JP2024068385A - 高周波モジュールおよび通信装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】共振回路の部品点数が削減された高周波モジュールを提供する。【解決手段】高周波モジュール1は、増幅器11および12と、一次コイル21および二次コイル22を有するトランス20と、アンテナ接続端子100と、二次コイル22の一端とアンテナ接続端子100との間に直列配置されたインダクタ31と、二次コイル22の一端とインダクタ31とを結ぶ経路とグランドとの間に接続されたキャパシタ42と、を備え、一次コイル21の一端は増幅器11の出力端に接続され、一次コイル21の他端は増幅器12の出力端に接続され、二次コイル22の他端はグランドに接続され、二次コイル22とインダクタ31とは磁界結合している。【選択図】図1

Description

本発明は、高周波モジュールおよび通信装置に関する。
特許文献1には、増幅器と、当該増幅器から出力された信号を平衡信号から不平衡信号に変換するトランスと、トランスに接続されたフィルタと、を備える半導体装置が開示されている。トランスの不平衡側インダクタとフィルタの共振回路を構成するインダクタとが相互インダクタンスで結合されることで当該共振回路のQ値を高くできるとしている。
特開2016-158053号公報
しかしながら、特許文献1に開示された半導体装置では、共振回路の減衰特性を向上させるにあたり、共振回路を構成するインダクタなどの部品点数を削減することは不可能である。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、共振回路の部品点数が削減された高周波モジュールおよび通信装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の一態様に係る高周波モジュールは、第1増幅器および第2増幅器と、一次コイルおよび二次コイルを有するトランスと、出力端子と、二次コイルの一端と出力端子との間に直列配置された第1インダクタと、上記一端と第1インダクタとを結ぶ経路とグランドとの間に接続された第1キャパシタと、を備え、一次コイルの一端は第1増幅器の出力端に接続され、一次コイルの他端は第2増幅器の出力端に接続され、二次コイルの他端はグランドに接続され、二次コイルと第1インダクタとは磁界結合している。
また、本発明の一態様に係る高周波モジュールは、第1増幅器および第2増幅器と、一次コイルおよび二次コイルを有するトランスと、出力端子と、二次コイルの一端と出力端子との間に直列配置された第1インダクタと、上記一端と第1インダクタとを結ぶ経路とグランドとの間に接続された第1キャパシタと、を備え、一次コイルの一端は第1増幅器の出力端に接続され、一次コイルの他端は第2増幅器の出力端に接続され、二次コイルの他端はグランドに接続され、二次コイルと第1インダクタとは隣接配置され、二次コイルの巻回軸方向から第1インダクタを見た場合、二次コイルと第1インダクタとは少なくとも一部重なっており、第1インダクタの巻回軸方向から二次コイルを見た場合、第1インダクタと二次コイルとは少なくとも一部重なっている。
また、本発明の一態様に係る高周波モジュールは、第1増幅器および第2増幅器と、出力端子と、互いに直列接続された第1インダクタおよび第1キャパシタを有する第1LC直列回路と、互いに直列接続された第2インダクタおよび第2キャパシタを有する第2LC直列回路と、第3インダクタおよび第3キャパシタを含む第1整合回路と、第4インダクタおよび第4キャパシタを含む第2整合回路と、を備え、第1LC直列回路は、第1増幅器の出力端と出力端子とを結ぶ第1経路とグランドとの間に接続され、第2LC直列回路は、第2増幅器の出力端と出力端子とを結ぶ第2経路とグランドとの間に接続され、第1整合回路は第1経路に接続され、第2整合回路は第2経路に接続され、第1インダクタと第2インダクタとは磁界結合している。
本発明によれば、共振回路の部品点数が削減された高周波モジュールおよび通信装置を提供することが可能となる。
実施の形態1に係る高周波モジュールおよび通信装置の回路構成図である。 実施の形態1に係る高周波モジュールの等価回路を示す回路構成図である。 実施の形態1および比較例に係る高周波モジュールの通過特性を表すグラフである。 実施の形態1に係る高周波モジュールの平面概略図である。 比較例に係る高周波モジュールの平面概略図である。 実施の形態1に係る高周波モジュールの断面概略図である。 実施の形態1の変形例1に係る高周波モジュールの断面概略図である。 実施の形態1の変形例2に係る高周波モジュールの断面概略図である。 実施の形態1の変形例3に係る高周波モジュールの断面概略図である。 実施の形態2に係る高周波モジュールおよび通信装置の回路構成図である。 実施の形態2および比較例に係る高周波モジュールの通過特性を表すグラフである。 実施の形態2および比較例に係る高周波モジュールの通過特性を表すグラフである。 実施の形態2に係る高周波モジュールの平面概略図である。 実施の形態2の変形例に係る高周波モジュールおよび通信装置の回路構成図である。 実施の形態2の変形例に係る高周波モジュールの平面概略図である。
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも包括的または具体的な例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置および接続形態等は、一例であり、本発明を限定する主旨ではない。以下の実施例および変形例における構成要素のうち、独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。また、図面に示される構成要素の大きさまたは大きさの比は、必ずしも厳密ではない。各図において、実質的に同一の構成については同一の符号を付し、重複する説明は省略または簡略化する場合がある。
また、本開示において、平行および垂直等の要素間の関係性を示す用語、および、矩形状等の要素の形状を示す用語、ならびに、数値範囲は、厳格な意味のみを表すのではなく、実質的に同等な範囲、例えば数%程度の差異をも含むことを意味する。
また、本開示において、「接続される」とは、接続端子および/または配線導体で直接接続される場合だけでなく、他の回路素子を介して電気的に接続される場合も含むことを意味する。また、「AとBとの間に接続される」、「AおよびBの間に接続される」とは、AおよびBを結ぶ経路上でAおよびBと接続されることを意味する。
また、本開示において、基板の平面視とは、基板および基板に実装された回路素子を基板の主面に平行な平面に正投影して見ることを意味する。
また、本開示の部品配置において、「部品が基板に配置される」とは、部品が基板の主面上に配置されること、および、部品が基板内に配置されることを含む。「部品が基板の主面上に配置される」とは、部品が基板の主面に接触して配置されることに加えて、部品が主面と接触せずに当該主面の上方に配置されること(例えば、部品が主面と接触して配置された他の部品上に積層されること)を含む。また、「部品が基板の主面上に配置される」は、主面に形成された凹部に部品が配置されることを含んでもよい。「部品が基板内に配置される」とは、部品がモジュール基板内にカプセル化されることに加えて、部品の全部が基板の両主面の間に配置されているが部品の一部が基板に覆われていないこと、および、部品の一部のみが基板内に配置されていることを含む。
また、本開示において、「経路」とは、高周波信号が伝搬する配線、当該配線に直接接続された電極、および当該配線または当該電極に直接接続された端子等で構成された伝送線路であることを意味する。
また、本開示において、「部品Aが経路Bに直列配置される」とは、部品Aの信号入力端および信号出力端の双方が、経路Bを構成する配線、電極、または端子に接続されていることを意味する。
また、本開示の部品配置において、回路素子A(または配線A)と回路素子B(または配線B)とが隣接配置されている(または隣り合っている)とは、回路素子A(または配線A)と回路素子B(または配線B)との間に、他の回路素子(および配線)が配置されていないことを意味する。
(実施の形態1)
[1.高周波モジュールおよび通信装置の構成]
本実施の形態に係る高周波モジュール1および通信装置4の回路構成について、図1を参照しながら説明する。図1は、実施の形態1に係る高周波モジュール1および通信装置4の回路構成図である。
[1.1 通信装置4の回路構成]
まず、通信装置4の回路構成について説明する。図1に示すように、本実施の形態に係る通信装置4は、高周波モジュール1と、アンテナ2と、RF信号処理回路(RFIC:Radio Frequency Integrated Circuit)3と、を備える。
