JP2024071808A - 鋼管用ねじ継手及び鋼管用ねじ継手の締結方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】一方の鋼管と他方の鋼管とを適切に締結することができる鋼管用ねじ継手を提供する。
【解決手段】鋼管用ねじ継手1は、鋼管10と鋼管20とを備える。鋼管10は、管本体11と、外周面に雄ねじ13が形成されたピン12とを含む。鋼管20は、管本体21と、内周面に雌ねじ23が形成され、ピン12がねじ込まれてピン12と締結されるボックス22とを含む。管本体11は、管本体11の外周面にストップマークM1を有する。ストップマークM1は、軸方向位置Aを含んでいる。締結過程において、ストップマークM1がボックス22の先端と一致したときに、或いは、ストップマークM1がボックス22の先端を越えたときに、鋼管10と鋼管20との締結が完了する。
【選択図】図2
【解決手段】鋼管用ねじ継手1は、鋼管10と鋼管20とを備える。鋼管10は、管本体11と、外周面に雄ねじ13が形成されたピン12とを含む。鋼管20は、管本体21と、内周面に雌ねじ23が形成され、ピン12がねじ込まれてピン12と締結されるボックス22とを含む。管本体11は、管本体11の外周面にストップマークM1を有する。ストップマークM1は、軸方向位置Aを含んでいる。締結過程において、ストップマークM1がボックス22の先端と一致したときに、或いは、ストップマークM1がボックス22の先端を越えたときに、鋼管10と鋼管20との締結が完了する。
【選択図】図2
Description
本開示は、鋼管の連結に用いられる鋼管用ねじ継手及び鋼管用ねじ継手の締結方法に関する。
油井、天然ガス井又は地熱井等(以下、総称して「油井」ともいう。)においては、地下資源を採掘するためにケーシング、チュービング等の油井管が使用される。油井管は鋼管が順次連結されて成り、その連結に鋼管用ねじ継手が用いられる。
この種の鋼管用ねじ継手の形式は、カップリング型とインテグラル型とに大別される。カップリング型の場合、連結対象の一対の管材のうち、一方の管材が鋼管であり、他方の管材がカップリングである。この場合、鋼管の両端部の外周に雄ねじが設けられ、カップリングの両端部の内周に雌ねじが設けられる。そして、鋼管の雄ねじがカップリングの雌ねじにねじ込まれ、これにより両者が締結されて連結される。鋼管用ねじ継手のカップリングもまた、鋼管である。インテグラル型の場合、連結対象の一対の管材がともに鋼管であり、別個のカップリングを用いない。この場合、鋼管の一端部の外周に雄ねじが設けられ、他端部の内周に雌ねじが設けられる。そして、一方の鋼管の雄ねじ部が他方の鋼管の雌ねじ部にねじ込まれ、これにより両者が締結されて連結される。
一般に、雄ねじ部が形成された管端部の継手部分は、雌ねじに挿入される要素を含むことから、ピンと称される。一方、雌ねじが形成された管端部の継手部分は、雄ねじを受け入れる要素を含むことから、ボックスと称される。これらのピンとボックスは、管材の端部であるため、いずれも管状である。
鋼管同士の連結において、適切に鋼管を締結できるか否かは締結トルクを管理することにより判断される。締結トルクは、例えば、トルクターンシステムを用いて管理される。トルクターンシステムでは、鋼管の締結過程における締結トルクと鋼管のターン数との関係がグラフ等に表示される。そのため、締結過程で生じる各種トラブル、例えば、焼き付き発生の有無等を適切に確認することができる。ただし、トルクターンシステムによる締結トルクの管理は、装置及びシステム導入時のコスト負担が大きい。そこで、コスト削減の観点から、例えば、地熱井に用いられる鋼管においては、トルクターンシステムを用いずに締結トルクを管理する方法が主流となっている。具体的には、塗布等によって外周面に位置決め用マークを付した鋼管を用いる。締結過程において、締結トルクをトルクメータにより測定し、位置決め用マークを目視確認することで、鋼管が適切に締結できているか否かを判断する。すなわち、マークの締結完了位置を管理することによって鋼管を適切に締結することができる。
特許第4741497号公報(特許文献1)は、一続きの円筒状構成部品を開示している。一続きの円筒状構成部品は、2つの連続する構成部品を備える。一方の構成部品は、雄型ねじ山を備える。他方の構成部品は、雌型ねじ山を備える。円筒状構成部品は、一方の構成部品の雄型ねじ山を他方の構成部品の雌型ねじ山に組立てることによって組付けられる。一方の構成部品及び他方の構成部品は各々、軸方向に延びる方位マークを外周面に有する。2つの方位マークは、雄型ねじ山が雌型ねじ山に組立てられた時に、同じ角度位置に位置されるように配置される。
特許第3753015号公報(特許文献2)は、締め付け完了位置のマーキング方法を開示している。締め付け完了位置のマーキング方法は、ダイヤルゲージを基端側に設けた油井管ねじ継手用マーキングゲージを利用する。油井管ねじ継手用マーキングゲージを油井管のねじ面に締め込みつつ、ダイヤルゲージの指針の指示値を確認し、指針の指示値が設定した範囲内になった時に正常と判断して締め込み完了位置をマーキングする。油井管の外表面には、軸方向に沿って延びる直線状のマークが形成される。
特公平02-061679号公報(特許文献3)は、特殊なグリースを用いて特殊なジョイントを締結する際の適正なトルク範囲をシンプルかつ素早く決定する方法およびその装置を開示している。鋼鉄管用ジョイント締め付けトルクの範囲決定方法は、雄ねじと雌ねじとの各々の周囲に目印を決める工程を含む。2つの目印の位置は、2つの目印が対面する位置にきたとき、雄ねじの臼形軸承(ショルダに相当)と雌ねじの臼形軸承とが初めて接触するような位置である。2つの目印は、雄ねじ及び雌ねじの各々に対応する物指を雄ねじ及び雌ねじの各々に締め付けることにより、雄ねじ上及び雌ねじ上に付与される。2つの目印は、雄ねじ上及び雌ねじ上に軸方向に沿って直線状に延びるように付与されている。
特願2021-201478(特許文献4)には、管用ねじ継手の製造方法が記載されている。油井において、採油ポンプ等へ電力を供給するためのケーブルが油井管の外表面に固定されることがある。ケーブルは油井管の締結完了時に一直線に並ぶ必要がある。すなわち、管用ねじ継手の製造方法は、油井管の外表面にケーブルを固定するための固定用治具が締結完了時に一直線に並ぶように周方向の締結位置を制御するものである。
特許文献1の2つの方位マークは、締結完了時に同じ角度位置に位置付けられる。しかしながら、締結過程で焼き付きが生じた場合、所定のターン数に満たない場合(例えば、所定のターン数に丁度1ターン足りない場合など)であっても締結が完了したものと誤認し、十分に鋼管を締結することができないおそれがある。このとき、トルクメータを利用して所望のトルク値まで鋼管を締結する場合であっても、焼き付きの発生によってトルク値が上昇し、所望の締結トルクを得られたと誤認して十分に鋼管を締結することができないおそれがある。
特許文献2のマーキング及び特許文献3の2つの目印も同様に、鋼管の表面に軸方向に沿って延びるように直線状に設けられているため、上述の通り、所望の締結トルクを得られたと誤認して十分に鋼管を締結することができないおそれがある。
