JP2024080449A - 光学部材及びその製造方法、光源モジュール及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

Figure 2024080449000001
【課題】光反射性部材と、光制御部を有する光制御部材とを備えた光学部材の製造方法において、光反射性部材に形成する貫通孔と、光制御部との位置精度を高める。
【解決手段】本光学部材の製造方法は、光反射性部材と、前記光反射性部材の上に透光性部材を介して積層され、前記透光性部材とは反対側の面に配置された複数の光制御部を有する光制御部材と、を備えた中間体を準備する工程と、前記中間体に前記光反射性部材の側からレーザ光を照射し、各々の前記光制御部と平面視で重なる位置に、前記光反射性部材を貫通する貫通孔を形成する工程と、を含み、前記貫通孔を形成する工程は、前記透光性部材に、前記貫通孔と連通し、前記透光性部材を貫通しない凹部を形成する工程を含む。
【選択図】図11

Description

本開示は、光学部材及びその製造方法、並びに光源モジュール及びその製造方法に関する。
液晶表示装置のバックライトなどとして用いられる光源モジュールが知られている。このような光源モジュールには、光源からの出射光を拡散させる光学部材が用いられる場合がある。例えば、光制御部であるレンズを複数個配置したレンズ面と平坦面とを有する光透過性部材において、平坦面に光源からの光を透過する光透過部と、光源からの光を反射する光反射部とを設けた光学部材が知られている。光透過部は、レンズに対応する位置に設けられる。
特開2005-221619号公報
本開示は、光反射性部材と、光制御部を有する光制御部材とを備えた光学部材の製造方法において、光反射性部材に形成する貫通孔と、光制御部との位置精度を高めることを目的とする。
本開示の一実施形態に係る光学部材の製造方法は、光反射性部材と、前記光反射性部材の上に透光性部材を介して積層され、前記透光性部材とは反対側の面に配置された複数の光制御部を有する光制御部材と、を備えた中間体を準備する工程と、前記中間体に前記光反射性部材の側からレーザ光を照射し、各々の前記光制御部と平面視で重なる位置に、前記光反射性部材を貫通する貫通孔を形成する工程と、を含み、前記貫通孔を形成する工程は、前記透光性部材に、前記貫通孔と連通し、前記透光性部材を貫通しない凹部を形成する工程を含む。
本開示の一実施形態によれば、光反射性部材と、光制御部を有する光制御部材とを備えた光学部材の製造方法において、光反射性部材に形成する貫通孔と、光制御部との位置精度を高めることができる。
第1実施形態に係る光学部材を例示する模式平面図である。 第1実施形態に係る光学部材を例示する、図1のII-II線における模式断面図である。 第1実施形態に係る光学部材を例示する部分斜視図である。 第1実施形態に係る他の光学部材を例示する模式平面図(その1)である。 第1実施形態に係る他の光学部材を例示する模式平面図(その2)である。 図5の光学部材の光制御部から出射される光の強度分布のシミュレーション結果である。 図2のA部の拡大図(その1)である。 図2のA部の拡大図(その2)である。 図2のA部の拡大図(その3)である。 第1実施形態に係る光学部材の製造工程を例示する模式断面図(その1)である。 第1実施形態に係る光学部材の製造工程を例示する模式断面図(その2)である。 第1実施形態に係る光学部材の製造工程を例示する模式断面図(その3)である。 第1実施形態に係る光学部材の製造工程の変形例を示す模式図である。 面状光源を例示する平面図である。 面状光源と光学部材とを備えた光源モジュールを例示する部分断面図(その1)である。 面状光源と光学部材とを備えた光源モジュールを例示する部分断面図(その2)である。 面状光源と光学部材とを備えた光源モジュールを例示する部分平面図である。
以下、図面を参照して発明を実施するための形態について説明する。なお、以下の説明では、必要に応じて特定の方向や位置を示す用語(例えば、「上」、「下」、及びそれらの用語を含む別の用語)を用いるが、それらの用語の使用は図面を参照した発明の理解を容易にするためであって、それらの用語の意味によって本発明の技術的範囲が制限されるものではない。又、複数の図面に表れる同一符号の部分は同一もしくは同等の部分又は部材を示す。
また、以下に示す実施形態は、本発明の技術思想を具体化するための光学部材等を例示するものであって、本発明を以下に限定するものではない。又、以下に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は、特定的な記載がない限り、本発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではなく、例示することを意図したものである。又、一の実施形態において説明する内容は、他の実施形態や変形例にも適用可能である。又、図面が示す部材の大きさや位置関係等は、説明を明確にするため、誇張している場合がある。さらに、図面が過度に複雑になることを避けるために、一部の要素の図示を省略した模式図を用いたり、断面図として切断面のみを示す端面図を用いたりすることがある。
〈第1実施形態〉
(光学部材1)
図1は、第1実施形態に係る光学部材を例示する模式平面図である。図2は、第1実施形態に係る光学部材を例示する、図1のII-II線における模式断面図である。図3は、第1実施形態に係る光学部材を例示する部分斜視図である。
図1~図3に示すように、光学部材1は、光反射性部材10と、透光性部材20と、光制御部材30とを備えている。光学部材1は、例えば、平面視で、正方形や長方形である。なお、図1~図3には、参考のため、互いに直交するX軸、Y軸、及びZ軸が示されている。他の図においても、X軸、Y軸、及びZ軸を示す場合がある。X軸方向及びY軸方向は光反射性部材10の上面10aに平行であり、Z軸方向は光反射性部材10の上面10aに垂直である。平面視とは、対象物をZ軸方向から視ることである。
透光性部材20は、光反射性部材10の上面10aの上に積層されている。光制御部材30は、光反射性部材10の上に透光性部材20を介して積層されている。光制御部材30は、透光性部材20とは反対側の面に配置された複数の光制御部32を有する。具体的には、光制御部材30は、透光部31と光制御部32とを備えており、透光部31の上面31aに複数の光制御部32が配置されている。透光部31と光制御部32とは、一体である。
