JP2024085640A - 液晶表示装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】VAモードの液晶表示装置において、透過率を向上させる。
【解決手段】液晶表示装置の各画素は、基準配向方向がそれぞれ第1~第4方向である第1~第4液晶ドメインを含む。画素電極は、第1~第4液晶ドメインに対応する領域に形成され、それぞれ第5~第8方向に延びる第1~第4スリットを有する。第5方向が画素長手方向となす鋭角θは、第1方向が画素長手方向となす鋭角θよりも小さく、第6方向が画素長手方向となす鋭角θは、第2方向が画素長手方向となす鋭角θ以下である。第7方向が画素長手方向となす鋭角θは、第3方向が画素長手方向となす鋭角θよりも小さく、第8方向が画素長手方向となす鋭角θは、第4方向が画素長手方向となす鋭角θ以下である。鋭角θと鋭角θとの差および鋭角θと鋭角θとの差のそれぞれは、鋭角θと鋭角θとの差および鋭角θと鋭角θとの差のそれぞれよりも大きい。
【選択図】図7

Description

本開示は、液晶表示装置に関し、特に、垂直配向型の液晶層を備え、配向膜によって液晶分子のプレチルト方向が規定される液晶表示装置に関する。
VA(Vertical Alignment)モードの液晶表示装置の視野角特性を改善する手法として、1つの画素に複数の液晶ドメインを形成する配向分割構造が知られている。配向分割構造を形成する方式として、近年、4D-RTN(Reverse Twisted Nematic)モードが提案されている。
4D-RTNモードでは、配向膜で液晶分子のプレチルト方向を規定することによって配向分割構造が形成される。4D-RTNモードの液晶表示装置は、例えば、特許文献1に開示されている。特許文献1に開示されている液晶表示装置では、配向膜でプレチルト方向を規定することによって、4分割配向構造が形成される。つまり、液晶層に電圧が印加されたときに、1つの画素内に4つの液晶ドメインが形成される。このような4分割配向構造を、単に4D構造と呼ぶことがある。
また、特許文献1の液晶表示装置では、液晶層を介して対向する一対の配向膜のうちの一方の配向膜によって規定されるプレチルト方向と、他方の配向膜によって規定されるプレチルト方向とは互いに略90°異なっている。そのため、電圧印加時には、液晶分子はツイスト配向をとる。特許文献1の開示内容から理解されるように、4D-RTNモードでは、典型的には、画素内で4つの液晶ドメインが2行2列に配置される。
4D-RTNモードの液晶表示装置では、特許文献1に記載されているように、画素電極のエッジ近傍に、エッジに平行な暗線(他の領域よりも暗い領域)が発生するとともに、隣接する液晶ドメイン同士の境界にも、暗線が発生する。これらの暗線は、透過率(光利用効率)の低下の原因になる。
特許文献2には、4D-RTNモードの液晶表示装置が備える画素電極に、複数のスリットを形成することが開示されている。スリットは、特許文献2の例えば図22に示されているように、各液晶ドメインに対応する領域において、チルト方向(基準配向方向)に平行に延びるように形成される。このようなスリットが形成されていることにより、暗線の面積が減少し、透過率が向上する。
国際公開第2006/132369号 国際公開第2016/027316号
本願発明者が詳細な検討を行った結果、後に詳述するように、画素電極にスリットが形成された4D-RTNモードの液晶表示装置において、透過率にさらなる向上の余地があることがわかった。
本発明の実施形態は、上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、配向膜でプレチルト方向を規定することによって配向分割構造が形成されたVAモードの液晶表示装置において、透過率を向上させることにある。
本明細書は、以下の項目に記載の液晶表示装置を開示している。
[項目1]
互いに対向する第1基板および第2基板と、
前記第1基板および前記第2基板の間に設けられた垂直配向型の液晶層と、を備え、
複数の行および複数の列を含むマトリクス状に配列された複数の画素を有する液晶表示装置であって、
前記第1基板は、前記複数の画素のそれぞれに設けられた画素電極と、前記画素電極と前記液晶層との間に設けられた第1配向膜とを有し、
前記第2基板は、前記画素電極に対向する対向電極と、前記対向電極と前記液晶層との間に設けられた第2配向膜とを有し、
前記複数の画素のそれぞれは、前記第1配向膜および前記第2配向膜によって規定される基準配向方向が互いに異なる複数の液晶ドメインを有し、
前記複数の液晶ドメインは、前記基準配向方向が第1方向である第1液晶ドメインと、前記基準配向方向が第2方向である第2液晶ドメインと、前記基準配向方向が第3方向である第3液晶ドメインと、前記基準配向方向が第4方向である第4液晶ドメインとを含み、
前記第1方向、前記第2方向、前記第3方向および前記第4方向は、任意の2つの方向の差が90°の整数倍に略等しい4つの方向であり、
前記複数の画素のそれぞれは、長手方向および短手方向が規定される形状を有しており、
前記第1液晶ドメイン、前記第2液晶ドメイン、前記第3液晶ドメインおよび前記第4液晶ドメインは、2行2列に配置されており、
前記第1液晶ドメインと前記第2液晶ドメインとは前記短手方向に沿って互いに隣接し、
前記第3液晶ドメインと前記第4液晶ドメインとは前記短手方向に沿って互いに隣接し、
前記画素電極の複数のエッジのうちの前記第1液晶ドメインに近接する部分は、前記短手方向に沿って延びる第1エッジ部を含み、前記第1エッジ部に直交し前記画素電極の内側に向かう方向は、前記第1方向と90°超の角をなし、
前記画素電極の複数のエッジのうちの前記第2液晶ドメインに近接する部分は、前記長手方向に沿って延びる第2エッジ部を含み、前記第2エッジ部に直交し前記画素電極の内側に向かう方向は、前記第2方向と90°超の角をなし、
前記画素電極の複数のエッジのうちの前記第3液晶ドメインに近接する部分は、前記短手方向に沿って延びる第3エッジ部を含み、前記第3エッジ部に直交し前記画素電極の内側に向かう方向は、前記第3方向と90°超の角をなし、
前記画素電極の複数のエッジのうちの前記第4液晶ドメインに近接する部分は、前記長手方向に沿って延びる第4エッジ部を含み、前記第4エッジ部に直交し前記画素電極の内側に向かう方向は、前記第4方向と90°超の角をなし、
前記画素電極は、前記第1液晶ドメインに対応する領域に形成され第5方向に延びる複数の第1スリットと、前記第2液晶ドメインに対応する領域に形成され第6方向に延びる複数の第2スリットと、前記第3液晶ドメインに対応する領域に形成され第7方向に延びる複数の第3スリットと、前記第4液晶ドメインに対応する領域に形成され第8方向に延びる複数の第4スリットと、を有し、
前記第5方向が前記長手方向となす鋭角θは、前記第1方向が前記長手方向となす鋭角θよりも小さく、
前記第6方向が前記長手方向となす鋭角θは、前記第2方向が前記長手方向となす鋭角θ以下であり、
前記第7方向が前記長手方向となす鋭角θは、前記第3方向が前記長手方向となす鋭角θよりも小さく、
前記第8方向が前記長手方向となす鋭角θは、前記第4方向が前記長手方向となす鋭角θ以下であり、
前記鋭角θと前記鋭角θとの差および前記鋭角θと前記鋭角θとの差のそれぞれは、前記鋭角θと前記鋭角θとの差および前記鋭角θと前記鋭角θとの差のそれぞれよりも大きい、液晶表示装置。
[項目2]
前記鋭角θ、前記鋭角θ、前記鋭角θおよび前記鋭角θのそれぞれは、略45°である、項目1に記載の液晶表示装置。
[項目3]
前記複数の第1スリットは、前記第1液晶ドメインに対応する領域の略全体に配置されており、
前記複数の第2スリットは、前記第2液晶ドメインに対応する領域の略全体に配置されており、
前記複数の第3スリットは、前記第3液晶ドメインに対応する領域の略全体に配置されており、
前記複数の第4スリットは、前記第4液晶ドメインに対応する領域の略全体に配置されている、項目1または2に記載の液晶表示装置。
[項目4]
前記鋭角θと前記鋭角θとの差および前記鋭角θと前記鋭角θとの差のそれぞれは、7.5°以上12.5°以下である、項目1から3のいずれかに記載の液晶表示装置。
[項目5]
前記鋭角θと前記鋭角θとの差および前記鋭角θと前記鋭角θとの差のそれぞれは、0°以上5.0°以下である、項目1から4のいずれかに記載の液晶表示装置。
[項目6]
前記複数の第1スリットは、前記第5方向に延びる第1部分と、前記第1部分と前記第2液晶ドメインとの間に位置して第9方向に延びる第2部分と、前記第1部分に対して前記第2部分とは反対側に位置して第10方向に延びる第3部分とをそれぞれが有する2つ以上の第1スリットを含み、
前記複数の第3スリットは、前記第7方向に延びる第4部分と、前記第4部分と前記第4液晶ドメインとの間に位置して第11方向に延びる第5部分と、前記第4部分に対して前記第5部分とは反対側に位置して第12方向に延びる第6部分とをそれぞれが有する2つ以上の第3スリットを含み、
前記第9方向が前記長手方向となす鋭角θは、前記第5方向が前記長手方向となす前記鋭角θよりも小さく、
前記第10方向が前記長手方向となす鋭角θ10は、前記第5方向が前記長手方向となす前記鋭角θよりも大きく、
前記第11方向が前記長手方向となす鋭角θ11は、前記第7方向が前記長手方向となす前記鋭角θよりも小さく、
前記第12方向が前記長手方向となす鋭角θ12は、前記第7方向が前記長手方向となす前記鋭角θよりも大きい、項目1から5のいずれかに記載の液晶表示装置。
[項目7]
前記画素電極の前記第1液晶ドメインに対応する領域のうち、前記第1部分が形成されている領域、前記第2部分が形成されている領域、および、前記第3部分が形成されている領域をそれぞれ第1領域、第2領域および第3領域と呼ぶとき、
前記複数の第1スリットのそれぞれの幅Saに対する、前記複数の第1スリットのうちの互いに隣接する2つの第1スリットの間隔Laの比La/Saは、前記第2領域において前記第1領域においてよりも小さく、前記第3領域において前記第1領域においてよりも大きく、
前記画素電極の前記第3液晶ドメインに対応する領域のうち、前記第4部分が形成されている領域、前記第5部分が形成されている領域、および、前記第6部分が形成されている領域をそれぞれ第4領域、第5領域および第6領域と呼ぶとき、
前記複数の第3スリットのそれぞれの幅Sbに対する、前記複数の第3スリットのうちの互いに隣接する2つの第3スリットの間隔Lbの比Lb/Sbは、前記第5領域において前記第4領域においてよりも小さく、前記第6領域において前記第4領域においてよりも大きい、項目6に記載の液晶表示装置。
[項目8]
前記第1液晶ドメインと前記第4液晶ドメインとは前記長手方向に沿って互いに隣接し、
前記第2液晶ドメインと前記第3液晶ドメインとは前記長手方向に沿って互いに隣接し、
前記画素電極は、
