JP2024069536A - 遠心送風機 - Google Patents
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Abstract
【課題】羽根車の負圧面で生じる剥離渦を抑制する効果が高い遠心送風機を得ること。【解決手段】遠心送風機1は、羽根車3を備え、羽根車3は、円盤状の主板3eと、主板3eの周縁部に環状に配設され、主板3eと垂直な方向に延びる複数のブレード31とを備え、複数のブレード31の各々は、主板3eの中心側の端部である前縁3aに、ブレード31同士の間を通過する気流に縦渦を形成する縦渦生成部3cが、主板3eに垂直な方向においてブレード31の中間部から翼端3d側にかけて部分的に設けられており、前縁3aのうち縦渦生成部3cは、階段状であり、主板3eに平行な面へ羽根車3を投影した像におけるブレード31の前縁の縦渦生成部3cにおける最大の内径は、ベルマウス5の吸込口4の直径よりも大きい。【選択図】図2
Description
本開示は、複数のブレードを有する羽根車をスクロールケーシングに収容した遠心送風機に関する。
遠心送風機は、円盤状の主板の周縁部に複数のブレードを配置した羽根車と、羽根車を収容するスクロールケーシングとを備える。スクロールケーシングは、吸い込む気流を誘導するベルマウスを備えており、側面壁がアルキメデス螺旋状に形成される。スクロールケーシングは、風路の拡大が終了する位置から、吹出口まで延在するディフューズを有する。羽根車の回転又は駆動モータの運転によってスクロールケーシング内で発生した騒音は、吹出口又はベルマウスを通じてスクロールケーシングの外へ放射される。遠心送風機内部の気流の流速は、羽根車から流出した直後が最も大きい。また、スクロールケーシングの壁面又はディフューズの壁面と羽根車の回転中心との距離は、羽根車の回転方向の位置によって異なるため、気流の変動が生じやすい。
ベルマウスを有するスクロールケーシングに羽根車を実装した場合のブレードの高さごとの流れ場に注目すると、羽根車の根本付近では、ブレード同士の間を通過する気流はブレードの負圧面に沿い、剥離が小さい。これに対して、ブレードの高さの中間部から翼端側では、翼端に近づくに従い、ブレード同士の間を通過する気流はブレードの負圧面に沿うことができず、剥離が大きくなる。ブレードの負圧面での剥離領域が大きくなると、主流を形成することが難しくなり、二次流れによる乱れ成分を形成しやすくなり、騒音悪化を招く。したがって、スクロールケーシング実装時は翼軸方向の流れの挙動が異なることを考えた、羽根車の設計が要求される。
特許文献1には、円盤状の主板と、主板の表側面の外周側に環状に配設された複数のブレードと、ブレードの先端部に取り付けられる環状板とを備えた羽根車を有する遠心送風機が開示されている。特許文献1に開示される遠心送風機は、羽根車のブレードの前縁にテーパ部を設けることで、気流の前縁剥離を抑制し、低騒音化を図っている。
特許文献1に開示される遠心送風機は、羽根車のブレードの前縁にテーパ部を設けているが、ブレード同士の間を通過する気流の縦渦化を効果的に行うことができず、負圧面上で生じる剥離渦を抑制する効果が小さい。
本開示は、上記に鑑みてなされたものであって、羽根車の負圧面で生じる剥離渦を抑制する効果が高い遠心送風機を得ることを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本開示に係る遠心送風機は、羽根車と、羽根車を収容するスクロールケーシングとを備える。羽根車は、円盤状の主板と、主板の周縁部に環状に配設され、主板に垂直な方向に延びる複数のブレードとを備える。複数のブレードの各々は、主板の中心側の端部である前縁に、ブレード同士の間を通過する気流に縦渦を形成する縦渦生成部が、主板に垂直な方向においてブレードの中間部から翼端側にかけて部分的に設けられている。縦渦生成部は、主板に平行な踏面と、主板に垂直な蹴上とを備える。前縁のうち縦渦生成部は、階段状である。スクロールケーシングは、吸込口にベルマウスが設けられている。主板に平行な面へ羽根車を投影した像におけるブレードの前縁の最小の内径である最小ブレード内径は、ベルマウスの吸込口の直径よりも小さく、主板に平行な面へ羽根車を投影した像におけるブレードの前縁の縦渦生成部における最大の内径は、ベルマウスの吸込口の直径よりも大きい。
本開示に係る遠心送風機は、羽根車の負圧面で生じる剥離渦を抑制する効果が高いという効果を奏する。
以下に、実施の形態に係る遠心送風機を図面に基づいて詳細に説明する。
実施の形態1.