図1の例では、光制御部32は、透光部31の上面31aに8行8列の行列状に2次元に配置されている。光制御部32は、例えば、X軸方向及びY軸方向に一定のピッチで配置されている。なお、光制御部32の配置は図1の例には限定されず、例えば、図4に示すような六方配置(千鳥配置)であってもよい。
また、図1~図3の例では、元々略半球状に設計された光制御部32が隣接する光制御部32と重なる部分を有するように配置される。そのため、各光制御部32の表面形状は、球面の一部である凸レンズ状である。最外周に配置された光制御部32を除く光制御部32は平面視で四角形である。また、最外周に配置された光制御部32は、平面視における外縁が円弧状である。また、光制御部32は、外縁が円弧状に限らず、平面視で四角形を構成する直線状でもよい。一方、図4の例では、元々略半球状に設計された光制御部32が隣接する光制御部32と重なる部分を有するように配置されている。そのため、各光制御部32の表面形状は、球面の一部である凸レンズ状である。最外周に配置された光制御部32を除く光制御部32は平面視で六角形である。また、最外周に配置された光制御部32は、平面視における外縁が円弧状である。また、光制御部32は、外縁が円弧状に限らず、平面視で、直線状でもよいし、六角形を構成する直線状でもよい。なお、光制御部32の表面形状は、例えば、非球面の一部でもよく、あるいはフレネルレンズのような断面視で鋸歯状であってもよい。
光反射性部材10は、各々の光制御部32と平面視で重なる位置に貫通孔10xを有している。貫通孔10xは、光反射性部材10の上面10aから下面10bに貫通している。上面10aと下面10bとは、例えば、平行である。平面視で、貫通孔10xの面積は、光制御部32の面積よりも小さい。
平面視において、貫通孔10xは、例えば、正方形や円形とすることができる。しかし、平面視で、貫通孔10xの形状は正方形や円形には限定されず、貫通孔10xは長手方向の長さが短手方向の長さよりも長い細長状であってもよい。例えば、図5に示すように、平面視で、貫通孔10xは長方形であってもよい。あるいは、平面視で、貫通孔10xは楕円形であってもよい。
図6は、図5の光学部材の光制御部から出射される光の強度分布のシミュレーション結果である。図5に示すように貫通孔10xのX軸方向の長さがY軸方向の長さよりも長い細長状である場合、各々の貫通孔10xから入射して光制御部32から出射される光は、図6のような強度分布になる。すなわち、光制御部32から出射される光の形状は、貫通孔10xの形状と同様に、X軸方向の長さがY軸方向の長さよりも長い細長状となる。このような形状の光を出射可能な光学部材1は、横長の像を表示する画像表示装置に用いると好適である。なお、図6の強度分布によれば、Y軸方向の強度分布は0度の位置に尖ったピークを有しているのに対し、X軸方向の強度分布は-20度から20度のあいだでフラットトップなトップハット形状を有している。また、図1の光学部材の光制御部から出射される光の強度分布のシミュレーションは、X軸方向とY軸方向とが類似の形状となると考えられる。具体的には、図6のX軸方向の光の形状と同じ形状か、または図6のY軸方向の光の形状と同じ形状が、X軸方向とY軸方向の両方で得られると考えられる。
なお、図5では、貫通孔10xをX軸方向の長さがY軸方向の長さよりも長い細長状としたが、図1において貫通孔10xの形状は変更せずに光制御部32を、X軸方向の長さがY軸方向の長さよりも長い細長状であって、平面視で楕円を構成するような非球面の一部の形状としても図5の場合と同様の効果を奏する。さらに、図5において、光制御部32を貫通孔10xと同様に、X軸方向の長さがY軸方向の長さよりも長い細長状とすることで、貫通孔10xと光制御部32とが同じ方向に横長になるため、光制御部32から出射される光の形状は、図6よりもさらにX軸方向に長くなる。そのため、このような光学部材1は、横長の像を表示する画像表示装置に用いるとより好適である。
また、図1~図5の例では、平面視で、貫通孔10xの中心は光制御部32の中心と一致している。しかし、平面視で、一部もしくはすべての貫通孔10xの中心を意図的に光制御部32の中心からずらしてもよい。例えば、平面視で、すべての貫通孔10xの中心をY軸方向に意図的に光制御部32の中心からずらすことで、光制御部32から外部に取り出される光の光軸をY軸方向に偏角させることができる。
図7は、図2のA部の拡大図(その1)である。図7に示すように、透光性部材20は、貫通孔10xと連通し、透光性部材20を貫通しない凹部20xを有する。凹部20xは、透光性部材20の下面20bから光制御部材30側に向かって凹となる。図7の例では、凹部20xを規定する透光性部材20の表面は、貫通孔10xの外縁側から貫通孔10xの中心側に近づくにつれて下面20bからのZ軸方向の距離が長くなるように湾曲した1つの曲面である。なお、貫通孔10xの大きさは、Z軸方向において一定であってもよいし、一定でなくてもよい。例えば、貫通孔10xの大きさは、図7に示すようにZ軸方向において透光性部材20に近づくにつれて小さくなってもよい。
このように、透光性部材20が凹部20xを有することにより、貫通孔10xから光が入射すると、凹部20xで光が散乱するため、効率よく透光性部材20から光制御部材30に光を入射することができ、ひいては光制御部材30から効率よく光を出射することができる。
図8は、図2のA部の拡大図(その2)である。図8に示すように、凹部20xを規定する透光性部材20の表面は、複数の凹面20yを有してもよい。複数の凹面20yは、X軸方向及びY軸方向に凹面と凹面とが接触するように配置されている。各々の凹面20yは、平面視で各々の凹面20yの外縁から中心側に近づくにつれて下面20bからのZ軸方向の距離が長くなるように湾曲した1つの曲面である。隣り合う凹面の中心間距離は、例えば30~50μmであり、1つの凹面の最も幅の大きい方向に見た凹面の長さは、例えば60~100μmである。
このように、透光性部材20の凹部20xが複数の凹面20yを有することにより、貫通孔10xから光が入射すると、各々の凹面20yで光が散乱するため、効率よく透光性部材20から光制御部材30に光を入射することができる。
図7及び図8のいずれの場合も、透光性部材20の下面20bを基準とする凹部20xの最大深さDは、透光性部材20の厚さTの1/2以下であることが好ましく、1/3以下であることがより好ましい。凹部20xがこのよう深さであれば、製造ばらつきにより凹部20xが透光性部材20を貫通することを低減できる。
