JP2024053301A - (メタ)アクリレート、表面処理フィラー、歯科材料用組成物及びシランカップリング剤 - Google Patents

(メタ)アクリレート、表面処理フィラー、歯科材料用組成物及びシランカップリング剤 Download PDF

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Hirotaka Kai
直志 柿沼
Naoyuki Kakinuma
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Abstract

【課題】フィラーの表面処理に好適に用いられる新規な(メタ)アクリレートを提供する。【解決手段】1つ以上の下記式(x)で表される構造と、1つ以上の下記式(y)で表される構造と、1つ以上のアルコキシシリル基と、1つ以上の(メタ)アクリロイル基と、を含む(メタ)アクリレート(D)。式(x)及び式(y)中、Xはそれぞれ独立に酸素原子又は硫黄原子であり、*は結合位置である。JPEG2024053301000030.jpg2453【選択図】図1

Description

本開示は、(メタ)アクリレート、表面処理フィラー、歯科材料用組成物及びシランカップリング剤に関する。
コンポジットレジン等の歯科材料用組成物は、一般的に、モノマーを含有する歯科材料用組成物、フィラー、重合開始剤、重合禁止剤、および色素等を含有する。
歯科材料用組成物としては、モノマーの生体内における安全性、および硬化物の機械的強度や耐磨耗性などの観点から、ラジカル重合性の多官能性メタクリレートの組成物を用いることがある。
多官能性メタクリレートの組成物としては、2,2-ビス〔4-(3-メタクリロイルオキシ-2-ヒドロキシプロポキシ)フェニル〕プロパン(以下Bis-GMAと称する)、2,2,4-トリメチルヘキサメチレンビス(2-カルバモイルオキシエチル)ジメタクリレート(以下UDMAと称する)などを主成分とし、粘度を調整するためにトリエチレングリコールジメタクリレート(以下TEGDMAと称する)を配合している場合もある。
例えば、特許文献1には、アミノ基を2つ以上有するアミン化合物(A)と、イソ(チオ)シアナート基を2つ以上有するイソ(チオ)シアネート化合物(B)と、重合性基を1つ以上有するヒドロキシ(メタ)アクリレート化合物(C)と、の反応生成物である(メタ)アクリレート(D)が記載されている。
国際公開第2019/107322号
歯科分野において、モノマーを含む歯科材料用組成物は、歯科製品の機械強度を向上させる観点からフィラーを含む場合がある。フィラーは歯科材料用組成物中のモノマーとのなじみの観点から、濡れ性を向上させてから用いることが好ましいと考えられる。
フィラーの濡れ性向上のための方法として、従来から、フィラーに対して表面処理を行うことでモノマーとフィラーとの間に新たに界面を形成させる方法が知られている。
しかし、歯科分野で従来から存在する表面処理剤である3-メタクリロキシプロピルトリメトキシシランは、条件によっては分子内等で反応してしまう恐れがある等、使用しにくい場合があった。
したがって、3-メタクリロキシプロピルトリメトキシシランに代わる、歯科材料に適したフィラーの表面処理剤が求められている。
本開示の一実施形態が解決しようとする課題は、フィラーの表面処理に好適に用いられる新規な(メタ)アクリレート、表面処理フィラー、歯科材料用組成物及びシランカップリング剤を提供することである。
上記課題を解決するための手段は以下の態様を含む。
<1> 1つ以上の下記式(x)で表される構造と、1つ以上の下記式(y)で表される構造と、1つ以上のアルコキシシリル基と、1つ以上の(メタ)アクリロイル基と、を含む(メタ)アクリレート(D)。

式(x)及び式(y)中、Xはそれぞれ独立に酸素原子又は硫黄原子であり、*は結合位置である。
<2> アルコキシシリル基を含む第1級アミン化合物及びアルコキシシリル基を含む第2級アミン化合物の少なくとも一方を含むアミン化合物(A)と、イソ(チオ)シアナート基を2つ以上含むイソ(チオ)シアネート化合物(B)と、ヒドロキシ基と(メタ)アクリロイルオキシ基とを含む(メタ)アクリレート化合物(C)と、の反応生成物である、<1>に記載の(メタ)アクリレート(D)。
<3> 下記式(D1)で表される<2>に記載の(メタ)アクリレート(D)。
式(D1)中、R1D及びR5Dの組み合わせは、R1Dが前記アルコキシシリル基を含む第1級アミン化合物から第1級アミノ基を除いた残基でありR5Dが水素原子である組み合わせか、又は、
1D及びR5Dが前記アルコキシシリル基を含む第2級アミン化合物から第2級アミノ基を除いた残基である組み合わせである。
2Dは、前記イソ(チオ)シアネート化合物(B)から2つのイソ(チオ)シアナート基を除いた残基であり、
3Dは、前記(メタ)アクリレート化合物(C)から1つのヒドロキシ基とn個の(メタ)アクリロイルオキシ基とを除いた残基であり、
4Dは、水素原子又はメチル基であり、
は、それぞれ独立に酸素原子又は硫黄原子であり、
は1~6の整数である。
<4> 前記アミン化合物(A)が、下記式(A1-1)で表されるアミン化合物又は下記一般(A2-1)で表されるアミン化合物を含む<2>又は<3>に記載の(メタ)アクリレート(D)。

式(A1-1)中、Aは炭素数1~12の直鎖もしくは分岐鎖のアルキレン基であるか、又は炭素数1~12の直鎖もしくは分岐鎖のアルキレン基のうち-CH-の代わりに-NH-を1つ以上含む2価の連結基であり、
Bは水素原子、炭素数1~6のアルキル基又はフェニル基であり、
は炭素数1~6の直鎖又は分岐鎖のアルキル基であり、
は炭素数1~6のアルキル基又はフェニル基であり、nは1~3の整数である。
式(A2-1)中、Dは炭素数1~12の直鎖もしくは分岐鎖のアルキレン基であるか、又は炭素数1~12の直鎖もしくは分岐鎖のアルキレン基のうち-CH-の代わりに-NH-を1つ以上含む2価の連結基であり、
Eは炭素数1~12の直鎖もしくは分岐鎖のアルキレン基であるか、又は炭素数1~12の直鎖もしくは分岐鎖のアルキレン基のうち-CH-の代わりに-NH-を1つ以上含む2価の連結基であり、
はそれぞれ独立に炭素数1~6の直鎖又は分岐鎖のアルキル基であり、
はそれぞれ独立に炭素数1~6のアルキル基又はフェニル基であり、mは1~3の整数である。
<5> 前記イソ(チオ)シアネート化合物(B)が、m-キシリレンジイソシアネート、1,3-テトラメチルキシリレンジイソシアネート、2,2,4-トリメチルヘキサメチレンジイソシアネートと2,4,4-トリメチルヘキサメチレンジイソシアネートとの混合物、2,5-ビス(イソシアナトメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプタンと2,6-ビス(イソシアナトメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプタンとの混合物、及び、イソホロンジイソシアネートからなる群から選択される少なくとも1つを含む<2>~<4>のいずれか1つに記載の(メタ)アクリレート(D)。
<6> (メタ)アクリレート化合物(C)が、下記式(C1)で表される化合物である<2>~<5>のいずれか1つに記載の(メタ)アクリレート(D)。

