JP2024054760A - 加工ウェハの分割装置および加工ウェハの分割方法 - Google Patents

加工ウェハの分割装置および加工ウェハの分割方法 Download PDF

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Abstract

【課題】加工ウェハを分割する際に割れることを抑制する。【解決手段】加工ウェハ10を収容すると共に作動流体170が充填されるハウジング110と、ハウジング110の他端部側を閉塞しつつ、ハウジング110の軸方向に沿って摺動可能とされた閉塞部160と、ハウジング110の底部に配置され、軸方向において、貫通孔111aより外側の部分で加工ウェハの第1主面10a、10bと密着するシール部材120が配置される第1シール部材保持部130と、ハウジング110の側部に軸方向に沿って摺動可能に配置され、加工ウェハ10の第2主面10a、10bと密着するシール部材140が配置される第2シール部材保持部150と、を備え、ハウジング110内の作動流体を用い、加工ウェハ10を変質層15を起点として分割する。【選択図】図4

Description

本発明は、窒化ガリウム(以下では、単にGaNともいう)で構成される加工ウェハを分割する加工ウェハの分割装置および加工ウェハの分割方法に関するものである。
従来より、GaNで構成される加工ウェハを分割して半導体チップを製造する方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。具体的には、この製造方法では、加工ウェハを用意した後、レーザ光を照射して変質層を形成する。その後、加工ウェハを挟むように保持治具を配置し、保持治具にて加工ウェハの厚さ方向に引張応力等を印加することにより、変質層を分割の起点として加工ウェハを分割する。そして、この製造方法では、加工ウェハから分割した一方の部分をチップ構成ウェハとし、このチップ構成ウェハを用いて半導体チップを構成している。
特開2021-170596号公報
しかしながら、この製造方法では、加工ウェハからチップ構成ウェハを分割する際、保持治具にて加工ウェハの厚さ方向に引張応力等を印加するため、分割の瞬間に加工ウェハに大きな応力が印加される。このため、加工ウェハにマクロ的な傷や欠陥が存在する場合、変質層と共にその部分にも応力が集中して加工ウェハが割れる可能性がある。
本発明は上記点に鑑み、割れることを抑制できる加工ウェハの分割装置および加工ウェハの分割方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するための請求項1は、内部に、周囲の部分よりも脆い変質層(15)が形成された加工ウェハ(10)を分割する分割装置であって、一端部側の底部(111)に貫通孔(111a)が形成されると共に、他端部側が開口部(113)とされ、一端部側と他端部側との間を繋ぐ側部(112)を有する筒状とされ、内部に、厚さ方向と交差する方向に沿って変質層が形成された加工ウェハを収容すると共に作動流体(170、190)が充填されるハウジング(110)と、ハウジングの他端部側を閉塞しつつ、ハウジングの軸方向に沿って摺動可能とされた閉塞部(160)と、ハウジングの底部に配置され、軸方向において、貫通孔より外側の部分で加工ウェハの第1主面(10a、10b)と密着するシール部材(120)が配置される第1シール部材保持部(130)と、ハウジングの側部に軸方向に沿って摺動可能に配置され、加工ウェハの第2主面(10a、10b)と密着するシール部材(140)が配置される第2シール部材保持部(150)と、を備え、ハウジング内の作動流体を用い、加工ウェハを変質層を起点として分割する。
これによれば、作動流体を加圧することで加工ウェハを分割する分割装置としているため、加工ウェハに印加される圧力は静的圧力となる。このため、加工ウェハの厚さ方向に引張応力等を印加して加工ウェハを分割する場合と比較して、瞬間的に印加される応力が大きくなり過ぎることを抑制できる。したがって、加工ウェハを分割する際、加工ウェハに割れが発生することを抑制できる。
請求項5は、内部に、周囲の部分よりも脆い変質層(15)が形成された加工ウェハ(10)を分割する加工ウェハの分割方法であって、一端部側の底部(111)に貫通孔(111a)が形成されると共に、他端部側が開口部(113)とされ、一端部側と他端部側との間を繋ぐ側部(112)を有する筒状とされ、加工ウェハを収容すると共に作動流体(170、190)が充填されるハウジング(110)を用意することと、第1主面(10a、10b)、第1主面と反対側の第2主面(10a、10b)を有し、内部に、厚さ方向と交差する方向に沿って変質層が形成された加工ウェハを用意することと、ハウジングの底部に、加工ウェハの第1主面(10a、10b)の一部が貫通孔から露出するように、加工ウェハを配置することと、ハウジングに作動流体(170、190)を充填することと、ハウジング内の作動流体を用い、加工ウェハを変質層を起点として分割することと、を行う。
これによれば、作動流体を加圧することで加工ウェハを分割する分割方法としているため、加工ウェハに印加される圧力は静的圧力となる。このため、加工ウェハの厚さ方向に引張応力等を印加して加工ウェハを分割する場合と比較して、瞬間的に印加される応力が大きくなり過ぎることを抑制できる。したがって、加工ウェハを分割する際、加工ウェハに割れが発生することを抑制できる。
なお、各構成要素等に付された括弧付きの参照符号は、その構成要素等と後述する実施形態に記載の具体的な構成要素等との対応関係の一例を示すものである。
