JP2024059289A - 窒化物半導体装置 - Google Patents

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Abstract

Figure 2024059289000001
【課題】Ron・Qgを低減した窒化物半導体装置を提供すること。
【解決手段】窒化物半導体装置10は、電子走行層16と、電子供給層18と、電子供給層18上に設けられアクセプタ型不純物を含む窒化物半導体によって構成されたゲート層22と、ゲート層22上に設けられたゲート電極24と、電子供給層18上に設けられたソース電極28およびドレイン電極30とを備える。ゲート層22は、凹部36を隔てて互いに離間した第1および第2ゲート部32,34と、第1および第2ゲート部32,34よりも薄い厚さを有し、第1および第2ゲート部32,34間の凹部36を画定するステップ部38とを含む。ゲート電極24は、第1ゲート部32上に設けられた第1ゲート電極部52と、第2ゲート部34上に設けられた第2ゲート電極部54とを含む。
【選択図】図1

Description

本開示は、窒化物半導体装置に関する。
現在、窒化ガリウム(GaN)等のIII族窒化物半導体(以下、単に「窒化物半導体」と言う場合がある)を用いた高電子移動度トランジスタ(HEMT)の製品化が進んでいる。特許文献1は、窒化物半導体を用いたノーマリオフ型HEMTの一例を記載している。
特開2017-73506号公報
窒化物半導体HEMTにおいて、オン抵抗(Ron)とゲート容量(Qg)の積で表されるRon・Qgはゲート駆動能力を示す指標の一つであり、スイッチング特性を向上する上でRon・Qgを低減することが求められる。Ron・Qgを低減する手段の一つとしてゲート長を小さくする方法があるが、ゲート長はリソグラフィ装置で実現可能な最小線幅に依存するため、最小線幅の更なる低減によってゲート長を小さくすることには限界がある。
本開示の一態様による窒化物半導体装置は、窒化物半導体によって構成された電子走行層と、前記電子走行層の上に設けられ、前記電子走行層よりも大きなバンドギャップを有する窒化物半導体によって構成された電子供給層と、前記電子供給層の上に設けられ、アクセプタ型不純物を含む窒化物半導体によって構成されたゲート層と、前記ゲート層の上に設けられたゲート電極と、前記電子供給層の上に設けられたソース電極およびドレイン電極とを備える。前記ゲート層は、凹部を隔てて互いに離間した第1ゲート部および第2ゲート部と、前記第1ゲート部および前記第2ゲート部よりも薄い厚さを有し、前記第1ゲート部と前記第2ゲート部との間に前記凹部を画定するステップ部と、を含む。前記ゲート電極は、前記第1ゲート部の上に設けられた第1ゲート電極部と、前記第2ゲート部の上に設けられた第2ゲート電極部とを含む。
一態様による窒化物半導体装置は、Ron・Qgを低減することができる。
図1は、第1実施形態による例示的な窒化物半導体装置の概略断面図である。 図2は、図1の窒化物半導体装置の概略的な部分拡大平面図である。 図3は、図1の窒化物半導体装置の概略的な部分拡大断面図である。 図4は、図1の窒化物半導体装置の例示的な製造方法を示す概略断面図である。 図5は、図4の工程に続く例示的な製造方法を示す概略断面図である。 図6は、図5の工程に続く例示的な製造方法を示す概略断面図である。 図7は、図6の工程に続く例示的な製造方法を示す概略断面図である。 図8は、図7の工程に続く例示的な製造方法を示す概略断面図である。 図9は、図8の工程に続く例示的な製造方法を示す概略断面図である。 図10は、図9の工程に続く例示的な製造方法を示す概略断面図である。 図11は、図10の工程に続く例示的な製造方法を示す概略断面図である。 図12は、図11の工程に続く例示的な製造方法を示す概略断面図である。 図13は、図12の工程に続く例示的な製造方法を示す概略断面図である。 図14は、単一ゲート層構造を使用した場合のオン抵抗と第1実施形態のゲート層構造を使用した場合のオン抵抗との比較を示す模式図である。 図15は、第2実施形態による例示的な窒化物半導体装置の概略断面図である。 図16は、第3実施形態による例示的な窒化物半導体装置の概略断面図である。
以下、添付図面を参照して本開示における半導体装置の実施形態を説明する。
なお、図示および説明を簡潔かつ明瞭にするために、図面に示される構成要素は必ずしも一定の縮尺で描かれていない。理解を容易にするために、特徴部分を拡大している場合があり、各構成要素の寸法比率は各図面で同じであるとは限らない。添付の図面は、本開示の実施形態を例示するに過ぎず、本開示を制限するものとみなされるべきではない。
以下の詳細な記載は、本開示の例示的な実施形態を具体化する装置、システム、および方法を含む。この詳細な記載は本来説明のためのものに過ぎず、本開示の実施形態またはこのような実施形態の適用および使用を限定することを意図しない。
[第1実施形態]
[1.窒化物半導体装置の全体構造]
図1は、第1実施形態に係る例示的な窒化物半導体装置10の概略断面図である。一例では、窒化物半導体装置10はGaNを用いたHEMTであってよい。窒化物半導体装置10は、半導体基板12と、半導体基板12上に形成されたバッファ層14と、バッファ層14上に形成された電子走行層16と、電子走行層16上に形成された電子供給層18とを含む。
半導体基板12は、シリコン(Si)、シリコンカーバイド(SiC)、GaN、サファイア、または他の基板材料で形成することができる。一例では、半導体基板12は、Si基板であってよい。半導体基板12の厚さは、例えば200μm以上1500μm以下であってよい。図1に示される互いに直交するXYZ軸のZ軸方向は、半導体基板12の主面と直交する方向である。なお、本明細書において使用される「平面視」という用語は、明示的に別段の記載がない限り、Z軸方向に沿って上方から窒化物半導体装置10を視ることをいう。
バッファ層14は、半導体基板12と電子走行層16との間に位置し得る。一例では、バッファ層14は、電子走行層16のエピタキシャル成長を容易にすることができる任意の材料によって構成され得る。バッファ層14は、1つまたは複数の窒化物半導体層を含み得る。
一例では、バッファ層14は、窒化アルミニウム(AlN)層、窒化アルミニウムガリウム(AlGaN)層、および異なるアルミニウム(Al)組成を有するグレーテッドAlGaN層のうちの少なくとも1つを含み得る。例えば、バッファ層14は、単一のAlN層、単一のAlGaN層、AlGaN/GaN超格子構造を有する層、AlN/AlGaN超格子構造を有する層、またはAlN/GaN超格子構造を有する層によって構成され得る。なお、バッファ層14におけるリーク電流を抑制するために、バッファ層14の一部に不純物を導入してバッファ層14を半絶縁性にしてもよい。その場合、不純物は、例えば炭素(C)または鉄(Fe)であり、不純物の濃度は、例えば4×1016cm-3以上とすることができる。
電子走行層16は、窒化物半導体によって構成されており、例えばGaN層であってよい。電子走行層16の厚さは、例えば、0.5μm以上2μm以下であってよい。なお、電子走行層16におけるリーク電流を抑制するために、電子走行層16の一部に不純物を導入して電子走行層16の表層領域以外を半絶縁性にしてもよい。その場合、不純物は、例えばCであり、電子走行層16中の不純物のピーク濃度は、例えば1×1019cm-3以上であってよい。
電子供給層18は、電子走行層16よりも大きなバンドギャップを有する窒化物半導体によって構成されており、例えばAlGaN層であってよい。この場合、Al組成が大きいほどバンドギャップが大きくなるため、AlGaN層である電子供給層18は、GaN層である電子走行層16よりも大きなバンドギャップを有する。一例では、電子供給層18は、AlGa1-xNによって構成され、xは0.1<x<0.4であり、より好ましくは、0.2<x<0.3である。電子供給層18の厚さは、例えば5nm以上20nm以下であってよい。
電子走行層16と電子供給層18とは、互いに異なる格子定数を有する窒化物半導体によって構成されている。したがって、電子走行層16を構成する窒化物半導体(例えば、GaN)と電子供給層18を構成する窒化物半導体(例えば、AlGaN)とは、格子不整合系のヘテロ接合を形成する。電子走行層16および電子供給層18の自発分極と、ヘテロ接合界面付近の電子供給層18が受ける応力に起因するピエゾ分極とによって、ヘテロ接合界面付近における電子走行層16の伝導帯のエネルギーレベルはフェルミ準位よりも低くなる。これにより、電子走行層16と電子供給層18とのヘテロ接合界面に近い位置(例えば、界面から数nm程度の範囲内)において電子走行層16内には二次元電子ガス(2DEG)20が広がっている。