式(C1)中、R1C1、R3C1及びR5C1はそれぞれ独立に炭素数1~3の直鎖又は分岐鎖のアルキレン基であり、R2C1はnC1+1価の有機基であり、R4C1は水素原子又はメチル基であり、aは0~30の整数であり、bはそれぞれ独立に0~30の整数であり、cはそれぞれ独立に0又は1の整数であり、nC1は1~6の整数である。
<7> 分子量が250~5000である<1>~<6>のいずれか1つに記載の(メタ)アクリレート(D)。
<8> フィラーが、<1>~<7>のいずれか1つに記載の(メタ)アクリレート(D)によって表面処理されて形成される表面処理フィラー。
<9> <8>に記載の表面処理フィラーと、(メタ)アクリレート化合物(E)と、重合開始剤と、を含む歯科材料用組成物。
<10> 前記表面処理フィラーの含有量が、歯科材料用組成物の全質量に対して、20質量%~90質量%である<9>に記載の歯科材料用組成物。
<11> <1>~<7>のいずれか1つに記載の(メタ)アクリレート(D)を含むシランカップリング剤。
本開示の一実施形態によれば、フィラーの表面処理に好適に用いられる新規な(メタ)アクリレート、表面処理フィラー、歯科材料用組成物及びシランカップリング剤を提供することができる。
(メタ)アクリレートである合成化合物1のIRスペクトルを表すグラフである。 (メタ)アクリレートである合成化合物2のIRスペクトルを表すグラフである。 (メタ)アクリレートである合成化合物3のIRスペクトルを表すグラフである。 (メタ)アクリレートである合成化合物4のIRスペクトルを表すグラフである。 (メタ)アクリレートである合成化合物5のIRスペクトルを表すグラフである。 (メタ)アクリレートである合成化合物6のIRスペクトルを表すグラフである。 (メタ)アクリレートである合成化合物7のIRスペクトルを表すグラフである。 (メタ)アクリレートである合成化合物8のIRスペクトルを表すグラフである。 (メタ)アクリレートである合成化合物9のIRスペクトルを表すグラフである。 (メタ)アクリレートである合成化合物10のIRスペクトルを表すグラフである。 (メタ)アクリレートである合成化合物11のIRスペクトルを表すグラフである。 (メタ)アクリレートである合成化合物12のIRスペクトルを表すグラフである。 (メタ)アクリレートである合成化合物13のIRスペクトルを表すグラフである。 (メタ)アクリレートである合成化合物14のIRスペクトルを表すグラフである。 (メタ)アクリレートである合成化合物15のIRスペクトルを表すグラフである。 (メタ)アクリレートである合成化合物16のIRスペクトルを表すグラフである。 (メタ)アクリレートである合成化合物17のIRスペクトルを表すグラフである。 (メタ)アクリレートである合成化合物18のIRスペクトルを表すグラフである。 (メタ)アクリレートである合成化合物19のIRスペクトルを表すグラフである。 (メタ)アクリレートである合成化合物20のIRスペクトルを表すグラフである。 (メタ)アクリレートである合成化合物21のIRスペクトルを表すグラフである。 (メタ)アクリレートである合成化合物22のIRスペクトルを表すグラフである。 (メタ)アクリレートである合成化合物23のIRスペクトルを表すグラフである。
本開示において「~」を用いて示された数値範囲には、「~」の前後に記載される数値がそれぞれ最小値及び最大値として含まれる。
本開示中に段階的に記載されている数値範囲において、一つの数値範囲で記載された上限値又は下限値は、他の段階的な記載の数値範囲の上限値又は下限値に置き換えてもよい。また、本開示中に記載されている数値範囲において、その数値範囲の上限値又は下限値は、実施例に示されている値に置き換えてもよい。
本開示において、「(メタ)アクリロイル」とはアクリロイル又はメタクリロイルを意味し、「(メタ)アクリレート」とはアクリレート又はメタクリレートを意味する。
本開示において、「イソ(チオ)シアネート」とはイソシアネート又はイソチオシアネートを意味する。
本開示において、「(チオ)ウレア」とはウレア又はチオウレアを意味し、「(チオ)ウレタン」とはウレタン又はチオウレタンを意味する。
本開示において、「ウレタン結合」は、例えば、イソシアナート基と水酸基とが反応することで形成される結合、及び、イソチオシアナート基と水酸基とが反応することで形成される結合を包含する。
本開示において、組成物中の各成分の量について言及する場合、組成物中に各成分に該当する物質が複数存在する場合には、特に断らない限り、組成物中に存在する複数の物質の合計量を意味する。
≪(メタ)アクリレート(D)≫
本開示の(メタ)アクリレート(D)は、1つ以上の下記式(x)で表される構造と、1つ以上の下記式(y)で表される構造と、1つ以上のアルコキシシリル基と、1つ以上の(メタ)アクリロイル基と、を含む。

式(x)及び式(y)中、Xはそれぞれ独立に酸素原子又は硫黄原子であり、*は結合位置である。
本開示の(メタ)アクリレート(D)は、フィラーの表面処理に好適に用いられる新規な(メタ)アクリレートである。
本開示の(メタ)アクリレート(D)は、式(x)で表される構造を1つ以上有していればよいが、1つ有することが好ましい。
本開示の(メタ)アクリレート(D)は、式(y)で表される構造を1つ以上有していればよいが、1~10個有することが好ましく、1~6個有することがより好ましい。
本開示の(メタ)アクリレート(D)は、アルコキシシリル基を1つ以上有していればよいが、1~2個有することが好ましい。
本開示の(メタ)アクリレート(D)は、(メタ)アクリロイル基を1つ以上有していればよいが、1~10個有することが好ましく、1~6個有することが好ましい。
本開示の(メタ)アクリレート(D)における(メタ)アクリロイル基を有する基として、(メタ)アクリロイルオキシ基を1つ以上有することが好ましく、1~10個有することが好ましく、1~6個有することが好ましい。
本開示の(メタ)アクリレート(D)は、より具体的には、下記の態様であることが好ましい。
本開示の(メタ)アクリレート(D)は、好適には、アルコキシシリル基を含む第1級アミン化合物及びアルコキシシリル基を含む第2級アミン化合物の少なくとも一方を含むアミン化合物(A)と、イソ(チオ)シアナート基を2つ以上含むイソ(チオ)シアネート化合物(B)と、ヒドロキシ基と(メタ)アクリロイルオキシ基とを含む(メタ)アクリレート化合物(C)と、の反応生成物である。
本開示の(メタ)アクリレート(D)は、上記構成を含むことで、フィラーの表面処理に用いられた場合に、優れた曲げ強度、靭性、及び硬度が得られる。
フィラーは、一般的に、モノマーとなじませて用いる場合が多い。
フィラーは通常表面にヒドロキシ基等の親水性基を備えており、モノマーは通常疎水性の化合物である。そのため、フィラーに対して表面処理を行い、フィラーの濡れ性を向上させ、モノマーとなじませる場合がある。表面処理方法としては、シランカップリング処理が挙げられる。
従来の表面処理方法は、主にフィラーの濡れ性の向上を目的に使用されていた。
本開示の(メタ)アクリレート(D)は、フィラーに対する表面処理に用いる場合に、フィラーの濡れ性を向上させ、さらに優れた曲げ強度(特に、最大応力)、靭性(特に、破断エネルギー)、及び硬度(特に、ビッカース硬度)も得ることができる。
上記効果については、本開示の(メタ)アクリレート(D)が、上記の構成を含むことにより(チオ)ウレア結合及び(チオ)ウレタン結合を含むことが寄与していると推測される。
なお、本開示の(メタ)アクリレート(D)は、アミン化合物(A)と、イソ(チオ)シアネート化合物(B)と、(メタ)アクリレート化合物(C)との反応生成物と同様の構造を有する化合物を全て包含する。
すなわち、本開示における(メタ)アクリレート(D)は、アミン化合物(A)と、イソ(チオ)シアネート化合物(B)と、(メタ)アクリレート化合物(C)と、を原料として得られた反応生成物に限定されない。
<アミン化合物(A)>
本開示の(メタ)アクリレート(D)は、アルコキシシリル基を含む第1級アミン化合物及びアルコキシシリル基を含む第2級アミン化合物の少なくとも一方を含むアミン化合物(A)を含む。
本開示の(メタ)アクリレート(D)は、アミン化合物(A)を含むことで、フィラーの表面に結合することができる。
(第1級アミン化合物)
第1級アミン化合物は、アルコキシシリル基と-NHとを含む化合物である。
アルコキシシリル基を含む第1級アミン化合物(本開示において、単に「第1級アミン化合物」ともいう。)としては、アルコキシシリル基を含む第1級アミン化合物であれば特に制限はない。
アルコキシシリル基は、アルコキシ基を1つ含んでいてもよく、2つ以上含んでいてもよい。アルコキシシリル基は、アルコキシ基を2つ以上含むことが好ましく、3つ含むことがより好ましい。
アルコキシ基としては、炭素数1~6の直鎖又は分岐鎖のアルコキシ基であってもよく、炭素数1~3の直鎖又は分岐鎖のアルコキシ基が好ましく、炭素数1又は2の直鎖のアルコキシ基がより好ましい。
第1級アミン化合物は、アルコキシシリル基とアミノ基とを結合するために、炭素数1~12の直鎖もしくは分岐鎖のアルキレン基であるか、又は炭素数1~12の直鎖もしくは分岐鎖のアルキレン基のうち-CH-の代わりに-NH-を1つ以上含む2価の連結基を含んでいてもよい。
上記アルキレン基は、直鎖であることが好ましい。
上記アルキレン基は、炭素数1~7であることが好ましく、炭素数2~5であることがより好ましい。
アルコキシシリル基中、シリル基に結合するアルコキシ基が1つまたは2つである場合に、アルコキシ基以外の置換基がシリル基に結合していてもよい。
つまり、アルコキシシリル基中、シリル基に結合するアルコキシ基が1つまたは2つである場合に、アルコキシシリル基は、シリル基及びアルコキシ基以外の置換基を含んでいてもよい。
アルコキシ基以外の置換基は、炭素数1~6のアルキル基又はフェニル基であってもよく、炭素数1~3のアルキル基又はフェニル基であることが好ましい。
第1級アミン化合物としては、例えば下記の第1級アミン化合物が挙げられるが、本開示における第1級アミン化合物は、下記の第1級アミン化合物に限定されない。
なお、下記の第1級アミン化合物中、Meはメチル基を表し、Etはエチル基を表す。
(第2級アミン化合物)
第2級アミン化合物は、アルコキシシリル基と-NH-とを含む化合物である。
アルコキシシリル基を含む第2級アミン化合物(本開示において、単に「第2級アミン化合物」ともいう。)としては、アルコキシシリル基を含む第2級アミン化合物であれば特に制限はない。
第2級アミン化合物は、アルコキシシリル基を1つ含んでもよく2つ以上含んでもよいが、2つ以上含むことが好ましい。
本開示における、第2級アミン化合物には上記第1級アミン化合物は含まれない。
アルコキシシリル基は、アルコキシ基を1つ含んでいてもよく、2つ以上含んでいてもよい。アルコキシシリル基は、アルコキシ基を2つ以上含むことが好ましく、3つ含むことがより好ましい。
アルコキシ基としては、炭素数1~6の直鎖又は分岐鎖のアルコキシ基であってもよく、炭素数1~3の直鎖又は分岐鎖のアルコキシ基が好ましく、炭素数1又は2の直鎖のアルコキシ基がより好ましい。
第2級アミン化合物は、アルコキシシリル基とアミノ基とを結合するために、炭素数1~12の直鎖もしくは分岐鎖のアルキレン基であるか、又は炭素数1~12の直鎖もしくは分岐鎖のアルキレン基のうち-CH-の代わりに-NH-を1つ以上含む2価の連結基を含んでいてもよい。
上記アルキレン基は、直鎖であることが好ましい。
上記アルキレン基は、炭素数1~7であることが好ましく、炭素数2~5であることがより好ましい。
アルコキシシリル基中、シリル基に結合するアルコキシ基が1つまたは2つである場合に、アルコキシ基以外の置換基がシリル基に結合していてもよい。
つまり、アルコキシシリル基中、シリル基に結合するアルコキシ基が1つまたは2つである場合に、アルコキシシリル基は、シリル基及びアルコキシ基以外の置換基を含んでいてもよい。
アルコキシ基以外の置換基は、炭素数1~6のアルキル基又はフェニル基であってもよく、炭素数1~3のアルキル基又はフェニル基であることが好ましい。
本開示におけるアミン化合物(A)は、下記式(A1-1)で表されるアミン化合物又は下記一般(A2-1)で表されるアミン化合物を含むことが好ましい。

