JP2024063668A - 車両用自動変速機の制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】アイドルアップ中において、エンジンの被駆動状態であっても駆動状態と誤判断されない車両用自動変速機の制御装置を提供する。【解決手段】アイドルアップ中判定手段(S12)によりエンジン30のアイドルアップ中であると判定される場合には、判定閾値変更手段(S15)により、被駆動状態判定閾値が変更されるので、アイドルアップ中において、被駆動状態判定手段によるエンジン30からの入力トルクに基づく被駆動状態の判定精度が高められ、アイドルアップ中においてエンジンの被駆動状態であっても駆動状態と誤判断されることが回避される。【選択図】図5

Description

本発明は、車両用自動変速機の制御装置に関し、特に、エンジンがアイドルアップしているときに車両の駆動状態/非駆動状態を適切に判定して、変速制御を好適に実施することができるようにする変速制御技術に関するものである。
複数の係合要素を有する車両用自動変速機において、開放側係合要素の開放と係合側係合要素の係合とを行なうことで変速段を切り替える変速制御が知られている。このような変速制御では、たとえば、変速期間の初期に、開放側係合装置の開放を開始させつつ、係合側係合要素が係合力を発生する直前の待機油圧状態になるまで係合側係合要素に急速に作動油を充填する急速充填を行い、この急速充填によって上昇した待機油圧を維持し(充填相)、その後、係合側係合要素内の油圧を所定速度で上昇させることで、各係合要素のトルク分担が変化する期間であるトルク相へ移行させ、次いで、入力軸回転数が所定の速度で変化する目標回転に追従するように係合側係合要素内の油圧をフィードバック制御することで、自動変速機の入力軸および出力軸間の回転数の比(変速比)が変化する期間であるイナーシャ相へ移行させられる。
上記のイナーシャ相では、回転系の慣性力の変化によるイナーシャトルクが発生し、このイナーシャトルクによる出力軸の変化によって変速ショックが発生することがあり、このイナーシャ相で発生する変速ショックは、入力軸回転数の変化率に依存することがわかっているので、フィードバック制御を行なうことで、変速ショックが発生しないように入力軸回転数が制御される。
イナーシャ相の開始は、車両の加速分を考慮するために、たとえば(1)式で求められる変速進行度評価値Fが正となる場合に判定される。たとえばアップ変速の場合には、(1)式において、Ntは自動変速機の入力軸(タービン)回転数、Noは自動変速機の出力軸回転数、Rgは自動変速機の変速前のギヤ比である。実際には、回転信号のふらつきやノイズの影響を考慮して、F≧Δn(Δnは0より大きいイナーシャ相判定しきい値)が用いられる。
No×Rg-Nt=F ・・・ (1)
しかし、たとえば、アクセルペダルの戻し操作によるパワーオフアップシフトや、アクセル全閉状態でのマニアル変速時では、入力軸回転数Ntが低下して上記(1)式が成立し、イナーシャ相開始点の誤判断が発生する場合がある。このようなイナーシャ相開始点の誤判断は、たとえば未だ充填相中にかかわらずイナーシャ相のフィードバック制御が開始されていまい、係合側係合要素の油圧が不足して入力軸回転数Ntの動きを適切に調整できず、変速が遅れたり、反対に、係合側係合要素の油圧が過剰となって、実油圧のオーバシュートによる変速ショックが発生するという不都合がある。
これに対して、変速制御中に自動変速機の入力軸回転数の低下が発生する場合でも、充填相の油圧制御による係合要素が十分な係合力を発生した状態で、イナーシャ相制御を開始することができるように、エンジンが非駆動状態と判断される場合には、イナーシャ相の判定を所定の判定期間期間が経過するまで禁止することが提案されている。たとえば、特許文献1に記載された車両用自動変速機の制御装置がそれである。
特開2008-115975号公報
