JP2024077641A - レジスト組成物及びパターン形成方法 - Google Patents

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和弘 片山
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Abstract

【課題】高エネルギー線を用いるリソグラフィーにおいて、パターン倒れに強く限界解像性に優れ、また感度やLWRも改善されたレジスト組成物、及び該レジスト組成物を用いるパターン形成方法を提供する。【解決手段】(A)酸不安定基を有する繰り返し単位を含むポリマーを含むベースポリマー、(B)有機溶剤、及び(C)下記式(1)で表されるオニウム塩を含むレジスト組成物。TIFF2024077641000167.tif646(式中、Zq+は、スルホニウムカチオン、ヨードニウムカチオン又はアンモニウムカチオンである。Xq-は、アニオンである。ただし、Xq-を共役塩基とする酸(XqH)は、その沸点が165℃未満かつ分子量が150以下である。)【選択図】なし

Description

本発明は、レジスト組成物及びパターン形成方法に関する。
LSIの高集積化と高速度化に伴い、パターンルールの微細化が急速に進んでいる。5Gの高速通信と人工知能(artificial intelligence、AI)の普及が進み、これを処理するための高性能デバイスが必要とされているためである。最先端の微細化技術としては、波長13.5nmの極端紫外線(EUV)リソグラフィーによる5nmノードのデバイスの量産が行われている。更には、次世代の3nmノード、次次世代の2nmノードデバイスにおいてもEUVリソグラフィーを用いた検討が進められている。
微細化の進行とともに酸の拡散による像のぼけが問題になっている。寸法サイズ45nm以降の微細パターンでの解像性を確保するためには、従来提案されている溶解コントラストの向上だけでなく、酸拡散の制御が重要であることが提案されている(非特許文献1)。しかしながら、化学増幅レジスト組成物は、酸の拡散によって感度とコントラストを上げているため、露光後加熱処理(ポストエクスポージャーベーク(PEB))温度を下げたり、時間を短くしたりして酸拡散を極限まで抑えようとすると、感度とコントラストが著しく低下する。
感度、解像度及びエッジラフネス(LER、LWR)のトライアングルトレードオフの関係が示されている。解像度を向上させるためには酸拡散を抑えることが必要であるが、酸拡散距離が短くなると感度が低下する。
バルキーな酸が発生する酸発生剤を添加して酸拡散を抑えることは有効である。そこで、重合性不飽和結合を有するオニウム塩に由来する繰り返し単位をポリマーに含ませることが提案されている。このとき、ポリマーは、酸発生剤としても機能する(ポリマーバウンド型酸発生剤)。特許文献1には、ベースポリマーから特定のフルオロスルホン酸を発生するポリマーバウンド型酸発生剤が提案されている。
感度、解像度及びエッジラフネスのトライアングルトレードオフの関係が示されている。解像度を向上させるためには酸拡散を抑えることが必要であるが、酸拡散距離が短くなると感度が低下する。
また、クエンチャー(酸拡散制御剤)も種々の検討がなされてきた。クエンチャーとしては種々のアミン類が主に用いられているが、パターンの荒れの指標となるラインウィズスラフネス(LWR)や、パターン形状等において、改善すべき課題は多い。また、クエンチャーとして弱酸オニウム塩を用いた検討も報告されている。特許文献2には、スルホン酸アンモニウム塩又はカルボン酸アンモニウム塩の添加により、感度、解像性、露光マージンが改善したことが記載されている。特許文献3には、フッ素原子含有カルボン酸を発生する光酸発生剤を含む組み合わせのKrFリソグラフィー用レジスト組成物又は電子線(EB)リソグラフィー用レジスト組成物が、解像力に優れ、露光マージン、焦点深度(DOF)等のプロセス許容性が改善されたと記載されている。特許文献4には、カルボン酸オニウム塩を含むArFエキシマレーザー露光用ポジ型感光性組成物が記載されている。特許文献5には、弱酸オニウム塩となるフルオロアルカンスルホンアミドのオニウム塩が記載されているが、これを用いた場合でも、ArFリソグラフィーやArF液浸リソグラフィーを用いる超微細加工が求められる世代においては、そのパターンの荒れ性を示すLWRや解像性は不足しており、クエンチャーとしての機能に優れる弱酸オニウム塩の更なる開発が望まれていた。また、特許文献6~8には、カルボン酸オニウム塩として、α,α-ジフルオロカルボン酸のオニウム塩やシュウ酸構造を有するオニウム塩が記載されている。
これらの一連の弱酸のオニウム塩は、露光によって他の光酸発生剤から生じた強酸(スルホン酸)が弱酸オニウム塩と交換し、弱酸及び強酸オニウム塩を形成することで酸性度の高い強酸(α,α-ジフルオロスルホン酸)から弱酸(アルカンスルホン酸、カルボン酸等)に置き換わることによって酸不安定基の酸脱離反応を抑制し、酸拡散距離を小さくする(制御する)ものであり、見かけ上クエンチャーとして機能する。しかしながら、より微細なパターンを形成するために適用されるEUVリソグラフィーにおいては、これらの弱酸オニウム塩を使用したレジスト組成物でも解像性、LWR、DOF等を満足できるものは得られていない。特に、ラインアンドスペースパターンのハーフピッチ18nm以下となる領域においては、レジスト膜の膨潤によるパターン倒れが深刻となっている。そのため、アルカリ現像液に由来する、レジスト膜の膨潤によるレジストパターンの倒れを抑制するクエンチャーの開発が求められている。
特開2008-133448号公報 特開平11-327143号公報 特開2001-281849号公報 特許第4226803号公報 特開2012-108447号公報 特開2015-54833号公報 国際公開第2021-199789号 特許第6304246号公報
SPIE Vol. 6520 65203L-1 (2007)
本発明は、前記事情に鑑みなされたもので、高エネルギー線を用いるリソグラフィー、特にEBリソグラフィー及びEUVリソグラフィーにおいて、パターン倒れに強く限界解像性に優れ、また感度やLWRも改善されたレジスト組成物、及び該レジスト組成物を用いるパターン形成方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、前記目的を達成するため鋭意検討を重ねた結果、沸点が165℃未満かつ分子量が150以下の弱酸のオニウム塩をクエンチャーとして含むレジスト組成物が、現像時のレジスト膜の膨潤を抑制し、その結果、限界解像性に優れ、精密な微細加工に極めて有効であることを知見し、本発明をなすに至った。
すなわち、本発明は、下記レジスト組成物及びパターン形成方法を提供する。
1.(A)酸不安定基を有する繰り返し単位を含むポリマーを含むベースポリマー、(B)有機溶剤、及び(C)下記式(1)で表されるオニウム塩を含むレジスト組成物。
Figure 2024077641000001
(式中、Zq+は、スルホニウムカチオン、ヨードニウムカチオン又はアンモニウムカチオンである。Xq-は、アニオンである。ただし、Xq-を共役塩基とする酸(XqH)は、その沸点が165℃未満かつ分子量が150以下である。)
2.前記酸不安定基を有する繰り返し単位が、下記式(a1)又は(a2)で表されるものである1のレジスト組成物。
Figure 2024077641000002
(式中、RAは、それぞれ独立に、水素原子、フッ素原子、メチル基又はトリフルオロメチル基である。
1は、単結合、フェニレン基、ナフチレン基又は*-C(=O)-O-X11-である。X11は、炭素数1~10の飽和ヒドロカルビレン基、フェニレン基又はナフチレン基であり、該飽和ヒドロカルビレン基は、ヒドロキシ基、エーテル結合、エステル結合又はラクトン環を含んでいてもよい。
2は、単結合又は*-C(=O)-O-である。
*は、主鎖の炭素原子との結合手を表す。
AL1及びAL2は、それぞれ独立に、酸不安定基である。
1は、ハロゲン原子、又はヘテロ原子を含んでいてもよい炭素数1~20のヒドロカルビル基である。
aは、0~4の整数である。)
3.前記ポリマーが、更に、下記式(b1)又は(b2)で表される繰り返し単位を含む、1又は2のレジスト組成物。
Figure 2024077641000003
(式中、RAは、それぞれ独立に、水素原子、フッ素原子、メチル基又はトリフルオロメチル基である。
1は、単結合又は*-C(=O)-O-である。*は、主鎖の炭素原子との結合手を表す。
11は、水素原子、又はヒドロキシ基、シアノ基、カルボニル基、カルボキシ基、エーテル結合、エステル結合、スルホン酸エステル結合、カーボネート結合、ラクトン環、スルトン環及びカルボン酸無水物(-C(=O)-O-C(=O)-)から選ばれる少なくとも1つ以上の構造を含む炭素数1~20の基である。
12は、ハロゲン原子、又はヘテロ原子を含んでいてもよい炭素数1~20のヒドロカルビル基である。
bは、1又は2である。cは、0~4の整数である。ただし、1≦b+c≦5である。)
4.前記ポリマーが、更に、光酸発生基を有する繰り返し単位を含む1~3のいずれかのレジスト組成物。
5.前記光酸発生基を有する繰り返し単位が、下記式(c1)~(c4)のいずれかで表されるものである4のレジスト組成物。
Figure 2024077641000004
(式中、RAは、それぞれ独立に、水素原子、フッ素原子、メチル基又はトリフルオロメチル基である。
1は、単結合又はフェニレン基である。
2は、*-C(=O)-O-Z21-、*-C(=O)-NH-Z21-又は*-O-Z21-である。Z21は、炭素数1~6の脂肪族ヒドロカルビレン基、フェニレン基又はこれらを組み合わせて得られる2価の基であり、カルボニル基、エステル結合、エーテル結合又はヒドロキシ基を含んでいてもよい。
3は、単結合、フェニレン基、ナフチレン基又は*-C(=O)-O-Z31-である。Z31は、炭素数1~10の脂肪族ヒドロカルビレン基、フェニレン基又はナフチレン基であり、該脂肪族ヒドロカルビレン基は、ヒドロキシ基、エーテル結合、エステル結合若しくはラクトン環を含んでいてもよい。
4は、単結合又は**-Z41-C(=O)-O-である。Z41は、ヘテロ原子を含んでいてもよい炭素数1~20のヒドロカルビレン基である。
5は、単結合、メチレン基、エチレン基、フェニレン基、フッ素化フェニレン基、トリフルオロメチル基で置換されたフェニレン基、*-C(=O)-O-Z51-、*-C(=O)-N(H)-Z51-又は*-O-Z51-である。Z51は、炭素数1~6の脂肪族ヒドロカルビレン基、フェニレン基、フッ素化フェニレン基又はトリフルオロメチル基で置換されたフェニレン基であり、カルボニル基、エステル結合、エーテル結合又はヒドロキシ基を含んでいてもよい。
*は、主鎖の炭素原子との結合手を表す。**は、Z3との結合手を表す。
21及びR22は、それぞれ独立に、ヘテロ原子を含んでいてもよい炭素数1~20のヒドロカルビル基である。また、R21とR22とが、互いに結合してこれらが結合する硫黄原子と共に環を形成してもよい。
1は、単結合、エーテル結合、エステル結合、カルボニル基、スルホン酸エステル結合、カーボネート結合又はカーバメート結合である。
Rf1及びRf2は、それぞれ独立に、フッ素原子又は炭素数1~6のフッ素化飽和ヒドロカルビル基である。
Rf3及びRf4は、それぞれ独立に、水素原子、フッ素原子又は炭素数1~6のフッ素化飽和ヒドロカルビル基である。
Rf5及びRf6は、それぞれ独立に、水素原子、フッ素原子又は炭素数1~6のフッ素化飽和ヒドロカルビル基である。ただし、全てのRf5及びRf6が同時に水素原子になることはない。
-は、非求核性対向アニオンである。
+は、オニウムカチオンである。
dは、0~3の整数である。)
6.更に、(D)光酸発生剤を含む1~5のいずれかのレジスト組成物。
7.(D)光酸発生剤が、下記式(2)又は(3)で表されるものである6のレジスト組成物。
Figure 2024077641000005
(式中、R101、R102及びR103は、それぞれ独立に、ヘテロ原子を含んでいてもよい炭素数1~20のヒドロカルビル基である。また、R101及びR102が、互いに結合してこれらが結合する硫黄原子と共に環を形成してもよい。
Xa-は、非求核性対向アニオンである。)
Figure 2024077641000006
(式中、R201及びR202は、それぞれ独立に、ヘテロ原子を含んでいてもよい炭素数1~30のヒドロカルビル基である。R203は、ヘテロ原子を含んでいてもよい炭素数1~30のヒドロカルビレン基である。また、R201、R202及びR203のうちのいずれか2つが、互いに結合してこれらが結合する硫黄原子と共に環を形成してもよい。
Aは、単結合、エーテル結合、又はヘテロ原子を含んでいてもよい炭素数1~20のヒドロカルビレン基である。
a、Xb、Xc及びXdは、それぞれ独立に、水素原子、フッ素原子又はトリフルオロメチル基である。ただし、Xa、Xb、Xc及びXdのうち少なくとも1つは、フッ素原子又はトリフルオロメチル基である。)
8.更に、(E)含窒素化合物を含む1~7のいずれかのレジスト組成物。
9.更に、(F)界面活性剤を含む1~8のいずれかのレジスト組成物。
10.1~9のいずれかのレジスト組成物を用いて基板上にレジスト膜を形成する工程と、KrFエキシマレーザー光、ArFエキシマレーザー光、EB又はEUVで前記レジスト膜を露光する工程と、前記露光したレジスト膜を、現像液を用いて現像する工程とを含むパターン形成方法。
本発明のレジスト組成物は、低酸拡散かつ低膨潤な特性を有するため、LWRが小さく、高解像性のパターンプロファイルを構築できる。
合成例2-1で合成したオニウム塩SQ-1の1H-NMRスペクトルである。 合成例2-1で合成したオニウム塩SQ-1の19F-NMRスペクトルである。
[(A)酸不安定基を有する繰り返し単位を含むポリマー]
本発明のレジスト組成物に使用されるベースポリマーは、酸不安定基を有する繰り返し単位を含むポリマーを含むものである。前記酸不安定基を有する繰り返し単位としては、下記式(a1)で表される繰り返し単位(以下、繰り返し単位a1ともいう。)又は下記式(a2)で表される繰り返し単位(以下、繰り返し単位a2ともいう。)が好ましい。
Figure 2024077641000007
式(a1)及び(a2)中、RAは、それぞれ独立に、水素原子、フッ素原子、メチル基又はトリフルオロメチル基である。X1は、単結合、フェニレン基、ナフチレン基又は*-C(=O)-O-X11-である。X11は、炭素数1~10の飽和ヒドロカルビレン基、フェニレン基又はナフチレン基であり、該飽和ヒドロカルビレン基は、ヒドロキシ基、エーテル結合、エステル結合又はラクトン環を含んでいてもよい。X2は、単結合又は*-C(=O)-O-である。*は、主鎖の炭素原子との結合手を表す。AL1及びAL2は、それぞれ独立に、酸不安定基である。
式(a2)中、R1は、ハロゲン原子、又はヘテロ原子を含んでいてもよい炭素数1~20のヒドロカルビル基である。前記ヒドロカルビル基は、飽和でも不飽和でもよく、直鎖状、分岐状、環状のいずれでもよい。
式(a2)中、aは、0~4の整数であり、好ましくは0又は1である。
式(a1)中のX1を変えた構造としては、以下に示すものが挙げられるが、これらに限定されない。なお、下記式中、RA及びAL1は、前記と同じである。
Figure 2024077641000008
Figure 2024077641000009