特許文献4の管用ねじ継手は、ケーブルと一直線上に並べることを目的としており、適切な締結トルクを得るものではない。そのため、一方の鋼管に設けられた固定用治具が他方の鋼管に設けられた固定用治具が軸方向に直線状に並んだ状態で鋼管の締結を止める必要があり、十分な締結トルクを得るために一方の鋼管をさらにターンさせることはできない。
そこで、本開示は、締結過程で焼き付きが生じた場合に適切な締結トルクを得られたと誤認することを抑制することができ、一方の鋼管と他方の鋼管とを適切に締結することができる、鋼管用ねじ継手及び鋼管用ねじ継手の締結方法を提供することを課題とする。
本開示に係る鋼管用ねじ継手は、鋼管同士を連結するための鋼管用ねじ継手であって、第1鋼管と、第2鋼管とを備えてよい。第1鋼管は、第1管本体と、第1鋼管の先端部に形成される管状のピンと、第1鋼管の外周面に設けられる第1ストップマークとを含んでよい。第2鋼管は、第2管本体と、第2鋼管の先端部に形成され、ピンがねじ込まれてピンと締結される管状のボックスとを含んでよい。ピンは、ピンの先端と管本体との間に位置し、ピンの外周面に形成される雄ねじを含んでよい。ボックスは、雄ねじに対応し、ボックスの内周面に形成される雌ねじを含んでよい。第1ストップマークは、締結完了時にボックスの先端と雌ねじとの間に位置付けられる軸方向位置Aを含んでよい。
本開示によれば、締結過程で焼き付き等の各種トラブルが生じた場合に適切な締結トルクを得られたと誤認することを抑制することができ、一方の鋼管と他方の鋼管とを適切に締結することができる。
(構成1)
本実施の形態に係る鋼管用ねじ継手は、第1鋼管と、第2鋼管とを備えてよい。第1鋼管は、第1管本体と、第1鋼管の先端部に形成される管状のピンと、第1鋼管の外周面に設けられる第1ストップマークとを含んでよい。第2鋼管は、第2管本体と、第2鋼管の先端部に形成され、ピンがねじ込まれてピンと締結される管状のボックスとを含んでよい。ピンは、ピンの先端と管本体との間に位置し、ピンの外周面に形成される雄ねじを含んでよい。ボックスは、雄ねじに対応し、ボックスの内周面に形成される雌ねじを含んでよい。第1ストップマークは、締結完了時にボックスの先端と雌ねじとの間に位置付けられる軸方向位置Aを含んでよい。このとき、鋼管用ねじ継手の形状に応じて、軸方向位置A及び第1ストップマークの一部又は全部は、第1管本体の外周面に設けられてもよく、或いは、ピンの外周面に設けられてもよい。
本実施の形態に係る鋼管用ねじ継手は、第1鋼管と、第2鋼管とを備えてよい。第1鋼管は、第1管本体と、第1鋼管の先端部に形成される管状のピンと、第1鋼管の外周面に設けられる第1ストップマークとを含んでよい。第2鋼管は、第2管本体と、第2鋼管の先端部に形成され、ピンがねじ込まれてピンと締結される管状のボックスとを含んでよい。ピンは、ピンの先端と管本体との間に位置し、ピンの外周面に形成される雄ねじを含んでよい。ボックスは、雄ねじに対応し、ボックスの内周面に形成される雌ねじを含んでよい。第1ストップマークは、締結完了時にボックスの先端と雌ねじとの間に位置付けられる軸方向位置Aを含んでよい。このとき、鋼管用ねじ継手の形状に応じて、軸方向位置A及び第1ストップマークの一部又は全部は、第1管本体の外周面に設けられてもよく、或いは、ピンの外周面に設けられてもよい。
これにより、軸方向における締結位置の管理ができ、締結過程において焼き付きが生じた場合であっても締結が完了したと誤認することなく、一方の鋼管及び他方の鋼管を適切に締結することができる。
(構成2)
構成1の鋼管用ねじ継手であって、第1ストップマークは、第1鋼管の外周面に軸方向に延びるように設けられてよい。第2鋼管は、さらに、第2鋼管の外周面に設けられ、軸方向に延びる第2ストップマークを含んでよい。第1ストップマークは、締結完了時に周方向において第2ストップマークと第2ストップマークよりも第2鋼管の締め付け方向奥側との間に位置付けられてよい。これにより、軸方向だけでなく周方向における締結位置の管理ができ、一方の鋼管及び他方の鋼管を適切に締結することができる。
構成1の鋼管用ねじ継手であって、第1ストップマークは、第1鋼管の外周面に軸方向に延びるように設けられてよい。第2鋼管は、さらに、第2鋼管の外周面に設けられ、軸方向に延びる第2ストップマークを含んでよい。第1ストップマークは、締結完了時に周方向において第2ストップマークと第2ストップマークよりも第2鋼管の締め付け方向奥側との間に位置付けられてよい。これにより、軸方向だけでなく周方向における締結位置の管理ができ、一方の鋼管及び他方の鋼管を適切に締結することができる。
(構成3)
構成2の鋼管用ねじ継手であって、第1ストップマークは、周方向に所定の幅を有してよい。第2ストップマークは、締結完了時に前記第1ストップマークの所定の幅の範囲内に位置付けられてよい。これにより、周方向における締結位置の管理において、一方の鋼管及び他方の鋼管をより適切に締結することができる。
構成2の鋼管用ねじ継手であって、第1ストップマークは、周方向に所定の幅を有してよい。第2ストップマークは、締結完了時に前記第1ストップマークの所定の幅の範囲内に位置付けられてよい。これにより、周方向における締結位置の管理において、一方の鋼管及び他方の鋼管をより適切に締結することができる。
(構成4)
構成3の鋼管用ねじ継手であって、第1ストップマークの所定の幅は、0.1d1π以下であってよい。これにより、周方向における締結位置の管理において、一方の鋼管及び他方の鋼管をより適切に締結することができる。ここで、d1は第1鋼管の管本体11の平均外径である。
構成3の鋼管用ねじ継手であって、第1ストップマークの所定の幅は、0.1d1π以下であってよい。これにより、周方向における締結位置の管理において、一方の鋼管及び他方の鋼管をより適切に締結することができる。ここで、d1は第1鋼管の管本体11の平均外径である。
(構成5)
構成2の鋼管用ねじ継手であって、第1ストップマークは、軸方向に延びるラインを含んでよい。第2ストップマークは、周方向に所定の幅を有してよい。軸方向に延びるラインは、締結完了時に第2ストップマークの所定の幅の範囲内に位置付けられてよい。これにより、周方向における締結位置の管理において、一方の鋼管及び他方の鋼管をより適切に締結することができる。
構成2の鋼管用ねじ継手であって、第1ストップマークは、軸方向に延びるラインを含んでよい。第2ストップマークは、周方向に所定の幅を有してよい。軸方向に延びるラインは、締結完了時に第2ストップマークの所定の幅の範囲内に位置付けられてよい。これにより、周方向における締結位置の管理において、一方の鋼管及び他方の鋼管をより適切に締結することができる。
(構成6)
構成5の鋼管用ねじ継手であって、第2ストップマークの所定の幅は、0.1d2π以下であってよい。これにより、周方向における締結位置の管理において、一方の鋼管及び他方の鋼管をより適切に締結することができる。ここで、d2は第2鋼管のボックス先端部の外径である。
構成5の鋼管用ねじ継手であって、第2ストップマークの所定の幅は、0.1d2π以下であってよい。これにより、周方向における締結位置の管理において、一方の鋼管及び他方の鋼管をより適切に締結することができる。ここで、d2は第2鋼管のボックス先端部の外径である。
(構成7)
構成1~6のいずれかの鋼管用ねじ継手であって、ピンは、ピンの先端に形成されるピンショルダ面を含んでよい。ボックスは、ボックスの奥端側に形成され、締結状態においてピンショルダ面に接触するボックスショルダ面を含んでよい。