ところで、特許文献1に記載されたような車両用自動変速機の制御装置では、変速制御中にエンジン制御パラメータ(エンジントルク又はスロットル弁開度等)に基づいてエンジンの駆動状態/非駆動状態が判断されている。このため、エンジンがアイドルアップ中において、自動変速機内の状態は非駆動状態であっても、エンジン制御パラメータに基づくと駆動状態と誤判断して変速制御を動作させてしまい、変速ショックを発生させるという問題があった。アイドルアップ中は、アイドルアップ分が加算された推定入力トルクが用いられるが、摩擦損失等の影響を受けて加算値程の推定入力トルクが得られないため、推定値と実際値との乖離が発生して、非(被)駆動状態であっても駆動状態と誤判断されると考えられる。
本発明は、以上の事情を背景として為されたものであり、その目的とするところは、アイドルアップ中において、エンジンの被駆動状態であっても駆動状態と誤判断されない車両用自動変速機の制御装置を提供することにある。
本発明の要旨とするところは、(a)複数の係合要素を選択的に係合させることで変速段を切り換え、切り換えられた変速段でエンジンの駆動力を駆動輪へ伝達する車両用自動変速機と、前記エンジンからの入力トルクと被駆動状態判定閾値とに基づいて被駆動状態と判断する被駆動状態判定手段と、を備え、前記被駆動状態判定手段により前記エンジンが被駆動状態と判断される場合には、前記自動変速機の変速制御内容を変更する車両用自動変速機の制御装置であって、(b)前記エンジンのアイドルアップ中であるか否かを判定するアイドルアップ中判定手段と備え、(c)前記アイドルアップ中判定手段により前記エンジンのアイドルアップ中であると判定されると、前記被駆動状態判定閾値を変更する判定閾値変更手段と、を含むことにある。
本発明の車両用自動変速機の制御装置によれば、前記アイドルアップ中判定手段により前記エンジンのアイドルアップ中であると判定されている場合には、判定閾値変更手段により、前記被駆動状態判定閾値が変更される。これにより、アイドルアップ中において、被駆動状態判定手段による前記エンジンからの入力トルクに基づく被駆動状態の判定精度が高められるので、アイドルアップ中においてエンジンの被駆動状態であっても駆動状態と誤判断されない。
ここで、好適には、前記判定閾値変更手段は、前記被駆動状態判定閾値を前記エンジンの駆動状態の値よりも高い側に変更し、前記被駆動状態判定手段は、前記エンジンからの入力トルクが被駆動状態判定閾値を下回ることに基づいて被駆動状態と判断する。これにより、被駆動状態判定範囲が拡大するように被駆動状態判定閾値が高い値に変更されるので、アイドルアップ中のためにエンジントルクが増加させられていても、エンジンが被駆動状態と判定される。
また、好適には、前記変速段の切り替え時におけるイナーシャ相の開始点を判定するイナーシャ相開始点判定手段と、前記被駆動状態判定手段により前記エンジンが被駆動状態と判断される場合には、イナーシャ相開始点判定手段によるイナーシャ相の判定を、所定の待機期間が経過するまで禁止する禁止手段とを備えることにある。これにより、禁止手段による、イナーシャ相開始点判定手段によるイナーシャ相の判定が所定の判定期間期間が経過するまで禁止される制御が、アイドルアップ中であっても確実に被駆動状態で実行される。
本発明の一実施例の車両用自動変速機の構成例を説明する骨子図である。 図1の車両用自動変速機の変速段とそれを達成する係合要素の組み合わせとの間の関係を説明する図である。 本発明の一実施例の車両用自動変速機およびそれを制御する電子制御装置を含む制御構成を説明するブロック線図である。 図1に示す自動変速機の変速時において、係合側係合要素の係合油圧の上昇制御例を示す図である。 図1の電子制御装置の制御作動の要部を説明するフローチャートであって、アイドルアップ中の被駆動判定閾値の変更制御ルーチンを説明する図である。 図1の電子制御装置の変速制御作動ルーチンを説明するフローチャートである。