高周波モジュール1は、アンテナ2とRFIC3との間で高周波信号を伝送する。高周波モジュール1の詳細な回路構成については後述する。
アンテナ2は、高周波モジュール1のアンテナ接続端子100に接続され、高周波モジュール1から出力された高周波信号を送信する。なお、アンテナ2は、外部から高周波信号を受信して高周波モジュール1へ出力してもよい。
RFIC3は、高周波信号を処理する信号処理回路の一例である。具体的には、RFIC3は、ベースバンド信号処理回路(BBIC、図示せず)から入力された送信信号をアップコンバート等により信号処理し、当該信号処理して生成された送信信号を、高周波モジュール1の送信経路に出力する。なお、RFIC3は、高周波モジュール1の受信経路を介して入力された受信信号をダウンコンバート等により信号処理し、当該信号処理して生成された受信信号をBBICへ出力してもよい。
また、RFIC3は、高周波モジュール1が有する各増幅器に供給される電源電圧およびバイアス電圧(電流)を制御する制御部としての機能も有する。なお、RFIC3の制御部としての機能の一部または全部は、RFIC3の外部に実装されてもよく、例えば、BBICまたは高周波モジュール1に実装されてもよい。
なお、本実施の形態に係る通信装置4において、アンテナ2は、必須の構成要素ではない。
[1.2 高周波モジュール1の回路構成]
次に、高周波モジュール1の回路構成について説明する。図1に示すように、高周波モジュール1は、増幅器11および12と、トランス20と、インダクタ31と、キャパシタ42と、アンテナ接続端子100と、信号入力端子110および120と、を備える。
アンテナ接続端子100は、出力端子の一例であり、インダクタ31およびアンテナ2に接続されている。信号入力端子110は、RFIC3および増幅器11に接続されている。信号入力端子120は、RFIC3および増幅器12に接続されている。
増幅器11は、第1増幅器の一例であり、その入力端が信号入力端子110に接続され、その出力端がトランス20に接続され、信号入力端子110から入力された高周波送信信号(以下、送信信号と記す。)を増幅する。本実施の形態では、増幅器11は電力増幅器である。
増幅器12は、第2増幅器の一例であり、その入力端が信号入力端子120に接続され、その出力端がトランス20に接続され、信号入力端子120から入力された送信信号を増幅する。本実施の形態では、増幅器12は電力増幅器である。
増幅器11および12のそれぞれは、増幅トランジスタを有する。上記増幅トランジスタは、例えば、ヘテロ接合バイポーラトランジスタ(HBT:Heterojunction Bipolar Transistor)等のバイポーラトランジスタ、または、MOSFET(Metal-Oxide-Semiconductor Field Effect Transistor)等の電界効果トランジスタである。
トランス20は、トランスフォーマの一例であり、一次コイル21および二次コイル22を有する。一次コイル21と二次コイル22とは、磁界結合している。一次コイル21は、その一端が増幅器11の出力端に接続され、その他端が増幅器12の出力端に接続されている。二次コイル22は、その一端がインダクタ31を介してアンテナ接続端子100に接続され、その他端がグランドに接続されている。上記構成により、トランス20は、増幅器11から出力された第1平衡信号および増幅器12から出力された第2平衡信号を電力合成して非平衡信号に変換する。
つまり、増幅器11および12は、差動増幅型の電力増幅回路を構成している。なお、増幅器11および12は、ドハティ型の電力増幅回路を構成してもよい。
インダクタ31は、第1インダクタの一例であり、二次コイル22の一端とアンテナ接続端子100との間に直列配置されている。具体的には、インダクタ31は、その一端が二次コイル22の一端に接続され、その他端がアンテナ接続端子100に接続されている。なお、インダクタ31は、チップ状の表面実装型部品であってもよく、また、モジュール基板に形成された平面コイルであってもよい。
インダクタ31は、トランス20とアンテナ2またはアンテナ接続端子100に接続された回路部品とのインピーダンス整合をとるための素子である。
キャパシタ42は、第1キャパシタの一例であり、二次コイル22の一端とインダクタ31とを結ぶ経路とグランドとの間に接続されている。具体的には、キャパシタ42は、その一端が二次コイル22の一端とインダクタ31とを結ぶ経路上のノードn1に接続され、その他端がグランドに接続されている。なお、キャパシタ42は、チップ状の表面実装型部品であってもよく、また、モジュール基板に形成された平面電極で構成されていてもよい。
上記構成において、インダクタ31と二次コイル22とは磁界結合している。
なお、ノードn1とキャパシタ42との間、および、キャパシタ42とグランドとの間には、インダクタは接続されていない。
また、高周波モジュール1は、インダクタ31とアンテナ接続端子100との間に接続されたフィルタを備えてもよい。この場合には、インダクタ31は、トランス20とフィルタとのインピーダンス整合をとる。
図2は、実施の形態1に係る高周波モジュール1の等価回路を示す回路構成図である。同図に示された等価回路は、図1に示された高周波モジュール1の実際の回路と比較して相互インダクタンス成分32が、ノードn1とキャパシタ42との間に発生している点が異なる。
二次コイル22とインダクタ31とが磁界結合すると、二次コイル22とインダクタ31との間に配置されたノードn1とキャパシタ42との間に相互インダクタンス成分32が新たに生成される。相互インダクタンス成分32がノードn1に付加されることで、キャパシタ42には相互インダクタンス成分32が直列付加されることとなり、キャパシタ42は、ノードn1とグランドとの間に接続されたLC直列共振回路30を構成することとなる。
LC直列共振回路30は、相互インダクタンス成分32のインダクタンス値とキャパシタ42のキャパシタンス値で規定される共振周波数においてインピーダンスが極小となる。これにより、二次コイル22の一端からアンテナ接続端子100へと伝送する高周波信号の通過特性において、上記共振周波数に減衰極を形成できる。よって、高周波モジュール1を伝送する高周波信号の所定の周波数帯を減衰させることが可能となる。
なお、インダクタ31と二次コイル22とは、逆相で磁界結合していることが望ましい。なお、2つのインダクタが逆相で磁界結合しているとは、インダクタ内部を貫く磁束方向が逆向きとなっていることを指す。なお、磁束方向が逆向きであるとは、磁束方向を表す磁束ベクトルのなす角度が、180°±45°の範囲にあると定義される。
図3は、実施の形態1および比較例に係る高周波モジュールの通過特性を表すグラフである。同図には、本実施の形態に係る高周波モジュール1の二次コイル22の一端-アンテナ接続端子100の通過特性(結合係数:-0.5)、ならびに、比較例に係る高周波モジュールの二次コイル22の一端-アンテナ接続端子100の通過特性(結合係数:+0.5および結合係数:0)が示されている。
なお、比較例に係る高周波モジュールは、本実施の形態に係る高周波モジュール1と比較して、回路接続構成は同じであるが、二次コイル22とインダクタ31との磁界結合係数のみが異なる。
比較例に係る高周波モジュール(結合係数:+0.5および結合係数:0)では、周波数1~8GHzにおいて、減衰極が形成されていない。
これに対して、実施の形態に係る高周波モジュール1(結合係数:-0.5)では、周波数5GHz付近において、LC直列共振回路30の共振周波数に対応した減衰極が形成されている。
これによれば、LC直列共振回路30のインダクタを配置せず、信号合成のために配置されている二次コイル22およびインピーダンス整合のために配置されているインダクタ31を利用して、LC直列共振回路30を形成している。よって、LC直列共振回路30の部品点数を削減できる。
なお、ノードn1とグランドとの間に接続されたLC直列共振回路30を形成するには、ノードn1およびグランドの間に接続されたインダクタ(二次コイル22)とノードn1およびアンテナ接続端子100の間に直列配置されたインダクタ31との磁界結合が必要となる。
よって、(1)インダクタ31が二次コイル22の一端およびアンテナ接続端子100を結ぶ経路上のノードとグランドとの間に接続(シャント接続)された構成、(2)キャパシタ42がインダクタ31およびアンテナ接続端子100を結ぶ経路とグランドとの間に接続された構成、(3)キャパシタ42がインダクタ31およびアンテナ接続端子100を結ぶ経路に直列配置された構成、の場合には、二次コイル22の一端およびアンテナ接続端子100を結ぶ経路上のノードとグランドとの間にLC直列共振回路30は形成されない。