半導体チップの製造工程を示す断面図である。 図1Aに続く半導体チップの製造工程を示す断面図である。 図1Bに続く半導体チップの製造工程を示す断面図である。 図1Cに続く半導体チップの製造工程を示す断面図である。 図1Dに続く半導体チップの製造工程を示す断面図である。 図1Eに続く半導体チップの製造工程を示す断面図である。 図1Fに続く半導体チップの製造工程を示す断面図である。 図1Gに続く半導体チップの製造工程を示す断面図である。 図1Hに続く半導体チップの製造工程を示す断面図である。 図1Iに続く半導体チップの製造工程を示す断面図である。 変質層の状態を示す模式図である。 加工ウェハと第1シール部材との位置関係を示す図である。 第2実施形態における半導体チップの製造工程を示す断面図である。 第3実施形態における半導体チップの製造工程を示す断面図である。 第4実施形態における半導体チップの製造工程を示す断面図である。 第5実施形態における半導体チップの製造工程を示す断面図である。 図7中のXIII部の拡大模式図である。 第6実施形態における半導体チップの製造工程を示す断面図である。 第7実施形態における半導体チップの製造工程を示す断面図である。 第8実施形態における半導体チップの製造工程を示す平面図である。 他の実施形態における半導体チップの製造工程を示す断面図である。
以下、本発明の実施形態について図に基づいて説明する。なお、以下の各実施形態相互において、互いに同一もしくは均等である部分には、同一符号を付して説明を行う。
(第1実施形態)
第1実施形態について、図面を参照しつつ説明する。以下では、GaNを用いて構成される加工ウェハ10を分割する方法を含む半導体チップS1の製造方法について説明する。
まず、図1Aに示されるように、一面1aおよび他面1bを有し、バルクウェハ状とされているGaNウェハ1を用意する。例えば、GaNウェハ1は、シリコン、酸素、ゲルマニウム等がドーパントされ、不純物濃度が5×1017~5×1019cm-3とされたものが用いられる。なお、GaNウェハ1の厚みについては任意であるが、例えば400μm程度のものが用意される。また、本実施形態のGaNウェハ1は、一面1aがガリウム面とされると共に他面1bが窒素面とされている。また、このGaNウェハ1は、下記半導体チップS1の製造工程を行った後では、後述する図1Lのリサイクルウェハ40を再利用することで用意される。
次に、図1Bに示されるように、GaNウェハ1の一面1a上に、10~100μm程度のGaNで構成されるエピタキシャル膜3を形成することにより、複数のチップ形成領域RAがダイシングラインDLで区画される加工ウェハ10を用意する。本実施形態では、エピタキシャル膜3は、n型エピタキシャル層3aと、n型エピタキシャル層3bとがGaNウェハ1側から順に成膜されて構成される。例えば、n型エピタキシャル層3aは、シリコン、酸素、ゲルマニウム等がドーパントされ、不純物濃度が5×1017~5×1019cm-3程度とされる。n型エピタキシャル層3bは、シリコン等がドーパントされ、不純物濃度が1×1017~4×1017cm-3程度とされる。
なお、n型エピタキシャル層3bは、後述する拡散層12等の一面側素子構成部分11が形成される部分であり、例えば、厚さが8~10μm程度とされる。n型エピタキシャル層3aは、後述する半導体チップS1の厚さを確保するための部分であり、例えば、厚さが40~100μm程度とされる。また、n型エピタキシャル層3aとn型エピタキシャル層3bとの厚みの大小については任意であるが、ここでは半導体チップS1の厚みを確保できるようにn型エピタキシャル層3aをn型エピタキシャル層3bよりも厚くしてある。
以下では、加工ウェハ10のうちのエピタキシャル膜3側の面を加工ウェハ10の一面10aとし、加工ウェハ10のうちのGaNウェハ1側の面を加工ウェハ10の他面10bとする。そして、各チップ形成領域RAは、加工ウェハ10の一面10a側に構成される。
次に、図1Cに示されるように、一般的な半導体製造プロセスのうちの一面10a側に対するプロセスである表面側プロセスを行う。具体的には、表面側プロセスとして、イオン注入、蒸着、ウェットプロセス等を適宜行い、各チップ形成領域RAに、拡散層12やゲート電極13、図示しない表面電極、配線パターン、パッシベーション膜等の半導体素子における一面側素子構成部分11を形成する工程を行う。なお、ここでの半導体素子は、種々の構成のものが採用され、例えば、縦型MOSトランジスタ等のパワーデバイスや、発光ダイオード等の光半導体素子、半導体レーザ等が採用される。その後、必要に応じ、加工ウェハ10の一面10a側に、レジスト等で構成される表面保護膜を形成する。
続いて、図1Dに示されるように、ダイシングラインDLに溝16を形成する。なお、溝16は、ダイシングブレードで形成してもよいし、レーザ光を照射することで形成してもよい。また、この溝16は、後述する変質層15を形成する際、変質層15が溝16と交差するように深さが調整される。
続いて、図1Eに示されるように、加工ウェハ10の一面10a側に保持部材20を配置する。保持部材20は、例えば、支持台21と粘着剤22とを有するダイシングテープ等が用いられる。支持台21は、製造工程中に反り難い材料で構成され、例えば、ガラス、シリコン基板、セラミックス等で構成される。粘着剤22は、粘着力を変化させることができる材料で構成され、例えば、温度や光によって粘着力が変化するものが用いられる。粘着剤22は、例えば、紫外線硬化樹脂、ワックス、両面テープ等で構成される。
次に、図1Fに示されるように、加工ウェハ10の他面10bからレーザ光Lを照射し、加工ウェハ10の一面10aから所定深さDとなる位置に、加工ウェハ10の面方向に沿った変質層15を形成する。すなわち、加工ウェハ10の厚さ方向と交差方向に延設される変質層15を形成する。
