JP2024067835A - 木質材及びコンクリート材を含む耐力材並びに耐力材の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】木質層とコンクリート層との一体性が高い木質層及びコンクリート層を含む耐力材を提供する。【解決手段】前記課題は、木質層3と、コンクリート層1とを含み、前記木質層3と前記コンクリート層1との間に塗膜層2が介在されている、木質層及びコンクリート層を含む耐力材によって解決できる。【選択図】図1
Description
本発明は、木質材及びコンクリート材を含む耐力材並びに耐力材の製造方法に関するものである。
近年、環境意識の高まりに伴って、木質材の利用の指向の高まりがある。
直交集成板(CLT:Cross Laminated Timber)や集成材などからなる構造木の表面をあらわしとするための合成床がある。また、梁材に対しても構造耐力を高めたうえでの適用も指向されている。
直交集成板(CLT:Cross Laminated Timber)や集成材などからなる構造木の表面をあらわしとするための合成床がある。また、梁材に対しても構造耐力を高めたうえでの適用も指向されている。
CLTは、ひき板または小角材(これらをその繊維方向を互いにほぼ平行にして長さ方向に接合接着して調整したものを含む。)をその繊維方向を互いにほぼ平行にして幅方向に並べ、または接着したものを、主としてその繊維方向を互いにほぼ直角にして積層接着し3層以上の構造を持たせた木質板材であり、耐震・耐火性能が高いという特長がある。
しかし、CLTのみでは構造耐力が十分でない、また、耐火性の点で難があるという課題がある。
他方、合成床の例として、特許文献1及び特許文献2などがある。
しかし、木質層とコンクリート層との一体物を得ようとする場合、一体性が十分でないことが判明した。
仮に、特許文献2に示されているように、ビスを介在させたとしても、載荷試験において、初期の構造耐力の増大は望めないことが判明した。
仮に、特許文献2に示されているように、ビスを介在させたとしても、載荷試験において、初期の構造耐力の増大は望めないことが判明した。
したがって、本発明の主たる課題は、木質層とコンクリート層との一体性が高い木質材及びコンクリート層を含む耐力材を提供することにある。
上記課題を解決するために第1の態様が提供される。
(第1の態様)
木質層と、コンクリート層と、を含み、
前記木質層と前記コンクリート層との間に塗膜層が介在されている、
ことを特徴とする木質層及びコンクリート層を含む耐力材。
(第1の態様)
木質層と、コンクリート層と、を含み、
前記木質層と前記コンクリート層との間に塗膜層が介在されている、
ことを特徴とする木質層及びコンクリート層を含む耐力材。
また、第2の態様も提供される。
(第2の態様)
木質層と、コンクリート層との間に塗膜層を介在させ、一体化する、ことを特徴とする木質層及びコンクリート層を含む耐力材の製造方法。
(第2の態様)
木質層と、コンクリート層との間に塗膜層を介在させ、一体化する、ことを特徴とする木質層及びコンクリート層を含む耐力材の製造方法。
次の第3の態様も提供される。
(第3の態様)
木質層と、コンクリート層との間に塗膜層を介在させ、一体化するとともに、
前記木質層は、前記コンクリート層に対向する側に、前記コンクリート層の幅に対して実質的に同一の幅を有する第1部分と、前記コンクリート層と反対側に、前記コンクリートの幅に対して狭い幅の複数の第2部分とを有し、前記第2部分のそれぞれは平行に長手方向に延在しているものである、ことを特徴とする木質層及びコンクリート層を含む耐力材の製造方法。
(第3の態様)
木質層と、コンクリート層との間に塗膜層を介在させ、一体化するとともに、
前記木質層は、前記コンクリート層に対向する側に、前記コンクリート層の幅に対して実質的に同一の幅を有する第1部分と、前記コンクリート層と反対側に、前記コンクリートの幅に対して狭い幅の複数の第2部分とを有し、前記第2部分のそれぞれは平行に長手方向に延在しているものである、ことを特徴とする木質層及びコンクリート層を含む耐力材の製造方法。
