JP2024074709A - ころ軸受および風力発電機の主軸支持構造 - Google Patents

ころ軸受および風力発電機の主軸支持構造 Download PDF

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Abstract

【課題】保持器セグメント同士の衝突及びころと保持器セグメントのすべりによる摩耗を低減させたころ軸受および風力発電機の主軸支持構造を提供する【解決手段】内輪と、その外周に同芯状に配置される外輪と、前記外輪及び前記内輪の間に配置される複数のころと、前記ころを収容するポケットを有し、前記外輪及び前記外輪の間で周方向に順次連ねて配置されることで保持器を構成する複数の保持器セグメントとを備え、前記保持器セグメントは、隣り合う保持器セグメント同士が対向する2つの周方向の端面の表面粗さがRa6.3μm以下であり、かつ、前記ポケットの内側の表面粗さがRa1.6μm以下である、ころ軸受。【選択図】図6

Description

本発明は、一般産業機械の軸受、風力発電装置の主軸受などに用いられるころ軸受、およびこれを用いた、特に外径が例えば1mを超えるような大型の回転軸を有する風力発電機の主軸支持構造に関する。
通常、転がり軸受では転動体たるころを保持する保持器が使用されるが、この保持器は環状の一つの部品で構成され、金属製のプレス保持器、切削保持器、溶接保持器や樹脂製保持器等が存在し、用途や特性により使い分けられている。ここで例えば風力発電機の主軸を支持する転がり軸受は、大きな荷重を受けるために大型になり、部材の生産や組み立てが困難となる。このような大型の転がり軸受における大型の保持器の生産、組立を容易にするために、保持器を分割可能にした樹脂製の保持器セグメントが考案された。(特許文献1,2)
特許第4231082号公報 特開2009-52746号公報
従来の保持器セグメントでは、保持器セグメント同士が衝突することによる保持器セグメントの周方向端面の摩耗、及び、内部のポケットと呼ばれる部分に収容されるころの自転と保持器セグメントのすべりとによる保持器内ポケット面の摩耗が生じる。これらの摩耗により保持器セグメント間または保持器セグメントところとの間の隙間(例えば特許文献1)が大きくなり、異常音や異常振動の要因となる。また、これらの摩耗による摩耗粉によって、内外輪軌道面またはころ転動面の損傷の可能性がある。
本発明の目的は、以上の従来技術の課題を解決すべく、保持器セグメント同士の衝突及びころと保持器セグメントのすべりによる摩耗を低減させたころ軸受および風力発電機の主軸支持構造を提供することである。
概して、本発明は、以下の様に保持器セグメントの表面粗さを改善することで、保持器セグメント同士の衝突及びころと保持器セグメントのすべりによる摩耗を低減させるものである。これにより、保持器セグメントの摩耗量が減少して、軸受の故障リスクが低減される。
上記目的を達成するために、本発明に係るころ軸受は、
内輪と、その外周に同芯状に配置される外輪と、前記外輪及び前記内輪の間に配置される複数のころと、前記ころを収容するポケットを有し、前記外輪及び前記内輪の間で周方向に順次連ねて配置されることで保持器を構成する複数の保持器セグメントとを備え、
前記保持器セグメントは、隣り合う保持器セグメント同士が対向する2つの周方向の端面の表面粗さがRa6.3μm以下であり、かつ、前記ポケットの内側の表面粗さがRa1.6μm以下である。
なお、前記保持器セグメントは、ころ案内であってもよい。また、前記保持器セグメントは、外輪案内であってもよい。
上記構成によると、本発明に係るころ軸受は、前記保持器セグメントは、隣り合う保持器セグメント同士が対向する2つの周方向の端面の表面粗さがRa6.3μm以下であり、かつ、前記ポケットの内側の表面粗さがRa1.6μm以下である。よって、本発明に係るころ軸受は、前記保持器セグメント同士の衝突及びころと保持器セグメントのすべりによる摩耗を低減でき、前記保持器セグメントの摩耗量が減少して、軸受の故障リスクが低減できる。
前記保持器セグメントは、その線膨張係数が1.3×10-5/℃以上、かつ、1.7×10-5/℃以下であってもよい。この構成により、保持器セグメントが大きく膨張した場合に、複数の保持器セグメント間の周方向寸法(例えば隙間も含む)が負になって互いに接触した状態になり、保持器同士が突っ張ってしまうことが想定されるところ、これを回避することができる。
前記保持器は、少なくとも1箇所の隣り合う保持器セグメント同士の間において隙間を有し、
室温において、前記隙間の周方向の寸法は、前記保持器の軸を中心とする円であって前記保持器セグメントの上記端面の中央を通る円の円周の0.075%よりも大きく、かつ、0.12%よりも小さくてもよい。
これにより、保持器セグメントが熱膨張した場合に、隙間を確保し得る構成に寄与する。
前記保持器セグメントは、充填剤を含む樹脂製であり、
前記充填剤は、少なくとも炭素繊維またはガラス繊維のいずれかを含んでもよい。
また、前記樹脂は、ポリエーテルエーテルケトンであってもよい。
また、前記樹脂中における前記充填剤の充填比率は、20重量%以上、40重量%以下であってもよい。