図1は、実施の形態1に係る遠心送風機の斜視図である。図2は、実施の形態1に係る遠心送風機の断面図である。図2は、図1中のII-II線に沿った遠心送風機1の断面を模式的に示している。実施の形態1に係る遠心送風機1は、羽根車3と、羽根車3を回転させる駆動モータ9と、羽根車3を収容するスクロールケーシング6とを備える。羽根車3は、回転軸2に垂直な円盤状の主板3eと主板3eの周縁部に環状に設置された複数のブレード31とを備える。ブレード31は、主板3eに垂直な方向に延びている。主板3eの中央部には、駆動モータ9を覆うハブ8が設けられている。スクロールケーシング6には、ベルマウス5が設けられている。スクロールケーシング6の側面壁61は、回転軸2に垂直な平面へ投影した場合にアルキメデス螺旋状となる形状で形成されている。スクロールケーシング6の巻き終わりには、静圧変換を効果的に行うためのディフューザ6bが設けられている。ディフューザ6bは、吹出口6aまで延びている。遠心送風機1は、羽根車3が回転することで気流Y1をスクロールケーシング6内に吸引し、吹出口6aから気流Y2をスクロールケーシング6の外部に放出する。
図1は、実施の形態1に係る遠心送風機の斜視図である。図2は、実施の形態1に係る遠心送風機の断面図である。図2は、図1中のII-II線に沿った遠心送風機1の断面を模式的に示している。実施の形態1に係る遠心送風機1は、羽根車3と、羽根車3を回転させる駆動モータ9と、羽根車3を収容するスクロールケーシング6とを備える。羽根車3は、回転軸2に垂直な円盤状の主板3eと主板3eの周縁部に環状に設置された複数のブレード31とを備える。ブレード31は、主板3eに垂直な方向に延びている。主板3eの中央部には、駆動モータ9を覆うハブ8が設けられている。スクロールケーシング6には、ベルマウス5が設けられている。スクロールケーシング6の側面壁61は、回転軸2に垂直な平面へ投影した場合にアルキメデス螺旋状となる形状で形成されている。スクロールケーシング6の巻き終わりには、静圧変換を効果的に行うためのディフューザ6bが設けられている。ディフューザ6bは、吹出口6aまで延びている。遠心送風機1は、羽根車3が回転することで気流Y1をスクロールケーシング6内に吸引し、吹出口6aから気流Y2をスクロールケーシング6の外部に放出する。
羽根車3は、駆動モータ9のシャフト10に固定されている。羽根車3のブレード31の主板3eの中心側の端部である前縁3aには、縦渦生成部3cが設けられている。縦渦生成部3cは、主板3eに垂直な方向においてブレード31の中間部から翼端3d側にかけて部分的に設けられている。縦渦生成部3cは、主板3eに平行な踏面3fと、主板3eに垂直な蹴上3gとを備える。
図2に示すように、ブレード31の前縁3aは、縦渦生成部3cが階段状となっている。羽根車3の主板3eと踏面3fとは平行である。主板3eと踏面3fとを平行にすることにより、金型成型による製造の容易性を高めることができる。縦渦生成部3cは、ブレード31の前縁3aの全域ではなく、ブレード31の高さ方向の中央から翼端3dまでの部分に設けられている。
ここで、羽根車3の最小ブレード内径をD1、ブレード外径をD2、羽根車3の最大ブレード内径をD3と定義する。ベルマウス5の吸込口4の直径をDBと定義する。羽根車3のブレード31の高さをHBと定義する。ブレード31の高さHBは、主板3eから翼端3dまでの距離である。最小ブレード内径D1は、主板3eに平行な面へ羽根車3を投影した像におけるブレード31の前縁3aの最小の内径である。最大ブレード内径D3は、主板3eに平行な面へ羽根車3を投影した像におけるブレード31の前縁3aの最大の内径である。踏面3fは、ブレード31の前縁3aのうちブレード31の高さHBの60%、70%、80%及び90%の各位置に設けられている。したがって、縦渦生成部3cは、主板3eからブレード31の高さの60%の位置から翼端3dまでの間の部分のみに設けられている。なお、ここでは主板3eに垂直な方向におけるブレード31の中間部を、主板3eからブレード31の高さHBの60%の位置とし、主板3eからブレード31の高さの60%の位置から翼端3dまでの間の部分のみに縦渦生成部3cを設けているが、主板3eに垂直な方向におけるブレード31の中間部は、主板3eからブレード31の高さHBの40%から60%の間とすることができる。
