JP2024051870A - 活性化装置 - Google Patents

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Abstract

Figure 2024051870000001
【課題】フラッディングが生じることを回避しつつ、複数個の電解質膜・電極構造体に対し適切に湿分を付与して活性化を施すことができる燃料電池用の電解質膜・電極構造体の活性化装置を提供する。
【解決手段】活性化装置は、複数個の治具(42)を備える。2個の治具の間に、1個の電解質膜・電極構造体(10)が挟まれる。1個の治具には、第1流路(64)及び第2流路(72)が形成される。第1流路には、電解質膜・電極構造体のアノード電極(16)に供給される第1活性化ガスが流通する。第2流路には、別の電解質膜・電極構造体のカソード電極(14)に供給される第2活性化ガスが流通する。1個の治具は、ヒートパイプ(52)を有する。ヒートパイプと、第1活性化ガス及び第2活性化ガスとの間で熱が授受される。
【選択図】図2

Description

本発明は、燃料電池用の電解質膜・電極構造体を活性化する活性化装置に関する。
従来、気候変動の緩和又は影響軽減を目的とした取り組みが継続され、この実現に向けてCO2削減に関する研究開発が行われている。この観点から、燃料電池を搭載した燃料電池車(FCV/Fuel Cell Vehicle)が注目されている。燃料電池車は水蒸気を排出するのみであり、CO2、NOx及びSOx等を排出することがないからである。
燃料電池は、電解質膜・電極構造体(MEA)を備える。MEAは、第1端面及び第2端面を有する固体高分子からなる電解質膜と、電解質膜の第1端面に設けられたアノード電極と、電解質膜の第2端面に設けられたカソード電極とを備える。すなわち、MEAは、アノード電極とカソード電極との間に電解質膜を挟んで構成される。MEAが1組のセパレータで挟まれることで、燃料電池の単位セルが組み立てられる。
組み立てられた直後の単位セルでは、電解質膜の含水量が十分ではない。従って、該単位セルでは十分な発電性能が得られない。これを回避するため、初回の運転前に燃料電池に対して活性化が行われる。一般的には、複数個の単位セルを積層した燃料電池スタックが活性化される。これに対し、特許文献1において、個々の単位セルに対して活性化を行うことが開示されている。この場合、活性化された単位セルを積層して燃料電池スタックが組み立てられる。
特開2014-7006号公報
1組のセパレータのうち一方には、第1ガス流路が形成される。1組のセパレータのうち他方には、第2ガス流路が形成される。電解質膜・電極構造体(MEA)を活性化する過程で、第1ガス流路及び第2ガス流路に湿潤ガスが流通される場合がある。湿潤ガスがアノード電極及びカソード電極にそれぞれ接触することにより、アノード電極及びカソード電極に湿分が付与される。
アノード電極又はカソード電極に湿分が過度に付与されると、アノード電極又はカソード電極に液膜が形成される。すなわち、いわゆるフラッディングが起こる。このような状況下では、アノード電極又はカソード電極の各々の電極触媒に湿潤ガスが浸透し難い。この場合、電極触媒の活性化の進行が妨げられる。
また、高い電流密度で活性化を実施すると、特に第2ガス流路のガス出口の近傍において、活性化ガスの分圧が低下して水蒸気の分圧が上昇する。このため、第2ガス流路のガス出口の近傍では、フラッディングが起こり易い。これを回避するには、例えば、湿潤ガスに付与する湿分を少なくし、これにより該湿潤ガスの相対湿度を低くする。しかしながら、この場合、MEAの活性化効率が低くなる。
本発明は、上述した課題を解決することを目的とする。
本発明の一実施形態によれば、燃料電池を構成するアノード電極及びカソード電極の間に電解質膜が挟まれた電解質膜・電極構造体を活性化するための活性化装置において、互いの間に前記電解質膜・電極構造体を挟んだ状態で積層される複数個の治具と、前記複数個の治具の各々に設けられたヒートパイプと、前記ヒートパイプに熱を付与する熱供給部と、前記熱供給部から前記ヒートパイプに付与される熱を制御する制御部と、第1活性化ガスを供給する第1活性化ガス供給源と、第2活性化ガスを供給する第2活性化ガス供給源と、を備え、前記複数個の治具の各々は、前記アノード電極を向く第1面と、前記カソード電極を向く第2面と、該複数個の治具の積層方向に沿って延び且つ前記第1活性化ガスが流入する第1入口と、前記第1面に沿って延び且つ前記第1入口に連通する第1流路と、前記積層方向に沿って延び且つ前記第1流路を流通した前記第1活性化ガスが流出する第1出口と、前記積層方向に沿って延び且つ前記第2活性化ガスが流入する第2入口と、前記第2面に沿って延び且つ前記第2入口に連通する第2流路と、前記積層方向に沿って延び且つ前記第2流路を流通した前記第2活性化ガスが流出する第2出口と、を有し、前記第1流路及び前記第2流路は、前記ヒートパイプに対して平行又は交差する方向に延び、前記複数個の治具の各々の前記第1面又は前記第2面を見たとき、前記第1入口、前記第1出口、前記第2入口及び前記第2出口は、前記ヒートパイプの延在方向において互いに離間し、且つ前記延在方向に直交する方向において互いに離間する、活性化装置が提供される。
上記から理解されるように、第1入口、第1出口、第2入口及び第2出口は、治具において互いに個別に形成される。すなわち、第1入口、第1出口、第2入口及び第2出口の形成箇所は、互いに一致しない。また、第1流路及び第2流路は互いに独立したガス流路であり、互いに連通していない。
本発明においては、第1活性化ガス及び第2活性化ガスの温度を調節するために、治具にヒートパイプを設けている。ヒートパイプは、入熱又は出熱に対する応答速度が大きい。従って、ヒートパイプと、第1活性化ガス及び第2活性化ガスとの間で熱を授受することで、第1活性化ガス及び第2活性化ガスの各々の温度を迅速に調節することができる。すなわち、第1活性化ガス及び第2活性化ガスの各々の温度が所定の範囲内に調節される。
