JP2024052224A - 粘着シート及び積層体 - Google Patents

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Abstract

【課題】発光効率を高めつつ、金属配線などの反射防止機能、コントラストが向上したマイクロLED表示装置等の積層体を製造することに適した粘着シートを提供する。【解決手段】第1粘着剤層と、第2粘着剤層と、基材とが、この順で積層された積層構造を有し、第1粘着剤層の可視光透過率T1、及び第2粘着剤層の可視光透過率T2は、T1<T2を満たし、第2粘着剤層の厚さが100μm未満であり、第1粘着剤層の90℃における貯蔵弾性率G1’、及び第2粘着剤層の90℃における貯蔵弾性率G2’は、G1’<G2’を満たす、粘着シート。【選択図】図1

Description

本発明は、粘着シート及び積層体に関する。
近年、次世代型の表示装置として、ミニ/マイクロLED表示装置(Mini/MicroLightEmittingDiodeDisplay)に代表される自発光型表示装置が考案されている。ミニ/マイクロLED表示装置は、基本構成として、多数の微小なLED発光素子(LEDチップ)が高密度に配列された基板が表示パネルとして使用され、該LEDチップは封止材で封止され、最表層に樹脂フィルムやガラス板などのカバー部材が積層されるものである。
ミニ/マイクロLED表示装置等の自発光型表示装置には、白色バックライト方式、白色発光カラーフィルター方式、RGB方式などいくつかの方式があるが、白色発光カラーフィルター方式、RGB方式では、表示パネルの基板上に配置された金属配線やITOなどの金属酸化物などの反射防止のために、黒色の封止材が用いられることがある(例えば、特許文献1~4参照)。中でも、LEDチップが配列されたRGB方式のミニ/マイクロLED表示装置では、上記黒色封止材はRGBの混色防止やコントラスト向上にも貢献し得る。
特開2019-204905号公報 特開2017-203810号公報 特表2018-523854号公報 特開2021-161263号公報
特許文献1~3に記載されている黒色封止材を使用した場合、LEDチップ等の発光素子の上部(画像表示側)が可視光に対する透過率が低下した黒色封止材で覆われるため、発光効率が低下して画像が暗くなるという問題がある。これに対処するために、LEDチップの出力を上げて発光輝度を高めた場合、消費電力が上昇するという問題もあった。
また、発光効率を上げるため、黒色封止材の可視光に対する透過率を上げた場合、上述の金属配線などの反射防止機能、RGBの混色防止やコントラストが低下するというトレードオフの関係にあり、これらを両立させることは解決困難な課題であった。
特許文献4には、上記課題を解決し得る封止材として、可視光透過率の異なる粘着剤層を積層させた光学積層体が開示されているが、自発光型表示装置、特にLEDチップのサイズによってはマイクロLED表示装置における発光効率が低下する場合があり、検討の余地が残されていた。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであり、光取り出し機能が高く、反射防止機能に優れた、粘着シート及び該粘着シートを用いた積層体を提供することである。
本発明者らは上記課題を解決するために鋭意検討を行った。その結果、第1粘着剤層と、第2粘着剤層と、基材とが、この順で積層された積層構造を有する粘着シートにおいて、第1粘着剤層と第2粘着剤層の可視光透過率、貯蔵弾性率、及び第2粘着剤層の厚みを所定の範囲とすることにより、光取り出し機能が高く、反射防止機能に優れた、粘着シート及び積層体が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下のとおりである。
〔1〕
第1粘着剤層と、第2粘着剤層と、基材とが、この順で積層された積層構造を有し、
前記第1粘着剤層の可視光透過率T、及び前記第2粘着剤層の可視光透過率Tは、T<Tを満たし、
前記第2粘着剤層の厚さが100μm未満であり、
前記第1粘着剤層の90℃における貯蔵弾性率G’、及び前記第2粘着剤層の90℃における貯蔵弾性率G’は、G’<G’を満たす、粘着シート。
〔2〕
前記G’及びG’が、G’/G’<0.3を満たす、〔1〕に記載の粘着シート。
〔3〕
前記第1粘着剤層及び前記第2粘着剤層の少なくとも一方が、光硬化型粘着剤組成物及び溶媒型粘着剤組成物から選ばれる粘着剤組成物から形成される粘着剤層である、〔1〕に記載の粘着シート。
〔4〕
前記第1粘着剤層が着色剤を含有する、〔1〕に記載の粘着シート。
〔5〕
前記着色剤がカーボンブラックを含有する、〔4〕に記載の粘着シート。
〔6〕
前記第1粘着剤層の厚さが5~10μmである、〔1〕に記載の粘着シート。
〔7〕
前記第2粘着剤層の厚さが10~99μmである、〔1〕に記載の粘着シート。
〔8〕
チップ部品を備えた基板と〔1〕~〔7〕のいずれか1項に記載の粘着シートとが積層された積層体。
〔9〕
基板上に発光素子を備えた表示パネルと、第1粘着剤層と、第2粘着剤層と、基材とを、この順に積層した積層体であって、
前記第1粘着剤層の可視光透過率T、及び前記第2粘着剤層の可視光透過率Tは、T<Tを満たし、
前記基板における前記発光素子を有しない部分の前記第1粘着剤層の厚みが、前記発光素子を有する部分の前記第1粘着剤層の厚みの2.5倍以上である、積層体。
〔10〕
前記表示パネルが、基板上にマイクロLEDチップを備えたLEDパネルである、〔9〕に記載の積層体。
光取り出し機能が高く、反射防止機能に優れた、粘着シート及び該粘着シートを用いた積層体を提供することができる。
図1は、本発明の実施形態に係る粘着シートの模式図(断面図)の一例である。 本発明の実施形態に係る積層体(マイクロLED表示装置)の模式図(断面図)の一例である。
以下、本発明の実施形態を図を用いて説明するが、本発明はこれに限定されるものではなく、例示に過ぎない。
[粘着シート]
本発明の実施形態に係る粘着シートは、第1粘着剤層と、第2粘着剤層と、基材とが、この順で積層された積層構造を有し、
前記第1粘着剤層の可視光透過率T、及び前記第2粘着剤層の可視光透過率Tは、T<Tを満たし、
前記第2粘着剤層の厚さが100μm未満であり、
前記第1粘着剤層の90℃における貯蔵弾性率G’、及び前記第2粘着剤層の90℃における貯蔵弾性率G’は、G’<G’を満たす。
本発明の実施形態に係る粘着シートは後述の積層体に用いることができる。
図1は、本発明の実施形態に係る粘着シートの模式図(断面図)の一例である。図1に示すように、本発明の実施形態に係る粘着シート10は、第1粘着剤層1と、第2粘着剤層2と、基材3とが、この順で積層された積層構造を有する。
粘着シートの説明のため、本発明の実施形態に係る積層体の構成についても説明する。
本発明の実施形態に係る積層体は、チップ部品を備えた基板と本発明の実施形態に係る粘着シートとが積層された積層体である。本発明の実施形態に係る積層体は、本発明の実施形態に係る粘着シートを用いて好適に製造し得るものである。
例えば、自発光体等の微細なチップ部品を備えた基板を封止する場合、チップ部品を備えた基板と、本発明の実施形態に係る粘着シートとを、粘着シートの第1粘着剤層側の面がチップ部品に対向するように配置して圧着することで、基板の封止をすることができる。
以下、本発明の実施形態に係る粘着シートの被着体として基板上にLEDチップを備えた表示パネルを用いる場合を例に挙げて説明する場合があるが、本発明はこれに限定されるものではない。
図2は、本発明の実施形態に係る積層体(マイクロLED表示装置)の模式図(断面図)の一例である。後述の本発明の実施形態に係る積層体(マイクロLED表示装置)20は、図2においては、基板5の片面に複数のLED7が配列した表示パネルと、第1粘着剤層1と、第2粘着剤層2と、基材3とが、この順で積層されている。
本発明の実施形態において、表示パネルの基板5上には、各LEDチップ7に発光制御信号を送るための金属配線層6が積層されていてもよい。赤色(R)、緑色(G)、青色(B)の各色の光を発する各LEDチップ7は、図2においては、表示パネルの基板5上に金属配線層6を介して交互に配列されている。従来の技術においては、金属配線層6は、銅などの金属によって形成されており、各LEDチップ7の発光を反射して、画像の視認性を低下させる場合があった。また、RGBの各色の各LEDチップ7が発する光が混色し、コントラストが低下する場合があった。
本発明の実施形態において、表示パネル上に配列された各LEDチップ7は、第1粘着剤層1及び第2粘着剤層2により隙間なく封止されている。すなわち、本発明の実施形態に係る粘着シートは、第1粘着剤層1及び第2粘着剤層2の積層構造により、各LEDチップ7の封止材となり得る。
〔粘着剤層の可視光透過率〕
本発明の実施形態に係る粘着シート10において、第1粘着剤層1の可視光透過率T、及び第2粘着剤層2の可視光透過率Tは、T<Tを満たす。すなわち、第1粘着剤層1の可視光透過率は、第2粘着剤層2の可視光透過率よりも低い。
第1粘着剤層1の可視光透過率Tは、特に限定されないが、例えば80%以下であり、70%以下、60%以下、50%以下、40%以下、30%以下、20%以下または10%以下であってもよい。第1粘着剤層の可視光透過率Tが、80%以下であることにより、第2粘着剤層の可視光透過率Tよりも透過性を低くしやすくなり、前述のように、積層体の金属配線及び発光素子の間を封止することにより、金属配線などの反射防止、発光素子同士の混色を防止し、コントラストを向上させることができる。
第1粘着剤層1の可視光透過率Tを上記の範囲とすることにより、本発明の実施形態に係る粘着シートを後述するブラックマトリックスシートとして用いることもできる。
第2粘着剤層の可視光透過率Tは、特に限定されないが、例えば85~100%であり、88%以上、90%以上、または92%以上であってもよい。第2粘着剤層の透過性が高いことにより、例えば、粘着シートを発光素子等の封止に用いた場合に、発光効率が向上する。
各粘着剤層の可視光透過率は、後述の方法により測定することができる。
〔粘着剤層の厚み〕
本発明の実施形態において、第1粘着剤層1の厚みは、発光素子を十分に封止しつつ、発光素子の上部(画像表示側)に第1の粘着剤層を残りにくくする観点から、例えば、該発光素子の高さの0.1~2.0倍、好ましくは0.2~1.5倍、より好ましくは0.3~1.2倍になるように調整される。
具体的には、第1粘着剤層の厚みは、例えば、0.5~30μm程度であり、2~20μmであることが好ましく、5~10μmであることがより好ましい。具体的には、第1粘着剤層の厚みは、0.5μm以上、2μm以上または5μm以上であってもよい。第1粘着剤層の厚みは、30μm以下、20μm以下または10μm以下であってもよい。
本発明の実施形態において、第2粘着剤層2の厚みは100μm未満である。第2粘着剤層の厚みを100μm未満とすることにより、本発明の実施形態に係る粘着シートを用いて表示パネル上に配列された発光素子(マイクロLED発光素子)を封止する際に、基材の硬さの影響を受けやすくなり、また、第2粘着剤層の応力緩和性が低下するため、発光素子の上部(画像表示側)に可視光透過率のより低い第1の粘着剤層が残りにくくなる。そのため、発光素子の発光効率を向上させることができる。
具体的には、第2粘着剤層の厚みは、例えば、5~99μm程度であり、10~99μmであることが好ましく、10~95μmであることがより好ましく、20~85μmであることがさらに好ましく、25~75μmであることが特に好ましい。第2粘着剤層の厚みは、5μm以上、10μm以上、20μm以上または25μm以上であってもよい。また、第2粘着剤層の厚みは、99μm以下、95μm以下、85μm以下、75μm以下または50μm以下であってもよい。
第1粘着剤層1と第2粘着剤層2の合計厚みは特に限定されず、後述の表示パネル上に配列された発光素子を十分に封止できるように、該発光素子の高さ以上になるように適宜設定すればよい。例えば、粘着剤層の厚みは、該発光素子の高さの1.0倍~13.0倍、好ましくは1.3~11.0倍、より好ましくは1.6~10.0倍、さらに好ましくは2.0~9.0倍になるように調整される。
具体的には、第1粘着剤層1と第2粘着剤層2の合計厚みは、例えば、5.0~200μm程度であり、5.0μm以上、10.0μm以上、15.0μm以上または20.0μm以上であってもよい。また、第1粘着剤層1と第2粘着剤層2の合計厚みは、例えば、200μm以下、160μm以下、120μm以下、または90μm以下であってもよい。
前記第1粘着剤層の厚みに対する前記第2粘着剤層の厚みの割合(第2粘着剤層の厚み/第1粘着剤層の厚み)は、特に限定されないが、例えば、(第2粘着剤層の厚み/第1粘着剤層の厚み)は、例えば、0.1~200.0程度であり、好ましくは1.0~100.0、より好ましくは2.0~50.0、より好ましくは2.5~15.0であってもよい。
〔粘着剤層の貯蔵弾性率〕
本発明の実施形態に係る粘着シート10において、第1粘着剤層1の90℃における貯蔵弾性率G’、及び第2粘着剤層2の90℃における貯蔵弾性率G’は、G’<G’を満たす。すなわち、第1粘着剤層1の貯蔵弾性率は、第2粘着剤層2の貯蔵弾性率よりも低い。
