JP2024081135A - 樹脂組成物、プリプレグ、樹脂付き金属基材、及び配線板 - Google Patents

樹脂組成物、プリプレグ、樹脂付き金属基材、及び配線板 Download PDF

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Abstract

【課題】低比誘電率であり、基材との密着性に優れるプリプレグ及び硬化物が作製可能である樹脂組成物等の提供。【解決手段】本開示の樹脂組成物は、樹脂及び中空シリカ粒子を含み、アルゴンガス及び乾式ピクノメーターを用いた定容積膨張法により求めた前記中空シリカ粒子の密度をA(g/cm3)、前記中空シリカ粒子のBET比表面積をB(m2/g)としたとき、A×Bが、1.0~120.0m2/cm3である。【選択図】なし

Description

本開示は、樹脂組成物、プリプレグ、樹脂付き金属基材、及び配線板に関する。
プリント配線板が備える電気絶縁層には、低誘電率、低誘電正接、低線膨張率等の特性が要求される。近年、熱硬化性樹脂及びシリカ粒子を含む樹脂組成物は、プリント配線板に加工可能な金属張積層体が備える電気絶縁層の製造に使用されている(特許文献1及び2参照)。具体的には、金属基材層の表面に、上記樹脂組成物の半硬化物を電気絶縁層として積層した金属張積層体が使用されている。他の例としては、樹脂組成物を含浸させたガラスクロス等を電気絶縁層として、金属基材層の表面に積層した金属張積層体が使用されている。ここで、フィラーは、熱硬化性樹脂を用いたプリプレグの材料として用いられるが、フィラー自体は、通常、得られるプリプレグの比誘電率を高くする傾向にある。その中でも、中空フィラーを用いた金属張積層体は、中実フィラーを用いた場合と比べて比誘電率を低下させることが出来るため、特許文献3~5に記載されているように、検討されている。
特開2013-212956号公報 特開2015-36357号公報 特開2008-31409号公報 特表2017-522580号公報 国際公開第2019/230661号
本発明者は、中空粒子及び樹脂を含む従来公知の樹脂組成物には、高粘度のものが存在し、樹脂組成物、その半硬化物、プリプレグ等と、金属等から構成される基材との密着性が十分ではないとの知見を得た。また、粘度を低減するため、中空粒子の含有率を抑えると、従来の技術では低比誘電率を達成できないとの知見を得た。
本開示の一実施形態が解決しようとする課題は、低比誘電率であって、基材との密着性に優れる、プリプレグ及び硬化物を作製可能な樹脂組成物を提供することである。また、本開示の他の実施形態が解決しようとする課題は、上記樹脂組成物を用いたプリプレグ、樹脂付き金属基材、及び配線板を提供することである。
上記課題を解決するための手段は、以下の態様を含む。
<1> 樹脂及び中空シリカ粒子を含む樹脂組成物であって、アルゴンガス及び乾式ピクノメーターを用いた定容積膨張法により求めた上記中空シリカ粒子の密度をA(g/cm)、上記中空シリカ粒子のBET比表面積をB(m/g)としたとき、A×Bが、1.0~120.0m/cmである、樹脂組成物。
<2> 上記中空シリカ粒子の密度が、0.35~2.00g/cmである、上記<1>に記載の樹脂組成物。
<3> 上記中空シリカ粒子のBET比表面積が、1.0~100.0m/gである、上記<1>又は<2>に記載の樹脂組成物。
<4> 上記中空シリカ粒子のメジアン径(d50)が0.1~10.0μmである、上記<1>~<3>のいずれか1つに記載の樹脂組成物。
<5> 上記樹脂が、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、ジビニルベンゼン骨格を含む樹脂、及びピリミジン骨格を含む樹脂から選択される少なくとも1つを含む、上記<1>~<4>のいずれか1つに記載の樹脂組成物。
<6> 樹脂組成物の総体積に対する上記中空シリカ粒子の含有量が10~70体積%である、上記<1>~<5>のいずれか1つに記載の樹脂組成物。
<7> 上記<1>~<6>のいずれか1つに記載の樹脂組成物又はその半硬化物と、繊維質基材と、を含むプリプレグ。
<8> 上記繊維質基材が、ガラス成分を含む、上記<7>に記載のプリプレグ。
<9> 上記<1>~<6>のいずれか1つに記載の樹脂組成物若しくはその半硬化物、又は上記<7>又は<8>に記載のプリプレグと、金属基材層と、を含む樹脂付き金属基材。
<10> 上記金属基材層が、銅箔である、上記<9>に記載の樹脂付き金属基材。
<11> 上記<1>~<6>のいずれか1つに記載の樹脂組成物の硬化物と、金属配線と、を含む配線板。
本開示の一実施形態によれば、低比誘電率であって、基材との密着性に優れる、プリプレグ及び硬化物を作製可能な樹脂組成物を提供できる。また、本開示の他の実施形態によれば、上記樹脂組成物を用いたプリプレグ、樹脂付き金属基材、及び配線板を提供できる。
以下、本開示の実施形態を実施するための形態について詳細に説明する。但し、本開示の実施形態は以下の実施形態に限定されるものではない。以下の実施形態において、その構成要素(要素ステップ等も含む)は、特に明示した場合を除き、必須ではない。数値及びその範囲についても同様であり、本開示の実施形態を制限するものではない。
本開示において「~」を用いて示された数値範囲には、「~」の前後に記載される数値がそれぞれ最小値及び最大値として含まれる。本開示中に段階的に記載されている数値範囲において、一つの数値範囲で記載された上限値又は下限値は、他の段階的な記載の数値範囲の上限値又は下限値に置き換えてもよい。
本開示において各成分は該当する物質を複数種含んでいてもよい。組成物中に各成分に該当する物質が複数種存在する場合、各成分の含有率又は含有量は、特に記載しない限り、組成物中に存在する当該複数種の物質の合計の含有率又は含有量を意味する。
本開示において各成分に該当する粒子は複数種含まれていてもよい。組成物中に各成分に該当する粒子が複数種存在する場合、各成分の粒子径は、特に記載しない限り、組成物中に存在する当該複数種の粒子の混合物についての値を意味する。