窒化物半導体装置10は、電子供給層18上に形成されたゲート層22と、ゲート層22上に形成されたゲート電極24と、パッシベーション層26とを更に含む。パッシベーション層26は、電子供給層18、ゲート層22、およびゲート電極24を覆うとともに、第1開口部26Aおよび第2開口部26Bを含む。窒化物半導体装置10は、第1開口部26Aを介して電子供給層18に接するソース電極28と、第2開口部26Bを介して電子供給層18に接するドレイン電極30とを更に含む。
ゲート層22は、パッシベーション層26の第1開口部26Aと第2開口部26Bとの間に位置しており、第1開口部26Aおよび第2開口部26Bの各々から離間している。ゲート層22は、第2開口部26Bよりも第1開口部26Aの近くに位置している。
ゲート層22は、アクセプタ型不純物を含む窒化物半導体によって構成されている。ゲート層22は、電子供給層18(例えばAlGaN層)よりも小さなバンドギャップを有する任意の材料によって構成され得る。一例では、ゲート層22は、アクセプタ型不純物を含むGaN(p型GaN)層であってよい。ゲート層22の構造については後で詳しく説明する。
ゲート電極24は、1つまたは複数の金属層によって構成され得る。ゲート電極24は、例えば窒化チタン(TiN)層であってよい。別の例では、ゲート電極24は、Tiからなる第1金属層と、第1金属層上に設けられTiNからなる第2金属層とを含み得る。ゲート電極24の厚さは、例えば50nm以上200nm以下であってよい。一例では、ゲート電極24は、ゲート層22とショットキー接合を形成している。ゲート電極24の構造については後で詳しく説明する。
ソース電極28およびドレイン電極30は、1つまたは複数の金属層によって構成され得る。例えば、ソース電極28およびドレイン電極30は、Ti層、TiN層、Al層、AlSiCu層、およびAlCu層等を含む群から選択された2つ以上の金属層の組み合わせによって構成され得る。ソース電極28の少なくとも一部は、第1開口部26A内に充填されており、第1開口部26Aを介して電子供給層18直下の2DEG20とオーミック接触している。同様に、ドレイン電極30の少なくとも一部は、第2開口部26B内に充填されており、第2開口部26Bを介して電子供給層18直下の2DEG20とオーミック接触している。
一例では、ソース電極28は、第1開口部26Aに充填されたソースコンタクト部28Aと、パッシベーション層26を覆うソースフィールドプレート部28Bとを含み得る。ソースフィールドプレート部28Bは、ソースコンタクト部28Aと連続しており、ソースコンタクト部28Aと一体に形成されている。ソースフィールドプレート部28Bは、平面視で第2開口部26Bとゲート層22との間に位置する端部28Cを含む。ソースフィールドプレート部28Bは、ドレイン電極30からは離間している。ソースフィールドプレート部28Bは、ゲート電極24にゲート電圧が印加されていないゼロバイアス状態でドレイン電極30にドレイン電圧が印加された場合にゲート電極24の端部近傍およびゲート層22の端部近傍の電界集中を緩和する役割を果たす。
[2.例示的なゲート層およびゲート電極の構造]
図1に示されるように、ゲート層22は、第1ゲート部32および第2ゲート部34を含む。第1ゲート部32と第2ゲート部34は、図1においてX軸方向に凹部36を隔てて互いに離間している。なお、本明細書では、X軸方向は第1方向に対応し、平面視で第1方向と直交する方向、すなわちY軸方向は第2方向に対応する。
第1ゲート部32は、X軸方向において第1開口部26A(ソースコンタクト部28A)寄りに位置しており、第2ゲート部34は、X軸方向において第2開口部26B(ドレイン電極30)寄りに位置している。したがって、ソース電極28のソースコンタクト部28A、第1ゲート部32、第2ゲート部34、およびドレイン電極30は、この順でX軸方向に並んでいる。第1ゲート部32および第2ゲート部34は各々、例えば80nm以上150nm以下の厚さを有し得る。
ゲート層22は更に、第1および第2ゲート部32,34よりも薄い厚さを有するとともに第1ゲート部32と第2ゲート部34との間に上記凹部36を画定するステップ部38を含む。言い換えれば、ステップ部38は、第1ゲート部32と第2ゲート部34とを凹部36を隔てて互いに分離しつつ、それら第1ゲート部32と第2ゲート部34とを互いに接続して1つのゲート層22を形成している。ステップ部38は、電子供給層18上に位置しており、ゲート層22と一体に形成されている。図1の例では、ステップ部38は、凹部36内の領域全体に亘り形成されており、X軸方向に第1ゲート部32から第2ゲート部34まで連続している。
ゲート層22は更に、ソース側延在部42とドレイン側延在部44とを含み得る。ソース側延在部42は、第1ゲート部32に対して凹部36とは反対側に位置するとともに、X軸方向において第1ゲート部32からソース電極28(第1開口部26A)に向かって延在している。ソース側延在部42は、電子供給層18上に位置しており、第1ゲート部32と一体に形成されている。ソース側延在部42は、ソース電極28からは離間している。
ソース側延在部42は、それが無い場合に比べて第1ゲート部32の下端部(特に、ソース側下端部)における電界集中をソース側延在部42の存在によって緩和することができる。これにより、第1ゲート部32およびその近傍のパッシベーション層26の部分における絶縁破壊を抑制することができる。
ドレイン側延在部44は、第2ゲート部34に対して凹部36とは反対側に位置するとともに、X軸方向において第2ゲート部34からドレイン電極30(第2開口部26B)に向かって延在している。ドレイン側延在部44は、電子供給層18上に位置しており、第2ゲート部34と一体に形成されている。ドレイン側延在部44は、ドレイン電極30からは離間している。
ドレイン側延在部44は、それが無い場合に比べて第2ゲート部34の下端部(特に、ドレイン側下端部)における電界集中をドレイン側延在部44の存在によって緩和することができる。これにより、第2ゲート部34およびその近傍のパッシベーション層26の部分における絶縁破壊を抑制することができる。
ゲート電極24は、第1ゲート部32上に設けられた第1ゲート電極部52と、第2ゲート部34上に設けられた第2ゲート電極部54とを含む。第1ゲート電極部52と第2ゲート電極部54は、同一材料で形成され得る。
このように、図1の構造では、アクセプタ型不純物を含む第1および第2ゲート部32,34が第1および第2ゲート電極部52,54の直下にそれぞれ設けられている。この構造では、第1および第2ゲート電極部52,54に印加されたゲート入力電圧によってゲート-ソース間電圧が正の閾値電圧を超えると、第1および第2ゲート部32,34の直下の電子走行層16の領域に2DEG20が形成されてソース-ドレイン間が導通する。一方、ゲート-ソース間電圧が閾値電圧を超えないときには、第1および第2ゲート部32,34の直下の電子走行層16の領域の少なくとも一部において2DEG20が消失する(図1参照)。これは、第1および第2ゲート部32,34がアクセプタ型不純物を含んでいるために電子走行層16および電子供給層18のエネルギーレベルが引き上げられて2DEG20が空乏化されるためである。これにより、窒化物半導体装置10はノーマリオフ型のHEMTとして実現されている。
[3.窒化物半導体装置の例示的な平面レイアウト]
図2は、図1の窒化物半導体装置10の概略的な部分拡大平面図である。なお、図示を簡略化して理解を容易にするために、図2では、ゲート電極24(第1および第2ゲート電極部52,54)およびパッシベーション層26の図示は省略されており、第1開口部26Aおよび第2開口部26Bが破線で描かれている。
図2に示されるように、窒化物半導体装置10は、トランジスタ動作に寄与するアクティブ領域62と、トランジスタ動作に寄与しない非アクティブ領域64とを含む。図2の例では、アクティブ領域62と非アクティブ領域64とはY軸方向に交互に配置されている。ドレイン電極30はアクティブ領域62に形成されている。例えば、アクティブ領域62は、Y軸方向において第1および第2開口部26A,26Bと略同じ範囲に広がっていてよい。非アクティブ領域64は、Y軸方向においてドレイン電極30が存在しない範囲に広がっていてよい。したがって、非アクティブ領域64は、アクティブ領域62とY軸方向に隣り合っている。