前記第1液晶ドメインに対応する領域に形成され、前記複数の第1スリットのうちの2つ以上の第1スリットの前記第2液晶ドメイン側の端部同士を連結する第1連結スリットと、
前記第3液晶ドメインに対応する領域に形成され、前記複数の第3スリットのうちの2つ以上の第3スリットの前記第4液晶ドメイン側の端部同士を連結する第2連結スリットと、をさらに有する、項目1から7のいずれかに記載の液晶表示装置。
[項目9]
前記画素電極は、
前記第2液晶ドメインに対応する領域に形成され、前記複数の第2スリットのうちの2つ以上の第2スリットの前記第3液晶ドメイン側の端部同士を連結する第3連結スリットと、
前記第4液晶ドメインに対応する領域に形成され、前記複数の第4スリットのうちの2つ以上の第4スリットの前記第1液晶ドメイン側の端部同士を連結する第4連結スリットと、をさらに有する、項目8に記載の液晶表示装置。
本発明の実施形態によると、配向膜でプレチルト方向を規定することによって配向分割構造が形成されたVAモードの液晶表示装置において、透過率を向上させることができる。
本発明の実施形態による液晶表示装置100を模式的に示す断面図であり、図2中の1A-1A’線に沿った断面を示している。 液晶表示装置100を模式的に示す平面図である。 液晶表示装置100が備えるアクティブマトリクス基板10の配線構造の例を示す平面図である。 液晶表示装置100における画素P1の配向分割構造を示す図である。 画素P1の配向分割構造を得るための方法を説明するための図である。 画素P1の配向分割構造を得るための方法を説明するための図である。 画素P1の配向分割構造を得るための方法を説明するための図である。 液晶表示装置100を模式的に示す平面図である。 第1~第4スリット11a1~11a4の延びる方向d5~d8と、液晶ドメインA~Dの基準配向方向d1~d4との関係を説明するための図である。 比較例の液晶表示装置900を示す平面図である。 比較例の液晶表示装置900について、第1~第4スリット11a1~11a4の延びる方向d5~d8と、液晶ドメインA~Dの基準配向方向d1~d4との関係を説明するための図である。 比較例の液晶表示装置900の画素内における液晶分子の配向方位のヒストグラムである。 液晶表示装置100の画素内における液晶分子の配向方位のヒストグラムである。 配向シミュレーションにより、液晶ドメインA、B、CおよびDのそれぞれについて、スリット角θを変化させて透過率を検証した結果を示すグラフである。 本発明の実施形態による他の液晶表示装置200を模式的に示す平面図である。 液晶表示装置200について、スリット11aの延びる方向d5~d12と、液晶ドメインA~Dの基準配向方向d1~d4との関係を説明するための図である。 配向シミュレーションにより、第1領域R1、第2領域R2および第3領域R3について、スリット角θを変化させて透過率を検証した結果を示すグラフである。 本発明の実施形態によるさらに他の液晶表示装置300を模式的に示す平面図である。 液晶表示装置300の他の構成の例を示す平面図である。 画素P2の配向分割構造を示す図である。 画素P2の配向分割構造を得るための方法を説明するための図である。 画素P2の配向分割構造を得るための方法を説明するための図である。 画素P2の配向分割構造を得るための方法を説明するための図である。 画素P2の配向分割構造を採用した場合について、第1~第4スリット11a1~11a4の延びる方向d5~d8と、液晶ドメインA~Dの基準配向方向d1~d4との関係を説明するための図である。 一般的な4D-RTNモードの液晶表示装置における画素900P1の配向分割構造を示す図である。 画素900P1の配向分割構造を得るための方法を説明するための図である。 画素900P1の配向分割構造を得るための方法を説明するための図である。 画素900P1の配向分割構造を得るための方法を説明するための図である。 画素900P1における液晶分子931の配向状態を模式的に示す平面図である。 画素電極911のエッジSD1近傍における液晶分子931の配向状態を示す平面図である。
まず、本願明細書において用いられる主な用語を説明する。
本願明細書において、「垂直配向型の液晶層」とは、液晶分子が配向膜(垂直配向膜)の表面に対して略垂直に(例えば約85°以上の角度で)配向した液晶層をいう。垂直配向型の液晶層に含まれる液晶分子は、負の誘電率異方性を有する。垂直配向型の液晶層と、液晶層を介して互いに対向するようにクロスニコルに配置された(つまりそれぞれの透過軸が互いに略直交するように配置された)一対の偏光板とを組み合わせることにより、ノーマリブラックモードの表示が行われる。
また、本願明細書において、「画素」とは、表示において特定の階調を表現する最小の単位を指し、カラー表示においては、例えば、R、GおよびBのそれぞれの階調を表現する単位に対応する。R画素、G画素およびB画素の組み合わせが、1つのカラー表示画素を構成する。また、本願明細書では、表示の「画素」に対応する液晶表示装置の領域(画素領域)も「画素」と呼ぶ。
「プレチルト方向」は、配向膜によって規定される液晶分子の配向方向であって、表示面内の方位角方向を指す。また、このとき液晶分子が配向膜の表面となす角を「プレチルト角」と呼ぶ。配向膜への配向処理(配向膜に対し、所定の方向のプレチルト方向を規定する能力を発現させるための処理)は、後述するように光配向処理によって行われることが好ましい。
液晶層を介して対向する一対の配向膜によるプレチルト方向の組み合わせを変えることによって、4分割構造を形成することができる。4分割された画素(画素領域)は、4つの液晶ドメインを有する。
それぞれの液晶ドメインは、液晶層に電圧が印加されたときの液晶層の層面内および厚さ方向における中央付近の液晶分子のチルト方向(「基準配向方向」ということもある。)に特徴付けられ、このチルト方向(基準配向方向)が各ドメインの視角依存性に支配的な影響を与える。チルト方向は、チルトしている液晶分子の、背面側の基板に近い方の端部から遠い方の端部(つまり前面側の基板に近い方の端部)に向かうベクトル(後述する図20A等に示されているピンの先端から頭部に向かうベクトル)を考えたとき、このベクトルの、基板面内での成分(基板面内への投射影)が示す向きであり、方位角方向である。方位角方向の基準は、表示面の水平方向とし、左回りを正とする(表示面を時計の文字盤に例えると3時方向を方位角0°として、反時計回りを正とする)。4つの液晶ドメインのチルト方向が、任意の2つの方向のなす角(差)が90°の整数倍に略等しい4つの方向(例えば、10時30分方向、7時30分方向、4時30分方向、1時30分方向)となるように設定することによって、視野角特性が平均化され、良好な表示を得ることができる。視野角特性の均一さの観点からは、4つの液晶ドメインの画素領域内に占める面積は互いに略等しくすることが好ましい。
以下の実施形態で例示する垂直配向型の液晶層は、誘電率異方性が負の液晶分子(誘電率異方性が負のネマチック液晶材料)を含み、一方の配向膜によって規定されるプレチルト方向と、他方の配向膜によって規定されるプレチルト方向とは互いに略90°異なっている。これら2つのプレチルト方向によって液晶ドメインのチルト方向(基準配向方向)が規定されている。液晶層に電圧を印加したときには、配向膜の近傍の液晶分子は配向膜の配向規制力に従ってツイスト配向をとる。液晶層にカイラル剤が添加されていなくてもよいし、必要に応じてカイラル剤が添加されていてもよい。このように、プレチルト方向(配向処理方向)が互いに直交するように設けられた一対の垂直配向膜を用いることにより、液晶分子がツイスト配向となるVAモードは、VATN(Vertical Alignment Twisted Nematic)モードと呼ばれることもある。VATNモードにおいては、一対の配向膜のそれぞれによって規定されるプレチルト角は互いに略等しいことが好ましい。
配向膜への配向処理としては、量産性の観点からは、光配向処理が好ましい。また、光配向処理は、非接触で処理できるので、ラビング処理のような摩擦による静電気の発生が無く、歩留まりの低下を防止することができる。さらに、感光性基を含む光配向膜を用いることによって、プレチルト角のばらつきを抑制できる。
次に、4D-RTNモードにおける配向分割構造を説明する。
図19に、一般的な4D-RTNモードの液晶表示装置における画素900P1の配向分割構造を示す。液晶層に電圧が印加されている状態において、画素900P1には、図19に示すように、4つの液晶ドメインA、B、CおよびDが形成される。4つの液晶ドメインA、B、CおよびDは、2行2列のマトリクス状に配置されている。
液晶ドメインA、B、CおよびDのディレクタd1、d2、d3およびd4の方位は、任意の2つの方位のなす角が90°の整数倍に略等しい4つの方位である。ディレクタd1、d2、d3およびd4は、各液晶ドメインに含まれる液晶分子の配向方向を代表するものであり、4D-RTNモードでは、液晶層に電圧が印加されたときの液晶層の層面内および厚さ方向における中央付近の(つまり液晶ドメインを表示面法線方向から見たときおよび表示面法線方向に沿った断面で見たときのそれぞれにおいて中央付近に位置する)液晶分子のチルト方向である。各液晶ドメインは、ディレクタの方位(上述したチルト方向)に特徴付けられ、このディレクタの方位が各ドメインの視角依存性に支配的な影響を与える。
ここで、液晶層を介して互いに対向する一対の偏光板は、透過軸(偏光軸)が互いに直交するように配置されている。より具体的には、一対の偏光板は、一方の透過軸が表示面の水平方向(3時方向、9時方向)に平行で、他方の透過軸が表示面の垂直方向(12時方向、6時方向)に平行となるように配置されている。
表示面における水平方向の方位角(3時方向)を0°とすると、液晶ドメインAのディレクタd1の方位は略135°方向、液晶ドメインBのディレクタd2の方位は略225°方向、液晶ドメインCのディレクタd3の方位は略315°方向、液晶ドメインDのディレクタd4の方位は略45°方向である。つまり、液晶ドメインA、B、CおよびDは、それぞれのディレクタの方位が、行方向に隣接する液晶ドメイン間および列方向に隣接する液晶ドメイン間で略90°異なるように配置されている。
ここで、図20A、図20Bおよび図20Cを参照しながら、図19に示した画素900P1の配向分割構造を得るための配向分割方法を説明する。図20Aは、アクティブマトリクス基板に設けられている配向膜によって規定されるプレチルト方向PD1およびPD2を示し、図20Bは、対向基板に設けられている配向膜によって規定されるプレチルト方向PD3およびPD4を示している。また、図20Cは、アクティブマトリクス基板と対向基板とを貼り合わせた後に液晶層に電圧を印加したときのチルト方向(ディレクタ)を示している。なお、図20A、図20Bおよび図20Cは、アクティブマトリクス基板、対向基板および液晶層を観察者側から見た図である。そのため、図20Aでは、配向膜は基板に対して紙面手前側に位置し、図20Bでは、配向膜は基板に対して紙面奥側に位置している。また、プレチルト方向およびチルト方向は、模式的にピン状に示されており、ピンの頭部(面積が大きい方の端部)が液晶分子の前面側(観察者側)の端部を表し、ピンの先端(面積が小さい方の端部)が液晶分子の背面側の端部を表している。
