JP2024080805A - プレス成形品および該プレス成形品の製造方法 - Google Patents

プレス成形品および該プレス成形品の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】本体部品と補強部品が接合されたプレス成形品において、優れた耐衝突性能および剛性を確保しつつ、製造性も良好なプレス成形品および該プレス成形品の製造方法を提供する。【解決手段】本発明に係るプレス成形品1は、少なくとも天板部3と縦壁部5とを有するものであって、天板部3と縦壁部5を構成する本体部品9と、天板部3および縦壁部5に跨って配置されて本体部品9の内側又は外側に接合された補強部品11とを備え、補強部品11が配置された天板部3と縦壁部5との間に平面状の傾斜面部13を有し、少なくとも傾斜面部13に接合部19が設けられており、傾斜面部13の内面の幅が、接合部19の幅より広いことを特徴とするものである。【選択図】 図1

Description

本発明は、少なくとも天板部と縦壁部とを有するプレス成形品に関する。特に、天板部と縦壁部を構成する本体部品と、天板部および縦壁部に跨って配置されて本体部品の内側又は外側に接合された補強部品とを備えたプレス成形品および該プレス成形品の製造方法に関する。
自動車の乗員保護の観点で、車体には衝突安全性の向上が求められている。一方で、二酸化炭素排出量の削減のため、車体を軽量化し燃費を向上させることも重要である。これら衝突安全性能と車体の軽量化を両立するために、車体の骨格部品への高強度な金属材料の適用が年々増えている。
例えば、自動車のフロントピラーやセンタピラーなどのピラー部品は、衝突時のキャビン内の乗員を保護するために重要な部品であり、衝突荷重に耐え得る強度が要求され、金属材料として引張強さが1.5GPa級以上の高張力鋼板も適用されている。
また、自動車の衝突安全性基準はますます厳格になり、その基準を満たすために、強度の必要な骨格部品に対し補強部品を新たに追加し、車体の部位を部分的に補強する重ね合わせ構造が上記ピラー部品などに採用されている。
図10に重ね合わせ構造を有する従来のプレス成形品39の一例を示す。重ね合わせ構造を有する従来のプレス成形品39は、図10に示す模式図のように、本体部品9と本体部品9に接合された補強部品11によって構成されている。
本体部品9は、ハット断面を有し、天板部3、縦壁部5、フランジ部7、及び、天板部3と縦壁部5を繋ぐ曲面部分である稜線部41を有している。
補強部品11は、本体部品9の内側において天板部3および縦壁部5に跨るように配置されて接合されている。
従来のプレス成形品39は、本体部品9と補強部品11の接合部19を、天板部3や縦壁部5の平面部に設けていた。
これに対し、特許文献1では、稜線部に溶接部を設けるようにした「成形部材」が開示されている。補強部材との溶接部を、曲率半径が小さい曲面部分である稜線部に設けることにより、軸圧潰特性および3点曲げ特性、または優れた曲げ剛性および捻じり剛性を有する、自動車構成部材に用いるのに好適な成形部材を得られるとしている。
特開2014-87848号公報
上述したように、稜線部に接合部を設けることで自動車部品の耐衝突特性を向上させることができる。しかし、稜線部に接合部を設けるようにすると、製造の際に下記のような課題があった。以下、製造方法の例を2つ挙げ、各製造方法における課題を説明する。
第1の製造方法は、本体部品9と補強部品11をそれぞれプレス成形し、プレス成形後の本体部品9と補強部品11を重ね合わせて稜線部41を接合する方法である。
この方法では、接合機が本体部品9や補強部品11に干渉し、所望の位置である稜線部41に接合部19を形成できない場合があった。また、接合機が干渉しなかったとしても、稜線部41は曲率半径の小さなR形状であるため、電極が部品に十分に接触せず、接合不良をきたしていた。また、本体部品9の接合面の形状と補強部品11の接合面の形状が一致しにくいことによる接触不良によって接合が十分に行えない場合もあった。
