JP2024085780A - 画像処理装置、画像処理方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 ハローや黒沈みを抑制するための技術を提供すること。【解決手段】 入力画像における局所領域のカラーチャンネルの最小値を画素値とするダークチャンネル画像を、該入力画像に基づいて複数生成する。生成したダークチャンネル画像に基づいて特徴量を求め、該特徴量に基づいて、生成したダークチャンネル画像に基づく合成ダークチャンネル画像を生成する。合成ダークチャンネル画像に基づいて環境光を算出する。入力画像と環境光とに基づいて大気の透過率分布を生成する。入力画像を用いて透過率分布を整形する。整形された整形済み透過率分布と、環境光と、に基づいて、入力画像のコントラストを補正した補正画像を生成する。【選択図】 図3

Description

本発明は、入力画像におけるコントラストを補正するための技術に関する。
監視カメラや車載カメラの分野において、カメラから被写体までの間に存在する霧などの影響により、撮影画像の視認性低下が問題となっている。これは光が大気を通過する際に微小粒子成分によって光散乱することで、撮影画像のコントラストの低下が発生するためである。この現象は被写体までの距離によって散乱度合いが変化するため、被写体までの距離が混在するシーンの画像は、画像領域ごとにコントラストの低下の度合いが異なる画像となる。このようなコントラストの低下を補正する手法として、特許文献1のような手法がある。特許文献1では、霧などの影響によって黒浮きが発生すると仮定し、領域におけるカラーチャンネル最小画素値(以下、ダークチャンネル)から、大気の透過率分布を算出し、大気モデルに基づき、霧の影響を除去する(以下、霧除去)。また、非特許文献1では、透過率分布を階層的に合成することで、補正不足によって被写体が白くなってしまう画質弊害(以下、ハロー)や過補正によって被写体が黒くなってしまう画質弊害(以下、黒沈み)を低減し、視認性の向上を行う。
米国特許第8340461号明細書
Qiyuan Liang, City University of Hong Kong、"PYRAMID FUSION DARK CHANNEL PRIOR FOR SINGLE IMAGE DEHAZING"、Computer Vision and Pattern Recognition, arXiv:2105.10192
しかしながら、特許文献1の手法では、ダークチャンネルによる霧量推定結果にて、実際より少ないと判定された領域ではハローが、実際より多いと判定された領域では黒沈みが、といった画質弊害が発生してしまっていた。一方、非特許文献1の手法では、画素ごとにハロー・黒沈みが発生しやすい領域が異なるのに対し、全ての画素で一定の比率で透過率マップの合成を行うため、ハロー・黒沈みの低減効果が低くなってしまっていた。本発明では、ハローや黒沈みを抑制するための技術を提供する。
本発明の一様態は、入力画像における局所領域のカラーチャンネルの最小値を画素値とするダークチャンネル画像を、該入力画像に基づいて複数生成する第1生成手段と、前記第1生成手段が生成したダークチャンネル画像に基づいて特徴量を求め、該特徴量に基づいて、前記第1生成手段が生成したダークチャンネル画像に基づく合成ダークチャンネル画像を生成する合成手段と、前記合成ダークチャンネル画像に基づいて環境光を算出する算出手段と、前記入力画像と前記環境光とに基づいて大気の透過率分布を生成する第2生成手段と、前記入力画像を用いて前記透過率分布を整形する整形手段と、前記整形手段により整形された整形済み透過率分布と、前記環境光と、に基づいて、前記入力画像のコントラストを補正した補正画像を生成する第3生成手段とを備えることを特徴とする。
本発明によれば、ハローや黒沈みを抑制するための技術を提供することができる。
システムの構成例を示す図。 カメラ100に適用可能なハードウェア構成例を示すブロック図。 画像処理部208の機能構成例を示すブロック図。 RAW画像に基づいて、コントラストが補正された画像(霧除去処理が施された画像)を生成するためにカメラ100が行う処理のフローチャート。 合成ダークチャンネル画像を生成するための処理の構成例を示すブロック図。 現像画像I’からダークチャンネル画像darkを生成するための処理を示す図。 透過率分布の整形処理を説明するための図。 thの設定例を示す図。 推定部303の機能構成例を示すブロック図。 ステップS405における処理の詳細を示すフローチャート。 ラプラシアンフィルタを用いた距離境界推定画像の生成処理を説明するための図。 最大値フィルタによる距離境界推定画像の補正を説明するための図。 画像処理部208の機能構成例を示すブロック図。 RAW画像に基づいて、コントラストが補正された画像(霧除去処理が施された画像)を生成するためにカメラ100が行う処理のフローチャート。 合成ダークチャンネル画像を生成するための処理の構成例を示す図。 画像処理部208の機能構成例を示すブロック図。 RAW画像に基づいて、コントラストが補正された画像(霧除去処理が施された画像)を生成するためにカメラ100が行う処理のフローチャート。 黒沈みマップBCMを生成するための処理の構成例を示すブロック図。 ステップS1705における処理の詳細を示すフローチャート。 現像画像I’、該現像画像I’に対応する黒沈みマップ算出用霧除去画像J”、の一例を示す図。 図20に示した現像画像I’に対応する黒沈みマップBCMの一例を示す図。