アクティブマトリクス基板側の領域(1つの画素900P1に対応する領域)は、図20Aに示すように、左右に2分割されており、それぞれの領域(左側領域と右側領域)の配向膜(垂直配向膜)が互いに反平行なプレチルト方向PD1およびPD2を規定するように配向処理が行われている。ここでは、矢印で示した方向から紫外線(例えば直線偏光紫外線)を斜め照射することによって光配向処理が行われている。
一方、対向基板側の領域(1つの画素領域900P1に対応する領域)は、図20Bに示すように、上下に2分割されており、それぞれの領域(上側領域と下側領域)の配向膜(垂直配向膜)が互いに反平行なプレチルト方向PD3およびPD4を規定するように配向処理が行われている。ここでは、矢印で示した方向から紫外線(例えば直線偏光紫外線)を斜め照射することによって光配向処理が行われている。
図20Aおよび図20Bに示したように配向処理がなされたアクティブマトリクス基板および対向基板を貼り合わせることによって、図20Cに示すように配向分割された画素900P1を形成することができる。図20A、図20Bおよび図20Cからわかるように、液晶ドメインA~Dのそれぞれについて、アクティブマトリクス基板の光配向膜によって規定されるプレチルト方向と、対向基板の光配向膜によって規定されるプレチルト方向とは互いに略90°異なっている。これら2つのプレチルト方向によってチルト方向(各液晶ドメインのディレクタの方位)が規定される。図示しているように、2つのプレチルト方向に対応するピンの中間の方向にチルト方向が規定される。
また、図20Cに示すように、配向分割構造を有する画素900P1内には、暗線DL1~DL8が発生する。これらの暗線DL1~DL8は、隣接する液晶ドメイン同士の境界に発生する暗線DL1~DL4と、画素電極のエッジ近傍に発生する暗線DL5~DL8とを含む。図20Cに示す例では、暗線DL1~DL8は、全体として右卍状である。
以下、図21を参照しながら、このような暗線DL1~DL8が発生する理由を説明する。図21は、画素900P1における液晶分子931の配向状態を模式的に示す平面図である。
まず、暗線DL1~DL4が発生する理由を説明する。
画素電極911と対向電極との間に電圧が印加されると、液晶層に縦電界が発生し、液晶層の液晶分子931は、電界に直交する方向に配向する。つまり、液晶分子931は、基板面に平行となるように倒れる。このとき、各液晶ドメインにおける液晶分子931のディレクタの方位は、アクティブマトリクス基板側の配向膜によるプレチルト方向(図21では点線の矢印で示されている)と、対向基板側の配向膜によるプレチルト方向(図21では実線の矢印で示されている)とによって規定される。具体的には、液晶ドメインA、B、CおよびDのディレクタの方位は、それぞれ略135°方向、略225°方向、略315°方向および略45°方向となる。
隣接する液晶ドメイン同士の境界近傍では、液晶分子931の配向方向が連続的に変化する(液晶の連続弾性体としての性質による)。そのため、例えば液晶ドメインAと液晶ドメインBとの境界では、液晶分子931は、略180°方向に配向する。同様に、液晶ドメインBと液晶ドメインCとの境界、液晶ドメインCと液晶ドメインDとの境界、および、液晶ドメインDと液晶ドメインAとの境界では、液晶分子931は、それぞれ略270°方向、略0°方向および略90°方向に配向する。0°方向、90°方向、180°方向、270°方向は、一対の偏光板のそれぞれの透過軸に平行または直交する方向であるので、隣接する液晶ドメイン同士の境界に、暗線DL1~DL4が発生する。
次に、暗線DL5~DL8が発生する理由を説明する。
液晶ドメインが近接する画素電極911のエッジに、それに直交し画素電極911の内側に向かう方位角方向が液晶ドメインのチルト方向(基準配向方向)と90°超の角をなす部分(以下では「エッジ部」と呼ぶ)が存在すると、このエッジ部よりも内側にエッジ部に平行に、暗線が形成される。
図21に示すように、画素電極911は、4つのエッジ(辺)SD1、SD2、SD3およびSD4を有しており、これらのエッジSD1、SD2、SD3およびSD4に電圧印加時に生成される斜め電界は、それぞれのエッジに直交し、画素電極911の内側に向かう方向(方位角方向)の成分を有する配向規制力を発揮する。図21では、4つのエッジSD1、SD2、SD3およびSD4に直交し、画素電極911の内側に向かう方位角方向を矢印e1、e2、e3およびe4で示している。
4つの液晶ドメインA、B、CおよびDのそれぞれは、画素電極911の4つのエッジSD1、SD2、SD3およびSD4のうちの2つと近接しており、電圧印加時には、それぞれのエッジに生成される斜め電界による配向規制力を受ける。
液晶ドメインAが近接する画素電極911のエッジのうちのエッジ部EGA(上側のエッジSD1の右半分)では、エッジ部EGAに直交し画素電極911の内側に向かう方位角方向e1が液晶ドメインAのチルト方向d1と90°超(具体的には略135°)の角をなしている。その結果、液晶ドメインAでは、電圧印加時に、このエッジ部EGAに平行に暗線DL5が生じる。
同様に、液晶ドメインBが近接する画素電極911のエッジのうちのエッジ部EGB(左側のエッジSD2の上半分)では、エッジ部EGBに直交し画素電極911の内側に向かう方位角方向e2が液晶ドメインBのチルト方向d2と90°超(具体的には略135°)の角をなしている。その結果、液晶ドメインBでは、電圧印加時に、このエッジ部EGBに平行に暗線DL6が生じる。
同様に、液晶ドメインCが近接する画素電極911のエッジのうちのエッジ部EGC(下側のエッジSD3の左半分)では、エッジ部EGCに直交し画素電極911の内側に向かう方位角方向e3が液晶ドメインCのチルト方向d3と90°超(具体的には略135°)の角をなしている。その結果、液晶ドメインCでは、電圧印加時に、このエッジ部EGCに平行に暗線DL7が生じる。
同様に、液晶ドメインDが近接する画素電極911のエッジのうちのエッジ部EGD(右側のエッジSD4の下半分)では、エッジ部EGDに直交し画素電極911の内側に向かう方位角方向e4が液晶ドメインDのチルト方向d4と90°超(具体的には略135°)の角をなしている。その結果、液晶ドメインDでは、電圧印加時に、このエッジ部EGDに平行に暗線DL8が生じる。
図22に、エッジSD2近傍における液晶分子931の配向状態を示す。図22に示すように、エッジSD2のうちのエッジ部EGBの近傍では、エッジSD2に直交する方向(略0°方向)から液晶ドメインBのチルト方向d2(略225°方向)に連続的に配向が変化する結果、液晶分子931が一対の偏光板の透過軸PA1およびPA2に略平行または略直交する方向(略270°方向)に配向する領域が存在する。この領域が、暗線DL6となる。
これに対し、エッジSD2のうちのエッジ部EGB以外の部分の近傍では、エッジSD2に直交する方向(略0°方向)から液晶ドメインCのチルト方向d3(略315°方向)に連続的に配向が変化しているが、液晶分子931が偏光板の透過軸PA1およびPA2に略平行または略直交する方向に配向する領域は存在しない。そのため、暗線が発生しない。
他のエッジSD1、SD3およびSD4についても同様の理由により、エッジ部EGA、EGCおよびEGDの近傍では、暗線DL5、DL7およびDL8が発生するが、エッジ部EGA、EGCおよびEGD以外の部分の近傍では、暗線が発生しない。
上述したメカニズムで発生する暗線は、画素の透過率を低下させる原因となる。本発明の実施形態による液晶表示装置は、以下に説明する構成を有することにより、画素内に発生する暗線の面積を小さくして透過率を向上させることができる。
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態を説明する。なお、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。
[実施形態1]
図1および図2を参照しながら、本実施形態における液晶表示装置100を説明する。図1および図2は、それぞれ液晶表示装置100を模式的に示す断面図および平面図である。図1は、図2中の1A-1A’線に沿った断面を示している。
図1に示すように、液晶表示装置100は、液晶表示パネル101と、バックライト(照明装置)102とを備える。液晶表示パネル101は、互いに対向するアクティブマトリクス基板(第1基板)10および対向基板(第2基板)20と、これらの間に設けられた垂直配向型の液晶層30とを有する。バックライト102は、液晶表示パネル101の背面側(観察者とは反対側)に配置されている。また、液晶表示装置100は、複数の行および複数の列を含むマトリクス状に配列された複数の画素を有する。
アクティブマトリクス基板10は、複数の画素のそれぞれに設けられた画素電極11と、画素電極11と液晶層30との間(つまりアクティブマトリクス基板10の液晶層30側の最表面)に設けられた第1配向膜12とを有する。対向基板20は、画素電極11に対向する対向電極21と、対向電極21と液晶層30との間(つまり対向基板20の液晶層30側の最表面)に設けられた第2配向膜22とを有する。画素電極11および対向電極21は、透明な導電材料(例えばITO)から形成されている。第1配向膜12および第2配向膜22は、液晶分子をその表面に略垂直に配向させる配向規制力を有する。
以下、アクティブマトリクス基板10および対向基板20のそれぞれの構成をより具体的に説明する。
アクティブマトリクス基板10の画素電極11および第1配向膜12は、基板10aの液晶層30側の表面上に、この順に設けられている。つまり、画素電極11および第1配向膜12は、基板10aによって支持されている。基板10aは、透明で絶縁性を有する。基板10aは、例えばガラス基板またはプラスチック基板である。
本実施形態では、画素電極11は、図1および図2に示すように、複数のスリット11aを有する。複数のスリット11aは、画素電極11の略全体に形成されている。より具体的には、配向分割によって形成される4つの液晶ドメインのそれぞれに対応する領域に、2つ以上のスリット11aが配置されている。図2には、互いに隣接する液晶ドメイン同士の境界が破線で示されている。スリット11aの具体的な構成については、後に詳述する。
アクティブマトリクス基板10は、上述した画素電極11および第1配向膜12の他に、画素ごとに設けられた薄膜トランジスタ(TFT)や、TFTに走査信号および表示信号を供給する走査配線および信号配線などを有する。図3に、アクティブマトリクス基板10の配線構造の例を示す。図3は、1つの画素に対応する領域の配線構造を示している。