繰り返し単位a1を含むポリマーは、酸の作用で分解してカルボキシ基を生じ、アルカリ可溶性となる。
AL1及びAL2で表される酸不安定基としては特に限定されないが、例えば、下記式(L1)~(L4)から選ばれる基、炭素数4~20、好ましくは4~15の第3級ヒドロカルビル基、各ヒドロカルビル基がそれぞれ炭素数1~6のヒドロカルビル基であるトリヒドロカルビルシリル基、カルボニル基、エーテル結合又はエステル結合を含む炭素数4~20のヒドロカルビル基等が好ましい。
Figure 2024077641000010
(式中、*は、結合手を表す。)
式(L1)中、RL01及びRL02は、水素原子又は炭素数1~18の飽和ヒドロカルビル基である。前記飽和ヒドロカルビル基は、直鎖状、分岐状、環状のいずれでもよく、その具体例としては、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、n-オクチル基、2-エチルヘキシル基等のアルキル基;シクロペンチル基、シクロヘキシル基、ノルボルニル基、トリシクロデカニル基、テトラシクロドデカニル基、アダマンチル基等の環式飽和ヒドロカルビル基が挙げられる。前記飽和ヒドロカルビル基としては、炭素数1~10のものが好ましい。
L03は、炭素数1~18、好ましくは炭素数1~10のヒドロカルビル基であり、ヘテロ原子を含む基を含んでいてもよい。前記ヒドロカルビル基は、飽和でも不飽和でもよく、直鎖状、分岐状、環状のいずれでもよいが、飽和ヒドロカルビル基が好ましい。また、前記飽和ヒドロカルビル基の水素原子の一部又は全部が、ヒドロキシ基、飽和ヒドロカルビルオキシ基、オキソ基、アミノ基、飽和ヒドロカルビルアミノ基等で置換されていてもよく、前記飽和ヒドロカルビル基の-CH2-の一部が酸素原子等のヘテロ原子を含む基で置換されていてもよい。前記飽和ヒドロカルビル基としては、RL01及びRL02で表される飽和ヒドロカルビル基として前述したものと同様のものが挙げられる。また、置換された飽和ヒドロカルビル基としては、以下に示す基等が挙げられる。
Figure 2024077641000011
(式中、*は、結合手を表す。)
L01、RL02及びRL03のいずれか2つは、互いに結合してこれらが結合する炭素原子又は炭素原子と酸素原子と共に環を形成してもよい。環を形成する場合には、環の形成に関与するRL01、RL02及びRL03のいずれか2つは、それぞれ独立に、炭素数1~18、好ましくは炭素数1~10のアルカンジイル基であることが好ましい。
式(L2)中、RL04は、炭素数4~20、好ましくは炭素数4~15の第3級ヒドロカルビル基、各アルキル基がそれぞれ炭素数1~6のアルキル基であるトリアルキルシリル基、カルボニル基、エーテル結合又はエステル結合を含む炭素数4~20の飽和ヒドロカルビル基、又は式(L1)で表される基である。xは、0~6の整数である。
L04で表される第3級ヒドロカルビル基は、分岐状でも環状でもよく、その具体例としては、tert-ブチル基、tert-ペンチル基、1,1-ジエチルプロピル基、2-シクロペンチルプロパン-2-イル基、2-シクロヘキシルプロパン-2-イル基、2-(ビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-イル)プロパン-2-イル基、2-(アダマンタン-1-イル)プロパン-2-イル基、1-エチルシクロペンチル基、1-ブチルシクロペンチル基、1-エチルシクロヘキシル基、1-ブチルシクロヘキシル基、1-エチル-2-シクロペンテニル基、1-エチル-2-シクロヘキセニル基、2-メチル-2-アダマンチル基、2-エチル-2-アダマンチル基等が挙げられる。前記トリアルキルシリル基としては、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、ジメチル-tert-ブチルシリル基等が挙げられる。前記カルボニル基、エーテル結合又はエステル結合を含む飽和ヒドロカルビル基としては、3-オキソシクロヘキシル基、4-メチル-2-オキソオキサン-4-イル基、5-メチル-2-オキソオキソラン-5-イル基等が挙げられる。
式(L3)中、RL05は、置換されていてもよい炭素数1~8の飽和ヒドロカルビル基又は置換されていてもよい炭素数6~20のアリール基である。前記置換されていてもよい飽和ヒドロカルビル基は、直鎖状、分岐状、環状のいずれでもよく、その具体例としては、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、n-ペンチル基、tert-ペンチル基、n-ヘキシル基等のアルキル基;シクロペンチル基、シクロヘキシル基等の環式飽和ヒドロカルビル基;これらの基の水素原子の一部又は全部が、ヒドロキシ基、炭素数1~8の飽和ヒドロカルビルオキシ基、カルボキシ基、炭素数1~8の飽和ヒドロカルビルカルボニル基、オキソ基、アミノ基、炭素数1~8の飽和ヒドロカルビルアミノ基、シアノ基、メルカプト基、炭素数1~8の飽和ヒドロカルビルチオ基、スルホ基等で置換されたもの等が挙げられる。前記置換されていてもよいアリール基としては、フェニル基、メチルフェニル基、ナフチル基、アンスリル基、フェナンスリル基、ピレニル基、これらの基の水素原子の一部又は全部が、ヒドロキシ基、炭素数1~8の飽和ヒドロカルビルオキシ基、カルボキシ基、炭素数1~8の飽和ヒドロカルビルカルボニル基、オキソ基、アミノ基、炭素数1~8の飽和ヒドロカルビルアミノ基、シアノ基、メルカプト基、炭素数1~8の飽和ヒドロカルビルチオ基、スルホ基等で置換されたもの等が挙げられる。
式(L3)中、yは0又は1であり、zは0~3の整数であり、2y+z=2又は3である。
式(L4)中、RL06は、置換されていてもよい炭素数1~8の飽和ヒドロカルビル基又は置換されていてもよい炭素数6~20のアリール基である。前記置換されていてもよい飽和ヒドロカルビル基及び置換されていてもよいアリール基の具体例としては、それぞれRL05で表されるものとして例示したものと同様のものが挙げられる。
式(L4)中、RL07~RL16は、れぞれ独立に、水素原子、又は置換されていてもよい炭素数1~15のヒドロカルビル基である。前記ヒドロカルビル基は、飽和でも不飽和でもよく、直鎖状、分岐状、環状のいずれでもよいが、飽和ヒドロカルビル基が好ましい。前記ヒドロカルビル基としては、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、n-ペンチル基、tert-ペンチル基、n-ヘキシル基、n-オクチル基、n-ノニル基、n-デシル基等のアルキル基;シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロペンチルメチル基、シクロペンチルエチル基、シクロペンチルブチル基、シクロヘキシルメチル基、シクロヘキシルエチル基、シクロヘキシルブチル基等の環式飽和ヒドロカルビル基;これらの基の水素原子の一部又は全部が、ヒドロキシ基、炭素数1~8の飽和ヒドロカルビルオキシ基、カルボキシ基、炭素数1~8の飽和ヒドロカルビルオキシカルボニル基、オキソ基、アミノ基、炭素数1~8の飽和ヒドロカルビルアミノ基、シアノ基、メルカプト基、炭素数1~8の飽和ヒドロカルビルチオ基、スルホ基等で置換されたもの等が挙げられる。RL07~RL16は、これらから選ばれる2個が互いに結合してこれらが結合する炭素原子と共に環を形成していてもよく(例えば、RL07とRL08、RL07とRL09、RL07とRL10、RL08とRL10、RL09とRL10、RL11とRL12、RL13とRL14等)、その場合には、環の形成に関与する基は炭素数1~15のヒドロカルビレン基である。前記ヒドロカルビレン基としては、前記ヒドロカルビル基として例示したものから水素原子を1個除いたもの等が挙げられる。また、RL07~RL16は、隣接する炭素原子に結合するもの同士で何も介さずに結合し、二重結合を形成してもよい(例えば、RL07とRL09、RL09とRL15、RL13とRL15、RL14とRL15等)。
式(L1)で表される酸不安定基のうち直鎖状又は分岐状のものとしては、以下に示す基が挙げられるが、これらに限定されない。
Figure 2024077641000012
(式中、*は、結合手を表す。)
式(L1)で表される酸不安定基のうち環状のものとしては、テトラヒドロフラン-2-イル基、2-メチルテトラヒドロフラン-2-イル基、テトラヒドロピラン-2-イル基、2-メチルテトラヒドロピラン-2-イル基等が挙げられる。
式(L2)で表される酸不安定基としては、tert-ブトキシカルボニル基、tert-ブトキシカルボニルメチル基、tert-ペンチルオキシカルボニル基、tert-ペンチルオキシカルボニルメチル基、1,1-ジエチルプロピルオキシカルボニル基、1,1-ジエチルプロピルオキシカルボニルメチル基、1-エチルシクロペンチルオキシカルボニル基、1-エチルシクロペンチルオキシカルボニルメチル基、1-エチル-2-シクロペンテニルオキシカルボニル基、1-エチル-2-シクロペンテニルオキシカルボニルメチル基、1-エトキシエトキシカルボニルメチル基、2-テトラヒドロピラニルオキシカルボニルメチル基、2-テトラヒドロフラニルオキシカルボニルメチル基等が挙げられる。
式(L3)で表される酸不安定基としては、1-メチルシクロペンチル基、1-エチルシクロペンチル基、1-n-プロピルシクロペンチル基、1-イソプロピルシクロペンチル基、1-n-ブチルシクロペンチル基、1-sec-ブチルシクロペンチル基、1-シクロヘキシルシクロペンチル基、1-(4-メトキシ-n-ブチル)シクロペンチル基、1-メチルシクロヘキシル基、1-エチルシクロヘキシル基、3-メチル-1-シクロペンテン-3-イル基、3-エチル-1-シクロペンテン-3-イル基、3-メチル-1-シクロヘキセン-3-イル基、3-エチル-1-シクロヘキセン-3-イル基等が挙げられる。
式(L4)で表される酸不安定基としては、下記式(L4-1)~(L4-4)で表される基が特に好ましい。
Figure 2024077641000013
式(L4-1)~(L4-4)中、***は、結合位置及び結合方向を表す。RL41は、それぞれ独立に、炭素数1~10のヒドロカルビル基である。前記ヒドロカルビル基は、飽和でも不飽和でもよく、直鎖状、分岐状、環状のいずれでもよいが、飽和ヒドロカルビル基が好ましい。前記ヒドロカルビル基としては、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、n-ペンチル基、tert-ペンチル基、n-ヘキシル基等のアルキル基;シクロペンチル基、シクロヘキシル基等の環式飽和ヒドロカルビル基が挙げられる。
式(L4-1)~(L4-4)で表される基には、立体異性体(エナンチオマー又はジアステレオマー)が存在し得るが、式(L4-1)~(L4-4)をもってこれらの立体異性体の全てを代表して表す。前記酸不安定基が式(L4)で表される基である場合は、複数の立体異性体が含まれていてもよい。
例えば、式(L4-3)は、下記式(L4-3-1)及び(L4-3-2)で表される基から選ばれる1種又は2種の混合物を代表して表すものとする。
Figure 2024077641000014
(式中、RL41及び***は、前記と同じ。)
また、式(L4-4)は、下記式(L4-4-1)~(L4-4-4)で表される基から選ばれる1種又は2種以上の混合物を代表して表すものとする。
Figure 2024077641000015
(式中、RL41及び***は、前記と同じ。)
式(L4-1)~(L4-4)、(L4-3-1)、(L4-3-2)、及び式(L4-4-1)~(L4-4-4)は、それらのエナンチオマー及びエナンチオマーの混合物をも代表して表すものとする。
なお、式(L4-1)~(L4-4)、(L4-3-1)、(L4-3-2)、及び式(L4-4-1)~(L4-4-4)の結合方向が、それぞれビシクロ[2.2.1]ヘプタン環に対してexo側であることによって、酸触媒脱離反応における高反応性が実現される(特開2000-336121号公報参照)。ビシクロ[2.2.1]ヘプタン骨格を有する第3級exo-飽和ヒドロカルビル基を置換基とする単量体の製造において、下記式(L4-1-endo)~(L4-4-endo)で表されるendo-アルキル基で置換された単量体を含む場合があるが、良好な反応性の実現のためにはexo比率が50モル%以上であることが好ましく、exo比率が80モル%以上であることが更に好ましい。
Figure 2024077641000016
(式中、RL41及び***は、前記と同じ。)
式(L4)で表される酸不安定基としては、以下に示す基が挙げられるが、これらに限定されない。
Figure 2024077641000017
(式中、***は、前記と同じ。)
また、AL1及びAL2で表される酸不安定基のうち、炭素数4~20の第3級ヒドロカルビル基、各ヒドロカルビル基がそれぞれ炭素数1~6のヒドロカルビル基であるトリヒドロカルビルシリル基、及びカルボニル基、エーテル結合又はエステル結合を含む炭素数4~20の飽和ヒドロカルビル基としては、それぞれRL04の説明において例示したものと同様のものが挙げられる。
繰り返し単位a1としては、以下に示すものが挙げられるが、これらに限定されない。なお、下記式中、RAは、前記と同じである。
Figure 2024077641000018
Figure 2024077641000019
Figure 2024077641000020
Figure 2024077641000021
Figure 2024077641000022
なお、これらの具体例はX1が単結合の場合であるが、X1が単結合以外の場合においても同様の酸不安定基と組み合わせることができる。X1が単結合以外のものである場合の具体例は、前述したとおりである。
繰り返し単位a2を含むポリマーは、繰り返し単位a1と同様に酸の作用で分解してヒドロキシ基を生じ、アルカリ可溶性となる。繰り返し単位a2としては、以下に示すものが挙げられるが、これらに限定されない。なお、下記式中、RAは、前記と同じである。
Figure 2024077641000023
Figure 2024077641000024
前記ベースポリマーは、更に、下記式(b1)で表される繰り返し単位(以下、繰り返し単位b1ともいう。)又は下記式(b2)で表される繰り返し単位(以下、繰り返し単位b2ともいう。)を含むことが好ましい。
Figure 2024077641000025
式(b1)及び(b2)中、RAは、それぞれ独立に、水素原子、フッ素原子、メチル基又はトリフルオロメチル基である。Y1は、単結合又は*-C(=O)-O-である。*は、主鎖の炭素原子との結合手を表す。R11は、水素原子、又はヒドロキシ基、シアノ基、カルボニル基、カルボキシ基、エーテル結合、エステル結合、スルホン酸エステル結合、カーボネート結合、ラクトン環、スルトン環及びカルボン酸無水物(-C(=O)-O-C(=O)-)から選ばれる少なくとも1つ以上の構造を含む炭素数1~20の基である。R12は、ハロゲン原子、又はヘテロ原子を含んでいてもよい炭素数1~20のヒドロカルビル基である。bは、1又は2である。cは、0~4の整数である。ただし、1≦b+c≦5である。
繰り返し単位b1としては、以下に示すものが挙げられるが、これらに限定されない。なお、下記式中、RAは、前記と同じである。
Figure 2024077641000026
Figure 2024077641000027
Figure 2024077641000028
Figure 2024077641000029
Figure 2024077641000030