第2の製造方法は、特許文献1の請求項10にも記載されるように、本体部品9と補強部品11をプレス成形前のブランクの状態で接合した後、接合した二枚のブランクを一体としてプレス成形する方法である。
この方法では、平板状のブランクの状態で接合するので、第1の製造方法のような接合機の干渉や、接合機と部品、及び部品間の接触不良に起因する接合不良は生じない。
しかし、ブランクの稜線部41に相当する部位を接合したあとに当該部位を曲げ成形するので、接合部19が厳しい曲げ変形を受け、稜線部41の外面に割れ43が生じて(図11参照)問題であった。
本発明は、上記のような課題を解決するものであり、本体部品と補強部品が接合されたプレス成形品において、優れた耐衝突性能および剛性を確保しつつ、接合部に割れを生じないプレス成形品および該プレス成形品の製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、接合機とプレス成形品との干渉を防ぎ、電極と部品、及び部品間の接触を十分確保し、割れのない良好な接合を可能として、優れた耐衝突性能や剛性を有するプレス成形品を製造可能とするものであり、以下の構成からなる。
(1)本発明に係るプレス成形品は、少なくとも天板部と縦壁部とを有するものであって、天板部と縦壁部を構成する本体部品と、前記天板部および前記縦壁部に跨って配置されて前記本体部品の内側又は外側に接合された補強部品とを備え、前記補強部品が配置された前記天板部と前記縦壁部との間に平面状の傾斜面部を有し、少なくとも該傾斜面部に接合部が設けられており、前記傾斜面部の内面の幅が、前記接合部の幅より広いことを特徴とするものである。
(2)また、本発明に係るプレス成形品は、少なくとも天板部と縦壁部とを有するものであって、天板部と縦壁部を構成する本体部品と、前記天板部および前記縦壁部に跨って配置されて前記本体部品の内側又は外側に接合された補強部品とを備え、前記補強部品が配置された前記天板部と前記縦壁部との間に湾曲した傾斜面部を有し、少なくとも該傾斜面部に接合部が設けられており、前記傾斜面部の内面の幅が、前記接合部の幅より広く、前記傾斜面部の内面の断面曲率半径が、前記天板部と前記傾斜面部の間の稜線部の断面曲率半径および前記傾斜面部と前記縦壁部の間の稜線部の断面曲率半径より大きく、かつ、20mm以上であることを特徴とするものである。
(3)また、上記(1)又は(2)に記載のものにおいて、前記接合部はスポット溶接、アーク溶接、レーザー溶接、シーム溶接、プラズマ溶接、摩擦撹拌接合または超音波接合によって形成されたものであることを特徴とするものである。
(4)また、本発明に係るプレス成形品の製造方法は、本体部品となる平板状のブランクと、補強部品となる平板状のブランクと、を重ね合わせて、少なくとも前記傾斜面部に相当する部位を接合して接合ブランクを作成し、該接合ブランクをプレス成形して上記(1)乃至(3)のいずれかに記載のプレス成形品を製造することを特徴とするものである。
(5)また、上記(1)乃至(3)のいずれかに記載のものにおいて、前記本体部品及び前記補強部品は、引張強度が980MPa級以上の鋼板をプレス成形したものであることを特徴とするものである。
(6)また、上記(4)に記載のものにおいて、前記本体部品及び前記補強部品のブランクは、引張強度が980MPa級以上の鋼板であることを特徴とするものである。
本発明においては、天板部と縦壁部との間に傾斜面部を有し、該傾斜面部に接合部を設けたことにより、優れた耐衝突性能および剛性を確保しつつ、接合不良を防いで製造可能である。
即ち、本体部品と補強部品をそれぞれプレス成形後に二つの部品を接合する製造方法の場合には、電極と各部品、及び各部品間の接触を十分確保し、良好な接合を可能とする。
また、二枚のブランクを接合してから、該接合した2枚のブランクをプレス成形する製造方法の場合には、接合部に生じる曲げ変形を低減して割れを防止できる。
