JP2024053893A - 焼却炉 - Google Patents
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Abstract
【課題】二次燃焼室の内壁の負荷を軽減しつつ燃焼効率を向上させた焼却炉を提供すること。【解決手段】焼却炉は、廃棄物を燃焼させる一次燃焼室と、複数の気体噴射ノズルが配置され、前記一次燃焼室で発生した一次燃焼ガスを燃焼させる二次燃焼室と、前記複数の気体噴射ノズルから気体を噴射するタイミング及び期間を制御する制御装置と、を含み、前記複数の気体噴射ノズルは、少なくとも第1気体噴射ノズル及び第2気体噴射ノズルを含み、前記第1気体噴射ノズルが気体を噴射するタイミングと前記第2気体噴射ノズルが気体を噴射するタイミングとが異なる。【選択図】図1
Description
本発明の一実施形態は、焼却炉に関する。
従来、工場から排出される産業廃棄物や一般家庭から排出される都市廃棄物は、焼却炉によって焼却処理されている。他方、廃棄物の排出量は年々増加しており、これに対応して焼却炉の大型化が進んでいる。しかしながら、焼却炉が大型化すると、燃焼室の炉心部まで十分に酸素が供給されず、廃棄物の不完全燃焼により未燃ガスやダイオキシンが発生するといった問題があった。
廃棄物の不完全燃焼を改善するためには焼却炉の燃焼効率を向上させる必要がある。このような要望に対し、例えば特許文献1及び2には、廃棄物を燃焼する燃焼室内に、一定方向にエアを噴出することによりスワール(旋回流又は渦流ともいう)を形成し、燃焼室内の燃焼効率を向上させる技術が開示されている。
上記従来技術による焼却炉では、スワールを形成するために噴射されたエアによって、燃焼室の内壁に炎が吹き付けられる。通常、燃焼室の内壁は耐火レンガ等の耐火材で構成されている。しかしながら、常時吹き付けられる炎によって負荷が増大すると、耐火レンガの劣化が早まり、燃焼室内のメンテナンス費用が増加したり、焼却炉としての寿命が短くなったりするという問題があった。
本発明の課題の一つは、二次燃焼室の内壁の負荷を軽減しつつ燃焼効率を向上させた焼却炉を提供することにある。
本発明の一実施形態における焼却炉は、廃棄物を燃焼させる一次燃焼室と、複数の気体噴射ノズルが配置され、前記一次燃焼室で発生した一次燃焼ガスを燃焼させる二次燃焼室と、前記複数の気体噴射ノズルから気体を噴射するタイミング及び期間を制御する制御装置と、を含み、前記複数の気体噴射ノズルは、少なくとも第1気体噴射ノズル及び第2気体噴射ノズルを含み、前記第1気体噴射ノズルが気体を噴射するタイミングと前記第2気体噴射ノズルが気体を噴射するタイミングとが異なる。
前記複数の気体噴射ノズルは、気体を噴射することにより前記二次燃焼室の内部にスワールを形成してもよい。
前記第1気体噴射ノズルを用いて形成されるスワールの回転方向は、前記第2気体噴射ノズルを用いて形成されるスワールの回転方向と逆向きであってもよい。
前記複数の気体噴射ノズルは、第3気体噴射ノズル及び第4気体噴射ノズルをさらに含んでもよい。このとき、前記第1気体噴射ノズルと前記第3気体噴射ノズルとは同じタイミングで気体を噴射してもよく、前記第2気体噴射ノズルと前記第4気体噴射ノズルとは同じタイミングで気体を噴射してもよい。
平面視において、前記第1気体噴射ノズルと前記第3気体噴射ノズルとを結ぶ線分は、第2気体噴射ノズルと前記第4気体噴射ノズルとを結ぶ線分と交差してもよい。
前記第1気体噴射ノズル及び前記第3気体噴射ノズルを用いて形成されるスワールの回転方向は、前記第2気体噴射ノズル及び前記第4気体噴射ノズルを用いて形成されるスワールの回転方向と逆向きであってもよい。
以下、本発明の実施形態について、図面等を参照しつつ説明する。但し、本発明は、その要旨を逸脱しない範囲において様々な態様で実施することができ、以下に例示する実施形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。図面は、説明をより明確にするため、実際の態様に比べ、各部の大きさ、幅、厚さ、形状等について模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、本発明の解釈を限定するものではない。本明細書と各図面において、既出の図面に関して説明したものと同様の機能を備えた要素には、同一の符号を付して、重複する説明を省略することがある。
以下の説明において、同じ構成を有する要素(部品)が複数設けられている場合に、符号(数字)に「a」、「b」等のアルファベットを付与して個々の要素を区別する場合がある。ただし、個々の要素を区別して説明する必要がない場合は、アルファベットを省略して符号のみを用いて要素を説明する場合がある。