図9は、図2のA部の拡大図(その3)である。図9に示すように、光学部材1は、光反射性部材10の透光性部材20とは反対側の面において、貫通孔10xの周囲に透光性部材20から離れる方向に延びる凸部10yを有してもよい。凸部10yは、例えば、貫通孔10xの周囲に環状に設けられる。光反射性部材10の下面10bを基準とする凸部10yのZ軸方向の長さは、例えば、3μm以上10μm程度であってよい。なお、図9において、透光性部材20の凹部20xは、図8と同様に複数の凹面20yを有してもよい。
このように、光反射性部材10が凸部10yを有することにより、貫通孔10xに入射する光の一部が凸部10yに当たるため、貫通孔10xに入射する光が制限される。これにより、凹部20xにおける光の散乱を促進することができる。そのため、よりいっそう効率よく透光性部材20から光制御部材30に光を入射することができる。
以下、光学部材1を構成する各要素の材料等について詳説する。
[光反射性部材10]
光反射性部材10としては、例えば、樹脂部材を用いることができる。樹脂部材としては、例えば、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、環状ポリオレフィン樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂若しくはポリエステル樹脂等の熱可塑性樹脂、又は、エポキシ樹脂若しくはシリコーン樹脂等の熱硬化性樹脂を用いることができる。光反射性部材10は、光散乱粒子を含んでもよい。光散乱粒子としては、例えば、酸化チタン、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、酸化イットリウム、フッ化カルシウム、フッ化マグネシウム、五酸化ニオブ、チタン酸バリウム、五酸化タンタル、硫酸バリウム、又は、ガラス等の粒子を用いることができる。あるいは、微細な気泡を複数含んだ樹脂を用いてもよい。光反射性部材10として、銀シート、多層膜反射シート(ESR)を用いてもよい。光反射性部材10の厚さは、例えば、50μm以上250μm以下とすることができる。光反射性部材10の反射率は、90%以上、99%以下とすることができる。
[透光性部材20]
透光性部材20としては、例えば、光反射性部材10として挙げた樹脂部材を用いることができる。透光性部材20は、透過性の強い散乱をする程度の光散乱粒子を含んでもよい。光散乱粒子としては、光反射性部材10として例示したものを用いることができる。透光性部材20として、シート状の光学用透明粘着剤(OCA:Optical Clear Adhesive)を用いてもよい。透光性部材20の厚さは、例えば、凹部がない部分の厚さとして、20μm以上50μm以下とすることができる。光学用透明粘着剤は、シート状に限らず、透光性部材20上に未硬化の樹脂部材を印刷法又は塗布法等により形成された層状のものでもよい。透光性部材20の弾性率は、0℃において、3×10~11×10paとすることができる。また、透光性部材20としては、光の吸収がほとんどない部材とすることができ、透光性部材20と接着する部材との間で光の反射が起こりにくい部材とすることができる。
透光性部材20としては、貫通孔10xから入射する光をできるだけ吸収しない材料を選択することが好ましい。これにより、貫通孔10xから入射する光や、貫通孔10xから入射して光制御部材30で透光性部材20側に反射する光が透光性部材20で吸収されにくくなる。そのため、貫通孔10xから入射する光を光制御部材30から効率よく出射させることができる。また、透光性部材20は、光制御部材30と比較して黄変などの変質がしにくい材料が挙げられる。
[光制御部材30]
光制御部材30としては、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、シクロオレフィンポリマー(COP)、シリコーン樹脂等を用いることができる。光制御部材30において、光制御部32のピッチは、例えば、0.5mm以上1.5mm以下とすることができる。ここでピッチとは、隣り合う2つの光制御部32のそれぞれの中心を結んだ距離のことである。
なお、例えば、光制御部材30がポリカーボネート樹脂である場合、その線膨張係数は約60ppm/℃となる。一方、光反射性部材10が白色のポリエチレンテレフタレート樹脂(白色PET)である場合、その線膨張係数は、約20ppm/℃以上25ppm/℃以下となる。このように、光制御部材30と光反射性部材10との線膨張係数が大きく異なる場合、反りが発生しやすいが、透光性部材20として粘着性のある光学用透明粘着剤等を用いることにより、反りを低減することができる。その結果、光制御部材30の光制御部32と光反射性部材10の貫通孔10xとの相対的な位置ずれを低減することできる。
(光学部材1の製造方法)
図10~図12は、第1実施形態に係る光学部材の製造工程を例示する模式図である。図10は、中間体100を準備する工程を示している。図11は、貫通孔10xを形成する工程を示している。図12は、光制御部32の位置を認識する工程を示している。
まず、図10に示すように、光反射性部材10と、光反射性部材10の上に透光性部材20を介して積層され、透光性部材20とは反対側の面に配置された複数の光制御部32を有する光制御部材30とを備えた中間体100を準備する。
具体的には、例えば、光反射性部材10、透光性部材20となる接着部材、及び光制御部材30を購入等により準備する。光制御部材30は、樹脂成型等により作製してもよい。そして、光反射性部材10の上面10aに、シート状の接着部材を配置し、さらに接着部材の上に光制御部32を上側に向けて光制御部材30を配置する。接着部材は、未硬化の樹脂材料を印刷法又は塗布法等により形成してもよい。その場合、未硬化の接着部材の流動性が高い場合等は、加熱等により粘度を下げる工程を行うことができる。そして、光制御部材30と光反射性部材10とを相対的に加圧する。接着部材を、未硬化の樹脂材料を印刷法又は塗布法等により形成する場合は、加熱しながら光制御部材30と光反射性部材10とを相対的に加圧する。このようにして、光反射性部材10、透光性部材20、光制御部材30が接合されて一体化された中間体100を形成して準備する。なお、図10に示す構造の中間体100を購入等により準備してもよい。
次に、図11に示すように、中間体100に光反射性部材10の下面10bの側からレーザ光Lを照射し、各々の光制御部32と平面視で重なる位置に、光反射性部材10を貫通する貫通孔10xを形成する。これにより、光学部材1が完成する。