以下、本発明の実施例を図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明が適用される車両10に備えられた有段変速機としての自動変速機12の構成を説明する骨子図である。図2は自動変速機12の複数のギヤ段GS(変速段GS)を成立させる際の摩擦係合装置の作動状態を説明する作動表である。自動変速機12は、車体に取り付けられる非回転部材としてのトランスアクスルケース14(以下、ケース14)内において、シングルピニオン型の第1遊星歯車装置16を主体として構成されている第1変速部18と、ダブルピニオン型の第2遊星歯車装置20及びシングルピニオン型の第3遊星歯車装置22を主体としてラビニヨ型に構成されている第2変速部24とを共通の軸心C上に有し、入力軸26の回転を変速して出力歯車28から出力する。入力軸26は、走行用の駆動力源であるエンジン30によって回転駆動される流体伝動装置としてのロックアップクラッチ33付のトルクコンバータ32のタービン軸と一体的に構成されている。また、出力歯車28は、自動変速機12の出力回転部材に相当するものであり、本実施例では例えば図3に示す差動歯車装置34に動力を伝達する為に、デフリングギヤ35と噛み合うことでファイナルギヤ対を構成するデフドライブピニオンと同軸上に配置されたカウンタドリブンギヤと噛み合ってカウンタギヤ対を構成するカウンタドライブギヤとして機能している。そして、エンジン30の出力は、トルクコンバータ32、自動変速機12、差動歯車装置34、及び一対の車軸36等を含む車両用動力伝達装置11を順次介して左右の駆動輪38へ伝達されるようになっている(図3参照)。尚、図1の骨子図では、自動変速機12やトルクコンバータ32は中心線(軸心)Cに対して下半分が省略されている。
自動変速機12は、有段式自動変速機であり、図2に示すように、例えば、クラッチC1とブレーキB2との係合により第1速ギヤ段(1ST)が、クラッチC1とブレーキB1又は一方向クラッチF1との係合により第2速ギヤ段(2ND)が、クラッチC1とブレーキB3との係合により第3速ギヤ段(3RD)が、クラッチC1とクラッチC2との係合により第4速ギヤ段(4TH)が、クラッチC2とブレーキB3との係合により第5速ギヤ段(5TH)が、クラッチC2とブレーキB1との係合により第6速ギヤ段(6TH)が、それぞれ成立させられる。また、ブレーキB2とブレーキB3との係合により後進ギヤ段(R)が成立させられ、クラッチC1、C2、及びブレーキB1~B3の何れもが解放されることによりニュートラル状態とされる。
上記クラッチC1、C2、及びブレーキB1~B3(以下、特に区別しない場合は単にクラッチC、ブレーキBという)は、例えば多板式のクラッチやブレーキなど油圧アクチュエータによって係合制御され、係合によりエンジン30の動力を駆動輪38側へ伝達する油圧式摩擦係合要素である。そして、油圧制御回路110内のリニアソレノイドバルブSL1~SL5(図3参照)の励磁、非励磁や電流制御により、各クラッチC及びブレーキBの係合、解放状態が切り換えられると共に、係合、解放時の過渡係合油圧などが制御される。
図2の作動表は、上記各ギヤ段GSとクラッチC1、C2、及びブレーキB1~B3の作動状態との関係をまとめたものであり、「○」は係合、「◎」はエンジンブレーキ時のみ係合を表している。たとえば第1速ギヤ段から第2速ギヤ段への変速に際しては、係合側係合要素であるブレーキB1を係合させる制御により実行され、たとえば第2速ギヤ段から第3速ギヤ段への変速に際しては、開放側係合要素であるブレーキB1が開放させる制御と係合側係合要素であるブレーキB3を係合させる制御により実行される。上記係合側係合要素は、たとえば図4に示すように、油圧を上昇させる制御が行なわれる。
図3は、エンジン30や自動変速機12などを制御する為に車両10に設けられた電気的な制御系統の要部を説明するブロック線図である。図3において、車両10には、例えばエンジン30の動力を後段側(駆動輪38側)へ伝達するクラッチ(例えばクラッチC1やロックアップクラッチ33)の油圧制御をエンジン30の出力トルクに応じて実行する車両用油圧制御装置を含む電子制御装置50が備えられている。この電子制御装置50は、例えばCPU、RAM、ROM、入出力インターフェース等を備えた所謂マイクロコンピュータを含んで構成されており、CPUはRAMの一時記憶機能を利用しつつ予めROMに記憶されたプログラムに従って信号処理を行うことにより車両10の各種制御を実行する。例えば、電子制御装置50は、エンジン回転数の制御装置、エンジン30の出力制御装置、変速パターンに基づく自動変速機12の変速制御装置、ロックアップクラッチ33のトルク容量制御装置、エンジン30の冷却水温度THが所定値よりも低い冷間時において或いはエヤコン作動時においてエンジンのアイドル回転数を常温時のアイドル回転数よりも所定値高めるアイドルアップ制御装置等として機能する。
