JP2024076641A - 濃度測定装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 長期間にわたって適切に濃度測定を行うことができる濃度測定装置を提供する。【解決手段】濃度測定装置100は、測定流体Gの流路を有する測定セル10と、測定セルに入射させる測定光を発する光源を含む光源ユニット20と、測定セルから出射した光を受け取る測定光検出器24とを備え、光源ユニット20は、測定光を発する第1の発光素子20aと、第1の発光素子が固定されるビームスプリッタ22と、ビームスプリッタに固定され第1の発光素子からの光の一部を受け取るように配置された参照光検出器26とを有し、参照光検出器26の前方に、ビームスプリッタ22を透過した第1の発光素子からの光を減光させるための減光フィルタ30が配置されている。【選択図】 図2

Description

本発明は、濃度測定装置に関し、特に、測定セル内の流体を通過した光の強度に基づいて流体の濃度を測定する濃度測定装置に関する。
従来、有機金属(MO)等の液体材料や固体材料から形成された原料ガスを半導体製造装置へと供給するガス供給ラインに組み込まれる濃度測定装置、いわゆるインライン式濃度測定装置が知られている。インライン式濃度測定装置は、ガス供給ラインを流れるガスの濃度を測定するように構成されている。
この種の濃度測定装置には、流体が流れる測定セルに、入射窓を介して光源から所定波長の光を入射させ、測定セル内を通過した透過光を受光素子で受光することにより吸光度を測定するものがある。測定された吸光度からは、ランベルト・ベールの法則に従って測定流体の濃度を求めることができる。
本明細書において、内部に導入された測定流体の濃度を検出するために用いられる種々の透過光検出構造を広く、測定セルと呼ぶことにする。測定セルには、ガス供給ラインから分岐して別個に配置されたセル構造だけでなく、ガス供給ラインの途中に直接設けられたインライン式の透過光検出構造も含まれる。
特許文献1には、測定セルの一端部に反射部材が設けられ、測定セル内を往復した光の吸光度に基づいて測定セル内を流れる流体の濃度を検出するように構成された、反射型の濃度測定装置が開示されている。このような反射型の濃度測定装置では、コンパクトな態様ながら、光路長を比較的長くとれるので測定精度の向上が期待できる。
国際公開第2018/021311号 国際公開第2020/213385号
インライン式の濃度測定装置は、流体供給ラインに組み込まれる測定セルと、測定セルと離れた場所に配置される電気ユニットとによって構成されている。ガス種に応じて測定セルが高温(例えば150℃)に加熱される場合にも、高温耐性の低い光学素子や回路素子は、測定セルから離れた電気ユニットに設置されているので、熱による損傷が防止される。
特許文献2には、濃度測定装置の電気ユニットにおいて、発光波長の異なる2つの発光素子を用いて構成された光源を設けた態様が開示されている。この濃度測定装置では、2つの発光素子および参照光検出器が、プリズム型のキューブビームスプリッタの各側面に配置されている。発光素子の波長は、測定対象のガスの吸光特性に対応して適宜選択され、例えば、紫外光や、赤色光、近赤外光などを発する素子が用いられる。
キューブビームスプリッタは、光源からの光の一部を透過させて参照光検出器に入射させるとともに、光の残部を反射して測定セルに接続された光ファイバケーブルにレンズを介して入射させることができる。この構成において、参照光検出器に入射された光の強度から発光素子の状態を検出することができ、また、測定セルには濃度測定のための光が入射される。測定セルからの出射光は、例えば別の光ファイバケーブルによって電気ユニットの測定光検出器に導光され、ここで測定された光強度から、ガスの吸光度ひいてはガス濃度が求められる。
ただし、本発明者の実験によって、ビームスプリッタで分離された光源光の一部を受け取るように配置された参照光検出器の出力は、長期間の使用と共に僅かに変化することがあり、そのことによって、濃度測定の精度が低下し得ることがわかった。