アクティブ領域62において、ソース電極28と、ゲート電極24(図1参照)が位置するゲート層22と、ドレイン電極30とは電子供給層18(図1参照)上でX軸方向に隣り合って配置されている。X軸方向に隣り合うソース電極28、ゲート層22(ゲート電極24)、およびドレイン電極30の組み合わせは、1つのHEMTセル10HCを構成する。図2の例では、各アクティブ領域62においてX軸方向に4つのHEMTセル10HCが配置されている。なお、実際にはより多くのHEMTセル10HCが各アクティブ領域62に配置され得る。
ゲート層22の凹部36の平面視形状は特に限定されないが、例えば、図2に示されるように、凹部36は、アクティブ領域62においてY軸方向に第1および第2開口部26A,26Bと略同じ長さで形成され得る。あるいは、凹部36は、Y軸方向における複数のアクティブ領域62間の非アクティブ領域64で非連続となるのではなく、Y軸方向における複数のアクティブ領域62間の非アクティブ領域64で連続していてもよい。
[4.ゲート層およびゲート電極の例示的な寸法]
図3は、図1の窒化物半導体装置10の概略的な部分拡大断面図である。なお、図示を簡略化して理解を容易にするために、図3では、パッシベーション層26の図示は省略されており、ソース電極28についてはソースコンタクト部28Aのみが示されている。
図3に示されるように、第1ゲート部32は、X軸方向に第1ゲート長さLG1を有している。図3の例では、第1ゲート部32は、第1ゲート電極部52が位置する上面322と、凹部36の第1側壁(図3において左側の側壁)を形成する内側側面324と、内側側面324と反対側の外側側面326とを含む。第1ゲート長さLG1は、例えば、第1ゲート部32の上面322においてX軸方向における内側側面324から外側側面326までの距離に相当し得る。第1ゲート長さLG1は、例えば200nm以上300nm以下(より好ましくは250nm以下)であってよい。
第2ゲート部34は、X軸方向に第2ゲート長さLG2を有している。図3の例では、第2ゲート部34は、第2ゲート電極部54が位置する上面342と、凹部36の第2側壁(図3において右側の側壁)を形成する内側側面344と、内側側面344と反対側の外側側面346とを含む。第2ゲート長さLG2は、例えば、第2ゲート部34の上面342においてX軸方向における内側側面344から外側側面346までの距離に相当し得る。第2ゲート長さLG2は、例えば200nm以上300nm以下(より好ましくは250nm以下)であってよい。
第1ゲート長さLG1と第2ゲート長さLG2とは同じであってもよいし、異なっていてもよい。図3の例では、第1ゲート長さLG1と第2ゲート長さLG2とは同じである。これに代えて、例えば、ドレイン電極30寄りの第2ゲート部34の第2ゲート長さLG2を第1ゲート長さLG1より大きくしてもよい。HEMT動作時、ドレイン電極30には高電圧が印加される。この点を考慮して、第2ゲート部34の耐圧を高めるために第2ゲート長さLG2を第1ゲート長さLG1より大きくしてもよい。
ステップ部38は、X軸方向に第1ゲート部32から第2ゲート部34までステップ長さLSを有するとともに、ステップ厚さTSを有している。ステップ長さLSは、例えば500nm以上1μm以下であってよい。例えば、ステップ長さLSは、窒化物半導体装置10の製造に用いるリソグラフィ装置(図示略)で実現可能な最小線幅Lminに対応し得る。ステップ厚さTSは、例えば0よりも大きく30nm以下であってよい。なお、ステップ厚さTSは、凹部36内の領域全体に亘り均一であってもよいし、不均一であってもよい。ここで、均一な厚さとは、製造上のばらつき(例えば、20%)の範囲内で形成された略一定の厚さのことを指す。
第1ゲート長さLG1および第2ゲート長さLG2は各々、ステップ長さLS未満であってよい。また、第1ゲート長さLG1および第2ゲート長さLG2は各々、ステップ長さLSの1/2未満であってもよい。言い換えれば、第1ゲート長さLG1と第2ゲート長さLG2との合計長さ(LG1+LG2)は、ステップ長さLS未満であってよい。この場合、合計長さ(LG1+LG2)は、最小線幅Lmin未満である。
第1ゲート電極部52は、X軸方向に第1電極長さLM1を有している。図3の例では、第1ゲート電極部52は、平面視で第1ゲート部32の内側側面324(すなわち凹部36の第1側壁)と同一位置に形成された内側側面522と、内側側面522と反対側の外側側面524とを含む。第1電極長さLM1は、例えば、第1ゲート電極部52の下面においてX軸方向における内側側面522から外側側面524までの距離に相当し得る。第1電極長さLM1は、例えば100nm以上200nm以下であってよい。
第1電極長さLM1は、第1ゲート長さLG1未満である。図3の例では、第1ゲート部32の上面322は、第1ゲート電極部52から露出し且つX軸方向において第1ゲート電極部52の外側側面524と第1ゲート部32の外側側面326との間に位置する外側ゲートサイドスペース322Aを含む。X軸方向における外側ゲートサイドスペース322Aの長さL1Aは、例えば15nm以上(より好ましくは20nm以上)100nm以下であってよい。
第2ゲート電極部54は、X軸方向に第2電極長さLM2を有している。図3の例では、第2ゲート電極部54は、平面視で第2ゲート部34の内側側面344(すなわち凹部36の第2側壁)と同一位置に形成された内側側面542と、内側側面542と反対側の外側側面544とを含む。第2電極長さLM2は、例えば、第2ゲート電極部54の下面においてX軸方向における内側側面542から外側側面544までの距離に相当し得る。第2電極長さLM2は、例えば100nm以上200nm以下であってよい。
第2電極長さLM2は、第2ゲート長さLG2未満である。図3の例では、第2ゲート部34の上面342は、第2ゲート電極部54から露出し且つX軸方向において第2ゲート電極部54の外側側面544と第2ゲート部34の外側側面346との間に位置する外側ゲートサイドスペース342Aを含む。X軸方向における外側ゲートサイドスペース342Aの長さL2Aは、例えば15nm以上(より好ましくは20nm以上)100nm以下であってよい。
ソース側延在部42は、X軸方向に第1延在長さLE1を有するとともに、第1延在厚さTE1を有している。第1延在長さLE1は、例えば200nm以上300nm以下であってよい。また、第1延在厚さTE1は、例えば5nm以上30nm以下であってよい。なお、第1延在厚さTE1は、ソース側延在部42全体に亘り均一であってもよいし、不均一であってもよい。例えば、図示は省略するが、ソース側延在部42は、第1ゲート部32寄りの傾斜部と、傾斜部に連続し略一定の厚さを有する平坦部とを含むものであってもよい。この場合、傾斜部および平坦部の双方、または平坦部のみが例えば5nm以上30nm以下の厚さを有していてもよい。
ドレイン側延在部44は、X軸方向に第2延在長さLE2を有するとともに、第2延在厚さTE2を有している。第2延在長さLE2は、例えば200nm以上1500nm以下であってよい。また、第2延在厚さTE2は、例えば5nm以上30nm以下であってよい。なお、第2延在厚さTE2は、ドレイン側延在部44全体に亘り均一であってもよいし、不均一であってもよい。例えば、図示は省略するが、ドレイン側延在部44は、第2ゲート部34寄りの傾斜部と、傾斜部に連続し略一定の厚さを有する平坦部とを含むものであってもよい。この場合、傾斜部および平坦部の双方、または平坦部のみが例えば5nm以上30nm以下の厚さを有していてもよい。
図3の例では、ドレイン側延在部44は、X軸方向においてソース側延在部42よりも長く形成されている。すなわち、第2延在長さLE2は、第1延在長さLE1よりも大きい。この構成では、ソース側延在部42よりも高電圧が印加されるドレイン側延在部44において電界集中を緩和する効果を高めることができる。ただし、第2延在長さLE2は第1延在長さLE1以下であってもよい。
また、図3の例では、ソース側延在部42は、X軸方向においてステップ部38よりも短く形成されている。すなわち、第1延在長さLE1は、ステップ長さLSよりも小さい。この構成では、ソース側延在部42による電界集中を緩和する効果を得つつ、トランジスタサイズ(HEMTセル10HCのX軸方向の寸法)を小さくすることができる。ただし、第1延在長さLE1はステップ長さLS以上であってもよい。
また、図3の例では、ステップ部38は、ソース側延在部42およびドレイン側延在部44よりも薄く形成されている。すなわち、ステップ厚さTSは、第1延在厚さTE1および第2延在厚さTE2よりも小さい。この構成では、ステップ厚さTSが小さく抑えられることにより、ステップ部38の直下の電子走行層16に発生する2DEG20の領域のキャリア濃度を高めて当該領域の抵抗(シート抵抗)を低減することができる。
