JP2024054501A - タイヤ用モールドの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】キャビティ面に微小凹凸を有するモールドが、容易に得られうる、製造方法の提供。【解決手段】タイヤ用モールドの製造方法は、(1)気泡を含む成形体を切削し、切削面の算術平均粗さRaが4.0μm以上であるマスターモデルを得る工程、(2)このマスターモデルの表面形状が反転した形状を有する雌型を得る工程、(3)この雌型の表面形状が反転した形状を有する雄型を得る工程、及び(4)この上記雄型の表面形状が反転した形状を有するモールド部品を得る工程を含む。好ましくは、工程(1)において、その発泡倍率が3.0以上である成形体が切削される。好ましくは、工程(1)において、その密度が0.45g/cm3以下である成形体が切削される。【選択図】図6

Description

本明細書は、タイヤの加硫工程に用いられるモールドの製造方法を開示する。詳細には、本明細書は、モールドの粗面の形成方法を開示する。
スタッドレスタイヤは、雪路面及び氷路面の上での走行に適している。このタイヤは、複数の溝と、これらの溝によってセパレートされた複数のブロックとを有している。雪路面では、溝が雪を踏み固めて雪塊が形成される。この雪塊に発生する剪断応力により、雪路面上でのスリップが抑制される。氷路面では、ブロックのエッジ効果により、タイヤと路面との間に存在する水膜が除去される。水膜の除去により、氷路面上でのスリップが抑制される。
タイヤの走行により、ブロックの表面が徐々に摩耗する。摩耗は、ブロックの表面に適度な粗さを与える。粗さは、水膜を抑制しうる。新品のタイヤでは、摩耗による粗さは期待できない。新品のタイヤにおいて水膜を抑制する目的で、タイヤの表面に微小凹凸が形成されることがある。タイヤ用モールドのキャビティ面に凹凸が形成されることにより、この凹凸が反転した形状の微小凹凸が、タイヤの表面に形成される。摩耗が進行するまでは、この微小凹凸による粗さが、スリップを抑制する。この微小凹凸は、摩耗の進行によって消滅する。その後は、摩耗に起因する粗さが、スリップを抑制する。キャビティ面に微小凹凸を有するモールドの製造方法が、特開2021-41669公報に開示されている。
特開2021-41669公報
従来のモールド製造方法では、キャビティ面への微小凹凸の形成に、手間がかかる。本出願人の意図するところは、キャビティ面に微小凹凸を有するモールドが、容易に得られうる、製造方法の提供にある。
本明細書は、タイヤ用モールドの製造方法を開示する。この製造方法は、
(1)気泡を含む成形体を切削し、切削面の算術平均粗さRaが4.0μm以上であるマスターモデルを得る工程、
(2)このマスターモデルの表面形状が反転した形状を有する雌型を得る工程、
(3)この雌型の表面形状が反転した形状を有する雄型を得る工程、
及び
(4)この雄型の表面形状が反転した形状を有するモールド部品を得る工程
を含む。
このタイヤ用モールドは、容易に得られうる。このモールドから、表面に微小凹凸を有するタイヤが得られうる。
図1は、一実施形態に係る製造方法で得られたタイヤ用モールドの一部が示された概略図である。 図2は、図1のII-II線に沿った拡大断面図である。 図3は、図2のモールドのセグメントが示された正面図である。 図4は、図3のセグメントが示された平面図である。 図5は、図3のセグメントが示された左側面図である。 図6は、図1及び2のモールドの製造方法が示されたフロー図である。 図7は、図6の製造方法に使用される成形体が切削工具と共に示された正面図である。 図8は、図6の製造方法の一工程で得られたマスターモデルが示された正面図である。 図9は、図8のマスターモデルの切削面の一部が示された拡大平面図である。 図10は、図9のX-X線に沿った拡大断面図である。 図11は、図6の製造方法の他の工程が示された断面図である。 図12は、図6の製造方法のさらに他の工程が示された断面図である。 図13は、図6の製造方法のさらに他の工程が示された断面図である。 図14は、図6の製造方法のさらに他の工程が示された断面図である。 図15は、図14の工程で得られたセグメント中間体の一部が示された断面図である。
以下、適宜図面が参照されつつ、タイヤ用モールドの好ましい実施形態が詳細に説明される。
