JP2024078422A - 粘着剤組成物、粘着剤層、粘着剤層付偏光板および表示装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】保管環境によらず帯電防止性の変化が小さく、過酷な環境下においても良好な耐金属腐食性を示す粘着剤層を形成することができる粘着剤組成物を提供すること。
【解決手段】(メタ)アクリル系樹脂(A)と、架橋剤(B)と、イオン性化合物(C)とを含有し、イオン性化合物(C)は、式(I)で表される化合物である粘着剤組成物。
【選択図】図1
【解決手段】(メタ)アクリル系樹脂(A)と、架橋剤(B)と、イオン性化合物(C)とを含有し、イオン性化合物(C)は、式(I)で表される化合物である粘着剤組成物。
【選択図】図1
Description
本発明は、粘着剤組成物に関し、さらには粘着剤組成物から形成された粘着剤層、粘着剤層付偏光板および表示装置にも関する。
液晶表示装置や有機エレクトロルミネッセンス(有機EL)表示装置等の画像表示装置に用いられる偏光板等の光学フィルムは、粘着剤層を介して他の光学部材(例えば液晶表示装置の液晶セル等)に貼合して用いられることが多い。特許文献1には、金属層の腐食が抑制することができる粘着剤層が提案されている。また、特許文献2には、帯電防止性能が付与された粘着剤層が提案されている。
光学フィルムに用いられる粘着剤層について、耐金属腐食性が要求されると共に、保管環境にかかわらず安定した帯電防止性が求められている。しかしながら、粘着剤層において、耐金属腐食性と帯電防止性とを両立させることは困難であった。
本発明の目的は、保管環境によらず帯電防止性の変化が小さく、過酷な環境下においても良好な耐金属腐食性を示す粘着剤層を形成することができる粘着剤組成物を提供することである。
本発明は、以下の粘着剤組成物、粘着剤層、粘着剤層付偏光板および表示装置を提供する。
[1] (メタ)アクリル系樹脂(A)と、架橋剤(B)と、イオン性化合物(C)とを含有し、
前記イオン性化合物(C)は、下記式(I):
(式中、R1~R8は互いに独立して、水素原子、ハロゲン原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルケニル基、置換基を有していてもよいアルキニル基、置換基を有していてもよいアリール基、または置換基を有していてもよい複素環基を表す。)
で表される化合物である、粘着剤組成物。
[2] 前記イオン性化合物(C)において、アニオンが、下記式(II):
(式中、R9~R13は互いに独立して水素原子、ハロゲン原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルケニル基、置換基を有していてもよいアルキニル基、置換基を有していてもよいアリール基、または置換基を有していてもよい複素環基を表す。)
で表されるボレートアニオンである、[1]に記載の粘着剤組成物。
[3] 前記イオン性化合物(C)において、アニオンがテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートアニオンである、[1]に記載の粘着剤組成物。
[4] 前記イオン性化合物(C)において、アニオンがテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートアニオンであり、かつカチオンが炭素数4以上のアルキル基を有するホスホニウムカチオンである、[1]に記載の粘着剤組成物。
[5] 前記架橋剤(B)は芳香族系イソシアネート化合物を含む、[1]~[4]のいずれかに記載の粘着剤組成物。
[6] シラン化合物(D)をさらに含む、[1]~[5]のいずれかに記載の粘着剤組成物。
[7] [1]~[6]のいずれかに記載の粘着剤組成物から形成された粘着剤層。
[8] [7]に記載の粘着剤層と偏光板とが積層された粘着剤層付偏光板。
[9] [8]に記載の粘着剤層付偏光板を含む表示装置。
[1] (メタ)アクリル系樹脂(A)と、架橋剤(B)と、イオン性化合物(C)とを含有し、
前記イオン性化合物(C)は、下記式(I):
(式中、R1~R8は互いに独立して、水素原子、ハロゲン原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルケニル基、置換基を有していてもよいアルキニル基、置換基を有していてもよいアリール基、または置換基を有していてもよい複素環基を表す。)
で表される化合物である、粘着剤組成物。
[2] 前記イオン性化合物(C)において、アニオンが、下記式(II):
(式中、R9~R13は互いに独立して水素原子、ハロゲン原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルケニル基、置換基を有していてもよいアルキニル基、置換基を有していてもよいアリール基、または置換基を有していてもよい複素環基を表す。)
で表されるボレートアニオンである、[1]に記載の粘着剤組成物。
[3] 前記イオン性化合物(C)において、アニオンがテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートアニオンである、[1]に記載の粘着剤組成物。
[4] 前記イオン性化合物(C)において、アニオンがテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートアニオンであり、かつカチオンが炭素数4以上のアルキル基を有するホスホニウムカチオンである、[1]に記載の粘着剤組成物。
[5] 前記架橋剤(B)は芳香族系イソシアネート化合物を含む、[1]~[4]のいずれかに記載の粘着剤組成物。
[6] シラン化合物(D)をさらに含む、[1]~[5]のいずれかに記載の粘着剤組成物。
[7] [1]~[6]のいずれかに記載の粘着剤組成物から形成された粘着剤層。
[8] [7]に記載の粘着剤層と偏光板とが積層された粘着剤層付偏光板。
[9] [8]に記載の粘着剤層付偏光板を含む表示装置。
本発明によれば、保管環境によらず帯電防止性能の変化が小さく、過酷な環境下においても良好な耐金属腐食性を示す粘着剤層を形成可能な粘着剤組成物を提供することができる。
以下、本発明の実施形態を説明するが、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。また、全ての図面においては、各構成要素を理解し易くするために縮尺を適宜調整して示しており、図面に示される各構成要素の縮尺と実際の構成要素の縮尺とは必ずしも一致しない。
<粘着剤組成物>
本発明に係る粘着剤組成物は、(メタ)アクリル系樹脂(A)と、架橋剤(B)と、イオン性化合物(C)とを含有し、イオン性化合物(C)は、下記式(I):
(式中、R1~R8は互いに独立して、水素原子、ハロゲン原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルケニル基、置換基を有していてもよいアルキニル基、置換基を有していてもよいアリール基、または置換基を有していてもよい複素環基を表す。)
で表される化合物である。粘着剤組成物は、さらに他の成分を含有していてもよい。本明細書において「(メタ)アクリル」は、アクリルおよびメタクリルからなる群より選択される少なくとも一方を意味する。「(メタ)アクリレート」は、アクリレートおよびメタクリレートからなる群より選択される少なくとも一方を意味する。「(メタ)アクリロイル」は、アクリロイルおよびメタアクリロイルからなる群より選択される少なくとも一方を意味する。
本発明に係る粘着剤組成物は、(メタ)アクリル系樹脂(A)と、架橋剤(B)と、イオン性化合物(C)とを含有し、イオン性化合物(C)は、下記式(I):
(式中、R1~R8は互いに独立して、水素原子、ハロゲン原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルケニル基、置換基を有していてもよいアルキニル基、置換基を有していてもよいアリール基、または置換基を有していてもよい複素環基を表す。)
で表される化合物である。粘着剤組成物は、さらに他の成分を含有していてもよい。本明細書において「(メタ)アクリル」は、アクリルおよびメタクリルからなる群より選択される少なくとも一方を意味する。「(メタ)アクリレート」は、アクリレートおよびメタクリレートからなる群より選択される少なくとも一方を意味する。「(メタ)アクリロイル」は、アクリロイルおよびメタアクリロイルからなる群より選択される少なくとも一方を意味する。
(1)(メタ)アクリル系樹脂(A)
(メタ)アクリル系樹脂(A)は、(メタ)アクリル系単量体に由来する構成単位を主成分とする(好ましくは50重量%以上含む)重合体または共重合体である。(メタ)アクリル系単量体の具体例は、アルキル(メタ)アクリレートのような(メタ)アクリロイル基を有する単量体である。(メタ)アクリル系樹脂(A)は、帯電防止性能および耐金属腐食性の観点から好ましくはホモポリマーのガラス転移温度Tgが0℃未満であるアルキルアクリレート(a1)由来の構成単位を含有する樹脂である。アルキルアクリレートのホモポリマーのTgは、例えばPOLYMER HANDBOOK(Wiley-Interscience)などの文献値を採用することができる。
(メタ)アクリル系樹脂(A)は、(メタ)アクリル系単量体に由来する構成単位を主成分とする(好ましくは50重量%以上含む)重合体または共重合体である。(メタ)アクリル系単量体の具体例は、アルキル(メタ)アクリレートのような(メタ)アクリロイル基を有する単量体である。(メタ)アクリル系樹脂(A)は、帯電防止性能および耐金属腐食性の観点から好ましくはホモポリマーのガラス転移温度Tgが0℃未満であるアルキルアクリレート(a1)由来の構成単位を含有する樹脂である。アルキルアクリレートのホモポリマーのTgは、例えばPOLYMER HANDBOOK(Wiley-Interscience)などの文献値を採用することができる。
アルキルアクリレート(a1)の具体例は、エチルアクリレート、n-およびi-プロピルアクリレート、n-およびi-ブチルアクリレート、n-ペンチルアクリレート、n-およびi-へキシルアクリレート、n-ヘプチルアクリレート、n-およびi-オクチルアクリレート、2-エチルへキシルアクリレート、n-およびi-ノニルアクリレート、n-およびi-デシルアクリレート、n-ドデシルアクリレート等のアルキル基の炭素数が2~12程度のアルキルアクリレートを含む。アルキルアクリレート(a1)の他の具体例として、アルキル基の炭素数が2~12程度のアルキルアクリレートにおけるアルキル基に置換基が導入された置換基含有アルキルアクリレートを挙げることもできる。置換基含有アルキルアクリレートの置換基は、アルキル基の水素原子を置換する基であり、その具体例はフェニル基、アルコキシ基、フェノキシ基を含む。置換基含有アルキルアクリレートとして、具体的には、2-メトキシエチルアクリレート、エトキシメチルアクリレート、フェノキシエチルアクリレート、フェノキシジエチレングリコールアクリレート等が挙げられる。アルキルアクリレート(a1)のアルキル基は、脂環式構造を有していてもよいが、好ましくは直鎖状または分岐状のアルキル基である。
アルキルアクリレート(a1)は、1種のみを用いてもよいし2種以上を併用してもよい。中でも、アルキルアクリレート(a1)は、エチルアクリレート、n-ブチルアクリレート、2-エチルヘキシルアクリレートから選択される1種または2種以上を含むことが好ましい。アルキルアクリレート(a1)は、帯電防止性能および耐金属腐食性の観点から好ましくはn-ブチルアクリレートを含む。
(メタ)アクリル系樹脂(A)は、ホモポリマーのTgが0℃以上であるアルキルアクリレート(a2)由来の構成単位をさらに含有することができる。アルキルアクリレート(a2)は、アルキルアクリレート(a1)以外のアルキルアクリレートである。アルキルアクリレート(a2)の具体例は、メチルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、イソボロニルアクリレート、ステアリルアクリレート、t-ブチルアクリレート等を含む。
アルキルアクリレート(a2)は、1種のみを用いてもよいし2種以上を併用してもよい。アルキルアクリレート(a2)は、帯電防止性能および耐金属腐食性の観点から好ましくはメチルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、イソボロニルアクリレート等を含み、より好ましくはメチルアクリレートを含む。
(メタ)アクリル系樹脂(A)におけるアルキルアクリレート(a2)由来の構成単位の含有量は、帯電防止性能および耐金属腐食性の観点から好ましくは(メタ)アクリル系樹脂(A)を構成する全構成単位100質量部中、10質量部以上であり、より好ましくは15質量部以上であり、さらに好ましくは20質量部以上であり、特に好ましくは25質量部以上である。またアルキルアクリレート(a2)由来の構成単位の含有量は、帯電防止性能および耐金属腐食性の観点から好ましくは70質量部以下であり、より好ましくは60質量部以下であり、さらに好ましくは50質量部以下である。
(メタ)アクリル系樹脂(A)は、アルキルアクリレート(a1)および(a2)以外の他の単量体に由来する構成単位を含有することができる。(メタ)アクリル系樹脂(A)は、当該他の単量体に由来する構成単位を1種のみ含んでいてもよいし2種以上含んでいてもよい。他の単量体の具体例を以下に示す。
1)極性官能基を有する単量体。
極性官能基を有する単量体としては、ヒドロキシ基、カルボキシル基、置換もしくは無置換アミノ基、エポキシ基等の複素環基などの置換基を有する(メタ)アクリレートが挙げられる。具体的には、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、3-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2-(2-ヒドロキシエトキシ)エチル(メタ)アクリレート、2-クロロ-2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3-クロロ-2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート等のヒドロキシ基を有する単量体;アクリロイルモルホリン、ビニルカプロラクタム、N-ビニル-2-ピロリドン、ビニルピリジン、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性テトラヒドロフルフリルアクリレート、3,4-エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、2,5-ジヒドロフラン等の複素環基を有する単量体;アミノエチル(メタ)アクリレート、N,N-ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート等の置換もしくは無置換アミノ基を有する単量体;(メタ)アクリル酸、カルボキシエチル(メタ)アクリレート等のカルボキシル基を有する単量体が挙げられる。中でも、ヒドロキシ基を有する単量体が好ましく、(メタ)アクリル系樹脂(A)と架橋剤との反応性の点で、ヒドロキシ基を有する(メタ)アクリレートがより好ましい。
極性官能基を有する単量体としては、ヒドロキシ基、カルボキシル基、置換もしくは無置換アミノ基、エポキシ基等の複素環基などの置換基を有する(メタ)アクリレートが挙げられる。具体的には、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、3-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2-(2-ヒドロキシエトキシ)エチル(メタ)アクリレート、2-クロロ-2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3-クロロ-2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート等のヒドロキシ基を有する単量体;アクリロイルモルホリン、ビニルカプロラクタム、N-ビニル-2-ピロリドン、ビニルピリジン、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性テトラヒドロフルフリルアクリレート、3,4-エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、2,5-ジヒドロフラン等の複素環基を有する単量体;アミノエチル(メタ)アクリレート、N,N-ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート等の置換もしくは無置換アミノ基を有する単量体;(メタ)アクリル酸、カルボキシエチル(メタ)アクリレート等のカルボキシル基を有する単量体が挙げられる。中でも、ヒドロキシ基を有する単量体が好ましく、(メタ)アクリル系樹脂(A)と架橋剤との反応性の点で、ヒドロキシ基を有する(メタ)アクリレートがより好ましい。
