JP2024062414A - 通信端末装置、基地局装置、通信システム、及びプログラム - Google Patents

通信端末装置、基地局装置、通信システム、及びプログラム Download PDF

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Abstract

【課題】通信端末装置の位置に応じた通信の制御を行うことのできる通信端末装置、基地局装置、通信システム、及びプログラムを提供する。【解決手段】通信端末装置30が、地上に固定された信号発信源から受信した信号を利用して測位情報を取得し、当該取得した測位情報を、所定の送信対象のデータに付加して送信する。【選択図】図1

Description

本発明は、通信端末装置、基地局装置、通信システム、及びプログラムに関する。
近年では、携帯電話機などにおいてもGPS(Global Positioning System)や通信している基地局の位置情報を用いた測位機能が搭載されており、当該測位機能によって測位された位置情報が広く利用されている。
例えば特許文献1には、銀行ATMの利用者認証において、位置情報を利用する例が開示されている。
特開2008-129626号公報
一方で、通信の品質等の制御が、課金情報や通信量の情報等に応じて設定される例はあるが、端末の位置の情報など通信を行う主体に係る情報は、通信の品質等の制御に利用されてこなかったのが実情である。
本発明は上記実情に鑑みて為されたもので、通信端末装置の位置等、通信を行う主体に係る情報に応じて通信の制御を行うことができる、通信端末装置、基地局装置、通信システム、及びプログラムを提供することを、その目的の一つとする。
上記従来例の問題点を解決するための本発明の一態様は、通信端末装置であって、地上に固定された信号発信源から受信した信号を利用して測位情報を取得する測位情報取得手段と、当該取得した測位情報等を、所定の送信対象のデータに付加して送信する通信手段と、を含むこととしたものである。
本発明によると、通信端末装置の位置等、通信の主体に係る情報に応じた通信の制御を行うことが可能となる。
本発明の実施の形態に係る通信システムの例を表す概略構成図である。 本発明の実施の形態に係る通信端末装置と基地局装置との間で送受されるパケットデータの概要例を表す説明図である。 本発明の実施の形態に係る通信システムの動作例を表すフロー図である。
本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。本発明の実施の態様に係る通信システム1は、図1に例示するように、複数の基地局装置10と、少なくとも一つのアンカー装置20と、通信端末装置30とを含んで構成される。
基地局装置10は、例えば携帯電話基地局であり、近傍に所在する通信端末装置30との間で無線にて通信する。またこの基地局装置10は、所定のゲートウェイを介して携帯電話通信網11やパケット通信網(PDN(Packet Data Network))12に接続されており、通信端末装置30から受信したデータを、携帯電話通信網11やパケット通信網12を介して送出する。このパケット通信網12は、例えばインターネット(the Internet)に接続されるIP(Internet Protocol)通信網であり、ルータRやスイッチSW等を含んで構成される。
本実施の形態では、基地局装置10は、プロセッサを備え、予め設定されたプログラムに従って動作する。この基地局装置10は、通信端末装置30から受信するネットワーク上のサーバ宛のデータを、パケット通信網12を介して送出する。基地局装置10は、また、ネットワーク上のサーバから通信端末装置30宛のデータを受信し、当該データを無線にて通信端末装置30へ送出する。
さらにこの基地局装置10は、後に説明するように、通信端末装置30が、パケットデータに測位情報を含めて送信したときには、この測位情報を用いた所定の処理を実行してもよい。一例としてこの所定の処理は、測位情報に基づく経路制御処理である。この基地局装置10の動作例については後に述べる。
アンカー装置20は、例えばUWB(超広帯域無線)アクセスポイント装置であり、地上に(つまり、地表に設置された建造物等に対して)固定されており、測位のための信号を発信する。一例としてこのアンカー装置20は、通信端末装置30からポーリング信号を受信すると、当該ポーリング信号に対する応答信号を用意し、ポーリング信号を受信してから応答信号を発信するまでの時間Trespを表す情報を含む応答信号を送出する。