これにより、治具における第1流路及び第2流路の液水量が適切な範囲に保たれる。従って、本発明によれば、第1流路及び第2流路においてフラッディングが生じることを回避しつつ、複数個の電解質膜・電極構造体に対し適切に湿分を付与して活性化を施すことができる。
しかも、第1入口、第1出口、第2入口及び第2出口が治具の第1面内及び第2面内において、互いに離間して配置される。このため、治具の小型化を図ることができる。
図1は、本実施形態に係る活性化装置の概略システム図である。 図2は、活性化装置の要部断面拡大図である。 図3は、活性化装置を構成する治具を、電解質膜・電極構造体のアノード電極を向く面から見た概略全体正面図である。 図4は、活性化装置を構成する治具を、電解質膜・電極構造体のカソード電極を向く面から見た概略全体正面図である。 図5は、図4中のV-V線断面図である。 図6は、別の態様における治具を、電解質膜・電極構造体のアノード電極を向く面から見た概略全体正面図である。 図7は、別の態様における治具を、電解質膜・電極構造体のカソード電極を向く面から見た概略全体正面図である。
図1は、本実施形態に係る活性化装置40の概略システム図である。活性化装置40は、電解質膜・電極構造体10を挟む複数個の治具42を備える。先ず、電解質膜・電極構造体10について、図2を参照して概略説明する。なお、以下では、電解質膜・電極構造体を「MEA」と表記することもある。
MEA10は、固体高分子からなる電解質膜12を備える。固体高分子としては、パーフルオロスルホン酸等が例示される。電解質膜12は、カソード電極14とアノード電極16との間に挟まれる。カソード電極14は、電極触媒を含む第1電極触媒層18と、第1電極触媒層18にガスを供給するための第1ガス拡散層20とを有する。アノード電極16は、電極触媒を含む第2電極触媒層22と、第2電極触媒層22にガスを供給するための第2ガス拡散層24とを有する。MEA10は、薄膜である。
次に、図1~図6を参照し、活性化装置40につき説明する。図1及び図2に示すように、活性化装置40は複数個の治具42を備える。治具42は略プレート形状であり、薄肉である。1個の治具42と1個のMEA10とが交互に積層されることにより、2個の治具42の間にMEA10が挟まれた積層体44が形成される。従って、積層体44においては、1個の治具42の両端面に対して2個のMEA10が当接する。
以下、便宜的に、図2において治具42の下方に位置するMEA10を第1MEA10aと呼び、図2において治具42の上方に位置するMEA10を第2MEA10bと呼ぶ。治具42は、第1MEA10aのアノード電極16を向く第1面46と、第2MEA10bのカソード電極14を向く第2面48とを有する。なお、他のMEA10も、第1MEA10a及び第2MEA10bと同様に、カソード電極14が図2における下方を向き、且つアノード電極16が図2における上方を向くようにして、2個の治具42の間に配置されている。
図3は、治具42を第1面46から見たときの概略全体正面図である。図4は、治具42を第2面48から見たときの概略全体正面図である。図1~図4に示すように、治具42は、2枚のベースプレート50a、50bを有する。2枚のベースプレート50a、50bの間には、複数個のヒートパイプ52が挟まれている。ヒートパイプ52は、積層体44の積層方向に対して直交する方向に延びている。
ヒートパイプ52には、ヒータ又はペルチェ素子等からなる熱供給部54が接続される。この態様では、熱供給部54は、ヒートパイプ52の延在方向の端部に配置されている。熱供給部54は、ヒートパイプ52に対して熱を付与する。
2枚のベースプレート50a、50bには、四方の隅部に第1入口56、第1出口58、第2入口60及び第2出口62がそれぞれ形成される。第1入口56、第1出口58、第2入口60及び第2出口62は、ヒートパイプ52の延在方向において互いに離間する。第1入口56、第1出口58、第2入口60及び第2出口62は、ヒートパイプ52の延在方向に直交する方向においても互いに離間する。典型的には、第1入口56及び第1出口58は、互いに対角の位置関係にある。第2入口60及び第2出口62も同様に、互いに対角の位置関係にある。
積層体44においては、複数個の治具42の第1入口56が積層方向に沿って互いに連なる。これにより、複数個の第1入口56が連通した第1入口連通路56aが形成される。同様に、複数個の治具42の第1出口58も、積層体44の積層方向に沿って互いに連なる。その結果、図5に示すように、複数個の第1出口58が連通した第1出口連通路58aが形成される。さらに、第2入口60及び第2出口62も、積層体44の積層方向に沿って互いに連なる。その結果、複数個の第2入口60が連通した第2入口連通路60aと、複数個の第2出口62が連通した第2出口連通路62aとが形成される。
第1入口連通路56a及び第1出口連通路58aは、第1活性化ガスを積層体44の積層方向に沿って流すための流通路である。第1入口連通路56a(第1入口56)及び第1出口連通路58a(第1出口58)は、図3に示す第1流路64を介して連通する。第2入口連通路60a及び第2出口連通路62aは、第2活性化ガスを積層体44の積層方向に沿って流すための流通路である。第2入口連通路60a(第2入口60)及び第2出口連通路62a(第2出口62)は、図4に示す第2流路72を介して連通する。第1入口連通路56aは、第2入口連通路60a及び第2出口連通路62aに連通していない。同様に、第2入口連通路60aは、第1入口連通路56a及び第1出口連通路58aに連通していない。