ヒドロキシ基を有する(メタ)アクリレートと合わせて上記のその他の極性官能基を有する単量体を含んでいてもよいが、粘着剤層の外面に積層することができるセパレートフィルムの剥離力亢進を防ぐ観点から、アミノ基を有する単量体を実質的に含まないことが好ましい。また、ITOに対する耐腐食性を高める観点から、カルボキシル基を有する単量体を実質的に含まないことが好ましい。ここで実質的に含まないとは、(メタ)アクリル系樹脂(A)を構成する全構成単位100質量部中、1.0質量部以下であることをいう。
2)アクリルアミド系単量体。
例えば、N-メチロールアクリルアミド、N-(2-ヒドロキシエチル)アクリルアミド、N-(3-ヒドロキシプロピル)アクリルアミド、N-(4-ヒドロキシブチル)アクリルアミド、N-(5-ヒドロキシペンチル)アクリルアミド、N-(6-ヒドロキシヘキシル)アクリルアミド、N,N-ジメチルアクリルアミド、N,N-ジエチルアクリルアミド、N-イソプロピルアクリルアミド、N-(3-ジメチルアミノプロピル)アクリルアミド、N-(1,1-ジメチル-3-オキソブチル)アクリルアミド、N-〔2-(2-オキソ-1-イミダゾリジニル)エチル〕アクリルアミド、2-アクリロイルアミノ-2-メチル-1-プロパンスルホン酸、N-(メトキシメチル)アクリルアミド、N-(エトキシメチル)アクリルアミド、N-(プロポキシメチル)アクリルアミド、N-(1-メチルエトキシメチル)アクリルアミド、N-(1-メチルプロポキシメチル)アクリルアミド、N-(2-メチルプロポキシメチル)アクリルアミド〔別名:N-(イソブトキシメチル)アクリルアミド〕、N-(ブトキシメチル)アクリルアミド、N-(1,1-ジメチルエトキシメチル)アクリルアミド、N-(2-メトキシエチル)アクリルアミド、N-(2-エトキシエチル)アクリルアミド、N-(2-プロポキシエチル)アクリルアミド、N-〔2-(1-メチルエトキシ)エチル〕アクリルアミド、N-〔2-(1-メチルプロポキシ)エチル〕アクリルアミド、N-〔2-(2-メチルプロポキシ)エチル〕アクリルアミド〔別名:N-(2-イソブトキシエチル)アクリルアミド〕、N-(2-ブトキシエチル)アクリルアミド、N-〔2-(1,1-ジメチルエトキシ)エチル〕アクリルアミドなど。中でも、N-(メトキシメチル)アクリルアミド、N-(エトキシメチル)アクリルアミド、N-(プロポキシメチル)アクリルアミド、N-(ブトキシメチル)アクリルアミド、N-(2-メチルプロポキシメチル)アクリルアミドが好ましく用いられる。
例えば、N-メチロールアクリルアミド、N-(2-ヒドロキシエチル)アクリルアミド、N-(3-ヒドロキシプロピル)アクリルアミド、N-(4-ヒドロキシブチル)アクリルアミド、N-(5-ヒドロキシペンチル)アクリルアミド、N-(6-ヒドロキシヘキシル)アクリルアミド、N,N-ジメチルアクリルアミド、N,N-ジエチルアクリルアミド、N-イソプロピルアクリルアミド、N-(3-ジメチルアミノプロピル)アクリルアミド、N-(1,1-ジメチル-3-オキソブチル)アクリルアミド、N-〔2-(2-オキソ-1-イミダゾリジニル)エチル〕アクリルアミド、2-アクリロイルアミノ-2-メチル-1-プロパンスルホン酸、N-(メトキシメチル)アクリルアミド、N-(エトキシメチル)アクリルアミド、N-(プロポキシメチル)アクリルアミド、N-(1-メチルエトキシメチル)アクリルアミド、N-(1-メチルプロポキシメチル)アクリルアミド、N-(2-メチルプロポキシメチル)アクリルアミド〔別名:N-(イソブトキシメチル)アクリルアミド〕、N-(ブトキシメチル)アクリルアミド、N-(1,1-ジメチルエトキシメチル)アクリルアミド、N-(2-メトキシエチル)アクリルアミド、N-(2-エトキシエチル)アクリルアミド、N-(2-プロポキシエチル)アクリルアミド、N-〔2-(1-メチルエトキシ)エチル〕アクリルアミド、N-〔2-(1-メチルプロポキシ)エチル〕アクリルアミド、N-〔2-(2-メチルプロポキシ)エチル〕アクリルアミド〔別名:N-(2-イソブトキシエチル)アクリルアミド〕、N-(2-ブトキシエチル)アクリルアミド、N-〔2-(1,1-ジメチルエトキシ)エチル〕アクリルアミドなど。中でも、N-(メトキシメチル)アクリルアミド、N-(エトキシメチル)アクリルアミド、N-(プロポキシメチル)アクリルアミド、N-(ブトキシメチル)アクリルアミド、N-(2-メチルプロポキシメチル)アクリルアミドが好ましく用いられる。
3)メタクリレート、すなわちメタクリル酸エステル。
例えば、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、プロピルメタクリレート、n-ブチルメタクリレート、n-オクチルメタクリレート、ラウリルメタクリレート等のメタクリル酸の直鎖状アルキルエステル;イソブチルメタクリレート、2-エチルヘキシルメタクリレート、i-オクチルメタクリレート等のメタクリル酸の分枝状アルキルエステル;イソボルニルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、ジシクロペンタニルメタクリレート、シクロドデシルメタクリレート、メチルシクロヘキシルメタクリレート、トリメチルシクロヘキシルメタクリレート、t-ブチルシクロヘキシルメタクリレート、シクロヘキシルフェニルメタクリレート等のメタクリル酸の脂環式アルキルエステル;2-メトキシエチルメタクリレート、エトキシメチルメタクリレート等のメタクリル酸のアルコキシアルキルエステル;ベンジルメタクリレート等のメタクリル酸アラルキルエステル;2-ヒドロキシエチルメタクリレート、3-ヒドロキシプロピルメタクリレート、4-ヒドロキシブチルメタクリレート、2-(2-ヒドロキシエトキシ)エチルメタクリレート、2-クロロ-2-ヒドロキシプロピルメタクリレート、3-クロロ-2-ヒドロキシプロピルメタクリレート、ジエチレングリコールモノメタクリレート等のヒドロキシル基を有するメタクリル酸のアルキルエステル;アミノエチルメタクリレート、N,N-ジメチルアミノエチルメタクリレート、ジメチルアミノプロピルメタクリレート等の置換もしくは無置換アミノ基を有するメタクリル酸のアルキルエステル;2-フェノキシエチルメタクリレート、2-(2-フェノキシエトキシ)エチルメタクリレート、(メタ)アクリル酸のエチレンオキサイド変性ノニルフェノールエステル、2-(o-フェニルフェノキシ)エチルメタクリレート等のフェノキシエチル基を有するメタクリル酸のエステルなど。
例えば、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、プロピルメタクリレート、n-ブチルメタクリレート、n-オクチルメタクリレート、ラウリルメタクリレート等のメタクリル酸の直鎖状アルキルエステル;イソブチルメタクリレート、2-エチルヘキシルメタクリレート、i-オクチルメタクリレート等のメタクリル酸の分枝状アルキルエステル;イソボルニルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、ジシクロペンタニルメタクリレート、シクロドデシルメタクリレート、メチルシクロヘキシルメタクリレート、トリメチルシクロヘキシルメタクリレート、t-ブチルシクロヘキシルメタクリレート、シクロヘキシルフェニルメタクリレート等のメタクリル酸の脂環式アルキルエステル;2-メトキシエチルメタクリレート、エトキシメチルメタクリレート等のメタクリル酸のアルコキシアルキルエステル;ベンジルメタクリレート等のメタクリル酸アラルキルエステル;2-ヒドロキシエチルメタクリレート、3-ヒドロキシプロピルメタクリレート、4-ヒドロキシブチルメタクリレート、2-(2-ヒドロキシエトキシ)エチルメタクリレート、2-クロロ-2-ヒドロキシプロピルメタクリレート、3-クロロ-2-ヒドロキシプロピルメタクリレート、ジエチレングリコールモノメタクリレート等のヒドロキシル基を有するメタクリル酸のアルキルエステル;アミノエチルメタクリレート、N,N-ジメチルアミノエチルメタクリレート、ジメチルアミノプロピルメタクリレート等の置換もしくは無置換アミノ基を有するメタクリル酸のアルキルエステル;2-フェノキシエチルメタクリレート、2-(2-フェノキシエトキシ)エチルメタクリレート、(メタ)アクリル酸のエチレンオキサイド変性ノニルフェノールエステル、2-(o-フェニルフェノキシ)エチルメタクリレート等のフェノキシエチル基を有するメタクリル酸のエステルなど。
4)メタクリルアミド系単量体。
例えば、上記1)に記載のアクリルアミド系単量体に対応するメタクリルアミド系単量体。
例えば、上記1)に記載のアクリルアミド系単量体に対応するメタクリルアミド系単量体。
5)スチレン系単量体。
例えば、スチレン;メチルスチレン、ジメチルスチレン、トリメチルスチレン、エチルスチレン、ジエチルスチレン、トリエチルスチレン、プロピルスチレン、ブチルスチレン、ヘキシルスチレン、ヘプチルスチレン、オクチルスチレン等のアルキルスチレン;フルオロスチレン、クロロスチレン、ブロモスチレン、ジブロモスチレン、ヨードスチレン等のハロゲン化スチレン;ニトロスチレン;アセチルスチレン;メトキシスチレン;ジビニルベンゼンなど。
例えば、スチレン;メチルスチレン、ジメチルスチレン、トリメチルスチレン、エチルスチレン、ジエチルスチレン、トリエチルスチレン、プロピルスチレン、ブチルスチレン、ヘキシルスチレン、ヘプチルスチレン、オクチルスチレン等のアルキルスチレン;フルオロスチレン、クロロスチレン、ブロモスチレン、ジブロモスチレン、ヨードスチレン等のハロゲン化スチレン;ニトロスチレン;アセチルスチレン;メトキシスチレン;ジビニルベンゼンなど。
6)ビニル系単量体。
例えば、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、2-エチルヘキサン酸ビニル、ラウリン酸ビニル等の脂肪酸ビニルエステル;塩化ビニル、臭化ビニル等のハロゲン化ビニル;塩化ビニリデン等のハロゲン化ビニリデン;ビニルピリジン、ビニルピロリドン、ビニルカルバゾール等の含窒素芳香族ビニル;ブタジエン、イソプレン、クロロプレン等の共役ジエン単量体;アクリロニトリル、メタクリロニトリル等の不飽和ニトリルなど。
例えば、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、2-エチルヘキサン酸ビニル、ラウリン酸ビニル等の脂肪酸ビニルエステル;塩化ビニル、臭化ビニル等のハロゲン化ビニル;塩化ビニリデン等のハロゲン化ビニリデン;ビニルピリジン、ビニルピロリドン、ビニルカルバゾール等の含窒素芳香族ビニル;ブタジエン、イソプレン、クロロプレン等の共役ジエン単量体;アクリロニトリル、メタクリロニトリル等の不飽和ニトリルなど。
7)分子内に複数の(メタ)アクリロイル基を有する単量体。
例えば、1,4-ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9-ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート等の分子内に2個の(メタ)アクリロイル基を有する単量体;トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート等の分子内に3個の(メタ)アクリロイル基を有する単量体など。
例えば、1,4-ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9-ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート等の分子内に2個の(メタ)アクリロイル基を有する単量体;トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート等の分子内に3個の(メタ)アクリロイル基を有する単量体など。
上述のように、(メタ)アクリル系樹脂(A)は、帯電防止性能および耐金属腐食性の観点から好ましくはアルキル(メタ)アクリレートに由来する構成単位に加えて、極性官能基を有する単量体に由来する構成単位を含むことが好ましい。極性官能基を有する単量体は、極性官能基を有する(メタ)アクリレート系単量体であることが好ましく、ヒドロキシル基を有する単量体であることがより好ましい。極性官能基を有する単量体に由来する構成単位の含有量は、(メタ)アクリル系樹脂(A)を構成する全構成単位100質量部中、好ましくは0.1質量部以上10質量部以下であり、より好ましくは0.25質量部以上5質量部以下であり、さらに好ましくは0.5質量部以上5質量部以下である。
また、(メタ)アクリル系樹脂(A)は、メタクリレート(メタクリル酸エステル)、メタクリルアミド系単量体等のメタクリル系単量体に由来する構成単位の含有量が小さいことが好ましく、具体的には、当該構成単位の含有量は、(メタ)アクリル系樹脂(A)を構成する全構成単位100質量部中、好ましくは10質量部以下であり、より好ましくは5質量部以下であり、当該構成単位を実質的に含有しない(0.1質量部以下である)ことがさらに好ましい。
(メタ)アクリル系樹脂(A)は、GPCによる標準ポリスチレン換算のMwが帯電防止性能および耐金属腐食性の観点から好ましくは50万~250万であり、より好ましくは60万~200万である。重量平均分子量Mwと数平均分子量Mnとの比Mw/Mnで表される分子量分布は、通常2~10である。(メタ)アクリル系樹脂(A)のMwおよびMnは、実施例の項に記載のGPC測定条件に従って求められる。
(メタ)アクリル系樹脂(A)は、酢酸エチルに溶解させて濃度20重量%の溶液としたとき、25℃における粘度が、20Pa・s以下であることが好ましく、0.1Pa・s以上7Pa・s以下であることがより好ましい。上記粘度は、ブルックフィールド粘度計によって測定できる。
(メタ)アクリル系樹脂(A)は、示差走査熱量計(DSC)により測定されるガラス転移温度Tgが-60℃以上-10℃以下であることが好ましく、-55℃以上-15℃以下であることがより好ましい。
粘着剤組成物は、(メタ)アクリル系樹脂(A)に属する(メタ)アクリル系樹脂を2種以上含有していてもよい。また粘着剤組成物は、(メタ)アクリル系樹脂(A)とは異なる他の(メタ)アクリル系樹脂を含有していてもよい。ただし、(メタ)アクリル系樹脂(A)の含有量は、帯電防止性能および耐金属腐食性の観点から好ましくはすべての(メタ)アクリル系樹脂の合計中、70重量%以上であり、より好ましくは80重量%以上であり、さらに好ましくは90重量%以上であり、粘着剤組成物は、ベースポリマーとして(メタ)アクリル系樹脂(A)のみを含有することが特に好ましい。
(メタ)アクリル系樹脂(A)や必要に応じて併用できる他の(メタ)アクリル系樹脂は、例えば、溶液重合法、塊状重合法、懸濁重合法、乳化重合法などの公知の方法によって製造することができる。(メタ)アクリル系樹脂の製造においては通常、重合開始剤が用いられる。重合開始剤は、(メタ)アクリル系樹脂の製造に用いられる全ての単量体の合計100質量部に対して、0.001質量部以上5質量部以下の量で使用される。また、(メタ)アクリル系樹脂は、例えば紫外線等の活性エネルギー線によって重合を進行させる方法により製造してもよい。
重合開始剤としては、熱重合開始剤や光重合開始剤等が用いられる。光重合開始剤として、例えば、4-(2-ヒドロキシエトキシ)フェニル(2-ヒドロキシ-2-プロピル)ケトン等を挙げることができる。熱重合開始剤として、例えば、2,2’-アゾビスイソブチロニトリル、2,2’-アゾビス(2-メチルブチロニトリル)、1,1’-アゾビス(シクロヘキサン-1-カルボニトリル)、2,2’-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)、2,2’-アゾビス(2,4-ジメチル-4-メトキシバレロニトリル)、ジメチル-2,2’-アゾビス(2-メチルプロピオネート)、2,2’-アゾビス(2-ヒドロキシメチルプロピオニトリル)のようなアゾ系化合物;ラウリルパーオキサイド、t-ブチルハイドロパーオキサイド、過酸化ベンゾイル、t-ブチルパーオキシベンゾエート、クメンハイドロパーオキサイド、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジプロピルパーオキシジカーボネート、t-ブチルパーオキシネオデカノエート、t-ブチルパーオキシピバレート、(3,5,5-トリメチルヘキサノイル)パーオキサイドのような有機過酸化物;過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、過酸化水素のような無機過酸化物等を挙げることができる。また、過酸化物と還元剤を併用したレドックス系開始剤等も、重合開始剤として使用し得る。