通信端末装置30は、アンカー装置20との間でUWB信号の送受信が可能な携帯電話機等であり、プロセッサを備え、予め設定されたプログラムに従って動作する。この通信端末装置30は、信号発信源であるアンカー装置20へポーリング信号を送出し、当該ポーリング信号に応答してアンカー装置20から受信した信号を利用して自身の位置を表す測位情報を取得する。またこの通信端末装置30は、当該取得した測位情報を、送信対象のデータに付加して、基地局装置10に対して送出する。
具体的にこの通信端末装置30は、ウェブサーバへのリクエスト等、送信対象のデータを、図2に例示するようなパケットデータとして送出する。このパケットデータはヘッダ部(H)と、ペイロード部(P)とを含み、好適にはさらにトレイラ部(T)を含んで構成される。通信端末装置30は、送信対象のデータを所定のサイズ(パケットサイズ)に分割する(当該パケットサイズ以下であれば分割の必要はない)。そして通信端末装置30は、分割して得られたパケットサイズ以下のデータフラグメントを、それぞれペイロード部(P)に含み、それぞれに予め定められた種類のヘッダ情報(データの宛先の情報等を含むIPヘッダなど)を付加したパケットデータを生成する。
本実施の形態ではこのとき、通信端末装置30は、取得した測位情報を、少なくとも一つのパケットデータに含める。例えば通信端末装置30は、測位情報を、先頭のパケットデータのトレイラ部(T)に含める。もっとも、これは一例であり、通信端末装置30は測位情報をペイロード部に含めることとしてもよいし、ヘッダ情報の種類として測位情報を含めることを定義して、ヘッダ部に測位情報を含めることとしてもよい。
[基地局装置における処理の例]
基地局装置10は、通信端末装置30から測位情報を含むパケットデータを受信して、次の例のように処理を行う。本実施の形態の一例に係る基地局装置10は、測位情報が表す通信端末装置30の所在位置が予め定めた条件を満足する場合に限り、当該測位情報を含むパケットデータを、パケット通信網12へ送出する。
この例によると、通信端末装置30は、予め定めた場所、例えば所定の建物の内部などに限りネットワークを介した通信が可能となる。
また別の例では、基地局装置10は、通信端末装置30から測位情報を含むパケットデータを受信すると、その測位情報が表す通信端末装置30の所在位置が予め定めた条件を満足するか否かを調べる。基地局装置10は、測位情報が表す通信端末装置30の所在位置が予め定めた条件を満足しない場合(あるいは条件を満足する場合)に、パケットデータの一部、例えばヘッダ部やトレイラ部に所定のデータ(判断の結果を含むデータ)を追加し、あるいはヘッダ部のデータを書き換えるなどの処理を行う。
本実施の形態の一例では、基地局装置10は、測位情報が表す通信端末装置30の所在位置が予め定めた条件を満足しないときには、IPヘッダに含まれるTTL値(パケットデータのホップ数の限界)を、例えば「32」など一般的な値より低い値に設定してパケット通信網12へ送出する。この例の基地局装置10は、通信端末装置30の所在位置が予め定めた条件を満足するときにはパケットデータを、そのままパケット通信網12へ送出してよい。この例の基地局装置10は、これにより、予め定めた条件を満足する位置に所在しない通信端末装置30の通信可能な相手を制限する。
基地局装置10はさらに、測位情報が示す位置のほか、通信先などIPヘッダ等のパケットデータに含まれる他のデータを参照して処理を行ってもよい。例えば測位情報が表す位置が予め定めた領域内になく、かつ、IPヘッダから抽出される通信相手を特定する情報が、予め列挙された通信相手(例えば動画サイトのIPアドレス)等である場合は、当該パケットデータを破棄してパケット通信網12へ送出しないよう制御してもよい。
なお基地局装置10は、これらの例においてパケットデータをパケット通信網12へ送出するときには、パケットデータから測位情報を削除してから送出するようにしてもよい。
[基本的な動作例]