電子制御装置50には、例えば作動油温センサ52により検出された油圧制御回路110内の作動油(例えば公知のATF)の温度である作動油温THOILを表す信号、アクセル開度センサ54により検出された運転者による車両10に対する要求量(ドライバ要求量)としてのアクセルペダル56の操作量であるアクセル開度Accを表す信号、エンジン回転数センサ58により検出されたエンジン30の回転数であるエンジン回転数Nを表す信号、冷却水温センサ60により検出されたエンジン30の冷却水温度THを表す信号、吸入空気量センサ62により検出されたエンジン30の吸入空気量Qを表す信号、スロットル弁開度センサ64により検出された電子スロットル弁の開度であるスロットル弁開度θTHを表す信号、車速センサ66により検出された車速Vに対応する出力歯車28の回転数である出力回転数NOUTを表す信号、ブレーキスイッチ68により検出された常用ブレーキであるフットブレーキの作動中(踏込操作中)を示すフットブレーキペダル70の操作(ブレーキオン)BONを表す信号、レバーポジションセンサ72により検出されたシフトレバー74のレバーポジション(操作位置、シフトポジション)PSHを表す信号、タービン回転数センサ76により検出されたトルクコンバータ32のタービン軸の回転数であるタービン回転数N(すなわち入力軸26の回転数である入力軸回転数NIN)を表す信号などがそれぞれ供給される。
また、電子制御装置50からは、例えばエンジン30の出力制御の為のエンジン出力制御指令信号Sとして、アクセル開度Accに応じて電子スロットル弁の開閉を制御する為のスロットル弁アクチュエータへの駆動信号や燃料噴射装置から噴射される燃料噴射量を制御する為の噴射信号やイグナイタによるエンジン30の点火時期を制御する為の点火時期信号などが出力される。また、例えば自動変速機12の変速制御の為の油圧制御指令信号Sとして、自動変速機12のギヤ段GSを切り換える為に油圧制御回路110内のリニアソレノイドバルブSL1~SL5の励磁、非励磁などを制御する為のバルブ指令信号(油圧指令信号、油圧指令値、駆動信号)や第1ライン油圧PL1などを調圧制御する為のリニアソレノイドバルブSLTへの油圧指令信号などが出力される。また、例えばロックアップクラッチ33の係合、解放、スリップ量N(=N-Nt)を制御する為のロックアップ制御指令信号SLCとして、油圧制御回路110内に備えられたソレノイド弁SL及びリニアソレノイド弁SLUを駆動する為の油圧指令信号などが油圧制御回路110へ出力される。
ここで、エンジン制御用のエンジン制御装置を例にすれば、電子制御装置50は、例えばアクセル開度Accに基づいて車両10が発生すべき目標となる駆動力関連値(目標駆動力関連値)を設定すると共にそのアクセル開度Accに基づく目標駆動力関連値と運転支援系制御用の制御装置から出力された目標駆動力関連値とを調停してドライバモデル目標駆動力関連値を設定し、そのドライバモデル目標駆動力関連値と車両姿勢安定制御用の制御装置から出力された目標駆動力関連値とをパワトレマネージャーにより調停して最終的な目標駆動力関連値を設定して、その目標駆動力関連値を実現するようにエンジン30の出力を制御する。
シフトレバー74は、例えば運転席の近傍に配設され、図3に示すように、5つのレバーポジション「P」、「R」、「N」、「D」、または「S」へ手動操作されるようになっている。
図5は、電子制御装置90の変速制御装置として機能するうちの、アイドルアップ中の被駆動判定閾値の変更制御ルーチンを説明するフローチャートであり、図6は変速制御ルーチンを説明するフローチャートであり、それぞれ所定の制御サイクルで繰り返し実行される。
