JP2024064475A - 虚像表示装置及び光学ユニット - Google Patents
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Abstract
【課題】画像光以外の成分が外部に漏れ出すことを防止し、外部から映像が見えやすくなることを防止する。【解決手段】虚像表示装置110は、画像光MLを出射する表示素子である表示パネル11aと、第1全反射面51iと、第2全反射面51oとを有する導光部材51aと、導光部材51aに付随して設けられた光入射側の第1回折素子DE1と、導光部材51aに付随して設けられた光射出側の第2回折素子DE2と、前記第2回折素子DE2が設けられた画像取出部IOの外界側に設けられて、第2回折素子DE2による回折光の通過を制限する迷光抑制フィルター51sとを備える。【選択図】図2
Description
本発明は、虚像の観察を可能にする虚像表示装置及び光学ユニットに関し、特に回折及び導光を利用するタイプの虚像表示装置に関する。
虚像の観察を可能にする表示装置として、画像光生成装置から射出された画像光が入射する導光部材と、導光部材の入射側に設けられて正のパワーを有する第1回折素子と、導光部材の射出側に設けられて正のパワーを有する第2回折素子と、導光部材の入射側の端部に設けられて正のパワーを有するミラーとを備え、第1回折素子を経た画像光は、ミラーで反射されて導光部材内を伝搬し、第2回折素子に入射した画像光は、第2回折素子により偏向されて射出瞳を形成するものが公知となっている(特許文献1)。
上記特許文献1に示されるような表示装置では、第2回折素子で射出瞳に向けて回折される画像光以外の成分が外部に漏れ出す可能性があり、特に回折素子として回折格子を用いる場合、画像光のかなりの部分が外部に漏れ、外部から映像が見えやすくなる。
本発明の一側面における虚像表示装置は、画像光を出射する表示素子と、第1全反射面と第2全反射面とを有する導光部材と、導光部材に付随して設けられた光入射側の第1回折素子と、導光部材に付随して設けられた光射出側の第2回折素子と、第2回折素子が設けられた画像取出部の外界側に設けられて、第2回折素子による回折光の通過を制限する迷光抑制フィルターとを備える。
〔第1実施形態〕
以下、図1等を参照して、本発明に係る虚像表示装置の第1実施形態について詳細に説明する。
以下、図1等を参照して、本発明に係る虚像表示装置の第1実施形態について詳細に説明する。
図1は、ヘッドマウントディスプレイ(以下、HMDとも称する。)200の装着状態を説明する図であり、HMD200は、これを装着する観察者又は装着者USに虚像としての映像を認識させる。図1等において、X、Y、及びZは、直交座標系であり、+X方向は、HMD200又は虚像表示装置110を装着した観察者又は装着者USの両眼EYの並ぶ横方向に対応し、+Y方向は、装着者USにとっての両眼EYの並ぶ横方向に直交する上方向に相当し、+Z方向は、装着者USにとっての前方向又は正面方向に相当する。±Y方向は、鉛直軸又は鉛直方向に平行になっている。
HMD200は、右眼用の虚像表示装置110Aと、左眼用の虚像表示装置110Bと、一対のテンプル110Cとを含み、一対の虚像表示装置110A,110Bを支持する支持装置120とを備える。第1虚像表示装置110Aは、装着者USの右側の眼EYの前方つまり+Z側を覆うように配置され、第2虚像表示装置110Bは、装着者USの左側の眼EYの+Z側を覆うように配置されている。第2虚像表示装置110Bは、第1の虚像表示装置110Aの光学的な構造を左右の+X方向に関して対称的に反転させた構造を有している。以下では、主に第1虚像表示装置110Aについて説明する。
図2を参照して、第1の虚像表示装置110Aについて説明する。図2に示す虚像表示装置110Aは、投影装置10と、制御装置80とを備える。投影装置10によって眼EYに対して虚像が表示される。なお、虚像表示装置110Aは、可視域(具体的には波長450nm~650nm)でいずれかの波長を有する画像光によって虚像を形成するとともに、可視域の外界光を部分的に透過させるものであり、外界像を背景として虚像を表示することができる。つまり、虚像表示装置110Aは、シースルー型の虚像表示装置である。
投影装置10は、光学ユニットOUであり、画像光MLを射出する画像光生成装置11と、可視域の画像光MLを表示光GLとして射出させる導光光学系50と、画像光生成装置11を動作させる駆動回路60とを備える。画像光生成装置11は、表示パネル11aとコリメーターレンズ11bとを有する。画像光生成装置11は、導光光学系50の眼位置EP側、つまり-Z方向に配置される。導光光学系50は、XY面に略平行に延びる回折導光部材51を有する。回折導光部材51は、例えばRGBの3色のカラー表示を可能にするものであり、導光部材51aと、入射回折層51bと、射出回折層51cと、迷光抑制フィルター51sとを有する。入射回折層51bは、導光部材51aの一端側の入射領域R1に付随して設けられた反射型の第1回折素子DEI1であり、画像光生成装置11から射出され回折導光部材51の導光部材51aを通過した画像光MLを反射に際して偏向し、導光部材51aの内部で導光可能な状態とする。また、射出回折層51cは、導光部材51aの他端側の射出領域R2に付随して設けられた反射型の第2回折素子DE2であり、導光部材51aの内部で導光された画像光MLを反射に際して偏向し、導光部材51aを通過させ、眼EYのある外部に向けて射出させる。