’をG’よりも低くすることにより、本発明の実施形態に係る粘着シートを用いて、例えば、後述の表示パネル上に配列された発光素子(マイクロLED発光素子)を封止する際に、より貯蔵弾性率の高い第2粘着剤層2によって、より貯蔵弾性率の低い第1粘着剤層1が押しつぶされやすくなり、発光素子の上部(画像表示側)に可視光透過率のより低い第1の粘着剤層が残りにくくなるため、発光素子の発光効率を向上させることができる。
具体的には、第1粘着剤層1の90℃における貯蔵弾性率G’は、例えば1.0~35kPa程度であり、1.0kPa以上、2.0kPa以上、3.0kPa以上または4.0kPa以上であってもよく、35.0kPa以下、30.0kPa以下、25.0kPa以下または20.0kPa以下であってもよい。
第2粘着剤層1の90℃における貯蔵弾性率G’は、例えば30.0~800.0kPa程度であり、30.0kPa以上、40.0kPa以上、50.0kPa以上または60.0kPa以上であってもよく、800.0kPa以下、600.0kPa以下、400.0kPa以下または300.0kPa以下であってもよい。
’及びG’は、G’/G’<0.3を満たすことが発光効率向上の観点から好ましい。G’/G’は、0.2以下が好ましく、0.15以下がより好ましく、0.1以下が特に好ましく、0.05以下が最も好ましい。G’/G’の下限としては特に限定されないが、封止性の観点から、0.001以上が好ましい。
’及びG’は、例えば後述の粘着剤層に含まれるポリマーを構成するモノマーの種類や架橋成分の配合量を適宜調整することにより所望の範囲とすることができる。
貯蔵弾性率は、測定対象部分を構成する樹脂材料(第1粘着剤層又は第2粘着剤層)を1mmに積層した積層品を測定サンプルとして、以下の方法で測定される貯蔵弾性率をいう。具体的には、上記積層品を直径8mmにカットし試験片を作製する。直径8mmの治具を用いて、TAインスツルメンツ社製粘弾性装置ARES-G2にて―50~150℃の温度分散を実施する。その際、昇温速度は5℃/min、周波数は1Hz、ひずみ0.1%とし、このときの90℃での弾性率を貯蔵弾性率とする。
第1粘着剤層及び第2粘着剤層の温度90℃における貯蔵弾性率G’90℃は、例えば1~35kPa程度であり、1kPa以上、2kPa以上、3kPa以上または4kPa以上であってもよく、35kPa以下、30kPa以下、25kPa以下または20kPa以下であってもよい。粘着剤層の90℃貯蔵弾性率が上記範囲であれば、適度の柔軟性と接着性とを両立できる。
以下、粘着シートの各構成について、詳細に説明する。
〔基材〕
本発明の実施形態において、基材3は、特に制限されないが、例えば、ガラスや透明プラスチックフィルム基材等が挙げられる。前記透明プラスチックフィルム基材は、特に制限されないが、可視光の光線透過率に優れ、透明性に優れるもの(好ましくはヘイズ値5%以下のもの)が好ましく、例えば、特開2008-90263号公報に記載の透明プラスチックフィルム基材があげられる。前記透明プラスチックフィルム基材としては、光学的に複屈折の少ないものが好適に用いられる。本発明の実施形態において基材3は、例えば、積層体のカバー部材として使用することもでき、この場合には、前記透明プラスチックフィルム基材としては、トリアセチルセルロース(TAC)、ポリカーボネート、アクリル系ポリマー、環状ないしノルボルネン構造を有するポリオレフィン等から形成されたフィルムが好ましい。また、本発明の実施形態において基材3は、前記カバー部材自体であってもよい。このような構成であると、積層体の製造においてカバー部材を別途に積層する工程を削減できるので、工程数や必要部材を減少させ、生産効率の向上が図れる。また、このような構成であれば、前記カバー部材を、より薄層化することができる。なお、基材3がカバー部材である場合には、面3aが、積層体の最表面となる。
上記基材の上記粘着剤層を備える側の表面は、粘着剤との密着性、保持性等を高める目的で、例えば、コロナ放電処理、プラズマ処理、サンドマット加工処理、オゾン暴露処理、火炎暴露処理、高圧電撃暴露処理、イオン化放射線処理等の物理的処理;クロム酸処理等の化学的処理;コーティング剤(下塗り剤)による易接着処理等の表面処理が施されていてもよい。密着性、保持性を高めるための表面処理は、基材における粘着剤層側の表面全体に施されていることが好ましい。
本実施態様の粘着シートにおいて、第1粘着剤層1の可視光透過率T、及び基材3の可視光透過率Tは、T<Tを充たすことが好ましい。この構成は、第1粘着剤層1よりも高い可視光透過率を示す基材3が、前記発光素子の上部(画像表示側)に位置する構成となり、発光効率が向上して画像を明るくすることができ、発光輝度を高めるための出力上昇による消費電力を低減できるという点で、好適である。基材3の可視光透過率Tは、特に限定されないが、例えば85~100%であり、88%以上、90%以上、または92%以上であってもよい。
本発明の実施形態において、基材3の厚みは、特に制限されないが、例えば、強度、取り扱い性などの作業性および薄層性などの点を考慮すると、10~500μmの範囲が好ましい。より好ましくは20~300μmの範囲であり、最適には、100~200μmの範囲である。前記基材3の屈折率は、特に制限されないが、例えば、1.30~1.80の範囲であり、好ましくは、1.40~1.70の範囲である。
本発明の実施形態において、基材3の面3aは、反射表面処理及び/又はアンチグレア処理が施されていることが好ましい。基材3の面3aに反射表面処理及び/又はアンチグレア処理が施されている場合、当該面3aが積層体の最表面となり、外光の反射や像の映り込み等による視認性の低下を防止する、又は光沢度などの見栄えを調整することができる。製造が容易で、コストが低いアンチグレア処理が好ましい。
〔粘着剤層〕
本発明の実施形態において、第1粘着剤層1及び第2粘着剤層2の少なくとも一方は、光硬化型粘着剤組成物及び溶媒型粘着剤組成物から選ばれる粘着剤組成物から形成される粘着剤層であることが好ましい。
本発明の実施形態において、第1粘着剤層1及び第2粘着剤層2は、両方が光硬化型粘着剤組成物から形成される粘着剤層であってもよく、両方が溶媒型粘着剤組成物から形成される粘着剤層であってもよい。また、一方が光硬化型粘着剤組成物から形成される粘着剤層であり、他方が他の粘着剤組成物から形成される粘着剤層であってもよく、一方が溶媒型粘着剤組成物から形成される粘着剤層であり、他方が他の粘着剤組成物から形成される粘着剤層であってもよい。
本発明の実施形態において、第1粘着剤層1は、溶媒型粘着剤組成物から形成される粘着剤層であることが好ましい。
本発明の実施形態に係る粘着シートを、例えば、チップ部品として発光素子を備えた基板等の封止に用いる場合、第1粘着剤層1は、基板を十分に封止しつつ、発光素子の上部(画像表示側)に第1粘着剤層を残りにくくする観点から、第1粘着剤層の厚みが0.5~30μm程度が好ましいためである。
一方、第2粘着剤層2は、光硬化型粘着剤組成物から形成される粘着剤層であっても、溶媒型粘着剤組成物から形成される粘着剤層であってもよい。
第1粘着剤層1を形成する粘着剤組成物は、着色剤を含有することが好ましい。すなわち、第1粘着剤層1が着色剤を含有することが好ましい。第1粘着剤層1を形成する粘着剤組成物が、着色剤を含有すると、第1粘着剤層1の可視光に対する透過性が低下し、前記T、および前記TがT<Tを満たす構成とする上で好ましい。可視光に対する透過性が低下し、遮光性が付与された第1粘着剤層1が、本発明の実施形態に係る積層体(マイクロLED表示装置)の金属配線層6とLEDチップ間を封止することにより、金属配線などによる反射が防止され、LEDチップ同士の混色が防止され、画像のコントラストが向上する。
第1粘着剤層1を形成する粘着剤組成物は、着色剤を含有する溶媒型粘着剤組成物であることが好ましく、着色剤としては、後述の着色剤の中でもカーボンブラックが好ましく挙げられる。
すなわち、第1粘着剤層1が含有する着色剤は、カーボンブラックを含有することが好ましい。
第2粘着剤層2を形成する粘着剤組成物は、着色剤を含有していてもよいが、前記T、および前記TがT<Tを満たす構成とする点から、着色剤を含有していないことが好ましい。すなわち、第2粘着剤層2は着色剤を含有していないことが好ましい。
<<光硬化型粘着剤組成物>>
光硬化型粘着剤組成物は、ポリマーと、光重合性化合物と、光重合開始剤とを含むことが好ましい。
光硬化型粘着剤組成物を用いて形成される粘着剤層は、光硬化を行うタイプのもの(第一形態)と、光硬化を行わず、後述するように、貼り合わせ後に光硬化を行うタイプのもの(第二形態)に大別される。
本発明の実施形態に係る第1粘着剤層1及び第2粘着剤層2は、例えば、両方が第一形態の粘着剤層であってもよく、両方が第二形態の粘着剤層であってもよく、また、一方が第一形態の粘着剤層、他方が他の粘着剤層であってもよく、一方が第二形態の粘着剤層、他方が他の粘着剤層であってもよい。
<第一形態>
第一形態の粘着剤層は、ポリマーと、光重合性化合物と、光重合開始剤とを含有する光硬化型粘着剤組成物を、はく離ライナー上に塗布し、光硬化を行うことにより、形成することができる。
(ポリマー)
前記光硬化型粘着剤組成物に含まれるポリマーとしては、アクリル系ポリマー、シリコーン系ポリマー、ポリエステル、ポリウレタン、ポリアミド、ポリビニルエーテル、酢酸ビニル/塩化ビニルコポリマー、変性ポリオレフィン、エポキシ系、フッ素系、天然ゴム、合成ゴム等のゴム系等のポリマーが挙げられる。特に、適度な濡れ性、凝集性および接着性等の粘着特性を示し、耐候性や耐熱性等にも優れることから、アクリル系ポリマーが好適に用いられる。
前記アクリル系ポリマーは、主たる構成モノマー成分として(メタ)アクリル酸アルキルエステルを含有する。なお、本明細書において、「(メタ)アクリル」とは、アクリルおよび/またはメタクリルを意味する。アクリル系ポリマーを構成するモノマー成分全量に対する、(メタ)アクリル酸アルキルエステルの量は、50質量%以上が好ましく、55質量%以上がより好ましく、60質量%以上がさらに好ましい。
(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、アルキル基の炭素数が1~20である(メタ)アクリル酸アルキルエステルが好適に用いられる。(メタ)アクリル酸アルキルエステルは、アルキル基が分枝を有していてもよく、環状アルキル基を有していてもよい。
鎖状アルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルの具体例としては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸s-ブチル、(メタ)アクリル酸t-ブチル、(メタ)アクリル酸ペンチル、(メタ)アクリル酸イソペンチル、(メタ)アクリル酸ネオペンチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸ヘプチル、(メタ)アクリル酸2-エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸イソオクチル、(メタ)アクリル酸ノニル、(メタ)アクリル酸イソノニル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸イソデシル、(メタ)アクリル酸ウンデシル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸イソトリドデシル、(メタ)アクリル酸テトラデシル、(メタ)アクリル酸イソテトラデシル、(メタ)アクリル酸ペンタデシル、(メタ)アクリル酸セチル、(メタ)アクリル酸ヘプタデシル、(メタ)アクリル酸オクタデシル、(メタ)アクリル酸イソオクタデシル、(メタ)アクリル酸ノナデシル等が挙げられる。第一形態に用いられる好ましい鎖状アルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸2-エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸オクタデシル、(メタ)アクリル酸ドデシルである。アクリル系ポリマーを構成するモノマー成分全量に対する鎖状アルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルの量は、例えば、40~90質量%程度であり、45~80質量%または50~70質量%であってもよい。
脂環式アルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルの具体例としては、(メタ)アクリル酸シクロペンチル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘプチル、(メタ)アクリル酸シクロオクチル等の(メタ)アクリル酸シクロアルキルエステル;(メタ)アクリル酸イソボルニル等の二環式の脂肪族炭化水素環を有する(メタ)アクリル酸エステル;ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニルオキシエチル(メタ)アクリレート、トリシクロペンタニル(メタ)アクリレート、1-アダマンチル(メタ)アクリレート、2-メチル-2-アダマンチル(メタ)アクリレート、2-エチル-2-アダマンチル(メタ)アクリレート等の三環以上の脂肪族炭化水素環を有する(メタ)アクリル酸エステルが挙げられる。第一形態に用いられる好ましい脂環式アルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸イソボルニルである。アクリル系ポリマーを構成するモノマー成分全量に対する脂環式アルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルの量は、例えば、3~50質量%程度であり、5~40質量%または10~30質量%であってもよい。