以下、添付図面を参照して実施形態を詳しく説明する。尚、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではない。実施形態には複数の特徴が記載されているが、これらの複数の特徴の全てが発明に必須のものとは限らず、また、複数の特徴は任意に組み合わせられてもよい。さらに、添付図面においては、同一若しくは同様の構成に同一の参照番号を付し、重複した説明は省略する。
[第1の実施形態]
本実施形態では、入力画像における局所領域のカラーチャンネルの最小値を画素値とするダークチャンネル画像を、該入力画像に基づいて複数生成する。そして、該生成した複数のダークチャンネル画像のうち1つダークチャンネル画像の特徴量に基づいて、該複数のダークチャンネル画像のうち該1つのダークチャンネル画像を除く他のダークチャンネル画像を合成した合成ダークチャンネル画像を生成する。本実施形態では、ダークチャンネル画像の特徴量として、被写体距離が異なる被写体が隣接している境界(距離境界)を表す距離境界推定画像を生成する。そして、該合成ダークチャンネル画像に基づいて環境光を算出し、該入力画像と該環境光とに基づいて大気の透過率分布を生成し、該入力画像を用いて該透過率分布を整形する。そして、該整形された整形済み透過率分布と、該環境光と、に基づいて、該入力画像のコントラストを補正した補正画像を生成する。このような処理を行うことで、距離境界がある領域の周辺で発生していたダークチャンネルの霧量の誤推定を軽減するので、画質弊害を低減することができる。
先ず、本実施形態に係るシステムの構成例について、図1を用いて説明する。図1に示す如く、本実施形態に係るシステムは、画像処理装置としてのカメラ100と、コンピュータ装置102と、ディスプレイ103と、を有する。そして、カメラ100とコンピュータ装置102との間、コンピュータ装置102とディスプレイ103との間、は、HDMI(登録商標)やSDI(シリアルデジタルインターフェース)ケーブルなどの映像伝送ケーブル101を介して互いに通信可能に接続されている。なお、カメラ100とコンピュータ装置102との間、コンピュータ装置102とディスプレイ103との間、の接続方法については特定の接続方法に限らず、たとえば、有線や無線のLANで装置間を接続しても良い。
先ず、カメラ100について説明する。カメラ100は、コンピュータ装置102からの指示に応じて、もしくは自立的に自身のパン、チルト、ズームを制御可能な撮像装置の一例であり、動画像もしくは静止画像を撮像する。カメラ100は、動画像を撮像する場合には、該動画像における各フレームの画像に対して後述の霧除去処理を行った画像を撮像画像として出力する。また、カメラ100は、静止画像を撮像する場合には、定期的もしくは不定期的に撮像した静止画像に対して後述の霧除去処理を行った画像を撮像画像として出力する。カメラ100から出力された撮像画像は、映像伝送ケーブル101を介してコンピュータ装置102に入力される。なお、カメラ100から出力された撮像画像は、不図示の通信路を介してディスプレイ103に出力して該ディスプレイ103に該撮像画像を表示しても良い。
次に、ディスプレイ103について説明する。ディスプレイ103は、液晶画面やタッチパネル画面を有し、コンピュータ装置102やカメラ100から出力された画像や文字を表示する。また、ディスプレイ103がタッチパネル画面を有している場合には、該タッチパネル画面に対するユーザからの操作入力は、不図示の通信路を介してコンピュータ装置102に通知される。
次に、コンピュータ装置102について説明する。コンピュータ装置102は、PC(パーソナルコンピュータ)、スマートフォン、タブレット端末装置、などのコンピュータ装置である。コンピュータ装置102は、カメラ100に対して撮像指示を送信したり、カメラ100のパラメータをセットしたり、また、カメラ100から出力された撮像画像を保持したり他の装置に対して転送したりする。
つぎに、上記のカメラ100に適用可能なハードウェア構成例について、図2のブロック図を用いて説明する。CPU201は、RAM202に格納されているコンピュータプログラムやデータを用いて各種の処理を実行する。これによりCPU201は、カメラ100全体の動作制御を行うと共に、カメラ100が行う処理として説明する各種の処理を実行もしくは制御する。
RAM202は、ROM203や記録媒体204からロードされたコンピュータプログラムやデータを格納するためのエリア、通信I/F205を介してコンピュータ装置102から受信したコンピュータプログラムやデータを格納するためのエリア、を有する。さらにRAM202は、画像入力部206が撮像センサ212から取得したRAW画像を格納するためのエリア、を有する。さらにRAM202は、CPU201や画像処理部208が各種の処理を実行する際に用いるワークエリアを有する。このようにRAM202は、各種のエリアを適宜提供することができる。
ROM203には、カメラ100の設定データ、カメラ100の起動に係るコンピュータプログラムやデータ、カメラ100の基本動作に係るコンピュータプログラムやデータ、などが格納されている。
記録媒体204は、SSD、SDカード、USBメモリなどのメモリ装置であり、カメラ100による処理結果や通信I/F205を介してコンピュータ装置102から受信したコンピュータプログラムやデータを格納することができる。記録媒体204に格納されているコンピュータプログラムやデータは、CPU201による制御に従って適宜RAM202にロードされ、CPU201による処理対象となる。