アクティブマトリクス基板10は、図3に示すように、TFT1と、行方向に延びる走査配線(ゲート配線)2と、列方向に延びる信号配線(ソース配線)3と、行方向に延びる補助容量配線4とをさらに有する。
TFT1は、ゲート電極5、半導体層(不図示)、ソース電極6およびドレイン電極7を有する。ゲート電極5は、ゲート配線2に電気的に接続されている。図3に示す例では、ゲート電極5およびゲート配線2は一体に形成されており、ゲート配線2の一部(不図示のゲート絶縁層を介して半導体層に重なる部分)がゲート電極5として機能する。ソース電極6は、ソース配線3に電気的に接続されている。図3に示す例では、ソース電極6は、ソース配線3から分岐するように延設されている。ドレイン電極7は、画素電極11に電気的に接続されている。図3に示す例では、ドレイン電極7から接続部7’が延設されており、接続部7’によりドレイン電極7と補助容量電極8とが接続されている。補助容量電極8は、その上の層間絶縁層(不図示)に形成されたコンタクトホールにおいて、画素電極11に接続されている。従って、ドレイン電極7は、補助容量電極8および接続部7’を介して画素電極11に電気的に接続されている。
補助容量電極8は、ゲート絶縁層を介して補助容量対向電極9に対向している。補助容量対向電極9は、補助容量配線4に電気的に接続されている。図3に示す例では、補助容量対向電極9は、補助容量配線4と一体に形成されている。より具体的には、補助容量配線4は、その一部の幅が他の部分よりも大きくなるように形成されており、その部分が補容量対向電極9として機能する。補助容量電極8および補助容量対向電極9と、これらの間に位置するゲート絶縁層により、補助容量が構成される。
なお、アクティブマトリクス基板10の配線構造は、図3に示した例に限定されない。
対向基板20の対向電極21および第2配向膜22は、図1に示すように、基板20aの液晶層30側の表面上に、この順に設けられている。つまり、対向電極21および第2配向膜22は、基板20aによって支持されている。基板20aは、透明で絶縁性を有する。基板20aは、例えばガラス基板またはプラスチック基板である。
なお、ここでは図示していないが、対向基板20は、上述した対向電極21および第2配向膜22の他に、カラーフィルタ層および遮光層(ブラックマトリクス)を有する。カラーフィルタ層は、典型的には、赤カラーフィルタ、緑カラーフィルタおよび青カラーフィルタを含む。
第1配向膜12および第2配向膜22は、液晶分子をその表面に略垂直に配向させる配向規制力を有する。本実施形態では、第1配向膜12および第2配向膜22には、光配向処理が行われている。つまり、第1配向膜12および第2配向膜22のそれぞれは、光配向膜である。
液晶表示装置100は、さらに、液晶層30を介して互いに対向する一対の偏光板41および42を備える。一対の偏光板41および42は、それぞれの透過軸が互いに略直交するように(つまりクロスニコルに)配置されている。
続いて、図4を参照しながら、本実施形態の液晶表示装置100における画素P1の配向分割構造を説明する。
画素電極11と対向電極21との間に電圧が印加されたとき、各画素P1内において、図4に示すように、液晶層30に4つの液晶ドメインA、B、CおよびDが形成される。以下では、液晶ドメインA、B、CおよびDを、それぞれ便宜的に「第1液晶ドメインA」、「第2液晶ドメインB」、「第3液晶ドメインC」および「第4液晶ドメインD」と呼ぶことがある。4つの液晶ドメインA、B、CおよびDは、それぞれ他の液晶ドメインと隣接し、かつ、2行2列のマトリクス状に配置されている。液晶ドメインA、B、CおよびDのそれぞれのディレクタ(基準配向方向)d1、d2、d3およびd4は、第1配向膜12および第2配向膜22で規定されるプレチルト方向によって決まり、それらの方位は、互いに異なる。
表示面における水平方向の方位角(3時方向)を0°とすると、第1液晶ドメインAのディレクタd1の方位は略135°方向、第2液晶ドメインBのディレクタd2の方位は略225°方向、第3液晶ドメインCのディレクタd3の方位は略315°方向、第4液晶ドメインDのディレクタd4の方位は略45°方向である。つまり、液晶ドメインA、B、CおよびDの4つのディレクタの方位のうちの任意の2つの方位の差は、90°の整数倍に略等しい。また、液晶ドメインA、B、CおよびDは、それぞれのディレクタの方位が、行方向に隣接する液晶ドメイン間および列方向に隣接する液晶ドメイン間で略90°異なるように配置されている。なお、本願明細書において、略45°方向、略135°方向、略225°方向および略315°方向は、それぞれ、「40°~50°方向」、「130°~140°方向」、「220°~230°方向」および「310°~320°方向」を意味する。このように、各画素P1は、第1配向膜12および第2配向膜22によって規定される基準配向方向が互いに異なる複数の液晶ドメインA、B、CおよびDを有する。
一対の偏光板41および42の透過軸(偏光軸)PA1およびPA2は、その一方が表示面の水平方向に平行で、他方が表示面の垂直方向に平行である。従って、偏光板41および42の透過軸PA1およびPA2は、液晶ドメインA、B、CおよびDのディレクタd1、d2、d3およびd4の方位と略45°の角をなす。
なお、図4には、4つの液晶ドメインA、B、CおよびDの画素P1内に占める面積が互いに等しい場合を例示しているが、4つの液晶ドメインA、B、CおよびDの面積は互いに等しくなくてもよい。ただし、視野角特性の均一さの観点からは、4つの液晶ドメインA、B、CおよびDの面積の差がなるべく小さいことが好ましい。図4に示す例は、視野角特性上最も好ましい(つまり理想的な)4分割構造の例である。
また、図4に示した例では、各画素P1は、長手方向D1および短手方向D2が規定される略長方形状である。以下では、画素P1の長手方向D1および短手方向D2を、それぞれ「画素長手方向D1」および「画素短手方向D2」と呼ぶことがある。画素P1の画素長手方向D1に沿った長さL1と、画素P1の画素短手方向D2に沿った長さL2との比は、例えば3:1であるが、これに限定されるものではない。図4に示す例では、第1液晶ドメインAと第2液晶ドメインBとは、画素短手方向D2に沿って互いに隣接しており、第3液晶ドメインCと第4液晶ドメインDとは、画素短手方向D2に沿って互いに隣接している。また、第1液晶ドメインAと第4液晶ドメインDとは、画素長手方向D1に沿って互いに隣接しており、第2液晶ドメインBと第3液晶ドメインCとは、画素長手方向D1に沿って互いに隣接している。
続いて、図5A、図5Bおよび図5Cを参照しながら、画素P1の配向分割構造を得るための配向分割方法を説明する。図5Aは、アクティブマトリクス基板10に設けられている第1配向膜12によって規定されるプレチルト方向PD1およびPD2を示し、図5Bは、対向基板20に設けられている第2配向膜22によって規定されるプレチルト方向PD3およびPD4を示している。また、図5Cは、アクティブマトリクス基板10と対向基板20とを貼り合わせた後に液晶層30に電圧を印加したときのチルト方向(ディレクタ)を示している。
第1配向膜12は、各画素P1内において、図5Aに示すように、第1プレチルト方向PD1を規定する第1プレチルト領域12aと、第1プレチルト方向PD1に反平行な第2プレチルト方向PD2を規定する第2プレチルト領域12bとを有する。具体的には、第1配向膜12の1つの画素P1に対応する領域は、左右に2分割されており、それぞれの領域(第1プレチルト領域および第2プレチルト領域)12a、12bが互いに反平行なプレチルト方向(第1プレチルト方向および第2プレチルト方向)PD1およびPD2を規定するように光配向処理が行われている。ここでは、光配向処理は、矢印で示した方向から紫外線(例えば直線偏光紫外線)を斜め照射することによって行われている。
第2配向膜22は、各画素P1内において、図5Bに示すように、第1プレチルト方向PD1および第2プレチルト方向PD2に略直交する第3プレチルト方向PD3を規定する第3プレチルト領域22aと、第3プレチルト方向PD3に反平行な第4プレチルト方向PD4を規定する第4プレチルト領域22bとを有する。具体的には、第2配向膜22の1つの画素Pに対応する領域は、上下に2分割されており、それぞれの領域(第3プレチルト領域および第4プレチルト領域)22a、22bが互いに反平行なプレチルト方向(第3プレチルト方向および第4プレチルト方向)PD3およびPD4を規定するように光配向処理が行われている。ここでは、光配向処理は、矢印で示した方向から紫外線(例えば直線偏光紫外線)を斜め照射することによって行われている。
図5Aおよび図5Bに示したように光配向処理がなされたアクティブマトリクス基板10と対向基板20とを貼り合せることによって、図5Cに示すように配向分割された画素P1を形成することができる。液晶ドメインA~Dのそれぞれについて、アクティブマトリクス基板10側の第1配向膜12によって規定されるプレチルト方向と、対向基板20側の第2配向膜22によって規定されるプレチルト方向とは互いに略90°異なっており、これら2つのプレチルト方向によってチルト方向(基準配向方向)が規定されている。図5Cからわかるように、2つのプレチルト方向に対応するピンの中間の方向にチルト方向が規定される。また、第1プレチルト領域12aと第2プレチルト領域12bとの境界、および、第3プレチルト領域22aと第4プレチルト領域22bとの境界が、4つの液晶ドメインA、B、CおよびDのうちの互いに隣接する液晶ドメイン同士の境界(ドメイン境界)となる。
配向分割構造を有する画素P1内には、暗線DL1~DL8が発生する。具体的には、隣接する液晶ドメイン同士の境界に暗線DL1~DL4が発生し、画素電極11のエッジ近傍に暗線DL5~DL8が発生する。暗線DL1~DL8は、全体として卍状(より具体的には右卍状)である。本実施形態の液晶表示装置100では、暗線DL1~DL8の合計面積を小さくして透過率を向上させることができる。以下、この理由を説明する。
図6に示すように、画素電極11は、その近傍に暗線DL5~DL8が発生し得る4つのエッジ部EGA、EGB、EGCおよびEGDを有する。4つのエッジ部EGA、EGB、EGCおよびEGDのうち、第1液晶ドメインAに近接するエッジ部EGAおよび第3液晶ドメインCに近接するエッジ部EGCは、それぞれ画素短手方向D2に沿って(つまり画素短手方向D2に略平行に)延びている。また、第2液晶ドメインBに近接するエッジ部EGBおよび第4液晶ドメインDに近接するエッジ部EGDは、それぞれ画素長手方向D1に沿って(つまり画素長手方向D1に略平行に)延びている。