アクリル系ポリマーは、構成モノマー成分として、水酸基含有モノマー、カルボキシ基含有モノマー、窒素含有モノマー等の極性基含有モノマーを含んでいてもよい。アクリル系ポリマーが、構成モノマー成分として、極性基含有モノマーを含むことにより、粘着剤の凝集力が高められ、接着力が向上する傾向がある。第一形態に用いられる好ましい極性基含有モノマーは、水酸基含有モノマー、窒素含有モノマーである。アクリル系ポリマーを構成するモノマー成分全量に対する極性基含有モノマーの量(ヒドロキシ基含有モノマー、カルボキシ基含有モノマー、および窒素含有モノマーの合計)は、例えば、3~50質量%程度であり、5~40質量%または10~30質量%であってもよい。
水酸基含有モノマーとしては、(メタ)アクリル酸2‐ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2‐ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸4‐ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸6‐ヒドロキシヘキシル、(メタ)アクリル酸8‐ヒドロキシオクチル、(メタ)アクリル酸10‐ヒドロキシデシル、(メタ)アクリル酸12‐ヒドロキシラウリルや(4‐ヒドロキシメチルシクロヘキシル)‐メチル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸エステルが挙げられる。イソシアネート架橋剤によりポリマーに架橋構造が導入される場合は、水酸基がイソシアネート基との反応点(架橋点)となり得る。第一形態に用いられる好ましい水酸基含有モノマーとしては、(メタ)アクリル酸2‐ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸4‐ヒドロキシブチルである。アクリル系ポリマーを構成するモノマー成分全量に対する水酸基含有モノマーの量は、例えば、3~50質量%程度であり、5~40質量%または10~30質量%であってもよい。
カルボキシ基含有モノマーとしては、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸カルボキシエチル、(メタ)アクリル酸カルボキシペンチル等のアクリル系モノマーや、イタコン酸、マレイン酸、フマール酸、クロトン酸等が挙げられる。エポキシ系架橋剤によりポリマーに架橋構造が導入される場合は、カルボキシ基がエポキシ基との反応点(架橋点)となり得る。第一形態に用いられる好ましいカルボキシ基含有モノマーとしては、(メタ)アクリル酸である。アクリル系ポリマーを構成するモノマー成分全量に対するカルボキシ基含有モノマーの量は、例えば、3~50質量%程度であり、5~40質量%または10~30質量%であってもよい。
窒素含有モノマーとしては、N-ビニルピロリドン、メチルビニルピロリドン、ビニルピリジン、ビニルピペリドン、ビニルピリミジン、ビニルピペラジン、ビニルピラジン、ビニルピロール、ビニルイミダゾール、ビニルオキサゾール、ビニルモルホリン、(メタ)アクリロイルモルホリン、N-ビニルカルボン酸アミド類、N-ビニルカプロラクタム、アクリルアミド等のビニル系モノマーや、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のシアノ基含有モノマーが挙げられる。第一形態に用いられる好ましい窒素含有モノマーとしては、N-ビニルピロリドンである。アクリル系ポリマーを構成するモノマー成分全量に対する窒素含有モノマーの量は、例えば、3~50質量%程度であり、5~40質量%または10~30質量%であってもよい。
アクリル系ポリマーは、上記以外のモノマー成分(「その他のモノマー」と称する場合がある)として、酸無水物基含有モノマー、(メタ)アクリル酸のカプロラクトン付加物、スルホン酸基含有モノマー、燐酸基含有モノマー、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、スチレン、α-メチルスチレン、等のビニル系モノマー;(メタ)アクリル酸グリシジル等のエポキシ基含有モノマー;(メタ)アクリル酸ポリエチレングリコール、(メタ)アクリル酸ポリプロピレングリコール、(メタ)アクリル酸メトキシエチレングリコール、(メタ)アクリル酸メトキシポリプロピレングリコール等のグリコール系アクリルエステルモノマー;(メタ)アクリル酸テトラヒドロフルフリル、フッ素(メタ)アクリレート、シリコーン(メタ)アクリレートや(メタ)アクリル酸2-メトキシエチル等のアクリル酸エステル系モノマー等を含んでいてもよい。
光硬化型粘着剤組成物に含まれるポリマーのガラス転移温度(Tg)は、0℃以下が好ましい。ポリマーのガラス転移温度は、-5℃以下、-10℃以下または-15℃以下であってもよい。
ポリマーのガラス転移温度は、動的粘弾性測定による損失正接(tanδ)のピークトップ温度である。ポリマーに架橋構造が導入されている場合は、ポリマーの組成から、理論Tgに基づいてガラス転移温度を算出すればよい。理論Tgは、後述のFoxの式により算出されるものである。
上記モノマー成分を、各種公知の方法により重合することにより、ポリマーが得られる。重合方法は特に限定されない。
第一形態の粘着剤層の作製においては、モノマー成分の一部が未反応で残存している低重合度のポリマー(プレポリマー)として調製することが好ましい。プレポリマーの調製に用いる組成物(プレポリマー形成用組成物)は、モノマーに加えて光重合開始剤を含むことが好ましい。光重合開始剤は、モノマーの種類に応じて適宜選択すればよい。例えば、アクリル系ポリマーの重合には、光ラジカル重合開始剤が用いられる。光重合開始剤としては、ベンゾインエーテル系光重合開始剤、アセトフェノン系光重合開始剤、α-ケトール系光重合開始剤、芳香族スルホニルクロリド系光重合開始剤、光活性オキシム系光重合開始剤、ベンゾイン系光重合開始剤、ベンジル系光重合開始剤、ベンゾフェノン系光重合開始剤、ケタール系光重合開始剤、チオキサントン系光重合開始剤、アシルフォスフィンオキサイド系光重合開始剤等が挙げられる。
重合に際しては、分子量調整等を目的として、連鎖移動剤や重合禁止剤(重合遅延剤)等を用いてもよい。連鎖移動剤としては、α-チオグリセロール、ラウリルメルカプタン、グリシジルメルカプタン、メルカプト酢酸、2-メルカプトエタノール、チオグリコール酸、チオグルコール酸2-エチルヘキシル、2,3-ジメルカプト-1-プロパノール等のチオール類や、α-メチルスチレン二量体等が挙げられる。
プレポリマーの重合率は特に限定されないが、基材上への塗布に適した粘度とする観点から、3~50質量%が好ましく、5~40質量%がより好ましい。プレポリマーの重合率は、光重合開始剤の種類や使用量、UV光等の活性光線の照射強度・照射時間等を調整することによって、所望の範囲に調整できる。プレポリマーの重合率は、130℃で3時間加熱した際の不揮発分であり、下記式により算出される。粘着剤層の重合率(不揮発分)も同様の方法により測定される。
重合率(%)=加熱後の質量/加熱前の質量×100
前述のように、粘着剤層の形成に用いられる光硬化型粘着剤組成物は、ポリマーと、光重合性化合物と、光重合開始剤とを含有する。例えば、プレポリマーに、光重合性化合物、および光重合開始剤を添加することにより、光硬化型粘着剤組成物が得られる。プレポリマーを用いる代わりに、低分子量のポリマー(オリゴマー)を用い、低分子量のポリマーに、光重合性化合物、光重合開始剤および着色剤を混合して、光硬化型粘着剤組成物を調製してもよい。
(光重合性化合物)
前記光硬化型粘着剤組成物に含まれる光重合性化合物は、1分子中に1または複数の光重合性官能基を有する。光重合性官能基は、ラジカル重合性、カチオン重合性およびアニオン重合性のいずれでもよいが、反応性に優れることから、不飽和二重結合(エチレン性不飽和基)を有するラジカル重合性官能基が好ましい。
プレポリマーには、ポリマーと未反応のモノマーが含まれており、未反応のモノマーは光重合性を保持している。そのため、光硬化型粘着剤組成物の調製においては、必ずしも光重合性化合物を添加する必要はない。プレポリマーに光重合性化合物を添加する場合、添加する光重合性化合物は、プレポリマーの調製に用いたモノマーと同一でもよく、異なっていてもよい。
ポリマーがアクリル系ポリマーである場合、光重合性化合物として添加する化合物は、ポリマーとの相溶性が高いことから、光重合性官能基として(メタ)アクリロイル基を有するモノマーまたはオリゴマーが好ましい。光重合性化合物は、1分子中に2以上の光重合性官能基を有する多官能化合物でもよい。光重合性の多官能化合物としては、多官能(メタ)アクリレートが挙げられる。多官能(メタ)アクリレートとしては、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリテトラメチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAエチレンオキサイド変性ジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAプロピレンオキサイド変性ジ(メタ)アクリレート、アルカンジオールジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメタノールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリストールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート、ウレタンジ(メタ)アクリレート等の2官能(メタ)アクリル酸エステル;ペンタエリストールトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、およびエトキシ化イソシアヌル酸トリ(メタ)アクリレート等の3官能(メタ)アクリル酸エステル;ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、エトキシ化ペンタエリストールテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリストールテトラ(メタ)アクリレート等の4官能(メタ)アクリル酸エステル;ジペンタエリストールペンタ(メタ)アクリレート等およびジペンタエリストールヘキサ(メタ)アクリレート等の5官能以上の(メタ)アクリル酸エステルが挙げられる。
第1粘着剤層形成用の光硬化型粘着剤組成物において、光重合性化合物として多官能化合物を用いる場合、多官能化合物の使用量は、ポリマー(プレポリマーを含む)100質量部に対して、10質量部以下が好ましく、より好ましくは0.001~1質量部であり、さらに好ましくは0.005~0.5質量部である。多官能化合物の使用量が過度に大きい場合は、光硬化後の粘着剤層の粘性が低く、接着力に劣る場合がある。また、前記G’および前記G’がG’<G’を満たす構成としにくい場合がある。多官能化合物の使用量は、10質量部以下、5質量部以下、3質量部以下または1質量部以下であってもよい。多官能化合物の使用量は0.001質量部以上、0.01質量部以上または0.1質量部以上であってもよい。
第2粘着剤層形成用の光硬化型粘着剤組成物において、光重合性化合物として多官能化合物を用いる場合、多官能化合物の使用量は、ポリマー(プレポリマーを含む)100質量部に対して、10質量部以下が好ましく、より好ましくは0.1~8質量部であり、さらに好ましくは1.1~6質量部である。多官能モノマーの使用量が過度に大きい場合は、光硬化後の粘着剤層の粘性が低く、接着力に劣る場合がある。多官能化合物の使用量は、10質量部以下、8質量部以下または6質量部以下であってもよい。前記G’および前記G’がG’<G’を満たす構成とする上で、多官能モノマーの使用量は、0.1質量部以上、1.1質量部以上または2質量部以上であってもよい。
光重合性化合物として、プレポリマーを形成するモノマーを用いる場合、水酸基含有モノマーが好ましく、(メタ)アクリル酸2‐ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸4‐ヒドロキシブチルがより好ましい。光重合性化合物として水酸基含有モノマーを用いる場合、水酸基含有モノマーの使用量は、ポリマー(プレポリマーを含む)100質量部に対して、40質量部以下が好ましく、より好ましくは1~30質量部であり、さらに好ましくは5~20質量部である。水酸基含有モノマーの使用量は、40質量部以下、30質量部以下、20質量部以下であってもよい。水酸基含有モノマーの使用量は0であってもよく、1質量部以上、5質量部以上または10質量部以上であってもよい。
(光重合開始剤)
光硬化型粘着剤組成物は、光重合開始剤を含む。光重合開始剤は、紫外線等の活性光線の照射により、ラジカル、酸、塩基等を発生するものであり、光重合性化合物の種類等に応じて適宜に選択できる。光重合性化合物が(メタ)アクリロイル基を有する化合物(例えば、単官能または多官能の(メタ)アクリレート)である場合は、光重合開始剤として、光ラジカル重合開始剤を用いることが好ましい。光重合開始剤は、単独で使用してもよく、2種以上を混合して使用してもよい。