本開示において「積層」との語は、層を積み重ねることを示し、二以上の層が結合されていてもよく、二以上の層が着脱可能であってもよい。
本開示において、「中空シリカ粒子」とは、特に断りがない限り、複数の中空シリカ粒子の群を指す。
本開示において、「BET比表面積」は、比表面積・細孔分布測定装置(例えば、マイクロメリティック社製「トライスターII」等)を用いた窒素吸着法に基づくBET法により求める。
本開示において、「真球度」は、走査型電子顕微鏡(SEM)により写真撮影して得られる写真投影図における任意の100個の粒子について、それぞれの最大径(DL)と、これと直交する短径(DS)とを測定し、最大径(DL)に対する最小径(DS)の比(DS/DL)を算出した平均値で表す。
本開示において、「誘電正接」及び「比誘電率」は、専用の装置(例えば、キーコム株式会社製「ベクトルネットワークアナライザ E5063A」)を用い、摂動方式共振器法にて測定する。
本開示において、「半硬化物」とは、樹脂組成物の硬化物を示査走査熱分析測定した際に、熱硬化性樹脂の硬化に伴う発熱ピークが現れる状態にある硬化物を意味する。すなわち、半硬化物とは、未硬化の熱硬化性樹脂が残存している状態の硬化物を意味する。
本開示において、「硬化物」とは、樹脂組成物の硬化物を示査走査熱分析測定した際に、熱硬化性樹脂の硬化に伴う発熱ピークが現れない状態にある硬化物を意味する。すなわち、硬化物とは、未硬化の熱硬化性樹脂が残存していない状態の硬化物を意味する。
本開示において、「最大高さ粗さRz」は、JIS B 0601(2013)(対応
ISO:ISO 4287 1997)に準拠して測定する。
本開示において、「重量平均分子量」は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用いて、ポリスチレン換算により求める。
本開示の樹脂組成物(以下、「本組成物」とも記す。)は、樹脂及び中空シリカ粒子を含み、アルゴンガス及び乾式ピクノメーターを用いた定容積膨張法により求めた前記中空シリカ粒子の密度をA(g/cm)、前記中空シリカ粒子のBET比表面をB(m/g)としたとき、A×Bが、1.0~120.0m/cmである。比誘電率をより低下させ、基材との密着性をより向上する観点から、A×Bは、2.0~80.0m/cmが好ましく、2.5~40.0m/cmがより好ましく、3.0~20.0m/cmが更に好ましい。
本組成物によれば、低比誘電率であり、基材との密着性に優れるプリプレグ及び硬化物が作製可能である。この理由は必ずしも明らかではないが、以下のように推測される。
本組成物に含まれる中空シリカ粒子は、密度AとBET比表面積Bとの積が、1.0~120.0m/cmである。これにより、樹脂組成物における、中空シリカ粒子の分散性が向上し、樹脂組成物の粘度が低下する結果、上記効果が奏されると推測される。
比誘電率をより低下させ、基材との密着性をより向上する観点から、本組成物の粘度は、100~10,000mPa・sが好ましく、130~5,000mPa・sがより好ましく、150~3,000mPa・sが更に好ましく、180~1,500mPa・sが特に好ましく、200~1,000mPa・sが最も好ましい。
本開示において「粘度」は、25℃において、回転式レオメータ(例えば、アントンパール(Anton paar)社製、モジュラーレオメーター PhysicaMCR-301)を用いて、せん断速度1rpmで30秒測定し、得られた30秒時点での粘度を測定して得られる値である。
本組成物は、25℃において、液状であることが好ましい。
本組成物は、樹脂を1種含んでもよく、2種以上含んでもよい。本組成物が含む樹脂としては、熱硬化性樹脂が好ましい。本組成物は、熱硬化性樹脂を2種以上含んでもよいが、1種を含むことが好ましい。
熱硬化性樹脂としては、エポキシ樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリイミド樹脂、フェノール樹脂、ジビニルベンゼン骨格を含む樹脂、ピリミジン骨格を含む樹脂等が挙げられる。密着性、耐熱性等の観点から、熱硬化性樹脂は、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、ジビニルベンゼン骨格を含む樹脂、及びピリミジン骨格を含む樹脂から選択される1つ以上が好ましい。
エポキシ樹脂としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂、多官能フェノールのジグリシジルエーテル化物、多官能アルコールのジグリシジルエーテル化物等が挙げられる。
ポリイミド樹脂としては、芳香族ポリイミド、芳香族ポリアミック酸等が挙げられる。
ポリフェニレンエーテル樹脂は、変性ポリフェニレンエーテルであってもよく、未変性ポリフェニレンエーテルであってもよいが、密着性の観点からは、変性ポリフェニレンエーテルが好ましい。変性ポリフェニレンエーテルは、ポリフェニレンエーテル鎖及びポリフェニレンエーテル鎖の末端に結合する置換基を有する。置換基は、炭素-炭素二重結合を有することが好ましい。置換基は、下記式(1)又は下記式(2)で表されることが好ましく、下記式(2)で表されることがより好ましい。
式(1)において、nは0~10の整数であり、Zはアリーレン基であり、R~Rは各々独立に水素又はアルキル基である。なお、式(1)におけるnが0である場合は、Zは変性ポリフェニレンエーテルにおけるポリフェニレンエーテル鎖の末端に直接結合する。式(2)において、Rは水素又はアルキル基である。式(1)及び(2)において、アルキル基は、炭素数1~10が好ましく、1~6がより好ましい。
ポリフェニレンエーテル鎖は、下記式(3)で表されることが好ましい。
式(3)において、mは1~50の範囲内の数であり、R~Rは、各々独立に、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、ホルミル基、アルキルカルボニル基、アルケニルカルボニル基又はアルキニルカルボニル基であり、水素原子又はアルキル基が好ましい。式(3)において、アルキル基は、炭素数1~10が好ましく、1~6がより好ましい。