[5.窒化物半導体装置の例示的な製造方法]
次に、図1および図4~図13を参照して、窒化物半導体装置10の例示的な製造方法、特にゲート層22およびゲート電極24の形成方法について説明する。なお、図4~図13において、図1の構成要素と同様な構成要素には同一符号が付されている。また、図4~図13においては、図示を簡略化するために、図1に示される半導体基板12およびバッファ層14の図示は省略されている。
図4に示されるように、半導体基板12(図1参照)上に、バッファ層14(図1参照)、電子走行層16、電子供給層18、および第1窒化物半導体層72が順に形成される。半導体基板12は、例えばSi基板である。バッファ層14、電子走行層16、電子供給層18、および第1窒化物半導体層72は、例えば、有機金属気相成長(Metal Organic Chemical Vapor Deposition:MOCVD)法を用いたエピタキシャル成長によって形成される。
図示は省略するが、バッファ層14(図1参照)は、例えば多層バッファ層であってよい。多層バッファ層は、半導体基板12上に形成されたAlN層(第1バッファ層)と、AlN層上に形成されたグレーテッドAlGaN層(第2バッファ層)とを含み得る。一例では、グレーテッドAlGaN層は、AlN層に近い側から順にAl組成を75%、50%、25%とした3つのAlGaN層を積層することによって形成される。
電子走行層16は例えばGaN層であり、電子供給層18は例えばAlGaN層である。したがって、電子供給層18は、電子走行層16よりも大きなバンドギャップを有する窒化物半導体によって構成されている。第1窒化物半導体層72は、図1のゲート層22を形成するための層であり、例えば、アクセプタ型不純物としてMgを含むGaN層である。第1窒化物半導体層72は、電子供給層18上にGaNを成長させる間に、GaNにMgをドープすることにより形成される。
次いで、図5に示されるように、第1窒化物半導体層72上に電極層74が形成され、電極層74上にマスク76が形成される。電極層74は、図1のゲート電極24を形成するための層であり、例えばTiN層である。電極層74は、例えばスパッタ法により形成される。マスク76は、例えば窒化シリコン(SiN)層である。
次いで、図6に示されるように、マスク76を使用してリソグラフィおよびエッチングを行うことにより電極層74が選択的に除去されて第1窒化物半導体層72の上面が露出される。その結果、マスク76の直下に電極層部分74Aが形成される。
次いで、図7に示されるように、例えばプラズマ化学的蒸着(Plasma-Enhanced Chemical Vapor Deposition:PECVD)法により、第1窒化物半導体層72の上面とともにマスク76および電極層部分74Aを覆う保護層78が形成される。保護層78は、例えばSiN層である。
次いで、図8に示されるように、マスク76の上面と第1窒化物半導体層72の上面が露出されるまで、例えば全面異方性ドライエッチングによって保護層78がエッチバックされる。このエッチバックにより、保護層78の残存部分がマスク76の両側および電極層部分74Aの両側を覆うマスク78A,78Bとして形成される。
次いで、図9に示されるように、リソグラフィおよびエッチングによってマスク76が選択的に除去されて電極層部分74Aの中央領域を露出する開口部77が形成される。その結果、マスク76の残存部分がマスク76A,76Bとして形成される。マスク76A,76Bは、第1および第2ゲート電極部52,54(図1参照)の形成領域に対応する位置に配置されている。このとき、開口部77は、リソグラフィで実現可能な最小線幅Lmin(図3参照)に対応する開口幅(X軸方向のマスク76A,76B間の離間距離)で形成され得る。
次いで、図10に示されるように、マスク76A,76B,78A,78Bを使用したエッチングによって開口部77内に露出した電極層部分74Aの中央領域が除去される。これにより、電極層部分74Aの残存部分が第1および第2ゲート電極部52,54として形成される。
次いで、マスク76A,76B,78A,78Bを使用してリソグラフィおよびエッチングを行うことにより第1窒化物半導体層72が選択的に除去される。エッチングには、例えば、全面異方性ドライエッチングが使用される。その後、マスク76A,76B,78A,78Bが除去される。
その結果、図11に示されるように、第1および第2ゲート部32,34ならびにその間のステップ部38(および凹部36)とともに第1および第2延在層82,84が形成される。このとき、X軸方向の第1および第2ゲート部32,34間の離間距離、すなわちX軸方向のステップ部38の長さは、上記最小線幅Lminに対応し得る。なお、図示は省略するが、例えば、ステップ部38は、開口部77(図10参照)内に露出した第1窒化物半導体層72の領域を第1および第2延在層82,84と同じ厚さまでエッチングした後、第1および第2延在層82,84上にマスクを形成して開口部77内の露出領域をさらにエッチングすることによって形成することができる。この方法により、ステップ部38を第1および第2延在層82,84よりも薄く形成してもよい。
次いで、図12に示されるように、第1および第2ゲート部32,34ならびにステップ部38を全体的に覆いつつ第1および第2延在層82,84の各々を部分的に覆うマスク86が形成される。マスク86は、例えば窒化シリコン(SiN)層である。
次いで、図13に示されるように、マスク86を使用してリソグラフィおよびエッチングを行うことにより第1および第2延在層82,84が選択的に除去される。その後、マスク86が除去される。これにより、第1延在層82の残存部分がソース側延在部42として形成され、第2延在層84の残存部分がドレイン側延在部44として形成される。
以降、図示は省略するが、電子供給層18、ゲート層22(第1ゲート部32、第2ゲート部34、ステップ部38、ソース側延在部42、およびドレイン側延在部44)、およびゲート電極24(第1ゲート電極部52および第2ゲート電極部54)を覆うパッシベーション層26が形成される。パッシベーション層26は、例えば減圧CVD(Low-Pressure Chemical Vapor Deposition,LPCVD)法により形成される。その後、ソース電極28およびドレイン電極30が形成されることで、図1に示される窒化物半導体装置10が製造される。
[6.窒化物半導体装置の作用]
窒化物半導体装置10は、アクセプタ型不純物を含むゲート層22がゲート電極24の直下に設けられたノーマリオフ型HEMTとして構成されている。ゲート層22は、凹部36を隔てて互いに離間した第1ゲート部32および第2ゲート部34と、第1および第2ゲート部32,34間に位置するステップ部38とを含む。ステップ部38は、第1および第2ゲート部32,34よりも薄い厚さを有している。ゲート電極24は、第1ゲート部32上に設けられた第1ゲート電極部52と、第2ゲート部34上に設けられた第2ゲート電極部54とを含む。
この構造では、ステップ部38は、例えば、リソグラフィ装置で実現可能な最小線幅Lmin(図3参照)に対応するステップ長さLSで形成される。一方、第1および第2ゲート部32,34は、最小線幅Lminに依存しない第1および第2ゲート長さLG1,LG2でそれぞれ形成される。このため、第1ゲート長さLG1と第2ゲート長さLG2との合計長さ(LG1+LG2)を最小線幅Lminよりも小さな値に設定することが可能となる。
第1ゲート長さLG1と第2ゲート長さLG2との合計長さ(LG1+LG2)は、ゲート層22全体の実質的なゲート長に対応する。例えば、第1および第2ゲート部32,34を有さない典型的な従来ゲート構造、すなわち、単一ゲート層構造の場合、その単一ゲート層のゲート長はリソグラフィ装置で実現可能な最小線幅Lminに依存して決定される。このため、最小線幅Lminよりも小さなゲート長で単一ゲート層を形成することはできない。
対称的に、第1実施形態の構造では、ゲート層22全体の実質的なゲート長(すなわちLG1+LG2)を最小線幅Lminよりも小さくすることができるため、ゲート長を小さくしてオン抵抗(Ron)を低減することができる。
図14は、典型的な従来ゲート構造(単一ゲート層92)を使用した場合のオン抵抗と第1実施形態のゲート層構造(図1のゲート層22)を使用した場合のオン抵抗との比較を示す模式図である。なお、図14では、比較を分かり易くするために、従来ゲート構造(単一ゲート層92)も図1のソース側延在部42およびドレイン側延在部44を有するものとして示している。