本発明は、上記課題を鑑みてなされたものであり、より長期的に高い精度で濃度測定を行うことができる濃度測定装置を提供することをその主たる目的とする。
本発明の実施形態による濃度測定装置は、測定流体の流路を有する測定セルと、前記測定セルに入射させる測定光を発する光源を含む光源ユニットと、前記測定セルから出射した光を受け取る測定光検出器とを備え、前記光源ユニットは、前記測定光を発する第1の発光素子と、前記第1の発光素子が固定されるビームスプリッタと、前記ビームスプリッタに固定され前記第1の発光素子からの光の一部を受け取るように配置された参照光検出器とを有し、前記参照光検出器の前方に、前記ビームスプリッタを透過した前記第1の発光素子からの光を減光させる減光フィルタが配置されている。
ある実施形態において、前記減光フィルタは、前記第1の発光素子からの光の10~40%を透過させるように構成されている。
ある実施形態において、前記ビームスプリッタを挟んで、前記第1の発光素子と前記参照光検出器とが対向するように配置されている。
ある実施形態において、前記光源ユニットは、前記ビームスプリッタにおける前記第1の発光素子の固定面および前記参照光検出の固定面とは異なる面に固定された第2の発光素子を有し、前記ビームスプリッタを介して前記第1の発光素子からの光の少なくとも一部および前記第2の発光素子からの光の少なくとも一部を前記測定セルに入射させるように構成されている。
ある実施形態において、前記第1の発光素子は、前記測定光として、前記測定流体が吸収できる波長の光を発し、前記第2の発光素子は、前記測定流体が吸収しない波長の光を発するように構成されている。
ある実施形態において、前記第2の発光素子の前方にバンドパスフィルタが配置されている。
ある実施形態において、前記測定セルを含む流体ユニットと、前記光源ユニットおよび前記測定光検出器を含む電気ユニットとが離れて設けられており、前記流体ユニットと前記電気ユニットとが光ファイバケーブルによって接続されている。
ある実施形態において、前記第1の発光素子は、定格出力の33~67%の出力で駆動されるように構成されている。
本発明の実施形態による濃度測定装置によれば、長期間にわたって精度よく濃度測定を行うことができる。
本発明の実施形態による濃度測定装置の構成を示す模式図である。 本発明の実施形態による濃度測定装置が備える光源ユニットを示す図である。 経過時間に対する参照光検出器の出力低下を示す比較例のグラフである。 経過時間に対する参照光検出器の出力を示す実施例のグラフである。 本発明の実施形態による濃度測定装置の構成を示す模式図である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら詳細に説明するが、本発明は、以下の実施形態に限定されるものではない。また、以下には測定対象がガスであるときの濃度測定装置を説明するが、他の実施形態において、測定対象は液体などのガス以外の流体であってもよい。
図1は、本発明の実施形態にかかる濃度測定装置100を示す。濃度測定装置100は、半導体製造システムなどで用いられるガス供給ライン(図示せず)に組み込まれて、流路を流れるガスGの濃度を測定するために用いられる。濃度測定装置100が設けられたガス供給ラインは、例えば、気化器などによって生成された高温の原料ガスを半導体製造装置のプロセスチャンバに供給するために用いられる。
原料ガスとしては、例えば、HCDS(SiCl)、あるいは、TEOS(オルトケイ酸テトラエチル)、TMGa(トリメチルガリウム)、TMAl(トリメチルアルミニウム)などの有機金属材料があげられる。これらの材料は室温では液体であり、例えば、150℃~200℃程度に加熱することによって気化させることができる。生成された材料ガスは、プロセスチャンバにおいて、例えば、シリコン窒化膜(SiN膜)やシリコン酸化膜(SiO膜)などの絶縁膜を形成するために用いられる。