本発明によれば、木質層とコンクリート層との一体性が高いものとなる。
次に、発明を実施するための形態を説明する。なお、本実施の形態は本発明の一例であり、本発明の範囲は本実施の形態の範囲に限定されない。
(第1の実施の形態)
図1に模式的に部分断面で示すように、木質層3と、コンクリート層1とを含み、前記木質層3と前記コンクリート層1との間に塗膜層2が介在されている、木質層及びコンクリート層を含む耐力材である。
図1に模式的に部分断面で示すように、木質層3と、コンクリート層1とを含み、前記木質層3と前記コンクリート層1との間に塗膜層2が介在されている、木質層及びコンクリート層を含む耐力材である。
本発明者らは、木質層3とコンクリート層1との間に塗膜層2を介在させることを発見した。
コンクリートの成形にあたり、撥水性の面を有する型枠を使用することが知られているが、この発想の延長で、コンクリート打設時の水が木質層(木質材)の耐久性を損なわないように防水性を図るために、プラスチックシートを介在させ、コンクリート中の水分の木質層(木質材)への移行を防止することを考えた。
しかし、界面にプラスチックシートが存在することにより、曲げ力を受けたとき、木質層とコンクリート層との間でのすべりが生じ、木質層とコンクリート層との一体性はほとんど期待できないことが分かった。
コンクリートの成形にあたり、撥水性の面を有する型枠を使用することが知られているが、この発想の延長で、コンクリート打設時の水が木質層(木質材)の耐久性を損なわないように防水性を図るために、プラスチックシートを介在させ、コンクリート中の水分の木質層(木質材)への移行を防止することを考えた。
しかし、界面にプラスチックシートが存在することにより、曲げ力を受けたとき、木質層とコンクリート層との間でのすべりが生じ、木質層とコンクリート層との一体性はほとんど期待できないことが分かった。
しかるに、本発明に従って、塗膜層を介在させることで、構造耐力に必要な一体性が高まることが判明したものである。この理由は明らかではないが、私見によれば、塗膜層が、コンクリート中の水分の木質層への浸透を防止しながら、コンクリート層の固化過程で、その界面と一体化するように作用するのではないかと推測される。
一般的に部材に想定する荷重とその要求性能は異なる。例えば、常時作用する人間の移動等による小さい荷重では、耐力と剛性が大きいことが必要となる。これに対して大地震の作用する大きい荷重では、剛性よりも大きな耐力が必要となる。
本発明に係る耐力材は、常時作用する小さい荷重が作用する場合に、木質層とコンクリート層との一体性が高く、耐力と剛性が大きいものとなる。
木質層(木質材)とコンクリート層とが金属棒状部材を介して一体化されているのが望ましい。
大きい荷重については、木質層(木質材)とコンクリート層とが金属棒状部材を介して一体化されているので、大きな耐力を発揮する。
しかも、塗膜層の存在により耐久性が高いものと考えられる。
大きい荷重については、木質層(木質材)とコンクリート層とが金属棒状部材を介して一体化されているので、大きな耐力を発揮する。
しかも、塗膜層の存在により耐久性が高いものと考えられる。
木質層としては、一般木材のほか、集成材であってもよい。
また、木質繊維の繊維方向が層ごとに交差するように積層されて一体となった、直交集成板(CLT)を使用することが、構造耐力に優れるのが望ましい。
また、木質繊維の繊維方向が層ごとに交差するように積層されて一体となった、直交集成板(CLT)を使用することが、構造耐力に優れるのが望ましい。
コンクリート層としては、セメント、粗骨材、細骨材などを含み、鉄筋類を含むRCスラブとすることが、構造耐力を確保するために望ましい。
(第2の実施の形態)