本実施の形態は、以上の構成を基本的に備えており、次のように動作する。ユーザの操作により、電子メールや、ウェブサーバへのアクセス等、所定のデータを送出しようとする通信端末装置30は、図3に例示するように、まず、複数の(少なくとも3、好ましくは4以上の)アンカー装置20のそれぞれに対して逐次的にポーリング信号を送出する(S11)。図3では図示の都合上、一つのアンカー装置20との通信のみ示している。
通信端末装置30は、このステップS11の実行時に、ポーリング信号を送出した時刻T0を記録しておく。アンカー装置20では、ポーリング信号に対する応答信号を用意し、ポーリング信号を受信してから応答信号を発信するまでの時間Trespを表す情報を含む応答信号(UWBの信号)を送出する(S12)。
通信端末装置30は、各アンカー装置20が送出した応答信号を受信し、その時刻T1を得る。通信端末装置30は、各アンカー装置20との通信に係る時間差ΔT=T1-T0-Trespを演算して(S13)、これにより各アンカー装置20との間での信号の伝播に要した時間ΔT/2を求め、この値から各アンカー装置20との距離を推定する。
通信端末装置30は、複数のアンカー装置20との間の推定された距離と、各アンカー装置20の位置情報(予め定められており、その情報は通信端末装置30側で取得可能なものとする)とから通信端末装置30の現在位置を推定して、当該推定した現在位置を表す測位情報を生成する(S14)。
通信端末装置30は、この測位情報を、送出しようとするデータに基づいて得られたパケットデータの、例えばトレイラ部に含め(S15)、当該パケットデータを順次基地局装置10へ送出する(S16)。
基地局装置10では、当該パケットデータのトレイラ部に含まれる測位情報により、通信端末装置30の位置の情報を得て、当該位置の情報が予め定めた条件を満足するか否かを調べる(S17)。ここでは所定の条件は、予め定められた領域(例えば指定された建物の内部)に、当該位置の情報が含まれるとの条件などとしておく。
このステップS17において、位置の情報が予め定めた条件を満足しないと判断したとき(S17:No)には、基地局装置10は、ステップS16で受信した通信端末装置30が送出したパケットデータのIPヘッダに含まれるTTL値を、「32」など一般的な値より低い値に書き換えて(S18)、パケット通信網12へ送出する(S19)。
一方、ステップS17において、位置の情報が予め定めた条件を満足すると判断すると(S17:Yes)、基地局装置10は、ステップS19へ移行し、ステップS16で受信した通信端末装置30が送出したパケットデータを、そのままパケット通信網12へ送出する。
これにより、予め定めた条件を満足しない位置、上述の例では指定された建物の外に所在する通信端末装置30が送出したパケットデータは、局所的なネットワークから出ることがなく、当該局所的なネットワークに接続されたサーバ等とのみ通信が可能な状態となる。
なお、ここではダウンリンク(基地局装置10から通信端末装置30への通信)については、従来と同様でよいので、その説明は省略する。
[アンカー装置の応答]
なお、アンカー装置20の応答信号には、ポーリング信号を受信してから応答信号を発信するまでの時間Trespを表す情報が含まれるものとしたが、この応答信号にはさらに、アンカー装置20の位置を表す情報、アンカー装置20ごとに固有の情報(識別情報等)、またはアンカー装置20において発行したランダム値の情報(予め定めた時間だけ、アンカー装置20側でも記録しておく)等、認証用の情報が含まれてもよい。
例えばアンカー装置20の識別情報と、アンカー装置20において発行されたランダム値の情報を含む場合、通信端末装置30は、測位情報とともに、アンカー装置20から受信した識別情報とランダム値とをパケットデータに含めて送出する。そして基地局装置10では、当該識別情報で識別されるアンカー装置20と通信を行い、過去に発行して記録されているランダム値のうちに基地局装置10から送出されたランダム値に一致するものがあるか否かを調べ、一致するものがあれば測位情報が認証されたものとする。このようにアンカー装置20の応答信号には、測位情報の認証の処理に供し得る情報が含まれてもよい。
[測位情報の他の例]
また本実施の形態の測位情報は、UWBの信号から通信端末装置30が得た、通信端末装置30の所在位置を表す情報(例えばその緯度や経度の情報等(高度の情報を含んでもよい))に限られない。