(第1実施形態)
[焼却炉の構成]
図1は、第1実施形態におけるストーカ式の焼却炉10の構成を示す模式図である。焼却炉10は、搬入された都市廃棄物や産業廃棄物等を焼却する設備であり、廃棄物を焼却処理により灰化して減容化及び無害化する。以下の説明において、方向を示す必要があるときは、第1方向、第2方向及び第3方向(それぞれ図面ではD1、D2及びD3で示す)という用語を用いて説明する。第1方向、第2方向及び第3方向は、それぞれ直交する方向であり、第3方向は、焼却炉10の高さ方向に対応する。
[焼却炉の構成]
図1は、第1実施形態におけるストーカ式の焼却炉10の構成を示す模式図である。焼却炉10は、搬入された都市廃棄物や産業廃棄物等を焼却する設備であり、廃棄物を焼却処理により灰化して減容化及び無害化する。以下の説明において、方向を示す必要があるときは、第1方向、第2方向及び第3方向(それぞれ図面ではD1、D2及びD3で示す)という用語を用いて説明する。第1方向、第2方向及び第3方向は、それぞれ直交する方向であり、第3方向は、焼却炉10の高さ方向に対応する。
本実施形態の焼却炉10は、投入ホッパ11、一次燃焼室12、二次燃焼室13、燃焼装置14、落下灰コンベヤ15、灰搬出装置16、及び制御装置100を含む。ただし、図1に示す焼却炉10の構成は、焼却炉10の一部の構成に関する一例に過ぎない。図示は省略するが、焼却炉10は、廃棄物を投入するためのごみクレーン、燃焼装置14に送る燃焼用空気を生成する熱交換器、一次燃焼室12及び二次燃焼室13に空気を送るための送風機など、他の要素を備えていてもよい。
投入ホッパ11は、一次燃焼室12に廃棄物を投入する投入口として機能する。図示は省略するが、投入ホッパ11の内部には、投入ホッパ11の蓋として機能するホッパゲートが設けられている。一般的に、外部から搬送された廃棄物は、一次燃焼室12に併設されたごみピット(図示せず)に貯留される。その後、廃棄物は、ごみクレーンによりごみピットから搬送され、投入ホッパ11を介して一次燃焼室12へと投入される。
一次燃焼室12は、投入された廃棄物を燃焼させるための空間であり、燃焼装置14が配置される。一次燃焼室12では、燃焼装置14の上で廃棄物の乾燥工程、燃焼工程及び後燃焼工程が行われる。燃焼処理では、空気と混合しながら効率よく廃棄物を燃焼させる。廃棄物の燃焼によって発生した一次燃焼ガス(未燃ガスを含む)は、一次燃焼室12の上方に配置された二次燃焼室13に供給される。
燃焼装置14は、複数の火格子(ストーカ)を並べて配置した構造を有し、ごみを搬送しながら効率的に燃焼させる装置である。複数の火格子は、可動式の火格子(可動火格子)と固定された火格子(固定火格子)とを含み、可動火格子が前後方向に揺動することにより、火格子上のごみを下流側へと搬送する。燃焼装置14は、目的に応じて複数の段に区分されてもよく、例えば、乾燥段、燃焼段、後燃焼段等に区分されてもよい。図1に示すように、燃焼装置14の下部には、図示しない送風機等から燃焼用空気が送り込まれている。
二次燃焼室13は、一次燃焼室12で発生した一次燃焼ガスを再燃焼させるための空間である。二次燃焼室13の内部では、供給された一次燃焼ガスが約950℃の温度で2秒間以上滞留する。そのため、二次燃焼室13では、一次燃焼ガスに含まれる未燃ガスが完全燃焼する。本実施形態において、二次燃焼室13で完全燃焼して生成された二次燃焼ガスは、煙道17を経由して図示しない熱交換器へ供給される。焼却炉10から排出された排ガスは、最終的に減温、無害化された後、大気へ放出される。
本実施形態では、二次燃焼室13の内壁に気体噴射ノズル20(図1では、気体噴射ノズル20a及び20b)が配置されている。気体噴射ノズル20は、気体(例えば空気)を二次燃焼室13の内部に向かって噴射するノズルである。気体噴射ノズル20は、二次燃焼室13に酸素を供給して、未燃ガスの再燃焼を促進すると共に二次燃焼室13の内部にスワールを形成する。本実施形態では、焼却炉10の高さ方向(第3方向)において1か所(第1方向には二か所)の気体噴射ノズル20を配置した例を示している。しかし、この例に限らず、気体噴射ノズル20は、焼却炉10の高さ方向に複数個並べて配置されていてもよい。
制御装置100は、気体噴射ノズル20の動作を制御する。具体的には、制御装置100は、気体噴射ノズル20から気体を噴射するタイミング及び期間を制御する。制御装置100による気体噴射ノズル20の制御については後述する。