光学部材1の製造工程では、光反射性部材10と光制御部材30とが一体化した中間体100に貫通孔10xを形成するため、予め貫通孔10xが形成された光反射性部材10を光制御部材30に貼り付ける場合と比べて、貫通孔10xと光制御部32との位置精度を高めることができる。
貫通孔10xを形成する工程は、透光性部材20に、貫通孔10xと連通し、透光性部材20を貫通しない凹部20xを形成する工程を含む。すなわち、貫通孔10xが光反射性部材10を貫通すると、レーザ光Lが透光性部材20の下面20bに照射されるため、貫通孔10xと連通する凹部20xが形成される。この際、凹部20xが透光性部材20を貫通しないように、レーザ光Lの照射条件を調整する。レーザ光Lの照射条件とは、例えば、レーザ光Lの照射強度や照射時間である。凹部20xは透光性部材20を貫通しないため、レーザ光Lは光制御部材30には照射されない。そのため、貫通孔10xを形成する際に、光制御部材30がレーザ光Lにより加工されたり変色されたりすることを低減できる。
この工程では、貫通孔10xは、例えば、平面視で貫通孔10xの中心と光制御部32の中心とが一致するように形成する。あるいは、貫通孔10xは、平面視で貫通孔10xの中心が光制御部32の中心から意図的にずれるように形成してもよい。なお、凹部20xの形状は、図7又は図8に示した通りである。
レーザ光Lは、透光性部材20に吸収されにくい波長であることが好ましい。これにより、凹部20xが透光性部材20を貫通することを低減できる。レーザ光Lは、例えば波長が9μm以上10μm以下程度の炭酸ガスレーザ装置を用いてパルス照射することができる。レーザ光Lの径は貫通孔10xの深さに対応して適宜調整することができるが、例えば80μm程度とすることができる。
レーザ光Lの径よりも大きな貫通孔10xを形成する場合には、レーザ光Lの照射位置を少しずつずらしながらパルス照射を行う。この場合は、図8に示すように、凹部20xを規定する透光性部材20の表面は、複数の凹面20yを有する構造となる。
貫通孔10xを形成する工程は、光反射性部材10の透光性部材20とは反対側の面である下面10bにおいて、貫通孔10xの周囲に透光性部材20から離れる方向に延びる凸部10yを形成する工程を含んでもよい。すなわち、図11に示す工程において、図9に示す凸部10yを形成してもよい。レーザ光Lの照射による熱エネルギーにより光反射性部材10の一部を溶融させることで、凸部10yを形成することができる。
光学部材1の製造方法は、中間体100を準備する工程と貫通孔10xを形成する工程との間に、光制御部32の位置を認識する工程を含むことが好ましい。これにより、貫通孔10xと光制御部32との位置精度をさらに向上させることができる。
例えば、図12に示すように、中間体100に予め認識マーク110を配置しておく。認識マーク110は、光制御部32側又は光反射性部材10側のいずれか一方のみ、又は両方に配置することができる。あるいは、認識マーク110は、中間体100を貫通する孔など、光制御部32側と光反射性部材10側との両側に有してどちら側からでも認識できるマークであってよい。そして、光制御部32の位置を認識する工程では、中間体100に設けられた認識マーク110に基づいて光制御部32の位置を認識する。例えば、撮像装置で認識マーク110を撮像し、撮像した認識マーク110を基準にして貫通孔10xを形成する位置を認識することができる。認識マーク110は、それぞれの中心を結ぶ線分がX軸方向及びY軸方向と平行にならない位置に複数個設けることが好ましい。認識マーク110は、3個以上設けてもよい。
なお、中間体100に認識マークを設けずに、光制御部32の外形を撮像装置で撮像してもよい。この場合、光制御部32の外形を、貫通孔10xを形成する際の位置の基準とすることができる。
貫通孔10xを形成する工程の後に、オゾン処理又はプラズマ処理する工程を設けてもよい。オゾン処理は、低圧水銀ランプやエキシマランプ等の紫外線を照射するランプを使って活性酸素を発生させ、不純物を除去する処理である。プラズマ洗浄は、酸素ガスやアルゴンガスに高周波を印加しプラズマを発生させ、不純物を除去する処理である。
オゾン処理又はプラズマ処理により、光反射性部材10の表面や貫通孔10x内において、有機化合物などの不純物を除去することができる。また、光反射性部材10の一部がレーザ加工によって黄変した場合に、光反射性部材10をオゾン処理又はプラズマ処理することにより、黄変した部分の少なくとも一部を除去することができる。これにより、光学部材1の光取り出し効率を向上することができる。
(光学部材1の製造方法の変形例)
図13は、第1実施形態に係る光学部材の製造工程の変形例を示す模式図であり、中間体を光反射性部材の下面側から視た図である。図13の上段は、中間体100Aを準備する工程を示している。図13の中段及び下段は、貫通孔10xを形成する工程を示している。
まず、図13の上段に示すように、中間体100Aを準備する。中間体100Aは、光反射性部材10が、光制御部32と平面視で重なる位置に貫通し、貫通孔10xよりも開口径の小さい開口部10zを含む点で、中間体100と相違する。つまり、中間体100Aには、最終的に形成する予定の貫通孔10xよりも開口径の小さい開口部10zを備えている。
中間体100Aを準備するには、例えば、光反射性部材10にプレス加工等により開口部10zを形成する。そして、光反射性部材10の上面10aに、接着部材を配置し、さらに接着部材の上に光制御部32を上側に向けて光制御部材30を配置する。そして、光制御部材30と光反射性部材10とを相対的に加圧することで、光反射性部材10、透光性部材20、光制御部材30が接合されて一体化された中間体100Aを形成して準備する。
なお、図13の上段では、最終的に形成する予定の貫通孔10xの大きさを二点鎖線で示している。開口部10z内には、透光性部材20が露出している。
次に、図13の中段及び下段に示すように、貫通孔10xを形成する。具体的には、図13の中段に示すように開口部10zの周囲に位置する光反射性部材10をレーザ光Lの照射により除去し、図13の下段に示すように貫通孔10xを形成する。図13の中段では、例えば、開口部10zの周囲に位置する光反射性部材10に、レーザ光Lの照射位置を矢印方向に少しずつずらしながらパルス照射を行う。これにより、開口部10zの周囲に位置する光反射性部材10が除去され、開口部10zよりも一回り大きな貫通孔10xが形成される。この場合、図13の下段に示すように、凹部20xを規定する透光性部材20の表面は、平面視で、貫通孔10xの外縁の内側に沿って配置された複数の凹面20yを有する構造となる。