なお、材料は、液体に限られず固体であってもよく、原料ガスは、固体材料を昇華させることによって生成されても良い。固体材料としては、例えば、アルミニウム、ハフニウム、インジウム、モリブデン、タンタル、チタン、タングステン、イットリウム、ジルコニウム等から構成される無機金属化合物や有機金属化合物が挙げられる。
本実施形態の濃度測定装置100は、ガス供給ラインに組み込まれる流体ユニット50Aと、流体ユニット50Aと離して配置される電気ユニット50Bとを備えている。流体ユニット50Aには、測定流体の流路を有する測定セル10が設けられており、測定セル10の内部を流れる原料ガスの濃度を測定することができる。また、電気ユニット50Bには、光ファイバケーブル11を介して測定セル10に入射させる光を発する光源を備えた光源ユニット20と、光ファイバケーブル12を介して測定セル10からの出射光を受け取る測定光検出器24とが設けられている。
流体ユニット50Aは、測定ガスの種類によって例えば100℃~150℃程度にまで加熱される可能性がある。ただし、流体ユニット50Aは、常温(室温)や常温以下のガスを用いる場合は、高温にならない状態で使用する場合もある。また、電気ユニット50Bは、通常は室温に維持されており、回路素子等が加熱されて損傷することが防止されている。電気ユニット50Bには、濃度測定装置100に動作制御信号を送信したり、濃度測定装置100からの測定濃度信号を受信したりするための外部制御装置が接続されていてもよい。
図1に示すように、流体ユニット50Aには、測定ガスの流入口、流出口およびこれらが接続された長手方向に延びる流路を有する測定セル10が設けられている。測定セル10の一方の端部には、流路に接する透光性の窓2(ここでは透光性プレート)が設けられ、測定セル10の他方の端部には反射部材4が設けられている。本明細書において、光とは、可視光線のみならず、少なくとも赤外線、紫外線を含み、任意の波長の電磁波を含み得るものとする。また、透光性とは、測定セルに入射させる前記光に対する内部透過率が濃度測定を行い得る程度に十分に高いことを意味する。
測定セル10の窓2の近傍には、2本の光ファイバケーブル11、12が接続されたコリメータ3が取り付けられている。コリメータ3は、コリメートレンズを有しており、光源からの光を測定セル10に平行光として入射させるとともに、反射部材4からの反射光を受光するように構成されている。このように、ガスが流れるように構成された測定セル10の流路は、測定光の光路としても利用される。
窓2としては、紫外光等の濃度測定に用いる検出光に対して耐性および高透過率を有し、機械的・化学的に安定なサファイアプレートが好適に用いられるが、他の安定な素材、例えば石英ガラスを用いることもできる。測定セル10の本体(流路形成部)は例えばSUS316L製である。窓2は、測定セル10の中心軸に対して垂直な面から、わずかに(例えば1°~5°)傾けて配置されていてもよく、これによって、表面反射光による測定への影響、すなわち迷光による測定への影響を抑制し得る。
また、反射部材4は、例えばサファイアプレートの裏面に反射層としてのアルミニウム層や誘電体多層膜が設けられたものから構成される。反射層として誘電体多層膜を用いれば、特定波長域の光(例えば近紫外線)を選択的に反射させることができる。誘電体多層膜は、屈折率の異なる複数の光学被膜の積層体(高屈折率薄膜と低屈折率薄膜との積層体)によって構成されるものであり、各層の厚さや屈折率を適宜選択することによって、特定の波長の光を反射したり透過させたりすることができる。また、誘電体多層膜は、任意の割合で光を反射させることができるため、一部(例えば10%)は透過するようにし、反射部材4の下部に設置した光検出器を用いて反射部材4を透過した光を参照光として利用することもできる。
流体ユニット50Aは、さらに、測定セル10内を流れる測定ガスの圧力を検出するための圧力センサ5と、測定ガスの温度を測定するための温度センサ6とを備えている。圧力センサ5および温度センサ6の出力は、図示しないセンサケーブルを介して電気ユニット50Bに送られる。圧力センサ5および温度センサ6の出力は、ガス濃度の測定のために利用し得る。