これらの構成により、保持器セグメントをポリエーテルエーテルケトン等の樹脂で構成でき、充填剤の添加により線膨張係数の低下や強度強化等が可能となる。
前記保持器セグメントは、案内爪を有し、
前記案内爪における接触部の周方向内包側の位置に凹部が形成されており、
前記凹部は、前記保持器セグメントを成形する際に生ずる収縮ひけにより形成されてもよい。これにより、追加工無しに凹部を形成できる。
前記保持器において、各ポケットの隣り合う柱部の外径側に案内爪を設けて前記ころを前記保持器セグメントの内径側からポケット内に挿入可能とし、各保持器セグメントの大径側側面に環状に配置される連結部材を有し、この連結部材を着脱自在に係合する係合部を各保持器セグメントに設けて、各保持器セグメントを連結してもよい。これにより、ころ軸受を製造する際に、ころの脱落等の懸念が低減する。
本発明にかかる風力発電機の主軸支持構造は、
風力を受けるブレードとともに回転する主軸と、固定部材に組み込まれて主軸を回転自在に支持する請求項1または2に記載のころ軸受とを含む。
上記構成によると、本発明にかかる風力発電機の主軸支持構造は、上に記載の各機能を有するころ軸受を含んでいる。よって、上述の各効果を奏することができる。
前記ころ径をD,前記ころ径の測定位置における前記内輪及び前記外輪の軌道面間距離をdとすると、複数の前記ころのそれぞれの転動面の少なくとも1箇所で、D>dを満たしてもよい。これにより、長寿命で信頼性の高い風力発電機の主軸指示構造を得ることができる。
本発明にかかるころ軸受および風力発電機の主軸支持構造は、保持器セグメント同士の衝突及びころと保持器セグメントのすべりによる摩耗を低減できる。
本発明の第1実施形態に係る保持器セグメントの一構成を示す概略斜視図である。 図1の保持器セグメントにころを挿入した状態を示す概略縦断面図である。 保持器の公転動作を示す概略横断面図である。 本発明の第2実施形態に係る風力発電機の主軸支持構造の一構成を示す概略図である。 本発明の第3実施形態に係る円すいころ軸受の実施形態を示す断面図である。 図5の円すいころ軸受に使用するセグメント保持器のセグメントを示す斜視図である。 図6のセグメントに円すいころを挿入した状態を示す断面図である。 図5の円すいころ軸受における外輪を外した状態を示す斜視図である。 図5の円すいころ軸受における外輪を外した状態の正面図である。 図5の円すいころ軸受の組立て手順を示す斜視図である。 図10の組立て手順を別角度から見た斜視図である。 内輪の大端面を下にした状態で内輪に円すいころを配置した際における円すいころと内輪の大鍔部との関係を示す模式図である。 図5の円すいころ軸受の組立て途中の状態を示す斜視図である。 図5の円すいころ軸受の組立て途中の状態を示す斜視図である。 図14の断面図である。 図14の状態から環状治具を外した断面図である。 内輪アッシーを反転させて外輪に組込む状態を示す断面図である。 内輪アッシーを外輪に組込んだ状態を示す断面図である。 内輪の軌道面に配置した円すいころの回転状態を示す模式図である。 内輪の軌道面に配置した円すいころを回転させたときの内輪の小鍔部の高さと円すいころとの関係を示す模式図である。 この発明に係る円すいころ軸受の他の実施形態を示す断面図である。 比較例の円すいころ軸受の断面図である。 比較例の円すいころ軸受に使用されているセグメント保持器を構成する保持器セグメントに円すいころを挿入する状態を示す斜視図である。 比較例の円すいころ軸受の組立て手順を示す断面図である。 従来のころ軸受の縦断面図である。 従来のころ軸受に使用されている保持器セグメントを示す斜視図である。 図1の保持器セグメントの一部をポケットの内方側から見た断面図である。 同保持器セグメントのポケット部分の拡大断面図である。
(第1実施形態)
以下、この発明の第1実施形態を添付図面に基づいて説明する。本発明の第1実施形態に係るころ軸受1は、図5に例示するように、内輪11と、その外周に同芯状に配置される外輪12と、内輪11及び外輪12の間に配置される複数のころ15と、ころ15を収容するポケット16を有し、内輪11及び外輪12の間で周方向に順次連ねて配置されることで保持器17を構成するセグメント(保持器セグメントとも呼ぶ)20とを備える。本実施形態のポケット16は、ころ15を一定間隔に保持する機能を有する。なお、ころ15は、本実施形態では円すいころであるが、円筒ころであってもよい。また、保持器セグメント20は、ころ案内であってもよく、外輪案内であってもよい。
本実施形態の保持器セグメント20は、例えば図1に示すように、軸受1の回転軸線(図5の一点鎖線)に沿う方向に延びる複数の柱部23と、複数の柱部23を連結するように軸受1の周方向に延びる一組の連結部2C(後で詳説する図5の小径側弧状部21および大径側弧状部22に対応)によりころ15を収納するポケット16を形成する。複数の保持器セグメント20は、図2のように外輪12と内輪11の間で周方向に順次連ねて複数配置されることで保持器17を構成する。なお、保持器セグメント20の間には、少なくとも1箇所に隙間GPが存在する部分があり、同図では、一の保持器セグメント(最初の保持器セグメントとも呼ぶ)20Fと他の保持器セグメント(最後の保持器セグメントとも呼ぶ)20Lとの間の1箇所に寸法Rの隙間GPが存在している。本実施形態では、保持器セグメント20は、例えば充填剤を含む樹脂製である。