前記ポリマー(プレポリマーを含む)の調製(重合)の際に用いた光重合開始剤が失活せずに残存している場合は、光重合開始剤の添加を省略してもよい。ポリマーに光重合開始剤を添加する場合、添加する光重合開始剤は、ポリマーの調製に用いた光重合開始剤と同一でもよく、異なっていてもよい。
光硬化型粘着剤組成物に含まれる光重合開始剤は、後述の着色剤による光吸収が小さい波長領域に吸収極大を有するものが好ましい。具体的には、光重合開始剤は、波長330~400nmの領域に吸収極大を有するものが好ましい。着色剤による光吸収が小さい領域に光重合開始剤が吸収極大を有することにより、着色剤による硬化阻害が抑制されるため、光硬化により重合率を十分に高めることができる。波長330~400nmの領域に吸収極大を有する光ラジカル重合開始剤としては、ヒドロキシケトン類、ベンジルジメチルケタール類、アミノケトン類、アシルフォスフィンオキサイド類、ベンゾフェノン類、トリクロロメチル基含有トリアジン誘導体等が挙げられる。
光硬化型粘着剤組成物における光重合開始剤の含有量は、モノマー全量(ポリマーの調製に用いるモノマーと、ポリマーに添加する光重合性化合物)100質量部に対して、0.01~10質量部程度であり、0.05~5質量部程度が好ましい。
(着色剤)
本発明の実施形態に用いられる光硬化型粘着剤組成物は、着色剤を含有していてもよい。特に、第1粘着剤層1を形成する光硬化型粘着剤組成物は、着色剤を含有することが好ましい。
着色剤は、光硬化型粘着剤組成物に溶解または分散可能なものであれば、染料でも顔料でもよい。少量の添加でも低いヘイズが達成でき、顔料のように沈降性がなく均一に分布させやすいことから、染料が好ましい。また、少量の添加でも色発現性が高いことから、顔料も好ましい。着色剤として顔料を使用する場合は、導電性が低いか、ないものが好ましい。また、染料を使用する場合は、後述の酸化防止剤などと併用することが好ましい。
本発明の実施形態に用いられる着色剤としては、特に限定されないが、可視光を吸収し、かつ紫外線透過性を有するものが好ましい。すなわち、着色剤は、波長330~400nmの平均透過率が、波長400~700nmの平均透過率よりも大きいものが好ましい。着色剤の透過率は、波長400nmにおける透過率が50~60%程度となるように、テトラヒドロフラン(THF)等の適宜の溶媒または分散媒(波長330~700nmの範囲の吸収が小さい有機溶媒)により希釈した溶液または分散液を用いて測定する。
可視光の吸収よりも紫外線の吸収が小さい紫外線透過性の黒色顔料としては、トクシキ製の「9050BLACK」、「UVBK-0001」等が挙げられる。紫外線透過性の黒色染料としては、オリヱント化学工業製の「SOC-L-0123」等が挙げられる。
黒色着色剤として一般に用いられているカーボンブラックやチタンブラックは、可視光の吸収よりも紫外線の吸収が大きい(可視光透過率よりも紫外線透過率が小さい)。そのため、紫外線に感度を有する光硬化型粘着剤組成物にカーボンブラック等の着色剤を添加すると、光硬化のために照射した紫外線の多くが着色剤により吸収され、光重合開始剤が吸収する光量が小さく、光硬化に時間を要する(積算照射光量が多くなる)。また、粘着剤層の厚みが大きい場合は、光照射面の反対側の面に到達する紫外線が少ないため、長時間の光照射を行っても、光硬化が不十分となる傾向がある。これに対して、可視光に比べて紫外線の透過率が大きい着色剤を用いることにより、着色剤に起因する硬化阻害を抑制できる。
第1粘着剤層を形成する光硬化型粘着剤組成物における着色剤の含有量は、例えば、モノマー全量100質量部に対して、0.01~20質量部程度であり、着色剤の種類や、粘着剤層の色調および光透過率等に応じて適宜設定すればよい。着色剤は、適宜の溶媒に溶解または分散させた溶液または分散液として、組成物に添加してもよい。
本発明の実施形態に係る第2粘着剤層を形成する光硬化型粘着剤組成物には、着色剤は含まれていないことが好ましい。第2粘着剤層を形成する光硬化型粘着剤組成物が着色剤を含まないことにより、可視光に対する透過性が高くなり、積層体(マイクロLED表示装置)の発光効率が向上する。第2粘着剤層を形成する光硬化型粘着剤組成物が着色剤を含む場合、その含有量は、例えば、モノマー全量100質量部に対して、0.1質量部以下程度である。第2粘着剤層を形成する光硬化型粘着剤組成物に着色剤が配合されない場合でも、第1粘着剤層に配合される着色剤が第2粘着剤層に移行する場合があり得る。
(シランカップリング剤)
本発明の実施形態に用いられる光硬化型粘着剤組成物には、本発明の効果を損なわない範囲で、シランカップリング剤が含まれていてもよい。光硬化型粘着剤組成物にシランカップリング剤が含まれていると、ガラスに対する接着信頼性(特に、高温高湿環境下でのガラスに対する接着信頼性)が向上し、好ましい。
シランカップリング剤としては、特に限定されないが、γ-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ-グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ-アミノプロピルトリメトキシシラン、N-フェニル-アミノプロピルトリメトキシシラン、3-アクリロキシプロピルトリメトキシシランなどが好ましく挙げられる。中でも、γ-グリシドキシプロピルトリメトキシシランが好ましい。また、市販品として、例えば、商品名「KBM-403」(信越化学工業株式会社製)が挙げられる。なお、シランカップリング剤は、単独で又は2種以上を組み合わせて用いられてもよい。
光硬化型粘着剤組成物におけるシランカップリング剤の含有量は、特に限定されないが、ポリマー100質量部に対して、0.01~1質量部が好ましく、より好ましくは0.03~0.5質量部である。
(その他の成分)
第一形態において、光硬化型粘着剤組成物は、ポリマー、光重合性化合物、光重合開始剤および着色剤以外の成分を含んでいてもよい。例えば、光硬化速度の調製等を目的として連鎖移動剤が含まれていてもよい。また、前記光硬化型粘着剤組成物の粘度調整や粘着剤層の接着力の調整等を目的として、オリゴマーや粘着付与剤が含まれていてもよい。オリゴマーとしては、例えば重量平均分子量が1000~30000程度のものが用いられる。オリゴマーとしては、アクリル系ポリマーとの相溶性に優れることから、アクリル系オリゴマーが好ましい。前記光硬化型粘着剤組成物は、可塑剤、軟化剤、劣化防止剤、充填剤、酸化防止剤、界面活性剤、帯電防止剤等の添加剤を含んでいてもよい。
<第二形態>
第二形態の粘着剤層は、光硬化を行わないタイプの粘着剤層であり、光硬化型粘着剤組成物がシート状に形成されたものであってもよい。第二形態の粘着剤層は、光重合性化合物が未反応の状態で含まれているため、粘着剤層が光硬化性を有していてもよい。
第二形態の粘着剤層の形成に用いられる光硬化型粘着剤組成物は、ポリマーと、光重合性化合物と、光重合開始剤とを含有することが好ましい。
(ポリマー)
粘着剤組成物に含まれるポリマーとしては、第一形態と同様、各種のポリマーが適用可能であり、アクリル系ポリマーが好適に用いられる。アクリル系ポリマーを構成するモノマー成分は、第一形態と同様である。
後述の架橋剤により架橋構造を導入するために、ポリマーを構成するモノマー成分には、ヒドロキシ基含有モノマーおよび/またはカルボキシ基含有モノマーが含まれていることが好ましい。例えば、イソシアネート系架橋剤を用いる場合は、モノマー成分として、ヒドロキシ基含有モノマーを含有することが好ましい。エポキシ系架橋剤を用いる場合は、モノマーとして、カルボキシ基含有モノマーを含有することが好ましい。
第二形態では基材上では光硬化を行わないため、固体状(定型)の粘着剤層を形成するために、光硬化型粘着剤組成物に含まれるポリマーとして、比較的分子量が大きいものが用いられる。ポリマーの重量平均分子量は、例えば10万~200万程度である。
高分子量のポリマーは固体であるため、粘着剤組成物はポリマーが有機溶媒に溶解している溶液であることが好ましい。例えば、モノマー成分を溶液重合することにより、ポリマー溶液が得られる。固体のポリマーを有機溶媒に溶解してポリマー溶液を調製してもよい。
溶液重合の溶媒としては、例えば、酢酸エチル、トルエン等が用いられる。溶液濃度は通常20~80質量%程度である。重合開始剤としては、アゾ系開始剤、過酸化物系開始剤、過酸化物と還元剤とを組み合わせたレドックス系開始剤(例えば、過硫酸塩と亜硫酸水素ナトリウムの組み合わせ、過酸化物とアスコルビン酸ナトリウムの組み合わせ)等の熱重合開始剤が好ましく用いられる。重合開始剤の使用量は特に制限はされないが、例えば、ポリマーを形成するモノマー成分全量100質量部に対して、0.005~5質量部程度が好ましく、0.02~3質量部程度がより好ましい。
(光重合性化合物)
第二形態において粘着剤組成物に含まれる光重合性化合物は、第一形態について前述したものと同様であり、1または2以上の光重合性官能基を有する化合物を用いてもよい。
(光重合開始剤)
第二形態において粘着剤組成物に含まれる光重合開始剤は、第一形態について前述したものと同様であり、波長330~400nmの領域に吸収極大を有するものが好ましい。光重合開始剤の量は、ポリマー100質量部に対して、0.01~10質量部程度であり、0.05~5質量部程度が好ましい。
(着色剤)
第二形態に用いられる粘着剤組成物は、着色剤を含有していてもよい。特に、第1粘着剤層1を形成する光硬化型粘着剤組成物が、さらに着色剤を含有することが好ましい。
第二形態に用いられる粘着剤組成物に含まれる着色剤は、第一形態について前述したものと同様であり、波長330~400nmの平均透過率が、波長400~700nmの平均透過率よりも大きいものが好ましい。
(架橋剤)
第二形態の粘着剤組成物は、上記のポリマーと架橋可能な架橋剤を含むことが好ましい。ポリマーに架橋構造を導入するための架橋剤の具体例としては、イソシアネート系架橋剤、エポキシ系架橋剤、オキサゾリン系架橋剤、アジリジン系架橋剤、過酸化物系架橋剤、カルボジイミド系架橋剤、金属キレート系架橋剤等が挙げられる。中でも、ポリマーの水酸基やカルボキシ基との反応性が高く、架橋構造の導入が容易であることから、イソシアネート系架橋剤およびエポキシ系架橋剤が好ましい。これらの架橋剤は、ポリマー中に導入された水酸基やカルボキシ基等の官能基と反応して架橋構造を形成する。
イソシアネート系架橋剤としては、1分子中に2個以上のイソシアネート基を有するポリイソシアネートが用いられる。イソシアネート系架橋剤としては、例えば、ブチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート等の低級脂肪族ポリイソシアネート類;シクロペンチレンジイソシアネート、シクロへキシレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート等の脂環族イソシアネート類;2,4-トリレンジイソシアネート、4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート等の芳香族イソシアネート類;トリメチロールプロパン/トリレンジイソシアネート3量体付加物(例えば、東ソー製「コロネートL」)、トリメチロールプロパン/へキサメチレンジイソシアネート3量体付加物(例えば、東ソー製「コロネートHL」)、キシリレンジイソシアネートのトリメチロールプロパン付加物(例えば、三井化学製「タケネートD110N」、ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート体(例えば、東ソー製「コロネートHX」)等のイソシアネート付加物等が挙げられる。
エポキシ系架橋剤としては、1分子中に2個以上のエポキシ基を有する多官能エポキシ化合物が用いられる。エポキシ系架橋剤のエポキシ基はグリシジル基であってもよい。エポキシ系架橋剤としては、例えば、N,N,N’,N’-テトラグリシジル-m-キシレンジアミン、ジグリシジルアニリン、1,3-ビス(N,N-ジグリシジルアミノメチル)シクロヘキサン、1,6-ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグコールジグリシジルエーテル、エチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ソルビトールポリグリシジルエーテル、グリセロールポリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールポリグリシジルエーテル、ポリグリセロールポリグリシジルエーテル、ソルビタンポリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテル、アジピン酸ジグリシジルエステル、o-フタル酸ジグリシジルエステル、トリグリシジル-トリス(2-ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、レゾルシンジグリシジルエーテル、ビスフェノール-S-ジグリシジルエーテル等が挙げられる。エポキシ系架橋剤として、ナガセケムテックス製の「デナコール」、三菱ガス化学製の「テトラッドX」「テトラッドC」等の市販品を用いてもよい。
