JP2024054452A - ワイヤ送給システム - Google Patents

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Abstract

【課題】スラグ除去の効率性を向上させることができるワイヤ送給システムを提供する。
【解決手段】ワイヤ送給システム1は、溶接ワイヤ4を送給するワイヤ送給部10と、アークスタート時に、溶接ワイヤ4を正方向に送給する正送給と溶接ワイヤ4を逆方向に送給する逆送給とを交互に繰り返す正逆送給を行いながら、溶接ワイヤ4を母材に近づけ、溶接ワイヤ4と母材との接触が検知されてからアークが発生するまでは、正送給及び逆送給に対する送給制御量が一致するように、ワイヤ送給部10を制御するワイヤ送給制御部16と、を備え、ワイヤ送給制御部16は、送給制御量が一致するように制御する際に、正送給時の溶接ワイヤ4がピーク速度で送給されているときに母材に接触するように、ワイヤ送給部10を制御する。
【選択図】図1

Description

本発明は、ワイヤ送給システムに関する。
アーク溶接を実施すると、スラグが発生し、溶接ワイヤの端部や母材にスラグが付着することがある。溶接ワイヤの端部等にスラグが付着すると、溶接ワイヤと母材との間にアークを発生させることができなくなり、溶接作業に遅延を来す要因になる。
下記特許文献1には、点火プロセスにおいて、溶接ワイヤを母材であるワークピースに向けて前後に繰り返し高速運動させることでスラグを除去するスラグ除去プロセスが開示されている。このスラグ除去プロセスでは、溶接ワイヤを一定の経路長だけ前方送りし、それよりも小さな経路長だけ後方送りすることで、溶接ワイヤを前後に高速運動させながら母材に近づけている。
特許第5230600号公報
特許文献1のスラグ除去プロセスでは、プロセスを開始した後に、溶接ワイヤと母材との最初の接触が、モータ電流監視ユニットによって検出された場合に、前方送りする溶接ワイヤの経路長を、前回の後方送りの経路長に変更することを可能にしている。
しかし、スラグ除去を効率よく行うためには、接触直前の後方送りの経路長によって溶接ワイヤを前後に高速運動させるだけでは十分ではなく、改善の余地がある。
そこで、本発明は、スラグ除去の効率性を向上させることができるワイヤ送給システムを提供することを目的の一つとする。
本発明の一態様に係るワイヤ送給システムは、溶接ワイヤを送給するワイヤ送給部と、アークスタート時に、溶接ワイヤを正方向に送給する正送給と溶接ワイヤを逆方向に送給する逆送給とを交互に繰り返す正逆送給を行いながら、溶接ワイヤを母材に近づけ、溶接ワイヤと母材との接触が検知されてからアークが発生するまでは、正送給及び逆送給に対する送給制御量が一致するように、ワイヤ送給部を制御するワイヤ送給制御部と、を備え、ワイヤ送給制御部は、送給制御量が一致するように制御する際に、正送給時の溶接ワイヤがピーク速度で送給されているときに母材に接触するように、ワイヤ送給部を制御する。
この態様によれば、アークスタート時に正逆送給を行いながら、溶接ワイヤを母材に近づけ、溶接ワイヤと母材との接触が検知されてからアークが発生するまでは、ピーク速度で送給されている溶接ワイヤを母材に接触させることが可能となる。これにより、最も大きなエネルギーで溶接ワイヤを母材に叩きつけることが可能となる。
上記態様において、ワイヤ送給制御部は、送給制御量が一致するように制御する際に、ワイヤ送給部に出力した送給指令値と当該送給指令値に対する送給応答値との誤差である送給誤差が、溶接ワイヤがピーク速度で母材に接触するときの送給誤差に基づいて設定される閾値を超えるように、ワイヤ送給部を制御してもよい。
この態様によれば、接触が検知されてからアークが発生するまで、ピーク速度の溶接ワイヤを繰り返し母材に叩きつけることが可能となる。
上記態様において、ワイヤ送給制御部は、送給制御量を一致するように制御する際に、閾値と当該閾値よりも大きい他の閾値との間に、送給誤差がおさまるように、送給制御量を制御してもよい。
この態様によれば、接触が検知されてからアークが発生するまで、ピーク速度の溶接ワイヤを母材に叩きつける際に、母材に傷がつかない範囲で叩きつけることが可能となる。