図14の左側に示されるように、単一ゲート層92は、ゲート部94、ソース側延在部42、およびドレイン側延在部44を含む構造であり、ゲート部94は、例えば最小線幅Lminに対応するゲート長で形成されている。単一ゲート層92のオン抵抗Ron92は、HEMTのオン状態でゲート部94の直下に発生した2DEG20の領域の抵抗Rch、ソース側延在部42の直下の2DEG20の領域の抵抗Rs、およびドレイン側延在部44の直下の2DEG20の領域の抵抗Rdを合計した値で表される。なお、ソース側延在部42およびドレイン側延在部44のそれぞれ直下における2DEG20は、HEMTのオフ状態でも発生している。
これに対し、図14の右側に示されるように、第1実施形態のゲート層22(図1参照)のオン抵抗Ron22は、HEMTのオン状態で第1および第2ゲート部32,34のそれぞれ直下に発生した2DEG20の領域の抵抗Rch1,Rch2、ステップ部38の直下の2DEG20の領域の抵抗Rstep、ソース側延在部42の直下の2DEG20の領域の抵抗Rs、およびドレイン側延在部44の直下の2DEG20の領域の抵抗Rdを合計した値で表される。なお、ステップ部38、ソース側延在部42、およびドレイン側延在部44のそれぞれ直下における2DEG20は、HEMTのオフ状態でも発生している(図1参照)。
ここで、上記したようにゲート層22では実質的なゲート長(LG1+LG2)を最小線幅Lminよりも小さくできることから、第1および第2ゲート部32,34のそれぞれ直下の領域の抵抗Rch1,Rch2を合計した値は、従来ゲート構造(単一ゲート層92)のゲート部94の直下の領域の抵抗Rchよりも小さくなる。加えて、ステップ部38ではステップ厚さTS(図3参照)が小さく抑えられることにより、ステップ部38の直下の領域の抵抗Rstepは、抵抗Rch1,Rch2を合計した値に比べて小さい。特に、ステップ厚さTSが第1延在厚さTE1および第2延在厚さTE2よりも小さい場合(図3参照)には、抵抗Rstepはより小さくなる。
結果として、抵抗Rch1,Rch2,Rstepを合計した値は、抵抗Rchよりも小さくなる。したがって、ゲート層22を使用した場合におけるオン抵抗Ron22は、単一ゲート層92を使用した場合におけるオン抵抗Ron92よりも小さくなる。さらには、上記したようにゲート層22の実質的なゲート長を小さくできるため、ゲート容量も小さくなる。これにより、オン抵抗(Ron)とゲート容量(Qg)との積で表されるRon・Qgを低減することができる。
第1実施形態の窒化物半導体装置10は、以下の利点を有する。
(1-1)ゲート層22は、凹部36を隔てて互いに離間した第1ゲート部32および第2ゲート部34と、それら第1および第2ゲート部32,34よりも薄い厚さを有するステップ部38とを含む。この構成では、典型的な従来ゲート構造(単一ゲート層92)と比べて、ゲート層22の実質的なゲート長を短くすることができる。これにより、オン抵抗(Ron)とゲート容量(Qg)の双方を低減してRon・Qgを低減することができる。
(1-2)ステップ部38は、凹部36内の領域全体に亘り形成されている。したがって、ステップ部38は、凹部36内の領域全体に亘り電子供給層18を覆っている。この構成では、凹部36内で電子供給層18の一部が露出する構成と比べて、第1および第2ゲート部32,34からステップ部38を介して電子供給層18に表面リーク電流が流れることを抑制することができる。
(1-3)第1ゲート長さLG1および第2ゲート長さLG2は各々、ステップ長さLSの1/2未満である。この構成では、例えば、ステップ長さLSがリソグラフィの最小線幅Lminである場合、第1ゲート長さLG1と第2ゲート長さLG2との合計長さを最小線幅Lminよりも小さくすることができる。これにより、Ron・Qgの低減効果を高めることができる。
(1-4)第1ゲート電極部52の第1電極長さLM1は、第1ゲート部32の第1ゲート長さLG1未満である。したがって、第1ゲート電極部52は、第1ゲート部32の上面322の一部に設けられている。この構成では、第1ゲート部32の側面が第1ゲート電極部52の側面と面一になる箇所を少なくして、第1ゲート電極部52の側面から第1ゲート部32の側面を介して流れる表面リーク電流を低減することができる。同様に、第2ゲート電極部54の第2電極長さLM2は、第2ゲート部34の第2ゲート長さLG2未満であり、第2ゲート電極部54は、第2ゲート部34の上面342の一部に設けられている。したがって、第2ゲート電極部54および第2ゲート部34についても表面リーク電流を低減することができる。
(1-5)第1ゲート部32の上面322は、第1ゲート電極部52から露出し且つX軸方向において第1ゲート電極部52と第1ゲート部32の外側側面326との間に位置する外側ゲートサイドスペース322Aを含む。この構成では、外側ゲートサイドスペース322Aの存在により、第1ゲート電極部52の外側側面524から第1ゲート部32の外側側面326を介して流れる表面リーク電流を低減することができる。同様に、第2ゲート部34の上面342は、第2ゲート電極部54から露出し且つX軸方向において第2ゲート電極部54と第2ゲート部34の外側側面346との間に位置する外側ゲートサイドスペース342Aを含む。したがって、第2ゲート電極部54および第2ゲート部34についても表面リーク電流を低減することができる。
(1-6)第1ゲート電極部52の内側側面522は、平面視において第1ゲート部32の内側側面324と同一位置に形成されている。この構成では、第1ゲート部32の上面322は内側ゲートサイドスペース(第1ゲート電極部52に対して外側ゲートサイドスペース322Aとは反対側に位置する第1ゲート部32の上面領域)を含まないため、第1ゲート長さLG1を小さくすることができる。同様に、第2ゲート電極部54の内側側面542は、平面視において第2ゲート部34の内側側面344と同一位置に形成されている。したがって、第2ゲート部34についても第2ゲート長さLG2を小さくすることができる。
(1-7)ゲート層22はさらに、第1ゲート部32からX軸方向においてソース電極28に向かって延在するソース側延在部42と、第2ゲート部34からX軸方向においてドレイン電極30に向かって延在するドレイン側延在部44とを含む。この構成では、ソース側延在部42およびドレイン側延在部44によって、第1ゲート部32の端部およびその近傍の電界集中、ならびに第2ゲート部34の端部およびその近傍の電界集中を緩和することができる。
(1-8)ゲート層22において、ステップ部38は、ソース側延在部42およびドレイン側延在部44よりも薄く形成されている。この構成では、ステップ厚さTSが小さく抑えられることにより、ステップ部38の直下の電子走行層16に発生する2DEG20の領域のキャリア濃度を高めて当該領域の抵抗(シート抵抗)を低減することができる。
(1-9)第1実施形態のゲート層22は、特に低耐圧HEMT製品に実装される場合に有利な構造である。ゲート層22は、凹部36を介して互いに離間した第1および第2ゲート部32,34を含むため、X軸方向における第1ゲート部32とソース電極28との距離、およびX軸方向における第2ゲート部34とドレイン電極30との距離が短くなる。したがって、要求されるソース-ドレイン間耐圧を満たすHEMT製品においてゲート層22のRon・Qgを低減することができる。
[第2実施形態]
図15は、第2実施形態による例示的な窒化物半導体装置10Aの概略回路図である。第2実施形態は、第1実施形態の窒化物半導体装置10(図1参照)の第1および第2ゲート電極部52,54の配置を変更したものであり、その他の構成は第1実施形態と同様である。以下では、第1実施形態と相違する構成を中心に第2実施形態を説明し、同様な構成については同一符号を付して説明を省略する。
図15に示されるように、第2実施形態では、第1ゲート電極部52は、X軸方向における第1ゲート部32の上面322の略中央領域に配置されている。第1ゲート部32の上面322は、外側ゲートサイドスペース322Aと、内側ゲートサイドスペース322Bとを含む。
外側ゲートサイドスペース322Aは、第1ゲート電極部52から露出し且つX軸方向において第1ゲート電極部52と第1ゲート部32の外側側面326との間に位置する第1ゲート部32の上面322の外縁領域である。内側ゲートサイドスペース322Bは、第1ゲート電極部52から露出し且つX軸方向において第1ゲート電極部52と第1ゲート部32の内側側面324との間に位置する第1ゲート部32の上面322の内縁領域である。