通信I/F205は、HDMI(登録商標)やSDIといったインターフェースであり、映像伝送ケーブル101を介してコンピュータ装置102やディスプレイ103との間のデータ通信を行うためのインターフェースである。
外界からの光はレンズ211を介して撮像センサ212に入光する。撮像センサ212は該入光した光を光電変換してRAW画像を生成し、該生成したRAW画像を出力する。画像入力部206は、撮像センサ212から出力されたRAW画像を取得する。撮像制御部207は、CPU201による制御の元、レンズ211の駆動制御や撮像センサ212の動作制御を行う。
画像処理部208は、CPU201による制御の元、画像入力部206が取得したRAW画像に基づいて、コントラストが補正された画像(霧除去処理が施された画像)を生成するための各種の処理を行うハードウェア回路である。
操作部210は、ボタン、スイッチ、タッチパネルなどのユーザインターフェースであり、ユーザが操作することで各種の指示をCPU201に対して入力することができる。
画像出力部213は、画像処理部208によって生成された「霧除去処理が施された画像」を通信I/F205を介してコンピュータ装置102やディスプレイ103に対して出力する。
CPU201、RAM202、ROM203、記録媒体204、通信I/F205、画像入力部206、撮像制御部207、画像処理部208、操作部210、画像出力部213、はいずれもシステムバス214に接続されている。
つぎに、画像処理部208の機能構成例を図3のブロック図に示す。以下では図3に示した機能部はいずれもハードウェアで実装されているものとして説明する。しかし、図3に示した機能部のうち1以上の機能部をソフトウェア(コンピュータプログラム)で実装しても良く、その場合、該1以上の機能部に対応するコンピュータプログラムをCPU201が実行することで、該1以上の機能部の機能が実現される。
画像入力部206が撮像センサ212から取得したRAW画像に基づいて、コントラストが補正された画像(霧除去処理が施された画像)を生成するためにカメラ100が行う処理について、図4のフローチャートに従って説明する。
ステップS401では、CPU201は、ROM203や記録媒体204に格納されている「以降の処理において用いる各種のパラメータ」をRAM202にロードして設定する。
撮像制御部207により駆動制御されたレンズ211を介して入光した光を受光した撮像センサ212は、撮像制御部207による制御の元、該受光した光に基づくRAW画像を生成し、該生成したRAW画像を出力する。然るにステップS402では、画像入力部206は、撮像センサ212から出力されたRAW画像Iを取得し、該取得したRAW画像Iを画像処理部208に入力する。ここで、I(x,y,c)は、RAW画像Iにおける画素位置(x、y)の画素の、カラーチャンネルcの画素値を表す。ここで、c=R、G、Bとする。RAW画像Iでは、各画素にR,G,Bのいずれかの色がベイヤ配置となっている。
ステップS403では、処理部301は、RAW画像Iに対して現像処理を行うことで現像画像(入力画像)I’を生成する。ここで、I’(x,y,c)は、現像画像I’における画素位置(x、y)の画素の、カラーチャンネルcの画素値を表す。処理部301は、このようなRAW画像Iに対してホワイトバランス、ディベイヤ、ノイズリダクション、シャープネス、色変換などの画像処理を行う。
そして、ステップS404~S406の処理によって合成ダークチャンネル画像を生成する。合成ダークチャンネル画像を生成するための処理の構成例を図5のブロック図に示す。
ステップS404では、算出部302は、現像画像I’から4枚のダークチャンネル画像(dark、dark、dark、dark)を生成する。ここでは、ダークチャンネル画像の探索範囲のサイズをdark<dark<dark<darkとする。本実施形態では、dark、dark、dark、darkのそれぞれのダークチャンネル画像の探索範囲のサイズを3×3,7×7、25×25、13×13とする。ここで、dark(x,y)は、ダークチャンネル画像darkにおける画素位置(x、y)の画素の画素値を表す。また、dark(x,y)は、ダークチャンネル画像darkにおける画素位置(x、y)の画素の画素値を表す。また、dark(x,y)は、ダークチャンネル画像darkにおける画素位置(x、y)の画素の画素値を表す。また、dark(x,y)は、ダークチャンネル画像darkにおける画素位置(x、y)の画素の画素値を表す。
ここで、現像画像I’からダークチャンネル画像darkを生成するための処理について、図6を用いて説明する。算出部302は、現像画像I’からダークチャンネル画像darkを生成するためには、現像画像I’における着目画素を中心とする3画素×3画素の画像領域を探索範囲として設定する。図6(a)は、探索範囲に含まれるそれぞれの画素のR(赤)の画素値を示しており、図6(b)は、探索範囲に含まれるそれぞれの画素のG(緑)の画素値を示しており、図6(c)は、探索範囲に含まれるそれぞれの画素のB(青)の画素値を示している。算出部302は、探索範囲に含まれるそれぞれの画素のRの画素値、Gの画素値、Bの画素値のうち最小の画素値を特定し、該特定した画素値を、ダークチャンネル画像darkにおいて該注目画素に対応する画素の画素値に設定する。図6の場合、探索範囲に含まれるそれぞれの画素のRの画素値、Gの画素値、Bの画素値のうち最小の画素値は「115」であるから、算出部302は、図6(d)に示す如く、画素値「115」を、ダークチャンネル画像darkにおいて該注目画素に対応する画素の画素値に設定する。現像画像I’における各画素を着目画素として上記の処理を行うことで、ダークチャンネル画像darkにおける各画素の画素値を確定することができる。また、探索範囲のサイズを7×7として上記の処理を行うことで、ダークチャンネル画像darkを生成することができる。同様に、探索範囲のサイズを25×25として上記の処理を行うことで、ダークチャンネル画像darkを生成することができる。同様に、探索範囲のサイズを13×13として上記の処理を行うことで、ダークチャンネル画像darkを生成することができる。現像画像I’からダークチャンネル画像darkを生成するための(式1)を以下に示す。