架橋剤の量は、ポリマー100質量部に対して、0.01~5質量部程度であり、0.05質量部以上、0.1質量部以上または0.2質量部以上であってもよく、3質量部以下、2質量部以下または1質量部以下であってもよい。
(その他の成分)
第二形態の粘着剤組成物は、上記の成分以外に、オリゴマー、粘着付与剤、シランカップリング剤、連鎖移動剤、可塑剤、軟化剤、劣化防止剤、充填剤、酸化防止剤、界面活性剤、帯電防止剤等を含んでいてもよい。
<<溶媒型粘着剤組成物>>
本発明の実施形態において、第1粘着剤層1及び第2粘着剤層2の少なくとも一方が、溶媒型粘着剤組成物から形成される粘着剤層(第三形態)であってもよい。前記溶媒型粘着剤組成物は、ポリマーと、溶媒とを少なくとも含み、架橋剤を含んでいてもよい。すなわち、第三形態の粘着剤層の形成に用いられる溶媒型粘着剤組成物は、ポリマーと、溶媒とを含有し、必要に応じて架橋剤を含んでいてもよい。
溶媒型粘着剤組成物の形態は特に限定されない。例えば、有機溶媒中に粘着成分を含む形態の粘着剤組成物(溶剤型粘着剤組成物)、粘着成分が水性溶媒に分散した形態の粘着剤組成物(水分散型粘着剤組成物、典型的には水性エマルション型粘着剤組成物)、粘着成分が水に溶解した形態の粘着剤組成物(水溶液型粘着剤組成物)等を挙げることができる。
本発明の実施形態に係る溶媒型粘着剤組成物においては、水性エマルション型粘着剤組成物以外の形態であることが好ましく、溶剤型粘着剤組成物、又は水溶液型粘着剤組成物であることが好ましく、溶剤型粘着剤組成物であることがより好ましい。
<第三形態>
第三形態の粘着剤層は、ポリマーと、溶媒とを含有し、必要に応じて架橋剤を含む溶媒型粘着剤組成物を、はく離ライナー上に塗布し、溶媒を乾燥除去することにより、形成することができる。
(ポリマー)
溶媒型粘着剤組成物に含まれるポリマーとしては、第一形態と同様、各種のポリマーが適用可能であり、アクリル系ポリマーが好適に用いられる。アクリル系ポリマーを構成するモノマー成分は、第一形態と同様である。
第三形態では基材上で固体状(定型)の粘着剤層を形成するために、溶媒型粘着剤組成物に含まれるポリマーとして、比較的分子量が大きいものが用いられる。ポリマーの重量平均分子量は、例えば10万~200万程度である。
アクリル系ポリマーを構成するモノマー成分としての鎖状アルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルの具体例としては、第一形態と同様の例が挙げられ、好ましい例も同様である。
アクリル系ポリマーを構成するモノマー成分全量に対する鎖状アルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルの量は、典型的には50質量%超であり、例えば70質量%以上とすることができ、85質量%以上としてもよく、90質量%以上としてもよい。また、典型的には100質量%未満であり、凝集力等の観点から、通常は99.5質量%以下とすることが適当であり、98質量%以下(例えば97質量%未満)としてもよい。
アクリル系ポリマーを構成するモノマー成分としての脂環式アルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルの具体例としては、第一形態と同様の例が挙げられ、好ましい例も同様である。
アクリル系ポリマーを構成するモノマー成分全量に対する脂環式アルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルの量は、例えば、3~50質量%程度であり、5~40質量%又は10~30質量%であってもよい。
アクリル系ポリマーを構成するモノマー成分としての水酸基含有モノマー、カルボキシ基含有モノマー、窒素含有モノマーの具体例としては、第一形態と同様の例が挙げられ、好ましい例も同様である。
アクリル系ポリマーを構成するモノマー成分全量に対する上記極性基含有モノマーの量は、例えば、0.1質量%以上とすることができ、通常は0.5質量%以上とすることが適当であり、1質量%以上としてもよい。また、モノマー成分全量に対する上記極性基含有モノマーの量は、通常、40質量%以下とすることが適当であり、20質量%以下とすることが好ましく、10質量%以下(例えば5質量%以下)としてもよい。
アクリル系ポリマーは、その他のモノマー成分を含んでいてもよく、その他のモノマーの具体例としては、第一の形態と同様の例が挙げられる。
第1粘着剤層を形成する溶媒型粘着剤組成物に含まれるポリマーのガラス転移温度(Tg)は、例えば-50~-30℃となるように設計されていることが好ましい。また、第2粘着剤層を形成する溶媒型粘着剤組成物に含まれるポリマーのガラス転移温度(Tg)は、例えば-30~10℃となるように設計されていることが好ましい。ポリマーのTgを上記範囲とすることは、得られる粘着剤層の貯蔵弾性率を上述の好ましい範囲とする上で好ましい。
ここで、ポリマーのTgとは、動的粘弾性測定による損失正接(tanδ)のピークトップ温度である。ポリマーに架橋構造が導入されている場合は、ポリマー組成から、理論Tgに基づいてTgを算出すればよい。理論TgはFoxの式により算出されるものである。Foxの式とは、以下に示すように、共重合体のTgと、該共重合体を構成するモノマーのそれぞれを単独重合したホモポリマーのガラス転移温度Tgiとの関係式である。
1/Tg=Σ(Wi/Tgi)
なお、上記Foxの式において、Tgは共重合体のガラス転移温度(単位:K)、Wiは該共重合体におけるモノマーiの質量分率(質量基準の共重合割合)、Tgiはモノマーiのホモポリマーのガラス転移温度(単位:K)を表す。
Tgの算出に使用するホモポリマーのガラス転移温度としては、公知資料に記載の値を用いるものとする。例えば、以下に挙げるモノマーについては、該モノマーのホモポリマーのガラス転移温度として、以下の値を使用する。
2-エチルヘキシルアクリレート -70℃
イソノニルアクリレート -60℃
n-ブチルアクリレート -55℃
エチルアクリレート -22℃
メチルアクリレート 8℃
メチルメタクリレート 105℃
2-ヒドロキシエチルアクリレート -15℃
4-ヒドロキシブチルアクリレート -40℃
酢酸ビニル 32℃
アクリル酸 106℃
メタクリル酸 228℃
N-ビニル-2-ピロリドン 54℃
上記で例示した以外のモノマーのホモポリマーのガラス転移温度については、「Polymer Handbook」(第3版、John Wiley & Sons,Inc.,1989)に記載の数値を用いるものとする。本文献に複数種類の値が記載されているモノマーについては、最も高い値を採用する。上記Polymer Handbookにも記載されていない場合には、日本国特開2007-51271号公報に記載の測定方法により得られる値を用いるものとする。
ポリマーのTgは、モノマー組成(すなわち、該ポリマーの合成に使用するモノマーの種類や使用量比)を適宜変えることにより調整することができる。
例えば、前記第1粘着剤層1を形成する粘着剤組成物は、粘着剤層の貯蔵弾性率を所望の範囲とする目的において、ポリマーを構成するモノマー成分として、ホモポリマーのTgが比較的低い炭素数が4~18である直鎖又は分岐鎖状のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル(以下、「(メタ)アクリル酸C4-18アルキルエステル」と称する場合がある)を、モノマー成分全量に対して50質量%以上含む態様で好ましく実施することができる。モノマー成分全量に対する(メタ)アクリル酸C4-18アルキルエステルの量は70質量%以上がより好ましく、85質量%以上がさらに好ましく、90質量%以上が特に好ましい。一方、モノマー成分全量に対する(メタ)アクリル酸C4-18アルキルエステルの量は、凝集力等の観点から、通常、99.5質量%以下とすることが適当であり、98質量%以下(例えば97質量%未満)としてもよい。
前記第1粘着剤層1を形成する粘着剤組成物は、同様の目的において、ポリマーを構成するモノマー成分としてホモポリマーのTgが比較的低い水酸基含有モノマーを、モノマー成分全量に対して0.1質量%以上含む態様で好ましく実施することができる。モノマー成分全量に対する水酸基含有モノマーの量は、0.5質量%以上が好ましく、1質量%以上がさらに好ましい。また、モノマー成分全量に対する水酸基含有モノマーの量は、20質量%以下とすることが好ましく、10質量%以下(例えば5質量%以下)としてもよい。
前記第1粘着剤層1を形成する粘着剤組成物に含まれるポリマーは、貯蔵弾性率を所望の範囲とする目的において、モノマー成分全量に対して、ホモポリマーのTgが比較的高い、炭素数が1~3である直鎖状のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル(以下、「(メタ)アクリル酸C1-3直鎖状アルキルエステル」と称する場合がある)、炭素数が3又は4である分岐鎖状のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル(以下、「(メタ)アクリル酸C3-4分岐鎖状アルキルエステル」と称する場合がある)及び脂環式モノマーの合計含有量をモノマー成分全量に対して10質量%以下とすることが好ましい。
アクリル系ポリマーを得る方法は特に限定されず、溶液重合法、エマルション重合法、バルク重合法、懸濁重合法、光重合法等の、アクリル系ポリマーの合成手法として知られている各種の重合方法を適宜採用することができる。
例えば、溶液重合法を用いる場合、溶液重合を行う際の重合温度は、使用するモノマーおよび溶媒の種類、重合開始剤の種類等に応じて適宜選択することができ、例えば20℃~170℃(典型的には40℃~140℃)とすることができる。
溶液重合に用いる溶媒(重合溶媒)は、従来公知の有機溶媒から適宜選択することができる。例えば、トルエン等の芳香族化合物類(典型的には芳香族炭化水素類);酢酸エチル等の酢酸エステル類;ヘキサンやシクロヘキサン等の脂肪族または脂環式炭化水素類;1,2-ジクロロエタン等のハロゲン化アルカン類;イソプロピルアルコール等の低級アルコール類(例えば、炭素原子数1~4の一価アルコール類);tert-ブチルメチルエーテル等のエーテル類;メチルエチルケトン等のケトン類;等から選択されるいずれか1種の溶媒、または2種以上の混合溶媒を用いることができる。
重合に用いる開始剤は、重合方法の種類に応じて、従来公知の重合開始剤から適宜選択することができる。例えば、2,2’-アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)等のアゾ系重合開始剤の1種または2種以上を好ましく使用し得る。重合開始剤の他の例としては、過硫酸カリウム等の過硫酸塩;ベンゾイルパーオキサイド、過酸化水素等の過酸化物系開始剤;フェニル置換エタン等の置換エタン系開始剤;芳香族カルボニル化合物;等が挙げられる。重合開始剤のさらに他の例として、過酸化物と還元剤との組み合わせによるレドックス系開始剤が挙げられる。このような重合開始剤は、1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。重合開始剤の使用量は、通常の使用量であればよく、例えば、モノマー成分100質量部に対して0.005~1質量部(典型的には0.01~1質量部)の範囲から選択することができる。
(溶媒)
第三形態におけるポリマーは固体であるため、溶媒型粘着剤組成物はポリマーが有機溶媒に溶解している溶液である。例えば、モノマー成分を溶液重合することにより、ポリマー溶液が得られる。固体のポリマーを有機溶媒に溶解してポリマー溶液を調製してもよい。
溶媒としては、例えば、トルエン、キシレン、酢酸エチル、ヘキサン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、ヘプタンおよびイソプロピルアルコールのいずれかからなる単独溶媒であってもよく、これらのいずれかを主成分とする混合溶媒であってもよい。溶液濃度は通常20~80質量%程度である。
(着色剤)
第三形態の粘着剤層の形成に用いられる溶媒型粘着剤組成物は、着色剤を含んでいてもよい。特に、第1粘着剤層1を形成する溶媒粘着剤組成物は、着色剤を含有することが好ましい。
着色剤は、溶媒型粘着剤組成物に溶解または分散可能なものであれば、染料でも顔料でもよい。少量の添加でも低いヘイズが達成でき、顔料のように沈降性がなく均一に分布させやすいことから、染料が好ましい。また、少量の添加でも色発現性が高いことから、顔料も好ましい。着色剤として顔料を使用する場合は、導電性が低いか、ないものが好ましい。また、染料を使用する場合は、酸化防止剤などと併用することが好ましい。
第三形態において溶媒型粘着剤組成物に含まれる着色剤としては、第一形態について前述した紫外線透過性着色剤に加えて、紫外線吸収性着色剤も含まれる。
紫外線透過性の黒色顔料としては、トクシキ製の「9050BLACK」、「UVBK-0001」等が挙げられる。紫外線吸収性の黒色染料としては、オリヱント化学工業製の「VALIFAST BLACK 3810」、「NUBIAN Black PA-2802」等が挙げられる。紫外線吸収性の黒色顔料としては、カーボンブラック、チタンブラック等が挙げられる。なかでも、着色剤は、カーボンブラックを含有することが好ましい。
溶媒型粘着剤組成物における着色剤の含有量は、例えば、モノマー全量100質量部に対して、0.01~20質量部程度であり、着色剤の種類や、粘着剤層の色調および光透過率等に応じて適宜設定すればよい。着色剤は、適宜の溶媒に溶解または分散させた溶液または分散液として、組成物に添加してもよい。