木質材に対する塗料として、例えば木質材の保護用塗料には、大別して浸透型塗料と造膜型塗料とがある。本発明に従って木質層とコンクリート層との間に塗膜層を介在させる場合、浸透型塗料であると木質材(木質層)の表面から浸透型塗料が浸透し、コンクリート層との界面において膜に形成が十分でなく、本発明の効果が十分に発揮されないおそれがある。
この点で前記塗膜層が造膜型塗料により形成されているのが好ましい。
なお、浸透型塗料においても、塗料の膜が均質ではないものの塗膜自体は少なくとも部分的には存在するので、浸透型塗料を採用する場合において、本発明に係る「塗膜層」に含まれる。
木質材に対する塗料として、例えば木質材の保護用塗料には、大別して浸透型塗料と造膜型塗料とがある。本発明に従って木質層とコンクリート層との間に塗膜層を介在させる場合、浸透型塗料であると木質材(木質層)の表面から浸透型塗料が浸透し、コンクリート層との界面において膜に形成が十分でなく、本発明の効果が十分に発揮されないおそれがある。
この点で前記塗膜層が造膜型塗料により形成されているのが好ましい。
なお、浸透型塗料においても、塗料の膜が均質ではないものの塗膜自体は少なくとも部分的には存在するので、浸透型塗料を採用する場合において、本発明に係る「塗膜層」に含まれる。
造膜型塗料としては、例えばエポキシ系、ウレタン系、アクリル系、フタル酸系、ビニル系などの市販のものを使用できる。これらの種類により、界面での一体性に点で基本的な相違はないことを確認しているが、ビニル系のもの、特にビニルエステル系の樹脂(水性)を含むものを使用するのが特に好ましい。
(第3の実施の形態)
図2に示すように、適宜の位置において、金属棒状部材4が、木質層3とコンクリート層1との間に塗膜層2を貫通して介在されているのが望ましい。
この態様では、金属棒状部材4の頭部はコンクリート層3、先端側は木質層3に埋設されている。
図2に示すように、適宜の位置において、金属棒状部材4が、木質層3とコンクリート層1との間に塗膜層2を貫通して介在されているのが望ましい。
この態様では、金属棒状部材4の頭部はコンクリート層3、先端側は木質層3に埋設されている。
金属棒状部材4の介在により、例えば強大な地震による過度の曲げ力が作用し、塗膜層2との間でのずれが生じたとしても、金属棒状部材4の介在がそのずれを抑制して、木質層とコンクリート層との相互作用による耐力を確保できるように作用する。
(第4の実施の形態)
金属棒状部材は、前記先端側に、前記木質層にねじ込み可能なスクリュー部を有することができる。木質層に対して、図3に示すように、金属棒状部材4のスクリュー部41により螺入して、埋設でき便利である。
金属棒状部材は、前記先端側に、前記木質層にねじ込み可能なスクリュー部を有することができる。木質層に対して、図3に示すように、金属棒状部材4のスクリュー部41により螺入して、埋設でき便利である。
(第5の実施の形態)
金属棒状部材4は、頭部に拡大径部42を有するものを使用できる。拡大径部42がコンクリート層3におけるアンカー効果を発揮し、抜け止めを図ることができる。
金属棒状部材4は、頭部に拡大径部42を有するものを使用できる。拡大径部42がコンクリート層3におけるアンカー効果を発揮し、抜け止めを図ることができる。
(第6の実施の形態)
図4~図7に示すように、コンクリート層1と木質層3とは実質的に同一のサイズで面方向に延在しているものとすることができる。この形態は例えば床材として使用することを想定している。
図4~図7に示すように、コンクリート層1と木質層3とは実質的に同一のサイズで面方向に延在しているものとすることができる。この形態は例えば床材として使用することを想定している。
(第7の実施の形態)
他方で、図8~図11に示すように、根太タイプの構造耐力材とすることもできる。すなわち、木質層3は、コンクリート層1に対向する側に、コンクリート層1の幅に対して実質的に同一の幅を有する第1部分31と、前記コンクリート層と反対側に、コンクリート層1の幅に対して狭い幅の複数の第2部分32、32とを有し、第2部分32、32のそれぞれは平行に長手方向に延在している態様とすることができる。