外側ゲートサイドスペース322AはX軸方向に長さL1Aを有し、内側ゲートサイドスペース322BはX軸方向に長さL1Bを有している。図15の例では、外側ゲートサイドスペース322Aの長さL1Aは、内側ゲートサイドスペース322Bの長さL1Bと同じであるが、長さL1Bより大きくてもよいし、あるいは長さL1B未満であってよい。
外側ゲートサイドスペース322Aの長さL1Aは、例えば15nm以上(より好ましくは20nm以上)100nm以下であってよい。内側ゲートサイドスペース322Bの長さL1Bは、例えば0よりも大きく15nm以下であってよい。
例えば、長さL1Aが長さL1Bよりも大きい構造では、長さL1Aが長さL1B未満の構造に比べて、第1ゲート電極部52の外側側面524から外側ゲートサイドスペース322A、第1ゲート部32の外側側面326、およびソース側延在部42の表面を介して電子供給層18に流れる表面リーク電流が抑えられる。
同様に、第2ゲート電極部54は、X軸方向における第2ゲート部34の上面342の略中央領域に配置されている。第2ゲート部34の上面342は、外側ゲートサイドスペース342Aと、内側ゲートサイドスペース342Bとを含む。
外側ゲートサイドスペース342Aは、第2ゲート電極部54から露出し且つX軸方向において第2ゲート電極部54と第2ゲート部34の外側側面346との間に位置する第2ゲート部34の上面342の外縁領域である。内側ゲートサイドスペース342Bは、第2ゲート電極部54から露出し且つX軸方向において第2ゲート電極部54と第2ゲート部34の内側側面344との間に位置する第2ゲート部34の上面342の内縁領域である。
外側ゲートサイドスペース342AはX軸方向に長さL2Aを有し、内側ゲートサイドスペース342BはX軸方向に長さL2Bを有している。図15の例では、外側ゲートサイドスペース342Aの長さL2Aは、内側ゲートサイドスペース342Bの長さL2Bと同じであるが、長さL2Bより大きくてもよいし、あるいは長さL2B未満であってよい。
外側ゲートサイドスペース342Aの長さL2Aは、例えば15nm以上(より好ましくは20nm以上)100nm以下であってよい。内側ゲートサイドスペース342Bの長さL2Bは、例えば0よりも大きく15nm以下であってよい。
例えば、長さL2Aが長さL2Bよりも大きい構造では、長さL2Aが長さL2B未満の構造に比べて、第2ゲート電極部54の外側側面544から外側ゲートサイドスペース342A、第2ゲート部34の外側側面346、およびドレイン側延在部44の表面を介して電子供給層18に流れる表面リーク電流が抑えられる。
第2実施形態の窒化物半導体装置10Aは、第1実施形態の窒化物半導体装置10で得られる利点に加えて、さらに以下の利点を有する。
(2-1)第1ゲート部32の上面322は、外側ゲートサイドスペース322Aに加えて、内側ゲートサイドスペース322Bを含む。この構成では、外側ゲートサイドスペース322Aの存在により得られる第1実施形態の利点(1-5)と同様な利点が得られる。これに加えて、内側ゲートサイドスペース322Bの存在により、第1ゲート電極部52の内側側面522から第1ゲート部32の内側側面324を介してステップ部38に流れる表面リーク電流を低減することができる。同様に、第2ゲート部34の上面342は、外側ゲートサイドスペース342Aに加えて、内側ゲートサイドスペース342Bを含む。したがって、第2ゲート電極部54および第2ゲート部34についても表面リーク電流を低減することができる。
[第3実施形態]
図16は、第3実施形態による例示的な窒化物半導体装置10Bの概略回路図である。第3実施形態は、第1実施形態の窒化物半導体装置10(図1参照)のステップ部38の形状を変更したものであり、その他の構成は第2実施形態と同様である。以下では、第1実施形態と相違する構成を中心に第3実施形態を説明し、同様な構成については同一符号を付して説明を省略する。
図15に示されるように、第2実施形態では、ステップ部38(図1参照)は開口部38Xを含む。したがって、ステップ部38は凹部36内の領域全体に亘り電子供給層18を覆っておらず、電子供給層18の一部が開口部38Xから露出している。なお、ステップ部38は開口部38Xを含んでいるが、第1ゲート部32と第2ゲート部34は電気的に分離されているわけでなく両者は依然として電気的に接続されている。
図15の例では、ステップ部38(凹部36の底)の一部(例えば中央領域)が除去されて開口部38Xが形成されており、ステップ部38は、第1ゲート部32に連続する第1ステップ部38Aと、第2ゲート部34に連続する第2ステップ部38Bとを含む。このようにステップ部38の一部が除去された構成でも、ゲート層22の実質的なゲート長を短くする効果は依然として得られる。
第3実施形態の窒化物半導体装置10Bは、第1実施形態の窒化物半導体装置10で得られる利点(1-1)および(1-3)~(1-9)に加えて、さらに以下の利点を有する。
(3-1)ステップ部38は、電子供給層18の一部を露出する開口部38Xを含む。この構成によれば、開口部38Xの位置でステップ部38が存在しないため、開口部38Xの直下の領域の2DEG20のキャリア濃度を高めて当該領域の抵抗を低減することができる。これにより、オン抵抗を低減する効果を高めることができる。
(3-2)ステップ部38は、第1ゲート部32に連続する第1ステップ部38Aと、第2ゲート部34に連続する第2ステップ部38Bとを含む。この構成によれば、第1および第2ステップ部38A,38Bの存在により、第1および第2ゲート部32,34の端部における電界集中を緩和することができる。
[変更例]
上記各実施形態は、以下のように変更して実施することができる。また、上記実施形態および以下の各変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
・窒化物半導体はGaNに限定されない。窒化物半導体の代表例としては、GaNの他に、窒化アルミニウム(AlN)、窒化インジウム(InN)が挙げられる。これらは、一般には、AlInGa1-x-yN(0≦x≦1、0≦y≦1、0≦x+y≦1)と表すことができる。
・上記各実施形態では、第1および第2ゲート部32,34が外側ゲートサイドスペース322A,342Aをそれぞれ有していたが、外側ゲートサイドスペース322A,342Aを有していなくてもよい。すなわち、第1電極長さLM1は第1ゲート長さLG1と同じでもよく、したがって、第1電極長さLM1は第1ゲート長さLG1以下であってもよい。同様に、第2電極長さLM2は第2ゲート長さLG2と同じでもよく、したがって、第2電極長さLM2は第2ゲート長さLG2以下であってもよい。
・上記各実施形態では、第1ゲート部32上の第1ゲート電極部52と第2ゲート部34上の第2ゲート電極部54とが凹部36(ステップ部38)に対して対称関係に配置されているが、非対称関係に配置されてもよい。例えば、第1ゲート部32の上面322が外側ゲートサイドスペース322Aおよび内側ゲートサイドスペース322Bの両方を有し、第2ゲート部34の上面342が外側ゲートサイドスペース342Aのみを有していてもよい。
・上記各実施形態では、ゲート層22はソース側延在部42およびドレイン側延在部44を有しているが、ソース側延在部42およびドレイン側延在部44を有していなくてもよい。
本開示で使用される「~上に」という用語は、文脈によって明らかにそうでないことが示されない限り、「~上に」と「~の上方に」の意味を含む。したがって、例えば、「第1要素が第2要素上に実装される」という表現は、或る実施形態では第1要素が第2要素に接触して第2要素上に直接配置され得るが、他の実施形態では第1要素が第2要素に接触することなく第2要素の上方に配置され得ることが意図される。すなわち、「~上に」という用語は、第1要素と第2要素との間に他の要素が形成される構造を排除しない。
本開示で使用されるZ軸方向は必ずしも鉛直方向である必要はなく、鉛直方向に完全に一致している必要もない。したがって、本開示による種々の構造は、本明細書で説明されるZ軸方向の「上」および「下」が鉛直方向の「上」および「下」であることに限定されない。例えば、X軸方向が鉛直方向であってもよく、またはY軸方向が鉛直方向であってもよい。
本開示で使用される「第1~」、「第2~」などの数詞は単に構成部品を明確に区別するために用いたものであり、必ずしも順番どおりの構成部品を備えることが必須とされるものではない。
[付記]