濃度測定装置100において、測定セル10内を往復する光の光路長は、窓2の表面と反射部材4の表面との距離の2倍によって規定することができる。濃度測定装置100において、測定セル10に入射され、その後、反射部材4によって反射された光は、測定セル10内の流路に存在するガスによって、ガスの濃度に依存した大きさで吸収される。そして、電気ユニット50Bに設けられた処理回路28は、測定光検出器24からの検出信号を周波数解析することによって、当該吸収波長での吸光度Aλを測定することができ、さらに、以下の式(1)に示すランベルト・ベールの法則に基づいて、吸光度Aλからガス濃度Cを算出することができる。
Aλ=-log10(I/I)=α’LC
上記の式において、Iは測定セル10への入射光の強度、Iは測定セル10のガスを通過した光の強度、α’はモル吸光係数(m/mol)、Lは測定セルの光路長(m)、Cはモル濃度(mol/m)である。モル吸光係数α’は物質によって決まる係数である。なお、上記式における入射光強度Iについて、測定セル10内に吸光性のガスが存在しないとき(例えば、紫外光を吸収しないガスが充満しているときや、真空に引かれているとき)に測定光検出器24によって検出された光の強度を入射光強度Iとみなしてよい。
測定セル10の光路長Lは、上記のように、窓と反射部材との距離の2倍として規定することができるので、光入射窓と光出射窓とを測定セルの両端部に備える濃度測定装置に比べて、2倍の光路長を得ることができる。これにより、小型化したにも関わらず、測定精度を向上させることができる。また、濃度測定装置100では、測定セル10の片側に設けた1つの光学素子のみを用いて光入射および光出射を行うので、メンテナンスがしやすく部品点数を削減することができる。
ただし、他の実施形態において、上記の反射型の測定セルの代わりに透過型の測定セルが用いられてもよい。透過型の測定セルでは、測定セルの一端から光を入射させ、他端(反射部材なし)から測定セルを通過した光を出射させる。この場合、光源光および透過光は、測定セルの両端に接続された別々の光ファイバケーブルによって伝送される。
また、本実施形態の流体ユニット50Aには、圧力センサ5および温度センサ6が設けられており、測定セル10内のガスGの圧力および温度を測定することができる。圧力センサ5としては、例えば、歪ゲージが設けられた感圧ダイヤフラムを有するシリコン単結晶製の圧力センサや、キャパシタンスマノメータが用いられる。温度センサ6としては、例えば、熱電対やサーミスタ、白金測温抵抗体が用いられる。
この場合、濃度測定装置100は、圧力センサ5および温度センサ6の出力をも参照して、特許文献2に記載されているように、例えば、以下の関係式から、測定セル10を流れるガスの濃度を求めることができる。
Cv=(RT/αLPt)・ln(I/I)
上記式において、Cvは全体ガス中の測定ガスの濃度(体積%)であり、αは測定ガスの吸光係数であり、Ptは圧力センサ5によって測定できるガス全圧であり、Tは温度センサ6によって測定できるガス温度であり、Rは気体定数である。また、ランベルト・ベールの法則と同様に、Lは測定セルの光路長、Iは入射光強度、Iは透過光強度である。
以下、電気ユニット50Bの詳細について説明する。本実施形態の電気ユニット50Bは、測定セル10内に入射させる光を発生する光源ユニット20と、測定セル10から出射した光を受光する測定光検出器24と、測定光検出器24が出力する検出信号(受光した光の強度に応じた検出信号)に基づいて測定ガスの濃度を演算する処理回路28とを備えている。
光源ユニット20、測定光検出器24および処理回路28は、例えば箱型の筐体に収容されている。光源ユニット20は、光ファイバケーブル11を介して測定セル10に光学的に接続され、測定光検出器24は、光ファイバケーブル12を介して測定セル10に光学的に接続されている。また、光源ユニット20および測定光検出器24は、処理回路28と電気的に接続されている。