ジビニルベンゼン骨格を含む樹脂としては、日鉄ケミカル&マテリアル株式会社製の、ODV―XET等が挙げられる。
ピリミジン骨格を含む樹脂としては、JSR社製ELPAC HC-Fシリーズ等が挙げられる。
比誘電率をより低下させ、基材との密着性をより向上する観点から、熱硬化性樹脂の重量平均分子量(Mw)は、1,000~7,000が好ましく、1,000~5,000がより好ましく、1,000~3,000が更に好ましい。
比誘電率をより低下させ、基材との密着性をより向上する観点から、本組成物の総質量に対する硬化性樹脂の含有率は、10~40質量%が好ましく、15~35質量%がより好ましく、20~30質量%が更に好ましい。
本組成物は、熱硬化性樹脂以外の樹脂(以下、「その他の樹脂」とも記す。)を含んでいてもよい。その他の樹脂としては、ポリテトラフルオロエチレン、ポリエチレンテレフタラート、ポリオレフィン、シリコーン等が挙げられる。
本組成物の総質量に対するその他の樹脂の含有率は、特に限定されるものではなく、例えば、1~50質量%である。
比誘電率のばらつきが小さいプリプレグ及び硬化物を作製する観点から、アルゴンガス及び乾式ピクノメーターを用いた定容積膨張法により求めた樹脂の密度は、0.5~3.0g/cmが好ましく、0.8~2.3g/cmがより好ましい。
なお、樹脂の密度測定は、25℃において、乾燥後の樹脂に対して行う。熱硬化性樹脂の場合は、硬化後の樹脂に対して行う。密度測定の方法としては、硬化後の樹脂を上記のように乾式ピクノメーターで測定する方法が挙げられる。
なお、本組成物が、2種以上の樹脂を含む場合、樹脂の密度は、乾燥後又は熱硬化性樹脂の場合は熱硬化後の組成物の密度を、Arピクノメーターによって実測して求める。
なお、本組成物は、後述するように、重合開始剤、重合促進剤、可塑剤、及び他の成分を含んでもよい。重合開始剤、重合促進剤、可塑剤、及び他の成分に、樹脂又は反応により樹脂に組み込まれる成分が含まれる場合には、当該樹脂又は成分も、樹脂の密度の算出における「樹脂」に含めるものとする。すなわち、本組成物に含まれる、樹脂又は反応により樹脂に組み込まれる成分の全体を、樹脂の密度の算出における「樹脂」とみなす。後述のA/Bの算出についても同様である。
中空シリカ粒子は、シリカを含むシェル層を備え、シェル層の内側に空間部を有する。上記空間部は、透過型電子顕微鏡(TEM)観察、走査型電子顕微鏡(SEM)等により確認できる。
本開示において、「シェル層の内側に空間部を有する」とは、1個の中空シリカ粒子の断面を観察した際に、1個の空間部の周囲をシェル層が囲んでいる中空状態が存在することを意味する。
シェル層は、単層構造を有するものであっても、2層以上の多層構造を有するものであってもよい。
シェル層の総質量に対するシリカの含有率は、50質量%以上が好ましく、80質量%以上がより好ましく、95質量%以上が更に好ましい。上記含有率の上限は、100質量%であるが、99.99質量%が好ましい。
中空シリカ粒子の耐久性を向上する観点、並びに半硬化物及び硬化物の密着性及び誘電特性を向上する観点から、シェル層は、周期表の第1族又は第2族に属するアルカリ金属分、及びこれらのケイ酸塩から選択される少なくとも1つを含むことが好ましい。なお、本開示において、半硬化物及び硬化物の誘電特性を向上するとは、これらの比誘電率及び誘電正接を低下させることを意味する。
シェル層の総質量に対する周期表の第1族又は第2族に属するアルカリ金属分の含有率は、30質量ppm以上が好ましく、100質量ppm以上がより好ましく、150質量ppm以上が更に好ましく、300質量ppm以上が特に好ましい。また、前記含有率は、1質量%以下が好ましく、5000質量ppm以下がより好ましく、1000質量ppm以下が最も好ましい。
すなわち、シェル層の総質量に対する周期表の第1族又は第2族に属するアルカリ金属
分の含有率は、30質量ppm~1質量%が好ましく、100質量ppm~5000質量
ppmがより好ましく、150質量ppm~1000質量ppmがさらに好ましい。
シェル層の組成は、ICP発光分析法、フレーム原子吸光法等により測定する。
周期表の第1族又は第2族に属するアルカリ金属分(アルカリ金属及びアルカリ土類金属)の中でも、入手の容易さの観点から、シェル層は、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム及びストロンチウムより選択される1つ以上を含むことが好ましく、ナトリウム、マグネシウム及びカルシウムより選択される1つ以上を含むことがより好ましい。
中空シリカ粒子の耐久性を向上する観点、並びに半硬化物及び硬化物の密着性及び誘電特性を向上する観点から、シェル層の平均厚みは、中空シリカ粒子の一次粒子の直径を1としたとき、0.01~0.3が好ましく、0.02~0.2がより好ましく、0.03~0.1が更に好ましい。
シェル層の平均厚さは、TEM観察により測定する20個の中空シリカ粒子のシェル層の厚さの平均値である。
比誘電率をより低下させ、基材との密着性をより向上する観点から、中空シリカ粒子の平均一次粒子径は、10nm~10μmが好ましく、20nm~7μmがより好ましく、50nm~5μmが更に好ましく、70nm~3μmが特に好ましく、100nm~1μmが最も好ましい。
中空シリカ粒子の平均一次粒子の大きさは、SEM観察によりその粒子径(直径、球状でない場合は長辺と短辺の平均値)を直接観察することによって求められる。具体的には、SEM画像より100個の中空シリカ粒子の一次粒子の大きさを測定し、それらを平均して得られた一次粒子の大きさの累積分布が50%になる値を、全体の一次粒子の平均一次粒子径と推定する。