落下灰コンベヤ15は、燃焼装置14から落下した焼却灰等を搬送する設備である。図示は省略するが、本実施形態では、落下灰コンベヤ15で搬送された焼却灰等が、送風機からの空気と一緒に再び一次燃焼室12に送り込まれる。
灰搬出装置16は、一次燃焼室12で燃焼された焼却灰を灰ピット(図示せず)に搬送する設備である。灰ピットに貯留された焼却灰は、灰クレーン(図示せず)等を用いて外部に搬出される。
[気体噴射ノズルの制御]
本実施形態の焼却炉10は、二次燃焼室13の内部にスワールを形成することにより、二次燃焼室13における未燃ガスの燃焼効率を向上させる構成を有する。さらに本実施形態では、スワールによって二次燃焼室13の内壁に与えられる火炎直撃による直接的なダメージを軽減する構成となっている。
本実施形態の焼却炉10は、二次燃焼室13の内部にスワールを形成することにより、二次燃焼室13における未燃ガスの燃焼効率を向上させる構成を有する。さらに本実施形態では、スワールによって二次燃焼室13の内壁に与えられる火炎直撃による直接的なダメージを軽減する構成となっている。
図2は、第1実施形態の焼却炉10における二次燃焼室13を上方から見た断面図である。具体的には、図2(A)は、気体噴射ノズル20aを用いて上方から見て反時計回りのスワール30aを形成した状態を示し、図2(B)は、気体噴射ノズル20bを用いて上方から見て時計回りのスワール30bを形成した状態を示している。なお、図2では、説明を簡単にするため、二次燃焼室13の断面形状を四角形で示しているが、この例に限られるものではない。二次燃焼室13の断面形状は、円形、楕円形、四角形以外の多角形、又は、非幾何学的な任意の形状であってもよい。
また、図2では、気体噴射ノズル20の長手方向が二次燃焼室13の内壁面に対して直交する例を示したが、この例に限らず、気体噴射ノズル20の長手方向は内壁面に対して所定の角度を有していてもよい。
図2(A)に示す例では、二次燃焼室13における同一面の内壁に対し、第1方向に気体25を噴射する2つの気体噴射ノズル20a及び20bが配置されている。ただし、この例に限らず、気体噴射ノズル20a及び20bは、それぞれが異なる面の内壁に設けられてもよく、または対向する内壁に互いに向かい合うように設けられていてもよい。
図2(A)に示すように、ある時刻T1に気体噴射ノズル20aから気体25を噴射すると、二次燃焼室13の内部には、上方から見て反時計回りのスワール30aが形成される。つまり、図2(A)の右から左に向かって噴射される気体25に引き込まれた一次燃焼ガスよって二次燃焼室13の内部に反時計回りのスワール30aが形成される。このとき、気体噴射ノズル20bからの気体25の噴射は停止している。
二次燃焼室13の内部にスワール30aを形成するための気体25の噴射条件(流量、噴射時間など)は、二次燃焼室13の内部を上昇する一次燃焼ガスが乱流を形成する条件に鑑みて適宜決定すればよい。例えば、二次燃焼室13の容積(具体的には、高さ及び断面積)と一次燃焼ガスの流速(上昇速度)とを考慮して、気体噴射ノズル20aから第1方向に向かって噴射された気体25によって、二次燃焼室13の内部を第3方向に向かって上昇する一次燃焼ガスが乱流を生じる条件を求めればよい。
次に、時刻T1から所定期間経過後の時刻T2に、気体噴射ノズル20aからの気体25の噴射を停止し、気体噴射ノズル20bから気体25を噴射する。気体噴射ノズル20bから気体25を噴射することにより、二次燃焼室13の内部には、上方から見て時計回りのスワール30bが形成される。つまり、図2(B)の右から左に向かって噴射される気体25に引き込まれた一次燃焼ガスよって二次燃焼室13の内部に時計回りのスワール30bが形成される。気体噴射ノズル20bからの気体の噴射条件(流量、噴射時間など)は、上述した気体噴射ノズル20aの噴射条件と同じである。
以上説明したように、本実施形態の焼却炉10は、気体噴射ノズル20a及び20bから交互に間欠的に気体25を噴射することにより、二次燃焼室13の内部に反時計回りのスワール30aと時計回りのスワール30bとを時間的に交互に形成することができる。二次燃焼室13の内部にスワール30が形成されることにより、二次燃焼室13における一次燃焼ガスと気体噴射ノズル20から噴射された気体25に含まれる酸素との混合が促進され、一次燃焼ガスの燃焼効率が向上する。なお、本実施形態では、気体噴射ノズル20aからの気体25の噴射を停止した直後に気体噴射ノズル20bからの気体25の噴射を開始する例を示したが、この例に限られるものではない。例えば、気体噴射ノズル20aからの気体25の噴射を停止した後、所定の期間を空けて、気体噴射ノズル20bからの気体25の噴射を開始してもよい。この場合、気体噴射ノズル20bからの気体25の噴射が開始するまで、二次燃焼室13の内部にはスワール30が形成されない期間(休止期間)が生じる。この休止期間は、二次燃焼室13の内部の酸素量が減少するため、燃焼装置14などから供給する空気量を増加して減少分の酸素を補う構成としてもよい。