なお、本実施の形態に係る高周波モジュール1は、受信信号を伝送するモジュールであってもよい。この場合には、増幅器11および12のそれぞれは低雑音増幅器となる。また、信号入力端子110および120はアンテナに接続され、アンテナ接続端子100は、RFIC3に接続される。
[1.3 高周波モジュール1の部品配置構成]
次に、高周波モジュール1の部品配置構成について説明する。
図4Aは、実施の形態1に係る高周波モジュール1の平面概略図である。図4Bは、比較例に係る高周波モジュール500の平面概略図である。図5Aは、実施の形態1に係る高周波モジュール1の断面概略図である。図5Aは、図4AのVA-VA線における断面である。
なお、比較例に係る高周波モジュール500は、実施の形態1に係る高周波モジュール1と比較して、(1)相互インダクタンス成分32のインダクタンス値を有するインダクタ(図4Bではインダクタ32と記載)がノードn1とキャパシタ42との間に実際に接続配置されている点、および(2)インダクタ31と二次コイル22とが磁界結合していない点、が異なる。
図4Bに示すように、比較例に係る高周波モジュール500では、モジュール基板90の主面上にインダクタ31および32、ならびにキャパシタ42が配置されている。また、二次コイル22は、モジュール基板90に形成された平面コイルで構成されている。二次コイル22は、他の回路部品と磁界結合しないので、二次コイル22と、インダクタ31および32、ならびにキャパシタ42とは、モジュール基板90の主面を平面視した場合に重なっていない。
これに対して、図4Aに示すように、本実施の形態に係る高周波モジュール1では、モジュール基板90の主面上にインダクタ31およびキャパシタ42が配置されている。また、LC直列共振回路30を構成する相互インダクタンス成分32は回路部品という形態で配置されていない。また、図5Aに示すように、二次コイル22はモジュール基板90に形成された平面コイルで構成され、インダクタ31はモジュール基板90に配置された表面実装型のチップ状インダクタである。また、モジュール基板90の表面側には樹脂部材91が配置され、裏面側には樹脂部材92が配置されている。また、モジュール基板90の裏面側には、外部接続端子150が配置されており、樹脂部材91、92およびモジュール基板90の側面を覆うようにシールド電極層95が配置されている。なお、樹脂部材91および92、外部接続端子150、ならびにシールド電極層95は、高周波モジュール1に必須の構成要素ではない。
さらに、本実施の形態に係る高周波モジュール1では、二次コイル22の巻回軸方向(z軸方向)からインダクタ31を見た場合、二次コイル22(の形成領域)とインダクタ31とは少なくとも一部重なっており、インダクタ31の巻回軸方向(z軸方向)から二次コイル22を見た場合、インダクタ31と二次コイル22(の形成領域)とは少なくとも一部重なっている。言い換えると、インダクタ31の内部を貫く磁束方向(z軸負方向)と二次コイル22の内方を貫く磁束方向(z軸正方向)とは略平行であり、モジュール基板90を平面視した場合、インダクタ31は二次コイル22の形成領域と重なっている。
なお、インダクタおよび二次コイルの巻回軸とは、次のように定義される。インダクタまたは二次コイルが平面コイルで構成されている場合には、その巻回軸は、平面コイルを含む平面に垂直であって平面コイルで囲まれた領域と交叉する軸である。また、インダクタまたは二次コイルがチップ状部品ある場合には、その巻回軸は、当該部品の内部に形成されたコイルの巻回軸である。
ここで、モジュール基板90を平面視した場合、インダクタ31が二次コイル22と少なくとも一部重なっているとは、モジュール基板90の平面視において、インダクタ31の中点Mを通る線L1の中点Mで分割された線分の双方が、二次コイル22と交叉することと定義される。なお、インダクタ31の中点Mは、インダクタ31が矩形状を有する場合には2つの対角線の交点であり、インダクタ31が矩形状でない場合は、その重心であると定義される。
本実施の形態に係る高周波モジュール1の上記配置構成によれば、モジュール基板90の平面視において、インダクタ31と二次コイル22の形成領域とが巻回軸方向に重なっているので、インダクタ31と二次コイル22とは磁界結合しつつモジュール基板90を省面積化できる。よって、LC直列共振回路30の部品点数が削減された小型の高周波モジュール1を提供できる。
なお、本発明に係る高周波モジュールにおいて、インダクタ31がチップ状インダクタであり、二次コイル22が平面コイルであることに限定されない。
図5Bは、実施の形態1の変形例1に係る高周波モジュール1Aの断面概略図である。本変形例に係る高周波モジュール1Aは、実施の形態1に係る高周波モジュール1と比較して、インダクタ31および二次コイル22の実装形態が異なる。以下、本変形例に係る高周波モジュール1Aについて、実施の形態1に係る高周波モジュール1と同じ構成については説明を省略し、異なる構成を中心に説明する。
図5Bに示すように、本変形例に係る高周波モジュール1Aでは、モジュール基板90の主面上にトランス20が配置されている。トランス20は、モジュール基板90に配置された表面実装型のチップ状トランスであり、インダクタ31は、モジュール基板90に形成された平面コイルで構成されている。インダクタ31の巻回軸方向(z軸方向)から二次コイル22(トランス20)を見た場合、二次コイル22とインダクタ31とは少なくとも一部重なっており、二次コイル22(トランス20)の巻回軸方向(z軸方向)からインダクタ31を見た場合、インダクタ31と二次コイル22とは少なくとも一部重なっている。言い換えると、インダクタ31の内方を貫く磁束方向(z軸正方向)と二次コイル22の内部を貫く磁束方向(z軸負方向)とは略平行であり、モジュール基板90を平面視した場合、二次コイル22(トランス20)はインダクタ31の形成領域と重なっている。
上記配置構成によれば、モジュール基板90の平面視において、二次コイル22とインダクタ31の形成領域とが巻回軸方向に重なっているので、インダクタ31と二次コイル22とは磁界結合しつつモジュール基板90を省面積化できる。よって、LC直列共振回路30の部品点数が削減された小型の高周波モジュール1Aを提供できる。
図5Cは、実施の形態1の変形例2に係る高周波モジュール1Bの断面概略図である。本変形例に係る高周波モジュール1Bは、実施の形態1に係る高周波モジュール1と比較して、インダクタ31および二次コイル22の実装形態が異なる。以下、本変形例に係る高周波モジュール1Bについて、実施の形態1に係る高周波モジュール1と同じ構成については説明を省略し、異なる構成を中心に説明する。
図5Cに示すように、本変形例に係る高周波モジュール1Bでは、モジュール基板90の主面上にトランス20およびインダクタ31が配置されている。トランス20はモジュール基板90に配置された表面実装型のチップ状トランスであり、インダクタ31はモジュール基板90に配置された表面実装型のチップ状インダクタである。インダクタ31の巻回軸方向(x軸方向)から二次コイル22(トランス20)を見た場合、二次コイル22とインダクタ31とは少なくとも一部重なっており、二次コイル22(トランス20)の巻回軸方向(x軸方向)からインダクタ31を見た場合、インダクタ31と二次コイル22とは少なくとも一部重なっており、インダクタ31およびトランス20は、モジュール基板90上に隣接配置されている。言い換えると、インダクタ31の内部を貫く磁束方向(x軸正方向)と二次コイル22の内部を貫く磁束方向(x軸負方向)とは略平行であり、インダクタ31およびトランス20は、モジュール基板90上に隣接配置されている。
上記配置構成によれば、モジュール基板90の主面に平行な方向(x軸方向)から見た場合、二次コイル22とインダクタ31とが近接配置されつつ巻回軸方向に重なっているので、インダクタ31と二次コイル22とは磁界結合しつつモジュール基板90を省面積化できる。よって、LC直列共振回路30の部品点数が削減された小型の高周波モジュール1Bを提供できる。
図5Dは、実施の形態1の変形例3に係る高周波モジュール1Cの断面概略図である。本変形例に係る高周波モジュール1Cは、実施の形態1に係る高周波モジュール1と比較して、インダクタ31および二次コイル22の実装形態が異なる。以下、本変形例に係る高周波モジュール1Cについて、実施の形態1に係る高周波モジュール1と同じ構成については説明を省略し、異なる構成を中心に説明する。