例えば風力発電機WGの主軸303は後述の図4に示すように横軸で使用され、上記軸受1を主軸支持軸受201として使用した場合において、図3の例では保持器セグメント20は矢印で示す方向に軸303A周りに公転運動を行う。この公転運動の際、各保持器セグメント20は、隣接する保持器セグメントを押すように運動し、図3のように鉛直方向に沿うように隙間GPが存在する場合には隙間GPにおいて自由落下する。この自由落下により、隣り合う保持器セグメント同士が対向する2つの周方向の端面である、保持器セグメント20の端面FS1、FS2(図1)同士が衝突する。この衝突が繰り返されることで例えば図3の状態では、隣り合う保持器セグメント同士が対向する2つの周方向の端面である、最初の保持器セグメント20Fの端面FS1Fと最後の保持器セグメント20Lの端面FS2Lとが摩耗する可能性がある。ここで、端面FS1、FS2における軸受1の径方向の表面粗さを、Ra6.3μm以下とすることで、この摩耗を低減することができる。ここでRaとは、算術平均粗さのことである。表面粗さは、例えばJIS規格の計測法により一意に計測し得る。
転がり軸受1に使用されるころ15は、一般的に金属を素材としており、樹脂製の保持器セグメント20と比べて硬度が高い。このため、保持器セグメント20のころ15を収納するポケット16の内側の面、すなわち、ころ15と接触する面は、ころ15の衝突や自転運動により摩耗を起こす。ここで、図1に斜線で示したポケットの内側の面のうち、柱部側の面16aの回転軸方向の表面粗さはRa1.6μm以下とし、連結部側の面16bの軸受径方向の表面粗さはRa1.6μm以下とすることで、ころ15とポケット16との接触による摩耗を低減することができる。ここで、上記の各摩耗抑制効果を下表に示す。丸印が上記効果を奏する場合であり、三角印が上記効果が若干弱い場合であり、バツ印は上記効果を奏しない場合である。
Figure 2024074709000002
本実施形態の保持器17は、複数の保持器セグメント20を周方向に隙間なく配置した場合、上述の様に一の保持器セグメント(最初の保持器セグメントと呼ぶ)20Fと他の保持器セグメント(最後の保持器セグメントと呼ぶ)20Lとの間の1箇所に隙間GPを有するようにしてある。この隙間は、保持器セグメント20同士の衝突による強度的な問題等や、保持器セグメント20同士の周方向の突っ張りあいによる変形等を防止することを目的として設けられる。この隙間の周方向の寸法を、室温において、保持器17の軸(図5の一点鎖線で示す回転軸線)を中心とする円であって保持器セグメント20の端面FS1、FS2の中央を通る円Cまたは各転動体(ころ)15の中心を通る円Cまたは各転動体(ころ)15同士の接点を通る円Cの円周の0.075%よりも大きく、かつ0.12%より小さくすることで、保持器セグメントが熱膨張した場合に、隙間を確保し得る構成に寄与する。
軸受1は、使用時において摩擦等により温度が上昇する。保持器セグメント20に樹脂が用いられる場合、一般的に樹脂は鋼よりも線膨張係数が大きいため、軸受1の温度上昇時に軌道輪よりも保持器セグメント20が大きく膨張することで、保持器セグメント20間の周方向隙間が負になり、保持器セグメント20同士が突っ張ってしまうことが想定される。そこで、例えば保持器セグメント20の材質に線膨張係数を低下させる充填剤を含ませるなどして、その線膨張係数を1.3×10-5/℃以上、かつ1.7×10-5/℃以下である樹脂とすることで、複数の保持器セグメント間の周方向寸法(例えば隙間も含む)が負になることを回避することができる。
使用される樹脂は、ポリエーテルエーテルケトンであることが好ましい。この素材は樹脂の中では比較的、線膨張係数が小さく、充填剤を含ませることで線膨張係数を低下させることができる。また充填剤は、炭素繊維またはガラス繊維であることが好ましい。これらの充填剤は、繊維状であるため効率的に線膨張係数を低下させることができる。樹脂中の充填剤比率は、充填による不具合の発生防止および線膨張係数の低下のために20重量%以上、40重量%以下であることが好ましい。
保持器セグメント20は、案内爪24(図2)を有し、案内爪24における図27および図28に示す接触部34の周方向内方側の位置に凹部35が形成されている。この凹部35は、保持器セグメント20(図1)を成形する際に生ずる収縮ひけにより形成されている。これにより、追加工無しに凹部を形成できる。
(第2実施形態)
図4は、上記軸受1を主軸支持軸受201として使用した第2実施形態に係る風力発電機WGの主軸支持構造の一例を示している。少なくとも、風力を受けるブレードとともに回転する主軸と、固定部材に組み込まれて主軸を回転自在に支持するころ軸受とにより、本実施形態の風力発電機の主軸支持構造STが構成される。具体的には、ナセル401のケーシング200は旋回座軸受405を介して支持台403上の高い位置で水平旋回自在に支持されている。本実施形態では、風力を受けるブレード301を一端で固定し該ブレードとともに回転する主軸303は、固定部材に組み込まれたころ軸受に回転自在に支持されており、具体的にはケーシング200内の軸受ハウジング203に組み込まれた主軸支持軸受201を介して回転自在に支持されている。ここで、例えばケーシング200、軸受ハウジング203が、固定部材となりうる。主軸の他端はケーシング200内の増速機205に接続され、増速機205の出力軸が発電機207のロータ軸(回転軸)に結合されている。この発電機207により風力発電を行う。