上記態様において、ワイヤ送給部は、溶接ワイヤを送給する第1のワイヤ送給部と、当該第1のワイヤ送給部により送給された溶接ワイヤを収容するワイヤバッファと、当該ワイヤバッファに収容された溶接ワイヤを溶接トーチに送給する第2のワイヤ送給部と、を含み、ワイヤ送給制御部は、溶接ワイヤと母材との接触が検知されたときに、第1のワイヤ送給部による溶接ワイヤの送給を停止させてもよい。
この態様によれば、溶接ワイヤと母材との接触が検知されたときに、第1のワイヤ送給部による溶接ワイヤの送給を停止させることができるため、ワイヤバッファに収容される溶接ワイヤの量が規定量を超えないように抑止することが可能となる。
上記態様において、正逆送給の一周期ごとの送給誤差を積算した値が所定値に達したときに、溶接ワイヤと母材との接触を検知する検知部をさらに備えてもよい。
この態様によれば、送給誤差を積算した値に基づいて、溶接ワイヤと母材との接触を検知することができるため、接触検知の精度を高めることが可能となる。
上記態様において、送給誤差は、送給指令値に対応する第1の送給速度と送給応答値に対応する第2の送給速度との誤差であってもよい。
この態様によれば、ワイヤ送給部による正送給及び逆送給に対する制御を、送給速度で制御することが可能となる。
本発明によれば、スラグ除去の効率性を向上させることができるワイヤ送給システムを提供することができる。
実施形態に係るワイヤ送給システムの概略構成を例示するブロック図である。 アークスタート時に溶接ワイヤの送給を制御する処理の一例を説明するためのタイミングチャートである。 溶接ワイヤの送給を制御する手順の一例を説明するためのフローチャートである。
添付図面を参照して、本発明の好適な実施形態について説明する。なお、各図において、同一の符号を付したものは、同一又は同様の構成を有する。
図1は、本発明に係るワイヤ送給システムの概略構成を例示するブロック図である。ワイヤ送給システム1は、ワイヤリール2に巻かれた溶接ワイヤ4を、アーク溶接を行う溶接トーチ3に送給するシステムである。ワイヤ送給システム1は、例えば、ワイヤ送給部10と制御部15とを備える。なお、ワイヤ送給部10及び制御部15は、同じ装置内に備える必要はなく、例えば、ワイヤ送給部10を備えるワイヤ送給装置と、制御部15を備える制御装置とに分散させて備えてもよい。
ワイヤ送給部10は、第1のワイヤ送給部11と、ワイヤバッファ12と、第2のワイヤ送給部13と、を含む。以下において、ワイヤ送給部10の各部について詳細に説明する。
第1のワイヤ送給部11は、ワイヤリール2に巻かれた溶接ワイヤ4を溶接トーチ3に向けて送給する。第1のワイヤ送給部11は、例えば、溶接ワイヤ4を前進又は後退させるローラ(不図示)と、ローラを回転させるモータ(不図示)と、モータの回転位置等を検出するエンコーダ(不図示)とを有する。溶接ワイヤ4の前進とは、溶接ワイヤ4が溶接トーチ3の方向(以下、「正方向」ともいう。)に移動することであり、溶接ワイヤ4の後退とは、溶接ワイヤ4がワイヤリール2の方向(以下、「逆方向」ともいう。)に移動することである。
第1のワイヤ送給部11のモータは、制御部15からの指示に従って、溶接ワイヤ4が正方向又は逆方向に移動するように、ローラを回転させる。例示的に、第1のワイヤ送給部11は、溶接するときには、制御部15からの指示に従って、溶接ワイヤ4を正方向に送給する。
第2のワイヤ送給部13は、後述するワイヤバッファ12に収容された溶接ワイヤ4を溶接トーチ3に送給する。第2のワイヤ送給部13は、上述した第1のワイヤ送給部11と同様に、例えば、ローラ、モータ及びエンコーダを有する。ローラ、モータ及びエンコーダは、第1のワイヤ送給部11と同様であるため、ここではそれらの説明を省略する。
例示的に、第2のワイヤ送給部13は、溶接するときには、制御部15からの指示に従って、溶接ワイヤ4を正方向に送給する正送給と溶接ワイヤ4を逆方向に送給する逆送給とを交互に高速に繰り返す正逆送給を行うことで、溶接トーチ3に溶接ワイヤ4を送給する。
ワイヤバッファ12は、第1のワイヤ送給部11と第2のワイヤ送給部13との間に設けられ、第1のワイヤ送給部11により送給された溶接ワイヤ4を収容し、収容した溶接ワイヤ4を第2のワイヤ送給部13に渡す。第1のワイヤ送給部11により正方向に送給された溶接ワイヤ4の量と、第2のワイヤ送給部13によって正方向に送給された溶接ワイヤ4の量とに基づいて、ワイヤバッファ12に収容される溶接ワイヤ4の量(以下、「バッファ量」ともいう。)が変動する。