図1及び2に、タイヤ用モールド2が示されている。図2において、矢印Xはモールド2の径方向を表し、矢印Yはモールド2の軸方向を表す。このモールド2は、下プレート4、上プレート6、一対のサイドウォールプレート8、コンテナリング10、複数のセクターシュー12及び複数のセグメント14を有している。図1では、便宜上、上プレート6の図示が省略されている。下プレート4は、リング状の形状を有する。上プレート6は、ディスク状の形状を有する。それぞれのサイドウォールプレート8は、実質的にリング状の形状を有する。
図1に示されるように、コンテナリング10は、筒状である。図2に示されるように、コンテナリング10は、内周面16を有している。この内周面16は、軸方向に対して傾斜している。内周面16は、下に向かうに従って径方向外側に向かう形状を、有している。内周面16は、複数のレール18を有している。
図1に示されるように、セクターシュー12の平面形状は、実質的に扇形である。図2に示されるように、セクターシュー12は、内周面20及び外周面22を有している。図1では、複数のセクターシュー12が周方向に沿って並んでいる。セクターシュー12の数は、通常3以上20以下である。本実施形態では、セクターシュー12の数は、9である。
外周面22は、軸方向に対して傾斜している。外周面22は、下に向かうに従って径方向外側に向かう形状を、有している。図2に示されるように、外周面22は溝24を有している。図示は省略されるが、この溝24は、いわゆる蟻溝である。この蟻溝24は、アンダーカット形状を有している。外周面22は、コンテナリング10の内周面16と当接している。蟻溝24には、レール18が嵌まっている。蟻溝24とレール18との引っかかりにより、セクターシュー12のコンテナリング10からの離脱が阻止されている。蟻溝24は、レール18に対して擦動可能である。従ってセクターシュー12は、コンテナリング10に対して擦動可能である。
図1では、複数のセグメント14がリング状に配置されている。これらのセグメント14により、キャビティが形成されている。セグメント14の数は、通常3以上20以下である。セグメント14の数は、セクターシュー12の数と一致している。従って本実施形態では、セグメント14の数は、9である。モールド2が、互いにサイズの異なる複数種のセグメント14を有してもよい。
それぞれのセグメント14の平面形状は、実質的に扇形である。図2に示されるように、セグメント14は、キャビティ面26と背面28とを有している。背面28は、セクターシュー12の内周面20に当接している。セグメント14は、セクターシュー12に固定されている。固定は、ボルト等の図示されない手段によって達成されている。セクターシュー12とセグメント14との間に、他の部材(ホルダー等)が介在してもよい。
モールド2が開かれた状態では、セクターシュー12は図2に示された位置よりも径方向外側にあり、コンテナリング10は図2に示された位置よりも上方にある。モールド2の閉動作では、コンテナリング10が、徐々に下降する。コンテナリング10の内周面16にその外周面22が押されたセクターシュー12は、径方向内側に向かって、徐々に移動する。この移動により、セクターシュー12とこれに隣接するセクターシュー12との距離が、徐々に小さくなる。セクターシュー12の移動に伴い、セグメント14が、径方向内側に向かって徐々に移動する。この移動により、セグメント14とこれに隣接するセグメント14との距離が、徐々に小さくなる。コンテナリング10の下降が終了した時点で、セグメント14が隣接するセグメント14と当接し、キャビティが形成される。セグメント14が隣接するセグメント14と当接したときが、モールド2が閉じたときである。
閉じているモールド2が開かれるとき、コンテナリング10が徐々に上昇する。蟻溝24とレール18とは引っかかっているが、セクターシュー12には重力がかかっているので、このセクターシュー12は上昇しない。セクターシュー12は、コンテナリング10と擦動しつつ、径方向外側に向かって、徐々に移動する。この移動により、セクターシュー12とこれに隣接するセクターシュー12との距離が、徐々に大きくなる。セクターシュー12の移動に伴い、セグメント14が、径方向外側に向かって徐々に移動する。この移動により、セグメント14とこれに隣接するセグメント14との距離が、徐々に大きくなる。
図3-5に、セグメント14が示されている。図3において、矢印Zはモールド2の周径方向を表し、矢印Yはモールド2の軸方向を表す。前述の通りセグメント14は、キャビティ面26と背面28とを有している。セグメント14はさらに、一対の側面30及び一対の端面32を有している。セグメント14の材質は、金属である。典型的な金属は、アルミニウム合金である。
