JP2024070398A - 距離測定システム - Google Patents

距離測定システム Download PDF

Info

Publication number
JP2024070398A
JP2024070398A JP2022180861A JP2022180861A JP2024070398A JP 2024070398 A JP2024070398 A JP 2024070398A JP 2022180861 A JP2022180861 A JP 2022180861A JP 2022180861 A JP2022180861 A JP 2022180861A JP 2024070398 A JP2024070398 A JP 2024070398A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
beat signal
processing unit
distance measurement
measurement system
measurement
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2022180861A
Other languages
English (en)
Inventor
兼治 丸野
達雄 針山
正浩 渡辺
英彦 神藤
弘人 秋山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi High Tech Corp
Original Assignee
Hitachi High Tech Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi High Tech Corp filed Critical Hitachi High Tech Corp
Priority to JP2022180861A priority Critical patent/JP2024070398A/ja
Priority to PCT/JP2023/036760 priority patent/WO2024101053A1/ja
Publication of JP2024070398A publication Critical patent/JP2024070398A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01BMEASURING LENGTH, THICKNESS OR SIMILAR LINEAR DIMENSIONS; MEASURING ANGLES; MEASURING AREAS; MEASURING IRREGULARITIES OF SURFACES OR CONTOURS
    • G01B9/00Measuring instruments characterised by the use of optical techniques
    • G01B9/02Interferometers
    • G01B9/02001Interferometers characterised by controlling or generating intrinsic radiation properties
    • G01B9/02002Interferometers characterised by controlling or generating intrinsic radiation properties using two or more frequencies
    • G01B9/02003Interferometers characterised by controlling or generating intrinsic radiation properties using two or more frequencies using beat frequencies
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01CMEASURING DISTANCES, LEVELS OR BEARINGS; SURVEYING; NAVIGATION; GYROSCOPIC INSTRUMENTS; PHOTOGRAMMETRY OR VIDEOGRAMMETRY
    • G01C3/00Measuring distances in line of sight; Optical rangefinders
    • G01C3/02Details
    • G01C3/06Use of electric means to obtain final indication
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01SRADIO DIRECTION-FINDING; RADIO NAVIGATION; DETERMINING DISTANCE OR VELOCITY BY USE OF RADIO WAVES; LOCATING OR PRESENCE-DETECTING BY USE OF THE REFLECTION OR RERADIATION OF RADIO WAVES; ANALOGOUS ARRANGEMENTS USING OTHER WAVES
    • G01S17/00Systems using the reflection or reradiation of electromagnetic waves other than radio waves, e.g. lidar systems
    • G01S17/02Systems using the reflection of electromagnetic waves other than radio waves
    • G01S17/06Systems determining position data of a target
    • G01S17/08Systems determining position data of a target for measuring distance only
    • G01S17/32Systems determining position data of a target for measuring distance only using transmission of continuous waves, whether amplitude-, frequency-, or phase-modulated, or unmodulated
    • G01S17/34Systems determining position data of a target for measuring distance only using transmission of continuous waves, whether amplitude-, frequency-, or phase-modulated, or unmodulated using transmission of continuous, frequency-modulated waves while heterodyning the received signal, or a signal derived therefrom, with a locally-generated signal related to the contemporaneously transmitted signal
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01SRADIO DIRECTION-FINDING; RADIO NAVIGATION; DETERMINING DISTANCE OR VELOCITY BY USE OF RADIO WAVES; LOCATING OR PRESENCE-DETECTING BY USE OF THE REFLECTION OR RERADIATION OF RADIO WAVES; ANALOGOUS ARRANGEMENTS USING OTHER WAVES
    • G01S7/00Details of systems according to groups G01S13/00, G01S15/00, G01S17/00
    • G01S7/48Details of systems according to groups G01S13/00, G01S15/00, G01S17/00 of systems according to group G01S17/00
    • G01S7/497Means for monitoring or calibrating

Landscapes

  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Electromagnetism (AREA)
  • Radar, Positioning & Navigation (AREA)
  • Remote Sensing (AREA)
  • Computer Networks & Wireless Communication (AREA)
  • Optical Radar Systems And Details Thereof (AREA)
  • Instruments For Measurement Of Length By Optical Means (AREA)
  • Measurement Of Optical Distance (AREA)
  • Length Measuring Devices By Optical Means (AREA)

Abstract

Figure 2024070398000001
【課題】 光源の周波数掃引状態が正常であるかを容易に評価できる距離測定システムを提供する。
【解決手段】 FM光を出力する光源と、ビームスプリッタで2分割したFM光の一方を更に2分割し、測定ビート信号を出力する測定光学系と、ビームスプリッタで2分割したFM光の他方を更に2分割し、参照ビート信号を出力する参照光学系と、測定ビート信号と参照ビート信号を演算処理する演算装置と、を備え、該演算装置は、測定ビート信号に基づき測定対象物までの距離を演算する測距部と、参照ビート信号を処理して所望の信号を生成するビート信号処理部と、所望の信号を基準値と比較することで光源の異常を判定する判定処理部と、を有する距離測定システム。
【選択図】 図1