ここで、ころ15のころ径をD(図2)、前記ころ径Dを測定した位置における内輪11及び外輪12の軌道面間距離をd(図2)とすると、複数のころ15のそれぞれの転動面の少なくとも1箇所で、D>dを満たしている。これにより、長寿命で信頼性の高い風力発電機の主軸指示構造を得ることができる。
なお、図2において軌道面間距離dは模式的に示されている。
(第3実施形態)
次に、第3実施形態に係る、一般産業機械に用いるころ軸受、風力発電装置の主軸に用いるころ軸受など、特に外径が1mを超えるような大型の回転軸を回転自在に支持するころ軸受に関して説明する。なお以下では、ころ軸受の一例として、円すいころ軸受を例に説明する。
まず比較例(従来例)について説明する。図22の断面図に示すように、円すいころ軸受100は、内輪101と、その外周に同芯状に配置された外輪102と、これら内輪101及び外輪102との間に配設される円すいころ103と、円すいころ103を周方向に一定間隔で保持する保持器104とによって構成される。
円すいころ軸受100の保持器104は、一般的に鋼板製である。鋼板製の保持器104は、風力発電装置に使用されるような大型の円すいころ軸受100の場合、円すいころ103も大型で使用本数も多いため、自重や保持した円すいころ103の重量により変形することがある。また、鋼板製の保持器104は、通常プレス加工によって製作されるが、外径が1mを超えるような大型のものになると、設備上の問題によって加工が困難になる。また、鋼板製の保持器104は、その板厚を大きくすることで強度を確保することができるものの、一般に、大型の部品は製造設備上の問題によりプレス加工が難しく、加工上の制約からプレス加工することができる板厚には限界がある。一方、保持器104を削り出しにより製造すると、プレス品と比較して大幅なコストアップとなり、材料の無駄も
多くなる。
これらの問題を解決するために、保持器104を図23に示すような複数のセグメント104Aに分割し、セグメント104Aを環状に組合せた保持器(セグメント保持器とも呼ぶ)がある(特許第5010353号公報)。このセグメント保持器としては樹脂製のものが主流になっている。
ところで、単列の円すいころ軸受100を、例えば、風車に組込む際は、図24に示すように、まず、内輪101、円すいころ103及び保持器104を一体化しておき、この一体化した内輪アッシーを、小径側を下に向けた反転状態にして外輪102に組込むようにしている。
ところが、図23に示すような複数のセグメント104Aを組合せたセグメント保持器の場合、内輪アッシーを反転させると、各セグメント104Aがばらける。このセグメント104Aがばらけるのを防止するために、環状に配置したセグメント104Aの外周をワイヤーなどの連結部材で連結し、環状に配置したセグメント104Aを一体化するということが提案されている(特開2014-20393号公報、特許第5702534号公報、特開2018-80747号公報)。
図23に示すセグメント104Aを組合せた従来のセグメント保持器は、転動体案内方式であり、円すいころ103と外径側で接触する外径側の案内爪105を有するポケットと、円すいころ103と内径側で接触する内径側の案内爪106を有するポケットとを、周方向に交互に設けた構成になっており、円すいころ103は、セグメント104Aのポケットに内径側と外径側から挿入されている。
このため、環状に配置した各セグメント104Aをワイヤーなどの連結部材で連結して一体化しても、内輪アッシーを反転させると、内径側から挿入した円すいころ103は外径側の案内爪105によって脱落が防止されるものの、外径側から挿入した円すいころ103は内径側に案内爪106があるため、脱落してしまう。このため、組立てに手間が掛かるという問題がある。
また、内輪アッシーを外輪102に組込んだ後も、各セグメントを一体化するワイヤーなどの連結部材がそのまま残されていると、円すいころ軸受100の運転中に連結部材が外れて故障に繋がる可能性がある。
そこで、この第3実施形態は、内輪アッシーを外輪に組込む際に、内輪アッシーを反転させても、セグメント保持器のセグメントがばらけることなく、また、セグメントのポケットから円すいころが脱落しないようにし、しかも内輪アッシーを外輪に組込んだ後に、各セグメントを一体化する連結部材を取外すことが可能な円すいころ軸受を提供しようとするものである(第3実施形態の課題)。