図5において、ステップS11( 以下、ステップを省略する)では、アイドルアップ制御状態が読み込まれる。アイドルアップ制御とは、エンジン30の冷却水温度THが所定値よりも低い冷間時において或いはエヤコン作動時において、暖機のため或いはエヤコンのコンプレッサの駆動のために、エンジン30のアイドル回転数NEidlを常温時のアイドル回転数たとえば700rpmよりも所定値たとえば1000rpm程度上昇させる制御であり、上記アイドルアップ制御状態とは、アイドルアップ制御によりエンジン30のアイドル回転数が常温時のアイドル回転数よりも所定値高いアイドルアップ中の状態であるか否かである。
アイドルアップ中判定手段として機能するS12では、エンジン30の回転数がアイドルアップ中であるか否かが、たとえばエンジン回転数制御のアイドル回転指令値或いは実際のエンジン30のアイドル回転数NEidl が、予め設定されたアイドルアップ判定閾値を超えたことに基づいて判断される。このアイドルアップ判定閾値は、エンジン30の冷却水温度THが低くなるほど高く設定されてもよい。
S12の判断が否定された場合は、判定閾値変更手段として機能するS13において、エンジン30から入力軸26に入力されるトルクに基づいてエンジン30の駆動状態/被(非)駆動状態を判定するための被駆動状態判定閾値として被駆動状態判定閾値A1が設定される。そして、被駆動状態判定手段として機能するS14において、エンジン30が被駆動状態であるいか否かの判断のための閾値として被駆動状態判定閾値A1が用いられ、エンジン30から入力軸26に入力されるトルクの大きさが被駆動状態判定閾値A1を上回る駆動状態であるか、或いは被駆動状態判定閾値A1以下である被駆動状態であるかが判断される。
S12の判断が肯定された場合は、判定閾値変更手段として機能するS15において、エンジン30から入力軸26に入力されるトルクに基づいてエンジン30の駆動状態/被駆動状態を判定するための被駆動状態判定閾値として被駆動状態判定閾値B1が設定される。この被駆動状態判定閾値B1は、被駆動状態判定範囲が拡大するように上記被駆動状態判定閾値A1よりも高い側すなわち大きい側の値に設定されている。そして、被駆動状態判定手段として機能するS14において、エンジン30が被駆動状態であるいか否かの判断のための閾値として被駆動状態判定閾値Bが用いられ、エンジン30から入力軸26に入力されるトルクの大きさが被駆動状態判定閾値B1を上回る駆動状態であるか、或いは被駆動状態判定閾値B1以下である被駆動状態であるかが判断される。
ここで、エンジン30が被(非)駆動状態とは、エンジン30が負のトルクを発生している状態すなわちエンジンブレーキが効いている減速(パワーオフ)状態を意味している。反対に、エンジン30が駆動状態とは、エンジン30が正のトルクを発生している状態すなわちエンジン30の駆動トルクが駆動輪38に伝達して車両10に加速力が発生しいる加速(パワーオン)状態を意味している。
図6において、S1では、自動変速機12の変速制御中であるか否かが、自動変速機12が変速指令から変速終了までの間であるか否かに基づいて判断される。このS1の判断が否定される場合は本変速制御ルーチンが終了させられるが、肯定される場合は、S2において、変速制御開始後の1回目の演算周期すなわち1回目の制御サイクルであるか否かが判断される。
S2の判断が肯定された場合は、S3において、タイマTの計数内容が「0」にリセットされるが、否定された場合は、S4においてタイマTがカウントアップされる。