図5Cに示すように、本変形例に係る高周波モジュール1Cでは、トランス20は、モジュール基板90に形成された平面コイルで構成されており、インダクタ31は、モジュール基板90に形成された平面コイルで構成されている。インダクタ31の巻回軸方向(z軸方向)から二次コイル22(トランス20)を見た場合、二次コイル22とインダクタ31とは少なくとも一部重なっており、二次コイル22(トランス20)の巻回軸方向(z軸方向)からインダクタ31を見た場合、インダクタ31と二次コイル22とは少なくとも一部重なっている。言い換えると、インダクタ31の内方を貫く磁束方向(z軸正方向)と二次コイル22の内方を貫く磁束方向(z軸負方向)とは略平行であり、モジュール基板90を平面視した場合、二次コイル22(トランス20)の形成領域はインダクタ31の形成領域と重なっている。
上記配置構成によれば、モジュール基板90の平面視において、二次コイル22の形成領域とインダクタ31の形成領域とが巻回軸方向に重なっているので、インダクタ31と二次コイル22とは磁界結合しつつモジュール基板90を省面積化できる。よって、LC直列共振回路30の部品点数が削減された小型の高周波モジュール1Cを提供できる。
[1.4 効果など]
以上、本実施の形態に係る高周波モジュール1は、増幅器11および12と、一次コイル21および二次コイル22を有するトランス20と、アンテナ接続端子100と、二次コイル22の一端とアンテナ接続端子100との間に直列配置されたインダクタ31と、二次コイル22の一端とインダクタ31とを結ぶ経路とグランドとの間に接続されたキャパシタ42と、を備え、一次コイル21の一端は増幅器11の出力端に接続され、一次コイル21の他端は増幅器12の出力端に接続され、二次コイル22の他端はグランドに接続され、二次コイル22とインダクタ31とは磁界結合している。
これによれば、二次コイル22とインダクタ31とが磁界結合することで、二次コイル22とインダクタ31との間に配置されたノードn1とキャパシタ42との間に相互インダクタンス成分32が新たに生成される。インダクタンス成分32がノードn1に付加されることで、キャパシタ42にはインダクタンス成分32が直列付加されることとなり、キャパシタ42は、ノードn1とグランドとの間に接続されたLC直列共振回路30を構成することとなる。LC直列共振回路30は、その共振周波数においてインピーダンスが極小となるため、二次コイル22の一端からアンテナ接続端子100へと伝送する高周波信号の通過特性において、上記共振周波数に減衰極を形成できる。これにより、高周波モジュール1を伝送する高周波信号の所定の周波数帯を減衰させることが可能となる。このとき、LC直列共振回路30のインダクタを配置せず、信号合成のために配置されている二次コイル22およびインピーダンス整合のために配置されているインダクタ31を利用して、LC直列共振回路30を形成できるので、LC直列共振回路30の部品点数が削減された高周波モジュール1を提供できる。
また例えば、本実施の形態に係る高周波モジュール1は、増幅器11および12と、一次コイル21および二次コイル22を有するトランス20と、アンテナ接続端子100と、二次コイル22の一端とアンテナ接続端子100との間に直列配置されたインダクタ31と、二次コイル22の一端とインダクタ31とを結ぶ経路とグランドとの間に接続されたキャパシタ42と、を備え、一次コイル21の一端は増幅器11の出力端に接続され、一次コイル21の他端は増幅器12の出力端に接続され、二次コイル22の他端はグランドに接続され、二次コイル22とインダクタ31とは隣接配置され、二次コイル22の巻回軸方向からインダクタ31を見た場合、二次コイル22とインダクタ31とは少なくとも一部重なっており、インダクタ31の巻回軸方向から二次コイル22を見た場合、インダクタ31と二次コイル22とは少なくとも一部重なっている。
これによれば、二次コイル22とインダクタ31とが磁界結合する。これにより、二次コイル22とインダクタ31との間に配置されたノードn1とキャパシタ42との間にインダクタンス成分32が新たに生成される。インダクタンス成分32がノードn1に付加されることで、キャパシタ42にはインダクタンス成分32が直列付加されることとなり、キャパシタ42は、ノードn1とグランドとの間に接続されたLC直列共振回路30を構成することとなる。このとき、LC直列共振回路30のインダクタを配置せず、信号合成のために配置されている二次コイル22およびインピーダンス整合のために配置されているインダクタ31を利用して、LC直列共振回路30を形成できるので、LC直列共振回路30の部品点数が削減された高周波モジュール1を提供できる。
また例えば、高周波モジュール1において、キャパシタ42は上記経路上のノードn1に接続され、ノードn1とキャパシタ42との間、および、キャパシタ42とグランドとの間には、インダクタが接続されていない。
これによれば、磁界結合により生成されたインダクタンス成分32は、回路上実在するインダクタのインダクタンス成分ではないので、LC直列共振回路30の部品点数を削減できる。
また例えば、高周波モジュール1において、二次コイル22とインダクタ31とは、逆相で磁界結合している。
これにより、LC直列共振回路30の共振周波数において減衰極を形成できる。
また例えば、高周波モジュール1において、二次コイル22の一端からアンテナ接続端子100までの高周波信号の通過特性において、二次コイル22およびインダクタ31の磁界結合によって生成される相互インダクタンス成分32とキャパシタ42とで発生するLC直列共振に対応した減衰極が形成される。
これによれば、LC直列共振回路30の部品点数を削減できる。
また例えば、高周波モジュール1は、さらに、モジュール基板90を備え、二次コイル22はモジュール基板90に形成された平面コイルであり、インダクタ31はモジュール基板90に配置されたチップ状インダクタである。
これによれば、二次コイル22とインダクタ31とが磁界結合する。
また例えば、高周波モジュール1Dにおいて、インダクタ31はモジュール基板90に形成された平面コイルであり、トランス20はモジュール基板90に形成された平面コイルであ。
これによれば、二次コイル22とインダクタ31とが磁界結合する。
また例えば、本実施の形態の変形例1に係る高周波モジュール1Aにおいて、インダクタ31はモジュール基板90に形成された平面コイルであり、トランス20はモジュール基板90に配置されたチップ状トランスである。
これによれば、二次コイル22とインダクタ31とが磁界結合する。
また例えば、本実施の形態の変形例2に係る高周波モジュール1Bにおいて、インダクタ31はモジュール基板90に形成されたチップ状インダクタであり、トランス20はモジュール基板90に配置されたチップ状トランスであり、インダクタ31およびトランス20は、モジュール基板90上に隣接配置されている。
これによれば、二次コイル22とインダクタ31とが磁界結合する。
また、本実施の形態に係る通信装置4は、高周波信号を処理するRFIC3と、RFIC3とアンテナ2との間で高周波信号を伝送する高周波モジュール1と、を備える。
これによれば、高周波モジュール1の効果を通信装置4で実現することができる。
(実施の形態2)
[2.高周波モジュールおよび通信装置の構成]
本実施の形態に係る高周波モジュール5および通信装置6の回路構成について、図6を参照しながら説明する。図6は、実施の形態2に係る高周波モジュール5および通信装置6の回路構成図である。
[2.1 通信装置6の回路構成]
まず、通信装置6の回路構成について説明する。図6に示すように、本実施の形態に係る通信装置6は、高周波モジュール5と、アンテナ2と、RFIC3と、を備える。
高周波モジュール5は、アンテナ2とRFIC3との間で高周波信号を伝送する。高周波モジュール5の詳細な回路構成については後述する。
アンテナ2は、高周波モジュール5のアンテナ接続端子100に接続され、高周波モジュール5から出力された高周波信号を送信する。なお、アンテナ2は、外部から高周波信号を受信して高周波モジュール5へ出力してもよい。
RFIC3は、高周波信号を処理する信号処理回路の一例である。具体的には、RFIC3は、ベースバンド信号処理回路(BBIC、図示せず)から入力された送信信号をアップコンバート等により信号処理し、当該信号処理して生成された送信信号を、高周波モジュール5の送信経路に出力する。なお、RFIC3は、高周波モジュール5の受信経路を介して入力された受信信号をダウンコンバート等により信号処理し、当該信号処理して生成された受信信号をBBICへ出力してもよい。
また、RFIC3は、高周波モジュール5が有する各増幅器に供給される電源電圧およびバイアス電圧(電流)を制御する制御部としての機能も有する。また、RFIC3は、使用されるバンド(周波数帯域)に基づいて、高周波モジュール5が有するスイッチ51および52の接続を制御する制御部としての機能も有する。なお、RFIC3の制御部としての機能の一部または全部は、RFIC3の外部に実装されてもよく、例えば、BBICまたは高周波モジュール5に実装されてもよい。
