JP2024065903A - ハブユニット軸受及びハブユニット軸受用の内輪の製造方法 - Google Patents

ハブユニット軸受及びハブユニット軸受用の内輪の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2024065903A
JP2024065903A JP2022174988A JP2022174988A JP2024065903A JP 2024065903 A JP2024065903 A JP 2024065903A JP 2022174988 A JP2022174988 A JP 2022174988A JP 2022174988 A JP2022174988 A JP 2022174988A JP 2024065903 A JP2024065903 A JP 2024065903A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
inner ring
hub unit
groove shoulder
unit bearing
ring raceway
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2022174988A
Other languages
English (en)
Inventor
将充 渡部
達男 若林
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NSK Ltd
Original Assignee
NSK Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NSK Ltd filed Critical NSK Ltd
Priority to JP2022174988A priority Critical patent/JP2024065903A/ja
Publication of JP2024065903A publication Critical patent/JP2024065903A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Rolling Contact Bearings (AREA)

Abstract

【課題】内輪の溝肩部におけるマイクロクラックの発生を抑制可能なハブユニット軸受及びハブユニット軸受用の内輪の製造方法を提供する。【解決手段】ハブユニット軸受は、外周面に内輪軌道面が設けられた内輪と、内周面に外輪軌道面が設けられた外輪部材と、内輪軌道面と外輪軌道面との間に転動自在に配された複数の転動体と、を備える。内輪は、外周面において、内輪軌道面と軸方向に隣り合う位置に設けられ、内輪軌道面よりも大径である溝肩部と、外周面の軸方向一方側の端部に設けられ、軸方向一方側を向いた段差面を介して溝肩部とつながり、溝肩部よりも小径である小径段部と、を有する。段差面又は小径段部には、薄肉の突起が設けられる。【選択図】図1

Description

一般にハブユニット軸受用の内輪は、鍛造加工された軸受鋼の素材を機械加工後、焼き入れ及び焼き戻しを行い、必要部位に研削加工や超仕上げが施されることで作られる。
焼き入れ及び焼き戻しの際には、焼き入れ炉中で加熱された内輪が焼き入れ油槽に投入され、ホッパーで取り出され、焼き戻し炉に投入される。ハブユニット軸受用の内輪のサイズの場合、焼き入れ炉内や焼き戻し炉内では、内輪を載せたシェーカーパンを水平に往復運動させ、慣性によりシェーカーパン上の内輪を前方へ搬送する搬送方式が採用されることが多く、この場合、内輪同士の衝突が避けられない。
また、焼き入れ油槽からホッパーで取り出された内輪はシェーカーパン上に落下するので、硬いだけで靭性が得られていない焼き入れ後焼き戻し前(焼き戻し炉投入直後)での内輪同士の衝突が避けられない。そして、内輪同士が強く当たると圧痕や打ち疵、及びそれらに伴うマイクロクラックが発生することがあり、内輪とハブ輪との嵌合や、加締めにより円周応力が負荷されると、マイクロクラックが成長し、内輪割れにつながることがある。
この問題に対する対策として、特許文献1には、圧痕や打ち疵が発生し易く、内輪とハブ輪との嵌合や加締めにより円周応力が高くなりやすい溝肩部の端面側面取り部を、焼き入れ焼き戻し後に除去加工することで、圧痕や打ち疵、マイクロクラックを除去することが開示されている。これにより、内輪割れを防止することを図っている。しかし、この除去加工は、ハードターニング工程を新たに設け、また、広範囲なハードターニングを行う必要があるため、高コストである。
特開2005-140181号公報