例えば通信端末装置30は、複数のアンカー装置20で送受した信号から、各アンカー装置20との距離の情報を得て、アンカー装置20ごとに、その識別情報(アンカー装置20の位置の情報を取得するために利用可能な情報)と、当該アンカー装置20との距離の情報とをセットとして、距離の情報を得た各アンカー装置20に対応するセットを含む情報を測位情報として、パケットデータに含めて基地局装置10へ送出してもよい。この例では、基地局装置10側で、パケットデータに含まれた測位情報を用いて、当該測位情報に含まれる識別情報で識別される各アンカー装置20の位置の情報を取得するとともに、当該アンカー装置20のそれぞれとの距離の情報を用いて当該パケットデータの送出元である通信端末装置30の所在位置の情報を得る。そして基地局装置10が、当該得た所在位置の情報を用いて、当該通信端末装置30から受信したパケットデータに係る、所定の通信制御処理を実行する。
[基地局装置がアンカー装置としての機能を備える例]
またここまでの説明では、基地局装置10とアンカー装置20とは別体の装置であるものとしたが、基地局装置10がアンカー装置20として機能してもよい。近年では基地局装置10が送受信する信号も、プロセッサと、当該プロセッサによって実行されるソフトウエアとによって機動的に制御が可能となっているので、この例の基地局装置10は、既存の基地局装置10において、アンカー装置20として機能させるためのプログラムを追加的にインストールして実行させることで実現できる。
この例の場合、基地局装置10は、通信端末装置30からポーリング信号を受信すると認証用情報としてランダム値を発行して記録し、また当該ランダム値の情報と、ポーリング信号を受信してから応答信号を発信するまでの時間Trespを表す情報とを含む応答信号を生成して、通信端末装置30へ送出する。
その後基地局装置10は、通信端末装置30から、当該通信端末装置30の位置を表す測位情報と、アンカー装置20としての当該基地局装置10が送信した認証用情報としてのランダム値とを含むパケットデータを受信する。基地局装置10は、このパケットデータに含まれるランダム値に一致するランダム値が、記録しているランダム値のうちにあるなど、ここでのランダム値等の認証用情報を用いた認証に成功すれば、当該パケットデータに含まれる測位情報が認証されたものと判断する。
基地局装置10は、例えば、認証された測位情報が所定の条件を満足するか否かにより、当該パケットデータのIPヘッダに含まれるTTLを書き換えるなどして、通信の品質を制御する。また、基地局装置10は、測位情報が認証できなければ(測位情報とともに受信したランダム値が記録したランダム値のうちになければ)、当該パケットデータを破棄してパケット通信網へ送出しないよう制御する。
一例として、5Gネットワークの基地局装置10が、アンカー装置20の例であるUWBアクセスポイントとしての動作を行う場合、5GネットワークとUWBとの周波数帯域は近接しているので、基地局装置10のハードウェア的構成を変更せず(あるいは変更するとしても大規模な変更をせずに)済む。ミリ波(28GHz帯)においてネットワークとの信号の送受を行う基地局装置10であっても同様である。従って本実施の形態のこの例によると、既存の基地局装置10にソフトウエアを追加するコストで、本実施の形態のシステムを実現できる。このような、いわゆるソフトウエア無線技術を利用して、必要な信号を送受させることを可能とすれば、将来的な改善等も容易になる。
[パケット通信網側で制御を行う例]
なお、基地局装置10は、必ずしも測位情報を参照した制御に係る処理を行う必要はなく、測位情報を含むパケットデータをそのままパケット通信網へ送出してもよい。あるいは、基地局装置10は、通信端末装置30から受信した測位情報に基づいて、予め定めた条件(例えば所定の範囲内に通信端末装置30が所在するか否かなどの条件)を満足するか否かを判断し、その判断結果(位置条件情報と呼ぶ)を表す1ビット乃至数ビットのデータをパケットデータに含め(測位情報はパケットデータから削除してもよい)、パケット通信網へ送出することとしてもよい。
この例では、パケット通信網を構成するルータや、スイッチ等が、測位情報、あるいは位置条件情報を参照して、パケットデータの通信の制御を行う。例えば、位置条件情報が、所定の範囲に通信端末装置30が所在しないなど条件を満足しないことを表すものである場合、パケット通信網を構成するスイッチは、当該パケットデータをそのまま破棄するか、あるいは予め定めたサーバを宛先とする場合などさらなる条件を満足するときに、当該パケットデータを破棄するなどといった制御を行ってもよい。