具体的には、図示しない、レーザ光Lを発振するレーザ光源、レーザ光の光軸(すなわち光路の向き)を変えるように配置されたダイクロイックミラー、レーザ光を集光するための集光レンズ、および変位可能なステージ等を有するレーザ装置を用意する。そして、変質層15を形成する際には、レーザ光Lの集光点が加工ウェハ10の面方向に沿って相対的に走査されるように、ステージ等の位置を調整する。これにより、加工ウェハ10には、面方向に沿った変質層15が形成される。より詳しくは、レーザ光Lを照射することにより、窒素がガスとして蒸発すると共にガリウムが析出された変質層15が形成される。この場合、図2に示されるように、変質層15は、レーザ光Lの集光点となる位置に照射痕Laが形成され、照射痕Laから亀裂部Lbが周囲に発生した状態となっている。なお、亀裂部Lbは、照射痕Laの間隔にもよるが、亀裂部Lb同士が繋がった箇所と、亀裂部Lb同士が繋がっていない箇所とが混在している。このため、加工ウェハ10は、変質層15より一面10a側の部分と、変質層15より他面10b側の部分とが繋がった箇所と繋がっていない箇所とが存在する。
なお、特に限定されるものではないが、本実施形態では、変質層15を形成する際のレーザ光Lは、赤外線から可視光線の波長領域を有するものであって、対象となるウェハの透過率(すなわち、GaNの透過率)を考慮して設定されたものが用いられる。そして、本実施形態では、このようなレーザ光Lの加工点出力やパルス幅等を適宜調整して変質層15を形成する。
また、変質層15を形成する際の所定深さDは、後述の半導体チップS1のハンドリングのし易さや耐圧等に応じて設定され、10~200μm程度とされる。この場合、変質層15は、エピタキシャル膜3の厚さに応じて形成される場所が変更され、エピタキシャル膜3の内部、エピタキシャル膜3とGaNウェハ1との境界、またはGaNウェハ1の内部のいずれかに形成される。なお、図1E中では、エピタキシャル膜3とGaNウェハ1との境界に変質層15を形成する例を示している。
但し、この変質層15は、溝16と交差するように形成される。また、後述するように、加工ウェハ10におけるGaNウェハ1の少なくとも一部は、リサイクルウェハ40として再利用される。このため、変質層15は、エピタキシャル膜3の内部、またはエピタキシャル膜3とGaNウェハ1との境界に形成されることが好ましい。また、変質層15がGaNウェハ1の内部に形成される場合には、変質層15は、GaNウェハ1の一面1a側に形成されることが好ましい。そして、変質層15がエピタキシャル膜3の内部に形成される場合には、変質層15は、半導体素子を構成するn型エピタキシャル層3bではなく、n型エピタキシャル層3aの内部に形成されることが好ましい。
続いて、図1Gに示されるように、保持部材20を加工ウェハ10から剥離した後、加工ウェハ10を分割装置100内に配置する。なお、保持部材20の剥離は、粘着剤22の接着力を低下させる処理、例えば、粘着剤22をUV樹脂接着材で構成している場合にはUV照射をすることで行う。また、本実施形態では、保持部材20を剥離した後に加工ウェハ10を分割装置100内に配置する例を説明するが、保持部材20がそのまま加工ウェハ10に備えられていてもよい。以下、本実施形態の分割装置100について説明する。
本実施形態の分割装置100は、加工ウェハ10を収容する部材であるハウジング110を有している。ハウジング110は、一端部側に底部111を有すると共に他端部側が開口部113とされ、一端部と他端部との間を繋ぐ側部112を有する筒状とされている。ハウジング110は、底部111に略円形状の貫通孔111aが形成されている。また、分割装置100は、ハウジング110の底部111に備えられ、第1シール部材120の形状に合わせた溝部131が形成された第1シール部材保持部130を備えている。なお、第1シール部材120は、Oリング等で構成され、溝部131は、Oリングの形状に合わせて環状に形成される。
分割装置100は、ハウジング110の側部112に、ハウジング110の軸方向(すなわち、紙面上下方向)に沿って摺動可能に保持され、第2シール部材140の形状に合わせた溝部151が形成された第2シール部材保持部150を備えている。なお、第2シール部材140は、Oリング等で構成され、溝部151は、Oリングの形状に合わせて環状に形成される。また、この第2シール部材保持部150には、溝部151よりも外縁側に、連通孔152が形成される。連通孔152は、ハウジング110の内部において、第2シール部材保持部150を挟んで底部111側の部分と開口部113側の部分とを連通させるために形成されており、本実施形態では、複数形成されている。
さらに、分割装置100は、側部112に沿って摺動可能に備えられ、開口部113を閉塞する閉塞部160を有する。以上が本実施形態における分割装置100の構成である。
そして、加工ウェハ10を分割装置100内に配置する場合には、加工ウェハ10の一面10aが底部111側に位置するように加工ウェハ10を配置する。具体的には、チップ形成領域RAは、図3に示されるように、加工ウェハ10の内縁部側に配列される。そして、加工ウェハ10は、第1シール部材120が一面10aにおける外縁部にて押し潰されるように密着されつつ、第2シール部材140が他面10bにおける外縁部にて押し潰されるように密着されて配置される。
なお、図3は、加工ウェハ10の一面10a側の位置関係を示しているが、加工ウェハ10の他面10bも同様の位置関係となる。すなわち、第1シール部材120と第2シール部材140とは、加工ウェハ10を挟んで略対称に配置される。また、加工ウェハ10における外縁部側とは、チップ形成領域RAとなる部分よりも外縁部側のことである。そして、加工ウェハ10のうちの貫通孔111aから露出する部分は、大気圧である圧力P2が印加された状態となっている。本実施形態では、加工ウェハ10の一面10aが第1主面に相当し、加工ウェハ10の他面10bが第2主面に相当する。