構成1~6のいずれかの鋼管用ねじ継手であって、ピンは、ピンの先端に形成されるピンショルダ面を含んでよい。ボックスは、ボックスの奥端側に形成され、締結状態においてピンショルダ面に接触するボックスショルダ面を含んでよい。
(構成8)
構成7の鋼管用ねじ継手であって、軸方向位置Aとピンの先端との軸方向距離Bは、以下の式(1)を満たしてよい。
D≧B≧(D-P/2)
式(1)において、Dはメイクアップロスを示し、Pは雄ねじのねじピッチを示す。メイクアップロスは、締結完了時にボックスに収容されるピンの被収容部における締結前の軸方向長さである。
これにより、軸方向及び周方向における締結位置の管理において、第1及び第2ストップマークが所定の軸方向位置であることの目視確認における確認者の判定ミス(ヒューマンエラー)を防止することができ、一方の鋼管及び他方の鋼管をより適切に締結することができる。
構成7の鋼管用ねじ継手であって、軸方向位置Aとピンの先端との軸方向距離Bは、以下の式(1)を満たしてよい。
D≧B≧(D-P/2)
式(1)において、Dはメイクアップロスを示し、Pは雄ねじのねじピッチを示す。メイクアップロスは、締結完了時にボックスに収容されるピンの被収容部における締結前の軸方向長さである。
これにより、軸方向及び周方向における締結位置の管理において、第1及び第2ストップマークが所定の軸方向位置であることの目視確認における確認者の判定ミス(ヒューマンエラー)を防止することができ、一方の鋼管及び他方の鋼管をより適切に締結することができる。
(構成9)
構成1~8のいずれかの鋼管用ねじ継手であって、第1ストップマークおよび第2ストップマークの少なくともいずれか一方は、周方向にオフセットされてよい。鋼管用ねじ継手は、鋼管用ねじ継手の直径等のサイズ、ねじ形状の差異、シール干渉量及びドープの種別等に応じて締結完了位置にズレが生じる場合がある。第1ストップマークおよび第2ストップマークの少なくともいずれか一方を周方向にオフセットすることにより、これら締結完了位置のズレに対して、軸方向及び周方向における締結位置をより適切に管理でき、一方の鋼管及び他方の鋼管を適切に締結することができる。
構成1~8のいずれかの鋼管用ねじ継手であって、第1ストップマークおよび第2ストップマークの少なくともいずれか一方は、周方向にオフセットされてよい。鋼管用ねじ継手は、鋼管用ねじ継手の直径等のサイズ、ねじ形状の差異、シール干渉量及びドープの種別等に応じて締結完了位置にズレが生じる場合がある。第1ストップマークおよび第2ストップマークの少なくともいずれか一方を周方向にオフセットすることにより、これら締結完了位置のズレに対して、軸方向及び周方向における締結位置をより適切に管理でき、一方の鋼管及び他方の鋼管を適切に締結することができる。
(構成10)
構成1に記載の鋼管用ねじ継手を締結する鋼管用ねじ継手の締結方法であって、他方の鋼管を固定する工程と、他方の鋼管のボックスに一方の鋼管のピンを締結する工程と、第1ストップマークの軸方向位置がボックスの先端と一致するか、又は、前記第1ストップマークの軸方向位置が前記ボックスの先端を越えているかを判定する工程と、第1ストップマークの軸方向位置が前記ボックスの先端と一致している場合、又は、前記第1ストップマークの軸方向位置が前記ボックスの先端を越えている場合に、一方の鋼管と他方の鋼管との締結を完了する工程とを含んでよい。軸方向における締結位置の管理ができ、締結過程において焼き付きが生じた場合であっても締結が完了したと誤認することなく、一方の鋼管及び他方の鋼管を適切に締結することができる。
構成1に記載の鋼管用ねじ継手を締結する鋼管用ねじ継手の締結方法であって、他方の鋼管を固定する工程と、他方の鋼管のボックスに一方の鋼管のピンを締結する工程と、第1ストップマークの軸方向位置がボックスの先端と一致するか、又は、前記第1ストップマークの軸方向位置が前記ボックスの先端を越えているかを判定する工程と、第1ストップマークの軸方向位置が前記ボックスの先端と一致している場合、又は、前記第1ストップマークの軸方向位置が前記ボックスの先端を越えている場合に、一方の鋼管と他方の鋼管との締結を完了する工程とを含んでよい。軸方向における締結位置の管理ができ、締結過程において焼き付きが生じた場合であっても締結が完了したと誤認することなく、一方の鋼管及び他方の鋼管を適切に締結することができる。
(構成11)
構成1に記載の鋼管用ねじ継手を締結する鋼管用ねじ継手の締結方法であって、他方の鋼管を固定する工程と、他方の鋼管のボックスに一方の鋼管のピンを締結する工程と、一方の鋼管と他方の鋼管との締結過程における締結トルクの値を測定する工程と、締結トルクの値が所定の値に達していた場合に、一方の鋼管と他方の鋼管との締結を完了する工程と、第1ストップマークの軸方向位置がボックスの先端と一致するか、又は、第1ストップマークの軸方向位置がボックスの先端を越えているかを判定する工程とを含んでよい。これにより、トルクメータにより得られた締結トルクが所定の値であることと第1ストップマークが所定の軸方向位置であることの両方を満たすことにより焼き付き等が発生していないことが確認でき、一方の鋼管10と他方の鋼管20とを適切に締結することができる。
構成1に記載の鋼管用ねじ継手を締結する鋼管用ねじ継手の締結方法であって、他方の鋼管を固定する工程と、他方の鋼管のボックスに一方の鋼管のピンを締結する工程と、一方の鋼管と他方の鋼管との締結過程における締結トルクの値を測定する工程と、締結トルクの値が所定の値に達していた場合に、一方の鋼管と他方の鋼管との締結を完了する工程と、第1ストップマークの軸方向位置がボックスの先端と一致するか、又は、第1ストップマークの軸方向位置がボックスの先端を越えているかを判定する工程とを含んでよい。これにより、トルクメータにより得られた締結トルクが所定の値であることと第1ストップマークが所定の軸方向位置であることの両方を満たすことにより焼き付き等が発生していないことが確認でき、一方の鋼管10と他方の鋼管20とを適切に締結することができる。
以下、図面を参照し、本実施の形態を詳細に説明する。図中同一又は相当部分には同一符号を付し、その説明を繰り返さない。なお、説明を分かりやすくするために、以下で参照する図面においては、構成が簡略化または模式化して示されたり、一部の構成部材が省略されたりしている。
[鋼管用ねじ継手の構成]
[第1実施形態]
第1実施形態に係る鋼管用ねじ継手1は、図1に示すように、インテグラル型のねじ継手であって、一方の鋼管10と、他方の鋼管20とを備える。本開示に係る鋼管用ねじ継手1は、インテグラル型のねじ継手に限られず、カップリング型のねじ継手においても適用することができる。すなわち、ボックス22を含む他方の鋼管20は、カップリングであってもよい。
[第1実施形態]
第1実施形態に係る鋼管用ねじ継手1は、図1に示すように、インテグラル型のねじ継手であって、一方の鋼管10と、他方の鋼管20とを備える。本開示に係る鋼管用ねじ継手1は、インテグラル型のねじ継手に限られず、カップリング型のねじ継手においても適用することができる。すなわち、ボックス22を含む他方の鋼管20は、カップリングであってもよい。