(メタ)アクリル系樹脂の製造方法としては、上に示した方法の中でも溶液重合法が好ましい。溶液重合法の一例は、用いる単量体および有機溶媒を混合し、窒素雰囲気下、熱重合開始剤を添加して、40~90℃程度、好ましくは50~80℃程度にて3~15時間程度攪拌することである。反応を制御するために、単量体や熱重合開始剤を重合中に連続的または間歇的に添加したり、有機溶媒に溶解した状態で添加したりしてもよい。有機溶媒としては、例えば、トルエン、キシレンのような芳香族炭化水素類;酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類;プロピルアルコール、イソプロピルアルコール等の脂肪族アルコール類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類などを用いることができる。
(2)架橋剤(B)
粘着剤組成物は、架橋剤(B)をさらに含有する。架橋剤(B)は、(メタ)アクリル系樹脂(A)中の特に極性官能基を有する単量体に由来する構造単位と反応し、(メタ)アクリル系樹脂(A)を架橋させる化合物であることができる。具体的には、イソシアネート系化合物、エポキシ系化合物、アジリジン系化合物、金属キレート系化合物等が例示される。これらのうち、イソシアネート系化合物、エポキシ系化合物およびアジリジン系化合物は、(メタ)アクリル樹脂中の極性官能基と反応しうる官能基を分子内に少なくとも2個有する。架橋剤(B)は、1種のみを単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
粘着剤組成物は、架橋剤(B)をさらに含有する。架橋剤(B)は、(メタ)アクリル系樹脂(A)中の特に極性官能基を有する単量体に由来する構造単位と反応し、(メタ)アクリル系樹脂(A)を架橋させる化合物であることができる。具体的には、イソシアネート系化合物、エポキシ系化合物、アジリジン系化合物、金属キレート系化合物等が例示される。これらのうち、イソシアネート系化合物、エポキシ系化合物およびアジリジン系化合物は、(メタ)アクリル樹脂中の極性官能基と反応しうる官能基を分子内に少なくとも2個有する。架橋剤(B)は、1種のみを単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
イソシアネート系化合物は、分子内に少なくとも2個のイソシアナト基(-NCO)を有する化合物であり、具体的には、トリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、水添キシリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、水添ジフェニルメタンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネートなどが挙げられる。またイソシアネート系化合物は、これらイソシアネート化合物の多価アルコール化合物アダクト体(例えばグリセロールやトリメチロールプロパンのアダクト体)、イソシアヌレート化物、ビュレット型化合物、さらにはポリエーテルポリオールやポリエステルポリオール、アクリルポリオール、ポリブタジエンポリオール、ポリイソプレンポリオール等と付加反応させたウレタンプレポリマー型のイソシアネート化合物などの誘導体であってもよい。上記の中でも、帯電防止性能および耐金属腐食性の観点から好ましくはトリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネートまたはそれらのイソシアネート化合物の多価アルコール化合物アダクト体であり、より好ましくはトリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネートまたはそれらの多価アルコール化合物アダクト体であり、特に好ましくはトリレンジイソシアネートまたはその多価アルコール化合物アダクト体である。
エポキシ系化合物は、分子内に少なくとも2個のエポキシ基を有する化合物である。具体的な化合物としては、例えば、ビスフェノールA型のエポキシ樹脂、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、グリセリンジグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテル、1,6-ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、N,N-ジグリシジルアニリン、N,N,N’,N’-テトラグリシジル-m-キシレンジアミン、1,3-ビス(N,N’-ジグリシジルアミノメチル)シクロヘキサン等が挙げられる。2種以上のエポキシ系化合物を混合して用いることもできる。
アジリジン系化合物は、エチレンイミンとも呼ばれる1個の窒素原子と2個の炭素原子とからなる3員環の骨格を分子内に少なくとも2個有する化合物である。具体的な化合物として、例えば、ジフェニルメタン-4,4’-ビス(1-アジリジンカルボキサミド)、トルエン-2,4-ビス(1-アジリジンカルボキサミド)、トリエチレンメラミン、イソフタロイルビス-1-(2-メチルアジリジン)、トリス-1-アジリジニルホスフィンオキサイド、ヘキサメチレン-1,6-ビス(1-アジリジンカルボキサミド)、トリメチロールプロパン-トリス-β-アジリジニルプロピオネート、テトラメチロールメタン-トリス-β-アジリジニルプロピオネート等が挙げられる。
金属キレート化合物としては、例えば、アルミニウム、鉄、銅、亜鉛、スズ、チタン、ニッケル、アンチモン、マグネシウム、バナジウム、クロムおよびジルコニウム等の多価金属に、アセチルアセトンやアセト酢酸エチルが配位した化合物等が挙げられる。
中でも好ましくはイソシアネート系化合物であり、より好ましくは芳香族イソシアネート系化合物、例えばトリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、水添キシリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、水添ジフェニルメタンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネート等およびその多価アルコール化合物(例えば、グリセロール、トリメチロールプロパン等)による付加体(アダクト体)である。
架橋剤(B)の含有量は、(メタ)アクリル系樹脂(A)(2種以上用いる場合はそれらの合計)の固形分100質量部に対し、帯電防止性能および耐金属腐食性の観点から好ましくは0.2質量部以上5.0質量部以下、より好ましくは0.5質量部以上2.0質量部以下である。
(3)イオン性化合物(C)
粘着剤組成物は、イオン性化合物(C)を含有する。イオン性化合物(C)は、上記式(I)で表されるイオン性化合物である。イオン性化合物(C)を用いることにより、粘着剤層に帯電防止性能を付与することができるだけでなく、優れた耐金属腐食性を付与することができる。粘着剤組成物は、イオン性化合物(C)を1種または2種以上含有することができる。
粘着剤組成物は、イオン性化合物(C)を含有する。イオン性化合物(C)は、上記式(I)で表されるイオン性化合物である。イオン性化合物(C)を用いることにより、粘着剤層に帯電防止性能を付与することができるだけでなく、優れた耐金属腐食性を付与することができる。粘着剤組成物は、イオン性化合物(C)を1種または2種以上含有することができる。
上記式(I)中、R1~R8は互いに独立して、水素原子、ハロゲン原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルケニル基、置換基を有していてもよいアルキニル基、置換基を有していてもよいアリール基、または置換基を有していてもよい複素環基を表す。R5~R8は、隣り合う置換基同士で環を形成していてもよい。隣り合う置換基同士で環を形成する場合とは、1)R5~R8のうちの隣り合う2つの置換基とP原子とが一緒になって環構造を形成する場合、2)R5~R8のうちの3つの置換基とP原子とが一緒になって、P原子が関与する不飽和結合を含む不飽和環構造(芳香環構造を含む。)を形成する場合を含む。また、R1~R4は、隣り合う置換基同士で環を形成していてもよい。隣り合う置換基同士で環を形成する場合とは、R1~R4のうちの隣り合う2つの置換基とB原子とが一緒になって環構造を形成することをいう。
ハロゲン原子としては、例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられる。
置換基を有してもよいアルキル基としては、炭素数1~30のアルキル基が好ましく、その具体例は、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基、オクタデシル基、イソプロピル基、イソブチル基、sec-ブチル基、t-ブチル基、1-エチルペンチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、トリフルオロメチル基、2-エチルヘキシル基、フェナシル基、1-ナフトイルメチル基、2-ナフトイルメチル基、4-メチルスルファニルフェナシル基、4-フェニルスルファニルフェナシル基、4-ジメチルアミノフェナシル基、4-シアノフェナシル基4-メチルフェナシル基、2-メチルフェナシル基、3-フルオロフェナシル基、3-トリフルオロメチルフェナシル基、3-ニトロフェナシル基を含む。
置換基を有してもよいアルケニル基としては、炭素数2~10のアルケニル基が好ましく、その具体例は、例えば、ビニル基、アリル基、スチリル基を含む。置換基を有してもよいアルキニル基としては、炭素数2~10のアルキニル基が好ましく、その具体例は、例えば、エチニル基、プロピニル基、プロパルギル基を含む。
置換基を有してもよいアリール基としては、炭素数6~30のアリール基が好ましく、その具体例は、例えば、フェニル基、ビフェニル基、1-ナフチル基、2-ナフチル基、9-アンスリル基、9-フェナントリル基、1-ピレニル基、5-ナフタセニル基、1-インデニル基、2-アズレニル基、9-フルオレニル基、ターフェニル基、クオーターフェニル基、o-、m-、およびp-トリル基、キシリル基、o-、m-、およびp-クメニル基、メシチル基、ペンタレニル基、ビナフタレニル基、ターナフタレニル基、クオーターナフタレニル基、ヘプタレニル基、ビフェニレニル基、インダセニル基、フルオランテニル基、アセナフチレニル基、アセアントリレニル基、フェナレニル基、フルオレニル基、アントリル基、ビアントラセニル基、ターアントラセニル基、クオーターアントラセニル基、アントラキノリル基、フェナントリル基、トリフェニレニル基、ピレニル基、クリセニル基、ナフタセニル基、プレイアデニル基、ピセニル基、ペリレニル基、ペンタフェニル基、ペンタセニル基、テトラフェニレニル基、ヘキサフェニル基、ヘキサセニル基、ルビセニル基、コロネニル基、トリナフチレニル基、ヘプタフェニル基、ヘプタセニル基、ピラントレニル基、オバレニル基を含む。
置換基を有してもよい複素環基としては、窒素原子、酸素原子、硫黄原子、リン原子を含む芳香族または脂肪族の複素環が好ましく、その具体例は、例えば、チエニル基、ベンゾ[b]チエニル基、ナフト[2,3-b]チエニル基、チアントレニル基、フリル基、ピラニル基、イソベンゾフラニル基、クロメニル基、キサンテニル基、フェノキサチイニル基、2H-ピロリル基、ピロリル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、ピリジル基、ピラジニル基、ピリミジニル基、ピリダジニル基、インドリジニル基、イソインドリル基、3H-インドリル基、インドリル基、1H-インダゾリル基、プリニル基、4H-キノリジニル基、イソキノリル基、キノリル基、フタラジニル基、ナフチリジニル基、キノキサニリル基、キナゾリニル基、シンノリニル基、プテリジニル基、4aH-カルバゾリル基、カルバゾリル基、β-カルボリニル基、フェナントリジニル基、アクリジニル基、ペリミジニル基、フェナントロリニル基、フェナジニル基、フェナルサジニル基、イソチアゾリル基、フェノチアジニル基、イソキサゾリル基、フラザニル基、フェノキサジニル基、イソクロマニル基、クロマニル基、ピロリジニル基、ピロリニル基、イミダゾリジニル基、イミダゾリニル基、ピラゾリジニル基、ピラゾリニル基、ピペリジル基、ピペラジニル基、インドリニル基、イソインドリニル基、キヌクリジニル基、モルホリニル基、チオキサントリル基を含む。
上記置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアルケニル基、置換基を有してもよいアルキニル基、置換基を有してもよいアリール基、および置換基を有してもよい複素環基の水素原子を置換し得る置換基の具体例は、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子;メトキシ基、エトキシ基、t-ブトキシ基等のアルコキシ基;フェノキシ基、p-トリルオキシ基等のアリールオキシ基、メトキシカルボニル基、ブトキシカルボニル基、フェノキシカルボニル基、ビニルオキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基等のアルコキシカルボニル基;アセトキシ基、プロピオニルオキシ基、ベンゾイルオキシ基等のアシルオキシ基;アセチル基、ベンゾイル基、イソブチリル基、アクリロイル基、メタクリロイル基、メトキサリル基等のアシル基;メチルスルファニル基、t-ブチルスルファニル基等のアルキルスルファニル基;フェニルスルファニル基、p-トリルスルファニル基等のアリールスルファニル基;メチルアミノ基、シクロヘキシルアミノ基等のアルキルアミノ基;ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、モルホリノ基、ピペリジノ基等のジアルキルアミノ基;フェニルアミノ基、p-トリルアミノ基等のアリールアミノ基;メチル基、エチル基、t-ブチル基、ドデシル基等のアルキル基;フェニル基、p-トリル基、キシリル基、クメニル基、ナフチル基、アンスリル基、フェナントリル基等のアリール基;ヒドロキシル基、カルボキシル基、スルホンアミド基、ホルミル基、メルカプト基、スルホ基、メシル基、p-トルエンスルホニル基、アミノ基、ニトロ基、ニトロソ基、シアノ基、トリフルオロメチル基、トリクロロメチル基、トリメチルシリル基、ホスフィニコ基、ホスホノ基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、トリアルキルアンモニウム基、ジメチルスルホニウミル基、トリフェニルフェナシルホスホニウミル基を含む。
上記の置換基のうち、好ましい置換基は電子求引性の置換基である。電子求引性の置換基で置換することにより、一般的にイオン性化合物が解離しやすくなり帯電防止能が高まり得る。電子求引性の置換基の具体例は、ハロゲン原子、シアノ基、カルボキシル基、ニトロ基、ニトロソ基、アシル基、アルキルオキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、トリアルキルアンモニウム基、アミド基、ペルフルオロアルキル基、ペルフルオロアルキルチオ基、ペルフルオロアルキルカルボニル基、スルホンアミド基、4-シアノフェニル基を含む。
R1~R4は互いに独立して、好ましくは置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基である。中でも、R1~R4は、置換基を有していてもよいアリール基であることが好ましい。イオン性化合物(C)のアニオンは、下記式(II):
で表されるボレートアニオンであることがより好ましい。上記式(II)中、R9~R13は互いに独立して水素原子、ハロゲン原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルケニル基、置換基を有していてもよいアルキニル基、置換基を有していてもよいアリール基、または置換基を有していてもよい複素環基を表し、隣り合う置換基同士で環を形成していてもよい。
で表されるボレートアニオンであることがより好ましい。上記式(II)中、R9~R13は互いに独立して水素原子、ハロゲン原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルケニル基、置換基を有していてもよいアルキニル基、置換基を有していてもよいアリール基、または置換基を有していてもよい複素環基を表し、隣り合う置換基同士で環を形成していてもよい。
上記置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアルケニル基、置換基を有してもよいアルキニル基、置換基を有してもよいアリール基、および置換基を有してもよい複素環基の水素原子を置換し得る置換基の具体例は、上記式(I)のR1~R8についての具体例と同様であることができる。イオン性化合物(C)の帯電防止性能および耐金属腐食性の観点からから、R9~R13はすべてハロゲン原子であることが好ましく、すべてフッ素原子であることがより好ましい。この場合、上記式(II)で表されるアニオンは、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートアニオンである。