式(A1-1)中、Aは炭素数1~12の直鎖もしくは分岐鎖のアルキレン基であるか、又は炭素数1~12の直鎖もしくは分岐鎖のアルキレン基のうち-CH-の代わりに-NH-を1つ以上含む2価の連結基であり、
Bは水素原子、炭素数1~6のアルキル基又はフェニル基であり、
は炭素数1~6の直鎖又は分岐鎖のアルキル基であり、
は炭素数1~6のアルキル基又はフェニル基であり、nは1~3の整数である。
式(A2-1)中、Dは炭素数1~12の直鎖もしくは分岐鎖のアルキレン基であるか、又は炭素数1~12の直鎖もしくは分岐鎖のアルキレン基のうち-CH-の代わりに-NH-を1つ以上含む2価の連結基であり、
Eは炭素数1~12の直鎖もしくは分岐鎖のアルキレン基であるか、又は炭素数1~12の直鎖もしくは分岐鎖のアルキレン基のうち-CH-の代わりに-NH-を1つ以上含む2価の連結基であり、
はそれぞれ独立に炭素数1~6の直鎖又は分岐鎖のアルキル基であり、
はそれぞれ独立に炭素数1~6のアルキル基又はフェニル基であり、mは1~3の整数である。
<イソ(チオ)シアネート化合物(B)>
本開示におけるイソ(チオ)シアネート化合物(B)は、イソ(チオ)シアナート基を2つ以上含む。
イソ(チオ)シアネート化合物(B)としては、例えば、脂肪族ポリイソシアネート化合物、脂環族ポリイソシアネート化合物、芳香族ポリイソシアネート化合物、複素環ポリイソシアネート化合物、脂肪族ポリイソチオシアネート化合物、脂環族ポリイソチオシアネート化合物、芳香族ポリイソチオシアネート化合物、含硫複素環ポリイソチオシアネート化合物、およびこれらの変性体などが挙げられる。
イソ(チオ)シアネート化合物(B)としては、得られる(メタ)アクリレート(D)の取り扱い性の観点から、2つのイソ(チオ)シアナート基を含むことが好ましい。
イソシアネート化合物(B)としては、より具体的には、ペンタメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、2,2,4-トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、2,4,4-トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアナトメチルエステル、リジントリイソシアネート、m-キシリレンジイソシアネート、p-キシレンジイソシアネート、1,3-テトラメチルキシリレンジイソシアネート、α,α,α’,α’-テトラメチルキシリレンジイソシアネート、ビス(イソシアナトメチル)ナフタリン、メシチリレントリイソシアネート、ビス(イソシアナトメチル)スルフィド、ビス(イソシアナトエチル)スルフィド、ビス(イソシアナトメチル)ジスルフィド、ビス(イソシアナトエチル)ジスルフィド、ビス(イソシアナトメチルチオ)メタン、ビス(イソシアナトエチルチオ)メタン、ビス(イソシアナトエチルチオ)エタン、ビス(イソシアナトメチルチオ)エタン等の脂肪族ポリイソシアネート化合物;
イソホロンジイソシアネート、ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、ジシクロヘキシルメタン-4,4’-ジイソシアネート、シクロヘキサンジイソシアネート、メチルシクロヘキサンジイソシアネート、ジシクロヘキシルジメチルメタンイソシアネート、2,5-ビス(イソシアナトメチル)ビシクロ-[2.2.1]-ヘプタン、2,6-ビス(イソシアナトメチル)ビシクロ-[2.2.1]-ヘプタン、3,8-ビス(イソシアナトメチル)トリシクロデカン、3,9-ビス(イソシアナトメチル)トリシクロデカン、4,8-ビス(イソシアナトメチル)トリシクロデカン、4,9-ビス(イソシアナトメチル)トリシクロデカン等の脂環族ポリイソシアネート化合物;
フェニレンジイソシアネート、2,4-トリレンジイソシアネート、2,6-トリレンジイソシアネート、4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート、ジフェニルスルフィド-4,4-ジイソシアネート等の芳香族ポリイソシアネート化合物;
2,5-ジイソシアナトチオフェン、2,5-ビス(イソシアナトメチル)チオフェン、2,5-ジイソシアナトテトラヒドロチオフェン、2,5-ビス(イソシアナトメチル)テトラヒドロチオフェン、3,4-ビス(イソシアナトメチル)テトラヒドロチオフェン、2,5-ジイソシアナト-1,4-ジチアン、2,5-ビス(イソシアナトメチル)-1,4-ジチアン、4,5-ジイソシアナト-1,3-ジチオラン、4,5-ビス(イソシアナトメチル)-1,3-ジチオラン等の複素環ポリイソシアネート化合物;等が挙げられる。
イソチオシアネート化合物(B)としては、例えば、ヘキサメチレンジイソチオシアネート、リジンジイソチオシアネートメチルエステル、リジントリイソチオシアネート、m-キシリレンジイソチオシアネート、ビス(イソチオシアナトメチル)スルフィド、ビス(イソチオシアナトエチル)スルフィド、ビス(イソチオシアナトエチル)ジスルフィド等の脂肪族ポリイソチオシアネート化合物;
イソホロンジイソチオシアネート、ビス(イソチオシアナトメチル)シクロヘキサン、ジシクロヘキシルメタンジイソチオシアネート、シクロヘキサンジイソチオシアネート、メチルシクロヘキサンジイソチオシアネート、2,5-ビス(イソチオシアナトメチル)ビシクロ-[2.2.1]-ヘプタン、2,6-ビス(イソチオシアナトメチル)ビシクロ-[2.2.1]-ヘプタン、3,8-ビス(イソチオシアナトメチル)トリシクロデカン、3,9-ビス(イソチオシアナトメチル)トリシクロデカン、4,8-ビス(イソチオシアナトメチル)トリシクロデカン、4,9-ビス(イソチオシアナトメチル)トリシクロデカン等の脂環族ポリイソチオシアネート化合物;
トリレンジイソチオシアネート、4,4-ジフェニルメタンジイソチオシアネート、ジフェニルジスルフィド-4,4-ジイソチオシアネート等の芳香族ポリイソチオシアネート化合物;
2,5-ジイソチオシアナトチオフェン、2,5-ビス(イソチオシアナトメチル)チオフェン、2,5-イソチオシアナトテトラヒドロチオフェン、2,5-ビス(イソチオシアナトメチル)テトラヒドロチオフェン、3,4-ビス(イソチオシアナトメチル)テトラヒドロチオフェン、2,5-ジイソチオシアナト-1,4-ジチアン、2,5-ビス(イソチオシアナトメチル)-1,4-ジチアン、4,5-ジイソチオシアナト-1,3-ジチオラン、4,5-ビス(イソチオシアナトメチル)-1,3-ジチオラン等の含硫複素環ポリイソチオシアネート化合物;等が挙げられる。
また、これらの塩素置換体、臭素置換体等のハロゲン置換体、アルキル置換体、アルコキシ置換体、ニトロ置換体や多価アルコールとのプレポリマー型変性体、カルボジイミド変性体、ウレア変性体、ビュレット変性体、ダイマー化あるいはトリマー化反応生成物等も使用できる。
これらイソ(チオ)シアネート化合物(B)の中でも、m-キシリレンジイソシアネート、1,3-テトラメチルキシリレンジイソシアネート、2,2,4-トリメチルヘキサメチレンジイソシアネートと2,4,4-トリメチルヘキサメチレンジイソシアネートとの混合物、2,5-ビス(イソシアナトメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプタンと2,6-ビス(イソシアナトメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプタンとの混合物、及び、イソホロンジイソシアネートからなる群から選択される少なくとも1つを含むことが好ましい。
イソ(チオ)シアネート化合物(B)は、1種単独で用いてもよいし、2種以上混合して用いてもよい。
<(メタ)アクリレート化合物(C)>
本開示における(メタ)アクリレート化合物(C)は、ヒドロキシ基と(メタ)アクリロイルオキシ基とを含む。
本開示における(メタ)アクリレート化合物(C)は、ヒドロキシ基と(メタ)アクリロイルオキシ基とを含むヒドロキシ(メタ)アクリレート化合物を含むことが好ましい。
(メタ)アクリレート化合物(C)は、1つ以上の(メタ)アクリロイルオキシ基を含んでもよい。
ヒドロキシ(メタ)アクリレート化合物としては、ウレタン結合を有さないヒドロキシ(メタ)アクリレート化合物、ウレタン結合を有するヒドロキシ(メタ)アクリレート化合物等が挙げられる。
ウレタン結合を有さないヒドロキシアクリレート化合物としては、例えば、2-ヒドロキシエチルアクリレート、2-ヒドロキシプロピルアクリレート、2-ヒドロキシブチルアクリレート、2-ヒドロキシ-3-フェノキシプロピルアクリレート、4-ヒドロキシブチルアクリレート、1,4-シクロヘキサンジメタノールモノアクリレート、1,10-デカンジオール1-アクリレートなどが挙げられる。
ウレタン結合を有さないヒドロキシメタクリレート化合物としては、例えば、2-ヒドロキシエチルメタクリレート、2-ヒドロキシプロピルメタクリレート、2-ヒドロキシブチルメタクリレート、2-ヒドロキシ-3-フェノキシプロピルメタクリレート、4-ヒドロキシブチルメタクリレート、1,4-シクロヘキサンジメタノールモノメタクリレート、1,10-デカンジオール1-メタクリレートなどが挙げられる。
ウレタン結合を有さないヒドロキシ(メタ)アクリレートの分子量としては、例えば、130~1000であってもよく、130~500であることが好ましく、130~350であることがより好ましく、130~250であることがさらに好ましい。
ウレタン結合を有するヒドロキシ(メタ)アクリレート化合物としては、1つ以上のウレタン結合と、1つ以上のヒドロキシ基と、1つ以上の(メタ)アクリロイルオキシ基と、を有することが好ましい。
ウレタン結合の数は、1~9個であることが好ましく、1~5個であることが好ましい。
ヒドロキシ基の数は、1個であることが好ましい。
(メタ)アクリロイルオキシ基の数は、1~9個であることが好ましく、1~5個であることがより好ましい。
ウレタン結合を有するヒドロキシ(メタ)アクリレートの分子量としては、例えば、300~10000であってもよく、500~5000であることが好ましく、800~4000であることがより好ましく、1000~3400であることがさらに好ましい。
ウレタン結合を有するヒドロキシ(メタ)アクリレート化合物としては、1つのイソ(チオ)シアナート基と1つの(メタ)アクリロイルオキシ基とを有する(メタ)アクリレート化合物(F)と、2つ以上のヒドロキシ基を有するポリオール化合物(G)との反応生成物であることが好ましい。
(メタ)アクリレート化合物(F)としては、2-(メタ)アクリロイルオキシエチルイソシアネート等が挙げられる。
ポリオール化合物(G)としては、2つのヒドロキシ基を有するポリオール化合物(例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、又はジオール(エチレングリコール、プロピレングリコール、トリシクロデカンジメタノールなど)へのエチレンオキサイドやプロピレンオキサイドの付加重合物など)、3つのヒドロキシ基を有するポリオール化合物(例えば、グリセロール、グリセロールへのエチレンオキサイドやプロピレンオキサイドの付加重合物など)、4つのヒドロキシ基を有するポリオール化合物(例えば、ペンタエリトリトール、ペンタエリトリトールへのエチレンオキサイドやプロピレンオキサイドの付加重合物など)、6つのヒドロキシ基を有するポリオール化合物(例えば、ソルビトール、ソルビトールへのエチレンオキサイドやプロピレンオキサイドの付加重合物など)等が挙げられる。
(メタ)アクリレート化合物(C)は、1種単独で用いてもよいし、2種以上混合して用いてもよい。
本開示における(メタ)アクリレート化合物(C)は、下記式(C1)で表される化合物であることが好ましい。