一方の鋼管10は、管状の管本体11と、管本体11の管端から連続して形成される管状のピン12とを備える。ピン12は、雄ねじ13、ピンシール面14及びピンショルダ面15を含む。雄ねじ13は、ピン12の外周面に形成される。雄ねじ13は、ピン12の先端に向かって縮径するテーパねじである。ピンシール面14は、雄ねじ13とピン12の先端との間においてピン12の外周面に形成される。ピンショルダ面15は、ピン12の先端に形成される。ピンショルダ面15は、管軸CLに対して略垂直な環状面である。雄ねじ13のねじ形状は特に限定されることはなく、バットレスタイプの台形状ねじであってもよく、セルフロックタイプのウェッジねじであってもよい。また、本実施形態ではピンショルダ面15及び後述するボックスショルダ面25を接触させているが、ピンショルダ面15とボックスショルダ面25との間に隙間を有する鋼管用ねじ継手1であっても本開示を適用することができ、また、ピンショルダ面15とボックスショルダ面25が設けられていない鋼管用ねじ継手1であっても本開示を適用することができる。また、カップリング型の鋼管用ねじ継手1であって、ボックスショルダ面25が設けられておらず、鋼管20を介して連結される2本の鋼管10のピンショルダ面15同士を突き当てる鋼管用ねじ継手1であっても本開示を適用することができる。
他方の鋼管20は、管状の管本体21と、管本体21の管端から連続して形成され、ピン12がねじ込まれてピン12と締結される管状のボックス22とを備える。ボックス22は、雌ねじ23、ボックスシール面24及びボックスショルダ面25を備える。雌ねじ23は、雄ねじ13に対応して、ボックス22の内周面に形成される。ボックスシール面24は、ピンシール面14に対応してボックス22の内周面に形成される。ボックスシール面24は、ピン12及びボックス22が締結されているときピンシール面14に接触する。ボックスショルダ面25は、ピンショルダ面15に対応してボックス22の奥端側に形成される。ボックスショルダ面25は、ピン12及びボックス22が締結されているときピンショルダ面15に接触する。
図2に示すように、一方の鋼管10の管本体11は、管本体11の外周面にストップマークM1を有する。本実施形態において、ストップマークM1は、管本体11の周方向の一部に沿って延びるラインL1である。ラインL1は、管本体11の外周面における軸方向位置Aに位置付けられる。すなわち、ストップマークM1は軸方向位置Aを含んでいる。軸方向位置Aは、ピン12の先端から軸方向に所定の距離間隔を有する位置である。ストップマークM1は、管本体11の外周面に設けられたケガキ線であってもよく、塗料を塗布することにより表されてもよい。なお、鋼管用ねじ継手1の形状に応じて、軸方向位置A及びストップマークM1の一部又は全部は、ピン12の外周面に設けられる場合がある。すなわち、鋼管10は、鋼管10の外周面にストップマークM1を有してよい。
ピン12の先端と軸方向位置Aとの軸方向距離Bは、以下の式(1)により定義される。
D≧B≧(D-P/2)・・・式(1)
式(1)において、Dは、後述するメイクアップロスであり、図1を参照して、ピン12の先端のピンショルダ面15が接触する鋼管用ねじ継手1においては、締結前のボックスショルダ面25のボックス先端からの深さを示す。Pは、雄ねじ13のねじピッチを示す。締結前のボックスショルダ面25の深さは、ボックス22の先端とピンショルダ面15に接触するボックスショルダ面25の最奥端との間における管軸CLに平行な長さである。
D≧B≧(D-P/2)・・・式(1)
式(1)において、Dは、後述するメイクアップロスであり、図1を参照して、ピン12の先端のピンショルダ面15が接触する鋼管用ねじ継手1においては、締結前のボックスショルダ面25のボックス先端からの深さを示す。Pは、雄ねじ13のねじピッチを示す。締結前のボックスショルダ面25の深さは、ボックス22の先端とピンショルダ面15に接触するボックスショルダ面25の最奥端との間における管軸CLに平行な長さである。
ここで、メイクアップロスDとは、鋼管用ねじ継手1を締結した際にボックス22に収容されるピン12の被収容部121における締結前の軸方向長さである。ピン12の被収容部121は、締結状態においてボックス22によって被覆されるピン12の一部であり、鋼管用ねじ継手1のデザインなどによっては管本体11の一部を含む。ボックス22に収容される被収容部121の軸方向の長さは、連結された鋼管群の総長(ストリング長さ)を計算する際に、連結する前の鋼管の長さの総和から差し引かれるため、メイクアップロスと呼ばれる。締結完了時にピンショルダ面15及びボックスショルダ面25が接触する鋼管用ねじ継手1において、1つの継手当たりのメイクアップロスDは、ピン12及びボックス22を締結する前の寸法でピンショルダ面15とボックスショルダ面25との軸方向位置を合わせたときのボックス22に収容されるピン12の被収容部121における軸方向長さである。セルフロックタイプのウェッジねじを有する鋼管用ねじ継手1において、1つの継手当たりのメイクアップロスDは、管軸CLを含む縦断面におけるピン12及びボックス22を締結する前の寸法で、雄ねじ13のねじ山幅(雄ねじ底面から所定の高さ位置における雄ねじの山幅)と雌ねじ23のねじ溝幅(雌ねじ頂面から所定の高さ位置における雌ねじの溝幅)が一致するようにピン12とボックス22との軸方向位置を合わせたときのボックス22に収容されるピン12の被収容部121における軸方向長さである。また、ショルダ面25が設けられておらず、鋼管20を介して連結される2本の鋼管10のピンショルダ面15同士を突き当てるカップリング型の鋼管用ねじ継手1において、1つの継手あたりのメイクアップロスDは、2本の鋼管10のピンショルダ面15同士の軸方向位置を合わせたときのボックス22に収容されるピン12の被収容部121における締結前の軸方向長さであり、言い換えれば、カップリングである鋼管20の軸方向長さの半分の長さである。
締結完了時において、ラインL1がボックス22の先端と雌ねじ23との間に位置付けられる。言い換えれば、ラインL1がボックス22の先端と一致した際、或いは、ラインL1がボックス22の先端を越えて、すなわち、ラインL1がボックス22によって覆われて目視確認できなくなった際に締結完了したとき、適切な締結トルクを得られたと判断することができる。これにより、軸方向における締結位置の管理ができ、締結過程において焼き付きが生じた場合であっても締結が完了したと誤認することなく、一方の鋼管10及び他方の鋼管20を適切に締結することができる。
[第2実施形態]
第2実施形態に係る鋼管用ねじ継手1について、図3を用いて説明する。第1実施形態の鋼管用ねじ継手1と異なる構成についてのみ説明し、同様に構成については説明を省略する。
第2実施形態に係る鋼管用ねじ継手1について、図3を用いて説明する。第1実施形態の鋼管用ねじ継手1と異なる構成についてのみ説明し、同様に構成については説明を省略する。
第2実施形態に係る鋼管用ねじ継手1において、一方の鋼管10の管本体11は、管本体11の外周面にストップマークM1を有する。本実施形態において、ストップマークM1は、周方向に延びるラインL1と、ラインL1からピン12の先端とは反対方向に管軸CLに対して平行に延びるラインL2とを含む。すなわち、ストップマークM1は、L字型である。ラインL1は、上述の第1実施形態の鋼管用ねじ継手1と同様に、軸方向位置Aに沿って設けられる。一方、管軸CLに平行なラインL2は、後述する基準マークM10を基準にして、基準マークM10と周方向において同じ位置に設けられる。ストップマークM1及び基準マークM10を管本体11の外周面に設ける方法は、後に詳述する。なお、基準マークM10及び後述する基準マークM20は、一方の鋼管10及び他方の鋼管20の適正な締結完了位置を示すマークである。