測定光検出器24を構成する受光素子としては、例えばフォトダイオードやフォトトランジスタが用いられる。また、処理回路28は、回路基板に設けられたプロセッサやメモリなどの回路素子によって構成され、入力信号に基づいて所定の演算を実行するコンピュータプログラムを含み、ハードウェアとソフトウェアとの組み合わせによって実現される。処理回路28の構成要素の一部(CPUなど)または全部が電気ユニット50Bの外側の装置に設けられていてもよい。
図2は、本実施形態における光源ユニット20を拡大して示す。光源ユニット20は、互いに異なる波長の光を発する2つの発光素子(ここではLED)20a、20bを用いて構成されている。発光素子20a、20bには、発振回路を用いて異なる周波数の駆動電流が流され、周波数解析(例えば、高速フーリエ変換やウェーブレット変換)を行うことによって、測定光検出器24が検出した検出信号から、各波長成分に対応した光の強度を測定することができる。
発光素子20a、20bとしては、LED以外にも、LD(レーザダイオード)を用いることもできる。また、複数の異なる波長の合波光を光源に用いる代わりに、単一波長の光源を利用することもでき、この場合、合波器や周波数解析回路は省略することができる。なお、紫外光(例えば波長200nm~400nm)は、例えばトリメチルガリウムなどの有機金属ガスの濃度測定のために好適に用いられる。
また、光源ユニット20は、キューブビームスプリッタ22を用いて構成されている。図示するように、キューブビームスプリッタ22の光分離面に対して、いずれの発光素子20a、20bも、45°の角度を為すようにして、キューブビームスプリッタ22の異なる固定面に配置されている。
本実施形態では、第1の発光素子20aは、波長280nmの紫外光を発するのに対して、第2の発光素子20bは、635nmの赤色光を発する。第1の発光素子20aからの紫外光は、上述したように、吸光を利用して測定セル10内の有機金属ガスの濃度を測定するために好適に用いられる。一方、第2の発光素子20bからの赤色光は、測定セル10において濃度によらず有機金属ガスによる吸収を受けないので、光源ユニット20から測定光検出器24に至る光路上に設けられた光学素子の異常を検知するために用いられる。
測定光検出器24において、第2の発光素子20bからの赤色光の受光強度の低下が検出された場合、伝送路を形成する光ファイバケーブル11、12の破損、取り付け不具合や、ガス堆積による窓2や反射部材4の表面汚れなど光学素子に異常が生じている可能性がある。このようにして第2の発光素子20bを用いて異常が確認されたときには、必要に応じてメンテナンスや光学素子の交換を行うことで、その後も濃度測定を適切に行うことができる。
ただし、各発光素子20a、20bの発光波長は、上記の紫外光域と赤色光域に限られず、測定するガスの種類に応じて、吸収する帯域と吸収しない帯域とを適宜選択することができる。また、発光素子20a、20bは、ガス吸収可能な異なる波長の光を発するように構成されていてもよい。異なる波長の光を吸収させ、それぞれの波長での透過光強度を測定することによって濃度測定の精度を向上させ得る。
本実施形態の光源ユニット20において、キューブビームスプリッタ22は、第1の発光素子20aからの光(ここでは280nmの紫外光)を効率的に分離させるように設計されている。キューブビームスプリッタ22は、例えば、直角プリズムの接合面に、光分離面を形成する誘電体膜を設けることによって作製される。また、キューブビームスプリッタ22は、異なる面にそれぞれ配置された発光素子20a、20bからの異なる波長の光を合成して一本の光ファイバケーブル11によって測定セル10に合成光を導光するように構成されている。
そして、光源ユニット20では、キューブビームスプリッタ22を挟んで、第1の発光素子20aと対面する位置に、参照光検出器26が配置されている。この構成において、第1の発光素子20aから出射した光の一部は、透過光として参照光検出器26に入射し、光の残部は、反射光として、ボールレンズ23を介して、光ファイバケーブル11に入射する。参照光検出器26を構成する受光素子としては、例えばフォトダイオードやフォトトランジスタが用いられる。