ベルマウス5は、スクロールケーシング6に吸引される気流Y1を整流する。吸込口4の直径DBの大きさと、吸い込み風路の圧力損失の大きさとには相関があり、吸込口4の直径DBの大きさを大きくすると圧力損失は小さくなる。
縦渦生成部3cの数を増やしたり、縦渦生成部3cの大きさを変えたりしやすくするためには、ブレード31の根元側の翼弦長を長くするとよい。したがって、羽根車3の最大ブレード内径D3はベルマウス5の吸込口4の直径DBよりも大きく、かつ羽根車3の最小ブレード内径D1はベルマウス5の吸込口4の直径DBよりも小さいことが好ましい。
図3は、実施の形態1の第1の比較例に係る遠心送風機の断面図である。実施の形態1に係る遠心送風機1と同様の部分については同じ符号を付し、重複する説明は省略する。第1の比較例に係る遠心送風機201は、ブレード31に縦渦生成部が設けられていない。第1の比較例に係る遠心送風機201は、羽根車3以外の部分については、実施の形態1に係る遠心送風機1と同様である。
図4は、実施の形態1の第1の比較例に係る遠心送風機のブレードの負圧面上の気流の流線を模式的に示す図である。なお、羽根車3単体ではなく、ベルマウス5が設けられたスクロールケーシング6に羽根車3を収容した状態でブレード31同士の間を通過する気流Y3の負圧面上での流線を示している。図4に示すように、ブレード31の高さHBの概ね50%以下の部分では、ブレード31同士の間を通過する気流Y3の流線の乱れは小さい。一方、ブレード31の高さHBの50%よりも大きい部分では、スクロールケーシング6に吸引される気流Y1が吸い込み方向から吹き出し方向に転向できないため、ブレード31同士の間を通過する気流Y3の流線の乱れが大きくなる。特に、ブレード31の高さHBの60%から90%の部分では、ベルマウス5に沿ってスクロールケーシング6に吸引された気流Y1が羽根車3のブレード31の前縁3aを通過後に吹き出し方向に転向できず、ブレード31の負圧面から剥がれた流れが形成されやすいため、ブレード31同士の間を通過する気流Y3の負圧面上での流線の乱れが顕著となる。このように、ブレード31同士の間を通過する気流Y3のブレード31の負圧面上での流線は、ブレード31の高さ方向の位置によって大きく異なる。
図5、図6及び図7は、実施の形態1の比較例に係る遠心送風機のブレードの負圧面での気流の剥離状態を示す図である。図5は、ブレード31の高さHBの40%の位置でのブレード31同士の間を通過する気流Y3の負圧面上での剥離状態を示す。図6は、ブレード31の高さHBの60%の位置でのブレード31同士の間を通過する気流Y3の負圧面上での剥離状態を示す。図7は、ブレード31の高さHBの80%の位置でのブレード31同士の間を通過する気流Y3の負圧面上での剥離状態を示す。図5、図6及び図7に示す流線は、非圧縮性非定常流体解析によって速度分布を計算して求めている。
図5に示すように、ブレード31の高さHBの40%の位置では、ブレード31の負圧面上でブレード31同士の間を通過する気流Y3の剥離が生じている。ブレード31同士の間を通過する気流Y3は、ブレード31の前縁3aでブレード31から剥がれて、ブレード31の中央よりも後縁3b寄りの箇所でブレード31に再付着している。ブレード31の配列方向における剥離領域の大きさLは、ブレードピッチPの1/3以下である。遠心送風機201は、ブレード31の高さの概ね30%の位置で主流流速が最大となることから、ブレード31の高さHBの40%の位置は、主流が形成される領域と言える。