この方法では、中間体100Aを準備する際に開口部10zを形成した光反射性部材10を光制御部材30と貼り合わせるため、光制御部材30と開口部10zとの位置精度は良くない。しかし、開口部10zの周囲に位置する光反射性部材10をレーザ光Lの照射により除去する位置を調整することにより、光制御部材30と開口部10zとの位置ずれを補正し、貫通孔10xと光制御部材30との位置精度が高い光学部材1を実現できる。また、開口部10zの周囲のみをレーザ光Lで照射して形成するため、レーザ光Lを照射する時間を短縮することができる。
また、この方法により得られる光学部材において、透光性部材20は、光反射性部材10の貫通孔10xと連通し、透光性部材20を貫通しない凹部が、貫通孔10x内の外周領域のみに配置される。凹部を規定する透光性部材20の表面は、複数の凹面20yを有する。そして透光性部材20の凹部に囲まれた中央の領域は、凹部を有さない。凹部を有さない透光性部材20の表面は平坦な面である。この平坦な面は、複数の凹面20yと比較して平坦であることの意味であり、荒れた表面を排除するものではない。このような光学部材は、貫通孔10xから光が入射すると、平坦な面には光がそのまま透光性部材20に入射し、各々の凹面20yでは光が散乱して透光性部材20に入射する。これにより効率よく透光性部材20から光制御部材30に光を入射することができる。
(光源モジュール300)
ここでは、面状光源と光学部材とを備えた光源モジュールについて説明する。まず、面状光源について説明する。図14は、面状光源を例示する平面図である。図14に示す面状光源200は、基板210と、基板210に配置された複数の光源280とを備えている。複数の光源280は、例えば、基板210上に行列状に2次元に配置されている。
図15は、面状光源と光学部材とを備えた光源モジュールを例示する部分断面図(その1)である。図15に示すように、光源モジュール300は、面状光源200と、面状光源200の上に配置された光学部材1とを有する。
光源モジュール300のX軸方向において、光源280のピッチP1は、光制御部32のピッチP2よりも大きくてよい。また、光源モジュール300のY軸方向において、光源280のピッチは、光制御部32のピッチよりも大きくてよい。この場合、光源モジュール300において、光源280の個数は、光制御部32の個数よりも少ない。光源モジュール300において、光源280から出射した光は、光源280から垂直方向及び斜め上方向に進み、複数の貫通孔10xを通過して光制御部32により集光されて略平行な光に変換され、光源モジュール300の外部に出射される。光学部材1は貫通孔10xと光制御部32の位置精度が高いため、各々の光制御部32から所望の視野角で光を出射することができる。
ここで、面状光源200に含まれる部材について詳説する。
(基板210)
基板210は、複数の光源280を載置するための部材である。基板210の上面には、光源280に電力を供給するための導体配線が配置されている。
基板210の材料としては、例えば、セラミックス、樹脂、複合材料等が挙げられる。樹脂としては、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、BTレジン、ポリフタルアミド(PPA)、ポリエチレンテレフタレート(PET)等が挙げられる。複合材料としては、上述した樹脂に、ガラス繊維、酸化ケイ素、酸化チタン、酸化アルミニウム等の無機フィラーを混合したもの、金属部材に絶縁層を被覆した金属基板等が挙げられる。
基板210の厚さは適宜選択できる。基板210は、ロール・ツー・ロール方式で製造可能なフレキシブル基板またはリジット基板の何れであってもよい。リジット基板は湾曲可能な薄型リジット基板であってもよい。
基板210の上面において、光源280の周囲に、光源側光反射性部材220が設けられることが好ましい。光源側光反射性部材220は、絶縁性の材料によって構成されていることが好ましい。光源側光反射性部材220の材料としては、例えば、基板210の材料として例示した樹脂に白色系の無機フィラーを混合したもの、基板210の材料として例示した樹脂に微細な気泡を複数含有させたもののうち、少なくとも一方を有するものを用いることができる。
基板210の上面に光源側光反射性部材220が設けられることにより、面状光源200と光学部材1で光源モジュール300を構成する場合、光源280から上方に出射されて光学部材1の光反射性部材10で下方に反射した光は、光源側光反射性部材220で再び上方に反射されて貫通孔10xに入射する。その結果、光源モジュール300の光取り出し効率を向上させることができる。ここで、光学部材1の光反射性部材10は、銀シート、多層膜反射シート(ESR)よりも光散乱粒子を含む樹脂部材を用いることが好ましい。銀シート、多層膜反射シート(ESR)に入射した光は正反射により入射する角度と反射する角度が同じとなるが、光散乱粒子を含む樹脂部材に入射した光は、光散乱により全方位に、つまり入射する角度から角度を変えて反射する。つまり光散乱粒子を含む樹脂部材を用いることで、効率よく貫通孔10xに光を入射させることができる。
(光源280)
光源280は、リードと樹脂成形体と発光素子とを含むLEDパッケージが挙げられる。LEDパッケージでは、例えば、一対の板状のリード281の一部は、樹脂成形体283に埋め込まれている。樹脂成形体283は、底面と側面とで規定された凹部を有しており、凹部を規定する底面は、一対のリード281の一部で構成され、側面は所定の傾斜角度を有する反射面を有している。
一対のリード281の間は、樹脂成形体283によって埋め込まれ、樹脂成形体283の底面の一部を構成する。樹脂成形体283は、例えば、平面視において四角形である。樹脂成形体283の下面には、一対のリード281の一部が外部端子部として露出している。LEDパッケージにおいて、発光素子282が凹部に載置され、封止部材285により発光素子282が被覆されてもよい。
リード281を構成する母材としては、例えば、銅、アルミニウム、金、銀、タングステン、鉄及びニッケルから選ばれる少なくとも1種の金属、又は、鉄-ニッケル合金、燐青銅などの合金やクラッド材を含む板状体を用いることができる。リード281の表面には、発光素子282からの光を効率よく取り出すために、銀、アルミニウム、金及びこれらの合金を含む膜(例えばめっきによる膜)が形成されていてもよい。リード281の表面に形成される金属の膜は、単層膜でもよく、多層膜でもよい。