上記の課題を解決するため、この第3実施形態は、内輪と、その外周に同芯状に配置される外輪と、内輪及び外輪の間に配置される複数の円すいころと、円すいころを一定間隔に保持するポケットを有する保持器とを備え、内輪は、外周に各円すいころが転動する軌道面と、この軌道面を挟む軸方向の両側に円すいころの端面が接触する大鍔部と小鍔部を有し、保持器は、周方向に複数のセグメントに分割したセグメント保持器であり、セグメントは、所定間隔離して対向させた一対の小径側弧状部及び大径側弧状部と、この小径側弧状部及び大径側弧状部の間に架設した複数の柱部とを有し、隣り合う2つの柱部と小径側弧状部と大径側弧状部とによって囲まれる空間を、円すいころを収容するポケットとし、内輪、円すいころ及び保持器を一体化した内輪アッシーの状態で外輪に組込まれる円すいころ軸受において、各ポケットの隣り合う柱部の外径側に案内爪を設けて円すいころをセグメントの内径側からポケット内に挿入可能とし、各セグメントの大径側側面に環状に配置される連結部材を有し、この連結部材を着脱自在に係合する係合部を、各セグメントの大径側弧状部の大径側側面に設けて各セグメントを連結することを特徴とする。
前記連結部材の端部相互は、連結部材自体に締結部を設けて連結しても、ターンバックル、結束バンドのような締結部材により連結してもよい。
前記小径側弧状部の小径側側面に、小径側に突き出すウィング部を設け、環状に配置した各セグメントの大径側を連結部材で連結する際に、環状に配置した各セグメントの小径側の前記ウィング部に環状治具を嵌めることが好ましい。
前記セグメントの大径側弧状部の大径側側面の両端側に、前記係合部を有する突出部を設け、この両端側の突出部の間に前記締結部または締結部材を配置することが好ましい。
前記内輪の大端面を下にして内輪の軌道面に円すいころを配置した状態で、円すいころの大径側端面と接触する内輪の大鍔部が内輪の中心軸に対して直交する直線に対する角度をI、前記大鍔部の先端の面取り幅をH、前記内輪の中心軸から円すいころの重心までの距離をy1、前記大鍔部の径をJとしたときに、前記大鍔部の径は次の条件を満たすようにする。
(J/2)-H cos I>y1
前記連結部材の端部相互を締結部または締結部材により連結して隣り合うセグメント同士を突き合わして固定した状態で、前記内輪の小鍔部の径をM、円すいころの小径側の端面と接触する内輪の小鍔部が内輪の中心軸に対して直交する直線に対する角度をL、前記小鍔部の先端の面取り幅をK、円すいころを内輪の大鍔部の先端を中心にして回転させた際に、小鍔部の側面と円すいころの小径側の端面とが接触する接触点Cから中心軸までの距離をy3としたときに、小鍔部の高さは次の条件を満たすようにする。
(M/2)-K cos L>y3
前記環状治具は、内輪、円すいころ及び保持器を一体化した内輪アッシーを外輪に組込む前に取外すことができる。
前記連結部材は、内輪アッシーを外輪に組込んだ後に、取外すことが好ましい。
また、複数のセグメントを周方向に無間隙に配置した場合に、最初に配置されるセグメントと最後に配置されるセグメントとの間に隙間を有する。ここで、室温において、隙間の周方向の寸法は、保持器セグメントの中央を通る円の円周の0.12%よりも小さい。なお、最初のセグメントとは、複数のセグメントを周方向に順次連ねて配置する際に、最初に配置されるセグメントをいい、最後のセグメントとは、隣接するセグメントを当接させ、周方向に順次連ねて配置していった際に、最後に配置されるセグメントをいう。複数の保持器セグメントが周方向に連なって円すいころ軸受に組み込まれ、一つの環状の保持器を構成する。
前記セグメントは、樹脂製のものを使用する。前記樹脂の線膨張係数は、1.7×10-5/℃以下である。
前記セグメントを形成する樹脂としては、充填材として炭素繊維、ガラス繊維またはカーボンブラックを配合したポリエーテルエーテルケトンを使用することができる。前記樹脂中の充填材の充填比率は20重量%以上、40重量%以下として、セグメント間の周方向の隙間を上記した範囲とすることにより、保持器セグメント同士の衝突による強度的な不具合等や、セグメント同士の周方向の突っ張りあいによる変形等を防止することができる。
前記連結部材を複数に分割し、分割された各連結部材の端部相互のそれぞれを前記締結部または締結部材により連結するようにしてもよい。
複数の前記締結部または締結部材は、円周状に等分に配置することが好ましい。前記小径側弧状部の小径側側面に、小径側連結部材と、前記小径側連結部材との小径側係合部を設け、前記小径側係合部に前記小径側連結部材を着脱可能に係合することで環状に配置した各セグメントを連結するようにしてもよい。
効果について説明すると、この第3実施形態に係る円すいころ軸受は、内輪、円すいころ及び保持器を一体化した内輪アッシーの状態で外輪に組込む際に、内輪アッシーを反転させても、環状に配置した各セグメントの大径側が連結部材によって連結されているため、各セグメントがばらけることがない。
また、セグメントのポケットを形成する柱部の外径側に案内爪を設け、円すいころをポケットの内径側から挿入しているため、内輪アッシーを反転させても、円すいころがポケットから脱落しない。
環状に配置した各セグメントの大径側を連結部材によって連結する際に、環状に配置した各セグメントの小径側のウィング部に環状治具を嵌めることによって、各セグメントの小径側の開きを抑制することができる。