式(C1)中、R1C1、R3C1及びR5C1はそれぞれ独立に炭素数1~3の直鎖又は分岐鎖のアルキレン基であり、R2C1はnC1+1価の有機基であり、R4C1は水素原子又はメチル基であり、aは0~30の整数であり、bはそれぞれ独立に0~30の整数であり、cはそれぞれ独立に0又は1の整数であり、nC1は1~6の整数である。
1C1及びR3C1における炭素数1~3の直鎖又は分岐鎖のアルキレン基としては、エチレン基、プロピレン基等が挙げられる。
5C1における炭素数1~3の直鎖又は分岐鎖のアルキレン基としては、エチレン基、プロピレン基等が挙げられ、エチレン基が好ましい。
2C1におけるnC1+1価の有機基としては、炭素数が1~30の直鎖又は分岐鎖であるnC1+1価の非環状炭化水素基、主鎖中に酸素原子を含む炭素数3~30のnC1+1価の有機基が挙げられる。
C1+1価の非環状炭化水素基としては、炭素数1~30の直鎖又は分岐鎖のアルキレン基(すなわち、炭素数1~30の2価の飽和鎖状炭化水素基)、炭素数2~30の3~7価の非環状炭化水素基等が挙げられる。
C1+1価の非環状炭化水素基としては、好ましくは炭素数2~10の直鎖又は分岐鎖のアルキレン基又は炭素数3~10の3価の非環状炭化水素基である。
主鎖中に酸素原子を含む炭素数3~30のnC1+1価の有機基としては、炭素数3~10のnC1+1価の有機基が好ましい。
また、主鎖中に酸素原子を含む炭素数3~30のnC1+1価の有機基は、主鎖中に酸素原子が連続して存在する構造(例えば、「-O-O-」)を含まないことが好ましい。 主鎖中に酸素原子を含む炭素数3~30のnC1+1価の有機基は、酸素原子以外の構造は炭化水素基であることが好ましい。nC1は1~4であることが好ましく、1~2であることがより好ましい。
式(C1)中、a及びbの合計が0~60であることが好ましく、0~50であることがより好ましい。
bが複数存在する場合、a及びbの合計は、aとすべてのbとの合計を意味する。
cが0である場合、フィラーの表面処理に用いる場合、そのフィラーを用いた硬化性組成物の硬化物の硬度を向上させやすい点で好ましい。
cが1である場合、フィラーの表面処理に用いる場合、そのフィラーを用いた硬化性組成物の硬化物の靭性を向上させやすい点で好ましい。
式(C1)中、R1C1、R3C1X、R4C1、R5C1、b、及びcが複数存在する場合、複数存在するR1C1、R3C1X、R4C1、R5C1、b、及びcは同じであってもよく、異なっていてもよい。
本開示の(メタ)アクリレート(D)は、下記式(x)で表される構造及び下記式(y)で表される構造の両方を含むことが好ましい。
式(x)及び式(y)中、Xはそれぞれ独立に酸素原子又は硫黄原子であり、*は結合位置である。
式(x)及び式(y)中、Xはそれぞれ独立に酸素原子であることが好ましい。
本開示の(メタ)アクリレート(D)は、下記式(D1)で表される化合物であることが好ましい。