R5~R8は互いに独立して、帯電防止性能および耐金属腐食性の観点から好ましくは置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基であり、より好ましくは置換基を有していてもよいアルキル基である。イオン性化合物(C)のカチオンは、帯電防止性能および耐金属腐食性の観点から好ましくは置換基を有していてもよいアルキル基または置換基を有していてもよいアリール基を有するホスホニウムカチオンであり、より好ましくは炭素数4以上のアルキル基を有するホスホニウムカチオン、さらに好ましくはトリブチル-n-ドデシルホスホニウムカチオン、トリブチル-n-オクチルホスホニウムカチオンである。
イオン性化合物(C)は、帯電防止性能および耐金属腐食性の観点から好ましくはアニオンが上記式(II)で表されるボレートアニオンであり、かつカチオンが炭素数4以上のアルキル基を有するホスホニウムカチオンであり、より好ましくは、アニオンがテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートアニオンであり、かつカチオンが炭素数4以上のアルキル基を有するホスホニウムカチオンであり、さらに好ましくはテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートアニオンとトリブチル-n-ドデシルホスホニウムカチオンとの組合せ、およびテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートアニオンとトリブチル-n-オクチルホスホニウムカチオンとの組合せである。
粘着剤組成物におけるイオン性化合物(C)の含有量は、帯電防止性能および耐金属腐食性の観点から好ましくは(メタ)アクリル系樹脂(A)100質量部に対して0.1質量部以上10質量部以下であり、より好ましくは0.2質量部以上8質量部以下であり、さらに好ましくは0.3質量部以上5質量部以下であり、特に好ましくは0.5質量部以上3質量部以下である。
粘着剤組成物は、上記式(I)で表されるイオン性化合物(C)とともに、これ以外の帯電防止剤を併用し得るが、帯電防止性能および耐金属腐食性の観点から好ましくは帯電防止剤として上記式(I)で表されるイオン性化合物(C)のみを含有することが好ましい。
(4)シラン化合物(D)
粘着剤組成物は、シラン化合物(D)をさらに含有することができる。これにより粘着剤層と金属層やガラス基板等との密着性を高めることができる。2種以上のシラン化合物(D)を使用してもよい。
粘着剤組成物は、シラン化合物(D)をさらに含有することができる。これにより粘着剤層と金属層やガラス基板等との密着性を高めることができる。2種以上のシラン化合物(D)を使用してもよい。
シラン化合物(D)としては、例えば、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(2-メトキシエトキシ)シラン、3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、3-グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルエトキシジメチルシラン、2-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3-クロロプロピルメチルジメトキシシラン、3-クロロプロピルトリメトキシシラン、3-メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。
シラン化合物(D)は、シリコーンオリゴマータイプのものを含むことができる。シリコーンオリゴマーの具体例を、モノマー同士の組み合わせの形で表記すると次のとおりである。
3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン-テトラメトキシシランオリゴマー、
3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン-テトラエトキシシランオリゴマー、
3-メルカプトプロピルトリエトキシシラン-テトラメトキシシランオリゴマー、
3-メルカプトプロピルトリエトキシシラン-テトラエトキシシランオリゴマー
等のメルカプトプロピル基含有オリゴマー;
メルカプトメチルトリメトキシシラン-テトラメトキシシランオリゴマー、
メルカプトメチルトリメトキシシラン-テトラエトキシシランオリゴマー、
メルカプトメチルトリエトキシシラン-テトラメトキシシランオリゴマー、
メルカプトメチルトリエトキシシラン-テトラエトキシシランオリゴマー
等のメルカプトメチル基含有オリゴマー;
3-グリジドキシプロピルトリメトキシシラン-テトラメトキシシランコポリマー、
3-グリジドキシプロピルトリメトキシシラン-テトラエトキシシランコポリマー、
3-グリジドキシプロピルトリエトキシシラン-テトラメトキシシランコポリマー、
3-グリジドキシプロピルトリエトキシシラン-テトラエトキシシランコポリマー、
3-グリジドキシプロピルメチルジメトキシシラン-テトラメトキシシランコポリマー、
3-グリジドキシプロピルメチルジメトキシシラン-テトラエトキシシランコポリマー、
3-グリジドキシプロピルメチルジエトキシシラン-テトラメトキシシランコポリマー、
3-グリジドキシプロピルメチルジエトキシシラン-テトラエトキシシランコポリマー等の3-グリジドキシプロピル基含有のコポリマー;
3-メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン-テトラメトキシシランオリゴマー、
3-メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン-テトラエトキシシランオリゴマー、
3-メタクリロイルオキシプロピルトリエトキシシラン-テトラメトキシシランオリゴマー、
3-メタクリロイルオキシプロピルトリエトキシシラン-テトラエトキシシランオリゴマー、
3-メタクリロイルオキシプロピルメチルジメトキシシラン-テトラメトキシシランオリゴマー、
3-メタクリロイルオキシプロピルメチルジメトキシシラン-テトラエトキシシランオリゴマー、
3-メタクリロイルオキシプロピルメチルジエトキシシラン-テトラメトキシシランオリゴマー、
3-メタクリロイルオキシプロピルメチルジエトキシシラン-テトラエトキシシランオリゴマー
等のメタクリロイルオキシプロピル基含有オリゴマー;
3-アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン-テトラメトキシシランオリゴマー、
3-アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン-テトラエトキシシランオリゴマー、
3-アクリロイルオキシプロピルトリエトキシシラン-テトラメトキシシランオリゴマー、
3-アクリロイルオキシプロピルトリエトキシシラン-テトラエトキシシランオリゴマー、
3-アクリロイルオキシプロピルメチルジメトキシシラン-テトラメトキシシランオリゴマー、
3-アクリロイルオキシプロピルメチルジメトキシシラン-テトラエトキシシランオリゴマー、
3-アクリロイルオキシプロピルメチルジエトキシシラン-テトラメトキシシランオリゴマー、
3-アクリロイルオキシプロピルメチルジエトキシシラン-テトラエトキシシランオリゴマー
等のアクリロイルオキシプロピル基含有オリゴマー;
ビニルトリメトキシシラン-テトラメトキシシランオリゴマー、
ビニルトリメトキシシラン-テトラエトキシシランオリゴマー、
ビニルトリエトキシシラン-テトラメトキシシランオリゴマー、
ビニルトリエトキシシラン-テトラエトキシシランオリゴマー、
ビニルメチルジメトキシシラン-テトラメトキシシランオリゴマー、
ビニルメチルジメトキシシラン-テトラエトキシシランオリゴマー、
ビニルメチルジエトキシシラン-テトラメトキシシランオリゴマー、
ビニルメチルジエトキシシラン-テトラエトキシシランオリゴマー
等のビニル基含有オリゴマー;
3-アミノプロピルトリメトキシシラン-テトラメトキシシランコポリマー、
3-アミノプロピルトリメトキシシラン-テトラエトキシシランコポリマー、
3-アミノプロピルトリエトキシシラン-テトラメトキシシランコポリマー、
3-アミノプロピルトリエトキシシラン-テトラエトキシシランコポリマー、
3-アミノプロピルメチルジメトキシシラン-テトラメトキシシランコポリマー、
3-アミノプロピルメチルジメトキシシラン-テトラエトキシシランコポリマー、
3-アミノプロピルメチルジエトキシシラン-テトラメトキシシランコポリマー、
3-アミノプロピルメチルジエトキシシラン-テトラエトキシシランコポリマー
等のアミノ基含有のコポリマーなど。
3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン-テトラエトキシシランオリゴマー、
3-メルカプトプロピルトリエトキシシラン-テトラメトキシシランオリゴマー、
3-メルカプトプロピルトリエトキシシラン-テトラエトキシシランオリゴマー
等のメルカプトプロピル基含有オリゴマー;
メルカプトメチルトリメトキシシラン-テトラメトキシシランオリゴマー、
メルカプトメチルトリメトキシシラン-テトラエトキシシランオリゴマー、
メルカプトメチルトリエトキシシラン-テトラメトキシシランオリゴマー、
メルカプトメチルトリエトキシシラン-テトラエトキシシランオリゴマー
等のメルカプトメチル基含有オリゴマー;
3-グリジドキシプロピルトリメトキシシラン-テトラメトキシシランコポリマー、
3-グリジドキシプロピルトリメトキシシラン-テトラエトキシシランコポリマー、
3-グリジドキシプロピルトリエトキシシラン-テトラメトキシシランコポリマー、
3-グリジドキシプロピルトリエトキシシラン-テトラエトキシシランコポリマー、
3-グリジドキシプロピルメチルジメトキシシラン-テトラメトキシシランコポリマー、
3-グリジドキシプロピルメチルジメトキシシラン-テトラエトキシシランコポリマー、
3-グリジドキシプロピルメチルジエトキシシラン-テトラメトキシシランコポリマー、
3-グリジドキシプロピルメチルジエトキシシラン-テトラエトキシシランコポリマー等の3-グリジドキシプロピル基含有のコポリマー;
3-メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン-テトラメトキシシランオリゴマー、
3-メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン-テトラエトキシシランオリゴマー、
3-メタクリロイルオキシプロピルトリエトキシシラン-テトラメトキシシランオリゴマー、
3-メタクリロイルオキシプロピルトリエトキシシラン-テトラエトキシシランオリゴマー、
3-メタクリロイルオキシプロピルメチルジメトキシシラン-テトラメトキシシランオリゴマー、
3-メタクリロイルオキシプロピルメチルジメトキシシラン-テトラエトキシシランオリゴマー、
3-メタクリロイルオキシプロピルメチルジエトキシシラン-テトラメトキシシランオリゴマー、
3-メタクリロイルオキシプロピルメチルジエトキシシラン-テトラエトキシシランオリゴマー
等のメタクリロイルオキシプロピル基含有オリゴマー;
3-アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン-テトラメトキシシランオリゴマー、
3-アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン-テトラエトキシシランオリゴマー、
3-アクリロイルオキシプロピルトリエトキシシラン-テトラメトキシシランオリゴマー、
3-アクリロイルオキシプロピルトリエトキシシラン-テトラエトキシシランオリゴマー、
3-アクリロイルオキシプロピルメチルジメトキシシラン-テトラメトキシシランオリゴマー、
3-アクリロイルオキシプロピルメチルジメトキシシラン-テトラエトキシシランオリゴマー、
3-アクリロイルオキシプロピルメチルジエトキシシラン-テトラメトキシシランオリゴマー、
3-アクリロイルオキシプロピルメチルジエトキシシラン-テトラエトキシシランオリゴマー
等のアクリロイルオキシプロピル基含有オリゴマー;
ビニルトリメトキシシラン-テトラメトキシシランオリゴマー、
ビニルトリメトキシシラン-テトラエトキシシランオリゴマー、
ビニルトリエトキシシラン-テトラメトキシシランオリゴマー、
ビニルトリエトキシシラン-テトラエトキシシランオリゴマー、
ビニルメチルジメトキシシラン-テトラメトキシシランオリゴマー、
ビニルメチルジメトキシシラン-テトラエトキシシランオリゴマー、
ビニルメチルジエトキシシラン-テトラメトキシシランオリゴマー、
ビニルメチルジエトキシシラン-テトラエトキシシランオリゴマー
等のビニル基含有オリゴマー;
3-アミノプロピルトリメトキシシラン-テトラメトキシシランコポリマー、
3-アミノプロピルトリメトキシシラン-テトラエトキシシランコポリマー、
3-アミノプロピルトリエトキシシラン-テトラメトキシシランコポリマー、
3-アミノプロピルトリエトキシシラン-テトラエトキシシランコポリマー、
3-アミノプロピルメチルジメトキシシラン-テトラメトキシシランコポリマー、
3-アミノプロピルメチルジメトキシシラン-テトラエトキシシランコポリマー、
3-アミノプロピルメチルジエトキシシラン-テトラメトキシシランコポリマー、
3-アミノプロピルメチルジエトキシシラン-テトラエトキシシランコポリマー
等のアミノ基含有のコポリマーなど。
粘着剤組成物におけるシラン化合物(D)の含有量は、(メタ)アクリル系樹脂(A)100質量部に対して、通常0.01質量部以上10質量部以下であり、好ましくは0.03質量部以上5質量部以下であり、より好ましくは0.05質量部以上2質量部以下であり、さらに好ましくは0.1質量部以上1質量部以下である。シラン化合物(D)の含有量が0.01質量部以上であると、粘着剤層と、金属層やガラス基板等との密着性向上効果が得られやすい。また含有量が10質量部以下であると、粘着剤層からのシラン化合物(D)のブリードアウトを抑制することができる。
(5)その他の成分
粘着剤組成物は、溶剤、架橋触媒、紫外線吸収剤、耐候安定剤、タッキファイヤー、可塑剤、軟化剤、染料、顔料、無機フィラー、光散乱性微粒子等の添加剤を1種または2種以上含有することができる。そのほか、粘着剤組成物に紫外線硬化性化合物を配合し、粘着剤層を形成した後に紫外線を照射して硬化させ、より硬い粘着剤層とすることも有用である。架橋触媒としては、例えば、ヘキサメチレンジアミン、エチレンジアミン、ポリエチレンイミン、ヘキサメチレンテトラミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、イソホロンジアミン、トリメチレンジアミン、ポリアミノ樹脂およびメラミン樹脂等のアミン系化合物を挙げることができる。
粘着剤組成物は、溶剤、架橋触媒、紫外線吸収剤、耐候安定剤、タッキファイヤー、可塑剤、軟化剤、染料、顔料、無機フィラー、光散乱性微粒子等の添加剤を1種または2種以上含有することができる。そのほか、粘着剤組成物に紫外線硬化性化合物を配合し、粘着剤層を形成した後に紫外線を照射して硬化させ、より硬い粘着剤層とすることも有用である。架橋触媒としては、例えば、ヘキサメチレンジアミン、エチレンジアミン、ポリエチレンイミン、ヘキサメチレンテトラミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、イソホロンジアミン、トリメチレンジアミン、ポリアミノ樹脂およびメラミン樹脂等のアミン系化合物を挙げることができる。
粘着剤組成物は、耐金属腐食性を高め得る防錆剤を含有することができる。防錆剤としては、ベンゾトリアゾール系化合物、その他のトリアゾール系化合物等のトリアゾール系化合物;ベンゾチアゾール系化合物、その他のチアゾール系化合物等のチアゾール系化合物;ベンジルイミダゾール系化合物、その他のイミダゾール系化合物等のイミダゾール系化合物;イミダゾリン系化合物;キノリン系化合物;ピリジン系化合物;ピリミジン系化合物;インドール系化合物;アミン系化合物;ウレア系化合物;ナトリウムベンゾエート;ベンジルメルカプト系化合物;ジ-sec-ブチルスルフィド;およびジフェニルスルホキサイドを挙げることができる。
ただし、本発明によれば、防錆剤を含有させずとも十分な耐金属腐食性を得ることができるため、防錆剤の含有量はできるだけ小さいことが好ましい。特に、粘着剤組成物は、防錆剤としてのトリアゾール系化合物を実質的に含まないことが好ましく、上記の化合物群から選択される防錆剤を実質的に含まないことがより好ましい。ここで実質的に含まないとは、(メタ)アクリル系樹脂(A)100質量部に対する含有量が0.01質量部以下であることをいう。
粘着剤組成物は、上記成分を混合することにより調製することができる。
粘着剤組成物は、耐金属腐食性試験において金属層表面の発生した孔食の数が例えば2個以下であってよい。耐金属腐食性試験は後述の実施例の欄において説明する方法に従って行うことができる。