また、スワール30が形成されることにより、二次燃焼室13の内部における一次燃焼ガスの高さ方向の速度(流速)が低下する。つまり、一次燃焼室12から上昇してきた一次燃焼ガスは、スワール30の回転軌道に乗って回転移動しながら上昇するため、高さ方向(第3方向)における流速が低下することになる。このことは、焼却炉10のサイズを小型化する上で有効である。
通常、焼却炉の二次燃焼室は、850℃(好ましくは900℃)での一次燃焼ガスの滞留時間が2秒を下回らないように設計されている。このような設計は、焼却炉の排ガスにダイオキシンが含まれないようにするため、法律によって定められた仕様である。従来の焼却炉は、2秒以内に二次燃焼室を抜けてしまう一次燃焼ガスの発生(いわゆる、短絡流の発生)を生じないように、二次燃焼室の容積の設計には多めにマージンを確保していた。例えば、二次燃焼室内において、一次燃焼ガスの滞留時間が3~4秒となるように容積を設計しておく場合もあり、このようなマージンによって二次燃焼室の容積が増大し、焼却炉の大型化を招く要因となっていた。
本実施形態では、二次燃焼室13にスワール30を形成することにより高さ方向における一次燃焼ガスの流速を抑えることができるため、二次燃焼室13の容積に確保すべきマージンを最小限に抑えることができる。例えば、従来に比べて二次燃焼室13の容積のマージンを減らし、一次燃焼ガスの滞留時間が2秒となるように設計しても短絡流を防止し、十分にダイオキシンを低減することが可能である。このように、本実施形態によれば、二次燃焼室13の容積を従来に比べて低減することができるため、焼却炉10のサイズの小型化を図ることができる。
さらに、本実施形態の構成は、特にストーカ型の焼却炉に適用した場合において有効である。図1を用いて説明したように、一般的にストーカ式の焼却炉は、燃焼装置が、上流側から順に、乾燥段、燃焼段、及び後燃焼段に区分される。このとき、一次燃焼室において発生する一次燃焼ガスの量は、乾燥段が最も多く、燃焼段、後燃焼段と下流に進むに従って減少する傾向にある。一次燃焼室において発生するガスの濃度及び種類についても同様の傾向にある。したがって、従来のストーカ式の焼却炉では、二次燃焼室内における一次燃焼ガスが偏った濃度分布を有する場合がある。
上述の濃度分布が発生すると、部分燃焼爆発と呼ばれる部分的な爆発現象が二次燃焼室の内部に起こり、二次燃焼室の内壁に大きなダメージを与え、焼却炉としての寿命が低下するという問題があった。また、このような爆発現象を防ぐために、二次燃焼室内で爆発濃度までガス濃度が高まることを防ぐために、多くの空気を供給するという対策もある。しかしながら、この場合は、空気を過剰に供給する必要があるため、排ガス量の増大、空気を供給するための余剰電力の消費といった別の問題が生じてしまっていた。
これに対し、本実施形態の焼却炉10は、二次燃焼室13の内部にスワール30を形成することにより一次燃焼ガスの濃度分布が均質化される。また、二次燃焼室13の内部にはスワール30を形成するための空気が供給され、スワール30の形成とともに空気中の酸素と一次燃焼ガスとが効率よく混合される。このように、本実施形態によれば、従来のストーカ式の焼却炉で問題となっていた部分爆発現象を防ぐことができ、二次燃焼室13の内壁の劣化を抑制して、焼却炉としての装置寿命を改善することができる。
以上説明したスワールによる燃焼効率の向上に加えて、本実施形態の焼却炉10は、二次燃焼室13の内部に回転方向の異なるスワールを時間的に交互に形成することにより、二次燃焼室13の内壁の負荷を軽減することが可能である。この点について、以下に説明する。
図2(A)に示すように、二次燃焼室13の内部に反時計回りのスワール30aが形成された場合、スワール30aによって回転する炎の一部は、二次燃焼室13の内壁に直接的に吹き付けられる。例えば、図2(A)に示す例では、二次燃焼室13の内壁の一部13a~13cに対して炎が吹き付けられる。これに対し、図2(B)に示すように、二次燃焼室13の内部に時計回りのスワール30bが形成された場合、スワール30bによって回転する炎の一部は、例えば、二次燃焼室13の内壁の一部13d~13fに対して吹き付けられる。