その後、本実施形態では、分割装置100内に作動流体としての液体170を充填する。本実施形態では、第2シール部材保持部150に連通孔152が形成されており、ハウジング110の内部は、連通孔152を通じて液体170が底部111側まで充填される。これにより、加工ウェハ10には、他面10b側に液体170の圧力P1が印加された状態となる。
次に、図1Hに示されるように、閉塞部160を底部111側に摺動させ、液体170を圧縮することで圧力P1が圧力P2より大きくなるようにする。つまり、作動流体が加圧されるようにする。これにより、加工ウェハ10は、一面10a側が凸となるように変形する。この際、加工ウェハ10は、内部に変質層15が形成されており、変質層15は結晶構造が崩れて周囲の部分よりも脆くなっているため、変質層15を起点として分割される。本実施形態では、ダイシングラインDLに溝16が形成されているため、加工ウェハ10を変質層15で分割することにより、図1Iに示すような個片化された半導体チップS1が生成される。なお、この工程で加工ウェハ10の他面10bに印加される圧力P1は、液体170を圧縮させたことによる静的圧力となる。このため、例えば、加工ウェハ10の厚さ方向に引張応力等を印加して加工ウェハ10を分割する場合と比較して、加工ウェハ10に瞬間的に印加される応力が大きくなり過ぎることを抑制できる。したがって、加工ウェハ10を分割する際、加工ウェハ10に割れが発生することを抑制できる。
以下の図1I以降の工程では、加工ウェハ10を分割することで得られた半導体チップS1のうちの分割された側の面を裏面30bとして説明する。また、加工ウェハ10のうちの変質層15より他面10b側の部分をリサイクルウェハ40とし、リサイクルウェハ40のうちの分割された面側を一面40aとして説明する。そして、図1I以降の各図では、半導体チップS1の裏面30bおよびリサイクルウェハ40の一面40aに残存する変質層15等を適宜省略して示している。
次に、図1Iに示されるように、残りの半導体製造プロセスとして、半導体チップS1の裏面30bに、裏面電極を構成する金属膜61等の半導体素子における他面側素子構成部分60を形成するという裏面側プロセスを行う。このようにして、所望の半導体素子が形成された半導体チップS1が製造される。なお、図1Iの工程は、単一の半導体チップS1を例に挙げて説明した。しかしながら、保持部材20が配置された状態で加工ウェハ10を分割する場合には、各半導体チップS1は保持部材20に一体的に保持される。この場合、図1Iの工程は、保持部材20に保持された各半導体チップS1に対して一体的に行われる。
また、この他面側素子構成部分60を形成する工程の前には、必要に応じて、CMP(chemical mechanical polishingの略)法等で半導体チップS1の裏面30bを平坦化する工程を行うようにしてもよい。図1Iは、半導体チップS1の裏面30bを平坦化した場合の図を示している。そして、他面側素子構成部分60を形成する工程を行った後、必要に応じて、金属膜61と半導体チップS1とをオーミック接触とするためのレーザアニールなどの加熱処理を行うようにしてもよい。
また、図1Jに示されるように、図1Hで構成されたリサイクルウェハ40には、一面40aに対して研磨装置70等を用いたCMP法を行うことにより、当該一面40aを平坦化する。そして、平坦化したリサイクルウェハ40をGaNウェハ1とし、再び上記図1A以降の工程を行う。これにより、GaNウェハ1は、半導体チップS1を構成するのに複数回利用されることができる。
以上説明した本実施形態によれば、加工ウェハ10を分割する際、静的圧力が印加されるようにして加工ウェハ10を分割している。このため、加工ウェハ10の厚さ方向に引張応力等を印加して加工ウェハ10を分割する場合と比較して、瞬間的に印加される応力が大きくなり過ぎることを抑制できる。したがって、加工ウェハ10を分割する際、加工ウェハ10に割れが発生することを抑制できる。
(1)本実施形態では、圧力P1となる液体170として水を用い、圧力P2として大気圧を利用している。このため、圧力P1および圧力P2を特別な材料で構成する場合と比較して、分割装置100の構成の簡略化、および製造工程の簡略化を図ることができる。
(2)本実施形態では、加工ウェハ10の一面10aが液体170から露出しつつ、一面10a側に凸となるように加工ウェハ10を変形させることで加工ウェハ10を分割している。このため、一面10a側に形成される半導体素子に対する液体170の影響を考慮しなくてもよく、分割装置100の構成の簡略化、および製造工程の簡略化を図ることができる。
(3)本実施形態では、分割装置100内に加工ウェハ10を配置して加工ウェハ10を分割する。この場合、貫通孔111aを複数形成することにより、分割装置100内に複数枚の加工ウェハ10を同時に配置できる。このため、複数枚の加工ウェハ10を同時に分割するバッチ式とすることもでき、スループットの向上を図ることができる。
(4)本実施形態では、加工ウェハ10を分割する前に、ダイシングラインDLに溝16を形成している。このため、加工ウェハ10を一面10a側が凸となるように変形させた際、半導体チップS1(すなわち、チップ形成領域RA)の間隔が広がる方向に押し出されることになり、変質層15で分割し易くできる。
(第2実施形態)
第2実施形態について説明する。本実施形態は、第1実施形態に対し、加工ウェハ10を分割する際の静的圧力の印加方法を変更したものである。その他に関しては、第1実施形態と同様であるため、ここでは説明を省略する。
本実施形態の分割装置100の基本的な構成は、上記第1実施形態と同様である。但し、本実施形態の分割装置100は、図4に示されるように、ハウジング110が配置され、当該ハウジング110(すなわち、液体170)を加熱可能な加熱装置180が備えられている。本実施形態では、加熱装置180は、加熱炉で構成されている。なお、加熱装置180の構成は、適宜変更可能である。例えば、加熱装置180は、ハウジング110内に配置されて液体170を直接加熱する加熱抵抗ヒータ等で構成されていてもよい。