迷光抑制フィルター51sは、画像光MLが導光光学系50の外界側に漏れ出すこと、つまり外界側への迷光の発生を抑制する。つまり、迷光抑制フィルター51sは、射出回折層51cから前方に画像光MLの成分である迷光が射出されアイグロウとして観察されることを防止する。ここで、アイグロウ(Eye Glow)とは、導光光学系50の眼EYに対応する眼前部分(後述する画像取出部IO)で画像光MLが外部に漏れ出し、上記眼前部分が画像光MLを外部に放つ現象である。迷光抑制フィルター51sは、具体的には、角度制御フィルターALであり、正面方向すなわち+Z方向に対して所定以上大きく傾いた方向に伝搬する光の透過を制限するものである。駆動回路60は、制御装置80の制御下で信号処理を行い、表示パネル11aに表示動作を行わせる。投影装置10又は光学ユニットOUは、表示パネル11aで生成された画像光MLを表示光GLとして装着者USの眼EYまで導くことで、装着者USに虚像を視認させる。
投影装置10において、入射回折層51bを設けた入射領域R1や駆動回路60は、遮光性を有するカバー91で覆われており、入射回折層51bからの画像光MLの漏れや画像光生成装置11で発生する迷光が外部に漏れ出すことを防止している。その一方で、カバー91は、外界像の観察を可能にするため、射出回折層51cを設けた射出領域R2を外部に露出させ、外界光が眼位置EPに入射することを可能にしている。
以下、画像光生成装置11についてより詳細に説明する。画像光生成装置11において、表示パネル11aは、虚像に対応する像を形成すべく、画像光MLを射出する表示素子又は表示デバイスであり、具体的には、例えば有機EL(有機エレクトロルミネッセンス、Organic Electro-Luminescence)、無機EL、LEDのような各種発光素子アレイのディスプレイであり、2次元の表示面11dにカラーの静止画又は動画を形成する。表示パネル11aは、自発光型の映像光生成装置に限らず、LCDその他の光変調素子で構成され、当該光変調素子をバックライトのような光源によって照明することによって画像を形成するものであってもよい。表示パネル11aとして、LCDに代えて、LCOS(Liquid crystal on silicon, LCoSは登録商標)や、デジタル・マイクロミラー・デバイス等を用いることもできる。
表示パネル11aは、図示を省略するが、レーザー光源と走査装置とを組み合わせたものに置き換えることができる。レーザー光源は、単一波長の光源であり、回折導光部材51での回折効率を比較的高くすることができ、後述する迷光抑制フィルター51sの角度選択性を比較的精密にすることができる。
コリメーターレンズ11bは、入射する光を平行化するレンズを含む投射光学系であり、表示パネル11aの表示面11dから射出された画像光MLを、所定の光線幅を有する状態に平行化し、かつ、画素位置に応じた傾斜角度状態として、回折導光部材51に設けられた入射回折層51bに向けて射出する。コリメーターレンズ11bは、樹脂又はガラス製の1以上のレンズ素子を含むものであり、反射ミラーを含むものであってもよい。コリメーターレンズ11bを構成する光学素子の光学面は、球面、非球面、及び自由曲面のいずれであってもよい。
導光光学系50の回折導光部材51において、導光部材51aは、平行平板から形成された部材であり、XY面に平行に延びる一対の平面である第1全反射面51iと第2全反射面51oとを有する。導光部材51aは、±Y方向を延伸方向としている。ここで、延伸方向とは、導光部材51aが主として延びる方向であり、導光部材51aの入射面ISから射出面ESに至る方向に相当する。回折導光部材51において、上側領域又は入射領域R1、すなわち+Y側の領域において、導光部材51aの眼EY側すなわち-Z側には、第1全反射面51iの一部である入射面ISが設けられている。回折導光部材51において、下側領域又は射出領域R2、すなわち-Y側の領域において、導光部材51aの眼EY側すなわち-Z側には、第1全反射面51iの一部である射出面ESが設けられている。回折導光部材51の入射領域R1において、眼EYの反対側すなわち+Z側には、入射面ISに対向する構造として、入射回折層51bが設けられている。また、回折導光部材51の射出領域R2において、眼EYの反対側すなわち+Z側には、射出面ESに対向する構造として、射出回折層51cが設けられている。導光部材51aにおける一対の平面である全反射面51i,51oは、入射回折層51bを介して導光部材51a中に導かれた画像光MLを全反射させて導光し、画像光MLをほとんど損失させることなく導光する。導光部材51aは、例えば厚さ1~2mm程度の厚みを有し高い光透過性を有する樹脂又はガラスにより成形される。ガラスは、面精度の確保が容易であり、この観点で導光部材51aの材料として適している。