参照光検出器26の出力は、主として、第1の発光素子20aの状態監視のために用いられる。また、参照光検出器26の出力は、第1の発光素子20aの現在の発光状態に適合するように濃度測定を補正するために用いることもできる。
例えば、測定光検出器24で検出した透過光強度Iの代わりにI=I×(Ir0/I)で与えられる補正後の透過光強度Iを用いて濃度を求めるようにしてもよい。上記式においてIr0は出荷段階などにおいて参照光検出器26が検出した初期の参照光強度であり、Iは濃度測定のために測定光検出器24によって透過光強度Iの測定を行うときに同時に参照光検出器26によって測定された現在の参照光強度である。また、別の態様において、初期に設定された入射光強度Iに(I/Ir0)を乗じて入射光強度Iの補正を行うことによって、現状の光源状態を考慮した濃度測定を行うこともできる。
入射光強度Iは、濃度の演算において、初期に測定およびメモリされた値が用いられるが、装置の使用と共に、光源や光学系の状態の変化することによって、実際の値が、初期値からずれる場合がある。このため、所定のタイミングで、測定光検出器24を用いて現在の入射光強度Iを再測定するとともに再メモリするようにしてもよい。この入射光強度Iの再メモリは、例えば、参照光検出器26の出力変動が所定値を超えたタイミングで実施するようにしても良い。
ところが、参照光検出器26を、キューブビームスプリッタ22を挟んで第1の発光素子20aに対面させる構成では、参照光検出器26の出力が、長時間の使用(例えば、100時間)により、わずかに減少し続けてしまうことが、本願発明者によって確認された。そして、このような参照光検出器26の出力低下は、図2に示すように、参照光検出器26の前方に減光フィルタ(NDフィルタ)30を設置することによって、効果的に抑制することができることがわかった。特に、第1の発光素子20aが紫外光(比較的波長が短く高エネルギーの光)を発するときは、参照光検出器26の劣化が生じやすい。
図3(a)~(c)は、時間経過とともに、第1の発光素子20a(発光波長280nmのLED)からの光を受け取った参照光検出器26の出力が低下する様子を示すグラフ(比較例)である。このグラフは、従来と同様に、参照光検出器26の前方に減光フィルタを設置することなく測定されたものである。また、図3(a)~(c)のそれぞれは、別々の発光素子を用いて測定されたものである。
図3(a)~(c)には、発光素子に用いるLEDに通常の100%電流を流したときのグラフ(100%)と、半分の50%電流を流したときのグラフ(50%)と、1/4の25%電流を流したときのグラフ(25%)とが示されている。
図3(a)~(c)からわかるように、いずれのグラフにおいても100%電流を流した時には、100時間以内に、光量の低下が観察される。また、50%電流を流した時にも、低下速度はやや遅くなるものの、100時間以内に光量が低下することが観察される。ここで縦軸の光量(I/I0)は、最初の測定のときの初期強度I0(具体的には参照光検出器26の出力電力値)で、時間経過とともに測定した強度Iを割って規格化した値を示している。
また、LEDに25%電流を流したときであっても、時間が経過すると、参照光検出器26の出力が低下している傾向が観察できる。これは、参照光検出器26の経時劣化によるものであると考えられる。このように、LEDの駆動電流をより小さくすることによって、参照光検出器26の寿命を多少は延ばすことができるが、低下傾向を解消することまでは困難である。