Figure 2024085780000002
…(式1)
ここで、Ω(h,v)は探索範囲(ダークチャンネル画像を算出するための矩形の局所領域)である。また、この(式1)では、現像画像I’(x、y、c)をI(x,y)と表記している。
ステップS405では、推定部303は、ダークチャンネル画像darkにおける距離境界(被写体距離が異なる被写体が隣接している境界)の推定結果である距離境界推定画像DBを生成する。ここで、DB(x,y)は、距離境界推定画像DBにおける画素位置(x、y)の画素の画素値を表す。距離境界推定画像DBの生成方法については後述する。
ステップS406では、合成部304は、ダークチャンネル画像dark、dark、darkを距離境界推定画像DBを用いて合成した合成ダークチャンネル画像darkmultiを生成する。本実施形態では、以下の(式2)に示す如く、距離境界推定画像DBに基づくダークチャンネル画像の加重平均を計算して合成ダークチャンネル画像darkmultiを生成する。
Figure 2024085780000003
…(式2)
ここで、darkmulti(x、y)は、合成ダークチャンネル画像darkmultiにおける画素位置(x、y)の画素の画素値を表す。また、thは、ダークチャンネル画像合成比率を制御する閾値であり、thは0~1の実数である。thが高いほど探索範囲のサイズが小さいdarkを優先するように合成するため、ハローを低減することができる。本実施形態では、ハローと黒潰れのどちらを重視するかに応じて、図8に示すようにthを設定している。なお、thは、ステップS401にて設定されるパラメータに含まれていても良いし、ユーザが操作部210を操作して設定しても良い。
ステップS407では、算出部305は、合成ダークチャンネル画像darkmultiを用いてカラーチャンネルcの環境光A(c)を算出(推定)する。環境光とは、太陽や空などからの光が霧によって散乱された光の成分である。ここで、A(c)は、カラーチャンネルcに対応する光の成分である。画像から環境光を算出する方法は周知であり、例えば、特許文献1に記載の方法を用いて環境光を算出することが可能である。具体的には、ダークチャンネル画像のうち画素値の大きさが上位0.1%となる領域を抽出し、その領域に対して、ステップS403にて現像した現像画像I’の平均RGBから環境光A(c)を得る。
ステップS408では、算出部306は、現像画像I’と環境光A(c)とを用いて、以下の(式3)に従って大気の透過率分布tを算出する。ここで、t(x,y)は、現像画像I’における画素位置(x、y)に対応する大気の透過率を表す。
Figure 2024085780000004
…(式3)
ここで、D(・)は合成ダークチャンネル画像を算出するための関数で、ステップS406における合成ダークチャンネル画像の生成を行う関数である。また、ωは0~1の範囲内で設定される実数のパラメータ(遠方にある被写体の透過率が大きくなりすぎるのを制御するためのパラメータ)であり、ステップS401にて設定される。ωは値が低いほど、遠方の被写体の透過率が大きくなることを強く制御し、補正量が低下する。本実施形態ではω=0.95とする。
ステップS409では、処理部307は、透過率分布tに対して、現像画像I’を用いて整形処理を行って、整形済み透過率分布t’を生成する。ここで、t’(x,y)は、現像画像I’における画素位置(x、y)に対応する大気の透過率を表す。ここで、透過率分布の整形処理について、図7を用いて説明する。透過率分布tでは、矩形の領域ごとに算出するため領域のブロック形状が残ってしまう。そこで、整形処理では、現像画像I’をガイド画像として、透過率分布tのブロック形状を軽減した整形済み透過率分布t’を生成する。この整形処理では、ガイデットフィルタを用いて、ブロック形状の軽減を行うが、クロスバイラテラルフィルタなどを用いても構わず、整形処理は特定の手法に限らない。
ステップS410では、生成部308は、現像画像I’に対して、環境光A(c)と整形済み透過率分布t’とを用いて、以下の(式4)に従った処理(大気モデルを用いた計算処理)を行うことで霧除去処理を行い、霧除去画像Jを生成する。
Figure 2024085780000005
…(式4)
ここで、J(x,y,c)は、霧除去画像Jにおける画素位置(x、y)の画素の、カラーチャンネルcの画素値を表す。また、tminはゼロ割を防ぐための規定の係数であり、本実施形態ではtmin=0.1とする。
ステップS411では、処理部309は、ステップS410で生成された霧除去画像Jに対してガンマ補正を行って、出力画像J’を生成する。ステップS412では、画像出力部213は、ステップS411で生成された出力画像J’を、通信I/F205を介してコンピュータ装置102に対して出力する。