本発明は、上述の様な事情に鑑み、内輪の溝肩部におけるマイクロクラックの発生を抑制可能なハブユニット軸受及びハブユニット軸受用の内輪の製造方法を提供することを目的とする。
本発明の上記目的は、以下の構成によって達成される。
(1) 外周面に内輪軌道面が設けられた内輪と、
内周面に外輪軌道面が設けられた外輪部材と、
前記内輪軌道面と前記外輪軌道面との間に転動自在に配された複数の転動体と、
を備えるハブユニット軸受であって、
前記内輪は、
前記外周面において、前記内輪軌道面と軸方向に隣り合う位置に設けられ、前記内輪軌道面よりも大径である溝肩部と、
前記外周面の軸方向一方側の端部に設けられ、軸方向一方側を向いた段差面を介して前記溝肩部とつながり、前記溝肩部よりも小径である小径段部と、
を有し、
前記段差面又は前記小径段部には、薄肉の突起が設けられる、
ハブユニット軸受。
(2) 前記突起の炭素濃度は、前記内輪における前記突起以外の部位の炭素濃度よりも低い、
(1)に記載のハブユニット軸受。
(3) 前記突起の肉厚は、0.8mm~1.2mmである、
(1)又は(2)に記載のハブユニット軸受。
(4) 外周面に内輪軌道面が設けられたハブユニット軸受用の内輪の製造方法であって、
前記内輪は、
前記外周面において、前記内輪軌道面と軸方向に隣り合う位置に設けられ、前記内輪軌道面よりも大径である溝肩部と、
前記外周面の軸方向一方側の端部に設けられ、軸方向一方側を向いた段差面を介して前記溝肩部とつながり、前記溝肩部よりも小径である小径段部と、
を有し、
鍛造加工又は機械加工によって前記段差面又は前記小径段部に薄肉の突起を設けた後に、前記内輪に熱処理が施される、
ハブユニット軸受用の内輪の製造方法。
本発明のハブユニット軸受及びハブユニット軸受用の内輪の製造方法によれば、内輪の溝肩部におけるマイクロクラックの発生を抑制可能である。
第1実施形態に係る複列円すいころ軸受の断面図である。 内輪の断面図である。 内輪の要部断面図である。 第1変形例に係る内輪の要部断面図である。 第2変形例に係る内輪の要部断面図である。 第3変形例に係る内輪の要部断面図である。 第4変形例に係る内輪の要部断面図である。 第2実施形態に係る複列円すいころ軸受の断面図である。 内輪の断面図である。 内輪の要部断面図である。 第3実施形態に係るハブユニット軸受の断面図である。 内輪の要部断面図である。
自動車等の車輪を支持するハブユニット軸受は、車輪を取り付けるためのハブ輪を転がり軸受を介して回転自在に支承するものであり、駆動輪用と従動輪用とがある。構造上の理由から、駆動輪用では内輪回転方式がされ、従動輪用では内輪回転と外輪回転の両方式が一般的に採用されている。このハブユニット軸受には、懸架装置を構成するナックルとハブ輪との間に複列円すいころ軸受を嵌合させた第1世代と称される構造や、外輪部材の外周に直接車体取付フランジまたは車輪取付フランジが形成された第2世代構造や、ハブ輪の外周に複列の内輪軌道面のうちの一方が直接形成された第3世代構造が存在する。
以下の実施形態においては、先ず第1世代構造の円すいハブユニット軸受を構成する複列円すいころ軸受について説明するが、後述するように本発明は、第2世代構造や第3世代構造の円すいハブユニット軸受にも適用可能である。
[第1実施形態]
図1は、第1実施形態に係る複列円すいころ軸受の断面図である。図2は、内輪の断面図である。図3は、内輪の要部断面図である。
図1に示す複列円すいころ軸受1は、円すいハブユニット軸受を構成する。複列円すいころ軸受1は、外周面に内輪軌道面11が設けられた1対の内輪10,10と、内周面に複列の外輪軌道面21,21が設けられた外輪部材20と、内輪軌道面11と外輪軌道面21との間に転動自在に配された複数の円すいころ30(転動体)と、円すいころ30を転動自在に保持する保持器40と、内輪10及び外輪部材20との間の軸受空間の軸方向両側を密封する1対のシール50,50と、を備える。
図2及び図3に示すように、内輪10は、外周面において、内輪軌道面11と軸方向に隣り合う位置に設けられ、内輪軌道面11よりも大径である溝肩部12を有する。溝肩部12にはシール50が設けられる。
内輪10は、内輪軌道面11の軸方向両側に位置する大鍔部13及び小鍔部15を有する。これら大鍔部13及び小鍔部15のうち、大鍔部13は、上記溝肩部12によって構成される。また、大鍔部13(溝肩部12)には、円すいころ30の頭部33が摺接する。大鍔部13によって、円すいころ30の軸方向移動が規制される。