実施の形態にかかるプレス成形品の斜視図(図1(a))及び断面図(図1(b))である。 図1(b)の破線円で囲んだ部分の拡大図であり、傾斜面部を説明する図である。 傾斜面部の他の態様を説明する図である。 接合部の他の態様を説明する図である。 図1のプレス成形品の製造方法を説明する図である。 プレス成形品の他の態様1の斜視図(図6(a))及び断面図(図6(b))である。 プレス成形品の他の態様2の斜視図(図7(a))及び断面図(図7(b))である。 プレス成形品の他の態様3の斜視図(図8(a))及び断面図(図8(b))である。 実施例にかかるプレス成形品の斜視図(図9(a))、断面図(図9(b))及び側面図(図9(c))である。 従来のプレス成形品の斜視図(図10(a))及び断面図(図10(b))である。 従来のプレス成形品の課題を説明する図である。
本発明の一実施の形態に係るプレス成形品1は、図1に一例を示すように、天板部3と傾斜面部13と縦壁部5とフランジ部7を有するハット断面形状の本体部品9と、本体部品9の内面に沿う形状の補強部品11とが接合されてなる重ね合わせ構造となっている。
補強部品11は、本体部品9を補強する部品であり、天板部3および縦壁部5に跨って配置されて本体部品9の内側にスポット溶接によって接合されている。
本実施の形態のプレス成形品1は、天板部3と縦壁部5の間に平面状の傾斜面部13を有している。本発明の特徴である傾斜面部13について、図2を用いて以下詳細に説明する。
図2は図1(b)の破線円で囲んだ部分の拡大図である。
図2に示すように、本体部品9の傾斜面部13は、稜線部15を介して天板部3に連続すると共に、稜線部17を介して縦壁部5に連続している。
稜線部15及び稜線部17は、天板部3又は縦壁部5と傾斜面部13とをつなぐ曲面部分である。
したがって、本体部品9に沿う形状である補強部品11もまた、天板部3、稜線部15、傾斜面部13、稜線部17及び縦壁部5に対応した形状を有している。
また、傾斜面部13の幅Wは、後述する接合部19が稜線部15や稜線部17にはみ出さずに傾斜面部13内に収まるよう、接合部19よりも幅広になっている。
補強部品11は、傾斜面部13に設けられた接合部19によって本体部品9に接合されている。接合部19は、例えばスポット溶接によって形成され、図1(a)に示したように、傾斜面部13の延在方向に設けられている。また、天板部3や縦壁部5にも同様の接合部19が設けられている。
なお、天板部3や縦壁部5に接合部19を設けることは本発明において必須ではなく、傾斜面部13のみに接合部19を設けるようにしてもよい。
また、本発明の傾斜面部は、図2に示したような平面状のものに限らず、図3に示すような断面が緩やかに湾曲した形状であってもよい。
この場合も傾斜面部13の幅Wは、接合部19より幅広とし、接合部19は、稜線部15や稜線部17にはみ出すことなく傾斜面部13内に収まるようにする。なお、傾斜面部13が湾曲した形状である場合、傾斜面部13の内面と外面で幅長が異なるので、最も幅長が短くなる部分、即ち傾斜面部13の内面における幅が本説明における幅Wに相当する。
湾曲した傾斜面部13の曲げ内側における断面曲率半径をRS、稜線部15及び稜線部17の曲げ内側における断面曲率半径をそれぞれR1、R2とすると、RS、R1、R2の関係は以下の通りである。
RS>>R1、RS>>R2 ・・・(1)
一般に、稜線部15又は稜線部17の断面曲率半径は3~6mm程度であり、最大でも10mmを上廻らない。しかし、本発明では傾斜面部の断面曲率半径RSは、断面曲率半径R1及び断面曲率半径R2より大きく、かつ、20mm以上が良い。断面曲率半径RSを20mm以上とする理由については、後述する実施例で具体的に説明する。
また、接合部19は図1(a)のようなスポット溶接により断続的に設けられたものに限らず、図4(a)のように傾斜面部13の延在方向にアーク溶接、レーザー溶接、シーム溶接、プラズマ溶接、摩擦撹拌接合、超音波接合等により、連続的に設けられたものでもよい。