そして、本実施形態では、変質層15を起点として加工ウェハ10を分割する際、加熱装置180で液体170を加熱して液体170の圧力P1が圧力P2より大きくなるようにする。これにより、加工ウェハ10は、一面10a側が凸となるように変形し、変質層15を起点として分割される。なお、液体170を加熱する際には、金属ガリウムの融点である約30℃以上に加工ウェハ10が加熱されるようにすることが好ましい。これにより、変質層15に存在する金属ガリウムが液化して分割する際に必要な圧力が低くなるため、加工ウェハ10を分割し易くできる。また、このように液体170を加熱して液体170の圧力P1を高くしても、加工ウェハ10の他面10bに印加される圧力は静的圧力となる。
以上説明した本実施形態のように、加熱装置180で液体170を加熱して液体170の圧力P1が圧力P2より大きくなるようにしても、加工ウェハ10の他面10bに印加される圧力が静的圧力となるため、上記第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
(1)本実施形態では、液体170を金属ガリウムの融点以上に加熱することにより、加工ウェハ10を分割し易くできる。
(第3実施形態)
第3実施形態について説明する。本実施形態は、第1実施形態に対し、加工ウェハ10を分割する際の作動流体を変更したものである。その他に関しては、第1実施形態と同様であるため、ここでは説明を省略する。
本実施形態の分割装置100の基本的な構成は、上記第1実施形態と同様である。但し、本実施形態の分割装置100は、図5に示されるように、ハウジング110内には、作動流体としての気体190が充填されている。なお、気体は、空気等であってもよいし、希ガス等であってもよい。
そして、本実施形態では、変質層15を起点として加工ウェハ10を分割する際、閉塞部160を摺動させて気体190を圧縮することで気体190の圧力P1が圧力P2より大きくなるようにする。これにより、加工ウェハ10は、一面10a側が凸となるように変形し、変質層15を起点として分割される。なお、このように気体190を圧縮して気体190の圧力P1を高くしても、加工ウェハ10の他面10bに印加される圧力は静的圧力となる。
以上説明した本実施形態のように、作動流体を気体190としても、加工ウェハ10の他面10bに印加される圧力が静的圧力となるため、上記第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
(第4実施形態)
第4実施形態について説明する。本実施形態は、第1実施形態に対し、分割装置100に撮像部を備えたものである。その他に関しては、第1実施形態と同様であるため、ここでは説明を省略する。
本実施形態の分割装置100の基本的な構成は、上記第1実施形態と同様である。但し、本実施形態の分割装置100は、図6に示されるように、撮像部としてのカメラ200を備えている。そして、本実施形態では、一般的にGaNが透明であるため、変質層15を起点として加工ウェハ10を分割する際には、カメラ200で変質層15における亀裂部Lbの様子を確認しながら行う。
以上説明した本実施形態によれば、加工ウェハ10を分割する際に静的圧力が印加されるようにしているため、上記第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
(1)本実施形態では、変質層15を起点として加工ウェハ10を分割する際には、カメラ200で変質層15における亀裂部Lbの様子を確認しながら行う。このため、加工ウェハ10を分割する際の終了時点が把握し易くなり、製造工程の簡略化を図ることができる。
(第5実施形態)
第5実施形態について説明する。本実施形態は、第1実施形態に対し、加工ウェハ10を分割する際の原理を変更したものである。その他に関しては、第1実施形態と同様であるため、ここでは説明を省略する。
本実施形態では、加工ウェハ10を分割装置100に配置する際、図7に示されるように、加工ウェハ10の他面10bが底部111側に位置するように加工ウェハ10を配置する。そして、本実施形態では、ハウジング110内に、作動流体としての液体170を充填する。この際、加工ウェハ10に形成されている溝16にも液体170が入り込んだ状態となる。なお、本実施形態では、加工ウェハ10の他面10bが第1主面に相当し、加工ウェハ10の一面10aが第2主面に相当する。なお、本実施形態の液体170は、例えば、水が用いられる。
その後、変質層15を起点として加工ウェハ10を分割する際、閉塞部160を摺動させて液体170を圧縮することで液体170の圧力P1が圧力P2より大きくなるようにする。これにより、図8に示されるように、ダイシングラインDLに入り込んでいる液体170にも圧力P1が印加され、圧力P1が圧力P2より大きくなることで液体170が変質層15内にも入り込む。そして、液体170の静的圧力により、変質層15内で亀裂部Lbが進展し、加工ウェハ10が変質層15を起点として分割される。なお、図8では、ゲート電極13を省略して示してある。
以上説明した本実施形態のように、変質層15に液体170を浸入させて加工ウェハ10を変質層15で分割するようにしても、変質層15に印加される圧力が静的圧力であるため、上記第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
(第5実施形態の変形例)