Figure 2024077641000031
Figure 2024077641000032
Figure 2024077641000033
Figure 2024077641000034
Figure 2024077641000035
繰り返し単位b2としては、以下に示すものが挙げられるが、これらに限定されない。なお、下記式中、RAは、前記と同じである。
Figure 2024077641000036
Figure 2024077641000037
Figure 2024077641000038
Figure 2024077641000039
Figure 2024077641000040
繰り返し単位b1又はb2としては、ArFリソグラフィーにおいては、特にラクトン環を極性基として有するものが好ましく、KrFリソグラフィー、EBリソグラフィー及びEUVリソグラフィーにおいてはフェノール性ヒドロキシ基を有するものが好ましい。
前記ベースポリマーは、光酸発生基を有する繰り返し単位を含むことが好ましい。これによって発生酸の拡散を強く制御することが可能となり、LWRや寸法均一性(CDU)を改善することができる。このような光酸発生基を有する繰り返し単位としては、下記式(c1)~(c4)のいずれかで表される繰り返し単位(以下、それぞれ繰り返し単位c1~c4ともいう。)が挙げられる。
Figure 2024077641000041
式(c1)~(c4)中、RAは、それぞれ独立に、水素原子、フッ素原子、メチル基又はトリフルオロメチル基である。Z1は、単結合又はフェニレン基である。Z2は、*-C(=O)-O-Z21-、*-C(=O)-NH-Z21-又は*-O-Z21-である。Z21は、炭素数1~6の脂肪族ヒドロカルビレン基、フェニレン基又はこれらを組み合わせて得られる2価の基であり、カルボニル基、エステル結合、エーテル結合又はヒドロキシ基を含んでいてもよい。Z3は、単結合、フェニレン基、ナフチレン基又は*-C(=O)-O-Z31-である。Z31は、炭素数1~10の脂肪族ヒドロカルビレン基、フェニレン基又はナフチレン基であり、該脂肪族ヒドロカルビレン基は、ヒドロキシ基、エーテル結合、エステル結合若しくはラクトン環を含んでいてもよい。Z4は、単結合又は**-Z41-C(=O)-O-である。Z41は、ヘテロ原子を含んでいてもよい炭素数1~20のヒドロカルビレン基である。Z5は、単結合、メチレン基、エチレン基、フェニレン基、フッ素化フェニレン基、トリフルオロメチル基で置換されたフェニレン基、*-C(=O)-O-Z51-、*-C(=O)-N(H)-Z51-又は*-O-Z51-である。Z51は、炭素数1~6の脂肪族ヒドロカルビレン基、フェニレン基、フッ素化フェニレン基又はトリフルオロメチル基で置換されたフェニレン基であり、カルボニル基、エステル結合、エーテル結合又はヒドロキシ基を含んでいてもよい。*は、主鎖の炭素原子との結合手を表す。**は、Z3との結合手を表す。
式(c1)~(c4)中、Z21、Z31及びZ51で表される脂肪族ヒドロカルビレン基は、直鎖状、分岐状、環状のいずれでもよく、その具体例としては、メタンジイル基、エタン-1,1-ジイル基、エタン-1,2-ジイル基、プロパン-1,1-ジイル基、プロパン-1,2-ジイル基、プロパン-1,3-ジイル基、プロパン-2,2-ジイル基、ブタン-1,1-ジイル基、ブタン-1,2-ジイル基、ブタン-1,3-ジイル基、ブタン-2,3-ジイル基、ブタン-1,4-ジイル基、1,1-ジメチルエタン-1,2-ジイル基、ペンタン-1,5-ジイル基、2-メチルブタン-1,2-ジイル基、ヘキサン-1,6-ジイル基のアルカンジイル基;シクロプロパンジイル基、シクロブタンジイル基、シクロペンタンジイル基、シクロヘキサンジイル基等のシクロアルカンジイル基;これらを組み合わせて得られる基等が挙げられる。
41で表されるヒドロカルビレン基は、飽和でも不飽和でもよく、直鎖状、分岐状、環状のいずれでもよい。その具体例としては、以下に示すものが挙げられるが、これらに限定されない。
Figure 2024077641000042
(式中、破線は、結合手である。)
式(c1)中、R21及びR22は、それぞれ独立に、ヘテロ原子を含んでいてもよい炭素数1~20のヒドロカルビル基である。前記ヒドロカルビル基は、飽和でも不飽和でもよく、直鎖状、分岐状、環状のいずれでもよい。その具体例としては、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、tert-ブチル基等の炭素数1~20のアルキル基;シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロプロピルメチル基、4-メチルシクロヘキシル基、シクロヘキシルメチル基、ノルボルニル基、アダマンチル基等の炭素数3~20の環式飽和ヒドロカルビル基;ビニル基、アリル基、プロペニル基、ブテニル基、ヘキセニル基等の炭素数2~20のアルケニル基;シクロヘキセニル基等の炭素数3~20の環式不飽和ヒドロカルビル基;フェニル基、ナフチル基、チエニル基等の炭素数6~20のアリール基;ベンジル基、1-フェニルエチル基、2-フェニルエチル基等の炭素数7~20のアラルキル基;これらを組み合わせて得られる基等が挙げられるが、アリール基が好ましい。また、前記ヒドロカルビル基の水素原子の一部又は全部が、酸素原子、硫黄原子、窒素原子、ハロゲン原子等のヘテロ原子を含む基で置換されていてもよく、前記ヒドロカルビル基の-CH2-の一部が、酸素原子、硫黄原子、窒素原子等のヘテロ原子を含む基で置換されていてもよく、その結果、ヒドロキシ基、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、シアノ基、カルボニル基、エーテル結合、エステル結合、スルホン酸エステル結合、カーボネート結合、ラクトン環、スルトン環、カルボン酸無水物(-C(=O)-O-C(=O)-)、ハロアルキル基等を含んでいてもよい。
また、R21とR22とが、互いに結合してこれらが結合する硫黄原子と共に環を形成してもよい。このとき、前記環としては、後述する式(cation-1)の説明においてR41及びR42が結合してこれらが結合する硫黄原子と共に形成し得る環として例示するものと同様のものが挙げられる。
繰り返し単位c1のカチオンとしては、以下に示すものが挙げられるが、これらに限定されない。なお、下記式中、RAは、前記と同じである。
Figure 2024077641000043
Figure 2024077641000044
Figure 2024077641000045
Figure 2024077641000046
Figure 2024077641000047
Figure 2024077641000048
Figure 2024077641000049
式(c1)中、M-は、非求核性対向アニオンである。前記非求核性対向アニオンとしては、塩化物イオン、臭化物イオン等のハロゲン化物イオン;トリフレートイオン、1,1,1-トリフルオロエタンスルホネートイオン、ノナフルオロブタンスルホネートイオン等のフルオロアルキルスルホネートイオン;トシレートイオン、ベンゼンスルホネートイオン、4-フルオロベンゼンスルホネートイオン、1,2,3,4,5-ペンタフルオロベンゼンスルホネートイオン等のアリールスルホネートイオン;メシレートイオン、ブタンスルホネートイオン等のアルキルスルホネートイオン;ビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミドイオン、ビス(パーフルオロエチルスルホニル)イミドイオン、ビス(パーフルオロブチルスルホニル)イミドイオン等のイミドイオン;トリス(トリフルオロメチルスルホニル)メチドイオン、トリス(パーフルオロエチルスルホニル)メチドイオン等のメチドイオン等が挙げられる。
前記非求核性対向アニオンの他の例として、下記式(c1-1)で表されるα位がフッ素原子で置換されたスルホン酸アニオン及び下記式(c1-2)で表されるα位がフッ素原子で置換され、β位がトリフルオロメチル基で置換されたスルホン酸アニオンが挙げられる。
Figure 2024077641000050
式(c1-1)中、R23は、水素原子、炭素数1~30のヒドロカルビル基、炭素数2~30のヒドロカルビルカルボニルオキシ基又は炭素数2~30のヒドロカルビルオキシカルボニル基であり、該ヒドロカルビル基は、ハロゲン原子、エーテル結合、エステル結合、カルボニル基又はラクトン環を含んでいてもよい。前記ヒドロカルビル基並びにヒドロカルビルカルボニルオキシ基及びヒドロカルビルオキシカルボニル基のヒドロカルビル部は、飽和でも不飽和でもよく、直鎖状、分岐状、環状のいずれでもよい。その具体例としては、後述する式(2A')中のRfa1で表されるヒドロカルビル基として例示するものと同様のものが挙げられる。
式(c1-2)中、R24は、水素原子、炭素数1~30のヒドロカルビル基又は炭素数2~30のヒドロカルビルカルボニル基であり、該ヒドロカルビル基及びヒドロカルビルカルボニル基は、ハロゲン原子、エーテル結合、エステル結合、カルボニル基又はラクトン環を含んでいてもよい。前記ヒドロカルビル基及びヒドロカルビルカルボニル基のヒドロカルビル部は、飽和でも不飽和でもよく、直鎖状、分岐状、環状のいずれでもよい。その具体例としては、後述する式(2A')中のRfa1で表されるヒドロカルビル基として例示するものと同様のものが挙げられる。
式(c1-1)又は(c1-2)で表されるスルホン酸アニオンの具体例としては、以下に示すものが挙げられるが、これらに限定されない。なお、下記式中、R25は、水素原子、フッ素原子又は炭素数1~6のフッ素化飽和ヒドロカルビル基であり、R25としては、トリフルオロメチル基が好ましい。Acはアセチル基である。
Figure 2024077641000051
Figure 2024077641000052
Figure 2024077641000053
Figure 2024077641000054
Figure 2024077641000055
Figure 2024077641000056
Figure 2024077641000057
Figure 2024077641000058
Figure 2024077641000059
Figure 2024077641000060
Figure 2024077641000061
Figure 2024077641000062
式(c2)及び(c3)中、L1は、単結合、エーテル結合、エステル結合、カルボニル基、スルホン酸エステル結合、カーボネート結合又はカーバメート結合である。これらの中で、合成上の観点からエーテル結合、エステル結合、カルボニル基が好ましく、エステル結合、カルボニル基が更に好ましい。
式(c2)中、Rf1及びRf2は、それぞれ独立に、フッ素原子又は炭素数1~6のフッ素化飽和ヒドロカルビル基である。これらのうち、Rf1及びRf2としては、発生酸の酸強度を高めるため、いずれもフッ素原子であることが好ましい。Rf3及びRf4は、それぞれ独立に、水素原子、フッ素原子又は炭素数1~6のフッ素化飽和ヒドロカルビル基である。これらのうち、溶剤溶解性向上のため、Rf3及びRf4の少なくとも1つは、トリフルオロメチル基であることが好ましい。
式(c3)中、Rf5及びRf6は、それぞれ独立に、水素原子、フッ素原子又は炭素数1~6のフッ素化飽和ヒドロカルビル基である。ただし、全てのRf5及びRf6が同時に水素原子になることはない。これらのうち、溶剤溶解性向上のため、Rf5及びRf6の少なくとも1つは、トリフルオロメチル基であることが好ましい。
式(c2)及び(c3)中、dは、0~3の整数であるが、1が好ましい。
繰り返し単位c2のアニオンとしては、以下に示すものが挙げられるが、これらに限定されない。なお、下記式中、RAは、前記と同じである。
Figure 2024077641000063
Figure 2024077641000064
Figure 2024077641000065
Figure 2024077641000066
Figure 2024077641000067
Figure 2024077641000068
繰り返し単位c3のアニオンとしては、以下に示すものが挙げられるが、これらに限定されない。なお、下記式中、RAは、前記と同じである。
Figure 2024077641000069
Figure 2024077641000070
Figure 2024077641000071
Figure 2024077641000072
Figure 2024077641000073
Figure 2024077641000074
繰り返し単位c4のアニオンとしては、以下に示すものが挙げられるが、これらに限定されない。なお、下記式中、RAは、前記と同じである。
Figure 2024077641000075
式(c2)~(c4)中、A+は、オニウムカチオンである。前記オニウムカチオンとしては、スルホニウムカチオン、ヨードニウムカチオン、アンモニウムカチオン等が挙げられるが、スルホニウムカチオン、ヨードニウムカチオンであることが好ましい。これらの具体例としては、後述する式(cation-1)又は(cation-2)で表されるカチオンとして例示するものと同様のものが挙げられる。
繰り返し単位c1~c4は、光酸発生剤として機能する。繰り返し単位c1~c4を含むベースポリマー(すなわち、ポリマーバウンド型酸発生剤)を用いる場合、本発明のレジスト組成物は、後述する(D)光酸発生剤を、含んでもよく、含まなくてもよい。
前記ベースポリマーは、更に、酸不安定基によりヒドロキシ基が保護された構造を有する繰り返し単位(以下、繰り返し単位dともいう。)を含んでもよい。繰り返し単位dとしては、ヒドロキシ基が保護された構造を1つ又は2つ以上有し、酸の作用により保護基が分解してヒドロキシ基が生成するものであれば特に限定されないが、下記式(d1)で表されるものが好ましい。
Figure 2024077641000076
式(d1)中、RAは、前記と同じ。eは、1~4の整数である。R31は、ヘテロ原子を含んでいてもよい炭素数1~30の(e+1)価の炭化水素基である。R32は、酸不安定基である。
式(d1)中、R32で表される酸不安定基は、酸の作用により脱保護し、ヒドロキシ基を発生させるものであればよい。R32の構造は特に限定されないが、アセタール構造、ケタール構造、アルコキシカルボニル基、下記式(d2)で表されるアルコキシメチル基等が好ましく、特に下記式(d2)で表されるアルコキシメチル基が好ましい。
Figure 2024077641000077
(式中、*は、結合手を表す。R33は、炭素数1~15のヒドロカルビル基である。)
32で表される酸不安定基、式(d2)で表されるアルコキシメチル基及び繰り返し単位dの具体例としては、特開2020-111564号公報に記載された繰り返し単位dの説明において例示されたものと同様のものが挙げられる。
前記ベースポリマーは、更に、インデン、ベンゾフラン、ベンゾチオフェン、アセナフチレン、クロモン、クマリン、ノルボルナジエン又はこれらの誘導体に由来する繰り返し単位eを含んでもよい。繰り返し単位eを与えるモノマーとしては、以下に示すものが挙げられるが、これらに限定されない。
Figure 2024077641000078
前記ベースポリマーは、更に、インダン、ビニルピリジン又はビニルカルバゾールに由来する繰り返し単位fを含んでもよい。