内輪10の小鍔部15は、内輪10の軸方向他方側面(図1の左右内側の面。図2の左側の面。)を構成する小鍔側平面15aと、小鍔部15の外径面である小鍔外径面15bと、小鍔外径面15bと内輪軌道面11とを接続する小鍔面15cと、を有する。1対の内輪10,10は、小鍔側平面15a,15a同士が軸方向に当接して組み合わされる。したがって、小鍔側平面15aは、いわゆる突合わせ面である。なお、小鍔側平面15a,15a同士の間には間座が介在してもよい。小鍔面15cには、円錐ころ30の尾部31が摺接せず、小鍔面15cと円錐ころ30の尾部31の間には隙間が存在する。
内輪10は、外周面の軸方向一方側(図1の左右外側。図2及び図3の右側。)の端部に設けられ、溝肩部12よりも小径である小径段部14を有する。小径段部14は、当該小径段部14の軸方向他方側(図1の左右内側。図2及び図3の左側。)の端部から径方向外側に延び、軸方向一方側を向いた段差面16を介して、溝肩部12とつながる。
本実施形態では、段差面16に、軸方向一方側に延びるとともに周方向にリング状に延びた薄肉の突起18が設けられる。突起18は、研削後の溝肩部12よりも径方向内側位置、且つ、小径段部14よりも径方向外側位置から、軸方向一方側に延びる。突起18の軸方向一方側の先端部は、内輪10の軸方向一方側端面10aよりも、わずかに軸方向他方側に引っ込んだ位置で終端している。
突起18は、内輪10に焼き入れや焼き戻し等の熱処理が施される前に、鍛造加工又は機械加工を行うことで設けられる。突起18の肉厚(径方向厚さ)は、0.8mm~1.2mmとされる。突起18肉厚が0.8mm~1.2mmであることで、突起18を適度に脱炭をさせつつ、また、内輪10同士の衝突による突起18の変形や破損を防ぐ効果がある。一方、突起18の肉厚が0.8mm未満であると内輪10同士の衝突による突起18の変形や破損が発生しやすいため好ましくなく、1.2mm超であると突起18の炭素濃度があまり低下しないため好ましくない。
このように突起18が設けられた内輪10を焼き入れ炉に入れると、突起18は薄肉の為、他部(内輪10における突起18以外の部位)より急速に温度が上昇し、表面の脱炭が進む。そして突起18の全体は、他部より炭素濃度が低下するので、焼き入れ後の硬さは他部より柔らかくなり、また、焼き入れ後のマルテンサイトの量が他部より少なく、他部より熱処理膨張が少ない為、図3に点線で示すように、結果的に径方向外側に向かって凸の円弧状に熱処理変形する。
したがって、焼き入れ後焼き戻し前(焼き戻し炉投入直後)において、内輪10同士(突起18同士)が衝突した際は、薄肉形状と円弧形状の効果で衝撃が和らぎ、圧痕や打ち疵に伴うマイクロクラックの発生が軽減される。また、図11を用いて後述するように内輪10が第3世代構造のハブユニット軸受1Aに適用された際に、内輪10とハブ輪70の嵌合や加締めにより円周応力が負荷された場合も、マイクロクラックの伝播や成長を抑えることができる。なお、突起18をハードターニングで除去したい場合にも、ハードターニング部位の幅が小さく、また、硬さも柔らかくなるので、特許文献1に記載の例に比べて加工コストを下げることができる。
本願発明は、玉軸受タイプのハブユニットに使用される内輪に比べ、重量が大きい円すいころ軸受タイプのハブユニット軸受に使用される内輪において、より顕著な効果を奏する。
本実施形態における突起は、図4~図7に示す第1~第4変形例のような形状も採用し得る。
図4に示す第1変形例では、小径段部14に、径方向外側に延びる薄肉の突起18が設けられる。突起18は、段差面16よりも軸方向一方側位置、且つ、内輪10の研削後の軸方向一方側端面10aよりも軸方向他方側位置から、径方向外側に延びる。突起18の径方向外側の先端部は、溝肩部12よりもわずかに径方向内側で終端している。この突起18は、径方向外側に向かうにつれて軸方向他方側へ若干傾きながら延びている。このように突起18に若干の傾きを持たせることで、図3に点線で示すように、径方向外側に向かって凸の円弧状に熱処理変形されることができる。
図5に示す第2変形例では、段差面16に薄肉の突起18が設けられる。突起18は、研削後の溝肩部12よりも径方向内側位置、且つ、小径段部14よりも径方向外側位置から、径方向外側に向かうにしたがって軸方向一方側に向かうように斜めに延びる。突起18の先端部は、内輪10の軸方向一方側端面10aよりもわずかに軸方向他方側にまで達し、且つ、溝肩部12よりもわずかに径方向内側にまで達している。
図6に示す第3変形例では、段差面16に薄肉の突起18が設けられる。突起18は、断面クランク形状である。より具体的に、突起18は、研削後の溝肩部12よりも径方向内側位置、且つ、小径段部14よりも径方向外側位置から、軸方向一方側に延びる軸方向延出部18aと、軸方向延出部18aの軸方向一方側の先端部から径方向外側に延びる径方向延出部18bと、を有する。軸方向延出部18aの軸方向一方側の先端部は、内輪10の軸方向一方側端面10aよりも、わずかに軸方向他方側にまで達している。径方向延出部18bの径方向外側の先端部は、溝肩部12よりもわずかに径方向内側にまで達している。この径方向延出部18bは、径方向外側に向かうにつれて軸方向他方側へ若干傾きながら延びている。このように径方向延出部18bに若干の傾きを持たせることで、内輪10の軸方向一方側端面10aよりも軸方向一方側に突出してしまうことを防止している。