(架橋剤)
第三形態の溶媒型粘着剤組成物は、上記のポリマーと架橋可能な架橋剤を含んでいてもよい。
第三形態において溶媒型粘着剤組成物が架橋剤を含む場合、架橋剤としては、第二形態について前述したものと同様であり、イソシアネート系架橋剤およびエポキシ系架橋剤が好ましい。
第三形態において溶媒型粘着剤組成物が架橋剤を含む場合、その含有量は、粘着剤層の貯蔵弾性率が所望の範囲となるように適宜調整すればよい。例えば、ポリマー100質量部に対して、0.01~5質量部程度であり、0.05質量部以上、0.1質量部以上または0.2質量部以上であってもよく、3質量部以下、2質量部以下または1質量部以下であってもよい。
(その他の成分)
第三形態の溶媒型粘着剤組成物は、上記の成分以外に、オリゴマー、粘着付与剤、シランカップリング剤、架橋触媒、架橋抑制剤、連鎖移動剤、可塑剤、軟化剤、劣化防止剤、充填剤、酸化防止剤、界面活性剤、帯電防止剤等を含んでいてもよい。
〔粘着シートの製造方法〕
本発明の実施形態において、粘着シート10は、基材3の面3b上に、第2粘着剤層2を積層し、さらに第1粘着剤層1を積層させることより製造することができる。
<第一形態>
基材3の面3b上に第一形態の第2粘着剤層2を積層させる方法は、特に限定されず、例えば、はく離ライナー上に前記光硬化型粘着剤組成物を塗布してシート上に成形し、光硬化を行ってシート状の第2粘着剤層2を作製した後に基材3の面3b上に貼り合わせることにより行うことができる。
基材3に積層された第2粘着剤層2に、さらに第一形態の第1粘着剤層1を積層させる方法は、特に限定されず、例えば、はく離ライナー上に前記光硬化型粘着剤組成物を塗布してシート上に成形し、光硬化を行ってシート状の第1粘着剤層1を作製した後に、基材3の面3b上に積層された第2粘着剤層に貼り合わせることにより行うことができる。
光硬化型粘着剤組成物をはく離ライナー上にシート状(層状)に塗布し、はく離ライナー上の粘着剤組成物の塗膜に紫外線を照射して、光硬化を行うことにより、第一形態の第1粘着剤層又は第2粘着剤層が得られる。光硬化を行う際は、塗膜の表面にさらにはく離ライナーを付設して、光硬化型粘着剤組成物を2枚のはく離ライナー間に挟持した状態で紫外線を照射して、酸素による重合阻害を防止することが好ましい。光硬化の前に、着色剤の溶媒または分散媒の除去等を目的として、シート状の塗膜を加熱してもよい。加熱による溶媒等の除去を行う場合は、はく離ライナーを付設する前に実施することが好ましい。
はく離ライナーのフィルム基材としては、各種の樹脂材料からなるフィルムが用いられる。樹脂材料としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル系樹脂、アセテート系樹脂、ポリエーテルスルホン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリ塩化ビニリデン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、ポリアリレート系樹脂、ポリフェニレンサルファイド系樹脂等が挙げられる。これらの中でも、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂が特に好ましい。フィルム基材の厚みは、10~200μmが好ましく、25~150μmがより好ましい。離型層の材料としては、シリコーン系離型剤、フッ素系離型剤、長鎖アルキル系離型剤、脂肪酸アミド系離型剤等が挙げられる。離型層の厚みは、一般には、10~2000nm程度である。
はく離ライナー上への粘着剤組成物の塗布方法としては、ロールコート、キスロールコート、グラビアコート、リバースコート、ロールブラッシュ、スプレーコート、ディップロールコート、バーコート、ナイフコート、エアーナイフコート、カーテンコート、リップコート、ダイコーター等の各種方法が用いられる。
はく離ライナー上に層状に塗布した光硬化型粘着剤組成物に紫外線を照射することにより、光重合開始剤から活性種が生成し、光重合性化合物が重合し、重合率の上昇(未反応のモノマーの減少)に伴って、液状の光硬化型粘着剤組成物は、固体状(定型)の粘着剤層となる。紫外線照射のための光源としては、光硬化型粘着剤組成物に含まれる光重合開始剤が感度を有する波長範囲の光を照射できるものであれば特に限定されず、LED光源、高圧水銀ランプ、超高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、キセノンランプ等が用いられる。
照射光の積算光量は、例えば、100~5000mJ/cm程度である。光硬化型粘着剤組成物の光硬化物からなる粘着剤層の重合率(不揮発分)は、80%以上が好ましく、85%以上がより好ましく、90%以上がさらに好ましい。重合率は、93%以上または95%以上であってもよい。不揮発分を減少させるために、粘着剤層を加熱して、残存モノマー、未反応の重合開始剤、溶媒等の揮発分を除去してもよい。
粘着剤層の両面にはく離ライナーが設けられる場合、一方のはく離ライナーの厚みと他方のはく離ライナーの厚みは、同一でもよく、異なっていてもよい。粘着剤層から一方の面に仮着されたはく離ライナーを剥離する際の剥離力と、粘着剤層から他方の面に仮着されたはく離ライナーを剥離する際の剥離力は、同一でも異なっていてもよい。両者の剥離力が異なる場合は、相対的に剥離力の小さいはく離ライナー(軽はく離ライナー)を第2粘着剤層2から先に剥離して基材3の面3bに貼り合わせを行い、その後に第2粘着剤層2から相対的に剥離力の大きいはく離ライナー(重はく離ライナー)を剥がし、第2粘着剤層を露出させる。その後、軽はく離ライナーを第1粘着剤層1から剥離して、前記の露出した第2粘着剤層に貼り付けることにより、第一形態の第1粘着剤層及び第2粘着剤層を有する粘着シートを作製することができる。
また、基材3の面3b上に第一形態の第2粘着剤層2を積層させる他の方法としては、基材3の面3bに前記光硬化型粘着剤組成物を塗布し、シート上に成形した後に、塗膜の表面にはく離ライナーを付設して、紫外線を照射することにより、基材3に第2接着剤層を積層する方法も挙げられる。
<第二形態>
基材3の面3b上に第二形態の第2粘着剤層2を積層させる方法は、特に限定されず、例えば、はく離ライナーに上に前記第二形態の光硬化型粘着剤組成物を塗布し、必要に応じて溶媒を乾燥除去して第2粘着剤層を形成し、基材3の面3bに貼り付けることにより行うことができる。
また、基材3の面3b上に第二形態の第2粘着剤層2を積層させる他の方法としては、基材3の面3b上に前記第二形態の光硬化型粘着剤組成物を塗布し、必要に応じて溶媒を乾燥除去することにより、第2粘着剤層を形成する方法が挙げられる。
基材3に積層された第2粘着剤層2に、さらに第二形態の第1粘着剤層1を積層させる方法は、特に限定されず、例えば、はく離ライナーに上に前記第二形態の光硬化型粘着剤組成物を塗布し、必要に応じて溶媒を乾燥除去して第1粘着剤層を形成した後に、基材3の面3b上に積層された前記第2粘着剤層に貼り付けることにより調製することができる。
光硬化型粘着剤組成物が溶媒を含む場合は、粘着剤組成物の塗布後に、溶剤の乾燥を行うことが好ましい。乾燥方法としては、目的に応じて、適宜、適切な方法が採用され得る。加熱乾燥温度は、好ましくは40℃~200℃であり、さらに好ましくは、50℃~180℃であり、特に好ましくは70℃~170℃である。乾燥時間は、適宜、適切な時間が採用され得る。乾燥時間は、好ましくは5秒~20分、さらに好ましくは5秒~15分、特に好ましくは10秒~10分である。
光硬化型粘着剤組成物を塗布後、必要に応じて加熱を行うことにより、ポリマーに架橋構造が導入される。加熱温度や加熱時間は、使用する架橋剤の種類によって適宜設定すればよく、通常、20℃~160℃の範囲で、1分から7日程度である。溶媒を乾燥させるための加熱が、架橋のための加熱を兼ねていてもよい。架橋構造の導入は、必ずしも加熱を伴う必要はない。
第二形態の第1粘着剤層及び第2粘着剤層は、光硬化を行わないため、光重合性化合物が未反応の状態で含まれている。すなわち、第二形態の第1粘着剤層及び第2粘着剤層は、ポリマーと、光重合性化合物と、光重合開始剤と、必要に応じて着色剤とを含有する光硬化性の粘着剤層である。
第二形態の光硬化性の第1粘着剤層及び/又は第2粘着剤層を有する粘着シートは、後述の表示パネルと貼り合わせた後に、紫外線を照射することにより、光硬化を行うことができる。光硬化により粘着シートと表示パネルとの接着力を変化させることができる。例えば、光硬化前の粘着剤層は柔軟性が高いため、表示パネル上に配列された発光素子により形成される凹凸形状や段差を埋めることが可能であり、光硬化後は表示パネルに対する接着力や接着信頼性を向上できる。
粘着剤層を光硬化するための活性線としては紫外線が用いられる。第一形態の粘着剤層と同様、紫外線透過性の着色剤が使用される場合、可視光に比べて紫外線の透過率が大きいため、粘着剤層の厚みが大きい場合でも、光硬化の際の硬化阻害を抑制できる。
<第三形態>
基材3の面3b上に第三形態の第2粘着剤層2を積層させる方法は、特に限定されず、例えば、はく離ライナーに上に前記第三形態の溶媒型粘着剤組成物を塗布し、必要に応じて溶媒を乾燥除去して第2粘着剤層を形成し、基材3の面3b貼り付けることにより行うことができる。
また、基材3の面3b上に第三形態の第2粘着剤層2を積層させる他の方法としては、基材3の面3b上に前記第三形態の溶媒型粘着剤組成物を塗布し、必要に応じて溶媒を乾燥除去することにより、第2粘着剤層を形成する方法が挙げられる。
基材3に積層された第2粘着剤層2に、さらに第三形態の第1粘着剤層1を積層させる方法は、特に限定されず、例えば、はく離ライナーに上に前記第三形態の溶媒型粘着剤組成物を塗布し、必要に応じて溶媒を乾燥除去して第1粘着剤層を形成した後に、基材3の面3b上に積層された前記第2粘着剤層に貼り付けることにより行うことができる。
溶媒型粘着剤組成物の塗布後に、溶剤の乾燥を行う。乾燥方法としては、目的に応じて、適宜、適切な方法が採用され得る。加熱乾燥温度は、好ましくは40℃~200℃であり、さらに好ましくは、50℃~180℃であり、特に好ましくは70℃~170℃である。乾燥時間は、適宜、適切な時間が採用され得る。乾燥時間は、好ましくは5秒~20分、さらに好ましくは5秒~15分、特に好ましくは10秒~10分である。
溶媒型粘着剤組成物を塗布後、必要に応じて加熱を行ってもよい。加熱温度や加熱時間は、使用する架橋剤の種類によって適宜設定すればよく、通常、20℃~160℃の範囲で、1分から7日程度である。
本発明の実施形態の粘着シートは、使用時までは第1粘着剤層にはく離ライナーが設けられていてもよい。また、本発明の実施形態の粘着シートは、基材3の面3aに表面保護フィルムが積層されていてもよい。表面保護フィルムは、前記粘着シートやこれを含む光学製品の製造、搬送、出荷時に、傷や汚れの付着を防止する上で好適である。
本発明の実施形態に係る粘着シートは、第1粘着剤層1、第2粘着剤層2、基材3、はく離ライナー、表面保護フィルム以外にも、本発明の効果を損なわない範囲で、他の層、例えば、基材3以外の基材、第1粘着剤層1、第2粘着剤層2以外の粘着剤層、中間層、下塗り層などを、表面又は任意の層間に有していてもよい。
(ブラックマトリックスシート)
本発明の実施形態に係る粘着シートは、ブラックマトリックスシートとして用いることもできる。本発明の実施形態に係る粘着シートをブラックマトリックスシートとして用いる場合、第1粘着剤層が着色剤を含有することが好ましい。
例えば、自発光体等の微細なチップ部品を備えた基板を封止する場合、チップ部品を備えた基板と、本発明の実施形態に係る粘着シートとを、粘着シートの第1粘着剤層側の面がチップ部品側となるように配置して圧着することで、チップ部品を備えた基板の封止とブラックマトリックス層の形成を同時に行うことができる。
上述したように、第1粘着剤層1は、基板上にLEDチップ及び金属配線層が配列された表示パネルにおける各LEDチップ7の間及び金属配線層6を封止することができる。第1粘着剤層1の可視光透過率は、第2粘着剤層2の可視光透過率よりも低いことにより、可視光領域で十分な遮光性を有する。第1粘着剤層1が着色剤を含む場合は、より遮光性が高い第1粘着剤層1が各LEDチップ7の間を隙間なく封止し、ブラックマトリックス層を形成することができ、各LEDチップ7同士の混色を防止し、コントラストを向上させることができる。また、より遮光性が高い第1粘着剤層1は、金属配線層6の表面も封止しているため、金属配線層6による反射を防止することができる。
[積層体]
本発明の実施形態に係る積層体は、基板上に、チップ部品と本発明の実施形態に係る粘着シートとが積層された積層体である。
チップ部品としては、例えば、自発光体、発光素子、半導体チップ等の光学部材を挙げることができる。発光素子としては例えば、LEDチップ、ミニ/マイクロLEDチップ等を挙げることができる。
本発明の他の実施形態に係る積層体は、基板上に発光素子を備えた表示パネルと、第1粘着剤層と、第2粘着剤層と、基材とを、この順で積層した積層体であって、
前記第1粘着剤層の可視光透過率T、及び前記第2粘着剤層の可視光透過率Tは、T<Tを満たし、
前記基板における前記発光素子を有しない部分の前記第1粘着剤層の厚みが、前記発光素子を有する部分の前記第1粘着剤層の厚みの2.5倍以上である。