例えば、第1のワイヤ送給部11によって正方向に送給された溶接ワイヤ4の量が、第2のワイヤ送給部13によって正方向に送給された溶接ワイヤ4の量よりも多い場合に、バッファ量が増加する。他方、第1のワイヤ送給部11によって正方向に送給された溶接ワイヤ4の量が、第2のワイヤ送給部13によって正方向に送給された溶接ワイヤ4の量よりも少ない場合に、バッファ量が減少する。
このようなバッファ量の増減を溶接ワイヤ4の長さに換算し、基準の長さに対して加減することで、バッファ量を、ワイヤバッファ12に収容されている溶接ワイヤ4の長さとして表すことができる。
図1に示す制御部15は、物理的な構成として、例えば、プロセッサ、メモリ(記憶装置)及び通信インタフェースを含む制御ユニットにより構成される。制御部15は、プロセッサがメモリに格納された所定のプログラムを実行することにより、例えば、図1に示すワイヤ送給制御部16及び検知部17としての機能を実現する。
ワイヤ送給制御部16は、第1のワイヤ送給部11及び第2のワイヤ送給部13を含むワイヤ送給部10を制御する。具体的に、ワイヤ送給制御部16は、第1のワイヤ送給部11及び第2のワイヤ送給部13に対し、送給指令値を出力する。送給指令値には、例えば、送給速度が含まれていてもよいし、送給速度を算出するための値が含まれていてもよい。第1のワイヤ送給部11及び第2のワイヤ送給部13は、送給指令値に対応する送給速度で正送給又は正逆送給を行うことになる。
ワイヤ送給制御部16は、例えば、アークスタート処理の実行を制御する。アークスタート処理は、溶接処理を開始する前に実行される処理である。具体的に、アークスタート処理は、溶接開始命令後に、予め定められた時間を上限とし、定常溶接時の送給速度よりも遅いスローダウン送給速度で溶接ワイヤ4を正送給し、アークを発生させる処理である。本実施形態におけるアークスタート処理では、例示的に、溶接ワイヤ4を正逆送給させながら送給する。
アークスタート処理で実行される正逆送給は、アークを発生させるための電圧が継続的に印加されている状態で実行される。アークを発生させるための電圧は、例えばワイヤ送給システム1に含めることができる溶接電源部(不図示)により出力される。溶接電源部は、溶接電源装置として別個に備えることとしてもよい。アークスタート処理を実行する上限時間やスローダウン送給速度は、例えば、溶接条件として予め設定することができる。
アークスタート処理は、アークが発生した場合、又はアークが発生することなくアークスタート処理を実行する上限時間が経過した場合に終了する。アークが発生したか否かは、溶接電流を監視することで判定できる。母材に向けて送給された溶接ワイヤ4と母材とが短絡して溶接電流が流れることでアークが発生するためである。
溶接ワイヤ4を正逆送給させながらアークスタート処理を実行することで、例えば、溶接ワイヤ4と母材との間にスラグ等のアークの発生を阻む異物が存在していても、アークスタート処理の間にスラグ等を破壊や除去することが可能となる。スラグ等を破壊や除去できれば、溶接ワイヤ4と母材との間にアークを発生させ、溶接を開始させることができる。
ここで、溶接ワイヤ4と母材との間にスラグ等が存在することとなるのは、例えば、溶接ワイヤ4の端部にスラグ等が付着している場合や、母材の表面にスラグ等が付着している場合が該当する。スラグ等が付着する状況には、例えば、付着の度合いやスラグ等の大小によって、様々な状況が存在し得る。
このような状況下で、特許文献1のように、溶接ワイヤと母材とが最初に接触したときに、接触する直前の後方送りの経路長によって溶接ワイヤを前後に高速運動させるだけでは、スラグを効率よく破壊や除去できないおそれがある。そこで、本実施形態に係るワイヤ送給システム1では、溶接ワイヤ4と母材との接触を検知した後に、正送給時の溶接ワイヤ4がピーク速度で送給されているときに母材に接触するように制御することにした。このような制御の詳細について以下に説明する。