図3に示されるように、キャビティ面26は、4つのメインリッジ34bと、多数のサブリッジ36bとを有している。それぞれのメインリッジ34bは、周方向に延在している。このメインリッジ34bは、タイヤのトレッドの周方向溝に対応する。それぞれのサブリッジ36bは、周方向に対して傾斜している。このサブリッジ36bは、タイヤのトレッドの横溝に対応する。これらのメインリッジ34b及びサブリッジ36bにより、キャビティ面26に多数のリセス38bが形成されている。それぞれのリセス38bは、タイヤのトレッドのブロックに対応する。リセス38bは雌であり、ブロックは雄である。タイヤのブロックには、セグメント14のリセス38bの形状が転写される。
図6に、モールド2の製造方法のフローが示されている。この製造方法では、まず成形体が準備される(STEP1)。この成形体40が、図7に示されている。本実施形態では、この成形体40の形状は、直方体である。この成形体40の材質は、多数の気泡を含む樹脂組成物である。換言すれば、成形体40は発泡体である。この成形体40では、樹脂マトリックス中に多数の気泡が分散している。成形体40の好ましい基材樹脂は、ポリウレタンである。この成形体40は、「ケミカルウッド」と称されている。
この成形体40が、工具42(図7参照)によって切削される。典型的な工具42は、ボールエンドミルである。工具42の好ましい材質として、ハイス鋼及び超硬合金が例示される。工具42の直径は、10.0mmから20.0mmである。工具42は、回転しつつ送られる。工具42の好ましい回転速度は、3000rpmから20000rpmである。工具42の好ましい送り速度Fは、2000mm/minから8000mm/minである。
成形体40が気泡を含むので、この成形体40は工具42によって容易に切削されうる。この切削により、図8に示されたマスターモデル44が形成される(STEP2)。このマスターモデル44は、切削面46を有している。
図9に、切削面46の一部が拡大されて示されている。図8及び9から明らかなように、このマスターモデル44は、4つのメイングルーブ48a、複数のサブグルーブ50a及び複数のブロック52aを有している。それぞれのブロック52aは、複数のグルーブ(48a及び50a)に囲まれている。
図10は、図9のX-X線に沿った断面図である。図10には、切削面の一部が拡大されて示されている。この切削面46には、気泡が露出している。詳細には、気泡を囲む殻の一部が除去されたて、残余の部分が切削面46に露出している。気泡に起因して、この切削面46は、微細な凹凸を有している。この切削面46は、粗い。
図11に示されるように、このマスターモデル44が枠54aに収容される。この枠54aとマスターモデル44とによって形成されるキャビティに、未架橋のゴム組成物が充填される。このゴム組成物の典型的な基材は、シリコーンゴムである。架橋反応によってこのゴム組成物が硬化し、ゴム型56(雌型)が形成される(STEP3)。マスターモデル44に基づき、その材質がゴム以外である雌型が形成されてもよい。
このゴム型56は、マスターモデル44の表面形状が反転した形状を有している。このゴム型56は、複数のメインリッジ34a、複数のサブリッジ36a及び複数のリセス38aを有している。それぞれのメインリッジ34aは、マスターモデル44のメイングルーブ48aの形状が反転した形状を有している。それぞれのサブリッジ36aは、マスターモデル44のサブグルーブ50aの形状が反転した形状を有している。それぞれのリセス38aは、マスターモデル44のブロック52aの形状が反転した形状を有している。このリセス38aは、複数のリッジ(34a及び36a)に囲まれている。
図12に示されるように、このゴム型56が枠54bに収容される。この枠54bとゴム型56とによって形成されるキャビティに、未硬化の石膏が注入される。この石膏が硬化して、石膏型58(雄型)が形成される(STEP4)。雌型に基づき、その材質が石膏以外である雄型が形成されてもよい。
この石膏型58は、ゴム型56の表面形状が反転した形状を有する。石膏型58は、4つのメイングルーブ48b、複数のサブグルーブ50b及び複数のブロック52bを有している。それぞれのメイングルーブ48bは、ゴム型56のメインリッジ34aの形状が反転した形状を有している。それぞれのサブグルーブ50bは、ゴム型56のサブリッジ36aの形状が反転した形状を有している。それぞれのブロック52bは、ゴム型56のリセス38aの形状が反転した形状を有している。このブロック52bは、複数のグルーブ(48b及び50b)に囲まれている。
石膏型58の平面形状は、概して扇形である。複数の石膏型58が準備され、これらの石膏型58から筒が組み立てられる(STEP5)。この筒60が、図13に示されている。