上記各実施形態および各変更例から把握できる技術的思想を以下に記載する。なお、各付記に記載された構成要素に対応する実施形態の構成要素の符号を括弧書きで示す。符号は、理解の補助のために例として示すものであり、各付記に記載された構成要素は、符号で示される構成要素に限定されるべきではない。
(付記1)
窒化物半導体によって構成された電子走行層(16)と、
前記電子走行層(16)の上に設けられ、前記電子走行層(16)よりも大きなバンドギャップを有する窒化物半導体によって構成された電子供給層(18)と、
前記電子供給層(18)の上に設けられ、アクセプタ型不純物を含む窒化物半導体によって構成されたゲート層(22)と、
前記ゲート層(22)の上に設けられたゲート電極(24)と、
前記電子供給層(18)の上に設けられたソース電極(28)およびドレイン電極(30)と、を備え、
前記ゲート層(22)は、
第1方向に凹部(36)を隔てて互いに離間した第1ゲート部(32)および第2ゲート部(34)と、
前記第1ゲート部(32)および前記第2ゲート部(34)よりも薄い厚さを有し、前記第1ゲート部(32)と前記第2ゲート部(34)との間に前記凹部(36)を画定するステップ部(38)と、
を含み、
前記ゲート電極(24)は、
前記第1ゲート部(32)の上に設けられた第1ゲート電極部(52)と、
前記第2ゲート部(34)の上に設けられた第2ゲート電極部(54)と、
を含む、窒化物半導体装置(10;10A;10B)。
(付記2)
前記ステップ部(38)は、前記凹部(36)内の領域全体に亘り形成されている、付記1に記載の窒化物半導体装置(10;10A;10B)。
(付記3)
前記第1ゲート部(32)は、前記第1方向に第1ゲート長さ(LG1)を有し、
前記第2ゲート部(34)は、前記第1方向に第2ゲート長さ(LG2)を有し、
前記ステップ部(38)は、前記第1方向に前記第1ゲート部(32)から前記第2ゲート部(34)までステップ長さ(LS)を有して連続的に形成されており、
前記第1ゲート長さ(LG1)および前記第2ゲート長さ(LG2)は各々、前記ステップ長さ(LS)未満である、付記1または2に記載の窒化物半導体装置(10;10A;10B)。
(付記4)
前記第1ゲート長さ(LG1)および前記第2ゲート長さ(LG2)は各々、前記ステップ長さ(LS)の1/2未満である、付記3に記載の窒化物半導体装置(10;10A;10B)。
(付記5)
前記第1ゲート部(32)は、前記第1方向に第1ゲート長さ(LG1)を有し、
前記第1ゲート電極部(52)は、前記第1方向に第1電極長さ(LM1)を有し、
前記第1電極長さ(LM1)は、前記第1ゲート長さ(LG1)未満であり、
前記第2ゲート部(34)は、前記第1方向に第2ゲート長さ(LG2)を有し、
前記第2ゲート電極部(54)は、前記第1方向に第2電極長さ(LM2)を有し、
前記第2電極長さ(LM2)は、前記第2ゲート長さ(LG2)未満である、付記1~4のうちのいずれか一つに記載の窒化物半導体装置(10;10A;10B)。
(付記6)
前記第1ゲート部(32)は、前記第1ゲート電極部(52)が位置する上面(322)と、前記凹部(36)の第1側壁を形成する内側側面(324)と、前記内側側面(324)と反対側の外側側面(326)とを含み、
前記第1ゲート部(32)の上面(322)は、前記第1ゲート電極部(52)から露出し且つ前記第1方向において前記第1ゲート電極部(52)と前記第1ゲート部(32)の外側側面(326)との間に位置する外側ゲートサイドスペース(322A)を含む、付記1~5のうちのいずれか一つに記載の窒化物半導体装置(10;10A;10B)。
(付記7)
前記第1ゲート電極部(52)は、平面視において前記第1ゲート部(32)の内側側面(324)と同一位置に形成された内側側面(522)を含む、付記6に記載の窒化物半導体装置(10;10B)。
(付記8)
前記第1ゲート部(32)の上面(322)は、前記第1ゲート電極部(52)から露出し且つ前記第1方向において前記第1ゲート電極部(52)と前記第1ゲート部(32)の内側側面(324)との間に位置する内側ゲートサイドスペース(322B)を含む、付記6に記載の窒化物半導体装置(10A)。
(付記9)
前記外側ゲートサイドスペース(322A)は、前記第1方向において前記内側ゲートサイドスペース(322B)よりも長い、付記8に記載の窒化物半導体装置(10A)。
(付記10)
前記外側ゲートサイドスペース(322A)の長さは、15nm以上100nm以下であり、
前記内側ゲートサイドスペース(322B)の長さは、0よりも大きく15nm以下である、付記8に記載の窒化物半導体装置(10A)。
(付記11)
前記第2ゲート部(34)は、前記第2ゲート電極部(54)が位置する上面(342)と、前記第1側壁に対向する前記凹部(36)の第2側壁を形成する内側側面(344)と、前記第2ゲート部(34)の内側側面(344)と反対側の外側側面(346)とを含み、
前記第2ゲート部(34)の上面(342)は、前記第2ゲート電極部(54)から露出し且つ前記第1方向において前記第2ゲート電極部(54)と前記第2ゲート部(34)の外側側面(346)との間に位置する外側ゲートサイドスペース(342A)を含む、付記6~8のうちのいずれか一つに記載の窒化物半導体装置(10;10A;10B)。
(付記12)
前記第1ゲート電極部(52)は、平面視において前記第1ゲート部(32)の内側側面(324)と同一位置に形成された内側側面(522)を含み、
前記第2ゲート電極部(54)は、平面視において前記第2ゲート部(34)の内側側面(344)と同一位置に形成された内側側面(542)を含む、付記11に記載の窒化物半導体装置(10;10B)。
(付記13)
前記第1ゲート部(32)の上面(322)は、前記第1ゲート電極部(52)から露出し且つ前記第1方向において前記第1ゲート電極部(52)と前記第1ゲート部(32)の内側側面(324)との間に位置する内側ゲートサイドスペース(322B)を含み、
前記第2ゲート部(34)の上面(342)は、前記第2ゲート電極部(54)から露出し且つ前記第1方向において前記第2ゲート電極部(54)と前記第2ゲート部(34)の内側側面(344)との間に位置する内側ゲートサイドスペース(342B)を含む、付記11に記載の窒化物半導体装置(10A)。
(付記14)
前記第1ゲート部(32)の前記外側ゲートサイドスペース(322A)は、前記第1方向において前記第1ゲート部(32)の前記内側ゲートサイドスペース(322B)よりも長く、
前記第2ゲート部(34)の前記外側ゲートサイドスペース(342A)は、前記第1方向において前記第2ゲート部(34)の前記内側ゲートサイドスペース(342B)よりも長い、付記13に記載の窒化物半導体装置(10A)。
(付記15)
前記第1ゲート部(32)および前記第2ゲート部(34)の各々の前記外側ゲートサイドスペース(322A;342A)の長さは、15nm以上100nm以下であり、
前記第1ゲート部(32)および前記第2ゲート部(34)の各々の前記内側ゲートサイドスペース(322B;342B)の長さは、0よりも大きく15nm以下である、付記13に記載の窒化物半導体装置(10A)。
(付記16)
前記ステップ部(38)は、前記第1方向に500nm以上1μm以下の長さを有する、付記1~15のうちのいずれか一つに記載の窒化物半導体装置(10;10A;10B)。
(付記17)
前記第1ゲート部(32)および前記第2ゲート部(34)は各々、前記第1方向に200nm以上300nm以下の長さを有する、付記1~16のうちのいずれか一項に記載の窒化物半導体装置(10;10A;10B)。
(付記18)
前記第2ゲート部(34)は、前記第1方向において前記第1ゲート部(32)よりも前記ドレイン電極(30)寄りに位置し、
前記第2ゲート部(34)は、前記第1方向において前記第1ゲート部(32)よりも長い、付記1~17のうちのいずれか一つに記載の窒化物半導体装置(10;10A;10B)。
(付記19)
前記第1ゲート電極部(52)および前記第2ゲート電極部(54)は各々、前記第1方向に100nm以上200nm以下の長さを有する、付記1~18のうちのいずれか一つに記載の窒化物半導体装置(10;10A;10B)。
(付記20)
前記ステップ部(38)は、0よりも大きく30nm以下の厚さを有する、付記1~19のうちのいずれか一つに記載の窒化物半導体装置(10;10A;10B)。
(付記21)
前記ゲート層(22)はさらに、
前記第1ゲート部(32)に対して前記凹部(36)とは反対側に位置し、前記第1方向において前記第1ゲート部(32)から前記ソース電極(28)に向かって延在するソース側延在部(42)と、