なお、本実施の形態に係る通信装置6において、アンテナ2は、必須の構成要素ではない。
[2.2 高周波モジュール5の回路構成]
次に、高周波モジュール5の回路構成について説明する。図6に示すように、高周波モジュール5は、増幅器13および14と、インダクタ23、24、33および34と、キャパシタ43、44、45、46、47および48と、フィルタ61、62、63および64と、スイッチ51および52と、アンテナ接続端子100と、信号入力端子110および120と、を備える。
アンテナ接続端子100は、出力端子の一例であり、スイッチ51を介してフィルタ61~64に接続されている。信号入力端子110は、RFIC3および増幅器13に接続されている。信号入力端子120は、RFIC3および増幅器14に接続されている。
増幅器13は、第1増幅器の一例であり、入力端が信号入力端子110に接続され、出力端がキャパシタ43、インダクタ33およびスイッチ52を介してフィルタ61~63に接続され、信号入力端子110から入力された第1周波数帯域群の送信信号を増幅する。本実施の形態では、増幅器13は電力増幅器である。
増幅器14は、第2増幅器の一例であり、入力端が信号入力端子120に接続され、出力端がキャパシタ44およびインダクタ34を介してフィルタ64に接続され、信号入力端子120から入力された第2周波数帯域群の送信信号を増幅する。本実施の形態では、増幅器14は電力増幅器である。
増幅器13および14のそれぞれは、増幅トランジスタを有する。上記増幅トランジスタは、例えば、HBT等のバイポーラトランジスタ、または、MOSFET等の電界効果トランジスタである。
なお、第1周波数帯域群は、例えば、ミッドバンド群(1427-2200MHz)であり、第2周波数帯域群は、例えば、ハイバンド群(2300-2690MHz)である。
キャパシタ43は、増幅器13の出力端とスイッチ51とを結ぶ送信経路71に直列配置されており、増幅器13に供給される直流電流を送信経路71に流さないための回路部品である。キャパシタ44は、増幅器14の出力端とスイッチ51とを結ぶ送信経路72に直列配置されており、増幅器14に供給される直流電流を送信経路72に流さないための回路部品である。
キャパシタ45は、第3キャパシタの一例であり、送信経路71のうちのキャパシタ43およびインダクタ33の間のノードn1とグランドとの間に接続されている。キャパシタ46は、第4キャパシタの一例であり、送信経路72のうちのキャパシタ44およびインダクタ34の間のノードn3とグランドとの間に接続されている。
インダクタ33は、第3インダクタの一例であり、送信経路71のうちのキャパシタ43およびスイッチ52の間の経路に直列配置されている。インダクタ34は、第4インダクタの一例であり、送信経路72のうちのキャパシタ44およびフィルタ64の間の経路に直列配置されている。
インダクタ33およびキャパシタ45は、第1整合回路を構成している。第1整合回路は、送信経路71に接続され、増幅器13とフィルタ61~63とのインピーダンス整合をとる。
インダクタ34およびキャパシタ46は、第2整合回路を構成している。第2整合回路は、送信経路72に接続され、増幅器14とフィルタ64とのインピーダンス整合をとる。
なお、第1整合回路は、インダクタ33が送信経路71に直列配置され、キャパシタ45がシャント接続された構成に限定されない。第1整合回路は、少なくとも1つのインダクタおよび少なくとも1つのキャパシタを備え、送信経路71に接続されていればよい。また、第2整合回路は、インダクタ34が送信経路72に直列配置され、キャパシタ46がシャント接続された構成に限定されない。第2整合回路は、少なくとも1つのインダクタおよび少なくとも1つのキャパシタを備え、送信経路72に接続されていればよい。
インダクタ24は、第1インダクタの一例であり、送信経路71上のインダクタ33およびスイッチ52の間のノードn2(第1ノード)とグランドとの間に接続されている。キャパシタ48は、第1キャパシタの一例であり、ノードn2とグランドとの間に接続されている。インダクタ24とキャパシタ48とは、互いに直列接続され、第1LC直列共振回路を構成している。つまり、第1LC直列共振回路は、送信経路71とグランドとの間に接続されている。第1LC直列共振回路の共振特性により、送信経路71の通過特性において、第1周波数帯域群よりも低周波側の帯域に減衰極を形成することが可能である。
インダクタ23は、第2インダクタの一例であり、送信経路72上のインダクタ34およびフィルタ64の間のノードn4(第2ノード)とグランドとの間に接続されている。キャパシタ47は、第2キャパシタの一例であり、ノードn4とグランドとの間に接続されている。インダクタ23とキャパシタ47とは、互いに直列接続され、第2LC直列共振回路を構成している。つまり、第2LC直列共振回路は、送信経路72とグランドとの間に接続されている。第2LC直列共振回路の共振特性により、送信経路72の通過特性において、第2周波数帯域群よりも低周波側の帯域に減衰極を形成することが可能である。
上記構成において、インダクタ23とインダクタ24とは磁界結合している。
フィルタ61は、スイッチ51および52の間に接続され、第1周波数帯域群に属するバンドAを通過帯域に含む。フィルタ62は、スイッチ51および52の間に接続され、第1周波数帯域群に属するバンドBを通過帯域に含む。フィルタ63は、スイッチ51および52の間に接続され、第1周波数帯域群に属するバンドCを通過帯域に含む。フィルタ64は、スイッチ51およびノードn4の間に接続され、第2周波数帯域群に属するバンドDを通過帯域に含む。
なお、本実施の形態において、バンドA~バンドDのそれぞれは、無線アクセス技術(RAT:Radio Access Technology)を用いて構築される通信システムのために、標準化団体など(例えば3GPP(登録商標)(3rd Generation Partnership Project)、IEEE(Institute of Electrical and Electronics Engineers)等)によって予め定義された周波数バンドを意味する。本実施の形態では、通信システムとしては、例えば4G(4th Generation)-LTE(Long Term Evolution)システム、5G(5th Generation)-NR(New Radio)システム、およびWLAN(Wireless Local Area Network)システム等を用いることができるが、これらに限定されない。
スイッチ52は、インダクタ33とフィルタ61~63との間に接続され、増幅器13とフィルタ61~63のいずれかとの接続を切り替える。スイッチ51は、フィルタ61~64とアンテナ接続端子100との間に接続され、フィルタ61~64の少なくとも1つとアンテナ接続端子100との接続を切り替える。
なお、本実施の形態に係る高周波モジュール5は、キャパシタ43および44、スイッチ51および52、ならびにフィルタ61~64の少なくとも1つを備えなくてもよい。
図7Aおよび図7Bは、実施の形態2および比較例に係る高周波モジュールの通過特性を表すグラフである。図7Aには、送信経路72のノードn3-ノードn4間の通過特性が示されており、図7Bには、送信経路71のノードn1-ノードn2間の通過特性が示されている。
なお、比較例に係る高周波モジュールは、本実施の形態に係る高周波モジュール5と比較して、回路接続構成は同じであるが、インダクタ23とインダクタ24とが磁界結合していない点のみが異なる。
まず、図7Aにおいて、比較例に係る高周波モジュール(磁界結合なし)では、ノードn3-ノードn4間の通過特性において、第2周波数帯域群(2300-2690MHz)の低周波側の帯域(1.6-1.8GHz)において減衰極が形成されている。これは、第2LC直列共振回路の共振特性に起因するものであり、上記減衰極の周波数は、第2LC直列共振回路の共振周波数に相当する。
これに対して、本実施の形態に係る高周波モジュール5(磁界結合あり)では、ノードn3-ノードn4間の通過特性において、第2周波数帯域群の低周波側の帯域(1.5-1.6GHz)において第1減衰極が形成されているとともに、第2周波数帯域群の2倍高調波帯域(5.0-5.1GHz)において第2減衰極が形成されている。第1減衰極は、第2LC直列共振回路の共振特性に起因するものであり、第1減衰極の周波数は、第2LC直列共振回路の共振周波数に相当する。一方、インダクタ23および24の磁界結合により、送信経路72のノードn4とグランドとの間には、インダクタ23、24、33およびキャパシタ45で構成された第3LC直列共振回路が接続されたものとみなされる。第2減衰極は、この第3LC直列共振回路の共振特性に起因するものであり、第2減衰極の周波数は、第3LC直列共振回路の共振周波数に相当する。