他方の鋼管20のボックス22は、ボックス22の外周面にストップマークM2を有する。ストップマークM2は、後述する基準マークM20を基準にして、基準マークM20と周方向において同じ位置に設けられる。ストップマークM2は、ケガキ線であってもよく、塗料を塗布することにより表されてもよい。ストップマークM2及び基準マークM20をボックス22の外周面に設ける方法は、後に詳述する。基準マークM10及び基準マークM20は、締結前の寸法に基づいてピンショルダ面15及びボックスショルダ面25が接触したときに軸方向に一直線上に並ぶ位置にマークされる。すなわち、ストップマークM1のラインL2とストップマークM2とは、締結前の寸法に基づいてピンショルダ面15及びボックスショルダ面25が接触したときに軸方向に一直線上に並ぶ位置にマークされる。なお、ストップマークM2の一部又は全部は、管本体21の外周面に設けてもよい。すなわち、鋼管20は、鋼管20の外周面にストップマークM2を有してよい。
締結過程において、ラインL1がボックス22の先端と一致した際、或いは、ラインL1がボックス22の先端を越えて、すなわち、ラインL1がボックス22によって覆われて目視確認できなくなった際に締結完了したとき、適切な締結トルクを得られたと判断することができる。また、締結完了時に、ラインL2は、周方向においてストップマークM2とストップマークM2よりも鋼管20の締め付け方向奥側との間に位置付けられる。言い換えれば、締結過程において、ラインL2が軸方向でストップマークM2と一致した際(一直線上に並んだ際)、或いは、ラインL2が締め付け方向でストップマークM2を越えた際に締結完了したとき、適切な締結トルクを得られたと判断することができる。これにより、軸方向及び周方向における締結位置の管理ができ、一方の鋼管10及び他方の鋼管20をより適切に締結することができる。ここで、「締め付け方向」とは、図3の矢印Aで示すように、他方の鋼管20に対して一方の鋼管10を雄ねじ13が進む回転方向(周方向)に回転させる方向である。鋼管10の締め付け方向(矢印A)において、矢印Aが指す先端側を「締め付け方向の進行側」といい、矢印Aが指す先端側とは反対側を「締め付け方向の後方側」という。また、「締め付け方向奥側」とは、鋼管10の外表面において締め付け方向の後方側(「鋼管10の締め付け方向奥側」とも言う。)を示し、鋼管20の外表面においては締め付け方向の進行側(「鋼管20の締め付け方向奥側」とも言う。)を示す。「締め付け方向手前側」とは、鋼管10の外表面において締め付け方向の進行側(「鋼管10の締め付け方向手前側」とも言う。)を示し、鋼管20の外表面においては締め付け方向の後方側(「鋼管20の締め付け方向手前側」とも言う。)を示す。なお、通常、ねじは右ねじであることから、本開示においては、雄ねじ13および雌ねじ23が右ねじである鋼管用ねじ継手1について一方の鋼管10を他方の鋼管20に対して回転させる場合について説明する。また、雄ねじ13および雌ねじ23が左ねじである場合、「締め付け方向」は、図3に示す矢印Aとは反対方向となる。
[第3実施形態]
第3実施形態に係る鋼管用ねじ継手1について、図4を用いて説明する。第1実施形態の鋼管用ねじ継手1と異なる構成についてのみ説明し、同様に構成については説明を省略する。
第3実施形態に係る鋼管用ねじ継手1について、図4を用いて説明する。第1実施形態の鋼管用ねじ継手1と異なる構成についてのみ説明し、同様に構成については説明を省略する。
第3実施形態に係る鋼管用ねじ継手1において、一方の鋼管10の管本体11は、管本体11の外周面に長方形状のストップマークM1を有する。長方形状のストップマークM1は、ピン12の先端側で周方向に沿うラインL1と、鋼管10の締め付け方向の手前側で管軸CLに平行なラインL2と、ラインL2よりも鋼管10の締め付け方向奥側で管軸CLに平行なラインL3とを含む。ラインL1は、上述の第1実施形態の鋼管用ねじ継手1と同様に、軸方向位置Aを含むように設けられる。一方、管軸CLに平行なラインL2は、後述する基準マークM10を基準にして、基準マークM10と周方向において同じ位置に設けられる。管軸CLに平行なラインL3は、ラインL2よりも鋼管10の締め付け方向奥側の所定の位置に設けられる。
他方の鋼管20のボックス22は、ボックス22の外周面に矢印形状のストップマークM2を有する。矢印形状のストップマークM2は、後述する基準マークM20を基準にして設けられる。ストップマークM2及び基準マークM20をボックス22の外周面に設ける方法は、後に詳述する。
締結過程において、締め付け方向でラインL2とストップマークM2のボックス先端側の先端部(以後、単にストップマークM2の先端と称する。)とが軸方向に一致し、或いは、締め付け方向でラインL2がストップマークM2の先端を越えて締結完了したとき、適切な締結トルクを得られたと判断することができる。ただし、過度な締め付けによりラインL3がストップマークM2の先端を越えると、雄ねじ13及び雌ねじ23のねじ山、ピンショルダ面15又はボックスショルダ面25に修復不可能な変形が生じたり、ピンシール面14が縮径変形したりする等、鋼管用ねじ継手1のシール性能等の低下の要因になり得る。そのため、鋼管10と鋼管20とを適切に締結するという観点から、ラインL2とラインL3との間における周方向の幅W1は、0.1d1π以下にするのがよい。ここで、d1は、本実施形態において、鋼管10のうちストップマークM1が設けられた管本体11の平均外径である。また、ストップマークM1がピン12の外周面に設けられている場合も同様に、幅W1は、0.1d1π以下にするのがよい。なお、ストップマークM1は、長方形状に限られず、軸方向位置Aに対応する外周を有し、かつ、周方向の所定の幅W1を有する形状であれば、多角形状、円形状、楕円形状又はこれらを組み合わせた形状を有していてもよい。その場合、ラインL2及びL3も管軸CLに平行な直線である必要はなく、ラインL2及びL3が指し示す基準マークM10の周方向位置と周方向の幅W1とを有する形状であればよい。
締結過程において、ラインL1がボックス22の先端と一致した際、或いは、ラインL1がボックス22の先端を越えて、すなわち、ラインL1がボックス22によって覆われて目視確認できなくなった際に締結完了したとき、適切な締結トルクを得られたと判断することができる。また、締結過程において、締め付け方向でラインL2とラインL3との間、すなわち、ストップマークM1の所定の幅W1の範囲内にストップマークM2の先端が位置した際に締結完了したとき、適切な締結トルクを得られたと判断することができる。これにより、軸方向及び周方向における締結位置の管理ができ、一方の鋼管10及び他方の鋼管20をより適切に締結することができる。なお、ストップマークM1は、長方形状に限られず、軸方向位置Aに対応する外周を有し、かつ、周方向の所定の幅W1を有する形状であれば、多角形状、円形状、楕円形状又はこれらを組み合わせた形状を有していてもよい。
[第4実施形態]