図14に示されるように、この筒60が枠54cに収容される。この枠54cと石膏型58とによって形成されるキャビティに、溶融金属が注入される。この金属が凝固して、セグメント中間体62が形成される(STEP6)。この中間体62は、筒形状を有する。典型的な金属は、アルミニウム合金である。
図15に、セグメント中間体62の断面が示されている。この中間体62は、石膏型58の表面形状が反転した形状を有している。この中間体62は、そのキャビティ面26に、複数のメインリッジ34b、複数のサブリッジ36b及び複数のリセス38bを有している。それぞれのメインリッジ34bは、図12に示された石膏型58のメイングルーブ48bの形状が反転した形状を有している。それぞれのサブリッジ36bは、石膏型58のサブグルーブ50bの形状が反転した形状を有している。それぞれのリセス38bは、石膏型58のブロック52bの形状が反転した形状を有している。このリセス38bは、複数のリッジ(34b及びリッジ36b)に囲まれている。
この中間体62に切断、切削等の加工が施され、扇形のセグメント14(図4参照)が得られる(STEP7)。このセグメント14は、モールド部品である。同様の方法で、セグメント14以外のモールド部品が得られてもよい。
このセグメント14が下プレート4、上プレート6、サイドウォールプレート8、コンテナリング10、セクターシュー12等と組み合わされて、図1及び2に示されたタイヤ用のモールド2が完成する(STEP8)。
このモールド2が用いられたタイヤ製造方法では、まず、予備成形工程によってローカバーが得られる。次に、モールド2が開いており、ブラダー(図示されず)が収縮している状態で、ローカバーがモールド2に投入される。ブラダーは、ローカバーの内側に位置する。この段階では、ローカバーのゴム組成物は、未架橋状態である。次に、モールド2が締められ、セグメント14によってキャビティが形成される。次に、ブラダーが膨張する。ローカバーはブラダーによってモールド2のキャビティ面26に押しつけられ、加圧される。この状態のローカバーRcが、図2に示されている。加圧と同時にローカバーRcは、加熱される。加圧と加熱とにより、ゴム組成物が流動する。加熱によりゴムが架橋反応を起こし、タイヤが得られる。このタイヤは、トレッド及びサイドウォールを有している。このトレッドは、複数のセグメント14によって形成されたキャビティによって成形される。サイドウォールは、サイドウォールプレート8によって成形される。
マスターモデル44のメイングルーブ48aの形状は、ゴム型56のメインリッジ34a、石膏型58のメイングルーブ48b、及びセグメント14のメインリッジ34bを経て、タイヤのメイングルーブに転写される。
マスターモデル44のサブグルーブ50aの形状は、ゴム型56のサブリッジ36a、石膏型58のサブグルーブ50b、及びセグメント14のサブリッジ36bを経て、タイヤのサブグルーブに転写される。
マスターモデル44のブロック52aの形状は、ゴム型56のリセス38a、石膏型58のブロック52b、及びセグメント14のリセス38bを経て、タイヤのブロックに転写される。
前述の通り、マスターモデル44の切削面46は、微細な凹凸を有している。この切削面46は、粗い。この凹凸の形状は、ゴム型56に転写される。従ってゴム型56は、その表面に微細な凹凸を有している。このゴム型56の表面は、粗い。
ゴム型56の凹凸の形状は、石膏型58に転写される。従って石膏型58は、その表面に微細な凹凸を有している。この石膏型58の表面は、粗い。
石膏型58の凹凸の形状は、セグメント14に転写される。従ってセグメント14は、そのキャビティ面26に微細な凹凸を有している。このキャビティ面26は、粗い。
セグメント14のキャビティ面26の凹凸の形状は、タイヤのトレッド面に転写される。従ってタイヤは、そのトレッド面に微細な凹凸を有している。このトレッド面は、粗い。この凹凸は、タイヤのスリップを抑制する。この凹凸は微細なので、タイヤの走行によって徐々に摩耗し、消滅する。その後は、摩耗によってトレッド面に生じた凹凸が、スリップを抑制する。
新品のタイヤのトレッド面の粗さには、概ね、マスターモデル44の切削面46の粗さが反映される。スリップが十分に抑制されるとの観点から、マスターモデル44の切削面46の算術平均粗さRaは4.0μm以上が好ましく、6.0μm以上がより好ましく、8.0μm以上が特に好ましい。タイヤの外観の観点から、算術平均粗さRaは20.0μm以下が好ましく、15.0μm以下がより好ましく、12.0μm以下が特に好ましい。