本発明の実施形態に係る積層体は、本発明の実施形態に係る粘着シートを用いて好適に製造し得るものである。
例えば、発光素子等の微細なチップ部品を備えた基板を封止する場合、チップ部品を備えた基板と、本発明の実施形態に係る粘着シートとを、粘着シートの第1粘着剤層側の面がチップ部品に対向するように配置して圧着することで、チップ部品を備えた基板を封止することができる。
本発明の実施形態に係る積層体は光学積層体であってもよい。
なお、本発明の実施形態に係る光学積層体における「光学」とは、光学用途に用いられる積層体を意味し、より具体的には、光学部材が用いられた製品(光学製品)の製造などに用いられる積層体を意味する。光学製品としては、例えば、画像表示装置、タッチパネルなどの入力装置などが挙げられるが、ミニ/マイクロLED表示装置、有機EL(エレクトロルミネッセンス)表示装置などの光学積層体が好ましく、特に、マイクロLED表示装置の製造に好適に使用することができる。
本発明の実施形態に係る積層体は、微少且つ多数の発光素子を配線基板上に配列し、各発光素子をこれに接続された発光制御手段により選択的に発光させることにより、文字・画像・動画等の視覚情報を、各発光素子の点滅により直接的に表示画面上に表示することができる表示装置であってもよい。
積層体としては、ミニ/マイクロLED表示装置、有機EL(エレクトロルミネッセンス)表示装置が挙げられる。
本発明の実施形態に係る積層体における表示パネルは、基板上にマイクロLEDチップを備えたLEDパネルであることが好ましく、基板の少なくとも一方の面に複数のマイクロLEDチップが配列したLEDパネルであってもよい。
本発明の実施形態に係る粘着シートは、積層体の製造に好適に使用され、特にマイクロLED表示装置の製造に好適に使用される。
本発明は、前記粘着シートを用いた積層体の製造方法にも関する。
図2は、本発明の実施形態に係る積層体(マイクロLED表示装置)の模式図(断面図)の一例である。本発明の実施形態に係るマイクロLED表示装置20は、基板5の片面に複数のLED7が配列した表示パネルと、第1粘着剤層1と、第2粘着剤層2と、基材3とが、この順で積層されている。
本発明の実施形態のマイクロLED表示装置において、第1粘着剤層1は、基板上に備えられた各LEDチップ7の間及び金属配線層6を封止することができる。第1粘着剤層1の可視光透過率は、第2粘着剤層2の可視光透過率よりも低いことにより、可視光領域で十分な遮光性を有する。より遮光性が高い(透過性が低い)第1粘着剤層1は各LEDチップ7の間を隙間なく封止しているため、各LEDチップ7同士の混色を防止し、コントラストを向上させることができる。また、より遮光性が高い(透過性が低い)第1粘着剤層1は、金属配線層6の表面も封止しているため、金属配線層6による反射を防止することができる。
本発明の実施形態において、第2粘着剤層2は、基板上に備えられた各LEDチップ7の上部(表示画像側)を封止する。第2粘着剤層2の可視光透過率は、第1粘着剤層1の可視光透過率よりも高いことにより、可視光領域で十分な透過性を有する。より透過性が高い第2粘着剤層2は各LEDチップ7の上部(表示画像側)を封止しているため、各LEDチップ7から発せられた可視光の吸収が低く抑えられ、発光効率を高くすることができるので、画像をより明るくすることができる。また、出力を上げて発光輝度を高める必要もないため、消費電力を低く抑えることができる。
上述のように、本発明の実施形態に係る粘着シートは、第2粘着剤層2の厚みを100μm未満とし、第1粘着剤層1の90℃における貯蔵弾性率G’が第2粘着剤層2の90℃における貯蔵弾性率G’よりも低くなっているため、基板上にマイクロLEDチップを備えるLEDパネルである上に配列された発光素子(マイクロLED発光素子)を封止して得られる積層体において、発光素子の上部(画像表示側)に可視光透過率のより低い第1の粘着剤層が残りにくくなる。そのため、発光素子の発光効率を向上させることができる。
本発明の実施形態に係る積層体20は、基板5において発光素子7が配置されていない部分の第1粘着剤層1の厚み(図2に示すx、以下厚み(x)とする)が、発光素子7が配置された部分の第1粘着剤層1の厚み(図2に示すy、以下厚み(y)とする)の2.5倍以上である。発光素子の発光効率を向上させる観点から、厚み(y)は薄い方が好ましく、厚み(x)が厚み(y)の3.0倍以上であることが好ましく、3.5倍以上であることがより好ましい。
本発明の実施形態に係る積層体は、表示パネル及び粘着シート以外の光学部材を備えていてもよい。上記光学部材としては、特に限定されないが、偏光板、位相差板、反射防止フィルム、視野角調整フィルム、光学補償フィルムなどが挙げられる。なお、光学部材には、表示装置や入力装置の視認性を保ちながら加飾や保護の役割を担う部材(意匠フィルム、装飾フィルムや表面保護板等)も含むものとする。
本発明の実施形態に係るマイクロLED表示装置は、基板上にLEDチップを備えた表示パネルと、本発明の実施形態に係る粘着シートの第1粘着剤層を貼り合わせることのより製造することができる。
具体的には、表示パネルと第一形態の第1粘着剤層及び/又は第2粘着剤層を有する粘着シートの貼り付けは、加熱及び/又は加圧下で積層させるにより実施することができる。
表示パネルと第二形態の第1粘着剤層及び/又は第2粘着剤層を有する粘着シートの貼り付ける場合は、加熱及び/又は加圧下で積層させた後に光硬化を行うことにより実施することができる。光硬化は、上記の第一形態の第1粘着剤層及び/又は第2粘着剤層を形成する光硬化と同様に行うことができる。
表示パネルと第三形態の第1粘着剤層及び/又は第2粘着剤層を有する粘着シートの貼り付けは、加熱及び/又は加圧下で積層させるにより実施することができる。
上記貼り合わせは、50℃以上で加熱加圧することが好ましい。50℃以上で加熱加圧することにより、粘着剤層が高流動性になって、基板上に配列されたLEDチップの段差に十分に追従して、隙間なく密着できる。加熱は、50℃以上で行い、好ましくは60℃以上、より好ましくは70℃以上で行う。加圧は、特に限定されないが、例えば1.5atm以上、好ましくは2atm以上、より好ましくは3atm以上で行う。加熱加圧は、例えば、オートクレーブなどを用いて行うことができる。これにより製造されたマイクロLED表示装置は、室温(25℃)に戻した後に、粘着剤層の貯蔵弾性率が高くなり、加工性、接着信頼性が向上する。
以上説明したように、本明細書には次の事項が開示されている。
〔1〕
第1粘着剤層と、第2粘着剤層と、基材とが、この順で積層された積層構造を有し、
前記第1粘着剤層の可視光透過率T、及び前記第2粘着剤層の可視光透過率Tは、T<Tを満たし、
前記第2粘着剤層の厚さが100μm未満であり、
前記第1粘着剤層の90℃における貯蔵弾性率G’、及び前記第2粘着剤層の90℃における貯蔵弾性率G’は、G’<G’を満たす、粘着シート。
〔2〕
前記G’及びG’が、G’/G’<0.3を満たす、〔1〕に記載の粘着シート。
〔3〕
前記第1粘着剤層及び前記第2粘着剤層の少なくとも一方が、光硬化型粘着剤組成物及び溶媒型粘着剤組成物から選ばれる粘着剤組成物から形成される粘着剤層である、〔1〕又は〔2〕に記載の粘着シート。
〔4〕
前記第1粘着剤層が着色剤を含有する、〔1〕~〔3〕のいずれかに記載の粘着シート。
〔5〕
前記着色剤がカーボンブラックを含有する、〔4〕に記載の粘着シート。
〔6〕
前記第1粘着剤層の厚さが5~10μmである、〔1〕~〔5〕のいずれかに記載の粘着シート。
〔7〕
前記第2粘着剤層の厚さが10~99μmである、〔1〕~〔6〕のいずれかに記載の粘着シート。
〔8〕
チップ部品を備えた基板と〔1〕~〔7〕のいずれか1項に記載の粘着シートとが積層された積層体。
〔9〕
基板上に発光素子を備えた表示パネルと、第1粘着剤層と、第2粘着剤層と、基材とを、この順に積層した積層体であって、
前記第1粘着剤層の可視光透過率T、及び前記第2粘着剤層の可視光透過率Tは、T<Tを満たし、
前記基板における前記発光素子を有しない部分の前記第1粘着剤層の厚みが、前記発光素子を有する部分の前記第1粘着剤層の厚みの2.5倍以上である、積層体。
〔10〕
前記表示パネルが、基板上にマイクロLEDチップを備えたLEDパネルである、〔9〕に記載の積層体。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれら実施例になんら限定されるものではない。
<可視光透過率>
実施例及び比較例で作製した粘着シートを用い、下記の操作により第1粘着剤層及び第2粘着剤層の可視光透過率T及びTを測定した。
粘着シートから一方の面のはく離ライナーを剥離し、露出面に無アルカリガラスを貼り合わせた。その後、粘着シートから他方の面のはく離ライナーを剥離して、無アルカリガラス板上に粘着シートが貼り合わせられた試料を得た。この試料を用いて、可視紫外分光光度計(村上色彩技術研究所製、商品名「HSP-150Vis」)により、JIS K 7361-1に準拠し評価用サンプルの透過率を測定した。
<貯蔵弾性率>
実施例及び比較例で作製した粘着シートを用い、下記の操作により第1粘着剤層及び第2粘着剤層の貯蔵弾性率G’及びG’を測定した。
はく離ライナーを剥離した粘着剤層を積層し、厚さ約1mmに積層した積層品を測定サンプルとして用いた。前記積層品を直径8mmにカットし、試験片を作製した。直径8mmの治具を用いて、TAインスツルメンツ社製粘弾性装置ARES-G2にて-50~150℃の温度分散を実施した。その際、昇温速度は5℃/min、周波数は1Hz、ひずみは0.1%とした。このとき90℃での弾性率を粘着剤層の貯蔵弾性率(kPa)とした。
<膜厚>
粘着剤層の膜厚はダイヤルゲージ(ピーコック製GC-9)により測定した。実施例及び比較例で作製した粘着シートの厚みを測定し、その箇所の粘着剤層を除去したはく離ライナーの厚み(μm)を測定し、その差を粘着剤層の厚み(μm)とした。平均厚み(μm)は10点を測定した平均値である。
〔第1粘着剤層形成用着色粘着剤組成物の調製〕
<粘着剤組成物Aの調製>
撹拌機、温度計、還流冷却器、および窒素ガス導入管を備える反応容器内で、2-エチルヘキシルアクリレート96質量部と、2-ヒドロキシエチルアクリレート4質量部と、重合開始剤としての2,2’-アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)0.2質量部と、溶媒としての酢酸エチル200質量部と含む混合物を、60℃で7時間、窒素雰囲気下で撹拌した(重合反応)。これにより、アクリルポリマーを含有するポリマー溶液を得た。このポリマー溶液中のアクリルポリマーの重量平均分子量(Mw)は60万であった。
<粘着剤組成物Bの調製>
撹拌機、温度計、還流冷却器、および窒素ガス導入管を備える反応容器内で、ブチルアクリレート99質量部と、4-ヒドロキシブチルアクリレート1質量部と、重合開始剤としての2,2’-アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)0.2質量部と、溶媒としての酢酸エチル500質量部と含む混合物を、60℃で7時間、窒素雰囲気下で撹拌した(重合反応)。これにより、アクリルポリマーを含有するポリマー溶液を得た。このポリマー溶液中のアクリルポリマーの重量平均分子量(Mw)は60万であった。
<着色粘着剤組成物1の調製>
上記粘着剤組成物Aのアクリルポリマーを含有するポリマー溶液に、アクリルポリマー100質量部あたり、架橋剤としてのイソシアネート架橋剤(商品名「コロネートHX」、東ソー社製)0.1質量部(固形分換算量)と、架橋抑制剤(架橋触媒に対する配位子)としてのアセチルアセトン3質量部、黒色顔料分散液(商品名「ATDN101ブラック」、大日精化工業社製)を顔料濃度が3.2質量%になるように添加し、混合し、着色粘着剤組成物1を得た。
<着色粘着剤組成物2の調製>
上記粘着剤組成物Aのアクリルポリマーを含有するポリマー溶液に、アクリルポリマー100質量部あたり、架橋剤としてのイソシアネート架橋剤(商品名「コロネートHX」、東ソー社製)0.4質量部(固形分換算量)と、架橋触媒としてのナーセム第二鉄(日本化学産業社製)0.01質量部(固形分換算量)と、架橋抑制剤(架橋触媒に対する配位子)としてのアセチルアセトン3質量部、黒色顔料分散液(商品名「ATDN101ブラック」、大日精化工業社製)を顔料濃度が3.2質量%になるように添加し、混合し、着色粘着剤組成物2を得た。
<着色粘着剤組成物3の調製>
上記粘着剤組成物Bのアクリルポリマーを含有するポリマー溶液に、アクリルポリマー100質量部あたり、架橋剤としての過酸化物系架橋剤(商品名「ナイパーBMT40SV」、日本油脂社製)1質量部(固形分換算量)と、黒色顔料分散液(商品名「ATDN101ブラック」、大日精化工業社製)を顔料濃度が3.2質量%になるように添加し、混合し、着色粘着剤組成物3を得た。
Figure 2024052224000002
〔第2粘着剤層形成用粘着剤組成物の調製〕
<プレポリマー1の調製>
温度計、攪拌機、還流冷却管および窒素ガス導入管を備えたセパラブルフラスコに、2-エチルヘキシルアクリレート75質量部、N-ビニル-2-ピロリドン15質量部、2-ヒドロキシエチルアクリレート10質量部、光重合開始剤(BASF社製、商品名「イルガキュア184」)0.04質量部、及び光重合開始剤(BASF社製、商品名「イルガキュア651」)0.04質量部を投入した後、窒素ガスを流し、攪拌しながら約1時間窒素置換を行った。その後、5mW/cmでUVAを照射し重合を行い、反応率が5~15%になるように調整して、アクリル系プレポリマー1溶液を得た。