図2から理解されるように、ベースプレート50aは、第1MEA10aのアノード電極16(第2電極触媒層22)を向く第1面46を形成する。図3に示すように、第1面46には、積層方向に沿って凹み、且つ該第1面46の面方向に沿って延びる第1流路64が形成される。第1流路64は、1個の第1分配路66と、複数個の第1分岐路68と、1個の第1集合路70とを有する。第1分配路66は、第1入口56(第1入口連通路56a)に連なる。複数個の第1分岐路68は、第1分配路66から分岐している。複数個の第1分岐路68は、第1集合路70に集まっている。第1集合路70は、第1出口58(第1出口連通路58a)に連なる。このように、第1入口56及び第1出口58は、第1流路64を介して連通する。
図2から理解されるように、ベースプレート50bは、第2MEA10bのカソード電極14(第1電極触媒層18)を向く第2面48を形成する。図4に示すように、第2面48には、積層方向に沿って凹み、且つ該第2面48の面方向に沿って延びる第2流路72が形成される。第2流路72は、複数個の第2分岐路74を有する。複数個の第2分岐路74は、例えば、第2入口60(第2入口連通路60a)にそれぞれ連なる。又は、図示例のように、第2入口60と2個以上の第2分岐路74との間に第2分配路76を介在させてもよい。複数個の第2分岐路74は、例えば、第2出口62(第2出口連通路62a)にそれぞれ連なる。又は、図示例のように、2個以上の第2分岐路74と第2出口62との間に第2集合路78を介在させてもよい。
図3及び図4に示すように、本実施形態では、第1分岐路68及び第2分岐路74がヒートパイプ52に対して直交する。
複数個の第2分岐路74には、第1蓄熱部80及び第2蓄熱部82がそれぞれ設けられる。この場合、第1蓄熱部80及び第2蓄熱部82は、それぞれ、第2分岐路74を起点とし、且つ積層体44の積層方向に沿って凹んだ凹部からなる。すなわち、この場合、第1蓄熱部80及び第2蓄熱部82は、第2分岐路74から積層体44の積層方向に向かって延びる空間である。
第2蓄熱部82の容積は、第1蓄熱部80の容積よりも大きい。すなわち、蓄熱部は、第2入口60から第2出口62に向かって容積が大きくなる順に並ぶ。第2蓄熱部82は、第1蓄熱部80よりも多量の第2湿潤ガスを捕捉する。
なお、1個の第2分岐路74に設けられる蓄熱部の個数は、図示例の2個に特に限定されない。第2分岐路74に蓄熱部を設けることも必須ではない。また、第1分岐路68に蓄熱部を設けてもよい。
ベースプレート50a、50bには、第1電気端子84及び第2電気端子86がそれぞれ設けられる。
図1に示すように、活性化装置40は第1ガスライン90を備える。第1ガスライン90の一端には、水素ガス供給部92と、窒素ガス供給部94とが第1三方バルブ96を介して接続される。水素ガス供給部92は、例えば、水素ガスタンクである。窒素ガス供給部94は、例えば、窒素ガスタンクである。第1ガスライン90には第1加湿器98が設けられる。水素ガス供給部92及び第1加湿器98は第1湿潤ガス供給部であり、第1加湿器98にて湿分が付与された水素ガスは、第1活性化ガスとしての第1湿潤ガスである。
第1ガスライン90の他端は、管継手を介して第1入口連通路56aに接続される。第1ガスライン90の他端から第1入口連通路56a(積層体44の内部)に流入した第1湿潤ガス(湿潤水素ガス)は、個々の治具42に形成された第1流路64を流通する。
活性化装置40は、第2ガスライン100を備える。第2ガスライン100の一端は、管継手を介して第1出口連通路58aに接続される。第2ガスライン100の他端には、第1排気バルブ102を介して第1排気ライン104が設けられる。第1流路64を流通した余剰の第1湿潤ガスは、第2ガスライン100及び第1排気バルブ102を経て、第1排気ライン104から排出される。又は、第1排気ライン104に図示しない回収装置を設け、第1湿潤ガスを回収してもよい。
活性化装置40は、第3ガスライン110を備える。第3ガスライン110の一端には、窒素ガス供給部112及び酸化剤ガス供給部114が第2三方バルブ116を介して接続される。窒素ガス供給部112は、例えば、上記と同様に窒素ガスタンクである。窒素ガスは不活性な第2ガスとして供給される。本実施形態では、第1ガスライン90に接続される窒素ガス供給部94と、第3ガスライン110に接続される窒素ガス供給部112とを別個に設けている。しかしながら、1個の窒素ガス供給部を第1ガスライン90及び第3ガスライン110の双方に接続してもよい。
酸化剤ガス供給部114は、例えば、大気を圧縮するコンプレッサである。又は、酸化剤ガス供給部114は、酸素ガスボンベであってもよい。第3ガスライン110には、第2加湿器118が設けられる。酸化剤ガス供給部114及び第2加湿器118は、第2湿潤ガス供給部を構成する。第2加湿器118にて湿分を付与された酸化剤ガスは、第2活性化ガスとしての第2湿潤ガスである。
第3ガスライン110の他端は、管継手を介して第2入口連通路60aに接続される。第3ガスライン110の他端から第2入口連通路60a(積層体44の内部)に流入した第2湿潤ガス(湿潤酸化剤ガス)は、個々の治具42に形成された第2流路72を流通する。
活性化装置40は、第4ガスライン120を備える。第4ガスライン120の一端は、管継手を介して第2出口連通路62aに接続される。第4ガスライン120の他端には、第2排気バルブ122を介して第2排気ライン124が設けられる。第2流路72を流通した余剰の第2湿潤ガスは、第4ガスライン120及び第2排気バルブ122を経て、第2排気ライン124から排出される。又は、第2排気ライン124に図示しない回収装置を設け、第2湿潤ガスを回収してもよい。