第4実施形態に係る鋼管用ねじ継手1について、図5を用いて説明する。第2実施形態及び第3実施形態の鋼管用ねじ継手1と異なる構成についてのみ説明し、同様に構成については説明を省略する。
第4実施形態に係る鋼管用ねじ継手1について、図5を用いて説明する。第2実施形態及び第3実施形態の鋼管用ねじ継手1と異なる構成についてのみ説明し、同様に構成については説明を省略する。
第4実施形態に係る鋼管用ねじ継手1において、他方の鋼管20のボックス22は、ボックス22の外周面に長方形状のストップマークM2を有する。長方形状のストップマークM2は、鋼管20の締め付け方向手前側で管軸CLに平行なラインL4と、ラインL4よりも鋼管20の締め付け方向奥側で管軸CLに平行なラインL5とを含む。長方形状のストップマークM2は、後述する基準マークM20を基準にして設けられる。管軸CLに平行なラインL4は、基準マークM20と周方向において同じ位置に設けられる。管軸CLに平行なラインL5は、ラインL4よりも鋼管20の締め付け方向奥側の所定の位置に設けられる。
ラインL4とラインL5との間における周方向の幅W2は、0.1d2π以下にするのがよい。ここで、d2は、鋼管20のボックス22の先端部の外径である。これにより、第3実施形態のストップマークM1の幅W1を0.1d1π以下とした場合と同様の効果を奏することができる。また、本実施形態のストップマークM2は、長方形状に限られず、第3実施形態のストップマークM2と同様に種々の変形が可能である。
[第5実施形態]
第5実施形態に係る鋼管用ねじ継手1について、図6を用いて説明する。第3実施形態の鋼管用ねじ継手1と異なる構成についてのみ説明し、同様に構成については説明を省略する。
第5実施形態に係る鋼管用ねじ継手1について、図6を用いて説明する。第3実施形態の鋼管用ねじ継手1と異なる構成についてのみ説明し、同様に構成については説明を省略する。
本実施形態の鋼管用ねじ継手1において、一方の鋼管10のピン12は、ピン12の外周面にストップマークM3を有する。ストップマークM3は、長方形状を有し、管本体11側に周方向のラインL6(図中の長方形における上辺)を有する。ラインL6は、上述した軸方向位置Aに沿って設けられる。
締結過程において、ストップマークM3のラインL6がボックス22の先端に一致した際、或いは、ラインL6がボックス22の先端を越えて、すなわち、ストップマークM3がボックス22によって覆われて目視確認できなくなった際に締結完了したとき、適切な締結トルクを得られたと判断することができる。これにより、軸方向における締結位置の管理ができ、一方の鋼管10及び他方の鋼管20を適切に締結することができる。
次に、図7~図12を参照しながら、ストップマークM1及びストップマークM2を各々管本体11及びボックス22の外周面に設ける方法について説明する。なお、ここでは、上述の第3実施形態の鋼管用ねじ継手1を例に説明する。また、ストップマークM1は、上述の通り、ピン12の外周面に設けられる場合がある。この場合も同様の方法で、ストップマークM1は、ピン12の外周面に設けられる。
ストップマークM1を管本体11の外周面に設ける方法について、図7~図9を用いて説明する。まず、ピン用マーキングゲージ30を準備する。ピン用マーキングゲージ30は、図7及び図8に示すように、ボックス22の一部を軸方向に切り取った棒状のゲージである。ピン用マーキングゲージ30の内面には、雌ねじ23の一部に相当するねじ山31が形成されている。なお、ピンショルダ面15及びボックスショルダ面25が接触するタイプの鋼管用ねじ継手1においてはさらに、ボックスショルダ面25に相当する突き当て面32も形成されている。図8に示すように、ピン12の雄ねじ13に対してピン用マーキングゲージ30のねじ山31を噛み合わせながら、ピン用マーキングゲージ30を雄ねじ13のリードに沿って周方向に滑らせ締め付けていくと、ピン用マーキングゲージ30は、ピンショルダ面15と突き当て面32とが接触してピン12の締結完了位置で停止する。図8に示すように、ピン用マーキングゲージ30の外表面には軸方向に沿う目印33が形成されている。ピン用マーキングゲージ30の停止位置で、目印33と軸方向の同一線上に管本体11の外周面に基準マークM10を設ける。基準マークM10は、ケガキ線でもよく、塗料を塗布して表してもよい。すなわち、基準マークM10は、ピン12の適正な締結完了位置を示すと言える。図9に示すように、型板40を準備する。型板40は、管本体11の外周面に沿って湾曲し、所定の位置に長方形状に開口する孔41を有する板材である。ピン12の先端と型板40の端部とを位置合わせし、型板40を管本体11の外周面に重ねる。このとき、孔41のピン12先端側の端部は、上述した軸方向位置Aに対応している。孔41におけるピン12の締め付け方向手前側(鋼管10の締め付け方向手前側)の端部は、基準マークM10に対応している。孔41の外方から塗料を塗布することにより、ラインL1、ラインL2及びラインL3を含む長方形状のストップマークM1(図4を参照。)を管本体11の外周面に設けることができる。
なお、第2実施形態のように軸方向に直線のラインL2(図3を参照。)を設ける場合、基準マークM10に重ねるようにしてラインL2を設けることができる。ただし、鋼管用ねじ継手1の直径等のサイズ、バットレスねじ又はウェッジねじ等のねじ形状の差異、ピンシール面14及びボックスシール面24のシール干渉量、並びに、ドープの種別に応じて締結完了位置にズレが生じる可能性がある。そのため、基準マークM10は、このような締結完了位置のズレを是正するように所定のオフセットを行うことができる。なお、ピン用マーキングゲージ30が停止した位置に沿って管本体11の外周面に基準マークM10を設けたのち、ストップマークM1を設ける際に所定のオフセットを行ってもよい。同様に、ボックス22の外周面に基準マークM20を設けたのち、ストップマークM2を設ける際に所定のオフセットを行ってもよい。
次に、ストップマークM2をボックス22の外周面に設ける方法について、図10~図12を用いて説明する。まず、ボックス用マーキングゲージ50を準備する。ボックス用マーキングゲージ50は、図10及び図11に示すように、ピン12の一部を軸方向に切り取った棒状のゲージである。ボックス用マーキングゲージ50の外面には、雄ねじ13の一部に相当するねじ山51が形成されている。ピンショルダ面15及びボックスショルダ面25が接触するタイプの鋼管用ねじ継手1においてはさらに、ピンショルダ面15に相当する突き当て面52も形成されている。図11に示すように、ボックス22の雌ねじ23に対してボックス用マーキングゲージ50のねじ山51を噛み合わせながら、ボックス用マーキングゲージ50を雌ねじ23のリードに沿って周方向に滑らせ締め付けていくと、ボックス用マーキングゲージ50は、ボックスショルダ面25と突き当て面52とが接触してボックス22の締結完了位置で停止する。図11に示すように、ボックス用マーキングゲージ50の外表面には軸方向に沿う目印53が形成されている。ボックス用マーキングゲージ50の停止位置で、目印53と軸方向の同一線上にボックス22の外周面に基準マークM20を設ける。基準マークM20は、ケガキ線でもよく、塗料を塗布して表してもよい。すなわち、基準マークM20は、ボックス22の適正な締結完了位置を示すと言える。このように、基準マークM10を設けたピン12のピンショルダ面15と基準マークM20を設けたボックス22のボックスショルダ面25とが締結前の寸法に基づいて接触するときに、基準マークM10は、軸方向において基準マークM20と一直線上に並ぶ。図12に示すように、型板60を準備する。型板60は、ボックス22の外周面に沿って湾曲し、所定の位置に矢印形状に開口する孔61を有する板材である。ボックス22の先端と型板60の端部とを位置合わせし、型板60をボックス22の外周面に重ねる。このとき、孔61の周方向の中央に沿って軸方向に延びる中心線は、基準マークM20に対応している。孔61の外方から塗料を塗布することにより、矢印形状のストップマークM2(図4を参照。)をボックス22の外周面に設けることができる。なお、第2実施形態のように軸方向に直線のラインL2(図3を参照。)を設ける場合、基準マークM20に重ねるようにして直線状のストップマークM2を設けることができる。