一対のリード281の間は、樹脂成形体283によって埋め込まれ、樹脂成形体283の底面の一部を構成する。樹脂成形体283は、例えば、平面視において四角形である。樹脂成形体283の下面には、一対のリード281の一部が外部端子部として露出している。
樹脂成形体283は、熱硬化性樹脂又は熱可塑性樹脂を含む樹脂を用いることができる。特に、熱硬化性樹脂を用いるのが好ましい。熱硬化性樹脂は、封止部材285に用いられる樹脂に比してガス透過性の低い樹脂が好ましく、具体的にはエポキシ樹脂、シリコーン樹脂、シリコーン変性エポキシ樹脂などの変性エポキシ樹脂、エポキシ変性シリコーン樹脂などの変性シリコーン樹脂、ポリイミド樹脂、変性ポリイミド樹脂、ウレタン樹脂、変性ウレタン樹脂などを挙げることができる。樹脂成形体283には、無機フィラーとして、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化ケイ素等を含有してもよい。樹脂成形体283に、無機フィラーが含まれることによって、樹脂成形体283の光の透過率を調整することができる。
発光素子282は、例えば凹部を規定する底面を構成する一対のリード281の一方に載置されている。発光素子282は、例えば、接合部材により、リード281に固定されている。発光素子282は一対の正負の電極を有しており、一対の正負の電極は一対のリード281とそれぞれワイヤを介して電気的に接続されている。一対のリード281を介して、外部からの電力の供給を受けて光源280を発光させることができる。
発光素子282としては、公知のものを利用できる。例えば、発光素子282として発光ダイオードを用いることが好ましい。発光素子282は、任意の波長のものを選択できる。例えば、青色、緑色の発光素子としては、GaN、InGaN、AlGaN、AlInGaN等の窒化物系半導体を用いたものを用いることができる。また、赤色の発光素子としては、GaAlAs、AlInGaP等を用いることができる。更に、これ以外の材料からなる半導体発光素子を用いてもよい。用いる発光素子の組成及び発光色、大きさ、個数等は目的に応じて適宜選択できる。
発光素子282は、透光性の封止部材285により被覆されている。封止部材285としては、耐熱性、耐候性、及び耐光性に優れた樹脂を用いることが好ましい。このような樹脂としては、例えば、シリコーン樹脂、変性シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、変性エポキシ樹脂、ユリア樹脂、フェノール樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂もしくはフッ素樹脂、又は、これらの樹脂の2種以上を含む樹脂が挙げられる。
封止部材285には、所定の機能を持たせるため、無機フィラー、拡散剤、顔料、蛍光体、反射性物質からなる群から選択される少なくとも1種を混合することができる。拡散剤としては、チタン酸バリウム、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化ケイ素等を好適に用いることができる。また、封止部材285は、所望外の波長をカットする目的で、有機や無機の着色染料や着色顔料を含有してもよい。さらに、封止部材285は、蛍光体を含有してもよい。
封止部材285は、蛍光体を含有する場合、波長変換部材として機能する。波長変換部材は、発光素子282から出射された光の少なくとも一部を吸収し、発光素子282からの光の波長とは異なる波長の光を発する。例えば、波長変換部材は、発光素子282からの青色光の一部を波長変換して黄色光を発する。このような構成によれば、波長変換部材を通過した青色光と、波長変換部材から発せられた黄色光との混色によって、白色光が得られる。
光源280は、図15に示すようなLEDパッケージに替えて、発光素子282でもよい。ここで、発光素子282は、上面に光反射膜を有してもよい。光反射膜は、銀、銅等の金属膜、樹脂に白色系の無機フィラー等を含有させたもの、これらの組み合わせ等の何れでもよい。また、基板210の上面に、発光素子282を覆う透光性の封止部材を設けてもよい。封止部材の材料としては、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂またはそれらを混合した樹脂等の透光性樹脂、ガラス等を用いることができる。これらのうち、耐光性及び成形のしやすさを考慮して、シリコーン樹脂を用いることが好ましい。封止部材には、発光素子282からの光を拡散させるための拡散剤、発光素子282の発光色に対応した着色剤等を含んでもよい。拡散剤及び着色剤等は、当該分野で公知のものを使用できる。
図16は、面状光源と光学部材とを備えた光源モジュールを例示する部分断面図(その2)である。図16に示すように、光源モジュール300は、面状光源200に代えて面状光源200Aを備えてもよい。面状光源200Aは、区画部材230を有する点が、面状光源200と相違する。
区画部材230は、基板210の光源280と同一側に配置されている。区画部材230は、平面視において格子状に配置された頂部231と、平面視において光源280のそれぞれを取り囲む壁部232と、壁部232の下端と繋がる底部233とを含み、光源280を取り囲んだ領域を複数有する。区画部材230の壁部232は、例えば、頂部231から基板210側に延伸し、断面視において、対向する壁部232で囲まれた領域の幅は基板210側ほど狭くなる。壁部232で囲まれた1つの区画に1つの光源280が配置されている。但し、1つの区画に、2つ以上の光源280が配置されてもよい。区画部材230は、光学部材1と離れていてよく、また区画部材230の頂部231が光学部材1の光反射性部材10と接していてもよい。