入射回折層51bは、導光部材51aのうちコリメーターレンズ11bに対向する第1端部E1において、眼EYの反対の外側であってXY面に平行な矩形領域に形成されている。入射回折層51bと第1端部E1とを合わせて画像取込部IIと呼ぶ。入射回折層51bは、表示パネル11aの表示面11dから射出されコリメーターレンズ11bを経た画像光MLを、導光部材51aの内部に結合する。入射回折層51bは、第1回折素子DE1である。入射回折層(第1回折素子)51bは、導光部材51aと一体的に形成されるものとすることができるが、導光部材51aとは別体で形成されて導光部材51aの第2全反射面51oに接合され或いは貼り付けられるようなものであってもよい。入射回折層51bは、入射面ISを介してこれに入射した画像光MLを回折作用によって導光部材51aの内部で伝搬するように折り返すものである。入射回折層51bは、本実施形態の場合、例えば表面レリーフ回折格子であり、より具体的には、ナノインプリントによって作製した回折光学素子である。ナノインプリント製の回折光学素子は、画像光MLを透過する材料の表面に微細な凹凸を形成し、隣接する領域に所定の光路差を付与したものであり、画像光MLを反射する際に目的とする回折を生じさせる。入射回折層51bは、複数波長の画像光ML、つまり、RGB光を個別に回折する。入射回折層51bは、単一の層でRGBの3色に対して目的とする回折を生じさせるものに限らず、複数の層でRGBの3色に対して目的とする回折を生じさせるものであってもよい。入射回折層51bは、表面レリーフ回折格子に限らず、体積ホログラム等の回折機能を持った光学素子、つまり回折素子であってもよい。入射回折層51bは、横のX方向に直線状に延びる多数の突起又は溝を含み、縦のY方向に周期性を有するパターンで形成されている。入射回折層51bに形成されたパターンの格子周期(ピッチ)及び格子高さは一定である。このパターンの格子周期は、画像光MLを導光部材51a中で全反射により伝搬させるべく、導光部材51a中の反射角又は入射角が導光部材51aの屈折率で決まる臨界角より大きな角度となるように設定されている。なお、入射回折層51bは、周期的凹凸を表面に露出させたものに限らず、周期的凹凸に相当する界面を埋め込んだものとすることもできる。
射出回折層51cは、入射回折層51bの-Y側すなわち下側に位置する。射出回折層51cは、導光部材51aのうち眼位置EPに対向する第2端部E2において、眼EYの反対の外側であってXY面に平行な矩形領域に形成されている。射出回折層51cと第2端部E2とを合わせて画像取出部IOと呼ぶ。射出回折層51cは、導光部材51a内で全体として-Y方向に進む画像光MLを、導光部材51aの外部に取り出す。射出回折層51cは、第2回折素子DE2である。射出回折層51c又は第2回折素子DE2は、導光部材51aと一体的に形成されるものとすることができるが、導光部材51aとは別体で形成されて導光部材51aの第2全反射面51oに接合され或いは貼り付けられるようなものであってもよい。射出回折層51cは、画像光MLが導光部材51aの全反射面51i,51oで反射されつつ伝搬する際に、いずれかの箇所で回折作用によって画像光MLを折り返しつつ入射回折層51bに入射する前の角度情報を復元するものである。射出回折層51cは、本実施形態の場合、例えば表面レリーフ回折格子であり、より具体的には、ナノインプリントによって作製した回折光学素子である。射出回折層51cは、表面レリーフ回折格子に限らず、体積ホログラム等の回折機能を持った光学素子、つまり回折素子であってもよい。射出回折層51cは、横のX方向に直線状に延びる多数の突起又は溝を含み、縦のY方向に周期性を有するパターンで形成されている。射出回折層51cに形成されたパターンの格子周期(ピッチ)及び格子高さは一定である。このパターンのY方向に関する格子周期は、入射回折層51bのY方向に関する格子周期と一致させる。なお、射出回折層51cは、周期的凹凸を表面に露出させたものに限らず、周期的凹凸に相当する界面を埋め込んだものとすることもできる。
迷光抑制フィルター51sは、射出回折層51cの外側に配置され、射出回折層51cと略同一の形状を有する。迷光抑制フィルター51sは、射出回折層51cに貼り付けられてもよいが、支持部材を介して射出回折層51cから離間して配置されてもよい。
図3を参照して、迷光抑制フィルター51sは、縦のY方向に関して傾斜角度に依存する遮光特性を有する平板の透光部材である。迷光抑制フィルター51sは、具体的には角度制限フィルター(角度制御フィルター)ALであり、縦のY方向に関して傾斜角度又は入射角度が臨界値を超えると透過率が略ゼロになる遮光層51tを有する。遮光層51tにおいて、縦のY方向に関して、光透過部P1と遮光部P2とが交互に一定周期で配置され、横のX方向に関して、光透過部P1と遮光部P2とが線状に一様に延びている。つまり、遮光層51tは、光透過性を有する平板中に遮光部P2を埋め込んだ構造を有する。各遮光層51tは、Y方向に薄くブラインドのルーバーに相当する部材である。遮光層51tは、回折導光部材51をYZ面に投影して観察した場合に、迷光抑制フィルター51sに垂直な方向に延びる基準線SLに対して所定角度α(具体的には例えば70°)未満の光線L1を透過させ、基準線SLに対して所定角度α(具体的には例えば70°)以上の光線L2を遮光する。つまり、外界光OLは、紙面に沿ったYZ面において基準線SLに対して所定角度α以下であれば、迷光抑制フィルター51s等を通過し、外界像の観察を可能にする。虚像表示装置110Aの画角が2α以下であれば、虚像の隅の箇所まで外界像に重ねて虚像を観察することが可能になる。ただし、外界光OLのうち基準線SLに対して所定角度α以下であっても所定角度αに近い成分は、部分的に遮光され輝度が低下する傾向が生じるので、外界像については、視野周辺で減光が生じる場合もある。