Description

本発明は、測定対象物までの距離を非接触で測定する距離測定システムに関する。
測定対象物までの距離を非接触で測定する方法として、周波数を掃引したFM光を測定対象物に照射し、照射光と反射光の干渉によって発生する干渉ビート信号を解析することで、測定対象物までの距離を間接的に測定する、FMCW(Frequency Modulated Continuous Waves)方式が知られている。そして、FMCW方式を使った距離測定システムの一例として特許文献1に記載の技術が挙げられる。
例えば、特許文献1の段落0034、0035、0037には、「図2は、FMCW方式の原理を説明するための図である。」、「同図に示されるように、参照光201が受光器107に到着するタイミングと、測定光202が受光器109に到達するタイミングとの間には、時間差Δtが存在する。そして、この時間差Δtにおいて、レーザ光源101からのFM光は、その光周波数が変化しているので、距離計測部116では、光周波数の変化による周波数差に等しいビート周波数fのターゲット測定ビート信号が検出される。周波数掃引幅をΔνとし、Δνだけ変調するのに要する時間をTとした場合、時間差Δtは次式(1)によって表される。」、「そして、対象物113までの距離Lは、時間差Δtの間に光が進む距離の1/2なので、距離Lは、大気中の光速度cを用いて、次式(2)に示すように演算できる。」と記載されている。
特開2021-025952号公報
上記の特許文献1の技術では、測定対象物までの距離を非接触で測定できるが、光源に供給する周波数掃引信号にノイズが重畳した場合や、光源が破損して測定光の周波数掃引幅が変化した場合等に生じる、距離測定値の異常検知が難しく、また、距離測定値の変化からは異常の原因(周波数掃引信号へのノイズの重畳、光源の破損など)の特定が難しいという課題がある。
この課題に対し、例えば、測定光を分岐して光スペクトルアナライザに入力することで、測定光の周波数掃引幅の変動を評価することも可能ではあるが、その場合は、装置規模が大きくなるという新たな課題が発生する。また、周波数掃引中の周波数変化の特性を直接観測することが難しいという課題もある。
本発明は、上記の点に鑑みてなされたものであって、測定対象物までの距離を非接触測定しながら、光源の周波数掃引状態が正常であるかを容易に評価できる、距離測定システムの提供を目的とする。
上記課題を解決するため、本発明の一態様に係る距離測定システムは、測定対象物までの距離を非接触で測定する距離測定システムであって、光周波数が周期的に掃引されたFM光を出力する光源と、前記FM光を2分割するビームスプリッタと、前記ビームスプリッタで2分割した前記FM光の一方を更に2分割し、一方のFM光を前記測定対象物に照射したときの反射光と他方のFM光の周波数差に基づく測定ビート信号を出力する測定光学系と、前記ビームスプリッタで2分割した前記FM光の他方を更に2分割し、該更に2分割したFM光の双方を光路長差が既知の干渉計に入力するとともに、該干渉計が出力するFM光同士の周波数差に基づく参照ビート信号を出力する参照光学系と、前記測定ビート信号と前記参照ビート信号を演算処理する演算装置と、を備え、該演算装置は、前記測定ビート信号に基づき前記測定対象物までの距離を演算する測距部と、前記参照ビート信号を処理して所望の信号を生成するビート信号処理部と、前記所望の信号を基準値と比較することで前記光源の異常を判定する判定処理部と、を有するものとした。
本発明の距離測定システムによれば、測定対象物までの距離を非接触測定しながら、光源の周波数掃引状態が正常であるかを容易に評価することができる。なお、上記した以外の課題、構成、効果は、以下の実施例により明らかにされる。
実施例1の距離測定システムの構成例を示す模式図。 実施例1の演算装置の機能ブロック図。 FMCW方式の距離測定原理の説明図。 反射強度プロファイルに基づき測定対象物での反射位置を求める方法の説明図。 実施例1での参照ビート信号の周波数処理と位相解析処理の詳細を示す図。 実施例1の参照ビート信号の評価処理の説明図(正常時)。 実施例1の参照ビート信号の評価処理の説明図(異常時)。 実施例1の参照ビート信号の評価処理のフローチャート。 実施例1の異常判定時に、表示装置に表示されるGUI画面例。 実施例2の参照ビート信号の評価処理のフローチャート。 実施例3の参照ビート信号の評価処理の説明図。 実施例4の参照ビート信号の評価処理の説明図。 実施例4の参照ビート信号の評価処理の説明図。 実施例4の参照ビート信号の評価処理の説明図。
以下、本発明に係る距離測定システムの実施例を図面に基づいて説明する。なお、以下の各実施例において、同一の部材には原則として同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。また、各実施例において、その構成要素(要素ステップ等も含む)は、特に明示した場合および原理的に明らかに必須であると考えられる場合等を除き、必ずしも必須のものではないことは言うまでもない。また、「Aからなる」、「Aよりなる」、「Aを有する」、「Aを含む」と言うときは、特にその要素のみである旨明示した場合等を除き、それ以外の要素を排除するものでないことは言うまでもない。同様に、各実施例において、構成要素等の形状、位置関係等に言及するときは、特に明示した場合および原理的に明らかにそうでないと考えられる場合等を除き、実質的にその形状等に近似または類似するもの等を含むものとする。
また、各実施例は、本発明を説明するための例示であって、説明の明確化のため、適宜、省略および簡略化がなされている。本発明は、他の種々の形態でも実施することが可能である。特に限定しない限り、各構成要素は単数でも複数でも構わない。
図面において示す各構成要素の位置、大きさ、形状、範囲などは、発明の理解を容易にするため、実際の位置、大きさ、形状、範囲などを表していない場合がある。このため、本発明は、必ずしも、図面に開示された位置、大きさ、形状、範囲などに限定されない。
各種情報の例として、「テーブル」、「リスト」、「キュー」等の表現にて説明することがあるが、各種情報はこれら以外のデータ構造で表現されてもよい。
同一あるいは同様の機能を有する構成要素が複数ある場合には、同一の符号に異なる添字を付して説明する場合がある。また、これらの複数の構成要素を区別する必要がない場合には、添字を省略して説明する場合がある。
各実施例において、プログラムを実行して行う処理について説明する場合がある。ここで、計算機は、プロセッサ(例えばCPU、GPU)によりプログラムを実行し、記憶資源(例えばメモリ)やインターフェースデバイス(例えば通信ポート)等を用いながら、プログラムで定められた処理を行う。そのため、プログラムを実行して行う処理の主体を、プロセッサとしてもよい。同様に、プログラムを実行して行う処理の主体が、プロセッサを有するコントローラ、装置、システム、計算機、ノードであってもよい。プログラムを実行して行う処理の主体は、演算部であれば良く、特定の処理を行う専用回路を含んでいてもよい。ここで、専用回路とは、例えばFPGA(Field Programmable Gate Array)やASIC(Application Specific Integrated Circuit)、CPLD(Complex Programmable Logic Device)等である。