本発明のポリマー中、繰り返し単位a1、a2、b1、b2、c1~c4、d、e及びfの含有比率は、好ましくは0<a1≦0.8、0≦a2≦0.8、0≦b1≦0.6、0≦b2≦0.6、0≦c1≦0.4、0≦c2≦0.4、0≦c3≦0.4、0≦c4≦0.4、0≦d≦0.5、0≦e≦0.3及び0≦f≦0.3であり、より好ましくは0<a1≦0.7、0≦a2≦0.7、0≦b1≦0.5、0≦b2≦0.5、0≦c1≦0.3、0≦c2≦0.3、0≦c3≦0.3、0≦c4≦0.3、0≦d≦0.3、0≦e≦0.3及び0≦f≦0.3である。
前記ポリマーの重量平均分子量(Mw)は、1000~500000が好ましく、3000~100000がより好ましい。Mwがこの範囲であれば、十分なエッチング耐性が得られ、露光前後の溶解速度差が確保できなくなることによる解像性の低下のおそれがない。なお、本発明においてMwは、テトラヒドロフラン(THF)又はN,N-ジメチルホルムアミド(DMF)を溶剤として用いたゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によるポリスチレン換算測定値である。
更に、前記ポリマーの分子量分布(Mw/Mn)は、パターンルールが微細化するに従ってMw/Mnの影響が大きくなりやすいことから、微細なパターン寸法に好適に用いられるレジスト組成物を得るためには、Mw/Mnは1.0~2.0と狭分散であることが好ましい。上記範囲内であれば、低分子量や高分子量のポリマーが少なく、露光後、パターン上に異物が見られたり、パターンの形状が悪化したりするおそれがない。
前記ポリマーの合成方法としては、例えば、前述した繰り返し単位を与えるモノマーを、有機溶剤中、ラジカル重合開始剤を加えて加熱し、重合させる方法が挙げられる。
重合時に使用する有機溶剤としては、トルエン、ベンゼン、THF、ジエチルエーテル、ジオキサン、シクロヘキサン、シクロペンタン、メチルエチルケトン(MEK)、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)、γ-ブチロラクトン(GBL)等が挙げられる。前記重合開始剤としては、2,2'-アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)、2,2'-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)、ジメチル-2,2-アゾビス(2-メチルプロピオネート)、1,1'-アゾビス(1-アセトキシ-1-フェニルエタン)、ベンゾイルパーオキシド、ラウロイルパーオキシド等が挙げられる。これらの開始剤の添加量は、重合させるモノマーの合計に対し、0.01~25モル%であることが好ましい。反応温度は、50~150℃が好ましく、60~100℃がより好ましい。反応時間は2~24時間が好ましく、生産効率の観点から2~12時間がより好ましい。
前記重合開始剤は、前記モノマー溶液へ添加して反応釜へ供給してもよいし、前記モノマー溶液とは別に開始剤溶液を調製し、それぞれを独立に反応釜へ供給してもよい。待機時間中に開始剤から生じたラジカルによって重合反応が進み超高分子体が生成する可能性があることから、品質管理の観点からモノマー溶液と開始剤溶液とは、それぞれ独立に調製して滴下することが好ましい。酸不安定基は、モノマーに導入されたものをそのまま用いてもよいし、重合後保護化あるいは部分保護化してもよい。また、分子量の調整のためにドデシルメルカプタンや2-メルカプトエタノールのような公知の連鎖移動剤を併用してもよい。この場合、これらの連鎖移動剤の添加量は、重合させるモノマーの合計に対し、0.01~20モル%であることが好ましい。
ヒドロキシ基を含むモノマーの場合、重合時にヒドロキシ基をエトキシエトキシ基等の酸によって脱保護しやすいアセタール基で置換しておいて重合後に弱酸と水によって脱保護を行ってもよいし、アセチル基、ホルミル基、ピバロイル基等で置換しておいて重合後にアルカリ加水分解を行ってもよい。
ヒドロキシスチレン又はヒドロキシビニルナフタレンを共重合する場合は、ヒドロキシスチレン又はヒドロキシビニルナフタレンとその他のモノマーとを、有機溶剤中、ラジカル重合開始剤を加えて加熱重合してもよいが、アセトキシスチレン又はアセトキシビニルナフタレンを用い、重合後にアルカリ加水分解によってアセトキシ基を脱保護してポリヒドロキシスチレン又はヒドロキシポリビニルナフタレンにしてもよい。
アルカリ加水分解時の塩基としては、アンモニア水、トリエチルアミン等が使用できる。また、反応温度は、好ましくは-20~100℃、より好ましくは0~60℃である。反応時間は、好ましくは0.2~100時間、より好ましくは0.5~20時間である。
なお、前記モノマー溶液中の各モノマーの量は、例えば、前述した繰り返し単位の好ましい含有割合となるように適宜設定すればよい。
前記製造方法で得られたポリマーは、重合反応によって得られた反応溶液を最終製品としてもよいし、重合液を貧溶剤へ添加し、粉体を得る再沈殿法等の精製工程を経て得た粉体を最終製品として取り扱ってもよいが、作業効率や品質安定化の観点から精製工程によって得た粉体を溶剤へ溶かしたポリマー溶液を最終製品として取り扱うことが好ましい。
その際に用いる溶剤の具体例としては、特開2008-111103号公報の段落[0144]~[0145]に記載の、シクロヘキサノン、メチル-2-n-ペンチルケトン等のケトン類;3-メトキシブタノール、3-メチル-3-メトキシブタノール、1-メトキシ-2-プロパノール、1-エトキシ-2-プロパノール等のアルコール類;プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)、エチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル類;PGMEA、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、乳酸エチル、ピルビン酸エチル、酢酸ブチル、3-メトキシプロピオン酸メチル、3-エトキシプロピオン酸エチル、酢酸tert-ブチル、プロピオン酸tert-ブチル、プロピレングリコールモノtert-ブチルエーテルアセテート等のエステル類;GBL等のラクトン類;ジアセトンアルコール(DAA)等のアルコール類;ジエチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、1,4-ブタンジオール、1,3-ブタンジオール等の高沸点のアルコール系溶剤;及びこれらの混合溶剤が挙げられる。
前記ポリマー溶液中、ポリマーの濃度は、0.01~30質量%が好ましく、0.1~20質量%がより好ましい。
前記反応溶液やポリマー溶液は、フィルター濾過を行うことが好ましい。フィルター濾過を行うことによって、欠陥の原因となり得る異物やゲルを除去することができ、品質安定化の面で有効である。
前記フィルター濾過に用いるフィルターの材質としては、フルオロカーボン系、セルロース系、ナイロン系、ポリエステル系、炭化水素系等の材質のものが挙げられるが、レジスト組成物の濾過工程では、いわゆるテフロン(登録商標)と呼ばれるフルオロカーボン系やポリエチレンやポリプロピレン等の炭化水素系又はナイロンで形成されているフィルターが好ましい。フィルターの孔径は、目標とする清浄度に合わせて適宜選択できるが、好ましくは100nm以下であり、より好ましくは20nm以下である。また、これらのフィルターを1種単独で使用してもよいし、複数のフィルターを組み合わせて使用してもよい。濾過方法は、溶液を1回のみ通過させるだけでもよいが、溶液を循環させ複数回濾過を行うことがより好ましい。濾過工程は、ポリマーの製造工程において任意の順番、回数で行うことができるが、重合反応後の反応溶液、ポリマー溶液又はその両方を濾過することが好ましい。
(A)ベースポリマーは、1種単独で使用してもよく、組成比率、Mw及び/又はMw/Mnが異なる2種以上を組み合わせて使用してもよい。また、(A)ベースポリマーは、前記ポリマーのほかに、開環メタセシス重合体の水素添加物を含んでもよく、これについては特開2003-66612号公報に記載されたものを使用することができる。
本発明の(A)ベースポリマーは、特にEUVリソグラフィーを適用する狭ピッチパターン形成においては、光酸発生単位を有することが好ましい。より好ましくは酸を発生するアニオン骨格がポリマーにバウンドされていることである。その際、酸の拡散が極限まで低減されるからである。加えて、酸不安定単位として芳香族を含んでいること、かつ式(b2)で表されるヒドロキシスチレン単位を有することが更に好ましい。芳香族含有基で構成されることでエッチング耐性が向上し、EUV光を受けた後の二次電子発生効率も向上する。
[(B)有機溶剤]
本発明のレジスト材料は、有機溶剤を含む。前記有機溶剤は、本発明のレジスト組成物の他の成分を溶解可能なものであれば、特に限定されない。前記有機溶剤の具体例としては、特開2008-111103号公報の段落[0144]~[0145]に記載の、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、メチル-2-n-ペンチルケトン、2-ヘプタノン等のケトン類;3-メトキシブタノール、3-メチル-3-メトキシブタノール、1-メトキシ-2-プロパノール、1-エトキシ-2-プロパノール、DAA等のアルコール類;PGME、エチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル類;PGMEA、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、乳酸エチル、ピルビン酸エチル、酢酸ブチル、3-メトキシプロピオン酸メチル、3-エトキシプロピオン酸エチル、酢酸tert-ブチル、プロピオン酸tert-ブチル、プロピレングリコールモノtert-ブチルエーテルアセテート等のエステル類;GBL等のラクトン類等が挙げられる。
本発明のレジスト組成物中、(B)有機溶剤の含有量は、(A)ベースポリマー80質量部に対し、100~10000質量部が好ましく、200~8000質量部がより好ましい。(B)有機溶剤は、1種単独で使用してもよく、2種以上を混合して使用してもよい。
[(C)オニウム塩(オニウム塩型クエンチャー)]
本発明のレジスト組成物は、下記式(1)で表されるオニウム塩を含む。前記オニウム塩は、露光によって他の光酸発生剤から生じた強酸(スルホン酸)が前記オニウム塩と交換することによって酸不安定基の酸脱離反応を抑制し、酸拡散距離を小さくする(制御する)ものであり、見かけ上クエンチャーとして機能する。
Figure 2024077641000079
式(1)中、Zq+は、スルホニウムカチオン、ヨードニウムカチオン又はアンモニウムカチオンである。前記スルホニウムカチオンとしては、下記式(cation-1)で表されるものが好ましく、前記ヨードニウムカチオンとしては、下記式(cation-2)で表されるものが好ましく、前記アンモニウムカチオンとしては、下記式(cation-3)で表されるものが好ましい。
Figure 2024077641000080
式(cation-1)~(cation-3)中、R41~R49は、それぞれ独立に、ヘテロ原子を含んでいてもよい炭素数1~30のヒドロカルビル基である。前記ヒドロカルビル基は、飽和でも不飽和でもよく、直鎖状、分岐状、環状のいずれでもよい。その具体例としては、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、tert-ブチル基等の炭素数1~30のアルキル基;シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロプロピルメチル基、4-メチルシクロヘキシル基、シクロヘキシルメチル基、ノルボルニル基、アダマンチル基等の炭素数3~30の環式飽和ヒドロカルビル基;ビニル基、アリル基、プロペニル基、ブテニル基、ヘキセニル基等の炭素数2~30のアルケニル基;シクロヘキセニル基等の炭素数3~30の環式不飽和ヒドロカルビル基;フェニル基、ナフチル基、チエニル基等の炭素数6~30のアリール基;ベンジル基、1-フェニルエチル基、2-フェニルエチル基等の炭素数7~30のアラルキル基;及びこれらを組み合わせて得られる基等が挙げられるが、アリール基が好ましい。また、前記ヒドロカルビル基の水素原子の一部又は全部が、酸素原子、硫黄原子、窒素原子、ハロゲン原子等のヘテロ原子を含む基で置換されていてもよく、前記ヒドロカルビル基の-CH2-の一部が、酸素原子、硫黄原子、窒素原子等のヘテロ原子を含む基で置換されていてもよく、その結果、ヒドロキシ基、シアノ基、カルボニル基、エーテル結合、エステル結合、スルホン酸エステル結合、カーボネート結合、ラクトン環、スルトン環、カルボン酸無水物(-C(=O)-O-C(=O)-)、ハロアルキル基等を含んでいてもよい。
また、R41及びR42が、互いに結合してこれらが結合する硫黄原子と共に環を形成してもよい。このとき、式(cation-1)で表されるスルホニウムカチオンとしては、下記式で表されるもの等が挙げられる。
Figure 2024077641000081
(式中、破線は、R43との結合手である。)
式(cation-1)で表されるスルホニウムカチオンとしては、以下に示すものが挙げられるが、これらに限定されない。
Figure 2024077641000082
Figure 2024077641000083
Figure 2024077641000084
Figure 2024077641000085
Figure 2024077641000086
Figure 2024077641000087
Figure 2024077641000088
Figure 2024077641000089
Figure 2024077641000090
Figure 2024077641000091
Figure 2024077641000092
Figure 2024077641000093
Figure 2024077641000094
Figure 2024077641000095
Figure 2024077641000096
Figure 2024077641000097
Figure 2024077641000098
Figure 2024077641000099
Figure 2024077641000100
Figure 2024077641000101
Figure 2024077641000102
式(cation-2)で表されるヨードニウムカチオンとしては、以下に示すものが挙げられるが、これらに限定されない。
Figure 2024077641000103
式(cation-3)で表されるアンモニウムカチオンとしては以下に示すものが挙げられるが、これらに限定されない。
Figure 2024077641000104
式(1)中、Xq-は、アニオンである。ただし、Xq-を共役塩基とする酸、すなわちXqHは、その沸点が165℃未満かつ分子量が150以下である。XqHとしては、例えば、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、トリフルオロ酢酸、3,3,3-トリフルオロプロピオン酸、ピバル酸、硝酸等が挙げられる。XqHは、沸点150℃未満かつ分子量120以下であるものが好ましい。
前記オニウム塩の具体的構造としては、前述したアニオンとカチオンとの任意の組み合わせが挙げられる。