上記第5実施形態では、作動流体である液体170として水を用いる例について説明した。しかしながら、液体170は、水以外のものであってもよく、例えば、水よりも表面張力が低く、化学的に安定した構成のものが用いられていてもよい。例えば、水は、温度が20℃である際の表面張力が72.8mN/mであるため、温度が20℃である際において、表面張力が22.6mN/mであるエタノール、18.4mN/mであるヘキサン、表面張力が15~16mN/mである不活性液体のフロリナートが用いられてもよい。これらの液体では、水よりも表面張力が低いため、液体170をダイシングラインDLに充填し易くなり、変質層15に液体170を入り込み易くできる。したがって、深さが深い高アスペクト比である溝16が形成されていたとしても、十分に対応し易くできる。
(第6実施形態)
第6実施形態について説明する。本実施形態は、第5実施形態に対し、分割装置100に支持部を備えたものである。その他に関しては、第5実施形態と同様であるため、ここでは説明を省略する。
本実施形態の分割装置100の基本的な構成は、上記第1実施形態と同様である。但し、本実施形態の分割装置100は、図9に示されるように、加工ウェハ10の他面10bを支持する支持部114が備えられている。本実施形態の支持部114は、貫通孔111aに備えられた基部114aと、基部114aに備えられ、ハウジング110の軸方向に沿って突出する棒状の支持棒114bとを有している。なお、支持棒114bは、突出方向の先端部の位置が第1シール部材120と略同じ位置となる部分まで延設されている。
そして、加工ウェハ10を分割装置100に配置する際には、他面10bが支持部114と当接するように配置される。
変質層15を起点として加工ウェハ10を分割する際には、上記第5実施形態と同様の工程を行う。この際、加工ウェハ10が支持棒114bで支持されているため、加工ウェハ10が他面10b側に凸となるように反ることを抑制できる。したがって、加工ウェハ10に変質層15と異なる亀裂等の欠陥が発生している場合、当該欠陥から割れることを抑制できる。また、加工ウェハ10が反ることを抑制しているため、チップ形成領域RAが反ることも抑制でき、製造される半導体チップS1の特性が変動することを抑制できる。
なお、加工ウェハ10のうちの支持部114で支持される部分は、加工ウェハ10の一面10a側に印加される圧力P1と同じ圧力が印加される。このため、支持部114で支持される部分上に位置する変質層15は、液体170が浸入せず、分割が進み難い。したがって、本実施形態では、支持部114で支持される部分上のチップ形成領域RAには、一面側素子構成部分11が形成されていない。
以上説明した本実施形態によれば、加工ウェハ10を分割する際に静的圧力が印加されるようにしているため、上記第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
(1)本実施形態では、加工ウェハ10の他面10bを支持部114で支持するようにしている。このため、加工ウェハ10を分割する際に加工ウェハ10が他面10b側に凸となるように反ることを抑制できる。したがって、加工ウェハ10に変質層15と異なる亀裂等の欠陥が発生している場合、当該欠陥から割れることを抑制できる。また、加工ウェハ10が反ることを抑制しているため、チップ形成領域RAが反ることも抑制でき、製造される半導体チップS1の特性が変動することを抑制できる。
(第7実施形態)
第7実施形態について説明する。本実施形態は、第5実施形態に対し、加工ウェハ10を分割する際に保持シートを配置したものである。その他に関しては、第5実施形態と同様であるため、ここでは説明を省略する。
まず、上記第5実施形態の分割方法では、ダイシングラインDLに沿って溝16を形成した後に加工ウェハ10を変質層15で分割するため、分割した後は、各個片が液体170中にバラバラに浮遊する可能性がある。このため、本実施形態では、図10に示されるように、加工ウェハ10の一面10aに、溝16に液体170が浸入することを阻害しない保持シート210を配置する。なお、このような保持シート210は、溝16の内部の空間と溝16の外部の空間との連通を維持できるものが採用され、例えば、メッシュ状の粘着シートや、溝16と対向する部分に孔が形成された粘着シート等が用いられる。
以上説明した本実施形態によれば、加工ウェハ10を分割する際に静的圧力が印加されるようにしているため、上記第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
(1)本実施形態では、加工ウェハ10の一面10aに保持シート210を配置している。このため、加工ウェハ10を分割した後も保持シート210に各個片が粘着されるため、各個片が液体170中にバラバラに浮遊することを抑制できる。
(第8実施形態)
第8実施形態について説明する。本実施形態は、第5実施形態に対し、加工ウェハ10に形成する変質層15の詳細を規定したものである。その他に関しては、第5実施形態と同様であるため、ここでは説明を省略する。
加工ウェハ10には、上記第1実施形態と同様に変質層15を形成する。この際、本実施形態では、図11に示されるように、チップ形成領域RAにおいて、溝16側の外縁部が内縁部よりも照射痕Laが密となるように変質層15を形成する。
以上説明した本実施形態によれば、加工ウェハ10を分割する際に静的圧力が印加されるようにしているため、上記第3実施形態と同様の効果を得ることができる。
(1)本実施形態では、チップ形成領域RAにおいて、溝16側の外縁部が内縁部よりも照射痕Laが密となるように変質層15を形成する。このため、ダイシングラインDLから液体170が浸入し始める部分に多くの照射痕Laが存在することになり、亀裂部Lbが進展し易くなることで加工ウェハ10を分割し易くできる。
(他の実施形態)
本開示は、実施形態に準拠して記述されたが、本開示は当該実施形態や構造に限定されるものではないと理解される。本開示は、様々な変形例や均等範囲内の変形をも包含する。加えて、様々な組み合わせや形態、さらには、それらに一要素のみ、それ以上、あるいはそれ以下、を含む他の組み合わせや形態をも、本開示の範疇や思想範囲に入るものである。