プログラムは、プログラムソースから計算機にインストールされてもよい。プログラムソースは、例えば、プログラム配布サーバまたは計算機が読み取り可能な記憶メディアであってもよい。プログラムソースがプログラム配布サーバの場合、プログラム配布サーバはプロセッサと配布対象のプログラムを記憶する記憶資源を含み、プログラム配布サーバのプロセッサが配布対象のプログラムを他の計算機に配布してもよい。また、実施例において、2以上のプログラムが1つのプログラムとして実現されてもよいし、1つのプログラムが2以上のプログラムとして実現されてもよい。
以下、図1から図8に基づいて、本発明の実施例1に係る距離測定システム1を説明する。
図1は、実施例1の距離測定システム1の構成例を示す模式図である。ここに示す本実施例の距離測定システム1は、測距装置10と計算機20を用い、測定対象物30までの距離Lを非接触で測定するシステムである。なお、図1では図示を省略しているが、距離測定システム1は、測定光走査機構40を備えても良い。
測定光走査機構40は、測距装置10が照射する測定光の照射位置を走査する機構であり、ガルバノミラー、MEMSミラー、ポリゴンミラー、直動ステージ、回転ステージなどの機構を用いることができる。例えば、ガルバノミラーを1つ用いた場合であれば、測定光の照射位置を1次元的に走査することができ、ガルバノミラーを2つ用いた場合であれば、測定光の照射位置を2元的に走査することができる。従って、距離測定システム1に測定光走査機構40を搭載すれば、測定対象物30の表面での測定光の照射位置を適当に走査し、測定対象物30の表面形状を連続的かつ正確に測定することができる。
<測距装置10>
本実施例の測距装置10は、図1に示すように、発振部11、発光部12、光ファイバ13、光ファイバカプラ14、光サーキュレータ15、受光部16、レンズ17、測距制御部18を有する。以下、各構成を順次説明する。
発振部11は、測距制御部18からの指令(掃引波形信号)に基づき、鋸歯状波、三角波電流または正弦波などの周期的に変調させた電流を注入し、発光部12に供給する駆動電流を変調する。なお、変調電流の波形は上記に限らず、例えば発光部12に対して注入する電流値と出力する光周波数の特性を把握したうえで、出力する光周波数掃引が略線形となるように生成した変調電流であってもよい。
発光部12は、発振部11で変調された駆動電流により、一定の変調速度で時間的に周波数掃引されたFM(Frequency Modulated)光を発生させ、光ファイバ13を介して光ファイバカプラ14aに出力する。なお、発光部12を外部共振器付き半導体レーザ装置として構成し、発光部12の共振波長を発振部11からの制御信号により変化させてもよい。この場合においても、発光部12は、時間的に周波数掃引されたFM光を発生することができる。
光ファイバカプラ14aは、入射されたFM光を2分割するビームスプリッタであり、一方のFM光を測定光学系(14b、13a、15、14c、16a、17)に出射し、他方のFM光を参照光学系(14d、13b、14e、16b)に出射する。なお、この構成から自明なように、本実施例の距離測定システム1では、測定光学系の出力に基づく処理と、参照光学系の出力に基づく処理を並行して実施することができる。
参照光学系に入射した光は、光ファイバカプラ14dで更に2分割された後、光ファイバカプラ14eにて合波され、受光部16bで受光される。光ファイバカプラ14dと光ファイバカプラ14eを接続する2本の光ファイバ13のうち一方には相対的に長い光ファイバ13bが用いられており、他方に対して所定の光路差が設けられる。従って、参照光学系は、光路長差が既知のマッハツェンダー干渉計として機能し、受光部16bは光路差に比例した一定のビート信号(以後、参照ビート信号)を検出する。参照光学系で検出した参照ビート信号は、測距制御部18と計算機20に送信される。
また、測定光学系に入射した光は、光ファイバカプラ14bで更に2分割され、一方は参照光として光ファイバ13aに出射され、他方は光サーキュレータ15を通過してレンズ17に出射され、測定対象物30に照射される。そして、測定対象物30にて反射または散乱した光(以後、測定光)は、レンズ17と光サーキュレータ15を介して光ファイバカプラ14cに導光される。この測定光は、光ファイバカプラ14cにて光ファイバ13aを経由した参照光と合波され、受光部16aで受光される。受光部16aは、参照光と測定光の干渉により発生するビート信号(以後、測定ビート信号)を検出する。測定光学系で検出した測定ビート信号は、測距制御部18と計算機20に送信される。なお、測定光学系の構成は上記に限らない。例えば、測定光学系に入射した光を2分割し、測定ビート信号を生成する手段として、光ファイバカプラ14bと光ファイバ13aと光ファイバカプラ14cを用いる代わりに、光サーキュレータ15から測定対象物30までの光路の間に部分反射面を設け、前記部分反射面からの反射光(以後、部分反射光)と測定光を干渉によって測定ビート信号を生成してもよい(すなわち、フィゾー干渉計のように同一光軸上で光を2分割することで測定ビート信号を生成する)。光サーキュレータ15とレンズ17の間の光ファイバの端面や、レンズ17の表面で生じるフレネル反射光を、前記部分反射光として用いてもよい。光学系の構成に応じて、受光部16aおよび受光部16bは、2個の受光素子を備えたバランス型光検出器を用いてもよいし、1個の受光素子を備えた光検出器を用いてもよい。
<計算機20>
本実施例の計算機20は、測距装置10から送信された測定ビート信号や参照ビート信号を処理等する演算装置21と、演算装置21の演算結果等を表示する表示装置22(例えば、液晶ディスプレイ)を備える。
図2は、演算装置21の機能ブロック図である。ここに示すように、演算装置21は、ビート信号処理部21a、判定処理部21b、記憶部21cの各機能部を備えており、測距装置10、表示装置22、測定光走査機構40等と通信可能に接続されている。図2では、ビート信号処理部21a等の機能部を演算装置21に搭載した構成を例示しているが、これらの機能部を、測距装置10の測距制御部18に搭載した構成としても良い。逆に、本実施例の測距制御部18の機能を演算装置21で実現する構成としても良い。
なお、演算装置21は、具体的には、CPU等の演算装置、半導体メモリ等の記憶装置、および、通信装置などのハードウェアを備えたコンピュータである。そして、演算装置が所定のプログラムを実行することで、ビート信号処理部21a等の各機能部を実現するが、以下では、このような周知技術を適宜省略しながら説明する。
<測定ビート信号に基づく測距方法>
本実施例の距離測定システム1では、測定対象物30までの距離Lの測距方法として、FMCW(Frequency Modulated Continuous Waves)、または、SS-OCT(Swept-Source Optical Coherence Tomography)(あるいは波長掃引OCT)を用いる。FMCWとSS-OCTの原理は共通するが、FMCWは、主に可干渉距離の長い光源を用いる長距離の測定に用いられる測距方法であり、SS-OCTは、主に可干渉距離の短い光源を用いる微細構造の測定に用いられる測距方法である。