前記オニウム塩は、公知の方法にて合成される。合成方法としては一つに限らないが、例えば特開2007-145797号公報段落[0158]に記載された、所望のカチオン中間体とアニオン中間体とを混合し、有機溶剤-水の2層系で反応を進行させる方法が挙げられる。または、特開2011-39502号公報の段落[0183]に記載された、カルボン酸銀塩とカチオン中間体とを混合して目的物を得る方法も適用できる。ほかにも、特許第6465026号公報の段落[0124]に記載された、炭酸水素のオニウム塩と所望の酸とを混合して合成する方法も適用可能である。
前記オニウム塩が、光酸発生剤より発生した強酸(α位がフッ素化されたスルホン酸)との塩交換により酸拡散制御剤として機能することはすでに述べたとおりである。このようなオニウム塩型クエンチャーは過去にも報告例があるが、本発明のレジスト組成物に使用される前記オニウム塩は、発生する弱酸の沸点が165℃未満かつ分子量が150以下であることを特徴としている。このような弱酸の共役塩基をアニオンとして有する本発明のオニウム塩用いることで、リソグラフィー性能、特に限界解像性が大幅に改善する。この理由としては明確には定かではないが、以下のような機構が考えられる。
前記オニウム塩より発生する弱酸は沸点が低いため、発生酸が一部揮発することが推測される。特に真空下で露光されるEUVリソグラフィーにおいては、その傾向が強くなることが予想される。発生した弱酸は、現像液に浸透し、レジスト膜の膨潤を誘発し、その結果パターン倒れを引き起こす。それに対して前記オニウム塩のように、弱酸が揮発すれば膨潤を低減することができる。すなわち、限界解像性を向上させることができる。
また、前記アニオンは分子量が小さいため、現像液によって流されやすい。そのため現像後の露光部及び未露光部の界面に微量の溶け残りが残りづらくなり、その結果、LWRが改善される。
このような特性を有する本発明のレジスト組成物は、よりパターン倒れが顕著に表れ始める36nmピッチ以下のラインアンドスペースパターンを形成するためのEUVリソグラフィーにおいて特に有効である。この領域になると、高度な酸拡散制御や膨潤の低減、溶解コントラストの強化が重要となってくる。前記オニウム塩型クエンチャーは発生酸が非スルホン酸の弱酸であるため、低酸拡散であり、また前述のとおり低膨潤である。酸発生剤が、使用するベースポリマーに光酸発生単位を組み込んだポリマーバウンド型とすると、更に酸拡散を制御することができ、より好ましい。
本発明のレジスト組成物中、(C)オニウム塩の含有量は、(A)ベースポリマー80質量部に対し、0.1~40質量部が好ましく、1~20質量部がより好ましい。(C)オニウム塩の含有量が前記範囲であれば、クエンチャーとして十分に機能し、感度が低下したり溶解性不足で異物が発生したりする等の性能劣化のおそれもない。(C)オニウム塩は、1種単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
[(D)光酸発生剤]
本発明のレジスト組成物は、(D)成分として光酸発生剤を含んでもよい。(D)成分の光酸発生剤としては、高エネルギー線照射により酸を発生する化合物であれば特に限定されない。好適な光酸発生剤としては、下記式(2)で表されるものが挙げられる。
Figure 2024077641000105
式(2)中、R101、R102及びR103は、それぞれ独立に、ヘテロ原子を含んでいてもよい炭素数1~20のヒドロカルビル基である。また、R101及びR102が、互いに結合してこれらが結合する硫黄原子と共に環を形成してもよい。前記ヒドロカルビル基としては、式(cation-1)の説明においてR41~R43で表されるヒドロカルビル基として例示したものと同様のものが挙げられる。また、式(2)で表されるスルホニウム塩のカチオンとしては、式(cation-1)で表されるスルホニウムカチオンとして例示したものと同様のものが挙げられる。
式(2)中、Xa-は、非求核性対向アニオンである。前記非求核性対向アニオンの例としては、下記式(2A)~(2D)から選ばれるアニオンが挙げられる。
Figure 2024077641000106
式(2A)中、Rfaは、フッ素原子、又はヘテロ原子を含んでいてもよい炭素数1~40のヒドロカルビル基である。前記ヒドロカルビル基は、飽和でも不飽和でもよく、直鎖状、分岐状、環状のいずれでもよい。その具体例としては、後述する式(2A')中のRfa1で表されるヒドロカルビル基として例示するものと同様のものが挙げられる。
式(2A)で表されるアニオンとしては、下記式(2A')で表されるものが好ましい。
Figure 2024077641000107
式(2A')中、RHFは、水素原子又はトリフルオロメチル基であり、好ましくはトリフルオロメチル基である。
fa1は、ヘテロ原子を含んでいてもよい炭素数1~38のヒドロカルビル基である。前記ヘテロ原子としては、酸素原子、窒素原子、硫黄原子、ハロゲン原子等が好ましく、酸素原子がより好ましい。前記ヒドロカルビル基としては、微細パターン形成において高解像性を得る点から、特に炭素数6~30であるものが好ましい。
fa1で表される炭素数1~38のヒドロカルビル基としては、飽和でも不飽和でもよく、直鎖状、分岐状、環状のいずれでもよい。その具体例としては、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、ペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、2-エチルヘキシル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、ペンタデシル基、ヘプタデシル基、イコシル基等の炭素数1~30のアルキル基;シクロペンチル基、シクロヘキシル基、1-アダマンチル基、2-アダマンチル基、1-アダマンチルメチル基、ノルボルニル基、ノルボルニルメチル基、トリシクロデカニル基、テトラシクロドデカニル基、テトラシクロドデカニルメチル基、ジシクロヘキシルメチル基等の炭素数3~30の環式飽和ヒドロカルビル基;アリル基、3-シクロヘキセニル基等の炭素数2~30の不飽和脂肪族ヒドロカルビル基;フェニル基、1-ナフチル基、2-ナフチル基等の炭素数6~30のアリール基;ベンジル基、ジフェニルメチル基等の炭素数7~38のアラルキル基;これらを組み合わせて得られる基等が挙げられる。
また、前記ヒドロカルビル基の水素原子の一部又は全部が、酸素原子、硫黄原子、窒素原子、ハロゲン原子等のヘテロ原子を含む基で置換されていてもよく、前記ヒドロカルビル基の-CH2-の一部が、酸素原子、硫黄原子、窒素原子等のヘテロ原子を含む基で置換されていてもよく、その結果、ヒドロキシ基、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、シアノ基、カルボニル基、エーテル結合、エステル結合、スルホン酸エステル結合、カーボネート結合、ラクトン環、スルトン環、カルボン酸無水物(-C(=O)-O-C(=O)-)、ハロアルキル基等を含んでいてもよい。ヘテロ原子を含むヒドロカルビル基としては、テトラヒドロフリル基、メトキシメチル基、エトキシメチル基、メチルチオメチル基、アセトアミドメチル基、トリフルオロエチル基、(2-メトキシエトキシ)メチル基、アセトキシメチル基、2-カルボキシ-1-シクロヘキシル基、2-オキソプロピル基、4-オキソ-1-アダマンチル基、5-ヒドロキシ-1-アダマンチル基、5-tert-ブチルカルボニルオキシ-1-アダマンチル基、4-オキサトリシクロ[4.2.1.03,7]ノナン-5-オン-2-イル基、3-オキソシクロヘキシル基等が挙げられる。
式(2A')で表されるアニオンを含むスルホニウム塩の合成に関しては、特開2007-145797号公報、特開2008-106045号公報、特開2009-7327号公報、特開2009-258695号公報等に詳しい。また、特開2010-215608号公報、特開2012-41320号公報、特開2012-106986号公報、特開2012-153644号公報等に記載のスルホニウム塩も好適に用いられる。
式(2A)で表されるアニオンとしては、式(c1-1)及び(c1-2)で表されるアニオンとして例示したものと同様のものが挙げられる。
式(2B)中、Rfb1及びRfb2は、それぞれ独立に、フッ素原子、又はヘテロ原子を含んでいてもよい炭素数1~40のヒドロカルビル基である。前記ヒドロカルビル基は、飽和でも不飽和でもよく、直鎖状、分岐状、環状のいずれでもよい。その具体例としては、式(2A')中のRfa1で表されるヒドロカルビル基として例示したものと同様のものが挙げられる。Rfb1及びRfb2として好ましくは、フッ素原子又は炭素数1~4の直鎖状フッ素化飽和ヒドロカルビル基である。また、Rfb1及びRfb2は、互いに結合してこれらが結合する基(-CF2-SO2-N--SO2-CF2-)と共に環を形成してもよく、この場合、Rfb1とRfb2とが互いに結合して得られる基としては、フッ素化エチレン基又はフッ素化プロピレン基が好ましい。
式(2C)中、Rfc1、Rfc2及びRfc3は、それぞれ独立に、フッ素原子、又はヘテロ原子を含んでいてもよい炭素数1~40のヒドロカルビル基である。前記ヒドロカルビル基は、飽和でも不飽和でもよく、直鎖状、分岐状、環状のいずれでもよい。その具体例としては、式(2A')中のRfa1で表されるヒドロカルビル基として例示したものと同様のものが挙げられる。Rfc1、Rfc2及びRfc3として好ましくは、フッ素原子又は炭素数1~4の直鎖状フッ素化飽和ヒドロカルビル基である。また、Rfc1及びRfc2は、互いに結合してこれらが結合する基(-CF2-SO2-C--SO2-CF2-)と共に環を形成してもよく、この場合、Rfc1とRfc2とが互いに結合して得られる基としては、フッ素化エチレン基又はフッ素化プロピレン基が好ましい。
式(2D)中、Rfdは、ヘテロ原子を含んでいてもよい炭素数1~40のヒドロカルビル基である。前記ヒドロカルビル基は、飽和でも不飽和でもよく、直鎖状、分岐状、環状のいずれでもよい。その具体例としては、式(2A')中のRfa1で表されるヒドロカルビル基として例示したものと同様のものが挙げられる。
式(2D)で表されるアニオンを含むスルホニウム塩の合成に関しては、特開2010-215608号公報及び特開2014-133723号公報に詳しい。
式(2D)で表されるアニオンとしては、以下に示すものが挙げられるが、これらに限定されない。
Figure 2024077641000108
Figure 2024077641000109
前記非求核性対向アニオンの例としては、更に、ヨウ素原子又は臭素原子で置換された芳香環を有するアニオンが挙げられる。このようなアニオンとしては、下記式(2E)で表されるものが挙げられる。
Figure 2024077641000110
式(2E)中、x'は、1≦x'≦3を満たす整数である。y'及びz'は、1≦y'≦5、0≦z'≦3及び1≦y'+z'≦5を満たす整数である。y'は、1≦y'≦3を満たす整数が好ましく、2又は3がより好ましい。z'は、0≦z'≦2を満たす整数が好ましい。
式(2E)中、XBIは、ヨウ素原子又は臭素原子であり、x'及び/又はy'が2以上のとき、互いに同一であっても異なっていてもよい。
式(2E)中、L11は、単結合、エーテル結合若しくはエステル結合、又はエーテル結合若しくはエステル結合を含んでいてもよい炭素数1~6の飽和ヒドロカルビレン基である。前記飽和ヒドロカルビレン基は、直鎖状、分岐状、環状のいずれでもよい。
式(2E)中、L12は、x'が1のときは単結合又は炭素数1~20の2価の連結基であり、x'が2又は3のときは炭素数1~20の(x'+1)価の連結基であり、該連結基は酸素原子、硫黄原子又は窒素原子を含んでいてもよい。
式(2E)中、Rfeは、ヒドロキシ基、カルボキシ基、フッ素原子、塩素原子、臭素原子若しくはアミノ基、若しくはフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヒドロキシ基、アミノ基若しくはエーテル結合を含んでいてもよい、炭素数1~20のヒドロカルビル基、炭素数1~20のヒドロカルビルオキシ基、炭素数2~20のヒドロカルビルカルボニル基、炭素数2~20のヒドロカルビルオキシカルボニル基、炭素数2~20のヒドロカルビルカルボニルオキシ基若しくは炭素数1~20のヒドロカルビルスルホニルオキシ基、又は-N(RfeA)(RfeB)、-N(RfeC)-C(=O)-RfeD若しくは-N(RfeC)-C(=O)-O-RfeDである。RfeA及びRfeBは、それぞれ独立に、水素原子又は炭素数1~6の飽和ヒドロカルビル基である。RfeCは、水素原子又は炭素数1~6の飽和ヒドロカルビル基であり、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、炭素数1~6の飽和ヒドロカルビルオキシ基、炭素数2~6の飽和ヒドロカルビルカルボニル基又は炭素数2~6の飽和ヒドロカルビルカルボニルオキシ基を含んでいてもよい。RfeDは、炭素数1~16の脂肪族ヒドロカルビル基、炭素数6~12のアリール基又は炭素数7~15のアラルキル基であり、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、炭素数1~6の飽和ヒドロカルビルオキシ基、炭素数2~6の飽和ヒドロカルビルカルボニル基又は炭素数2~6の飽和ヒドロカルビルカルボニルオキシ基を含んでいてもよい。前記脂肪族ヒドロカルビル基は、飽和でも不飽和でもよく、直鎖状、分岐状、環状のいずれでもよい。前記ヒドロカルビル基、ヒドロカルビルオキシ基、ヒドロカルビルカルボニル基、ヒドロカルビルオキシカルボニル基、ヒドロカルビルカルボニルオキシ基及びヒドロカルビルスルホニルオキシ基は、直鎖状、分岐状、環状のいずれでもよい。x'及び/又はz'が2以上のとき、各Rfeは互いに同一であっても異なっていてもよい。
これらのうち、Rfeとしては、ヒドロキシ基、-N(RfeC)-C(=O)-RfeD、-N(RfeC)-C(=O)-O-RfeD、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、メチル基、メトキシ基等が好ましい。
式(2E)中、Rf11~Rf14は、それぞれ独立に、水素原子、フッ素原子又はトリフルオロメチル基であるが、これらのうち少なくとも1つはフッ素原子又はトリフルオロメチル基である。また、Rf11とRf12とが合わさってカルボニル基を形成してもよい。特に、Rf13及びRf14がともにフッ素原子であることが好ましい。
式(2E)で表されるオニウム塩のアニオンとしては、以下に示すものが挙げられるが、これらに限定されない。なお、下記式中、XBIは、前記と同じである。
Figure 2024077641000111
Figure 2024077641000112
Figure 2024077641000113
Figure 2024077641000114
Figure 2024077641000115
Figure 2024077641000116
Figure 2024077641000117
Figure 2024077641000118
Figure 2024077641000119
Figure 2024077641000120
Figure 2024077641000121
Figure 2024077641000122
Figure 2024077641000123
Figure 2024077641000124
Figure 2024077641000125
Figure 2024077641000126
Figure 2024077641000127
Figure 2024077641000128
Figure 2024077641000129