式(D1)中、R1D及びR5Dの組み合わせは、R1Dが前記アルコキシシリル基を含む第1級アミン化合物から第1級アミノ基を除いた残基でありR5Dが水素原子である組み合わせか、又は、
1D及びR5Dが前記アルコキシシリル基を含む第2級アミン化合物から第2級アミノ基を除いた残基である組み合わせである。
2Dは、前記イソ(チオ)シアネート化合物(B)から2つのイソ(チオ)シアナート基を除いた残基であり、
3Dは、前記(メタ)アクリレート化合物(C)から1つのヒドロキシ基とn個の(メタ)アクリロイルオキシ基とを除いた残基であり、
4Dは、水素原子又はメチル基であり、
は、それぞれ独立に酸素原子又は硫黄原子であり、
は1~6の整数であり、1~4であることが好ましく、1~2であることがより好ましい。
本開示の(メタ)アクリレート(D)は、例えば、アミン化合物(A)と、イソ(チオ)シアネート化合物(B)と、(メタ)アクリレート化合物(C)とを反応させることにより得られ、この反応は公知の方法又は公知の方法に準ずる方法により行うことができる。
反応させる際には、触媒、重合禁止剤等を用いてもよい。
アミン化合物(A)と、イソ(チオ)シアネート化合物(B)と、(メタ)アクリレート化合物(C)と、を混合して反応させてもよく、イソ(チオ)シアネート化合物(B)と(メタ)アクリレート化合物(C)とを反応させた後に、アミン化合物(A)と混合して反応させてもよい。
反応温度としては、特に制限はなく、例えば、25℃~90℃で行ってもよい。
反応時間としては、特に制限はなく、例えば、アミン化合物(A)と、イソ(チオ)シアネート化合物(B)と、(メタ)アクリレート化合物(C)とを混合して反応させる場合、30分~240分で行ってもよい。
また、イソ(チオ)シアネート化合物(B)と(メタ)アクリレート化合物(C)とを反応させた後に、アミン化合物(A)と混合して反応させる場合、イソ(チオ)シアネート化合物(B)と(メタ)アクリレート化合物(C)との反応を30~120分で行い、その後、アミン化合物と混合した後の反応を30~120分で行ってもよい。
≪シランカップリング剤≫
本開示のシランカップリング剤は、本開示の(メタ)アクリレート(D)を含む。
即ち、本開示の(メタ)アクリレート(D)をシランカップリング剤として用いて、フィラーに表面処理を行うことで、フィラー及びモノマーを含む歯科材料用組成物において、フィラーとモノマーとをなじませることができ、かつ、得られる硬化物において優れた硬度が得られる。
本開示の(メタ)アクリレート(D)は、分子量は、例えば、250~15000であってよく、250~5000であることが好ましい。
本開示の(メタ)アクリレート(D)は、ビッカース硬度に優れる観点から、分子量が350以上であることがより好ましく、450以上であることがさらに好ましい。
本開示の(メタ)アクリレート(D)は、ビッカース硬度に特に優れる観点から、分子量が1000以下であることがより好ましく、900以下であることがさらに好ましく、790以下であることが特に好ましい。
本開示の(メタ)アクリレート(D)は、破断エネルギーに優れる観点から、分子量が500以上であることがより好ましく、790以上であることがさらに好ましく、1000以上であることが特に好ましい。
本開示の(メタ)アクリレート(D)は、最大応力を維持しつつ、破断エネルギーにも優れる観点から、分子量が4500以下であることがより好ましく、4000以下であることがさらに好ましく、3500以下であることが特に好ましい、
≪表面処理フィラー≫
本開示の表面処理フィラーは、フィラーが、本開示の(メタ)アクリレート(D)によって表面処理されて形成される。
本開示の表面処理フィラーは、(メタ)アクリレート(D)の含有量が、フィラーの全質量に対して、0.1質量%~20質量%であることが好ましく、1質量%~10質量%であることがより好ましく、3質量%~7質量%であることがさらに好ましい。
(フィラー)
フィラーは、歯科分野で用いられる一般的なフィラーを使用することができる。
フィラーは、通常、有機フィラーと無機フィラーに大別される。
本開示のフィラーは無機フィラーであることが好ましい。
有機フィラーとしては、例えば、ポリメタクリル酸メチル、ポリメタクリル酸エチル、メタクリル酸メチル-メタクリル酸エチル共重合体、架橋型ポリメタクリル酸メチル、架橋型ポリメタクリル酸エチル、エチレン-酢酸ビニル共重合体およびスチレン-ブタジエン共重合体などの微粉末が挙げられる。
無機フィラーとしては、例えば、各種ガラス類(二酸化珪素を主成分とし、必要に応じ、重金属、ホウ素およびアルミニウム等の酸化物を含有する)、各種セラミック類、珪藻土、カオリン、粘土鉱物(モンモリロナイト等)、活性白土、合成ゼオライト、マイカ、フッ化カルシウム、フッ化イッテルビウム、リン酸カルシウム、硫酸バリウム、二酸化ジルコニウム、二酸化チタン、ヒドロキシアパタイト等の微粉末が挙げられる。このような無機フィラーの具体例としては、例えば、バリウムボロアルミノシリケートガラス等のバリウムボロシリケートガラス(キンブルレイソーブT3000、ショット8235、ショットGM27884およびショットGM39923、IS 50 1103 Dental Glass (FERRO社製)など)、ストロンチウムボロアルミノシリケートガラス(レイソーブT4000、ショットG018-093およびショットGM32087など)、ランタンガラス(ショットGM31684など)、フルオロアルミノシリケートガラス(ショットG018-091およびショットG018-117など)、ジルコニウムおよび/またはセシウム含有のボロアルミノシリケートガラス(ショットG018-307、G018-308およびG018-310など)が挙げられる。
これらのうち、無機フィラーとしては、バリウムボロシリケートガラス及びストロンチウムボロアルミノシリケートガラスが好ましい。
また、これら無機フィラーに重合性化合物を予め添加し、ペースト状にした後、重合硬化させ、粉砕して得られる有機無機複合フィラーを用いても差し支えない。
また、歯科材料用組成物において、粒径が0.1μm以下のミクロフィラーが配合された組成物は、歯科用コンポジットレジンに好適な態様の1つである。かかる粒径の小さなフィラーの材質としては、シリカ(例えば、商品名アエロジル)、アルミナ、ジルコニア、チタニアなどが好ましい。このような粒径の小さい無機フィラーの配合は、コンポジットレジンの硬化物の研磨滑沢性を得る上で有利である。
≪歯科材料用組成物≫
本開示の歯科材料用組成物は、本開示の表面処理フィラーと、(メタ)アクリレート化合物(E)と、重合開始剤と、を含む。
<(メタ)アクリレート化合物(E)>
本開示の歯科材料用組成物は、(メタ)アクリレート化合物(E)を含む。
上記(メタ)アクリレート化合物(E)に含有される(メタ)アクリロイル基の数は、1つでもよいし、2つ以上でもよい。
好ましい(メタ)アクリロイル基の数は2以上10以下であり、より好ましい(メタ)アクリロイル基の数は2以上6以下であり、さらに好ましい(メタ)アクリロイル基の数は2以上4以下である。
(メタ)アクリレート化合物(E)の分子量としては、特に限定されないが、80~3000が好ましく、150~2000がより好ましい。
分子量が80以上であることで、歯科材料用組成物を調製する際の操作性に優れる。
分子量が3000以下であることで、歯科材料用組成物を調製する際の操作性に優れる。
(メタ)アクリレート化合物(E)は常温で液体であることが好ましい。
さらに(メタ)アクリレート化合物(E)の65℃における粘度は、1~50000mPa・sであることが好ましく、1~20000mPa・sであることがより好ましく、1~5000mPa・sであることがさらに好ましく、1~3000mPa・sであることが特に好ましい。
粘度がこの範囲にあると、歯科材料用組成物の粘度が低くなり、組成物として使用する際に有利である。
なお、上記(メタ)アクリレート化合物(E)は、高温化の保存により一部オリゴマー化してしまったものなどの所望の(メタ)アクリレート化合物(E)以外の副成分を含む場合もある。しかしながら、上述の粘度範囲にあれば、歯科材料用組成物として使用する際に、このような副成分の存在による問題は少ない傾向にある。
上記粘度は、E型粘度計により、65℃で測定した値である。
これら(メタ)アクリレート化合物(E)は、1種単独で用いてもよいし、2種以上混合して用いてもよい。
(メタ)アクリロイル基を1つだけ有する上記(メタ)アクリレート化合物(E)としては、例えば、国際公開第2019/107322号に記載の式(E-1)で示される重合性化合物が挙げられる。
上記式(E-1)で示される(メタ)アクリロイル基を有する化合物としては、例えば、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、3-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、1,3-ジヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2,3-ジヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
(メタ)アクリロイル基を2つ以上有する上記(メタ)アクリレート化合物(E)としては、例えば、国際公開第2019/107322号に記載の式(E-2)で示される重合性化合物が挙げられる。
式(E-2)で示される(メタ)アクリロイル基を有する化合物としては、例えば、2,2-ビス((メタ)アクリロイルオキシフェニル)プロパン、2,2-ビス〔4-(3-(メタ)アクリロイルオキシ)-2-ヒドロキシプロポキシフェニル〕プロパン、2,2-ビス(4-(メタ)アクリロイルオキシエトキシフェニル)プロパン、2,2-ビス(4-(メタ)アクリロイルオキシポリエトキシフェニル)プロパン、2,2-ビス(4-(メタ)アクリロイルオキシポリプルポキシフェニル)プロパン、グリセロールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート(TEGDMA)、1,6-ヘキサンジオールジメタクリレート(HexDMA)、ネオペンチルグリコールジメタクリレート(NPG)、2,2,4-トリメチルヘキサメチレンビス(2-カルバモイルオキシエチル)ジメタクリレート(UDMA)、1,2-ビス(3-メタクリロイルオキシ-2-ヒドロキシプロピルオキシ)エタンなどが挙げられる。
さらに、上記式(E-2)で示される重合性化合物のうち、好適な重合性化合物の他の例として、国際公開第2019/107322号に記載の式(E-3)で示されるカルバモイル基を有する重合性化合物を挙げることができる。
また、好ましい上記式(E-2)で示される重合性化合物の別の例として、国際公開第2019/107322号に記載の式(E-4)の重合性化合物を挙げることができる。
また本開示の歯科材料用組成物を歯科用接着材の用途に使用する場合などには、上記(メタ)アクリレート化合物(E)として、接着の機能を発揮する重合性化合物が含有されていることが好ましい。このような接着の機能を発揮する(メタ)アクリレート化合物(E)として、例えば、メタクリロイル基およびアクリロイル基から選ばれる少なくとも1つの重合性基と酸性基を有する重合性化合物が挙げられる。酸性基として、例えば、リン酸残基、ピロリン酸残基、チオリン酸残基、カルボン酸残基およびスルホン酸残基等が挙げられる。これらのうち、リン酸残基、カルボン酸残基が好ましい。
これら酸性基を有する重合性化合物は、1種単独で、または2種類以上を組み合わせて用いることができる。
<重合開始剤>
本開示の歯科材料用組成物は、重合開始剤を含む。
重合開始剤は、歯科分野で用いられる一般的な重合開始剤を使用することができ、通常、歯科材料用組成物に含まれる重合性化合物の重合性と重合条件を考慮して選択される。
常温重合を行う場合には、たとえば、酸化剤および還元剤を組み合わせたレドックス系の重合開始剤が好適である。レドックス系の重合開始剤を使用する場合、酸化剤と還元剤が別々に包装された形態をとり、使用する直前に両者を混合する必要がある。
酸化剤及び還元剤の具体例及び好ましい具体例は、国際公開第2019/107322号に記載の酸化剤及び還元剤の具体例及び好ましい具体例と同様である。
加熱による熱重合を行う場合には、過酸化物、もしくはアゾ系化合物を使用することが好ましい。
過酸化物及びアゾ系化合物の具体例及び好ましい具体例は、国際公開第2019/107322号に記載の過酸化物及びアゾ系化合物の具体例及び好ましい具体例と同様である。
可視光線照射による光重合を行う場合には、α-ジケトン/第三級アミン、α-ジケトン/アルデヒド、α-ジケトン/メルカプタン等のレドックス系開始剤が好ましい。
α-ジケトン/第三級アミン、α-ジケトン/アルデヒド、α-ジケトン/メルカプタン等のレドックス系開始剤の具体例及び好ましい具体例は、国際公開第2019/107322号に記載のα-ジケトン/第三級アミン、α-ジケトン/アルデヒド、α-ジケトン/メルカプタン等のレドックス系開始剤の具体例及び好ましい具体例と同様である。
紫外線照射による光重合を行う場合には、ベンゾインアルキルエーテルおよびベンジルジメチルケタール等が好適である。また、(ビス)アシルフォスフィンオキサイド類の光重合開始剤も好適に用いられる。
ベンゾインアルキルエーテル、ベンジルジメチルケタール及び(ビス)アシルフォスフィンオキサイド類の具体例及び好ましい具体例は、国際公開第2019/107322号に記載のベンゾインアルキルエーテル、ベンジルジメチルケタール及び(ビス)アシルフォスフィンオキサイド類の具体例及び好ましい具体例と同様である。
上記重合開始剤は1種単独で用いてもよいし、2種以上混合して用いてもよい。
本開示の歯科材料用組成物は、表面処理フィラーの含有量が、歯科材料用組成物の全質量に対して、20質量%~90質量%であることが好ましく、40質量%~80質量%であることがより好ましい。
本開示の歯科材料用組成物は、上述の成分以外の成分を、目的に応じて適宜含んでもよい。例えば、保存安定性を向上させるための重合禁止剤を含んでもよい。また、色調を調整するために、公知の顔料、染料等の色素を含んでもよい。さらに、硬化物の硬度を向上させるために、公知のファイバー等の補強材を含んでもよい。
本開示の歯科材料用組成物の用途としては、特に限定されないが、例えば、歯科修復材料、義歯床用レジン、義歯床用裏装材、合着用材料(レジンセメント、レジン添加型グラスアイオノマーセメント等)、歯科用接着材(歯列矯正用接着材、窩洞塗布用接着材等)、歯牙裂溝封鎖材、CAD/CAM用レジンブロック、テンポラリークラウン、人工歯材料、補綴物、口腔内で使用する医療器具、模型(ジンジバマスク等)などが挙げられる。
歯科修復材料としては、歯冠用コンポジットレジン、齲蝕窩洞充填用コンポジットレジン、支台築造用コンポジットレジン、充填修復用コンポジットレジン等が挙げられる。
以下、本開示の実施例を示すが、本開示は以下の実施例によって制限されるものではない。本開示の実施例に使用した化合物の略号を以下に示す。
TMHDI:2,2,4-トリメチルヘキサメチレンジイソシアネートと2,4,4-トリメチルヘキサメチレンジイソシアネートとの混合物
TMXDI:1,3-テトラメチルキシリレンジイソシアネート
NBDI:2,5-ビス(イソシアナトメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプタンと2,6-ビス(イソシアナトメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプタンとの混合物
MOI(昭和電工株式会社製):2-メタクリロイルオキシエチルイソシアネート
DBTDL:ジブチルスズジラウレート
BHT:ジブチルヒドロキシトルエン
HEMA:ヒドロキシエチルメタクリレート
HPMA:ヒドロキシプロピルメタクリレート
2-HPMA:2-ヒドロキシプロピルメタクリレート
2-HBMA:2-ヒドロキシブチルメタクリレート
NKエステル-701(新中村化学工業 株式会社):2-ヒドロキシ-1,3-ジメタクリロキシプロパン
Dynasylan(登録商標) AMMO(エボニック ジャパン 株式会社):3-アミノプロピルトリメトキシシラン
Dynasylan(登録商標)1124(エボニック ジャパン 株式会社):ビス(3-トリメトキシシリルプロピル)アミン
アクトコール(登録商標)D-1000(三井化学株式会社製、2官能ポリオール、平均分子量1000)
アクトコール(登録商標)D-1500(三井化学株式会社製、2官能ポリオール、平均分子量1500)
アクトコール(登録商標)D-2000(三井化学株式会社製、2官能ポリオール、平均分子量2000)
アクトコール(登録商標)D-3000(三井化学株式会社製、2官能ポリオール、平均分子量3000)
アクトコール(登録商標)T-1500(三井化学株式会社製、3官能ポリオール、平均分子量1500)
アクトコール(登録商標)T-3000(三井化学株式会社製、3官能ポリオール、平均分子量3000)
アクトコール(登録商標)RF-302(三井化学株式会社製、4官能ポリオール、平均分子量550)
アクトコール(登録商標)SOR-400(三井化学株式会社製、6官能ポリオール、平均分子量840)
TCD-2000(下記式で表される2官能ポリオール、平均分子量2000)