ステップS413では、CPU201は、処理の終了条件が満たされたか否かを判断する。処理の終了条件には様々な条件が適用可能である。たとえば、「カメラ100の電源がオフになったことを検知した」、「画像入力部206がRAW画像を取得していない期間の長さが一定期間長以上となった」、「ユーザが操作部210を操作して処理の終了指示を入力したことを検知した」、などがある。
このような判断の結果、処理の終了条件が満たされた場合には、図4のフローチャートに従った処理は終了し、処理の終了条件が満たされていない場合には、処理はステップS401に進む。
次に、上記のステップS405における処理の詳細について、図10のフローチャートに従って説明する。また、推定部303の機能構成例を図9のブロック図に示す。
ステップS1001では、算出部901は、ダークチャンネル画像darkに対してエッジ検出を行うことで得られる画像を距離境界推定画像として生成する。本実施形態では、エッジ検出にラプラシアンフィルタを用いる。ここで、図11を用いてラプラシアンフィルタを用いた距離境界推定画像の生成処理について説明する。図11では、一例としてダークチャンネル画像に対してラプラシアンフィルタを適用し、算出した距離境界推定結果(距離境界推定画像)を示す。なお、距離境界推定画像の生成処理のための手法は上記の手法に限定されず、例えば、ソーベルフィルタなどを用いた手法であっても構わない。
ステップS1002では、補正部902は、ステップS1001で生成された距離境界推定画像を補正する。本実施形態では、補正部902は、最大値フィルタを用いて距離境界推定画像の補正を行う。ここで、図12を用いて最大値フィルタによる距離境界推定画像の補正について説明する。図12では、一例として距離境界推定画像に対して7×7の最大値フィルタを適用し、算出した補正後距離境界推定画像を示す。なお、距離境界推定画像の補正処理のための手法は上記の手法に限定されず、例えば、ガウシアンフィルタなどを用いた手法であっても構わない。
このように、本実施形態によれば、ダークチャンネル画像のエッジから算出した距離境界推定画像を加重平均の重みとして用いてダークチャンネル画像を合成するので、霧霞除去画像で発生するハローと黒沈みを低減することができる。特に、建造物と大気のように距離が大きく異なる被写体間において霧量の誤推定が発生しにくくなるので、ハローを低減することができる。
[第2の実施形態]
本実施形態を含む以下の各実施形態では、第1の実施形態との差分について説明し、以下で特に触れない限りは第1の実施形態と同様であるものとする。第1の実施形態では、現像画像I’から探索範囲のサイズを変えて複数のダークチャンネル画像を生成した。これに対し、本実施形態では、現像画像からそれぞれ解像度が異なる複数の縮小画像を生成し、該複数の縮小画像のダークチャンネル画像を生成する。このような処理によって、第1の実施形態と比較して、より高速に処理を行うことができる。
本実施形態に係る画像処理部208の機能構成例を図13のブロック図に示す。RAW画像に基づいて、コントラストが補正された画像(霧除去処理が施された画像)を生成するためにカメラ100が行う処理について、図14のフローチャートに従って説明する。なお、図14において図4に示した処理ステップと同じ処理ステップには同じステップ番号を付しており、該処理ステップに係る説明は省略する。
ステップS1404~S1408の処理によって合成ダークチャンネル画像を生成する。合成ダークチャンネル画像を生成するための処理の構成例を図15のブロック図に示す。
ステップS1404では、縮小部1302は、現像画像I’の縦横サイズを1/2に縮小した縮小画像I2、現像画像I’の縦横サイズを1/4に縮小した縮小画像I4、現像画像I’の縦横サイズを1/8に縮小した縮小画像I8、を生成する。つまりステップS1404では、縮小部1302は、現像画像I’から、それぞれ解像度が異なる複数の縮小画像を生成する。本実施形態では、現像画像I’の縮小画像は、ニアレストネイバー法を用いて生成するが、縮小画像の生成方法は特定の生成方法に限らず、例えば、バイリニア法などを用いても良い。
ステップS1405では、生成部1303は、現像画像I’、ステップS1404で生成した縮小画像I2,I4,I8、の合計4枚の画像のそれぞれについて、図6を用いて説明した方法を用いてダークチャンネル画像を生成する。その際、探索範囲のサイズはいずれの画像についても同じ(たとえば3画素x3画素)であるものとする。
このような処理により、現像画像I’に対応するダークチャンネル画像dark、縮小画像I2に対応するダークチャンネル画像dark’(縦横サイズはdarkの縦横サイズの1/2)、縮小画像I8に対応するダークチャンネル画像dark’(縦横サイズはdarkの縦横サイズの1/8)、縮小画像I4に対応するダークチャンネル画像dark’(縦横サイズはdarkの縦横サイズの1/4)、が生成される。
ステップS1406では、推定部1304は、ステップS1405で生成したダークチャンネル画像のうちダークチャンネル画像dark’から第1の実施形態と同様にして距離境界推定画像DB’を生成する。
ステップS1407では、拡大部1305は、ステップS1405で生成したダークチャンネル画像dark’、dark’と、ステップS1406で生成した距離境界推定画像DB’と、を現像画像I’のサイズに拡大する。ダークチャンネル画像dark’を現像画像I’のサイズに拡大したダークチャンネル画像はdarkとなる。また、ダークチャンネル画像dark’を現像画像I’のサイズに拡大したダークチャンネル画像はdarkとなる。また、距離境界推定画像DB’を現像画像I’のサイズに拡大した距離境界推定画像はDBとなる。本実施形態では、画像の拡大にはニアレストネイバー法を用いるが、これに限らず、バイリニア法などを用いても良い。