次に、鋼管用ねじ継手1の締結方法について説明する。
[第1締結方法]
第1締結方法について、図1及び図13を用いて説明する。まず、他方の鋼管20をチャックに固定する(S1)。なお、複数の鋼管が連結されていた場合には、いずれかの鋼管をチャックに固定し、他方の鋼管20を間接的に固定してもよい。次に、一方の鋼管10のピン12を他方の鋼管20のボックス22に挿入し、螺合回転させて締結する(S2)。これにより、ピン12は、ボックス22にねじ込まれる。ストップマークM1(ラインL1)は、管本体11の外周面に伴って回転しながら軸方向に移動し、徐々にボックス22の先端に近づく。管本体11の外周面に設けられたストップマークM1とボックス22の先端とが一致しているか否かを判定する(S3)。これにより、ピン12とボックス22との軸方向の位置管理を行うことができる。ストップマークM1がボックス22の先端と一致しているか、或いは、ストップマークM1がボックス22の先端を越えていた場合に、一方の鋼管10と他方の鋼管20の締結を完了する(S4)。このように、ストップマークM1とボックス22との軸方向の位置管理を行うことにより、適切な締結トルクを得ることができ、適切に一方の鋼管10と他方の鋼管20とを締結することができる。
第1締結方法について、図1及び図13を用いて説明する。まず、他方の鋼管20をチャックに固定する(S1)。なお、複数の鋼管が連結されていた場合には、いずれかの鋼管をチャックに固定し、他方の鋼管20を間接的に固定してもよい。次に、一方の鋼管10のピン12を他方の鋼管20のボックス22に挿入し、螺合回転させて締結する(S2)。これにより、ピン12は、ボックス22にねじ込まれる。ストップマークM1(ラインL1)は、管本体11の外周面に伴って回転しながら軸方向に移動し、徐々にボックス22の先端に近づく。管本体11の外周面に設けられたストップマークM1とボックス22の先端とが一致しているか否かを判定する(S3)。これにより、ピン12とボックス22との軸方向の位置管理を行うことができる。ストップマークM1がボックス22の先端と一致しているか、或いは、ストップマークM1がボックス22の先端を越えていた場合に、一方の鋼管10と他方の鋼管20の締結を完了する(S4)。このように、ストップマークM1とボックス22との軸方向の位置管理を行うことにより、適切な締結トルクを得ることができ、適切に一方の鋼管10と他方の鋼管20とを締結することができる。
[第2締結方法]
第2締結方法について、図3及び図14を用いて説明する。第1締結方法と異なる工程について説明し、同様の工程については説明を省略する。第2締結方法は、上述の第1締結方法におけるラインL1の位置判定工程(S3)と締結完了工程(S4)との間に、さらに、ラインL2がストップマークM2と軸方向に一致しているか、或いは、締め込み方向にラインL2がストップマークM2を越えているか否か判定する工程(S3-1)を有する。ストップマークM1のラインL1がボックス22の先端と一致しているか、或いは、ラインL1がボックス22の先端を越えていた場合、かつ、ラインL2がストップマークM2と軸方向に一致しているか、或いは、締め込み方向にラインL2がストップマークM2を越えていた場合に、一方の鋼管10と他方の鋼管20の締結を完了する(S4)。このように、ストップマークM1の軸方向位置と周方向位置とで締結管理を行うことにより、より適切に一方の鋼管10と他方の鋼管20とを締結することができる。なお、図4を参照して、ストップマークM1の周方向の位置管理において、さらにストップマークM1のラインL3を設け、ラインL1とラインL3との間の所定の幅W1の範囲内にストップマークM2の先端が位置付けられた際に一方の鋼管10と他方の鋼管20との締結を完了するようにしてもよい。
第2締結方法について、図3及び図14を用いて説明する。第1締結方法と異なる工程について説明し、同様の工程については説明を省略する。第2締結方法は、上述の第1締結方法におけるラインL1の位置判定工程(S3)と締結完了工程(S4)との間に、さらに、ラインL2がストップマークM2と軸方向に一致しているか、或いは、締め込み方向にラインL2がストップマークM2を越えているか否か判定する工程(S3-1)を有する。ストップマークM1のラインL1がボックス22の先端と一致しているか、或いは、ラインL1がボックス22の先端を越えていた場合、かつ、ラインL2がストップマークM2と軸方向に一致しているか、或いは、締め込み方向にラインL2がストップマークM2を越えていた場合に、一方の鋼管10と他方の鋼管20の締結を完了する(S4)。このように、ストップマークM1の軸方向位置と周方向位置とで締結管理を行うことにより、より適切に一方の鋼管10と他方の鋼管20とを締結することができる。なお、図4を参照して、ストップマークM1の周方向の位置管理において、さらにストップマークM1のラインL3を設け、ラインL1とラインL3との間の所定の幅W1の範囲内にストップマークM2の先端が位置付けられた際に一方の鋼管10と他方の鋼管20との締結を完了するようにしてもよい。
[第3締結方法]
第3締結方法について、図1及び図15を用いて説明する。まず、他方の鋼管20をチャックに固定する(S11)。なお、複数の鋼管が連結されていた場合には、いずれかの鋼管をチャックに固定し、他方の鋼管20を間接的に固定してもよい。次に、一方の鋼管10のピン12を他方の鋼管20のボックス22に挿入し、螺合回転させる(S12)。これにより、ピン12は、ボックス22にねじ込まれる。ストップマークM1(ラインL1)は、管本体11の外周面に伴って回転しながら軸方向に移動し、徐々にボックス22の先端に近づく。トルクメータを用いて、締結回転中の締結トルクの値を測定する(S13)。締結トルクの値が所定の値に到達しているかを判定する(S14)。締結トルクの値が所定の値に到達していた場合に、一方の鋼管10と他方の鋼管20との締結を完了する(S15)。管本体11の外周面に設けられたストップマークM1とボックス22の先端とが一致しているか否かを判定する(S16)。これにより、適切な締結トルクを得ることができるとともに、トルクメータにより測定された締結トルクの値が焼き付きによるものではなく、一方の鋼管10と他方の鋼管20とが適切に締結されたことにより得られた値であることを確認することができる。すなわち、第3締結方法によれば、トルクメータにより得られた締結トルクの値が所定の値であることとストップマークM1が所定の位置であることの両方を満たすことにより焼き付き等が発生していないことが確認でき、一方の鋼管10と他方の鋼管20とを適切に締結することができる。