KBM-503(信越化学工業株式会社):3-メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン
CQ:カンファーキノン
EDB:4-(ジメチルアミノ)安息香酸エチル
UDMA:2,2,4-トリメチルヘキサメチレンビス(2-カルバモイルオキシエチル)ジメタクリレート
TEGDMA:トリエチレングリコールジメタクリレート
ヒドロキシ(メタ)アクリレート化合物C-1(1つのヒドロキシ基と、1つの(メタ)アクリロイル基を有する(メタ)アクリレート化合物)
ヒドロキシ(メタ)アクリレート化合物C-2(1つのヒドロキシ基と、1つの(メタ)アクリロイル基を有する(メタ)アクリレート化合物)
ヒドロキシ(メタ)アクリレート化合物C-3(1つのヒドロキシ基と、1つの(メタ)アクリロイル基を有する(メタ)アクリレート化合物)
ヒドロキシ(メタ)アクリレート化合物C-4(1つのヒドロキシ基と、1つの(メタ)アクリロイル基を有する(メタ)アクリレート化合物)ヒドロキシ(メタ)アクリレート化合物C-5(1つのヒドロキシ基と、1つの(メタ)アクリロイル基を有する(メタ)アクリレート化合物)
ヒドロキシ(メタ)アクリレート化合物C-6(1つのヒドロキシ基と、1つの(メタ)アクリロイル基を有する(メタ)アクリレート化合物)
ヒドロキシ(メタ)アクリレート化合物C-7(1つのヒドロキシ基と、2つの(メタ)アクリロイル基を有する(メタ)アクリレート化合物)
ヒドロキシ(メタ)アクリレート化合物C-8(1つのヒドロキシ基と、2つの(メタ)アクリロイル基を有する(メタ)アクリレート化合物)
ヒドロキシ(メタ)アクリレート化合物C-9(1つのヒドロキシ基と、3つの(メタ)アクリロイル基を有する(メタ)アクリレート化合物)
ヒドロキシ(メタ)アクリレート化合物C-10(1つのヒドロキシ基と、5つの(メタ)アクリロイル基を有する(メタ)アクリレート化合物)
[ポリオールTCD-2000の合成]
攪拌装置、温度計、圧力計を装備した2Lオートクレーブに、トリシクロデカンジメタノール 9.28質量部(東京化成工業(株)製)と水酸化カリウム 0.19質量部を装入し、100℃で6時間減圧脱水した後、プロピレンオキシド 85.40質量部を反応温度120℃、最大反応圧力0.4MPaGで連続的に導入し付加重合させた。
続いて80℃にて水 4.95質量部と水酸化カリウムに対して1当量のリン酸を加え、30分間撹拌し、さらに、吸着剤(富田製薬(株)製、商品名:AD-600) 0.19質量部、Irganox1076(BASFジャパン(株)社製)300ppmを加え、100℃、1330Paの条件で3時間脱水乾燥を行った。その後、ろ過により固形物を除去し、TCD-2000を得た。このTCD-2000の水酸基価は57mgKOH/gであった。
[ヒドロキシ(メタ)アクリレート化合物C-1の合成]
攪拌羽根、冷却管および温度計を備えた1Lセパラブルフラスコ内に1,10-デカンジオール 50.17質量部、メタクリル酸 8.26質量部、二塩化エチレン 41.12質量部、BHT 0.044質量部、p-トルエンスルホン酸一水和物 0.41質量部を装入し、溶解させて均一溶液とした後、この溶液を80℃まで昇温し、32時間反応を行った。
反応終了後、反応溶液を濾過し、得られた濾液に水を加えて分液を行い有機層を回収した。その後、得られた有機層に水及び30%水酸化ナトリウム水溶液の混合溶液を加え分液を行った後、さらに水を用いて計4回分液操作を行い有機層を回収した。
最後に、エバポレータにて溶媒を留去し、ヒドロキシ(メタ)アクリレート化合物C-1を得た。
[ヒドロキシ(メタ)アクリレート化合物C-2の合成]
攪拌羽根、冷却管および温度計を備えた100mLセパラブルフラスコ内にアクトコール D-1000 42.91質量部、DBTDL 0.050質量部、BHT 0.025質量部を装入し、溶解させて均一溶液とした後、この溶液を60℃まで昇温し、そこにMOI 7.09質量部 を15分かけて滴下した。なお、MOIの仕込み量はポリオールの水酸基が一つ残存するよう当量計算している。滴下中に反応熱により内温が上昇したので、80℃以下となるように滴下量をコントロールした。
MOIを全量滴下した後、反応温度を60℃に保って2時間反応を行い、(メタ)アクリレート化合物C-2を得た。
反応終了後、FT-IR分析を行い、2280~2250cm-1のイソシアネート吸収強度の減少および新たに1720cm-1にウレタン基由来の吸収を確認した。
[ヒドロキシ(メタ)アクリレート化合物C-3~C-10の合成]
ポリオール化合物の種類及び添加量、並びにMOIの添加量を、表1に記載の通りに変更したこと以外は、ヒドロキシ(メタ)アクリレート化合物C-2の合成と同様の方法で、ヒドロキシ(メタ)アクリレート化合物C-3~(メタ)アクリレート化合物C-10を得た。
ヒドロキシ(メタ)アクリレート化合物C-2~C-10は、ポリオールとMOIを原料とするものであり、その仕込み量を表1に示す。