[変形例]
さらに、本実施の形態において測位情報は、IPパケットに含めて送信することとしていたが、本実施の形態はこの例に限られない。通信端末装置30が携帯通信モジュールを備える場合、通信端末装置30と基地局装置10との間の携帯電話通信は、制御プレーン(Cプレーン)のプロトコルスタックに従い、順次複数のプロトコルのデータ(SDU(Service Data Unit))としてカプセル化される。
一例として4G(LTE)ネットワークでは、PDCP(Packet Data Convergence Protocol)や、RLC(Radio Link Protocol)等のパケットとしてカプセル化され、ネットワーク内で利用されるので、通信端末装置30は、測位情報を、これらPDCPやRLCなど制御プレーンのパケットのヘッダ部、ペイロード部(SDU)、あるいはトレイラ部に含めて送信することとしてもよい。
基地局装置10は、このパケットをそのままパケット通信網のゲートウエイ(P-GW(PDN Gateway)及びS-GW(Serving Gateway))に送出する。この例のゲートウエイは、制御プレーンのパケットに含まれる測位情報を用いて通信のQoS等(例えば通信速度等)を制御する。このようなゲートウエイにおいて、課金情報に基づいて通信のQoSを制御する方式は、広く知られている(例えば鈴木啓介ほか,「LTEを収容するコアネットワーク(EPC)の開発」,NTT Docomo テクニカル・ジャーナル Vol. 19, No.1, p.26-などを参照)。そこで、本実施の形態では、このゲートウェイ側において、課金情報だけでなく、パケットデータに含まれる測位情報に基づいて通信のQoSを制御する。
さらに5Gネットワークにおいては、ユーザプレーン(Uプレーン)のパケットデータ(SDAP(Service Data Adaption Protocol),PDCP,RLCなど)に測位情報を含めて送出し、ネットワーク側で、当該測位情報に基づいて通信のQoSを制御してもよい。
これらの例によると、基地局装置10において制御したものと同様に、所定の範囲に通信端末装置30が所在しないときに、通信のQoSを意図的に低下させて通信速度を比較的低い状態に設定して、実質的に通信不能な状態とするなど、通信端末装置30の所在位置に応じた通信品質等の制御を実現できる。
なお、ここでは制御プレーンやユーザプレーンのパケットデータに、測位情報そのものを含める例について説明したが、基地局装置10において、通信端末装置30から受信した測位情報に基づいて、予め定めた条件(例えば所定の範囲内に通信端末装置30が所在するか否かなどの条件)を満足するか否かを判断し、その判断結果(位置条件情報と呼ぶ)を表す1ビット乃至数ビットのデータを制御プレーンやユーザプレーンのパケットデータに含め、測位情報は除いてパケット通信網側のゲートウェイへ送出してもよい。
この場合、ゲートウェイ側では、課金情報やパケットデータに含まれる、基地局装置10での判断結果である位置条件情報に基づいて通信のQoSを制御する。この例によると、ゲートウェイ側において測位情報等を処理する必要がなく、また現在の制御プレーンやユーザプレーンのパケットデータの構造を大きく変えることなく、通信端末装置30の位置に基づく通信のQoS等の制御等が可能となる。
[測位情報以外の情報]
またここまでで測位情報を利用する例について説明したが、通信の主体に係る情報は、測位情報に限られず、通信端末装置30で利用しているアプリケーション(データの送受信を行うアプリケーションや通信端末装置30にて実行されているアプリケーション、通信端末装置30にインストールされているアプリケーション等)の名称やバージョンなど、通信端末装置30で利用しているアプリケーションを特定する情報等であってもよい。
また通信端末装置30がパケットデータに含める情報は、通信の主体に係る情報だけでなく、測位情報などの正当性を認証するための認証情報(電子署名など)や、通信端末装置30に固有に設定された識別情報等であってもよい。