Figure 2024077641000130
Figure 2024077641000131
Figure 2024077641000132
Figure 2024077641000133
前記非求核性対向アニオンとしては、特許第6648726号公報記載のヨウ素原子を含む芳香族基に結合するフルオロベンゼンスルホン酸アニオン、国際公開第2021/200056号や特開2021-70692号公報に記載された酸によって分解する機構を有するアニオン、特開2018-180525号公報や特開2021-35935号公報記載の環状のエーテル基を有するアニオン、特開2018-92159号公報記載のアニオンを用いることもできる。
前記非求核性対向アニオンとしては、更に、特開2006-276759号公報、特開2015-117200号公報、特開2016-65016号公報及び特開2019-202974号公報に記載されたフッ素原子を含まないバルキーなベンゼンスルホン酸誘導体のアニオン、特許第6645464号公報記載のヨウ素原子を含む芳香族基に結合するフッ素原子を含まないベンゼンスルホン酸アニオンやアルキルスルホン酸アニオンを用いることもできる。
前記非求核性対向アニオンとしては、更に、特開2015-206932号公報に記載されたビススルホン酸のアニオン、国際公開第2020/158366号に記載された片側がスルホン酸でもう一方がこれとは異なるスルホンアミドやスルホンイミドのアニオン、特開2015-24989号公報に記載された片側がスルホン酸でもう一方がカルボン酸のアニオンを用いることもできる。
また、(D)成分の光酸発生剤として、下記式(3)で表されるものも好ましい。
Figure 2024077641000134
式(3)中、R201及びR202は、それぞれ独立に、ヘテロ原子を含んでいてもよい炭素数1~30のヒドロカルビル基である。R203は、ヘテロ原子を含んでいてもよい炭素数1~30のヒドロカルビレン基である。また、R201、R202及びR203のうちのいずれか2つが、互いに結合してこれらが結合する硫黄原子と共に環を形成してもよい。
201及びR202で表される炭素数1~30のヒドロカルビル基は、飽和でも不飽和でもよく、直鎖状、分岐状、環状のいずれでもよい。その具体例としては、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、n-ペンチル基、tert-ペンチル基、n-ヘキシル基、n-オクチル基、2-エチルヘキシル基、n-ノニル基、n-デシル基等の炭素数1~30のアルキル基;シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロペンチルメチル基、シクロペンチルエチル基、シクロペンチルブチル基、シクロヘキシルメチル基、シクロヘキシルエチル基、シクロヘキシルブチル基、ノルボルニル基、オキサノルボルニル基、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカニル基、アダマンチル基等の炭素数3~30の環式飽和ヒドロカルビル基;フェニル基、メチルフェニル基、エチルフェニル基、n-プロピルフェニル基、イソプロピルフェニル基、n-ブチルフェニル基、イソブチルフェニル基、sec-ブチルフェニル基、tert-ブチルフェニル基、ナフチル基、メチルナフチル基、エチルナフチル基、n-プロピルナフチル基、イソプロピルナフチル基、n-ブチルナフチル基、イソブチルナフチル基、sec-ブチルナフチル基、tert-ブチルナフチル基、アントラセニル基等の炭素数6~30のアリール基;これらを組み合わせて得られる基等が挙げられる。また、前記ヒドロカルビル基の水素原子の一部又は全部が、酸素原子、硫黄原子、窒素原子、ハロゲン原子等のヘテロ原子を含む基で置換されていてもよく、前記ヒドロカルビル基の-CH2-の一部が、酸素原子、硫黄原子、窒素原子等のヘテロ原子を含む基で置換されていてもよく、その結果、ヒドロキシ基、シアノ基、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、カルボニル基、エーテル結合、エステル結合、スルホン酸エステル結合、カーボネート結合、ラクトン環、スルトン環、カルボン酸無水物(-C(=O)-O-C(=O)-)、ハロアルキル基等を含んでいてもよい。
203で表される炭素数1~30のヒドロカルビレン基は、飽和でも不飽和でもよく、直鎖状、分岐状、環状のいずれでもよい。その具体例としては、メタンジイル基、エタン-1,1-ジイル基、エタン-1,2-ジイル基、プロパン-1,3-ジイル基、ブタン-1,4-ジイル基、ペンタン-1,5-ジイル基、ヘキサン-1,6-ジイル基、ヘプタン-1,7-ジイル基、オクタン-1,8-ジイル基、ノナン-1,9-ジイル基、デカン-1,10-ジイル基、ウンデカン-1,11-ジイル基、ドデカン-1,12-ジイル基、トリデカン-1,13-ジイル基、テトラデカン-1,14-ジイル基、ペンタデカン-1,15-ジイル基、ヘキサデカン-1,16-ジイル基、ヘプタデカン-1,17-ジイル基等の炭素数1~30のアルカンジイル基;シクロペンタンジイル基、シクロヘキサンジイル基、ノルボルナンジイル基、アダマンタンジイル基等の炭素数3~30の環式飽和ヒドロカルビレン基;フェニレン基、メチルフェニレン基、エチルフェニレン基、n-プロピルフェニレン基、イソプロピルフェニレン基、n-ブチルフェニレン基、イソブチルフェニレン基、sec-ブチルフェニレン基、tert-ブチルフェニレン基、ナフチレン基、メチルナフチレン基、エチルナフチレン基、n-プロピルナフチレン基、イソプロピルナフチレン基、n-ブチルナフチレン基、イソブチルナフチレン基、sec-ブチルナフチレン基、tert-ブチルナフチレン基等の炭素数6~30のアリーレン基;これらを組み合わせて得られる基等が挙げられる。また、前記ヒドロカルビレン基の水素原子の一部又は全部が、酸素原子、硫黄原子、窒素原子、ハロゲン原子等のヘテロ原子を含む基で置換されていてもよく、前記ヒドロカルビレン基の-CH2-の一部が、酸素原子、硫黄原子、窒素原子等のヘテロ原子を含む基で置換されていてもよく、その結果、ヒドロキシ基、シアノ基、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、カルボニル基、エーテル結合、エステル結合、スルホン酸エステル結合、カーボネート結合、ラクトン環、スルトン環、カルボン酸無水物(-C(=O)-O-C(=O)-)、ハロアルキル基等を含んでいてもよい。前記ヘテロ原子としては、酸素原子が好ましい。
式(3)中、LAは、単結合、エーテル結合、又はヘテロ原子を含んでいてもよい炭素数1~20のヒドロカルビレン基である。前記ヒドロカルビレン基は、飽和でも不飽和でもよく、直鎖状、分岐状、環状のいずれでもよい。その具体例としては、R203で表されるヒドロカルビレン基として例示したものと同様のものが挙げられる。
式(3)中、Xa、Xb、Xc及びXdは、それぞれ独立に、水素原子、フッ素原子又はトリフルオロメチル基である。ただし、Xa、Xb、Xc及びXdのうち少なくとも1つは、フッ素原子又はトリフルオロメチル基である。
式(3)で表される光酸発生剤としては、下記式(3')で表されるものが好ましい。
Figure 2024077641000135
式(3')中、LAは、前記と同じ。Xeは、水素原子又はトリフルオロメチル基であり、好ましくはトリフルオロメチル基である。R301、R302及びR303は、それぞれ独立に、水素原子、又はヘテロ原子を含んでいてもよい炭素数1~20のヒドロカルビル基である。前記ヒドロカルビル基は、飽和でも不飽和でもよく、直鎖状、分岐状、環状のいずれでもよい。その具体例としては、式(2A')中のRfa1で表されるヒドロカルビル基として例示したものと同様のものが挙げられる。m1及びm2は、それぞれ独立に、0~5の整数であり、m3は、0~4の整数である。
式(3)で表される光酸発生剤としては、特開2017-26980号公報の式(2)で表される光酸発生剤として例示されたものと同様のものが挙げられる。
前記光酸発生剤のうち、式(2A')又は(2D)で表されるアニオンを含むものは、酸拡散が小さく、かつ溶剤への溶解性にも優れており、特に好ましい。また、式(3')で表されるものは、酸拡散が極めて小さく、特に好ましい。
本発明のレジスト組成物が(D)光酸発生剤を含む場合、その含有量は、(A)ベースポリマー80質量部に対し、0.1~40質量部が好ましく、0.5~20質量部がより好ましい。(D)成分の光酸発生剤の添加量が前記範囲であれば、解像性が良好であり、レジスト膜の現像後又は剥離時において異物の問題が生じるおそれもないため好ましい。(D)成分の光酸発生剤は、1種単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。前記ベースポリマーが繰り返し単位c1~c4のいずれかを含むことで、及び/又は(D)光酸発生剤を含むことで、本発明のレジスト組成物は、化学増幅レジスト組成物として機能することができる。
[(E)含窒素化合物]
本発明のレジスト組成物は、(C)成分のオニウム塩型クエンチャーが必須成分であるが、これに加えて含窒素化合物をその他のクエンチャーとして含んでもよい。このような含窒素化合物としては、特開2008-111103号公報の段落[0146]~[0164]に記載の、1級、2級又は3級アミン化合物、特にはヒドロキシ基、エーテル結合、エステル結合、ラクトン環、シアノ基、スルホン酸エステル結合を有するアミン化合物が挙げられる。また、特許第3790649号公報に記載の化合物のように、1級又は2級アミンをカーバメート基で保護した化合物も挙げることができる。
また、前記含窒素化合物として含窒素置換基を有するスルホン酸スルホニウム塩を使用してもよい。このような化合物は、未露光部ではクエンチャーとして機能し、露光部は自身の発生酸との中和によってクエンチャー能を失う、いわゆる光崩壊性塩基として機能する。光崩壊性塩基を用いることによって、露光部と未露光部のコントラストをより強めることができる。光崩壊性塩基としては、例えば特開2009-109595号公報、特開2012-46501号公報等を参考にすることができる。
本発明のレジスト組成物が(E)含窒素化合物を含む場合、その含有量は、(A)ベースポリマー80質量部に対し、0.001~12質量部が好ましく、0.01~8質量部がより好ましい。(E)含窒素化合物は、1種単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
[(F)界面活性剤]
本発明のレジスト組成物は、更に(F)界面活性剤を含んでもよい。(F)成分の界面活性剤として好ましくは、水に不溶又は難溶でアルカリ現像液に可溶な界面活性剤、又は水及びアルカリ現像液に不溶又は難溶な界面活性剤である。このような界面活性剤としては、特開2010-215608号公報や特開2011-16746号公報に記載のものを参照することができる。
水及びアルカリ現像液に不溶又は難溶な界面活性剤としては、前記公報に記載の界面活性剤の中でも、FC-4430(スリーエム社製)、サーフロン(登録商標)S-381(AGCセイミケミカル(株)製)、オルフィン(登録商標)E1004(日信化学工業(株)製)、KH-20、KH-30(AGCセイミケミカル(株)製)、及び下記式(surf-1)で表されるオキセタン開環重合物等が好ましい。
Figure 2024077641000136
ここで、R、Rf、A、B、C、m、nは、前述の記載にかかわらず、式(surf-1)のみに適用される。Rは、2~4価の炭素数2~5の脂肪族基である。前記脂肪族基としては、2価のものとしてはエチレン基、1,4-ブチレン基、1,2-プロピレン基、2,2-ジメチル-1,3-プロピレン基、1,5-ペンチレン基等が挙げられ、3価又は4価のものとしては下記のものが挙げられる。
Figure 2024077641000137
(式中、破線は、結合手を表し、それぞれグリセロール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールから派生した部分構造である。)
これらの中でも、1,4-ブチレン基、2,2-ジメチル-1,3-プロピレン基等が好ましい。
Rfは、トリフルオロメチル基又はペンタフルオロエチル基であり、好ましくはトリフルオロメチル基である。mは、0~3の整数であり、nは、1~4の整数であり、nとmの和はRの価数であり、2~4の整数である。Aは、1である。Bは、2~25の整数であり、好ましくは4~20の整数である。Cは、0~10の整数であり、好ましくは0又は1である。また、式(surf-1)中の各構成単位は、その並びを規定したものではなく、ブロック的に結合してもランダム的に結合してもよい。部分フッ素化オキセタン開環重合物系の界面活性剤の製造に関しては、米国特許第5650483号明細書等に詳しい。
水に不溶又は難溶でアルカリ現像液に可溶な界面活性剤は、ArF液浸リソグラフィーにおいてレジスト保護膜を用いない場合、レジスト膜の表面に配向することによって水のしみ込みやリーチングを低減させる機能を有する。そのため、レジスト膜からの水溶性成分の溶出を抑えて露光装置へのダメージを下げるために有用であり、また、露光後やPEB後のアルカリ水溶液現像時には可溶化し、欠陥の原因となる異物にもなり難いため有用である。このような界面活性剤は、水に不溶又は難溶でアルカリ現像液に可溶な性質であり、ポリマー型の界面活性剤であって、疎水性樹脂とも呼ばれ、特に撥水性が高く滑水性を向上させるものが好ましい。
このようなポリマー型界面活性剤としては、下記式(4A)~(4E)で表される繰り返し単位から選ばれる少なくとも1種を含むものが挙げられる。
Figure 2024077641000138
式(4A)~(4E)中、RBは、水素原子、フッ素原子、メチル基又はトリフルオロメチル基である。W1は-CH2-、-CH2CH2-、-O-又は互いに分離した2個の-Hである。Rs1は、それぞれ独立に、水素原子、又は炭素数1~10のヒドロカルビル基である。Rs2は、単結合、又は炭素数1~5の直鎖状若しくは分岐状のヒドロカルビレン基である。Rs3は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1~15のヒドロカルビル基若しくはフッ素化ヒドロカルビル基、又は酸不安定基である。Rs3がヒドロカルビル基又はフッ素化ヒドロカルビル基の場合、炭素-炭素結合間に、エーテル結合又はカルボニル基が介在していてもよい。Rs4は、炭素数1~20の(u+1)価の炭化水素基又はフッ素化炭化水素基である。uは1~3の整数である。Rs5は、それぞれ独立に、水素原子、又は式-C(=O)-O-Rsaで表される基であり、Rsaは、炭素数1~20のフッ素化ヒドロカルビル基である。Rs6は、炭素数1~15のヒドロカルビル基又はフッ素化ヒドロカルビル基であり、その炭素-炭素結合間に、エーテル結合又はカルボニル基が介在していてもよい。
s1で表されるヒドロカルビル基は、飽和ヒドロカルビル基が好ましく、直鎖状、分岐状、環状のいずれでもよい。その具体例としては、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、n-ペンチル基、n-ヘキシル基、n-へプチル基、n-オクチル基、n-ノニル基、n-デシル基等のアルキル基;シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、アダマンチル基、ノルボルニル基等の環式飽和ヒドロカルビル基が挙げられる。これらのうち、炭素数1~6のものが好ましい。
