JP2024082448A - ねじ棒付き圧着グリップ、緊張材及び緊張装置 - Google Patents
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Abstract
Description
(1)上下線間に下部工を施工し、中央側端部付近の床版をはつって既存の緊張材を露出し、中間定着具を固定する(図9(a))。
(2)外桁を撤去し、中間定着具間に中央部分用の緊張材を配置、固定し、中央部分にコンクリートを打設する。このとき、一方の中間定着具側は箱抜きをしておく(図9(b))。
(3)箱抜き部分の緊張材に緊張装置を設けて、中央部分の緊張材を横締めする(図9(c))。
(4)箱抜き部分を埋め、上部に舗装を行う(図9(d))。
このとき、緊張材が可撓性を有するより線であれば上下線の緊張材の位置のずれに対応でき、鋼棒のねじ機能を付与したねじ棒付きの圧着グリップを用いればこの問題を解決できる。
しかし、特許文献1のネジ付き圧着グリップは中間部及び端部にテーパを有しており、中間定着具に連結した状態での緊張材の緊張には適していない。また、緊張時に緊張材のより戻りによるネジ付き圧着グリップの回転が生じ、所定の緊張力の導入、緊張材の品質確保を行うことができない。
前記中間段差部と前記端部段差部とは、前記グリップ部の長手方向で平面視多角形状を呈してもよく、平面視ギア状を呈してもよい。
前記中間段差部と前記端部段差部とは、周方向に所定の間隔で凹部を形成してもよい。
(1)ねじ棒付き圧着グリップに端部段差部を設けることで、確実にねじ棒付き圧着グリップを既存側に引き寄せて、緊張材を緊張することができる。
(2)端部段差部をロック部材に嵌合することで、緊張時に緊張材のより戻りによるねじ棒付き圧着グリップの回転がなく、所定の緊張力の導入と、緊張材の品質確保を行うことができる。
<1>ねじ棒付き圧着グリップの構成
本発明のねじ棒付き圧着グリップ1は、グリップ部11と、グリップ部11の長手方向の一方の端部から突設するねじ棒12からなる(図1)。
グリップ部11は、略円柱や略六角柱等の筒状であり、長手方向の一方の端部に緊張材を内挿するための開口部111を有する(図2)。
グリップ部11は後述の圧着加工を行うため、延性の高い鋼材からなる。
グリップ部11には、円筒状のインサート13を内挿する。
インサート13は内包する緊張材2と接し、緊張材2の引張加重に対抗するものであるため、高硬度であり延性の低い鋼材からなる。
インサート13は、端部から軸方向にスリット131を形成する。
ねじ棒12は、グリップ部11の開口部111とは逆の端部から所定の長さ突出する。
ねじ棒12の直径はグリップ部11の径よりも小径とする。
グリップ部11のねじ棒12側の端部には、小径なねじ棒12との間に略直角に中間段差部14を設ける。
中間段差部14は長手方向で平面視した際に多角形状(図3(a))、ギア状(図3(b))を呈し、又は周方向に所定の間隔で凹部を形成する(図3(c))。
また、グリップ部11の開口部111側の端部にも、中間段差部14と同様の形状の端部段差部15を設ける。
図2のように、PC鋼より線からなる緊張材2はインサート13に挿通される。
ねじ棒付き圧着グリップ1は、インサート13を事前にグリップ部11に挿入しておき、次に緊張材2をインサート13に挿通し、加工前のグリップ部11の外径よりも小径の加工孔が形成されたダイスに通して、押出加工によりグリップ部11を縮径することで、緊張材2の端部へ圧着する。
<1>中間定着具
本発明のねじ棒付き圧着グリップ1は、主に既存の緊張材2aの端部に設けた中間定着具3に固定した連結具4にねじ棒12を連結して使用する(図4)。
中間定着具3は、従来知られたアイ・フィクス(登録商標)が好適であり、既存の緊張材2bを連結した中間定着具3に連結具4を一体に固定する。
連結具4は、中間定着具3に一方の端部を連結する2本の連結ボルト41と、連結ボルト41の他方の端部に設けるホルダ42と、からなる。