既に説明したように、画素電極11は、複数のスリット11aを有する。より具体的には、画素電極11は、第1液晶ドメインAに対応する領域に形成され、方向d5に延びる複数の第1スリット11a1と、第2液晶ドメインBに対応する領域に形成され、方向d6に延びる複数の第2スリット11a2と、第3液晶ドメインCに対応する領域に形成され、方向d7に延びる複数の第3スリット11a3と、第4液晶ドメインDに対応する領域に形成され、方向d8に延びる複数の第4スリット11a4とを有する。図示している例では、複数の第1スリット11a1は、第1液晶ドメインAに対応する領域の略全体に配置されており、複数の第2スリット11a2は、第2液晶ドメインBに対応する領域の略全体に配置されている。同様に、複数の第3スリット11a3は、第3液晶ドメインCに対応する領域の略全体に配置されており、複数の第4スリット11a4は、第4液晶ドメインDに対応する領域の略全体に配置されている。
画素電極11のスリット11aは、その延びる方向に配向する液晶分子の数を多く(存在確率を高く)するように作用する。そのため、暗線DL1~DL8の面積を小さくする目的からは、スリット11aの延びる方向を、対応する液晶ドメインの基準配向方向と一致させることが自然である。しかしながら、本願発明者は、複数のスリット11aのうちの少なくとも一部のスリット11aが延びる方向を、対応する液晶ドメインの基準配向方向からあえてずらすことにより、透過率をいっそう向上させ得ることを見出した。以下、図7を参照しながら、本実施形態における、第1スリット11a1、第2スリット11a2、第3スリット11a3および第4スリット11a4の延びる方向d5、d6、d7およびd8と、液晶ドメインA、B、CおよびDの基準配向方向d1、d2、d3およびd4との関係を説明する。ここでは、これらの関係を説明するために、方向d1~d8のそれぞれが、画素長手方向D1となす鋭角に着目する。
第1スリット11a1の延びる方向d5が画素長手方向D1となす鋭角θは、第1液晶ドメインAの基準配向方向d1が画素長手方向D1となす鋭角θよりも小さい(θ<θ)。つまり、方向d5は、基準配向方向d1を画素長手方向D1に近付くように傾けた方向ということができる。
第2スリット11a2の延びる方向d6が画素長手方向D1となす鋭角θは、第2液晶ドメインBの基準配向方向d2が画素長手方向D1となす鋭角θ以下である(θ≦θ)。つまり、方向d6は、基準配向方向d2を画素長手方向D1に近付くように傾けた方向か、または、基準配向方向d2と同じ方向ということができる。
第3スリット11a3の延びる方向d7が画素長手方向D1となす鋭角θは、第3液晶ドメインCの基準配向方向d3が画素長手方向D1となす鋭角θよりも小さい(θ<θ)。つまり、方向d7は、基準配向方向d3を画素長手方向D1に近付くように傾けた方向ということができる。
第4スリット11a4の延びる方向d8が画素長手方向D1となす鋭角θは、第4液晶ドメインDの基準配向方向d4が画素長手方向D1となす鋭角θ以下である(θ≦θ)。つまり、方向d8は、基準配向方向d4を画素長手方向D1に近付くように傾けた方向か、または、基準配向方向d4と同じ方向ということができる。
なお、以下では、液晶ドメインA、B、CおよびDの基準配向方向d1、d2、d3およびd4がそれぞれ画素長手方向D1となす鋭角θ、θ、θおよびθを、「基準角θ」と総称することがある。基準角θは(つまり鋭角θ、θ、θおよびθのそれぞれは)、ここでは、略45°(例えば40°~50°)である。また、以下では、第1スリット11a1、第2スリット11a2、第3スリット11a3および第4スリット11a4の延びる方向d5、d6、d7およびd8がそれぞれ画素長手方向D1となす鋭角θ、θ、θおよびθを、「スリット角θ」と総称することがある。
本実施形態の液晶表示装置100では、さらに、鋭角θと鋭角θとの差(θ-θ)および鋭角θと鋭角θとの差(θ-θ)のそれぞれは、鋭角θと鋭角θとの差(θ-θ)および鋭角θと鋭角θとの差(θ-θ)のそれぞれよりも大きい。つまり、第1液晶ドメインAおよび第3液晶ドメインCにおけるスリット角θと基準角θとの差(θ-θ)は、第2液晶ドメインBおよび第4液晶ドメインDにおけるスリット角θと基準角θとの差(θ-θ)よりも大きい。
第1スリット11a1、第2スリット11a2、第3スリット11a3および第4スリット11a4が上述したように形成されていることにより、透過率のいっそうの向上を図ることができる。以下、この理由を、図8および図9に示す比較例の液晶表示装置900と比較して説明する。
比較例の液晶表示装置900では、各画素は、液晶表示装置100と同様に配向分割されており、液晶ドメインA、B、CおよびDの基準配向方向d1、d2、d3およびd4は、それぞれ135°方向、225°方向、315°方向および45°方向である。
比較例の液晶表示装置900の画素電極911は、複数のスリット911aを有する。より具体的には、画素電極911は、第1液晶ドメインAに対応する領域に形成され、方向d5に延びる複数の第1スリット911a1と、第2液晶ドメインBに対応する領域に形成され、方向d6に延びる複数の第2スリット911a2と、第3液晶ドメインCに対応する領域に形成され、方向d7に延びる複数の第3スリット911a3と、第4液晶ドメインDに対応する領域に形成され、方向d8に延びる複数の第4スリット911a4とを有する。
比較例の液晶表示装置900では、第1スリット911a1が延びる方向d5、第2スリット911a2が延びる方向d6、第3スリット911a3が延びる方向d7および第4スリット911a4が延びる方向d8は、それぞれ135°方向、225°方向、315°方向および45°方向である。
そのため、第1スリット911a1の延びる方向d5が画素長手方向D1となす鋭角θは、第1液晶ドメインAの基準配向方向d1が画素長手方向D1となす鋭角θと等しい(θ=θ=45°)。つまり、比較例の液晶表示装置900において、方向d5は、基準配向方向d1と同じ方向である。
また、第2スリット911a2の延びる方向d6が画素長手方向D1となす鋭角θは、第2液晶ドメインBの基準配向方向d2が画素長手方向D1となす鋭角θと等しい(θ=θ=45°)。つまり、比較例の液晶表示装置900において、方向d6は、基準配向方向d2と同じ方向である。
さらに、第3スリット911a3の延びる方向d7が画素長手方向D1となす鋭角θは、第3液晶ドメインCの基準配向方向d3が画素長手方向D1となす鋭角θと等しい(θ=θ=45°)。つまり、比較例の液晶表示装置900において、方向d7は、基準配向方向d3と同じ方向である。
また、第4スリット911a4の延びる方向d8が画素長手方向D1となす鋭角θは、第4液晶ドメインDの基準配向方向d4が画素長手方向D1となす鋭角θと等しい(θ=θ=45°)。つまり、比較例の液晶表示装置900において、方向d8は、基準配向方向d4と同じ方向である。
このように、比較例の液晶表示装置900では、液晶ドメインA、B、CおよびDのそれぞれにおいて、基準角θとスリット角θとが一致している。
図10Aは、比較例の液晶表示装置900の画素内における液晶分子の配向方位のヒストグラムである。図10Aに示すヒストグラムは、液晶シミュレータソフトによる配向シミュレーションにより得られたものである。図10A中の破線は、度数分布のピークのセンター(ガウス関数にフィットさせた場合のセンター)であり、実際の基準配向方向を示しているといえる。
各液晶ドメインにおいて、一対の配向膜により規定されるプレチルト方向に応じて決まる本来の基準配向方向(第1液晶ドメインAでは135°方向、第2液晶ドメインBでは225°方向、第3液晶ドメインCでは315°方向、第4液晶ドメインDでは45°方向)に配向する液晶分子がもっとも多く、本来の基準配向方向に関して対称な分布となることが予想される。しかしながら、実際には、図10Aに示すように、そのような分布にはなっていない。
具体的には、第1液晶ドメインAでは、配向方位の分布が本来の基準配向方向である135°方向から180°方向側にやや偏っており、実際の基準配向方向は、135°方向から180°方向側にずれている。第2液晶ドメインBでは、配向方位の分布が本来の基準配向方向である225°方向から180°方向側にやや偏っており、実際の基準配向方向は、225°方向から180°方向側にややずれている。第3液晶ドメインCでは、配向方位の分布が本来の基準配向方向である315°方向から360°方向側にやや偏っており、実際の基準配向方向は、315°方向から360°方向側にずれている。第4液晶ドメインDでは、配向方位の分布が本来の基準配向方向である45°方向から0°方向側にやや偏っており、実際の基準配向方向は、45°方向から0°方向側にずれている。このように、各液晶ドメインにおいて、液晶分子の配向方位(実際の基準配向方向)が、画素短手方向に近付くようにずれている。これは、画素電極911のエッジ近傍に生成される斜め電界の影響によると考えられる。また、そのずれ量(配向方位の分布の偏り)は、第1液晶ドメインAおよび第3液晶ドメインCにおいて、第2液晶ドメインBおよび第4液晶ドメインDにおいてよりも大きい。
既に説明したように、本実施形態の液晶表示装置100では、液晶ドメインA、B、CおよびDのうちの少なくとも一部の液晶ドメイン(ここでは少なくとも第1液晶ドメインAおよび第3液晶ドメインC)において、スリット角θが基準角θよりも小さい。つまり、少なくとも一部の液晶ドメインにおいて、スリット11aの延びる方向は、基準配向方向を画素長手方向D1に近付くように傾けた方向である。そのため、比較例の液晶表示装置900において発生するような配向方位のずれ(画素短手方向D2に近付くずれ)が補正され、透過率が向上する。
図10Bは、本実施形態の液晶表示装置100の画素内における液晶分子の配向方位のヒストグラムである。図10Bから、本実施形態の液晶表示装置100では、各液晶ドメインにおける配向方位のずれが補正されており、各液晶ドメインにおける実際の基準配向方向(図10Aと同様に破線で示されている)が、本来の基準配向方向に近付いている(図10Bの例ではほぼ一致している)ことがわかる。
なお、配向方位のずれ量(配向方位の分布の偏り)が相対的に大きい第1液晶ドメインAおよび第3液晶ドメインCにおいて、スリット角θが基準角θよりも小さければ(つまりθ<θ、かつ、θ<θであれば)、透過率を向上させる効果を十分に得られるが、第2液晶ドメインBおよび/または第4液晶ドメインDにおいてもスリット角θを基準角θよりも小さく(つまりθ<θおよび/またはθ<θとなるように)設定してもよい。これにより、透過率をいっそう向上させることができる。
ここで、配向シミュレーションにより、液晶ドメインA、B、CおよびDのそれぞれについて、スリット角θを変化させて透過率を検証した結果を説明する。検証結果を図11に示す。図11は、横軸にスリット角θと基準角θとの差(θ-θ)をとり、縦軸に透過率をとったグラフである。