算術平均粗さRaは、「JIS B0601:2013」の規定に準拠して測定される。測定は、非接触型三次元形状測定機によってなされる。典型的な測定器は、キーエンス社の「非接触三次元表面粗さ計LMシリーズ」である。
前述の通り、成形体40の典型的な基材は、ポリウレタンである。ポリウレタンは、ポリオールとイソシアネートとの反応によって得られうる。ポリオールとイソシアネートとの混合時に、液中に不活性ガスが吹き込まれ、この液が撹拌されることで、気泡を含む成形体40が得られうる。この気泡は、不活性ガスに由来する。ポリオールとイソシアネートとの混合時に水を介在させることで、イソシアネートと水との反応で生じた炭酸ガスに起因する気泡を含む成形体40が、得られてもよい。化学発泡剤の発泡により、気泡が得られてもよい。
成形体40の樹脂組成物が、無機充填剤を含んでもよい。無機充填剤は、成形体40の強度及び切削性に寄与しうる。好ましい無機充填剤として、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、クレー、タルク、マイカ、硫酸バリウム及びシリカが例示される。樹脂組成物が、有機充填剤を含んでもよい。
成形体40が、独立気泡を含んでもよく、連続気泡を含んでもよい。マスターモデル44の強度の観点から、独立気泡を含む成形体40が好ましい。
成形体40の発泡倍率は、3.0以上が好ましい。発泡倍率が3.0以上である成形体40から、十分に粗い切削面46が得られうる。この観点から、発泡倍率は3.5以上がより好ましく、4.0以上が特に好ましい。マスターモデル44の強度及びタイヤの外観の観点から、発泡倍率は20.0以下が好ましく、15.0以下がより好ましく、10.0以下が特に好ましい。発泡倍率は、気泡を含まない樹脂組成物の密度が、成形体40のかさ密度で除されることで算出される。
成形体40の密度(かさ密度)は、0.45g/cm以下が好ましい。密度が0.45g/cm以下である成形体40から、十分に粗い切削面46が得られうる。この観点から、密度は0.35g/cm以下がより好ましく、0.30g/cm以下が特に好ましい。マスターモデル44の強度の外観の観点から、密度は0.15g/cm以上が好ましく、0.20g/cm以上がより好ましく、0.25g/cm以上が特に好ましい。
気泡の平均直径は、20μm以上が好ましい。平均直径が20μm以上である成形体40から、十分に粗い切削面46が得られうる。この観点から、平均直径は30μm以上がより好ましく、35μm以上が特に好ましい。タイヤの外観の観点から、平均直径は100μm以下が好ましく、80μm以下がより好ましく、60μm以下が特に好ましい。平均直径は、成形体40の切削面46の顕微鏡観察によって測定される。この切削面46には、工具42によって部分的に削られた気泡の殻の残部が存在する。無作為に抽出された100個の残部においてその殻の直径が測定され、これらの和が100で除されて、平均直径が算出される。
前述の通り、セグメント14のキャビティ面26は、粗い。このキャビティ面26の算術平均粗さRaは4.0μm以上が好ましく、6.0μm以上がより好ましく、8.0μm以上が特に好ましい。算術平均粗さRaは20.0μm以下が好ましく、15.0μm以下がより好ましく、12.0μm以下が特に好ましい。
前述の通り、タイヤのトレッド面は、粗い。このトレッド面の算術平均粗さRaは4.0μm以上が好ましく、6.0μm以上がより好ましく、8.0μm以上が特に好ましい。算術平均粗さRaは20.0μm以下が好ましく、15.0μm以下がより好ましく、12.0μm以下が特に好ましい。
[開示項目]
以下の項目のそれぞれは、好ましい実施形態の開示である。
[項目1]
(1)気泡を含む成形体を切削し、切削面の算術平均粗さRaが4.0μm以上であるマスターモデルを得る工程、
(2)上記マスターモデルの表面形状が反転した形状を有する雌型を得る工程、
(3)上記雌型の表面形状が反転した形状を有する雄型を得る工程、
及び
(4)上記雄型の表面形状が反転した形状を有するモールド部品を得る工程
を備えた、タイヤ用モールドの製造方法。
[項目2]
上記工程(1)において、その発泡倍率が3.0以上である成形体が切削される、項目1に記載の製造方法。
[項目3]
上記工程(1)において、その密度が0.45g/cm以下である成形体が切削される、項目1又は2に記載の製造方法。
[項目4]
上記工程(1)において、その材質が、ポリウレタンを基材とする樹脂組成物である成形体が切削される、項目1から3のいずれかに記載の製造方法。
[項目5]