ホルダ42には、2本の連結ボルト41を挿通するボルト挿通孔421と、ねじ棒付き圧着グリップ1のねじ棒12を挿通するねじ棒挿通孔422を設ける。
ホルダ42のねじ棒挿通孔422に挿通したねじ棒12には調整ナット121を螺合し、調整ナット121を締め込むことによって、ねじ棒付き圧着グリップ1を中間定着具3側に引き寄せて固定することができる。
連結具4に連結したねじ棒付き圧着グリップ1に取り付けた緊張材2aは、緊張装置5を用いて緊張を行う(図5)。
緊張装置5は、中間定着具3、連結具4及びねじ棒付き圧着グリップ1を包囲する4本のロッド51と、ロッド51の既存側の端部に固定する既存側固定プレート52、ロッド51の側の端部に固定する拡幅側固定プレート53、既存側固定プレート52と拡幅側固定プレート53の間に設ける緊張プレート54、及び拡幅側固定プレート53と緊張プレート54の間に設ける緊張ジャッキ55(図7)からなる。
緊張プレート54は、既存側固定プレート52と拡幅側固定プレート53の間を、ロッド51に沿って摺動可能とする。
緊張プレート54の既存側の面にはロック部材541を設ける。ロック部材541は、ねじ棒付き圧着グリップ1の端部段差部15と嵌合可能な形状とする(図6)。
ねじ棒付き圧着グリップ1の端部段差部15は略直角であるため、緊張ジャッキ55により緊張プレート54が既存側に移動させることで、ねじ棒付き圧着グリップ1を既存側に引き寄せて、緊張材2aを緊張することができる。このとき、ねじ棒付き圧着グリップ1の端部段差部15と緊張プレート54のロック部材541が嵌合しているため、確実にねじ棒付き圧着グリップ1を引き寄せることができる。また、ロック部材541により、緊張時に緊張材2aのより戻りによるねじ棒付き圧着グリップ1の回転がなく、所定の緊張力の導入と、緊張材2aの品質確保を行うことができる。
このため、端部段差部15を多角形状とする場合には、角数の多い例えば八角形や十角形状とすることで、小径であっても所要の面積を確保することができる。
中間段差部14や端部段差部15を角数の多い例えば八角形や十角形状とすることで、矯正時の回転角度が小さくなり、作業性が向上する。
2:緊張材
3:中間定着具
4:連結具、41:連結ボルト、42:ホルダ、421:ボルト挿通孔、422:ねじ棒挿通孔、43a:凹部
5:緊張装置、51:ロッド、52:既存側固定プレート、53:拡幅側固定プレート、54:緊張プレート、541:ロック部材、55:緊張ジャッキ
Claims (6)
- 筒状のグリップ部と、
前記グリップ部の長手方向の一方の端部から突設する、前記グリップ部よりも小径なねじ棒と、からなり、
前記グリップ部の前記ねじ棒側の端部に、略直角に中間段差部を設け、
前記グリップ部の前記ねじ棒側と逆側の端部に、略直角に端部段差部を設けることを特徴とする、
ねじ棒付き圧着グリップ。 - 前記中間段差部と前記端部段差部とは、前記グリップ部の長手方向で平面視多角形状を呈することを特徴とする、
請求項1に記載のねじ棒付き圧着グリップ。 - 前記中間段差部と前記端部段差部とは、前記グリップ部の長手方向で平面視ギア状を呈することを特徴とする、
請求項1に記載のねじ棒付き圧着グリップ。 - 前記中間段差部と前記端部段差部とは、周方向に所定の間隔で凹部を形成することを特徴とする、
請求項1に記載のねじ棒付き圧着グリップ。 - PC鋼より線からなり、請求項1乃至4に記載のねじ棒付き圧着グリップを端部に圧着したことを特徴とする、緊張材。
- 請求項1乃至4に記載のねじ棒付き圧着グリップに取り付けた緊張材を緊張するための緊張装置であって、
前記ねじ棒付き圧着グリップを包囲する複数本のロッドと、
前記複数本のロッドの両端に固定する2枚の固定プレートと、
前記2枚の固定プレートの間に、前記ロッドに沿って摺動可能に設ける緊張プレートと、からなり、
前記緊張プレートは、前記ねじ棒付き圧着グリップの前記端部段差部と嵌合可能なロック部材を有することを特徴とする、
緊張装置。
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