このように、二次燃焼室13の内部に発生させるスワール30の回転方向を時間的に交互に逆転させることにより、二次燃焼室13の内壁において、直接的に炎のダメージを受ける箇所を固定しないようにすることができる。その結果、二次燃焼室13の内壁がスワールの形成によって受ける損傷を分散させることができ、全体として二次燃焼室の内壁が受けるダメージを低減することができる。
以上のように、本実施形態によれば、二次燃焼室13の内部にスワール30を形成することにより、一次燃焼ガスの燃焼効率を向上させることができる。また、本実施形態をストーカ式の焼却炉に適用することにより、二次燃焼室13の内部における部分燃焼爆発の発生を防ぎ、二次燃焼室13の内壁が受けるダメージ(負荷)を軽減することができる。さらに、本実施形態では、二次燃焼室13の内部に形成するスワール30の回転方向を時間的に逆転させることにより、スワール30によって二次燃焼室13の内壁が局所的に受けるダメージを分散させ、結果的に二次燃焼室13の内壁の負荷を軽減することができる。
(第1実施形態の変形例)
図3は、第1実施形態の変形例の焼却炉10における二次燃焼室13-1を上方から見た断面図である。具体的には、図3(A)は、気体噴射ノズル20-1aを用いて上方から見て反時計回りのスワールを形成した状態を示し、図3(B)は、気体噴射ノズル20-1bを用いて上方から見て時計回りのスワールを形成した状態を示している。気体噴射ノズル20-1a及び20-1bの制御については、第1実施形態で説明したとおりである。
図3は、第1実施形態の変形例の焼却炉10における二次燃焼室13-1を上方から見た断面図である。具体的には、図3(A)は、気体噴射ノズル20-1aを用いて上方から見て反時計回りのスワールを形成した状態を示し、図3(B)は、気体噴射ノズル20-1bを用いて上方から見て時計回りのスワールを形成した状態を示している。気体噴射ノズル20-1a及び20-1bの制御については、第1実施形態で説明したとおりである。
本変形例では、二次燃焼室13-1の内壁に斜めに気体噴射ノズル20-1a及び20-1bを設けた例を示している。具体的には、図3(A)に示すように、気体噴射ノズル20-1aは、第2方向と直交する内壁に配置され、斜め(左方向)に気体25を噴射する。また、図3(B)に示すように、気体噴射ノズル20-1bは、第1方向と直交する内壁に配置され、斜め(左方向)に気体25を噴射する。すなわち、気体噴射ノズル20-1a及び20-1bは、異なる壁面から互いに同一の方向に向かって気体25を噴射する。ただし、気体噴射ノズル20-1の配置は、この例に限られるものではない。例えば、気体噴射ノズル20-1bは、気体噴射ノズル20-1aが配置された壁面と対向する壁面に配置されてもよい。この場合、気体噴射ノズル20-1bは、気体噴射ノズル20-1aと同じ壁面に向かって気体25を噴射するように配置されればよい。
本変形例では、第1実施形態で説明した例と同様に、時間的に異なる回転方向を有するスワール30a及び30bを形成することができるため、第1実施形態と同様の効果を奏する。
図4は、第1実施形態の変形例の焼却炉10における二次燃焼室13-2を上方から見た断面図である。具体的には、図4(A)は、気体噴射ノズル20-2aを用いて上方から見て反時計回りのスワールを形成した状態を示し、図4(B)は、気体噴射ノズル20-2bを用いて上方から見て反時計回りのスワールを形成した状態を示している。気体噴射ノズル20-2a及び20-2bの制御については、第1実施形態で説明したとおりである。
本変形例では、気体噴射ノズル20-2aと気体噴射ノズル20-2bとが二次燃焼室13-2の中心に対して対称の位置に配置されている。そのため、気体噴射ノズル20-2a及び20-2bは、気体25を噴射することにより同一方向(反時計回り)に回転するスワール30aを形成する。
本変形例の場合、第1実施形態で説明したスワールの回転方向の反転による効果は得られないが、スワールが形成されることにより、二次燃焼室13-2における一次燃焼ガスの燃焼効率の向上効果が得られる。
また、気体噴射ノズル20-2aと気体噴射ノズル20-2bとを交互に間欠的に動作させることにより、二次燃焼室13-2の内壁への負荷を軽減することができる。気体噴射ノズル20-2a及び20-2bから噴射された気体25は、炎を運びながら反対側の内壁に向かうため、二次燃焼室13-2の内壁の一部13-2a及び13-2bには炎によるダメージが入りやすい。しかしながら、本変形例では、気体噴射ノズル20-2aと気体噴射ノズル20-2bとが時間的に交互に気体25を噴射してスワール30aを維持するため、二次燃焼室13-2の内壁の一部13-2a及び13-2bがダメージを受ける期間は半減する。そのため、従来のように常時炎が吹き付ける構造に比べて、二次燃焼室13-2の内壁への負荷を軽減し、劣化を抑制することができる。