アプリケーションの名称を通信の主体に係る情報として用いる例では、ユーザの操作により、電子メールや、ウェブサーバへのアクセス等、所定のデータを送出しようとする通信端末装置30は、当該データを送出しようとする電子メールアプリケーションや、ウェブブラウザプリケーションの名称を、測位情報に代えて、あるいは測位情報とともに、当該送出しようとするデータに基づいて得られるパケットデータに対して付加情報として付加する。そして通信端末装置30は、当該付加情報を付加したパケットデータを基地局装置10に対して送出する。この付加情報は、例えばパケットデータのトレイラ部に含めることができる。
この場合、基地局装置10では、当該パケットデータのトレイラ部に含まれる付加情報により、通信端末装置30において実行されているアプリケーションの名称の情報等を得る。
本実施の形態のこの例に係る基地局装置10は、通信端末装置30が、パケットデータに付加情報を含めて送信したときには、この付加情報を用いた所定の処理を実行する。この例における基地局装置10は、上記所定の処理として、付加情報に基づく経路制御処理などであり、具体的には、付加情報が予め定めた条件(例えばアプリケーションの名称が予め定めた文字列を含む、などの条件)を満足するか否かを判断する。そして基地局装置10は、当該判断の結果、付加情報が予め定めた条件を満足すると判断したときに、パケットデータの一部、例えばヘッダ部やトレイラ部に所定のデータ(判断の結果を含むデータ)を追加し、あるいはヘッダ部のデータを書き換えるなどの処理を行う。
具体的に基地局装置10は、パケットデータのIPヘッダに含まれるTTL値を一般的な値より低い値に書き換えて、パケット通信網12へ送出する。
また基地局装置10は、パケット通信網12へパケットデータを送出する前に、当該パケットデータのトレイラ部に付加された付加情報等(アプリケーションの情報や測位情報など)の少なくとも一部を削除してもよい。このように本実施の形態では通信端末装置30が基地局装置10との間に設定された無線データ伝送路(無線ベアラ)にアプリケーションに係る情報等の付加情報を含めてパケットデータを送出し、基地局装置10が当該付加情報を利用して、通信端末装置30から受け入れたパケットデータについてのパケット通信網12側でのQoSや通信経路の制御を行うことを可能とする。
例えば基地局装置10は、通信端末装置30上で動作する特定のアプリケーションが送受するパケットデータについて、パケット通信網12側で所定の通信経路を介して送受されるよう制御し、あるいは当該パケットデータについてのパケット通信網12側でのQoSレベルを設定できる。このときパケット通信網12側のルータRやスイッチSWは、基地局装置10からの制御を受けて、当該通信端末装置30が送受するパケットデータのQoS制御や経路制御を、当該通信端末装置30で実行されているアプリケーションの種類や当該通信端末装置30が送出する測位情報を参照することなく行うことが可能となる。
[付加情報が付加されたパケットの特定]
さらに基地局装置10において、通信端末装置30から送出された全てのパケットデータについて、そのトレイラ部に付加情報や測位情報が含まれるか否かを判断することの処理負荷を軽減するため、通信端末装置30が、パケットデータの一部に1ビット乃至数ビットのタグ情報を含め、このタグ情報によりトレイラ部に付加情報や測位情報が含まれるか否かを示すようにしてもよい。
一例として通信端末装置30は、5G通信の一般的なプロトコルスタックを通じて基地局装置10との通信を行っている場合、その比較的上流側のプロトコル(例えばSDAP)において、送信の対象となるパケットデータが付加情報や測位情報をトレイラ部に含めたパケットデータであるか否かを表す1ビットのタグ情報(シグナルタグと呼ぶ)を付加する。例えば通信端末装置30は、付加情報や測位情報をパケットデータのトレイラ部に含めたときにはこのシグナルタグを「1」、付加情報や測位情報をトレイラ部に含めないパケットデータではこのシグナルタグを「0」とする。
通信端末装置30からこれらのパケットデータを受信した基地局装置10では、シグナルタグが「1」であるパケットデータについてトレイラ部を参照して付加情報や測位情報を取り出す。そして基地局装置10は、当該取り出した付加情報や測位情報に基づいて通信端末装置30との間で送受するパケットデータについてのパケット通信網12側でのQoSや通信経路の制御を行う。