粘着剤組成物は、温度85℃、120時間の耐熱保管後の帯電防止性の変化率が例えば50%以下であってよく、好ましくは45%以下、より好ましくは40%以下である。また、粘着剤組成物は、温度60℃、相対湿度90%、120時間の耐湿熱保管後の帯電防止性の変化率が-10%以上6%以下であってよく、好ましくは-9%以上5%以下、より好ましくは-8%以上1%以下である。温度85℃、120時間の耐熱保管後の帯電防止性の変化率および温度60℃、相対湿度90%、120時間の耐熱保管後の帯電防止性の変化率は後述の実施例の欄において説明する方法に従って測定することができる。
<粘着剤層>
本発明の粘着剤層は、上述の本発明に係る粘着剤組成物を含むものであり、典型的には本発明に係る粘着剤組成物からなる。粘着剤層は、上記粘着剤組成物を構成する各成分を溶剤に溶解または分散して溶剤含有の粘着剤組成物とし、次いで、基材フィルム上に塗布し、乾燥させることによって得ることができる。粘着剤層は、帯電防止性能および耐金属腐食性に優れている。
本発明の粘着剤層は、上述の本発明に係る粘着剤組成物を含むものであり、典型的には本発明に係る粘着剤組成物からなる。粘着剤層は、上記粘着剤組成物を構成する各成分を溶剤に溶解または分散して溶剤含有の粘着剤組成物とし、次いで、基材フィルム上に塗布し、乾燥させることによって得ることができる。粘着剤層は、帯電防止性能および耐金属腐食性に優れている。
基材フィルムは、プラスチックフィルムであるのが一般的であり、その典型的な例として離型処理が施されたセパレートフィルム(剥離フィルム)を挙げることができる。セパレートフィルムは、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリアレート等の各種樹脂からなるフィルムの粘着剤層が形成される面に、シリコーン処理等の離型処理が施されたものであることができる。また、光学フィルムの表面に粘着剤組成物を直接塗布して粘着剤層を形成し、必要に応じて粘着剤層の外面にセパレートフィルムを積層して粘着剤層付光学フィルムとしてもよい。粘着剤層を光学フィルムの表面に設ける際には、必要に応じて光学フィルムの貼合面および/または粘着剤層の貼合面に表面活性化処理、例えばプラズマ処理、コロナ処理等を施してもよい。
粘着剤層の厚みは、通常2μm以上50μm以下であり、好ましくは5μm以上40μmであり、より好ましくは10μm以上30μm以下である。
<粘着剤層付光学フィルム>
本発明に係る粘着剤層付光学フィルムは、例えば光学フィルムと、その上に積層された上述の粘着剤層とを含むことができるほか、その粘着剤層の外面にさらに他の光学フィルムが積層貼合されたものであることができる。本発明に係る粘着剤層は、部材同士、とりわけ光学フィルム同士や光学フィルムと光学部材を貼合するための粘着剤層として好適に用いることができる。
本発明に係る粘着剤層付光学フィルムは、例えば光学フィルムと、その上に積層された上述の粘着剤層とを含むことができるほか、その粘着剤層の外面にさらに他の光学フィルムが積層貼合されたものであることができる。本発明に係る粘着剤層は、部材同士、とりわけ光学フィルム同士や光学フィルムと光学部材を貼合するための粘着剤層として好適に用いることができる。
粘着剤層付光学フィルムが備える光学フィルムは、液晶表示装置等の画像表示装置に組み込まれ得る各種の光学フィルムであることができる。光学フィルムは、単層構造であってもよいし多層構造であってもよい。単層構造の光学フィルムの具体例は、偏光子のほか、位相差フィルム、輝度向上フィルム、防眩フィルム、反射防止フィルム、拡散フィルム、集光フィルム等の光学機能性フィルムを含む。多層構造の光学フィルムの具体例は、偏光板、位相差板を含む。本明細書において偏光板とは、偏光子の少なくとも一方の面に樹脂フィルムまたは樹脂層が積層されたものをいう。位相差板とは、位相差フィルムの少なくとも一方の面に樹脂フィルムまたは樹脂層が積層されたものをいう。光学フィルムは、好ましくは偏光板、偏光子、位相差板または位相差フィルムであり、より好ましくは偏光板または偏光子である。
(1)偏光板
偏光板は、偏光子の一方の面に第1樹脂フィルムが積層貼合された片面保護偏光板であってよく、偏光子の他方の面に第2樹脂フィルム4がさらに積層貼合された両面保護偏光板であってよい。第1,第2樹脂フィルムは、後述の貼合層を介して偏光子に貼合することができる。偏光板は、第1樹脂フィルムおよび第2樹脂フィルム以外の他のフィルムや層を含んでいてもよい。
偏光板は、偏光子の一方の面に第1樹脂フィルムが積層貼合された片面保護偏光板であってよく、偏光子の他方の面に第2樹脂フィルム4がさらに積層貼合された両面保護偏光板であってよい。第1,第2樹脂フィルムは、後述の貼合層を介して偏光子に貼合することができる。偏光板は、第1樹脂フィルムおよび第2樹脂フィルム以外の他のフィルムや層を含んでいてもよい。
偏光子は、その吸収軸に平行な振動面をもつ直線偏光を吸収し、吸収軸に直交する(透過軸と平行な)振動面をもつ直線偏光を透過する性質を有するフィルムであり、例えば、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムに二色性色素を吸着配向させたフィルムを用いることができる。二色性色素としては、ヨウ素や二色性有機染料が用いられる。
ポリビニルアルコール系樹脂は、ポリ酢酸ビニル系樹脂をケン化することにより得ることができる。ポリ酢酸ビニル系樹脂としては、酢酸ビニルの単独重合体であるポリ酢酸ビニルのほか、酢酸ビニルと共重合可能な単量体と酢酸ビニルとの共重合体等が挙げられる。酢酸ビニルと共重合可能な単量体としては、不飽和カルボン酸、オレフィン、ビニルエーテル、不飽和スルホン酸、アンモニウム基を有する(メタ)アクリルアミド等が挙げられる。
ポリビニルアルコール系樹脂のケン化度は、通常85モル%以上100モル%以下、好ましくは98モル%以上である。ポリビニルアルコール系樹脂は変性されていてもよく、例えば、アルデヒド類で変性されたポリビニルホルマールまたはポリビニルアセタール等を用いることもできる。ポリビニルアルコール系樹脂の平均重合度は、通常1000~10000、好ましくは1500~5000である。ポリビニルアルコール系樹脂の平均重合度は、JIS K 6726に準拠して求めることができる。
通常、ポリビニルアルコール系樹脂を製膜したものを偏光子の原反フィルムとして用いる。ポリビニルアルコール系樹脂は、公知の方法で製膜することができる。原反フィルムの厚みは、通常1~150μmであり、延伸のしやすさなども考慮すれば、好ましくは10μm以上である。
偏光子は、例えば、原反フィルムに対して、一軸延伸する工程、二色性色素でフィルムを染色してその二色性色素を吸着させる工程、ホウ酸水溶液でフィルムを処理する工程、および、フィルムを水洗する工程が施され、最後に乾燥されて製造される。偏光子の厚みは、通常1~30μmであり、粘着剤層付光学フィルム1の薄膜化の観点から、好ましくは20μm以下、より好ましくは15μm以下、さらに好ましくは10μm以下である。
ポリビニルアルコール系樹脂フィルムに二色性色素を吸着配向させてなる偏光子は、1)原反フィルムとしてポリビニルアルコール系樹脂フィルムの単独フィルムを用い、このフィルムに対して一軸延伸処理および二色性色素の染色処理を施す方法のほか、2)基材フィルムにポリビニルアルコール系樹脂を含有する塗工液(水溶液等)を塗工、乾燥させてポリビニルアルコール系樹脂層を有する基材フィルムを得た後、これを基材フィルムごと一軸延伸し、延伸後のポリビニルアルコール系樹脂層に対して二色性色素の染色処理を施し、次いで基材フィルムを剥離除去する方法によっても得ることができる。基材フィルムとしては、後述する第1および第2樹脂フィルムを構成し得る熱可塑性樹脂と同様の熱可塑性樹脂からなるフィルムを用いることができ、好ましくは、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、トリアセチルセルロース等のセルロース系樹脂、ノルボルネン系樹脂等の環状ポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂などからなるフィルムである。上記2)の方法によれば、薄膜の偏光子の作製が容易となり、例えば厚み7μm以下の偏光子の作製も容易となる。
第1および第2樹脂フィルムはそれぞれ独立して、透光性を有する、好ましくは光学的に透明な熱可塑性樹脂、例えば、鎖状ポリオレフィン系樹脂(ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂等)、環状ポリオレフィン系樹脂(ノルボルネン系樹脂等)のようなポリオレフィン系樹脂;セルロース系樹脂(セルロースエステル系樹脂等);ポリエステル系樹脂(ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレート等);ポリカーボネート系樹脂;(メタ)アクリル系樹脂;ポリスチレン系樹脂;ポリエーテルエーテルケトン系樹脂;ポリスルホン系樹脂、またはこれらの混合物、共重合物等からなるフィルムであることができる。中でも、第1,第2樹脂フィルム3,4はそれぞれ、環状ポリオレフィン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、セルロース系樹脂、ポリエステル系樹脂、および(メタ)アクリル系樹脂からなる群より選択される樹脂で構成されることが好ましく、セルロース系樹脂および環状ポリオレフィン系樹脂からなる群より選択される樹脂で構成されることがより好ましい。
鎖状ポリオレフィン系樹脂としては、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂等の鎖状オレフィンの単独重合体のほか、2種以上の鎖状オレフィンからなる共重合体を挙げることができる。
環状ポリオレフィン系樹脂は、ノルボルネンやテトラシクロドデセン(別名:ジメタノオクタヒドロナフタレン)またはそれらの誘導体を代表例とする環状オレフィンを重合単位として含む樹脂の総称である。環状ポリオレフィン系樹脂の具体例を挙げれば、環状オレフィンの開環(共)重合体およびその水素添加物、環状オレフィンの付加重合体、環状オレフィンとエチレン、プロピレンのような鎖状オレフィンまたはビニル基を有する芳香族化合物との共重合体、並びにこれらを不飽和カルボン酸やその誘導体で変性した変性(共)重合体等である。中でも、環状オレフィンとしてノルボルネンや多環ノルボルネン系単量体等のノルボルネン系単量体を用いたノルボルネン系樹脂が好ましく用いられる。
セルロース系樹脂は、好ましくはセルロースエステル系樹脂、すなわち、セルロースの部分または完全エステル化物等であり、例えば、セルロースの酢酸エステル、プロピオン酸エステル、酪酸エステル、それらの混合エステル等が挙げられる。中でも、トリアセチルセルロース、ジアセチルセルロース、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレート等が好ましく用いられる。
ポリエステル系樹脂は、エステル結合を有する、上記セルロースエステル系樹脂以外の樹脂であり、多価カルボン酸またはその誘導体と多価アルコールとの重縮合体からなるものが一般的である。ポリエステル系樹脂の具体例は、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンナフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリトリメチレンナフタレート、ポリシクロへキサンジメチルテレフタレート、ポリシクロヘキサンジメチルナフタレートを含む。
ポリカーボネート系樹脂は、炭酸とグリコールまたはビスフェノールから形成されるポリエステルである。中でも、分子鎖にジフェニルアルカンを有する芳香族ポリカーボネートは、耐熱性、耐候性および耐酸性の観点から好ましく使用される。ポリカーボネートとして、2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン(別名ビスフェノールA)、2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)ブタン、1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)イソブタン、1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)エタンのようなビスフェノールから誘導されるポリカーボネートが例示される。
第1および第2樹脂フィルムを構成し得る(メタ)アクリル系樹脂は、メタクリル酸エステル由来の構成単位を主体とする(例えばこれを50重量%以上含む)重合体であることができ、これに他の共重合成分が共重合されている共重合体であることが好ましい。(メタ)アクリル系樹脂は、メタクリル酸エステル由来の構成単位を2種以上含んでいてもよい。メタクリル酸エステルとしては、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、ブチルメタクリレート等のメタクリル酸のC1~C4アルキルエステルが挙げられる。
メタクリル酸エステルと共重合し得る共重合成分としては、アクリル酸エステルが挙げられる。アクリル酸エステルは、好ましくは、メチルアクリレート、エチルアクリレート、ブチルアクリレート、2-エチルへキシルアクリレート等のアクリル酸のC1~C8アルキルエステルである。他の共重合成分の具体例は、(メタ)アクリル酸等の不飽和酸類;スチレン、ハロゲン化スチレン、α-メチルスチレン、ビニルトルエン等の芳香族ビニル化合物;(メタ)アクリロニトリル等のビニルシアン化合物;無水マレイン酸、無水シトラコン酸等の不飽和酸無水物;フェニルマレイミド、シクロヘキシルマレイミド等の不飽和イミドなどの、分子内に重合性炭素-炭素二重結合を1個有する、アクリル酸エステル以外の化合物を挙げることができる。分子内に重合性炭素-炭素二重結合を2個以上有する化合物を共重合成分として用いてもよい。共重合成分は、1種のみを用いてもよいし2種以上を併用してもよい。
(メタ)アクリル樹脂は、フィルムの耐久性を高め得る点で、高分子主鎖に環構造を有していてもよい。環構造は、環状酸無水物構造、環状イミド構造、ラクトン環構造等の複素環構造が好ましい。環状酸無水物構造の具体例としては、無水グルタル酸構造、無水コハク酸構造が、環状イミド構造の具体例としては、グルタルイミド構造、コハクイミド構造が、ラクトン環構造の具体例としては、ブチロラクトン環構造、バレロラクトン環構造が、それぞれ挙げられる。
(メタ)アクリル系樹脂は、フィルムへの製膜性やフィルムの耐衝撃性等の観点から、アクリル系ゴム粒子を含有していてもよい。アクリル系ゴム粒子とは、アクリル酸エステルを主体とする弾性重合体を必須成分とする粒子であり、実質的にこの弾性重合体のみからなる単層構造のものや、弾性重合体を1つの層とする多層構造のものが挙げられる。弾性重合体の例として、アルキルアクリレートを主成分とし、これに共重合可能な他のビニルモノマーおよび架橋性モノマーを共重合させた架橋弾性共重合体が挙げられる。弾性重合体の主成分となるアルキルアクリレートとしては、例えば、メチルアクリレート、エチルアクリレート、ブチルアクリレート、2-エチルへキシルアクリレート等のアクリル酸のC1~C8アルキルエステルが挙げられる。アルキル基の炭素数は、好ましくは4以上である。
アクリル酸アルキルに共重合可能な他のビニルモノマーとしては、分子内に重合性炭素-炭素二重結合を1個有する化合物を挙げることができ、より具体的には、メチルメタクリレートのようなメタクリル酸エステル、スチレンのような芳香族ビニル化合物、(メタ)アクリロニトリルのようなビニルシアン化合物等が挙げられる。架橋性モノマーとしては、分子内に重合性炭素-炭素二重結合を少なくとも2個有する架橋性の化合物を挙げることができ、より具体的には、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ブタンジオールジ(メタ)アクリレート等の多価アルコールの(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸のアルケニルエステル、ジビニルベンゼンなどが挙げられる。
アクリル系ゴム粒子の含有量は、(メタ)アクリル系樹脂100質量部に対して、好ましくは5質量部以上、より好ましくは10質量部以上である。アクリル系ゴム粒子の含有量があまり多いと、フィルムの表面硬度が低下し、また、フィルムに表面処理を施す場合に表面処理剤中の有機溶剤に対する耐溶剤性が低下し得る。従って、アクリル系ゴム粒子の含有量は、(メタ)アクリル系樹脂100質量部に対して、通常80質量部以下であり、好ましくは60質量部以下である。
第1および第2樹脂フィルムは、本発明の技術分野における通常の添加剤を含有することができる。添加剤の具体例は、例えば、紫外線吸収剤、赤外線吸収剤、有機系染料、顔料、無機系色素、酸化防止剤、帯電防止剤、界面活性剤、滑剤、分散剤、熱安定剤等を含む。