ステップS1408では、合成部1306は、ダークチャンネル画像dark、dark、darkを距離境界推定画像DBを用いて合成した合成ダークチャンネル画像darkmultiを、第1の実施形態と同様にして生成する。
このように、本実施形態によれば、現像画像を縮小した縮小画像からダークチャンネル画像を生成するので、探索範囲を減らすことができる。これにより、探索範囲を変えながらダークチャンネル画像を生成する第1の実施形態と比較して、ダークチャンネル画像の生成時の探索画素数と探索範囲を低減することができる。例えば、現像画像を縦に1/A倍に、横に1/B倍した場合、縮小せずに算出したダークチャンネル画像と同等のダークチャンネル画像を生成する場合、探索画素数をそれぞれ1/A、1/Bに、探索範囲をそれぞれ1/A、1/Bで算出することになる。その結果、(A×B)倍高速にダークチャンネル画像を生成することが可能となる。
[第3の実施形態]
第1の実施形態および第2の実施形態では、ダークチャンネル画像の特徴量として距離境界推定画像を生成し、該距離境界推定画像に基づいてダークチャンネル画像を合成していた。これに対し、本実施形態では、霧除去画像に黒沈みが発生しているかを判定するための(霧除去によって黒沈みが発生しやすいかを推定する)黒沈みマップを生成し、該黒沈みマップに基づいて合成ダークチャンネル画像を生成する。この処理によって、霧除去画像で黒沈みが発生している領域に対して大きい探索範囲を適用することができる。その結果、ダークチャンネル画像の霧量の誤推定を軽減することができ、画質弊害を低減する。
本実施形態に係る画像処理部208の機能構成例を図16のブロック図に示す。RAW画像に基づいて、コントラストが補正された画像(霧除去処理が施された画像)を生成するためにカメラ100が行う処理について、図17のフローチャートに従って説明する。なお、図17において図4に示した処理ステップと同じ処理ステップには同じステップ番号を付しており、該処理ステップに係る説明は省略する。
ステップS1704では、算出部1602は、現像画像I’から第1の実施形態と同様にしてダークチャンネル画像dark、dark、darkを生成する。
ステップS1705では、算出部1603は、現像画像I’について黒沈みマップBCMを生成する。ここで、BCM(x,y)は、黒沈みマップBCM中の位置(x、y)に対応するマップ値を表す。ステップS1705における処理の詳細については後述する。
ステップS1706では、合成部1604は、ステップS1704で生成したダークチャンネル画像dark、dark、darkを、黒沈みマップBCMを用いて合成した合成ダークチャンネル画像darkmultiを生成する。本実施形態では、以下の(式5)に示す如く、ダークチャンネル画像dark、dark、darkの黒沈みマップBCMに基づく加重平均を計算して合成ダークチャンネル画像darkmultiを生成する。
Figure 2024085780000006
…(式5)
次に、上記のステップS1705における処理の詳細について、図19のフローチャートに従って説明する。黒沈みマップBCMを生成するための処理の構成例を図18のブロック図に示す。
ステップS1901では、算出部1801は算出部302と同様の処理により、現像画像I’から、探索範囲のサイズ=1×1に対応するダークチャンネル画像を、黒沈みマップ算出用ダークチャンネル画像として生成する。
ステップS1902では、算出部1802は算出部305と同様の処理により、黒沈みマップ算出用ダークチャンネル画像を用いて環境光(黒沈みマップ算出用環境光)を算出する。
ステップS1903では、算出部1803は算出部306と同様の処理により、現像画像I’と黒沈みマップ算出用環境光とを用いて大気の透過率分布(黒沈みマップ算出用透過率分布)を算出する。黒沈みマップ算出用ダークチャンネル画像から透過率分布を算出するため、ブロック形状は発生しないので、黒沈みマップ算出用透過率分布の整形は行わない。
ステップS1904では、算出部1804は生成部308と同様にして、現像画像I’に対して、黒沈みマップ算出用環境光と黒沈みマップ算出用透過率分布とを用いて霧除去処理を行い、黒沈みマップ算出用霧除去画像J”を生成する。ここで、図20に、現像画像I’、該現像画像I’に対応する黒沈みマップ算出用霧除去画像J”、の一例を示す。
ステップS1905では、算出部1805は、現像画像I’と、ステップS1904で生成した黒沈みマップ算出用霧除去画像J”と、を用いて、以下の(式6)に従った計算を行うことで、黒沈みマップBCMを生成する。
Figure 2024085780000007
…(式6)
ここで、Y{Im(x,y,c)}は、画像Imにおける画素位置(x、y)の画素のチャンネルcの輝度値を求めるための関数である。図20に示した現像画像I’に対応する黒沈みマップBCMの一例を図21に示す。図21の黒沈みマップBCMでは、白い領域ほど黒沈みが発生しやすい領域となっている。
このように、本実施形態では、現像画像と霧除去画像の差分から算出した黒沈みマップを加重平均の重みとして用いてダークチャンネル画像を合成する。これにより、霧霞除去画像で発生するハローと黒沈みを低減することができる。特に、白い看板や白い建物の壁のように、霧と似た輝度で広範囲に存在する被写体において霧量の誤推定が発生しにくくなるので、黒沈みを低減することができる。