図11から、第1液晶ドメインAおよび第3液晶ドメインCでは、θ-θが10°のときに透過率が最大となり、第2液晶ドメインBおよび第4液晶ドメインDでは、θ-θが2.5°のときに透過率が最大となることがわかる。図11に示す例では、第1液晶ドメインAおよび第3液晶ドメインCにおいてθ-θを10°、第2液晶ドメインBおよび第4液晶ドメインDにおいてθ-θを2.5°に設定すると、透過率が約2%向上する。
図11からわかるように、透過率向上の観点からは、第1液晶ドメインAおよび第3液晶ドメインCにおけるθ-θは7.5°以上12.5°以下であることが好ましい。つまり、第1スリット11a1の延びる方向d5が画素長手方向D1となす鋭角θと、第1液晶ドメインAの基準配向方向d1が画素長手方向D1となす鋭角θとの差(θ-θ)は、7.5°以上12.5°以下であることが好ましく、第3スリット11a3の延びる方向d7が画素長手方向D1となす鋭角θと、第3液晶ドメインCの基準配向方向d3が画素長手方向D1となす鋭角θとの差(θ-θ)も、7.5°以上12.5°以下であることが好ましい。
また、同じく図11からわかるように、透過率向上の観点からは、第2液晶ドメインBおよび第4液晶ドメインDにおけるθ-θは0°以上5.0°以下であることが好ましい。つまり、第2スリット11a2の延びる方向d6が画素長手方向D1となす鋭角θと、第2液晶ドメインBの基準配向方向d2が画素長手方向D1となす鋭角θとの差(θ-θ)は、0°以上5.0°以下であることが好ましく、第4スリット11a4の延びる方向d8が画素長手方向D1となす鋭角θと、第4液晶ドメインDの基準配向方向d4が画素長手方向D1となす鋭角θとの差(θ-θ)は、0°以上5.0°以下であることが好ましい。
上述したように、本発明の実施形態によれば、4D-RTNモードの液晶表示装置の透過率を向上させることができる。
画素電極11の複数のスリット11aのそれぞれの幅S(図2参照)は、特に限定されないが、例えば2.5μm以上3.5μm以下である。また、互いに隣接する2つのスリット11aの間隔L(図2参照)も、特に限定されないが、例えば1.5μm以上3.0μm以下である。
なお、第1スリット11a1、第2スリット11a2、第3スリット11a3および第4スリット11a4のそれぞれの個数は、図示した例に限定されない。
[実施形態2]
図12を参照しながら、本実施形態における液晶表示装置200を説明する。図12は、液晶表示装置200を模式的に示す平面図である。以下では、液晶表示装置200が実施形態1の液晶表示装置100と異なる点を中心に説明を行う。液晶表示装置200の構成要素のうち、液晶表示装置100の構成要素と同じ機能を有する構成要素には同じ参照符号を付し、その説明を省略する(以降の実施形態においても同様である)。
液晶表示装置200の各画素は、図4に示した画素P1と同じ配向分割構造を有する。そのため、画素電極11と対向電極21との間に電圧が印加されたとき、各画素内において、4つの液晶ドメインA、B、CおよびDが形成される。
液晶表示装置200の画素電極11は、実施形態1の液晶表示装置100の画素電極11と同様に、複数のスリット11a、より具体的には、第1スリット11a1、第2スリット11a2、第3スリット11a3および第4スリット11a4を有する。ただし、本実施形態の液晶表示装置200は、第1スリット11a1が方向d5と異なる方向に延びる部分を含み得る点、および、第3スリット11a3が方向d7と異なる方向に延びる部分を含み得る点において、実施形態1の液晶表示装置100と異なっている。以下、さらに図13も参照しながら、この点を説明する。
図12に示すように、画素電極11の第1液晶ドメインAに対応する領域は、第1スリット11a1が方向d5に延びる第1領域R1に加え、第1スリット11a1が方向d5とは異なる方向d9に延びる第2領域R2と、第1スリット11a1が方向d5および方向d9と異なる方向d10に延びる第3領域R3とを有している。第2領域R2は、第1領域R1と第2液晶ドメインBとの間に位置しており、第3領域R3は、第1領域R1に対して第2領域R2とは反対側に位置している。つまり、第2領域R2および第3領域R3は、第1領域R1の画素短手方向D2における両側に位置しており、第1領域R1は、第2領域R2と第3領域R3との間に位置している。
画素電極11の第1液晶ドメインAに対応する領域が、上述したような第1領域R1、第2領域R2および第3領域R3を有しているので、複数の第1スリット11a1のうち、第1領域R1、第2領域R2および第3領域R3にわたって形成されている2つ以上の(図12に示している例では5つの)第1スリット11a1は、方向d5に延びる第1部分p1と、第1部分p1と第2液晶ドメインBとの間に位置して方向d9に延びる第2部分p2と、第1部分p1に対して第2部分p2とは反対側に位置して方向d10に延びる第3部分p3とを有する。
図13に示すように、第2部分p2の延びる方向d9が画素長手方向D1となす鋭角θは、第1部分p1の延びる方向d5が画素長手方向D1となす鋭角θよりも小さく(θ<θ)、第3部分p3の延びる方向d10が画素長手方向D1となす鋭角θ10は、第1部分p1の延びる方向d5が画素長手方向D1となす鋭角θよりも大きい(θ<θ10)。ただし、鋭角θ10は、第1液晶ドメインAの基準配向方向d1が画素長手方向D1となす鋭角θよりは小さい(θ10<θ)。
また、図12に示すように、画素電極11の第3液晶ドメインCに対応する領域は、第3スリット11a3が方向d7に延びる第4領域R4に加え、第3スリット11a3が方向d7と異なる方向d11に延びる第5領域R5と、第3スリット11a3が方向d7および方向d11と異なる方向d12に延びる第6領域R6とを有している。第5領域R5は、第4領域R4と第4液晶ドメインDとの間に位置しており、第6領域R6は、第4領域R4に対して第5領域R5とは反対側に位置している。つまり、第5領域R5および第6領域R6は、第4領域R4の画素短手方向D2における両側に位置しており、第4領域R4は、第5領域R5と第6領域R6との間に位置している。
画素電極11の第3液晶ドメインCに対応する領域が、上述したような第4領域R4、第5領域R5および第6領域R6を有しているので、複数の第3スリット11a3のうち、第4領域R4、第5領域R5および第6領域R6にわたって形成されている2つ以上の(図12に示している例では4つの)第3スリット11a3は、方向d7に延びる第4部分p4と、第4部分p4と第4液晶ドメインDとの間に位置して方向d11に延びる第5部分p5と、第4部分p4に対して第5部分p5とは反対側に位置して方向d12に延びる第6部分p6とを有する。
図13に示すように、第5部分p5の延びる方向d11が画素長手方向D1となす鋭角θ11は、第4部分p4の延びる方向d7が画素長手方向D1となす鋭角θよりも小さく(θ11<θ)、第6部分p6の延びる方向d12が画素長手方向D1となす鋭角θ12は、第4部分p4の延びる方向d7が画素長手方向D1となす鋭角θよりも大きい(θ<θ12)。ただし、鋭角θ12は、第3液晶ドメインCの基準配向方向d3が画素長手方向D1となす鋭角θよりは小さい(θ12<θ)。
また、本実施形態の液晶表示装置200では、第1スリット11a1の幅Sa(図12参照)に対する、互いに隣接する2つの第1スリット11a1の間隔La(図12参照)の比La/Saは、第2領域R2において第1領域R1においてよりも小さく、第3領域R3において第1領域R1においてよりも大きい。さらに、第3スリット11a3の幅Sb(図12参照)に対する、互いに隣接する2つの第3スリット11a3の間隔Lb(図12参照)の比Lb/Sbは、第5領域R5において第4領域R4においてよりも小さく、第6領域R6において第4領域R4においてよりも大きい。
上述したように、本実施形態では、第1液晶ドメインAに対応する領域に形成された複数の第1スリット11a1が、互いに異なる方向に延びる第1部分p1、第2部分p2および第3部分p3を有する第1スリット11a1を含んでいるとともに、第3液晶ドメインCに対応する領域に形成された複数の第3スリット11a3が、互いに異なる方向に延びる第4部分p4、第5部分p5および第6部分p6を有する第3スリット11a3を含んでおり、このことによって、透過率のいっそうの向上を図ることができる。
図14は、配向シミュレーションにより、第1領域R1、第2領域R2および第3領域R3について、スリット角θを変化させて透過率を検証した結果を示すグラフである。
図14からわかるように、第1領域R1では、スリット角θと基準角θとの差(θ-θ)がゼロから大きくなるにつれて透過率がいったん増加してその後減少する。図14に示す例では、スリット角θと基準角θとの差が7.5°のときに透過率が最大となる。また、第2領域R2では、スリット角θと基準角θとの差が大きいほど透過率が高くなり、第3領域R3では、スリット角θと基準角θとの差が小さいほど透過率が高くなる。
これらのことからわかるように、第1領域R1では透過率がほぼ最大となるようにスリット角θ(つまり鋭角θ)を設定した上で、第2領域R2ではスリット角θ(つまり鋭角θ)を第1領域R1よりも小さく設定し(つまりθ<θ)、第3領域R3ではスリット角θ(つまり鋭角θ10)を第1領域R1よりも大きく設定する(つまりθ<θ10)ことにより、透過率のいっそうの向上を図ることができる。
同様に、第4領域R4では透過率がほぼ最大となるようにスリット角θ(つまり鋭角θ)を設定した上で、第5領域R5ではスリット角θ(つまり鋭角θ11)を第4領域R4よりも小さく設定し(つまりθ11<θ)、第6領域R6ではスリット角θ(つまり鋭角θ12)を第4領域R4よりも大きく設定する(つまりθ<θ12)ことにより、透過率のいっそうの向上を図ることができる。
上述したように第1液晶ドメインAに対応する領域においてθ<θ<θ10となる構成を採用する場合、本実施形態で例示したように、第1スリット11a1の幅Saに対する第1スリット11a1の間隔Laの比La/Saを、第2領域R2において第1領域R1においてよりも小さく、第3領域R3において第1領域R1においてよりも大きくすることが好ましい。
比La/Saを、第1領域R1、第2領域R2および第3領域R3において同じにした場合、第2領域R2では第1スリット11a1の幅Saが小さくなって暗線を細くする効果が弱くなり、透過率のロスが発生するおそれがある。また、第3領域R3では第1スリット11a1の幅Saが大きくなって透過率のロスが発生するおそれがある。例えば、第1スリット11a1の第1部分p1の延びる方向d5が127.5°方向、第2部分p2の延びる方向d9が122.5°方向、第3部分p3の延びる方向d10が132.5°の場合、第1領域R1における第1スリット11a1の幅Saおよび間隔Laをそれぞれ3μm、2μmとする(La/Sa=2/3)と、第2領域R2における第1スリット11a1の幅Saおよび間隔Laはそれぞれ2.64μm、1.77μmであり、第3領域R3における第1スリット11a1の幅Saおよび間隔Laはそれぞれ3.33μm、2.20μmである。