射出回折層51cにおいて、射出回折層51cの厚み方向の中間点である特定の着目点DPaを通過する画像光MLについて考える。画像光MLのうち射出回折層51cで回折された透過光に関して、+1次回折光Ld+1は、基準線SLに対する傾きが所定角度α以上であり、迷光抑制フィルター51sによって遮断される。なお、0次回折光Ld0も、基準線SLに対する傾きが所定角度α以上であるが、遮光層51tに向かわない。ただし、+Y寄りの着目点DPbを通過する画像光MLの0次回折光Ld0については、迷光抑制フィルター51sによって遮断される。着目点DPaからの-1次回折光Ld-1は、基準線SLに対する傾きが所定角度α以上であるが、迷光抑制フィルター51sに向かわない。着目点DPaからの-1次回折光Ld-1は、-Y方向に近い方向に進み、外部に直接漏れ出すことはない。
以上では説明を省略したが、射出回折層51cで回折された透過光のうち、+2次回折光については、基準線SLに対する傾きが所定角度α以上であれば、迷光抑制フィルター51sによって遮断される。一方、+2次回折光の基準線SLに対する傾きが所定角度α未満であれば、迷光抑制フィルター51sによって遮断されず、迷光抑制フィルター51sを部分的に通過する。ただし、+2次回折光の強度は、+1次回折光の強度に比較してかなり低く、顕著なアイグロウとはなりにくい。
以下、回折導光部材51を利用した画像光MLの導光及び虚像の形成について説明する。表示パネル11aは、2次元の表示面11dにカラー又は特定色(例えば緑色)の静止画又は動画を形成する。表示面11dからの画像光MLは、コリメーターレンズ11bを経て入射面ISから導光部材51aに入射し、導光部材51aを透過した画像光MLは、-X方向に向かう平面視において、表示面11dのY方向の位置に応じた角度で入射回折層51bに入射し、入射回折層51bによってこれに形成されたパターンのピッチに対応する角度方向に反射されるように回折される。入射回折層51bによって回折された画像光MLは、導光部材51a中で全反射されつつ伝搬され、全体として-Y方向に進む。導光部材51a中を全体として-Y方向に伝搬する画像光MLは、射出回折層51cに入射し、射出回折層51cによってこれに形成されたパターンのピッチに対応する角度方向に反射されるように回折される。射出回折層51cによって回折された画像光MLは、導光部材51aを透過して射出面ESから装着者USの眼EYが配置される眼位置EP又は瞳位置に向けて射出される。射出回折層51cから射出する画像光MLは、+Y方向に関して表示面11dから射出される際の角度状態が再現されつつ、+Y方向に関して瞳サイズが拡大されたものとなる。つまり、画像光MLは、回折導光部材51を経て縦に関して瞳サイズが拡大され、眼EYの位置が縦に大幅にずれても、表示パネル11aからの画像光MLによる虚像を観察することができる。
制御装置80は、装着者USが操作する携帯端末であり、主制御装置81と、記憶装置82と、インターフェース装置83と、通信装置84とを有する。制御装置80は、記憶装置82のソフトウェア格納部において、制御装置80を動作させる基本的なプログラム上で動作するアプリケーションソフトとして、投影装置10に表示させる画像の選択を許容するソフト、環境に応じて投影装置10に表示させる画像を変化させるソフト等が含まれる。
以上では、入射回折層51bや射出回折層51cが表面レリーフ回折格子や体積ホログラムであるとしたが、入射回折層51bや射出回折層51cは、その他の回折素子であってもよい。射出回折層51cが体積ホログラムである場合、射出回折層51cを透過する+1次回折光がナノインプリント製の回折光学素子よりも弱くなるが、迷光抑制フィルター51sを設けることでアイグロウを確実に抑えることができる。
以上で説明した第1実施形態の虚像表示装置110又はHMD200は、画像光MLを出射する表示素子である表示パネル11aと、第1全反射面51iと第2全反射面51oとを有する導光部材51aと、導光部材51aに付随して設けられた光入射側の第1回折素子DE1と、導光部材51aに付随して設けられた光射出側の第2回折素子DE2と、前記第2回折素子DE2が設けられた画像取出部IOの外界側に設けられて、第2回折素子DE2による回折光の通過を制限する迷光抑制フィルター51sとを備える。この虚像表示装置110又はHMD200では、迷光抑制フィルター51sが第2回折素子DE2による回折光の通過を制限するので、第2回折素子DE2から前方に射出された画像光MLがアイグロウとして観察されることを防止することができる。さらに、第2回折素子DE2から前方に射出された画像光MLが映像として対面する相手に視認されることを防止することができる。
〔第2実施形態〕
以下、本発明の第2実施形態に係る虚像表示装置について説明する。なお、第2実施形態の虚像表示装置は、第1実施形態の虚像表示装置を部分的に変更したものであり、共通部分については説明を省略する。
以下、本発明の第2実施形態に係る虚像表示装置について説明する。なお、第2実施形態の虚像表示装置は、第1実施形態の虚像表示装置を部分的に変更したものであり、共通部分については説明を省略する。