図3は、FMCW方式の距離測定原理の説明図である。測定光学系における測定光と参照光の受光部16aへの到達タイミングには、測定光と参照光の光路差に起因する時間差Δtが存在する。本実施例の発光部12は、この時間差Δtの期間に光周波数が変化しているので、受光部16aは、測定光と参照光の周波数差に等しいビート周波数fbの測定ビート信号を検出する。例えば、発振部11による変調が鋸歯状波の周波数変調であれば、発光部12の出射光の最低周波数をν0、周波数掃引幅をΔνとし、Δνだけ変調するのに要する時間をTとすると、次の(式1)の関係が成立する。
Figure 2024070398000002
測定対象物30までの距離Lは、(式1)で算出した時間差Δtの間に光が進む距離の半分である。よって、距離Lは、大気中の光速度cを用い、次の(式2)によって算出できる。
Figure 2024070398000003
距離Lとビート周波数fbは線形な関係にある。よって受光部16aで得られた測定信号にFFT(First Fourier Transform:高速フーリエ変換)を行い、ピーク位置と大きさを求めれば、測定対象物30の反射位置と反射光量を求めることができる。
図4は、反射強度プロファイルから測定対象物30の表面における反射位置を求める方法の一例を説明するための図である。同図において、横軸はFFTの周波数を示し、縦軸は反射強度を示す。同図に示されるように、反射強度のピーク付近は離散的なデータとなる。点の間隔、すなわち距離分解能は、c/2Δνとなる。
測距方法がSS-OCTの場合、一般的な波長は例えば1300nm、掃引幅は100nmであり、周波数掃引幅Δνは17.8THzとなるので、距離分解能c/2Δνは8.4μmとなる。また、測距方法がFMCWの場合、一般的な波長は例えば1500nm、掃引幅は2nmであり、周波数掃引幅Δνは267GHzとなるので、距離分解能c/2Δνは0.56mmとなる。
これに対し、図4に示すようにピーク付近の3点以上の点を用いて、二次関数またはガウス関数等の関数を当てはめ、当てはめられた関数のピーク付近の値を用いて補間すれば、分解能を1/10程度に高めることが可能となる。
なお、ビート周波数の解析の一例としてFFTを挙げたが、ビート周波数の解析には例えば最大エントロピー法を用いてもよい。この場合、FFTよりも高分解能にピーク位置を検出することができる。
<参照ビート信号に基づく評価処理の概要>
次に、図5および図6A、6Bを用いて、参照光学系の受光部16bで検出した参照ビート信号に基づく評価処理の概要を説明する。なお、以下では、参照ビート信号の評価処理を、計算機20の演算装置21(図2参照)で実施するものとして説明するが、同様の評価処理を測距装置10の測距制御部18で実施し、その評価結果を計算機20に出力する構成としても良いし、同様の評価処理を測距制御部18と演算装置21が協働して実施する構成としても良い。
まず、演算装置21のビート信号処理部21aは、測定周期中に得た参照ビート信号のオリジナル信号(図5(a)のB(t))をヒルベルト変換することにより、位相をπ/2だけずらした信号(図5(b)のC(t))を作成する。
次に、ビート信号処理部21aは、ヒルベルト変換前後の参照ビート信号B(t)とC(t)から、(式3)に基づいて信号の瞬時位相θ(t)を算出する(図5(c))。
Figure 2024070398000004
さらに、ビート信号処理部21aは、算出した瞬時位相を順次接続することで、測定周期中の参照ビート信号の位相Φ(t)の時間変化を求める(図5(d))。
その後、演算装置21の判定処理部21bは、位相接続後の位相Φ(t)の変化に基づいて参照ビート信号の良否を評価する。具体的には、測定周期中に得た位相Φ(t)の最大値を、記憶部21cに登録された閾値Th1と比較する。なお、この閾値Th1は、参照光学系の特性に依存する変数であり、測距装置10の仕様に応じた適当な値が記憶部21cに予め登録されているものとする。これは後述する各種閾値についても同様である。
そして、図6Aのように、位相変化の最大値が閾値Th1より大きければ、判定処理部21bは、その参照ビート信号が正常であると判断する。これにより、判定処理部21bは、同じ測定周期の測定ビート信号に基づいて演算した距離Lも正常であると判断することができる。
一方、図6Bのように、位相変化の最大値が閾値Th1以下であれば、判定処理部21bは、その参照ビート信号が異常であると判断する。この場合、判定処理部21bは、同じ測定周期の測定ビート信号に基づいて演算した距離Lの信頼性は低いと判断する。
例えば、発振部11の周波数掃引信号が不適切で周波数掃引幅が減少した場合や、発光部12が故障した場合には、参照ビート信号の周波数が想定よりも低下し、位相変化の最大値が低下する。そこで、図6Bのように、参照ビート信号の位相変化の最大値を閾値Th1と比較することで、発振部11や発光部12の異常状態を評価することができる。
また、上記の評価処理以外にも、装置が正常状態の際にあらかじめ取得した位相変化のテーブルを保持し、保持したテーブルに対する参照ビート信号を処理して得た位相変化の差分の値を閾値と比較しても同様の効果を奏する。この場合、周波数掃引中の周波数掃引特性の変化やジッタを評価することが可能である。
<参照ビート信号に基づく評価処理の詳細>
次に、図7のフローチャートを用いて、上記した参照ビート信号の評価処理をより具体的に説明する。なお、上記したように、本実施例の距離測定システム1では、測定光学系の出力に基づく処理と、参照光学系の出力に基づく処理を並行して実施することができるため、図7では両処理を並行実施する状況を例示するが、評価処理に特化する場合は、参照光学系の出力のみを処理すれば良い。
図7の処理は、ユーザから計算機20への所定の操作入力に応じて開始される。所定の操作入力は、例えば、計算機20の起動に伴う制御プログラムの立ち上げ操作や、測定対象物30の測定開始操作が挙げられる。
まず、ステップS1では、距離測定システム1を構成する測距装置10と計算機20等を起動する。具体的には、測距装置10の測距制御部18を信号の送受信可能な待機状態にするとともに、計算機20の演算装置21も信号の送受信可能な待機状態にする。
次に、ステップS2では、発振部11は測距制御部18からの指令(掃引波形信号)に基づいて変調電流を出力し、発光部12は発振部11からの変調電流に基づいて光周波数を変調させながらFM光を出力する。この結果、図1で説明したように、測定光学系と参照光学系の双方に、発光部12からのFM光が入射される。
ステップS3では、測距装置10の測距制御部18は、測定光学系の受光部16aから測定ビート信号を受信するとともに、参照光学系の受光部16bから参照ビート信号を受信する。また、測距制御部18は、受信した測定ビート信号と参照ビート信号を、計算機20の演算装置21に送信する。
ステップS4では、測距制御部18は、図3と図4で説明したように、測定ビート信号を解析して測定対象物30までの距離Lを算出する。また、演算装置21のビート信号処理部21aは、図5で説明したように、参照ビート信号をヒルベルト変換した後、瞬時位相θ(t)を求め、更に、瞬時位相を順次接続することで参照ビート信号の位相Φ(t)の時間変化を求める。
ステップS5では、演算装置21の判定処理部21bは、参照ビート信号の判定処理を実行する。具体的には、判定処理部21bは、図6Aや図6Bで例示したように、記憶部21cから取得した閾値Th1と参照ビート信号の大きさを比較する。