接合部19は、図1(b)のように本体部品9と補強部品11の界面部に形成されてもよいし、図4(b)のように、本体部品9の外面から補強部品11の内面に亘って形成されてもよい。
上記のように構成されたプレス成形品1は、天板部3と縦壁部5の間に平面状又は緩やかに湾曲した形状の傾斜面部13を有することにより、従来、天板部3と縦壁部5の曲率半径の小さい稜線部を接合する場合に生じていた製造上の課題を解決することができる。この点については、下記、プレス成形品1の製造方法の説明内で具体的に説明する。
<プレス成形品の製造方法>
本実施の形態のプレス成形品1の製造方法の一例を図5に基づいて説明する。
まず、図5(a)に示すように、本体部品9に成形する平板状のブランク21と、補強部品11に成形する平板状のブランク23とを重ね合わせた状態にセットする。
次に、図5(b)に示すように、ブランク21、23の少なくとも傾斜面部13に相当する部位20(傾斜面部相当部20)を接合して接合ブランク25を作製する。なお、必要に応じて天板部3や縦壁部5に相当する部位も接合する。
この際の接合方法は、前述したように、例えば、スポット溶接、シーム溶接、レーザ溶接、プラズマ溶接、摩擦撹拌接合、超音波接合等を用いることができる。なお、図5(b)は、電極27を用いるスポット溶接の例を図示したものである。
このように、本体部品9と補強部品11を平板状のブランクの状態で先に接合することにより、各部品をプレス成形してから接合する場合と比べて、電極27と各部品との接触状態を良好に確保でき、接合不良が生じにくい。
また、プレス成形後の本体部品9と補強部品11の間に隙間が生じにくく、部品間の接触状態も良好となる。
接合ブランク25を作製後、図5(c)に示すように、目標形状に対応した形状の金型(ダイ29、パンチ31)で接合ブランク25をプレス成形し、図5(d)に示すプレス成形品1を得る。
従来の特許文献1に記載される断面曲率半径の小さい稜線部41を接合するプレス成形品の場合、プレス成形中に接合部19に大きな曲げ変形が生じ、曲げ外側に割れ43が生じていた(図11参照)。
この点、本実施の形態のプレス成形品1は、従来の稜線部41に相当する部位に平面状又は緩やかに湾曲した形状の傾斜面部13を設け、傾斜面部13を接合するようにしたため、接合部19に大きな曲げ変形が生じることがなく、割れを抑制することができる。
これにより、本体部品9と補強部品11を重ねたプレス成形品1について、接合部の割れを防止して製造することができるようになり、優れた耐衝突性能及び剛性を有するプレス成形品1を製造することができる。
なお、図2に示す稜線部15、及び、稜線部17は断面曲率半径が小さいため、これらの部位に接合部19が延出すると割れが生じやすい。したがって、図5(b)において、傾斜面部相当部位20の幅Wを接合部19の幅より広く設定するとともに、傾斜面部相当部位20内に接合部19を形成することが必要である。
また、プレス成形品1のプレス成形は1工程に限らず、複数の工程を経て目標形状のプレス成形品1を得るようにしてもよい。
また、接合ブランク25のプレス成形は図5(c)のような曲げ成形でもよいし、ブランクホルダを用いた絞り成形でもよい。
上記は、プレス成形前のブランクの状態で本体部品9と補強部品11を接合する場合の製造方法であるが、本実施の形態のプレス成形品1は、本体部品9と補強部品11をそれぞれプレス成形してから接合する製造方法の場合にも適用できる。
例えば、傾斜面部13を有さない従来のプレス成形品の場合、小さな曲率半径で湾曲した稜線部41を接合するため、電極27と部品の接触や部品同士の接触を十分に確保できず、接合不良の原因となっていた。しかし、本実施の形態のプレス成形品1は、平面又は緩やかな湾曲形状の傾斜面部13で部品同士を接合するため、電極27と部品の接触や部品同士の接触を十分に確保でき、接合不良が生じにくい。