これに対し、比La/Saを、第2領域R2において第1領域R1においてよりも小さく、且つ、第3領域R3において第1領域R1においてよりも大きくすると、第2領域R2における第1スリット11a1の幅Saの減少量を少なくするとともに、第3領域R3における第1スリット11a1の幅Saの増加量を少なくすることができるので、透過率のロスを抑制することができる。例えば、方向d5が127.5°方向、方向d9が122.5°方向、方向d10が132.5°で、第1領域R1における第1スリット11a1の幅Saおよび間隔Laをそれぞれ3μm、2μmとする(La/Sa=2/3)場合、第2領域R2における第1スリット11a1の幅Saおよび間隔Laはそれぞれ2.8μm、1.6μmであり、第3領域R3における第1スリット11a1の幅Saおよび間隔Laはそれぞれ3.19μm、2.35μmである。
同様に、第3液晶ドメインCに対応する領域において、θ11<θ<θ12となる構成を採用する場合、第3スリット11a3の幅Sbに対する第3スリット11a3の間隔Lbの比Lb/Sbを、第5領域R5において第4領域R4においてよりも小さく、第6領域R6において第4領域R4においてよりも大きくすることが好ましい。
なお、比La/Saを、第1領域R1、第2領域R2および第3領域R3において同じにしたり、比Lb/Sbを、第4領域R4、第5領域R5および第6領域R6において同じにしたりしてもよい。
また、画素短手方向D2に沿った第1領域R1、第2領域R2および第3領域R3の幅w1、w2およびw3(図13参照)に特に制限はないが、典型的には、第2領域R2および第3領域R3の幅w2およびw3は、それぞれ第1領域R1の幅w1よりも小さい。第2領域R2の幅w2は、例えば5μm以上15μm以下(画素短手方向D2に沿った第1液晶ドメインAの幅の5%以上15%以下)である。第3領域R3の幅w3は、例えば5μm以上15μm以下(画素短手方向D2に沿った第1液晶ドメインAの幅の5%以上15%以下)である。
同様に、画素短手方向D2に沿った第4領域R4、第5領域R5および第6領域R6の幅w4、w5およびw6(図13参照)に特に制限はないが、典型的には、第5領域R5および第6領域R6の幅w5およびw6は、それぞれ第4領域R4の幅w4よりも小さい。第5領域R5の幅w5は、例えば5μm以上15μm以下(画素短手方向D2に沿った第3液晶ドメインCの幅の5%以上15%以下)である。第6領域R6の幅w6は、例えば5μm以上15μm以下(画素短手方向D2に沿った第3液晶ドメインCの幅の5%以上15%以下)である。
[実施形態3]
図15Aを参照しながら、本実施形態における液晶表示装置300を説明する。図15Aは、液晶表示装置300を模式的に示す平面図である。
液晶表示装置300の各画素も、図4に示した画素P1と同じ配向分割構造を有する。そのため、画素電極11と対向電極21との間に電圧が印加されたとき、各画素内において、4つの液晶ドメインA、B、CおよびDが形成される。
液晶表示装置300の画素電極11は、実施形態1の液晶表示装置100の画素電極11と同様に、複数のスリット11a、より具体的には、第1スリット11a1、第2スリット11a2、第3スリット11a3および第4スリット11a4を有する。ただし、本実施形態の液晶表示装置300は、画素電極11が、2つ以上のスリット11aをそれぞれが連結する複数の連結スリット11bを有している点において、実施形態1の液晶表示装置100と異なっている。以下、この点を説明する。
図15Aに示すように、画素電極11が有する複数の連結スリット11bは、第1連結スリット11b1および第2連結スリット11b2を含む。
第1連結スリット11b1は、第1液晶ドメインAに対応する領域に形成されている。第1連結スリット11b1は、第1液晶ドメインAと第2液晶ドメインBとの境界近傍に位置し、画素長手方向D1に延びている。第1連結スリット11b1は、複数の第1スリット11a1のうちの2つ以上の第1スリット11a1の第2液晶ドメインB側の端部同士を連結している。
第2連結スリット11b2は、第3液晶ドメインCに対応する領域に形成されている。第2連結スリット11b2は、第3液晶ドメインCと第4液晶ドメインDとの境界近傍に位置し、画素長手方向D1に延びている。第2連結スリット11b2は、複数の第3スリット11a3のうちの2つ以上の第3スリット11a3の第4液晶ドメインD側の端部同士を連結している。
また、複数の連結スリット11bは、第3連結スリット11b3および第4連結スリット11b4をさらに含む。
第3連結スリット11b3は、第2液晶ドメインBに対応する領域に形成されている。第3連結スリット11b3は、第2液晶ドメインBと第3液晶ドメインCとの境界近傍に位置し、画素短手方向D2に延びている。第3連結スリット11b3は、複数の第2スリット11a2のうちの2つ以上の第2スリット11a2の第3液晶ドメインC側の端部同士を連結している。
第4連結スリット11b4は、第4液晶ドメインDに対応する領域に形成されている。第4連結スリット11b4は、第4液晶ドメインDと第1液晶ドメインAとの境界近傍に位置し、画素短手方向D2に延びている。第4連結スリット11b4は、複数の第4スリット11a4のうちの2つ以上の第4スリット11a4の第1液晶ドメインA側の端部同士を連結している。
既に説明したように、各液晶ドメインにおいてスリット角θを基準角θと異ならせ、スリット11aが延びる方向を画素長手方向D1に近付けることにより、透過率を向上させ得るが、スリット角θと基準角θとの差(θ-θ)を大きくしすぎると、スリット11aのピッチが短くなりすぎてパターン形成が困難となるおそれがある。本実施形態のように、画素電極11が複数の連結スリット11b(それぞれスリット角θが0°または90°に対応するスリットである)を有していることにより、パターン形成が困難となることなく、効果的にスリット角θと基準角θとの差(θ-θ)を大きくできるので、十分な透過率向上を図ることができる。
表1に、実施形態1の液晶表示装置100、実施形態2の液晶表示装置200および実施形態3の液晶表示装置300について、配向シミュレーションにより比較例の液晶表示装置900に対する透過率向上効果を見積もった結果を示す。
表1から、実施形態1の液晶表示装置100、実施形態2の液晶表示装置200および実施形態3の液晶表示装置300のいずれについても、比較例の液晶表示装置900と比較して透過率が向上していることがわかる。
なお、第1スリット11a1、第2スリット11a2、第3スリット11a3および第4スリット11a4のそれぞれの個数は、図15Aに示した例に限定されないので、各連結スリット11bによって連結されるスリット11aの個数も、図15Aに示した例に限定されない。
また、図15Bに示すように、複数の連結スリット11bのうち、第3連結スリット11b3および第4連結スリット11b4が省略されてもよい。例えば、既に説明したように、第2液晶ドメインBおよび第4液晶ドメインDにおいてスリット角θと基準角θとが同じであってもよく、その場合、第3連結スリット11b3および第4連結スリット11b4が省略されてもよい。
[他の配向分割構造]
配向分割構造は、これまでの説明で挙げた例に限定されない。図16に示す画素P2のような配向分割構造が採用されてもよい。画素P2は、図4に示す画素P1と同様、4つの液晶ドメインA~Dを有する。
4つの液晶ドメインA、B、CおよびDは、それぞれ他の液晶ドメインと隣接し、かつ、2行2列のマトリクス状に配置されている。第1液晶ドメインAの基準配向方向d1は略45°方向、第2液晶ドメインBの基準配向方向d2は略315°方向、第3液晶ドメインCの基準配向方向d3は略225°方向、第4液晶ドメインDの基準配向方向d4は略135°方向である。つまり、画素P2における基準配向方向d1、d2、d3およびd4は、それぞれ画素P1における基準配向方向d4、d3、d2およびd1に相当する方向である。
第1液晶ドメインAと第2液晶ドメインBとは、画素短手方向D2に沿って互いに隣接しており、第3液晶ドメインCと第4液晶ドメインDとは、画素短手方向D2に沿って互いに隣接している。また、第1液晶ドメインAと第4液晶ドメインDとは、画素長手方向D1に沿って互いに隣接しており、第2液晶ドメインBと第3液晶ドメインCとは、画素長手方向D1に沿って互いに隣接している。
図17Aに示したように配向処理がなされたアクティブマトリクス基板10と、図17Bに示したように配向処理がなされた対向基板20とを貼り合わせることによって、図17Cに示すように配向分割された画素P2を形成することができる。画素P2では、暗線DL1~DL8は、全体として卍状(より具体的には左卍状)である。
画素P2のような配向分割構造が採用される場合においても、第1スリット11a1、第2スリット11a2、第3スリット11a3および第4スリット11a4の延びる方向d5、d6、d7およびd8と、液晶ドメインA、B、CおよびDの基準配向方向d1、d2、d3およびd4との関係を、図18に示すように、実施形態1の液晶表示装置100と同様に設定することにより、実施形態1の液晶表示装置100と同様の効果が得られる。
図18に示すように、第1スリット11a1の延びる方向d5が画素長手方向D1となす鋭角θは、第1液晶ドメインAの基準配向方向d1が画素長手方向D1となす鋭角θよりも小さく(θ<θ)、第2スリット11a2の延びる方向d6が画素長手方向D1となす鋭角θは、第2液晶ドメインBの基準配向方向d2が画素長手方向D1となす鋭角θ以下である(θ≦θ)。また、第3スリット11a3の延びる方向d7が画素長手方向D1となす鋭角θは、第3液晶ドメインCの基準配向方向d3が画素長手方向D1となす鋭角θよりも小さく(θ<θ)、第4スリット11a4の延びる方向d8が画素長手方向D1となす鋭角θは、第4液晶ドメインDの基準配向方向d4が画素長手方向D1となす鋭角θ以下である(θ≦θ)。
さらに、鋭角θと鋭角θとの差(θ-θ)および鋭角θと鋭角θとの差(θ-θ)のそれぞれは、鋭角θと鋭角θとの差(θ-θ)および鋭角θと鋭角θとの差(θ-θ)のそれぞれよりも大きい。つまり、第1液晶ドメインAおよび第3液晶ドメインCにおけるスリット角θと基準角θとの差(θ-θ)は、第2液晶ドメインBおよび第4液晶ドメインDにおけるスリット角θと基準角θとの差(θ-θ)よりも大きい。
第1スリット11a1、第2スリット11a2、第3スリット11a3および第4スリット11a4が上述したように形成されていることにより、実施形態1の液晶表示装置100と同様に、透過率の向上を図ることができる。
また、画素P2のような配向分割構造が採用される場合において、実施形態2の液晶表示装置200と同様の構成を用いることにより、実施形態2の液晶表示装置200と同様の効果が得られる。さらに、画素P2のような配向分割構造が採用される場合において、実施形態3の液晶表示装置300と同様の構成を用いることにより、実施形態3の液晶表示装置300と同様の効果が得られる。