つまり、第2減衰極を形成するための第3LC直列共振回路を構成するインダクタおよびキャパシタを新たに配置せずに、インピーダンス整合のために他の送信経路に配置された第1整合回路を利用して、第3LC直列共振回路を形成している。よって、新たな第2減衰極を生成するためのLC共振回路の部品点数を削減できる。
次に、図7Bにおいて、比較例に係る高周波モジュール(磁界結合なし)では、ノードn1-ノードn2間の通過特性において、第1周波数帯域群(1427-2200MHz)の低周波側の帯域(1.3-1.4GHz)において減衰極が形成されている。これは、第1LC直列共振回路の共振特性に起因するものであり、上記減衰極の周波数は、第1LC直列共振回路の共振周波数に相当する。
これに対して、本実施の形態に係る高周波モジュール5(磁界結合あり)では、ノードn1-ノードn2間の通過特性において、第1周波数帯域群の低周波側の帯域(1.3-1.4GHz)において第3減衰極が形成されているとともに、第1周波数帯域群の3倍高調波帯域(5.5-5.6GHz)において第4減衰極が形成されている。第3減衰極は、第1LC直列共振回路の共振特性に起因するものであり、第3減衰極の周波数は、第1LC直列共振回路の共振周波数に相当する。一方、インダクタ23および24の磁界結合により、送信経路71のノードn2とグランドとの間には、インダクタ23、24、34およびキャパシタ46で構成された第4LC直列共振回路が接続されたものとみなされる。第4減衰極は、この第4LC直列共振回路の共振特性に起因するものであり、第4減衰極の周波数は、第4LC直列共振回路の共振周波数に相当する。
つまり、第4減衰極を形成するための第4LC直列共振回路を構成するインダクタおよびキャパシタを新たに配置せずに、インピーダンス整合のために他の送信経路に配置された第2整合回路を利用して、第4LC直列共振回路を形成している。よって、新たな第4減衰極を生成するためのLC共振回路の部品点数を削減できる。
[2.3 高周波モジュール5の部品配置構成]
次に、高周波モジュール5の部品配置構成について説明する。
図8は、実施の形態2に係る高周波モジュール5の平面概略図である。同図に示すように、本実施の形態に係る高周波モジュール5では、モジュール基板90の主面上に、インダクタ23、24、33および34、キャパシタ43~48、増幅器13および14、フィルタ61~64が配置されている。また、これらの回路部品を接続する配線は、モジュール基板90に形成されている。また、高周波モジュール5は、これらの回路部品およびモジュール基板90の側面を覆うように形成されたシールド電極層95を有してもよい。
インダクタ23および24は、モジュール基板90に配置された表面実装型のチップ状インダクタであり、隣接配置されている。さらに、インダクタ23の巻回軸方向(x軸方向)とインダクタ24の巻回軸方向(x軸方向)とは略平行である。言い換えると、インダクタ23の内部を貫く磁束方向(x軸正方向)とインダクタ24の内部を貫く磁束方向(x軸正方向)とは略平行である。
本実施の形態に係る高周波モジュール5の上記配置構成によれば、インダクタ23とインダクタ24とが隣接配置され、巻回軸方向が略平行であるので、インダクタ23とインダクタ24とは磁界結合する。よって、部品点数が削減された小型の高周波モジュール5を提供できる。
なお、インダクタ23および24の少なくとも一方は、モジュール基板90に形成された平面コイルで構成されていてもよい。この場合には、インダクタ23の巻回軸方向からインダクタ24を見た場合、インダクタ23とインダクタ24とは少なくとも一部重なっており、インダクタ24の巻回軸方向からインダクタ23を見た場合、インダクタ24とインダクタ23とは少なくとも一部重なっていることが望ましい。
[2.4 変形例に係る高周波モジュール5Aの回路構成]
次に、変形例に係る高周波モジュール5Aの回路構成について説明する。
図9は、実施の形態2の変形例に係る高周波モジュール5Aおよび通信装置6Aの回路構成図である。同図に示すように、通信装置6Aは、高周波モジュール5Aと、アンテナ2と、RFIC3と、を備える。本変形例に係る通信装置6Aは、実施の形態2に係る通信装置6と比較して、高周波モジュール5Aの構成のみが異なる。よって以下では、高周波モジュール5Aの回路構成について説明する。
高周波モジュール5Aは、増幅器13および14と、インダクタ23、24、25、33および34と、キャパシタ43、44、45、46、47および48と、フィルタ61、62、63および64と、スイッチ51および52と、アンテナ接続端子100と、信号入力端子110および120と、を備える。本変形例に係る高周波モジュール5Aは、実施の形態2に係る高周波モジュール5と比較して、インダクタ25を備える点が異なる。以下では、本変形例に係る高周波モジュール5Aについて、実施の形態2に係る高周波モジュール5と同じ構成については説明を省略し、異なる構成を中心に説明する。
インダクタ25は、第5インダクタの一例であり、インダクタ23とインダクタ24との間に配置され、両端がグランドに接続されている。
これによれば、磁界結合するインダクタ23および24の間にインダクタ25が配置されているので、インダクタ23および24の磁界結合を強化できる。
[2.5 変形例に係る高周波モジュール5Aの部品配置構成]
次に、高周波モジュール5Aの部品配置構成について説明する。
図10は、実施の形態2に係る高周波モジュール5Aの平面概略図である。同図に示すように、本実施の形態に係る高周波モジュール5Aでは、モジュール基板90の主面上に、インダクタ23、24、33および34、キャパシタ43~48、増幅器13および14、フィルタ61~64が配置されている。また、モジュール基板90の主面または内方に、インダクタ25が配置されている。
インダクタ23および24は、モジュール基板90に配置された表面実装型のチップ状インダクタであり、隣接配置されている。また、インダクタ23の巻回軸方向(z軸方向)とインダクタ24の巻回軸方向(z軸方向)とは略平行であり、モジュール基板90の主面と略垂直となっている。言い換えると、インダクタ23の内部を貫く磁束方向(z軸負方向)とインダクタ24の内部を貫く磁束方向(z軸負方向)とは略平行である。
さらに、インダクタ25は、モジュール基板90の主面を平面視した場合、インダクタ23および24に隣接し、インダクタ23および24を囲むように配置された平面コイルであり、グランドに接続されている。
上記配置構成によれば、インダクタ23および24が、インダクタ25を介して磁界結合するので、インダクタ23および24の磁界結合を強化できる。また、インダクタ23および24を近接配置せずともインダクタ25を介して磁界結合を確保できるので、インダクタ23および24の距離を大きくすることが可能となる。
[2.6 効果など]
以上、本実施の形態に係る高周波モジュール5は、増幅器13および14と、アンテナ接続端子100と、互いに直列接続されたインダクタ24およびキャパシタ48を有する第1LC直列回路と、互いに直列接続されたインダクタ23およびキャパシタ47を有する第2LC直列回路と、インダクタ33およびキャパシタ45を含む第1整合回路と、インダクタ34およびキャパシタ46を含む第2整合回路と、を備え、第1LC直列回路は、増幅器13の出力端とアンテナ接続端子100とを結ぶ送信経路71とグランドとの間に接続され、第2LC直列回路は、増幅器14の出力端とアンテナ接続端子100とを結ぶ送信経路72とグランドとの間に接続され、第1整合回路は送信経路71に接続され、第2整合回路は送信経路72に接続され、インダクタ23とインダクタ24とは磁界結合している。
これによれば、送信経路71の通過特性において、第1周波数帯域群の低周波側の帯域において第3減衰極が形成されるとともに、第1周波数帯域群の3倍高調波帯域において第4減衰極が形成される。第3減衰極は、第1LC直列共振回路の共振特性に起因するものである。一方、インダクタ23および24の磁界結合により、送信経路71とグランドとの間には、インダクタ23、24、34およびキャパシタ46で構成された第4LC直列共振回路が接続されたものとみなされる。第4減衰極は、この第4LC直列共振回路の共振特性に起因するものである。つまり、第4減衰極を形成するための第4LC直列共振回路を構成するインダクタおよびキャパシタを新たに配置せずに、インピーダンス整合のために他の送信経路に配置された第2整合回路を利用して、第4LC直列共振回路を形成している。よって、新たな第4減衰極を生成するためのLC共振回路の部品点数を削減できる。