また、本発明が対象とするプレス成形品は、本体部品9がハット断面形状であるものに限らず、図6に示すプレス成形品33のように、本体部品9がコの字断面形状であってもよい。
そして、図7に示すプレス成形品35のように、天板部3から片側の縦壁部5に跨って配置されたL字断面形状の補強部品11を備えたものでもよい。
さらに、本発明が対象とするプレス成形品は、本体部品9の内側に補強部品11が配置されたものに限らず、図8に示すプレス成形品37のように、本体部品9の外側に補強部品11が配置されたものでもよい。
なお、いずれの場合も、プレス成形後の離型を容易にするため、天板部3と縦壁部5との内角は90°以上とするとよい。
本発明の作用効果を確認するために、具体的なプレス成形を行ったので以下に説明する。本実施例における目標形状について図9を用いて説明する。
図9は、後述する発明例又は比較例における目標形状の一例である。図9に示すプレス成形品1は図1と同様のものであるため、図1と同一の符号を付している。
図9に示すように、本実施例では、ハット断面形状の本体部品9と、本体部品9の内側に配置されたコの字断面形状の補強部品11が接合されてなるプレス成形品1を目標形状としてプレス成形を行った。
実施例として、目標形状であるプレス成形品1は図9(c)に示すとおり長さは240mm、高さは75mm、幅は130mmとし、天板部3と縦壁部5がなす内角は100°とした。また、接合はスポット溶接とし、接合部の幅(ナゲット径)を5mmとして、天板部3、縦壁部5、傾斜面部13をプレス成形品の長手方向に40mmの間隔で接合した。
また、本体部品9の素材であるブランクには板厚1.4mmの1180MPa級鋼板を用い、補強部品11の素材であるブランクには板厚1.4mmの1470MPa級鋼板を用いた。
また、従来例として、図10及び図11に示す天板部3と縦壁部5をつなぐR形状の稜線部41、天板部3、縦壁部5をスポット溶接したプレス成形品39もプレス成形した。従来例における稜線部41の断面曲率半径(曲げ内側の断面曲率半径)は6mmとした。
本発明例および比較例では、稜線部15の断面曲率半径R1、稜線部17の断面曲率半径R2を、それぞれ従来例の稜線部41と同様に6mmとした。また、本発明例および比較例では、傾斜面部13が平面又は曲面とした場合についてもプレス成形を行い、湾曲した傾斜面部13の断面曲率半径RSや、傾斜面部13の幅Wを変更した。
従来例、比較例、及び本発明例のプレス成形は図5に沿った製造方法で実施した。
具体的には、ブランク21とブランク23を重ね合わせて、天板部3、縦壁部5に相当する部位をスポット溶接し、また、本発明例及び比較例では傾斜面部13、従来例では稜線部41に相当する部位をスポット溶接し、接合ブランク25を作製した。その後に、接合ブランク25を目標形状に対応した金型でプレス成形し、目標とするプレス成形品を得た。
そして、プレス成形後の本体部品9と補強部品11の接合部19、特に、天板部3と縦壁部5とをつなぐ部分(傾斜面部13又は稜線部41)の接合部19の割れを目視観察した。
その結果を表1に示す。
Figure 2024080805000002
従来例であるNo.1は、天板部3と縦壁部5との間にR形状の稜線部41のみを有するものである(図11参照)。断面曲率半径6mmの稜線部41を接合した場合、プレス成形後の稜線部41の接合部19に割れが生じた。
比較例であるNo.2、No.3は、天板部3と縦壁部5との間に湾曲した傾斜面部13を有するものであり(図3参照)、傾斜面部13の幅Wが3mmであるため接合部の幅(5mm)より狭い。
また、比較例であるNo.4は、天板部3と縦壁部5との間に平面状の傾斜面部13を有するものであり(図2参照)、No.2、No.3と同様に、傾斜面部13の幅Wが接合部の幅より狭い。
No.2~No.4では、接合部19が傾斜面部13からはみ出して断面曲率半径6mmの稜線部15又は稜線部17に延出するため、傾斜面部13の形状にかかわらず接合部19に割れが生じた。