図4に示すように、導光光学系50の回折導光部材51は、導光部材51aと、入射回折層51bと、瞳拡大格子層51eと、射出回折層51cと、迷光抑制フィルター51sとを有する。入射回折層51bは、第1回折素子DE1であり、縦のY方向に直線的に延び横のX方向に周期的に繰り返す回折パターンで形成されている。射出回折層51cは、第2回折素子DE2であり、横のX方向に直線的に延び縦のY方向に周期的に繰り返す回折パターンで形成されている。瞳拡大格子層51eは、第3回折素子DE3であり、入射回折層51bの-X側に設けられて導光部材51内に導かれて全体として-X方向に進む画像光MLを、角度情報を保って全体として-Y方向に進むように光路を折り曲げる。第3回折素子DE3は、第1回折素子DE1と第2回折素子DE2との間に介在して、第1回折素子DE1の回折方向(X方向)に対して交差する方向(-Y方向)に画像光MLを導くものである。瞳拡大格子層51eは、XY面に平行で斜めのDS1方向に直線的に延び、かつ、XY面に平行でDS1方向に垂直なDS2方向に周期的に繰り返す回折パターンで形成されている。DS1方向は、+Y方向に対して時計回りに45°回転させた方向となっており、-X方向と+Y方向との中間方向となっている。瞳拡大格子層51eに形成されたパターンのX方向及びY方向に関する格子周期又はピッチは、入射回折層51bに形成されたパターンのX方向に関する格子周期と一致し、かつ、射出回折層51cに形成されたパターンのY方向に関する格子周期と一致する。
画像光生成装置11からの画像光MLは、導光部材51aを介して入射回折層51bに入射し、入射回折層51bに形成されたパターンの格子周期に対応する角度方向に回折されることにより、導光部材51a中で全反射されつつ伝搬され、全体として+X方向に進む。導光部材51a中で+X方向に伝搬された画像光MLは、瞳拡大格子層51eによって回折されて-Y方向に全体としての光路を折り曲げられ、瞳拡大格子層51eで回折されるまでの反射回数を反映した+X方向の位置までシフトされる。つまり、瞳拡大格子層51eは、画像光MLが眼EYに入射する横方向又はX方向の光線幅に相当する横瞳サイズを拡大する役割を有する。瞳拡大格子層51eを経て導光部材51a中を全体として-Y方向に伝搬する画像光MLは、射出回折層51cによって回折され、眼EYに向けて射出される。射出回折層51cから射出される画像光MLは、X方向及びY方向に関して画像光生成装置11から出射され回折導光部材51に入射する前の角度状態が再現されつつ、X方向及びY方向に関して瞳サイズが拡大されたものとなる。つまり、回折導光部材51は、画像情報を維持しつつ縦及び横に関して瞳サイズを拡大するものとなっている。
本実施形態においても、第1実施形態と同様に、射出回折層51cの外側つまり+Z側には、射出回折層51cと略同一の面積領域に広がる迷光抑制フィルター51sが配置されている。迷光抑制フィルター51sは、角度制御フィルターALとして機能し、射出回折層51cを透過して迷光抑制フィルター51sに入射する画像光MLの回折光等の傾斜角度が、正面の+Z方向を基準として縦のY方向に関して所定以上に大きくなると、画像光MLに対して遮光性を示し、画像光MLが外部に漏れ出すことを阻止する。つまり、迷光抑制フィルター51sは、射出回折層51cを透過し+Z側に進む縦のY方向に関する+1次回折光等が外部に漏れ出してアイグロウとして観察されることや、+1次回折光等が映像として対面する相手に視認されることを防止することができる。
迷光抑制フィルター51sが、縦のY方向だけでなく横のX方向に関して角度に依存する遮光特性を有する透光部材であれば、迷光抑制フィルター51sがアイグロウを抑制する効果を高めることができる。このように迷光抑制フィルター51sが縦方向及び横方向に角度制御特性を持つためには、YZ面に関して角度制御機能を有する第1遮光層(図3に示す遮光層51tに相当)に追加してXZ面に関して角度制御機能を有する第2遮光層を設けることが考えられる。XZ面に関して角度制御機能を有する第2遮光層は、横のX方向に関して、光透過部と遮光部とが交互に一定周期で配置されたものとなる。迷光抑制フィルター51sは、第1遮光層と第2遮光層とを積層したものに限らず、第1遮光層と第2遮光層とを一体化したものであってもよい。この場合、迷光抑制フィルター51sは、例えばX方向及びY方向に延びる遮光部又はルーバーを光透過層内に埋め込んだ構造を有する。
〔第3実施形態〕
以下、本発明の第3実施形態に係る虚像表示装置について説明する。なお、第3実施形態の虚像表示装置は、第1実施形態及び第2実施形態の虚像表示装置を部分的に変更したものであり、共通部分については説明を省略する。
以下、本発明の第3実施形態に係る虚像表示装置について説明する。なお、第3実施形態の虚像表示装置は、第1実施形態及び第2実施形態の虚像表示装置を部分的に変更したものであり、共通部分については説明を省略する。
図5に示すように、導光光学系50の回折導光部材51は、導光部材51aと、入射回折層51bと、第1瞳拡大格子層51eaと、第2瞳拡大格子層51ebと、第1射出回折層51caと、第2射出回折層51cbと、迷光抑制フィルター51sとを有する。入射回折層51bは、第1回折素子DE1であり、縦のY方向に直線的に延び横のX方向に周期的に繰り返す回折パターンで形成されている。第1瞳拡大格子層51eaは、第3回折素子DE3であり、-X方向及び-Y方向の第1中間方向に延び、この第1中間方向に垂直な第1直交方向に周期的に繰り返す回折パターンで形成されている。第2瞳拡大格子層51ebは、第3回折素子DE3であり、-X方向及び+Y方向の第2中間方向(第1中間方向の第1直交方向に相当)に延び、この第2中間方向に垂直な第2直交方向に周期的に繰り返す回折パターンで形成されている。第1射出回折層51caは、第1瞳拡大格子層51eaの-Y方向に配置された第2回折素子DE2であり、横のX方向に直線的に延び縦のY方向に周期的に繰り返す回折パターンで形成されている。第2射出回折層51cbは、第2瞳拡大格子層51ebの-Y方向に配置された第2回折素子DE2であり、横のX方向に直線的に延び縦のY方向に周期的に繰り返す回折パターンで形成されている。