他方で、図8~図11に示すように、根太タイプの構造耐力材とすることもできる。すなわち、木質層3は、コンクリート層1に対向する側に、コンクリート層1の幅に対して実質的に同一の幅を有する第1部分31と、前記コンクリート層と反対側に、コンクリート層1の幅に対して狭い幅の複数の第2部分32、32とを有し、第2部分32、32のそれぞれは平行に長手方向に延在している態様とすることができる。
(第8の実施の形態)
木質繊維の繊維方向が層ごとに交差するように積層されて一体となった木質層と、コンクリート層との間に塗膜層を介在させ、一体化する、ことを特徴とする木質層及びコンクリート層を含む耐力材の製造方法。
木質繊維の繊維方向が層ごとに交差するように積層されて一体となった木質層と、コンクリート層との間に塗膜層を介在させ、一体化する、ことを特徴とする木質層及びコンクリート層を含む耐力材の製造方法。
耐力材の例を図4~図11に示した。なお、以下に説明する第1例~第4例について塗膜層を図示していない。
(第1例:図4、図5)
第1例においては、木質層3がCLTで構成され、コンクリート層1に鉄筋1Aが配筋され、金属棒状部材としてのコッター4Aがその頭部をコンクリート層1中に、先端部を木質層3中に、例えば上下方向に埋設されている。
第1例においては、木質層3がCLTで構成され、コンクリート層1に鉄筋1Aが配筋され、金属棒状部材としてのコッター4Aがその頭部をコンクリート層1中に、先端部を木質層3中に、例えば上下方向に埋設されている。
かかる耐力材は、例えば大梁5Aの係止部5a及び小梁5Bに跨がって木質層3が載置され、全体をコンクリート層1で覆われる。
この場合、大梁5A及び小梁5B上にスタッド6が予め一体化されており、コンクリート層1との一体化がなされる。
この場合、大梁5A及び小梁5B上にスタッド6が予め一体化されており、コンクリート層1との一体化がなされる。
(第2例:図6、図7)
第2例においても、木質層3がCLTで構成され、コンクリート層1に鉄筋1Aが配筋され、スクリュー状の金属棒状部材4がその頭部をコンクリート層1中に、先端部を木質層3中に、例えば水平に対し45度傾斜し、かつ公差するように埋設されている。
第2例においても、木質層3がCLTで構成され、コンクリート層1に鉄筋1Aが配筋され、スクリュー状の金属棒状部材4がその頭部をコンクリート層1中に、先端部を木質層3中に、例えば水平に対し45度傾斜し、かつ公差するように埋設されている。
かかる耐力材は、例えば大梁5Aの係止部5a及び小梁5Bに跨がって木質層3が載置され、全体をコンクリート層1で覆われる。
この場合、大梁5A及び小梁5B上にスタッド6が予め一体化されており、コンクリート層1との一体化がなされる。
この場合、大梁5A及び小梁5B上にスタッド6が予め一体化されており、コンクリート層1との一体化がなされる。
(第3例:図8、図9)
第3例においても、木質層3がCLTで構成され、コンクリート層1に鉄筋1Aが配筋され、金属棒状部材によるコッター4Aがその頭部をコンクリート層1中に、先端部を木質層3中に、例えば上下方向に埋設されている。
第3例においても、木質層3がCLTで構成され、コンクリート層1に鉄筋1Aが配筋され、金属棒状部材によるコッター4Aがその頭部をコンクリート層1中に、先端部を木質層3中に、例えば上下方向に埋設されている。
かかる耐力材は、例えば大梁5Aの係止部5a及び小梁5Bに跨がって木質層3が載置され、全体をコンクリート層1で覆われる。
この場合、大梁5A及び小梁5B上にスタッド6が予め一体化されており、コンクリート層1との一体化がなされる。
この場合、大梁5A及び小梁5B上にスタッド6が予め一体化されており、コンクリート層1との一体化がなされる。
(第4例:図10、図11)
第4例においても、木質層3がCLTで構成され、コンクリート層1に鉄筋1Aが配筋され、スクリュー状の金属棒状部材4がその頭部をコンクリート層1中に、先端部を木質層3中に、例えば水平に対し45度傾斜し、かつ公差するように埋設されている。