上記樹脂組成物が無機充填剤を含む、項目4に記載の製造方法。
[項目6]
上記工程(2)において、その材質が架橋ゴムである雌型が得られる、項目1から5のいずれかに記載の製造方法。
[項目7]
上記工程(3)において、その材質が石膏である雄型が得られる、項目1から6のいずれかに記載の製造方法。
[項目8]
上記工程(4)において、その材質が金属であるモールド部品が得られる、項目1から7のいずれかに記載の製造方法。
[項目9]
上記金属がアルミニウム合金である、項目8に記載の製造方法。
[項目10]
(1)気泡を含む成形体を切削し、切削面の算術平均粗さRaが4.0μm以上であるマスターモデルを得る工程、
(2)上記マスターモデルの表面形状が反転した形状を有する雌型を得る工程、
(3)上記雌型の表面形状が反転した形状を有する雄型を得る工程、
(4)上記雄型の表面形状が反転した形状を有するモールド部品を得る工程、
(5)上記モールド部品を含むモールドに、ローカバーを投入する工程、
及び
(6)上記モールド内で、上記ローカバーを加圧及び加熱する工程
を備えた、タイヤ製造方法。
[項目11]
気泡を含む成形体を準備する工程、
及び
上記成形体を切削し、算術平均粗さRaが4.0μm以上である切削面を形成する工程
を含む、タイヤ用モールドのためのマスターモデルの製造方法。
以上説明された製造方法により、種々のタイヤのためのモールドが製造されうる。
2・・・タイヤ用モールド
14・・・セグメント
26・・・キャビティ面
34a・・・ゴム型のメインリッジ
34b・・・セグメントのメインリッジ
36a・・・ゴム型のサブリッジ
36b・・・セグメントのサブリッジ
38a・・・ゴム型のリセス
38b・・・セグメントのリセス
40・・・成形体
42・・・工具
44・・・マスターモデル
46・・・切削面
48a・・・マスターモデルのメイングルーブ
48b・・・石膏型のメイングルーブ
50a・・・マスターモデルのサブグルーブ
50b・・・石膏型のサブグルーブ
52a・・・マスターモデルのブロック
52b・・・石膏型のブロック
56・・・ゴム型
58・・・石膏型
60・・・筒
62・・・セグメント中間体

Claims (11)

  1. (1)気泡を含む成形体を切削し、切削面の算術平均粗さRaが4.0μm以上であるマスターモデルを得る工程、
    (2)上記マスターモデルの表面形状が反転した形状を有する雌型を得る工程、
    (3)上記雌型の表面形状が反転した形状を有する雄型を得る工程、
    及び
    (4)上記雄型の表面形状が反転した形状を有するモールド部品を得る工程
    を備えた、タイヤ用モールドの製造方法。
  2. 上記工程(1)において、その発泡倍率が3.0以上である成形体が切削される、請求項1に記載の製造方法。
  3. 上記工程(1)において、その密度が0.45g/cm以下である成形体が切削される、請求項1又は2に記載の製造方法。
  4. 上記工程(1)において、その材質が、ポリウレタンを基材とする樹脂組成物である成形体が切削される、請求項1又は2に記載の製造方法。
  5. 上記樹脂組成物が無機充填剤を含む、請求項4に記載の製造方法。
  6. 上記工程(2)において、その材質が架橋ゴムである雌型が得られる、請求項1又は2に記載の製造方法。
  7. 上記工程(3)において、その材質が石膏である雄型が得られる、請求項1又は2に記載の製造方法。
  8. 上記工程(4)において、その材質が金属であるモールド部品が得られる、請求項1又は2に記載の製造方法。
  9. 上記金属がアルミニウム合金である、請求項8に記載の製造方法。
  10. (1)気泡を含む成形体を切削し、切削面の算術平均粗さRaが4.0μm以上であるマスターモデルを得る工程、
    (2)上記マスターモデルの表面形状が反転した形状を有する雌型を得る工程、
    (3)上記雌型の表面形状が反転した形状を有する雄型を得る工程、
    (4)上記雄型の表面形状が反転した形状を有するモールド部品を得る工程、
    (5)上記モールド部品を含むモールドに、ローカバーを投入する工程、
    及び
    (6)上記モールド内で、上記ローカバーを加圧及び加熱する工程
    を備えた、タイヤ製造方法。
  11. 気泡を含む成形体を準備する工程、
    及び
    上記成形体を切削し、算術平均粗さRaが4.0μm以上である切削面を形成する工程
    を含む、タイヤ用モールドのためのマスターモデルの製造方法。
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