(第2実施形態)
本実施形態では、二次燃焼室内にスワールを形成するに当たり、同時に複数の気体噴射ノズルを用いる例を示す。具体的には、2つの気体噴射ノズルを一組として、二組の気体噴射ノズルを配置し、それらを交互に使用することにより反転するスワールを形成する例について説明する。第1実施形態と同じ要素については同じ符号を用いて示し、詳細な説明を省略する場合がある。
本実施形態では、二次燃焼室内にスワールを形成するに当たり、同時に複数の気体噴射ノズルを用いる例を示す。具体的には、2つの気体噴射ノズルを一組として、二組の気体噴射ノズルを配置し、それらを交互に使用することにより反転するスワールを形成する例について説明する。第1実施形態と同じ要素については同じ符号を用いて示し、詳細な説明を省略する場合がある。
図5は、第2実施形態の焼却炉10における二次燃焼室53を上方から見た断面図である。具体的には、図5(A)は、気体噴射ノズル60a及び60bを用いて上方から見て反時計回りのスワール30aを形成した状態を示し、図5(B)は、気体噴射ノズル60c及び60dを用いて上方から見て時計回りのスワール30bを形成した状態を示している。
本実施形態では、気体噴射ノズル60a及び60bをペアとして動作させ、気体噴射ノズル60c及び60dをペアとして動作させる。気体噴射ノズル60aと気体噴射ノズル60bとは、二次燃焼室53の中心に対して対称の位置に配置され、互いに逆方向に気体25を噴射する。同様に、気体噴射ノズル60cと気体噴射ノズル60dとは、二次燃焼室53の中心に対して対称の位置に配置され、互いに逆方向に気体25を噴射する。ただし、ペアとなる各気体噴射ノズルは、二次燃焼室53の中心に対して完全に対称の位置にある必要はなく、それぞれ二次燃焼室53の中心を挟んで対向する位置にあればよい。例えば、平面視において、気体噴射ノズル60aと気体噴射ノズル60bとを結ぶ線分が、気体噴射ノズル60cと気体噴射ノズル60dとを結ぶ線分と交差する関係にあればよい。
図5(A)に示すように、ある時刻T1において、気体25は、気体噴射ノズル60a及び60bから同じタイミングで噴射される。ここで、「同じタイミング」とは、完全に同一のタイミングである場合だけでなく、多少の時間的な差があるものの実質的に同じタイミングとみなせる場合をも含む。例えば、気体噴射ノズル60aから気体25を噴射する期間に対し、気体噴射ノズル60bから気体25を噴射する期間が80%以上(好ましくは90%以上)重なっている場合は、同じタイミングであるとみなしてよい。「同じタイミング」という用語については、以下の説明についても同様である。
気体噴射ノズル60aと気体噴射ノズル60bとは、二次燃焼室53の中心に対して対称の位置に配置され、互いに逆方向に気体25を噴射する。そのため、気体25が噴射されると、上方から見て反時計回りのスワール30aが形成される。本実施形態では、互いに逆向きに噴射された2本の気体25による流れによってスワール30aを形成するため、第1実施形態に比べて、より迅速にスワール30aを形成することが可能である。
次に、時刻T1から所定期間経過後の時刻T2に、気体噴射ノズル60a及び60bからの気体25の噴射を停止し、代わりに気体噴射ノズル60c及び60dから気体25を同じタイミングで噴射する。気体噴射ノズル60c及び60dから気体25を噴射することにより、二次燃焼室13の内部には、上方から見て時計回りのスワール30bが形成される。この場合も、互いに逆向きに噴射された2本の気体25による流れによって迅速にスワール30bが形成される。
以上のように、本実施形態によれば、2つの気体噴射ノズル60を用いてスワール30を形成するため、スワール30の形成を迅速に行うことができる。その結果、使用する気体噴射ノズル60の切替のタイミングを適切に制御することにより、スワール30の回転方向を迅速に切り替えることが可能である。また、2つの気体噴射ノズル60を用いてスワール30を形成することにより、スワール30の回転速度(流速)を速めることができ、一次燃焼ガスと酸素とを迅速に混合することができるため、一次燃焼ガスの燃焼効率を高めることが可能である。
本実施形態では、2つの気体噴射ノズル60をペアとして用いてスワール30を形成する例について説明したが、同時に使用する気体噴射ノズル60の数は、2つに限られるものではない。例えば、3つ以上の気体噴射ノズル60を含むグループを単位として、2つのグループを二次燃焼室53の内壁に配置してもよい。この場合、気体噴射ノズル60の数が多いほどスワール30の形成、及びスワール30の回転方向の切り替えに要する期間を短縮することができる。