また、比較例であるNo.5は、傾斜面部13の幅Wを7mmとして、接合部19の幅(5mm)より広くしたものであるが、傾斜面部13の断面曲率半径RSを10mmとし、本発明の20mmより小さくしたものである。この場合も、傾斜面部13の断面曲率半径RSが小さいため、接合部19に割れが生じた。
これに対し、本発明例であるNo.6、No.7は、傾斜面部13の幅Wを接合部19の幅より広く、かつ、傾斜面部13の断面曲率半径RSを20mm以上にしたものである。
また、本発明例であるNo.8は、天板部3と縦壁部5との間に平面状の傾斜面部13を有し(図2参照)、傾斜面部13の幅Wを接合部19の幅より広くしたものである。
No.6~No.8の本発明例ではいずれも接合部19の割れは生じなかった。
以上のように、本実施例では、平面状の傾斜面部13又は断面曲率半径が20mm以上の湾曲した傾斜面部13を設け、かつ、傾斜面部13内に収まるように接合部19を設けることにより、本体部品9と補強部品11との接合部19の割れを防止できることが確認できた。
1 プレス成形品
3 天板部
5 縦壁部
7 フランジ部
9 本体部品
11 補強部品
13 傾斜面部
15 稜線部
17 稜線部
19 接合部
20 傾斜面部相当部
21 ブランク
23 ブランク
25 接合ブランク
27 電極
29 ダイ
31 パンチ
33 プレス成形品(他の態様1)
35 プレス成形品(他の態様2)
37 プレス成形品(他の態様3)
39 プレス成形品(従来例)
41 稜線部
43 割れ

Claims (7)

  1. 少なくとも天板部と縦壁部とを有するプレス成形品であって、天板部と縦壁部を構成する本体部品と、前記天板部および前記縦壁部に跨って配置されて前記本体部品の内側又は外側に接合された補強部品とを備え、
    前記補強部品が配置された前記天板部と前記縦壁部との間に平面状の傾斜面部を有し、
    少なくとも該傾斜面部に接合部が設けられており、
    前記傾斜面部の内面の幅が、前記接合部の幅より広いことを特徴とするプレス成形品。
  2. 少なくとも天板部と縦壁部とを有するプレス成形品であって、天板部と縦壁部を構成する本体部品と、前記天板部および前記縦壁部に跨って配置されて前記本体部品の内側又は外側に接合された補強部品とを備え、
    前記補強部品が配置された前記天板部と前記縦壁部との間に湾曲した傾斜面部を有し、
    少なくとも該傾斜面部に接合部が設けられており、
    前記傾斜面部の内面の幅が、前記接合部の幅より広く、
    前記傾斜面部の内面の断面曲率半径が、前記天板部と前記傾斜面部の間の稜線部の断面曲率半径および前記傾斜面部と前記縦壁部の間の稜線部の断面曲率半径より大きく、かつ、20mm以上であることを特徴とするプレス成形品。
  3. 前記接合部はスポット溶接、アーク溶接、レーザー溶接、シーム溶接、プラズマ溶接、摩擦撹拌接合または超音波接合によって形成されたものであることを特徴とする請求項1または2に記載のプレス成形品。
  4. 本体部品となる平板状のブランクと、補強部品となる平板状のブランクと、を重ね合わせて、少なくとも前記傾斜面部に相当する部位を接合して接合ブランクを作成し、
    該接合ブランクをプレス成形して前記請求項1または請求項2に記載のプレス成形品を製造することを特徴とするプレス成形品の製造方法。
  5. 前記本体部品及び前記補強部品は、引張強度が980MPa級以上の鋼板をプレス成形したものであることを特徴とする請求項1または2に記載のプレス成形品。
  6. 前記本体部品及び前記補強部品は、引張強度が980MPa級以上の鋼板をプレス成形したものであることを特徴とする請求項3に記載のプレス成形品。
  7. 前記本体部品及び前記補強部品のブランクは、引張強度が980MPa級以上の鋼板であることを特徴とする請求項4に記載のプレス成形品の製造方法。
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