活性化装置40は、電気パラメータ検出部130と、制御部134とを有する。電気パラメータ検出部130は、例えば、電圧測定器136とを有する。1個の電圧測定器136は、1個の治具42の第1電気端子84と、別の1個の治具42の第2電気端子86とに対して電気的に接続され、これにより1個のMEA10の電圧を測定する。以下、この電圧を便宜的に「セル電圧」と呼ぶ。電気パラメータ検出部130は、抵抗測定器、電流測定器又はインピーダンス測定器であってもよい。電気パラメータ検出部130は、これらの測定器を全て有してもよい。
活性化装置40は、圧力パラメータ検出部140をさらに有する。圧力パラメータ検出部140は、アノード差圧計142とカソード差圧計144とを含む。
アノード差圧計142は、第1ガスライン90のガス圧と第2ガスライン100のガス圧との差圧を検出する。この差圧は、第1流路64におけるアノード電極16への入口と、第1流路64におけるアノード電極16からの出口との差圧に等しい。カソード差圧計144は、第3ガスライン110のガス圧と第4ガスライン120のガス圧との差圧を検出する。この差圧は、第2分岐路74におけるカソード電極14への入口と、第2分岐路74におけるカソード電極14からの出口との差圧に等しい。
制御部134は、熱供給部54、電圧測定器136、アノード差圧計142及びカソード差圧計144に対して電気的に接続されている。電圧測定器136によって測定されたセル電圧に関する情報は、情報信号として制御部134に送信される。制御部134には、アノード差圧計142及びカソード差圧計144のそれぞれによって測定されたガス差圧に関する情報信号も入力される。
後述するように、本実施形態では発電エージングを行う。このため、積層体44には、第1外部接続端子150及び第2外部接続端子152を介して、外部負荷154が電気的に接続される。
本実施形態に係る活性化装置40は、基本的には以上のように構成される。次に、本実施形態に係る活性化装置40の効果について説明する。
MEA10を活性化する場合、はじめに、作業者は、単位セルに組み上げられる前のMEA10と治具42とを交互に積層する。これにより積層体44が形成される。積層体44は、第1入口連通路56a、第1出口連通路58a、第2入口連通路60a及び第2出口連通路62aを有する。第1入口連通路56a、第1出口連通路58a、第2入口連通路60a及び第2出口連通路62aは、積層方向に沿って延びる。
作業者は、第1入口連通路56aに第1ガスライン90を接続し、且つ第1出口連通路58aに第2ガスライン100を接続する。同様に、作業者は、第2入口連通路60aに第3ガスライン110を接続し、且つ第2出口連通路62aに第4ガスライン120を接続する。
この状態で、作業者は、制御部134に対して「活性化を開始する」との指令信号を付与する。この指令信号に基づき、制御部134は、先ず、第1流路64及び第2分岐路74内の空気を湿潤窒素ガスに置換する。
指令信号が付与された制御部134は、第1三方バルブ96を、窒素ガス供給部94が第1ガスライン90に連通する方向に動作させる。且つ制御部134は、第2三方バルブ116を、窒素ガス供給部112が第3ガスライン110に連通する方向に動作させる。また、制御部134は、第1排気バルブ102及び第2排気バルブ122を開く。
窒素ガス供給部94から供給された窒素ガスは、第1加湿器98を通過して湿潤窒素ガスとなった後、第1ガスライン90を流通する。湿潤窒素ガスは、治具42の第1入口連通路56a(第1入口56)を経て、第1流路64に流入する。湿潤窒素ガスは、第1入口56から第1分配路66に移動し、次に、第1分配路66から第1分岐路68に分配される。湿潤窒素ガスの一部は、第1分岐路68を流通する最中、第1MEA10aのアノード電極16の第2ガス拡散層24を経て第2電極触媒層22に到達する。これにより、アノード電極16及び電解質膜12に湿分が付与される。
第1分岐路68を流通した余剰の湿潤窒素ガスは、第1集合路70で合流する。合流した湿潤窒素ガスは、第1集合路70から第1出口58(第1出口連通路58a)に移動する。湿潤窒素ガスは、さらに、第2ガスライン100に流入した後、第1排気バルブ102を通過して第1排気ライン104から排出される。
窒素ガス供給部112から供給された窒素ガスは、第2加湿器118を通過して湿潤窒素ガスとなった後、第3ガスライン110を流通する。湿潤窒素ガスは、治具42の第2入口連通路60a(第2入口60)を経て、第2流路72(第2分岐路74)に流入する。湿潤窒素ガスの一部は、第2分岐路74を流通する最中、第2MEA10bのカソード電極14の第1ガス拡散層20を経て第1電極触媒層18に到達する。これにより、カソード電極14及び電解質膜12に湿分が付与される。
第2分岐路74を流通した余剰の湿潤窒素ガスは、例えば、第2出口62(第2出口連通路62a)で合流する。合流した湿潤窒素ガスは、第4ガスライン120に流入した後、第2排気バルブ122を通過して第2排気ライン124から排出される。
以上により、第1流路64及び第2流路72から空気が排出されて湿潤窒素ガスに置換される。所定時間の経過後、制御部134は、第1三方バルブ96を、水素ガス供給部92が第1ガスライン90に連通する方向に動作させる。
水素ガス供給部92から供給された水素ガスは、第1加湿器98を通過して湿潤水素ガス(第1湿潤ガス)となった後、治具42の第1入口連通路56a(第1入口56)を経て、第1流路64に流入する。第1湿潤ガスが第1流路64を流通する最中、第1湿潤ガスの一部が、第1MEA10aのアノード電極16の第2ガス拡散層24を経て第2電極触媒層22に到達する。従って、アノード電極16及び電解質膜12への湿分の付与が継続される。第1流路64を流通した余剰の第1湿潤ガスは、第1出口連通路58aから第2ガスライン100に移動した後、第1排気バルブ102を通過して第1排気ライン104から排出される。この第1湿潤ガスを、図示しない回収機構で回収してもよい。