[第4の実施形態]
上記の各実施形態では、カメラ100とコンピュータ装置102とを別個の装置としていたが、カメラ100とコンピュータ装置102とを一体化させて、カメラ100の機能とコンピュータ装置102の機能とを有する1台の画像処理装置を構成しても良い。また、1台の装置を複数台の装置で実装し、該複数台の装置による分散処理でもって、該1台の装置が行う処理として説明した処理を実行するようにしても良い。
また、上記の各実施形態では、出力画像J’の出力先はディスプレイ103としたが、出力画像J’の出力先はディスプレイ103に限らない。例えば、出力画像J’はLANやインターネットなどのネットワーク回線を介して外部装置に対して送信しても良いし、コンピュータ装置102や他の装置におけるメモリに格納しても良い。
また、上記の各実施形態では、画像処理部208は、撮像センサ212から出力されたRAW画像に対して現像処理を行うことで得られる現像画像を、霧除去処理の対象(入力画像)として取得していたが、入力画像の取得方法は特定の取得方法に限らない。例えば、画像処理部208は、記録媒体204に格納されている画像や、通信I/F205を介してコンピュータ装置102などから受信した画像を入力画像として取得しても良い。
また、上記の各実施形態で使用した数値、処理タイミング、処理順、処理の主体、データ(情報)の取得方法/送信先/送信元/格納場所などは、具体的な説明を行うために一例として挙げたもので、このような一例に限定することを意図したものではない。
また、以上説明した各実施形態の一部若しくは全部を適宜組み合わせて使用しても構わない。また、以上説明した各実施形態の一部若しくは全部を選択的に使用しても構わない。
(その他の実施形態)
本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
本明細書の発明は、以下の画像処理装置、画像処理方法、コンピュータプログラムを含む。
(項目1)
入力画像における局所領域のカラーチャンネルの最小値を画素値とするダークチャンネル画像を、該入力画像に基づいて複数生成する第1生成手段と、
前記第1生成手段が生成したダークチャンネル画像に基づいて特徴量を求め、該特徴量に基づいて、前記第1生成手段が生成したダークチャンネル画像に基づく合成ダークチャンネル画像を生成する合成手段と、
前記合成ダークチャンネル画像に基づいて環境光を算出する算出手段と、
前記入力画像と前記環境光とに基づいて大気の透過率分布を生成する第2生成手段と、
前記入力画像を用いて前記透過率分布を整形する整形手段と、
前記整形手段により整形された整形済み透過率分布と、前記環境光と、に基づいて、前記入力画像のコントラストを補正した補正画像を生成する第3生成手段と
を備えることを特徴とする画像処理装置。
(項目2)
前記第1生成手段は、それぞれサイズが異なる局所領域に対応するダークチャンネル画像を生成することを特徴とする項目1に記載の画像処理装置。
(項目3)
前記第1生成手段は、前記入力画像から、それぞれ解像度が異なる複数の縮小画像を生成し、該縮小画像における局所領域のカラーチャンネルの最小値を画素値とするダークチャンネル画像を生成することを特徴とする項目1に記載の画像処理装置。
(項目4)
前記合成手段は、前記第1生成手段が生成した複数のダークチャンネル画像のうち1つのダークチャンネル画像において被写体距離が異なる被写体が隣接している境界の推定結果に基づいて、該1つのダークチャンネル画像を除く他のダークチャンネル画像に基づく合成ダークチャンネル画像を生成することを特徴とする項目1ないし3のいずれか1項目に記載の画像処理装置。
(項目5)
前記合成手段は、前記1つのダークチャンネル画像に対してエッジ検出を行うことで得られる画像を前記推定結果として取得することを特徴とする項目4に記載の画像処理装置。
(項目6)
前記合成手段は、前記入力画像のダークチャンネル画像に基づいて環境光を算出し、前記入力画像と該環境光とに基づいて大気の透過率分布を生成し、該透過率分布と該環境光とに基づいて、前記入力画像のコントラストを補正した画像を生成し、該画像と前記入力画像とに基づいてマップを生成し、該マップに基づいて、前記第1生成手段が生成したダークチャンネル画像に基づく合成ダークチャンネル画像を生成することを特徴とする項目1ないし3のいずれか1項目に記載の画像処理装置。
(項目7)
前記第3生成手段は、前記補正画像に対してガンマ補正を行うことを特徴とする項目1ないし6のいずれか1項目に記載の画像処理装置。
(項目8)
さらに、
撮像手段と、
前記撮像手段による撮像で得られるRAW画像に対して現像処理を行って前記入力画像を生成する現像手段と
を備えることを特徴とする項目1ないし7のいずれか1項目に記載の画像処理装置。
(項目9)
画像処理装置が行う画像処理方法であって、
前記画像処理装置の第1生成手段が、入力画像における局所領域のカラーチャンネルの最小値を画素値とするダークチャンネル画像を、該入力画像に基づいて複数生成する第1生成工程と、
前記画像処理装置の合成手段が、前記第1生成工程で生成したダークチャンネル画像に基づいて特徴量を求め、該特徴量に基づいて、前記第1生成工程で生成したダークチャンネル画像に基づく合成ダークチャンネル画像を生成する合成工程と、
前記画像処理装置の算出手段が、前記合成ダークチャンネル画像に基づいて環境光を算出する算出工程と、
前記画像処理装置の第2生成手段が、前記入力画像と前記環境光とに基づいて大気の透過率分布を生成する第2生成工程と、