ステップS6は、判定処理部21bは、ステップS5での比較結果に基づき、参照ビート信号が正常かを判定する。そして、要件を満たす場合は、図7の処理を終了し、要件を満たさない場合は、ステップS7に移行する。
なお、ステップS6の要件を満たす場合、すなわち、参照ビート信号の位相Φ(t)の最大値が閾値Th1より大きく、参照ビート信号を正常と判定できた場合には、システムに異常が無く、計測ビート信号に基づいて算出した距離Lも正常と判定できるため、参照ビート信号の判定処理の終了後も、測定ビート信号に基づく測定処理を継続すれば良い。
一方、ステップS7では、表示装置22は、エラーを表示して、ユーザにシステム異常を報知する。ステップS6の要件を満たさずステップS7に進んだ場合、すなわち、参照ビート信号の位相Φ(t)の最大値が閾値Th1以下であり、参照ビート信号を異常と判定できた場合には、同じ測定周期に取得した測定ビート信号に基づいて演算した距離Lも異常であると判定できるため、誤った距離Lの測定を避けるべく、以後の測定処理を中断する。
<エラー表示の方法>
次に、図8を用いて、ステップS7における、エラーの表示方法を具体的に説明する。同図は、ステップS6にて参照ビート信号が異常と判断されステップS7に進んだ場合に、表示装置22に表示されるGUI画面の表示例を示している。
ここに例示するGUI画面には、エラーコード表示欄22a、エラー内容表示欄22b、対策内容表示欄22c、確認ボタン22dが表示されている。エラーコード表示欄22aには、ステップS6での評価内容に応じて割り振られたコード番号を表示する。エラー内容表示欄22bには、各コード番号に対応したエラー内容の詳細を表示する。対策内容表示欄22cには、エラー内容に対応した対策内容を表示する。確認ボタン22dを押下することで、GUI画面の表示を中断する。ここで表示するエラーコードやエラー内容や対策内容は、記憶部21cに予め登録されたものを利用すれば良い。
なお、GUI画面の表示は図11に示す内容に限らず、一部のみを表示させてもよい。例えばエラー内容表示欄22bには、エラー内容の詳細を表示せず、対応内容のみを表示させてもよい。また、確認ボタン22dを押下した際には、測定動作を中断し、装置を終了させる動作に移行してもよいし、これら以外に例えば発生時刻などの他の付随情報を表示させてもよい。
また、評価結果をユーザに通知する他の方法として、警報灯またはブザーを備えて、異常状態と判定された場合に作動させてもよい。また、健全状態を示すランプを測距装置10や表示装置22の画面上に備え、判定結果が正常と判定された場合に点灯させてもよい。さらに、装置のステータスを記録するログファイルを保持し、判定結果と評価した値と日付とを、共に記録してもよいし、距離測定データをファイルとして保存する際のヘッダ領域に記録してもよい。また、演算装置21に外部出力端子を備えて、中断処理時に外部機器に対して信号を出力してもよい。
また、評価処理で用いる閾値Thは、GUIでパラメータ設定画面を備えて、変更可能にしてもよい。各閾値の値は閾値設定ファイルに保存し、プログラム起動時に閾値設定ファイルをロードしてもよい。
以上で説明した本実施例の距離測定システムによれば、測定対象物までの距離を非接触測定しながら、光源の周波数掃引状態が正常であるかを容易に評価することができる。
次に、図9のフローチャートを用いて、本発明の実施例2に係る距離測定システム1を説明する。なお、実施例1との共通点は重複説明を省略する。
実施例1の図7のフローチャートでは、ステップS6の要件を満たさない場合に、直ちにステップS7(エラー表示)に移行したが、本実施例の図9のフローチャートでは、ステップS6の要件を満たさない場合はステップS6aに移行し、ステップS6aの要件を満たす場合は、ステップS8にてシステムの改善を図り、ステップS6aの要件も満たさない場合に限り、ステップS7(エラー表示)に移行することとした。以下、本実施例で追加したステップS6a、S8の意義を順次説明する。
ステップS6aでは、測距制御部18は、発振部11から出力する変調信号の電流値が許容範囲内であるか、すなわち、変調信号の電流値を変更することで参照ビート信号を改善できる余地があるかを判定する。そして、要件を満たす場合(改善余地がある場合)はステップS8に移行し、要件を満たさない場合(改善余地がない場合)は前述のステップS7(エラー表示)に移行する。なお、後者の場合のエラー表示としては、自動回復不可である旨などを表示すれば良い。
ステップS8では、測距制御部18は、発振部11に送信する指令(掃引波形信号)を更新する。より具体的には、例えば発振部11から出力する変調信号の波形の振幅やDC(Direct Current)成分を一定量増加させて更新することで、出力光の光周波数変調幅や光周波数を増加させ、参照ビート信号の最大位相値の増加を試行する。
以上のステップS6a、S8により、ステップS6で参照ビート信号が異常と判定された場合であっても、更新した変調信号で変調を再開し(ステップS2)、参照ビート信号を再評価(ステップS5、S6)する処理経路が追加されることになる。従って、本実施例の距離測定システムによれば、異常と判定された参照ビート信号を改善するようにシステム制御を変更することで、正常な測定ビート信号を検出できるようになる。
次に、図10を用いて、本発明の実施例3に係る距離測定システム1を説明する。なお、上記の実施例との共通点は重複説明を省略する。
実施例1のステップS5、S6では、参照ビート信号の位相Φに基づいて参照ビート信号の良否を判定したが、本実施例のステップS5、S6では、参照ビート信号の位相Φの時間変化率(以後、位相変化率)を求め、これを所定の閾値と比較することで参照ビート信号の良否を判定する。なお、時間あたりの位相変化率を求める代わりに、参照ビート信号を取り込む際のサンプリングレートあたりの位相変化率を求めてもよい。
具体的には、本実施例の演算装置21のビート信号処理部21aと判定処理部21bでは、参照ビート信号の位相変化率の最大値(ΔΦ/Δt)maxと、位相変化率の最小値(ΔΦ/Δt)minを求め、(ΔΦ/Δt)max-(ΔΦ/Δt)minで求めた位相変化率の幅を所定の閾値Thと比較し、その閾値Th以上の位相変化率の幅である場合は、異常と判断する。
または、ビート信号処理部21aと判定処理部21bは、参照ビート信号の周波数をFFTで解析し、周波数スペクトルの広がり幅(例えば半値全幅)を閾値Thと比較し、その閾値Th以上の広がり幅である場合に、異常と判断することでも同様の効果を奏する。
周波数変調の非線形性が高い場合、位相変化率の値の大小差は増加するため、本実施例の評価により、周波数掃引特性の非線形性を評価し、測定ビート信号の周波数解析精度の劣化を評価することができる。
さらに、図10のように、判定処理部21bは、位相変化率の最小値(ΔΦ/Δt)minと閾値Th2を比較し、閾値Th2を下回る場合を異常と判定してもよいし、位相変化率の最大値(ΔΦ/Δt)maxと閾値Th3を比較し、閾値Th3を上回る場合を異常と判定してもよい。
後述するリサンプリング処理を実行する場合、測定周期中に位相変化率が過剰に小さいビート信号や過剰に大きいビート信号が含まれていると、リサンプリング処理時に生成する補間点の密度にバラつきが生じるため、リサンプリング処理のスループットの低下や、測定精度の低下が生じる場合がある。これを避けるため、位相変化率の最小値(ΔΦ/Δt)minや位相変化率の最大値(ΔΦ/Δt)maxを閾値と比較することでリサンプリング処理が正常に実行可能であるか評価することが可能となる。