区画部材230は、光反射性を有していることが好ましい。これにより、光源280から出射される光を区画部材230によって効率よく光学部材1の方向に反射させることができる。この場合、区画部材230は、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化ケイ素等の反射性物質を含有する樹脂等を用いて成形してもよいし、反射材を含有しない樹脂を用いて成形した後、表面に反射材を設けてもよい。あるいは、微細な気泡を複数含んだ樹脂を用いてもよい。この場合、気泡と樹脂との界面で光が反射する。また、区画部材230に用いる樹脂としては、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、環状ポリオレフィン樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート若しくはポリエステル等の熱可塑性樹脂、または、エポキシ樹脂若しくはシリコーン樹脂等の熱硬化性樹脂等が挙げられる。区画部材230は、光源280からの出射光に対する反射率が70%以上となるように設定されることが好ましい。
なお、上記の例では、光源モジュール300に用いる面状光源について、基板を備えたものについて説明したが、基板は必要に応じて設けられ、省略可能である。例えば、光源モジュール300において、複数の発光素子が、一体の透光性の樹脂などで保持された面状光源を用いることができる。
また、光源モジュール300は、光学部材1の上方に、第2の光学部材を備えてもよい。第2の光学部材としては、例えば、拡散シートが挙げられる。光源モジュール300が拡散シートを備えることで、光源モジュール300から外部に取り出される光の均一性を向上できる。なお、拡散シートは、面状光源200や面状光源200Aと光学部材1との間に配置してもよい。
また、第2の光学部材の他の例としては、偏角プリズムが挙げられる。光源モジュール300が偏角プリズムを備えることで、光源モジュール300から外部に取り出される光の光軸を所定の方向に偏角させることができる。なお、光源モジュール300は、Z軸方向の異なる位置に、偏角プリズムと拡散シートの両方を備えてもよい。
図17は、面状光源と光学部材とを備えた光源モジュールを例示する部分平面図である。図17に示すように、光源モジュール300は、光学部材1Aを備えてもよい。光学部材1Aは、大きさの異なる貫通孔10xを有する点が、光学部材1と相違する。
光学部材1Aでは、平面視で、光源280を中心とする領域Rにおいて、平面視で光源280と重なる位置に設けられた貫通孔10xの大きさが最も小さい。そして、光源280から遠くなるにしたがって、貫通孔10xの大きさが徐々に大きくなり、領域R内の最外周に位置する貫通孔10xの大きさが最も大きい。このようにすることで、光源280の直上の輝度を弱め、光源280の周囲の輝度を高めることができるため、光源モジュール300の輝度むらを低減することができる。
このように、光源モジュールにおいて、貫通孔は、平面視で光源と重なる位置に設けられた1又は複数の第1貫通孔と、第1貫通孔の周囲に設けられた複数の第2貫通孔と、を含み、第2貫通孔の大きさは、第1貫通孔の大きさよりも大きくてもよい。図17の例では、領域Rにおいて、平面視で光源280と重なる位置に設けられた4つの貫通孔10xが第1貫通孔、それ以外の貫通孔10xが第2貫通孔に対応する。
(光源モジュール300の製造方法)
光源モジュール300の製造方法は、光学部材1の製造方法を用いて光学部材1を準備する工程と、基板210と、基板210に配置された複数の光源280と、を備えた面状光源200を準備する工程と、光源280の上方に光学部材1を配置する工程と、を含む。面状光源200の光源280のピッチは、光学部材1の光制御部32のピッチよりも大きくてよい。
光学部材1の製造方法については、前述のとおりである。面状光源200は、例えば、所定の配線パターンが形成された基板210と光源280とを準備し、光源280を基板210に実装することにより準備できる。基板210の配線パターンと光源280の電極との接続には、はんだ等の接合部材を用いてもよいし、ワイヤを用いてもよい。また、面状光源200は、購入により準備してもよい。光源280の上方に光学部材1を配置するには、例えば、基板210と光学部材1との間に所定に間隔を設けるためのスペーサとなる枠体等を用いることができる。なお、光学部材1を準備する工程に代えて、光学部材1Aを準備する工程としてもよい。
以上、好ましい実施形態等について詳説したが、上述した実施形態等に制限されることはなく、特許請求の範囲に記載された範囲を逸脱することなく、上述した実施形態等に種々の変形及び置換を加えることができる。
以上の実施形態に加えて、さらに以下の付記を開示する。
(付記1)
光反射性部材と、前記光反射性部材の上に透光性部材を介して積層され、前記透光性部材とは反対側の面に配置された複数の光制御部を有する光制御部材と、を備えた中間体を準備する工程と、
前記中間体に前記光反射性部材の側からレーザ光を照射し、各々の前記光制御部と平面視で重なる位置に、前記光反射性部材を貫通する貫通孔を形成する工程と、を含み、
前記貫通孔を形成する工程は、前記透光性部材に、前記貫通孔と連通し、前記透光性部材を貫通しない凹部を形成する工程を含む、光学部材の製造方法。
(付記2)
前記凹部を規定する前記透光性部材の表面は、複数の凹面を有する、付記1に記載の光学部材の製造方法。
(付記3)
前記貫通孔を形成する工程は、前記光反射性部材の前記透光性部材とは反対側の面において、前記貫通孔の周囲に前記透光性部材から離れる方向に延びる凸部を形成する工程を含む、付記1又は2に記載の光学部材の製造方法。
(付記4)
オゾン処理又はプラズマ処理する、付記1から3のいずれか1に記載の光学部材の製造方法。
(付記5)
前記中間体の前記光反射性部材は、前記光制御部と平面視で重なる位置に貫通し、前記貫通孔よりも開口径の小さい開口部を含み、
前記貫通孔を形成する工程は、前記開口部の周囲に位置する前記光反射性部材をレーザ光の照射により除去し、前記貫通孔を形成する工程を含む、付記1から4のいずれか1に記載の光学部材の製造方法。
(付記6)
前記中間体を準備する工程と前記貫通孔を形成する工程との間に、前記光制御部の位置を認識する工程を含む、付記1から5のいずれか1に記載の光学部材の製造方法。
(付記7)
前記光制御部の位置を認識する工程では、前記中間体に設けられた認識マークに基づいて前記光制御部の位置を認識する、付記6に記載の光学部材の製造方法。
(付記8)
付記1から7のいずれか1に記載の光学部材の製造方法を用いて光学部材を準備する工程と、
基板と、前記基板に配置された複数の光源と、を備えた面状光源を準備する工程と、
前記光源の上方に前記光学部材を配置する工程と、を含む、光源モジュールの製造方法。
(付記9)
前記光源のピッチは、前記光制御部のピッチよりも大きい、付記8に記載の光源モジュールの製造方法。
(付記10)