前記画像処理装置の整形手段が、前記入力画像を用いて前記透過率分布を整形する整形工程と、
前記画像処理装置の第3生成手段が、前記整形工程で整形された整形済み透過率分布と、前記環境光と、に基づいて、前記入力画像のコントラストを補正した補正画像を生成する第3生成工程と
を備えることを特徴とする画像処理方法。
(項目10)
コンピュータを、項目1ないし7のいずれか1項目に記載の画像処理装置の各手段として機能させるためのコンピュータプログラム。
発明は上記実施形態に制限されるものではなく、発明の精神及び範囲から離脱することなく、様々な変更及び変形が可能である。従って、発明の範囲を公にするために請求項を添付する。
301:処理部 302:算出部 303:推定部 304:合成部 305:算出部 306:算出部 307:処理部 308:生成部 309:処理部

Claims (10)

  1. 入力画像における局所領域のカラーチャンネルの最小値を画素値とするダークチャンネル画像を、該入力画像に基づいて複数生成する第1生成手段と、
    前記第1生成手段が生成したダークチャンネル画像に基づいて特徴量を求め、該特徴量に基づいて、前記第1生成手段が生成したダークチャンネル画像に基づく合成ダークチャンネル画像を生成する合成手段と、
    前記合成ダークチャンネル画像に基づいて環境光を算出する算出手段と、
    前記入力画像と前記環境光とに基づいて大気の透過率分布を生成する第2生成手段と、
    前記入力画像を用いて前記透過率分布を整形する整形手段と、
    前記整形手段により整形された整形済み透過率分布と、前記環境光と、に基づいて、前記入力画像のコントラストを補正した補正画像を生成する第3生成手段と
    を備えることを特徴とする画像処理装置。
  2. 前記第1生成手段は、それぞれサイズが異なる局所領域に対応するダークチャンネル画像を生成することを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
  3. 前記第1生成手段は、前記入力画像から、それぞれ解像度が異なる複数の縮小画像を生成し、該縮小画像における局所領域のカラーチャンネルの最小値を画素値とするダークチャンネル画像を生成することを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
  4. 前記合成手段は、前記第1生成手段が生成した複数のダークチャンネル画像のうち1つのダークチャンネル画像において被写体距離が異なる被写体が隣接している境界の推定結果に基づいて、該1つのダークチャンネル画像を除く他のダークチャンネル画像に基づく合成ダークチャンネル画像を生成することを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
  5. 前記合成手段は、前記1つのダークチャンネル画像に対してエッジ検出を行うことで得られる画像を前記推定結果として取得することを特徴とする請求項4に記載の画像処理装置。
  6. 前記合成手段は、前記入力画像のダークチャンネル画像に基づいて環境光を算出し、前記入力画像と該環境光とに基づいて大気の透過率分布を生成し、該透過率分布と該環境光とに基づいて、前記入力画像のコントラストを補正した画像を生成し、該画像と前記入力画像とに基づいてマップを生成し、該マップに基づいて、前記第1生成手段が生成したダークチャンネル画像に基づく合成ダークチャンネル画像を生成することを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
  7. 前記第3生成手段は、前記補正画像に対してガンマ補正を行うことを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
  8. さらに、
    撮像手段と、
    前記撮像手段による撮像で得られるRAW画像に対して現像処理を行って前記入力画像を生成する現像手段と
    を備えることを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
  9. 画像処理装置が行う画像処理方法であって、
    前記画像処理装置の第1生成手段が、入力画像における局所領域のカラーチャンネルの最小値を画素値とするダークチャンネル画像を、該入力画像に基づいて複数生成する第1生成工程と、
    前記画像処理装置の合成手段が、前記第1生成工程で生成したダークチャンネル画像に基づいて特徴量を求め、該特徴量に基づいて、前記第1生成工程で生成したダークチャンネル画像に基づく合成ダークチャンネル画像を生成する合成工程と、
    前記画像処理装置の算出手段が、前記合成ダークチャンネル画像に基づいて環境光を算出する算出工程と、
    前記画像処理装置の第2生成手段が、前記入力画像と前記環境光とに基づいて大気の透過率分布を生成する第2生成工程と、
    前記画像処理装置の整形手段が、前記入力画像を用いて前記透過率分布を整形する整形工程と、
    前記画像処理装置の第3生成手段が、前記整形工程で整形された整形済み透過率分布と、前記環境光と、に基づいて、前記入力画像のコントラストを補正した補正画像を生成する第3生成工程と
    を備えることを特徴とする画像処理方法。
  10. コンピュータを、請求項1ないし7のいずれか1項に記載の画像処理装置の各手段として機能させるためのコンピュータプログラム。
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