環状に配置した各セグメントの大径側の連結部材の端部相互は、締結部または締結部材により連結されているので、内輪アッシーを外輪に組込んだ後に、締結部または締結部材を外すことにより、連結部材を取り外すことができるので、運転中に連結部材が外れて故障するということを防止できる。
以下、第3実施形態を添付図面に基づいて説明する。
この実施形態に係る円すいころ軸受1は、図5に示すように、内輪11と、その外周に同芯状に配置される外輪12と、内輪11及び外輪12の間に配置される複数の円すいころ15と、円すいころ15を一定間隔に保持するポケット16を有する保持器17とを備える。
外輪12は、内周に各円すいころ15が転動する軌道面14を有する。
内輪11は、外周に各円すいころ15が転動する軌道面13と、この軌道面13を挟む軸方向の両側に円すいころ15の端面が接触する大鍔部19と小鍔部18とを有する。
風力発電の主軸等の支持に用いられる大型の円すいころ軸受1の場合、円すいころ15の平均径は40mm以上、軸受の外径は1m以上である。
保持器17は、図6に示すように、複数のセグメント(保持器セグメントとも呼ぶ)20からなるセグメント保持器である。
セグメント20は、図6に示すように、所定間隔離して対向させた一対の小径側弧状部21及び大径側弧状部22と、この小径側弧状部21及び大径側弧状部22の間に架設した複数の柱部23とを有し、隣り合う2つの柱部23と小径側弧状部21と大径側弧状部22とによって囲まれる空間を、円すいころ15を収容するポケット16としている。
この実施形態では、柱部23を1つのセグメント20に6つ設け、隣り合う柱部23間に円すいころ15を収納する5つのポケット16を設けている。
各ポケット16を形成する隣り合う柱部23の対向面の外径側には、図7に示すように、ポケット16に挿入した円すいころ15の外径側への抜け出しを防止する案内爪24を設けている。
また、セグメント20を環状に並べて形成される保持器17は、外輪案内方式であり、柱部23の軸方向の両端外面に、円弧状の案内突部29を設けている。案内突部29は、両端の柱部23を含む任意の柱部23のみに設けてもよい。
セグメント20は、小径側弧状部21と大径側弧状部22の端面部同士が突き合わされた状態で環状に配置される。
セグメント20の大径側弧状部22の大径側側面の両端側には、環状に配置した各セグメント20の大径側に配置される連結部材25の係合部27を有する突出部26が軸方向に突出するように設けられている。セグメント20の大径側弧状部22の大径側側面の両端側にある突出部26は、隣接するセグメント20間の突出部26同士の接触を避けるように設けることが好ましい。
前記環状治具31は、図15に示すように、内輪11の小径側の端面に当接するリング部31aと、このリング部31aの軸方向の端部から外径側に向かって突設されたL字形の係合部31bとからなり、リング部31aを内輪11の小径側の端面に当接させた状態で、L字形の係合部31bを前記セグメント20のウィング部28に嵌めるようにしている。
各セグメント20の大径側に巻き回される連結部材25は、ターンバックルなどの締結部材30によって結束される。締結部材30がターンバックルで構成される場合、雌ねじ部を有する胴部を有し、このターンバックルの胴部に連結部材25の端部に設けた雄ねじ部をねじ込むことにより、連結部材25の端部相互を連結することができ、胴部の回転により、連結部材25に張力を与えることができ、締め付け方向と逆方向に胴部を回転させることにより、連結部材25の両端の結束を解除することができる。なお、連結部材25の端部相互の連結は、連結部材25の端部に締結部を設けて連結部材25同士を巻き付け、あるいは結束バンドを用いて連結するようにしてもよい。
連結部材25としては、ワイヤーまたはベルトを使用することができる。連結部材25として、ワイヤーを使用する場合、締結部材30としては、着脱可能なフックあるいはターンバックルを使用することができる。ターンバックルは、着脱可能であり、締め付け力が緩まず、また、締め付け力が調整可能であるため、最も好ましい。連結部材25として、ベルトを使用する場合、締結部材30としては、着脱可能なバックルを使用すると、締め付け力が緩まないので、好ましい。
セグメント20は、樹脂製または鋼製である。セグメント20を形成する樹脂としては、炭素繊維を配合したポリエーテルエーテルケトンまたはガラス繊維を配合したポリエーテルエーテルケトンを使用することができる。
セグメント20を使用した円すいころ軸受1の組立ては、次のようにして行う。
まず、外輪12に組込む前に、図8及び図9に示すように、内輪11、円すいころ15及び保持器17を一体化した内輪アッシーを組立てる。
この内輪アッシーを組立てるには、まず、図10及び図11に示すように、内輪11の大端面を下にした状態で、内輪11の軌道面13に円すいころ15を並べる。
内輪11の大端面を下にした状態で、円すいころ15を軌道面13上に配置していくと、円すいころ15が自重により内輪11から脱落する可能性がある。この円すいころ15の内輪11からの脱落を防止するために、内輪11の中心軸から大鍔部19の先端までの距離を、内輪11の中心軸から円すいころ15の重心までの距離よりも大きくしており、大鍔部19の径Jは次式を満足する。