紫外線吸収剤としては、サリチル酸エステル化合物、ベンゾフェノン化合物、ベンゾトリアゾール化合物、トリアジン化合物、シアノ(メタ)アクリレート化合物、ニッケル錯塩等が挙げられる。
第1および第2樹脂フィルムはそれぞれ、延伸されていないフィルム、または一軸若しくは二軸延伸されたフィルムのいずれであってもよい。二軸延伸は、2つの延伸方向に同時に延伸する同時二軸延伸でもよく、所定方向に延伸した後で他の方向に延伸する逐次二軸延伸であってもよい。第1樹脂フィルムおよび/または第2樹脂フィルムは、偏光子を保護する役割を担う保護フィルムであってもよいし、後述する位相差フィルムのような光学機能を併せ持つ保護フィルムであることもできる。位相差フィルムは、光学異方性を示す光学フィルムである。例えば、上記熱可塑性樹脂からなるフィルムを延伸(一軸延伸または二軸延伸等)したり、当該熱可塑性樹脂フィルム上に液晶層等を形成したりすることにより、任意の位相差値が付与された位相差フィルムとすることができる。
第1樹脂フィルムおよび第2樹脂フィルムは、同じ熱可塑性樹脂で構成されるフィルムであってもよいし、互いに異なる熱可塑性樹脂で構成されるフィルムであってもよい。第1樹脂フィルムおよび第2樹脂フィルムは、厚み、添加剤の有無やその種類、位相差特性等において同じであってもよいし、異なっていてもよい。
第1樹脂フィルムおよび/または第2樹脂フィルムは、その外面(偏光子とは反対側の表面)にハードコート層、防眩層、反射防止層、光拡散層、帯電防止層、防汚層、導電層等の表面処理層(コーティング層)を備えていてもよい。
第1樹脂フィルムおよび第2樹脂フィルムの厚みはそれぞれ、通常1~150μmであり、好ましくは5~100μm、より好ましくは5~60μmである。当該厚みは、50μm以下、さらには30μm以下であってもよい。第1,第2樹脂フィルムの厚みを小さくすることは、粘着剤層付光学フィルム1およびこれを含む光学積層体の薄膜化、ひいては粘着剤層付光学フィルム1または光学積層体を含む液晶表示装置の薄膜化に有利となる。
特にスマートフォンやタブレット型端末といった中小型向けの偏光板では、薄膜化の要求から、第1樹脂フィルムおよび/または第2樹脂フィルムとして厚み30μm以下の薄いものが用いられることが多いが、このような偏光板は、偏光子の収縮力を抑える力が弱く、耐久性が不十分となりやすい。本発明によれば、このような偏光板を光学フィルムとして用いる場合であっても良好な耐久性を有する粘着剤層付光学フィルム、およびこれを含む光学積層体を提供することができる。粘着剤層付光学フィルムおよび光学積層体の耐久性とは、例えば高温環境下、高温高湿環境下、高温と低温とが繰り返される環境下などにおいて、粘着剤層とこれに隣接する光学部材(液晶表示装置や有機EL表示装置等の画像表示素子)との界面での浮きや剥れ、粘着剤層の発泡等の不具合を抑制できる性質をいう。
また、偏光板の薄膜化の観点からは、偏光子の片面のみに樹脂フィルムが配置される構成が有利である。この場合は通常、偏光子の他方の面に粘着剤層が直接貼合されて粘着剤層付光学フィルムとなる。このような構成の偏光板の場合、粘着剤層に含有されるイオン性化合物によって高温高湿環境下で偏光板の光学性能を低下させる問題がとりわけ顕著となる。本発明によれば、このような偏光板を光学フィルムとして用いる場合であっても良好な光学耐久性(光学特性の劣化を抑制できる性質)を有する粘着剤層付光学フィルム、およびこれを含む光学積層体を提供することができる。
貼合層は、粘着剤層であってもよいし、接着剤層であってもよい。貼合層が粘着剤層である場合、貼合層には、上述の粘着剤層以外の粘着剤層を用いることができる。貼合層が粘着剤層である場合、粘着剤層は、(メタ)アクリル系樹脂、ゴム系樹脂、ウレタン系樹脂、エステル系樹脂、シリコーン系樹脂、ポリビニルエーテル系樹脂のような樹脂を主成分とする粘着剤組成物により形成することができる。貼合層が接着剤層である場合、接着剤層は、水系接着剤、活性エネルギー線硬化型接着剤などから形成することができる。
貼合層が粘着剤層である場合に粘着剤組成物に用いられる(メタ)アクリル系樹脂(ベースポリマー)としては、例えば、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸イソオクチル、(メタ)アクリル酸2-エチルヘキシルのような(メタ)アクリル酸エステルの1種または2種以上をモノマーとする重合体または共重合体が好適に用いられる。ベースポリマーには、極性モノマーを共重合させることが好ましい。極性モノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸2-ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチル、(メタ)アクリルアミド、N,N-ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレートのような、カルボキシル基、水酸基、アミド基、アミノ基、エポキシ基等を有するモノマーを挙げることができる。
貼合層が粘着剤層である場合に用いる粘着剤組成物は、上記ベースポリマーのみを含むものであってもよいが、通常は架橋剤をさらに含有する。架橋剤としては、2価以上の金属イオンであって、カルボキシル基との間でカルボン酸金属塩を形成するもの;ポリアミン化合物であって、カルボキシル基との間でアミド結合を形成するもの;ポリエポキシ化合物やポリオールであって、カルボキシル基との間でエステル結合を形成するもの;ポリイソシアネート化合物であって、カルボキシル基との間でアミド結合を形成するものが例示される。中でも、ポリイソシアネート化合物が好ましい。
貼合層が粘着剤層である場合、貼合層の厚みは、1μm以上200μm以下が好ましく、2μm以上100μm以下がより好ましく、2μm以上80μm以下がさらに好ましく、3μm以上50μm以下が特に好ましい。
水系接着剤としては、ポリビニルアルコール系樹脂水溶液からなる接着剤、水系二液型ウレタン系エマルジョン接着剤等が挙げられる。中でもポリビニルアルコール系樹脂水溶液からなる水系接着剤が好適に用いられる。ポリビニルアルコール系樹脂としては、酢酸ビニルの単独重合体であるポリ酢酸ビニルをケン化処理して得られるビニルアルコールホモポリマーのほか、酢酸ビニルとこれに共重合可能な他の単量体との共重合体をケン化処理して得られるポリビニルアルコール系共重合体、またはそれらのヒドロキシル基を部分的に変性した変性ポリビニルアルコール系重合体等を用いることができる。水系接着剤は、アルデヒド化合物、エポキシ化合物、メラミン系化合物、メチロール化合物、イソシアネート化合物、アミン化合物、多価金属塩等の架橋剤を含むことができる。
水系接着剤を使用する場合は、偏光子と第1,第2樹脂フィルムとを貼合した後、水系接着剤中に含まれる水を除去するために乾燥させる工程を実施することが好ましい。乾燥工程後、例えば20~45℃程度の温度で養生する養生工程を設けてもよい。
上記活性エネルギー線硬化性接着剤とは、紫外線や電子線等の活性エネルギー線を照射することで硬化する接着剤をいい、例えば、重合性化合物および光重合開始剤を含む硬化性組成物、光反応性樹脂を含む硬化性組成物、バインダー樹脂および光反応性架橋剤を含む硬化性組成物等を挙げることができる。好ましくは紫外線硬化性接着剤である。重合性化合物としては、光硬化性エポキシ系モノマー、光硬化性(メタ)アクリル系モノマー、光硬化性ウレタン系モノマー等の光重合性モノマーや、光重合性モノマーに由来するオリゴマーを挙げることができる。光重合開始剤としては、活性エネルギー線の照射により中性ラジカル、アニオンラジカル、カチオンラジカル等の活性種を発生する物質を含むものを挙げることができる。重合性化合物および光重合開始剤を含む活性エネルギー線硬化性接着剤として、光硬化性エポキシ系モノマーおよび光カチオン重合開始剤を含む硬化性組成物や、光硬化性(メタ)アクリル系モノマーおよび光ラジカル重合開始剤を含む硬化性組成物、またはこれらの硬化性組成物の混合物を好ましく用いることができる。
活性エネルギー線硬化性接着剤を用いる場合は、偏光子と第1,第2樹脂フィルムとを貼合した後、必要に応じて乾燥工程を行い、次いで活性エネルギー線を照射することによって活性エネルギー線硬化性接着剤を硬化させる硬化工程を行う。活性エネルギー線の光源は特に限定されないが、波長400nm以下に発光分布を有する紫外線が好ましく、具体的には、低圧水銀灯、中圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、ケミカルランプ、ブラックライトランプ、マイクロウェーブ励起水銀灯、メタルハライドランプ等を用いることができる。
偏光子と第1,第2樹脂フィルムとを貼合するにあたっては、これらの少なくともいずれか一方の貼合面にケン化処理、コロナ処理、プラズマ処理等の表面活性化処理を施すことができる。偏光子の両面に樹脂フィルムが貼合される場合においてこれらの樹脂フィルムを貼合するための接着剤は、同種の接着剤あってもよいし異種の接着剤であってもよい。
偏光板は、その他のフィルムまたは層をさらに含むことができる。その具体例は、後述する位相差フィルムのほか、輝度向上フィルム、防眩フィルム、反射防止フィルム、拡散フィルム、集光フィルム、貼合層、コーティング層、プロテクトフィルム等である。プロテクトフィルムは、偏光板等の光学フィルムの表面を傷や汚れから保護する目的で用いられるフィルムであり、粘着剤層付光学フィルムを例えば金属層上に貼合した後、剥離除去されるのが通例である。
プロテクトフィルムは通常、基材フィルムと、その上に積層される粘着剤層とで構成される。基材フィルムは、熱可塑性樹脂、例えば、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂等のポリオレフィン系樹脂;ポリエチレンテレフタレートやポリエチレンナフタレート等のポリエステル系樹脂;ポリカーボネート系樹脂;(メタ)アクリル系樹脂等で構成することができる。
(2)位相差板
位相差板に含まれる位相差フィルムは、上述のとおり、光学異方性を示す光学フィルムであり、第1,第2樹脂フィルムに用いることができるものとして上で例示した熱可塑性樹脂のほか、例えば、ポリビニルアルコール系樹脂、ポリアリレート系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリエーテルサルホン系樹脂、ポリビニリデンフルオライド/ポリメチルメタクリレート系樹脂、液晶ポリエステル系樹脂、エチレン-酢酸ビニル共重合体ケン化物、ポリ塩化ビニル系樹脂等からなる樹脂フィルムを1.01~6倍程度に延伸することにより得られる延伸フィルムであることができる。中でも、ポリカーボネート系樹脂フィルムや環状オレフィン系樹脂フィルム、(メタ)アクリル系樹脂フィルムまたはセルロース系樹脂フィルムを一軸延伸または二軸延伸した延伸フィルムが好ましい。また本明細書においては、ゼロレタデーションフィルムも位相差フィルムに含まれる(ただし、保護フィルムとして用いることもできる。)。そのほか、一軸性位相差フィルム、広視野角位相差フィルム、低光弾性率位相差フィルム等と称されるフィルムも位相差フィルムとして適用可能である。
位相差板に含まれる位相差フィルムは、上述のとおり、光学異方性を示す光学フィルムであり、第1,第2樹脂フィルムに用いることができるものとして上で例示した熱可塑性樹脂のほか、例えば、ポリビニルアルコール系樹脂、ポリアリレート系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリエーテルサルホン系樹脂、ポリビニリデンフルオライド/ポリメチルメタクリレート系樹脂、液晶ポリエステル系樹脂、エチレン-酢酸ビニル共重合体ケン化物、ポリ塩化ビニル系樹脂等からなる樹脂フィルムを1.01~6倍程度に延伸することにより得られる延伸フィルムであることができる。中でも、ポリカーボネート系樹脂フィルムや環状オレフィン系樹脂フィルム、(メタ)アクリル系樹脂フィルムまたはセルロース系樹脂フィルムを一軸延伸または二軸延伸した延伸フィルムが好ましい。また本明細書においては、ゼロレタデーションフィルムも位相差フィルムに含まれる(ただし、保護フィルムとして用いることもできる。)。そのほか、一軸性位相差フィルム、広視野角位相差フィルム、低光弾性率位相差フィルム等と称されるフィルムも位相差フィルムとして適用可能である。
ゼロレタデーションフィルムとは、面内位相差値Reおよび厚み方向位相差値Rthがともに-15~15nmであるフィルムをいう。この位相差フィルムは、IPSモードの液晶表示装置に好適に用いられる。面内位相差値Reおよび厚み方向位相差値Rthは、好ましくはともに-10~10nmであり、より好ましくはともに-5~5nmである。ここでいう面内位相差値Reおよび厚み方向位相差値Rthは、波長590nmにおける値である。
面内位相差値Reおよび厚み方向位相差値Rthは、それぞれ下記式:
Re=(nx-ny)×d
Rth=〔(nx+ny)/2-nz〕×d
で定義される。式中、nxはフィルム面内の遅相軸方向(x軸方向)の屈折率であり、nyはフィルム面内の進相軸方向(面内でx軸に直交するy軸方向)の屈折率であり、nzはフィルム厚み方向(フィルム面に垂直なz軸方向)の屈折率であり、dはフィルムの厚みである。
Re=(nx-ny)×d
Rth=〔(nx+ny)/2-nz〕×d
で定義される。式中、nxはフィルム面内の遅相軸方向(x軸方向)の屈折率であり、nyはフィルム面内の進相軸方向(面内でx軸に直交するy軸方向)の屈折率であり、nzはフィルム厚み方向(フィルム面に垂直なz軸方向)の屈折率であり、dはフィルムの厚みである。
ゼロレタデーションフィルムには、例えば、セルロース系樹脂、鎖状ポリオレフィン系樹脂および環状ポリオレフィン系樹脂等のポリオレフィン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート系樹脂または(メタ)アクリル系樹脂からなる樹脂フィルムを用いることができる。特に、位相差値の制御が容易で、入手も容易であることから、セルロース系樹脂、ポリオレフィン系樹脂または(メタ)アクリル系樹脂が好ましく用いられる。
また、液晶性化合物の塗布・配向によって光学異方性を発現させたフィルムや、無機層状化合物の塗布によって光学異方性を発現させたフィルムも、位相差フィルムとして用いることができる。このような位相差フィルムには、温度補償型位相差フィルムと称されるもの、また、JX日鉱日石エネルギー(株)から「NHフィルム」の商品名で販売されている棒状液晶が傾斜配向したフィルム、富士フイルム(株)から「WVフィルム」の商品名で販売されている円盤状液晶が傾斜配向したフィルム、住友化学(株)から「VACフィルム」の商品名で販売されている完全二軸配向型のフィルム、同じく住友化学(株)から「new VACフィルム」の商品名で販売されている二軸配向型のフィルム等がある。
位相差フィルムの少なくとも一方の面に積層される樹脂フィルムは、例えば上述の保護フィルムであることができる。
(3)粘着剤層付光学フィルムの構成および製造方法
粘着剤層付光学フィルムは、光学フィルムとその少なくとも一方の面に積層される粘着剤層とを含む。光学フィルムの両面に粘着剤層が積層されていてもよい。通常、粘着剤層は光学フィルムの表面に直接積層される。粘着剤層を光学フィルムの表面に設ける際には、光学フィルムの貼合面および/または粘着剤層の貼合面にプライマー層の形成や、表面活性化処理、例えばプラズマ処理、コロナ処理等を施すことが好ましく、コロナ処理を施すことがより好ましい。
粘着剤層付光学フィルムは、光学フィルムとその少なくとも一方の面に積層される粘着剤層とを含む。光学フィルムの両面に粘着剤層が積層されていてもよい。通常、粘着剤層は光学フィルムの表面に直接積層される。粘着剤層を光学フィルムの表面に設ける際には、光学フィルムの貼合面および/または粘着剤層の貼合面にプライマー層の形成や、表面活性化処理、例えばプラズマ処理、コロナ処理等を施すことが好ましく、コロナ処理を施すことがより好ましい。
光学フィルムが片面保護偏光板である場合、粘着剤層は通常、偏光子面、すなわち、偏光子における第1樹脂フィルムとは反対側の面に、好ましくは直接、積層される。光学フィルムが両面保護偏光板である場合、粘着剤層は、第1,第2樹脂フィルムのいずれかの外面に積層してもよく、両方の外面に積層してもよい。
光学フィルムと粘着剤層の間には別途帯電防止層を設けてもよいが、本発明の粘着剤層は粘着剤層単独で優れた帯電防止性を付与することができるため、光学積層体の薄膜化や積層体作製工程の簡略化の点で、光学フィルムと粘着剤層の間に帯電防止層を有さないことが好ましい。
粘着剤層付光学フィルムは、粘着剤層の外面に積層されるセパレートフィルムを含んでいてもよい。このセパレートフィルムは通常、粘着剤層の使用時(例えば金属層上への積層時)に剥離除去される。