<プレポリマー2の調製>
温度計、攪拌機、還流冷却管および窒素ガス導入管を備えたセパラブルフラスコに、ブチルアクリレート70質量部、シクロヘキシルアクリレート10質量部、4-ヒドロキシブチルアクリレート20質量部、光重合開始剤(BASF社製、商品名「イルガキュア184」)0.04質量部、及び光重合開始剤(BASF社製、商品名「イルガキュア651」)0.04質量部を投入した後、窒素ガスを流し、攪拌しながら約1時間窒素置換を行った。その後、5mW/cmでUVAを照射し重合を行い、反応率が5~15%になるように調整して、アクリル系プレポリマー2溶液を得た。
<プレポリマー3の調製>
温度計、攪拌機、還流冷却管および窒素ガス導入管を備えたセパラブルフラスコに、ラウリルアクリレート40質量部、2-エチルヘキシルアクリレート40質量部、N-ビニル-2-ピロリドン10質量部、4-ヒドロキシブチルアクリレート10質量部、光重合開始剤(BASF社製、商品名「イルガキュア184」)0.04質量部、及び光重合開始剤(BASF社製、商品名「イルガキュア651」)0.04質量部を投入した後、窒素ガスを流し、攪拌しながら約1時間窒素置換を行った。その後、5mW/cmでUVAを照射し重合を行い、反応率が5~15%になるように調整して、アクリル系プレポリマー3溶液を得た。
<粘着剤組成物1の調製>
上記で得られたアクリル系プレポリマー1溶液(プレポリマー全量を100質量部とする)に、2-ヒドロキシエチルアクリレート20質量部、多官能モノマーとして1,6-ヘキサンジオールジアクリレート4質量部、及びシランカップリング剤として3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン0.4質量部を加えて、光重合性の粘着剤組成物1溶液を調製した。
<粘着剤組成物2の調製>
1,6-ヘキサンジオールジアクリレートの添加量を6質量部とした以外は粘着剤組成物1と同様にして、光重合性の粘着剤組成物2溶液を調製した。
<粘着剤組成物3の調製>
上記で得られたアクリル系プレポリマー2溶液(プレポリマー全量を100質量部とする)に、2-ヒドロキシエチルアクリレート10質量部、4-ヒドロキシブチルアクリレート10質量部、多官能モノマーとしてジペンタエリスリトールヘキサアクリレート2質量部、及びシランカップリング剤として3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン0.4質量部を加えて、光重合性の粘着剤組成物3溶液を調製した。
<粘着剤組成物5の調製>
1,6-ヘキサンジオールジアクリレートの添加量を0.1質量部とした以外は粘着剤組成物1と同様にして、光重合性の粘着剤組成物5溶液を調製した。
<粘着剤組成物6の調製>
1,6-ヘキサンジオールジアクリレートの添加量を0.3質量部とした以外は粘着剤組成物1と同様にして、光重合性の粘着剤組成物6溶液を調製した。
<粘着剤組成物7の調製>
上記で得られたアクリル系プレポリマー3溶液(プレポリマー全量を100質量部とする)に、多官能モノマーとして1,6-ヘキサンジオールジアクリレート0.1質量部、及びシランカップリング剤として3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン0.4質量部を加えて、光重合性の粘着剤組成物7溶液を調製した。
Figure 2024052224000003

<粘着剤組成物4の調製>
(粘着剤組成物Cの調製)>
撹拌機、温度計、還流冷却器、および窒素ガス導入管を備える反応容器内で、2-エチルヘキシルアクリレート60質量部と、N-ビニル-2-ピロリドン20質量部と、メタクリル酸メチル10質量部と、2-ヒドロキシエチルアクリレート10質量部と、重合開始剤としての2,2’-アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)0.2質量部と、溶媒としての酢酸エチル200質量部と含む混合物を、60℃で7時間、窒素雰囲気下で撹拌した(重合反応)。これにより、アクリルポリマーを含有するポリマー溶液を得た。このポリマー溶液中のアクリルポリマーの重量平均分子量(Mw)は120万であった。
(粘着剤組成物4の調製)
上記粘着剤組成物Cのアクリルポリマーを含有するポリマー溶液に、アクリルポリマー100質量部あたり、架橋剤としてのイソシアネート架橋剤(商品名「タケネートD110N」、三井化学社製)2.5質量部(固形分換算量)と、架橋触媒としてのジラウリン酸ジブチルスズ(商品名「OL-1」、1質量%酢酸エチル溶液(東京ファインケミカル社製))0.02質量部(固形分換算量)と、架橋抑制剤(架橋触媒に対する配位子)としてのアセチルアセトン3質量部を添加、混合し、粘着剤組成物4を得た。
Figure 2024052224000004
〔実施例1〕
<第一粘着シートの作製>
片面をシリコーンで剥離処理した厚み38μmのポリエステルフィルムA(商品名「ダイアホイールMRF」、三菱ケミカル社製)の剥離処理面に、上記着色粘着剤組成物1を塗布して塗膜を形成した。次に、この塗膜を、130℃で3分間乾燥させて、厚み8μmの粘着剤層を形成した。この粘着剤層に、片面をシリコーン剥離処理した厚みが38μmのポリエステルフィルムB(商品名「ダイアホイールMRF」、三菱ケミカル社製)の剥離処理面を貼り合わせた。その後、50℃で5日間、エージング処理し、粘着剤層において、架橋反応を進行させ、第一粘着シート1を得た。
<第二粘着シートの調製>
ポリエステルフィルムの片面が剥離面となっている厚さ38μmのはく離ライナーR1(三菱樹脂社製、商品名「MRF#38」)の剥離面に調製した粘着剤組成物1溶液を硬化後の厚さが25μmになるように塗布し、ポリエステルフィルムの片面が剥離面となっているはく離ライナーR2(三菱樹脂社製、MRE#38)を被せて空気を遮断した。この積層体の片側から、ブラックライト(東芝社製、商品名「FL15BL」)を用いて照度5mW/cm、積算光量1300mJ/cmの条件で紫外線を照射した。これにより、上記粘着剤組成物の硬化物である厚さ25μmの粘着剤層が上記はく離ライナーR1,R2に挟まれた第二粘着シート1を、基材レス粘着シートの形態で得た。なお、上記ブラックライトの照度の値は、ピーク感度波長約350nmの工業用UVチェッカー(トプコン社製、商品名:UVR-T1、受光部型式UD-T36)による測定値である。
<粘着シートの作製>
50mm×50mmにカットした第二粘着シート1から一方のはく離ライナーを剥離して露出させた粘着面を50mm×50mmの基材(ポリエチレンテレフタラートシート、東レ株式会社製、商品名ルミラーU34)に貼り付けた後に、他方のはく離ライナーを剥離し、粘着面を露出させた。
50mm×50mmにカットした第一粘着シート1から一方のはく離ライナーを剥離して露出させた粘着面を、前記第二粘着シート1の粘着面に貼り合わせることにより、基材/第二粘着シート1/第一粘着シート1/はく離ライナーからなる粘着シート1を得た。
〔実施例2~8、10~13、比較例1、2、3〕
第一粘着シートの調製において使用する着色粘着剤組成物を表4に示す着色粘着剤組成物に変更し、第二粘着シートの調製において使用する粘着剤組成物の種類及び粘着剤層の厚みを、表4、5のように変更した以外は、実施例1と同様にして、粘着シート2~8、10~13、及び比較粘着シート1、2、3を得た。
〔実施例9〕
<第一粘着シートの作製>
着色粘着剤組成物1を着色粘着剤組成物2に変更した以外は第一粘着シート1と同様にして、第一粘着シート9を作製した。
<第二粘着シートの調製>
着色粘着剤組成物1を粘着剤組成物4に変更し、厚み25μmの粘着剤層を形成した以外は第一粘着シート1と同様にして、第二粘着シート9を作製した。
<粘着シートの作製>
第一粘着シート1、第二粘着シート1に替えて、第一粘着シート9、第二粘着シート9を用いた以外は、粘着シート1と同様にして粘着シート9を得た。
<評価>
上記の実施例及び比較例で得られた粘着シートを用いて、以下の評価を行った。評価方法を以下に示す。
(1)チップ上の第1粘着剤層の厚み
(評価用サンプルの調製)
凸加工(凸部を形成するように賦形)した8インチウエハ(凸部サイズ:縦20μm×横40μm×高さ10μm、凸部の間隔:縦・横方向共に20μm)を模擬パネルとして用意した。
実施例及び比較例で得られた粘着シートからはく離ライナーを剥離し、露出した粘着面を、模擬パネルの該凸部を有する面に貼り付け、オートクレーブ処理し、それぞれ基材/第2粘着剤層/第1粘着剤層/模擬パネルからなる評価用サンプルを得た。
貼付には日東精機株式会社製装置「MSV300」を用いて差圧貼りした。差圧張りの条件は、真空度:20Pa、貼付圧力:0.1MPa、模擬パネル(ウエハ)表面温度:90℃とした。オートクレーブ条件は、圧力:0.5MPa、温度:90℃、時間:90秒とした。
(厚み測定)
上記で作製した評価用サンプルの断面を切り出し、得られた断面をSEMにより観察した。得られたSEM画像より、模擬パネルの凸部上の第1粘着剤層の厚みを測定し、3点の算術平均値をチップ上の厚みとした。
(2)圧縮率
上記(1)で得られたチップ上の厚みの値を用い、以下の式に従って第1粘着剤層の圧縮率を算出した。得られた圧縮率が51%以上であれば、チップ上に可視光透過率の低い第1粘着剤層が残りにくく、発光素子からの光を取り出しやすいといえる。
圧縮率(%)={(粘着シートにおける第1粘着剤層の厚み-チップ状上の第1粘着剤層の厚み)/粘着シートにおける第1粘着剤層の厚み}×100
(3)反射防止性
分光測色計(コニカミノルタ製「CM-2600d」を用いて、上記で作製した評価用サンプルの基材側から光を照射し、SCI方式で反射光の明度(Lab色空間におけるLの値)を下記の条件にて測定した。L値が40以下であれば、積層体における金属配線の反射防止機能に優れると言える。
(測定条件)
受光光学系の種類:SCI(正反射光込み)
測定波長範囲:360nm-740nm
光源:D65
測定径 MAV:φ8mm
(4)チップ配置部と非配置部における第1粘着剤層の厚みの比
上記で作製した評価用サンプルの断面を切り出し、得られた断面をSEMにより観察した。得られたSEM画像より、模擬パネルの凸部が配置されていない部分の第1粘着剤層の厚みを測定し、3点の算術平均値をチップ非配置部の第1粘着剤層厚みとした。
得られたチップ非配置部の第1粘着剤層厚みと、上記(1)で得られたチップ上の第1粘着剤層厚みより、これらの比(チップ非配置部の第1粘着剤層厚み/チップ上の第1粘着剤層厚み)を求めた。

Figure 2024052224000005
Figure 2024052224000006
実施例の粘着シートを用いた場合、第1粘着剤層の圧縮率が高く、発光素子の封止時に発光素子上に第1粘着剤層が残りにくいため、より発光素子からの光を取り出しやすいことが分かった。また、反射防止機能にも優れることが分かった。
本発明は前述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
10 粘着シート
1 第1粘着剤層
2 第2粘着剤層
3 基材
20 積層体(マイクロLED表示装置)
5 基板
6 金属配線層
7 発光素子(LEDチップ)

Claims (10)

  1. 第1粘着剤層と、第2粘着剤層と、基材とが、この順で積層された積層構造を有し、
    前記第1粘着剤層の可視光透過率T、及び前記第2粘着剤層の可視光透過率Tは、T<Tを満たし、
    前記第2粘着剤層の厚さが100μm未満であり、
    前記第1粘着剤層の90℃における貯蔵弾性率G’、及び前記第2粘着剤層の90℃における貯蔵弾性率G’は、G’<G’を満たす、粘着シート。
  2. 前記G’及びG’が、G’/G’<0.3を満たす、請求項1に記載の粘着シート。
  3. 前記第1粘着剤層及び前記第2粘着剤層の少なくとも一方が、光硬化型粘着剤組成物及び溶媒型粘着剤組成物から選ばれる粘着剤組成物から形成される粘着剤層である、請求項1に記載の粘着シート。
  4. 前記第1粘着剤層が着色剤を含有する、請求項1に記載の粘着シート。
  5. 前記着色剤がカーボンブラックを含有する、請求項4に記載の粘着シート。
  6. 前記第1粘着剤層の厚さが5~10μmである、請求項1に記載の粘着シート。
  7. 前記第2粘着剤層の厚さが10~99μmである、請求項1に記載の粘着シート。
  8. チップ部品を備えた基板と請求項1~7のいずれか1項に記載の粘着シートとが積層された、積層体。
  9. 基板上に発光素子を備えた表示パネルと、第1粘着剤層と、第2粘着剤層と、基材とを、この順に積層した積層体であって、
    前記第1粘着剤層の可視光透過率T、及び前記第2粘着剤層の可視光透過率Tは、T<Tを満たし、
    前記基板における前記発光素子を有しない部分の前記第1粘着剤層の厚みが、前記発光素子を有する部分の前記第1粘着剤層の厚みの2.5倍以上である、積層体。
  10. 前記表示パネルが、基板上にマイクロLEDチップを備えたLEDパネルである、請求項9に記載の積層体。
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