一方、図4(a)は、実施例のグラフ、すなわち、図2に示したように、参照光検出器26の前方に減光フィルタ30を配置したときのグラフを示す。減光フィルタ30は、第1の発光素子20aと参照光検出器26との間、より具体的には、キューブビームスプリッタ22と参照光検出器26との間に配置されている。また、本実施形態では、減光フィルタ30として、第1の発光素子20aからの光の25%を透過することができるフィルタを用いている。減光フィルタ30は、例えばインコネル等の金属膜によって形成されており、その厚さは例えば4mm以下、より好適には2mm以下である。
図4(a)からわかるように、第1の発光素子20a(発光波長280nmのLED)からの光を受け取った参照光検出器26の出力は、LEDに100%電流を流したときも、67%電流を流したときも、33%電流を流したときも、100時間を超えても、ほとんど低下しないことがわかる。
また、参照光検出器26の出力は、LEDに100%電流を流したときは初期には僅かに増加している。一方で、LEDに67%電流、33%電流を流すようにして、LEDの発光強度を抑えて使用したときには、初期段階から長時間にわたって参照光検出器26の出力が略一定に維持させることがわかる。
このように、減光フィルタ30を設けることによって、参照光検出器26の寿命を延ばすことができる。減光フィルタ30の透過率(第1の発光素子20aの光(ここでは紫外光)に対する透過率)は、例えば10~40%、より具体的には20~30%、より特定的には約25%に設定される。また、第1の発光素子20aの駆動値(ここではLEDに流す電流値)を、定格出力100%の、例えば、10~90%、より具体的には、33~67%に抑えることによって、初期から長期間にわたってさらに安定的な参照光検出器26の出力が得られる。
また、図4(b)は、第2の発光素子20bの前方に、バンドパスフィルタ32を設けたときの、参照光検出器26の出力の時間変化を示す。図4(b)からわかるように、LEDに100%電流を流したときも、67%電流を流したときも、33%電流を流したときも、100時間を超えても、参照光検出器26の出力はほとんど低下しないことがわかる。特に、第2の発光素子20bの駆動電流を定格の33~67%に抑えたときには、初期から長期間にわたって、さらに安定的な参照光検出器26の出力が得られる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、種々の改変が可能である。例えば、上記には、光ファイバケーブル11と光源ユニット20が直結され、光ファイバケーブル12と測定光検出器24とが直結される態様を説明したが、これに限らない。他の態様において、電気ユニット50Bの内部で、光ファイバケーブル11の接続端子と光源ユニット20とを離して配置し、これらが光ファイバケーブルによって接続されていてもよく、光ファイバケーブル12の接続端子と測定光検出器24とを離して配置し、これらが光ファイバケーブルによって接続されていてもよい。
また、上記には流体ユニットと電気ユニットとを離して設け、光ファイバケーブルで接続する態様を説明したが、これに限られない。図5は、光源ユニット20を測定セル10の近傍に設けるとともに、測定セル10を挟んで測定光検出器24を光源ユニット20に対向するように配置した、別の実施形態の濃度測定装置200を示す。上述した濃度測定装置100の構成要素と同様の構成要素には同じ参照符号を付すとともに、詳細な説明は省略する。
図5に示す濃度測定装置200では、ビームスプリッタ22を挟んで測定セル10と対向するように第1の発光素子20aが設けられ、参照光検出器26は、ビームスプリッタ22の側面に配置されている。この場合にも、第1の発光素子20aからの光の一部は参照光検出器26に入射し、残りは測定セル10に入射する。
なお、図5に示す態様とは異なり、光源ユニット20は、ビームスプリッタ22を挟んで第1の発光素子20aと参照光検出器26とが対向するように、いずれもビームスプリッタ22の側面に固定するように構成されていてもよい。この場合にも、ビームスプリッタ22での反射光を測定光として測定セル10に入射させ、ビームスプリッタ22での透過光を参照光として参照光検出器26に入射させることができる。