本実施形態に係るワイヤ送給制御部16は、アークスタート時に、正逆送給を行いながら、溶接ワイヤ4を母材に近づけ、溶接ワイヤ4と母材との接触を検知してからアークが発生するまでは、正送給及び逆送給に対する送給制御量が一致するように、ワイヤ送給部10を制御する。送給制御量は、例えば、溶接ワイヤ4の送給速度、溶接ワイヤ4の送給時間及び溶接ワイヤ4の送給量のいずれかを用いて算出することが好ましい。
具体的に、ワイヤ送給制御部16は、正送給及び逆送給に対する送給制御量が一致するように制御する際に、正送給時の溶接ワイヤ4がピーク速度で送給されているときに母材に接触するように、ワイヤ送給部10を制御する。溶接ワイヤをピーク速度で母材に接触させることで、最も大きなエネルギーで溶接ワイヤを母材に叩きつけることが可能となる。
そのような接触を実現するために、ワイヤ送給制御部16は、ワイヤ送給部10に出力した送給指令値とその送給指令値に対する送給応答値との誤差(以下、「送給誤差」ともいう。)が、予め設定した閾値(以下、「第1の閾値」ともいう。)を超えるように、ワイヤ送給部10を制御することが好ましい。
第1の閾値は、溶接ワイヤ4がピーク速度で母材に接触するときの送給誤差に基づいて設定することができる。例えば、溶接ワイヤ4がピーク速度で母材に接触するときの送給誤差として算出され得る範囲内に、第1の閾値を定めることが好ましい。
また、第1の閾値に加え、第1の閾値よりも大きな閾値(以下、「第2の閾値」ともいう。)をさらに設け、第1の閾値と第2の閾値との間に送給誤差がおさまるように、正送給及び逆送給に対する送給制御量を制御することとしてもよい。第2の閾値は、溶接ワイヤ4がピーク速度で母材に接触するときの送給誤差として算出され得る範囲内であり、かつ母材に傷がつかない範囲内に定めることが好ましい。
なお、送給応答値に対応する送給速度は、例えば、第2のワイヤ送給部13のエンコーダにより検出される位置情報と、送給時間とに基づいて算出することができる。
ここで、溶接ワイヤ4と母材との接触を検知するのは、図1に示す検知部17である。検知部17は、例えば、送給誤差が第3の閾値(所定値)を超えた場合に、溶接ワイヤ4と母材との接触を検知する。第3の閾値は、第1の閾値と同様に、溶接ワイヤ4がピーク速度で母材に接触するときの送給誤差に基づいて設定することができるが、第1の閾値と異なる値であってもよいし、同じ値であってもよい。例えば、溶接ワイヤ4が母材に接触するときに算出され得る送給誤差のうち、溶接ワイヤ4が母材に接触していることを確実に判定することができ、かつできる限り小さい送給誤差を、第3の閾値として定めることが好ましい。
図2を参照し、本実施形態におけるアークスタート時に溶接ワイヤ4の送給を制御する処理の一例について説明する。
ここで、正常なアークスタート処理では、図2の時刻t1で溶接ワイヤ4が最初に母材Wに接触する前に、アークが発生することになる。しかしながら、例えば、溶接ワイヤ4と母材Wとの間にスラグ等が存在すると、アークが発生せずに、溶接ワイヤ4が母材Wに接触することになる。これは、アークスタートに失敗した状態となる。したがって、図2に例示する処理は、アークスタート処理に含まれる処理であって、最初のアークスタートに失敗して、スラグ等を除去してからアークを発生させる処理となる。
図2(A)は、ワイヤ送給制御部16から第2のワイヤ送給部13に出力された送給指令値に対応する送給速度の時間変化を示すチャートである。図2(B)は、図2(A)の送給指令値に対する送給応答値に対応する送給速度の時間変化を示すチャートである。図2(C)は、図2(A)の送給速度の平均速度の時間変化を示すチャートであり、図2(D)は、図2(A)の送給速度と図2(B)の送給速度との差分である送給誤差の時間変化を示すチャートである。
図2(A)に示すように、送給速度の各周期における正送給及び逆送給に要する送給時間は同一の時間であり、時刻t0から時刻t4までは、正送給のピーク速度が逆送給のピーク速度よりも速くなっている。これにより、溶接ワイヤ4は、正逆送給を行いながら母材Wに近づくことになる。
また、図2(A)に示すように、時刻t4以降は、正送給及び逆送給に要する送給時間は同一のまま、正送給のピーク速度と逆送給のピーク速度とが同一の速度に調整されている。これにより、図2(C)に示す送給速度の平均速度が、時刻t4を過ぎた後に、正の速度から0に変化する。