比誘電率をより低下させ、基材との密着性をより向上する観点から、中空シリカ粒子のメジアン径(以下、単に「d50」とも記す。)は、0.1~10.0μmが好ましく、0.2~10.0μmがより好ましく、0.25~8.0μmが更に好ましく、0.3~7.0μmが特に好ましく、0.3~5.0μmが最も好ましく、0.3~3.0μmであってもよい。また、中空シリカ粒子のd50を上記数値範囲とすることにより、プリプレグ及び硬化物の平滑性を向上でき、絶縁層を形成したときの回路における伝送損失を低減できる。
本開示において、「d50」は、レーザー回折式の粒度分布測定装置(例えば、マイクロトラック・ベル株式会社製「MT3300EXII」)により求められる中空シリカ粒子の体積基準累積50%径である。すなわち、d50は、レーザー回折・散乱法によって粒度分布を測定し、中空シリカ粒子の全体積を100%として累積カーブを求め、その累積カーブ上で累積体積が50%となる点の粒子径である。
なお、本開示において、中空シリカ粒子のd50は、一次粒子及び二次粒子を含む状態で測定する。
比誘電率をより低下させ、基材との密着性をより向上する観点から、中空シリカ粒子のd10は、0.1~2.0μmが好ましく、0.2~2.0μmがより好ましく、0.3~1.8μmが更に好ましく、0.3~1.5μmが特に好ましい。また、中空シリカ粒子のd10を上記数値範囲とすることにより、プリプレグ及び硬化物の平滑性を向上でき、絶縁層を形成したときの回路における伝送損失を低減できる。
本開示において、「d10」は、レーザー回折式の粒度分布測定装置(例えば、マイクロトラック・ベル株式会社製「MT3300EXII」)により求められる中空シリカ粒子の体積基準累積10%径である。すなわち、d10は、レーザー回折・散乱法によって粒度分布を測定し、中空シリカ粒子の全体積を100%として累積カーブを求め、その累積カーブ上で累積体積が10%となる点の粒子径である。
なお、本開示において、中空シリカ粒子のd10は、一次粒子及び二次粒子を含む状態で測定する。
比誘電率をより低下させ、基材との密着性をより向上する観点から、中空シリカ粒子のd90は、0.7~15.0μmが好ましく、0.8~12.0μmがより好ましく、0.9~10.0μmが更に好ましく、0.9~8.0μmが特に好ましく、0.9~6.0μmが最も好ましく、0.9~5.0μmであってもよい。また、中空シリカ粒子のd90を上記数値範囲とすることにより、プリプレグ及び硬化物の平滑性を向上でき、絶縁層を形成したときの回路における伝送損失を低減できる。
本開示において、「d90」は、レーザー回折式の粒度分布測定装置(例えば、マイクロトラック・ベル株式会社製「MT3300EXII」)により求められる中空シリカ粒子の体積基準累積90%径である。すなわち、d90は、レーザー回折・散乱法によって粒度分布を測定し、中空シリカ粒子の全体積を100%として累積カーブを求め、その累積カーブ上で累積体積が90%となる点の粒子径である。
なお、本開示において、中空シリカ粒子のd90は、一次粒子及び二次粒子を含む状態で測定する。
比誘電率をより低下させ、基材との密着性をより向上する観点から、d50/d10は、6.0以下が好ましく、5.0以下がより好ましく、3.0以下が更に好ましく、2.5以下が特に好ましい。d50/d10の下限値は、特に限定されるものではなく、1.3とすることができる。
半硬化物及び硬化物の平滑性を向上する観点から、中空シリカ粒子のコールターカウンター法により測定された10μm以上の粒子割合は、500質量ppm以下が好ましく、200質量ppm以下がより好ましく、100質量ppm以下が更に好ましく、0質量ppmであってもよい。
比誘電率をより低下させ、基材との密着性をより向上する観点から、アルゴンガス及び乾式ピクノメーターを用いた定容積膨張法により求めた中空シリカ粒子の密度は、0.35~2.00g/cmが好ましく、0.35~1.50g/cmがより好ましく、0.40~1.00g/cmが更に好ましい。
なお、本組成物が、2種以上の中空シリカ粒子を含む場合、中空シリカ粒子の密度は、各中空シリカ粒子の密度を加重平均することにより求める。
乾式ピクノメーターとしては、Micromeritics社製AccuPycII 1340又はこれと同等の装置を使用できる。
プリプレグ、硬化物等の比誘電率のばらつきを小さくする観点から、本組成物は、アルゴンガス及び乾式ピクノメーターを用いた定容積膨張法により求めた中空シリカ粒子及び樹脂の密度を、それぞれ、A(g/cm)、及びB(g/cm)としたとき、A/Bが、0.3~1.5であることが好ましく、0.4~1.0であることがより好ましい。
比誘電率をより低下させ、基材との密着性をより向上する観点から、中空シリカ粒子のBET比表面積は、1.0~100.0m/gが好ましく、1.0~50.0m/gがより好ましく、1.0~30.0m/gが更に好ましい。
比誘電率をより低下させ、基材との密着性をより向上する観点から、中空シリカ粒子の空隙率は、30~90%が好ましく、40~90%がより好ましく、50~85%が更に好ましい。
本開示において、中空シリカ粒子の空隙率は、中空シリカ粒子の真密度により、中空シリカ粒子の密度を除し、100倍することにより算出する。なお、中空シリカ粒子の真密度は、Micromeritics社製AccuPycII 1340又はこれと同等の装置により、Heガスを用いて測定する。
中空シリカ粒子に含まれる個々の中空シリカ粒子の形状は、特に限定されるものではなく、球状であってもよく、非球状であってもよいが、低誘電正接の観点から、球状が好ましい。低誘電正接の観点から、球状中空シリカ粒子の真球度は、0.60以上が好ましく、0.75以上がより好ましく、0.90以上が更に好ましく、0.93以上が特に好ましく、1.00が最も好ましい。また、中空シリカ粒子は、低誘電正接の観点から、無孔質粒子が好ましい。
絶縁層を形成したときの回路における伝送損失を低減させる観点から、中空シリカ粒子の誘電正接は、周波数1GHzにおいて、0.0040以下が好ましく、0.0030以下がより好ましく、0.0020以下が更に好ましく、0.0015以下が特に好ましく、0.0012以下が最も好ましい。