本実施形態では、図1に示した反射部材4を用いない透過型の測定セル10が形成されており、測定光検出器24は、測定セル10をシールする出射側の窓7を介して、ガスGによって吸収された測定光を受け取ることができる。濃度の測定は、光路長Lが、窓2と窓7との間の距離に変更される以外、上記の濃度測定装置100と同様にして行うことができる。また、濃度測定装置100と同様に、圧力センサ5および温度センサ6の出力も用いてガス濃度を求めることができる。濃度の演算や発光素子20aの駆動制御は、図示しない外部の電気ユニットにおいて行うことができる。ガスGを高温に維持する必要がない場合には、濃度測定装置200であっても、熱による素子の損傷が生じることなく、適切に濃度測定を行うことが可能である。
濃度測定装置200においても、ビームスプリッタ22において参照光検出器26のすぐ前に減光フィルタ30が設けられているので、光源光による素子劣化を抑えることができる。したがって、長期にわたって、参照光検出器26の出力を利用して、適切に濃度測定を行うことができる。
本発明の実施形態による濃度測定装置は、半導体製造に用いる原料ガスの濃度測定や、その他種々のガス、液体の濃度測定のために適切に利用される。
2 窓
3 コリメータ
4 反射部材
5 圧力センサ
6 温度センサ
10 測定セル
11 光ファイバケーブル(入射光)
12 光ファイバケーブル(出射光)
20 光源ユニット
20a 第1の発光素子
20b 第2の発光素子
22 キューブビームスプリッタ
23 ボールレンズ
24 測定光検出器
26 参照光検出器
28 処理回路
30 減光フィルタ
32 バンドパスフィルタ
50A 流体ユニット
50B 電気ユニット
100 濃度測定装置

Claims (8)

  1. 測定流体の流路を有する測定セルと、
    前記測定セルに入射させる測定光を発する光源を含む光源ユニットと、
    前記測定セルから出射した光を受け取る測定光検出器と
    を備える濃度測定装置であって、
    前記光源ユニットは、
    前記測定光を発する第1の発光素子と、前記第1の発光素子が固定されるビームスプリッタと、前記ビームスプリッタに固定され前記第1の発光素子からの光の一部を受け取るように配置された参照光検出器とを有し、
    前記参照光検出器の前方に、前記ビームスプリッタを透過した前記第1の発光素子からの光を減光させる減光フィルタが配置されている、濃度測定装置。
  2. 前記減光フィルタは、前記第1の発光素子からの光の10~40%を透過させるように構成されている、請求項1に記載の濃度測定装置。
  3. 前記ビームスプリッタを挟んで、前記第1の発光素子と前記参照光検出器とが対向するように配置されている、請求項1に記載の濃度測定装置。
  4. 前記ビームスプリッタにおいて、前記第1の発光素子の固定面および前記参照光検出の固定面とは異なる面に第2の発光素子が固定されており、前記ビームスプリッタを介して前記第1の発光素子からの光の少なくとも一部および前記第2の発光素子からの光の少なくとも一部を前記測定セルに入射させるように構成されている、請求項1から3のいずれかに記載の濃度測定装置。
  5. 前記第1の発光素子は、前記測定光として、前記測定流体が吸収できる波長の光を発し、前記第2の発光素子は、前記測定流体が吸収しない波長の光を発するように構成されている、請求項4に記載の濃度測定装置。
  6. 前記第2の発光素子の前方にバンドパスフィルタが配置されている、請求項4に記載の濃度測定装置。
  7. 前記測定セルを含む流体ユニットと、前記光源ユニットおよび前記測定光検出器を含む電気ユニットとが離れて設けられており、前記流体ユニットと前記電気ユニットとが光ファイバケーブルによって接続されている、請求項4に記載の濃度測定装置。
  8. 前記第1の発光素子は、定格出力の33~67%の出力で駆動されるように構成されている、請求項1または2に記載の濃度測定装置。

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