例えば、上記各実施形態において、エピタキシャル膜3は、n型エピタキシャル層3bのみで構成されていてもよい。
また、上記各実施形態において、図1Iの工程では、半導体チップS1の裏面30bを研磨せずに金属膜61を形成するようにしてもよい。例えば、半導体素子として光半導体素子等を形成する場合には、半導体チップS1の他面側に凹凸構造を形成することにより、他面側から効果的に光を取り出すことが可能となる。そして、加工ウェハ10を分割した直後においては、半導体チップS1の裏面30bは、変質層15が残存した状態となっており、微小な凹凸が形成された状態となっている。このため、光半導体素子を形成する場合には、半導体チップS1の裏面30bを研磨せず、変質層15の凹凸を利用するようにしてもよい。
さらに、上記各実施形態において、図1Bのエピタキシャル膜3を形成する工程では、GaNウェハ1の他面1b側にもエピタキシャル膜が形成されるようにしてもよい。これによれば、例えば、変質層15をGaNウェハ1内に形成する場合においても、リサイクルウェハ40として所定以上の厚さを残し易くなり、再利用できる回数の増加を図ることができる。
さらに、上記各実施形態では、各ダイシングラインDLに沿って溝16を形成する例について説明した。しかしながら、加工ウェハ10を分割する前に溝16を形成せず、加工ウェハ10を変質層15を起点として分割した後、リサイクルウェハ40と反対側の部分をチップ構成ウェハとし、チップ構成ウェハに金属膜61等を形成した後にチップ単位に分割するようにしてもよい。なお、このように加工ウェハ10を分割する場合には、上記第5、第6実施形態では、加工ウェハ10の側面まで変質層15を形成することにより、当該側面から液体170が浸入して変質層15で分割される。
また、上記第5実施形態では、変質層15を起点として加工ウェハ10を分割する際、液体170を冷却(すなわち、急冷)して固化することで加工ウェハ10を分割するようにしてもよい。すなわち、液体170を固化すると体積が膨張するため、液体170を冷却して固化することにより、ダイシングラインDLを通じて変質層15内に入り込んでいる液体170の体積が膨張することで変質層15に静的圧力が印加される。このため、液体170を冷却して固化することで加工ウェハ10を分割するようにしてもよい。この際、上記第5実施形態のように、液体170を圧縮しながら固化するようにしてもよい。
また、例えば、上記各実施形態において、図12に示されるように、ダイシングラインDLのうちの最外周部分のダイシングラインDLのみに溝16を形成するようにしてもよい。さらに、特に図示しないが、特定部分のダイシングラインDLのみに溝16を形成するようにしてもよい。
そして、上記各実施形態を組み合わせることもできる。例えば、上記第1実施形態と上記第2実施形態とを組み合わせ、液体170を圧縮しながら、加熱するようにしてもよい。また、上記第5~第8実施形態に、上記第2~第4実施形態を組み合わせてもよい。すなわち、上記第2実施形態のように、液体170を加熱することで圧力P1が大きくなるようにしてもよい。上記第3実施形態のように、作動流体は気体であってもよい。上記第4実施形態のように、カメラ200を備えるようにしてもよい。
10 加工ウェハ
10a 一面
10b 他面
15 変質層
110 ハウジング
111 底部
111a 貫通孔
112 側部
120 シール部材
130 第1シール部材保持部
140 シール部材
150 第2シール部材保持部
170 液体(作動流体)

Claims (19)

  1. 内部に、周囲の部分よりも脆い変質層(15)が形成された加工ウェハ(10)を分割する加工ウェハの分割装置であって、
    一端部側の底部(111)に貫通孔(111a)が形成されると共に、他端部側が開口部(113)とされ、前記一端部側と前記他端部側との間を繋ぐ側部(112)を有する筒状とされ、内部に、厚さ方向と交差する方向に沿って前記変質層が形成された前記加工ウェハを収容すると共に作動流体(170、190)が充填されるハウジング(110)と、
    前記ハウジングの他端部側を閉塞しつつ、前記ハウジングの軸方向に沿って摺動可能とされた閉塞部(160)と、
    前記ハウジングの底部に配置され、前記軸方向において、前記貫通孔より外側の部分で前記加工ウェハの第1主面(10a、10b)と密着するシール部材(120)が配置される第1シール部材保持部(130)と、
    前記ハウジングの側部に前記軸方向に沿って摺動可能に配置され、前記加工ウェハの第2主面(10a、10b)と密着するシール部材(140)が配置される第2シール部材保持部(150)と、を備え、
    前記ハウジング内の作動流体を用い、前記加工ウェハを前記変質層を起点として分割する加工ウェハの分割装置。
  2. 前記加工ウェハは、半導体素子が形成される側の面を一面(10a)とし、前記一面と反対側の面を他面(10b)とすると、前記第1主面としての前記一面側が前記底部と対向するように配置され、
    前記ハウジング内の作動流体が加圧されるようにすることにより、前記加工ウェハを前記一面側が凸となるように反らせることで前記加工ウェハを分割する請求項1に記載の加工ウェハの分割装置。
  3. 前記加工ウェハは、半導体素子が形成される側の面を一面(10a)とし、前記一面と反対側の面を他面(10b)とすると、前記第1主面としての前記他面側が前記底部と対向するように配置され、
    前記ハウジング内の作動流体が加圧されるようにすることにより、前記作動流体を前記変質層に浸入させることで前記変質層を分割の起点として前記加工ウェハを分割する請求項1に記載の加工ウェハの分割装置。