[合成例1]
攪拌羽根、冷却管および温度計を備えた100mLセパラブルフラスコ内に、DBTDL 0.097質量部、BHT 0.025質量部、TMHDI[イソ(チオ)シアネート化合物] 18.22質量部を装入し、溶解させて均一溶液とした後、この溶液を70℃まで昇温し、さらにHEMA[(メタ)アクリレート化合物] 13.40質量部を20分かけて滴下した。滴下中に反応熱により内温が上昇したので、80℃以下となるように滴下量をコントロールした。
HEMAを全量滴下した後、反応温度を70℃に保って1時間反応を行い、前駆体化合物を得た。
反応終了後、FT-IR分析を行い、2280~2250cm-1のイソシアネート吸収強度の減少および新たに1720cm-1にウレタン基由来の吸収を確認した。
次に、上記前駆体化合物にDynasylan AMMO[アミン化合物] 18.39質量部を20分かけて滴下した。なお、内温上昇が80℃以下となるように滴下量をコントロールした。
Dynasylan AMMOを全量滴下した後、反応温度を70℃に保って2時間反応を行い、合成例1の(メタ)アクリレートである合成化合物1を得た。
反応終了後、FT-IR分析を行い、2280~2250cm-1のイソシアネート吸収の消失を確認した。
[合成例2~合成例9]
イソ(チオ)シアネート化合物の種類及び添加量、(メタ)アクリレート化合物の種類及び添加量、並びにアミン化合物の種類及び添加量を、表2に記載の通りに変更したこと以外は、合成例1と同様の方法で、合成例2~合成例9の(メタ)アクリレートである合成化合物2~合成化合物9を得た。
[合成例10]
攪拌羽根、冷却管および温度計を備えた100mLセパラブルフラスコ内に、トルエン49.63質量部、DBTDL 0.099質量部、BHT 0.025質量部、TMXDI 16.20質量部を装入し、溶解させて均一溶液とした後、この溶液を70℃まで昇温し、さらにHEMA 11.17質量部を20分かけて滴下した。滴下中に反応熱により内温が上昇したので、80℃以下となるように滴下量をコントロールした。
HEMAを全量滴下した後、反応温度を70℃に保って、1時間反応を行い、前駆体化合物を得た。
反応終了後、FT-IR分析を行い、2280~2250cm-1のイソシアネート吸収強度の減少および新たに1720cm-1にウレタン基由来の吸収を確認した。
次に、上記前駆体化合物にDynasylan 1124[アミン化合物] 22.63質量部を20分かけて滴下した。なお、内温上昇が80℃以下となるように滴下量をコントロールした。
Dynasylan 1124を全量滴下した後、反応温度を70℃に保って、2時間反応を行った。
反応終了後、FT-IR分析を行い、2280~2250cm-1のイソシアネート吸収の消失を確認した。
最後に、エバポレータにてトルエンを留去し、合成例10の(メタ)アクリレートである合成化合物10を得た。
[合成例11~13]
イソ(チオ)シアネート化合物の種類及び添加量、(メタ)アクリレート化合物の種類及び添加量、並びにアミン化合物の種類及び添加量を、表2に記載の通りに変更したこと以外は、合成例10と同様の方法で、合成例11~合成例13の(メタ)アクリレートである合成化合物11~合成化合物13を得た。
[合成例14]
攪拌羽根、冷却管および温度計を備えた100mLセパラブルフラスコ内に、DBTDL 0.096質量部、BHT 0.025質量部、TMHDI[イソ(チオ)シアネート化合物] 11.97質量部を装入し、溶解させて均一溶液とした後、この溶液を70℃まで昇温し、さらに(メタ)アクリレート化合物C-1の16.64質量部を20分かけて滴下した。滴下中に反応熱により内温が上昇したので、80℃以下となるように滴下量をコントロールした。
(メタ)アクリレート化合物C-1を全量滴下した後、反応温度を70℃に保って1時間反応を行い、前駆体化合物を得た。
反応終了後、FT-IR分析を行い、2280~2250cm-1のイソシアネート吸収強度の減少および新たに1720cm-1にウレタン基由来の吸収を確認した。
次に、上記前駆体化合物にDynasylan 1124[アミン化合物]21.40質量部を20分かけて滴下した。なお、内温上昇が80℃以下となるように滴下量をコントロールした。
Dynasylan 1124を全量滴下した後、反応温度を70℃に保って2時間反応を行い、合成例14の(メタ)アクリレートである合成化合物14を得た。
反応終了後、FT-IR分析を行い2280~2250cm-1のイソシアネート吸収の消失を確認した。
[合成例15~22]
イソ(チオ)シアネート化合物の添加量、(メタ)アクリレート化合物の種類及び添加量、並びにアミン化合物の添加量を、表3に記載の通りに変更したこと以外は、合成例14と同様の方法で、合成例15~合成例22の(メタ)アクリレートである合成化合物15~合成化合物22を得た。
[合成例23]
攪拌羽根、冷却管および温度計を備えた100mLセパラブルフラスコ内に、トルエン 61.65質量部、DBTDL 0.11質量部、BHT 0.026質量部、TMHDI 4.35質量部を装入し、溶解させて均一溶液とした後、この溶液を70℃まで昇温し、さらに(メタ)アクリレート化合物C-10 37.98質量部を20分かけて滴下した。滴下中に反応熱により内温が上昇したので、80℃以下となるように滴下量をコントロールした。
(メタ)アクリレート化合物C-10を全量滴下した後、反応温度を70℃に保って、1時間反応を行い、前駆体化合物を得た。
反応終了後、FT-IR分析を行い、2280~2250cm-1のイソシアネート吸収強度の減少を確認した。
次に、上記前駆体化合物にDynasylan 1124[アミン化合物] 7.67質量部を20分かけて滴下した。なお、内温上昇が80℃以下となるように滴下量をコントロールした。
Dynasylan 1124を全量滴下した後、反応温度を70℃に保って、2時間反応を行った。
反応終了後、FT-IR分析を行い、2280~2250cm-1のイソシアネート吸収の消失を確認した。
最後に、エバポレータにてトルエンを留去し、合成例23の(メタ)アクリレートである合成化合物23を得た。