比誘電率をより低下させ、基材との密着性をより向上する観点から、中空シリカ粒子の吸油量は、20~500mL/100gが好ましく、25~200mL/100gがより好ましく、30~150mL/100gが更に好ましく、30~100mL/100gが特に好ましく、30~80mL/100gが最も好ましい。
本開示において、「吸油量」は、JIS K 5101-13-1(2004)(対応ISO:ISO 787-5 1980)に従って測定する。なお、本開示における吸油量は、JIS K 5101-13-1(2004)に従って測定される値に、密度/真密度の値を乗じた値(すなわち、JIS K 5101-13-1(2004)に従って測定される吸油量×(密度/真密度))とする。
比誘電率をより低下させ、基材との密着性をより向上する観点から、中空シリカ粒子の水銀圧入法による20%破壊圧力は、120MPa以上が好ましく、150MPa以上がより好ましく、200MPa以上が更に好ましく、250MPa以上が特に好ましい。20%破壊圧力の上限は、特に限定されるものではなく、例えば、600MPa以下とすることができる。
本開示において、「20%破壊圧力」とは、水銀圧入法によって測定される破壊圧力のことで、水銀圧入法で0~400MPaまで圧力をかけていった際、積算容量の最大値から20%減少した容量を示す最小の圧力のことである。
中空シリカ粒子の水銀圧入法による20%破壊圧力は、ASTM D 3102-78に準拠して、水銀圧入ポロシメーター(例えば、MICROMERITICS INSTRUMENT社製のAutoPore IV 9500)を用いて測定する。
半硬化物及び硬化物の曲げ強度を向上する観点から、中空シリカ粒子の帯電量は、0.005μC/g以上が好ましく、0.010μC/g以上がより好ましく、0.015μC/g以上が更に好ましく、0.020μC/g以上が特に好ましい。帯電量の上限値は、特に限定されるものではなく、0.080μC/g以下にできる。
本開示において、帯電量は、以下の方法により測定する。なお、測定装置としては、例えば、粉体摩擦帯電量測定装置 NS-K100型(ナノシーズ社製)を使用できる。
中空シリカ粒子10gをアルミ容器(内寸Φ42mm、深さ70mm)に入れ、試料回転用アームに固定して取り付ける。左右振り角は、左150度、右210度(左右振り速度は540deg/s)として12往復で1クールとする(中間の6往復終了時に2回転の粉払い落とし回転動作を加える)。3クールの摩擦攪拌を加えた後、帯電した中空シリカ粒子をファラデーケージに投入し、中空シリカ粒子の帯電量を測定し、質量当たりの帯電量に換算する(中空シリカ粒子の帯電量/中空シリカ粒子仕込み量10g)。
個々の中空シリカ粒子はシランカップリング剤によって処理されていてもよい。中空シリカ粒子の表面がシランカップリング剤によって処理されていることで、表面のシラノール基の残存量が少なくなり、表面が疎水化され、水分吸着を抑えて誘電損失を向上できるとともに、本組成物において樹脂との親和性が向上し、分散性、及び樹脂製膜後の強度を向上できる。
シランカップリング剤の種類としては、アミノシラン系カップリング剤、メタクリルシラン系シランカップリング剤、エポキシシラン系カップリング剤、メルカプトシラン系カップリング剤、シラン系カップリング剤、オルガノシラザン化合物等が挙げられる。シランカップリング剤は1種類を用いてもよいし2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
シランカップリング剤の付着量は、中空シリカ粒子100質量部に対して、0.01~5質量部が好ましく、0.02~5質量部がより好ましく、0.10~2質量部が更に好ましい。
中空シリカ粒子の表面がシランカップリング剤で処理されていることはIRによるシランカップリング剤の置換基によるピークの検出により確認できる。また、シランカップリング剤の付着量は、炭素量により測定できる。
中空シリカ粒子は、本開示の効果を妨げない範囲において、不純物元素を含んでいてもよい。不純物元素としては、例えば、Al、Fe、Ti等が挙げられる。
比誘電率をより低下させ、基材との密着性をより向上する観点から、及び本組成物の吸水性を低減する観点から、本組成物の総体積に対する中空シリカ粒子の含有量は、10~70体積%が好ましく、15~65体積%がより好ましく、18~60体積%が更に好ましい。
中空シリカ粒子は、市販されるものを使用してもよく、従来公知の方法により作製したものを使用してもよい。例えば、国際公開第2019/131658号、国際公開第2021/006697号、国際公開第2021/172294号等に記載の方法により作製した中空シリカ粒子を使用できる。
本組成物は、1種又は2種以上の溶剤を含んでもよい。溶剤としては、アセトン、メタノール、エタノール、ブタノール、2-プロパノール、2-メトキシエタノール、2-エトキシエタノール、トルエン、キシレン、メチルエチルケトン、N,N-ジメチルホルムアミド、メチルイソブチルケトン、N-メチル-2-ピロリドン、n-ヘキサン、シクロヘキサン等が挙げられる。密着性等の観点から、溶剤は、トルエン、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン、及びN-メチル-2-ピロリドンからなる群より選択される少なくとも1つを含むことが好ましい。本組成物の総質量に対する溶剤の含有率は、特に限定されず、例えば10~60質量%であってもよい。
中空シリカ粒子の凝集抑制等の観点から、溶剤の表面張力は、40mN/m以下が好ましく、35mN/m以下がより好ましく、30mN/m以下が更に好ましい。表面張力の下限は、特に限定されず、例えば5mN/mでもよい。
本開示において、「表面張力」は、表面張力計を用いて、25℃の溶剤に対してウィルヘルミー法により測定する。
溶剤の粘度は、25℃において、10mPa・s以下が好ましく、5mPa・s以下がより好ましい。溶剤の粘度の下限は、特に限定されるものではなく、2mPa・s以上にできる。
