1つの動作媒体の状態を適合させることによって、真空機器(600)の摩耗を低減する手段を実行するように構成されている、請求項1から7のいずれか一項に記載の真空機器(600)。
  9. 真空機器(600)、特に真空ポンプ(111)を運転する方法(700)において、
    方法は、
    摩耗認識装置(620)を用いて、真空機器(600)の動作量のセットを取得し、取得された動作量に基づいて、真空機器(600)の少なくとも1つの構成要素(610)の摩耗を表す、真空機器(600)についての少なくとも1つの摩耗指標を求め、
    少なくとも1つの摩耗指標が事前設定された状態を占めると、保護装置(630)によって、真空機器(600)の摩耗を低減する手段を実行する、方法(700)。
  10. 動作量のセットには、真空機器(600)の動作期間が含まれ、少なくとも1つの摩耗指標の数値は、真空機器(600)の動作期間から導き出される、請求項9に記載の方法(700)。
  11. 動作量のセットには、真空機器(600)の少なくとも1つの動作変数が含まれ、事前設定された期間にわたって動作変数の値を取得し、摩耗指標に関連付けることによって、摩耗指標を求める、請求項9又は10に記載の方法(700)。
  12. 動作変数のセットには、真空機器(600)の少なくとも1つの動作媒体の状態が含まれ、摩耗指標を、少なくとも1つの動作媒体の状態に基づいて求める、請求項9から11のいずれか一項に記載の方法(700)。
  13. 保護装置(630)によって、真空機器(600)の摩耗を低減する手段を、真空機器(600)の消費電力が制限されるように実行する、請求項9から12のいずれか一項に記載の方法(700)。
  14. 真空機器(600)の摩耗を低減する手段を、動作量の少なくとも1つについての警告及び/又はエラー通知を出力するための少なくとも1つの境界値が低下するように実行する、請求項9から13のいずれか一項に記載の方法(700)。
  15. 真空機器(600)の摩耗を低減する手段を、真空機器(600)の少なくとも1つの動作媒体の状態を適合させることによって実行する、請求項9から14のいずれか一項に記載の方法(700)。
JP2023096996A 2022-12-15 2023-06-13 真空機器及びその運転方法 Pending JP2024086542A (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
EP22213776 2022-12-15
EP22213776.2A EP4137699A1 (de) 2022-12-15 2022-12-15 Vakuumgerät und verfahren zum betreiben eines solchen

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2024086542A true JP2024086542A (ja) 2024-06-27

Family

ID=84537140

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2023096996A Pending JP2024086542A (ja) 2022-12-15 2023-06-13 真空機器及びその運転方法

Country Status (2)

Country Link
EP (1) EP4137699A1 (ja)
JP (1) JP2024086542A (ja)

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP3456979B1 (de) * 2017-09-18 2022-03-30 Pfeiffer Vacuum Gmbh Vakuumgerät und verfahren zur erzeugung einer information betreffend den betrieb eines vakuumgerätes
JP2019214992A (ja) * 2018-06-14 2019-12-19 株式会社島津製作所 真空ポンプ
EP3832141B1 (de) * 2020-11-05 2023-01-04 Pfeiffer Vacuum Technology AG Verfahren zum betreiben einer vakuumpumpe

Also Published As

Publication number Publication date
EP4137699A1 (de) 2023-02-22

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN110017290B (zh) 泵装置、泵装置的试验运转方法、电动机组装体及确定电动机组装体异常振动的方法
EP2538184A2 (en) Rule-based diagnostics apparatus and method for rotating machinery
JP7006520B2 (ja) 真空ポンプおよび診断システム
EP2314877A1 (en) Vacuum pump
JP2006508315A (ja) 玉軸受およびこの形式の軸受が装備された真空ポンプ
CA3056516A1 (en) Mechanical seal device with microsystem, pump device using the same and method of operating the same
JP2019120145A (ja) ポンプ装置およびポンプ装置の試験運転方法
JP7239510B2 (ja) 真空ポンプ
JP6151382B2 (ja) 多段電動遠心圧縮機
JP2019031966A (ja) 真空ポンプ
EP0851127B1 (en) Diagnostic method and apparatus for vacuum pumps
JP2024086542A (ja) 真空機器及びその運転方法
CN111954762B (zh) 用于控制制冷设备中的至少一个径流式风机的方法以及径流式风机
US11661948B2 (en) Compressor with vibration sensor
JP2019120157A (ja) 真空ポンプ及び真空ポンプの堆積物検知装置並びに真空ポンプの堆積物検知方法
US11811270B2 (en) Device for continuous oscillation monitoring during rotating field machine operation
JP2019120146A (ja) 電動機組立体、ポンプ装置、および、電動機組立体の異常振動を特定する方法
JP2019122065A (ja) 電動機組立体およびポンプ装置
JP7096287B2 (ja) 真空機器内の状態情報を求める方法
WO2019145737A1 (en) Turbomolecular pump and method of operation
JP7418269B2 (ja) 真空ポンプのロータの回転数制御
EP3332124B1 (en) Pump comprising a proximity sensor
US12085085B2 (en) Vacuum pump system and control method
CN110621885A (zh) 真空泵和其加热装置
KR102282002B1 (ko) 결함 검출 신뢰성이 높은 터보기기

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20231003

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20231003

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20240710