[実施例1~実施例23]
上記で得られた、合成化合物1~合成化合物23からなるシランカップリング剤を用いて、フィラーの表面処理を行った。
具体的には、攪拌羽根及び冷却管を備えた100mLセパラブルフラスコ内に、エタノール 18質量部、pHを2に調整した塩酸水溶液 0.3質量部を装入し均一溶液とした。次に、この溶液を50℃まで昇温し、さらに合成例1~合成例13の(メタ)アクリレート 2.13質量部を5分かけて滴下した。上記(メタ)アクリレートを全量滴下した後、反応温度を50℃に保って2時間撹拌し、シランの加水分解反応を行った。
その後、周波数42kHzの超音波をあてながらフィラー(IS 50 1103 Dental Glass (FERRO社製)) 30質量部を装入し、反応温度を50℃に保って1時間撹拌した。反応終了後、エバポレータにてエタノールを留去し、得られた粉末をバキュームドライオーブンで37℃にて減圧乾燥することで、合成化合物1~合成化合物23により表面処理されたフィラーを得た。
[比較例1]
表面処理していないフィラー(IS 50 1103 Dental Glass (FERRO社製)を比較例1のフィラーとした。
[比較例2]
合成化合物1~合成化合物23をKBM-503(信越化学工業株式会社製:3-メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン)に変更したこと以外は、上記の実施例1~実施例23と同様の方法で、表面処理されたフィラーを得た。
~評価~
[曲げ試験の方法]
各実施例及び比較例において得られた表面処理されたフィラーについて、以下の方法により曲げ試験を実施した。
(曲げ試験用試験片の作成)
各実施例及び比較例において得られた表面処理されたフィラー 6.0質量部に対して、UDMA 3.2質量部、TEGDMA 0.8質量部、CQ 0.05質量部、及びEDB 0.05質量部を配合し、50℃にて均一になるまで撹拌した後脱泡を行うことで曲げ物性評価試験用組成物を調製した。
得られた曲げ物性評価試験用組成物を2×2×25mmのステンレス製金型に充填し、両面をルミラーフィルム(厚さ50μm)で被覆した後、光照射装置(モリタ製作所社製 アルファライトV)を用いて、片面3分間ずつ、両面合わせて6分間光照射した。さらにステンレス製金型より取り出した硬化物を37℃の脱イオン水中で24時間保存した後、得られた試験片を試験サンプル(曲げ試験用サンプルともいう。)として使用した。
(曲げ試験)
上記の方法で得られた曲げ試験用サンプルを、汎用試験機(精密万能材料試験機210X、株式会社INTESCO製)を用いて支点間距離20mm、クロスヘッド速度1mm/分で3点曲げ試験を実施した。
[ビッカース硬度測定の方法]
各実施例及び比較例において得られた表面処理されたフィラーについて、以下の方法によりビッカース硬度を測定した。
(ビッカース硬度測定用試験片の作製)
各実施例及び比較例において得られた表面処理されたフィラー 6.0質量部に対して、UDMA 3.2質量部、TEGDMA 0.8質量部、CQ 0.05質量部、及びEDB 0.05質量部を配合し、50℃にて均一になるまで撹拌した後脱泡を行うことでビッカース硬度測定用組成物を調製した。
得られたビッカース硬度測定用組成物を縦30mm、横20mm、深さ2mmのシリコン型に充填し、両面をルミラーフィルム(厚さ50μm)で被覆してカバーガラスで上下から挟んだ。その後、光照射装置(モリタ製作所社製 アルファライトV)を用いて、片面3分間ずつ、両面合わせて6分間光照射した。型から取り出した試験片を試験サンプル(ビッカース測定用サンプルともいう。)として使用した。
(ビッカース硬度測定)
上記の方法で得られたビッカース測定用サンプルのビッカース硬度を、株式会社島津製作所製のHMV-G-21DTを用いて測定した。測定は、JIS Z2244ビッカース硬さ試験を参考に行った。
[IRスペクトルの測定方法]
各合成例で得られた(メタ)アクリレートのIRスペクトルを、株式会社パーキンエルマージャパン製、フーリエ変換赤外分光分析装置、Spectrum Two/UATR (Universal Attenuated Total Reflectance)を用いて測定した。
各合成例で得られた(メタ)アクリレートについて20℃にて赤外線吸収スペクトルの測定を行った。
(メタ)アクリレートである合成化合物1~合成化合物23のIRスペクトルを表すグラフを、それぞれ図1~図23に示す。
各実施例及び比較例のフィラーを用いた曲げ試験による最大応力の結果を表4~表7に示す。




表4~表7に示すように、1つ以上の下記式(x)で表される構造と、1つ以上の下記式(y)で表される構造と、1つ以上のアルコキシシリル基と、1つ以上の(メタ)アクリロイル基と、を含む(メタ)アクリレート(D)を用いてフィラーの表面処理を行った実施例は、最大応力の値に優れていた。
各実施例及び比較例のフィラー用いた曲げ試験による破断エネルギーの結果を表8~表9に示す。


表8~表9に示すように、分子量が790~4000である(メタ)アクリレート化合物(D)を用いた実施例14~実施例23は、破断エネルギーに優れていた。
各実施例及び比較例のフィラーを用いたビッカース硬度測定試験によるビッカース硬度の結果を表10~表12に示す。



表10~表12に示すように、分子量が450~790である(メタ)アクリレート(D)を用いた実施例1~実施例13は、ビッカース硬度の値に優れており、優れた硬度が得られることが分かった。

Claims (11)

  1. 1つ以上の下記式(x)で表される構造と、1つ以上の下記式(y)で表される構造と、1つ以上のアルコキシシリル基と、1つ以上の(メタ)アクリロイル基と、を含む(メタ)アクリレート(D)。


    式(x)及び式(y)中、Xはそれぞれ独立に酸素原子又は硫黄原子であり、*は結合位置である。
  2. アルコキシシリル基を含む第1級アミン化合物及びアルコキシシリル基を含む第2級アミン化合物の少なくとも一方を含むアミン化合物(A)と、
    イソ(チオ)シアナート基を2つ以上含むイソ(チオ)シアネート化合物(B)と、
    ヒドロキシ基と(メタ)アクリロイルオキシ基とを含む(メタ)アクリレート化合物(C)と、
    の反応生成物である、請求項1に記載の(メタ)アクリレート(D)。
  3. 下記式(D1)で表される請求項2に記載の(メタ)アクリレート(D)。

    式(D1)中、R1D及びR5Dの組み合わせは、R1Dが前記アルコキシシリル基を含む第1級アミン化合物から第1級アミノ基を除いた残基でありR5Dが水素原子である組み合わせか、又は、
    1D及びR5Dが前記アルコキシシリル基を含む第2級アミン化合物から第2級アミノ基を除いた残基である組み合わせである。
    2Dは、前記イソ(チオ)シアネート化合物(B)から2つのイソ(チオ)シアナート基を除いた残基であり、
    3Dは、前記(メタ)アクリレート化合物(C)から1つのヒドロキシ基とn個の(メタ)アクリロイルオキシ基とを除いた残基であり、
    4Dは、水素原子又はメチル基であり、
    は、それぞれ独立に酸素原子又は硫黄原子であり、
    は1~6の整数である。
  4. 前記アミン化合物(A)が、下記式(A1-1)で表されるアミン化合物又は下記一般(A2-1)で表されるアミン化合物を含む請求項2に記載の(メタ)アクリレート(D)。


    式(A1-1)中、Aは炭素数1~12の直鎖もしくは分岐鎖のアルキレン基であるか、又は炭素数1~12の直鎖もしくは分岐鎖のアルキレン基のうち-CH-の代わりに-NH-を1つ以上含む2価の連結基であり、
    Bは水素原子、炭素数1~6のアルキル基又はフェニル基であり、
    は炭素数1~6の直鎖又は分岐鎖のアルキル基であり、
    は炭素数1~6のアルキル基又はフェニル基であり、nは1~3の整数である。
    式(A2-1)中、Dは炭素数1~12の直鎖もしくは分岐鎖のアルキレン基であるか、又は炭素数1~12の直鎖もしくは分岐鎖のアルキレン基のうち-CH-の代わりに-NH-を1つ以上含む2価の連結基であり、
    Eは炭素数1~12の直鎖もしくは分岐鎖のアルキレン基であるか、又は炭素数1~12の直鎖もしくは分岐鎖のアルキレン基のうち-CH-の代わりに-NH-を1つ以上含む2価の連結基であり、
    はそれぞれ独立に炭素数1~6の直鎖又は分岐鎖のアルキル基であり、
    はそれぞれ独立に炭素数1~6のアルキル基又はフェニル基であり、mは1~3の整数である。
  5. 前記イソ(チオ)シアネート化合物(B)が、m-キシリレンジイソシアネート、1,3-テトラメチルキシリレンジイソシアネート、2,2,4-トリメチルヘキサメチレンジイソシアネートと2,4,4-トリメチルヘキサメチレンジイソシアネートとの混合物、2,5-ビス(イソシアナトメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプタンと2,6-ビス(イソシアナトメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプタンとの混合物、及び、イソホロンジイソシアネートからなる群から選択される少なくとも1つを含む請求項2に記載の(メタ)アクリレート(D)。
  6. (メタ)アクリレート化合物(C)が、下記式(C1)で表される化合物である請求項2に記載の(メタ)アクリレート(D)。

    式(C1)中、R1C1、R3C1及びR5C1はそれぞれ独立に炭素数1~3の直鎖又は分岐鎖のアルキレン基であり、R2C1はnC1+1価の有機基であり、R4C1は水素原子又はメチル基であり、aは0~30の整数であり、bはそれぞれ独立に0~30の整数であり、cはそれぞれ独立に0又は1の整数であり、nC1は1~6の整数である。
  7. 分子量が250~5000である請求項1に記載の(メタ)アクリレート(D)。
  8. フィラーが、請求項1に記載の(メタ)アクリレート(D)によって表面処理されて形成される表面処理フィラー。
  9. 請求項8に記載の表面処理フィラーと、(メタ)アクリレート化合物(E)と、重合開始剤と、を含む歯科材料用組成物。
  10. 前記表面処理フィラーの含有量が、歯科材料用組成物の全質量に対して、20質量%~90質量%である請求項9に記載の歯科材料用組成物。
  11. 請求項1に記載の(メタ)アクリレート(D)を含むシランカップリング剤。
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