また、制御部134は、第2三方バルブ116を切り替え、窒素ガス供給部112と第3ガスライン110との連通を遮断し、且つ酸化剤ガス供給部114と第3ガスライン110とを連通させる。これにより、酸素ガスを含んだ酸化剤ガス(典型的には圧縮空気)が供給される。酸化剤ガスは、第2加湿器118を通過して湿潤酸化剤ガス(第2湿潤ガス)となった後、治具42の第2入口連通路60aを経て、第2流路72(第2分岐路74)に流入する。
第2湿潤ガスの一部は、第2分岐路74を流通する最中、第2MEA10bのカソード電極14の第1ガス拡散層20を経て第1電極触媒層18に到達する。従って、カソード電極14及び電解質膜12への湿分の付与が継続される。第2分岐路74を流通した余剰の第2湿潤ガスは、第2出口連通路62aを経て第4ガスライン120に流入する。その後、第2湿潤ガスは、第2排気バルブ122を通過して第2排気ライン124から排出される。
第2湿潤ガスが第2分岐路74を流通する最中、第2湿潤ガスの別の一部が、第1蓄熱部80及び第2蓄熱部82に個別に進入する。第2湿潤ガスの温度が数十℃~百数十℃であるので、この進入に伴い、第1蓄熱部80及び第2蓄熱部82が熱をそれぞれ蓄える。上記したように、第2蓄熱部82の蓄熱容量は、第1蓄熱部80の蓄熱容量よりも大きい。なお、第1蓄熱部80及び第2蓄熱部82に進入した第2湿潤ガスは、これら蓄熱部の内部に一時的に滞留する。
この場合、アノード電極16の第2電極触媒層22では、水素が電離してプロトン及び電子が生じる。プロトンは、電解質膜12内を伝導し、カソード電極14の第1電極触媒層18に到達する。電子は、外部負荷154を経由してカソード電極14の第1電極触媒層18に到達する。該第1電極触媒層18では、酸素、プロトン及び電子が化学的に結合し、水が生成される。
上記した電気化学反応は、発熱反応である。すなわち、MEA10が熱を帯びる。この熱が第1湿潤ガス及び第2湿潤ガスに伝達されると、第1湿潤ガス及び第2湿潤ガスの温度が上昇する。このとき、ヒートパイプ52は、第1湿潤ガス及び第2湿潤ガスから熱を奪う。このように、ヒートパイプ52は、通常、第1湿潤ガス及び第2湿潤ガスをそれぞれ冷却する。
制御部134は、MEA10のセル電圧に関する情報信号を常時受信している。制御部134は、セル電圧に基づいて濃度過電圧を求める。MEA10内の湿度の上昇に基づいて濃度過電圧が所定の上限値に到達したことを認識した制御部134は、「MEA10の加湿状態は、適正の上限である」と判断する。
制御部134には、アノード差圧計142によって測定された差圧と、カソード差圧計144によって測定された差圧とがさらに入力される。上記したように、アノード差圧計142によって測定された差圧は、第1流路64におけるアノード電極16への入口と、第1流路64におけるアノード電極16からの出口との差圧に等しい。カソード差圧計144によって測定された差圧は、第2分岐路74におけるカソード電極14への入口と、第2分岐路74におけるカソード電極14からの出口との差圧に等しい。どちらかの差圧が所定の上限値に到達した場合にも、制御部134は、「MEA10の加湿状態は、適正の上限である」と判断する。
上記のように判断した制御部134は、ヒートパイプ52の温度を上昇させる。具体的に、制御部134は、熱供給部54の発熱量を増加させることで、熱供給部54からヒートパイプ52に伝達される熱量を増加させる。
この制御により、ヒートパイプ52から第1湿潤ガス及び第2湿潤ガスに付与される熱量が増加する。従って、第1湿潤ガスにおける実質的な露点温度及び第2湿潤ガスにおける実質的な露点温度が高くなる。その結果、第1湿潤ガス及び第2湿潤ガスにおいて、凝縮が起こり難くなる。これにより、第1流路64及び第2流路72内の各々の液水量が徐々に低減する。液水量が低減することに伴い、セル電圧に基づいて求められる濃度過電圧が小さくなる。
ここで、第1湿潤ガスにおける実質的な露点温度とは、第1流路64の各箇所における第1湿潤ガスの局所的な露点温度である。同様に、第2湿潤ガスにおける実質的な露点温度とは、第2流路72の各箇所における第2湿潤ガスの局所的な露点温度である。第1湿潤ガス及び第2湿潤ガスの各々の実質的な露点温度は、ヒートパイプ52から第1湿潤ガス及び第2湿潤ガスの各々に付与される熱量によって定まる。
第1流路64及び第2分岐路74内の各々の液水量が過度に低減した場合、電解質膜12が乾燥する懸念がある。そこで、制御部134は、濃度過電圧が所定の下限値に到達したとき、「MEA10の加湿状態は、適正の下限である」と判断する。なお、制御部134は、第1ガスライン90と第2ガスライン100との差圧が所定の下限値に達したときにも上記と同様に判断する。
上記のように判断した制御部134は、ヒートパイプ52の温度を低下させる。具体的に、制御部134は、熱供給部54の発熱量を減少させることで、熱供給部54からヒートパイプ52に伝達される熱量を減少させる。
この制御により、ヒートパイプ52から第1湿潤ガス及び第2湿潤ガスに付与される熱量が減少する。従って、第1湿潤ガスにおける実質的な露点温度及び第2湿潤ガスにおける実質的な露点温度が低くなる。その結果、第1湿潤ガス及び第2湿潤ガスにおいて、凝縮が起こり易くなる。これにより、第1流路64及び第2流路72内の各々の液水量が徐々に増加する。液水量が増加することに伴い、セル電圧に基づいて求められる濃度過電圧が大きくなる。また、第1ガスライン90と第2ガスライン100との差圧が増大する。
ヒートパイプ52は、熱付与又は熱付与停止に対する応答速度が大きい。従って、熱供給部54からヒートパイプ52に熱が付与されたとき、第1流路64内の第1湿潤ガスの温度と、第2流路72内の第2湿潤ガスの温度とが迅速に上昇する。これとは逆に、熱供給部54からヒートパイプ52への熱の付与が停止されたとき、第1流路64内の第1湿潤ガスの温度と、第2流路72内の第2湿潤ガスの温度とが迅速に下降する。