以上において、入射回折層51bは、例えば導光部材51aを挟んで第1瞳拡大格子層51ea及び第2瞳拡大格子層51ebの反対側に配置されている。
画像光生成装置11からの画像光MLは、入射回折層51bに入射し、入射回折層51bに形成されたパターンの格子周期に対応する角度方向に回折されることにより、導光部材51a中で全反射されつつ伝搬され、全体として±X方向に進む。入射回折層51bを経て導光部材51a中で-X方向に伝搬された画像光MLは、第1瞳拡大格子層51eaによって回折されて-Y方向に全体としての光路を折り曲げられ、第1瞳拡大格子層51eaで回折されるまでの反射回数を反映した-X方向の位置までシフトされる。他方、入射回折層51bを経て導光部材51a中で+X方向に伝搬された画像光MLは、第2瞳拡大格子層51ebによって回折されて-Y方向に全体としての光路を折り曲げられ、第2瞳拡大格子層51ebで回折されるまでの反射回数を反映した+X方向の位置までシフトされる。第1瞳拡大格子層51eaは、Z方向を基準として-X方向に偏った例えば0°から+20°までの画角を受け持ち、第2瞳拡大格子層51ebは、Z方向を基準として+X方向に偏った例えば-20°から0°までの画角を受け持つ。第1瞳拡大格子層51eaや第2瞳拡大格子層51ebは、横瞳サイズを拡大する。第1瞳拡大格子層51eaを経て導光部材51a中を全体として-Y方向に伝搬する画像光MLは、第1射出回折層51caによって回折され、眼EYに向けて射出される。他方、第2瞳拡大格子層51ebを経て導光部材51a中を全体として-Y方向に伝搬する画像光MLは、第2射出回折層51cbによって回折され、眼EYに向けて射出される。第1射出回折層51caや第2射出回折層51cbは、縦瞳サイズを拡大する。
本実施形態においても、第1実施形態等と同様に、射出回折層51ca,51cbの外側つまり+Z側には、射出回折層51cと略同一の面積領域に広がる迷光抑制フィルター51sが配置されている。迷光抑制フィルター51sは、角度制御フィルターALとして機能し、画像光MLが外部に漏れ出すことを阻止する。
〔第4実施形態〕
以下、本発明の第4実施形態に係る虚像表示装置について説明する。なお、第4実施形態の虚像表示装置は、第1実施形態の虚像表示装置を部分的に変更したものであり、共通部分については説明を省略する。
以下、本発明の第4実施形態に係る虚像表示装置について説明する。なお、第4実施形態の虚像表示装置は、第1実施形態の虚像表示装置を部分的に変更したものであり、共通部分については説明を省略する。
図6は、第4実施形態における虚像表示装置110又はHMD200の構造を説明する断面図であり、回折導光部材51の外側である+Z側に薄板状のカバー部材40が配置されている。カバー部材40の樹脂製の基材40aの眼位置EP側である裏面40iには、第1迷光抑制フィルター41が貼り付けられている。また、基材40aの外界側である表面40oには、第2迷光抑制フィルター42が貼り付けられている。第1迷光抑制フィルター41や第2迷光抑制フィルター42は、角度制御フィルターALとして機能し、画像光MLが外部に漏れ出すことを阻止する。なお、カバー部材40の基材40aが樹脂製であれば、道光部材51aがガラス製であっても、飛散防止の効果を確保することができる。
図7を参照して、特に第1迷光抑制フィルター41は、図3に示す迷光抑制フィルター51sと同様の構造を有し、+1次回折光Ld+1の遮光を目的とする。第2迷光抑制フィルター42は、+2次回折光Ld+2の遮光を目的とする。
本実施形態では、カバー部材40に設けた第2迷光抑制フィルター42が高次の+2次回折光Ld+2の遮光も可能にする。第1迷光抑制フィルター41や第2迷光抑制フィルター42は、目的とする回折光にそれぞれ適合させたものであり、外界光の遮光量が多くなることを防止している。
カバー部材40において、第2迷光抑制フィルター42を省略することができる。この場合、第1迷光抑制フィルター41を裏面40iに貼り付ける必要はなく、第1迷光抑制フィルター41を表面40oに貼り付けてもよい。
図8は、変形例を説明する断面図である。この場合、射出回折層51c上に第1迷光抑制フィルター41と第2迷光抑制フィルター42とが貼り付けられている。
図9は、別の変形例を説明する断面図である。この場合、入射回折層51bと射出回折層51cとが導光部材51aの内側の全反射面51i上に形成されており、透過型の回折素子となっている。第1迷光抑制フィルター41と第2迷光抑制フィルター42とは、導光部材51aの外側の全反射面51o上に貼り付けられている。
〔第5実施形態〕
以下、本発明の第5実施形態に係る虚像表示装置について説明する。なお、第5実施形態の虚像表示装置は、第1実施形態やの虚像表示装置を部分的に変更したものであり、共通部分については説明を省略する。
以下、本発明の第5実施形態に係る虚像表示装置について説明する。なお、第5実施形態の虚像表示装置は、第1実施形態やの虚像表示装置を部分的に変更したものであり、共通部分については説明を省略する。