また、上記の評価処理以外にも、装置が正常状態の際にあらかじめ取得した位相変化率テーブルΦ’(t)を保持し、保持したテーブルに対する参照ビート信号を処理して得た位相変化率の差分であるΦ(t)-Φ’(t)を閾値と比較してもよい。この場合、周波数掃引中の周波数掃引特性の変化やジッタを評価することが可能である。
<測距制御部18によるリサンプリング処理>
ここで、参照光学系の受光部16bで得た参照ビート信号を用い、測定光学系の受光部16aで得た測定ビート信号をリサンプリング処理する方法について述べる。
測距制御部18は、参照ビート信号と測定ビート信号を一定時間間隔のサンプリングクロックでサンプリングする。参照ビート信号をヒルベルト変換し、参照ビート信号の位相変化を求めることで、参照ビート信号が一定の位相となるタイミングを求めることができる。このタイミングに合わせて、測定ビート信号をリサンプリングする。すなわち、参照ビート信号の位相変化に基づいて、測定ビート信号を位相変化に一定の間隔でリサンプリングする。なお、測距制御部18は、内蔵するAD/DA変換機により参照ビート信号をサンプリングクロックとして測定ビート信号をサンプリングしてA/D変換しても、同様の効果を奏する。リサンプリング処理後の測定ビート信号に対してFFTを行い、ビート周波数を推定して測定対象物30までの距離Lを求める。
上記のように参照ビート信号を用いて、測定ビート信号をリサンプリングすることで、周波数掃引の非線形性が抑制された測定ビート信号を得ることができるため、周波数推定の精度を向上させることができる。また、本リサンプリング処理と、参照ビート信号の評価は、ともに同じハードウェア構成を使用し、参照ビート信号のヒルベルト変換の結果を用いるため、双方の処理は両立して実装することができる。
次に、図11Aから図11Cを用いて、本発明の実施例4に係る距離測定システム1を説明する。なお、上記の実施例との共通点は重複説明を省略する。
実施例1のステップS5、S6では、参照ビート信号の位相Φに基づいて参照ビート信号の良否を判定したが、本実施例のステップS5、S6では、参照ビート信号の包絡線A(t)を求め、この包絡線A(t)に基づいて参照ビート信号の良否を判定する。
そのため、本実施例のビート信号処理部21aでは、まず、測定周期中に得た参照ビート信号のオリジナル信号(図4AのB(t))をヒルベルト変換することにより、位相をπ/2だけずらした信号(図4BのC(t))を作成する。
次に、ビート信号処理部21aは、ヒルベルト変換の前後の参照ビート信号B(t)とC(t)から、下記の(式4)に基づいて参照ビート信号の包絡線A(t)を求める。これにより、図11Aや図11Bに示すような包絡線A(t)を得ることができる。なお、図11Aと図11Bでは、簡略化のため、ヒルベルト変換後の参照ビート信号C(t)の図示を省略している。
Figure 2024070398000005
その後、判定処理部21bは、得られた包絡線A(t)に対して、ハイパスフィルタ処理を行い、閾値Th4と比較する(図11C)。
ここで、図11Aに示すように、参照ビート信号B(t)にノイズが重畳していない場合は、包絡線A(t)は略平滑な曲線として得ることができる。従って、ハイパスフィルタ処理後の曲線が後述する閾値Th4を超えることはない。
一方で、図11Bに示すように、参照ビート信号B(t)にノイズが重畳している場合は、図11Cに示すように、ノイズが重畳している箇所において、包絡線A(t)のハイパスフィルタ処理後の曲線に急峻な変化が生じ、その変化の絶対値が閾値Th4を超える。従って、本実施例の判定処理部21bでは、例えば発光部12の制御電流や発振部11で生じた周波数掃引信号のノイズを、参照ビート信号の観測に基づいて評価することが可能となる。
なお、ハイパスフィルタ処理の代わりに、正常状態時に事前に得た包絡線テーブルA’(t)を保持し、A(t)-A’(t)の算出結果(すなわち正常状態からの包絡線波形の差分)を閾値Th4と比較することでも、本評価は同様の効果を奏する。この場合、周波数掃引中の出力強度の変調特性の変化を評価することが可能となる。
また、本実施例の判定処理部21bでは、包絡線の最大値A(t)maxを、閾値Th5と比較し、閾値Th5を下回る場合に異常と判定してもよい。この評価処理によれば、発光部12から出力される光強度の低下を検出することができる。
さらに、本実施例の判定処理部21bでは、包絡線の最大値A(t)maxを、閾値Th6と比較し、包絡線の最大値A(t)maxが閾値Th6以上となる場合に異常と判定してもよい。この評価処理によれば、例えば過大な光強度が検出器16aまたは検出器16bで得る信号が飽和した状態であるか評価することができる。
なお、本実施例のステップS6において、参照ビート信号の包絡線の最大値A(t)maxを、閾値Th6と比較し、包絡線の最大値A(t)maxが閾値Th6以上となる場合に異常と判定する場合であれば、本実施例のステップS8では、変調信号の更新の他にも、測距装置10に別途備えた光増幅装置の制御電流値やアッテネータの制御電圧値を一定量更新してもよい。この光増幅装置は、より具体的にはEDFA(Erbium Doped Fiber Amplifier)やPDFA(Praseodymium Doped Fiber Amplifier)、FRA(Fiber Raman Amplifier)、またはSOA(Semiconductor Optical Amplifier)等が例として挙げられ、これらの光増幅装置の制御電流値を一定量更新することで包絡線A(t)の最大値の増加を試行する。このような光増幅装置は発光部12の波長帯域によって適切なものを選択すればよい。発光部12の制御パラメータの調整によって改善が可能な評価指標であれば、同様の処理が可能であると言ってよい。
以上、各実施例の説明を行ってきたが、本発明は、上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は、本発明を分かり易くするために詳細に説明したものであり、本発明は、ここで説明した全ての構成を備えるものに限定されない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例例の構成に置き換えることが可能である。また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることもできる。また、上記の各構成、機能、処理部、処理手段等は、それらの一部又は全部を、例えば集積回路で設計する等によりハードウェアで実現してもよい。また、図中の制御線や情報線は、説明上必要と考えられるものを示しており、全てを示しているとは限らない。ほとんど全ての構成が相互に接続されていると考えてもよい。
また、上記の構成は、処理内容に応じて、さらに多くの構成要素に分類することもできる。また、1つの構成要素がさらに多くの処理を実行するように分類することもできる。
1 距離測定システム、
10 測距装置、
11 発振部、
12 発光部、
13 光ファイバ、
14 光ファイバカプラ、
15 光サーキュレータ、
16 受光部、
17 レンズ
18 測距制御部、
20 計算機、
21 演算装置、
21a ビート信号処理部、
21b 判定処理部、
21c 記憶部、
22 表示装置、
30 測定対象物、
40 測定光走査機構