図7に示す第4変形例では、内輪10は、図1~図3等に示した突起18に加え、第2突起61を有している。より具体的に、内輪10は、軸方向他方側を向いた第2段差面17を介して溝肩部12とつながり、溝肩部12よりも小径である第2小径段部19を有する。そして、第2段差面17には、薄肉の第2突起61が設けられる。第2突起61は、研削後の溝肩部12よりも径方向内側位置、且つ、第2小径段部19よりも径方向外側位置から、軸方向他方側に延びる。なお、第2突起61は、第2段差面17ではなく、第2小径段部19に設けてもよい。また、第2突起61の形状は適宜変更してよく、例えば図4~図6に示したような突起18の形状を採用してもよい。
[第2実施形態]
図8は、第2実施形態に係る複列円すいころ軸受の断面図である。図9は、内輪の断面図である。図10は、内輪の要部断面図である。
図8~図10に示すように、第2実施形態は、大型車に使用される第1世代円すいハブユニット軸受に本願発明を適用した例であり、本実施形態の複列円すいころ軸受1の内輪10は、大鍔部13の内径側にデフオイルを封止するためのOリングの係止溝63を有する。また、左右一対の内輪10,10の突合わせ面の径方向外側には、軸受内へのデフオイル進入を防止するための、断面T字形のシール51が配置されている。
このような複列円すいころ軸受1は一般に外輪回転で使用され、内輪10は軸部材に対してガタのない隙間嵌めで固定され、且つ、大鍔部13の径方向内側にOリングの係止溝63がある。したがって、円錐円周応力によるマイクロクラックの伝播や伸展は無いが、内輪10自体が重いため、内輪10同士の衝突による圧痕や打ち疵に伴うマイクロクラックの発生は避けられず、負荷による変形などによりマイクロクラックが進展した場合には、内輪軌道面11と大鍔部13との間の逃げ溝62とOリングの係止溝63との間が近いだけに、内輪10が破損する可能性がある。しかしながら、内輪10は突起18を備えているので、このような圧痕や打ち疵及びマイクロクラックの発生が抑制される。
[第3実施形態]
図11は、第3実施形態に係るハブユニット軸受の断面図である。図12は、内輪の要部断面図である。本実施形態において内輪部材3を構成する内輪10は、上述の実施形態における内輪10と同等の構成を有するので、同様の符号を付すことで、内輪10の詳細な構造に関する説明を省略又は簡略化する。
なお、第3実施形態において、「インボード側」とは、車体に取り付けた際のハブユニット軸受1Aの車体側を表し、図11中の右側である。「アウトボード側」とは、車体に取り付けた際のハブユニット軸受1Aの車輪側を表し、図11中の左側である。「軸方向」とは、ハブユニット軸受1Aの回転軸Oが延びる方向を表し、図11中の左右方向である。「径方向外側」とは、回転軸Oから遠ざかる方向を表す。「径方向内側」とは、回転軸Oに近づく方向を表す。「周方向」とは、回転軸Oを中心に旋回する方向を表す。
図11に示すように、ハブユニット軸受1Aは、第3世代構造のハブユニット軸受であり、内周面に複列の外輪軌道面21,21が形成された外輪部材20と、外周面に複列の内輪軌道面11,71が形成された内輪部材3(ハブ輪70及び内輪10)と、複列の外輪軌道面21,21と複列の内輪軌道面11,71との間に各列毎に複数個ずつ配置される複数の円すいころ30と、を備える。
外輪部材20の内周面は、円すいころ30が転動可能なテーパ状の複列の外輪軌道面21,21と、複列の外輪軌道面21,21の軸方向両側に設けられた略円筒面である一対のシール固定面23,23と、を有する。一対のシール固定面23,23は、外輪部材20の内周面の軸方向両端部に位置する。外輪部材20の内周面に形成された複列の外輪軌道面21,21は、互いに軸方向に離間している。外輪部材20の外周面には、懸架装置を構成する図示しないナックルに結合固定されるフランジ72が形成される。
内輪部材3は、ハブ輪70と、ハブ輪70とは別体である内輪10と、を有する。ハブ輪70の外周面及び内輪10の外周面には、それぞれ内輪軌道面11,71が形成されている。ハブ輪70及び内輪10の内輪軌道面11,71はそれぞれ、外輪部材20の外輪軌道面21,21と径方向に対向している。