(J/2)-H cos I>y1
すなわち、図12に示すように、内輪11の大端面を下にして内輪11の軌道面13に円すいころ15を配置した状態で、内輪11の大鍔部19の円すいころ15と接触する側面が内輪11の中心軸に対して直交する直線に対する角度をI、大鍔部19の先端の面取り幅をH、内輪11の中心軸から円すいころ15の重心までの距離をy1、大鍔部19の径をJとしたとき、上記の式を満たせば、円すいころ15の脱落を防止することができる。なお、図12において、Dは円すいころ15の大端面の径、Gは円すいころ15の小端面の径、Fは円すいころ15の長さ、Eは中心軸から軌道面13の大鍔部19側の端部までの距離を示している。
円すいころ15を内輪11の軌道面13上に並べた後、図13に示すように、各セグメント20を順次外径側から被せると、各セグメント20の内径側から円すいころ15がポケット16内に挿入される。
この後、図14に示すように、環状に配列されたセグメント20の小径側側面に突出するウィング部28に環状治具31を嵌め、大径側側面に突出する突出部26の係合部27に連結部材25を通し、セグメント20の外径側に巻き回した連結部材25の端部相互を締結部材30によって結束し、締結部材30によって連結部材25を締め付けて、環状に配置した複数のセグメント20を一体化する。
締結部材30は、大径側弧状部22の大径側の側面両端側に突出する突出部26の間に位置し、両端側の突出部26の間が締結部材30の収容部になっている。
前記連結部材25は、周方向に連続する一本でもよいが、周方向に複数に分割され、分割された各連結部材25の端部相互をそれぞれ締結部材30により連結するようにしてもよい。連結部材25を複数に分割する場合、締結部材30は、円周状に等分に配置することが好ましい。
環状に配置されたセグメント20の外周に連結部材25を巻き回し、連結部材25を締結部材30で締め付けると、環状に配置されたセグメント20の小径側が開こうとするので、この開きを抑制するために、連結部材25を締め付ける際には、環状に配置されたセグメント20の小径側のウィング部28に環状治具31を嵌めている。
環状治具31は、図15に示すように、環状に配置されたセグメント20の小径側弧状部21のウィング部28に軸方向から被せられ、内輪アッシーを組立てた後に、中心軸に沿って移動させることによって取外せるようになっている(図16)。
次に、この内輪アッシーの外輪12への組込みは、図17に示すように、内輪アッシーの小径側を下に向けた反転状態にして行う。
この内輪アッシーを外輪12へ組込む際に、内輪アッシーを、小径側を下に向けた反転状態にしても環状に配置されたセグメント20は外周側が連結部材25によって連結されているので、セグメント20がばらけることはない。
また、各セグメント20のポケット16内に挿入された円すいころ15も、ポケット16を形成する柱部23の外径側に設けた案内爪24によってポケット16から抜け出さない。
内輪アッシーを組立てる際に使用した環状治具31は、外輪12へ組込む際には取り除くようにする。
環状治具31を取り除いた状態で、内輪アッシーを、小径側を下に向けた反転状態にしても、連結部材25によって連結された各セグメント20は、各セグメント20のポケット16に挿入保持された円すいころ15が、内輪11の軌道面13の軸方向両側に位置する大鍔部19と小鍔部18との間に嵌まり、円すいころ15が内輪11の小鍔部18に引っ掛っているため、各セグメント20の脱落が防止される。
この各セグメント20の脱落を防止する内輪11の小鍔部18の高さは、次の条件を満たしている。
内輪11の大鍔部19と小鍔部18との間に嵌められた円すいころ15が回転する場合、円すいころ15の大端面が大鍔部19に接していない時は、図19の模式図に示すように、点Aを中心に回転し、円すいころ15の大端面が大鍔部19に接している時は、点Bを中心に回転すると考えられる。
円すいころ15の大端面が大鍔部19に接し、点Bを中心に回転する場合、図20の模式図に示すように、内輪11の小鍔部18の径Mが十分に大きければ、円すいころ15の小径側の端面が、小鍔部18の側面の点Cに接触するため、円すいころ15の回転が抑制され、円すいころ15が内輪11の小鍔部18に引っ掛かる。
この円すいころ15が引っ掛かる小鍔部18の側面の点Cは、図20に示すように、円すいころ15が回転した時の円すいころ15の小端面角部の軌跡を描いたスプライン曲線と小鍔部18の側面との交点であり、このとき、内輪11の小鍔部18の径Mは、次の条件を満たしている。
(M/2)-K cos L>y3
ここで、内輪11の小鍔部18の径をM、内輪11の小鍔部18の点C側の側面が内輪11の中心軸に対して直交する直線に対する角度をL、小鍔部18の先端の面取り幅をK、円すいころ15を内輪11の大鍔部19の先端のB点を中心にして回転させた際に、小鍔部18の側面と円すいころ15の小径側の端面とが接触する接触点Cから中心軸までの距離をy3としている。
以上のように、内輪アッシーの小径側が下に向くように反転させて外輪12に組込むことにより、図18に示すように、円すいころ軸受1を組立てることができる。