この例では基地局装置10が、通信端末装置30との間で設定されたU-Planeフレーム、つまり無線ベアラごとに、当該無線ベアラを介して送受するパケットデータについての、パケット通信網12側でのQoSや通信経路の制御を行うことが可能となる。
さらにこの例の基地局装置10は、パケット通信網12へパケットデータを送出する前の段階、例えば基地局装置10のプロトコルスタックのうち、PDCP(IPパケットヘッダの再生等を行う)において、シグナルタグを除去(つまりシグナルタグに相当するビットを除去)してもよい。また、基地局装置10はこのときに併せてパケットデータのトレイラ部から付加情報や測位情報の少なくとも一部を除去してよい。
本実施の形態のこの例では、基地局装置10の指示により、パケット通信網12側でのQoSや通信経路が制御されればよく、パケット通信網12側のルータRやスイッチSWでは付加情報や測位情報などを利用する必要がないからである。
1 通信システム、10 基地局装置、11 携帯電話通信網、12 パケット通信網、20 アンカー装置、30 通信端末装置。

Claims (9)

  1. 地上に固定された信号発信源から受信した信号を利用して測位情報を取得する測位情報取得手段と、
    前記取得した測位情報を、所定の送信対象のデータに付加して送信する通信手段と、
    を含む通信端末装置。
  2. 請求項1に記載の通信端末装置であって、
    前記測位情報取得手段は、地上に固定された信号発信源である超広帯域無線通信アクセスポイントから受信した信号を利用して測位情報を取得する通信端末装置。
  3. 自己の所定近傍範囲に位置する通信端末装置と無線にて通信し、パケット通信網にゲートウェイを介して接続される基地局装置であって、
    超広帯域無線通信アクセスポイントとしての信号を送受信する信号送受信手段と、
    通信端末装置から受信したデータに、測位情報が付加されているときには、当該測位情報を用いた所定の通信制御処理を実行する通信制御手段と、
    を含む基地局装置。
  4. 請求項3に記載の基地局装置であって、
    前記通信制御処理は、前記測位情報が予め定めた条件を満足するか否かを判断し、その判断の結果を含むデータを、パケット通信網のゲートウェイへ送出する処理である基地局装置。
  5. 自己の所定近傍範囲に位置する通信端末装置と無線にて通信し、パケット通信網にゲートウェイを介して接続される基地局装置であって、
    超広帯域無線通信アクセスポイントとしての信号を送受信する信号送受信手段と、
    通信端末装置から受信したデータに、所定の付加情報が付加されているときには、当該付加情報を用いた所定の通信制御処理を実行する通信制御手段と、
    を含む基地局装置。
  6. 請求項5に記載の基地局装置であって、
    前記通信制御処理は、前記付加情報が予め定めた条件を満足するか否かを判断し、その判断の結果に基づいて処理されたデータを、パケット通信網のゲートウェイへ送出する処理である基地局装置。
  7. 請求項6に記載の基地局装置であって、
    前記通信制御処理は、パケット通信網へデータを送出する前に、当該データから前記付加情報を除去する基地局装置。
  8. 通信端末装置と、自己の所定近傍範囲に位置する通信端末装置と無線にて通信し、パケット通信網にゲートウェイを介して接続される基地局装置と、を含み、
    前記通信端末装置は、
    地上に固定された信号発信源から受信した信号を利用して測位情報を取得する測位情報取得手段と、
    前記取得した測位情報を、所定の送信対象のデータに付加して前記基地局装置へ送信する通信手段と、
    を含み、
    前記基地局装置は、
    通信端末装置から受信したデータに、測位情報が付加されているときには、当該測位情報を用いた所定の通信制御処理を実行する通信システム。
  9. 通信端末装置が具備するプロセッサを、
    地上に固定された信号発信源から受信した信号を利用して測位情報を取得する測位情報取得手段と、
    前記取得した測位情報を、所定の送信対象のデータに付加して送信する通信手段と、
    として機能させるプログラム。
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