第3締結方法について、図1及び図15を用いて説明する。まず、他方の鋼管20をチャックに固定する(S11)。なお、複数の鋼管が連結されていた場合には、いずれかの鋼管をチャックに固定し、他方の鋼管20を間接的に固定してもよい。次に、一方の鋼管10のピン12を他方の鋼管20のボックス22に挿入し、螺合回転させる(S12)。これにより、ピン12は、ボックス22にねじ込まれる。ストップマークM1(ラインL1)は、管本体11の外周面に伴って回転しながら軸方向に移動し、徐々にボックス22の先端に近づく。トルクメータを用いて、締結回転中の締結トルクの値を測定する(S13)。締結トルクの値が所定の値に到達しているかを判定する(S14)。締結トルクの値が所定の値に到達していた場合に、一方の鋼管10と他方の鋼管20との締結を完了する(S15)。管本体11の外周面に設けられたストップマークM1とボックス22の先端とが一致しているか否かを判定する(S16)。これにより、適切な締結トルクを得ることができるとともに、トルクメータにより測定された締結トルクの値が焼き付きによるものではなく、一方の鋼管10と他方の鋼管20とが適切に締結されたことにより得られた値であることを確認することができる。すなわち、第3締結方法によれば、トルクメータにより得られた締結トルクの値が所定の値であることとストップマークM1が所定の位置であることの両方を満たすことにより焼き付き等が発生していないことが確認でき、一方の鋼管10と他方の鋼管20とを適切に締結することができる。
なお、ストップマークM1の位置判定工程(S14)において、ストップマークM1のラインL2及びストップマークM2を設け(図3を参照。)、ストップマークM1の周方向の位置判定をしてもよい。さらに、ストップマークM1のラインL3を設け(図4を参照。)、ストップマークM2の先端がラインL2とラインL3との間の所定の幅W1に位置付けられるように、ストップマークM1の周方向の位置判定をしてもよい。
以上、実施形態について説明したが、本開示は、上記実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。
1:鋼管用ねじ継手
10:鋼管
11:管本体
12:ピン
20:鋼管
21:管本体
22:ボックス
M1~M3:ストップマーク
10:鋼管
11:管本体
12:ピン
20:鋼管
21:管本体
22:ボックス
M1~M3:ストップマーク
Claims (11)
- 鋼管同士を連結するための鋼管用ねじ継手であって、
第1鋼管と、第2鋼管とを備え、
前記第1鋼管は、第1管本体と、前記第1鋼管の先端部に形成される管状のピンと、前記第1鋼管の外周面に設けられる第1ストップマークとを含み、
前記第2鋼管は、第2管本体と、前記第2鋼管の先端部に形成され、前記ピンがねじ込まれて前記ピンと締結される管状のボックスとを含み、
前記ピンは、前記ピンの先端と前記管本体との間に位置し、前記ピンの外周面に形成される雄ねじを含み、
前記ボックスは、前記雄ねじに対応し、前記ボックスの内周面に形成される雌ねじを含み、
前記第1ストップマークは、締結完了時に前記ボックスの先端と前記雌ねじとの間に位置付けられる軸方向位置Aを含む、鋼管用ねじ継手。 - 請求項1に記載の鋼管用ねじ継手であって、
前記第1ストップマークは、前記第1鋼管の外周面に軸方向に延びるように設けられており、
前記第2鋼管は、さらに、前記第2鋼管の外周面に設けられ、軸方向に延びる第2ストップマークを含み、
前記第1ストップマークは、締結完了時に周方向において前記第2ストップマークと前記第2ストップマークよりも第2管本体の締め付け方向奥側との間に位置付けられる、鋼管用ねじ継手。 - 請求項2に記載の鋼管用ねじ継手であって、
前記第1ストップマークは、周方向に所定の幅を有し、
前記第2ストップマークは、締結完了時に前記第1ストップマークの所定の幅の範囲内に位置付けられる、鋼管用ねじ継手。 - 請求項3に記載の鋼管用ねじ継手であって
前記第1ストップマークの所定の幅は、0.1d1π以下である、鋼管用ねじ継手。
ここで、d1は、第1管本体の平均外径である。 - 請求項2に記載の鋼管用ねじ継手であって、
前記第1ストップマークは、軸方向に延びるラインを含み、
前記第2ストップマークは、周方向に所定の幅を有し、
前記第1ストップマークの前記ラインは、締結完了時に前記第2ストップマークの所定の幅の範囲内に位置付けられる、鋼管用ねじ継手。 - 請求項5に記載の鋼管用ねじ継手であって
前記第2ストップマークの所定の幅は、0.1d2π以下である、鋼管用ねじ継手。
ここで、d2は、第2鋼管のボックス先端部の外径である。 - 請求項1に記載の鋼管用ねじ継手であって、
前記ピンは、前記ピンの先端に形成されるピンショルダ面を含み、
前記ボックスは、前記ボックスの奥端側に形成され、締結状態において前記ピンショルダ面に接触するボックスショルダ面を含む、鋼管用ねじ継手。 - 請求項1に記載の鋼管用ねじ継手であって、
前記軸方向位置Aと前記ピンの先端との軸方向距離Bは、以下の式(1)を満たす。
D≧B≧(D-P/2)
式(1)において、Dはメイクアップロスを示し、Pは雄ねじのねじピッチを示す。メイクアップロスは、締結完了時にボックスに収容されるピンの被収容部における締結前の軸方向長さである。 - 請求項2~8に記載の鋼管用ねじ継手であって、
前記第1ストップマーク及び前記第2ストップマークの少なくともいずれか一方は、周方向にオフセットされている、鋼管用ねじ継手。 - 請求項1に記載の鋼管用ねじ継手を締結する鋼管用ねじ継手の締結方法であって、
他方の鋼管を固定する工程と、
前記他方の鋼管のボックスに前記一方の鋼管のピンを締結する工程と、
前記第1ストップマークの軸方向位置が前記ボックスの先端と一致するか、又は、前記第1ストップマークの軸方向位置が前記ボックスの先端を越えているかを判定する工程と、
前記第1ストップマークの軸方向位置が前記ボックスの先端と一致している場合、又は、前記第1ストップマークの軸方向位置が前記ボックスの先端を越えている場合に、一方の鋼管と他方の鋼管との締結を完了する工程とを含む。鋼管用ねじ継手の締結方法。 - 請求項1に記載の鋼管用ねじ継手を締結する鋼管用ねじ継手の締結方法であって、
他方の鋼管を固定する工程と、
前記他方の鋼管のボックスに前記一方の鋼管のピンを締結する工程と、
一方の鋼管と他方の鋼管との締結過程における締結トルクの値を測定する工程と、
前記締結トルクの値が所定の値に達していた場合に、一方の鋼管と他方の鋼管との締結を完了する工程と、
前記第1ストップマークの軸方向位置が前記ボックスの先端と一致するか、又は、前記第1ストップマークの軸方向位置が前記ボックスの先端を越えているかを判定する工程とを含む、鋼管用ねじ継手の締結方法。
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JP2022182234A JP2024071808A (ja) | 2022-11-15 | 2022-11-15 | 鋼管用ねじ継手及び鋼管用ねじ継手の締結方法 |
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