前記第2ゲート部(34)に対して前記凹部(36)とは反対側に位置し、前記第1方向において前記第2ゲート部(34)から前記ドレイン電極(30)に向かって延在するドレイン側延在部(44)と、
を含む、付記1~20のうちのいずれか一つに記載の窒化物半導体装置(10;10A;10B)。
(付記22)
前記ステップ部(38)は、前記ソース側延在部(42)および前記ドレイン側延在部(42)の各々よりも薄い厚さを有する、付記21に記載の窒化物半導体装置(10;10A;10B)。
(付記23)
前記ドレイン側延在部(44)は、前記第1方向において前記ソース側延在部(42)よりも長く、
前記ソース側延在部(42)は、前記第1方向において前記ステップ部(38)よりも短い、付記21または22に記載の窒化物半導体装置(10;10A;10B)。
以上の説明は単に例示である。本開示の技術を説明する目的のために列挙された構成要素および方法(製造プロセス)以外に、より多くの考えられる組み合わせおよび置換が可能であることを当業者は認識し得る。本開示は、特許請求の範囲を含む本開示の範囲内に含まれるすべての代替、変形、および変更を包含することが意図される。
10,10A,10B…窒化物半導体装置
12…半導体基板
14…バッファ層
16…電子走行層
18…電子供給層
20…二次元電子ガス(2DEG)
22…ゲート層
24…ゲート電極
28…ソース電極
30…ドレイン電極
32…第1ゲート部
322A…外側ゲートサイドスペース
322B…内側ゲートサイドスペース
34…第2ゲート部
342A…外側ゲートサイドスペース
342B…内側ゲートサイドスペース
36…凹部
38…ステップ部
42…ソース側延在部
44…ドレイン側延在部
52…第1ゲート電極部
54…第2ゲート電極部
LG1…第1ゲート長さ
LG2…第2ゲート長さ
LS…ステップ長さ
TS…ステップ厚さ
L1A…外側ゲートサイドスペースの長さ
L2A…外側ゲートサイドスペースの長さ
L1B…内側ゲートサイドスペースの長さ
L2B…内側ゲートサイドスペースの長さ
LM1…第1電極長さ
LM2…第2電極長さ

Claims (20)

  1. 窒化物半導体によって構成された電子走行層と、
    前記電子走行層の上に設けられ、前記電子走行層よりも大きなバンドギャップを有する窒化物半導体によって構成された電子供給層と、
    前記電子供給層の上に設けられ、アクセプタ型不純物を含む窒化物半導体によって構成されたゲート層と、
    前記ゲート層の上に設けられたゲート電極と、
    前記電子供給層の上に設けられたソース電極およびドレイン電極と、を備え、
    前記ゲート層は、
    第1方向に凹部を隔てて互いに離間した第1ゲート部および第2ゲート部と、
    前記第1ゲート部および前記第2ゲート部よりも薄い厚さを有し、前記第1ゲート部と前記第2ゲート部との間に前記凹部を画定するステップ部と、
    を含み、
    前記ゲート電極は、
    前記第1ゲート部の上に設けられた第1ゲート電極部と、
    前記第2ゲート部の上に設けられた第2ゲート電極部と、
    を含む、窒化物半導体装置。
  2. 前記ステップ部は、前記凹部内の領域全体に亘り形成されている、請求項1に記載の窒化物半導体装置。
  3. 前記第1ゲート部は、前記第1方向に第1ゲート長さを有し、
    前記第2ゲート部は、前記第1方向に第2ゲート長さを有し、
    前記ステップ部は、前記第1方向に前記第1ゲート部から前記第2ゲート部までステップ長さを有して連続的に形成されており、
    前記第1ゲート長さおよび前記第2ゲート長さは各々、前記ステップ長さ未満である、請求項1に記載の窒化物半導体装置。
  4. 前記第1ゲート長さおよび前記第2ゲート長さは各々、前記ステップ長さの1/2未満である、請求項3に記載の窒化物半導体装置。
  5. 前記第1ゲート部は、前記第1方向に第1ゲート長さを有し、
    前記第1ゲート電極部は、前記第1方向に第1電極長さを有し、
    前記第1電極長さは、前記第1ゲート長さ未満であり、
    前記第2ゲート部は、前記第1方向に第2ゲート長さを有し、
    前記第2ゲート電極部は、前記第1方向に第2電極長さを有し、
    前記第2電極長さは、前記第2ゲート長さ未満である、請求項1に記載の窒化物半導体装置。
  6. 前記第1ゲート部は、前記第1ゲート電極部が位置する上面と、前記凹部の第1側壁を形成する内側側面と、前記内側側面と反対側の外側側面とを含み、
    前記第1ゲート部の上面は、前記第1ゲート電極部から露出し且つ前記第1方向において前記第1ゲート電極部と前記第1ゲート部の外側側面との間に位置する外側ゲートサイドスペースを含む、請求項1に記載の窒化物半導体装置。
  7. 前記第1ゲート電極部は、平面視において前記第1ゲート部の内側側面と同一位置に形成された内側側面を含む、請求項6に記載の窒化物半導体装置。
  8. 前記第1ゲート部の上面は、前記第1ゲート電極部から露出し且つ前記第1方向において前記第1ゲート電極部と前記第1ゲート部の内側側面との間に位置する内側ゲートサイドスペースを含む、請求項6に記載の窒化物半導体装置。
  9. 前記外側ゲートサイドスペースは、前記第1方向において前記内側ゲートサイドスペースよりも長い、請求項8に記載の窒化物半導体装置。
  10. 前記外側ゲートサイドスペースの長さは、15nm以上100nm以下であり、
    前記内側ゲートサイドスペースの長さは、0よりも大きく15nm以下である、請求項8に記載の窒化物半導体装置。
  11. 前記第2ゲート部は、前記第2ゲート電極部が位置する上面と、前記第1側壁に対向する前記凹部の第2側壁を形成する内側側面と、前記第2ゲート部の内側側面と反対側の外側側面とを含み、
    前記第2ゲート部の上面は、前記第2ゲート電極部から露出し且つ前記第1方向において前記第2ゲート電極部と前記第2ゲート部の外側側面との間に位置する外側ゲートサイドスペースを含む、請求項6に記載の窒化物半導体装置。
  12. 前記第1ゲート電極部は、平面視において前記第1ゲート部の内側側面と同一位置に形成された内側側面を含み、
    前記第2ゲート電極部は、平面視において前記第2ゲート部の内側側面と同一位置に形成された内側側面を含む、請求項11に記載の窒化物半導体装置。
  13. 前記第1ゲート部の上面は、前記第1ゲート電極部から露出し且つ前記第1方向において前記第1ゲート電極部と前記第1ゲート部の内側側面との間に位置する内側ゲートサイドスペースを含み、
    前記第2ゲート部の上面は、前記第2ゲート電極部から露出し且つ前記第1方向において前記第2ゲート電極部と前記第2ゲート部の内側側面との間に位置する内側ゲートサイドスペースを含む、請求項11に記載の窒化物半導体装置。
  14. 前記第1ゲート部の前記外側ゲートサイドスペースは、前記第1方向において前記第1ゲート部の前記内側ゲートサイドスペースよりも長く、
    前記第2ゲート部の前記外側ゲートサイドスペースは、前記第1方向において前記第2ゲート部の前記内側ゲートサイドスペースよりも長い、請求項13に記載の窒化物半導体装置。
  15. 前記第1ゲート部および前記第2ゲート部の各々の前記外側ゲートサイドスペースの長さは、15nm以上100nm以下であり、
    前記第1ゲート部および前記第2ゲート部の各々の前記内側ゲートサイドスペースの長さは、0よりも大きく15nm以下である、請求項9に記載の窒化物半導体装置。
  16. 前記ステップ部は、前記第1方向に500nm以上1μm以下の長さを有する、請求項1に記載の窒化物半導体装置。
  17. 前記第1ゲート部および前記第2ゲート部は各々、前記第1方向に200nm以上300nm以下の長さを有する、請求項1に記載の窒化物半導体装置。
  18. 前記ステップ部は、0よりも大きく30nm以下の厚さを有する、請求項1に記載の窒化物半導体装置。
  19. 前記ゲート層はさらに、
    前記第1ゲート部に対して前記凹部とは反対側に位置し、前記第1方向において前記第1ゲート部から前記ソース電極に向かって延在するソース側延在部と、
    前記第2ゲート部に対して前記凹部とは反対側に位置し、前記第1方向において前記第2ゲート部から前記ドレイン電極に向かって延在するドレイン側延在部と、
    を含む、請求項1~18のうちのいずれか一項に記載の窒化物半導体装置。
  20. 前記ステップ部は、前記ソース側延在部および前記ドレイン側延在部の各々よりも薄い厚さを有する、請求項19に記載の窒化物半導体装置。
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