粘着剤層付光学フィルムは、上記粘着剤組成物を構成する各成分を溶剤に溶解または分散して溶剤含有の粘着剤組成物とし、次いで、これを光学フィルムの表面に塗布・乾燥して粘着剤層を形成することによって得ることができる。また粘着剤層付光学フィルムは、セパレートフィルムの離型処理面に上と同様にして粘着剤層を形成し、この粘着剤層を光学フィルムの表面に積層(転写)することによっても得ることができる。
図1に示す粘着剤層付光学フィルム10は、直線偏光板11と、粘着剤層12とを含む。直線偏光板11は、第1保護フィルム13、接着剤層14、偏光子15、接着剤層16、第2保護フィルム17をこの順に含む。粘着剤層12は、液晶表示装置の画像表示素子である液晶セルに貼合するために用いられることができる。粘着剤層12の直線偏光板11とは反対側の面には、図示しないセパレートフィルムが設けられていてもよい。
図2に示す粘着剤層付光学フィルム20は、粘着剤層21、位相差フィルム22、貼合層23、直線偏光板24をこの順に含む。直線偏光板24は、第1保護フィルム25、接着剤層26、偏光子27、接着剤層28、第2保護フィルム29をこの順に含む。粘着剤層21は、液晶表示装置の画像表示素子である液晶セルに貼合するために用いられることができる。粘着剤層21の位相差フィルム22とは反対側の面には、図示しないセパレートフィルムが設けられていてもよい。
図1および図2に示す粘着剤層付光学フィルム10および20は一例にすぎず、上記以外の積層構造を有するものであってもよい。例えば保護フィルムはハードコートフィルムや防眩機能付きフィルム、表面反射防止機能付きフィルム等のさらなる層を有していてもよい。
<光学積層体>
本発明に係る光学積層体は、上述の粘着剤層付光学フィルムと金属層とを備える。図3は、光学積層体の層構成の例を示す概略断面図である。図3に示す光学積層体30は、直線偏光板11と粘着剤層12とを備える粘着剤層付光学フィルム10と、その粘着剤層12に積層される金属層31とを含む。図3に示す光学積層体30において、粘着剤層付光学フィルム10は、その粘着剤層12が金属層31に直接接するように金属層31上に積層されている。本発明によれば、このように粘着剤層12が金属層31に直接接するような構成の光学積層体においても、金属層31の腐食を効果的に抑制することができる。
本発明に係る光学積層体は、上述の粘着剤層付光学フィルムと金属層とを備える。図3は、光学積層体の層構成の例を示す概略断面図である。図3に示す光学積層体30は、直線偏光板11と粘着剤層12とを備える粘着剤層付光学フィルム10と、その粘着剤層12に積層される金属層31とを含む。図3に示す光学積層体30において、粘着剤層付光学フィルム10は、その粘着剤層12が金属層31に直接接するように金属層31上に積層されている。本発明によれば、このように粘着剤層12が金属層31に直接接するような構成の光学積層体においても、金属層31の腐食を効果的に抑制することができる。
図4は、本発明に係る光学積層体の層構成の他の一例を示す概略断面図である。図4に示す光学積層体40のように、直線偏光板11と粘着剤層12とを備える粘着剤層付光学フィルム10の粘着剤層12が樹脂層41を介して金属層42に積層されている。粘着剤層12は、樹脂層41に直接接している。かかる光学積層体40においても、金属層42の腐食を効果的に抑制することができる。粘着剤層12と金属層42との間に配置される樹脂層41は、例えば、硬化性樹脂の硬化物層であってもよい。樹脂層41を形成し得る硬化性樹脂としては公知のものを用いることができ、例えば特開2009-217037号公報に記載のものが挙げられる。
金属層は、例えば、アルミニウム、銅、銀、金、鉄、スズ、亜鉛、ニッケル、モリブデン、クロム、タングステン、鉛およびこれらから選択される2種以上の金属を含む合金からなる群より選択される1種以上を含む層であることができ、導電性の観点から、好ましくはアルミニウム、銅、銀および金からなる群より選択される金属元素を含む層であり、導電性およびコストの観点から、より好ましくはアルミニウム元素を含む層であり、さらに好ましくはアルミニウム元素を主成分として含む層である。主成分として含むとは、金属層を構成する金属成分が全金属成分の30質量%以上、さらには50重量%以上であることをいう。
金属層は、例えばITO等の金属酸化物層であってもよいが、本発明に係る粘着剤層付光学フィルムは、とりわけ金属単体や合金に対する耐腐食性が良好であることから、金属層は、上記の金属元素からなる金属単体および/または上記の金属元素の2種以上を含有する合金を含むことが好ましい。ただし、光学積層体は、このような金属層とともに、ITO等の金属酸化物からなる透明電極層を有していてもよい。
金属層の形態(例えば厚み等)や調製方法は特に限定されず、金属箔であることができるほか、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、インクジェット印刷法、グラビア印刷法により形成されたものでもよいが、好ましくはスパッタリング法、インクジェット印刷法、グラビア印刷法により形成された金属層であり、より好ましくスパッタリングにより形成された金属層である。スパッタリングで形成された金属層と金属箔とでは、前者の方が耐腐食性が悪い傾向にあるが、本発明に係る光学積層体によれば、スパッタリングで形成された金属層に対しても良好な耐金属腐食性を有する。金属層の厚みは、通常3μm以下であり、好ましくは1μm以下であり、より好ましくは0.8μm以下である。また金属層の厚みは、通常0.01μm以上である。さらに、金属層が金属配線層の場合、その金属配線層が有する金属配線の線幅は通常10μm以下であり、好ましくは5μm以下であり、さらに好ましくは3μm以下である。また金属配線の線幅は、通常0.01μm以上であり、好ましくは0.1μm以上であり、さらに好ましくは0.5μm以上である。かかる薄膜の金属層や細線の金属配線からなる金属層に対しても、本発明に係る光学積層体は良好な耐金属腐食性を示す。特に、金属配線が、例えば厚み3μm以下であり線幅10μm以下である場合や、厚み3μm以下であり線幅10μm以下であり、スパッタリング法により形成された場合であっても、その腐食、特に孔食を抑えることができる。
金属層は、例えば、タッチ入力式液晶表示装置が有するタッチ入力素子の金属配線層(すなわち電極層)であることができる。この場合、金属層は、所定の形状にパターニングされているのが通常である。パターニングされた金属層上に粘着剤層を積層する場合、粘着剤層は金属層に接触していない部分を有していてもよい。金属層は、上記金属または合金を含む連続膜であってもよい。
また、金属層は単層構造であってもよいし、2層または3層以上の多層構造であってもよい。多層構造の金属層としては、例えばモリブデン/アルミニウム/モリブデンで示される3層構造の金属含有層(メタルメッシュ等)が挙げられる。
例えば金属配線層である金属層は基板上に形成されていてもよく、この場合、本発明に係る光学積層体は、この基板を含むことができる。基板上への金属層の形成は、例えばスパッタリングにより行うことができる。基板は、タッチ入力素子に含まれる液晶セルを構成する透明基板であることができる。基板は、好ましくはガラス基板である。ガラス基板の材料としては、例えば、ソーダライムガラス、低アルカリガラス、無アルカリガラス等が挙げられる。金属層は、基板の全面に形成されていてもよいし、その一部に形成されていてもよい。基板上にパターニングされた金属層が形成される場合など、基板の表面の一部に金属層が形成される場合には、粘着剤層の一部は、例えばガラスからなる基板と直接接触することになるが、本発明に係る光学積層体における粘着剤層は、ガラスとの密着性にも優れる。
<表示装置>
本発明に係る表示装置は、上述の粘着剤層付光学フィルムを含む。上記した粘着剤層付光学フィルムは、有機EL表示装置、液晶表示装置、無機エレクトロルミネッセンス(無機EL)表示装置、電子放出表示装置等の表示装置に好適に用いることができる。
本発明に係る表示装置は、上述の粘着剤層付光学フィルムを含む。上記した粘着剤層付光学フィルムは、有機EL表示装置、液晶表示装置、無機エレクトロルミネッセンス(無機EL)表示装置、電子放出表示装置等の表示装置に好適に用いることができる。
本発明に係る表示装置は、好ましくはタッチパネル機能を有するタッチ入力式液晶表示装置である。タッチ入力式液晶表示装置は、液晶セルを含むタッチ入力素子と、バックライトとを備える。タッチパネルの構成は、アウトセル型、オンセル型、インセル型等、従来公知のいかなる方式であってもよく、またタッチパネルの動作方式は抵抗膜方式、静電容量方式(表面型静電容量方式、投影型静電容量方式)等、従来公知のいかなる方式であってもよい。本発明に係る粘着剤層付光学フィルムは、タッチ入力素子(液晶セル)の視認側に配置されてもよいし、バックライト側に配置されてもよいし、両方に配置されてもよい。液晶セルの駆動方式は、TN方式、VA方式、IPS方式、マルチドメイン方式、OCB方式等、従来公知のいかなる方式であってもよい。
図5に示す表示装置50は、図1に示す粘着剤層付光学フィルム10と、液晶セル51とを含む液晶表示装置である。粘着剤層付光学フィルム10は、粘着剤層12を介して、液晶セル51の視認側及び/又はバックライト側に配置することができる。
以下、実施例および比較例を示して本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの例によって限定されるものではない。以下、使用量ないし含有量を表す部および%は、特に断りのない限り質量基準である。
<粘着剤層用(メタ)アクリル系樹脂の製造>
(製造例1)
冷却管、窒素導入管、温度計および攪拌機を備えた反応容器に、酢酸エチル156部、n-ブチルアクリレート99部、2-ヒドロキシエチルアクリレート1.0部の混合溶液を仕込み、窒素ガスで装置内の空気を置換して酸素不含としながら内温を60℃に上げた。その後、アゾビスイソブチロニトリル(重合開始剤)0.1部を酢酸エチル11部に溶かした溶液を全量添加した。開始剤の添加後4時間この濃度で保持した。最後に酢酸エチルを加えて(メタ)アクリル系樹脂の濃度が20質量%となるように調節し、(メタ)アクリル系樹脂の酢酸エチル溶液を調製した。
(製造例1)
冷却管、窒素導入管、温度計および攪拌機を備えた反応容器に、酢酸エチル156部、n-ブチルアクリレート99部、2-ヒドロキシエチルアクリレート1.0部の混合溶液を仕込み、窒素ガスで装置内の空気を置換して酸素不含としながら内温を60℃に上げた。その後、アゾビスイソブチロニトリル(重合開始剤)0.1部を酢酸エチル11部に溶かした溶液を全量添加した。開始剤の添加後4時間この濃度で保持した。最後に酢酸エチルを加えて(メタ)アクリル系樹脂の濃度が20質量%となるように調節し、(メタ)アクリル系樹脂の酢酸エチル溶液を調製した。
得られた(メタ)アクリル系樹脂のガラス転移温度(Tg)を測定した。
Tgは、エスアイアイ・ナノテクノロジー(株)製の示差走査熱量計(DSC)「EXSTAR DSC6000」を用い、窒素雰囲気下、測定温度範囲-80~50℃、昇温速度10℃/分の条件で測定した。
Tgは、エスアイアイ・ナノテクノロジー(株)製の示差走査熱量計(DSC)「EXSTAR DSC6000」を用い、窒素雰囲気下、測定温度範囲-80~50℃、昇温速度10℃/分の条件で測定した。
得られた(メタ)アクリル系樹脂の重量平均分子量(Mw)および数平均分子量(Mn)を測定した。
MwおよびMnは、GPC装置にカラムとして、東ソー(株)製の「TSKgel guardcolumnHHR-H(S)」を1本、「TSKgel GMHHR-H」を2本の計3本を直列につないで配置し、溶出液としてテトラヒドロフランを用い、試料濃度2mg/mL、試料導入量100μL、温度40℃、流速1mL/分の条件で、標準ポリスチレン換算により測定した。
用いたモノマー混合物のモノマー組成(質量部)、並びに得られた(メタ)アクリル系樹脂のTg、Mwおよび分子量分布(Mw/Mn)を表1にまとめた。
MwおよびMnは、GPC装置にカラムとして、東ソー(株)製の「TSKgel guardcolumnHHR-H(S)」を1本、「TSKgel GMHHR-H」を2本の計3本を直列につないで配置し、溶出液としてテトラヒドロフランを用い、試料濃度2mg/mL、試料導入量100μL、温度40℃、流速1mL/分の条件で、標準ポリスチレン換算により測定した。
用いたモノマー混合物のモノマー組成(質量部)、並びに得られた(メタ)アクリル系樹脂のTg、Mwおよび分子量分布(Mw/Mn)を表1にまとめた。
(製造例2)
製造例1において用いた組成に代えて表1に示す組成を用いたこと以外は、製造例1と同様にして粘着剤層用(メタ)アクリル系樹脂を製造した。
製造例1において用いた組成に代えて表1に示す組成を用いたこと以外は、製造例1と同様にして粘着剤層用(メタ)アクリル系樹脂を製造した。
表1の「組成」の欄にある略称は、次のモノマーを意味する。
BA :n-ブチルアクリレート
MA :メチルアクリレート
HEA :2-ヒドロキシエチルアクリレート
BA :n-ブチルアクリレート
MA :メチルアクリレート
HEA :2-ヒドロキシエチルアクリレート
<イオン性化合物の製造>
(製造例3)
C-1:トリブチル-n-ドデシルホスホニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートの製造
180mL3つ口フラスコにトリブチル-n-ドデシルホスホニウムブロミド6.8g、トルエン16.1g、14.5%アンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート水溶液75.7gを入れ、室温で2時間撹拌した。その後、反応液を分液し、得られた有機層をイオン交換水11gで4回洗浄した。洗浄後の有機層を濃縮乾固し、トリブチル-n-ドデシルホスホニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートを15.2g取得した。
(製造例3)
C-1:トリブチル-n-ドデシルホスホニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートの製造
180mL3つ口フラスコにトリブチル-n-ドデシルホスホニウムブロミド6.8g、トルエン16.1g、14.5%アンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート水溶液75.7gを入れ、室温で2時間撹拌した。その後、反応液を分液し、得られた有機層をイオン交換水11gで4回洗浄した。洗浄後の有機層を濃縮乾固し、トリブチル-n-ドデシルホスホニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートを15.2g取得した。
(製造例4)
C-2:トリブチル-n-オクチルホスホニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートの製造
180mL3つ口フラスコに23.4%アンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート水溶液62.3g、ジクロロメタン9.3g、トリブチル-n-オクチルホスホニウムブロミド8.4g、イオン交換水10.1gを加え、室温で1時間撹拌した。その後、反応液を分液し、得られた有機層をイオン交換水9gで2回洗浄した。洗浄後の有機層を濃縮乾固し、トリブチル-n-オクチルホスホニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートを19.3g取得した。
C-2:トリブチル-n-オクチルホスホニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートの製造
180mL3つ口フラスコに23.4%アンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート水溶液62.3g、ジクロロメタン9.3g、トリブチル-n-オクチルホスホニウムブロミド8.4g、イオン交換水10.1gを加え、室温で1時間撹拌した。その後、反応液を分液し、得られた有機層をイオン交換水9gで2回洗浄した。洗浄後の有機層を濃縮乾固し、トリブチル-n-オクチルホスホニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートを19.3g取得した。
(製造例5)
C-3:N-メチルピリジニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートの製造
300mLナスフラスコに14.5%アンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート水溶液105.0g、1-メチルピリジニウムヨードジド4.9g、トルエン31.0g、酢酸エチル9.2gを加え、撹拌した。その後、反応液を分液し、得られた有機層を濃縮乾固したのち、濃縮残にトルエンと酢酸エチルの混合液(トルエン:酢酸エチル=1:1)を30g加え、イオン交換水30gで4回洗浄した。洗浄後の有機層を濃縮し、クロロブタン15.7gを加え、晶析を行った。得られた結晶を乾燥してN-メチルピリジニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートを15.3g取得した。