s2で表されるヒドロカルビレン基は、飽和ヒドロカルビレン基が好ましく、直鎖状、分岐状、環状のいずれでもよい。その具体例としては、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ペンチレン基等が挙げられる。
s3又はRs6で表されるヒドロカルビル基は、飽和でも不飽和でもよく、直鎖状、分岐状、環状のいずれでもよい。その具体例としては、飽和ヒドロカルビル基、アルケニル基、アルキニル基等の脂肪族不飽和ヒドロカルビル基等が挙げられるが、飽和ヒドロカルビル基が好ましい。前記飽和ヒドロカルビル基としては、Rs1で表されるヒドロカルビル基として例示したもののほか、n-ウンデシル基、n-ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基等が挙げられる。Rs3又はRs6で表されるフッ素化ヒドロカルビル基としては、前述したヒドロカルビル基の炭素原子に結合する水素原子の一部又は全部がフッ素原子で置換された基が挙げられる。前述したように、これらの炭素-炭素結合間にエーテル結合又はカルボニル基が介在していてもよい。
s3で表される酸不安定基としては、前述した式(L1)~(L4)で表される基、各アルキル基がそれぞれ炭素数1~6のアルキル基であるトリアルキルシリル基、炭素数4~20のオキソ基含有アルキル基等が挙げられる。
s4で表される(u+1)価の炭化水素基又はフッ素化炭化水素基としては、直鎖状、分岐状、環状のいずれでもよく、その具体例としては、前述したヒドロカルビル基又はフッ素化ヒドロカルビル基等から更に水素原子をu個除いた基が挙げられる。
saで表されるフッ素化ヒドロカルビル基としては、飽和したものが好ましく、直鎖状、分岐状、環状のいずれでもよい。その具体例としては、前記ヒドロカルビル基の水素原子の一部又は全部がフッ素原子で置換されたものが挙げられ、例えばトリフルオロメチル基、2,2,2-トリフルオロエチル基、3,3,3-トリフルオロ-1-プロピル基、3,3,3-トリフルオロ-2-プロピル基、2,2,3,3-テトラフルオロプロピル基、1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロイソプロピル基、2,2,3,3,4,4,4-ヘプタフルオロブチル基、2,2,3,3,4,4,5,5-オクタフルオロペンチル基、2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7-ドデカフルオロヘプチル基、2-(パーフルオロブチル)エチル基、2-(パーフルオロヘキシル)エチル基、2-(パーフルオロオクチル)エチル基、2-(パーフルオロデシル)エチル基等が挙げられる。
式(4A)~(4E)で表される繰り返し単位としては、以下に示すものが挙げられるが、これらに限定されない。なお、下記式中、RBは、前記と同じである。
Figure 2024077641000139
Figure 2024077641000140
Figure 2024077641000141
Figure 2024077641000142
Figure 2024077641000143
Figure 2024077641000144
前記ポリマー型界面活性剤は、更に、式(4A)~(4E)で表される繰り返し単位以外のその他の繰り返し単位を含んでいてもよい。その他の繰り返し単位としては、メタクリル酸やα-トリフルオロメチルアクリル酸誘導体等から得られる繰り返し単位が挙げられる。ポリマー型界面活性剤中、式(4A)~(4E)で表される繰り返し単位の含有量は、全繰り返し単位中、20モル%以上が好ましく、60モル%以上がより好ましく、100モル%が更に好ましい。
前記ポリマー型界面活性剤のMwは、1000~500000が好ましく、3000~100000がより好ましい。Mw/Mnは、1.0~2.0が好ましく、1.0~1.6がより好ましい。
前記ポリマー型界面活性剤を合成する方法としては、式(4A)~(4E)で表される繰り返し単位、及び必要に応じてその他の繰り返し単位を与える不飽和結合を含むモノマーを、有機溶剤中、ラジカル開始剤を加えて加熱し、重合させる方法が挙げられる。重合時に使用する有機溶剤としては、トルエン、ベンゼン、THF、ジエチルエーテル、ジオキサン等が挙げられる。重合開始剤としては、AIBN、2,2'-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)、ジメチル2,2-アゾビス(2-メチルプロピオネート)、ベンゾイルパーオキシド、ラウロイルパーオキシド等が挙げられる。反応温度は、50~100℃が好ましい。反応時間は、4~24時間が好ましい。酸不安定基は、モノマーに導入されたものをそのまま用いてもよいし、重合後保護化あるいは部分保護化してもよい。
前記ポリマー型界面活性剤を合成する場合、分子量の調整のためにドデシルメルカプタンや2-メルカプトエタノールのような公知の連鎖移動剤を使用してもよい。その場合、これらの連鎖移動剤の添加量は、重合させる単量体の総モル数に対し、0.01~10モル%が好ましい。
本発明のレジスト組成物が(F)界面活性剤を含む場合、その含有量は、(A)ベースポリマー80質量部に対し、0.1~50質量部が好ましく、0.5~10質量部がより好ましい。(F)界面活性剤の含有量が0.1質量部以上であればレジスト膜表面と水との後退接触角が十分に向上し、50質量部以下であればレジスト膜表面の現像液に対する溶解速度が小さく、形成した微細パターンの高さが十分に保たれる。(F)界面活性剤は、1種単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
[(G)その他の成分]
本発明のレジスト組成物は、(G)その他の成分として、酸により分解し酸を発生する化合物(酸増殖化合物)、有機酸誘導体、フッ素置換アルコール、酸の作用により現像液への溶解性が変化するMw3000以下の化合物(溶解阻止剤)等を含んでもよい。前記酸増殖化合物としては、特開2009-269953号公報又は特開2010-215608号公報に記載の化合物を参照できる。前記酸増殖化合物を含む場合、その含有量は、(A)ベースポリマー80質量部に対し、0~5質量部が好ましく、0~3質量部がより好ましい。含有量が多すぎると、酸拡散の制御が難しく、解像性の劣化、パターン形状の劣化が起こることがある。前記有機酸誘導体、フッ素置換アルコール及び溶解阻止剤としては、特開2009-269953号公報又は特開2010-215608号公報に記載の化合物を参照できる。
[パターン形成方法]
本発明のパターン形成方法は、前述したレジスト組成物を用いて基板上にレジスト膜を形成する工程、前記レジスト膜を高エネルギー線で露光する工程、前記露光したレジスト膜を、現像液を用いて現像する工程を含む。
前記基板としては、例えば、集積回路製造用の基板(Si、SiO2、SiN、SiON、TiN、WSi、BPSG、SOG、有機反射防止膜等)、あるいはマスク回路製造用の基板(Cr、CrO、CrON、MoSi2、SiO2等)を用いることができる。
レジスト膜は、例えば、スピンコーティング等の方法で膜厚が好ましくは0.05~2μmとなるように前記レジスト組成物を基板上に塗布し、これをホットプレート上で、好ましくは60~150℃、1~10分間、より好ましくは80~140℃、1~5分間プリベークすることで形成することができる。
レジスト膜の露光に用いる高エネルギー線としては、KrFエキシマレーザー光、ArFエキシマレーザー光、EB、EUV等が挙げられる。露光は、KrFエキシマレーザー光、ArFエキシマレーザー光又はEUVを用いる場合は、目的のパターンを形成するためのマスクを用いて、露光量が好ましくは1~200mJ/cm2、より好ましくは10~100mJ/cm2となるように照射することで行うことができる。EBを用いる場合は、目的のパターンを形成するためのマスクを用いて又は直接、露光量が好ましくは1~300μC/cm2、より好ましくは10~200μC/cm2となるように照射する。
なお、露光は、通常の露光法のほか、屈折率1.0以上の液体をレジスト膜と投影レンズとの間に介在させて行う液浸法を用いることも可能である。その場合には、水に不溶な保護膜を用いることも可能である。
前記水に不溶な保護膜は、レジスト膜からの溶出物を防ぎ、膜表面の滑水性を上げるために用いられ、大きく分けて2種類ある。1つはレジスト膜を溶解しない有機溶剤によってアルカリ水溶液現像前に剥離が必要な有機溶剤剥離型と、もう1つはアルカリ現像液に可溶でレジスト膜可溶部の除去とともに保護膜を除去するアルカリ水溶液可溶型である。後者は特に水に不溶でアルカリ現像液に溶解する1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロ-2-プロパノール残基を有するポリマーをベースとし、炭素数4以上のアルコール系溶剤、炭素数8~12のエーテル系溶剤、及びこれらの混合溶剤に溶解させた材料が好ましい。前述した水に不溶でアルカリ現像液に可溶な界面活性剤を炭素数4以上のアルコール系溶剤、炭素数8~12のエーテル系溶剤、又はこれらの混合溶剤に溶解させた材料とすることもできる。
露光後、PEBを行ってもよい。PEBは、例えば、ホットプレート上で、好ましくは60~150℃、1~5分間、より好ましくは80~140℃、1~3分間加熱することで行うことができる。
現像は、例えば、好ましくは0.1~5質量%、より好ましくは2~3質量%のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)等のアルカリ水溶液の現像液を用い、好ましくは0.1~3分間、より好ましくは0.5~2分間、浸漬(dip)法、パドル(puddle)法、スプレー(spray)法等の常法により現像することで、露光部が溶解し、基板上に目的のパターンが形成される。
また、レジスト膜形成後に、純水リンスを行うことによって膜表面からの酸発生剤等の抽出、あるいはパーティクルの洗い流しを行ってもよいし、露光後に膜上に残った水を取り除くためのリンスを行ってもよい。
さらに、ダブルパターニング法によってパターン形成をしてもよい。ダブルパターニング法としては、1回目の露光とエッチングで1:3トレンチパターンの下地を加工し、位置をずらして2回目の露光によって1:3トレンチパターンを形成して1:1のパターンを形成するトレンチ法、1回目の露光とエッチングで1:3孤立残しパターンの第1の下地を加工し、位置をずらして2回目の露光によって1:3孤立残しパターンを第1の下地の下に形成した第2の下地を加工してピッチが半分の1:1のパターンを形成するライン法が挙げられる。
本発明のパターン形成方法において、現像液として前記アルカリ水溶液のかわりに有機溶剤を用いて未露光部を溶解させるネガティブトーン現像の方法を用いてもよい。前記有機溶剤現像には、現像液として、2-オクタノン、2-ノナノン、2-ヘプタノン、3-ヘプタノン、4-ヘプタノン、2-ヘキサノン、3-ヘキサノン、ジイソブチルケトン、メチルシクロヘキサノン、アセトフェノン、メチルアセトフェノン、酢酸プロピル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、酢酸ペンチル、酢酸ブテニル、酢酸イソペンチル、ギ酸プロピル、ギ酸ブチル、ギ酸イソブチル、ギ酸ペンチル、ギ酸イソペンチル、吉草酸メチル、ペンテン酸メチル、クロトン酸メチル、クロトン酸エチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、3-エトキシプロピオン酸エチル、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸プロピル、乳酸ブチル、乳酸イソブチル、乳酸ペンチル、乳酸イソペンチル、2-ヒドロキシイソ酪酸メチル、2-ヒドロキシイソ酪酸エチル、安息香酸メチル、安息香酸エチル、酢酸フェニル、酢酸ベンジル、フェニル酢酸メチル、フェニル酢酸エチル、ギ酸ベンジル、ギ酸フェニルエチル、3-フェニルプロピオン酸メチル、プロピオン酸ベンジル、酢酸2-フェニルエチル等を用いることができる。これらの有機溶剤は、1種単独で使用してもよく、2種以上を混合して使用してもよい。
以下、合成例、実施例及び比較例を示して本発明を具体的に説明するが、本発明は下記実施例に限定されない。なお、使用した装置は、以下のとおりである。
・IR:サーモフィッシャーサイエンティフィック社製NICOLET 6700
1H-NMR:日本電子(株)製ECA-500
・MALDI TOF-MS:日本電子(株)製S3000
[1]ベースポリマーの合成
ベースポリマーの合成に使用したモノマーは、以下のとおりである。
Figure 2024077641000145
Figure 2024077641000146
Figure 2024077641000147
Figure 2024077641000148
Figure 2024077641000149
[合成例1-1]ベースポリマーP-1の合成
窒素雰囲気下、フラスコに、モノマーa1-1(50.1g)、モノマーb2-1(24.8g)、モノマーc1(38.0g)、V-601(富士フイルム和光純薬(株)製)3.96g及びMEKを127gとり、単量体-重合開始剤溶液を調製した。窒素雰囲気とした別のフラスコにMEKを46gとり、攪拌しながら80℃まで加熱した後、前記単量体-重合開始剤溶液を4時間かけて滴下した。滴下終了後、重合液の温度を80℃に保ったまま2時間攪拌を続け、次いで室温まで冷却した。得られた重合液を、激しく攪拌したヘキサン2000gに滴下し、析出したポリマーを濾別した。更に、得られたポリマーをヘキサン600gで2回洗浄した後、50℃で20時間真空乾燥して白色粉末状のベースポリマーP-1を得た(収量98.1g、収率98%)。ベースポリマーP-1のMwは10900、Mw/Mnは1.82であった。なお、Mwは、DMFを溶剤として用いたGPCによるポリスチレン換算測定値である。
Figure 2024077641000150
[合成例1-2~1-18]ベースポリマーP-2~P-18の合成
各単量体の種類及び配合比を変えた以外は、合成例1-1と同様の方法で、下記表1に示すベースポリマーを合成した。
Figure 2024077641000151
[2]オニウム塩の合成
[合成例2-1]オニウム塩SQ-1の合成
Figure 2024077641000152
特許第6465026号公報に記載の合成例を参考にして調製されたトリフェニルスルホニウム炭酸水素塩の20質量%水溶液32g及びトリフルオロ酢酸2.5gを混合し、室温下にて30分間攪拌した。反応液を減圧濃縮した後、メチルイソブチルケトンを加えて再び減圧濃縮を行って共沸脱水した。得られた残渣にジイソプロピルエーテルを加えて30分間攪拌した後、濾過を行い、回収した粉体を減圧乾燥することで目的物であるオニウム塩SQ-1(トリフェニルスルホニウムトリフルオロアセテート)7.2gを得た(収率86%)。
オニウム塩SQ-1のスペクトルデータを以下に示す。核磁気共鳴スペクトル(1H-NMR/DMSO-d6及び19F-NMR/DMSO-d6)を図1及び2に示す。なお、1H-NMRにおいて微量の残溶剤ジイソプロピルエーテル、メチルイソブチルケトン)及び水が観測された。
IR(D-ATR): 3055, 1682, 1473, 1445, 1399, 1315, 1198, 1175, 1151, 1122, 1074, 1065, 995, 818, 798, 757, 745, 715, 684, 501 cm-1.