Claims (10)

  1. 測定対象物までの距離を非接触で測定する距離測定システムであって、
    光周波数が周期的に掃引されたFM光を出力する光源と、
    前記FM光を2分割するビームスプリッタと、
    前記ビームスプリッタで2分割した前記FM光の一方を更に2分割し、一方のFM光を前記測定対象物に照射したときの反射光と他方のFM光の周波数差に基づく測定ビート信号を出力する測定光学系と、
    前記ビームスプリッタで2分割した前記FM光の他方を更に2分割し、該更に2分割したFM光の双方を光路長差が既知の干渉計に入力するとともに、該干渉計が出力するFM光同士の周波数差に基づく参照ビート信号を出力する参照光学系と、
    前記測定ビート信号と前記参照ビート信号を演算処理する演算装置と、を備え、
    該演算装置は、
    前記測定ビート信号に基づき前記測定対象物までの距離を演算する測距部と、
    前記参照ビート信号を処理して所望の信号を生成するビート信号処理部と、
    前記所望の信号を基準値と比較することで前記光源の異常を判定する判定処理部と、
    を有することを特徴とする距離測定システム。
  2. 請求項1に記載の距離測定システムにおいて、
    前記ビート信号処理部は、前記参照ビート信号から算出した瞬時位相を一定期間分、順次接続した、前記参照ビート信号の位相の時間変化を、前記所望の信号として生成し、
    前記判定処理部は、前記参照ビート信号の位相の時間変化の最大値が前記基準値以下である場合に、前記光源を異常と判定することを特徴とする距離測定システム。
  3. 請求項1に記載の距離測定システムにおいて、
    前記ビート信号処理部は、前記参照ビート信号から算出した瞬時位相を一定期間分、順次接続した、前記参照ビート信号の位相の時間変化の変化率の最大値と最小値の差を、前記所望の信号として生成し、
    前記判定処理部は、前記差が前記基準値以上である場合に、前記光源を異常と判定することを特徴とする距離測定システム。
  4. 請求項1に記載の距離測定システムにおいて、
    前記ビート信号処理部は、前記参照ビート信号の周波数をFFT解析した周波数スペクトルの広がり幅を、前記所望の信号として生成し、
    前記判定処理部は、前記周波数スペクトルの広がり幅が前記基準値以上である場合に、前記光源を異常と判定することを特徴とする距離測定システム。
  5. 請求項1に記載の距離測定システムにおいて、
    前記ビート信号処理部は、前記参照ビート信号から算出した瞬時位相を一定期間分、順次接続した、前記参照ビート信号の位相の時間変化の変化率の最小値を、前記所望の信号として生成し、
    前記判定処理部は、前記最小値が前記基準値を下回る場合に、前記光源を異常と判定することを特徴とする距離測定システム。
  6. 請求項1に記載の距離測定システムにおいて、
    前記ビート信号処理部は、前記参照ビート信号から算出した瞬時位相を一定期間分、順次接続した、前記参照ビート信号の位相の時間変化の変化率の最大値を、前記所望の信号として生成し、
    前記判定処理部は、前記最大値が前記基準値を上回る場合に、前記光源を異常と判定することを特徴とする距離測定システム。
  7. 請求項1に記載の距離測定システムにおいて、
    前記ビート信号処理部は、前記参照ビート信号の包絡線を、前記所望の信号として生成し、
    前記判定処理部は、前記包絡線のハイパスフィルタ処理結果の絶対値が前記基準値以上である場合に、前記光源を異常と判定することを特徴とする距離測定システム。
  8. 請求項1に記載の距離測定システムにおいて、
    前記ビート信号処理部は、前記参照ビート信号の包絡線を、前記所望の信号として生成し、
    前記判定処理部は、前記包絡線の最大値が前記基準値を下回る場合に、前記光源を異常と判定することを特徴とする距離測定システム。
  9. 請求項1に記載の距離測定システムにおいて、
    前記ビート信号処理部は、前記参照ビート信号の包絡線を、前記所望の信号として生成し、
    前記判定処理部は、前記包絡線の最大値が前記基準値以上である場合に、前記光源を異常と判定することを特徴とする距離測定システム。
  10. 請求項1から請求項9の何れか一項に記載の距離測定システムにおいて、
    更に、表示装置を備えており、
    前記判定処理部が異常を判定した場合、前記表示装置には、エラーコード、エラー内容、対策内容の何れかが表示されることを特徴とする距離測定システム。
JP2022180861A 2022-11-11 2022-11-11 距離測定システム Pending JP2024070398A (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2022180861A JP2024070398A (ja) 2022-11-11 2022-11-11 距離測定システム
PCT/JP2023/036760 WO2024101053A1 (ja) 2022-11-11 2023-10-10 距離測定システム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2022180861A JP2024070398A (ja) 2022-11-11 2022-11-11 距離測定システム