第4例においても、木質層3がCLTで構成され、コンクリート層1に鉄筋1Aが配筋され、スクリュー状の金属棒状部材4がその頭部をコンクリート層1中に、先端部を木質層3中に、例えば水平に対し45度傾斜し、かつ公差するように埋設されている。
かかる耐力材は、例えば大梁5Aの係止部5a及び小梁5Bに跨がって木質層3が載置され、全体をコンクリート層1で覆われる。
この場合、大梁5A及び小梁5B上にスタッド6が予め一体化されており、コンクリート層1との一体化がなされる。
この場合、大梁5A及び小梁5B上にスタッド6が予め一体化されており、コンクリート層1との一体化がなされる。
実施の形態における鉄筋の配置、スクリュー状の金属棒状部材4の配置、コッター4Aの配置は適宜選択できる。
以下に試験結果を示しながら、本発明の効果を説明する。
(第一次試験)
実施の形態の耐力材一般について、基礎として、各要素の機能を見出すための剪断試験を行った。
供試体は、図12~図14に示すもので、スクリュー状の金属棒状部材4を弱軸方向に配置した場合(図12)と、スクリュー状の金属棒状部材4を強軸方向に配置した場合(図13)のそれぞれについて作成した。
なお、「強軸方向」とは、CLT木質層の外層ラミナの繊維方向に沿って、一個所あたり2本のスクリュー状の金属棒状部材を、45度の傾斜角度でV字状に打ち込んだ形態をいう。「弱軸方向」とは、CLT木質層の外層ラミナの繊維方向と直交する方向に沿って、スクリュー状の金属棒状部材を、45度の傾斜角度でV字状に打ち込んだ形態をいう。
(第一次試験)
実施の形態の耐力材一般について、基礎として、各要素の機能を見出すための剪断試験を行った。
供試体は、図12~図14に示すもので、スクリュー状の金属棒状部材4を弱軸方向に配置した場合(図12)と、スクリュー状の金属棒状部材4を強軸方向に配置した場合(図13)のそれぞれについて作成した。
なお、「強軸方向」とは、CLT木質層の外層ラミナの繊維方向に沿って、一個所あたり2本のスクリュー状の金属棒状部材を、45度の傾斜角度でV字状に打ち込んだ形態をいう。「弱軸方向」とは、CLT木質層の外層ラミナの繊維方向と直交する方向に沿って、スクリュー状の金属棒状部材を、45度の傾斜角度でV字状に打ち込んだ形態をいう。
各試験体について、コンクリート層と木質層との間に、塗料層(塗膜層)の有無、(超高分子量)テフロン(登録商標)シートの有無、スクリュー状の金属棒状部材4の埋設の有無の影響を、表1の各ケースについて、試験した。
なお、塗料層(塗膜層)の材料としては、ビニルエステル系の樹脂(水性)を含むものを使用した。
金属棒状部材の埋め込み長は、各層ごと厚み方向基準で約80mm~100mmである。
なお、塗料層(塗膜層)の材料としては、ビニルエステル系の樹脂(水性)を含むものを使用した。
金属棒状部材の埋め込み長は、各層ごと厚み方向基準で約80mm~100mmである。
この結果によると、次の事項が分かる。
(1)図17及び図18と、図19及び図20との対比により、テフロン(登録商標)シートを設けたことが却って、変形初期の木質層とコンクリート層との付着性を高めることに作用しない。
(2)図17及び図18と、図19及び図20との対比により、テフロン(登録商標)シートを設けずに、塗料層(塗膜層)のみを介在させることにより、木質層とコンクリート層との付着性が高まり、変形初期の耐力と剛性の増大を図ることができる。
(3)図19と図21との対比により、塗料層(塗膜層)を介在させることにより、木質層とコンクリート層との付着性を高め、変形初期の耐力と剛性の増大を図ることができるのに対し、図21に示すように、塗料層(塗膜層)を介在させない場合、変形が大きくなると、付着性が切れて、耐力及び剛性が低下した状態で安定する。
(4)図20と図22との対比により、塗料層(塗膜層)を介在させることにより、木質層とコンクリート層との付着性を高め、変形初期の耐力と剛性の増大を図ることができるものの、変形が大きくなると、付着性が切れて、耐力及び剛性が低下した状態で安定する。