図6に示すように、ブレード31の高さHBの60%の位置では、ブレード31の高さHBの40%の位置と同様に、ブレード31同士の間を通過する気流Y3の剥離が生じている。ブレード31の配列方向における剥離領域の大きさLは、ブレードピッチPの半分以上である。剥離領域は、ブレード31の高さHBの40%の位置と比較して広範囲であり、気流Y3がブレード31に再付着する箇所も、ブレード31の高さHBの40%の位置と比較してブレード31の後縁3b寄りになっている。したがって、ブレード31の高さHBの40%の位置と比べてブレード31の負圧面での剥離領域が大きくなっている分、主流流れを形成することができず、二次流れを形成しやすい流れ場を呈する。また、ブレード31の高さHBの60%から100%の位置は、主流を形成することが難しく、二次流れ成分による乱れが支配的となる。したがって、ブレード31の高さHBの60%の位置においては、ブレード31の負圧面では、二次流れ成分による乱れが支配的である。
図7に示すように、ブレード31の高さHBの80%の位置でも、ブレード31の高さHBの40%の位置及び60%の位置と同様に、ブレード31同士の間を通過する気流Y3の剥離が生じている。ブレード31の高さHBの60%の位置と同様に、ブレード31の配列方向における剥離領域の大きさLは、ブレードピッチPの半分以上である。ブレード31同士の間を通過する気流Y3がブレード31に再付着する箇所も、ブレード31の高さHBの40%と比較してブレード31の後縁3b寄りになっている。したがって、ブレード31の高さHBの40%の位置と比べて負圧面の剥離領域が大きくなっている分、主流流れを形成することができず、二次流れを形成しやすい流れ場を呈する。また、ブレード31の高さHBの60%から100%の位置は、主流を形成することが難しく、二次流れ成分による乱れが支配的となる。しがたって、ブレード31の高さHBの80%の位置においては、ブレード31の負圧面では、二次流れ成分による乱れが支配的である。さらに、ブレード31の高さHBの80%の位置は、ブレード31の高さHBの40%の位置及び60%の位置よりも主流が形成されにくいため、ブレード31同士の間を通過する気流Y3の流速は、ブレード31の高さHBの40%の位置及び60%の位置よりも小さくなる傾向にあり、ブレード31の負圧面上で形成される境界層が厚くなる。
図5、図6及び図7に示したように、ブレード31の高さ方向において、流線の挙動、特にブレード31の負圧面における剥離範囲及び境界層の厚さが顕著に異なる。したがって、図2に示したように、実施の形態1に係る遠心送風機1は、ブレード31の負圧面上での気流の剥離が顕著となるブレード31の高さの中央から翼端3dにかけて縦渦生成部3cを形成している。また、ブレード31の負圧面上での気流の剥離が顕著ではないブレード31の高さ方向の中央からハブ8側の部分には縦渦生成部3cを形成しないことにより、羽根車3から流出する主流を阻害して羽根車3の仕事量が低下することを抑制している。
図8は、実施の形態1の第2の比較例に係る遠心送風機の断面図である。実施の形態1に係る遠心送風機1と同様の部分については同じ符号を付し、重複する説明は省略する。第2の比較例に係る遠心送風機301は、ブレード31の高さHBの40%から60%の間の点と、翼端3dとの間にかけてブレード31の前縁3aにテーパ部3jが設けられている。第2の比較例に係る遠心送風機301は、羽根車3のブレード31にテーパ部3jを設けることにより、ブレード31の前縁3aで生じる剥離渦の発生タイミングをずらし、低騒音化を図っている。第2の比較例に係る遠心送風機301は、羽根車3以外の部分については、実施の形態1に係る遠心送風機1と同様である。
図9は、実施の形態1に係る遠心送風機の翼負圧面上の圧力変動の実効値を示す図である。図10は、実施の形態1の第2の比較例に係る遠心送風機の翼負圧面上の圧力変動の実効値を示す図である。図9及び図10では、圧力変動値の実効値を、圧力変動値が小さいほど黒色に近く、圧力変動値が大きいほど白色に近い灰色で示している。