次いで、エンジン30の被駆動状態判定手段として機能するS5において、エンジン30が被駆動状態であるか否かが、図6の被駆動判定閾値の経項制御ルーチンにおいて決定された被駆動状態判定閾値を用いて判断される。すなわち、エンジン30がアイドルアップ中でない場合には、エンジン30から入力軸26に入力されるトルクが被駆動状態判定閾値A1以下であるか否かに基づいてエンジン30が被駆動状態であるか否かが判断され、エンジン30がアイドルアップ中である場合には、エンジン30から入力軸26に入力されるトルクが被駆動状態判定閾値B1以下であるか否かに基づいてアイドルアップ中のエンジン30が被駆動状態であるか否かが判断される。なお、上記エンジン30から入力軸26に入力されるトルクは、予め記憶されたエンジン回転数とスロットル弁開度とエンジン出力トルクとの関係から、実際のエンジン回転数とスロットル弁開度とに基づいて算出(推定)される。
S5の判断が否定される場合は、S6がスキップされ、S7において、イナーシャ相判定許可フラグがオンとされるとともに、変速段の切り替え時におけるイナーシャ相の開始点を判定するイナーシャ相開始点判定手段として機能するS9において、たとえば変速前の入力軸回転数(No×Rg)と実際の入力軸回転数Ntとの差がイナーシャ相判定閾値Δn(>0)以上となったことに基づいてイナーシャ相の開始点が判定され、以後のイナーシャ相では、入力軸回転数の変化率が一定の目標値となるように、入力軸回転数のフィードバック制御が行なわれる。イナーシャ相では、回転系の慣性力の変化によるイナーシャトルクが発生し、このイナーシャトルクによる出力軸の変化によって変速ショックが発生することがあり、このイナーシャ相で発生する変速ショックは、入力軸回転数の変化率に依存することがわかっているので、フィードバック制御を行なうことで、入力軸回転数の変化率を一定として変速ショックが発生しないように入力軸回転数が制御される。
S5の判断が否定された場合は、S6において、タイマTの計数内容が予め設定された所定時間に対応する値以上となったか否かが判断される。当初は、このS6の判断が否定されるので、S8において、イナーシャ相判定許可フラグがオフとされるとともに、S9以下が実行されることが繰り替えされる。
S6の判断が肯定されると、否定されるので、S7において、イナーシャ相判定許可フラグがオンとされるとともに、変速段の切り替え時におけるイナーシャ相の開始点を判定するイナーシャ相開始点判定として機能するS9において、イナーシャ相の開始点が判定され、以後のイナーシャ相では、入力軸回転数の変化率が一定の目標値となるように、入力軸回転数のフィードバック制御が行なわれる。上記S6、S8は、被駆動状態判定手段として機能するS5によりエンジン30が被駆動状態と判断される場合に、イナーシャ相開始点判定手段として機能するS7によるイナーシャ相の判定を所定の待機期間が経過するまで禁止する禁止手段として機能している。
上述のように、本実施例の自動変速機12の制御装置(電子制御装置50)によれば、エンジン30からの入力トルクと被駆動状態判定閾値とに基づいて被駆動状態と判断する被駆動状態判定手段(S5)と、エンジン30のアイドルアップ中であるか否かを判定するアイドルアップ中判定手段(S12)と、エンジン30のアイドルアップ中であると判定されると、被駆動状態判定閾値を変更する判定閾値変更手段(S15)と、を含む。これにより、アイドルアップ中判定手段(S12)によりエンジン30のアイドルアップ中であると判定される場合には、判定閾値変更手段(S15)により、被駆動状態判定閾値が変更されるので、アイドルアップ中において、被駆動状態判定手段によるエンジン30からの入力トルクに基づく被駆動状態の判定精度が高められ、アイドルアップ中においてエンジンの被駆動状態であっても駆動状態と誤判断されることが回避される。
また、本実施例の自動変速機12の制御装置(電子制御装置50)によれば、判定閾値変更手段(S15)は、被駆動状態判定閾値をエンジン30の駆動状態の値よりも高い側に変更し、被駆動状態判定手段(S5)は、エンジン30からの入力トルクが被駆動状態判定閾値を下回ることに基づいて被駆動状態と判断する。これにより、被駆動状態判定範囲が拡大するように被駆動状態判定閾値が高められるので、アイドルアップ中のためにエンジントルクが増加させられていても、エンジン30の被駆動状態が判定される。