図10は、第5実施形態における虚像表示装置110又はHMD200の構造を説明する断面図であり、回折導光部材51の外側に配置されたカバー部材40の基材40aの表面40oには、第1迷光抑制フィルター41が貼り付けられており、カバー部材40の裏面40iには、波長カットフィルター44が貼り付けられている。波長カットフィルター44は、波長制限フィルターNFである。波長カットフィルター44は、具体的にはノッチフィルターであり、第2回折素子DE2である射出回折層51cの外界側に回折光が射出されることを防止する。波長制限フィルターNFは、射出回折層51c又は第2回折素子DE2による複数波長の回折光のうち特定波長の回折光の通過を制限するフィルターである。表示パネル11aから出射する画像光MLの波長域が広い場合、入射回折層51b及び射出回折層51cの設計上の対象波長からずれた波長の画像光MLが、導光部材51a及び入射回折層51bを介して射出回折層51cへ伝搬する。そのため、ずれた波長の画像光MLは、第1迷光抑制フィルター41を透過して、アイグロウとして外界から観察される可能性がある。しかしながら、波長カットフィルター44を画像光MLの光路上に設けることで、ずれた波長の画像光MLによるアイグロウを抑制することができる。つまり、目的の波長からずれた特定波長の回折光にいずれについても、アイグロウの抑制効果を高めることができる。
図11は、変形例を説明する断面図である。この場合、表示パネル11aとコリメーターレンズ11bとの間に波長カットフィルター14を設けている。この波長カットフィルター14は、図11に示す波長カットフィルター44と同様の機能を有する。このように、波長カットフィルター44は、表示素子である表示パネル11aから第2回折素子DE2である射出回折層51cの光射出側までの光路上のいずれに配置されえもよい。
〔第6実施形態〕
以下、本発明の第6実施形態に係る虚像表示装置について説明する。なお、第6実施形態の虚像表示装置は、第1実施形態やの虚像表示装置を部分的に変更したものであり、共通部分については説明を省略する。
以下、本発明の第6実施形態に係る虚像表示装置について説明する。なお、第6実施形態の虚像表示装置は、第1実施形態やの虚像表示装置を部分的に変更したものであり、共通部分については説明を省略する。
図12に示す虚像表示装置110又はHMD200の場合、射出回折層51c上に第3迷光抑制フィルター43が貼り付けられている。つまり、図2等に示す迷光抑制フィルター51sに代えて第3迷光抑制フィルター43が配置されている。第3迷光抑制フィルター43は、表示パネル11aから出射する画像光MLに含まれるRGBの波長成分を選択的にカットする波長制限フィルターNF2である。この場合、画像光MLの外界側への漏れを直接的かつ確実に回避することができる。
〔その他の事項〕
以上で説明した構造は例示であり、同様の機能を達成できる範囲で、種々変更することができる。
以上で説明した構造は例示であり、同様の機能を達成できる範囲で、種々変更することができる。
迷光抑制フィルター51sは、XY面内で一様な遮光特性を有するものに限らず、XY面内で遮光特性に分布を持たせてもよい。上記実施形態において、迷光抑制フィルター51sは、射出回折層51cをカバーする範囲に形成されているが、射出回折層51cを局所的にカバーするものであってもよい。
迷光抑制フィルター51sは、光透過部P1中に直線上に延びる遮光部P2を周期的に配置するものに限らず、回折素子を用いたものであってもよい。
第1回折素子DE1や第2回折素子DE2は、パワーを有しないものに限らず、パワーを有するものであってもよい。例えば、第1回折素子DE1を導光部材51a中に画像光MLを結合させるコリメーターとして機能させ、第2回折素子DE2を導光部材51a中で伝搬する画像光MLを眼位置EPに取り出す接眼レンズとして機能させることができる。
以上では、虚像表示装置110等を、HMDとして利用可能としているが、これに限らず、種々の光学機器に適用可能であり、例えばヘッドアップディスプレイ(HUD:Head-Up Display)において、本願発明を適用することも可能である。
具体的な態様における虚像表示装置は、画像光を出射する表示素子と、第1全反射面と第2全反射面とを有する導光部材と、導光部材に付随して設けられた光入射側の第1回折素子と、導光部材に付随して設けられた光射出側の第2回折素子と、第2回折素子が設けられた画像取出部の外界側に設けられて、第2回折素子による回折光の通過を制限する迷光抑制フィルターとを備える。
上記虚像表示装置では、迷光抑制フィルターが第2回折素子による回折光の通過を制限するので、第2回折素子から前方に射出された画像光がアイグロウとして観察されることを防止することができる。また、第2回折素子から前方に射出された画像光が映像として対面する相手に視認されることを防止することができる。
具体的な側面において、迷光抑制フィルターは、平板中に所定間隔で繰り返し配置された遮光部を含む角度制限フィルターである。この場合、薄型の角度制限フィルターによって迷光抑制フィルターを軽量化しつつ回折光の阻止効率を高めることができる。
具体的な側面において、前記第2回折素子による複数波長の回折光のうち特定波長の回折光の通過を制限するフィルターを含む。この場合、目的の波長からずれた特定波長の回折光について、アイグロウの抑制効果を高めることができる。