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2024070398A true JP2024070398A (ja) 2024-05-23

Family

ID=91032718

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2022180861A Pending JP2024070398A (ja) 2022-11-11 2022-11-11 距離測定システム

Country Status (2)

Country Link
JP (1) JP2024070398A (ja)
WO (1) WO2024101053A1 (ja)

Family Cites Families (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH07270841A (ja) * 1994-03-31 1995-10-20 Ando Electric Co Ltd 掃引光周波数発生装置
JP3347012B2 (ja) * 1997-04-03 2002-11-20 本田技研工業株式会社 Fmレーダ装置
JP2014202716A (ja) * 2013-04-09 2014-10-27 株式会社日立ハイテクノロジーズ 距離測定装置
US10422856B2 (en) * 2017-04-21 2019-09-24 Futurewei Technologies, Inc. Frequency nonlinearity calibration in frequency-modulated continuous wave radar
JP7074311B2 (ja) * 2017-08-30 2022-05-24 国立研究開発法人産業技術総合研究所 光学的距離測定装置および測定方法
DE102018206701A1 (de) * 2018-05-02 2019-11-07 Robert Bosch Gmbh Überwachen eines FMCW-Radarsensors
JP7327310B2 (ja) * 2020-07-22 2023-08-16 株式会社村田製作所 レーダ装置

Also Published As

Publication number Publication date
WO2024101053A1 (ja) 2024-05-16

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US20210080350A1 (en) Brillouin and rayleigh distributed sensor
US10539476B2 (en) Temperature or strain distribution sensor comprising a coherent receiver to determine a temperature or a strain associated with a device under test
US9599454B2 (en) Optical interferometer, data acquisition device, and data acquisition method
JP3657362B2 (ja) 光パルス特性測定装置およびその測定方法
CN105342558A (zh) 一种基于光学相干断层扫描成像中相位误差的校正方法
JP2013217700A (ja) 光干渉断層撮像装置及び撮像方法
JP6713679B2 (ja) 光ファイバ特性測定装置及び光ファイバ特性測定方法
WO2024101053A1 (ja) 距離測定システム
US20160363434A1 (en) Method of calibrating interferometer and interferometer using the same
CN116698096A (zh) 一种基于双波长光源的光纤传感方法
JP5207252B2 (ja) 光周波数領域反射測定方法及び光周波数領域反射測定装置
JP5371933B2 (ja) レーザ光測定方法及びその測定装置
US20220128383A1 (en) OTDR measurement via wavelength/frequency sweeping in phase-sensitive DAS/DVS systems
JP5470320B2 (ja) レーザ光コヒーレンス長測定方法及び測定装置
JP2022554271A (ja) 円形測距光コヒーレンストモグラフィーにおける絶対深度の解像
EP4296624A1 (en) Signal processing method and signal processing device
US11815399B2 (en) Spectrum measurement method and spectrum measurement device
CN111536878B (zh) 用于测量表面的方法、干涉测量装置、机器可读介质
WO2023135627A1 (ja) 信号処理方法及び信号処理装置
WO2023095661A1 (ja) 光ファイバ特性測定装置及び光ファイバ特性測定方法
US20240200928A1 (en) Optical coherence tomography apparatus, imaging method, and non-transitory computer readable medium storing imaging program
US9080861B2 (en) Observation device, and observation method
WO2022076836A1 (en) Otdr measurement via wavelength/frequency sweeping in phase-sensitive das/dvs systems
JPH0313835A (ja) 後方散乱光測定方式及びその装置
JP2019020146A (ja) 測定装置及び測定方法