時刻t1、時刻t2及び時刻t3において、溶接ワイヤ4が母材Wに接触すると、溶接ワイヤ4の前進が阻まれて止まることになるため、図2(B)に示す送給応答値に対応する送給速度はそれぞれ0になる。これにより、時刻t1、時刻t2及び時刻t3以降に、それぞれ図2(D)に示す送給誤差が発生する。
時刻t4において、図2(D)に示す送給誤差が第3の閾値を超えると、検知部17が、溶接ワイヤ4と母材Wとの接触を検知する。検知部17により接触が検知されると、ワイヤ送給制御部16は、正送給及び逆送給に対する送給制御量が一致するように、ワイヤ送給部10を制御する。本処理では、図2(A)に示すように、時刻t4以降の逆送給時のピーク速度を、正送給時のピーク速度と同じ速度に変更している。
なお、正送給及び逆送給に対する送給制御量を一致させる方法は、上記に限定されない。例えば、正送給時のピーク速度を、逆送給時のピーク速度と同じ速度に変更してもよい。また、正送給及び逆送給の少なくとも一方の送給時間を変更して、正送給時の送給量と逆送給時の送給量とを一致させてもよい。
本処理は、時刻t4以降において、アークが発生するまで、又はアークが発生することなくアークスタート処理を実行する上限時間が経過するまで、継続して実行される。
次に、図3を参照し、本実施形態における溶接ワイヤ4の送給を制御する手順の一例について説明する。この手順は、例えば、アークスタート処理が開始されることにより始まる。
最初に、ワイヤ送給制御部16は、第2のワイヤ送給部13に送給指令値を出力し、溶接ワイヤ4を正逆送給させる(ステップS101)。
続いて、制御部15は、アークが発生したか否かを判定する(ステップS102)。この判定がYESである場合(ステップS102;YES)に、制御部15は、アーク溶接を実施して(ステップS107)、本手順を終了する。
上記ステップS102において、アークが発生していないと判定された場合(ステップS102;NO)に、検知部17は、溶接ワイヤ4と母材との接触が検知されたか否かを判定する(ステップS103)。この判定がNOである場合(ステップS103;NO)には、正逆送給を継続したまま、上記ステップS102及び上記ステップS103の判定を繰り返す。
上記ステップS103において、溶接ワイヤ4と母材との接触が検知されたと判定された場合(ステップS103;YES)に、ワイヤ送給制御部16は、正送給及び逆送給に対する送給制御量が一致するように、ワイヤ送給部10を制御する(ステップS104)。
続いて、制御部15は、アークが発生したか否かを判定し(ステップS105)、アークが発生していない場合(ステップS105;NO)に、アークスタート処理を実行する上限時間が経過したか否かを判定する(ステップS106)。そして、上限時間が経過していないと判定した場合(ステップS106;NO)には、正逆送給を継続したまま、上記ステップS105及び上記ステップS106の判定を繰り返す。
上記ステップS105において、アークが発生したと判定された場合(ステップS105;YES)に、制御部15は、アーク溶接を実施して(ステップS107)、本手順を終了する。
また、上記ステップS106において、上限時間が経過したと判定された場合(ステップS106;YES)にも、本手順を終了する。
上述したように、実施形態におけるワイヤ送給システム1によれば、アークスタート時に正逆送給を行いながら、溶接ワイヤ4を母材に近づけ、溶接ワイヤ4と母材との接触が検知されてからアークが発生するまでは、ピーク速度で送給されている溶接ワイヤ4を母材に繰り返し接触させることが可能となる。これにより、接触が検知されてからアークが発生するまで、最も大きなエネルギーで溶接ワイヤ4を母材に叩きつける処理を繰り返し実行することが可能となる。
それゆえ、実施形態におけるワイヤ送給システム1によれば、スラグ除去の効率性を向上させることが可能となる。
[変形例]
以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。実施形態が備える各要素並びにその配置、材料、条件、形状及びサイズ等は、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。