図9及び図10に示すように、実施の形態1に係る遠心送風機1は、第2の比較例に係る遠心送風機301よりも圧力変動の実効値の小さい領域が広い。特に、翼端3d側では圧力変動の実効値が顕著に小さくなっている。圧力変動の実効値が小さくなれば、低騒音化につながる。
図11は、実施の形態1に係る遠心送風機のブレードの前縁を通過する気流を模式的に示す図である。図11に示すように、ブレード31同士の間を通過する気流Y3は、羽根車3が回転することでブレード31の前縁3aからブレード31同士の間に吸い込まれる。この時、ブレード31の前縁3aのうち縦渦生成部3cが階段状になっているため、縦渦生成部3cを通過する気流には縦渦100が生じる。気流に縦渦100が生じることで、ブレード31同士の間を通過する気流Y3に生じる剥離領域は抑制される。さらに、ブレード31同士の間を通過する気流Y3に強制的に縦渦100を生じさせることができるため、テーパ部3jが設けられた第2の比較例に係る遠心送風機301よりもブレード31の前縁3aで生じる剥離渦を細分化できる。
図12は、実施の形態1に係る遠心送風機のブレードの前縁付近での剥離渦の挙動を示す図である。図13は、実施の形態1の第2の比較例に係る遠心送風機のブレードの前縁付近での剥離渦の挙動を示す図である。渦の挙動は、非定常流体解析によって算出している。解析条件は、同一回転速度及び同一風量とし、羽根形状のみを相違させている。図12及び図13において、縦渦100を白色で模式的に示している。
図13に示すように、第2の比較例に係る遠心送風機301では、渦の細分化現象は生じにくく、比較的大きい渦が支配的であることがわかる。一方で、図12に示す実施の形態1に係る遠心送風機1では、縦渦生成部3c付近にて気流の縦渦化及び細分化がされている。渦が細分化されると、大きい渦同士の合体が発生しにくくなり、低騒音化がなされる。渦の細分化は、階段状の段差をなす縦渦生成部3cを気流が通過することによって行われる。
図9、図11及び図12に示すように、ブレード31の前縁3aのうち縦渦生成部3cが階段状になっていることにより、ブレード31同士の間を通過する気流Y3に強制的に縦渦100を生じさせる。ブレード31同士の間を通過する気流Y3には、縦渦生成部3cの踏面3fを通過する際に強制的に縦渦100が形成され、負圧面の剥離領域が小さくなり、ブレード31同士の間を通過する気流の乱れが減少する。ブレード31の前縁3aに縦渦生成部3cを設けることにより、ブレード31の前縁3aにテーパ部3jを設けるよりも、ブレード31同士の間を通過する気流Y3に効率的に縦渦100を形成することができる。したがって、ブレード31の前縁3aのうち縦渦生成部3cが階段状になっていることにより、ブレード31の負圧面上の圧力変動が小さくなり、前縁剥離渦が細分化され、低騒音化の効果を高めることができる。
図14は、実施の形態1の第3の比較例に係る遠心送風機の断面図である。第3の比較例に係る遠心送風機401は、ブレード31の高さ方向の全体にわたってブレード31の前縁3aに縦渦生成部3cが形成されている点で、実施の形態1に係る遠心送風機1と相違する。この他の部分は実施の形態1に係る遠心送風機1と同様であるため、重複する説明は省略する。
図15は、実施の形態1に係る遠心送風機、第1の比較例に係る遠心送風機及び第3の比較例に係る遠心送風機の比騒音と風量との関係を示す図である。図15は、○印のプロットは実施の形態1に係る遠心送風機1を示し、△印のプロットは、第1の比較例に係る遠心送風機201を示し、□印のプロットは、第3の比較例に係る遠心送風機401を示す。