本組成物の総質量に対する溶剤の含有率は、特に限定されるものではなく、例えば、10質量%~90質量%にできる。
本組成物は、重合開始剤を1種又は2種以上含有してもよい。重合開始剤としては、α,α’-ビス(t-ブチルパーオキシ-m-イソプロピル)ベンゼン、2,5-ジメチル-2,5-ジ(t-ブチルパーオキシ)-3-ヘキシン、過酸化ベンゾイル、3,3’,5,5’-テトラメチル-1,4-ジフェノキノン、クロラニル、2,4,6-トリ-t-ブチルフェノキシル、t-ブチルペルオキシイソプロピルモノカーボネート、アゾビスイソブチロニトリル等が挙げられる。樹脂100質量部に対する重合開始剤の含有量は、0.1~5質量部が好ましい。
本組成物は、重合促進剤を1種又は2種以上含有してもよい。重合促進剤としては、トリアリルイソシアヌレート等のトリアルケニルイソシアヌレート化合物、分子中にアクリロイル基又はメタクリロイル基を2個以上有する多官能アクリル系化合物、分子中にビニル基を2個以上有する多官能ビニル化合物、分子中にビニルベンジル基を有するスチレン等のビニルベンジル化合物等が挙げられる。樹脂100質量部に対する重合促進剤の含有量は、10~100質量部が好ましい。
本組成物は、可塑剤を1種又は2種以上含有してもよい。可塑剤としては、ブタジエン・スチレンコポリマー等が挙げられる。樹脂100質量部に対する可塑剤の含有量は、10~50質量部が好ましく、20~40質量部がより好ましい。
本組成物は、上記成分以外にも、その効果を損なわない範囲で、界面活性剤、チキソ性付与剤、pH調整剤、pH緩衝剤、粘度調節剤、消泡剤、シランカップリング剤、脱水剤、可塑剤、耐候剤、酸化防止剤、熱安定剤、滑剤、帯電防止剤、増白剤、着色剤、導電材、離型剤、表面処理剤、難燃剤、各種有機又は無機フィラー等の他の成分を更に含んでいてもよい。
本組成物は、パソコン、ノートパソコン、デジタルカメラ等の電子機器や、スマートフォン、ゲーム機等の通信機器等に用いられる電子基板の作製に用いられる樹脂組成物として好適に使用できる。また、本発明の樹脂組成物は、低誘電率化、低伝送損失化、低吸湿化、剥離強度向上のために、プリプレグ、金属箔張積層板、プリント配線板、樹脂シート、接着層、接着フィルム、ソルダーレジスト、バンプリフロー用樹脂組成物、再配線絶縁層、ダイボンド材、封止材、アンダーフィル、モールドアンダーフィル及び積層インダクタ等への応用も期待される。
本開示のプリプレグは、本組成物又はその半硬化物と、繊維質基材と、を含む。繊維質基材としては、ガラスクロス、アラミドクロス、ポリエステルクロス、ガラス不織布、アラミド不織布、ポリエステル不織布、パルプ紙等が挙げられる。繊維質基材としては、ガラス成分を含むものが好ましい。繊維質基材の厚さは、特に限定されるものではなく、12μm~1000μmとできる。なお、本組成物については上記したため、ここでは記載を省略する。
本開示のプリプレグは、繊維質基材に、本組成物を塗布又は含浸させることにより製造できる。本組成物の塗布又は含浸後に、樹脂組成物を加熱し、半硬化させてもよい。
本開示の樹脂付き金属基材は、本組成物若しくはその半硬化物又は上記プリプレグと、金属基材層と、を含む。金属基材層は、本組成物若しくはその半硬化物又は上記プリプレグの一方の表面に設けられてもよく、両面に設けられてもよい。
金属基材層の種類は特に限定されるものではなく、金属基材層を構成する金属としては、銅、銅合金、ステンレス鋼、ニッケル、ニッケル合金(42合金も含む。)、アルミニウム、アルミニウム合金、チタン、チタン合金等が挙げられる。金属基材層は、金属箔であるのが好ましく、圧延銅箔、電解銅箔等の銅箔であるのがより好ましい。金属箔の表面は、防錆処理(クロメート等の酸化物皮膜等)されていてもよく、粗化処理されていてもよい。金属箔として、キャリア銅箔(厚さ:10~35μm)と、剥離層を介してキャリア銅箔表面に積層された極薄銅箔(厚さ:2~5μm)とからなるキャリア付金属箔を使用してもよい。金属基材層の表面は、シランカップリング剤により処理されていてもよい。この場合、金属基材層の表面の全体がシランカップリング剤により処理されていてもよく、金属基材層の表面の一部がシランカップリング剤により処理されていてもよい。シランカップリング剤としては、上記したものを使用できる。
金属基材層の厚さは1~40μmが好ましく、2~20μmがより好ましい。樹脂付き金属基材をプリント配線板として使用した場合の伝送損失を低減できる観点から、金属基材層の最大高さ粗さ(Rz)は、6μm以下が好ましく、4μm以下がより好ましい。
一実施形態において、本開示の樹脂付き金属基材は、金属基材層の表面に、本組成物を塗布することにより製造できる。本組成物の塗布後に、樹脂組成物を加熱し、半硬化させてもよい。
他の実施形態において、本開示の樹脂付き金属基材は、金属基材層とプリプレグとを積層することにより製造できる。金属基材層とプリプレグとの積層方法としては、これらを熱圧着する方法等が挙げられる。
本開示の配線板は、本組成物の硬化物と、金属配線とを含む。金属配線としては、上記した金属基材層をエッチング等することにより製造したものを使用できる。
本開示の配線板は、上記樹脂付き金属基材が備える金属基材層をエッチングする方法、本組成物の硬化物表面に電解めっき法(セミアディティブ法(SAP法)、モディファイドセミアディティブ法(MSAP法)等)によってパターン回路に形成する方法等により製造できる。
次に本開示の実施形態を実施例により具体的に説明するが、本開示の実施形態はこれらの実施例に限定されるものではない。例1~5は実施例であり、例6~7は比較例である。
(樹脂組成物の粘度の測定)
樹脂組成物の粘度は、以下のようにして測定した。
25℃において、回転式レオメータ(アントンパール(Anton paar)社製、モジュラーレオメーター PhysicaMCR-301)を用いて、せん断速度1rpmで30秒測定し、得られた30秒時点での粘度を測定した。結果を表1に示す。