また、送信経路72の通過特性において、第2周波数帯域群の低周波側の帯域において第1減衰極が形成されているとともに、第2周波数帯域群の2倍高調波帯域において第2減衰極が形成されている。第1減衰極は、第2LC直列共振回路の共振特性に起因するものである。一方、インダクタ23および24の磁界結合により、送信経路72とグランドとの間には、インダクタ23、24、33およびキャパシタ45で構成された第3LC直列共振回路が接続されたものとみなされる。第2減衰極は、この第3LC直列共振回路の共振特性に起因するものである。つまり、第2減衰極を形成するための第3LC直列共振回路を構成するインダクタおよびキャパシタを新たに配置せずに、インピーダンス整合のために他の送信経路に配置された第1整合回路を利用して、第3LC直列共振回路を形成している。よって、新たな第2減衰極を生成するためのLC共振回路の部品点数を削減できる。
また例えば、高周波モジュール5において、インダクタ23とインダクタ24とは隣接配置され、インダクタ23の巻回軸とインダクタ24の巻回軸とは平行である。
これによれば、インダクタ23とインダクタ24とが磁界結合する。
また例えば、高周波モジュール5において、インダクタ33は、送信経路71上のノードn2(第1ノード)と増幅器13の出力端との間に直列配置され、キャパシタ45は、増幅器13の出力端とインダクタ33とを結ぶ経路とグランドとの間に接続され、インダクタ34は、送信経路72上のノードn4(第2ノード)と増幅器14の出力端との間に直列配置され、キャパシタ46は、増幅器14の出力端とインダクタ34とを結ぶ経路とグランドとの間に接続される。
これによれば、第4LC直列共振回路は、インダクタ34およびキャパシタ46のLC直列回路を有効に利用でき、第3LC直列共振回路は、インダクタ33およびキャパシタ45のLC直列回路を有効に利用できる。
また例えば、本実施の形態の変形例に係る高周波モジュール5Aは、さらに、インダクタ23とインダクタ24との間に配置され、両端がグランドに接続されたインダクタ25を備える。
これによれば、磁界結合するインダクタ23および24の間にインダクタ25が配置されているので、インダクタ23および24の磁界結合を強化できる。
また例えば、高周波モジュール5Aは、さらに、モジュール基板90を備え、インダクタ23および24のそれぞれは、巻回軸がモジュール基板90の主面と垂直となるように配置され、インダクタ25は、インダクタ23および24に隣接し、モジュール基板90の主面を平面視した場合、インダクタ23および24を囲むようにモジュール基板90に形成されたグランドコイルである。
これによれば、インダクタ23および24が、インダクタ25を介在して磁界結合するので、インダクタ23および24の磁界結合を強化できる。また、インダクタ23および24を近接配置せずとも磁界結合を確保できるので、インダクタ23および24の距離を大きくすることが可能となる。
また、本実施の形態に係る通信装置6は、高周波信号を処理するRFIC3と、RFIC3とアンテナ2との間で高周波信号を伝送する高周波モジュール5と、を備える。
これによれば、高周波モジュール5の効果を通信装置6で実現することができる。
(その他の実施の形態など)
以上、本発明の実施の形態に係る高周波モジュールおよび通信装置について、実施の形態および変形例を挙げて説明したが、本発明に係る高周波モジュールおよび通信装置は、上記実施の形態および変形例に限定されるものではない。上記実施の形態および変形例における任意の構成要素を組み合わせて実現される別の実施の形態や、上記実施の形態および変形例に対して本発明の主旨を逸脱しない範囲で当業者が思いつく各種変形を施して得られる変形例や、上記高周波モジュールおよび通信装置を内蔵した各種機器も本発明に含まれる。
例えば、上記実施の形態および変形例に係る高周波モジュールおよび通信装置において、図面に開示された各回路素子および信号経路を接続する経路の間に、別の回路素子および配線などが挿入されていてもよい。
以下に、上記各実施の形態に基づいて説明した高周波モジュールおよび通信装置の特徴を示す。
<1>
第1増幅器および第2増幅器と、
一次コイルおよび二次コイルを有するトランスと、
出力端子と、
前記二次コイルの一端と前記出力端子との間に直列配置された第1インダクタと、
前記一端と前記第1インダクタとを結ぶ経路とグランドとの間に接続された第1キャパシタと、を備え、
前記一次コイルの一端は前記第1増幅器の出力端に接続され、
前記一次コイルの他端は前記第2増幅器の出力端に接続され、
前記二次コイルの他端はグランドに接続され、
前記二次コイルと前記第1インダクタとは、磁界結合している、高周波モジュール。
<2>
第1増幅器および第2増幅器と、
一次コイルおよび二次コイルを有するトランスと、
出力端子と、
前記二次コイルの一端と前記出力端子との間に直列配置された第1インダクタと、
前記一端と前記第1インダクタとを結ぶ経路とグランドとの間に接続された第1キャパシタと、を備え、
前記一次コイルの一端は前記第1増幅器の出力端に接続され、
前記一次コイルの他端は前記第2増幅器の出力端に接続され、
前記二次コイルの他端はグランドに接続され、
前記二次コイルと前記第1インダクタとは隣接配置され、
前記二次コイルの巻回軸方向から前記第1インダクタを見た場合、前記二次コイルと前記第1インダクタとは少なくとも一部重なっており、前記第1インダクタの巻回軸方向から前記二次コイルを見た場合、前記第1インダクタと前記二次コイルとは少なくとも一部重なっている、高周波モジュール。
<3>
前記第1キャパシタは、前記経路上の第1ノードに接続され、
前記第1ノードと前記第1キャパシタとの間、および、前記第1キャパシタとグランドとの間には、インダクタが接続されていない、<1>または<2>に記載の高周波モジュール。
<4>
前記二次コイルと前記第1インダクタとは、逆相で磁界結合している、<1>または<2>に記載の高周波モジュール。
<5>
前記二次コイルの前記一端から前記出力端子までの高周波信号の通過特性において、前記二次コイルおよび前記第1インダクタの磁界結合によって生成される相互インダクタンス成分と前記第1キャパシタとで発生するLC直列共振に対応した減衰極が形成される、<1>~<4>のいずれかに記載の高周波モジュール。
<6>
さらに、
モジュール基板を備え、
前記二次コイルは、前記モジュール基板に形成された平面コイルであり、
前記第1インダクタは、前記モジュール基板に配置されたチップ状インダクタである、<1>~<4>のいずれかに記載の高周波モジュール。
<7>
さらに、
モジュール基板を備え、
前記第1インダクタは、前記モジュール基板に形成された平面コイルであり、
前記トランスは、前記モジュール基板に形成された平面コイルである、<1>~<4>のいずれかに記載の高周波モジュール。
<8>
さらに、
モジュール基板を備え、
前記第1インダクタは、前記モジュール基板に形成された平面コイルであり、
前記トランスは、前記モジュール基板に配置されたチップ状トランスである、<1>~<4>のいずれかに記載の高周波モジュール。
<9>
さらに、
モジュール基板を備え、
前記第1インダクタは、前記モジュール基板に形成されたチップ状インダクタであり、
前記トランスは、前記モジュール基板に配置されたチップ状トランスであり、
前記第1インダクタおよび前記トランスは、前記モジュール基板上に隣接配置されている、<1>~<4>のいずれかに記載の高周波モジュール。
<10>
第1増幅器および第2増幅器と、
出力端子と、
互いに直列接続された第1インダクタおよび第1キャパシタを有する第1LC直列回路と、
互いに直列接続された第2インダクタおよび第2キャパシタを有する第2LC直列回路と、
第3インダクタおよび第3キャパシタを含む第1整合回路と、
第4インダクタおよび第4キャパシタを含む第2整合回路と、を備え、
前記第1LC直列回路は、前記第1増幅器の出力端と前記出力端子とを結ぶ第1経路とグランドとの間に接続され、
前記第2LC直列回路は、前記第2増幅器の出力端と前記出力端子とを結ぶ第2経路とグランドとの間に接続され、
前記第1整合回路は、前記第1経路に接続され、
前記第2整合回路は、前記第2経路に接続され、
前記第1インダクタと前記第2インダクタとは、磁界結合している、高周波モジュール。
<11>
前記第1インダクタと前記第2インダクタとは隣接配置され、
前記第1インダクタの巻回軸と前記第2インダクタの巻回軸とは、平行である、<10>に記載の高周波モジュール。
<12>
前記第3インダクタは、前記第1経路上の前記第1LC直列回路が接続された第1ノードと前記第1増幅器の出力端との間に直列配置され、