図15に示すように、第1の比較例に係る遠心送風機201と第3の比較例に係る遠心送風機401とでは、第3の比較例に係る遠心送風機401の方が全ての風量の範囲で比騒音が大きくなっている。ブレード31の前縁3a全体を階段状とした第3の比較例に係る遠心送風機401は、低騒音効果が確認できなかった。これは、羽根車3をスクロールケーシング6に実装すると、羽根車3単体の流れ場とは異なり、ベルマウス5を通過して羽根車3に流入していく気流が形成されるため、ブレード31の前縁3a全周に対して一様な流れとならないためである。したがって、羽根車3をスクロールケーシング6に実装するときは、図3及び図4に示すような流れ場を形成し、これに合わせてブレード31の前縁3aの縦渦生成部3cを設ける位置を選定する必要がある。
図15に示すように、実施の形態1に係る遠心送風機1と第1の比較例に係る遠心送風機201とでは、破線で囲った送風機の動作風量帯域で比騒音が1.0dB程度小さくなっている。また、実施の形態1に係る遠心送風機1と第3の比較例に係る遠心送風機401とでは、破線で囲った送風機の動作風量帯域で比騒音が1.0dBから1.5dB小さくなっている。このように、流入する流れの負圧面での剥離が顕著になる高さに絞ってブレード31の前縁3aに縦渦生成部3cを設けることにより、効率的に吸い込み気流に縦渦100を生じさせ、ブレード31の負圧面における剥離領域の拡大を抑制できる。一方、羽根車3の仕事量に関しても、実施の形態1に係る遠心送風機1は、羽根車3のブレード31の高さHBの60%以下の根元側には縦渦生成部3cが設けられていないため、翼弦長は長いままであり、主流形成には問題は生じず、羽根車3の仕事量を維持している。
実施の形態1に係る遠心送風機1の上記の説明において、ブレード31の前縁3aのうちブレード31の高さHBの60%、70%、80%及び90%の各位置に踏面3fを設けた構成について説明したが、踏面3fを設ける位置及び数は、上記の例に限定されることはない。ただし、縦渦100を生成するためには、主板3eからブレード31の高さHBの60%の位置から90%の間の部分に、縦渦生成部3cを少なくとも一つ設けることが好ましい。なお、金型成型の容易性の観点では、踏面3fの数は少なく、蹴上3gは長い方が有利である。
図16は、実施の形態1に係る遠心送風機のブレードの形状の一例を示す図である。ブレード31の高さHBは100mm、ブレード31の幅Wは15mmであり、ブレード31の幅Wはブレード31の高さHBの7分の1程度である。ブレード31の高さHBの40%、60%及び80%の各位置に、踏面3fが設けられている。踏面3fの幅W1は、3mmである。したがって、踏面3fの幅W1は、ブレード31の幅Wの4分の1から8分の1程度である。蹴上3gの高さH1は、20mmであり、ブレード31の高さHBの7分の1程度である。
縦渦100を生成するためには、ブレード31の前縁3aに段差を設けることが有効である。踏面3fの幅W1が小さくなると、隣り合う縦渦100同士が結合して縦渦ではなくなるため、踏面3fの幅W1は一定以上の大きさとする必要がある。具体的には、踏面3fの幅W1は3mm以上とし、ブレード31の幅Wの8分の1以上とする。
蹴上3gの高さH1が小さくなると、隣り合う縦渦100同士が結合して大きくなるため、縦渦100の細分化のためには、蹴上3gの高さH1は踏面3fの幅W1の2倍よりも大きいことが好ましい。さらに、蹴上3gの高さH1は、踏面3fの幅W1の5倍よりも大きいことが特に好ましい。
また、一般的な遠心送風機の羽根車では、ブレードの高さはブレードの幅の7倍以下であるため、踏面の幅に対する蹴上の高さの比率を大きくしていくと、蹴上の数を増やすことができなくなる。実施の形態1に係る遠心送風機1は、少なくとも2段の段差とするために、蹴上3gの高さH1を踏面3fの幅W1の10倍よりも小さくしている。
このように、実施の形態1に係る遠心送風機1は、ブレード31同士の間を通過する気流Y3に強制的に縦渦100を生成できるため、負圧面上で生じる剥離渦を抑制する効果が高い。
実施の形態2.