具体的な側面において、迷光抑制フィルターは、第2回折素子による複数次数の回折光の通過を制限する複数のフィルターを含む。この場合、複数次数の回折光のいずれについても、アイグロウの抑制効果を高めることができる。
具体的な側面において、画像取出部の外界側に配置される平板状の光透過部材をさらに備え、迷光抑制フィルターは、光透過部材の外界側及び眼位置側のいずれかに設けられる。この場合、迷光抑制フィルターの性能を維持しつつ迷光抑制フィルターの配置の自由度を高めることができる。
具体的な側面において、光透過部材は、樹脂製であり、導光部材は、ガラス製である。光透過部材は、全反射角を比較的大きくできる導光部材を防護する役割を有する。
具体的な側面において、迷光抑制フィルターは、光透過部材の外界側及び眼位置側の両方に設けられる。
具体的な側面において、第1回折素子及び第2回折素子は、複数波長の画像光を個別に回折する。つまり、第1回折素子及び第2回折素子は、カラー表示を可能にする。
具体的な側面において、第1回折素子と第2回折素子との間に介在して、第1回折素子の回折方向に対して交差する方向に画像光を導く第3回折素子を含む。第3回折素子は、画像光が眼に入射する光線幅を第1回折素子の回折方向に対して交差する方向に拡大する役割を有する。
具体的な側面において、表示素子から第2回折素子の光射出側までの光路上に配置されて、第2回折素子の外界側に回折光が射出されることを防止する波長制限フィルターをさらに備える。この場合、第2回折素子から前方に意図しない波長の画像光が射出されアイグロウとして観察されることを防止することができる。
前記迷光抑制フィルターは、画像光が第2回折素子の外界側に射出されることを防止する波長制限フィルターである。
具体的な態様における光学ユニットは、画像光を出射する表示素子と、第1全反射面と、第2全反射面とを有する導光部材と、導光部材に付随して設けられた光入射側の第1回折素子と、導光部材に付随して設けられた光射出側の第2回折素子と、第2回折素子が設けられた画像取出部の外界側に設けられて、第2回折素子による回折光の通過を制限する迷光抑制フィルターとを備える。
10…投影装置、11…画像光生成装置、11a…表示パネル、14,44…波長カットフィルター、40…カバー部材、50…導光光学系、51…回折導光部材、51a…導光部材、51b…入射回折層、51c…射出回折層、51e…瞳拡大格子層、51i,51o…全反射面、51s…迷光抑制フィルター、51t…遮光層、60…駆動回路、91…カバー、110,110A,110B…虚像表示装置、AL…角度制御フィルター、EP…眼位置、ES…射出面、EY…眼、GL…表示光、II…画像取込部、IO…画像取出部、IS…入射面、ML…画像光、NF…波長制限フィルター、OL…外界光、OU…光学ユニット、US…装着者
Claims (12)
- 画像光を出射する表示素子と、
第1全反射面と第2全反射面とを有する導光部材と、
前記導光部材に付随して設けられた光入射側の第1回折素子と、
前記導光部材に付随して設けられた光射出側の第2回折素子と、
前記第2回折素子が設けられた画像取出部の外界側に設けられて、前記第2回折素子による回折光の通過を制限する迷光抑制フィルターと、
を備える虚像表示装置。 - 前記迷光抑制フィルターは、平板中に所定間隔で繰り返し配置された遮光部を含む角度制限フィルターである、請求項1に記載の虚像表示装置。
- 前記第2回折素子による複数波長の回折光のうち特定波長の回折光の通過を制限するフィルターを含む、請求項1に記載の虚像表示装置。
- 前記迷光抑制フィルターは、前記第2回折素子による複数次数の回折光の通過を制限する複数のフィルターを含む、請求項1に記載の虚像表示装置。
- 前記画像取出部の外界側に配置される平板状の光透過部材をさらに備え、
前記迷光抑制フィルターは、前記光透過部材の外界側及び眼位置側のいずれかに設けられる、請求項1に記載の虚像表示装置。 - 前記光透過部材は、樹脂製であり、
前記導光部材は、ガラス製である、請求項5に記載の虚像表示装置。 - 前記迷光抑制フィルターは、前記光透過部材の外界側及び眼位置側の両方に設けられる、請求項5に記載の虚像表示装置。
- 前記第1回折素子及び前記第2回折素子は、複数波長の画像光を個別に回折する、請求項1に記載の虚像表示装置。
- 前記第1回折素子と前記第2回折素子との間に介在して、前記第1回折素子の回折方向に対して交差する方向に画像光を導く第3回折素子を含む、請求項1に記載の虚像表示装置。
- 前記表示素子から前記第2回折素子の光射出側までの光路上に配置されて、前記第2回折素子の外界側に前記回折光が射出されることを防止する波長制限フィルターをさらに備える、請求項1に記載の虚像表示装置。
- 前記迷光抑制フィルターは、前記画像光が前記第2回折素子の外界側に射出されることを防止する波長制限フィルターである、請求項1に記載の虚像表示装置。
- 画像光を出射する表示素子と、
第1全反射面と、第2全反射面とを有する導光部材と、
前記導光部材に付随して設けられた光入射側の第1回折素子と、
前記導光部材に付随して設けられた光射出側の第2回折素子と、
前記第2回折素子が設けられた画像取出部の外界側に設けられて、前記第2回折素子による回折光の通過を制限する迷光抑制フィルターと、
を備える光学ユニット。
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