以上のようにして、第1湿潤ガス及び第2湿潤ガスの各温度が迅速に調節される。すなわち、第1湿潤ガス及び第2湿潤ガスの各々の温度を略一定に維持することができる。従って、第1流路64及び第2流路72の各々における液水量を適正量に保つことができるので、フラッディングが起こることが回避される。このように、本実施形態によれば、複数個のMEA10を同時に活性化する場合において、治具42の第1流路64及び第2流路72にフラッディングが起こることを防止することができる。
その結果、アノード電極16の第2電極触媒層22に十分な量の第1湿潤ガスが到達し、且つカソード電極14の第1電極触媒層18に十分な量の第2湿潤ガスが到達する。これにより、MEA10を十分に活性化することができる。
加えて、第2分岐路74の途中には、第1蓄熱部80及び第2蓄熱部82が形成されている。第1蓄熱部80及び第2蓄熱部82には、第2湿潤ガスが進入することに伴って熱が蓄えられている。従って、第2分岐路74を流通する第2湿潤ガスに対し、第1蓄熱部80及び第2蓄熱部82から熱が伝達される。第2蓄熱部82の蓄熱容量が第1蓄熱部80の蓄熱容量よりも大きいので、第2湿潤ガスには、第2出口62に接近するにつれて大きな熱量が付与される。
従って、この態様では、第2湿潤ガスが第2出口62に近接するにつれて該第2湿潤ガスに大きな熱量が付与される。従って、第2流路72において、ヒートパイプ52からの熱の付与量が急速に低減した場合であっても、特に第2出口62の近傍で、実質的な露点温度が低下することが回避される。従って、第2流路72においてフラッディングが起こることが抑制される。すなわち、複数個のMEA10を同時に活性化する場合においても、フラッディングを防止することが容易である。
また、この態様では、第2出口62に近接するにつれて蓄熱部の蓄熱容量を大きくしている。このため、第2流路72では、第2入口60から第2出口62に向かって露点温度が高くなる。すなわち、第2流路72では、第2湿潤ガスの上流から下流となるにつれて、実質的な露点温度に正の勾配が形成される。このため、第2流路72において第2湿潤ガスの実質的な露点温度が低下したときであっても、第2流路72の全体にわたって凝縮水(液水)が生じることが抑制される。
さらに、この態様においては、第2流路72では第2出口62の近傍で実質的な露点温度が最も高くなる。従って、第2出口62では凝縮水が生じ難い。このため、第2出口62が凝縮水で閉塞されることが回避される。従って、第2流路72の途中で生じた凝縮水を、第2出口62から速やかに排出することができる。
以上のようにしてMEA10の活性化が終了した後、制御部134は、第1三方バルブ96を制御することで、水素ガス供給部92と第1ガスライン90との連通を遮断し、且つ窒素ガス供給部94と第1ガスライン90とを連通させる。また、制御部134は第2三方バルブ116を制御し、第3ガスライン110と酸化剤ガス供給部114との連通を遮断し、且つ第3ガスライン110と窒素ガス供給部112とを連通させる。
この状態で、窒素ガス供給部94から第1流路64に窒素ガスが供給され、且つ窒素ガス供給部112から第2流路72に窒素ガスが供給される。窒素ガスは湿潤窒素ガスとなり、アノード電極16及びカソード電極14に供給される。湿潤窒素ガスは、第2ガスライン100及び第4ガスライン120を経て第1排気バルブ102及び第2排気バルブ122からそれぞれ排出される。以上により、第1流路64及び第2流路72が湿潤窒素ガスで置換される。
本実施形態では、ヒートパイプ52が第1分岐路68及び第2分岐路74に対して直交する方向に延びる態様を例示している。しかしながら、ヒートパイプ52の延びる方向はこれに特に限定されない。例えば、図6及び図7に示すように、ヒートパイプ52は、第1分岐路68及び第2分岐路74に対して平行に延びていてもよい。なお、図6及び図7において、図1~図5に示される構成要素と同一の構成要素には同一の参照符号を付している。
この態様では、熱供給部54を、例えば、第1入口56と第2出口62との間に配置することが可能である。この場合、熱供給部54の少なくとも一部(好ましくは全部)が治具42内に収まる。このため、活性化装置40の小型化を図ることができる。
以上説明したように、本実施形態は、燃料電池を構成するアノード電極(16)及びカソード電極(14)の間に電解質膜(12)が挟まれた電解質膜・電極構造体(10)を活性化するための活性化装置(40)において、互いの間に前記電解質膜・電極構造体を挟んだ状態で積層される複数個の治具(42)と、前記複数個の治具の各々に設けられたヒートパイプ(52)と、前記ヒートパイプに熱を付与する熱供給部(54)と、前記熱供給部から前記ヒートパイプに付与される熱を制御する制御部(134)と、第1活性化ガスを供給する第1活性化ガス供給源と、第2活性化ガスを供給する第2活性化ガス供給源と、を備え、前記複数個の治具の各々は、前記アノード電極を向く第1面(46)と、前記カソード電極を向く第2面(48)と、該複数個の治具の積層方向に沿って延び且つ前記第1活性化ガスが流入する第1入口(56)と、前記第1面に沿って延び且つ前記第1入口に連通する第1流路(64)と、前記積層方向に沿って延び且つ前記第1流路を流通した前記第1活性化ガスが流出する第1出口(58)と、前記積層方向に沿って延び且つ前記第2活性化ガスが流入する第2入口(60)と、前記第2面に沿って延び且つ前記第2入口に連通する第2流路(72)と、前記積層方向に沿って延び且つ前記第2流路を流通した前記第2活性化ガスが流出する第2出口(62)と、を有し、前記第1流路及び前記第2流路は、前記ヒートパイプに対して平行又は交差する方向に延び、前記複数個の治具の各々の前記第1面又は前記第2面を見たとき、前記第1入口、前記第1出口、前記第2入口及び前記第2出口は、前記ヒートパイプの延在方向において互いに離間し、且つ前記延在方向に直交する方向において互いに離間する、活性化装置を開示する。