ハブ輪70と内輪10とからなる内輪部材3の外周面は、複列の内輪軌道面71,11と、複列の内輪軌道面71,11の軸方向両側に設けられた一対の大鍔部78、13と、を有する。
外輪軌道面21,21及び内輪軌道面11,71で構成される複列の軌道には、複数の円すいころ30が周方向に等間隔で配置されている。複数の円すいころ30は、保持器40によって転動可能に保持される。保持器40に設けた各ポケット41は、複数の円すいころ30が保持器40の径方向内側に抜け出るのを防止する。
複数の円すいころ30は、互いに所定の接触角をなして外輪軌道面21,21及び内輪軌道面11,71に接触して、背面組み合わせ型(DB)軸受が構成される。これにより、ハブ輪70及び内輪10は、外輪部材20に対して回転可能となる。
ハブ輪70のインボード側端部には、小径部73が形成されている。小径部73には、内輪10が外嵌固定される。小径部73に外嵌固定された内輪10は、ハブ輪70のインボード側端部が加締め加工されることによって形成された加締め部79によって、軸方向移動が規制される。
ハブ輪70は、当該ハブ輪70のアウトボード側端部に設けられた、筒状のパイロット部75と、パイロット部75のインボード側に隣り合うように配置され、ホイールを支持するためのフランジ部76が形成される。フランジ部76は、ハブ輪70の外周面から径方向外側に延出する円盤状である。フランジ部76には、軸方向に貫通する複数の貫通孔76aが周方向に等間隔で設けられる。それぞれの貫通孔76aには、不図示のホイール及びブレーキロータなどを締結するための複数のハブボルト(不図示)が固定される。
外輪部材20と内輪部材(ハブ輪70、内輪10)との間の軸受内部空間のアウトボード側及びインボード側には一対のシール50,50が設けられる。一対のシール50,50はそれぞれ、内輪部材3(ハブ輪70及び内輪10)の一対の大鍔部78,13と、外輪部材20の一対のシール固定面23,23と、の間に設けられる。一対のシール50,50は、軸受内部空間に封入したグリースが外部空間に漏洩することを防止するとともに、泥水などの異物が外部空間から軸受内部空間に侵入することを防止するために、軸受内部空間のアウトボード側及びインボード側の開口部を塞いでいる。
ここで、本実施形態の内輪10は、上述の実施形態と同様の構造を有している。特に図12に示すように、内輪10は、外周面の軸方向一方側(インボード側)の端部に設けられ、溝肩部12よりも小径である小径段部14を有する。小径段部14は、当該小径段部14の軸方向他方側(アウトボード側)の端部から径方向外側に延び、軸方向一方側(インボード側)を向いた段差面16を介して、溝肩部12とつながる。さらに、段差面16に、軸方向一方側に延びる薄肉の突起18が設けられる。突起18は、研削後の溝肩部12よりも径方向内側位置、且つ、小径段部14よりも径方向外側位置から、軸方向一方側(インボード側)に延びる。突起18の軸方向一方側(インボード側)の先端部は、内輪10の軸方向一方側端面10aよりも、わずかに軸方向他方側(アウトボード側)にまで達している。このような構成によれば、内輪10とハブ輪70との嵌合や加締め部79により円周応力が負荷された場合に、マイクロクラックの伝播や成長を抑えることに寄与する。
尚、本発明は、上述した実施形態に限定されるものでなく、適宜、変形及び改良が可能である。
1 複列円すいころ軸受
1A ハブユニット軸受
3 内輪部材
10 内輪
10a 軸方向一方側端面
11 内輪軌道面
12 溝肩部
13 大鍔部
14 小径段部
15 小鍔部
15a 小鍔側平面
15b 小鍔外径面
15c 小鍔面
16 段差面
17 第2段差面
18 突起
18a 軸方向延出部
18b 径方向延出部
19 第2小径段部
20 外輪部材
21 外輪軌道面
23 シール固定面
30 円すいころ(転動体)
31 尾部
33 頭部
40 保持器
41 ポケット
50、51 シール
61 第2突起
62 逃げ溝
63 係止溝
70 ハブ輪
71 内輪軌道面
73 小径部
75 パイロット部
76 フランジ部
76a 貫通孔
78 大鍔部
79 加締め部
O 回転軸

Claims (4)

  1. 外周面に内輪軌道面が設けられた内輪と、
    内周面に外輪軌道面が設けられた外輪部材と、
    前記内輪軌道面と前記外輪軌道面との間に転動自在に配された複数の転動体と、
    を備えるハブユニット軸受であって、
    前記内輪は、
    前記外周面において、前記内輪軌道面と軸方向に隣り合う位置に設けられ、前記内輪軌道面よりも大径である溝肩部と、
    前記外周面の軸方向一方側の端部に設けられ、軸方向一方側を向いた段差面を介して前記溝肩部とつながり、前記溝肩部よりも小径である小径段部と、
    を有し、