図17は、実施の形態2に係る遠心送風機の断面図である。実施の形態1に係る遠心送風機1は、ベルマウス5を一つ備えた片吸込型であったが、実施の形態2に係る遠心送風機501は、ベルマウス5を二つ備えた両吸込型である点で実施の形態1に係る遠心送風機1と相違する。実施の形態1に係る遠心送風機1と共通する部分には同じ符号を付し、重複する説明は省略する。
図17は、実施の形態2に係る遠心送風機の断面図である。実施の形態1に係る遠心送風機1は、ベルマウス5を一つ備えた片吸込型であったが、実施の形態2に係る遠心送風機501は、ベルマウス5を二つ備えた両吸込型である点で実施の形態1に係る遠心送風機1と相違する。実施の形態1に係る遠心送風機1と共通する部分には同じ符号を付し、重複する説明は省略する。
両吸込型である実施の形態2に係る遠心送風機501においても、羽根車3のブレード31の前縁3aのうち縦渦生成部3cが階段状になっていることで、実施の形態1に係る遠心送風機1と同様に負圧面の剥離を防止でき、低騒音化が期待できる。
以上の実施の形態に示した構成は、内容の一例を示すものであり、別の公知の技術と組み合わせることも可能であるし、要旨を逸脱しない範囲で、構成の一部を省略、変更することも可能である。
1,201,301,401,501 遠心送風機、2 回転軸、3 羽根車、3a 前縁、3b 後縁、3c 縦渦生成部、3d 翼端、3e 主板、3f 踏面、3g 蹴上、3j テーパ部、4 吸込口、5 ベルマウス、6 スクロールケーシング、6a 吹出口、6b ディフューザ、8 ハブ、9 駆動モータ、10 シャフト、31 ブレード、61 側面壁、100 縦渦。
Claims (4)
- 羽根車と、前記羽根車を収容するスクロールケーシングとを備え、
前記羽根車は、円盤状の主板と、前記主板の周縁部に環状に配設され、前記主板に垂直な方向に延びる複数のブレードとを備え、
複数の前記ブレードの各々は、前記主板の中心側の端部である前縁に、前記ブレード同士の間を通過する気流に縦渦を形成する縦渦生成部が、前記主板に垂直な方向において前記ブレードの中間部から翼端側にかけて部分的に設けられており、
前記縦渦生成部は、前記主板に平行な踏面と、前記主板に垂直な蹴上とを備え、
前記前縁のうち前記縦渦生成部は、階段状であり、
前記スクロールケーシングは、吸込口にベルマウスが設けられており、
前記主板に平行な面へ前記羽根車を投影した像における前記ブレードの前記前縁の最小の内径である最小ブレード内径は、前記ベルマウスの吸込口の直径よりも小さく、
前記主板に平行な面へ前記羽根車を投影した像における前記ブレードの前記前縁の前記縦渦生成部における最大の内径は、前記ベルマウスの吸込口の直径よりも大きいことを特徴とする遠心送風機。 - 羽根車と、前記羽根車を収容するスクロールケーシングとを備え、
前記羽根車は、円盤状の主板と、前記主板の周縁部に環状に配設され、前記主板に垂直な方向に延びる複数のブレードとを備え、
複数の前記ブレードの各々は、前記主板の中心側の端部である前縁に、前記ブレード同士の間を通過する気流に縦渦を形成する縦渦生成部が、前記主板に垂直な方向において前記ブレードの中間部から翼端側にかけて部分的に設けられており、
前記縦渦生成部は、前記主板に平行な踏面と、前記主板に垂直な蹴上とを備え、
前記前縁のうち前記縦渦生成部は、階段状であり、
前記スクロールケーシングは、吸込口にベルマウスが設けられており、
前記主板に平行な面へ前記羽根車を投影した像における前記ブレードの前記前縁の前記縦渦生成部における最大の内径は、前記ベルマウスの吸込口の直径よりも大きいことを特徴とする遠心送風機。 - 前記縦渦生成部は、前記主板に垂直な方向において、前記主板から前記ブレードの高さの60%の位置から前記翼端までの間の部分のみに設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載の遠心送風機。
- 前記主板に垂直な方向において、前記主板から前記ブレードの高さの60%の位置から90%の間の部分に、前記縦渦生成部が少なくとも一つ設けられていることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の遠心送風機。
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