(5)図21と図23との対比により、塗料層(塗膜層)を介在させることにより、木質層とコンクリート層との付着性を高め、変形初期の耐力と剛性の増大を図ることができるものの、図23に示すように、変形が大きくなると、付着性が切れて、耐力及び剛性が全く見込めない。
また、図21に示すように、金属棒状部材を設けることにより、変形が大きくなっても、耐力及び剛性が安定している。
(6)図23と図24との対比により、塗料層(塗膜層)を介在させることにより、木質層とコンクリート層との付着性を高め、変形初期の耐力と剛性の増大を図ることができるものの、図23及び図24に示すように、変形が大きくなると、付着性が切れて、耐力及び剛性が全く見込めない。
また、塗料層(塗膜層)を介在させない場合、図24に示すように、図23の場合より、変形初期の耐力と剛性は低い。
(7)以上、要すれば、第1に塗料層(塗膜層)を介在は、変形初期の耐力と剛性の増大効果に顕著に作用する。
棒状部材の存在は、変形が大きくなった時点で、付着性が切れるとしても)耐力及び剛性が安定レベルでの推移を示す。
(1)図17及び図18と、図19及び図20との対比により、テフロン(登録商標)シートを設けたことが却って、変形初期の木質層とコンクリート層との付着性を高めることに作用しない。
(2)図17及び図18と、図19及び図20との対比により、テフロン(登録商標)シートを設けずに、塗料層(塗膜層)のみを介在させることにより、木質層とコンクリート層との付着性が高まり、変形初期の耐力と剛性の増大を図ることができる。
(3)図19と図21との対比により、塗料層(塗膜層)を介在させることにより、木質層とコンクリート層との付着性を高め、変形初期の耐力と剛性の増大を図ることができるのに対し、図21に示すように、塗料層(塗膜層)を介在させない場合、変形が大きくなると、付着性が切れて、耐力及び剛性が低下した状態で安定する。
(4)図20と図22との対比により、塗料層(塗膜層)を介在させることにより、木質層とコンクリート層との付着性を高め、変形初期の耐力と剛性の増大を図ることができるものの、変形が大きくなると、付着性が切れて、耐力及び剛性が低下した状態で安定する。
(5)図21と図23との対比により、塗料層(塗膜層)を介在させることにより、木質層とコンクリート層との付着性を高め、変形初期の耐力と剛性の増大を図ることができるものの、図23に示すように、変形が大きくなると、付着性が切れて、耐力及び剛性が全く見込めない。
また、図21に示すように、金属棒状部材を設けることにより、変形が大きくなっても、耐力及び剛性が安定している。
(6)図23と図24との対比により、塗料層(塗膜層)を介在させることにより、木質層とコンクリート層との付着性を高め、変形初期の耐力と剛性の増大を図ることができるものの、図23及び図24に示すように、変形が大きくなると、付着性が切れて、耐力及び剛性が全く見込めない。
また、塗料層(塗膜層)を介在させない場合、図24に示すように、図23の場合より、変形初期の耐力と剛性は低い。
(7)以上、要すれば、第1に塗料層(塗膜層)を介在は、変形初期の耐力と剛性の増大効果に顕著に作用する。
棒状部材の存在は、変形が大きくなった時点で、付着性が切れるとしても)耐力及び剛性が安定レベルでの推移を示す。
(第二次試験)
第一次試験をふまえて、塗膜層の介在の有効性を確認できたので、実部材を模した試験体について4点載荷試験を行った。
試験体は、図15及び図16に示すものである。
第一次試験をふまえて、塗膜層の介在の有効性を確認できたので、実部材を模した試験体について4点載荷試験を行った。
試験体は、図15及び図16に示すものである。
結果を図25及び図26に示した。
図15に示す試験体、すなわち木質層に塗料層(塗膜層)を介在させ、スクリュー状の金属棒状部材を、45度の傾斜角度でV字状に打ち込み、コンクリート層と一体化させた例についての図25の結果に注視すると、自重や積載荷重(鉛直下向きの荷重)の場合は、合成床の効果が顕著である。