    前記段差面又は前記小径段部には、薄肉の突起が設けられる、
    ハブユニット軸受。
  2. 前記突起の炭素濃度は、前記内輪における前記突起以外の部位の炭素濃度よりも低い、
    請求項1に記載のハブユニット軸受。
  3. 前記突起の肉厚は、0.8mm~1.2mmである、
    請求項1又は2に記載のハブユニット軸受。
  4. 外周面に内輪軌道面が設けられたハブユニット軸受用の内輪の製造方法であって、
    前記内輪は、
    前記外周面において、前記内輪軌道面と軸方向に隣り合う位置に設けられ、前記内輪軌道面よりも大径である溝肩部と、
    前記外周面の軸方向一方側の端部に設けられ、軸方向一方側を向いた段差面を介して前記溝肩部とつながり、前記溝肩部よりも小径である小径段部と、
    を有し、
    鍛造加工又は機械加工によって前記段差面又は前記小径段部に薄肉の突起を設けた後に、前記内輪に熱処理が施される、
    ハブユニット軸受用の内輪の製造方法。
JP2022174988A 2022-10-31 2022-10-31 ハブユニット軸受及びハブユニット軸受用の内輪の製造方法 Pending JP2024065903A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2022174988A JP2024065903A (ja) 2022-10-31 2022-10-31 ハブユニット軸受及びハブユニット軸受用の内輪の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2022174988A JP2024065903A (ja) 2022-10-31 2022-10-31 ハブユニット軸受及びハブユニット軸受用の内輪の製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2024065903A true JP2024065903A (ja) 2024-05-15

Family

ID=91064461

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2022174988A Pending JP2024065903A (ja) 2022-10-31 2022-10-31 ハブユニット軸受及びハブユニット軸受用の内輪の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2024065903A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7311363B2 (en) Bearing apparatus for a wheel of vehicle
JP4527440B2 (ja) 車輪用軸受装置及びその製造方法
JP4489672B2 (ja) 車輪用軸受装置
JP2002250358A (ja) 車輪支持用転がり軸受ユニット
JP2005188599A (ja) 車輪用軸受装置
US7618196B2 (en) Wheel bearing apparatus
JP2008115949A (ja) 車輪用軸受装置
JP2006315424A (ja) 車輪用軸受装置
EP1726388B1 (en) Method of manufacturing bearing device for vehicle
JP4455182B2 (ja) 車輪用軸受装置
JP2007211987A (ja) 車輪用軸受装置及びその製造方法
JP2008173995A (ja) 車輪用軸受装置
JP2008101685A (ja) 車輪用軸受装置およびその製造方法
JP2024065903A (ja) ハブユニット軸受及びハブユニット軸受用の内輪の製造方法
JP5099875B2 (ja) 車輪用軸受装置
JP2007147064A (ja) 車輪用軸受装置
US7909517B2 (en) Wheel support bearing assembly and manufacturing method thereof
JP4716493B2 (ja) 車輪用軸受装置
JP2007051750A (ja) 車輪用軸受装置
JP2015028372A (ja) 車輪支持用転がり軸受ユニット
JP2004150482A (ja) 円すいころ軸受用内輪部材の製造方法、円すいころ軸受用内輪部材、車軸用円すいころ軸受装置
JP2008296621A (ja) 車輪用軸受装置
WO2017038971A1 (ja) 車輪用軸受装置
JP4936739B2 (ja) 車輪用軸受装置
WO2022264880A1 (ja) 車輪用軸受装置