  4. 前記作動流体を圧縮することにより、前記加工ウェハの第2主面に印加される前記作動流体からの圧力(P1)が、前記貫通孔から前記加工ウェハの第1主面に印加される圧力(P2)よりも大きくなるようにする請求項1ないし3のいずれか1つに記載の加工ウェハの分割装置。
  5. 前記作動流体を加熱することにより、前記加工ウェハの第2主面に印加される前記作動流体からの圧力(P1)が、前記貫通孔から前記加工ウェハの第1主面に印加される圧力(P2)よりも大きくなるようにする請求項1ないし3のいずれか1つに記載の加工ウェハの分割装置。
  6. 前記作動流体を加熱する際には、前記加工ウェハが金属ガリウムの融点以上となるようにする請求項5に記載の加工ウェハの分割装置。
  7. 前記加工ウェハは、半導体素子が形成される側の面を一面(10a)とし、前記一面と反対側の面を他面(10b)とすると、前記第1主面としての前記他面側が前記底部と対向するように配置され、
    前記ハウジング内の作動流体を冷却して固化することにより、前記加工ウェハの変質層に浸入した前記作動流体の体積を増加させることで前記変質層を分割の起点として前記加工ウェハを分割する請求項1に記載の加工ウェハの分割装置。
  8. 前記貫通孔から露出する前記第1主面を支持する支持部(114)を備えている請求項3に記載の加工ウェハの分割装置。
  9. 前記作動流体は、水である請求項1ないし3のいずれか1つに記載の加工ウェハの分割装置。
  10. 前記作動流体は、水よりも表面張力が低い材料である請求項3に記載の加工ウェハの分割装置。
  11. 前記作動流体は、気体である請求項1ないし3のいずれか1つに記載の加工ウェハの分割装置。
  12. 前記加工ウェハを撮像する撮像部(200)を備える請求項1ないし3のいずれか1つに記載の加工ウェハの分割装置。
  13. 内部に、周囲の部分よりも脆い変質層(15)が形成された加工ウェハ(10)を分割する加工ウェハの分割方法であって、
    一端部側の底部(111)に貫通孔(111a)が形成されると共に、他端部側が開口部(113)とされ、前記一端部側と前記他端部側との間を繋ぐ側部(112)を有する筒状とされ、前記加工ウェハを収容すると共に作動流体(170、190)が充填されるハウジング(110)を用意することと、
    第1主面(10a、10b)、前記第1主面と反対側の第2主面(10a、10b)を有し、内部に、厚さ方向と交差する方向に沿って前記変質層が形成された前記加工ウェハを用意することと、
    前記ハウジングの底部に、前記加工ウェハの第1主面(10a、10b)の一部が前記貫通孔から露出するように、前記加工ウェハを配置することと、
    前記ハウジングに作動流体(170、190)を充填することと、
    前記ハウジング内の作動流体を用い、前記加工ウェハを変質層を起点として分割することと、を行う加工ウェハの分割方法。
  14. 前記加工ウェハを用意することでは、半導体素子が形成される側の面を一面(10a)とし、前記一面と反対側の面を他面(10b)とすると、前記第1主面が前記一面で構成される前記加工ウェハを用意し、
    前記加工ウェハを配置することでは、前記第1主面としての前記一面側が前記底部と対向するように前記加工ウェハを配置し、
    前記分割することでは、前記ハウジング内の作動流体を加圧して前記加工ウェハを前記一面側が凸となるように反らせることで前記加工ウェハを分割する請求項13に記載の加工ウェハの分割方法。
  15. 前記加工ウェハを用意することでは、半導体素子が形成される側の面を一面(10a)とし、前記一面と反対側の面を他面(10b)とすると、前記一面側にダイシングライン(DL)で区画される複数のチップ形成領域(RA)が構成され、前記第1主面が前記他面で構成される前記加工ウェハを用意し、
    前記加工ウェハを配置することでは、前記第1主面としての前記他面側が前記底部と対向するように前記加工ウェハを配置し、
    前記分割することでは、前記ハウジング内の作動流体を加圧して前記変質層に浸入させることで前記加工ウェハを分割する請求項13に記載の加工ウェハの分割方法。
  16. 前記加工ウェハを用意することでは、半導体素子が形成される側の面を一面(10a)とし、前記一面と反対側の面を他面(10b)とすると、前記一面側にダイシングライン(DL)で区画される複数のチップ形成領域(RA)が構成され、前記第1主面が前記他面で構成される前記加工ウェハを用意し、
    前記加工ウェハを配置することでは、前記第1主面としての前記他面側が前記底部と対向するように前記加工ウェハを配置し、
    前記分割することでは、前記ハウジング内の作動流体を冷却して固化することにより、前記加工ウェハの変質層に浸入した前記作動流体の体積を増加させることで前記加工ウェハを分割する請求項13に記載の加工ウェハの分割方法。
  17. 前記加工ウェハを用意することでは、前記ダイシングラインに前記変質層に達する溝(16)が形成された前記加工ウェハを用意する請求項14ないし16のいずれか1つに記載の加工ウェハの分割方法。
  18. 前記分割することでは、前記加工ウェハの前記一面に、前記溝の内部の空間と、前記溝の外部の空間との連通を維持した状態で、前記複数のチップ形成領域を保持する保持シート(210)を配置する請求項17に記載の加工ウェハの分割方法。
  19. 前記加工ウェハを用意することでは、前記加工ウェハの前記第2主面からレーザ光(L)を照射することで前記変質層を形成することを行い、
    前記レーザ光を照射することでは、前記チップ形成領域における前記溝側の外縁部の方が、前記溝側と反対側の内縁部よりも、前記レーザ光の照射痕(La)が密に形成されるように前記レーザ光を照射する請求項17に記載の加工ウェハの分割方法。
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