また、一旦、付着が切れて剛性が低下しても、金属棒状部材(ビス)による埋設一体化効果により、必要な耐力を示すことを明らかにしている。
図15に示す試験体、すなわち木質層に塗料層(塗膜層)を介在させ、スクリュー状の金属棒状部材を、45度の傾斜角度でV字状に打ち込み、コンクリート層と一体化させた例についての図25の結果に注視すると、自重や積載荷重(鉛直下向きの荷重)の場合は、合成床の効果が顕著である。
また、一旦、付着が切れて剛性が低下しても、金属棒状部材(ビス)による埋設一体化効果により、必要な耐力を示すことを明らかにしている。
図16に示す、同様の形態の試験体ついての結果を図26に示す。前項での試験体と同様の結果を示している。
これらの結果からも、実施の形態の構造耐力材は実用性の高いものであることが判明した。
本発明は、木質層及びコンクリート層を含む耐力材並びに耐力材の製造方法として汎用できる。
1…コンクリート層、2…塗膜層、3…木質層、4…金属棒状部材、4A…コッター、5A…大梁、5B…小梁、6…スタッド。
Claims (12)
- 木質層と、コンクリート層とを含み、
前記木質層と前記コンクリート層との間に塗膜層が介在されている、
ことを特徴とする木質層及びコンクリート層を含む耐力材。 - 前記塗膜層が造膜型塗料により形成されている請求項1記載の木質層及びコンクリート層を含む耐力材。
- 前記木質層は、木質繊維の繊維方向が層ごとに交差するように積層されて一体となった木質層である求項1記載の木質層及びコンクリート層を含む耐力材。
- 金属棒状部材の頭部が前記コンクリート層、前記金属棒状部材の先端側が前記木質層に埋設されている、請求項1又は2記載の木質層及びコンクリート層を含む耐力材。
- 前記金属棒状部材は、前記先端側に、前記木質層にねじ込み可能なスクリュー部を有する請求項4記載の木質層及びコンクリート層を含む耐力材。
- 前記金属棒状部材は、前記頭部に拡大径部を有する請求項4記載の木質層及びコンクリート層を含む耐力材。
- 前記木質層は、前記コンクリート層に対向する側に、前記コンクリート層の幅に対して実質的に同一の幅を有する第1部分と、前記コンクリート層と反対側に、前記コンクリートの幅に対して狭い幅の複数の第2部分とを有し、前記第2部分のそれぞれは平行に長手方向に延在している、
請求項1記載の木質層及びコンクリート層を含む耐力材。 - 金属棒状部材の頭部が前記コンクリート層、前記金属棒状部材の先端側が前記木質層の第1部分及び第2部分に埋設されている、請求項7記載の木質層及びコンクリート層を含む耐力材。
- 木質層と、コンクリート層との間に塗膜層を介在させ、一体化する、ことを特徴とする木質層及びコンクリート層を含む耐力材の製造方法。
- 前記塗膜層が造膜型塗料により形成されている請求項9記載の木質層及びコンクリート層を含む耐力材の製造方法。
- 木質繊維の繊維方向が層ごとに交差するように積層されて一体となった木質層と、コンクリート層との間に塗膜層を介在させ、一体化する、ことを特徴とする木質層及びコンクリート層を含む耐力材の製造方法。
- 木質層と、コンクリート層との間に塗膜層を介在させ、一体化するとともに、
前記木質層は、前記コンクリート層に対向する側に、前記コンクリート層の幅に対して実質的に同一の幅を有する第1部分と、前記コンクリート層と反対側に、前記コンクリートの幅に対して狭い幅の複数の第2部分とを有し、前記第2部分のそれぞれは平行に長手方向に延在しているものである、ことを特徴とする木質層及びコンクリート層を含む耐力材の製造方法。
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JP2022178198A JP2024067835A (ja) | 2022-11-07 | 2022-11-07 | 木質材及びコンクリート材を含む耐力材並びに耐力材の製造方法 |
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