ヒートパイプは、入熱又は出熱に対する応答速度が大きい。従って、ヒートパイプと、第1活性化ガス及び第2活性化ガスとの間で熱を授受することで、第1活性化ガス及び第2活性化ガスの各々の温度を迅速に調節することができる。すなわち、第1活性化ガス及び第2活性化ガスの各々の温度が所定の範囲内に調節される。
これにより、第1活性化ガス及び第2活性化ガスの実質的な露点温度が適切な温度範囲に調整される。その結果、治具における第1流路及び第2流路の液水量が適切な範囲に保たれる。従って、第1流路及び第2流路においてフラッディングが生じることを回避しつつ、複数個の電解質膜・電極構造体に対して適切に湿分を付与することが可能である。このようにして、複数個の電解質膜・電極構造体を同時に活性化することができる。
本実施形態は、前記第1流路は複数個の第1分岐路(68)を有し、前記複数個の第1分岐路は、前記第1入口又は第1分配路(66)から分岐し且つ第1集合路(70)又は前記第1出口で集合し、前記第2流路は複数個の第2分岐路(74)を有し、前記複数個の第2分岐路は、前記第2入口又は第2分配路(76)から分岐し且つ第2集合路(78)又は前記第2出口で集合する、活性化装置を開示する。
第1分岐路及び第2分岐路により、電解質膜・電極構造体における広範囲に第1活性化ガス及び第2活性化ガスを到達させることができる。すなわち、電解質膜・電極構造体を広範囲にわたって活性化することができる。また、第1分岐路を集合させることで、第1活性化ガスが流入する第1入口が1箇所に集約される。第1活性化ガスが流出する第1出口も1箇所に集約される。第2分岐路についても同様である。従って、治具の小型化を図ることができる。
しかも、複数個の治具を積層したとき、第1入口、第1出口、第2入口及び第2出口の位置を揃えることで、治具の積層方向に延びる第1入口連通路、第1出口連通路、第2入口連通路及び第2出口連通路を容易に形成することができる。
本実施形態は、前記第1流路又は前記第2流路の少なくともいずれかに設けられた蓄熱部(80、82)を有する、活性化装置を開示する。
ヒートパイプは、熱付与又は熱付与停止に対する応答速度が大きい。従って、活性化装置のガス流路を流通する活性化ガスの温度をヒートパイプで制御した場合、活性化ガスの局所的な温度(実質的な露点温度)が略均一となると推測される。この場合において、ヒートパイプから活性化ガスに付与される熱量が急速に低下したとき、ガス流路内における活性化ガスの実質的な露点温度が一斉に低下して、ガス流路の全体にわたって凝縮水が発生することがあり得る。この現象に起因して、熱の入出に対するヒートパイプの応答速度が大きいにも拘わらず、フラッディングが起こることが想定される。特に、トラック等の大型車両に搭載される燃料電池スタックでは、MEAが大型化する。このようなMEAを活性化する場合、活性化装置におけるガス流路の流路長が比較的長くなる。流路長が長いガス流路において凝縮水が発生すると、その発生量が多いのでフラッディングが発生し易くなる懸念がある。
これに対し、蓄熱部を設けた態様においては、ガス流路を流通する活性化ガスに対し、蓄熱部の熱が伝達される。この熱伝達に伴い、活性化ガスの実質的な露点温度が上昇する。その結果、ガス流路内で水蒸気が凝縮することが一層抑制される。従って、フラッディングを防止することが一層容易である。
本実施形態は、前記蓄熱部は、前記第1流路又は前記第2流路を起点として該第1流路又は該第2流路から離間するように凹んだ1個以上の凹部である、活性化装置を開示する。
この場合、凹部に活性化ガスが進入する。活性化ガスは数十℃~百数十℃であるので、蓄熱部が熱を蓄える。このように、この構成によれば、蓄熱部を構成することが容易である。
本実施形態は、前記蓄熱部は、前記第1流路又は前記第2流路を起点として該第1流路又は前記第2流路から離間するように凹んだ2個以上の凹部であり、前記2個以上の凹部の蓄熱容量が互いに相違し、前記2個以上の凹部は、前記第1流路において前記第1入口から前記第1出口に向かって、蓄熱容量が小さい凹部から蓄熱容量が大きい凹部の順で並ぶか、又は、前記第2流路において前記第2入口から前記第2出口に向かって、蓄熱容量が小さい凹部から蓄熱容量が大きい凹部の順で並ぶ、活性化装置を開示する。
この場合、第1流路又は前記第2流路(ガス流路)の上流から下流となるにつれて実質的な露点温度が高くなる。すなわち、実質的な露点温度に正の温度勾配が形成される。このため、ガス流路の入口から出口に向かうに従って、活性化ガスから凝縮水が発生し難くなる。このような理由から、ガス流路の全体にわたって一斉に凝縮水が発生することが回避される。しかも、ガス流路の出口近傍で実質的な露点温度を高くすることができるので、ガス流路の出口において凝縮水の発生が抑制される。従って、ガス流路の出口が凝縮水で閉塞されることが回避される。このため、ガス流路の途中で活性化ガスから凝縮水が発生する状況であっても、該凝縮水を速やかに出口から排出することができる。
特に、発電エージングでは、活性化の進行に伴って、カソード電極において水が生成される。このため、フラッディングは、カソード電極を向く第2流路の第2出口近傍で発生し易い。しかしながら、上記の構成においては、第1流路又は第2流路を流通して第1出口近傍又は第2出口近傍に到達した活性化ガスに対し、第1出口近傍又は第2出口近傍に位置する蓄熱部から大きな熱量を付与することが可能である。このため、出口近傍で活性化ガスの実質的な露点温度が低下することを回避することができる。これにより、フラッディングが発生することが一層抑制される。
本実施形態は、前記第1流路及び前記第2流路と前記ヒートパイプとが交差するように延び、且つ前記熱供給部が前記ヒートパイプの前記延在方向の端部に配置される、活性化装置を開示する。
本実施形態は、前記第1流路及び前記第2流路と前記ヒートパイプとが平行に延び、且つ前記熱供給部が前記第1入口、前記第1出口、前記第2入口、前記第2出口のうち2個の間に配置される、活性化装置を開示する。