(中空シリカ粒子及び中空粒子の密度の測定方法)
各例で用いた中空シリカ粒子及び中空粒子を230℃で減圧乾燥して水分を完全に除去し、試料とした。この試料について、乾式ピクノメーター(Micromeritics社製AccuPycII 1340)を用いて密度を測定した。測定条件は下記の通りである。結果を表1に示す。
(測定条件)
・試料セル:10cmセル
・試料重量:1.0g
・測定ガス:アルゴンガス
・パージ回数:10回
・パージ処理充填圧力:135kPag
・サイクル回数:10回
・サイクル充填圧力:135kPag
・圧力平衡を終了するレート:0.05kPag/分
(中空シリカ粒子及び中空粒子のBET比表面積の測定方法)
各例で用いた中空シリカ粒子及び中空粒子を230℃で減圧乾燥して水分を完全に除去し、試料とした。この試料について、マイクロメリティック社製の自動比表面積・細孔分布測定装置「トライスターII」にて、窒素ガスを用いて多点BET法により比表面積を求めた。結果を表1に示す。
(中空シリカ粒子及び中空粒子のd50の測定方法)
各例で用いた中空シリカ粒子及び中空粒子のd50は、レーザー回折・散乱法により、粒度分布測定装置(マイクロトラック・ベル社製、MT3300EXII)を用いて測定した。具体的には、超音波照射を120秒間行うことで中空シリカ粒子の二次粒子を分散させてから測定を行い、得られた粒子の大きさの累積分布が50%になる値をd50とした。結果を表1に示す。
(中空シリカ粒子及び中空粒子の平均一次粒子径の測定方法)
各例で用いた中空シリカ粒子及び中空粒子の平均一次粒子径は、SEM観察によりその粒子径(直径、球状でない場合は長辺と短辺の平均値)を直接観察することによって求めた。具体的には、SEM画像より100個の中空シリカ粒子の一次粒子の大きさを測定し、それらを平均して得られた一次粒子の大きさの累積分布が50%になる値を、全体の一次粒子の平均一次粒子径と推定した。結果を表1に示す。
(中空シリカ粒子及び中空粒子の真球度の測定方法)
中空シリカ粒子及び中空粒子の真球度は、走査型電子顕微鏡(SEM)により写真撮影して得られる写真投影図における任意の100個の粒子について、それぞれの最大径(DL)と、これと直交する短径(DS)とを測定し、最大径(DL)に対する最小径(DS)の比(DS/DL)を算出し、その平均を算出することにより求めた。結果を表1に示す。
(中空シリカ粒子及び中空粒子の誘電正接の測定方法)
中空シリカ粒子及び中空粒子の周波数1GHzにおける誘電正接は、キーコム株式会社製「ベクトルネットワークアナライザ E5063A」)を用い、摂動方式共振器法にて測定した。結果を表1に示す。
(中空シリカ粒子及び中空粒子の空隙率の測定方法)
中空シリカ粒子の空隙率は、中空シリカ粒子の真密度により、中空シリカ粒子の密度を除し、100倍することにより算出した。中空シリカ粒子の真密度は、Micromeritics社製AccuPycII 1340により測定した。中空粒子の空隙率についても同様に算出した。結果を表1に示す。
(中空シリカ粒子及び中空粒子の吸油量の測定方法)
中空シリカ粒子及び中空粒子の吸油量は、JIS K 5101-13-1(2004)に従って測定した。結果を表1に示す。
(樹脂の密度の測定方法)
各例で用いた樹脂の密度は、下記のように測定した。
-ポリフェニレンエーテル含有樹脂の密度測定-
ポリフェニレンエーテルの59質量部、ブタジエン・スチレンランダムコポリマーの16質量部、トリアリルイソシアヌレートの25質量部、α,α’-ジ(t-ブチルペルオキシ)ジイソプロピルベンゼンの1質量部、トルエンの60質量部をポリビンに入れ、プラネタリーディスパで混練して樹脂を得た。得られた樹脂を120℃で真空乾燥し、溶剤を除いた後、200℃の窒素オーブンで硬化させたのち、カッターミルを用いて粉砕し、Arピクノメーターで密度を測定したところ、密度は1.1g/cmであった。
1.樹脂組成物を製造するための各成分の準備
[熱硬化性樹脂]
・ポリフェニレンエーテル:ポリフェニレンエーテルの末端水酸基をメタクリル基で変性した変性ポリフェニレンエーテル、SABIC社製、Noryl SA9000、Mw1700、1分子あたりの官能基数2個
<中空シリカ粒子A1>
中空シリカ粒子A1は以下のようにして作製した。
(エマルションの作製)
純水1250gにEO-PO-EOブロックコポリマー(ADEKA社製、プルロニック(登録商標)F68)を4g添加し溶解するまで撹拌し、水溶液を得た。この水溶液にソルビタン酸モノオレート(三洋化成工業社製、イオネット(登録商標)S-80)4gを溶解したn-デカン42gを加え、IKA社製ホモジナイザーを使って液全体が均一になるまで撹拌し、粗エマルションを作製した。
この粗エマルションを、高圧乳化機(エスエムテー社製、LAB1000)を使い、圧力50barで乳化を行い、エマルション径が1μmのエマルションを作製した。
(エージング)
得られたエマルションを40℃で12時間静置した。
(1段目シェル層形成)
静置後、エマルション1300gに、pHが2となるよう、希釈したケイ酸ナトリウム水溶液(SiO濃度10.4質量%、NaO濃度3.6質量%)23g及び2M塩酸を加え、30℃で保持しながら撹拌し、混合液を得た。
次いで、混合液を撹拌しながら1M水酸化ナトリウム水溶液をpHが6となるようゆっくり滴下し、オイルコア-シリカシェル粒子分散液を得た。得られたオイルコア-シリカシェル粒子分散液を保持し、熟成させた。
(2段目シェル層形成)
オイルコア-シリカシェル粒子分散液を70℃に加熱し、撹拌しながら1M水酸化ナトリウム水溶液をゆっくり添加し、pHを9とした。
次に、希釈したケイ酸ナトリウム水溶液(SiO濃度10.4質量%、NaO濃度3.6質量%)330gを、pH9になるように0.5M塩酸とともに徐々に添加した。
この懸濁液を80℃で1日間保持した後、室温(25℃)まで冷却し、中空シリカ前駆体分散液を得た。
(ろ過、洗浄、乾燥、焼成)