前記第3キャパシタは、前記第1増幅器の出力端と前記第3インダクタとを結ぶ経路とグランドとの間に接続され、
前記第4インダクタは、前記第2経路上の前記第2LC直列回路が接続された第2ノードと前記第2増幅器の出力端との間に直列配置され、
前記第4キャパシタは、前記第2増幅器の出力端と前記第4インダクタとを結ぶ経路とグランドとの間に接続される、<10>または<11>に記載の高周波モジュール。
<13>
さらに、
前記第1インダクタと前記第2インダクタとの間に配置され、両端がグランドに接続された第5インダクタを備える、<10>~<12>のいずれかに記載の高周波モジュール。
<14>
さらに、
モジュール基板を備え、
前記第1インダクタおよび前記第2インダクタのそれぞれは、巻回軸が前記モジュール基板の主面と垂直となるように配置され、
前記第5インダクタは、前記第1インダクタおよび前記第2インダクタに隣接し、前記モジュール基板の主面を平面視した場合、前記第1インダクタおよび前記第2インダクタを囲むように前記モジュール基板に形成されたグランドコイルである、<13>に記載の高周波モジュール。
<15>
高周波信号を処理する信号処理回路と、
前記信号処理回路とアンテナとの間で前記高周波信号を伝送する、<1>~<14>のいずれかに記載の高周波モジュールと、を備える、通信装置。
本発明は、フロントエンド部に配置される高周波モジュールおよび通信装置として、携帯電話などの通信機器に広く利用できる。
1、1A、1B、5、5A、500 高周波モジュール
2 アンテナ
3 RF信号処理回路(RFIC)
4、6、6A 通信装置
11、12、13、14 増幅器
20 トランス
21 一次コイル
22 二次コイル
23、24、25、31、33、34 インダクタ
32 相互インダクタンス成分(インダクタ)
42、43、44、45、46、47、48 キャパシタ
51、52 スイッチ
61、62、63、64 フィルタ
71、72 送信経路
90 モジュール基板
91、92 樹脂部材
95 シールド電極層
100 アンテナ接続端子
110、120 信号入力端子
150 外部接続端子

Claims (15)

  1. 第1増幅器および第2増幅器と、
    一次コイルおよび二次コイルを有するトランスと、
    出力端子と、
    前記二次コイルの一端と前記出力端子との間に直列配置された第1インダクタと、
    前記一端と前記第1インダクタとを結ぶ経路とグランドとの間に接続された第1キャパシタと、を備え、
    前記一次コイルの一端は前記第1増幅器の出力端に接続され、
    前記一次コイルの他端は前記第2増幅器の出力端に接続され、
    前記二次コイルの他端はグランドに接続され、
    前記二次コイルと前記第1インダクタとは、磁界結合している、
    高周波モジュール。
  2. 第1増幅器および第2増幅器と、
    一次コイルおよび二次コイルを有するトランスと、
    出力端子と、
    前記二次コイルの一端と前記出力端子との間に直列配置された第1インダクタと、
    前記一端と前記第1インダクタとを結ぶ経路とグランドとの間に接続された第1キャパシタと、を備え、
    前記一次コイルの一端は前記第1増幅器の出力端に接続され、
    前記一次コイルの他端は前記第2増幅器の出力端に接続され、
    前記二次コイルの他端はグランドに接続され、
    前記二次コイルと前記第1インダクタとは隣接配置され、
    前記二次コイルの巻回軸方向から前記第1インダクタを見た場合、前記二次コイルと前記第1インダクタとは少なくとも一部重なっており、前記第1インダクタの巻回軸方向から前記二次コイルを見た場合、前記第1インダクタと前記二次コイルとは少なくとも一部重なっている、
    高周波モジュール。
  3. 前記第1キャパシタは、前記経路上の第1ノードに接続され、
    前記第1ノードと前記第1キャパシタとの間、および、前記第1キャパシタとグランドとの間には、インダクタが接続されていない、
    請求項1または2に記載の高周波モジュール。
  4. 前記二次コイルと前記第1インダクタとは、逆相で磁界結合している、
    請求項1または2に記載の高周波モジュール。
  5. 前記二次コイルの前記一端から前記出力端子までの高周波信号の通過特性において、前記二次コイルおよび前記第1インダクタの磁界結合によって生成される相互インダクタンス成分と前記第1キャパシタとで発生するLC直列共振に対応した減衰極が形成される、
    請求項1または2に記載の高周波モジュール。
  6. さらに、
    モジュール基板を備え、
    前記二次コイルは、前記モジュール基板に形成された平面コイルであり、
    前記第1インダクタは、前記モジュール基板に配置されたチップ状インダクタである、
    請求項1または2に記載の高周波モジュール。
  7. さらに、
    モジュール基板を備え、
    前記第1インダクタは、前記モジュール基板に形成された平面コイルであり、
    前記トランスは、前記モジュール基板に形成された平面コイルである、
    請求項1または2に記載の高周波モジュール。
  8. さらに、
    モジュール基板を備え、
    前記第1インダクタは、前記モジュール基板に形成された平面コイルであり、
    前記トランスは、前記モジュール基板に配置されたチップ状トランスである、
    請求項1または2に記載の高周波モジュール。
  9. さらに、
    モジュール基板を備え、
    前記第1インダクタは、前記モジュール基板に形成されたチップ状インダクタであり、
    前記トランスは、前記モジュール基板に配置されたチップ状トランスであり、
    前記第1インダクタおよび前記トランスは、前記モジュール基板上に隣接配置されている、
    請求項1または2に記載の高周波モジュール。
  10. 第1増幅器および第2増幅器と、
    出力端子と、
    互いに直列接続された第1インダクタおよび第1キャパシタを有する第1LC直列回路と、
    互いに直列接続された第2インダクタおよび第2キャパシタを有する第2LC直列回路と、
    第3インダクタおよび第3キャパシタを含む第1整合回路と、
    第4インダクタおよび第4キャパシタを含む第2整合回路と、を備え、
    前記第1LC直列回路は、前記第1増幅器の出力端と前記出力端子とを結ぶ第1経路とグランドとの間に接続され、
    前記第2LC直列回路は、前記第2増幅器の出力端と前記出力端子とを結ぶ第2経路とグランドとの間に接続され、
    前記第1整合回路は、前記第1経路に接続され、
    前記第2整合回路は、前記第2経路に接続され、
    前記第1インダクタと前記第2インダクタとは、磁界結合している、
    高周波モジュール。
  11. 前記第1インダクタと前記第2インダクタとは隣接配置され、
    前記第1インダクタの巻回軸と前記第2インダクタの巻回軸とは、平行である、
    請求項10に記載の高周波モジュール。
  12. 前記第3インダクタは、前記第1経路上の前記第1LC直列回路が接続された第1ノードと前記第1増幅器の出力端との間に直列配置され、
    前記第3キャパシタは、前記第1増幅器の出力端と前記第3インダクタとを結ぶ経路とグランドとの間に接続され、
    前記第4インダクタは、前記第2経路上の前記第2LC直列回路が接続された第2ノードと前記第2増幅器の出力端との間に直列配置され、
    前記第4キャパシタは、前記第2増幅器の出力端と前記第4インダクタとを結ぶ経路とグランドとの間に接続される、
    請求項10または11に記載の高周波モジュール。
  13. さらに、
    前記第1インダクタと前記第2インダクタとの間に配置され、両端がグランドに接続された第5インダクタを備える、
    請求項10または11に記載の高周波モジュール。
  14. さらに、
    モジュール基板を備え、
    前記第1インダクタおよび前記第2インダクタのそれぞれは、巻回軸が前記モジュール基板の主面と垂直となるように配置され、
    前記第5インダクタは、前記第1インダクタおよび前記第2インダクタに隣接し、前記モジュール基板の主面を平面視した場合、前記第1インダクタおよび前記第2インダクタを囲むように前記モジュール基板に形成されたグランドコイルである、
    請求項13に記載の高周波モジュール。
  15. 高周波信号を処理する信号処理回路と、
    前記信号処理回路とアンテナとの間で前記高周波信号を伝送する、請求項1、2、10および11のいずれか1項に記載の高周波モジュールと、を備える、
    通信装置。
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