本発明の実施形態によると、配向膜でプレチルト方向を規定することによって配向分割構造が形成されたVAモードの液晶表示装置において、透過率を向上させることができる。本発明の実施形態による液晶表示装置は、テレビジョン受像機などの高品位の表示が求められる用途に好適に用いられる。
1 TFT
2 走査配線
3 信号配線
4 補助容量配線
5 ゲート電極
6 ソース電極
7 ドレイン電極
7’ 接続部
8 補助容量電極
9 補助容量対向電極
10 アクティブマトリクス基板
10a 基板
11 画素電極
11a スリット
11a1 第1スリット
11a2 第2スリット
11a3 第3スリット
11a4 第4スリット
11b 連結スリット
11b1 第1連結スリット
11b2 第2連結スリット
11b3 第3連結スリット
11b4 第4連結スリット
12 第1配向膜
12a 第1プレチルト領域
12b 第2プレチルト領域
20 対向基板
20a 基板
21 対向電極
22 第2配向膜
22a 第3プレチルト領域
22b 第4プレチルト領域
30 液晶層
41、42 偏光板
100、200、300 液晶表示装置
101 液晶表示パネル
102 バックライト
A 第1液晶ドメイン
B 第2液晶ドメイン
C 第3液晶ドメイン
D 第4液晶ドメイン
d1、d2、d3、d4 基準配向方向
d5、d6、d7、d8、d9、d10、d11、d12 スリットが延びる方向
p1 第1スリットの第1部分
p2 第1スリットの第2部分
p3 第1スリットの第3部分
p4 第3スリットの第4部分
p5 第3スリットの第5部分
p6 第3スリットの第6部分
P1、P2 画素
D1 画素長手方向
D2 画素短手方向
PA1、PA2 偏光軸
PD1 第1プレチルト方向
PD2 第2プレチルト方向
PD3 第3プレチルト方向
PD4 第4プレチルト方向
DL1、DL2、DL3、DL4、DL5、DL6、DL7、DL8 暗線
EGA、EGB、EGC、EGD エッジ部
R1 第1領域
R2 第2領域
R3 第3領域
R4 第4領域
R5 第5領域
R6 第6領域

Claims (9)

  1. 互いに対向する第1基板および第2基板と、
    前記第1基板および前記第2基板の間に設けられた垂直配向型の液晶層と、を備え、
    複数の行および複数の列を含むマトリクス状に配列された複数の画素を有する液晶表示装置であって、
    前記第1基板は、前記複数の画素のそれぞれに設けられた画素電極と、前記画素電極と前記液晶層との間に設けられた第1配向膜とを有し、
    前記第2基板は、前記画素電極に対向する対向電極と、前記対向電極と前記液晶層との間に設けられた第2配向膜とを有し、
    前記複数の画素のそれぞれは、前記第1配向膜および前記第2配向膜によって規定される基準配向方向が互いに異なる複数の液晶ドメインを有し、
    前記複数の液晶ドメインは、前記基準配向方向が第1方向である第1液晶ドメインと、前記基準配向方向が第2方向である第2液晶ドメインと、前記基準配向方向が第3方向である第3液晶ドメインと、前記基準配向方向が第4方向である第4液晶ドメインとを含み、
    前記第1方向、前記第2方向、前記第3方向および前記第4方向は、任意の2つの方向の差が90°の整数倍に略等しい4つの方向であり、
    前記複数の画素のそれぞれは、長手方向および短手方向が規定される形状を有しており、
    前記第1液晶ドメイン、前記第2液晶ドメイン、前記第3液晶ドメインおよび前記第4液晶ドメインは、2行2列に配置されており、
    前記第1液晶ドメインと前記第2液晶ドメインとは前記短手方向に沿って互いに隣接し、
    前記第3液晶ドメインと前記第4液晶ドメインとは前記短手方向に沿って互いに隣接し、
    前記画素電極の複数のエッジのうちの前記第1液晶ドメインに近接する部分は、前記短手方向に沿って延びる第1エッジ部を含み、前記第1エッジ部に直交し前記画素電極の内側に向かう方向は、前記第1方向と90°超の角をなし、
    前記画素電極の複数のエッジのうちの前記第2液晶ドメインに近接する部分は、前記長手方向に沿って延びる第2エッジ部を含み、前記第2エッジ部に直交し前記画素電極の内側に向かう方向は、前記第2方向と90°超の角をなし、
    前記画素電極の複数のエッジのうちの前記第3液晶ドメインに近接する部分は、前記短手方向に沿って延びる第3エッジ部を含み、前記第3エッジ部に直交し前記画素電極の内側に向かう方向は、前記第3方向と90°超の角をなし、
    前記画素電極の複数のエッジのうちの前記第4液晶ドメインに近接する部分は、前記長手方向に沿って延びる第4エッジ部を含み、前記第4エッジ部に直交し前記画素電極の内側に向かう方向は、前記第4方向と90°超の角をなし、
    前記画素電極は、前記第1液晶ドメインに対応する領域に形成され第5方向に延びる複数の第1スリットと、前記第2液晶ドメインに対応する領域に形成され第6方向に延びる複数の第2スリットと、前記第3液晶ドメインに対応する領域に形成され第7方向に延びる複数の第3スリットと、前記第4液晶ドメインに対応する領域に形成され第8方向に延びる複数の第4スリットと、を有し、
    前記第5方向が前記長手方向となす鋭角θは、前記第1方向が前記長手方向となす鋭角θよりも小さく、
    前記第6方向が前記長手方向となす鋭角θは、前記第2方向が前記長手方向となす鋭角θ以下であり、
    前記第7方向が前記長手方向となす鋭角θは、前記第3方向が前記長手方向となす鋭角θよりも小さく、
    前記第8方向が前記長手方向となす鋭角θは、前記第4方向が前記長手方向となす鋭角θ以下であり、
    前記鋭角θと前記鋭角θとの差および前記鋭角θと前記鋭角θとの差のそれぞれは、前記鋭角θと前記鋭角θとの差および前記鋭角θと前記鋭角θとの差のそれぞれよりも大きい、液晶表示装置。
  2. 前記鋭角θ、前記鋭角θ、前記鋭角θおよび前記鋭角θのそれぞれは、略45°である、請求項1に記載の液晶表示装置。
  3. 前記複数の第1スリットは、前記第1液晶ドメインに対応する領域の略全体に配置されており、
    前記複数の第2スリットは、前記第2液晶ドメインに対応する領域の略全体に配置されており、
    前記複数の第3スリットは、前記第3液晶ドメインに対応する領域の略全体に配置されており、
    前記複数の第4スリットは、前記第4液晶ドメインに対応する領域の略全体に配置されている、請求項1または2に記載の液晶表示装置。
  4. 前記鋭角θと前記鋭角θとの差および前記鋭角θと前記鋭角θとの差のそれぞれは、7.5°以上12.5°以下である、請求項1または2に記載の液晶表示装置。
  5. 前記鋭角θと前記鋭角θとの差および前記鋭角θと前記鋭角θとの差のそれぞれは、0°以上5.0°以下である、請求項1または2に記載の液晶表示装置。
  6. 前記複数の第1スリットは、前記第5方向に延びる第1部分と、前記第1部分と前記第2液晶ドメインとの間に位置して第9方向に延びる第2部分と、前記第1部分に対して前記第2部分とは反対側に位置して第10方向に延びる第3部分とをそれぞれが有する2つ以上の第1スリットを含み、
    前記複数の第3スリットは、前記第7方向に延びる第4部分と、前記第4部分と前記第4液晶ドメインとの間に位置して第11方向に延びる第5部分と、前記第4部分に対して前記第5部分とは反対側に位置して第12方向に延びる第6部分とをそれぞれが有する2つ以上の第3スリットを含み、
    前記第9方向が前記長手方向となす鋭角θは、前記第5方向が前記長手方向となす前記鋭角θよりも小さく、
    前記第10方向が前記長手方向となす鋭角θ10は、前記第5方向が前記長手方向となす前記鋭角θよりも大きく、
    前記第11方向が前記長手方向となす鋭角θ11は、前記第7方向が前記長手方向となす前記鋭角θよりも小さく、
    前記第12方向が前記長手方向となす鋭角θ12は、前記第7方向が前記長手方向となす前記鋭角θよりも大きい、請求項1または2に記載の液晶表示装置。
  7. 前記画素電極の前記第1液晶ドメインに対応する領域のうち、前記第1部分が形成されている領域、前記第2部分が形成されている領域、および、前記第3部分が形成されている領域をそれぞれ第1領域、第2領域および第3領域と呼ぶとき、
    前記複数の第1スリットのそれぞれの幅Saに対する、前記複数の第1スリットのうちの互いに隣接する2つの第1スリットの間隔Laの比La/Saは、前記第2領域において前記第1領域においてよりも小さく、前記第3領域において前記第1領域においてよりも大きく、
    前記画素電極の前記第3液晶ドメインに対応する領域のうち、前記第4部分が形成されている領域、前記第5部分が形成されている領域、および、前記第6部分が形成されている領域をそれぞれ第4領域、第5領域および第6領域と呼ぶとき、
    前記複数の第3スリットのそれぞれの幅Sbに対する、前記複数の第3スリットのうちの互いに隣接する2つの第3スリットの間隔Lbの比Lb/Sbは、前記第5領域において前記第4領域においてよりも小さく、前記第6領域において前記第4領域においてよりも大きい、請求項6に記載の液晶表示装置。
  8. 前記第1液晶ドメインと前記第4液晶ドメインとは前記長手方向に沿って互いに隣接し、
    前記第2液晶ドメインと前記第3液晶ドメインとは前記長手方向に沿って互いに隣接し、
    前記画素電極は、
    前記第1液晶ドメインに対応する領域に形成され、前記複数の第1スリットのうちの2つ以上の第1スリットの前記第2液晶ドメイン側の端部同士を連結する第1連結スリットと、
    前記第3液晶ドメインに対応する領域に形成され、前記複数の第3スリットのうちの2つ以上の第3スリットの前記第4液晶ドメイン側の端部同士を連結する第2連結スリットと、
    をさらに有する、請求項1または2に記載の液晶表示装置。
  9. 前記画素電極は、
    前記第2液晶ドメインに対応する領域に形成され、前記複数の第2スリットのうちの2つ以上の第2スリットの前記第3液晶ドメイン側の端部同士を連結する第3連結スリットと、
    前記第4液晶ドメインに対応する領域に形成され、前記複数の第4スリットのうちの2つ以上の第4スリットの前記第1液晶ドメイン側の端部同士を連結する第4連結スリットと、をさらに有する、請求項8に記載の液晶表示装置。
JP2022200263A 2022-12-15 2022-12-15 液晶表示装置 Pending JP2024085640A (ja)

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US18/386,027 US20240201544A1 (en) 2022-12-15 2023-11-01 Liquid crystal display apparatus
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