C-3:N-メチルピリジニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートの製造
300mLナスフラスコに14.5%アンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート水溶液105.0g、1-メチルピリジニウムヨードジド4.9g、トルエン31.0g、酢酸エチル9.2gを加え、撹拌した。その後、反応液を分液し、得られた有機層を濃縮乾固したのち、濃縮残にトルエンと酢酸エチルの混合液(トルエン:酢酸エチル=1:1)を30g加え、イオン交換水30gで4回洗浄した。洗浄後の有機層を濃縮し、クロロブタン15.7gを加え、晶析を行った。得られた結晶を乾燥してN-メチルピリジニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートを15.3g取得した。
(製造例6)
C-4:N-デシルピリジニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートの製造
500mLナスフラスコに14.5%アンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート水溶液139.2g、30.4% 1-デシルピリジニウムブロミド水溶液26.9g、トルエン29.9gを加え、2時間撹拌した。その後、反応液を分液し、得られた有機層をイオン交換水40.0gで4回洗浄した。洗浄後の有機層にヘキサン69.1gを加え、晶析を行った。得られた結晶を乾燥させてN-デシルピリジニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートを23.0g取得した。
C-4:N-デシルピリジニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートの製造
500mLナスフラスコに14.5%アンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート水溶液139.2g、30.4% 1-デシルピリジニウムブロミド水溶液26.9g、トルエン29.9gを加え、2時間撹拌した。その後、反応液を分液し、得られた有機層をイオン交換水40.0gで4回洗浄した。洗浄後の有機層にヘキサン69.1gを加え、晶析を行った。得られた結晶を乾燥させてN-デシルピリジニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートを23.0g取得した。
<実施例1~4、比較例1~8>
(1)粘着剤組成物の調製
上記製造例で得られた(メタ)アクリル系樹脂の酢酸エチル溶液(樹脂濃度:20%)に、該溶液の固形分100質量部に対し、架橋剤、シラン化合物およびイオン性化合物を表2に示す量(質量部)混合し、さらに固形分濃度が14質量%となるように酢酸エチルを添加して粘着剤組成物の溶液を調製した。表2において、(メタ)アクリル系樹脂、架橋剤、シラン化合物および帯電防止剤の配合量(質量部)は固形分換算量である。
(1)粘着剤組成物の調製
上記製造例で得られた(メタ)アクリル系樹脂の酢酸エチル溶液(樹脂濃度:20%)に、該溶液の固形分100質量部に対し、架橋剤、シラン化合物およびイオン性化合物を表2に示す量(質量部)混合し、さらに固形分濃度が14質量%となるように酢酸エチルを添加して粘着剤組成物の溶液を調製した。表2において、(メタ)アクリル系樹脂、架橋剤、シラン化合物および帯電防止剤の配合量(質量部)は固形分換算量である。
表2において略称で示される各配合成分の詳細は次のとおりである。
(架橋剤)
B:D-101E(トリレンジイソシアネートのトリメチロールプロパンアダクト体の酢酸エチル溶液:固形分濃度75質量%、三井化学(株)製)
(イオン性化合物)
C-1:トリブチル-n-ドデシルホスホニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル
)ボレート
C-2:トリブチル-n-オクチルホスホニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル
)ボレート
C-3:N-メチルピリジニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート
C-4:N-デシルピリジニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート
C-5:テトラブチルホスホニウムヘキサフルオロホスファート
C-6:トリブチルメチルホスホニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド
C-7:N-オクチル-4-メチルピリジニウムヘキサフルオロホスファート
C-8:N-デシルピリジニウムビス(フルオロスルホニル)イミド (シラン化合物)
D:3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン「KBM-403」、信越化学工業(株)製
(架橋剤)
B:D-101E(トリレンジイソシアネートのトリメチロールプロパンアダクト体の酢酸エチル溶液:固形分濃度75質量%、三井化学(株)製)
(イオン性化合物)
C-1:トリブチル-n-ドデシルホスホニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル
)ボレート
C-2:トリブチル-n-オクチルホスホニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル
)ボレート
C-3:N-メチルピリジニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート
C-4:N-デシルピリジニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート
C-5:テトラブチルホスホニウムヘキサフルオロホスファート
C-6:トリブチルメチルホスホニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド
C-7:N-オクチル-4-メチルピリジニウムヘキサフルオロホスファート
C-8:N-デシルピリジニウムビス(フルオロスルホニル)イミド (シラン化合物)
D:3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン「KBM-403」、信越化学工業(株)製
(2)粘着剤層の作製
上記(1)で調製した粘着剤組成物を、離型処理が施されたポリエチレンテレフタレートフィルムからなるセパレートフィルム〔三菱ケミカル(株)製の「ダイアホイルMRV38(V04)」〕の離型処理面に、アプリケーターを用いて乾燥後の厚みが20μmとなるように塗布し、100℃で1分間乾燥して粘着剤層(粘着剤シート)を作製した。
上記(1)で調製した粘着剤組成物を、離型処理が施されたポリエチレンテレフタレートフィルムからなるセパレートフィルム〔三菱ケミカル(株)製の「ダイアホイルMRV38(V04)」〕の離型処理面に、アプリケーターを用いて乾燥後の厚みが20μmとなるように塗布し、100℃で1分間乾燥して粘着剤層(粘着剤シート)を作製した。
(3)偏光板(A-1)の作製
一軸延伸ポリビニルアルコールフィルムにヨウ素が吸着配向された厚み12μmの偏光子の片面にケン化処理を施したトリアセチルセルロース樹脂からなる厚み25μmの保護フィルムを、他方の面にコロナ処理を施した環状ポリオレフィン系樹脂からなる厚み23μmの位相差フィルムを、水系接着剤を介して貼合することにより偏光板を作製した。
一軸延伸ポリビニルアルコールフィルムにヨウ素が吸着配向された厚み12μmの偏光子の片面にケン化処理を施したトリアセチルセルロース樹脂からなる厚み25μmの保護フィルムを、他方の面にコロナ処理を施した環状ポリオレフィン系樹脂からなる厚み23μmの位相差フィルムを、水系接着剤を介して貼合することにより偏光板を作製した。
(4)粘着剤層付偏光板(P-1)の作製
上記(3)で作製した偏光板の位相差フィルムの外面にコロナ処理を施し、上記(2)で作製した粘着剤層におけるセパレートフィルムとは反対側の面(粘着剤層面)をラミネーターにより貼り合わせた後、温度23℃、相対湿度60%の条件で7日間養生して、粘着剤層付偏光板を得た。
上記(3)で作製した偏光板の位相差フィルムの外面にコロナ処理を施し、上記(2)で作製した粘着剤層におけるセパレートフィルムとは反対側の面(粘着剤層面)をラミネーターにより貼り合わせた後、温度23℃、相対湿度60%の条件で7日間養生して、粘着剤層付偏光板を得た。
(5)偏光板(A-2)の作製
一軸延伸ポリビニルアルコールフィルムにヨウ素が吸着配向された厚み12μmの偏光子の片面にケン化処理を施したトリアセチルセルロース樹脂からなる厚み23μmの保護フィルムを、他方の面にケン化処理を施したトリアセチルセルロース樹脂からなる厚み20μmの位相差フィルムを、水系接着剤を介して貼合することにより偏光板を作製した。
一軸延伸ポリビニルアルコールフィルムにヨウ素が吸着配向された厚み12μmの偏光子の片面にケン化処理を施したトリアセチルセルロース樹脂からなる厚み23μmの保護フィルムを、他方の面にケン化処理を施したトリアセチルセルロース樹脂からなる厚み20μmの位相差フィルムを、水系接着剤を介して貼合することにより偏光板を作製した。
(6)粘着剤層付偏光板(P-2)の作製
上記(5)で作製した偏光板の位相差フィルムの外面に、上記(2)で作製した粘着剤層におけるセパレートフィルムとは反対側の面(粘着剤層面)をラミネーターにより貼り合わせた後、温度23℃、相対湿度60%の条件で7日間養生して、粘着剤層付偏光板を得た。
上記(5)で作製した偏光板の位相差フィルムの外面に、上記(2)で作製した粘着剤層におけるセパレートフィルムとは反対側の面(粘着剤層面)をラミネーターにより貼り合わせた後、温度23℃、相対湿度60%の条件で7日間養生して、粘着剤層付偏光板を得た。
(7) 粘着剤層付偏光板の耐金属腐食性評価
上記(4)で作製した粘着剤層付偏光板(P-1)を用いて、耐金属腐食性を評価した。
まず、無アルカリガラスの表面に感圧式粘着剤を介してアルミ蒸着加工ポリエステルフィルムのポリエステルフィルム面を貼合し、金属層付ガラス基板を準備した。
次いで、上記(4)で作製した粘着剤層付偏光板(P-1)を50mm×50mmの大きさの試験片に裁断し、金属層付ガラス基板の金属層側に粘着剤層を介して貼着した。得られた光学積層体をオートクレーブ中、温度50℃、圧力5kg/cm2(490.3kPa)で、20分間加圧し、評価用サンプルを作製した。
この評価用サンプルを温度85℃ 、相対湿度85% のオーブン中で360時間保管した後、粘着剤層付偏光板が貼着された部分の金属層の状態をガラス基板の背面から光を当てて偏光板表面から拡大鏡(ルーペ)を通して観察し、孔食(直径0.1mm以上であり、光を透過することが可能な孔の発生)について、以下の基準で評価した。結果を表3に示す。
1:金属層表面の全面に多数の孔食が発生し、白濁が発生している。
2:金属層表面に発生した孔食の数が3~20個であり、一部白濁している。
3:金属層表面の発生した孔食の数が2個以下である。
上記(4)で作製した粘着剤層付偏光板(P-1)を用いて、耐金属腐食性を評価した。
まず、無アルカリガラスの表面に感圧式粘着剤を介してアルミ蒸着加工ポリエステルフィルムのポリエステルフィルム面を貼合し、金属層付ガラス基板を準備した。
次いで、上記(4)で作製した粘着剤層付偏光板(P-1)を50mm×50mmの大きさの試験片に裁断し、金属層付ガラス基板の金属層側に粘着剤層を介して貼着した。得られた光学積層体をオートクレーブ中、温度50℃、圧力5kg/cm2(490.3kPa)で、20分間加圧し、評価用サンプルを作製した。
この評価用サンプルを温度85℃ 、相対湿度85% のオーブン中で360時間保管した後、粘着剤層付偏光板が貼着された部分の金属層の状態をガラス基板の背面から光を当てて偏光板表面から拡大鏡(ルーペ)を通して観察し、孔食(直径0.1mm以上であり、光を透過することが可能な孔の発生)について、以下の基準で評価した。結果を表3に示す。
1:金属層表面の全面に多数の孔食が発生し、白濁が発生している。
2:金属層表面に発生した孔食の数が3~20個であり、一部白濁している。
3:金属層表面の発生した孔食の数が2個以下である。
(8)帯電防止性の評価
上記(6)で作製した粘着剤層付偏光板(P-2)からセパレートフィルムを剥がした後、温度23℃ 、相対湿度55%の環境にて、粘着剤層の表面抵抗値を表面固有抵抗測定装置〔三菱化学(株)製の「ハイレスタ-up MCP-HT450」(商品名)〕により測定し、得られた数値をR1(初期の表面固有抵抗値)とした。測定条件は、印加電圧100V、印加時間30秒とした。
上記(6)で作製した粘着剤層付偏光板(P-2)を温度85℃のオーブン中で120時間保管した。オーブンから取り出した粘着剤層付偏光板を温度23℃ 、相対湿度55%の環境で12hr保管した後に、上記と同様に粘着剤層の表面抵抗値を測定し、得られた数値をR2(耐熱保管後の表面固有抵抗値)とした。耐熱保管後の帯電防止性の変化率を、以下の式に従って求めた。
耐熱保管後の帯電防止性の初期からの変化率(%)=〔(R2-R1)/R1〕×100
上記(6)で作製した粘着剤層付き偏光板(P-2)を温度60℃ 、相対湿度90% のオーブン中で120時間保管した。オーブンから取り出した粘着剤層付偏光板を温度23℃ 、相対湿度55%の環境で12hr保管した後に、上記と同様に粘着剤層の表面抵抗値を測定し、得られた数値をR3(湿熱保管後の表面固有抵抗値)とした。耐熱保管後の帯電防止性の変化率を、以下の通りで求めた。
湿熱保管後の帯電防止性の初期からの変化率(%)=〔(R3-R1)/R1〕×100
上記(6)で作製した粘着剤層付偏光板(P-2)からセパレートフィルムを剥がした後、温度23℃ 、相対湿度55%の環境にて、粘着剤層の表面抵抗値を表面固有抵抗測定装置〔三菱化学(株)製の「ハイレスタ-up MCP-HT450」(商品名)〕により測定し、得られた数値をR1(初期の表面固有抵抗値)とした。測定条件は、印加電圧100V、印加時間30秒とした。
上記(6)で作製した粘着剤層付偏光板(P-2)を温度85℃のオーブン中で120時間保管した。オーブンから取り出した粘着剤層付偏光板を温度23℃ 、相対湿度55%の環境で12hr保管した後に、上記と同様に粘着剤層の表面抵抗値を測定し、得られた数値をR2(耐熱保管後の表面固有抵抗値)とした。耐熱保管後の帯電防止性の変化率を、以下の式に従って求めた。
耐熱保管後の帯電防止性の初期からの変化率(%)=〔(R2-R1)/R1〕×100
上記(6)で作製した粘着剤層付き偏光板(P-2)を温度60℃ 、相対湿度90% のオーブン中で120時間保管した。オーブンから取り出した粘着剤層付偏光板を温度23℃ 、相対湿度55%の環境で12hr保管した後に、上記と同様に粘着剤層の表面抵抗値を測定し、得られた数値をR3(湿熱保管後の表面固有抵抗値)とした。耐熱保管後の帯電防止性の変化率を、以下の通りで求めた。
湿熱保管後の帯電防止性の初期からの変化率(%)=〔(R3-R1)/R1〕×100
10,20 粘着剤層付光学フィルム、11,24 直線偏光板、12 粘着剤層、13,25 第1保護フィルム、14,16,26,28 接着剤層、15,27 偏光子、17,29 第2保護フィルム、21 粘着剤層、22 位相差フィルム、23 貼合層、30,40 光学積層体、31,42 金属層、41 樹脂層、50 表示装置、51 液晶セル。
Claims (9)
- 前記イオン性化合物(C)において、アニオンがテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートアニオンである、請求項1に記載の粘着剤組成物。
- 前記イオン性化合物(C)において、アニオンがテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートアニオンであり、かつカチオンが炭素数4以上のアルキル基を有するホスホニウムカチオンである、請求項1に記載の粘着剤組成物。
- 前記架橋剤(B)は芳香族系イソシアネート化合物を含む、請求項1~4のいずれか一項に記載の粘着剤組成物。
- シラン化合物(D)をさらに含む、請求項1~4のいずれか一項に記載の粘着剤組成物。
- 請求項1~4のいずれか一項に記載の粘着剤組成物から形成された粘着剤層。
- 請求項7に記載の粘着剤層と偏光板とが積層された粘着剤層付偏光板。
- 請求項8に記載の粘着剤層付偏光板を含む表示装置。
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