中空シリカ前駆体分散液全量を、2M塩酸でpH2まで中和後、定量ろ紙5Cを用いてろ過を行った。その後、80℃のイオン交換水350mlを加えて再度加圧濾過し、中空シリカケーキを洗浄した。
ろ過後のケーキを、窒素雰囲気下で、100℃で1時間、続けて400℃で2時間乾燥し(昇温時間10℃/min)、有機分を除去することで中空シリカ前駆体を得た。
得られた中空シリカ前駆体を、1000℃で1時間焼成(昇温時間10℃/min)することでシェルの焼き締めを行い、中空シリカ焼成粒子を得た。
(表面処理)
200mlガラスビーカーに、中空シリカ焼成粒子10g、イソプロパノール150ml、ビニルトリメトキシシラン0.1gを添加し、100℃で1時間還流した。その後、疎水性PTFEメンブレンフィルターを用いて減圧濾過し、イソプロパノール20mlで洗浄後、150℃に温度調整した真空乾燥機で2時間真空乾燥し、表面処理された中空シリカ粒子A1を得た。
1段目シェル層及び2段目シェル層の総質量に対するナトリウムの含有率は、500質量ppmであった。
<中空シリカ粒子A2>
EO-PO-EOブロックコポリマーの使用量を2gに、ソルビタン酸モノオレートの使用量を2gに変更した以外は、中空シリカ粒子A1と同様にして、中空シリカ粒子A2を得た。
<中空シリカ粒子A3>
EO-PO-EOブロックコポリマーの使用量を10gに変更し、ソルビタン酸モノオレートを使用せず、乳化における圧力を100barに変更した以外は、中空シリカ粒子A1と同様にして、中空シリカ粒子A3を得た。
<中空シリカ粒子A4>
中空シリカ前駆体の焼成条件を、1100℃で1時間(昇温時間10℃/min)に変更した以外は、中空シリカ粒子A1と同様にして、中空シリカ粒子A4を得た。
<中空シリカ粒子A5>
中空シリカ前駆体の焼成条件を、800℃で1時間(昇温時間10℃/min)に変更した以外は、中空シリカ粒子A1と同様にして、中空シリカ粒子A5を得た。
<中空粒子B1>
シリカ系中空微粒子分散ゾル(触媒化成工業(株)製、スルーリア(登録商標)1420、平均一次粒子径60nm、濃度20.5質量%、分散媒:イソプロパノール)を、120℃で2時間真空引きし、溶剤を乾固し、中空粒子B1を得た。
<中空粒子B2>
グラスバブルスiM16K(メジアン径17μmのガラスバルーン、3M社)をそのまま用いた。
[例1]
ポリフェニレンエーテル樹脂の59質量部、ブタジエン・スチレンランダムコポリマーの16質量部、トリアリルイソシアヌレートの25質量部、α,α’-ジ(t-ブチルペルオキシ)ジイソプロピルベンゼンの1質量部、中空シリカ粒子A1を全体の20体積%となる質量部、トルエンの80質量部をポリビンに入れ、プラネタリーディスパで混練して樹脂組成物を得た。
樹脂組成物を、IPCスペック2116のガラスクロスに含浸塗工し、160℃で4分間加熱乾燥してプリプレグを得た。
プリプレグを3枚重ね、上下にロープロファイル銅箔(厚さ:18μm、Rz:3.5μm、三井金属社製、3EC-M3-V-18)を積層し、230℃、圧力30kg/cmで120分間加熱成形し、樹脂付き金属基材を得た。
[例2~7]
中空シリカ粒子A1を、表1に記載の中空シリカ粒子又は中空粒子に変更した以外は、例1と同様にして、樹脂組成物、プリプレグ及び樹脂付き金属基材を製造した。
<剥離強度の測定>
例1~7において製造した樹脂付き金属基材を用いて、IPC-TM650-2.4.8に準拠し、プリプレグの硬化物と銅箔との間の剥離強度を測定した。測定結果を表1にまとめた。
<比誘電率及び誘電正接の測定>
例1~7において製造した樹脂付き金属基材を、エッチング液(サンハヤト社製、H-1000A、塩化第二鉄水溶液)に浸漬し、片面の銅箔を完全に除去した後、オーブンにて100℃で10分乾燥した。得られたプレス済プリプレグを用いて、縦スプリットポスト誘電体共振器(Agilent Technologies社製)にて、比誘電率と誘電正接(測定周波数:10GHz)とを測定した。結果を表1に示す。
表1に示されるように、本組成物を用いて得られた硬化物は、低比誘電率であり、また、基材との密着性に優れている。

Claims (13)

  1. 樹脂及び中空シリカ粒子を含む樹脂組成物であって、アルゴンガス及び乾式ピクノメーターを用いた定容積膨張法により求めた前記中空シリカ粒子の密度をA(g/cm)、前記中空シリカ粒子のBET比表面積をB(m/g)としたとき、A×Bが、1.0~120.0m/cmである、樹脂組成物。
  2. 前記中空シリカ粒子の密度が、0.35~2.00g/cmである、請求項1に記載の樹脂組成物。
  3. 前記中空シリカ粒子のBET比表面積が、1.0~100.0m/gである、請求項1に記載の樹脂組成物。
  4. 前記中空シリカ粒子のメジアン径(d50)が0.1~10.0μmである、請求項1に記載の樹脂組成物。
  5. 前記樹脂が、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、ジビニルベンゼン骨格を含む樹脂、及びピリミジン骨格を含む樹脂から選択される少なくとも1つを含む、請求項1に記載の樹脂組成物。
  6. 樹脂組成物の総体積に対する前記中空シリカ粒子の含有量が10~70体積%である、請求項1に記載の樹脂組成物。
  7. 請求項1~6のいずれか1項に記載の樹脂組成物又はその半硬化物と、繊維質基材と、を含むプリプレグ。
  8. 前記繊維質基材が、ガラス成分を含む、請求項7に記載のプリプレグ。
  9. 請求項1~6のいずれか1項に記載の樹脂組成物又はその半硬化物と、金属基材層と、を含む樹脂付き金属基材。
  10. 請求項7に記載のプリプレグと、金属基材層と、を含む樹脂付き金属基材。
  11. 前記金属基材層が、銅箔である、請求項9に記載の樹脂付き金属基材。
  12. 前記金属基材層が、銅箔である、請求項10に記載の樹脂付き金属基材。
  13. 請求項1~6のいずれか1項に記載の樹脂組成物の硬化物と、金属配線と、を含む配線板。
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