前記貫通孔は、平面視で前記光源と重なる位置に設けられた1又は複数の第1貫通孔と、前記第1貫通孔の周囲に設けられた複数の第2貫通孔と、を含み、
前記第2貫通孔の大きさは、前記第1貫通孔の大きさよりも大きい、付記8又は9に記載の光源モジュールの製造方法。
(付記11)
光反射性部材と、
前記光反射性部材の上に積層された透光性部材と、
前記透光性部材の上に積層され、前記透光性部材とは反対側の面に複数の光制御部を有する光制御部材と、を備え、
前記光反射性部材は、各々の前記光制御部と平面視で重なる位置に貫通孔を有し、
前記透光性部材は、前記貫通孔と連通し、前記透光性部材を貫通しない凹部を有する光学部材。
(付記12)
前記凹部を規定する前記透光性部材の表面は、複数の凹面を有する、付記11に記載の光学部材。
(付記13)
前記光反射性部材の前記透光性部材とは反対側の面において、前記貫通孔の周囲に前記透光性部材から離れる方向に延びる凸部を有する、付記11又は12に記載の光学部材。
(付記14)
平面視で、前記貫通孔は、長手方向の長さが短手方向の長さよりも長い細長状である、付記11から13のいずれか1に記載の光学部材。
(付記15)
基板と、前記基板に配置された複数の光源と、を備えた面状光源と、
前記光源の上方に配置された付記11から14のいずれか1に記載の光学部材と、を有する、光源モジュール。
(付記16)
前記光源のピッチは、前記光制御部のピッチよりも大きい、付記15に記載の光源モジュール。
(付記17)
前記貫通孔は、平面視で前記光源と重なる位置に設けられた1又は複数の第1貫通孔と、前記第1貫通孔の周囲に設けられた複数の第2貫通孔と、を含み、
前記第2貫通孔の大きさは、前記第1貫通孔の大きさよりも大きい、付記15又は16に記載の光源モジュール。
1,1A 光学部材
10 光反射性部材
10a 上面
10b 下面
10x 貫通孔
10y 凸部
10z 開口部
20 透光性部材
20b 下面
20x 凹部
20y 凹面
30 光制御部材
31 透光部
31a 上面
32 光制御部
100,100A 中間体
110 認識マーク
200,200A 面状光源
210 基板
220 光源側光反射性部材
230 区画部材
231 頂部
232 壁部
233 底部
280 光源
281 リード
282 発光素子
283 樹脂成形体
285 封止部材
300 光源モジュール

Claims (17)

  1. 光反射性部材と、前記光反射性部材の上に透光性部材を介して積層され、前記透光性部材とは反対側の面に配置された複数の光制御部を有する光制御部材と、を備えた中間体を準備する工程と、
    前記中間体に前記光反射性部材の側からレーザ光を照射し、各々の前記光制御部と平面視で重なる位置に、前記光反射性部材を貫通する貫通孔を形成する工程と、を含み、
    前記貫通孔を形成する工程は、前記透光性部材に、前記貫通孔と連通し、前記透光性部材を貫通しない凹部を形成する工程を含む、光学部材の製造方法。
  2. 前記凹部を規定する前記透光性部材の表面は、複数の凹面を有する、請求項1に記載の光学部材の製造方法。
  3. 前記貫通孔を形成する工程は、前記光反射性部材の前記透光性部材とは反対側の面において、前記貫通孔の周囲に前記透光性部材から離れる方向に延びる凸部を形成する工程を含む、請求項1に記載の光学部材の製造方法。
  4. オゾン処理又はプラズマ処理する、請求項1に記載の光学部材の製造方法。
  5. 前記中間体の前記光反射性部材は、前記光制御部と平面視で重なる位置に貫通し、前記貫通孔よりも開口径の小さい開口部を含み、
    前記貫通孔を形成する工程は、前記開口部の周囲に位置する前記光反射性部材をレーザ光の照射により除去し、前記貫通孔を形成する工程を含む、請求項1に記載の光学部材の製造方法。
  6. 前記中間体を準備する工程と前記貫通孔を形成する工程との間に、前記光制御部の位置を認識する工程を含む、請求項1に記載の光学部材の製造方法。
  7. 前記光制御部の位置を認識する工程では、前記中間体に設けられた認識マークに基づいて前記光制御部の位置を認識する、請求項6に記載の光学部材の製造方法。
  8. 請求項1から7のいずれか1項に記載の光学部材の製造方法を用いて光学部材を準備する工程と、
    基板と、前記基板に配置された複数の光源と、を備えた面状光源を準備する工程と、
    前記光源の上方に前記光学部材を配置する工程と、を含む、光源モジュールの製造方法。
  9. 前記光源のピッチは、前記光制御部のピッチよりも大きい、請求項8に記載の光源モジュールの製造方法。
  10. 前記貫通孔は、平面視で前記光源と重なる位置に設けられた1又は複数の第1貫通孔と、前記第1貫通孔の周囲に設けられた複数の第2貫通孔と、を含み、
    前記第2貫通孔の大きさは、前記第1貫通孔の大きさよりも大きい、請求項8に記載の光源モジュールの製造方法。
  11. 光反射性部材と、
    前記光反射性部材の上に積層された透光性部材と、
    前記透光性部材の上に積層され、前記透光性部材とは反対側の面に複数の光制御部を有する光制御部材と、を備え、
    前記光反射性部材は、各々の前記光制御部と平面視で重なる位置に貫通孔を有し、
    前記透光性部材は、前記貫通孔と連通し、前記透光性部材を貫通しない凹部を有する光学部材。
  12. 前記凹部を規定する前記透光性部材の表面は、複数の凹面を有する、請求項11に記載の光学部材。
  13. 前記光反射性部材の前記透光性部材とは反対側の面において、前記貫通孔の周囲に前記透光性部材から離れる方向に延びる凸部を有する、請求項11に記載の光学部材。
  14. 平面視で、前記貫通孔は、長手方向の長さが短手方向の長さよりも長い細長状である、請求項11に記載の光学部材。
  15. 基板と、前記基板に配置された複数の光源と、を備えた面状光源と、
    前記光源の上方に配置された請求項11から14のいずれか1項に記載の光学部材と、を有する、光源モジュール。
  16. 前記光源のピッチは、前記光制御部のピッチよりも大きい、請求項15に記載の光源モジュール。
  17. 前記貫通孔は、平面視で前記光源と重なる位置に設けられた1又は複数の第1貫通孔と、前記第1貫通孔の周囲に設けられた複数の第2貫通孔と、を含み、
    前記第2貫通孔の大きさは、前記第1貫通孔の大きさよりも大きい、請求項15に記載の光源モジュール。
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