例えば、上述した実施形態では、送給誤差が第3の閾値を超えた場合に、検知部17が溶接ワイヤ4と母材との接触を検知しているが、溶接ワイヤ4と母材との接触を検知する条件は、これに限定されない。例えば、溶接ワイヤ4と母材との接触が最初に検出されたときに、溶接ワイヤ4と母材との接触を検知してもよいし、溶接ワイヤ4と母材との接触が所定回数(2回以上)検出されたときに、溶接ワイヤ4と母材との接触を検知してもよい。
また、正逆送給の一周期ごとの送給誤差を積算した値が所定値に達したときに、溶接ワイヤ4と母材との接触を検知してもよい。所定値として、例えば、溶接ワイヤ4が母材に接触するときに算出される送給誤差の積算値うち、溶接ワイヤ4が母材に接触していることを確実に判定することができ、かつできる限り小さい値を設定することが好ましい。
また、上述した実施形態において、検知部17により溶接ワイヤ4と母材との接触が検知されたときに、ワイヤ送給制御部16が、第1のワイヤ送給部11による溶接ワイヤ4の送給を停止させてもよい。溶接ワイヤ4が母材に接触すると、溶接ワイヤ4の前進が阻まれて止まるため、第1のワイヤ送給部11による溶接ワイヤ4の送給によって、ワイヤバッファ12に収容される溶接ワイヤ4の量が増加することになる。したがって、溶接ワイヤ4と母材との接触が検知されたときに、第1のワイヤ送給部11による溶接ワイヤ4の送給を停止させることで、ワイヤバッファ12に収容される溶接ワイヤ4の量が規定よりも増えすぎてしまうことを防止できる。
1…ワイヤ送給システム、2…ワイヤリール、3…溶接トーチ、4…溶接ワイヤ、10…ワイヤ送給部、11…第1のワイヤ送給部、12…ワイヤバッファ、13…第2のワイヤ送給部、15…制御部、16…ワイヤ送給制御部、17…検知部

Claims (6)

  1. 溶接ワイヤを送給するワイヤ送給部と、
    アークスタート時に、前記溶接ワイヤを正方向に送給する正送給と前記溶接ワイヤを逆方向に送給する逆送給とを交互に繰り返す正逆送給を行いながら、前記溶接ワイヤを母材に近づけ、前記溶接ワイヤと母材との接触が検知されてからアークが発生するまでは、前記正送給及び前記逆送給に対する送給制御量が一致するように、前記ワイヤ送給部を制御するワイヤ送給制御部と、
    を備え、
    前記ワイヤ送給制御部は、前記送給制御量が一致するように制御する際に、前記正送給時の前記溶接ワイヤがピーク速度で送給されているときに母材に接触するように、前記ワイヤ送給部を制御する、
    ワイヤ送給システム。
  2. 前記ワイヤ送給制御部は、前記送給制御量が一致するように制御する際に、前記ワイヤ送給部に出力した送給指令値と当該送給指令値に対する送給応答値との誤差である送給誤差が、前記溶接ワイヤがピーク速度で母材に接触するときの前記送給誤差に基づいて設定される閾値を超えるように、前記ワイヤ送給部を制御する、
    請求項1記載のワイヤ送給システム。
  3. 前記ワイヤ送給制御部は、前記送給制御量を一致するように制御する際に、前記閾値と当該閾値よりも大きい他の閾値との間に、前記送給誤差がおさまるように、前記送給制御量を制御する、
    請求項2記載のワイヤ送給システム。
  4. 前記ワイヤ送給部は、前記溶接ワイヤを送給する第1のワイヤ送給部と、当該第1のワイヤ送給部により送給された前記溶接ワイヤを収容するワイヤバッファと、当該ワイヤバッファに収容された前記溶接ワイヤを溶接トーチに送給する第2のワイヤ送給部と、を含み、
    前記ワイヤ送給制御部は、前記溶接ワイヤと母材との接触が検知されたときに、前記第1のワイヤ送給部による前記溶接ワイヤの送給を停止させる、
    請求項1記載のワイヤ送給システム。
  5. 前記正逆送給の一周期ごとの前記送給誤差を積算した値が所定値に達したときに、前記溶接ワイヤと母材との接触を検知する検知部をさらに備える、
    請求項2記載のワイヤ送給システム。
  6. 前記送給誤差は、前記送給指令値に対応する第1の送給速度と前記送給応答値に対応する第2の送給速度との誤差である、
    請求項2記載のワイヤ送給システム。
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