(第2実施形態の変形例)
図6は、第1実施形態の変形例の焼却炉10における二次燃焼室53-1を上方から見た断面図である。具体的には、図6(A)は、気体噴射ノズル60-1a及び60-1bを用いて上方から見て反時計回りのスワールを形成した状態を示し、図6(B)は、気体噴射ノズル60-1c及び60-1dを用いて上方から見て時計回りのスワールを形成した状態を示している。気体噴射ノズル60-1a~60-1dの制御については、第2実施形態で説明したとおりである。
図6は、第1実施形態の変形例の焼却炉10における二次燃焼室53-1を上方から見た断面図である。具体的には、図6(A)は、気体噴射ノズル60-1a及び60-1bを用いて上方から見て反時計回りのスワールを形成した状態を示し、図6(B)は、気体噴射ノズル60-1c及び60-1dを用いて上方から見て時計回りのスワールを形成した状態を示している。気体噴射ノズル60-1a~60-1dの制御については、第2実施形態で説明したとおりである。
本変形例では、二次燃焼室53-1における第2方向と直交する内壁に斜めに気体噴射ノズル60-1a~60-1dを設けた例を示している。具体的には、図6(A)に示すように、気体噴射ノズル60-1aは、斜め(左方向)に向けて気体25を噴射し、気体噴射ノズル60-1bは、斜め(右方向)に向けて気体25を噴射する。また、図6(B)に示すように、気体噴射ノズル60-1cは、斜め(右方向)に向けて気体25を噴射し、気体噴射ノズル60-1dは、斜め(左方向)に向けて気体25を噴射する。すなわち、気体噴射ノズル60-1a及び60-1b、並びに、気体噴射ノズル60-1c及び60-1dは、互いに異なる壁面に向かって異なる方向から気体25を噴射する。他方、気体噴射ノズル60-1a及び60-1d、並びに、気体噴射ノズル60-1b及び60-1cは、互いに同一の壁面に向かって異なる方向から気体25を噴射する。
本変形例によれば、第2実施形態で説明した例と同様に、時間的に異なる回転方向を有するスワール30a及び30bを形成することができるため、第2実施形態と同様の効果を奏する。
図7は、第2実施形態の変形例の焼却炉10における二次燃焼室53-2を上方から見た断面図である。具体的には、図7(A)は、気体噴射ノズル60-2a及び60-2bを用いて上方から見て反時計回りのスワールを形成した状態を示し、図7(B)は、気体噴射ノズル60-2c及び60-2dを用いて上方から見て反時計回りのスワールを形成した状態を示している。気体噴射ノズル60-2a~60-2dの制御については、第2実施形態で説明したとおりである。
本変形例では、気体噴射ノズル60-2a~60-2dが、それぞれ二次燃焼室53-2における異なる内壁に配置されている。換言すれば、気体噴射ノズル60-2a~60-2dが二次燃焼室13-2の中心に対してそれぞれ対称の位置に配置されている。そのため、気体噴射ノズル60-2a~60-2dは、気体25を噴射することにより同一方向(反時計回り)に回転するスワール30aを形成する。
実際には、図7(A)では、気体噴射ノズル60-2a及び60-2bをペアとして用いてスワール30aを形成し、図7(B)では、気体噴射ノズル60-2c及び60-2dをペアとして用いてスワール30aを形成する。つまり、本実施形態では、2つの気体噴射ノズルを含むペアを時間的に交互に切り替えて使用することにより、同一方向に回転するスワール30aを形成している。
本変形例の場合、第2実施形態で説明したスワールの回転方向の反転による効果は得られないが、スワールが形成されることにより、二次燃焼室53-2における一次燃焼ガスの燃焼効率の向上効果が得られる。
また、気体噴射ノズル60-2a及び60-2bのペアと気体噴射ノズル60-2c及び60-2dのペアとを交互に間欠的に動作させることにより、二次燃焼室53-2の内壁への負荷を軽減することができる。第1実施形態の変形例において図4を用いて説明したように、本変形例によれば、気体噴射ノズル60-2の各ペアを時間的に切り替えながら使用することにより二次燃焼室53-2の内壁が炎によるダメージを受ける期間を半減させることができる。その結果、二次燃焼室53-2の内壁への負荷を軽減し、劣化を抑制することができる。
(第3実施形態)
第1実施形態及び第2実施形態では、ストーカ式の焼却炉10を例示して説明したが、本発明を適用し得る焼却炉は、ストーカ式の焼却炉に限られない。例えば、本発明は、炉内に充填した流動媒体(例えば、砂)を用いる構造を有する流動式焼却炉、乾燥段と、燃焼段と、後燃焼段とを垂直に積み重ねた構造を有する竪型ストーカ式焼却炉、及び小型焼却炉に対しても適用することが可能である。