MALDI TOF-MS: POSITIVE M+263(C18H15S+相当)
NEGATIVE M-113(C2F3O2 -相当)
[合成例2-2~2-14]オニウム塩SQ-2~SQ-10及び比較用クエンチャーSQ-A~SQ-Dの合成
合成例2-1と同様の方法で、対応する原料を使用することで、下記式で表されるオニウム塩SQ-2~SQ-10及び比較用クエンチャーSQ-A~SQ-Dを合成した。
Figure 2024077641000153
Figure 2024077641000154
[3]レジスト組成物の調製
[実施例1-1~1-30、比較例1-1~1-24]
本発明のオニウム塩(SQ-1~SQ-10)、比較用クエンチャー(SQ-A~SQ-D)、ベースポリマー(P-1~P-18)、光酸発生剤(PAG-X、PAG-Y)を、下記表2~4に示す組成にて、界面活性剤としてスリーエム社製FC-4430を100ppm溶解させた溶液を調製し、該溶液を0.2μmのテフロン(登録商標)製フィルターで濾過することにより、レジスト組成物を調製した。
表2~4中、各成分は、以下のとおりである。
・有機溶剤:PGMEA(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート)
DAA(ジアセトンアルコール)
・光酸発生剤:PAG-X、PAG-Y
Figure 2024077641000155
Figure 2024077641000156
Figure 2024077641000157
Figure 2024077641000158
[4]EUVリソグラフィー評価
[実施例2-1~2-30、比較例2-1~2-24]
各レジスト組成物(R-01~R-30、CR-01~CR-24)を、信越化学工業(株)製ケイ素含有スピンオンハードマスクSHB-A940(ケイ素の含有量が43質量%)を膜厚20nmで形成したSi基板上にスピンコートし、ホットプレートを用いて100℃で60秒間プリベークして膜厚50nmのレジスト膜を作製した。ASML社製EUVスキャナーNXE3300(NA0.33、σ0.9/0.6、ダイポール照明)で、ウエハー上寸法が18nm、ピッチ36nmのLSパターンの露光を、露光量とフォーカスを変化(露光量ピッチ:1mJ/cm2、フォーカスピッチ:0.020μm)させながら前記レジスト膜を露光し、露光後、下記表5及び6に示す温度で60秒間PEBした。その後、2.38質量%のTMAH水溶液で30秒間パドル現像を行い、界面活性剤含有リンス材料でリンスし、スピンドライを行い、ポジ型パターンを得た。現像後のLSパターンを、(株)日立ハイテク製測長SEM(CG6300)で観察し、感度、露光裕度(EL)、LWR、DOF及び倒れ限界を、下記方法に従い評価した。結果を表5及び6に併記する。
[感度評価]
ライン幅18nm、ピッチ36nmのLSパターンが得られる最適露光量Eop(mJ/cm2)を求め、これを感度とした。
[EL評価]
前記LSパターンにおける18nmのスペース幅の±10%(16.2~19.8nm)の範囲内で形成される露光量から、次式によりEL(単位:%)を求めた。この値が大きいほど性能が良好である。
EL(%)=(|E1-E2|/Eop)×100
1:ライン幅16.2nm、ピッチ36nmのLSパターンを与える最適な露光量
2:ライン幅19.8nm、ピッチ36nmのLSパターンを与える最適な露光量
op:ライン幅18nm、ピッチ36nmのLSパターンを与える最適な露光量
[LWR評価]
opで照射して得たLSパターンを、ラインの長手方向に10箇所の寸法を測定し、その結果から標準偏差(σ)の3倍値(3σ)をLWRとして求めた。この値が小さいほど、ラフネスが小さく均一なライン幅のパターンが得られる。
[DOF評価]
DOF評価として、前記LSパターンにおける18nmの寸法の±10%(16.2~19.8nm)の範囲で形成されるフォーカス範囲を求めた。この値が大きいほど、焦点深度が広い。
[ラインパターンの倒れ限界評価]
前記LSパターンの最適フォーカスにおける各露光量のライン寸法を、長手方向に10箇所測定した。崩壊せずに得られた最も細いライン寸法を倒れ限界寸法とした。この値が小さいほど、倒れ限界に優れる。
Figure 2024077641000159
Figure 2024077641000160
表5及び6に示した結果より、本発明のレジスト組成物は、感度が良好であり、各種リソグラフィー性能に優れ、パターン倒れに強い性能を示すことが確認された。

Claims (10)

  1. (A)酸不安定基を有する繰り返し単位を含むポリマーを含むベースポリマー、(B)有機溶剤、及び(C)下記式(1)で表されるオニウム塩を含むレジスト組成物。
    Figure 2024077641000161
    (式中、Zq+は、スルホニウムカチオン、ヨードニウムカチオン又はアンモニウムカチオンである。Xq-は、アニオンである。ただし、Xq-を共役塩基とする酸(XqH)は、その沸点が165℃未満かつ分子量が150以下である。)
  2. 前記酸不安定基を有する繰り返し単位が、下記式(a1)又は(a2)で表されるものである請求項1記載のレジスト組成物。
    Figure 2024077641000162
    (式中、RAは、それぞれ独立に、水素原子、フッ素原子、メチル基又はトリフルオロメチル基である。
    1は、単結合、フェニレン基、ナフチレン基又は*-C(=O)-O-X11-である。X11は、炭素数1~10の飽和ヒドロカルビレン基、フェニレン基又はナフチレン基であり、該飽和ヒドロカルビレン基は、ヒドロキシ基、エーテル結合、エステル結合又はラクトン環を含んでいてもよい。
    2は、単結合又は*-C(=O)-O-である。
    *は、主鎖の炭素原子との結合手を表す。
    AL1及びAL2は、それぞれ独立に、酸不安定基である。
    1は、ハロゲン原子、又はヘテロ原子を含んでいてもよい炭素数1~20のヒドロカルビル基である。
    aは、0~4の整数である。)
  3. 前記ポリマーが、更に、下記式(b1)又は(b2)で表される繰り返し単位を含む、請求項1記載のレジスト組成物。
    Figure 2024077641000163
    (式中、RAは、それぞれ独立に、水素原子、フッ素原子、メチル基又はトリフルオロメチル基である。
    1は、単結合又は*-C(=O)-O-である。*は、主鎖の炭素原子との結合手を表す。
    11は、水素原子、又はヒドロキシ基、シアノ基、カルボニル基、カルボキシ基、エーテル結合、エステル結合、スルホン酸エステル結合、カーボネート結合、ラクトン環、スルトン環及びカルボン酸無水物(-C(=O)-O-C(=O)-)から選ばれる少なくとも1つ以上の構造を含む炭素数1~20の基である。
    12は、ハロゲン原子、又はヘテロ原子を含んでいてもよい炭素数1~20のヒドロカルビル基である。
    bは、1又は2である。cは、0~4の整数である。ただし、1≦b+c≦5である。)
  4. 前記ポリマーが、更に、光酸発生基を有する繰り返し単位を含む請求項1記載のレジスト組成物。
  5. 前記光酸発生基を有する繰り返し単位が、下記式(c1)~(c4)のいずれかで表されるものである請求項4記載のレジスト組成物。
    Figure 2024077641000164
    (式中、RAは、それぞれ独立に、水素原子、フッ素原子、メチル基又はトリフルオロメチル基である。
    1は、単結合又はフェニレン基である。
    2は、*-C(=O)-O-Z21-、*-C(=O)-NH-Z21-又は*-O-Z21-である。Z21は、炭素数1~6の脂肪族ヒドロカルビレン基、フェニレン基又はこれらを組み合わせて得られる2価の基であり、カルボニル基、エステル結合、エーテル結合又はヒドロキシ基を含んでいてもよい。
    3は、単結合、フェニレン基、ナフチレン基又は*-C(=O)-O-Z31-である。Z31は、炭素数1~10の脂肪族ヒドロカルビレン基、フェニレン基又はナフチレン基であり、該脂肪族ヒドロカルビレン基は、ヒドロキシ基、エーテル結合、エステル結合若しくはラクトン環を含んでいてもよい。
    4は、単結合又は**-Z41-C(=O)-O-である。Z41は、ヘテロ原子を含んでいてもよい炭素数1~20のヒドロカルビレン基である。
    5は、単結合、メチレン基、エチレン基、フェニレン基、フッ素化フェニレン基、トリフルオロメチル基で置換されたフェニレン基、*-C(=O)-O-Z51-、*-C(=O)-N(H)-Z51-又は*-O-Z51-である。Z51は、炭素数1~6の脂肪族ヒドロカルビレン基、フェニレン基、フッ素化フェニレン基又はトリフルオロメチル基で置換されたフェニレン基であり、カルボニル基、エステル結合、エーテル結合又はヒドロキシ基を含んでいてもよい。
    *は、主鎖の炭素原子との結合手を表す。**は、Z3との結合手を表す。
    21及びR22は、それぞれ独立に、ヘテロ原子を含んでいてもよい炭素数1~20のヒドロカルビル基である。また、R21とR22とが、互いに結合してこれらが結合する硫黄原子と共に環を形成してもよい。
    1は、単結合、エーテル結合、エステル結合、カルボニル基、スルホン酸エステル結合、カーボネート結合又はカーバメート結合である。
    Rf1及びRf2は、それぞれ独立に、フッ素原子又は炭素数1~6のフッ素化飽和ヒドロカルビル基である。
    Rf3及びRf4は、それぞれ独立に、水素原子、フッ素原子又は炭素数1~6のフッ素化飽和ヒドロカルビル基である。
    Rf5及びRf6は、それぞれ独立に、水素原子、フッ素原子又は炭素数1~6のフッ素化飽和ヒドロカルビル基である。ただし、全てのRf5及びRf6が同時に水素原子になることはない。
    -は、非求核性対向アニオンである。
    +は、オニウムカチオンである。
    dは、0~3の整数である。)
  6. 更に、(D)光酸発生剤を含む請求項1記載のレジスト組成物。
  7. (D)光酸発生剤が、下記式(2)又は(3)で表されるものである請求項6記載のレジスト組成物。
    Figure 2024077641000165
    (式中、R101、R102及びR103は、それぞれ独立に、ヘテロ原子を含んでいてもよい炭素数1~20のヒドロカルビル基である。また、R101及びR102が、互いに結合してこれらが結合する硫黄原子と共に環を形成してもよい。
    Xa-は、非求核性対向アニオンである。)
    Figure 2024077641000166
    (式中、R201及びR202は、それぞれ独立に、ヘテロ原子を含んでいてもよい炭素数1~30のヒドロカルビル基である。R203は、ヘテロ原子を含んでいてもよい炭素数1~30のヒドロカルビレン基である。また、R201、R202及びR203のうちのいずれか2つが、互いに結合してこれらが結合する硫黄原子と共に環を形成してもよい。
    Aは、単結合、エーテル結合、又はヘテロ原子を含んでいてもよい炭素数1~20のヒドロカルビレン基である。
    a、Xb、Xc及びXdは、それぞれ独立に、水素原子、フッ素原子又はトリフルオロメチル基である。ただし、Xa、Xb、Xc及びXdのうち少なくとも1つは、フッ素原子又はトリフルオロメチル基である。)
  8. 更に、(E)含窒素化合物を含む請求項1記載のレジスト組成物。
  9. 更に、(F)界面活性剤を含む請求項1記載のレジスト組成物。
  10. 請求項1~9のいずれか1項記載のレジスト組成物を用いて基板上にレジスト膜を形成する工程と、KrFエキシマレーザー光、ArFエキシマレーザー光、電子線又は極端紫外線で前記レジスト膜を露光する工程と、前記露光したレジスト膜を、現像液を用いて現像する工程とを含むパターン形成方法。
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