図18に示すように、円すいころ軸受1の組立てが完了すると、各セグメント20の外周を締め付けている連結部材25を、締結部材30を緩めて取外しても各セグメント20がばらけることがないので、円すいころ軸受1を装置に組込んだ後に、連結部材25は取外しておくことができる。
以上の実施形態は、小径側弧状部21の小径側側面に、小径側に突き出すウィング部28を設け、環状に配置した各セグメント20の大径側を連結部材25で結束する際に、環状に配置した各セグメント20の小径側の前記ウィング部に環状治具31を嵌めるようにしているが、図21に示す実施形態のように、小径側弧状部21の小径側側面に、小径側係合部32を設け、この小径側係合部32に、環状に配置した各セグメントの小径側に巻き回される連結部材33を通し、この連結部材25の端部相互を締結部材(図示省略)により着脱可能に結束するようにして、環状治具31を使用しないようにしてもよい。
以上、図面を参照してこの発明の実施形態を説明したが、この発明は、図示した実施形態のものに限定されない。図示した実施形態に対して、この発明と同一の範囲内において、あるいは均等の範囲内において、種々の修正や変形を加えることが可能である。
1:ころ軸受、円すいころ軸受
2C:(一組の)連結部
11:内輪
12:外輪
13:軌道面
14:軌道面
15:ころ、円すいころ
16:ポケット
16a:(ポケットの内側の面のうち)柱部側の面
16b:(ポケットの内側の面のうち)連結部側の面
17:(セグメント)保持器
18:小鍔部
19:大鍔部
20:(保持器)セグメント
21:小径側弧状部
22:大径側弧状部
23:柱部
24:案内爪
25:連結部材
26:突出部
27:係合部
28:ウィング部
29:案内突部
30:締結部または締結部材
31:環状治具
32:小径側係合部
33:連結部材
200:ケーシング(固定部材)
203:軸受ハウジング(固定部材)
301:ブレード
303:主軸
C:端面の中央を通る円(または、ころの中心を通る円、各ころ同士の接点を通る円)
FS1,FS1F,FS2、FS2L:端面
GP:隙間
ST:(風力発電機の)主軸支持構造
WG:風力発電機

Claims (12)

  1. 内輪と、その外周に同芯状に配置される外輪と、前記外輪及び前記内輪の間に配置される複数のころと、前記ころを収容するポケットを有し、前記外輪及び前記内輪の間で周方向に順次連ねて配置されることで保持器を構成する複数の保持器セグメントとを備え、
    前記保持器セグメントは、隣り合う保持器セグメント同士が対向する2つの周方向の端面の表面粗さがRa6.3μm以下であり、かつ、前記ポケットの内側の表面粗さがRa1.6μm以下である、
    ころ軸受。
  2. 前記保持器セグメントは、その線膨張係数が1.3×10-5/℃以上、かつ、1.7×10-5/℃以下である、
    請求項1に記載のころ軸受。
  3. 前記保持器は、少なくとも1箇所の隣り合う保持器セグメント同士の間において隙間を有し、
    室温において、前記隙間の周方向の寸法は、前記保持器の軸を中心とする円であって前記保持器セグメントの上記端面の中央を通る円の円周の0.075%よりも大きく、かつ、0.12%よりも小さい、
    請求項1または2に記載のころ軸受。
  4. 前記保持器セグメントは、充填剤を含む樹脂製であり、
    前記充填剤は、少なくとも炭素繊維またはガラス繊維のいずれかを含む、
    請求項3に記載のころ軸受。
  5. 前記樹脂は、ポリエーテルエーテルケトンである、
    請求項4に記載のころ軸受。
  6. 前記樹脂中における前記充填剤の充填比率は、20重量%以上、40重量%以下である、
    請求項4に記載のころ軸受。
  7. 前記保持器セグメントは、案内爪を有し、
    前記案内爪における接触部の周方向内包側の位置に凹部が形成されており、
    前記凹部は、前記保持器セグメントを成形する際に生ずる収縮ひけにより形成される、
    請求項1または2に記載のころ軸受。
  8. 前記保持器セグメントは、ころ案内である、
    請求項1または2に記載のころ軸受。
  9. 前記保持器セグメントは、外輪案内である、
    請求項1または2に記載のころ軸受。
  10. 前記保持器において、各ポケットの隣り合う柱部の外径側に案内爪を設けて前記ころを前記保持器セグメントの内径側からポケット内に挿入可能とし、各保持器セグメントの大径側側面に環状に配置される連結部材を有し、この連結部材を着脱自在に係合する係合部を各保持器セグメントに設けて、各保持器セグメントを連結する、
    請求項1または2に記載のころ軸受。
  11. 風力を受けるブレードとともに回転する主軸と、固定部材に組み込まれて主軸を回転自在に支持する請求項1または2に記載のころ軸受とを含む、
    風力発電機の主軸支持構造。
  12. 前記ころ径をD,前記ころ径の測定位置における前記内輪及び前記外輪の軌道面間距離をdとすると、複数の前記ころのそれぞれの転動面の少なくとも1箇所で、D>dを満たす、
    請求項11に記載の風力発電機の主軸支持構造。
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