また、好適には、本実施例の自動変速機12の制御装置(電子制御装置50)によれば、変速段の切り替え時におけるイナーシャ相の開始点を判定するイナーシャ相開始点判定手段(S7)と、被駆動状態判定手段(S5)によりエンジン30が被駆動状態と判断される場合には、イナーシャ相開始点判定手段(S7)によるイナーシャ相の判定を、所定の待機期間が経過するまで禁止する禁止手段(S6、S8)とを備える。これにより、禁止手段(S6、S8)によるイナーシャ相開始点判定手段(S7)によるイナーシャ相の判定を所定の判定期間期間が経過するまで禁止する制御が、アイドルアップ中であっても確実に被駆動状態で実行される。
以上、本発明の一実施例を図面に基づいて説明したが、本発明は当業者の知識に基づいて種々の態様で実施することができる。
たとえば、前述の実施例の変速制御は、図6に示すように、変速段の切り替え時におけるイナーシャ相の開始点を判定するイナーシャ相開始点判定手段(S7)と、被駆動状態判定手段(S5)によりエンジン30が被駆動状態と判断される場合には、イナーシャ相開始点判定手段(S7)によるイナーシャ相の判定を、所定の待機期間が経過するまで禁止する禁止手段(S6、S8)とを備えるものであった。しかし、イナーシャ相開始点判定手段は、変速中の入力軸回転数の微分値がステップ的に変化する点をイナーシャ相開始点と判定するものであってもよいし、禁止手段は、イナーシャ相の判定を行なうイナーシャ相判定閾値Δnを所定の待機期間が経過するまで大きな値に変更するものであってもよい。
また、前述の実施例では、自動変速機12は6段の有段変速機であったが、変速段数が6段とは異なるものであっても差し支えない。要するに、有段変速に際して係合側係合要素の係合により変速が実行されるものであればよい。
また、前述の実施例では、判定閾値変更手段に対応するS15において、エンジン30から入力軸26に入力されるトルクに基づいて非アイドルアップ中の被駆動状態判定閾値A1からそれよりも高いB1へ段階的に変更されるものであったが、アイドルアップのために加えられる加算トルク量に応じて高い値となるように連続的に変更されるものであってもよい。
尚、上述したのはあくまでも一実施形態であり、本発明はその主旨を逸脱しない範囲において変更や改良がを加えられ得る。
10:車両
12:自動変速機(車両用自動変速機)
30:エンジン
50:電子制御装置(制御装置)
S5:被駆動状態判定手段
S7:イナーシャ相開始点判定手段
S6、S8:禁止手段
S12:アイドルアップ中判定手段
S15:判定閾値変更手段

Claims (3)

  1. 複数の係合要素を選択的に係合させることで変速段を切り換え、切り換えられた変速段でエンジンの駆動力を駆動輪へ伝達する車両用自動変速機と、前記エンジンからの入力トルクと被駆動状態判定閾値とに基づいて被駆動状態と判断する被駆動状態判定手段と、を備え、前記被駆動状態判定手段により前記エンジンが被駆動状態と判断される場合には、前記自動変速機の変速制御内容を変更する車両用自動変速機の制御装置であって、
    前記エンジンのアイドルアップ中であるか否かを判定するアイドルアップ中判定手段と、
    前記アイドルアップ中判定手段により前記エンジンのアイドルアップ中であると判定されると、前記被駆動状態判定閾値を変更する判定閾値変更手段と、を含む
    ことを特徴とする車両用自動変速機の制御装置。
  2. 前記判定閾値変更手段は、前記被駆動状態判定閾値を前記エンジンの駆動状態の値よりも高い側に変更し、
    前記被駆動状態判定手段は、前記エンジンからの入力トルクが被駆動状態判定閾値を下回ることに基づいて被駆動状態と判断する
    ことを特徴とする請求項1の車両用自動変速機の制御装置。
  3. 前記変速段の切り替え時におけるイナーシャ相の開始点を判定するイナーシャ相開始点判定手段と、前記被駆動状態判定手段により前記エンジンが被駆動状態と判断される場合には、イナーシャ相開始点判定手段によるイナーシャ相の判定を、所定の待機期間が経過するまで禁止する禁止手段と、を備える
    ことを特徴とする請求項1又は2の車両用自動変速機の制御装置。
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