第1実施形態及び第2実施形態では、ストーカ式の焼却炉10を例示して説明したが、本発明を適用し得る焼却炉は、ストーカ式の焼却炉に限られない。例えば、本発明は、炉内に充填した流動媒体(例えば、砂)を用いる構造を有する流動式焼却炉、乾燥段と、燃焼段と、後燃焼段とを垂直に積み重ねた構造を有する竪型ストーカ式焼却炉、及び小型焼却炉に対しても適用することが可能である。
(第4実施形態)
第1実施形態から第3実施形態に示した各焼却炉は、ボイラー構造を有する焼却炉であってもよい。具体的には、各焼却炉は、二次燃焼室の内壁に配管が埋め込まれ、二次燃焼室で発生する熱によって配管内を流れる流体を加熱する構造を有した焼却炉であってもよい。
第1実施形態から第3実施形態に示した各焼却炉は、ボイラー構造を有する焼却炉であってもよい。具体的には、各焼却炉は、二次燃焼室の内壁に配管が埋め込まれ、二次燃焼室で発生する熱によって配管内を流れる流体を加熱する構造を有した焼却炉であってもよい。
第1実施形態及び第2実施形態で説明したように、本実施形態の焼却炉は、二次燃焼室の内部にスワールが形成されるため、スワールによって旋回する炎が内壁に当たり、内壁が加熱されやすい。そのため、本実施形態によれば、内壁に埋め込まれた配管も加熱されやすく、ボイラーとしての熱交換率が向上するという利点が得られる。
本発明の実施形態(変形例を含む)は、相互に矛盾しない限りにおいて、適宜組み合わせて実施することができる。上述した各実施形態を基にして、当業者が適宜構成要素の追加、削除もしくは設計変更を行ったもの、又は、工程の追加、省略もしくは条件変更を行ったものも、本発明の要旨を備えている限り、本発明の範囲に含まれる。
また、上述した実施形態の態様によりもたらされる作用効果とは異なる他の作用効果であっても、本明細書の記載から明らかなもの、又は、当業者において容易に予測し得るものについては、当然に本発明によりもたらされるものと解される。
10…焼却炉、11…投入ホッパ、12…一次燃焼室、13…二次燃焼室、13-1、13-2…二次燃焼室、13a~13f、13-2a、13-2b…内壁の一部、14…燃焼装置、15…落下灰コンベヤ、16…灰搬出装置、17…煙道、20a、20b、20-1a、20-1b、20-2a、20-2b…気体噴射ノズル、25…気体、30a、30b…スワール、53、53-1、53-2…二次燃焼室、60a~60d、60-1a~60-1d、60-2a~60-2d…気体噴射ノズル、100…制御装置
Claims (6)
- 廃棄物を燃焼させる一次燃焼室と、
複数の気体噴射ノズルが配置され、前記一次燃焼室で発生した一次燃焼ガスを燃焼させる二次燃焼室と、
前記複数の気体噴射ノズルから気体を噴射するタイミング及び期間を制御する制御装置と、
を含み、
前記複数の気体噴射ノズルは、少なくとも第1気体噴射ノズル及び第2気体噴射ノズルを含み、
前記第1気体噴射ノズルが気体を噴射するタイミングと前記第2気体噴射ノズルが気体を噴射するタイミングとが異なる、焼却炉。 - 前記複数の気体噴射ノズルは、気体を噴射することにより前記二次燃焼室の内部にスワールを形成する、請求項1に記載の焼却炉。
- 前記第1気体噴射ノズルを用いて形成されるスワールの回転方向は、前記第2気体噴射ノズルを用いて形成されるスワールの回転方向と逆向きである、請求項2に記載の焼却炉。
- 前記複数の気体噴射ノズルは、第3気体噴射ノズル及び第4気体噴射ノズルをさらに含み、
前記第1気体噴射ノズルと前記第3気体噴射ノズルとは同じタイミングで気体を噴射し、
前記第2気体噴射ノズルと前記第4気体噴射ノズルとは同じタイミングで気体を噴射する、請求項1又は2に記載の焼却炉。 - 平面視において、前記第1気体噴射ノズルと前記第3気体噴射ノズルとを結ぶ線分は、第2気体噴射ノズルと前記第4気体噴射ノズルとを結ぶ線分と交差する、請求項4に記載の焼却炉。
- 前記第1気体噴射ノズル及び前記第3気体噴射ノズルを用いて形成されるスワールの回転方向は、前記第2気体噴射ノズル及び前記第4気体噴射ノズルを用いて形成されるスワールの回転方向と逆向きである、請求項4に記載の焼却炉。
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-
2022
- 2022-10-04 JP JP2022160385A patent/JP2024053893A/ja active Pending
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