いずれの場合においても、治具からの熱供給部の突出量を小さくすることが可能である。従って、治具及び活性化装置の小型化を図ることができる。
典型的には、第1入口及び第1出口は、互いに対角となる位置に形成される。第2入口及び第2出口も同様に、互いの対角となる位置に形成される。すなわち、本実施形態は、前記第1入口と前記第1出口とが対角の位置関係にあり、且つ前記第2入口と前記第2出口とが対角の位置関係にある、活性化装置を開示する。
この場合、アノード電極の全体にわたって第1活性化ガスを万遍なく接触させることが容易である。同様に、カソード電極の全体にわたって第2活性化ガスを万遍なく接触させることが容易である。従って、MEAを全体にわたって略均等に活性化することができる。
なお、本発明は、上述した開示に限らず、本発明の要旨を逸脱することなく、種々の構成を採り得る。
10、10a、10b…電解質膜・電極構造体 12…電解質膜
14…カソード電極 16…アノード電極
40…活性化装置 42…治具
44…積層体 46…第1面
48…第2面 52…ヒートパイプ
54…熱供給部 56…第1入口
56a…第1入口連通路 58…第1出口
58a…第1出口連通路 60…第2入口
60a…第2入口連通路 62…第2出口
62a…第2出口連通路 64…第1流路
66…第1分配路 68…第1分岐路
70…第1集合路 72…第2流路
74…第2分岐路 76…第2分配路
78…第2集合路 80…第1蓄熱部
82…第2蓄熱部 90…第1ガスライン
92…水素ガス供給部 98…第1加湿器
100…第2ガスライン 110…第3ガスライン
114…酸化剤ガス供給部 118…第2加湿器
120…第4ガスライン 130…電気パラメータ検出部
134…制御部 136…電圧測定器
140…圧力パラメータ検出部 142…アノード差圧計
144…カソード差圧計 154…外部負荷

Claims (8)

  1. 燃料電池を構成するアノード電極及びカソード電極の間に電解質膜が挟まれた電解質膜・電極構造体を活性化するための活性化装置において、
    互いの間に前記電解質膜・電極構造体を挟んだ状態で積層される複数個の治具と、
    前記複数個の治具の各々に設けられたヒートパイプと、
    前記ヒートパイプに熱を付与する熱供給部と、
    前記熱供給部から前記ヒートパイプに付与される熱を制御する制御部と、
    第1活性化ガスを供給する第1活性化ガス供給源と、
    第2活性化ガスを供給する第2活性化ガス供給源と、
    を備え、
    前記複数個の治具の各々は、前記アノード電極を向く第1面と、
    前記カソード電極を向く第2面と、
    該複数個の治具の積層方向に沿って延び且つ前記第1活性化ガスが流入する第1入口と、
    前記第1面に沿って延び且つ前記第1入口に連通する第1流路と、
    前記積層方向に沿って延び且つ前記第1流路を流通した前記第1活性化ガスが流出する第1出口と、
    前記積層方向に沿って延び且つ前記第2活性化ガスが流入する第2入口と、
    前記第2面に沿って延び且つ前記第2入口に連通する第2流路と、
    前記積層方向に沿って延び且つ前記第2流路を流通した前記第2活性化ガスが流出する第2出口と、
    を有し、
    前記第1流路及び前記第2流路は、前記ヒートパイプに対して平行又は交差する方向に延び、
    前記複数個の治具の各々の前記第1面又は前記第2面を見たとき、前記第1入口、前記第1出口、前記第2入口及び前記第2出口は、前記ヒートパイプの延在方向において互いに離間し、且つ前記延在方向に直交する方向において互いに離間する、活性化装置。
  2. 請求項1記載の活性化装置において、前記第1流路は複数個の第1分岐路を有し、前記複数個の第1分岐路は、前記第1入口又は第1分配路から分岐し且つ第1集合路又は前記第1出口で集合し、前記第2流路は複数個の第2分岐路を有し、前記複数個の第2分岐路は、前記第2入口又は第2分配路から分岐し且つ第2集合路又は前記第2出口で集合する、活性化装置。
  3. 請求項1又は2記載の活性化装置において、前記第1流路又は前記第2流路の少なくともいずれかに設けられた蓄熱部を有する、活性化装置。
  4. 請求項3記載の活性化装置において、前記蓄熱部は、前記第1流路又は前記第2流路を起点として該第1流路又は該第2流路から離間するように凹んだ1個以上の凹部である、活性化装置。
  5. 請求項3記載の活性化装置において、前記蓄熱部は、前記第1流路又は前記第2流路を起点として該第1流路又は前記第2流路から離間するように凹んだ2個以上の凹部であり、
    前記2個以上の凹部の蓄熱容量が互いに相違し、
    前記2個以上の凹部は、前記第1流路において前記第1入口から前記第1出口に向かって、蓄熱容量が小さい凹部から蓄熱容量が大きい凹部の順で並ぶか、又は、前記第2流路において前記第2入口から前記第2出口に向かって、蓄熱容量が小さい凹部から蓄熱容量が大きい凹部の順で並ぶ、活性化装置。
  6. 請求項1記載の活性化装置において、前記第1流路及び前記第2流路と前記ヒートパイプとが交差するように延び、且つ前記熱供給部が前記ヒートパイプの前記延在方向の端部に配置される、活性化装置。
  7. 請求項1記載の活性化装置において、前記第1流路及び前記第2流路と前記ヒートパイプとが平行に延び、且つ前記熱供給部が前記第1入口、前記第1出口、前記第2入口、前記第2出口のうち2個の間に配置される、活性化装置。
  8. 請求項1記載の活性化装置において、前記第1入口と前記第1出口とが対角の位置関係にあり、且つ前記第2入口と前記第2出口とが対角の位置関係にある、活性化装置。
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